写真  NATALIE WALKER / Urban Angel
 ・2007 Dorado Music Inc.    DORO84CD

メランコリックな歌声とバックの演奏・・・

このアルバムは、フィラデルフィアにてインディペンデントに活躍しているNATALIE・WALKERのデビュー・アルバムで、'07年8月28日に本国でのリリースです。このアルバムをリリースする前にエレクトロニカ・ミュージック・バンドDAUGHTER DARLINGのヴォーカリストとして '03年のアルバム[Sweet Shadows] もリリースしています。
このアルバムに参加しているミュージシャンは、NATALIE・WALKER:ヴォーカルの他、DAN・CHEN(STUHR):キーボード/ギター、NATE・GREENBERG(STUHR):シンセサイザー/ピアノ、MIKE・LEMMERLING:ギター、DANIEL・MINTZER:ドラム、DAVE・HOLLINGHURST:ギター、DAVE・HOLMES:ギター、JOHN・STENGER:ピアノ、TONY・FIORE:ベースなどNATALIEの歌詞をもとに作曲をするチームと収録のスタジオ・ミュージシャンに分かれているようです。
尚、このアルバムは、'06年リリースの通常盤にボーナス・トラック2曲を追加した '07年8月28日の再リリース盤です。

1曲目"Crush(Bonus Track)"(4:29) この曲は、'06年のオリジナル・アルバムがリリースされた後、'07年5月にダウンロード販売されたシングル曲です。幻想的なサウンドによるイントロに落ち着いたリズムで流されるダウンテンポの曲で、怠惰な色合いを感じさせるNATALIEの歌声はオーストラリアで活躍するSARAH・BLASKOとの共通性を感じます。
2曲目"Quicksand"(3:24) 私をこのNATALIEの虜にした曲です。ゆったり歌うNATALIEの歌声と少し怠惰なリズムとメロディの流れが堪りませんね。シングル・カットされたこのアルバムからの一押しのキラー・チューンです。尚、彼女の曲の幾つかは、後半部分にリフレインを多用した曲調とアレンジが特徴になっています。
3曲目"Urban Angel"(4:28) メランコリックなサウンドとNATALIEの歌声が流れる曲ですが、少し明るさが出てきた曲の登場です。高いキーでも結構美しい歌声を聴かせるNATALIEですね。メロディとサウンド的にはアメリカのフォーク・ロック調の曲で、やはり落ち着いて聴いて居られるのです。
4曲目"Rest Easy"(2:59) この曲もリフレインが特徴的な曲になっています。曲を一緒に書いているDAN・CHENのキーボードとNATE・GREENBERGのプログラミングが非常に良いですね。NATALIEの歌声が一番光るところに位置された控え目の演奏とバックの頼もしさをも感じます。
5曲目"No One Else"(3:44) 古いアップライト・ピアノの調べに似たサウンドが切なく流れるアンビエント的な浮遊感のあるスローな曲です。"サビ" で流れるNATALIE自身のバック・ヴォーカルの歌声の美しさに聴き入るのです。
6曲目"Faith"(3:32) 少しヨーロッパ調のセンチメンタルさを感じさせる曲ですね。低めのサウンドを奏でるシンセサイザーの鼓動音と美しく響くキーボードのサウンドに斜に構えたNATALIEの冷めた歌声の響きが届くのです。
7曲目"Waking Dream"(3:36) 弦楽器のメランコリックな調べに似せたキーボードのサウンドがイントロから流れるスローな曲の登場です。淡々と自分の思いを綴るNATALIEの訥々と吐き出させる歌声が切なく響きます。この曲はアメリカのT.V.番組のテーマ・ソングとなっているようです。
8曲目"Circles"(3:22) 前の曲の流れ方からこの曲のイントロまで前出のSARAH・BLASKOのサウンドと非常に似た展開を感じさせます。ダーク・ポックな調べと怠惰感が一歩誤れば"暗い" と思われがちな所を絶妙なアレンジを展開させ上手く表現しています。
9曲目"Right Here"(3:24) 非常にシンプルなスタイルの曲の登場です。フィラデルフィアのジャズ・ピアニストJOHN・STENGERの美しいピアノの調べとNATALIEの歌声だけが響いているのです。尚、この曲は、JOHN自身作曲者の1人として名前が記載されています。
10曲目"Red"(3:19) この曲も怠惰なダウンテンポのリズムとサウンドを聴かせる曲ですね。中東のサウンドのようなヴァイオリン似の調べとバックの失意感のあるサウンドが印象的に流れて来ます。
11曲目"Color Blind"(3:11) メランコリックな調べを聴かせるピアノの調べに乗せ歌うNATALIEの切ない歌声が空間に広がるスローな曲の登場です。この曲もアメリカのT.V.番組のテーマ・ソングとなっていて、オリジナル曲は、西海岸の街バークレイのオルタナティヴ・ロック・バンドCOUNTING CROWS '99年の曲です。
12曲目"Not The End"(3:29) メランコリックな調べのギターのサウンドと少し線の細い気だるいNATALIEの歌声とひっそりと流れるこのダウンテンポさが最大の売りの曲でしょうか。この手のサウンドを奏でるアメリカの若手女性ミュージシャンは、余り居ないようでしょう。
13曲目"Sanckens Doll"(4:42) 厳かなピアノの調べとシンプルなドラムのビートにベースの爪弾かれるサウンドに合わせゆったり歌うNATALIEの歌声が優しく響く曲です。DAVE・HOLMESの慎ましやかなギターのサウンドが非常に美しく流れているところも印象深いですね。
14曲目"Quicksand(Thievery Corporation Remix)(Bonus Track)"(4:40) 早送りされたようなリズムと装飾されたパーカッシヴなバックのサウンドが追加された曲に変身しています。オリジナル・ヴァージョンのゆったりしたリズムの流れが好みだったので、このRemixは、少し残念かな。
13曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:52分27秒 (地元フィラデルフィアで非常に人気のあるNATALIE・WALKER、新曲をリリースする度に地元のT.V.に出演しています)'10年2月26日再更新


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写真  NATALIE WALKER / With You
 ・2008 Dorado Music Limited.    DORO90CD

よりエレクトロニカ・ポップスに・・・

このアルバムは、フィラデルフィアで活躍しているNATALIE・WALKERの2枚目のアルバムで、'08年8月19日に本国にてリリースされたものです。
このアルバムに参加しているミュージシャンは、NATALIE・WALKER:ヴォーカルの他、DAN・CHEN(STUHR):キーボード/ギター、NATE・GREENBERG(STUHR):シンセサイザー/ピアノ、AARON・NEVEZIE:ギター 、JOHN C.F. DAVIS:ベース、DANIEL・MINTZER:ドラム、DAVE・HOLLINGHURST:ギター、JOHN・STENGER:ピアノ、DEREK・LAYES:チェロなど前作でのミュージシャンも多く参加しています。

1曲目"Lost My Shadow"(3:45) ゆったりと奏でられるキーボードの調べとエレクトロニカのリズムがメインとなって流れて来る曲で、柔らかいNATALIEの歌声が心地好く聴けます。前作までのダーク・トリップ・ホップなイメージは薄らいでいます。
2曲目"Pink Neon"(3:26) このアルバム発売前に先行リリースされたシングル曲です。この曲も前作のダーク・ダウンテンポの曲群からよりポップス色を濃くしたエレクトロニカ・サウンド/ビートの曲になってダンサブルな感じが強まっています。
3曲目"Now Or Never"(3:25) "クール" なドラムのビートに渋めのギター・ワークが決まったエレクトロニカ・ダンス・ビートなナンバーです。3曲立続けにポップさを増した曲達の登場です。
4曲目"Too Late"(4:00) 心に響くNATALIEのスキャットでの歌声がイントロから響くこの曲の心地好い乗りを与えてくれるエレクトロニカ・ビートの曲です。ギミックなキーボードの調べと次々と歌詞を並べ立てて口ずさむNATALIEです。
5曲目"Over & Under"(3:33) この曲もアルバム発売前に先行リリースされたシングル曲です。ファルセットでサビのパートを歌うNATALIEの美しい歌声と無機質なドラム・プログラミングのサウンドが淡々と流れる中にアコースティック・ギターの新鮮な響きが良いですね。
6曲目"With You"(3:44) やっとNATALIEらしいダーク・メランコリックなサウンドと歌声の曲の登場ですね。サビから後半に登場する非常にメロディアスなメロディ群とヴァイオリンとチェロの調べは最高ですね。
7曲目"Empty Road"(4:50) この曲はDAUGHTER DARLING時代のサウンド・イメージに近い曲ですね。シンプルなピアノの演奏と訥々と歌うNATALIEの歌声によるメランコリックなピアノ・バラードです。
8曲目"Ordinary"(4:19) NATALIEにしてはめずらしく元気の良いサウンドとリズムの曲の登場ですね。ギター・ポップなサウンドと乗りの良いリズムの流れから後半では更に乗らされるのです。
9曲目"Hypnotize"(4:43) 打ち込みのリズムが底辺に流れるアシッド感のある曲です。アバンギャルドなメロディとサイケデリックなNATALIE歌声が幻覚的に流れる正しく"Hypnotize" な曲です。
10曲目"By & By"(3:48) 牧歌的なギターの調べが流れる曲なのですが、バックのサウンドの流れには少し緊張感が感じられるところと安堵感が無い冷めた歌声は、流石NATALIEらしい上手い演出ですね。
11曲目"Monarch"(5:47) このアルバムでは5分を超える唯一の長尺な曲になっています。NATALIEの歌声が丁度似合うダウンテンポのリズムのビートと怠惰感のあるドラムのビートが良いですね。後半に登場するDAVE・HOLLINGHURSTのE-Bowギターのサウンドも心地好いのです。
12曲目"Only Love"(3:56) アルバムの最後はピアノによるアコースティック感のある弾き語りです。ベース・クラリネットにノスタルジックなギターの調べが心地好くゆったり流れて行きます。
全12曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:49分16秒 (SOFIA・COPPOLAにその歌声を認められて映画の挿入歌に起用されたり、T.V.のテーマ・ソングと忙しく活動しているNATALIEです)'10年2月26日再更新


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写真  NATALIE WALKER / Spark
 ・2011 Dorado Music Inc.    DORO96CD

曲数が変則的ですが・・・

このアルバムは、フィラデルフィアで活躍しているNATALIE・WALKERの3枚目のアルバムで、'11年7月26日CD盤として本国にてリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NATALIE・WALKER:ヴォーカルの他、YAIR・EVNINE:ギター/チェロ、DAN・CHEN(STUHR):キーボード/ギター/プログラミング/プロデュース、NATE・GREENBERG(STUHR):キーボード/プログラミング/プロデュース、DANIEL・MINTZER:ドラム、DAVID・MASON:ドラム、TED・BRUNER:ギター/プロデュース、SHANNON・FERGUSON(LONGWAVE):ギターなど新しく参加したミュージシャンと前作でのミュージシャンとの混成チームです。

1曲目"Uptight"(3:52) このアルバム・リリース前にシングル曲として紹介されていたアコースティック・ギターとチェロの調べが美しく響く曲です。しっとりとしたNATALIEの持ち味による落ち着いた歌声が流れています。
2曲目"Mars"(3:50) ぐっとサウンドとテンポをダウンして来た曲です。NATALIE、DANとNATEのソロ・デビューからのミュージシャンと一緒に書かれたNATALIEらしい少し暗さのあるチルアウトさを感じます。
3曲目"Cool Kids"(3:50) この曲のプロデューサーでもあるセントルイス出身のTED・BRUNERとNATALIEとの共作による曲です。NATALIEの過去の収録曲よりダウンテンポさを少し廃し、エレクトロニカ・ポップさ加えたテンポに快進撃さや高揚感を感じます。
4曲目"Sunday Afternoon"(3:46) イントロから響くアコースティック・ギターの調べと掠れ気味に歌うNATALIEの歌声が魅力的な軽い乗りを感じさせる曲です。新しくアコースティック・ギターのサウンドを聴かせているのは、作曲の一部を担当したギターのTED・BRUNERのアイデアでしょうか。
5曲目"Against The Wall"(3:58) 円やかキーボードの調べと共にバックに響くシンセサイザーによる神秘的なアンビエント・サウンドを広げがるは心地好く感じる曲です。変則的なリズムを刻むドラムのビートに淡々と歌うNATALIEの歌声の対照さが印象的です。
6曲目"I Found You"(3:43) この曲もギターのTEDとNATALIEの共作となっている曲です。収録にTEDは、参加していなくNATALIEとSTUHRのDANとNATEによる3人で行われています。DANの篭らせたギターの刻み音とピアノの調べが心地好く響いて来ます。
7曲目"Experimental Love"(3:20) この曲は、一転して曲名通りエクスペリメンタルな質感を感じさせる曲です。電子サウンドに生の楽器構成を加えたサウンドで展開されているのですが、リフレインを多用しているところやアウトロ切り方などは、NATALIEの曲らしいです。
8曲目"Galapogos"(4:29) ご存知シカゴ出身のオルタナティヴ・ロック・バンドTHE SMASHING PUMPKINS '95年の曲のカバーです。ピアノのサウンドを中心に展開されるメランコリックな調べに加えられたアコースティック・ギターとチェロの調べが美しく響きます。
全8曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:30分50秒 (前作より3年ぶりのNATALIEのアルバムですが、インディーズ盤やダウンロード販売中心の為かCD盤としては曲数が変則的です)'11年7月30日更新


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写真  NATALIE WALKER / Strange Bird
 ・2015 Dorado Records Ltd    DOR100D

何故CD盤にならなかった・・・

このアルバムは、コロラド(フィラデルフィアから移ったようです)で活躍しているNATALIE・WALKERの4枚目のアルバムで、'15年3月10日に本国からダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NATALIE・WALKER:ヴォーカル/キーボード、RYAN・MALINA:ベース/ギター/キーボード/プロデュース、DAVID・CANNAVA:ドラムの少人数での収録です。
尚、今作から活動拠点を移したことからか、前作までの東海岸のミューシャン達は、残念ながら参加していません。

1曲目"Trust"(3:22) 軽やかに打ち鳴らされるドラムのビートに続き登場するギターの爪弾きに促され歌う久しぶり聴くNATALIEのちょっと溜めを取った歌いぶりが相変わらずに感じる曲です。バックに男性ヴォーカルが入っているようですが、詳しいクレジットが無いので残念ながら不明です。
2曲目"We Got One"(3:42) ブンブンと鳴るベースの調べなど過去のアルバムでは、ちょっと聴かない感じの曲です。少しLo-HiにしたNATALIEと歌声と今作のプロデューサーRYAN・MALINAと作り出したランドスケープ・サウンドです。
3曲目"Lightning"(4:03) まるでアメリカ警察24時のテーマ・ソングのようなスリリングさを演出したような電子サウンドがイントロから刺さる曲です。籠らせたNATALIEの歌声と共に荒廃した街の夜を徘徊するようなイメージを伝えて来ます。
4曲目"Liar Fool"(3:23) 少し叫びに似たNATALIEの歌声がイントロから響くダーク/アシッドな雰囲気を放つダウンテンポな曲です。電子ピアノのサウンドの広がりとシンセ・ベースの淡々な鼓動に似た調べが流れ去ります。
5曲目"Guns Down"(3:48) ここに来てNATALIEがアップライト・ピアノを物静かに奏でながら歌う曲です。肩を落とすようなサウンドとメロディは、最初の彼女のアルバムから一貫した流れとなっています。
6曲目"Nothing Lasts Forever"(3:35) 揺らぎを持ったハモンド風のサウンドが耳に優しい曲です。ゆったり歌うNATALIEの美しい歌声とこの曲もバック・ヴォーカルに男性が参加しているのですが、やはりこのように詳細が不明になるのは、ダウンロード・リリースが原因ですね。
7曲目"Strange Bird"(3:34) メルヘンチックな調べを奏でるポンプ・オルガン風のサウンドに合わせてこれまたゆったりと歌うNATALIEの歌声が美しい曲です。次第に電子サウンドをふんだんに加え力強い歌声になって行きます。
8曲目"Skywalker"(4:27) 素早く奏でられるベースの調べと切れの良いハイハットを叩き付けビートが真っ先入って来るオルタナティブ・ロック然とした曲です。多分、NATALIEもこの手のスピード感のある曲を歌うのは、慣れてなかったのでは、無いでしょうか。新挑戦ですね。
9曲目"Superstition"(3:31) '72年のSTEVEI・WONDERのヒット曲と同名の曲ですが、全然関係のないカバー曲でもありません。非常にスローなリズムによるシンセ・ベースの重い響きが底辺に流れています。荒らしたNATALIEの歌声とこの曲でも荒廃感のあるダウンテンポのサウンドが広がります。
10曲目"Other Side"(3:44) ドラム"ン" ベースのリズムに響くカウ・ベルの凛とした澄んだ音色が響くダーク/アシッドなエレクトロニカな曲です。シンセサイザーの蠢き音と少しひ弱そうなNATALIEの歌声とが対照的に響きます。
11曲目"Numb"(4:20) この曲もエレクトニカ・サウンドによるシンセ・ベースと電子ピアノ位のシンプルな楽器構成による曲です。ヴォコーダーやどこか新しい試みを模索したように感じる1面を聴かせます。
12曲目"Déjà Vu"(4:16) 逆再生のように感じさせるサンプル音源から淡々とリズムを叩き付けるドラムのビートが響く曲です。オルタナティヴなサウンドの流れに感情を押し殺したNATALIEの歌声が逆に耳に残りながら去って行きます。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:45分45秒 (このアルバムがリリースされた '15年頃、CD盤でリリースされるのを待っていたが、最終的に盤でのリリースは、無かった。今となっては、ダウンロード購入も当初より抵抗が無くなって来たので、今更の購入です!)'24年11月6日更新


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写真  NATE WOOD / Fall
 ・2007 natemusic    

NATEの耳当たり良い歌声が・・・

このアルバムはロス・アンゼルスのインストゥルメンタル・ミュージック・バンドKNEEBODYのドラマーとして活躍しているNATE・WOODの '07年9月(CD盤として)にリリースされたソロ名義の2枚目アルバムです。
マルチ・インストゥルメンツの奏者であるNATEはこのアルバムの収録曲の演奏を殆ど行っていて収録も彼自身で行っています。

1曲目"Do It Again"(3:20) エレクトリック・ギターの弦の響きが心地好いミドル・テンポの曲で、NATEの耳当たり良い歌声が響いています。シンプルなサウンドとリズムの流れですが、スライド・ギターの演奏など"決め" が心憎いですね。NATEが音楽の影響を受けたSTEELY DANの大ヒット曲と同名の曲ですが、この曲はNATEのオリジナル曲です。
2曲目"Perfect Companion"(4:24) 少しテンポを上げてきたポップさのある曲の登場です。アコースティック・ギターの調べにS.S.W.らしいサウンドの流れに拘りを持たせた間奏とNATEにハート・ウォームな歌声が優しく届けられるのです。
3曲目"Stand By Your Man"(4:12) エコー効かせたギターの調べに乗せて歌うNATEの歌声が切なく響く曲です。子供の頃にドラムを最初に演奏したNATEですが、後にギター/ベースもマスターした為か、曲の楽器構成とミキシングのバランスが非常に良い事を実感させられます。
4曲目"Know Whats On Your Mind"(4:14) 少しTHE POLICEの持つアグレッシヴなロックのリズムとソリッドなサウンドを感じさせる曲です。やはり根底にあるのはNATEのグレッチのドラムから繰り出されるビートが"キモ" でしょう。
5曲目"Changing Girl"(5:09) 少し鼻にかかった歌声がNEIL・YOUNGの持つ独特の歌声に近いもの感じさせるギター・サウンドに溢れたミドル・テンポのナンバーです。ヴォーカリストとしても他のバンドに参加しているNATE、彼の才能の豊かさ認識させられます。
6曲目"Meet Your Maker"(4:50) 複数のギターの調べをインストゥルメンタル的に鳴らしたイントロから入る曲で、落ち着いたNATEの歌声も登場して来ます。エコーを効かせたハーモニカの美しい調べと幻想的なギターのサウンドが印象的ナンバーです。
7曲目"Once Again"(4:41) アグレッシヴなドラムとパーカッションのリズムによるやはりNATEと影響を受けたとするTHE POLICEのSTEWART・COPELANDのドラム・テックをお手本にした事を意識させます。
8曲目"Smile"(4:34) ゆったりとしたリズムの流れを持った少し気だるさを表現した曲です。美しく奏でられたギターの調べとNATEのドラムのビートも落ち着いた響きです。
9曲目"Major"(4:46) 硬めドラムのビートとギミックなメロディを持ったピアノの調べが心地好い曲です。NATEの爽やかな歌声と少し幻想的なサウンドを感じさせるバックの流れが良いですね。
10曲目"Lights Out"(4:10) タイトなドラムのビートが全編に流れるNATE意気込みを感じさせる曲です。ダイナミックでアグレッシヴなサウンド仕立てになっています。また、間奏でのギターのフレーズは圧巻と言うか斬新さを感じさせます。
歌詞無し ライナー無し 2折紙ジャケット仕様 CD-R盤 (輸入盤) 収録時間:44分22秒 (日本でまったく無名のNATEですが、FOO FIGHTERSのドラマーのバンド TAYLOR HAWKINS AND THE COATTAIL RIDERSのツアー・メンバーとして '06年に来日しています)'10年2月26日再更新


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写真  NEBULAMIGO / Halogen Dream
 ・2024 Nebulamigo    

ネオ・ソウル+ドリーム・ポップ・・・

このアルバムは、カリフォルニア州ロングビーチで活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップ・バンドNEBULAMIGOの2枚目のアルバムで '24年10月4日(Bandcampでの)に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ALEX・VALLES:ヴォーカル/ギター、RAIN・GREGORIO:ギター/ヴォーカル、JESSE・PEREZ、EDDIE・RAMOS、PAUL・DURON、ROBBIE・AGUSTINのNEBULAMIGOの6人(演奏楽器の記載が無いメンバーは詳細不明)です。

1曲目"The Light That Leaves Us"(1:17) まるで大衆浴場に中で歌っているようなエコーの効いた弾き語り曲です。また、次の曲のイントロ部分になるアレンジです。
2曲目"Messy"(1:48) イントロからALEX・VALLESがメランコリックな歌声を聴かせる曲です。2分に満たない短い曲ですが、バックの演奏はノイズ・ポップ風やエクスペリメンタルな雰囲気を持った展開をさせますツイン・ドラムのビートと攻めて来る曲ですが、このテンポが非常に乗りを良くしています。やはりアルバムのリリースの数か月前からビデオとして紹介されている事に妙に納得します。
3曲目"Insomnia"(2:38) '24年5月31日に先行リリースされている曲です。ネオ・ソウル/インディ・ポップな雰囲気を醸し出す曲です。短い歌詞を呪文のように繰り返し曲名の「不眠症」での妄想を歌っているようです。
4曲目"Halogen Dream"(4:04) このアルバムのタイトル曲になったことを伺わせるキャッチーな曲の登場です。曲名の「ハロゲンの夢」例えた儚い夢の恋心を切なく歌っています。 メンバー全員が登場したビデオもどうぞ。
5曲目"Bright March"(3:13) '22年12月30日にシングル盤です。心地好い響きを放つギターのリフと高いキーで歌うALEX・VALLESの歌声がキモとなったシングル盤としてリリースされたことを納得するキャッチーなサウンドとメロディを持っています。
6曲目"Be Here"(3:54) '24年5月26日に先行リリースされている曲です。イントロのリフがどこかで聴き覚えのある感じしないでも無いのですが、ネオ・ソウル+ドリーム・ポップな雰囲気の曲です。Lo-HiにしたALEX・VALLESの歌声が妙にソウル・シンガー風に聴こえるが妙ですね。
7曲目"Find My Way"(3:41) 今度は、アコースティック・ギターの音色を加えたドリーミーな雰囲気を醸し出す曲です。出身地のロス・アンゼルスには70年代から往年のシンガー達やロック・バンドが大活躍した地なのできっとこのバンドにもその影響をこの曲からも感じます。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:20分35秒 (7曲収録の変則EPとLP盤との中間的なアルバムですが、中々興味深い内容となっています)'24年10月11日更新


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写真  NED DOHENY / Ned Doheny
 ・1973 ASYLUM RECORDS
 ・1989 WARNER-PIONEER CORPORATION    18P2-2770
 ・2018 ASYLUM RECORDS    WPCR-18022

ウエスト・コーストのサウンドは眩しかった・・・

日本で非常に人気のあるS.S.W.NED・DOHENYのASYLUMレーベルよりリリースされたデビュー・アルバムです。オリジナル盤は、'73年のリリースですが、本作品は、'89年7月のNED 2度目の来日に合わせて '89年6月25日に日本のみCD化再発売されたものです。'68年にJACKSON・BROWNEらと共にエレクトラ・ミュージック・ランチ(西海岸の若手ミュージシャンの虎の穴的存在)に参加していたNEDは、その当時としてのアルバム作りは失敗に終わってしまいましたが、5年後に新興レーベルASYLUMに迎えられ無事デビューを果たしました。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NED・DOHENY:ギター/ヴォーカルの他、JIMMY・CALERI:キーボード/シンセサイザー、RICHARD・KERMODE(SANTANA):キーボード/カバサ、MIKE・UTLEY:キーボード、BRIAN・GAROFALO:ベース、DAVID・PARLATTA:ベース、GARY・MALLABER:ドラム/ヴィブラホン、DON・MENZA:サックス、SLYDE・HYDE:トロンボーン、GRAHAM・NASH:バック・ヴォーカルなどの有名ミュージシャンが参加しています。

1曲目"Fineline"(4:49) NEDの得意とするアコースティック・ギターのハイ・フレットでのカッティングによるファンキーな曲です。間奏でのエレクトリック・ギターのご機嫌なサウンドもNED自身(NEDは、S.S.W.としてデビュー前には '70年にギタリストとしてデビューしています)の収録です。
2曲目"I Know Sorrow"(4:31) NEDの初々しさの残る歌声によるブルージーで美しいメロディによる曲です。JIMMY・CALERIの素晴らしいピアノの旋律を全面に出して少しJAZZの方向へサウンドに厚みを持たせています。
3曲目"Trust Me"(3:48) 当時のウエスト・コーストのミュージシャンと一線を画くNEDのジャジーなメロディと非凡さを覗かせるアレンジとDON・MENZAの素晴らしいサックスの響きが非常に印象的な曲です。
4曲目"On And On"(3:14) '71年のDAVE MASON & CASS ELLIOTのアルバムにこの曲のカバーが収録されています。NEDは当時、DAVE・MASONのバンドに加わる予定でしたが、この話は"お流れ" になったようです。ウエスト・コーストの雰囲気たっぷりの美しいハーモニーにGRAHAM・NASHが参加してよりキャッチーな曲のサウンドになっています。
5曲目"Lashambeaux"(4:49) ダイナミックなサウンドによるイントロとエモーショナルなリズムによるロック調の曲です。うねりを持ったベースは、BRIAN・GAROFALO(RICHIE・FURAY,DAN・FOGELBERG)が参加しています。
6曲目"I Can Dream"(3:32) アコースティック・ギターの美しい響きと綺麗なハモンドのサウンドによるミドル・テンポのナンバーです。NEDの繊細で非常に若々しい歌声が印象的です。
7曲目"Postcards From Hollywood"(5:17) 後のアルバムにもアコースティックでセルフ・カバーされたNEDの弾き語りを基にした曲です。離れ離れになった恋人との手紙のやりとりを綴ったロマンティックな内容の美しいメロディと共に流れて行きます。
8曲目"Take Me Faraway"(4:56) ブルーな内容の歌詞を綴った曲で非常にゆったりしたリズムとDAVID・PARLATTAのアップライト・ベースが印象に残ります。NEDの煌びやかな曲と対称的な位置する曲と言えるでしょう。
9曲目"It Calls For You"(3:53) アコースティック・ギター1本による弾き語りです。NEDの非常に美しいコード進行とギターのサウンドが素晴らしい事!ついついレビューを忘れて聴き入ってしまいました。
10曲目"Standfast"(4:43) 次の大ヒットアルバム[HARD CANDY]のサウンドに繋がるファンキーさとソウルフルなサウンドによる曲です。ここではNEDのスイートなヴォーカルを全面に出したスローなアレンジとご機嫌なハモンドのサウンドがバック・アップしています。
・全10曲歌詞/訳詞付き 12ページ物ブックレット '89年 CD盤 (国内盤)
・全10曲歌詞/訳詞付き 20ページ物ブックレット '18年 限定紙ジャケット仕様 SHM-CD (国内盤)
収録時間:43分32秒 (日本にコアなファンを持つNED・DOHENY、NEDを含む70年代のウエスト・コーストのサウンドは眩しかったのを懐かしく想います)'19年3月1日再更新


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写真  NED DOHENY / Hard Candy
 ・1976 CBC Inc.    PC 34259
 ・1976 Sony Music Entertainment Inc.    MHCP 761
 ・1976 Sony Music Japan International Inc.    SICP 20105

30年以上経った今でも愛され続ける・・・

デビューして30年以上経っても今なお日本で非常に人気の高いNED・DOHENYの '76年にリリースされた2枚目のアルバムです。レーベルもASYLUMよりCBSに移籍し、プロデューサーにメンフィスの重鎮STEVE・CROPPERを迎えウエスト・コーストの爽やかなサウンドにメンフィス・ホーンなどを加味して、よりファンクでソウルフルなサウンドとなった70年代を代表する名盤です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NED・DOHENY:ギター/ヴォーカルの他、STEVE・CROPPER:ギター/バック・ヴォーカル/プロデュース、ERNIE・CORELLO:ギター、JAMES・CALIRE:ピアノ、DAVID・FOSTER:キーボード/シンセサイザー、CRAIG・DOERGE:キーボード、COLIN・CAMERON:ベース、DENNIS・PARKER:ベース、BRIAN・GAROFALO:ベース、LASZLO・WICKY:ベース、JOHN・HEARD:ベース、GARY・MALLABER:ドラム、JOHN・GUERIN:ドラム、STEVE・FORMAN:パーカッション、JIM・HORN:サックス、TOM・SCOTT:サックス、CHUCK・FINDLEY:トランペット/トロンボーン/フリューゲルホーン、TOWER OF POWER:ホーン、VICTOR・FELDMAN:ヴィブラホン、LARRY・MUHOBERAC:ストリングス、DON・HENLEY:バック・ヴォーカル、FLEMING・WILLIAMS:バック・ヴォーカル、BROOKS・HUNNICUTT:バック・ヴォーカル、GLENN・FREY:バック・ヴォーカル、HAMISH・STUART:バック・ヴォーカル、JOHN・DAVID・SOUTHER:バック・ヴォーカル、ROSEMARY・BUTLER:バック・ヴォーカル、LINDA・RONSTADT:バック・ヴォーカルの超豪華メンバーです。

1曲目"Get It Up For Love"(4:46) このアルバム発売当時、シンセでのイントロから参った曲です。NEDのアコースティック・ギターの歯切れ良いサウンドとバック・ヴォーカルのROSEMARY・BUTLERの歌声の爽やかな曲です。NEDのオリジナル曲収録前の '75年にDAVID・CASSIDYが歌ってヒットさせた曲のセルフ・カバーです。
2曲目"If You Should Fall"(3:38) NEDのスイートな歌声に沿ってバックで流れるように演奏されているファンクなギターは、STEVE特有のサウンドですね。バック・ヴォーカルは先に紹介したDON・HENLEYGLEN・FREYです(凄い!)。
3曲目"Each Time You Pray"(3:40) ご機嫌なリズムとメロディによるLove Songです。DAVID・FOSTERによるメロウなサウンドのキーボードと歯切れ良いホーンの音色はTOM・SCOTTJIM・HORNCHUCK・FINDLEYが参加して何んと贅沢なんでしょうか。
4曲目"When Love Hangs In The Balance"(5:14) アルバムの前半からこの曲までのサウンドの流れが素晴らしいですね。NEDのアコースティック・ギターの哀愁のある響きにのせ歌うNEDの旧友J.D.SOUTHERがバック・ヴォーカルに参加した美しいメロディによる珠玉のバラードです。
5曲目"A Love Of Your Own"(3:49) 元THE AVERAGE WHITE BANDのHAMISH・STUARTとの共作です。HAMISH自身のファルセットによるバック・ヴォーカルもご機嫌なミドル・テンポのブリティッシュ・ブルー・アイド・ソウルなファンク・ナンバーです。
尚、NEDの音楽仲間であるソウル・シンガーLESLIE・SMITHも '92年の盤[Les Is More]でこの曲をカバーしています。
6曲目"I've Got Your Number"(3:16) 好きな女の子の電話番号を知った嬉しさと彼女に電話をするさまを歌に描いた曲です。スローなリズムにのせ歌うNEDのスイートな歌声とキーボードのCRAIG・DOERGEのリリカルな演奏が最高です。
7曲目"On The Swingshift"(3:06) NEDのアコースティック・ギターによる非常に高いフレットによるカッティング・サウンドが印象的な曲です。バックの"テレキャス" によるギター・ソロは、これまたSTEVEらしいご機嫌なサウンドです。
8曲目"Sing To Me"(3:39) サルサの影響受けたようなスイングするリズムに怪しげに響きベースランニングとワウワウを使って小刻みに弾かれるSTEVEのギター・ワークが申し分無い曲です。ラテンチックな旋律を奏でるDAVIDのピアノも小気味良い響きです。 殆どの曲にパーカッションで参加しているのはベテラン・パーカショニストのSTEVE・FORMANです。
9曲目"Valentine"(5:06) この曲は、このアルバムで少し曲調の違う趣です。ジャジーなリズムとスムースな響きを持たせたベテラン・ドラマー故JOHN・GUERIN(MICHAEL・FRANKS,BOBBY・CALDWELL)のブラシによるドラムのビートとJOHN・HEARD(OSCAR・PETERSON,GEORGE・DUKE)の心地好いウッド・ベースの響きによる曲です。アルバム全体ではジャケットのイメージ通り非常に明るいウエスト・コーストに降り注ぐ太陽の煌きとNEDの歌声の若々しさを感じますが、最後のこの曲でブルージーに"キュ"っと引き締めた大人になったNEDの曲を感じます。
・歌詞無し (Discogsでの写真ではスリーブに歌詞あり) LP盤 U.S.製 収録時間:35分55秒
・全9曲歌詞/訳詞付 写真ライナー '05年 限定紙ジャケット仕様 (国内盤CD)
・全9曲歌詞/訳詞付 写真ブックレット '09年 限定Blu-spec CD (国内盤) 収録時間:36分17秒 (リリースより30年以上たった今('10年現在)でも愛し聴き続けられているNEDの代表的なアルバムです)'10年9月1日再更新
1976年度ベスト5


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写真  NED DOHENY / Prone
 ・1979 CBS/SONY Inc.    25AP 1359
 ・1979 Sony Music Entertainment Inc.    MHCP 762

日本のみの限定リリース・・・

このアルバムは '77年8月 本国にて発売を予定してたNED・DOHENYの3枚目のアルバムですが、アルバム発売前にアメリカCBSと揉めて結局本国ではお蔵入りとなってしまったアルバムです。その後、NEDは、CBSとの契約も残念ながら打ち切られました。
ただ日本のファンは、'78年12月に初来日し、人気の高まったNEDの[Hard Candy]に続く次のこのアルバムを心待ちにしていました。
その事を知ってか日本のCBS/SONYは、単独でこのアルバムを '79年に日本のみ限定('15年4月30日ヨーロッパにてLP盤リリース)でリリースされました。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NED・DOHENY:ギター/ヴォーカルの他、STEVE・CROPPER:ギター/バック・ヴォーカル/プロデュース、ERNIE・CORELLO:ギター/スライド・ギター、DENNIS・PARKER:ベース、JOEY・CARBONE:キーボード、DAVID・FOSTER:キーボード/シンセサイザー、GARY・MALLABER:ドラム、MICHAEL・BAIRD:ドラム、JEFF・PORCARO:ドラム、STEVE・FOREMAN:パーカッション、QUITMAN・DENNIS:サックス、STEVE・MADAIO:トランペット、LEW・McCREARY:トロンボーン、CHUCK・FINDLEY:トランペット/トロンボーン、JIM・HORN:フルート/サックス、JIMMY・DECKER:フレンチ・ホーン、BONNIE・RAITT:バック・ヴォーカル、JOHN・DAVID・SOUTHER:バック・ヴォーカル、ROSEMARY・BUTLER:バック・ヴォーカル、FLEMING・WILLIAMS:バック・ヴォーカル、BRYAN・GAROFALO:バック・ヴォーカル、BROOKS・HUNNICUT:バック・ヴォーカル、KAREN・WRIGHT:バック・ヴォーカル、LISA・ROBERTS:バック・ヴォーカル、STEVE・PERRY:バック・ヴォーカルの前作に続い超豪華メンバーです。
注!:以下の各曲の収録時間は、 '79年の国内レコード盤のライナーに記載された時間を表示しています。

1曲目"To Prove My Love"(4:47) 発売当時にはヴォーカルパートが少なく殆どNEDのスキャットだけの曲でしたが、'02年にCD化された時に歌詞ありのヴァージョンが収録されました。今回の紙ジャケット仕様でもヴォーカルの入ったヴァージョンが使われています。前作に続いて今作にも参加のJIM・HORNのフルートのソロがこの曲のアクセントになっています。
2曲目"Think Like A Lover"(4:39) 歪ませたスライドギターの響きとNEDの透明感のある歌声が溶け合ったファンクなリズムの曲で前作の"I've Got Your Number" をリファインしたような仕上げです。でもNEDの曲らしいファンクな中に洗練されたアレンジがあります。
3曲目"Labor Of Love"(4:24) イントロから登場するNEDのエレクトリック・ギターによるソロとレゲエのリズムを基調としたご機嫌なリズムとメロディによる曲です。このアルバムでも数曲J.D.SOUTHERがバック・ヴォーカルで参加しています。
4曲目"Thinking With My Heart"(4:45) NEDのアコースティック・ギターの調べを基調としたスローなバラードです。NEDのスイートに高らかに響く歌声がいいですね。恋人への心の内を歌詞に綴った曲でプロデューサーのSTEVE・CROPPERの優しい響きのギターソロが心に染みます。
5曲目"Guess Who's Looking For Love Again"(4:39) 次の曲と続けて2曲に故JEFF・PORCARO(TOTO)がドラムに起用されています。やはり間奏からアウトロへのドラムテックと変調へのアレンジは、流石です。
6曲目"The Devil In You"(4:06) 過去のアルバムでは西海岸の"カラ"っとしたサウンドのイメージが強かったNEDの曲ですが、この曲はサウンドも歌詩の内容がダークな方向へと変化しています。今回もDAVID・FOSTERがこの曲以外にもキーボードで参加しメロウなサウンドを作り上げています。
7曲目"Funky Love"(3:51) ポップなサウンドの曲の登場です。NEDを囲むよう幾重にも重ねられたコーラスとファンクなERNIE・CORALLのギターもいい音がしています。
8曲目"If You Only Knew"(5:08) [Hard Candy]の曲の続編と言って良い曲でしょう。ギター・ソロは、NEDでしょうかストラトらしいチョーキングのサウンドとコンパクトなギターフレーズです。曲の後半はSTEVEも加わったアグレッシヴなヴォーカル合戦です。
9曲目"Sweet Friction"(3:48) メロディとリズムは1曲目"To Prove My Love"のアンサーソングのような曲調の曲です。小刻みに繰り出されるファンクなリズムと引き締めたように鳴らされるホーンセクションのうねりがご機嫌な曲です。
・8曲歌詞/訳詞付 (初期国内レコード盤) 収録時間:40分07秒
・全9曲歌詞/訳詞付 写真ライナー '05年度盤 限定紙ジャケット仕様 (国内盤CD) 収録時間:36分23秒 (再び音楽業界から離れてしまったNEDです。最近の活動はどうしているのでしょうか?)'10年3月1日再更新
1979年度ベスト5


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写真  NED DOHENY / Life After Romance
 ・1988 POLYSTAR CO., LTD.   P33R-25004

カムバックを果たしたNED・・・

このアルバムは、ビバリーヒルズ出身のS.S.W.NED・DOHENYの4枚目のアルバムで、前作より9年ぶりに日本企画にて制作されています。'88年11月国内のみのリリースで、嬉しいNEDのカムバック・アルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NED・DOHENY:ヴォーカル/ギター、JAMES・HARRAH:ギター、JAI・WINDING:キーボード、ALAN・PASQUA:キーボード、JIMMY・HASLIP:ベース、ABRAHAM・LABORIEL:ベース、JOHN・ROBINSON:ドラム、GARY・MALLABER:ドラム 、LUIS・CONTE:パーカッション、RICK・BAPTIST:ホーン、CHARLES・DAVIS:ホーン、BOB・McCHENSNEY:ホーン、BUTANE・D'EMERY:ホーン、BOBBY・MILITELLO:ホーン、LESLIE・SMITH:バック・ヴォーカル、MARILYN・SCOTT:バック・ヴォーカル、TIMOTHY・SCHMIT:バック・ヴォーカル、TONY・GALLA:バック・ヴォーカルのベテラン達です。プロデュースは、NED自身とMICHAEL・Bが担当しています。
尚、レビューしたアルバムは、オリジナル・リリース当時の8曲入りのバージョンです。

1曲目"Whatcha Gonna Do For Me ?"(5:40) 今更紹介する必要もない曲ですね。NEDとHAMISH・STUARTとで書いた '81年('80年にA.W.B.にて自身のアルバムに収録)の大ヒット曲です。A.W.B.のファンクさとNEDの繊細さとが見事に調和したダンサブルなナンバーです。
2曲目"Love's A Heartache"(5:33) リリカルな如く冗舌に響くベテラン・サキソフォニストBOBBY・MILITELLOのサックスの調べが印象的です。NEDの歌声とのコラボが見事に開花したナンバーです。
3曲目"'Til Kingdom Come"(4:51) NEDのクリアで伸びやかな歌声とメロディアスな調べによるスローな曲です。大人のハートで書いたメランコリックなラヴ・バラードを美しいメロディで奏でています。ギター・ソロは、NED自身でキーボードは、名人ALAN・PASQUAとJAI・WINDINGです。
4曲目"Follow Your Heart"(3:26) この曲のサウンドとメロディは、NEDの持ち味を良く表現しています。南カリフォルニアの太陽と青空の下で育ったNEDならではの爽やかな曲です。
5曲目"Back To The World"(4:23) バックで流れるNEDのアコースティック・ギターの甘い調べと程良く重ねられたJAIのキーボードのサウンドによる歯切れよいナンバーです。NEDの青春の日々の出来事を感じさせます。
6曲目"Heartbreak In The Making"(3:27) NEDがプロデュースしたイギリスのシンガーTONY・STONEのアルバムにも収録されたイントロから乗りの好いナンバーです。NEDと意外な組合せのギタリストROBBEN・FORDの共作です。
7曲目"Can't Help But Love Her"(3:50) NEDの2枚目あたりに垣間見せるネオ・ソウル/ファンクによるミドル・テンポのナンバーです。非常に美しいハーモニーでのバック・ヴォーカルは、NEDと来日にも同行したMARILYN・SCOTTLESLIE・SMITH(Ex.CRACKIN)乗りの良いアップテンポの歪ませたギター・サウンドと太いベースのリズムによるギターポップスです。
8曲目"Life After Romance"(4:42) 曲のタイトルが示すように「恋の終わり」を切ないメロディに乗せたバラードです。美しい歌声によるバック・ヴォーカルはTIMOTHY・B.SCHMIT(THE EAGLES)です。
全8曲歌詞/訳詞付 16ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:35分51秒 ('89年7月 NEDのライヴ当日、大阪 道頓堀 「かに道楽」の前でNEDとバック・ヴォーカルのLESLIE・SMITHにばったり出会った。その場で"動くかに" を見ながら楽しく会話した後「会場で出会おう」と言って別れたことを懐かしく思い出します)'10年3月3日再更新


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写真  NED DOHENY / Love Like Ours
 ・1991 POLYSTAR CO., LTD.   PSCW-1007

カムバック第2弾のNED・・・

'89年に音楽活動を再開したNED・DOHENYのカムバック・アルバム第2弾のアルバムで、'91年に国内のみのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NED・DOHENY:ヴォーカル/ギター/ドラム/プロデュースの他、 DONALD・GRIFFIN:ギター、MICHAEL・THOMPSON:ギター、JIMMY・HASLIP:ベース、CAT・GREY:キーボード、BOBBY・LYLE:キーボード、ALAN・PASQUA:キーボード、AARON・ZIGMAN:キーボード、GARY・MALLABER:ドラム、JOHN "JR" ROBINSON:ドラム、RON・GREEN:パーカッション/バック・ヴォーカル、GERALD・ALBRIGHT:サックス、BOBBY・MILITELLO:サックス、DELOREZ・HARNAGE:バック・ヴォーカル、MAXAYNE・LEWIS:バック・ヴォーカル、MARILYN・SCOTT:バック・ヴォーカル、LESLIE・SMITH(CRACKIN'):バック・ヴォーカル、JOHN・DAVID・SOUTHER:バック・ヴォーカルのNEDの音楽仲間達が参加しています。

1曲目"Love Like Ours(Instrumental)"(1:17) NEDにはめずらしくピアノ(BOBBY・LYLE)による1分少々による美しいメロディによるインストゥルメンタル(NEDの周りからピアノで作曲することを薦められたとの情報)です。何故かジャケットのセピア色のNEDの写真が非常に似合う曲です。
2曲目"Secret Society Of Women"(3:37) イントロのサウンドは、名曲"Get It Up For Love" を彷彿とさせるご機嫌なサウンドですね。電子サウンドを加えてアップ・デートされたサウンドにNEDのマーティンを重ねて決まりです。
3曲目"Touched By Love"(3:29) 前作[Life After Romance]のサウンドの流れを汲んだミドル・テンポのバラードです。収録メンバーは、JIMMY・HASLIP、DONALD・GRIFFIN、AARON・ZIGMAN、ALAN・PASQUA、MARILYN・SCOTT、BOBBY・MILITELLOのお馴染みさん達です。
4曲目"True Survivor"(2:52) タイトなドラムのビートによるロック調の曲で、間奏ではフリー・スタイルのAARON・ZIGMANのジャズ・ピアノをあしらった粋なアレンジです。尚、ドラムは、NED自身の演奏です。
5曲目"When Hearts Collide(Sad Eyes)"(4:00) NED哀愁のバラード"Valentine" の流を汲むメランコリックなナンバーです。ジャズのスタンダード・ナンバーとして仲間入りをして良いようなメロディアスな曲です。NEDの新曲が待ってもリリースしないようなら、誰かカバーでも良いから歌って欲しいと思います。
6曲目"Perish The Thought"(3:21) イギリスのTONY・STONEが先にNEDのプロデュースでアルバムに収録したご機嫌なビートの曲ですが、NEDの悲しい体験をもとに書かれています。NEDの甘口のヴォーカルに旧友JOHN・DAVID・SOUTHERも駆けつけてバック・ヴォーカルで参加している事も嬉しく思います。間奏で聴かせるMICHAEL・THOMPSONのギターも良いんです。
7曲目"Who Do You Love?"(3:14) 再びメランコリックなメロディによるラブ・バラードです。甘酸っぱい歌詞を歌うイノセンスでピュアなNEDの歌声が切なく響きます。
8曲目"Before I Thrill Again"(4:40) デビュー・アルバムで聴かせたNEDのギター・ワークでの弾き語りをポップ/ファンクにブラッシュ・アップしたような曲調の曲です。バック陣のヴォーカルは、お馴染みMARILYN・SCOTT、LESLIE・SMITH、RON・GREENとの息もぴったりです。
9曲目"Love Like Ours"(4:29) 過去のアルバムとは少し離れたところに位置する曲です。ジャジーなBOBBY・LYLEのピアノ・ラウンジ・スタイルでの演奏に近いサウンドに乗せ歌うNEDのヴォーカリストとしての才能を垣間見せる曲です。この曲は、NEDの憧れの人PAT・UPTON(THE SPIRAL STARECASE)と一緒に書かれています。
10曲目"A Blue Moon Rising"(3:18) NEDのアコースティック・ギターによる弾き語りですが、RON・GREENとMARILYN・SCOTTの美しいハーモニーが加えられています。サビの部分ではハイ・コードで繰り出される"お決まり" のNEDのギター・サウンドの美しい事!
9曲歌詞/訳詞付 20ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:34分21秒 (日本で人気のNED、このアルバムも何度も再発売されています)'10年3月2日再更新


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写真  NED DOHENY / Postcards From Hollywood
 ・1991 POLYSTAR CO., LTD.   PSCR-6015

ラジオ番組から生まれた・・・

'90年から '91年まで放送されていたFM横浜のラジオ番組[ポストカーズ・フロム・ハリウッド]のDJをNEDが担当していました。ラジオ番組でNEDが月1回ギターの弾き語りを流していた曲を1枚のアルバムにまとめ '91年にリリースされた企画盤でNEDの6枚目になるアルバムです。手持ちの盤は、'01年12月21日再発売された盤です。
尚、収録はNED単独による弾き語りとなっています。

1曲目"Postcards From Hollywood"(4:06) '73年のデビュー・アルバム[Ned Doheny]に収録されている曲です。NEDの優しさ溢れる歌声とアコースティック・ギターの心地よいサウンドによるスローな曲です。
2曲目"If You Should Fall"(3:03) [Hard Candy]での収録はポップでファンクなSTEVE・CROPPERアレンジで聴く者のハートを掴んだ曲です。このアルバムでの収録ではNEDの得意とするアコースティック・ギターのハイ・フレットでの巧みなストロークによる演奏をギター1本で見事に再現しています
3曲目"Fineline"(5:08) ファースト・アルバムに収録された曲です。この曲も昔からのNEDのファンにとって思い入れのある曲でしょう。2曲目と同じくハイ・フレットでのカッティングのサウンドが非常に美しく響いています。
4曲目"Get It Up For Love"(4:24) 当時のアイドル歌手のDAVID・CASSIDYが '75年にヒットさせたNEDの曲です。NEDは、翌 '76年の[Hard Candy]に収録しています。この曲は、イントロから素晴らしいサウンドと乗りの良さを放っていました。30年以上も経った今でも大好きな曲の1つです。
5曲目"Whatcha Gonna Do For Me ?"(4:50) '81年CHAKA・KHANが歌って大ヒットした曲です。元AVERAGE WHITE BANDのHAMISH・STUARTとの共作です。30秒ほどの長いギターによるイントロに続いて歌われるNEDの歌声の美しいイノセント・ヴォイスが胸を打ちます。
6曲目"Valentine(I Was Wrong About You)"(4:51) NEDのFANなら必ずと言って良いほどこの曲を好きな曲として挙げています。このアルバムではアコースティック・ギターの悲しくも美しい響きとNEDの伸びやかで華麗な歌声によるナンバーとなっています。
7曲目"A Love Of Your Own"(3:55) 再びHAMISHとの共作の曲です。オリジナル曲よりややスローにしたリズムによる収録でNEDの非常に伸びやかなファルセットも披露しています。また、歌詞も一部追加されているようです。
全7曲歌詞/訳詞付 12ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:30分16秒 (一時期再デビューを果たしたNEDですが、再び音楽路線より離れているのが非常に残念です。追:何故かこの盤の帯に記載されている製品番号がPPCY-1001となっています)'10年3月2日再更新


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写真  NED DOHENY / Between Two Worlds
 ・1993 POLYSTAR CO., LTD.   PSCW-5030

残念ながらスタジオ収録では最後・・・

このアルバムは、残念ながら現在、音楽シーンから離れているNED・DOHENYのアルバムで、'93年に国内のみリリースされた7枚目になります。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NED・DOHENY:ギター/ヴォーカル/キーボード/ドラム/ドラム・プログラミング/プロデュースの他、GARY・MALLABER:ドラム、PAT・MASTALATO(MASTELOTTO):ドラム、CAT・GREY:キーボード/ベース/シンセサイザー・ベース、RICK・JACKSON:キーボード、JEFF・DANIELS:キーボード、JIMMY・HASLIP:ベース、ROB・JACKHART:ホーン、LESLIE・SMITH:バック・ヴォーカル、MARILYN・SCOTT:バック・ヴォーカル、MAXAYNE・LEWIS:バック・ヴォーカルなどNEDのアルバムでお馴染みのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Never Too Far To Fall"(4:05) NEDの得意とするマーティンD-45でのハイ・フレットでカッティングする御馴染みのサウンドです。NEDのアルバムを聴く時に、これが出て来ると何故か安心すると言うか、落ち着いて聴いて居られる至福の時です。HAMISH・STUART(Ex.THE AVERAGE WHITE BAND)とNEDとの共作で、'83年にGEORGE・BENSONへ提供された曲です。
2曲目"Between Two Worlds"(3:47) この曲は、NEDの2枚目のアルバムのメロディとサウンドを良く表現しています。NEDのアコースティック・ギターのサウンドを中心に繰り広げられるエヴァーグリーン的なメロディとサウンドです。ドラムはNED自身で、美しいバック・ヴォーカルはNEDと同行して来日したLESLIE・SMITHMARILYN・SCOTTです。
3曲目"Too Late For Love"(4:11) ブラック・ミュージックの影響が窺えるファンクなナンバーです。この曲もNEDと良く曲を一緒に書いているHAMISH・STUARTと共通するサウンドで、ゴスペルなコーラスは先の2人に日本でも曲を収録しているMAXAYNE・LEWISが加わってよりメロウな響きです。
4曲目"I Will Let You Go"(3:49) メランコリックな中にも明日への希望を綴った歌詞によるNEDらしいメロディアスな曲です。演奏の大半はNEDの自宅のスタジオを収録されベースにはベテランJIMMY・HASLIPが参加しています。
5曲目"Ghost Dancer"(3:49) ファンクなリズムによるミドル・テンポのナンバーです。途中の間奏では、NED自身のギターによるロック色の強いソロが演奏されています。'70年のCHARLES・LLOYDのアルバム[Moon Man]にギタリストと参加していたNED、"Heavy Karma"と言う曲のギター・リフと同じなのです。
6曲目"Trail's End"(3:10) NEDの美しく響くアコースティック・ギターの弾き語りにシンプルなベースとキーボードのサウンドを加えた曲です。後半のインディアン・ドラムのようなビートはPAT・MASTELOTTO(Ex.MR. MISTER)の演奏です。
7曲目"Love In The Rear-View Mirror"(4:36) マーティン・ギターの甘い響きをイントロに配したミドル・テンポのロックです。タイトなドラムのビートもNED自身が叩いています。いつまでも少し青臭さ(いい意味で)の残ったNEDの歌声とギターのサウンドです。
8曲目"Diary Of A Fool"(3:55) '85年のALAN・GORRIE(Ex.THE AVERAGE WHITE BAND)の[Sleepless Nights]に収録されている曲です。めずらしくNEDが他のミュージシャンの曲をカバーしています。向こうは、ギター担当がMICHAEL・LANDAUですが、こちらの収録では、NED自身の演奏による間奏でのギターがまた好いんです。センチメンタルな歌詞と美しいメロディによる名曲です。
9曲目"Down To My Last Dream"(4:27) 再びPAT・MASTELOTTOがスティックを握ったタイトなビートでの曲です。この曲は、NEDのいつもの爽やかサウンドとは少し違った重いサウンドとディープなロックなビートによる曲です。
10曲目"For All The Good It Might Do"(3:45)アルバムの最後の曲はNEDのアコースティック・ギター1本による弾き語りです。伸びやかでスウィートな彼の歌声にバック・ヴォーカルの3人の優しい歌声が重なり合います。
全10曲歌詞/訳詞付 22ページ物豪華写真付きブックレット (国内盤) 収録時間:39分33秒 (いつかは、NEDがギター1本下げて音楽シーンに"ふらっ" と帰って来そうな予感のする今日この頃です。
追:'10年9月29日よりbillboard-liveへの出演が決定しました !)'10年11月10日再更新


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写真  NED DOHENY / The Darkness Beyond The Fire
 ・2010 Tres Rosas Records   ND-1001

NED自身によるセルフ・カバー集・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスのS.S.W.NED・DOHENYの9枚目('95年のベスト・コレクションを含む)のアルバムで、'10年9月29日〜10月2日に行われたビルボードライヴの会場内で販売された正式リリース前のプレ・セールにてライヴ終了後にNED自身のサインが行われる特典付です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NED・DOHENY:ヴォーカル/ギター/キーボード/ベース/パーカッション/プロデュース、CAT・GRAY(Ex.13CATS):キーボード/ベース、JIMMY・HASLIP:ベース、GARY・MALLABER:ドラム、JOEY・HEREDIA:ドラム、MICHAEL・WHITE:ドラム、LUIS・CONTE:パーカッション、STEVE・TAVAGLIONEEWIDON・GRUSIN:キーボード、GREG・MATHIESON:キーボード、CHARLIE・BISHARAT:ヴァイオリン、SHERWOOD・BALL:バック・ヴォーカル、BRIAN・GAROFALO:バック・ヴォーカル、JOSEPH・WILLIAMS:バック・ヴォーカル、MAXAYN・LEWIS: バック・ヴォーカル、LESLIE・SMITH(Ex.CRACKIN'):バック・ヴォーカル、MARILYN・SCOTT:バック・ヴォーカルとNEDのお馴染みのベテラン・ミュージシャン達です。
尚、アルバムのジャケット写真は、ライナーの一部を除いてHENRY・DILTZの撮影となっています。

1曲目"Between Two Worlds"(4:11) オリジナル曲は、'93年にリリースされた7枚目のアルバム・タイトルにもなっています。ここでの収録は、少しスローにしたリズムにCATの演奏するハモンドのサウンドとNEDのうねりを持ったギターのサウンドを絡めた流れになっています。
バックのヴォーカルには、SHERWOOD・BALL、BRIAN・GAROFALO、JOSEPH・WILLIAMSとNED自身とソウルフルな歌声達が響いています。
2曲目"Perish The Thought"(4:04) この曲も少しスローにしたリズムのアレンジで収録されています。歯切れ良いギターのカッティング音にメロウな歌声を聴かせるNED、とても60歳を超えた男性と思えないハイ・トーンの歌声を聴かせていますね。オリジナル曲の収録は、'91年の6枚目のアルバム[Love Like Ours]に収録されています。
3曲目"Too Late For Love"(5:14) ライヴで演奏された時にアレンジが変わっていて新曲かと思っていた曲です。ここでの収録は、よりソウル・テイストとファンクさを増して70年代ディスコ・ミュージックを意識させるスタイルです。バック・ヴォーカルは、日本のミュージシャンの収録にも多く参加しているMAXAYN・LEWISです。尚、オリジナル曲は、先に紹介した '93年の[Between Two Worlds]に収録されています。
4曲目"Ghost Dancer"(4:23) この曲も '93年の[Between Two Worlds]に収録されています。このアルバムでの収録は、オリジナルと殆ど変らないアレンジに感じます。間奏で聴かせるNEDのギター・ソロとサビのNEDの美しい歌声が印象的です。
5曲目"The Secret Society Of Women"(4:42) やはりイントロのサウンドは、名曲"Get It Up For Love" を連想させます。ここでの収録は、スローにしたヒップホップ系のリズムにドラム"ン" ベースによるやや引きずり感のあるアレンジになっています。この曲も先に紹介した '91年のアルバム[Love Like Ours]に収録されています。
6曲目"Love In The Rear-View Mirror"(4:49) NEDの得意とするハイ・フレットで奏でられるアコースティック・ギターのサウンドをイントロから聴かせるご機嫌な乗りの曲です。締まりのあるGARYのドラムのビートに合わせて歌うNED、LESLIE・SMITHとMARILYN・SCOTTのハーモニーが美しいです。オリジナル曲は、'93年の[Between Two Worlds]に収録されています。
7曲目"Trail's End"(3:02) この曲は、他の曲と雰囲気を違えたドロップDチューニングにしたアコースティック・ギターのサウンドが随所に響く少し土臭さを感じる曲です。ヴァオリンの調べの中にNEDが巧みに奏でるギターのサウンドが和音となって響いて来ます。この曲も '93年の[Between Two Worlds]に収録されています。
8曲目"Life After Romance"(5:05) '88年に音楽シーンにカムバックした記念すべき4枚目のアルバムのタイトル曲です。このアルバムでの収録は、ジャズの雰囲気を醸し出すDON・GRUSINのピアノのサウンドにCATとDONのキーボードがサウンドに広がりと円熟さが増しNEDの甘い響きの歌声を一層際立させています。
9曲目"In A Perfect World"(5:29) 日本の女性3人組ヴォーカル・グループAMAZONS '95年のアルバム[DIVINE DESTINY]に収録の為に書かれた曲で、NED自身も彼女達の収録にデュエットで参加しています。アコースティック・ギターの弾き語りでの導入部から次第に広がるサビの美しいハーモニーとGREG・MATHIESONのメロウなキーボードのサウンドと心地好いリズムの流れが感じ良いですね。
10曲目"I Will Let You Go"(4:41) この曲もオリジナル収録は、'93年の[Between Two Worlds]に収録されています。先のアルバムではアコースティック・ギターとピアノのサウンドを主体とした流れでしたが、ここでの収録はその持ち味をさらにアダルトな雰囲気を加え、イントロを過ぎてから奏でられるDON・GRUSINの東洋的な凛としたピアノの調べにNEDの少し枯れ始めた良さ感じる歌声に聴き入っていると終盤には、すっかりジャズ・テイストなアレンジとなっています。
全10曲歌詞付 16ページ物写真ブックレット 2折紙ジャケット仕様 サイン入り限定盤 (輸入盤) 収録時間:45分40秒 (NED自身によるセルフ・カバー集となったファン・コレクトなアルバムですが、ライヴに来ていた他のお客さんから「NEDが元気でアルバムをリリースし、日本でライヴ活動を再開してくれるだけで大満足」との意見に大賛成です!) '10年10月2日更新


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写真  NED DOHENY / Separate Oceans
 ・2014 The Numero Group   NUM052

やっぱりファン・アイテムなのかな・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍しているS.S.W.NED・DOHENYの '14年5月13日に本国でリリースされた10枚目(過去のアルバム収録曲+デモ音源集)のアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンついてのクレジット記載がないので、オリジナル盤でのレビューを参考願います。
尚、今回掲載したレビューは、過去でのリリース曲と同じものは、過去のレビューを掲載し、その他の仕様の違う項目のみ追加記載しています。

1曲目"Get It Up For Love"(4:42) '76年[Hard Candy]での収録曲です。このアルバム発売当時、シンセでのイントロから参った曲です。NEDのアコースティック・ギターの歯切れ良いサウンドとバック・ヴォーカルのROSEMARY・BUTLERの歌声の爽やかな曲です。NEDのオリジナル曲収録前の '75年にDAVID・CASSIDYが歌ってヒットさせた曲のセルフ・カバーです。
2曲目"Each Time You Pray"(3:38) この曲も '76年[Hard Candy]での収録曲です。ご機嫌なリズムとメロディによるLove Songです。DAVID・FOSTERによるメロウなサウンドのキーボードと歯切れ良いホーンの音色は、TOM・SCOTTJIM・HORNCHUCK・FINDLEYが参加して何とも贅沢なのでしょうか。
3曲目"What Cha' Gonna Do For Me"(4:06) '88年の[Life After Romance]に収録されているヴァージョンとは違うアレンジになっています。AVERAGE WHITE BANDと一緒に収録されているとの事ですので、曲が書かれた'80年頃の収録ではないでしょうか。
4曲目"To Prove My Love(Vocal Version)"(4:02) '79年の[Prone]に収録されている曲です。発売当時にはヴォーカルパートが少なく殆どNEDのスキャットだけの曲でしたが、'02年にCD化された時に歌詞ありのヴァージョンが収録されました。'05年の限定紙ジャケット仕様でもヴォーカルの入ったこのヴァージョンが使われています。この曲でもJIM・HORNのフルートのソロがこの曲のアクセントになっています。
5曲目"Labor Of Love"(3:35) '79年[Prone]での収録曲です。イントロから登場するNEDのエレクトリック・ギターによるソロとレゲエのリズムを基調としたご機嫌なリズムとメロディによる曲です。この曲とアルバム[Prone]にはJ.D.SOUTHERがバック・ヴォーカルで参加しています。
6曲目"A Love Of Your Own"(3:47) 再び '76年[Hard Candy]での収録曲です。元THE AVERAGE WHITE BANDのHAMISH・STUARTとの共作です。HAMISH自身のファルセットによるバック・ヴォーカルもご機嫌なミドル・テンポのブリティッシュ・ブルー・アイド・ソウルなファンク・ナンバーです。
尚、NEDの音楽仲間であるソウル・シンガーLESLIE・SMITH(CRACKIN)も '92年の盤[Les Is More]でこの曲をカバーしています。
7曲目"I've Got Your Number(Demo)"(2:30) '76年[Hard Candy]に収録されている曲のデモ版です。1分ほど長さも短めですが、構成楽器など一通り揃って収録されています。
8曲目"If You Should Fall(Demo)"(2:11) この曲も '76年[Hard Candy]に収録されている曲のデモ版です。STEVE・CROPPERのプロデュースにてファンクな味付けされていた曲ですが、キーボードとギターのサウンドをメインに仕上げられこの曲も1分程度短めなところでフェードアウトされています。
9曲目"When Love Hangs In The Balance(Demo)"(4:42) この曲も '76年[Hard Candy]に収録されている曲のデモ版です。アルバムに収録されている曲より30秒ほど短めですが、バック・ヴォーカルを除いてサウンド、リズムとNEDのヴォーカル部分は、殆ど同じような印象です。
10曲目"Fine Line(Demo)"(3:02) '73年[Ned Doheny]に収録されている曲のデモ版です。'73年ですから40年以上前の音源の為、音質はあまり良く無くものモノラルのようです。NEDがアコースティック・ギターのベース・トラックに合わせテレキャスターを弾いて仲間とバンド形式を収録しているようです。
11曲目"On And On(Demo)"(3:16) この曲も '73年[Ned Doheny]に収録されている曲のデモ版です。曲のアレンジや楽器構成、ヴォーカル部分、曲の長さなどほぼ '73年と同じトラックのような印象です。
12曲目"I Can Dream(Demo)"(3:34) この曲も '73年[Ned Doheny]に収録されている曲のデモ版です。このデモ版では、ハモンドの音色が強く出てライヴ収録ぽい感じです。
13曲目"I Know Sorrow"(4:33) '73年[Ned Doheny]に収録されている曲です。NEDの初々しさの残る歌声によるブルージーで美しいメロディによる曲です。JIMMY・CALERIの素晴らしいピアノの旋律を全面に出して少しサウンドに厚みを持たせています。尚、この曲の歌詞の中にアルバム・タイトルの「Separate Oceans」が登場します・
14曲目"Standfast"(4:43) この曲も '73年[Ned Doheny]に収録されている曲です。次の大ヒットアルバム[HARD CANDY]のサウンドに繋がるファンキーさとソウルフルなサウンドによる曲です。ここでは、NEDのスイートなヴォーカルを全面に出したスローなアレンジとご機嫌なハモンドのサウンドがバック・アップしています。
15曲目"A Love Of Your Own(Demo)"(3:08) '76年[Hard Candy]に収録されている曲のデモ版です。この曲にもHAMISH・STUARTがバック・ヴォーカルに参加しているようです。'76年の収録直前のリハーサルかアウトテイクだった可能性もあります。
16曲目"On The Swingshift(Demo)"(3:14) '76年[Hard Candy]に収録されている曲のデモ版です。この曲もサウンドとアレンジは、'76年の収録曲とほぼ同じように感じますが、録音状態があまり良くないのが残念です。
17曲目"The Devil In You"(4:07) '79年の[Prone]に収録されている曲です。過去のアルバムでは西海岸の"カラ"っとしたサウンドのイメージが強かったNEDの曲ですが、この曲はサウンドも歌詩の内容がダークな方向へと変化しています。今回もDAVID・FOSTERがこの曲以外にもキーボードで参加しメロウなサウンドを作り上げています。
18曲目"Love's A Heartache(Demo)"(5:05) '88年の[Life After Romance]に収録されている曲のデモ版です。デモ版と言っても本当サウンド面でのクオリティーは、非常に高く '88年の収録曲と殆ど遜色のない仕上がりを聴かせます。
19曲目"Get It Up For Love(Demo)"(3:13) アコースティック・ギター2本程度のサウンドで収録されたデモ音源です。リズム的にかなり早く '75年のDAVID・CASSIDYのヴァージョンでのリズムに近く、NEDのアコースティック・ギターでのソロとスキャットでの歌声も時折登場しています。
歌詞無し 40ページ物豪華ブックレット カードボードスリーブ付 デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:71分08秒 (本国でリリースされた直後に購入しようかどうか迷っていたこのアルバムですが、長年NEDのファンだし年末も迫って来たので正月休み用に購入しました)'14年11月22日更新


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写真  NEIL LARSEN /Jungle Fever
 ・1978 A&M Records    SP-733
 ・1998 POLYDOR K.K.    POCM-5069

豪華メンバーが揃った最高の1枚・・・

このアルバムは、フロリダ出身のキーボデストNEIL・LARSEN名義による '78年にリリースされたデビュー・アルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NEIL・LARSEN:キーボードの他、BUZZ・FEITEN:ギター、WILLIE・WEEKS:ベース、ANDY・NEWMARK:ドラム、RALPH・MacDONALD(THE WRITERS):パーカッション、MICHAEL・BRECKER:テナー・サックス、LARRY・WILLIAMS:アルト・サックス/フルート、JERRY・HEY:トランペット/フリューゲル・ホーンの豪華メンバーとなっています。
プロデュースは、TOMMY・LI・PUMA、ミキシング AL・SCHMITTの名コンビです。
尚、国内では人気アルバムの為か '98年から '05年に国内盤にて数回CD化されています。

1曲目"Sudden Samba"(4:37) サンバのリズムにNEILのハモンドの音色が少し悲しげですが、BUZZのFuzzのかかったギター・ソロが最高です。
2曲目"Promenade"(4:08) 哀しげな都会の夜をイメージする曲です。NEILは、この曲ではピアノを弾いています。
3曲目"Windsong"(5:25) ファンキーなリズムに力強いNEILのハモンドとWILLIEのベースが上手くミックスされています。BUZZのギター・ソロで曲がフェードアウトします。もう少し聴きたいところで終わるところが残念!
4曲目"Emerald City"(4:03) 繊細な旋律を持つセンチメンタルな曲で、このアルバムで最も静の部分を表わしています。MICHAELのサックスが情緒たっぷりに収録されています。
5曲目"Jungle Fever"(7:17) 畳み掛けるようなベースとドラムのリズムにNEILのアグレッシブなハモンドの演奏が見事で、BUZZの様々なギターソロが堪能出来ます。
6曲目"Red Desert"(3:27) NEILの作曲の質の高さと流れるような又、時には"タメ" の入ったハモンドの演奏が最高です。
7曲目"Last Tango In Paris"(4:13) アルゼンチン出身のサックス・プレーヤーGATO・BARBIERIが書いた '72年同名映画のサウンド・トラックです。MICHAELのサックスがここぞとばかりに登場します。この曲では列車に乗っているようなスピード感があります。
8曲目"From A Dream"(4:05) 少し哀しさを表現した曲になっています。メランコリックな調べがさざ波のように繰り返し押し寄せる感が悲しさを際立たせます。
・歌詞無し ライナー無し LP盤 (輸入盤)
・全8曲 解説付 (国内盤) 収録時間:37分25秒 (ヴォーカルの曲は、入っていませんので注意!)'10年3月3日再更新


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写真  NEIL YOUNG / Neil Young
 ・1968 Reprise Records    517934-2

BUFFALO SPRINGFIELDから新たに1歩・・・

このアルバムは、カナダのトロント出身のS.S.W.NEIL・YOUNGの '68年11月12日に本国でリリースされたソロ名義による初アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NEIL・YOUNG:ヴォーカル/ギター/キーボード/ハーモニカ/シンセサイザー/プロデュースの他、RY・COODER:ギター、JIM・MESSINA(Ex.POCO):ベース、CAROL・ KAYE:ベース、GEORGE・GRANTHAM(Ex.POCO):ドラム、EARL・PALMER:ドラム、JACK・NITZSCHE:キーボード/バック・ヴォーカル/プロデュース、DAVID・BRIGGS:プロデュース、MERRY・ CLAYTON:バック・ヴォーカル、BRENDA・HOLLOWAY:バック・ヴォーカル、PATRICE・HOLLOWAY:バック・ヴォーカル、GLORIA・RICHETTA・JONES:バック・ヴォーカル、SHERLIE・MATTHEWS:バック・ヴォーカル、GRACIA・NITZSCHE:バック・ヴォーカルのロス・アンゼルのミュージシャン達が参加しています。
尚、掲載のジャケット写真は、'09年にリマスター再CD化された時のミュージシャン名/アルバム名が無かった '68年当時の初回盤のオリジナル・ジャケットに戻されたものを掲載しています。

1曲目"The Emperor Of Wyoming"(2:19) 非常に長閑なサウンドとメロディーによるフィドル風の音色を中心に繰り広げられるこのアルバムの幕開きを知らせるインストゥルメンタルです。
2曲目"The Loner"(3:55) イントロから一発でNEILの曲と分かるソリッドなサウンドを放つギターと共に登場する気弱そうで鼻に掛かったNEILの歌声が響くロック色の強いこのアルバムからの一押しの曲です。
3曲目"If I Could Have Her Tonight"(2:21) この曲の浮遊感と言うか何かサイケデリック感を感じさせるところが当時から大好きだった曲です。シンプルでストレートなトーンで奏でられるNEILのギターと彼のソフトな謡ぶりが妙にマッチしたところが感じ好いのです。
4曲目"I've Been Waiting For You"(2:34) 今度は、少しリズムを上げて来たこの曲もNEILの匂いがプンプンする曲です。センチメンタルな歌声を聴かせるNEILに相反するソリッドなギター・サウンドをバックに響くハモンドに乗せて展開されています。
5曲目"The Old Laughing Lady"(6:05) 組曲風に組み立てられた各パートが非常に繊細で緻密感のあるサウンドが込められている曲です。さり気なくバックで響くストリングスの調べをそっと聴いているとJACK・NITZSCHEが非常に丹念な作業をしたことを伺わせます。
6曲目"String Quartet From Whiskey Boot Hill"(1:05) JACK・NITZSCHEの書いたインストゥルメンタルによるメランコリックな音色を聴かせる短い曲で、次の曲への繋ぎ効果を考えたように収録されています。
7曲目"Here We Are In The Years"(3:19) 穏やかな調べによるピアノとアコースティック・ギターがこの曲の幕開きを知らせます。心地好いNEILの歌声が流れた後に登場するこの曲の間奏でのギターの音色は、今聴いても鳥肌が立つほど美しいのです。
8曲目"What Did You Do To My Life?"(2:29) この曲もギターのサウンドに溢れている曲です。高いキーで歌うNEILのセルフによるバック・ヴォーカルやリヴァーブを効かせたギターのサウンドも何度聴いても感じ好いです。
9曲目"I've Loved Her So Long"(2:47) イントロから非常にメランコリックな音色を聴かせる曲で、NEILの繊細な歌声も非常に印象的です。途中より登場する女性バック・ヴォーカル隊に見守られるように歌うNEILです。この曲もJACK・NITZSCHEの電子ピアノとストリングの調べで彩りされた穏やかな流れが通り過ぎて行きます。
10曲目"The Last Trip To Tulsa"(9:26) アコースティック・ギター1本によるNEILの弾き語りです。時に優しく奏でられるギターの調べとブリッジ近くを荒々しいストロークで引掻くように奏でながら歌うNEILの情念が込められた曲です。
8曲歌詞付 写真ブックレット HDCD仕様 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:36分25秒 (このアルバムをリリースした同年の5月に解散したBUFFALO SPRINGFIELDから新たに1歩を踏み出したNEILです)'12年8月25日更新
1968年度ベスト5


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写真  NEIL YOUNG / Everybody Knows This Is Nowhere
 ・1969 Reprise Records    517935-2

CRAZY HORSEを従えて・・・

このアルバムは、カナダのトロント出身のS.S.W.NEIL・YOUNGの '69年5月19日に本国でリリースされたソロ名義(CRAZY HORSEとの共同ですが、実質ソロ・アルバム)による2枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NEIL・YOUNG:ヴォーカル/ギターの他、DANNY・WHITTEN :ギター、BILLY・TALBOT:ベース、RALPH・MOLINA:ドラムのCRAZY HORSEのメンバーとROBIN・LANE:ヴォーカル、BOBBY・NOTKOFF:ヴァイオリンのロス・アンゼルのミュージシャン達が参加しています。
プロデューサーは、前作同様DAVID・BRIGGSとNEILとの共同となっています。
尚、今回レビューしたアルバムは、'09年にリマスター再CD化された盤を基に掲載しています。

1曲目"Cinnamon Girl"(3:01) このアルバムからのシングル・カットされた曲で、当時のビルボード55位となっています。
コードの流れなどJ.J.CALEが書いてERIC・CLAPTONがヒットさせた"Cocaine" とサウンド的に似ているところが興味深いですね。
2曲目"Everybody Knows This Is Nowhere"(2:31) カントリー・ロック調の長閑なサウンドを聴かせる軽めの乗りを感じる曲です。複数のギターの爪弾きと簡単なハーモニーで流される少し短めのこのアルバムのタイトル曲となっています。
3曲目"Round & Round(It Won't Be Long)"(5:54) BUFFALO SPRINGFIELDで一緒に活動していたRICHIE・FURAYの共作と思われる曲です。イントロから響くアコースティック・ギターの調べから堪らない感じを与えています。全編に流れるROBIN・LANEの美しい歌声とNEILとのハーモニーが非常に浮遊感を漂わせるのです。
4曲目"Down By The River"(9:27) お待ちかねNEIL初期の代表作です。C.S.N.&Y.のアルバムでも収録されているエレクトリック・ギターのソリッドなサウンドをアドリヴ的に奏でる9分を超える大作です。
5曲目"The Losing End (When You're On)"(4:08) 再び長閑なサウンドとメロディによるカントリー・ロックな曲です。テネシアンならこんな音楽を聴きながら仲間同士できっとダンスをするのでしょうね。
6曲目"Running Dry(Requiem For The Rockets)"(5:36) サブタイトルにザ・ロケッツへの鎮魂歌と記されたNEILの曲の中では少し異質のフォーク・スタイルの曲です。後にリリースされる日本のフォーク・シンガーのエレジーを歌った曲に影響を与えたと思わせるBOBBY・NOTKOFFの非常にメランコリックなヴァイオリンの調べは、本当に自分達のバンドへの心のこもったレクイエムでしょうね。
7曲目"Cowgirl In The Sand"(10:06) イントロ部分だけでも2分近くある非常に長尺な曲です。NEILがやはりこのバンドと一緒に収録したいと伺わす一発収録のようなスリリングなサウンド・スタイルとライヴでの演奏映えを非常に感じさせます。やはりこの曲もNEIL初期の大作にて代表作と思えます。
7曲目のみ歌詞付 写真ブックレット HDCD仕様 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:40分47秒 (前作よりたった半年後にリリースされたこのアルバム、ソロになり活動意欲が非常に旺盛になったNEILのようです)'12年9月1日更新
1969年度ベスト5


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写真  NEIL YOUNG / After The Gold Rush
 ・1970 WARNER BROS.-PIONEER CORPORATION    P-8002R

NEIL代表作・・・

このアルバムは、カナダのトロント出身のS.S.W.NEIL・YOUNGの '70年8月31日に本国でリリースされた3枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NEIL・YOUNG:ヴォーカル/ギター/ピアノ/ハーモニカ/ヴィブラフォン/プロデュースの他、DANNY・WHITTEN:ギター/バック・ヴォーカル、NILS・LOFGREN:ピアノ/バック・ヴォーカル、 JACK・NITZSCHE:ピアノ/プロデュース、BILLY・TALBOT:ベース、GREG・REEVES:ベース、RALPH・MOLINA:ドラム/バック・ヴォーカルの前作同様CRAZY HORSEのメンバーにSTEPHEN・STILLS:バック・ヴォーカルが参加しています。
尚、プロデューサーは、NEIL自身と前作でのDAVID・BRIGGSに"Cinnamon Girl" のシングル盤でのKENDALL・PACIOSが担当しています。

1曲目"Tell Me Why"(2:54) 張りのあるアコースティック・ギターの爪弾きによる調べにNEILの鼻に掛かった非常に特徴的な歌声が流れるフォーク調の曲です。この曲のサビの部分のハーモニーのメロディも申し分無しですね。
2曲目"After The Gold Rush"(3:45) NEILの非常に高いキーとピアノの1台での調べが特徴となったシンプルなサウンドによる曲です。曲の途中よる登場するフリューゲル・ホーン(クレジットの記載無し)の調べの本当に切なく流れて来ます。
3曲目"Only Love Can Break Your Heart"(3:05) シンプルなコード進行による曲ですが、非常に聴く者に訴えるメロディとサウンドを感じさせます。次に控える"Southern Man" のようなサウンドを荒げてNEILの悲痛を訴える曲とは真逆に位置する徹底的にメランコリックさ表現したやはりNEILの名曲ではないでしょうか。
4曲目"Southern Man"(5:41) 基本的には後にリリースされるC.S.N.&Y.での[4 Way Street]でのライヴ演奏とアレンジが同じと思える曲調です。エレクトリック・ギターを掻き鳴らしながらアメリカ南部の人種差別を批判した魂の叫びを聴かせます。
5曲目"Till The Morning Comes"(1:17) 重厚な曲が終わった後に登場する軽め小さな曲です。NILSのピアノの演奏を中心に繰り広げられるスタジオ内でも一服的に演奏していた曲でしょうか。
6曲目"Oh, Lonesome Me"(3:47) ノース・カロライナ出身のカントリー・シンガーDON・GIBSON '58年の曲のカバーです。ハーモニカがイントロから登場するアコースティック・サウンドの曲による落ち着いた流れです。この曲をカバーしたアイデアは、推測ですがDANNY達のアイデアかも知れませんね。
7曲目"Don't Let It Bring You Down"(2:59) NEILのアコースティック・ライヴなどで今も良く演奏される代表曲です。独特のコード進行にこれまたNEILあの歌声の響きは、彼独自も持ち味ですね。
8曲目"Birds"(2:34) この曲は、ソロになってからの曲と言うかどちらかと言うとBUFFALO SPRINGFIELD時代にタイムスリップしたような質感を感じせる初期のバンド・スタイルを感じさせる若っぽく蒼いサウンドと言えば理解されるかな。尚、"Birds"って意味イギリスでは、「彼女」「女の子」「奥さん」の意味もあります。
9曲目"When You Dance I Can Really Love"(2:03) CRAZY HORSEとのバンド・スタイルで展開されるロック色を全面に出して来ている曲です。NEILがピアノで作品を書いたアコースティック・ギター1本による弾き語りです。高く切ない響きのNEILの歌声とギターの爪弾きなど何の演出もされていないそのままライヴ・テイクでの収録と思わせる観客の拍手も収録されています。
10曲目"I Believe in You"(3:24) 再び曲調をガラッと変えて来たメランコリックなバラードの登場です。DANNYとのギターによるハーモニーと共に流れる美しい歌声も切なさが一杯です。
11曲目"Cripple Creek Ferry"(1:34) スタジオ収録の合間に書いて収録したような気軽さやその時にいたミュージシャン達との和気あいあいさが非常に伝わって来る小さな作品です。この曲を聴きながらネットでCripple Creekはどこかなと思い検索してみたらコロラド州の観光名所の渓谷ですね。
10曲ポスター型歌詞付 LP盤 (国内盤) 収録時間:33分03秒 (今から40年以上前にリリースされたアルバムですのでこの手持ち盤のジャケットや歌詞も本当にボロボロになっています:笑)'12年9月29日更新


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写真  NEIL YOUNG / Harvest
 ・1972 Reprise Records    517937-2

これもNEIL代表作・・・

このアルバムは、カナダのトロント出身のS.S.W.NEIL・YOUNGの '72年2月14日に本国でリリースされた4枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NEIL・YOUNG:ヴォーカル/ギター/ピアノ/ハーモニカ/プロデュースの他、BEN・KEITH:ペダル・スティール/ドブロ、JACK・NITZSCHE:ピアノ/ラップ・スライド・ギター/ストリングス/プロデュース、TIM・DRUMMOND:ベース、KENNY・BUTTREY:ドラム、JOHN・HARRIS:ピアノ、EDDY・IRWIN:ギター、JAMES・McMAHON:ピアノ、DAVID・MEECHAM:指揮、THE LONDON SYMPHONY ORCHESTRA:ストリングス/ホーン、JAMES・TAYLOR:ギター/バンジョー/バック・ヴォーカル、LINDA・RONSTADT:バック・ヴォーカル、DAVID・CROSBY:バック・ヴォーカル、GRAHAM・NASH:バック・ヴォーカル、STEPHEN・STILLS:バック・ヴォーカルのお馴染みのミュージシャン達です。
プロデューサーは、NEIL自身とELLIOT・MAZERとの共同及びJACK・NITZSCHE、HENRY・LEWYの単独による曲と分かれています。
尚、今回レビューしたアルバムは、'09年にリマスター再CD化された盤を基に掲載しています。

1曲目"Out On The Weekend"(4:34) 人の歩みに近いドラムのビートにベースのサウンドを乗せた心地好い流れを感じさせる曲です。NEILのハーモニカとBENのペダル・スティールの響きも長閑な感じを伝えています。当時のNEIL自身の曲紹介の記事だったと思うのですが「自立心を持ったティーン・エイジャーが1人家を出て旅に出る心境を描いた」と語っていました。
2曲目"Harvest"(3:11) このアルバムの大半の収録曲がナッシュヴィルで行われた事を伺わせるこの曲もカントリー・フォーク調の長閑なサウンドを聴かせる曲です。ゆったりとした時間が流れる気だるい昼下がりに丁度良い音楽ではないでしょうか。
3曲目"A Man Need A Maid"(4:05) 非常にメランコリックな響きを感じさせるピアノ1台による弾き語りから入る曲です。JACK・NITZSCHEの手による荘厳のストリング・アレンジに彩られた THE LONDON SYMPHONY ORCHESTRAの演奏が非常に圧巻です。
4曲目"Heart Of Gold"(3:07) このアルバムからシングル・カットされ当時ビルボード・ホット100で1位に輝いた曲で今も多くのミュージシャン達にカバーされています。循環コードで奏でられるシンプルな響きにNEILのハーモニカのサウンドがアクセントとなっています。
5曲目"Are You Ready for the Country?(When You're On)"(3:33) このアルバムでは、ピアノの演奏を多くしているNEILですが、この曲もピアノの演奏を中心に繰り広げられる曲です。ラグタイム音楽と思える砕けた雰囲気にアドリヴ的に各楽器のソロ演奏を繰り返し重ね合わせたようなアレンジとなっています。
6曲目"Old Man"(3:24) アコースティック・ライヴで良く演奏されるNEILの初期の定番曲です。イントロから流れるアコースティック・ギターのサウンドから鳥肌物の響きを感じます。尚、コードの組合せなどは過去の"Cowgirl In The Sand" "Southern Man" に通じるところを感じます。
7曲目"There's A World"(2:59) この曲は、このアルバムの中でも異色なサウンドを聴かせる曲です。ロンドンまで出掛けて収録した映画のサウンド・トラック風のスペクタクルさ重厚なストリンスやホーンの音色をべったりと描きつけた大作です。
8曲目"Alabama"(4:02) この曲もイントロの部分だけで鳥肌が立ちそうな曲です。NEILの曲、特にエレクトリック・ギターのサウンドは、この曲のようの弦をアタックする時の右手の腹でのミュートが絶妙なのです。前作に収録されている"Southern Man" と内容も同じくアメリカ南部の有色人種差別を批判しています。
尚、この曲がリリースされた後に憤慨した南部で活躍しているロック・バンドLYNYRD SKYNYRDは"Sweet Home Alabama" をリリースして対抗したのです。
9曲目"The Needle And The Damage Done"(2:03) アコースティック・ギター1本による弾き語りです。高く切ない響きのNEILの歌声とギターの爪弾きなど何の演出もされていないそのままライヴ・テイクでの収録と思わせる観客の拍手も収録されています。
10曲目"Words"(Between The Lines Of Age)"(6:47) 前の曲の終わり部分の拍手から曲間を埋めたように登場するこのアルバム最後の7分近くある長尺の曲です。この曲でもBENのペダル・スティールの調べがアクセント的に響きます。ソロ・アルバムとしての収録ですが、ライナーにはTHE STRAY GATORSとしてバンド・スタイルで大半の曲が収録されていて、NEILが各人と1つのバンドとして一緒にこのアルバム作りを行われたと敬意と思いが伝わる息の合った演奏が繰り広げられています。
全10曲目歌詞付 ポスター型ライナー HDCD仕様 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:37分47秒 (音楽活動50年を記念してか、デビュー前トロント時代の音源も含まれたアーカイブ・BOXシリーズも4部作の1部もリリースされています)'12年9月22日更新
1972年度ベスト5


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写真  NEON INDIAN / Era Extraña
 ・2011 MOM + POP MUSIC CO.LLC    MP033

多様化した音楽の世界で・・・

このアルバムは、テキサスのデントンで活躍しているエレクトロニカ・ロック・バンドNEON INDIANの '11年9月11日に本国でリリースされた3枚目('10年の[Mind Ctrl: Psychic Chasms Possessed]を含む)のアルバムです。
詳しいクレジットの記載はないのですが、このアルバム収録時でのNEON INDIANのメンバーは、ALAN・PALOMO:ヴォーカル/ギター/プログラミング/プロデュース、LEANNE・MACOMBER:キーボード/ギター/ベース/バック・ヴォーカル、JASON・FARIES:ドラム、ED・PRIESNER:キーボード/シンセサイザー/プログラミングの4人組みと思われます。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ADAM・CORBESMEYER(GH0ST 0F A STRANGER):ベース、JEZY・GRAY:ギター、JOSHUA・McWHIRTER(後にNEON INDIANに加入):ギター、JACE・LASEK:ギター、JASON・FARIES:パーカッション、Gミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、ALAN・PALOMOに加えオルタナティヴ・ロック・バンドMERCURY REVの元ベーシストDAVE・FRIDMANNも担当しています。

1曲目"Heart:Attack"(0:56) Heart:Attack/シリーズ3部作で構成されている短い電子サウンド満載のインストゥルメンタルです。
2曲目"Polish Girl"(4:24) このアルバムからのキラー・チューンとなった曲です。前の曲の電子サウンドが終了してから入るこの曲のイントロが最高なのです。ALAN・PALOMOが登場したオフィシャル・ ビデオもどうぞ。
3曲目"The Blindside Kiss"(3:33) Lo-Fiで全体的に荒らしたサウンドで展開される曲です。転がるような電子サウンドにALAN・PALOMOの気弱い歌声が響くところは前に紹介したN.Y.のHEAVENLY BEATのJOHN・PEÑAに共通するところを感じます。
4曲目"Hex Girlfriend"(3:16) この曲もノイズを乗せたエレクトロニカのサウンドの曲です。サウンドの感じは前作でのヒット・チューン"Deadbeat Summer" を彷彿とさせるものを感じます。
5曲目"Heart:Decay"(1:44) 一部のアルバム収録地である冬のヘルシンキで撮影されたビデオを観て頂いた方が早いですね。
6曲目"Fallout"(3:32) この曲もイントロから金属的な電子サウンドを響かせるキャッチーな掴みを持った曲です。重く響くシンセ・ベースとパーカッションのリズムが心地好く響いて来ます。
7曲目"Era Extraña "(2:57) メランコリックなメロディとサウンドを聴かせるアルバムのタイトル曲です。短い歌詞をリフレインとした聴き易さと引き摺り感が好いですね。また、曲のタイトルの意味は、こちらでどうぞ。
8曲目"Halogen(I Could Be A Shadow)"(4:35) 吐息の混じったALAN・PALOMOの歌声を更にヴォコーダーを通して輪郭をぼかした歌声をポップなサウンドに乗せて展開させています。
9曲目"Future Sick"(4:47) 不思議にサウンドを歪ませた流れとビートを持つ曲です。エレクロニカ・ポップ/メルヘン調な部分も後半より登場し、LEANNE・MACOMBERのバック・ヴォーカルの歌声も爽やかに響いています。
10曲目"Suns Irrupt"(5:28) プログラミング/打ち込みのビートが目一杯使われたドラム"ン" ベースが前に出された曲です。うねり持ったサウンドとビートの流れが押し寄せては引き戻している感じですね。
11曲目"Heart:Release"(2:05) この曲もアルバムの収録地の一部であるヘルシンキで撮影されたビデオも制作されています。
12曲目"Arcade Blues"(4:46) ダブステップの感じのテンポ良く流れて来る曲です。シンセ・ベースにプログラミング・ドラムのリズムにサウンド・エフェクト満載です。
8曲歌詞付 写真ブックレット 3折紙ジャケット仕様 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:42分03秒 (ギター・ポップなアルバム紹介からスタートしたこのHP、しかし今日のように非常に多様化した音楽の世界ではNEON INDIANのようなサウンドにまで到達しています)'14年6月14日更新


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写真  NIIGHTS/ Whisper
 ・2015 Tragic Hero Records    605491100088

タフネスさがこのバンド・・・

このアルバムは、オハイオ州クリーブランドで活躍しているドリーム・ポップ/メロディック・ロック・バンドNIIGHTS(YouTubeや一部のバンド紹介ではNIGHTSと表記されています)のデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NIIGHTSのJENNA・FOURNIER:ヴォーカル/ギター/パーカッション/プロデュース、FRANCESCO(FRANKIE)・MARALDO:ギター/ヴォーカル、RYAN・WILKINS:ベース/ヴォーカル/プロデュース、 CHRIS・DALMAN:パーカッションの4人の他、JIM・STEWART:プロデュースです。
'13年に国内盤としてリリースされ、来日公演を果たしたNIIGHTSですが、このアルバムは、'15年9月26日に米国Tragic Hero Recordsより再リミックスによりリリースされた国内ボーナス・トラック無しの11曲盤をレビューしています。

1曲目"Walkaway"(4:21) かき鳴らされるギターの調べにメロディ・ラインの美しいベースの調べ印象的な曲です。NIIGHTSの元気の良さをこの最初の曲からすっかり聴き込まされるます。
2曲目"Had A Dollar"(5:09) パイプ・オルガン風の調べがイントロから広がる荘厳さを感じる曲です。このバンドの特徴であるドラムCHRIS・DALMANの硬い響きのビートとJENNAの柔らかい歌声とのミス・マッチが非常に魅力に感じる心地好さです。
3曲目"Mouthful Of Sand"(3:29) 再び元気の良さを直に感じるストレート・ロックな曲です。JENNAの歌声だけを聴いているスウェーデンのS.S.W.のような感じの歌声と似た感じがするのです。
4曲目"Butterflies"(4:46) イントロから何か聴き入らす不思議なメロディと怪し気なギターのサウンドの曲です。サビのメロディやコーラスなど70年代のバンドのスタイルを感じるレトロさに心が和みます。
5曲目"In The Garden"(3:09) 軽く付けられたシンゼサイザーの音色や穏やかな調べによるアルバムの真ん中に位置する小曲です。ここ最近CDよりレコード盤(vinyl)のみ制作しているインディーズ・レーベル盤でのA面からB面への移行を意図とした曲配置のようです。
6曲目"Glow"(4:35) ベースの重い響きのリフとタイトなドラムのビートによる長いイントロが印象に残る曲です。サイケデリック感やメタル感のあるベースのサウンドなどやはりJENNAのソロ・アルバムと一味違ったタフネスさがこのバンドの売りのようです。
7曲目"Rosebush"(4:13) 前の曲が終わってから自然に繋がれたどこと無くメロディにオリエンタルな感じを伝えて来る曲です。遠くで響くRYAN・WILKINSのベースの調べも心地好く広がっています。
8曲目"Holiday"(3:28) JENNAのソロ・アルバムのようなアコースティック・サウンドに重きを置いた曲です。ブラシに持ち替えたCHRIS・DALMANのスネアのビートとFRANCESCO・MARALDOのアトモスフェリックなギター調べがJENNAの歌声に寄り添います。
9曲目"Trees"(5:15) 私をこのNIIGHTSの音楽の魅力に最初に惹きつけた曲です。非常に硬いビートを刻むドラムと奥に広がるギターの調べに漂うにJENNAの清楚な歌声が堪りませんね。
10曲目"Sunshine"(4:55) 歪みを掛けたギターのサウンドとJENNAとFRANCESCOが一緒に歌うバンド・スタイルの曲です。'10年頃からギターのFRANCESCOと曲を書いて活動を共似して来た息の合った乗りの良さを感じます。
11曲目"Lullaby"(2:15) 10年の[A Tangle of Arms EP]に収録されているリミックス曲です。音源をよりクリアにしオリジナル収録のLo-Hiさを排し、スピード感を演出したアレンジになっています。
全11曲歌詞付 ブックレット デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:46分39秒 (今月にも最新盤をリリース予定のNIIGHTS、今夏には再来日ツアーも予定されているようです)'19年1月14日更新


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写真  NIIGHTS/ Hellebores
 ・2018 Sun Pedal Recordings    SPDL2-007

ちょっと騒がしいかなぁ・・・

このアルバムは、オハイオ州クリーブランドで活躍しているメロディック・ロック・バンドNIIGHTS(YouTubeや一部のバンド紹介ではNIGHTSと表記されています)の2枚目アルバムで本国でのリリースは、'19年2月15日です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NIIGHTSのJENNA・FOURNIER:ヴォーカル/ギター/ベース、FRANCESCO(FRANKIE)・MARALDO:ギター/ヴォーカル/副プロデュース、VINCENTZO・MAUER:ベース/キーボード、CHRIS・DALMAN:ドラム/パーカッションの他、 JEREMY・DODGE:ドラム/プログラミング、JACOB・CHANDLER:ベース/シンセサイザー、NICK・KUHAR:ドラム、JIM・WIRT:ゴング/環境録音/プロデュース(HOOBASTANK,FIONA・APPLE)のクリーブランドのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Intro"(1:45) エコーを効かせたギターのサウンドがアルバムの幕開けに相応しく熱のこもった4人の演奏が次の曲への流れとなって繋がっています。
2曲目"Generator"(4:18) JENNAの甲高いギターのサウンドとバックで響くJACOB・CHANDLERの重いベースのサウンドが調和した曲です。スピード感や弾けるリズムが心地好いストレートなロック感が伝わって来ます。
3曲目"So Into You"(2:57) 今度は少し軽めのリズムとサウンドを聴かせるこの曲もストレートなロック色強い曲です。JENNAの可愛い歌声とバックの熱いメタルぽい演奏の妙なバランス差がこのバンドの魅力と感じます。
4曲目"Trail Of Blood"(5:12) 前作[Whisper]からドラムのメンバーが入替ったのですが、このアルバムでも硬質のビートと力強さを保った感がします。ハード・ロック系のサウンドからメロディック・ロック色へと変幻するするこの曲の流れを楽しむことにしましょう。
5曲目"Stars"(3:56) FRANKIEのタッピングで奏でられるギターの美しい調べの曲です。曲の底で響くシンゼサイザーの重い音色や優美さを感じるJENNAの歌声に包まれる感が好い前半から後半からハード・ロックなサウンドへダイナミックな展開を聴かせます。
6曲目"Keyhole"(2:46) 前作での1曲目"Walkaway" と同じ線上に位置したストレート・ロックな曲です。ギターをかき鳴らしながら歌うJENNAとギミックなギターを演奏するFRANKIEです。
7曲目"It Was"(3:24) 歪みを持たせたギターのサウンドとサイケデリック感のあるバックの演奏によるロック色の強い曲です。女性ヴォーカルによるアメリカン・バンド然とした70年代から続く脈々とストーリーを感じます。
8曲目"Hellebores"(3:56) この曲もヘビーなサウンドを聴かせるイントロから組曲風にアレンジされた曲です。前のアルバムの「ドリーム・ポップ」さからメタル系のロックへサウンドを移行して来たことを切にこの曲から感じます。
9曲目"With Bated Breath"(11:13) '15年9月にダウンロード販売されているこの曲も重いサウンドを聴かせる曲です。前の曲が終わってから曲間を繋いだ手法となり、この曲もハードなパートからドリーム・ポップなパートと交互に挟んだ11分を超える大作です。
10曲目"Segue"(0:24) ノイズによる短い曲で次の曲のイントロも兼ねています。
11曲目"Sylvia"(6:52) ダウンロードにて先行リリースされいるハード・ロックな感のある曲です。前作では余り聴かせなかったFRANKIEのハードなギター・サウンドで迫って来ますが、後半からのインストゥルメンタル部は、非常にメロディアスで叙情的な流れとなっています。
12曲目"Caterpillar"(2:35) アルバムの最後になってアコースティック調の曲の登場です。サウンドの感じはJENNAのソロ・アルバムの曲調のようがギターの弾き語りを主体とした落ち着いた感じが伝わって来ます。
10曲歌詞付 写真ブックレット デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:49分24秒 (前作ではドリーム・ポップ路線だったNIIGHTSですが、今作はハード/メタル・ロック系のサウンドでちょっと騒がしいかなぁ)'19年2月2日更新


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写真  NILS LOFGREN / Grin 1+1
 ・1972 Spindizzy Records / CBS Records    Z 31038

メロディアスな調べとロック色の住み分け・・・

このアルバムは、シカゴ出身のギタリスト/ヴォーカリストNILS・LOFGRENのバンドGRIN名義の2枚目のアルバムで、本国でのリリースは、'72年となっています。
バンドのメンバーは、1作目同様にNILS・LOFGREN:ギター/キーボード/ヴォーカル、BOB・BERBERICH:ドラム/ヴォーカル、BOB・GORDON:ベース/ヴォーカルの3人組に、GRAHAM・NASH:バック・ヴォーカル、DAVID・BLUMBERG:オーケストラがアルバム収録の為参加し、プロデュースは、DAVID・BRIGGS(NEIL・YOUNG) が担当しています。
尚、このアルバムは、A面にNILSのエレクトリック・ギターの演奏をまとめた"Rockin' Side" とB面は、アコースティック・ギターによる"Dreamy side" と名付けられて収録されています。

1曲目"White Lies"(3:27) イントロから流れる張りのあるギターのサウンドから堪らない乗りの良いナンバーです。タイトなBOB・BERBERICHのドラムのリズムに乗せ歌うNILSの気持ち良さそうな歌いぶりを強く感じさせます。
2曲目"Please Don't Hide"(3:58) エモーショナルなリズムとギターのビートによるロック色の強い曲です。ソリッド感のあるNILSの歌声と彼の歯切れ良いサウンドを聴かせるギターの演奏は、やはりNILSらしいですね。
3曲目"Slippery Fingers"(4:09) ファンキーなギターのサウンドとリズムを聴かせるドラムのBOB・BERBERICH 又は、ベースのBOB・GORDONのヴォーカル曲です。荒削りのサウンドの中にも洒落たリズムとギミックなギター・サウンドを聴かせています。また、歌詞には、少し「エッチ」な内容が綴られているのです。
4曲目"Moon Tears"(2:16) この曲もロック"ン" ロールのリズムによる乗りの良い曲で、NILSのライヴでも良く演奏される彼のクラシック・チューンですね。間奏で登場するツイン・ギターによるソロと早弾きが圧巻ですが、曲の長さが少し短いのが惜しいですね。
5曲目"End Unkind"(4:03) 再びベースのBOBかドラムの方のBOBによるNILS以外のヴォーカル曲の登場です。スピード感のあるギターのサウンドにベース・トラックには、アコースティック・ギターの張りのあるサウンドを使ったNILSがバンド仲間のヴォーカル曲の為に用意した感じがします。
6曲目"Sometimes"(2:36) やはりDreamy sideの最初に登場すべき美しいメロディとサウンドの曲ですね。スパニッシュ・ギターとアコースティック・ギターのサウンドが一杯溢れて流れて来ます。やはりNILSの曲と彼の歌声は、このような感じの曲でも響きが良いですね。
7曲目"Lost A Number"(3:07) 美しいアコーディオンのサウンドとアコースティック・ギターの調べが響くシャンソン風の曲です。やはりDreamy sideの最初に登場するメランコリックなメロディのナンバーです。歌詞の方も彼女の電話番号を忘れてしまった男の切ない話を綴っています。
8曲目"Hi, Hello Home"(2:27) バック・ヴォーカルにGRAHAM・NASHが参加した曲の登場で、彼の持ち味である美しい歌声によるハーモニーを聴かせています。この曲を聴いていて思うのですがGRAHAM好みのカントリー・タッチのサウンドが面白い事にしますね。バンジョーやアップライト・ピアノの演奏を器用に奏でるNILSのマルチ・タレントぶりに感心させられます。
9曲目"Just A Poem"(2:40) ピアノの心地好い調べに爽やかなフルートの調べが流れる晩秋の雰囲気のするサウンド・トラック的な曲ですね。ハードなロックの曲もこのようなソフトなメロディアスな曲も書く単にギタリストの枠を超えたNILSなのです。
10曲目"Soft Fun"(5:41) このアルバムのラストを飾るのは、子供の無邪気な歌声と優しいウーリッアーピアノの調べがイントロから流れる大作ですね。NILSの叫びに似た歌声と後半からエンディングまで流れる非常にメロディアスなDAVID・BLUMBERG(STEVIE・WONDER etc.) のストリングスの調べが対照的ですね。
歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:34分24秒 (実は、このアルバムのリリース当時からコロムビア・レコードの国内盤を持っていたのですが、行方不明になった為、輸入盤を再購入したものです)'10年3月3日再更新
1972年度ベスト5


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写真  NILS LOFGREN / Nils Lofgren
 ・1975 A&M RECORDS INC.    A&M SP-4509

適度な意気込みを感じる好アルバム・・・

このアルバムは、'75年にリリースされたイリノイ州シカゴ出身のギタリスト/シンガーNILS・LOFGRENの5枚目(バンドGRIN名義を含む)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、先に紹介したNILS・LOFGREN :ヴォーカル/ギター/キーボードの他、WORNELL・JONES(SLY & THE FAMILY STONE):ベース、AYNSLEY・DUNBAR(FRANK・ZAPPA):ドラム、STU・GARDNER(BILL・COSBY):バック・ヴォーカルのベテラン達が参加しています。
尚、プロデュースは、NILS自身とGRINのアルバムも担当していた故DAVID・BRIGGS(NEIL・YOUNG)です。

1曲目"Be Good Tonight"(0:50) 50秒ほどのNILSのエレクトリック・ギターの爪弾きによるブルースで、このアルバムのオープニング曲的に収録された感じです。
2曲目"Back It Up"(2:23) GRIN時代よりも更にポップ調にまた、ロック"ン" ロール調にサウンドを変えたナンバーです。NILSのセルフによる爽やかなウエスト・コースト風ハーモニーも以前のアルバムとは少し曲調が違いますね。
3曲目"One More Saturday Night"(3:07) シンプルなドラムの ビートに軽めのロック"ン" ロールのリズムによる若者の土曜夜の出来事を描いた曲です。この曲のイメージもバンドGRINの持つストイックなロックのイメージを一掃している感じでしょうか。
4曲目"If I Say It, It's So"(3:05) 逆にこの曲は、前作と似たメロディとサウンドを聴かせるNILSらしいソリッドなロックをイメージさせる曲です。チョーキングさせるギターの演奏に少し甘い目のNILSの歌声がご機嫌ですね。
5曲目"I Don't Want To Know"(2:47) 今度はNILSがギターからピアノの演奏に替えた軽めのピアノによる弾き語り的な曲です。プロデューサーDAVID・BRIGGSのアイデアが見え隠れするアレンジと言えそうです。
6曲目"Keith Don't Go(Ode To The Glimmer Twin)"(4:21) この曲は非常にGRIN時代のスプリットを強く感じ曲で、NILSのギターの演奏が随所に登場します。この曲がNILSの尊敬するTHE ROLLING STONES("Jumpin Jack Flash" のフレーズも少し登場します)のギタリストKEITH・RICHARDSのことを歌ったのは余りに有名な話ですね。
7曲目"Can't Buy A Break"(2:48) アコースティック・サウンドとスライド・ギターの特徴的な演奏を取り入れた曲の登場です。ルーズさのあるサウンドからのレイド・バック感が好いですね。
8曲目"Duty"(2:56) この曲もスライド・ギターのサウンドを聴かせる曲ですが、前の曲よりスピード感とバックのピアノの演奏で感じがGRINでの曲に近い質感を感じます。
9曲目"The Sun Hasn't Set On This Boy Yet"(2:48) NILSのピアノの演奏による軽いリズムとサウンドによるリズミカルな曲です。17歳でNEIL・YOUNGの名盤[After The Gold Rush] の収録に参加したNILSですが、後にバンド・メンバーとしては、解雇されてしまうのです。そんな自身の出来事を歌ったように思えます。
尚、NILSは、'82年のNEILのアルバム[Trans ]に再び参加しています。
10曲目"Rock And Roll Crook"(2:53) この曲は、NILSのハードなサウンドや非常にソリッド感のあるロックを全面に出している感じのする曲です。バックに流れる数々のギターのサウンドと演奏スタイルにNILSの拘りを強く感じます。
11曲目"Two By Two"(3:04) NILSのアルバムで必ず登場する非常にメロディアスで美しいサウンドを聴かせる好きな曲の1つです。12弦アコースティック・ギターを華麗に奏でながら歌うNILSの甘い歌声がロマンチックな歌詞に似合いますね。
12曲目"Goin' Back"(3:53) この曲は、非常にリズミカルな流れとピアノの演奏が美しく響くところが気に入っています。歯切れ好いピアノのサウンドとメロディアスな流れを組み合わせたアレンジが感じ好いのです。
尚、この曲は '66年にCAROLE・KING、GERRY・GOFFIN夫婦により故DUSTY・SPRINGFIELDの為に書かれたヒット曲で、多くの人にカバーされています。
歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:34分43秒 (自身名義によるNILSのこのソロ・アルバム、彼の余り肩を張らない適度な意気込みを感じる好アルバムです)'10年6月26日再更新
1975年度ベスト5


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写真  NILS LOFGREN / Silver Lining
 ・1991 RYKODISC    RCD 10170

BRUCE SPRINGSTEEN AND THE E STREETのメンバー・・・

NILS・LOFGRENのソロ名義14枚目(PAUL DOWELL AND THE DOLPHINとGRINのアルバムは除いています)のアルバムで '91年に当時の新興レーベルRYKODISC(日本語の雷光を意味して…)よりリリースされました。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NILS・LOFGREN:ギター/ヴォーカル/プロデュースの他、KEVIN・McCORMICK:ベース/キーボード/ラップ・スティール/パーカッション/タンバリン/プロデュース、KEVIN・RUSSELL:ギター、SCOTT・THURSTON:キーボード、BILLY・PRESTON:キーボード、PAUL・JONES:ベース、GREG・GONAWAY:ドラム、ANDY・NEWMARK:ドラム、LEVON・HELM:ハーモニカ/バック・ヴォーカル、RINGO・STARR:ドラム/バック・ヴォーカル、BRUCE・SPRINGSTEEN:バック・ヴォーカル、CLARENCE・CLEMONS:サックスの豪華なミュージシャン達です。
尚、自身のバンドとセッション・ワークをしていたNILSは、'84年からBRUCE SPRINGSTEEN AND THE E STREETのメンバーとして現在も活動を続ける中 '06年にも最新盤のソロをリリースしています。

1曲目"Silver Lining"(4:40) スライド・ギターのサウンドによるロックン&ロールのリズムとバックで流れる「ギター、ギター」とした隙間の無いくらいのサウンドとNILSのヴォーカルの後に続くバック・ヴォーカル/ハーモニカはLEVON・HELM(THE BAND)で何と豪華でしょうか。
2曲目"Valentine"(6:14) ぱっと聴いて直ぐに好きになった曲です。ミドル・テンポのロード・ムービーのテーマソングに似合いそうな曲です。イントロでの遥か彼方で響くNILSのギター・サウンドとANDY・NEWMARK(SLY & THE FAMILY STONE,ROXY MUSIC )の"クール" なドラムのビートとバック・ヴォーカルのBRUCE・SPRINGSTEENの持ち前の"熱さ" をもった歌声による6分を超える曲です。
3曲目"Walkin' Nerve"(3:57) ドラムがRINGO・STARRに交代して収録されたロックン&ロールのリズムに乗せたNILSのギターソロのオンパレードって感じの1発収録されたような旬の良さを感じ曲です。
4曲目"Live Each Day"(4:00) NILSが得意とするエレキギターでの弾き語り風の曲での複数のギターのサウンドがオーバーダブされています。NILSのギターのサウンドが多すぎてあまり聴こえないのですが、キーボードでSCOTT・THURSTON(IGGY & THE STOOGES)が参加しています。
5曲目"Sticks And Stones"(6:09) この曲もNILSの弾き語りを基調とした曲で後半からのエモーショナルな盛り上がりと重厚なギターのサウンドの波状攻撃が圧巻な6分を超える曲です。
6曲目"Trouble's Back"(5:23) ブルースのリズムによるダメ男をモデルにした賛歌の内容と再び登場のLEVONのバック・ヴォーカルとCLARENCE・CLEMONSがサックスで参加した曲です。
7曲目"Little Bit O' Time"(2:50) このアルバムでは比較的ポップなサウンドを持った曲でNILSの70年代のアコースティック・サウンドに近い曲です。
8曲目"Bein' Angry"(5:54) イントロから故BILLY・PRESTONのオルガンが飛ばしています。アメリカン・オーセンティック・ブルース/ロック?って感じの曲です。バック・ヴォーカルは RINGO・STARRです。この曲でも"ギター小僧" のNILSは水を得た魚の如く弾きに弾きまくっています。
9曲目"Gun And Run"(4:21) これぞロックのサウンドを絵に描いたような曲です。うなるギターのサウンドとタフさを自慢にした男を歌にした曲です。アウトロのギリギリまでギターを弾き続けるNILSに脱帽です。
10曲目"Girl In Motion"(5:51) NILSの優しい歌声が心地よく響くかつての恋人の旅立ちを歌にしたのでしょうか「青い真新しいドレスを着た少女…汽車のキップを片手に持ち…」とセンチメンタルな歌詞とNILSの泣きのギター・サウンドによるメロディアスな曲でアルバムは幕を閉じます。
全10曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:49分31秒 (この人は、GRIN時代からチョコチョコ聴いていてエレキギターでのソロ/ヴォーカルも"渋い" ですが、アコースティックで奏でられる曲は、更に華麗でメロディアスで美しいのです)'10年3月3日再更新


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写真  NO KIND OF RIDER / Savage Coast
 ・2018 No Kind of Rider, LLC,    NKORLP-01

ダウロード販売しかなかったけど・・・

このアルバムは、オレゴン州ポートランドで活躍しているオルタナティヴ/シンセ・ロック・バンドNO KIND OF RIDERの2枚目(デビュー・アルバムは '12年の主催者側リリースライヴ盤)のアルバムで '18年7月13日に本国でのリリース(ダウンロード・リリース)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NO KIND OF RIDERのSAMUEL・ALEXANDER:ヴォーカル/ギター、JEREMY・LOUIS:ギター、WES・JOHNSON:ベース、JOE・PAGE:シンセサイザー、 JON・VAN・PATTEN:ドラム(最近N.Y.のブルックリンに引越したらしい)の5人です。、
プロデュースは、同じくポートランドが活躍しているインディー・バンドGREYLAGのANDREW・STONESTREETが担当しています。

1曲目"Intro"(1:21) キーボードとシンセサイザーのサウンドによる穏やかな調べのインストゥルメンタルです。アルバムの幕開けに配されたタイトル通りの感を伝えて来ます。
2曲目"Time Is Unkind"(4:38) サウンドとテンポが前のイントロから繋ぎとなった曲です。メランコリックなメロディとサウンドに乗せSAMUELが切なく歌い途中よりギターの爪弾きの音を上げ熱く歌い上げます。
3曲目"Distinct"(4:12) 美しいギターの爪弾きと浮遊感漂うサウンドが心地好い曲です。アルバムのリリースに先駆けてシングル曲として紹介されたキャッチーなメロディがこのNO KIND OF RIDERのサウンドの象徴となっています。ビデオもどうぞ!。
4曲目"Dark Ice"(3:55) イントロから渋いギターのリフを聴かせる掴みを持った曲です。ネオ・ソウル+シューゲイズ的なレトロと今風が混在したバックのギターに耳を傾けよう。 本当に格好いい曲です。
5曲目"(Interlude)"(2:14) サンプル音源をループして流した短い「間奏曲」と称された曲です。全体的にはインストゥルメンタルですが女性ヴォーカルのサンプルも流されています。
6曲目"Savage Coast"(5:07) '12年のライヴ盤にも収録されているジャズ・ロック的なイメージの曲です。細かく刻まれるギターの調べと一度聴いたら忘れられないギターのリフが堪りませんね。
7曲目"Intermission"(2:46) 今度は「休憩」と題された曲の登場です。サンプル音源を回しながらメンバー各人で即興的に収録したような感があります。SAMUELのヴォーカルも短い歌詞をリフレインとして歌っています。
8曲目"Dreams"(4:27) 凝ったメロディとサウンドによるギターのリフとバックのサウンドは弦楽四重奏曲的な優雅さを持った本当、ユニークな曲です。ソウル/ファンク/シューゲイズ/エレクトロニカと混ぜこぜとなったカオス的な印象があります。これは癖になりますね。
9曲目"Old Times"(5:34) 再びメランコリックなスローな泣きを持った曲です。恋人との別れを切なく歌うSAMUELの歌声と彼のギターの爪弾きが身に染みます。
10曲目"Sophia"(3:49) この曲もアルバムのリリース前からシングル曲としてダウンロード販売されるキャッチーなメロディを持った曲です。電子サウンドとギターの音色とが調和した流れにソフトなSAMUELの歌声が響きます。
11曲目"Autumn"(6:49) メランコリックなメロディに合わせ訥々と歌うSAMUELの切ない歌声が染みる曲です。曲の後半から前衛的サウンドとトーンを持ったエクスペリメンタルな要素を感じます。4分30秒位で曲が終わりますが潮騒のサウンドとギターの爪弾きによる"Distinct" メロディがヒドン・トラックとして収録されています。
歌詞無し (ダウンロード販売) 収録時間:44分52秒 (ダウロード販売しかなかったけど買いのNO KIND OF RIDER、暫くヘビロテとなる予感がします)'18年7月13日更新
2018年度ベスト5


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写真  NOW, NOW / Threads
 ・2012 Trans- Records    TRANS003

長い間廃盤状態だった・・・

このアルバムは、ミネソタ州ブレインで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドNOW, NOWの2枚目(NOW, NOW EVERY CHILDREN名義の[Cars]を含み、その他EP盤は含まない)のアルバムで '12年3月6日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NOW, NOWのCACIE・DALAGER:ヴォーカル/ギター/キーボード、BRADLEY・HALE:ドラム/パーカッション/バック・ヴォーカル/プロデュース、JESS・ABBOTT:ギター/ベース/ヴォーカルの3人での収録です。
尚、プロデュースは、カナダ人プロデューサー/エンジニア/ミキサーHOWARD・REDEKOPPが担当し、収録もバンクーバーで行われています。

1曲目"The Pull"(1:48) 全体のサウンドをLo-Hiにしテープ・ヒスまでも再現した短いこのアルバムへの導入曲です。丁度、サウンドや曲のテンポも次の曲へと自然つながるアレンジとなっています。
2曲目"Prehistoric"(3:52) 訥々と歌うCACIEの歌声と弾くようなベースの調べの調和が心地好い曲です。このサウンドの押し寄せる波や適度の間がインディーズ・バンドらしく好感を持ちますね。
3曲目"Lucie, Too"(3:43) このアルバムがリリースされた頃ライヴで良く演奏されている曲です。イントロではスローなリズムでCACIEがヴォーカルを執りリズムを上げたところでは、JESSとヴォーカルをシェアさせています。
4曲目"Dead Oaks"(1:41) この曲も当時ライヴで演奏されている曲です。曲の時間が短いのにもかかわらずビデオも再作されているNOW, NOWのサウンドを手短に紹介したショウルームに最適だったのかも。また、この曲は本国でWindows 8のCMにも使われています。
5曲目"Oh. Hi."(3:29) ギターの5、6弦をスライドさせながらメロディを作るところが妙にに心地好い曲です。CACIEもJESSもギターで作曲しているからでしょうか2人のこの辺のアイデア出しが興味深いです。
6曲目"But I Do"(2:51) CACIEとJESSとのハモリが美しいギター・ポップな曲です。最初は、厳かに歌い始め曲の途中からBRADLEYのドラムのビートがキビキビと叩かれ曲が熱くなって行きます。
7曲目"Separate Rooms"(3:46) BRADLEYの元気の良いドラムのビートと対照的気だるさを持って淡々と歌うCACIEの歌声による曲です。シンプルなメロディと単音で奏でられるギターの演奏が更にシンプルさを与えます。
8曲目"Thread"(3:44) 今度は激しさとスピード感を増したギターの音色たっぷりの曲です。ユノゾンで歌うCACIEとJESSの歌声に合わせて激しさ持ったベースとギターの音色が突き刺さります。
9曲目"Wolf"(4:26) この曲もアルバム・リリース時にライヴで演奏されている曲です。エレクトロニカによるイントロからギター・ポップ(メランコリック系)な音色が美しいのです。歌詞の「I can't sleep at night」を単語を一音ずつ切なく途切れながら歌う様が心に響きます。NOW, NOWのインタビュー・ビデオで自身の音楽を一言で表現するとCACIEとJESSが「ダーク・ポップ」と言っていたことを思い出しました。
10曲目"School Friends"(2:53) 電子オルガンの少しチープな音色をメインとした曲です。ドタドタと打ち鳴らされるBRADLEYのドラムのビートとこれまた淡々と歌うCACIEの歌声がこのバンドの魅力かな。
11曲目"Colony"(4:20) 今度はミニ・バンジョーを使ってのアコースティック・サウンドの曲です。掠れた歌声を聴かせるCACIEとスネアを巧に叩くBRADLEYです。
12曲目"Magnet"(5:09) この曲はギターの残響音が美しく響く曲です。凛としたCACIEの歌声とJESSのワイルドなギターの音色とBRADLEYの攻め立てるドラムのビートがダイナミックな展開も聴かせます。
全12曲歌詞付 ライナー型歌詞カード デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:41分45秒 (長い間廃盤状態だったこのアルバム、3枚目をリリースした期に再リリースされたようです)'18年6月19日更新


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写真  NOW, NOW / Saved
 ・2018 TRANS- RECORDS    TR015

制作に時間を要した・・・

このアルバムは、ミネソタ州ブレインで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドNOW, NOWの3枚目(NOW, NOW EVERY CHILDREN名義の[Cars]を含み、その他EP盤は含まない)のアルバムで '18年5月18日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NOW, NOWのKC・DALAGER:ヴォーカル/ギター/キーボード/マルチ・インスルメンツ/プロデュース、BRADLEY・HALE:ドラム/パーカッション/バック・ヴォーカル/マルチ・インスルメンツ/プロデュースの2人(前作までのギター/ヴォーカルのJESS・ABBOTTは、ソロ活動の為バンドを離れています)での収録です。
尚、プロデュースは、レーベルの主宰CHRIS・WALLA(DEATH CAB FOR CUTIE)、BRETT・BULLION(SGL)とNOW, NOWの2人と共同で行われています。

1曲目"SLG"(3:13) 古びたアコースティック・ギターをストロークでかき鳴らすイントロから次第にS.E.を随所に取り入れたギター・ポップな曲です。男女の心のすれ違いを歌詞に表現しています。土屋アンナ風似のKCが登場したビデオが '17年8月に公開されています。
2曲目"MJ"(3:52) 蜂の羽音(ドローン)のS.E.がイントロから流れるこの曲ギター・ポップな曲です。チャカポコと跳ねるようなリズムの流れと少しLo-HiにしたKCの歌声が心地好く響いてきます。
3曲目"Can't Help Myself"(3:44) 甘く切ないKCの歌声がキモとなった曲でこのアルバムを購入しよう決めさせた曲でもあります。ドラムのBRADLEYの渋めの歌声によるバック・ヴォーカルも登場しコーラスでの「It's a sad dream It's a sad song To remind me」と歌うKCの歌声が切な過ぎますです。
4曲目"AZ"(3:35) 1つ奥の位置で奏でられるアコースティック・ギターの音色が印象に残るこの曲もギター・ポップな曲です。電子キーボードの音色を重厚に響かす部分と交互に組合わせBRADLEYのヴォーカル・パートを挿入させたアレンジとなっています。ビデオもどうぞ。
尚、曲名のAZは、歌詞に何度も登場するARIZONAの略となっています。
5曲目"Window"(3:21) スローなリズムによる電子キーボードのサウンドの広がりが非常に美しい曲です。KCの少し鼻に掛かった歌声が日本の元アイドル・シンガー似なのが興味深いです。この曲に対する海外のNOW,NOWファンからお気に入りと書き込みのある曲でもあります。
6曲目"Holy Water"(4:37) 電子ドラムの硬い響きのビートに合わせて穏やかに歌うKCの歌声が優しい曲です。後方に広がるシンセサイザーの神秘的な響きがBRADLEYとKCの歌声と共に聴く者を包みます。
7曲目"Yours"(4:11) このアルバムからのショールーム的となっている曲です。打撃音に似たベースの重い響きが攻め立てるように迫ります。この曲もアルバムのリリース前の '17年11月にビデオが公開されています。
8曲目"Saved"(3:05) 少し可愛らしさを残したKCの歌声が印象に残る曲です。この曲でもBRADLEYの硬めのドラムのビートとソフトなKCの歌声が対照的なこのデュオの魅力を感じます。
9曲目"Now Me"(3:24) エレクトロニカ・ポップな方向にサウンドを移して来た曲です。電子サウンをメインにKCヴォーカルもエフェクトを使ったアレンジとなっています。
10曲目"Drive"(4:07) この曲も電子サウンド/シンセサイザーを使ったスローな曲です。間をおいて打ち鳴らすBRADLEYのドラムのビートとKCの甘く美しい歌声の響きが心地好くこちらに流れてきます。
11曲目"Set It Free"(3:29) この曲は、アメリカの女性S.S.W.らしいギター・ポップな曲のイメージが強い曲です。女性から見た愛の在り方の説く内容が綴られています。
12曲目"Powder"(4:59) このアルバムの曲の中では長尺な曲です。電子サウンドとヴォコーダーを使ったKCの歌声が時折使われています。3分を過ぎた辺りから急にダークな電子サウンドを使ったイメージを変えた組曲的なアレンジとなっています。
全12曲歌詞付 豪華写真ブックレット 2折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:45分55秒 (前作ではヴォーカルを曲によりKCとJESSでシェアしてNOW, NOWですが、このアルバムからKCとBRADLEYのデュオとなりアルバム制作に長い時間を要したと伝えられています)'18年6月10日更新
2018年度ベスト5


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写真  NOW, NOW / Threads (10th Anniversary Edition)
 ・2022 Trans- Records    

10周年を記念しての・・・

このアルバムは、ミネソタ州ブレインで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドNOW, NOWの2枚目(NOW, NOW EVERY CHILDREN名義の[Cars]を含み、その他EP盤は含まない)のアルバムのリリース10周年を記念してのBサイド曲/デモ曲を追加した企画アルバムで '22年3月11日に本国でのリリース(ダウンロード)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NOW, NOWのCACIE・DALAGER:ヴォーカル/ギター/キーボード、BRADLEY・HALE:ドラム/パーカッション/バック・ヴォーカル/プロデュース、JESS・ABBOTT:ギター/ベース/ヴォーカルの3人での収録です。
尚、プロデュースは、カナダ人プロデューサー/エンジニア/ミキサーHOWARD・REDEKOPPが担当し、収録もバンクーバーで行われています。
尚、追加曲以外のレビューは、オリジナル盤でのレビューを一部加筆または、そのまま掲載し、その他の仕様の違う項目を記述しています。

1曲目"The Pull"(1:48) 全体のサウンドをLo-Hiにしテープ・ヒスまでも再現した短いこのアルバムへの導入曲です。丁度、サウンドや曲のテンポも次の曲へと自然つながるアレンジとなっています。
2曲目"Prehistoric"(3:52) 訥々と歌うCACIEの歌声と弾くようなベースの調べの調和が心地好い曲です。このサウンドの押し寄せる波や適度の間がインディーズ・バンドらしく好感を持ちますね。
3曲目"Lucie, Too"(3:43) このアルバムがリリースされた頃ライヴで良く演奏されている曲です。イントロではスローなリズムでCACIEがヴォーカルを執りリズムを上げたところでは、JESSとヴォーカルをシェアさせています。
4曲目"Dead Oaks"(1:41) この曲も当時ライヴで演奏されている曲です。曲の時間が短いのにもかかわらずビデオも再作されているNOW, NOWのサウンドを手短に紹介したショウルームに最適だったのかも。また、この曲は本国でWindows 8のCMにも使われています。
5曲目"Oh. Hi."(3:29) ギターの5、6弦をスライドさせながらメロディを作るところが妙にに心地好い曲です。CACIEもJESSもギターで作曲しているからでしょうか2人のこの辺のアイデア出しが興味深いです。
6曲目"But I Do"(2:51) CACIEとJESSとのハモリが美しいギター・ポップな曲です。最初は、厳かに歌い始め曲の途中からBRADLEYのドラムのビートがキビキビと叩かれ曲が熱くなって行きます。
7曲目"Separate Rooms"(3:46) BRADLEYの元気の良いドラムのビートと対照的気だるさを持って淡々と歌うCACIEの歌声による曲です。シンプルなメロディと単音で奏でられるギターの演奏が更にシンプルさを与えます。
8曲目"Thread"(3:44) 今度は激しさとスピード感を増したギターの音色たっぷりの曲です。ユノゾンで歌うCACIEとJESSの歌声に合わせて激しさ持ったベースとギターの音色が突き刺さります。
9曲目"Wolf"(4:26) この曲もアルバム・リリース時にライヴで演奏されている曲です。エレクトロニカによるイントロからギター・ポップ(メランコリック系)な音色が美しいのです。歌詞の「I can't sleep at night」を単語を一音ずつ切なく途切れながら歌う様が心に響きます。NOW, NOWのインタビュー・ビデオで自身の音楽を一言で表現するとCACIEとJESSが「ダーク・ポップ」と言っていたことを思い出しました。
10曲目"School Friends"(2:53) 電子オルガンの少しチープな音色をメインとした曲です。ドタドタと打ち鳴らされるBRADLEYのドラムのビートとこれまた淡々と歌うCACIEの歌声がこのバンドの魅力かな。
11曲目"Colony"(4:20) 今度はミニ・バンジョーを使ってのアコースティック・サウンドの曲です。掠れた歌声を聴かせるCACIEとスネアを巧に叩くBRADLEYです。
12曲目"Magnet"(5:09) この曲はギターの残響音が美しく響く曲です。凛としたCACIEの歌声とJESSのワイルドなギターの音色とBRADLEYの攻め立てるドラムのビートがダイナミックな展開も聴かせます。
以降より10周年を記念しての追加曲です。
13曲目"Comfortable(B-side)"(3:07) B-sideとしてリリースされた時期が不明な曲ですが、訥々と歌うCACIEの歌声のバックに広がる荒廃した感のあるシンセサイザーのサウンドなど次のアルバム[Saved]へと繋がると思われます。
14曲目"Shifting(B-side)"(4:35) '12年リリースされた7インチ盤(レーベル・メイトTHE LONELY FORESTの曲とのカップリング)収録されていた曲です。この曲も先"Comfortable" に共通するアシッド感があります。
15曲目"But I Do(Demo)"(2:53) 6曲目のデモ曲となっています。CACIEの弾き語りとJESSのハーモニーによるシンプルなアコースティック・ヴァージョンって感じかな。
16曲目"Separate Rooms(Demo)"(2:56) 7曲目のデモ曲となったアルバム収録前に自宅の居間などでの練習を収録した生の感じが伝わって来ます。
17曲目"Colony(Demo)"(4:50) 11曲目のデモ曲です。この曲はオリジナル収録曲とさほど変わった感じがしませんね。CACIEとJESSの非常に美しい歌声と規則正しいリズムを刻むギターの爪弾きポンプ・オルガン風の切なき音色が響きます。オリジナル曲と収録時間の違はリズムが違うところでしょうか。
18曲目"Lucie, Too(Demo)"(3:26) サビの少し前のところから録音を始めた感のあるLo-Hi感たっぷりな荒れた感のある曲です。このデモ曲を聴いてオリジナル収録曲までにたどり着く前のアレンジを何度も練っては繰り返しアルバム作りに至ったと思われます。
19曲目"Thread(Demo)"(2:58) 8曲目のデモ曲です。ギターのボディーを指で叩きながらリズムを刻むCACIEかJESSか不明ですが、そのリズムから非常に緊張感が伝わってきます。オリジナル収録曲でのワイルドさなどここからは微塵に感じさせません。
20曲目"Comfortable(Demo)"(3:16) 10周年を記念して収録された13曲目のデモ曲をご丁寧に収録しています。CACIEの弾き語りとなっています。
21曲目"Trudge(Demo)"(3:37) 曲の詳細が不明の為、アルバム未収録曲なのでしょうか。ベース/ドラムとしっかり収録されたデモ曲となっていますので、やはりアルバム未収録曲でしょう。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:73分23秒 (限定盤としてレコードとカセットが製作されるようですが、リリースは少し遅れているとの)'22年3月15日更新
2022年度ベスト5


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写真  OHIO KNOX / Ohio Knox
 ・1971 Warner Bros. Records Inc.    Reprise RS 6435
 ・1971 Warner Music Japan Inc.    WPCR-75400
 ・2008 MUSKRAT RECORDS    RATCD-4273

やはり '71年の名盤ですね・・・

このアルバムはN.Y.出身のS.S.W./プロデューサーPETER・GALLWAYTHE FIFTH AVENUE BANDを解散後にロス・アンゼルスで収録したOHIO KNOX名義による唯一の '71年リリースのアルバムです。
このアルバムでの収録メンバーは、PETER・GALLWAY:ヴォーカル/ギター/ピアノ/プロデュース、PAUL・HARRIS:キーボード、RAY・NEAPOLITAN:ベース、DALLAS・TAYLOR:ドラムをメインにRUSS・KUNKEL:コンガ、JOHN・SEBASTIAN:ギター/ハーモニカ/ヴォーカル、DANNY・WEISS:ギター、LYN・BLESSING:ビブラホーンのベテラン勢が参加しています。
尚、このアルバムは '08年5月に日本のみのデジタル・リマスターによるCD(Forever YOUNGシリーズ)化となっています。

1曲目"Taking It Easy"(3:15) イントロのPAULの弾く期待感を煽るコードによるピアノの調べに印象的な洒落た曲です。曲が進むにつれて凝ったアレンジを展開させる当時のウエスト・コーストのミュージシャンのサウンドとは一味違った東海岸の粋な味を感じさせます。
2曲目"Land Of Music"(2:37) ギターのサウンドとハモンドの調べが心地好く流れるミドル・テンポのクラシック・ロックらしい味を聴かせる曲です。RAYのエモーショナルなベースのサウンドとビター・スイートなPETERの歌声が印象的です。'66年のPETERの在籍したN.Y.のバンドTHE STRANGERSのデビュー・シングル盤の再収録曲と思われます。
3曲目"That Lady"(2:33) アコースティック・ギターの調べが流れ、牧歌的なサウンドを聴かせる曲です。やはりPETERの曲らしく、曲の途中にファンクなリズムとサウンドを取り入れた洒落たアレンジを聴かせます。ギターとバック・ヴォーカルはPETERの旧友のJOHN・SEBASTIANです。
4曲目"Calamity Jane"(2:45) ロック"ン" ロールのリズムとサウンドによる乗りの良さを重視した曲の登場です。PETERのヴォーカルにPAUL、RAY、DALLASの演奏が一体感を感じさせるサウンドです。オリジナル曲は、'69年の[The Fifth Avenue Band]に収録されています。
5曲目"There Comes A Time"(2:26) アルバム購入当時からずっと感じていたこのアルバムの中では、少し異質の曲です。スタンダード・ジャズ/イージー・リスニング的な調べによるスムーズな調べの曲で、THE FIFTH AVENUE BANDのサウンド・エッセンスを強く感じさせます。
6曲目"Give Me John Ford"(3:50) JOHN・SEBASTIANのハーモニカのサウンドに乗せ歌うPETERのラグ・ミュージック的な曲です。全員でのライヴ仕立かラフな収録で臨場感を演出した収録スタイルになっています。
7曲目"Baby Sox Knox"(3:50) ファンクなリズムとサウンドによる曲で、アメリカ南部のロックのサウンドに影響されたようなサウンドです。DANNY・WEISSの硬い響きのギター・ソロが曲の終りまで流れて行きます。
8曲目"Pound Or My Dog Dad For Robert Downey"(3:00) PETER節と呼べる彼の少し粘っこい歌声と美しい響きを与えるコード進行による一聴きして直ぐに分かる曲ですね。RUSS・KUNKELのコンガでのリズムも心地好く流れて行くのです。
9曲目"No Sleep For The Wicked"(2:17) 非常にラフなサウンドの隙間を感じさせるロックのリズムによる曲で、やはりPETER節を感じさせる独特の節回しを聴かせます。この曲も含み、収録曲全体に感じるのですが、ピアノのPAUL・HARRISの貢献が大きいと感じさせます。
10曲目"Abigail Archer"(3:01) アコースティック・ギターとハモンドのシンプルな調べによるイントロから 次第にエモーショナルなサウンドとメロディアスに展開される曲です。インパクトのあるベースのRAYのサウンドが非常に効いた曲調を感じます。
11曲目"North Country Laura"(4:49) PETERのピアノによるスローな弾き語りです。途中より薄っすらと付けられたコントラバスの調べが更に切なく響きます。
・歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 35分19秒
・全11曲歌詞/訳詞付 ブックレット CD盤 (国内盤) 収録時間:34分23秒
・全11曲歌詞付 限定紙ジャケット仕様 CD盤 (国内盤) 収録時間:34分27秒 (このH.P.を公開した時からずっとアップしたかったアルバムです。この度やっとアップ出来て、37年前当時のこのアルバムの斬新なサウンドを改めて感じましたね)'10年3月3日再更新
1971年度ベスト5


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写真  OLD FLAME / Wolf In The Heather
 ・2017 Old Flame    

ルーツ音楽からネオ・ソウルまで・・・

このアルバムは、マサチューセッツ州ノーザンプトンで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドOLD FLAMEのデビュー・アルバム(7曲入り限定EP盤)で '17年4月17日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、OLD FLAMEのEMMA・AYRES:ヴォーカル、SAM・PERRY:ギター/ヴォーカルの2人の他、アーモストにスタジオを構えるプロデューサー/セッション・ミュージシャン/ミキサーのCHRIS・KERRIGAN:ドラム/ベース/プロデュースの3人による少人数での収録です。 尚、OLD FLAMEのデビュー・アルバムと記しましたが、ヴォーカルのEMMA・AYRESは、EMMA JUNE名義にてシングル4曲とアルバム1枚、SAM・PERRYは、マス・ロック・バンドDIOS TRIOのベーシストとして活躍している実力派です。

1曲目"Major Arcana"(3:00) イントロの泥臭いギターのサウンドが堪らないアメリカ南部ロックの雰囲気が伝わる曲です。EMMA JUNE時代にフォーク音楽、DIOS TRIOではインストゥルメンタルだったSAM、2人の音楽の方向性を見出した力強さを感じます。
2曲目"Help Me"(3:43) この曲もアメリカ南部ロックの雰囲気がスライド・ギターの音色が伝わってきます。各楽器の詳細なクレジットが無いのですが、ドブロ/アコースティック/エレクトリック・ギターと複数重られてギター・サウンド好きに堪らない1曲となっています。
3曲目"Smoke Show"(3:53) 軽めのリズムと共に響くアコースティック・ギターの音色が心地好い曲です。サビの部分では、結構骨太なサウンドからレトロなボードビルのショウを観てるようにEMMAが美しく歌い上げる様が目の前に浮かび上がります。
4曲目"Queen Trigger"(3:41) ソフィスティケートな雰囲気漂うEMMAの歌声と優しく奏でられるSAMのギターの調べが非常に印象的な曲です。この曲まで聴き続けて様々な曲調の曲がこのアルバムの中に凝縮されている事が実感されます。
5曲目"Land Of Milk And Honey"(3:38) ネオ・ソウルな雰囲気一杯に広がるご機嫌なナンバーです。EMMAのソフトな歌声とSAMのファンキーなギター・リフが織りなす曲の流れに身を埋めてみましょうか。
6曲目"Ain’t A King"(4:45) 再び骨太なロック色の強い曲でこちらを攻めて来る曲です。ライヴなどその骨太のサウンドに聴く者の度肝を抜くに違いないでしょうね。本当たった7曲のEP盤にこれだけパワフルな曲達を詰込んだ事に感心します。
7曲目"Silver Screen"(5:54) SAMのハイ・コードによるギターの調べが美しく響く曲です。演劇活動も行なっているEMMAの心情を歌っているのでしょう。間奏のSAMのギターのサウンドに痺れます。
歌詞無し 紙ジャケット仕様 50枚限定CD-R (輸入盤) 収録時間:28分37秒 (見出しと各曲の中にも記したのですが、本当 様々な音楽がぎゅっと詰まった好アルバムです)'18年5月4日更新
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写真
(CD注文時に頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  OLD FLAME / Hush Money
 ・2018 Old Flame    7 55491 11374 5

4人組となりました・・・

このアルバムは、マサチューセッツ州ノーザンプトンで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドOLD FLAMEの2枚目のアルバム(6曲入り限定EP盤)で '18年3月27日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、OLD FLAMEのEMMA・AYRES:ヴォーカル、SAM・PERRY:ギター/バック・ヴォーカル、NATE・MONDSCHEIN:ベース(OLD FLAMEのライヴではドラムも演奏しているようです)、KEN・BIRCHALL:ドラムの4人の他、前作でのCHRIS・KERRIGAN:パーカッション、ALEX・BARNHART:シンセサイザー、CAROLINE・O'LEARY:チェロの地元のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Hollow"(4:16) このOLD FLAMEの音楽の魅力に最初に惹きつけられた曲です。'18年2月に先行シングル盤及びビデオも制作され一押しとなっています。インディーズとしては異例のお金の掛かったビデオとなっていますが、先のアルバムのレビューに演劇も行なっているEMMAの仲間達との共演のようです。
2曲目"Three Of Swords Reversed"(4:16) この曲もSAMのソリッドなギター・リフを一度聴いたら忘れられない曲です。このアルバムからベースとドラムのメンバーが追加されバンドとしてのサウンドの厚みと息の合った演奏が熱く繰り広げられています。
3曲目"Hey Kid"(4:08) ノスタルジックなサウンドとメロディによるロック色の強い曲です。この曲の歌詞にアルバム・タイトルである[Hush Money](口止め料)が登場しています。アウトロ近くに流れるサイケデリックなギター・サウンドは、カナダ/アメリカ/イギリスの混成バンドのスタイルに通じる所を感じます。
4曲目"Venus Fly"(5:01) 前のアルバムの1曲目と2曲目に通じるルーツ音楽/南部ロック的なサウンドの曲です。曲が進むにつれサウンドをこれまた骨太に聴かせEMMAの歌声もパワフルとなって行きます。
5曲目"Service Industry"(4:08) この曲もパワフルでアグレッシヴな歌声をEMMAが聴かせる曲です。この曲でもSAMのギター・リフが非常に耳に残ります。
6曲目"Paris Accord,2017"(4:58) アコースティック・ギターの美しい爪弾きによるメロディとサウンドは響くメロディアスな曲です。曲の美しさとは裏腹に2017年パリ協定にアメリカが離脱した事に杞憂する心を歌っています。曲の出だしにファルセットの高い歌声を聴かせているのは、多分SAMの歌声ではないでしょうか。
歌詞無し 紙ジャケット仕様 100枚限定CD-R (輸入盤) 収録時間:26分49秒 (今作から4人組のバンドとして再スタートしたOLD FLAME、演奏スタイルもグッと熱くなっています)'18年5月5日更新


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写真  OLD FLAME / Young & In Debt
 ・2019 Old Flame    

5人組となりました・・・

このアルバムは、マサチューセッツ州ノーザンプトンで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドOLD FLAMEの3枚目のアルバム(限定レッド半透明LP盤)で '19年5月11月に日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、OLD FLAMEのEMMA・AYRES:ヴォーカル、SAM・PERRY:ギター/シンセ・ギター/バック・ヴォーカル、NATE・MONDSCHEIN:ベース/キーボード/シンセサイザー/ギター/パーカッション/プログラミング/バック・ヴォーカル/プロデュース、KEN・BIRCHALL:ドラム/パーカッション、HANNAH・ROSENBAUM(SODADA):キーボード/バック・ヴォーカルの5人の他、詳細は不明です。

1曲目"Pirated Video"(3:58) 古い映画のシーンのセリフがイントロなったロックン・ロール調の曲です。この手のパワフルな乗りの好さの曲は、OLD FLAME得意技ですね。
2曲目"Young & In Debt "(5:00) ベースとドラムのリズムだけ聴いているとメタル・ロック然とした感じの曲です。SAMのキラキラしたソリッドなギター・リフが必聴です。Tiny Deskライヴの模様もどうぞ。
3曲目"Hollow"(4:30) 前作[Hush Money] での収録曲よりタイトなドラムのビートが付けられたテイクとなっています。SAMの煌びやかなギターのリフやタフなEMMAの歌声も健在です。再集録に際し曲の長さも少し長くなっています。
4曲目"Full"(3:18) ここに来て落ち着いた調べの曲の登場です。このような穏やかな流れの曲でもやはりEMMAの歌声は魅力的ですね。
5曲目"Dead Wrong"(3:25) この曲もパワフルなロックン・ロールな曲です。相変わらずアグレッシヴな歌声をEMMAが響かせています。この曲でもSAMのギター・リフが非常に耳に残ります。約1年前のこの曲のライヴは、もっとシンプルな感じでした。
6曲目"Send Me Away"(6:04) レトロなマイクを通してのEMMAの呟きがイントロから響くバラードの曲です。SAMの華麗なタッピング奏法から次第アグレッシヴな流れに巻き込まれて行くのです。
7曲目"Lip Service"(3:54) ファンクなベースのメロディとSAMのギターのリズムが堪らない曲です。この曲もアーバン・ソウルの影響からのグルーヴが非常に感じます。
また、メンバー(男性)が女装したビデオも公開されています。
8曲目"Echo Base"(4:14) 過去のアルバムの収録曲と少し違ったパワーで攻めて来るロック調の曲からシンセサイザーやキーボードの浮遊感を漂わす曲です。この感じはビデオにも登場している新メンバーHANNAH・ROSENBAUMの影響かも知れませんね。
9曲目"Long Range"(5:57) SAMお得意のギターの演奏によるサウンド・エスケープ的な雰囲気から入る曲です。この1曲の中にアンビエントからサイケデリックな流れが凝縮されています。
10曲目"Smoke Show"(3:51) この曲も前作前作[Hush Money] での収録曲ですが、より重厚なサウンドとコーラスがパワーアップされています。
歌詞 無し 250枚限定レッド半透明LP盤 (輸入盤) 収録時間:44分11秒 (限定盤となるとついついBuyをクリックしてしまいます)'19年6月30日更新

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写真
(LP盤注文時に頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  PAGES / Pages
 ・1978 Epic Records    ESCA 7848

MR.MISTERの前身、いや・・・

'78年当時、このPAGESのデビュー・アルバムの洗練されたサウンドとRICHARD・PAGESTEVE・GEORGEの非常に美しく統率のとれたクリアなハーモニーは、話題となりました。ただ、当時の輸入レコード盤の販売枚数の少なさに1枚のレコードを数人で廻してテープで聴くと事態に(個人レベルですよ!)...'94年にヨーロッパでCD化されましたが、手元に届けられる手段が無く...日本ではやっと '01年1月11日にSONY MUSICよりCD化されました。
PAGESのメンバーは、RICHARD・PAGE:ヴォーカル/キーボード、STEVE・GEORGE:キーボード/シンセサイザー/バック・ヴォーカル、PETER・LEINHEISER:ギター、JERRY MANFREDI:ベース、RUSS・BATTELENE:ドラム/バック・ヴォーカルに準メンバー作詞担当のJOHN・LANGを加えた6人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、STEVE FORMAN:パーカッション、CLAUDIO・SLON:パーカッション、TIM・DOWNS:パーカッション、FRANCISCO・AQUABELLA:コンガ、CHUCK・SILVERMAN:シンバル、VICTOR・FELDMAN:ヴィブラフォン、MICHAEL・BRECKER:テナー・サックス/ホーン・アレンジ、DAVE・GRUSIN:指揮/ストリング・アレンジ、PHILIP・BAILEY:バック・ヴォーカル、BOBBY COLOMBY:パーカッション/バック・ヴォーカル、LANI・GROVES:ヴォーカル/バック・ヴォーカル、DONNA・FIEN:バック・ヴォーカル、MARY・HYLAN:バック・ヴォーカル、LINDA・MALLAH:バック・ヴォーカルのロス・アンゼルスのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、BLOOD,SWEAT & TEARSのドラマーBOBBY・COLOMBYが担当しています。

1曲目"Clearly Kim"(3:25) 太っとく鳴るベースの刻みとRICHARD・PAGEのクリヤーな歌声によるミドル・テンポのナンバーです。STEVE・GEORGEのフェンダー・ローズの巧みなフレーズの繰り出しと控えめしたバックのコーラスの美しいこと。
2曲目"This Is For The Girls"(3:30) この曲も非常に美しいメロディラインを持った曲で、RICHARDの卓越したヴォーカルを際出させるように優しく響くSTEVEのローズの心地好いサウンドです。特に1曲目が終わってこの曲のイントロが鳴るところは、何度聴いても最高ですね。
3曲目"Let It Go"(4:16) STEVEのヴォーカル曲の登場です。イントロからSTEVEのキーボードのサウンドたっぷりに響くメロウなナンバーです。LANI・GROVES(STEVIE・WONDER)とのデュエットも美しい。
4曲目"Listen For The Love"(3:44) イントロからPETER・LEINHEISERがギターで聴かせます。シンプルなストレート・トーンのギター・サウンドと歯切れの良いリズムによる西海岸のサウンドです。(RICHARDとSTEVEは、アリゾナのフェニックス出身ですが...)
5曲目"Love Dance"(2:09) 効果音のようなサウンドトラックをイントロに配した曲で次第にサンバのリズムとプログレが融合したインストゥルメンタルです。
6曲目"If I Saw You Again"(3:24) 当時の盤では、B面の最初に収録されていた曲です。レコード盤を「くるっと」裏返してから程なくして流れてくるSTEVEの非常に丸みを帯びたソフトなキーボードの響きが"ジーン" と来る曲で、その後に続くRICHARDのこれまたソフトな歌声とのコラボが最高です。この曲は、一度掛けたら何度でも聴きたくなるの本当に"厄介" な曲でもあります。また、PETER・LEINHEISERのご機嫌な切れのあるギターのサウンドも最高です。非常にめずらしいこの曲のライヴ音源がYouTubeに公開されました。
7曲目"Interlude"(1:03) 再びクラシカルな響きによるストリングスでのインストゥルメンタルです。DAVE・GRUSINがアレンジを担当しています。インターリュードで、次の曲のイントロも兼ねています。
8曲目"It's Alright"(3:25) RICHARDの弾くピアノのサウンドを基調とした彼のエモーショナルな歌声によるバラードです。MICHAEL・BRECKERの燻し銀のようなサックスも涙物です。 このアルバムに対してLANI・GROVESのバック・ヴォーカルの貢献は絶大ですね。
9曲目"Room At The Top"(3:50) この曲のリズムはご機嫌です。RUSS・BATTELENEのドラムとJERRY・MANFREDIのファンクなチョッパー・ベースと絶妙なバランスとRICHARDのヴォーカルでは何も言う事なし。
10曲目"I Get It From You"(4:11) あっと言う間に最後の曲です。この曲もSTEVEの心地好く円やかなローズの響きとPETERのチョーキングで繰り出されるギターのサウンドが本当に心地好くRICHARDの歌声と共に響いて来るのです。
8曲歌詞/訳詞付 20ページ物ブックレット (国内盤) 収録時間:33分02秒 (PAGESは、MR.MISTERの前身的なバンドと受け止めがちでが、違うサウンドの方向性と音質感は、まったく別物です。やはりこのPEGESの最大の魅力は、洗練されたこの洒落たサウンドに違いありません。また、BASFのクローム・テープにNAKAMICHIの3ヘッドで録/再した事を懐かしく想いだされます)'16年3月4日再更新
1978年度ベスト5


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写真  PAGES / Future Street
 ・1979 CBS Inc.    EPIC NJE 36209
 ・2005 Sony Music Direct (Japan) Inc.    MHCP 772

日本で根強い人気・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍していたロック・バンドPAGESの '79年に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
前作よりメンバーを少し入れ替えてこのアルバムでのPAGESのメンバーは、RICHARD・PAGE:ヴォーカル/キーボード、STEVE・GEORGE:キーボード/ヴォーカル、JERRY・MANFREDI:ベース、CHARLES "ICARUS" JOHNSON:ギター、GEORGE・LAWRENCE:ドラムと作詞担当のJOHN・LANG(写真では登場していませんが)の6人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TIM・MAY:ギター、JOEY・TRUJILLO:ギター、CLAUDIO・SLON:ドラム/パーカッション、JAI・WINDING:キーボード、DON・ALIAS:パーカッション、RUSSELL・BATTELENE:ドラム、GEORGE・HAWKINS:バック・ヴォーカル、KENNY・LOGGINS:バック・ヴォーカル、LARRY・WILLIAMS:ホーン、故MICHAEL・BRECKER:テナー・サックス、CHUCK・FIDLEY:ホーン、LEE "SHOT" WILLIAMS:ホーン、LEW・McCREARY:ホーン、BILL・REICHENBACH Jr.:ホーン、DICK・HAZARD:ストリング・アレンジ/指揮に前作でのBOBBY・COLOMBY:ドラム/パーカッション/プロデュース が再び参加しています。

1曲目"I Do Believe In You"(4:02) イントロから重く響くCHARLES "ICARUS" JOHNSONのギターの調べと軽快なドラムのビートが流れるアップテンポな曲です。いつもクリアな歌声を聴かせるRICHARDのバックにこのアルバムから参加したCHARLESのギター・サウンドが見事なサポートを感じさせます。
2曲目"The Sailor's Song"(4:21) この曲もイントロのサウンドから参ってしまった曲ですね。JERRY・MANFREDIの跳ねるように弾かれるベースのサウンドとSTEVE・GEORGEの風変わりなキーボードの調べがギミックさを増していますね。間奏でまた、CHARLESが物凄く素晴らしいギターの演奏を聴かせてくれるのです。
3曲目"Take My Heart Away"(3:47) 3曲目は、やはりRICHARDがその素晴らしい歌声を聴かせるスローなバラードです。STEELY DANライクなピアノの調べに重厚なストリングスのサウンドを重ね合わせた落ち葉が広がった秋の風景を感じさせるメロディです。
4曲目"Future Street"(4:11) アップテンポのビートで流されるアルバム・タイトル曲にめずらしくヴォーコーダーを通じて収録されたRICHARDの歌声が、懐かしさを醸し出していますね。この時代は、多くのロック・バンドがこのようなヴォーカル・スタイルで曲を録音していました。
5曲目"Who's Right, Who's Wrong"(4:19) 再びメロウなサウンドを聴かせる当時のLP盤では、B面の最初に位置し前作PAGESの都会的な洒落たサウンドを強く感じさせる曲です。この曲は、バック・ヴォーカルで参加しているKENNY・LOGGINSとRICHARDとの共作となっています。
尚、余談ですがKENNYの方は、故MICHAEL・JACKSONと同年に収録しています。
6曲目"Chemistry"(5:16) メロウなサウンドの前曲から一転してビートの効いたアップテンポの曲です。RICHARDのヴォーカルもテンポに合わせて早口で歌われています。ギターの方もファンクなリズムに合わせて早口風なのが面白いですね。
7曲目"Two People"(4:25) この曲も最初に聴いた時から非常に印象に残るスムーズな調べと心地好いサウンドを感じさせてくれた曲です。STEVE・GEORGEのリード・ヴォーカルのバックに広がる心地好いRICHARDとのハーモニーは、何度聴いても素晴らしいですね。
8曲目"Keep On Movin'"(4:02) ファンキーなリズムとバックで流れる煌びやかなホーン群のサウンドは、A.W.B.やE.W.F.のサウンドに通じるダンサブルなナンバーですね。流石にこの曲でもSTEVEとRICHARDのハーモニーは美しいですね。
・歌詞無し(Discogsの写真ではスリーブに歌詞あり) LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:34分09秒
・全8曲歌詞/訳詞付 2005年紙ジャケット限定CD盤 (国内盤) 収録時間:34分26秒 (このPAGESこの2枚目のアルバムは、国内で5回もCD化されていて、相変わらず根強い人気を誇っています。尚、収録時間は、国内CD盤での時間を記載、輸入LP盤に記載されている各曲のトータルの収録時間と一致しません)'10年3月4日再更新
1979年度ベスト5


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写真  PAGES / Pages
 ・1981 Capitol Records,Inc.    ST-12123
 ・1981 TOSHIBA-EMI LIMITED    TOCP-53189

PAGESとしてのラスト・アルバム・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスを拠点として活躍していたPAGESの '81年にリリースされた3枚目(1枚目と同名タイトルですが、レーベル移籍した事によりこのままとしたようです)のアルバムです。
このアルバムでのPAGESのメンバーは、RICHARD・PAGE:ヴォーカル、STEVE・GEORGE:キーボード/バック・ヴォーカルに作詞担当のJOHN・LANGによる3人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、STEVE・KHAN:ギター、CHARLES "ICARUS" JOHNSON(前作でのメンバー):ギター、JAY・GRAYDON:ギター/プロデュース、PAUL・JACKSON・Jr.:ギター、NEIL・STUBENHAUS:ベース、ABRAHAM・LABORIEL:ベース、故JEFF・PORCARO:ドラム、RALPH・HUMPHREY:ドラム、VINCE(VINNIE)・COLAIUTA:ドラム、MIKE・BAIRD:ドラム、PAULINHO・DA・COSTA:パーカッション、TOM・SCOTT:サックス、AL・JARREAU:ヴォーカルと豪華ミュージシャン達が参加しています。
プロデューサーは、JAY・GRAYDONと2曲のみ前作でのBOBBY・COLOMBYが担当しています。
尚、このアルバムは、'89年に国内にて初CD化され、その後 '01年に再CD化された国内盤のみCDとして流通されています。

1曲目"You Need A Hero"(3:43) STEVEの弾くフェンダー・ローズの円やかな調べがイントロから流れるミドル・テンポのソフトな調べのナンバーです。RICHARDの優しさを感じる"あの歌声" に絡められた美しいハーモニーとSTEVE・KHANの絶妙なギターの刻みが心地好く響きます。
2曲目"Tell Me"(3:52) ベースのNEIL・STUBENHAUSのハイフレットによる滑らかサウンドとSTEVEの刻みを効かせたキーボードのサウンドが融合したロック・オペラ的なサウンドの広がりを感じさせる曲です。高域まで美しく伸びるRICHARDの歌声を暫し堪能致しましょう。
3曲目"O.C.O.E.(Official Cat Of The Eighties)"(5:00) JAY・GRAYDONのギターかなと思っていたらクレジットでは、曲の共作であるCHARLES・JOHNSONがギターを担当しているサウンドとリズム共にエッジの効いたナンバーです。
4曲目"Come On Home"(3:30) RICHARDがその美しいファルセットでの歌声を交えて歌う恋のセレナーデです。甘い内容の歌詞とまた甘いメロディで奏でられる当時からのお気に入りの曲です。
5曲目"Sesatia"(4:33) 一転してロック色を目一杯感じさせる前作[Future Street]のサウンドの流れを強く感じさせる曲です。CHARLES・JOHNSONの絶妙なギター・パフォーマンスが、当時のLP盤のB面からの盛り上げ役ですね。
6曲目"Only A Dreamer"(4:37) JAY・GRAYDONの美しいギターの残響音とRICHARDの少し切なさを感じさせる軽めのサウンドと乗りを感じさせる曲です。改めてクレジットに目を通すと驚いた事に収録は、LARRY・CARLTONのスタジオ"Room 335" となっています。
7曲目"Automatic"(3:57) 過去の2枚のアルバムのサウンドと一番違った印象を与えるパンク・ミュージックとその相反するインダストリアル・ロックを融合させたような曲です。キーボードのサウンドなどは、'80年のJAYのユニットAIRPLAYの影響を強く感じさせます。
8曲目"Fearless"(4:08) JAY・GRAYDONのギターのサウンドを全面に押し出した曲の登場です。伸びやかに響くJAYのギターとそのハーモニクス・サウンドにRICHARDの歌声が響くとなれば双方のファンにとっては非常に贅沢さを感じるのではないでしょう。
9曲目"Midnight Angel"(4:30) このアルバムの収録曲の中では少し異質に感じられるサウンド・トラック的な曲です。現在のRICHARDの音楽活動と同じようなロック音楽から少し離れたところに位置するバロック音楽/映画音楽の感じです。曲のクレジットには、Vocal Flute Effect: AL・JARREAUと記されていますが、エフェクトがきつい為でしょうか、どの部分かは曲を聴いているだけでは不明です。
・全9曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:37分58秒
・全9曲歌詞付 CD盤 12ページ物ブックレット (国内盤) 収録時間:37分53秒 (残念ながらPAGESは、このアルバムをもって解散するのですが、再びRICHARDとSTEVEは、MR.MISTERとして音楽業界に復活して来るのです)'10年3月4日再更新
1981年度ベスト5


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写真  PAINTED VEIN / Dripping Only Black
 ・2024 PAINTED VEIN    WWNBB144

オルタナティブ・ダーク・エモ・ロック・・・

このアルバムは、ワシントン州シアトルで活躍しているオルタナティヴ・ロック・ミューシャンPAINTED VEIN(ANDREA・FOX・VOLPATOのソロ・ユニット)のデビュー・アルバムで '24年11月15日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ANDREA・FOX・VOLPATO:ヴォーカル/ギター/ベース/シンセサイザー/プロデュースの他、MØAA(JANCY・BUFFINGTON):ヴォーカル/バック・ヴォーカルの少人数での収録です。

1曲目"Lay Down"(4:20) イントロのギターのリフから何だか気になった曲です。ドンドコとなるドラムのビートに似たベースのサウンドにどこか寂しさを伝えるANDREAの歌声が耳に忍び込んできます。ダークな映像美にANDREA・VOLPATOが登場するビデオもどうぞ!。
2曲目"Where Is My Soul?"(4:08) オルタナティブ・ダーク・エモ・ロックと知っているフレーズを並べてみて伝わるかどうか分からないですが、そのような感じです。この曲でもANDREAのエモーショナルなギター・リフが美しく舞い上がる感じかな。ANDREAの演奏風景を映したビデオがありますが、全ての演奏は、ANDREA1人のようです。
3曲目"Something In The Way"(3:43) この曲もダークなイメージを伝えて来る曲です。荒らしたギターの音色に呪文を唱えるように歌うANDREAの「Something In The Way」がちょっと怖い気がしますね。今度は、モノクロのアニメビデオが制作されています。
4曲目"My Well"(3:12) 叩き付けられるドラムのビートと唸るベースのサウンドが腹に響く曲です。ストレートでエモなサウンドに「一度死んでしまった男の魂」多分、叫びを歌っているようです。この曲の歌詞の中にアルバム・タイトルである「dripping only black」が登場します。 ANDREAがギルドのギターを弾きながら歌うビデオもどうぞ!。
5曲目"Hey Man"(4:37) 多分、この曲のサンプル音源を聴いてアルバム予約をしたと思う曲です。時々流れるハード・コア・パンク風の唸り声とオルタナティブなサウンドの流れとの調和が気に入ったと思います。この曲もANDREAが登場したビデオが制作されています。
6曲目"My Cigarettes"(3:22) イントロから響く重いベースの調べと力強く叩き付けるドラムのビートが響く曲です。ギターの弦を歪ませながらANDREAが「別れた恋人」を想う心を歌います。
7曲目"Kick That Desire(feat. MØAA)"(3:08) 同じくシアトルで活躍しているゴシック・シュゲイザー・ミューシャンMØAA(JANCY・BUFFINGTON)がヴォーカルで参加しています。元々は、同じユニットMØAAでギターを弾いていたANDREAなのですが、自身のアルバムにJANCYを招いたのでしょう。JANCYが登場したビデオもどうぞ。
8曲目"I'll Set You Free(My Cigarettes Reprise)"(3:18) 6曲目の曲のアンサー・ソングでしょうか。曲のイメージをアレンジ替えされて歌詞は、一新されています。
9曲目"I Never Looked In My Eyes"(3:26) この曲もエモ・ロックなイメージな直に伝わって来る曲です。渋めの歌声を聴かせるANDREAとコーラスでは、MØAAの歌声が再び響ているようです。
全9曲歌詞付 デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:33分18秒 (このアルバムをリリースした後PAINTED VEINは、イタリア・ツアーに出たようです!)'24年11月26日再更新
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写真
(CD購入時に頼んでサイン入としてもらった盤です)


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写真  PAT SIMMONS / Take Me To The Highway
 ・1996 DENON    COCA-13239

日本企画によるアコースティック集・・・

このアルバムは、カリフォルニアで活躍しているTHE DOOBIE BROTHERSのギタリスト/ヴォーカリストPATRICK・SIMMONSのソロ・アルバムで、'83年の[Arcade]より13年ぶり '96年3月30日、国内でリリースされたセカンド・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PATRICK・SIMMONS:ヴォーカル/ギター/バンジョーの他、BERNIE・CHIARAVALLE:ギター、STEVE・HUNTER:ドブロ、BRAD・CUMMINGS:ベース、TRENT・STROH:ベース、BILL・PAYNE:キーボード、DENNY・WESTON,JR.:ドラム/パーカッション、NORTON・BUFFALO:ハーモニカ、CLIFF"BEEF" POLLACK:ハーモニカ、CARL・YOUNG:サックス、WORTHY・DAVIS:バック・ヴォーカル、CARLOS・GUAICO:ストリングス/バック・ヴォーカル、CHARLIE・MIDNIGHT:バック・ヴォーカル/プロデュースのTHE DOOBIE BROTHERS時代での収録メンバーも参加しています。

1曲目"Wild Ride"(4:13) THE DOOBIE BROTHERSの"Long Train Running" を彷彿とさせるギターのカッティングとメロディに似ています。
2曲目"Black Water"(4:17) オリジナル曲は、フィドルを取り入れていましたが、本作ではフィドルの代わりにハーモニカを使って少し垢抜けたアレンジしていますが、名曲には変わりありませんね。注サンプル音源は、'13年のギターショウでのライヴです。
3曲目"Take Me To The Highway"(4:00) アコースティック・ギターによるサウンドが鮮やかな曲です。
4曲目"Summer Rain"(5:00) J-WALKの"何も言えなくて・夏" に PAT自身が英語の歌詞を付けて収録したもの。
5曲目"The River Keeps On Risin'"(3:52) 爽やかなハーモニーとギターのサウンドの曲で、PATは、バンジョーも弾いています。
6曲目"Long Train Runnin'"(3:41) TOM・JOHNSTONの作で '73年のTHE DOOBIE BROTHERSを代表する大ヒット曲で、イントロのPATのギターで鳥肌が立ちますね。この曲のサンプル音源も '13年のギターショウでのライヴです。
7曲目"Oh How Happy"(3:59) アコースティック・ギターによる弾き語りで美しいメロディをさらっと聴かせています。
8曲目"Blues To The Highway"(3:40) 変則チューニングしたギターのサウンドが渋い曲です。
9曲目"This Train I'm On"(3:38) 次に控える"Listen To The Music" に勝るとも劣らぬ聴かせる曲です。
10曲目"Listen To The Music"(3:48) 再びTOM・JOHNSTONが '72年に書いた曲で、この曲も当時のTHE DOOBIE BROTHERSを代表する大ヒット曲です。
11曲目"Summer Rain"(5:05) 4曲目のインストゥルメンタルでPATのアコースティック・ギターによるソロです。
10曲歌詞付 16ページ物豪華ブックレット (国内盤) 収録時間:45分18秒 (アコースティック・ギターでの響きで奏でられる往年の名曲は、必聴です! 2005年の年末にTHE DOOBIE BROTHERSのライヴ放送がBSであり、PATが数曲このアルバムの曲を披露していました)'10年3月5日再更新


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写真  PAUL LEMIRE / Wherever You Decide
 ・2002 Paul lemire    PL5340

たっぷり響くサックスの音色とアコースティック・ギターと優しい歌声・・・

カナダのモントルー出身で現在活動拠点をロス・アンゼルスに移しているPAUL・LEMIREのデビュ−アルバムで '03年のリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PAUL・LEMIRE:ヴォーカル/ギターの他、PAUL・TCHOUNGA:ドラム/パーカッション/プロデュース、FRED・DOUMBE:ベース/バック・ヴォーカル、JIMMY・ZAVALA:サックス/ハーモニカ/フルート、CASSIDY・SHIPLEY:ギター、TADASHI・NAMBA:ピアノ、KEVIN・FLOURNOY:キーボード、AMY・FAHLBUSCH:ヴォーカルの比較的少人数での収録です。

1曲目"The Culprit"(4:54) サックスの音色を大きく取入れベースと重く響くエモーショナルなリズムにグイグイ引き込まれます。PAULの少しハスキーで優しそうで特長的な歌声も魅力的です。CLARENCE・CLEMONS(BRUCE SPRINGSTEEN BAND)風のサックスがたっぷりと響きます。
2曲目"No Goodbyes"(3:57) 美しい旋律のアコースティック・ギターのサウンドとコーラスの絶妙な組み合わせの曲。ピアノで難波正司氏(Track2,4,6/Mixing)が参加しています。
3曲目"Fiona"(5:39) ハーモニカとギターのサウンドに続いてPAUL の優しそうな歌声が心地良い曲で途中からの変調するアレンジが見事です。歌詞はFIONAに対する気持ちを切に歌っています。
4曲目"Oliver"(4:27) ナイロン弦ギターの音色とフルートが朝の目覚めを告げる様な曲です。現在風にアレンジされた吟遊詩人の歌のような感じです。
5曲目"Lately"(5:42) 颯爽と登場するJIMMY・ZAVALAのサックスとドライブするギターのサウンドが聴く者を魅了します。PAULのヴォーカルは熱く歌うのではなく"クール" に攻めています。
6曲目"Lost"(4:48) フレットレス・ベースの独特のサウンドをイントロにあしらった爽快感の有るギター音色の素晴らしい曲です。難波正司氏のローランド?で奏でられる間奏とエンディングがこの曲を更に素晴らしいものにしています。
7曲目"Stuck"(3:34) PAULのギター1本での弾き語りです。彼の巧みなギターさばきと歌声はしっとりと聴かせるのでは無く情熱的で聴く者を熱くさせます。
8曲目"Wherever You Decide"(4:37) ブルースハープとギター伴奏にドラムとシンプルな曲ですが、とても熱いものを感じる曲です。ブルースハープの演奏は、圧巻です。
9曲目"Christmas Tree Song"(3:42) 彼の作る曲は、他のギタリスト/ヴォーカリストと少し異質と感じるのは、この曲のような戯曲風のクラシカルなメロディがあるのです。AMY・FAHLBUSCHと美しいデュエットでのクリスマスソングです。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:41分24秒 (彼の新曲も増えてきましたので、新しいアルバムも期待します)'10年3月5日再更新


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写真  PETER GALLWAY / Peter Gallway
 ・1972 Warner Music Japan Inc.    WPCR-75401

相変わらず日本で根強い人気・・・

このアルバムはN.Y.出身で現在、サンタ・バーバラ在住のS.S.W./プロデューサーPETER・GALLWAY '72年5月に本国でリリースされたソロ・デビューアルバム(OHIO KNOXは含まず)です。
このアルバムでの収録メンバーは、PETER・GALLWAY:ヴォーカル/ギター/ピアノ/プロデュース、JOHN・SCHOLLE:ギター、PAUL・HARRIS:キーボード、KENNY・ALTMAN:ベース、JOHN・SEITER:ドラム、DANNY・KORTCHMAR:コンガの今作もベテラン勢が参加しています。
尚、このアルバムは '08年5月に日本のみのデジタル・リマスターによるCD(Forever YOUNGシリーズ)化となっています。

1曲目"Watch Yourself"(2:53) フラット・ピッキングで弾かれるアコースティック・ギターの枯れた音色とベースの調べに乗せて歌うPETERのあの少し粘性のある歌声が響いて来ます。アコースティック・スライド・ギターを大きく取り上げたフォーク・ロックのスタイルの曲です。
2曲目"Decidedly Fun"(3:48) この曲は、THE FIFTH AVENUE BAND時代の東部サウンドを感じさせるメロウな調べの曲ですね。映画やT.V.ドラマのテーマ・ソングが似合いそうな聴きやすさとPETERのハート・ウォームな歌声がします。
3曲目"Twelve Day Lover"(3:27) 柔らかい調べのギターのサウンドに美しいハーモニーで飾られたビター・スイートな内容のウエスト・コースト調の曲です。PETERがN.Y.在住の頃に書かれたとされるプライベート色の強い作品と思われます。
4曲目"My Sweetheart Was My Friend"(3:35) カントリー調のリズムとサウンドによる気楽さを感じ曲の登場です。アコースティックなサウンドがたっぷり響く中に、少しキーを下げた歌いぶりのPETERの歌声も優しく響きます。
5曲目"Running,Walking,Kicking The Ball"(3:19) ロック色の強い曲の登場です。全編に流れるギターのサウンドとニュー・オリンズ辺りのゴスペル賛歌がバックに響いて来ます。きます。
6曲目"The Good Lady Of Toronto"(4:15) 変則チューニングで奏でられるアコースティック・ギターの美しい調べとスローに丁寧に歌うPETERの歌声が優しく響くメロディアス・フォーク調べのサウンドは、C.S.N.& Y.のと共通しますね。オリジナル曲は、'69年の[The Fifth Avenue Band]に収録されています。
7曲目"Moonsong"(3:06) 非常にメランコリックなサウンドを奏でるハモンドの調べ乗せ歌うPETERの切ない歌声が届けられるスローなストーリー・テラー風の曲です。この曲もPETERの音楽活動の初期に書かれています。
8曲目"Come Forever Now,My Son"(2:52) アコースティック・ギター1本から弾き始められるスワンプ・ロック的なイメージを持たせる曲です。この曲でもあのPETER節を呼べる彼の癖のある粘っこい歌声を聴かせるのです。
9曲目"Come On In"(3:50) 何か非常に懐かしさ感じさせるサウンドの曲ですね。70年代ウエスト・コーストのミュージシャンが挙って歌ったメロウなバラードです。バックの美しいハーモニーと次第にサウンドの高鳴りを盛って流されるのです。
10曲目"Harmony Grits"(3:39) 非常にファンキーなリズムとサウンドによるアーバン・サウンドの曲の登場です。イギリスのAVERAGE WHITE BANDや60年代後半にPETERも同じく活動していたGreenwich VillageのORLEANSのサウンド・スタイルに通じるダンス・ビートを感じます。
11曲目"You"(2:38) PAUL・HARRISの弾く美しいピアノの調べが心地好く流れるジャズ風味によるイージー・リスニング的な曲の登場です。PETERの甘く切ない歌詞が綴られています。
12曲目"Mr.Mercybones Jones"(3:15) アルバムの最後は、PETERのピアノによるスローな弾き語りから入る曲の登場です。PAULのハモンド、KENNYのベース、JOHNのドラムとサウンドを厚くし、ゴージャスなハーモニーも響きます。
全12曲歌詞/訳詞付 20ページ物ブックレット (国内盤) 収録時間:40分42秒 (相変わらず日本で根強い人気PETER、このアルバムも日本のみ5度目(多分?)のCD化だと思われます)'10年3月5日再更新


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写真  PETER KINGSBERY / A Different Man
 ・1991 PolyGlam Records    314 511 835-2

PETERの再出発です・・・

COCK ROBINの非常に残念な解散後の翌年に作られたPETER・KINGSBERYのソロ・アルバムで '91年のリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PETER・KINGSBERY:ヴォーカル/キーボード/アコーディオン/プロデュースの他、PETE・MCRAE:ギター、CLIVE・WRIGHT:ギター、CORKY・JAMES:ギター、TIM・PIERCE:ギター、PHIL・SOLEM(THE REMBRANDTS):ギター、JOHN・PIERCE:ベース、LOUIS・CONTE:パーカッション、PAT・MASTELOTTO:ドラム/パーカッション/ボックス/プロデュース、JOHN・BELIZEKIAN:ウード、ROB・LOCKHART:サックス/フルート、NICK・LANE:トロンボーン/ユーフォニアム、MARK・BINDER:プログラミングのCOCK ROBINからのミュージシャンも参加しています。

1曲目"Do A Dance"(3:37) クラヴィネットのエレクトロニカのサウンドとPAT・MASTELOTTO(元MR.MISTER)のドラムのビートによるファンクでPETERの熱いヴォーカルによる曲です。
2曲目"A Different Man"(4:7) PETERのキーボードのイントロから入る曲でドラムのビートとギターのサウンドはCOCK ROBINを彷彿とさせる曲ですが、ANNA・LACAZIOの歌声が無いのが非常に残念です。
3曲目"What You Are"(4:20) サックスによるJAZZのメロディのイントロから入るCOCK ROBIN時代に無かったクールな作風です。PETERのファルセットによるANNAに良く似たバック・ヴォーカルも聴き物です。
4曲目"Helene"(3:54) この曲もCOCK ROBIN時代にはあまり演奏されなかった哀愁を帯びた叙情的なヨーロッパ風のメロディとアコーディオンの音色が更に切なさを増す曲です。
5曲目"Five Fingers"(3:26) PETER meets PRINCEのような感じの曲でファンクなファルセットを聴かせてくれます。
6曲目"Love In Motion"(5:02) このCDで一番先に気に入った曲でエレクトロニカの雰囲気のするビートに乗せPETERの切ない歌声が何時までも耳に残る曲でベースのJOHN・PIERCEの奏でるリズムが非常に心地好い。
7曲目"Real Blood Anger"(4:00) エモーショナルなエレクトロニカによる曲で時々入るフルート(打ち込み?) の音色が新鮮な曲です。
8曲目"How Can I Be Sure"(4:39) FELIX・CAVALIEREの '67年の曲にPETERが歌詞を追加しています。響き渡るドラムのビートとPETERの切なくエモーショナルなヴォーカルの曲です。
9曲目"The Hand That Feeds Me"(4:15) ドイツ語の女性の囁きのイントロから入る曲でギターのサウンドとマリンバの音色とがトロピカルな雰囲気を醸し出す曲です。
10曲目"Makes No Sense At All"(3:03) エモーショナルでファンクなリズムをもった曲で様々なアレンジが随所に現われる曲です。鋭いギター・ソロが渋いのです。
11曲目"The Sublime"(3:50) フルートの音色とエモーショナルなリズムの曲でCOCK ROBINから一番変化した曲調ではないでしょうか。
12曲目"Ceasar"(3:25) ファンクでかなりブラック・ミュージックの影響が強く感じる曲です。CBS時代では収録され難かった曲調だったのでしょうか。
全12曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間48分13秒(PETERのその後のアルバムは、フランスより販売されており、販売枚数の関係からか廃盤状態で適価での入手は困難です)'10年3月5日再更新


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写真  THE PHILOSOPHER KINGS / The Philosopher Kings
 ・1994 Sony Music Entertainment (Canada) Inc.    CK 67451

再結成されたようです・・・

カナダのトロントで結成されたTHE PHILOSOPHER KINGSの '94年9月21日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムでのメンバーは、GERALD・EATON(ヴォーカル)、JONATHAN・LEVINE(ピアノ/キーボード)、JASON・LEVINE(ベース/バック・ヴォーカル)、BRIAN・WEST(ギター)、JAMES・McCOLLUM(ギター)、CRAIG・HUNTER(ドラム/バック・ヴォーカル)の6人組です。
アルバムの収録に参加しているTHE PHILOSOPHER KINGS以外のミュージシャンは、KEITA・HOPKINSON:バック・ヴォーカル、TERENCE・BLANCHARD:トランペット、BOBBY・WATSON:アルト・サックスのカナダのジャズ系のミュージシャン達です。
プロデュースは、スタジオ・エンジニアのLENNY・DEROSE、Sony CanadaのMIKE・ROTHとTHE PHILOSOPHER KINGSと共同となっています。
尚、THE PHILOSOPHER KINGSは、'99年のライヴ・アルバムをリリースした後にリーダのGERALD・EATONが、ソロとして活躍していましたが、'06年に再結成されたようです。

1曲目"Turn My Head Around"(4:01) 鋭いドラムのビートに不協和音を奏でるピアノの調べによるメロディ・ラインに独特の癖を感じる曲です。間奏で奏でられるジャジーなギター・ソロも印象的です。
2曲目"Lay My Body Down"(4:40) スムースな響きを醸し出すアダルトなサウンドによる"クール" な曲です。この曲でのギターのバッキング・サウンドは、非常に憧れましたね。
3曲目"All Dressed Up For San Francisco"(4:32) GERALDのエモーショナルなヴォーカルと孤高に響くJAMESのギターのサウンドが堪らないミドル・テンポのナンバーです。
4曲目"Can't Get My Mind Around You"(4:31) R&Bのリズムとサウンドによるソウルな色合いを感じる曲です。オルタナティヴなサウンド・アレンジからアグレシッヴさに圧倒されます。
5曲目"All To Myself"(4:29) 最初にこのアルバムを聴いた時に何も言えない印象を与えた曲です。GERALDの"クール" なヴォーカルが非常にかっこ良いのです。ブラック・ミュージック/エレクトロニカ/モダン・ジャズの要素を融合させたTHE PHILOSOPHER KINGSの真髄に魅せられます。
6曲目"Leave That Man"(5:02) 牧歌的なサウンドとメロディの曲も非常に凝ったコード進行とリズムで表現しています。エモーショナルなGERALDの歌声の裏で演奏されるバックの演奏の凄さは特筆ものです。
7曲目"Do You Swear"(3:38) アーバン・ソウルなサウンドを感じさせる曲ですが、随所にTHE PHILOSOPHER KINGSの捻りのある曲者のサウンドで味付けされ、次第にサウンドはラップの要素も持たされています。
8曲目"Everyone'll Let You Down"(4:32) ファンキーなリズムとサウンドによるダンサブルな曲です。不思議な歌いまわしと摩訶不思議なTHE PHILOSOPHER KINGSの世界に引き込まれます。
9曲目"Just Like A Woman"(4:12) 何の説明も要らないでしょうBOB・DYLAN '66年の作品です。ここでの収録では映画のサウンドトラックのような非常に美しいサウンド・アレンジが施されています。
10曲目"Charms"(4:44) シングル・カットされ本国でヒットした曲で、やはりこのアルバムで最初に気に入りました。ギターのカッティング・サウンドが、非常に素晴らしいのです。哀愁を持ったJAMESのアンビエント・ギターのサウンドも最高です。
11曲目"Fingernails To Claws"(4:51) 非常に不思議なサウンドを発する曲でアドリブでの演奏の要素で組み立てられているようです。多分、彼らのライヴでの演奏から生まれたナンバーでしょう。
12曲目"No Woman Around"(3:33) アルバムの最後はメランコリックなサウンドによるアコースティック・ナンバーで幕を閉じます。切ないGERALDの歌声とギター1本でのシンプルな演奏です。
全12曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:52分51秒 (このアルバム発売当時、何の予備知識もなしに購入した。やはりジャケットの片手持ちによるウッド・ベースに惹かれた!)'10年3月6日再更新
1994年度ベスト5


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写真  THE PHILOSOPHER KINGS / Famous,Rich And Beautiful
 ・1997 Sony Music Entertainment (Canada)    COL 488717 2

ネオ・ソウル/モダン・ジャズ/R&B・・・

カナダのトロントでライヴ・ハウスの演奏を主体に活動しているTHE PHILOSOPHER KINGS '97年10月7日に本国リリースされた2枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GERALD・EATON:ヴォーカル、JAMES・McCOLLUM:ギター、BRIAN・WEST:ギター/ギター・シンセサイザー/サウンド・エフェクト、JON・LEVINE:キーボード/メロトロン、JAY・LEVINE:ベースの他、CRAIG・HUNTER:ドラム、DAVIDE・DIRENZO:ドラム/パーカッション、JIM・PICARD:アコーディオン、MING・YANG:ストリングス、AMY・HAMILTON:ストリングス、SCOTT・STALLONE:ストリング・アレンジ/ドラム・プログラミング、BETH・ENLOE:ストリング・アレンジ、THE ACADEMY QUARTET:ストリングス、PAT・DANIELS:ストリングス、DAVID・GILES:ストリングス、JAY・DAVIDSON:サックス/ホーン・アレンジ、STEVE・JANOWSKI:トランペット、JASON・GALLEY:トランペット、TED・GREENBERG:フレンチホーン、M.C.SMITH:クラップス、JULIE・SABA:クラップスのカナダのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、CINDI・LAUPERやAEROSMITHなどのアルバムを手掛けたJOE "THE BUTCHER" NICOLOとTHE PHILOSOPHER KINGSの共同で行われています。

1曲目"Hurts To Love"(3:35) メイン・ヴォーカルのGERALD・EATONの搾り出すようなファルセット・ヴォイスによるネオ・ソウルの曲です。オーケストラのストリングスも重ねた重厚なアレンジで収録されています。
2曲目"I Am The Man"(4:23) ライヴ収録のように混ざりある各楽器サウンドでのイントロからR&Bへの流れと展開します。また、ファンク/モダン・ジャズのテイストも持ち合わせた曲です。
3曲目"You Stepped on My Life"(4:21) 非常に切ないメロディとメランコリックな雰囲気をもった曲です。GERALDのソウルフルでエモーショナルなヴォーカルとブラスのサウンドが融合した曲です。
4曲目"You Don't Love Me(Like You Used to Do)"(4:23) この曲もシックな響きをもった切ない内容の曲です。ファルセットと普通の歌声を使い分けながら淡々とラヴ・メッセージを歌い上げるGERALDです。
5曲目"Little Rosie"(4:33) フラメンコ風のアコースティック・ギターのソロによるイントロから打ち込みのリズムに展開するセンチメンタル・ポップな曲です。
6曲目"Oleo"(6:06) 前作のアルバムのアシッド/クラブ・サウンドの雰囲気を引き継いだ曲です。一筋縄で括れない捻くれた彼らサウンドの展開と全ての音楽がカオス状態に犇き合ったようです。
7曲目"The End"(2:49) ピアノのJON・LEVINEが書いた曲で、彼らしいダイナミックに展開するセレナードです。ヴォーカルは、GERALDで、殆ど2人での収録です。後半よりブラスのサウンドをあしらっています。
8曲目"Super Sugar Supreme"(3:32) まったくサウンドの違う曲を組曲的に繋いだ曲のようです。サビの部分は非常に爽やかで明るく奏でられていますが、その他はメランコリックで、スムース・ジャズの雰囲気を持っています。
9曲目"Head First"(3:38) この曲は '70年代ブリティッシュ・ロック・バンドのサウンドを非常に感じる曲です。バック・ヴォーカルの感じとギターのシンコペーションなどは当時のようです。
10曲目"New Messiah"(4:06) 幻想的で流れるような美しいサウンドのJONのピアノと切ない響きと祈るようなGERALDの歌声での曲です。間奏のもう1人のLEVINE、JAY・LEVINEのウッド・ベースも悲しく響きます。
11曲目"You're Allowed"(3:43) S.E.を多用したベースによるサウンドに生のビートを重ね合わせた"クール" な曲です。心地好く歌うGERALDの歌声とバックのサウンドがマッチしています。
12曲目"Cry"(3:04) 元10CCのLOL・CREMEとKEVIN・GODLEY '85年の大ヒット曲のカバーです。アレンジ的にはオリジナル曲に近い収録でしょうか、多分ライヴなどで彼らがよく演奏しているのではないでしょうか。
13曲目"Wide Awake"(4:55) ゴシック調のサウンド展開により迫り繰る曲です。ハードなギターのサウンドと段階的に繰り出されるドラムのビートで終盤はハモンドの音色で締めます。
14曲目"Dinah"(2:06) JONのピアノの演奏とJAMES・McCOLLUMのギター・ソロとJAY・LEVINEのウッド・ベースをアドリブで収録したようです。丁度、ジャズ・バンドのアドリヴでの各自のパフォーマンス紹介で行う、あのパターンです。'25年に書かれたスタンダード・ジャズで、日本でも和訳の歌詞が付けられてよく演奏された曲です。
13曲歌詞付 写真ライナー オーストリア製 (輸入盤) 収録時間:55分20秒 (このアルバムをリリースした後、主要メンバーが抜けたようですが、再結成されたようです)'10年3月6日再更新


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写真  THE PHILOSOPHER KINGS / Castles
 ・2005 SONY BMG MUSIC (CANADA) INC.    82876-73435-2

この後しばし休憩です・・・

カナダのトロントで活躍しているTHE PHILOSOPHER KINGSの '05年11月22日に本国リリースされた4枚目('99年のライヴ盤を含む)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GERALD・EATON:ヴォーカル、JON・LEVINE:ピアノ/オルガン/ハーモニウム/ムーグ/ヴォーカル、JAMES・BRYAN:ギター/エレクトリック・シタール、BRIAN "Sweetwesty" WEST:ギター/スライド・ギター/サウンド・エフェクト/ループ、シンセサイザー/サウンド・エフェクト、DENTON・WHITED:ドラム/パーカッション、MARC・ROGERS:ベースのTHE PHILOSOPHER KINGSの6人です。今作は、外部のミュージシャンが参加していません。
尚、プロデュースは、THE PHILOSOPHER KINGS自身で行っています。
このアルバムをリリースした後、THE PHILOSOPHER KINGSは、一旦活動を停止しヴォーカルのGERALD・EATONは、JARVIS・CHURCH名義でソロ活動を再開しています。また、'18年にTHE PHILOSOPHER KINGSは、活動を再開しています。

1曲目"Castles In The Sand"(4:23) イントロの爽やかなサウンドと歌声から随分軽やかさを感じさせるバンドに移行したと思わせる曲です。久しぶりに聴くGERALD・EATONの艶のある歌声も好いですね。
2曲目"Last Stand"(3:59) この曲を聴いても以前のネオ・ソウルなイメージからロック色を強めた感がします。BRIAN・WESTのスライド・ギターとJAMES・BRYANのギター・サウンドも前面に出て来て結構鳴り響いています。
3曲目"I Want You"(4:42) 今度は、JON・LEVINEのキーボードのサウンドを強めに出して来た曲です。耳を澄ませて聴いているとハモンド/ピアノ/ハーモニウム/ムーグと収録されているようです。その演奏に乗せられて次第にエモーショナルに歌うGERALDです。
4曲目"Somebody To Love Me"(3:43) ここに来てソウル/R&B/ファンクなTHE PHILOSOPHER KINGSお得意な曲調の曲です。懐かしのワウワウを使ったJAMES・BRYANのギター・ソロも印象的であります。
5曲目"Light Of Day"(3:54) この曲も心地好い乗りを伝えて来る曲です。この曲でも後半からGERALDがそのエモーショナルな歌声を聴かせます。
6曲目"Beautiful Creature"(3:42) 重めのベースのサウンドと叩き付けるように奏でられるピアノのサウンドによる本来のTHE PHILOSOPHER KINGSの持ち味を聴かせる曲です。ファルセットで歌うGERALDの歌声とライヴ・ハウスでの演奏で鍛えて来たJON・LEVINEのエモーショナルなピアノ演奏が見事です。
7曲目"Give Back The Love"(4:22) エモーショナルな曲の後は、穏やかなサウンドとリズムの曲の登場です。ここでは、優しい歌声を聴かせるGERALDとバックの美しいコーラスの歌声が重なります。ここまで聴いて来てよく音楽紙で目にする「underrated bands」何々と…正にこのTHE PHILOSOPHER KINGSもその中に1つのバンドだと思います。
8曲目"Not That Man"(5:29) JAMES・BRYANが非常にかっこ好いギターのリフを聴かせる曲です。そのリフを聴いてインスピレーションを受けたGERALDがそのエモーショナルな歌声を聴かせます。また、途中より登場するJON・LEVINEのピアノの演奏も凄いのです。
9曲目"Show No Mercy"(1:37) ここでちょっと休憩的な曲の登場です。インストゥルメンタルでジャム・セッションした仲間の演奏に即興でGERALDが歌詞を付けて歌った感のするスタジオでの一コマのようです。
10曲目"Out Of The Blue"(4:52) 今度は、イントロから何処か意気込みを感じる曲です。ミドルテンポのバラードのメロディに乗せ恋人の表情の変化を歌詞に綴っています。
11曲目"Not Enough"(3:42) メランコリックな調べのイントロからリズムを上げて危機感を煽るGERALDの歌声が刺さる曲です。DENTON・WHITEDの叩き付けるドラムのビートと弦の大幅な揺れまでも聴かせるMARC・ROGERSのベースのサウンドが耳に残ります。
12曲目"Round And Round"(4:09) この曲もメランコリックなメロディとサウンドを聴かせる曲です。乱舞するように響くDENTON・WHITEDのドラムのビートに競うようにJON・LEVINEのピアノのサウンドが宙を舞います。
13曲目"Sweet Black Air"(3:55) 不思議な感じを与えるバックワードのサウンドがイントロに流れから次第にエモーショナルな歌声を聴かせるGERALDのバックから流れるダイナミックなドラムとピアノの演奏が聴き物の大作感のある曲です。尺の長さの関係から4分弱になっていますが、アウトロは、まだまだ続く感じがしますね。
14曲目"To Be Loved(To Love Back)"(2:09) JON・LEVINEの穏やかなオルガンのサウンドが流れるしっとりとした曲です。GERALDの歌声もアルバムの終盤に来て落ち着いた歌声を聴かせて厳かな雰囲気を醸し出しています。
歌詞無し 8ページ物イラストブックレット カナダ製 (輸入盤) 収録時間:54分44秒 (10年位前にこのアルバムを買っていたのですが、アップするのを失念していました!)'24年1月29日更新


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写真  THE PHILOSOPHER KINGS / Return Of The Kings
 ・2018 21 Entertainment Group, Inc.    EMC-CD-6158

再々結成アルバム・・・

カナダのトロントで活躍しているTHE PHILOSOPHER KINGSの '18年11月9日に本国リリースされた5枚目('99年のライヴ盤を含む)の再々結成によるアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GERALD・EATON:ヴォーカル/キーボード/プログラミング、JON・LEVINE:ピアノ、JAMES・BRYAN:ギター、BRIAN "Sweetwesty" WEST:ギター/シンセサイザー/プログラミング、DENTON・WHITED:ドラム/パーカッション/フィンガー・スナップ/ハンドクラップ、MARC・ROGERS:ベース/シンセサイザーのTHE PHILOSOPHER KINGSの6人です。今作も、外部のミュージシャンが参加していません。
尚、プロデュースは、GERALD・EATONが所属するプロダクション会社Track & Fieldが行っています。

1曲目"Heavy Hearts"(3:11) イントロ部のサウンドを聴いているだけ頬が緩む感じがします。GERALDの「ウォ〜ウォ〜」って歌うところから彼も再結成を喜んでいるに違いありませんね!
2曲目"Still The One"(3:04) GERALDのエモーショナルなヴォーカルを堪能できる曲の登場です。打ち鳴らされるDENTON・WHITEDのドラムとBRIAN・WESTとJAMES・BRYANのツイン・ギターのサウンドも鳴り響いてGERALDをサポートする感がこのバンドの最大の魅力です。
3曲目"Good Life"(4:15) ファンクなリズムとご機嫌なサウンドによる心躍る曲です。時折ファルセットで歌うGERALDの艶のある歌声とバックのサウンドも歌詞も「心躍る」って言っています。
4曲目"Best In You"(3:31) ここに来てスローな曲の登場です。前半は、ほぼJAMES・BRYANのギター1本とGERALDの歌声がシンプルに響き、後半から彼等の得意のソウル/R&B/ファンクな流れを聴かせた盛り上がりを伝えて来ます。
5曲目"All About You"(3:58) この曲では、MARC・ROGERSがしっかりベエモーショナルなースのサウンドを聴かせます。ハイ・フレットで聴かせる心地好いベースの丸みを帯びた音色と間奏のJAMES・BRYANのギター・ソロなど聴きどころ満載です。何故13年ものブランクがあったのか不思議に感じます。
6曲目"All Out Of Courage"(5:11) ロック色を強めたダークな流れを伝える曲です。いつもより低めのキーで歌うGERALDとこの曲では敢えてエモーショナル感を抑えたクールで粋なサウンドが広がって来ます。
7曲目"Lovers And Liars"(4:49) このバンドの持ち味としてリズム・ギターのBRIAN "Sweetwesty" WESTの巧なワウワウを使った鳥肌物のギター・サウンドがあるのですが、この曲もイントロから聴かせますね。間奏のJAMES・BRYANのギター・ソロもエモーショナルな響きがあり、'94年の最初のアルバムから聴き続けている理由がやはりありますね。
8曲目"Alibi"(4:19) ここでは、ちょっと雰囲気を変えて来たメランコリックな曲の登場です。ベース・シンセサイザーによる重いダウンテンポな流れとJON・LEVINEの凛としたピアノの演奏とシンセサイザーによるストリングス風のサウンドでうな垂れ感を演出します。
9曲目"Wild For You"(2:45) イントロのギターのリフから聴き入らす曲です。巧に歌うGERALDの歌声と叩き付けるドラムのビートがエモーショナルに聴く者に迫って来ます。
10曲目"Linger"(3:36) 今度は、トロピカルな雰囲気を伝えて来る曲です。跳ねるように鳴るベースのサウンドと突き進むようなドラムのビートに合わせGERALDの歌声も楽し気に聴こえます。
11曲目"Castles In The Sand"(4:32) '05年アルバム[Castles]の1曲目の曲の再収録ヴァージョンです。全体のサウンドは、前の収録と余り変わっていないのですが、イントロ部をアコースティック・サウンドに仕上げアウトロ部にJON・LEVINEのピアノの伴奏を追加したアレンジになっています。
12曲目"Time For Us"(3:25) アコースティック・ギターによるシンプルなサウンドの曲です。曲名が何だかこのバンドの再々結成を意味してように思います。メンバー各人が次第に楽器を追加して行く流れをしっとりと噛みしめているように聴こえます。
歌詞無し 1枚物ライナー (輸入盤) 収録時間:46分40秒 (ジャケの裏に曲順が記載されているのですが、6曲目から盤と順序が合っていません!)'24年9月15日更新


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写真  PITCH BLACK DREAM / Never Going Home
 ・2003 R. Gaglia / B. McCallion    PBD001

浮遊感のあるサウンドと柔らかな歌声・・・

このアルバムは、N.Y.でインディペンデントに活躍しているエレクトロニカ・ポップ・デュオPITCH BLACK DREAMの '03年2月10日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このPITCH BLACK DREAMは、BERNADETTE・McCALLION:ヴォーカル、RICH・GAGLIA:シンセサイザー/ギター/プログラミングの2人組で、このアルバムの収録曲も2人によって収録されています。

1曲目"I Will Wait"(4:19) 丸みを帯びたエレクトロニカのサウンドと溜め息に似たBERNADETTEの蒼い歌声が響くダーク・エレクトロニカ・ポップな曲です。短い歌詞をリフレインによって繰り返す、先ずはこのアルバムの掴みでしょうか。
2曲目"Feel You"(4:29) かなり色付けされたギターのサウンドを繰り返すRICHのフレーズと元アイドルだったあの人の歌声に近い響きを聴かせるBERNADETTEの歌声が印象的なポップ色溢れる曲です。
3曲目"Never Going Home"(5:11) メランコリックな調べのキーボードのサウンドにスクラッチ、ドラム・マシーンの無機質なリズムとムーグと本当に盛り沢山のサウンドです。トランス感を与える一歩手前のサウンドの流れを抑制した感じでしょうか。
4曲目"Invitation Only"(4:50) イントロから美しいメロディとサウンド聴かせるダーク・ポップな浮遊感のある曲です。少しイノセントで柔らかな歌声を聴かせるBERNADETTEの歌声が良いですね。
5曲目"We Don't"(5:22) 何か懐かしさを感じさせるイントロのキーボードのサウンドですね。一定のリズムを刻むドラム・マシーンのサウンドと少しコケティシュ(良い意味での)な歌声を聴かせるエレクトロニカ・ダンス・ポップでしょうか。
6曲目"Until I"(4:54) バックに流れるビロード状のエレクトロニカのサウンドと躍動的なリズムの刻み音による曲です。少し冷めた歌声を聴かせるBERNADETTEとRICHの作りだすサウンドが淡々と流れて行きます。
7曲目"Remember This"(5:43) 地下道に落ちる水滴の音に似たサウンドをイントロから流されるアンビエント・ミュージックの要素も感じさせる曲です。曲の合間には東洋的な調べも感じさせるアレンジになっています。
8曲目"That's the Way It Goes"(5:23) メロディアスな調べを聴かせるRICHキーボードのサウンドとサンプリングされた音源の数々、一定のリズムを刻むドラム・マシーンに沿って音源を変えながら展開され続けます。
9曲目"Just Another Night"(4:49) 一転してアコースティック・ギターのサウンドを取り入れた曲の登場です。子供たちが楽しく遊ぶ公園でのサンプルがバックに添えられています。ゆったりと歌うBERNADETTEの歌声のバックにはメランコリックな歌声を聴かせるRICHのヴォーカルが付け加えられています。
10曲目"Tell Me What You Want"(5:25) この曲は、RICH が別ユニットで演奏しているハードなサウンドを聴かせるスタイルの曲のようです。クラヴィネットによるファンクなサウンドは、少し古いスタイルって感じはご愛嬌と言うことに...。
全10曲歌詞付 写真ライナー カナダ製 (輸入盤) 収録時間:50分29秒 (このアルバムリリース以降もアルバムを制作しているPITCH BLACK DREAMです。次の作品はまた機会がある時に...)'10年3月6日再更新


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写真  PITCH BLACK DREAM / Fading Away
 ・2006 R. Gaglia / B. McCallion    PBD002

BERNADETTEの円やかさとRICHのハードな作り・・・

このアルバムは、N.Y.でインディペンデントに活躍しているエレクトロニカ・ポップ・デュオPITCH BLACK DREAMの '06年3月30日に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
このPITCH BLACK DREAMは、BERNADETTE・McCALLION:ヴォーカル、RICH・GAGLIA(PSYCH):シンセサイザー/ギター/プログラミングの2人組で、このアルバムの収録曲も2人によって収録されています。

1曲目"Cause Of Death: Unknown" H.P.でB.G.M.として流されているミドル・テンポのエレクトロニカ・サウンドに乗せたどこかで聴き覚えのあるBERNADETTEのリフレインによる歌声が響く曲です。前作と同じくアルバムの最初の曲は、乗りの良いこのアルバムの掴みでしょう。
2曲目"Taking Me Down" RICHの心地好い響きのギターのサウンドがイントロから流れるスローな曲です。少しか細く聴こえるBERNADETTEの歌声と滑らかなメロディとサウンドが届けられます。
3曲目"Dvotion" ブラック アンド ホワイトの質感を感じさせる長いイントロのサウンドの響きに続いて登場するBERNADETTEのイノセントさを感じ歌声が響くダーク・アシッドな曲です。バックで響くRICHのシンセサイザーと打込みのサウンドにソリッド感をも感じさせます。
4曲目"Hypnotized" ヨーロッパの戯曲的なサウンドからRICH好みのハードなサウンドに展開されるエレクトロニカ・ハード・ロックのイメージの曲です。トレモノ・アームを駆使したRICHのギター・ワークがアクセントとなっていますね。
5曲目"Say Yes" この曲のRICHのギターなサウンドが溢れている曲です。ギターだけのサウンドを抽出すればハード・ロックな感じが前面の出るようですが、BERNADETTEの円やかな歌声で上手く中和されているようです。
6曲目"Sweet Lie" 一転してドブロ・ギターによるアコースティック調の曲の登場です。バックのプログラミングのビートに合わせて歌うメランコリックなBERNADETTEの歌声も良いのです。
7曲目"Here We Go" アンビエントなシンセサイザーのサウンドと両方から駆使されるRICHのギターのフレーズが流れるエレクトロニカ・トリップ・ホップな曲です。BERNADETTEのウィスパー・ヴォイスとエッジの立ったRICHのギター・サウンドの融合です。
8曲目"Disappear Here" 非常にノスタルジックさを感じさせるハモンドとオルガンの調べが流れるダウンテンポのトリップ・ホップの曲です。燐としたBERNADETTEの歌声が響いています。
9曲目"Anywhere" ハーモニカに似せたキーボードのサウンドがギミックに流れるエレクトロニカ・ポップな曲です。ローファイにされたBERNADETTEの歌声とバックのサウンドを全て作り出すRICHの演奏とアレンジを駆使しています。
10曲目"Downtown Tonight" 重いベースのサウンドが流れるアシッド系のダウンテンポのリズムとサウンドによる曲です。1曲目の曲のリズムを変えたような曲調から曲の終りにはRICHの美しいピアノの演奏がソロで流れます。
全10曲歌詞付 写真ライナー カナダ製 (輸入盤) 収録時間:48分38秒 (パソコン・ソフトによる再生では、1部の曲名表示が認識しない場合があります)'10年3月6日再更新


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写真  P.J.OLSSON / Word For Living
 ・2000 Sony Music Entertainment Inc.    SRCS 2134

縦横無尽に流れるリズム・・・

MOTOWN RECORDSA&Rをしている父と歌手である母親との間のミュージシャンとしては恵まれた環境で育ったP・J・OLSSON(PAUL・JOSEF・OLSSON)の国内でのデビュー・アルバムで2000年6月21日、国内でのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、P.J.OLSSON:ヴォーカル/ギター/キーボード/ベース・キーボード/サンプリング/プロデュースの他、EMERSON・SWINFORD:ギター、JAMIE・CANDILORO:ギター/プロデュース、LAWRENCE・FORSEY:ギター、JOEL・SHEARER:ギター/ベース、JAMIE・MUHOBERAC:キーボード、MATT・FITZELL:ベース、JOHN・FREMGEN:キーボード/ベース/ベース・キーボード、JOHN・WOLF:ドラム/パーカッション、CARL・STEPHENSON:ヴァイオリンのロス・アンゼルスのミュージシャン達が参加しています。
尚、このアルバムは、彼の本国での3枚目(デビュー・アルバムは、インディーズでリリース)のアルバムとなっています。

1曲目"Good Dream"(3:33) 怒涛のように繰り出される打込みのリズムとサビの部分のメロディが心地好いエレクトロニカ・ポップです。
2曲目"Dandelion"(4:53) バックで忙しなく鳴る打込みのリズムとP・JのDJ風のヴォーカルと途中よりのアコースティック・ギターのシンプルなサウンドを織り交ぜた意欲作です。
3曲目"Through Rock Songs"(3:53) ソウルフルなP・Jのヴォーカルとうねりのあるリズムの波が押し寄せる曲です。ヘビーなロックのリズムにHIP・HOPとエレクトロニカを混合したようです。
4曲目"Visine"(4:04) '98年のアルバムにも収録されている曲です。イントロはP・Jのアコースティック・ギターの弾き語りです。次第に盛り上げる電子のサウンドと前の曲と似たヘビーなロックのリズムです。
5曲目"Ready For A Fall"(4:28) アコースティック・ギターを奏でるS.S.W.の作風の優しい響きの曲です。ファルセットで歌うP・Jの少し枯れた歌声とギターの調べが調和した心和む曲です。
6曲目"People"(4:07) トロピカルなサウンドを奏でるハモンドの音色が良いですね。モータウンのサウンドにも似た雰囲気を感じるソウル・ミュージックにサウンドにエフェクトを効かせたアレンジが、今風です。
7曲目"Thorazine"(3:22) 無機質なドラムのビートとベースのリズムによるオルタナティヴな曲です。絶妙な間合いに登場するアコースティック・ギターのサウンドも良いですね。
8曲目"Whisper In Time"(4:12) 再びアルバムの冒頭にも登場した怒涛の如く鳴らされる打込みのリズムによる曲です。80年代の始めのブリティッシュのテクノのような感じでしょうか。
9曲目"Pray I Don't Die"(3:43) 打込みとループを使ったリズムによるパワー・ポップな曲です。遊び心で収録した途中のヴォーカル部分も面白いです。
10曲目"I Am The Sun"(4:59) P・Jのスモーキーな歌声によるソウルフルなサウンドから少しずつサイケデリックなサウンドへ移行する懐かしさ感じる曲です。ヴォーカルとハーモニーは殆ど多重にて彼自身で行っているようです。
11曲目"Beautiful Woman"(5:57) 美しい女性に出合った時の事を歌にした曲です。のどかなで哀愁のあるアコースティック・ギターのサウンドとP・Jの歌声によるアコースティックな曲です。
12曲目"Plastic Souls"(4:20) (国内盤ボーナストラック)アコースティック・ギターを掻き鳴らしたサウンドにストリングス風のサビを組合したオルタナティヴ・ギターの曲です。
13曲目"Visine(LASWELL&OLSSON Remix)"(5:07) (国内盤ボーナストラック)重い響きのベースのリズムとスクラッチ風の刻み音を追加したリミックスです。イントロからの"クール" な響きはこちらの方が、ご機嫌ですね。
14曲目"Cool Effects"(4:36) (国内盤ボーナス・トラック)嵐やジェット機の轟音をS.E.に使ったエフェクト集でP.J.のヴォーカルは、収録されていません。だからヒドゥン・トラックとなっているのでしょうか。
11歌詞/訳詞付 写真ブックレットP.J.自身の曲解説 (国内盤) 収録時間:61分15秒 ('07年の新作はEP盤でダウンロード販売のみのようです。SONYでの試聴もどうぞ)'10年3月8日再更新


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写真  PLANET 3 / A Heart From The Big Machine
 ・1990 TOSHIBA-EMI LTD.    TOCP-6644

3人の才能が開花したプロジェクト・・・

カリフォルニアで活躍しているギタリスト/プロデューサーJAY・GRAYDON、作曲家/プロデューサーGREN・BALLARD、作曲家/シンガーCLIF・MAGNESSによるプロジェクトPLANET 3名義のアルバムで、国内でのリリースは、'91年4月26日になっています。
尚、PLANET 3は、レコード会社へ自作の曲の売り込みを目的とした作詞/作曲家のチームでしたが、デモ音源を聴いたレコード会社から逆に自分達でレコーディングしてデビューしたらとの薦めでこのアルバムが制作されました。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CLIF・MAGNESS:ヴォーカル/ギター/キーボード/プログラミング/プロデュース、JAY・GRAYDON:ギター/キーボード/プログラミング/プロデュース、GREN・BALLARD:キーボード/プログラミング/プロデュースの他、MACHUN(Machine?):バック・ヴォーカル、JOHN・ROBINSON:ドラム/パーカッション、VALERIE・MOEBEL:バック・ヴォーカルの比較的少人数での収録です。

1曲目"Born To Love"(5:26) 激しく立ち上がるJAYのギターのサウンドとCLIFのクリア・トーンの歌声によるややハードなサウンドのエモ・ギター・ロックな曲です。JAYとDAVID・FOSTERのユニットAIRPLAYとTOTOとのサウンドとの共通点もあるようです。
2曲目"From The Beginning"(4:07) 歪ませたJAYのギターのサウンドをアクセントにしたファンク/ポップな曲です。プログラムによる硬めビートとキャッチーなメロディ・ラインを感じさせます。
3曲目"Insincere"(4:30)) '90年12月30日ロス・アンゼルスでのライヴを収録した曲です。CLIFがエモーショナルな歌声を聴かせるメロディアス・バラードで、ライヴで弾かれるJAYの伸びやかなギター・サウンドは必聴に値します。
4曲目"Criminal"(4:16) CLIFのエモーショナルなハイ・キー・ヴォーカルが堪能出来るタイトなリズムによるエモ・ロックです。メロディアス・ハードなサウンドの波が押し寄せます。'04年の[Gems Unearthed]にも収録されています。
5曲目"I Don't Want To Say Goodnight"(3:58) 幾重にも重ねられたCLIFのヴォーカル・パートが非常に美しく流れる曲です。このアルバム・リリース当時、日本のT.V.のクイズ番組のエンディング・テーマになったのは、有名な話ですね。'04年の[Gems Unearthed]にも収録されています。
6曲目"Welcome To Love"(4:08) 幻想的でメロディアスなイントロから入るミドル・テンポのロックの曲です。この曲もそのままT.V.番組のテーマ・ソングに使われそうなキャッチーなサウンドを持っています。
7曲目"The Day The Earth Stood Still"(4:27) このアルバムの収録曲の中から最初に惹きつけられた曲です。先に紹介したAIRPLYの延長線にあるメロディと"カッコ" 良いサウンド・アレンジが堪らないのです。CLIFとGLENとJAYの才能が見事に開花した曲で、レコード会社が自分達でレコーディングを薦めた理由が読み取れます。尚、歌詞の方は、原爆についてのシリアスな内容となっています。
8曲目"Only Your Eyes"(3:24) 一転して哀愁を感じさせるロマンチック・バラードの登場です。切ない調べのGLENキーボードの音色とJAYのナイロン弦ギターの美しい調べが流れます。
9曲目"Modern Girl"(4:21) イントロを一聴した時にHAROLD・FALTERMEYERの書く曲に通じるシンセ/キーボードのサウンドによるエレクトロニカ・ポップ を感じさせる曲ですね。この曲も '04年の[Gems Unearthed]に収録されています。
10曲目"I Will Be Loving You"(4:17) イントロあたりはJAYのヴォーカルのようですね。サビの部分はCLIFとヴォーカルをシェアしたメロディアス・ハード・ロックの重厚なサウンドをご堪能あれ。また、当時のジーンズのC.M.ソングにも使われていました。
尚、この曲は、国内盤のみの収録となりスウェーデン盤とJAYのレーベルからリリースされている[Music From The Planet]とは曲目が違っています。
全10曲歌詞/訳詞付 24ページ物ブックレット (国内盤) 収録時間:42分56秒 (各曲のレビューについては、一部 '04年の[Gems Unearthed]の収録曲と重複して掲載している部分については、ご容赦願います)'10年3月8日再更新


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写真  PLANET 3 / Gems Unearthed
 ・2004 Columbia Music Entertainment, Inc.    COCB-53207

ギタリストJAY・GRAYDONの未発表曲を含む・・・

カリフォルニアで活躍しているギタリスト/プロデューサーJAY・GRAYDONのプロジェクトPLANET 3(JAY・GRAYDON,GREN・BALLARD,CLIF・MAGNESS)名義のアルバムです。'91年の[A Heart From The Big Machine] 及び '93年の[Airplay For The Planet]収録曲のアウト・テイク、再収録曲及び国内盤ボーナス・トラックを追加しての '04年4月28日、国内でのリリースです。
尚、PLANET 3は、レコード会社へ自作の曲の売り込みを目的とした作詞/作曲家のチームでしたが、デモ音源を聴いたレコード会社から逆に自分達でレコーディングしてデビューしたらとのエピソードを持っています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JAY・GRAYDON:ギター/キーボード/シンセサイザー・プログラミング/プロデュース、CLIF・MAGNESS:ヴォーカル/ギター/キーボード/プログラミング/プロデュース、GREN・BALLARD:キーボード/プログラミング/プロデュースの他、SHERWOOD・BALL:ヴォーカル、BILL・CHAMPLIN:ヴォーカル、WARREN・WIEBE:ヴォーカル、JAY・OLIVER:シンセサイザー・バンド、KENJI・SANO:ベース、BILL・CANTOS:キーボード/バック・ヴォーカル、DAVID・FOSTER:キーボード、MARK・PORTMANN:キーボード、JERRY・HEY:ホーンのお馴染みのミュージシャン達です。

1曲目"After The Love Has Gone(Bonus Track)"(4:58) AIRPLAY '80年のアルバムと '93年の[Airplay For The Planet]での収録曲です。オリジナル曲と同じくメイン・ヴォーカルは、BILL・CHAMPLINの '93年収録曲が使われている為、残念ながらTOMMY・FUNDERBURKのヴォーカル・パートは、収録されていません。
2曲目"Holdin' On To Love(Bonus Track)"(3:46) 同じく '93年の[Airplay For The Planet]からの収録曲です。ヴォーカルは、SHERWOOD・BALLで彼のエモーショナルな響き歌声とスムーズな流れを堪能できます。
3曲目"Roxann(Bonus Track)"(4:43) 再び '93年の[Airplay For The Planet]での収録曲です。メイン・ヴォーカルは、故WARREN・WIEBEとキーボード/バックヴォーカルがBILL・CANTOSと来ればスムーズなアーバン・ソウル・バラードですね。JAYのユニゾン・ツイン・ギターの心地好い調べが堪りません。
4曲目"Jenny's Still In Love"(4:25) RAY・KENNEDY/DAVID・FOSTER/JACK・CONRAD作詞/作曲 '80年の名曲"You Oughta Know by Now" のイントロでのメロディの延長線のサウンドを非常に感じさせるメロディアス・ハード・ロック然とした曲です。JAYのギター・パートは前出の曲のエッセンスを感じさせます。メイン・ヴォーカルは、CLIF・MAGNESSのようです。
5曲目"Modern Girl"(4:14) イントロを一聴した時にHAROLD・FALTERMEYERの書く曲に通じるシンセ/キーボードのサウンドによるエレクトロニカ・ポップ を感じさせる曲ですね。'91年の[A Heart From The Big Machine]での収録曲です。
6曲目"Tonight You're Mine"(4:36) メロディアスな流れと美しいサウンドによるミドル・テンポのバラードです。PLANET 3を3人で組んだ時に書かれた曲のようですが、収録されたのは、このアルバムが最初のようです。
7曲目"Push It In"(4:02) ブラック・コンテンポラリーのミュージシャンに提供した曲を参考にしてPLANET 3用に書直したとされる曲です。ブラック・ファンク/ダンサブルなミドル・テンポの軽いリズム曲です。
8曲目"Mondo Rock"(3:03) ファンキーなリズムによるダンサブルな曲です。サウンドとメロディもあっさりとしたシンプルな曲のようですが、JAYが間奏で縦横無尽にギターを弾き鳴らすのです。
9曲目"Criminal"(4:13) '91年の[A Heart From The Big Machine]にも収録曲で、CLIFのエモーショナルなハイ・キー・ヴォーカルが堪能出来るタイトなリズムによるエモ・ロックです。オリジナル曲とあまり変わらないアレンジでの再収録のようです。
10曲目"Comin' Together"(2:57) 映画音楽への売り込みを意識したようなエレクトロニカのサウンドの曲のようです。CLIFのヴォーカルを中心にふんだんに付けられた打込みのサウンドによる壁を積み上げたイメージを感じさせる曲です。
11曲目"I Don't Want To Say Goodnight"(3:50) '91年の[A Heart From The Big Machine]での収録曲で、T.V.のクイズ番組のエンディング・テーマになったのは有名な話ですね。JAYのライナーによるとデモ・ヴァージョンでの収録となっていますが、CLIFとJAYのヴォーカル・パートは、オリジナル収録曲のイメージに限りなく近いようです。
12曲目"Make My Day"(4:37) ファンクなリズムを刻むドラム・マシーンとプログラミングによるソウル・ファンクなサウンドの曲です。サウンドからループ/エフェクトまで作り込んだJAYがメイン・ヴォーカルの曲ではないでしょうか。
13曲目"Gotta Have It"(4:14) 重厚なシンセ・ベースのサウンドによるアシッド/エレクトロニカによる曲です。CLIFとJAYのシンクロされたヴォーカルが淡々と流れる無機質さを少し意識させたことを感じさせる曲です。
歌詞無し イラストライナー (国内盤) 収録時間:53分44秒 (企画性の強いこのアルバムの内容ですが、ギタリストJAY・GRAYDONの未発表曲を聴くには、もってこいの作品でしょう)'10年3月8日再更新


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写真  PLAYER / The Best Of Player Baby Come Back
 ・1998 Polygram Records,Inc.    314 538 156-2

全15曲1時間と4分の・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍していたロック・バンドPLAYERの '98年11月17日に本国でリリースされた過去の5枚(再結成後の[Lost In Reality]を含む)のアルバムから選曲されたベスト盤です。
PLAYERのメンバーは、PETER・BECKETT:ギター/ヴォーカル/プロデュース、JOHN・CHARLES・CROWLEY:ギター/キーボード/ヴォーカル、RONN・MOSS:ベース/ギター/バック・ヴォーカル/プロデュース、JOHN・FRIESEN:ドラムの4人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PLAYERの4人の他、RUSTY・BUCHANAN('82年〜):ヴォーカル/ベース、REED・KAILING:ギター、MILES・JOSEPH:ギター、JAY・LEWIS:ギター、TIM・PIERCE:ギター、DOUG・MACASKILL:ギター、KEITH・JONES:ベース、WAYNE・COOK:キーボード/シンセサイザー、GABRIEL・KATONA:キーボード、MICHAEL・OMARTIAN:シンセサイザー、DENNIS・LAMBERT:シンセサイザー、GARY・WRIGHT:シンセサイザー、MILES・JOSEPH:ギター/バック・ヴォーカル、GARY・COLEMAN:パーカッション/ヴィブラフォン、MICHAEL・PARNELL:キーボード、JOHN・PARKER:キーボード、MARK・ROSS:キーボード、BOB・MARLETTE:キーボード、JACK・WHITE:ドラム、ART・WOOD:ドラム/パーカッション、BURLEIGH・DRUMMOND:ドラム/パーカッション、STEVE・FORMAN:パーカッション、JIM・HORN:サックス/フルート、TOM・SCOTT:サックス、BILL・BERGMAN:サックス、BILLY・MARTIN:サックス、TOM・KELLY:バック・ヴォーカル、TOMMY・FUNDERBURK:バック・ヴォーカルのロス・アンゼルスのミュージシャン達です。
オリジナル盤のプロデュースは、BRIAN・POTTERとDENNIS・LAMBERTのコンビ(SANTANA,DIONNE・WARWICK)が担当しています。 尚、このベスト盤での選曲/プロデュースは、PETER・BECKETTオリジナル盤のプロデュースは、BRIAN・POTTERとDENNIS・LAMBERTのコンビ(SANTANA,DIONNE・WARWICK)が担当しています。リマスターは、PATRICIA・SULLIVANにてA&Mスタジオにて行われています。

1曲目"Baby Come Back"(4:13) もう何にも説明もいらない曲ですが、'77年にB面"Love Is Where You Find It" とカップリングされヨーロッパとアメリカ向にリリースされたシングル盤で、翌 '78年ビルボードホット100のチャート1位に輝いたこのPLAYER最大のヒット曲です。イントロを少し過ぎてから登場するシタール・ギターの響きが堪らない魅力です。
2曲目"This Time I'm In It For Love"(4:27) 他のミュージシャンにも多くの曲を提供しているLARRY・KEITH、STEVE・PIPPINのコンビによる曲で、PLAYERのデビュー・アルバムの為に用意された曲です。ポップなリズムとサウンドによるウエスト・コースト・サウンドそのものって感じでギターのJOHN・CHARLES・CROWLEYのヴォーカルです。
3曲目"Melanie"(3:47) アコースティック・ギターのサウンドを基調としたイントロから入るPETERのヴォーカル曲です。美しいハーモニーにギターのサウンドを一杯収録したギター・ポップ・チューンです。
尚、この曲まで '77年のセルフ・タイトル[Player]からの選曲です。
4曲目"Prisoner Of Your Love"(6:26) 重く響くRONNのベースのサウンドに合わせて奏でられるギターのリフによるメロディアス・ロックの登場です。間奏から後半にかけては、プログレシッヴ/ファンク・ロックのような展開も感じさせる '78年のアルバム[Danger Zone]からの収録曲です。
5曲目"I've Been Thinking"(4:16) 今度はピアノの調べをメインとしたJOHN・CHARLES・CROWLEYのヴォーカルによるバラードの曲の登場です。後半からは哀愁のギター・サウンドを響かせながら盛り上げまた、厚いハーモニーも聴かせるのです。
6曲目"Wait Until Tomorrow"(4:03) 少しサウンドをダークな方向へ展開させたPETERのヴォーカル曲です。レゲエぽいリズムやファンクなリズムなど聴かせどころを持った3枚目のアルバム[Danger Zone]からの収録曲です。
7曲目"Givin' It All"(4:18) メロディ的には、先の"Baby Come Back" に"カブル" ところが御愛嬌なPETERの書いた曲で、メイン・ヴォーカルもPETERです。'80年のアルバム[Room With A View]からの収録曲です。
8曲目"Who Do You Think You Are ?"(4:18) スピード感のあるリズムとスリリングなギター・サウンドを纏った心地好い乗りを感じさせてくれるこの曲もPETERの書いた彼自身によるヴォーカル曲です。ツイン・ギターをバックに3連リフをここぞと聴かせるラテン・フィーヴァーのリズムによる泣きの"Baby Come Back" とは違った一面も感じさせてくれます。
9曲目"It's For You"(4:37) 再びミドル・テンポのバラードの登場です。泣きのギターのサウンドにPETERの少し甘さのある歌声の絡ませた咽び泣くサックスの調べが伝わってきます。
10曲目"Bad News Travels Fast"(4:27) この曲もイントロから非常美しいギターの調べを聴かせるダンヒル・サウンドのS.S.W./プロデューサーDENNIS・LAMBERTとPETERとの共作です。この曲も含み前4曲 '80年のアルバム[Room With A View]からの収録曲です。
11曲目"If Looks Could Kill"(3:35) '81年の4枚目のアルバム[Spies Of Life]からのシングル・カット曲で、エレクトロニカとロックのサウンドが上手く融合した曲です。イントロから響くシンセサイザーのサウンドに少し無機質に響くドラムのビートが特徴的に響く曲で、本国で48位のヒットと記録されています。
12曲目"Some Things Are Better Left Unsaid"(3:26) 弾けるベースのサウンドと滑らかなメロディとが渋くミックスされたアーバン・ソウル調のこの曲もオリジナル・アルバムでのプロデューサーDENNIS・LAMBERTとPETERの共作となっています。サウンド的には同年代のPAGESに通じるところを感じます。
13曲目"It Only Hurts When I Breathe"(3:32) この曲まで先に記した '81年の4枚目のアルバム[Spies Of Life]からの3曲続きに収録された曲です。このバンドの特長である美しいハーモニー(このアルバムではTOM・KELLYTOMMY・FUNDERBURKがバック・ヴォーカルに参加)が響いています。
14曲目"Beautiful Love"(4:51) この曲から新生PLAYER:PETER・BECKETとRONN・MOSSのユニットによる '96年のアルバム[Lost In Reality]からの収録曲です。ゴスペル・ソングを意識させるコーラスとサックスの調べが心地好く響いて来ます。この曲は、イタリアのジャズ/プログレシッヴ・ロック系の作曲者PAOLO・RUSTICHELLI、ベースのRONNの奥さんで女優のSHARI・SHATTUCKとRONNによる共作で、RONN自身によるヴォーカル曲でもあります。
15曲目"Footprints In The Sand"(3:58) ドラム"ン" ベースのサウンドを取り入れたコンテンポラリーなアーバン・ソング調の曲で、PETERのソロ・アルバムにもキーボードで参加しているJOHN・LEWIS・PARKERとPETERとの共作です。優しいくまろやかなPETERの歌声による「夏の想い出」を歌ったメランコリックな歌詞が流れて来ます。
歌詞無し 写真ライナー U.S.製 (輸入盤) 収録時間:64分17秒 ("Baby Come Back" を懐かしく思いこのコンピ・アルバムを聴いたついでに全15曲1時間と4分16秒もあるこのアルバムのレビューをアップします。フゥ〜疲れた!)'10年12月18日再更新


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写真  PLAYER / Baby Come Back....
 ・2005 INTERSOUND RECORDS    5966

[Lost In Reality]のジャケ変え・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍していたロック・バンドPLAYERの '05年5月24日に本国でリリースされた9枚目('01年の2LP'S ON 1CD[Player/Danger Zone 2001]は含まない)のアルバムで、PETER・BECKETTとRONN・MOSS自身によるリミックス再編集盤です。
このアルバムの収録でのミュージシャンは、[Lost In Reality]のクレジットを参考に記載します。
PETER・BECKETT:ギター/ヴォーカル/プロデュース、RONN・MOSS:ベース/ギター/ヴォーカル/プロデュースの他、DOUG・MACASKILL:ギター、TIM・PIERCE:ギター、KEITH・JONES:ベース、BOB・MARLETTE:キーボード、MARK・ROSS:キーボード、MICHAEL・PARNELL:キーボード、JOHN・PARKER:キーボード、BURLEIGH・DRUMMOND:ドラム/パーカッション、ART・WOOD:ドラム/パーカッション、BILL・BERGMAN:サックス、BILLY・MARTIN:サックスのロス・アンゼルスのミュージシャン達です。
尚、このアルバムのプロデュースは、PETER・BECKETTとエグゼクティヴ・プロデューサーRONN・MOSSとなっています。

1曲目"Baby Come Back"(4:06) 打込みによるリズムから引きずり感のあるダウンテンポさを増したアレンジです。ナイロン弦ギターのサウンドを加え再収録されていますが、'95年の日本企画によるPETERとRONNとのアルバム[Electric Shadow]と '97年の[Lost In Reality]での収録曲と同じヴァージョンと思われます。
2曲目"No More Rain"(4:59) PETERとSTEVE・KIPNERとのユニットTHINK OUT LOUDのレコーディングに参加していたキーボーディスト/プロデューサーBOB・MARLETTEとPETERとの共作による曲です。この曲も先に紹介した2枚のアルバムに収録されています。サウンド的には、FOREIGNER '85年の大ヒット曲"Want To Know What Love Is" と感じが似たメロディアス・ロックですね。
3曲目"After All This Time"(4:32) '88年のTHINK OUT LOUD名義での収録曲とヴォーカルが違うように感じられるのでRONNのヴォーカルかも知れません。ミドル・テンポによる心地好いリズムの流れによるカリフォルニア・サウンドと美しいハーモニーにPETERのナイロン弦ギターの演奏を聴かせています。この曲も '97年のPETERとRONNとのアルバム[Lost In Reality]での収録曲です。
4曲目"Footprints In The Sand"(3:58) ドラム"ン" ベースのサウンドを取り入れたコンテンポラリーなアーバン・ソング調の曲で、PETERのソロ・アルバムにもキーボードで参加しているJOHN・LEWIS・PARKERと PETERとの共作です。優しいくまろやかなPETERの歌声による「夏の想い出」を歌ったメランコリックな歌詞が流れて来ます。'97年のPETERとRONNとのアルバム[Lost In Reality]での収録曲です。('98年のベスト盤よりの転記)
5曲目"This Is Your Life"(4:21) サウンド的には、PLAYERの4枚目のアルバムから第2期のTHINK OUT LOUDでのエレクトロニカ/ロックと言う感じのサウンドで、PETERの力強さを感じさせる勢いがあります。この曲も '95年と '97年のアルバムに収録曲されています。
6曲目"Without You"(4:22) この曲も '95年と '97年のアルバムに収録曲されていますが、面白い事に前の曲と組み合わせが、今回もまったく同じなのです。リズムやサウンドの流れ方など拘りがあるのでしょうか。クールなリズムに凛としたサウンドを感じさせる大人の曲と言える渋さがにじみ出ています。
7曲目"Cherry Lane"(4:58) 2種類の音色を使ったドラム・プログラミングによるクールなビートとイントロから叫び声に似たPETERの歌声が響くエレクトロニカ/ロックのサウンドの曲で、PETERのヴォーカル・スタイルやバックのサウンド群にコーラスの広がり方などは、MR.MISTERの曲の感じに似ていますね。
8曲目"Every Time I Turn Around"(4:49) ここで少しメロディアスなバラードの登場ですね。この曲でもPETERの優しさの中にも力強さを感じ歌声がもの静かなメロディと一緒の心地好く響いて来ます。この曲は、N.Y.のS.S.W./ヒットメーカーDENNIS・LAMBERTとPETERとの共作による曲で、'97年の[Lost In Reality]のラストを飾っています。
9曲目"Just To Be With You"(5:00) アコースティック・ギターのサウンドをベースとした軽めの乗りを与えてくれる曲で、作曲された時や収録した時期が先に紹介したSTEVE・KIPNERとのユニットでの活動時期と重なる為にTHINK OUT LOUDのサウンドに似ている感じです。間奏では、PETERのSTEVE・LUKATHERばりのギター・ソロも聴かせてくれます。
10曲目"Baby Come Back(Remix)"(4:12) ほぼ1曲目と同じリミックスによる曲です。収録時間が僅かに違うのは、PETERのナイロン弦ギターの演奏によるアウトロ部分を数秒延長したヴァージョンとなっている為です。
歌詞無し 写真ライナー U.S.製 (輸入盤) 収録時間:45分22秒 (海外では、収録曲数の違いがあるものの[Lost In Reality]のジャケット変えのコンピレーション盤ですので、新品CDの価格も非常に安価な車載用CDとしても良いかも!)'11年1月2日更新


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写真  POINT BLU / 3549
 ・2024 Point Blu    

正体不明ですが・・・

このアルバムは、カリフォルニア州サンフランシスコで活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップ・S.S.W.POINT BLU(MIKA・ELOYAN)の多分、デビュー・アルバムで '24年8月5日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、POINT BLUのMIKA・ELOYAN:ヴォーカル/マルチ・インストゥルメンタルの1人のようです。

1曲目"3549"(3:13) シンセザイザーの神秘的なサウンドによるアルバムの幕開き的なイントロから突き進むドラム・マシーンの無機質ビートによるトリップ・ホップなインストゥルメンタルです。
2曲目"Amoxicillin"(3:59) 曲名の「アモキシシリン」をググったら経口ペニシリンのようですね。イントロの硬く引き締まったドラムのビートから掴まれた曲です。「愛への苦悩」を吐き付けるように歌うPOINT BLUの熱いサウンドが響きます。
3曲目"Warm Water"(4:19) 今度は、サウンドをチル・アウトな方向へ移して来た曲です。ちょっと聴いただけでダウンロード購入した曲でもあります。投げやりなMIKAの歌声から間奏ではきっちり丁寧なギター・ソロを聴かせたところに何故か惹かれましたね。
4曲目"Pavilion"(4:42) 少しLo-HiにしたMIKAの歌声によるネオ・ソウル/ファンクな曲です。'22年に特に気に入ったGOOD LUCK BLACK CATの音楽と通じるクールなエモーショナルなところを強く感じます。
5曲目"Self Identify"(13:41) ピアノとシンセザイザーを使ってのダーク・アシッドな雰囲気の曲です。プログレッシブ・ロックな流れから鬱積した心の内を歌にしています。途中5分過ぎより組曲となりインストゥルメンツから短い歌詞をループのように歌いながら終盤、ピアノのシンプルなアンビエント演奏となっています。
6曲目"Secrecy And Sorrow"(5:50) エレクトロニカ・ポップな電子サウンドとシンセ・ベースによるダンサンブルなリズムの曲です。エモーショナルなパーカッションのリズムとクールなギター・ソロが聴かせる多用な音楽の要素が見事に融合されています。
7曲目"Break Air"(6:29) 曲の導入部は、アンビエントなランドスケープ音楽からリズミカルなベースのサウンドと鬱を感じるMIKAの歌声によるエクスペリメンタルな質感を持った曲です。聴き進めて行くと様々な音楽へと変幻して行く様を聴かせます。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:42分13秒 (音楽を1人で制作しているミュージシャンの傾向は、アルバムの各曲が似てくると思うのですが、このPOINT BLUのアルバムは、結構バラエティーに富んでいます!)'24年8月9日更新


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写真  POLIÇA / Give You The Ghost
 ・2012 TOTALLY GROSS NATIONAL PRODUCT    MP078/TGNP023

EPダウンロード・カード付限定盤・・・

このアルバムは、ミネソタ州ミネアポリスで活躍しているオルタナティヴ/シンセ・ロック・バンドPOLIÇA(POLICA)の '12年2月14日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバム収録時のPOLIÇAのメンバーは、CHANNY・LEANEAGH:ヴォーカル、CHRIS・BIERDEN:ベース/バック・ヴォーカル、BEN・IVASCU:ドラム、DREW・CHRISTOPHERSON:ドラムの4人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MIKE・NOYCE(BON IVER):ヴォーカル、GILBERT・ELORREAGA:トランペット、JOSH・LEVY:サックス、MARK "SPEEDY" GONZALES:トロンボーン、SETH・ROSETTER:キーボード/シンセサイザー、JEREMY・NUTZMAN(MARIJUANA DEATHSQUADS):キーボード/シンセサイザーのミネアポリスで活躍しているミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、後にこのPOLIÇAのシンセサイザー/プログラマー/作曲として合流するRYAN・OLSON(HAR MAR SUPERSTAR,GAYNGS)です。

1曲目"Amongster"(3:59) 歪ませたギターのサウンドに似せた響きがイントロから飛び出す心地好い流れを感じる曲です。ヴォコーダーで調整されたCHANNYの歌声に続き後半からツイン・ドラムによる躍動的なビートがバックに広がります。オフィシャル・ビデオもどうぞ。
2曲目"I See My Mother"(4:26) 前の曲から曲間をつないでカット・インされるダウンテンポな曲です。リヴァーブを効かせたCHANNYの歌声とCHRIS・BIERDENのベースの演奏が非常に印象に残ります。
3曲目"Violent Games"(4:12) 今度は、テンポを上げノイズを含んだオルタナティヴな捲し立て感を持っている曲です。ライヴなどで演奏されれば、観客の乗りと陶酔感を味わえられるのではないでしょうか。
4曲目"Dark Star"(5:00) このアルバムから一押しとなっているオフィシャル・ビデオも制作されているキャッチーなサウンドの曲です。唸るCHRISのベース、BEN・IVASCUとDREW・CHRISTOPHERSONによるツイン・ドラムのビートに乗せて歌うCHANNYの歌声が中央に浮かび上がります。
5曲目"From"(3:42) この曲へも曲間を繋ぎ込んだ凝った趣向となっています。"Dark Star" からテンポを少し落としてホーンのサウンドを削ぎ落してシンプルなシンセ・ポップとした質感を感じます。
6曲目"The Maker"(4:19) この曲もPOLIÇAのライヴなどで良く演奏されているダークなイメージを持つダウンテンポなナンバーです。やはりこのでもPOLIÇAの魅力の1つでもある特徴的なツイン・ドラムの響きを聴かせてくれます。
7曲目"Lay Your Cards Out"(4:04) この曲もオフィシャル・ビデオが制作されている穏やかな調べとリズムが流れる曲です。アコーディオン風のキーボードの呼吸音のような調べと途中より登場するBON IVERのMIKE・NOYCEの優しい歌声が印象的です。
8曲目"Fist Teeth Money"(3:19) 近年のシンセ・ポップと言った感じのローファイなシンセサイザーの音色が時折入るポップ調の曲です。普通ならプログラミングされたドラムマシンで淡々としたリズムで収録されると思うのですが、このPOLIÇAはBENとDREWの2人の生ドラムによるビートの微妙なズレやスネアやタムの使い分けがこのバンドの持ち味でしょう。
9曲目"Happy Be Fine"(4:39) シンセサイザーの神秘的な響きがイントロから流れるダウンテンポな曲です。CHRISの巧みなベースの演奏にこの曲もBENとDREWの2人のドラムのビートがバックに響き渡ります。尚、この曲はアルバムのリリース後1年後にもシングルとしてリリースされています。
10曲目"Wandering Star"(5:04) 私をこのPOLIÇAの持つ魅力に強く惹きつけた曲です。若干ビートのずれを技と聴かせるBENとDREWのツイン・ドラムの響きとCHANNYの薄く効かせたヴォコーダーによる歌声にやっぱり何度聴いても痺れますね。アウトロ近くでは、再びMIKE・NOYCEの歌声が登場して来ます。最初に観た時、少し恐ろしさを感じたオフィシャル・ビデオもどうぞ。
11曲目"Leading To Death"(2:56) 今度は、シンセサイザーのサウンドをもっと前面にもって来たオルタナティヴ/サイケデリックな曲です。バタバタと響くアグレッシヴなドラムとヴォコーダーで変幻させるCHANNYの歌声が響きます。
全11曲歌詞付 ポスター型ライナー 2折紙ジャケット仕様 10000枚限定"Dark Star" REMIX EPダウンロード・カード付 (輸入盤) 収録時間:45分44秒 (輸入盤にしてはめずらしく帯付です)'13年2月1日更新


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写真  POLIÇA / Shulamith
 ・2013 MOM+POP    MP119-2

今回は少人数での収録・・・

このアルバムは、ミネソタ州ミネアポリスで活躍しているオルタナティヴ/シンセ・ロック・バンドPOLIÇA(ポーランド語でのポリシーのこと)の '13年10月22日に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
このアルバム収録時のPOLIÇAのメンバーは、CHANNY・LEANEAGH:ヴォーカル、CHRIS・BIERDEN:ベース/バック・ヴォーカル、BEN・IVASCU:ドラム、DREW・CHRISTOPHERSON:ドラムに加え前作での作曲/プロデュース/シンセサイザー/プログラマーのRYAN・OLSONの5人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JUSTIN・VERNON(BON IVER):ヴォーカルの今回は、少人数での収録です。
尚、今作のプロデュースは、RYAN・OLSONとPOLIÇA自身にて行われています。

1曲目"Chain My Name"(4:07) アルバムの幕開きから飛ばして来たシンセ・ポップなサウンド一杯の曲です。打楽器的な響きを持つCHRIS・BIERDENのベースにヴォコーダーで歪ませたCHANNY・LEANEAGHの歌声も相変わらず健在です。
2曲目"Smugr"(3:59) 神秘的な響きを放つシンセサイザーのサウンドと揺らぎを持ったCHANNYの歌声がスローに流れるチルアウトな曲です。後半から登場するCHRISのハーモニーも非常に穏やかな響きを持って流れて来ます。
3曲目"Vegas"(4:11) BEN・IVASCUとDREW・CHRISTOPHERSONの力強く叩かれるシャープなドラムのビートとチューナーの周波数音がサウンド・エフェクトとして印象的な曲です。アウトロまでの約1分間はそのエフェクト音のインストゥルメンタルとなっています。
4曲目"Warrior Lord"(4:30) この曲もチルアウト的な響きによるスローな曲の登場です。POLIÇAと同じくミネアポリスで活躍しているRYAN・OLSONの別ユニットDIGITATAのMAGGI・MORRISONが出演した幻想的なイメージのこのアルバムからのオフィシャル・ビデオ第2弾も制作されています。
5曲目"Very Cruel"(4:45) 殆ど電子サウンドによるエフェクト音から入るオルタナティヴ・シンセ・ロックな曲です。重く響くシンセサイザー・ベースのサウンドとダークなイメージへ方向性を打ち出して来たナンバーです。
6曲目"Torre"(4:27) Lo-HiなCHANNYの歌声に取り巻くように響くベースのサウンドと捲し立てるドラムのビートに迫力を感じる曲です。サビの部分では、キーを上げて歌うCHANNYにその輪郭を担うCHRISのベースです。また、この曲の終わり方も潔くかっこ良いのです。
7曲目"Trippin"(4:15) RYAN・OLSONのリズミカルありメロディアスな電子サウンドの流れとやはりツイン・ドラムのビートがこのバンドのまた違った別の魅力と感じます。
8曲目"Tiff"(4:26) 重く響くシンセサイザー・ベースのうねりが迫り来る曲です。バックに荒々しく響くBON IVERのJUSTIN・VERNONの歌声と可憐なCHANNYの歌声との対比を暫し楽しむことにしましょう。尚、このアルバムからのオフィシャル・ビデオ第1弾としてYouTubeに配信されていますが、暴力シーンを含む為、年齢制限が設けられています。
9曲目"Spilling Lines"(3:02) このアルバムからシンセサイザーのサウンドの増して来たイメージのあるこの曲もその方向に向かって来た曲です。ソリッドな響きの電子サウンド、前に来たり後ろに下がったりして歌うイメージ感のあるCHANNYのヴォーカルです。
10曲目"Matty"(4:58) 50年代レトロなアメリカ映画のエンターテイメントを感じさせるドラムのリズムをイントロに配した曲ですが、CHANNYの歌声が登場する頃は、チルアウトな雰囲気を醸し出す展開です。
11曲目"I Need $"(4:38) チャカポコと響くキーボードのサウンドとどことなくトロピカルな雰囲気を醸し出す曲調を感じます。この曲では、余りヴォコーダー効かせてないCHANNYの可憐な歌声が響きます。このアルバムからのオフィシャル・ビデオ第3弾にもなっています。
12曲目"So Leave"(3:66) 再びチルアウトな雰囲気を感じさせるスローな曲です。まったりとしたシンセサイザーのサウンドと共に非常にエコーを効かせたCHANNYの歌声が流れて行きます。
歌詞無し ライナー無し モザイクカバー付デジパック仕様 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:51分01秒 (前作から1年8ケ月のスピードでリリースされたPOLIÇA2枚目のアルバム、日本でも結構人気が上がっています)'14年2月15日更新


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写真  POLIÇA / United Crushers
 ・2016 MOM+POP    MP236-2

ジャケットもH.P.も派手派手(笑)・・・

このアルバムは、ミネソタ州ミネアポリスで活躍しているオルタナティヴ/シンセ・ポップ・バンドPOLIÇAの3枚目(Give You The Ghost+Dark Start Remix EPのデラックス盤は含まない)のアルバムで '16年3月4日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、POLIÇAのCHANNY・LEANEAGH:ヴォーカル、CHRIS・BIERDEN:ベース/バック・ヴォーカル、BEN・IVASCU:ドラム、DREW・CHRISTOPHERSON:ドラムの4人組の他、RYAN・OLSON:シンセサイザー/プロデュース/作曲、JEREMY・NUTZMAN(MARIJUANA DEATHSQUADS):シンセサイザー、ALEX・NUTTER:ビート、PSYMUN:ビート、NELSON・DEVEREAUX:サックス、MARK・V.GONZALES:トロンボーン/ホーン・アレンジ、GILBERT・ELORREAGA:トランペット、DAN・BECKDOLT:テナー/バリトン/サックス、DEVON・DVRG・GRAY:指揮/ストリングス・アレンジ、LEAH・OTTMAN:ヴァイオリン、JACQUELIN・ULTAN:チェロ、MICHELLE・KINNEY:チェロ、JUSTIN・VERNON(BON IVER):バック・ヴォーカル、LIZZO:バック・ヴォーカル、MIKE・NOYCE(BON IVER):バック・ヴォーカルのデビュー・アルバムでのミュージシャン達が再び参加しています。

1曲目"Summer Please"(3:56) ヴォコーダーを強く効かせ男性の声域でCHANNYの歌声でアルバムの幕を開ける曲です。いつものBENとDREWによるツイン・ドラムの激しいビートが登場するころには、CHANNYのか細さが魅力的な歌声に戻して収録されています。どこかの国のアイドルのように最初から最後までにヴォコーダー効きまくりとは違いますね。
2曲目"Lime Habit"(3:34) イントロからツイン・ドラムのビートと攻めて来る曲ですが、このテンポが非常に乗りを良くしています。やはりアルバムのリリースの数か月前からビデオとして紹介されている事に妙に納得します。
3曲目"Someway"(3:30) 軽めのハンドクラップで乗りを誘うイントロとキーボードの刻み音が懐かしさ醸し出す曲です。直接この曲に関係ないのですが、大半の曲の長さが3分台と多い今作は、何か意図的に制作されているのでしょうか。
4曲目"Wedding"(3:26) この曲もアルバムのリリース数か月前からビデオとして紹介されている曲です。威圧感のあるドラムのビートに危機感を唱えるCHANNYの歌声とCHRISの芯の太いベースのサウンドが見事に調和して響いて来ます。
5曲目"Melting Block"(2:58) 前の曲が終わってさっと登場するリズムが変則的なPOLIÇAお得意の拘り感を発する曲です。CHRISのベースのリフと時間差を持ったBENとDREWによるツイン・ドラムのうねりが攻めて来るのです。
6曲目"Top Coat"(3:56) 穏やかなイントロのサウンドから次第に重いシンセサイザーの響きがうね回る曲です。シンゼサイザーと籠らせたLo-FiなCHANNYの歌声との取り合せ手法のうちでしょうか。
7曲目"Lately"(3:09) この曲は、サウンドが非常に面白い曲です。古びて音の狂ったポンプ・オルガンを真似たサウンドなどエクスペリメンタルな質感を感じさせます。
8曲目"Fish"(3:10) どことなくヨーロッパの哀愁を感じさせる曲です。切なさを持ったメロディとスパニッシュなCHRISのベースのリフが興味深いのです。
9曲目"Berlin"(3:10) 再び攻めのアップテンポの曲です。鳴り響きながら横切るキーボードの調べと奥まった位置に鎮座するBENとDREWのドラムのビートが対照的ですね。
10曲目"Baby Suck"(3:10) CHANNYがナチュラルに近い歌声に変えてきたアップテンポの曲です。ドラムのビートを挑発させるようにベースを弾きまくるCHRIS、BENとDREWのドラムの響きとベースのサウンド調和が見事と1番感じているのは、CHANNY1人ではないでしょう。
11曲目"Kind"(4:45) この曲もアレンジといい、CHANNYの歌声もナチュラルに近い感じです。後半から登場する型登場するJUSTIN・VERNON、LIZZO、MIKE・NOYCEの歌声に包まれるCHANNY です。
12曲目"Lose You"(3:41) 電子サウンドが降り注ぎ宙に舞うイントロから聴き入る曲です。切なさを醸し出すメロディとCHANNYの身体を使って繰り出す歌声に目を閉じて暫しこの曲を聴いてみましょう。
全12曲歌詞付 ブックレット 2折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:43分06秒 (前作をリリースした後、全米とヨーロッパ・ツアーを敢行したPOLIÇA、人気は更に急上昇のようです)'16年3月23日更新
2016年度ベスト5


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写真  POLIÇA / When We Stay Alive
 ・2020 Memphis Industries Ltd    MI0571CD

CHANNY復活・・・

このアルバムは、ミネソタ州ミネアポリスで活躍しているオルタナティヴ/シンセ・ポップ・バンドPOLIÇAの4枚目(Give You The Ghost+Dark Start Remix EPのデラックス盤は含まない)のアルバムで '20年1月31日に本国でのリリースです。
前作企画アルバム[POLIÇA AND S・T・A・R・G・A・Z・E]をリリースした後、メイン・ヴォーカルのCHANNY・LEANEAGHは、自宅屋根の雪下ろし作業中、誤って転落、頸椎と背骨を損傷して約2年のリハビリ後に、このアルバムをリリースしています。 このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、POLIÇAのCHANNY・LEANEAGH:ヴォーカル、CHRIS・BIERDEN:ベース/ヴォーカル、BEN・IVASCU:ドラム/パッド、DREW・CHRISTOPHERSON:ドラム/パッドの4人組の他、AARON・BAUM:キーボード/シンセサイザー、、ALISTAR・SUNG:チェロ、BJ・BURTON:プラチナ・スラップ、BRIAN・NICHOLS:キーボード、CARM・CARMEREI:ホーン、FUNDO:サンプリング、ALEJANDRO・PELTONEMI:副指揮、JUSTIN・VERNON(BON IVER):キーボード、TREVER・HAGEN:ドラム・マシンが参加しています。
尚、プロデュースは、2枚目のアルバム[Shulamith]RYAN・OLSONが担当(他プロデューサーは、DUSTIN・ZAHN、ALEJANDRO・PELTONEMI、ANDREW・BRODER、CORY・GRINDBERG、KEVIN・KOKO、NIKLAS・KRUEGER、PSYMUN、TASKFORCE、MARK・McGEE)しています。

1曲目"Driving"(3:31) 1曲目からPOLIÇAらしい摩訶不思議なサウンドをイントロに持った曲です。孤高に歌うCHANNYの歌声のバックに刻むドラムンベースの無機質さが際立って響いて来るのです。
2曲目"TATA"(3:20) 少しビートとサウンドを和らげて来たこの曲も非常にPOLIÇAらしい曲です。ファースト・アルバムから続いているCHANNYの歌声をメインとしたCHRISのベースのリフと時間差を持ったBENとDREWによるツイン・ドラムのビートから成り立っていると強く感じます。
3曲目"Fold Up"(3:54) アシッド・ダーク感を持ったエクスペリメンタルな曲です。恐怖心を煽るドラムのビートとCHRISのバック・ヴォーカルが怪しい響きを持っています。
4曲目"Feel Life"(4:55) 少し枯れ気味のCHANNYの歌声が心地好く響くスローな曲です。このバンドの曲を聴くと時々感じるのですが州を跨いだところのカナダのバンドの曲(静寂さの中に響く美しいさ)を感じるのですとCHRISの芯の太いベースのサウンドが見事に調和して響いて来ます。
5曲目"Little Threads"(3:23) 再びドラムンベースのサウンドをメインに持って来た曲です。Lo-FiにしたCHANNYの歌声と重く響くドラム・プログラミングのうねりが迫って来ます。
6曲目"Be Again"(5:09) この曲もエクスペリメンタルな要素を持った曲です。歩調に合わせたドラムのビードとバックでこれまた孤高に歌うCHANNYの歌声から生還したと思いを感じます。
7曲目"Steady"(3:23) めずらしアコースティック・ギターの響き(プログラミング)を持った一部牧歌的な曲です。シンプルな電子サウンドによるアレンジでソフトな仕上がりを感じます。
8曲目"Forget Me Now"(3:29) このアルバムの曲の中では比較的オーソドックスなナンバーです。アルバムの紹介トレイラー的な為かリリースの前からCHANNYが登場したビデオも紹介されています。
9曲目"Blood Moon"(4:07) シンセサイザーの厳かなサウンドの響きに合わせ優しく歌うCHANNYの歌声が宙に舞う浮遊感のある曲です。墨をたっぷりと含ませた太い筆でなぞるようなCHRISのベースと凛としたCHANNYの歌声と対照が際立ちます。
10曲目"Sea Without Blue "(3:00) 底辺でうごめくリズムと電子サウンドが印象に残る曲です。BENとDREWの築くドラムのビートに合わせ歌うこの曲でも凛としたCHANNYの歌声が魅力的に響きます。
全10歌詞付 ライナー付 2折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:38分15秒 (前作をリリースした後、子育てに専念中のCHANNYだったのですが、大事故に見舞われて驚きました!)'20年2月11日更新


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写真  POLIÇA / Madness
 ・2020 Memphis Industries Ltd    MI0737CD

デビュー盤より早10年・・・

このアルバムは、ミネソタ州ミネアポリスで活躍しているオルタナティヴ/シンセ・ポップ・バンドPOLIÇAの5枚目('18年のPOLIÇA AND S・T・A・R・G・A・Z・Eと'20年のライヴ盤は含まない)のアルバムで '22年6月3日に本国でのリリースです。
詳しいクレジット記載が無いのですが、アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、POLIÇAのCHANNY・LEANEAGH:ヴォーカル、CHRIS・BIERDEN:ベース/バック・ヴォーカル、BEN・IVASCU:ドラム、DREW・CHRISTOPHERSON:ドラムの4人組の他、RYAN・OLSON:シンセサイザー/プロデュース/作曲、DUSTIN・ZAHN:プロデュース、TIM・FAIN:ヴァイオリン、ALEX・NUTTER:ビート/プロデュース、ALEX・RIDHA:プロデュースのミネアポリス勢が参加しています。

1曲目"Alive"(5:28) シンセサイザーの不気味な響きがイントロから流れアルバムの幕開きを期待させる曲です。重い響きとは対照的なか細いCHANNYの歌声がこのバンドの魅力でもあります。
2曲目"Violence"(3:21) 今度はスローなリズムによるS・T・A・R・G・A・Z・Eでの曲調の延長を感じさせる曲です。カテドラル/戯曲など影響を取り入れデジタル・エフェクトなどでアップ・デートしたようですね。
3曲目"Away"(3:43) この曲もイントロから美しいメロディとサウンドを聴かせる曲です。旅情的な雰囲気を醸し出すサウンド・エフェクトの数々が流れる中でCHANNYが凛として歌います。
4曲目"Madness"(5:23)カリフォルニア州出身のヴァイオリニストTIM・FAINが参加した曲です。この曲も戯曲的なしっとりしたサウンドに控えめにした電子エフェクトがアレンジされています。
5曲目"Blood"(3:57) この曲は初期から持つ2人によるドラムのビートと重いベースの旋律に少し枯れた歌声のするこれぞPOLICAと言える曲ですね。やっぱCHRISのベース好いわ ! 。
6曲目"Fountain"(5:00) 古びたアップライト・ピアノかヨーロッパのツィター(チター)の不思議な音色を使ったCHANNYが呪文を唱えるような曲です。ドイツでのライヴやヨーロッパ・ツアーを行った現地音楽の影響があったのかも知れませんね。
7曲目"Sweet Memz"(4:56) ホルン?の響きがイントロで響き女王の登場を知らせる城の門番の仕草を想像させる曲です。ところで曲名の「Memz」ってコンピューター・ウイルスのことですかね? 。
全7曲歌詞付 2折紙ジャケット仕様 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:31分53秒 (前作をリリースした後、新作の情報収集を怠った為、遅れてのアップです!)'22年10月13日更新


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写真  POLIÇA AND S・T・A・R・G・A・Z・E /
 Music For The Long Emergency
 ・2018 Transgressive Records    TRANS314CD

エクスペリメンタルな方向・・・

このアルバムは、ミネソタ州ミネアポリスで活躍しているオルタナティヴ/シンセ・ポップ・バンドPOLIÇAの4枚目(今作はベルリンのオーケストラSTARGAZEとコラボレート盤)のアルバムで '18年2月16日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、POLIÇAのCHANNY・LEANEAGH:ヴォーカル、CHRIS・BIERDEN:ベース、BEN・IVASCU:ドラム、DREW・CHRISTOPHERSON:ドラムの4人組の他、RYAN・OLSON:エレクロトニクス/プロデュース、CRESCENT MOON:ヴォーカル/ラップ、JAKE・LUCK:ピアノ、ALISTAIR・SUNG:チェロ、JUSTIN・CAULLEY:ヴィオラ、 THORA・SVEINSDÓTTIR:ヴィオラ、ANDRÉ・DE・RIDDER:ヴァイオリン、MAYAH・KADISH:ヴァイオリン、MAAIKE・VAN・DER・LINDE:フルート、MARLIES・VAN・GANGELEN:オーボエ、ROMAIN・BLY:トランペット/ホーンのヨーロッパ勢のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Fake Like"(3:54) 1曲目は意外と普通のサウンド(実験的なとかオーケストラの重厚な音色満載の意味)よる曲です。スローなリズムとバックに流れるヴァイオリンの調べが心地好く響いて来ます。
2曲目"Marrow"(2:48) 前の曲の雰囲気がやはり前振りと感じさせる激しさを持った曲です。前作での"Wedding" のメロディとサウンドの方向性が良く似ていますが、攻撃性とエクスペリメンタルな部分を更にアップしてのオルタナティヴ・ヴァージョン化しています。
3曲目"Speaking Of Ghost"(4:13) 木管と金管楽器によるオープニングによる戯曲的なイメージのする曲です。いつものBENとDREWの少しディレイさせたツイン・ドラムのビートとオーケストラの音色をゴージャスに飾った感があります。
4曲目"Agree"(3:21) デビュー・アルバムからPOLIÇAのサウンドに通じる曲です。オーケストラによるメランコリックな調べを乗せCHANNYの「恋愛感」を歌詞に綴っています。アルバムのリリースに合わせて公開された不思議なビデオもどうぞ。
5曲目"Cursed"(3:54) 今までに無く攻撃性を増した曲のようです。CRESCENT MOON(ALEXEI・CASSELLE)のまくし立てるラップとLo-HiにしたCHANNYの歌声によるコラボーレーションです。
6曲目"How Is This Happening"(10:06) 宗教的や宇宙感を感じさせるスローなエクスペリメンタル/アンビエント的な曲です。この5月にアップされた10分を超えるビデオもどうぞ。
7曲目"Music For The Long Emergency"(9:46) この曲も10分近くある長尺の曲です。オーケストラのサウンドやホーンの煌びやかな音色からノイズに近い電子サウンドや協奏曲的なパートなど様々な要素が詰まってます。
歌詞無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:38分05秒 (ベースのCHRIS・BIERDENの黒く艶のあるバック・ヴォーカルが今作で聴かないのがちょっと残念かな)'18年6月15日更新


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写真  POUSETTE-DART BAND / Pousette-Dart Band
 ・1976 Capitol Records, Inc.    (0698) ST-11507
 ・2021 VIVID SOUND CO.    VSCD-5987 (BIG PINK 737)

POUSETTE-DART BANDとの出会い・・・

'73年頃にマサチューセッツで結成されたJON・POUSETTE-DART(N.Y.出身)を中心とするPOUSETTE-DART BAND(結成時は、POUSETTE-DART STRING BANDと命名)は、活動拠点をアメリカ音楽の都ナッシュヴィルに移し、このアルバムで '76年にデビューしました。
メンバーは、JON・POUSETTE-DART:ヴォーカル/ギター、JOHN・CURTIS(マサチューセッツ出身):ギター/バンジョー/マンドリン/ヴォーカル、JOHN・TROY(カリフォルニア出身):ベース/ヴォーカル、ALLISON・LEROY・COOK:ドラム/パーカッションの4人組(裏ジャケの登場人物にて判断)にスタジオ・ミュージシャンのDAVID・BRIGGS:ピアノ、KENNETH・BUTTREY:ドラム、PHIL・BAUGH:ペダル・スティール、BILLY・PUETT:リード/フルート、SHANE・KEISTER:シンセサイザー、DENNIS・GOOD:トロンボーン、GEORGE・TIDWELL:トランペットのナッシュヴィルのミュージシャン達が収録に参加しています。
尚、印象的なジャケットに登場しているピエロは、今ではビッグになったTRENT・ARTERBERRYがモデルで、JONのH.P.で各アルバムに登場するこのピエロの存在を質問したところ、メンバーだけでは寂しいので「芸術的配慮」だそうです。流石! 芸術家のご子息です。 このアルバムの写真からだけでは読み取れないのですが、荒廃した鉱山での撮影風景が、彼にとって非常に印象的だったそうです。

1曲目"What Can I Say"(3:02) 歯切れよいギターのリズムとサウンドによるウエスト・コースト・ロックの心地好い乗りと響きによる曲です。この曲で初めて出会って聴いたJONの素晴らしいヴォーカルと彼を支えるバンド・メンバーの演奏に乗せられた美しいハーモニーが当時、非常に新鮮でした。
2曲目"Dancer"(2:31) JONの非常に美しい歌声による彼の弾き語りを中心にして繰り広げられるスローなアコーティック・ナンバーです。JOHN・CURTISのマンドリンの心地好い響きで落ち着いた気持ちになります。
3曲目"Freezing Hot"(3:41) すこしロック色を強くしてきたカントリー・ロックの曲です。非常に美しいハーモニーと煌めく数々のギターのサウンドにエモーショナルなJONのスライド・ギターのサウンドが芯を通します。
4曲目"There's Been A Mistake"(2:54) 力強いリズムとJONの歌声による南部サウンドのロックです。間を取ったリズムの流れとインパクトを与えるJONのスライド・ギターのサウンドがインパクトを与えています。
5曲目"Harder"(3:19) ロック"ン" ロールのリズムによる軽めのロックの曲です。この曲でも非常に美しいハーモニーが付けられています。多分、当時のライヴ・ツアーで定演奏され乗りの良い定番的な曲になったでしょう。
6曲目"Woman In My Dreams"(4:00) サスペンス感覚を煽るコンガのリズムとストーリー・テラー風に歌うJONの歌声が印象的な曲です。当時の他のバンドと一線を画すダークでアシッドなナンバーです。ムーグの不思議なサウンドが印象的でNORBERT・PUTNAMもピアノで参加しています。
7曲目"All Your Lonely Hours"(4:04) JONが熱いヴォーカルで聴かせるロックなナンバーです。非常に硬い音色を発するギターのサウンドとうねるベースのサウンドにJONのヴォーカルをなぞるように響くスライド・ギターの怪しいサウンドです。
8曲目"What You Need"(3:00) ファンクなリズムとホーンのサウンドを取り入れたラテンの香りする曲です。JOHN・TROYの叩きつけるようなチョッパー・ベースのサウンドと特徴的なリズムを刻むJONのギターが当時では斬新でした。
9曲目"Halo"(3:00) ギターを弾きながらパーティーをしているような物凄く明るいサウンドとリズムによる曲です。メンバーの誰もが交互にリード・ヴォーカルを執りたくなるような雰囲気が伝わってきます。このアルバムでは、大半の曲をJONが書いていますが、この曲は、唯一JOHN・CURTISが書いています。
10曲目"Smile On Me"(2:45) ブルー・グラスの要素を持ったテネシアン・ダンス・ミュージックでしょうか。ここでの演奏も非常に明るく楽しく演奏されています。
・全10曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:31分59秒
・全10曲歌詞付 紙ジャケット仕様限定CD盤 輸入元販売 韓国製 (輸入盤) 収録時間:32分09秒 (当時、サンプル音源の試聴なんてシステムのなかった時代に、このアルバムの写真だけで、このアルバムを購入出来るでしょうか? 裏表紙のバンド・メンバーの写真下にプロデューサー:NORBERT・PUTNAMと小さく書かれていました。新しいミュージシャンとの出会いは、ほんの少しのきっかけで始まります)'23年3月1日再更新
1976年度ベスト5


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写真  POUSETTE-DART BAND / Amnesia
 ・1977 Capitol Records, Inc.    SW-11608

美しいハーモニーの詰合わせ・・・

このアルバムは、POUSETTE-DART BANDの '77年にリリースされた2枚目のアルバムです。前作でドラムだったALLISON・LEROY・COOKが抜け、セッション・マンのKENNETH・BUTTREYがドラム/パーカッションでこのアルバムから正式加入しています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JON・POUSETTE-DART:ヴォーカル/ギター/スライド・ギター、JOHN・TROY:ヴォーカル/ベース、JOHN・CURTIS:ヴォーカル/ギター/バンジョーマンドリン、KENNETH・BUTTREY:ドラム/パーカッションの他、NORBERT・PUTNAM:ベース/キーボード/シンセサイザー/プロデュース、BOBBY・EMMONS:キーボード、MIKE・UTLEY:キーボード、ALLISON・LEROY・COOK:ドラム、FARRELL・MORRIS:パーカッション、JEFF・TEAGUE:パーカッション、BILLY・PUETT:フルート/テナー・サックス、HARVEY・THOMPSON:テナー・サックスのベテラン・ミュージシャン達が参加しています。
プロデューサーは、再びナッシュヴィルの職人NORBERT・PUTNAMが担当しています。
尚、アルバムのタイトルは、 [Amnesia]:記憶喪失症, 健忘症と言う意味らしいです。

1曲目"County Line"(3:28) 乗りの良いリズムのナンバーでサックスの音色とウエスト・コースト・ロックらしい爽やかメロディが広がります。JONの相変わらず美しいヴォーカルでの歌声に添えられたハーモニーがこのバンドの魅力です。
2曲目"Fall On Me"(2:25) いきなりサビの美しいメロディから入る曲で、ここでもJOHN・TROYとJOHN・CURTISの非常に美しく統率のとれたハーモニーを披露しています。このアルバムは、前半から曲の質が非常に高いのです。
3曲目"Amnesia"(3:11) やはり前のアルバムでもこの辺にロック色強い曲を挿入していました。前作でも収録されていたスライド・ギターを使ったカントリー・ロックの曲です。尚、この曲は、JONによって2000年にスポーケン/ラップ風にアレンジ替えにて再収録されています。
4曲目"I Think I Know"(3:11) 心地好いボサ・ノヴァでのリズムとメロディによる曲です。JONの透き通るような美しい歌声とアコースティック・ギターの弦を叩くように奏でられるリズムに浅く奏でられるサックスのサウンドが神妙さを醸し出します。
5曲目"May You Dance"(3:20) JOHN・TROYのファンクなベースとJOHN・CURTISの卓越したマンドリンの演奏を絡め合わせたご機嫌な曲です。結成より5年近くたったバンドならではのアグレッシヴな乗りとアドリブ性が充実している事が、この曲から読み取れます。
6曲目"I Don't Know Why"(3:06) ロック"ン" ロールのリズムに少しポップさを加えた軽めアメリカのバンドらしい乗りとギターのサウンドで聴かせる曲です。
7曲目"Winterness"(3:03) POUSETTE-DART BANDのサウンドの魅力には明るく爽やかな単純明快なサウンドを持っている一方に、非常にダークさと言うかクールさとを言えばよいのか、この曲のように複雑に凝ったメロディ・ラインにジャジーなフレイヴァーを持った曲が存在するのです。
8曲目"Who's That Knockin'"(2:54) JOHN・CURTISの奏でるバンジョーのサウンドを前面に出した南部色の濃い曲です。間奏では美しいアコースティック・ギターの音色とさらに美しいハーモニーが挟み込まれています。
9曲目Listen To The Spirit"(3:30) ヘビーな響きを効かせた南部色の濃い曲です。バンジョーのサウンドとギターの奏でるサウンドをかき分けるように演奏するJONの力強さを感じさせるアメリカン・ルーツ・サウンド・ロックです。後のライヴ演奏の冒頭で、JONが父のことについて書いた曲と紹介されていました。
10曲目"Yaicha"(2:00) このアルバムの最大の魅力は、この曲でありJONの代表作でもあります。2分ちょうどのこのJONの非常に美しいメロディと彼の美しく優しい響きによるアコースティック・ナンバーです。オープンCチューニングされたJONとJOHN・CURTISのメロディアスなギターのサウンドにJOHN・TROYとJONとの美しいハーモニーによる名曲です。JON自身のこの曲についての解説によると昔、出入りしていたライヴを行っている小さなクラブで仕事していたオランダ人女性の子供の名前が「Yaicha」で、ライブの合間に良く一緒に遊んでいた事を歌にしたらしい。また、JONのH.P.のチャット欄(残念ながら閉鎖されてしまいましたが)に 子供の頃に両親より子守歌として聴かせてもらっていた子供が、今、大人になってこの曲についてお礼の書き込みしている微笑ましい出来事にこちらもつい嬉しくなってきます。
歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:30分08秒 (デビュー・アルバムとこの2枚目のアルバムは、ベスト盤として '94年にCD化されましたが、現在は、残念ながら再リリースされず廃盤のようです。'10年4月JONのLittle Big Deal Recordsよりベスト盤が再発売されたようです)'10年4月9日再更新
1977年度ベスト5


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写真  POUSETTE-DART BAND / Never Enough /
 Pousette-Dart Band 3
 ・1979 Capitol USA
 ・2000 Magic Records France    3930006

JON・POUSETTE−DARTの若々しいヴォーカルが蘇ります・・・

このアルバムは、'79年リリースのPOUSETTE-DART BANDの4枚目のアルバムのCD化再発売盤です。11曲目〜19曲は、リマスターCD化によるPOUSETTE-DART BAND 3(彼らの3枚目 '79年リリース)を1枚のCDにカップリングした物で、'05年7月5日フランスからのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JON・POUSETTE-DART:ヴォーカル/ギター/スライド・ギター、JOHN・TROY:ヴォーカル/ベース、JOHN・CURTIS:ヴォーカル/ギター、MICHAEL・DAWN:ドラム/パーカッション/ヴォーカルの他、PAUL・HARRIS:キーボード、JOHN・CURTIS:ヴォーカル/ギター、CHUCK・CHAPLIN:キーボード、SHANE・KEISTER:キーボード、JOE・LALA:パーカッション、FARRELL・MORRIS:パーカッション、TIM・WEISBERG:フルート、BILLY・PUETT:フルート/ホーン、BILL・JONES:フルート/ホーン/ストリング・アレンジ、GEORGE・TIDWELL:ホーン、JAMES・SKIPPER:ホーン、DENNIS・GOOD:ホーン、SHELLY・KURLAND:ストリングス、SANCHEZ・HARLEY:ストリング・アレンジのナッシヴィルのミュージシャンが多く参加しています。

1曲目"Never Enough"(3:37) スライド・ギターが爽やかでポップな曲にハーモニーも美しい。当時のウエストコーストのバンドに通ずる楽曲で外部(CIPOLLA/LANE)に作詞作曲を委ねたからでしょうか。
2曲目"Silver Stars"(3:31) 数本のギターによるトロピカルなサウンドのインストゥルメンタルでTIM・WEISBERGが相変わらず爽やかなフルートで参加しています。
3曲目"For Love"(2:41) DAVID・FINNERTYの曲で、ベースとドラム力強いリズムのJONのヴォーカルが爽やかなパワー・ポップ。
4曲目"Cold Outside"(3:40) エッジの効いた硬質のギター・サウンドが左右に振り分けて録音されたフュージョン風の乗りの良い曲です。
5曲目"Hallelujah, I'm A Bum"(2:54) トラディショナル曲をレゲエ風にアレンジしスライド・ギターを加え一味違ったワイルドに仕上げています。
6曲目"Long Legs"(3:55) お遊び的に収録した感じの曲です。JOHN・TROYベースのサウンドが効いたストレートなロックでJONのギターソロが堪能できます。
7曲目"The Loving One"(3:46) メロウなリズムのスローなバラードの巧みに取り入れられたスカのリズムが素晴らしい。JONの作る曲は時々"ハット"するような非常に素晴らしい曲が有ります。素晴らしいキーボードの音色は、PAUL・HARRISかな。
8曲目"We Never Give Up"(3:29) ストリングスを大胆に取り入れたスケール感のある曲です。
9曲目"Cheated"(3:17) 低く唸るベースのリズムと加工されたJONのヴォーカルとスライド・ギターが聴きものです。
10曲目"Gotta Get Far Away"(3:47) ファンキーなリズムとJONのヴォーカルと全員によるバックでのコーラスが圧巻です。

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写真

 ・1978 Capitol USA POUSETTE-DART BAND / Pousette-Dart Band 3

このアルバムからドラムがKENNETH・BUTTREYから若手MICHAEL・DAWNに交代しています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、POUSETTE-DART BANDの4人の他、NORMAN・PRIDE:パーカッション、HANK・MEDRESS:サンドペイパーブロック/プロデュース、STAN・SCHWARTZ:キーボード、DAVID・LASLEY:バック・ヴォーカル、ARNOLD・McCULLER:バック・ヴォーカル、DAVE・APPELL:ストリングス/プロデュースのN.Y.で活躍しているミュージシャン達が参加しています。

11曲目"Next To You"(4:25) オープニングから美しいギター・サウンドとハーモニーの曲です。ウエストコーストの雰囲気のする曲です。(JON自身はN.Y.の生まれですが、バンド自体はカリフォルニアで結成され活動拠点はナッシュヴィルでした)
12曲目"Stand By Me"(3:40) ご存知、BEN・E・KING '61年のヒット曲です。非常に綺麗で丁寧なアレンジとなっています。JOHN・CURTISのマンドリンによる間奏が聴き物です。
13曲目"Love Is My Belief"(4:55) 特徴的なギター・サウンドと爽やかなグルーヴ感が心地良い曲で重厚なコーラスが圧巻です。
14曲目"I Stayed Away Too Long"(3:56) DON・COVAY '72年の作でファンキーなリズムのTHE DOOBIE BROTHERS風の曲です。ヴォーカルは JOHN・TROYです。(サンプル音源は、'77年頃のライヴ収録となっています)
15曲目"Where Are You Going"(2:33) アコースティック・ギター1本によるJONの美しくセンチメンタルな歌声による弾き語りです。
16曲目"Louisiana"(6:08) ダークなイメージのイントロでのギター・サウンドとドライブするスライドギターが絡み合う渋い曲で、今のJON・POUSETTE-DARATに脈々と通じる楽曲です。
17曲目"Too Blue To Be True"(3:44) ポップなリズムでのロックンロールで様々なギタープレイが堪能出来る曲となっています。
18曲目"Mr.Saturday Night"(4:50) JONのスポーケンと歌声を織り交ぜた曲でスローなリズムのコーラスが美しく添えられています。
19曲目"Lord's Song"(5:05) JONの美しいアコースティックサウンドから次第に鋭いギター・サウンドに変化する曲でとてもJONらしい繊細さと力強さを合わせ持つ曲です。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 フランス製 (輸入盤) 収録時間:74分02秒 (バンドならでは乗りの良さと素晴らしい演奏を堪能できる盤となっています。尚、このアルバムはJONの本国からのリリースではなく、フランスからのコンピレーション・リリースに興味津々です)'10年3月9日再更新


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写真  PSYCHIC POPPIES / Psychic Poppies LP
 ・2024 Tongue Bath Records    

どことなくブリット・ロック/ポップ・・・

このアルバムは、オレゴン州サーレムで活躍しているオルタナティヴ/インディ・ポップ・バンドPSYCHIC POPPIESのデビュー・アルバムです。iTunesでは、'24年7月19日にダウンロード・リリースされていましたが、Bandcampでのダウンロード・リリースは、'25年2月20日となっています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、 CHRIS・MAXIE:ギター/ヴォーカル、DANI・GENTRY:ドラム/ヴォーカル/プロデュース、CAMERON・ROCHE:ベース/ギターの3人のようです。

1曲目"Broadcast No. 1"(2:30) ゆったりと奏でられるシンセサイズド・ギターの枯れた音色と訥々と歌うCHRISかDANIの歌声が優しく響く曲です。シンプルな曲の前半から後半の盛り上がりが心地好いのです。歌詞の最後の一節に「Don’t let the bastards get you down:クソ野郎どもに負けるな」が印象的ですね。
2曲目"Something Holy"(4:27) '24年の7月5日にシングル曲先行ダウンロードされている曲です。前の曲のアウトロとこの曲のイントロが一緒になったアレンジによるちょい聴きではブリット・ポップ/ロックな感じの曲です。バックに女性ヴォーカルが入っているように感じるちょっと鬱積したあの80年代のイギリスのバンドのサウンドと言えば分かるかな?
3曲目"Decay"(3:42) この曲もサウンドの雰囲気がブリット・ロックな印象があります。グランジ/パンク/サイケデリック感を程よく織り交ぜた流れに「ちょっと意味不明な」シュールな歌詞を綴っています。
4曲目"Power"(3:32) ギターのサウンドをふんだんに使ったこの曲もドリーム・ポップなサウンドが響きますが、「権力に虐げられた人々の妄想」をテーマにしているようです。
5曲目"Love is"(3:29) 重く響くベース・ギターの弦の響きと軽く小脇に抱えた12弦ギターの小気味よいサウンドがイントロから響く曲です。この曲もどことなくイギリスのミュージシャンの曲の感じがするのですが。この曲では定番的に「恋心」がテーマになっています。
6曲目"Burning Blue"(3:47) イントロからハーモニーで歌いながら登場するテキサス・ミュージシャン風の曲です。スライド・ギターの音色をさらっと使いキンキンになるギターのソリッド・トーンが綺麗ですね。やはり「南部の生活の熱さ」を曲で表現したのでしょうか?
7曲目"Riverflow"(2:38) アコースティック・ギターの音色を中心としたギター・ポップ・バンドな曲です。曲の流れによりエレキとアコースティックと使い分け「自然の流れ」をテーマした短い歌詞を歌っています。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:24分05秒 (Bandcampで時々あることなのですが、新作紹介コーナーにて他サイトにて既にリリース済みが登場するのです)'25年2月25日更新


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写真  PURE BATHING CULTURE / Moon Tides
 ・2013 PARTISAN RECORDS LLC    PTKF2107-2

穏やかな歌声とギターの音色の流れ・・・

このアルバムは、オレゴン州ポートランドで活躍しているドリーム・ポップ・デュオPURE BATHING CULTUREの '13年8月20日に本国でリリースされた2枚目(デビュー盤は、セルフタイトルEP盤)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SARAH・VERSPRILLE:ヴォーカル/キーボード、DANIEL・HINDMAN:ギター/ベース/シンセサイザー・ベース/ドラム・プログラミング/キーボードの他、RICHARD・SWIFT:パーカッション/キーボード/ドラム・プログラミング/プロデュースの少人数での収録です。
尚、プロデュースは、WILCOのツアーサポートやTHE MYNABIRDS(LAURA・BURHENN)のアルバムを手掛け、今作にゲストとして参加しているRICHARD・SWIFTが担当しています。

1曲目"Pendulum"(3:57) 楽しげに奏でられるDANIEL のギターのサウンドに包まれ、これまた楽しげに歌うSARAHのピュアの歌声が心地好く響く曲です。ちょっとイギリスで活躍しているLAURA・GROVESに雰囲気が似ているかな。
2曲目"Dream The Dare"(4:15) この曲もDANIEL のギターのサウンドが一杯広がる曲です。その残響音に80年代のブリティシュ・バンドの雰囲気を感じるノスタルジックさは彼の音楽ルーツの成せる業でしょうか。
3曲目"Ever Greener"(4:18) イノセントさをたっぷり感じさせるSARAHの歌声に聴き入る曲です。特に高域で聴き入る者を魅了するその歌声の素晴らしさは、どう表現したら良いのでしょう。
4曲目"Twins"(4:03) 今度はアコースティック色をすこし強くして来た曲です。キーボード、ギターとベースのサウンドの折り重ね方が非常に美しく感じながら響いて来ます。
5曲目"Only Lonely Lovers"(3:06) ドラムのビートが特徴的な鼓動を聴かせるポリネシア音楽の影響を感じさせる曲です。でもDANIELの奏でるリッケンバッカー(多分)12弦ギターのサウンドが非常に硬質にしたブリティシュさを持っています。
6曲目"Scotty"(4:06) この曲もイントロから美しいメロディを聴かせる曲です。穏やかな調べの流れと共に一歩奥に位置したSARAHの歌声の広がり方やDANIELのギターの響きが非常に美しいのです。尚、この曲のメロディと歌詞の一部にはロック・シンガーBENNY・MARDONES '80年のヒット"Into The Night" が使用されています。
7曲目"Seven To One"(3:42) DANIELのギターの爪弾きが美しく奏でられる聴易さを感じさせる曲です。余談ですが他のバンドに在籍していたDANIELはブルースぽいギターを奏でていたのには驚きです。
8曲目"Golden Girl"(4:31) この曲は、非常に打撃音を重視した収録を感じる曲です。オープニングのイントロ1音からヘビーなシンセザイザー・ベースを使い、穏やかなリズムの流れでも深みを持たせた刻みを強く感じます。
9曲目"Temples Of The Moon"(5:20) 鳴り響くドラム・マシーンによるリズムの流れに被せたアイルランド音楽風なSARAHの神秘的な美しい歌声が印象的な曲です。そう言えばこの淡々としたリズムの流れなどアイリッシュダンスの音楽にも通じるところがあるかも。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:37分18秒 (そう言えば最近、この手の女性ヴォーカルにバックでギターが「ボロロ〜ン」って曲/バンドを聴いていますネ!)'15年4月9日更新


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写真  PURE BATHING CULTURE / Pray For Rain
 ・2015 Memphis Industries    MI0371CD

囁くギターの音色と揺らぐ歌声・・・

このアルバムは、オレゴン州ポートランドで活躍しているドリーム・ポップ・デュオPURE BATHING CULTURE の '15年10月23日に本国でリリースされた3枚目(デビューのセルフタイトルEP盤を含む)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SARAH・VERSPRILLE:ヴォーカル、DANIEL・HINDMAN:ギター/ベース/シンセサイザー・ベース/キーボード/ドラム・マシーンの他、ZACHARY・TILLMAN:ベース/パーカッション、BRIAN・WRIGHT:ドラム/パーカッションの少人数での収録です。
尚、プロデュースは、ST.VINCENTやTHE THERMALSのアルバムなどを手掛けたJOHN・CONGLETONが担当しています。

1曲目"The Tower"(4:59) 重く響くベース・シンセサイザーの音色と落ち着いたドラムのビートが流れる曲です。曲が終わった後も暫くSARAHの揺らぐ独特の歌声が耳に残ります。
2曲目"Pray For Rain"(3:45) このアルバムから最初に紹介されているダンス・ビートの曲です。変調と言うからスピードを落とした違和感を残させるアレンジを配した癖があります。また、ちょっと意味が良く分からないビデオも制作されています。
3曲目"Palest Pearl"(4:08) ポップなリズムの流れを電子ドラムとキーボードで奏でるお気軽な曲です。前作までのDANIELのギターの音色を大半の曲に取り入れたところから少し方向を変えたエレクトロニカ・サウンドを感じます。
4曲目"Clover"(4:53) 歪ませたフロア・ドラムのビートと電子ピアノのサンドが印象的な曲です。途中より海中で響いているようなエコー・サウンドは非常にPURE BATHING CULTUREらしさのではないでしょうか。
5曲目"Daring, Save Us"(2:51) 打ち込みのビートを模範にし、ささっとSARAHとDANIELが作曲したと感じさせるシンプルさ感じる曲です。DANIELの奏でるギターのサウンドに合わせ歌うSARAHです。後半よりコーラス、ドラム、ベースも加え盛り上がりを聴かせます。
6曲目"Singer"(4:36) ゆったりと流れるリズムに乗せSARAHが"歌手" である事と新生PURE BATHING CULTUREのバンド自身を歌詞にした曲です。このゆったり感は、前作同様の曲の流れを強く感じます。
7曲目"She Shakes"(2:54) DANIELのギターの爪弾きが美しく全面に出て来た曲です。やはりこのDANIELのギターの爪弾きは非常に魅力を感じます。当然ながらSARAHの美しい歌声とセルフによるコーラス・アレンジも凝っていますね。
8曲目"Maximilian's Ring"(4:10) 多分、曲名となっているマキシミリアンの指輪は、ドイツ皇帝アークデューク・マキシミリアンとブルボン王国の王女マリーとの結婚に用いられた世界最古のダイアモンド結婚指の事でしょう。この曲もDANIELの蒼みのあるギターの調べ非常に素晴らしく響きます。
9曲目"I Trace Your Symbol"(4:48) 囁くDANIELのギターのサウンドと揺らぐSARAHの歌声が見事に調和したこれぞPURE BATHING CULTUREらしいサウンドを繰り広げる曲です。清楚で奥ゆかしいZACHARY・TILLMANのベースの調べと正確無比なBRIAN・WRIGHTのドラムのビートに支えられてこの曲が成り立っている事を実感します。
10曲目"In The Night, In The Peaceful Night"(4:33) DANIELがギター・トーンをぐっとムード的に変えて来た渋めのスロ−な曲です。普段からピュアなトーンを感じさせるDANIELのギターですが、この曲の彼のギターは非常に綺麗に鳴り響いています。
全10曲歌詞付 ライナー付 デジパック仕様 UK盤 (輸入盤) 収録時間:41分37秒 (プロデューサーの関係からか前作より電子サウンドが多用されていますが、アルバム後半からの流れは前作に近い印象を感じさせます!)'15年11月7日更新


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写真  PURE BATHING CULTURE / Night Pass
 ・2019 Infinite Companion    INC-002

炸裂したDANIELのギター・・・

このアルバムは、オレゴン州ポートランドで活躍しているドリーム・ポップ・デュオPURE BATHING CULTUREの '19年4月26日に本国でリリースされた4枚目('18年のTHE BLUE NILEのカバーアルバムは含まない)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SARAH・VERSPRILLE:ヴォーカル、DANIEL・HINDMAN:ギター/キーボード/ベース/シンセサイザー・ベース/ドラム・マシーン/パーカッションの他、JUSTIN・CHASE:キーボード、BRIAN・WRIGHT:ドラムの少人数での収録です。
尚、プロデュースは、BETH・ORTON、R.E.M.のアルバムなどを手掛けたTUCKER・MARTINEが担当しています。

1曲目"Thin Growing Thing"(4:00) 前作から3年半ぶりに聴くSARAHの揺らぎを持った歌声とそのバックに控えるDANIELのピュアトーンのギターのサウンドが心地好い曲です。相変わらずPURE BATHING CULTUREらしい穏やかな流れを感じます。
2曲目"Devotion"(3:15) この曲では前作までの流れから一転してDANILEのギターが炸裂しています。ギターの速弾きと前に前へとギターが攻めて来るのです。
アルバムのリリースの数か月前からビデオとして紹介されています。
3曲目"Veil"(4:01) ディレイを使ったギターの調べと時折響くシタール風エフェクトな飾られたスローなテンポの曲です。打ち鳴らされるドラムのビートと残響音による調べに包まれます。
4曲目"Black Starling"(3:48) 軽めのリズムと覚え易いメロディによるお気軽さを感じる曲です。SARAHの芯のある歌声ともにBRIAN・WRIGHTの正確なドラムのビートが刻まれています。
5曲目"Ad Victoriam"(3:49) これぞPURE BATHING CULTUREの曲って感じがする曲です。少し籠らせたSARAHの歌声のバックに寄り添うDANIELの非常に凝ったギター・ワークにBRIANの派手さ感じないドラムのビートですが、SARAHが非常に歌いやすいビートを作りだしていると感じます。
6曲目"All Night"(3:11) アップテンポによる乗りの好いこのアルバムのタイトル曲です。やはりこの曲の乗りの好さならでの為、このアルバムからのビデオ第2弾となっています。
7曲目"Moonrise"(4:21) この曲のDANIELのギターに痺れさせられましたね。SARAHの歌声の掛け合いにDANIELのギター・サウンドが非常に溢れています。
8曲目"Remember"(3:43) 重く響くシンセ・ベースのサウンドとDANIELの金属を削るようなギター・サウンドが印象に残る曲です。SARAHの大きくブレスしながら歌う様もこのPURE BATHING CULTUREの特徴の一つですね。
9曲目"Joyous Lake"(4:44) SARAHがゆったりと溜めを取って歌うカテドラルの中で収録されたような感じの曲です。曲のタイトルである"Joyous Lake" はジャズ・ギタリストPAT・MARTINO '76年のアルバムのタイトルですが、この曲に何か引用されているか不明です。
10曲目"Violet A Voyager"(4:41) シンセサイザーの響きとDANIELの心地好いギターの刻み音がイントロから響く曲です。この曲の感じは過去のアルバム特に2枚目のシンプルな響きを持った調べを感じます。
歌詞無し 2折紙ジャケット仕様 (CD-輸入盤) 収録時間:39分36秒 (前作までCDが国内でも流通していたのですが、今作はLP盤:アナログ盤のみ輸入されています)'19年5月30日更新
2019年度ベスト5


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写真  PURE BATHING CULTURE / Roxi's Dream Pt. 1
 ・2023 Pure Bathing Culture    

ロキシーとネロリの物語・・・

このアルバムは、オレゴン州ポートランドで活躍しているドリーム・ポップ・デュオPURE BATHING CULTUREの '23年7月12日に本国でリリースされた7枚目('18年のTHE BLUE NILEのカバーアルバムは含まない、4曲EP盤を含む)のアルバム(4曲EP盤)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SARAH・VERSPRILLE:ヴォーカル、DANIEL・HINDMAN:ギター/キーボード/シンセサイザー・ベース/ドラム・プログラミング/パーカッションのPURE BATHING CULTUREの2人です。
尚、このアルバムのコンセプトとして「ロキシーとネロリの物語」をこれから描こうとした長期シリーズの第1話とのことです。

1曲目"In Gardens Under Evergreen"(4:53) ネロリからロキシーに対する想いを描いた曲となっています。幻想的なイントロを過ぎSARAHのいつもの歌声とバックを支えるDANIELのドリーミーなギター・サウンドは、相変わらずって言うことですね。
2曲目"City Of Mirrors"(5:22) 今度は、ちょっとテンポを上げて来たポップな曲です。エコーを効かせたSARAHの歌声と小刻みに奏でられるDANIELの楽しさ溢れるギター・サウンドが舞い上がります。
3曲目"Neroli Blue"(5:09) 丁寧に奏でられるDANIELのギターの音色とこれまたSARAHがロキシーとネロリの世界観を切ない想いを込めて歌い上げます。
4曲目"Treasure Pleasure Wonder Gem"(4:50) スローなリズムに乗せ重い響きが広がるシンセ・ベースが厳かを与える曲です。ちょっと教会での讃美歌の雰囲気を醸し出しているような感じもします。
歌詞無しダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:20分14秒 (実は、このEP盤ダウンロード購入したままフォルダーに眠っていました。次作を購入して存在を確認!)'23年12月14日更新


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写真  PURE BATHING CULTURE / Chalice
 ・2023 Pure Bathing Culture    

収録は2人だけで・・・

このアルバムは、オレゴン州ポートランドで活躍しているドリーム・ポップ・デュオPURE BATHING CULTUREの '23年11月10日に本国でリリースされた8枚目('18年のTHE BLUE NILEのカバーアルバムは含まない、4曲EP盤は含む)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、詳しいクレジットの記載な無いのですが、SARAH・VERSPRILLE:ヴォーカル/プロデュース、DANIEL・HINDMAN:ギター/シンセサイザー/メロトロン/ベース/ドラム・マシーン/ドラム/パーカッション/プロデュースのPURE BATHING CULTUREの2人のようです。
尚、プロデュースは、先の2人に加え前作でキーボードにて参加したJUSTIN・CHASEと共同となっています。

1曲目"The Heron"(2:42) 少しLo-HiにしたSARAHの歌声とDANIELの相変わらず揺らぎを持ったギターの音色が広がるPURE BATHING CULTUREらしい曲です。今回は、奥行き感と籠らし感をアレンジしたところが印象的です。
2曲目"The River"(4:48) この曲のギターのサウンドとSARAHの小刻みに歌う歌声から一発でPURE BATHING CULTUREの曲と分かる感じの和やかさを感じる曲です。アルバムのリリースの前からビデオが紹介されています。
3曲目"The Sun"(3:19) 今度は、アコースティック・ギターを使ってのポップさを強調した曲です。この曲もアルバムのリリースの前から歌詞を掲載したビデオが紹介されています。
4曲目"The Memento"(3:55) イントロから騒めきを感じさせるDANIELのドラムのビートとギターの音色から攻め立てる曲です。この曲もアルバムのリリースの前からジャケ写真を使ったビデオが紹介されています。
5曲目"The New World"(4:13) 今度は、ビートとサウンドを強めて来た冒険映画のサウンド・トラック感のある曲です。ドラマチックなドラム/パーカッションのリズムとピュアなDANIELのギター・サウンドが相まって躍動感を伝えます。
6曲目"The Fountain"(3:31) この曲もイントロからぐっいと掴まれる感のある曲です。う打ち放すドラムのビートとSARAHの妖艶さを増した纏わり付く歌声が耳の中へ侵入して来ます。
7曲目"The Child"(4:16) この曲もイントロから飛ばして来る曲です。溢れるDANIELのギターのサウンドに合わせとても楽し気に歌うSARAHの歌声が響き渡ります。
8曲目"The Lovers"(5:15) ちょっとイントロを聴いたところで '13年の"Scotty" を思い出しましたね。浮遊感漂うサウンドとDANIELのディレイで奏でるギターのふんわりとした流れが好いです。
9曲目"The Houseboat"(4:10) 穏やかなリズムとサウンドの流れによるスローな曲です。SARAHのエフェクト的な歌声とDANIELのギターの爪弾きが雰囲気物として広がります。
10曲目"The Chalice"(3:44) ガラスの質感をシンセサイザーの響きで表現したイントロとDANIELのナイロン弦ギターの音色で流される美しい曲です。中世の吟遊詩人の物語をSARAHが心を込めて歌っている感が伝わります。Chalice=「聖杯」との意味だそうです。「Holy Grail」の方が馴染みあるのですが、違いは時間がある時に調べてみよう。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:39分53秒 (今作は、CDの製作が無いようです。LP盤:アナログ盤のみ)'23年11月12日更新


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写真  QUEBEC ANTIQUE / The Abbey Tapes
 ・2009 Quebec Antique    8 84501 08812 1

カナダの雄大さとイギリスの粋なサウンド・・・

このアルバムは、テキサス州オースティンでインディペンデントとして活躍しているQUEBEC ANTIQUEの '09年1月25日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
QUEBEC ANTIQUEのメンバーは、カナダ出身のMICHAEL・BLAKE:ヴォーカル/ピアノ/ギター/アコーディオン/バンジョーとイギリス出身のANDY・DOLLERSON:ヴォーカル/キーボード/トランペット/ドラム・プログラミングのユニットです。
このアルバムに参加しているミュージシャンは、MICHAELとANDYの他、カナダ出身のシンガーRACHEL・MILBAUER:バック・ヴォーカルが参加しています。
尚、このQUEBEC ANTIQUEは、オースティンをメインとして活動していますが、最近のプロフィールによるとオレゴン州とイギリスも記載されています。

1曲目"Sleep"(5:22) 山間に流れる清流の神聖さやその響きに似た心地好さが堪らないピアノの響きがイントロから流れるアンビエント/エレクトロニカ/ポップな曲です。MICHAELとANDYの2人の美しいハーモニーが繊細な調べに乗せられて届くのです。
2曲目"Right As Rain"(5:13) ナイロン弦ギターの調べに時折施されるS.E.的のサウンド処理がギミックな浮遊感漂うリズムとメロディの曲です。ドラム"ン" ベースによるサウンドとスローな流れとを交互に聴かせるアレンジとなっています。
3曲目"10,000 Chances"(3:39) 古びたギターの調べにエレクトロニカのサウンドを雰囲気的に加えたスローな流れの曲です。アコースティックなサウンドと2人のヴォーカル・スタイルだけ聴いているとノルウェーのKING OF CONVENIENCEの持ち味を感じます。
4曲目"Almost Had You"(4:00) ANDYのヴォーカル曲登場です。アコースティック・ギターのサウンドを基調とした心地好い調べにアコーディオンのシンプルなサウンドに美しいハーモニーを聴かせるRACHEL・MILBAUERの歌声も美しいのです。
5曲目"The Sounds"(4:42) ドラム"ン" ベースと処理されたヴォーカル・パートの歌声による今日的なエレクトロニカ/ボサ・ノヴァの質感の曲でしょうか。曲の後半はバンジョー、アコーディオンなどのオーガニック・サウンドによるアレンジでバランスを保っています。
6曲目"365"(4:35) 前の曲のアウトロ部と曲間をつないで収録させたアンビエント/ヒーリング系の曲です。ゆったり歌うANDYの繊細な歌声に荘厳なバックのサウンドが広がって行きます。
7曲目"Stars"(4:08) 一転して打ち込みとサウンドにエッジ感を持たせたエレクトロニカ・ポップな曲の登場です。エモーショナルなドラム"ン" ベースのサウンドで展開させる調べが押し寄せます。
8曲目"Escape"(4:45) ピアノの弾き語りを導入部に配したANDYのヴォーカル曲です。曲が進むに連れドラム"ン" ベースのサウンドにシンセサイザーの荘厳なサウンドで繰り広げられるパートが心地好く流れて来ます。
9曲目"A Little On The Inside"(3:41) サウンドトラックの効果音のようなイントロのサウンドとバックのパーカッションのリズムからエキゾチックな雰囲気も感じさせる曲の登場です。ANDYとMICHAELの2人が自慢のサンプル・パーツを持ち寄って作り上げた感のあるサウンドのようです。
10曲目"Montreal"(5:42) フランス語のフレーズが流れるサンプル音源とループによるアンビエント/ヒーリング系の曲です。唯一ANDYとMICHAELのヴォーカルが収録されていないインストゥルメンタルになっています。
11曲目"Under White Roofs"(4:33) 柔らかい調べを発するキーボードの調べによるMICHAEL?のヴォーカル曲でしょうか。心地好いリズムの流れに美しいギター・サウンドが響くスローなこのセレナーデでアルバムは、閉じられます。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:50分25秒 (出身地と音楽経験の違う2人の音楽性の絶妙なバランスを感じさせるアルバムです。ひと言で言えば、カナダの雄大さとイギリスの粋な趣の融合でしょうか...)'10年3月10日再更新
2009年度ベスト5


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写真  QUIET TAKES / Ahem.
 ・2020 Quiet Takes    

4曲EP盤ですが、魅力たっぷり(笑)・・・

このアルバムは、ミズーリ州カンサス・シティで活躍しているオルタナ系S.S.W.ユニットQUIET TAKESのデビュー・アルバム('18年11月MYRY名義時のAhem.-EP) '20年12月11日に本国での旧盤ジャケ替再リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、QUIET TAKESのSARAH・MAGILL:ヴォーカル/キーボード、DAVID・BENNETT:ギター/ベース/プロデュース、DREW・LITTLE:ドラム/パーカッションの3人です。

1曲目"Problem"(4:00) イントロの枯れたギター・サウンドをちょっと試聴した時に「これだ !」と思わせた曲です。気だるく歌うSARAHの歌声と引き摺り感のあるリズムの流れがこれまた堪りませんね。アルバムのリリースに合わせたビデオもどうぞ。
2曲目"More"(2:59) 今度は、サウンドをポップ調にシフトして来たSARAHのキーボードの弾き語りを基調とした曲です。ダークにしたSARAHの歌声にシンプルなキーボードの演奏が流れています。
3曲目"Don't Make Plans"(4:20) ギターのDAVIDとキーボードのSARAHと共作となっている曲です。前半は、ゆったりと歌うSARAHのエコーの効いた歌声から後半からDAVIDの美しいギターの音色が輝いています。
4曲目"Just Just Just"(3:26) この曲も引き摺り感のあるリズムか心地好い曲です。少しキーを上げて歌うSARAHの優しい歌声と気だるいDREWのドラムのビートとこの曲でも控えめにきらっと光るDAVIDのギターが要となっています。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:14分45秒 (再リリースにより5曲から1曲少なくなって残念なのですが、十分にこのQUIET TAKESの魅力が伝わって来ます !)'21年11月1日更新


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写真  QUIET TAKES / San Fidel
 ・2021 Quiet Takes    

今度は、5曲EP盤です・・・

このアルバムは、ミズーリ州カンサス・シティで活躍しているオルタナ系S.S.W.ユニットQUIET TAKESの2枚目のアルバム(5曲-EP盤)で '21年3月5日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、QUIET TAKESのSARAH・MAGILL:ヴォーカル/キーボード/プロデュース、DAVID・BENNETT:ギター/ベース/プロデュースの他、IAN・THOMPSON:キーボード/シンセサイザー、KYLE・RAUSCH:ドラム、BRYAN・KOEHLER:パーカッションの地元ミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Monastery"(4:04) シンセサイザーのIANが収録に参加したことによってイントロからシンセサイザーの清らかな調べ広がる曲です。SARAHにキーボードの弾き語りから続けて登場するシンプルなスネア・ドラムのビートがSARAHの美しい歌声を際立させています。アルバムのリリースに合わせたビデオもどうぞ。
2曲目"San Fidel"(4:41) このアルバムのタイトル曲です。曲名の「サン・フィデル」は、ニューメキシコ州ルート66沿の人口わずか473人('19年当時)の町です。この曲もアルバムのリリースに合わせたビデオが紹介されています。
3曲目"MBC"(3:26) SARAHの奏でるキーボードの調べと折り重ねられた歌声が心地好く響く曲です。音楽を通しての人との繋がりや感情の移り変わりを歌詞に綴っています。
4曲目"Wanted"(3:30) ゆったりと奏でられるDAVIDのギターとやや気だるさを持ったKYLEのドラムのビートが印象に残る曲です。別れた恋人に向けた内容を語っているようです。
5曲目"Born"(3:55) センチメンタルなメロディとサウンドで繰り広げられる自身のアイデンティティについて歌ったものです。バックでさり気なく奏でられるDAVIDのブルースなギターの音色が渋いですね。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:19分36秒 (前作と一気にまとめ買いしたこのQUIET TAKES、3枚目も11/5にリリースされました !)'21年11月5日更新


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写真  QUIET TAKES / Weekly, Weakly
 ・2021 Quiet Takes    

S.S.W. SARAHの魅力を引き出すDAVIDとの・・・

このアルバムは、ミズーリ州カンサス・シティで活躍しているオルタナ系S.S.W.ユニットQUIET TAKESの3枚目のアルバム(6曲-EP盤)で '21年11月5日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、QUIET TAKESのSARAH・MAGILL:ヴォーカル/キーボード/プロデュース、DAVID・BENNETT:ギター/ベース/パーカッション/プロデュースの他、JARED・BOND:ドラムの地元ミュージシャンが参加しています。

1曲目"Ghosty Was Here"(3:55) この曲もイントロだけをちょっと試聴しただけで、とても引き込まれた曲です。シンセ・ベースの重い響きと凛としたSARAHの歌声とが非常に対照的な印象を与えます。
2曲目"Guess Who Showed Up Again"(3:25) ノスタルジック感を醸し出すイントロのギターとシンプルなドラムのビートが心地好い曲です。ゆったりと歌うSARAHの歌声とバックに重ねられたセルフによる美しいハーモニーについ聴き入ってしまいますね。
3曲目"Still Looking For McDavid"(2:43) サウンドの方向をエレクトロニカ・ポップに移して来た感のする曲ですが歌詞の方は、何処か抽象的で難解な部分を強く感じます。
4曲目"Talking To Album Covers"(2:36) DAVIDの優しく奏でられるギターの爪弾きに合わせてこれまた優しく歌うSARAHの歌声が広がる曲です。シンプルな演奏スタイルを脳裏に浮かび上がらせこの曲を楽しむ事にしましょう。
5曲目"The Worst Compliment"(3:39) 少しサウンドをダークサイドに移して来た世の中の風潮に対する風刺を込めた曲のようです。この曲では、ベースを奏でるDAVIDの旋律がとてもシャープでSARAHのこの曲に込めたメッセージを際立て役割を担っていますね。
6曲目"What I Should Have Said"(3:25) この曲も非常にバックのDAVIDの活躍がギター/ベース演奏が際立っている事を感じさせる曲です。メインのSARAHのヴォーカル/キーボードの演奏や歌詞のメッセージ性を損なう事なく曲全体としてのアレンジをDAVIDが行ったとしたら彼のセンスは、素晴らしいものですね。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:19分43秒 (S.S.W. SARAHの魅力を引き出すDAVIDとの共同作業による渾身の1枚だと思います !)'21年11月7日更新


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写真  QUIET TAKES / Regrets Only
 ・2024 Quiet Takes    

前作の要DAVID・BENNETTが抜けた・・・

このアルバムは、ミズーリ州カンサス・シティで活躍しているオルタナ系S.S.W.ユニットQUIET TAKESの4枚目のアルバム(EP盤を含む)で '24年2月15日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、QUIET TAKESのSARAH・MAGILL:ヴォーカル/キーボード/ドラム・プログラミングの他、ZACH・HANSON:ギター/ベース/ピアノ/ルーピールー/ドラム/パーカッション/プロデュースの他、BEN・LESTER:ペダル・スティール・ギター、JEREMY・BOETTCHER:アップライト・ベース、S. CAREY:ドラム/バック・ヴォーカル、TIM・SULLIVAN:フルート/サックスのインデペンデント・レーベルでは、大手のJagjaguwarに所属しているミュージシャンも参加しています

1曲目"Invitation"(4:30) このアルバムから最初に紹介(招待)された曲です。柔らかい音を放つSARAHのキーボード調べにこれまた優しい歌声を聴かせるSARAHです。知人に配った招待書をくちゃくちゃにする面白いビデオもどうぞ。
2曲目"Oxbow Shower"(3:22) ライヴ仕立てにした観衆の騒めきを重ねたR&B/ソウルの揺らぎを感じる曲です。クラヴィネット風のサウンドに乗せSARAHとS. CAREY(SEAN・CAREY)の渋めの歌声が広がります。
3曲目"Purebred"(5:01) この曲もクラヴィネット風のサウンドが何処か懐かしさを感じるSTEELY DANの昔の曲を聴いている感覚があります。囁きくように歌うSARAHと対照的に忙しく鳴るS. CAREYのドラムのビートです。
4曲目"Bruise"(4:13) 今度は、スローな曲の登場です。SARAHの優しく奏でられるハモンドとTIM・SULLIVANの滑らかなサックスの調べが心地好く響いて来ます。
5曲目"No One Again"(3:34) 少し拗ねたようにならされるスネアのビートとバックに広がるサウンド・エフェクト的な様々エレメントに聴き入る曲です。S. CAREYのさり気無いバック・ヴォーカルの歌声も好いですね。アルバムのリリースと同時に公開されたビデオもどうぞ。
6曲目"Choose"(4:05) SARAHのキーボードによる弾き語り形式の曲です。「ギリシャ神話に登場するシーシュポス」について歌われています。
7曲目"Meri Said"(3:14) シンセ・ベースの重い響きがイントロから流れるチル・ミュージックな曲です。重い響きのサウンドに流れる女性ヴォーカルの歌声とエンディングをスパっと切る感覚は、カナダのYOUNG GALAXYに通じるところがあります。歌詞が掲載されたビデオもどうぞ。
8曲目"Casual Sex"(4:09) この曲もSARAHのキーボードの弾き語り形式による曲です。自身の生活スタイルを赤裸々に歌い、自身を見つめ直すSARAHです。
9曲目"Cornerstone"(3:56) 不協和音を放つ楽器が一つアクセントになった不思議な曲です。若干外れて鳴るサックス/フルート/ハモンドの音色と美しいSARAHのヴォーカルとハーモニーがユニークですね。
10曲目"Rocky"(3:52) センチメンタルな音色が流れるSARAHのキーボードと男性バック・ヴォーカルが入っているように聴こえるのですが、クレジット記載が無いのでSARAHのハーモニーだと思われます。R&Bと宗教音楽が融合した感の曲です。
11曲目"Central Time"(5:02) 何かイントロから期待感と高揚感を伝えるキーボードのリフが印象に残る曲です。間奏で流れるBEN・LESTERのペダル・スティール・ギターの音色が好いですね。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:44分58秒 (今年の始めにリリース予定だったSARAHのフル・トラック・アルバム、前作のDAVID・BENNETTが抜けてどうなるかと思ったのですが、マスタリングエンジニア出身のZACH・HANSONの拘りを放つ新作となりました !)'24年2月18日更新


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写真  RANDY VANWARMER / Sun, Moon And Stars
 ・1996 Victor Entertainment, Inc.    VICP-5784

ハート・ウォームな歌声と優しいメロディは今はもう・・・

このアルバムは、RANDY・VANWARMERの '96年9月21日に国内でリリースされたの9枚目アルバムです。タイトルに[Sun, Moon And Stars]と名付けられ、彼の好きな曲を数曲カバーして収録されています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RANDY・VANWARMER:ヴォーカル/ギター/プロデュースの他、GEORGE・MARINELLI:ギター、SHANE・FONTAYNE:ギター、PARKER・McGEE:ギター/ベース/キーボード/ドラム/パーカッション/プロデュース、BOBBY・HAMILTON:ベース/キーボード/ドラム/パーカッション、BRETT・CARTWRIGHT:ドラム/パーカッション、ADRIENNE・EWING:バック・ヴォーカルのナッシュヴィルのミュージシャン達です。

1曲目"She's Not There"(3:39) ご存知THE ZOMBIESの '65年のヒット曲です。RANDYが10歳の時に聴いていたのでしょうか?
2曲目"I Could Never Impress You"(4:05) スティール・ドラムの音が心地好く、これぞ良質のポップです。
3曲目"Love's Not Letting Go"(4:20) 心に響くバラードです。この曲の歌詞にタイトルの「Sun, Moon And Stars」と歌われています。
4曲目"Miss You Nights"(3:29) CLIFF・RICHARDの '76年のヒット曲で、恋人の居ない夜の寂しさを歌った歌です。
5曲目"I Will Whisper Your Name"(4:02) MICHAEL・JONSONが歌い '88年にヒットさせました。
6曲目"The Air That I Breathe"(4:15) THE HOLLIES '74年のヒット曲です。
7曲目"I'm Not Gonna Take The Blame"(3:38) 彼の曲ではロック風に仕上げています。中々キャッチーなリズムです。
8曲目"Bring It Back"(3:15) アコースティック・ギターが和む雰囲気を醸しだしゴスペル歌手のADRIENNE・EWINGのバック・ヴォーカルが素晴らしい。
9曲目"Anthony's Song"(4:48) 病気で亡くなった彼の友人の事を歌った歌です。その歌っているRANDYも...
10曲目"Sun, Moon & Stars"(3:37) アカペラで歌う彼のハーモニーとアンデスの大地を表現したケーナのサウンドが印象的です。
11曲目"Just When I Needed You Most(Acoustic Version)"(4:00) やはり最後の曲は、これでしょう。彼の澄み切ったハートウォームな歌声でアルバムは幕を閉じます。
全11歌詞/訳詞付 20ページ物ブックレット (国内盤) 収録時間:43分12秒 (故RANDY・VANWARMER氏のご冥福をお祈りします)'10年3月10日再更新


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写真  RAQUEL RODRIGUEZ / Raquel Rodriguez EP
 ・2011 Rqlrod Los Angeles, CA    4 8367149372 0

素晴らしい新人・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍しているR&B/ジャズ・シンガーRAQUEL・RODRIGUEZの '12年1月16日にCD盤として本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RAQUEL・RODRIGUEZ:ヴォーカルの他、JAMEY・ARENT:ギター、JACOB・MANN:キーボード、BERT・GAY:ベース、BEN・ROSE:ドラム、JACK・KOVACS:ギター、DERIK・NELSON:ギター/ピアノ/プロデュース、ANDRIS・MATTSON(MOONCHILD):トランペット/ホーン・アレンジ、MARCUS・PAUL:トランペット、MICHAEL・CZAJA:サックス、TIM・McKAY:サックスのロス・アンゼルスで活躍しているDERIK NELSON BANDやRAQUELの音楽学校に在籍していたミュージシャン達です。

1曲目"Already Beat"(3:05) 半音ずつ音を下げて行くお決まりのSTEELY DAN風のキーボードのサウンドやゴージャスなホーンの音色を聴かせる洒落た曲です。'11年の9月頃にフリー・ダウンロードで配信されていたRAQUELのショールーム的な位置付けによるキャッチーな曲です。
2曲目"Midnight Whispers"(5:50) この曲も '11年の9月頃にフリー・ダウンロードで配信されていた本格的ジャズ・シンガーらしい抜群の歌声とバックの演奏を聴かせる曲です。南カリフォルニア大学内にある音楽学校でジャズの勉強した経歴を生かした歌いぶりとどこか懐かしさ感じさせる古き良き時代のアメリカ音楽を感じさせます。
3曲目"Not My Night"(3:26) R&Bのリズムとサウンドで展開させるソウル・フィーリング溢れる曲です。一昔前のクラヴィネットの音色やファンキーなホーンのサウンドなどやはりレトロ調の響きを感じますが、RAQUELの歌いぶりは、先ごろ他界した女性ソウル・シンガーをターゲットにしているようです。
4曲目"Tell Me Why"(3:27) このアルバムのプロデューサー/ミキサー/マスタリングを担当しているS.S.W.DERIK・NELSONとRAQUELとの共作による曲です。DERIKの得意とするアコースティック・ギターのメランコリックな爪弾きとピアノの調べが流れる曲です。ダークなイメージの中にもエモーショナルな歌声を聴かせるRAQUELとDERIKです。
5曲目"So Bad"(3:25) この曲も非常にオーソドックスなスタイルによるR&Bの曲です。本当この曲も昔からの女性シンガー達が歌い伝えて来た感じがしますね。でも、ライヴなどマイクを握り絞めて目の前で熱く歌われたらもの凄い感じが伝わってくるのでしょうね。
6曲目"18 Clicks"(4:06) ソフトでメロウな調べを聴かせる曲で、サビの部分の流れは、エモーショナルな音の重ね具合に非常に聴き応えを感じます。セルフで収録されたRAQUELの美しいハーモニーも素晴らしいですね。
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ここからは、ダウンロード曲の紹介です。
7曲目"Midnight Whispers(Live)"(4:30) '12年の4月10日に行われた彼女のライヴでの収録曲をダウンロードにて配信されている曲です。先に記した音楽学校の同窓生たち17人編成のビッグ・バンドによるゆったりとした流れによるこの大らかな雰囲気の演奏と彼女の歌声を楽しみましょう。
8曲目"Wildfire (SBTRKT Cover)"(3:51) ロンドンで活躍しているダンス・エレクトロニカ・ユニットSBTRKT(サブトラクト) '11年のヒット曲のカバーです。パーカッションとダブル・ベースの演奏のみによるミニマルにしたシュールな演奏に合わせて歌う生の歌声を高らかに聴かせるRAQUELの熱さを感じます。ところでこの曲の収録は、RAQUELの台所?(笑)
歌詞無し ライナー1枚 CD-R盤 (輸入盤) 収録時間:23分21秒:ダウンロード曲含まず ('11年の夏頃からYouTubeBandCampReverbnationなどで配信されたRAQUEL音楽に早くも本国では話題騒然となっているようです)
'12年7月7日更新
2012年度ベスト5
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写真
(RAQUELに頼んでサイン入として
もらった盤です)


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写真  RAQUEL RODRIGUEZ / Miss Me
 ・2013 RQLROD Records    RQLROD 1001

早くも1年の歳月が流れ・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍しているR&B/ジャズ・シンガーRAQUEL・RODRIGUEZの '13年6月25日にCD盤として本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RAQUEL・RODRIGUEZ:ヴォーカルの他、JAMEY・ARENT:ギター、JACOB・MANN:キーボード、NICK・CAMPBELL:ベース、SAM・BRAWNER:ドラム/プロデュース、TIM・McKAY:サックス、BRANDYN・PHILLIPS:トランペット、ANDRIS・MATTSON(MOONCHILD):トランペットAARON・SERFATY:パーカッションのロス・アンゼルスで活躍しているミュージシャンやRAQUELの音楽学校に在籍していたミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Intro"(1:10) タイトなドラムのビートを流しながらギター、ヴォーカル、トランペットと次第に加えて演奏される曲です。収録の関係でしょうか1分10分程でフェードアウトされて次の曲へと展開されて行きます。
2曲目"Miss Me"(4:21) このアルバムのリリース前に先行シングル曲として2月12日にダウンロード販売曲なっている曲です。この曲でもそのパワフルな歌声を聴かせるRAQUELとそのバンド仲間ギターのJAMEY・ARENTとキーボードのJACOB・MANNの白熱した演奏が目一杯に広がります。
3曲目"Tell Me It's Fine"(4:05) ここに来てスローなバラードの登場です。RAQUELの音楽仲間のラッパーLEE・SHANER、プロデューサーSAM・BRAWNERとRAQUELの3人で書かれています。R&Bの穏やかのリズムの流れに合わせてRAQUELのメロウで美しい歌声が響きます。
4曲目"Don't Owe You A Thing"(4:43) 少しジャズの方向に移して来た曲の登場です。ノスタルジックなサウンドとリズムを持ったビッグ・バンドを従えたような演奏をバックにRAQUELの歌声が輝きますね。
5曲目"Keepin' On"(4:23) メロウなベースの演奏に重ねられたハモンドの調べとホーンの音圧のある響きがお決まりのメンフィス・サウンド風の曲です。60年代からずっと続いているアメリカン音楽の要素を非常に強く感じます
6曲目"Heaven Sent"(4:02) 今度は叩きつけるドラムのビートが印象的なロック色を強めて来た曲です。サビの部分をイントロに置いて曲の流れを加速して展開される乗りの良さを直に感じさせます。
7曲目"Tryin'"(3:55) グッとリズムを抑えて登場するイントロが渋いギターのJAMEY・ARENT、LEE・SHANERとRAQUELの3人で書かれたメロウな雰囲気を醸し出す曲です。各曲について詳しいクレジットが記載されていないのですが、バック・ヴォーカルもJAMEY・ARENTじゃないでしょうか。
8曲目"Come Here"(3:57) このアルバムのリリース前にH.P.で頻繁に流れていたショールーム的なキャッチーなリズムとサウンドを持たせた曲です。前のアルバムのレビューでも書いたと思うのですが、オーソドックスなスタイルによるR&Bの雰囲気を持っています。
9曲目"Fool That You Are"(4:10) 今度は、少し都会的なサウンドとリズムを持ったアーバン・ソウル・ミュージックな曲です。JAMEYの華麗なギターのバッキングに絡むハモンドの調べが本当に最高です。
10曲目"(Baby) It's You"(4:58) R&Bそのものと言えるサウンドとリズムを感じさせる曲の登場です。やはりアメリカの60年代の古き良き時代のサウンドを意識し、ライヴでは、観客らとコーラスに一緒に歌えるような優しいところを感じます。
11曲目"Always"(5:11) ここに来てリズムとサウンドをアップテンポにして来たラテンのエモーショナルを感じさせる曲です。AARON・SERFATYの躍動感たっぷりなパーカッションのビートやゴージャスなホーンの音色が広がって来ます。
12曲目"Already Beat"(3:06) 前作にも収録されていたRAQUEL作詞/作曲による曲のヴォーカル部分とホーン・アレンジ替えをしての再収録曲です。前のアルバムでもRAQUELの一押しの曲となった強力プッシュ曲のオーバー・ダビングによるコーラス部分を省いたライヴ・テイク的な曲調を感じます。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:48分07秒 ('12年のデビューEP盤アルバムのレビューを掲載してから早1年、月日の流れを本当に早く感じますね)'13年7月13日更新
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写真
(予約販売用のサイン入/レター付盤です)


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写真  READYMADE / All The Plans Resting
 ・2005 Where Are My Records    wam018

このような感じのジャケ写真が大好き・・・

このアルバムは、カナダのバンクーバーで活躍している(いた)シューゲイザー/ドリーム・ポップ・バンドREADYMADEの3枚目のアルバムで '05年1月14日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ARCH:ギター/ヴォーカル、DT:ギター、J・GITTES:ベース、KEVIN・HILTS:キーボード、DR.ROBERTS:ドラムのREADYMADEの5人です。
尚、このアルバムをリリースした後のREADYMADEの活動状況は、残念ながら不明です。

1曲目"The Fake But No Finish"(4:02) この曲のイントロが堪らないですね。少し遠いところで響いているギターのサウンドが次第に近づいて来る感じとARCHの籠り気味のヴォーカルとシューゲイザー然としたバンドの成り立ちが伝わって来ます。
2曲目"Nightsky Of Exit Signs"(4:59) スローなリズムと怠惰感を醸し出すARCHの籠った歌声とバックに響くDTの雰囲気物のギターの調べが横切る曲です。簡単には比較出来ないけれどスウェーデンのIMMANU ELも同じような雰囲気持っています。
3曲目"Nov30"(3:27) 今度はアコースティック・ギターの調べによる穏やかな流れの曲です。間奏で広がるウォーム・トーンのギターサウンドと小刻みに叩かれるドラムのビートが印象的です。
4曲目"Brace"(2:22) 12弦ギターを使ったインストゥルメンタルです。カホン風のシンプルなドラムのビートにアドリブ的なキーボードとギターの音が重なり合って響きます。
5曲目"Outlast By Rain"(4:20) ハモンド風のキーボードの調べが厳かに流れるイントロとインターバルを持って流れるギターの調べに合わせ訥々と歌うARCHです。やっぱりこのバンドの最大のスタイルは、ヴォーカルのARCHのセンチメンタルな歌声のようですね。
6曲目"Shorter Breaths"(3:15) ギターの6弦と5弦を弾き低めの音をたっぷり響かせた長閑さを感じさせる曲です。ゆったりと歌うARCHの歌声がこれまた穏やかに響いて来ます。
7曲目"Under The Networks"(3:39) 今度はギターのサウンドを歪ませたテンポを上げて来たシューゲイザーな曲です。非常に籠ったARCHの歌声による歌詞は、歌詞カードを読みながらでないと分からないのです。
8曲目"Donostia"(2:06) アコースティック・ギターによるインストゥルメンタルです。曲名の"Donostia" はスペインとフランスとの国境に近いリゾート地Donostia-San Sebastianのことでしょうか。
9曲目"Hengshan Reeling"(5:23) エコーを効かせたギターの調べとこれまた籠った歌声をARCHが聴かせる曲です。ドリーム・ポップなメロディ流れと小気味よいドラムのビートが心地好く響いて来ます。
10曲目"Rehearsed Disaster"(3:14) 一転して煌びやかな12弦アコースティック・ギターのサウンドで展開される曲です。ストリングス風のキーボードの調べを使ってゴージャスさを盛りつけた雰囲気を感じます。
11曲目"Rememberforget"(5:34) ARCHの歌声に合わせアコースティック・ギターも訥々と奏でられるシンプルさを醸し出した曲です。後半よりテンポを上げて行きながら短い歌詞をリフレインとして流れ去って行きます。
12曲目"Goodbye South Goodbye"(2:09) メランコリックなメロディをキーボードとギターの掛け合いで繰り広げられるインストゥルメンタルです。
13曲目"The Futility Steps"(5:05) ほぼインストゥルメンタルに近い曲です。ギターのトレモノ音を響かせながらの盛り上がりとスローなパートが組合わさりながらアルバムの終焉へと向かう展開です。
10曲歌詞付 写真ライナー カナダ製 (輸入盤) 収録時間:49分40秒 (このような感じのジャケ写真が大好きで、一度聴いてみようと思ったアルバムです)'19年5月25日更新


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写真  REBECCA MARTIN / People Behave Like Ballads
 ・2004 MAXJAZZ    MXJ 119

ニューヨーク・セレナーデ・・・

このアルバムはニューヨークで活躍しているREBECCA・MARTINのソロ名義での3枚目(ライヴ盤プロジェクトは含まず)のアルバムで、'04年8月31日に本国でのリリースです。
このアルバムに参加しているミュージシャンは、REBECCA・MARTIN(ヴォーカル/ギター/マンドリン/プロデュース)の他、BEN・MONDER(ギター)、PETER・RENDE(キーボード/ペダル・スティール/マンドリン/バック・ヴォーカル)、STEVE・CARDENAS(ギター)、BILL・McHENRY(サックス)、MATT・PENMAN(ベース)、DARREN・BECKETT(ドラム)等、やはりニューヨークを中心に活躍しているジャズ・マン達が参加しています。
尚、プロデュースは、ジャズ系のアルバムを多く手掛けているBRIAN・BACCHUSとREBECCAの共同で行われています。

1曲目"Lead Us"(3:47) 変則チューニングされたアコースティック・ギターの調べによるイントロとREBECCAの少し切なさを感じる歌声によるアコースティック系のジャジーなサウンドの曲です。BILLのテナー・サックスのソロも厳かに流れて行きます。
2曲目"Here The Same But Different"(3:27) さらにサウンドをスローにまたスムーズに奏でたニューヨーク・セレナーデ的の曲の登場です。ピアノ・ソロからウォーム・トーンによるギター・ソロのパートは定番的な流れですが、落ち着いた佇まいを感じさせます。この曲でのREBECCAの歌声は誰かの歌声に良く似ているのですが、なかなか思い出せないのです(MARILYN・SCOTTかな?)。
3曲目"These Bones Are Yours Alone"(3:31) アコースティック調のS.S.W.の書く曲調らしい落ち着いたスローな曲です。REBECCAのギターの弾き語りを中心にした収録に加えシンプルな楽器構成でのアレンジです。
4曲目"If Only"(4:24) REBECCAのアコースティック・ギターでのオープン・チューニング・サウンドが幻想的に響く曲です。この曲ではジャズ・スタイルの演奏から少し離れた中近東的アンビエント系のフォーク・ソングに近い曲の雰囲気を感じさせます。
5曲目"I'd Like To Think It's Coming"(4:59) さらにサウンドをシンプルな方向に向かわせたREBECCAのアコースティック・ギターによる弾き語りです。ゆったりとしたリズムに乗せ歌うREBECCAの切ない歌声が響きます。
6曲目"It's Only Love"(3:18) フォーク・スタイルによるアコスティック・サウンドの美しい響きによる曲です。スネアのリム打ちのビートとアコースティック・ギターの残響音とが絡み合いながらゆったりと流れて行きます。
7曲目"When The Rain Comes"(3:30) ブルースの要素も含ませたミドル・テンポによるメランコリックなサウンドの曲です。後半からはBILLのサックスも加わり更に切なさを増すのです。
8曲目"It Won't Be Long"(2:40) この曲もちょっと不思議なギター・コードによる曲で、厳かな雰囲気を持たせたワルツのリズムによる展開もみせます。
9曲目"Learning"(3:26) フル・アコースティック・ギターの爪弾きによるサウンドとゆったりと歌うREBECCAの歌声が流れる曲で、素直のコード進行をわざと避けたコードの組み合わせが幻想的に響きます。'95年にONCE BLUEとしてJESSE・HARRISと共にデビューしたREBECCA、彼女のその後、約10年の歳月の流れからから生まれたことを感じさせる曲です。
10曲目"East Andover"(4:19) この曲は少し牧歌的なトラディショナル・ミュージックのサウンドを感じさせる曲です。ミュート気味のサックスのサウンドと美しいピアノの旋律が心地好く流れます。
11曲目"Old Familiar Song"(4:18) 曲名のイメージ通り懐かしさを感じさせるサウンドとメロディによる曲ですね。この曲を聴きながらふと思います。REBECCAの歌声は、ネスカフェのCMが似合いそうな歌声と言えますね。その様な表現でご理解出来ます...。
12曲目"Lonesome Town"(6:04) メランコリック なサウンドの曲の登場です。REBECCAがギターの弦を弾くサウンドとテナー・サックスの切ない音色がこちらへ届けられて来ます。曲の途中にはこれまた切ないMATTウッド・ベースでのソロが流れます。
13曲目"I'm Not Afraid"(3:02) ロックのサウンド寄りの曲が登場して来ましたね。半音ずつ進行するコード進行が印象的に響きます。この辺りのサウンドは新作への流れに近いものを感じさせます。
14曲目"Gone Like The Season Does"(3:14) 再びメランコリックなメロディとサウンドの曲です。季節の流れをテーマにした歌詞を歌うREBECCAの歌声とニューヨーク・ジャズ・マンの切ないサウンドが流れます。
15曲目"I'm The One"(3:47) 少しサスペンスじみたサウンドが不思議な雰囲気を醸し出す曲です。ギター・コードの流れは懐かしいスパイ映画のテーマ・ソングを思い起こさせます。
16曲目"Play For Me"(2:51) アルバムの最後はREBECCAの弾き語りに近いスローな曲が収録されています。訥々と歌う彼女の歌声と厳かなバックの調べが穏やかに響いています。
全16曲歌詞付 写真ブックレット 3折デジパック仕様 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:60分43秒 (このアルバム・リリース後、暫く音楽活動を休止していたREBECCAですが、'08年の新作発表も間近な8月にはN.Y.でのライヴを再開するそうです)'10年3月10日再更新


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写真  RED RIBBON / Red Ribbon
 ・2024 Danger Collective Records LLC.    DCR-155

EMMAのカリスマ性・・・

このアルバムは、ワシントン州シアトル(ロス・アンゼルスに移ったとの情報も)で活躍しているオルタナティヴ・ロック/ポップS.S.W.RED RIBBON(EMMA・DANNERのプロジェクト)の4枚目のアルバムで '24年11月1日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RED RIBBONのEMMA・DANNER:ヴォーカル/ギター/キーボード/ベースの他、MATT・SCHUESSLER:ベース、KELSEY・HART:ドラム、RANDALL・PATRICK・SCHOWE:ドラム、ADAM・HALFERTY:ドラム、ROB・SCHNAPT:ギター、MONIKA・KHOT:ギター/バック・ヴォーカルの収録地のロス・アンゼルス、ロンドンやカナダのミュージシャンも参加しています。
尚、プロデュースは、ロス・アンゼルスの名門サンセットスタジオに長年勤めていたROB・SCHNAPTが担当し、収録ににもギターで参加しています。

1曲目"YSFP"(4:13) ギターを爪弾きながら行き成り放送禁止用語を使いながら歌う魂からの叫びに似た歌声のEMMAです。曲名を略語にした意味が分かりますね。
2曲目"Underground"(2:00) 今度は、曲調をメルヘンチックな方向へ移して来たネオ・フォーク調の曲です。メロディやサウンドの特徴が、地域が近いせいなのかどことなくカナダのS.S.W.系のミュージシャンの特徴もこの曲から感じられます。
3曲目"My Body Is A Blade"(3:03) 荒らしたギターの音色に疲れたように歌うEMMAの歌声がオルタナティブ感を伝えて来る曲です。EMMAの可愛い顔とは裏腹に結構エクセントリックな部分を垣間見る(聴かせる)強烈なイメージを持った曲でもあります。
4曲目"Like You"(2:46) この曲では、妖艶な歌声を聴かせ聴く者を惹きつけるEMMAです。彼女の奏でるギターのリフにもあるのか陶酔感を味合わせる不思議なリフを文字通り繰り返し怪しく奏でるのです。
5曲目"Reckless Depressed Like This"(2:51) ダークなアシッド感を醸し出す曲です。突き放すように奏でられるキーボードの音色とまるで楽器の演奏を聴かせるEMMAのアドリブな歌いぶりなど聴きところ満載な流れで迫って来ます。
6曲目"Gang Star"(3:17) イントロから響くスライド・ギターの音色からやられた曲です。叩き付けるドラムのビートと低いキーで唸るように歌う「Gang Star」を演出するEMMAです。
7曲目"Angeline"(2:46) 今度は、トイ・ピアノを使ったシンプルなイントロから入る曲です。時折裏返るEMMAの特徴的な歌声とメルヘンチックなキーボードのサウンド群が宙に舞い上がります。
8曲目"Jonas"(4:53) この曲もメランコリックなサウンドとメロディで奏でられる曲です。バックに響く厳かなギターの爪弾きに絡まるエフェクト的なサウンドの流れが染み入ります。
9曲目"Crying My Car"(3:42) イントロ無しで行き成り歌いEMMAが出すメランコリックなナンバーです。引き摺り感を持って叩き付けるドラムのビート合わせセルフで付けた高域のEMMAの歌声がまた切なく響くのです。
歌詞無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:29分37秒 (このアルバムも予約販売からリリースまで長い間待たされたアルバムです。10月後半から11月始めは、新作ラッシュの期間のようで連日音楽を聴き倒しています!)'24年11月3日更新


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写真  REGAN LANE AND BROKENNESS / Icu In Dandylions
 ・2002 BROKENNESS PRODUCTIONS    7 8370 61372 7

アメリカのネット・ラジオで聴いて・・・

ワシントン州でインディペンデントに活躍するREGAN LANE AND BROKENNESSのファースト・アルバムで、'02年11月1日のリリースです。
メンバーのREGAN・BARGER:ヴォーカル/ギター/キーボード/パーカッション/プロデュース、DANE・ESTEPA:ドラム/パーカッション/バック・ヴォーカル、RAY・HARTMAN:ベース/キーボード/バック・ヴォーカル)の他、CHRIS・LUND:ギター、BARRY・TORRENCE:キーボード、DAVE・BURR:キーボード、TODD・ENSMINGER:ループ/スネア・ドラム/プロデュース、JAY・MAYBIN:ハーモニカ、GARY・SHELLHEIMER:コンガ、DAVE・ENSMINGER:バック・ヴォーカルの地元ミュージシャンが参加したアットホーム的なサウンドによる1枚です。

1曲目"Mr.Indecision"(2:36) REGANのホーム・ページでも影響を受けたと紹介されているJOHN・LENNONの曲に非常に近いサウンドの曲です。12弦ギターの非常に美しいサウンドを聴かせているのは、同じくワシントンで活躍するCHRIS・LUNDです。
2曲目"I Feel Bad"(3:41) 歪ませたスライドギターのサウンドと唸るベースのサウンドによる曲でヴォーカル部分にスポーケンを取り入れた曲です。REGANの歌声は、やはり故JOHN・LENNONの歌声に似ていますね。
3曲目"Junkie"(2:46) 美しいハーモニーを聴かせるセンチメンタルなバック・ヴォーカルとメロディのミドル・テンポのナンバーです。間奏のオルガンのサウンドも60〜70年代のブリティッシュ・ペット・サウンドへのオマージュされた感じです。
4曲目"Selfish Sadness"(2:59) REGANの哀愁感漂うブルースです。ローカルのブルース・チャートでヒットしたらしいく素晴らしいメロディの曲です。バックに流れる非常に"渋い" ブルース・ハープは、シアトルの隣町のタコマで活躍するJAY・MAYBINです。
5曲目"Grain Of Sand"(4:03) ギターの掻き鳴らされるサウンド溢れるエモーショナルなリズムに乗せREGANが熱く歌うエモ・ロックです。
6曲目"Never Be The Same"(2:56) この曲は70年代のサンフランシスコを中心としたベイエリアサウンドの雰囲気をもった曲で、同じ西海岸の歌の明るさを強調したロス・アンゼルスのウエストコーストロックよりインテリジェントな曲調と少しひねりをもった曲です。
7曲目"Look At Me"(3:25) 子供達が遊ぶ声をサンプルに挿入したREGANの子供時の情景を歌にした曲でメロディも回顧録的に遊園地のサンプルとセンチメンタルなハーモニーによる曲です。
8曲目"Embrace"(3:46) この曲はベースのメロディアスな旋律とうねりがご機嫌な曲で少しアシッドな雰囲気と歪ませたスライド・ギターのサウンドによる曲です。
9曲目"The Ocean Makes Her Cry(Tara)"(3:45) シンプルなアコースティック・ギターの響きによるイントロから入る曲で後から加わるシタールギターとDANEのドラムのビートによるにご機嫌な曲です。ループを使ったサウンドとエモーショナルなギター・ソロの曲です。
10曲目"The Crutch of Every Fool"(2:58) グランジ・サウンドにファンクなキーボードのサウンドによる曲です。ブルース・ハープは再びJAY・MAYBINです。
11曲目"In A Song"(3:24) ギターのサウンドとドライブ感のあるドラムのビートによるご機嫌な曲です。少し遮の掛かった早口のREGANのヴォーカルでの曲でとコンパクトなギターソロも"渋い" のです。
12曲目"ICU Dandylions"(3:13) REGANの4歳になる娘さんとの会話がヒントになった曲で、アルバムのタイトルにもなっています。アコースティック・ギターのハイコードを使った美しいサウンドと優しいREGANの歌声による心温まる曲で親しみやすいメロディとストリングス風のアレンジも最高です。美しい12弦ギターは、再びCHRIS・LUNDが奏でています。
13曲目"U Won't Believe"(2:41) アコースティック・ギターのサウンドとエレクトリック・ギターの優しい響きのWARM TONEによるビートルズ・ライクな曲でアルバムは幕を閉じます。
歌詞無し ライナー無し 簡易4折デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:42分20秒 (アメリカのネットラジオでお気に入りのバンドの曲が終わった次に流れた"Mr.Indecision" が非常に気に入って購入しました)'10年3月11日再更新


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写真  THE REMBRANDTS / The Rembrandts
 ・1990 ATLANTIC RECORDING CORPORATION    AMCY-238

1曲目はヒットしました・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスを中心に活躍しているDANNY・WILDEとPHIL・SOLEMの2人(元GREAT BUILDINGS)のユニットを中心としたギター・ポップ・バンドTHE REMBRANDTSの記念すべきファースト・アルバムです。 国内でのリリースは、'91年4月25日にされています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PHIL・SOLEM:ヴォーカル/ギター/ベース/キーボード/プロデュース、DANNY・WILDE:ヴォーカル/ギター/ベース/キーボード/パーカッション/プロデュースの他、PAT・MASTELOTTO(MR.MISTER):ドラム/パーカッション、DAVID・ZEMAN:キーボード/アコーディオンの友人達が参加しています。 尚、このアルバムの数曲は、後に他のミュージシャンがカバー曲としてリリースもされています。

1曲目"Just The Way It Is,Baby"(4:08) 全米TOP20まで登りつめました。2人の弾くギターのサウンドが生き生きしており、繰り返して聴きたくなる程の曲です。
2曲目"Save Me"(4:44) イントロが特徴的な曲で「僕を助けて下さい」と歌っています。
3曲目"Someone"(3:49) 2人のハーモニーとアコースティック・ギターの調べが美しい曲となっています。
4曲目"Show Me Your Love"(3:10) アコーディオンをフューチャーした牧歌的なサウンドです。
5曲目"New King"(2:42) エレクトリック・ギターのサウンドを最大限に活かした曲にシャウトするヴォーカルが印象的です。
6曲目"Every Secret Thing"(3:51) イギリスの解散した超大物グループのサウンドに似た曲ハーモニーの付け方とサビのサウンドは特に似ています。
7曲目"If Not For Misery"(3:24) マイナー・コードと間奏でPHILの弾くギターが渋く、ギターコードの展開が興味深い曲です。
8曲目"Moonlight On Mt. Hood"(0:25) 20秒少々の美しいアルペジオによるインストゥルメンタル。
9曲目"Goodnight"(1:27) アコースティック・ギターの音色と非常に美しい2人のハーモニーでの曲です。
10曲目"Burning Timber"(3:33)「僕らは燃え上がる木材」と中々難しい内容の歌詞です。
11曲目"Confidential Information"(3:12) アコースティック・ギターとヴォーカルだけの曲ですが、メリハリのつけ方上手く聞き応えのある曲です。
12曲目"Everyday People"(5:06) 爽やかで躍動感のあるパワーポップで後半のコーラスも素晴らしい。
13曲目"Follow You Down"(4:03) 間奏のエレクトロ/アコースティック・ギターソロが圧巻です。
全13曲歌詞/訳詞付 12ページ物ブックレット (国内盤) 収録時間:43分39秒 (このアルバムが発表された90年代はエレクトロ・ダンス・ポップ全盛期で、このようなシンプルなギター・サウンドの2人の快挙にヒットチャートに無頓着な私まで2人に拍手していました)'10年3月11日再更新


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写真  THE REMBRANDTS / L.P.
 ・1995 Atlantic Recording Corporation    AMCY-884

ワイルドさを増したサウンドを・・・

THE REMBRANDTSは '90年頃に南カリフォルニアで元GREAT BUILDINGSのDANNY・WILDEとPHIL・SOLEM の2人で結成されたギター・デュオです。このアルバムは、彼らの3枚目のアルバムで '95年9月10日、国内でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PAT・MASTELOTTO(ドラム)、JON・NIEFELD(ドラム)、JOHN・PIERCE(ベース)、MICHAEL・RAMOS(キーボード)、BENMONT・TENCH (ハモンド)、MICHAEL・SKLOFF(ハモンド)、PHIL・JONES(パーカッション)、BILLY・PAYNE(ハモンド)、GERI・SUTYAK(チェロ)、JOHN・FIELDS(ウーリッツァーピアノ)のベテラン勢が参加しています。
尚、THE REMBRANDTSは '97年に解散し、DANNYとPHILは、それぞれソロ活動をしていましたが、現在は、THE REMBRANDTS名義で活動を再開しています。

1曲目"End Of The Beginning"(4:28) アルバムのタイトル通りレコード盤に針を落とした時のノイズをイントロに収録した曲です。サウンド的にはN.Z.のCROWDED HOUSEに通じるギターのサウンドをふんだんに使ったアレンジを感じさせます。
2曲目"Easy To Forget"(4:25) 更にギターのサウンドをワイルドに鳴らした曲の登場です。メイン・ヴォーカルはPHILでしょうか。バックでしっかりと鳴っているドラムのビートはPAT・MASTELOTTO(Ex.MR.MISTER)の演奏です。
3曲目"My Own Way"(4:07) THE REMBRANDTSの持つ爽やかさや明るいカリフォルニア・サウンドから少し離れた位置のある曲のようですね。ダークな雰囲気を発するブリティシュ・ハード・ロック・バンドのサウンドと言ったら良いでしょうか。サウンドの流れも少し屈折したようなところを感じます。
4曲目"Don't Hide Your Love"(4:20) 1作目の収録曲のサウンド・スタイルに非常に近いシンプルな曲です。循環コードによるアコースティック・ギターの演奏をベースとして組み立ているようです。
5曲目"Drowning In Your Tears"(4:34) ナイロン弦ギターによるスパニッシュな雰囲気を醸し出したメロディアスな曲です。間奏のギター・ソロと美しいハーモニーが心に残ります。
6曲目"This House Is Not A Home"(3:19) ロック"ン" ロールのサウンドとリズムによるアメリカのバンドが持つ定番的なサウンドの曲です。バックには複数のギターのサウンドを使っての収録のようです。
7曲目"April 29"(4:35) 恋人との待ち合わせの日を歌ったカレンダー・ソングです。この曲もNEIL・FINNの持つサウンド・スタイルに通じる歌詞とメロディを感じさせます。
8曲目"Lovin' Me Insane"(4:01) 再びライヴ受けするロック"ン" ロールのリズムとサウンドによる曲です。この曲でのドラムはJON・NIEFELD(THE MOCKERS)とリズムホーンを入れたファンキーでダンサブルな曲で心変わりする彼女に悩まされる気持ちを歌っています。
9曲目"There Goes Lucy"(3:36) イントロから"ばっちり" のスライド・ギターのサウンドとPATの硬いドラムのビートによるエモ・ギター・サウンドの曲です。浮揚感を与える2人のハーモニーとDANNYのエモーショナルな歌声が響きます。
10曲目"As Long As I Am Breathing"(4:37) 重いドラムのビートが響くゴスペル調の曲です。ハモンドのサウンドに挟まれて響くギター・ソロがご機嫌なのです。
11曲目"Call Me"(4:02) この曲もギターのサウンドがCROWDED HOUSEの持ち味に共通するところを感じます。低いキーから非常に高いキーまで歌い上げているメイン・ヴォーカルは多分DANNYでしょう。
12曲目"Comin' Home"(4:07) スライド・ギターも加えてギターのサウンドが溢れんばかりに収録されたギター・ポップな曲です。ベテラン・セッション・ベーシストJOHN・PIERCEも参加しています。
13曲目"What Will It Take"(4:43) イントロから美しく響く2人のハーモニーが流れるアコースティック調の曲です。リヴァーブの効いたギターのサウンドも心地好く流れています。
14曲目"The Other Side Of Night"(3:59) 心和むトロピカルなサウンドによるミドル・テンポのナンバーです。歪ませたギターのサウンドに乗せ歌うPHILとDANNYのハーモニーも心地好く響きます。
15曲目"I'll Be There For You(The Theme From Friends)"(3:08) ビートルズ・ライクなポップなリズムとメロディの曲です。理屈抜きに明るく爽やかに演奏されています。めずらしくフェンダー12弦ギターのサウンドがアクセントとして使われています。
全15曲歌詞/訳詞付 写真ライナー (国内盤) 収録時間:62分13秒 (たっぷり15曲も収録されたこのTHE REMBRANDTSの3枚目のアルバム、海外ではジャケットを変えて再発もされているようです)'10年3月11日再更新


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写真  REMY SHAND / The Way I Feel
 ・2001 motown records    UICT-1011

モータウン・サウンドを担うネオソウルの新人・・・

カナダ出身のREMY・SHANDのデビュー・アルバムで日本でのリリースは '02年3月6日です。REMYは、学生時代にジャズ・バンドに入りベースを担当していました。後にキーボードも弾くようになり殆どの楽器は一人でこなすマルチ・プレーヤーぶりで彼のベッドルームで作ったデモ・テープが本人の手を離れ大手UNIVERSALまで届き傘下のモータウンからデビューする事になりました。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、REMY・SHAND:ヴォーカル/ギター/ベース/キーボード/シンセサイザー/ビート・ボックス/グロッケンシュピール/サックス/テープ・エコー/パーカッション/プロデュースの他、KEN・GOLD:テナー/バリトン・サックスです。

1曲目"The Way I Feel"(5:01) 乗り良い曲で70年代ソウルシーンをベースとしたアーバン・ソウル(本来は黒人の人が奏でるメロディアスでスムーズな都会的なミュージックの総称で、反対語はブルーアイド・ソウルらしいですが、あえて使い分けしていません!)でスムーズなメロディとメロウな歌声のREMYの魅力を示したナンバーです。
2曲目"Burnin' Bridges"(4:35) ファルセットで歌うイントロによるスローなバラードです。女性バック・ヴォーカルが入っているように思えますがREMYのオーバーダブによる収録です。
3曲目"Everlasting"(4:21) ワウ・ワウを使った懐かしいサウンドの曲でR&Bです。この曲でも女性バック・ヴォーカルが入っているように思えます。オルガンのサウンドとソウルフルなスタイルはやはり70年代ソウルシーンその物って感じで現代の20代の青年が作った曲と関係が興味深いです。
4曲目"The Second One"(4:10) ダンサブルなビートとメロディによるTHE ISLEY BROTHERSを彷彿とさせる曲でREMYが聴いて育ったグループの1つに彼らが挙げられています。
5曲目"The Colour Of Day"(3:35) スローなR&Bです。間奏でREMYがギターソロを聴かせてくれます。オルガンのサウンドもブリテッシュ・ロック・グループも挙って使っていたレズリー・スピーカーのような哀愁のあるサウンドです。
6曲目"Take A Message"(4:03) 乗りの良いリズムとグルーヴ感の曲で間奏でのREMY の弾くクラビネットの音色が良いですね。
7曲目"I Met Your Mercy"(2:43) 一転してメロウでゴージャスなバックコーラスを付けたバラードの登場です。ここでは少しですが、REMYのオクターブ奏法によるギターソロを披露しています。この曲のみバック・ミュージシャンとしてテナーのKEN・GOLDが参加しています。
8曲目"Rocksteady"(3:39) シングル・カットされたキャッチーでメロウなメロディのミドル・テンポの曲です。ミニムーグでしょうかスペース・サウンド的な間奏もキッチリ入っています。やはりレトロ的な雰囲気を大事にしたのかREMYの曲のアレンジはセオリー的でオーソドックスなスタイルを踏襲しています。
9曲目"Liberate"(3:56) 一転してアップテンポなビートの曲でバックで流れるピアノのサウンドがMIKE AND THE MECHANICSのRewiredに収録されている曲でのガーン、ガーンと流れる所が似ているような...
10曲目"Looking Back On Vanity"(5:00) ファンクなサウンドによるクラビネットのイントロによるスローな曲です。バックで流れる女性コーラス風の歌声にはREMYのマルチ・タレントぶりには舌を巻きます。
11曲目"The Mind's Eye"(6:14) この曲はブルージィーでロック色の強い曲でミドル・テンポの"クール" な曲です。前半の2分程度までヴォーカルが入っていますが後半の殆どはインストゥルメンタルで収録されロック/ジャズ/ブルースの様々なスタイルに変化する6分を超える曲です。
12曲目"Ripended & Consumed(bonus track)"(3:29) やはりボーナス・トラックらしいアルバム曲の流れと全然関係なく嵌め込め感のある雰囲気の曲です。パーカッシブなサウンドによるクラビネットを使ったポップ/ソウルな曲でシングル盤でのカップリング曲です。
全12曲歌詞/訳詞付 写真ライナー (国内盤) 収録時間:50分53秒 (デビュー当時は人気のあったREMYですが、近況は?)'10年3月12日再更新


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写真  RENATA / She Walked With Kings
 ・2000 Enconn Entertainment.    ENC 1010-2

THE LAST GOODNIGHTの前身・・・

このアルバムは、コネチカットで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドRENATA(現THE LAST GOODNIGHT)の '02年11月に本国のインディペンデント・レーベルからリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムでのRENATAのメンバーは、ANTON・YURACK:ヴォーカル/ハーモニカ、KURTIS・HENNEBERRY:ヴォーカル/ピアノ/ギター、MICHEAL・NADEAU:ギター、LEIF・CHRISTENSEN:ベース/ギター、JOHN・OLEARY:ドラムの5人組です。

1曲目"Sitting On A Mountain"(4:26) 小ぶりながらもエモーショナルに響くドラムのビートに合わせて歌うANTON・YURACKの少し篭り気味なメランコリックな歌声が心地好い曲です。オルタナティヴ・ロックと言うよりMATCHBOX TWENTYやTRAINなどに通じるアメリカン・ロックらしいサウンドを聴かせます。
2曲目"Passing Cars"(3:07) ハーモニカの牧歌的で落ち着いたサウンドを響かせるミドル・テンポのナンバーです。アコースティック・ギターのサウンドのバックに広がる美しくハーモニーの響きとLEIF・CHRISTENSENのベースラインは印象的です。
3曲目"Late Last Night"(3:27) 今度はもう少しテンポを落して来たピアノのサウンドを中心に繰り広げられるバラードの登場です。やはりピアノのサウンドがメインになっている為、BRUCE・HORNSBYのサウンドにイメージに近い感じがします。
4曲目"Blue And White"(3:24) イントロから響く広大な大地を感じさせるドラムとベースのサウンドが心地好い曲です。ANTONの歌の合間に聴かせるコンパクトながらMICHEAL・NADEAUのギターの調べなどは、新人ながらツボを押させたアレンジで、地元のラジオ曲も注目した理由も納得します。
5曲目"Marine(The Touch)"(4:04) イントロのサウンドなどは、非常にTHE DOOBIE BROTHERSの曲にインスパイアされたと思われる曲で、ギターのサウンドが一杯に溢れる感じが素晴らしいです。この曲でもMICHEALのギター・サウンドが非常に心地好く感じます。
6曲目"60"(6:51) 一転してアコースティック・ギターとハーモニカによる牧歌的なサウンドを聴かせる曲の登場です。アメリカのバンドが根底に持つルーツ・ロックやカントリー・ロックの要素をアップデートした感じと表現出来ますね。
7曲目"Avalon"(1:37) しっとりと響かせるピアノの演奏によるインストゥルメンタルです。途中より荘厳さや神秘的なサウンドも聴かせる新人らしからぬところも感じます。
8曲目"February"(5:50) 哀愁を帯びたハーモニカのサウンドによる長いイントロを経て登場するANTONのこれまた哀愁を感じる特長的な歌声が響く曲です。ベース、ギター、キーボード、ドラムとハーモニカと5人の演奏が上手くブレンドされた見事なサウンドが伝わって来ます。
9曲目"Alicia"(4:42) この曲も根底に流れる重い響きが聴き応えのある曲です。エモーショナルに歌うANTONの歌声に纏わりつくLEIFのベースのサウンドが、非常に印象に残ります。
10曲目"Dreaming Of A Melting Sun"(5:05) アコースティック・ギターとハーモニカによる70年代のアメリカン・ロックを感じさせるレトロ調の曲ですが、次第にエモーショナルさを感じるギターのサウンドによる演出やダイナミックな後半へとサウンドを展開させるこの曲も聴き応えを十分に感じさせます。
9曲歌詞付 写真ライナー U.S.製 (輸入盤) 収録時間:42分37秒 (この後、EP盤とアルバムをインディペンデントとしてリリースし、'06年には大手Virgin Recordsと契約しバンドネームをTHE LAST GOODNIGHTと改名してヒットも放っています)'11年3月19日更新


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写真  RENATA / Other Side Of Earth
 ・2004 Enconn Entertainment.    ENC 1010-4

RENATAとしてはラスト・アルバム・・・

このアルバムは、コネチカットで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドRENATA(現THE LAST GOODNIGHT)の '04年9月に本国のインディペンデント・レーベルからリリースされた3枚目('02年の4曲EP盤を含む)アルバムです。
このアルバムでのRENATAのメンバーは、KURTIS・HENNEBERRY:ヴォーカル/ピアノ/ギター、MICHEAL・NADEAU:ギター、JOHN・O'LEARY:ドラム、LEIF・CHRISTENSEN:ベース、ANTON・YURACK:ヴォーカル/ギター/ハーモニカの5人組です。

1曲目"The Flood"(3:55) ANTONの吹くブルース・ハープの叫びに似たサウンドがイントロから広がるアメリカン・ロック然とした曲です。掠れ気味のANTONの歌声とバックの演奏とのバランスは、やはりバンド発足から数年たっているので円熟さを増しています。
2曲目"Elevator To The Other Side Of Earth"(3:22) この曲もアメリカのロック・らしい素直にストレートにサウンドを表現した聴き易さを感じます。サビの歌詞もANTONのヴォーカルに合わせて一緒に歌えるのではないでしょうか。
3曲目"Gone"(4:03) 今度はアコースティック・ギターの演奏で繰り広げられる少し哀愁のあるメロディの曲です。サンフランシスコのTRAINやMATCH BOX 20などのサウンドに通じるところを感じます。
4曲目"Wherever"(3:37) ドラムのJOHN・O'LEARYのビートが効いた歯切れ良い乗りが伝ってくる曲です。この曲でも枯れたANTONの歌声とバックに響く美しいキーボードの調べとコラボが非常に印象に残ります。
5曲目"The Heights"(4:17) ギターの爪弾きに絡まるキーボードの調べが感じ良くイントロから誘い込む曲の登場です。途中より登場する変則的なリズムを刻むJOHN・O'LEARYの硬質なドラムのビートからダイナミックさを増して熱さ感じさせる展開です。
6曲目"Lights Of London"(4:21) 一転してピアノの演奏をイントロに配した曲で、ANTONもピアノの調べに合わせて歌うシンプルな演奏スタイルで収録されています。曲のタイトルからイギリスの特定のバンドへのオマージュが込められているのでしょうか。
7曲目"The Wind"(4:36) 電子サウンドに続いて登場するエモ・ギターの分厚いサウンドのサビの演奏をイントロに持って来た曲です。ピアノ、ギター、ベース、ドラムにヴォーカルの5人の演奏が充実した意気込みを十二分にこの曲は感じさせてくれます。
8曲目"Your Song Plays On Tonight"(3:15) この曲もスリリングな演奏と乗りの良さを感じさせてくれる曲です。キャッチーなギターとピアノのリフを感じ良く聴かせるストレーナさを持ったギター・サウンドの溢れる曲です。
9曲目"Amaze Me"(4:07) この曲は他の曲と少し違ったダークなダウンテンポによる曲です。ANTONの歌い回しなどはハード・コア系のバンドのヴォーカルから影響を感じさせます。
10曲目"Brother"(3:44) 一転して牧歌的な響きを持たせたハーモニカのサウンドがイントロから響く少し土臭さを感じさせる曲です。歪ませたギターや盛り上がりを見せるバックの厚みのある演奏はグランジ寄りに位置したフォーク・スタイルでしょうか。
11曲目"These Are The Days"(3:24) 今度はアコースティック・ギターのサウンドによる軽めの乗りと心地好いギターのサウンドを聴かせるギター・ポップな曲の登場です。やはりこのバンドの最大の魅力はこのANTONの枯れた歌声にあるようですが、その魅力を巧く際立てる演奏も必要という事ですね。
12曲目"Best Is Yet To Come"(3:37) アコースティック・ギター1本の演奏に合わせて歌うANTONの切ない歌声が響いて来る曲です。途中より登場するハーモニカとキーボードの調べがその切なさを更にインパクトを与えて来ます。
全12曲歌詞付 写真ライナー U.S.製 (輸入盤) 収録時間:46分22秒 (前作でも末尾に記したのですが、次のアルバムは、大手Virgin Recordsからメジャー・デビューとなっています)'11年5月29日更新


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写真  RENATA ZEIGUER / Old Ghost
 ・2018 Tugboat Records    TUGR-057

国内からCDとしてリリース・・・

このアルバムは、N.Y.のブルックリン在住のインディー・ポップ/ロックS.S.W.RENATA・ZEIGUER(レナータ・ザイガー)の2枚目('13年の[Horizon] EP盤を含む)のアルバムで '18年5月30日に国内(本国でのレコード盤によるリリースは2月23日)でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RENATA・ZEIGUER:ヴォーカル/ギター/キーボード/ヴァイオリン/ベース/プロデュースの他、ADAM・BRISBIN:ギター、ADAM・SCHATZ:オルガン/プロデュース、JASON・BURGER:ドラム/パーカッション、CHRISTIAN・CARPENTER:ベースの少人数にてRENATAの自宅やブルックリンでの収録です。
プロデュースは、RENATA・ZEIGUERとADAM・SCHATZ(LANDLADY)の共同で行われてます。
尚、RENATAの容姿、"Follow Me Down" の撮影場所やビデオ"Wayside" のアニメキャラクターから東洋の雰囲気があるのですが、両親はアルゼンチンとフィリピンの出身とのこと。

1曲目"Wayside"(2:59) レーベルよりアニメーションを使ったビデオが配信されている6曲目"Follow Me Down" に続くショールーム的な曲です。若干、高域での歌声がKATE・BUSH似であるように感じます。
2曲目"Bug"(2:58) 何ともイントロから技と音を外したギターの調べとのんびりとしたRENATAの歌声に癒される曲です。しかしバックのドラムのビートは忙しなく鳴り響きその対照的な雰囲気も楽しみましょう。
3曲目"Below"(3:28) この曲もイントロから揺れるギターのサウンドを聴かせる曲です。メロディやサウンドの組立方が独特(RENATAの音楽紹介文も同様に書かれています)です。幼少期からヴァイオリンでクラシック音楽やブエノスアイレスのお祖母ちゃんから音楽を教わった経験からのアイデアかも知れませんね。
4曲目"After All"(3:23) この曲も緩いLo-Hiなサウンドを駆使したギターやRENATAの歌声が響く曲です。リズムを早めたり、遅らせたりサウンドの起伏を強めたり沈めたりと本当、自由奔放な感がします。
5曲目"Dreambone"(3:37) 今度はRENATAがしっとりとした雰囲気で歌う曲です。メロディは自然な流れと心地好さを感じますが、歌詞は非常に難解で何かヒントが必要かも知れません。
6曲目"Follow Me Down"(4:33) アルバムの宣伝文句に「Twin peaksのテーマ曲のリヴァーブ・サウンド好きに」と書かれたこのアルバムからの一押しの曲です。ここではごちゃごちゃ書かず、私をこのRENATAの魅力に一発で虜にされたビデオを観れば分かります。
7曲目"Neck Of The Moon"(4:39) このアルバムのリリース前に数曲デモ曲として紹介されていた曲です。曲の途中よりアグレッシヴなサウンドの流れやアブストラクトなヴァイオリンの叫び的なS.E.の展開が興味深いです。
8曲目"They Are Growing"(4:24) 手早く叩かれるドラムのビートから入る軽快なリズムの曲です。キュートな歌声、揺らめくギター・サウンドと切れの好いドラムのビートが広がる楽しさが伝わってきます。
9曲目"Gravity(Old Ghost)"(4:05) RENATAのソフトな歌声と彼女のレトロなギターの響きが心地好く流れる曲です。この曲でも少し音を外し、もどかしさを伴ったユニークなサウンドが要となっています。
歌詞/訳詞付 写真ライナー (国内盤) 収録時間:34分12秒 (最近のインディーズ盤のリリース形態でダウンロードまたは、レコード盤のみのリリースが多く購入に躊躇していましたが、この度、国内CD盤がリリースされ嬉しく思います)'18年5月30日更新


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写真  RENEE STAHL / Melancholy Pop
 ・2002 woem music    6 34479 38582 7

切なくも優しい歌声・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスでインディペンデント活躍しているS.S.W.RENEE・STAHLの '02年10月にリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RENEE・STAHL:ヴォーカル/ピアノ/ギター/プロデュースの他、CHAD・FISCHER:ギター/ドラム/ピアノ/バック・ヴォーカル/プロデュース、GEORGE・FRIEND:ギター、PAUL・BUSHNELLL:ベース、JEREMY・KAY:ギター、TIM・GOODWIN:ギター、KYAN・WNUCK:ドラム/パーカッション、JEBIN・BRUNI:ピアノ、MARC・DOTEN:ベース、ANDREW・WILLIAMS:キーボード/バック・ヴォーカル/プロデュースなどRENEEの友人達との収録のようです。

1曲目"Above Beside Below"(3:36) アルバムの1曲目から気に入った曲で、イントロ部のリフレインが心地好く流れます。アルバムのタイトル通りメランコリックな調べと優しくも切ないRENEEの歌声が響くアコースティック・ポップな曲です。
2曲目"Home"(4:01) 高いキーでのアップライト・ピアノの調べが強調されて印象的に流れる曲です。曲の途中に登場する重厚なストリングス風の調べはクラシックなブリティシュ・フォーク・ミュージシャンの持つ調べに似た曲調を感じさせます。
3曲目"Pen Pal"(3:12) アコースティック・ギター1本での少し寂しい調べに乗せ歌うRENEEの歌声が響く曲で、次第にサウンドを厚くして行きます。受刑者との手紙のやり取りを作詞にした彼女の実体験にて描かれているのでしょうか...。
4曲目"Illusion"(5:11) サンプル音源に乗せたアコースティック・ギターの爪弾きに合わせてゆっくり歌うソフトなRENEEの歌声に続いて登場するピアノの調べとパーカッションのビートが心地好い曲です。プロデューサーでもあるCHAD・FISCHERのバック・ヴォーカルの響きも良いですね。
5曲目"With My Eyes Open"(3:54) アコースティック・ギターの煌びやかな調べによるイントロと骨太なベースの調べが印象的なジャズ/ポップな曲です。RENEEの少し鼻にかかった歌声と間奏のギター同士の絡みも聴かせ所です。
6曲目"Loveliness In Waiting"(3:21) 今度は少し趣を違わせて来たダウンテンポの曲です。スネアを素手で叩くようなドラムの心地好いビートとマシュマロのような歯触りのRENEEの歌声がソフトに甘く流れるのです。
7曲目"Genius"(4:46) 何処となくスパニシュ音楽の風味を感じさせるサウンドです。不協和音を奏でるギターの調べとピアノとドラムのビートによる必要最小限の演奏にRENEEの歌声が響きます。
8曲目"New Love"(4:05) イントロの不思議なサンプル音源からエコーを効かせたギターの調べに替わるメランコリックな調べによるギター・サウンドの曲です。RENEEの寂しげな歌声がします。" New Love" と歌われていますが、何気に複雑な女性の心境を綴っています。
9曲目"Sweet Thing"(4:10) ストリングスの調べにメロディアスなANDREW・WILLIAMSのピアノの調べ、心地好く歌うRENEE歌声によるイージー・リスニングの感がある曲です。曲調により複数のプロデューサーが参加していてピアノのサウンドが主体の曲には前出のANDREW・WILLIAMS(Ex.THE WILLIAMS BROTHERS)が担当しています。
10曲目"Never Alone"(11:05) RENEEのスキャット・ヴォーカルがバックに流れ続けているコーラスの美しい曲です。RENEEの打ち込みとギターの演奏にて軽めに収録された感のある曲のようです。
11曲目"Marrying Kind(bonus track)" 前の曲が終了して25秒ほどのブランクの後に始まるボーナス・トラックです。ダークな調べのヴァイオリンと溜めを取って歌うRENEEのスローな歌声による軽めのブルースです。
10曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:47分27秒 (10歳の頃より曲を書いているRENEE、このアルバムも含み3枚(JEREMY・TOBACKとの共同名義を含む)のアルバムをリリースしています)'10年3月12日再更新


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写真  RENEE STAHL / Hopeful.Romantic
 ・2007 Big Helium Records    bH001

優しいRENEEの歌声に浸りましょう・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスでインディペンデントに活躍しているS.S.W. RENEE・STAHLの2枚目(単独名義による)のアルバムで、本国でのリリースは '07年4月です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RENEEの他、JAMES・HOOD:シンセサイザー/ドラム・プログラミング、RICH・JAEQUES:ギター、GREGG・SARFATY:ギター、KEVIN・HUNTER:ピアノ、MIKE・SCHMID:ピアノ、BILL・LEFTER:ピアノ、CHUCK・LEE・BRAMLET:ベース、CHAD・FISCHER:ドラム、LESLIE・KING:バック・ヴォーカルなど再びRENEEの友人達が参加しています。

1曲目"Run"(4:15) アコースティック・ギターの調べとキーボードのサウンドによる楽しいメロディと明るい調べが流れる曲です。曲の途中よりメランコリックなパートを挟んだアレンジも良いですね。
2曲目"Declare You Love"(3:49) この曲もアコースティック・ギターのサウンドが全編に流れる美しいメロディとサウンドによる曲です。バック・ヴォーカルのLESLIE・KINGとの絡みも美しく響きます。この曲はRENEEとLESLIEとの共作になっています。
3曲目"Music 101"(4:03) ダウンロード販売でシングル曲として提供されている曲です。シングルにされた事がわかるアップテンポなリズムとキャッチーなラジオ受けしそうな曲調です。
4曲目"Nothing's Missing"(4:16) ゆったりしたアコースティック・ギターの爪弾きに合わせ歌うRENEEのソフトな響きの歌声が流れるメロウな曲です。就寝前のベッドの中で聴きたくなるような"ふわふわ" "ほっこり" とした感じですね。
5曲目"Smallest Eyes"(4:35) ダークな調べによるスパニッシュ・ギターのストイックな響きにバックに広がるシンセサイザーのサウンドが押し寄せる曲です。荒らしたRENEEの歌声と艶やかな部分を巧に使い分けたアレンジが見事です。
6曲目"Adore(Yachts In Space Mix)" (4:09)ケルト音楽の要素を底辺に持たせたような荘厳なサウンドを感じる曲です。ここでの収録では、ドラム・プログラミングとエレクトロニカのサウンドを加えたファッシナブルなミックスになっています。
7曲目"Isn't It Easy"(3:17) 一転して牧歌的なサウンドとメロディによるフォーク・スタイルの曲です。バックのギターの調べと少しチープさのあるフリューゲル・ホーンのサウンドが心地好く流れて来ます。
8曲目"Different Roads"(4:06) この曲のキーボードのサウンドの心地好さは良いですね。優しい響きのRENEEの歌声と非常に上手くブレンドされた響きと急ぎ過ぎないリズムの流れに浸りましょう。
9曲目"Something Real"(3:45) ダーク・メランコリックな調べが全体にしっとりと響く曲です。か細く聴こえるRENEEの歌声とピアノの調べが静寂さの中に響きます。
10曲目"Hidden Soul"(3:27) 煌びやかなギターのサウンドとゆったりと歌うRENEEの耳当たり良い歌声が届けられるアコースティック・ポップな曲です。この曲はオーソドックスながらアメリカの女性S.S.W.らしいサウンドとメロディに歌詞になっています。
11曲目"Daydreamer's Dream"(4:02) この曲もアメリカの女性S.S.W.らしいシンプルなサウンドを感じさせる曲です。日常の出来事や自分の周りの情景を歌詞に綴った内容に循環コードによる曲の流れです。
12曲目"Adore"(4:14) 6曲目の曲のオリジナル・ヴァージョンがリプライズ的に収録されています。メランコリックなRENEEの歌声とエレクトロニカのサウンドのイメージはヨーロッパの女性シンガーの曲に近いものを感じます。
歌詞無し ライナー無し 3折デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:48分04秒 (曲作りからアルバム制作と育児まで忙しくしているRENEEです。共同名義を含め3枚のアルバムをリリースしていますが、どのアルバムもRENEEの温かさを感じさせる内容となっています)'10年3月12日再更新


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写真  THE RESCUES / Crazy Ever After
 ・2008 Red Wind Records    RWR0208

3人の非常に美しいハーモニー・・・

このアルバムは、ロス・アンジェルスでインディペンデントのミュージシャン/作曲家として活躍しているTHE RESCUESの '08年9月にリリースされた2枚(7曲入盤も同時期リリース)のアルバムです。
このTHE RESCUESのメンバーは、ADRIANNE・GONZALEZ:ヴォーカル/アコースティック・ギター/キーボード、KYLER・ENGLAND:ヴォーカル、アコースティック・ギター/キーボード、GABRIEL・MANN:ヴォーカル/キーボード/パーカッションの女性2人に男性1人で構成されています。
このアルバムの収録には、ADAM・MARCELLO(SAUCY MONKY):ドラム、CARSON・COHEN(SAUCY MONKY):ベース、STEVE・MAZUR(OUR LADY PEACE):ギターなどが参加しています。
尚、このTHE RESCUESは、現在ROB・GILES:ヴォーカル/ギター/キーボード/ベース/ベースが新たに加わって4人組となっています。

1曲目"Lost Along The Way"(3:16) 少しSTEPHEN・DUFFY似のGABRIEL・MANNの鼻に掛ったような歌声が流れるミドル・テンポの軽めのロックの曲です。後半からはヴォーカルをADRIANNEとKYLERの女性2人に少し譲って曲の広がりを工夫しているようです。
2曲目"Matter Of Time"(3:30) 多分メイン・ヴォーカルは、KYLERと思われるカントリー・フレイヴァーなサウンドのバラードです。デュエットで歌うGABRIELの力強い歌声の響きも心地好いですね。
3曲目"California Rain"(4:18) 美しいピアノの旋律とアコースティック・ギターの少し切なさを感じさせる響きがイントロから流れ来る曲です。サンプル音源を初めて聴いた時から心に残ったメランコリックなメロディと3人の美しく絡み合ったハーモニーが切なすぎるのです。
4曲目"Break Me Out"(3:54) 少しテンポと曲の明るさを増して来たADRIANNEのヴォーカル曲です。アルバムを聴き進める度に作曲者としての個々に活動していたと言うより、このバンドの方が、先に存在して居たのではないかと言える一体感とサウンドのまとまりを強く感じます。
5曲目"Shadows Of Tall Buildings"(3:54) アコースティック・ギターの心地好い調べと落ち着いたリズムを刻むパーカッションの響きが堪らないオーガニック・テイストの曲です。この曲でも非常に美しいハーモニーを聴かせる3人の歌声の聴き入る自分に"ふっ" と気が付くのです。
6曲目"New Kind Of Cool"(4:24) 再びメランコリックな歌声を聴かせるGABRIELのヴォーカル曲です。オルガンによるサウンドの揺らめきと吐息を交えながら歌うGABRIELの歌声が届けられます。
7曲目"Sweetspot"(3:22) KYLERのヴォーカルによるポップ/ロック調によるリズミカルな曲の登場です。STEVE・MAZURのギター・ソロも心地好く流れるカリフォルニア・サウンドの醍醐味を堪能しましょうか...。
8曲目"Crazy Ever After"(4:09) ローファイなドラムのリズムとアコースティック・ギターの調べが響くKYLERのヴォーカル曲です。途中より登場するGABRIELの歌声とADRIANNEとヴォーカルをシェアしながら収録されたミドル・テンポのウエスト・コースト・ロックです。
9曲目"Lay It On Me"(3:38) アコースティック・ギターのゆったりしたサウンドの乗せて歌うADRIANNEの弾き語りを中心にした収録曲です。高い目のキーで裏返るADRIANNEの特徴的な歌声に3人のこれまた美しいハーモニーで綴られたアコースティック調の落ち着いた曲です。
10曲目"I Miss Missing You"(3:22) KYLERのヴォーカル曲の登場です。ソロ活動でのアルバム収録曲と共通したサウンドの流れにこのバンドのGABRIELとADRIANNEの歌声にてサウンドをより厚く、よりマイルドな質感になっているようです。
11曲目"My Heart With You"(4:24) KYLER、ADRIANNEとGABRIELのアカペラによるヴォーカル曲です。少しだけ響かせたキーボードのサウンドにて厳かな雰囲気で収録されています。
12曲目"Break Me Out(2.0)"(3:54) 4曲目の曲のヴァージョン違いを収録しています。サウンドよりワイドに更にポップにし、コマーシャル受けしそうなキャッチーさ豊かにさせたアレンジになっています。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:46分12秒 (現在、このTHE RESCUESはバンドとしての活動と各人のソロ活動も同時に行なわれ、忙しくしているようです。尚、ヴォーカル/ギターのKYLER・ENGLANDのアルバムは、'06年に国内盤としてもリリースされています)'10年3月12日再更新


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写真  RHYE / Woman
 ・2013 Polydor Ltd. (UK)    UICP-1156

セクシー・ネオ・ソウルかな?・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスを中心に活躍しているエレクトロニカ・ロック/ソウル・ユニットRHYE(ライ)の '13年7月10日に国内でリリースされたデビュー・アルバムです。
RHYEのメンバーは、カナダ出身のMICHAEL・EDWARD・MILOSH:ヴォーカル/キーボード/パーカッション/プログラミング/プロデュースとデンマーク出身のROBIN・BRAUN(QUADRON):マルチ・インストゥルメント/プロデュースの2人です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ITAI・SHAPIRO(THE DECODERS):ギター/ベース、ANDREAS・HALBERG:ベース、THOMAS・DRAYTON:ベース、AUGUST・ROSENBAUM:キーボード、TRACY・WANNOMAE:フルート/サックス/クラリネット、REBEKAH・RAFF:ハープ、ELIZABETH・LEA:トロンボーン、TODD・SIMON:トランペット/フリューゲル・ホーン、 TOM・LEA:ヴィオラ/ヴァイオリン、STEVE・TAYLOR(Bonus Track):ハモンドB3、JAKE・JAMIESON(Bonus Track):ドラム、CLAIRE・COURCHENE(Bonus Track):チェロのデンマークとロス・アンゼルスのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Open"(3:37) 厳かに響くヴァオリンの調べに絡むハモンドの調べと共に促されて登場するMICHAEL・EDWARD・MILOSHの女性的なソフトで滑らかな歌声によるファルセットが非常に印象に残る曲です。この曲1曲でこのRHYEの持つ魅力を表現するのに十分な内容ではないでしょうか。
2曲目"The Fall"(3:44) 今度はちょっとテンポを上げて来たネオ・ソウル的なビートとサウンドを持った曲で、やはりこのRHYEの代表曲の1つとなっています。美しく響くストリングスをバックに付け短く響くホーンのサウンドに洒落たアレンジを強く感じます。
3曲目"Last Dance"(3:26) サウンドとリズムなど古いソウル/ファンク音楽へのオマージュを感じさせる曲です。例えばこのHPでも取り上げているREMY・SHANDJAIの音楽スタイルに通じるものを感じます。
4曲目"Verse"(2:52) この曲では、すこし低いキーまで聴かせるMILOSHの歌声です。スローなテンポと冷めたサウンドで淡々と歌い上げるところがRHYE風と言えるのではないでしょうか。
5曲目"Shed Some Blood"(3:20) 今度は、ギターのサウンドを前にもってきたジャジーな雰囲気を醸し出す非常に洒落たナンバーです。余り厚く鳴りすぎないストリンス・アレンジと華麗なヴォーカル・アレンジが渋いですね。
6曲目"3 Days"(4:15) 残業音を非常に抑えたハープの調べをアクセントに持たせたポップな雰囲気を持つ曲の登場です。MILOSHの柔らかな歌声と指で爪弾かれるヴィオラとヴァイオリンのサウンドの転がりを暫し楽しむことにしましょう。
7曲目"One Of Those Summer Days"(4:32) ゆったりと奏でられるギターの調べとサックスの官能的な調べとが交差するソフトな雰囲気を醸し出す曲です。凍てついた部屋に佇みながら夏の日の想い出をイメージしたのでしょうか。
8曲目"Major Minor Love"(3:55) イントロのアカペラ部分は、クールなこの曲もシンプルながら洒落たところを感じる曲です。コーラスのアレンジなど聴き返す度に奥行の深さに感心させられます。
9曲目"Hunger"(3:29) 楽しげに響くベースの響きとこのリズムは、70年代の[ソウル・トレイン]を現代にアップデートしたような感じですね。抑え気味のファンクさにさせる放熱アルミフィンを奢ったRHYE 風のアレンジですね。
10曲目"Woman"(2:43) 歌詞にWomanとだけ歌われる殆どインストゥメンタルなキーボード調べを主体にした短めの曲です。
11曲目"Open[Live](Bonus Track)"(5:31) スタジオ収録曲より間奏のハモンドでのソロが2分近く延長された小さなホールでのライヴをライン録りによる曲で、観客などの拍手は収録されていませんので丁度、一発録りテイクのような印象です。
12曲目"Verse[Live](Bonus Track)"(3:40) 録音状態が非常に良い為スタジオ収録とあまり変わらないライヴ・トラックです。イントロ部分にストリングスの調べを持ち少しだけスローにしたアレンジとなっています。
10曲歌詞/訳詞付 12ページ物写真ブックレット ボーナス・トラック付 (国内盤) 収録時間:45分10秒 (国内でアルバム販売ルートはUNIVERSAL MUSIC JAPANとなっています)'13年12月14日更新


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写真  RICHARD MARX / My Own Best Enemy
 ・2004 TOSHIBA-EMI LIMITED    TOCP-67436

バックのミュージシャンが凄い・・・

このアルバムは、シカゴ出身のシンガー/プロデューサーRICHARD・MARXの10枚目(バラード特集とベスト盤2枚を含む)のアルバムで、'04年8月4日、国内でのリリースです。
前作[Days In Avalon] がプライベート・レーベルのリリースにより日本での新作は、実に7年ぶりの国内盤リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RICHARD・MARX:ヴォーカル/ギター/キーボード/シンセサイザー・ベース/ストリング・アレンジ/プロデュースの他、GLENN・WORF:ベース、MARK・BROWNE:ベース、PAUL・FRANKLIN:スティール・ギター、STEVE・BREWSTER:ドラム 、KEITH・URBAN:ギター、J.T.CORENFLOS:ギター、GREG(G)・BISSONETTE:ドラム、MATT・LANG:ドラム、LANCE・MORRISON:ベース、DAVID・COLE:キーボード/シンセサイザー/ストリング・アレンジ/プロデュース、GARY・SMITH:キーボード、JESSICA・ANDREWS:バック・ヴォーカル、ARIF・MARDIN:ストリング・アレンジ、STEPHEN・BALDERSTON:チェロ、JOHN・BLASUCCI:ドラム・プログラミング、STEPHEN・BALDERSTON:ギター、ERIC・DARKEN:パーカッション、MICHAEL・THOMPSON:ギター、MICHAEL・LANDAU:ギター、BRUCE・GAITSCH:ギター、SHANE・FONTAYNE:ギター、THE NASHVILLE STUDIO MACHINE(12名):ストリングスのベテラン揃いです。

1曲目"Nothing Left To Say"(3:57) 荒らしたギターのサウンドの影の隙間より登場するRICHARDの篭ったスモーキーな特徴的な歌声が響く曲です。久しぶりに新作で聴く彼の歌声を懐かしく感じさせます。
2曲目"When You're Gone"(4:24) この曲もドラムのSTEVE・BREWSTERのビートが決まっていますね。曲調は、アメリカン・ロックらしいストレートなギター・サウンドにタイトなドラムのビートによる分かりやすいロックになっています。
3曲目"Love Goes On"(3:54) RICHARDの得意とするバラードの登場です。溜めを取ったRICHARDの枯れた歌いぶりとメロディアスな曲の流れが絡み合うのです。
4曲目"Love Goes On"(3:35) この曲も典型的なアメリカン・ロックのサウンドを聴かせる曲になっていますが、ギターのサウンドは少しラウドで激しさを付け加えているようですね。そのギターは、MICHAEL・LANDAUとなっています。
5曲目"Ready To Fly"(4:39) 再びスローなストリングスのサウンドを一杯に広げたバラードの登場です。ギターにはMICHAEL・THOMPSONとMICHAEL・LANDAUが参加しています。
6曲目"Again"(6:16) 荒野に響くギターの調べとその残響音が心地好く感じさせてくれる曲です。程好いリズムでリラックスさせる曲調にキーボードの素晴らしい演奏とビートの効いた少しやるせなさを感じるドラムのビートが好いですね。
7曲目"Colder"(3:09) この曲はちょっとRICHARDの曲の雰囲気とすこし違ったパワード・ギター・ポップの要素を感じますね。RICHARDが若手ミュージシャンに曲を提供する為に書き溜めた曲なのでしょうか。イントロから曲の最後までギターのパワーで一気に聴かせています。
8曲目"Everything Good"(3:18) アコースティック・ギターのサウンドと優しい響きのチェロを取り上げたポップなサウンドの曲です。間奏ではいつもと少し雰囲気の違ったギター・ソロを聴かせるMICHAEL・LANDAUです。
9曲目"The Other Side"(4:55) この曲は非常にRICHARDらしいメロディアスで美しく、また、ダイナミックなサウンドの広がりを聴かせる曲です。MICHAEL・THOMPSONのギター・サウンドのファンにとっては堪らないくらい彼のギターがふんだんに使われています。
10曲目"Someone Special"(4:14) RICHARDのそのスモーキーな歌声を堪能できるミドル・テンポの曲の登場です。アコースティック・ギターには旧友BRUCE・GAITSCHが参加しています。
11曲目"Suspicion"(3:56) SHANE・FONTAYNE(Ex.E STREET BAND)がその素晴らしいギター・サウンドを聴かせる曲です。SHANE らしいギミックなギター・サウンドを手を変え品を変え披露してくれるのです。改めてこのアルバム聴くと本当にバックのミュージシャンに恵まれていますね。この曲はRICHARDとFEE・WAYBILL(Ex.TUBES)との共作になっています
12曲目"Falling"(5:15) ナッシュヴィルのギタリストJ.T.CORENFLOSのレイド・バックさせるギターのサウンドが堪らないメランコリックな調べの曲の登場です。ミュートさせたRICHARDのアコースティック・ギターの刻み音との相性もぴったりですね。
13曲目"Endless Summer Night(Live)"(4:27) 2000年にナッシュヴィルのSTARTRUCKS STUDIOSで行われたライヴを収録した国内盤ボーナス・トラックです。オリジナル曲は '87年のデビュー・アルバムに収録され、全米2位となったヒット曲です。
全13曲歌詞/訳詞付 写真ライナー CCCD仕様 HDCD仕様 (国内盤) 収録時間:56分04秒 (このアルバム以後、RICHARDは新作アルバムの制作をストップしていましたが、VERTICAL HORIZONのMATT・SCANNELLと '08年にアコースティック・デュオ・アルバムと新作[Emotional Remains]をリリースしています)'10年3月13日再更新


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写真  RICHARD PAGE / Shelter Me
 ・1996 GRP Records Inc.    Blue Thumb MVCB-5

人それぞれに大好きなシンガーがいるでしょうが私は・・・

ひょっとしてRICHARD・PAGEのファンは、本国アメリカより海外、特に日本とヨーロッパの方が多いのではないでしょうか。PAGESMR.MISTER3RD MATINEEで忙しく活動し、その間も休むことなく他のアーティストに曲を提供したり、またバック・ヴォーカルとして卓越したその歌声でメイン・アーティストを影で支えてきました。このアルバムは、そのRICHARDが音楽活動を開始して18年目にやっと出した初ソロ・アルバムで '96年10月23日、国内でのリリースです。プロデューサーは、KIM・BULLARD(元POCO)とRICHARD自身です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RICHARD・PAGE:ヴォーカル/ギター/キーボード/プロデュースの他、JAMES・HARRAH:ギター、MICHAEL・THOMPSON:ギター、STEVE・FARRIS:ギター、KEITH・McCABE:マンドリン、KIM・BULLARD:キーボード/シンセサイザー/プロデュース、JIMMY・JOHNSON:ベース、JOHN・PIERCE:ベース、TOLLAK・OLLESTAD:ハーモニカ、DENNY・FONGHEISER:ドラム、JERRY・MAROTTA:ドラム/オカリナ、PAT・MASTELOTTO:パーカッション/ドラム・プログラミング、LOUIS・CONTÉ:パーカッション、SUZANNE・TENG:フルート、RICK・SAILON:ヴァイオリン、ARNOLD・McCULLER:バック・ヴォーカル、LOUIS・PRICE:バック・ヴォーカル、CARMEN・CARTER:バック・ヴォーカル、CECELIA・BULLARD:バック・ヴォーカル、LANCE・EATON:バック・ヴォーカル、STEVE・GEORGE:バック・ヴォーカルのMR.MISTER時代のミュージシャン達も参加しています。

1曲目"The Best Thing"(4:35) CDをトレーにセットし、プレーヤーのプレイ・ボタンを押してから暫くして出てくるDENNY・FONGHEISERのタイトなドラムのビートに促されて登場する妙に懐かしいRICHARDの優しい歌声とTOLLAK・OLLESTADの素晴らしいハーモニカのサウンドによる落ち着いたミドル・テンポのナンバーです。思わず彼の歌声に鳥肌が立っている自分に気付きます。30年近く前にPAGESのファースト・アルバムを始めて聴いた時と同じ感覚が思い起こされます。この曲は、カナダで活躍するMARC・JORDANとの共作です。
2曲目"My Oxygen"(4:13) イギリスの人気ロックシンガーのNIK・KERSHAWとの共作の曲です。恋人のことを空気/酸素に置き換えた内容の曲です。RICHARDの弾くアコースティック・ギターのサウンドに脇を固めるエレクトリック・ギターは、MICHAEL・THOMPSONJAMES・HARRAHです。
3曲目"Even The Pain"(5:50) ケルト・ミュージックを意識したフルート(ティン・ホイッスル?)のサウンドとスローに流れるリズムの曲でRICHARDの歌声とゴスペルチックなコーラスによる曲です。別れた恋人のことを思い出している情景を歌にしています。
4曲目"Shelter Me"(5:23) パーカッシヴなJERRY・MAROTTAのドラムのビートとレゲエのリズムの曲によるアルバムのタイトル曲です。心地好いレゲエのリズム・ギターは、再びJAMES・HARRAHです。詞のほうは恋人に助けを求めるさまを歌にしています。
5曲目"Let Me Down Easy"(3:26) 他のアーティストに提供している最近のRICHARDの作曲に多く見られるスローでゴスペル調のしみじみとした曲調でJON・LINDとの共作です。ベースは、JOHN・PIERCE(元PABLO CRUISE)にキーボードは、KIM・BULLARDです。
6曲目"A Simple Life"(4:04) JON・LIND(元FIFTH AVENUE BAND)との共作です。アコースティック・ヴァージョンよりバック・コーラスと心地よい音色のスライドギターを追加してより明るいサウンドなっています。詞の内容は人生を見つめ直した歌詞の曲です。
7曲目"Dependence"(5:25) 梟の鳴き声か隙間風の音をしたサンプルによりイントロが興味深い曲です。ナイロン弦ギターの悲しげな響きとRICHARDの切ない歌声とが非常にマッチしその上の重ねられたセルフハーモニーによる曲です。この曲も最近のRICHARDの作品に見られるMR.MISTERのようなサウンド志向ではなく詞の内面性を重視した大人しい曲です。
8曲目"Just To Love You"(3:57) JAMESのアコ−スティックギターの爪弾きとMICHAELの伸びやかなエレクトリック・ギターのサウンドとパーカッションがPAT・MASTELOTTOでヴォーカルがRICHARDなんてファンにとって信じられない豪華メンバーです。贅沢贅沢!
9曲目"If All Else Fails"(5:38) ブルースぽいサウンドとTOLLAKのエモーショナルなハーモニカでの曲です。パーカッションのLUIS・CONTÉも"渋い" です。
10曲目"Heaven Is 10 Zillion Light Years Away"(4:48) STEVIE・WONDERの '74年のヒット曲のカバーです。あまり他の人の曲を収録しないRICHARDですが、自身のソロ・アルバムでの遊び心でしょうか。昔の仲間で一緒にやろうと言った感じで楽しさが"ヒシヒシ" と感じます。ギターは、STEVE・FARRIS、パーカッションとドラム・プログラミングはPAT・MASTELOTTO、バック・ヴォーカルは、STEVE・GEORGEでMR.MISTER全員集合です。
全10曲歌詞/訳詞付 16ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:47分24秒 (音楽好きにはそれぞれに大好きなシンガーがいるでしょうが、私はRICHARD・PAGEです)'10年3月13日再更新
1996年度ベスト5


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写真  RICHARD PAGE / Acoustic
 ・1996 GRP Records, Inc (Blue Thumb)    CD-5 BTDM-3095

プロモーション用アコースティックヴァージョンのミニアルバム・・・

'96年のRICHARD・PAGEの初ソロ・アルバム[Shelter Me] のプロモーション用に制作された全曲アコースティックによる5曲入りのアルバムです。プロデューサーは、KIM・BULLARD(元POCO)、RICHARD・PAGE:ヴォーカル/ギター/ピアノ、JAMES・HARRAH:ギター、JOHN・PIERCE(元PABLO CRUISE):ベース、DENNY・FONGHEISER:ドラム/パーカッション、KIM・BULLARD:プロデュース/オルガン(5曲目のみ)参加です。

1曲目"Broken Wings(Acoustic)"(5:16) MR.MISTER時代の[Welcome To The Real World] からのヒット曲です。イントロからサビの部分にかけてはアコースティック色が強いですが、後半部分はオリジナル・レコーディングに近いです。20年以上前の作品ですが、良い曲は、色褪せことなく聴く度に新鮮さが増します。当時、MR.MISTERの仲間でどの曲をファースト・シングルにするか揉めたようでスローな曲は、ヒットしないと反対意見が多かったこの曲をRICHARDの「この曲にする」の一言で決まり見事全米シングルのトップ1に輝きました。
2曲目"The Best Thing(Acoustic)"(4:35) ソロ・アルバム"Shelter Me" のトップを飾った曲で共作者は、カナダのS.S.W.MARC・JORDANです。さらっとしたアレンジによるMARCらしいピアノの美しい旋律によるミドル・テンポのバラードです。DENNYの優しい響きのパーカッションとRICHARDのハート・ウォームな歌声が非常にマッチした落着いた響きが流れて来ます。
3曲目"A Simple Life(Acoustic)"(3:57) JON・LIND(元FIFTH AVENUE BAND)との共作でアコースティック・ギターによる美しいメロディと人生を見つめ直した思慮深い歌詞の曲です。
4曲目"Even The Pain(Acoustic)"(5:15) 全編に渡ってKIM・BULLARDのピアノのサウンド風のオルガンによる落着いたナンバーで別れた女性への想いを綴った曲です。
5曲目"Shelter Me(Acoustic)"(5:31) エモーショナルなリズムのベースとドラムのサウンドに乗せRICHARDが熱く歌う曲ですが、自分の弱さをかばってくれる人を探している内容となっています。
歌詞無し ライナー無し 紙ジャケット仕様 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:24分36秒 (RICHARDにはもっともっと活躍して1枚でも多くアルバムを出して貰いたいのですが...)'10年3月13日再更新


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写真  RICHARD PAGE / Peculiar Life
 ・2010 Little Dume Recordings    1 81345 01842 1

実に14年ぶりのアルバム・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍しているS.S.W.RICHARD・PAGEソロ名義による2枚目のアルバムで、'10年7月5日 本国のみリリースです。前作より実に14年ぶりのアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RICHARD・PAGE:ヴォーカル/ギター/ピアノの他、RICHARD・GIBBS:キーボード/トロンボーン/プロデュース、JAMES・HARRAH:ギター、GREG・LEISZ:ペダル・スティール/ギター、KEVIN・McCORMICK:ベース、VINNIE・COLAIUTA:ドラム、LOUIS・CONTÉ:パーカッション、SATNAM・RAMGOTRA:タブラ、DOUG・LACY:アコーディオン、KEITH・McCABE:マンドリン、SHENKAR:ダブル・ヴァイオリン/バック・ヴォーカル、IRA・NEPUS:ホーン、MIKE・NELSON:ホーン、JON・PAPENBROOK:ホーン、TOM・PETERSON:ホーン、GEORGE・SHELBY:ホーン、JOCHEM・VAN・DER・SAAG:プログラミング、FRANCESCA・RICHARD:バック・ヴォーカル、AJA・PAGE:バック・ヴォーカルのRICHARDの音楽仲間達が参加しています。

1曲目"A Kiss On The Wind"(4:08) このアルバムのオープニングの1曲目のイントロから一発で分かるRICHARDらしい哀愁のあるメロディとサウンドから登場するRICHARDの歌声は、14年('08年のシングル曲"I Always Cry At Christmas" は含まない)ぶり聴くRICHARDへの期待を裏切ること無くゾクゾクとさせるメロディと彼のジェントルな歌声が堪りませんね。
2曲目"You Are Mine"(3:53) 今度はカントリー・タッチなペダル・スティールの調べを取り入れた曲で、テネシー州のカントリー・シンガーMELISSA・PEIRCEと一緒に書かれて彼女も収録しています。
3曲目"Worldly Things"(4:13) レゲエのリズムを基調としたSTEVE・GEORGE(PAGES)との共作による曲です。STEELY DAN風のホーン・セクションにJAMES・HARRAHの良質な脂の乗ったギター・プレイが見事で、一瞬 PAGESやMR.MISTER時代を思い起こさせる曲調を感じさせます。
4曲目"Peculiar Life"(3:24) 一転してRICHARDのアコースティック・ギターの弾き語りで展開させるブルース調の曲です。過去のアルバムでは、このような感じの曲は少なかったと言うか、過去のレーベルからこのような感じの曲は、バンドのカラーにはそぐわないとアルバムの収録に至らなかった感じの"渋め" で聴かせる曲です。
5曲目"No Tomorrow"(4:22) 軽めのレゲエ/カリプソのリズムによるレイドバック感を伝えてくれる曲です。RICARD・MAXとの共作の曲で、バック・ヴォーカルにはFRANCESCA・RICHARD(彼女の詳細は不明)が参加してRICHARDと素晴らしい"ハモリ" を聴かせています。
6曲目"The Truth Is Beautiful"(3:54) PAGE時代のシンセサイザーの荘厳な調べを感じさせるヨーロピアン・センチメンタルな調べを強く感じさせる曲です。RICHARDが曲を提供していたJOSH・GROBANが歌いそうな感じと言えば伝わり易いですか。スウェーデンの有名プロデューサー・コンビのPER・MAGNUSSON、DAVID・KREIGERとのRICHARDとの共作です。
7曲目"Brand New Day"(3:58) 再び乗りの良い曲の登場で、曲名通りRICHARDの新しい門出の日を感じさせる曲調べとサウンドを感じます。時折聴かせるハードなサウンドによるJAMESのギターやバック・ヴォーカルのハーモニーや厚みもベテランだなと強く感じます。
8曲目"When You Come Around"(5:42) 今度は雰囲気を違えて来たスピリチュアル性のあるプログラミングで参加しているロス・アンゼルスのプロデューサーJOCHEM・VAN・DER・SAAGとの共作です。インド音楽からの強いインスパイアを感じさせるサウンドがゆったりと流れて来ます。
9曲目"Peace Of Mind"(2:37) ピアノの調べを中心とした収録曲で、RICHARDの娘さんAJA・PAGE(彼女も歌手としてデビューしています)とのデュエットで展開される落ち着いたリズムのしっとりと聴かせる曲です。
10曲目"Shadow On My Life"(4:55) ダーク・ダウンテンポの質感を感じさせるイントロから渋く聴かせる曲で、この曲でもJAMESのギターが非常にかっこ良く奏でられています。また、斬れと重みのあるVINNIE・COLAIUTAのドラムのビートも最高ですね。
11曲目"Give It Away"(4:17) RICHARD作詞/作曲による曲で、彼の最近の曲調べを感じさせるゴスペル調や軽めのカントリー風による落ち着いたメロディとサウンドが心地好く響いて来ます。
12曲目"Waiting"(2:41) RICHARDのギターによる弾き語りを中心に展開される曲で、作詞はPAGES時代からの相棒JOHN・LANGです。眠れぬ夜での想いを綴った内容をしっとりと歌い上げています。
歌詞無し 写真ライナー サイン入限定盤 (輸入盤) 収録時間:48分03秒 (RICHARD・PAGEの音楽を聴き始めてから一体何年くらいの時が過ぎたのでしょう? '78年のPAGESの最初のアルバムを聴いてからだから実に32年の歳月が過ぎているのですね)'10年9月8日更新
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写真
(RICHARDのH.P.から販売されているサイン入限定盤です)


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写真  RICHARD PAGE / Solo Acoustic
 ・2011 Little Dume Recordings    6 08938 68256 7

プライベート・アコースティック・ライヴ盤・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍しているS.S.W.RICHARD・PAGEの '11年7月20日に本国でリリースされた3枚目のアルバムで、サンタ・モニカのKulaにて '11年2月20日に行われたプライベートと思われるソロ・アコースティック・ライヴの模様を収録したCDとDVDとがセットになったアルバムです。
尚、プロデュースは、フェニックス在住時代からの親友であり、MR.MISTERのマネージャーでもあるGEORGE・GHIZが担当しています。

DISC:1 収録時間:44分32秒
1曲目"A Kiss On The Wind"(3:55) 甘い弦の響きを聴かせるRICHARDのマーティンHD-28と更に甘い歌声を聴かせるRICHARDです。'10年の[Peculiar Life]に収録されている曲です。
2曲目"No Tomorrow"(4:18) この曲も[Peculiar Life]に収録されているシカゴ出身のS.S.W.RICHARD・MARXとの共作による曲です。そう言えばRICHARD・MARXも最近の活動は、アコースティック・ライヴが多いようですね。
3曲目"Peculiar Life"(3:33) 1音程緩められたアコースティック・ギターの6弦の響きが特徴的なRICHARDのブルースによる弾き語りです。
4曲目"You Are Mine"(3:38) イントロから聴かせるアコースティック・ギターのフィンガー・ピッキングによる美しい調べが心地好い落ち着いた曲です。家族や友人達を前にしっとりとまた、優しく歌うRICHARDです。
5曲目"Even The Pain"(5:28) ピアノの凛とした響きが切なく響くRICHARDの弾き語りです。MR.MISTER解散以後の作曲家として活動して他のミュージシャンに曲を提供しているRICHARDの作品らしい円熟を増した曲風を感じます。オリジナル曲は '96年の[Shelter Me]に収録されていて、あのYELLOW JACKETSにもカバーされている曲でもあります。
6曲目"I'll Remember"(3:09) 多分、この曲はアルバム未収録曲と思います。RICHARDとPATRICK・LEONARDのコンビにより '94年に書かれた曲で、MADONNAも歌い映画のサウンド・トラックにもなっています。
7曲目"Kyrie"(3:38) 今更何の説明も必要としないMR.MISTERの大ヒット曲で、当時のMTVや音楽番組で連日ように放送された曲です。ここでの収録はアコースティック・ギター1本とRICHARDの歌声だけのささやかな調べが流れて来ます。
8曲目"Midnight Angel "(3:46) 切ない響きを奏でるRICHARDのピアノの調べと哀愁たっぷりに歌うRICHARDの蒼い吐息が眼の前に広がって来そうなメランコリックさを感じます。
9曲目"When You Come Around"(4:01) じっと耳を澄ませてこの曲を聴き入っていると吟遊詩人RICHARD・PAGEという感じですね。変則チューニングされたアコースティック・ギターの不協和音の響きが凄さを増して届けられます。
10曲目"Shelter Me"(4:25) MR.MISTERを解散してソロとしてリリースした '96年の同名タイトルのアルバムからの曲です。オリジナル収録曲のレゲエ風のテンポからスピードを上げての巧みアコースティック・ギターを弾きこなすRICHARDです。
11曲目"Broken Wings"(4:35) MR.MISTER '85年の大ヒット・アルバム[Welcome To The Real World]からシングル・カット曲第1弾の曲で、当時の全米1位に輝いた曲です。アカペラでイントロのシンセとベースのサウンドの雰囲気を口ずさむRICHARDの意表を突く乗りの良さから途中で奏でるアコースティック・ギターでのアグレッシヴな演奏も圧巻です。

DISC:2 DVDリージョン・フリー,NTSC方式 収録時間:57分54秒
1曲目"A Kiss On The Wind"(5:45) 「RICHARD・GEREが出演した映画を観た時に触発されて...」この曲を書いたとRICHARDの曲紹介から始まるアコースティック・ギター1本による弾き語りです。
2曲目"No Tomorrow"(4:30) 12弦アコースティック・ギターに持ち替えたRICHARDからこの曲は、RICHARD・MARXと一緒に書いた曲との紹介があり「普段の自分の曲と感じの曲に挑戦するからね」と言いながら歌い始めます。
3曲目"Peculiar Life"(4:02) この曲も '10年にリリースされた同名アルバムに収録されている曲です。アコースティック・ギター1本で歌うRICHARDの曲の中ではめずらしくブルース色の強い作品です。
4曲目"You Are Mine"(3:53) アコースティック・ギターを巧みに爪弾きながら歌うRICHARDと彼の口ずさむ歴代の有名人の登場する歌詞が興味深いですね。
5曲目"Even The Pain"(6:26) ピアノの前に座りテネシー州のカントリー・シンガーであり友人でもあるMELISSA・PEIRCEと一緒に書いた曲と紹介されたRICHARDのピアノの弾き語りです。
6曲目"I'll Remember"(4:04) MADONNA '95年のバラード・コレクション・アルバム[Something To Remember]に収録されている曲で、オリジナル曲は、RICHARDとPATRICK・LEONARDのコンビにより '94年(3RD MATINEE時代)に書かれ、MADONNAが歌詞を書き替えて彼女のアルバムに採り上げられています。
7曲目"Kyrie"(5:26) 「MR.MISTER時代の仲間STEVE・GEORGEや歌詞を頼んでいたJOHN・LANGとアルバム作りの為、レコード会社から作曲を急かされて困っていた時に教会のミサでJOHNが聞いた"Kyrie Eleison"(主、憐れめよ)ってどう?」そのようなエピソードを紹介しながら曲へと進行して行きます。
8曲目"Midnight Angel"(5:15) 「この曲は31年?32年前のPAGESのラスト・アルバムに収録されている曲で、当時の恋人のことを歌った曲だよ」と紹介された古い曲ですね。'81年のアルバム[Pages]の最終曲として収録されているピアノの演奏を中心にしたクラシック曲の雰囲気を感じさせる曲です。このライヴ盤でも同一スタイルによるRICHARDのピアノの弾き語りで収録されています。
9曲目"When You Come Around"(5:20) 「15歳の時はフェニックスに住んでいて良くオープン・チューニングしたギターを弾いていたミュージシャンがいてライヴなどに行ったよ。特にTAJ・MAHALの音楽を良く聴いていたかな」と話しながらRICHARDも変則チューニングされたギターを爪弾きながらこの曲へと誘います。アコースティック・ギターの不思議なサウンドの広がりとRICHARDの優しい歌声との広がりが心地好いですね。
10曲目"Shelter Me"(5:57) この曲は、'96年に一度この曲をアコースティック・ヴァージョンで収録しています。このライヴ盤では、テンポを上げ観客の乗り良さ促すアレンジと卓越したRICHARDの歌唱力から凄さも感じます。
11曲目"Broken Wings"(5:16) ラストのこの曲を演奏する前に丁寧なRICHARDのスタッフ紹介が行われています。また、この曲も '96年に一度この曲をアコースティック・ヴァージョンで収録しています。
全11曲歌詞付 11ページ物写真ブックレットジャケット止め 2折紙ジャケット仕様 CD+DVDの2枚組 (輸入盤) (自身のレーベルからソロ・アルバムやMR.MISTERの幻の4作目のリリースとRINGO・STARRに同行しワールド・ツアーを敢行するなど、RICHARDの音楽活動は、非常に充実したものとなっています)'11年8月6日更新
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写真
(RICHARDのH.P.から販売されているサイン入限定盤です)


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写真  RICHARD PAGE / Songs From The Sketchbook
 ・2012 Little Dume Recordings    8 84501 75229 9

RICHARDの未発表曲集・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍しているS.S.W.RICHARD・PAGEの '12年7月24日に本国でリリースされた4枚目のアルバムで、1990年〜2005年までの未発表曲をリマスターしてのリリースです。
尚、各曲の収録に参加しているミュージシャンの記載についてのクレジットが一切無い為、残念ながら不明です。プロデュースは、RICHARD・PAGE自身となっています。

1曲目"Falling Into Place"(5:02) '90年頃のMR.MISTER時代の4枚目のアルバムの為に収録されていた曲で、アルバム[Pull]でのアウトテイク曲と思われます。中東音楽に使われる弦楽器の音色に似た特徴的なサウンドのイントロ部分からダイナミックな展開を聴かせるやはりMR.MISTERのサウンドらしい曲です。
2曲目"I Think It’s Gonna Rain"(3:40) '94年の3RD MATINEE時代のアルバム[Meanwhile]に収録されなかった曲のようです。
尚、曲の共作者は、3RD MATINEEの収録曲をRICHARDと多く一緒に書いている元THE DREAM ACADEMYのNICK・LAIRD-CLOWESとなっています。
3曲目"Every Day's A New Day"(4:18) ' 01年に書いたハードなサウンドを感じさせる曲で、RICHARDの解説によると今までとは違った感じの曲にしたく、更に若手人気女性シンガーが歌えそうな曲にしたかったらしいです。
4曲目"I wouldn't Change A Thing"(3:16) 今度はしっとりとスローな流れのナイロン弦ギターの調べが響く曲です。'08年にサン・フランシスコ出身の作曲家/プロデューサーBUSBEEと一緒に書かれた曲です。バラード仕立てによるこの曲は、DAVID・FOSTERがいたく気に入っているらしいです。
5曲目"Don't Let Me Down"(4:20) この曲も女性シンガーが歌うことを想定して '03年に書いた曲です。曲の感じは、ちょうど '96年の最初のソロアルバムに収録されている"Even The Pain"と通じるところを感じます。
6曲目"Just Keep Lovin'"(4:13) アメリカの民放T.V.のスペシャル番組にJAMAS・TAYLORやDEXIE CHICKSが登場しているところから触発されて自分がカントリー・シンガーならこのような曲を書いて歌うだろうなと書いた '05年の曲です。尚、この曲のペダル・スティールには、ロス・アンゼルスのベテランJ.D.MANNISが演奏しているとのこと。
7曲目"Long, Long Road"(3:45) この曲もBUSBEEと一緒に書かれた曲で、更にロンドン出身の作曲家ALEX・JAMESも作曲に加わった '09年に書かれた比較的新しい曲です。リズミカルな流れとモダーン・ロックと言える乗りの良さを伝えてくれる1曲です。
8曲目"I'm With You"(4:05) アコースティック・ギターのサウンドが心地好く響くソロになってから、特に最近のRICHARDの曲らしい落ち着いた響きを感じさせます。この曲はRICHARDの兄弟であるROB・PAGEと '05年に一緒に書かれています。
9曲目"Love Rescue Me"(3:34) MR.MISTERを解散してから '93年に当時YESのアルバムの収録に参加していたネバダ出身のギタリスト/プロデューサーBILLY・SHERWOODと一緒に書かれている曲です。サウンド的には非常にMR.MISTERの後期的なダイナミックさにプログレッシヴ・ロックの壮大な響きの要素を加えた感じでしょうか。
10曲目"What Is A Friend"(3:17) アコースティック・ギターの弾き語りとセルフによるハーモニーを加えたシンプルなフォーク調の曲です。'03年にJON・LIND(THE FIFTH AVENUE BAND)の紹介にてディズニーのアニメの為に書かれた曲とのことです。
歌詞無し ライナー無し RICHARDによる曲紹介 4折デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:39分35秒 (10年と11年にMR.MISTERのアルバム含め3枚のアルバムをリリースしたRICHARD、RINGO・STARRのワールド・ツアーに同行し音楽活動を再開しています)'12年8月13日更新


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写真  RICHARD PAGE / Goin' South
 ・2015 Little Dume Recordings    8 59713 74348 9

タイトル通り"南に向かって"・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍しているS.S.W.RICHARD・PAGEの '15年1月29日(CDの発送日とした)CDとして本国でリリースされた5枚目('10年のダウンロード販売[5 Songs For Christmas]を除く)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RICHARD・PAGE:ヴォーカル/ギター/ベース/キーボード/ウクレレ/プロデュースの他、 TIM・PIERCE:ギター、BRANDON・HOOD:ギター、DOUG・LIVINGSTON:ペダル・スティール、BRUCE・BOUTON:ペダル・スティール、GREGG・BISSONETTE:ドラム/パーカッション、KIM・BULLARD:キーボード、PATRICK・CLARK:ヴァイオリンの1部カントリー・ミュージック畑のミュージシャンとの収録です。

1曲目"Southern Wind"(4:24) RICHARDの過去のアルバムの曲調からは少し違った南部ロック特有の粘り感を持った曲です。サビの部分はポップ調のリズムとメロディを持った70年代のアメリカン・ミュージック然とした感じです。
2曲目"Turn Out the Light"(3:45) めずらしくRICHARDのスポーケンが聴ける曲です。昔から伸びやかで美しい歌声が持ち味のRICHARDですが、普通にしゃべる声は、意外と野太いですね。この曲では、ふんだんにTIM・PIERCEのギターのサウンドが弾みながら流れています。
3曲目"Diamonds"(3:35) 定番的に3曲目はしっとりと聴かせる曲の登場です。RICHARDのピアノによる弾き語りから入り次第に旅情的な流れを響かせます。'10年にRICHARDのレーベルからリリースされた[Peculiar Life]からの流れ汲むイメージです。
4曲目"Two Roads And Four Headlights"(3:40) アルバム・リリース前からTIM・PIERCEのギター収録場面が非常に素晴らしく感じて心待ちにしていた曲です。ぐっと惹きつけるイントロのサウンドから素晴らしいMR.MISTERでのアルバム[Go On]の流れを強く感じます。
5曲目"Me And My Guitar"(3:52) 今度はもう少し、カントリー調の域に入ったペダル・スティールやバンジョー調のサウンドが流れる曲です。ギタリストのS.S.W.が丁度書きそうなギターと苦楽を共に過ごして詞の内容が綴られています。
6曲目"Everybody's Hometown"(4:13) 今度は少し御気軽モードで書かれ更に収録されたような軽さを感じさせる曲です。RICHARDにとって生まれ故郷アイオワ州と育ったアリゾナ州を思い浮かべながら歌い、聴者には他の街を思い浮かべさせ、楽のしさが直に伝わって来ます。
7曲目"Another Day Gone By"(3:32) 再びペダル・スティールの長閑な響きがバックに流れるスローな曲の登場です。セルフで付けたRICHARDのバック・ヴォーカルが美しく流れます。いつもなら旧友STEVE・GEORGEとコーラスを共にするところでしょうが、ここはRICHARDのプライベート感がこのアルバムの表われでしょうか。
8曲目"Don't Know Why I Miss You"(3:44) この曲は非常にPAGES、MR.MISTERやRICHARDのソロ名義の曲と雰囲気の違うカントリー・ロック調の曲です。このアルバムの紹介文にRICHARD自身カントリー・ミュージックの長年ファンである記述があり、このようなカントリー調の曲も作詞/作曲共にRICHARDのペンによります。
9曲目"Heaven Is Right Now"(3:37) シンプルなギターの弾語りにペダル・スティール/ヴァイオリン(フィドル)に落ちついた曲です。多分RICHARDと同じ年頃のアメリカに住む人なら郊外へドライブがてら車の中でハンドルに指を打ちつけてRICHARDと一緒即歌えそうな雰囲気が伝わって来ます。
10曲目"This Side Of The Soil "(3:42) 最後の曲でちょっといい意味で、裏切られた感を持たされた曲です。ハードさを持ったサザン・ロックの登場です。重く響くベースのサウンドと尖ったエレクトリック・ギターのソロと例えるならZZ TOP? LYNYRD SKYNYRD? やりますねRICHARD!!!。
全10曲歌詞付 写真ブックレット 2折紙ジャケット仕様 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:38分04秒 (アイオワ州育ちのRICHARD、音楽活動も40年を超えフェニックス時代のバンドの音楽を振り返ったとの事です)'15年3月8日更新


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写真  RICHIE KOTZEN / Change
 ・2003 YAMAHA MUSIC    YCCY 00006

日本先行発売/ボーナス・トラック・・・

このアルバムは、POISON、MR.BIGで活躍していたギタリストRICHIE・KOTZENの11枚目か12枚目あたりのソロ名義でのアルバムで、国内では本国に先駆けての先行リリースの '03年3月19日の販売です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RICHIE・KOTZEN:ヴォーカル/ギター/プロデュースの他、PAT・TORPEY:ドラム、BILLY・SHEEHAN:ベースのMR.BIGでの仲間達です。

1曲目"Forever One"(3:47) 非常にハードでヘビーなサウンドの曲から収録されています。唸るベース・トーンのギターのリフとエモーシャルなRICHIE歌声もラウドに響きます。間奏とアウトロのギター・ソロもどのように弾いているのか解りません。
2曲目"Get A Life"(3:19) 前の曲より少しポップ/ロック寄りに位置しているRICHIEのヴォーカルをメインにしたカリフォルニアン・メロディアス・ハード・ロックと言えますね。
3曲目"Change"(3:23) 実は、このアルバムを購入した理由はこの曲が収録されていた為に買ったのです。今は放送されていないのですが、テレビ東京の音楽番組のエンディング・テーマになっていた曲で非常にメロディアスなアコースティック・ギターのサウンドとRICHIEの美しい歌声が印象的でしたね。
4曲目"Don't Ask"(3:31) ハードなサウンドのパートの合間に展開される非常にリズミカルなギター・ワークが心地好いのです。歌詞の方は、心が通じ合わない彼女とのいざこざを男の立場から表現しています。
5曲目"Deeper(Into You)"(4:15) 意外とポップでキャッチーなサウンドを狙った曲が登場してきました。この曲もRICHIEの歌ものをターゲットにしたヴァリエーションの一つとして収録されています。RICHIEのライナーによるとピアノで作曲したと言うことです。
6曲目"High"(5:05) 美しいメロディによるギター・バラードの登場です。非常にハードでラウドな曲からこのようなイアー・キャッチーさを持たせたメロディアス・ロックを書き/歌う/弾くと彼の才能は計り知れませんね。
7曲目"Am I Dreamin'"(3:45) ナイロン弦ギターのサウンドをメインに打ち込みのリズムを加えたラテンチックなテイストも感じさせる曲です。歌詞の方は日本の新幹線で移動中に書いたとことです。
8曲目"Shine(acoustic version)"(3:52) ご存知MR.BIG[Actual Size]に収録されているアコースティック・ヴァージョンです。このアルバムではオリジナル曲より少しスローにしたアレンジで複数のアコースティック・ギターを駆使して収録されていますが、後半ではベース/ドラムも加えられています。この曲の作者は[Actual Size]でのプロデューサーRICHIE・ZITO(MARC TANNER BAND)とRICHIEとの共作です。
9曲目"Good For Me"(3:53) JEFF・BECKのライヴを観たときにインスパイアされて書いた曲となっています。ミドル・テンポのリズムに乗せたフェンダーのストラトキャスターのサウンドがふんだんに収録されています。
10曲目"Fast Money Fast Cars"(6:58) この曲には驚きですね。RICHIEのサウンド・スタイルからは一番離れた所に位置していたと思われるHIP・HOP/ブラック・ミュージックのサウンドを取入れているのです。後半からアウトロへはワウ・ワウを使った2分近くもあるギター・ソロが展開されています。
11曲目"Unity(Jazz Bee Bop Instrumental)"(2:43) サブ・タイトル通り本格的なジャズ・スタイルのスムーズな流れによるギターの早弾きによるインストゥルメンタルです。JOHN・COLTRANEへのトリビューと書かれています。ドラムとベースもRICHIEが演奏しているようです。
12曲目"Out Take(Instrumental)"(5:09) RICHIEが国内でのライヴでファン・サービスの為にギター1本で様々なギター・スタイルによるアドリブをまとめて再収録したようです。MR.BIGのBILLY・SHEEHAN、PAT・TORPEYとRICHIEとの共作で、彼らもRICHIEスタジオで一緒に一発テイクで収録しています。日本のファン・サービルの為にインストゥルメンタルのボーナス・トラックです。
10歌詞/訳詞付 写真ライナー RICHIEの曲紹介付 (国内盤) 収録時間:49分44秒 (実は、POISONもMR.BIGもアルバムは、1枚も持っていないのですが、ギタリスト好きの管理人は、RICHIE・KOTZENの持つメロディアス・ロックだけは聴いています)'10年3月15日再更新


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写真  RICHIE KOTZEN / Acoustic Cuts
 ・2004 YAMAHA MUSIC    YCCY-10004

めずらしくアコースティック1本での収録・・・

POIZON,MR.BIG etc.とバンドを渡り歩いてきたRICHIE・KOTZENの '04年9月22日、国内でリリースされたRICHIEとしてはめずらしくアコースティック・ギター1本で収録されたアルバムで、11か12枚目?のソロ名義のアルバムです。
収録に際してのミュージシャンは、先に記載していますがRICHIE・KOTZEN:ヴォーカル/ギターです。

1曲目"Change"(3:10) 数年前のテレビ東京の音楽番組のエンディングテーマになっていた曲のアコースティック・ヴァージョンでメロディアスなコード進行とRICHIEの美しい歌声による彼の内情を歌にした内容の曲です。
2曲目"What Is"(4:01) '98年のアルバム[What Is]での収録曲でRICHIEの巧みなギター奏法と強弱を使い分けた歌声と演奏に息を呑む曲です。中々ギター1本で演奏するって簡単そうで出来ない事と思います。
3曲目"High"(4:40) '03年のアルバム[Change]での収録曲でサウンドのイメージは原曲に近いアレンジですが、アコースティック・ギター1本での弾き語りでRICHIEの歌声は、更に熱くエモーショナルに歌い上げます。
4曲目"Don't Ask"(2:29) この曲も '03年のアルバム[Change]での収録曲です。イントロのハイ・コードによるピッキング・サウンドから最高に素晴らしい曲です。オリジナルは、ダイナミックな展開を持ったギター・バラードですが、このアルバムではアコースティック・ギターの繊細さを表現した収録となっています。
5曲目"Where Did Our Love Go"(3:09) '94年の[Mother Heads Family Reunion]に収録されている曲です。RICHIEのエモーショナルな歌声を美しく奏でられるギターのサウンドに乗せた曲です。
6曲目"Rust"(4:09) '97年の[Something To Say]に収録されている曲でこの曲も美しいメロディをもっています。愛する人への想いを綴った内容の曲です。
7曲目"I Would"(3:32) '99年の[Break It All Down]に収録された曲です。このアルバムではアコースティック・ギターのストロークで演奏されています。正しく弾き語りで演奏されるシンプルな曲で哀愁を帯びたRECHIEの切ない歌声で歌い上げます。
8曲目"You've Got A Fire"(3:41) 再び'98年のアルバム[What Is]での収録曲です。ソウルフルな歌声も聴かせるRECHIEの意外な一面を見せる曲でリズム&ブルースを基本とした彼の音楽ルーツの証でしょうか。
9曲目"Don't Wanna Lie"(3:46) '01年の[Slow]に収録されている曲です。恋人との苦悩を歌にした内容の曲でギターのテクニックもさながらヴォーカリストさらには作曲/作詞家としても才能豊かな人と再認識させられます。
10曲目"Let's Say Goodbye"(3:45) この曲も '01年の[Slow]に収録されている曲です。メジャー7のコードを多用した美しくメロディアスなメロディで恋人との別れを綴ったバラード曲です。9曲目のアンサーソングとなっているのでしょうか。
11曲目"Stand"(2:49) 国内盤ボーナストラックで '93年の[Poison]に収録されている曲です。1と3弦のみ?変則チューニングさせたアコースティック・ギターでの1本曲で"ハモ" らせたギター・サウンドが清々しい曲です。
全11曲歌詞/訳詞付 ブックレット (国内盤) 収録時間:39分16秒 (RICHIE・KOTZENは、今のアメリカで"熱い" ギタリストの一人ではないでしょうか)'10年3月15日再更新


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写真  ROBBIE DUPREE / Carried Away
 ・1994 Beverly Records    871 009

懐かしいウエストコーストの香りたっぷりの曲・・・

このアルバムは、80年代の初めにヒットアルバムを2枚残して音楽活動から暫く遠ざかっていたROBBIE・DUPREEの3枚目のアルバムです。オリジナル盤のリリースは、'89年です。CD化再発売は、'94年と'00年に有りました。(良いCDは何度も再発売するのでしょうか?)
NY生まれのROBBIEは、ウッドストックで音楽活動を始めた後、LAでセルフタイトルのアルバムでデビューしています。尚、このアルバムは再びウッドストックに戻って来てから制作されたようです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ROBBIE・DUPREE:ヴォーカル/ハーモニカ/プロデュースの他、JEREMY・ALSOP:ベース/シンセサイザー・ベース/プログラミング/プロデュース、JOHN・TROPEA:ギター、DAVID・SANCIOUS:ギター/キーボード/バック・ヴォーカル、PAUL・BRANNON:ギター/ホーン、ANDREW・ESSEX:ギター、TONY・LEVIN:ベース、LARRY・HOPPEN(ORLEANS):ベース/ギター/バック・ヴォーカル、HARVEY・JONES:キーボード/プログラミング、VINNIE・MARTUCCI:キーボード、TOM・NICHOLSON:キーボード、PETER・BUNETTA:ドラム、GARY・BURKE:ドラム、JERRY・MAROTTA:ドラム、HARVEY・SORGEN:ドラム、PETER・MARTIN:パーカッション、ANN・LANG:バック・ヴォーカル、BOB・LEINBACH:バック・ヴォーカル、KAREN・MANTLER:ヴォーカル、LESLIE・SMITH(CRACKIN'):バック・ヴォーカルのベテラン達です。、

1曲目"This Is Life"(4:33) BILL・LaBOUNTY、DAVID・FOSTERの他との共作で、ウエストコーストの香りたっぷりの曲です。コンパクトなコーラスに好感が持てます。
2曲目"Talk To You"(4:49) 小刻みに弾かれるギターのサウンドとブラスのアレンジはSTEELY・DAN風ですが、当時このようなサウンドの曲が多かったと記憶しています。
3曲目"Shadows On The Wall"(5:13) 美しいメロディのバラード名曲です。誰かもカバーしていました。
4曲目"In Real Life"(4:24) BILL・LaBOUNTYとSTEVE・GOODMAN他との共作です。彼らしい優しさの溢れた曲です。BILLの盤にも収録されています。
5曲目"Emotion"(4:08) タイトなロックのリズムとバックコーラスに囲まれた感のする曲で、チョットKENNY・LOGGINSの曲に似た所が有ります。
6曲目"Carried Away"(6:35) このアルバムのタイトル曲です。この曲も誰かが歌っていました。KAREN・MANTLERのヴォーカルが効果的に使われています。チョットi-TENの哀愁のある曲とドラムが少し似ています。
7曲目"Tears"(4:10) ミドルテンポの良い曲です。「何故僕を泣かせるの」と歌っています。
8曲目"Why"(4:24) この曲は、スローなバラードです。ROBBIEのハーモニカが悲しく響きます。
バックメンバーを一部のみ紹介します。JOHN・TROPEA,JERRY・MAROTTA,LESLIE・SMITH,ANN・LANGです。
全8曲 歌詞無し 写真ライナー スイス製 (輸入盤) 収録時間:38分18秒 (素晴らしい曲が多く入った盤ですが、収録時間がちょっと短いのが...。'05年心臓病を患った彼ですが、HPにて手術に成功し順調に回復中との事です。尚、彼のHPに日本語訳が追加されました)'10年3月15日再更新


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写真  ROLAND BENEDEK / Songs Of Roland
 ・2002 Benedek Records    22222

美しく伸びる歌声とギター・・・

ニューヨークでインディぺンデントとして活躍しているROLAND・BENEDEK(SATTERWHITE)の '05年(登録月日は'02年)にリリースされた自身のレーベルによる8曲入デビュー・アルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ROLAND・BENEDEK:ヴォーカル/ギター/ベース/フィドル/プロデュースの他、ANNE・DRUMMOND:フルート/ピアノのN.Y.のミュージシャン達です。

1曲目"Taking This Home"(4:55) アコースティック・ギターの落ち着いた調べに続いて登場するドラム・マシーンのリズムが心地好い曲です。ROLANDの美しく伸びるファルセット・ヴォイスがこの曲の最大の魅力ですね。
2曲目"Cage Of People"(2:59) フィドルの音色をアクセントに使ったアコースティック・ギターによる爪弾きです。切ないヴァイオリンの調べの裏で流れるギターの忙しない音色が印象的です。
3曲目"She Moves Me"(3:15) 西海岸のミュージシャンが演奏するロックぽいリズムの曲の登場です。カントリー・ロックの風合いを持った初期のJACKSON・BROWNの楽曲に近いものを感じます。
4曲目"Ready To Go"(4:12) ROLANDの魅力の一つはその歌声にあるのですが、メランコリックなこのような曲に映える少しスモキーな歌声から高音で伸びやかに伸びるところに感動します。ROLANDのギター1本とフルートのANNE・DRUMMONDとのシンプルな演奏です。
5曲目"Kerry"(4:48) カントリー・サウンドの要素を持たせたロックの曲の登場です。こもり気味の収録されたROLANDの歌声と早口で次々に発せられる歌詞の数々と彼のフィドル(ヴァイオリンとの違いはこちら)演奏が圧巻な曲と言いましょうか。
6曲目"To Be Judy"(4:04) この曲は非常にビートルズ・ライクなものを感じさせる曲です。メロディアスなメロディの流れに付けられた美しいハーモニーとヴァイオリンの調べです。
7曲目"Time With You"(4:09) ハイフレットにセットされたアコースティック・ギターの煌びやかなサウンドとスキャットで歌うイントロからROLANDは、その歌声を聴かせます。メジャー7のコードを多用したギターのサウンドとヴァオリン音色に使ったアコースティック・ソングです。
8曲目"Mountains"(3:23) ANNE・DRUMMONDのピアノの演奏に乗せて歌うROLANDのバラードです。ピアノのサウンドが登場してくるとBILLY・JOELの感じも少し…
歌詞なし 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:31分48秒 (ROLANDは、この後N.Y.ジャズ・マン達とバンドを組んで活動をしています)'10年3月16日再更新


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写真  ROLAND SATTERWHITE & BENEDEK BAND /
 Love And Discipline
 ・2005 Benedek Records    91049

ニューヨークならではのお洒落なサウンド・・・

ニューヨークで活躍するROLAND・SATTERWHITE:ヴォーカル/ギターを中心とした '05年のBENEDEK BANDとしてのファースト・アルバムです。バック・メンバーのBENEDEK BANDは、MARK・VERDIN:ベース、MATT・KANELOS:キーボード、JESSE・LEWIS:ギター、CHRIS・MICHAEL:ドラムの4人組 '03年よりROLANDと活動を共にしています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、先の5人の他、SAM・BUSH:オルガン、COLIN・BRINGSTOCKE:トランペット、JOHN・RHODES:テナー・サックスのN.Y.のミュージシャン達です。

1曲目"Your Heart Is Broken"(3:58) アコースティック・ギターの切ない響きによるサウンドですが、ROLANDのハート・ウォームな歌声と歌詞の内容に救われる曲です。
2曲目"I'm Afraid"(3:13) ROLANDの早口で時々裏返るファルセットによるヴォーカルとギター・ポップスのサウンドでの曲です。
3曲目"Sailor's Prayer"(5:11) 静かにゆったり流れる曲でROLAND の弾くアコースティック・ギターを基調としたカントリチックなバラードです。彼の素晴らしい歌声も魅力的です。
4曲目"A Few Miles Away"(3:58) ROLANDのエモーショナルで美しい歌声による曲です。ただ都会的な響きのテナー・サックスの音色をたっぷり使っています。
5曲目"Nothing At All"(4:28) ROLANDのヴォーカルとJESSEのジャジーで不思議なフレーズのギターをメインとした曲です。MATTのキーボードソロが大都会(N.Y.)の夜をイメージさせる感じで小さなクラブでの演奏が似合いそうなシブイ曲です。
6曲目"Gravity"(3:31) JESSEのギターの爪弾きに合わせ歌うROLANDの歌声だけの非常にシンプルな曲です。
7曲目"Say It My Way"(3:38) アコースティック・ギターの爪弾きによるROLAND の弾き語りです。何処かDAVID・MEADのIndianaに通じる曲調の曲です。ROLANDによるバイオリンの演奏も重ねられています。
8曲目"Burning Love"(4:01) JESSEのギターソロのイントロから入るギター・サウンドたっぷりの情熱的な歌詞の内容の曲です。
9曲目"New York"(3:44) ROLANDによるニューヨーク賛歌です。
10曲目"Something Like You"(3:36) ROLANDのギターによる静かな弾き語りです。恋人への心の想いを歌に込めた内容の曲です。
11曲目"July"(4:20) ピアノの音色をメインとしたゆったりしたリズムでのバラードです。
12曲目"Massapequa Sun"(3:52) 80年代STEELY DANのようなお洒落な"イカ" したサウンドの曲です。タイトルの"Massapequa" は、ニューヨークの東側に有る町の名前。L.A.から訪れた友人とその町での出来事を歌にしています。
13曲目"Road Ballad"(4:17) MATTの美しいピアノの旋律によるバラードでかなり"シビア" な内容の歌詞です。
14曲目"Crush"(4:14) 明るく楽しいサウンドのポップな曲です。お洒落なサウンドのオルガンが効果的に使われています。
歌詞無し 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:56分35秒 (ニューヨークならではのお洒落なサウンドとその大都市に暮らす日々の内容を歌にした1枚です)'10年3月16日再更新


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写真  ROMEO VOID / Instincts
 ・1984 Columbia Records/CBS Inc.    BFC 39155

DEBORAのカリスマ性・・・

このアルバムは、サン・フランシスコで活躍していたニュー・ウェーヴ・ロック・バンドROMEO VOIDの '84年10月1日に本国でリリースされた3枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DEBORA・IYALL:ヴォーカル、PETER・WOODS:ギター、BENJAMIN・BOSSI:サックス、FRANK・ZINCAVAGE:ベース、AARON・SMITH ('84年から新参加):ドラム/パーカッションのROMEO VOIDのメンバー5人の他、RANDY・JACKSON:ベース、VICKI・RANDALE(RANDLE):バック・ヴォーカル、TISH・LORENZO:ナレーションなどスタジオ・ミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、DAVID・KAHNE(VOUDOURIS & KAHNE)が担当し、収録曲の一部もメンバーと一緒に書かれています。

1曲目"Out On My Own"(3:50) 打ち鳴らされるドラムのビートに躍動的なベースなベースの弦の響きが伝わるリズミカルな流れの曲です。紅一点のDEBORAの歌声と交代に入って来るBENJAMINの長い目のサックス・ソロがこのバンドの特色ですね。
2曲目"Just Too Easy"(3:10) スポーケンに近いDEBORAの斜に構えた歌声と共にバックで繰り広げられるロック色の強い演奏群など女性ヴォーカリストをメインとしたこの時代の他のバンドと共通性を感じます。
3曲目"Billy's Birthday"(4:09) 今度はリズムを少し落として来たミドル・テンポで流される曲です。少し粘り気のあるDEBORAの歌声をストレートに聴かせるアレンジに間奏で登場するお決まりのサックス・ソロとニュー・ウェーヴ系としては、定番的なアプローチですね。
4曲目"Going To Neon"(3:33) エコーを効かせたギターの刻みとメロウなサウンドを聴かせるサックスの音色は非常に心地好さを伝えるプロデューサーDAVID・KAHNEの書いたインストゥルメンタルです。クレジットの記載は無いのですが、多分この浮遊感のあるキーボードの演奏はDAVID自身ではないでしょうか、DAVIDがこのメンバーと一緒に演奏してみたいと思って収録されたように感じるインスト・バンドとしても非常にテクニックの高さ披露しています。
5曲目"Six Days And One"(4:31) このバンドの魅力と言えば、やはりDEBORAのカリスマ性やそのカルト的な歌声にあると思わせる曲です。中近東的なリズムとサウンドを聴かせながらクネクネと登り詰めるようなイメージやサイケデリック感を伝えます。
6曲目"A Girl In Trouble(Is A Temporary Thing)"(4:12) お待ちかねこのアルバムからの最大のヒット曲と言うよりROMEO VOIDとしての最大のヒット、当時のビルボード・ホット・ダンス・ミュージック部門11位の記録を残しています。当時にビデオを制作され日本でも良く放送されていた1曲です。
7曲目"Say No"(4:33) この曲でもそのアグレッシヴでソリッドなベース・ランを聴かせる曲です。ダンス・ビートの乗りの良さやLINNドラムの叩きつけるリズムなど懐かしさを感じさせるところも含めて楽しんでみましょう。
8曲目"Your Life Is A Lie"(5:19) 押し寄せるベースとドラムのビートと交互に登場するDEBORAの押しの強い歌声が響く、どこかアクション映画のテーマ・ソングに似たところを感じる曲です。後半からはドラム、ベースとギターによる長いインストゥルメンタルとなっています。
9曲目"Instincts"(4:55) この曲も当時良く聴いた浮遊感漂う響きの曲です。長いイントロを過ぎてから登場する枯れ気味の渋めの歌声を聴かせるDEBORAとサックスの調べです。例えるなら女性メイン・ヴォーカルによるROXY MUSICのような感じかな。
8曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:38分15秒 (この80年代は、イギリスから多くのミュージシャンやバンドが登場していた時期なのですが、ニュー・ウェーヴ・ロックの影響にてアメリカからも新しいバンドも登場し、音楽好きにとっては楽しい時期でもありました)'12年10月27日更新


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写真  RON DANTE / Street Angel
 ・1981 HANDSHAKE RECORDS INC.    JW 37341

残念ながらCD化はなさそうです・・・

このアルバムは、N.Y.で60年代の後半から70年代まで活躍していたスタジオセッション・バンドTHE CUFFLINKS及びロック/ポップ・バンドTHE ARCHIESのヴォーカリストRON・DANTEのソロ名義による3枚目('72年のTHE AMAZING SPIDERMAN / Webspinnersは含まず)のアルバムで、本国でのリリースは、 '81年です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RON・DANTE:ヴォーカル/プロデュース、PAUL・SHAFFER(DONALD・FAGEN,ROBERT・PLANT):キーボード/シンセサイザー/バック・ヴォーカル/プロデュース、ANTHONY・BATTAGLIA:ギター、HIRAM・BULLOCK:ギター、HUGH・McCRACKEN:ギター、JEFF・LAYTON:ギター、SID・McGINNIS:ギター、FRANCISCO・CENTENO:ベース、GEORGE・PERRY:ベース、WILL・LEE:ベース、ARTHUR・CALDWELL:ベース、JOSE・GALDO:ドラム、ALLAN・SCHWARTZBERG:ドラム、JIMMY・MAELEN:パーカッション、GEORGE・YOUNG:サックス、ARTIE・KAPLAN:サックス、JAMES・JOLIS:バック・ヴォーカル、KEVIN・DI・SIMONE:バック・ヴォーカル、VALERIE・SIMPSON:バック・ヴォーカル、LANI・GROVES:バック・ヴォーカル、ULA・HEDWIG:バック・ヴォーカル、LISA・MICHAELIS:バック・ヴォーカル、KATIE・IRVING:バック・ヴォーカル、ROBIN・BECK:バック・ヴォーカルのベテラン達が参加しています。

1曲目"Street Angel"(3:20) 心和む響きを感じさせるピアノの調べがイントロから流れるメロディアスなナンバーです。間奏で聴かせるJEFF・LAYTON(JANIS・IAN,LEONARD・COHEN)の泣き気味のギターの調べが堪りませんね。オリジナル曲は、多くのポップスを提供しているSCOTT・ENGLISH とLARRY・WEISSのコンビによる '78年の曲です。
2曲目"Show And Tell"(3:14) イントロの部分は聴き慣れたロック"ン" ロールお決まりのリフでスタートする曲なのですが、ポップ色の強いハーモニーにご機嫌なHUGH・McCRACKENの伸びやかで粘りのあるギター・トーンとのバランスが良い感じです。オリジナル曲は、ソウル・シンガーAL・WILSON '73年の全米ポップス1位となった曲です。
3曲目"I Can't Stop"(4:18) 何だか青春映画のエンドタイトルでのサウンド・トラックに使えそうなピアノ・バラードです。この曲は、BARRY・MANILOWのアルバムに曲を提供しているRICHARD・KERRとTROY・SEALSのコンビがDANのこのアルバムの為に書き下しています。
尚、RONは、そのBARRY・MANILOWのアルバムのプロデュースも担当しています。
4曲目"Letter From Zowie"(3:33) 今度の曲は少しハードなサウンドを聴かせる産業ロック的サウンドの曲です。この曲でのギター・ソロは、N.Y.で活躍しているHIRAM・BULLOCが担当してスリリングなサウンドを聴かせています。
5曲目"God Bless Rock 'N Roll"(2:48) イントロのGEORGE・PERRYの重いベースの響きとギターのサウンドとの絡みが渋いゴスペル・テイストを感じさせるロック"ン" ロールのリズムの曲です。スライド・ギターとハーモニカにと大活躍のHUGH・McCRACKENの熟練のバックの頼もしさも感じさせます。
6曲目"Jane"(4:07) サウンドを明るくして来た軽めのポップスの登場です。JANEに捧げる愛のバラードを熱く歌うRONの歌声が響いて来ます。この曲は数多くのミュージシャンに曲を提供しているDESMOND・CHILDとDAVID・WOLFERTの2人によってこのアルバムの為に書かれています。
7曲目"Makin' Up"(3:36) ニュージーランド出身のS.S.W. GINO・CUNICO、ALBERT・CAMBELLとGERARD・McMAHONによって書かれたソフトなサウンドが心地好く流れて来る曲です。時折強く奏でられるピアノのパートとホーンのサウンドでの彩どりが良いですね。
8曲目"Stay All Night"(3:11) 再びサウンドをロック色に強めた乗りの良い曲の登場です。ベースは何とGEORGE・PERRYとWILL・LEEによるツイン・ベースです。
9曲目"Don't Do That To Me Anymore"(3:43) この曲も4曲目と感じの似た産業ロック的な印象を受ける曲です。伸びやかにまた切れのあるギターを聴かせるHIRAMとGEORGEの職人肌のベースとコラボを素直に楽しみましょう。
10曲目"Sea Cruise"(2:28) PAUL・SHAFFERがピアノで聴かせるロック"ン" ロールの曲です。普段から歌い慣れたようなRONの楽しげな明るい歌声と共に軽く収録した感じが伝わって来ます。
尚、オリジナル曲は、ニューオリンズのブルース・ピアニストHUEY "PIANO" SMITH '59年のヒット曲です
歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:34分18秒 (プロデューサーとしてまた、現在も自身のライヴを精力的に行っているRON・DANTE、頑張っていますね。'20年10月世界初CD化されたもよう!)'20年10月23日再更新


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写真  RON HARRISON / Move On
 ・2002 Ron Harrison    RH5922

アコースティック・ギターの優しい調べ・・・

このアルバムは、ミシガン州でインディペンデントに活躍しているS.S.W.RON・HARRISONの '02年8月4日に本国リリースされた自主制作盤(多分デビュー・アルバム)です。収録のメンバーはRONの友人達JOHN 'IVAN' GRELICK(RARE EARTH):ベース/ギター/ヴォーカル、ROGER・TARCZON(HENRY):ドラム、LISA・JOHANSSON(SONG OF THE LAKES):フルート、SUSAN・FISK:バック・ヴォーカル、KAREN・KAY:バック・ヴォーカル、SHARRON・MAY:バック・ヴォーカル、SCOTT・ZYLSTRA(DETOUR BLUEGRASS):ギター、GARY・WORDEN:アコーディオンの地元のミュージシャンです。

1曲目"Wrong Turns and Hard Times"(4:14) 艶やかなアコースティック・ギターの弦の響きに続いて登場する往年のS.S.W.JAMES・TAYLOR似のRONの歌声が優しく登場するミディアム・テンポのアコーステック・ナンバーです。
2曲目"Move On"(3:40) 少しキーを下げてRONが歌うボサ・ノヴァです。今度はナイロン弦ギターを巧に響かせながらバック・ヴォーカルの女性陣と"クール" に攻めて来るのです。
3曲目"Take It As A Sign"(3:56) 前の曲調を引き継いだナイロン弦ギターの調べが心地好く響く曲です。この曲では少しKENNY・RANKIN似の歌声も感じさせる"渋い" RONです。フルートで参加しているLISA・JOHANSSONの調べも決まっています。
4曲目"What Is Going On"(3:25) 少しブルースがかったメランコリックなメロディとサウンドの曲です。これまでベース・ギターで大人しくしていた'IVAN' GRELICK(GREILICK)が彼の得意とするギターに持ち替えて枯れたストラトキャスターの弦の響きによるご機嫌な演奏を聴かせてくれるのです。
5曲目"Wondering"(3:22) のんびりとまた、ゆったと流されるアコースティック調の曲です。やはり、この手のゆったりしたリズムの曲はドラムではなく、定番的ですがコンガかボンゴのリズムでのビートが似合いますね。
6曲目"You Can Dream"(3:16) ミシガンでブルーグラスの音楽活動をしているベテラン・ギタリストSCOTT・ZYLSTRAの流れるような美しいギターの調べが響くカントリー・フォーク調の曲です。アコースティック・ギターを弾きながら歌うRONの優しい歌声も心地好く届けられます。
7曲目"A Cold Moon"(3:40) アコースティック・ギターで演奏される洒落たボサ・ノヴァ調の曲です。落ち着いた響きを聴かせるRONの歌声と彼のギターの爪弾きによる初期のMICHAEL・FRANKSの楽曲に通じるサウンドでしょうか。
8曲目"On This Highway"(3:15) この曲もブラジリアン・ミュージックの心地好い調べによるボサ・ノヴァの曲です。RONの歌声の裏から聴こえるSUSAN・FISK、KAREN・KAY、SHARRON・MAYの歌声達の流れと響きが良いですね。
9曲目"I Don't Know"(4:26) ノスタルジックさとストイックさを与える男性S.S.W.然としたアコースティック・ギターのサウンドによる曲です。少し切なさを感じさせるGARY・WORDENのアコーディオンの調べも素晴らしいのです。
10曲目"Safe At Home"(3:30) アコースティック・ギターで演奏した3コードによるロック"ン" ロールのリズムの曲の登場です。間奏ではRON自身のエレクトリック・ギターのよるソロとライヴでの乗りを重視した手持ち曲なのでしょう。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:36分50秒 (このRON・HARRISONの事を色々検索したのですが、彼の詳しい情報は残念ながらありませんでした)'10年3月16日再更新


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写真  RONIN / Ronin
 ・1980 Phonogram.Inc.
 ・2010 UNIVERSAL MUSIC LLC    UICY-94738

玄人受けミュージシャンシ衆・・・

このアルバムは、80年頃にロス・アンゼルスを中心に活躍していたセッション・ミュージシャンの集まりによるロック・バンドRONINの '80年にリリースされた唯一のアルバムです。
このRONINのメンバーは、WADDY・WACHTEL:ギター/ヴォーカル、DAN・DUGMORE:ペダル・スティール/ヴォーカル、STANLEY・SHELDON:ベース、RICK・MAROTTA:ドラム/バック・ヴォーカルの4人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DON・GROLNICK:キーボード、BILL・PAYNE:シンセサイザー、UCLA MEN's CHORUS:ハーモニーが参加しています。
JAMES・TAYLORやCAROL・KINGのバック・ミュージシャンとして日本で人気のあったRONINは、このアルバムをリリースした後の '81年9月に来日公演もしています。
尚、このアルバムのプロデュースは、LINDA・RONSTADTやRINGO・STARRなどのアルバムを手掛けたPETER・ASHERが担当しています。

1曲目"Love's Coming Into My Life Again"(5:00) DON・GROLNICKの刻むように奏でられるピアノの演奏から入るミドル・テンポのロックです。ヴォーカルは、この曲の作詞/作曲を行ったWADDY自身でギターも奏でながらライヴ形式で収録されたような曲調を感じます。
2曲目"Home At Last"(3:27) この曲もWADDYの作詞/作曲/ヴォーカルによる曲で、ロック"ン" ロールのリズムによるロック色の強い作品です。フェンダー系のギターによるWADDYのギター・ソロと彼のヴォーカルをメインとした定番的な感じを受けます。
3曲目"It Touches Everyone"(5:42) ちょっとサウンドをアコースティック・サウンドに移して来たカントリー・フォーク調の曲です。バックに流れるBILL・PAYNEのシンセサイザーや>DAN・DUGMOREのペダル・スティールが心地好く響いて来ます。
4曲目"Here Come The Runner "(5:20) 特徴的なギターのカッティング音とRICK・MAROTTAの変則的なドラムのビートが印象的なタイトなロック・ナンバーです。当時のロス・アンゼルスのバンドのサウンドを象徴したような切れ味のあるトーンとうねりのあるリズムが響きます。
5曲目"American The Beautiful"(4:08) 再びロック"ン" ロールのリズムによるロック色の強い曲の登場です。非常にストレートに表現したメンバー4人による「アメリカ讃歌」ですね。
6曲目"Hey Nadine"(4:16) この曲を聴いていて何か男臭さを感じるところなど、BRUCE・SPRINGSTEENの曲を聴いているじゃないかなと錯覚します。エッジを立たせたギターのサウンドをメインに真正面からパワーで聴かせる感じです。
7曲目"All I Can"(4:00) この曲は、ペダル・スティール担当のDAN・DUGMORE の書いた曲で、ヴォーカルもDAN自身です。カントリー調のメロディとサウンドによる少し長閑さを感じさせます。
8曲目"Desilu"(3:10) オリジナル曲についての詳細は不明ですが多分、映画/TV音楽を手掛けていたMURPHY・DUNNEと IRA・MILLERの書いた曲のようです。レゲエのリズムを取り入れた軽めのアレンジの曲で、WADDYのヴォーカルにて収録されています。
9曲目"Feels Right"(3:23) 再びストレートなロック"ン" ロールのリズムの曲の登場です。ライヴなどの演奏では、観客に伝わり易いサウンドと乗りの良いリズムにWADDYのギター・ソロの見どころなどアピールする曲ではないでしょうか。
歌詞無し LP盤ライナー 2010年初回限定紙ジャケット仕様 シリアル番号カード付 SHM-CD盤 (国内盤) 収録時間:38分30秒 (当時のアルバム紹介では、このアルバムでの自分達は、丁度主家を失った浪人(仕事待ちのセッション・ミュージシャン衆)と紹介されたような記憶があります。ちょっとロック"ン" ロールの曲が多過ぎの感じがして、アルバム通しで聴くには辛いかな?) '11年11月5日更新


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写真  RON SEXSMITH / Retriever
 ・2004 Nettwerk America LLC    0 6700 30357 2 9

心温まる歌声とサウンドの隙間・・・

カナダで活躍しているRON・SEXSMITHの8枚目('91年のインディペンデント盤を含む)のアルバムです。プロデューサーは、'02年のRONのアルバム[Cobblestone Runway]同様、ロンドンにスタジオを構えたMARTIN・TEREFE(KT・TUNSTALL,SARA・ISAKSSON)が抜擢されています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RON・SEXSMITH:ヴォーカル/ギターキーボードの他、MARTIN・TEREFE:ギター/ベース/キーボード/バック・ヴォーカル/プロデュース、CLAES・BJÖRKLUND:ベース/ギター/グロッケンシュピール、ANDREAS・OLSSON:ベース/ギター、ED・HARCOURT:キーボード/バック・ヴォーカル、CHRISTER・JANSSON:ドラム、NEIL・PRIMROSE:ドラム、MICHAEL・CLARKE:バック・ヴォーカル、DAVID・DAVIDSON:ストリング・アレンジ/ヴァイオリン、CAROLE・RABINOWITZ:チェロ、KRISTIN・WILKINSON:ヴィオラ、MONISA・ANGELL:ヴィオラ、DAVID・ANGELL:ヴァイオリンのカナダ/英/米/スウェーデンの混成チームです。尚、ジャケット写真は、同じくカナダで活躍するミュージシャン/プロデューサーDANIEL・LANOISの撮影によるものです。

1曲目"Hard Bargain"(3:12) ナチュラル・トーンにしたギター・サウンドがバックで響く心地好い曲です。ファルセットでの歌声も時折聴かせるRONの優しい歌声は、いつも通りですね。
2曲目"Imaginary Friends"(3:42) イントロの歪ませたギターのサウンドから気に入った曲です。ギター・サウンドの職人MARTIN自らギターを弾いている曲です。サウンドとメロディ共にこれと言った凝った事は、行っていないのですが、何故か心に残る優しいメロディがアウトロまで続きます。
3曲目"Not About To Lose"(3:00) 3曲続けて「イア・フレンドリー」な曲のパレードです。ストリングスの美しい音色を加えて優雅なサウンド展開となっています。サウンドとメロディの根底には、ビートルズ・ライクな要素を持ち味として流れているようです。
4曲目"Tomorrow In Her Eyes"(2:28) 一転してピアノのサウンドを基調としたスローなリズムによるメランコリックな曲です。RONのピアノでの弾き語り形式で収録されているようなシンプルなアレンジになっています。
5曲目"From Now On"(4:38) ピアノとアコースティック・ギターによるポップ調の曲です。ギミックなサウンドを発するエレクトリック・ギターがRONの歌声の合間に入って彩りを整えているようです。
6曲目"For The Driver"(2:46) 美しく響くアコースティック・ギターの調べと吟遊詩人よろしく歌うRONの弾き語りです。曲の終わりに配されたアコーディオンやパイプ・オルガンのサウンドから次の曲に入るパートは本当に素晴らしいのです。
7曲目"Wishing Wells"(4:07) イントロで響くギター・サウンドによる三連音符が特徴的で意表をつきます。ギター好きには非常に受けるサウンドで、CDを聴きながらRONと一緒にギターを弾きたくなるでしょう。
8曲目"Whatever It Takes"(3:20) オーケストラのサウンドに近いストリングスをアレンジした美しいメロディによる曲でこのアルバムの最初に気に入りました。アーバンなサウンドも少し感じさせるスムーズな流れとバック・ヴォーカルもご機嫌です。
9曲目"Dandelion Wine"(3:29) 渇いたアコースティック・ギターのサウンドに次第に加えられていくピアノ、ストリングス、ドラムとベースのサウンドが心地好い曲です。RAY・BRADBURYの小説と同じタイトルを持つところに興味津々です。
10曲目"Happiness"(2:32) 一転して肩の凝らないラグ・ミュージックの雰囲気を持った曲です。楽しそうに演奏し歌を歌うRONの姿が目の前に浮かびそうな感じです。
11曲目"How On Earth"(4:09) この曲も良い曲ですね。特にドラムのCHRISTER・JANSSON(ABBA,ROXETTE)の変則的に"メリハリ" の効いたビートの繰り出しにベテランの味を感じさせます。RONの優しい歌声に重ねられたサウンドの数々と彼の歌声を邪魔しない隙間との調和は見事です。
12曲目"Know It Well"(2:39) アルバムの最後は、しっとりしたメロディとサウンドによるスローな曲で締め括られています。ストリングスも非常に美しく奏でられながらRONの歌声が厳かに響きます。
全12曲歌詞付 12ページ物ブックレット U.S.盤 (輸入盤) 収録時間:40分08秒 (日本に多くのファンを持つRON、コンスタントに訪日し、ライヴ活動を展開しています。彼の心温まる歌声と音楽が、やはり日本のファンに受け入れられているのでしょう!)'10年3月17日再更新


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写真  THE ROPES / What They Do For Fun
 ・2008 VIVID SOUND CORPORATION    VSCD-9350

聴者に媚びない歌声とサウンド・・・

このアルバムは、N.Y.で活躍しているインディー・ロック・バンドTHE ROPESの '08年12月3日に国内でリリースされたデビュー・アルバム(実質デビューは '06年シングル盤"Kill Her Off" を本国で自主リリース)です。
THE ROPESのメンバー(デュオ)は、SHARON・SHY:ヴォーカル/ベース、TOPPY:ギター/サウンド/プログラミング/バック・ヴォーカルの2人です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、BLAKE・FLEMING:ドラム、DAVID・GOTAY:チェロ、JOE・DENINZON:ヴァイオリンのN.Y.のミュージシャン達が参加しています。 尚、プロデュースは、THE ROPESのTOPPYとミキサー/エンジニアとしても活躍しているNIC・HARDと共同で行われています。

1曲目"What They Do For Fun"(3:27) もうイントロから響くベースとギターのサウンドから痺れさせられる曲です。結構尖った攻撃的なサウンドの輪郭を持って展開されますがSHARONの歌声によるサビの部分の流れはガールズ・ポップの曲のような雰囲気を持っています。
2曲目"Hey Contemporary"(3:35) この曲の持つ怠惰感が堪らない曲です。気だるそうにまた時に意気込んで歌うSHARONの歌声のバックにギターでリズムを刻み上げるTOPPYの仕事ぶりが好いですね。
3曲目"Flimsy"(3:03) もうイントロのサウンドなど音が割れて飽和状態となった音の波で押し寄せ感のある曲です。歪ませたSHARONとクリアな彼女の歌声を重ねあわせたテクニックが妙に上手いですね。
4曲目"Kill Her Off"(2:56) 先に紹介したシングル盤にてデビューした曲です。多分のこのアルバム用に再収録されたと思わせるキャッチーなサウンドと後半からのサイケデリックな流れが組合されています。
5曲目"Cry To The Beat"(3:24) この曲もパンキッシュな雰囲気を一杯感じさせる攻撃的なサウンドを持った曲です。巧みに謡ぶりを変化させながら聴かせるSHARONとサウンドを変幻させるTOPPYです。
6曲目"Let On"(2:49) 一転して古びたアコースティック・ギターによる質素なサウンドの曲の登場です。途中よりベース、ドラムとハモンドを加えて展開され終焉前にはメロディアスな部分もキラッと光らせます。
7曲目"Street I Never Lived On"(2:56) 巧みに早口で歌うSHARONのコケティシュ(良い意味での)な歌声が特徴的な曲です。心地好く転がるリズムの流れとキャッチーな電子サウンドなどアルバムを進むにつれてTHE ROPESの本当のサウンドがどこにあるか掴み場所をはぐらかされるマジックに陥ります。
8曲目"Water And Headphones"(2:35) この曲も太く響くベースのサウンドが印象的なパンク・ロックな雰囲気を突き刺してくる曲です。吐き捨てるように叫びながら歌うSHARONの歌声が広がります。
9曲目"I Stand For Nothing"(3:11) また雰囲気を変えてきたポップ/ロック色の強い曲です。スピーディなリズムの流れとストレートなサウンドを聴かせるライヴ受けしそうなナンバーです。
10曲目"Dead And Well"(3:30) ベースのラインの響きが美しいエモ・ロックな曲です。間奏で更に美しく響くTOPPYのギターとキーボードが空間に広がります。
11曲目"Heaven On Stilts"(3:18) 面白いタイトルの曲の登場です。ドラムのビートとベースのサウンドとの絡み見事なこの曲も非常にエモ・ロックなサウンドを放つ曲です。重厚なサウンドで聴かせるサビのパートとイノセントな歌声も聴かせるSHARON独断場的な曲です。
12曲目"After Today, Before Tomorrow"(4:00) ぱっと聴きは、イギリス北部のロック・バンドの曲の雰囲気を感じさせる曲です。聴き易いリフレインで展開される残響音をたっぷりと録った流れを感じます。
13曲目"I Don't Like To Get Dirty(Bonus Track)"(4:08) 国内盤用に追加収録されたボーナス・トラックです。アコースティック・ギターによるイントロから次第に荒らしたサウンドを多用したソリッドでエッジの効いた雰囲気を放っています。
尚、この曲は、エレクロトニカのサウンドを目一杯使ったアレンジ違いも収録されています。
14曲目"You Are The Gravity(Bonus Track)"(2:37) 怠惰に歌うSHARONの歌声とオルタナティヴなギターのサウンドを中心とサウンドを奢った尖りまくった曲です。聴く者に媚びないSHARONの歌声とTOPPYのサウンドです。
15曲目"All That Disappointment(Bonus Track)"(3:23) この曲も先の曲同様非常にオルタナティヴなロックだと感じさせる曲です。ここまでアルバムを通して聴いているとすっかりSHARONとTOPPYの音楽の虜になってしまいます。
16曲目"Dead And WellPiano Version(Bonus Track)"(4:25) 曲名通り10曲目の曲をシンプルなピアノの演奏で収録したアン・プラグドとなっている曲です。リズムもぐっと押さえてもの静かに歌うSHARONです。
15曲歌詞付 写真ブックレット 紙ジャケット仕様 ボーナス・トラック付 (国内盤) 収録時間:53分24秒 (このアルバムは、私の住む神戸にオフィスのあるプロダクション・デシネの制作アルバムとなっています)'13年11月30日更新


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写真  RUBIES / Explode From The Center
 ・2008 HYBRIS    HYBRO063

女性版KING OF CONVENIENCE?・・・

サンフランシスコで活躍しているSIMONE・RUBI:ヴォーカル/キーボード率いるRUBIESは、ベース/ヴォーカルのTERRI・LOEWENTHALを中心としたユニットに N.Y.のS.S.W.AMY・COOPER、スウェーデンのギタリストMARCUS・PALMと同じくドラム:LARS・SKOGLUND、ヴォーカル/プロデュース:KARL・JONAS・WINQVISTが参加しています。各曲の収録先の詳しい解説は無いのですが、大半の曲は、ストックホルムとベルゲンで収録されているようです。また、収録曲により今のミュージック・シーンをリードするミュージシャンが参加しているのも興味深いです。
尚、このRUBIESは、'07年に国内盤先行発売(デモ音源付2枚組)を記念して東京近郊でライヴを敢行しています。
ヨーロッパでのリリース元は、Rough Tradeにより '08年3月24日となっています。

1曲目"Room Without A Key"(3:45) イントロのギター1本によるAMY・COOPER?のサウンドから参ってしまった曲ですね。適度の隙間のあるダウン・ビートの刻みとTERRI・LOEWENTHALの起伏のあるベース・ランと言い"にやっ" とさせられる部分を感じます。
2曲目"Too Bright"(3:48) ギターとヴォーカルにEIRIK・GLAMBEK・BØE(KING OF CONVENIENCE)が参加したナンバーです。やはりEIRIKが参加しそうなアコースティック・サウンドが流れる美しいメロディとサビでのSIMONEの歌声が心に響きます。
3曲目"Signs Of Love"(4:28) メランコリックなサウンドを発するSIMONE のキーボードの音色によるイントロから入り、次第にアーバンなサウンド展開します。SIMONEの切ない歌声がスムーズに流れるところが良いですね。お気に入りの曲です。
4曲目"I Feel Electric"(4:43) エレクトロニカによるダンス・ミュージックらしい躍動感を与えるリズムとサウンドによる1分近くあるイントロ、カナダのS.S.W.FEISTもヴォーカルで参加しています。典型的なエレクトロニカのサウンドとS.E.のアレンジとかは、RUBIESのシニカルな洒落なのでしょう。尚、FEISTのアルバム[The Reminder]のジャケ・デザインをSIMONEが担当しています。
5曲目"Turquoise"(4:13) SIMONEの弾き語りを中心にした収録曲になっています。ゆったりと進みながら次第にサウンドを厚くされています。
6曲目"Stand In A Line"(4:58) SIMONEがその"ヘタウマ" ヴォーカルを見事に聴かせるミドル・テンポのオルタナティヴ・ポップな曲で、次第にサウンドをファンクなダンス・ビートの傾向に導いて行くアレンジが洒落ていますね。
7曲目"Diamonds On Fire"(4:00) このアルバムのメインとなっているようなオルタナ系ギター・ポップとエレクトロニカのサウンドが上手く混ざり合った曲です。後半から登場するKARL・JONAS・WINQVISTの特徴的な訛りのある歌声とクリアなSIMONEの歌声との絡みも良いですね。
8曲目"Silver Mornings"(3:24) ナイロン弦ギターによるSIMONEの囁きに似た歌声から入る曲で、後半から東洋的なストリングス風のサウンドも現れて来ます。
9曲目"Truth And The Lies"(4:49) アコースティックな調べによるスローな曲です。ドラム、アコースティック・ギター、アップライト・ベース、キーボードによるシンプルな演奏にか細いSIMONEの歌声とアンビエントなバック・ヴォーカルに再びFEISTとEIRIK・GLAMBEK・BØEが参加しています。
全9曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:38分08秒 (なぜこのRUBIESのアルバムがスウェーデンからリリースされたのか不思議ですが、スウェーデンとノルウェーの雰囲気を十分に伝えています。ただ、収録曲をもう少し多くして欲しかったかな...)'10年3月17日再更新


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写真  RUSSELL BOIARSKY / Turn
 ・2009 Russell Boiarsky    RB4779 4

溢れるギター・サウンドによる乗り・・・

このアルバムは、オハイオでインディペンデントに活躍しているS.S.W.RUSSELL・BOIARSKYの '09年6月本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RUSSELL・BOIARSKY:ヴォーカル/ギター/キーボード/ウクレレ/ジャンベ/プログラミング/プロデュースにANDREW・ECKERMAN:ドラムと少人数で収録されています。

1曲目"Poetry"(7:57) 中東音楽のような特徴的な弦楽器の調べが流れるエスニック感のあるイントロに続いて登場するRUSSELLのこれまた特徴的なエッジのある歌声によるエモ・ギター・サウンドの8分近くある曲です。ANDREW・ECKERMANの"ビシバシ" と決まるドラムのビートの躍動感も素晴らしいのです。
2曲目"No Road Too Far"(3:50) この曲もギターのサウンドに溢れた乗りの良さを感じさせてくれる曲です。RUSSELLは、ギターのサウンドに熟知しているようで、ギミックなギター・サウンドを上手くアレンジして曲の"掴み" として使われていて素晴らしいのです。
3曲目"Channels Changing"(5:42) 今度は、ピアノのサウンドを中心とした収録曲の登場です。この曲もピアノの調べの合間に流れるアコースティック・ギターのサウンドの調べの心地好いと言うか、本当に効果的な使われ方をしているのです。
4曲目"Simple Measures"(4:54) 少しサウンドをダークに更にベースを使って低く流して来たダウンテンポ的な曲です。溜めを取ったANDREWのドラムのビートと後半より登場するサウンド・エスケープなギター・ソロが良いですね。
5曲目"Ordinary"(5:48) RUSSELLのアコースティック・ギターによる巧みな弾き語りとヴァイオリン風のキーボードのサウンドが響くフォーキー・ポップな曲です。ヴォーカルは、多重で収録されているようなので、ちょっと聴いただけでは、解らないかもしれませんが、バンド・スタイルで収録しているような響きが広がります。
6曲目"Sunroof"(5:04) 美しいアコースティック・ギターのサウンドがイントロから広がるこの曲もフォーキー・ポップな曲です。RUSSELLは、もともとはテキサスのヒューストン出身で、土地柄に拘らず様々なところで音楽活動をして来たので、カリフォルニア・ポップやN.Y.のS.S.W.からの影響も強く受けているようです。
7曲目"This Impossible Time"(4:59) S.S.W.らしいギターのフィンガー・ピッキングの調べに乗せて優しく歌うRUSSELLの歌声が響く落ち着いた曲です。流れるようなギターのサウンドからエモーショナルなエレクトリックによるソロまで聴かせます。
8曲目"West And Wherever"(3:18) 今度は循環コードによるフォーク・スタイルによる軽めのサウンドとリズムによる曲です。アメリカのラジオ・リスナーな好みそうなサウンドによる聴き易い3分フォーマットです。
9曲目"L.A. Song"(5:40) 今度は少しヴォーカル側に重さを置いた吟遊詩人的なアコースティック・ギターの弾き語りが入る曲です。ハモンドの心地好いサウンドの合間から響くRUSSELLの歌声を聴いていて懐かしのSEALS AND CROFTのJIMMY・SEALSの少し硬めの歌声を思い出しましたね。
10曲目"Where The Wild Things Go"(5:24) この曲もイントロからギターの様々なサウンドが響く曲です。少し荒らしたサウンドの響きによるブリット・ロックの要素を70年代アメリカン・ロックに加えたような感じを受けます。アウトロ部分は、ギターとドラムによるインストゥルメンタル仕立てにて収録されています。
11曲目"Ukulele Song"(2:18) 曲名通りウクレレを使った2分少々の軽めの曲です。パーカッション、ギター、ピアノにコーラスと1人で作り込んだ感のある曲のようです。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:54分59秒 (このアルバムを含み '02年にアルバム・デビューしているRUSSELL、その過去のアルバム(リリース順は逆)も非常に気になるところですね)'10年3月17日再更新


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写真  RUSSELL STARKE / Centerlight
 ・2003 russell starke    RS9421

数々のバンドと様々な音楽を・・・

このアルバムは、N.Y.出身で現在 フィラデルフィアにてS.S.W./ギタリストとしてインディペンデントに活躍しているRUSSELL・STARKEのソロ名義のデビュー・アルバムで、'03年7月に本国でリリースされたアルバムです。マルチ・インストゥルメンツの奏者であるRUSSELLは、このアルバムの収録曲全ての作詞/作曲とミキシングまで1人で行っています。また、'07年には5曲入のミニ・アルバムを自身のレーベルよりリリースしていますが、残念ながらmp3によるダウンロードのみのようです。
'91年頃にロング・アイランドで結成されたハード・ロック・バンドのヴォーカル/ギターとして最初にミュージシャンとして活動をスタートして現在まで数々のバンドと様々な音楽を経験しているようです。

1曲目"Lost For Words"(4:11) バックワードのようなサウンドを使ったループ・シークエンスからのイントロとオルガンの長く弾かれたマイナーな音色に続いて登場するギブソン・レス・ポールの力強い爪弾きによるサウンドが流れるギター・インストゥルメンタルです。
2曲目"Flight"(4:35) 硬めのドラムのビートと小気味よいギターのリフが流れるストレートなアメリカン・ロック的な曲です。ドライビングに最適なRUSSELLの歌声とリズムを与えてくれます。チレーとエモーショナルなリズムとビートの曲で前作からの引き継いだサウンドです。
3曲目"The Grind"(5:27) サウンドを少しハードに感じさせて来た曲の登場です。中西部のハード系のルーツ・ロックに近いものを感じさせます。オーバードライヴ気味のギターのサウンドとハモンド風のサウンドによる演奏の聴き応えがあります。
4曲目"Time Stands Still"(5:11) ドラム・シークエンスのサウンドに合わせて演奏されるブーストされたギターのサウンドに痺れさせられるダーク・メランコリックなナンバーです。様々なギターのサウンドを引出しから出して演奏するRUSSELLの拘りをこの曲から感じさせます。
5曲目"Whiteoak"(3:41) 今度はアコースティック・ギターを巧みに奏でたインストゥルメンタルです。フィンガー・ピックキングとハーモニクスとまた、音色を変えた複数のギターで収録された弦の響きが溢れかえる曲です。
6曲目"Once Were Warriors"(6:37) 前の曲から続けて収録されたようなアコースティック・ナンバーです。ドラムによるリズムは加えられてはいるものの、RUSSELLの弾き語りを主体に収録されています。1曲目から通しで聴いていると本当に様々なRUSSELLの音楽が表現されている事に気が付きます。
7曲目"Subway"(3:06) ループによるサンプリング・ミュージックをベースとした実験的な音楽のようです。再生速度を可変とした収録にギターのサウンドを重ねています。
8曲目"Wolves"(5:31) イントロのベースのサウンドから期待感を持たせてくれるナンバーです。アコースティック・ギターのサウンドも所々にあしらいながらも少しハードなイメージで仕上げられています。
9曲目"Jennifer"(4:42) マンドリンかウクレレのサウンドを使った小気味よいイントロから入るアコースティック・ナンバーです。セルフによる多重のRUSSELLの歌声が爽やかに響くJenniferに捧げられた曲です。
10曲目"Hazamatav"(2:54) 重くてダークなリズムとサウンドをベースとしたインストゥルメンタルです。キーボードによる電子サウンドをふんだんに響かせたこの曲も実験的ミュージックの要素を感じさせます。
11曲目"Round Swamp Road"(4:30) アコースティック・ギターと歪ませたギターのサウンドを重ね合わせたハードなサウンドにした曲名通りスワンプかルーツ・ロックのようなイメージを感じさせる曲です。
12曲目"Anonymous"(3:56) 心地好いドラムのビートと爽やかなキーボードの調べによる聴き易いインストゥルメンタルです。エレクトリック・ギターでのソロとアコースティック・ギターのリズムによるパートを交互にアレンジしたギター・サウンド好みには堪らない曲でしょう。
13曲目"Fragile"(5:36) 一転してRUSSELLのアコースティック・ギター1本による弾き語りです。優しく歌う彼の歌声とギターの調べも優しく流れるシンプルな曲です。
14曲目"Exodus"(6:57) ウーリッツァー風のキーボードのサウンドと少し間を空けたドラムのビートが印象的なRUSSELLの回顧録的な曲のようです。後半より曲のサウンドを更に厚くダイナミックに展開させた7分近くもある大作です。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:66分56秒 (何と14曲入りでファクトリー・シールドの新品CDの価格が$5とは驚きです)'10年3月19日再更新


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写真  RVBY MY DEAR / Waiting
 ・2019 Villainy Records    

フランスのRUBY MY DEARとは別バンド・・・

このアルバムは、ニューヨークのブルックスで活躍しているシンセ・ポップ・ユニットRVBY MY DEAR(GABBI・COENENのソロ・プロジェクト?)のデビュー・アルバム('14年のダウンロード販売 [Balloons ]EP盤を含む)のアルバムで '19年5月17日に本国でのリリース(ダウンロード販売、レコード盤は5月13日)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RVBY MY DEARのGABBI・COENEN:ヴォーカル/キーボード/シンセサイザー/プログラミング、 DARREN・DENMAN:キーボード/シンセサイザー、ANDREW・LAPPIN:ギター/シンセサイザー/プログラミング/パーカッション/プロデュース、 OSCAR・RODRIGUEZ:ギター/ベース、ABEL・TABARES:ドラム/パーカッションの他、 D.A. STERN:ドラム、MATT・BERNSTEIN:ギター、ROBERT・KARPAY:チェロ/ストリング・アレンジ、 CHRIS・CONNORS:ストリング・プログラミング、CHARLOTTE・MUNN-WOOD:ヴァイオリン、MEGAN・ATCHLEY:ヴァイオリン、NICK・PAULY:ヴィオラ、BEN・MURPHY:ウッド・ベース、MATT・BERNSTEIN:ギターのニューヨークとロス・アンゼルスのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"10:17"(3:58) '17年4月にシングルとしてダウンロード販売されている曲です。イントロから響くオムニコードのピコポコ音とシンセサイザーの音の広がりからドラマチックに展開されるエレクトロ・ポップの掴みを持っています。当時にビデオも制作されています。
2曲目"Try"(4:02) このRVBY MY DEARの持つ魅力に最初に惹きつけた曲です。シンセサイザーやキーボードのサウンドに溢れるこのRVBY MY DEARの曲ですが、この曲はギターのOSCAR・RODRIGUEZがツボを押さえたサウンドが堪らないのです。この曲もイントロからツイン・ドラムのビートと攻めて来る曲ですが、このテンポが非常に乗りを良くしています。アルバムのリリース直前にビデオとして紹介されています。
3曲目"Cycles"(3:59) 再びオムニコードのピコポコ音がイントロから流れ始め次第にテンポを速めタイトなドラムのビートとこの曲もドラマチックな展開を聴かせます。ライヴ映像に模したビデオ
4曲目"Draw"(3:30) 今度はスローなチルアウトな雰囲気を醸し出す曲です。曲の後半から次第に熱く歌うGABBI・COENENの歌声にセンチメンタルな響きを感じます。
5曲目"Firespot"(4:17) このアルバムの曲の中ではロック色の強い曲です。ソリッドなギターのサウンドと曲の途中の静寂の中に響くピアノ・ソロの対比が印象に残ります。
6曲目"Remains"(3:27) シンセ・ベースの重い響きを全編に響くエレクロニカのダンスビートの曲です。煌びやかサウンド展開とスリリングなバックの演奏を楽しむこととしましょう。
7曲目"Away From Here"(3:07) この曲もセンチメンタルな調べを持った曲です。寂しげなローズの調べを奏でながらGOBBIが「貴方は決して此処へ戻ってこない」と切なく歌います。
8曲目"While You Were Sleeping"(3:41) ストリングスを別収録としたメロディアスで落ち着いた曲です。愛する人への想いを綴った歌詞をGABBIが叙情的に歌い上げます。
9曲目"Waiting"(3:22) 語尾が微かに掠れるGABBIのセンチメンタルな歌声が響くアップテンポの曲です。シンプルなドラム(マシーン?)のビートが貫きます。バックのクール(淡々さ) な演奏がこの曲の素晴らしさに貢献しているようです。
歌詞無し (レコード盤は歌詞付) ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:33分23秒 (最近のインディーズ盤のリリース同様、このアルバムもCDとしてリリースが無いのが残念!)'19年6月23日更新


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写真  RYAN CABRERA / Take It All Away
 ・2004 E.V.L.A./Atlantic    83702-2

アコースティック・ギター片手に爽やか・・・

このアルバムは、テキサス州ダラス出身アコースティック・ギター片手に爽やかにデビューした青年RYAN・CABRERAのアルバムで '04年8月17日に本国でのリリースです。 アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RYAN・CABRERA:ヴォーカル/ギター/プロデュースの他、JOHN・RZEZNIK:ギター/バック・ヴォーカル/プロデュース、GREG・SURAN:ギター、PAUL・BUSHNELL:ベース、RHETT・HULCY:ピアノ、GREGG・BISSONETTE:ドラム/パーカッション、DAN・CHASE:パーカッション/プログラミング、RAOUL・SHROFF:サックス、のダラスとロス・アンゼルスのミュージシャン達が参加しています。
尚、このアルバムには人気が出てからCDが増産された為、仕様違いやジャケット違が数種類存在するようです。

1曲目"Let's Take Our Time"(3:09) アップテンポなイントロのリズムとギターのサウンドによるビートの効いた曲です。RYANの甘い歌声によるギター・ポップです。
2曲目"On The Way Down"(3:33) ヒット・チャートの上位に食い込んだ曲です。日本のテレビの曲紹介では、著作権の関係でしょうかビデオ・クリップが流されませんでした。やはりキャッチーなメロディとサウンドで聴く者を惹きつける魅力があるようです。
3曲目"True"(3:24) 一転してアコースティック・ギターの爪弾きによるソフトなナンバーです。非常に美しいメロディとファルセットを使い分けたRYANの優しい歌声による曲です。
4曲目"Exit To Exit"(3:39) 再びアップテンポのナンバーです。ギターのサウンドだけ聴いていると2曲目のサウンドに似た雰囲気の曲です。パワフルなスライド・ギターを追加した若さ溢れる曲調です。
5曲目"Kinds Of Sadness"(3:23) イントロのサウンドを聴いた瞬間にMATCHBOX 20のサウンドを思い出しました。パワフルでドラムのビートの効かせ方といい。現在のアメリカン・ロックの1つのトレンドでしょうか。曲の途中で非常に美しく変調するアレンジは若い人なのに流石です。
6曲目"Echo Park"(3:40) この曲は、本当に色々なギターのサウンドを取り入れた曲となっています。グルーヴなリズムと時折挿入されるサンプルと美しいアコースティック・ギターの響きと盛りだくさんです。
7曲目"Take It All Away"(3:46) RYANのアコースティック・ギターによる弾き語りをイントロに配した曲です。RYANの優しさを表した歌声によるバラードです。次第に楽器を増やして行く古典的な面も持ち合わせています。
8曲目"Shame On Me"(3:23) イントロから響くGREG・SURAN(GOO GOO DOLLS,JEWEL)のエレクトリック・ギターのウォーム・トーンが非常に素晴らしい曲です。 シンクロさせた左右から流れるギターのサウンドとパーカッシヴなリズムに聴く者の体を揺さぶります。
9曲目"She's"(4:35) 溜息混じりに歌われるRYANの歌声とバックで流れるチョロの哀愁のあるサウンドによるスローな曲です。失恋をテーマにしたメランコリックな内容の歌詞となっています。
10曲目"Illusions"(3:36) JOHN・RZEZNIK(GOO GOO DOLLS)の金属的な響きを持ったギターのサウンドと重く響くベースのサウンドによる少しハードなナンバーです。リズムの刻みとメロディは他の曲と共通のRYANのサウンドを持った曲です。
11曲目"Blind Sight"(4:01) ストロ−クにて弾かれるアコースティック・ギターの力強いサウンドと歪ませたアグレシッヴなエレクトリック・ギターのサウンドが上手く調和したパワー感と心地好いスピード感のある曲です。
12曲目"On The Way Down [Acoustic Version]"(3:21) 数本のアコースティック・ギター美しい響きと鍵盤ハーモニカのシンプルなサウンドによる収録です。ヴォーカル・スタイルは、オリジナルと余り変わらないようです。
11曲歌詞付 写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:43分36秒 (最近のアルバムらしく映像特典付きHPへのLINKとサービス満点の盤です)'10年3月19日再更新


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写真  RYAN CABRERA / You Stand Watching
 ・2005 E.V.L.A./Atlantic    WPCR-12167

早くもリリースされたRYANの・・・

ダラスで活躍しているRYAN・CABRERAのデビュー・アルバム[Take It All Away] が、初登場で全米8位の高記録を出し売り上げが好調のときに、早くもリリースされた彼の2枚目('01年インディースでのElm St.を含まず)のアルバムです。前作より1年2ヶ月の異例に早さの '05年10月12日、国内でのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RYAN・CABRERA:ヴォーカル/ギター/プロデュースの他、GREG・SURAN:ギター、PAUL・BUSHNELL:ベース、JAMIE "FUBU" MUHOBERAC:キーボード/ストリングス、DORIAN・CROZIER:ドラム/ループ、DAKAHASHI:チェロの比較的少人数での収録です。

1曲目"From The Start"(3:05) ピアノとアコースティック・ギターのサウンドが織り成す哀愁のメロディの曲です。切り替えしに持たせた歯切れ良いサウンドは前作からの流れと同じ"キモ" です。
2曲目"Hit Me With Your Light"(3:03) 期待感を誘うイントロ のサウンドとエモーショナルに展開するサウンドとメロディによるアップテンポなナンバーです。
3曲目"Shine On"(3:05) この曲はイントロのアコースティック・ギターの歯切れ良いサウンドから気に入った曲ですね。前作での"On the Way Down" を彷彿とさせるエモ・ギター・ポップな曲です。
4曲目"Find Your Way"(3:23) 前作のエモ・ギターのサウンドから少しメロウ・サウンド路線を変更してきた曲です。少し大人びたRYANのメロディと恋の歌詞でのピアノ・バラードです。
5曲目"Photo"(3:36) この曲もピアノのサウンドをメインとした曲となっています。ソフトなメロディと程よい高揚感を感じさせるミドル・テンポのナンバーです。前作のキャッチーなエモ・ギターのファンからは少し敬遠されるような曲が2曲続けて登場ですが、RYANのソング・ライターとしての成長著しい証です。
6曲目"Our Story"(3:32) スパニッシュ・ミュージックの要素を加えたアコースティック・ギター美しい響きと華麗なサウンド・アレンジによる曲です。ラテンの息吹とテキサス魂とが上手くブレンドされたサウンドと申しましょうか。
7曲目"Fall Baby Fall"(3:19) ピアノのダイナミックなサウンドによる美しいバラードです。ヴォーカリストとしても彼の才能を開花させた事を認識させる曲です。
8曲目"Last Night"(3:19) この曲もイントロがいいですね。RYANはアコースティック・ギターのサウンドの聴かせどころを熟知していますね。必要以上に響かせず、ここと言うところに登場するエモ・ギターの曲です。
9曲目"Walking On Water"(3:39) RYANのソフトな歌声によるスローな曲です。ゴスペル/フォーク/ブルース/ロック的と表現したら良いでしょうか。ゆったり流れる心癒させるメロディの曲です。
10曲目"With You Gone"(4:02) 非常にサウンドが輝いて美しい曲です。MATTHEW・WEST、GAVIN・DeGRAWらのエモなサウンドに通じるところを感じさせる曲です。
11曲目"It's You"(3:48) ピアノの調べに乗せたRYAN切ない歌声による曲です。途中より登場するチェロの音色と美しく絡みあう弾き語りに近い曲です。
12曲目"Sentimental"(3:30) 国内盤ボーナス・トラックです。iTunesのダウンロードでは用意されている曲のようです。オルガンのサウンドによるブリティシュ・テイストのミドル・テンポの曲です。
11歌詞/訳詞付 写真ブックレット プロモーション盤 (国内盤) 収録時間:41分27秒 (次のアルバムはレーベルも変わり '08年3月に早速リリースされます)'10年3月19日再更新


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