写真  DEEP SEA DIVER / History Speaks
 ・2012 Deep Sea Diver    7 00261 35776 8

本国では結構 "来ている" バンド・・・

このアルバムは、ワシントン州シアトルで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドDEEP SEA DIVERの2枚目('09年の[New Caves-EP]を含む)のアルバムで '12年2月24日に本国でのリリースです。
このアルバムでのDEEP SEA DIVERのメンバーは、JESSICA・DOBSON:ヴォーカル/ギター/キーボード、JOHN・RAINES:ベース、PETER・MANSEN:ドラムの3人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DEEP SEA DIVERの3人の他、SEAN・WALKER(THE DELTA SPIRIT):ギター/ヴィブラフォン、STEPHEN・HODGES(TOM WAITS BAND):パーカッション、DUSTIN・LOVELISS:バック・ヴォーカル、BRIAN・EICHELBERGER:ストリングス/アレンジ、BETH・VANDER・POL:ストリングス、GRACE・YOO:ストリングスのシアトルのミュージシャン達が参加しています。 尚、プロデュースは、カリフォルニアとN.Y.を中心に活動しているMATT・WIGNALLとDEEP SEA DIVERの共同で行われています。

1曲目"Ships"(3:55) 忍び足の音を表現したようなギターのサウンドがイントロから響く乗りの好いギター・ポップな曲です。ライヴでも良く演奏されているこのJESSICA率いるDEEP SEA DIVERの神髄を感じます。
2曲目"Weekend Wars"(3:45) この曲も少しダークな雰囲気を醸し出す曲です。パロディ音楽やT.V.の娯楽番組のテーマソングのような持ち味も感じます。
3曲目"NWO"(3:19) 今度は、アップライト・ピアノを使ってのメロディアスな流れを感じさせる曲です。アグレッシヴなベースとギター・サウンドが鋭く響く間奏がDEEP SEA DIVERらしいですね。
4曲目"The Watchmen"(3:36) JESSICAのアップライト・ピアノによる弾き語りによる落ち着いた調べの曲です。途中より登場するサックス風のサウンドが切なくJESSICAの歌声を包み込みます。
5曲目"You Go Running"(4:09) 長いギターのトレモノ・サウンドが心地好いJESSICA好みらしい彼女の笑い声や叫び声が随所に登場するこの曲も乗り好さを直に感じさせる曲です。ライヴなどで演奏されれば一発でのDEEP SEA DIVERの虜になること間違いなしでしょう。
6曲目"Keep It Moving"(2:59) 70年代のイギリスやオーストラリアから登場したニュー・ウェーヴのバンドの持つ捻くれ者系のサウンド似を感じさせる曲です。前後左右に揺れるビートや酒場音楽(パブロック)の和気あいあいとした雰囲気も感じます。
7曲目"Why Must A Man Change?"(4:20) 男性陣にはちょっと耳が痛いタイトルの曲ですね。JESSICAの奏でるギターのサウンドと彼女の歌声によってその謎が解き明かされるのです。
8曲目"Tracks Of The Green Line"(5:32) アコースティック・ギターの爪弾きとアップライト・ピアノの調べによりシンプルなサウンドの曲です。ゆったり歌うJESSICAの歌声とその美しさに聴き入ることにしましょう。
9曲目"History Speaks"(6:13) PETER・MANSENのドラムのビートに促され登場するJESSICAの妖艶な歌声が堪らいない曲です。印象的なキーボードのサウンドや終焉に登場するアグレッシヴなドラムとベースのサウンドのやはりDEEP SEA DIVERらしさでしょう。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:37分53秒 (日本ではまだまだ無名のDEEP SEA DIVER、本国では結構 "来ている" バンドなのです)'16年10月30日更新


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写真  DEEP SEA DIVER / Always Waiting EP
 ・2014 Deep Sea Diver    8 59713 08172 7

ライヴ・バンドとしての実力・・・

このアルバムは、ワシントン州シアトルで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドDEEP SEA DIVERの3枚目('09年の[New Caves-EP]を含む)のアルバムで '14年9月2日に本国でのリリースです。
DEEP SEA DIVERのメンバーは、JESSICA・DOBSON:ヴォーカル/ギター/キーボード、GARRETT・GUE:ベース/バック・ヴォーカル、ELLIOT・JACKSON:キーボード/ギター/バック・ヴォーカル、PETER・MANSEN:ドラムの4人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DEEP SEA DIVERの4人の他、KEVIN・BARRANS:(演奏楽器不明)ヴォーカル/バンジョー、STEVE・MARION:(演奏楽器不明)、LUKE・VANDER・POL:(演奏楽器不明)のシアトルのミュージシャン達が参加しています。 尚、プロデュースは、シアトルとロス・アンゼルスを中心に活動しているLUKE・VANDER・POLとDEEP SEA DIVERの共同で行われています。

1曲目"Always Waiting "(5:07) 古びたアコースティック・ギターの爪弾きに合わせて優しく歌うJESSICAの心地好い曲です。後半からのアグレッシヴさを増したドラマチックなサウンドへと誘います。
2曲目"Juno Song"(4:20) イントロの電子ピアノの音色から引き込まれる曲です。シンプルなメロディとアコースティックなサウンドの曲なのですが、叙情たっぷりに歌うJESSICAの歌声が更に印象的になります。曲の内容とは関係無いのですが、収録中にJESSICAのカウントダウンでイントロが始まるので一発収録風ではないでしょうか。
3曲目"One by One"(3:58) 打撃的なドラムのビートが特徴的な軽めの曲ですが、途中よりのエッジの効いたアグレッシヴなサウンドの展開が小気味よいですね。
4曲目"All Chalked Up"(4:32) JESSICAのエレクトリック・ギター1本での爪弾きによるブルースぽい曲です。もともとは '09年頃の"All Chalked Up And Spitting Dust" と呼ばれライヴアコースティック・バージョンで良く演奏されていたようです。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:17分59秒 (ライヴ・バンドとしても実力発揮しているDEEP SEA DIVER、最新アルバムをリリースした後、全米をツアー中です)'16年8月20日更新


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写真  DEEP SEA DIVER / Secrets
 ・2016 High-Beam Records.    HBR001

オルタナティヴなJOAN・JETT?・・・

このアルバムは、ワシントン州シアトルで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドDEEP SEA DIVERの4枚目('09年の[New Caves-EP] '14年の[Always Waiting-EP]を含む)のアルバムで '16年2月19日に本国でのリリースです。
DEEP SEA DIVERのメンバーは、JESSICA・DOBSON:ヴォーカル/ギター/キーボード、GARRETT・GUE:ベース/バック・ヴォーカル、ELLIOT・JACKSON:キーボード/ギター/バック・ヴォーカル、PETER・MANSEN:ドラムの4人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DEEP SEA DIVERの4人の他、JAMES・ MERCER:バック・ヴォーカル(3曲目のみ)、CASEY・CHEEVER:ホーン、JAMES・McALISTER:パーカッション、LUKE・VANDER・POL:シーケンス/ストリングス/プロデュース、BRIAN・EICHELBERGER:ストリングス、BETH・VANDER・POL:ストリングスのシアトルとロス・アンゼルスのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、シアトルを中心に活動しているLUKE・VANDER・POLとDEEP SEA DIVERの共同で行われています。

1曲目"Notice Me"(4:36) 多分、ギターのサウンド好きならこのイントロのリフを聴いただけでぐっと捉まれる曲ではないでしょうか。最初は、優しい歌声を聴かせるJESSICAですが、次第に強気なヴォーカルとサイケデリックなギターを聴かせます。
2曲目"Wide Awake"(4:59) 怪しげなサイケデリックなギター・サウンドが響き渡るアグレッシヴな曲です。ドラムのビートとベースのサウンドがご機嫌なドライヴ感を伝えます。
3曲目"Creatures Of Comfort"(4:50) イントロを初めて聴いた時からどこかで聞覚えのあるメロディとリズムの曲です。70年から80年代のエレクトロニカ・ポップ然としたサウンドと間奏の切れ味のあるギター・ソロが非常に印象的です。
4曲目"Secrets"(6:07) 煌くギター、不思議なベースのサウンドと弾けるドラムのビートに合わせて楽し気に歌うJESSICAです。「あなたの初恋を思い出して」と歌う歌詞の方は、結構ロマンチックなようです。
5曲目"Great Light"(3:08) 穏やかにかなでられる電子ピアノのサウンドが響く曲です。アップライト・ピアノの音色も重ねられJESSICAの美しい歌声に華を添えています。
6曲目"See These Eyes"(4:03) このアルバムの曲の中では、ポップ色の強い曲です。メンバーも登場したカラフルなビデオもどうぞ。
7曲目"Always Waiting"(3:14) ポップな曲の後は、しっとりとしたスローな曲です。シンセザイザーとストリングスによる繊細なサウンドを奏でながらJESSICAが「時を待つ女性の心」を歌います。尚、この曲は '14年のEP盤[Always Waiting]のアレンジ替えショート・ヴァージョンとして再収録されています。
8曲目"It Takes A Moment"(4:30) 再びエッジの効いた鋭利なサウンドの曲です。トゲトゲしいギターのサウンドを奏でたと思ったらさっと妖艶な歌声を聴かせるJESSICAは、やはり一筋縄では行かないようですね。
9曲目"Body On The Tracks"(5:18) どことなくオリエンタルな雰囲気を感じるメロディの曲です。GARRETT・GUEの独特のベースのサウンドと歪ませたアグレッシヴなギターは、このDEEP SEA DIVERの魅力が凝縮した1曲となっています。
10曲目"New Day"(3:53) 古びたアップライト・ピアノ1台による演奏に乗せJESSICAが、少し粘り気のあるその特徴的な歌声を切なく聴かせる曲です。次第にホーンと電子ピアノのサウンドが、追い掛ける落ち着いた調べです。
歌詞無し ライナー無し 3折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:44分40秒 (見出しにオルタナティヴなJOAN・JETT?と安直に書いてしまったのですが、JESSICAは、19歳の時に大手 Atlantic Recordsと契約もした実力派です)'16年8月12日更新
2016年度ベスト5


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写真  DERIK NELSON / Stories Told To Skylines
 ・2009 Derik Nelson    8 84501 15753 7

若い人ですがベテランの風格・・・

このアルバムは、ワシントン州出身で現在、ロス・アンゼルスでインディペンデントとして活躍しているS.S.W.DERIK・NELSONの '09年6月本国にてリリースされた4枚目のアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DERIK・NELSON:ヴォーカル/キーボード/ギター/サキソフォンの他、CHRIS・CONOVER:プロデュース、JACK・KOVACS:ギター、TIM・KOBZA:ギター、BERT・GAY:ベース、MATT・JUNG:ベース、MAXIMO・MENDIZABAL:ドラム、JOSE・GURRIA-CARDENAS:ドラム/パーカッション、JACK・STRATTON :シンセサイザー/プログラミング、TEDDY・RAVEN:テナー・サックス、JASON・LOVE:アルト・サックス、NICK・BIANCHINI:トランペット、DAVID・STEDMAN:トランペット、GREG・LINDGREN:サキソフォン、DALTEN・NELSON(DERIKの弟):バック・ヴォーカル、RIANA・NELSON(DERIKの姉/妹?):バック・ヴォーカル、COURTNEY・FORTUNE:ヴォーカル、LEO・PEREZ:ヴァイオリン、RAFAEL・NUGUID:ヴァイオリン、JACKIE・SKARA:ヴィオラ、LAUREN・POSEY:チェロなどDERIKの友人達が参加しています。

1曲目"Pulling"(2:52) 心地好いギターの刻み音とスムーズな響きのDERIKの歌声によるウエスト・コースト・ロックとライトなジャズを上手くミックスさせたような曲です。ホーンの音色とJACK・KOVACSの技ありのギター・ソロがご機嫌ですね。
2曲目"Forget What's Right"(3:47) この曲もサウンドとメロディの流れが素晴らしい曲ですね。アメリカナイズされたグルーヴなリズムとフェンダー系のクリアなギターのリズミカルな爪弾きは、ギター好きには、堪らないのでしょう。
3曲目"Circles"(4:26) アルバムの3曲目は、セオリー通り落ち着いたアコースティック調の曲を収録しています。カントリー調の調べに乗せたDERIK の兄弟達との美しいハーモニーも収録されています。
4曲目"Not Anymore"(3:05) 歯切れ良いギターのサウンドがイントロから流れるポップのサウンドの曲です。アルバムの前半は、ジャズ・ヴォーカル・アルバムだったサウンドから少し違ったギター・サウンドによるロック色を強めた曲がCOURTNEY・FORTUNE収録されています。
5曲目"Fantasy"(3:41) この曲からDERIKがギターからピアノとサックスに持ち替えたスムーズなジャズ・テイストの曲の登場です。70年後半に登場した洒落たメロディとサウンドを聴かせたS.S.W.達から受け継いだサウンドのように思えます。
6曲目"Pick Up The Pace"(3:03) 美しいアコースティック・ギターのメロディアスな響きと柔らかなDERIKの歌声が流れるアダルトなサウンドの曲です。途中よりホーンのサウンドも加わり乗りの良いリズムとグルーヴ感を伝えて来ます。
7曲目"Mr. Wonderful"(4:45) DERIKと同じくロス・アンゼルスで活躍するジャズ・シンガーCOURTNEY・FORTUNEがヴォーカルで参加している曲です。厳かにピアノを弾き始め歌うDERIKに続いて登場するCOURTNEYの歌声の美しいこと… 。
尚、COURTNEYもDERIKのバンド・メンバーと一緒にアルバムを制作中です。
8曲目"It Should've Been Me"(3:58) 軽めのアコースティック・ギターのサウンドによるさらっとした感じで流される曲です。セルフで付けたDERIKのハーモニーからしっとりとしたストリングスの調べも心地好く流れて来ます。
9曲目"Place Your Bets"(3:08) キーボードのファンキーなサウンドと硬い目のドラムのビートによるエレクトロニカ風味を少し取り入れたポップな曲です。この曲でのDERIKの歌声とサウンドは、SEVEN AND THE SUNのSEVENの歌声に通じるものを感じます。
10曲目"Giving You Away"(3:43) 再びDERIKのピアノによる弾き語り形式で収録されたジャズ・ヴォーカル・スタイルの曲です。流れるように奏でられるDERIKのピアノの調べに続いて登場するJACK・KOVACSのご機嫌なギターのリフも堪能します。
11曲目"Wait For Me"(4:16) 引き続きピアノによる弾き語りによる少しテンポを落としたしっとりとした調べの曲です。後半から新進気鋭TEDDY・RAVENのサックスの調べがゴージャスに響いて来ます。
12曲目"Come Down From The Moon"(5:28) ストリングスとピアノの調べによるサウンドトラック然とした曲です。RIANA・NELSONとデュエットによる歌声と流れるようなピアノの調べによる5分を超える収録になっています。
歌詞無し 写真ライナー 3折デジパック仕様 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:46分17秒 (7歳の時にミュージカル[Oliver]の挿入歌を歌って以来、ミュージシャンとして着々とキャリア積んだDERIK、まだ学生のようですが、このアルバムは、ベテランの風格がします)'09年12月15日再更新


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写真  DESTROYER / Kaputt
 ・2011 Merge Records    MRG369

サウンド的には良質のエレクトロニカ・ポップ・・・

このアルバムは、カナダのバンクーバーで活躍しているインディー・ロック・バンドDESTROYERの '11年1月25日に本国でリリースされた9枚目(初期のカセットとEP盤は含まず)のアルバムです。
詳しいクレジットは掲載されていませんが、このアルバム収録時でのDESTROYERのメンバー及び収録に参加しているミュージシャンは、DANIEL・BEJAR:ヴォーカル/ギターシンセサイザー、PETE・BOURNE:ドラム、NICOLAS・BRAGG:ギター、DAVID・CARSWELL:プロデュース、J.P.CARTER:トランペット、JOHN・COLLINS:ギター/ベース/シンセサイザー/ヴィブラホン/パーカッション/バック・ヴォーカル、JOSEPH・SHABASON(DIANA):フルート/サックス、SIBEL・THRASHER:バック・ヴォーカルが参加しています。

1曲目"Chinatown"(3:46) 打ち込みのリズムとアコースティック・ギターの調べが心地好く響くイントロから流れる曲です。ヴォーカルのDANIEL・BEJARが旅した時の思い出を綴ったような歌詞を描いた上になぞられたSIBEL・THRASHERのバック・ヴォーカルの美しいこと。
2曲目"Blue Eyes"(4:07) DANIELの少し舌足らずと言うか滑舌が悪い特徴的なヴォーカルが特徴的な印象を受ける曲です。しかし、この曲にも登場する空間に響くトランペットの調べとSIBELの美しい響きは特筆に値しますね。
3曲目"Savage Night At The Opera"(4:23) この曲は、リズムの流れが非常に感じ良く伝わって来る無機質さを最大限に排除した良質のエレクトロニカ・ポップです。ウイスパー・ヴォイスで聴かせるDANIELの歌声のバックに広がるサウンド群を暫し楽しむことにしましょう。
4曲目"Suicide Demo For Kara Walker"(8:23) 北欧的の荘厳な静けさの中に響くナイロン弦ギターと電子サウンドの広がりで切なさを表現した曲ですが、前半のインストゥルメンタルと後半に登場するDANIELのヴォーカル・パートと2部構成となっています。終焉近くには、フルートや鳴り響くホーンのサウンド群などが圧倒的に攻めて来ます。尚、この曲の歌詞はカリフォルニア出身の芸術家KARA・WALKERのペンとなっています。
5曲目"Poor In Love"(3:26) センチメンタルなDANIELの歌声のバックに広がる空間的なトランペットの調べが堪りません。また、この曲でのギターのサウンドの響き方は、非常にブリット・ロックと言うかバグ・パイプのサウンドに似せたギターのサウンドは非常に印象に残ります。
6曲目"Kaputt"(6:17) 前半部分は、1曲目"Chinatown" と同じリズムとメロディによる歌詞違いで展開され後半部分には、8曲目の"Song Of America" も登場する組曲的な曲です。エレクトロニカ・ポップのキャッチーリズムとメロディが流れるこのアルバムからのキラー・チューンでもあります。
このHPのトップにも貼り付けビデオとして度々登場もしていましたね。
7曲目"Downtown"(3:51) このアルバムから先の"Kaputt" に続いて次のシングル曲をリリースされると推測すれば多分、この曲になると思えるほどキャッチーなリズムとサウンドを感じられる曲です。ドラムのビートやギターのサウンドなどは、80年代のニューウエーヴの影響も感じられます。
8曲目"Song Of America"(4:28) 6曲目タイトル曲でもあるの"Kaputt" の後半部分を独立させたと言うかこの曲の一部が先の曲に登場しているようです。ナイロン弦ギターの落ち着いた調べが長い目のイントロから響く短い歌詞をリフレインで展開させた心地好いリズムが流れる曲です。
9曲目"Day Of Pig(Detail)"(11:17) ヒーリング系のサウンドとメロディによるインストゥルメンタルの前半から自身の伝記と思えるような歌詞の内容を訥々と歌うDANIELのヴォーカル部とインストゥルメンタルと交互に組合わされたスペース・サウンドによるエレクロニカ・ポップです。繰り返しこの曲を聴いていると、どことなくPREFAB SPROUTのイメージと共通するところも感じます。
全9曲歌詞付 ブックレット デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:50分07秒 (余りこのDESTROYERのことは知らないのですが、取り敢えずYOUTUBEの映像から入ってこのアルバムに到達しています)'11年11月13日更新


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写真  DIANA / Perpetual Surrender
 ・2013 JAGJAGUWAR.    JAG242CD

'14年POLARIS AWARDにノミネート・・・

このアルバムは、カナダのトロントで活躍しているインディー・シンセ・ポップ/ロック・バンドDIANAの '13年8月20日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
DIANAのメンバーは、JOSEPH・SHABASON(DESTROYERの[Kaputt]に参加):サックス/キーボード/シンセサイザー/バック・ヴォーカル、KIERAN・ADAMS:ドラム/パーカッション、CARMEN・ELLE(AUSTRA,ARMY GIRLS):ヴォーカル/ギター、PAUL・MATHEW(ツアーより加入):ギター/ベース/バック・ヴォーカルの4人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、残念ながらライナー/クレジット共に記載が無い為不明です。
尚、今回掲載するアルバムは、アメリカよりリリースされたJAGJAGUWARレーベルの盤をレビューしています。

1曲目"Foreign Installation"(4:32) 穏やかに広がるシンセサイザーの調べの中から登場する紅一点CARMEN・ELLE の拗ねたような(coy:はにかみやと表現もされているレビューもありますが)歌声が印象的な曲です。次第に唸るドラム、ベースとギターの3味一体となったサウンドがエモーショナルな盛り上がりを聴かせます。
2曲目"That Feeling"(3:33) スローながらシャープを持ったエレクトロニカの切れの良いサウンドを持った曲です。少しLo-FiにしたCARMENの歌声を囲むように演奏されるドラム、ベースとキーボードのサウンドが心地好く感じます。
3曲目"Perpetual Surrender"(4:46) イントロからぐいっと掴まされたベースとパーカッションに痺れる曲です。間奏で登場するJOSEPH・SHABASONの縦横無尽に響き渡るサックスのサウンドも聴き応えがあります。また、アルバム・リリース前に制作されている非常に摩訶不思議なビデオもどうぞ。
4曲目"Strange Attraction"(3:39) アルバム・リリース後のツアーで良く演奏されているこの曲も掴みを持った曲です。曇りを効かせたCARMENの歌声と重いシンセ・ベースに硬いビートを発するKIERAN・ADAMSのドラムも堪りません。'14年になってからPaper Bag Recordsで制作されたビデオもどうぞ。
5曲目"Anna"(3:58) シンセサイザーのサウンドによるランドスケープ的なイメージのする曲です。ちょっとサンプル音源やCARMENヴォーカル・アレンジが曲の流れを阻害する感じが惜しいですね。
6曲目"Born Again"(3:56) 活字で表現するとチルアウト・ミュージックと言えそうな心地好いサウンドとリズムを感じさせる曲です。JOSEPHのバック・ヴォーカルやCARMENのギターの爪弾きやエキセントリックなギター・サウンドも響きます。また、JIGJIGUWARからリリース前に制作されているビデオもどうぞ。
7曲目"New House"(5:54) この曲もスローなリズムにミニマルなサウンドから入る曲です。レーベル・メイトであるAUSTRAの[Feel It Break]ではギタリストとして参加していたCARMENですが、ヴォーカリストとしても魅力たっぷりな歌声を聴かせます。
8曲目"Curtains"(4:36) 教会で奏でられるハモンドの調べを感じさせるイントロのサウンドが心地好い曲です。穏やかなサウンドにところどころサンプル音源を挟んだインストゥルメンタルでまた違った一面も聴かせます。
歌詞無し ライナー/クレジット無し 3折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:34分54秒 (カナダのPOLARIS AWARD2014年にノミネートされていたこのアルバム、賞は逃したもの強豪相手にデビュー・アルバムでノミネートは凄いのではないでしょうか)'14年9月27日更新


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写真  DIANA / Familiar Touch
 ・2016 CULVERT MUSIC    6 28055 46222 4

好いアルバムに仕上がって・・・

このアルバムは、カナダのトロントで活躍しているシンセ・ポップ・バンドDIANAの2枚目のアルバムで '16年11月18日に本国でのリリースです。
DIANAのメンバーは、JOSEPH・SHABASON:シンセサイザー/サックス/サンプリング、KIERAN・ADAMS:ドラム/ドラム・マシーン/パーカッション/サンプリング、CARMEN・ELLE:ヴォーカル/ギター3人組(写真などでは前のアルバムでの4人組のようですが)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、THOM・GILL:ヴォーカル/ギター/キーボード/シンセサイザー、BRAM・GIELEN:ベース/ベース・シンセサイザー、VINCENT・SPILCHUK:トランペット、GARY・BEALS:ヴォーカル、ALANNA・STUART(BONJAY):ヴォーカル、ROBIN・DANN:ヴォーカルのカナダのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Confession"(4:55) ドラム・マシーンによる固めのビートとファンキーなリズムによる80年代のニューウェーヴ的な曲です。CARMENの奏でるめずらしいYANUZIELLOギターのカッティング・サウンドが心地好く響きます。
2曲目"What You Get"(4:52) '17年になってからこのアルバム・リリースに合わせて行われたライヴ風景を使ったビデオが制作された一押しの曲のようです。準メンバーTHOM・GILLの優しい響きのヴォーカルもこのアルバムからの魅力の一つです。
3曲目"Slipping Away"(4:58) 前の曲でも記したのですが前作と比べて好アルバムに仕上がっているのは、男性ヴォーカルを起用してファンキー/ソウルフルになっているのです。この曲もソウルフルなGARY・BEALSの歌声が好いですね。この曲は、アルバムのリリース前にアニメを使ったビデオが配信されています。
4曲目"Moment Of Silence"(5:11) シンセサイザーによる不思議なサウンドがイントロから広がるエレクトロニカな曲です。CARMENの問いかけるような歌いぶりと探求心から真実を見出そうとする歌詞が気迫を持って迫って来ます。
5曲目"The Coward"(2:44) 前の曲から一転して「臆病者」と題されたスローなリズムの曲です。訥々と言葉を発するCARMENのメランコリックな歌声と電子サウンドの捻りながら駆け上がるような様が響きます。
6曲目"Miharu"(5:19) この曲も80年台のシンセ・ポップなサウンドが響く曲です。イントロのスポーケンは、ニューヨークの作家GREGG・BORDOWITZの著作から引用されているとの事です。やはりこの曲でもGARY・BEALSの歌声が素晴らしいですね。
7曲目"Cry"(5:01) 浮遊感漂うサウンドの流れとベース・シンセサイザーの重い響きが溶け合ったスローな曲です。途中より登場する叫びに似たJOSEPH・SHABASONのサックスと叩きつけるビートの振幅が心に響きます。
8曲目"Helpless"(4:21) シンセサイザーの美しい響きで展開される80年台から大好きだったイギリスのニューキャッスル出身のバンドのサウンドにどことなく似た感じが好きな曲です。
9曲目"These Words"(5:15) この曲もイントロから好い雰囲気を醸し出す曲です。GARY・BEALSとROBIN・DANNのソウルフルでエモーショナルな歌声とTHOM・GILLのエッジの効いたギターの調との調和が見事に響いています。
10曲目"Take It Ove"(5:06) 長いイントロが明けて登場するCARMENの漂うようなソフトな歌声が心地好い曲です。この曲でもTHOM・GILLのヴォーカルが登場し、CARMENの凛とした歌声をバックから支えているのです。
歌詞無し クレジット・ライナー付 2折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:47分47秒 (各曲の項に書いたのですが、前作より外部の男性ヴォーカルを起用してアルバム全体のエモーショナル感がとてもアップしたように思えます)'17年5月28日更新


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写真  DISHWALLA / Opaline
 ・2002 Immergent Records    287009-9

心の内から熱いもの迸らすか如く・・・

カリフォルニア州サンタバーバラで活躍するオルタナティヴ・ロック・バンドのDISHWALLAの3枚目のアルバムです。
このアルバムは通常盤、DVD AUDIO盤、'05年に5.1チャンネルと数種類の盤がリリースされています。ここでは '02年5月にリリースされたDVD AUDIO盤を参考にレビューしています。
DISHWALLAのメンバーは、J.R.RICHARDS:ヴォーカル/ギター/キーボード、RODNEY・BROWNING・CRAVENS:ギター、SCOTT・ALEXANDER:ベース、JIM・WOOD:キーボード/ヴォーカル、PETE・MALONEY:ドラムの5人組みです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DISHWALLAの5人の他、GREGG・WATTENBERG:ギター/プロデュース、BRIAN・SCHEUBLE:プログラミング、RALPH・FARRIS:ヴィオラ/ヴァイオリン/ストリング・アレンジ、LEAH・KATZ:ヴィオラ、VICTOR・LAWRENCE:チェロ、MELISSA・REINER:ヴァイオリン、MARK・ROBERTSON:ヴィオラ/ヴァイオリン、MARK・ROBERTSON:ヴィオラ/ヴァイオリン、VIOLET・SON:ヴァイオリンのストリングス系のミュージシャンが多く参加しています。
尚、この盤には静止画による歌詞の表示とグループによる曲コメントとフォトギャラリーとエクストラでは、スタジオでの曲の収録風景のビデオが収録されています。
但し、通常のCDプレーヤーでは再生不可能です。

1曲目"Opaline"(4:09) 中近東風のパーカッションのリズムとアコースティック・ギターのサウンドによる後半部分はハードコアなサウンドを持った曲ですが、J.R.の優しい歌声がいいですね。尚、Opaline=オパールの意味らしいです。
2曲目"Angels Or Devils"(4:34) アコースティック・ギターを掻き鳴らすイントロに続いて登場するミドル・テンポのJ.R.の少しファルセット気味な歌声によるメロディアス・エモ・ポップな曲です。
3曲目"Somewhere In The Middle"(3:41) 悲しい出来事の実話を題材にした曲です。曲調のほうはエモーショナルに響き渡るギターのサウンドとビートの効いたドラムによる曲です。
4曲目"Every Little Thing"(4:25) スローなギター・サウンドによる心にしみるバラードです。燻し銀のようなJ.R.の歌声が更に悲しみを誘います。
5曲目"When Morning Comes"(3:59) アコースティック・ギターによるイントロから重く響くワイルドなドラムのビートへと自然に移行しサビのエモーショナルなリズムとサウンドの盛り上がりが見事ですね。ライヴ・バンドらしい乗せ方が上手い一面を持っています。
6曲目"Home"(6:08) 美しいメロディを持ったアコースティック・ギター・サウンドを中心にした曲です。J.R.のヴォーカリストとしての才能を垣間見る曲です。後半の美しく響くRODNEYのギター・サウンドも必聴です。
7曲目"Today, Tonight"(3:02) マイナー・コードによるアコースティック・ギターの響き乗せ歌うJ.R.の切ない祈りを込めた歌声による弾き語りに近い曲です。
8曲目"Mad Life"(5:56) ダイナミックに響くドラムとギターのサウンドにエモ・ギターロックです。スローでメロディアスな部分からワイルドな曲調を"ギュ" と1曲に収めた素晴らしい曲です。
9曲目"Candleburn"(4:00) DVDのメニュー画面のBGMに使われている美しいピアノのメロディによる曲です。心の内から熱いもの迸らすか如くに歌うJ.R.の歌声にノックアウトです。
10曲目"Nashville Skyline"(4:39) 広大な大地をドライブする時に似合いそうなスケール感の大きい曲です。ワイルドな中にも美しくメロディアスな部分を合わせ持った曲です。
11曲目"Drawn Out"(4:00) ゆったりしたリズムとメロディによる曲でU2のBONOの歌声に少し似たエモーショナルなJ.R.の歌声と心に響くRODNEYのギターのサウンドが非常に印象的な曲です。
全11曲歌詞付 写真ブックレット 5.1チャンネル・ドルビー・サラウンド仕様 スーパージュエルケース (輸入盤) 収録時間(音楽部分):49分13秒 (個性的なジャケットは、DISHWALLA自身もデザインに参加しているそうです。また、日本でも人気のある彼らのファンサイトも立ち上げられています)'09年12月15日再更新


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写真  DIVE INDEX / Mid/Air
 ・2007 NEUTRAL MUSIC    NM/003

企画性の強いアルバムですが・・・

このアルバムは、N.Y.で活躍している音楽プロデューサー/作曲家WILL・THOMASのユニットDIVE INDEXの '07年9月に本国でリリースされた最初(PLUMBLINE名義は除く)のアルバムです。
各曲にヴォーカリストが招かれて収録された企画性のあるアルバムのようです。
尚、このアルバムに参加しているミュージシャンは、WILL・THOMAS:プロデュース/プログラミング、KEVIN・O'DONNELL:ドラム、MAXIM・MOSTON:ヴァイオリン、JULIA・KENT:チェロ、ROGER・ENO:ストリングス・パーツ、TIMOTHY・O'DONNELL:ギター、DAVID・SHAW:ドラム、C.J.CAMERIERI:フリューゲルホーン、CAT・MARTINO:ヴォーカル、NATALIE・WALKER:ヴォーカル、MERZ(CONRAD・LAMBERT):ヴォーカル、S.SHAW:ヴォーカル、IAN・MASTERS(PALE SAINTS):ヴォーカルのアメリカとU.K.勢のミュージシャンが参加しています。

1曲目"For Centuries"(5:04) 巧みでエモーショナルなドラムのビートに続いて登場するCAT・MARTINOの妖艶でスムーズな歌声が響くダーク・トリップ・ホップな曲です。オルタナテイヴ・フォーク系のCATのアルバムとは一味も二味も違った歌声が興味深いですね。
2曲目"Between Sky And Sea"(4:31) NATALIE・WALKERのヴォーカルの登場です。作曲は、WILL・THOMASに作詞は、NATALIEとなっています。この曲は、NATALIEの持ち味を良く表したダウンテンポの曲になっています。
3曲目"Sole Fisherman"(4:52) CONRAD・LAMBERTの作詞にWILL・THOMASの作曲による曲で、ヴォーカルは、CONRADが執ります。メランコリックなCONRADの歌声に流れるように美しいピアノの調べが絡み合って流れて行きます。
4曲目"The Promise Room"(5:05) 再びCATのヴォーカルの登場です。荒らしたCATの歌声からスムーズ・ラテン系のスローな曲のイメージに変化する曲です。やはりこの曲でもCATの違った一面を感じさせるアレンジです。
5曲目"Second Guessing"(4:59) ヴォーカルは、作詞のS.SHAW(詳細不明)によるループと打ち込みによるミドル・テンポの曲です。一定のリズムを刻むドラム・マシーンとリフレインによる物静かなSHAWの歌声が厳かに響きます。
6曲目"Water In Our Hands"(4:11) 再びCATのヴォーカル曲の登場です。この曲では、もう1人の女性ヴォーカリストのNATALIE・WALKERの少しダークな美しさのある歌声に通じるところを感じさせます。また、N.Y.の新進気鋭のトランペッターC.J.CAMERIERIのフリューゲルホーンも心地好く響きます。
7曲目"Screen To Screen"(4:23) CAT、WILLにギターのTIMOTHY・O'DONNELLによって書かれた曲です。無機質に徹したアンビエント系のギター・サウンドと淡々と歌うCATの歌声によるトリップ・ホップな質感を感じます。
8曲目"Hoko Onchi"(4:56) 驚いたことにこの曲のタイトルは、日本語の「方向音痴」ですね。「Osaka My City…」と歌い始めPALE SAINTSのベーシストIAN・MASTERSの歌声が"クール" に響いて来ます。作詞は、IANで彼自身の経験から来ているのでしょうか...。
9曲目"Come Tell Me"(5:18) 再びCATのヴォーカルによる曲で、スローなリズムにメランコリックなメロディが繰り出させるダウンテンポの流れです。
10曲目"Into Powder"(4:59) 怠惰なリズムの流れに乗せ再びもの静かに歌うS.SHAWのヴォーカル曲です。
11曲目"The World Is Kind"(4:45) 再びNATALIE・WALKERのヴォーカル曲の登場で、歌詞もNATALIE自身によって書かれています。ゆったり歌うNATALIEの歌声が響くサウンドトラック的な音の広がりとエキゾチックなROGER・ENOのストリングスが流れて行きます。
全11曲歌詞付 ライナー無し 三折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:53分08秒 (企画性の強いこのDIVE INDEXのアルバムですが、アルバムに参加しているミュージシャンとの繋がりが興味深いですね)'09年12月17日再更新


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写真  DOUGLAS ARMOUR / The Light Of A Golden Day,
 The Arms Of The Night
 ・2008 The Social Registry    TSR051

ハウス・ビート+ギター・ポップ・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスでインディペンデントとして活躍しているS.S.W.DOUGLAS・ARMOURのデビュー・アルバムです。本国でのリリースはN.Y.のインディペンデント・レーベルThe Social Registryより '08年5月20日となっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DOUGLAS・ARMOUR:ヴォーカル/ギター/ベース/ドラム/プログラミング/プロデュースの他、ANDY・CORONADO:シーケンス、LIZ・JANES:バック・ヴォーカルの少人数での収録です。

1曲目"Not An(other)Unlove Song"(3:50) 打ち込みのリズムによる"クール" な流れに、時折響かせるファンキーなキーボードのサウンドがアクセントとなった曲です。DOUGLASの歌声とエレクトロニカのサウンドからミシガン出身の P.J.OLSSONのサウンドに通じるものを感じます。
2曲目"Fall Apart Again"(3:58) このアルバムからの一押しのポップ・チューンです。シンプルながらギミックなピアノ風のサウンドと少し擦れ気味のDOUGLASの歌声も心地好く響きます。
3曲目"Towards The Light"(3:03) 少しリズムを下げて来たファンク/ソウルなサウンドとリズムの流れに非常に"渋い" ギターのリフが収録されています。ファルセットで歌うDOUGLASの歌声もコンテンポラリー・ブラック・ミュージックからの影響を感じさせます。
4曲目"Trembling, On The Verge"(4:01) 再びテンポをアップ・ビートにして来たハウス/トランス・ミュージックな曲の登場です。唸るビードの波に陶酔させられます。歌声は違うもののサン・フランシスコで活躍中のRUBIESもこの手のサウンドの曲を収録していましたね。
5曲目"Flushed And Flamelike Themselves"(4:02) 今度は、ギターのサウンドを中心としたギター・ポップな曲が登場です。半音を上げながらエモーショナルに響くギターのサウンドに乗せて歌うDOUGLASのイノセント的な歌声が印象的です。
6曲目"Something Sweet"(3:16) 循環ギター・コードによるアコースティック・ギターのサウンドが響くシンプルな曲です。打込みを重視した前半の曲から非常にアコースティックなサウンドによる弾き語りとDOUGLASの2極化した面を感じさせます。
7曲目"The Whole World"(3:57) このアルバムから1番先に気に入った曲です。心地好いリズムと浮遊感のあるサウンドが良いですね。気持ち良くスキャットで歌うDOUGLASの歌声が心に残ります。
8曲目"As Bright As The Stars"(3:56) メルヘンチックなサウンドを発するキーボードの調べと心地好いアコースティック・ギターの調べが響くスローなナンバーです。バックに付けられた美しいハーモニーも心地好く響いて来るのです。
9曲目"Prince Of Wands"(3:27) エコーの効いたギターのサウンドと躍動的なベースのサウンドによるウエスト・コースト・ロックの香りのする曲です。ロス・アンゼルスで活躍して日本でも非常に人気のあったあの人(ヒントはMySpaceでどうぞ)のギター・サウンドからの影響を感じさせます。
10曲目"The Mystery, It Never Lasts"(4:02) 複数のハーモニーで奏でられるアコースティック・ギターの美しい調べが流れる落ち着いた曲調の曲です。バックの女性ヴォーカルLIZ・JANESは、インディアナポリスで活躍中のインディペンデントのS.S.W.です。
歌詞無し ライナー無し 2折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:37分36秒 (京都のレコード・ショップ「HEIGHTS」さんのお薦めアルバムです)'09年12月17日再更新


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写真  DOUGLAS CAMERON / The Consequence Of My Choices
 ・2004/2005 frogdogrocketship music    

DOUGLASの骨太のヴォーカルとギターソロの素晴らしいアルバム・・・

アイダホで活躍するDOUGLAS・CAMERONは、STRANGER NEIGHBORと言うバンドのフロントマンで今まで数枚のアルバムを出しています。このアルバムは、彼のソロ名義で '05年5月21日に本国でのリリースです。DOUGLAS・CAMERON:ギター/べース/ループ/ヴォーカルの他、CASEY・MILLER(CASSIOPIA):ドラム/パーカッション/ベース/ループ/キーボード、JOHN・FRICKE:トランペット/ヴォーカルの少人数の収録です。

1曲目"We"(4:11) アコースティック・ギターのイントロとサンプル音楽の逆回しを合わせた曲で素晴らしいサウンドとDOUGLASの力強いヴォーカルが魅力的な曲です。
2曲目"Cell Phone Song"(3:32) 爽やかなギターによるレゲエのリズムの曲でDOUGLASのヴォーカルとハーモニーの美しい曲です。間奏はウエストコースト風のサウンドとハーモニーです。
3曲目"Once Was"(3:59) LYNYRD・SKYNYRD風の歯切れの良いリズムと心地好いサウンドを持った曲にトランペットの音色をふんだんに使った乗りの良い曲です。
4曲目"Faces"(5:45) アコースティック・ギターよるDOUGLASのヴォーカルをメインとした曲です。間奏でのエッジの効いた伸びやかなDOUGLASのギターソロが非常にかっこ良いサウンドを聴かせてくれます。
5曲目"Moonbath"(3:55) 遠くで響くトランペットの音色とアコースティック・ギターのストロークサウンドが非常にマッチした曲で間奏でのJOHNトランペットソロも素晴らしいです。
6曲目"Blindsided"(2:52) DOUGLASのアコースティック・ギターでの弾き語りから入る曲で次第にサウンドを厚くして行くギターポップスです。
7曲目"Wash"(4:18) アコースティック・ギターの爪弾きとドラムのビートによる爽やかなサウンドに乗せて繰り出されるトランペットの優しい音色が素晴らしい曲です。
8曲目"Year Round November"(3:23) ポップなリズムと渋いギターのカッティングでの曲でストレートなDOUGLASのヴォーカルと彼のギターワークが素晴らしい曲です。
9曲目"Content"(4:08) アコースティック・ギターの優しいサウンドによるシンプルな曲と美しいハーモニーでの曲です。
10曲目"Cliffs Of Spain"(4:55) 歪ませたギターのサウンドと潮騒のサンプルが曲の特徴となっています。DOUGLASの優しい歌声と彼の素晴らしいギターを聴かせてくれる曲です。
歌詞無し ライナー付 シングル盤用スリムケース仕様 CD-R盤 (輸入盤) 収録時間41分02秒 (DOUGLASの骨太のヴォーカルとギターソロの素晴らしいアルバムです。所々にループを使った遊び心のある今風のギターポップロックです。DOUGLASは、早々と次のEP盤もリリースしています)'09年12月17日再更新


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写真  DOUGLAS CAMERON / Remedies
 ・2006 Douglas Cameron    37101 16190

ギターのカッティング・サウンドがご機嫌・・・

現在、シアトルでインディペンデントに活躍するDOUGLAS・CAMERONのソロ名義での3枚目のアルバムで '06年4月12日に本国でのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DOUGLAS・CAMERON:ヴォーカル/ギター/プロデュースの他、JEREMY・KIDDER:ペダル・スティール/ギター、DAVE・MANION:ベース、JOHN・FRIKE:ベース/バック・ヴォーカル、RUSTY・TINDER:キーボード、JACOB・FLORENCE:ドラム/バック・ヴォーカル、CASEY・MILLER(CASSIOPIA):ドラム/プロデュース、TOMMY・LEMMON:フィドルのDOUGLASの音楽仲間達が参加しています。

1曲目"Half Bottle"(3:30) ギターのカッティングサウンドが好いですね。DOUGLASの骨太のヴォーカルとロック"ン" ロールのリズムです。間奏ではお決まりのDOUGLASのギターソロで結構良い感じのギターを弾いてくれるのです。
2曲目"Burn"(3:27) アップテンポのドライヴ感のあるギターポップな曲です。歯切れ良いギターのサウンドと次から次へと繰り出されるDOUGLASのヴォーカルスタイルはライヴでは受けるでしょうね。
3曲目"Remedies For Remembering"(3:58) 一転してアコースティック・ギターによるカントリー調の曲です。サウンドの展開もレゲエの要素も含んでいます。牧歌的なサウンドと流れるようなギター・ソロと中々聴き応えのある曲です。
4曲目"Afterthought "(3:41) この曲も牧歌的な響きのアコースティックな曲です。DOUGLASのHPのリンク先にBRUCE・HORNSBYのアドレスが有り、この曲を聴きながら考えているとやはりサウンド的に通じるものを感じます。
5曲目"Drove All Night Through Utah"(3:35) この曲もライヴでの演奏を前提にした乗りの良いフォーク・ロックです。ペダル・スティールの心地良い調べとふんだんに響くギターのサウンドによる夜の街中を遊び歩く様を歌詞に綴った曲です。
6曲目"Let Me Show You How"(3:45) アコースティック・ギターの優しい調べによるスローな曲です。間奏でのDOUGLASの"泣き"のエレクトリック・ギターのソロがご機嫌なんです。
7曲目"Vices"(3:26) イントロのアコースティック・ギターのサウンドの"渋さ"から興味津々で聴き入った曲です。都会的なサウンドの響きと牧歌的メロディが融合した曲です。この曲のコンパクトなギターソロも非常に印象に残ります。
8曲目"Finding You"(4:33) カントリーウエスタン調の曲でフィドルと早弾きのギターソロが圧巻です。DOUGLASの息をも吐かせないヴォーカルも見事です。
9曲目"Darlin' Mae"(4:36) 硬質なエレクトリック・ギターのサウンドと弾き語り風に演奏されるミドル・テンポのナンバーです。アリゾナかコロラド辺りのアメリカの中南部のロックのサウンドを代表するような感じです。
10曲目"April 2001"(3:27) この曲もDOUGLASの生まれ故郷のアリゾナでの生活を歌にしています。美しく響くギターのサウンドとご機嫌なリズムです。
11曲目"Three Weeks"(3:45) 再びカントリー調のサウンドの曲です。ペダル・スティールのサウンドとアコースティック・ギターのソフトな調べとDOUGLASの美しいハーモーによる曲です。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:41分47秒 (自身のギターと歌声と共にインディペンデントで活動しているDOUGLASのアルバムを日本に居ながら購入出来る便利な時代になりました!)'09年12月17日再更新


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写真  DRAUVE / Self Improvement
 ・2020 Drauve    

1枚目も買ってみました・・・

このアルバムは、ピッツバーグ出身(現在はロス・アンゼルス)のオルタナティヴ/ドリーム・ポップ・バンドDRAUVEのデビュー・アルバム(5曲EP盤)で '20年12月10日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DRAUVEのVICTORIA・DRAOVITCH(VICTORIA・MORGAN名義にても活動):ヴォーカル/ギターとSTEPHEN・GRZENDA:ギター/マルチ・インストゥルメンツ/バック・ヴォーカル、NICK・LINDER:ベース、EVAN・YESTER:ドラムの4人です。
尚、ギターのSTEPHEN・GRZENDAとドラムのEVAN・YESTERは、このバンド結成前、HEAR TONIGHTというバンドで活躍していました。
プロデュースは、ピッツバーグで活躍しているビート/ヒップホップ/シンガーJEREMY・ ROSINGERとDRAUVEと共同で行われています。

1曲目"LMK"(2:47) '20年7月に先行リリースされたキャッチーなメロディとサウンドの曲です。VICTORIAの甘い歌声と穏やかなリズムが心地好いドリーミーな曲ですが、恋人からの「連絡待ち」を歌にしています。
2曲目"Try"(3:37) 前の曲の終わりを強制終了させ登場する先行リリース第二弾のスローな曲です。VICTORIAの特徴的な子音の発音がキュートに響く歌声をEVAN・YESTERのクールなドラムのビートが導きます。
3曲目"So Low"(2:59) 今度は、全体のサウンドLo-Hiにした曇りを感じさせる曲です。叩き付けるように響くEVAN・YESTERの硬いドラムのビートが耳に残ります。現代生活の不安を歌にしています。
4曲目"LAX"(2:11) 次作からロス・アンゼルスで収録したことを裏付ける「ロス行き」歌にしています。明るいポップ調のサウンドに乗せVICTORIAが期待と不安を歌に綴っています。
5曲目"Better"(3:08) この曲は、他の曲と少し違ってアシッド感を持たせた怠惰感を強く感じます。VICTORIAの憂いを持った歌声と荒廃感を散りばめたバックのサウンドの流れが更に寂しさを誘います。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:14分42秒 (2枚目のアルバム[No Hope For Anything] が気に入って1枚目も買ってみました!)'24年4月20日更新


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写真  DRAUVE / No Hope For Anything
 ・2024 Drauve    

再出発への意気込み・・・

このアルバムは、活動拠点をピッツバーグからロス・アンゼルスへ移したオルタナティヴ/ドリーム・ポップ・デュオDRAUVEの2枚目('20年の5曲EP盤を含む)のアルバムで '24年4月9日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DRAUVEのVICTORIA・DRAOVITCH:ヴォーカル/プロデュースとSTEPHEN・GRZENDA:ギター/マルチ・インストゥルメンツ/バック・ヴォーカル/プロデュースの2人他、EVAN・YESTER:ドラムの少人数での収録です。

1曲目"YKWYD"(2:36) イントロから響くエコーの効いたギターのサウンドからやられてしまった曲です。Lo-HiにしたVICTORIAの歌声に纏わり付くSTEPHENの緩急を付けたギターが好い。曲名は、「You Know What You Do...」の略です。
2曲目"Big Star"(3:13) '23年11月にダウンロード・リリースされている曲です。アコースティック・ギターを使ってのサウンド導入部からドラマチックなサウンド展開するキャッチーな流れの「ビッグ・スターの心の内情を」歌にしています。
3曲目"I Don't Like You"(2:47) VCTORIAの憂いのある歌声が耳に残る曲です。オルタナティヴなサウンド展開聴かせながらロック色強めに推し進めて来るのです。
4曲目"Bluebird"(3:01) Lo-HiにしたVICTORIAと怠惰感のあるリズムの流れによるオルタナティヴ感の強い曲です。気だるさを最大表現したSTEPHENの演奏に耳を傾けます。
5曲目"Dry"(3:08) この曲もVICTORIAの憂いを持った歌声と荒らしたバックのサウンドとの調和が見事な曲です。この曲を聴きながら真っ先に思い浮かべたのがフィラデルフィアで活躍しているNATALIE・WALKERのことです。
6曲目"All Nightmares"(2:46) この曲もバックに様々なギターのリフが舞い上がる曲です。時にはメロディアスに時にサイケデリックにサウンドを展開させる「日常の恐怖について」歌っています。
7曲目"Miss A Feeling"(3:01) この曲は、とってもドリーミーな雰囲気を醸し出している曲です。生まれ故郷ペンシルバニアの思い出をダイナミックなサウンド展開で聴かせているのです。
8曲目"Waiting"(3:07) 今度は、少しサウンドを荒げて来たオルタナティヴ・ロックな曲です。イントロから聴かせるLo-Hiにしたドラムのビートとアシッド感のあるベースのサウンドが印象的です。
9曲目"Mixed Vegetables"(2:37) 面白いタイトルの曲です。VICTORIAの繰り出す歌詞に耳を傾けていると少しずつ判明して来る「日常のストレス」を歌っています。
10曲目"Summertime Pavement"(2:16) 今度は、ポップ/ロック調の元気さアップな曲です。分り易いメロディとサウンドに乗せVICTORIAが疑問をぶつけます。
11曲目"Doubts"(4:28) この曲も「疑問」がテーマとなっています。オルタナティヴ色に強いサウンドからサイケデリック感のある荒れたサウンドをも聴かせるこのアルバムの中でも特にメッセージ性の強い曲でもあります。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:33分00秒 (故郷ピッツバーグでも注目されていたDRAUVE、活動拠点をロス・アンゼルスに移して再出発への意気込みを感じさせます!)'24年4月12日更新
2024年度ベスト5


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写真  DREAMLAB / Dreamlab
 ・2003 Dreamlab    

またまた素晴らしい新人の登場です・・・

カリフォルニアで活躍するEKO (DANIEL・JAMES:男性) とHALO (LEAH・HAYWOOD:女性) によるDREAMLABと言うユニットのインディーズでのデビュー盤です。アルバム全体の音楽は、打込みによるサウンドを主体にしていますが、2人のヴォーカルが素晴らしく打込みによる有り勝ちな冷たいサウンドではなく、程好いバランスを持っています。このアルバムは、6曲入ミニ・アルバムで多分 '05年に本国とアメリカでリリースされているようです。尚、LEAH・HAYWOODは、2000年にEPICよりデビューしたオーストラリアの作詞/作曲も行なうポップ・シンガーで、ソロ・アルバムもリリースしています。

1曲目"Lift"(4:51) イントロからぐっと捕まれた曲です。エレクトロニカとポップスの非常に素晴らしいバランスで融合された曲でEKOのエモーショナルな歌声による乗りの良い曲で一度終わりかけた感じから再び曲へと入る所が良いですね。U.K.のHOWARD・JONESに通ずるサウンドです。
2曲目"Passenger"(4:21) この曲も長いイントロのキーボードと打込みによるサウンドだけで気に入りました。エモーショナルなリズムに乗せ歌うHALO のヴォーカルと途中よりEKO のヴォーカルへと変化します。
3曲目"Running For Cover"(5:56) 静寂の中に響くピアノ風の旋律とアグレッシブに展開して行くHALOのヴォーカル曲です。非常に素晴らしい彼女の少しコケティシュ(良い意味での)で魅力的な歌声から後半にかけてはエモーショナルに変化します。コンテンポラリー・エレクトロニカ・ロックと言える曲です。
4曲目"Love To Love You"(5:27) 静寂の中に響くシンセの幻想的なサウンドに続いてEKOのヴォーカルが入るとアップテンポのビートとストリングス風の音色とが調和する曲で、聴き終わっても「Love To Love You」と言うリフレインが耳に残ります。この曲は知っている人が居るのでは?私の場合は、買ってからこの曲だったのかと暢気な感じでした。海外でもこのCMは誰の曲?と問合せがあるそうです。
5曲目"Nothing Compares"(3:54) ギターのサウンドのよるミドル・テンポによるエモ・ポップです。ハスキーに響くHALOの歌声によるクールでかっこ良い曲です。
6曲目"Silence"(5:37) EKOのヴォーカル曲で静かにゆったり流れるエレクトロニカ・バラードです。バックで流れるHALOのヴォーカルもクールで素晴らしいです。HALOのヴォーカルは、やはりファルセットで先にも記したHOWARD・JONESに通じる所があります。
歌詞無し ライナー付 (輸入盤) 収録時間:30分08秒 (男性と女性のヴォーカルがどちらかに偏らずサウンド的にもエレクトロニカとポップスが絶妙なバランスで融合した1枚です。フルトラック・アルバムだったら完全にベスト5に決定でしたが...)'09年12月21日再更新


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写真  DROPLINE / You Are Here
 ・2002 143 RECORDS/Reprise    9 48308-2

ジャケの写真に惹かれました・・・

このアルバムは、カリフォルニア出身の4ピース・バンドDROPLINEのデビュー・アルバムで '02年7月16日に本国でのリリースです。ハリウッドでライヴ活動をしていた彼らは、あのDAVID・FOSTERにバンドをアピールし、DAVIDのレーベル143 RECORDSからデビューしました。バンドのメンバーは、STEVE・SULIKOWSKI:ヴォーカル、ERIC・HOULIHAN:ベース、CHAD・NORRIS:ドラム/バック・ヴォーカル、JONATHAN・BERRY:ギターの4人組です。プロデューサーは、PAUL・EBERSOLD(3DOORS DOWN,SISTER HAZEL)です。

1曲目"No Time At All"(4:08) 左チャンネルから流れる歪ませたギターのサウンドの合図によって始まるドラムのビートと少し哀愁感のあるSTEVEの歌声とバック・ヴォーカルのSTEVEのファルセットでしょうか?女性ヴォーカルのような歌声です。
2曲目"Best Thing"(3:59) イントロは、アコースティック・ギターを使ったテンポの良いギター・ポップ調でSTEVEのヴォーカルが熱い曲です。ライヴではこんな感じの曲を演奏して観客を乗せていたのでしょう。
3曲目"Fly Away From Here(Graduation Day)"(3:59) イントロのアコースティック・ギター1本とSTEVEの高いキーでのヴォーカルが良いですね。センチメンタルな響きのギターとスライド・ギターを交えた高鳴りのクライマックスとSTEVEの歌声は圧巻です。
4曲目"Fallen Angel"(4:13) ハードなギター・ワークと唸るベースのサウンドによるエモ・ギター・サウンドの曲でカリフォルニアのバンドらしい爽やかなで若さ溢れるハーモニーを付けた曲です。
5曲目"I Feel Lonely"(3:50) 一転してダークなイメージのスローな曲です。後半よりのハードなギターのサウンドによる盛り上がりを持った曲です。
6曲目"Weight Of The World"(3:46) この曲はU.K.のマンチェスター出身のバンドの雰囲気を持った曲で、ブリット・ロックの質感を感じさせる曲です。
7曲目"Even I Don't Know"(3:27) センチメンタルな響きを持つアコースティック・ギターの音色と切ない歌声のSTEVEのヴォーカルによる美しいリズムとメロディの曲でANDREW・SCHULLMAN(SCHULMAN?)のチェロの音色が心に響きます。この曲のみプロデュースは、DAVID・FOSTERです。
8曲目"Science Fiction"(3:43) 面白いタイトルを付けた曲です。この曲もSTEVEの高いキーによるエモ・ギター・ロック的な曲です。
9曲目"Maybe I'm The One"(3:31) CHADのドラムのビートの効いたご機嫌なナンバーです。小気味良い歪ませたサウンドでのJONATHANのギターソロとSTEVEのエモーショナル歌声による曲です。
10曲目"Beautiful"(4:33) バックで流れるアコースティック・ギターとリヴァーブの効いた心地よいギターのサウンドでの落ち着いた雰囲気の曲です。この曲はU.K.の"ネオ・アコ" バンドTHE PALE FOUNTAINSのサウンドにも似た曲です。
11曲目"Whipping Boy"(2:07) 少しハード・コア的なサウンドでの曲です。グランジからハード・コアへとアメリカン・ロックの変化を感じさせる曲です。
12曲目"Understand"(5:00) STEVEの哀愁感を非常に感じさせる歌声を全面に出した曲で次第にワイルドな曲へと展開して行きます。この曲のサウンドは、N.Z.のTIM・FINNのスタイルに似た5分を超える曲です。
3曲目のみ歌詞付 写真ライナー U.S.製 (輸入盤) 収録時間:46分22秒 (ジャケットの写真に惹かれて購入しました。STEVE・SULIKOWSKIのヴォーカルは、魅力的で聴く者を惹きつけます。現在、STEVE・SULIKOWSKIは新バンドで活躍中です)'09年12月21日再更新


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写真  EDIE BRICKELL / Picture Perfect Morning
 ・1994 Geffen Records Inc.    GED 24715

派手さは無いのですが心に直接響く曲達・・・・・・・

EDIE・BRICKELLの単独名義でのソロ・アルバムで、'94年のリリースです。プロデュースは、PAUL・SIMONとROY・HALEE(SIMON & GARFUNKEL)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、EDIE・BRICKELL:ヴォーカル/ギターの他、PAUL・SIMON:ギター、BILL・DILLON:ギター、DAVID・BROMBERG:スライド・ギター/副プロデュース、JOHN・LEVENTHAL:ギター、BRIAN・SOLTZ:ギター、KENNY・WITHROW:ギター、LARRY・CAMPBELL:ペダル・スティール/ヴァイオリン、JERRY・DOUGLAS:ドブロ・ギター、NELSON・GONZALEZ:トレス・ギター、BAKITHI・KUMALO:ベース、TONY・HALL:ベース、BUTCH・AMIOT:ベース、BRAD・HOUSER:ベース、ART・NEVILLE:キーボード、JOEL・DIAMOND:キーボード、DR.JOHN:キーボード/シンセサイザー、STEVE・RILEY:アコーディオン、LEON・PENDARVIS:シンセサイザー、MICHAEL・BEARDEN:シンセサイザー、DAVE・SAMUELS:ヴィブラホン、STEVE・GADD:ドラム、SHAWN・PELTON:ドラム、RICHARD・CROOKS:ドラム、WILLIE・GREEN:ドラム、CYRIL・NEVILLE:パーカッション、CYRO・BAPTISTA:パーカッション、MINGO・ARAÚJO:パーカッション、SKIP・LAPLANT:パーカッション、CRUSHER・BENNETT:パーカッション、MADELEINE・YAYODELE・NELSON:パーカッション/バック・ヴォーカル、BASHIRI・JOHNSON:パーカッション、JOHN・BUSH:トライアングル、BARY・WHITE:スポーケン、HERB・BESSON:トロンボーン、JAMES・PUGH:トロンボーン、KEITH・O'QUINN:トロンボーン、MIKE・DAVIS:トロンボーン、MICHAEL・BRECKER:電子ウインド、BARBARA・HAWKINS:バック・ヴォーカル、DALE・MICKLE:バック・ヴォーカル、ROSA・HAWKINS:バック・ヴォーカル、CHARLES・ELAM:バック・ヴォーカル、EARL・SMITH,JR.:バック・ヴォーカル、TERRANCE・MANUEL:バック・ヴォーカル、PHYLLIS・BETHEL:バック・ヴォーカル、DENNIS・KING:バック・ヴォーカル、MAURICE・LAUCHNER:バック・ヴォーカル、VICTOR・COOK:バック・ヴォーカル、VIVIAN・CHERRY:バック・ヴォーカルの一部EDIEのバック・バンドNEW BOHEMIANSのメンバーも参加しています。

1曲目"Tomorrow Comes"(3:56) 乗りの良いドラムのビートとEDIEのヴォーカルが織り成す秀作です。
2曲目"Green"(3:21) EDIEの優しく包み込むようなヴォーカルを全面に出した。
3曲目"When The Lights Go Down"(3:48) 粋なギターのサウンドに乗せEDIEの浮遊感のあるヴォーカルが魅了します。
4曲目"Good Times"(3:09) メンフィスサウンドのソウルな曲でBARY・WHITEの太い声のSPOKENが入っています。
5曲目"Another Woman's Dream"(2:43) ファンキーなギターとハモンドによるご機嫌な曲。ギターはBILL・DILLON(ROBBIE・ROBERTSON,JONI・MITCHELL) です。
6曲目"Stay Awhile"(4:35) 静かなゴスペル調の曲でスライドギターにDAVID・BROMBERGが参加しています。
7曲目"Hard Times"(3:41) 都会的なお洒落なサウンドとバックコーラスとのハーモニーが美しい曲。
8曲目"Olivia"(3:43) アイリッシュ音楽に通じるスケール感と残響の処理が上手い曲です。
9曲目"In The Bath"(2:43) 乗りの良いギターのリズムとMICHAEL・BRECKERが、ELECTRIC WIND INSTRUMENTALでさり気無く参加しています。
10曲目"Picture Perfect Morning"(3:23) アコーデオンを使った故郷テキサスのサウンドです。
11曲目"Lost In The Moment"(6:06) EDIEの弾く心地好いアコースティック・ギターの調べと彼女の特徴的な可憐なヴォーカルを聴かせる曲。
'99年に再びNEW BOHEMIANSの一員としてアルバムを出しています。
全11曲歌詞付 ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:41分09秒 (PAUL・SIMONが非常にほれ込んだ彼女の特徴的な可憐なヴォーカルと派手さは無いのですが、心に直接響く曲達による1枚です)'09年12月21日再更新


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写真  EMILY ASEN / Traffic Signals EP
 ・2004 YouTooCanWoo Productions.    822024023328

素晴らしい新人の登場です・・・

このアルバム(6曲EP盤)は、ニューヨークでインディペンデントに活躍するEMILY・ASENのミニ・アルバムで、'04年11月のリリースです。15歳からギターを弾き始めたEMILYは、18歳の時、セルフ・プロデュースでEP盤を自主制作しているなかなかの実力派です。幼少の頃からチェロを習っていたEMILYは、彼女のオルタナティヴ・サウンドの重要な部分をクラシック音楽から見出しているようです。またまた音楽的才能豊かな素晴らしい"新人さん" の登場です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、EMILY・ASEN:ヴォーカル/ギター/チェロ/パーカッションの他、DAVID・PERLICK-MOLINARI:ギター/ベース/キーボード/パーカッション/プログラミング/バック・ヴォーカル/プロデュース、PAUL・HAMMER:ドラム/ギター/バック・ヴォーカル、CAROLINE・FRIEDMAN:バック・ヴォーカルの少人数での収録です。

1曲目"Out Of Reach"(3:08) EMILYの歳に似合わない特徴的なビター・スイートな歌声を始めて聴いた曲です。クラシックの雰囲気を持たせたイントロから次第にエモーショナルに展開するリズムと独特のビートによる若さ溢れる乗りの良い曲です。
2曲目"Lack Of Oxygen"(3:27) スローな出だしから想像出来ないエモーショナルなギター・サウンドと彼女の得意とするチェロのサウンドを取りいれたオルタナティヴな曲です。
3曲目"Traffic Signals"(4:07) スローなバラードもなかなか聴かせてくれます。逆回ししたサンプルと打ち込みのリズムを使ったクールな1曲です。EMILY と一緒に曲を書いているプロデューサーのDAVID・PERLICK・MOLINARIのバック・ヴォーカルが非常にいいですね。間奏はEMILYの得意のチェロを使ったサウンドとサービス満点です。
4曲目"Hard To Love"(3:16) アコースティック・ギターを掻き鳴らしながら歌うEMILYの若さを全面に出したご機嫌な曲です。乗りの良いリズムとエモーショナルな歌声はライヴ受けするでしょうね。
5曲目"No One(Like You)"(3:18) アンダーグランド的で荒削りのロウ(raw)・マテリアルを残した曲です。サビの部分のEMILYの裏返る声が、非常に可愛らしさを感じます。エンディングに登場するEMILYのチェロのサウンドが不思議な雰囲気を醸し出しています。
6曲目"No Cure For A Dream"(4:57) 長い打ち込みのリズムを使ったイントロの後に続くアコースティック・ギターのサウンドが心地よい響きを持っています。
全6曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:22分15秒 (現在のアメリカはインディペンデントとして音楽活動できるフィールドが確立されています。またインディペンデント・ミュージックが魅力溢れる音楽の1つジャンルとして認知されていて、斬新なサウンドを世界中へネットを通じて配信されています。週末には小さな馴染みのクラブ/ホテル・ラウンジで演奏しながら活動しているEMILYのような地元で愛されているミュージシャンが数多く存在しているのでしょう。EMILYのそのほかの曲はYouTubeでもどうぞ!)'09年12月24日再更新


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写真  EMILY ASEN / Avalanche EP
 ・2007 Violet Maiden Records,LLC    37101 28676

少し大人しくなったEMILY・・・

ニューヨークでインディペンデントとして活躍しているEMILY・ASENの2枚目のミニ・アルバムで、'07年1月11日に本国でのリリースです。サウンド的にはアコースティック調が増して少し大人しくなったようです。
アルバムの詳しいクレジット記載がないのですが、EMILY自身による多重録音とBEN・TAYLOR:ギター/バック・ヴォーカルにて制作されているようです。

1曲目"Avalanche"(5:20) EMILYの美しい歌声をバックから支えるギターとバック・ヴォーカルは、BEN・TAYLORでしょう。お父さんとよく似た優しい歌声とギターの調べです。
2曲目"Love Bruise"(4:18) イントロの逆回転させたようなS.E.が印象的な曲で、EMILYの非常に高いキーでの歌声とバックを飾るギターとチェロの調べによるシンプルな曲でEMILYの新しいフォーク調を目指した曲です。
3曲目"Traffic Signals"(4:34) 前作でも3曲目に収録された曲で、ベーストラックにアコースティック色をさらに強めたヴァージョン違いで収録されています。何度聴いても良い曲です。
4曲目"Sounds Like It Feels"(3:30) この曲は前作の流れを受け継いだオルタナティヴ・アコースティック調の曲ですね。このアルバムの中で、じっくり通しで聴いてみたかったです。美しいアコースティック・ギターのサウンドとEMILYの少し蒼味を帯びた歌声が好いですね。
5曲目"Icicle"(4:34) 高いフレットでのアコースティック・ギターの涼しげなサウンドが歌の内容の冬景色を語っています。EMILYのギターとチェロの調べによるスピーディーなリズムとガラス細工のような歌声による曲です。
6曲目"Underdog"(2:37) 幾重にも重ねられたアコースティック・ギターの美しい響きを持った曲でギターのフレットを跨ぐスラーの音の響きも美しく奏でられたシンプルな曲調とEMILYのピュアな歌声による曲です。
歌詞無し ライナー無し 2折紙ジャケット仕様 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:24分56秒 (前のアルバム購入後からEMILYの宣伝用メールが来るようになり、ついつい最新アルバムも購入してしまいました)'09年12月24日再更新


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写真  EMILY ASEN / Proof LP
 ・2008 Violet Maiden Records,LLC    VMR-04

EMILY初のLP盤・・・

このアルバムは、ニューヨークでインディペンデントに活躍しているEMILY・ASENの3枚目(過去の2作品は6曲入りのミニ・アルバム)のアルバムで、'08年5月20日に本国でのリリースです。
このアルバムでの全て楽器の演奏は、EMILY・ASEN自身が行っています。
尚、このアルバムの販売は過去の作品同様EMILYのH.P.からのネット販売と一部のインディペンデント系のネット・ショップからの販売となっています。

1曲目"I Walk Alone"(5:19) EMILYのアコースティック・ギターの爪弾きが流れる前半からドラム/ベース/ピアノと加えられ乗りが良くなるカントリー調のサウンドの曲です。デビューEPでのオルタナティヴな手法とは違った正統派的S.S.W.然とした曲になっています。
2曲目"Mistake(Disregarded)"(4:03) この曲はEMILYのH.P.でアコースティック・ヴァージョンのビデオが流されていた曲ですね。EMILYの幾重にも重ねられた瑞々しいハーモニーが美しく響いて来ます。曲の所々には彼女の凝ったサンプルが仕込まれていて、思わず"にや" っとします。
3曲目"Caroline"(2:32) この曲もEMILYのアコースティック・ギターのフィンガー・ピッキングの調べは優しく流れる落ち着いた曲です。チェロ/マンドリン/ハーモニカなど全ての楽器を彼女自身が演奏して曲が収録されています。
4曲目"Treading Water"(4:35) ハンド・クラップスと高域でのアコースティック・ギターの美しいサウンドが溶け合ったオーガニックな調べに乗せ歌うEMILYの清く響く歌声によるカントリー調の曲です。
5曲目"Play With Fire"(4:14) イントロのループ・サウンドは最初のアルバムの雰囲気を思い起こさせますね。このアルバムの収録曲は非常にオーソドックスにまとめたようです。このあたりのサウンドは、やはり前作でのBEN・TALORとの関わりから来ているのでしょうか。
6曲目"Microphone"(4:52) この曲も落ち着いた佇まいを見せる曲ですね。ドラム以外は全てEMILYの演奏となっています。オルガンの音色とチェロの切ない調べとEMILYの美しい歌声が絡み合います。
7曲目"Not The One"(4:00) ハイ・フレットで奏でられるアコースティック・ギターの美しいサウンドが心地好い曲です。女性S.S.W.らしい歌詞を連ねたEMILYの優しい歌声に曲の最後まで包まれます。
8曲目"Back From Dark"(3:51) 少しサウンドをメランコリックにダークな雰囲気にして来た曲の登場です。EMILYのチェロの調べが切なく流れます。バックのリズムもドラマチックに流れるところも良いですね。
9曲目"Stone-Dry"(3:31) 循環コードによるアコースティック・ギターのサウンドとオルガンのサウンドによるゆったりと流される曲です。爽やかな朝の草原の風の香りのしそうな優しいサウンドとEMILYの歌声です。
10曲目"Proof"(3:53) EMILYのアコースティック・ギターによる弾き語り形式の曲です。この曲でも殆どの楽器を演奏して曲を収録しています。男性ヴォーカルが入っているように聴こえますが、クレジットではヴォーカルも全てEMILYとなっています。
11曲目"Yellow(COLDPLAY Cover)"(3:50) ロンドン出身のブリット・ロック・バンドCOLDPLAY 2000年のデビュー・アルバムからの大ヒット曲のカバーです。EMILYらしくアコースティック調にしたアレンジにGREKIM・JENNINGS(ミキサー)のドラムのビートが加えられて穏やかに流れる曲です。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:48分42秒 (アコースティック・フォーク調の曲へと移行して来たEMILYの新作、私の好みとしては、まだ若いEMILYなので、以前のアルバムのようにワイルドでストレートなロックぽい曲も収録しても良かったかな...)'09年12月24日再更新


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写真  EMMA LEE / Never Just A Dream
 ・2009 Bumstead Productions Ltd.    BUM 091

トロントのインディペンデント・ミュージシャン女性部門に・・・

このアルバムは、カナダのトロントでインディペンデント活躍しているS.S.W.EMMA・LEEの '09年3月3日に本国でリリースされたデビュー・アルバム('04年のエレクトロニカ/ジャズ6曲EP盤は含まず)です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、EMMA・LEE:ヴォーカル/ギター/グロッケンシュピール/ストンプ、DEVRIM・ELDELEKLI:ギター、KEVIN・MENDES :ドラム/パーカッション、TYLER・YAREMA:キーボード、STEVE・GOTLIB:アップライト・ベース、CHRISTINE・BOUGIE:ラップ・スティール・ギター、CHARLIE・FINLAY:サックス、STEVE・DYTE:トランペット、CHRISTIAN・OVERTON:トロンボーン、JANINE・STOLL(THE DONE FORS):バック・ヴォーカル、LISA・WINN:バック・ヴォーカル、PETER・KATZ:バック・ヴォーカル、THE GOOD LOVELIES:バック・ヴォーカル、PAUL・MACDOUGALL:バック・ヴォーカル、ANDREW・BARKER:バック・ヴォーカル、PAUL・STEWARD:クラップス/ストンプス、EMER・O'DRISCOLL:クラップス/ストンプス、KEVIN・ZARNETT:クラップス/ストンプス、MICHAEL・OLSON:チェロ/ストリング・アレンジ、LIEF・MOSBAUGH:ヴィオラ、AISSLINO・NOSKY:ヴァイオリン、CRISTINA・ZACHARIAS:ヴァイオリンのカナダのベテラン・ミュージシャン達も参加しています。
プロデュースは、MITCH・GIRIOとEMMA自身が行っています。
尚、このアルバムは、インデペンデント・レーベルながら、大手Universal Music Canada Inc.より配給されています。

1曲目"Bruise Easy"(2:09) 2分少々アルバムのオープニングに配されたゆったりしたリズムとあまり起伏のないメロディによる先ずは、名刺がわりの1曲なのでは。
2曲目"That Sinking Feeling"(4:05) EMMAの音楽に最初に出会ったのはこの曲です!。EMMAのナイロン弦ギターの心地好い響きと彼女の掠れ気味のヴィブラートと言い聴く者の耳に「すう〜っ」と入って来る曲ではないでしょうか...。
3曲目"Never Just A Dream"(4:51) 少し古いスタイルの女性シンガーのR&Bを感じさせる曲です。ピアノの調べにホーンの音色も加えられノスタルジックさを感じさせます。
4曲目"Jealousy"(2:14) チャールストン/ビバップ感を感じさせるこの曲も40年代のアメリカン・ミュージックを意識したセピア色を感じさせます。ただ、サンプル曲では分らないでしょうが、ちょっとリフレインがくどい所が気になります…。
5曲目"Flow"(6:08) EMMAが聴いていてうっとりするようなウィスパー・ヴォイスを聴かせるピアノ伴奏曲です。曲名通りゆったりとした"流れ" とEMMAのソフトで優しい歌声が響いて来ます。曲が進むにつれてEMMAの歌声にうっとりとしている自分にふと気がつくのです。
6曲目"Isn't It Obvious"(5:09) イントロから響く雪解け水の流れと氷の砕けるような少し神秘的なサウンドが美しい曲です。心地好い響きのEMMAのナイロン弦ギターの調べとラップ・ギターのスライドさせた弦の波動が美しいボサ・ノヴァのリズムに乗せて届けられるのです。
7曲目"Mr. Buttonlip"(4:49) スムーズなジャズ・ギターのスケールと歯切れ良いシンバルのリズムが響くこの曲も少しノスタルジックさを感じさせるチャールストン/ビバップのリズムによるダンサブルな曲です。興味深いことに '04年のEP盤では、アップデートされたエレクトロニカ/スムーズ・ジャズな音楽を聴かせていたのですが、このアルバムでは、EMMAのスタイルが変化しているように感じられます。
8曲目"An Older Man"(5:15) この曲も昔から伝えらえて来たベーシックなR&Bの曲です。本当に、この手の音楽は、歌が上手い人が歌わなくては曲にならない所を強く感じさせます。
9曲目"Where You Want To Be"(4:12) 心地好い「昼下がり音楽」のようなギターの調べと曲の輪郭をなぞるように奏でられるEMMAのナイロン弦ギターの調べが響く曲です。また、EMMAの歌声のバックに響くトロントのS.S.W.PETER・KATZの歌声も非常に良いですね。
10曲目"Until We Meet Again"(3:16) イントロから美しい響きを聴かせるストリングスのサウンドとEMMAのハスキー気味の歌声がマッチしたシンプルなスタイルな曲です。同じくカナダで活躍しているFEISTのサウンド・スタイルに近いものを感じさせる為か、本国のこのアルバム紹介欄にもFEISTの見出しが目立ちますね。
全10曲歌詞付 写真ライナー カナダ製 (輸入盤) 収録時間:42分12秒 (このアルバムのリリース前にもEMMAは、トロントで活躍しているインディペンデント・ミュージシャン女性部門に '05年受賞もしている実力派ミュージシャンとのことです)'09年12月25日再更新


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写真  ERIC ANDERS / Not At One
 ・2003 Baggage Room Records    24938-00012

シンガーとしては特異な経歴の持ち主です・・・

ロス・アンゼルスで活躍するERIC・ANDERSは、シンガーとしては特異な経歴の持ち主で複数の博士号を持っています。彼は地元のKARAOKEに歌を歌いに行ったところ、店に長い行列が出来ていて仕方なく、コーヒーショップに行き、そこでインディペンデントで活躍するMARK・O'BITZのライヴを観て、彼と運命的な出会いするのです。早速MARKと作詞/作曲活動に入り本作を '03年11月18日に本国でリリースしました。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ERIC・ANDERS:ヴォーカル/シンバル/プロデュースの他、RANDY・RAY・MITCHELL:ギター/スライド・ギター/ベース、BENEDIKT・BOHM(SUGARPLUM FAIRIES):ギター、MARCUS・WATKINS:ギター、RICHARD・BARRON:ギター/プロデュース、SETH・McLAIN:ギター/シェーカー/タンバリン、MARK・O'BITZ:ギター、MIIKO・WATANABE:ベース、WARREN・KAYE:アップライト・ベース、ARLAN・SCHIERBAUM:キーボード、LOUIS・DURRA:キーボード、GUENEVERE・MEASHAM:チェロ、KEITH・MITCHELL:ドラム、JOHN・COPPOLA:ドラム/バック・ヴォーカル、JEFF・PETERS:ドラム、RALF・BALZER:ドラム、LUIS・CONTE:パーカッション、SILVIA・RYDER:バック・ヴォーカル、ROBIN・SWENSON:バック・ヴォーカルのロス・アンゼルスのミュージシャン達が参加しています

1曲目"Leave You Doubtful"(4:04) 美しい響きのアコースティック・ギターのイントロとチェロの切ない響きでの曲でERICのハート・ウォームな歌声によるコンガには何とLUIS・CONTEが参加しています。バック・ヴォーカルと作曲はBENEDIKT・BOHMです。
2曲目"Halcyon Days"(3:16) BENEDIKT・BOHMのエッジの効いたエレクトリック・ギターのサウンドとMIIKO・WATANABE(元AMERICAN GIRLS:あのLOUISE・GOFFINも在籍していました)のベースによる少しワイルドなパワーポップの作品で作曲はMARK・O'BITZです。
3曲目"Wearily"(4:02) 一転してしっとりしたスローでカントリータッチなバラードです。作曲はMARK・O'BITZでこのアルバムで7曲ERICと共作しています。切ない音色のチェロは、GUENEVERE・MEASHAM(BETTER THAN EZRA,THE BANGLES)で素晴らしい演奏を披露しています。
4曲目"Struggle"(4:08) ERICのウィスパー・ヴォイスによるスローでダークなナンバーです。渋いスライドギターはRANDY・RAY・MITCHELLで後のERICの3枚目は彼のプロデュースによります。
5曲目"The Wisdom Of Kisses"(3:39) アップライト・ベースの優しい響きと高いキーのERICの優しい歌声による心温まるナンバーです。バック・ヴォーカルのSILVIA・RYDER,SUE・WILLETTの歌声も素晴らしいです。
6曲目"Loveless Lame"(3:25) RANDY・RAY・MITCHELLの枯れたスライド・ギターの音色が渋いミドル・テンポのアコースティック・ギターによるカントリー風の曲です。
7曲目"We Went Down"(3:36) アコースティック・ギターとハモンドのサウンドでの落着いたしっとりとしたナンバーです。バック・ヴォーカルのBENEDIKT・BOHMが良い味を出しています。またBENEDIKTのエッジの効いたギター・ソロも泣かせます。
8曲目"Not At One"(3:49) ERICのすすり泣きに似た歌声とチェロの音色による静かな曲で共作者は、BENEDIKT・BOHMです。
9曲目"Never Enough"(3:33) 良い曲ですね。歪ませたギターのサウンドに絡みつくチェロの旋律のよるエモ・ポップでERICの歌声は少しダークなイメージの曲が似合います。
10曲目"Leaves Me Cold"(3:22) 少し難しく幻想的な歌詞の内容で静かに流れるメロディとバックで流れるSILVIA・RYDER(SUGARPLUM FAIRIES)の歌声がいいですね。
11曲目"Say Goodbye Again"(4:35) 美しい響きのアコースティック・ギターとERICの切ない歌声によるブリティッシュ・サウンド(リバプール勢かな?)の感じのする曲です。
12曲目"We Went Down Reprise"(1:33) 1分半程度の曲で"We Went Down" のサビの部分のリプライズです。MARK・O'BITZの弾くアコースティック・ギター1本に非常に美しいハーモニーが重ねられています。
全12曲歌詞付 8ページ物豪華写真ブックレット (輸入盤) 収録時間43分06秒 (全体的なサウンドは暗いイメージが強い作品ですが、歌詞の内容とメロディはERICの三枚目と比べ聴き込みが必要です)'09年12月25日再更新


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写真  ERIC ANDERS / More Regrets
 ・2005 Baggage Room Records    24938-0002-2

素晴らしいシンガーソングライターのアルバムです・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスでインディペンデントに活躍するERIC・ANDERSの3枚目(EPを含む)のアルバムで '04年のリリースです。
アポロ計画の元宇宙飛行士を父に持ち、空軍士官学校に通った彼は、後に臨床精神分析医博士号とフロリダ大学から英語の博士号を持つ非常に優秀な経歴の持ち主です。 そのERICが語るところによると、ある夜コーヒー・ショップでS.S.W.のMARK・O'BITZに偶然出会わなければシンガーになっていなかったらしいです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ERIC・ANDERS:ヴォーカルの他、RANDY・RAY・MITCHELL:ギター/プログラミング/プロデュース、ZAC・RAE:キーボード、JÖRGEN・CARSSON:ベース、BUTCH:ドラム/パーカッション、ADRIENNE・WOODS:チェロ、DAVID・JACKSON:アップライト・ベースの少人数での収録です。

1曲目"Song 79"(3:50) イントロの歪ませた泣きのギターのサウンドにやられました。非常に素晴らしいメロディとサウンドに包まれてERICの高く美しい繊細な歌声が曲と溶け合って行きます。
2曲目"Icarus"(4:12) 曲を書いているRANDY・RAY・MITCHELL(プロデュース兼ギター)のギター・サウンドをふんだんに取り入れた曲で非常にメロディアスであり幻想的な歌詞を持つ曲です。
3曲目"Settlin Comes"(3:27) アコースティック・ギターによるゆったりとしたリズムの曲で ERICの少し弱々しいヴォーカルがこの曲にマッチしています。
4曲目"Together Alone"(4:55) 幻想的なキーボードの音色とエッジの効いたギターのサウンドが何処となくブリティッシュテイスト溢れる曲調となっています。RANDYの素晴らしいバックワードギターがこの曲のアクセントとなっています。
5曲目"More Regrets"(3:45) アコースティック・ギターによる弾き語り風の曲です。ERICの高く甘い歌声によるタイトル曲です。
6曲目"Practiced Isolation"(4:58) ジャジーでアブストラクトな雰囲気を持つ曲でERICの高く響く歌声が暗闇で光り輝くような感じのする曲です。
7曲目"Through A Fog Darkly"(4:50) ゆったり流れるリズムと遠くで響くRANDYのギターのサウンドの乗せて歌うERICのセンシティヴな歌声による美しい曲です。
8曲目"You Lied"(4:07) リヴァーブの効いたギターのサウンドとチェロの奏でる音色が調和した曲でERICの美しいヴォーカルと彼自身によるハーモニーによる曲です。
9曲目"Remembering On My Own"(3:19) アコースティック・ギターによるフォーキーな曲でパーカッションのリズムが非常に躍動的な印象を与える曲です。
10曲目"Unhappy Like Ulysses"(5:37) リズミカルなパーカションとギターの爪弾きによる非常にシンプルで幻想的な雰囲気を持つ曲です。
11曲目"Starless Night"(4:01) メランコリックなメロディによる静かでゆったり流れる曲です。ERICのソフトで甘い歌声の響きでこのアルバムは、幕を閉じます。
全11曲歌詞付 16ページ物豪華写真ブッレット (輸入盤) 収録時間47分06秒 (アーティストとしては39歳と遅くにデビューしたERICですが、彼の美しい歌声は聴く者を優しく包んでくれる何かがあります)'09年12月25日再更新


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写真  ERIC ANDERS / Tethered To The Ground
 ・2006 Baggage Room Records    24938-0004-2

早くも到着したERICの4枚目のアルバム・・・

シアトル(ロス・アンゼルスより移動したようです)でインディペンデントに活躍するERIC・ANDERSの4枚目のアルバムが早くも到着しました。本国でのリリースは、'06年3月14日です。ロス・アンゼルスやシアトルで活躍するTRESPASSERS WILLIAMMARK・O'BITZの全面的な協力によりアルバムが制作されています。デビュー・アルバムに収録されなかった曲も今回収録されサウンド的には1枚目に非常に近いようです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ERIC・ANDERS:ヴォーカルの他、MARK・O'BITZ:ギター/キーボード、MATT・BROWN:ギター/スライド・ギター/キーボード/メロトロン/ベース・シンセサイザー、BENNY(BENEDIKT)・BOHM:ギター(E-Bow)、ROSS・SIMONINI:ベース/ギター/キーボード/コンサーティーナ/ストリング・アレンジ、BYRON・HAGAN:メロトロン、JOSH・NEUMANN:チェロ、PARIS・HURLEY:ヴァイオリン、CHRIS・STROMQUIST:ドラム、ANNA-LYNNE・WILLIAMS:バック・ヴォーカルのシアトルのミュージシャンも参加しています。

1曲目"Big World Abide"(4:32) ROSS・SIMONINI(TRESPASSERS WILLIAM)のベースのサウンドが凄いですね。ERICの囁き風のヴォーカルも健在でANNA-LYNNE・WILLIAMS(TRESPASSERS WILLIAM)の浮遊感のあるバック・ヴォーカルも雰囲気ものです。
2曲目"How Low And Why"(4:07) 前のアルバムでのプロデュース兼ギターのRANDY・RAY・MITCHELLとMARK・O'BITZとERICとの共作です。スローなリズムと呟きの歌声によるこのアルバムでのプロデューサー/ギターのMATT・BROWN(TRESPASSERS WILLIAM)のメランコリックなギターのサウンドによる曲です。
3曲目"Tethered To The Ground"(3:25) MARKのアコースティック・ギターのサウンドとリズムに合わしERICが歌う静かな曲ですが、内に秘められた熱いものを感じる曲です。非常に美しいANNA-LYNNEの絵画的な歌声も素晴らしいです。
4曲目"Far Away Land"(3:05) デビュー・アルバム[Not At One]で一緒に曲を書いていた ギタリストのBENEDIKT・BOHMとの共作です。当時に書かれていた曲のようですが、収録は今回が始めてです。MATTのカントリー調のスライド・ギターのサウンドが非常に素晴らしい曲です。
5曲目"Blister In The Sun"(3:18) ウイスコンシン出身パンク系ロック・バンドVIOLENT FEMMESの'81年のデビュー・アルバムに収録されている曲です。ERICにしてはめずらしくカバー曲です。歌詞の一部をERICが追加しているようです。アコースティック・ギターによる美しい響きによるスローな曲です。
6曲目"Earth Rise"(4:19) 少し気だるさを表したERICの歌声による曲で、ギターのサウンドをたっぷり収録しています。やはりギタリストの2人が作曲に参加しているからでしょう。MARKとMATTとMARCUS・WATKINSとERICとの共作の曲です
7曲目"Looking Forward To Your Fall"(4:42) 哀愁のあるメロディとクールに運ぶCHRIS・STROMQUISTのドラムのリズムによるミドル・テンポのナンバーです。後半からのストリングスの調べがダイナミックに展開する曲です。
8曲目"These People"(3:09) ERICの少し枯れた繊細な歌声が心に響く曲です。TRESPASSERS WILLIAMとMARKの演奏がERICをバックアップしていますね。大人しいサウンドのシンプルな曲ですが、底に流れるエモーショナルなものを感じます。
9曲目"Fall Over"(3:37) MARKのアコースティック・ギターによる曲でこの曲も2枚目の頃に書かれた曲です。非常にクールなギターのサウンドとERICの歌声のハスキーさが"渋い"と感じさせる曲です。
10曲目"So Wrong"(4:21) 哀愁のメロディと悲しみを表したERICの囁きの歌声による曲です。ANNA-LYNNE・WILLIAMSのバック・ヴォーカルの響きが非常に美しい曲です。
11曲目"Truth Be Told"(2:30) ROSSのベースラインが印象に残る曲で美しくも哀愁のあるERICのヴォーカルによる2分半程度の小さな曲です。
12曲目"Funeral Time"(4:06) MARKとERICの共作でMARKらしいシンプルなメロディの曲です。この曲でもANNA-LYNNEの幻想的に響くバック・ヴォーカルが素晴らしいですね。
13曲目"Walking Cure"(5:02) 後半に重厚な響きのストリングスのサウンドを取り入れた曲です。ゆったりとしたリズムの荘厳な印象を受ける曲で、最初のアルバムに参加していたベーシストのMIIKO・WATANABE とMARCUS・WATKINSとERICとの共作です。
全13曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:50分18秒 (ERICのHPのLINK先にTHE INNOCENCE MISSIONが張られていますが、何かサウンド的な繋がりがあるのでしょうか?非常に気になるところです)'09年12月25日再更新


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写真  ERIC CLAPTON / 461 Ocean Boulevard
 ・1974 RSO Records    MV 2098

もうすぐリリース後50周年・・・

このアルバムは、当時アメリカで活躍していたERIC・CLAPTONの2枚目(ソロ名義として)のアルバムで '74年10月国内でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ERIC・CLAPTON:各種ギター/ヴォーカルの他、YVONNE・ELLIMAN:ヴォーカル、GEORGE・TERRY:ギター/バック・ヴォーカル、CARL・RADLE:ベース、DICK・SIMS:オルガン、ALBHY・GALUTEN:ピアノ/シンセサイザー/クラヴィコード、JAMIE・OLDAKER:ドラム/パーカッション、AL・JACKSON:ドラム、JIM・FOX(JAMES GANG):ドラム、TOM・BERNFELD:バック・ヴォーカルのアメリカのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデューサーは、アトランティック レコード所属のTOM・DOWD(DEREK & THE DOMINOS, ARETHA・FRANKLIN etc.)です。

1曲目"Motherless Children"(4:55) イントロから飛ばすギターのサウンドが圧巻なアメリカのトラディショナル曲です。曲のアレンジは、ベースのCARL・RADLEとERICによりドブロ・ギターの音色が効果的に響きます。
2曲目"Give Me Strength"(2:51) ERICの書いたブルースです。バックのハモンドと溜めを持たせたドブロの音色の共演となってしっとりと流れます。
3曲目"Willie And The Hand Jive"(3:46) JOHNNY・OTIS '58年の曲のカバーです。ERICのライヴでもよく演奏されるお気に入りのゆですね。ここでの収録は、リヴァーブを使ったリズム・ギターにレイドバック感を強めたアレンジになっています。
4曲目"Get Ready"(3:50) YVONNEとERICとの共作です。ヴォーカルをYVONNEとシェアしたソウルフルな彼女の歌声とこれまたヴォーカルを楽しむように歌うERICです。当時、YVONNEのことをハワイ出身のS.S.W.とぐらいと認識していたのですが、母方が日系人だったのですね。
5曲目"I Shot The Sheriff"(4:30) もう何の説明も要らない曲ですね。このアルバム・リリース前年の'73年のジャマイカのBOB MARLEY & THE WAILERSの大ヒット曲です。ここでもYVONNEの歌声がイントロから飛び出しますね。DICK・SIMSのオルガンの音色も堪りませんね。
6曲目"I Can't Hold Out"(4:10) ブルース・シンガーELMORE・JAMES '60年のヒット曲のカバーです。少し鼻に掛かったERICのスムーズな歌声から間奏でスライド・ギターをこれまたスムーズに弾きこなすERICの安定感に浸りますね。
7曲目"Please Be With Me"(3:25) COWBOY '71年のアルバム[Five'll Getcha Ten]に収録されているSCOTT・BOYERの書いた曲のカバーです。この曲もERICのライヴでよく演奏される彼のお気に入り曲のようです。ここでの収録は、オリジナル曲のようにアコースティック・ギターを使って心地好い響きを放ちます。
8曲目"Let It Grow"(4:57) この曲のギター・コードの美しい流れに当時、非常に魅了された曲です。メルヘンチックなメロディの流れに途中より登場するドブロの泥臭いサウンドが非常に対照的に感じます。センチメンタルなメロディの部分にやはりイギリス的なところも感じ、アウトロの最後の最後の1音まで聴き耳を立てて聴いてしまいます。尚、バックのヴォーカルは、YVONNEとTERRYです。
9曲目"Steady Rollin' Man"(3:14) ERICの敬愛するブルースマンROBERT・JOHNSON '37年の曲のカバーです。ここでの収録は、サザーン・ロックのようにバタバタと響くドラムにファズ掛かったギターを重ねた押しの強さ持った収録スタイルです。
10曲目"Mainline Florida"(4:05) セカンド・ギターで参加しているGEORGE・TERRYの書いた曲です。イントロから勢いのあるギターのサウンドが響き左右に分かれたERICとTERRYの共演をアルバムの終焉まで楽しみましょう。
全10曲歌詞付 LP盤 (国内盤) 収録時間:39分43秒 (滞在先の住所をタイトルに使った為、アルバムのリリース後に多くのファンが詰めかけ大混乱だったそうです!)'23年7月7日更新
1974年度ベスト5


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写真  ERIC TAGG / Dream Walkin'
 ・1982 Canyon Records Inc.    C25A0205

国内のみのリリース・・・

このアルバムは、イリノイ州出身でギタリストLEE・REITENOURのアルバムにヴォーカリストとして収録やツアーに参加していたERIC・TAGGの '82年2月に国内でリリースされた3枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ERIC・TAGG:ヴォーカルの他、LEE・REITENOUR:ギター/プロデュース、DAVID・FOSTER:キーボード、DON・GRUSIN:キーボード、GREG・MATHIESON:キーボード、IAN・UNDERWOOD:キーボード、DAVID・HUNGATE:ベース、ABRAHAM・LABORIEL:ベース、NATHAN・EAST:ベース、JOHN・ROBINSON:ドラム、ALEX・ACUÑA:ドラム、RICK・SHLOSSER:ドラム、STEVE・FORMAN:パーカッション、TOM・SCOTT:サックス、GARY・HERBIG:サックス、JERRY・HEY:トランペット、CHUCK・FINDLEY:トランペット、BILL・CHAMPLIN:バック・ヴォーカルのベテランミュージシャン達が参加しています。
尚、このアルバムは、日本での企画により国内のみリリースされているアルバムです。

1曲目"No One There"(3:31) イントロの部分がサビのパートとなった出だしから印象的な曲です。ソフトでメロウな歌声を聴かせるERICの歌声の周りにLEEのギターの様々なエフェクトを効かせたジェントルなサウンドが広がります。
2曲目"Marianne"(4:11) 爽やかな音色を聴かせるフルートの調べに続いて登場するこの曲でその優しい歌声を聴かせるERICです。ERICのバックに重ねられた掠れ気味ながらもソウルフルな歌声を聴かせるBILL・CHAMPLINとの対照的な歌声が興味深いですね。
3曲目"Promises Promises"(4:30) このギターのチャカポコ音で一発LEE・REITENOURのギターと分かる曲ですね。サビの部分から電子サウンドを強めたドラムのビートやキーボードの調べが当時としては、斬新な感じがしたと思います。そう言えばイギリスのシンセ・ポップ/ロック・バンドNAKED EYESにも同名のタイトル曲がありましたね。尚、この曲は、先に紹介したBILL・CHAMPLINとLEE・REITENOURとERICの3人で書かれています。
4曲目"Dream Walkin'"(4:30) 今度は、少しセンチメンタルな調べの曲の登場です。アコースティック・ギターに持ち替えたLEEの爪弾きと切ない歌声を聴かせるERICです。ちょっとLEEのアルバムでのヒット曲"Is It You?" をスローにした感じかな。曲はERICとヴォーカリストKELLY・McNULTYと一緒に書かれています。
5曲目"In The Way"(3:16) スラッピングで奏でられるベースの心地好い調べに促されて歌うERICの歌声もどこか楽しそう感じるご機嫌なリズムの曲です。後半からゴージャスなホーンのサウンドとERICのセルフによるハーモニーで熱く盛り上がります。
6曲目"A Bigger Love"(4:42) この曲も本当に切ない調べと肩を落としたような流れを感じるリズムで繰り広げられています。まるで失恋映画のテーマ・ソングのようなサウンドに加えLEEのスライド・ギターも泣きも更に増して行きます。
7曲目"Crybaby"(4:10) イントロからスライド・ギターで登場するLEEにLINNドラムのスネア風の響きにドラムのビートがクールに感じる曲です。ERICのヴォーカル部分以外では、LEEの軽めのスライド・ギターの調べが全編に広がっています。
8曲目"Just Another Dream"(3:48) この曲もアルバム購入当時から良く聴いた軽めのサンバのリズムによる心地好い流れを持った曲です。ERICのヴォーカリストとして卓越した才能を耳当りさせると共に泣きのサックスが堪りませんね。
9曲目"Marzipan"(4:06) ソフトな響きを持ったギターの調べとこれまた優しい歌声を聴かせるERICです。尚、曲名のマジパンとは、製菓材料のひとつでアーモンド・パウダーを砂糖、卵白でこねた粘土細工ようにして細工するものです(脱線失礼)
10曲目"Mãos De Afeto"(4:19) オリジナル曲は、ブラジル出身のMBPの重鎮IVAN・LINS '80年の曲で多くのミュージシャンにカバーされています。ここでの収録は、ポルトガル語の歌詞のままERICが歌っています。
全10曲歌詞付 LP盤 (国内盤) 収録時間:41分13秒 (最近はテキサスでCCMシンガーとして活動中のERICですが、2010年にもデモ音源による80年代のサウンドのアルバムがリリースされています)'13年7月27日更新
1982年度ベスト5


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写真  ERIC TAGG / Through My Eyes
 ・1997 ID NET. INC.    AHCA-0003

大人のサウンドとメロウな・・・

このアルバムは、LEE・RITENOURのアルバムにヴォーカルとして参加していたERIC・TAGGの4枚目のソロ・アルバムです。日本の企画にて制作されたアルバムで '97年1月のリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ERIC・TAGG:ヴォーカル/キーボード/フルートの他、 MICHAEL・McGREGOR:キーボード/プログラミング、LEE・RITENOUR:ギター、 MICHAEL・THOMPSON:ギター、PHIL・SHEERAN:ギター、DON・GRUSIN:キーボード、ABRAHAM・LABORIEL:ベース、LARRY・TAGG:ベース、LANCE・MORRISON:ベース、KURT・WALTHER:ドラム、SAM・RINEY:サックス、BILL・CHAMPLIN:バック・ヴォーカル、JOSEPH・WILLIAMS:バック・ヴォーカル、RON・BOUSTEAD:バック・ヴォーカル、JUNE・STANLEY(JUNKO・YAGAMI):バック・ヴォーカルのお馴染みのミュージシャン達です。
プロデューサーは、one planet recordsの主宰MICHAEL・McGREGOR(RON・BOUSTEAD,JUNKHEAD)で先にも記載していますがキーボードと曲作りにも参加しています。
尚、当時このCDの発売に合わせて '87年の3枚目のアルバム[Dream Walkin']がCD化されています。

1曲目"What Say"(4:34) MICHAEL・THOMPSONのギターの痺れるサウンドから入るスムースでファンクな乗りの良い曲です。重厚なバック・ヴォーカルは、BILL・CHAMPLIN,JOSEPH・WILLIAMSとERICです。
2曲目"Never Too Far"(3:48) ミドル・テンポの美しいメロディのバラードです。アコースティックのサウンドを多用した曲です。この曲でも素晴らしいコーラスは前出の3人に加えJUNE・STANLEY (八神純子)が参加しています。
3曲目"Innocent"(4:14) スローなボサ・ノヴァのリズムの曲です。心地好く響くナイロン弦ギターは、LEE・RITENOURです。ベースはLARRY・TAGG (ERICの弟さん)でソロ・アルバムもリリースしています。
4曲目"Selah"(4:05) このアルバムの中では一番ポップな曲です。ウエスト・コーストのバンド風のサウンドと定番的なコーラスです。間奏には、ベテラン・サックス・プレーヤーSAM・RINEYが参加して素晴らしい演奏を披露しています。
5曲目"All I Can Give"(4:48) ソウルフルなERICのヴォーカルを全面に出した大人のサウンドとメロウなメロディによるバラードです。この曲でもバック・ヴォーカルのBILL,JOSEPHとERICのコンビネーションは非常に素晴らしいです。
6曲目"Main Man"(6:28) ラテンの香りのする躍動的なリズムの曲です。煌びやかなサウンドのギターは、再びMICHAEL・THOMPSON の登場です。ハイフレットでのベースのパーカッシブなビートはベテラン・ベーシストのABRAHAM・LABORIELです。 6分半におよぶ曲ですが、聴き入っている間に終わってしまいます。
7曲目"Sing Along With Love"(2:57) この曲もバックもヴォーカルが非常に美しい曲です。キーボードもERIC自身で演奏し、オーバーダブにて自身のコーラスを幾重にも重ねられているようです。曲の共作者はブラジルの有名なコンポーザー/シンガーのIVAN・LINSです。
8曲目"Someday"(5:27) グルーヴ感のあるスムースなリズムの曲です。ギターのサウンドに似せた打ち込みのサウンドが非常に興味深いです。バックに女性ヴォーカルが入っているように聴こえますが、多分ERICのファルセット・ヴォイスでしょう。この曲も間奏でSAM・RINEYが素晴らしいサックスの演奏が収録されています。
9曲目"Even Though"(5:20) ゆったり流れるボサ・ノヴァのリズムの曲でERICの美しく優しい歌声に癒される落着いた曲です。心地好く弾かれているナイロン弦ギターはL.A.活躍しているPHIL・SHEERANです。
10曲目"Yes Or No"(5:42) イントロからご機嫌なメロディでの曲です。間奏でのDON・GRUSINのFender Rhodesの響きも非常に心地好く日曜の気だるい午後が似合いそうな曲です。バック・ヴォーカルは、再びJUNE・STANLEY(八神純子)が参加しています。
11曲目"Heaven Is Ten Zillion Light Years Away"(4:38) STEVIE・WONDERの '74年のヒット曲のカバーです。RICHARD・PAGEのアルバムでもエンディングに収録されています。重く響くシンセ・ベースのサウンドとファンキーなメロディの曲です。ここでの収録はややスローなアレンジとなっています。
全11曲歌詞/訳詞付き 写真ライナー (国内盤) 収録時間:52分06秒 (10年ぶりのこのアルバムで音楽界に復帰したERICですが、再び音楽界より離れているようです)'09年12月27日再更新


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写真  ERIK PENNY / Summer Stars EP
 ・2004 maxy wango recordings    

純粋な歌声とシンプルなメロディによる・・・

このアルバムは、カリフォルニアのL.A.で活躍するERIK・PENNYの2枚目(PENNY バンドも含む)アルバムです。6曲入りのEPで '04年12月8日に本国でのリリースです。アルバム全体の雰囲気は少人数編成にて制作された必要最小限の音で、彼の優しい歌声を引き立てています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ERIK・PENNY:ヴォーカル/ギター/ベース/キーボード/ドラム・プログラミング/パーカッション/プロデュースの他、DAVID・GREEN:ギター/スライド・ギター、GARRETT・RAY(THE HIPPOS):スネア・ドラム、STEWART・COLE:トランペット/フューゲルホン、ERIK・NICKERSON:ストリング・アレンジ、CAROLIN・BENNETT:バック・ヴォーカル、LIBBIE・SCHRADER:バック・ヴォーカルのERIKの音楽仲間達です。

1曲目"Strawberries & Cannabis"(2:55) アコースティック・ギターの音色のゆったりしたリズムとERIKのハートウォームな歌声にレイドバックする曲です。メロディも覚えやすいです。
2曲目"Summer Stars"(3:44) ERIKの純粋な心の内を歌にしています。誰にでも好かれる美しいメロディと心地好いリズムの曲。 彼のハート・ウォームでウィスパーなヴォーカルスタイルは何故か聴く者の心に響く彼の優しさの滲み出た歌声で曲が終わるとまた直ぐ聴き直したくなります。
3曲目"The Beauty"(4:37) レコード盤のノイズを入れたサウンドとフリューゲルホーンの心地好い音色が作り出す落着いた曲。
4曲目"Swallow Your Dream"(4:13) カントリー調のメロディを主体としていますが、随所に打ち込みとループがさり気無く取り入れられています。スライド・ギターとキーボードの音色が心地好いのです。
5曲目"Extraordinary"(4:18) 前作15 Electricでも取り上げられていた曲、前作は打ち込みを多用した作風ですが、今回は非常にシンプルになっています。
6曲目"No Further To Fall"(4:29) アルペジオにて奏でられる彼の弾き語りです。
歌詞無し 写真ライナー CD-R (輸入盤) 収録時間:24分19秒 ('06年1月フルトラック・アルバムを発表の予定です)'09年12月27日再更新


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写真  ERIK PENNY / Footprints
 ・2006 Headless Toad Music    

久しぶりに出たERIKの新作・・・

ロス・アンゼルスでインディペンデントとして活躍するERIK・PENNYの3枚目のアルバム(PENNY バンドも含む)で '06年4月25日のリリースです。前作のアルバム・リリース後のライヴの影響からか喉を痛めて静養していたERIKが書き溜めていたコンセプト的(自身の足跡)な曲を中心に収録したアルバムですが、前作同様、彼らしいシンプルな音楽スタイルにピュアな歌声とアコースティックな曲達によるアルバムです。
このアルバムの収録に参加してミュージシャンは、ERIK・PENNY:ヴォーカル/ギター/キーボード/ベース/プログラミングの他、GARRETT・RAY:ドラム、DAVID・GREEN:ギター、FRANK・PARGE:ギター/バック・ヴォーカル、CARSON・COLEMAM:ベース/バック・ヴォーカル、STEWART・COLE:トランペット、QUINCY・COLEMAM:バック・ヴォーカル、ADRIANNE:バック・ヴォーカルのERIKの音楽仲間達です。

1曲目"Stop Me From Falling"(2:02) イントロの打ち込みのメロディが印象的な曲です。爽やかなメロディ・ラインとエバーグリーン的な曲のイメージがします。前作にも参加していたギターのDAVID・GREENのサウンドがいいですね。
2曲目"Footprints"(5:14) 曲間を埋めたアウトロとイントロに凝った収録となっています。この曲は、何かERIKの思い入れを非常に感じる曲です。優しく語りかけるような彼のヴォーカル・スタイルから一歩踏み出したエモーショナルさを感じるこのアルバムのメインとなる曲です。
3曲目"Black Bob"(4:12) 囁き似た低いキーでの歌声による収録です。サウンド的にはカントリー・ロック調な3コードを基調としています。後半からのバックの演奏との息もぴったりですね。
4曲目"Lessons"(3:42) この曲もイントロの打ち込みのメロディは非常に印象的です。ウィスパーヴォイスによるERIKの歌声と爽やかな響きを発するアコースティック・ギターによる曲です。
5曲目"Playing Just For Us"(3:15) カントリー・アンド・ウエスタン調のギターのサウンドによる牧歌的な曲です。ゆったりとしたリズムによる落ち着いた曲でバック・ヴォーカルとのハーモニーも素晴らしいです。
6曲目"On Fire"(4:23) イントロから囁きに近いERIKの歌声によるクールな曲です。さり気ない打ち込みとギターのサウンドが心地よく響きます。後半より登場するバック・ヴォーカルのQUINCY・COLEMAMとのハーモニーも美しく響く曲です。
7曲目"Tuesday Night"(3:46) アルバム購入前から非常に聴いてみたかった曲です。ビター・スイートなERIKの低く響く歌声に哀愁のある美しいメロディが堪りません。シンプルなDAVIDのギターソロも良い感じです。
8曲目"The Son That"(9:16) 静か始まるイントロから急激な管楽器のサウンドのオンパレードに少し驚かされる曲です。STEWART・COLEのホーンのサウンドたっぷり入ったサビの部分は今までのERIKのサウンド・スタイルとは少し違った感じです。この曲が終わった後、2分ほどのブランクを挟んでシークレット・トラックが収録されています。アコースティック・ギターの心地好い残響音とドラムとベースよる落ち着いた3分半程度の曲です。
歌詞無し 風景写真のポートレート付 カードボード型ジャケット (輸入盤) 収録時間:35分54秒 (非常に凝ったアルバムのデザインと写真はERIKの奥さん、写真家のMEIKE・BERGMANN・HIBBERTです!)'09年12月27日再更新


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写真  EVARO / In Your Eyes
 ・2010 Lagimas music    8 84501 28836 1

やっとアルバム・リリースです・・・

このアルバムは、カリフォルニアで活躍しているインディーズ・バンドEVAROの '10年4月に本国にてリリースされたデビュー・アルバム(曲違いのダウンロード販売は '09年秋)です。
EVAROのメンバーは、GENE・EVARO,JR.:ギター/キーボード/ヴォーカル、BRYANNA・EVARO:ベース、SHAVAUGHN・EVARO:ヴォーカル、GABRIELLA・EVARO:ヴォーカル、SAM・WILLMORE:ドラムの5人組です。
主に作詞/作曲を担当しているGENE・EVARO,JRは、ナッシュヴィルでEVARO COMPLEXの中心人物として活動し、インディペンデント・ミュージシャンによるエマジェンザ・フェスティバルのファイナルまで進出した実力のあるバンドでしたが、残念ながらアルバム・リリースまで至りませんでした。
後に音楽活動の拠点をカリフォルニア州ジョシュアツリーに移し、姉妹達とこのアルバムの制作とライヴ活動を行っています。また、驚いた事に同じ街ジョシュアツリーに住むCOCK ROBINのギタリストCLIVE・WRIGHTが '08年より彼らと行動を共にしています。
尚、余談ですがGENE・EVARO,JR.の父であるGENE・EVAROは、アリゾナで活動しているS.S.W.でELVIS・PRESLEYのアルバム制作や映画音楽にも携わっていた人物です。

1曲目"3262"(4:09) EVARO COMPLEX時代から聴かせる軽快なリズムを持ったドラムのビートと細かく刻まれるGENEのギターの調べによる曲でヴォーカルは、GENEとGABRIELLAと思われます。後半からエモーショナルなドラムのビートとアグレッシヴなギターのサウンドが流れるアシッドな感覚になっています。
2曲目"In Your Eyes"(4:16) 少しレトロな雰囲気を感じさせるレゲエ寄りのポルカのリズムによる曲で、今度のヴォーカルはGENEとSHAVAUGHNでしょうか。スキャットによるヴォーカルやハンド・クラップスなどで曲にメリハリ付けた手法や女性ヴォーカルの起用などはCOMPLEX時代と一線を画します。
3曲目"Got My Own Heartache"(5:05) イントロから聴かせるCORINNE・BAILEY・RAE似のGABRIELLAの甘く妖艶な歌声を聴かせるソウル・フィーリング溢れる曲です。後半からGENEのこれまたソウルフルな歌声が響く"クール" でご機嫌な1曲です。
4曲目"Down There"(4:22) 今度は一転してGENEのアコースティック・ギターの弾き語りを中心とした収録になっています。この曲でもヴォーカルをGABRIELLAとシェアした収録となっていてサウンドも非常にリラックスしたラテンの香りが伝わって来ます。
5曲目"Worry"(3:54) GENEのウイスパー・ヴォイスによるボサ・ノヴァ・スタイルの曲です。バックで囁くオルガンのサウンドにリムを打つスネアのビートが渋いですね。この曲もそうなのですが、GENEの書く曲は、後半から展開が予想と違うスタイルを聴かせますね。
6曲目"Little Words"(2:04) 今度は一転して非常に牧歌的なサウンドを聴かせるカントリー調のアコースティック・ギター1本での曲です。地元のラジオ局に出演した時に演奏された即興性のある軽め目サウンドが響きます。
7曲目"Samba"(3:44) 曲のタイトルのサンバよりメランコリックなボサ・ノヴァの調べ強く感じさせる落ち着いたリズムの曲です。GENEと交互に登場する女性ヴォーカルの吐息混じりの歌声が堪らない洒落たエキゾチックな夜の雰囲気を感じさせます。
8曲目"If You Don't"(5:13) この曲もラテンの雰囲気を感じさせるエモーショナルなビートを持った曲です。適度にサウンドの隙間を持たせた収録スタイルによる自宅スタジオ・テイクの雰囲気を感じます。この曲も後半からGENEのギター・ソロを駆使したアグレッシヴなインストゥルメンタル収録となっています。
9曲目"Leave(Live At Watercanyon)"(5:52) 地元のコーヒーハウスWater Canyon Coffee Co.でのライヴ収録と思われます。 ジャジーなギターのサウンドに乗せたGENEの特長的なヴィブラートの歌声にバックで響くSHAVAUGHNとGABRIELLAの歌声も美しく響いています。
10曲目"Ode To Natalie"(2:46) GENEのナイロン弦ギターの爪弾きのサウンドに乗せた全員のハミングによるインストゥルメンタルです。
尚、この曲は、ジャケット写真に登場しているEVAROの姉妹NATALIE・EVAROに捧げられています。
歌詞無し ライナー無し 紙スリーヴ仕様 (輸入盤) 収録時間:41分25秒 (かれこれ4年ほど前でしょうかEVARO COMPLEX時代からアルバム・リリースを待っていたGENE・EVARO,JR.のアルバムがやっとリリースされました)'10年7月10日更新
2010年度ベスト5


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写真  THE EVARO COMPLEX / The Evaro Complex - 2007
 ・2015 Gene Evaro Jr.    

当時、本当に良く聴いた・・・

このアルバムは、収録当時テネシー州ヘンダーソンヴィルで活躍していたるジャズ・ファンク/R&BバンドTHE EVARO COMPLEXのデビュー・アルバムで '07年に収録されていましたが、'15年1月7日にリーダーであったGENE・EVARO JR.のBandcampからダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GENE・EVARO JR.ヴォーカル/ギターの他は、情報が無い為、割愛します。

1曲目"Who Wants Love"(3:30) '07年当時THE EVARO COMPLEXのMyspaceで試聴出来た曲です。何せ一聴したとたん非常にかっこ好さを痛烈に感じさせられました。
2曲目"New Day"(4:01) この曲も '07年当時THE EVARO COMPLEXのMyspaceで試聴出来た曲です。前の曲と少し趣向を違えたラテン音楽の要素やGENEのギターの非常に美しい運指が印象に残ります。
3曲目"Tired Of It "(4:51) '15年にダウンロード・リリースされる為の蔵出しの曲でしょうか。ギター、ベースとドラムによるシンプルなサウンドですが、メロディやアコースティック・ギターとピアノのソロが華麗な展開を聴かせます。曲の終わりの約1分はメロディアスなインストゥルメンタルとなっています。
4曲目"Lean Against The Wall"(3:07) レゲエのリズムの影響を感じさせる曲です。THE EVARO COMPLEXからGENEのソロ活動に移行した時に良く聴かれたレゲエ感やレイドバック感があります。
5曲目"Eyes Are Eyes"(4:11) この曲も '07年当時THE EVARO COMPLEXのMyspaceで試聴出来た曲です。本当に最初のイントロを聴いた時から本当に演奏や歌が上手いと感じさせられました。当時は、まだ学生だったGENE達、ジャズ、ロックやソウル音楽の要素を貪欲に自分たちの音楽に取入れてことを感じます。
6曲目"Bright Sunlight"(4:06) 曲の出だしR&Bで途中よりアシッド・ジャズの雰囲気を醸し出す渋めの曲です。クールなハモンドの調べとドラムのビートが目まぐるしく響きます。
7曲目"Where I've Been Lately"(3:10) '07年当時は、単に[Lately]と題されていたアコースティック・ギターにベースと素早く叩かれるドラムのビートによる乗りの好さを感じさせる曲です。この曲もサンプル音源を一聴した途端にかっこ好さを感じさせてくれました。
8曲目"Babe That Ain't You"(3:56) この後にリリースされるGENEのソロ・アルバムの音楽のようなアコースティック調の曲です。どことなく牧歌的なリズムとサウンドがGENE本来の持ち味なのかも知れませんね。
9曲目"Samgae Jam C Minor"(2:59) ファンキーなリズムとサウンドによる乗りの好さを伝える曲です。ファンク、ソウル、ジャズ、ロックとごちゃ混ぜ感は、やはりGENEらしいサウンドです。
ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:33分41秒 (Myspaceが音源データを喪失するまで当時、本当に良く聴いたGENEの音楽です)'19年6月26日更新


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写真  FADED PAPER FIGURES / Dynamo
 ・2008 SHORTHAND    SH-001

KAELのハイ・フレットによるベースの魅力・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスの近郊の町アーヴィンでインディペンデントに活躍している3人組FADED PAPER FIGURESのデビュー・アルバムで本国でのリリースは、'08年7月となっています。
FADED PAPER FIGURESのメンバーは、R.JOHN・WILLIAMS:ヴォーカル/ギター/ベース、KAEL・ALDEN:ギター/ベース/キーボード/ドラム/プログラミング/バック・ヴォーカル、HEATHER・ALDEN(KAELの奥さん):キーボード/バック・ヴォーカルの3人組です。

1曲目"North By North"(4:34) イントロのエレクトロニカのサウンドとヴォーカルのJOHNの少し頼り気のない歌声だけ聴いているスウェーデンの新しいポップ・バンドかなと思う雰囲気とスタイルを感じます。途中より登場するHEATHERの歌声がまた良いんですよ。
2曲目"B Film"(3:55) 打込みによるエッジの立った刻み音が流れるエレクトロニカ・ポップスの曲です。JOHNの爽やかなアコースティック・ギターとHEATHERの優しい歌声が打ち込みのサウンドを打ち消して暖かい質感を与えてくれます。
3曲目"Logos"(4:34) このバンドの最大の魅力であるKAELのハイ・フレットによるピッキング・ベースのサウンドがふんだんに流れるアップテンポの曲です。また、JOHNとHEATHERのハーモニーのバランスも非常に美しく聴こえて来ます。
4曲目"Polaroid Solution"(3:20) 今度はサウンドを少しダークな方向へと移して来た曲です。ローファイなドラムのビートと"ピコピコ" と鳴るHEATHERのキーボードの調べが心地好い響きですね。
5曲目"Future Self"(4:20) この曲もKAELのハイ・フレットによる柔らかいピッキング・ベースの調べとゆったりとしたリズムの流れJOHNのソフトな歌声が優しく響きます。
6曲目"Metropolis"(3:32) この曲でもKAELのハイ・フレットによるベースのサウンドが輝いている曲です。コケティシュ(良い意味での)なHEATHERとJOHNのヴォーカルの掛け合いも見事な出来なのです。
7曲目"I Fell Off My Name"(3:57) JOHNのアコースティック・ギターのサウンドを前面に出して来たスウェーディシュ・ギター・ポップな曲です。心地好いキーボードの調べとリフレシュなサウンドとが気持ち良いですね。
8曲目"Geneva's Gone"(3:00) トリップ・ホップ的なエレクトロニカのサウンドによるまた違った一面を聴かせる曲です。ヨーロッパ・トーンを意識したファッショナブルなサウンドと言葉少なめの歌詞になっています。
9曲目"The Persuaded"(3:43) この曲では、ヴォーカルの歌声の質は違うもののN.Y.で活躍しいている最近のエレクトロニカ・サウンドを増して来たIVYの曲に共通する部分を感じます。
10曲目"Being There"(3:15) 肩を張らずに少しお気楽さを感じさせる収録曲ギター・ポップの曲です。循環コードで演奏させるギターの調べとマーチングのようなホーンのサウンドをアレンジしたストレートなサウンドで攻めて来ます。
11曲目"Speeches"(3:00) この曲を聴いていて何故かUKのTHE DREAM ACADEMYのことを思い出しましたね。バンドの構成も同じだし、影響されたミュージシャンもS&Gとの事も共通しています。
12曲目"Red State"(2:33) アルバムの最後はゆったりとしたローファイなサウンドによるJOHNの弾き語りを中心に流される曲です。少し枯れて悲しげなウィスパー・ヴォイスのJOHNの歌声です。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:43分49秒 (このアルバムは、本国でリリース後、国内でもジャケ替にてリリースされています)'10年5月18日再更新


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写真  FAR CRY / The More Things Change...
 ・1980 Columbia Records/CBS Inc.    NJC 36286
 ・2001 Sony Music Entertainment (Japan) Inc.    SRCS 9840

世界初のCD化です・・・

70年代の後半にニューヨークで活躍していたGALDSTON & THOM ことPHIL・GALDSTON(ピアノ/ヴォーカル)とPETER・THOM(ヴォーカル/ギター/ピアノ) のコンビが '80年にFAR CRY名義でリリースした唯一のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PHIL・GALDSTON:ヴォーカル/キーボード、PETER・THOM:ヴォーカル/ギター/キーボードの他、 JEFF・MIRONOV:ギター、STEVE・KHAN:ギター、MARK・DOYLE:ギター、ELLIOTT・RANDALL:ギター、NEIL・JASON:ベース、WILL・LEE:ベース、TONY・LEVIN:ベース、DOUG・STEGMEYER:ベース、ROB・MOUNSEY:キーボード/シンセサイザー/バック・ヴォーカル、LIBERTY・DEVITTO:ドラム、ED・GREENE:ドラム、CHRIS・PARKER:ドラム、BERNARD "PRETTY" PURDIE:ドラム、RALPH・McDONALD:パーカッション、RANDY・BRECKER:フリューゲル・ホーン/トランペット、MARVIN・STAMM:フリューゲル・ホーン/トランペット、BARRY・ROGERS:トロンボーン、TIM・CAPPELLO:サックス、RONNIE・CUBER:サックス、DAVID・TOFANI:サックス、DONALD・FAGEN:バック・ヴォーカル、ZACHARY・SANDERS:バック・ヴォーカル、PATTI・AUSTIN:バック・ヴォーカル、JOHN・BARRANCO:バック・ヴォーカル、FRANK・FLOYD:バック・ヴォーカルの有名ミュージシャン達です。
エグゼクティヴ・プロデューサーPHIL・RAMONE、プロデューサーは、ELLIOT・SCHEINER(STEELY DAN,FLEETWOOD MAC)が抜擢されています。
尚、このアルバムは、Sony Musicの復刻リクエストにより '01年6月20日に世界初のCD化にてリリースされています。

1曲目"Hits Just Keep On Comin'"(4:04) 非常に高いキーでのPHIL?のヴォーカルが印象的な曲で、随所にSTEELY DANのフレイヴァーが散りばめられたサウンドになっています。バック・ヴォーカルは、DONALD・FAGEN(STEELY DAN)ギターは、STEVE・KHANパーカッションは、RALPH・MACDONALDのニューヨーク勢で固めています。
2曲目"Eldorado Escape"(4:07) イントロから重厚なキーボードのサウンドによる切れ味のあるアダルト・ロックの曲です。ドラムは大御所BERNARD・PURDIE ギターJEFF・MIRONOV、ベース WILL・LEEと凄いメンバーです。
3曲目"One And Lonely"(3:43) イントロのMARK・DOYLE(BRYAN・ADAMS)のメランコリックなサウンドによるギターで参ってしまう非常にメロディアスなナンバーです。間奏のシンセサイザーでのソロは、ROB・MOUNSEYで彼の奏でるサウンドが非常に心地好いのです。ドラムにはROBのミュージシャン仲間CHRIS・PARKER(STUFF) も参加しています。
4曲目"Because It's There"(4:05) アーバンなサウンドによるご機嫌な曲の登場です。エモーショナルな歌声を聴かせるPHILの歌声のバックで素晴らしい"ハモリ" を聴かせるのは、なんとPATTI・AUSTINです。この曲のドラムは、超ベテランED・GREENEが起用されています。
5曲目"It's Not As Simple As That"(3:37) 非常にSTEEKY DANのサウンド・スタイル感じさせるエッジのあるメロディ・ラインと洒落たアレンジによる曲です。間奏ではELLIOT・RANDALLがこれまたSTEELY DANライクなギターソロを聴かせるのです。この曲でもDONALD・FAGENがバック・ヴォーカルで参加しています。
6曲目"Fight, Fight, Fight"(3:07) メンフィス・スタイルのホーンとファンクなリズムによる南部ソウル・ミュージックを感じさせるサウンドの曲です。ホーンはRANDY・BRECKERとTIMMY・CAPPELLO(TINA TURNER'S BAND)です。
7曲目"Ocean Eyes"(3:18) プログレッシヴ・ロックのようなダイナミックでワイドなサウンドによるイントロを掴みとして配したミドル・テンポのメロディアス・ロックです。PATRICK・LEONARDが在籍していたTRILLIONのサウンドにも通じるシティー感覚を感じるロックなナンバーです。
8曲目"Suddenly Strings"(4:37) この曲はアルバム購入当時"ヘビ・ロテ" で良く聴いたソフトでメロウなバラードです。現在もPHILが良く書いている美しいメロディによるバラードです。クレジットには書かれていないのですが、バックのハーモニーでは、MICHAEL・McDONALDの歌声によく似たPETER・THOMの素晴らしいヴォーカルが収録されています。
9曲目"Tell Jack"(3:59) このアルバムでは比較的ハードなサウンドを聴かせるロック"ン" ロールのリズムの曲です。MARK・DOYLEのスライド・ギターとソロのサウンドをメインとしたアレンジにバック・ヴォーカルにはFRANK・FLOYD(THE WRITERS)も参加しています。
10曲目"Some Things Will Never Change"(4:57) この曲もキーボードのサウンドがかなりの比率で投入されている曲ですね。細かく弾かれるキーボードとギターの刻み音によるレゲエ・ミュージックからの影響が伺える曲です。間奏で奏でられるSTEVE・KHANの独特なあの"テレ・キャス" によるギター・フレーズが印象的な曲です。バックのメンバーは、1曲目のメンバーにベースが故DOUG・STEGMEYER(BILLY JOEL'S BAND,PHOEBE・SNOW)に代わってWILL・LEEが入っています。
・歌詞無し(Discogsのヨーロッパ盤には歌詞/クレジットあり) LP盤 U.S.製 (輸入盤)
・全10歌詞/訳詞付 16ページ物ブックレット CD盤 (国内盤)収録時間:39分39秒 (発売当時のU.S.輸入LP盤には、クレジットなど何も記載されていなかった。但し、このアルバムから流れてくる緻密なサウンドにはかなりのベテラン・ミュージシャンの協力があったと想像していました)'10年1月6日再更新
1980年度ベスト5


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写真  FERAL BLISS / White Noise Intermission
 ・2007 LIVE VILLAGE RECORDS    8 25105 03712 2

枠"ギリギリ" に位置している・・・

このアルバムは、カナダ東部の州ノバ・スコシアで活躍しているソウル・ミュージックのユニットFERAL BLISS(MARINDA・LAVUT)の '07年4月16日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
アルバムの収録の参加しているミュージシャンは、詳しいクレジットの記載がない為、残念ながら不明ですが記載あるものは以下に。MARINDA・LAVUT:ヴォーカル/マルチ・インスルメンツの他、D.MACKAY:ギター、J.J.:ギター、J.LYNE:ホーン、DAMIMIEN・ALEXANDER:プロデュース、J.HURST:副プロデュースのやはりカナダのミュージシャン達でしょうか。
尚、ヴォーカルのMARINDA・LAVUTは、スペインのギタリストSOLARIとのユニットMARINDA+SOLARIとしてもアコースティック・サウンドによるボサ・ノヴァのアルバムを '08年にリリースもしています。

1曲目"Silence"(3:25) 重く響くベースのサウンドとエレクトロニカのリズムによるアーバン・ミュージックです。滑らかに流れるMARINDAの軽めで妖艶な歌声とタイトなドラムのリズムが押し寄せて来ます。
2曲目"Show Me Luv"(3:50) ダウンテンポのリズムを奏でる"クール" なドラムのビートとストイックな雰囲気を醸し出したMARINDAのソリッドな歌声に続いてLAPによるアレンジで収録されています。
尚、この曲は、次のアルバムにもボサ・ノヴァ・バージョンで収録されています。
3曲目"Letting Go"(4:06) この曲のキーボードのアンビエント系のサウンドとMARINDAのメランコリックがかった歌声に痺れてアルバムを購入しました。尚、このアルバムの収録曲の大半は、MARINDAの作となっています。
4曲目"Anything Goes"(3:16) 少しサウンドのテンポを上げて来たラップによる曲の登場です。パーカッションによるリズムの流れとMARINDAのセルフ・ハーモニーによるアレンジによるシンプルな楽器構成による収録となっています。
5曲目"Sketches"(1:00) 1分程度のヴォーカルとラップによるサンプル音源から収録されたタイトル通りスケッチ的なイメージを感じます。
6曲目"Back And Forth"(3:17) リズムアンドブルースとスローなアーバンチックな雰囲気の曲です。一定のリズムを刻むアシッド系のリズムとスムーズなMARINDAの歌声に"クール" なトランペットの調べです。
7曲目"Shakey Wall Lullaby"(4:04) ミュートしたトランペットの調べが全編に流れるこの曲も不思議な雰囲気を伝える曲です。不協和音を使った何かもどかしさや切れの悪さを敢えて表現したようなオルタナティヴさも感じさせるのです。
尚、この曲は、ビデオも制作されてネットで公開もされています。
8曲目"Infectious Sketches"(4:09) 再びスケッチと題されたヴォーカルとラップを交えた曲の登場です。Infectious(伝染性)と記されている通り、次々とヴァーカルを繋ぎながら展開されています。
9曲目"Can't Shake My Dreams"(2:59) 殆どアカペラによる伴奏で歌われるノスタルジックな色合いを感じるソウル・ミュージックの曲です。ニューオリンズ辺りのこぢんまりとしたライヴ・ハウスでの演奏曲のイメージを感じます。
10曲目"Il Faut Le Temps"(3:52) 厳かに流れるエレクトロニカのサウンドとリズムによるメランコリックな調べの曲です。歌詞は、MARINDAによりフランス語で書かれています。
11曲目"Talking Tunes"(1:34) ジャズ・ギターの調べとドラムのシンバル音によるスキャットやジャズ・ヴォーカルによる1分半程度の短い曲です。
12曲目"High Plains Drifter"(4:17) 心地好いパーカッションのリズムに穏やかなギターとキーボードの調べが流れるインストゥルメンタルです。尚、この曲は、プロデューサーDAMMIEN・ALEXANDERの作です。
歌詞無し 写真ライナー CD-R (輸入盤) 収録時間:39分52秒 (余りHIP HOPやLAP系のアルバムは聴かないのですが、このアルバムは好きな音楽のジャンルの枠"ギリギリ" に位置しているところかな...)'10年1月6日再更新


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写真  FIELD CLUB / Field Club
 ・2020 FIELD CLUB    

パワー・ポップからソフィスティケート・・・

このアルバムは、ネブラスカ州オマハで活躍しているインディー・ロック/ポップ・バンドFIELD CLUBの6枚目(ダウンロードEP盤を含む)のアルバムで '20年6月5日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、FIELD CLUBのANDREA・PURDY:ヴォーカル、KARA・PURDY:ヴォーカル/キーボード、REUBEN・HOUSER:ギター、PAUL・JENSEN:ベース、JUSTIN・VAUGHAN:キーボード/プログラミング、NATHAN・SOTO:ドラムの6人の他、MEGAN・SIEBE(CURSIVE):チェロの地元のミュージシャンが参加しています。

1曲目"Still On"(4:13) 潔く叩かれるドラムのビートに合わせ歌うANDREAの清いヴォーカルが印象的な曲です。このバンドの特徴でもあるREUBENのギターのリフがバックに広がるアルバムのオープニングに相応しいダイナミックなサウンドを感じます。
2曲目"Christine"(3:14) 今度は、サウンドとリズムを軽くしてきたポップ/ロックな感じ曲です。途中より男性ヴォーカルが入っているのですが、詳しいクレジットが無いので不明です。ところでクリスティーヌって誰なんでしょうか。
3曲目"Blue Jay"(3:59) キーボードとシンセサイザーの厳かなサウンドが融合したチル感たっぷりな曲です。ANDREAとKARAの歌声によるハーモニーとREUBENのエコーを効かせたギターの調べが堪りませんね。
4曲目"Saint June"(3:06) このアルバムからの先行EP盤として5月にリリースされた乗りの好い一押しの曲です。オノマトペ的に同じ歌詞を2度続けて歌われるANDREAの可愛い歌声が強く印象に残ります。
5曲目"Another Midnight"(3:56) 前の曲のB-サイドとして先行リリースされたオルガンとチェロの音色が広がるしっとりとした調べの曲です。凛としたオルガンの調べと水を打ったように静まり返る様を舞台にANDREAが孤高に歌います。
6曲目"Hair School Dropout"(6:15) 変わったタイトルの曲です。メロディとサウンドは、非常に穏やかな流れと広がりを感じさせます。この曲にも男性バック・ヴォーカルが付けられています。
7曲目"Cover Me Up"(2:55) この曲もイントロから印象的なドラムのビートが流れて来ます。REUBENのサスティーンを効かせたギターの響きと行進曲的なリズムに乗せ曲がこちらに迫って来るのです。
8曲目"Her"(3:59) KARAとANDREAのダイナミックな歌声を聴かせるパワー・ポップな曲です。多分、メイン・ヴォーカルは、KARAだと思います。この曲でもとても印象に残るギター・リフをREUBENは聴かせるのです。
9曲目"Never Satisfied"(3:50) イントロから2人仲良くその歌声を聴かせるANDREAとKARAです。Lo-Hiにしたベースのサウンドとエッジの効いたREUBENのギターが聴き物となっています。
10曲目"Early Light"(3:52) ここに来てアコースティック・ギターの音色を加えたソフトな仕上がりを感じる曲です。日常の事をちょっと抽象的に記した歌詞が印象に残ります。
11曲目"The Fool"(3:48) ちょっとフュージョン・ミュージックのイントロを聴かせる洒落たサウンドとメロディの曲です。細かくトレモノで奏でられるREUBENのギターとダイナミックなドラムのリズムが心地好く響いて来ます。
12曲目"Just A Body"(6:01) スローなリズムとソフトなサウンドによる浮遊感漂う曲です。パワー・ポップな曲からこのようなソフィスティケートされた曲を奏でるFIELD CLUB、やっぱり洒落ていますね。
歌詞無し (ダウンロード販売) 収録時間:49分08秒 (私が住んでいる県と姉妹・友好提携を最近結んだネブラスカ州、ここでは音楽から入ってみようと思います)'20年8月11日更新


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写真  THE FIFTH AVENUE BAND / The Fifth Avenue Band
 ・1969 Warner Music Japan Inc.    WPCR-75399

日本のみのCD化・・・

このアルバムは、N.Y.のグリニッチ・ヴィレッジ周辺で活躍していたTHE FIFTH AVENUE BANDの '69年にリリースされたデビュー・アルバムです。
THE FIFTH AVENUE BANDのメンバーは、PETER・GALLWAY:ギター/ヴォーカル、KENNY・ALTMAN:ギター/ヴォーカル、PETE・HEYWOOD:ドラム、JON・LIND:ヴォーカル、JERRY・BURNHAM:ベース/フルート、MURRAY・WEINSTOCK:キーボードの6人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、THE FIFTH AVENUE BANDの6人の他、BUDDY・EMMONS:ペダル・スティール、RAY・BROWN:アップライト・ベース、PLAS・JOHNSON:ブラス、JACKIE・KELSO:ブラス、DALTON・SMITH:トランペットのベテラン達です。
プロデューサーは、JERRY・YESTER(JUDY・HENSKE,TIM・BUCKLEY)、ZAL・YANOVSKY(THE LOVIN' SPOONFUL)、ERIK・JACOBSEN(TIM・HARDIN,CHRIS・ISAAK)が曲により担当しています。
尚、このアルバムは、'08年5月28日に日本のみのデジタル・リマスターによるCD(Forever YOUNGシリーズ)化となっています。

1曲目"Fast Freight"(3:29) PETERの作詞/作曲の曲の登場です。この曲のサウンド・スタイルは非常にTHE BANDのスタイルに近い、少し土の香りがするギターのサウンドを中心にメンバーのハーモニーを付けたロックな感じです。
2曲目"One Way Or The Other"(2:27) JONがスムーズな歌声を聴かせるKENNY・ALTMANの書いたアダルト・ロックなサウンドの曲です。ラテン的なパーカッションのリズムとメロウなサウンドは、ソウル・ミュージックの影響も感じさせます。
3曲目"Good Lady Of Toronto"(4:02) '72年のPETERのソロ・アルバムにも収録された曲です。アコースティック・ギターの調べとBUDDY・EMMONSペダル・スティールのサウンドが流れるPETERの回顧録を綴った内容のようです。
4曲目"Eden Rock"(2:30) KENNYとPETERの合作による乗りの良いリズムとサウンドによる曲で、ヴォーカルは、JONです。バックのコンガの心地好いリズムに乗せ歌うJONの歌声とメンバーの美しいハーモニーとが流れて行きます。
5曲目"Country Time Rhymes"(3:44) PETERの曲の登場です。スローなリズムとPETERの優しい響のする歌声と心地好く流れるMURRAYのジャズ・フレイヴァーなピアノの調べがするのです。
6曲目"Calamity Jane"(2:48) この曲は '71年のPETERのOHIO・KNOX名義のアルバムにも収録されたロック"ン" ロールのリズムの曲です。このアルバムでの収録では少しサウンドをコンパクトにあっさりとしたバンド形式の曲になっています。
7曲目"Nice Folks"(2:26) KENNYの曲の登場です。明るいメロディとカリフォルニアの空気感を感じさせる乾いたサウンドによるエンタティメントな曲です。
8曲目"Cockeyed Shame"(2:48) PETERの持つ独特な癖を感じさせる曲がようやく登場して来ました。粘っこく纏わり付くPETERの歌声と拘りのあるコード進行が印象的です。
9曲目"Faithful Be Fair"(4:11) メランコリックなサウンドとメロディが似合うKENNYの曲の登場です。哀愁のあるサウンドからダイナミックな展開とハイ・フレットで爪弾かれるナイロン弦ギターの調べが切なく感じます。
10曲目"In Hollywood"(3:27) PETERがN.Y.からこのアルバムのレコーディイングの為に訪れたハリウッドを歌詞(広がる緑に頭上の青空など)に綴ったと思われる曲です。
11曲目"Angel"(3:35) JONの書いた曲の登場です。幾重にも響く重厚なスキャットによるコーラスとジャス・テイストのサックス・ソロが圧巻なのです。
全11歌詞/訳詞付 メンバー4人の回顧録掲載ブックレット (国内盤) 収録時間:35分41秒 (やはりこのバンドは、日本で絶大な人気を誇っていますのでCD化も3回目?)'10年1月7日再更新


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写真  THE FIFTH AVENUE BAND / Really
 ・1990 PONY CANYON    PCCY-00167

日本制作依頼による復活アルバム・・・

'69年にアルバムを1枚だけ残して解散したTHE FIFTH AVENUE BANDの6人の内4人(PETER・GALLWAY:ヴォーカル/ギター、KENNY・ALTMAN:ヴォーカル、JON・LIND:ヴォーカル、MURRAY・WEINSTOCK:ヴォーカル/シンセサイザー)が、21年ぶりに集まって制作された日本のみ '90年11月21日にリリースされたアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、前出の4人の他、JEFF・PEVAR:ギター、MICHAEL・THOMPSON:ギター、TIM・PIERCE:ギター、IRA・SIEGEL:ギター、PAUL・ADAMY:ベース、ERIC・PRESSLEY:ベース、WILL・LEE:ベース、HAMISH・STUART:シンセサイザー、PHIL・GALDSON:シンセサイザー/ドラム・プログラミング、BILL・MEYERS:シンセサイザー、RICHARD・SHER:プログラミング、LATHAN・ARMOR:アレンジ/プログラミング、ROBBIE・KONDOR:オルガン/シンセサイザー、CLINT・DE・GANON:ドラム、LANI・GROVES:ヴォーカルの本当に日本人好みのミュージシャン達が参加しています。
尚、制作はこの手のミュージシャンに強いVILLAGE GREENが行っています。当時の彼らのファンにとっては、本当にアルバムタイトル通り[Really]だったでしょう。

1曲目"Look Who's On Fire Now"(4:27) JON・LIND、CLYDE・LIEBERMAN(現在は、BMG西海岸音楽事業部専務取締役)、HAMISH・STUARTによって書かれた曲です。ソウルフルなJONのヴォーカルにHAMISH・STUART自身のシンセサイザーの演奏によるファンクな曲です。
2曲目"Out Of The Past"(4:59) KENNY・ALTMANのシルキーなテナーによるミドル・テンポのバラードです。ヴィブラフォン(シンセ)のサウンドとMICHAEL・THOMPSONのギターがご機嫌な曲です。
3曲目"Leap Of Faith"(4:36) PETERの曲の登場です。いつまでもサウンドと歌声が青臭く(良い意味で)て、そして繊細でどうしようもない所に彼の魅力を感じる日本のファンが多いと思います。この曲は、PETER '94年の[Small Good Thing] にもアコースティック・ヴァージョンに近い形で収録されています。
4曲目"Kiss To Kiss"(4:38) JON・LINDがSHERの為に書いた曲で、共作は、PHIL・GALDSON(元FAR CRY)とM.J.D'ASTUGUESです。リズム&ブルースを基調としたMICHAELのロックぽいギターを取り入れたアダルトなロックです。
5曲目"Windblow"(3:31) キーボードのMURRAY・WEINSTOCKの曲で、この曲がまた良いんです。西海岸のサウンドらしいメロウなリズムに乗せ歌うMURRAYのソフトな歌声と美しいバック・ヴォーカルです。ギターは、大忙しのJEFF・PEVARで3曲目、8曲目にも参加。
6曲目"I Love My Car"(3:43) 再びJON・LINDとPHIL・GALDSONのコンビが書いた曲で、サウンドとメロディは初期のTOTOを感じさせるストレートなロックです。ギターにはこれまた大忙しのTIM・PIERCEです。
7曲目"Burn"(4:23) KENNY(KENNETH)の曲で、やはり彼のヴォーカルは、聴き入りますね。トロピックなボサ・ノヴァのリズムとナイロン弦ギターの調べによるメロウな曲です。
8曲目"Nothing To Do With The Weather"(4:35) PETERの登場です。西海岸(PETERはN.Y.生まれですけど)のロックらしいコーラスと乾っとしたメロディ・ラインと心地好いドライブ感のあるJACKSON・BROWNEにも共通するサウンドです。
9曲目"Heaven Made Love"(4:21) このアルバムの収録曲では、ちょっと異質に感じる曲です。キーボードのMURRAY・WEINSTOCKの書いた曲をJONとLANI・GROVESのデュエットで甘い甘い歌詞を綴った恋愛映画のメイン曲のような感じです。実際依頼があって書いた曲ではないでしょうか。この曲は東海岸で収録されたようでベースにベテランWILL・LEEが起用されています。(サンプル音源は"Look Who's On Fire Now(Reprise)" と組合せになっています)
10曲目"Look Who's On Fire Now(Reprise)"(0:48) 1分に満たない1曲目のリプライズで全員のコーラスの部分を使っています。(サンプル音源は"Heaven Made Love" と組合せになっています)
9曲歌詞/訳詞付 20ページ物(1ページブランク)ブックレット (国内盤) 収録時間:40分05秒 ('69年の最初のアルバムでの彼らとは違ったサウンドですが、アルバムを作った事自体は、素晴らしいです)'10年1月7日再更新


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写真  FIND THE OTHERS / Find The Others
 ・2011 Find The Others    FTOCD11

ゆったりとした時の流れ・・・

このアルバムは、カナダのトロントで活躍しているオルタナティヴ・フォーク・ロックのFIND THE OTHERの '11年11月2日に本国でリリースされたデビュー・アルバム(ANDY・SHEPPARDのソロ名義は含まない)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ANDY・SHEPPARD:ヴォーカル/ギター/ベース/ループ/プロデュース、MARK・MARIASH:ドラム/パーカッション/プロデュースのFIND THE OTHER 2人にDANIELA・GESUNDHEIT(SNOWBLINK):バック・ヴォーカル、JØRN・ANDERSEN:ドラム、MARK・DUGGAN:ヴィブラフォン/パーカッション、ANDY・MCNEILL:ソニック・トリミングのトロントで活躍しているミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、SNOWBLINKのDAN・GOLDMANとFIND THE OTHERの共同で行われています。

1曲目"In Time"(4:32) 清らかなせせらぎの音に似たイントロの調べからぐいっと惹きつける曲です。巧みにステックを捌くドラムのビートをバックに従えならピュアな歌声を聴かせるANDYとDANIELAです。
2曲目"I Like You"(2:49) ループにした音源とサンプルが流れる今風の曲です。殆どANDYの歌詞の無いサウンドの流れですが、メインで流される女性の照れを含んだナレーションが妙に新鮮に聴こえます。
3曲目"You Burn"(3:38) 清らかに響くギターの調べにセンチメンタルさ溢れるANDYの歌声が広がる落ち着いた流れの曲です。ゆったりとした流れとこの美しいANDYの歌声がこのバンドの最大の魅力のように感じます。
4曲目"Sons And Daughters"(3:35) 煌めく夜空を象徴したようなイントロの響きとアコーステッィク・ギターの美しい爪弾きを絡ませたエクスペリメンタル/ヒーリング系の曲です。今度は、男性ナレーション(70年代かな)をメインにて流れています。
5曲目"And The Bells They Rang"(2:02) 民俗音楽的なダンス・ミュージックの登場です。フォーク音楽/ブルーグラスを現代風にアレンジして収録したような感じです。
6曲目"Nightshade"(4:01) アコースティック・ギターの美しい響きに合わせて歌うANDYの弾き語りです。想い出を綴った歌詞を歌いながら巧みにギターを弾き熟すANDYの特別な時が流れて行きます。
7曲目"The Things You Want(And The Things You Need)"(4:30) 印象的なギターのリフを聴かせる曲で、MARKのキビキビとしたドラムのビートも心地好く響きます。バックに流れる電子サウンドやサンプル音源も次々に登場しては、流れ去って行きます。
8曲目"We've Got To Sell "(3:27) 古いラジオ放送をサンプルとしたエクスペリメンタルな曲です。ゆったりと間を空けたアコースティック・ギターの弦の響きとその和音な美しい揺れを暫し楽しむことにします。
9曲目"Farewell To Winter"(4:41) 雪の降る情景を印象付ける電子サウンドから入るこの曲も穏やかな流れを感じさせるヒーリング系の曲です。「冬への別れ」を告げるANDYの想いを様々な弦楽器を演奏しながら展開されています。
10曲目"Big Creek"(2:21) エコーを効かせたギターの切ない響きが流れるインストゥルメンタルです。非常にゆったりとしたリズムの流れが漂いながら過ぎ去るのです。
11曲目"The Things You Want(Remixed By Ensemble)"(5:30) 7曲目の曲のアレンジ替えにて収録されています。全体的にエコーを効かせたサウンドに打楽器を加え、起伏に満ちた流れによって聴き応え感を強化したようです。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:39分44秒 (そう言えば最近、カナダのミュージシャンの音楽を良く聴いていることに気が付きました!)'12年12月24日更新


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写真  FIREFALL / Firefall
 ・1976 Atlantic Recording Corporation    ATLANTIC P-10180A

当時、このギター・サウンドに参りました・・・

このアルバムは、コロラド州のボルダーで活躍しているアメリカン・ロック・バンドFIREFALLの '76年に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバム収録時でのFIREFALLのメンバーは、RICK・ROBERTS:ヴォーカル/ギター、JOCK・BARTLEY:ギター/スライド・ギター/ペダル・スティール・ギター/バック・ヴォーカル、LARRY・BURNETT:ギター/ヴォーカル、MARK・ANDES:ベース/バック・ヴォーカル、MICHAEL・CLARKE(Ex.THE BYRDS):ドラムの5人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、後に正式メンバーとなるDAVID・MUSE:キーボード/シンセサイザー/フルート/テナー・サックス/ハーモニカ、有名パーカッショニスト/俳優のJOE・LALA:パーカッション、PETER・GRAVES:トロンボーン、WHIT・SIDENER:バリトン・サックス、KEN・FAULK:トランペットなど一部フロリダで活躍しているミュージシャンが参加しています。
尚、プロデューサーは、POCO、DAVID・SOULなどのアルバムを手掛けたN.Y.出身のシンガー/ギタリストJIM・MASONが担当し、マイアミで収録されています。

1曲目"It's Doesn't Matter"(3:30) ロック・ギター好きにとって堪らない感じを与えるイントロから引き込まれる曲です。JOCK・BARTLEYのマイルドながらも絶妙な歪を持たせたギターのトーンが響き渡ります。
尚、この曲は、RICK・ROBERTS、CHRIS・HILLMANSTEPHEN・STILLSとの共作による曲です。一方、CHRISとSTEPHENは、'72年のMANASSAS名義のアルバムに少し荒削りの所をもったヴァージョンにて収録されています。
2曲目"Love Isn't All"(4:10) こんどはサウンドを一変してソフトなイメージを持つメロウな曲です。このアルバムの収録曲の半分を1人で書いているLARRY・BURNETTの甘い歌声が優しく響くます。
3曲目"Livin' Ain't Livin'"(3:40) 再び乗りで聴かせる曲のRICKのヴォーカル曲の登場です。この乗りのあるサウンドとリズムの流れがFIREFALLのアルバムの最大の魅力ですね。ホーンや躍動的に響くパーカッションを使ったRICKの書いた曲です。
4曲目"No Way Out"(3:58) 今度は、非常にファンキーなサウンドとリズムで攻めて来るLARRYのヴォーカル曲です。クラヴィネットのあの独特とサウンドとチェッパーによるベースの弾けるサウンドが広がります。
5曲目"Dolphin's Lullaby"(4:23) 非常にセンチメンタルなサウンドで展開されるRICKのヴォーカル曲です。バックに広がる美しいハーモニーとRICKの切ない歌声が堪りませんね。本当、この曲は良く聴いたな〜。
6曲目"Cinderella"(3:47) アコースティック・ギターのLARRYとエレクトリック・ギターJOCKとの爪弾きをシンクロさせたイントロが非常に魅力的なLARRYのヴォーカル曲です。爽やかに流れるフルートや牧歌的のハーモニカのサウンドも織り交ぜながら流れて来るこの調べを暫し楽しむことにしましょう。
7曲目"Sad Ol'Love Song"(4:40) 重い目のギターのサウンドが特徴的に響くこの曲もLARRYの書いた曲です。このアルバムを購入した当時、FIREFALLと言えばRICKがメインのバンドとイメージが強かったのですが、今改めて聴き直すとLARRYの存在が相当に大きかったことを再認識させる曲でもあります。
8曲目"You Are The Woman"(2:40) 当時のシングル・チャートTOP10にランキングされた曲です。このアルバムからのヒット・チューンで当時のコマーシャル・ソングとしても流されていたRICKのヴォーカルによる爽やかなサウンドを聴かせるウエスト・コースト・ロックと言える感じが伝わってきます。
9曲目"Mexico"(4:10) 良くYouTubeなどでは「かっこ良いイントロ・ギター・リフ・ベスト10」とアップされているのですが、私もこの曲のギター・リフが当時から非常に気に入っていて、今このレビューを書いている時でも鳥肌が何度も出ていて止まらないのです。この曲については、もう何も書く必要が無いでしょうと自分1人で納得しています。
10曲目"Do What You Want"(3:54) バックにホーンのサウンドを広げたロック"ン" ロールのリズムによる曲です。JOCKの目一杯響くギターのサウンドとMICHAELの重いドラムのビートとが融合されて流れて来ます。この曲のヴォーカルは、他の曲と違った歌声がしているので、ひょっとしてベースのMARKかもしれませんね。
全10曲歌詞付 LP盤 (国内盤) 収録時間:38分52秒 (このH.P.の1976年度ベスト5には、既に5枚のアルバムが掲載されていますが、このアルバムも当時、このギター・サウンドや乗りの良いリズムに参った必聴盤の1枚です)'13年2月10日更新


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写真  FIVE TIMES AUGUST / Fly Street
 ・2005 Seven Places Music    33792 58202

素晴らしいバックとの息の合った演奏です・・・

テキサス出身で22歳(このアルバム収録時)になるBRAD・SKISTIMAS:ヴォーカル/ギターの3枚目(5曲入りEP盤を含む)のアルバムで'05年のリリースです。FIVE TIMES AUGUSTと言うバンド名ですが、実質BRADの1人での活動です。バンド名の由来は、BRADの誕生日8月5日に因んでいるとの事。バックのメンバーは、REDTAGからTHE COLOR GRAYにバンド名を改名したCHRIS・HAWKES:ギター/バック・ヴォーカル/プロデュース、CASON・CLIFTON:ドラム、JAKE・BAXTER:ベースの3人に加えANGELA・HARVEY:チェロが参加しています。

1曲目"First Time For Everything"(4:03) 乗りの好いギターのサウンドとドラムのビートに乗せBRADの少しハスキーヴォイスによるパワーポップで、彼のヴォーカルスタイルは歌声の質は違いますが、JASON・MRAZに似た所があります。
2曲目"Better With You"(4:18) アコースティック・ギターによるイントロから次第に楽器が増えてサウンドにエッジさが増すパワーギターポップです。CHRISの素晴らしいギターソロがこの曲を一層シャープにしています。
3曲目"Save It For Later"(3:36) エッジの効いたギターとBRADの早口によるヴォーカルによる若さ溢れる楽しいサウンドの曲です。
4曲目"So Typical"(2:55) ラウドなギターのドライビングサウンドで聞かせ所を持った曲です。元々バンドで活躍しているバックメンバーの3人の息がぴったり合った演奏です。
5曲目"Wherever"(4:14) クラッシック畑で活躍するANGELAのチェロを加えたメロディアスでミドル・テンポのバラードです。ドラムのCASONが素晴らしいステック捌きの演奏を聴かせています。
6曲目"Up To Me"(5:30) アコースティック・ギターの涼しげな響きによるイントロからドラマチックに変化する曲でBRADのソングライティングの素晴らしさを見せつけられた1曲です。
7曲目"The Way You Do"(3:32) フォーキーなサウンドの曲で、彼女に恋する心を歌にしたエヴァーグリーン的な青春の1コマを表した曲です。
8曲目"Owe It All To You"(3:22) アコースティック・ギター美しい響きとエレクトリック・ギターのハ−モニーでのギターポップな曲です。
9曲目"Do It Again"(3:20) BRADファルセットによるパワーギターポップでCHRISのギターソロが圧巻です。
10曲目"Perfectly"(3:17) 再びANGELAのチェロを加えたゆったりと流れる落着いたフォーキーな曲です。
11曲目"Roll Into You"(7:26) 美しい響きのアコースティック・ギターとドライブするギターに乗せエモーショナルに繰り出されるBRADのヴォーカルでの曲です。
この曲が終了した後15秒程度のブランクの後シークレットトラックとしてアコースティック・ギターでの弾き語りが挿入されています。
シークレットトラック以外11曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:45分38秒 (HPでは、本作の2枚組みアコースティック・ヴァージョン付きが購入出来ます)'10年1月7日再更新


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写真  FORD CHASTAIN / Reverie
 ・2025 Ford Chastain    

ベッド・ルーム・ドリーム・ポップ・・・

このアルバムは、オクラホマ州オクラホマ・シティーで活躍しているベッド・ルーム・ドリーム・ポップ・シンガーFORD・CHASTAINの2枚目(6曲EP盤)のアルバムで '25年2月21日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンの詳しいクレジットが無いので、ヴォーカルを含み全ての楽器演奏は、FORD1人で行っているようです。

1曲目"Live Again"(2:52) 24年8月16日に無料ダウンロード・リリースされている曲です。アルバム紹介でもトップに掛かるキャッチーなイメージの曲です。穏やかに流れるギターのトーンと柔らかなメロディなのですが「挫折と立ち直り」をテーマにしています。
2曲目"Only You"(3:27) イントロから奏でられるウォーム・トーンのギターのメロディから一緒に歌うことを誘われる曲です。霞がかったFORDの歌声が「恋人への想い」を伝えて来ます。
3曲目"Give It Time"(3:49) 今度は、少しテンポを下げて来たギターのサウンドをふんだんに使った曲です。ソリッド・ボディーの硬めのトーンとグレッチ系のリズミカルなサウンドまで織り交ぜて響きます。FORDは、結構ギターの演奏とトーンを煮詰めることふぁ好きな感じですね。
4曲目"Automatic Response"(2:45) この曲もイントロからディレイを使ってギターを聴かせますね。心地好いリズムとメロディとは裏腹に「恋人の行動に悩ませるさま」をテーマにしています。
5曲目"Pages"(2:29) この曲もギターのサウンドが溢れている曲です。本を読むように「妄想の世界」に浸って恋人との世界を歌っています。
6曲目"Shook"(3:08) この曲では、特段に煌びやかなギターのサウンドが舞い上がっている曲です。この曲も穏やかなリズムとメロディとは裏腹に「現代の生活への悩み」をテーマにしています。 。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:15分22秒 (いつものようにBandcamp内を検索していて購入したのですが、カセットで販売しているスロバキアのレーベルが、先日アップしたイギリスのSWISS PORTRAITも扱っていたので道理で同じようなサウンドの傾向だと納得しました!)'25年2月22日更新


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写真  FRENSHIP / Vacation
 ・2019 Counter Records    LC-34609/COUNTCD171

日本での人気はどうかな?・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍しているシンセ・ポップ・デュオFRENSHIPのデビュー・アルバム(ダウンロードEP盤及びシングル盤を含まない)で '19年5月17日にイギリスからのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、FRENSHIPのJAMES・SUNDERLAND:ヴォーカル/プロデュース、BRETT・HITE:ヴォーカル/プロデュースの以外に詳しいクレジット記載(曲名でのフーチャリング名は、BASTILLEYOKE・LORE)がないので割愛します。

1曲目"Breathe Deeper, See Brighter, Feel Better, Hear Now"(1:25) シンセサイザーを使った短い歌詞による曲です。アルバムの幕開き的な荘厳なコーラスが響きます。
2曲目"Remind You"(4:24) このアルバムからシングル第二弾として 紹介された乗りの好いリズムとサウンドの曲です。半ラップ的なヴォーカルの掛け合いと美しいコーラスで展開されています。
JAMES・SUNDERLANDとBRETT・HITEが2人羽織を模した面白いビデオもどうぞ。
3曲目"Wide Open"(4:24) この曲も半ラップ的なコーラスとシンセ・ポップな曲です。軽めヴォーコダーを使ったサウンドとバックの電子サウンドの煌びやかさが豪華に感じます。
4曲目"Keep You Close"(3:17) 今度はアコースティック・ギターの音色を使ったスローな曲です。次第のサウンドを厚くした流れと多分、ヴォーカルはギター担当のBRETT・HITEの優しい歌声に聴き入ります。
5曲目"39.5795° N, 105.1237° W"(0:48) 特定の緯度経度が曲のタイトルとなっています。キーボードとギターのサンプル的サウンドによるインストゥルメンタルです。参考にタイトルの緯度経度をグーグルマップに貼付けた結果、アメリカのコロラド州デンバーの街に到達します。
6曲目"Get Out My Way"(3:37) 引きずり感を持ったリズムの流れがクールに感じる曲です。ヴォーカルを交互にした展開とレゲイ/レイドバック感をシンゼサイザーやサンプルで再現したアップデートを感じます。
7曲目"Run II U"(3:58) このデュオのサウンドをここまで聴いて来て感じているのですが、活動拠点のロス・アンゼルス感が余り感じさせないのです。この曲もどこと無くスコットランドの高地やニュージーランドのマオリ族のサウンドやロールプレイング・ゲームの挿入歌な感じが伝わって来るのです。
8曲目"Won't Let You Go(Featuring BASTILLE)"(3:54) 今度はアップビートにした乗りの好い曲の登場です。楽し気なギターの軽やかな爪弾き音やドラムのビートが伝わって来ます。尚。収録に参加しているBASTILLEはイギリスで活躍している4人組のシンセ・ポップ・バンドです。
9曲目"Wanted A Name(Featuring YOKE・LORE)"(3:02) 私をこのFRENSHIPの魅力に惹きつけた最初の曲です。女優・タレントMILLICENT・SIMMONDSを起用したビデオも惹かれます。
10曲目"Swim"(3:43) チルアウトなR&B的な曲です。目を閉じてこの曲を聴いていると往年のブラック・ミュージックのバンドの曲を聴いている感じがするのが不思議です。
11曲目"47.6588° N, 117.4260° W"(0:46) 再び特定の緯度経度が曲のタイトルとなったインストゥルメンタルです。曲で指示された先は、ワシントン州東の都市スポーケンとなります。
12曲目"Anywhere But Here"(3:43) これぞシンセ・ポップと感じさせる曲です。前半は、カホンボックスによるシンプルなサウンドから重厚なシンセサイザーとハーモニーによる展開を交互に聴かせます。
13曲目"Vacation"(0:34) この曲も電子サウンドによるインストゥルメンタルです。アルバムの幕を閉じる儀式的に挿入されている曲と感じます。
10曲歌詞付 18ページ写真ブックレット 2折紙ジャケット仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:37分42秒 (イギリスのNinja Tuneの参加Counter RecordsからデビューしたFRENSHIP、日本での人気はどうかな? 期待はしています)'19年5月19日更新


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写真  FULL MOON / Full Moon
 ・1972 TYO PRODUCTION INC.    YDCD-0033

日本のみの限定CD化リリース・・・

このアルバムは、ギタリストBUZZ・FEITENとキーボーディストNEIL・LARSENを中心にベース:FREDDIE・BECKMEIER、ドラム:PHILLIP・WILSON、テナー・サックス/フルート:BROTHER・GENE・DINWIDDIEによるN.Y.で活躍していたFULL MO0Nの '72年に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ROBIN・CLARK:バック・ヴォーカル、TASHA・THOMAS:バック・ヴォーカル、DAVE・HOLLAND:ベース、RANDY・BRECKER:トランペット、AIRTO・MOREIRA:パーカッション、RAY・BARETTO:パーカッションのN.Y.勢が参加しています。プロデュースは、ALAN・DOUGLAS(MILES・DAVIS,JIMI・HENDRIX)が担当しています。
尚、レビューしたアルバムは、2000年に初CD化されたオリジナル7曲+ボーナス・トラック1曲を追加した計8曲ヴァージョンです。

1曲目"The Heavy Scuffle's On"(2:53) ファンクなリズムとサウンドによる短い歌詞を繰り返し収録した70年代のロック/ブラック・ミュージックの融合に少し南部のロックのエッセンスを感じさせる曲で、メンバー全員による作詞/作曲になっています。
2曲目"To Know"(4:02) BUZZ・FEITENが書いたロマンチックなラヴ・バラードの登場です。ヴォーカルは、ドラムのPHILLIP・WILSONが担当。BROTHER・GENE・DINWIDDIEのフルートにTASHA・THOMASのバック・ヴォーカルの歌声が心地好く響くいつものBUZZの無骨なサウンドと少し違った一面を感じさせる曲です。
3曲目"Malibu"(4:13) やはり作曲がNEIL・LARSENの為、彼らしい爽やかなフュージョン・ミュージックによるインストゥルメンタルです。曲名になっているMalibuは、サーファーにとって非常に有名なポイントです。
4曲目"Take This Winter Out Of My Mind"(5:26) サックスのBROTHER・GENE・DINWIDDIEの書いた曲で、ヴォーカルもGENEが担当しています。NEILのハモンドのサウンドにゴスペル・コーラスが流れるN.Y.スタイルのブラック・ミュージックと言う感じです。
5曲目"Midnight Pass"(4:21) この曲は、非常にNEIL・LARSENのソロ・アルバムと共通性のある少し憂いとスピード感のあるサウンドとリズムを感じますね。BUZZも早弾きのギターとパーカッションと忙しく演奏しています。ギターとキーボードとサックスが同一のメロディ・ラインを奏でるあのコンビネーションは、この頃に確立されていたのですね。尚、この曲は、ジョージア州出身のフュージョン・ミュージック・バンドSEA LEVEL '77年2枚目のアルバム[Cats On The Coast]にカバー収録されています。
6曲目"Need Your Love"(4:10) BUZZの書いた曲で、彼のヴォーカル曲の登場です。サックスのソロとドラム、ベースのゴージャスなサウンドがイントロから流れながらゴスペル隊が歌うパートから組曲としたBUZZのギターと歌声が響く「愛への賛歌」的なイメージを感じます。
7曲目"Selfish People"(7:48) ドラムのPHILLIPとBUZZとが共同で書いた前半の3分は、インストゥルメンタルとなっています。ヴォーカルは、PHILLIPが担当し、滑らかな歌声で争い事の無い世界感を表現しています。アグレッシヴなBUZZのギター・ソロとアンビエントなNEILのキーボードの調べが絡み合って響きます。
8曲目"Three Step Dance(Bonus Track)"(10:21) BUZZ自身が日本からのCD化のオファーを受けた時に加えられた当時のアウトテイクになっていた曲のようです。ベースで参加しているDAVE・HOLLANDの書いた10分以上の長さのあるインストゥルメンタルです。DAVEのベース・ランニングの演奏を中心にBUZZのギター、RANDY・BRECKERのトランペット、GENEのサックスにNEILのキーボード・ソロのアドリヴを交えてレコーディングされています。
5曲歌詞/訳詞付 写真ライナー (国内盤) 収録時間:43分17秒 (FULL MOONと言えば '82年の[FULL MOON/Featuring Neil Larsen & Buzz Feiten]の方が名盤として有名ですが当時、この同名のデビュー盤が存在していた事は、友人から伝えられ噂にはなっていました。輸入LP盤を扱っているレコード店で注意していましたが、この盤に出会えることは残念ながらありませんでした!)'10年1月7日再更新


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写真  FULL MOON / Featuring Neil Larsen & Buzz Feiten
 ・1982 Warner Bros. Records Inc.    BSK 3585

ブルーなNEILとファンクなBUZZ・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスを中心に活躍していたロック/フュージョン・ミュージック.バンドFULL MOONの '82年にリリースされた2枚目(LARSEN/FEITEN BANDを除く)のアルバムです。
このアルバムでのFULL MOONのメンバーは、BUZZ・FEITEN:ギター/ヴォーカル、NEIL・LARSEN:キーボード、LENNY・CASTRO:パーカッション/バック・ヴォーカル、ART・RODRIGUEZ:ドラムの4人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、WILLIE・WEEKS:ベース、JIMMY・HASLIP:ベース(tracks: 3,6)、DAVID・SANBORN:アルト・サックス、JIM・HORN:サックス、CHUCK・FINDLEY:トランペット/トロンボーン、BILL・REICHENBACH:トロンボーン、VERNON・PORTER(後にツアー・メンバーとして加入):バック・ヴォーカル、LARRY・McNALLY:バック・ヴォーカルのベテラン達が参加しています。
尚、プロデュースも、ベテランTOMMY・LIPUMA(AL・JARREAU,MICHAEL・FRANKS)が担当しています。

1曲目"Phantom Of The Footlights"(4:27) イントロのファンクなホーンのサウンドに続いて登場する少しBOZ・SCAGGS似の鼻に掛かったBUZZの歌声が心地好いミドル・テンポのナンバーです。間奏では、お約束のように登場する彼のギターの早弾きとエンディングのフェード・アウトまで弾きに弾くBUZZのギターを堪能できるのです。
2曲目"The Visitor(Instrumental)"(4:38) NEILの曲の登場で、相変わらずインストゥルメンタルで収録されています。WILLIE・WEEKSの弾むベースのサウンドとLENNYのパーカッションのリズムの合間から登場するエモーショナルでソリッドなBUZZのギター・ソロは、必聴物ですね。
3曲目"Twilight Moon"(3:56) 一転してスローでメロウな雰囲気を感じるBUZZのヴォーカル曲です。メロウなサウンドでは、十八番であるTOMMYのテクニックでロマンチックなナンバーとして第一級品として仕上げらえています。
4曲目"Sierra(Instrumental)"(4:34) 再びNEILの曲によるインストゥルメンタルです。サスペンス映画のサウンド・トラックのような曲調にNEILらしい哀愁のあるクラヴィネットのサウンドとBUZZのギターが渦巻いて響いて来ます。
5曲目"Brown Eyes"(4:17) 今度の曲は、BUZZらしいロック色を強めて来たギター・サウンドたっぷりの曲調です。歪ませたギターのサウンドからメロウなメロディとロマンチックな歌詞によるサビが良いですね。ところでこの魅力的な「茶色の瞳」を持つ女性は、誰なのでしょうか。
6曲目"Hero's Welcome(Instrumental)"(4:28) BUZZとNEILの曲が代わる代わりに登場する特長的なこのアルバムの収録スタイルですね。NEILのやはり哀愁のあるキーボードの調べとユニゾンで奏でられるBUZZのギターのサウンドが心地好く広がって来ます。
7曲目"Standing In Line"(4:06) メロディ的には1曲目の"Phantom Of The Footlights" や '80年のLARSEN/FEITEN BAND "Who'll Be The Fool Tonight" と共通点を感じさせる曲です。基本的には軽めのレゲエのリズムによるアレンジからハードなロック色を演出したBUZZのギター・ソロを組み合わせたチューンです。
8曲目"Little Cowboys(Instrumental)"(3:58) エモーショナルなサンバのリズムを感じるLENNYとNEILの共作による曲です。4人の白熱した演奏が見事に展開されながらサウンドの広がりが波となって伝わって来ます。
4曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:34分24秒 (混ざりそうで混ざらないブルーなNEILとファンクなBUZZの持ち味がこのアルバムの魅力ですね。先日のNED・DOHENYのライヴで若いファンと話していて話題となったこのアルバム、思い出して早速レビューとしました)'10年10月16日更新
1982年度ベスト5


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写真  GARY OGAN / Sound Ground
 ・2010 Ogan Music    SG002

STEELY DANライクかな・・・

このアルバムは、オレゴン州ポートランド(ナッシュヴィルでも活躍中)でインディペンデントに活躍しているS.S.W.GARY・OGANの4枚目('72年のGARY OGAN AND BILL LAMB名義は含まず)のアルバムで、本国でのリリースは、'10年6月24日となっています。
70年代より音楽の活動を行っているGARY・OGANは、スワンプ・ロックの重鎮LEON・RUSSELLと曲作りを行い、彼のプロデュースにてセルフタイトル・アルバムでソロとして '77年にデビュー。
その後、NICOLETTE・LARSONやTHIS MORTAL COILなどに曲を提供し、80年代からはCRAIG CAROTHERS BANDの一員としてキーボード/ヴォーカル担当で活躍しながら '82年に[Let Go The Heart]、2000年にインディペンデント・レーベルより[Barcelona]をリリースしています。
尚、このアルバムを含む過去4枚のアルバムの大半の楽器の演奏は、マルチ・インストゥルメンツのプレーヤーであるGARYがギター/ベース/キーボード/アコーディオン/ドラム/パーカッション/ヴォーカル/プロデュースを行っています。

1曲目"Showtime"(3:05) 歯切れ良く奏でられる軽快なギターのサウンドがイントロから流れるファンキーなリズムの曲です。GARYのソウルフルな歌声と転調の仕方などは非常にSTEELY DANのサウンドと共通したところを感じます。
余談ですが、ヴィンテージ・ギターの紹介など動画で配信された映像のバックにこの曲のフレーズが良く流れていたような気がします。
2曲目"You Found The Light"(4:16) 伸びやかに奏でられるギターのサウンドに合わせて軽やかに歌うGARYのソリッドな歌声からバンド形式での演奏と勘違いしそうなサウンドの広がりやエモーショナルなGARYのギター・ソロなど、やはりベテランの音楽だと思います。
3曲目"Sound Ground"(4:07) 少しサウンドをジャズのテイストを含ませた大人の音楽を感じさせる洒落た味を聴かせるご機嫌な曲です。ブラック・コンテンポラリー・ミュージックからの影響を感じさせるメロウなハーモニーやサビの流れなど申し分無しですね。
4曲目"Time For The Rhyme"(4:43) 今度はアコースティック・ギターのサウンドを上手く聴かせる南イタリアや地中海の音楽の影響を感じさせる前の曲とは趣を異なせた曲で、GARYの音楽の懐の深さを垣間見せます。
5曲目"Down Like You"(4:30) この曲もイントロから感じの良いソフトでメロウなサウンドを聴かせるSTEELY DANライクなキラー・チューンです。GARYのバックに広がる凝ったコーラス・ワークや間奏でのこれ以上メロウな感じは表現出来そうにないほどメロウなギターのサウンドが堪りませんね。
6曲目"Grace Of Love"(4:52) ナイロン弦ギターのメランコリックな調べによるバラードです。静かなる情熱を放つメロディアスなフラメンコ・ギターの調べに広がるGARYのメロウの歌声が幾重にも伝わって来ます。
7曲目"Picture Of You"(4:46) 今度は、ロック色のある少しハードさを感じさせる曲の登場です。唸るベースのサウンドにハードなピッキングで奏でられるエレクトリック・ギターの殴り書きのようなサウンドが横切ります。非常のメロウな曲からロック色豊かな曲までGARYの音楽の懐の深さを再確認させられますね。
8曲目"A Day And A Life"(4:32) ピアノのサウンドを中心にした叙情的なサウンドを響かせるゴスペル・スタイルの曲です。少し南部の音楽である先に紹介したLEON・RUSSELLの感じ(歌声は全然違いますが)もします。
9曲目"Can't Stop That"(4:21) 軽くリズムを刻むドラムのビートにそろりそろりと歩み寄るベースのサウンドに続いて登場するGARYのピアノの弾き語り形式による曲です。軽い食事やお酒の飲めるライヴ・ハウスで演奏されていそうな観客も一緒なって歌える覚え易さを感じます。
10曲目"New Dynamic"(5:11) イントロのアブストラクト的なピアノの調べがエキゾチックに感じる曲で、コーラスや転調のアレンジを見出しでも書いたSTEELY DANライクな捻りを強く感じる曲です。この曲のサウンドのイメージは、マッスルショールズのサウンドみたいな感じもしますね。
11曲目"Secret Song #4"(3:34) 非常のトロピカルなサウンドのイメージを持ったレイドバック感のある軽めの曲です。ウクレレ片手に歌うGARYのご機嫌な歌声によるこの「4番目の秘密の曲」をアルバムの最後まで楽しむこととしましょう。
歌詞無し ライナー無し 2折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:47分57秒 (先に紹介した70年代のGARYの古いアルバムも日本国内にて初CD化され一部のファンには根強い人気のあるS.S.W.のようです)'10年7月21日更新


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写真  GENE EVARO JR / Too Good To Believe
 ・2016 LAGIMAS MUSIC    7 00261 44297 6

ソウルフルなGENE・・・

このアルバムは、カリフォルニア州ジョシュアツリーで活躍しているS.S.W.GENE・EVARO JR.の7枚目(GENE・EVARO JR.名義のダウンロード盤を含む)のアルバムで '16年8月13日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、クレジットが記載されていないので不明ですが、ネット上での紹介によると大半の楽器の演奏とプロデュースは、GENE・EVARO JR.自身、PIPER・ROBISON:ベース、TYLER・SACARA:ドラム、AMANDA・DAVIS:ヴォーカル、SCOTT・KISINGER:トロンボーン、MITCHELL・ARGANDA:パーカッションのジョシュアツリーのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"One"(3:46) このアルバムからシングル盤としてダウンロード販売されているメロディとサウンドが耳障りの好い曲です。後半からソウルフルに熱く歌うGENEの歌声とファンクなリズムへと流れて行きます。
2曲目"Too Good To Believe"(4:39) サンプル音源やスクラッチを用いたエレクトロニカな曲です。バック・ヴォーカルにバンド仲間AMANDA・DAVISも登場してライヴさながらの乗りの良さを伝えてくれます。
3曲目"I Remember"(4:10) 3曲目辺りにバラードを持って来るのかと思いきやこの曲もファンクなリズムとサウンドによう曲です。再びAMANDA・DAVISとの歌声を混ぜてGENEがエモーショナルに歌います。
4曲目"Smile"(3:48) 前のアルバムまでに多く収録していたGENEのアコースティック・ギター1本による弾語りによる曲をアルバム用に豪華なアレンジを施したような曲です。但し、収録はGENE1人による多重録音となっています。
5曲目"Give It To A Friend"(3:46) 70年代のサン・フランシスコのバンドのサウンド然とした曲の感じですね。ロック音楽にトロンボーンのなどのブラスのサウンドを加えた重厚な音圧に懐かしさ感じます。
6曲目"Man"(4:58) アップライト・ピアノを奏でながらご機嫌にGENEが歌う酒場音楽のような曲です。シンセサイザー・ベースを使った所にGENEのファンクさが表れているようです。
7曲目"California Is Burning"(3:52) GENEやPIPERが登場したこの曲のオフィシャルビデオに虜にさせられたキャッチーなメロディとサウンドの曲です。ギミックなギターのリフや曲作りの上手さを本当に感じさせます。
8曲目"Life Is A Journey"(4:13) 4曲目と同じようにGENEのギター1本による弾語り形式をベースにバンドで演奏したようなストレートなサウンドを醸し出す曲です。あまり凝ったアレンジやエフェクトを施さないところは、ライヴ向けにしているのでしょうか。
9曲目"Right Place"(4:03) 少しカリプソやレゲエの影響を感じさせるレトロな雰囲気を持って曲です。電子キーボードを弾きながら歌うGENEとセルフによるコーラスがふんだんに重ねられています。
10曲目"House That We’re Building"(5:51) 今度は、ダークな雰囲気を伝えるアシッド感が光る曲です。ギタリストとしても上手さを披露するGENEです。一体GENEにとってギター・ヒーローは誰なのでしょうか(やっぱり白のストラトを左手に構えたギタリストでは?)
11曲目"Heaven Is A Lonely Place"(3:50) 前の曲での答えがこの曲が如実に表しているように感じます。歪ませたギターのサウンドをパワフルに聴かせてそのソロでの演奏のオーバードライブさはあの人と同じですね。
12曲目"Deeper"(6:15) このアルバムのリリース前からライヴなど演奏されていた曲です。アコースティック・バージョンをバンドの演奏スタイルにアレンジしパワフルなサウンドが迫って来ます。
13曲目"With Love"(5:23) 古びたアップライト・ピアノで演奏される教会でのゴスペル・ソングに似た雰囲気を感じる曲です。GENE1人による落ちつた雰囲気を漂わせています。
歌詞無し ライナー無し 紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:58分39秒 (EVARO COMPLEX時代から早10年が過ぎ、更にソウルフルになったGENEの音楽をしばし楽しみましょう!)'17年7月29日更新


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写真  GERRY BECKLEY / Van Go Gan
 ・1995 Polystar Co.,Ltd.    PSCR6022

永遠の青年が作り出す甘酸っぱいメロディ達・・・

このアルバムは、AMERICAのメンバーGERRY・BECKLEYのファースト・ソロ・アルバムで、オリジナル盤は、'95年のリリースです。共同プロデュースのHANK・LINDERMAN自身もギター/ベースの演奏とエンジニアとして参加しています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GERRY・BECKLEY:ヴォーカル/各種ギター/ベース/マンドリン/アコーディオン/キーボード/ドラム/パーカッション・プログラミング/プロデュースの他、HANK・LINDERMAN:ギター/スライド・ギター/バンジョー/ベース/プロデュース、FRITZ・LEWAK:ドラム、JASON・SCHEFF:フレットレス・ベース、WILLIE・LEACOX:シェーカー/タンバリン、MARK・ISHAM:コルネット、RICHIE・CANNATA:サックス、TIMOTHY・B・SCHMIT:バック・ヴォーカル、JEFF・FOSKETT:バック・ヴォーカル、MATT・BECKLEY:ハンド・クラップス、DEWEY・BUNNELL(AMERICA):バック・ヴォーカル、MATTHEW・McCAULEY:オーケストラ・アレンジ、PHIL・HARTMAN:ヴォイス、ROBERT・LAMM(CHICAGO):バック・ヴォーカル、CARL・WILSON(THEBEACH BOYS):バック・ヴォーカルのロス・アンゼルスの有名ミュージシャン達です。

1曲目"Emma"(3:58) 大好きな彼女の事を歌った詩を"乾っ" としたウエスト・コーストのサウンドとメロディに乗せ歌われていて非常にGERRYらしい甘酸っぱさを感じます。
2曲目"Van Go Gan"(4:24) GERRYの拘りを感じる荘厳なタイトル曲です。ヴォイス・ボックスを通して届けられるGERRYの遮の掛かった歌声をエレクトロニカのサウンドで表現しています。
3曲目"House Of Cards"(3:22) HANKのスライド・ギターが効果的な演出をするポップ・ロックです。NEIL・YOUNGの初期の作品にも通じるセンシティヴさを感じる曲です。
4曲目"Sunrise Sunset"(3:56) イントロでのMARK・ISHAM(THE SONS OF CHAMPLIN,TANITA・TIKARAM)のコルネットが素晴らしく響くメロディアスなバラードです。
5曲目"Goodbye Highway"(4:14) 爽やかなカリフォルニアの朝を想像させるアコースティック・サウンドの曲で、AMERICAでの彼の曲に近いイメージの曲ではないでしょうか。
6曲目"One Day's Duning"(2:17) 2分少々のピアノによるGERRYの弾き語りによる曲です。
7曲目"Only A Kid At Heart"(3:09) JEFF・FOSKETT(THE BEACH BOYS)とのハーモニーが素晴らしい青春の1コマのような曲です。
8曲目"Playing God"(3:34) サンプルを多用した曲でGERRYのヴォーカルもかなり加工しています。
9曲目"International"(4:12) GALLAGHER & LYLEの曲でMARY・HOPKINが '71年に録音しています。
10曲目"What Happened"(1:27) 1分半程度のギターによるインストゥルメンタルです。
11曲目"I Need You"(3:31) TIMOTHY・B・SCHMITとのハーモニーが本当に素晴らしい曲です。
12曲目"Now Sue"(3:21) バック・ワード・ヴォーカルを巧みに使った非常に凝った曲です。この曲もコーラス・ワークが素晴らしく感じます。
13曲目"Kiss Of Life"(4:55) HANKの神秘的なバック・ワード・ギターがこの曲を素晴らしいものにしています。曲を聴き終わった後も直ぐにリピート再生したくなりますね。
14曲目"Hard To Sleep"(1:52) 2分弱のリヴァーブの効いたGERRYのギターによるインストゥルメンタルです。
12曲歌詞/訳付 豪華ブックレット (国内盤)収録時間:48分19秒 (尚、このアルバムは当初、国内のみのリリースで、本国では後にGERRYのレーベルよりリリースされています。彼の新作Horizontal Fallも期待大です!)'10年1月7日再更新


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写真  GERRY BECKLEY / Horizontal Fall
 ・2006 Human Nature    37101 16543

活動を再開したGERRYの・・・

カリフォルニアで活躍する人気フォーク・ロック・グループAMERICAのメンバーGERRY・BECKLEY名義の3枚目のアルバムです。前作はファースト・ソロ・アルバムのリミックスだったので、実質11年ぶりの新作アルバムで '06年4月のリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GERRY・BECKLEY:マルチ・インスツルメンツ/プロデュース、NICK・LANE:ユーフォニアム、RUSTY・YOUNG:ペダル・スティール、RYLAND・STEEN:ドラム、DAVE・RAVEN:ドラム、RUSSELL・KUNKEL:ドラム、JOHN・FIELDS:ドラム/ギター、CHARLES・ADELPHIA:オーボエ/ドゥドゥク、ERIC・ANDREWS:トランペット、ALAN・STEINBERGER:ストリング・アレンジ、LARRY・TREADWELL:ギター、ALAN・SPARHAWK:ギター、MIMI・PARKER(LOW):バック・ヴォーカルの一部音楽性の違うミュージシャン達が参加しているのが興味深いです。

1曲目"3am"(1:11) ピアノによる美しいメロディにクラヴィネットの柔らかいサウンドを重ね合わせたインストゥルメンタルです。
2曲目"Crying"(3:15) GERRYがライヴなどで歌っていたアルバム未収録曲です。JEFF・LARSONが先に自身のアルバムでカバー曲として収録されていました。今回やっとGERRYのヴォーカルで収録されました。悲しみに塞いだ恋人に優しく歌いかけるメロディアスなセレナードです。
3曲目"Here & Now"(5:53) GERRYのAMERICA名義での最新作のアルバムタイトルとなった曲です。パーカッションの心地好いビートとアコースティック・ギターの美しい響によるスローなナンバーです。6分近くある大作で後半からはタイトなビートとスキャットによるヴォーカルです。
4曲目"Saturday Sky"(4:41) GERRYらしいアコースティックのサウンドを基調とした明るく爽やかな曲です。12弦ギターによる間奏のソロとGERRYの高いキーの歌声と循環コード間のベース・ランニングが非常に印象的です。
5曲目"Lazarus"(2:03) この曲のサウンドは、ちょっと意外でしたね。ハード・ロックな一面をもった重いビートとチョーキングで繰り出されるギターのハウリング音に痺れます。
6曲目"Warm Gone Gray"(3:04) ウクレレとアコーディオンによる心和むメロディとリズムの曲です。張りのあるアコースティック・ギターのブロンズ弦の美しい響きが綺麗です。
7曲目"I'll Be Gone"(4:23) この曲もアコースティック・ギターの響きが美しい曲です。2曲目の"Crying" のリズムを"グッ" と落としたようなリズムです。歌詞も"Crying" のアンサー・ソングのようにも聴こえます。
8曲目"Fireman"(2:30) GERRYの非常に高いファルセットでの歌声の曲です。サウンド的にはエバーグリーン的な甘酸っぱい調べと子供の時の夢を歌詞に綴った曲です。
9曲目"With Me Always"(1:19) ウーリッツァー・ピアノの響きでしょうか短い歌詞をリフレインにした1分少々の曲です。
10曲目"Keeping The Light On"(4:46) イントロから痺れましたね。複数のアコースティック・ギターのサウンドとGERRYの美しいハーモニーとが作り出すご機嫌なメロディアスギター・ポップです。
11曲目"The Farmer Is The Man"(2:21) バンジョーとアコースティック・ギターによるカントリー調の曲ですが、トーキング・モジューレータを使ったGERRYの古びたヴォーカル音とハーモニカが雰囲気ものです。
12曲目"Love & Leaving"(4:28) 同じくカリフォルニアで活躍するギタリストBILL・MUMYとの共作の曲です。イントロでの非常に東洋的な響きを持ったギターにサウンドが印象的です。ドラムは大御所RUSSELL・KUNKELが参加しています。
13曲目"Arms"(3:49) 映画音楽のような叙情的なメロディによる美しいバラードです。ウエストコーストの爽やかな曲からこのようなポピュラーな調べの曲までGERRYの書く曲に幅の広さに感銘を受けます。エンディングは次の曲と自然と繋がります。
14曲目"3am Reprise"(0:50) このアルバムの最初の曲のリプライズで50秒程度のインストゥルメンタルになっています。
15曲目"Somewhere Somehow"(4:33) 20秒程度のブランクの後に登場するクラシック調のホルンの音色をイントロ部分に配した曲です。非常にメロディアスで心地好い調べとサウンドに癒される曲です。
歌詞無し ライナー無し 3折デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:49分12秒 (自身のアルバムとAMERICAの音楽活動を再開したGERRYは今回からインディペンデントとして活躍です)'10年1月7日再更新


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写真  GERRY BECKLEY / Unfortunate Casino
 ・2010 Human Nature    8 84501 48126 7

あの優しさは相変わらず・・・

このアルバムは、カリフォルニアで活躍する人気フォーク・ロック・グループAMERICAのメンバーGERRY・BECKLEYソロ名義の5枚目のアルバムで '11年3月31日に本国でリリースされたものです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GERRY・BECKLEY:ヴォーカル/ギター/キーボード/プロデュースの他、MATT・BECKLEY(GERRYの息子):ギター/プロデュース、RYLAND・STEEN:ドラム/パーカッション、DAVE・RAVEN:ドラム、CAITIN・MOE:ストリングス、MAX・BERNSTEIN:ギター、CHRIS・TEDESCO:トランペット、ESTE・HALM:タップ・ダンスのGERRYの音楽仲間達です。

1曲目"Always"(2:01) アコースティック・ギターを奏でながらGERRYを歌い始める落ち着いたテンポの曲です。バックにはホーンとエレクトリック・ギターのサウンドが流れていますが、控えめなアレンジによるアルバムのオープニング的な短さを感じます。
2曲目"Unfortunate Casino"(4:49) この曲も落ち着いたテンポのGERRYの弾き語りを中心とした曲展開となっています。間奏に登場するのは、MATTのギターでしょうか、何だか仲の良い感じが伝わって来ます。
3曲目"Feelings Flow"(3:15) どこかで聴き覚えのあるピアノの調べを感じるこの曲もGERRYの弾き語り風にしっとりとしたトランペットのサウンドが奢られたちょっと懐かしさを感じさせる曲です。
4曲目"Remembering"(3:53) 今度はテンポを上げて来たバンドAMERICAでのサウンドに近い感じの曲です。テンポの良いリズムからカリフォルニアの太陽とそよ風を感じさせそうです。
5曲目"Dark River"(4:41) この曲はソロとしてリリースされた前々作[Horizontal Fall]のサウンドとメロディを感じさせるしっとりとした曲です。透明感のあるGERRYの歌声のバックに広がるスピリチュアル的なギターの調べが心地好く広がります。
6曲目"Feel"(3:55) 今度はロック色を強めて来たギター・サウンドが豊富に響く曲です。お得意のボイス・ボックスを使ったGERRYの歌声に厚く重ねられたバックのハ−モニーと力強いドラムのビートを暫し楽しみましょう。
7曲目"Hello"(3:41) ちょっと聴いただけでビートルズ(特にPAUL)からの影響がサウンドから感じる曲です。シンプルなコード進行に分かりやすいサウンドなどは、誰でも一緒に歌えそうな感じですね。
8曲目"Cup Of Rain"(4:00) 今度はそっと歌うGERRYのアコースティック・ギターでの弾き語りです。訥々と歌うGERRYの吐息混じりの歌声にメランコリックなストリングスに調べも切なく響いて来ます。
9曲目"Simpson Sky"(4:47) この曲もどこと無く70年代のイギリスのポップ/ロック・バンドの雰囲気を感じさせる曲です。バブルガム/サイケデリック風のサウンドと凝ったアレンジの展開を聴かせます。
10曲目"Fortune Fells"(2:59) ロウファイにしたGERRYの歌声とアップライト・ピアノの古びた調べによるスローな曲です。悲しみを帯びたホーンのサウンドやダウンテンポの流れによってアルバムの幕が閉じられます。
歌詞無し ライナー無し 2折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:36分22秒 (GERRYの優しさを感じさせる歌声は相変わらずですね。アルバムの方も彼の控えめを感じさせるようにひっそりとリリースされているようです)'11年9月13日更新


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写真  GINO VANNELLI / Brother To Brother
 ・1978 A&M Records, Inc.    A&M SP 4722

濃い、濃い、濃い・・・

このアルバムは、カナダのモントリオール出身のロック/ジャズ・シンガーGINO・VANNELLIの6枚目のアルバムで、'78年に本国でリリースされています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GINO・VANNELLI:ヴォーカル/プロデュースの他、JOE・VANNELLI(GINOの兄):キーボード/シンセサイザー、CARLOS・RIOS:ギター、JIMMY・HASLIP:ベース、MARK・CRANEY:ドラム、LEON・GAER:シンセサイザー・ベース、ERNIE・WATTS:サックス、MANUEL・BADRENA:パーカッション、VICTOR・FELDMAN:ヴィブラフォン、STEPHANIE・SPRUILL:バック・ヴォーカル、JULIA・TILLMAN・WATERS:バック・ヴォーカル、MAXINE・WILLARD・WATERS:バック・ヴォーカル、ROSS・VANNELLI(GINOの弟):バック・ヴォーカル/プロデュースのベテラン勢が参加しています。

1曲目"Appaloosa"(4:44) 弾けるチョッパー・ベースのサウンドとJOE・VANNELLIの軽快なキーボードの調べがふんだんに溢れかえる音圧が響く曲です。GINOの曲と言えば名曲である3曲目のバラードとこの"Appaloosa" が代表曲でしょう。本当にGINOの熱い音の波が何度も何度も襲って来ますね。
2曲目"The River Must Flow"(3:48) 全体にGINOがファルセットで歌うアーバン・ソウルな曲です。ファンクなリズムを流すシンセ・ベースのサウンドと心地好いギターのカッティング音で繰り広げられる軽い乗りの曲です。
3曲目"I Just Wanna Stop"(3:37) 何の説明も要らないし、何もこの曲について書こうと思わないし、ただ、GINOの歌声を曲の最初から終りまでじっと聴き入るだけです。カナダでシングル・チャート1位を記録しています。
4曲目"Love & Emotion"(3:49) 2曲続けて弟ROSSの書いた曲の登場です。ROSSが後にPHILIP・BAILEYと一緒に曲を書いてEARTH, WIND & FIREのアルバムに収録された楽曲の共通性を感じる、小気味よい乗りと曲のタイトル通りエモーショナルなサウンドを聴かせています。
5曲目"Feel Like Flying"(5:17) 当時のアルバムでは、A面の最後に収録されているメロウなサウンドの曲です。セオリー通り3曲目と5曲目にはスローな曲を収録しているのが面白いですね。イントロからカッコ良く聴かせるJIMMY・HASLIPのチョッパー・ベースと逆にさり気なさに徹した故VICTOR・FELDMANのヴィブラフォンの調べも柔らかく響いています。サックスのソロには、ERNIE・WATTSも登場して来て本当に聴きどころ満載ですね
6曲目"Brother To Brother"(7:16) 炸裂するCARLOS・RIOSのギターにJIMMY・HASLIPの弾けるベース音と故MARK・CRANEY(JETHRO TULL,JEAN-LUC・PONTY)の非常にドラマチックなドラム・プレイが圧巻の曲です。7分を超える長さの曲ですが、本当にイントロから曲の終りまで一気に聴かせるダイナミックさを強く感じるのです。
7曲目"Wheels Of Life"(4:14) この曲もGINOのソウルフルでメロウな歌声を聴かせるバラードですね。このアルバムは、本当にアップテンポの曲とスローな曲との組み合わせのバランスが非常に良いですね。張りのあるLEON・GAERのベースのサウンドとベテラン女性バック・ヴォーカル達の歌声の響きも雰囲気ものです。
8曲目"The Evil Eye"(4:14) フュージョン系のサウンドの収録曲が多いこのアルバムの中では、この曲は、ロック色を強めたサウンドの曲です。ピアノのサウンドやドラムのビートの感じは、前の年にリリースされたSTEELY DANのアルバムの凝った趣向の共通性を感じます。
9曲目"People I Belong To"(4:01) アルバムの最後の曲は、再びメロウなバラードの登場です。ソフトな歌い口からエモーショナルな歌声まで余すこと無くアルバムの最後まで美しく聴かせてくれるGINOです。
歌詞無し LP盤付 U.S.製(輸入盤) 収録時間:41分09秒 (見出しにも書いたのですが、音も見た目も本当に濃いアルバムです !)'10年5月5日更新
1978年度ベスト5


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写真  GINO VANNELLI / Nightwalker
 ・1981 Arista Records, Inc.    AL 9539

エネルギッシュなGINOのアルバム・・・

このアルバムは、カナダのモントリオールで活躍しているGINO・VANNELLIの7枚目のアルバムで、本国でのリリースは、'81年です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GINO・VANNELLI:ヴォーカル/プロデュースの他、JOE・VANNELLI:キーボード/シンセサイザー/プロデュース、ROSS・VANNELLI:バック・ヴォーカル/プロデュース、MIKE・MILLER:ギター、NEIL・STUBENHAUS:ベース、VINCE(VINNIE)・COLAIUTA(FRANK・ZAPPA,JEFF・BECK):ドラム、MICHAEL・FISHER:パーカッション、BRAD・COLE:ピアノ、DAVID・BORUFF:サックス、DOUG・PARRY:バック・ヴォーカル、JULIA・WATERS:バック・ヴォーカル、MAXINE・WATERS:バック・ヴォーカル、STEPHANIE・SPRUILL:バック・ヴォーカルの相変わらずロス・アンゼルスの豪華メンバーです。

1曲目"Nightwalker"(5:06) アルバムのジャケット写真から想像させる夜の都会の喧騒をイントロから聴かせるダイナミックなサウンドとメロウなGINOの歌声でのパートを両方とも贅沢に聴かせる1曲です。
2曲目"Seek And You Will Find"(4:40) この曲も非常にエモーショナルなリズムとビートを感じさせるGINOらしい曲です。VINCE・COLAIUTAの重いドラムのビートとNEIL・STUBENHAUSのベースと絡みが熱過ぎる感じです。
3曲目"Put The Weight On My Shoulder"(4:45) 美しいピアノの調べがイントロから流れるバラードです。GINOの伸びやかに高く響く歌声に添えられた豪華なストリングスの調べがしっとりと広がって来ますね。
4曲目"I Believe"(4:09) 前作からの大ヒット曲"I Just Wanna Stop" と共通するメロディ・ラインを感じさせるミドル・テンポのGINOバラードです。
尚、この曲はGINOの兄弟であるROSSとJOEとの3人で書かれています。
5曲目"Santa Rosa"(4:05) サスペンス映画かドラマのテーマ・ソングのような期待感や不安感を感じさせるイントロのサウンドが凄い曲です。MIKE・MILLERのもの凄いギターと歯切れ良いドラム/パーカッションとベースとのサウンドの波が何度も襲って来ますね。
6曲目"Living Inside Myself"(4:18) この辺でほっと一息つかせるGINOお得意バラードの登場です。このアルバムからの先行シングル・カット曲で、ビルボードでの6位のヒット曲となっています。
7曲目"Stay With Me"(4:42) 重く響くシンセ・ベースのサウンドに絡めたNEIL・STUBENHAUSのファンクなベースのサウンドが根底に響くGINOの曲のイメージを強烈に放つ熱い曲です。女性バック・ヴォーカルを従えて時に熱くまた、メロウに歌うGINOの歌声が響きます。
8曲目"Sally(She Says The Sweetest Things)"(4:27) このアルバムの最終曲として配されたGINOお得意のメロウなバラードです。JOE・VANNELLIの非常に美しいキーボードの調べと共にアルバムは幕を閉じますが、また直ぐにA面の"Nightwalker" へ針を落としたくなる衝動に駆られます。
歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:36分12秒 (近年のGINOのアルバムのサウンドとは違ったエネルギッシュなこの時期の彼のアルバム、前作の[Brother To Brother]と共に熱いハートを感じさせるアルバムです)'10年8月15日更新


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写真  GINO VANNELLI / Inconsolable Man
 ・1990 POLYDOR K.K.    POCP-1095

ロック色の終焉・・・

このアルバムは、カナダのモントリオールで活躍しているGINO・VANNELLIの10枚目のアルバムで、国内でのリリースは、本国より1か月遅れの '91年5月来日記念盤としてリリースされています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GINO・VANNELLI:ヴォーカル/ギター/キーボード/ドラム・プログラミング/プロデュースの他、JOE・VANNELLI:キーボード/シンセ・ベース/プログラミング/プロデュース、MIKE・MILLER:ギター、RON・ROCHETTE:ギター、DAVID・GARIBALDI:ドラム/ドラム・プログラミング、MARK・CRANEY:ドラム・プログラミング、BRIAN・TANKERSLEY:コンピューター・プログラミング/副プロデュース、KIRK・WHALUM:サックス、ALFIE・SILAS:バック・ヴォーカル、CARLA・DAY:バック・ヴォーカル、MAXINE・LEWIS:バック・ヴォーカル、RICKY・NELSON:バック・ヴォーカル、MICHAEL・RUFF:バック・ヴォーカル、KEVIN・DORSEY:バック・ヴォーカル、LINDA・LAW:バック・ヴォーカル、PHILLIP・INGRAM:バック・ヴォーカル、SUZANNE・BENSON:バック・ヴォーカルの相変わらずロス・アンゼルスの豪華メンバーです。

1曲目"Rhythm Of Romance"(4:30) 前々作[Black Cars]よりサウンドの方向をよりエレクトロニカ・ポップ寄りに方向を変化させて来たGINOのサウンドを強く感じる曲です。デビュー当時から熱く感じさせたファンキーさも垣間見せるリズムの流れも持ち合わせています。
2曲目"If I Should Lose This Love"(4:32) 今度はGINOの得意とするバラードの登場です。メロウな歌声を交えながら時に熱く歌うGINOの歌声の響き、日本にも多くの彼のファンが存在する事を納得させますね。
3曲目"Shame"(5:23) 今度は少しテンポを上げて来たエレクトニカ・ファンクの曲です。バックのJOE・VANNELLI のシンセ・ベースでの重い響きや女性バック・ヴォーカルの煌びやかな歌声たっぷり彩られたGINOサウンドを堪能しましょう。
4曲目"Sunset On L.A."(4:15) この曲は、過去のアルバムの収録曲とは少し感じを違わせた曲です。数々の素晴らしいアルバムを収録して来たロス・アンゼルスへの決別を歌詞にしたような複雑な心境の内容を歌うGINOです。
5曲目"Moment To Moment"(4:48) イントロから響く心地好いパーカッションのリズムとシンセサイザーの穏やかさを表現した音の広がりが印象的な落ち着いたリズムとサウンドの曲です。デュエットの女性ヴォーカルの詳細は不明なのですが、非常に滑らかな歌声をGINOと共に聴かせています。
6曲目"Cry Of Love"(4:47) 牧歌的なピッキングを刻むギターのリズムとサウンドで展開されるGINOにしては少しめずらしい感じを与える曲です。次第にサウンドを滑らかに演出するソプラノ/アルト・サックスなどを登場させアダルトな雰囲気を感じさせて行きます。
7曲目"The Time Of Day"(4:26) 軽快なリズムを感じさせるイントロから入るロック/ポップ色の強いサウンドの曲です。コーラスによる厚めのバック・ヴォーカル隊にギミックなギターのフレーズが響きます。
8曲目"Bound To Cry"(4:14) この曲もギターのサウンドが心地好く響くスローなリズムの曲です。少し枯れた歌声を聴かせるGINOの歌声と5曲目と同じ女性ヴォーカル(ALFIE・SILAS ?)の歌声も美しく絡みます。
9曲目"The Joker's Wild"(4:46) 更にリズムをスローにしたメロウな雰囲気を醸し出す曲の登場です。切ないナイロン弦ギターの調べに浮遊感漂うメロディの流れとこのアダルトなサウンドは、GINOならではですね。
10曲目"Inconsolable Man"(5:04) イントロのギターのサウンドが印象に残るミドルテンポのリズムの曲です。ハモンドのサウンドにゴスペル調のコーラスによるアメリカ南部の調べを感じさせます。アルバムの終焉にこの曲が収録されているところに違和感を覚えるのは、当時のLP盤ではA面ラストに収録されCDと曲順が違うところから来るようです。
全10曲歌詞/訳詞付 写真ライナー (国内盤) 収録時間:46分50秒 (次のアルバムでは、カナダでのライヴ・アルバムをリリースし、'95年にはジャズ・ヴォーカルによる[Yonder Tree]をリリースしているGINOです。このアルバムは、GINO壮大なロックの終焉に位置するアルバムとなっています)'11年7月18日更新


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写真  GINO VANNELLI / Yonder Tree
 ・1995 PolyGram Records, Inc.    314 527 368-2

新境地JAZZヴォーカルに活路を見出した・・・

このアルバムは、カナダのシンガー GINO・VANNELLIが新境地JAZZヴォーカルに活路を見出したアルバムです。GINOの12枚目のアルバムで、'95年5月23日アメリカでのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GINO・VANNELLI:ヴォーカル/ピアノ/プロデュースの他、JOE・VANNELLI:キーボード/ヴィブラフォン/マリンバ、CAL・SCOTT:ギター、PHIL・BAKER:アップライト・ベース、RANDY・PORTER:ピアノ、GEORGE・MITCHELL:オルガン、TOLLAK・OLLESTAD:ハーモニカ、CHUCK・FINDLEY:トランペット/フリューゲル・ホーン/トロンボーン、TOM・SCOTT:サックス、PATRICK・LAMB:サックス、BRUCE・SMITH:パーカション、ENZO・TODESCO:ドラム/パーカション、GRAHAM・LEAR:ドラム、ISRAEL・ANNOH:パーカション、TONY・SELVAGE:ヴィオラ/ヴァイオリン、BRENDA・L.EAGER:バック・ヴォーカル、PATTI・HENLEY:バック・ヴォーカル、ROBERT・HENLEY・III:バック・ヴォーカル、RONALD・HENLEY:バック・ヴォーカルのジャズ系のミュージシャン達です。

1曲目"Walter Whitman Are You"(4:15) TOLLAK・OLLESTADのハーモニカとGINOのヴォーカルが交差するスタンダードジャズな曲です。この曲の歌詞の中にアルバム・タイトルである「Yonder Tree」が登場しています。
2曲目"Fallen In Love"(6:20) ライヴでのテイクをスタジオに持ち込んだような白熱した曲です。
3曲目"You Owe It To Yourself"(5:28) CHUCK・FINDLEYのトランペットを大々的にフューチャーした曲です。
4曲目"A Little Bit Of Judas"(6:37) 暗いイメージを意識したスタンダードな曲です。
5曲目"Unbearably Blue"(5:43)) ピアノの旋律とGINOのヴォーカルを主体にした静かな曲でサビの部分は誰かの曲と似たような?
6曲目"Jehovah And All That Jazz"(5:41) パーカションの効いた明るいリズム曲でサンバ等混ざった感じがします。
7曲目"None So Beautiful"(4:16) ピアノとGINOのヴォーカルにゴスペルコーラスのシンプルな曲です。
8曲目"I Die A Little More Each Day"(5:55) お気に入り曲です。ミドル・テンポのバラードにGINOのヴォーカルが映える。
9曲目"Come To The Well"(2:44) このまま映画音楽に使えそうな曲です。
10曲目"Moon Over Madness"(4:47) ピアノとストリングスの美しい曲で戯曲の仕立てとなっています。
全10曲歌詞付 写真ライナー U.S.製 (輸入盤) 収録時間:51分51秒 (ロック・ファンの為のCDでは、有りませんので気をつけてください!)'10年1月7日再更新


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写真  GINO VANNELLI / Slow Love
 ・1998 PolyGram Records, Inc.    314 557 441-2

前作より良い意味で少しアダルト・ロックの位置に少し・・・

このアルバムは、GINO・VANNELLIの13枚目(多分?) のアルバムで '98年6月23日アメリカでリリースされた作品です。前作より良い意味で少しアダルト・ロックの位置に戻りました。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GINO・VANNELLI:ヴォーカル/ピアノ/プログラミング/プロデュースの他、LOUIS・BIANCANIELLO:シンセサイザー/プログラミング/プロデュース、JORGE・CALANDRELLI:アレンジ/プロデュース、RANDY・PORTER:ピアノ/ウーリッツァー、RACHEL・Z:ピアノ/シンセサイザー/プログラミング/プロデュース、GEORGE・WHITTY:シンセサイザー/プログラミング/プロデュース、RAMÓN・STAGNARO:ギター、JIMMY・HASLIP:ベース/プログラミング/プロデュース、RANDY・CANNON:キーボード、TOM・GRANT:ピアノ、JOHN・LINN:プログラミング、GRAHAM・LEAR:ドラム・プログラミング、DAVID・GARIBALDI:ドラム/パーカッション/プログラミング、JORGE・PATRONO:パーカッション・プログラミング/プログラミング、PHIL・DWYER:サックス、TRACEY・HARRIS:バック・ヴォーカル、MAXAYN・LEWIS:バック・ヴォーカル、PHILLIP・INGRAM:バック・ヴォーカル、MARGARET・LINN:バック・ヴォーカル、LORI・PERRY:バック・ヴォーカル、ALYSSA・SCHWARY:バック・ヴォーカル、SAM・WATTERS:バック・ヴォーカルのソウル系のミュージシャンも前作に比べ若干増えています。

1曲目"Slow Love"(3:34) スローなバラードでアコースティック・ギターの音色とGINOのヴォーカルが織り成す情緒たっぷりな楽曲です。
2曲目"Lost And Found"(4:45) エモーショナルなリズムと清涼水の感じのシンセサイザー(ハーモニカの疑似サウンド)が粋ですね。
3曲目"Words Can Kill"(5:08) やはりGINOのヴォーカルは、このようなACR寄り曲が最高です。
4曲目"Down With Love"(7:09) タイトなリズムと唸るシンセベースとジャズピアノの洒落た曲です。
5曲目"Cry Baby"(5:15) Wah-Wahを使ったベースでJIMMY・HASLIPが参加し、この曲のプロデュースもGINOと共同で担っています。
6曲目"Tierras De Amores Y Sombras"(5:33) スペイン語の歌詞とスパニシュ・ギターの音色が哀しすぎます。
7曲目"My Oh My It's A Miracle"(4:22) ゴスペルコーラスに包まれてGINOが歌います。
8曲目"Alive By Science"(6:16) R&Bのリズムに乗せクールなGINOのヴォーカルが魅了する。
9曲目"A Woman Crossed In Love"(5:23) もうこれ以上メロウな事はないと言えそうなメロディとサウンドの曲です。RAMÓN・STAGNAROの奏でるアコースティック・ギターのソロが圧巻なバラードでもあります。
10曲目"Constantly Constantine"(5:08) メランコリックでダークな調べが響くスローな曲です。ジャジーなサックスの音色とGINOのヴォーカルが聴く者を魅了します。
全10曲歌詞付 写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:52分37秒 (彼の昔からのファンは、GINOの壮大なROCKをもう一度聴いて見たいものです!)'10年1月7日再更新


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写真  GOOD LUCK BLACK CAT / The Dreamer
 ・2021 Good Luck Black Cat    

歪ませたギター・サウンドに爽やかな歌声・・・

このアルバムは、アメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.で活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップ/ネオ・ソウル・デュオGOOD LUCK BLACK CATのデビュー・アルバムで '21年6月18日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MEREDITH・DE・LOS・SANTOS:ヴォーカル、RAYMOND・DE・LOS・SANTOS:ヴォーカル/マルチ・インストゥルメンツの2人のようです。 6曲目のみノース・キャロライナで活躍しているSCHOOLBOY CUBEMASTERのELLIOT・KAGEが参加しているとのことです。

1曲目"Hypnagogia"(1:11) シンセザイザーによるインストゥルメンタルです。曲の終わりMEREDITHによるナレーションが付けられたこのアルバムの導入部となっています。尚、曲名の"Hypnagogia"とは、目覚めている時から睡眠状態へ移る時への半覚醒状態とのこと。
2曲目"Simple Thing"(3:54) 雨音に似た木琴風のサウンドとジャングルの中の木霊する動物の鳴き声のような歌声を重ねた音色にRAYMONDの歪ませたギターのサウンドがアクセントとして流れ去ります。
3曲目"(Respite)"(3:06) 不安感を誘うイントロに続いて登場するポンプ・オルガン風のサウンドが怪しい曲です。ノスタルジック感のあるメロディーとサウンドによるインストゥルメンタルです。ここでもRAYMONDのノイズ・ギターが冴えますね。
4曲目"Wander"(4:01) どこと無くアフリカン・リズムを感じさせる陶酔感のある曲です。底辺に響くシンセ・ベースと呪文を唱えるような2人の歌声とパーカッシヴなリズム群が攻めて来ます。
5曲目"Float"(3:25) ヒーリング効果を誘う心地好いイントロのサウンドとMEREDITHのソフトな歌声が、これまた素晴らしい曲です。途中より登場するRAYMONDのギターは、やはりネオ・ソウルとしては、斬新な感がありますね。
6曲目"Get Gone(feat. Schoolboy Cubemaster)"(4:11) MEREDITHがその美しい歌声を聴かせるドリーミーな雰囲気を醸し出す曲です。幾重にも重ねた渦巻くサウンドの数々が見事です。尚、コラボ先のSCHOOLBOY CUBEMASTERの牧歌的サウンドと非常に対照的なのが興味深いです。
7曲目"(Embrace)"(3:09) このアルバムの収録曲名に()付の曲があるのですが、インストゥルメンタルの曲を表しているようです。ここでは、電子ピアノのサウンドと電子ドラムのビートをメインとした叙情的な演奏となっています。
8曲目"The Nightmare"(1:56) 今度は、アコースティック・ギターとMEREDITHの歌声によるスローなネオ・ソウル/フォーク風な曲です。この曲を聴いていて誰かのサウンドに似ているなと考えたて思い出したのが、TOBY・LIGHTMANなのです。
9曲目"Shapeshifter"(3:22) 重く響くシンセ・ベースの響きと陶酔感を誘うMEREDITHの歌声が映画のサウンド・トラックのように思える曲です。曲名の「物語・神話」や歌詞に登場する「ガーゴイル」など物語を表しているようです。
10曲目"The Dream"(3:09) RAYMONDのスポーケンによるとMEREDITHのシルキーな歌声によるネオ・ソウル感な曲です。この曲でもそのRAYMONDのノイジーなギターのサウンドが、非常にアクセントとなっています。
11曲目"Lighter"(2:47) MEREDITHの多重によるハーモニーが美しく響く曲です。ここでも陶酔感を煽るバックのリズム群とRAYMONDのノイズ・ギターは、病みつきになりそうですね。
12曲目"(Mindsight)"(2:16) 三度のインストゥルメンタルです。ここでの演奏は、RAYMONDが電子ピアノのサウンドに合わせ各種の弦楽器を使っての演奏になっています。
13曲目"Warm Concussion"(3:29) ここでもMEREDITHがその美しい歌声を聴かせる曲です。後半からRAYMONDがしっかりと曲の輪郭をなぞるようにノイジーなギターを披露しています。
14曲目"Chaos"(3:04) '20年9月4日に先行シングルとしてダウンロード・リリースされている曲です。イントロからぐっと掴むRAYMONDのギターとMEREDITHのスキャット・ヴォーカルが美しく響きます。また、RAYMONDの逆再生風ギターの調べも心地好いですね。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:43分00秒 (bandcamp巡りをしていて偶然見つけたGOOD LUCK BLACK CAT、なかなかユニークなサウンドを生み出すデュオですね!)'23年3月2日更新


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写真  GOOD LUCK BLACK CAT / Silent Season
 ・2022 Good Luck Black Cat    

ジミ・ヘン ミーツ ドリーム・ポップ・・・

このアルバムは、アメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.で活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップ・デュオGOOD LUCK BLACK CATの2枚目のアルバムで '22年11月1日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MEREDITH・DE・LOS・SANTOS:ヴォーカル、RAYMOND・DE・LOS・SANTOS:ヴォーカル/マルチ・インストゥルメンツの2人のようです。

1曲目"Silent Season"(2:45) 訥々と奏でられるアップライト・ピアノの調べと2人のシルキーな歌声が響く穏やかな曲です。但し、後半の約1分からジミ・ヘンのような歪ませたギターのエキセントリックな調べが登場します。
2曲目"Weakest Soul"(3:13) この曲でもRAYMONDのエッジの効いたギターのサウンドが好いですね。ソフトに歌うRAYMONDとチャカポコしたリズムと急展開される荒れたギター・ソロとの調和が好いですね。2分過ぎからスローなリズム流れのインストゥルメンツ仕立てになっています。
3曲目"Infrared"(2:34) セルフで付けたRAYMONDのハーモニーによる軽めのリズムの曲です。忙しなく響くバックのリズムとセクシーな歌声に聴き入ります。
4曲目"The Spider"(4:48) ネオ・ソウル+ドリーム・ポップとした感のある曲です。Lo-Fiなサウンド・エフェクトと一段奥で響くノイスで飽和感のあるRAYMONDのギターが非常に印象的です。
5曲目"Pointless"(2:25) 凛としたピアノの調べとアコースティック・ギターの音色が切ない曲です。うなだれたようなベースのサウンドにRAYMONDの歪ませたギター・サウンドが鋭く横切ります。
6曲目"One Time"(2:24) どこか懐かしいソウルフルなサウンドを聴かせる曲です。モータウン・サウンドへのオマージュをRAYMONDがギター/エフェクトなどで表現したのでしょうか。
7曲目"Moonless Night"(4:21) ネオ・ソウルとエレクトロニカを混ぜた感じのする曲です。この曲でもそのシルキーなハーモニーを聴かせます。後半からアコースティック・12弦ギターを使った美しい流れのインストゥルメンタルになっています。
歌詞無し 45枚限定CD−R 紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:22分34秒 (見出しにも書いたのですが、ジミ・ヘンドリックスがドリーム・ポップを演奏したらこんな感じなのかな?)'22年11月15日更新


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写真  GRAHAM NASH / Songs For Beginners
 ・1971 Atlantic Records Corporation.    R2 7204

この人、いいね〜・・・

このアルバムは、イングランド出身で現在、ロス・アンゼルスで活躍しているS.S.W./カメラマンGRAHAM・NASHの '71年5月28日に本国でリリースされた最初のソロ・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GRAHAM・NASH:ヴォーカル/ギター/キーボード/タンバリン/プロデュースの他、DAVID・CROSBY:ギター、DAVID・MASON:ギター、JERRY・GARCIA:ペダル・スティール/キーボード、RITA・COOLIDGE:キーボード/バック・ヴォーカル、PHIL・LESH:ベース、CALVIN・SAMUELS:ベース、CHRIS・ETHRIDGE:ベース、DALLAS・TAYLOR:ドラム、JOHNNY・BARBATA:ドラム、LARRY・COX:Whiskers、JOEL・BERNSTEIN:キーボード、JOE・YANKEE(A.K.A.NEIL・YOUNG):キーボード、SEEMON・POSTHUMA:ベース・クラリネット、BOBBY・KEYS:サックス、DAVID・LINDLEY:フィドル、DORIAN・RUDNYTSKY:チェロ、PAT・ARNOLD:バック・ヴォーカル、CLYDIE・KING:バック・ヴォーカル、DOROTHY・MORRISON:バック・ヴォーカル、SHIRLEY・MATTHEWS:バック・ヴォーカル、VANETTA(VENETTA)・FIELDS:バック・ヴォーカルのGRAHAMの交友関係の広さを物語っています。
尚、このアルバムは、'88年にアメリカでCD化された盤を基にレビューを掲載しています。

1曲目"Military Madness"(3:30) 長閑に奏でられるアコースティック・ギターとピアノによるフォーク・ロックなサウンドの曲です。歌詞の方は、この長閑なサウンドとはかなり違った印象を受ける故郷ブラック・プールからアメリカに渡って感じた祖国イギリスと北アイルランドの紛争をテーマしているようです。DAVE・MASONのワウ・ワウを使った特徴的な長いギター・ソロも登場しています。
2曲目"Better Days"(3:52) 前半のシンプルなピアノによる弾き語りから入る曲で、ダークさのあるハモンドの音色による途中からの転調が当時から非常に痺れさせてくれました。この曲のイメージは、とてもイギリス的と言える捻りを感じます。
3曲目"Wounded Bird "(2:11) メジャー7thのギター・コードで奏でられるアコースティック・ギターの美しいこの響きは、ギター好きなら当然弾いた事のあるリフではないでしょうか。GRAHAMの優しい響きの歌声とギターの響きが共に心地好く流れて来ます。
4曲目"I Used To Be A King"(4:45) 重く響くPHIL・LESHのベースのサウンドをバックに鳴り響くJERRY・GARCIAのペダル・スティールのサウンドが渦巻くカントリー・ロック調の曲です。この重厚な質感は後のCROSBYとのアルバ[Wind On The Water]に繋がって行くのです。
5曲目"Be Yourself "(3:11) イギリスで活躍しているS.S.W.TERRY・REIDとGRAHAMが一緒に書いた曲です。アコースティック・ギターを奏でるGRAHAMとバックの女性コーラス隊の歌声によるゴスペル調の曲です。尚、TERRYの方も調べてみたのですが、アルバム未収録のもよう。
6曲目"Simple Man"(2:21) GRAHAMのピアノの弾き語り形式で収録されている曲名通り非常にシンプルなメロディとサウンドによる彼らしい曲です。出だしの歌詞も「僕は単純な男なのさ、だから簡単な歌を歌うさ…」でもここからの先は昔の彼女に対する優しい気持ちや複雑な今の心境を歌っているのです。
7曲目"Man In The Mirror"(2:41) この曲もJERRY・GARCIAのペダル・スティールのサウンドが決めとなって流れるカントリー・ロック調の曲です。尚、余談ですがDAN・FOGELBERGの同名の曲とは違う曲です。
8曲目"There's Only One"(3:57) ゴスペル・テイストを感じさせるこの曲は、不思議とユニット仲間のSTEPHEN・STILLSの歌うゴスペル調の曲に通じるものを感じます。
9曲目"Sleep Song"(3:03) ゆったりと奏でられるアコースティック・ギターの調べに乗せて歌うGRAHAMのソフトで滑らかな歌声が心地好いお休みを告げる曲です。
10曲目"Chicago"(2:54) 当時のビルボード35位まで登りつめた曲で、'68年8月のベトナム反戦デモの市民と民兵/機動隊との5日間にわたる衝突を描いた曲です。普段は優しい歌声を聴かせるGRAHAMですが、この曲では熱いメッセージをバックのRITA・COOLIDGEと女性コーラス隊と共に聴かせます。
11曲目"We Can Change The World"(1:17) 前の曲"Chicago" のアウトロ部分を再度登場させた曲です。このメッセージは、70年代のアメリカの混沌とした世相を反映したと感じさせますが、今この曲の歌詞を聴くとオバマ大統領のキャッチ・フレーズのようですね。
10曲歌詞付 写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:33分45秒 (そう言えば当時オリジナル・リリースの輸入LP盤を持っていたのですが、何故かこの時代のアルバムをCD化に合わせて大量に処分してしまったようです)'12年9月8日更新
1971年度ベスト5


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写真  GREGORY DOUGLASS / Teeter
 ・2001 Emote Records    EMGD-003
 ・2001 Gregory Douglass Music

本当に歌が上手くエモーショナルな人です・・・

アメリカのバーモント州で活躍するGREGORY・DOUGLASSの3枚目(過去2枚のアルバムは廃盤の為、入手不可能)のアルバムで '01年の自主制作盤です。アルバムタイトルはTeeter:シーソーと名付けられています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GREGORY・DOUGLASS:ヴォーカル/キーボード/プロデュースの他、JEREMY・MENDICINO:ギター/ドラム/パーカション/ベース/バック・ボーカル/プロデュース、STEVE・HOLT:ベース、LEEEZA・ROBBINS:ヴィオラ、GWENDOLYN・DOUGLASS:バック・ボーカルの少人数での収録です。

1曲目"Hard"(4:12) 心和むキーボード音色とJEREMYのアコースティック・ギターのサウンドが調和したGREGORYのエモーショナルなヴォーカルによる曲です。
2曲目"Time"(4:01) リズミカルな打ち込みサウンドにドラム、ギター、キーボードの音色を乗せたシンプルな曲が更にGREGORYの歌声を素晴らしく聴かせます。
3曲目"Valley"(5:17) バグパイプ風のギターのサウンドが非常に圧倒感のある曲で曲調の変化とGREGORYの歌声に聴き入ってしまいます。
4曲目"Welcome Back"(4:23) 変則チューニングした独特のギターのサウンドと珍しく低く抑えたGREGORYの歌声での曲です。
5曲目"Let Me In"(4:34) 歪ませた音色のキーボードの弾き語りによるシンプルな曲です。
6曲目"Wild World"(3:40) GREGORYのピアノによるイントロからJEREMYのギターのサウンドが重なり合う美しい曲でこの曲もGREGORYの美しい歌声が聴けます。
7曲目"Feel You Breathe"(4:31) GREGORYのパワフルな歌声とJEREMYのギターのサウンドが作り出す息をも吐かせぬ圧倒的な凄さのある曲です。
8曲目"Innocent"(3:42) クールな響きのエレクトロニカのサウンドの曲ですが、GREGORYの相反するパワフルでエモーショナルな歌声が響き渡る曲です。
9曲目"I Wonder"(5:00) GREGORYのピアノによる弾き語りにハウリング・サウンドのギターの素晴らしい演出の効いたバラードです。
10曲目"Better Life"(4:24) 12弦ギターの厚いサウンドによるギター・ポップな曲です。この曲でもGREGORYは熱く歌っています。
全10曲歌詞付 写真ライナー カナダ製 (輸入盤) 収録時間:43分49秒 (日本では入手し難いアルバムですが、必聴の価値が有ると思います)'10年1月12日再更新
2001年度ベスト5


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写真  GREGORY DOUGLASS / Pseudo-Rotary
 ・2003 Emote Records    EMGD-004
 ・2003 Gregory Douglass Music

本当に素晴らしいミュージシャンです・・・

このアルバムは、バーモント州で活躍するGREGORY・DOUGLASSの4枚目のアルバムで、'04年に彼のレーベルからリリースされたアルバムです。今回のサウンドも前作と同様に素晴らしいものを感じます。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GREGORY・DOUGLASS:ヴォーカル/キーボード/パーカション/プロデュースの他、JEREMY・MENDICINO:ギター/ドラム/パーカション/プログラミング/キーボード/バック・ボーカル/プロデュース、GREG・RYAN:フレットレス・ベース、ANTHONY・SANTORO:アイリッシュ・パイプ、ANGLE・LLZOTTE:バック・ヴォーカルの今回も少人数での収録です。

1曲目"I Wanted To Run"(4:14) 彼の素晴らしいビデオ・クリップに釘付けになってしまいました。バックで歌う女性ANGLE・LLZOTTEの清々しいヴォーカルとGREGORYの情熱的なヴォーカルと相性が素晴らしい。
2曲目"Wall To Wall"(4:47) 躍動的なドラムのリズム(打込み)とJEREMY・MENDICINOのギター・サウンドとGREGORYのヴォーカルとが絡み合う素晴らしい曲です。
3曲目"The Ride"(3:27) GREGORYのキーボードによる情緒的な曲です。
4曲目"Can't Stand Up"(3:03) 低くうなる打込みによるベースのサウンドにJEREMYの特徴的なギター・リフと乗りの良いリズムとサウンドの曲です。
5曲目"Rise"(5:12) ダークなイメージの打込みのリズムに遮の掛かったGREGORYのヴォーカルが圧巻です。間奏のGREGORYキーボードソロもアグレッシヴで聞き応えがあります。
6曲目"Waite For Me"(4:47) オープン・チューニングによるアコースティック・ギターの響きがとても印象的で幻想的で独特の浮遊感のある静かな曲です。
7曲目"Everything"(3:32) イントロのハーモニックス奏法が非常に美しく響きながらGREGORYの切なくエモーショナルなヴォーカルが流れ渡る曲です。
8曲目"Usual Denials"(3:33) この曲の共作者JEREMYのドライブするギター・サウンドが印象的でGREGORYのエモーショナルなヴォーカルと相性が非常の良い。
9曲目"Hush"(3:54) キーボードのシンプルな音色と大人しいギターのサウンドの曲でGREGORYのヴォーカリストとしての実力を十二分に判らせる曲です。
10曲目"Quiet In The Shade"(4:49) アイリッシュ・パイプ(バグパイプの1種)のサウンドを使ったイントロが特徴的な曲です。本当にこのアルバムは様々な感じの曲が収録されています。8曲目を除き全てGREGORYの作詞作曲です。
11曲目"Rotunda"(4:45) ピアノの低いキーにて演奏される不思議なメロディの曲でJEREMYのギターも歪ませたサウンドで一気に畳み掛ける重圧感のある曲です。
12曲目"Stranger"(5:07) 美しいピアノの旋律と対象的なサビの部分の曲の展開が絶妙な曲です。
13曲目"Gone"(5:13) GREGORYの華麗な旋律のピアノでの弾き語りでこのアルバムは幕を閉じます。
全13曲歌詞付 写真ライナー カナダ製 (輸入盤) 収録時間:56分28秒 (才能豊かな彼のアルバムは、どれも素晴らしいです)'10年1月12日再更新
2003年度ベスト5


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写真  GREGORY DOUGLASS / Stark
 ・2005 emote records    EMGD-005
 ・2005 Gregory Douglass Music

サウンドの要JEREMYが抜けてしまったが・・・

GREGORY・DOUGLASSの5枚目のアルバムで '05年の8月のリリースです。前作までギター/ベース/パーカッションとして参加していたサウンドの要のJEREMY・MENDICINOが参加していないのが非常に残念ですが、ゲスト・ミュージシャンに支えられての収録です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GREGORY・DOUGLASS:ヴォーカル/ギター/キーボード/タンバリン/プロデュースの他、SYD:ギター/ドラム、STEVE・HOLT:ベース/プロデュース、TUCK・STOCKING:ベースAARON・COWEN:ギター、WILL・ACKERMAN:ギター、SAM・SMITH:パーカッション、MARTHA・COLBY:チェロ、ROBIN・CHAMBERS:ヴィオラ/ヴァイオリン、LISA・PICCIRILLO:ヴォーカル、ESSEX HIGH SCHOOL MADRIGAL CHOIR:コーラスの今回は大勢での収録です。

1曲目"Crazy Love"(2:35) GREGORYのピアノでの弾き語りによる曲で演出は最低限のギターとチェロの演奏による曲です。GREGORY の歌声は相変わらずエモーショナルに満ちています。
2曲目"Upside Down"(3:26) ゆったりしたリズムのキーボードの音色から始まるアップテンポの曲でGREGORYの歌声は少しエフェクト処理されています。前作から引き継いだエモーショナルなサウンドは健在です。映画「ブラック ホーク ダウン」「ジャーヘッド」など映像を使ったビデオもぞうぞ!。
3曲目"Under The Gun"(3:04) GREGORYと同じくバーモント州で活躍しているヴォーカルのLISA・PICCIRILLOとの息のぴったり合ったデュエットが非常に素晴らしい曲でサウンドもGREGORYのギターにバイオリンとベースのみのシンプルな構成です。
4曲目"Sail The Sea"(3:31) GREGORYのピアノを主体としたミドル・テンポのポップスです。さらっとした曲でもGREGORYの歌声はいつも通り熱く語りかけて来ます。
5曲目"Promises"(2:28) エモーショナルなリズムのギターとオルガンのサウンドに乗せ熱く歌うGREGORYの素晴らしい歌声による曲です。この曲も楽器構成は非常にシンプルです。
6曲目"Liar"(3:14) AARON・COWENのギターとのシンプルな曲です。不協和音を使った少しスリリングな響きを持つギターアンサンブルです。
7曲目"Where Did The Music Go"(3:46) 1曲目と同じくMARTHA・COLBY(バークレー出の新進気鋭のチェロリスト)のチェロをフューチャーした少し哀愁を帯びた曲です。
8曲目"Dry"(4:20) 物凄いアコースティック・ギターのカッティングとパーカッションによるリズミカルなナンバーです。GREGORYの歌声が非常に熱いですね、スタジオで一発テイクのような感じがします。
9曲目"Alibis"(3:13) 幻想的な響きを持つキーボードのサウンドと重ね合わせたGREGORYの歌声によるアンビエント・サウンド的な曲です。
10曲目"Goodbye"(2:42) 何とWILL・ACKERMAN(Windham Hill Recordsの創設者)がギターで参加しています。ゆったり流れるGREGORYとWILLのギターの調べによる落着いた曲です。
11曲目"Better Tomorrow"(4:01) GREGORYのピアノでの弾き語りで非常に美しいエセックス高校のマドリガルコーラスがGREGORYの熱いヴォーカルに華を添えます。
全11曲歌詞付 写真ライナー カナダ製 (輸入盤) 収録時間:36分25秒 (今回の作品は、多彩なゲストミュージシャンを起用した収録ですが、各曲大変シンプルなスタイルと生の演奏を主体とした作風となっています。ただ各曲の演奏時間が少し短くもう少し長くても良かったと思います)'10年1月12日再更新


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写真  GREGORY DOUGLASS / Up & Way
 ・2006 emote records    EMGD-006
 ・2006 Gregory Douglass Music

地元のミュージシャンとの協力で作り出した・・・

バーモントで活躍しているGREGORY・DOUGLASSの6枚目のアルバムで、'06年の11月のリリースです。前々作でギターのJEREMY・MENDICINOが抜けてしまって、サウンドが少し大人しくなってしまったGREGORYのアルバムでしたが、新しくギターに同じくバーモントで活躍するAARON・COWAN(JRDA)の協力が前作同様にあったようです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GREGORY・DOUGLASS:ヴォーカル/キーボード/ギター/プロデュースの他、AARON・COWAN:ギター、STEPHEN・HOLT:ベース/パーカッション/プロデュース、TUCK・STOCKING :ギター、SETH・BARBIERO:ベース、TODD・GEVRY:ドラム、GLORY・DOUGLASS:クラリネット、COLIN・MONTGOMERY:トランペット、MARTHA・COLBY:チェロ、MIKE・ZIMMERMAN:ティンパニーの1部過去のアルバムに参加したミュージシャンもいます。

1曲目"Light Don't Shine"(3:59) GREGORYの弾くROLANDのサウンドを基調とした曲でAARONの一風変わったギターのフレーズが耳に残る曲です。バック・ヴォーカルはGREGORY自身が付けています。
2曲目"Sentimental Fury"(3:57) 低いキーでのピアノのメロディが威圧的に響く特徴的な曲です。次第にエモーショナルに展開するGREGORYの歌声はいつも通りですね。アグレッシヴでタイトなドラムのビートもこの曲を魅力的にしています。
3曲目"Living"(4:47) この曲迄のサウンドの流れが非常に美しいですな。アップテンポのピアノの旋律とギターでのバッキングの刻み音が心地好い曲です。タイトなドラムのビートと幾重に重ねられたGREGORYのバック・ヴォーカルが印象的です。
4曲目"Hang Around"(3:37) 3枚目のアルバム[Teeter]での曲調に似たうねりを持ったサウンドの響きと躍動的なリズムにGREGORYの情熱と気迫を合わせ持った曲です。
5曲目"Annabelle"(3:19) 前作でも参加していたMARTHA・COLBYのチェロの響きが美しいメロディアスな曲です。流れるように演奏されるピアノの旋律とGREGORYのエモーショナルな歌声です。
6曲目"Into The Sunset"(3:47) この曲でもMARTHA・COLBY のチェロは1つのアクセントになっています。切ないメロディのよる吐息混じりのバラードです。MARTHAとGREGORYは前作のレコーディング後もツアーを一緒に回っているようです。
7曲目"Who Knows"(3:18) 少し雰囲気を変えて来た曲の登場です。GREGORYのピアノの演奏を囲むように繰り出されるギターとベースとドラムのリズムによるアップテンポの曲です。
8曲目"See You Cry"(3:31) GREGORYのアコースティック・ギターでの弾き語りです。ドラムのビートも静かに繰り出されています。GREGORYの多重録音にセルフハーモニーが爽やかに響きます。
9曲目"There She Goes"(2:52) ダークなイメージのサウンドと一風変わったリズムによるブルージーなロックのサウンドです。この曲ではギターに同じくバーモントで活躍するTUCK・STOCKING(THECONNIPTION FITS)が参加し、彼らしい骨太のロックサウンドに寄与しています。
10曲目"Don't Get Caught"(5:04) GREGORYのローランドでの弾き語りです。ゴスペル調のバックコーラスと所々のティンパニーのダイナミックなアンサンブルによる5分を超える曲です。
11曲目"Up & Way"(6:31) リズミカルなGREGORYのピアノ調で、この曲でもMARTHAのチェロのサウンドは非常に心地好いです。曲の半分位で一旦終わりを迎えるようですが、組曲のように後半は非常に美しいメロディの連続です。
全11曲歌詞付 写真ライナー カナダ製 (輸入盤) 収録時間:44分47秒 (今回の作品もGREGORYのエモーショナルな歌声と地元のミュージシャンとの協力で作り出したGREGORYの熱いハートを感じるアルバムです)'10年1月12日再更新


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写真  GREGORY DOUGLASS / Battler
 ・2009 EMOTE MAN MUSIC, BMI    MOTE/EMGD-007

相変わらず"熱い" 歌声です・・・

このアルバムは、アメリカの北東部カナダと国境を接するバーモント州でインディペンデントに活躍しているGREGORY・DOUGLASSの '09年2月本国でリリースされた7枚目のアルバムです。
今回は、バーモントのS.S.W. SYD:ギター/プロデュースとDYLAN・ALLEN(THE BOY BATHING):ギター/ベース、MATT・BOGDANOW:ドラム、LISA・PICCIRILLO:ヴォーカル、ANAÏS・MITCHELL:ヴォーカル、GLEN・NADEAU:ヴォーカル、GRACE・POTTER:ヴォーカル、ROBIN・CHAMBERS:ヴァイオリン、MONIQUE・CITRO:チェロ、ANNA・PATTON:クラリネットの地元のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Broken Through"(3:14) 厳かに弾き始められるピアノの調べとゆっくり歌うGREGORYの歌声による前々作[Stark]でのピアノのサウンドを中心としたサウンドに近い収録曲となっています。
2曲目"Cathedrals"(3:57) ギターに SYDとDYLAN・ALLEN が参加してサウンドをより厚くよりダイナミックに展開した聴き応えのあるエモ・ロックな曲です。ベースも担当しているDYLANのうねるベースの調べとGREGORYのエモーショナルな歌声が熱く響いて来ます。
3曲目"Devotion"(3:53) メランコリックなギターの調べと切ないGREGORY の歌声がイントロから流れる曲です。曲の途中エモーショナルに登場するLISA・PICCIRILLOの美しい響きの歌声も良いですね。
4曲目"Day Of The Battler"(3:38) このアルバム・リリース前よるサンプル音源が試聴されていたアグレッシヴな荒れたサウンドの曲です。打楽器を叩きつける響きに荒れたギターのサウンドをバックにたっぷり流したアレンジが印象的です。
5曲目"No Apology"(2:40) 殆んどGREGORY1人の歌声によるアカペラにて収録されている曲です。サビの部分のみキーボードの慎ましやかな演奏とGREGORYのsnapping fingersのみのシンプルさです。
6曲目"Stay"(3:50) イントロから聴き入る幻想的でダークな調べのピアノの響きとGREGORYの哀愁のある歌声が響く曲です。Ebowによるギターのサウンドが切なく響く間奏からエンディングまでも美しいメロディが流れて行きます。
7曲目"Madeline"(3:16) エモーショナルなピアノの調べと"クール" なドラムのビートが届けられるダーク・ポップな曲です。最近のGREGORYのアルバムは、彼のピアノ/キーボードでの作曲と演奏が中心になっている事を実感するワイドさとダイナミックさを感じます
8曲目"Sadly"(3:59) 一転してGREGORYがアコースティック・ギターに持ち替えての収録曲の登場です。ハーモニックスによる幻想的で美しい弦の協和音に続いて登場するバーモントのカントリー・シンガーANAÏS・MITCHELLの優しい歌声がしんみりと響きます。
9曲目"This Is My Life"(3:00) 心地好いキーボードの調べとアコースティック・ギターのサウンドが流れるミドル・テンポのフォーク・ロックです。この曲では少し大人しく歌うGREGORYの歌声と彼自身の音楽活動を題材にした歌詞が印象に残ります。
10曲目"Lifeline"(3:33) めずらしくループによるサンプル音源を使って収録されているようです。メランコリックなGREGORY歌声に美しいストリングスのサウンドを重ねた部分も持ち合わせたアレンジも見事です。
11曲目"Harlequin"(3:17) GREGORYのアコースティック・ギターの弾き語りから次第のダイナミックなサウンドに展開されるエモ・ロックな曲です。曲の所々に中東的なエスニックの香りも感じさせるGREGORYの熱い歌声が響きます。
12曲目"Ordinary Man"(5:01) 同じくバーモントで活躍しているGRACE・POTTERがヴォーカルに参加して、彼女のエモーショナルな歌声を聴かせるピアノ・バラードです。曲のタイトルが非常に複雑にGREGORYの心境を表しているような気がします。
全12曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:43分23秒 (GREGORYからの「新作出たよ!」のメールに反応して、またまた買ってしまいました!)'10年1月12日再更新


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写真  GREGORY DOUGLASS / Lucid
 ・2011 EMOTE MAN MUSIC, BMI    MOTE/EMGD-008

エネルギッシュからメロウまで・・・

このアルバムは、アメリカの北東部カナダと国境を接するバーモント州でインディペンデントに活躍しているS.S.W.GREGORY・DOUGLASSの '11年6月本国でリリースされた8枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GREGORY・DOUGLASS:ヴォーカル/キーボード/ギター/ウクレレ/シーケンス/プロデュースの他、前作でのDYLAN・ALLEN(THE BOY BATHING):ギター/ベース、MATT・BOGDANOW:ドラム/パーカッション、MONIQUE・CITRO:チェロ/バック・ヴォーカル、MYRA・FLYNN:バック・ヴォーカル、GLEN・NADEAU:バック・ヴォーカル、GLORY・REINSTEIN(BELLA VOCE):バック・ヴォーカルの地元のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"The Night"(3:13) センチメンタルな響きを聴かせるキーボードの調べと思い詰めたように歌うGREGORYの歌声も切なく伝わるバラードです。後半からは、戯曲的なサウンドへと広がりを聴かせます。
2曲目"Lucid"(3:51) 曲のタイトル通り明快さを感じさせるメロディとサウンドの曲です。この曲では、ヴォコーダーを通したGREGORYのあの熱い歌声も健在だと認識させますね。
3曲目"White Out"(2:55) サウンドとリズムをポップな方向に移して来た心地好いリズムを感じるGREGORYの過去のアルバムには無い軽さを持っている曲です。打ちつけるように響くドラムのビートにバックに流れるリズムカルなギターのサウンドも非常に軽快が良いのですが、もう少し曲の長さが長ければと思いもっと聴いていたい曲です。
4曲目"Naysayer"(3:07) 今度は、ドラム・プログラミングとヴォコーダーを使ったエレクトロニカ・ダンス・ビートぽい曲の登場です。この曲でも色々なサウンドを聴かせるGREGORYの引き出しの多さを感じさせます。
尚、曲名の"Naysayer" とは「拒否者,否定者,反対者」を意味し、GREGORYの周りには多く存在しているのでしょうか。
5曲目"Wild"(3:37) この曲は、ロック色を強めて来たプリ・ブリット・ロックって感じのサウンドとメロディです。クラウド・ヴォーカルと名付けられたMONIQUE、MYRA、GLENとLORYの4人のヴォーカルも素晴らしく響いて来ます。
6曲目"Shot Down"(3:42) この曲でもヴォコーダーを使い分けたヴォーカル・アレンジを聴かせます。ハードなロック色の部分を感じさせたりまた、荒廃した感じにも聴かせながら迫って来ます。
7曲目"Dream Come True"(3:30) 今度は、しっとりと聴かせるGREGORYの歌声とギターの爪弾きが素晴らしい曲です。訥々と歌詞を口ずさむ様から急にエモーショナルに歌い上げるGREGORYの歌声は相変わらず卓越さを強く感じます。
8曲目"Animal"(4:04) この曲は非常にGREGORYらしい特に '05年の[Stark]以降のギターからピアノのサウンドをメインとした弾き語り形式で収録されています。叙情的な響きを聴かせるMONIQUE のチェロもしっとりと添えられています。
9曲目"Raven"(3:14) アシッド感のあるリズムとサウンドの流れが近未来での闇の世界を歌っているようを感じさせる曲です。おどろおどろしく感じる歌詞にエフェクト的なサウンド効果で展開されています。
10曲目"One True Thing"(3:25) GREGORYのピアノの弾き語り形式による曲で、前作をリリースした後にチェロのMONIQUE・CITROとツアーに出た時のライヴでの演奏スタイルと共通性を感じさせるストレートさを持っています。次第にドラムやベースなどの楽器構成を増やしながら厚みも増して展開もします。
11曲目"From Now On"(4:59) ピアニスト、作曲者として大きく羽ばたいたGREGORYのメロウで繊細さ感じさせる曲です。'98年の最初のスタジオ収録アルバムから13年の歳月が流れ、ベテランの域に入ったGREGORYとその音楽、エネルギシュな曲からこの曲のような円熟さを持った曲まで聴かせてくれるのです。
歌詞無し ライナー無し 3折紙デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:39分42秒 (このアルバムも前作同様GREGORYからの「新作出たよ!」のメールに反応して、またまた買ってしまいました!)'11年8月15日更新


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写真  GROOVELILY / Are We There Yet?
 ・2003 GrooveLily    7 83707 75782 7

文字通りグルーヴィな3人組・・・

このアルバムは、N.Y.でインディペンデントに活躍しているGROOVELILYの6枚目のアルバムで、本国でのリリースは '03年11月のリリースになっています。GROOVELILYのメンバーは、VALERIE・VIGODA:ヴォーカル/6弦特殊エレクトリック・ヴァイオリン、BRENDAN・MILBURN:ヴォーカル/キーボード/ストリング・アレンジ/プロデュース、GENE・LEWIN:ヴォーカル/ドラムの3人組みです。
'94年にTHE VALERIE VIGODA BANDとして音楽活動をスタートし、後にGROOVELILYと改名したようです。ヴァイオリンのVALERIE・VIGODAは、CYNDI・LAUPER、JOE・JACKSONのツアー・メンバーを務めた経験もあり現在はサン・フランシスコ出身の同バンドキーボードのBRENDAN・MILBURNと結婚しているそうです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GROOVELILYの3人の他、CHRIS・TARROW:ギター/マンドーラ/ベース/プロデュース、DAN・VONNEGUT:タンバリン/パーカッション、ANDY・PARSONS:ソプラノ・サックス、DARIA・KLOTZ:バリトン・ウクレレ、TODD・REYNOLDS:ヴァイオリン、RALPH・FARRIS:ヴァイオリン、CATHERINE・BENT:チェロ 尚、このアルバムはGROOVELILYから直接販売されている盤ですので、配給/輸入元によっては、レーベル/外装が相違する場合があります。

1曲目"Rewind"(4:09) ゆったりと弾き始められるVALERIEのThe Viperヴァイオリンの調べとキーボードのBRENDANのマイルドな響きの歌声によるミドル・テンポの曲です。VALERIEのバック・ヴォーカルとレゲエのリズムも取りいれたアレンジが印象に残ります。
2曲目"Live Through This(Are We There Yet?)"(2:56) パワフルでエモーショナルな歌声を聴かせるVALERIEのヴォーカル曲です。間奏で奏でられるVALERIEのヴァイオリン・ソロは圧巻で聴き応え十分です。
3曲目"It's All Right"(3:59) 再びBRENDAN の歌声の登場です。ビートルズ・ライクなハーモニーによるイントロとバックのハモンドのサウンドから少しファンキーな持ち味も感じさせます。
4曲目"Apocalyptic Love Song(I Don't Care)"(4:12) 何か大それたタイトルの曲の登場ですね。VALERIEのゴージャスな歌声に絡められたBRENDANのピアノのサウンドが美しく流れるのです。
5曲目"Post-Apocalyptic"(2:26) 前の曲のエンディングの流れに沿った2分半程度インストゥルメンタルの曲です。GENEのアグレッシヴなドラム・ワークにVALERIEのエレクトリック・ヴァイオリンのサウンドとBRENDANのピアノのサウンドがブレンドされた旨味を感じさせます。
6曲目"This Is Going To Stop"(5:41) 一転してスローなピアノの調べによる叙情的な曲の登場です。VALERIEの美しく豊かな歌声とゴスペル調のBRENDANのオルガンが優しく流れて行きます。
7曲目"Diva Girl"(4:31) ドラムのGENEのヴォーカル曲の登場です。彼のソウルフルな歌声とジャジーなBRENDANのピアノの調べとが小気味よいスイングを与えてたくれるニューヨーク・テイストを感じさせる洒落た大人の曲と言う感じです。
8曲目"No Room In Your Bag"(4:31) キーボードのBRENDAN が彼の母に捧げた曲の登場です。イントロから非常に早口のトークによって彼の生まれ故郷サン・フランシスコでの思い出を歌詞に綴って歌われています。
9曲目"Open Letter To Madonna"(4:46) VALERIEのヴォーカル曲の登場ですが、作詞/作曲はキーボードのBRENDANとなっています。この興味深いタイトルの曲はマドンナの"Material Girl" に対して書かれた歌詞の内容とマドンナへの質問などが乗せられています。
10曲目"Can You Believe"(5:31) ファルセットを多用して高いキーで歌うBRENDANのヴォーカル曲です。トロピカルな雰囲気を与えてくれるオルガンのサウンドとゴージャスなコーラスはこれぞアメリカン ・リッチ・サウンズと言えるナンバーでしょう。
11曲目"Happy,Happy,Happy"(4:19) VALERIEがその得意とするヴァイオリンをウクレレに見立てて演奏するサウンドが心地好いBRENDANのヴォーカル曲です。
12曲目"All I Want Is What I Do Not Have"(5:23) サスペンス感を与えるパーカッションの怪しいリズムに乗せて歌う妖艶なVALERIEの歌声が孤高に響き渡る曲の前半からロック調に転調される巧みなアレンジが見事な曲です。アルバムの終焉までVALERIEの歌声はいつまでも響いているのです。
11歌詞付 写真ブックレット 4折デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:52分28秒 (ミュージカル/サウンドトラック/ライヴなど活動をしているGROOVELILY、本当に日本にはまだまだ紹介されていない海外のミュージシャンが沢山います)'10年1月13日再更新


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写真  THE GUEST ROOM / Wiwaxia
 ・2020 THE GUEST ROOM    

JAZZ・SOUL・POPも混ぜこぜ・・・

このアルバムは、カリフォルニア州サンディエゴで活躍しているオルタナティヴ/ネオ・ソウル/ポップ・バンドTHE GUEST ROOMのデビュー・アルバムで '20年2月15日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ALYSSA・ARMENDARIZ:ヴォーカル、TREVOR・PLUME:ギター、BEN・GALAM:ベース、TREVOR・MANNING:キーボード、GINO・MERIDA:ドラムのTHE GUEST ROOMの5人の他、詳しいクレジットが未発表の為、サンディエゴの学生時代からのバンド仲間としか紹介されていません。
尚、アルバムのタイトル名[Wiwaxia]:ウィワクシアとは、カンブリア紀中期の海に生息していた軟体動物との事です。

1曲目"Intro"(2:00) このアルバムの音楽紹介をサンプル的に配した短い曲です。自分達の音楽をネオ・ソウルと紹介しているのですが、ポップ/ジャズ/フュージョン/ファンクと様々なサウンド要素を感じさせます。
2曲目"Bad Days"(4:49) ソウルとポップが程よく調和したミドルテンポの曲です。軽く刻まれるギターのサウンドとファンクなベースの音色も心地好く響いて来ます。途中よりスキャットとリズミカルな起伏が堪りませんね。
3曲目"Easy"(4:21) 太く響くベースのサウンドに絡む軽めのギターのリフがこの曲でも聴かせます。この軽めのリズムに乗せ歌う心地好い中庭アレクサンドラ似のALYSSAの歌声と共に天気が良ければ散歩にも出かけたくなる感じかな。
4曲目"Try"(3:22) '19年3月にシングル曲として紹介された乗りの好い曲です。アルバムのリリース前にビデオも制作されてバンドのサウンド紹介感が直に伝わって来ます。
5曲目"All For You"(3:34) 今度は、ちょっとセンチメンタルな方向にシフトしたスローな曲です。クラビノーバかサックスのソロもちょっと入ってアメリカの西海岸の70〜80年代の雰囲気を感じます。
6曲目"Along The Road"(3:33) ギターのサウンドをイントロから全面に押し出し来たロックな感じの曲です。地元でのライヴ活動を積極的にやって来たTHE GUEST ROOM、ライヴ映えのする曲の一部ではないでしょうか。
7曲目"Fire"(3:02) KORGのクラビネット感を押し出しファンク感のある曲です。このバンドのサウンド形成に影響されて来たシンガーや過去のバンドが見え隠れするところを色々想像して楽しむ事にしましょう。
8曲目"No Walls"(2:55) この曲も少しノスタルジックと切なさを感じる曲です。でも途中からテンポを落としたりインストメンタル風とアレンジが素晴らしいのです。
9曲目"Goodbye For Now"(3:30) ドラム、キーボード、ベースとギターとヴォーカルの実力が非常に高いとここまで聴いて来て感じるのですが、この曲もメロディー、サウンド構成とアレンジが非常に素晴らしいと感じられます。多分、音楽専門学校で優秀な成績を収めて人達ではないでしょうか。
10曲目"Wiltbf/Imsp"(6:55) 再びスローな曲の登場です。この曲からはバンド紹介でのネオ・ソウル風の感じが強く感じられます。後半から少しのブランクがある組曲となっていて収録での流れから2曲続けてのテイクとなっています。
11曲目"When Stars Align"(2:44) 再び元気一杯感のある明るい曲の登場です。少し掠れ感のある女性ヴォーカルと仲の良さそうなバンドの各演奏との調和をこの曲からも強く感じます。
歌詞無し ダウロード盤 (輸入盤) 収録時間:40分45秒 (見出しで書いたJAZZ・SOUL・POPも混ぜこぜ感が丁度上手く融合したTHE GUEST ROOM、今後どのように有名になって行くか非常に楽しみです)'21年2月28日更新


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写真  GUNSLING BIRDS /
 Abode Of Kings In A Derelict Kingdom
 ・2009 SCOTT HALLAM    8 84501 11831 6

幻想的サウンドとメランコリック・・・

このアルバムは、N.Y.のブルックリンでインディペンデントに活躍しているGUNSLING BIRDSの '09年3月にリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムでのメンバーは、SCOTT・HALLAM:ヴォーカル/ギター/ キーボード/プログラミング、FRANK・WARTINGER:キーボード/ギター/プロデュース、SETH・FAULK:ドラム/プロデュース、MIKE・TUCCILLO:ベース、MARY・KIM:チェロの5人組で固定メンバーでは無いようです。
尚、アルバムのジャケット写真には、日本人女性の名前がクレジットされています。

1曲目"These Daguerreotypes"(1:00) アルバムのオープニング用に収録された1分程度のアンビエント系電子サウンドによるインストゥルメンタルです。
2曲目"I Am Constantly Thirsty"(4:42) イントロのアコースティック・ギターのサウンドとチェロの音色から"ぐいっ" と掴まれた曲です。少し気弱さを感じさせるSCOTTの歌声とSETH・FAULKの力強いドラムのビートとが対照的ですね。
3曲目"Derelict Kingdom"(2:25) 美しくしくまた、張りのあるアコースティック・ギターの調べを中心にした収録曲です。N.Y.のオルタナティヴ・フォーク系のサウンドよりもスウェーデンのTHE PERISHERSとそのヴォーカルのOLA・KLÜFTとSCOTTの歌声に似たところを感じさせます。
4曲目"I Heard About Robert Lamb"(0:35) 30秒程度のノイズ音による電子サウンドを次の曲の曲間を埋めるように収録された短い曲です。
5曲目"Donuts For Dinner"(4:54) ピアノのメランコリックな調べと疲れたように歌うSCOTTの歌声が響くダウンテンポな曲です。SETH・FAULKの"キビキビ" としたドラムのビートと切なく流れるキーボードの調べに聴き入ります。
6曲目"Nightmute"(4:19) 美しいアコースティック・ギターの爪弾きとキーボードの残響音が広がりながら響く曲で、次第にボサ・ノヴァのリズムに展開される心地好い調べの曲です。FRANKのE-BowとMARYのチェロも素晴らしく響いて来るのです。
7曲目"The Red Cross Is A Pyramid Scheme Run By Vampires"(2:02) 何やら物凄いタイトルが付けられた曲ですね。2分少々の電子音によるダウンテンポの曲です。
8曲目"Giant Robot Bee"(1:15) 蜂の羽ばたきの疑似音を使った1分少々のインストゥルメンタルです。この曲も次の曲のイントロ的な位置に配されています。
9曲目"Our Blood Is Thicker Than This"(4:17) マイナー・コードによるメランコリックなギター・サウンドと切ないSCOTTの歌声が響くスローな曲です。間奏のジャジーなキーボードのソロからアグレッシヴなギターのサウンドは何度聴いても心に残ります。
10曲目"Landshanty"(1:26) 各曲の曲間を繋いだ1分半程度のノイズとギターのサウンドによるインストゥルメンタルです。
11曲目"Breathing Manual"(4:09) 少し枯れた歌声を聴かせるSCOTTとアコースティック・ギターの心地好い調べによる曲です。デモ的な荒らしたサウンドとセピア色を感じさせるヴォーカルが響いて来るのです。
12曲目"Too Late For Thieves"(3:19) どこか懐かしい"ネオ・アコ" のスタイルを感じさせる曲です。少し音程を外したように歌うSCOTTの歌声とメロディを爪弾くギターの調べは、80年代中頃に活躍したLiverpool のあのバンドを思い出されます。
13曲目"The Final Transmission Of Gary Cohlanger"(1:13) 再び1分少々のエフェクト音のようなインストゥルメンタルで、次の曲へ繋いで行きます。
14曲目"Burning Gasoline And The Midnight Oil"(4:54) メランコリックなSCOTTの歌声が流れるオルタナティヴ・ロックな曲です。アドリヴ的なFRANKのギターと精密機器のようなSETHのドラムのビートが絡み合っているのです。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:40分37秒 (少し癖のあるこのGUNSLING BIRDS、また、この癖がこのアルバムの素晴らしさかも知れません)'10年1月13日再更新
2009年度ベスト5


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写真  GUNSLING BIRDS / Bad Operator
 ・2012 SCOTT HALLAM    8 84501 72678 8

前作同様癖のある・・・

このアルバムは、N.Y.のブルックリンでインディペンデントに活躍しているGUNSLING BIRDSの '12年6月12日にリリースされた2枚目アルバムです。
このアルバムでのメンバーは、SCOTT・HALLAM:ヴォーカル/ギター/ キーボード、FRANK・WARTINGER:キーボード、ERIC・HEVERON-SMITH:ベース/トロンボーン、BRIAN・HEVERON-SMITH:ドラムの4人に、HOLLY・HEVERON-SMITH:ドラム、SOLOMON・DOUGLAS:ピアノ、RAYMOND・LAM:クラリネット、PAGE・DE・CAMARA:ヴァイオリン、ALEX・HAMLIN:バリトン・サックス、ED・ROSENBERG:テナー・サックス、MATT・BLANCHARD:テナー・サックスのクラシック音楽やジャズで活躍しているミュージシャン達との収録です。

1曲目"Graveyard For Umbrellas"(4:15) ハモンドの切ない響きが流れるイントロに促されて登場するこれまた切ない歌声を聴かせるSCOTTです。こちらの聴力の関係でしょうか業と音程を外したエクスペリメンタル部があるようです。
2曲目"Tarot Candor"(6:44) ギター1本の演奏による長いイントロを持つこの曲もセンチメタル色合いを感じさせる曲です。FRANK・WARTINGERの切ない調べによるハモンドの演奏とSCOTTのギターの調和も感じ良い響きかせながら後半のアグレッシヴな部分へ突入して行きます。
3曲目"The Causeway"(6:48) 間を開けたピアノの調べを聴かせるヒーリング系のサウンドから入る曲です。遠くで響くSCOTTの歌声が印象な落ち着いた調べが広がります。Causewayと言う地名は世界中に幾つかあるのですが、歌詞に登場しているのはイギリス南部のところのようです。
4曲目"Chainsaws At Four In The Morning"(3:34) 穏やかに流れる管楽器の調べからピアノと弦楽器のアンサンブルによるクラシカルなスタイルによるインストゥメンタルです。物々しい曲のタイトルとは違った落ち着いた調べが響きます。
5曲目"Hold The Elevator, Forever"(2:37) 今度は、非常にノスタルジックなイメージを感じさせるダウンテンポな曲です。ローファイな演奏とSCOTTの気だるそうな歌声が流れて来ます。
6曲目"All The Detritus"(4:23) イントロから尖った調べを聴かせるエクスペリメンタル/シューゲイザーな曲の登場です。忙しなく鳴り響きながら迫り来るサウンドの数々とアグレッシヴなドラムのビートが広がります。
7曲目"Heavy Metal Dust Could End Our Space Junk Odyssey"(5:54) 何やら長くて意味の良く分からないタイトルが付けられた曲ですね。のんびりと奏でられるギターのサウンドの前半から歪ませて荒らしたサウンドへと移行する展開とSCOTTのトレモノを多用したギター・ソロによるプチ・サンタナ的なイメージを感じます。
8曲目"Bad Operator"(13:51) メランコリックな調べが流れるハモンドの演奏による曲です。この曲も音程を業と捻じ曲げた流れを逆にスムーズなハモンドとウッド・ベースの渋い演奏で聴かせながら後半には重厚なホーンのサウンドで厚みを増した14分近い長尺のほぼインストゥルメンタルと言えます。
歌詞無し 写真ブックレット デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:48分12秒 (前作同様に癖のあるこのGUNSLING BIRDSサウンド、本当にバラエティに富んだ音楽を聴かせます) '12年12月22日更新


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写真  HALF MOON RUN / Dark Eyes
 ・2013 Glassnote Entertaiment Group    GLS-0143-02

素晴らしい・・・

このアルバムは、カナダのモントリオールで活躍しているインディー・ロック・バンドHALF MOON RUNの '13年7月23日にインターナショナル盤(本国カナダでは '12年3月27日11曲入盤)としてリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバム収録時(6曲目を除く)のHALF MOON RUNのメンバーは、DEVON・PORTIELJE:ヴォーカル/ギター/パーカッション、CONNER・MOLANDER:ギター/キーボード/ハーモニカ/バック・ヴォーカル、DYLAN・PHILLIPS:ドラム/キーボード/バック・ヴォーカルの3人組みです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HALF MOON RUNの3人の他、THOMAS・CHARTRÉ:チェロ、BRIGITTE・DAJCZER:ヴァイオリン、BABETTE・HAYWARD:バック・ヴォーカル、TOSCA STRINGS QUARTET(6曲目のみ):ストリングスの少人数での収録です。
プロデューサーは、HALF MOON RUNとDANIEL・LAGACÉ 、バンクーバーにスタジオを構えるNYGEL・ASSELIN、テキサス州のJIM・ENOと曲により共同で担当しています。
尚、このアルバム(カナダ盤)収録後のツアーからバンクーバーでソロ活動していたISAAC・SYMONDSがギター/マンドリン/キーボード/パーカッション/バック・ヴォーカルとして新たに加わっています。(一部のHALF MOON RUNの紹介記事にてデビュー時にISAAC・SYMONDSが抜けたと誤った記事がありますが '13年5月のカナダツアーから同行しています)

1曲目"Full Circle"(3:01) 私をこのHALF MOON RUNの音楽に強烈に惹きつけた曲です。美しく奏でられるアコースティック・ギターの爪弾きに合わせ饒舌に巧み歌い上げるDEVON・PORTIELJEと躍動的なドラムのビートが迫ります。また、BBCラジオのスタジオでの新メンバーISAAC・SYMONDSも加えたライヴもどうぞ。
2曲目"Call Me In The Afternoon"(3:03) DEVON・PORTIELJEの高いキーによる歌声が非常に印象的なリズミカルな曲です。謡ぶりがフランスで活躍しているPHOENIXのTHOMAS・MARSのヴォーカルと非常に似ていると感じるのは、お互いの母国語がフランス語だからでしょうか。BBCラジオでの素晴らしいライヴもどうぞ
3曲目"No More Losing The War"(3:57) 今度は大人しいメランコリックな調べを持った曲の登場です。E-Bowで奏でられるギターの切ない響きに戦争体験をした女性の経験を歌にした内容の歌詞(多分?)が切なく流れて来るのです。
4曲目"She Wants To Know"(4:11) 特徴的なギターのリフと底の方に響くシンセサイザー・ベースの重い響きはうごめく印象的な曲です。この曲でも本当に素晴らしく感じるのは、メンバーによるハーモニーの美しさとヴォーカル・アレンジのセンスの良さですね。
5曲目"Need It"(3:25) 再びスローな曲の登場です。その体格とフェイスから想像しがたい甘く溜めを取って優しく歌うDEVONのソフトな鳥肌物の歌声とバックのハモンドの調べが堪りません。
6曲目"Give Up"(3:50) 飛ばし気味に打ち鳴らされるスネアによるビート、そのリズムに合わせて規則的に刻まれるアコースティック・ギターのフィンガー・ピッキング、切なく歌いまた叫びに似た歌声を聴かせるDEVONこれらが混在と融合を繰り返し聴かせているのがこのバンドの最大の魅力ではないでしょうか。
7曲目"Judgement"(3:06) 一転してポップでリズミカルな軽めの乗りで聴かせる曲です。途中で登場するサイケデリック感のあるギターのサウンドやこの曲ではコケテイシュな歌声を聴かせるDEVONなどなかなか一筋縄で行かないバンドですね。
8曲目"Unofferable"(4:06) '13年に再発売された時に追加された新メンバーISAAC・SYMONDSの書いた曲です。ゆったりと奏でられるDEVONのフェンダー・ジャズマスターの調べとトレモノ・アームでの揺らぎのサウンドにCONNERのハーモニカが登場する穏やかなアメリカン・ロック的な響きがするのは、やはりオースティンでの収録だからでしょうか。
9曲目"Drug You"(3:47) タッピングに華麗に奏でられるギターのサウンドに続いて登場する和太鼓のようなドラム(フロア・タム)のビートが邁進して行く躍動的なイメージを持った曲です。ファルセットで更に美しい歌声を聴かせるDAVONとバックの綺麗なハーモニーも最高ですね。
10曲目"Nerve"(3:17) また雰囲気を少し変えて来たソフトな浮遊感を漂わす曲です。但し、歌詞の方は物事が上手く行かない男の嘆きを描きながらDEVONは、その切なさを詰め込んだギターをソロで爪弾くのです。
11曲目"Fire Escape"(2:54) ハイフレットで丁寧に爪弾かれるギターの調べに穏やかサウンドを感じる美しい曲のようですが、歌詞の方は非常に暗いイメージを持っているようです。尚、この歌詞の最初の部分にアルバム・タイトルである[Dark Eyes]が登場します。
12曲目"21 Gun Salute"(4:52) このHALF MOON RUNの音楽の引出しの多さを感じさせるエレクトロニカ・チル・アウト/サウンドスケープな曲調を感じさせる曲です。その国または、最高君主にたいして行われる最大21発の礼砲(21 Gun Salute)からのイメージが綴られています。
歌詞無し 20ページ物写真ブックレット 3折デジパック仕様 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:43分36秒 (本国のカナダでは当然のことアメリカ、ヨーロッパで人気急上昇のこのHALF MOON RUN、きっとビックなバンドになるでしょう)'13年8月24日更新
2013年度ベスト5


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写真  HALF MOON RUN / Sun Leads Me On
 ・2015 Indica Records    INDCD154

更に磨きのかかったハーモニー・・・

このアルバムは、カナダのモントリオールで活躍しているインディー・ロック・バンドHALF MOON RUNの '15年10月23日に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
HALF MOON RUNのメンバーは、DEVON・PORTIELJE:ヴォーカル/ギター/ウクレレ/パーカッション、CONNER・MOLANDER:ギター/キーボード/ハーモニカ/バック・ヴォーカル、DYLAN・PHILLIPS:ドラム/キーボード/バック・ヴォーカルにISAAC・SYMONDS:ギター/マンドリン/キーボード/パーカッション/バック・ヴォーカルの4人組みです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HALF MOON RUNの4人の他、LE QUATUOR QUATRE AILES:ストリングス、TAZMYN・EDDY:トランペット/フリューゲル・ホーン、ALEX・H ÉELON-GOULET:フルートのカナダのミュージシャン達です。
尚、プロデューサーは、ロンドンで活躍しているJIM・ABBISS(ADELE,DUOLOGUE)が担当しています。

1曲目"Warmest Regards"(3:14) 穏やかに流れるフルートの調べに続いて登場するDEVONの歌声とその周りに広がる美しいハーモニーが印象的な曲です。イメージ的にTHE BEATLESライクなJOHN・LENNONの曲に通じるところがあるようです。
2曲目"I Can't Figure Out What's Going On"(3:15) 今度は、ストリングスの調べを纏いリズミカルな乗りを伝えて来る曲です。時にロック"ン" ロールのような流れや懐かしいサーフ・ロックのようにも聴こえて来ます。
3曲目"Consider Yourself"(3:53) エレクトロニカ・ミュージック然とした電子サウンドと多分ISSACの叩くフロア・タムのビートが迫る曲です。サイケデリックなDEVONのギター・サウンドや荒げた歌声など今作は、少し違った方向を聴かせています。
4曲目"Hands In The Garden"(3:52) DEVONのギターの弾き語り形式で繰り広げられる優しさ溢れる曲です。バックのCONNERやISSACの美しく優しいハーモニーも次第に盛り上がり心地好さも倍増です。
5曲目"Turn Your Love"(4:01) 13曲目"Trust" に続いてSOUNDCLOUDにて紹介された、このアルバムから最初のシングルの乗りの良さ直に伝えてくれる曲です。髪の毛をばっさりと切ったDEVONが登場しているプロモーション用のビデオもどうぞ。尚、アルバムに収録されているこの曲のエンディング部分の約30秒は、インストゥルメンタルとなっています。
6曲目"Narrow Margins"(4:10) アコースティック・ギターのフィンガー・ピッキングのサウンドに合わせて歌うDEVONのその美しい歌声に聴き入る曲です。変則的なドラムのビートや遥か遠くに流れるISSACやCONNERのヴォーカルが印象に残ります。"Turn Your Love" に続いてシングル曲として紹介されるのは、きっとこの曲ではないでしょうか。
7曲目"Sun Leads Me On"(4:05) 高いキーでDEVONが歌う弾き語り形式の曲です。シンプルなギター・サウンドに4人によるハーモニーを丁寧に付け清楚を感じさせます。
8曲目"It Works Itself Out"(4:07) 前作からの流れを強く感じさせる躍動的なドラムのリズムと小刻みに奏でられるギターのサウンドが響く曲です。DYLANのフット・ベースによる重いうねり持った流れがエモーショナルに迫ります。
9曲目"Everybody Wants"(5:01) ウクレレやペダル・スティール風のギターの調べをイントロから聴かせる長閑な雰囲気を持つカントリー・スタイルの曲です。途中より登場するCONNERの美しいバック・ヴォーカルも響き穏やかに広がって来ます。
10曲目"Throes"(0:54) めずらしくピアノの調べによるピアノソナタです。激痛と題された曲名と違ってまったりとした調べが流れて行きます。
11曲目"Devil May Care"(2:22) アコースティック・ギターの爪弾きに少し荒らしたDEVONの歌声とハーモニカと全員のハーモニーが一つのマイクで拾ったモノラル風のレトロな雰囲気を醸し出す曲です。どちらかと言うとカナダよりもアメリカの南部の影響を感じさせます。
12曲目"The Debt"(4:00) ハモンドによる長く響く音色を時折歪めて特徴的な印象を与えるスローな曲です。曲の後半からワイルドに鳴り響くギターとドラムの響きが迫ります。
13曲目"Trust"(4:50) 電子サウンドを取り入れたうねりのあるリズムの流れISAACと思われるリムを叩くフロア・タムのビートがキビキビと響きます。このアルバムから更にファンキーさ増した一面を聴かせているのです。
歌詞無し 写真ブックレット 3折紙ジャケット仕様 予約販売用サイン入限定盤 カナダ製 (輸入盤) 収録時間:47分44秒 (本アルバム・リリース前からヨーロッパ・ツアーなどで前作に続き人気急上昇中です)'15年10月27日更新
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写真
予約販売用サイン入限定盤です。


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写真  HALF MOON RUN / A Blemish In The Great Light
 ・2019 Glassnote Entertaiment Group    CM80206CD

4年ぶりのリリース・・・

このアルバムは、カナダのモントリオールで活躍しているインディー・ロック・バンドHALF MOON RUNの '19年11月1日に本国でリリースされた3枚目のアルバムです。
HALF MOON RUNのメンバーは、DEVON・PORTIELJE:ヴォーカル/ギター/ウクレレ/パーカッション、CONNER・MOLANDER:ギター/ペダル・スティール/キーボード/ハーモニカ/バック・ヴォーカル、DYLAN・PHILLIPS:ドラム/キーボード/バック・ヴォーカル/プロデュースにISAAC・SYMONDS:ギター/マンドリン/キーボード/パーカッション/バック・ヴォーカルの4人組みです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HALF MOON RUNの4人の他、COLIN・STETSON:ベース・サキソフォン、PIETRO・AMATO:フレンチ・ホーン、ROWAN・GRACE・MIZERSKI:アディショナル・ヴォーカル、CHRISTOPHER・SELIGMAN:フレンチ・ホーン、QUATUOR ESCA:(AMÉLIE・LAMONTAGNE:ヴァイオリン、EDITH・FITZGERALD:ヴァイオリン、SARAH・MARTINEAU:ヴィオラ、CAMILLE・PAQUETTE‐ROY:チェロ)、CHOEUR DES ENFANTS DE MONTRÉAL(コーラス:KATIE・ADAM、PENNY・BENOIT、ZAIRDA・CASTONGUAY、SOFIA・DUFRESNE、JESSICA・LOOPER、ROXANNE・UWERA・NTAGANIRA、ソプラノ:LÉA・MOISAN-PERRIER)のカナダとアメリカのミュージシャン達です。
尚、プロデューサーは、ボストンで活躍しているJOE・CHICCARELLI(MORRISSEY,ALANIS・MORISSETTE)が担当しています。

1曲目"Then Again"(3:19) このアルバムがリリースされる4ヶ月ほど前に紹介されているイントロのアコースティック・ギターの音色の美しい曲です。途中より登場する細かく奏でられるストリングスの調べがとても美しく響きます。デジタル・スクラッチが施されたビデオもどうぞ。
2曲目"Favourite Boy"(4:02) 軽めのリズムとバックのコーラス厚く重ねられたHALF MOON RUNらしいソフト・ロックな曲です。コーラスやギター・リフのところどころに懐かしいロックな曲の感じがするのは、ご愛敬ですね。ドラマ仕立てとなったプロモーション用のビデオもアップされました。
3曲目"Flesh And Blood"(4:57) ここに来て牧歌的なアコースティック調の曲です。のんびりとしたペダル・スティールの調べと美しいハーモニーを楽しむことにしましょう。
4曲目"Natural Disaster"(3:43) スローなリズムに合わせ暗く沈みがちに歌うDEVONの歌声に痺れる曲です。指でなぞるように奏でられるダブルベースの調べとこれまたCOLIN・STETSONのむせび泣くベース・サキソフォンの音色が堪りませんね。
5曲目"Black Diamond"(2:59) めずらしくボサ・ノヴァ調のギターの調べが流れる穏やかなリズムとメロディーの曲です。「恋をした女性の瞳」について歌った曲のようです。
6曲目"Yani's Song"(2:41) ジャケ写真を撮影したオーストラリアの写真家YANI・CLARKEのことを歌にしたアコースティック・ギターによる弾き語り形式の曲です。カナダのバンドらしからぬマンドリンやバンジョーによる1部ブルーグラス風のスタイルも感じます。
7曲目"Razorblade"(7:26) HALF MOON RUNらしいライヴ受けするリズミカルでパーカッションによる高揚感のあるビートのパートから後半にはアシッド感のあるダーク・サイケデリックな流れのよる分半を超える曲です。
8曲目"Undercurrents"(2:18) キーボード/ドラム担当のDYLANが書いたピアノの調べが非常に美しい曲です。めずらしくインストルメンタルによる収録となっています。
9曲目"Jello On My Mind"(3:52) 家庭のパーティーで演奏されそうな思い出の食べ物を題材した軽めのリズムとメロディーによる曲です。ギターの循環コードによるコピー好きにとって格好な曲ではないでしょうか。
10曲目"New Truth"(5:08) ハモンドの特徴的な調べとDYLANの足元から放たれるバス・ドラムの重い響きが特徴的な曲です。子供たち(CHOEUR DES ENFANTS DE MONTRÉAL)のコーラスに囲まれ孤高に歌うDEVONの美しい歌声を聴きことにします。
尚、この曲の歌詞にアルバム・タイトルである"A Blemish In The Great Light" が登場しています。
歌詞無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:40分28秒 (前作から4年ぶりの新作、再びヨーロッパ・ツアーを予定の人気です)'19年12月8日更新
2019年度ベスト5


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写真  HALF MOON RUN / Salt
 ・2023 The Pepper Gang Inc. /BMG    538908402

検索を怠けていたらアルバムが・・・

このアルバムは、カナダのモントリオールで活躍しているインディー・ロック・バンドHALF MOON RUNの '23年6月2日に本国でリリースされた7枚目(2枚のEP盤と限定盤「The Covideo Sessions」を含む)のアルバムです。
HALF MOON RUNのメンバーは、DEVON・PORTIELJE:ヴォーカル/ギター/ウクレレ/シンセサイザー/パーカッション/ドラム/ヴァイオリン、CONNER・MOLANDER:ギター/キーボード/シンセサイザー/バック・ヴォーカル、DYLAN・PHILLIPS:ドラム/シンセサイザー/キーボード/パーカッション/ストリング・アレンジ/バック・ヴォーカルの3人(旧メンバーISAAC・SYMONDSは、'20年5月に残念ながら脱退)組みです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HALF MOON RUNの3人の他、CAMILLE・PAQUETTE‐ROY:チェロ、ESCA STRING QUARTET:ストリング、ANTOINE・GRATTON:ストリング・アレンジの少人数での収録です。
尚、プロデューサーは、モントリオールで活躍しているCONNOR・SEIDELが担当しています。

1曲目"You Can Let Go"(3:06) 歪ませたギターの音色がイントロから響く風変りな雰囲気を醸し出す曲です。DEVONの相変わらずどこで息継ぎをしているのか分からない早口の歌声が届けられて来ます。この曲の共作者にISAAC・SYMONDSの名前があります。
2曲目"Alco"(3:48) この曲もイントロからDEVONのウクレレの音色が美しく響きます。3人の均整のとれた美しいハーモニーとギターの爪弾きが絡み合って響いて来ます。モノクロームを多用したビデオもどうぞ。
3曲目"Hotel In Memphis"(3:36) 細かく刻みながら奏でられるアップライト・ピアノの調べが特徴的な曲です。不協和音を醸し出すストリングの調べも雰囲気が抜群ですね。
4曲目"Everyone's Moving Out East"(4:12) アコースティック・ギターの美しい音色が広がる穏やかな調べの曲です。CAMILLE・PAQUETTE‐ROYのチェロの音色も本当に美しく響きます。また、DYLANのシンセ・ベースも底辺にずっしりと響きます。メンバーが順に車を運転して行く美しいビデオもどうぞ。
5曲目"9beat"(4:06) イントロのパーカッショナブルなビートは、とてもHALF MOON RUNらしい感じですね。ドラマー(DYLANがキーボードと兼任)が専任していないめずらしいバンドなのですが、メンバー全員でリズムを刻む姿が楽し気ですね。
6曲目"Dodge The Rubble"(3:52) DEVONのアコースティック・ギターの爪弾きから入るダークなイメージの曲です。腹に響くDYLANのバス・ドラムの響きと旅情的なストリングスの響きが絡み合って押し寄せます。
7曲目"Heartbeat"(3:24) 今度は、アコースティック・ギターによるシンプルな響きの曲です。高域で美しい歌声を聴かせるDEVONとバックのCONNERとDYLANの美しいハーモニーに聴き入ります。
8曲目"Gigafire"(3:28) この曲もストリングスの音色が美しく響く曲です。憂いを持ったDEVONの歌声をバックで支えるDYLANのピアノの演奏です。
9曲目"Goodbye Cali"(4:27) 今度は、CONNERとDEVONの2人がそのギターを前面に聴かせる曲です。シンセ・ベースと硬質なギターのソロが印象的な流れを放っています。
10曲目"Salt"(4:01) ハモンドの音色に合わせて優しく歌うDEVONの歌声が広がる曲です。エコーを効かせたバックのCONNERの歌声と彼のギターの刻み音が美しく響きます。
11曲目"Crawl Back In"(3:08) アルバムの最後は、お決まりの厳かなDEVONの弾き語りです。途中より登場するストリングスの音色も穏やかに響きアルバムの最後を飾ります。
歌詞無し デジパック仕様 ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:41分13秒 (ちょっと検索を怠けていたらアルバムがリリースされていました)'23年9月5日更新


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写真  HAMMOCK / Kenotic
 ・2005 Meaux Music/Blue Raft Music    HMK-001CD

壮大な1時間10分の音楽シャワー・・・

ナッシュヴィルで活躍するアンビエント/ヒーリング・ミュージック系2人組ユニットのHAMMOCKのデビュー・アルバムです。'05年3月29日本国でのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARC・BYRD:ギター/プロデュース/他、ANDREW・THOMPSON:キーボード/プロデュース/他 (共に元CCMインディーズバンドCOMMON CHILDRENのメンバー)を中心にMATT・SLOCUM(SIXPENCE NONE THE RICHER)がチェロ、DAVE・ALAN:キーボード、JULIAN・KINDRED:キーボード、STEVE・HINDALONG:パーカッション/ベルのインディーズ・バンドTHE CHOIRのメンバーやMARCの奥さんでCCMシンガーのCHRISTINE・GLASS・BYRD:ヴォーカル/タンバリンも参加しています。
余談ですが、このアルバムとは別にMARCとCHRISTINEの組んだCCM系の別ユニットでも活動しています。

1曲目"Before The Celebration"(2:03) 荘厳なキーボードのサウンドと癒し系のホルンに似たシーケンサーとピアノによる2分程度のプレリュードです。
2曲目"Air Between Us"(3:43) イントロが非常に綺麗ですね。打ち込みによるドラムマシーンの心地好いリズムと遠くで響きながら繰り返し押し寄せるギターのサウンドによる曲です。
3曲目"Through A Glass Darkly"(5:19) 純粋にアンビエント・ミュージックと呼べる曲ですね。一定に繰り返されるサウンドの波と心地好く響くキーボードの音色です。
4曲目"Blankets Of Night"(7:59) この曲はギターのサウンドが非常に心地好い曲ですね。残響音を残しながらゆっくりと焦らず奏でられるギターのサウンドとバックに流れるMATのチェロとCHRISTINEのスキャットです。
5曲目"Winter Light"(4:12) ゆったりしたイントロから次第にヴォリュームを上げてまた、下がるキーボードとシンセのサウンドです。
6曲目"Miles To Go Before Sleep"(5:16) 5分を超えるキーボードの荘厳な響きと透明感のあるサンプルのサウンドを使った曲です。
7曲目"Wish"(5:20) ドラムマシーンを使った乗りの良いミドル・テンポの曲です。ヴォコーダを使ったようなサンプルの効果音とチープな響きを持たせたキーボード(ハーモニューム?)のサウンドによる曲です。
8曲目"Overcast/Sorrow"(3:58) 再びMATTのチェロの登場です。互いにCCM系のミュージシャンであり共通のバンド(THE CHOIR)を通じての繋がりでしょう。
9曲目"Glacial"(1:46) 2分に満たないインターリュード的に配された曲です。ピアノとヴァイオリンのサンプルによる曲です。
10曲目"Kenotic"(4:15) この曲はドラムのビートとサスティーンを効かせた幻想的なギターのサウンドが、非常に調和した心地好い曲です。自然に流れるメロディと一定のリズムを刻むビートが良いです。
11曲目"Stars In The Rearview Mirror"(7:03) 静寂さの中に響くゆったり響くギターのサウンドとエコーを非常に効かせたキーボードのサウンドです。次第に音を上げて行くMATTのチェロは非常に印象に残ります。
12曲目"You May Emerge From This More Dead Than Alive"(1:13) タイトルが非常に長い曲ですね。幻想的なスポーケンをイントロに配した1分少々の曲です。
13曲目"What Heaven Allows"(4:23) イントロからの打込みのサウンドで心躍る曲です。さり気なく鳴らされるギターの響きが、非常に"かっこ"良くアウトロまで響くヴォーカルも"渋い"です。
14曲目"Silence"(5:20) スペースサウンドを想像させるサウンドの響きと穏やか流れる幻想的なスローなナンバーです。
15曲目"Dawn Begins To Creep"(4:11) 何語か聞き取れないMARCのスポーケンか宗教の祈り言葉をイントロに使っています。荘厳に流されるシンセとループによるサウンドによる宗教的な響きを持ったアンビエントな曲です。
16曲目"Rising Tide"(4:03) 一定の間隔を保ちながら流される響きとうねりを持たせた荘厳な現代のカテドラルでの響きと言って良いでしょうか?
全16曲インストゥルメンタル 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:70分11秒 (壮大な1時間10分に及ぶヒーリング音楽のシャワーであなたを眠りを誘います!このアルバムを含み計4枚ほどHAMMOCK関連でCDがリリースされています。非常に雰囲気のあるジャケットの写真はナッシュヴィルで活躍しているカメラマンのTHOMAS・PETILLOの作品です)'10年1月13日再更新


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写真  HANA VU / How Many Times Have You Driven By
 ・2018 Luminelle Recordings    LUM003CD

とても18歳の歌声と思えない・・・

このアルバムは、カリフォルニア州ロス・アンゼルスで活躍しているオルタナティヴ・ロック/ソウル・SSWHANA・VUのデビュー(CD盤として)・アルバムで '18年6月29日に本国でのリリースです。
ここのでHANA・VUの簡単な紹介を '14年頃インデペンデントとしてDemo音源にてBandcampにてデビュー、'16年のダウンロード・アルバム[Sensitive]にて新進気鋭のソウル・シンガー/ダンサー/女優WILLOW・SMITH(WILL・SMITHの娘さん)とコラボ曲"Queen Of High School" が注目される。'18年の始めこのアルバムをCD盤としてリリースされるきっかけとなった"Crying OnThe Subway" をシングル曲としてリリースその後、各地のライヴでも注目を浴びています。
no このアルバムの収録に参加しているミュージシャンの詳しいクレジットが記載されていないのですが、HANA・VU:ヴォーカル/ギター/ベース/プロデュースの他、SATCHEL・BROWN:ヴォーカル/その他、SEBASTIAN・JONES、HENRY・MORRIS:ヴォーカルのHANAの音楽仲間達が参加しています。

1曲目"Crying OnThe Subway"(2:44) HANAの音楽紹介で最初に掴まれた曲です。イントロが終わってから登場するとても18歳と思えぬソウル風とスムーズさを感じさせます。このレーベルかデビューするきっかけとなった曲でもあります。このアルバムのリリースと同時にビデオもアップされています。
2曲目"Cool (feat.Satchy)"(3:13) この曲はイントロのギターサウンドが心地好い響きを持った曲です。同じくロス・アンゼルスで活躍しているからギタリスト/サキソフォニスト/ヴォーカルSATCHEL・BROWNとのコラボとなっています。
3曲目"Shallow"(3:38) 一転してロック色の強いバンド形式の曲です。力強いドラムのビートとうねりを持ったベースの響きです。ベッドルームでの曲作りと収録から抜け出した前作でのライヴをスタジオで再現した感があるようです。
4曲目"426"(4:58) この曲ではアコースティック・サウンドの牧歌的な雰囲気を醸しだしています。伸びやかなHANAの歌声からとても18歳の女性と思えませんね。
5曲目"Breakfast Square"(3:56) 再びソウルフルな歌声をイントロから聴かせる曲です。途中よりリズムカルなポップ調に変わって行くところが心地好く感じます。
6曲目"How Many Times Have You Driven By"(2:41) とても長いアルバムのタイトル曲ですが曲の長さ的には裏腹に短い曲です。HANAの硬質なギターの調べとピアノのシンプルなサウンドによる穏やかな流れを感じます。
7曲目"One[Bonus Track]"(4:08) ベースのサウンドが非常にかっこよく響くロック色は強い曲です。ライヴなどでHANAのアクトと歌声を目のあたりにしてみたととこの曲から感じました。
8曲目"Afternoon(feat.Henry Morris)[Bonus Track]"(3:41) ゆったりとビートを打つドラムと丁寧に奏でられるHANAのギターの調べが印象に残る曲です。後半から登場するヴォーカルのHENRY・MORRISの詳細は不明ですが、メロウな中に力強さを感じる艶のある歌声も渋いのです。
9曲目"Team[Bonus Track]"(3:52) HANAのギターによる弾き語りです。切ない想いをこのラヴソングに込めHANAの歌声が響いて来ます。
10曲目"Start[Bonus Track]"(5:24) Lo-Hiなギターとピアノのサウンドによるエネルギッシュな曲です。揺らぎ持ったギター・ソロと輪郭を持ったベースのサウンドが非常に印象的です。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:38分17秒 (見出しと曲紹介の項にも書いたですがとても18歳の歌声とは思えませんね!)'18年11月10日更新


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写真  HAYDEN CASEY / Nothing Is The Time
 ・2022 hayden casey    

HAYDENの優しい歌声が広がる・・・

このアルバムは、アリゾナ州で活躍しているシンセ・ドリーム・ポップ・サウンドHAYDEN・CASEYの8枚目('20年の4曲EP盤を含む)のアルバムで '22年5月27日に本国でのダウンロード・リリースです。
詳しいクレジット紹介が無いのですが、このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HAYDEN・CASEY 1人のようです。

1曲目"We Don't Have To Talk About It"(5:41) ドラム・マシンによる切れの好いビートがイントロから響く軽快な曲です。少しLo-HiにしたHAYDENの歌声がクールに広がるチルアウトさ感じます。
2曲目"A Change Of Scenery"(3:24) ギターの爪弾きを追加してポップさを増した曲です。ストリング風のサウンドもバックに広がり聴いているこちらの気持ちも和らいで来るのを感じます。
3曲目"Soften Up"(3:11) シンセ・ベースの重い響きを前面に出したカテドラル・サウンドの壮大の雰囲気を感じさせる曲です。ルネサンスの雰囲気を感じるには私だけ?
4曲目"Superimpose"(6:01) テンポを上げ来た再びポップで爽快感を感じさせる曲です。エコーを少し掛けたHAYDENの歌声が非常に心地好く響いて来ます。この人の歌声って優しさがあって耳当たりが非常に好いですね。
5曲目"Seventeen"(3:41) ドラムのフロア・タムを小気味よく叩くリズムが行進曲のようなイメージを伝えて来る曲です。ここでもLo-Hiで少しエコーを効かせたHAYDENの歌声が優しく耳に広がっています。
6曲目"Desirelesst"(4:35) キーボードの調べのイントロから期待感を膨らませる曲です。キラキラとした電子サウンドの隙間から登場するHAYDENの少し無機質な歌声が堪りませんね。また、このアルバムの購入のきっかけとなった曲でもあります。
7曲目"Silvering"(4:25) ゆったりと流れるハモンド風のサウンドとギターの優しい音色によう爪弾きが流れるスローな曲です。これまた優しく歌うHAYDENの歌声が心地好いこと。
8曲目"Let Me Have It"(7:01) 鼓動に似たドラムのリズムに合わせ次第に加えられて行く電子サウンドの数々、空間へサウンドの広がりとその残響を計算したアレンジが素晴らしいです。曲は、一旦終焉を迎え再び演奏される組曲となっています。
9曲目"Out Of My Body"(7:15) ゆったりとしたリズムで夢心地にさせてくれる曲です。情報は無いのですが、映像関係の作曲/演奏もやっているんじゃないかなと想像させる空飛ぶ感覚が伝わって来ます。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:45分14秒 ('17年頃よりインデペンデントとして活躍しているHAYDEN、この5年間でアルバムを8枚リリースとは非常にペースが速いですね!)'22年6月10日更新
2022年度ベスト5


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写真  HAYDEN CASEY / Asphodel
 ・2023 hayden casey    

全16曲・・・

このアルバムは、アリゾナ州で活躍しているドリーム・ポップ/ネオ・ソウルS.S.W.HAYDEN・CASEYの10枚目('20年と'23年の4曲EP盤を含む)のアルバムで '23年10月13日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HAYDEN・CASEY 1人のようです。

1曲目"Intro"(1:23) エコーを効かせたキーボードの調べによるオルタナティヴR&B的な曲です。短い歌詞とリフレインによるタイトル通りのアルバムの幕開きを示します。
2曲目"Ghost To You"(3:44) アコースティック・ギターの爪弾いとシンセサイザーの幻想的な調べによるネオ・ソウルな曲です。HAYDENの滑らかなシルキーな歌声が流れるように響く心地好さが伝わります。
3曲目"&on&on"(4:08) '23年9月にEP盤として先にリリースされた曲です。イギリスのRAY・HAYDEN(HAYDEN違い)の曲に通じるネオ・ソウル・ファンクなスムーズで乗りの好さを感じさせます。
4曲目"Warnings"(1:56) 今度は、テンポを下げたスローなバラードの登場です。この曲でもその滑らかな歌声を聴かせるHAYDENです。
5曲目"Weaken"(3:01) この曲も '23年9月のEP盤に挿入されているキャッチーなリズムとサウンドの曲です。ドラム・マシーンによる軽快なリズムに合わせ流れるように歌うHAYDENの歌声が好いですね。
6曲目"Easy"(3:31) この曲も '23年9月のEP盤での曲です。空間に漂うシンセサイザーの音色とソフトなHAYDENの歌声による夢見心地な曲です。ドラムのリズムがかっちりと刻むように登場し緩急をつけたアレンジが好いです。
7曲目"Focus"(3:50) 引き摺り感を持ったリズムとサウンドの流れを聴かせるバラードです。丁寧に重ねられたHAYDENの美しいハーモニーとゆったりと流れるサウンドに包まれます。
8曲目"All Coming Back"(4:01) ドラム"ン" ベースの心地好いリズムとスムーズな歌声を聴かせるネオ・ソウルな曲です。セルフで収録されたヴォーカルの掛け合いを巧に聴かせるHAYDENです。
9曲目"N.O.E."(3:37) 前作でも感じていた映像関係の音楽のようなサウンドの広がりを感じさせる曲です。勝手な想像ですが、その映像を見ながら思いつく歌詞を歌っているんじゃないかなと思います。
10曲目"Dmg // Ctrl"(4:16) この曲もサウンド・トラックみたいな演出を感じる起伏感のある曲です。スピーディーでスリリングな部分やゆったりとしたリズムを持ったところで交互に攻めて来ます。
11曲目"Dopamine"(3:49) 今度は、空間にじわっと広がるアンビエント音楽の要素をもった曲です。次第にリズムを上げその滑らかな歌声で歌い上げるHAYDENです。
12曲目"Oxygen"(2:09) シンセサイザーによる海中の空気の泡がのぼる様を演出したようなサウンドの曲です。この曲でもHAYDENの短い歌詞が映像のように付けられてゆったりと広がります。
13曲目"Softspot"(4:04) この曲も'23年9月のEP盤で先行リリースされた曲です。キーボードで繰り出すゆったりとしたリフを基に組み立てられたサウンドとこれまたソフトな歌声を聴かせるHAYDENです。
14曲目"Over Now"(1:13) ちょっとした時間にさっと書いて収録した短いスムーズ・ジャズな曲です。ここでは、ジャズ・ギターのような滑らかな響きが広がっています。
15曲目"Deadend"(2:26) この曲もゆったりとしたリズムとサウンドによるネオ・ソウルな曲です。リムを打つドラムのスネアのリズムと揺らぎを持ったKORG風のサウンドが舞い上がります。
16曲目"Enough"(4:24) この曲もサウンド・トラックのように淡々としたリズムの流れとエモーショナルさを敢えて抑えたHAYDENの滑らかな歌声を聴かせます。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:51分32秒 (今回のHAYDENの新作、全16曲でレビューを書くのも疲れた〜!)'23年10月14日更新


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写真  HAYDEN CASEY / Isola
 ・2024 hayden casey    

HAYDENの音楽観に・・・

このアルバムは、アリゾナ州で活躍しているドリーム・ポップ S.S.W.HAYDEN・CASEYの11枚目('20年と'23年の4曲EP盤を含む)のアルバムで '24年3月21日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、今回もHAYDEN・CASEY 1人のようです。

1曲目"I Held You In Different Light"(3:43) サウンド・エフェクトによるイントロ明けから広がるアコースティック・ギターの爪弾きと相変わらず優しい歌声を聴かせるHAYDENです。後半からオーケストラ風の重厚なサウンドを重ねたアレンジで聴かせ所を盛り上げ来ます。
2曲目"To Be Adored"(5:36) この曲もHAYDENらしいアコースティック・ギターの音色を基調した心地好い響きを放つ曲です。一般的に牧歌的で土臭くなる傾向にあるアコースティック・ギター・サウンドですが、メルヘンチックな浮遊感と優しさに包まれたHAYDENの音楽観に引き込まれます。
3曲目"The Veil"(4:38) この曲もアコースティック・ギターの爪弾きが響く曲です。軽めのドラムのリズムとグロッケンシュピールの爽やかな金属音が重なり合う流れに体を揺すられる思いです。
4曲目"Reprise"(1:14) アルバムの中心的に収録されたインターリュードです。短い歌詞にエフェクトやループを使っての2曲目の"To Be Adored" のリプライズです。
5曲目"Dreaming Season"(3:25) 高いキーでも滑らかに歌うHAYDENの優しい歌声が耳に優しい曲です。金属弦をなぞる指の動きとその音までもこれまた優しく響くのです。
6曲目"Windless"(3:37) メランコリックな調べのメロディとギターの爪弾きの音色が心落ち着かせる曲です。バックに女性バック・ヴォーカルの歌声が響いているようなのですが、HAYDENによるシンセ・サウンドでしょうか。
7曲目"What The Body Remembers"(3:29) 今度は、キーボードによる弾き語りによる曲です。メロディアスな調べとランド・スケープなストリングス風のサウンドが広がります。
8曲目"Rosewater"(3:59) 親指の腹で優しくギターの弦をなぞる優しい響きが心地好い曲です。自身で付けたハーモニーと凛としたピアノの調べが何時までも耳に残ります。
9曲目"Iphigenia"(3:46) ギリシャ神話に登場するイピゲネイア(ミュケーナイの王女)がタイトルになっている曲ですが、ここで歌われているのは、植物の方のイピゲネイアが歌われているようです。前々回の作でも感じていた映像関係の音楽のようなサウンドの広がりを感じさせる曲です。
10曲目"Dans Mon Île"(3:31) 今回のテーマである島についてフランス語で「私の島では…」ついて歌っています、ナイロン弦ギターの爪弾きにエコーを効かせたHAYDENの柔らかいフランス語の歌声が響います。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:36分58秒 (アルバムを聴き終わってからふと思ったのですが、アリゾナ州って島なかったよね!)'24年3月26日更新


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写真  HAYDEN CASEY / Show Me Where The Hurt Is: Songs
 ・2025 hayden casey    

たっぷり全13曲・・・

このアルバムは、アリゾナ州で活躍しているドリーム・ポップ S.S.W./作家HAYDEN・CASEYの12枚目('20年と'23年の4曲EP盤を含む)のアルバムで '25年4月22日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、Bandcampの彼のページにwritten/recorded/produced/mixed by hayden caseyとあるので、今回もHAYDEN・CASEY 1人のようです。

1曲目"In another life (Broken Open)"(3:22) 単音による弦の響きから他の弦の音を加えて展開されるアコースティック・サウンドが爽やかな曲です。リズミカルに叩かれるドラムのビートに聴き覚えのある少しスモーキーなHAYDENの歌声も爽やかに流れ去ります。
2曲目"Will this last forever(Hot Yoga)"(4:06) この曲もHAYDENのギターのリフが耳に優しい曲です。ソフトに響きHAYDENの歌声とは対照的に忙しなくバックに響くアコースティック・ギターの音色が何故か心地好いのです。
3曲目"Faultless(Evergreen)"(2:59) 多重で録ったHAYDENのソフトな歌声によるハーモニーが美しい響く曲です。KORG系のシンセの低く流れるノイズ・サウンドが底辺を支えるアレンジもいいですね。
4曲目"Complaint dept.(Is this it)"(1:47) 前作もこの曲辺りに小さな曲が収録されていました。レトロな雰囲気を醸し出すHAYDENのギターによる弾き語りです。リヴァーブをたっぷり効かせた優しい歌声が流れます。
5曲目"Becoming(Evidentiary)"(2:58) 70年代に大活躍したイギリス3人組の大ヒット曲からの影響を感じさせる乾いたドラムのリズムとベースの弦を指で巧に弾く様が目に浮かぶ曲です。今作は、曲名にサブ・タイトルが多く付けられているようですが、作家としての一面もあるHAYDENですが、彼のエッセイからのタイトルも引用しているきょうです。
6曲目"How we're built(All fading now)"(2:26) この曲も美しくメロディアスなアコースティック・ギターの音色がイントロから響く曲です。チェロなどの弦楽器の音色も響いているようです。高原に流れる清らかな せせらぎをイメージさせる曲と言った感じでしょうか。
7曲目"Scot free(Smoothing)"(1:46) 今度は、少しロック/ポップぽい曲の登場です。ギターの弦をなぞる音も新鮮な響きを発しています。キビキビと刻まれるドラムのビートが心地好さを誘います。
8曲目"In secret(Pretty Things)"(3:23) 再びテンポを上げきた16ビートのテンポ好い曲です。鼻に掛けた歌声を巧に聴かせるHAYDENも楽し気に歌っているようです。終盤にはもっとテンポを上げて攻めて来ます。
9曲目"The only thing(Bergamot)"(3:49) この曲は、とってもHAYDENの曲らしい雰囲気が伝わってきます。アコースティック・ギターの美しい音色の爪弾きをこれまた美しいハーモニーによる心和む流れが漂います。
10曲目"Remembrance(Headache)"(3:02) 今度は、ちょっと怠惰感を与えるダウンテンポの曲です。怠惰感のあるギターのストローク・トーンとこれまた怠惰感のあるドラムのリズムとが相まってのんびりと時が過ぎ去って行きそうです。
11曲目"When you left my life(Night Swimming)"(3:46) この曲は、バックのサウンドに逆回しの不思議な音色が薄っすらと付けられた不思議な雰囲気を持つ曲です。ハモンドがアコーディオンの逆再生音が流れる中をHAYDENが夜に泳いでいる(Night Swimming)ようです。
12曲目"After all(Murmurations)"(3:34) この曲は、聴く前にサブ・タイトルが気になって調べたところ「群れ」とのこと。興味深いところですが、ハモンドオルガンなどのフットベースでベースが演奏されているのです。まさに息遣いや鼓動を感じさせるような響きを持っています。
13曲目"What is the nature of the dance called memory"(4:35) ジャズ・ピアノ/ヒーリング・ソング/アンビエント的なインストゥルメンタルです。非常に長いタイトルが付けられます。「記憶と呼ばれるダンスの本質とは何か」後半から薄っすらとスキャットとサックスによる音色も登場して来ます。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:41分33秒 (最近、5曲EP盤などのレビューをアップして来たので全13曲は、大変だと思い聴き込みを開始したのですが、意外にあっさりと終了出来ました。好いアルバムはやっぱりこんな感じで事が進みます!)'25年4月23日更新


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写真  HAZEL ENGLISH / Wake UP!
 ・2020 Polyvinyl Records Co.    PRC-399

70年代サウンドへのオマージュ・・・

このアルバムは、オーストラリアのシドニー出身、現在カリフォルニア州オークランドで活躍しているドリーム・ポップ・S.S.W.HAZEL・ENGLISHの2枚目('17年のEP盤を含む)のアルバムで '20年4月24日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HAZEL・ENGLISH:ヴォーカル/副プロデュース、BEN・H.ALLEN:ギター/パーカッション/シンセサイザー/プログラミング/プロデュース、JOE・KENNEDY:ベース/ギター/ラップ・スティール・ギター/オルガン/ピアノ/ローズ/シンセサイザー/メロトロン/パーカッション、STEWART・BRONAUGH:ギター/メロトロン/ピアノ/シンセサイザー/ハープシコード/サックス、DAVID・VIEIRA:ギター、BLAKE・STRANATHAN:ベース/ギター、ROBBIE・HANDLEY:ベース、JOHNNIE・NEWMAN:メロトロン、HAROLD・BROWN:ドラム、MIKE・GREEN:ドラム、HENRY・SCHIFF:ドラム/パーカッションの多くのミュージシャン達が参加しています。尚、プロデュースは、先に記したBEN・H.ALLENとロス・アンゼルスのJUSTIN・RAISENが曲により担当しています。ヴォーカル部の副プロデュースは、ロス・アンゼルスのAINJEL・EMMEとなっています。

1曲目"Born Like"(3:46) ノスタルジックなリズムとサウンドによる彼女が影響を受けた60年代のアメリカン・ポップの香りがプンプンする曲です。でもリズムに刻みやコーラスからフィルム・ノワールさもあるのです。
2曲目"Shaking"(3:33) イントロから登場するスライド・ギターの音色からやられた曲です。リズミカルなドラムのビートと愉しげに歌うHAZELの乗りの好さなどやはりどこか懐かしさを感じますね。
3曲目"Wake Up!"(3:35) バタバタと唸るように奏でるドラムのビートとチープさのあるギター・ソロに思わず頬がゆるむ曲です。この曲もこのスピード感が命って感じなのでしょうね。
4曲目"Off My Mind"(3:38) この曲もイントロから掴まれる曲ですね。隙を持ったチープなドラムのリズムとこれまたチープなシンセなサウンドによる分かり易いポップな流れを持っています。
5曲目"Combat"(3:48) 今度は、ちょっと牧歌的なサウンドとリズムの曲です。のんびりと流れるスライド・ギターの調べに合わせて美しい歌声を聴かせるHAZELとこれまた気だるいリズムを打つドラムのビートです。
6曲目"Five And Dime"(2:53) この曲もどこかで聴き覚えのある懐かしさを感じる70年代のウエストコースト女性シンガーの歌のエッセンスを持っています。ラップ・スティールのサウンドと細かく奏でられるカッテング・ギターが要ですね。
7曲目"Like A Drug"(4:04) 聴き易い曲が並べられたこのアルバムの中でもトップに位置するキャッチーな曲です。「貴方からの愛」は麻薬のようだ歌っています。
8曲目"Waiting"(3:33) この曲も80年代の女性ヴォーカルをメインとバンドのサウンドのように感じる曲です。THE BANGLESかTHE GO-GO'Sのイメージと言えば分かるかな。
9曲目"Milk And Honey"(3:12)この曲は、もっと先に紹介したバンドのイメージを伝えて来る曲です。12弦エレクトロニック・ギターやシタール・ギターによるプチ・サイケデリックを演出した内容となっています。
10曲目"Work It Out"(4:33) アルバムの最後は、ハモンドとHAZELの美しい歌声によるイントロが凛と響き曲です。次第にバックの楽器も増え行きギター・ソロ多分、DAVID・VIEIRAの輪郭のはっきりとしたソリッド感のある演奏がアルバムの最後までこれまた美しく響きます。
歌詞無し(レコード盤は有り) ライナー無し 2折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:36分38秒 (先日アップした4枚目のアルバムが好かったので、このアルバムも買ってみました!)'24年8月29日更新


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写真  HAZEL ENGLISH / Real Life
 ・2024 Hazel English    

シングル曲 + 新曲にて・・

このアルバムは、オーストラリアのシドニー出身、現在カリフォルニア州オークランドで活躍しているドリーム・ポップ・S.S.W.HAZEL・ENGLISHの4枚目(2枚のEP盤を含む)のアルバムで '24年8月16日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、詳しいクレジット紹介が無いのですが、 HAZEL・ENGLISH:ヴォーカル/ギター、DAY・WAVE:ヴォーカルです。
尚、プロデュースは、同じくオークランドで活躍しているJACKSON・PHILLIPSが担当しています。

1曲目"Nine Stories"(2:54) '21年11月18日にシングル・ダウンロードとしてリリースされた曲です。 イントロから飛ばすギター・ポップな曲です。少しLo-HiにしたHAZELの歌声による「恋に恋する乙女心」を歌にしています。
2曲目"Summer Nights"(3:06) '22年6月17日に5曲EP盤にてダウンロードとしてリリースされた曲です。掻き鳴らすエレ・アコースティック・ギターの音色と歯切れ良いドラムのリズムによるギター・ポップで恋する気持ちを愉しげに歌っています。
3曲目"All Dressed Up(feat. DAY・WAVE)"(2:54) '22年5月19日にングル・ダウンロードとしてリリースされた曲です。ちょっとスピードを落としドリーム・ポップさを増した曲です。バックとデュエットで響くDAY・WAVEの優しい歌声が好いですね。
4曲目"When You're Around"(3:40) '22年6月17日に5曲EP盤にてダウンロードとしてリリースされた曲です。サウンドをシンプルにし全体の雰囲気をLo-Hiにしたギター・ポップ+ドリーム・ポップを上手くミックスした所を感じます。
5曲目"Blue Light"(3:18) '22年6月17日に5曲EP盤にてダウンロードとしてリリースされた曲です。 イントロから響くHAZELのスキャットとアップライト・ピアノのシンプルな調べがエコーを効かせて耳に残る曲です。
6曲目"Heartbreaker"(2:27) '23年10月24日にシングル・ダウンロードとしてリリースされた曲です。HAZELの好きな60〜70年代のカリフォルニアの音楽からインスパイアされた感のある曲です。恋に破れた女性の心をからっと歌い上げています。
7曲目"Real Life"(3:22) '23年11月29日にシングル・ダウンロードとしてリリースされた曲です。シンセ・ベースを使って曲に重みと幅を持たせた曲調となっています。「恋に悩む」女性の心の内を歌にしています。
8曲目"Jesse(feat. DAY・WAVE)"(2:09) '24年3月14日にシングル・ダウンロードとしてリリースされた曲です。再びDAY・WAVEが登場している曲です。この曲とは別にDAY・WAVEとHAZELとの共同名義盤もリリースされています。
9曲目"Goner"(3:11)この曲は、このアルバム以外ではリリースされた記録が無いので多分新曲と思われます。太く鳴るベースのサウンドに合わせゆったりと歌うHAZELの歌声が優しく広がっていますが「恋のすれ違い」を歌にしています。
10曲目"River Town"(2:28) この曲もリリースされた記録が無いので多分新曲です。この曲も60〜70年代のカリフォルニアの音楽の影響を感じる所がありますね。コーラスやリズムの取り方が懐かしく感じます。
11曲目"Hamilton"(3:28) '22年8月3日にシングル・ダウンロードとしてリリースされた曲です。ちょっと雰囲気を変えて来たスポーケンやエクスペリメンタル的な要素を加えて来ていますが、ベースにはサーフ・ロックな所もあるようです。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:32分57秒 ('20年のアルバム[Wake UP!]は、インディースながらワールドワイドにリリースされたのですが、今作はレコード化/CD化はあるのかな!)'24年8月18日更新


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写真  HEAVENLY BEAT / Talent
 ・2012 CAPTURED TRACKS RECORDS    CT-160

この爽やかさとピュアさが堪らない・・・

このアルバムは、N.Y.ブルックリンで活躍しているインディー・ロック・バンドBEACH FOSSILSのベーシスト(現在は脱退?)JOHN・PEÑAのソロ・プロジェクトHEAVENLY BEATの '12年7月24日に本国でリリースされたデビュー・アルバム(シングル盤は含まない)です。
尚、このアルバムの収録に参加しているミュージシャン及びJOHN・PEÑAの担当楽器の詳しいクレジットが記載されていない為、残念ながらこの項は省略させて頂きます。

1曲目"Lust"(2:52) ストリング風の調べに似せた電子サウンドが微風のように流れるイントロが素晴らしい軽めの乗りを伝える曲です。ソフトで優しいJOHN・PEÑAの歌声もこの曲のサウンドに非常にマッチしていると感じます。
2曲目"Messiah"(3:15) 今度は、懐かしいネオ・アコ風のアップテンポの曲の登場です。バックに響くベースのメロディ・ラインと彩を添えるナイロン弦ギターやバンブー・ダンスのビート音も感じ好いですね。
3曲目"Faithless"(3:47) この曲も前の曲の流れの延長線にあるネオ・アコな曲です。特に80年代のリヴァプール出身のバンドのスタイルを踏襲したイメージを感じます。
4曲目"Tolerance"(3:03) 今度は、もう少しギターのサウンドを前に出してそれにヴァイオリンの爪弾き風のサウンドをアクセントにしたギター・ポップな曲の登場です。JOHN・PEÑAの歌声をじっと聴いていて感じるピュサな爽やかさは、ロックの汗と涙などとは、無縁ですね。
5曲目"Elite"(3:48) 荘厳な調べが広がるイントロに続いて登場するJOHN・PEÑAの浮遊感のあるファルセットによる歌声が印象的な曲です。ナイロン弦ギターのメランコリックなリフと軽めのドラム"ン" ベースが感じ好いですね。
6曲目"Talent"(3:05) ハイ・ストリングス・ツイン・ギターの調べでゴージャス感を増したスパニッシュな雰囲気を醸し出した曲です。やはり、この曲でも熱くなり過ぎないクールに聴かせる配慮を感じます。
7曲目"Hurting"(3:04) 多分、ハング・ドラムを使ってトロピカルなサウンドを醸し出して来た曲です。ドラム"ン" ベースやストリングス風の電子サウンドと柔らかいナイロン弦ギターのミックスが心地好く響いています。
8曲目"Tradition"(3:00) このアルバムからビデオも制作されている一押しの曲です。淡々と流れる打ち込みによるビートに乗せたアコースティック・ギターとベースのサウンドが心地好く響きます。少しやるせなさや気弱さを感じさせるJOHNの歌声です。
9曲目"Presence"(3:32) Lo-Fiなギターと隙間を持たせたボサ・ノヴァ風味のする曲です。JOHNのバックに響く女性ヴォーカルもこの手の曲には必須ですね。
10曲目"Influence"(3:28) メランコリックなナイロン弦ギターの調べとそのソロが非常に印象的な曲です。雨上がりの後に吹く風をさらっと爽やかにした感じも流れて来ます。
11曲目"Consensual"(3:32) 終始JOHNの音楽テーマとそのサウンド・スタイルを感じさせる終盤を迎える曲です。コンパクトの曲作りと構成楽器類を大きく変えない流れに蒼いJOHNの歌声がこの曲にも乗せられています。
全11曲歌詞付 ブックレット (輸入盤) 収録時間:35分39秒 (このアルバムは、長崎市鍛冶屋町のセレクトショップHUNT'Sさんの店内に心地好く流れていたのでチョイスしてしまいました)'14年3月29日更新


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写真  HEAVENLY BEAT / Prominence
 ・2013 CAPTURED TRACKS RECORDS    CT-188-2

JOHNの気弱な歌声と美しいサウンド群・・・

このアルバムは、N.Y.ブルックリンで活躍しているインディー・ロック・バンドBEACH FOSSILSの元ベーシストJOHN・PEÑAのソロ・プロジェクトHEAVENLY BEATの '13年10月15日に本国でリリースされた2枚目のアルバム(シングル盤は含まない)です。
尚、このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHN・PEÑA:マルチ・インストルメントの他、曲によりDANIEL・SCHLETT:ピアノ/メロトロン、CHRISTIAN・BARSI:キーボード/パーカッションの少人数となっています。

1曲目"Length"(3:57) イントロから心地好い響きを感じさせる曲です。輪郭のはっきりしたドラムとベースのサウンドとJOHN・PEÑAの気弱な歌声との取り合わせが好いですね。
2曲目"Complete"(3:32) このアルバムからのシングル曲として紹介されている一押しの曲です。前のアルバムでも使用されていたハング・ドラムが登場する頃にはしっかりとこの曲に嵌っている自分に気が付きます。
3曲目"Faniliar"(3:47) この曲もイントロが非常に美しいサウンドを聴かせる曲です。細かく刻まれるギターの音色とトロピカル/エスニックな質感を軽めに添えたところがHEAVENLY BEAT風と言えます。
4曲目"Expectation"(4:12) 今度は、もう少しJOHN・PEÑAの歌声のキーを下げた位置に暗さを持たせた曲です。わざと無機質に感じさせるビートの流れとLo-Fiな隙間を持った感じは好みですね。
5曲目"Thin"(3:54) この曲もハング・ドラムのビートが心地好く響く曲です。ハイ・ストリングス・ツイン・ギターで美しいメロディの響きとシンプルなビートの流れを暫し楽しむことにしましょう。
6曲目"Honest"(3:24) イントロから聴かせるサウンドの攻めが非常に美しい曲の登場です。ハーモニカ風のキーボードや次々に登場するボトルネック・ギターのサウンドなど幾重に重ねた各楽器の演奏の調和が見事です。
7曲目"Forever"(4:06) 今度は、ストリングスなどを疑義(EBowを使ってギターをチェロ風に)のサウンドにした手法が登場している曲です。吐息混じりに歌うJOHNの歌声とバックの捲し立てるリズムとのコラボが印象的です。
8曲目"Stable"(3:52) この曲も途中よりハング・ドラムのビートが登場する曲です。やはりアコースティック・ギターでなぞる美しいメロディラインとハング・ドラムの音色が曲名とは反対に不安感を感じさせるところが興味深いです。
9曲目"Prominence"(3:35) リズムの流れを少し落してしっとり感を持たせた曲の登場です。掠れ気味に歌うJOHNの歌声とくっきりとしたアコースティック・ギターでのリフの付け方がこの曲も含み全曲見事です。
全9曲歌詞付 ブックレット スリーブ2重梱包 (輸入盤) 収録時間:34分23秒 (このアルバムは、長崎市鍛冶屋町のセレクトショップHUNT'Sさんの店内に心地好く流れていたので再びチョイスしてしまいました)'14年5月10日更新


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写真  HIGHWATER RISING / Highwater Rising
 ・1999 JAYMERICA RECORDS    7 0936367112 3

長い間在庫切れだったアルバム・・・

このアルバムは、サン・フランシスコ周辺で活躍する5人組のグループHIGHWATER RISINGのデビュー・アルバムで '99年のリリースです。ヴォーカル/ギター/クラヴィネット:AIDAN・HAWKEN、ギター/ラップ・スティール・ギター:J.J."JAYMERICA"WIESLER、キーボード/クラヴィネット/ギター/ヴォーカル:JASON・BORGER、ベース/ヴォーカル:ERIK・SEMO、ドラム/パーカッション:CHRISTIAN・HORANです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HIGHWATER RISINGの5人の他、ROB・WASSERMAN:ダブル・ベース、SAMANTHA・GRANT:バック・ヴォーカル
プロデュースは、HIGHWATER RISINGとミキサーとしても活躍中のJACQUIRE・KINGが担当しています。

1曲目"Undeniable"(5:13) 次のHIGHWATER RISINGのアルバムでもそうなんですが、彼らはイントロが非常に綺麗です。この曲もイントロのギター・サウンドで気に入りました。AIDANの今より少したどたどしさを残した歌声も新鮮味があってデビュー盤らしいです。
2曲目"Mother"(3:34) ハモンドの音色が非常に印象に残るスローな曲です。AIDANのソロ・アルバムのサウンドに似た落ち着いた少し土の香りのするエモ・ポップでしょうか。間奏でJ.J.が「これどうでしょうか?」って感じで凄いギターを聴かせます
3曲目"Keeps Me In It"(5:22) アコースティック・ギターのサウンドによる落ち着いたメロディとリズムによる曲です。AIDANの哀愁感のある歌声が非常に心に響きます。後半は70年代のベイ・エリアでのサウンド・イノベーションを思い起こさせます。
4曲目"I Love You To Death"(4:08) 躍動的なドラムのビートが印象に残る曲です。AIDANの初々しさのある歌声による恋人への想いを表現出来る限りに綴った曲です。
5曲目"Hardly Time"(4:32) アップ・ライト・ベースの心地よい響きとシンプルなピアノの旋律によるバラッドです。AIDANの優しさ溢れる歌声にミッド・ナイト・ミュージックのような感じです。
6曲目"Casted Shadows"(4:45) アップテンポのリズムにアコーディオンのサウンド重ねたエモ・ロックでしょうか、ハモンドのサウンドもやはり70年代のサンフランシスコの香りがします。
7曲目"Musica"(7:37) ヴォイス・ボックスを通したAIDANのヴォーカルと素の歌声を使い分けた曲です。ご機嫌なリズムと7分以上もある情景感のあるメロディとエモーショナルに響くベースのサウンドはタイトル通りこれぞMusicaです。
8曲目"Half Past Ten"(3:35) ファンキーなキーボードのサウンドは何か懐かしさを感じます。メロウでスムースな響きは、以前ベイ・エリアで大活躍して最近再結成されたあのバンド風です。アウトロも当時の定番中の定番で閉められます。
9曲目"Protection"(4:12) めずらしくレゲエ調の曲で曲が進むにつれて次第にリズムをいつものAIDAN調に戻しています。シンプルな響きのギター・サウンドがご機嫌な曲です。
10曲目"The Rest Of Them"(4:49) ギターのサウンドをたっぷり使ったカントリー調の曲です。メンフィスの香りのするハモンドのサウンドと巧みなギターワークの調和した曲です。
11曲目"Anyway"(7:34) ブリティッシュ調の冷ややかさを感じる曲で残響音と硬さを使ったギターのサウンドは本家のブリット・ロックを彷彿とさせます。7分半におよぶ素晴らしいサウンドとメロディの洪水(HIGHWATER RISING)です。
12曲目"Stepping Stone"(4:25) AIDANの泣き声にも似た切ない響きを持ったスローなバラッドです。静かに流れるバックのギターが心を打ちます。気だるそうなドラムのビートも情感たっぷりで良いですね。
歌詞無し 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:59分52秒 (長い間在庫切れだったアルバムです。このたび再発売されてやっと入手出来ました)'10年1月14日再更新


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写真  HIGHWATER RISING / In The Between
 ・2003 Highwater Rising. LLC    Box29 Records 09363 71692

カリフォルニアに点在するスタジオで2年間かけて収録・・・

サン・フランシスコ周辺で活躍する3人組のグループHIGHWATER RISINGの2枚目のアルバムで '03年のリリースです。ヴォーカル/ギター:AIDAN・HAWKEN、ギター:J.J.WIESLER、ピアノ:JASON・BORGERのメンバーに曲によりドラム/ベース/ペダル・スティールと複数のセッションマンが参加しています。
尚、このアルバムは、カリフォルニアに点在するスタジオで '00年から '02年にかけて収録された曲を基にして制作されています。

1曲目"Coming Undone"(3:45) イントロのギター・サウンドたっぷりの部分から痺れさせます。AIDAN の少しハスキーな歌声とギターポップな曲でアルバムの幕開きに相応しい曲です。
2曲目"Wasted Days"(4:30) この曲が聴きたくてこのCDを購入しました。ミドル・テンポの切ないメロディによる曲でU.K.のTHE LILAC TIMEに通じる哀愁感漂うメランコリック・ポップです。
3曲目"Life In Three Parts"(3:57) アコースティックの物悲しい音色によるギター・サウンド・バラードAIDANの歌声が非常にギターに哀愁感と底に流れる静かなるエモーションを感じる曲です。
4曲目"In My Head"(4:36) ピアノによる静かな弾き語りですAIDAN のエモーショナルな歌声による恋人への想いを綴った曲です。
5曲目"Dropout"(3:58) 教会で鳴らされるようなオルガンのサウンドとドラムのビートが非常にマッチした曲で、リズムの間合いが心地好いのです。バックで奏でられるギターのシンプルなサウンドもAIDANのヴォーカルを際立たせています。この曲でのAIDANのファルセット・ヴォーカルは、DAVID・MEADに通じるものがあります。
6曲目"I Can't Wait"(3:59) ロード・ムービーの挿入歌にぴったりのサウンドとリズムの曲です。
7曲目"Lie Awake"(4:21) パワード・ギター・ポップの乗りの良いリズムとメロディの曲でAIDANの涼しげな歌声と加工された歌声とがミックスされています。
8曲目"Kissing Tree"(3:19) アコースティック・ギターとストリングスによるカントリーチックな曲でペダル・スティールの爽やかな響きが心地よさを誘い出します。
9曲目"The Waiting"(6:23) 6分半もあるゆったりしたリズムの曲です。エレクトロニカのサウンドと生のサウンドを使ったエモ・ポップ・ロックです。アウトロと次の曲のイントロが繋がっています。
10曲目"Oceans"(7:55) カントリー・ギタリストのMAX・BUTLERによるハートウォームなアコースティック・ギターの爪弾きに合わせ歌うAIDANの素晴らしい歌声にとシンプルなスタイルによる曲です。
11曲目"ヒドゥン・トラック" シンセサイザーのサウンドを随所に使ったラブ・バラードです。
歌詞無し 写真ライナー U.S.製 (輸入盤) 収録時間:46分48秒 (ヴォーカル/ギターのAIDAN・HAWKENのソロ・アルバムも '05年にリリースされています)'10年1月14日再更新
2003年度ベスト5


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写真  HIGHWATER RISING / Summer Somewhere EP
 ・2005 ANALOG KID MUSIC    BOX29 RECORDS 004

EP盤ですが内容は濃いのです・・・

サンフランシスコ周辺でインディペンデントに活躍する3人組のグループHIGHWATER RISINGの3枚目のアルバムで、'05年のリリースです。今回6曲入のEP盤としてリリースされたのは、メンバーのAIDAN・HAWKENが同時にソロ・アルバムをリリースした為によると思われます。

1曲目"30 Years"(4:30) アップライト・ピアノの調べとハモンドの音色が重なりあったイントロが心地好く流れます。溜めを取って歌い始めるAIDANの少し哀愁のある歌声によるセンチメンタルなナンバーです。
2曲目"She's All I Need"(4:20) エモ・ギターのサウンドが流れるミドル・テンポのリズムの曲です。ファルセットで美しく歌い上げるAIDANのバックにはJ.J.WIESLERのギターがしっかりとサポートをしています。
3曲目"Cornerwall"(4:54) 70年代のカリフォルニア・サウンドを感じさせるノスタルジックさを持ったナンバーです。ストリングスのサウンドも添えられ心地好いメロディが流されて行きます。
4曲目"Escape This Town"(4:12) AIDANのアコースティック・ギターの軽やかな調べとオルガンの清い音色が流れるギター・ポップな曲です。美しい残響音を残すJ.J.WIESLERのギターとAIDANのエモーショナルな歌声が響いて来ます。
5曲目"Summer Somewhere"(4:12) ゆったりと刻まれる重いドラムのビートとAIDANの優しい歌声が絡み合ったスローなエモ・ロックでしょうか。間奏のキーボードのサウンドがまた良いんです。
6曲目"Tired"(4:00) AIDANと同じサンフランシスコで活躍しているS.S.W.CHUCK・PROPHET(Ex.GREEN ON RED)がギターで参加した曲です。AIDANの多重によるツイン・ヴォーカルの少しズレが心地好く感じられるソフトな流れの曲です。前作のイメージが強く感じられる曲のようです。ギターだけで無くCHUCKの"渋い" ヴォーカルも収録されていればもっと良かったかな…。
歌詞無し ライナー付 HDCD仕様 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:26分11秒 (ネットで世界中の音楽を検索して気に入ったアルバムを購入している訳は、やはりこのようなインディペンデントのEP盤に出会える喜びがあるからでしょう)'10年1月14日再更新


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写真  [HIKIKØMØRI] / Feel My Pain 'Til I Can't Complain
 ・2021 [Hikikømøri]    

ほぼインストゥルメンタル・・・

このアルバムは、カリフォルニア州イングルウッド(ロス・アンゼルス南西部の都市)でインデペンデントに活躍しているオルタナティヴ/シンセ・ポップ・ミュージックの[HIKIKØMØRI]の16枚目(LØØVERとの共同名義は含まない)のアルバムで '21年4月21日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HIKIKØMØRIことラファエルによる単独制作のようです。

1曲目"This Music's The Only Thing Keeping The Peace When I'm Fallin' To Piece"(3:33) サンプル音源をちょっと聴いた時から非常に気に入った曲です。シンプルなリフレインを渦巻くように重ねたサウンドの塔が立ち上がるインストゥルメンタルです。
2曲目"Demonhead"(2:16) 今度は70年代ロンドン・ロック風の曲(サンプル音源はMETRICの"Black Sheep")です。サウンドは少し荒くLo-Hi的な押しを持って突き進む感が好いですね。
3曲目"You Know That It's Too Late"(3:07) この曲もぱっと聴いた時から耳の残った軽めサウンドの曲です。短い歌詞をリフレインにしてシンプルさを効かせ聴き易さに徹した感があります。
4曲目"One Conversation A Week "(2:51) この曲も短いメロディをリフレインとし、様々なリミックスとエフェクトを効かせたチル・ミュージックな出来栄えを感じます。
5曲目"Beat Blocked"(2:05) ダークな質感のシンセウェーヴな曲です。打ち鳴らされるシンセ・ドラムとうごめくシンセ・ベースのサウンドによるビートを楽しみましょう。
6曲目"Simple N Dirty"(1:28) 穏やかなイントロのサウンドから次第に重いシンセサイザーの響きがうね回る曲です。シンゼサイザーと籠らせたLo-FiなCHANNYの歌声との取り合せ手法のうちでしょうか。
7曲目"Can't Forget The Way You Smile"(2:10) この曲もLo-Hiなサウンドを繰り広げるポップなインストゥルメンタルです。跳ねるように奏でられる電子オルガンの音色が広がります。
8曲目"Through The Darkest Days, Music Always Been There Too Light My Path On"(2:51) 音楽の持つ魅力の素晴らしさを曲名に忍ばせたこれまた楽しさを直に感じる曲です。難しい理屈など抜きにして思う存分音楽を楽しみましょうって感じかな。
9曲目"Sophia"(3:00) イントロから奏でられるギターのサウンドにタイトなドラムのビートを付けたインストゥルメンタルです。途中でサウンドをLo-Hiにしたアレンジやエコーを効かせた音の広がりなどサウンド・スケープ的なところもあります。
歌詞無し (ダウンロード販売) 収録時間:23分21秒 (現在、料理学校の生徒だというラファエル、Bandcampを通じてアルバム収録以外の曲は無料ダウンロードとしています)'21年5月10日更新


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写真  HILLSBURN / In The Battle Years
 ・2016 Ground Swell Music.    GSR 10513

元気な歌声達・・・

このアルバムは、カナダ東部の都市ハリファックスで活躍しているカントリー/フォーク系バンドHILLSBURNの2枚目('14年のセルフタイトルEP盤を含む)のアルバムで '16年3月11日に本国でのリリースです。
このアルバム収録時でのHILLSBURNのメンバーは、JACKSON・FAIRFAX-PERRY:キーボード/マンドリン/サックス/エレクトロニクス/パーカッション、ROSANNA・BURRILL:ヴォーカル/ヴァイオリン/キーボード/パーカッション、PAUL・AARNTZEN:ヴォーカル/ギター/ウクレレ/マンドリン/キーボード/パーカッション、CLAYTON・BURRILL:ヴォーカル/ギター/パーカッションの4人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ERIC・SPROUL:トランペット、 ANDREW・JACKSON:トロンボーン、JON・LANDRY:パーカッション/オムニコード/エレクトロニクス/プロデュース、DARREN・VAN・NIEKERK:エレクトロニクス、JASON JENKYNS:エレクトロニクスのカナダのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Bury My Heart"(3:30) アルバムの出だしから元気一杯に歌われるコーラスでの歌声とアコースティック楽器の数々に調べ響く曲です。曲の雰囲気からライブ映えする感じやHILLSBURNがライブ・バンドであると感じさせます。
2曲目"Run Down"(2:21) イントロからアカペラで歌われるこの曲も力強さを感じさせる曲です。リード・ヴォーカルをメンバーが交代で務めるアレンジがシンプルなメロディやサウンドに映えます。
3曲目"Farther In The Fire"(3:53) 今度は少しスローで大人しい目の曲の登場です。曲が進むにつれて次第にヴォーカル達が熱く歌い曲の厚みが増して行きます。
4曲目"When We Were Young"(2:43) 今度は男性メンバーがヴォーカルを務める軽快な曲です。心地好いリズムとサウンドの流れにこちらも体を揺さぶられます。
5曲目"Ava"(4:22) アカペラのバンド然としたハーモニーの美しさを全面にだしたR&B的な曲です。バックのハモンドのサウンドなどシンプルにクールに流れて行きます。
6曲目"Caught In The Rain"(3:59) 一転して明るさと軽快さを追求した曲です。バックのブラスのサウンドも軽やかに明るく響き楽しさが直に伝わって来る1曲です。
7曲目"Shout"(2:38) マンドリン、ギター、ペダルスティールのサウンドによる牧歌的な1曲です。街中の小さな酒場の片隅で演奏されているような臨場感や盛り上がりそうな雰囲気が伝わって来ます。
8曲目"Hey Now"(3:20) マンドリンの弾き語り的に歌われる子守り歌のような曲です。ギター、ヴァイオリンにピアノも登場し管弦楽的な華麗さに展開しています。
9曲目"Hold Me Now"(3:33) 今度はROSANNAのヴォーカル曲のようです。シンプルなコード展開をリフとしたオルタナティブなサウンドが他の曲と違った雰囲気を持っています。攻めを感じるヴォーカルとバックのブラスのサウンドも攻めを持った盛り上がりが素晴らしいです。
10曲目"Like The Winter"(4:28) アコースティック・ギターの調べが美しい心和む曲です。彼らの住むカナダの西部の情景や季節の流れを感じさせるところは好いですね。
11曲目"Billy"(3:42) この曲も力強さを感じさせる曲です。ストーリー性を持った曲の流れやアレンジなど舞台や映画などの挿入歌となっているような感じもします。
歌詞無し 2折紙ジャケット仕様 カナダ製 (輸入盤) 収録時間:38分34秒 (メンバー全員による元気一杯の歌声が響くアルバムとなっています)'18年2月3日更新


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写真  HILLSBURN / The Wilder Beyond
 ・2018 LHM RECORDS.    LHM 101

やはり元気な歌声・・・

このアルバムは、カナダ東部の都市ハリファックスで活躍しているインディー・ロック・バンドHILLSBURNの3枚目('14年のセルフタイトルEP盤を含む)のアルバムで '18年2月2日に本国でのリリースです。
このアルバム収録時でのHILLSBURNのメンバーは、JACKSON・FAIRFAX-PERRY:ヴォーカル/ギター/ベース/キーボード/サックス、CLARE・MACDONALD:ドラム/パーカッション、 ROSANNA・BURRILL:ヴォーカル/ヴァイオリン/キーボード、PAUL・AARNTZEN:ヴォーカル/ギター/ウクレレ/マンドリン/キーボード、CLAYTON・BURRILL:ヴォーカル/ギターの5人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NORMAN・ADAMS:チェロ、ANDREW・JACKSON:トロンボーン、JAMES・ERVIN:トランペット、NIGEL・JENKINS:ヴォーカルのカナダのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Strange Clouds"(3:28) 唸るドラムのビートとギターのサウンドが高揚感に火を付ける曲です。前作に続きこのアルバムからも彼らの元気が一杯感じられます。
2曲目"Cover It Up"(3:18) このアルバムのリリースの少し前にビデオ配信された乗りの好い一押しの曲です。イントロが済んだ後に登場する渋めの歌声は、JACKSONの歌声でしょうか
3曲目"Sun Ought To Shine"(4:29) 前のアルバムの流れを強く感じさせるゴスペルの曲です。インディペンデントとして活躍している彼らですが、相当な実力持ちを感じさせる収録風景を撮影したライブによるビデオもどうぞ。
4曲目"Everywhere"(3:12) 低めの音程を奏でるヴァイオリンの弦の反復音が特徴的な曲です。アシッドさやクールさが増したサウンドとメロディが渦巻く流れがこちらに攻めて来るのです。
5曲目"Everything Is New"(3:32) ヴォーカルが他のメンバーにシフトされたソフトなタッチな曲です。どことなくトロピカルなところやレイドバックさせる心地好さを感じさせます。
6曲目"Young Desire"(2:54) 多分ヴォーカルは、ROSANNAと思もわれる彼女の持ち味を感じさせる力強い曲です。曲名"Young Desire" は前作の"When We Were Young" とのアンサー・ソングのような気がします。
7曲目"Born Only To Love You"(4:22) 今度は少し曲風を変えてきた静けさを持った曲です。アコースティック・ギターの慎ましやかな響きとヴァイオリンの切ない響きのコラボが心に染み入ります。
8曲目"Bad Behaviours"(2:25) この曲は、1枚目のアルバムのリリース後に新加入したCLARE・MACDONALDが登場したビデオが '17年11月頃に配信されています。そうそう最初にこの曲を聴いた時、80年代に活躍したグラスゴー出身のバンドに通じる雰囲気を感じました。
9曲目"With The Larks"(4:06) 今度はROSANNAのヴォーカル曲のようです。セミ・アコースティック・ギターの心地好い弦の響きとハーモニーを務めるNIGEL?のこれまた優しい歌声が好いですね。
10曲目"Time Of Life"(3:32) アルバムの最後の曲は、コースティック・ギター1本による落ち着いた調べの曲です。各曲についての詳しいクレジットの記載が無いのですが、多分>JACKSONとROSANNAが歌っていると思います。
全10曲歌詞付 写真ブックレット 2折紙ジャケット仕様 カナダ製 (輸入盤) 収録時間:35分23秒 (bandcamp巡りをしていて偶然発見したこのHILLSBURN、このアルバムのリリース後、国内をツアー中です)'18年2月10日更新
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写真
(アルバム購入時に頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  HOLLINS STEELE / Songs From Vanderbilt Avenue
 ・2005 Steele Music Group LLC    HS001

N.Y.からお洒落でエモーショナルなサウンド・・・

ニューヨークで活躍するDAYNA・HOLLINS:ヴォーカルとBENNY・STEELE:ドラム/プログラミング/プロデュースの2人が作ったユニットで収録は、BENNYの所有するThe Steele Factoryで行われています。アルバムのリリースは '05年8月でそれに合わせニューヨークでライヴが行われています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HOLLINS STEELEの2人の他、ALEC・BERLIN:ギター、TOMÁS・DONCKER:ギター、MATT・BECK:ギター、BOOKER・KING:ベース、BUSTER・HEMPHILL:ベース、MICHAEL・CAIN:キーボード/シンセサイザー、KEVIN・NATHANIEL:パーカッション、DANIEL・SADOWNICK:パーカッションのN.Y.のミュージシャン達です。

1曲目"Prelude:Vanderbilt Avenue In C Minor"(2:09) シンセのサウンドとプログラムによる前奏曲で都会の雑踏のS.E.を入れた2分程度の曲。DAYNAの美しいスキャットから次の曲のイントロへと続きます。DAYNAはクラッシック・ヴォーカルを習っていたらしい。
2曲目"Tongue Tied"(3:58) ビートの効いたアップテンポ なナンバーです。ビデオ・クリップもかっこ良いです。ASHLEE・SIMPSON の歌声に似たパワーと声量のあるDAYNAのヴォーカルが熱く響きます。
3曲目"Falling"(3:40) ミドル・テンポのメロディアスバラードです。DAYNAのヴォーカルに合わせてダイナミックに展開する曲です。この曲もライヴのビデオクリップがあります。
4曲目"Fill Me In"(4:10) 曲の共作者TOMÁS・DONCKER(THE NEVILLE BROTHERS/DEFUNKT)の弾くギターでしょうか、ストレートなギター・ソロ非常に素晴らしいミドル・テンポのロックとボサ・ノヴァの融合したイカシタ曲です。
5曲目"Between The Lines"(3:36) スローな曲でしっとり歌うDAYNAのヴォーカルも良いですね。この曲もバックで流れるギターのサウンドにしびれます。
6曲目"Worst Enemy"(3:25) パワード・ポップのリズムに乗せ繰り出されるBENNYのドラムビートとDAYNAの力強いヴォーカルによるライヴ受けしそうな曲です。この曲もライヴのビデオクリップがあります。
7曲目"Interlude In A Minor"(1:19) オペラの戯曲のようなDAYNAの美しく響くスキャットによる1分少々の曲です。Interludeを入れて来るなんてお洒落ですね。
8曲目"In Dreams"(3:53) MATT・BECK(MATCHBOX 20,LISA・LOEB)の弾くギターでしょうか、DAYNAの美しく響くヴォーカルを邪魔せずさり気なく入って来ます。アウトロはメロトロン風の甘いサウンドでしっとりと終わります。
9曲目"Funny"(2:40)スローなバラードの登場です。ハモンドのサウンドに乗せ、しっとりと歌うDAYNAの魅力的なヴォーカルにうっとりです。
10曲目"I'll Move On"(3:10) メロディアス・ロックにストリングスをあしらった美しいメロディでありながら力強い曲です。
11曲目"Stuck On You"(3:40) BENNYの繰り出すドラムのビートとALEC・BERLIN(ALEC BERLIN GROUP)のギターとの織り成すミドル・テンポの曲です。
12曲目"20/60 Eyes"(2:58) ピアノの美しいメロディによるスローなバラードです。DAYNAの切ない歌声が心に染みます。
13曲目"Postlude:Vanderbilt Avenue In C# Minor"(1:28) ピアノの伴奏による静かなこのPostlude(後奏曲)でこのアルバムは幕を閉じます。
10曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:40分11秒 (またまた素晴らしい新人の登場です。当分このHOLLINS STEELEから目が放せませんね)'10年1月15日再更新
2005年度ベスト5


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写真  HOLMES IVES / Love & Light Vol. 1
 ・2006 OVA Records    OVA003

女性ヴォーカリストの企画性アルバム?・・・

このアルバムは、ワシントンD.C.で活躍しているプロデューサー/コンポーザー/DJ HOLMES・IVESの6枚目(SOPHIE & IVESでの [Untie Me]は含まず)のアルバムで、本国でのリリースは、'06年1月となっています。
尚、このアルバムに参加している女性ヴォーカリストは、LAURA・BURHENN(GEORGIE JAMES):ヴォーカル/ピアノ、DIERDRE・DUBOISSOPHIE・MOLETALOULOU・O・GHELICHKHANISUSAN・OETGEN(LIKENESS TO LILY)などHOLMESの過去のアルバムに登場したヴォーカリスト達です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HOLMES・IVES:シンセサイザー/デジタル・ハープ/カリンバ/キーボード/ベース・プログラミング/ドラム・プログラミング/ストリングス/プロデュースの他、BAUBACK・YEGANEH:ギター、AMY・DOMINGUES:チェロ、REX・RIDDEM:ボンゴ、DANIEL・SEISS:フルート、ROBIN・YEGANEH:ベース、KELLY・CORNELIUS:タブラ、CURT・SEISS:ギターと先の女性ヴォーカリスト達です。

1曲目"Charcoal Love"(7:27) 怪しく響くシンセザイザーとナイロン弦ギターの調べが流れるスロー・ビートの曲です。ヴォーカルは、作詞も手掛けているLAURA・BURHENNで彼女のソロ作品とは一味違ったダウンテンポの気だるさと妖艶な歌声を聴かせます。
2曲目"Chagrin Perdu"(6:33) イタリア人とフランス人の間に生まれたLOULOU・O・GHELICHKHANIがヴォーカリトとして招かれた曲です。フランス語で歌うLOULOUの滑らかな歌声と個性派チェロリストAMY・DOMINGUESのチェロの調べが絡み合うのです。
3曲目"So Long"(7:11) 再びIVESとLAURAの書いた曲の登場です。LAURAの擦れ気味の歌声が乗せられたダウンテンポのリズムとBAUBACK・YEGANEHのナイロン弦ギターの調べが押し寄せて来るのです。
4曲目"Lagrimas Negras"(5:21) IVES、SUSAN、BAUBACKの3人によって書かれたスペイン語の歌詞の曲です。曲名と同じタイトルのスペイン映画との関係は分かりませんが、この曲もSUSANのメランコリックな歌声によるサウンドトラック風の曲調を感じます。
5曲目"Oath To The Muse"(6:40) この曲は、SUSANの持つクラシック音楽からのインスパイアを強く感じさせるエレクトロニカ・ミュージックとオペラ音楽との融合を試みた曲です。SUSANの美しく伸びやかな歌声とIVESのシンセザイザーの調べが心地好く響きます。
6曲目"Te Dijo Te Quiero "(8:02) 一転してアコースティック・ギターとナイロン弦ギターによるフラメンコ調の美しいギター・サウンドの曲の登場です。前半の2分半ほどのインストゥルメンタルを過ぎてからSUSANの美しい歌声も登場します。
7曲目"Ilera Okan(Health Heart)"(6:13) アフリカン・ミュージックの強い影響を感じさせるIVESとSUSANの書いた曲です。伸びやかに響くSUSANの歌声にヒーリング系ミュージックで収録されています。
8曲目"Qui Regna"(5:23) ナイロン弦ギターの爪弾きのチェロの調べが切なく流れるエレクトロニカのリズムによる曲です。ヴォーカルは、SUSANによるスペイン語の歌詞が美しい彼女の歌声にソフトに流れてきます。
9曲目"Inside Out"(7:07) DIERDRE・DUBOIのはっきりした歌声がエモーショナルに響いて来るダウンテンポの曲です。少し癖のあるDIERDREの発音が特徴的でエスニックな雰囲気を醸し出しています。
10曲目"Hide & Seek"(3:07) どこかで聴き覚えの曲のタイトルですね。IVESとアルバムを共同名義でリリースしたSOPHIE・MOLETAの詩の朗読にて収録されています。
11曲目"Love & Light(KATY's Song)"(6:27) IVESと若くしてこの世を去った友人KATHRYN・BLACKとの共作による曲です。メランコリックなメロディによるインストゥルメンタルになっています。
12曲目"Rebirth"(8:47) アルバムの最後は8分を超える長いヒーリング・サウンドの曲が収録されています。IVESと一緒にこの曲を書いているCURT・SEISSのエキゾチックなギターの調べに合わせてSUSANの歌声が穏やかに響きます。
2曲(1曲は英語訳)のみ歌詞付 ライナー無し 4折デジパック仕様 1000枚限定盤 (輸入盤) 収録時間:78分23秒 (大半の曲の長さが6分近くある長尺な収録曲を企画性のアルバムにまとめたようです)'10年1月15日再更新


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写真  HOMI & JARVIS / Friend Of A Friend
 ・1983 GRP RECORDS,INC.    GRP-A-1005

DAVE・GRUSINの秘蔵っ子・・・

このアルバムは、N.Y.で活躍していたAMANDA・HOMIとBRIAN・JARVISのユニットによる '83年に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、AMANDA・HOMI:ヴォーカル、BRIAN・JARVIS:ヴォーカル/ドラム・プログラミング/シンバルの他、DAVE・GRUSIN:キーボード/ベース・シンセサイザー/ドラム・プログラミング/プロデュース、故JOE・BECK:ギター、STEVE・KHAN:ギター、LEE・RITENOUR:ギター、MARCUS・MILLER:ベース、ANTHONY・JACKSON:ベース、BUDDY・WILLIAMS:ドラム、DAVID・SANBORN:サックス、DAVE・BOROFF:サックス、ROSS・VANNELLI:シンセサイザー、JOE・VANNELLI:シンセサイザー TOOTS・THIELEMANS:ハーモニカにGRP RECORDSの創設者LARRY・ROSEN:シンバル/プロデュースです。
尚、このアルバムは、'84年にビクター音楽産業より国内盤としてCD化されています。

1曲目"I'm In Love Again"(5:09) MARCUS・MILLERのインパクトあるベースのサウンドにDAVE・GRUSINの神秘的に響くキーボードの調べに乗せ歌うHOMIとJARVISの均整のとれた歌声が心地好く流れる先ずは、アルバムの幕明き的に2人の紹介を兼ねた1曲でしょう。
尚、この曲は当時7インチ シングル盤として本国でリリースされています。
2曲目"Friend Of A Friend"(4:02) この曲も本国で7インチ シングル盤としてリリースされている曲です。BUDDY・WILLIAMSのリン・ドラムに残響音の後に響く非常に重くDAVE・GRUSINのシンセザイザー・ベースが エモーショナルに伝わって来ます。
3曲目"I Told You So"(4:31) 次は、アップテンポの曲によるHOMIのヴォーカル曲の登場です。少しロック"ン" ロールのリズムやサウンドの感じは '85年のBOY MEETS GIRLのアルバムに通じるところを感じます。
4曲目"You Got Me Fallin'"(4:30) 再びHOMIのヴォーカルによるミドル・テンポのバラードです。シンゼサイザーのサウンドを根底に使った重い響きとリン・ドラムのタイトなビードでメリハリを付けたアーバンなサウンドを演出しています。
5曲目"Believe In Yourself"(4:28) イントロから少し聴いただけで直ぐ分るDAVID・SANBORNのサックスがメロウに流れる曲です。前半のJARVISのヴォーカルに続いてHOMIの艶やかな歌声も素晴らしい落ち着いたサウンドの曲で、作詞/作曲は、JARVISの手によって書かれています。
6曲目"If You See Him"(4:26) サウンドの趣を少し変えてきたイントロからかっこ良いカッティング・ギターのサウンドが流れる軽快な曲です。メイン・ヴォーカルは、HOMIが執り彼女のまた違ったコケティシュ(良い意味での)で魅力的な歌声を聴かせます。
尚、この曲は、LEE・RITENOUR、ROSS・VANNELLIとHARVEY・MASONによって書かれた曲で、収録にもLEEとROSSが参加しています。
7曲目"It Didn't Work Out That Way"(3:35) '82年のT.V.映画シリーズ[FAME]の挿入歌にも使われ落ち着いたサウンドとメロディによる曲です。ロス・アンゼルスのS.S.W.JUDE・JOHNSTONEと映画音楽関係のDANIEL・CAINERとの共作です。
8曲目"Love's Taking Over"(4:09) イントロから流れるDAVID・SANBORNの彼独特の絞り出すようなサックスの調べと歯切れ良く弾かれるMARCUS・MILLERのベースのサウンドがご機嫌なアーバンな調べの曲です。HOMIとJARVISも仲良くヴォーカルを分けた収録による2人の共作です。
9曲目"Run That By Me"(4:01) ファンキーなリズムに渋めのJOEのギターが響く乗りの良い曲の登場です。この曲でのJARVISの歌声は、少しハスキーな歌声を聴かせるソウルフルな感じとHOMIの可憐な歌声との相性も良い感じですね。
10曲目"Some Hearts"(5:12) このアルバムの中の収録曲の中で1番好きな曲の登場です。スローなリズムによるJARVISの作詞/作曲による曲です。何と言っても全編に流れるTOOTS・THIELEMANSの哀愁のあるハーモニカのサウンドが堪らないのです。アルバムの終焉にまで流れるTOOTSとDAVEのサウンドの絡みでアルバムは、幕を閉じます。
全10曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:44分05秒 (当時、DAVE・GRUSINの秘蔵っ子だったこのHOMI & JARVISですが、残念ながらこのアルバムをもって活動を停止したようです。但し、AMANDA・HOMIは、現在もN.Y.でパーカッションの演奏と彼女のヴォーカルを中心としたワールド・ミュージックでの活動を続けているそうです)'10年7月27日再更新
1983年度ベスト5


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写真  HOWIE DAY / Stop All The World Now Special Edition
 ・2004 SONY BMG MUSIC ENTERTAINMENT    EK 93560

2003年リリース盤にボーナス曲を・・・

アメリカ、メイン州出身のHOWIE・DAYの3枚目([The Madrigals E.P.]を含む)のアルバムで、オリジナル盤は '03年の11月に本国でリリースされています。このアルバムは、翌 '04年11月にリリースされた4曲のボーナス・トラックを追加した特別盤です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HOWIE・DAY:ヴォーカル/ギター/ピアノの他、J.CLIFFORD:ギター/バック・ヴォーカル、SIMON・JONES:ベース、LES・HALL:キーボード/シンセサイザー/メロトロン/ハーモニウム、MARK・HEANEY:ドラム、LAURIE・JENKINS:ドラム、LONDON SESSION ORCHESTRA:オーケストラです。
プロデュースは、YOUTH(PRIMAL SCREAM,PAUL・McCARTNEY)です。

1曲目"Brace Yourself"(3:39) 1曲目から哀愁の漂うメロディと歌声での登場です。HOWIEのアコースティック・ギターのサウンドに重ねられた共作者のJ.CLIFFORDのギターの調べとバック・ヴォーカルの息がぴったりですね。
2曲目"Perfect Time Of Day"(4:21) 1曲目より少しアップテンポにして来た曲です。リズムとサウンドの方向性は、初期のU2に似た躍動感とヴォーカル・スタイルが似ています。尚、このアルバムはイギリスに出かけての収録になっています。
3曲目"Collide"(4:09) 一転してアコースティック・ギターの美しい響きによるシンプルな弾き語りから入る曲です。この曲は、ドラムのLAURIE・JENKINS(CHAKA・KHAN,HEATHER・NOVA)の繰り出すビートが心地好いのです。
4曲目"Trouble In Here"(5:57) 歌声の質は少し違いますが、現在、ナッシュヴィルで活躍するDAVID・MEADのサウンドに近い曲調の曲です。この曲は、HOWIEの哀愁のある歌声も魅力的ですが、残響音漂うJ.CLIFFORDのギターがまた良いんです。
5曲目"Sunday Morning Song"(3:57) ミドル・テンポのポップな曲の登場です。覚え易いメロディと心地好いリズムに乗せ、恋人と過ごす日曜日の朝の出来事を歌っています。
6曲目"I'll Take You On"(5:38) 厳かに響かすキーボードの調べとアコースティック・ギターの音色によるスローな曲です。後半より繰り出されるベースのサウンドとメロトロンの音色が、この曲を更に素晴らしい曲にしています。
7曲目"She Says"(4:41) HOWIEの作詞/作曲の曲で、ライヴでの彼の定番の曲です。低いキーからファルセットまでも使い、歌う、HOWIEの歌声を堪能出きる曲です。バックで流れるストリングス風の音色も叙情的で美しいです。
8曲目"Numbness For Sound"(3:51) ギミックなピアノの調べとダークさを持ったLONDON SESSION ORCHESTRAの重厚な音色によるダイナミックな展開を取り入れた曲です。
9曲目"You & A Promise"(6:24) リヴァーブの効いたJ.CLIFFORDのギターのサウンドとLAURIE・JENKINSの重いドラムのビートが、印象的な曲です。サウンドの響き方が非常にブリティシュ・テイスト溢れたアレンジでの曲で、特に後半からのSIMON・JONES(THE VERVE)のベースも素晴らしいのです。
10曲目"End Of Our Days"(4:22) HOWIEの弾くピアノの音色を主体にしたメロディアスなピアノ・バラードです。恋人?友人?との別れについて書かれた内容の歌のようです。
11曲目"Come Lay Down"(5:57) 6分近くある幻想的な響きを持ったプログレッシヴ・ロックの要素を持った曲です。このアルバムでは、少し異質に感じる曲調のようで、60年代のサイケデリックなイメージも持っています。
この曲以降は、特別盤によるボーナス・トラックです。
12曲目"This Time Around"(5:11) この曲は、日本人の琴線を震わすメロディが良いですね。ダイナミックな展開と美しいキーボードのサウンドにエモーショナルなHOWIEのヴォーカルによる曲です。
13曲目"Standing In The Sun"(5:41) この曲も初期のU2のサウンドとヴォーカル・スタイルによる曲です。親しみ易いメロディ・ラインとブリット・ロックらしい無骨な一面も持っています。
14曲目"Brace Yourself(Acoustic Version)"(3:50) 1曲目の曲のアコースティック・ヴァージョンで、HOWIEの弾き語りをアコースティック・ギター1本で収録されています。最近は、このような収録がパターン化されて来ています。
15曲目"Collide(Acoustic Version)"(4:36) このアルバムの最後を締め括るのに相応しい仕上がりのHOWIEの弾き語りによるアコースティック・ヴァージョンです。
11曲歌詞付 スリップ・オン式スリーヴ2重梱包 写真ブックレット ボーナス・トラック付特別盤 (輸入盤) 収録時間:72分22秒 (1時間を越えるメジャー・レーベルからの大作です。このアルバムをリリース以後T.V.出演/ライヴと大忙しのようです)'10年1月15日再更新


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写真  i-TEN / Taking A Cold Look
 ・1983 Epic Records    BFE 38602
 ・2000 Rewind Records    REWIND 55009-2
 ・2013 Sony Music Japan International Inc.    SICP 30017

これぞメロディアス・ロックと言えるアルバム・・・

i-TENは、BILLY・STEINBERG:ヴォーカル/ギターとTOM・KELLY(Ex.FOOL'S GOLD):ヴォーカル/ギター/キーボードを中心とした、このアルバムだけのユニットで、オリジナル盤は、'83年にリリースされました。プロデュースは、FLEETWOOD MACとTOMの在籍していた FOOL'S GOLDのアルバムを手掛けたKEITH・OLSENとTOTOのギター/キーボード/ヴォーカルのSTEVE・LUKATHERです。

1曲目"Talking A Cold Look"(3:56) 少し哀しげなメロディの曲にハイ・トーンによるTOMのヴォーカルと鋭いサウンドのSTEVE・LUKATHERのギターがマッチします。
2曲目"Quicksand"(3:59) ALAN・PASQUAのキーボード・ソロから入る曲で段々と重厚なロックへと展開してします。
3曲目"Alone"(3:59) ご存じシアトル出身のバンドHEARTが '87年に歌い大ヒットさせたシンセとキーボードで奏でられる綺麗なロック・バラードです。
4曲目"Workin' For A Lovin'"(3:20) 楽しくなるようなメロディに小刻みにカッティングされるギターが心地好いポップ調の曲です。
5曲目"Lonely In Each Other's Arms"(4:58) 冷ややかで独特なメロディにリン・ドラムの音色が印象的な曲です。共作者であるALANのアレンジが絶妙です。
6曲目"I Don't Want To Lose You"(3:16) BILLYとTOMのヴォーカルが交互に出てくるストレートなロックです。
7曲目"Time To Say Goodbye"(4:03) 哀しい歌詞をメロディアスなロックのリズムに乗せTOMが切なく歌います。
8曲目"The Easy Way Out"(3:29) ロック"ン" ロールのメロディとリズムにTOMのヴォーカルが冴える曲です。
9曲目"I've Been Crying"(3:46) BILLY、TOM、ALAN、STEVEの4人で書いた曲で、これぞメロディアス・ロックと言える曲です。
10曲目"Pressing My Luck"(3:44) STEVEのギター・ソロが大きくフューチャーされたミディアム・テンポのロックです。

このアルバムでのバック・メンバーは、前出のミュージシャンの他、DAVID・PAICH:キーボード、STEVE・PORCARO:シンセサイザー、RICHARD・PAGE:バック・ヴォーカル、MIKE・BAIRD:ドラム、DENNIS・BELFIELD:ベース、CHAS・SANDFORD:ギター、LENNY・CASTRO:パーカッション、PEGGY・SANDVIG:キーボードの有名ミュージシャンが参加しています。
本作発表後TOMは、ヴォーカルで他のミュージシャンのアルバムに参加した後、2人は他のアーティストの為に作曲活動に入りました。
・全10曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤)
・歌詞無し 写真ライナー CD盤 (輸入盤)
・全10曲歌詞/訳詞付 24ページ物ブックレット 限定紙ジャケットBSCD2仕様 (国内盤) 収録時間:38分35秒 (今から30年以上前、少しだけ輸入盤を置いている地元の小さなレコード屋でひっそりと置いていたこのアルバム、見つけて嬉々として当時購入しました。2000年にSony Music Special ProductsとしてCD化されましたが、残念ながら極端に品薄状態です。追:'09年U.K.のRock CandyレーベルよりCD化再発売されたもよう!)'13年7月17日再更新
1983年度ベスト5


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写真  IAN MATTHEWS / Some Days You Eat The Bear
 ・1974 Elektra Records,Mfg.    ELEKTRA 75078

イアンの優しい歌声とギター・・・

このアルバムは、イングランド出身のS.S.W.IAN・MATTHEWSの '74年に本国でリリースされた6枚目(FAIRPORT CONVENTION, SOUTHERN COMFORT名義は含まない)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、IAN・MATTHEWS:ヴォーカル/ギター/プロデュース、DANNY・WEIS:ギター、ROBERT・WARFORD:ギター、JOEL・TEPP:ハーモニカ、JAY・LACY:ギター、STEVE・GILLETTE:ギター、ANDY・ROBERTS:ギター、JEFF "SKUNK" BAXTER:ギター/ペダル・スティール、DAVID・LINDLEY:ラップ・スティール、B.J.COLE:ペダル・スティール、DAVID・BARRY:キーボード、MICHAEL・FONFARA:キーボード、BILLY・GRAHAM:ベース/フィドル、DAVID・DICKEY:ベース、WILLIE・LEACOX:ドラム、TIMI・DONALD:ドラム、DANNY・LANE:ドラム、LYN・DOBSON:サックス、AL・GARTH:アルト・サックスなど一部有名ミュージシャンが参加しています。

1曲目"Ol' '55"(3:12) THE EAGLESやSARAH・McLACHLANもカバー収録しているTOM・WAITS '73年のデビュー・シングル曲です。このアルバムでのアレンジは、同年にリリースされたTHE EAGLESの[On The Border]に収録されている"Ol' '55" と同様にペダル・スティールの音色を使ったフォーク/カントリー調のサウンドが流れる古き良き50年代を偲ばされる内容となっています。
2曲目"I Don't Wanna Talk About It"(3:48) この曲も多くのミュージシャン達にカバーされているNEIL・YOUNGのバック・バンドCRAZY HORSEのDANNY・WHITTENが '71年に書いた曲です。途中より登場するDANNY・WEISのアコースティック・ギターによる心地好いギター・ソロが印象的ですね。
3曲目"A Wailing Goodbye"(2:52)この曲は、IANのオリジナル曲です。前の曲と同一メンバーによる収録となっていてバンド・スタイルとしても息の合った演奏を聴かせるフォーク/ロック調の曲です。
4曲目"Keep On Sailing"(4:37) ペダル・スティールの演奏は、イギリスで活躍していた時からの馴染みのB.J.COLEが参加しているFAIRPORT CONVENTIONでのスタイルに似た少し影を持ったIANの歌声と張のある弦の響きを聴かせるROBERT・WARFORDのアコースティック・ギターの調べとの融合が素晴らしい。
5曲目"Tried So Hard"(3:00) 当時、THE FLYING BURRITO BROTHERSのアルバムの為にGENE・CLARKが '71年に書いた曲です。GENEが在籍していたTHE BYRDSやTHE FLYING BURRITO BROTHERSのようなライヴでの演奏やカントリー・ダンスに向いた明るいサウンドが流れています。
6曲目"Dirty Work"(2:53) '72年のSTEELY DANのアルバム[Can't Buy A Thrill]に収録されているDONALD・FAGEN、WALTER・BECKERのコンビによる曲です。STEELY DANとしては、少し大人しい目の曲をカバーしているIANの選曲が興味を引きます。後半よりの洗練されたメロディ・ラインや凝ったアレンジは、やはりSTEELY DANの曲ですね。
7曲目"Do I Still Figure In Your Life"(2:51) 60年代にロンドンで活躍していたポップ・グループHONEYBUSのPETER・DELLOが '67年に書いてシングル曲としてヒットさせた曲です。しっとりとした流れに深く刻まれるDAVID・LINDLEYの力強いラップ・スティールの響きがくっきりと刻まれています。
8曲目"Home"(3:12) ハーモニカの明るいサウンドがイントロから響くフォーク・スタイルのIANの書いた曲です。ギター片手に心地好くまた、優しく歌うIANの歌声のバックに響くJEFF "SKUNK" BAXTER(STEEY DAN,THE DOOBIE BROTHERS )の巧みな演奏によるペダル・スティールの調べの広がりが素晴らしいのです。
9曲目"Biloxi"(4:18) ルイジアナ出身のS.S.W.JESSE・WINCHESTER '70年のデビュー・アルバムに収録されている曲のカバーです。この曲でもその特徴的なサウンドを放つDAVID・LINDLEYの力強いラップ・スティールの調べが印象的です。尚、曲名の"Biloxi" とは、ミシシッピ州の南に位置するメキシコ湾に面した観光地です。
10曲目"The Fault"(3:00) 切なく響くアルト・サックスの調べとIANのセルフによる重厚なコーラスとが響き合う繊細なメロディを持った曲です。ジャジーなサックスの調べと不協和音を奏でるアコースティック・ギターによる前衛的なサウンドの要素も持った響きです。
全10曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:33分43秒 (現在は、IAIN(オリジナル スペル)・MATTHEWSとしてソロ活動、またMATTHEWS SOUTHERN COMFORTとしても再活動を行っているようです)'13年3月24日更新


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写真  IAN MATTHEWS / Walking Changing Line
 ・1988 Windham Hill Records    WH-1070

IAN音楽界カムバック・・・

このアルバムは、イングランド出身で、このアルバム・リリース時には、テキサスのオースチンで活躍していたS.S.W.IAN・MATTHEWSの '88年に本国でリリースされた13枚目(多分?)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、IAN・MATTHEWS:ヴォーカル/ギター/プロデュースの他、FRED・SIMON:シンセサイザー/キーボード、OSAMU・KITAJIMA:シンセザイザー/キーボード/琴、VAN・DYKE・PARKS:シンセサイザー/ピアノ、HARLAN・COLLINS:シンセサイザー/パーカッション、MARK・HALLMAN:シンセサイザー/ベース/ギター/バック・ヴォーカル/プロデュース、PAUL・HERTZOG:シンセサイザー/パーカッション、PATRICK・O'HEARN:シンセサイザー/ベース、RAY・NEAPOLITAN(OHIO KNOX):ベース、ELIZA・GILKYSON:バック・ヴォーカルのシンセサイザー奏者が多く参加しています。
尚、このアルバムの収録曲は、1曲目以外全てピッツバーグ出身のS.S.W.JULES・SHEARの曲または、他のミュージシャンに提供された曲のカバー集となっています。

1曲目"Dream Sequence"(1:58) このアルバム購入当時、A面の1曲目にレコードの針を落とし飛び出して来たその音に非常に驚いた曲です。それまで電子音楽やシンセザイザーの音とは、全く無縁だったIANのアルバムからそれも1曲目のイントロから大胆にも広がって来たのですからね。FRED・SIMON作曲と彼のシンセサイザーの演奏でのインストゥルメンタルです。
2曲目"Stand Still"(6:00) 1曲目のインストゥルメンタルが終了してからの久しく聴くIANの歌声でやっぱりIANのアルバムだなと確信もし、この人の歌声は本当に美しいピュアな歌声をしていると再認識させた曲でもあります。ギブソンのアコースティック・ギターによるブロンズ弦の響きとバックに広がるローランドD-50の響きの美しいこと。
3曲目"Except For A Tear"(4:46) イントロから奏でられる琴の調べが東洋人にとって逆に違和感を覚えるのですが、間奏で奏でられるOSAMU・KITAJIMAの琴の演奏は、非常にマイルドな仕上がり適度なドライさがあり西洋音楽との融合が非常に上手くブレンドされていることに気付かされます。
4曲目"Following Every Finger"(3:52) この曲は非常にIANの過去の音楽と共通性を感じさせるポップな仕上がり持つMATTHEWS風の曲です。前半にシンセサイザーの曲を多く収録したのをこの辺でバランス良くする為の意図かどうか知らないですが、美しいハーモニーとシンセサイザーを使っていますが、アコースティック調にしたサウンドをしっかりと持っています。
5曲目"Alive Alone"(5:54) この曲もIANの持ち味をすんなりと聴かせるアレンジとなった曲です。オリジナル曲は、JULES・SHEARが '81年のJEFFERSON STARSHIPのMICKEY・THOMASのアルバムの為に書いた曲です。
6曲目"On Squirrel Hill"(3:56) 風切音のエフェクトがバックに微かに流れるIANの殆どアカペラによる曲です。後半よりハーモニーを付けたアレンジとなり美しい歌声の調和を聴かせます。余談ですが、ご存じの方も多いと思いますが、"Squirrel"(発音は「スクゥィールかな?」とは動物のリスのことで、私は未だにこの英語の発音が苦手です。
7曲目"Shadows Break"(6:19) この曲も非常にハーモニーが美しく響く曲です。Windham Hillの拘りを感じさせるアコ一スティック・ギターの調べとその収録音も美しく感じます。
8曲目"This Fabrication"(4:38) イントロのシンセザイザーの演奏とプレリュード部分の作曲は、FRED・SIMONの手による非常に優雅さを感じるメロディとサウンドです。歌の部分に入っても穏やか流れ落ち着いた雰囲気を感じさせるIANです。
9曲目"Lovers By Rote"(3:31) この曲はアコースティック・ギターのサウンドがメインとなって組み立てられたアレンジを感じます。随所に流れるギミックなギターのリフ群と後半より登場するギブ兄弟張りにファルセットで聴かせるIAN達です。
10曲目"Only A Motion"(3:32) 木の葉が舞い落ちる秋の情緒を感じるようなメロディとサウンドを聴かせる曲です。前の曲でも聴かせたファルセットでのハーモニーと近年は、JAZZシーンで活躍しているRAY・NEAPOLITANのどっしりと響くアップライト・ベースが素晴らしいです。
9曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:42分58秒 (このアルバムをリリースする前まで音楽シーンより暫く離れていたIANですが、このアルバムのリリース同時にN.Y.でもライヴを行ったようです)'12年1月9日更新


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写真  ISAAC SYMONDS / Rain Spirit
 ・2012 Visual Records Ltd.    6 2096999188 3

HALF MOON RUNの4人目・・・

このアルバムは、カナダのバンクーバー島で活躍していた(現在はケベック)S.S.W.ISAAC・SYMONDSの '12年5月2日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
アルバムの収録曲全ての演奏/ヴォーカルは、ISAACが多重録音により行っています。
10代の頃より音楽活動を続けていたISAACは、地元のハード・コア・パンク・バンドなどで活動しながら20歳の時、自宅に設けたスタジオにて本アルバムを制作しています。
尚、ISAACは、'12年の9月頃からケベックで活躍中のインディー・ロック・バンドHALF MOON RUNのツアー・ミュージシャンとして同行して現在、ケベックに移り住み正式メンバーとなっています。

1曲目"Highway"(2:59) イントロからギターのサウンド好きには堪らない魅力を感じさせる曲です。清らかなISAACの歌声とギターの刻み音がとても気持ち良く感じます。
2曲目"Back Into The Night"(3:27) この曲も美しいギターの爪弾き音が響く曲です。これまた美しいISAACの歌声が響きくのは、バンクーバー島の環境から来るものなのでしょうか。
3曲目"Collapse"(3:36) 今度は、アコースティック・ギターによる穏やかな調べの曲です。ISAACが1人こつこつと演奏を重ねながら制作されたビデオもアップされています。
4曲目"Gone"(3:11) 均整の取れたISAACのアカペラから入る曲です。アップライト・ピアノの落着いた調べとバックに響くコーラスとこの曲も書き上げから収録に至るまでISAACの手塩に掛けた様がうかがえます。
5曲目"Touch The Sky"(2:37) 今度は少しアップテンポのロック色を増して来た曲の登場です。テンポもメロディもサウンドも好い感じに流れて来ます。
6曲目"Listen Up"(2:46) ブラシで払うドラムのビートにアコースティック・ギターの美しい爪弾きを重ねたこの曲もメロディアスな曲です。幾重にも重ねたギターの調べが心地好く流れて来ます。
7曲目"What Is To Give Up ?"(2:45) 今度は、シンプルなサウンドによる牧歌的な感じの曲です。HALF MOON RUNに加入後にもマンドリンなどを担当しているISAACですが、このような曲が彼らに認められたからでしょうか。
8曲目"What Are You Waiting For ?"(2:37) 今度も牧歌的な曲ですが、ちょっと雰囲気を変えて来たハーモニカのサウンドをアクセントに使っています。この曲は、どちらかと言うとカナダ的よりもアメリカのS.S.W.の曲のようですね。
9曲目"It’s Alright"(3:15) 「きっと上手く行くよ」と優しく歌うISAACの歌声が耳に心地好い曲です。他のビデオでも映っていたのですが、セミ-アコースティック・ギターをチェロのように立てて弓で弾いてチェロに見立てたサウンドがこの曲にも流れています。
10曲目"On Top Of The World"(3:49) バックで爪弾かれる美しいギターの調べに重ねられたアップライト・ピアノの調べが立ち昇る聴き応えのある曲です。この曲の持つ繊細感と緊迫感が堪りません。
11曲目"Dance In The Rain"(2:29) 今度はちょっと方向を変えて来たラテン系のバラードです。アコースティック・ギターの爪弾きに民族楽器多分シャンベかな、独特の打撃音がコミカルさを持って響きます。
12曲目"All Nights End"(2:48) このアルバムを購入したファンの書き込みにお気に入りとなっているアルバムの最後の曲です。ISAACの優しい歌声と彼のギターの爪弾きによって夜更けのサウンドと共にアルバムは終焉と向かって進みます。
歌詞無し ライナー無し 2折紙ジャケット仕様 カナダ製 (輸入盤) 収録時間:36分19秒 ('13年のHALF MOON RUNのデビュー・アルバムから知ったこのISAAC、ソロ時代でも良い感じのアルバムを残しています)'14年10月8日更新
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写真
(ISAACに頼んでサイン入りとしてもらった盤です、
ジャケットと同色のボールペン書きの為、照りで撮影)


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写真  IVY / Realistic
 ・1995 seed records    14253-2

ギター・ポップなサウンド達・・・

このアルバムは、N.Y.で活躍しているロック・バンドIVYの '95年2月14日に本国でリリースされたデビュー・アルバム('94年のEP[Lately]は含まない)です。
IVYのメンバーは、DOMINIQUE・DURAND:ヴォーカル/プロデュース、ADAM・SCHLESINGER:ベース/ギター/キーボード/ドラム/プロデュース、ANDY・CHASE:ギター/キーボード/プロデュースの3人です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JULIUS・KLEPACZ(ULTRA VIVID SCENE):ドラム、KURT・RALSKE:スライド・ギター/ストリングス・アレジンジ/プロデュースの少人数での収録です。

1曲目"Get Enough"(2:41) 非常にシンプルなギター・サウンドとコード進行によるギター・ポップな曲です。イントロから掻き鳴らされるギター1本のサウンドに促されて仕方なしに登場するシャイな雰囲気を感じさせるDOMINIQUEの歌声ですね。
2曲目"No Guarantee"(3:06) 今度は、少しテンポを上げて来た前半のギター・サウンドやメロディの流れなど初期のTHE SMITHみたいな感じのする曲です。テンポ良いリズムの流れを醸し出すドラムやコンガのビートも心地好く響きます。
3曲目"Decay"(3:53) イントロでの浮遊感漂うサウンドの響きやこの心地好いスローなリズムの流れや美しいメロディ・ラインは、後の好アルバムの収録曲に多く聴かれるIVYの持つ雰囲気をイメージさせます。また、間奏で響くADAMのギターも非常に感じ好いのです。
4曲目"15 Seconds"(3:35) この曲も感じ好い響きと流れ持っていますね。やっと登場したフランス語訛りを強調したDOMINIQUEの歌声は、やっぱりIVYならではの真骨頂で、この歌声を楽しんで聴いているのは、私だけ?
また、この曲では、バックの男性陣もコーラスに参加し、歌の部分も厚みを増しています。
5曲目"Everyday"(3:45) ガレージ・ロックに反して勝手に名前を付けたらリビング・ルーム・ロックと呼んでいいじゃないかと思うソフトで穏やか流れとサウンドを聴かせる曲です。ソファに座りながらアコースティック・ギターを奏でながら仲間とその場にある品々を叩いてビートを付けながら女の娘が歌うそのようなイメージが伝わって来ます。
6曲目"Point Of View"(4:24) 業とメロディの起伏を抑えながら展開させる前半のサウンドからセルフで付けたDOMINIQUEの歌声のバック・ヴォーカル部をループで回した後半へ流れが素晴らしいメロディアスな曲のイメージもこれからのアルバムに繋がる物を感じますね。
7曲目"Don't Believe A Word"(2:48) 元気さや若さ溢れるギター・ポップなサウンドの曲です。バックでキャッチーなギター・コードの進行でギターを操る男性2人の前に立ち1人歌う女性ヴォーカルのバンドそのもとと言う感じが伝わってきますね。
8曲目"Beautiful"(2:32) 収録前のDOMINIQUEの何か呟きが入ったギター・サウンドを目一杯聴かせた曲です。ADAMが用意したFOUNTAINS OF WAYNE用の曲をDOMINIQUEが歌ったらこのような感じですかね。
9曲目"Shallow"(3:33) このキーボードのサウンドは、正にIVYを代表する調べですね。アコースティック・ギターのサウンドに重ねたこのメロウで溶けそうなキーボードの調べをDOMINIQUEの歌声と共に暫し楽しむことにします。
10曲目"In The Shadows"(4:19) IVYの魅力と言えばこのADAMのギミックな"シブイ" ベースのリフを聴かせるところもあるのです。シンプルなメロディとサウンドのこのような曲では、特に際立って聴かせ、ANDYのギターも乗りが良いでしょうね。
11曲目"Dying Star"(3:46) アコースティック・ギターのサウンドを基調とした不思議な雰囲気を醸し出す曲です。浮遊感漂う揺れを持ったサウンドに呟くように歌うDOMINIQUEの歌声が似合います。
12曲目"Over"(6:34) Lo-Hiなサウンドを奏でるギター1本での演奏をバックに歌うか細いDOMINIQUEが堪らない曲です。このアルバムがリリースされた当時のスウェディッシュ・ポップ・ブームの曲に通じるところが興味深いです。後半からメロウなサウンドの流れに登場するKURT・RALSKEのスライド・ギターが本当に光っていて素晴らしいのです。
歌詞無し 写真ライナー U.S.製 (輸入盤) 収録時間:45分04秒 (以前アップしたIVYのアルバムでも書いたのですが、フランスから英語の勉強でN.Y.に来たDOMINIQUEがバンドに入りCDを出してツアーに出るとは夢にも思わなかったでしょうね)'13年2月17日更新


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写真  IVY / Apartment Life
 ・2003 Unfiltered Records    UNF-005

F.O.W.のサイドユニットのように・・・

ニューヨークで活躍するIVYの2枚目のアルバムでオリジナル盤のリリースは'97年です。このアルバムは '03年にリマスターされた再発売品です。
このアルバムの収録に参加してるミュージシャンは、DOMINIQUE・DURAND:ヴォーカル/プロデュース、ADAM・SCHLESINGER:ベース/ギター/キーボード/ドラム/プロデュース、ANDY・CHASE:ギター/キーボード/プロデュースの他、JODY・PORTER:ギター、DEAN・WAREHAM:ギター、STANLEY・DEMESKI:ドラム、MIKE・DAVIS:トロンボーン、CHRIS・BOTTI:トランぺット、ALAN・P.RUBIN:トランぺット、LLOYD・COLE:アディショナル・プロデュース、PETER・NASHEL:アディショナル・プロデュース、JAMES・IHA(井葉吉伸)ギター/ヴォーカル、JACQUI・CARRASCO:ヴァイオリン、RALPH・FARRIS:ヴァイオリンのN.Y.のミュージシャン達です。
尚、このIVYは、F.O.W.(FOUNTAINS OF WAYNE)のサイドユニットのように思われていますが、音楽活動はIVYのほうが長いのです。

1曲目"The Best Thing"(3:39) イントロのキーボード(KORG?) の柔らかいサウンドを追いかけるように登場するエッジの効いたギターのサウンドによるポップでリズミカルな曲です。少しお国訛りのあるDOMINIQUEのヴォーカルがご愛嬌です。
2曲目"I've Got A Feeling"(3:02) 打ち込みのリズムを使ったやはりポップさ溢れる曲で,間奏で美しく響くKORGのサウンドが印象的な曲です。英語の勉強の為に渡米して来たDOMINIQUEも英語で歌を歌わされてCDを発売されるとは夢にも思わなかったでしょうね!
3曲目"This Is The Day"(3:32) この曲も純粋にポップさ追求したサウンドによる曲で,打込みを使ってのホーンのサウンドと掻き鳴らされるギターのサウンドでの曲です。
4曲目"Never Do That Again"(3:32) ゆったりしたリズムと美しいメロディによる浮遊感を漂わせた曲です。DOMINIQUEの優しい歌声とバックに流れる打ち込みのリズムが非常に印象的な美しい曲です。
5曲目"I Get The Message"(3:14) 何故かスウェディッシュ・ポップの雰囲気をもった曲で,ハモンドのサウンドもヨーロッパ調の響きに聴こえてきます。フランス語訛のDOMINIQUEの歌声だからでしょうか。
6曲目"Baker"(3:52) スローなリズムによる短い歌詞を持った殆どインストゥルメンタルに近い曲です。"イケメン" トランペッターのCHRIS・BOTTIの雰囲気もののトランペットのサウンドが非常に印象に残る曲です。
7曲目"You Don't Know Anything"(3:43) 歪ませたギターのサウンドによるにポップなナンバーです。バックのキーボードと打ち込みはIVYらしいエッジ感とソフトさを上手く融合させた巧みなアレンジです。
8曲目"Ba Ba Ba"(3:23) 少し遊び心でANDYがさらっと作った感じの曲です。シンプルなメロディのギターコードにその時に閃くままにDOMINIQUEと歌詞を連ねた感じの曲です。S.S.W.本来はこのスタイルが一番でしょうね。
9曲目"Get Out Of The City"(3:09) アップテンポのドラムのタイトなビートによる元気一杯の曲です。DOMINIQUEのウィスパーな歌声をスキャットにした掛声的なフレーズがこの曲をより新鮮にしています。
10曲目"These Are The Things About You"(3:01) 感情を廃した打ち込みのリズムと淡々と歌うDOMINIQUEの歌声とバックを担う男性陣のリズムとアコースティックのメロディとリズミカルなアレンジの曲です。
11曲目"Quick,Painless And Easy"(4:14) アシッド感を持たせた打ち込みのリズムとサウンドによるキーボードのサウンドを基本の乗りの良いビートとグルーヴを持った曲です。
12曲目"Back In Our Town"(4:45) ゆったりしたアコースティック・ギターのサウンドから入る曲で、ADAMのベースのサウンドが最高の曲です。この曲の共作者であるバック・ヴォーカルのJAMESの歌声の非常に雰囲気が有っていいですね。この曲のサウンド・スタイルは次の作品[Long Distance]で開花します。
歌詞無し 写真ライナー HDCD仕様 (輸入盤) 収録時間:43分09秒 (F.W.O.の人気の影に隠れてしまった感のあるIVYですが、ANDYとADAMとDOMINIQUEは素晴らしい曲達を届けています)'10年1月16日再更新


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写真  IVY / Long Distance
 ・2000 Unfiltered Music    EAST WEST JAPAN AMCY-7210

前作より洗練されたこのアルバムは良いですネ・・・

IVYの3枚目のアルバムで前作[Apartment Life] '97年より3年ぶりの2000年11月8日、国内でのリリースです。このアルバムにもJAMES・IHAが9曲目にギターで参加しています。本国アメリカでは半年遅れてリリースされていますので、このIVYは、日本での認知度もアップしているようです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DOMINIQUE・DURAND:ヴォーカル、ADAM・SCHLESINGER:ベース/ギター/キーボード/ドラム/プロデュース、ANDY・CHASE:ギター/キーボード/プロデュースの他、ERIC・MATTHEWS:トランペット、JAMES・IHA:ギター、JON・SKIBIC:ギター、BRIAN・YOUNG:ドラム、VALERIE・VIGODA:ヴァイオリン、MICHAEL・HAMPTON:ループ/サンプリング、JEREMY・FREEMAN:ループ/サンプリングと曲により副プロデューサーとしてPETER・NASHEL(DUNCAN・SHEIK,CHRIS・BOTTI)のN.Y.勢のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Undertow"(4:21) ERIC・MATTHEWSのトランペットのサウンドで幕が開く少し気だるさの有るギターとメロディによる曲でこれまたやる気無しDOMINIQUEのヴォーカルが逆にクールでいい感じです。
2曲目"Disappointed"(4:24) 特徴的なギターのサウンドと淡々と流れるシーケンスによるリズムの曲です。DOMINIQUEのやや処理されたヴォーカルによる女心を歌った曲です。
3曲目"Edge Of The Ocean"(4:25) 打込みによるリズムセクションと美しいメロディと適度の空間処理とDOMINIQUEの浮遊感漂うヴォーカルが魅力的です。
4曲目"Blame It On Yourself"(4:05) 作者のANDYも驚いたと言うADAMの"シブイ" ベース・ラインによるアップテンポなナンバー。歪ませたギターのサウンドとストレートのサウンドのカッティング・ギターが交差する最高の曲です。
5曲目"While We're In Love"(4:36) フランス映画のサントラのようなこのメロディにDOMINIQUEの歌声は本当に一番似合います。ウィスパー・ヴォイスによるDOMINIQUE の歌声が何故か秘密めいて妖艶に響く曲です。
6曲目"Lucy Doesn't Love You"(3:57) 掻き鳴らされるギターとホーンのサウンドによるポップなリズムによる曲で「ルーシーは貴方を愛していない」と歌われる映画のサウンドトラック/TVに為に用意された感じの曲です。
7曲目"Worry About You"(3:58) ナイロン弦ギターによるイントロに乗せて歌うDOMINIQUEの気だるそうなアンニュイ歌声とボサ・ノヴァチックなリズムに被せたドラムシーケンスと幻想的で冷ややかなサウンドでの曲です。
8曲目"Let's Stay Inside"(4:19) この曲ナイロン弦ギターによる爪弾きとゆったりと流される落着いたリズムによるボサ・ノヴァです。間奏での若手ERIC・MATTHEWSのトランペットの響きが都会的でいいですね。
9曲目"Midnight Sun"(5:27) ドラムシーケンスとDOMINIQUEのスキャットによるイントロからギター、ベース、キーボードとサウンド豊かに奏でられる曲です。ワウワウによるギターはJAMES・IHAでしょうか。ヘッドホーンで深夜に聴くと頭の中でサウンドがグルグル回ります。
10曲目"I Think Of You"(4:01) 大好きな曲で何度聴いてもイントロだけで鳥肌の物です。単調なリズムの曲ですが、後半に連れて登場する各楽器の活き活きとしたサウンドと3人による歌と最高の演奏です。
11曲目"Hideaway"(4:09) 後半は、取分け良い曲の目白押しです。ゆったりしたリズムによるキーボードの切ない響きとアコースティックによるメロディアスなバラードです。間奏のトランペット風キーボードのメロディが最高です。
12曲目"One More Last Kiss"(5:00) この曲もイントロのアコースティック・ギターのサウンドだけでノックアウトされました。優しく響くDOMINIQUEの歌声と遠くで響くギターの残響音の美しい曲です。本当に良い曲のラッシュ・アワーです。
13曲目"Digging Your Scene(Bonus track)"(3:41) U.S.盤にも収録されているU.K.ブルー・アイド・ソウル・グループTHE BLOW MONKEYSの '86年のヒット曲です。当時のMTVのビデオでは、ROBERTがスーツ姿でカッコ良く歌っていました。この曲を含みIVYのカバーする曲の選曲は、素晴らしい物が多いです。
14曲目"It's All In Your Mind(Bonus track)"(2:21) 2分半程度の打ち込みによるインストゥルメンタルにDOMINIQUEのヴォーカルのサンプルを使ったアンビエント/エレクロニカです。
13曲歌詞/訳詞付 28ページ物ブックレット ANDYの曲コメント付 初回限定3折デジパック仕様 (国内盤) 収録時間:58分51秒 (このアルバムの後DOMINIQUEは出産の為活動を'05年まで停止します。次回はカバー曲集です)'10年1月16日再更新
2000年度ベスト5


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写真  IVY / Guestroom
 ・2002 Unfiltered Music    TECI 24150

オルタナ系の名曲をもカバー・・・

このアルバムは、N.Y.で活躍しているIVYの4枚目のアルバムで全曲カバー作品での収録となっています。一部の曲は、過去のアルバムやボーナス・トラックからの再収録となっていますが、バラエティーに富んだオルタナ系の名曲をもカバーしています。ヴォーカルのDOMINIQUEが音楽活動休止中の '02年12月18日の国内でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DOMINIQUE・DURAND:ヴォーカル、ADAM・SCHLESINGER:ベース/ギター/キーボード/ドラム/プロデュース、ANDY・CHASE:ギター/キーボード/プロデュースの他、GARY・MAURER:マンドリン/プロデュース、MARTY・BELLER:ドラムの少人数での収録です。

1曲目"Let's Go To Bed"(4:16) 張りのある金属弦の響きの長いイントロに誘われるように歌い出すDOMINIQUEの訛のある歌声によるTHE CURE '82年のヒット曲です。バックで響くギターのサウンドとクールな打込みのリズムとメロディにADAMのベース・ランニングがこれまた"カッコ" 良いのです。
2曲目"Kite"(3:13) NICK・HEYWARD '93年のソロ・アルバム[From Monday To Sunday]に収録されている曲です。マンドリンの特徴的なサウンドとギターの刻み音が交差するブリティッシュ・ギター・ポップです。ブリティッシュ・サウンド・フリークのIVYらしい選曲です。
3曲目"Say Goodbye"(3:40) 同じレーベル仲間のPAPAS FRITASの '97年の作品です。エレクトロニカ打込みによるリズム・セクションとグルーヴ感のあるところはIVYと非常に共通します。黙って聴いているとIVYのオリジナル曲と言われても分からないでしょう。
4曲目"Streets Of Your Town"(3:37) お馴染みの曲の登場です。オーストラリアのTHE GO-BETWEENS '88年のラスト・アルバムからのヒット曲です。少しアップテンポにより軽く仕上げたアレンジでギター・サウンドも心地好く響くナンバーです。
5曲目"I Don't Know Why I Love You"(2:48) U.K.のTHE HOUSE OF LOVE '90年の曲です。アコースティック・ギターのサウンドをたっぷりと収録したサウンドにさり気ないキーボードの音色を被せてあっさりと仕上げたアレンジでの収録です。
6曲目"Only A Fool Would Say That"(3:00) STEELY DAN '72年[Can't Buy A Thrill]に収録されている曲です。STEELY DANらしいパーカッシヴなリズムと華麗な変調とギミックなキーボードのメロディは、オリジナル曲のなせる業です。
7曲目"Digging Your Scene"(3:40) U.K.ブルー・アイド・ソウル・グループTHE BLOW MONKEYSの '86年のヒット曲です。ご機嫌なリズムと遮の掛かったDOMINIQUEの歌声とハーモニュームのチープなサウンドもご機嫌です。
8曲目"L'Anamour"(2:36) この曲の選曲は、DOMINIQUE自身でしょうね。フランス語で歌われるSERGE・GAINSBOURG '69年の曲で、収録の最後ではライヴ音源のように3人の喜びの声も録音されています。
9曲目"Be My Baby"(4:41) THE RONETTES '63年の大ヒット曲でオリジナル曲よりスローにしたドラムシーケンスを使ったアレンジです。作詞作曲は、当時に多くのヒット曲を残しているELLIE・ GREENWICH、JEFF・BARRY、PHIL・SPECTORのトリオ。
10曲目"I Guess I'm Just A Little Too Sensitive"(4:12) 永い間廃盤状態だった '94年IVYのインディースでのデビューEPに収録されている曲です。オリジナルは、グラスゴー出身のORENGE JUICE '84年のラストアルバム[The Orange Juice]に収録されています。
11曲目"Let's Go To Bed(Hawaii 82 Remix)"(4:06) 国内盤ボーナス・トラックでハワイのFM局のサウンドを加えたようなアレンジと打込みを多用してアップデートとしています。
12曲目"Cruel"(4:26) 国内盤ボーナス・トラックのハイライトは、やはりこの曲でしょう。PREFAB SPROUT '84年のデビュー・アルバム[Swoon]の収録曲。アコースティック・ギターのサウンドに乗せたDOMINIQUEのすこし切ない甘酸っぱい歌声によるメランコリックなナンバー。
10曲歌詞/訳詞付 24ページ物ブックレット 3折デジパック仕様 (国内盤) 収録時間:44分21秒 (選曲のセンス良さとバラエティーに富んだ曲の数々です。アルバムタイトルは3人が招いたオリジナル曲のミュージシャン達を迎える為のゲストルームのように思えます)'10年1月26日再更新


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写真  IVY / In The Clear
 ・2005 Nettwerk America LLC    0 6700 30398 2 6

3年ぶりのアルバムです・・・

前作より3年ぶりのアルバムです。 前作が全曲カバー作品だったので実際、新曲のアルバムとしては '00年の[Long Distance]以来5年ぶりの新作で '05年3月のリリースです。 このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ADAM・SCHLESINGER:ベース/ギター/キーボード/ドラム/プロデュース、ANDY・CHASE:ギター/キーボード/バック・ヴォーカル/プロデュース、DOMINIQUE・DURAND:ヴォーカルのIVYのメンバーの他、JODY・PORTER:ギター、JAMES・IHA:ギター、STEVE・OSBORNE:キーボード/ギター/副プロデュース、JEREMY・ADELMAN:トランペット、LAURA・USISKIN:チェロ、EMILY・YAFFE:ヴィオラ、MONICA・DAVIS:ヴァイオリン、SARAH・KISHINEVSKY:ヴァイオリン、ZÉ・LUIS:ストリング・アレンジ/指揮、SCOTT・McLOUD:バック・ヴォーカルのN.Y.のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Nothing But The Sky"(5:12) ベースとエレクトリック・ピアノによるゆったりとした浮遊感漂うメロディとサウンドの曲でDOMINIQUEのヴォーカル部分があまり多くなくインストゥルメンタルに近い感じです。
2曲目"Thinking About You"(4:13) IVYとF.O.W.の得意とする乗りの良いポップ・ギター・サウンドで、JOHNNY・MARR(Ex.THE SMITH)のサウンドに似た曲です。IVY のアルバムでよく登場するADAM・SCHLESINGERのかっこいいベース・ラインによるソロが堪りません。
3曲目"Keep Moving"(4:43) [Long Distance]での楽曲の雰囲気を引き継いだ打ち込みによるサウンドとDOMINIQUEのフランス訛の歌声と幻想的な雰囲気物でのIVYらしい曲です。
4曲目"Tess Don't Tell"(4:35) アコースティック・ギターによるイントロか絶妙なタイミングでつながるエモ・ギターのサウンド"タップリ" なダンサブルな曲です。
5曲目"Four In The Morning"(5:10) 鳥肌ものシンセ?のサウンドでバックに流れるゆったりした冷ややかで在りながらエモーショナルなリズムに乗せDOMINIQUE が妖艶に歌う曲です。
6曲目"Corners Of Your Mind"(2:49) 一転してリズミカルで楽しいポップ調な曲ANDY・CHASEがさらっと素早く書き上げた感じの良質なポップチューンです。
7曲目"Clear My Head"(3:30) 打ち込みと生の音源を組み合わせた洗練されたメロディによるしっとりとしたエレクトロニカ・サウンドです。
8曲目"I've Got You Memorized"(3:48) ぶっといベースのサウンドとファンクなカッティング・ギターのサウンドによるご機嫌なナンバーでDOMINIQUEのそっけないヴォーカルもまた魅力の1つです。
9曲目"Ocean City Girl"(4:28) ゆったりしたリズムによるIVYらしいシンプルで洗練されたお洒落な曲で間奏でのANDYのヴォルーム・コントロールによるギター・プレイは本当に必聴です。
10曲目"Feel So Free"(4:58) アシッド・サウンドのイントロから入る曲なのですが、ヴォーカル部分ではアコースティック・ギターの調べの乗せ歌うDOMINIQUEハート・ウォームな歌声によるスローなナンバーです。
歌詞無し 12ページ物写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:43分26秒 ([Long Distance] 以降のIVYのアルバムの魅力はDOMINIQUEが参加する事による何処か幻想的で暖かく、柔らかでしかも、しなやかなサウンドが生まれる事だと思います。皆さんはどう思いでしょうか? 尚、このアルバム・リリース後に出演したネット・ラジオ番組KCRWも参考にどうぞ!)'10年1月26日再更新


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写真  IVY / All Hours
 ・2011 Nettwerk Music Group USA    0 6700 30936 2 0

[Long Distance]の再来・・・

このアルバムは、N.Y.で活躍しているロック/ポップ・バンドIVYの '11年9月20日に本国でリリースされた6枚目のアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DOMINIQUE・DURAND:ヴォーカル、ADAM・SCHLESINGER:ベース/ギター/キーボード/ドラム/プログラミング/プロデュース、ANDY・CHASE:ギター/キーボード/プログラミング/プロデュースのIVYの3人ですが、詳しいクレジットの記載がライナーに無い為、3人の楽器担当も過去のアルバムよりの推測にて掲載しています。
尚、追加プログラミングとしてANDY・CHASEと近年コラボとして活躍しているN.Y.のS.S.W. BRUCE・DRISCOLL(BLONDFIRE)が収録に加わっています。

1曲目"Distant Lights"(5:22) '11年6月7日に先行シングル曲としてリリースされた曲です。少し懐かしさを感じさせるシンセ・ポップなサウンドをイントロから聴かせるダンス・ビートの乗りを感じさせます。相変わらず淡々と歌うDOMINIQUEの歌う歌声がバックの無機質さと調和が良いですね。
2曲目"Fascinated"(4:21) この曲も前の曲に続いて同じ路線にいるエレクトロニカ・ポップな曲調を感じる曲です。リズムは少し落として前作の[In The Clear]の延長線にあるサウンドやこれまた登場するADAM・SCHLESINGERの決まったベースのソロが登場します。
3曲目"How's Never"(3:45) この曲は、イントロを聴いた時から '00年の[Long Distance]のムーディな雰囲気を感じさせる曲と思いました。少しだけ奢を掛けたDOMINIQUEの歌声が心地好く伝わって来ます。
4曲目"Suspicious"(3:19) 少しポップ路線に位置を変更して来た軽い乗りを伝える曲です。シンプルなリズムとメロディとで組立てられた聴き易さや歌い易さは、一緒に演奏したりDOMINIQUEと一緒に歌って楽しめそうですね。
5曲目"World Without You"(4:32) この曲も非常にIVYらしいサウンドとリズムを感じさせる曲です。DOMINIQUEのフランス訛りの歌声をメインとした構成にバックのADAMとANDYがサウンド作りを自ら楽しむように制作されたと感じ取れるようです。
6曲目"Make It So Hard"(2:42) アコースティック・ギターで一味ひねったリズミカルな流れを感じる曲です。やはりこの曲でもADAMやANDYが交互にギターで登場しているような「このギターどう?」「じゃあこれは?」と演奏を通じてまるで会話しているように聴こえるのです。
7曲目"I Still Want You"(4:14) もの凄く感じの良い曲の登場です。私をIVYの曲の虜とした前出の[Long Distance]の後半からの同じ素晴らしい穏やかな流れを感じさせます。
8曲目"Everybody Knows"(4:06) このアルバムで聴いていて感じたのですが、前半はシンセ・ポップなプログラミング重視の曲が多く収録されているのですが、この曲などはオーソドックスな楽器と収録によるバンド・スタイルやライヴでの演奏を考えたようなアレンジです。DOMINIQUEの歌声のバックに広がるアコースティック・ギターとベースのサウンドの素晴らしいこと。
9曲目"Lost In The Sun"(3:27) 「ウゥ〜ン」この曲も素晴らしいサウンドとリズムを感じさせます。イントロではアコースティック・ギターのサウンドが登場してこの曲もオーソドックスな路線かなと感じさせたのですが、グイグイとエレクロニカのサウンドへ引っ張って行きます。欲を言えば4分位の長さで収録して欲しかったかな。
10曲目"She Really Got To You"(3:52) この曲もポップな雰囲気を聴き易さをストレートに感じさせる曲です。例えるならアメリカのT.V.ドラマに登場する若者たちのホームパーティでさり気なく掛かるダンス・ミュージックと言う感じかな。
11曲目"The Conversation"(3:02) メルヘンチックなサウンドを聴かせるギターの調べに乗せて優しく響くDOMINIQUEに包まれる曲です。自宅のリビングや子供のベッドの脇に腰かけて優しく歌うようなDOMINIQUEを想像させるような感じがしますね。
歌詞無し 8ページ物写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:42分46秒 (前作をリリースした後、しばらく活動が停止していたこのIVYですが、再び素晴らしいアルバムと一緒に活動を再開しています)'12年3月3日更新


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写真  JAMES GANG / Rides Again
 ・1970 TOSHIBA MUSICAL INDUSTRIES, LIMITED.    IPP-80608
 ・2009 Universal International    UICY-94059
 ・2010 Universal International    UICY-20074

やっぱり名盤です!・・・

このアルバムは、オハイオ州で活躍していたロック・バンドJAMES GANGの '70年10月に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
JAMES GANGのメンバーは、DALE・PETERS:ベース/ギター、JIM・FOX:ドラム/パーカッション、JOE・WALSH:ギター/キーボード/ヴォーカルの3人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RUSTY・YOUNG(POCO):ペダル・スティールが参加し、JAMES GANGの3人と少数(ストリングスの1曲は、JACK・NITZSCHE)による収録です。
尚、プロデュースは、JAMES GANGのデビュー・アルバムから担当しているABC RECORDSのBILL・SZYMCZYK(THE EAGLES,JAY・FERGUSON)が担当しています。

1曲目"Funk #49"(4:06) 当時のロック・アルバムの中の曲名に"#と数字" が付いた曲は、非常にめずらしいと思いましたね。イントロからJOEが目一杯ギターの弦をチョーキングさせる掴みからギターの運指による練習曲よろしくそのままテイクとした様子と思わせます。
2曲目"Asshtonpark"(1:51) レトロなテープエコーを駆使したギターのサウンドにインディアン・ドラム風のビートが流れる実験的なサウンドによるインストゥルメンタルです。
3曲目"Woman"(4:38) DALE・PETERSの重い響きを発するベースのサウンドがイントロから否応なしに突き進むブルースの曲です。作詞/作曲もメンバー3人よる曲らしく演奏の各バランスが非常良い感じですね。多分、当時のリスナーであるアマチュア・バンドは、この曲をコピーして練習に励んだでしょうね。
4曲目"The Bomber"(7:04) 3曲の組曲にて収録されています。
A) "Closet Queen" メンバー3人による作詞/作曲の曲で、ヴォーカルは、JOEです。彼のスライド・ギターのサウンドがふんだんに響いています。
B) "Bolelo" 3分半位を過ぎた辺りから登場するあのRABELのボレロです。JIM・FOXのスネアによる独特のボレロの太鼓のビートに合わせてJOEがギターを奏でます。
C) "Cast Your Fate To The Wind" 最後の2分間位は、アメリカのジャス作曲家VINCE・GUARALDIが '63年に書いたヒット曲です。再び最初のパートへと戻ります。
5曲目"Tend My Garden"(5:39) このアルバムのリリース当時からお気に入りとなっていた曲です。イントロの幻想的なサウンドから続いて登場するDALE・PETERSのベースの官能的な響きが鳥肌物の曲です。レスリーから流れ出るハモンドのサウンドにドラマチックに展開するアレンジも見事としか表現出来ません。
6曲目"Garden Gate"(1:41) 前の曲のアウトロと重なって登場するアコースティック・ギターによるナンバーです。変則チューニングで聴かせる独特のギター・サウンドにギターのボディーを叩くところなど演奏してもギター好きには堪らない魅力があります。
7曲目"There I Go Again"(2:50) 一転して軽めのカントリー/ポップ調の曲の登場です。アコースティック・ギターの美しい響きに重ねられたRUSTY・YOUNGのペダル・スティールの牧歌的な響きと言い"Tend My Garden" の対極に位置するどちらもJOEの書いた曲です。
8曲目"Thanks"(2:20) 今度もアコースティック・ギターのサウンドを部分的に使ったカントリー/ポップ調のJOEのソロやTHE EAGLESの曲に繋がる聴き易さを感じる曲調で、JOEのヴォーカル曲です。
9曲目"Ashes The Rain And I"(4:58) 複数のアコースティック・ギターや12弦ギターのメロディアスで幻想的な調べを聴かせる大作です。1分40秒位で一旦曲が終わるようですが、後半からの盛り上がり方は、JACK・NITZSCHEの荘厳なストリングスの調べと叙情的なアレンジが見事です。その素晴らしさは、NILS LOFGREN / Grin 1+1の収録曲"Soft Fun" でのDAVID・BLUMBERGのオーケストレートと双璧をなします。
・歌詞(紛失の為か不明) LP盤:'70年発売盤 (国内盤) 収録時間:35分05秒
・7曲歌詞/訳詞付 20ページ物解説書 2009年限定2折紙ジャケット仕様 SHM-CD盤 (国内盤) 収録時間:35分11秒
・7曲歌詞/訳詞付 写真ライナー 20ページ物解説書 2010年限定SHM-CD盤 (国内盤) 収録時間:35分11秒
(ジャケットの色も褪せた40年近く前のLP盤を大事に手元に残していた理由は、今聴き直してもやはり名盤だからでしょう!)'11年1月4日更新
1970年度ベスト5


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写真  JAMES GANG / Thirds
 ・1972 ABC/DUNHILL RECORDS    ABCX 721
 ・2009 Universal International    UICY-94060

ハード・ロックではないですよ!・・・

このアルバムは、オハイオ州で活躍していたアメリカン・ハード・ロック・バンドJAMES GANGの '71年に本国でリリースされたアルバム・タイトル通りの3枚目のアルバムです。
JAMES GANGのメンバーは、DALE・PETERS:ベース/ヴォーカル、JIM・FOX:ドラム/キーボード/ヴィブラフォン/ヴォーカル、JOE・WALSH:ギター/ペダル・スティール/キーボード/ヴォーカルの3人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARY・STERPKA:ヴォーカル、THE SWEET INSPIRATIONS(EMILY"CISSY" HOUSTON,ESTELLE・BROWN,SYLVIA・BROWN,MYRMA・SMITH):バック・ヴォーカル、BOB・WEBB:バック・ヴォーカルのアメリカ各地のミュージシャンが参加しています。
尚、プロデュースは、JAMES GANGのデビュー・アルバムから担当しているABC RECORDSのBILL・SZYMCZYK(THE EAGLES,JAY・FERGUSON)とこのアルバムからJAMES GANG自身も行っています。

1曲目"Walk Away"(3:32) JOEの軽快なギターの調べが響くキャッチーな掴みを感じさせる曲です。このバンドを離れてからもソロとTHE EAGLESのライヴでも良く演奏されるJOE・WALSHの代表曲となっています。
2曲目"Yadig ?"(2:32) 一転して心地好く響いてくるラウンジ・ミュージックのようなインストゥルメンタルです。メンバーの3人によって書かれた曲で、JIMのヴィブラフォンにDALEのアップライト・ベースの渋めのサウンドの合間に登場するJOEの溜めを効かせたギター・ソロが堪りませんね。ハードなロック・ミュージックを力技で聴かせるバンドとは一味違った洒落た持ち味を聴かせます。
3曲目"Things I Could Be"(4:18) ドラムのJIMのヴォーカル曲で、作詞/作曲も彼自身が行っています。JOEの硬めの歌声と少し違って柔らかさのある歌声です。レズリーを使ったオルガンのサウンドに乗せてJOEが聴かせるギターのサウンドと逞しさを感じるDALEのベースとの3人のコンビネーションが素晴らしいです。
4曲目"Dreamin' In The Country"(2:59) 一転してアコースティック・ギターによるカントリー調のメロディとサウンドによるベースのDALEの書いた曲で、ヴォーカルも彼自身です。JOEのペダル・スティールに重ねた美しいハーモニーを聴かせるここでほっと一息をつける感じです。
5曲目"It's All The Same"(4:13) 古びたアップライト・ピアノの調べがイントロから流れるJOEの曲です。カンサスで生まれ育ったJOEがTHE BEATLESの音楽に魅せられてミュージシャンを志したと記事の書いていたのを痛切に感じさせるホーン・アレンジと組曲風の戯曲的展開が素晴らしい曲です。
6曲目"Midnight Man"(3:29) 一発でJOEと分かる金属的で溜めを取ったチョーキング奏法によるギター・サウンドと彼特有の粘りある歌声が登場する曲です。途中よりMARY・STERPKA(LACEWING)の柔らかい女性の歌声は響くところもこの曲の魅力でもあります。
7曲目"Again"(4:04) 12弦アコースティック・ギターの美しい響きとオルガンの調べが美しいJOEが少しメランコリックな歌声を聴かせる曲です。サウンドの広がり方、リズムと転調が非常に素晴らしい曲です。
8曲目"White Man / Black Man"(5:38) R&Bによる人種差別をテーマにした曲で、ベースDALE作詞/作曲による彼のヴォーカル曲です。バックに響く女性ヴォーカル隊と共にDALEがその優しい歌声を聴かせます。後半から登場する孤高な響きを聴かせるJOEのギターのサウンドがゴスペルの響きと相俟って切なくも感じるのです。
9曲目"Live My Life Again"(5:25) 再びJOEのヴォーカル曲で、彼の少し鼻に掛かった歌声が切なく響くメロディアス・ロックの登場です。後半からアウトロまでの遠くで響くホーンのサウンドやアレンジなどは、5曲目と非常に似た感じがリプライズ的で興味深いです。
・歌詞無し LP盤:'72年再発売盤 U.S.製 (輸入盤)
・8曲歌詞/訳詞付 2009年紙ジャケット限定 SHM-CD盤 (国内盤) 収録時間:36分13秒 (残念ながらこのアルバムを最後にJOE・WALSHは、JAMES・GANGを離れるのですが、'75年にTHE EAGLESへ加入した時は、本当に驚きました!)'10年12月23日再更新


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写真  JAMIE LIPE / Freedom Comes
 ・2003 Stable Records    33792 48902

エモーショナルな歌声、美しいメロディ、クールなサウンド・・・

このアルバムは、テキサスのサン・アントニオでインディペンデントに活躍しているS.S.W.JAMIE・LIPEのデビュー・アルバムで、'04年4月のリリースです。
収録曲の大半は '00年に制作されていましたが、JAMIE自身が8トラック・デジタル・レコーディング・システムを自宅に装備し、リード・ギターやヴァイオリン以外の殆どの楽器を彼女が演奏し、4年ががりでこのアルバムを制作しました。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JAMIE・LIPE:マルチ・インスルメンツ/プロデュースの他、JON・PATTON:ギター、JODY・LACHMILLER:ギター、JEREMIAH・DEARINGER:ギター、DARCY・RADCLIFFE:ヴァイオリン、GLENDA・EVANS:ヴォーカル/プロデュースの同郷のミュージシャン達です。
JAMIEのCCM的な歌詞の内容は別として全体的なサウンド・スタイルはカリフォルニアで活躍するMAIA・SHARPにも通じるS.S.W.の自作の曲と詞に対する表現力の豊かさとこだわりを感じます。
余談ですが、サン・アントニオには、同じくインディーズ・バンドのSAVING DAWN(こちらも素晴らしいバンドです)のホームタウンでもあります。

1曲目"Midnight"(4:17) イントロから鳥肌が立った曲です。JAMIE の少しスモーキーな歌声と"クール" なドラムのビート曲で、途中からアシッドでサイケな展開も曲にインパクトを与えています。
2曲目"Broken"(3:38) セミ・アコ・ギターの不思議な響きとエモーショナルなJAMIEの歌声によるオルタナ・ロックと呼んで良いでしょう。うねりを持ったリズムとJAMIEの熱い歌声と"クール" なギターのサウンドの調和した"カッコ" 良い曲です。
3曲目"Freedom Comes"(4:15) 北欧的な響きを持った幻想的で透明感のある曲です。切ないメロディを奏でるヴァイオリンと浮遊感のあるキーボードのサウンドと対照的な芯のはっきりしたJAMIEの歌声が心地好い曲です。
4曲目"Overtaken"(5:45) 美しいキーボードの響きが悲しみを誘うようなJAMIEの弾き語りです。パーカッションとベースが加えられ次第にサウンドの厚みを増して行きます。美しいメロディと歌声についつい聴き入ってしまいます。
5曲目"Nothing Less"(5:05) 美しいメロディのピアノによるイントロに続いて登場するドラムのビートとバックで響き渡るギターのサウンドが心地好い曲です。このアルバムは本当に良い曲のオンパレードです。
6曲目"So In Love"(4:26) JAMIEの魂の響きにも似た歌声と囁くように歌われるヴォーカルスタイルを交互に配した曲です。間奏のトランペットの新鮮な響きを持って奏でられています。
7曲目"One Thing"(4:06) アコースティック・ギターの心地好い響きのフォーキーな曲です。一転して非常に優しく癒されるJAMIEの歌声がイントロからアウトロまで美しく印象に残ります。
8曲目"Truth"(5:34) ミドル・テンポのギター・ポップな曲ですが、ピアノのサウンドが心地よい響きを持って流されています。JAMIEの特徴的な歌声は聴く者を何か虜にさせる熱いものを感じさせます。新約聖書5章27「エフェゾ人への手紙」の教えからインスパイアされています。
9曲目"Struggle(5:56) 再び北欧かケルティックのサウンドをイメージさせる曲です。ゆったり流れるキーボードの幻想的なサウンドとヴォイス・ボックスと使ったJAMIEの歌声とギターの心地よい刻み音が本当にご機嫌です。後半でのサウンド展開はワイルドでダイナミックな響きはJAMIEの魂の叫びと言えます。
10曲目"Nothing Less/Truth"(6:29) 前出の同タイトル曲のアレンジ違いを組曲にしています。前半は共同プロデューサーGLENDA・EVANSの非常に美しいカントリー・タッチな歌声です。後半はJAMIEの美しいメロディによるピアノの弾き語りでアルバム最後にリプライズとして収録されて、JAMIEのCCM的な歌詞の内容がピアノに乗せて歌われています。
9曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:49分34秒 ('06年12月現在、JAMIEはヒーリング/アンビエント・アルバム[The Encounter]をダウンロード・リリースしています)'10年1月27日再更新


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写真  JAMIE MYERSON / Jamie Myerson
 ・2004 42 north recordings    8 25346 44482 6

程よいエレクトロニカ・ポップのサウンド・・・

ニュージャージーでインディペンデントとして活躍するマルチ・プレイヤーのJAMIE・MYERSONの多分4枚目のアルバムで、'04年のリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、クレジットの記載が無い為不明ですが、多重録音によるJAMIE・MYERSONの全ての演奏のようです。

1曲目"Wouldn't It Be Nice"(3:33) 長い電子音のイントロに続いて登場するブリティッシュ・テイスト溢れる打ち込みによるサウンドによる曲です。底辺よりうねるリズムとJAMIEの清楚なヴォーカルによる曲です。
2曲目"Long Way Down"(3:41) イントロから繰り出されるエレクトロニカのサウンド、フィンガーピッキングで弾かれるギターのサウンドとシーケンスのサウンドが上手く混ざり合った曲でサウンド的にはベルギーのSTYROFOAMに少し近いエレクトロニカの曲です。
3曲目"I'd Never Come Again"(4:46) 逆回しの幻想的なサウンドを使ったギミックと哀愁感のあるメロディによる曲です。ソリッド感のあるギターのサウンドが曲の逞しさを感じます。
4曲目"Collision Course"(3:46) 80年代のヨーロッパのエレクトロカのバンドに近いサウンドの曲です。打ち込みによるベースのサウンドと躍動的なリズムに幻想的な雰囲気を持っています。
5曲目"Wrong From The Start"(5:34) イントロの哀愁感あるギターのサウンドが最高の曲です。ギターの調べとハーモニーだけの非常にシンプルな美しいメロディの曲です。後半よりのダイナミックな展開は感動させられます。
6曲目"Love Finds A Way(intro)"(4:04) アコースティック・ギターの美しい爪弾きによる落ち着いた曲です。S.S.W.の曲らしい清楚なメロディとJAMIEの歌声による清々しい曲です。
7曲目"Beautifully Corrupt"(3:43) 一転してエモーショナルで重厚な響きを持ったエレクトロニカの曲です。スライド・ギターとアコースティック・ギターを使ったブルースを基調とした曲です。
8曲目"Four Zero East"(5:40) この曲もソリッド感のあるギターのサウンドが印象的なエレクトロニカの曲です。メロディ・ラインとサウンド的には初期のT.F.F.の持つ曲の雰囲気に近いものがあります。
9曲目"The Only Way Out(detail)"(2:38) サウンドトラックのようなインストゥルメンタル曲です。電子音楽のサウンドをたっぷり含んだ曲調にギターのサウンドを乗せた2分半ほどの曲です。
10曲目"Ask"(7:28) ヒーリング・サウンドに近いゆったり流される7分半にもおよぶ曲です。この曲もヴォーカル部分は少なくインストゥルメンタルに近い曲調です。残響を残しながら奏でられるギターのサウンドが素晴らしい曲です。
11曲目"In The Dark"(4:22) アルペジオで弾かれるアコースティック・ギターの弾き語りからダイナミックな展開をみせる曲でアンビエント・サウンドともいえる部分もミックスされた曲です。
歌詞無し 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:49分20秒 (サウンド・ミキサーとしも活躍していたJAMIEは、曲全体の味付けとバランスが絶妙で程よいアコースティックとエレクトロニカのサウンドが調和したポップなアルバムです)'10年1月27日再更新


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写真  JASON MRAZ / Waiting For My Rocket To Come
 ・2002 Elektra Entertainment Group Inc.    7559-62829-2

圧倒されるヴォーカルの数々・・・

バージニア州出身で音楽の勉強の為N.Y.で生活していたJASON・MRAZは、音楽学校を途中で止めS.S.W.としてまた、ヴォーカリストとして発声練習など自身に磨きを掛けていました。その後、バージニアに一時戻った後、サン・ディエゴに移ってコーヒー・ショップの仕事やライヴ・ハウスでの演奏と他のミュージシャンの作詞/作曲の手伝いなどをしていました。ロス・アンゼルスに移って大手Elektraと契約しこのデビュー・アルバムを '02年10月15日に本国でリリースしました。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JASON・MRAZ:ヴォーカル/ギターの他、JOHN・ALAGIA:キーボード/ギター/タンバリン/シェーカー/プロデュース、MICHAEL・ANDREWS:ギター/スライド・ギター/ラップ・スティール/バンジョー/ウクレレ/メロトロン/チェレスタ、GREG・KURSTIN:キーボード/シンセサイザー、ALEX・McCALLUM:ギター/キーボード/シンセサイザー、STEWART・MYERS:ベース、BRIAN・JONES:ドラム、NOEL "TOCA" RIVERA:バック・ヴォーカル/タンバリン/ジャンベ、SHANE・ENDSLEY:トランペット、SCOT・RAY:トロンボーン、BEN・WENDEL:サックス、GUY・HILSMAN:シェーカー、JULIE "HESTA PRYNN" POTASH:バック・ヴォーカル、CARLA・DEKKER:バック・ヴォーカル、GEANNIE・MEISENHOLDER:バック・ヴォーカル、NICKI・BATESON:バック・ヴォーカルのカリフォルニア/N.Y.のミュージシャン達です。
尚、このアルバムのプロデューサーは多くのヒット・アルバムを手掛けているJOHN・ALAGIAで彼自身ハモンド/ギターの演奏でも収録に参加しています。

1曲目"You And I Both"(3:39) イントロ無しでいきなりJASONが歌詞を付けて歌うカントリー・ロック調の曲です。キャッチーなサビのメロディとJASONの得意とする強弱と高低のある歌声が響くライヴ曲の定番です。
2曲目"I'll Do Anything"(3:11) レゲエのリズムを使った明るいサウンドの曲で、JASONの流れるような歌声とエモーショナルなリズムとビートが印象に残ります。
3曲目"The Remedy(I Won't Worry)"(4:16) イントロから乗せられる曲の登場です。息をも付かせぬ歌詞の嵐と化したJASONの歌声です。タイトなドラムのビートにオルタナティヴな様々なサウンドを収録したJOHN・ALAGIAの辣腕ぶりを垣間見る出来です。
4曲目"Who Needs Shelter"(3:12) アコースティックなサウンドを基調としたスローな曲です。ウクレレの音色を使って落ち着いたサウンドに仕上げています。ALEX・McCALLUMのギターも素晴らしいのです。
5曲目"Curbside Prophet"(3:34) 少し南部のルーツ・ロック風にアレンジした曲です。バンジョーとスライド・ギターのサウンドにこれまた、JOSONのラップによる歌詞の連発です。
6曲目"Sleep All Day"(4:56) イントロから直に好きになったこのアルバムで特にお気に入りの曲です。分かり易いメロディとオーセンティックなサウンドに少しのJASONのマシンガン・トーク・ヴォーカルが冴えるのです。バック・ヴォーカルにはサン・ディエゴ時代からの付合いのあるドラムスのNOEL "TOCA" RIVERAが参加しています。
7曲目"Too Much Food"(3:41) 少し荒れたサウンドを使ったオルタナティヴ・ロックの登場です。曲のタイトルも面白いJASONの作詞/作曲の曲です。後半ではいつものJASONの口数に圧倒されます。
8曲目"Absolutely Zero"(5:39) 一転してスローで厳かな雰囲気の曲の登場です。優しい口調のJASONの歌声からエモーショナルに歌い上げるセレナードでしょうか。
9曲目"On Love In Sadness"(3:28) ロック"ン" ロールとロカビリーが混ざったようなリズムによる乗りの良い曲です。ラップ・スティールのフィンガー・ピッキングに勝るとも劣らずに繰り出されるJASONの歌詞の数々です。
10曲目"No Stopping Us"(3:18) ゴージャスでファンキーなサウンドとリズムによる少しこのアルバムでは異質の曲です。ジャジーなキーボード・ソロはTHE BIRD AND THE BEEのキーボーディストGREG・KURSTINでしょうか... 。
11曲目"The Boy's Gone"(4:15) この曲も良い曲ですね。前の曲のホーンのメンバーを除いた人員で収録されています。ボサ・ノヴァのリズムとサウンドによる少し切なさ感じさせ、JASONの歌声も非常にスムーズに流れます。この曲のサウンドとリズムからBOBBY・HEBBが '66年に歌った"Sunny" の雰囲気がするのは私だけ ?。
12曲目"Tonight, Not Again"(4:49) ロックのリズムとジャジーなサウンドが融合したようなアギャンバルドさを感じさせる曲です。トランペットで参加しているSHANE・ENDSLEY(KNEEBODY)の演奏が非常のアクセントになっています。
歌詞無し 写真ライナー ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:48分02秒 (本国、日本共に非常に人気のあるJASON・MRAZ、コンスタントに来日もしているようです。歌もギターも上手い人ですが、ただ、ライヴでギターを壊すようなパフォーマンスは、才能豊かな彼には必要ありせんね)'10年1月27日再更新


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写真  JASON MRAZ / Mr.A-Z
 ・2005 Atlantic Recording Corporation    WPCR-12101

アルバムを出す度に彼の素晴らしさ認識させられる・・・

このアルバムは、プロデューサーにブリティッシュ・ミュージック・シーンの大御所STEVE・LILLYWHITE(U2,SIMPLE MINDS)を迎えたJASON・MRAZの3枚目のアルバムで、'05年7月27日、国内でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JASON・MRAZ:ヴォーカル/ギターの他、BILL・BELL:ギター/バック・ヴォーカル、IAN・SHERIDAN:ベース/バック・ヴォーカル、MIKE・ELIZONDO:ベース、JACK・DALEY:ベース、LYLE・WORKMAN:ギター/ドブロ、RAUL・MIDÓN:ギター/疑似ホーン/バック・ヴォーカル、KEVIN・KADISH:ギター、ERIC・HINOJOSA:キーボード/プログラミング/バック・ヴォーカル、ROGER・JOSEPH・MANNING,JR.:キーボード/ベース・シンセサイザー、MIKE・ELIZONDO:ベース、ADAM・KING:ドラム/バック・ヴォーカル、NIR "NIR Z" ZIDKYAHU:ドラム、AHMIR・KHALIB・THOMPSON:ドラム、RAUL・REKOW:パーカッション、KARL・PERAZZO:パーカッション/シンバル、BASHIRI・JOHNSON:パーカッション、STEVE・SIDELNYK:プログラミング、DENNIS・MORRIS:プログラミング、JOSH・DEUTSCH:カスタネット、NICOLE・BAYER:チェロ、DJ-BOB・NECKSNAPP:スクラッチ、BUSHWALLA:スポーケン、RACHAEL・YAMAGATA:ヴォーカル、ROXANNE・OLDHAM:バック・ヴォーカル、DANIELLE・DECKER:バック・ヴォーカル、SCOTT・MOORE:バック・ヴォーカル、CHARLIE・MINGRONI:スポーケン、LEE-DAVIS HIGH SCHOOL CHOIR:コーラス、STEVE・LILLYWHITE:バック・ヴォーカル/プロデュース、NOEL "TOCA" RIVERA:バック・ヴォーカルの有名ミュージシャン達も参加しています。

1曲目"Life Is Wonderful"(4:20) 意外にも大人しいJASONのアコースティック・ギターの弾き語りから入る曲で、次第にエモーショナルにサウンドを厚くして行きます。ストリングを加えた美しいメロディは、秋の情景を想像させます。
2曲目"Wordplay"(3:06) デビュー・アルバムから脈々と続くJASON らしい言葉巧みなヴォーカルスタイルと歯切れ良いアコースティック・ギターのカッティング・サウンドによる曲です。この曲の歌詞にタイトルの「Mr.A-Z」と出て来ます。この曲の歌詞の内容は話題になりそうです。
3曲目"Geek In The Pink"(3:55) Hip-Hopとスクラッチによるイントロから入る少しレゲエのリズムを基調とした曲で、これまた非常に息をつく暇のないマシンガン・トーク・ヴォーカルによる曲です。
4曲目"Did You Get My Message?"(4:00) ニューオリンズ・ジャズ・スタイルによるご機嫌な曲で時折BILLY・JOELのヴォーカルスタイルに似たJASONの歌声とRACHAEL・YAMAGATAとのパワフルでファンキーなヴォーカルの掛け合いによる曲です。JASONとRACHAELの共通のプロデューサーJOHN・ALAGIAの粋な引合わせか同郷(ヴァージニア州)の為でしょうか。
5曲目"Mr. Curiosity"(3:55) 静かに流れるキーボードの旋律に合わせ淡々と歌うバラードで途中に戯曲的なヴォーカルスタイルまで披露するJASONの新しい一面を見せる曲です。
6曲目"Clockwatching"(4:23) 活きの良いドラムのビートとアコースティック・ギターのサウンドによる乗りの良い曲です。JASONならではのギグで演奏しやすくまた観客受けしそうな曲で後半の騒然とした収録もそのような感じです。
7曲目"Bella Luna"(5:02) 非常にロマンチックなメロディと歌詞によるボサ・ノヴァ調のバラードです。少し大人になったJASONのしっとりと切ない歌声とナイロン弦ギターの爪弾きが更に悲しみを誘います。
8曲目"Plane"(5:13) この曲も大人しい曲調の曲でJASONの内情的な質感を表した恋人との別れを歌った切ないメロディです。
9曲目"O. Lover"(3:54) JASONのアコースティック・ギターによるエモーショナルなリズムによる彼独自のヴォーカル・スタイルとサウンドです。歌詞の量も膨大で、他のミュージシャンの2〜3曲分はあるでしょう。
10曲目"Please Don't Tell Her"(4:37) ギター・サウンドによるミドルテンポの曲ですが、やはりJASONならではの多彩なヴォーカル・スタイルを1曲の内に使い分けた曲です。
11曲目"Forecast"(3:45) JASONの珍しくメロウなヴォーカルを聴かせる曲です。少しジャズ・テイストの入ったピアノの旋律とさり気ないBILL・BELLのギター・サウンドが良いですね。
12曲目"Song For A Friend"(8:13) 8分を超える曲で内容は友人に捧げるバラードです。バックで流れるRAUL・MIDÓN(彼のニューアルバムにJASONが参加しています)によるいぶし銀風のギター・ソロが印象的です。曲が終わってからのエンディングの学生達によるコーラスが圧巻で曲のアレンジも工夫されています。
13曲目"Prettiest Friend(Demo)"(4:19) 国内盤ボーナス・トラックです。JASONのアコースティック・ギターによる弾き語りです。シンプルな曲調のメロディに乗せ優しさ溢れる内容の歌です。
全13曲歌詞/訳詞付 写真ブックレット (国内盤) 収録時間:58分47秒 (アルバムを出す度に彼の音楽の素晴らしさを認識させられます)'10年1月27日再更新


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写真  JAY GRAYDON / Airplay For The Planet
 ・1993 InsideOut/TOSHIBA-EMI LTD.    TOCP-7669

人気のあるアルバムです・・・

このアルバムは、カリフォルニアで活躍しているギタリスト/プロデューサーJAY・GRAYDONの '93年9月28日に国内でリリースされたアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JAY・GRAYDON:ギター/キーボード/プログラミング/プロデュース、DAVID・FOSTER:キーボード、ABE・LABORIEL:ベース、BRUCE・GAITSCH:ギター、JANEY・CLEWER:キーボード、JOHN・VAN・TONGEREN:シンセサイザー、BRETT・RAYMOND:シンセサイザー、JON・GILUTIN:キーボード、MARK・PORTMAN:キーボード、JAY・OLIVER:キーボード、BILL・CANTOS:ヴォーカル/キーボード、JOSEPH・WILLIAMS:ヴォーカル/キーボード、BILL・CHAMPLIN:ヴォーカル/キーボード、SHERWOOD・BALL:ヴォーカル、WARREN・WIEBE:ヴォーカル、JERRY・HEY:ホーン、KENJI・SANO(KALAPANA):ベース/エグゼクティヴ・プロデュースのベテラン勢が参加しています。

1曲目"Walk The Wire"(6:00) TOTOのJOSEPH・WILLIAMSとJAYの共作による軽快なリズムの曲です。当然、メイン・ヴォーカルは、JOSEPHでキーボードの演奏もしています。サウンドが流れるにつれて美しく伸びやか歌声を聴かせるJOSEPHにJAYのギターが添えられています。
2曲目"She Just Can't Make Up Her Mind"(5:08) 一転してJOSEPHとは非常に対照的なソウルフルな歌声を聴かせるBILL・CHAMPLINのヴォーカルによるR&Bです。BILLの滑らかな歌声にJAYのギター・リフが濃厚に絡みついていますね。尚、この曲は、BILL、JAYにギタリストBRUCE・GAITSCHの奥様であるJANEY・CLEWERの3人で書かれているところが興味深いです。
3曲目"History"(4:55) イントロから奏でられるJOHN・VAN・TONGEREN(JEFF・BECK,QUINCY・JONES)のシンセサイザーによるサウンドからぐっと引き込まされた曲です。ヴォーカルは、作曲の一部を担当しているJOSEPHで1曲目と同じくその伸びやかな歌声を聴かせてくれます。
4曲目"After The Love Is Gone"(5:01) AIRPLAY '80年のアルバムと'04年のPLANET 3 名義の[Gems Unearthed]に再収録されている名曲です。メイン・ヴォーカルは、BILL・CHAMPLINです。このアルバムの為にアレンジされたようなので、オリジナル曲の収録時にその美しくまた、力強い歌声を聴かせていたTOMMY・FUNDERBURKのヴォーカル・パートは、残念ながらないですね。まぁ、BILLのヴォーカルも好きなのですが。。。
5曲目"Holdin' On To Love"(3:49) この曲も[Gems Unearthed]に再収録されているロック・シンガーSHERWOOD・BALLがメイン・ヴォーカリストに招かれた曲です。SHERWOODがいたバンドの収録にJAYがエンジニアとしてJ参加した事による繋がりだそうです。この曲は、SHERWOODとJAYとこの曲にシンセザイザーで参加しているJAY・OLIVER(SHERYL・CROW,THE EAGLES)の3人で書かれています。
6曲目"One Way Or Another"(4:41) 2曲続けてSHERWOODのヴォーカル曲です。前曲よりサウンドを少し穏やかにしたソフト・ロックな流れにクールでスムーズな歌声を聴かせるSHERWOODが"渋い" ですね。
7曲目Roxann"(4:43) 恋人との別れを綴った歌詞をメロウなバラードで包んだスローな曲です。間奏でのJAYのギター・ソロは、お得意のオクターブ・ユニゾンでのサウンドは、AIRPLAYの時と同じ音ですね。この曲も[Gems Unearthed]に再収録されている故WARREN・WIEBEがメイン・ヴォーカルを務めるアーバン・ソウル・バラードです。
8曲目"Show Me The Magic"(3:56) 再びSHERWOODがヴォーカルを執るエレクトロニカ・ロックと言うかイギリスのロック・デュオGO WESTをハードにした感じかな。
9曲目"You're Not Alone"(4:49) 鳥肌もののバラードの登場です。「君は独りじゃないんだよ。つらいけどね」と歌うWARRENの歌声が非常に悲しく響いてきます。キーボード/作曲にJANEY・CLEWER、ギター/作曲は、BRUCE・GAITSCHが参加していて彼らしい雰囲気物のリズムを奏でています。
10曲目"When You Look In My Eyes"(4:11) 再びJOSEPHのヴォーカル曲の登場です。この曲では、しっとりとした彼の美しい歌声を存分に聴かせてくれます。曲のイメージは、AIRPLAYでのソフトな部分を引継いだ感じのあるJOSEPH、JAYとシンセサイザーで参加しているジャズ・ピアニストBRETT・RAYMONDの3人で書かれた曲です。
11曲目"Ever After Love"(4:45) BILL・CANTOSをメイン・ヴォーカリストに迎えて収録されたミドル・テンポの爽やかなメロディの曲です。アルバム制作時に日本の企画側から後で紹介する感じの曲を書いて欲しいと要望による収録曲です。やはり、ぱっと聴いた時にAL・JARREAUのアルバム[Jarreau]の楽曲を思いだしましたね(笑)。
12曲目"After The Love Is Gone(Instrumental)"(5:01) 国内盤ボーナス・トラックとして収録されている '79年にグラミー賞を受賞した名曲のインストゥルメンタルでサビの部分には、BILL・CHAMPLINのコーラスが少し加えられたレア・トラックにJAYのオクターブもばっちり入っています。
11曲歌詞/訳詞付 28ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:57分03秒 (尚、このアルバムは、日本以外でも非常に人気が高く、本国アメリカでは '02年7月、スウェーデンで '93年11月、ドイツで '94年、フランスで '99年11月にリリースされています) '10年2月20日再更新


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写真  JAY GRUSKA / Which One Of Us
 ・1984 Warner Bros. Inc.    1-23923

きらびやかなサウンドと卓越したヴォーカル・・・

伝説のグループMAXUSの解散後に出されたJAY・GRUSKAのソロ第2弾で、'84年にオリジナル盤がリリースされています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JAY・GRUSKA:ヴォーカル/シンセサイザー/ドラム・プログラミング/プロデュースの他、MICHAEL・LANDAU:ギター、STEVE・LUKATHER:ギター、TONY・BERG:ギター、NATHAN・EAST:ベース、JOHN・PIECE:ベース、MIKE・PORCARO:ベース、ABRAHAM・LABORIEL:ベース、CARLOS・VEGA:ドラム、JOHN "JR" ROBINSON:ドラム、DOANE・PERRY:ドラム、MICHAEL・FISHER:パーカッション/ベル、MICHAEL・OMARTIAN:シンセサイザー/シンセ・ドラム/プロデュース、CHAZ・LOVE:ハイハット、RANDY・KERBER:キーボード/シンセサイザー、GARY・CHANG:プログラミング、CRAIG・SIEGEL:プログラミング、JOHN・GILSTON:プログラミング、STEVE・WILLIAMS:プログラミング、DON・WILLIAMS:ティンパニー、GEORGE・ENGLUND:フルート、JEREMY・LUBBOCK:ストリング・アレンジ/指揮、JOSEPH・WILLIAMS:バック・ヴォーカル、BROCK・WALSH:バック・ヴォーカル、JERMAINE・JACKSON:バック・ヴォーカル、NICK・UHRIG:バック・ヴォーカル、DEBBIE・SHAPIRO:バック・ヴォーカル、MICHELLE・GRUSKA:バック・ヴォーカル、PAUL・GORDON:バック・ヴォーカル、JENNY・GRUSKA:バック・ヴォーカル、BARBARA・GRUSKA:バック・ヴォーカル、BILL・MUMY:バック・ヴォーカル、TANYA・WOLF:バック・ヴォーカルの多くのミュージシャンが参加しています。

1曲目"Desperate Eyes"(4:34) エレクトロ・ポップにJAYのヴォーカルが映える曲で間奏のギターは旧友MICHAEL・LANDAU(MAXUS)です。
2曲目"Atlanta Calling"(3:19) この曲の共作者であるMICHAELのギターが冴えに冴えた曲です。JOSEPH・WILLIAMS(TOTO)のハーモニーも美しい。
3曲目"Tattoo"(4:17) 凝ったメロディのエレクトロ・ポップになっています。
4曲目"The Motion"(4:25) ギターにSTEVE・LUKATHER(TOTO)の登場です。
5曲目"Cancun"(3:41) トロピカルなムードでJAYのヴォーカルとMICHAELのアコースティック・ギターが心地好い。Cancunはメキシコのリゾート地です。
6曲目"Which One Of Us"(3:25) MICHAELとSTEVEのギターが一度に聴ける贅沢な曲で終わった後も「Which One Of Us」と言うフレーズが頭に残ります。
7曲目"Take A Number"(3:17) JOSEPH・WILLIAMSとの共作です。テンポが良くスリルを感じる曲となっています。
8曲目"Famous"(4:00) ストレートなパワー・ポップです。ベースにJOHN・PIECEが参加しています。
9曲目"Circus"(3:33) 明るい作りの曲風で子供達のコーラスがサーカスの雰囲気を出しています。
10曲目"Baby Theme"(2:48) JAYの美しいキーボードの旋律にストリングスをあしらった小曲です。
全10曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間37分19秒 (80年代に素晴らしいソロ・アルバムを残していますが、他のアーティストへの作曲活動と映画音楽方面で現在活躍しています)'10年1月28日再更新


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写真  JEFF LARSON / Fragile Sunrise
 ・2002 VICTOR ENTERTAINMENT    VICP-61977

良質のウエスト・コースト・サウンドです・・・

このアルバムは、サン・フランシスコ出身のS.S.W.JEFF・LARSON3枚目(ミニアルバム・コンピを除く)のアルバムで '02年8月21日、国内でのリリースです。彼がAMERICAのオープニングアクト等を努めていた関係で本作にAMERICAのメンバーが参加しています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JEFF・LARSON:ヴォーカル/ギターの他、HANK・LINDERMAN:ギター/マンドリン/ベース/エレクトリック・シタール/ドラム・プログラミング/キーボード/バック・ヴォーカル/プロデュース、GERRY・BECKLEY:キーボード/ストリングス/バック・ヴォーカル、JEFFREY・FOSKETT:オルガン/バック・ヴォーカル、GARY・GRIFFIN:キーボード、STEVE(BIG JIM)ARNOLD:サックス、ERIK(UNCLE BAD)ANDREWS:トランペット、MAURICE・GAINEN:フルート、DEWEY・BUNNELL:バック・ヴォーカル、TIMOTHY・B・SCHMIT:バック・ヴォーカル、RANDELL・KIRSCH:バック・ヴォーカル、MICHAEL・CAMPION:バック・ヴォーカルのカリフォルニアのミュージシャン達です。

1曲目"Place Where I Belong"(4:18) HANK・LINDERMANの弾く美しいギターからのイントロです。JEFFのヴォーカルとHANKのハーモニーによる爽やかなウエストコーストサウンドです。
2曲目"Watershed Girl"(3:06) ギター・サウンドのウエスト・コースト・ロックです。コマーシャルに使われそうな感じの曲です。
3曲目"Norman"(3:09) GERRY・BECKLEYがAMERICA 時代に書いた曲でしっとりと歌うJEFFの歌声とフルートにストリングスが非常に美しく重なり合う素晴らしい曲です。ストリングスのアレンジとハーモニーはGERRYです。
4曲目"Faraway Mary"(4:14) HANKの弾くエレクトリックシタールと爽やかなギターでの曲でJEFFREY・FOSKETTが非常に美しいハーモニーを聴かせてくれます。
5曲目"Halfmoon Bay"(3:37) JEFFの弾く美しいアコースティック・ギターの音色とDEWY・BUNNELL(AMERICA)の美しいハーモニーでの曲です。歌詞は想像通りお気に入りの彼女と夜の浜辺でのデートです。Halfmoon Bayは実在の町の名前です。
6曲目"Another Slight Addiction"(3:40) このアルバムの中ではラウドな1曲でしょう。叩き付けるようなパーカッションとHANKの弾くスライドギターが特徴的な曲です。
7曲目"Changing Colors"(3:15) アコースティック・ギターの調べが美しくJEFFのヴォーカルが曲に溶け込んでいます。非常に美しいハーモニーはやはりTIMOTHY・B・SCHMITです。
8曲目"Sparkle To It"(3:10) タイトなドラムのビートと明るいピアノの旋律の曲で元気の出そうな歌詞とメロディでの曲です。
9曲目"Heavy Rain"(4:30) 失恋を題材にした曲でHANKの弾くアコースティック・ギターの悲しい調べが更に悲しみを誘います。
10曲目"Some Ancient Memory" HANKの弾くギターソロが印象に残る曲でサウンドは乾っとしたカリフォルニアサウンドの曲でコーラスも抜群です。
11曲目"Fields Of May"(3:35) バリトン・ギターの音色を使った美しいメロディの曲で5月の野原を想像させる素晴らしい曲です。
12曲目"Norman(+ Producers GERRY・BECKLEY Commentary)(Bonus Track)"(3:10) 録音時でのGERRY・BECKLEYのコメントが収録されています。
13曲目"Rocket(Bonus Track)"(3:43) ギター・ポップのサウンドでドラムが生き生きしています。
14曲目"Heavy Rain(Bonus Track)"(4:31) 9曲目インストゥルメンタル・ヴァージョンです。
12曲歌詞/訳詞付 写真ライナー ブックレット (国内盤) 収録時間:51分46秒 (ジャケットのイラストは、日本盤仕様でカリフォルニアの青空についつい惹かれて購入しまった1枚)'10年1月28日再更新


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写真  JEFF LARSON / Sepia
 ・2004 VICTOR ENTERTAINMENT    VICP-62637

ウエストコーストの爽やかな風・・・

サンフランシスコ出身のS.S.W.JEFF・LARSONの4枚目(90年代にヨーロッパでリリースされた盤は含まず)のアルバムで、'04年3月24日、国内でのリリースです。プロデューサーは、前作と同じくHANK・LINDERMANで"Cryin'" のみ作者のGERRY・BECKLEY(AMERICA)とHANKが行なっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JEFF・LARSON:ヴォーカル/ギターの他、HANK・LINDERMAN:ギター/ベース/キーボード/プログラミング/プロデュース、GERRY・BECKLEY:ギター/バック・ヴォーカル/プロデュース、STEUART・SMITH:ギター、GARY・GRIFFIN:キーボード、ERIK・ANDREWS:トランペット、DEWEY・BUNNELL:バック・ヴォーカル、JEFFREY・FOSKETT:バック・ヴォーカル、RANDELL・KIRSCH:バック・ヴォーカルの前作に近いミュージシャン達です。

1曲目"Windblown Mind"(3:21) アコースティック・ギターのサウンドを主体としたJEFFの美しく優しい歌声によるカリフォルニア賛歌です。前作のサウンドを引き継いだ明るく聴く者を陽気にさせるサウンドです。
2曲目"What About My Dreams"(3:35) バックで流れる12弦アコースティック・ギターのサウンドに非常に美しく"ハモル"JEFFの持ち味を全面に出したサウンドでの曲です。
3曲目"Cryin'"(3:19) 前出にも記しましたがこの曲は、GERRY・BECKLEYの曲で恋人の心の悩みを題材にした非常に美しいメロディとサウンドを持った曲でGERRY自身のギターとバック・ヴォーカルで美しいハーモニーを作りだしています。
4曲目"Getting Into Yesterday"(3:36) アップテンポなナンバーで明るいアコースティック・ギターのサウンドと爽やかなJEFFの歌声によるポップ・チューンです。HANKのスライド・ギターも素晴らしく響き渡っています。
5曲目"Seeing Red"(4:09) JEFFの高いキーでのアップテンポのナンバーで、ライヴ受けしそうな乗りの良い感じの曲です。この曲でもHANKのエレクトリック・ギターのアグレッシブなソロは、非常に素晴らしいです。
6曲目"Suburban Lawns"(1:52) 変則チューニングされたアコースティック・ギターの非常に美しいサウンドの曲です。アコースティック・ギターの持ち味を魅力たっぷりに聴かせるインストゥルメンタルです。
7曲目"Hazy Sunshine"(3:17) ゆったりしたリズムとウォーム・トーンのキーボードのサウンドとJEFFの優しい歌声による乗りの良いリズムとメロディ。
8曲目"Nothing On You"(4:06) 美しいアコースティック・ギターの牧歌的なサウンドの曲でJEFFの歌声が非常にマッチするメロディとリズムの曲で心和む曲です。
9曲目"Broken Heart Smile"(3:56) 失恋をテーマにしたセンチメンタルなナンバーです。エッジの効いたHANKのエレクトリック・ギターの切ないサウンドが胸を打ちます。
10曲目"Blur"(3:38) オルタナティヴなサウンドを意識したサンプルと打ち込みを使った曲です。違うベクトルへの挑戦でしょうがやはりJEFFの優しい歌声には変わり有りません。
11曲目"Never Enough Time"(2:18) 幻想的なアコースティック・ギターの響きによるJEFFの弾き語りに近い曲で彼自身による美しいハーモニーが付けられています。
12曲目"Getting Into Yesterday(Acoustic bonus track)"(3:36) 4曲目のアコースティック・ヴァージョンです。基本のヴォーカルとギター・トラックのみを収録したファイナルトラックになる前の収録でしょう。只、輸入盤も同じ曲が収録されていますのでボーナス?
10曲歌詞/訳詞付 写真ライナー JEFF自身のトラックノート付 (国内盤) 収録時間:40分48秒 (JEFFの最新作はミニLP+5枚目を '05年にリリースしています)'10年1月28日再更新


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写真  JENNIFER WARNES / The Hunter
 ・1992 BMG VICTOR INC.    BVCP-203

JOE・COCKERと一緒に歌っていたあの人・・・

シアトル生まれでロス・アンゼルス近郊のアナハイムで育ったS.S.W.のJENNIFER・WARNESは、最初T.V.などに出演して活躍していたようです。後にカナダのLEONARD・COHENと一緒に曲やアルバム作りをしながらソロ・アルバムも制作していました。このアルバムは彼女の8枚目('82年のベスト盤を含む)のアルバムで国内でのリリースは '92年6月となっています。この人の有名な曲と言えば、やはり '82年にJOE・COCKERと一緒に歌った映画の挿入歌"Up Where We Belong" でしょうか。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JENNIFER・WARNES:ヴォーカル/プロデュースの他、DAVID・MANSFIELD:ギター/スティール・ギター/バック・ヴォーカル、MICHAEL・LANDAU:ギター、ROBEN・FORD:ギター、RICHARD・THOMPSON:ギター、MITCH・WATKINS:ギター、ERIC・JOHNSON:ギター、ROSCOE・BECK:ギター/ベース/シンセサイザー/プログラミング/プロデュース、DAVID・GRISSOM:ギター、JORGE・CALDERON:ベース、RUSSELL・FERRANTE:キーボード、VAN・DYKE・PARKS:アコーディオン、KIM・BULLARD:キーボード、BILL・GINN:シンセサイザー/キーボード、JUDD・MILLER:シンセサイザー、LARRY・STEELMAN:シンセサイザー、STEPHEN・CROES:シンセサイザー、RANDY・KERBER:シンセサイザー/ピアノ、 ROB・MEURER:シンセサイザー、JOEL・DEROUIN:ヴァイオリン、SID・PAGE:ヴァイオリン、NOVI・NOVOG:ヴィオラ、ROBERT・BECKER:ヴィオラ、SUZIE・KATAYAMA:チェロ、LARRY・CORBETT:チェロ、VINNIE・COLAIUTA:ドラム、JOHN・ROBINSON:ドラム、TOM・BRECHTLEIN:ドラム、PAULINHO・DA・COSTA:パーカッション、LENNY・CASTRO:パーカッション、STEVE・FORMAN:パーカッション、JERRY・HEY:フリューゲル・ホーン、BOB・MALACH:サックス、LARRY・WILLIAMS:サックス、BILL・REICHENBACH:トロンボーン、MAX・CARL・GRONENTHAL:ヴォーカル、PERLA・BATALLA:バック・ヴォーカル、DONALD・FAGEN:バック・ヴォーカル、FRANK・FLOYD:バック・ヴォーカル、ARNOLD・McCULLER:バック・ヴォーカル、KEVIN・DORSEY:バック・ヴォーカル、PHILLIP・INGRAM:バック・ヴォーカル、BLONDIE・CHAPLIN:ヴォーカルの有名ミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Rock You Gently"(4:24) ソウル系シンガーGREGORY・ABBOTTがこのアルバムの為に書き下ろしたナンバーです。ミドル・テンポのリズムによるメロウ・ソウルなサウンドの曲にギターは、MICHAL・LANDAU、DAVID・MANSFIELDとROSCOE・BECK(プロデューサー)です。
2曲目"Somewhere, Somebody"(2:47) MAX・CARL・GRONENTHAL(AIRPLAY)がデュエットで参加したカリプソ・ソングのような曲です。MAXのソウルフルな歌声とJENNIFERの優等生的な歌声の組み合わせが面白いですね。オリジナル曲はMAX '88年の作品です。
3曲目"Big Noise, New York"(5:02) BOB・MALACH(BOB MINTZER BIGBAND)のサックスの調べが堪らない曲です。STEELY DANのDONALD・FAGENと当時のガール・フレンドMARCELLE・CLEMENTSとの共作による曲で、バック・ヴォーカルは、DONALD・FAGEN自身とN.Y.勢のFRANK・FLOYD(THE WRITERS)です。
尚、この曲はDONALD自身も収録し、シングル盤でリリースされています。
4曲目"True Emotion"(4:05) イントロからROBEN・FORDが"渋い" ギター・ソロを聴かせるソウル寄りのサウンドの曲です。途中より登場するROSCOE・BECKのファンクなベースと美しいハーモニーが良いですね。
5曲目"Pretending To Care"(4:43) 涼しげなピアノの調べが曲全体に流れるスローな曲で、シンプルな演奏スタイルで収録されています。オリジナル曲はTODD・RUNGREN '85年のアルバム[A CAPPELLA]に収録されています。
6曲目"The Whole Of The Moon"(5:00) スコットランド出身のTHE WATER BOYS '85年のヒット曲のカバーです。私の大好きなTERRY・REIDもカバーしています。この曲を聴くといつも元気になりますね。
7曲目"Lights Of Louisianne"(4:24) サウンド職人VAN・DYKE・PARKSがアコーディオンで参加したナンバーです。VANのそのイタリアンなアコーディオンのサウンドが効果的に使われた旅情的な雰囲気の曲です。
8曲目"Way Down Deep"(5:45) 南アフリカ出身のS.S.W.BLONDIE・CHAPLIN(THE BAND)がヴォーカルで参加したスローなアフリカン・サウンドを感じさせる曲です。驚いたことにパーカッショニスト有名な3人:PAULINHO・DA・COSTA、LENNY・CASTRO、STEVE・FORMANが一堂に会して収録されています。
9曲目"The Hunter"(4:52) 一転して明るいサウンドによるポップ調べの曲です。スキャットでは歌声をファルセットにしてヨーデル風に歌うJENNIFERの楽しさが伝わって来ます。
10曲目"I Can't Hide"(4:50) 美しいメロディとサウンドによるバラードです。スライド・ギターにERIC・JOHNSONが参加しています。フレットレス・ベースのROSCOE・BECKの調べが心地好く曲の最後まで流れて行きます。
全10歌詞/訳詞付 24ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:45分55秒 (アルバムのジャケからは地味な感じを受けますが、このアルバムに参加しているミュージシャンは、JENNIFERの交友関係からか凄い人達ばかりです)'10年1月28日再更新


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写真  THE JENNY THING / Closer And Closer To Less
 ・1994 Kendall Swim School Records    110002-2

爽やかなカレッジ・ロック・・・

このアルバムは、サン・フランシスコ・ベイエリアの街バークレーで活躍していたインディー・ロック・バンドTHE JENNY THINGの '95年に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
THE JENNY THINGのメンバーは、MATT・EASTON:ヴォーカル/ギター/キーボード、SHYAM・RAO:ギター、EHREN・BECKER:ベース、MIKE・PHILLIPS:ドラム/プログラミング/バック・ヴォーカルの4人組です。
尚、THE JENNY THINGは残念ながら現在解散していて、フロント・マンだったMATT・EASTONがソロとして活動中です。

1曲目"When You Hold Her"(3:33) 歯切れ良いギターのサウンドのバックで歌われるハーモニーで登場する爽やかな印象を感じさせるカレッジ・ロックと言える曲です。
2曲目"Love-Would-Be"(2:09) 先の曲より少ししっとりとしたリズムとサウンドで聴かせるギター・ポップな曲です。アコースティック・ギターによるリズムの刻みとエコーを効かせ空間の広がるギターの浮遊感のあるサウンドも心地好いですね。
3曲目"Even If"(4:53) 今度は少しサウンド荒げて来たブリット・ロックな質感をストレートに感じさせる芯のある曲です。躍動的なMICHAEL・PHILLIPSのドラムにSHYAM・RAOのアグレッシブなギターのサウンドも熱く感じます。
4曲目"Christmas"(3:36) この曲は非常に感じの良いサウンドとリズムを感じさせるセンチメンタルな曲です。SHYAM・RAOのEBowによるギターのサウンドとしっとりとしたリフも最高です。
5曲目"Spin"(3:44) 今度はEHREN・BECKERのベースのサウンドが前面に出てきたギター・ポップな曲です。元気よく弾けるベースと歯切れ良いギターのサウンドが響き渡る若さ溢れる印象です。
6曲目"Cookie Crumbs"(5:12) 荒らしたギターのサウンドをバックに従えてラップで聴かせるMATT・EASTONの歌声が熱いこれぞオルタナティヴ・ロックと言える曲です。間奏と登場するMATTの卓越したキーボードの演奏もただのインディーズ・バンドじゃないなと感じさせます。
7曲目"Our Winter"(4:40) 一転してしっとりとした少しカントリー調のアメリカ人好み曲です。浮遊感漂うキーボードの調べに美しいギターのサウンドを散りばめたこの流を暫し聴きくことにしましょう。
8曲目"Bite"(3:26) この曲を初めて聴いた時の印象で思い浮かべたのがマンチェスター出身のLONG-VIEWのサウンドと共通するブリテイシュ・テイストを感じさせます。メロディアスな調べに少しダークな質感を持ち且つ屈折した感があるところでしょうか。
9曲目"Same Mistake"(4:17) 80年代のイギリスのバンド、特にニュー・ウェーヴ・ロックのバンドの影響を感じさせる曲です。ファンカ・ラティーナ風の小刻みなギターのサウンドなど4人のしっかりとした演奏スタイルがひしひしと感じます。
10曲目"Can't Help Falling"(2:36) '61年の邦題「好きにならずにいられない」と題されたお馴染みの曲のカバーです。ここでの収録は、'93年にUB40がカバーしたアレンジに近いようです。
11曲目"Sky Will Fall"(8:13) この曲の非常にイギリスのロック・バンドのサウンドらしい曲調を感じさせます。力強く響くドラムのビートに輪郭を太くはっきりとしたベースの響きや残響音を連ねたギターのサウンドを強く感じます。
尚、この曲が終わった10秒程のブランクの後にバックワードで収録されたこの曲の短いイストゥルメンタルがヒドゥン・トラックとして収録されています。
10曲歌詞付 写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:46分24秒 ('93年のデビュー・アルバムもリリースされているのですが、現在は廃盤の為、残念ながらダウンロード販売のみです)
'12年4月30日更新


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写真  THE JENNY THING / Nowhere Near You
 ・1999 Kendall Swim School Records    110003-2

歯切れよく響くギター・・・

このアルバムは、サン・フランシスコ・ベイエリアの街バークレーで活躍していたインディー・ロック・バンドTHE JENNY THINGの '99年に本国でリリースされた3枚目のアルバムです。
THE JENNY THINGのメンバーは、MATT・EASTON:ヴォーカル/ギター/キーボード、SHYAM・RAO:ギター、EHREN・BECKER:ベース、MIKE・PHILLIPS:ドラム/サンプラー/ローランドTR-909の4人組です。
尚、THE JENNY THINGは残念ながら現在解散していて、フロント・マンだったMATT・EASTONがソロとして活動中です。

1曲目"Lonestar"(4:05) 空間に広がるギターの調べに誘われて登場する少し気弱さを感じさせるMATTの歌声による浮揚感(ドリーミー)のある曲です。きびきびとしたMIKEのドラムのビートも心地好い響きで伝わって来ます。
2曲目"Martha"(3:24) この曲もエコーを効かせたSHYAMのギターのサウンドが堪らない曲です。前のアルバムでもお気に入りだった彼の演奏ですが、このアルバムのリリース後に残念ながらバンドを抜けてしまったようです。
3曲目"Gone"(3:44) 太く鳴り響くEHRENのベースのサウンドにSHYAMのギミックなギターのリフが決まったブリット・ロック風の曲です。乗りの良いMIKEのドラムのビートにもついつい足踏みしている自分に気付いてしまうのです。
4曲目"Possessed And Dignified"(4:11) 今度はアコースティック・ギターのサウンドをイントロから聴かせるスローな雰囲気を醸し出す曲です。何だか難しそうなタイトルの曲ですが先ずはこの感じ好い曲を楽しむことにしますね。
5曲目"Song Six"(4:32) 響き渡るMIKEのドラムのビートにアグレッシヴなEHRENのベースのサウンドがくっきりと縁どられたソリッドな質感のあるこの曲もブリット・ロックのイメージをストレートに感じる曲です。このバンドのサウンドの要であるSHYAMのギターも自由自在に響いています。
6曲目"Jet Boy Jet Girl"(4:14) ダークな雰囲気を感じさせるミドル・テンポの曲です。メランコリックなMATTの歌声が少し切なさを感じさせ、次第のサウンドを熱き方向へと導くのです。
7曲目"Bloodstone"(2:07) 近年のMATTの活動の中心であるアコースティック・ギターによる弾き語りで収録されている曲です。歯切れよく響くギターの調べに乗せてMATTの熱い歌声が響いて来ます。
全7曲歌詞付 写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:26分20秒 (iTunesのレヴュー書き込みなどを見ていると結構人気のあったバンドだったようです)
'12年5月2日更新


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写真  JEREMY CAMP / Carried Me
 ・2004 BEC RECORDINGS    BED39613

アメリカで一番人気の若手CCMシンガー・・・

インディアナ州出身の若手CCMシンガーJEREMY・CAMPの2枚のアルバムで、'04年2月10日本国でのリリース盤です。
JEREMYと同じくCCMバンドのMARC・BYRD(HAMMOCK)もアルバム作りに参加しているのが興味深いです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンの詳しいクレジットの記載がないのですがJEREMY・CAMP:ヴォーカル/ギターの他、ADRIENNE・CAMP:バック・ヴォーカル、ADAM・WATTS:ドラム/キーボード/プログラミング/パーカッション/バック・ヴォーカル/プロデュース、ANDY・DODD:ギター/キーボード/プログラミング/バック・ヴォーカル/プロデュース、MARC・BYRD:ギター/プロデュース、STEVE・HINDALONG:ドラム/プロデュースのCCM系の関係者が参加しています。

1曲目"Trust In You"(3:40) 少し野太い歌声のJEREMYのパワフルな歌声によるコンテンポラリー・クリスチャン・ロックにアレンジ変えされたゴスペルの定番曲です。
2曲目"Beautiful One"(3:57) 美しいキーボードの調べのイントロが印象に残るミドル・テンポのロックのリズムによる曲でJEREMYの奥さんのADRIENNE・CAMPの美しい歌声によるハーモニーも見事です。
3曲目"Enough"(3:57) 甲高いギターの音色による歌詞の内容は別にしてエモーショナルなミドル・テンポのロックの曲です。
4曲目"Wonderful Maker"(4:28) 再びADRIENNEがバック・ヴォーカルを勤めるソフトなバラードです。もともとADRIENNEは南アフリカのユーロ・ロックのバンドのメイン・ヴォーカリストだったので彼女の歌声も抜群ですね。
5曲目"Hear My Voice"(3:49) アコースティック・ギターとエレクトリック・ギターのサウンドが織り成す美しいメロディによるJERMYの自作の曲です。
6曲目"I Wait For The Lord"(3:31) ディストーション・ギターのサウンドをふんだんに取り入れたハードな響きのエモ・ロックな曲です。切れの良いドラムのビートとパワフルなJEREMYのヴォーカルによる若者をターゲットにした近年のCCMでしょうか。
7曲目"Empty Me"(3:37) スローなリズムにストリングスを使ったゴスペル調のメロディをロックに融合した曲です。
8曲目"I Surrender To You"(4:12) 再びハードなギターのサウンドを使ったロックな曲です。途中よりサウンドは穏やか展開し、カントリー・ロックな響きのアコースティックな調べのアレンジです。
9曲目"Walk By Faith"(3:58) イントロのギターのリフとサウンドが素晴らしい曲です。このイントロ辺りのサウンドは、HAMMOCKにも通じるところを感じます。非常にメロディアスな流れを持ったJEREMY自作の曲です。
10曲目"Revive Me"(3:26) 美しい響きを靡かせるJEREMYのアコースティック・ギターによる弾き語りです。芯のある張った歌声とアコーティックな響きが心地好いです。
11曲目"You're Worthy Of My Praise"(3:49) ハード・ロックな響きとパワフルなJEREMYの歌声によるCCMシンガー/ライターDAVID・RUIS '91年の曲のカバーです。
12曲目"Longing Heart"(4:12) JEREMYの作詞/作曲によるアコースティックなサウンドのカントリー・ポップな曲です。心の悩みを歌詞に綴ったCCM的な内容となっています。
13曲目"Carried Me"(4:08) HAMMOCKと同じくアンビエントな繰り返しのサウンドによる不思議な響きの曲です。歌詞の方も短いフレーズを繰り返すJEREMYの自作の曲です。
11曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:50分50秒 (ライヴ盤、DVDも発売されて現在、アメリカで一番人気の若手CCMシンガーのようです )'10年1月29日再更新


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写真  JETTE-IVES / In The Deep
 ・2006 OVA Records    OVA004

妖艶な歌声とアシッド感・・・

このアルバムは、ワシントンD.C.で活躍しているプロデューサー/コンポーザー/DJのHOLMES・IVESとヴォーカリストJETTE・KELLY(THE CHEMICAL BROTHERS,LOU・REED)とのユニットによるJETTE-IVESの '06年11月に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
尚、"Wicked Game" 以外は、全てJETTEの歌詞にIVES(1部共作)の作曲となっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HOLMES・IVES:プログラミング/プロデュース、JETTE・KELLY:ヴォーカル、MATT・LEWIS:ギター/ダブル・ベース、JOHN・MONCURE:キーボード、DANNY・TAIT:ドラム、JOHN・HENRY・DALE:ドラム、REX・RIDDEM:カホン/パーカッション、DEVESH・NIRMUL:ヴィオラのHOLMESの音楽仲間達です。

1曲目"Darker Than You"(6:02) 荒れたローファイなキーボードの調べに続いて登場する艶やかなJETTEの歌声がHOLMESの作り出したサウンドに纏わりつくエレクトロニカ/アーバンな曲です。
2曲目"Vexed"(5:09) 無機質なリズムの刻みにJETTEがエモーショナルな歌声を聴かせるヨーロピアン・メランコリック・サウンドのような表現と言いたくなる曲です。淡々としたサウンドとリズムの流れをミニマリズムに徹した手法による収録になっています。
3曲目"In The Presence Of..."(4:42) イントロから流れる電子ピアノのサウンドと打込みによる忙しないリズムの流れによるトリップ・ホップ的な曲です。少し荒らした処理による JETTEの歌声がアヴァンギャルドに響いて来ます。
4曲目"E〜"(6:52) 今度は、ダウンテンポのアフリカン・リズムが流れるスローな曲の登場です。前作にも参加していた地元のパーカショニストREX・RIDDEMのトランス状態に引き込むパーカションのビートが後半に収録されています。
5曲目"Wicked Game"(4:47) ご存じCHRIS・ISAAK '98年のヒット曲のカバーです。ここでのアレンジは、スローにしてオリジナル曲の持つメランコリックさが非常に強められています。低めのキーで歌うJETTEの歌声もファルセットで歌うCHRISの歌声とは非常に対照的になっています。
6曲目"Proximity"(7:07) 再び呪文を唱えるようなアンビエント系/トリップ・ホップの曲の登場です。ウエスト・ヴァージニア出身のベーシスト/ギタリストMATT・LEWISのダブル・ベースのサウンドに合わせて歌う吐息混じりのJETTEの歌声が艶めかしく響いています。
7曲目"Supine"(4:05) この曲は、アシッド系ジャズのテイストを感じるスローな曲ですね。ジャズ畑JOHN・MONCUREのピアノの演奏とMATT・LEWISのスモーキーなダブル・ベースの旋律にオレゴンのJOHN・HENRY・DALEのドラムのビートが"クール" に決められています。
8曲目"Ultimately, Darling"(3:45) 少しサウンドとビートを変えて来たトリップ・ホップの曲の登場です。隙間なく流れる打込みリズムにシャウトするJETTEの歌声がエモーショナルに広がる曲です。
9曲目"Thin Ice"(6:05) この曲もダウンテンポのリズムの流れにシンセサイザーのサウンド広がる曲です。切ないJETTEの歌声のバックから登場するが乗せられたDEVESH・NIRMUL(ANGELI)のヴィオラの調べも切なく流れて来ます。
10曲目"A Priori"(4:43) ジャズとクラシック音楽のストリングス風を融合させたような優雅さを感じさせるメランコリック・バラードです。全編に流れるMATT・LEWIS(ANGELI)のダブル・ベースの"クール" な調べとDANNY・TAIT(MALACHI)のドラムのビートが展開されます。
11曲目"Midnight On Monday"(6:05) 7曲目と同じメンバーによるヨーロピアン・メランコリック・サウンドの曲です。JETTEの祈りに似たような歌声が切なく響いて来ます。この曲の作曲のみキーボードのJOHN・MONCUREとIVESとの共作となっています。
この曲が終わった後、30秒ほどのブランクに続けて1分程度の短いヒドゥン・トラックが収録されています。
10曲歌詞付 写真ブックレット 3折デジパック仕様 1000枚限定盤 (輸入盤) 収録時間:59分28秒 (HOLMES・IVES自身のレーベルOVA Recordsからのアルバムは、先に紹介したHOLMES・IVES名義も含めて限定盤のようです)'10年1月29日再更新


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写真  JIM HORN /Jim's Horn
 ・1973 NIPPON PHONOGRAM CO. LTD.,    RJ-5093

スタジオ・ミュージシャンJIM・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍しているサックス・プレーヤーJIM・HORNの '73年に国内でリリースされた2枚目のアルバムです。この頃にロス・アンゼルスで収録された多くのアルバムにJIM・HORNの名前が記されているようにスタジオ・ミュージシャンとして精力的に活動をしていました。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JIM・HORN:ホーン/ヴォーカル/プロデュース、STEVE・CROPPER:ギター、LOUIE・SHELTON:ギター、MIKE・DEASY:ギター、DEAN・PARKS:ギター/スライド・ギター、PAUL・CANNON:ギター、CARL・RADLE:ベース、REINIE・PRESS:ベース、MAX・BENNETT:ベース、JIMMY・JOHNSON:ベース、TERRY・SAWYER:キーボード、LARRY・KNECHTEL:キーボード/ギター、MIKE・OMARTIAN:キーボード、MIKE・MELVOIN:キーボード、JIMMY・GORDON:ドラム/タンバリン/パーカッション、ED・GREENE:ドラム、RITCHIE・SIMPSON:ドラム、GARY・COLEMAN:スティール・ドラム/パーカッション、FRANCISCO・SANCHEZ:パーカッション、CHUCK・FINDLEY:トランペット/トロンボーンのこれまた当時大忙しで大活躍していたミュージシャン達が参加しています。
尚、本国でのアルバムは、イギリス人プロデューサーDENNY・CORDELLとミュージシャンLEON・RUSSELLが立ち上げたSHELTER RECORDSよりリリースされています。

1曲目"We'll Get Over"(3:50) JIM・HORNのヴォーカル曲から登場します。ジェントルとマイルドな歌声を聴かせるJIMとサックスのソロと交互に収録されたミドル・テンポのメンフィス・サウンドの曲です。
2曲目"Moody"(3:56) 曲名通り非常にムードのある曲です。イントロから登場するJIMMY・GORDONのドラムのビートが非常に心地好いリズムを刻み、JIMがこの曲では、フルートを演奏しています。少しドラマチックなTVのシーンに流れるようなパートの音楽も挿みながら展開されて行きます。
3曲目"San Camaro"(3:17) ラテンのリズムによるインストゥルメンタルで、作者のJIMMY・GORDONのパーカッションとドラムでエモーショナルな流れと起伏が特徴的な曲でもあります。
4曲目"In And Out Of Sunshine"(2:32) 再びJIMのヴォーカル曲です。サックスだけの演奏によるリーダー・アルバムでなく、このようなギター・サウンドの曲に彼の歌声が似合うのがこのアルバムの好きなところの1つでもあります。
5曲目"Mandy"(2:20) ベイ・エリアのホーン・セクション・バンドのアルバムを聴いているような感じのBGMとして丁度好いテンポとサウンドを持ったインストゥルメンタルの曲で、時間も短くして飽きさせない長さも良いですね。
6曲目"Rainy Day Woman"(4:32) メンフィスに出向いて収録された正にメンフィス・ホーンの煌びやかサウンドが押し寄せる曲です。題名からはBOB・DYLANの同名曲のカバーと思われるでしょうが、JIMとギターのPAUL・CANNONとドラムのJIMMY・GORDONと一緒に書かれた曲です。
7曲目"Lady From Louisville"(2:52) スティール・ドラムの長閑でトロピカルな音色が収録されたのんびりムードの曲です。DEAN・PARKSのスライド・ギターの演奏もメキシカン風の彩に丁度良い流れを感じます。
8曲目"To Hurt A Poet"(3:36) 咽び泣くJIMのサックス・ソロのあとに登場する彼の優しい響きを持った歌声が堪らないバラードです。一旦、曲が終わったような所からアウトロまで流れるLARRY・KNECHTELのオルガンの音色が切なく響きます。
9曲目"Half Moon"(4:25) 一転してダンサンブルなナンバーの登場です。オリジナル曲は、ORLEANSのJOHN・HALLが '73年に書いて彼らのデビュー・アルバムにも収録されている曲です。このアルバムでの収録は、彼らのようなヴォーカル部分は無くインストゥルメンタルとなっています。
歌詞無し LP盤 (国内盤) 収録時間:31分20秒 (もう40年以上手持ちしているアルバムですのでジャケットもボロボロ、スコッチテープで補強しています(笑))'13年10月26日更新
1973年度ベスト5


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写真  THE JOE CHEMAY BAND / The Riper The Finer
 ・1981 Unicorn Records,Inc.    9501

非常に完成度の高いアルバム・・・

西海岸でセッション・ミュージシャン/シンガーとして活躍していたJOE・CHEMAY(ジョー・シャメイ)が、他のセッション・ミュージシャンと共にTHE JOE CHEMAY BAND名義で制作した '81年のアルバムで、当時の西海岸のバンドらしい明るくて爽やかなサウンドによる非常に完成度の高い楽曲が収録されています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOE・CHEMAY:ベース/ギター/ヴォーカルの他、JOHN・HOBBS:キーボード/シンセサイザー、B.WALKER:ギター、M.MEROS:キーボード、P.LEIM:ドラム/パーカッション、LOUIS(LUIS)・CONTE:パーカッション、MAXINE・WATERS:バック・ヴォーカルとJULIA・WATERS:バック・ヴォーカルのベテラン達です。プロデュースは、CRACKIN' などのアルバムを手掛けたJOHN・GUESSとJOE・CHEMAYと共同となっています。
尚、JOE・CHEMAYは、現在も音楽活動を続けていて '07年に新しいアルバムもリリースしています。

1曲目"Bad Enough"(3:58) イントロから流れるようなピアノのリズミカルな調べで"ぐぐっ" と捕まえられる曲です。伸びやかなギターのサウンドとJOEのソフトでメロウな歌声と彼のファンクなベースにお馴染みのセッション・シンガー姉妹のMAXINEとJULIA・WATERSのバック・ヴォーカルも登場したら何も言うこと無しでしょう。
2曲目"Proud"(3:47) この曲もイントロにサビノメロディを使った導入部分で参ってしまった曲です。少しサウンドを黒くしたアーバン・サウンド的な部分も持っています。間奏からアウトロへのギター・ソロが非常に美しく効果的に鳴っています。美しいバック・ヴォーカルは、この時代の西海岸での収録アルバムに収録ほぼ参加しているMAXINEとJULIA・WATERSです。
3曲目"Once In A Life"(4:30) サウンドとメロディを大人のムードにして来たメロウでソフトなバラードです。高く伸びやかなJOEの歌声がこのメロディアスの曲をしっとりと聴かせます。
4曲目"A Fine Line"(3:45) 躍動的なギターのサウンドと底辺で鳴り響くベースのサウンドが印象的な曲です。太陽が眩しいウエスト・コーストの風景が非常に似合う曲調とJOEの歌声と美しいコーラスです。
5曲目"You Saw Me Coming"(3:25) この曲も当時のウエスト・コーストのサウンドそのものと言って良い曲です。心地好いオルガンの演奏に乗せ彼女に恋する想いを綴っています。
6曲目"Love Is A Crazy Feeling"(3:43) KIKI・DEEが '77年に歌ったDAVEY・JOHNSTONE/BIAS・BOSHELL作詞/作曲のカバーです。 静かでスローな出だしから逸る気持ちを抑えながらエモーショナルに展開するメロディ・ラインとサウンドです。伸びやかなJOEの歌声に調和したMAXINEとJULIAのヴォーカルが堪りません。やはり何度聴いてもこの曲は、名曲ですね。
7曲目"Holy Thunder"(4:23) 一転してR&Bのサウンドとリズムによる曲の登場です。ハモンドのサウンドと泣きを入れたチョーキングによるギターのフレーズが心に響きます。JOEの作詞/作曲でサウンド的には少し後にデビューしたMICHAEL・RUFFに近いコンテンポラリーなものを感じます。
8曲目"One Needs Another"(3:12) 明るいサウンドとメロディによるソフト・ロックです。途中よりアーバンなサウンドに展開するお洒落なアレンジと西海岸で活躍していたのS.S.W.のDAVID・BATTEAUと一緒に書かれた曲です。
9曲目"Never Gonna Let You Go"(3:40) 前の曲のアウトロと上手く繋がれた"かっこ良い" アレンジが最高です。エモーショナルなギターのサウンドも見事なJOEの作詞/作曲による"渋さ" さえも感じさせられる曲です。
歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:39分23秒 (このアルバムは、JVCより '02年にジャケット替えにて世界初CD化されています)'10年1月29日再更新
1981年度ベスト5


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写真  JOHN DAVID SOUTHER / John David Souther
 ・1972 Asylum Records    ASYLUM SD 5055

やはり古いサウンドですが・・・

このアルバムは、デトロイト出身で後にEAGLESのGLENN・FREYとフォーク・デュオLONGBRANCH PENNYWHISTLE('69年〜 '71年)をロス・アンゼルスで結成したS.S.W.JOHN・DAVID・SOUTHERの本国にて '72年にリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHN・DAVID・SOUTHER:ヴォーカル/ギター/ベース/ピアノ/プロデュースの他、JOHN・BARBATA:ドラム、MICHAEL・BOWDEN:ベース、FRED・CATERO:ギター/プロデュース、NED・DOHENY:ギター、GLENN・FREY:ギター、BRYAN・GAROFALO:ベース、GIB・GUILBEAU:フィドル、DAVID・JACKSON:ベース/ピアノ、GARY・MALLABER:ドラム/ピアノ/ヴィブラフォン、MICKEY・McGEE:ドラム、WAYNE・PERKINS:ボトルネック・ギター、JOEL・TEPP:ベース、ブルース・ハープの西海岸のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"The First One"(3:10) 循環コードによるカントリー調のサウンドの曲です。軽めのフィドルのサウンドと共にエレクトリック・ギターの爪弾きがダンス調のリズムを刻むアメリカンS.S.W.らしい明るい調べです。
2曲目"Run Like A Thief"(3:15) ギター、ベース、ドラムの3人の収録によるスローでメランコリックなメロディの曲です。シンプルなサウンドの合間に流れるJOHNのギターのサウンドと切ない彼の歌声が好いですね。
3曲目"Jesus In 3/4 Time"(3:38) 今度は、ピアノのサウンドを基調とした曲で、ギターには、過去のバンド仲間だったGLENN・FREYが参加し、JOHNも一緒に弾いています。ゴスペルの調べに合わせて自身で美しいハーモニーを付けています。
4曲目"Kite Woman"(3:06) イントロから流れる美しいアコースティック・ギターのサウンドと覚えやすいメロディが印象的な曲です。西海岸のミュージシャンらしい幾重にも重ねられたハーモニーに心地好いギターの爪弾きが響いています。
5曲目"Some People Call It Music"(3:16) NED・DOHENYがギターで参加した曲で、サウンド的には初期のEAGLESやTHE BANDの持ち味に近い感じがします。ドラム、ベース、ギターの演奏にサビでは、ハーモニーと当時では、定番的なアレンジでしたね。
6曲目"White Wing"(4:21) ブルース・コードによるギターのサウンドにベテランJOEL・TEPP(IAIN・MATTHEWS, JERRY・GARCIA)のブルース・ハープのエモーショナルな調べを絡ませたアメリカ人好みの曲です。スモーキーなJOHNの歌声がブルースのリズムと共に忍び寄りますね。
7曲目"It's The Same"(3:32) 再びNEDとギターを一緒に弾いているビタースイートな調べの曲です。シンプルなピアノの演奏に美しく伸び上がるJOHNの歌声がこちらに届いて来ます。
8曲目"How Long"(3:22) ロック"ン" ロールのリズムの曲で、JOHNと一緒にエレクトリック・ギターを弾いてご機嫌なサウンドを聴かせているのは、再びNEDです。
尚、この曲は、EAGLESが '08年にカバーして彼らの[Long Road Out Of Eden]にも収録されています。
9曲目"Out To Sea"(5:03) アコースティック・ギターの美しいサウンドとゆったりと流れるWAYNE・PERKINS(MICHAEL・BOLTON,LYNYRD SKYNYRD)のボトルネック・ギターの調べにまどろむ心地好さを感じます。
10曲目"Lullaby"(1:35) JOHNのギター1本による1分30秒程度の短い弾き語りです。JOHNの優しい歌声と共にアコースティック・ギターの弦の振動がフレットに触れる感じなんかもセンシティヴに届いて来ます。
歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:34分18秒 (さすがに38年前のアルバムのため、サウンド的には古いカントリー/フォーク調の収録曲が多いですが、このアルバムから次の豪華ミュージシャンが集結した傑作アルバム[Black Rose]へとつながって行きます)'10年5月9日再更新


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写真  JOHN DAVID SOUTHER / Black Rose
 ・1976 Asylum Records    ASYLUM 7E-1059

1976年度手持ち盤ベスト6位・・・

このアルバムは、デトロイト生まれテキサス育ちのS.S.W.JOHN・DAVID・SOUTHERの '76年に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHN・DAVID・SOUTHER:ヴォーカル/ギター/コンガの他、PETER・ASHER:キーボード/パーカッション/バック・ヴォーカル/プロデュース、DANNY "KOOTCH" KORTCHMAR:ギター、ANDREW・GOLD:ギター/キーボード/タンバリン/バック・ヴォーカル、LINDA・RONSTADT:ヴォーカル、LOWELL・GEORGE:スライド・ギター、JOE・WALSH:スライド・ギター、WADDY・WACHTEL:ギター、GLENN・FREY:ギター/バック・ヴォーカル、PAUL・STALLWORTH:ベース、JIMMY・ BOND:ベース、STANLEY・CLARKE:ダブル・ベース、CHUCK・DOMANICO:ベース、KENNY・EDWARDS:ベース、MICHAEL・BOTTS:ドラム、JOHN・GUERIN:ドラム、JIM・KELTNER:ドラム、RUSS・KUNKEL:ドラム、DON・MENZA:アルト・フルート、DONALD・BYRD:フリューゲル・ホーン、VINCENT・DEROSA:フリューゲル・ホーン、DAVID・DUKE:チューバ、ROY・POPER:フリューゲル・ホーン、EARL・DUMLER:フルート/オーボエ、DAVID・CAMPBELL:指揮/ヴィオラ、KATHLEEN・LENSKI:ヴァイオリン、HAIM・SHTRUM:ヴァイオリン、JOHN・WITTENBERG:ヴァイオリン、SHELDON・SANOV:ヴァイオリン、ROBERT・DUBOW:ヴァイオリン、CHARLES・VEAL:ヴァイオリン、JAMES・DUNHAM:ヴィオラ、PAMELA・GOLDSMITH:ヴィオラ、RONALD・COOPER:チェロ、DENNIS・KARMAZYN:チェロ、RAY・KELLY:チェロ、HARRY・SHLUTZ:チェロ、DAVID・CROSBY:バック・ヴォーカル、DON・HENLEY:バック・ヴォーカル、NED DOHENY:バック・ヴォーカル、ART・GARFUNKEL:バック・ヴォーカルの多くの有名ミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデューサーは、JAMES・TAYLORなどのアルバムを手掛けたイギリスのS.S.W./プロデューサーPETER・ASHERが担当し、収録曲への演奏にも参加しています。

1曲目"Banging My Head Against The Moon"(3:40) 非常に心地好く刻まれるギターの調べとトロピカルな雰囲気を醸し出すドラムのビートによる乗り良さ感じさせる軽めの曲です。瞬間的に登場する個性的なギター・ソロは、紛れ無しにDANNY "KOOTCH" KORTCHMARの演奏ですね。
2曲目"If You Have Crying Eyes"(5:02) ハモンドB-3の調べが全面に出されたスローな曲です。JOHNとデュエットをとるのは、LINDA・RONSTADTでこの人も当時人気のあったシンガーです。曲調もスローな流れから次第にアグレッシヴな展開へと流れて行きます。
3曲目"Your Turn Now"(3:57) このアルバムがリリースされた当時からお気に入りの1曲です。枯れたアコースティック・ギターの調べから入るイントロから次第に周りの各楽器の演奏が加えられる様が非常に好きな部分なのです。この曲で聴かせるJOHNの黄金色の歌声も素晴らしい響きです。
4曲目"Faithless Love"(3:30) 今度は、非常に落ち着いたアコースティック・ギターの調べによる弾き語り調からストリングスや管楽器を加えた旅情的な調べへと自然に流れて行きます。
5曲目"Baby Come Home"(3:45) JOE・WALSHのスライド・ギターがイントロから登場するロック色の強い曲と思いきやこの曲も大勢のストリングスや管楽器のミュージシャン達の演奏がバックに流れる展開など本当1曲の中に色々な音楽の要素が感じられます。JOE・WALSHのスライド・ギターの音色も彼の歌うぶりに似て粘っこさがあるのが興味深いですね。
6曲目"Simple Man, Simple Dream"(1:45) 曲名にも通じるシンプルな感じを持った1曲でシンプルなサウンドとメロディによるカントリー調の心和む曲です。前のアルバムの曲調を受け継いだサウンドと共に美しいハーモニーが届けられます。
7曲目"Silver Blue"(4:06) この曲は当時非常に実験的な要素を感じさせた曲です。STANLEY・CLARKEのダブル・ベース1本での演奏に合わせて歌うJOHNの歌声によるシンプルな前半からギターとストリングスの音色も登場して穏やかな流れが広がっています。この曲を聴き終えて思うのですが、当時ベースの演奏者とこのような形のコラボに曲を収録している西海岸のミュージシャンは、このJOHNだけのような気がします。
8曲目"Midnight Prowl"(5:07) もうこのLOWELL・GEORGEのスライド・ギターのサウンドが登場しただけで1発に鳥肌が立つ曲です。また、後半から登場するDONALD・BYRDのフリューゲル・ホーンによるアグレッシヴながら華麗な流れの演奏も堪らないのです。
9曲目"Doors Swing Open"(4:37) 今度は、CHUCK・DOMANICOを迎えてのウッド・ベースとアコースティック・ギターとストリングスの調べによる切なさ溢れる曲です。腹に響くCHUCKのベースの響きと巧みにネックを握り替え弦の上をスライドさせなら聴かせる重い響きやCHARLES・VEALの切なさ一杯のヴァイオリンに調べに聴き入ります。
10曲目"Black Rose"(4:15) イントロのフレーズが、曲を聴き終えてからも耳から離れないこのアルバムの最終トラックにて最大のクライマックスを迎える大作です。DON・HENLEY、GLENN・FREY、NED・DOHENYとJOHNとのコーラスの部分をざっと聴いただけでも非常に贅沢さを一聴出来るのです。また、WADDY・WACHTELとDANNY "KOOTCH" KORTCHMARのツイン・ギターも本当に泣けて来ます。
全10曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:39分44秒 (私の '76年リリースの手持ち盤の中で絶対ベスト5に入るアルバムですが、'76年には素晴らしいアルバムが多く出てリリースされている為、今日現在は、残念ながらベスト6位としています)'12年12月1日更新


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写真  JOHN HALL / On A Distant Star
 ・1992 PIONEER LCD, INC.    PICP-1002

色々なタイプのギター奏法を披露・・・

このアルバムは、JOHN・HALL名義では4枚目(JOHN HALL GROUPは含んでいません)のソロ・アルバムで、'92年11月25日に国内でのリリースで前作から何と10年ぶりです。
現在は、N.Y.の下院議員を退任しているJOHN・HALLは、再び昔の仲間達とORLEANSを結成させているようです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHN・HALL:ヴォーカル/ギター/キーボード/プロデュースの他、ROB・LEON:ベース、PETER・O'BRIEN:ドラム/パーカッション、JONELL・MOSSER:バック・ヴォーカル、ROBBIE・DUPREE:バック・ヴォーカル、ANN・LANG:バック・ヴォーカルの少人数での収録です。

1曲目"It's My World"(5:36) JOHNの優しいヴォーカルにベースによる間奏が意表を着きます。
2曲目"Plastic Money"(4:44) 後にORLEANSとしてアルバム収められるめずらしくJOHNのハードなギターソロがフューチャーされています。サンプル音源は、ライヴ映像です。
3曲目"Children's Cry"(4:36) JOHNのストラトであのピッキングが聴けます。
4曲目"Lesson"(4:03) サザンロック風の曲にJOHNのスライドギターが響きます。
5曲目"Be Wild"(4:49) ステージ受けしそうなロック&ロールのリズムにJOHNのストラトがふんだんに入っています。
6曲目"Christa"(4:37) 綺麗なメロディにJOHNのファルセット・ヴォイスとギターソロが交差します。
7曲目"New Age Baby"(3:31) 楽しいリズムの曲でバック・ヴォーカルのJONNEL・MOSSERが聴きものです。
8曲目"We Will Not Forget"(5:43) タイトなドラムのリズムに乗せJOHNのヴォーカルが熱く歌います。この曲は天安門事件について書かれています。
9曲目"Four Bombs A Day"(4:59) この曲もステージ映えしそうな曲で、JOHNがストラを弾きに弾きいています。現在の彼も小規模ですが、ステージに立ってライヴを展開中です。
10曲目"Well Come Home"(4:33) ウエスト・コースト・スタイルに戻った曲でバック・ヴォーカルにROBBIE・DUPREEを迎え、歌を主体にした楽曲です。
11曲目"Who Gave You The Right"(4:55) ブルースのメロディにJOHNのストラトのソロが入ります。ERIC CLAPTONと同じスタイルですネ。
12曲目"Winds Of Change"(4:30) カッコイイメロディでギター好きには堪らない曲です。ベースのROB・LEONとドラムのPETER・O'BRIENとの息もぴったりです。ライヴで聴きたくなります。
13曲目"Blue Square"(8:58) インストゥルメンタルで9分弱もあります。JOHNが色々なタイプのギター奏法を披露しています。
全13曲歌詞/訳詞付 20ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:65分 (このアルバムは、日本企画盤で本国アメリカでは出ていません)'10年1月30日再更新


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写真  JOHN MAYER / Room For Squares
 ・2001 Sony Music Entertainment Inc.    CK 85293

JOHN・MAYERの名を不動の地位にした・・・

コネチカットから現在、ニューヨークに移り住んで活躍しているJOHN・MAYERのメジャー盤デビュー・アルバム(インディーズから数えると2枚目)です。本国では '01年9月18日にリリースしています。プロデュースは、辣腕のJOHN・ALAGIA(JASON・MRAZ,RACHAEL・YAMAGATA)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHN・MAYER:ヴォーカル/ギター/オムニコード/ヴィブラホン/トイ・ピアノ/シンセサイザーの他、DAVID・LABRUYERE:ベース、BRANDON・BUSH:キーボード、JOHN・ALAGIA:パーカッション/ギター/キーボード/ベル/プロデュース、NIR・Z:ドラム、JERRY・MAROTTA:ドラム、CRAIG・FISHER:コンガ、DAVID・DAVIDSON:ヴァイオリン、DAVID・ANGELL:ヴァイオリン、KRISTIN・WILKINSON:ヴィオラ、CAROL・RABINOWITZ:チェロ、JON・CATCHING:チェロ、CLAY・COOK:バック・ヴォーカル、DOUG・DERRYBERRY:バック・ヴォーカルの収録地L.A./ナッシュヴィル/N.Y.のミュージシャン達が参加しています。
尚、JOHNは、高校生の時、日本に短期ながら留学経験があり、バークリー音楽大学在学中には、日本人ギター講師(トモ 藤田氏)師事し、非常に勤勉だったとの事です。現在も親日家として有名です。

1曲目"No Such Thing"(3:51) JOHNの少し篭もったスモーキーな歌声と複数のギターのサウンドによるミドル・テンポのポップなナンバーで、間奏のハモンドのサウンドもご機嫌な乗りの良い曲です。このアルバムの収録曲には、この曲も含めて数曲、ヴァージョン違いがインディーズ盤での曲が再収録されています。
2曲目"Why Georgia"(4:28) 少し変わった運指によるフィンガー・ピッキングでのアコースティック・ギターのサウンドです。サビ部分はハイトーンのJOHNの歌声と後半は心地好いギターのサウンドのオンパレードです。
3曲目"My Stupid Mouth"(3:45) JOHNのエレクトリック・ギターで軽いバラードでしょうか。タイトなドラムのビートと弾けるように演奏される心地好いギターの響きとJOHNのヴォーカルとのアンサンブルが良いですね。
4曲目"Your Body Is A Wonderland"(4:09) トロピカルな響きを持って繰り出されるギターのメロディとレゲエのように刻まれるカッティングのサウンドと余り熱くなり過ぎないJOHNのヴォーカルも"クール"。
5曲目"Neon"(4:22) イントロのサウンドからギター好きには堪らない曲でしょうね。ギターのフレーズが非常に"カッコ"良いんです。都会的で洒落たサウンドと小気味良い変調を繰り返すアレンジが最高です。JOHNはインディーズ盤でこの曲のアコースティック・ヴァージョンも収録しています。
6曲目"City Love"(4:00) やはりMICHAEL・FRANKSの歌声とJOHNのヴォーカル・スタイルが私にとって"カブリ"ます。間奏では非常にシンプルなギターソロもいいですね。
7曲目"83"(4:50) ボサ・ノヴァのリズムによる心地よいリズムの曲です。乗りの良いアップテンポのギター・サウンドとJOHNのコルグでの演奏が印象的です。
8曲目"3x5"(4:50) ドラムに大御所JERRY・MAROTTAが参加したご機嫌なビートの曲です。サウンドとメロディの流れはN.Z.のCROWDED HOUSEの曲に通じるメロディアスで歯切れの良いギター・サウンドですが、どこか影のあるメロディが似ています。
9曲目"Love Song For No One"(3:21) 若さ溢れるギターのサウンドと乗りの良いリズムによるギターポップです。少し枯れたJOHNの特徴的な歌声と巧み繰り出されるギターの爪弾きが見事です。
10曲目"Back To You"(4:01) この曲もギターのサウンドが美しいですね。シングルコイルのピックアップが拾うシンプルで伸びやかなサウンドとドラムのビートの響きと篭り気味に収録されたJOHNのヴォーカルが印象的です。
11曲目"Great Indoors"(3:21) ミドルテンポのビートの曲で、ギターの残響音と浮遊感漂うキーボードのサウンドとドラムのビートの刻みに何故かブリティッシュの香りを感じる曲です。
12曲目"Not Myself"(3:40) センチメンタルな響きのアコースティック・ギターのサウンドとギターが良いですね。間奏の非常に美しいギターソロも特徴的で、ゆったりしたサウンドの流れに身を任せたくなる曲です。
13曲目"[Untitled]" 13は縁起の悪い番号の為か曲は、収録されていません。パソコンでの再生では[Untitled]または[Blank]と表示されます。
14曲目"St. Patrick's Day"(5:21) 「聖パトリックの祝日」アイルランド系アメリカ人が多く住むコネチカットで生まれ育ったJOHNはこの日に特別の思いがあるのでしょう。少しセンチメンタルなメロディと厳かに演奏されるハモンドのサウンドに乗せJOHNが切なく歌います。
全13曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:54分19秒 (このアルバムはJOHN・MAYERの名を不動の地位にしたアルバムでしょう。尚、国内ではジャケ違いでリリースされています。現在JOHNはブルースを基調としたサウンドに方向を展開しています)'10年1月30日再更新


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写真  JOHN MAYER / Heavier Things
 ・2003 Aware Records LLC    CK 86185

"ストラト" を下げたMICHAEL FRANKS ?・・・

コネチカット出身のJOHN・MAYERのメジャー盤の2枚目(インディーズから数えると3枚目)のアルバムで '03年9月9日本国でのリリースです。プロデューサーは、前作でのミキサー担当 今ではプロデューサーとして大忙しのJACK・JOSEPH・PUIGを迎えています。
前作でのプロデュース兼パーカッションのJOHN・ALAGIAに代わってベテラン・パーカッショニストのLENNY・CASTROが大半の曲に参加しています。また、アルバムのライナーの記号とイラストがアイデア一杯で今風な表現が面白いです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHN・MAYER:ギター/ヴォーカルの他、DAVID・LABRUYERE:ベース、JAMIE・MUHOBERAC:キーボード、LENNY・CASTRO:パーカッション、GREG・LEISZ:ペダル・スティール、MICHAEL・CHAVES:ギター、LEROY:プログラミング、MATT・CHAMBERLAIN:ドラム、STEVE・JORDAN:ドラム、QUESTLOVE:ドラム、J.J.JOHNSON:ドラム、ROY・HARGROVE:トランペット、DAN・HIGGINS:サックス、JERRY・HEY:トランペットのJASON・MRAZ '05年のアルバムのメンバーに似ているのが興味深いです。

1曲目"Clarity"(4:31) ビデオ・クリップになった曲でブルージーな雰囲気を持ったポップな曲です。イントロのリズム刻みとホーンの柔らかサウンドでやられてしまいました。今回のアルバムは、作曲と作詞に重点を置いたとのJOHNの弁です。ギターのハンマリングオン/プリングオフ/トリルのサウンドが、非常に心地好い響きを持った曲です。
2曲目"Bigger Than My Body"(4:26) この曲もビデオ・クリップが制作されています。裏通りでギターを弾きながらこの曲を歌い歌詞通りに体が浮いてしまう映像です。キーボードのサウンドとギターのサウンド"タップリ" なギター・ポップな曲です。
3曲目"Something's Missing"(5:05) この曲は、ギターのサウンド好きにとって堪らない曲です。イントロの張りの有るギターのサウンドから最高です。シングル・コイル・ピックアップから繰り出されるストレート・トーンのサウンドとJOHNのハスキー・ヴォイスが絶妙なバランスを聴かせる曲です。ハモンドの心地好い音色を取り入れてところも巧みです。ギターでJOHNをサポートしているのは、私の大好きなMICHAEL・CHAVESです。
4曲目"New Deep"(4:09) 細かく刻みながら弾かれるギターのサウンドによるポップな曲で様々なギターのサウンドを重ねて収録されています。バックでタイトな重い響きのドラムのビートを繰り出しているのは名人STEVE・JORDANです。
5曲目"Come Back to Bed"(5:25) カントリー・ブルースを基調とした曲でホーンのサウンドをアクセントとして取り入れた曲です。「98.6度も心が離れてしまった恋人」への思いを馳せる内容の曲です。
6曲目"Home Life"(4:13) トロピカルなサウンドとうねったリズムを持たせたミドル・テンポの曲です。自分の日常を歌にした曲で普段の想いと疑問を描いています。
7曲目"Split Screen Sadness"(5:06) アイリッシュ・トラッドの響きを持つアコーディオン/バイオリン風の打ち込みのサウンドを配したブリテッシュな香りを感じる曲です。
8曲目"Daughters"(3:59) アコースティック・ギターの甘く切ない響きによるギター・バラードで殆ど楽器を1人で収録したシンプルで非常に美しいメロディを持った曲です。この曲でのJOHNのヴォーカル・スタイルは日本で非常に人気の高い"あの人" に似ています。
9曲目"Only Heart"(3:50) 一転してギターのサウンドを前面に出したギター・ポップです。ライヴでは受けそうな要素を多く含んでいます。フックなサウンドと乗りの良いリズムとJOHNのギターソロと3拍子揃っています。
10曲目"Wheel"(5:32) ゆったりしたリズムによる落ち着いた雰囲気の曲でJOHNのウォームトーンのギターソロと優しさ溢れる歌声によるギターでの弾き語りに近い曲です。
全10曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:46分20秒 (私とってこのアルバムでのJOHNのイメージは、"ストラト" を巧みに弾きこなすMICHAEL・FRANKSに思えて仕方が無いのですが…)'10年1月30日再更新


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写真  JOHN SEBASTIAN / Welcome Back
 ・1976 Reprise/Warner Bros. Records Inc.    MS 2249

JOHNの笑顔が良いですネ・・・

このアルバムは、60年代にN.Y.で活躍していたフォーク・ロック・バンドTHE LOVIN' SPOONFUL(現在も活動中)のメイン・パーソンJOHN・SEBASTIANのソロ・アルバム5枚目のアルバムで、本国でのリリースは、'76年にリリースされています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHN・SEBASTIAN:ヴォーカル/ギター/ハーモニカ/オートハープ/ピアノ/インディアン・ドラムの他、RICHARD・BELL:キーボード、DAVID・HUNGATE:ベース、JEFF・PORCARO:ドラム、MICHAEL・OMARTIAN:キーボード、マリンバ、KEN・ALTMAN:ベース、REGGIE・KNIGHTON:ギター/バック・ヴォーカル、RON・KOSS:ギター、JEFF・BAXTER:ペダル・スティール、MURRAY・WEINSTOCK:ピアノ、JON・LIND:バック・ヴォーカル、THE BLINTZES:バック・ヴォーカル、THE STONE WARBLERS:バック・ヴォーカルの豪華なミュージシャン達です。
プロデュースは、STEVE・BARRI(P.F. SLOAN,THE JAMES GANG)とJOHN自身で行われています。
尚、このアルバムのCD化は、'07年になってから行われ30年も手付かずだったのは、'74年の[Tarzana Kid]と共に非常に惜しい気がします。

1曲目"Hideaway"(2:54) JOHNの少し高い目のキーによる通りの良い歌声が響く明るいサウンドのポップな曲です。チャカポコ・リズムに乗せて歌うJOHNの歌声が楽しそうに響いて来ます。
2曲目"She's Funny"(3:35) JOHNの生まれ育ったN.Y.のグリニッチ・ヴィレッジのサウンドを"ぷんぷん" と発するR&Bをベースとしたメランコリックな調べの曲です。先の曲とは、少し違ったJOHNの定番的な鼻に掛かった滑らかな歌声が届きます。バックには、REGGIE・KNIGHTON(THE GRASS ROOTS)とJON・LIND(THE FIFTH AVENUE BAND)が参加し、南部と東部の絶妙なサウンドのブレンドを感じます。
3曲目"You Go Your Way And I'll Go Mine"(2:55) 牧歌的なカントリー・ロック然とした曲で、JOHNの弾き語り形式にバックのサウンドを加えたストーリーテラー的なイメージを感じます。
4曲目"Don't Wanna Have To Do It"(3:22) オリジナル曲は、先に紹介したTHE LOVIN' SPOONFUL '66年のアルバム[DayDream]に収録されているJOHNが書いた曲で、他の多くのミュージシャン達にカバーされています。ここでの収録はもっとスムーズな調べでのアレンジとバックとのコーラスを加えています。
5曲目"One Step Forward, Two Steps Back"(4:38) お気楽なサウンドとメロディによる酒場スタイルのジャム/ラグ・ミュージックと言えば分って頂ける曲です。ギブソンのギターを抱えて歌うJOHNと交互にバック・ヴォーカルを挟んだ演奏ぶりを想像させます。
6曲目"Welcome Back"(2:48) このアルバムからの一押しのタイトル曲です。当時のT.V.ドラマの挿入歌として流され、ビルボード・シングル・チャート1位を獲得しています。尚、この曲は、THE STONE WARBLERS名義にて別メンバーで収録されています。
7曲目"I Needed Her Most When I Told Her To Go"(2:56) 先の[Welcome Back]が終わった後に絶妙なサウンドで登場するハモンドとゴスペル調の曲です。途中で美しく裏返るJOHNの歌声と神聖さを感じさせる流れが響きます。
8曲目"A Song A Day In Nashville"(4:05) ギターの循環コードで演奏されるカントリー調の曲です。バックには、JEFF・BAXTER(STEELY DAN,THE DOOBIE BROTHERS)がペダル・スティールで参加しています。
9曲目"Warm Baby"(2:38) この曲もオリジナル曲は、先に紹介したTHE LOVIN' SPOONFUL '66年のアルバム[DayDream]に収録されているJOHNの書いた曲です。JOHNのファルセットでの歌声にアコースティック・ギターの爪弾きによるブルースです。
10曲目"Let This Be Out Time To Get Along"(3:14) JOHNのハーモニカのサウンドが非常に素晴らしくまた、切なく響くアルバムの最後に収録されることを相応しく感じさせる曲です。JOHNの曲の素晴らしさは、その優しい響きの歌声にあるのですが、彼のハーモニカもその優しい響きを持って流れて行きます。
歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:33分05秒 (このH.P.のリンク先にある京都のレコードショップHEIGHTSさんで紹介されたので、こちらも思い出してアップしてみました)'10年1月30日再更新


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写真  JOHN TROPEA / A Simple Way To Say "I Love You"
 ・1997 San Tropea Productions    VACM-1123

12年ぶりのソロ・アルバム・・・

ニューヨークで活躍しているジャズ・ギタリストJOHN・TROPEAのソロ6枚目のアルバムです。JOHN・TROPEA名義としては前作が '85年の[NYC Cats Direct]だったので、実に12年ぶりのリーダー作で '97年12月17日、国内でのリリースです。
プロデュースは、同じくN.Y.のベーシストWILL・LEEとJOHNとの共同で行われています。
尚、このアルバムの制作に参加しているミュージシャンは、JOHN・TROPEA:ギター/プログラミング/プロデュースの他、WILL・LEE:ベース/プログラミング/プロデュース、CHRIS・PALMERO:キーボード、BETTE・SUSSMAN:キーボード、LEON・PENDARVIS:キーボード、PAUL・SHAFFER:キーボード、RICKY・PETERSON:オルガン、CHRIS・HAJIAN:シンセサイザー、JON・SEBASTIAN・TROPEA JR.:シンセサイザー、STEVE・GADD:ドラム、SHAWN・PELTON:ドラム、TOM・SCOTT:サックス、LOU・MARINI:サックス、GEORGE・YOUNG:ホーン/ホーン・アレンジ、RALPH・McDONALD:パーカッション、LALAH・HATHAWAY:ヴォーカルのJOHNとお馴染みのミュージシャンが参加しています。

1曲目"The Messenger"(5:20) JOHNと同じくN.Y.で活躍している作曲/編曲者のTOMMY・MITCHELLの書いた曲です。アレンジとシンセサイザーの演奏にTOMMY自身が参加しています。 躍動的なリズムにファンクなアレンジも持たせたインストゥルメンタルによるフュージョン・サウンドの曲です。
2曲目"Tropea's Dope"(4:42) JOHNとベースのWILL・LEEとの共作による曲です。ホーンのサウンドをファンクに表現した曲で、N.Y.スタイルのSTUFFのサウンドにも通じます。オルガンのソロは、日本でも人気のあるRICKY・PETERSONの演奏になっています。
3曲目"Change The World" (4:48) ご存知 ERIC・CLAPTONの '96年の大ヒット曲のカバーです。歌詞の部分は、JOHNのギターで演奏されたインストゥルメンタルになっています。
4曲目"Sideshow"(6:37) 本国のリリース盤からシングル・カットされた曲です。BOBBY・ELLIとVINNY・BARRETのコンビによるヒット曲で、ソウル・シンガー・グループBLUE MAGICが歌い全米トップ10にランクインした '74年の作品です。この曲にキーボードで参加しているPAUL・SHAFFERとJOHNとが以前からカバーしたい曲として選曲されていたようです。
5曲目"Funky Duck"(5:45) ベースのWILL・LEEとJOHNとの共作による曲です。堅いサウンドによるWILLのフェンダー・ジャズ・ベースによるチョッパー奏法による響きとJOHNのジャズ・ギターとの息の合ったプレイです。
6曲目"Cain't Dance"(5:21) モダン・ジャズとソウル寄りのフュージョン・サウンドが文字通り融合したファンクな曲です。ホーンとアレンジで参加しているGEORGE・YOUNGの複雑なホーンの流れに合わせて共作者であるWILLとJOHNの演奏が見事にコラボしています。
7曲目"A Simple Way To Say I Love You"(5:21) 美しいギターの調べと心地好いスローなリズムによるメロウな曲です。この曲もWILLと一緒に書かれています。JOHNと同じ時代から活躍しているギタリストのであるLARRY・CARLTONの最近の演奏曲にも通じるものを感じます。
8曲目"Willy T"(8:06) レゲエのリズムによる心地好い流れを感じる曲です。JOHNのウォーム・トーンにしたギター・ソロとバックのオルガンの調べも和やかに響きます。この曲もWILLとJOHNの共作になっています。
9曲目"I Want You"(4:51) 短い歌詞が付いたトロピカルなサウンドを感じるラテン/ファンクな曲です。ミドル・テンポのリズムに乗せられたJOHNのハーモニクスのご機嫌なギター・サウンドに絡められたLALAH・HATHAWAY(故DONNY・HATHAWAYの娘さん)の歌声が最高です。
10曲目"The Beauty In You"(4:27) 厳かに奏でられるメランコリックなナンバーです。JOHNの切ないギターの調べに続いて登場するWILLのフレットレス・ベースの音色に鳥肌物です。この曲もWILLとの共作でJOHNの奥さんに捧げられています。
1曲歌詞付 JOHN自身による解説ライナー (国内盤) 収録時間:55分22秒 (このアルバムで音楽界に復帰したJOHN・TROPEA、最近も精力的に新作アルバムをリリースしています。尚、過去の作品もCD化されラインアップも充実されました)'10年1月30日再更新


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写真  JONAH / Save The Swimmer
 ・2000 JONAH MUSIC     751937163121

サウンド・実力抜群のバンド・・・

オレゴンで活躍するJONAHのファースト・アルバムで、'01年のリリースです。メンバーは、HENRY・CURL:ヴォーカル/ギター/キーボード、JAKE・ENDICOTT:ドラム、CHRIS・HAYES: ギター/キーボード/バンジョー、MATT・ROGERS:ベースの4人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JONAHの4人の他、JOE・KACZMAREK:ハモンド・オルガン、STEVE・SUNDHOLM:キーボード/パーカッション、RYAN・MOULDER:ヴィオラ、KNEEL・COHN:シンセサイザーのオレゴンのミュージシャン達です。
尚、プロデュースは、オレゴンにスタジオを構えるSTEVE・SUNDHOLMとJONAHの共同となっています。

1曲目"Sea Hymn"(4:50) 中近東風のドラムとギター・サウンドで幕が開く印象的なイントロとスケールの大きいギター・サウンドによるエモ・ロックです。
2曲目"Found"(3:46) この曲のイントロのギター・サウンドだけでこのアルバムを購入する事を決めました。クールなギターのサウンドとエモーショナルなドラムのビートとHENRYの伸びやかにこだまする歌声による最高の曲です。
3曲目"Radio Murders"(4:58) この曲も独特の雰囲気を持つ曲でJONAH のバンドとしての実力の高さを聴く者に十二分に理解させる曲です。JAKEの正確無比に刻まれるドラムのビートとCHRISのギターから繰り出されるスライド・ギターの音色に完敗です。
4曲目"Lunar Song"(4:11) アコースティック・ギターの美しい調べとファルセットで歌うHENRY の美しい歌声による心に沁みるバラードです。
5曲目"Newborn"(4:39) ギターの美しい旋律によるメロディアス・ロック・ポップです。この曲でもCHRISが素晴らしいスライドギターを披露しています。
6曲目"Wishes"(3:52) HENRYの素晴らしいヴォーカルによるミドル・テンポのオルタナティヴ・ロックで後半からダイナミックな展開となっています。
7曲目"Anonymous"(5:03) U2のBONOを彷彿とさせるヴォーカルとスケール感の大きいギターのサウンドによるエモ・ロックです。
8曲目"Pepto"(3:57) 2曲目と少し似た特徴的なドラムのビートの曲でドラマチックに展開して乗りの良いパワード・ギター・サウンドとなります。
9曲目"Rescued"(4:37) 幻想的なギター・サウンドのイントロからJAKEの素晴らしいドラムのビートが入ると爽快感のある曲へと変化します。
10曲目"Grand Design"(4:43) 太く歪ませたギターのサウンドとうねりを持ったリズムによる重厚な曲です。
11曲目"Reunion"(3:52) ゆったりした牧歌的なギター・サウンドの曲ですが、HENRYのエモーショナルな歌声はこのような曲でも何か熱くさせる物を感じます。
全11曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:47分33秒 (サウンド・実力・歌唱力抜群のバンドでフルトラックの新作が楽しみです)'10年2月1日再更新
2001年度ベスト5


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写真  JONAH / Trust Everyone Before They Break Your Heart
 ・2007 JONAH MUSIC     JM003 751937302124

久しぶりに出たフルトラック・アルバム・・・

オレゴン州ポートランドを活動拠点にしているインディーズ・バンドJONAHの3枚目のアルバムです。前作が5曲入りのEP盤だったので、久しぶりに出たフルトラック・アルバムです。 '07年3月に現地でのリリースです。
今作でのバンドのメンバーは、HENRY・CURL:ヴォーカル/ギター/キーボード、JAKE・ENDICOTT:ドラム/パーカッション、CHRIS・HAYES: ギター/マンドリン/キーボード/エフェクト、MATT・ROGERS:ベース/ギターの4人での収録となっています。

1曲目"Runaground"(3:08) アメリカのバンドらしからぬブリット・ロックのスプリットを持ったサウンドの広がりと憂いのあるHENLYのヴォーカルに良く似合う曲です。残響のあるCHRIS・HAYESのギターのサウンドが好いんです。
2曲目"Time's Up"(3:40) 会話を使ったサンプルをイントロに配したエモーショナルリズムとメロディによるエモ・ロックです。ドラムのJAKE・ENDCOTTの不規則でメリハリを付けたドラムのビートがご機嫌な曲です。
3曲目"Lights Out"(3:45) 定番通り3曲目はスローな曲を持って来たと思いきやイントロが終わると同時にアップ・テンポで突き進むビートと縦乗りに近いサウンドの津波に圧倒される曲です。過去のアルバムから数段ハードに更に、アグレッシヴに進化したJONAHのサウンドです。
4曲目"Don't Disappear"(3:49) この曲も含みサウンドとリズム全体の輪郭がはっきりしているのはプロデューサーにナッシュヴィルのMARSHALL・ALTMAN(TODD・CAREY,AMY・GRANT)を迎えた事による影響でしょうか。
5曲目"Welcome Here"(3:09) やっと落ち着いた曲の登場です。フィンガー・ピッキングで弾かれるCHRISのギターのサウンドとHENRYの得意な美しいファルセット・ヴォイスです。曲の方は、途中から更にワイドにダイナミックに展開します。
6曲目"Intermission Is Over"(4:07) この曲を始めて聴いた時はイントロのサウンドが聞覚えのあるアイルランドの女性シンガーを想い出されました。エモーショナルに押し寄せるドラムとベースのビートによる曲です。
7曲目"All Alarms"(4:20) 特徴的なギターのカッティングサウンドに乗せ一身に歌うHENRYの熱いヴォーカルによるライヴ栄えする曲です。
8曲目"All That Remains"(5:55) すこしスローダウンした牧歌的なサウンドの曲です。1作目の曲の流れを踏襲したメロディアスなナンバーで、HENRYがその喉を聴かせます。
9曲目"A Patient Man"(3:25) JAKEのワイルドなドラムのビートとCHRISのエモーショナルなギター・ワークが見事に調和したエモ・ギター・ロックです。この曲もブリット・ロックの持つ雰囲気をより伝えています。
10曲目"When You Fade"(3:17) この曲でもJAKEのドラムのビートが効いています。彼のドラムから繰り出される正確なビートと伸びやかにまた心地好く歌うHENRYの歌声に思わず体を揺らされます。
11曲目"The Joy Of Drowning"(7:00) アルバムの最後は7分もある大作です。ゆったりした出だしを司るインディアン・ドラムのビートがこの曲の底に流れるJONAHの持つ独特の鼓動を表現しています。HENRYの美しい歌声が栄える曲です。
全11曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:45分39秒 (CD Babyの地元ポートランドで愛されるJONAHの新作、サウンドをよりパワーアップしての登場です。試聴はJONAHのBANDCAMPでもどうぞ!)'10年2月1日再更新


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写真  JONATHA BROOKE & THE STORY / Plumb
 ・1995 GRP Records Inc.     BTD-7003

ソロとして活動を開始したJONATHA・・・

このアルバムは、80年代にマサチューセッツ州ボストンのカレッジで結成されたフォーク・デュオTHE STORYとして2枚のアルバム制作し、'94年にソロとして活動を開始したS.S.W.JONATHA・BROOKEの '95年8月29日に本国でリリースされたJONATHA・BROOKE名義としての最初のアルバム(一応 & THE STORYとなっていますが、JENNIFER・KIMBALLは、参加していない)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JONATHA・BROOKE:ヴォーカル/ギター/キーボード、DUKE・LEVINE:ギター/ラップ・スティール・ギター/マンドリン/マンド-チェロ、ALAIN・MALLET:キーボード/アコーディオン/プログラミング/プロデュース、TOM・WEST:ハモンド、MICHAEL・RIVARD:ベース、ABE・LABORIEL Jr.:ドラム/パーカッション/タンバリン/シェイカー、JAY・BELLEROSE:ドラム/パーカッション/ジャンベ、SHAWN・PELTON:ドラム/スネアー/ブラシ・オーバーダブ、BRUCE・COCKBURN:ヴォーカル/ギター、AYDIN・ESEN:ストリングス、OLIVIA・KOPPELL:ヴィオラ、CHARLES・LIBOVE:ヴァイオリン、DAVID・NADIEN:ヴァイオリン、EILEEN・IVERS:ヴァイオリン、JERRY・O'SULLIVAN:ウィリアン・パイプ、ANDERS・BOSTRÖM:ピッコロ・フルート/ディーズ、INGRID・GRAUDINS:バック・ヴォーカル、JOHN・MACVEY:バック・ヴォーカル、BEN・WISCH:バック・ヴォーカルなど一部THE STORYのアルバムにも参加したミュージシャン達です。尚、このアルバムは、ジャズ系のレーベルBlue Thumb Recordsより配給されています。

1曲目"Nothing Sacred"(4:05)メランコリックなメロディとサウンドが広がる少しオルタナティヴな要素を垣間見せる(聴かせる)曲です。高域で裏返る様が非常に特徴的な歌声を聴かせるJONATHAの美しい歌声に包まれます。
2曲目"Where Were You?"(3:26) この曲は、ルーツ・ロックのような少し土臭さを感じさせるJONATHAの曲の中では比較的骨太のサウンドを聴かせる曲です。スライド・ギターと一発でハモンドB-3と分かる調べが絡みあったソロの演奏を楽しみましょう。
3曲目"Inconsolable"(6:53) JONATHAのアコースティック・ライヴなどで良く演奏されている落ちついたメロディとリズムで展開される曲です。揺らぎを持ったギターの調べに合わせて伸びやかで美しい歌声を聴かせるJONATHAです。
4曲目"No Better"(5:03) アコースティック・ギターの素朴な弦の響きがイントロから流れる質素な前半と後半からのエモーショナルなパートな組合せが見事な聴き応えのある曲です。JONATHAと一緒にこの曲を書いているALAIN・MALLETの力強いピアノの調べも頼もしさを感じます。
5曲目"West Point"(4:15) この曲もJONATHAのアコースティック・ライヴなどで彼女がアコースティック・ギターを巧みに爪弾きながらこの曲の美しいイントロを奏でるとファンから大歓声がわくファンからもお気に入りの曲です。特筆すべきは、ベースのMICHAEL・RIVARDのベースが非常に素晴らしいですね。
6曲目"War"(5:07) カナダの社会派S.S.W.BRUCE・COCKBURNがヴォーカルとギターで参加した注目の曲です。この曲では、アップライト・ベースに持ち替えたMICHAEL・RIVARDのメロウな調べにN.Y.のベテラン・セッション・ドラマーSHAWN・PELTON(SHAWN・COLVIN,MAYFIELD)も参加した脇が渋すぎる曲でもあります。
7曲目"Made Of Gold"(5:12) アコースティック・ギターの美しい調べの重なりが流れるイントロから聴き入らす曲です。この曲も途中よりサウンドの厚みを増して広がり方は、圧巻なのです。
8曲目"Is This All?"(4:16) この曲の切なさは、半端じゃないですね。いつものキーより高めに設定したJONATHAの美しくも掠れ気味になるウィスパー・ヴォイスに鳥肌が立ちます。スローな曲には、パーカッションのビートに合わせたアコースティック・ギターの爪弾きは、定番中の定番なのですが、何度もこの曲には嵌りますね。
9曲目"Full-Fledged Strangers"(4:16) 心地好い響きを聴かせるハモンドB-3のサウンドの広がりが堪らない曲です。後半からクリヤで輪郭のはっきりしたアメリカの女性S.S.W.の曲らしい流れとセルフで重ねたJONATHAのコーラスも素晴らしいのです。
10曲目"Paris"(4:56) 不協和音を奏でるアコースティック・ギターの調べのバックに流れるストリングスの調べが怪しくも切なさ一杯に登場するギターとストリングスのみの異色の曲です。
11曲目"Charming"(6:24) JONATHAのヴォーカルの立ち位置を奥に引っ込ませた収録が非常に興味を惹きつける曲です。また、DUKE・LEVINEのバックワードギターの不思議な調べやABE・LABORIEL Jr.のもの凄いドラムのビートも躍動感を与えてくれます。
12曲目"Andrew Duffy's Jig"(1:04) JERRY・O'SULLIVANのイリアン・パイプスの演奏による短いインストゥルメンタルで、曲も彼の手によって書かれています。
11曲歌詞付 20ページ物豪華写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:56分41秒 (Blue Thumb Recordsを傘下に収めるGRP/Verve Records会長TOMMY・LiPUMAに独り立ちを薦められたJONATHA、この後もコンスタントにアルバム作りを続けています)'13年6月8日更新
1995年度ベスト5


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写真  JONATHA BROOKE / 10¢ Wings
 ・1997 MCA Records Inc.     MCAD-11706

オルタナティヴに迫って・・・

このアルバムは、マサチューセッツ出身、現在ニューヨークで活躍しているS.S.W.JONATHA・BROOKEの '97年11月4日に本国でリリースされた2枚目(初期のTHE STORY名義の2枚は含まない)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JONATHA・BROOKE:ヴォーカル/ギター/キーボードの他、GERRY・LEONARD:ギター/スライド・ギター/サンプル/バック・ヴォーカル、MARC・SHULMAN:ギター、JON・BRION:ギター、DUKE・LEVINE:ギター/ラップ・スティール/マンドーラ/バック・ヴォーカル、MICHAEL・RIVARD:ベース、MINDY・JOSTYN:フィドル、CONWAY・KUO:ヴァイオリン、PETER・WEIMER:ヴァイオリン、KRYSTOF・WITEK:ヴァイオリン、RALPH・SARRIS:ヴィオラ、GARO・YELLIN:チェロ、JEAN-BAPTISTE・BOCLÉ:ヴィブラフォン、ALAIN・MALLET:キーボード/ヴィブラフォン/ループ/シークエンス/バック・ヴォーカル/プロデュース、TOM・WEST:ハモンド、ABE・LABORIEL Jr.:ドラム/パーカッション/シェイカー/バック・ヴォーカル、BEN・WITTMAN:ドラム/パーカッション、GOTA・YASHIKI:ドラム、CHRISTER・JANSSON:ドラム、KARL・BERGER:アレンジ/指揮、PETER・CIRELLI:トロンボーン/チューバ、JEFF・GALINDO:トロンボーン、RICK・HAMMETT:トランペット、INGRID・GRAUDINS:バック・ヴォーカルの一部ジャズのミュージシャン達も参加しています。
尚、プロデュースは、PAUL・SIMONのバンドの一員として活動していて現在、バークリー音楽大学で講師をしているALAIN・MALLETが担当しています。

1曲目"Secrets And Lies"(4:28) 忍び足風に響くピアノの調べに変則的に打ち鳴らされるドラムのビートが印象的な曲です。どことなくCROWDED HOUSE 風な感じ拘り感や掴み所の無さがこのJONATHA・BROOKEの音楽の魅力ではないでしょうか。
2曲目"Crumbs"(5:03) 優しく歌うJONATHAの歌声から入る曲なのですが、突如登場する掻き鳴らされたギターの荒れたサウンドやダイナミックな展開やバックの女性バック・ヴォーカルの熱い歌声など結構聴き応えのある曲の流れです。
3曲目"Because I Told You So"(3:48) この曲の切なさに聴き入りますね。アコースティック・ギターの爪弾きにその後ろに位置ながら並行して流れているGERRY・LEONARDのエレクトリック・ギターのこれまた雰囲気物のサウンドが堪りません。それはちょうどSOPHIE・ZELMANIとLARS・HALAPIの位置関係のようです。
4曲目"Blood From A Stone"(4:20) JONATHAのライヴで良く演奏されるアコースティック調の曲です。この曲を一度聴くとサビの部分の「Blood from a stone, wine from water」のループから抜け出せません。
5曲目"Glass Half Empty"(4:21) この曲もメロディ・ラインとビートが特徴的に流れるアバンギャルドさを持ったオルタナティヴに迫って来る曲です。摩訶不思議なギターのサウンドとこのビートの展開には病み付きになる恐れがあります。尚、この曲は、JONATHAの友人で若くして事故死したS.S.W.KEVIN・GILBERTのことを歌っています。
6曲目"The Choice"(5:20) ここでちょっとオーセンティックな感じの曲登場です。多分4曲目と同じメンバーとの収録と思われる落ち着いたサウンドとビートを感じます。また、この曲でもGERRY・LEONARDとDUKE・LEVINEのギターのグリッサンドやちょっとしたトレモノの使い方に職人肌を感じるのは私だけでしょうか。
7曲目"Last Innocent Year"(4:48) 一転して明るいポップ調の曲ですが途中の展開はまた羽目を外した感じのサウンドになっています。ところで自分の「Last Innocent Year」っていつだったのかこの曲を聴きながら想い出してみようかなと。
8曲目"Shame On Us"(4:59) ゆったり奏でられるアコースティック・ギターの調べに合わせて訥々と歌うJONATHAの切ない歌声が響く曲です。揺らぎ持ちながら更に、とぼとぼと肩を落として歩くように流れるバックの演奏が切な過ぎますね。
9曲目"Genius Or A Fool"(4:45) この曲もゆったりとしたダウンテンポな雰囲気を醸し出す曲です。R&Bの影響を感じさせるバンドの演奏と妖艶に聴く者惹きつけるJONATHAの歌声に取り囲まれます。
10曲目"Ten Cent Wings"(4:05) JONATHAのピアノの弾き語りによる曲です。非常にシンプルさに徹した収録に後半うっすらとストリングと金管楽器の調べが重ねられています。尚、他の曲も含みミキシングは、ベテランBOB・CLEARMOUNTAINの手によります
11曲目"Landmine"(5:57) イントロから聴かせるJONATHAのメランコリックな歌声とキーボードの調べが切さ一杯に広がる曲です。途中より次第にサウンドの厚みを増して流れるバックの演奏と美しい彼女の歌声が織りなすサウンドがエモーショナルなほど圧巻なのです。
12曲目"Annie"(3:27) アコースティック・ギターを爪弾きながら歌うJONATHAの歌声が時々裏返る時がセクシーさを感じさせる曲です。彼女のOLSON GUITARの美しい弦の響きとJONATHAのこれまた美しい歌声とのハーモニーを堪能することにしましょう。
全12曲歌詞付 写真ライナー U.S.製 (輸入盤) 収録時間:52分26秒 (JONATHA・BROOKEの魅力溢れるアルバムですが、ジャケット写真がすこし地味じゃないかな)'13年6月2日更新


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写真  JONATHA BROOKE / Steady Pull
 ・2001 Bad Dog Records     BDR-60801-2

少しオルタナティヴ・・・

このアルバムは、マサチューセッツ出身、現在ニューヨークで活躍しているS.S.W.JONATHA・BROOKEの '01年2月13日に本国でリリースされた4枚目(初期のTHE STORY名義の2枚は含まない)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JONATHA・BROOKE:ヴォーカル/ギター/ベース/キーボード/ウクレレ/バリトン・ギター/ストリング・アレンジ/プロデュースの他、VAL・McCALLUM:ギター、GOFFREY・MOORE:ギター、BOB・CLEARMOUNTAIN:ベース/ループ/タンブーラ/ドラム・プログラミング/バック・ヴォーカル/プロデュース、MITCHELL・FROOMハモンドB-3JOE・SAMPLE:キーボード、RYAN・FREELAND:キーボード/ドラム・プログラミング/プロデュース(2曲目)、DEREK・FRANK:ベース、JOHN・PIERCE:ベース、DAVEY・FARRAGER:ベース、DARREN・EMBRY(MAIA・SHARP):ベース、MARCUS・MILLER:ベース、LARRY・ABERMAN:ドラム/パーカッション、PETE・THOMAS:ドラム、BOSSA・CUCA・NOVA:ループ、DENNIS・WHITE:ギター/ループ/ドラム・プログラミング、DAVID・BOUCHER:ループ/ドラム・プログラミング/バック・ヴォーカル、GERRI・SUTYAK:チェロ、J'ANNA・JACOBY:ヴィオラ、SCARLET・RIVERA:ヴァイオリン、MICHAEL・FRANTI:バック・ヴォーカル、KENYA・HATHAWAY:バック・ヴォーカル/ヴォーカル・エフェクト、THE CHICKLETS:バック・ヴォーカル、NEIL・FINN:バック・ヴォーカルのベテラン・ミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Linger"(4:20) 掻き鳴らされるギターの調べに硬く引き締まったドラムのビートが印象的な曲です。少し鼻に掛かかりながら尖った所を持つJONATHAの歌声を強いて誰かに例えるとアイルランドで活躍しているGEMMA・HAYESを少し年配にした感じかな。
2曲目"How Deep Is Your Love?"(4:02) メランコリックな調べと歌声が入る曲なのですが、次第にうねり持ってエモーショナルな流れへと移るオルタナティヴな雰囲気とバックの演奏の数々や奥行の重ね具合は、正にBOB・CLEARMOUNTAINとRYAN・FREELANDの成せる業ですね。
3曲目"Walking"(4:46) 前の2曲は飛ばし気味だったので今度は、ダウンテンポのリズムにLo-Hiな楽器類の演奏による適度な隙間を設けた曲です。不思議な雰囲気を醸し出すMITCHELL・FROOMのハモンドの調べなど彼の参加した初期のCROWDED HOUSEに通じるものを感じます。アルバムの後半にはそのCROWDED HOUSEのNEIL・FINNも登場します。
4曲目"Red Dress"(3:31) JONATHAがその特徴的な歌いまわしを聴かせるこの曲もオルタナティヴなサウンドを聴かせる曲です。JOE・SAMPLE(THE CRUSADERS)の奏でる美しいウーリッツァーの調べと対照的なGOFFREY・MOOREの荒らしたギター・サウンドがアグレッシヴに登場します。
5曲目"Room In My Heart"(4:26) イントロから響くMARCUS・MILLERの珠玉のフレットレス・ベースのサウンドに不気味さを醸し出すJONATHAのピアノのメロディが織りなすこの曲も不思議な雰囲気を持った曲です。曲の終焉までエモーショナルに歌い続けるJONATHAの歌声が耳に残ります。
6曲目"Steady Pull"(4:28) 今度は、ファンクな雰囲気を伝えるブラック・ミュージックからの影響を感じさせる軽い乗りの曲です。カリフォルニア州オークランド出身のMICHAEL・FRANTIの枯れた歌声とこの曲ではJONATHAのコケティシュ(良い意味での)な歌声とのコラボを楽しむことにしましょう。
7曲目"Your House"(4:01) 再び雰囲気を変えて来た変則チューニングされたアコースティック・ギターの不思議な調べが広がるスローな曲です。ベースのDARREN・EMBRYの演奏も渋めの響きを聴かせます。
8曲目"New Dress"(3:48) 美しいピアノの調べとストリングスの調べが全編に流れるこのアルバムの中では、ポップ調の曲です。サビの部分から登場するNEIL・FINNのバック・ヴォーカルも暖かい雰囲気を醸し出しています。しかし、NEILの長年ファンである私としては、MICHAEL・FRANTIとの曲と比較してNEILをもっと前に出ても良かったかなと思いますね。
9曲目"Digging"(3:45) アメリカの女性S.S.W.らしい曲の繊細さの感じさせる出しから途中に一転した荒々しいサウンドに展開する曲です。VAL・McCALLUMとGOFFREY・MOOREの2人ギターも更に荒々しさをこの曲に加速させて行きます。
10曲目"Out Of Your Mind"(4:01) 今度はお気軽モードで聴かせるロック"ン" ロールのリズムの曲です。普段は裏方に徹して収録では、余り歌わないと思っていたBOB・CLEARMOUNTAINやDAVID・BOUCHERも歌っていてしかも、JONATHAもエレクトリック・ギターでのソロを披露するところから収録も相当に楽しかったのではないでしょうか。
11曲目"I'll Take It From Here"(2:45) イントロから聴かせるGOFFREY・MOOREのスライド・ギターが感じ好いですね。ギターのリフとサウンドのインスピレーションは、JOSEPH・MOOREのアイデアと特に記載されているのですが、ギターのGOFFREYの兄弟かは不明です。
12曲目"Lullaby"(2:42) アルバムの最後は、JONATHAのギターによる弾き語りの子守歌で幕を閉じます。丁寧に奏でられる彼女のギターの調べと優しい歌声が響きます。
全12曲歌詞付 写真ライナー U.S.製 (輸入盤) 収録時間:46分39秒 (アルバムの1曲目から飛ばし気味に鳴るオルタナティヴナなサウンド、THE STORYからの脱却がそこに感じます)'13年5月25日更新


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写真  JONATHA BROOKE / Back In The Circus(US)
 ・2004 Bad Dog Records     BDR-US-60204-2

JONATHAのメランコリックな歌声の響きと・・・

このアルバムは、マサチューセッツ出身、現在ニューヨークで活躍しているS.S.W.JONATHA・BROOKEの '04年2月24日に本国でリリースされた5枚目(LIVE盤を含む)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JONATHA・BROOKE:ヴォーカル/ギター/ベース/キーボード/ウクレレ/マンドリン/サウンド・エフェクト/ドラム/シェーカー/プロデュースの他、RYAN・FREELAND:ギター/キーボード/アコーディオン/ドラム/プログラミング/プロデュース、ERIC・BAZILIAN:ギター/ベース/キーボード/シェーカー/プログラミング/プロデュース、GOFFREY・MOORE:ギター/ベース/プログラミング/プロデュース、MITCHELL・FROOM:キーボード/シンセサイザー、DARREN・EMBRY(MAIA・SHARP):ベース、DORIAN・CROZIER:タンブーラの1部JONATHAと一緒にツアーに出ているミュージシャン達との収録です。

1曲目"Back In The Circus"(4:20) JONATHAがカウントを取りながら入るところが印象的な曲です。プロデュサーRYAN・FREELANDが奏でるアコーディオンやギターのサウンドの揺らぎ感が非常に心地好く流れて来るのです。
2曲目"Better After All"(2:42) 今度は、THE HOOTERSのERIC・BAZILIAN との共同プロデュースの曲です。ピアノで奏でられるメロディが非常に美しく表現され、小ぶりな曲ながらキラって光る部分を持っています。
3曲目"It Matters Now"(3:58) この曲もRYAN・FREELANDとの共同プロデュースとなっている曲で、少しカントリー調の落着いた調べとリズムを持った本当にアメリカの女性S.S.W.然とした曲調を持っています。
4曲目"Sleeping With The Light On"(3:13) JONATHAがメランコリックに歌うキーボードでの弾き語り形式による曲です。シンプルなサウンドの影に練り込まれたトイ・ピアノやベースのトーンも切なく響きます。
5曲目"Fire And Rain"(4:14) ご存じアメリカのS.S.W.JAMES・TAYLOR '70年のヒット曲のカバーです。オリジナル曲は、JAMESのギターによる弾き語り形式から入るシンプルな持ち味で収録されています。ここでの収録は、ドラム・プログラミングを用いての現在風のサウンドにウーリッツァーとギターの揺らぎを持った響きが広がります。 尚、この曲は、ギターのGOFFREY・MOOREとJONATHAの共同プロデュースとなっています。
6曲目"Everything I Wanted"(4:11) 今度は、引き摺り感を持ったダウンテンポな曲の登場です。バンド仲間GOFFREY・MOOREの弦を潰し気味に奏でられる間奏でのギター・ソロが切な過ぎますね。
7曲目"God Only Know"(3:00) この曲もおなじみの曲ですね。THE BEACHBOYS '66年の多くのミュージシャンにカバーされているヒット曲です。このアルバムでの収録は、JONATHAのキーボード/ギターとRYAN・FREELANDのプログラミングによるスローな流れとなりヴォーカル部分は、非常に凝ったオーバー・ダブにより仕上げてられています。
8曲目"Less Than Love Is Nothing"(3:47) 再びERIC・BAZILIAとのプロデュース曲の登場です。この曲の質感は、前の曲と非常に違ってドラム・マシーンの早くリズミカルな美しい流れによる今風の曲のアレンジにJONATHAのピアノとERIC・BAZILIAのエフェクト気味なギターのサウンドが堪りません。
9曲目"Sally"(3:59) この曲もメランコリックなメロディで奏でられるプロデュサーRYAN・FREELANDとJONATHAとの少人数で作り込まれたこのアルバムのテーマでもあるサーカスの華やかさの裏にある切ない部分を表現したサウンドの展開となっています。
10曲目"No Net Below"(3:21) ゆっくりと奏でられる古いウーリッツァーの揺らぎのあるサウンドに鍵盤の擦れ音まで忠実し拾った繊細な曲です。後半から登場するE-BowによるGOFFREY・MOOREのギターが非常に切ない印象を与えています。
11曲目"Eye In The Sky"(4:53) オリジナル曲は、ご存じALAN PERSON PROJECT '82年のヒット。ここでの収録は、JONATHAのギターの演奏を中心と彼女の歌声によるしっとりした流れと彼女の演奏と歌声だけによるシンプルなサウンドで収録され、このアルバムの終焉にふさわしいアレンジとなっています。
全11曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:41分44秒 (このアルバムは、翌年イギリス向けにカバー曲3曲をJONATHAの過去のオリジナル曲に差し替えてリリースもされています)'13年7月20日更新


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写真  JONATHA BROOKE / Back In The Circus(UK)
 ・2005 Instant Karma/Bad Dog Records     DHARMACD6

JONATHAのイギリス向け・・・

このアルバムは、マサチューセッツ出身、現在ニューヨークで活躍しているS.S.W.JONATHA・BROOKEの '05年にイギリスでリリースされた5枚目(初期のTHE STORY名義の2枚は含まない)のアルバムです。
本アルバムのオリジナル盤は、本国にて '04年に3曲のカバー曲を収録した盤がリリースされていますが、このイギリス盤には、著作権の関係かJONATHA '01年のアルバム[Steady Pull]からのオリジナル曲3曲に差し替えてリリースされています。(各曲のレビューについては、先のアルバムからを転載しています)
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JONATHA・BROOKE:ヴォーカル/ギター/ベース/キーボード/ウクレレ/サウンド・エフェクト/ドラム/シェーカー/プロデュースの他、RYAN・FREELAND:ギター/キーボード/アコーディオン/ドラム/プログラミング/プロデュース、ERIC・BAZILIAN:ギター/ベース/キーボード/シェーカー/プログラミング/プロデュース、VAL・McCALLUM:ギター、GOFFREY・MOORE:ギター、BOB・CLEARMOUNTAIN:ベース/プロデュース、MITCHELL・FROOM:キーボード/チャイム、JOE・SAMPLE:キーボード、JOHN・PIERCE:ベース、DARREN・EMBRY(MAIA・SHARP):ベース、MARCUS・MILLER:ベース、LARRY・ABERMAN:ドラム/パーカッション、DORIAN・CROZIER:ドラム/タンブーラ、KENYA・HATHAWAY:バック・ヴォーカル、MICHAEL・FRANTI:バック・ヴォーカルの今回もベテラン・ミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Back In The Circus"(4:21) JONATHAがカウントを取りながら入るところが印象的な曲です。プロデュサーRYAN・FREELANDが奏でるアコーディオンやギターのサウンドの揺らぎ感が非常に心地好く流れて来るのです。
2曲目"It Matters Now"(3:59) この曲もRYAN・FREELANDとの共同プロデュースとなっている曲で、少しカントリー調の落着いた調べとリズムを持った本当にアメリカの女性S.S.W.然とした曲調を持っています。
3曲目"Linger"(4:22) 掻き鳴らされるギターの調べに硬く引き締まったドラムのビートが印象的な曲です。少し鼻に掛かかりながら尖った所を持つJONATHAの歌声を強いて誰かに例えるとアイルランドで活躍しているGEMMA・HAYESを少し年配にした感じかな。
4曲目"Better After All"(2:43) 今度は、THE HOOTERSのERIC・BAZILIAN との共同プロデュースの曲です。ピアノで奏でられるメロディが非常に美しく表現され、小ぶりな曲ながらキラって光る部分を持っています。
5曲目"Red Dress"(3:33) JONATHAがその特徴的な歌いまわしを聴かせるこの曲もオルタナティヴなサウンドを聴かせる曲です。JOE・SAMPLE(THE CRUSADERS)の奏でる美しいウーリッツァーの調べと対照的なGOFFREY・MOOREの荒らしたギター・サウンドがアグレッシヴに登場します。
6曲目"Everything I Wanted"(4:12) 今度は、引き摺り感を持ったダウンテンポな曲の登場です。バンド仲間GOFFREY・MOOREの弦を潰し気味に奏でられる間奏でのギター・ソロが切な過ぎますね。
7曲目"Steady Pull"(4:26) 今度は、ファンクな雰囲気を伝えるブラック・ミュージックからの影響を感じさせる軽い乗りの曲です。カリフォルニア州オークランド出身のMICHAEL・FRANTIの枯れた歌声とこの曲ではJONATHAのコケティシュ(良い意味での)な歌声とのコラボを楽しむことにしましょう。
8曲目"Less Than Love Is Nothing"(3:47) 再びERIC・BAZILIAとのプロデュース曲の登場です。この曲の質感は、前の曲と非常に違ってドラム・マシーンの早くリズミカルな美しい流れによる今風の曲のアレンジにJONATHAのピアノとERIC・BAZILIAのエフェクト気味なギターのサウンドが堪りません。
9曲目"Sleeping With The Light On"(3:14) JONATHAがメランコリックに歌うキーボードでの弾き語り形式による曲です。シンプルなサウンドの影に練り込まれたトイ・ピアノやベースのトーンも切なく響きます。
10曲目"Sally"(3:58) この曲もメランコリックなメロディで奏でられるプロデュサーRYAN・FREELANDとJONATHAとの少人数で作り込まれたこのアルバムのテーマでもあるサーカスの華やかさの裏にある切ない部分を表現したサウンドの展開となっています。
11曲目"No Net Below"(3:02) ゆっくりと奏でられる古いウーリッツァーの揺らぎのあるサウンドに鍵盤の擦れ音まで忠実し拾った繊細な曲です。後半から登場するE-BowによるGOFFREY・MOOREのギターが非常に切ない印象を与えています。
全11曲歌詞付 写真ライナー U.K.製 (輸入盤) 収録時間:41分42秒 (イギリス向けのデビュー・アルバムとしてリリースされたこのアルバム、著作権の関係と思うのですが、ダウンロード版では、イギリスもアメリカ関係なしに購入できるのですがね。。。)'13年7月6日更新


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写真  JONATHA BROOKE / Careful What You Wish For
 ・2007 Bad Dog Records     BDR-US-60307-2

エモーショナルなサウンドと歌声・・・

このアルバムは、マサチューセッツ出身、現在ニューヨークで活躍しているS.S.W.JONATHA・BROOKEの '07年4月3日に本国でリリースされた7枚目(初期のTHE STORY名義の2枚は含まない)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JONATHA・BROOKE:ヴォーカル/ギター/バリトン・ギター/キーボード/マンドリン/パーカッション/プロデュースの他、ERIC・BAZILIAN:ギター/ベース/キーボード/プログラミング/バック・ヴォーカル/プロデュース、BOB・CLEARMOUNTAIN:ギター/ベース/タンバリン/ミキシング/プロデュース、GOFFREY・MOORE:ギター、MITCHELL・FROOM:ハモンドB−3/オート・ハープ、DARREN・EMBRY(MAIA・SHARP):ベース、TED・GREENBERG:ドラム、RICH・MERCURIO:ドラム、KEVIN・HARP:ドラム、DON・RODENBACH:サンプル、BRANDON・DUNCAN:バスーン/サンプル、DAVID・BOUCHER:ベース・クラリネット/クラリネット、GIL・GOLDSTEIN:アレンジ/指揮、BOB・SHEPPARD:クラリネット、JEFF・DRISKAL:ベース・クラリネット、NICK・LANE:ユーフォニウム、BRAD・WARNAAR:フレンチ・ホーン 、HARVEY・SALZMAN:バスーン、JC・CHASEZ:バック・ヴォーカルのベテラン・ミュージシャン達が多く参加しています。
尚、プロデュースは、JONATHA、ERIC・BAZILIANとBOB・CLEARMOUNTAINにより曲毎に組合せを替えて行われています。

1曲目"Careful What You Wish For "(3:58) 枯れて古びたLo-Fiなギターの調べに合わせて歌うJONATHAの歌声の長閑な感じから急にエモーショナルで攻撃的なヘビー・サウンドに移して展開されるオルタナティヴな要素を持った曲です。
2曲目"Beautiful Girl"(4:03) 当時、シングル盤も制作されたこのアルバムから一押しの曲のようです。アコースティック・サウンドで奏でられる美しいメロディ群に絡まったJONATHAのこれまた美しい歌声が響きます。
3曲目"Keep The River On Your Right"(3:48) この曲もJONATHAの書いた曲のようなコード進行と彼女の歌いまわしを感じさせる曲です。前々作から収録に参加しているMITCHELL・FROOMのハモンドB−3のサウンドが堪りませんね。
4曲目"I'll Leave The Light On"(3:50) イントロからアコースティック・ギターの金属弦を爪弾きながら歌うJONATHAとその後に登場するERIC・BAZILIAN(THE HOOTERS)とのハモリも息の合った曲です。尚、この曲はそのERICとJONATHAの共作にもなっています。
5曲目"Baby Wait"(3:42) 不協和音を醸し出す不思議なギター・チューニングを施したギターのサウンドが印象的な軽めのリズムを持った曲です。リッケンバッカーのような張のある12弦ギターのサウンドやメリーゴーランドを乗っているようなおとぎの国のようなサウンドが次々に登場して過ぎ去って行きます。
6曲目"Hearsay"(3:00) この曲もイントロからJONATHAらしい足早に乗せて来る曲です。捲し立てるような歌いぶりからエモーショナルな展開を聴かせたエンディングは、フェードアウト無しに鋭利な刃物でスパっと切った切口に潔さを感じます。
7曲目"Forgiven"(5:11) 非常に抒情的な重厚なサウンドで展開される重さのある曲です。打ち鳴らされるドラムのビートの中に切ない響きで奏でられるギター・トーンが浮かび上がります。
8曲目"Je N'Peux Pas Te Plaire"(3:40) フランス語の歌詞による曲です。そう言えば過去のアルバムに"Paris" って同じくセンチメンタルな調べの曲を英語で書いていましたが、今度はフランス語で書かれています。アルバム制作の合間にヨーロッパ・ツアーを単身で行っていたJONATHAの体験から書かれたのでしょうか。
9曲目"Prodigal Daughter"(4:06) 自身のこと"放蕩娘" と称して歌われるドラマチックな展開と重いサウンド聴かせる曲です。尚、この曲はミネソタ出身の声優/S.S.W.SALLY・DWORSKYとJONATHAの共作となっています。
10曲目"After The Tears"(4:27) ホルン、クラリネットやマンドリンの音色で奏でられる穏やかなサウンドとテンポを持った曲です。途中よりJONATHAとデュエットで歌うERIC・BAZILIANが再び登場しています。
11曲目"Never Too Late For Love"(2:40) アコースティック・ギターの弦を強く爪弾きながら歌うJONATHAの弾き語りです。ギターの6弦を低音側にスライドさせながら歌う切なく歌うJANATHAの歌声と彼女の運指の音とが更に切なく響きます。
全11曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:42分30秒 (自身のレーベルを興してからライヴ・アルバムやスタジオ収録アルバムの制作と勢力的に活動しています)'13年8月14日更新


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写真  JONATHA BROOKE / The Works
 ・2008 Bad Dog Records     BDR 60808

企画盤のようですが・・・

このアルバムは、現在ニューヨークで活躍しているS.S.W. JONATHA・BROOKEの '08年8月26日に本国でリリースされた8枚目のアルバムです。
WOODY・GUTHRIE このアルバムの収録曲の大半は、1930年代のアメリカのフォーク・シンガー/作家WOODY・GUTHRIE(1912-1967)の詞にJONATHAの作曲による企画的な要素を持ったアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JONATHA・BROOKE:ヴォーカル/ギター/バリトン・ギター/ピアノ、HIRAM・BULLOCK:ギター、DEREK・TRUCKS:スライド・ギター、GREG・LEISZ:ペダル・スティール/ラップ・スティール、CHRISTIAN・McBRIDE:アップライト・ベース、JOE・SAMPLE:キーボード、MITCHELL・FROOM:ハモンドB−3、GIL・GOLDSTEIN:アコーディオン、STEVE・GADD:ドラム、KEB'MO':ヴォーカル/ドブロ、ERIC・BAZILIAN:ヴォーカル、GLEN・PHILLIPS:ヴォーカルのベテラン勢です。
尚、プロデュースは、BOB・CLEARMOUNTAINとJONATHAの共同で行われ、エグゼクティヴ・プロデューサーとしてWOODY・GUTHRIEの娘NORA・GUTHRIEとJONATHAやJOE・SAMPLEのマネージメントを務めるPATRICK・RAINSの名前が記されています。

1曲目"My Sweet And Bitter Bowl"(4:31) イントロから重く響くCHRISTIAN・McBRIDEの白熱した演奏によるアップライト・ベースの響きと非常に対照的な長閑な雰囲気を醸し出すGIL・GOLDSTEINのアコーディオンの調べとの融合が見事な曲です。JONATHAの歌声もいつもと違った意気込み感じさせるところがあります。
2曲目"You'd Oughta Be Satisfied Now"(3:56) 今度は、ラップ・スティールの調べが落着いた雰囲気で流れるR&Bの曲です。アメリカの南部のスワンプ・ロックほど泥臭く/土臭くないのは、JONATHAの芯の歌声とN.Y.勢の演奏だからでしょうか。
3曲目"All You Gotta Do Is Touch Me"(4:20) このアルバム紹介のビデオでもトップに流れる一押しの曲のようです。妖艶さを増したJONATHAの歌声とナッシュヴィルで活躍しているブルース・シンガーKEB'MO'とのデュエットでの歌声によるコラボが素晴らしい曲です。バックの卓越した演奏に重ねたKEB'MO'のドブロも非常に心地好く広がります。
4曲目"My Flowers Grow Green"(3:49) 穏やかに流れるワルツのリズムにハモンドのしらべが落着いた響きが広がる曲です。曲の後半から穏やかながらエモーショナルに歌い上げるJONATHA、彼女のデビューから早20年以上の歳月が流れてベテランの風格が漂っています。
5曲目"Madonna On The Curb"(3:34) この曲のマイナー・コードの調べは、本当に美しいですね。このアルバムのリリース後の彼女のアコースティック・ライヴでも良く演奏されている曲でもあります。アコースティック・ギター、アップライト・ベース、ハモンドにブラシによるスネアのビートが本当に素晴らしく融合しています。
6曲目"There's More True Lovers Than One"(3: 52) ここで少し軽めのカントリー調の曲の登場です。THE HOOTERSのヴォーカル/ギターERIC・BAZILIANとのデュエットでの収録にJONATHAの歌声も幾分楽しそうに聴こえます。
7曲目"Sweetest Angel"(3:33) JONATHAのアコースティック・ギターの弾き語り形式にて収録されている曲で、途中よりTOAD THE WET SPROCKETのヴォーカル/ギターのGLEN・PHILLIPSとデュエットとなっています。アコースティック・ギター1本のシンプルな調べに2人ハーモニーも美しく流れて来ます。
8曲目"My Battle"(4:55) ゴスペルの調べを奏でるハモンドの調べにバックに広がるGREG・LEISZ(SHAWN・COLVIN,JONI・MITCHELL)の演奏するペダル・スティールの穏やかなサウンドの広がりが素晴らしく感じます。
9曲目"Little Bird"(2:30) イントロから奏でられるCHRISTIAN・McBRIDEのアップライト・ベースによるソロの調べと少し切なさを醸し出すJONATHAの歌声の流れとが哀愁となって流れています。尚、この曲は、JONATHAの作詞/作曲となっていています。
10曲目"Taste Of Danger"(4:10) この曲もJONATHAのライヴで良く演奏されている彼女の作詞/作曲による曲です。紗に構えたハモンドのサウンドと少し言葉を吐き散らし気味のJONATHAの歌声とが絶妙な味となって聴く者に押し寄せますね。
11曲目"New Star"(4:09) JONATHAのアコースティック・ギターを丁寧に爪弾く調べに合わせて歌う彼女の歌声が心地好く響く曲です。このアルバムには、数人のゲスト・ミュージシャンが参加しているのですが、この曲には近年活躍めざましいギタリストDEREK・TRUCKSが揺らぎを持った不思議なサウンドを発するスライド・ギターの調べが非常に印象的です。
12曲目"Coney Island Intro"(0:35) コニー・アイランド・イントロと名付けられた次の曲のイントロ部分にあたる短い曲ですが、サウンド的にはアコーディオンの調べが切なく響くパリの下町の雰囲気を感じます。
13曲目"King Of My Love "(3:56) 歯切れ良いピアノの調べと跳ねるようなベースの調べによる美しいメロディとサウンドを持った曲です。少し粘りを感じさせる特徴的なJONATHAの歌声とピアノの調べをこのアルバムの終焉までじっと聴いて行こうと思います。
12曲歌詞付 写真ライナー デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:47分56秒 (このアルバムをリリースした後のJONATHAの新作の情報がないのが少し残念なのですが)'13年6月23日更新


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写真  JON POUSETTE-DART / Put Down Your Gun
 ・1998 Little Big Deal Music    ARM-10001

POUSETTE-DART BAND時代から活躍する・・・

このアルバムは、ナッシュヴィルとN.Y.で活躍するS.S.W.JON・POUSETTE-DARTのソロ・アルバム1枚目で、オリジナル盤は、'98年のリリースです。
今回レビューする盤は、'04年に曲の一部を再編成させて再発売されたものです。収録に参加しているミュージシャンは、バンド時代から行動を共にしているJOHN・CURTIS:ギター/マンドリン、JOHN・TROY:ベース/バック・ヴォーカルにスタジオ・ミュージシャンのBOB・CHRISTIANSON:キーボード、DAVID・COSTA:キーボード、GARY・ROTTGER:キーボード、DARRELL・SCOTT:ペダル・スティール、ZEV・KATZ:ギター(ベース)、MARK・EGAN:ベース、MICHAEL・DAWE:ドラム、DAVE・COSTA:ドラム、ERIC・PARKER:ドラム、BILLY・WARD:ドラム、PETER・SIMPSON:バック・ヴォーカルなどJONの音楽仲間達が参加しています。
尚、プロデューサーは、JIM・CROCEやGIRLS NEXT DOORのアルバムなどを手掛けたTOMMY・WESTとJONとの共同となっています。

1曲目"Put Down Your Gun"(3:17) 銃犯罪の多さに嘆いているJONが、問題提起した曲で「銃を置いて…」と言う歌詞が印象深い曲です。明るいカントリー・タッチのサウンドとは裏腹に重い内容の歌詞です。ジャケットの裏カバーにJONのアメリカの銃社会に対しての思いがびっしりと書かれています。
2曲目"Ready To Fly"(3:17) ペダル・スティールののどかなサウンドとアコースティック・ギターの爽やかなサウンドによるカントリー・フレイヴァー溢れる曲です。JONのギター・サウンドが美しいです。
3曲目"The Waiting Game"(3:50) マンドリンのサウンドを使った爽やかなウエスト・コーストのポップ・チューンです。相変わらずJOHN・TROYとの素晴らしいハーモニーを聴かせてくれます。JONのH.P.で和やかで冗談好きのJOHN・TROYのレコーディングの風景がビデオになっていました。
4曲目"Amazing To Me(3:26)" JON・POUSETTE-DARTの美しい響きを持つアコースティック・ギターによる落着いた甘いメロディでの弾き語りです。
5曲目"I'm The Man For You"(2:55) 恋人に捧げる歌詞の内容をカントリータッチのメロディに乗せて歌うJONの優しい歌声による曲です。GARY・BURR(RINGO・STARR,KELLY・CLARKSON)との共作でGARY自身ギターとバック・ヴォーカルで参加しています。
6曲目"Shelflife"(3:31) POUSETTE-DART BAND時代を彷彿とさせるアップテンポなナンバーです。ドラムのBILLY・WARD(JOAN・OSBORNE,ROBBIE・ROBERTSON)が素晴らしいステックさばきです。
7曲目"Oklahoma"(4:32) この曲を聴きたくてこのCDを購入しました。静けさの中から響くペダル・スティールの哀愁あるサウンドとバックに流れるJOHN・CURTISのピッキング・ギターの渋いサウンドでの曲でJONの透き通る伸びやかな歌声と幾重にも重ねられたハーモニーによる落着いた素晴らしい曲です。
8曲目"It's About Time"(3:00) JOHN・TROYの高いキーでのハーモニーによるウエスト・コーストのロック風の曲です。JONの歌声も最近の作品よりかなり若々しく聴こえます。
9曲目"Walking To A Different Rhythm"(4:36) ナッシュヴィル・スタイルのギターのサウンドに乗せゆったり歌うJONの歌声とドブロギターのソロがいいですね。
10曲目"She Looks Good To Me"(3:15) スライドギターとギターのサウンド"タップリ" の明るい曲です。この曲もレコーディングの風景がビデオになっています。DARRELL・SCOTT(ナッシュヴィルのフォーク・シンガー)の曲です。
11曲目"Tonight"(3:25) アコースティック・ギターでの弾き語りから入る曲ウエスト・コーストのサウンドたっぷりのメロディで共作者はDARRELL・SCOTTです。ピアノ、パーカッションとコーラスと増やして行きます。JONの素晴らしいギター・ソロが決まります。
12曲目"Dawn"(2:59) イントロのMARK・EGANのフレットレスベースの音色が心に響きます。この曲はスローなナンバーですが、結構ロック色の強い作品になっています。
13曲目"The Real Thing"(4:14) JONのスライド・ギターでのソロから入るブルースです。サビのコーラスは、JOHN・TROYとの息もぴったりでJONのスライド・ギターも心なしか嬉しそうに聴こえます。
全13曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:46分22秒 ('76年のPOUSETTE-DART BANDから活躍しているJONは、いつまでも元気です!)'10年2月1日再更新


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写真  JON POUSETTE-DART / Sample This
 ・2002 Little Big Deal Music    LBD002

好みの分かれるサウンドかな・・・

このアルバムは、ナッシュヴィルとN.Y.で活躍しているS.S.W.JON・POUSETTE-DARTの '02年4月に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JON・POUSETTE-DART:ギター/ヴォーカル/ベース/マンドリン/ドラム・プログラミングの他、PETER・HENDERSON:ハーモニカ、CHARLIE・GIORDANO:コンサーティーナ、PAUL・SOCOLOW:ベース、KENNY・WHITE:キーボード、PETER・BASIL:パーカッション、DONNA・KELLY:ドラム、JANICE・DEMPSEY:バック・ヴォーカル。プロデュースは、DANNY・GRIGSBY(LAURA・BRANIGAN,BRADLEY・COLE)が担当しています。
今回は、残念ながらPOUSETTE-DART BAND時代のJOHN・CURTISとJOHN・TROYは、参加していません。
尚、このアルバムには、JONの紹介ビデオ、5曲のサンプル動画、JON自身による曲紹介/歌詞のEPKも組み込まれています。

1曲目"Your Love Is All I Need"(3:06) アコースティック・ギターの切ない響きによるスローなR&Bの曲です。PETERの泣きのハーモニカにJONのスライド・ギターの調べが重ねられた落ち着いた響きが届けられます。
2曲目"Truckstop Girl"(4:05) オリジナル曲は、LITTLE FEATのLOWELL・GEORGEとBILL・PAYNEが書いた '71年の曲でTHE BYRDSもカバーしていた曲です。イントロから美しいハーモニーを聴かせる懐かしいフォーク・ロック・スタイルの調べです。
3曲目"Look What Love Has Done"(2:58) JONのスライド・ギターの弾き語りに近いスタイルによる軽めのロック"ン" ロールの曲です。ボトルネックとコードによるアコースティック・ギターの演奏を巧みに使い分けしながら歌うJONです。
4曲目"Even Dirty Old Men Need Lovin'"(3:49) ブルース・ロック・バンドTHE DANNY ADLER BAND '83年の曲のカバーです。ここでの収録は、JONの美しい響きのアコースティック・ギターのサウンドをメインにした心地好い調べで収録されています。
5曲目"Amnesia(Revisited)"(4:15) オリジナル曲は、POUSETTE-DART BAND '77年の同名アルバムに収録されていた曲です。今回の収録は、全てJONのスポーケンで収録されアシッドなロック/ヒップ・ホップ・スタイルな歌詞以外は全て別物と認識した方が良さそうですね。
6曲目"1000 Miles From You"(3:28) カントリー調のギター・サウンドによるJON作詞/作曲の曲です。フィンガー・ピッキングによるアコースティック・ギターのサウンドとPETER・HENDERSONのハーモニカによる素朴な調べが響いています。
7曲目"Roll Um Easy"(3:05) 再びLITTLE FEATの故 LOWELL・GEORGE '72年の曲のカバーです。ルーツ・ロック然とした佇まいと質素なコンサーティーナの演奏によるシンプルさに徹した出来栄えです。
8曲目"Sample This"(5:17) この曲は、ロック色を発散させていますね。前の曲との流れを考慮して登場と思われます。全ての楽器をJON1人で演奏しての収録とした拘りのタイトル曲です。
9曲目"I Like Your Dimensions"(5:07) ソウル・ミュージック系のシンガーJANICE・DEMPSEY(SMOKEY・ROBINSON,FREDDIE・JACKSON)がバック・ヴォーカルに参加している曲です。JONアコースティック・ギターの弾き語りにスライド・ギターのサウンドでインパクトを与えたルーツ・ロック的な雰囲気を伝える曲です。
10曲目"This Heart Of Mine"(3:16) 美しいメロディとサウンドを持つ曲でナッシュヴィルのS.S.W. JOHN・BOHLINGERとJONとの共作です。この曲も多重録音にてJONの演奏と歌声によってしっとりとした作品で収録されています。
11曲目"Tug Of War"(4:01) 少し懐かしさを感じるマイナー・コードによるシンプルな響きの循環コードによるフォーク・ロックな曲です。JONのアコースティック・ギター、スライド・ギター更に、ハーモニーまでも自身で行っています。
12曲目"I Want You To Want Me"(4:35) オリジナル曲はアメリカン・ロック・バンドCHEAP TRICK '77年のヒット曲で、多くのミュージシャンにカバーされています。カントリー・ロック調のリズムとメロディをハーモニカとアコースティック・ギターの音色で演出しています。
歌詞無し(エンハンスド部にて掲載) 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:47分06秒 (このアルバムのサウンドは、従来のPOUSETTE-DART BANDの持ち味のポップさより"渋め" のサザーン・ロック/ルーツ・ロックの要素を全面に出しているので好みは分かれるのではないでしょうか...)'10年2月1日再更新


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写真  JON POUSETTE-DART / Heart & Soul
 ・2005 Little Big Records Album    #LBD003

哀愁を帯びたギターのサウンドと華麗なハーモニーが最高・・・

このアルバムは、マサチューセッツ出身のS.S.W.JON・POUSETTE-DARTのソロ・アルバム5枚目(再編成、再発売を含む)で '05年の本国でリリースされたアルバムです。月日の流れは早いもので、彼のデビューから早35年が経とうとしています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JON・POUSETTE-DART:ヴォーカル/ギター/スライド・ギター/マンドリン/ベース/キーボード/ドラム/パーカッション/プログラミング、JOHN・TROY:ベース/バック・ヴォーカル、JOHN・CURTIS:ギター/バック・ヴォーカル、TIM・GEARAN:ギター、LOU・ULRICH:ベース、BRUCE・BEARS:キーボード、CHUCK・CHAPLIN:キーボード、JIM・CHAPDELAINE:キーボード/マンドチェロ、JOE・DE・ROSE:ドラム、BILLY・WARD:ドラム/パーカッション、ERIC・PARKER:ドラム/パーカッション、ROB・FRIED:パーカッション、TONI・LYNN・WASHINGTON:ヴォーカルの古くからのJONの友人達が参加しています。

1曲目"After The Rain"(6:14) 哀愁を帯びたメロディとスライド・ギターのサウンドに包まれた華麗なハーモニーによる最高の曲です。POUSETTE-DART BAND時代より少し枯れ気味になったJONの渋い歌声の響きとこのサウンドに鳥肌が立ちます。
2曲目"Can't Keep A Good Man Down"(5:37) スライド・ギターのソロとバックに入っているマンドリンが心地好い曲です。
3曲目"Way To Be With You"(3:34) アコースティック・ギターによる弾き語りです。コーラスの部分は、ハーモニーが"タップリ" 入っています。アットホーム的な心地良さを感じる曲です。
4曲目"In The Pocket"(4:29) JONによるブルース・ギターのインストゥルメンタルで"渋い" です。
5曲目"Heart & Soul"(5:48) これでもかと言うくらいギターのサウンドを使ったブルースです。
6曲目"My SUV"(4:22) ラップ風のJONヴォーカルを入れた"渋い" アレンジの曲でJONにしては、めずらしい曲調であり新しい作風ではないでしょうか。SUVは、スポーツ・ユーティリティー・ビークルの略で、JONのH.P.でこの曲のCGでの面白いビデオが楽しめます。
7曲目"Creole Wind"(5:12) JONによるスライドギターのインストゥルメンタルでスローテンポの良い曲です。
8曲目"Blindman"(3:07) アコースティック・ギターによる弾き語りで彼の最近ライヴでのスタイルに近い曲風です。
9曲目"Under The Spell Of You"(4:02) この曲は、非常にJONらしい爽やかなギターポップで非常に美しいハーモニーを付けた曲です。
10曲目"Perfect World"(3:43) 旧友JOHN・TROYのベースのサウンドを生かした曲で鋭いギターソロが入っています。
11曲目"Heavenly Body"(5:11) ファンキーなリズムにファルセット・ヴォイスを使ったソウルでJONのギターのリズムの刻みがご機嫌ですね。
12曲目"Morning Song"(2:29) JONによるドブロ・ギターのインストゥルメンタルです。
13曲目"Shake Me"(5:25) 自宅のスタジオにて収録したような落ち着きがあって、また、哀愁のあるJONのヴォーカルによるブルースです。JONとデュエットで歌っているのは、ブルース・シンガーTONI・LYNN・WASHINGTONで彼女のソウルフルな歌声も心に染みますね。
14曲目"Happy Trails"(2:01) この曲もギターのサウンドをふんだんにオーバー・ダブした2分程度のインストゥルメンタルです。
10曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:61分47秒 (何と全14曲1時間以上の聴き応えのあるアルバムです。まだまだ第一線で活躍するJON、彼を応援します!)'10年2月1日再更新


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写真  JON POUSETTE-DART / Anti Gravity
 ・2011 Little Big Records Album    LBD 004

実に6年ぶりのアルバムです・・・

このアルバムは、N.Y.で活躍しているS.S.W.JON・POUSETTE-DARTの '11年8月1日(CDとして)に本国でリリースされた6枚目(再編成、再発売を含む)のアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JON・POUSETTE-DART:ギター/ヴォーカル/ベース/キーボード/プロデュースの他、JIM・CHAPDELAINE:ギター/ブズーキ/トイ・ピアノ/プロデュース、DARRELL・SCOTT:ギター/キーボード/バック・ヴォーカル/プロデュース、PAUL・SOCOLOW(DAVID・BYRNE,JOHN・PAYNE):ベース、BILLY・WARD:ドラム、ERIC・PARKER(ORLEANS,JOE・COCKER):ドラム、JOHN・McDOWELL:パーカッション、JONELL・MOSSER:ヴォーカル、JAMIE・KYLE:ヴォーカルのJONの友人や有名ミューシャン達が参加しています。

1曲目"Anti-Gravity(2:39) JONのHPでのこのアルバム紹介によるとPOUSETTE-DART BAND時代の軽快なサウンドを意識してアルバム作りが行われたとあるように1曲目のイントロから軽快なギターのサウンドと美しいハーモニーが流れるバンド・スタイルの曲です。
2曲目"Me And The Rain"(3:37) 今度は一転してピアノのサウンドをメインしたピアノ・バラードです。前作[Heart & Soul]の"After The Rain" をよりメロウにしたピアノ・バージョンとも言える感じが伝わって来ます。
3曲目"Better Everyday"(4:21) ""ストラトキャスター" の弦をネック越しにチョーキングしながら歌うJONお得意のカントリー・ロック調の曲です。ライヴでの演奏では観客と一緒に手拍子や軽めのダンスをしながらJONと一緒に歌おうと言う感じですね。
4曲目"Great Wide Open"(3:54) この曲も非常にPOUSETTE-DART BANDに近いギター・サウンドの溢れる曲です。不思議なギター・コードの進行とそのコードの選び方に興味深さを感じさせる調べの広がりです。
5曲目"Words"(2:48) 今度は一転して軽めの「お気楽さ」を感じさせる曲です。ドライブしながら聴くも良し、仲の良い友達同士でのホーム・パーティーで流すのも良しです。
6曲目"Who I Am"(3:57) JONのフィンガー・ピッキングによるアコースティック・ギターのサウンドがゆったりと流れるフォーク・スタイルの曲です。多くのミュージシャンに曲を提供し、本人も '92年にアルバム[Passionate Kind]でデビューしているケンタッキー出身のS.S.W.JAMIE・KYLEとJONとの共作の曲で、彼女とのデュエットの歌声が美しく伝わって来ます。
尚、この曲は、JONの奥さんDAWN・YOUNGのドキュメンタリーフィルムの為に書かれた曲でもあります。
7曲目"Heaven Is Here"(3:46) 天国をテーマとした曲で、歌詞の中には夫々の宗教での神を讃える言葉が登場しています。ナッシュヴィルで活躍しているシンガーJONELL・MOSSERがJONとの美しいハーモニーを聴かせるのです。
8曲目"How Could I Walk Away"(2:45) JONの書く曲の特徴は、軽快さがある事は勿論の事、そのギター・コードの美しさと流れが非常に心地好いと感じところです。この曲も非常にコードが美しく響きながらゆったりとした曲の流れを十分に感じさせてくれるのです。
歌詞無し ライナー無し 2つ折り紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:27分50秒 (JON自身のレーベルからリリースされたこの4枚目アルバムですが、やはり最近のインディーズ盤通り収録曲の数は変則的です)'11年10月15日更


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写真  JON STICKLEY TRIO / Lost At Last
 ・2015 Jon Stickley Trio    8 88295 31084 0

ネオ・ブルーグラス・バンド・・・

このアルバムは、ノースキャロライナ州アッシュヴィルで活躍しているオルタナティヴ/ネオ・ブルーグラス・バンドJON STICKLEY TRIOの2枚目(JON・STICKLEY単独名義のアルバムは含まない)のアルバムで '15年10月16日に本国でのリリースです。
JON STICKLEY TRIOのメンバーは、JON・STICKLEY:ギター/マンドリン、LYNDSAY・PRUETT:ヴァイオリン、PATRICK・ARMITAGE:ドラムの3人組です。 このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、詳しいライナーが付属していないので不明ですが、JON STICKLEY TRIOの3人のみでの収録と思われます。
尚、プロデュースは、ミネソタで活躍しているドラマー/ヴォーカリストDAVE・KINGが担当しています。

1曲目"Point To Point"(5:19) このJON STICKLEY TRIOの奏でる音楽に最初に触れた曲です。イントロから聴く者を虜にするJONのギターのサウンドとスリリングなギターとLYNDSAYのヴァイオリンのメロディアスさとの融合が素晴らしく感じます。
2曲目"The High Road"(4:01) アイルランドのトラディショナル音楽からの影響を感じさせる曲です。途中よる登場するキビキビとしたビートを繰り出すPATRICK・ARMITAGEのドラム、JONもそのビートに合わせ得意の早弾きへとギターを奏でます。
3曲目"Rice Dream"(3:24) この曲もイントロから耳を掴まれた曲です。優しく奏でるJONのギターの爪弾きから急にアグレッシヴなサウンドをLYNDSAYへ送り、巧なサウンドの展開が本当に上手いバンドである事を感じます。
4曲目"Never Stop"(3:41) 単音で奏でるJONのギターに応じるように弾くLYNDSAYのヴァイオリンの爪弾きに聴き入る曲です。途中より叙情的なサウンドへ展開させ曲の流れに取り込むよう聴く者へ誘います。
5曲目"Darth Radar"(4:28) この曲はビデオを観て聴いた方が面白いのではないでしょうか。ジプシー音楽/ジャズ/ロック、更にパンクからエレクトロニカまで全てぶっ混んだ煮込み料理の様な音楽を楽しみましょう。
6曲目"Octopickin"(5:17) 曲名通りオクターヴにて爪弾かれるギターとヴァイオリンによる前半の穏やかな重奏から重厚でスピーディな演奏へ展開する曲です。本当に曲の素晴らしさは単にブルーグラス・バンドの域を超えたところからこの項の最初にオルタナティヴと付け加えました。
7曲目"Slope"(5:52) 今度は、もっと聴き易い方向へシフトしたTVの番組のテーマソング風の曲です。でもやはりJONは、そのrapid-fire奏法(早打ち奏法とJONのH.P.紹介文にあり)を聴かせています。
8曲目"Goa"(5:42) どことなく南米アンデスの音楽を感じさせる曲ですが、曲名のGoaは、インド西部の州の名前です。JONのギター・ソロの中にシタールに似せた演奏もあるのです。
9曲目"Valse De Wasso"(2:50) オランダ生まれのジプシー音楽家JIMMY・ROSENBERGが '98年の発表した曲のカバーです。流れる様に巧なJONの運指とLYNDSAYとPATRICKの演奏も素晴らしく感じます。
10曲目"Pamlico Sound"(4:20) ハーモニクスで奏でられるJONのギターの優しいサウンドによる曲です。何故か遠くで響くLYNDSAYのヴァイオリンの音色が旅情的な響きを発するアジアのニ胡の音色に聴こえるのは、気のせいでしょうか。
11曲目"Flight Of The Durban"(4:13) インストゥルメンタルの曲にタイトルを付ける時にどのような感じを感じ曲名にするのかなと以前から感じでいました。この曲もどこかに曲名を感じるところがあるのでしょう。オリジナル曲は、EMMITT-NERSHI BAND '09年の曲のカバーです。オリジナル曲のバンジョーとマンドリンをJONは、ギターとヴァイオリンで表現しています。
歌詞無し(全曲インストゥルメンタル) ライナー/クレジット無し 紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:49分13秒 (色々な音楽の要素が混ざり合ったこのJON STICKLEY TRIOのサウンド、3人の演奏の上手さを是非ライヴで観てみたいものです)'17年7月22日更新


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写真  JOSEF SCOTT / Beacon Hill
 ・2025 Josef Scott    

全然知らないのだけれども(笑)・・・

このアルバムは、ニュージーランド出身で現在、マサチューセッツ州ボストンで活躍しているインディー・ポップ/ドリーム・ポップ・S.S.W.JOSEF・SCOTTの3枚目のアルバム(5曲EP盤)で '25年3月27日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンの詳しいクレジット記載が無いので多分、JOSEF・SCOTT1人での収録のようです。

1曲目"Picture Me"(3:48) このイントロのふわっとした柔らかなサウンドから掴まれた曲です。これまた優し気に奏でられるベースの爪弾きにもやられましたね。
2曲目"Field Of Dreams"(3:44) Lo-Hiにしたバックのサウンドと歪み/揺らぎを持ったリズムの流れが心地好く響く曲です。口笛を交えながら歌うJOSEFです。この感じは、ロスで活躍しているMOCKYの音楽に通じるところもありますね。
3曲目"Again"(3:02) 今度は、遠くで奏でられるオルガンの音色がペールな曲です。メランコリックなネオソウル/バラードな洒落たサウンドとリズムの曲です。きっと60年代のモータウンサウンドの影響を受けて育ってきたのではないでしょうか。
4曲目"Everything"(3:39) この曲も前の曲のサウンドの流れを引継いでいる感のある曲です。どこと無くソウル/ファンクな滑らかなリズムに乗せファルセットで歌うJOSEFです。
5曲目"Cold"(2:42) 今度は、TOM・MISCHばりのギターと歌を聴かせるJOSEFです。コンパクトに纏めた泣きのギター・ソロもスカッと決めていますね。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:16分55秒 (いつも通りBandcampの好みの音楽の新着をちょい聴きしていて捕まったこのJOSEF SCOTT、ニュージーランド出身と言うことも興味を引き購入してみました!)'25年4月18日更新


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写真  JOSEPH WILLIAMS / I Am Alive
 ・1996 KITTY ENTERPRISES,INC.    KTCR-1803

豪華バック陣に美しい歌声・・・

Ex.TOTOのヴォーカリストJOSEPH・WILLIAMSの2枚目のアルバムです。国内レーベルからの企画を受けてアルバム作りが行われて '96年3月6月に国内盤としてリリースされました。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOSEPH・WILLIAMS:ヴォーカル/キーボード/ドラム・プログラミング、JOEY・CARBONE:キーボード/ドラム・プログラミング、JAY・GRUSKA:キーボード/ドラム・プログラミング/バック・ヴォーカル/プロデュース、JAMES・HARRAH:ギター、MICHAEL・THOMPSON:ギター、JAY・GRAYDON:ギター、MICHAEL・LANDAU:ギター、MARK・GOLDENBERG:ギター、JASON・SCHEFF:ベース/バック・ヴォーカル、MIKE・PORCARO:ベース、STEVE・PORCARO:キーボード、PAUL・GORDON:ドラム・プログラミング/キーボード/バック・ヴォーカル、JEFF・PORCARO:ドラム、LENNY・CASTRO:パーカッション、BILL・CHAMPLIN:バック・ヴォーカル、AMYE・WILLIAMS:バック・ヴォーカル、BOBBY・KIMBALL:バック・ヴォーカル、KATY・SEGAL:バック・ヴォーカル、DANNY・PECK:バック・ヴォーカルの有名ミュージシャンが多く参加しています。 尚、プロデュースは、JOEY・CARBONE(JOHN・O'BANION,KIM・CARNES)、JAY・GRUSKAとJOSEPHにより曲毎に行っています。

1曲目"Perfectly Clear"(4:54) TOTO時代の延長線から少しポップ路線へ移したメロディアス・ポップな曲です。JOEY・CARBONEとJOSEPHとJOSEPHの奥さんのAMYE・WILLIAMSで、彼女自身バック・ヴォーカルで美しい歌声を聴かせています。BOBBY・KIMBALLのヴォーカルが聴こえてくる頃にはプチ"Africa" って感じですかね。後半にはJAMES・HARRAHもそのアグレッシヴなギターを聴かせています。
2曲目"Heroes"(5:15) この曲もメロディアスな流れを聴かせるミドル・テンポのバラードですね。1曲目と同じメンバーによる作詞/作曲となっています。後半に少しだけですがエモーショナルなギターを聴かせているのは、MICHAEL・LANDAUです。
3曲目"Cool Night"(4:05) ご存じPAUL・DAVIS '81年のヒット曲のカバーです。このアルバム収録時にJOSEPHから「何か良いカバー曲は無いかな?」の問いに制作側からオファーされたもの。イントロからJAY・GRAYDONが聴かせますね。バックでギターを心地好く刻んでいるもう一人のギタリストは、JAMES・HARRAH。バック・ヴォーカルは、BILL・CHAMPLINにJASON・SCHEFFと何とも豪華なメンバーです。
4曲目"I Am Alive"(5:41) 故JEFF・PORCAROに捧げられた曲です。オリジナル・トラックの収録は、JOSEPHがTOTOに在籍していた '89年頃との事で、JEFF・PORCAROとMIKE・PORCAROの演奏で収録されています。後にこのアルバムの収録の為に仕上げられています。幻想的なテレキャス風のギター・サウンドは、MARK・GOLDENBERGです。バック・ヴォーカルは、BOBBY・KIMBALL(TOTO)、KATY・SEGAL、DANNY・PECK、PAUL・GORDON、JAY・GRUSKAです。
5曲目"Babylon"(3:49) 次のアルバムでもJOSEPHと一緒に曲を書いているPAUL・GORDONの曲です。明るいサウンドとアップ・テンポのリズムの曲です。心地好いパーカッションでのビートは、やはりLENNY・CASTROです。
6曲目"Dirty Little War"(3:39) JAY・GRUSKAとピアノ/ドラム・プログラミングで参加している PAUL・GORDONの書いた曲です。この曲は後にIRSレーベルからリリースされたこのアルバムのヨーロッパ盤からシングル・カットされた曲です。JAY・GRUSKAのプロデュースらしくリズミカルにダイナミックなサウンドを聴かせるポップ調の曲です。
7曲目"Unarm Your Heart"(3:47)) ウエスト・コーストのサウンドがたっぷり響くメロディアス・バラードです。JOSEPHの歌声の間に聴こえる優しい歌声は、BILL・CHAMPLIN、伸びやかなギターの調べは、MICHAEL・THOMPSON、キーボードはSTEVE・PORCAROもう堪りませんね。
8曲目"Out Of Harms Way" 前の曲よりすこしサウンドをハードにしたメロディアス・ロックの登場です。MICHAEL・THOMPSONの歪ませたギターのサウンドによるソロに続いて伸びやかな歌声を聴かせるJOSEPHです。
9曲目"I Believe In You"(4:08) 再びJOEY・CARBONEとAMYE・WILLIAMSとJOSEPHとが一緒に書いたポップ調の曲です。この曲ではギターのMICHAEL・LANDAUが気持ち良くギターを弾いているように聴こえます。
10曲目"Dance By Myself"(5:02) 少しメロディをダークな方向に持って来たメロディアス・バラードです。キーボードのSTEVE・PORCARO の調べが美しく流れます。この曲でもJAMES・HARRAHとMICHAEL・THOMPSONが良い感じのギターを聴かせるのです。
全10歌詞/訳詞付 24ページ物豪華写真ブックレット (国内盤) 収録時間:44分22秒 (TOTOに参加する前からセルフ・タイトル盤でデビューしたJOSEPH、早くも25年以上のキャリアがあります)'10年2月2日再更新


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写真  JOSEPH WILLIAMS / 3
 ・1997 KITTY ENTERPRISES,INC.    KTCM-1064

日本のみのリリースでしょう・・・

このアルバムはTOTOの3代目ヴォーカリストJOSEPH・WILLIAMSがソロ名義でリリースしたアルバム・タイトル通りの3枚目のアルバムで、国内でのリリースは '97年4月25日です。
尚、このアルバムに参加しているミュージシャンは、JOSEPH・WILLIAMS:ヴォーカル/キーボード/プロデュースの他、JAMES・HARRAH:ギター、STEVE・LUKATHER:ギター、JAY・GRAYDON:ギター、NED・DOHENY:ギター/バック・ヴォーカル、MARK T. WILLIAMS:ドラム/パーカッション/ギター/ベース/キーボード/バック・ヴォーカル/副プロデュース、MICHAEL・PORCARO:ベース、TONY・FRANKLIN:ベース、JENNIFER・CONDOS:ベース、DAVID・PAICH:キーボード、STEVE・PORCARO:キーボード、JOEY・CARBONE:キーボード/プロデュース、PAUL・GORDON:キーボード、DENNIS・MATKOSKY:キーボード、BILL・CHAMPLIN:バック・ヴォーカル、BOBBY・KIMBALL:バック・ヴォーカル、FERGIE・FREDERIKSEN:バック・ヴォーカル、SHERWOOD・BALL:バック・ヴォーカルと前作通りの超豪華メンバーとなっています 。

1曲目"I'm Giving Up On You"(4:32) ハードなギターと唸るベースのサウンドによるメロディアス・ハード・ロックな曲です。JOSEPHがヴォーカリストとして参加したTOTO時代より、更にハード、更にダイナミックなサウンドを展開させたナンバーです。
2曲目"Goin' Home"(4:44) DAVID・PAICH、故JEFF・PORCAROとJOSEPHとの共作です。この曲が書かれた時にレコード会社より収録を見送られたエピソードを持つ曲です。'98年の[TOTO XX]に '89年の収録のヴァージョン違いが収められています。ロック"ン" ロールのリズムとサウンドを基本にしたTOTOらしいギミックなメロディが奏でられています。このアルバムでの収録は、BOBBY・KIMBALLとFERGIE・FREDERIKSENも加わったヴォーカル隊が圧巻です。
3曲目"For Your Love"(4:14) サウンドを"がら" っと変えて来たポップ調の曲の登場です。やはり日本のアイドルにも曲を提供しているJOEY・CARBONEとJOSEPHとの共作だからでしょう。
4曲目"Love In The Rear View Mirror"(4:58) ロス・アンゼルスのS.S.W.NED・DOHENYの曲のカバーですね。NEDの爽やかな歌声とは違って少しパワフルで粘っこい歌声を聴かせるJOSEPHです。各曲に参加してミュージシャンの詳しいクレジットが無いのですが、NED自身この曲の収録にギター/バック・ヴォーカルとして参加しているようです。時々BILL・CHAMPLINの歌声も流れて"にや" っとさせられます。
尚、JOSEPHとNEDは、このアルバムのリリース前の '96年2月にTHE JAY GRAYDON ALL STARSのメンバーとして来日しています。
5曲目"One Imperfect Heart"(3:59) 一転してメロディアスなピアノ・バラードの登場です。ピアノ、クラヴィネット、ハモンドと重厚なサウンドを積み上げて聴かせて来ます。JOSEPHの近年のカバー曲アルバムのバラード集につがって行くのでしょう。
6曲目"Everywhere I Go"(3:59) 非常にポップなサウンドとリズムによる曲です。再びJOEY・CARBONEと一緒に書いた曲です。 ダンス・ビートに乗せ楽しく歌うJOSEPHのハイ・トーン・ヴォイスが流れて来ます。
7曲目"Top Down Girl"(4:50) JOSEPHの兄MARK T. WILLIAMSと一緒に書かれた曲です。TOTO+AIRPLAYのサウンドを感じさせる重めのベース・ラインと華麗でメロディアスなキーボードの旋律を感じさせるパワード・ロックです。間奏のギターは、JAY・GRAYDONとバック・ヴォーカルは、SHERWOOD・BALLではないでしょうか...。
8曲目"She's Gone"(4:18) アコースティック・ギターのサウンドを加えたR&Bチックな曲です。ギターは、曲の共作者であるMARK T. WILLIAMS(LIONEL'S DAD)でしょう。JOSEPHの伸びやかな歌声はスローなビートにも美しく響いて来ます。
9曲目"Love To Spare"(4:23) メロディアスなキーボードの調べと心地好いパーカッションの音色によるミドル・テンポのナンバーです。JOSEPHの歌声を中心に美しいハーモニーが流れます。
10曲目"Man In Me"(5:00) TOTO[Fahrenheit]のサウンドを引き継いだイメージを感じさせるメロディアス・ロック・バラードです。このアルバムで数曲一緒に曲を書いている、キーボードのPAUL・GORDONとの共作です。
11曲目"In My Life(Live At The Desperado In May,1996)"(340) 六本木で行われたJOSEPHライヴを収録しています。ご存じTHE BEATLESの曲のカバーで、'65年の[Rubber Soul]に収録されています。このアルバムでの収録は、JOSEPHによるキーボードでの弾き語りとなっています。JOSEPHの前作[I Am Alive]での来日ライヴと思われます。
全11歌詞/訳詞付 12ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:48分41秒 (日本に多くのファンを持つJOSEPH、新曲での収録は少なくなっているのですが、元気にアルバム作りに没頭しています)'10年2月2日再更新


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写真  JOSH OTTUM / Like The Season
 ・2006 Tapete records    TR090/CD 840852

優しい歌声のお茶目なシアトル人・・・

ワシントン州シアトルでインディペンデントに活躍するJOSH・OTTUMのファースト・アルバムです。リリース元はヨーロッパでは、TESS・WILEYも所属するTapete records、本国ではMill Pond Recordsが行っており、ドイツのTapete Recordsの方が '06年11月3日に先行してリリースされていますが、本国のリリースは '09年になってからと思われます。
尚、アルバムの収録に参加しているミュージシャンの詳しいクレジットの記載が無い為、大半の演奏とヴォーカルは、JOSH・OTTUM自身と思われるます。

1曲目"It's Alright"(2:25) 最初にこのビデオを観た時、JOSHの風貌(失礼!)から想像出来ないエモーショナルで、バイタリティな彼に圧倒されました。イントロのギターから次第に熱く聴かせる躍動的なリズムによるキラー・チューンです。
2曲目"The Easy Way Out"(3:49) 子供との会話をS.E.的に使った曲で、1曲目と違ってキーボードで演奏されています。詳しいクレジットが無いのですが、楽器の演奏は殆どJOSHが行っているのでしょう。曲の半分はギターとハンド・クラップスにてシンプルな収録となっています。
3曲目"Who Left The Lights On"(4:51) イントロからご機嫌な躍動感とスリリングさを感じさせる曲ですね。単調なリズムの刻みから次第に複雑なリズムへと変化するエモーショナルなギター・サウンドの曲です。JOSHのこの曲へのこだわりを非常に感じさせられるインディペンデントならではの曲です。
4曲目"Pipe Dreams"(6:11) JOSHのアカペラに近い歌声によるイントロとバックで流れるキーボード(打ち込み?)の心地好いサウンドがご機嫌です。エフェクターを聴かせたセミ・アコースティック・ギターの響きとブラスのサウンドからSTEELY DANの影響を窺わせる6分を越える美しいメロディの曲です。
5曲目"Freedom Is As Thick As A Heart"(4:34) エレクトロニカと打ち込みのビートに乗せ、楽しく歌うJOSHのご機嫌なポップ・チューンです。単純で理屈抜きに楽しめるサウンドとリズムによる曲です。
6曲目"If This Mirror Could Only Talk"(3:40) 不思議なリズムとメロディによるオルタナティヴな曲です。特に半ビート遅れて響くJOSHの歌声とアシッド系のサウンでのトリップ・ロックと呼べば良いのでしょうか。
7曲目"Having You Around"(7:06) JOSHの少し鼻に掛かった特徴的(NEIL・YOUNG似?)な歌声を聴かせるミドル・テンポのピアノ・ソングです。アコースティック・ギターでも伴奏を付けているのですが、わざと少し音を外しているように聴こえます。アウトロはアコーディオン風のキーボードでの演奏で終わります。
8曲目"Like Ourselves"(3:46) 古いアコースティック・ギターの枯れた音色によるイントロに続いて登場する、爽やかに響くギミックなギターのサウンドによるミドル・テンポの曲です。多重で収録したセルフ・ハーモニーも見事に調和する曲です。
9曲目"My Book"(4:39) 一転してメランコリックな響きによるスローな曲の登場です。訥々と歌詞を溜息混じりに吐き出すJOSHの歌声は心に響きます。美しいアコースティック・ギターの音色とシンプルなスネアのビートも良いですね。
10曲目"Follow Me"(3:47) 長閑なギターの爪弾きとJOSHのボサ・ノヴァ風の歌声によるイントロからポップな曲調へと展開する曲です。何故か60年代ブリティシュ・ポップのようなサウンドがする曲です。
11曲目"Heaven The Great Cocoon"(5:07) 非常にメランコリックな響きを持った、マイナー・コードによる曲です。半音ずつ下がるコード進行から、後半は別の曲のようにアグレッシヴに響く曲で、やはりグランジ・ロック発祥の地シアトルの影響を感じさせます。
12曲目"Do You Really Want To Know"(5:53) 家族全員でのアカペラに続いてドラム/ギターのサウンドを目一杯使ったイントロからノイズを散りばめたポップな曲調へしかし、 転調を繰り返して組曲風になっています。JOSHのおもちゃ箱を引っくり返したようなサウンドと言うべきでしょうか。
プロモーション盤の為、歌詞の有無は未確認 ライナー無し シングル盤用ジュエルケース仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:55分53秒 (優しい歌声のお茶目なシアトル人JOSH・OTTUM、何故かドイツで火が着いたようです)'10年2月2日再更新


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写真  JUSTIN BENNETT / Wanting More
 ・2008 ARKHAM RECORDS    AR001

CDBabyも大プッシュ・・・

このアルバムはオレゴン州ポートランドでインディペンデントに活躍しているS.S.W.JUSTIN・BENNETTの '08年7月に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録しているミュージシャンは JUSTIN・BENNETT:ヴォーカル/ギター/プロデュースの他、BREANNA・PALETTA:バック・ヴォーカル/ギター/プロデュース、STEVE・DEXHEIMER:ベース、IAN・KNOWLAND:キーボード、JARED・KNOWLAND(EDICT):ドラム/ギター/プロデュース、SAM・WELLS:ギター、CORY・KNOWLAND:ベース/ギターとポートランドの地元のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Catch Me"(5:05) 張りのあるアコースティック・ギターの弦の響きによる長いイントロに続いて登場するJUSTINの哀愁のある歌声が印象的な曲です。JUSTINも彼女のアルバム作りやライヴを一緒に行っているBREANNA・PALETTAのバック・ヴォーカルとの息もぴったりですね。
2曲目"Another Untitled Love Song"(4:26) ゆったり弾かれるアコースティック・ギターでのフィンガー・ピッキングが初々しいスローなラヴ・ソングです。JUSTINの高いキーでの歌声が少し切ない雰囲気を醸し出して曲が終わっても甘酸っぱい残り香が漂っています。
3曲目"I See"(4:18) スマートさを感じるインディーズ出身の若いミュージシャンが多い中、良い意味で不器用さや猪突さを感じるJUSTINの音楽です。この曲も彼が影響されたウエスト・コーストのミュージシャン達の布石と共にする曲のようです。
4曲目"Be You"(3:39) 今度はサウンドをロック寄りにしてきたギター・ポップな曲の登場です。サウンドも非常にシンプルな出来としているのですが、JARED・KNOWLANDの的確なステック捌きから次第にエモ・ロックな展開も聴かせます。
5曲目"Fly"(3:50) 再びアコースティック・ギターによる曲の登場です。この曲では少し枯れた歌声を聴かせるJUSTINの歌声に重ねられたBREANNAの歌声とのハーモニーが良いですね。
6曲目"I Close My Eyes"(4:39) 美しいアコースティック・ギターの調べがイントロから流れるJUSTINの弾き語りによるスロー残な曲です。曲のタイトル通りベッドに着いた時に流れるのが似合いそうな彼の優しい歌声がゆったりと流れるのです。
7曲目"Stand Tall"(4:35) JUSTINのサンプル音源を始めて聴いた時に"グッ" と捕まれた曲です。間奏のクライング・ギターのサウンドと硬い目ドラムのビートにBREANNAのバック・ヴォーカルとの調和も最高です。このアルバムからの一押しのキラー・チューンになっていると思います。
8曲目"Darlin, We'll Be Free"(4:18) JUSTINのアコースティック・ギターの爪弾きによる弾き語りです。暫くしてから登場するBREANNAの優しい歌声に支えられたJUSTINのビター・スイートな歌声が流れるしっとりとしたナンバーです。
9曲目"Time"(3:14) スライド・ギターの音色がエモーショナルに響くフォーク・ロック調の曲です。アコースティック・ギターのサウンドとピアノのサウンドも力強く鳴り響くJUSTINとBREANNAと一緒に行われるライヴではきっと演奏される定番曲ではないでしょうか。
10曲目"I Will Be The Boat"(4:22) アコースティック・ギターとアコーディオンで演奏されるシンプルなスタイルの曲です。思いの丈を綴るJUSTINの歌詞の数々と流れる様を聴き入りながら、このアルバムは幕を閉じて行きます。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:42分29秒 (インディー・ミュージックを専門に扱うCDBabyのお膝元ポートランドからデビューしたJUSTIN、CDBabyも彼の音楽を大プッシュ中です)'10年2月2日再更新


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