写真  KALLAI / Kallai
 ・2024 nomme de mort    

唸るベースと荒廃感・・・

このアルバムは、オレゴン州ポートランドで活躍しているオルタナティヴ/ダーク・ロック・バンドKALLAIのデビュー・アルバム(4曲EP盤)で '24年6月21日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DAVID・GROSS:ギター/ヴォーカル、CATE・HUKLE:シンセサイザー/ギター/ヴォーカル、BRIAN・WILCHER:ベース、DANIEL・HENDERSON:ドラムのKALLAIのメンバー達です。

1曲目"Always/Never"(4:21) イントロのサウンドとリズムから惹きつけられた曲です。CATE・HUKLEの少しか細い歌声とバックのノイジーで荒廃感のあるバックのサウンド群が耳に残ります。
2曲目"Palisades"(5:28) 5月に先行シングル・リリースされたこの曲もイントロから重めのベースが響く曲です。DAVID・GROSSの囁くような歌声とDANIEL・HENDERSONの叩き付けるドラムのビートが攻めて来ます。
3曲目"Dig"(4:08) 今度は、スピードアップし少しダークさを排したロック色の強い曲です。ダイナミックな間奏の展開とノイジーなDAVID・GROSSのギター・サウンドが響き渡ります。
4曲目"Another World"(5:55) 長いホーンテッド・サウンドのイントロと重いベースが蠢くCATEのヴォーカル曲です。呪縛感のある彼女のシンセのサウンドと淡々と唸るBRIANのベースがこれでもかと響きます。

歌詞無し ダウンロード盤付 (輸入盤) 収録時間:19分52秒 (bandcampを散策していてふと耳を止めたバンドです!)'24年7月23日更新


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写真  KATE MARKOWITZ / Map Of The World
 ・2003 Compass Records    7 4364 2

多くのアルバムに参加している・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍しているS.S.W.KATE・MARKOWITZの '03年7月に本国で再リリース(オリジナル盤は2000年)されたデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KATE・MARKOWITZ:ヴォーカル/キーボード/ベル/プロデュース、ALISON・PRESTWOOD:ベース/ギター/プロデュース、PAT・BUCHANAN:ギター/ハイ・ストリングス・ギター/ピアノ、DAVID・BATTEAU:ギター/バック・ヴォーカル、DAN・DUGMORE:ギター/ペダル・スティール、JAMIE・KIME:ギター、MICHAEL・SEVERS:ギター/ウクレレ、DAVID・PILTCH:ベース、MICHAEL・LANDAU:ギター、TOM・BUKOVAC:ベース/ギター、TONY・HARRELL:アコーディオン/キーボード/シンセサイザー、JAMIE・MUHOBERAC:キーボード、CATHERINE・STYRON・MARX:オルガン/ピアノ、STEVE・BREWSTER:ドラム/パーカッション/プログラミング、LUIS・CONTE:コンガ/マラカス/タンバリン/シンバル、RUSS・KUNKEL:ベース/ドラム/パーカッション/キーボード/プログラミング/プロデュース、FRITZ・LEWAK:ドラム/パーカッション、GREG・MORROW:ドラム/プログラミング/タンバリン、DAVID・ANGELL:ヴァイオリン、DAVID・DAVIDSON:ヴァイオリン、ANDREA・ZONN:ヴィオラ/ストリングス・アレンジ、KAREN・BLAKE:バック・ヴォーカル、SHAWN・COLVIN:バック・ヴォーカル、DORIAN・HOLLEY:バック・ヴォーカル、ARNOLD・McCULLER:バック・ヴォーカル、TOMMY・LEE・JAMES:バック・ヴォーカル、DAVID・LASLEY:バック・ヴォーカル、WINDY・WAGNER:バック・ヴォーカル、JAMES・TAYLOR:バック・ヴォーカルの収録地L.A.とナッシュヴィルのミュージシャン達が参加し、また彼女自身がバック・ヴォーカルとして参加したミュージシャン達も多く参加しています。
尚、プロデュースは、大半の曲をベースのALISON・PRESTWOODとKATEと共同で行い8曲目ドラマーの RUSS・KUNKEL、12曲目DONNY・MARKOWITZ、エンジニア/ミキシングを担当しているTONY・SHEPPERDとKATEの共同となっています。

1曲目"Pride And Vanity"(3:59) イントロから軽やかに響くアコースティック・ギターのしらべに始まりグリッサンドで絶妙な雰囲気を醸し出すベースの調べが堪らない曲です。曲作りの方は、KATEと同じくL.A.でS.S.W.として活躍しているDAVID・BATTEAUとの共作となり、DAVID自身もバック・ヴォーカルとして収録に参加しKATEの甘い歌声とのバランスが上手いです。
2曲目"Luckier Girls"(4:39) 電子サウンドとアメリカン・ロックのサウンドのエッセンスが見事な曲です。ソリッド感のあるPAT・BUCHANANのギター・ソロの響きにバック・ヴォーカルSHAWN・COLVINの歌声がこの1曲に溶け込んでいるのが贅沢な感じですね。
3曲目"Map Of The World"(4:23) 今度は、テンポを変えて来たレゲエ風の曲です。KATEの歌声のバックに広がるハモンドの小刻みしたサウンドと何かをぶった切るような切れ味のあるLUIS・CONTEのパーカッションのビートが心地好く響きます。
4曲目"Can We Still Be Friends?"(4:09) ご存知アメリカのロック・ミュージシャンTODD・RUNDGREN '78年のアルバム [Hermit Of Mink Hollow] の収録曲で、多くの人カバーされている名曲です。余談ですが、私の好きなカナダのS.S.W.MARC・JORDANも歌っていましたね。このアルバムでの収録は、本当にバック・コーラスの重ね方のアレンジが非常に美しいですね。
5曲目"These Wheels"(4:15) シンセサイザーの不思議なサウンドから入る再びDAVID・BATTEAUとの共作による曲ですが、作曲は、DAVID歌詞の方が共作となっています。L.A.で収録されペダル・スティール・ギターの演奏と言えば必ずDAN・DUGMOREの名前があると言って過言でないのですが、この曲も本当素晴らしい演奏を聴かせています。
6曲目"Lay Away"(4:37) ここで少し懐かしい曲の登場です。オリジナル曲は、THE ISLEY BROTHERS '72年のシングル曲です。スローでメロウなサウンドに合わせて歌うKATEの歌声は本当に甘い歌声を聴かせるブラック・ミュージック・シーンのシンガーのようです。
7曲目"Light Of The Day"(4:39) シンプルなリズムとメロディを奏でるピアノの調べが切なく広がるバラードの曲です。清楚なKATEの歌声とバックに広がるストリングスの調べの波が後半から一気に押し寄せて来ます。
8曲目"Birds Of A Feather"(3:50) L.A.で活躍している超有名ドラマーRUSS・KUNKELとKATEの共作によるメランコリックなサウンド聴かせるソウルな曲です。バックに流れる抒情的なナイロン弦ギターは、日本にも多くのファンを持つMICHAEL・LANDAUなんですよ。
9曲目"I Won't Let Go"(3:49) 現在ナッシヴィルのS.S.W.CRAIG・CAROTHERSの曲です。彼自身の収録は不明ですが、カントリー調のリズムとサウンドを聴かせます。ここまで聴いて来て本当様々なスタイルの曲が収録されていると思うこのアルバムです。この曲でも伸びやかなサウンドを聴かせるPAT・BUCHANANのギターです。
10曲目"Love In The Ruins"(4:24) ドラム"ン" ベースの調べが広がるこの曲もスローでメロウな雰囲気を発散させている曲です。他の人のアルバムでは、バック・ヴォーカルとしてメイン・パーソンの歌声に華を添える役割に徹して彼女ですが、この曲ではバックのDAVID・LASLEYとARNOLD・McCULLERの協力で素晴らしいハーモニーを聴かせます。
11曲目" I'll Remember You"(3:59) アコースティック・ギターとアコーディオンの調べが厳かに流れる落ち着いた調べの曲です。彼女のバック・バンドの演奏によるこぢんまりとしたアコースティック調の調べにJAMES・TAYLORの優しくてソフトな歌声が生えますね。
12曲目"My L.A."(5:08) この曲もDAVID・BATTEAUとの共作による曲でタイトルが2人の共通点そのままですね。DAVIDのアコースティック・ギターの慎ましやかなギターの爪弾きとKATEが歌うL.A.讃歌と重なり合って流れて行きます。
13曲目"Who Needs The Spring?"(4:09) この曲は、KATEの父RICHARD・MARKOWITZと母HARU・YANAI(RICHARDがパリのジャズ・クラブで知り合ったとの事)との共作による曲です。華麗に流れるピアノの調べに合わせて歌うKATEの歌声によるジャズのスタンダード曲の雰囲気を醸し出しています。
10曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:56分06秒 (この人の名前を見てご存じの方は、相当なJAMES・TAYLORのファンでしょうね。2010年のCAROL・KINGとのThe Troubadour Reunion Tourに同行し、来日もしています)'13年6月16日更新


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写真  KATIE COSTELLO / Kaleidoscope Machine
 ・2008 Katie Costello    15264-4

KATIE・COSTELLO 17歳・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスとN.Y.を中心に活躍しているS.S.W.KATIE・COSTELLOの '08年11月11日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KATIE・COSTELLO:ヴォーカル/ピアノ/カズーの他、NIK・CHINBOUKAS:ギター/ストンプ/ヴォイス・エフェクト、DAVE・EGGAR:チェロ/ピアノ/ヴォイス・エフェクト/ストリング・アレンジ、ROB・HOFFMAN:ベース/パーカッション/キーボード/プロデュース、HEATHER・HOLLY:ドラム/キーボード/オルゴール/プロデュース、RYAN・GLEASON(THE RED WEST):ドラム、GIL・GOLDSTEIN:アコーディオン、CHARLIE・PALMER:ドラム/パーカッション/カホン/ストンプ/ヴォイス・エフェクト、DAN・PETTY:ギター、LOUIS・SCHWADRON:フレンチ・ホーン、MAX・ZT:ダルシマーのなど個性派/強者ミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Anywhere Place"(3:13) 美しい調べを奏でるストリングスがイントロから登場する落ち着いたリズムとメロディの曲です。ピアノを弾きながら歌うKATIEの可憐な歌声が流れる先ずは自己紹介を兼ねた名刺的な1曲でしょう。
2曲目"Songbird"(3:40) この曲の感じは、近年のカナダやアメリカの女性S.S.W.らしいコケティシュ(良い意味での)さで日常を表現した曲です。基本的な演奏スタイルなどは、クラシック音楽を幼少期から学んできたKATIEではないのかなと想像させます。
3曲目"Isn't It Lovely"(3:36) メランコリックさを最大限に表現したブルー色が隅々まで広がる涙物のバラードです。このアルバムを制作時は、とても17歳だったと思わせないKATIEのこの曲には非常に感銘を受けました。
4曲目"Kaleidoscope Machine"(3:42) 一転して楽しそうなメロディとリズムが流れるポップ色の強い曲です。ヨーロッパ調のサウンドやレトロ調のダンス音楽も交えて展開されています。
尚、この曲はKATIEとプロデューサーHEATHER・HOLLYと共同で書かれています。
5曲目"I Can't Fix Us Two"(4:09) しっとりとしたピアノの調べに合わせて優しく歌うKATIEの歌声が耳に優しい曲です。抒情的にバックに広がるストリングスと共に落ち着いたひと時を楽しむことにします。
6曲目"Time Left Room"(5:05) 何処か町外れの酒場での男性同士の会話の様子をイントロに配したその酒場でテイクした雰囲気を感じさせるブルースです。お酒を飲み過ぎたように足元の覚束無いさや思考が低下した様子を表現したバックの演奏陣は、本当に見事です。
7曲目"Ever Since The Stork Came"(2:45) KATIEの最大の魅力であるそのコケティシュ(良い意味での)な歌声をたっぷりと聴くことが出来る彼女のピアノの弾き語りを中心にした曲です。イントロに登場するKATIEのアカペラによるハーモニーの美しさもこの曲の魅力の1つですね。
8曲目"Nobody's Perfect"(4:26) イントロのチェロの調べはリヴァプール出身だった有名バンドの曲のイメージを感じさせる曲です。この曲もKATIEのピアノの弾き語りを中心にさらりとしたバックの演奏を加えたアレンジで収録されています。
尚、この曲の共作者は、プロデューサーも兼ねているN.Y.のHEATHER・HOLLYとのペンによるものです。
9曲目"Congratulations"(3:35) 鼓笛隊のようなドラムのビートが印象的なポップさを感じさせる曲です。凝った転調やKATIEの遊び心を随所に感じさせる彼女らしい1曲でもあります。
10曲目"Inside Out"(4:00) 前半はアコースティック・ギター1本の演奏によるシンプルな演奏とKATIEの美しい歌声が流れる曲です。セルフ・ハーモニーや大人しめのオルガンの調べが後半より登場しますが、全体的にはKATIEの歌声をアカペラ的に表現したかった意図を感じさせます。
11曲目"Shadow Love"(3:51) 古い表現で申し訳ないのですがチャールストン・ダンスのリズムを所々に感じさせるレトロ調の曲です。20年代の流行音楽を17歳のKATIEから聴くと思わなかったのですが、様々な音楽の基本にあるのは、普遍的な要素はこの辺りにあるのかなと感じさせます。
12曲目"City Lights"(6:24) 凍てついた風景の中に広がるようピアノの響きと共に登場するKATIEの思い詰めたような歌声が切なく感じる曲です。
尚、この曲が終了した数秒のブランク後に2分ほどのチェロやアコースティック・ギターの伴奏がランダムな流れに合わせたKATIEの日常の出来事を朗読したヒドゥン・トラック"Virtual Diploma" がDAVE・EGGAR、CHARLIE・PALMERと共に収録されています。
"Isn't It Lovely" のみ歌詞付 ライナー無し 3折デジパック仕様 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:48分38秒 (世界の音楽シーンでは、KATIEのように若くして音楽の才能を発揮させた新人たちが本当に目白押し状態ですね)'12年3月10日更新


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写真  KATIE COSTELLO / The City In Me - EP
 ・2010 Tiny Tiny Records    8 84501 40000 8

EP盤と言え侮れない・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスとN.Y.を中心に活躍しているS.S.W.KATIE・COSTELLOの '10年9月28日に本国でリリースされた2枚目(5曲入EP盤)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KATIE・COSTELLO:ヴォーカル/ピアノ/ギターの他、DAVID・LAMOUREUX:アコーディオン/グロッケンシュピール/パーカッション/キーボード/ヴィブラホン/バック・ヴォーカル/プロデュース、JORDAN・LAMOUREUX(AUGUSTANA):ベース/ホイッスル/バック・ヴォーカル、MARK・STEPRO(BEN・KWELLER):ギター/ドラム/バック・ヴォーカル、AARON・BELLOMO:ギター、EDGAR・SANDOVAL:ヴァイオリン、STEFAN・SMITH:ヴァイオリン、MATTHEW・WITMER:ヴィオラ、DAVID・TAKAHASHI:チェロの西海岸のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"We Are The Way We Are"(3:51) 都会の喧騒が収録された効果音がイントロから流れるフォーク・スタイルの曲です。バックに流れるレトロ調のオーソドックスなハーモニーとKATIE独特の発音との歌声による絡みが落ち着いた調べと共に流れて来て古き良き時代を感じさせます。小刻みにまたパーカッシヴに奏でられるピアノの調べに乗せて歌うKATIEのポップ調の曲です。
2曲目"Lost & Far from Home"(3:57) この曲もオルゴールのサウンドを使ったレトロ調の感じを出始めから感じさせます。途中より非常に抒情的なストリングスのサウンドも登場し、KATIEのピアノ演奏と彼女の歌声を優しく包むような重厚な流も聴き応え十分ですね。
3曲目"Cityscapes"(2:56) 今度はテンポを上げて来た乗り良さを真正面の構えた曲の登場です。叩きつけるようなドラムのビートとワイドな高鳴りを感じさせるピアノの調べなどEP盤と言え侮れないKATIE渾身の1曲です。
4曲目"Ships In The Night"(3:53) しっとりとした調べを聴かせるストリングスの響きをバックにメランコリックな歌声を聴かせるKATIEのピアノ・バラードです。デビュー・アルバムでも感じたのですが、クラシック音楽の影響を多分に感じるサウンドとメロディです。
5曲目"How Do We Know"(5:06) ロンドンの街中やイギリスの名所を散策するKATIEの楽しそう姿を描写したビデオ・クリップが制作された一押しの曲です。3分半辺りで一旦曲が終わったと思わせて再びサビの部分が登場するところが非常に感じ良いのです。
歌詞無し ライナー無し 紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:19分46秒 (このアルバムを聴く度に思うのですが、収録されたこの5曲は選りすぐりの曲と思いますね)'12年3月17日更新


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写真  KATIE COSTELLO / Lamplight
 ・2011 Tiny Tiny Records    8 84501 41701 3

特徴的な歌声のKATIE・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスとN.Y.を中心に活躍しているS.S.W.KATIE・COSTELLOの '11年2月22日に本国でリリースされた3枚目('10年[The City In Me-EP]を含む)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KATIE・COSTELLO:ヴォーカル/ピアノの他、TONY・BERG:ギター/ベース/プロデュース(SQUEEZEのプロデューサー兼ギタリスト)、MATT・CHAMBERLAIN:ドラム/パーカッション、DAVEY・FARAGHER:ベース、DAVE・EGGAR:チェロ、GREG・HOLDEN:ヴォーカル、DAVID・LAMOUREUX:アコーディオン/ドラム/パーカッション/キーボード、BLAKE・MILLS:バンジョー・ウレ/ギター/ベース/キーボード、QUINN・ORISON:ドラム/パーカッション、MARK・STEPRO:ギター/ベース、PATRICK・WARREN(AIMEE・MANN):キーボードなど個性派と強者ミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Cassette Tape"(3:47) 小刻みにまたパーカッシヴに奏でられるピアノの調べに乗せて歌うKATIEのポップ調の曲です。ピアノのサウンドをメインとしたアメリカやカナダの女性S.S.W.らしいポップ性に途中で登場する自身によるコーラスの感じは、イギリスのKT・TUNSTALLの楽曲のリズミカルな流れも感じさせます。また、この曲にはコミカルなビデオも制作されているアルバムからの一押しの曲でもあります。
2曲目"Ashes Ashes"(3:36) この曲でのKATIEは、しっととした伸びやかな耳当りの歌声を聴かせる曲です。彼女の特徴的なシャ・シィ・シュに摩擦音を混ぜる歌声も独特の歌い方と感じます。
3曲目"After Dark"(4:17) この曲は、前の曲をもっとスローにメロウな雰囲気をたっぷりと感じさせる彼女のピアノの弾き語りにミニマムなバックのサウンドで展開されるデビュー盤に収録されている[Isn't It Lovely]に通じる涙物のバラードです。
4曲目"No Shelter"(3:22) 今度は一転して荒らしたギターとベースのサウンドによるローファイなアレンジで迫る曲です。バックで流れるサウンドの数々も前の曲とは非常に対照的にパレードのように流れ去って行きます。
5曲目"Despite Time"(3:02) アグレッシヴさとサイケデリック感を強く感じさせるオルタナティヴな曲の登場です。1曲目からこの曲までざっと聴いて感じるKATIEの書く音楽の様々な幅の広さと奥行の表現に長けていると感じますね。
6曲目"Out Of Our Minds"(4:09) 若手人気S.S.W.GREG・HOLDENとコラボによるデュエット曲です。大らかなメロディとサウンドで繰り広げられるKATIEのマインド・ゲームを描いた曲のようです。
7曲目"Fading Lately"(4:36) KATIEの特徴的な語尾で掠れる歌声に浸れるピアノの弾き語りを中心に展開される曲です。この曲でもバックの演奏群は、しっとりとKATIEを包み込むように優しくそのサウンドで和ませます。
8曲目"Dig A Hole"(3:59) ロック色を強めて来た曲の登場です。ライヴなどではこの曲を1曲目して観客を乗せる起爆剤のようなインパクトを与えそうな乗りとシャープな切れ味を感じさせます。
9曲目"Old Owl"(4:15) 一転して軽めのリズムで流されるレトロ調のリバーヴ音を聴かせる曲の登場です。タイムレス・サウンドと表現したら良いのか南部調のローファイの質感に淡々と歌うKATIEの優しい歌声が響いて来ます。
10曲目"People: A Theory"(3:11) この曲はもっとお気楽な雰囲気で展開される曲です。ラグタイム・サウンドに乗せてペーソスに描いたKATIEの人間模様が描かれています。
11曲目"The Weirds"(4:43) ダウンテンポの曲のイメージも少し感じさせるKATIEのピアノによる弾き語り形式による曲です。また、高域で掠れ気味の歌声が魅力的に感じるKATIEの歌声も切なく流れ去って行きます。
12曲目"Stranger"(4:10) 更にしっとりとしたスローな流れを感じる曲です。やはりこの曲もダーク・ダウンテンポな雰囲気と凍てつくような冷たさを秘めた質感を感じるサウンドです。
全12曲歌詞付 イラストブックレット 3折デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:47分13秒 (初めてこのKATIEの歌声を聴いた時、当然彼女の歌声は耳当りが良く更に、その特徴的な「S」の発音が何故か聴く者を惹きつけるのです)'12年2月18日更新


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写真  KATIE HERZIG / Walk Through Walls
 ・2014 Marion-Lorraine Records    KH005

楽しくなる音楽(笑)・・・

このアルバムは、カリフォルニア生まれコロラド育ちで現在、テネシー州ナッシュヴィルで活躍しているS.S.W.KATIE・HERZIGの6枚目('09年のAcoustic trio名義でのライヴ盤を含む)のアルバムで '14年4月8日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KATIE・HERZIG:大半の楽器の演奏/プログラミング/ヴォーカル/プロデュースの他、CASON・COOLEY:大半の楽器の演奏/プログラミング/ヴォーカル/プロデュース、BUTTERFLY・BOUCHER:ベース/ギター/キーボード/カウベル/バック・ヴォーカル、CLAIRE・INDIE:チェロ、ELEONORE・DINIG:ヴァイオリン、JORDAN・BROOKE:ギター/クラリネット/フレンチ・ホーン/アコーディオン、WILL・SAYLES:ドラム、RUBY・AMANFU:バック・ヴォーカルのナッシュヴィルのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Frequencies"(3:52) アルバムの最初の曲としては、もたついたリズムに乗せ訥々と歌うKATIEに業を煮やす感がする曲です。次第にバックのヴォーカルも増えサウンドが厚く展開させリズムの乗った次の曲へと聴く者を誘います。Höfnerのベースを奏でながらこの曲を歌うライヴもどうぞ。
2曲目"Drug"(3:03) 何処かで聞覚えのあるメロディとリズムによる楽さが伝わってくる曲です。BUTTERFLY・BOUCHERも登場している非常にアメリカ的なビデオも制作されています。楽しさが伝わって来ると思います。
3曲目"Walk Through Walls"(4:24) しっとりとしたリズムとサウンドの曲で特にサビのアルバム・タイトルの歌詞とKATIEのその歌声が素晴らしいと感じます。バックのサウンドは、非常に控えめとシンプルな構成も小気味よい。
4曲目"Summer"(4:23) イントロから流れるキーボードの心地好いサウンドと少し奥から響くリンドラムの硬いビートが印象に残る曲です。揺らめくサウンドの渦とKATIEの優しい歌声に包まれているようです。
5曲目"Say It Out Loud"(3:18) この曲もアメリカ的なパワー全開で楽しさが直に伝わって来る曲です。打ち鳴らされるドラムのビートとバックに広がるコーラスの力強さを感じ曲の終わりまで響き渡って行きます。
6曲目"You Side"(4:21) 細かく繊細に奏でられるキーボードの調べとリズミカルなピアノのサウンドが見事に融合した素晴らしい曲です。インディペンデントとして活躍しているKATIEの曲がアメリカのTVの挿入歌に使われた事があると言う理由が分かる気がこの曲からもします。
7曲目"Lines"(3:25) この曲も美しいメロディとサウンドを感じる曲です。チェロとヴァイオリンの演奏が間奏で繰り広げられるダイナミックさに聴き入ります。
8曲目"Thick As Thieves"(4:18) BUTTERFLY・BOUCHERとKATIEとの共作となったレイドバック感の漂う曲です。ナッシュヴィルで活躍しているBUTTERFLYとKATIE、お互いのアルバムに参加して仲が良い感がこの曲からも強く感じます。
9曲目"Human Too"(3:16) エレクトロニカ・ポップ色が強くなっている曲です。ナッシュヴィルと言えばカントリー音楽一色と感じますが、BUTTERFLYを始めBRAD・JONES、SWAN DIVEとポップからボサ・ノバと幅広く存在しています。
10曲目"Water Fear"(4:33) ダークなイメージを強めたアシッド感のある曲です。脅迫感に駆られたKATIEの歌詞と危機が迫る表現を切に歌うKATIEです。
11曲目"Forgiveness"(4:41) 重く響くシンセザイザーの調べと叫びに似たSEのサウンドが響くアフリカン・ミュージックの影響を感じる曲です。アルバムにバック・ヴォーカルとして参加しているRUBY・AMANFU(ガーナ出身)の影響かと思いましたが、この曲には参加していませんでした。
12曲目"Proud"(4:25) 呼吸音に似たオルガンのゆったりとした調べに合わせ訥々と歌うKATIEの歌声が少し切なさを感じせる曲です。チェロとヴァイオリンの音色も切なく感じさせるのです。
全12曲歌詞付 写真ライナー 2折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:48分05秒 ('18年の3月に通算7枚目のアルバムもリリースしたKATIE、今のところHPのみでの販売となっています)'18年4月18日更新


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写真  KELLIN WATSON / No Static
 ・2007 Paper Bird Production    8 37101 44231 2

レーベル・タイプがアマチュア?・・・

このアルバムは、ノース・カロライナでインディペンデントに活躍しているS.S.W.KELLIN・WATSONの3枚目のアルバムで、本国でのリリースは '08年1月です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KELLIN・WATSON:ヴォーカル/ギター、AARON・PRICE: キーボード/バック・ヴォーカル、BILL・REYNOLDS(DRUG MONEY):ベース、CRAIG・ASPIN:ギター、WILL・STRAUGHN:ラップ・スティール、MATT・SMITH:ペダル・スティール、TYLER・RAMSEY(DRUG MONEY):ラップ・スティール、JUAN・BENEVIDES:ギター、RIVER・GUERGUERIAN:ドラム、MIKE・RHODES(DRUG MONEY):ドラム、OZZY・ORENGO:ドラム、SCOTT・SENIOR:パーカッション、RYAN・KNOWLES: バリトン・サックス、JEREMY・SAUNDERS:アルト・サックス、SARAH・DUGAS: スポーケン、BEBE・WATSON:バック・ヴォーカルの地元のミュージシャン達です。

1曲目"Chains Of Love"(3:14) KELLINの過去のアルバムのフォーキーな曲調から少し変わった曲の登場です。イントロからソウルフルに歌うKELLINの歌声からアップ・テンポのポルカのリズムに変幻するこのアルバムからのキラー・チューンです。曲途中にはSARAH・DUGASのフランス語でのスポーケンが挿入されています。
2曲目"When Is Enough Enough"(6:03) この曲はKELLINのいつものアコースティック・ギターの調べが心地好く流れる曲ですね。バックのオルガンのゴスペル的な響きとラップ・スティールの響きが気分を和ませてくれます。
3曲目"Your Place In This World"(4:26) イントロから流れる美しい調べのキーボードのサウンドとソフトなKELLINの歌声が流れるスローなフォーク・ロックです。友人に宛てたアドバイスを歌詞に綴った内容のようです。尚、この曲はカナダのS.S.W.GORDIE・SAMPSON '04年の曲のカバーで、GORDIE自身のバック・ヴォーカルが収録されています。
4曲目"Judgement"(4:55) JUAN・BENEVIDESのフラメンコ・ギターによる情熱的な調べが全編に流れるスパニシュ・テイストを感じる曲です。ラテン的なエモーショナルな歌声を聴かせるKELLINのヴォーカル・スタイルがJASON・MRAZのそれに近いものを感じるところが興味深いですね。
5曲目"Steeple Tops"(4:56) KELLINがメランコリックな歌声を聴かせるスローなブルースの登場です。CRAIG・ASPINの寂れた感のあるギターの調べと切なく流れるメロディ群が深く沈んで行きます。
6曲目"That Girl"(3:46) 一転してリズミカルな曲の登場です。カット割りを多用した風変わりなKELLINのヴォーカルとバックのホーンのサウンドが厚みを付けて流れて来ます。
7曲目"Wooed"(3:02) イントロはKELLINのアコースティック・ギターの弾き語りでスタートする曲ですが、次第にロック"ン" ロールのリズムに展開される乗りになっています。
8曲目"Toss Me"(3:38) 再びKELLINがセンチメンタルな歌声を聴かせる軽めのブルースの登場です。オルガンの調べとラップ・スティールのこれまた切ない響きが届きます。
9曲目"Tight Rope"(3:00) 一転して楽しいピアノのメロディによるミドル・テンポのチャールストンのリズムの曲です。カナダの大人気女性S.S.W.の曲にも通じる聴き易さと乗りの良さを感じます。
10曲目"Ship"(5:35) アルバムの最後は、KELLINの歌声がしっとりと流れるスローなピアノ・バラードです。彼女の新しい門出を「船出」に例えた歌詞を淡々と綴るKELLINと切ないピアノの調べが響きます。
全10曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:42分39秒 (MySpaceではレーベル・タイプがアマチュアと表示されていますが、しっかり歌詞も付いてCDの盤面も凝ったピクチャーが施されていてメジャー盤と遜色は無いのですが...運営のことですかね)'10年2月3日再更新


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写真  KENNY RANKIN / Because Of You
 ・1991 CHESKY RECORDS, INC.    JD63

長く活躍している人ですね・・・

このアルバムはニューヨークで活躍しているKENNY・RANKINの9枚目位のアルバムで '91年のリリースです。デビューが '67年[Mind-Dusters]ですから、40年以上(80年代にブランクがありましたが)のキャリアの持ち主ですね。ここ数年間は、ジャズ系のミュージシャンとアルバム作りが行われて、ジャズ/ボサ・ノヴァ/イージーリスニング系のアルバムを発表しています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KENNY・RANKIN:ヴォーカル/ギター/ピアノ/プロデュースの他、GEORGE・YOUNG:サックス、DANILO・PÊREZ:ピアノ、DAVID・FINCK:ベース、DAVE・RATAJCZAK:ドラム、STEVE・KROON:パーカッションのジャズ・メンたちです。尚、プロデュースは、KENNYとCHESKY RECORDSの社長DAVID・CHESKYの共同で行われています。

1曲目"Berimbau"(4:25) 曲名にあるBerimbau(ブラジルの民族楽器)によるイントロに重ねられたKENNYのナイロン弦ギターの調べによるボサ・ノヴァです。KENNYのいつもの流れるようなスキャット・ヴォーカルとコラボレーションされた旧友GEORGE・YOUNGのテナー・サックスの調べも非常にスムーズです。オリジナル曲はブラジルのシンガー/ギタリストBADEN・POWELLが '67年に発表しています。
2曲目"What Am I Gonna Do With You"(5:39) ピアノの伴奏に合わせて歌うKENNYの歌声が優しく流れるラウンジ・スタイルのジャズ・ヴォーカル曲です。N.Y.の片隅にあるバーのカウンターに座りKENNYの演奏と歌声を聴いているような錯覚を覚えそうな雰囲気です。
3曲目"Haven't We Met?"(3:04) KENNYが古くから親しんでいるサウンド・スタイルのテンポの良いナイロン弦ギターによる弾き語りです。このアルバムでの収録はGEORGEのソプラノ・サックスの音色が全編に流されています。
4曲目"'Round Midnight"(3:48) オリジナル曲は '44年にTHELONIOUS・MONKが発表したジャズのスタンダード曲です。僅かに響くウッド・ベースの調べとKENNYのヴォーカルによるシンプルな収録となっています。
5曲目"Someone To Watch Over Me"(5:20) ご存知GEORGE・GERSHWIN,IRA・GERSHWIN兄弟作詞作曲による '26年作のジャズのスタンダード・ナンバー で、今まで数えきれないミュージシャンによって歌い続けられています。KENNYは少しスローにしたアレンジによるラウンジ・スタイルで収録しています。'87年にSTINGが歌ったサウンドトラックも印象的でしたね。
6曲目"Erienda"(6:27) KENNYの曲らしい彼の流れるような歌声が響くスローなナンバーです。パナマ出身のジャズ・ピアニストDANILO・PÊREZの卓越したプレイがスリリングに流れます。
7曲目"I Could Write A Book"(2:44) オリジナル曲は '40年にRICHARD・RODGERS,LORENZ・HARTが発表したジャズのスタンダード曲です。スイングしながら心地好く歌うKENNYの歌声が優しく響きます。
8曲目"Always"(2:30) KENNYのアカペラによる収録で、指をスナッピングしながらビートを刻む音とKENNYの歌声だけの収録です。オリジナル曲は '26年IRVING・BERLINが発表したポピュラー・ソングです。
9曲目"This Old Man(For WILLIAM・HENRY・RANKIN)"(4:04) サブ・タイトルが示すようKENNYの父に捧げられた曲です。ピアノの伴奏をメインに流れるメロディアスなナンバーで、KENNYのジェントルな歌声とピアノの調べによるシンプルなアレンジになっています。
10曲目"Doralice"(3:40) KENNYのスキャット。ヴォーカルによるボサ・ノヴァです。オリジナル曲は60年代にブラジルのギタリストDORIVAL・CAYMMIとANTONIO・ALMEIDAによって書かれた曲です。
11曲目"Because Of You"(4:38) GEORGEのスモーキーなサックス・ソロとKENNYの少しダークな歌声による収録になっています。オリジナル曲は'40年のサウンドトラックでARTHUR HAMMERSTEINとDUDLEY WILKINSONのコンビによって書かれたポピュラー・ソングです。
歌詞無し 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:46分26秒 (日本にも多くのファンを持つKENNY、男女を問わず好かれるのは、やはりその優しいKENNYの歌声なのでしょう)'10年2月3日再更新


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写真  KENNY RANKIN / Professional Dreamer
 ・1995 Private Inc.    01005-82124-2

スタンダード・ナンバー集・・・

このアルバムは、N.Y.で活躍していたKENNY・RANKINの10枚目になるアルバムで、本国でのリリースは、'95年3月に行われています。
収録曲の大半は、ジャズのスタンダード・ナンバーを少人数のバンド形式でKENNYがしっとりと歌った落ち着いた曲の内容となっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KENNY・RANKIN:ヴォーカルの他、MIKE・WOFFORD:ピアノ、BRIAN・BROMBERG:ベース、ROY・McCURDY:ドラム、TOM・SCOTT:テナー/アルト・サックス、ALAN・BROADBENT:ピアノ、SUE・RANEY:ヴォーカル、BILL・WATROUS:トロンボーンのベテラン勢が参加しています。
尚、このアルバムは、インディペンデント・レーベルながら大物プロデューサー HANK・CICALO(KENNYと共同名義)の関係からか配給は、大手BMGより行われています。

1曲目"You'd Be So Nice To Come Home To"(3:22) ご存じCOLE・PORTERが '43年の映画「サムシング・トゥ・シャウト・アバウト」の主題歌として書き下ろした曲で、多くのシンガーが収録している曲です。BRIAN・BROMBERGのウッド・ベースの滑らかな調べがイントロから流れる出だしから、これまたスムーズなKENNYの歌声が響きます。
2曲目"Very Thought Of You"(3:38) イギリスのRAY・NOBEL '37年作詞/作曲の曲で、BING・CROSBY、NAT・KING・COLEもレコーディングしている曲です。MIKE・WOFFORDの落ち着いたピアノの調べに合わせて心地好く歌うKENNYの高域で裏返る"あの歌声" が何時ものように届けられるのです。
3曲目"But Not For Me"(3:09) この曲も有名な曲ですね。GEORGE・GERSHWIN:作曲、IRA・GERSHWIN:作詞による '30年のミュージカル「Girl Crazy」用に書かれた曲で、ELTON・JOHN、ELVIS・COSTELLOもレコーディングしています。ボサ・ノヴァ調のラウンジ・ミュージックにアレンジされたサウンドとTOMのサックス・ソロが心地好く流れて来ます。
4曲目"I Fall In Love Too Easily"(3:50) JULE・STYNE:作曲、SAMMY・CAHN:作詞による GENE・KELLYとFRANK・SINATRA 主演 '45年の映画「錨を上げて」の挿入歌です。スローなリズムとしっとりとした調べが流れるラヴ・バラードです。MIKE・WOFFORDのリズミカルなピアノ・ソロとKENNYの少し切ない歌声が響いて来ます。
5曲目"More Than You Know"(4:19) この曲も非常に多くのシンガーによってレコーディングされているVINCENT・YOUMANS、BILLY・ROSE、EDWARD・ELISCUの3人によって '29年に書かれた曲で、翌年のミュージカル「Great Day」で紹介されています。スパニッシュギターとハンドクラップのサウンドを取り入れた異種音楽に挑戦した意欲的な曲でシンプルなスタイルです。
6曲目"It Had To Be You"(2:19) ISHAM・JONES:作曲、GUS・KAHN:作詞による '24年の曲で、'39年のJAMES・CAGNEY主演の映画「彼奴は顔役だ」で紹介されています。ここでの収録は、ALAN・BROADBENTのピアノ1台とKENNYの歌声によるシンプルなスタイルで収録になっています。
7曲目"At Last"(6:15) MACK・GORDONとHARRY・WARRENのコンビによる '41年の曲で、後にETTA・JAMESが '61年に歌ってビルボードのR&B部門で2位を獲得しています。BILL・WATROUSのトロンボーンの調べで幕明けする落ち着いたスタンダード曲をKENNYも少しノスタルジックに歌い上げています。
8曲目"Love Is Here To Stay"(2:30) 再びGEORGEとIRAのGERSHWIN兄弟の書いた曲の登場です。'38年のハリウッド映画「The Goldwyn Follies」の挿入歌で、GEORGE・GERSHWINは、この曲を作曲中に倒れ、38歳の若さで他界しています。メロディアスで明るいサウンドとリズムの曲で、間奏にはBRIAN・BROMBERGのアドリヴ的なベース・ソロが配されています。
9曲目"I've Got A Crush On You"(3:49) GEORGEとIRAのGERSHWIN兄弟の曲が続きますね。'28年のブロードウェイ・ミュージカル「Treasure Girl」で紹介されています。デュエットで往年のジャズ・シンガーSUE・RANEYが参加してKENNYとSUEの楽しく歌う歌声が流れて来るのです。
10曲目"My One And Only Love"(4:17) ROBERT・MELLINとGUY・WOODのコンビが '52年に書いた曲です。'62年にDORIS・DAYがレコーディングしています。何処となくGERSHWIN兄弟が書いた"Someone To Watch Over Me" と似た雰囲気を感じます。
尚、この曲は、奇しくもSTINGも同年 '95年にレコーディングしています。余談ですが、STINGもKENNYも"Someone To Watch Over Me" をカバーしています。
11曲目"Blame It On My Youth"(5:00) R&BのシンガーNAT・KING・COLEが '56年に歌ったEDWARD・HEYMAN:作詞とOSCAR・LEVANT:作曲の書いた曲です。
少人数による静かで落ち着いた演奏によるサウンドの流れと美しいKENNYの歌声で収録されています。
尚、この曲は、スウェーデンのVIKTORIA・TOLSTOYLISA・EKDAHLもレコーディングしています。
12曲目"How Can I Forget(Song For Margo)"(4:53) この曲は、KENNYのオリジナル曲となっています。ALAN・BROADBENTの流れるようなピアノの調べとKENNY独特のブレスを取らない長い歌声による響きが伝わって来ます。
13曲目"That's All"(4:27) ALAN・BRANDTとBOB・HAYMESのコンビが '52年に書いた曲で、翌年NAT・KING・COLEが歌ってビルボード20位となった曲です。トリオによるスムーズな演奏とKENNY独特の"あの変幻する歌声" が響いて来ます。
歌詞無し 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:52分03秒 (本来ならギター・サウンドのアルバムを採り上げたレビューに該当しないアルバムですが、'09年6月肺ガンで亡くなったKENNYを偲んで掲載します)'10年2月3日再更新


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写真  KING OF HEARTS / 1989
 ・1999 COOL SOUND INC.    COOL-029

デビュー前の幻のアルバム・・・

このアルバムは、カリフォルニア州で活躍しているメロディック・ロック・バンドKING OF HEARTSの '94年のアルバムの前に収録されていたお蔵いりとなった幻のデビュー・アルバムで '99年5月25日に国内でリリースされたアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TOMMY・FUNDERBURK:ヴォーカル、BRUCE・GAITSCH:ギター/プログラミング/副プロデュースの他、KELLY・KEAGY:ドラム/ヴォーカル、GEORGE・HAWKINS:ベース/ヴォーカルの当時、KING OF HEARTSの4人の他、BILL・CHAMPLIN:ハモンドB-3、C.J.VANSTON:キーボード、TIMOTHY・B・SCHMIT:バック・ヴォーカル、RANDY・MEISNER:バック・ヴォーカルの有名ミュージシャン達が参加しています。
プロデューサーは、STEVE MILLER BANDやRICHARD・MARXなどのアルバムを手掛けた DAVID・COLEが担当しています。
尚、各曲の紹介については、'94年と'96年のアルバム収録曲と同一の場合、引用して掲載しています。

1曲目"Working Man"(4:45) 自宅のプール清掃に来てくれた男性達の仕事ぶりに感動したBRUCEの作曲です。ロックン・ロールのリズムによるサウンド的にもストレートでメロディもシンプルな作りとなっています。バック・ヴォーカルは、バック・ヴォーカルは、GEORGE・HAWKINS、KELLY・KEAGY(NIGHT RANGER)、TIMOTHY・B・SCHMITRANDY・MEISNERとハモンドB-3でBILL・CHAMPLINが参加しています。
2曲目"In So Many Words"(4:20) BRUCEの歯切れ良いギターの音色がイントロから響くポップ/ロック調の曲です。硬めのKELLY・KEAGYのドラムのビートに合わせ元気に明るく歌うTOMMYです。
3曲目"Don't Call My Name"(4:58) TOMMYの歌声が最高なこれぞメロディアス・バラード!BRUCEの非常に美しいメロディを奏でる叙情的なアコースティック・ギターの調べです。
4曲目"Smack Dab"(4:13) ドラムのKELLY・KEAGYのヴォーカル曲です。BRUCEがめずらしくスライド・ギターを多用して弾きまくるブルース/ロックです。まあ今から30年以上の '89年のロック・ミュージックなので、産業ロック然としたところは、ご勘弁願います。
5曲目"Remember When"(4:58) 心地好いリズムのロック"ン" ロールの曲です。前のアルバム('94年の盤)の1曲目を飾った"Land Of Dream" に通じる乗りの好い曲で、BRUCEのギター・ソロがご機嫌です。
6曲目"Hold On To Love"(4:39) アコースティック・ギターを使ってのカントリー・ロック的な曲です。バックのしっかりとしたハーモニーと心地好く響くBRUCEのギターとこれまた気持ち好く歌うTOMMYの姿があります。
7曲目"Under the Gun"(4:15) ベースのGEORGE・HAWKINSのヴォーカル曲です。パワーのあるGEORGEのヴォーカルとバックの音圧の高そうなサウンドで押し切る様を強く感じます。
8曲目"Lovin' Arms"(4:45) しっとりしたナンバーです。ハードなロックからソフトなバラードまで歌いこなすTOMMYの素晴らしい歌声とBRUCEのギターのサウンドとが調和した美しいメロディの曲です。
9曲目"Was It Good For You"(3:52) TOMMYがその持ち前の歌声を聴かせるこれぞロックと言える曲です。ファジーなギターのサウンドとハイトーン・ヴォイスに荒れたドラムのビートなど全て揃ったと言う感ですね。
10曲目"Everyday"(4:21) ドラムのKELLY・KEAGYとBRUCE・GAITSCHとの共作の曲です。ヴォーカルは、KELLYとなっています。硬く締まったドラムのビートとこれまた硬質のBRUCEのギターとスライドによる男たちのロックと言う感じかな。
11曲目"King Of Hearts"(6:01) '94年の収録曲より若干シンプルな曲調(楽器構成)となっています。BRUCEとTOMMYとがこのユニット名を使うために生前のROY・ORBISONに相談したところROYは、快諾してくれたらしく、そしてこのような素晴らしい曲も収録される事になりました。多分、歌詞の中で歌われている「ハートの13」は、ROYの事でしょう。バック・ヴォーカルは、GEORGE・HAWKINSとKELLY・KEAGY(NIGHT RANGER)が参加しています。
全11曲歌詞付 8ページ物ブックレット (国内盤) 収録時間:51分13秒 (4枚目のアルバムもリリースされたので、この幻のデビュー・アルバムもアップしました!)'23年3月10日更新


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写真  KING OF HEARTS / King Of Hearts
 ・1994 PIONEER LDC.INC.    PICP-1032

実力派2人組みのユニット・・・

故ROY・ORBISONのアルバムのタイトルをユニット名にしたKING OF HEARTSは、BRUCE・GAITSCHTOMMY・FUNDERBURKとのユニットです。コンビによるデビュー・アルバム('89年のアルバムは、当時お蔵入りだった為)で '94年9月22日、国内でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TOMMY・FUNDERBURK:ヴォーカル、BRUCE・GAITSCH:ギター/プログラミング/プロデュースの他、BILL・CHAMPLIN:ハモンドB-3、C.J.VANSTON:キーボード、GEORGE・HAWKINS:ベース/バック・ヴォーカル、KELLY・KEAGY:ドラム/バック・ヴォーカル、TIMOTHY・B・SCHMIT:バック・ヴォーカル、RANDY・MEISNER:バック・ヴォーカルの有名ミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Land Of Dreams"(5:40) '80年の名作AIRPLAYでその素晴らしい歌声を披露してくれたTOMMYとBRUCEとの共作です。アメリカン・サウンドらしいギターのサウンドとAIRPLAY時代を彷彿とさせるTOMMYのヴォーカルによる曲です。
2曲目"Lovin' Arms"(5:10) しっとりしたナンバーです。ハードなロックからソフトなバラードまで歌いこなすTOMMYの素晴らしい歌声とBRUCEのギターのサウンドとが調和した美しいメロディの曲です。注:サンプル音源は、ライヴでの音源です。
3曲目"Working Man"(5:05) 自宅のプール清掃に来てくれた男性達の仕事ぶりに感動したBRUCEの作曲です。ロックン・ロールのリズムによるサウンド的にもストレートでメロディもシンプルな作りとなっています。バック・ヴォーカルは、10曲目の2人に加えTIMOTHY・B・SCHMITRANDY・MEISNERとハモンドB-3でBILL・CHAMPLINが参加しています。
4曲目"Don't Call My Name"(5:28) TOMMYの歌声が最高なこれぞメロディアス・バラード!BRUCEの非常に美しいメロディを奏でる叙情的なアコースティック・ギターの調べです。
5曲目"I Want You"(6:03) 少しハードなエレクトロニカ・サウンドによるミドル・テンポな曲です。孤高のシンガーTOMMYのエモーショナルな歌声を十二分に味わえる曲となっています。BRUCEもめずらしく熱いサウンドのギター・ソロを決めています。
6曲目"The Night The Angels Cried"(5:06) ダークでイメージを持つシリアスな歌詞の内容の曲ですが、BRUCEの非常に美しいギターの調べと低域から高域まで幅広く歌い上げるTOMMYのヴォーカルに脱帽です。
7曲目"My Desire"(5:40) シングル・カットされたテンポの良いキャッチーな曲です。伸びやかに響くギター・ソロとタイトなリズムは、ライヴで好まれる要素の多い曲のようです。
8曲目"Love Will Return"(3:40) この曲は、イントロのサウンドから一発で気に入った曲です。BRUCEの非常に美しいアコースティック・ギターのコード・ワークとTOMMYの素晴らしいヴォーカルとが織り成すメロウなナンバーです。
9曲目"Close My Eyes"(5:28) カントリー・ロック調による心地好く流されるナンバーです。イントロの美しいメロディからすばらしい曲です。
10曲目"King Of Hearts"(5:58) BRUCEとTOMMYとがこのユニット名を使うために生前のROY・ORBISONに相談したところROYは快諾してくれたらしく、そしてこのような素晴らしい曲も収録される事になりました。多分、歌詞の中で歌われている「ハートの13」は、ROYの事でしょう。バック・ヴォーカルは、GEORGE・HAWKINSとKELLY・KEAGY(NIGHT RANGER)が参加しています。
11曲目"Forever"(4:42) 先に発売された北欧盤には収録されていない曲で、国内盤のみのボーナス・トラックです。但し、ドイツ盤/オーストリア盤/スウェーデン盤の紹介には収録されていると記載されています。アコースティック・ギターが心地好く響くスローなナンバーです。BRUCEの調べに合わせて歌うTOMMYの素晴らしい歌声がアルバムの最後まで響きます。
全11歌詞/訳詞付 16ページ物写真ブックレット BRUCEとTOMMYによる曲コメント付き (国内盤) 収録時間:58分07秒 (早くこの2人によるユニットを再開して欲しいものです!)'10年2月3日再更新
1994年度ベスト5


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写真  KING OF HEARTS / Joy Will Come
 ・1996 PIONEER LDC.INC.    PICP-1122

活動を再開すると聞きましたが・・・

KING OF HEARTSは、シカゴ出身のギタリスト/プロデューサーのBRUCE・GAITSCHとノースカロライナ出身のヴォーカリストTOMMY・FUNDERBURK(元AIRPLAY,WHAT IF)とのユニットです。このアルバムは、彼らの '96年9月25日に国内でリリースされた2枚目のアルバムですが、お蔵入りしていた[KING OF HEARTS 1989]がリリースされた為、制作順では3枚目となります。TOMMY・FUNDERBURKのソロ・アルバムのリリース後にKING OF HEARTSの活動を再開すると聞きましたが、現在も不明です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、BRUCE・GAITSCH:ギター/プログラム/プロデュース、TOMMY・FUNDERBURK:ヴォーカル/プロデュースの他、JAY・GRAYDON:ギター、BILL・CHAMPLIN:オルガン/バック・ヴォーカル、GEORGE・HAWKINS:ベース/バック・ヴォーカル、JOHN・PATITUCCI:ベース、GREG・PHILLINGANES:キーボード/シンセサイザー/カリンバ、CJ・VANSTON:シンセサイザー、SACHI・PATITUCCI:チェロ、BILLY・WARD:ドラム、KELLY・KEAGY:ドラム/バック・ヴォーカル、ALEX・ACUNA:パーカッション、TAMARA・CHAMPLIN:バック・ヴォーカル、JANEY・CLEWER:バック・ヴォーカル、MAX・ANDERSON:バック・ヴォーカル、ALFIE・SILAS:バック・ヴォーカル、ORREN・WATERS:バック・ヴォーカル、RICKY・NELSON:バック・ヴォーカル、BETH・ANDERSEN:ヴォーカルの今回はヴォーカル隊が多く参加しています。

1曲目"No Matter What"(2:57) U.K.のロックバンドBADFINGERの '70年のヒット曲のカバーです。前作では、2人のオリジナル曲を中心にした収録だったので、1曲目のイントロからTOMMYのヴォーカルでいきなり「No Matter What You Are…」と来たのにはびっくりでした。
2曲目"Closer To The Edge"(4:41) BRUCEのナイロン弦ギターの心地よい響きによるボサ・ノヴァのフレイヴァーのするポップな曲です。TOMMYのロック・ロックした歌声も少し柔らかく聴こえます。間奏のギター・ソロは、BRUCEに続いて登場する一発でJAY・GRAYDONと分かる響きのギターです。
3曲目"I Still Believe In You"(3:50) カントリー・シンガーVINCE・GILLの '92年のヒット曲のカバーです。しっとりした曲調と日本のCMソングなども歌っていたBETH・ANDERSENのバック・ヴォーカルとTOMMYのコラボによる見事な収録です。
4曲目"I Heard Heaven Is A Better Place"(4:14) ミドル・テンポのソウル・ミュージックをルーツにした曲です。コーラスの歌声をバックに歌うTOMMYのエモーショナルな歌声によるCCM的な要素も併せ持った曲です。
5曲目"Joy Will Come"(5:20) 前の曲と詞の内容的に組曲となっているようです。BRUCEのギターがたっぷりと入った曲で、GREG・PHILLINGANESの弾くカリンバの不思議なサウンドが妙にマッチします。サビの部分のコーラスは、圧巻です。
6曲目"I Surrender All"(2:43) アコースティック・ギターの美しい響きとエレキ・ギターの響きとが調和したミドルテンポのウエスト・コースト・ロックな曲です。TOMMYの伸びやか歌声と美しいメロディによる曲です。
7曲目"Dancing With The Light"(4:39) 乗りの良いアップテンポのロックです。BRUCEの数種類のギターのサウンドを使った収録です。バック・ヴォーカルも超豪華にBILL・CHAMPLIN,TAMARA・CHAMPLIN,GEORGE・HAWKINS,JANEY・CLEWERが参加しています。
8曲目"Only You"(4:55) TOMMYのセルフ・コーラスも無しのヴォーカル・パートにBRUCEの歪ませたギターのサウンドを被せたシンプルな曲で直球勝負です。
9曲目"Remember When"(5:09) 心地好いリズムのロック"ン" ロールの曲です。前のアルバムの1曲目を飾った"Land Of Dream" に通じる乗りの好い曲で、BRUCEのギター・ソロがご機嫌です。
10曲目"Stranger In A Strangers Town"(4:42) TOMMYの歌声が似合うロックらしい曲です。殆どの曲のドラムを担当しているBILL・WARDの力強いビートとBRUCEのギターも非常に聴き応えがあります。
11曲目"Midnight Crossing"(4:04) イントロからいい感じの曲で、非常にロマンチックな詞の内容の恋人に捧げる曲です。バック・ヴォーカルにBRUCEの奥様のJANEY・CLEWERの美しい歌声が聴こえます。またベースとチェロにJOHNSACHIのPATITUCCI夫婦も素晴らしい演奏を披露してくれている家族的な収録です。
全11歌詞/訳詞付 16ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:47分18秒 (自宅近くのCDショップの店内でかかっていた聴覚えのある歌声につい店員さんに「この曲は、KING OF HEARTSではないですか?」「そうです。来週発売の新譜です!」それからの1週間の長かった事!)'10年2月3日再更新


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写真  KING OF HEARTS / No Matter What
 ・2013 Vivid Sound    VSCD3582

未発表曲収録・・・

このアルバムは、カリフォルニア州で活躍しているメロディック・ロック・バンドKING OF HEARTSの4枚目(コンピレーション盤)のアルバムで '13年12月18日に国内からのリリースです。
元々アメリカ市場の為、制作された '97年の同名タイトルアルバムを国内向けにジャケ違い+解説付にてリリースされた物です。
KING OF HEARTSは、アメリカのバンド/ユニットですが、このアルバムを含み計6枚(ダウンロード盤とこのアルバム以後の盤も含み)リリースされていますが、まったくと言っていいほどアメリカ市場からは、注目されていない為、アメリカ市場向けにベスト/コンピレーション盤として '97年に[No Matter What](何があろうと)制作されました。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、各アルバムの項目を参照願います。
尚、各曲の紹介は、1部の追加情報を除きオリジナル盤での記載を引用して掲載しています。

1曲目"In So Many Words"(4:22) '99年の[1989]からの曲です。BRUCEの歯切れ良いギターの音色がイントロから響くポップ/ロック調の曲です。硬めのKELLY・KEAGYのドラムのビートに合わせ元気に明るく歌うTOMMYです。
2曲目"Land Of Dreams"(5:41) '94年の[King Of Hearts]からの曲です。'80年の名作AIRPLAYでその素晴らしい歌声を披露してくれたTOMMYとBRUCEとの共作です。アメリカン・サウンドらしいギターのサウンドとAIRPLAY時代を彷彿とさせるTOMMYのヴォーカルによる曲です。
3曲目"The Night The Angels Cried"(5:08) '94年の[King Of Hearts]からの曲です。ダークでイメージを持つシリアスな歌詞の内容の曲ですが、BRUCEの非常に美しいギターの調べと低域から高域まで幅広く歌い上げるTOMMYのヴォーカルに脱帽です。
4曲目"Working Man"(5:06) '94年と'99年のどちらにもアルバムにも収録されている曲です。自宅のプール清掃に来てくれた男性達の仕事ぶりに感動したBRUCEの作曲です。ロックン・ロールのリズムによるサウンド的にもストレートでメロディもシンプルな作りとなっています。バック・ヴォーカルは、バック・ヴォーカルは、GEORGE・HAWKINS、KELLY・KEAGY(NIGHT RANGER)、TIMOTHY・B・SCHMIT、RANDY・MEISNERとハモンドB-3でBILL・CHAMPLINが参加しています。
5曲目"My Desire"(5:42) '94年の[King Of Hearts]からの曲です。シングル・カットされたテンポの良いキャッチーな曲です。伸びやかに響くギター・ソロとタイトなリズムは、ライヴで好まれる要素の多い曲のようです。
6曲目"Don't Call My Name"(5:31) '94年の[King Of Hearts]からの曲です。TOMMYの歌声が最高なこれぞメロディアス・バラード!BRUCEの非常に美しいメロディを奏でる叙情的なアコースティック・ギターの調べです。
7曲目"No Matter What"(2:57) '96年の[Joy Will Come]のトップを飾った曲です。U.K.のロックバンドBADFINGERの '70年のヒット曲のカバーです。前作では、2人のオリジナル曲を中心にした収録だったので、1曲目のイントロからTOMMYのヴォーカルでいきなり「No Matter What You Are…」と来たのにはびっくりでした。
8曲目"Closer To The Edge"(4:50) '96年の[Joy Will Come]からの曲です。BRUCEのナイロン弦ギターの心地よい響きによるボサ・ノヴァのフレイヴァーのするポップな曲です。TOMMYのロック・ロックした歌声も少し柔らかく聴こえます。間奏のギター・ソロは、BRUCEに続いて登場する一発でJAY・GRAYDONと分かる響きのギターです。
9曲目"Stranger In A Strangers Town"(4:44) '96年の[Joy Will Come]からの曲です。TOMMYの歌声が似合うロックらしい曲です。殆どの曲のドラムを担当しているBILL・WARDの力強いビートとBRUCEのギターも非常に聴き応えがあります。
10曲目"I Surrender All"(2:43) この曲も '96年の[Joy Will Come]からの曲です。アコースティック・ギターの美しい響きとエレキ・ギターの響きが調和したミドルテンポのウエスト・コースト・ロックな曲です。TOMMYの伸びやか歌声と美しいメロディによる曲です。
11曲目"Midnight Crossing"(4:06) この曲も '96年の[Joy Will Come]からの曲です。イントロからいい感じの曲で、非常にロマンチックな詞の内容の恋人に捧げる曲です。バック・ヴォーカルにBRUCEの奥様のJANEY・CLEWERの美しい歌声が聴こえます。またベースとチェロにJOHNとSACHIのPATITUCCI夫婦も素晴らしい演奏を披露してくれている家族的な収録です。
12曲目"After The Love Is Gone"(5:07) この曲は、'95年のシングル盤[My Desire]のカップリング曲としてリリースされています。名曲"After The Love Is(Has)Gone" をハーモニカ(HOWARD・LEVY)/アコースティック・ギター(BRUCE・GAITSCH)/ウッド・ベース(JOHN・PATITUCCI)を使って収録しています。AIR PLAY時代では、BILLとヴォーカルをシェアしていましたが、今作では、全編TOMMYのヴォーカルが堪能できます。
13曲目"Lovin' Arms(Live In Tokyo)"(4:51) '94年の[King Of Hearts]からの曲です。ここでの収録は、Tokyoのストア・ライブにてBRUCEのアコースティック・ギターとTOMMYの歌声によるシンプルな収録となっています。TOMMYは、'16年にもこの曲でのストア・ライブをノルウェーでも行っているので、相当お気に入りの曲のようですね。
14曲目"Broken World(Previously Unreleased)"(5:38) '96年の[Joy Will Come]をリリースした後に収録された未発表曲です。曲調とメロディは。やはりKING OF HEARTSらしい曲ですが、ストリングス(プログラミング)を交え更にロマンティック・メロディアス・ロックへの昇華した感があります。収録は、TOMMY・FUNDERBURK:ヴォーカル、BRUCE・GAITSCH:ギター/プログラム、GEORGE・HAWKINS:ベース、JANEY・CLEWER:バック・ヴォーカルとなっています。
全14曲歌詞付 '97年度盤のジャケ付10ページ物写真折畳ライナー 輸入元販売 (輸入盤) 収録時間:66分36秒 (最初、このアルバムのことを知った時、過去アルバムからのベスト盤としての北欧レーベルからのリリースだと思っていました!)'25年2月24日


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写真  KING OF HEARTS / King Of Hearts
 ・2019 Melodic Rock Records    MRR099

KING OF HEARTS 1990音源を基に復活・・・

このアルバムは、カリフォルニア州で活躍しているメロディック・ロック・バンドKING OF HEARTSの5枚目(KING OF HEARTS 1989と '13年のベスト盤を含む、)のアルバムで '19年11月22日に本国(オーストラリアのレーベル)でのリリースです。
このアルバムでのKING OF HEARTSのメンバーは、TOMMY・FUNDERBURK:ヴォーカル、 BRUCE・GAITSCH:ギター、C.J.VANSTON:キーボード/バック・ヴォーカル/プロデユース、KEITH・CARLOCK:ドラム、JOHN・PATITUCCI:ベースの超ベテラン揃いです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PETER・CETERA:バック・ヴォーカル、TIMOTHY・SCHMIT:バック・ヴォーカル、JANEY・CLEWER:バック・ヴォーカル、PHIL・COLLEN (DEF LEPPARD):ギター/バック・ヴォーカル、CHRIS・RODRIGUES:バック・ヴォーカルのこれまたベテラン揃いが参加しています。1990年の音源を基に再収録との情報がありますが、ヴォーカル部分だけなのか不明の為、新旧の収録詳細は、省きます。
尚、'22年のBandcampでのダウンロード盤では、アコースティック・ヴァージョン"After The Love Is Gone" を含む2曲+1のボーナス・トラックが追加されています。

1曲目"Don't Wait"(3:46) メロディアスなC.J.VANSTONの奏でるキーボードの調べのイントロに続き登場するTOMMYのあのエモーショナルなヴォーカルに心躍らされる曲です。う−んやっぱりこの人の歌声は、素晴らしいわー。
2曲目"California"(3:51) 今度は、BRUCEのアコースティック・ギターの音色を表に出した曲名通りのカリフォルニア・ロック色の曲です。「C'est la vie California」と歌われるところに遊び心を感じますね。
3曲目"I Need You"(4:25) やはり3曲目は、定番のスローな曲の登場です。BRUCEのギターの調べといつもより少し低めのキーで心地好く歌うTOMMY、やはりこのコンビは、KING OF HEARTSならではですね。
4曲目"I Don't Want Your Love"(5:20) センチメンタルなC.J.のピアノの調べによるイントロからBRUCEの歪ませたギターの調べがアクセントとなった曲です。この曲では、TOMMYの歌声も太目に響きBRUCEのギター・ソロもエモーショナルに高鳴ります。
5曲目"Givin' Up Easy"(3:49) セルフで付けたTOMMYの美しいハーモニーと少し牧歌的なメロディに心和む曲です。時折入るC.J.のピアノの調べとハモンドのサウンドも好いですね。
6曲目"Say It Now"(4:20) 心地好く響くKEITH・CARLOCKのドラムのビートとバックで響くC.J.のコルグかな。目まぐるしく廻って廻って流れて行きます。
7曲目"Rose Maria "(4:07) 爽やかなアコーディオンのサウンドとアコースティック・ギターの調べがノスタルジックな70年代のカリフォルニア・サウンドを醸し出している曲です。やはりここでのハーモニーも美しく響いて来ます。
8曲目"A Simple Song"(3:43) 今度は、イントロからKEITH・CARLOCKがヘビーなドラムを聴かせます。荒らしたギター・サウンドとメタルなサウンドなどライヴで聴いたらズーンと腹に染みるのでしょうね。間奏の激しいギター・ソロは、PHIL・COLLENとのこと。
9曲目"I Met A Girl"(3:41) 今度は、少しテンポとサウンドを落として来たメロディアス・ロックな曲です。バックで響くJOHN・PATITUCCIのかっちとしたベースの響きとスラーの美しい響きが堪りませんね。
10曲目"What If They Lied"(4:02) この曲でもJOHNのベースの弦の振幅音が耳に残る曲です。TOMMYのヴォーカルにPHIL・COLLENのLo-Hiにした歌声とナレーションを挟んだ遊び心を演出しています。

以下のボーナス・トラックは、Bandcampダウンロード盤の特典です。
11曲目"The Night The Angels Cried (Bonus Track)"(5:07) この曲は、'94年のセルフ・タイトル盤[King Of Hearts]に収録されている曲です。ダークでイメージを持つシリアスな歌詞の内容の曲ですが、BRUCEの非常に美しいギターの調べと低域から高域まで幅広く歌い上げるTOMMYのヴォーカルに脱帽です。
12曲目"After The Love Is Gone(Bonus Track)"(5:08) この曲は、'95年のシングル盤[My Desire]のカップリング曲としてリリースされています。名曲"After The Love Is(Has)Gone" をハーモニカ(HOWARD・LEVY)/アコースティック・ギター(BRUCE・GAITSCH)/ウッド・ベース(JOHN・PATITUCCI)を使って収録しています。AIR PLAY時代では、BILLとヴォーカルをシェアしていましたが、今作では、全編TOMMYのヴォーカルが堪能できます。
そして隠しトラックが1曲あります。
13曲目"King Of Hearts(Bandcamp Bonus Track)"(5:59) この曲も、'94年のセルフ・タイトル盤[King Of Hearts]に収録されている代表曲です。TOMMYのハイトーン・ヴォイスに連動したBRUCEの泣きのギターが堪りませんね。
・歌詞無し 12ページ物写真ブックレット オーストラリア製 (輸入盤) 収録時間:41分09秒
・歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:57分23秒 (このKING OF HEARTSは、日本でも人気が高く'13年と'15年に来日もしています)'23年2月10日更新


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写真  KING OF HEARTS / Greatest Hits Vol. 1
 ・2022 King of Hearts    

ボーナス・トラック付き・・・

このアルバムは、カリフォルニア州で活躍しているメロディック・ロック・バンドKING OF HEARTSの6枚目(1枚目〜3枚目のアルバムからのコンピレーション盤)のアルバムで '22年1月13日(Bandcamp)からのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、各アルバムの項目を参照願います。
尚、各曲の紹介は、1部の追加情報を除きオリジナル盤での記載を引用して掲載しています。

1曲目"Remember When"(5:09) '96年の[Joy Will Come]からの曲です。心地好いリズムのロック"ン" ロールの曲です。前のアルバムの1曲目を飾った"Land Of Dream" に通じる乗りの好い曲で、BRUCEのギター・ソロがご機嫌です。
2曲目"In So Many Words"(4:22) '99年の[1989]からの曲です。BRUCEの歯切れ良いギターの音色がイントロから響くポップ/ロック調の曲です。硬めのKELLY・KEAGYのドラムのビートに合わせ元気に明るく歌うTOMMYです。
3曲目"Don't Call My Name"(5:29) '94年の[King Of Hearts]からの曲です。TOMMYの歌声が最高なこれぞメロディアス・バラード!BRUCEの非常に美しいメロディを奏でる叙情的なアコースティック・ギターの調べです。
4曲目"Was It Good For You"(3:47) '99年の[1989]からの曲です。TOMMYがその持ち前の歌声を聴かせるこれぞロックと言える曲です。ファジーなギターのサウンドとハイトーン・ヴォイスに荒れたドラムのビートなど全て揃ったと言う感ですね。
5曲目"Working Man"(5:05) '94年と'99年のどちらにもアルバムにも収録されている曲です。自宅のプール清掃に来てくれた男性達の仕事ぶりに感動したBRUCEの作曲です。ロックン・ロールのリズムによるサウンド的にもストレートでメロディもシンプルな作りとなっています。バック・ヴォーカルは、バック・ヴォーカルは、GEORGE・HAWKINS、KELLY・KEAGY(NIGHT RANGER)、TIMOTHY・B・SCHMIT、RANDY・MEISNERとハモンドB-3でBILL・CHAMPLINが参加しています。
6曲目"Midnight Crossing"(4:04) '96年の[Joy Will Come]からの曲です。イントロからいい感じの曲で、非常にロマンチックな詞の内容の恋人に捧げる曲です。バック・ヴォーカルにBRUCEの奥様のJANEY・CLEWERの美しい歌声が聴こえます。またベースとチェロにJOHNとSACHIのPATITUCCI夫婦も素晴らしい演奏を披露してくれている家族的な収録です。
7曲目"I Want You"(6:03) '94年の[King Of Hearts]からの曲です。少しハードなエレクトロニカ・サウンドによるミドル・テンポな曲です。孤高のシンガーTOMMYのエモーショナルな歌声を十二分に味わえる曲となっています。BRUCEもめずらしく熱いサウンドのギター・ソロを決めています。
8曲目"Dancing With The Light"(4:40) '96年の[Joy Will Come]からの曲です。乗りの好いアップテンポのロックです。BRUCEの数種類のギターのサウンドを使った収録です。バック・ヴォーカルも超豪華にBILL・CHAMPLIN,TAMARA・CHAMPLIN,GEORGE・HAWKINS,JANEY・CLEWERが参加しています。
9曲目"Closer To The Edge"(4:42) '96年の[Joy Will Come]からの曲です。BRUCEのナイロン弦ギターの心地よい響きによるボサ・ノヴァのフレイヴァーのするポップな曲です。TOMMYのロック・ロックした歌声も少し柔らかく聴こえます。間奏のギター・ソロは、BRUCEに続いて登場する一発でJAY・GRAYDONと分かる響きのギターです。
10曲目"Your Loving Arms"(5:11) '94年の[King Of Hearts]からの曲です。しっとりしたナンバーです。ハードなロックからソフトなバラードまで歌いこなすTOMMYの素晴らしい歌声とBRUCEのギターのサウンドとが調和した美しいメロディの曲です。オリジナル盤での曲名は、"Loving Arms" となっています。尚、この曲は、'99年の盤にも収録されていますが、曲の長さが少し違っています。
11曲目"Land Of Dreams"(5:41) '94年の[King Of Hearts]からの曲です。'80年の名作AIRPLAYでその素晴らしい歌声を披露してくれたTOMMYとBRUCEとの共作です。アメリカン・サウンドらしいギターのサウンドとAIRPLAY時代を彷彿とさせるTOMMYのヴォーカルによる曲です。
12曲目"No Matter What(Bandcamp Bonus Track)"(2:57) '96年の[Joy Will Come]のトップを飾った曲です。U.K.のロックバンドBADFINGERの '70年のヒット曲のカバーです。前作では、2人のオリジナル曲を中心にした収録だったので、1曲目のイントロからTOMMYのヴォーカルでいきなり「No Matter What You Are…」と来たのにはびっくりでした。尚、この曲は、Bandcampからダウンロード購入時にフォルダー内にあるシークレット・トラックとなっています。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:57分10秒 (一時期活動を停止していたこのKING OF HEARTS、19年よりアルバムのリリースと活動を再開しています!)'25年2月15日更新


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写真  KISS ME LUNA / Kiss Me Luna
 ・1999 Karuna    909

作曲家チームによる隠れた・・・

イリノイ州シカゴでインディペンデントに活躍しているKISS ME LUNAことCATHY・MASSEY(TAMI SHOW):ヴォーカル/ギターとMARK・JIARAS(TAMI SHOW):ベース/ドラム/プロデュースの作曲家チームがユニットを組んだことによる名称でのようです。
このアルバムは、そのKISS ME LUNAが自主レーベルから '99年にリリースされたアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CATHY・MASSEY:ヴォーカル/ギターの他、MARK・JIARAS:ベース/キーボード/シーケンス/バック・ヴォーカル/プロデュース、DAVE・JORDAN:ギター、 M.J.JIARAS:ギター、JIM・TULLIO:ギター、GREG・MARSH:ドラム/パーカッション、JEFF・BRENNER:パーカッション、BOB・MARSH:ピアノ/アルト・サックス、KIM・SCHWARTZ:シタール、CLAIRE・MASSEY:バック・ヴォーカルの地元のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Winter"(4:07) 短いイントロのサウンドから急に歌われるCATHYの少し憂いのある歌声によるメロディアス/ポップの曲の登場です。バックで響くM.J.JIARASの煌びやかなギター・サウンドとMARK・JIARASのフレットレス・ベースの演奏が凄いのです。
2曲目"Hero"(2:44) アコースティック・ギターの弾き語りが導入部になったS.S.W.然とした曲調の曲ですが、サビの部分はラウドなDAVE・JORDANのギター・サウンドを収録したアンバランスな持ち味を印象付けるアレンジです。
3曲目"Better Than That"(4:48) イントロから流れるKIM・SCHWARTZのシタール・ギターのサウンドがノスタルジックさを感じさせる60年代サイケデリック・ロック感を少し持ったミドル・テンポの軽めのリフレインを多用した曲です。
4曲目"Lover Of Mine"(2:37) 今度はアコースティック・ギターのサウンドを中心としたCATHYの硬質感が有りながら少し甘口の歌声が心地良く流れるこの曲はS.S.W.らしい曲調の曲です。
5曲目"One And Only"(4:20) 他のアイドル系ミュージシャンへの提供を前提として書かれたようなキャッチーなメロディとサウンドの曲の登場です。この曲でもDAVE・JORDANのギミックなギター・サウンドがインパクトを与えます。
6曲目"The Night"(3:52) MARK・JIARASのフレットレス・ベースのサウンドが全編に流れるファンクなリズムによるウエスト・コースト・ロックの雰囲気を持った曲です。愛をテーマにしたロマンチックな歌詞が添えられています。
7曲目"True"(2:35) "クール" なベースのサウンドに乗せてCATHYがメランコリックな歌声を聴かせるスローな曲です。サビの部分で登場するシカゴの女性ロック・シンガーのCLAIRE・MASSEYのバック・ヴォーカルの歌声も美しく流れます。
8曲目"The Last Time"(2:59) この曲もキャッチーなメロディ・ラインを持った曲ですね。特徴的なサウンドを聴かせるDAVEのギターと憂いのある歌声を聴かせるCATHYのヴォーカルが印象的です。
9曲目"Queen Of Hearts"(3:32) イントロから聴かせるCATHYのアカペラによる歌声によるミドル・テンポのエモ・ポップな曲です。ベース/ピアノ/プロデュースと忙しく収録しているMARK・JIARASの硬めドラム・ビートがまた良いのです。
10曲目"Shelter"(2:37) この曲はS.S.W.の持つハート・ウォームな歌声と人を優しく包む歌詞が直に伝わって来ます。アコースティック・ギターの爪弾きによる美しい音色とアコースティック・ベースによるハーモニーが心地好く流れます。
11曲目"Dreams Of Being Free"(5:35) アコースティック・ギターでこの曲に参加しているJIM・TULLIOの書いた曲です。JIMのギターとMARK・JIARASのフレットレス・ベースのサウンドが優しく流れるメランコリック・ポップな曲です。後半ではインストゥルメンタル風味で流れています。
12曲目"Sappho Sad/Sappho Savage"(3:22) エキゾチックな無国籍サウンドが闇夜に響くシンセザイサーの音色によるアンビエントなスローな曲です。戯曲的な歌声を聴かせるCATHYの声も闇夜に響きます。
13曲目"Folksong In Blue(Hidden Track)"(4:42) 前の曲が終了してから約4分半のブランクがあってこのヒドゥン・トラックが始まります。ドラム・ループのサウンドに乗せて演奏されるMARK・JIARASフレットレス・ベースの調べがエモーショナルにインストゥルメンタルです。
全13曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:52分32秒(約4分半のブランク含む) (CATHYとMARKとの次のアルバムはOUT OF THE OCEANとユニット名を変更して '05年にリリースもされています。作曲家チーム自身によってリリースされたアルバムは、このH.P.で何枚か紹介していますが、どの作品も隠れた名アルバムのようです)'10年2月4日再更新


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写真  KISS ME LUNA / Out Of The Ocean
 ・2005 Rivendell Music    117

地元のミュージシャンに囲まれて・・・

イリノイ州シカゴでインディペンデントに活躍しているS.S.W.のCATHY・MASSEY(Ex.TAMI SHOW)の2枚目のアルバムです。前作はKISS ME LUNA名でリリースされていましたが、今回はジャケットにKISS ME LUNAとは表示されていませんが、収録メンバーからも同一内容であるので、一応、2枚目として紹介致します。アルバムのリリースは '05年に自主レーベルからのリリースとなっています。
今回のアルバムに参加しているミュージシャンは、MARK・JIARAS:ベース/キーボード/ギター/ヴォーカル、DAVE・JORDAN:ギター、M.J.JIARAS:ギター、JEFF・BRENNER:パーカッション、DEREK・CRAWFORD:ドラム、BOB・MARSH:キーボード 、JORDI・KLIENER(KLEINER):ヴァイオリン/マンドリン、MITCH・WARREN:トランペット、FRANK・BASILE:ドラム、JULIET・INDIGO:バック・ヴォーカルと地元のミュージシャンが参加しています。
残念ながら前作で参加していたベテラン・ミュージシャン/プロデューサーのJIM・TULLIO(JOHN・MARTYN,RITA・COOLIDGE)は参加していません。

1曲目"Out Of The Ocean"(5:03) バックワード・ギター/E-BOWの幻想的なサウンドによるイントロからパーカッシヴなリズムが繰り出されるミドル・テンポのナンバーです。CATHYの少し擦れ気味の歌声のバックにはジャジーなトランペット・ソロが"クール" に流れるのです。
2曲目"Already Come"(3:45) 少しサウンドとメロディを牧歌的な色合いを強めた曲の登場です。少し切ないCATHYの歌声にペダル・スティールの音色が似合います。
3曲目"The Emerald"(4:55) 特徴的なドラムのリズムとシンプルなベースの調べによる曲です。中近東かギリシャ音楽の影響を感じさせるメロディとサウンドが印象的です。
4曲目"Travelers Song"(3:46) アコースティック・ギターのサウンドを多用したCATHYの弾き語り的に収録した曲です。次第にサウンドを膨らますアレンジに少し裏返るCATHYの歌声が特徴的です。
5曲目"Drink Me Like Wine"(3:49) 少しサウンドをロック寄りとして来た曲の登場です。歯切れの良いドラムのビートと最近の女性ミュージシャンの曲のようなインパクトのある歌詞とキャッチーなサウンドとなっています。
6曲目"Heaven"(3:54) CATHYがそのメランコリックな歌声を聴かせるミドル・テンポのロック色の強い曲です。後半から登場するドラムのビートが決まります。
7曲目"The One"(3:39) 少しブリティッシュ・ポップ調のサウンドをイメージさせるメロディとサウンドの曲で、懐かしさも感じさせるところを持った曲です。コーラスとギター・サウンドも如何にもと言う感じですね。
8曲目"In A Dress Of Blood Red"(4:05) この曲は少し感じをダークな方向に変えて来た曲ですね。ナイロン弦ギターのエモーショナルなサウンドとスパニシュ的な情緒も感じさせます。
9曲目"Om Tare Tutare Ture Soha"(6:02) 呪文のように唱えられる曲にタイトルイントロから聴かせるCATHYのアカペラによる歌声によるミドル・テンポのエモ・ポップな曲です。ベース/ピアノ/プロデュースと忙しく収録しているMARK・JIARASの硬めドラム・ビートがまた良いのです。
10曲目"Gently"(6:24) ラストの曲は、ピアノのサウンドを中心としたスローな曲です。CATHYのアコースティック・ギターのサウンドとMARKのベースのサウンドが心地好く響く6分以上もある曲で、後半は殆どインストゥルメンタルになっています。
歌詞無し 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:45分22秒 (TAYLORの高そうなギターを持つ彼女のジャケットについつい惹かれて購入してしまった1枚)'10年2月4日再更新


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写真  LARSEN/FEITEN BAND / Larsen/Feiten Band
 ・1980 Warner Bros. Records Inc.    BSK 3468

当時、よく聴いたアルバムの1枚です・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスを中心に活躍していたロック/フュージョン・ミュージック・バンドLARSEN/FEITEN BANDの '80年にリリースされたアルバムです。
ギターのBUZZ・FEITENとキーボードのNEIL・LARSENは、'70年頃にバンド・ネームFULL MOONとしてバンドを結成し、アルバムを '72年にリリースしましたが、このアルバムでは、新たにLARSEN/FEITEN BANDとして再出発しています。
バンドのメンバーは、前出のNEIL・LARSEN:キーボード/ヴォーカル、BUZZ・FEITEN:ギター/ヴォーカル、LENNY・CASTRO:パーカッション/バック・ヴォーカル、ART・RODRIGUEZ:ドラム、WILLIE・WEEKS:ベースの5人がライナーに登場しています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LARRY・WILLIAMS:テナー・サックス、KIM・HUTCHCROFT:アルト・サックス、CHUCK・FINDLEY:トランペット/スライド・トランペット、BILL・REICHENBACH:トロンボーン/ スライド・トランペットのベテラン・セッション・ミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデューサーもベテランTOMMY・LiPUMA(AL・JARREAU,MICHAEL・FRANKS)が担当しています。

1曲目"Who'll Be The Fool Tonight"(4:10) 重い響きを放つベースのサウンドにファンクなホーンのサウンドを奢ったBUZZのヴォーカルによるこのアルバムからのヒット曲です。FULL MOONでも感じたBOZ・SCAGGS似のサウンドは、ホーンのアレンジやBUZZの歌声が非常に興味深いですね。
2曲目"Danger Zone"(5:03) 今度は、エッジの効いたBUZZのギターのサウンドをメインに展開されるロック色の強い曲で、BUZZとセッション・キーボーディストWILLIAM・D.SMITH(LARRY・CARLTON,etc.)と一緒に書かれています。
3曲目"Further Notice"(3:34) やはり3曲目辺りには、少し休憩の意味を含めて登場するNEILによるインストゥルメンタルです。NEILの哀愁のあるシンプルなハモンドのサウンドに添えられる卓越したBUZZのギター・ソロの数々、WILLIE弾けるベースにARTのキビキビしたドラムのビートの取り合わせは最高ですね。
4曲目"Over"(5:09) NEILのヴァーカル曲によるウエスト・コースト・ロック感のあるALLEE・WILLISとNEILの共作による曲です。柔らかいNEILのハモンドのサウンドとNEILの少し気弱さを感じさせる歌声も良い意味で雰囲気物なのです。
5曲目"She's Not In Love"(4:40) BUZZとMICHAEL・SEMBELLOとの共作です。やはりMICHAEL・SEMBELLOらしいロック色の強いサウンドに乗りの良さを感じさせる曲です。リズムの刻み方やキャッチーなサビの部分など聴き応えを強く感じるこのアルバムからのヒット曲第2弾です。
6曲目"Morning Star"(5:20) 1曲目の"Who'll Be The Fool Tonight" のリズムをスローにしてレゲエ調に仕上げた感じの曲です。レイドバック感を強く感じさせる心地好いLENNYのパーカッションのリズムとBUZZの上手い歌いぶりが見事です。
7曲目"Make It"(4:27) ドラマチックなサウンドをサビの部分に配したファンクな乗りを感じさせる。この曲もNEILと数多くのヒット曲の作詞を行ってるALLEE・WILLISとの共作です。このままT.V.のアクション・ドラマのテーマ・ソングに使えそうなキャッチーなサウンドとメロディを感じます。
8曲目"Aztec Legend"(4:46) アルバムの最後は、NEILのブルー・トーンによるハモンドの演奏を中心に展開されるインストゥルメンタルです。チョッパーで奏でられるWILLIEのベースにBUZZの伸びやかなギターのサウンドが響いて来ます。
6曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:37分09秒 (このアルバム・リリース当時に本当によく聴いたアルバムの1枚です)'10年10月23日再更新
1980年度ベスト5


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写真  LA SEINE / Like A River
 ・1976 Ariola America Records    ST-50008

多分webで日本に紹介されるのは初めてでしょう・・・

現在は、映像音楽の関係の仕事をしているギタリスト/作曲家/プロデューサーのTOM・SEUFERTが、在籍していたバンドLA SEINEの唯一のアルバムで、'76年のリリースです。
ジャケットのイラストは、古いセーヌ川沿いの風景画が用いられていてヨーロッパのバンドの感じがしますが、ロス・アンゼルスで活躍していたグループです。
LA SEINEのメンバーは、先に紹介したTOM・SEUFERT:ギター/ヴォーカル、STEVE・HAGUE:キーボード/シンセサイザー、DON・WHALEY:ベース、TRIS・IMBODEN:ドラムの4人組で、アルバムの収録には、MARK & LAURA・CREAMER:バック・ヴォーカル、THE "BOZO" CROONERS:サウンド・エフェクト、BOB・EASTON:ギター・シンセサイザー数人が参加しています。
尚、TOM・SEUFERTは、この後セッション・マン/プロデューサーとして活躍し、STEVE・KIPNERの名盤[Knock The Walls Down]の収録と作曲としても参加しています。
また、TOMは、このアルバム制作前にOSAMU・KITAJIMAの[California Roll]にも参加しています。

1曲目"You've Let Me Down"(3:20) ウエスト・コーストのリズム曲で凝ったバックワードギターのサウンドが挿入されています。
2曲目"Come To The Island"(2:42) コーラスが非常に美しく浜辺に吹くそよ風を想像するようなトロピカルな雰囲気のする曲です。
3曲目"I'm Down"(2:56) LENNON-McCARTNEYによる '65年の作品。当時のTHE BEATLESのライヴで良く演奏されたアップテンポなナンバーです。このアルバムでは、TOMによるツイン・リード・ギターが圧巻です。
4曲目"It's A Pirate's Life"(3:45) ブリティッシュ的パブ・ロックな曲で、途中にアカペラによるコーラスが入っています。
5曲目"You Turn Me Around"(2:35) TOMのギター・ワークを大きく取り入れたミドルテンポのロックなナンバーです。
6曲目"Dance(Like You Do At Home)"(2:47) エレクトロニカサウンドのポップな曲です。TOMによるツイン・リード・ギターとTOMのファルセットでの曲です。
7曲目"Union Strong Arm Men"(3:04) 初期のTOTOを彷彿させるメロディとリズムの曲です。
8曲目"Tango All Night"(3:00) タンゴのリズムによる楽しい曲で全員によるコーラスとマリアッチホーンを取り入れています。このアルバムからのシングル・カット曲にもなっています。
翌年リリースされたRINGO・STARRのアルバム[Ringo The 4th]にカバー曲が収録されています。
9曲目"Let Us Grow"(3:47) シンセサイザーの重く低いサウンドによるイントロから歯切れの良いギターのサウンドとリズムに曲が変化します。更に後半のギターのサウンドは、圧巻です。
10曲目"I Want To Believe In You"(3:12) ピアノとアコースティック・ギターによる美しい曲で、TOMを囲んで全員によるハーモニーの美しさは、やはりウエスト・コーストのグループだと納得させられます。
全10曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:31分08秒 (多分、このアルバムがwebで日本に紹介されるのは、初めてでしょう多分....)'10年2月4日再更新


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写真  LAURA BURHENN / Wanderlust
 ・2004 Laboratory Records    LAB002

ウーリッツァーのメランコリックな調べ・・・

このアルバムは、ワシントンDCでインディペンデントに活躍しているS.S.W.LAURA・BURHENNの '04年5月に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DAGON・JAMES:ベース/ギター、MARK・LEWIS:ギター、JAMIESON・TOBEY:ドラム、DAN・PERRIELLO:ドラム/パーカッション、AMY・DOMINGUES:チェロ、IRA・GONZALEZ(THE NICKI GONZALEZ BAND):ベース、MATT・BREHONY(THINKING OUT LOUD):EBow、HOLMES・IVES(JETTE-IVES):プログラミング、PETER・MAVRO:ギターのLAURAの音楽仲間が参加しています。
尚、LAURAの '99年[Not Ashamed To Say]は、残念ながら廃盤のようです。

1曲目"Helicopters"(4:40) 怠惰なリズムとメロディを奏でるLAURAのキーボードの調べが流れる浮遊感漂う曲です。ノスタルジックな歌声を聴かせるLAURAの弾き語りを中心に収録されています。
2曲目"Memory"(3:51) 何かイントロのサウンドから"ジーン" と来たナンバーです。メランコリックな調べを奏でるウーリッツァーのヨーロピアン・サウンドとLAURAの切なさを与える歌声が響きます。
3曲目"Just For The Night"(5:33) 流れるようなキーボードの調べと吐息混じりに歌うLAURAの歌声が響く弾き語りを中心にした収録曲です。多分ライヴでは、良く演奏されていそうな雰囲気とバックとのまとまりを強く感じさせます。
4曲目"Meltdown"(4:34) サウンドの端々に少しエッジさを立てて来た曲の登場です。ストリー・テラーよろしく歌詞の数々を伝えながらのこの曲も弾き語りにて収録されているようです。
5曲目"Lullabye"(5:17) この曲もキーボードのサウンドに非常にメランコリックさを感じさせる曲ですね。ドラムのリム打ちの"クール" なビートと妖艶さをも感じさせるハモンド風の調べが怪しく響いて来るのです。
6曲目"Alphabet Soup"(5:17) 面白いタイトルの曲の登場です。歌詞の中には「神風」とか「悪魔の指」などが登場するS.S.W.らしい抽象的な表現で展開されています。
7曲目"Chelsea Hotel No.2"(3:39) カナダの往年S.S.W.LEONARD・COHEN '74年の曲のカバーです。ハモンド調のキーボードの円やかな調べが心地好く流れて来ます。尚、この曲には、歌詞違いのNo.1も書かれています。
8曲目"Electrical Sun"(5:34) この曲は、ハモンド風のノスタルジックさを感じさせる落ち着いたリズムとメロディの曲です。ゆったりと歌うLAURAの歌声が高い目のキーで裏返るところが小気味よいですね。
9曲目"Tattoo"(4:21) シンプルなキーボードの調べとLAURAのあっさりとした歌声から入る曲です。次第にドラム、ベース、セルフ・ハーモニーと加えながら展開させて行きます。
10曲目"White Noise"(5:47) アンビエント系の壮大なサウンドで演奏されるヒーリング・ミュージックでしょうか。リフレインによる短い歌詞を歌うLAURAの歌声も広がっています。
11曲目"While You Can"(5:31) ピアノによるLAURAの弾き語りで収録された曲です。S.S.W.らしく旅の情景を歌詞に綴った内容を歌にしています。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:54分07秒 ('05年からバンドGEORGIE JAMESのメンバーとしても忙しく活動しているLAURAです)'10年2月4日再更新


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写真  LAVEDA / What Happens After
 ・2020 Color Station    CS028

またまた素晴らしデュオの登場です・・・

このアルバムは、ニューヨーク州オールバニで活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップ・デュオLAVEDAのデビュー・アルバム(ダウンロード・リリース)で '20年5月29日に本国(BandcampではLP盤はUSのみ) でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LAVEDAのALI・GENEVICH:ヴォーカル/ギター/ヴァイオリン、JAKE・BROOKS:ギター/ヴォーカル/シンセサイザーの2人のようです。'14年頃から活躍しているインディー・ロック・バンドLUCYのメンバーだったALIとJAKEは、バンド脱退後デュオによるLAVEDA名義での活動を再開しています。
尚、詳しい情報がないのですがプロデューサーは、CHILLミュージックを得意とするブルックリンのDYLAN・SKYが担当しています。

1曲目"Ghost"(4:26) チューニングされていないアコースティック・ギターを鳴らしながらLo-Fiなイントロから荒らしたギターとベースのサウンドが印象的なオルタナティヴ・ロック感を直に感じる曲です。ALIの繊細な歌声と対照的なエキセントリックなサウンドやエッジの効いたアレンジが好いですね。
2曲目"Better Now"(3:19) この曲もALIの掠れ気味の歌声が渋い曲です。'19年の8月に先行シングル曲としてダウンロード・リリースされ、イントロのサウンドからフックを持ったこのLAVEDAの音楽を印象づける意味合いを強く感じます。
3曲目"CND"(2:51) サンプル音源と古いラジオのナレーションを流したエクスペリメンタルな感を持った曲です。荒らしたサウンドとLo-Hiな流れから非常に荒廃さを感じます。
4曲目"Rager"(4:16) 激しく打ち鳴らされるドラムのビートとサイケデリック感が少しあるギターのリフが交錯するロック色の強い曲です。Lo-HiなALIの歌声とスピード感を増した曲の流れが聴く者の体を追い風となって運びます。
5曲目"L"(4:46) メロディの起伏を抑えたクールさ漂う曲です。メイン・ヴォーカルは、JAKEの低めの歌声とALIの歌声で構成され、曲の途中にスポーケンのパートもあり他の曲と少し違った感じです。
6曲目"Dream. Sleep"(3:38) このLAVEDAの持つ音楽の魅力を最初惹きつけた曲です。ALIとJAKEの籠りがちな歌声と適度な電子サウンドが絡み合いながら過ぎ去って行くこのスピード感が堪りませんね。
7曲目"If Only(You Said No)"(4:03) 今度は、ちょっと曲調を変えて来たアコースティック調のスローな曲です。二人のハーモニーを重視したアレンジと後半からメイン・ヴォーカルをシェアしたスタイルに心が和みます。'18年頃のヴァージョンは、こちらにてアップされています。
8曲目"Child"(3:51) パワー・ポップなリズムとサウンドによる曲です。ヴォーカルは、JAKEが先行し、途中よりALIへと交代しながらダイナミックな展開と乗りの好さを持った流れへと進みます。
9曲目"Blue Beach"(5:26) このアルバムの中では、5分を超える長尺な曲です。アコースティック・ギターを爪弾きながら歌うJAKEの歌声とALIの高く優しく響くハーモニーが絡み合いながら穏やかに響きます。
10曲目"Color"(1:49) アルバムの最後は、シンセサイザーによるクラシック音楽か映画の挿入歌のような厳かなメロディとサウンドの曲です。メロディは、前曲 "Blue Beach" のリズムを遅くし、ALIのスポーケンによる囁くような歌声とストリングス風(ALIのヴァイオリン ?) の調べです。
歌詞無し LP盤 (輸入盤) 収録時間:38分25秒 (またまた、素晴らしいデュオの登場です。今年のヘビ・ロテの予感がします)'20年5月29日更新
2020年度ベスト5


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写真  LAVEDA / A Place We Grew Up In
 ・2023 PaperCup Music    

1月末からずっと待っていた・・・

このアルバムは、ニューヨーク州オールバニで活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップ・デュオLAVEDAの2枚目のアルバム(ダウンロード・リリース)で '23年4月14日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LAVEDAのALI・GENEVICH:ヴォーカル/ギター/キーボード/プロデュース、JAKE・BROOKS:ギター/ヴォーカル/シンセサイザー/キーボード/プロデュースの2人の他、DAN・CARR:ベース、JOE・TAURONE(準メンバー?):ドラム、IAN・HERMAN:シンセサイザー/キーボード/ギターの5人のようです。
今回も詳しい情報がないのですが、プロデューサーは、CHILLミュージックを得意とするブルックリンのDYLAN・SKYが担当しています。

1曲目"F***"(2:49) '22年11月18日に先行ダウンロードされている曲です。少し荒らしたギターのサウンドによるオルタナティヴ・ポップな曲調とALIの歌声を聴いているとフィラデルフィアのNATALIE・WALKERが、DAUGHTER DARLING時代だった頃の感じを思い起こされます。また、冬の寒空の雪の舞う中でギターを弾くALIの縦型動画もどうぞ。
2曲目"So Long"(3:28) スペース・サウンドを模したエフェクトがイントロ付けられたALIのスポーケンが印象的な曲です。この辺りの趣向は、前作との違いを感じさせますね。
3曲目"Surprise"(3:31) アルバムのリリース前に公開されたキャッチーなリズムとサウンドの曲です。リズミカルなドラムのビートと凛としたALIの歌声が曲のイメージを広げますね。
4曲目"Crawl"(2:39) 切なく歌うALIの歌声とヴァイオリンの調べが心に響く曲です。引き摺り感を持ったドラムのビートとJAKEのエフェクト的なギターの響きが更に切なく響きます。
5曲目"We're All Screwed"(2:33) この曲は、サウンドを荒げたシュゲイザー/マス・ロック的な曲ですね。畳み掛けるようなドラムのリズムと起伏を持ったベースのサウンドと新境地を開拓しようとしたLAVEDAのサウンドです。
6曲目"Jumper Cables"(3:28) JAKEのヴォーカル曲の登場です。少しLo-Hiにした得意のJAKEの歌声とメランコリックなエフェクト群のサウンドが絡み合って流れて来ます。
7曲目"Be Yours"(4:33) 幻想的なイメージを持ったエフェクト音源とアップライト・ピアノの切ない響きによるバラッドです。スローな流れに乗せALIとJAKEの歌声とがセンチメンタルに響きます。
8曲目"Breathing"(1:01) インターリュード的なサンプル音源によるインストゥルメンタルです。幻想的なイメージと伝えたJAKEの音作りかな。
9曲目"Troy Creeps"(4:16) 細かく奏でられるギターの音色と躍動感溢れるベースのサウンドによる押しを持った曲です。この曲では、ALIのヴォーカルをメインとしJAKEは、ギターの演奏に熱演しています。アルバムのリリース前にバンド形式によるビデオも配信されました。
10曲目"A Place You Grew Up In"(3:55) ギターの運指の音まで鮮やかなギター・サウンドをふんだんに取り組んだ曲です。めずらしく尖ってシャウトするALIの歌声と太く響くDAN・CARRのベース・ソロが印象的です。ALIとJAKEの登場したビデオも公開されました。
11曲目"Clean "(3:55) メランコリックな調べによるギターに合わせ訥々とALIが歌う曲です。終始流れる陰鬱さを強調する繊細なギターの調べが耳に残ります。冬の寒空に登場するALIのビデオもどうぞ。
12曲目"Cut Sleeves"(3:59) 爽やかなアコースティック・ギターの音色と少し枯れ気味のALIの歌声が響く曲です。バックで優しく響くベースの調べとALIのコーラスがアルバムの終焉へと流れて行きます。
歌詞無し 紙ジャケット仕様 限定CD-R盤 (輸入盤) 収録時間:40分12秒 (1月末から予約ダウンロード販売されたアルバム、やっとリリースされました!)'23年4月25日再更新
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写真
(CD購入時に頼んでサイン入とした盤です)


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写真  LeBLANC & CARR / Midnight Light
 ・1977 BIG TREE RECORDS    BIG TREE P-10540A
 ・2013 Warner Music Japan Inc.    WPCR-14863

"ベタ" な見出しで申し訳ない...やはりの青春の1枚・・・

フロリダ出身のセッション・ギタリストのPETE・CARRとマサチューセッツ出身の同じくセッション・マン(ベーシスト)であるLENNY・LeBLANCは、アラバマ州マッスル・ショールズのスタジオ・ミュージシャンとして活躍しながら、お互いのソロ・アルバムのプロデューサーなども担当したりしていました。'76年にはコンビを組んでアラバマ大学のコンサートで初デビューし、そこで成功を収めた2人はコンビとして、このアルバム作りに入りました。しかし、残念ながらLeBLANC & CARR名義では、このアルバムとライヴ盤を残すのみで、他のバンド/ミュージシャンの収録に協力する為、再びスタジオ・ミュージシャンとして '82年頃まで活動しています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LENNY・LeBLANC:ヴォーカル/ギター、PETE・CARR:ギターの他、CLAYTON・IVEY:キーボード、RANDY・McCORMICK:キーボード、TIM・HENSON:キーボード、BOB・WRAY:ベース、ROGER・CLARK:ドラム、MIKE・LEWIS:ストリング/フルート・アレンジのマッスル・ショールズ系のミュージシャンが参加しています。
尚、このアルバムは、本国とオーストラリア及び日本のみLP盤が '77年(イギリスは翌'78年)に製作されました。CD化については '99年5月26日 Atlantic、'13年4月10日、国内低価格にてリマスターCD化されました。

1曲目"Something About You"(3:16) ロック"ン" ロールのリズムによる乗りの良い南部のサウンドを感じさせる曲です。美しく付けられた2人のハーモニーも心地好く耳に残ります。
オリジナル曲は、THE FOUR TOPS '65年のヒット曲です。
2曲目"Falling"(3:08) やはりこのアルバムのハイライトはこの曲でしょう。ソフトなメロディとワウ・ワウを使ったギミックなアレンジに季節ごとに恋人へ想いを綴ったロマンチックな歌詞によるラブ・バラードです。'78年の全米11位に位置し、国内でも連日流されていた名曲です。
3曲目"How Does It Feel(To Be in Love)"(3:45) ファンクなリズムによるポップな曲です。PETEのギターから繰り出されるファンクなリズムの数々とLENNYの重い響きのベースでの調べです。長らくセッション・マンとして活動していた彼らならではのサウンドです。
4曲目"Midnight Light"(3:30) この曲も美しいメロディの曲です。ウエスト・コーストのサウンドのように美しく付けられたハーモニーとストリングが更に心地好くしてくれます。
5曲目"Stronger Love"(3:40) この曲もアルバムがリリースされた当時、誰もが一度は耳にしたアーバン/フュージョンによる曲です。爽やかなフルートの音色もご機嫌な曲で夜の街中をクルージングしているような心地好さを感じさせます。作者の一人であるソフト・ロック・ミュージシャンのROBERT・BYRNEもギターで参加しています。
6曲目"Johnny Too Bad"(3:10) レゲエ音楽を題材にしたドキュメンタリー映画[The Harder They Come]の挿入歌でTHE SLICKERS '70年のレゲエの曲です。ロック"ン" ロールからこのようなレゲエの曲まで彼らなりのさらっとしたリズムにアレンジして聴かせます。また間奏からPETEがアグレッシヴなギターを聴かせます。
7曲目"Desperado"(4:43) ご存知EAGLESの '73年の曲です。多くのミュージシャンにカバーされているDON・HENLEYとGLENN・FREYによって書かれた名曲です。ここでも間奏からアウトロまできっちりPETEのアグレッシヴでメロディアスなギター・ワークが収録されています。
8曲目"Coming And Going"(3:05) 一転して肩の凝らない軽めのロック"ン" ロールの曲です。リフレインによる簡単歌詞の繰り返しにPETEのツイン・ギターのサウンドを重ねています。
9曲目"I Need To Know"(3:30) 一転してメロディアスな響きを放つアコースティック・ギターによる曲です。心地好いギターの爪弾きとPETEのスライド・ギターの癒されるサウンドが素晴らしくストリングスの音色も更にこの曲を素晴らしくしています。
10曲目"I Believe That We"(4:18) 再び明るいサウンドによる軽めに仕上げた南部のロックの曲です。LENNYのヴォーカルに付けられた美しいハーモニーのパートに重ねられたPETEのギターが曲の最後まで別れを惜しむようにギターを弾き回るところでこのアルバムは、幕を閉じます。
・全10曲歌詞付 LP盤 (国内盤) 収録時間:35分56秒
・全10曲歌詞/訳詞付 16ページ物ブックレット CD盤 (国内盤) 収録時間:36分48秒
(この素晴らしアルバムを作ってくれたPETEとLENNYは、嬉しいことに今も元気(残念ながらPETE・CARR氏2020年6月没)に音楽活動を続けています)'20年5月15日再更新
1978年度ベスト5


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写真  LE CONCORDE / Universe And Villa
 ・2005 MARCH RECORDS    744626308729

PREFAB SPROUTのサウンド・・・

音速を超える唯一の旅客機と同じかパリの地名と同じ名前を持つバンド名LE CONCORDEの2枚目のアルバムで '05年のリリースです。現在、イリノイ州シカゴで活躍するSTEPHEN・BECKERのLE CONCORDE名義ユニットの '04年の6曲入り限定ミニ・アルバムに続く作品ですが、このアルバムの収録曲と同じ6曲が収録されている為、実質こちらの方が、フル・トラックのデビュー・アルバムでしょう。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、STEPHEN・BECKER:ヴォーカル/ギター/キーボード/シンセサイザー/ティンパニー/サウンド・エフェクト/ドラム/プロデュースの他、JOHN・ASHTON:ギター、ED・TINLEY:キーボード/ベース/シンセサイザー/メロトロン/パーカッション/プログラミング/プロデュース、ERIC・CHIAL:ベース、DAVE・COTINI:ドラム/パーカッション、ELLIS・CLARK:ベース/ギター/タンバリン/バック・ヴォーカル/プロデュース、JEFF・GREAVES:フェンダー・ローズ、TOM・CLARK:ドラム/プロデュース、STEVE・GILLIS:ドラム、MARK・RUGGIERO:ドラム、MARS・WILLIAMS:サックス、PHIL・ANGOTTI:バック・ヴォーカル、KEVIN・TIHISTA:バック・ヴォーカルのシカゴのミュージシャン達が参加しています。
尚、このアルバム収録後にDAVID・GAMSON(SCRITTI POLITTIのキーボード奏者)がユニットに加わったようです。

1曲目"People Mover"(4:52) イントロからどこかで聴き覚えのあるサウンドとリズムの曲です。PREFAB SPROUTとTHE LILAC TIMEを足して2で割ったようなサウンドです。どちらのバンドも大好きなので、この曲は○です。
2曲目"Parallel Lives"(3:41) この曲はハーモニカのサウンドの持ち味が非常にPREFAB SPROUTに近いものを感じます。STEPHENのヴォーカルの歌声は、PADDYと言うよりJOHN・LENNONの歌声のようですが。
3曲目"Archeology Of Cruelty"(4:59) この曲もPREFABのサウンドに非常に近いものを感じます。少し甘酸っぱいサウンドの曲ですが、曲のタイトルからは難しいものとダークさを感じます。
4曲目"Little Stabs At Happiness"(4:48) イントロから煌びやかなギターのサウンドです。STEPHEN の弾くJAZZ MASTERのシングル・コイルのサウンドに優しさを感じます。
5曲目"Startling Revelations"(3:32) 古びたアコースティック・ギターのサウンドと美しいハーモニーによるエヴァーグリーンさを感じる落ち着いた曲です。サビの部分の切なさは特筆すべきもの感じます。この曲はネオ・アコ・ファンには堪らないでしょうね。
6曲目"Manhattan Chase"(2:22) 単調さを強調したストロークによるギターの長いフレーズから入る少しラフなサウンド感じる曲です。アコースティック・ギターのサウンドとヴォーカルから何故かPALE FOUNTAINの持つ曲調べを思い出しました。
7曲目"Taxi In The Snow"(2:51) 幻想的な響きを持ったフェアライトCMIの作り出したサウンドが印象的です。「雪の中タクシー」と題された深々と降る雪の景色を想像させる曲です。
8曲目"I Will Go To My Grave Wanting You To Love Me"(4:30 シンプルなTELECASTERの爪弾きに合わせて歌うSTEPHENのヴォーカルが曲の強烈なタイトル通り何か熱いものを感じる曲です。
9曲目"In The Morning"(4:21) この曲はハイ・フレットでのベース・ランニングか張りのあるローコードのギター爪弾きの素晴らしさに参りましたね。エモーショナルに繰り替えされるサウンドの波に甘酸っぱいSTEPHENのヴォーカルが似合います。
10曲目"Controlling"(4:10) 幻想的なハモンドのサウンドとヴォイスボックスを通した歌声からエモーショナルな歌声に展開する曲です。サウンドのテイストはやはりPREFABの香りがしますが後半は非常にダイナミックでラウドな一面も持っています。
11曲目"The Sound Of Your Name"(5:01) サックスの煌びやかなサウンドを配したゴージャスな響きを持った曲の登場です。ウィスパー・ヴォイスに近いSTEPHENの歌声と明るいメロディでの曲です。
12曲目"It's The Minor Chords That Kill You"(3:09) ツイン・ドラム風のビートに歪ませたギターのサウンドと懐かしい響きのポップな曲です。ただアウトロのアコースティック・ギターの美しい響きは非常に凝ったものとなっています。
13曲目"I Hate Rock And Roll"(4:01) このサウンドとリズムは非常に懐かしいです。イギリスから発信されていたグラム・ロックと言われていたT.REXとか当時のDAVID・BOWIEの曲を想い出させます。
全13曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:52分24秒 (CD Babyでの買い物でPREFAB SPROUTのサウンドに似たミュージシャンの検索で1番先に気に入ったアルバムです)'10年2月5日再更新


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写真  LEIGH NASH / Blue On Blue
 ・2006 Imperial Records    TECI-24377

再び私達の前に少し大人びたLEIGHが帰って来ました・・・

このアルバムは、'04年2月のSIXPENCE NONE THE RICHERの残念な解散から住み慣れたナッシュヴィルを離れ '05年からロス・アンゼルスで作詞/作曲を行っていたLEIGH・NASHのソロ・アルバムで '06年9月27日に国内でのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LEIGH・NASH:ヴォーカルの他、PIERRE・MARCHAND:キーボード/プロデュース、VINCENT・REHEL:キーボード/ストリングス、TOM・MENNIER:キーボード、COLIN・CRIPPS:ギター、JASON・LANG:ギター/スライド・ギター、MICHEL・PEPIN:ギター、JOCELYN・TELLIER:ギター、SIMON・GODIN:ギター、JEAN・FRANCOIS・LEMIEUX:ベース、MAURICE・SOSO・WILLIAMS:ベース、ALAIN・BERGER:ドラム/パーカッション/タンバリン、MARK・BELL:タンバリン、JUSTIN・ALLARD:ドラム/パーカッション、GEORGE・GRANCHAROFF、MICHAEL・DUBEAU:縦笛(duduk)/クラリネットのカナダ勢です。
尚、プロデューサーにカナダのPIERRE・MARCHAND(SARAH・McLACHLAN)を迎えカナダのミュージシャンと共に収録されています。

1曲目"Along The Wall"(4:30) 曲の共作者であるPIERREの弾く美しいピアノの調べにのせ歌いだすLEIGHの少し大人びた歌声とバックで響くカナダのギタリストCOLIN・CRIPPSのギターのサウンドがいいですね。
2曲目"Nervous In The Light Of Dawn"(4:4 0) LEIGH とMATT・SLOCUMと大物作曲者RICK・NOWELSと何と驚きのBILLY・STEINBERGとの共作の曲です。カントリーチックなアコースティック・ギターのストロークによる"カナダちっく" なサウンドとのどかに響くメロディによる落ち着いた曲です。特徴的な尺八風の音色は、Dudukと呼ばれる縦笛です。
3曲目"My Idea Of Heaven"(4:05) 心温まるポップなメロディと爽やかなリズムによるカントリー・フレイヴァーな香り漂うビデオも制作されたこのアルバムからの一押しの曲です。ペダル・スティール風のサウンドとギターのサウンドとちょっと大人になったLEIGHの歌声が魅力的です。この曲も大物作曲家のRICK・NOWELS,BILLY・STEINBERGとLEIGHとの共作です。
4曲目"Ocean Size Love"(4:58) 少しアップテンポにした曲の登場です。COLIN のスライドギターの伸びやかなサウンドとPIERRE の流れるようなピアノの旋律に5分近くある大作です。母親となったLEIGHの気持ちを素直に歌詞として表現した曲のようです。
5曲目"Never Finish"(3:44) SIXPENCE NONE THE RICHER時代からの付き合いのある作曲家/プロデューサーのRON・ANIELLOとLEIGHと共作です。サウンド的には非常に穏やかでまた覚えやすいメロディの曲です。SARAH・McLACHLANにも通じる美しいサウンドと歌声をアピールしています。
6曲目"Between The Lines"(4:07) 少しハスキーさを増してきたLEIGHの歌声によるクールなミドルテンポなナンバーです。音符との隙間と空間へ響かせたエコーのかけ方はさすがPIERRE・MARCHANDの手腕です。
7曲目"More Of It"(3:09) カナダ出身のS.S.W./プロデューサーGREG・WELLSとの共作です。アコースティック・ギターとエレクトリック・ギターの絡みが美しく響くSIXPENCE NONE THE RICHERのサウンドとLEIGHの美しい歌声を踏襲したギターポップスな曲です。
8曲目"Angel Tonight"(3:17) イントロからご機嫌なギターのサウンドの曲です。明るく響くLEIGHのポップなヴォーカルと心地よいリズムによる曲です。多くのミュージシャンに曲を提供しているHOLLY・KNIGHTとLEIGHとの共作です。
9曲目"Blue"(3:32) 現在、ロス・アンゼルスで活躍するJUDE・COLEとLEIGHとの共作です。メランコリックなメロディからビートの効いたタイトなリズムに移行するエモ・ギターによる曲です。サウンドとメロディは、SIXPENCE NONE THE RICHER時代での曲に似ています。
10曲目"Cloud Nine"(3:47) 若さ溢れるサウンドとオルタナティヴなギターのリフによる曲です。間奏のジャジーなピアノのフレーズとオルタナティヴなサウンドと見事なコラボレーションよる曲です。
11曲目"Just A Little"(4:03) メルヘンチックな響きのキーボードのサウンドとハートウォームなカナダのマルチ・プレーヤーMICHEL・DUBEAUクラリネットがご機嫌なララバイ的な雰囲気の曲です。尚、この曲は、N.Y.生まれのS.S.W.兼女優のDANIELLE・BRISEBOISの手によって書かれています。
12曲目"Run Together(Bonus Track)"(4:11) 2曲目と同じメンバーによる作詞/作曲による曲です。アップビートによるテンポの良い曲でMATTらしいギターのサウンドをふんだんに取り入れたメロディラインとサウンドが展開されています。
11歌詞/訳詞付(ボーナス・トラックは歌詞/訳詞無し) 写真ライナー (国内盤) 収録時間:48分08秒 (再び私達の前に少し大人びたLEIGHが数々の曲を持って帰って来ました)'10年2月5日再更新
2006年度ベスト5


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写真  LISSIE / Catching A Tiger
 ・2009/10 Sony Music Entertainment UK Limited.    88697672602

本国より先にイギリス・デビュー・・・

このアルバムは、イリノイ州ロック・アイランド出身で、N.Y.にて活躍中のS.S.W.でLISSIE(ELISABETH・CORRIN・MAURUS)の2枚目('09年のEP盤[Why You Runnin']を含む)のアルバムで '10年6月21日にイギリスからリリースされています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンの詳しいクレジットが記載されていないのですが、LISSIE:ヴォーカル/ギターの他、ANNIKA・O'MELIA:バック・ヴォーカル、JEFFREY・MAURUS:バック・ヴォーカル、JOELLEN・MAURUS:バック・ヴォーカルのLISSIE家族も参加しています。
尚、プロデューサーは、曲によりナッシュヴィルのJACQUIRE・KING、ベーシストのBILL・REYNOLDS、イギリスのJULIAN・EMERY、イギリスのS.S.W.ED・HARCOURTが担当しています。

1曲目"Record Collector"(3:43) 空瓶や空き缶を叩くビートによるイントロが興味を引く哀愁感のある曲です。ゆったりとしたリズムから次第にリズムを上げ奏でられるナッシュヴル風味もあります。
2曲目"When I'm Alone"(3:40) ご機嫌なギターのサウンドによるイントロから引き込まされる曲です。キャッチーなサビのメロディとLISSIEの力強さを強調したアレンジが更にアグレッシヴさを盛り上げています。アルバムのリリースに合わせたビデオも制作されています。
3曲目"In Sleep"(4:57) 「ガラガラ声」 の魅力をたっぷりと楽しめるギター・ポップの曲です。この曲も軽めの乗りを感じさせるのでライヴ仕立てのビデオが制作されています。
4曲目"Bully"(3:43) アコースティック・ギターの爪弾きとアップライト・ピアノによるシンプルな演奏による落ちついた調べの曲です。この曲の歌詞の中にアルバム・タイトルの「Catching A Tiger」が登場しています。
5曲目"Little Lovin'"(4:28) この曲もイントロのギター・サウンドが小気味よい調べを感じさせる曲です。'06年にMARTIN・TEREFEのプロデュースでデビューしたスコットランド出身のシンガー/ギタリストの雰囲気を似てるところから本国より先にイギリスからLISSIEが、本格的デビューしたのでしょうか。
6曲目"Stranger "(3:08) 先の曲に続きベースのBILL・REYNOLDSがプロデュースを担当した曲で、バックのサウンドに騒がしさや賑やかさを詰め込めた躍動感を感じます。間奏の演奏もブルーグラスでのフィドルのソロ風のサウンドが面白いのです。
7曲目"Loosen The Knot"(3:29) イギリスのJULIAN・EMERY(CHLÖE・HOWL,MICHELLE・BRANCH)のプロデュース曲の登場です。やはり彼らしいスピード感と乗りの好さを感じさせます。ベースのランニングと煌びやかなギター・サウンドがLISSIEのスモーキー・ヴォイスを際立てます。
8曲目"Cuckoo"(3:37) この曲もイントロのギター・リフが決まっている乗りの好い曲です。曲の共作者/プロデュースとして前曲と同様JULIAN・EMERYが担当しています。
9曲目"Everywhere I Go"(4:08) ここで落ち着いた調べの叙情的なスローな曲の登場です。演奏楽器も非常にシンプルにしたLISSIEの歌声が心に染み入ります。前作のデビューEP盤にも収録されています。
10曲目"Worried About"(4:25) 前の曲とは対照的に電子的なS.E.を随所に取り入れたJACQUIRE・KING(NORAH・JONES,TIM・FINN)のプロデュース曲です。
11曲目"Look Away"(4:30) バンジョーのサウンドも登場する長閑さを感じさせる曲ですが、古典的な古臭を全然感じさせないのはやはりLISSIEのソリッドな歌声から来るところしょうか。
12曲目"Oh Mississippi "(3:32) この曲も前作のデビューEP盤にも収録されているピアノとベースの演奏をメインとした質素な曲です。この曲のみ共作者であり自らのアルバムをリリースしているED・HARCOURTのプロデュース曲です。
全12曲歌詞付 写真ライナー E.U.製 (輸入盤) 収録時間:47分17秒 (本国より先にイギリスで火が付いたLISSIE、新作もリリースされ更に人気上昇中のようです)'16年5月14日更新


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写真  LISSIE / Covered Up With Flowers
 ・2011 Fat Possum Records LLC.    FP1261-2

カバー曲集・・・

このアルバムは、イリノイ州ロック・アイランド出身で、現在N.Y.にて活躍中のS.S.W.LISSIE(ELISABETH・CORRIN・MAURUS)の3枚目('09年のEP盤[Why You Runnin'])のアルバムです。ライヴでのカバー曲やYouTubeに投稿されたカバー曲をコンピレーションにした '11年11月1日に本国でリリースされたアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LISSIE:ヴォーカル/ギターの他、BILL・REYNOLDS:ベース/ギター/キーボード/プロデュース、ERIC・SULLIVAN:ギター(シタール)/バック・ヴォーカル、SETH・KAUFFMAN:ドラム/ギター、LEWIS・KELLER:ベース/ドラム/ハイハット/バック・ヴォーカル、TYLER・RAMSEY:ギター/キーボード、RYAN・MONROE:ハモンドのLISSIEのツアー・メンバーが参加しています。

1曲目"Pursuit Of Happiness"(5:02) アメリカのソウル/ラップ・シンガーKID・CUDI '09年の曲のカバーです。'10年のイギリス ブライトンでのライヴ収録され、曲紹介や観衆の拍手まで同様にCD化されています。余談ですが、14年のパリでのライヴでは、KID・CUDI自身とLISSIEがこの曲で共演しています。
2曲目"Bad Romance"(5:41) ご存じLADY GAGA '09年のヒット曲のカバーです。オリジナル曲よりスローにした曲の出だしから次第にスピードを上げてライヴ映えしそうなパワフルな曲でもあります。LissieVEVOからビデオも配信されています。
3曲目"Games People Play"(4:23) 今度は、古い曲のカバーです。アメリカのS.S.W.JOE・SOUTH '86年の大ヒット曲で後にソング・オブ・イヤーに殿堂入りしています。ここでの収録はオリジナル曲とあまり変わらいアレンジとなり、バックのギターもオリジナル曲同様シター風となっています。
4曲目"Nothing Else Matters"(5:57) ロス・アンゼルスのヘビメタ・バンドMETALLICA '92年のヒット曲です。METALLICAの曲の中では、比較的スローでメランコリックな調べの曲でもあります。こちらの方もLissieVEVOでのビデオも配信されています。。
5曲目"The Ship Song"(4:27) オーストラリア出身のS.S.W.NICK・CAVE(AND THE BAD SEEDS) '90年のヒット曲のカバーです。こちらでの収録は、オリジナル曲とさほど変わらないアレンジで収録されていますが、リズムの関係からが30秒ほど短くなっております。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:25分33秒 (iTunesのダウンロード版では、6曲目にFLEETWOOD MAC "Go Your Own Way" が収録されているのですが、本盤にないのが残念!)'16年5月15日更新


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写真  LISSIE / Back To Forever
 ・2013 SONY MUSIC ENTERTAINMENT UK LIMITED.    88691971402

パワフルになったLISSIE・・・

このアルバムは、イリノイ州ロック・アイランド出身で、現在N.Y.にて活躍中のS.S.W.LISSIE(ELISABETH・CORRIN・MAURUS)の5枚目('09年のEP盤[Why You Runnin']と '11年の[Covered Up With Flowers]とライヴ盤を含む)のアルバムです。 '13年10月14日にデビュー・アルバムと同様イギリスからリリースされています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LISSIE:ヴォーカル/ギター/キーボード/ダルシトーンの他、GARRET "JACKNIFE" LEE:ギター/キーボード/ダルシトーン/プログラミング/バック・ヴォーカル/プロデュース ERIC・SULLIVAN:ギター/バック・ヴォーカル、LEWIS・KELLER:ベース/オルガン/パーカッション、JULIAN・EMERY:ベース/プロデュース、JAMES・HOCKLEY:キーボード、JESSE・SIEBENBERG:ドラム/パーカッション/キーボード/シンセサイザー/ベース/プログラミング/バック・ヴォーカル、RICHARD・DODD:チェロ、LAUREN・CHIPMAN:ヴァイオリン、MARISA・KUNEY:ヴァイオリン、ERIC・GORFAIN:ヴァイオリン/ストリング・アレンジ、BARBARA・GRUSKA(JAY・GRUSKAの娘さん):バック・ヴォーカル、ALLISON・PIERCE:バック・ヴォーカル、CATHERINE・PIERCE:バック・ヴォーカル、BYRON(LISSIEの飼っている犬の名前です):バック・ヴォーカル、CHANEL・FRAMTON :バック・ヴォーカル、NATASH・REID:バック・ヴォーカルのアメリカとイギリスのミュージシャンが参加しています。
尚、プロデュースは、演奏にも参加しているGARRET "JACKKNIFE" LEE(SNOW PATROL,WEEZER etc.)とJULIAN・EMERY(3曲目のみ)が担当しています。

1曲目"The Habit"(4:10) 躍動感のあるリズムで乗り良さを伝えてくれる曲です。ライヴ映えする曲調と間奏での演奏群のパフォーマンスと申し分ないですね。
2曲目"Further Away(Romance Police) "(4:21) この曲もキャッチーなメロディとサウンドを聴かせる曲です。アルバムのリリース前にLissieVEVOからビデオも配信されています。
3曲目"Shameless"(3:21) この曲もアルバムのリリース前にシングル曲としてビデオが配信されているロック色の強い曲です。前作までのややソフト路線から一気に強さを増したLISSIEの魅力を垣間見せ(聴かせ)ます。
4曲目"They All Want You"(4:00) 前半の3曲が飛ばし気味だったのでここで落ち着いた調べの曲の登場です。ゆったり歌うLISSIEの枯れた歌声とメランコリックな調べが切なく響きます。
5曲目"Sleepwalking"(4:14) ちょっぴりひと昔のガールズ・バンドの軽やかで明るいサウンドの曲です。曲が進むにつれて心軽やかさせる楽し気なLISSIEとバックの演奏ですね。ビデオもどうぞ!
6曲目"I Don't Wanna Go To Work"(3:42) この曲もガールズ・バンドの曲調べやサウンドを感じさせる曲です。但し、間奏のサイケデリックなギターや押しの強さだけではない何かLISSIEのスピリッツを感じところがあります。
7曲目"Mountaintop Removal"(5:18) 自国アメリカとアメリカ人を問いただす問題提起した曲です。ダイナミックなストリングなサウンドに包まれたLISSIEの燻し銀的な歌声による迫力さがここにあります。
8曲目"Love In The City"(3:15) リヴァーブを効かせたギターのサウンドとエコーを付けたドラムのビートが印象的なミドル・テンポの曲です。セルフで付けたLISSIEのハーモニーやERIC・SULLIVANの奏でるシンプルなギターのリフなど清楚ながら妙に心に残るのです。
9曲目"I Bet On You"(4:33) とても近年の女性アメリカS.S.W.の曲らしい雰囲気が漂う曲です。恋する女性の想いを綴る歌詞をポップ/ロック色のサウンドにソリッド感を加えた曲調に乗せて歌うのです。
10曲目"Cold Fish"(3:39) 今度はアコースティック・ギターに持ち替えて弾き語りを基調にした曲です。途中よりサウンドをハードな方向へ向き熱く歌うLISSIEです。
11曲目"Can't Take It Back"(3:29) サビの節回しが非常にかっこいい曲です。少し重い目のドラムのリズムやバックのギターのサウンドの刻み方もクールなのです。
12曲目"Back to Forever"(3:52) LISSIEのピアノによる弾き語り形式にて収録されているゆったりとした流れの曲です。少し鼻に掛かった彼女の歌とバックに広がる厳かな演奏と広がります。BYRONの鳴き声も遠くに聴こえています。
全12曲歌詞付 写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:48分00秒 (全16曲入りのヨーロッパ限定デラックス盤(オランダ盤)も同時にリリースされています)'16年5月21日更新


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写真  LISSIE / My Wild West
 ・2016 Lionboy Records.    0 83832 19161 0

Sony Musicから離れたようです・・・

このアルバムは、イリノイ州ロック・アイランド出身で、このアルバムのリリース時ロス・アンゼルスにて活躍中のS.S.W.LISSIE(ELISABETH・CORRIN・MAURUS)の6枚目('07年のCDR盤[Lissie]は含まない)のアルバムです。 '16年2月12日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LISSIE:ヴォーカル/ギター/キーボード/プロデュースの他、CURT・SCHNEIDER:ベース/ギター/プロデュース、DAVID・LEVITA:ギター、 ERIC・SULLIVAN:ギター/バリトン・ギター/バンジョー、JESSE・SIEBENBERG:ギター/ラップ・スティール/ベース/キーボード/ドラム/プロデュース、JOE・HUNDERTMARK:ギター、LOUIE・GONSALEZ:ギター、LEWIS・KELLER:ベース/S.E./プロデュース、BILL・REYNOLDS:マルチ・インストルメンツ/プロデュース、MICHAEL・FARRELL: B3オルガン/ストリングス、MARTIN・CRAFT:キーボード/バック・ヴォーカル、ZAC・RAE:キーボード/ギター、DAVE・PALMER:ピアノ、AARON・STERLING:ドラム、VICTOR・INDRIZZO:ドラム/パーカッション、TYLER・JAMES:トランペットのほぼいつものミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、CURT・SCHNEIDER、JESSE・SIEBENBERG、BILL・REYNOLDS、LEWIS・KELLERが曲によりLISSIEが共同で担当しています。

1曲目"My Wild West Overture"(1:14) 総勢4名のギター演奏によるインストゥルメンタルです。各人のギターの演奏のバランスが非常に好いですね。スタジオ収録の合間に意気投合して作曲/演奏されたような感じがあります。
2曲目"Hollywood"(3:41) LISSIEがカリフォルニア/ハリウッドについて歌う賛歌。ピアノの調べをメインしたサウンドの方向を過去のアルバムから少し違えて来た落ち着いた調べを聴かせます。
3曲目"Wild West"(3:50) 私が良く感じる「3曲目の鳥肌」にドンピシャと来た曲です。イントロから次第にサビ向けて曲のこの盛り上げ方が堪りませんね。聴く度のやはり鳥肌が出ます!
4曲目"Hero"(3:32) 一転してスローなリズムの曲の登場です。落ち着いた調べの中にもサビの部分は、非常に聴き入るところがいつものようにあります。間奏のDAVID・LEVITA(ALANIS・MORISSETTE,JEWEL)のギターが渋過ぎますね。
5曲目"Sun Keeps Risin’"(4:27) 夜のとばりが来るようなS.E.が流れるイントロからしっとりと歌うLISSIEの歌声とアコースティック・ギターの寂しげな調べが流れる曲です。この曲は後半からアウトロまでのギターの演奏とLISSIEのスキャットの融合の美しさが輝いています。
6曲目"Don't You Give Up On Me"(4:15) 心地好い調べを発するギターのリフがイントロから流れるこのアルバムからの一押しの曲です。アルバムのリリース前からアップされている雪上でのビデオは、LISSIEの所有するアイオワの牧場での撮影です。(ウェアはCarharttのタイアップかな?)
7曲目"Stay"(3:29) この曲は、非常にアメリカに生まれ育った人とその周りからの音楽からの影響を感じさせるトラディショナル音楽とアップデートした感じがします。ラップ・スティールやバンジョーを持ち出して来て演奏に熱が入った様のようです。
8曲目"Daughters"(4:17) LISSIEが力強く歌い世界へ問題提起している曲です。曲の内容については、ビデオをご覧下さい。また、国際婦人デーにチャリテーも行われています。
9曲目"Together Or Apart"(3:52) LISSIEのアコースティック・ギターの弾き語りから入るこの曲もしっとりとしたリズムとサウンドの曲です。LISSIEの枯れた歌声のバックに重ねられた厳かな演奏が非常に美しいのです。
10曲目"Shroud"(3:16) 今度は、一転してLISSIEとBILL・REYNOLDSとの2人だけの演奏です。荒らしたギターとLISSIEの歌声とBILLのタンバリン/バンジョーによる非常にシンプルな部分から後半は、更に荒らしたサウンドへ移行して行くます。
11曲目"Go For A Walk"(3:27) この曲もLISSIEの枯れた歌声が魅力的に聴こえる曲です。ライヴ仕立ての様にヴォーカルは、LISSIE 1人でコーラスも付けらえていないシンプルな演奏と収録一発取りの様です。
12曲目"Ojai"(3:35) アルバムの最後はLISSIEのアコースティック・ギターによる弾き語りです。カリフォルニア州ロス・サンゼルス北西にある町Ojaiに '15年まで住んで居て、このアルバムの収録曲のいくつかはOjai(オーハイ)のスタジオで収録されています。
11曲歌詞付 小型ポスター型ライナー 2つ折り紙ジャケット (輸入盤) 収録時間:42分59秒 (流石に今回は、国内盤もリリースされています)'16年5月22日更新
2016年度ベスト5


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写真  LISSIE / Castles
 ・2018 Lionboy Records.    LION004

ヴォーカリストとして挑戦したLISSIE・・・

このアルバムは、アイオワ州に在住しているS.S.W. LISSIE(ELISABETH・CORRIN・MAURUS)の8枚目('16年のライヴ盤を含む)のアルバムです。 '18年3月23日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LISSIE:ヴォーカル/エグゼクティヴ・プロデュースの他、NICK・LOTTO:ギター/キーボード/プログラミング/パーカッション/ベース/バック・ヴォーカル、LIAM・HOWE:キーボード/ドラム・プログラミング/プログラミング/プロデュース、CURT・SCHNEIDER:ギター/ベース/プロデュース、DAVID・LEVITA:ギター、KNOX・CHANDLER:ギター、JULIAN・EMERY:ギター/ベース/プログラミング/プロデュース、MARTIN・CRAFT:ギター/ベース/キーボード/バック・ヴォーカル、ADAM・ZIMMON:ギター、AG(ADRIANNE・GONZALEZ):ピアノ/バック・ヴォーカル/マルチ・インストゥルメント/プロデュース、DAVID・LEVITA:アコースティック・ギター、ANDREW・WILLIAMS:ギター、ZAC・RAE:キーボード、BILL・REYNOLDS:ギター/ベース/ドラム/ハーモニカ/オルガン/プロデュース、AARON・STERLING:ドラム、JR・KURTZ:ドラム、PETE・HUTCHINGS:ドラム・プログラミング、JIM・IRVIN:パーカッション、HARRY・FAUSING・SMITH:ヴァイオリン、HENRY・RANKIN:ヴァイオリン/ヴィオラ、TOM・GOFF:チェロ、JACK・TINKER:フレンチ・ホーン/トランペットと今回は、曲の共作者が多く参加しプロデュースも作曲者と共同となっています。

1曲目"World Away"(2:33) 厳かに奏でられるピアノの調べに合わせゆったりと歌うLESSIEの歌声からアルバムの幕が上がるスタイルを象徴した曲です。ヴォーカル部分は、2分に満たなく風切り音のようなSEが流れ次の曲へと自然に繋がって行きます。
2曲目"Crazy Girl"(3:34) いつもより低いキーで歌いだすLISSIEの歌声が意表を突くミドル・テンポのナンバーです。しかもサビの部分は、非常に高いキーでの歌声でハーモニーを聴かせているので、LISSIE以外の女性バック・ヴォーカルが参加していると思ってました。
3曲目"Castles"(3:34) この曲もゆったりと歌われるイントロを持った曲ですが、流石にLISSIEならではのダイナミックさ展開を聴かせます。掛け声など前作での"Wild West" に通じるところがあります。
4曲目"Blood & Muscle"(3:36) 少しダークなイメージを持ったピアノの調べで歌われる曲です。この曲でも非常に高いキーでバックの歌声も聴かせるLISSIEです。ここまでアルバムを通して聴いて来て気が付いたのですが、LISSIEはS.S.W.から一ヴォーカリストとしてこのアルバムで挑戦したように思えます。
5曲目"Best Days"(2:53) アコースティック・ギターの循環コードで奏でられるシンプルさを感じる曲です。アルバムのリリース前後のライヴでアコースティック・ギター片手に歌われる手軽さを感じます。
6曲目"Feels Good"(3:31) 最近再評価されているツインピークスのテーマ曲風のリヴァーブ(Reverb)・サウンドが心地好く響く曲です。曲の共作者でこの曲にバック・ヴォーカル/プロデュースとして参加しているAGことADRIANNE・GONZALEZ(THE RESCUES)は、ロス・アンゼルスで活躍するS.S.W.です。
7曲目"Boyfriend"(3:58) このアルバムのリリースかなり前 '17年6月にビデオが公開されたこのアルバムから先行曲です。「私はボーイフレンドが欲しくない、私は恋人が欲しくない、私は男が欲しい、心に響く男が欲しい」と男性陣たじたじの歌詞です。
8曲目"Somewhere"(3:24) 前のアルバムの収録曲に通じるLISSIEのダイナミックな歌声がサビで展開される曲です。イントロから物静かに歌いサビで伸びやかに歌い上げるLISSIEです。
9曲目"Love Blows"(2:53) イントロが協奏曲曲風なヨーロッパ・スタイルな曲です。曲の共作者がロンドンで活躍しているLIAM・HOWE(SOPHIE・ELLIS-BEXTOR,KOVACS)だからでしょうね。
10曲目"What Am I Gonna Do"(4:05) この曲でもいつもと違った少し高いキーで歌い始める曲です。前作でのメンバーとの収録による気心が知れたリラックス・ムードがLISSIEの美しく広がる歌声から感じられます。
11曲目"Peace"(3:39) 売れっ子作曲者/プロデューサーJULIAN・EMERYとLISSIEとの共作による曲です。収録にも参加しているJULIANのギターのリフが非常にかっこよく響くこの軽快さが堪らないです。
JULIANと言えば収録にも参加しているJIM・IRVINとCHLÖE・HOWLの"Rumour"もCHLÖEと共作者で、あの曲もこの曲同様の軽快な乗りを感じました。
12曲目"Sand"(3:52) 少し牧歌的な雰囲気を醸し出して来た曲です。デビュー当時からの参加しているベース/ギターのBILL・REYNOLDSとの共作だから少しレトロなアメリカン・サウンドとなっているのしょうか。
13曲目"Meet Me In The Mystery"(3:04) 再びADRIANNE・GONZALEZとの共作による曲です。凛としたピアノの調べとワイルドなドラムのビートが対照に響く静寂とダイナミックさを両立させています。
歌詞無し ライナー無し 2折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:44分59秒 (見出しにも書いたのですが、自作を中心にアルバムをリリースして来たLISSIE、今回は、楽器の演奏無しにヴォーカリストとしてのアルバムのようです)'18年5月12日更新


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写真  LIVINGSTON TAYLOR / Life Is Good
 ・1988 Critique Records Inc.    WEA 7 90941-2

LIVINGSTONのその優しい響きに・・・

ノースカロライナ出身でデビュー当時からJAMES・TAYLORの弟として紹介されて来たLIVINGSTON・TAYLORの '88年にリリースされた7枚目のアルバムです。 アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LIVINGSTON・TAYLOR:ヴォーカル/ギターの他、MIKE・DEMICCO:ギター、SCOTT・PETITO:ギター/ベース/キーボード/シンセサイザー/プログラミング/プロデュース、ARTIE・TRAUM:ギター/プロデュース、FRANK・LUTHER:ベース、VINNY・MARTUCCI:キーボード/プログラミング、MIKE・GUGIELMO:ドラム、R・LINN:ドラム、JOHN・SEBASTIAN:ハーモニカ、KEN・LOVELETT:ドラム/パーカッション、PAUL・BRANNIN:サックス、GARY・CONE:トランペット/フリューゲル・ホーン、ROBBIE・DUPREE:バック・ヴォーカル、AMY・FRADON:バック・ヴォーカル、BOB・LEINBACH:バック・ヴォーカル、LESLIE・RITTER:バック・ヴォーカル、JAMES・TAYLOR:ヴォーカル、LEAH・KUNKEL:ヴォーカルのLIVINGSTONの仲間達です。
尚、LIVINGSTONを含むTAYLOR家5人兄弟内4人は、S.S.W.として活躍しています。

1曲目"Life Is Good"(3:08) 先にも記しましたが、デビュー当時は良く兄のLIVINGSTONとサウンド・スタイルと歌声が非常に似ていたLIVINGです。しかし、この曲ではサウンドが非常に洗練されアダルト・ロックの要素が加味されています。彼の歌声も流れるようなこの響きは、KENNY・RANKINに近い卓越さえも感じられます。バック・ヴォーカルにはROBBIE・DUPREEも参加しています。
2曲目"One Of The Things I Did So Well"(3:39) この曲もソフト・ロックの路線を描いた心地好いサウンドの曲です。イントロのチャイムの非常に美しい音色から聴かせますね。ソフトな響きのLIVINGSTONの歌声とPAUL・BRANNIN(BRANNAN)のサックスの音色が絶妙なのです。
3曲目"City Lights"(3:42) 兄のJAMESとデュエットとした曲で、ハーモニカにJOHN・SEBASTIANも登場した心温まる曲です。バック・ヴォーカルにも再びROBBIE・DUPREEも参加しています。
4曲目"If I Were You"(2:59) イントロのSCOTT・PETITOのツイン・ギターのサウンドから参ってしまった曲ですね。アルバム購入当時から"ヘビ・ロテ" で良く聴いた心和むサウンドによるウエスト・コーストのサウンドが感じられます。素晴らしいバック・ヴォーカルは、先のROBBIEにAMY・FRADON、BOB・LEINBACH(ORLEANS)、LESLIE・RITTERで殆どの曲に参加しています。
5曲目"It's Love"(4:20) イントロのチャイムのサウンドは非常に美しい曲で、この曲もアダルトなロックのサウンドを聴かせています。間奏でのMIKE・DEMICCOのギターが非常に素晴らしいのです。
6曲目"Make It Love"(4:33) サウンドを更にジャズ・スタイルに近づけたソフトでメロウな曲です。ソプラノ・サックスの調べに心地好いキーボードのサウンド何も言う事なし!。
7曲目"Loving Arms"(4:01) LEAH・KUNKEL(ドラマーRUSS・KUNKELの当時の奥さん)をヴォーカルに迎えて、デュエットとして収録されたラブ・バラードです。この曲ではやりLIVINGSTONのハーモニーの美しさが伝って来ますね。
8曲目"Louie"(2:30) 本格的なジャズ・スタイルによるジャイヴを感じさせる曲です。オーソドックスなスタイルなのですが、歌とソウルがマッチしなければ、このようには歌えませんね。ギターのクレジットにはLIVINGSTON自身となっていて非常にジャジーな音色と卓越したギター・ワークも見せるのです。
9曲目"Glad I Know You Well"(2:48) 映画のサウンドトラックのような美しいメロディとサウンドによる曲の登場です。フレットレス・ベースの心地好い響きと幻想的なシンセサイザーの調べが全編に広がるのです。
10曲目"Falling In Love With You"(3:15) この曲は非常にLIVINGSTONの持ち味を表現しているように思うのです。イメージ的には兄のJAMESよりも明るくて、元気一杯を感じさせるLIVINGSTONのサウンドと言ったら良いでしょうか。
11曲目"Mary Ann"(2:15) カントリー・フォーク調のスローなリズムの曲です。この曲でもLIVINGSTONのその優しい響きに触れる事が出来る2分少々の曲です。
歌詞無し 写真ライナー U.S.製 (輸入盤) 収録時間:37分05秒 (尚、このアルバムは、発売当時の初版盤の為、オリジナル11曲の収録となっています。現在の再発売盤は、"Rockin' Robin" が追加され12曲入りのようです)'10年2月5日再更新


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写真  LONG BEARD / Means To Me
 ・2019 Double Double Whammy    DDW062

日本でも火が付くかな・・・

このアルバムは、ニュージャージー州ニューブランズウィックで活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップS.S.W.LONG BEARDの3枚目('14年の5曲入り[Holy Crow]カセットテープ盤を含む)のアルバムで '19年9月13日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LESLIE・BEAR:ヴォーカル/ギター/シンセサイザー/キーボード/プロデュース、CRAIG・HENDRIX:キーボード/シンセサイザー/ベース/パーカッション/プロデュースの少人数での収録です。

1曲目"Countless"(1:33) このアルバムのオープニングを伝えるLESLIEのアコースティック・ギターの弾き語り形式の短い曲です。次第にキーボードなど加えながら美しいメロディと共にLESLIEの穏やかな歌声が響きます。
2曲目"Getting By"(3:45) この曲もLESLIEの凛とした爽やかな歌声がギターの響きと流れる曲です。途中より登場するコンパクトなギター・ソロの音色の派手さの無いところがまた好いのです。LESLIEの登場したビデオもどうぞ。
3曲目"Snow Globe"(5:23) 今度は、イントロにちょっと拘りを持ったサイケデリック感を持たせたサンプル音源が印象的な曲です。渦巻くようなシンセの音色と遠くで響くドラムのビートが堪りませんね。
4曲目"Sweetheart"(5:34) このアルバムの曲の中から最初に耳に残った曲です。分りやすいメロディとサウンドによる「高校生時代の恋人のこと」を歌っています。
5曲目"Empty Bottle"(1:47) ちょっと長い目の曲が2曲続いたのでここで短いスローな曲の登場です。曲の終わりは次の曲へと自然な流れてとなっています。
6曲目"In The Morning"(2:51) 訥々と歌うLESLIEの歌声と逆再生的なハモンド系の柔らかい音色が心地好く広がる曲です。シンプルな曲ですが、静かに目を閉じで聴き入るとバックに重ねられた音源の素晴らしさに気が付きます。てh穏やかなイントロのサウンドから次第に重いシンセサイザーの響きがうね回る曲です。
7曲目"Forever"(4:05) この曲も少し奥行にドラムのビートがキビキビと響く曲です。LESLIEの歌声とは少し違うのですが、先日にレビューしたロンドンのTHE JAPANESE HOUSEと似た感じもあります。
8曲目"Means To Me"(3:44) スピード感を持ったサウンドと途中スローなリズムと変化するギター・サウンドたっぷりなアルバム・タイトル曲です。消え入りそうなLESLIEの歌声をバックで支えるCRAIG・HENDRIX(JAPANESE BREAKFASTプロデュース)です。
9曲目"Monarch"(3:56) この曲は、イントロのギター・リフから掴まれた曲です。サンプル音源を聴いた時からこの不思議なメロディが翌日も耳に残ってしょうがないのです。アウトロとこのモヤモヤ感のある終わり方も必聴ですね。
10曲目"The Last "(3:10) 引きずり感のあるギターの調べに乗せLESLIEが孤高に歌う曲です。 飽和したギター・サウンドとドラムのビートが終焉まで絡み合いながら流れ去って行く様に耳を凝らして聴き入ることにしましょうか。
歌詞無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:36分43秒 (BandcampではちょっとしたベストセラーになっているこのLONG BEARD、日本でも火が付くかな?)'19年10月19日更新
2019年度ベスト5


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写真  LUMINOUS / Above The Human Fantasy
 ・2004 Luminousvibes.com    634479083563

スムーズ&セクシー・・・

このアルバムは、カリフォルニア州ロス・アンゼルスでインディペンデントに活躍しているアーバン/トリップ・ホップ・バンドLUMINOUSの '05年1月に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
詳しいライナーは付属していないのですが、このLUMINOUSのメンバーは、CHRISTINE・THEARD:ヴォーカルとFRED・AFSHAR:マルチ・インスツルメントの作詞/作曲家のコンビとなっています。
尚、ニュージーランドで活躍していた同名バンドLUMINOUSや'02年にアルバムをリリースしたLUMINOUSとは、全くの別バンド/ユニットです。

1曲目"Angels Saw Me"(4:19) イントロから流れるスペーシー・サウンドから重く響くドラム"ン" ベースのうねりが打ち寄せる曲です。セクシーなCHRISTINE・THEARDな歌声もスムーズに響くチルアウトな雰囲気を感じます。
2曲目"Everlasting"(3:31) この曲も非常にスムーズなサウンドとリズムを感じさせるトリップ・ホップとアーバン・サウンドを上手く融合させた乗りを感じる曲です。アルバムの最後には、この曲のインストゥルメンタルも収録された一押しの曲でもあります。
尚、この曲のミキシングは、BILLY・JOELやTHE RAMONESのアルバムのミキサーであるTOM・WEIRが担当しています。
3曲目"Can You Feel It"(6:11) 泣きのギター・サウンドに引き摺り感のあるスローなドラム"ン" ベースに止めを刺すハーモニクスで奏でられるスムーズなギターのメロウ・サウンドと申し分ない曲です。ヴォーカルのCHRISTINEの歌声やこのLUMINOUSの紹介文に登場する「SADEにインスパイアされた」確かにそのような感じはありますね。
4曲目"Rainbow"(5:38) この曲もSADEの曲の雰囲気特に '84〜'85年頃のデビュー近くのカラーを強く感じます。ただ曲のエンディング辺りから登場するアコースティック感やモーグでのソロが非常に心地好いので出来れば曲を延長して最後まで聴きたくなるのです。
5曲目"Like A Merry Go Round"(3:01) 非常に引き摺り感のあるトリップ・ホップの登場です。ラップで歌うCHRISTINEやセルフで付けられた多重のバック・ヴォーカルの数々が広がる渋めの曲です。
6曲目"I Believed"(3:17) エレクトロニカのサウンドを多用したアシッドジャズ色の強い曲です。底辺で流れる重いドラム"ン" ベースやループによるトランス状態を誘う怪しさやスポークンで聴かせる美しいCHRISTINEの言葉も魅力的ですね。
7曲目"I've Got Something"(3:42) 短い歌詞をリフレインな流されるインストゥルメンタルです。無機質にさせたドラム"ン" ベースのサウンドに重ねられたFRED・AFSHARのキーボードの音色が対照的に煌めきます。
8曲目"Forsaken"(4:02) この曲も引き摺り感のあるドラム"ン" ベースのサウンドが底辺に流れている曲です。その位置から奥まったところに浮かび上がるFREDの非常に美しいピアノの旋律とCHRISTINEの官能的な歌声が響きます。
9曲目"Sometimes I Feel It"(2:26) ダウンテンポによるチルアウト感を感じさせるスローな曲です。2分半程度に短く編集された感じが強く残るところは次の曲への導入部を期待させるアレンジなのでしょうか。
10曲目"Everlasting(Instrumental)"(4:30) 多分、'04年のリリースされた2曲目のカップリング用かストア・イベント用の曲のような気がします。インストゥルメンタルで聴いても完成された1曲のような雰囲気を感じます。
歌詞無し ライナー無し 紙スリーブ仕様 CD-R (輸入盤) 収録時間:41分41秒 (この後何枚かアルバムをリリースしているようですが、残念ながらダウンロード販売のみとなっています)'12年6月2日更新


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写真  THE LUMINOUS SKY / Beautiful Revolution
 ・2008 Ignited Records    8 84501 02011 4

広がるこの心地好いサウンド・・・

このアルバムは、ハワイ島コナ出身のNATALIE・BRUCEとDAVID・BRUCE夫婦を中心としたTHE LUMINOUS SKY(LUMINOUSより改名)が、音楽活動の場をニュージーランドからカリフォルニアのロング・ビーチに移して '08年8月にリリースされた3枚目のアルバムです。
尚、このアルバム収録時でのTHE LUMINOUS SKYメンバーは、NATALIE・BRUCE:ヴォーカル、DAVID・BRUCE:ギター/パーカッション、JERICHO・WALDRON:キーボード、TIM・WELLSON:ドラム/プログラミングの4人組です。プロデュースは、前作同様N.Z.のCHRIS・DIPROSE(STRAIGHTLINE)で、彼自身ギターでも収録に参加しています。
収録に参加しているミュージシャンは、NATALIEの妹SHANNA・MOE:バック・ヴォーカル、IAN・McALLISTER:ベース/ギター、ALISTER・LANDELL:ギター、JEREMY・HARKER:ベースの前作でのメンバーも参加してニュージーランドで収録されています。

1曲目"Devoted"(3:24) 円やかな調べによるキーボードのサウンドとタイトなドラムのリズムに乗せ歌う聴き慣れたNATALIEの歌声が響くアップテンポのロックのナンバーです。
2曲目"Beautiful Revolution"(3:33) このアルバムからの一押しのナンバーです。スペース・サウンドのようなシンセサイザーの響きに合わせた一度聴いたら忘れられないJERICHOの跳ねるようなキーボードの調べによる曲です。日本でのライヴでは、きっとこの曲の乗りが良かったのに違いないでしょうね。
3曲目"Drive"(3:44) やはり3曲目は、少しテンポを落としてきたミドル・テンポのバラードぽい曲ですね。NATALIEのクリアな歌声とバック陣の演奏が見事に融合したメロディアスなサウンドが流れて来ます。オリジナル曲は、オルタナ・ロックバンドINCUBUS '00年にシングル・カットされたヒット曲です。
4曲目"Life"(4:03) メロディアスなギター・サウンドがたっぷりと響くこの曲もミドル・テンポのバラードです。前作を聴いた時も感じたカナダで活躍していた美人姉妹のロック・バンドのサウンドのイメージが繋がる本当にメロディアスなナンバーです。
5曲目"Slow Down"(3:38) サウンドを少しポップな方向に移して来た聴き易いスタイルの曲です。間奏で奏でられるご機嫌なギター・ソロとNATALIE の美しい歌声が届けられます。
6曲目"Call Your Name"(4:06) 今度はエレクトロニカとプログラミングを多用したソリッドな質感を感じさせる曲の登場です。うねりのあるキーボードとベースの調べにこの曲でもNATALIE美しい歌声が印象的ですね。
7曲目"Falling For You"(4:11) MySpaceでも良く流れているキャッチーなナンバーの登場です。前半のメロディアスなパートから次第にエモーショナルなドラムのビートによって展開されるTHE LUMINOUS SKYの十八番的なナンバーです。
8曲目">Faster Than Light"(3:21) 太く鳴るギターのサウンドがイントロに配されたちょっとイメージを違えて来た曲です。サウンドの広がりが非常に美しいキーボードの調べとドライヴするギター・サウンドが心地好く響いて来ます。
9曲目"Change"(3:24) この曲もポップなサウンドを聴かせる曲ですね。JERICHOのピアノの調べに乗せて丁寧に歌うNATALIEの美しい歌声がゆったりと心地好く流れます。
10曲目"Choose"(3:53) この曲は、前作にも収録されていてイントロの少しメランコリックなギターのサウンドから痺れさせられた曲ですね。メリハリを付けたアコースティック・ギターのサウンドとTIMのドラムのビートがアレンジし直して凄く決まっています。
11曲目"Broken Bones"(4:22) ピアノ1台のサウンドとNATALEの歌声だけによるシンプルなサウンドのバラードです。メランコリックな歌詞の内容を歌うNATALEの歌声が切なく響いて来るのです。
歌詞無し アニメ・ブックレット デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:41分44秒 (前作からのサウンドをさらに磨きを掛けて広がるこの心地好いサウンドがこのバンドの持ち味ですね)'10年2月8日再更新


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写真  MADELYN MUNSELL / A Thousand Little Deaths
 ・2020 Madelyn Munsell    

クラシック音楽、フォーク、パンク・バンドと色々経験・・・

このアルバムは、オハイオ州コロンバスで活躍しているオルタナティヴ/ポップ・シンガー・ソング・ライターMADELYN・MUNSELLの3枚目(MADELYNIRIS名義の2枚のアルバムを含む、Band MOCKLOVE名義は含まない)のアルバムで '20年8月21日に本国でのフリー・ダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MADELYN・MUNSELL:ヴォーカル/ギター以外の詳しいクレジットが無いのですが、MADELYNの家族たちが参加しているようです。

1曲目"Fencewalker"(3:58) 乗りの好いリズムと重く響くベースのサウンドが印象的な曲です。もともとクラシック音楽を専攻し、ソプラノ歌手をしていたMADELYNの美しい歌声が広がります。自宅で撮影されたビデオも配信されました。
2曲目"A Thousand Little Deaths"(3:25) ちょっと牧歌的なサウンドとメロディによる女性シンガー・ソング・ライターらしい仕上がりの曲です。バックに男性コーラスとコンパクトなギター・リフが流れる心地さがあります。
3曲目"Dear Anna"(3:24) クラシック音楽からの流れを感じるピアノの調べと弦楽器の爪弾きが融合する曲です。インパクトを持ったギターのサウンドが要となっています。
4曲目"Ordinary Love"(4:16) 前作でのアルバム紹介では、インディ・フォーク調を目指したとあったので、この曲もフォーク調の曲です。ペダル・スティールの音色と囁くようなバック・ヴォーカルから非常に慎ましやかさを感じます。
5曲目"Coward"(3:36) 前の曲のサウンドとメロディを汲むこの曲も慎ましやかさ感じる曲です。高く美しく響くMADELYNの歌声がこのサウンドとメロディと相まって響いて来ます。
6曲目"Funeral Mask"(4:28) この曲も美しいメロディとサウンドを持たせた曲です。MADELYNの慎ましやかに奏でられるギターの爪弾きが凛と響きます。
歌詞無し フリー・ダウンロード盤 収録時間:23分07秒 (クラシック音楽、フォーク、パンク・バンドと色々経験して来たMADELYN、この後はどの方向へ進むのでしょうか)'20年9月22日更新


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写真  MAE MOORE / Bohemia
 ・1992 Sony Music Entertainment Canada Inc.    Tri Star Music WK 57373

カナダ+オーストラリアのエッセンス・・・

カナダのCBS(現Epic/Sony)と契約したMAE・MOORE (メイ・ムーア)は '90年のアルバム[Oceanview Motel]でデビューし、カナダ国内でそのアルバムから数曲のヒット曲を生み出しています。このアルバムは、彼女の2枚目のアルバムで '92年9月本国でのリリースです。(尚、ジャケットの写真は2種類リリースされています)
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MAE・MOORE:ヴォーカル/ギター/ベース/プロデュースの他、STEVE・KILBEY:ギター/ベース/キーボード/バック・ヴォーカル/プロデュース、G.W.McLENNAN(THE_GO-BETWEENS):ギター/バック・ヴォーカル、STEPHEN・NIKLEVA:ギター、PETER・ KOPPES:ギター、BRIAN・MINATO:ベース、DAVID・KERSHAW:キーボード、BORIS・GOUDENOJ:キーボード/トランペット、ASH・SOOD:ドラム/パーカッション、GORDON・DOWNIE:バック・ヴォーカルのカナダと1部オーストラリアのミュージシャン達が参加しています。
メイン・プロデューサーは、オーストラリアのTHE CHURCHのメンバーSTEVE・KILBEYで、このアルバムでの収録曲も複数MAEと一緒に書かれています。 現在、MAEはCBSとの契約も終了し、自身のレーベルからCDのリリースとカナダでの小規模のアコースティック・ライヴ的なツアーをしている模様です。

1曲目"Bohemia"(4:25) MAE自身によるこの曲のコメントによるとオーストラリアで曲の収録中、移動の為バスの窓から眺めた風景にインスパイアされ、バスを降りて目的地に着くまでの20分間で書き上げた曲となっています。スポーケン/ラップ風のアレンジと美しいメロディによる彼女のヒット曲で約3種類のヴァージョンが存在します。
2曲目"Shape Of Love"(3:45) サウンド・スタイルは、1曲目と似ていて部分的にスポーケンで繰り広げられるポップ色の強い曲です。心地好いリズムのビートと和やかに響くMAEの歌声ですが、少し硬さがあるのはご愛嬌です。
3曲目"Fall With You"(4:57) ベスト盤にも取り上げられた美しいギターの調べによる曲で、MAE自身このアルバムで6弦と12弦のアコースティック・ギターを使って収録しています。
4曲目"Because Of Love"(4:45) 少し高音で枯れた歌声に変わるMAEの歌声が特徴的な曲です。不協和音を使ったギターの調べから間奏までの美しいメロディが心地好さを伝えてきます。
5曲目"Arrow"(4:49) ヴァージョン違いの"Bohemia" をもっとソフトによりしっとりさせてジャズの要素を加えたような心地好い流れの曲です。綺麗な夕焼けが見える夕暮れ時から夜の入る時の時間の穏やかな流れに似合いそうな雰囲気がします。
6曲目"Pieces Of Clay"(3:33) キーと音色とを違えた複数のギターによる静かなるエモーショナルを感じさる曲調の曲です。ギターのサウンドも好いのですが、特にバックで流れるトランペットの調べが素晴らしいのです。
7曲目"Coat Of Shame"(4:17) コーラスの取り方などブラック・ミュージックの影響を感じさせるアレンジの曲です。ハモンド/オルガンの心地好い響きと流れ良いファンクなリズムが堪らないのです。
8曲目"Western Front"(4:08) 70年代の初めのレトロなブリティッシュ・バンドの持つハモンドの調べから登場する少しスモキーなMAEの歌声のようミドル・テンポのナンバーです。ワイドに響くブラスのサウンドとSTEVE・KILBEYのベースが印象的です。
9曲目"The Wish"(4:47) イノセントさを感じさせるMAEの歌声とシンプルなアコースティック・ギターの調べにゴージャスさをあしらったブラスのサウンドによる曲です。カナダの素朴さを持った曲調にオーストラリアの力強さを持ったエッセンスを加えた感じがします。
10曲目"Ophelia"(5:10) MAEもプロデューサーのSTEVEも共に絵画の才能のある人で、多分 [ハムレット]第4幕7章の一場面の絵画[Ophelia]にインスパイアされた曲でしょう。厳かに流れるオルガンの調べとシンセサイザーの幻想的なサウンドを組み合わせたMAE:作詞/STEVE:作曲による曲です。
11曲目"Full Circle"(4:19) この曲はデビュー当時の '90年の作品です。パワフルなドラム/パーカッションのリズムとエモ・ギターによるポップな曲に仕上げられています。やはりサウンドの波の流れにオーストラリアン・サウンドが感じさせるアレンジになっています。
全11曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:48分59秒 (この後、数枚のアルバムをリリースしたMAEは現在、自由な立場でカナダの若手S.S.W.の育成をプログラムとしたキャンプの主催などにライヴの合間をぬって協力しているようです)'10年2月8日再更新


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写真  MAE MOORE / Dragonfly
 ・1995 Sony Music Entertainment Canada Inc.    Tri Star Music WK 35006

MAEの歌声とベテラン・バック陣・・・

カナダで活躍しているS.S.W.MAE・MOOOREの3枚目のアルバムで '95年5月に本国でのリリースです。バックのメンバーも前作よりもカナダ勢の固定メンバーにしてバンドでのサウンドを重視したアルバム作りが行われたようです。
ベース:RICK・MAY、ギター:NEIL・CLARK、STEPHEN・NIKLEVA、ドラム:SCOTT・HARDING、PAUL・BRENNAN、GREG・PEELY、ピアノ:VINCENT・JONES、ホーン:DANIEL・LAPPです。
尚、このアルバムでのプロデュースは、GAVIN・McKILLOP(GENERAL PUBLIC,GOO GOO DOLLS)で、彼自身バック・ヴォーカルでも参加しています。

1曲目"Genuine"(5:27) アーバン・サウンドの雰囲気のするキーボードのサウンドと滑らかなMAEの歌声によるシングル・カットされたキャッチーな曲です。エモーショナルなスライド・ギターのサウンドが心地好い乗りを与えます。
2曲目"Love Won't Find Us Here"(3:47) すこしサウンドを牧歌的な方向に向けて来たアメリカン・スタイルのオーソドックスな曲です。サビから間奏にかけてのMAEのスキャット・ヴォーカルもこの3枚目のアルバムからでは余裕を感じられるようになってきましたね。
3曲目"All I Can't Explain"(4:30) 偶然にも前のアルバムでも3曲目は後のベスト盤にも取り上げられています。この曲はMAE自身もアレンジ替えで再収録されているお気に入りのようです。心地好いギターの調べと歌唱力をぐっと上げてきたことを実感させるMAEのご機嫌な曲です。
4曲目"Evolution(The Same Way)"(4:49) メランコリックな雰囲気を放つ少しダークな曲調べの登場です。オルタナティヴなエレクトリック・ギターのサウンドとスローなリズムの流れから後半にはメロディアスなインストゥルメンタルな調べになっています。
5曲目"Here"(3:41) メランコリックに流れる美しいメロディと浮遊感をもった響きによる曲です。歌詞の方はMAEの非常にプライベート性を持った内容のようです。間奏でのDANIEL・LAPPのフリューゲルホーンの美しい調べが心地好いのです。
6曲目"Watermark"(3:39) 若々しさ感じさせる乗りの良いポップな曲です。この曲では男性バック・ヴォーカルJOHN・MANN(SPIRIT OF THE WEST)のエモーショナルな歌声を効果的に使ったアレンジで力強さも与えています。
7曲目"Pleasure Grounds"(4:07) ブリット・ロックのようなドラムのビートと残響音を残す硬めギターのサウンドによるMAEらしくない意外なサウンドでの曲です。アルバムのこの辺りに少しインパクトを与える為に意図的に配したのでしょうか。
8曲目"Hollow As Bone"(4:04) 柔らかなトランペットの音色が心地好いジャジー・ブレンドのクールなサウンドの曲です。MAEの歌声を中心に展開されるバックのパート別のソロも心地好く響きます。
9曲目"Kiss Of Life"(4:16)) VINCENT・JONES(SARAH McLACHLAN BAND)の美しい調べによるイントロでのピアノのサウンドから強い印象を与える曲です。またSTEPHEN・NIKLEVA(THE KNOTTY PINES)のギターのサウンドが本当に素晴らしいのです。
10曲目"Faithless"(4:39) 再びテンポを良くしていたエモーショナルなリズムの曲です。うねったように響く特徴的なRICK・MAY(DEPECHE MODE,ANDY・SUMMERS)のベースのサウンドも凄いです。
11曲目"Fine"(4:38) この曲でもイントロからSTEPHEN・NIKLEVAがギターを前面に出したサウンドで攻めてきます。RICK・MAYの重い響きのベースとアンビエントな雰囲気を醸し出すSTEPHENのギターの間を分け入るように登場するVINCENT・JONESのハモンドでは歌っているMAEもバック陣の良さでご満悦だったはずでしょう。
全11曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:47分57秒 (このアルバムのライナーには各曲の終わりに作曲時期?曲のイメージ?を表しているのか季節の表示が書き込まれています)'10年2月8日再更新


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写真  MAE MOORE / Mae Moore
 ・1999 Poetical License Inc.    PM10352

全曲彼女の作曲・作詞で登場・・・

このアルバムは、カナダのシンガー・ソング・ライターMAE・MOOREの '99年リリース4枚目のアルバムです。今回レビューするアルバムは '02年8月23日に本国にてボーナス・ビデオ付にジャケットも一新された再リリース盤です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MAE・MOORE:ヴォーカル/ギターの他、MARC・ATKINSON:ギター、RUSSELL・BROOM:スライド・ギター/ギター、ROBERT・FOSTER:キーボード/バック・ヴォーカル、MICHAEL・LENT:ベース/ギター、GARY・CRAIG:ドラム/パーカッション、TANYA・KALMANOVITCH:ヴィオラ、BOB・TILDESLEY:フリューゲル・ホーン/トランぺット、LIN・ELDER:タブラ/バック・ヴォーカル、ASTRID・FOSTER:バック・ヴォーカル、JANN・ARDEN:バック・ヴォーカル/プロデュースの一部ジャズ系のミュージシャンも参加しています。

1曲目"Free To Love Me(Warm Song)"(3:28) このアルバムに追加されたビデオ・クリップにもなっている曲です。スライド・ギターのサウンドが非常に効果的に使われたネオ・カントリー調なイメージを持っています。
2曲目"Serial Girlfriend"(4:09) やはりこの曲もスライド・ギターが使われていてイントロからその独特の響きを聴かせます。淡々と響くドラムのビートとバックの女性バック・ヴォーカル隊によるロック色の調べです。
3曲目"What Jimmy Said To Me"(4:02) 彼女の曲にはめずらしいロカビリー調のメロディとリズムの曲です。バックで鳴りに鳴るギターの速弾きは紛れもなくMARC・ATKINSONのものですね。
4曲目"What It Is"(3:46) イントロから響かすギターのフレーズが面白い曲です。カナダCBS時代からずっとこのような少し緩い雰囲気に爽やかさを加えたサウンドが流れて来ます。
5曲目"Smile"(4:26) ピアノのサウンドを主体としたスローな曲で、MAEのしっとりとしたヴォーカルが楽しめます。またジャズ畑のMICHAEL・LENTのベースが非常に素晴らしい響きを持っています。
6曲目"Santa Fe"(5:00) オリエンタル風のギター・サウンドが興味深い曲です。なぜニューメキシコ州の州都サンタ・フェのオリエンタル風のサウンドかは不明ですどね。
7曲目"Something Worth Remembering"(3:38) エレクトリック・ギターのサウンドをふんだんに使ったメロディアス・ロックです。MARC・ATKINSONのピチカート・ギターにRUSSELL・BROOMの12弦エレクトリック・ギターのサウンドが好いのです。
8曲目"Only Man On Coney Island"(3:49) 来ましたこの曲です。トランペットの音色とMAEのジャズ・ヴォーカルがしっとりしとまたゆったり流れるます。後にマルチ・プレーヤーJOBY・BAKERのプロデュースでも再収録されています。サンプル音源は、2002年再収録盤です。
9曲目"Rock-A-Bye @ 21"(5:01) 彼女の娘さんの21歳の誕生日に作った歌です。何かの理由で子供時に別れて生活していた彼女が僅かな便りを元に国中を探して再会できた娘さんの為に書いた特別な曲です。幻想的なイメージで仕上げています。
10曲目"Deep Water"(3:57) タム・タム・ドラムのビートとバック・ワードギターが特徴的なイメージの曲です。幻想的な響きを持って広がるキーボードの調べに乗せて歌うMAEです。
11曲目"Stay"(6:01) スローなリズムとパーカッションの響きが印象的な綺麗なメロディ曲です。いつもより高いキーでゆっくりと歌うMAEのバックにはJANN・ARDENの美しい歌声も広がっています。
全11曲歌詞付 写真ライナー ビデオ・クリップ付き カナダ製 (輸入盤) 収録時間:47分31秒 ('05年現在彼女は、ご主人のLESTER・QUITZAU:カナダのギタリストとツアー中です)'10年2月8日再更新


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写真  MAE MOORE / It's A Funny World
 ・2002 Paras Recordings    PRC1122

彼女の音楽に出会えて良かった・・・

このアルバムは、カナダで活躍するシンガー・ソング・ライターMAE・MOOREの新旧の作品をアレンジ替/再録音して '02年4月23日に本国でリリースされたものです。 マルチ・プレーヤーのJOBY・BAKERのプロデュースによりメロウで洗練された作品になっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MAE・MOORE:ヴォーカル/ギターの他、JOBY・BAKER:ベース/キーボード/ドラム/パーカッション/チェロ/ヴァイオリン/プログラミング/レインスティック/バック・ヴォーカル、RICK・MAY:アップライト・ベース、MARC・ATKINSON:ギター、SCOTT・SHEERIN:ソプラノ・サックス、BLAINE・DUNAWAY:ヴィオラ、NIEL・GOLDEN:ギリシャ形タンブーラ/シュルティボックスのベテラン達が参加しています。

1曲目"Funny World"(4:48) ピアノのサウンドを主体とした都会的な雰囲気のするアーバン・ソウルな曲です。JOBY・BAKERのジャズ・スタイルの演奏とMAEのシルキー・タッチのヴォーカルが魅力的です。
2曲目"Love Will Bring You Back"(4:00) イントロから渋く響くJOBY・BAKERのベースとMARC・ATKINSONのアコースティック・ギターの溜めを取ったクールなサウンドがMAEのヴォーカルに華を添えますね。
3曲目"Who Knows"(3:35) この曲もイントロからぐっと掴まれた曲ですね。更に、曲の途中でのスキャット・ヴォーカルが小洒落れたアレンジでJOBY・BAKERのクールなスタイルのベースと彼の非常に美しいハーモニーもこの曲の魅力のひとつです。
4曲目"All I Can't Explain"(4:12) フォーキーなメロディと彼女のややハスキーなヴォーカルとギターの音色が一体となります。MARCのアコースティック・ギターソロがまた圧巻なのです。
5曲目"The Reckoning"(4:46) 哀しげなメロディに彼女のヴォーカルとJOBY・BAKERの官能的なベース・ソロが堪りません。
6曲目"Red Clay Hills"(4:37) JOBYとのヴォーカルの絡みが"渋い" です。尚、彼女はこの曲のタイトルの絵画も書いてその方面の才能の発揮しています。美しい海岸線と小高い丘(Red Clay Hills)が描かれた彼女の絵画もH.P.にて販売されています。
7曲目"The Last Time"(3:53) MAEのヴォーカルとMARCのギターが織り成す良い曲です。
8曲目"Bohemia"(4:42) 幻想的なイントロとラップ風のヴォーカルが独特の浮遊感を醸し出す素晴らしい曲です。JOBYのアレンジとバック・ヴォーカルにて '91年の収録曲とは別作になり、このヴァージョンは、本当に素晴らしいく同じ曲でもアレンジでこれだけ変化があるのが興味深いです。
9曲目"Only Man On Coney Island"(3:55) この曲ではジャズピアノの旋律に彼女のややハスキーなヴォーカルで少し裏返る時の響きがスウェーデンのREBECKA・TÖRNQVISTとも似ています。またRICK・MAYのアップライト・ベースが心に染みます。
10曲目"All I have"(4:13) ピアノとベースとサックスが織り成すジャズ・スタイルの曲です。
11曲目"Superstitious"(5:40) 落着いた雰囲気の曲でJOBYのバック・ヴォーカルは、同名異曲の作者STEVIE・WONDERの歌声とそっくりに聴こえるから非常に不思議です。
全11曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:48分25秒 (本当に素晴らしいアルバムで、曲調のバランスが申し分無し、彼女の音楽に出会えて良かった!)'10年2月22日再更新
2002年度ベスト5


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写真  MAE MOORE / Collected Works 1989-1999
 ・2000 Sony Music Entertainment Canada    (Epic EK 80562)

カナダで活躍するソングライター・・・

彼女のデビューから10周年を記念した作品集で、Sony・Canadaでの作品17曲を纏めたベスト盤となっています。2000年のリリースです。
各曲のレビューは、オリジナル盤でのページも参考に願います。

1曲目"Red Clay Hills"(5:24) '91年のシングル・カットされた曲でフォーキーな曲に彼女の力強いヴォーカルが特徴的です。
2曲目"Down To The Wire"(5:18) アコースティック・ギター1本とホルンとのシンプルな曲です。
3曲目"I'll Watch Over You"(4:15) 彼女の初期の力強いヴォーカルが聴き物です。
4曲目"Where Loneliness Lives"(2:59) ストレートなロックな曲です。
5曲目"Coat Of Shame"(4:15) '93年の作品で、初期の作品よりも非常に垢抜けしたメロディとサウンドになって来ました。
6曲目"Pieces Of Clay"(3:32) アコースティック・ギターの音色に特徴があります。
7曲目"Bohemia(Tim Law Remix)"(4:01) タイトなリズムアレンジとラップになっています。彼女の初期のヒット曲で、閃いてから20分で書き上げたそうです。Tim Law Remixは、ヨーロッパ向けに仕上げられたヴァージョンとなっています。
8曲目"Fall With You"(4:56) 綺麗なギターのリズムの曲です。
9曲目"The Wish"(4:46) フォーキーな曲で今より初々しさの残るヴォーカルです。
10曲目"Disappearing Act"(4:06) アルバム未収録曲で、サイケ調なギターが特徴的です。
11曲目"Because Of Love"(4:45) ミドル・テンポの爽やかなロックです。
12曲目"Kiss Of Love"(4:17) VINCENT・JONES(SARAH McLACHLAN BAND)がジャズ風ピアノで参加しています。
13曲目"Watermark"(3:39) 楽しいリズムです '95年の作品から。
14曲目"Genuine"(5:28) シングル・カットされた曲MAEのラップとギター・ソロが"渋い"曲となっています。
15曲目"Fine"(4:38) ベースのリズムが特徴的な聴きやすい曲です。
16曲目"Love Won't Find Us Here"(3:50) 牧歌的なメロディアスなロックのリズムで、ハモンドの音色が良い響きをもっています。
17曲目"Rockabye @ 21"(5:06) 最近の彼女の作風によるアーバン・ソウルな調べの曲で、彼女の娘さんの21歳の誕生日の為に書かれた曲です。
レコード会社より契約を打ちきられたMAEは、カナダの東海岸にあるプリンス・エドワード島に引越しして生活していましたが、養子縁組によって別れてしまった彼女の娘さんを探す為、捜索の旅にでました。そこで彼女は、交通事故に合い瀕死の重傷を負うのです。その後、無事彼女の娘さんに再会出来た事をこの歌にしています。
全17曲 プロフィール/曲紹介付16ページ物ブックレット 歌詞無し カナダ製 (輸入盤) 収録時間:75分21秒 (多才な彼女は、絵画の方でも活躍しています)'10年2月8日再更新


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写真  MAE MOORE / Folklore
 ・2010 Poetical License    PL 004

再びプロデューサーJOBYと・・・

このアルバムは、カナダで活躍しているS.S.W.MAE・MOOREの '11年2月14日本国でリリースされた8枚目(ご主人でありギタリストのLESTER・QUITZAUとの共同名義盤 '04年の[Oh My!]を含む)のアルバムです。
アルバムの収録時に参加しているミュージシャンは、MAE・MOORE:ヴォーカル/ギター/ダルシマー/ペインティングの他、JOBY・BAKER(COWBOY JUNKIES,JADE):ピアノ/ベース/ドラム/ストリングス/パーカッション/バック・ヴォーカル/プロデュース、RICK・MAY:ベース、MARC・ATKINSON:ギター/マンドリン、DANIEL・LAPPフランペット/マンドリン、SCOTT・SHEERIN:サックスのMAEの音楽仲間達が参加しています。

1曲目"Tom Thomson's Mandolin"(3:57) DANIEL・LAPPのフランペット(トランペットとフリューゲルホーンとの中間に位置すると言われる)の演奏が全編に流れる曲で、イントロ部分などはアコースティックなフォーク調のサウンドを聴かせるのですが、流石JOBYのアレンジと思えるジャジーなサウンドへと聴く者を誘います。
2曲目"Folklore"(3:03) 少し懐かしさを感じさせるサビの部分のコーラスから"にやっ" とさせる軽めのリズムとサウンドの曲です。曲のタイトルだけでは何か難しそうに感じる曲ですが、MAEが「悩んでばかりや待ってばかりいないで、先ずは行動しよう」そのような感じの曲をさらっと歌っています。
3曲目"When Love Is Shattered"(3:39) JOBYとMAEとの2人(多重)だけの演奏による曲で、非常にメロディアスに浮遊感漂うサウンドが素晴らしいです。MAE '00年の[It's A Funny World]の収録曲の延長線にあると言えます。
4曲目"Winter Song"(5:57) MAEとMARCのアコースティック・ギターの爪弾きで心地好く奏でられる曲の登場です。センチメンタルながら落ち着いたサウンドを聴かせるストリングスの調べなど弦楽器の響きが溢れています。
5曲目"Rain Song"(3:46) H.P.のBGMとして流れているアコースティック・サウンドの曲です。SCOTT・SHEERINのクラリネットのサウンドに近いソプラノ・サックスの柔らかく滑らかな調べが印象的です。
6曲目"When Constellations Align"(4:58) この曲もイントロから心地好い響きを聴かせるジャズ・スタイルの曲です。穏やかに歌うMAEの歌声のバックに広がるリズミカルで温かみのあるMARCのギターの調べも非常に心地好さを伝えています。
7曲目"Oh, Canada"(3:10) 今度は、一転して非常にシンプルなサウンドと楽器構成で奏でられる曲です。ダルシマーを抱えながら歌うMAEのカナダ賛歌を暫し楽しみましょう。
8曲目"My One And Only One"(4:06) この曲も[It's A Funny World]のサウンドを引き継いだ洒落た感じが伝わって来る曲です。MAEの少しスモーキーの歌声に寄り添うフランペットとピアノの調べが美しく流れていますね。
9曲目"The Only Cure"(4:58) さてアルバムの最後は、アコースティック・サウンドをたっぷりと聴かせるミドル・テンポの調べの曲です。以前のアルバムでの収録曲"Superstitious" よろしくJOBYが終焉近くにそのソウルフルな歌声を聴かせます。
全9曲歌詞付 12ページ物イラストブックレット 2折紙ジャケット仕様 カナダ製 (輸入盤) 収録時間:37分38秒 (ダウンロード販売では10曲目に"Snowbird" という曲が収録されているのですが、CD盤には割愛されているのが非常に残念です)'11年4月23日更新


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写真  MAIA SHARP / Hardly Glamour
 ・1997 ARK 21 Records    61868 10001 2 9

MAIAのスモーキー・ヴォイス・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍しているS.S.W.MAIA・SHARPの '97年3月に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MAIA・SHARP:ヴォーカル/キーボード/サックス/プロデュースの他、MARK・ADDISON:ギター/ラップ・スティール/ベース/キーボード/バラライカ/ドラム/ドラム・シークエンス/サンプリング/バック・ヴォーカル/プロデュース、RANDY・SHARP:ベース/ギター/マンドリン/バック・ヴォーカル/プロデュース、DARIS・ADKINS:6弦ベース/ギター/ペダル・スティール、JANET・ROBIN:ギター/バック・ヴォーカル、JOSEF・ZIMMERMAN(BRAZZAVILLE):ベース、GREG・LEISZ:ドブロ/ラップ・スティール、JOHN・CHARLES・CROWLEY(PLAYER):ギター、TONY・BRAUNAGEL:ドラム、RON・MANAOG:ドラム、DEREK・ZIMMERMAN:ジャンベ/パーカッション、JOSHUA・SEGAL:ヴァイオリン、PAM・ROSE:バック・ヴォーカルの一部テキサス勢のミュージシャン達も参加しています。

1曲目"I Need This To Be Love"(4:51) マンドリンとギターの音色の合間から聴こえてくるMAIAの特徴的なスモーキー・ヴォイスとバックに広がるアメリカン調のサウンド群による曲です。歌詞の中に登場する街や地方の名前が通り過ぎて行きます。
2曲目"Good Thing"(5:44) 70年代のカリフォルニア・サウンドを色濃く感じさせる曲です。MAIAの渋めの歌声と美しいハーモニーとの調和を楽しめる父RANDY・SHARPとMAIAとの共作による曲です。
3曲目"The Apology"(5:44) ミュージシャンの娘とMAIAと同じ境遇にあるMICHELLE・ WHITEと一緒に書かれた曲です。ハモンドとフレットレス・ベースのサウンドが非常に渋く響くもうこの作品でMAIA節が早くも完成されている2枚目での"Crimes Of The Witness" に通じるところを感じます。
4曲目"Brownstone"(4:01) このアルバムの収録曲は、他の女性ミュージシャンとMAIAとの共作が多く収録されているのですが、この曲もその1つで、南カリフォルニアで活躍しているS.S.W.JANET・ROBINとの共作です。JANETのアコースティック・ギターの爪弾きに合わせて気持ち良く歌うMAIAを感じます。
5曲目"Broken"(4:20) 弾けるように響くJANETのギター・サウンドや爽やかなハーモニーで聴かせるギターの音色が一杯に広がる曲です。JANETは、ギタリストとしても非常にパフォーマンスの高さを感じさせる上手いミューシャンですね。
6曲目"Only Way Of Knowing"(5:11) ここに来てちょっとしっとりと聴かせるバラードの登場です。RANDYとMAIAの共作による非常に味のあるメロディとサウンドを聴かせます。ラップ・スティールやドブロの演奏も収録されていて一歩誤ると非常に土臭いサウンドになるところなのですが、洒落た均整のあるアレンジで渋めに決めているのは流石ですね。
7曲目"Don't Come Around Tonight"(4:36) ギター/プロデュースで参加しているMARK・ADDISONとMAIAと一緒に書かれたアップテンポの曲の登場です。心地好く響くギターのサウンドと美しいハーモニーなどは、やはりカリフォルニアの青空の下のサウンドを感じます。
8曲目"Solitataire"(4:13) パーカッションとギターの細やか刻み音によるラウンジ・ミュージック風の曲です。この曲はどちらかと言うとN.Y.スタイル特にグリニッチ・ヴィレッジのサウンドを強く感じさせるRANDYとの共作です。
9曲目"Wandering Heart"(6:11) アコースティック・ギターの美しい爪弾きと柔らかいベースのサウンドが絡み合いながら流れて来る非常にメロディアスな曲です。父RANDYとMAIAとの2人だけでの収録になっているのですが、複数の楽器を巧みに演奏したオーバーダブにより厚みを増したサウンドを展開させます。この辺りにこの音楽親子の仲の良さや絆を感じさせますね。
10曲目"Virtues Of Madness"(3:33) PLAYERのベーシストJOHN・CHARLES・CROWLEYとMAIAと一緒に書かれた曲で収録にはJOHN・CHARLES・CROWLEY自身も参加しています。ロック"ン" ロールのリズムによる乗りの良さが伝わってきます。多分、MAIAが幼少の頃からJOHNとの家族ぐるみの交友があった関係からMAIAがデビューするので応援に駆け付けた感じもします。
11曲目"Parting Request"(4:31) MAIAのピアノの弾き語りによる曲です。詳細は、不明ですがギタリストのJENIFER・FREEBAIRN-SMITHとMAIAとの共作になっています。
全11曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:52分21秒 (父RANDY・SHARPの強力なバックアップや女性S.S.W.との協力で出来上がったMAIAのデビュー・アルバム、なかなか聴き応えのある1枚となっています)'12年6月7日更新


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写真  MAIA SHARP / Maia Sharp
 ・2002 Concord Records, Inc.    (Victor Entertainment, Inc. VICP62041)

CAROLE・KING,ART・GARFUNKELも絶賛・・・

ロス・アンゼルス出身のS.S.W.MAIA・SHARP '02年のセカンド・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MAIA・SHARP:ギター/キーボード/サックス/ハーモニューム/フルート/ヴィブラフォン/タンバリン/ジャンベ/プロデュース、DAVID・BATTEAU:ギター、RANDY・SHARP(MAIAの父):ギター/ベース/マンドリン/タンバリン/バック・ヴォーカル/プロデュース、ANDY・GEORGE:ギター/ベース/ジャンベ/バック・ヴォーカル、MARK・ADDISON:ギター/ストリングス/ハイハット/プロデュース、DARIS・ADKINS:ギター、MICHAEL・ELIZONDO:ベース、JERRY・JONES:ギター/ベース、JOE・ZIMMERMAN:ベース、JIMMY・EARL:ベース/ループ、ARMAND・SABAL-LECCO:ベース、JANET・ROBIN:ベース、RON・MANAOG:ドラム/パーカッション、CHRIS・RALLES:ドラム/パーカッション/シェイカー、GLENDA・SMITH:トランペット、JOSH・SEGAL:ヴァイオリン/ヴィオラ、MARK・LENNON:バック・ヴォーカル、JONATHA・BROOKE:バック・ヴォーカル、SHARON・BAYS(MAIAの母):トークのMAIAの家族や多くのミュージシャンが参加しています。
プロデュースは、テキサス州オースティンにスタジオを構えるギタリストMARK・ADDISON、RANDY・ SHARPとMAIAの共同で行われています。
尚、掲載の写真は、国内盤のジャケット写真でアメリカ盤とジャケットの写真が相違します。

1曲目"Crimes Of The Witness"(3:15) 歪ませたギターのサウンドに硬いドラムのビートがイントロから流れる渋めのメロディと歌詞を持つ曲です。全編に流れるMAIAのサックスの調べもまた、感じ好いのです。尚、この曲は、父RANDYとMAIAの共作となっています。
2曲目"Willing To Burn"(3:55) ハモンドの調べがクールで、MAIAのややハスキーな歌声が堪能出来るブルース調の曲です。余談なのですが、このハモンドのサウンドは、全然違う場所で活躍しているスウェーデンのCLOUDBERRY JAMのキーボディストHENRIK・SUNDQVISTの楽曲に通じるところが興味深いです。
3曲目"Long Way Home"(4:32) 本当、このアルバムを通して聴くと必ずと言ってこの曲の頭にCDプレイヤーのボタンを合わせています。それほど何度も聴きたくなるMAIAの作詞作曲による女心を切なく歌った鳥肌物のバラードです。
4曲目"Sinners"(4:08) ちょっとこの辺りで曲のサウンドが変わって来たウエスト・コースト調のギター・サウンドの曲の登場です。やはりギターのサウンドが美しい理由は、ギターのANDY・GEORGEとMAIAの共作だからでしょうね。
5曲目"Crooked Crown"(3:53) ロス・アンゼルスのベテランS.S.W.DAVID・BATTEAUとMAIAとの共作でモダン・ジャズを基調にした凝ったメロディとサウンドの曲です。DAVID自身ギターでこの曲の収録に参加もしています。
6曲目"Lightning"(4:23) MAIAのアコースティック・ギターの調べと彼女のヴォーカルを全面に出した曲ですが、仕上げは質素な質感にしています。曲を一緒に書いているのは、前作の収録にも参加していたナッシュヴィルのS.S.W.PAM・ROSEです。
7曲目"One Good Reason"(4:00) アコースティック調の落着いた調べとスローなリズムの曲です。ヴァイオリンとヴィオラの旋律とMAIAのヴォーカルが織り成す切ない響きが伝わって来ます。
尚、曲を一緒に書いているのは、テキサスのS.S.W.SUSAN・ASHTONです。
8曲目"Happiness"(3:36) 曲のタイトル通り明るいギター・サウンドが心を浮き浮きさせる楽曲です。南カリフォルニア出身のS.S.W.JANET・ROBINとMAIAとの共作でJANETは、ベースを演奏しています。
9曲目"Understudies"(3:43) MAIAのヴォーカルにストリングスをあしらった綺麗な曲です。曲を一緒に書いているのは、ナッシュヴィルで活躍しているフォーク・シンガーBUDDY・MONDLOCKです。
10曲目"Your Own Justice"(4:13) MAIAのヴォーカルをウッド・ベースが優しく包み込む曲です。途中よりダイナミックに展開するアレンジやドラムの重いビートで攻めて来るところも本当に渋いのです。バックのヴォーカルは、マサチューセッツで活躍しているS.S.W.JONATHA・BROOKEで彼女の美しいハーモニーも素晴らしいです。
11曲目"You Can't Lose Them All"(3:44) このアルバムで一番先に気に入った曲です。特徴的な音色を聴かせるハーモニウムの演奏は、MAIAです。ギターの間奏もコンパクトに決めて本当音に無駄がありません。
12曲目"Ghosts"(0:53) MAIAが子供の時に父RANDYのギターの伴奏に合わせて歌った1分足らずのテイクです。曲に入る前に母と父との団欒の会話が流れています。
全12曲歌詞/訳詞付 写真ブックレット (国内盤) 収録時間:44分20秒 (CAROLE・KING,ART・GARFUNKELも絶賛のMAIAのアルバム、コンスタントに制作されリリースされています)'10年2月9日再更新
2002年度ベスト5


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写真  MAIA SHARP / Fine Upstanding Citizen
 ・2005 KOCH Records    (Victor Entertainment, Inc. VICP63042)

ベテランBRAD・JONESとMAIA・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルス出身のS.S.W.MAIA・SHARP '05年5月国内でリリースされた3枚目のアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MAIA・SHARP:ヴォーカル/ギター/キーボード/フルート/クラリネット/サックスの他、GREG・MORROW:ドラム、WILL・KIMBROUGH:パーカッション/バック・ヴォーカル、BRAD・JONES:ベース/ギター/ピアノ/ヴィブラフォン/ハーモニューム、JOSEF・ZIMMERMAN:ベース、RANDY・SHARP:ギター/ハーモニカ/バック・ヴォーカル、ANDY・GEORGES:ギター/マンドリン/バンジョー/ハーモニカ/サンプラー、WILL・KIMBROUGH:ギター、DAVID・BATTEAU:ギター、JANET・ROBIN:ギター、MARK・ADDISON:ギター/キーボード/マンドリン/メロディカ/ベース/プロデュース、MICKEY・GRIMM:ドラム/パーカッション、NINA・SINGH:ドラム/パーカッション、RONNIE・MANAOG:ドラム/パーカッション/タンバリン、JILL・SOBULE:バック・ヴォーカル、KIM・RICHEY:バック・ヴォーカル、RICHARD・JULIAN:バック・ヴォーカル、CHRIS・CARMICHAEL:ヴァイオリン、JOSHUA・SEGAL:ヴァイオリン、DAVID・HENRY:チェロの大半がナッシュヴィルとオースティンのミュージシャンが参加しています。
尚、プロデュースは、ナッシュヴィルのベテランBRAD・JONES(SWAN DIVE,BUTTERFLY・BOUCHER)とMAIAになっています。

1曲目"Red Dress"(4:02) イントロから響くアコースティック・ギターの調べとドラム・ロールの期待感を膨らます調べが流れる曲です。MAIAらしいギミックな"サビ"と聴きやすいメロディとサウンドが心地好く響いて来ます。'06年のDARREN・EMBRYとの共同名義のアルバムにもこの曲がアコースティック・バージョンとして収録されています。
2曲目"Something Wild"(3:58) 重く響くドラムのビートとエモーショナルなBRADのギター・サウンドが響く曲です。MAIAのハスキー・ヴォイスのバックに響く渋めのドラムのビートと南部の熱いサウンドが繰り広げられます。
3曲目"A Home"(4:37) DIXIE CHICK '02年のアルバム[Home]の収録用に提供された父RANDYとMAIAの共作による曲です。美しいアコースティック・ギターの爪弾きに乗せたMAIAのスモーキーな歌声とRANDYのバック・ヴォーカルによるハーモニーも心温まる響きが伝わって来ます。
4曲目"The Reminder"(3:56) N.Y.から駆けつけたS.S.W.RICHARD・JULIANの優しい歌声が響くミドル・テンポのAAAフォーマットの曲です。後半からアウトロにかけて伸びやかな歌声を聴かせるMAIAとRICHARDです。
5曲目"Regular Jane"(3:37) 囁くようなギターの調べがゆったと流れる少し牧歌的なサウンドによる曲です。この曲でもバックにベース・ハーモニカ/マンドリン/サンプリングとRANDYが忙しく活躍しています。
6曲目"Flood"(2:30) アコースティック・ギターのコードによる調べとMAIAの篭った歌声が響くフォーク・ロックな曲です。ロス・アンゼルスのギタリストJANET・ROBINとMAIAの共作で、JANETもギターで参加しています。
7曲目"Kinder Blues"(5:06) この曲は、MAIAの擦れた歌声と心地好いリズムの流れが非常に素晴らしい曲ですね。ギター/ピアノのMARK・ADDISONとMAIAの共作となっていますが、作曲時期は古く、MAIAデビュー時の '97年とのこと。
8曲目"Firefly"(3:19) 再びRICHARD・JULIANがバック・ヴォーカルに参加したナンバーです。古いアコースティック・ギターの枯れたサウンドと打ち付けられるように響くドラムのビートが印象的なフォーキー・ポップ。
9曲目"Wisdom"(3:21) ストリングスの調べがしっとりと流れるパートとポップ・ソングのパートを交互に聴かせるアレンジにて収録されたワイド感のある曲です。この曲も書かれた時期は古くデビュー前の '96年となっています。
10曲目"Fall Like Margarite"(2:50) ぱっと聴いて直ぐに耳に残る覚えやすいメロディとサウンドによる3分ポップのような曲です。コンガの心地好いリズムにMAIAのサックス・ソロが響いて来ます。
11曲目"Come Back To Me"(4:09) ストリングスとピアノの調べによるアイリッシュ音楽の影響を感じさせる曲です。前作でも共作したS.S.W.DAVID・BATTEAUとの曲で、彼自身アコースティック・ギターで収録に参加しています。
12曲目"Fine Upstanding Citizen"(2:18) モダーン・ジャズかノスタルジックなサスペンス映画の音楽のイメージを強く感じるこのアルバムでは、少し異質の曲です。N.Y.の個性派ヴァイオリニスト/ラッパー IMANI・COPPOLAと書かれた '98年の作品
13曲目"Crossing Lines(Bonus Track)"(3:36) '02年にリリースされたART・GARFUNKELと共同名義のアルバム[Everything Waits To Be Noticed]に収録されている曲のセルフ・カバーです。フォーキーなアレンジにしたMAIAのアコースティック・ギターの調べにハモンドのサウンドが心地好く響くウエスト・コーストの香りが感じられるポップな調べです。
全13曲歌詞/訳詞付 写真ライナー (国内盤) 収録時間:47分26秒 (ナッシュヴィルにスタジオを設けながら、一切カントリー・ミュージックを扱わない、こだわりのBRAD・JONESとMAIAのこのアルバム、意外と隠れファンがいるかも...)'10年2月9日再更新


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写真  MAIA SHARP WITH DARREN EMBRY /
 Eve And The Red Delicious
 ・2006 CROOKED CROWN RECORDS    CCCD 001

MAIAとDARRENの歌声のハーモニー・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍しているS.S.W.MAIA・SHARPの '06年10月に本国でリリースされた4枚目のアルバム(ベーシストDARREN・EMBRYとの共同名義)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MAIA・SHARP:ヴォーカル/ギター/キーボード/サキソフォン/パーカッション/サンプル/プロデュース、DARREN・EMBRY(JONATHA・BROOKE):ベース/バリトン・ギター/バック・ヴォーカルです。

1曲目"The Edge"(3:03) 軽く爪弾かれるアコースティック・ギターの調べと転がるように歌詞を綴るMAIAの歌声が流れるフォーク調の曲です。間奏でのメロディも心地好く響くMAIAの最近の作らしい小粒ながら親しみやすいメロディです。
2曲目"I Told You"(3:34) ダーク・トーンのリズムの刻みとアコースティック・ギターの響きが流れるシンプルなサウンドの曲です。きりっとしたMAIAの歌声とDARRENの柔らかい歌声とのハーモニーの調和が良いですね。
3曲目"Standing Out In A Crowd"(3:07) アコースティック・ギターの爪弾きによるトラディショナル・フォーク調の曲です。前に出てくるMAIAの歌声に合わせてバックで歌うDARRENの歌声がこの曲でも優しく響いています。尚、このアルバム収録後にMAIAとDARRENは、アコースティック・ライヴを敢行しています。
4曲目"House Of Gold"(3:39) DARRENのベースの調べが決まった曲ですね。枯れた低い目のキーからエモーショナルに歌うMAIAの歌声に合わせたベースの調べがスムーズに流れて来ます。
5曲目"Whole Flat World"(4:09) 少しサウンドをポップな方向に移して来た曲です。アコースティック・ギターを下げて歌うMAIAとベースのDARRENとの息もぴったりな演奏が繰り広げられています。
6曲目"Red Dress"(4:03) '05年のアルバム[Fine Upstanding Citizen]に収録されている曲です。前作のトップに収録されただけあってアコースティック調でありながらキャッチーなメロディとMAIAのスキャットの歌声も明るく響いています。MAIAの曲の中では、比較的古く '01年に書かれています。
7曲目"The Apology"(5:14) '97年のアルバム[Hardly Glamour]に収録されている曲のゴージャスさを増したジャズ/ソウル・ヴァージョンで再収録されています。MAIAの"渋い" 響きのフェンダー・ローズとDARRENのファンクなベースに彼のヴォーカルのバックアップが良いですね。
全7曲歌詞付 ライナー無し 3折デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:26分51秒 (MAIA・SHARP 5枚目の最新盤もリリースされライヴ活動とプロモーションにと忙しくしているようです)'10年2月9日再更新


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写真  MAIA SHARP / Echo
 ・2009 Crooked Crown Records    CCCD 002

MAIAの心地好いスモーキー・ヴォイス・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルで活躍しているS.S.W.MAIA・SHARPの5枚目(ベーシストDARREN・EMBRYとの共同名義盤を含む)のアルバムで、本国にて '09年6月9日にリリースされています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MAIA・SHARP:ヴォーカル/ギター/キーボード/サックス/ハーモニカの他、LINDA・TAYLOR:ギター/マンドリン、MARK・ADDISON:ギター/スライド・ギター/キーボード/バック・ヴォーカル、MARK・GOLDENBERG:ギター、FRANK・SORCI:ギター、DON・WAS:ベース、前作で共同だったDARREN・EMBRY:ベース/バック・ヴォーカル、ドラマー界の重鎮JIM・KELTNER:ドラム、DILLON・O'BRIAN:キーボード/アコーディオン、JAMIE・MUHOBERAC:キーボード、CHARLTON・PETTUS:ギター/キーボード、RANDY・SHARP:ギター、PAM・ROSE:ギター/バック・ヴォーカル、BONNIE・RAITT:ヴォーカル/バック・ヴォーカルのベテラン達が参加しています。 尚、プロデュースは、このアルバムのベーシストでもあるDON・WAS(ELTON・JOHN,GEORGE・HARRISON)が担当しています。

1曲目"Polite Society"(3:49) MAIAのMySpaceなどでアルバムのリリース前から配信されていた軽快なサウンドとリズムのナンバーです。サビの部分をイントロから聴かせるインパクトを与えるアレンジに力強さを感じるギターのサウンド群と硬い目のドラムのビートなどは、少し過去のサウンドと違った印象を受けます。
2曲目"John Q. Lonely"(3:11) イギリスで '10年になってからシングル・カットされているフォーク・ロック調の曲です。ご機嫌なギター・ソロを演奏しているMARK・ADDISONとMAIAとの共作です。
3曲目"Death By Perfection"(3:52) 渋いギターの響きに合わせて歌うMAIAの特長的な少しスモーキーな歌声が魅力的なこのアルバムのリリース前の '08年にシングル曲として紹介されている曲です。ヴォーカルにBONNIE・RAITTが参加している事も本国で話題になっています。
4曲目"You Are Mine"(3:13) めずらしく女性ポップ・ソング路線を意識したキャッチーなサウンドの登場です。ダラス出身でグラミー賞受賞のカントリー・シンガーLIZ・ROSEとMAIAとの共作による作品です。
5曲目"Unbreakable"(3:22) この曲も女性S.S.W.らしい心の内を素直に歌ったポップ調の曲です。この曲もMAIAのデビュー・アルバムから参加しているMARK・ADDISONと一緒に書かれていてマテリアル的には古い未収録作品と思います。
6曲目"Where Do I Begin"(4:27) MAIAのウーリッツァー・ピアノによるメランコリックな弾き語りが悲しげに響く曲です。一緒に曲を書いているCHARLTON・PETTUS(MAYFIELD)とMAIAとのつながりも興味が湧きますね。
7曲目"How I Could Have Loved You"(3:43) 少し篭り気味のスモーキーなMAIAの特徴的な歌声が心地好いギターのサウンドに乗せてそっと届けられるラヴ・ソングの登場です。ギターとバック・ヴォーカルに収録に参加しているナッシュヴィルのヒット曲作家PAM・ROSEとMAIAの共作です。
8曲目"Whole Flat World"(4:22) リズムカルなJIMとドラムのビートと特徴的な和音を響かすアコースティック・ギターのサウンドがご機嫌な乗りを与えてくれる曲です。曲の後半からはジャズ・フレイヴァーなMAIAのサックスのソロの登場と聴きどころ満載ですね。
9曲目"Angel On My Shoulder"(3:14) アコースティック・ギターのサウンドの広がりが美しいフォーク・ロック調の曲です。落ち着いたサウンドの合間に登場する父RANDY・SHARPのギターとMAIAの歌声から2人の和やかな仲の良さを感じさせます。
10曲目"Real Thing"(3:43) サンホゼのS.S.W./プロデューサーFRANK・SORCIとMAIAと共作による曲で、彼自身による複数のギターの演奏が収録されています。逞しく歌うMAIAの歌声とFRANKのベテランらしい演奏も頼もしく感じます。
11曲目"Why Do You Want To Know"(3:24) 今度は、カントリー・ポップ調のリズムとサウンドによるアメリカンな曲の登場です。先に紹介したナッシュヴィルのPAM・ROSEとの共作による曲で、PAMの美しいアコースティック・ギターのサウンドと素晴らしいバック・ヴォーカルによるハーモニーも流れて来ます。
12曲目"The Girl On Her Way"(4:15) アルバムの最後の曲は、古びたアップライト・ピアノの調べによるMAIAのシンプルな弾き語りです。1人の女性の生きざまを描いた歌詞を綴った内容を淡々と歌うMAIAは、多分MAIA自身の事を描いていると思います。
全12曲歌詞付 ライナー無し 4折デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:44分40秒 (もう何年も前にMAIAのセルフ・タイトル曲のアルバムに出会ってから彼女の洒落た音楽とそのスモーキーな歌声に聴き入っています)'10年10月30日再更新


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写真  MAIA SHARP / Change The Ending
 ・2012 Blix Street Records    G2-10105

仲良し音楽仲間の集い・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍しているS.S.W.MAIA・SHARPの6枚目(ベーシストDARREN・EMBRYとの共同名義盤を含む)のアルバムで、本国にて '12年8月28日にCD盤としてリリースされています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MAIA・SHARP:ヴォーカル/ギター/キーボード/サックス/パーカッション/ハーモニカの他、LINDA・TAYLOR:ギター/マンドリン/プログラミング、DAVID・J.CARPENTER:ベース、ADRIANNE・GONZALEZ(THE RESCUES):キーボード/バック・ヴォーカル、ED・ROTH:ピアノ、DILLON・O'BRIAN:オルガン、BOOTS・OTTESTAD:ベース/ギター/ループ/バック・ヴォーカル、DAVID・BATTEAU: ギター・シンセサイザー、MATT・CHAMBERLAIN:ドラム、DAVE・HOPPER:ドラム/パーカッション、MATHEAS・LUPE':ドラム、JIMMY・EARL:ベース/ループ、VANESSA・FREEBAIRN-SMITH:チェロ、GLENDA・SMITH:トランペット、MARTHA・CATLIN:トロンボーン、BONNIE・RAITT:バック・ヴォーカル、GARRISON・STARR:バック・ヴォーカル、DAWN・THOMAS:バック・ヴォーカルのMAIAの友人達も多く参加しています。

1曲目"Me After You"(3:33) このアルバムからのシングル・カット曲で、ギターのLINDA・TAYLORとMAIAとの2人だけでツアーにて各地で演奏されているキャッチーな曲です。
2曲目"The Middle"(3:44) イントロから聴き入らす曲の登場です。揺らぎを持ったLINDAのギターのサウンドに合わせて歌うMAIAの切ない歌声が響きます。男性ヴォーカリストのような歌声がバックに囁くように渋く流れているのですが、クレジットでは、ヴォーカルはMAIA1人となっているは驚きです。
3曲目"Buy My Love"(3:27) ゆったりと奏でられるギターの調べとピアノの響きが心地好い曲です。バックに響くMAIAの凝った多重でのハーモニーが美しくまた、LINDAのギター・センスが非常に素晴らしいですね。
4曲目"I See Cecelia"(4:10) レトロ調のホーンのサウンドなどSTEELY DANライクな曲調を感じさせる曲です。尚、この曲は、今回演奏に参加せずミキシングを担当しているMAIAの父RANDYとMAIAの共作となっています。
5曲目"Standing Out In A Crowd"(3:14) 揺らぎを感じさせるギターのサウンドに合わせてゆったり歌うMAIAの歌声が心地好い曲です。バック・ヴォーカルには、本国でも人気のある女性S.S.W.GARRISON・STARRが参加し、このアルバムのリリース後も一緒にツアー回っているようです。
6曲目"Rising"(4:14) アコースティック・ギターの美しい弦の響きとメランコリックな調べを聴かせるチェロの調べとがコラボする落着いた調べの曲です。バック・ヴォーカルにBONNIE・RAITTが登場しています。尚、曲の方は、前作にも参加していたS.S.W.PAM・ROSEと別の曲もMAIAと一緒に曲を書いているS.S.W.SARAH・SISKINDとの共作になっています。
7曲目">Change The Ending"(3:20) MAIAの曲の中ではめずらしくアップテンポで荒削りなところを持った曲です。作曲を一緒にしているBOOTS・OTTESTAD(N.Y.からロス・アンゼルスへ引越しています)の躍動的なベースのサウンドが非常に印象的です。
8曲目"Sober"(5:07) 個性派女性S.S.W.ADRIANNE・GONZALEZと一緒に書かれたスローなリズムの曲です。ADRIANNE自身もバック・ヴォーカルとして収録に参加していて、先に記したGARRISON・STARRと一緒にツアーに出て、お互いの曲の演奏とバック・ヴォーカルを務めています。
9曲目"Your Stepping Stone"(3:41) アコースティック・ギター1本の爪弾きに合わせて渋く歌うMAIAの歌声が広がる前半から次第に楽器を加えて行く様が素晴らしい乗りの良い曲です。LINDAと2人だけのツアーでもこのような感じの曲は、観客の乗りは良いでしょうね。
10曲目"The Bed I Made"(4:48) MAIAの2枚目のアルバムでも一緒に曲を書いていた同郷ロス・アンゼルスのベテランS.S.W.DAVID・BATTEAUとMAIAの共作となっている曲で、DAVID自身がギター・シンセザイザーで収録にも参加しています。DAVID自身でリリースしたアルバムは、そう多くないのですが、多くのミュージシャンに曲を提供しているDAVIDの書く曲は、すばらしいものが多いです。
11曲目"Buy My Love(Remix)"(4:01) 1曲目の曲のジャズ・スタイルとしたインストゥルメンタルです。MAIAのサックス・ソロに他のホーンを加えたアンサンブルにとなってまた違った楽しみ方が出来ます。
10曲歌詞付 写真ライナー 2折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:43分22秒 (アルバムの最後の曲のクレジットには、演奏者全てにあだ名が加えられ、見ているこちら側にも何だか暖かい雰囲気が伝わってきます)'13年5月18日更新


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写真  MARC BENNO / Marc Benno
 ・1970 A&M Records, Inc.    SP 4273

MARCの心温まる歌声と・・・

このアルバムは、テキサス州ダラス出身ブルース系S.S.W.MARC・BENNOの '70年に本国でリリースされたデビュー・アルバム('68 年のLEON・RUSSELLとの共同名義は含まない)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARC・BENNO:ヴォーカル/ギター/ピアノの他、BOOKER・T.JONES:キーボード、RY・COODER:ボトルネック・ギター、GERRY・McGEE(THE VENTURES):ギター/ドブロ、JERRY・SCHEFF:ベース、JIM・HORN:サックス/フルート、JIMMY・KARSTEIN:ドラム、SANDY・KONIKOFF:ハムボーン、RITA・COOLIDGE:バック・ヴォーカル、PRISCILLA・COOLIDGE:バック・ヴォーカルの有名人達です。 尚、プロデュースは、DAVID・ANDERLE(JUDY・COLLINS,RITA・COOLIDGE)が担当しています。

1曲目"Good Year"(3:00) ブルース・コードにより軽快なリズムとサウンドを聴かせるアルバムの取掛りの曲です。バックに流れるホーンの調べやシンプルなウォーム・トーンによるギターのサウンドが流れるまっすぐな感じの南部の音楽です。
2曲目"Try It Just Once"(3:04) ハイハットのビートがクールなこの曲も軽めな乗りを感じさせるブルースの曲です。ブルー・ノート・スケールを繰り出すギターの調べとMARCの穏やかな歌声が妙にマッチした渋めのサウンドです。
3曲目"I'm Alone I'm Afraid"(4:14) 強めのタッチにて奏でられるピアノの荒い調べとこれまたブルー・ノート・スケールを巧みに弾きこなすギターのサウンドによるブルースです。ピアノの調べ越しに聴くMARCの歌声は、ちょっぴりBILLY・JOEL似に聴こえるから不思議ですね。
4曲目"Two Day Love Affair"(2:47) メンフィス調の華やかなホーンのサウンド、細かく奏でられるハモンドのサウンドに続いて登場する女性バック・コーラスが流れる豪華なサウンドの曲です。この乗りを感じさせてくれるサウンドなどは、やっぱりアルバムの収録に参加しているBOOKER・T.JONESと共通性のあるメンフィス・サウンドですね。
5曲目"Second Story Window"(4:19) MARCのギターの弾き語りから入る曲で、シンプルながら次第にピアノ、ドラム、ハモンドのサウンドが、MARCの優しいながらも切ない歌声に付いて行くところが堪らない曲です。
尚、この曲はアルバム・リリース当時にシングル・カットもされているMARCの初期の代表曲の一つです。
6曲目"Teach It To The Children"(3:15) 再びギターのサウンドを目一杯きかせるブルースの曲です。少しゆったりとしたロカビリー調のリズムと独特のギターの爪弾きからスワンプの調べが感じられます。
7曲目"Family Full Of Soul"(2:56) MARCの初期の代表曲のもう一つは、やはりこの曲ではないでしょうか。多分、このアルバムを当時から聴いているMARCのコアなファンやライヴに出向くオーディエンス御用達の曲でしょう。「お金も食べ物も無いけど、歌っていると楽しいからと...」このような楽観的なMARCの歌詞と彼の心温まる歌声に絡むバックのCOOLIDGE姉妹の声との風合いが非常に心地好いのです。
8曲目"Hard Road"(3:38) ドブロ・ギターやボトルネック・ギターで聴かせるスワンプ・ロックそのものと言った曲の登場です。MARCと交流のあったERIC・CLAPTONやSTEVIE・RAY・VAUGHANなども影響された南部の音楽のルーツを感じさせるサウンドですね。
9曲目"Nice Feelin"(5:50) この曲ではMARCはピアノを演奏しているように思える彼の弾き語りです。アルバムも2枚ほど一緒に出したLEON・RUSSELLと感じが良く似たスタイルです。 高域で少し裏返るMARCの特長的な歌声もこの曲で登場しています。
歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:33分03秒 (日本のスワンプ・ロック・ファンに絶大な人気を誇るこのMARC・BENNO(CD化は日本のみ)、'07年には日本でのライヴ盤もリリースされています。追:ジャケットの写真も当時のアルバムの色を忠実に再現してみました)'11年1月10日更新
1970年度ベスト5


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写真  MARC BENNO / Minnows
 ・1971 A&M Records, Inc.
 ・1995 A&M Records, Inc.    POCM-2034

のんびりしたいならMARCを聴こう・・・

このアルバムは、テキサス州ダラス出身ブルース系S.S.W.MARC・BENNOの '71年に本国でリリースされた2枚目のアルバム('68 年と'71年のLEON・RUSSELLとの共同名義は含まない)です。
尚、今回レビューするアルバムは、'95年9月1日に国内でCD化(2度目)された物を参考に書いています。アルバムのタイトルの[Minnows]とは「ミノーズ:ヒメハヤ/雑魚」と言う意味で国内盤の邦題も「雑魚」と付けられています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARC・BENN:ヴォーカル/ギター/ピアノ/オルガンの他、CLARENCE・WHITE(THE BYRDS):ギター、Guitar ? BOBBY・WOMACK:ギター、JERRY・McGEE(THE VENTURES):ギター、JESSE・ED・DAVIS:ギター/スライド・ギター、CHUCK・DOMANICO:ウッド・ベース、CARL・RADLE:ベース、JERRY・SCHEFF:ベース、GARY・ILLINGWORTH:ピアノ/オルガン、JIM・KELTNER:ドラム、NICK・DeCARO:アコーディオン、CLYDIE・KING:バック・ヴォーカル、RITA・COOLIDGE:バック・ヴォーカル、VENETTA・FIELDS:バック・ヴォーカルの有名、ミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、前作同様DAVID・ANDERLE(JUDY・COLLINS,AMY・GRANT)が担当しています。

1曲目"Franny"(2:58) 緩めに響くアコースティック・ギターの弦の響きに合わせてMARCがこれまた緩い歌声を聴かせる曲です。CLYDIE、RITAとVENETTAの歌声がMARCの歌声に追いかけるようにひろがっていますね。
2曲目"Put A Little Love In My Soul"(2:53) どこと無く黒光りしたように響くベースの調べとバックの女性ヴォーカル隊がご機嫌な乗りを伝える曲です。サウンドに何の仕掛けもないメンフィスR&Bをご堪能あれ。
3曲目"Stone Cottage"(4:48) JESSE・ED・DAVISがスライド・ギターを奏でるブルースの登場です。ここでのMARCの歌声は、Lo-Hiにしたノイズ混じりの歌声を気だるく歌うのです。
4曲目"Speak Your Mind"(4:55) この曲も長閑なサウンドを聴かせる曲です。緩いMARCの歌声が揺らぎを持ったバック・ヴォーカルに包まれて「さあ皆で歌おうよ!」って感じかな?
5曲目"Back Down Home"(4:41) 南部スワンプ・ロックの香りがプンプンする曲です。バックの女性ヴォーカル隊を引き連れて多分、MARCがピアノを弾きながら狭い酒屋で歌っているような感じかな?
6曲目"Good Times"(2:46) 古いアコースティック・ギターの調べとオルガンによるゴスペル・ソングのように感じる曲です。「辛い時があったけどそれにも感謝!何事、誰にも感謝!」って歌っています。
7曲目"Baby I Love You"(3:05) ブルース・コード全開のこの曲は、MARCがギター・ソロを弾いているのでしょうか。ワウワウを使ってサイケデリック感を伝える70年代の懐かしいサウンドですね。
8曲目"Baby I Like You"(6:34) 前の曲とセットになった曲名の曲ですね。ここでも"コテコテ"ブルースの演奏です。この曲雰囲気などアルバムを一緒に作って来たLEON・RUSSELLのアルバムにも雰囲気が似ていますね。
9曲目"Before I Go"(4:47) 今度は、曲調を変えて来たメランコリックな調べの曲です。CHUCK・DOMANICOの哀愁漂うベースの調べとCLYDIE、RITAとVENETTAの歌声が更に哀愁を漂わせながら響きます。
10曲目"Don't Let The Sun Go Down"(2:57) アルバムの最後は、スローなブルースです。オルガンの音色と歩みよるように響くベースの調べが心地好いです。時折スキャットを混ぜて歌うMARCもこのメロディとサウンドにご機嫌そうです。
全10曲歌詞/訳詞付 イラストライナー '95年CD盤 (国内盤) 収録時間:40分28秒 (前作でのレビューにも書いたのですが、70年代のMARCの作品をCD化しているのは、日本だけ。更にレビューを書く為に調べたらSHM-CDまでリリースされていて驚きです!)'24年1月31日更新


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写真  MARC JORDAN / Mannequin
 ・1978 Warner Bros. Records Inc.    BSK 3143
 ・2010 Vivid Sound Co.    VSCD-3507

Blue Desertを想像してはいけません・・・

このアルバムは、N.Y.生まれカナダ出身のMARC・JORDANのデビュー・アルバムで '78年に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARC・JORDAN:ヴォーカルの他、STEVE・LUKATHER:ギター、DEAN・PARKS:ギター、LARRY・CARLTON:ギター、CHUCK・RAINEY:ベース、JIM・HUGHART:ベース、JAI・WINDING:ピアノ、DONALD・FAGEN:ピアノ、PAUL・GRIFFIN:ピアノ、DAVID・FOSTER:ピアノ、DAVID・PAICH:ピアノ、JAMES・NEWTON・HOWARD:ピアノ、JOHN・CAPEK:ピアノ、 JEFF・PORCARO:ドラム、HARVEY・MASON:ドラム、LENNY・CASTRO:パーカッション、ROBERT・GREENIDGE:パーカッション、TOM・SCOTT:テナー・サックス、RON・HOLLOWAY:テナー・サックス、CLYDIE・KING:バック・ヴォーカル、BRENDA・RUSSELL:バック・ヴォーカル、TIMOTHY・B.SCHMIT:バック・ヴォーカル、JOHN・DAVID・SOUTHER:バック・ヴォーカル、BIBLICAL GOSPEL SINGERS:バック・ヴォーカルの有名ミュージシャン達が参加しています。尚、プロデュースは、こちらもSTEELY DANのアルバムで有名なGARY・KATZが担当しています。

1曲目"Survival"(3:45) 細かく奏でられるギターのカッティングとブンブンと鳴るCHUCK・RAINEYのベースのサウンドがご機嫌な曲です。女性ヴォーカル隊を引き連れてこれまたご機嫌そうに聴こえるMARCの歌声です。間奏の滑らかなギターの響きを聴かせているのはLARRYかな。
2曲目"Jungle Choir"(3:03) 若干トロピカルな雰囲気を伝えて来る軽めのリズムの曲です。パーカッションのビートやバック・ヴォーカルのハーモニーの重なりなどSTEELY DANライクなところを感じます。
3曲目"Mystery Man"(4:10) アコースティック・ギターのシンプルな調べによるS.S.W.らしい自らが書いた曲を歌うMARCの姿勢を感じる曲です。次第に女性バック・ヴォーカル隊とSTEVEと思える巧みなギターの演奏がMARCを包みます。
4曲目"Marina Del Ray"(3:14) この曲もトロピカルな雰囲気を伝える曲です。スティール・ドラムのあの独特の涼し気な音色が広がっています。尚、曲名の"Marina Del Ra(e)y" は、ロス・アンゼルスの西に位置する高級リゾート地です。MARCもそこでの体験を歌詞に綴っています。余談ですが、私も23歳の時、 同地へ訪れ夜の波打ち際で夜光虫が光る幻想的な出来事を体験しました(脱線失礼!)
5曲目"Red Desert"(4:53) モータウン・サウンドのバラッドの香りのするスローな曲です。アメリカでの旅の想い出を歌詞に綴った内容です。
6曲目"Street Life"(4:30) CHUCK・RAINEYのスラップ・ベースの跳ねるサウンドとゴスペル・コーラスによる軽めのダンス・ミュージックです。MARCの歌声に応えるようにTOM・SCOTTのサックスの音色が追いかけます。
7曲目"Dancing On The Boardwalk"(3:59) 今度は、しっとりとしたリズムとサウンドによる曲です。ここでも溜めを取った歌いぶりと早口で歌詞を捲し立てように歌うMARCの歌声(マーク節?) とバックの演奏によるスイング感が心地好いですね。
8曲目"Only Fools"(3:54) この曲からは、次のアルバムに繋がるご機嫌なサウンド洒落たアレンジを感じます。LARRYのクネクネとしたギターのリフが曲の終わりまで流れています。
9曲目"On Step Ahead Of The Blues"(3:01) 電子ピアノのクールな調べと滑らかなに饒舌に歌うMARCがその歌声を聴かせる曲です。JIM・HUGHARTのウッド・ベースも渋い演奏でMARCをサポートしますね。
10曲目"Lost Because You Can't Be Found"(2:45) この曲は、70年代カリフォルニアのバンドの曲のような感じがしますね。少しサイケデリックでコーラスが上手なバンド風で伝わるかな? このクリアなギター・サウンドは、DEANかも知れない。
・全10曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:36分32秒
・全10曲歌詞付 折り畳み歌詞カード 2010年紙ジャケット限定 SHM-CD盤 (国内盤) 収録時間:37分19秒(Blue Desertから入った私は、このファースト・アルバムも期待して買ったのですが、余り聴き込んでいませんでしたね。これを機にこのアルバムを再認識したいと思います!)'24年1月28日更新


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写真  MARC JORDAN / Blue Desert
 ・1979 Warner Bros. Records Inc.    BSK 3362
 ・2010 Vivid Sound Co.    VSCD-3508

A.O.R.が面白かった時代です・・・

このアルバムは、N.Y.生まれカナダ出身のS.S.W.MARC・JORDANの '79年に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
このアルバム制作を待っていたMARCは、前作[Mannequin]のプロデューサーだったGARY・KATZが、STEELY DANのアルバムで多忙だった為、[Mannequin]でのリハーサルで知り合ったギタリストJAY・GRAYDONがプロデュースしたSTEVE・KIPNERの[Knock The Walls Down]でのJAYの仕事をMARCが非常に気に入っていた為、JAY・GRAYDONがこのアルバムのプロデュースを担当しました。
余談ですが、当時の輸入LP盤[Mannequin]のライナーには、JAY・GRAYDONの演奏が最終的に収録されなかったのでしょうか、JAYの名前は記載されていません。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARC・JORDAN:ヴォーカルの他、JAY・GRAYDON:ギター/ベース・シンセサイザー/プロデュース、RAY・PARKER, JR.:ギター、DEAN・PARKS:ギター、MICHAEL・OMARTIAN:キーボード/オーバーハイム・シンセサイザー/シンセサイザー・プログラミング、STEVE・LUKATHER:ギター、GREG・MATHIESON:オルガン/ベース・シンセサイザー、DAVE・McMORROW(Ex.ROUGH TRADE):フェンダー・ローズ、STEVE・PORCARO:シンセサイザー・プログラミング、ABRAHAM・LABORIEL:ベース、JEFF・PORCARO:ドラム、JIM・KELTNER:ドラム、RALPH・HUMPHREYS:ドラム、ERNIE・WATTS:サックス、PETE・CHRISTLIEB:サックス、CHUCK・FINDLEY:フリューゲルホーン/ホーン、BAZZ RAMAR & THE SWINGING STRINGS:ストリングス・シンセサイザー、BEN・BENAY(RHYTHM HERITAGE):ブルース・ハープ、CARMEN・TWILLIE:バック・ヴォーカル、VENETTE・GLOUD:バック・ヴォーカル、MARCY・LEVY :バック・ヴォーカル、BILL・CHAMPLIN:バック・ヴォーカル、TOM・KELLY:バック・ヴォーカル、BOBBY・KIMBALL:バック・ヴォーカルと豪華陣です。

1曲目"Generalities"(4:27) 間奏で流れるERNIE・WATTSのサックス・ソロがご機嫌なソフトなサウンドの曲です。後半から次第にトーンを上げて来るJAYのギターと半音ずつ下げる美しいハーモニーを聴かせるMARCの歌声など非常に心地好いですね。
2曲目"I'm A Camera"(3:50) 純度の高い金属を叩いた時に響くような非常に美しいサウンドを聴かせるMICHAEL・OMARTIANのオーバーハイムの演奏でしょうか、こぼれ落ちるような響きが印象的ですね。MARCの優しい歌声のバックから突如として前に出てくるVENETTE・GLOUDのこれほどエモーショナルな歌声は、他のアルバムでは聴けないのではないでしょうか。当然、JAYのギターの演奏も今更、私の説明を必要としないくらい「素晴らしい」のー言です。
尚、この曲が好きな人は、この曲が終わってからも頭の中にMARCの「I'm a camera,I've got your photograph...」がリフレインとなって流れ続けるでしょう。
3曲目"Twilight"(3:43) この曲の2分を超えた所に収録されているJAYのギター・ソロとその後、転調させるアレンジが非常に素晴らしいと当時から思わせた曲です。この曲を聴き終えた後には、すっかり心を洗われたような感じになります。
4曲目"From Nowhere To This Town"(3:36) イントロの躍動感は、このアルバムの翌年にリリースされたAIRPLAYでの収録曲"She Waits For Me" と共通した乗りの良いリズムが感じます。ロック"ン" ロールのリズム乗せてMARCが非常に楽しんで歌っているに感じがこちらにも伝わって来ますね。
5曲目"Beautiful People"(4:30) この曲もERNIE・WATTSがその滑らかなサックスの調べを堪能させてくれる曲です。イントロからスパニッシュ・ギターに持ち替えたJAYがキラっと光るその素晴らしい演奏を聴かせるところもご機嫌です。MARCとバック・ヴォーカル隊BILL、CARMEN、VENETTEとの掛け合いの感じ良いですね。
6曲目"Lost In The Hurrah"(5:24) イントロのMICHAEL・OMARTIANのキーボード/シンセサイザーのサウンドから参ってしました曲です。DEAN・PARKSのギターの刻み音の心地好さに乗せERNIEに替ってCHUCK・FINDLEYがフリューゲルホーンの美しい調べを響かせるのです。また、2分を過ぎたところのBILLの「Watching the horizon slip away」と歌う歌声も素晴らしい。尚、この曲の歌詞の一節にアルバム・タイトルの「Blue Desert」が登場しています。
7曲目"Release Yourself"(4:17) メロディアス・ロックのサウンドとリズムにファンキーなテイストを加えた軽い乗りを伝えてくれる曲の登場です。JAYの隙間なく弾きまくるギター・フレーズの数々の流れをぬってシャウトしながら歌うMARCです。
8曲目"Tattooed Lady"(3:48) 当時このアルバムからシングル・カットされた曲で、B面は"I'm A Camera"(こっちがA面でも良いと思うのですが) となっています。ABRAHAM・LABORIELの弾けるようなファンクなベースのサウンドがとにかく最高ですね。
9曲目"Exile"(4:33) イントロからBILLの歌声がエモーショナルに響くゴスペル調の曲の登場です。厳かに響くハモンドのサウンドに乗せMARCがその素晴らしい歌声を聴かせるのです。また、間奏で登場するBEN・BENAYのMARCに負け時とそのエモーショナルなブルース・ハープの演奏も聴かせるのです。
・全9曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:37分39秒
・全9曲歌詞付 折り畳み歌詞カード 2010年紙ジャケット限定 SHM-CD盤 (国内盤) 収録時間:38分13秒 (今から30年以上の前のMARCのこのアルバム、私にとってA.O.R.が一番良くて面白かった時代ではないでしょうか...)'10年12月30日再更新
1979年度ベスト5


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写真  MARC JORDAN / Live At El Mocambo + 1
 ・2008 Vivid Sound Co.    VSCD-3362

もともとはラジオ放送用として・・・

このアルバムは、N.Y.生まれカナダ出身のS.S.W.MARC・JORDANの '80年4月11日にトロントのライヴハウスEl Mocamboで行われたライヴを収録したMARCの3枚目のアルバムで、'08年2月20日に国内初CD化によるボーナス・トラック1曲を追加してのリリースです。
ライヴでのミュージシャンは、MARC・JORDAN:ヴォーカル/ギターの他、PETER・MUELLER:ギター、MICHAEL・FARQUHARSON:ベース、DAVE・McMORROW:キーボード、RICK・GRATTAN:ドラム、JOHN・JOHNSON:サックス、SHARON-LEE・WILLIAMS:バック・ヴォーカル、COLINA・PHILLIPS:バック・ヴォーカルのカナダのミュージシャンが参加しています。
尚、プロデュースは、カナダのKEITH・WHITING(FM,)とMARC自身が行っています。

1曲目"Secrets"(5:08) ライヴ盤としてはめずらしく当時にシングル・カットされている曲で、MARCのスタジオ収録アルバムでは未収録となっています。前作[Blue Desert]での収録曲と共通する軽快なサウンドを聴かせます。曲の終焉まで弾きまくるPETER・MUELLERのご機嫌なギターのサウンドが圧巻ですね。
2曲目"I'm A Camera"(4:11) 先に記した[Blue Desert]のアルバムの収録にも参加しているDAVE・McMORROW(Ex.ROUGH TRADE)のキーボードのサウンドがイントロから広がる曲です。ライヴならではのアドリヴによるMARCの歌い方やPETER・MUELLERの少しJAY・GRAYDONを意識させるギター・ワークや女性バック・ヴォーカルとの息もぴったりです。
3曲目"Potential And Air"(4:06) この曲もMARCのスタジオ収録アルバムでは未収録となっています。ギターのサウンドを全編に流したロック色の強い曲で、やはりライヴ受けす乗りの良さを感じさせます。
4曲目"New York New York"(3:18) プログレ/フュージョン・ミュージック系の幻想的なサウンドがイントロから広がる曲で、次第にファンクなリズムとソウル・フィーリング溢れるサウンドを展開させます。女性バック・ヴォーカルが観客に乗るように促す掛け合いなどが収録されているところもライヴ盤の醍醐味ですね。
尚、この曲もライヴ曲としてはめずらしくシングル・カットされカナダでチャートインまでしている曲です。
5曲目"You're Not Greater Than God"(3:54) JOHN・JOHNSONのサックスの調べが印象的な洒落たパワフルさを感じさせるご機嫌な曲です。この曲に聴き入っていると本当ライヴ盤?と思うくらい本当サウンドも内容もクオリィティーの高さを強く感じます。この曲もスタジオ収録されていないもようです。
6曲目"Satin Dolls"(5:22) 観客の拍手が静まったところから流れ始めるキーボードの美しいサウンドが非常に印象的なミドル・テンポのバラードです。この曲では、少しBILLY・JOEL似の歌声を聴かせるMARCです。この曲もスタジオ収録されていないもようです。
7曲目"Survival"(4:22) デビュー・アルバム[Mannequin]の1曲目に収録されている曲で、アップテンポのリズムによる乗り良い曲です。40秒近くあるイントロを通して気持ち良く歌い始めるMARCと女性バック・ヴォーカルです。歪ませたギターのサウンドをソロで聴かせるPETER・MUELLERの演奏も素晴らしいです。
8曲目"Lost In The Hurrah"(5:18) [Blue Desert]の中で1、2位を争うくらい好きな曲です。やはりスタジオ収録でも参加していたDAVE・McMORROWのキーボードの演奏がこのライヴに大きく貢献しているのをこの曲から感じます。
9曲目"From Nowhere To This Town"(4:07) 前作[Blue Desert]に収録されているロック"ン" ロールのリズムによるライヴでは多分、ストレートでご機嫌な乗りを感じさせる曲ではないでしょうか。後半の演奏の途中で「お休み!」とステージを後にするようなMARCのファンへの挨拶が収録されています。
10曲目"Tattooed Lady"(6:08) スタジオ収録より少しテンポを上げたレゲエ風のリズムと前半ではMARCのスポーケンによるアレンジとなっています。MARCの特長的な鼻に掛かったような歌声とバックの演奏の力強さを感じます。曲の終わりにはMARCよりバックのメンバー紹介と各人の演奏への謝辞が述べられています。
全10曲歌詞付 写真ライナー (国内盤) 収録時間:46分19秒 (ライナーによるとカナダのラジオ放送用に収録されたMARCのライヴ音源だったのですが、非常に好評だった為、当時アルバムとしてリリースされました) '11年1月22日更新


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写真  MARC JORDAN / A Hole In The Wall
 ・1983 Sound Design Records Inc.    1342-8(28SD)

最近のMARCのアルバムではこのような曲はもう・・・

このアルバムは、N.Y.生まれカナダ出身のMARC・JORDANの名作[Blue Desert] から4年ぶりの通算4枚目(カナダでのライヴ盤を含む)のアルバムで、オリジナル盤のリリースは、'83年となっています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARC・JORDAN:ヴォーカル/キーボード/シンセサイザーの他、MICHAEL・LANDAU:ギター、JAY・GRAYDON:ギター、STEVE・LUKATHER:ギター、ROBBEN・FORD:ギター、MIKE・PORCARO:ベース、NEIL・STUBENHAUS:ベース、ROBBIE・BUCHANAN:キーボード/シンセサイザー、MICHAEL・BODDICKER:キーボード/シンセサイザー/アコーディオン、DAVID・FOSTER:シンセサイザー、IAN・UNDERWOOD:シンセサイザー、MIKE・BAIRD:ドラム、LENNY・CASTRO:パーカッション、DAVID・BORLIFF:サックス、ERNIE・WATTS:サックス、JERRY・HEY:ホーン・アレンジ、RICHARD・PAGE:バック・ヴォーカル、STEVE・GEORGE:バック・ヴォーカルの本当、日本人好みのミュージシャン達です。
尚、プロデュースは、MARC自身とEARTH,WIND & FIREのアルバムの1部を手掛けたDON・MURRYと共同となっています。

1曲目"Slipping Away"(4:20) 作曲は、STEVE・KIPNER、ギターにMICHAEL・LANDAUとSTEVE・LUKATHERが参加しています。華やかなギター合戦が繰り広げられています。
2曲目"Margarita"(4:05) MARCの作詞/作曲ですが、PAGESの雰囲気のする曲です。バック・コーラスにRICHARD・PAGEとSTEVE・GEORGEが参加しているので思わず納得。
3曲目"She Used To Be My World"(4:23) イントロから流れるROBBIE・BUCHANANのピアノの調べが非常に美しいバラードです。アメリカの各地を一緒に巡った恋人との想い出を歌詞に綴っています。
4曲目"A Hole In The Wall"(4:04) DAVID・FOSTERとの共作です。めずらしくROBBEN・FORDがギターで参加しています。もう1人のギタリストは、STEVE・LUKATHERです。
5曲目"Where Did We Go Wrong"(3:32) イントロでのMICHAELのギター・フレーズが面白く美しい楽曲となっています。
6曲目"It's Only Love"(4:49) 涙物の美しいバラードです。作曲は、DAVID・FOSTERです。
7曲目"Love Like A Wheel"(3:29) アップテンポなリズムにMARCのヴォーカルとMICHAELとSTEVEのギター・ソロが聴き物です。最近のMARCのアルバムでは、このようなメロディアス・ロックな感じの曲は、もう聴けないのが残念。
8曲目"Thieves"(4:17) しみじみと聴き入る曲で少し悲しみのあるメロディです。MARCとバック・ヴォーカルのRICHARDとSTEVEのヴォーカルが美しい。ROBBIE・BUCHANAN(Ex.MAXUS),MICHAEL・BODDICKER,MARC・JORDAN総勢3名のシンセとキーボードが圧巻です。
9曲目"Dance With Me"(4:15) 落着いた雰囲気のする曲で、何処かトロピカルな雰囲気がします。ORLEANSの '75年ヒット曲と同名ですね。
10曲目"Hold On"(3:07) 作曲は、JAY・GRAYDONです。彼自身ギターで参加し、曲の感じは"モロ" AIRPLAYです。
全10曲歌詞付 LP盤 (国内盤) 収録時間:40分31秒 (このアルバムがリリースされた当時のMARC、本国カナダ/アメリカより日本の方が物凄く人気がありこのアルバムも日本企画にてロス・アンゼルスのヤマハのR&Dスタジオにて収録されています)'10年2月8日再更新


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写真  MARC JORDAN / Talking Through Pictures
 ・1987 BMG MUSIC    5907-1-R
 ・1988 BMG VICTOR INC.    R32P-1135

初来日記念としてアップ・・・

このアルバムは、N.Y.生まれカナダ出身のS.S.W.MARC・JORDANの '87年(国内でのCD盤は '88年1月21日)に本国でリリースされた5枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARC・JORDAN:ヴォーカル/キーボードの他、TREVOR・RABIN(YES):ギター/キーボード、KIM・BULLARD:キーボード/ベース/、BILL・ANDERSEN:ギター、GREG・ARREGUIN:ギター、MICHAEL・LANDAU:ギター、TONY・BERG:ギター、STEVE・FARRIS(MR.MISTER):ギター、DOUG・MACASKILL:ギター、TONY・RIPARETTI:ギター、STU・HAMM:ベース、TIM・LANDERS:ベース、REGGIE "RAT MASTER" McBRIDE:ベース、LOUIS・MOLINO V(COCK ROBIN):ドラム/:パーカッション、TONY・BRAUNAGEL:ドラム、PAT・MASTELOTTO(MR.MISTER):ドラム、PAUL・DeVILLIERS:ドラム/プログラミング、CEDRIC・SAMPSON:ドラム、JOHN・KAPEK:プログラミング、DEBBIE・DOBKIN:パーカッション、AMY・KNOLES:パーカッション、ARNO・LUCAS:パーカッション、STAN・BUSH:バック・ヴォーカル、TIMOTHY・B. SCHMIT:バック・ヴォーカル、AMY・SKY(MARCの奥さん):バック・ヴォーカル、CECE・BULLARD:バック・ヴォーカル、GRAHAM・NASH:バック・ヴォーカル:TATA・VEGA:バック・ヴォーカルの有名ミュージシャン達が数多く参加しています。
尚、プロデューサーは、KIM・BULLARDとPAUL・DeVILLIERS(YES,MR.MISTER)が曲により共同/単独で担当しています。

1曲目"This Independence"(5:25) これから登場するMARCの音楽の凄さを非常に期待に満ちた興奮を煽る1分半もあるイントロから圧巻される曲です。勿論MARCの歌声が登場しても曲の乗りの良さやフレットレス・ベースの響きの流れとアグレッシヴなパーカッションなリズムに聴く者の体を揺さぶるのです。残念なからイントロ部分がカットされているビデオはこちらでどうぞ。ビデオを観ていて気が付いたのですが、ドラムは、元COCK ROBINのLOUIS・MOLINO Vですね。
2曲目"Kensington Garden"(1:14) 打ち鳴らされるドラムのビートにインカ風の縦笛の響きが心地好いインストゥルメンタルです。近年、映画音楽やミュージカル方面でも活躍しているMARCですが、この頃からその片鱗を伺わせます。
3曲目"Catch The Moon"(4:48) このアルバムのリリース当時シングル曲としてカットされていた曲です。当時、殆ど映像に登場する事のなかったMARCの貴重なビデオも配信されています。曲の方は、少し大人しいリズムの流れですが、MARCらしいダイナミックさも感じさせます。
4曲目"I Ching"(5:00) この曲もシンセサイザー・ベースの重い響きが底辺に流れる曲です。ハードに尖ったギターのサウンドとこの重いドラムのビートは多分、MR.MISTERのSTEVE・FARRISとPAT・MASTELOTTOでしょうね。ところで"I Ching" ってどう言う意味と思い検索したところ『易経』(えききょう:古代中国の占の書物)だそうです。
5曲目"Talking Through Pictures"(3:20) この曲もエレクトロニカ/ハード・ロックさを感じせる曲ですが、MARCのヴォーカルが収録されていないインストゥルメンタルです。メロディ的にはヴォーカル部分を収録させていても違和感のない感じ好さがあります。
6曲目"Soldier Of Fortune"(4:48) 美しい調べを奏でるピアノの旋律と共に登場するブルーなMARCの思い詰めたような歌声が流れるバラードです。前作でもB面の始めにはこのような美しいバラード"It's Only Love" が挿入されていた事を思いだしました。
7曲目"Seek And You Shall Find"(5:00) このアルバムをレビューの為に久しぶり聴いていて思うのでうが、非常にMR.MISTERのサウンド (特にPAUL・DeVILLIERSプロデュースによる2枚目)に似ているのです。この曲もタイトなドラムのビートとエッジも効いたギター・サウンドで攻めて来ます。
8曲目"Inside The Glass Bead"(4:39) この曲は、アルバム購入時から良く聴いていたミドル・テンポによる涙物のバラードです。泣きの歌声を聴かせるMARCにMR.MISTERの2人の渾身の演奏が漲る力作ですね。
9曲目"Human Race"(5:49) この曲は本当にフレットレス・ベースの滑らかな響きに鳥肌が立つのです。2曲続けてバラードですが、また違ったMARCの魅力を感じさせるエレガントな曲なのです。
10曲目"I Was Your Fool"(4:20) 少し鼻に掛かったMARCの特徴的な歌声が広がる美しいメロディとサウンドの曲です。映画音楽として使われても面白いんじゃないかなと思わせるイヤー・フレンドリーなサウンドです。
尚、詳細は不明なのですが、共作者としてJ.TANAKAとあるのが興味津々です。
・8曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:44分23秒(各曲の収録時間は、LP盤での表示です)
・8曲歌詞/訳詞付 24ページ物写真ブックレット CD盤 (国内盤) 収録時間:45分09秒 (見出しにも書いているのですが、初来日を記念してアップしてみました。尚、日本でのライヴ映像は、こちらでどうぞ!)'12年10月13日更新


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写真  MARC JORDAN / C.O.W.(Conserve Our World)
 ・1990 BMG Music    19640-2-R

豪華メンバーによるMARC節は圧巻・・・

N.Y.生まれカナダ出身のMARC・JORDANの6枚目のアルバムで '90年のリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARC・JORDAN:ヴォーカル/ピアノの他、STEVE・FARRIS:ギター、STUART・MATHIS:ギター、GENE・BLACK:ギター、DANNY・JACOB:ギター、DOUG・MACASKILL:ギター、BRUCE・GAITSCH:ギター、KIM・BULLARD:キーボード/ベース/プロデュース、JOHN・CAPEK:キーボード/ベース、BILLY・WARD:ドラム、MIKE・FISHER:バタ/ジャンベ/アイリシュ・ドラム/パーカッション、PAT・MASTELOTTO:ドラム、RICK・SAILON:ヴァイオリン、ERIC・WILLIAMS:マンドリン、CHARLES・JORDAN:ラジオ・エフェクト、BILLY・TRUDEL:バック・ヴォーカル、STAN・BUSH:バック・ヴォーカル、MARK・LENNON:バック・ヴォーカル、MICHAEL・LENNON:バック・ヴォーカル、KIPP・LENNON:バック・ヴォーカル、AMAZON CHORUS*:コーラスについては、4曲目を参考願います。
尚、プロデューサーは、RICHARD・PAGEのアルバムなども手掛けているKIM・BULLARD(元POCO)が担当し収録と曲作りにも参加しているます。

1曲目"Big Love"(4:45) STEVE・FARRISとSTUART・MATHISのエッジの効いたギターのサウンドとKIM・BULLARDの弾けるようなベースのビート音によるメロディアス・ロックな曲でMARCの2枚目のアルバム[Blue Desert] から続く少しハードなサウンドスタイルです。
2曲目"Edge Of The World"(4:35) アコースティック・ギターの美しい響きとエモーショナルなギターのサウンドによるロック・バラードです。MARCの熱いヴォーカルをご堪能あれ。
3曲目"Guns Of Belfast"(4:34) 北アイルランドの首府ベルファーストの抱える問題を描いた深刻なタイトルの曲でKIM・BULLARDとの共作です。アイリシュトラッドの楽器の音色を取り入れたロック/フォークスタイルの歌詞の内容と対照的な美しいメロディの曲です。
4曲目"Burning Down The Amazon"(5:06) MARCが環境保護を歌った問題作です。ギターでGENE・BLACK(ROD STEWART BAND)とDANNY・JACOB(SHEENA EASTON BAND) が参加しています。*総勢20名以上におよぶコーラス隊の歌声が圧巻です。その中にMARCの奥方AMY・SKYの名前もあります。その他の参加メンバーは、RICHARD・PAGESHANNON・RUBICAMGEORGE・MERRILLTIMOTHY・B.SCHMITRENEE・GEYERDAVID・BATTEAUMARTHA・DAVISNICOLETTE・LARSONBRUCE・GAITSCHBRENDA・RUSSELLSTEVE・GEORGE、CECILIA・BULLARD、CANDY・CAPEK、KEVIN・CORNIN、LEE・CURRERI、BRUCE・GOWDYLARRY・KLIMASJEDDRAH・SCHMIT、ALAN・SCOTT、BILLY・SHERWOODJANE・WIEDLINと豪華メンバーによるMARC節は圧巻です。
5曲目"Bridges In The Dark"(5:08) この曲もKIM・BULLARDとの共作でキーボードとベースもKIMが担当しています。スローなサウンドか入り次第に力強く変化するメロディアスな曲でのMARCの伸びやか歌声とギター・サウンドが調和した曲です。
6曲目"Silent Night"(5:22) アフリカンサウンドを意識した曲でBRUCE・GAITSCHとの共作です。メロディアスでハードなサウンドとタイトなビートのエキゾチックなドラムはベテランBILLY・WARDです。
7曲目"Inside My Piano"(5:38) BRUCE・GAITSCHとの共作でBRUCEの2枚目のアルバムでもMARCのヴォーカルで収録されています。ただ曲名は"In My Piano" となっています。非常に美しいピアノの調べによる落ち着いた雰囲気の曲でこの後のMARCのサウンドスタイルの影響を窺える作品です。イントロは40年代にトロントとニューヨークのラジオ・ショーで活躍したMARCの父CHARLES・JORDANの歌声です。
8曲目"Can We Still Be Friends?"(4:00) ご存知TODD・RUNDGREN '78年のアルバム [Hermit Of Mink Hollow] で の収録曲で、多くの人カバーされている名曲です。バック・ヴォーカルは、MICHAEL/MARK/KIPPのLENNON兄弟(VENICE)です。
9曲目"Power"(4:11)エレクトロニカのサウンドとSTEVE・FARRISとSTUART・MATHISのギターのサウンドたっぷりなビート・ポップの曲です。間奏の変わったギターフレーズはSTEVE・FARRISでしょう。
10曲目"Holding Up The Sky"(4:39) 再びBRUCE・GAITSCHの登場です。BRUCEの煌びやかな音色のギターのサウンドとタイトなビートの効いたドラムによるメロディアス・ロックです。
全10曲歌詞付 写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:48分02秒 (この作品以後、MARCのミュージック・スタイルはロックよりジャズ・スタイルへと移行して行きます)'10年2月8日再更新


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写真  MARC JORDAN / Reckless Valentine
 ・1993 Sin-Drome Records Ltd.    SD 8899

大きくサウンド路線を変えたMARC・・・

現在、カナダで活躍しているMARC・JORDANの7枚目のアルバムで、ロス・アンゼルスからカナダに帰郷して収録された '93年のリリース盤です。
サウンド的には前作より大きく路線を変えたジャズ志向の強いアルバムとなっています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARC・JORDAN:ヴォーカル/プロデュースの他、STEVEN・McKINNON:キーボード/アコーディオン/メロディカ/プロデュース、ROB・PILTCH:ギター、DANNY・JACOB:ギター/スライド・ギター、DAVID・KOPATZ:ギター、KEVIN・BRIGHT:マンドリン/ギター、DAVE・WHIPPER:マンドリン、DAVID・PILTCH:ベース、JOHN・CAPEK:キーボード、KEVAN・McKENZIE:ドラム、MIKE・SLOSKI:ドラム、DEBRA・DOBKIN:パーカッション、TOOTS・THIELEMAN:ハーモニカ、TOM・SZCZESNIAK:アコーディオン、LANCE・CARPI:アコーディオン、JOHN・JOHNSON:テナー・サックス、CHASE・SANBORN:トランペット、RON・MAN:ヴァオリン、PETER・SCHENKMAN:チェロ、REVEREND・McKINNON:指揮、SWEET・PEA・ATKINSON:バック・ヴォーカル、SIR・HARRY・BOWEN:バック・ヴォーカル、AMY・SKY:バック・ヴォーカル、RENÉE・GEYER:バック・ヴォーカルのカナダのミュージシャンが多く参加しています。

1曲目"Back Street Boy"(5:14) プロデューサーのSTEVEN・McKINNON(AMY・SKY)とMARCとの共作で、ボサ・ノヴァ/サルサのリズムも取り入れたサウンドにMARCのヴォーカルをメインとした洒落た曲です。
2曲目"Little Lambs"(3:48) STEVENの厳かに響くピアノの調べによるスローな戯曲的な曲です。CCM的な歌詞にストリングスをあしらった荘厳な雰囲気を醸しだしています。
3曲目"Waiting For A Miracle"(5:52) 心地好いSTEVENのピアノの調べによるミドル・テンポの曲です。BRUCE・GAITSCHとMARCの共作の"Inside My Piano" を同一線上にあるメロディアスで美しい曲です。
4曲目"I Must Have Left My Heart"(4:35) ジャズ・ハーモニカの第一人者TOOTS・THIELEMANが参加して、その見事な演奏とMARCの歌声がコラボした素晴らしい曲です。
5曲目"All Show"(5:20) ナイロン弦ギターとピアノの調べによるソフトな曲です。このアルバムはトロントで活躍しているミュージシャンがゲストで参加しています。この曲では、ジャズ・トランペッターのCHASE・SANBORNがその素晴らしい演奏を聴かせます。
6曲目"Coronation Street"(5:13) この曲もトロントのサックス・プレーヤーJOHN・JOHNSONが参加したスローなジャズのスタンダード的な曲です。MARCがロス・アンゼルスで活躍していた頃からは到底想像出来ないジャジーな曲です。
7曲目"The Same Mistake"(5:31) MARCの奥さんでありトロントで活躍している女性シンガーAMY・SKYがバック・ヴォーカルで参加したカントリー調のナンバーです。心地好いスライド・ギター音色とMARCの少し硬質の特徴的でありながら優しい歌声による曲です。
8曲目"Rhythm Of My Heart"(4:27) トラディショナル・フォーク的なアコースティックな曲です。前の曲と続けて作曲家のJOHN・CAPEKとMARCとの共作です。トロントで活躍しているTOM・SZCZESNIAKのアコーディオンとSTEVENピアノでの心地好い曲です。
9曲目"Tell Me You Love Me"(5:51) ゆったり流れる少しカントリー調のバラードの曲で、オーストラリアで活躍しているベテラン・女性シンガーRENÉE・GEYERがバック・ヴォーカルに参加しています。
10曲目"I Held On Too Long"(4:19) 再びSTEVENとMARCとの共作によるスローなジャズのスタンダード的な曲です。TOM・SZCZESNIAKの穏やかなアコーディオンの調べが心地好い曲です。
10曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:50分13秒 (このアルバム購入当時は、それまでのMARCのオーバー・プロデュース気味のアルバムと比較して、非常に地味な作品と理解していました。私自身、このようにレビューを書きながらこのアルバムの良さを理解するには十数年も必要でした!)'10年2月8日再更新


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写真  THE MARC TANNER BAND / No Escape
 ・1979 ELEKTRA / ASYLUM RECORDS    6E-168
 ・2006 Wounded Bird Records    WOU 168

RICHIE・ZITOのギターが好いんです・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍していたMARC・TANNERを中心としたTHE MARC TANNER BANDのデビュー・アルバムで '79年のリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARC・TANNER:ヴォーカル/ギターの他、RICHIE・ZITO:ギター、BEN・BENAY:ギター、JAY・GRAYDON:ギター、STEVE・LUKATHER:ギター、DAN・DUGMORE:ラップ・スティール・ギター/ペダル・スティール・ギター、BOB・GLAUB:ベース、WILLIAM "SMITTY" SMITH:クラヴィネット/フェンダー・ローズ/キーボード/バック・ヴォーカル、GLEN・SPREEN:シンセサイザー/ベース/キーボード/シンセ・ベース/ウーリッツァー、DAVID・PAICH:ピアノ、MICHAEL・BAIRD:ドラム、GARY・MALLABER:ドラム、TOMMY・VIG:パーカッション、JIM・HORN:フルート、BRYAN・SAVAGE:サックス、ROSEMARY・BUTLER:バック・ヴォーカル、VA(E)NETTA・FIELDS:バック・ヴォーカル、MIKE・FINNIGAN:バック・ヴォーカル、MAX・GRONENTHAL:バック・ヴォーカル、JOE・TURANO:バック・ヴォーカルの西海岸のミュージシャン達が参加しています。尚、プロデューサーは、NAT・JEFFREY(BOB・DYLAN,JAY・GRUSKA)が担当しています。

1曲目"Never Again"(3:15) アルバムの幕開きからご機嫌なリズムとサウンドを聴かせる曲です。乗りの好いMICHAEL・BAIRDのドラムのビートこれまた乗りの好いツイン・ギターを聴かせるRICHIE・ZITOです。どこと無くBOZ・SCAGGSの"Lido Shuffle" を思い出すのは、私だけ?
2曲目"Crawlin'"(2:54) これまたロック"ン"ロールで攻めてくる押しの強い曲です。ど真ん中なロック色のMARCの歌声とRICHIEの掻き鳴らすギター・サウンドが攻めてきます。
3曲目"She's So High"(4:32) 前の曲が急に終わった後サウンドをダーク目に変えて来たナンバーです。BOB・GLAUBの低く唸るベースのサウンドとRICHIEの怪しげに鳴り響くギターのリフが好いですね。JIM・HORNの意味ありげなフルートの音色がアクセントとなっています。
4曲目"Elena"(3:29) このアルバムからのシングル曲としてリリースされたポップなナンバーで全米45位ヒットとなっています。「エレナ愛しているよ〜」って内容の曲で誰でも一緒に歌えるメロディとサンドの曲です。
5曲目"Edge Of Love"(3:28) 今度は、バラッドが登場します。バックのVANETTA・FIELDSがそのシルキーな歌声をMARCと共に聴かせます。ストリングスを使っているのですが、クレジットは、不明です。
6曲目"Getaway"(3:38) オリジナル盤ではB面の1曲目にあたる再び乗で聴かせるロック"ン"ロールな曲です。RICHIとSTEVE・LUKATHERとのギター共演を暫し楽しむ事にしましょう。
7曲目"Lady In Blue"(3:55) この曲は、当時非常に良く聴いた曲です。イントロのストリングスの美しい響きが明けてからの切れ切れのカッティング・サウンドを聴かせるRICHIEのギターにやられてしまいました。古い話で申し訳ありませんが、当時、地元のディスコで良くリクエストした曲でもあります(恥ずかしい…)
8曲目"In A Spotlight"(4:18) この曲もイントロから耳を澄ませて当時良く聴いた曲です。この曲もRICHIEのカッティングとソロがとても素晴らしいと憧れたものです。
9曲目"Lost At Love"(3:46) 一転してシンプルなピアノの伴奏から入る曲です。センチメンタルな歌声を聴かせるMARCとストリングスの調べが悲しく響きます。DAN・DUGMOREのスティール・ギター伸びやか音色も好いですね。
10曲目"Your Tears Don't Lie"(3:35) アルバムの最後は、再びロック"ン"ロールな曲です。ここでのRICHIEのギターは、前半と後半にトーンを変えてそのギターを聴かせますね。
・全10曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:36分24秒
・全10曲歌詞付 歌詞カードライナー 帯付解説書 CD盤 U.S.製 輸入元販売 (輸入盤) 収録時間:36分56秒 (次作[Temptation]もアップ予定です!)'24年1月24日更新


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写真  THE MARC TANNER BAND / Temptation
 ・1980 Elektra / Asylum Records    6E-240
 ・2006 Wounded Bird Records    WOU 240

バンドとしてスタート・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍していたMARC・TANNERを中心(前作がセッション・ミュージシャンによる収録によりバンドとしての実態が不明)としたTHE MARC TANNER BANDの2枚目のアルバムで '80年のリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARC・TANNER:ヴォーカル/ギター/ピアノ、MICHAEL・STEVENS:ギター/スライド・ギター、RON・EDWARDS:ベース、JOE・ROMERSA:ドラム/パーカッション/ティンパニ、STEVE・MANN:サックス/フルート/ホーン・アレンジ、LINDA・STEVENS:ヴォーカルのTHE MARC TANNER BANDの6人組の他、RICHIE・ZITO:ギター、ED・TREE:ギター、IRVIN・KRAMER:ギター、STEVEN・LYLE:キーボード、JOHN・JARVIS:オルガン/ピアノ、BILL・PAYNE:ピアノ、 MICHAEL・BODDICKER:シンセサイザー、MARC・GREENE:シンセサイザー/フェンダー・ローズ/ヴォコーダー、BILL・LAMB:ホーン、CHUCK・ BROOKE:ホーン、GARY・GRANT:ホーン、RICHARD・PAGE:バック・ヴォーカルの今回も西海岸のミュージシャン達が参加しています。尚、プロデューサーは、NAT・JEFFREY(BOB・DYLAN,JAY・GRUSKA)と FRED・MOLLIN(JIMMY・WEBB,AMERICA)が曲により担当しています。

1曲目"Hold Your Head Up"(4:11) ゆっくり幕開きのように奏でられるギターのサウンドと脈打つようなドラムのリズムによるロック然とした曲(オリジナル曲は、イギリスのロック・バンドARGENT '72年のヒット曲です )です。アリーナでの演奏が想定させるMARCの雄たけびが響きます。
2曲目"Hot And Cold"(3:27) MARCの奏でるアコースティック・ギターのサウンドがイントロに流れる今度は、軽めの曲です。MARCの歌声に反応するようにRICHIEの掻き鳴らすギター・サウンドの重なりが印象的です。
3曲目"And You Do"(3:11) 今度は、ロック"ン"ロールで前へ前へと攻め来る曲です。マイクを手持ちでご機嫌に歌うMARCを想像しがちな乗りの好さです。間奏のRICHIEのギターも心地好さげに鳴り響いています。
4曲目"Lonely Street"(5:13) ここに来てスローな曲の登場です。少ししわがれた歌声を聴かせるMARCのバックに広がる表情豊かなRICHIEのギターです。
5曲目"Don't Say No(Surrender)"(3:36) この曲は、サウンドをころころと変えて来る曲です。ロックな流れからスパニッシュと中東風と本当に面白い流れが伝わって来ます。
6曲目"Temptation"(3:26) 軽めのロック"ン"ロールな曲です。ここで新加入女性ヴォーカルLINDA・STEVENSの歌声が聴こえてきますね。またMICHAEL・STEVENSも粘っこいスライド・ギターの音色を聴かせます。
7曲目"When You Were Young"(3:40) 前の曲からこの曲を聴いて来て新生THE MARC TANNER BANDの持つイメージらしさを感じます。ライヴ演奏での乗りを直に伝えるパフォーマンスを伝えて来ているようです。
8曲目"Prove It To You"(3:13) ここに来てバラッドの登場です。「恋人と一緒に過ごした日々」を歌詞に綴っています。
9曲目"Hollywood Star"(6:43) ライヴ仕立てにしたロック色全開の曲です。レビューの途中にも記したのですがアリーナで演奏を想定した感がここに来て実現した模様を再現しているようで収録スタイルは非常に興味深いですね。途中よりMARCに促されて登場したRICHIEが心置きなくギターを弾いている感がありますね。
・全9曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:36分29秒
・全9曲歌詞付 歌詞カードライナー 帯付解説書 CD盤 U.S.製 輸入元販売 (輸入盤) 収録時間:36分44秒 (前のアルバムは、収録曲のことを良く覚えていたのですが、今回このアルバムを聴いて余り覚えていなかったのが残念です。だからジャケのMARCが睨んでいるのか!)'24年1月26日更新


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写真  MARC TEAMAKER / Ping!
 ・2000 Hive Music & Marc Teamaker    BHP-80218

日本では殆ど知られていないアーティストの一人ですが・・・

アメリカのコネチカット州でインディペンデントに活躍するS.S.W.MARC・TEAMAKER2枚目のアルバムで '00年のリリースです。
マルチ・プレーヤーのMARCは、ドラムとペダルスティール以外の殆どの楽器を担当しています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARC・TEAMAKER:ヴォーカル/ギター/スライド・ギター/キーボード/ベース/プロデュースの他、JOE・FOSTER:ドラム/パーカッション、RAY・HERRMANN:ドラム/ベース・ドラム、GINA・DE・SIENA:バック・ヴォーカル、JEFF・OEHLER:パーカッション/サンプル/プロデュース、CJ・MASTER:ペダルスティール・ギター、LAURIE・GUARINO:フルートのMARCの音楽仲間達が参加しています。

1曲目"All Good Things"(4:02) アコースティック・ギターによって刻まれるリズムによる爽やかな曲です。MARCの涼しげな歌声と自身の幾重にも重なり合うハーモニーが非常に美しい曲です。
2曲目"Can't Say Why"(4:22) ピアノとアコースティック・ギターの音色によるスローなリズムによるポップさ溢れる曲です。詞の内容は「17歳時ガールフレンドが弾いたJACKSON・BROWNEのギターコード…」と面白い内容となっています。
3曲目"Starfish Salamander"(3:15) 歪ませたエレクトリック・ギターのオルタナティヴ・サウンドによるブリットポップです。ワウワウを使ったMARCのギターに間奏も心地良い音色です。
4曲目"One That's On The Way"(3:34) スローで気だるそうなリズムによるアコースティック・ギター・サウンドでの曲です。MARCの憂鬱さを表現した歌声による不思議な雰囲気を持つ曲です。
5曲目"No Big Surprise"(5:02) アコースティック・ギターの音色に絡みつくフルートの音色とシンプルなサウンドのエレクトリック・ギターが少し淋しさを誘う曲です。
6曲目"King Quiet"(3:58) 静寂さの中で響くMARCの弾くピアノの旋律による弾き語りです。後半よりドラム、ベースと追加されて行きます。
7曲目"Wear And Tear"(3:17) アップテンポのピアノのサウンドによるボサ・ノヴァのリズムに心地よい曲です。サビの部分の「Wear and Tear」と言うところのGINA・DE・SIENAとのハーモニーが良いですね!
8曲目"Ocean Bound"(4:20) ペダルスティール・ギターののんびりとした響きとゆったり流れるリズムによる心地良い響きを持った曲です。気だるく叩かれるドラムのビートが昼下がりの情景を思い起こさせます。
9曲目"Low Tide"(4:17) ベースとドラムのビートの効いたミドルテンポの曲でMARCの弾く枯れたアコースティック・ギターの音色の素晴らしい曲です。
10曲目"Joseph's Eyes"(4:13) MARCのギターの弾き語りです。時折入れられる弦へのアタック音にて刻まれるビートとギターのボディーへ柔らかいアタックによる心地好いビートによるボサ・ノヴァ風の曲です。
11曲目"The Same Strike Zone"(3:43) ドラムのビートと"セミアコ" エレクトリック・ギターの音色によるリバプールのテイストを感じる曲でハーモニーの付け方もブリティッシュ風です。
12曲目"Jelly Jar"(5:00) アコースティック・ギターの美しい爪弾きとピアノの音色のよる曲でMARCの優しい歌声が曲の最後まで響く曲です。
30秒ほどのブランクの後、数秒のヒドゥントラックが収録されています。
全12曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:49分11秒 (日本では殆ど知られていないアーティストの一人ですが、素晴らしい才能の持主です)'10年2月10日再更新


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写真  MARC TEAMAKER / Marc Teamaker
 ・2003 Marc Teamaker
 ・2003 9ball Records    NBR 80102

マルチプレーヤーMARCの魅力を垣間見る1枚・・・

アメリカのコネチカット州で活躍するMARC・TEAMAKERの4枚目のアルバムで '03年のリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARC・TEAMAKER:ヴォーカル/ギター/ベース/キーボード/ドラムの他、THAD・DeBROCK:ギター、JOE・FOSTER:ドラム、RAY・HERRMANN:ドラム、ALI・REYERSON(RYERSON):フルート、TOM・BORTHWICK:ハモンド、MATT・JOHNSON:ヴィオラ/ヴァイオリン、BILL・McHENRY:テナー・サックス、REBECCA・MARTIN:バック・ヴォーカルのN.Y.のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Sunday's Coming On"(2:40) 歪んだギター・サウンドとMARCの高いキーでのハーモニーが素晴らしいメロディアスでポップなサウンドの曲です。
2曲目"Montreal"(4:48) エレクトリック・ギターの小刻みなピッキングとフルートの音色とが作り出す素敵な曲です。DAN・FOGELBERGとTIM・WEISBERGのアルバムを思い起こさせます。
3曲目"Weathervane"(4:25) MARCの切ない歌声でのスローなバラード、この曲での彼の歌声はSIMPLY REDのMICK・HUCKNALLに似ている気がしますね。Weathervaneの意味は[風見、風向計]自分自身を風見鶏に例えて歌っています。
4曲目"Whatever Happens"(4:44) ミドルテンポの弾むようなリズム曲の奥のほうで流れるハモンドの音色とMARCのギターソロが心地よい秀作。
5曲目"Hold Me"(3:57) アコースティック・ギターの音色に絡みつくビオラの哀しい響きとMARCの美しいヴォーカルが妙に切なく心を打つ曲です。
6曲目"Jelly Jar #2"(5:05) テナー・サックスを取り入れたアーバンジャジーな曲でSTEELY DAN風の女性のハーモニーとMARCのギター・ソロもどことなくWALTER・BECKER風に聴こえます。前のアルバムに収録されていた曲のヴァージョン違いです。
7曲目"Dorian"(3:44) 変わったギターのリフが流れる曲で、タイトルも変わっています。
8曲目"Vacant Footsteps"(3:39) ギターの"渋い" リズムとメロディの曲です。ドラム以外全てMARCの演奏です。
9曲目"Soul Burst"(4:25) 5曲目と似たイメージの曲でアコースティック・ギターの音色とMARCの切ないヴォーカルと彼の泣きのギター・ソロが堪りません。
10曲目"Shade Of Trees"(3:26) サックスとキーボードのファンキーなリズムの曲でMARCのギターソロも軽やかに奏でられます。
11曲目"As For The Time"(3:38) フルートの切ない音色とアコースティック・ギターの響きが哀しすぎる位の美しい曲です。
12曲目"Where Your Luck Lands"(3:55) 12弦ギターの爪弾きとパーカションのリズムとが織り成す素晴らしい曲です。尚、この曲の演奏はMARCひとりで行って多重にて作り込みが行われています。
13曲目"Change"(5:47) 時々放たれるように弾かれるキーボードの音色が印象的な曲でMARCのブルージーなギター・ソロを聴かせてくれます。
全13曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:54分19秒 (素晴らしい才能の持主のMARCですが、日本で彼のアルバムは、残念ながら入手困難です)'10年2月10日再更新


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写真  MARCUS EATON / As If You Had Wings
 ・2010 MARCUS EATON PUBLISHING    6 5436759000 3

MARCUSの繰り出すリフ群・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスでインデペンデントにて活躍しているS.S.W.MARCUS・EATONの '10年7月13に本国でリリースされた2枚目(MARCUS EATON & THE LOBBY名義/その他ライヴ盤は含まず)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARCUS・EATON:ヴォーカル/ギター/パーカッション/エフェクト/プロデュースの他、GARRETT・SAYERS:ベース、KEVIN・ROGERS:ドラム/パーカッションの少人数での収録です。
尚、余談ですが、MARCUSの父STEVE・EATONは、THE CARPENTERSやART・GARFUNKELなどに曲を提供していた作曲者で自身のアルバムもリリースしています。

1曲目"Life In Reverse"(5:07) 厳かに奏でられるギター、ベースとドラムのリズムに促されて登場するMARCUSの高い目のキー(カウンターテナー位?)による曲です。
2曲目"Dismantle The Machine"(4:14) 今度は、少しテンポを落として来た洒落たカリフォルニア・サウンドの曲です。ギタリストとしても大物ミュージシャンの収録/ツアーに参加しているMARCUSですので、特徴的なギターのリフを繰り出しながら曲を展開させて行きます。
3曲目"Eleven"(5:53) 美しく奏でられるアコースティック・ギターの調べの上に重ねられた憂いのあるエレクトリック・ギターの調べ素晴らしく感じる曲です。この曲でも後半に行くにつれてMARCUSの取って置きのリフが待ち構えています。
4曲目"What's The Difference"(5:35) 先日もオーストラリアのデュオの紹介でTHE POLICEの曲を引合いに出したのですが、この曲もTHE POLICEの"Message In A Bottle" に通じる軽めのレゲエのリズムを持っています。またのこの曲でのMARCUSのギターも歌声も非常に格好良さを強烈に感じます。
5曲目"Dreams Of Flying "(3:27) 本国でライヴを良く行っているMARCUSですが、この曲も彼の十八番になりそうな歌もギターもオーディエンスに納得させて聴かせられる曲のように思えます。
6曲目"Weightless"(4:48) 今度は、アコースティック色を増して奏でられる近年のアメリカ男性S.S.W.然としたスローなメロディアス調の曲です。卓越したギタリストを取上げたFingerpicking・netにも演奏を紹介されているMARCUSですから、ここでも非常に美しいフィンガー・ピッキングを披露しています。
7曲目"Black Pearl"(5:33) 打撃音に似たGARRETT・SAYERSの重いベースの響きの合間聴こえるMARCUSの美しい軽めの歌声(力まず軽くさらっと歌いそれが上手いのです)を聴かせ、間奏ではこれまた軽くギターの指板をスライドさせギターならではのサウンドを決めているのです。
8曲目"Who You Are"(5:39) '06年には書き上げられて演奏されていた曲のようです。ハワイのウクレレ奏者JAKE・SHIMABUKUROとの '08年のライヴも参考にどうぞ。ヨーロッパ調のスパニッシュ風の熱いサウンドのこの曲がMARCUSのアルバムを買って聴いてみようと思った最初の曲でもあります。
9曲目"Over You"(4:32) テンポを増すドラムのビートとメタル系のサウンドに近いギターを速弾きしながらちょっとこのアルバムの流れから違ったロック色の強い曲です。ヴォーカルの方も早口とシャウトさせた歌いくちは同じくロス・アンゼルスで活躍しているWILL・CHAMPLINに通じるところがこの曲にはあります。
10曲目"You Can't Close Your Eyes "(6:21) この曲もロック色が強い曲で、Lo-HiにしたMARCUSの歌声に鋭く切れそうな鋭利なギターのカッティングが響く曲です。後半には、キンキンのギター・ソロまで登場し、単にS.S.W.と言う縛り括れないギタリストMARCUS・EATONの1面も聴かせに聴かせるのです。
全10曲歌詞付 ブックレット 簡易デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:50分09秒 ('06年にリリースされたアルバムやライヴ盤もあるのですが、残念ながらこのアルバム以外は、ダウンロード販売のみのようです)'14年8月31日更新


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写真  MARCUS EATON / Versions Of The Truth
 ・2015 Marcus Eaton Publishing    8 056518 310065

MARCUSの "渋め音楽" ・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスでインデペンデントとして活躍しているS.S.W.MARCUS EATONの3枚目(MARCUS EATON & THE LOBBY名義/その他ライヴ盤は含まず)のアルバムで '16年9月2日(イタリアでは、'15年に先行リリースされています)に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARCUS・EATON:ヴォーカル/ギター/シンセサイザー/シタール・ギター/キーボード/ドラム・プログラミング/パーカッション/エフェクト/ハンド・クラップ/フット・ストンプ/プロデュースの他、DAVID・CROSBY:バック・ヴォーカル/プロデュース、KITCH・MEMBERY:バック・ヴォーカル/ハンド・クラップ/プログラミング/プロデュース、JAMES・J・RAYMOND:キーボード/シンセサイザー/ループ/ドラム・プログラミング/ペダル・スティール・シンセサイザー/プロデュース、JON・EVANS:ベース、LELAND・SKLAR:ベース、ERIK・ELDENIUS:ドラム/ループ/マシーン・ベース・ドラム/ハンド・クラップ、JEFFREY・YOUNG:ハモンド/ピアノ、ANN・MARIE・CALHOUN:ヴァイオリン・セクション、FRANCESCA・MONTECAMPI:ハンド・クラップ、LEONICE・SHINNEMAN:タブラ/カンジーラ、GIOVANNA・FAMULARI:チェロのイタリアのミュージシャンも参加しています。

1曲目"Up And Over"(4:18) 重く響くベースの調べとMARCUSのギターの爪弾きが調和する渋めのメロディとサウンドの曲です。バックに薄っすらと聴こえるDAVID・CROSBYのハーモニーに応えるように巧み歌うMACUSです。'16年8月に公開されたビデオもどうぞ。
2曲目"Flying Through The Fire"(4:16) イントロから小刻みに聴かせるギターのサウンドとノリの好いリズムの流れに体を揺すられる曲です。間奏やちょっとしたメロディにクラシック音楽の要素も感じさせます。
3曲目"Shade Prelude"(0:53) 1分にも満たないクラシック・ギターを使ったMARCUSによる爪弾きです。このインストゥルメンタルから次の曲への流れも計算されているもよう。
4曲目"I Will Be Your Shade"(4:27) アコースティック・ギターの弦の響きが心地好くなびく曲です。70年代から続くカリフォルニアのバンドのサウンドと美しいハーモニーそのものって感じです。
5曲目"Better Way"(4:26) デビュー・アルバムか2枚目のアルバムでの渋めのギター・リフを聴かせていたJOHN・MAYERに通じるギター・サウンドが全面に流れる本当に"渋め音楽" ですね。
6曲目"Invisible To You"(4:17) この曲もギターのサウンドがかっこ良すぎる曲です。バック・ヴォーカルは、シドニー出身で現在ロス・アンゼルスにて活躍中若のKITCH・MEMBERYの歌声も好いのです。
7曲目"Reverie"(4:38) 心地好いチェロの調べと共に優しい歌声をギターを爪弾きながら聴かせるMARCUSのヨーロピアン・テイストの曲です。MARCUSと収録にも参加しているイタリアのチェロリストGIOVANNA・FAMULARIとのライヴもどうぞ。
8曲目"Barbie"(3:39) 一転してジャジーで切れの良いリズムとサウンドの曲の登場です。前の曲のような穏やかな流れの曲からこのような歯切れ良いシャッフルも幅広く収録されています。
9曲目"Picture Of Us"(4:18) 再びスローなギターの爪弾きによる曲です。DAVID・CROSBYの歌声も再びバックに登場して穏やかなメロディとサウンドを聴かせます。
10曲目"Sunrise Prelude"(0:45) タッピングを駆使したインストゥルメンタルです。この曲も次の曲のオープニングと言うか予告編的に収録されているようです。
11曲目"Sunrise Lets You Down"(4:17) このアルバムのリリース前 '13年8月にイタリアのTuscany Acousticにライヴ収録されていた曲です。巧みなフィンガー・ピッキングと変則的なストロークに不思議な音色を醸し出すコードを駆使したMARCUSお得意と言える1曲では無いでしょうか。
12曲目"The Sting"(5:15) この曲もアコースティック・ギターとエレクトリック・ギターによる凝ったギター・コードと巧みなギター・ソロを聴かせます。
13曲目"Calm Beneath"(5:18) シタール・ギターとメリハリに使ったインド風味に曲です。バックにはタブラのビートも流れているのですが、時折ロック色の強いパートとの調和も試しているようです。MARCUS EATON TRIOとしても '11年頃に演奏されていた曲でもあります。
10曲歌詞付 デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:50分54秒 (アルバムの1曲目から通して聴いているうちにMARCUSの“渋め音楽”にどっぷり浸かる1枚です)'17年3月20日更新
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写真
(このアルバム購入時に頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  MARILYN SCOTT / Avenues Of Love
 ・1998 Warner Bros. Records Inc.    9 46859-2

大人の女性が本当のヴォーカルで・・・

このアルバムは、南カリフォルニア出身MARILYN・SCOTT 6枚目のソロ・アルバムで、'98年のリリースです。 アルバムの印象は、大人の女性が本当の大人のヴォーカルで魅せてくれます。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARILYN・SCOTT:ヴォーカル/プロデュースの他、GEORGE・DUKE:キーボード/ベース/ベース・プログラミング/プロデュース、RUSSELL・FERRANTE:キーボード/プロデュース、MICHAEL・LANDAU:ギター、MIKE・MILLER:ギター、RAY・FULLER:ギター、PAUL・JACKSON,JR.:ギター、JIMMY・HASLIP:ベース/プロデュース、FRED・WASHINGTON:ベース、MICHAEL・RUFF:キーボード/バック・ヴォーカル、JOE・HEREDIA:ドラム、WILLIAM・KENNEDY:ドラム、RAFAEL・PADILLA:パーカッション、PAULINHO・DA・COSTA:パーカッション、STEVE・ALLEN:サックス、BRANDON・FIELDS:サックス、WALT・FOWLER:ホーン、BOB・MINTZER:ホーン、RALPH・RICKERT:トランペット、LYNN・DAVIES:バック・ヴォーカル、ALVIN・CHEA:バック・ヴォーカル、JIM・GILSTRAP:バック・ヴォーカル、LISA・HORTON:バック・ヴォーカル、MAXAYN・LEWIS:バック・ヴォーカル、RICHARD・MONTGOMERY:バック・ヴォーカル、DAVID・POWELL:バック・ヴォーカル、CAROLYN・PERRY:バック・ヴォーカル、DARLENE・PERRY:バック・ヴォーカル、LORI・PERRY:バック・ヴォーカル、SHARON・PERRY:バック・ヴォーカル、DAVID・PORTER・THOMAS:バック・ヴォーカル、MARY・TURNER:バック・ヴォーカルの多くのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Starting To Fall"(4:47) イントロが綺麗で都会の雰囲気たっぷりの曲です。GEORGE・DUKEと一緒に書かれています。
2曲目"I Like To Dance"(5:02) GEORGE・DUKEのピアノ間奏が素晴らしく総勢13人のバックコーラスです。
3曲目"Avenida Del Sol"(4:27) Avenida del Solは、南カリフォルニアの地名で海岸の綺麗な所です。MARILYNのお気に入りの場所なのでしょうか?
4曲目"Look Of Love"(5:38) ご存知BURT・BACHARACHの '67年の名曲です。映画[カジノロワイアル]のサウンドトラックにも使われDUSTY・SPRINGFIELDが歌っていました。ここでは、少しスローテンポにてしっとりと聴かせています。
5曲目"Heaven's Design"(5:54) BOB・MINTZERのホーンとコーラスが絡み落着いた雰囲気でMARILYNが歌っています。
6曲目"Love Is A Powerful Thing"(4:30) メンフィス・スタイルのホーンをフューチャーしています。 作曲者のMICHAEL・RUFFのキーボード・ソロも聴けます。MARILYNが歌いに歌っています。
7曲目"Hold You Up"(5:34) しっとりとしたバラードでMARILYNが聴かせます。MICHAEL・LANDAUのギターが素晴らしく決まっています。この曲はJIMMY・HASLIPと一緒に書かれた曲です。
8曲目"Hey Love"(6:16) この曲ではMIKE・MILLERがギターを弾いています。ここではやや硬質の音作りです。
9曲目"Get Home"(5:45) ファンキーなリズムにMARILYNのヴォーカルがシャウトします。
10曲目"Last Day"(3:37) BRENDA・RUSSELのスロー・バラードで、ピアノの伴奏でMARILYNが歌います。JIMMY・HASLIPのフレットレス・ベースが華を添えます。
全10曲歌詞付 写真ライナー U.S.製 (輸入盤) 収録時間:50分33秒 ('89年のNED・DOHENY来日ステージでMARILYNがバック・ヴォーカルとして参加していました。以来 彼女のファンです。このアルバムでは、男性ヴォーカルとデュエットが有れば更に良かったのですが...)'10年2月10日再更新


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写真  MARK SPIRO / Devotion
 ・1997 MTM MUSIC    MTM 199630

なぜかドイツからのリリース・・・

カリフォルニアでシンガー/作曲家/として活躍しているMARK・SPIROのソロ名義でリリースされた5枚目のアルバムで '97年11月17日に本国でのリリースです。MARKは、ロック・シンガーとして活躍している傍ら他のミュージシャン(MR. BIG, HEART, CHEAP TRICK, BAD ENGLISH, JULIAN・LENNONなど)に曲を提供し、またプロデューサーとしても活躍しています。このアルバムでの収録メンバーは、MARK・SPIRO:ヴォーカル/キーボード/プログラミングの他、DANN・HUFF(Ex.GIANT):ギター、MICHAEL・THOMPSON:ギター、TIM・PIERCE:ギターが参加しています。また、MICHAEL・THOMPSONは、MARKと数曲このアルバムでの収録曲を共作しています。

1曲目"My Devotion"(5:00) MICHAEL・THOMPSONの歪ませたギターのサウンドが流れるエモ・ロックな曲です。MARKが曲を提供しているMR.BIGやJOHN・WAITE の曲に通じるサウンドを感じさせます。
2曲目"Rhythm Of You"(4:03) エモーショナルなエレクトリック・ギターのサウンドにタイトな鼓動で押し寄せるドラムのビートによるメロディアス・ハード・ロックな曲です。少し枯れた歌声を聴かせるMARKのエモーショナルな歌声からも渋さを感じます。
3曲目"The Rain Came Tumblin' Down"(4:40) 美しいハーモニーと少しダークな雰囲気を醸し出すミドル・テンポの曲です。初期のTOTOに似た少しハードなサウンドを連想させるメロディアス・ハード・ロック路線に位置するサウンド・スタイルと言えるでしょうか。
4曲目"Time Keeps Ticking"(5:05) ドラム・マシーンのサウンドに乗せ歌うMARKの再びエモーショナルな歌声によるハードなサウンドのロックの登場です。この曲は、MARKの作詞/作曲となっています。曲単位の詳しいクレジットはないのですが、ギターは、TIM・PIERCEでしょうか。
5曲目"Love Is War"(4:29) パーカッシヴなビートを前面に押し出したミドル・テンポのブルース・フィーリングのロックの曲です。この曲は、MARKと同じくカリフォルニアで活躍しているMICHAEL・DAN・EHMIGと一緒に書かれています。
6曲目"Kiss The World Away"(4:42) MARKが非常にシャウトさせながら歌う歌声が響くエモ・ハードな曲です。打込みのビートを基調にしたサウンドを聴かせていますが、間奏で登場する物凄いギターのスケール・ワークが感動ものです。
7曲目"Sunset City"(4:26) 左右に振り分けられたMICHAELギターのサウンドがリズミカルに美しく響くダーク/メロディアス・ロック調の曲です。途中より登場するアコースティック・ギターも煌びやかに響きます。
8曲目"Better With A Broken Heart"(4:11) 少し昔のウエスト・コースト・ロックのサウンドを感じさせるメロディアス・ロックです。サビでの展開などはJOHN・WAITEやBAD ENGLISH好みのサウンドではないでしょうか。
9曲目"Campbell River Road"(4:49) ハモンドのサウンドとフット・ベースが心地好く響く少しソフトな路線に移って来たスローなメロディアス・ロックな曲です。MARKが自宅のスタジオでコツコツと音を積み上げて出来たようなことを窺わせる美しい曲です。
10曲目"Valdez"(4:39) この曲も他のミュージシャンに提供されて良いようなキャッチーなメロディのサビを持っています。JOURNEYのSTEVE・PERRYが好みそうな曲と言えば分かって頂けますか。多分、この曲のギターは、MICHAELでしょうね。
11曲目"Don't Leave Me In Love"(4:58) メロディアス・ハード・ロックのギタリストDAN・HUFFとMARKの共作です。この曲でのDANのギターは、JAY・GRAYDON張りの伸びやかなギター・ソロを聴かせてくれます。
12曲目"Guardian Angel"(4:37) リズムカルなギターのサウンドと心地好いリズムの流れによるロック"ン" ロールのリズムによるドライヴィング・ソングって言う感じでしょうか。
13曲目"Desert Bloom"(5:11) 低く唸るシンセ・ベースのサウンドを使ったスローな曲です。スターリング・シルバーの色艶に似た歌声を聴かせるMARKと孤高に響くギターの調べによる曲です。
全13曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:60分57秒 (MARKのアルバムは、なぜかドイツかスウェーデンからリリースされている不思議なミュージシャンなのです。尚、このアルバムは、国内盤でもリリースされています)'10年2月12日再更新


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写真  MARK SPIRO / King Of The Crows
 ・2003 ATENZIA RECORDS    ATZ 02008

メロディアス・ロックに路線を変更したMARK・・・

MARK・SPIROの前作[The Stuff That Dreams Are Made Of]から4年ぶりの新作でスウェーデンのATENZIAレコードから '03年6月のリリースです。多分このアルバムは、彼の7枚目('86年のドイツでのデビュー盤[In Stereo]を含む)だと思います。サウンド的には、随分ソフトになりメロディアスな曲が多く収録されています。しかし、以前のMARKがハード・ロック路線だった時の熱心なファンからは、最低なアルバムと陰口を叩かれているのも事実ですが、私はどちらかと言うとこのアルバムと次の作品のサウンドが非常に大好きです。
バックのメンバーは、ギターTIM・PIERCECHRISTOPHER・BOGANが参加しています。

1曲目"King Of The Crows"(4:45) 過去に何度となく一緒に曲を書いてきたMARKとTIM・PIERCEとの共作です。TIMのギターのサウンドを全面に出したメロディアス・ポップなナンバーです。MARKの少し枯れた力強いヴォーカルに大人の魅力を感じます。
2曲目"Julia(The Sleeping Beauty)"(4:44) 非常に美しいメロディ持った曲です。この曲でのMARKの歌声は、1曲目と違ってソフトと甘さ増した歌声による感傷的なサウンドと美しいハーモニーの素晴らしい曲です。(ハード・ロックのファンからはクレームが付くでしょうね)JOHN・WAITEとの共作です。
3曲目"Saving Grace"(3:51) この曲の共作者でCHRISTOPHER・BOGANのストレートなギター・サウンドをイントロに配したミドル・テンポのナンバーです。この曲の雰囲気は私の大好きなRICHARD・PAGEのサウンドと非常に似ています。
4曲目"Everybody Needs"(3:50) STEVEN・ROSENとの共作でこのアルバムでは6曲彼との共作があります。オルガンの音色とMARKの優しさ溢れる歌声に心温まるスローなテンポのナンバーです。
5曲目"One Horse Town"(5:12) 再びTIMとの共作でギターのサウンドが"タップリ"の曲です。心地好いリズムと強弱を持ったギターのウォーム・サウンドが絶妙な雰囲気を醸し出す曲です。
6曲目"After You"(3:54) 煌びやかなアコースティック・ギターのサウンドによるシンプルな曲です。美しいコーラスとMARKの「君の後を着いて行くよ…」と歌われる歌詞による少し癖のある歌声が病みつきになりそうです。
7曲目"Cracked(What's It All Worth)"(4:03) ドラム・プログラムを使ったカントリー・タッチの曲です。アコースティック・ギターのサウンドとエレクトリック・ギターの音色タップリな曲です。
8曲目"When Winter Comes"(5:04) MARKの作詞/作曲でイントロのメロディが "渋い" ですね。サビの部分に少し以前のハードを残した曲調とTIMのナイロン弦ギターの間奏を上手く組合わせた曲でスペイン語のスポーケンも少し入っています。
9曲目"Always"(4:24) TIMとの共作でやはり彼のギターのサウンドがところ狭しと流れる曲ですが、MARKのヴォーカルを邪魔していないアレンジとミキシングが素晴らしいですね。
10曲目"Just Another Freak"(4:40) オーバダブによる幾重にも重ねられたMARK自身のコーラスとアコースティック・ギターのサウンドを主体としたミドル・テンポのナンバーです。
11曲目"It's All About You"(4:36) 明るいサウンドでのポップな曲です。やはりこの曲でもギターのサウンドが要となっています。MARKとTIMの相性はバツグンなんでしょうか?いい曲です。
12曲目"Why Wait For Love Til You Die"(3:26) TIMのナイロン弦のギター切ない響きとMARKの哀愁に満ちた歌声によるしみじみしたギター・バラードです。STINGとDOMINIC・MILLERの名曲にも勝るとも劣らない素晴らしい曲です。
全12曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:52分35秒 (どちらか言えばミュージシャンズ・ミュージシャンのMARKですが、このアルバムの曲は素晴らしい曲が多く収録されています)'10年2月12日再更新


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写真  MARK SPIRO / Mighty Blue Ocean
 ・2005 ATENZIA RECORDS    ATZ 02038

MARK・SPIROの音楽シーン復帰作です・・・

MARK・SPIROの前作[King Of The Crows]から2年ぶりの新作で、スウェーデンのATENZIAレコードから '05年10月24日のリリースです。多分、このアルバムは、彼の8枚目('86年のドイツでのデビュー盤[In Stereo]を含む)だと思います。サウンド的には前作と変わらずメロディアスで4枚目[Devotion]迄のややハードロック路線よりかなりソフトな仕上がりです。
驚いた事にMARKは、このアルバム制作までの2年間サンディエゴのガンセンターに入院し、ガンの治療に当たっていたらしく長く伸ばしていた髪の毛をばっさりと切り落とし、この盤で音楽界復帰しています。

1曲目"Mighty Blue Ocean"(3:50) 歪ませたギターのサウンドのイントロに続いて登場するMARKの美しく力強い歌声によるメロディアス・ロックです。曲の終わりかけにも登場するギターのリフが非常に印象的です。
2曲目"Band Of Angels"(3:44) イントロのサウンドが渋いですね。浅くエフェクターを掛けたMARKのヴォーカルによる数本によるギターのサウンドでのリズミカルな曲で歌詞の内容は病気にかかったMARK自身の体験を基にしています。
3曲目"Monster"(4:11) この曲もすばらしいメロディの曲です。昔から自分のベッドの下に潜む「怪物」を題材した内容を爽やかなウエスト・コースト・ロックのサウンドに乗せています。因みにMARKの出身地はシアトルです。
4曲目"When She Cries"(4:19) MARKの奥さん(LESLIE)の事を歌った歌のようです。彼女の献身的な介護お陰で無事回復出来た事もTHANKSの項にかなりの紙面を割いて書かれています。曲の方はMARKの高いキーでのヴォーカルとメロディアスなロックのリズムが融合した素晴らしい曲です。
5曲目"Envy Shade Of Green"(3:33) 前半のアコースティック・ギターのリズミカルな響きとサビのハードポップのバランスが絶妙な曲です。
6曲目"The Beautiful One"(3:34) カントリー・タッチの曲の登場です。ピアノとアコースティック・ギターによる落着いたメロディとテンポによるCCM的な内容の歌詞です。
7曲目"Bits And Pieces"(3:43)) この曲もカントリータッチの強いイントロですが、曲が進行するに従いエッジの効いたギターのサウンドとドラムのビートとMARKの途切れないヴォーカルによる乗りの好い曲へと変化します。
8曲目"Being In Your World"(4:32) カントリー風のメロディとハードなロックのサビを融合させたMARKらしい曲です。MR.BIC,BAD ENGLISHなどへ曲を提供してきた彼の辣腕ぶりを目(耳)の当たりする瞬間です。
9曲目"Perfect Wave"(3:36) この曲のみペダル・スティールにJ.D.MANUSSが参加しています。美しいハーモニーによるカントリー風の曲でペダル・スティールの心地良い音色がいいですね。
10曲目"My Velocity"(3:29) イントロのギターのサウンドが非常に興味深い曲です。エッジの効いたギターのサウンドとは対照的にメロディアスでややメロウな雰囲気とMARKの素晴らしいヴォーカルとハーモニーによるパワード・ポップです。
11曲目"The Life That I Live"(4:09) 今のMARKの心境を素直に歌に表した「生きる素晴らしさ、山に登る事、釣りに出かける事、オートバイに乗って旅する事など」思いを綴っています。ギターのサウンドたっぷりなポップ/ロックに乗せて歌っています。
全11曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:42分44秒 (アルバムに参加しているミュージシャンのクレジットが見当たらないので殆どの演奏は、多分MARK自身が行なっているのでしょう)'10年2月12日再更新
2005年度ベスト5


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写真  MARK SPIRO / It's A Beautiful Life
 ・2012 AOR HEAVEN    AORH00069

MARK久々のアルバム・・・

このアルバムは、カリフォルニア州サンディエゴ北部のリゾート地カールスバッド在住のS.S.W.MARK・SPIROの '12年1月27日ヨーロッパでリリースされた9枚目のアルバムです。
前作[Mighty Blue Ocean]をリリースしてから音楽活動を暫く休止していたのでしょうか。実に7年ぶりの新作アルバムとなります。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARK・SPIRO:ヴォーカル/ギター/キーボード/プログラミング/プロデュースの他、JOHN(JON)・McLENNON:ギターの少人数での収録です。

1曲目"It's A Beautiful Life"(4:34) ダウンロード仕様としてこのアルバム・リリース前から紹介されている曲です。聴き易いメロディとサウンドによるメロディアス・ロックによる前作に続いてMARKの人生を見つめ直した作風で仕上げられています。
2曲目"I Know Who I Love"(4:25) ベース・トラックに打ち込みを使いMARKが様々な楽器を演奏しながら時間をかけて組上げたような乗りの良いリズムを感じながらどこか緻密さを感じさせる曲です。
3曲目"Come Back To Me"(4:17) この曲もMARKの持ち味がプンプンと感じる切れの良いリズムカルさや押しの良いエモーショナルさ感じさせる西海岸のサウンドです。この何枚かのMARKのアルバムは、本国アメリカからリリースされていなく、ドイツ、オランダ、スウェーデンからリリースされているのは、この辺の音楽好きが本国より多いと理解して良いのでしょう。
4曲目"Love Struck Dumb"(3:32) イントロから美しく響くアコースティック・ギターの弦の響きとスローで歌うMARKの優しい歌声が心地好く感じる曲です。少しソリッドさのあるこのMARKの歌声は、アグレッシヴなロックやこのようなメロウな響きの曲でも一度聴いたらなかなか忘れることの出来ない歌声ですね。
5曲目"Go Another Mile"(3:39) この曲も長い間曲を提供していたJOHN・WAITEやERIC・MARTINや彼の在籍していたMR.BIGが歌っても良い感じのするようなキャッチーさやヒット性を感じさせる曲です。
6曲目"Dance The Lonely Spotlight"(4:29) 今度は、少し作風を変化させてきたアシッド感のある曲です。起伏を抑えたメロディによるヴォーカル・パートと憂い感のあるサビのメロディとMARKの歌声は、非常に心に染みますね。
7曲目"Might As Well Be Me"(4:35) 歯切れ良いJOHN・McLENNONのギター・サウンドにリズミカルな流れによる晴れた海岸沿いをドライブするのに最適な感じの曲です。西海岸のFM局から"ヘビロテ" で流してくれそうな感じがしそうです。
8曲目"Brand New Beautiful Day"(3:48) この曲も大病から立ち直ったことを素直に綴ったことを感じさせる曲です。聴き易いメロディに乗せながら巧みに歌うMARKの今の心境を直に感じます。
9曲目"Dream Big, Pray Hard"(3:59) この曲もMARKのここ数枚のアルバムの曲調の流れ汲む曲です。ギターの切れの良いカッティング音と躍動的なリズムの流れが届けられるポップな部分もあるようです。
10曲目"Everything I Do"(4:03) この曲もギターのサウンドが溢れている曲です。JOHN・McLENNONがそのギターで参加しています。この曲もMARKの新しい人生観を余すところなく表現した歌詞の内容になっています。アコースティックとエレクトリック・ギターの持ち味を上手く織り交ぜながら展開させた流れに素晴らしさを感じます。
全10曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:41分24秒 (このHPを立ち上げて時近くにMARKのアルバムを紹介してきたのですが、暫く音沙汰がなかったと思ったら既にもう7年も経っていたのですね)'12年7月15日更新


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写真  MARK SPIRO / Care Of My Soul Vol.2
 ・2012 SUN HILL PRODUCTION AB    ASHPAB1005

また、リリースされていました・・・

このアルバムは、カリフォルニア州サンディエゴ在住のメロディアス・ロックS.S.W.MARK・SPIROの '12年9月11日スウェーデンからリリースされた10枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARK・SPIRO:ヴォーカル/ギター/キーボード/プログラミングのMARK 1人の収録です。

1曲目"A Beautiful Mistake"(4:21) 少しカントリー/ロック風のサウンドとメロディーによる曲です。'12年1月にリリースされた[It's A Beautiful Life]に収録されている曲に通じるようです。ビデオもどうぞ!
2曲目"Get Into The Going"(4:23) アコースティック・ギターをストロークしながら心地好く歌うMARKを想像させる曲です。前々作でも紹介したのですが、病気を患っていたMARK、こうやって自身の音楽を収録してアルバムをリリースすることが、本当に幸せと言った感じが曲から伝わって来ます。
3曲目"Love Don't Come Around Here"(3:38) 今度は、曲調をダークな域に移した感の曲です。アシッド感のあるギターとMARKの歌声が怪し気なリズムとサウンドが響いています。ところどころにスペイン音楽からのインスピレーションを感じるところが面白いですね。
4曲目"Starlight"(3:44) 再び自身の住む明るいカリフォルニア・サウンドの曲です。ここでの収録にエフェクト的に入れたMARKのヴォーカル・ワークが興味深いですね。
5曲目" Miss Her Everywhere"(4:40) アコースティック・ギターの軽い爪弾きと優しく歌うMARKの歌声が広がるこのカントリー/ロックな曲です。歌詞の出だしに「ラジオから聴こえて来るJONNY・CASHの歌」がにこっとさせます。
6曲目"Singing You Back to Me"(3:34) 今度は、がらっと雰囲気を変えて来たメランコリックなバラッドです。この曲をちょっと聴いた時に感じたのが、スウェーデンのB.K.O.の"Fyrarättersmål" の雰囲気を感じるのです。
7曲目"Paper Dragons"(3:48) 今度は、アコースティック・ギターとピアノによるシンプルなサウンドとメロディーによる曲です。数々のミュージシャンへ曲を提供したり自らミュージシャンのアルバムをプロデュースしたMARK、シンプルな曲の中にもその手腕を感じますね。
8曲目"Up in Flames"(4:15) ドラム・マシーンの追い込み感を持ったリズムの流れとMARKの駆使したサウンド・エフェクトが印象的な曲です。ステレオで聴こえる少しLo-HiにしたMARKの歌声と流れるリズムが心地好いのです。
9曲目"My Greatest Goodbye"(3:42) 風変りなリズムの流れからオルタナティヴ・ロックな感がある曲です。こっちの勝手な解釈ですが、古くに書き溜めて置いた曲をMARKが見直してヴァージョン・アップした感があるように思えます。。
10曲目"Everything Is on It's Way"(4:28) この曲だけ歌詞が掲載されていなかったので調べところMARKの娘さんSUMMER・SPIROとRUBY・SPIROとMARKの3人で書かれています。尚、この曲は、'12年7月14日に先行ダウンロード・リリースされているストリングスを纏ったカントリー/ロックな佇まいです。クレジットに記載が無いのですが、SUMMERとRUBYがバック・ヴォーカルに参加しているようです。
11曲目"Say Your Prayers"(3:34) アコースティック・ギター/ピアノに続いて登場するドラムとベースのサウンドによる穏やか流れの曲です。高いキーでハーモニーを付けたMARK、この曲でも彼の拘りを強く感じます。
10曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:44分11秒 (アメリカのミュージシャンなのに何故かヨーロッパからリリースされるこのMARK・SPIROのアルバム、'94年の[Care Of My Soul]も同レーベルよりボーナス・トラックを追加してVol.1として再リリースされています!)'23年3月18日更新


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写真  MARK SPIRO / Traveling Cowboys
 ・2021 Frontiers Records    FR CD 1118

全15曲たっぷり・・・

このアルバムは、カリフォルニア州サンディエゴ在住のメロディアス・ロックS.S.W.MARK・SPIROの '21年5月7日ヨーロッパでリリースされた11枚目('20年のベスト盤は含まず)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARK・SPIRO:ヴォーカル/マルチ・インストゥルメンツ/プロデュースの他、TIM・PIERCE:ギター、GIA・SKY:ギターの少人数(5曲目:ヴォーカルにJULIAN・LENNONが参加)での収録です。

1曲目"Traveling Cowboys"(3:47) 少しLo-HiにしたMARKの久しく聴く歌声とストリングス風の刻み音が心地好く響く曲です。途中より登場するMARKのラップに少し驚きです。
2曲目"Rolls Royce"(4:16) イントロのTIM・PIERCEのゲーム音楽的なギター・サウンドに笑顔が出ましたね。しかしそこから続くメランコリックな調べとTIMのそのクリア・トーンの切ない響きが全編に流れるバラッドです。
3曲目"VanderPump"(3:23) スライド・ギターの鋭い弦の上を滑る金属音に心揺さぶられる曲です。ハードにエモーショナル歌うMARKとバックのTIMのサウンドもMARKのもっともっと激しく鳴らしてと要求された感がありますね。
4曲目"Going"(4:03) 前の曲の激しさが必然的に要したと納得させるメロディアスで繊細なサウンドの曲です。このサウンドに似合うMARKの少し枯れた渋い歌声が非常に似合うから不思議なのです。
5曲目"7 Billion People"(4:09) この曲を聴いてとってもこのアルバムが欲しくなった曲です。JULIAN・LENNONが、ヴォーカルで参加しているのも興味が沸いたのですが、間奏でTIM・PIERCEの物凄いギターの演奏も収録されているのです。
6曲目"Someone Else"(3:37) 今度は、ピアノの弾き語りによるアメリカンS.S.W.然としたバラッドです。この曲は、MARKの娘さんのRUBY・SPIRO、GIA・SKYとMARKの3人で書かれています。
7曲目"Kingdom Come"(3:25) 手拍子に似た打撃音が印象的な曲です。アメリカ中南部のブルース/ロック的な「みんな生活は、大変だろうが、みんな手を繋いでがんばろう!」的な感じがします。
8曲目"I Ain't Leaving"(4:37) この曲も6曲目と似たピアノの弾き語りから入る曲です。次第にTIMのギターや太く鳴るベースのサウンドが加わります。曲の作者は、6曲目と同じく先の3人となっています。
9曲目"Between The Raindrops(revisited) "(1:37) '12年8月にリリースしたシングル曲のヴァージョン替による再収録曲です。ここでの収録は、Lo-HiにしたMARKの歌声にメランコリックな調べを発するシンプルなピアノの演奏とサンプル音源を低音量に最小限に流したアレンジになっています。
10曲目"Dance Dance Dance"(3:07) この曲も少しMARKのラップが入っています。「みんな踊ろうぜ!」的な遊び心を持った歌詞とサウンドが溢れています。
11曲目"Feel Like Me"(3:54) どことなくメロディーの流れにヨーロッパ調の音楽を感じさせる曲です。非常に高いキーでサビを歌うMARKの期待に応えてこの曲でもTIMがそのギターの様々なリフで応えていますね。
12曲目"Let The Wind Decide"(4:13) 切なく響くチェロの音色と凛としたピアノの調べに聴き入る曲です。引き摺り感のあるリズムとドラムのビートと切に歌うMARKの歌声に心打たれます。
13曲目"Nothing In Between Us"(3:57) イントロのキーボードの音色にインスパイアされたTIMにしか思いつかないギターの調べから素晴らしい曲です。この曲と関係ないのですが、TIMのYOUTUBEで紹介されているギター・サウンド工房を拝見してから普段は、閉鎖されたスタジオ空間での演奏が、彼の参加した各ミュージシャンの曲へ提供したギター・サウンドの聴き方が一変しました。
14曲目"The Fisherman 3 2020"(1:47) '94年の[Care Of My Soul] に収録されている曲のヴァージョン・アップ曲です。Lo-Hiにしたヴォーカルやラップを加えた演出にストリングス風のサウンドによるアレンジも加えています。
15曲目"Still"(2:36) アルバムの最後は、アコースティック・ギターによるカントリー風の曲です。優しく歌うMARKの歌声とウッド・ベースのこれまた優しい響きに心が和みます。
全15曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット イタリア製 (輸入盤) 収録時間:52分35秒 (ちょっと油断していたら、こっそり海外でリリースされているこのMARKのアルバム、前作より早9年の歳月が流れた為、たっぷり15曲も収録されています!)'23年3月15日更新


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写真  MARTIN PAGE / In The House Of Stone And Light
 ・1994 PolyGram Records, Inc.    314 522 104-2

他アーティストに曲を提供している・・・

T.F.F.のCURT・SMITHのファースト・ソロ・アルバムの曲にこのMARTIN・PAGEの名前があり当時から注目していました。
2人のつながりは良く解かりませんが、マルチ・プレーヤーであり、ベースが得意と言う関係からでしょうか。先に述べたCURTのアルバムから1年後の '94年にこのMARTINのデビュー・アルバムがリリースされました。
もともとイギリスのサザンプトン生まれのMARTINは、 イギリスのアーティスト達に曲を提供したり、BERNIE・TAUPINとも一緒に仕事をしていました。その関係からかこのアルバムに参加しているミュージシャンも非常に豪華陣で、キーボード:PAUL・JOSEPH・MOORE(THE BLUE NILE)、ギター:NEIL・TAYLOR(T.F.F.)、BILL・DILLON(SARAH・McLACHLAN)、ROBBIE・ROBERTSON(THE BAND)、BRIAN・FAIRWEATHER、ドラム:JIMMY・COPLEY(WHITESNAKE,BLACKSABBATH)、PHIL・COLLINS、パーカッション/ドラム:TREVOR・THORNTON、バック・ヴォーカル:BRENDA・RUSSELLGEOFFREY・ORYEMA、バック・ヴォーカル/キーボード/ギター:JACK・HUESのベテラン達です。 尚、MARTINは現在、カリフォルニアに在住し作曲を中心に活動中です。

1曲目"In The House Of Stone And Light"(5:00) 静かなイントロを持った曲ですが、アフリカン・サウンドのようなビートの効いた躍動的なリズムに展開する曲です。少しハスキーなMARTINの歌声とバック・ヴォーカルのGEOFFREY・ORYEMAの歌声が素晴らしく響いています。
2曲目"Shape The Invisible"(4:34) 当時シングル・カットされた曲でベースのサウンドが非常に効いたキャッチーなメロディとビートの良い曲です。またMARTIN の熱いヴォーカルが印象的です。
3曲目"I Was Made For You"(5:13) この曲は聴く度に全身鳥肌が立つのです。スローなイントロから何か底から込み上げてエモーショナルなリズムとパッションを感じるMARTINの美しい歌声とフレットレス・ベースのスライド音が一層調和します。詞の内容はストレートな表現を使った恋人に手差し伸べる自分の存在をアピールした内容です。ドラムはPHIL・COLLINSが叩いています。
4曲目"Keeper Of The Flame"(6:03) ドラムのビートの効いたポップなリズムとバック・ヴォーカルのハーモニーの重厚な曲で再びGEOFFREY・ORYEMAの登場です。アウトロのMARTIN のヴォーカルも圧巻です。
5曲目"In My Room"(5:33) 旧友BRIAN・FAIRWEATHER(Q-FEEL)の弾くナイロン弦ギターの響きとBILL・DILLONの泣きのギター・サウンドのよる素晴らしい曲ですが、詞の内容は非常にシリアスでダークなイメージです。
6曲目"Monkey In My Dreams"(6:38) BERNIE・TAUPINとの共作で収録より4年ほど前の作品です。打ち込みとループによるアップビートのエレクトロニカのサウンドとMARTINのQ-FEEL時代を彷彿とさせるハードなヴォーカルの曲で6分半を超える大作です。
7曲目"Put On Your Red Dress"(5:13) 一転して爽やかなメロディのお気に入り曲の登場です。美しい響く牧歌的なリズムとメロディによるカリフォルニアの西海岸の"カラ"っとした心地よいサウンドの曲です。女性バック・ヴォーカルが入っているようですが、クレジットの記載がないのでMARTIN のファルセットでしょうか。
8曲目"Broken Stairway"(2:49) MARTINの弾くピアノの美しい旋律によるゆったり流れる曲で、フレットレス・ベースの柔らかい響きに包まれる曲です。パワフルな曲からこのようなセンシティヴな曲までさらっとこなすMARTINのヴォーカリストとしての才能を非常に感じさせます。
9曲目"Light In Your Heart"(5:05) BRENDA・RUSSELLとの美しいハーモニーによる明るいポップなサウンドの曲です。前の曲とのサウンド・イメージが絶妙でアルバムとして曲の配列が非常に考えられています。この曲もBERNIE・TAUPINとの共作です。
10曲目"The Door"(4:35) JOSH・GROBANにも曲を提供しているMARTINですが、この曲は彼(JOSH)のイメージが似合う曲です。荘厳なサウンドと迫り来るビートでの曲です。
全10曲歌詞付 写真ライナー U.S.製 (輸入盤) 収録時間:50分48秒 (素晴らしいアルバムです。MARTINにはもっと自身のアルバムをリリースして貰いたいのですが...)'10年2月12日再更新
1994年度ベスト5


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写真  MARTIN PAGE / In The Temple Of The Muse
 ・2007 IroningBoard Records    IB00101-07

待ちに待った新作・・・

このアルバムは、イギリスのサザンプトン生まれ4人組エレクトロ・ダンス・ポップ・バンドQ-FEELのヴォーカル/ベースとして活躍した後、カリフォルニアに音楽活動の場を移したMARTIN・PAGEの2枚目のアルバムです。前作が '94年ですので実に14年ぶりの新作で、'08年1月本国でのリリースです。
前作はメジャー・レーベルMercuryよりのリリースでしたが、この作品はMARTIN自身のレーベルからリリースされています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARTIN・PAGE:ヴォーカル/ギター/ベース/キーボード/ドラム・プログラミング/パーカッション/プロデュースの他、NEIL・TAYLOR:ギター、BILL・DILLON:ギター、BRIAN・FAIRWEATHER:ギター、RUSSELL・BROOM:ギター、JACK・HUES:ギター、JIMMY・COPLEY:ドラムの有名ミュージシャン達が前作同様に参加しています。

1曲目"I Guess I Will"(4:46) 躍動感を押させたように淡々と流れるドラムのビートが逆に息を潜めたエモーショナルさを与えるリズムとサウンドの曲です。14年ぶりに聴く、少し高域で裏返るMARTINの特徴的な歌声を懐かしみながら耳を傾け、彼のセンスの良い音楽に再び納得させられるのです。
2曲目"Everything You Do"(4:33) 孤高に鳴り響く硬い目のドラムのビートに促されて登場するMARTINの優しい響きの歌声が心地好く流れる曲です。バックで流れるアトモスフェリックなギターのサウンドは、前作でも参加していたNEIL・TAYLOR(NEON,T.F.F.)かBILL・DILLON(SARAH・McLACHLAN)と思われます。
3曲目"Mi Morena"(5:01) バックで流れるフレットレス・ベースの切ない響きとMARTINのスモーキー・バリトン・ヴォイスも更に切なく流れます。前作のラストに収録されている"The Door" と厳かさを同じくとする曲調です。
4曲目"Try"(5:38) イントロのワイドな躍動感がMARTINらしいサウンドを感じさせる曲ですね。ファルセットで聴かせるMARTINのメロウ/ソウルフルな歌声によるメロデイアスなラブ・バラードです。
5曲目"Man In The Moon"(4:41) 美しいバリトン・ヴォイスを聴かせるエモ・ロックなビートとサウンドによる曲です。ゴージャスな響くギターのサウンドとエモーショナルな鼓動が直に響き伝わって来ます。
6曲目"Blessed"(2:58) ナイロン弦ギターの調べが美しく流れる曲で、MARTINが両親に捧げたと思える歌詞の内容になっています。シンプルな演奏と厳かなスタイルで聴かせています。
7曲目"The Long Walk Home"(5:12) キーボードが心地好く流れるイントロが良いですね。サウンド的には、MARTINの持ち味を十分に伝えて来る熱いエモーショナルなものを感じさせます。これからの旅立ちを歌にしているようですが、抽象的な表現もあるようです。
8曲目"Song For Ruth"(5:18) この曲はMARTINの母親の為に書かれています。美しいメロディとスローなリズムに乗せ母親と過ごした幼少期の思い出と自身の旅立ちなどが綴られています。
9曲目"When Johnny Sang The Blues"(6:05) この曲は前作のアルバムのサウンドとビートを受け継いだグルーヴ感を与えます。曲の途中より流れるエモーショナルなギター・サウンドが心地好い6分を超える曲です。
10曲目"Where The Sun Is Buried"(4:52) MARTINにして少しソフトなメロディとサウンドの曲ですね。人生の円熟期を迎えたMARTIN、とても落ち着いた歌詞の内容ですが、人類の愚かさ歌っているようにも聴こえます。
全10曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:49分09秒 (他のミュージシャンへの曲の提供やツアー・バンド/スタジオ・ワークなどの活動していたMARTIN、やっと自身のアルバムを発表してくれました。尚、ライナーの末尾には日本の諺「七転び八起き」の事が記載されていて、少し"にや" っとさせられます)'10年2月12日再更新


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写真  MARY KARLZEN / Yelling At Mary
 ・1995 ATLANTIC RECORDINGS CORPORATION    82646-2

サウンドに華やかさを増したメジャー・デビュー盤・・・

シカゴで生まれ育った後にフロリダに移り住んだS.S.W.MARY・KARIZENの2枚目のアルバムで '95年のリリースです。MARYは '92年にインディーズ・レーベルY & T Musicよりセルフタイトルの10曲入盤でデビューしています。このアルバムはMARYの持つ素朴なカントリー調の楽曲にプロデューサーにKEVIN・McCORMICK(JACKSON・BROWNE)を迎えMARYのアメリカンルーツロックの持ち味の壊さずにメジャーならではのサウンドに華やかさを加えたアルバムとなっています。
収録にはMARY・KARIZEN:ヴォーカル/アコースティック・ギター/プロデュースの他、ベテラン勢のMARK・GOLDENBERG:ギター、MARK・SCANDARIATO:ギター/バック・ヴォーカル、FROILAN・SOSA:ギター、JORGE・BARCALA:ギター/プロデュース、DAVID・HIDALGO:ギター/バック・ヴォーカル、BOB・GLAUB:ベース、JOSE・TILLAN:ベース、GREG・LEISZ:マンドリン、KENNY・ARONOFF(JOHN・MELLANCAMP,LISA・GERMANO):ドラム、DEREK・MURPHY:ドラム、LUIS・CONTE:パーカッション、BENMONT・TENCH(TOM PETTY & THE HEARTBREAKERS):キーボード、KAY・HANLEY:バック・ヴォーカル、ANDREW・HYRA:バック・ヴォーカル、SCOTT・THURSTON:バック・ヴォーカルのロス・アンゼルスのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Everybody's Sleeping"(3:54) リッケンバッカーの12弦ギターの独特の煌びやかサウンドによるオープニングにやられました。乗りの良いドラムのビートにイノセント・ヴォイスとエモーショナルな歌声を使い分けるMARYの巧みなヴォーカル・スタイルによるアップビートの曲です。
2曲目"Stronger"(4:03) カントリー・シンガーらしい歌声に少し甘ったるさを加味したようなMARYの歌声によるカントリー・ポップな曲です。バック・ヴォーカルには、この後ソロ・デビューするKAY・HANLEYが参加しています。
3曲目"Dimestore Life"(4:55) バック・ヴォーカルにANDREW・HYRA(BILLY PILGRIM)の熱いエモーショナルな歌声が加えられたスピード感のあるギター・サウンドでのパワード・ポップです。
4曲目"Time's Forgotten Crime"(3:48) アコースティック・ギターによるMARYの弾き語りです。次第に加えられる楽器類によりサウンドの厚みも増します。スローなリズムの中にもMARYの自作の曲へのこだわりを垣間見る曲のようです。
5曲目"I'd Be Lying"(2:59) 再び非常にテンポの良い曲の登場です。掻き鳴らせるギターのサウンドと乗りが良く次々に繰り出されるDEREK・MURPHYのドラムのビートが非常に効いた曲です。
6曲目"Way I See It"(4:28) JACKSON・BROWNがバック・ヴォーカルで参加している曲です。ギターのサウンドがたっぷり響くミドル・テンポのロックなナンバーです。MARYの"ハキハキ" した歌声にジェントルなJACKSONの歌声の絡みは、やはり聴いていて良いですね。
7曲目"Wooden Man"(4:55) MARYのイノセントな歌声を全面に出したギターポップで子供時の想い出を題材にしています。ほとんどの曲に参加しているギターのMARK・SCANDARIATO(前作でのプロデューサー)のギターのサウンドが効いています。
8曲目"Another Town, Another Place"(3:04) テンポの良いギター・ポップ調で荒野の一本道のハイウェーをピックアップでひたすら走るさまが似合いそう曲です。間奏のギター・ソロも弾きに弾いて聴かせどころを押さえています。
9曲目"Walk Like You"(4:07) DAVID・HIDALGO(LOS LOBOS)がギターとヴォーカルで参加したカントリー調のロックのリズムの曲です。摘むように弦を弾き鳴らすDAVIDのギター・サウンドが印象に残ります。
10曲目"Wish You Well"(4:29) やっと登場したスローで落ち着いた曲です。アコースティック・ギターの爪弾きとMARYの甘い歌声に被せたペダル・スティールののどかなサウンドによる曲です。
11曲目"Anywhere Is Better Than Here"(4:59) カントリー調のグレッチの歯切れ良い金属音のサウンドによる、これぞアメリカン・ルーツ・ロックと言える曲です。テネシアンが手放しで喜びそうなサウンドとMARYの歌声です。
12曲目"St.James Hotel"(3:28) ツアーでの一幕を歌にしたのでしょうか。DAVID・HIDALGOのアコーディオンのサウンドが曲のイメージにぴったり嵌っています。後半からのギターのサウンドも圧巻です。
全12曲歌詞付 小型ポスター型ライナー US盤 (輸入盤) 収録時間:49分03秒 (発売当時大量に日本で出回ったようで、中古CDの価格が非常に安価で入手容易なのも購入者にとっては嬉しいことです)'10年2月13日再更新


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写真  MATTHEW WEST / Happy
 ・2003 Universal South Records,LLC    B0000977-02

違和感なく聴けるCCMシンガー・・・

このアルバムは、イリノイ州シカゴ出身で現在、ナッシュヴィルで活躍しているCCM系ポップ・ミュージシャンMATTHEW・WESTのメジャー・デビュー盤で、'03年12月本国でのリリースです。本作でのデビュー前にMATTHEWはインディペンデントとして3枚のアルバムもリリースしています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MATTHEW・WEST:ヴォーカル/ギターの他、JIMMY・COLLINS:ギター/キーボード/プログラミング、KENNY・GREENBERG:ギター/バック・ヴォーカル/プロデュース、B.JAMES・LOWRY:ギター、JIMMY・LEE・SLOAS:ベース、SAM・MIZELL:キーボード、CHRIS・McHUGH:ドラム、ERIC・DARKEN:パーカッション、JONATHAN・YUDKIN:ストリングス、MILLS・LOGAN:プログラミング、GREG・BIECK:プログラミング、JASON・HOUSER:バック・ヴォーカル/プロデュースのナッシュヴィルのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"More"(4:28) メランコリックな情景を醸し出すピアノ響きによる出だしからエモーショナルに攻めるギター・ポップな曲です。
2曲目"Happy"(3:36) HIP HOPのリズムとスポーケンで捲くし立てるMATTHEWの歌声による曲で、ディストーションで響くサウンドとビートの刻みが心憎いです。
3曲目"The Turnaround"(3:59) クールなMATTHEWの歌いぶりと叙情的な転調の持ち方などからブリティシュ・テイストを非常に感じさせるサウンドの曲です。
4曲目"I Can't Hear You"(3:20) ハードなサウンドとドラムのビートを重視したパワード・ポップです。近年のグランジ/ブリット・ロックを通過してきたサウンドのロックでしょうか。
5曲目"You Know Where To Find Me"(3:55) この曲を始めて聴いた時、本当に同じくアメリカで活躍しているHOWIE・DAYのことを思い出しました。この2人のアルバムを同時に持っている人は、多分同じことを考えているかも。
6曲目"The End"(3:58) 牧歌的なアコースティック・ギターのサウンドとMATTEW自身のドラムを合わせたシンプルな出だしから次第にエモーショナルに展開させるMATTEWのヴォーカルを聴かせる曲です。
7曲目"Out Of My Hands"(3:55) 伸びやかな歌声を聴かせるミドル・テンポのナンバーです。サビのメロディとバック・ヴォーカルとのハーモニーが非常に印象的な曲です。
8曲目"The Lie"(3:53) MATCHBOX 20を彷彿とさせるエモーショナルでハードなサウンドのロックです。CCMの特徴的な歌詞も見当たらないし、ひとつのロックの曲としても十分なサウンドと内容を持って違和感なく申し分ないです。
9曲目"Every Second"(4:03) この曲もMATTHEWのエモーショナルで熱いもの感じさせる曲です。長く響くディストーション・ギターのサウンドが心地好く流れながら、MATTHEWの元気一杯のサウンドに触れる感じ好さが良いですね。
10曲目"My Finest Hour"(3:38) シンプルで幻想的なサウンドのギターとキーボードの響きの曲でMATTHEWが美しい歌声を聴かせるスローな曲です。
11曲目"Curtain"(3:50) エモ・ギターのサウンドによる曲で、N.Y.で活躍しているGAVIN・DeGRAWのサウンド・スタイルにも通じるメロディとサウンドの曲です。この曲のアウトロの後30秒程のブランクからMATTEWの息子さんの歌が収録されています。
全11曲歌詞付 写真ライナー HDCD仕様 (輸入盤) 収録時間:44分11秒 (CCM系のシンガーらしいのですが、このアルバムからは、そのような雰囲気を読み取れません)'10年2月13日再更新


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写真  MAXUS / Maxus
 ・1981 WEA International Inc.
 ・1998 WARNER MUSIC JAPAN    WPCR-2153

世界中のコレクターが探して・・・

オリジナル盤のリリースは、'81年です。'98年9月25日に日本で初CD化されて発売されていましたが、現在は、廃盤状態になっていてオークションなどを通じて世界中のコレクターが探しているアルバムで、海外でも今なお人気があるようです。バンドのメンバーは、MICHAEL・LANDAU:ギター、JAY・GRUSKA:ヴォーカル/キーボード、ROBBIE・BUCHANAN:キーボード/シンセサイザー/バック・ヴォーカル、MARK・LEONARD:ベース/バック・ヴォーカル、DOANE・PERRY:ドラム/バック・ヴォーカルのスタジオ・ミュージシャンによる5人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、先の5人の他、MICHAEL・OMARTIAN:シンセサイザー/パーカッション/ストリングス・アレンジ/プロデュース、PAULINHO・DA・COSTA:パーカッション、BILL・CHAMPLIN:バック・ヴォーカル、TOMMY・FUNDERBURK:バック・ヴォーカル、JENNIFER・WILLIAMS:バック・ヴォーカル、IAN・UNDERWOOD:プログラミングの有名ミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデューサーは、MICHAEL・OMARTIAN(PETER・CETERA,CHRISTOPHER・CROSS)で彼自身収録にも参加しています。

1曲目"The Higher You Rise"(3:50) MICHAELの甲高いギターのサウンドをイントロに配したメロディアス・ロック的な曲です。サウンド的には初期のTOTOの雰囲気を持っています。JAYの高いキーでの歌声が似合う曲です。
2曲目"Nobody's Business"(3:21) ピアノのサウンドを基調としシタール・ギターを使った曲です。コーラスの付け方は、非常にオーソドックスなウエスト・コースト(FOOLSGOLD, DOOBIE BROTHERSなど)のバンドらしいスタイルです。
3曲目"What You Give"(3:53) 一転してスローなイントロの曲ですが、エモーショナルな不思議なフレーズのギター・サウンドのポップ・ロックです。殆どの曲を手掛けているJAYとROBBIEの共作です。後半よりのMICHAELのギターは流石です。
4曲目"Keep A Light On"(3:22) しっとりしたBOBBY・CALDELLの曲の雰囲気に似た感じの曲です。MICHAEL・OMARTIANらしいミキシングが随所に表れた曲です。
5曲目"Your Imagination"(3:31) 小刻み繰り出されるリズムとチョッパー・ベースによる非常にファンクな曲です。このような曲には、やはりBILL・CHAMPLINのバック・ヴォーカルが最適でしょう。
6曲目"They Danced"(4:01) ロックロックした曲です。MICHAELのギターは、ご機嫌なサウンドを奏でています。これでもかと言うほどMICHAELは、弾きに弾いています。
7曲目"Part Of You"(3:03) 美しいピアノの音色でのバラードです。バック・ヴォーカルも非常に美しくドラマチックなアレンジと伸びやかなMICHAELのギターが印象に残る曲です。
8曲目"Don't Try To Stop Me Now"(4:40) MARKのベースのサウンドが非常に効いたリズミカルな曲です。パーカッシブなサウンドとホーンのアレンジは、STEELY DANのサウンドに影響を受けた気がします。
9曲目"Where Were You"(5:21) スリリングなメロディと乗りの良いサウンドによる曲です。歪ませたMICHAELのギターのサウンドと心地好いキーボードのサウンドによる曲で、後半のキーボードの演奏は圧巻です。
全9曲歌詞付 写真ライナー (国内盤) 収録時間:35分06秒 (超多忙のスタジオ・ミュージシャンが集まって出来上がったアルバムです。僅かに1枚のみのアルバムリリース、このまま活動していれば凄いバンドに成っていたのでは…? 長い間廃盤状態だったこのアルバムですが、'10年7月21日SHMCD紙ジャケット限定盤にて再リリースされました)'10年7月21日再更新


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写真  MEERNAA / Strange Life
 ・2018 Native Cat Recordings    TIGER BOMB PROMO

R&Bに彩られたポスト・ロック・・・

このアルバムは、カリフォルニア州オークランドでインデペンデントに活躍しているオルタナティヴ/ロック/ブルースS.S.W.MEERNAA(A.K.A. CARLY・BOND)のデビューEP盤('15年ごろのダウンロード曲は含まない)で '18年6月8日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CARLY・BOND:ヴォーカル/ギター/キーボード/プロデュース、ROB・SHELTON:キーボード/ピアノ/サンプル/プロデュース、DOUG・STUART:ベース/キーボード、ANDREW・MAGUIRE:ドラム/パーカッション、JAMES・RIOTTO:キーボード、ADAM・HIRSCH:サックスのベイ・エリアのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデューサーは、CARLY・BOND、JAMES・RIOTTO(SOPHIE・HUNGER)とROB・SHELTONの共同で行われています。

1曲目"Wildest Eyes"(4:35) R&Bの要素を強く感じるメロウな曲です。シンセサイザーの響きと足並みを揃えたリズムの流れに心地好さを感じます。MEERNAAの出演したビデオもどうぞ。
2曲目"Good Luck"(5:17) フェンダー系のギターを爪弾きながらゆったりと歌うMEERNAAです。バックのハモンドの広がりや重く黒いイメージを放つベースのサウンドが印象に残ります。
3曲目"Now I Know"(3:16) 工場の機械音かエコー・サウンドによるサンプルがイントロに流れる曲です。サックスのメロウな調べから時にエモーショナル歌うMEERNAAのスムーズな歌声に聴き入ります。
4曲目"Strange Life"(5:08) 厳かに流れるイントロの音色に合わせ非常に澄んだ歌声をMEERNAAが聴かせる曲です。曲全体の流れは、エクスペリメンタルな要素やエコーチェンバーを多用したチルアウトな質感です。
歌詞無し ライナー無し 2折紙ジャケット仕様 TIGER BOMB PROMO 限定CD-R盤 (輸入盤) 収録時間:18分17秒 ('19年6月に新作をリリース予定のMEERNAA、そちらも非常に楽しみです)'19年5月4日更新


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写真  MEERNAA / Heart Hunger
 ・2019 Native Cat Recordings    

情熱とチルアウトが上手く融合した・・・

このアルバムは、カリフォルニア州オークランドでインデペンデントに活躍しているオルタナティヴ/ロック/ブルースS.S.W.MEERNAA(A.K.A. CARLY・BOND)の2枚目のアルバム('15年〜'17年のダウンロード曲は含まない)で '19年6月14日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CARLY・BOND:ヴォーカル/ギター/シンセサイザー、ROB・SHELTON:キーボード/シンセサイザー/ドラム・マシーン/プログラミング、DOUG・STUART:ベース/キーボード、ANDREW・MAGUIRE:ドラム/パーカッション、JAMES・RIOTTO :ベース・シンセサイザー/ドラム・マシーン、NICK・GRINDER:トロンボーン、LUKE・TEMPLE:ヴォーカル/ギター/オルガンの前作でのベイ・エリアのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデューサーは、今作もCARLY・BOND、JAMES・RIOTTO( SOPHIE・HUNGER)とROB・SHELTONの共同で行われています。

1曲目"Backroads"(5:13) 1分近くあるキーボードとシンセサイザーのサウンドの鼓動音似たイントロの後に登場するMEERNAAのメロウな歌声が心地好く響くR&Bとチルアウト・サウンドが融合した曲です。
2曲目"Wells"(3:11) 今度はMEERNAAの奏でるギターのサウンドを前面に出して来たミドル・テンポの曲です。フェンダー系ギターのトレモノアームを使った揺らぎとライヴ演奏を演出した感のある演出を感じます。
3曲目"Thinking Of You"(4:32) この曲もメロウな調べが心地好く響く曲です。西海岸のアーバン・ソウルちっくなスムーズさや艶やかさを非常に感じます。
4曲目"Ready To Break"(4:34) 今度はレトロな70年代のエレクトロニカ・サウンドを演出した感のある曲です。使っているシンセサイザーや電子ピアノなど多分、当時の楽器を使っているのでは。間奏で登場するMEERNAAのギター・ソロも力強さ感が好いですね。
5曲目"Black Diamond Mine"(8:27) どこかで聴き覚えのあるメロディが走馬灯のように回りながら響くこの曲もスローなリズムの曲です。曲の半分の流れからテンポを上げギターのサウンドをメインとしたインストゥルメンタルへと展開されています。
6曲目"Ridges"(5:32) 訥々と奏でるギターのサウンドと揺らぎを持ったシンセサイザーの響きがバックに響く曲です。重いシンセ・ベースのサウンドとシンプルなギターサウンドによるMEERNAA得意のチルアウトな世界が広がります。
7曲目"Better Part"(4:32) この曲です。MEERNAAの歌声と音楽の虜にした最初の曲です。アルバムのリリース前の4月に公開されているビデオでのサウンドと間奏のギターのエキセントリックなサウンドが堪りませんね。
8曲目"Miss Marple's Mystery Moon"(1:25) キーボードとギターの演奏による短いインストゥルメンタルです。曲のタイトルからしてMEERNAAは、アガサ・クリスティーの小説のファンのようです。
9曲目"Bluffs"(4:36) オーケストラの演奏が始まる前のチューニング段階のような様々な楽器の音色が混ざった不協和音のようなイントロが印象的な曲です。ゆったりと流れるピアノの調べに合わせ訥々と歌うMEERNAAの歌声が切なく響きます。
ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:42分03秒 (実はこのアルバムBandcampを通じてCDを予約していたのですが、レーベルより日本代理店から購入依頼があり、その代理店にCDの販売がない為、CDとして購入出来なかった経緯があります)'19年6月15日更新


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写真  MEERNAA / So Far So Good
 ・2023 KEELED SCALES    KS062CD

4年ぶり・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍しているオルタナティヴ/ロック/ブルースS.S.W.MEERNAA(A.K.A. CARLY・BOND)の3枚目のアルバム(Audiotree Live盤は含まない)で '23年10月6日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CARLY・BOND:ヴォーカル/ギター、ROB・SHELTON:キーボード/シンセサイザー、DOUG・STUART:ベース/ストリング・アレンジ、ANDREW・MAGUIRE:ドラム/パーカッションの他、CRYSTAL・PASCUCCI:チェロ、SHAINA・EVONIUK:ヴァイオリン、TYLER・ENGLISH:ペダル・スティール、GENEVA・HARRISON:ドラム/パーカッション、KACEY・JOHANSING:バック・ヴォーカル、JILL・RYAN:フルート/サックス、NICOLE・McCABE:サックス、MARK・CLIFFORD:ストリング・アレンジの西海岸のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"On My Line"(3:12) イントロのギター・リフをちょっと聴いたところで一発MEERNNAの曲と分かる雰囲気と忘れがたい印象を伝える曲です。22年の2月にリリースされたこのアルバムの中では一番古い曲です。
2曲目"Another Dimension"(4:30) ハモンドの爽やかな調べとバックの揺らぎを持ったギター・サウンドを聴くとやはりMEERNNAの音楽と納得する曲です。繰り返し押し寄せるエモーショナルなリズムの波とちょっと冷めたMEERNAAの歌声が好いですね。
3曲目"As Many Birds Flying"(4:50) この曲もメロウな調べが心地好く響く曲です。西海岸のアーバン・ソウルちっくなスムーズさや艶やかさを非常に感じます。7月に公開されたこのアルバムからの一押しのビデオもどうぞ。
4曲目"Mirror Heart"(3:33) シンセサイザーの揺らめきながら広がる幻想的のサウンドがイントロから流れる曲です。アコースティック・ギターの落ち着いた優しい響きにこれまた落ち着いた歌声を聴かせるMEERNNAです。
5曲目"Black Eyed Susan"(5:03) この曲もアコースティック・ギターの美しい響きが流れ、ストリングスの音色が重ねられたチル+ムード・ミュージック的な曲です。コンガの心地好いリズムに合わせゆったりとMEERNNAの歌声が響きます。
6曲目"I Believe In You"(3:15) MEERNNAのアルバムの曲が好きな理由として彼女の持っているチルアウトなフィーリングが好きなのです。この曲もファンキーな一面を持っているのですが、そこに特化せず底辺にあるクールな広がりを持ち合わせてところです。
7曲目"Framed In A Different State"(4:13) アルバムの後半になってからこの曲も含みちょっと違った曲の方向になって来ました。この曲など非常にオーソドックスな調べとリズムによるR&Bのようです。
8曲目"Bhuta Kala"(3:39) バリ島の伝統舞踏の名が曲名となっています。イントロから響くアコースティック・ギターの美しい音色、次第に打楽器類のビートが追加され心地好い響きが流れます。
9曲目"So Far So Good"(3:48) レトロな電子オルガンの電子音色と訥々と歌うMEERNNAの落ち着いた歌声によるスローなテクノ/ポップな曲です。わざと淡々としたリズムの流れと起伏を抑えた彼女の歌声が印象的です。
10曲目"Love Is Good"(5:25) MEERNNAの少し荒らしたギターの音色が要となったクールなR&Bです。MEERNNAの御主人であるROB・SHELTONのクラヴィネットの演奏のかっこ好いこと。
歌詞無し ライナー無し 2折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:41分33秒 (今回は、レーベルも変わりCD盤として購入出来、10月4日発送案内がありました!)'23年10月6日更新


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写真  MEGAN SLANKARD / Lady Is A Pirate
 ・2001 Megan Slankard    MS2966

アン・サインド・アーティストのMEGAN・・・

このアルバムは、弱冠18歳(このアルバムの収録時)MEGAN・SLANKARDが奏でるギルドD55から繰り出されるアコースティック・ギターのサウンドに乗せた彼女の美しい歌声と彼女と同じくサン・フランシスコで活躍するRICH・TALLEYのベースのサウンドが織り成すシンプルな楽曲達のがきらっと光る素晴らしいアルバムです。
アメリカのアン・サインド・アーティスト(レコード会社と契約しない:サインしないアーティスト)100人の常に上位に位置するMEGANのデビュー・アルバムで '01年7月18日のリリースです。全曲MEGANの作詞/作曲と殆どの曲のアレンジは彼女自身が行なっています。また、各曲の歌詞は全て違うフォントで記載されていたり、作曲された日時も記載された懲りようです。
プロデュースは、MEGANと兄弟のTOM・W.SLANKARDと共同にて行われています。

1曲目"Landed"(3:43) MEGANのアコースティック・ギターのストローク・サウンドとRICHのうねりを持った重い響きのベースのサウンドに乗せ歌うMEGANの美しく非常に伸びやかな歌声と混じが印象的であり、このシンプルなアコースティック・サウンドが生きています。
2曲目"Practice Electra"(3:07) ややアップテンポな曲です。サウンドのスタイルは、前曲と彼女の弾き語りに近いですが、素晴らしいセルフ・ハーモニーをあしらっています。
3曲目"Strictly Mr. T"(4:08) 息を吐かせないMEGANのヴォーカルは女性版JASON・MRAZでしょうか彼女の弾くアコースティック・ギターのトーンも時に激しくまた優しく奏でられています。ギターのボディー・アタックによるリズムの取り方も流石です。
4曲目"Damn You"(4:15) MEGANの弾くアコースティック・ギターの音色とRICHのベースのサウンドが融合した素晴らしい曲です。MEGANの時折自然に裏返る伸びやかな歌声は非常に魅力に満ち溢れています。
5曲目"Fly Now"(4:30) アコースティック・ギター1本による弾き語りです。RICHのベースのサウンドも非常に控えめでセンシティブな彼女の歌声を優しく包み込んでいます。
6曲目"Second Best"(3:52) イントロで手の平で弦をミュートさせたギターのサウンドでノック・アウトさせられたグルーヴ感が最高に素晴らしい曲です。バックでMEGANを支えていたRICHがやっと前面に出てきた彼のフレットレス・ベースのソロが堪りません!
7曲目"Haven't Been Down"(4:30) MEGANのギター1本による弾き語りです。時折、入れられるギター・ボディーへのアタック音を上手く使ったリズムの取り方など玄人受けしそうな演奏です。
8曲目"Radio Blues"(5:46) アコースティック・ギターによる6分近くあるMEGANのブルースです。ブルースに有りがちな重たさとくどさを持っていないところに好感が持てます。ソウルフルな彼女の歌声も"渋い" です。
9曲目"Me Again"(4:16) BOB・DYLANの"All Along The Watchtower" を彷彿とさせるアップテンポのギター・サウンドの曲でMEGANの卓越したヴォーカルも素晴らしいです。
10曲目"The Feud"(4:41) 彼女のスポーケンと美しい歌声とを折り混ぜた曲です。豊かに鳴り響くアコースティック・ギターのサウンドと力強さを感じさせる曲です。
11曲目"Company"(3:41) ギター・サウンドによるジャジーなバラードです。とても18歳の少女の自作の曲と演奏と思えません!艶かしさと美しさを併せ持ったMEGANの歌声による曲です。
12曲目"I Hoped You Would"(3:16) ギターのストローク・サウンドと豊か響くMEGANの吐息混じりの歌声によるミドル・テンポのナンバーです。
13曲目"Lady Is A Pirate"(3:22) 彼女のギターでの弾き語りを主体とした曲でバックにマンドリンのサウンドがさり気なく配されているようです。この曲を収録した時の彼女の出帆の心意気を歌にしたような内容です。
全13曲 歌詞付 写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:53分11秒 (まずは名刺代わりのリリースしたアコースティック・サウンドのデビュー盤です。次の作品はバンド・スタイルによるパワー・アップしたサウンドによるアルバムをリリースしています)'10年2月15日再更新
2001年度ベスト5


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写真  THE MEGAN SLANKARD BAND / Freaky Little Story
 ・2003 Megan Slankard    MSB2386

地元では非常に人気のある人です・・・

サン・フランシスコ出身のMEGAN・SLANKARD2枚目のソロ・アルバムで '04年6月22日のリリースです。
この作品は、バンドスタイルの収録となりサウンドの厚み増した作品となっています。作詞と作曲は、全てMEGANによります。
インデペンデントとして活躍しているにも関わらずDIRE STRAITSのDAVID・KNOPFLERに曲を提供し、そのDAVIDのドイツ/イギリスツアーに同行し、オープニング・アクトとしても活躍しています。
このアルバムでのメンバーは、ギター/ヴォーカル:MEGAN・SLANKARD、ベース:DAVE・MOFFAT、エレクトリック・ギター:MIKE・HSIEH(アジア系アメリカ人)、ドラム:IAN・STAMBAUGHです。アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、チェロ:SAM・LEACHMAN、サンプル/スクラッチ:ANTHONY・COLE、シェーカー/プロデュース:CHRIS・HOLMSの地元のミュージシャンが参加しています。

1曲目"Too Bad You"(3:24) 歪ませたギターのサウンドのイントロに続きMEGANの20歳らしからぬ落ち着いた歌声と時折裏返る伸びやかで力強い歌声によるギターポップです。
2曲目"Mocking Bird"(3:04) スクラッチとサンプルを取り入れたオルタナティヴ・ギター・サウンドとソウルフルなヴォーカルによるスローなアシッド系の曲です。
3曲目"Dirty Wings"(3:34) 乾いたドラムのビートとベースのサウンドでの曲でSARAH・McLACHLANを彷彿とさせるMEGANの歌声による素晴らしい曲です。この曲のMIKE・HSIEHとアコースティック・ライヴの模様はYouTubeでどうぞ。
4曲目"Captain Madness"(4:00) MEGANの卓越したヴォーカルスタイルを満喫できる一曲でバックのサポートもバッグンです。コンパクトで無駄のないMIKEのギターソロも素晴らしい。
5曲目"Addy's Tattoo"(3:40) チェロの音色が寂しさを誘うスローなナンバーです。Addyの恋する男性への想いを綴った曲です。
6曲目"Lose Me"(3:47) 打ち放たれるドラムのビートとMEGANのアコースティック・ギターのサウンドが調和するオルタナティヴな曲でMEGANの美しく上下するキーによるヴォーカルスタイルが小気味良いです。
7曲目"Give Life"(4:42) エモーショナルなリズムによるサウンド・スタイルこの曲では、MEGANの歌声は、非常にイノセント(良い意味での)な響きを持っています。
8曲目"Forget"(4:35) JASON・MRAZの作り出すサウンドとヴォーカル・スタイルと同じコンセプトの曲でアウトロのMIKEのギタ・ーソロはアグレッシヴにドライブした非常に素晴らしいものとなっています。
9曲目"Nearly Almost Always Nearly Almost Anything"(4:59) 一転して静かでしっとりした曲です。彼女がこの曲を書いた時は18歳でこのような曲を書ける彼女の才能に驚きを隠せません。
10曲目"Holding Off"(3:45) イントロのギター・サウンドが非常にかっこいい曲でダイナミックに展開する曲でメロディが非常に美しくクールな1曲です。
11曲目"It's All My Fault(But I'm Not Sorry)"(3:57) ポップでリズミカルな曲で、MEGANの卓越したヴォーカルを聴かせてくれます。ドラム、ギター、ベースとの息もぴったりで頼もしい演奏です。
12曲目"Flying Backwards"(5:21) MEGANのアカペラに近いイントロから彼女の弾くアコースティック・ギターのストロークと爪弾きを使い分けたしっとりとした曲で彼女の素晴らしい清涼感に満ちた歌声に浸れる曲です。
13曲目"The Freak Out Song"(6:19) この曲はリズムとアコースティック・ギターのサウンドが非常に印象的な曲で一度聴いたらなかなか耳から離れない曲です。間奏では、JASON・MRAZばりのスキャット・ヴォーカルを聴かせてくれます。十数秒のブランク後にMEGANの弾き語りによるヒドゥン・トラックが入っています。
この曲"The Freak Out Song"のライヴでのハプニングはYouTubeでどうぞ(笑)
全13曲歌詞付 豪華ブックレット (輸入盤) 収録時間:55分11秒 (弱冠18歳で全曲オリジナル曲と彼女のアコースティック・ギターの弾き語りでデビューしたMEGANは、地元サン・フランシスコで、非常に人気の高いアーティストです)'10年2月15日再更新


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写真  MEGAN SLANKARD / A little Extra Sun
 ・2005 Megan Slankard    8 3710109504 4

インディースらしく挨拶がわりにEP盤を・・・

サンフランシスコでインディペンデントに活躍するMEGAN・SLANKARDの3枚目のアルバムで、'05年9月6日に本国でリリースされた5曲入りEP盤です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MEGAN・SLANKARD:ヴォーカル/ギターの他、ADAM・ROSSI(LUCE):キーボード/プログラミング/プロデュース、DAN・VICKREY(COUNTING CROWS):ギター、NELSON・BRAXTON:ベース、STEVE・BOWMAN(COUNTING CROWS):ドラム、BRIAN・COLLIER:ドラムの1部バークレー出身オルタナティヴ・ロック・バンドCOUNTING CROWSのメンバー達も参加しています。

1曲目"My Hallelujah"(3:47) イントロから聴かせますね。細かく刻むギターのサウンドとMEGANの妖艶さを増した歌声でスローにまた、エモーショナルに歌い上げるMEGANの歌声とオルタナティヴのサウンドでの曲です。
2曲目"Sails"(3:30) 非常に煌びやかで明るく軽やかなこれぞポップスと言える曲です。理屈抜きでMEGANの歌声を楽しめる、美しいメロディの曲です。オーソドックスさの中に"キラッ" と光る何かがある曲です。
3曲目"Planets"(4;16) この曲はドラムのビートが非常に心地好いですね。MIKE・HSIEHのエレクトリック・ギターのサウンドとMEGANのカントリー調の歌声による曲です。間奏のハモンドのサウンドもご機嫌です。
4曲目"You Love Like"(3:58) アコースティック・ギターとピアノの調べが調和した美しい曲です。チェロの音色とMEGANの優しさ溢れる歌声と落ち着いたメロディによるスローな曲です。
5曲目"Riley"(2:58) 前のアルバム[Freaky Little Story]のサウンドに近いバンド・スタイルでの非常に乗りの良いパワフルなご機嫌な曲です。この曲でもMEGANの卓越したヴォーカルを披露しています。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:18分31秒 (前作からツアーに明け暮れたMEGANです。インディースらしく挨拶がわりにEP盤を...でも非常に美しいアルバムです)'10年2月15日再更新


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写真  MEGAN SLANKARD / A Token Of The Wreckage
 ・2011 Megan Slankard    8 84501 39216 7

6年ぶりのアルバム・・・

このアルバムは、サンフランシスコで活躍しているS.S.W.MEGAN・SLANKARDの本国で '11年3月8日にリリースされた6年ぶりの4枚目(前作の5曲EP盤を含む)アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MEGAN・SLANKARD:ヴォーカル/ギター/ピアノの他、DANNY・BLAU:キーボード/ギター/シンセサイザー、JAMES・DEPRATO:ギター/ペダル・スティール/マンドリン、JEFF・SYMONDS:ベース、KYLE・CAPRISTA:ドラム/パーカッション/バック・ヴォーカルの新生MEGAN SLANKARD BANDにDAVE・BRYSON:ギター/ベース/マンドリン/キーボード、JIM・BOGIOS:ハイ・ハット、JERRY・BECKER:ギター/キーボード/ノイズ、YAIR・EVNINE:チェロなどMEGANの音楽仲間達が参加しています。
尚、プロデュースは、MEGAN・SLANKARDと収録に参加しているJERRY・BECKER(TRAIN ?)が担当しています。

1曲目"A Token Of The Wreckage"(5:19) このアルバム・リリース前より紹介されていたこのアルバム・タイトル曲です。厳かに奏でられるハモンドB-3のサウンドに合わせてスムーズに歌うMEGANの歌声が心地好く感じます。前作からサウンド・スタイルをしっとりとしたスローなナンバーを中心とした方向性をこの曲は引継いでいます。
2曲目"Fair Enough And Farewell"(4:00) この曲は、キーボードのDANNY・BLAUとMEGANとの共作となっている曲で、ポップなサウンドと心地好いリズムの流れを聴かせます。6年ぶりに聴くキュートで爽やかなMEGANの歌声の響きも感じ良く伝わって来ますね。
3曲目"Our Little Secret"(3:24) ベースのJEFF・SYMONDSとMEGANとの共作による曲で、イントロからカッコ良く登場するドラムとアコースティック・ギターのサウンドが堪りません。また、サビの部分でのMEGANの高域で聴かせる透明感のある歌声がリフレインとなって非常に印象に残ります。
4曲目"The Tragic Life Of Caleb"(3:40) 今度は、アコースティック・ギターによるMEGANの弾き語りから入るフォーク調の曲です。バックに広がるJAMES・DEPRATOのペダル・スティールのサウンドは心地好く感じます。
5曲目"My Obsession With Bees"(3:31) この曲は、全体に響くギターのサウンドが非常に素晴らしい曲で、新生バンドとして参加したDANNY・BLAUとJAMES・DEPRATOの力量とMEGANのソングライティングとの融合が見事に開花したと思われます。
6曲目"The Happy Birthday"(3:21) ちょっと下世話な話で申し訳ないのですが、ホーム・ライヴなどの活動もしているインディペンデントのMEGANですので、招待された家族の誕生日ライヴなどで歌詞の登場人物を入れ変えて演奏されることがありそうな曲ですね。美しく響くアコースティック・ギターとペダル・スティール・ギターのサウンドによるカントリー・フォーク調の曲です。
7曲目"The Pain Of Growing Up"(3:56) この曲も非常にアメリカの女性S.S.W.らしいアコースティック・ギターのサウンドを中心に展開させる曲ですが、次第にエレクトリック・ギターのサウンドに置き換えられてダイナミックな広がりを感じさせます。
8曲目"Soundtrack"(2:47) 少し短い目のお気軽さを感じさせるリズミカルな曲の登場です。チャーミングさを強く感じさせるMEGANの歌声と彼女の売りであるシャウトさせた歌い方が堪能できるのです。
9曲目"Beautiful Makeshift"(4:17) そう言えば、MEGANが18歳でデビューしてから早10年の歳月が流れたのを感じさせる清楚な中にも妖艶さを増したと感じさせるイントロのメロウな彼女の歌声からノックアウトされた曲です。前の曲の軽さからこの曲に導入する部分も計算され尽くされた感じが伝わって来るのもアルバム全体を楽しむ醍醐味ですね。
10曲目"The Last Thing You Say"(3:58) めずらしくドラム・マシーンによるダウンビートの怠惰感のあるイントロ部を持たせた曲です。次第にいつも通りの生のドラムのビートと元気で巧みな謡ぶりのMEGANの歌声が響く展開から間奏で聴かせる感動的なJAMES・DEPRATOのスライド・ギターのサウンドと盛り沢山な内容です。
11曲目"You And Your Bright Ideas"(4:16) この曲もJAMES・DEPRATOのスライド・ギターが非常に印象的に響き渡る美しいメロディアスな曲です。JAMES・DEPRATO(CHUCK PROPHET BAND)が '09年にMEGANのバンドに加わった時に彼のギター・サウンドは、MEGANに似合わないハードなサウンドと感じていたのですが、この曲を含みこのアルバムの収録曲では、サウンドの要となる存在になっているようです。
12曲目"Show Up"(5:11) アコースティック・ギターによるMEGANの弾き語り形式から展開させる大人しい感じの曲で、後半からの盛り上がりやヴォーカル・アレンジなど特筆すべき内容は、メジャー・レーベルの有名S.S.W.のアルバムに匹敵するサウンドの厚さ/熱さを持っています。
全12曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット 2折紙ジャケット仕様 "A Token Of The Wreckage" のビデオ付 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:47分46秒 (iTunesで評判も非常に良いこのMEGAN・SLANKARDの最新作、日本でも人気が上がるのも時間の問題だけと思うのですが...)'11年4月8日更新
2011年度ベスト5


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写真  MEMPHIS / A Good Day Sailing
 ・2001 Le Grand Magistery Records    HRH-025

心地好いギターのサウンドと・・・

このアルバム(5曲入EP盤)は、カナダのバンクーバーで活躍しているMEMPHIS '01年11月本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このMEMPHISのメンバーは、CHRIS・DUMONT:ギター/キーボード/パーカッション/ヴォーカル、TORQUIL・CAMPBELL:ヴォーカル、AMY・MILLAN(STARS):ヴォーカルの3人組です。
このアルバムに参加しているミュージシャンは、JAMES・SHAW(STARS):キーボード/ベース/パーカッション、JON・HYDE:ベース、ERIK・HOVE:サックス、EVAN・CRANY(STARS):トロンボーン、MIKE・BRIONES:ダブル・ベース、FREMING・ROTHAUS:ベースのMEMPHISの仲間達が参加しています。
尚、TORQUIL・CAMPBELLとAMY・MILLANは別プロジェクトSTARSとしても活躍しています。特にAMYは、ソロ・アルバムをリリースした後、来日もしています。

1曲目"The Phone Call"(3:19) 心地好いリズムとサウンドが流れるイントロを過ぎてから登場するAMY・MILLANの少し気弱そうな歌声がまったりと流れながらレイド・バック感を非常に感じさせる曲ですね。曲の後半は、TORQUIL・CAMPBELLの少し癖のある枯れた歌声が響いて来ます。
2曲目"My Favourite Game"(3:58) TORQUILのメランコリックな歌声が響くヨーロビアン・テイストを感じさせるジャジーでスローな曲です。サウンドの感じは、THE STYLE COUNCILの音質に似ている気もします。そう言えばTORQUILは、イギリスの出身だそうです。また、この曲は、サンプル音源を少し聴いた時から1曲通しで凄く聴きたくなった曲なのです。
3曲目"The Language Of Birds"(2:57) 複数のアコースティック・ギターのサウンドが複雑に絡み合って美しく流れる曲です。"ネオ・アコ" を意識させる12弦ギターの調べとスローに美しく歌うAMY、CHRIS、TORQUILの3人です。
4曲目"06/21/00"(3:47) 今度は、プログラミングによる冷めたビートが刻まれるアコースティック調のスローな曲です。この曲でも訥々と歌うTORQUILの歌声と美しいアコースティックの調べが堪りませんね。
5曲目"The Ferry Boy"(2:38) 心地好いリズムとサウンドが流れるボサ・ノヴァの曲です。この曲の持ち味はカナダのインディーズ・バンドというより洒落た小気味よいサウンドを聴かせるN.Y.のグリニッチ・ヴィレッジ勢の雰囲気を感じさせます。
歌詞無し ライナー無し 帯付デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:16分42秒 (レーベルのLe Grand Magisteryに見覚えがあると思ったら、大好きなN.Y.のA GIRL CALLED EDDYの5曲入盤と同じでした)'10年2月16日再更新


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写真  MEMPHIS / I Dreamed We Fell Apart
 ・2004 Paper Bag Records    PAPER013

AMY・MILLANが抜けて残念・・・

前作のミニ・アルバムをリリースしてから3年ぶりのカナダのバンクーバーで活躍しているMEMPHISの2枚目のアルバムで、本国では、'04年8月にリリースされています。
主要メンバーTORQUIL・CAMPBELLとAMY・MILLANの2人が別バンドSTARSとしても活動している為、アルバムのリリースは、ゆったりしているようです。
MEMPHISのメンバーCHRIS・DUMONT:ギター/キーボード/パーカッション/ヴォーカル、TORQUIL・CAMPBELL:ヴォーカルの2人に加え、DEAD CHILD STAR(TORQUIL・CAMPBELL):ヴォーカル、 JAMES・SHAW(STARS):キーボード/ベース、JON・HYDE:ペダル・スティール、ADAM・MARVY:トランペット、PAL・MCGEE:ドラム、YURIKA・MOK:ヴァイオリン、STEVE・RAMSAY(JAY GEILS BAND):ドラム、SHANE・TURNER:ベース、ERIK・HOVE:サックス/フルートの前作同様MEMPHISの仲間達が参加しています。

1曲目"The Second Summer"(3:41) サンプル音源によるイントロにインパクトを与えた演出から"ネオ・アコ" 風のアコースティック・ギターのサウンドが心地好く響く曲です。TORQUILのリフレインによる歌詞の流れに電子音も少し加えられて収録されています。
2曲目"For Anyone Eighteen"(3:38) スローなフォーク・スタイルによる曲の登場です。CHRISのアコースティック・ギターの爪弾きに電子パーカッションのリズムは忙しなく流れています。
3曲目"Into The Wild"(3:28) 少しキーを落とし枯れた歌声で収録されたローファイな曲です。ピアニカ、ベース、ドラム、ギターのサウンドもシンプルに流されて行くレイド・バック・ソングでしょうか。
4曲目"3:15 On The Last Day Of School"(3:24) 海の潮騒のサウンドによるイントロからハワイアン調のJON・HYDEのペダル・スティールのサウンドが心地好く流れるこの曲もスローでローファイな曲です。
5曲目"Hey Mister, Are You Awake?"(2:14) 驚いた事に「お客さん、起きていますか?」と言うループが日本語で流れアンビエント系シュゲイザーのサウンドによる2分半程度の曲です。
6曲目"East Van"(5:35) 美しいギターのサウンドとペダル・スティールの響きによるインストゥルメンタルです。女性ヴォーカルによるスキャットが時折流れて来ますが、どうもTORQUILのファルセットではないでしょうか。
7曲目"The Nootka Chimes"(0:58) 1分に満たない電子サウンドとチャイムの響きによるヒーリング・サウンドのインストゥルメンタルです。
8曲目"Nada"(3:41) 複雑なポリリズムのビートを刻む"クール" なドラムのビートと厳かなハモンドのサウンドは響くアシッド・ジャズのテイストを感じさせる曲です。ERIK・HOVEのサックス・ソロとSTEVE・RAMSAYのドラムが本当に渋いのです。ホーンを入れたファンキーでダンサブルな曲で心変わりする彼女に悩まされる気持ちを歌っています。
9曲目"Love Comes Quickly"(4:41) ご存じPET SHOP BOY '86年の全英シングル・チャート19位なった曲のカバーです。オリジナル曲の乗りの良さをそのままにイントロ部ではナイロン弦ギターの爪弾きとストリングスの美しい調べで飾られています。
10曲目"Lullaby For A Girl Friend(Happy Trails)"(2:54) 再びローファイ・テイストののんびりしたサウンドとリズムの曲です。ゆったりと歌うTORQUIL の少し枯れた歌声と口笛の響きにCHRISのリヴァーブ掛ったギター・サウンドの素晴らしいこと...。
11曲目"Voicemail"(2:59) 電話の呼び出し音とその会話をシンセサイザーのサウンドに重ねた1分弱の短い曲ですが、長いブランク部の後、短い会話(Voicemail)が最後に収録されています。(リンクのサンプル音源はブランク部分が流されています)
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 カナダ製 (輸入盤) 収録時間:37分19秒 (ソロ活動の為、紅一点AMY・MILLANが抜けてしまったのが残念ですね。追:このアルバムは、カナダPaper Bag Recordsから直接購入したので、12曲入レーベル・サンプル盤がサービスとして一緒に送られて来ました)'10年2月16日再更新


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写真  MEMPHIS / A Little Place In The Wilderness
 ・2006 GOOD FENCE    GF 001

待望の3枚目・・・

このアルバムは、カナダのバンクーバーで活躍している男性2人組ユニットMEMPHISの3枚目のアルバムで、本国では、'06年8月にリリースされています。
主要メンバーは、TORQUIL・CAMPBELL(STARS):ヴォーカル/トランペットとCHRIS・DUMONT:ギター/キーボード/ヴィブラフォン/ハーモニカ/ヴォーカルの2人。
今回も前作同様 MEMPHISの音楽仲間のJON・HYDE:ペダル・スティール、JAMES・SHAW(STARS):ベース/トランペット/ハーモニューム、YURIKA・MOK:ヴァイオリン、ERIK・HOVE:サックス/フルート、JOSH・TRAGER:ドラム、JIM・DOXAS:ドラム、CHET・DOXAS:クラリネット、MOYA・O'CONNELL:ヴォーカル/スポーケンが参加しています。

1曲目"I Dreamed We Fell Apart"(4:00) 虫の鳴き声のサンプル音がイントロに配された導入部から一気に引き込まれる曲です。CHRIS自身がギターの爪弾きに合わせて思い詰めたような少し切ない歌声が流れる曲で、前作のアルバム・タイトルが曲名として付けられています。
2曲目"In The Cinema Alone"(2:50) CHRISのエレクトリック・ギターのコードによる演奏のイントロから心地好い響きの曲です。CHRISの演奏に合わせて寡黙なくらいの歌詞をマイクを手で覆いながら真面目に歌うTORQUILの様が想像出来そうな響きです。
3曲目"Incredibly Drunk On Whiskey"(4:32) 一転してお気軽なサウンドとリズムによる曲の登場ですね。クラリネットとジャズ・スタイルのギターの軽めの刻みが流れる曲のタイトル通り酒場の片隅で演奏が似合いそうな曲調です。
4曲目"Time Away"(4:18) 重い目のベースと歪ませたギターのサウンドがイントロから響くミドル・テンポの曲です。カントリー調のJON・HYDEのペダル・スティールの浮遊感漂うサウンドと切れ味のあるJOSH・TRAGERのドラムのビートとの相性が見事です。
5曲目"A Ghost Story"(3:12) ダーク・アシッドなサウンドによるTORQUILの詩の朗読に近いスポーケンによる曲です。切なくも怪しげなYURIKA・MOKのヴァイオリンの旋律が響いています。
6曲目"A Little Place In The Wilderness"(3:15) イントロのギターのサウンドが何か懐かしさを感じさせるエヴァーグリーン・テイストの曲の登場です。CHRISのトレモノを駆使したギター・サウンドに隠し味的なトランペットの調べによるビターさが堪りませんね。
7曲目"I'll Do Whatever You Want"(3:30) このアルバムから一押しの曲で、シニカルな情景とストーリーを展開したビデオも制作されています。イントロから曲のアウトロまで一気に聴かせる乗りの良いビートとTORQUILの流れるようなヴォーカルにファンカ・ラティーナからの影響を感じさせるサウンドなのです。
8曲目"Swallows And Amazons"(3:23) ボザ・ノヴァのリズムを基調としたトロピカル・サウンドのインストゥルメンタルです。心地好いギターの調べに小波のようなペダル・スティールの調べが通り過ぎて行きます。
9曲目"In The Highest Room"(4:02) TORQUILの奥さんでもある女優MOYA・O'CONNELLがスポーケンで参加したアンビエント系のヒーリング・サウンドの曲のイメージに近い感じがします。
10曲目"The Night Watchman"(8:46) ローファイ・テイストのギターの調べにダウンテンポのリズムが流れるアルバムの終焉を告げる曲の登場です。のんびり歌うTORQUILの歌声のバックにJONのペダル・スティールの心地好い広がりを感じます。1曲目の虫の鳴き声が終了した後30秒ほどのブランクに続けてスローなリズムのヒドゥン・トラックが収録されています。
9曲歌詞付 写真ブックレット 三折紙ジャケット カナダ製 (輸入盤) 収録時間:41分51秒 (STARSのメンバーとしても来日したTORQUIL・CAMPBELL、その人気の為か、このアルバムは、国内盤もリリースされています)'10年2月16日再更新


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写真  MEMPHIS / Here Comes A City
 ・2011 Arts & Crafts Productions Inc.    A&C060

レーベルが替りました・・・

このアルバムは、カナダで活躍している男性2人組ユニットMEMPHISの '11年3月8日に本国でリリースされた4枚目('01年5曲入[A Good Day Sailing]を含む)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TORQUIL・CAMPBELL:ヴォーカル/ピアノ、CHRIS・DUMONT:ギター/シンセサイザー/マンドリン/オムニ-コード/プロデュースの他、MATT・BROWN:ギター/ベース/キーボード/プロデュース、BECK・HENDERER-PENA:キーボード/ウーリッツァー/シンセサイザー/ベース、SHANE・WILSON:ドラム/パーカッション、JULIAN・HARRIS・BROWN:ベース/ヴィブラホン/ピアノ、JON・HYDE:ペダル・スティール、ERIK・HOVE:サックス/フルート、DAVE・HODGE:トロンボーン、MATT・WATKINS:トランペット、YURIKA・MOK:ヴァイオリン/ヴォイスの一部前作とのミュージシャンも参加しています。

1曲目"Here Comes A City"(1:54) 穏やかに広がるギターとキーボードの調べによるインストゥルメンタルです。後半から曲名の通り都会の喧騒のサンプリングが重ねられアルバムの幕開きを知らせます。
2曲目"Apocalypse Pop Song"(4:28) 何だか大それた曲名ですね。楽しくなるようなギターの調べに乗せこれまた楽しく歌うTORQUILの少し枯れた歌声が流れます。でも歌詞の方は地球最後のポップ・ソングが流れていますよと言う感じです。
3曲目"I Want The Lights On After Dark"(3:26) 打ち鳴らされるSHANE・WILSON(GOOD GRIEF!,MERCYME)の力強いドラムのビートと跳ねるようなJULIAN・HARRIS・BROWNのベースのサウンドが印象的な曲です。この突き進むサウンドとリズムは、理屈抜きのまっすぐ/ストレートです。
4曲目"Five Loops"(3:54) サンプル/ル−プ音源を組合せて繰り広げられるエレクトロニカ/アンビエントの世界です。この辺りの曲は、過去のアルバムでは余り収録されていなかった感じです。
5曲目"What Is This Thing Called?"(4:02) メランコリックなサウンドを発するギターの調べと弦を沿ように弾くベースのサウンドが非常に渋い曲です。エコーを効かせ奥行に広がるTORQUILの歌声もやはり渋いとしか表現出来ないです。
6曲目"I Am The Photographer"(4:49) この曲もドラムのビートがしっかりとしたビートを作り出している曲です(当たり前ですが…)バックにはペダル・スティールの揺らぎを持ったサウンドも登場し曲をクライマックスへと誘います。
7曲目"Reservoir"(7:13) ウーリッツァーの少し悲しげな調べがイントロから響き更にリヴァーブを効かせたギターのサウンドが登場するほぼインストゥルメンタルです。ペダル・スティールやヴァイオリンを演奏しているYURIKA・MOKのスキャットの最後の方で美しく響いています。
8曲目"Wait!"(4:42) この曲は、過去のアルバムのサウンドに通じる軽い乗りを感じさせる曲です。CHRISのギターの爪弾きに乗せ多く目の歌詞を綴るTORQUILの姿がそこにあります。
9曲目"Way Past Caring"(6:42) この曲もベースのサウンドが非常に素晴らしく感じさせる曲です。そのサウンドとは対照的に少し高い目のキーで歌うTORQUILの歌声もくっきりと浮かび上がります。ホーンのサウンドも登場し次第にエモーショナルな展開を聴かせます。
10曲目"M+E=Me"(2:22) Lo-FiにしたTORQUILの歌声を中心にペダル・スティールとギターのサウンドが寄り添う落着いた調べとリズムの曲です。前の曲が長めだったのでアルバム最後の曲は、この短めでバランスを考えているのでしょうか。
歌詞無し ライナー無し 2折紙ジャケット仕様 カナダ製 (輸入盤) 収録時間:43分32秒 (前作より再びレーベル替えたMEMPHIS、実に5年ぶりのアルバムとなっています)'14年9月23日更新


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写真  MEN I TRUST / Headroom
 ・2015 Men I Trust    889290537683

やっぱり聴き易いところが好いかな・・・

このアルバムは、カナダのモントリオールで活躍しているインディ・ポップ・バンドMEN I TRUSTの2枚目('14年のMEN I TRUSTダウンロード盤を含む)のアルバムで '15年6月30日に本国でのダウンロード・リリース(翌'16年2月4日オンデマンド・CD-R盤リリース)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DRAGOS・CHIRIAC:キーボード/プログラミング/プロデュース、JESSY・CARON:ギター/ベース/プログラミング/プロデュースのMEN I TRUST2人の他、ODILE・MARMET-ROCHEFORT:ヴォーカル、EMMANUELLE・PROULX(次作よりバンドに参加):ギター/ヴォーカル、VINCENT・LAQUERRE:ドラム・プログラミング、HELENA・DELAND:ヴォーカル、MARGAUX・SAUVÉ(GHOSTLY KISSES):ヴォーカル、GEOFFROY・SAUVÉ :ヴォーカル、NICOLAS・GRYNZSPAN:ヴォーカル、 SERGES・SAMSON:ベースのケベック州のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Morse Code(ft.Odile & Geoffroy)"(3:24) バンド自身の音楽の紹介にスムーズ・ミュージックと称している感が非常に分かる曲です。はっきりとしたベースのリフとアーバン・ソウルな懐かしいギターのリズムを心地好く楽しみましょう。サウンドとヴォーカルの感じが、'90年のEVERYTHING BUT THE GIRLに似ているかな。
2曲目"Break For Lovers(ft.Helena)"(3:03) 自身のソロ曲をリリースしているHELENA・DELANDがヴォーカルに起用されているメランコリックな曲です。やはり彼女の憂いのある歌声が「恋人達の破局(休息?)」をテーマにしたこの曲にとても似合っています。EMMAが加入してからのライヴのビデオもまた、一味違った雰囲気を醸し出しています。
3曲目"Out In Myself(ft.Emmanuelle)"(3:50) 先にも説明した通り後にこのバンドにヴォーカルとギターで参加するEMMANUELLE・PROULXがヴォーカルを務める曲です。シンセ・ベースの重い響きとアシッド感を発する冷めたモードを感じます。
4曲目"Again(ft.Ghostly Kisses)"(3:49) GHOSTLY KISSES(A.K.A. MARGAUX・SAUVÉ)がヴォーカルにフューチャーされたピアノの調べが美しい曲です。ここまで聴いていた気がついたのですが、DRAGOSとJESSYの2人は、曲の感じからヴォーカルの声質のチョイスが見事です。
5曲目"Quiet(ft.Odile)"(3:24) 再び1曲目のODILE・MARMET-ROCHEFORTのヴォーカルの登場です。この曲もどこと無くメランコリックで洒落たアレンジにヨーロッパ調を感じます。
6曲目"Curious fish(ft.Emmanuelle)"(2:47) イノセントなEMMANUELLEの歌声と引きずり感のある怠惰なリズムの曲です。曲の感じを一言で言い表すとやっぱりチル・アウトの感じかな。
7曲目"Aquarelle"(2:48) 前の曲に続いてこの曲シンセサイザーと電子ピアノによりチル・アウトなインストゥルメンタルです。
8曲目"Sad Organ"(1:50) シンセ・ポップな電子サウンドが弾むサンプル・ヴォーカルは加工された短めのヴォーカルが付けれたどことなくヨーロッパの哀愁を感じさせる曲です。
9曲目"Space Is The Place"(3:11) 切ない響きを持ったハモンド風のサウンドに弦楽器の爪弾きから入るこの曲もヨーロッパの調べを感じる曲です。カナダのモントリオールと言えばフランス語圏であり「北米のパリ」と称されているからでしょうか。
10曲目"Offertorio(ft.Nicolas)"(2:03) アルバムの最後は、がらっと曲調を変えてオペラが讃美歌の感じです。NICOLAS・GRYNZSPANの多重による重厚で荘厳なコーラスが響きます。 尚、この曲のビデオ(30秒程度ですが)収録の模様も公開されています。
歌詞無し (ダウンロード販売) 収録時間:30分09秒 (このアルバムの最大の魅力は、やっぱり聴き易いところでしょうか!)'18年11月4日更新


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写真  MEN I TRUST / Men I Trust
 ・2017 RETURN TO ANALOG RECORDS.    RTACD-001

未発表曲収録・・・

このアルバムは、カナダのモントリオールで活躍しているインディ・ポップ・バンドMEN I TRUSTの3枚目(新曲、ベスト・トラック及び未発表曲による編集盤)のアルバムで '17年5月23日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DRAGOS・CHIRIAC:キーボード/プログラミング/プロデュース、JESSY・CARON:ギター/ベース/プログラミング/プロデュース、EMMANUELLE・PROULX:ギター/ヴォーカルのMEN I TRUST 3人の他、ODILE・MARMET-ROCHEFORT:ヴォーカル、HELENA・DELAND:ヴォーカル、GEOFFROY・SAUVÉ :ヴォーカル、MARGAUX・SAUVÉ(GHOSTLY KISSES):ヴォーカルの前作[Headroom]でのケベック州のミュージシャン達が参加しています。
尚、このアルバムには前作[Headroom]と同一の曲が収録されていますので、前回レビューをそのまま記載し、仕様の異なる箇所のみ追加加筆しました。

1曲目"Plain View(ft.Emma & Odile)"(3:39) '16年12月16日にリリースされたダウンロード・シングル曲です。エコーを効かせたEMMANUELLEとODILEのヴォーカルによる軽めのトリップ・ホップに加えた歪みを持ったギターのサウンドに渋さを感じます。
2曲目"Morse Code( ft.Emma & Odile)"(3:24) バンド自身の音楽の紹介にスムーズ・ミュージックと称している感が非常に分かる曲です。はっきりとしたベースのリフとアーバン・ソウルな懐かしいギターのリズムを心地好く楽しみましょう。サウンドとヴォーカルの感じが、'90年のEVERYTHING BUT THE GIRLに似ているかな。'15年の[Headroom]での収録曲。
3曲目"Humming Man(ft.Emma & Odile)"(2:55) '16年3月3日にリリースされたダウンロード・シングル曲です。EMMANUELLEが起伏を持たずに淡々と歌うHip-Hopな感がします。また、EMMANUELLEが登場したビデオもどうぞ。
尚、このMEN I TRUSTの制作するビデオには英語字幕が付けられているところが嬉しいですね。
4曲目"Stay True(ft.Helena)"(5:05) '14年のセルフタイトル・アルバムに収録されているエレクトロニカな曲です。重く響くベースのサウンドと電子キーボードの跳ねるサウンドからレトロな雰囲気を感じますが、HELENA・DELANDのビロードのような歌声が登場すると叙情的な雰囲気を醸し出します。
5曲目"Lauren(ft.Emma & Odile)"(3:42) '16年6月13日にリリースされたダウンロード・シングル曲です。JESSY・CARONのベースのサウンドが決まってたこのアルバムからの一押しとなっています。リリースと同時に配信されたMTBに乗る女性が登場したビデオもどうぞ。
6曲目"Again(ft.Ghostly Kisses)"(3:49) GHOSTLY KISSES(A.K.A. MARGAUX・SAUVÉ)がヴォーカルにフューチャーされたピアノの調べが美しい曲です。ここまで聴いていた気がついたのですが、DRAGOSとJESSYの2人は、曲の感じからヴォーカルの声質のチョイスが見事です。'15年の[Headroom]での収録曲。
7曲目"Quiet(ft.Odile)"(3:24) 再び1曲目のODILE・MARMET-ROCHEFORTのヴォーカルの登場です。この曲もどこと無くメランコリックで洒落たアレンジにヨーロッパ調を感じます。'15年の[Headroom]での収録曲。
8曲目"Break For Lovers(ft.Helena)"(3:03) 自身のソロ曲をリリースしているHELENA・DELANDがヴォーカルに起用されているメランコリックな曲です。やはり彼女の憂いのある歌声が「恋人達の破局(休息?)」をテーマにしたこの曲にとても似合っています。EMMAが加入してからのライヴのビデオもまた、一味違った雰囲気を醸し出しています。'15年の[Headroom]での収録曲。
9曲目"Aquarelle(ft.Odile)"(2:48) 前作[Headroom]では全編インストゥルメンタルにて収録されていましたが、ここでの収録はODILE・MARMET-ROCHEFORTのヴォーカルが加えられています。インスト曲に慣れた耳にはヴォーカル曲として新たに聴き感じは何か不思議ですね。ヴォーカル入りは未発表曲。
尚、サンプル音源はインストゥルメンタルにLINKさせています。
10曲目"Yes(ft.Emma & Odile)"(3:04) 過去のアルバムでのアウトテイクなのでしょうかアルバム未収録曲です。EMMANUELLEとODILE・MARMET-ROCHEFORTのヴォーカルがサックスの調べに乗せられたジャズ・スタイルの曲です。
尚、未発表曲の為、サンプル音源はありません。
11曲目"Middle Points(ft.Emma & Odile)"(2:58) この曲も未発表です。EMMANUELLEとODILE・MARMET-ROCHEFORTですがEMMANUELLEの方がメイン・ヴォーカルを務め凛とした彼女独特の歌声をきかせます。3曲続けて未発表曲ですが、なぜアルバムに収録されなかったのか好い感じの曲なのに不思議に思います。
尚、この曲も未発表曲の為、サンプル音源はありません。
全11曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:37分56秒 (見出しにも記載しましたが、未発表曲も素晴らしい感じのこのアルバム、ちょっと入手が難しいところがあるかも)'18年11月17日更新


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写真  MEN I TRUST / Tailwhip Deluxe
 ・2018 RETURN TO ANALOG RECORDS.    RTACD-003

ライヴ盤[4 ever live]追加・・・

このアルバムは、カナダのモントリオールで活躍しているインディ・ポップ・バンドMEN I TRUSTの5枚目('17年のダウンロードライヴ盤[4 ever live]を含む)のアルバム(新曲にライヴ盤[4 ever live]の6曲及び追加2曲による編集盤)で '18年6月30日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DRAGOS・CHIRIAC:キーボード/プログラミング、JESSY・CARON:ギター/ベース/プログラミング、EMMANUELLE・PROULX:ギター/ヴォーカル、MATHIEU・ROMPRÉ:ドラムのMEN I TRUSTの4人での収録です。
但し、ライヴ収録曲には、ODILE・MARMET-ROCHEFORT:キーボード/ヴォーカルが参加しています。

1曲目"Tailwhip"(3:45) カナダ国内及び海外のファンから完璧なポップソングと称された非常に乗りの好い曲です。'17年8月18日にリリースされたダウンロード・シングル曲で、EMMAが楽しく歌うビデオもどうぞ。何故この曲のタイトルがBMXの大技「Tailwhip」かは不明。
2曲目"Show Me How"(3:35) '18年2月28日にリリースされたダウンロード・シングル曲です。EMMAのソフトな歌声に掴まれてしまったバラード。ラスベガスのカジノで撮影されたビデオもどうぞ。
(フランス語圏ケベック州を中心に活躍し普段もフランス語で会話しているEMMA達、これまでのビデオも英語字幕付きは有難いですね)
3曲目"I Hope To Be Around"(3:26) '17年11月10日にリリースされたダウンロード・シングル曲です。揺らぎを持った穏やかなリズムとサウンドに乗せ歌う少し掠れ気味のEMMAの歌声に聴き入ります。この曲もビデオが制作されています。
4曲目"You Deserve This"(3:05) '17年5月10日にリリースされたダウンロード・シングル曲です。何故かイントロの雰囲気など懐かしいPAUL・YOUNGの"Every Time You Go Away" に似た感じがします。シタール・ギターやハモンドのサウンドからかも知れない。
5曲目"Break For Lovers(Live)"(3:26) '15年の[Headroom]に収録されている曲の'17年の夏頃のライヴ収録曲です。オリジナルでは同郷HELENA・DELANDがヴォーカルでしたが、今回は正式加入したEMMAがヴォーカル/ギターを担当しています。
6曲目"Lauren(Live)"(3:56) '17年の[Men I Trust]からの一押し曲のライヴ収録です。収録時期は不明ですが、'17年のライヴまたは、リハーサル中での収録と思われ録音状態も非常に良いです。
7曲目"Tailwhip(Live)"(3:55) '17年の9月頃にライヴ収録された4人組となってからの収録です。ドラムのMATHIEU・ROMPRÉのドライヴ感のあるビートとEMMAの楽し気な歌声も魅力的に響いて来ます。
8曲目"You Deserve This(Live)"(3:10) このライヴ収録曲も'17年8月頃に収録されています。ドラムは、マシーンにて演奏されていますが、ギター、キーボード、ベースのサウンドは非常に丁寧な流れの一発収録です。
9曲目"I Hope To Be Around(Live)"(3:55) 7曲目"Tailwhip(Live)" と同じ日に収録された4人による演奏です。このアルバムの収録よりほんの少しスローにしたリズムになっています。
10曲目"Lauren(Duo Version)"(3:57) '16年10月頃に屋外でEMMAがアコースティック・ギター/ヴォーカルとODILE・MARMET-ROCHEFORTがキーボード/ドラム・マシーン/ハーモニーによる2人での収録曲です。ODILEの高い方のハーモニーの美しいこと。
11曲目"I Hope To Be Around(Live Solo)"(3:36) '17年の秋EMMAの自宅での収録でしょうか。EMMAのアコースティック・ギター1本による弾き語りでの収録です。訥々と歌うEMMAの歌声とギターの爪弾きが穏やかに広がります。
12曲目"Sad Organ"(1:50) 2枚目のアルバム[Headroom]にも収録されている曲です。シンセ・ポップな電子サウンドが弾むサンプル・ヴォーカルは加工された短めのヴォーカルが付けれたどことなくヨーロッパの哀愁を感じさせる曲です。(レビューは[Headroom]から引用)
歌詞無し 2折紙ジャケット仕様 カナダ製 (輸入盤) 収録時間:41分38年秒 (特別編集の国内盤もリリースされているのですが、2曲目"Show Me How" が収録されていないので、入手困難だけれどもこのDeluxe盤の方を選びました。追:国内での入手は年末とのこと)'18年11月18日更新


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写真  MEN I TRUST / Oncle Jazz
 ・2019 RETURN TO ANALOG RECORDS.    RTACD-007

全24曲長い・・・

このアルバムは、カナダのモントリオールで活躍しているインディ・ポップ・バンドMEN I TRUSTの6枚目('17年のダウンロードライヴ盤[4 ever live]を含む)のアルバムで '19年9月13日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DRAGOS・CHIRIAC:キーボード/プログラミング、JESSY・CARON:ギター/ベース/プログラミング、EMMANUELLE・PROULX:ギター/ヴォーカル、MATHIEU・ROMPRÉ:ドラムのMEN I TRUSTの4人での収録です。
尚、このアルバムには前々作[Headroom]、前作[Tailwhip Deluxe]と同一の曲が収録されていますので、オリジナルレビューをそのまま記載しています。

1曲目"Oncle Jazz"(0:57) このアルバムのオープニングを告げるほぼインストゥルメンタルの曲です。尚、oncleとはフランス語で英語のuncleと同じ意味です。
2曲目"Norton Commander"(3:24) '19年5月14日に無料リリースされたダウンロード・シングル曲です。揺らぎを持ったバックのキーボードの演奏に合わせ訥々と歌うEMMAの歌声は相変わらずですね。
3曲目"Days Go By"(3:13) JESSY・CARON の太く響くベースの調べが印象的なチルアウトな曲です。後半からアウトロに掛けてはDRAGOS・CHIRIACのアドリヴ的なキーボードの演奏が光ります。
4曲目"Tailwhip"(3:45) カナダ国内及び海外のファンから完璧なポップソングと称された非常に乗りの好い曲です。'17年8月18日にリリースされたダウンロード・シングル曲で、EMMAが楽しく歌うビデオもどうぞ。何故この曲のタイトルがBMXの大技「Tailwhip」かは不明。
5曲目"Found Me"(3:31) イントロを過ぎてぱっと聴きでは、フランス語で歌っているように聴こえるソフトタッチなEMMAの歌声です。少し荒らしたJESSY・CARON のギター・サウンドがこの曲に粋なところを与えています。
6曲目"Numb"(3:39) '19年4月12日に無料リリースされたダウンロード・シングル曲です。この曲もイントロからMEN I TRUSTらしいメロウな世界が広がるスローな曲です。
7曲目"Say Can You Hear"(3:10) ここでちょっとスピード感を増した曲の登場です。ベース、ギターの演奏を強調したシンプルなサウンドと共に響くシャイなEMMAの歌声との調和を楽しむことにしましょう。
8曲目"All Night"(3:07) この曲もシンプルなサウンドと演奏によるスローなリズムによるチルアウトな曲です。このアルバムの演奏に良く使われるいるビンテージ物のハモンドかフェンダー・ローズを好んで演奏するDRAGOS・CHIRIACです。
9曲目"I Hope To Be Around"(3:24) '17年11月10日にリリースされたダウンロード・シングル曲です。揺らぎを持った穏やかなリズムとサウンドに乗せ歌う少し掠れ気味のEMMAの歌声に聴き入ります。この曲もビデオが制作されています。
10曲目"Dorian"(2:52) この曲もJESSY・CARONのベースのサウンドが際立った曲です。歌詞の中に登場する「Jean-Talon」とは、モントリオールにあるマーケットの名前です。
11曲目"Pines"(3:42) EMMAのアコースティック・ギターが登場したサウンドの方向を違えて来た曲です。時折ヴォーコーダーを通したEMMAの歌声とアコースティック・ギターの音色が心地好く響きます。
12曲目"Slap Pie"(2:21) 今度は、非常にダーク・アシッド感を感じさせるインストゥルメンタルです。曲名通りJESSY・CARONのスラップ・ベースが聴き応えたっぷりに展開されています。
13曲目"Fiero GT"(0:52) 2曲続けてインストゥルメンタルでですが、こちらの方は非常にノスタルジックなアメリカン・ロック調の曲です。アウトロでは、少しだけEMMAのナレーションが付けられています。尚、曲名のFiero GT は、80年代に製作された米ポンティアックのスポーツカーの名前です。
14曲目"Seven"(3:45) '18年9月6日にリリースされたダウンロード・シングル曲です。当時、ダウンロードして好く聴いた溜めをたっぷりと取ったレトロなギター・サウンドが曲の最後まで響きます。ビデオもどうぞ(書込みの中にもあるのですがこのギターを演奏しているのは誰でしょうか)。
15曲目"Show Me How"(3:35) '18年2月28日にリリースされたダウンロード・シングル曲です。EMMAのソフトな歌声に掴まれてしまったバラード。ラスベガスのカジノで撮影されたビデオもどうぞ。
(フランス語圏ケベック州を中心に活躍し普段もフランス語で会話しているEMMA達、これまでのビデオも英語字幕付きは有難いですね)
16曲目"Alright"(2:38) EMMAが加入する前の'14年の[Men I Trust]時代のような渋めのサウンドのインストゥルメンタルです。切れの好いドラムのビートと流れるように演奏されるピアノの調べがかっこ好いのです。
17曲目"You Deserve This"(3:03) '17年5月10日にリリースされたダウンロード・シングル曲です。何故かイントロの雰囲気など懐かしいPAUL・YOUNGの"Every Time You Go Away" に似感じがします。シタール・ギターやハモンドのサウンドからかも知れない。
18曲目"Pierre"(3:25) 枯れたアコースティック・ギターによるEMMAの弾き語りです。ヨーロッパ調のメランコリックなサウンドへ途中から展開されるアレンジが見事です。
19曲目"Air"(3:13) この曲もベースのJESSY・CARON の演奏が際立った曲です。少し枯れた 歌声を聴かせるEMMAの歌声と洒落たバックの演奏との調和もこのバンドならではです。
20曲目"Porcelain"(3:27) この曲もダーク・アシッドな感が響く曲です。躍動を抑えたマイナー調のメロディとサウンドが広がって来ます。
21曲目"Poodle Of Mud"(1:17) アルバムの収録の合間にキーボードとギターによるアドリヴで演奏した感のあるインストゥルメンタルです。やはり全24曲もあるこのアルバムでは、MEN I TRUSTのサウンド・スタイルをポップ調の曲1本で表現したくないポリシーをここからも感じ取れますね。
22曲目"Something In Water"(3:20) 以前流行ったアメリカのサスペンスTVドラマのテーマソング風の曲です。リヴァーブを多用したサウンドとスローなリズムに乗せEMMAが歌います。
23曲目"Tailwhip(Revisited)"(4:00) MEN I TRUSTの代表曲"Tailwhip" アレンジ変え再集録曲で曲の長さも少し長くなったインストゥルメンタルです。
24曲目"Poplar Tree"(1:14) 約1分程のブランクの後に始まるヒドゥン・トラックです。川のせせらぎを表現したような流れるよう演奏されるピアノの演奏によるインストゥルメンタルです。
17曲歌詞付 ブックレット 2折紙ジャケット仕様 500枚限定盤 ステッカー付 カナダ製 (輸入盤) 収録時間:72分04秒 (ヒドゥン・トラックも含め全24曲のこのアルバム、レビューを書くのも本当に一苦労しました:笑)'19年9月14日更新


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写真  MEN I TRUST / Forever Live Sessions
 ・2020 RETURN TO ANALOG RECORDS.    RTACD-032

ダウンロード版4 ever liveの強化盤・・・

このアルバムは、カナダのモントリオールで活躍しているインディ・ポップ・バンドMEN I TRUSTの7枚目('17年のダウンロードライヴ盤[4 ever live]を含む)のライヴ・アルバムで '20年7月10日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャン(CDは、11月12日アメリカより発送された為、オーダ時にお願いしたサインは、残念ながらなかった)は、DRAGOS・CHIRIAC:キーボード/プログラミング、JESSY・CARON:ギター/ベース/プログラミング、EMMANUELLE・PROULX:ギター/ヴォーカル、MATHIEU・ROMPRÉ:ドラムのMEN I TRUSTの4人にODILE・MARMET-ROCHEFORTがキーボード/ドラム・マシーン/ハーモニーでの収録です。
尚、このアルバムには過去のレビューで取上げたライヴ・ヴァージョンと同一曲がありますので、その場合オリジナルレビューを記載しています。

1曲目"All Night(Garage Session)"(4:16) 前作[Oncle Jazz] に収録されている曲のガレージ収録です。多分、アルバム収録前のRaw Versionと思われますが、収録状態が非常にクリアなのでスタジオ収録との差は感じませんね。
2曲目"Seven(Garage Session)"(4:13) この曲もガレージ収録となっていますが、収録が非常にクリアとなっていて例のギター・ソロ(多分JESSY・CARONの演奏)もばっちり収録されています。
3曲目"Norton Commander(Garage Session)"(3:05) この曲も前作[Oncle Jazz] に収録されている曲のガレージ収録です。揺らぎを感じさせるキーボードの調べとJESSY・CARON の太く描かれたベースの調べと気弱なEMMAの吐息混じりの歌声が対照的です。
4曲目"Numb(Garage Session)"(3:50) この曲も前作[Oncle Jazz] に収録されている曲のガレージ収録です。スローなリズムによるメロウな雰囲気を感じさせます。オリジナル収録よりギターのサウンドを追加していると思います。
5曲目"Say Can You Hear (Garage Session)"(3:38) この曲も前作[Oncle Jazz] に収録されている曲のガレージ収録です。イントロから奏でられる起伏を持ったJESSY・CARON のベースのサウンドとシンプルながらスピード感が心地好いです。
6曲目"Found Me(Garage Session)"(3:04) この曲も前作[Oncle Jazz] に収録されている曲のガレージ収録です。ここ曲の特徴である揺らぎと渦巻き感をこのヴァージョンから感じます。'19年4月12日に無料リリースされたダウンロード・シングル曲です。この曲もイントロからMEN I TRUSTらしいメロウな世界が広がるスローな曲です。
7曲目"Show Me How(Live)"(3:49) '18年2月28日にリリースされたダウンロード・シングル曲のライヴ収録です。ライヴ収録となっていますエコーなど効かせていなくこぢんまりとした感があります。
8曲目"Break For Lovers(Live)"(3:19) '15年の[Headroom]に収録されている曲の '17年の夏頃のライヴ収録曲です。オリジナルでは同郷HELENA・DELANDがヴォーカルでしたが、今回は正式加入したEMMAのヴォーカル/ギターを担当しています。[4 ever live]での収録曲です。
9曲目"Tailwhip(Live)"(3:51) '17年の9月頃にライヴ収録された4人組となってからの収録です。ドラムのMATHIEU・ROMPRÉのドライヴ感のあるビートとEMMAの楽し気な歌声も魅力的に響いて来ます。この曲も[4 ever live]での収録曲です。
10曲目"You Deserve This(Live)"(3:10) このライヴ収録曲も '17年8月頃に収録されています。ドラムは、マシーンにて演奏されていますが、ギター、キーボード、ベースのサウンドは非常に丁寧な流れの一発収録です。この曲も[4 ever live]での収録曲です。
11曲目" I Hope To Be Around(Live)"(4:47) 9曲目"Tailwhip(Live)" と同じ日に収録された4人による演奏です。このアルバムの収録よりほんの少しスローにしたリズムになっています。この曲も[4 ever live]での収録曲です。
12曲目"Lauren(Live Duo)"(3:48) '16年10月頃に屋外でEMMAがアコースティック・ギター/ヴォーカルとODILE・MARMET-ROCHEFORTがキーボード/ドラム・マシーン/ハーモニーによる2人での収録曲です。ODILEの高い方のハーモニーの美しいこと。この曲も[4 ever live]での収録曲です。
13曲目"I Hope To Be Around(Live Solo)"(3:46) '17年の秋EMMAの自宅での収録でしょうか。EMMAのアコースティック・ギター1本による弾き語りでの収録です。訥々と歌うEMMAの歌声とギターの爪弾きが穏やかに広がります。この曲も[4 ever live]での収録曲です。。
歌詞無し 500枚限定盤 カナダ製 (輸入盤) 収録時間:47分41秒 (購入してから分かった事ですが、'17年のダウンロードライヴ盤 [4 ever live]にライヴ+ガレージ収録曲を追加したアルバムです:笑)'20年7月11日更新


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写真  MEN I TRUST / Untourable Album
 ・2021 RETURN TO ANALOG RECORDS.    RTACD-034

やるね! 無料ダウンロード・リリース(結局CDも買いました)・・・・・・

このアルバムは、カナダのモントリオールで活躍しているインディ・ポップ・バンドMEN I TRUSTの8枚目('17年のダウンロードライヴ盤[4 ever live]を含む)のアルバムで '21年8月25日に本国での無料ダウンロード(CDは、10月27日)によるリリースです。
詳しいクレジット紹介は無いのですが、アルバムの収録に参加しているメンバーは、DRAGOS・CHIRIAC:キーボード/プログラミング、JESSY・CARON:ギター/ベース/プログラミング、EMMANUELLE・PROULX:ギター/ヴォーカル、MATHIEU・ROMPRÉ:ドラムのMEN I TRUSTの4人での収録です。

1曲目"Organon"(2:31) 幻想的な調べを発するシンセの音色に合わせ訥々と歌うEMMA(EMMANUELLE)の歌声によるスローで、このアルバムの幕開きを知らせる短い曲です。
2曲目"Oh Dove"(3:17) この曲はちょっと聴いただけでとてもMEN I TRUSTらしいサウンドとリズムの曲です。旋律を際立させたJESSYのベースとDRAGOSのどこがはぐらしたようなバックで響くキーボードの調べとの調和が非常に見事な出来です。
3曲目"Suger"(2:56) この曲もJESSYのスラップベースの音色が印象に残る曲です。力を抜いたEMMAの囁くような歌声とこれまた軽めに力まず演奏するDRAGOSとMATHIEUです。
4曲目"Sorbitol"(2:59) ふわっとした暖色系のキーボードの調べが溜まらないスローな曲です。過去のアルバムでも感じたヨーロッパ調の哀愁をこの曲からも感じます。
5曲目"Tree Among Shrubs"(3:08) 揺らぎを持ったキーボードの調べとウイスパー・ヴォイスによるEMMAの歌声が耳に残るセンチメンタルな曲です。セルフで付けたEMMAの切ない歌声によるハーモニーをじっと聴き入る自分に気が付きます。
6曲目"Before Dawn"(3:33) Lo-Hiにしたキーボードの調べと淡々と流れるリズム・マシーンによる緩やかな響きによるほぼインストゥルメンタルな曲です。後半から短い歌詞による囁きに近いEMMAの歌声が付けられています。
7曲目"Serenade Of Water"(3:06) チルアウトなクールなリズムとサウンドによる曲です。ここまで聴いて来てこのアルバムの印象は、肩肘張らずとてもナチュラルな演奏と歌声によるこの時期に大切な「ステイホーム感」を感じます。
8曲目"5AM Waltz"(1:48) 今度はちょっとダークな質感を持った短めの曲です。TV番組のBGM的なサウンドの流れと短い歌詞による箸休め的な感じでしょうか。
9曲目"Always Lone"(3:14) イントロからしっかりMEN I TRUST的なベースにワウワウを使った前々作[Tailwhip]からの流れを強く感じます。
10曲目"Ante Meridiem"(2:26) 変則チューニングしたギターの音色がイントロから心地好く響くちょっと趣向を変えて来た曲です。EMMAの歌声も途中スポーケンとなって新しい試みを感じます。
11曲目"Lifelong Song"(3:03) '71年の大ヒット曲THE STYLISTICS "You Are Everything" へのオマージュを感じさせ、少しほっこりする曲です。但し、歌詞の方は難解な意味合いが綴られています。
12曲目"Shoulders"(3:26) センチメンタルなギターの響きとこれまた切なく歌うEMMAの歌声が切ないセレナードです。春の到来を待ちわびる様を歌詞に綴っているようです。
13曲目"Beluga"(1:11) アルバムの最後は短いインストゥルメンタルです。DRAGOSのキーボードによるララバイ的な感じを促すアルバムのクロージング・テーマではないでしょうか。
12曲歌詞付 挿絵付ブックレット 2折紙ジャケット仕様 カナダ製 (輸入盤) 収録時間:36分38秒 (世界的にコロナ蔓延中でライヴ活動が出来ないミュージシャン達(当然、他の方々へも)へ、一日も早く収束することを祈ります!)'21年9月2日更新
2021年度ベスト5


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写真  MERCYME / Almost There
 ・2001 INO RECORDS    080688613327

ヴォーカルのBARTは本当に歌が上手く高域の声は・・・

フロリダで活躍するCCMグループMERCYME '02年3月5日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。メンバーはBART・MILLARD:Lead vocals,NATHAN・COCHRAN:Bass/BGV's,MIKE・SCHEUCHZER:Guitar/BGV's,ROBBY・SHAFFER:Drums,JIM・BRYSON:Keyboardsの5人組みでスタートしましたが、後にBARRY・GRAUL:Guitarが参加しています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MERCYMEの5人の他、PALTROW PERFORMANCE GROUP:Strings,PETER・KIPLEY:Programming/Produceの比較的少人数での収録です。

1曲目"I Worship You"(3:07) プロデューサーPETER・KIPLEYの曲でイントロのドラムが印象的です。リード・ヴォーカルのBART・MILLARDは本当に歌が上手く、特に高域の声は伸びがあり声量もたっぷりでその素晴らしい喉を聴かせてくれます。この曲の歌詞は"神"をあまり意識させずに書かれています。
2曲目"Here Am I"(4:20) BARTとPETERとの共作です。ストリングス風のサウンドを頭に持って来た美しい導入部とタイトなドラムのビートによるドライブ感の良い曲でBARTのストレートな歌声による曲です。
3曲目"On My Way To You"(4:06) この曲もドラムのビートの効いた曲でメンバー全員にて書いています。ストレートでコンパクトなMIKEのギターワークによる乗りの良い曲です。
4曲目"How Great Is Your Love"(4:14) アコースティック色を出して来たサウンドの曲でROBBYの叩くドラムが生き生きとしたビートと美しい調べのストリングが絡むミディアムテンポのロックとなっています。
5曲目"I Can Only Imagine"(4:08) 幻想的なピアノの調べによるイントロとアカペラに近いBARTの伸びやかな歌声による曲でドラム,ギター,ベースと追加されてくる演出による美しい曲です。
6曲目"Bless Me Indeed"(4:14) オルタナティヴなサウンドとビートによるミドル・テンポの曲でバックに流れるドラムのタイトなビートがクールですね。
7曲目"Cannot Say Enough"(4:47) スローなリズムによる曲ですが、十分にエモーショナルを感じます。単調的なリズムですが、メリハリを付け盛り上がりを考慮したアレンジです。
8曲目"House Of God"(3:13) このグループにしては、ラウドでハードな曲です。ギターのMIKEもハードなギター・サウンドを駆使しノリノリの感じでの収録だと思います。
9曲目"Call To Worship"(4:51) この曲もギターのサウンドが洒落ていて良い感じの曲です。程好いパワーと若さを肌に感じる曲です。TCHAD・BLAKE風のノイジーサウンドの味付けが効いています。
10曲目"All Fall Down"(3:45) ミドルテンポのビートによる曲で荒野に響く感じのBARTのヴォーカルの素晴らしさを聴かせる曲となっています。アコースティック・ギターとエレクトリック・ギターのサウンドの絶妙なバランスでの曲です。
11曲目"In You"(4:17) アルバムの最後はピアノの音色を主体とした静かなイントロの曲です。次第にサウンドを厚くして行くスタイルの曲です。
全11曲歌詞付 写真ライナー U.S.製 (輸入盤) 収録時間:45分07秒 (彼らの愛する"神"について書かれた歌詞が目立ちますが、ロックのアルバムとして聴いてみても誰にでも好かれる内容は、十二分に持ち合わせいますし、彼らの音楽の実力も相当な物と思います)'10年2月17日再更新


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写真  MERCYME / Spoken For
 ・2002 INO RECORDS    080688621827

ご機嫌なリズムとメロディ・・・

フロリダで活躍するCCMグループMERCYME '02年10月1日に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。メンバーは前作と同じくBART・MILLARD(Lead vocals),NATHAN・COCHRAN(Bass),MIKE・SCHEUCHZER(Guitar),ROBBY・SHAFFER(Drums),JIM・BRYSON(Keyboards)の5人組みです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MERCYMEの他、TRAVIS・COTTRELL(BGV's),WILL・OWSLEY(BGV's)と前作でのPETER・KIPLEY(Strings Arrange/Produce),THE ROY G.BIV STRING VIBE(STRING)です。

1曲目"The Change Inside Of Me"(3:24) ご機嫌なイントロのリズムとメロディです。左右に綺麗に振り分けられたギターのサウンドと中心より繰り出されるドラムのビートです。歌詞の方も特にCCMを意識させないギター・ポップな感じです。
2曲目"All The Above"(3:23) 前の曲のアウトロと曲間を繋ぎ合わせた手法にて流れるミドル・テンポのナンバーです。心地好いリズムと適度なグルーヴ感とBARTの丁寧なヴォーカルとPETERとの共作です。ストリングス風のサウンドを頭に持って来た美しい導入部とタイトなドラムのビートによるドライブ感の良い曲でBARTのストレートな歌声による曲です。
3曲目"Spoken For"(4:09) この曲を通しで聴きたくなったので、このアルバムを購入しました。スローで非常にメロディアスなメロディとBARTの優しい歌声によるギター・バラードです。サビの部分は、CCM的な内容も登場しますが、美しくもメロディアスな曲です。
4曲目"There's A Reason"(4:11) 前の曲と同じようなリズムの曲です。アメリカン・ギター・バンドらしく壮大にサウンドを展開させています。
5曲目"Come One, Come All"(3:50) タイトなドラムのビートとディストーション・ギターによる乗りの好い曲です。BARTのエモーショナルな歌声がビートと重なり合います。
6曲目"Crazy"(4:38) 哀愁のあるピアノの調べとアコースティック・ギターのサウンドによるスローな曲です。BARTの悩める心の内を歌詞に綴った内容を美しいストリングス風のサウンドでのアレンジで演出しています。
7曲目"Word Of God Speak"(3:07) ピアノ1台でゴスペル調に演奏される曲です。BARTの伸びやかな歌声に添えられたストリングに似せたサウンドも美しい。
8曲目"Your Glory Goes On"(2:39) 明るいサウンドの曲の登場です。ポップにファンクに奏でられるリズムとギターのサウンドが、非常に心地好いです。
9曲目"The Love Of God"(3:33) 再びゴスペル調の曲です。JIMのピアノから次第にドラムとギターと演奏を厚くして行くストーリー性のあるエモーショナルな展開です。
10曲目"Go"(3:27) NATHANの巧みなベース・ランニングとROBBYのドラムのビートが見事に開花したグルーヴなナンバーです。コーラスも非常に美しく、前作でもこのバンドの実力は相当なものと認識していましたが、やはり上手いですね。
11曲目"All Because Of This"(1:37) アルバムの最後は1分半程度のスローなアコースティック調のバラードです。美しいメロディとサウンドでアルバムは幕を閉じます。
全11曲歌詞付 写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:38分01秒 (今回のアルバムは、収録時間が少し短いと感じましたが、曲間を上手く繋いだアレンジによります)'10年2月17日再更新


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写真  MERCYME / Undone
 ・2004 INO Records    INO/EPIC EK 92631

Undoneの意味するところは・・・

このアルバムは、テキサス州グリーンヴィル(フロリダより移動しています)で活躍しているCCMバンドMERCYMEの '04年4月20日に本国でリリースされた3枚目のアルバムです。
'95年頃ヴォーカルのBART・MILLARDを中心にNATHAN・COCHRAN:Bass、MIKE・SCHEUCHZER:Guitar、ROBBY・SHAFFER:Drums、JIM・BRYSON:Keyboardsの5人組でスタートしたMERCYMEですが、このアルバムよりギターのBARRY・GRAULが加わって6人組となっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MERCYMEの6人の他、ROB・MATHES:String Arrange、MATT・SLOCUM(SIXPENCE NONE THE RICHER):Celloが参加しています。
プロデュースは、前作同様PETER・KIPLEYが担当しています。
尚、本国で人気の上がったMERCYMEこのアルバムからCCMのアルバムとしては、めずらしく製作/配給をメジャー系 Epic/Sony BMG Music Entertainmentが行っています。

1曲目"Where You Lead Me"(3:37) McPHERSONのアコースティック・ギターの厳かな調べが流れるイントロからあの聴きなれたBARTの「人生とは?幾千もの道が続く...」切ない歌声が響きながらストリングスの調べを使ったダイナミックな展開をみせる曲です。
2曲目"Everything Impossible"(3:35) イントロのギターのサウンドから引き込まれる曲です。ROBBYのドラムのビートにMIKE/BARRYの心地良く響くギターのサウンドによる乗りの良い曲です。
3曲目"Here With Me"(4:09) ピアノのサウンドをメインにしたゴスペル調のイントロから入る曲です。途中よりワイドに広がる協奏曲的なサウンドによる本国でのヒット曲です。
4曲目"In The Blink Of An Eye"(3:16) この曲は前作までのバンド形式を重視したまとまりの良さを感じさせる曲です。人生に迷えるさまを歌の内容にしてBARTがそのエモーショナルな歌声を聴かせています。
5曲目"Unaware"(4:08) 心地好いピアノの調べ、流れるようなストリングスのサウンドによるバラードです。後半では高らかに歌うBURTの歌声が心に響きます。
6曲目"Homesick"(3:41) このアルバム制作時にメンバーの家族が亡くなったことを歌にしたバンドの個人的な内容になっています。アコースティック・ギターとストリングスな演奏される厳かなスローの曲で、BURTによって書かれた本国でのヒット曲。
7曲目"When You Spoke My Name"(3:37) 特徴的なギターのサウンドとループのサウンドを使った少しサウンドを変化させて来た曲です。浮遊感の漂うリズムの流れに残響音のあるギターのサウンドがインパクトを与えます。
8曲目"A Million Miles Away"(3:22) 歯切れ良いギターのサウンドとタイトなドラムのビートによる心地好いリズムの曲です。アメリカの中西部などで親しまれている小細工など必要としないストレートなサウンドの曲です。
9曲目"Caught Up In The Middle"(3:24) 軽めのロック"ン" ロールのリズムと厚く付けられたギターのサウンドによるライヴでの演奏を意識させる曲のようです。
10曲目"Never Alone"(3:37) ウィスパーリング・ギターのサウンドと硬めのドラムのビートがシャープなイメージを与える曲です。後半からBURTがその逞しい歌声を聴かせるのです。
11曲目"Undone"(4:21) 「未完成」と名付けられたアルバム・タイトル曲です。BURTの説によるとバンド自身の成功や自分達の夢はまだ叶っていないと将来への展望を残す意味を持ってとのこと。爽やかなカントリー・ロック調のサウンドと心地好く歌うBURTの歌声が流れてきます。
12曲目"Shine On"(4:00) 少しメランコリックな調べを感じさせるスローなナンバーです。ピアノの旋律にゆったりと叩かれるドラムのビートが響くピアノ・バラードでしょうか。
13曲目"Keep Singing"(2:51) JIMのピアノ演奏に乗せて歌うBURTの歌声のみのシンプルな曲です。切ないメロディと美しい歌声を聴かせるBURTの歌声で厳かにこのアルバムは幕を閉じます。
全13曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:47分44秒 (CCM的な歌詞の内容は別にして、このアルバムには素晴らしい曲が沢山詰まっています)'10年2月17日再更新


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写真  MICHAEL McDONALD / Take It To Heart
 ・1990 Reprise Records    9 25979-2

好き嫌いの分かれる歌声ですが・・・

MICHAEL・McDONALDのソロとしての4枚目('86年のコンピ盤[Sweet Freedom]を含む)のアルバムです。'90年5月2日に本国でのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・McDONALD:ヴォーカル/キーボード/シンセサイザー/シーケンス/プログラミング/プロデューサーの他、 MICHAEL・LANDAU:ギター、BERNIE・CHIARAVALLE:ギター/シタール、ABRAHAM・LABORIEL:ベース/ギター、CHARLES・FRICHTEL:ベース、GARDNER・COLE:プログラミング/シーケンス、JOHN・TESH:プログラミング/シーケンス、DAVID・GAMSON:プログラミング/シーケンス、PETER・LEINHEISER(PAGES):シンセサイザー/シーケンス/プログラミング/ギター、MICHAEL・HANNA:キーボード/プログラミング/シーケンス/シンセサイザー、 DON・WAS:プログラミング/シーケンス/プロデュース、JEFF・PORCARO:ドラム/パーカッション/アフリカン・ログ・ドラム、GEORGE・PERILLI:ドラム、PAULINHO・DA・COSTA:パーカッション、TERRY・McMILLAN:パーカッション/バック・ヴォーカル、DEBRA・DOBKIN:コンガ、VINCE・DENHAM:サックス、KIRK・WHALUM:サックス、STAN・GETZ:サックス、PAUL・RISER:ストリング・アレンジ、SWEET・PEA・ATKINSON:バック・ヴォーカル、 SIR.HARRY・BOWENS:バック・ヴォーカル、AMY・HOLLAND:バック・ヴォーカル、DAVID・PACK:バック・ヴォーカル、CHUCK・SABATINO:バック・ヴォーカル、 BRIAN・McKNIGHT:バック・ヴォーカル、DAVID・LASLEY:バック・ヴォーカル、KATHY・WALKER:バック・ヴォーカル、MAUREEN・McDONALD・FERGUSON:バック・ヴォーカルのやはり豪華ミュージシャン達です。
プロデューサーは、THE DOOBIE BROTHERS時代からのお馴染みTED・TEMPLEMAN(ERIC・CLAPTON,CARLY・SIMON)、DON・WAS(WAS(NOT WAS))とMICHAEL自身です。

1曲目"All We Got"(5:46) 呪文を唱えるようなカルト的なサウンドを展開するイントロが印象的な曲です。ブラック・ミュージックとエレクトロニカのサウンドとが融合したソロになったMICHAEL節をたっぷり感じます。
2曲目"Get The Word Started"(5:41) さらにサウンドをブラック・ミュージック/アーバン・ソウルに移してきた曲です。この曲はMICHAELとDAVID・PACK(AMBROSIA)との共作になっています。DAVIDのアルバムにも参加しているVINCE・DENHAM(THE CLOUDS)のサックス・ソロのサウンドが効果的に流れされています。
3曲目"Love Can Break Your Heart"(4:56) PAUL・CARRACK(Ex.SQUEEZE)との曲作です。PAULの '89年のアルバムにも収録されています。このアルバムでは、ギターにMICHAEL・LANDAUが起用されて、非常に乾いた硬めのサウンドを聴かせています。
4曲目"Take It To Heart"(5:57) DIANE・WARREN(何の紹介もいらないでしょう!)とMICHAELとで書かれた曲です。アダルト・コンテンポラリーなサウンドとメロディによるミドル・テンポのビートが心地好いです。プロデューサーのDON・WASがシンセサイザーのプログラムにも参加しています。
5曲目"Tear It Up"(4:27) GARDNER・COLEとSETH・SWIRSKYのコンビによって書かれた曲です。リズミカルなビートと哀愁のあるメロディによるラテンのサウンドも感じさせる曲です。先に紹介したDAVID・PACKがバック・ヴォーカルで参加しています。
6曲目"Lonely Talk"(4:42) イントロから美しいギターの残響音を聴かせるMICHAEL・LANDAUらしいアグレシッヴなサウンドと巧みなトレモノ・ワークです。ドラムはJEFF・PORCARO、バック・ヴォーカルにはこの曲を一緒に書いたCHUCK・SABATINO(A FULL MOON CONSORT)が参加しています。
7曲目"Searchin' For Understanding"(3:44) ロック"ン" ロールのリズムとBERNIE・CHIARAVALLEとMICHAEL・LANDAUとのツイン・ギターのサウンドによる乗りの良い曲です。サックス・ソロによる間奏が収録されていますが、クレジットに記載がないのでMICHAELによるキーボードでの演奏かも知れません。
8曲目"Homeboy"(4:38) このアルバムの中ではハードでラウドなサウンドの曲でライヴでの演奏を考えてか収録もJEFF・PORCARO、MICHAEL・LANDAU、ABRAHAM・LABORIELとMICHAELとの少人数の4人で行われています。また、この曲はED・SANFORD(SANFORD & TOWNSEND BAND)とMICHAELとの共作となっています。ホーンを入れたファンキーでダンサブルな曲で心変わりする彼女に悩まされる気持ちを歌っています。
9曲目"No Amount Of Reason"(4:39) 私が持っているMICHAELの曲のイメージに一番近いサウンドの曲です。キーボードで細かく刻まれながら演奏されるスタイルにギミックなサビを持っているところに乗せて歌われる好みがはっきり分かれるMICHAELの乾いた歌声は定番ですね。
10曲目"One Step Away"(4:14) この曲もイントロのサウンドからMICHAELの定番を感じさせる曲です。美しいメロディ・ラインに心地好いリズムの流れです。しかし、この曲はTOM・WHITLOCKとCHRIS・THOMPSON(HAROLD・FALTERMEYERのプロデュースによりシンガーとしてデビュー)のコンビによって書かれています。
11曲目"You Show Me"(5:03) アルバムの最後はしっとりとしたメロディとビートによる落ち着いた曲の登場です。この曲の共作者は"No Such Luck" も一緒に書いたHARRY・GARFIELDとなっています。ベースでも参加しているABRAHAM・LABORIELのアコースティック・ギターのサウンドが心地好く響きます。
全11曲歌詞付 写真ブックレット U.S.盤 (輸入盤) 収録時間:53分53秒 (何故かあまり評判の良くないこのアルバム?しかし、購入当時から良く聴いているアルバムの中の1枚になっています)'10年2月18日再更新


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写真  MICHAEL McDONALD / Blink Of An Eye
 ・1993 Reprise Records    9 45293-2

超豪華なメンバーでの収録・・・

MICHAEL・McDONALDのソロとしての5枚目('86年のベスト盤を含む '82年の[That Was Then]は含まず)のアルバムです。'93年8月3日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・McDONALD:ヴォーカル/キーボード/シンセサイザーの他、ROBBEN・FORD:ギター、BERNIE・CHIARAVALLE:ギター、DAVID・WILLIAMS:ギター、DEAN・PARKS:ギター、PAUL・JACKSON JR. :ギター、MIKE・CAMPBELL:ギター、RANDY・JACOBS:ギター、FRED・TACKETT:ギター、WARREN・HEYNES:ギター、MARCUS・MILLER:ベース、NATHAN・EAST:ベース、PINO・PALLADINO:ベース、FREDDIE・WASHINGTON:ベース、JEFF・BOVA:キーボード/シンセサイザー、RANDY・KERBER:キーボード/シンセサイザー、GREG・PHILLINGANES:キーボード、BENMONT・TENCH:ハモンド、DAVID・FRANK:シンセサイザー/ホーン・アレンジ、MANU・KATCHE:ドラム、JOHN・ROBINSON:ドラム、GEORGE・PERILLI:ドラム、JIMMY・BRALOWER:ドラム・プログラミング、LENNY・CASTRO:コンガ/シンバル/トライアングル/タンバリン、ALBERT・WING:サックス、KIRK・WHALUM:サックス、BRANDON・FIELDS:サックス、WALLACE・RONE:トランペット、LEE・THORNBERG:トランペット、CHUCK・FINDLEYのフリューゲル・ホーン、BRUCE・FOWLER:トロンボーン、ARNOLD・McCULLER:バック・ヴォーカル、CLYDENE・EDWARDS::バック・ヴォーカル、HARRY・BOWEN:バック・ヴォーカル、JENNI・MULDAUR:バック・ヴォーカル、MONA・LISA・YOUNG:バック・ヴォーカル、SWEET・PEA・ATKINSON:バック・ヴォーカル、AMY・HOLLAND:バック・ヴォーカル、ALISON・KRAUSS:バック・ヴォーカル、VINCE・GILL:バック・ヴォーカル、CHUCK・SABATINO:バック・ヴォーカルの前作でのミュージシャンも多く参加しています。
プロデューサーはお馴染みのRUSS・TITELMAN(ERIC・CLAPTON,CHAKA・KHAN)とMICHAEL自身です。

1曲目"I Stand For You"(4:23) ファンキーなリズムとハモンドのサウンドに絡めたホーン・セクションの煌びやか音色による曲です。サウンド全体はレゲエのリズムをMICHAEL風のアレンジとなっています。
2曲目"East Of Eden"(5:29) 一転して厳かな調べによるスローな曲の登場です。MIKE・CAMPBELL(TOM PETTY & THE HEARTBREAKERS)の弾くギターの音色が物悲しげに響きます。MICHAELはこの歌を自分の子供達に捧げています。
3曲目"More To Us Than That"(5:26) MICHAELらしいファンクなリズムとソウルフルなサウンドによる曲です。ご機嫌なキーボードの音色と躍動的なリズムはTHE DOOBIE BROTHERSの後期の質感を感じます。
4曲目"I Want You"(4:16) 驚いたことにこの曲は、あのTHE BLUE NILEのPAUL・BUCHANANの曲です。以外な選曲と言いましょうか、PAULがMICHAELのこのアルバムの為に書いています。このアルバムの他の収録曲とちょっと違ったテクノ風の雰囲気を醸し出しています。
5曲目"No More Prayin'"(6:20) 大好きな曲の登場です。リズムとサウンドの流れ方がCHRIS・REAの"On The Beach" と共通する所を感じさせます。FRED・TACKETT(LITTLE FEAT)の厳かな響きのギターとJEFF・BOVA(HERBIE・HANCOCK,ROBERT・PALMER)のハモンドのサウンドが非常に印象的な6分20秒もある曲ですが、何度も聴きたくなるのです。
6曲目"Matters Of The Heart"(4:29) メロディアスなサウンドを響かすキーボードによるMICHAELの弾き語りです。厳かにまた、労わるように加わってくるバックの演奏とコーラスです。
7曲目"Hey Girl"(5:56) 特徴的なリズムを刻むドラム・プログラミングを取り入れたメランコリックなサウンドの曲です。オリジナル曲は '63年にCAROL・KINGとGERRY・GOFFINのコンビが書いたヒット曲です。
8曲目"What Makes A Man Hold On"(4:19) 一転してトロピカルでエキゾチックなカリプソ・サウンドによる曲です。故CHUCK・SABATINOとMICHAELとの共作です。CHUCKの美しいバック・ヴォーカルが収録されています。
9曲目"Blink Of An Eye"(4:56) イントロから鳴るドラム・ロールのサウンドが圧巻なアメリカ南部のロックのサウンドを感じさせる重厚な曲です。ドラムで参加のGEORGE・PERILLI(DAVID・PACK,JOHN・TESH)とMICHAELとの共作です 。
10曲目"Everlasting"(4:31) ゴスペルの要素を含んだサウンドとメロディによる曲です。GREG・PHILLINGANESのピアノとJEFF・BOVAのオルガンのサウンドが迫ります。テキサスのS.S.W.WILL・JENNINGSとMICHAELとの共作です。
11曲目"For A Child"(7:51) このアルバムのテーマになっている「子供達のため」の曲です。MICHAELが現在の世の中に対する想いを綴った歌詞のバックをイギリスのベテラン・ベーシストPINO・PALLADINOフレットレス・ベース、WALLACE・RONEYのトランペット、CHUCK・FINDLEYのフリューゲル・ホーンのサウンドが非常に素晴らしい演奏で努めています。
全11曲歌詞付 写真ライナー U.S.盤 (輸入盤) 収録時間:57分59秒 (最近のMICHAELの活動はSIMON・CLIMIEと組んでクラシックなソウル・ミュージックの再収録盤の制作に傾倒しています)'10年2月18日再更新
1993年度ベスト5


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写真  MICHAEL McDONALD / Obsession Blue
 ・2000 Ramp Records    (NIPPON CROWN CRCL-80012)

何故か国内リリースが遅れたアルバム・・・

このアルバムは、プロデューサーにTOMMY・SIMSを向かえ制作されたMICHAEL・McDONALD6枚目のアルバムでオリジナル盤は '97年にリリース、国内では '00年4月21日のリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・McDONALD:ヴォーカル/キーボード/シンセサイザー/プロデュース、TOMMY・SIMS:ベース/ギター/キーボード/ストリング・アレンジ/ヴォーカル/プロデュース、DAVID・PACK:ギター/キーボード/プロデュース、BERNIE・CHIARAVALLE:ギター/シンバル/プロデュース、GEORGE・COCCHINI:ギター、GORDON・KENNEDY:ギター、BILL・OWSLEY:ギター、CHRIS・PELONIS:ギター/プロデュース、CHRIS・RODRIGUEZ:ギター、DAN・DUGMORE:ラップ・ステール、CHRIS・KENT:ベース、TODD・SMITH:ベース、MARC・HARRIS:キーボード/クラベス、MATT・ROLLINGS:ピアノ、JOE・HOGUE:キーボード/プログラミング/サンプリング、CHESTER・THOMPSON:ドラム、BRIAN・ZSUPNICK:ドラム、DAN・NEEDHAM:ドラム、GEORGE・PERILLI:ドラム、YVETTE・PREYER:ドラム、DANNY・DUNCAN:パーカッション/プログラミング・アシスタント/サウンド・エフェクト、TOM・ROADY:パーカッション、SHANE・GUE:プログラミング・アシスタント、BARRY・GREEN:トロンボーン、MARK・DOUTHIT:サックス、KIRK・WHALUM:サックス、DENIS・SOLEE:サックス、MIKE・HAYNES:トランペット、BOBBY・G.TAYLOR:フルート/オーボエ、CARL・GORODETZKY:指揮/ストリング・アレンジ/ヴァイオリン、RON・HOFF:指揮/ストリング・アレンジ、CAROL・McCLURE:ハープ、BOB・MASON:チェロ、DAVID・DAVIDSON:ヴァイオリン、CONNIE・ELLISOR:ヴァイオリン、PAMELA・SIXFIN:ヴァイオリン、ALAN・UMSTEAD:ヴィオラ、KRIS・WILKINSON:ヴィオラ、KRISTIN・WILKINSON:ヴィオラ、GARY・VAN・OSDALE:ヴィオラ、MARY・KATHRYN・VAN・OSDALEヴァイオリン、CHRISTOPHER・CROSS:バック・ヴォーカル、KARLA・BONOFF:バック・ヴォーカル、JOHNNY・NEEL:バック・ヴォーカル、RODNEY・COVINGTON:バック・ヴォーカル、TABITHA・FAIR:バック・ヴォーカル、AMY・HOLLAND:バック・ヴォーカル、WENDY・MOTEN:ヴォーカル/ヴォーカル・アレンジ、ANGELO・PETRUCCI:バック・ヴォーカル、VERONICA・PETRUCCI:バック・ヴォーカル、TOBY・McKEEHAN:ヴォーカル/ヴォイス、KEVIN・MAX・SMITH:バック・ヴォーカル、NICOL・SPONBERG:バック・ヴォーカル、MICHAEL・TAIT:バック・ヴォーカル、CHRIS・WILLIS:バック・ヴォーカルの多くのミュージシャンが参加しています。

1曲目"All I Need"(5:41) TONNYとの共作の上ヴォーカル、ベース、キーボードも彼の参加で、MICHAELとTONNYのヴォーカル合戦が1曲目から炸裂です。
2曲目"No Love To Be Found"(5:32) WENDY・MOTEN('96年は彼女のアルバムもリリース)のヴォーカルが熱いです。
3曲目"Obsesion Blues"(4:36) BERNIE・CHIARAVALLEとの共作で彼のギターを大きくフュチャーしています。
4曲目"Where Would I Be Now"(6:10) TONY・JOE・WHITEとの共作、心のしみるバラードでバック・ヴォーカルは奥方です。
5曲目"Build Upon It"(5:06) エモーショナルなリズムに乗せMICHAELが熱く歌うファンキーな曲です。
6曲目"The Meaning Of Love"(5:31) 鳥肌もののバラードでTOMMYのハーモニックスギター・ソロが最高です。曲はJIM・PHOTOGLOWとの共作です。
7曲目"Open The Door"(5:50) 乗りの好いリズムとメロディにホーンの入り方も最高です。
8曲目"Kikwit Town"(5:42) Kikwitは、ザイールの村で '96年にエボラ熱で多くの人が亡くなった場所です。
9曲目"Down By The River"(5:37) ご存知"NEIL・YOUNG '69年の曲。バック・ヴォーカルにCHRISTOPHER・CROSS、KARLA・BONOFFが参加しています。
10曲目"Someday You Will"(4:24) やや牧歌的なギター・サウンドのする曲です。
11曲目"Ain't That Peculiar"(5:15) ゴスペルコーラスの圧巻な歌声によるファンクなナンバーです。DAVID・PACKがギターで参加しています。
12曲目"You Can't Make It Love"(4:27) MICHAELのピアノの弾き語りです。
尚、各曲の登録年号は、'96年となっていて '97年にリリースされたらしいのですが、輸入盤では当時確認されていません。MICHAEL自身のレーベルから '00年に再発売しました。
全12曲歌詞/訳付 写真ライナー 国内初回限定版ハードボックス入2重梱包 U.S.製 輸入元 (輸入盤) 収録時間:63分56秒 (多分、MICHAELにとってオリジナル曲によるロックのアルバムはこれが最後になるでしょう)'10年2月18日再更新


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写真  MICHAEL FRANKS / The Art Of Tea
 ・1975 WARNER-PIONEER CORPORATION    P-10255R

素晴らしいアルバムと再認識・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルス(このアルバムのリリース当時)で活躍していたS.S.W.MICHAEL・FRANKSの '76年初めに国内でリリースされた2枚目('73年のマイナー盤を含む)のアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・FRANKS:ヴォーカルの他、LARRY・CARLTON:ギター、JOE・SAMPLE:キーボード、WILTON・FELDER:ベース、JOHN・GUERIN:ドラム/パーカッション、JERRY・STEINHOLTZ:パーカッション、LARRY・BUNKER:ヴィブラフォン、DAVID・SANBORN:アルト・サックス、MICHAEL・BRECKER:テナー・サックスの超ベテラン達が参加しています。
尚、プロデューサーは、都会的サウンドの達人TOMMY・LiPUMA(AZTEC CAMERA、DIANA・KRALL)にミキシングAL・SCHMITTの名コンビです。

1曲目"Nightmoves"(4:03) 一発でLARRYのギターと分かるチョーキングの調べがイントロから流れるブルーな調べの洗練された洒落た曲です。都会的なJOE・SAMPLEのキーボードのサウンドに呟くMICHAELの歌声との相性も感じ好いのです。
2曲目"Eggplant"(3:34) 彼女の得意料理を歌詞にした曲の登場です。ジャジーなメロディとサウンドによるこの曲も非常に都会的なサウンド特にN.Y.のライフ・スタイルを感じさせます。
3曲目"Monkey See-Monkey Do"(3:33) 今度は、リフレインを多用したロック色を強めて来た曲の登場です。間奏で甲高く鳴り響く非常にDAVID・SANBORNらしいアルト・サックスの演奏にバックの音楽職人達のご機嫌な演奏を楽しみましょう。
4曲目"St. Elmo's Fire"(3:58) このアルバムを良く聴いていた当時、気分の滅入った時に9曲目の"Mr.Blue" と一緒に良く聴いた曲です。切ないMICHAELの歌声とバックに流れるセンチメンタルなメロディは、本当に素晴らしいと思います。
5曲目"I Don't Know Why I'm So Happy I'm Sad"(4:16) 前の曲とは反対にこの曲は、楽しいことが訪れた時に良く聴いた曲ですが、歌詞の内容は必ずしも楽しいものではありませんが...。75年当時、このサウンドとこのアレンジは、非常にお洒落と言うか洗練されていたと思いましたね。
6曲目"Jive"(3:16) MICHAEL・BRECKERの燻し銀的なテナー・サックスの調べに促される登場するMICHAEL・FRANKSの歌声が感じ好い曲です。ジャズが演奏される小さなクラブでの演奏が非常に似合いそうな洒落た演奏とミュージシャン同士の掛け合いで流されるのに適しているようです。
7曲目"Popsicle Toes"(4:35) ぱっと聴きは、古い映画音楽やT.V.の挿入歌のようなスタイルの曲で、このアルバムからのシングル曲として '76年9月に43位となったMICHAEL最初のヒット曲です。当時ハワイに住む友人から「好きなミュージシャンは誰 ?」と尋ねられMICHAEL・FRANKSと答えたら「彼の曲は変だね。"喋るつま先" なんて」と言われ、タップダンスの名手によるダンス・シーンを想像して本当につま先でしゃべっている様や会話している比喩だと力説したことを懐かしく想います。
8曲目"Sometimes I Just Forget To Smile"(3:51) この曲もご機嫌な乗りを感じさせる曲です。LARRYのギターによるこなれたギターのカッティングにJOEの流れるようなキーボードの調べに合わせてもの凄く気持ち良く歌うMICHAELを想像させます。
9曲目"Mr.Blue"(4:03) もうこれ以上ブルーと言うかセンチメンタルな曲は、無いのではないかと思わせる曲です。いつもは、派手に響くDAVID・SANBORNのアルト・サックスの調べも泣きそうなくらい悲しく感じます。
全9曲歌詞付 LP盤 (国内盤) 収録時間:35分09秒 (このアルバムを久しく改めて聴いてMICHAELとプロデューサーTOMMY・LiPUMAを含むその音楽仲間達でなければ出来なかったような素晴らしいアルバムと再認識させました)'11年12月31日更新
1975年度ベスト5


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写真  MICHAEL FRANKS / Sleeping Gypsy
 ・1977 Warner Bros. Records Inc.    BS 3004

MICHAELの代表作・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルス(このアルバムもリリース当時)で活躍していたS.S.W.MICHAEL・FRANKSの '77年本国でリリースされた3枚目(デビュー盤は、'73年のマイナー盤)のアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・FRANKS:ヴォーカルの他、前作同様LARRY・CARLTON:ギター、JOE・SAMPLE:キーボード、WILTON・FELDER:ベース、JOHN・GUERIN:ドラム、RAY・ARMANDO:パーカッション、JOAO・DONATO:ピアノ、JOAO・PALMA:ドラム、HELIO・DELMIRO:ギターDAVID・SANBORN:アルト・サックス、MICHAEL・BRECKER:テナー・サックスの超ベテラン達が再び参加しています。
尚、プロデューサーとミキシングも前作同様TOMMY・LiPUMA(AZTEC CAMERA、DIANA・KRALL)とミキシングAL・SCHMITTの名コンビです。

1曲目"The Lady Wants To Know"(4:45) アルバムの1曲目に位置する曲と思えば非常にスローでソフトな感じの曲です。優しく奏でられるLARRYのギターとストリングスの調べが心地好いこのアルバムからのヒット曲でもあります。
2曲目"I Really Hope It's You"(4:54) 前の曲より少しだけテンポを上げて来た前のアルバムの収録曲に通じる洒落たテイストを感じさせる曲です。セルフによるMICHAELの美しいハーモニーにMICHAEL・BRECKERのテナー・サックスによるソロの演奏も十八番的に落ち着いて聴いていられるのです。
3曲目"In The Eye Of The Storm"(5:55) 今度は、ダークな雰囲気を醸し出すスローな曲です。LARRYの非常に特徴的なギターのリフの合間に聴かせる蒼いMICHAELの歌声が切なく響きます。
4曲目"B'wana-He No Home"(4:57) 3曲続けてスローな曲が続いたのでこの辺りでアップテンポの曲の登場です。この曲の感じは、前作での"Monkey See-Monkey Do" と相通じるところがあるように思います。
尚、この曲と8曲目"Down In Brazil" はブラジルのリオ・デ・ジャネイロに出向いてJOAO・DONATO、JOAO・PALMA、HELIO・DELMIROらと一緒に収録されています。
5曲目"Don't Be Blue"(3:28) イントロから鳴るDAVID・SAMBORNのアルト・サックスの調べからご機嫌な乗りを感じさせるアップテンポの曲です。JOE・SAMPLEの円熟したキーボード・ソロも堪りませんね。
尚、この曲は、ドラムのJOHN・GUERINとMICHAELと一緒に書かれています。
6曲目"Antonio's Song(The Rainbow)"(5:03) この曲は説明不要なくらい有名なMICHALの初期の曲で、ブラジルを代表するボサ・ノヴァの歌手ANTONIO・CARLOS・JOBINに捧げられた曲です。このアルバムがリリースされた後、国内でも和訳された歌詞により日本のシンガーも度々カバーしています。
7曲目"Chain Reaction"(5:14) キーボードのJOE・SAMPLEとMICHAELとの共作による曲です。やはりこの曲の感じは、バックのJOE、WILTON やLARRYの在籍していたTHE CRUSADERSの持ち味のするフュージョン・サウンドが"プンプン" するサウンドと洒落た感じが伝わって来ます。
8曲目"Down In Brazil"(4:33) この曲も説明が不要なくらいのMICHAELの代表曲です。心地好いボサ・ノヴァの調べが全編に流れています。特筆すべきは、胸元に抱えたLARRYのレス・ポール(多分?)による非常にスムーズで流れるようにクールさのあるギターの調べは、本当に鳥肌ものですね。
尚、この曲は先に紹介したブラジル出身で後にカリフォルニアで音楽活動していたJOAO・DONATOに捧げられています。
全8曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:38分49秒 (やはりこのアルバムと前作[The Art Of Tea]はMICHAELの代表作ですね!)'12年1月2日更新
1977年度ベスト5


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写真  MICHAEL FRANKS / Objects Of Desire
 ・1982 Warner Bros. Records Inc.    3648-2

相変わらず豪華メンバーです・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍しているS.S.W.MICHAEL・FRANKSの8枚目('80年のライヴ盤を含む)のアルバムで本国でのリリースは、'82年にされています。
尚、本国でのCD化は、'90年10月に行われています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・FRANKS:ヴォーカル/ギター/マンドリン/バンジョーの他、STEVE・KHAN:ギター、HUGH・McCRACKEN:ギター、LARRY・CARLTON:ギター、JOE・CARO:ギター、NICK・MOROCH:ギター、ROB・MOUNSEY:キーボード、TED・LO:キーボード、BETTE・SUSSMAN:キーボード、MARK・EGAN:ベース、NEIL・JASON:ベース、FRANCISCO・CENTENO:ベース、ANDY・NEWMARK:ドラム、HARVEY・ MASON:ドラム、BUDDY・WILLIAMS:ドラム、RICK・CUTLER:ドラム、VICTOR・FELDMAN:パーカッション、RUBENS・BASSINI:パーカッション、RAY・BARDANI:パーカッション、DAVID・SANBORN:アルト・サックス、MICHAEL・BRECKER:テナー・サックス/トランペット、LAWRENCE・FELDMAN:フルート/サックス、LEW・SOLOFF:トランペット/フリューゲルホーン、BONNIE・RAITT:バック・ヴォーカル、RANDY・VANWARMER:バック・ヴォーカル、YVONNE・LEWIS:バック・ヴォーカル、LUTHER・VANDROSS:バック・ヴォーカル、KACEY・CISYK:バック・ヴォーカル、YOLANDA・McCULLOUGH:バック・ヴォーカル、LESLIE・MILLER:バック・ヴォーカル、RENEE・DIGGS:バック・ヴォーカル、TAWATHA・AGEE:バック・ヴォーカル、PHILLIP・BALLOU:バック・ヴォーカル、LUTHER・VANDROSS:バック・ヴォーカル、RAY・BARDANI:タンバリン/プロデュース、MICHAEL・COLINA:シンセサイザー/ムーグ・ベース/アレンジ/プロデュースと相変わらず豪華なメンバーが参加しています。

1曲目"Jealousy"(3:38) 軽快でジャジーなキーボードの調べがイントロから流れる心地好い乗りを感じさせる曲です。ゴージャスなホーンのサウンドにこれまた、ゴージャスな女性ヴォーカルに包まれてMICHAELが歌います。
2曲目"Ladies' Nite"(4:11) 少しメランコリックなサウンドとメロディを聴かせる初期のアルバム[The Art Of Tea] の収録曲"Mr. Blue" の旋律に近い雰囲気を感じさせる曲です。曲の後半よりスライド・ギターの女王BONNIE・RAITTの歌声も登場します。
3曲目"No Deposit Love"(5:10) 少し聴いただけで直ぐにLARRY・CARLTONと分かるフレーズと彼の非常に滑らかなギターの響きを聴かせるメロウでファンクなリズムの曲です。優しく響くMICHAELの歌声とバックのANDY・NEWMARKのドラムのクールなリズムと言い非常に贅沢な感じがしますね。
4曲目"Laughing Gas"(3:25) この曲はイントロからホーンのサウンドをたっぷりと響かせたリズミカルな流れを聴かせる曲ですね。雨が上がった街中の路地に少し日が差し込んできた時のような少し嬉しさを感じさせるメロディとMICHAEL・BRECKERのサックス・ソロからも強く感じます。
5曲目"Wonderland"(5:02) 私の持つMICHAELの音楽と彼の歌声のイメージに非常に近い感じの少しダウンテンポでメランコリックなサウンドのする都会的な粋な曲ですね。MARK・EGANの渋いベースの調べに女性ヴォーカルの歌声が堪りませんね。
6曲目"Tahitian Moon"(4:36) イントロからめずらしくアコースティック・ギターのサウンドが響く少し、ポップ調のスローな曲の登場です。曲名からトロピカルなMICHAELお得意のボサ・ノヴァ/サンバ調の曲かと思いましたが、しっとりとしたメロディとサウンドによる落ち着いた感じの曲で、バックで非常に美しいヴォーカルを聴かせているのは、故RANDY・VANWARMERです。
7曲目"Flirtation"(3:45) 一転してファンキーなサウンドとリズムを聴かせるダンサブルなナンバーの登場です。心地好いスイング感を感じさせるMICHAELの歌声と煌びやかなホーンの小刻みにしながら鳴らされるサウンドにFRANCISCO・CENTENOのチョッパー・ベースが光ります。
8曲目"Love Duet"(4:59) 再びしっとりとしたサウンドとメロディのミドル・テンポの曲です。曲のタイトル通りデュエットには、R & Bシンガーの故RENEE・DIGGS が参加してMICHAELとの落ち着いた歌声を聴かせてくれています。
9曲目"No One But You"(4:43) メランコリックな調べを聴かせるLAWRENCE・FELDMANのフルート・ソロから入る収録地N.Y.の大都会の夜が非常に似合いそうな大人の曲ですね。この曲もMICHAELの代表曲"Mr. Blue" の流れ汲むしっとりと聴かせるスローなリズムとサウンドを感じさせます。
全9曲歌詞付 写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:39分35秒 (日本でも非常に人気のあるMICHAEL・FRANKS、このレビューを書いている間にも東京と大阪でライヴの予定があるようです)'10年2月19日再更新


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写真  MICHAEL FRANKS / Passionfruit
 ・1983 WARNER BROS. RECORDS INC.    23962-1

何んだ!このフルーツは!・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍しているS.S.W.MICHAEL・FRANKSの9枚目('80年のライヴ盤を含む)のアルバムで '83年に本国でのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・FRANKS:ヴォーカルの他、HUGH・McCRACKEN:ギター/ティップル、JOHN・TROPEA:ギター、HIRAM・BULLOCK:ギター、ROB・MOUNSEY:キーボード/シンセサイザー/ブリーザライザー/プロデュース、PAT・REBILLOT:キーボード/フェンダー・ローズ、HOMER・MENSCH:ベース、WILL・LEE:ベース/バック・ヴォーカル、NEIL・JASON:ベース、STEVE・GADD:ドラム、CHRISTOPHER・PARKER:ドラム、NANA・VASCONCÉLOS:パーカッション/カシシ/タンバリン、SUE・EVANS:パーカッション、DAVE・TOFANI:アルト・サックス、RANDY・BRECKER:トランペット/フリューゲルホーン、JON・FADDIS:フリューゲルホーン、EDDIE・DANIELS:フルート、GEORGE・MARGE:アルト・リコーダー、TOOTS・THIELEMANS:ハーモニカ、GLORIA・AGOSTINI:ハープ、ELENA・BARERE:ヴァイオリン、LEW・ELEY:ヴァイオリン、BARRY・FINCLAIR:ヴァイオリン、REGIS・IANDIORIO:ヴァイオリン、CHARLES・LIBOVE:ヴァイオリン、JAN・MULLEN:ヴァイオリン、JOHN・PINTAVALLE:ヴァイオリン、MATTHEW・RAIMONDI:ヴァイオリン、RICHARD・SORTOMME:ヴァイオリン、GERALD・TARACK:ヴァイオリン、LAMAR・ALSOP:ヴィオラ、JUDY・GEIST:ヴィオラ、THEODORE・ISRAEL:ヴィオラ、 EMANUE・VARDI:ヴィオラ、JONATHAN・ABRAMOWITZ:チェロ、WARREN・LASH:チェロ、CHARLES・McCRACKEN:チェロ、DAVID・NADIEN:指揮、ASTRUD・GILBERTO:バック・ヴォーカル、KENNY・RANKIN:バック・ヴォーカル、HAMISH・STUART:バック・ヴォーカル、KACEY・CISYK:バック・ヴォーカル、LESLIE・MILLER:バック・ヴォーカル、FRANK・FLOYD:留守電音声(SLY)の収録地のN.Y.のミュージシャン達が多く参加しています。
尚、プロデュースは、N.Y.にスタジオを構えるキーボーディストのROB・MOUNSEYです。

1曲目"Alone At Night"(4:35) 怪しげに鳴るRANDY・BRECKERのトランペットの調べがまるでサスペンス映画の1シーンのようです。相変わらずいい意味での優柔不断なMICHAELの歌声に纏わり付くHIRAM・BULLOCKのチョーキング多用なギター・サウンドが耳に残ります。
2曲目"Never Satisfied"(3:51) 爽やかな調べを発するTOOTS・THIELEMANSのハーモニカがイントロから流れるアーバン・ソウルな曲です。バック・コーラスのKVITKA "KACEY" CISYKと男性陣の歌声が滑らかに響きます。
3曲目"Amazon"(5:40) 情熱的なナイロン弦ギターの調べに乗せアルト・フルートの音色が暗示をかけるように流れるボサ・ノヴァです。 何とバック・ヴォーカルにASTRUD・GILBERTOが参加して母国を盛り上げます。
4曲目"Now That Your Joystick's Broke"(2:48) 一転してテクノ・ミュージック的な電子サウンドを多用した曲です。プロデューサーROB・MOUNSEYの大好きそうなサウンド・エフェクトの数々、N.Y.のサウンドならではでしょうか。
5曲目"Sunday Morning Here With You"(4:33) トロピカルな雰囲気を醸し出すスティール・ドラム風(ROBのシンセ?)とアイス・ベルの涼し気な調べとNEIL・JASONのフレットレス・ベースに渋い音色が素晴らしい曲です。お洒落に歌いこなすMICHAELの後ろでそっと歌うKENNY・RANKINが居ます。
6曲目"Never Say Die"(3:36) メランコリックな調べを奏でるアコースティック・ギターの調べとうなだれたように響くベースの重い調べが印象に残る曲です。この曲でもバックのKACEYとLESLIEの女性陣のバック・ヴォーカルが好いですね。
7曲目"Rainy Night In Tokyo"(4:42) 歌詞が記載された内スリーブに日本語で「東京の夜は雨」と印刷されている事にちょっとにやっとさせられる曲です。着物を着た女性の姿や東京の夜は雨だったので部屋で日本酒をゆっくり飲んで過ごしたなど歌詞に綴っています。
8曲目"Tell Me All About It"(4:31) イントロから響くナイロン弦ギターの爪弾きによるボサ・ノヴァのリズムとダークさを醸し出すストリングスのサウンドが心に響きます。MICHAELのライヴでの定番曲となっています。
9曲目"When Sly Calls(Don't Touch That Phone)"(5:22) イントロから響くRANDY・BRECKERがフリューゲルホーンの音色がドリーミーな雰囲気を醸し出しますが、次第にサスペンス風の緊迫した演奏を繰り広げます。この曲でも女性バック・コーラス隊の歌声が非常に印象に残ります。留守電音声(SLY)の音声は、FRANK・FLOYDとなっています。
10曲目"How The Garden Grows"(3:37) 再びTOOTS・THIELEMANSがその素晴らしいハーモニカの演奏を聴かせる曲です。メランコリックなストリングスの調べに乗せてセンチメンタルに歌うMICHAELです。
全10曲歌詞付 LP盤 U.S.製 収録時間:43分15秒 (アルバムの内容と全然関係ないのですが、ジャケに登場するパッションフルーツ、当時なんと気持ちの悪い食べ物と思っていました!)'24年1月19日更新


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写真  MICHAEL FRANKS / Passionfruit
 ・1985 WARNER BROS. RECORDS INC.    25275-1

更に男前になったMICHAEL!・・・

このアルバムは、カリフォルニア出身のS.S.W.MICHAEL・FRANKSの10枚目('80年のライヴ盤を含む)のアルバムで '85年6月29日に本国でのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・FRANKS:ヴォーカルの他、HIRAM・BULLOCKHUGH・McCRACKEN:ギター、JEFF・MIRONOV:ギター、STEVE・KHAN:ギター、HOMER・MENSCH:ベース、MARCUS・MILLER:ベース、MARK・EGAN:ベース、WILL・LEE:ベース/バック・ヴォーカル、NEIL・JASON:ベース、 RON・CARTER:ベース、 CLIFFORD・CARTER:ピアノ、ROB・MOUNSEY:キーボード/シンセサイザー/プログラミング/バック・ヴォーカル/プロデュース、WARREN・BERNHARDT:ピアノ ANDY・NEWMARK:ドラム、STEVE・GADD:ドラム、DANNY・GOTTLIEB:ドラム、CHRIS・PARKER:シモンズ・ドラム、MANOLO・BADRENA:パーカッション、SUE・EVANS:パーカッション、DAVID・SANBORN:アルト・サックス、MICHAEL・BRECKER:テナー・サックス、RONNIE・CUBER:バリトン・サックス、PETER・GORDON:フレンチ・ホーン、JON・CLARK:フレンチ・ホーン、DAVE・BARGERON:ユーフォニアム、BILL・EVANS:フルート、GEORGE・YOUNG:フルート、LAWRENCE・FELDMAN:フルート、JON・FADDIS:フリューゲルホーン、BRENDA・RUSSELL:ヴォーカル、KACEY・CISYK:バック・ヴォーカル、LESLIE・MILLER:バック・ヴォーカル、JOE・CARO:バック・ヴォーカル、FRANK・FLOYD:バック・ヴォーカル、VIVIAN・CHERRY:バック・ヴォーカル、BOBBY・FLOYD:バック・ヴォーカルの今回も収録地N.Y.のミュージシャン達が多く参加しています。
尚、プロデュースは、前作と同様にROB・MOUNSEYが担当しています。

1曲目"Read My Lips"(3:38) サビの導入部から飛ばして行く曲です。MARCUS・MILLERの硬く締まったスラップ・ベースのサウンドとVIVIAN・CHERRYのバック・ヴォーカルが好いですね。そう言えば同名タイトルに前年にリリースされたFEE・WAYBILLの[Read My Lips]ってアルバムがあったな。
2曲目"Let Me Count The Ways"(4:33) 今度は、爽やかな調べと軽めリズムを感じる曲です。ROBのシンセザイザーとCHRISのシモンズ・ドラムなど何か新しいものへ挑戦した感が伝わってきます。
3曲目"Your Secret's Safe With Me"(4:38) STEVE・KHANのペチペチと鳴るフェンダー系のギターの調べが心地好く流れる曲です。洒落たジャイブなリズムにMICHAELの歌声が、非常に似合いますね。
4曲目"Don't Be Shy"(5:06) DAVID・SANBORNのアルト・サックス、CHRISのシモンズ・ドラムのビートとBOBのYAMAHAのシンセによるL.A.のアーバン・ソウル風のサウンドを聴かせる曲です。DAVIDのサックスの音色は、何故かL.A.西海岸の太陽が似合うと思います。
5曲目"When I Give My Love To You"(4:21) ゲストのBRENDA・RUSSELLとMICHAELとの素晴らしいデュエットによるバラッドです。バックのトロピカルなサウンドのスティール・ドラムなどROBのシンセによるサウンドのようです。尚、この曲は、ライヴでも女性ヴォーカリストと一緒に歌われている定番曲です。
6曲目"Queen Of The Underground"(4:25) エレクトロニカ風にシフトして来たポップさに溢れる曲です。サウンドだけ聴いているとJEFF・LORBERをプロデューサー迎えた将来作への布石を感じますね。
7曲目"Now I Know Why(They Call It Falling)"(4:53) JEFF・MIRONOVのギターの心地好い響きが耳に優しい曲です。サウンド的には2作目、3作目に戻った感じがするのは、MICHAELの2枚目のアルバムの"I Don't Know Why I'm So Happy I'm Sad" のアンサー・ソングのように思われるからでしょうか。
8曲目"Please Don't Say Goodnight"(4:50) 切ない気持ちを迎えた夜の中に響くBILL・EVANS(ジャズの大御所のピアニストBILL・EVANSではない方)フルートと音色とこれまた一発で分かるMARK・EGANのブンブンと鳴るベースの調べが印象的な曲です。この曲もアルバム[The Art Of Tea]の収録曲に雰囲気が近いかな。
9曲目"When She Is Mine"(5:25) どこかのナイトクラブで演奏されているかのような落ち着いた雰囲気を醸し出す曲です。RON・CARTERのダブル・ベースとMICHAEL・BRECKERのテナー・サックスの滑らかな音色がMICHAELのセンチメンタルな歌声を囲みます。
全9曲歌詞付 LP盤 U.S.製 収録時間:41分49秒 (このアルバムのように'85年頃までの手持ちレコード盤のアップが、後回しとなって一向に進んでいません!)'24年1月22日更新


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写真  MICHAEL FRANKS / Blue Pacific
 ・1990 Riprise Records    926183-2

有名プロデューサーが曲毎に・・・

70年代より活躍するMICHAEL・FRANKSの13枚目('80年LIVE '88年コンピ盤を含む)にもなるアルバムで、JEFF・LORBER、TOMMY・LiPUMA、WALTER BECKER(STEELY DAN)らが曲毎にプロデュースした意欲作です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・FRANKS:ヴォーカルの他、LARRY・CARLTON:ギター、BUZZ・FEITEN:ギター、PAUL・JACKSON,Jr.:ギター、DEAN・PARKS:ギター、MICHAEL・THOMPSON:ギター、JOHN・PATITUCCI:ベース、NEIL・STUBENHAUS:ベース、'READDIE' FREDDIE・WASHINGTON:ベース、JEFF・LORBER:キーボード/プログラミング、JOHN・BEASLEY:キーボード、JOE・SAMPLE:ピアノ、LARRY・WILLIAMS:シンセサイザー・アレンジ/プログラミング、JOHN・GUERIN:ドラム、VINNIE・COLAIUTA:ドラム、PETER・ERSKINE:ドラム、SEAN・FRANKS:シンバル、ALEX・ACUÑA:パーカッション、LUIS・CONTE:パーカッション、MICHAEL・FISHER:パーカッション、MARC・RUSSO:アルト・サックス、BOB・SHEPARD(SHEPPARD):テナー・サックス、KIRK・WHALUM:テナー・サックス、LIVINGSTON・TAYLOR:バック・ヴォーカル、BRENDA・RUSSEL:バック・ヴォーカル、BUNNY・HILL:バック・ヴォーカル、KAREEM:バック・ヴォーカルのお馴染みのミュージシャン達です。

1曲目"Art Of Love"(4:11) JEFF・LORBERによるチョッパー・ベースのサウンドに似せた打ち込みと彼ならではのタイトなビートと乗りの良いリズムによるダンサブルなナンバーです。MICHAELのヴォーカルからもご機嫌さを伺えます。
2曲目"Woman In The Waves"(5:58) ボサ・ノヴァのリズムをJEFFがとことん煮詰めた仕上げの曲のようです。ギターにBUZZ・FEITEN,バック・ヴォーカルは、BRENDA・RUSSEL、BUNNY・HILLと豪華メンバーです。
3曲目"All I Need"(4:47) やはりWALTER BECKERのプロデュースだからでしょうか。この曲はイントロのBUZZのギターの音色から好きになった曲です。間奏のDEAN・PARKSのギターソロも圧巻です。
4曲目"Long Slow Distance"(5:09) イントロからLARRY・CARLTONのギター・サウンド丸出しのジャジーな曲です。JOE・SAMPLEのピアノも心地好い響きです。ドラムのJOHN・GUERINとLARRYとJOEの完璧なトリオによる収録です。プロデュースは、MIHCAELの2枚目のアルバムからの付合いのTOMMY・LiPUMAです。
5曲目"Vincent's Ear"(6:24) STEELY DANのような少しスリリングさと屈折したサウンド展開による曲です。6分を超えるゴッホにインスパイアされた内容の曲です。素晴らしいベース・ラインを演奏しているのはNEIL・STUBENHAUSです。
6曲目"Speak To Me"(5:01) 再びJEFF・LORBERのプロデュース曲で明るいポップなサウンドの曲です。JEFFのアグレッシヴなキーボードでのソロとカッティング・ギターの職人PAUL・JACKSON JR.の素晴らしい演奏が収録されています。
7曲目"On the Inside"(5:14) MARK・RUSSOの"渋い" イントロのサックスの音色によるゆったりしたリズムの曲です。MICHAELの落ち着いた歌声が非常に似合う曲調です。バック・ヴォーカルは、再びBRENDA・RUSSEL、BUNNY・HILLです。
8曲目"Chez Nous"(4:31) MICHAELの3枚目のアルバム[Sleeping Gypsy]のサウンドを踏襲した曲です。JOE・SAMPLEの華麗で美しいピアノの旋律とLARRY・CARLTONのチョーキングを多用し流れるように弾かれるご機嫌なギター・ソロに痺れます。このご機嫌なサウンドは、何時までも聴いていたい感じですね。尚、曲のタイトルの"Chez Nous" とは、フランス語で「私たちの家」と言うだそうです。
9曲目"Blue Pacific"(4:59) 日本でも人気のあるベーシストJOHN・PATITUCCIが参加した曲です。ギターは何とMICHAEL・THOMPSONです。TOMMY・LiPUMAがメンバーを変えて収録に臨んでいます。すこしサウンドの方向を変えたゆったりしたリズムによるTOMMYのプロデュース曲です。
10曲目"Crayon Sun(Safe At Home)"(6:20) 全編に流れるBUZZのアコースティック・ギターの響きが少し悲しげですが、ゆったりした心地好い曲です。バック・ヴォーカルでLIVINGSTON・TAYLORが参加して彼らしい温かみのある歌声が登場しています。
全10曲歌詞付 16ページ物写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:52分38秒 (全曲MICHAELの作詞/作曲のアルバムですが、サウンドの方向性は、全てプロデューサーに任せバラエティーに富んだ作品作りが行われています)'10年2月19日再更新
1990年度ベスト5


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写真  MICHAEL FRANKS / Dragonfly Summer
 ・1993 Riprise Records.    9 45227-2

再び有名プロデューサーに委ねた・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍しているS.S.W.MICHAEL・FRANKSの14枚目('80年のライヴ盤と '88年のコンピ盤を含む)のアルバムで本国でのリリースは、'93年4月にされています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・FRANKS:ヴォーカル/ギターの他、STEVE・KHAN:ギター、PAUL・JACKSON JR.:ギター、TONINHO・HORTA:ギター、JOHN・PISANO:ギター、GIL・GOLDSTEIN:キーボード/プロデュース、RUSSELL・FERRANTE:キーボード/プロデュース、WARREN・BERNHARDT:キーボード、JOHN・PATITUCCI:ベース、JIMMY・HASLIP:ベース、STEVE・RODBY:ベース、ALEC・MILSTEIN:ベース、WILLIAM・KENNEDY:ドラム、JOHN・ROBINSON:ドラム、ALEX・ACUÑA:ドラム/パーカッション、PAULINHO・DA・COSTAS:パーカッション、MINO・CINELU:パーカッション、BOB・ MINTZER:ソプラノ/テナー・サックス、DAVE・KOZ:アルト・サックス、CHRIS・HUNTER:アルト・サックス、MARVIN・STAMM:トランペット/フリューゲルホーン、HUBERT・LAWS:フルート、HARVEY・ESTRIN:フルート、LAWRENCE・FELDMAN:フルート、ERIC・BENÉT・JORDAN:バック・ヴォーカル、JOHN・HALL:バック・ヴォーカル、LARRY・HOPPEN:バック・ヴォーカル、LANCE・HOPPEN:バック・ヴォーカル、LAMAR・ALSOP:バック・ヴォーカル、AMANUEL・VARDI:バック・ヴォーカル、DAN・HICKS:ヴォーカル、PEGGY・LEE:ヴォーカル、CHARLES・McCRACKEN:チェロ、RONALD・CARBONE:ヴィオラ、HAROLD・COLETTA:ヴィオラ、OLIVIA・KOPPELL:ヴィオラ、KAREN・KREFUS:ヴィオラ、JESS・LEVY:チェロ、RICHARD・LOCKER:チェロ、JEFF・LORBER:キーボード/プロデュース、YELLOWJACKETS:プロデュース、BEN・SIDRAN:プロデュースと相変わらず豪華なメンバーが参加しています。

1曲目"Coming To Life"(4:35) やはり1曲目は、JEFF・LORBERのプロデュース曲で軽快に登場して来ますね。PAULINHO・DA・COSTAのご機嫌なパーカッションのリズムにHUBERT・LAWSの滑らかなフルート・ソロとERIC・BENÉT・JORDANのバック・ヴォーカルって本当に贅沢な音楽です。
2曲目"Soul Mate"(4:28) 2曲続けてJEFFのプロデュース曲が登場します。今度は、少しテンポを落とした心地好いリズムの流れとレイドバックするサウンドを感じます。JEFFのキーボード・ソロを引き立てるPAUL・JACKSON JR.のギター・カッティングが最高なんです。
3曲目"Dragonfly Summer"(5:03) 日本でも非常に多くのリスナーがいるYELLOWJACKETSによるプロデュース曲です。JIMMY・HASLIPのフレットレス・ベースの調べに雰囲気物のRUSSELL・FERRANTEのキーボードの調べが非常に素晴らしいメロウで浮遊感のあるサウンドによるタイトル曲です。
4曲目"Monk's New Tune"(5:41) 盛り場のクラブでの演奏をそのまま収録したようなジャズ・ヴォーカル然とした曲ですね。MICHAELのストーリーテラー風のヴァーカルにジャズ・カルテットの演奏による落ち着いたスタイルです。
5曲目"Learning What Love Means"(4:14) 「愛の持つ意味を説く」MICHAELの歌詞をファンクなリズムに乗せて届ける再びJEFFのプロデュース曲です。ホーンから絞り出される官能のサウンドとJEFFお得意の弾けるリズムカルなキーボードの演奏をお楽しみ下さい。
6曲目"I Love Lucy"(4:38) オリジナル曲は、'53年にHAROLD・ADAMSONとELIOT・DANIELのコンビによって書かれたあの[THE LUCY SHOW]のテーマ・ソングのカバーです。MICHAELは、スローなテンポでしっとりと歌い上げながらボサ・ノヴァ調へと誘います。プロデュースは、ジャズピアニストのGIL・GOLDSTEINが担当しています。
7曲目"Practice Makes Perfect"(4:54) 一転してファンキーなサウンドとリズムを聴かせる再びJEFFのプロデュースと彼のキーボードのサウンドを全開にしたダンサブルな曲の登場です。L.A.系のフュージョン音楽のサキソフォニストの第一人者DAVE・KOZがそのサックスの調べを聴かせます。
8曲目"String Of Pearls"(4:32) STEVE・KHANのナイロン弦ギターのサウンドがしっとりと流れるダウンテンポの曲です。この曲でもJIMMY・HASLIPのフレットレス・ベースのサウンドが非常に効果的に使われてこの曲の素晴らしさを際立てています。
9曲目"Keeping My Eye On You"(4:24) アーカンサス州出身のS.S.W.DAN・HICKSとデュエットで収録されているブルースの登場です。BEN・SIDRANらしいピアノの演奏を中心に酒場でしっとりと演奏されたようなライヴ音源的な臨場感を感じます。
10曲目"The Dream"(5:15) 幻想的なサウンドが広がるイントロに続いて登場したドラムとギターの調べを聴いて非常に驚いたのですが、てっきりこの曲はTHE POLICEの"Every Breath You Take" のカバーだと思いましたね。MICHAELの曲にしては、非常にめずらしいロック色、それも彼の音楽から遠い所に位置する産業ロックのサウンドに近い曲です。STEVE・KHANの枯れた"テレキャス" によるギター・ソロも最高ですね。また、バック・ヴォーカルには何とORLEANSの面々が参加もしていて非常に贅沢な時が流れて行きます。
11曲目"You Were Meant For Me"(4:40) このアルバムにゲストを迎えて2曲収録されているMICHAELとデュエット曲のもう一つ曲の登場です。日本に往年のファンも多いPEGGY・LEEの渋めの枯れた歌声を聴かせます。JOHN・PISANOの切ないナイロン弦ギターの調べにこれまた日本に多くのファンのいるJOHN・PATITUCCIのメランコリックなアップライト・ベースの調べが切なすぎますね。
12曲目"How I Remember You"(5:11) プロデューサーGIL・GOLDSTEINのキーボードのサウンドでしっとりと聴かせるスローなナンバーで非常にMICHAELの優しい歌声が似合うサウンドとメロディの曲です。バックで厳かに響くストリングスの響きとMICHAELの歌声が落ち着いたひとときを与えてくれるのです。
11曲歌詞付 写真ライナー U.S.製 (輸入盤) 収録時間:57分42秒 (前作[Blue Pacific] 同様に有名プロデューサーにサウンドの方向性を委ねたMICHAELのこのアルバム、本国BILLBOARDのContemporary Jazz Albumsに見事1位に輝いています)'10年2月19日再更新


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写真  MICHAEL FRANKS / Rendezvous In Rio
 ・2006 Columbia Music Entertainment, Inc.    COCB-53821

オーソドックスな感がありますが・・・

このアルバムは、N.Y.で活躍しているS.S.W./ジャズ・シンガーMICHAEL・FRANKSの21枚目(スタジオ・アルバムとしては17枚目)のアルバムで、'06年に本国リリースされています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JEFF・LORBER:キーボード/パーカッション・プログラミング/プロデュース、JIMMY・HASLIP:ベース/プロデュース、CHUCK・LOEB:ギター/キーボード/プログラミング/プロデュース、ROMERO・LUBAMBO:ギター、MIKE・DE・MICCO:ギター、MARC・SHULMAN:ギター、DWIGHT・STILLS:ギター、JAY・AZZOLINA:ギター、SCOTT・PETITO:ベース/キーボード、CHARLES・BLENZIG:キーボード/プログラミング、DAVID・SANCIOUS:キーボード、TRAVIS・SHOOK:キーボード、SERGIO・BRANDAU:ベース、ALEX・AL:ベース、JERRY・MARROTTA:ドラム、MICHAEL・WHITE:ドラム、VINNIE・COLAIUTA:ドラム、WOLFGANG・HAFFNER::ドラム、BIAN・DUNNE:ドラム、ROGER・BURN:キーボード/ヴィブラホーン、ERIC・MARIENTHAL:サックス、CHRIS・HUNTER:サックス/フルート、ANDY・SUZUKI:ウッドウインド、CARMEN・CUESTA-LOEB:バック・ヴォーカル、VERONICA・NUNN:バック・ヴォーカル、PAMELA・DRIGGS:バック・ヴォーカル、ROBBIE・DUPREE:バック・ヴォーカル、LARRY・HAPPEN:バック・ヴォーカル、LESLIE・RITTER:バック・ヴォーカル、BETH・REINEKE:バック・ヴォーカルなどの有名ミュージシャンが参加しています。
尚、このレビューは、HQCD盤として '09年6月に再リリースされたアルバムを基に書かれています。

1曲目"Under The Sun"(5:26) 心地好いボサ・ノヴァのリズムを作り出すナイロン弦ギターを爪弾く音と軽やかなスネアのリム打ち音が響く曲です。相変わらず優しい歌声の聴かせるMICHAELとまたそのバックには、N.Y.で活躍しているCARMEN・CUESTA-LOEBもその美しい歌声を聴かせてくれるのです。
2曲目"Rendezvous In Rio"(5:36) ティン・ホイッスルの鋭い笛の音とラテン・パーカッションのエモーショナルなリズムが流れるイントロですが、その部分を過ぎるとMICHAEL節と言うかジェントルでスムーズな洒落たラウンジ・ミュージックに様変わりする曲です。このアルバムの収録曲には、多くの女性バック・ヴォーカルとMICHAELとの歌声で収録されているのですが、この曲は、VERONICA・NUNNBETH・REINEKEが参加しています。
3曲目"The Cool School"(5:47) ダークな調べのジャジー・テイストを強く感じさせる曲です。CHUCK・LOEBの切ないギターの調べに落ち着いたMICHAELの歌声が流れて来ます。
4曲目"Samba De Soho"(4:40) この曲も心地好いリズムと調べを聴かせる軽めのサンバの曲です。バック・ヴォーカルには、'03年にデビューしたジャズ・シンガーPAMELA・DRIGGSの可憐な歌声も美しく届けられるのです。
5曲目"The Critics Are Never Kind"(5:16) MICHAELの曲にしてはめずらしく男性3人がヴォーカルで参加している曲です。ROBBIE・DUPREELARRY・HAPPEN(ORLEANS)とMICHAELとヴォーカルをシェアし、有名な画家の対話を模写したような洒落たスタイルで収録されています。
6曲目"Scatsville"(4:27) サウンドを少しポップ・ソングの雰囲気に移して来た曲の登場です。STEELY DANライクなサックスの調べに乗せたMICHAELのご機嫌なスイングが届きます。
7曲目"The Chemistry Of Love"(4:24) MICHAELのヒット・アルバム[The Art Of Tea]の収録曲の流れを強く感じさせるメランコリックさ堪らない切ない調べのボサ・ノヴァのリズムの曲です。こんな感じの曲には、GARY・MEEK(FLORA PURIM,JEFF・LORBER)のフルートの音色がぴったり似合いますね。
8曲目"Hearing Take Five"(5:41) 少しモダーン・ジャズのテイストを感じさせるフリー・スタイル/アドリブ形式の曲の登場です。イントロから熱く聴かせるERIC・MARIENTHALのアルト・サックスに続いて後半には、VINNIE・COLAIUTAのドラムのビートが堪りませんね。
9曲目"The Question Is Why"(4:30) 燻銀のような渋めサックス・ソロと"クール" なドラムのビートが流れから続いて登場するMICAELの少し枯れた歌声が響くジャジーなサウンドの曲です。内に秘めたエモーショナルとパッションをわざと露わにしない大人のサウンドを感じます。
10曲目"Songbirds"(6:48) '04年に白血病で亡くなったRANDY・VANWARMERに捧げられている曲です。MIKE・DE・MICCOの流れるようなギター・ソロと優しくゆったり歌うMICHAELの歌声が印象的ですね。
11曲目"Antonio's Song(Acoustic)"(6:28) (国内盤ボーナス・トラック)御存じMICHAEL '77年の名盤[Sleeping Gypsy]の収録曲のセルフ・カヴァーです。ここでの収録は、ナイロン弦ギターのサウンドを中心にした演奏と"サビ" の部分をイントロにしたアレンジとしています。多分、ライヴでは、このようなスタイルでしっとりと演奏されているのでしょう。
10曲歌詞/訳詞付 写真ライナー HQCD盤 (国内盤) 収録時間:59分09秒 (久しく購入したMICHAELの最新作、アルバム全体の感じは、一時期よりオーソドックスなサウンドを終始聴かせていますね)'10年2月19日再更新


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写真  MICHAEL FRANKS / Time Together
 ・2011 Shanachie Ent.Corp.     Shanachie5189

相変わらず大人のサウンドですね・・・

このアルバムは、現在N.Y.で活躍しているS.S.W.MICHAEL・FRANKSの22枚目 (スタジオ・アルバムとしては18枚目)のアルバムで本国でのリリースは、'11年6月14日にされています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・FRANKS:ヴォーカル/ギターの他、CHUCK・LOEB:ギター/キーボード/ドラム/パーカッション/プログラミング/プロデュース、GIL・GOLDSTEIN:キーボード/プロデュース、ROMERO・LUBAMBO:ギター、WILL・LEE:ベース/バック・ヴォーカル、MARK・EGAN:ベース、GREG・COHEN:ベース、JAY・ANDERSON:ベース、TIM・LeFEBVRE:ベース、SCOTT・PETITO:ベース/エグゼクティヴ・プロデューサー、CHARLES・BLENZIG:キーボード/プロデュース、CLIFFORD・CARTER:キーボード、BILLY・KILSON:ドラム、JERRY・MARROTTA:ドラム、WOLFGANG・HAFFNER:ドラム/パーカッション、JOE・BONADIO:ドラム/パーカッション、SHAWN・PELTON(CURT SMITH,MAYFIELD):ドラム/パーカッション、MIKE・MANIERI:ヴィブラホン、DAVID・SPINOZZA:ギター、ERIC・MARIENTHAL:アルト・サックス、DAVID・MANN:サックス、ALEX・SIPIAGIN:トランペット、TILL・BRÖNNER:トランペット、ROGERIO・BOCCATO:パーカッション、LIZZY・LOEB:バック・ヴォーカル、BETH・NIELSEN・CHAPMAN:バック・ヴォーカル、CARMEN・CUESTA-LOEB:バック・ヴォーカル、VERONICA・NUNN:ヴォーカルと相変わらず豪華なメンバーが参加しています。

1曲目"Now That The Summer's Here"(5:27) ジャジーなギター・ソロがイントロから流れるボサ・ノヴァのリズムの曲です。最近のMICHAELのアルバムに良く登場しているジャズ・ギタリストCHUCK・LOEBのハーモニクスを多用したギターの調べにCHUCKの奥さんであるCARMEN・CUESTA-LOEBの爽やかなヴォーカルが、MICHAELのバックに響いて来たらもう何も表現も書く事もないですね。
2曲目"One Day In St. Tropez"(5:19) 今度はピアノサウンドをメインとしたメランコリックな調べの曲です。いつも通りの囁くMICHAELの歌声の後に登場するROMERO・LUBAMBOのナイロン弦ギターの切ない調べとGIL・GOLDSTEINのピアノのサウンドとの絡まりが抒情的に流れ去って行きます。
3曲目"Summer In New York"(5:57) このアルバムから2曲目の夏をタイトルにした曲の登場です。アルバムの発売時期を想定して書かれた曲かMICHAELの好きな季節なのかも知れませんね。サンバを少しゆっくりとしと心地好いリズムの流れに合わせて少し枯れた渋めの歌声を聴かせるMICHAELです。ドイツ出身のトランペッターTILL・BR ÖNNERのトランペット・ソロがまたかっこ良過ぎるのです。
4曲目"Mice"(5:26) この曲の特筆すべき点は、テキサス出身のS.S.W.BETH・NIELSEN・CHAPMANがバック・ヴォーカルで参加していることだ。MICHAELの過去のアルバムには異種のサウンドの持ち主であるBONNIE・RAITTやDAN・HICKSなどがゲストとして参加し、MICHAELとの共演が見事に開花させているのです。やはりこの曲でもBETHの清楚で清らかな歌声が非常に美しく響いているのです。
5曲目"Charlie Chan In Egypt"(5:29) 曲のタイトルに登場しているチャーリー・チャンは、ハワイ、ホノルル警察勤務の中国人系の捜査主任を題材にした20年代のアメリカ小説で、映画化もされた人気シリーズです。サウンドの方は、本格的なブルー・ノートで演奏させるジャズ・スタイルの曲です。
6曲目"I'd Rather Be Happy Than Right"(4:41) イントロから響くナイロン弦ギターとセミ・アコースティック・ギターの爪弾きによる共演が心地好いボサ・ノヴァの調べの曲です。サウンド的には昔から聴いているMICHAELのサウンドと彼の歌声とが全然変わらない感じの落ち着いて聴いていられる曲と表現しましょうか
7曲目"Time Together"(3:37) 2曲目と同じミュージシャンとのこの曲も落ち着いたリズムとメロディを感じさせる曲です。非常に丁寧に爪弾かれるナイロン弦ギターの美しい調べに乗せてメランコリックに歌うMICHAELの歌声に暫し耳を傾けましょう。
8曲目"Samba Blue"(4:45) MICHELの永遠のテーマであるサンバを歌った曲ですがリズムは、心地好く流れるボサ・ノヴァのリズムの曲です。この曲でもデュエットで登場しているCARMEN・CUESTA-LOEBとMICHEALとの歌声によるコラボは見事です。
9曲目"My Heart Said Wow"(2:47) '10年6月MICHAELへのトリビュート・アルバムをリリースしたバンド・メンバーでもあるVERONICA・NUNNとのデュエットで展開されるジャズのスタンダード的な曲です。クラブでの演奏をそのまま収録したような怠惰感のあるホーンの調べと良い意味で荒んだ感じがクールですね。
10曲目"If I Could Make September Stay"(5:23) このアルバムのブルーな部分を表現したGIL・GOLDSTEIN、ROMERO・LUBAMBO、GREG・COHEN、ROGERIO・BOCCATOのチームと三度の収録曲です。メランコリックな調べを聴かせるLAWRENCE・FELDMANのフルート・ソロから入る収録地N.Y.の大都会の夜が非常に似合いそうな大人の曲ですね。この曲もMICHAELの代表曲" Mr. Blue" の流れ汲むしっとりと聴かせるスローなリズムとサウンドを感じさせます。
11曲目"Feathers From An Angel's Wing"(8:00) イントロから流れるMARK・EGANのフレットレス・ベースのサウンドが堪らないアダルト・コンテンポラリー調の曲です。重く響くMARKのベースに飾り付けた幻想的なサウンドで繰り広げられるCLIFFORD・CARTER(THE 24TH STREET BAND)のキーボードの調べも美しく流れて行きます。
歌詞無し ライナー無し 3折デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:56分57秒 (前作より5年ぶり MICHAEL・FRANKSのアルバムですが、内容的には相変わらず大人のサウンドで聴かせる落ち着いた感じが伝わって来ます)'11年10月1日更新


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写真  MICHAEL LANDAU / Tales From The Bulge
 ・1990 SOHBI KIKAU CORPORATION    SFB-1004

これでもかと言うくらいMICHAELのギターが聴けます・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍しているセッション・ギタリストMICHAEL・LANDAUの初リーダー・アルバムで '90年3月25日に国内にてリリースされた全曲インストゥルメンタル盤です。MICHAELのギターを中心にしたアルバムですが、ギタリストのソロ・アルバムに有り勝ちな独りよがりにならず全体的にまとまりのある作品です。尚、この盤は、日本企画による当初日本のみのリリースでした。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・LANDAU:ギター/ドラム・プログラミング/プロデュース、STEVE・LUKATHER:ギター/ヴォイス、JIMMY・JOHNSON:ベース、JOHN・PIERCE:ベース、TED・LANDAU:ベース/ヴォイス、DAVID・GARFIELD:キーボード/プロデュース、CARLOS・VEGA:ドラム、VINNIE・COLAIUTA:ドラム、JOHN・KEANE:ドラム、LENNY・CASTRO:パーカッション、LARRY・KLIMAS:テナー・サックス、WAYNE・SHORTER:ソプラノ・サックス、STEVE・TAVAGLIONE:ソプラノ・サックス/電子ウインド/テナー・サックス、DAN THE MAN:ヴォイスのベテラン達が参加しています。プロデュースは、DAVID・GARFIELD、ALAN・HIRSHBERG(PHIL・PERRY,KARIZMA)とMICHAEL・LANDAUの共同にて行われています。

1曲目"I'm Buzzed"(5:50) サスティーンの効いたMICHAELのギターと変則的なギター・ワークが特徴的です。
2曲目"Judy"(6:16) エコーの効いたアコースティック・ギターとWAYNE・SHORTERのソプラノ・サックスとの絡みが本当に素晴らしい曲でMICHAELの作曲です。
3曲目"Chynna"(2:10) エコーとヴォルーム操作の効いたMICHAELのギターだけの2分少々の曲です。
4曲目"Johnny Swing"(6:59) ロック色の強い曲にMICHAELの伸び伸びとしたギター・プレイが聴けます。
5曲目"Big Bulge"(6:08) 様々なギター・プレイを挿入した曲でLENNY・CASTROのパーカッションも素晴らしい。
6曲目"Roodis Tones"(6:16) イントロのバックワードギターから驚かせられます、ミドルテンポのリズムが心地よい曲です。
7曲目"Eater"(4:32) ラウドなロックギター・ワークです。ベースには、TED・LANDAU(MICHAELの弟)が参加しています。
8曲目"I Don't Care"(6:15) 煌びやかなギターの音色とダイナミックな曲の展開が特徴的で、DAVID・GARFIELDのジャズ・ピアノ・ソロが華を添えています。
9曲目"My Bulbous Meathead"(5:02) STEVE・LUKATHERとの共作です。タイトなドラムのリズムに乗せSTEVEと一緒にギターソロを執ります。
10曲目"I'm Hating"(1:19) バンドメンバーの声を挿入した1分少々のJAMの模様を収録した曲です。
全曲インストゥルメンタル 8ページ物写真ブックレット クレジット付 (国内盤) 収録時間:50分52秒 (MICHAELの卓越したギター・ワークがこれでもかというくらい聴けます。本国でも '96年にジャケット違いHDCD仕様ボーナス付きCD盤がリリースされました)'10年2月20日再更新


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写真  MICHAEL LANDAU / The Star Spangled Banner
 ・2001 Cool Sound Inc.    COOS-2022

好き嫌いがはっきりと分かれるでしょう・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスでセッション・ギタリストとして活躍しているMICHAEL・LANDAUのソロ名義による2枚目のアルバムです。'01年国内でのリリースに続き、海外ではMICHAELのH.P.より直接販売されています。前作が '90年のリリースですから、実に11年ぶりのソロ・アルバムになります。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・LANDAU:ギター/ヴォーカル/ベース/プロデュースの他、TED・LANDAU:ベース、MIKE・ELIZONDO:ベース、JEFF・BABKO:キーボード、JEFF・YOUNG:キーボード、TOM・KEANE:キーボード/ドラム・プログラミング、TOSS・PANOS:ドラム、ABE・LABORIEL,JR.:ドラム、SATNAM・RAM・GOTRA(RAMGOTRA):タブラ/パーカッションの今回は比較的少人数での収録です。
尚、ジャケットに登場している少年は当時、9歳頃のMICHAEL自身で、未成年者喫煙反対運動のポスターのモデルになったとのことです。

1曲目"Old Mind"(1:19) 1分少々のアコースティック・ギターによるインストゥルメンタルです。風の音とか海鳥の鳴き声を被せて収録されています。
2曲目"That Day"(4:40) MICHAELの得意とする不協和音の特殊なコードによるギターのサウンドが流れるミドル・テンポの曲です。オーバー・ドライヴするスライド・ギターのサウンドにのせたMICHAELのヴォーカル曲です。
3曲目"Monk"(5:11) MICHAELご愛用の"ストラトキャスター" のサウンドを全編に流したロック色の強いインストゥルメンタルです。キーボードで参加のJEFF・BABKO(ROBBEN・FORD,THE CORRS)のメロディカのサウンドが心地好く響いてきます。
4曲目"Good Friend"(3:43) 再びMICHAELのヴォーカル曲の登場です。金属音を放つMICHAELのギターのサウンドがブルースのメロディと一緒に流れます。
5曲目"Star Spangled Guitar"(5:59) ドラム・ループを使ったベース・トラックに合わせて少し不思議なサウンドを発するMICHAELのギター・ワークを収録したインストゥルメンタルです。トレモノを駆使したMICHAELワールドを作り上げています。
6曲目"This House"(3:49) MICHAELのヴォーカルとギター・サウンドをメインしたブルースです。なぜか、エンディングまでの約1分間は、ラジオのトークのような物が収録されています。
7曲目"Tacos"(2:30) 2分半程度の非常にラウドなサウンドによるベーシック・トラックにギターのリフを重ねた実験的な要素を持った曲です。
8曲目"Problem"(3:10) アコースティック・ギターの弾き語りから入る曲です。途中よりMICHAEL自身によるベースとドラムが追加されて行きます。
9曲目"Rascal Balls"(7:05) この曲のギター・サウンドは非常にMICHAELらしいサウンドを聴かせます。凝ったコード進行と転調になったインストゥルメンタルです。ベースにはお馴染みのMICHAELの弟TED・LANDAUが参加しています。
10曲目"Red Fireplace"(1:28) ジャジーなギター・スケールを響かせながら登場するメランコリックなサウンドによる1分半程度のギター・インストゥルメンタルです。
11曲目"Another Day"(3:05) ハードなギターのサウンドを使ったヘビーなロックの曲ですが、MICHAELの少しひ弱なヴォーカルが対照的で面白いですね。
12曲目"Indian Man"(3:26) アンビエント的なギター・サウンドによるインストゥルメンタルで、ギターのカッティング・サウンドを多用した収録に短いスキャット・ヴォーカルが付けられています。
13曲目"Born In The Rain"(6:07) ライヴで聴いてみたくなるようなヘビーなサウンドによるブルースです。歌の合間に奏でるアグレッシヴなギターのサウンドが重く響いて来ます。
歌詞無し 写真ライナー HDCD仕様 U.S.製 (輸入元販売:輸入盤) 収録時間:51分40秒 (セッション・ギタリストのリーダー・アルバムをわざわざ購入している人は、そのギタリストのファンかギター教材として持っていると思われます。しかも、このアルバムは日本の特殊なマーケットをターゲットとしたリリースになっていて、好き嫌いがはっきりと分かれるアルバムの内容でしょう)'10年2月20日再更新


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写真  MICHAEL RUFF / Once In A Lifetime
 ・1984 Warner Bros. Records Inc.    25159-1

国内で3度のCD化・・・

このアルバムは、ユタ州ソルトレイク出身で現在、ハワイで暮らして音楽活動をしているMICHAEL・RUFFの '84年に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・RUFF:ヴォーカル/キーボード/ヴォイス・ボックスの他、DONALD・GRIFFIN:ギター、JEFF・PEVAR:ギター、DEAN・PARKS:ギター、HUGH・McCRACKEN:ギター、MIKE・MILLER:ギター、JAMES・HARRAH:ギター、W.G."SNUFFY" WALDEN:ギター、BOBBY・WATSON:ベース、ABE・LABORIEL:ベース、JIMMY・HASLIP:ベース、ANDRÉ・FISCHER:ドラム、STEVE・GADD:ドラム、JOHN・ROBINSON:ドラム、RALPH・HUMPHREY:ドラムPAULINHO・DA・COSTA:パーカッション、DAVID・ SANBORN:サックス、LARRY・WILLIAMS:ホーン/ホーン・アレンジ、BILL・REICHENBACH:ホーン、JERRY・HEY:ホーン、CHUCK・FINDLEY:ホーン、KIM・HUTCHCROFT:ホーン、DALE・OHLER:ストリングス・アレンジ、LARRY・JOHN・McNALLY:バック・ヴォーカル、ADIE・GRAY:バック・ヴォーカル、BRENDA・RUSSELL:バック・ヴォーカル、VONDA・SHEPARD:バック・ヴォーカル、JOE・TURANO:バック・ヴォーカル、DARAYL(DARRYL)・PHINESSEED(PHINNESSEE):バック・ヴォーカル、HOWARD・SMITH:バック・ヴォーカル、JIM・GILSTRAP:バック・ヴォーカル、HAMISH・STUART:バック・ヴォーカルのベテラン揃いです。
尚、プロデュースは、TOMMY・LiPUMAが担当し、彼ならではシティー・ミュージックな雰囲気のあるサウンドに仕上がっています。

1曲目"Walkin' With Somebody"(3:36) 転がるような弾けたキーボードの調べがイントロから響くポップ色のある曲です。非常にキーの高いMICHAELの歌声が印象的であり後半から乗りの良いリズムが流れています。
2曲目"Hometown"(4:27) 一転してしっとりとしたサウンドとメロディで聴かせるバラードの登場です。JEFF・PEVARのさり気ないながらもアピール感のあるギター・ソロやHAMISH・STUARTのメロウなバック・ヴォーカルも見事な響きですね。
3曲目"Let Her Stay"(5:00) 更にスローで透明感のあるバラードの登場です。MICHAELの美しい歌声にバックに広がるベテラン達の円熟した演奏の落着いた流れが非常に心地好いのです。
4曲目"Love Go Round"(5:34) デュエットで歌うのはN.Y.生まれカリフォルニア出身のシンガーVONDA・SHEPARDで後にソロ・シンガーとしてデビューをはたします。また、バックでギターを弾いているDEAN・PARKSですが、普段は大人しい目のイメージのある彼のギターが終盤には凄いサウンドを聴かせているのです。
5曲目"Once In A Lifetime"(4:20) やはりアルバムのタイトル曲だけあってかなり意気込みを感じさせる曲です。キーボードを奏でながらスキャットで歌うMICHAELのエモーショナルな歌声やハーモニーの美しさは格別です。
6曲目"Don't Ever Say Goodbye"(4:13) どことなく名曲"More Than You'll Ever Know" と共通するメロディ・ラインを持つこの曲も洗練されたメロディを聴かせるバラードです。DAVID・SANBORNの泣きのサックス・ソロやHAMISH・STUARTのメロウなハーモニーをMICHAELの歌声と共に堪能しましょう。
7曲目"Ariel"(4:31) この曲でもMICHAELの高い歌声のバックに響くLARRY・JOHN・McNALLYのソフトな歌声が非常に心地好さを醸し出す曲です。また、心地好いギターの刻みを聴かせているのは、現在もMICHAELと演奏を共にしているJAMES・HARRAHの演奏です。
8曲目"Dedication"(4:31) ブラック・コンテンポラリー・ミュージックからの影響を感じさせるファンクなリズムとサウンドを聴かせるダンサブルなナンバーです。ヴォイス・ボックスを通して聴かせるファンキーなMICHAELの歌声からも楽しさが伝わって来ます。
9曲目"More Than You'll Ever Know"(4:25) MICHAELの他のアルバムのレビューにも書いているのですが、この曲はMICHAELのファン御用達の曲です。キーボードの調べに合わせて歌うMICHAELの歌声が優しく響くスローな曲です。尚、この曲は、MICHAELの姉妹SHEAに捧げられています。
全9曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:40分37秒 (このアルバムは、国内で '92年、'99年と '10年(SHM-CD)の3度もCD化されている国内で人気アルバムです)'13年5月2日更新


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写真  MICHAEL RUFF / Speaking In Melodies
 ・1993 Sheffield Lab, Inc.    CD-35

いつも素晴らしいアルバムを届けてくれる彼です・・・

このアルバムは、現在ハワイに在住しているS.S.W.MICHAEL・RUFF '84年の日本でのファースト・アルバム[Once In A Lifetime]から数えて4枚目になるアルバムです。本国にて '93年3月30日のリリースです。残念ながらMICHAEL・RUFFのアルバムは、殆ど日本に入荷されていません。
彼のアルバムは、名作にも関わらず13枚中('07年現在)僅か2枚(前出の国内デビュー盤と '96年の[Girl Like You])のみ国内盤としてリリースしただけです。
また、この2枚の国内盤が、本国アメリカでレア盤として扱われています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・RUFF:ヴォーカル/キーボード/MIDIの他、HENRIK・JANSON:ギター、DEAN・PARKS:ギター、LARS "DANMARK" DANIELSSON:ベース、ABRAHAM・LABORIEL:ベース、LELAND・SKLAR:ベース、 GREG・MATHIESON:キーボード/シンセサイザー、PAT・COIL:シンセサイザー/キーボード、PER・LINDVALL:ドラム、JOHN・ROBINSON:ドラム、LUIS・CONTE:パーカッション、MIKE・SHAPIRO:パーカッション、ALEX・ACUNA:パーカッション、LENNY・CASTRO:パーカッション、MIKE・FISHER:パーカッション、NILS・LANDGREN:トロンボーン、JERRY・PETERSEN:サックス、LESLIE・SMITH:バック・ヴォーカル、MARK・LENNON:バック・ヴォーカル、NADIA・RUFF:バック・ヴォーカルの一部北欧のミュージシャン達も参加しています。
尚、プロデュースは、シンガーであり作曲家のCLAIR・MARLOが担当しています。

1曲目"What Kind Of World"(4:42) パーカッションの躍動的なイントロから始まる西海岸(このアルバム収録時はロス・アンゼルスに在住)の爽やかなサウンドと非常にマッチした彼の高いキーによる美しいヴォーカルとNADIA・RUFF(彼の元奥方)とLESLIE・SMITH、MARK・LENNONによるご機嫌なバック・ヴォーカルが彼をアシストしています。
2曲目"Lover's Mask"(6:07) エレクトリック・ギターの呟きに似たイントロが印象的な曲です。落着いたリズムと"渋い" メロディによる6分を超えるナンバーです 。
3曲目"I Will Find You There"(3:40) MICHAELの弾くピアノから始まるアップテンポなリズムによるコンテンポラリーロックです。GREG・MATHIESONがハモンドのB-3で参加しています。
4曲目"The Eyes Of Love"(4:11) 美しいキーボードのメロディによるソフトでメロウな曲でDEAN・PARKSのアコースティック・ギターによる素晴らしい間奏に心を奪われます。MICHAELの歌声はこの曲のようなバラードが一番良く似合います。
5曲目"Seeing For The Very First Time"(4:06) スローで非常に繊細な響きを持ったMICHAELのピアノによる弾き語りです。Hawaiiで観た映画に触発されて書いたそうです。
6曲目"Any Less Than This"(5:02) トロンボーンの切ないサウンドが響くスローなロック色の強いバラードです。間奏でのHENRIK・JANSONのギターソロが非常に素晴らしい。
7曲目"That's Not Me"(4:34) 乗りの良いロックンロールのリズムと心地好いメロディによるナンバーです。
8曲目"Poor Boy"(7:04) この曲もNILS・LANDGREN(スウェーデンのトロンボーン奏者)の数分におよぶジャジーなトロンボーンソロが非常に素晴らしいバラードです。
9曲目"Watching Like Angels"(3:25) 何処かで聴き覚えのあるメロディによるスローなナンバーです。NADIAとMICHAELによる美しいハーモニーとピアノだけの伴奏でシンプルな曲です。
10曲目"Beside Myself"(3:50) アコースティック・ギターとピアノによる囁くように歌い上げられた曲で恋人に捧げる内容の歌です。子供の頃MICHAEL父親から聞かされたイタリアの寓話がヒントになったようです。
11曲目"Wishing Well"(5:32) アップテンポのリズム&ブルースで間奏ではMICHAELのジャズピアノソロとスキャットを披露しています。この曲もバックコーラスの絶妙なハーモニーが素晴らしいです。
12曲目"More Than You'll Ever Know"(4:47) お約束の曲の登場です。いつものMICHAELのピアノの弾き語による名曲で収録の度に違ったアレンジを披露してくれるファン御用達のナンバーです。
13曲目"I Will Find You There(Jam)"(3:00) 3曲目の曲のアウトロを収録した後のセッション部分のテイクをそのまま収録したNILSのトロンボーンとMICHAELのピアノによる白熱したインストゥルメンタル・ナンバーです。
12曲歌詞付 写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:60分05秒 (いつも素晴らしいアルバムを届けてくれる彼ですのでもっと多く日本でアルバムをリリースして欲しいものです。'06年H.P.も新しく開設されMICHAELも様々なアルバムも再発売されました)'10年2月24日再更新


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写真  MICHAEL RUFF / Girl Like You
 ・1996 Artist Without A Label,LLC.    MECL-2010

久しく国内リリースされたMICHAELの・・・

ユタ州ソルトレイク出身で現在、ハワイで暮らして音楽活動をしているMICHAEL・RUFFの6枚目(4曲入EPと '88年の[MICHAEL RUFF]のジャケット違いは含まず)のアルバムで、オリジナル盤は、'96年6月24日にリリースされその国内盤の'03年9月25日に再発売された盤です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・RUFF:ヴォーカル/キーボードの他、MARTY・WALSH:ギター、KENNY・EMERSON:ギター、JIMMY・HAHN:ギター、BUZZY・FELTON(FEITEN):ギター、JEFF・PEVAR:ギター、MARCO・MENDOZA:ベース、JIMMY・JOHNSON:ベース、RENATO・NETO:キーボード、JOSEPH・HEREDIA:ドラム、RALPH・HUMPHREY:ドラム、TONY・BRAUNAGEL:ドラム、ARMARND・GRIMALDI:ドラム、LESLIE・SMITH:バック・ヴォーカル、MARK・LENNON(VENICE):バック・ヴォーカル、KIPP・LENNON(VENICE):バック・ヴォーカル、MICHAEL・LENNON(VENICE):バック・ヴォーカル、NADIA・RUFF:バック・ヴォーカルのお馴染みのミュージシャン達です。
尚、今作でのプロデュースは、GUY・CARBONNEAU(GWEN・STEFANI,CROSSROADS GUITAR FESTIVAL)とMICHAELとの共同で行われています。

1曲目"Shake A Little"(4:37) '95年のEP盤での収録曲です。フレットをなぞりながら弾かれるベースのサウンドとMICHAELのピアノの調べによるウエスト・コースト・ロックの定番的な曲です。伸びやかな彼のヴォーカルと心地好いリズムにMARTY・WALSH(SUPERTRAMP)のギターも聴かせています。
2曲目"Girl Like You"(4:22) しっとりしたスローなナンバーです。MICHAELの弾き語りを基本に収録され、スライド・ギターと優しい響きのナイロン弦ギターなどが加えられています。
3曲目"You Walk Away"(3:55) ファンキーでソウルフルなナンバーの登場です。特徴的なピッキングを聴かせるギターはJEFF・PEVARです。この曲も前出の '95年のEP盤での収録曲です。
4曲目"Talking To Myself"(4:15) '92年の[Michael Ruff Band]での収録曲です。MICHAELのハモンドの音色によるロック'ン'ロールなナンバーです。明るいサウンドの曲ですが、歌詞の方はブルースな内容です。
5曲目"I'd Still Be Loving You"(3:38) '88年の[MICHAEL RUFF]と '92年の[Michael Ruff Band]に収録されているナンバーです。非常にポップでコマーシャル・ソングにそのまま使えそうなキャッチーなナンバーです。MICHAELが美しく伸びやかな歌声を魅力的に響かせます。
6曲目"More Than You'll Ever Know"(4:30) お約束の曲の登場です。いつものMICHAELのピアノの弾き語りによる名曲で、収録の度に違ったアレンジで披露してくれるファン御用達のナンバーです。今回はクラヴィネットでしっとりとスローになった '92年の[Michael Ruff Band]での収録です。
7曲目"Be So Shy"(3:54) '95年のEP盤[Shake A Little]での収録曲です。ファンクなリズムとタイトなドラムのビートによるナンバーです。バック・ヴォーカルはベテランMARK・LENNON,LESLIE・SMITHが参加しています。
8曲目"That's Not Me"(4:40) この曲も '88年の[MICHAEL RUFF]と'92年の[Michael Ruff Band]に収録されている収録されている曲です。非常に乗りとテンポの良い曲です。JIMMY・JOHNSON(ALLAN・HOLDSWORTH)がロック"ン" ロールなベースを聴かせます。
9曲目"Cry On My Shoulder"(4:40) 幻想的なキーボードとフレットレス・ベースのサウンドによるスローな曲です。ワイドに広がるサウンドの展開と心地好いメロディでのピアノの調べによるMICHAELならではの曲です。この曲も '95年のEP盤[Shake A Little]での収録曲です。
10曲目"Treat Me Like A Child"(3:46) アルバムの最後は、MICHAELのピアノでの弾き語りです。恋人に宛てた自分の想いを綴った恋の曲です。間奏で登場するKENNY・EMERSONのギターが素晴らしいのです。この曲はこのアルバムの為に収録されたようです。
全10曲歌詞/訳詞付 写真ライナー (国内盤) 収録時間:42分22秒 (現在のMICHAELは、ゴスペル/CCM調の曲作り/演奏活動を展開中です)'10年2月20日再更新


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写真  MICHAEL SEMBELLO / Bossa Nova Hotel
 ・1983 Warner Bros. Records Inc.    1-23920

大ヒットアルバム・・・

このアルバムは、フィラデルフィア出身のシンガー/ギタリストMICHAEL・SEMBELLOの '83年9月25日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・SEMBELLO:ヴォーカル/ギター/キーボード/シンセサイザー/マリンバ/ドラム/プロデュースの他、DANNY・SEMBELLO:キーボード/シンセサイザー/マリンバ/パーカッション/バック・ヴォーカル、GEORGE・DUKE:シンセサイザー、DENNIS・MATKOSKY:キーボード/シンセサイザー、DON・FREEMAN:キーボード、GEORGE・JOHNSEN:シンセサイザー/サウンド・エフェクト、CHRIS・PAGE:シンセサイザー/サウンド・エフェクト、NATHAN・WATTS:ベース、CARLOS・VEGA:ドラム、VINNIE・COLAIUTA:ドラム、PAULINHO・DA・COSTA:パーカッション、PHIL・RAMONE:サウンド・エフェクト/プロデュース、LARRY・McNEELY:バンジョー、DENNIS・KARMAZYN:チェロ、OSCAR・CASTRO-NEVES:ストリングス、GARY・GRANT:ホーン、GARY・HERBIG:ホーン、JERRY・HEY:ホーン、BILL・REICHENBACH Jr.:ホーン、WILLIAM・REICHENBACH:ホーン、CRUZ・BACA・SEMBELLO:ヴォーカル、JOHN・SEMBELLO:バック・ヴォーカル、LEZA・MILLER:バック・ヴォーカルなどMICHAELの家族や有名ミュージシャンが多く参加しています。
尚、プロデューサーは、多くのアルバムを手掛けグラミー賞も受賞しているPHIL・RAMONEが担当し、一部の曲についてもMICHAELと一緒に曲を書いています。

1曲目"Automatic Man"(4:15) イントロから響く電子サウンドやMICHAELが音楽的影響を受けているとさえる ジャワ音楽のガムラン独特の合唱も流れるダンサブルなリズムの曲です。この後に登場する"Maniac" と同位置にいる乗りの良さを感じさせます。
2曲目"First Time"(3:06) ギターのサウンドを少し前に持って来たミドル・テンポの曲で、ブラック・ミュージック系のアーバンなサウンドを聴かせます。この曲を含み前後の曲は、S.S.W.DAVID・BATTEAUとMICHAELとの共作となっています。
3曲目"Cowboy"(3:33) C&Wの曲を当時の最新技術にてアップ・デートさせたような実験的(エクスペリメンタル)音楽の要素を感じる曲です。バンジョーや酒場での風景に良く登場するタック・ピアノによるDANNYの華麗な演奏など後半では、ウエスタン映画のサウンド・エフェクトが満載ですね。
4曲目"It's Over"(4:50) ここに来てMICHAELのもう一つの持ち味であるメロウでスローなバラードの登場です。ヴォーカリストとしてもその美声を伸びやかに聴かせながらマリンバも演奏する多才ぶりを発揮しています。
5曲目"Maniac"(4:18) 今さら説明不要のご存じ当時のUS#1を記録した大ヒット曲で、'83年4月の映画「フラッシュダンス」のメイン曲の内の1曲となった功績が大きいです。
尚、この曲は、MICHAEL近年のアルバムでは、スローにしたボサ・ノヴァ調のアレンジにて再収録され、自身のHPのテーマ・ソングにもなっています。
6曲目"Godzilla"(3:50) プロデューサーのPHIL・RAMONEと弟DANNYとMICHAELの共作となっている曲です。シンセサイザーやその他の電子楽器で表現したMICHAELの思い描いた「ゴジラ映画」のシーンを存分に表現したようです。
7曲目"Talk"(3:27) 奥方CRUZ・BACA・SEMBELLO とデュエットにて収録されている恋の終わりをテーマとした曲です。CRUZのソフトな歌声とバックに広がる切ないサウンドがスローなリズムに乗せて流れ去って行きます。
8曲目"Cadillac"(4:13) エレクトロニカのサウンドによるポップな印象を与える曲です。高級自動車を恋人に例えたラヴ・ソングを軽めのリズムとMICHAELのさらっと仕上げたギターのサウンドで展開されています。
9曲目"Lay Back(Ménage À Trois)"(4:04) 機械的な印象を受けさすドラムの淡々としたビートと相反する抒情的に流れるストリングスの調べが美しい曲名通りの落ち着いた曲です。尚、この曲を含み前後の3曲は、MICHAEL単独による作詞/作曲となっています。
10曲目"Superman"(4:44) イントロのサウンドは、非常にアジア音楽の影響を感じるオリエンタル風のストリングスが響いて来ます。この曲を含み非常にMICHAELが映画やそのサウンド・トラックにインスパイアされてこのアルバム作りがされているようです。アルバムのジャケットに登場している"クリプトナイト" もこの曲の歌詞にも書かれています。
10曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:40分20秒 (次のアルバムの収録曲も映画に使われたMICHAEL・SEMBELLO、今も精力的に音楽活動していて日本向けのジャズ風/AOR的なアルバムもリリースしています)'12年4月14日更新


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写真  MICHAEL SEMBELLO / Without Walls
 ・1986 A&M Records Inc.    A&M SP 5044

超豪華メンバーです・・・

このアルバムは、フィラデルフィア出身のシンガー/ギタリストMICHAEL・SEMBELLOの '83年の大ヒットアルバム[Bossa Nova Hotel]に続く '86年8月に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・SEMBELLO:ヴォーカル/ギター/キーボード/プロデュースの他、STEVE・RIPPLEY:ギター、BURT・RIZZO:ギター、RICHARD・RUDOLPH:ベース/プロデュース、DENNIS・MATKOSKY:キーボード、STEVE・PORCARO:キーボード、DAVID・SEMBELLO:キーボード、RANDY・WALDMAN:キーボード/バック・ヴォーカル、VINNIE・COLAIUTA:ドラム、CARLOS・VEGA:ドラム、RON・POWELL:パーカッション、STEVIE・WONDER:ハーモニカ/バック・ヴォーカル、DAVID・BORUFF:サックス、HERB・ALPERT:ホーン、DOUGLAS・CAMERON:ホーン、CHUCK・FINDLEY:ホーン、GARY・GRANT:ホーン、BILL・REICHENBACH:ホーン、LARRY・WILLIAMS:ホーン、CLAYTON・HASLOP:ストリングス、PAULA・HOCHHALTER:ストリングス、LEW・McCREARY:ストリングス、SID・PAGE:ストリングス、BOBBY・CALDWELL:シンセサイザー/バック・ヴォーカル、BOB・DiMARCO:バック・ヴォーカル、KIM・DiMARCO,:バック・ヴォーカル、BRUCE・GAITSCH:バック・ヴォーカル、MARK・HUDSON:バック・ヴォーカル、KIMIKO・KASAI:バック・ヴォーカル、ALICE・MARTINI:バック・ヴォーカル、JENA・RAYE・MENDEZ:バック・ヴォーカル、BUD・RIZZO:バック・ヴォーカル、MARILYN・SCOTT:バック・ヴォーカル、CRUZ・SEMBELLO:バック・ヴォーカル、DANNY・SEMBELLO:バック・ヴォーカル、TATA・VEGA:ヴォーカルの超豪華メンバーです。

1曲目"What You Really Want ?"(4:23) まるでメタル・ロックのようなギターのフレーズがイントロから流れるパワーのある曲です。どことなくVAN HALENの"Jump" を想像させるキーボードのサウンドにギターの早弾きによる間奏などは「もうお腹一杯」って感じです。S.S.W.DAVID・BATTEAUとMICHAELとの共作による曲です。
2曲目"Last To Know"(4:00) 今度は、テンポを落して来た軽めの乗りを感じさせる曲です、LINNドラムのビートにエレクトロニカのサウンドで繰り広げられるSEMBELLOサウンドと言える感じですね。バックの男性ヴォーカルは、一緒に曲を書いているMICHAELの弟DANNY・SEMBELLOと思われます。
3曲目"Funkabilly Swing"(4:10) 今度は非常にファンキーなサウンドとリズムの曲の登場です。MICHAELがバックを務めたSTEVIE・WONDERやPRINCEの初期のダンス・ビートと共通するような理屈抜きに分かり易いビートと乗りを感じます。
4曲目"Is This The Way To Paradise"(4:04) イントロの笛のサウンドは、直に東洋的と感じさせる掴みを持った曲です。リズムやサウンドは、非常に"Maniac" 風と言える感じで、この時代のアメリカン・バンドも挙って演奏やアルバムに収録したダンス・ビート感の曲ではないでしょうか。
5曲目"Burn It Up"(4:30) 今度もイントロからエレクトロニカのサウンドを目一杯聴かせる曲です。前の曲とこの曲の作曲の一部は、日本に多くのファンを持つBOBBY・CALDWELLが行っています。
6曲目"Tear Down The Walls"(3:39) アカペラによる美しいコーラスがイントロに配された曲で、途中より非常にヘビーなクラヴィネットかシンセ・ベースのサウンドが響くダンス・ビートの曲でSTEVIE・WONDERの"Superstition" をよりアグレッシヴにしたような感じでしょうか。
7曲目"Gravity(Special Dance Mix)"(6:15) 映画「Cocoon」に挿入歌として紹介されていた曲です。MICHAEL自身が出演したビデオも制作されたこの曲もエレクトロニカ/ダンス・ビートの曲です。
8曲目"Wonder Where You Are"(3:42) やっとメロディアスなバラードの登場です。このアルバム購入当時から良く聴いたしっとりとしたメロディのMICHAELのメロウな歌声が心地好く響きます。また、後半から登場して来るTATA・VEGAのヴォーカルの素晴らしさも特筆すべきです。
9曲目"Dangerous"(3:51) スペース・サウンドにファンクーなベースを絡めたエレクトロニカ・サウンドの曲です。映画のサウンド・トラックなどDANNYと書き溜めていたMICHAELのキャッチーな曲群に通じる曲でしょう。
歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:38分99秒 ('86年に2曲"The Picture""Angelina"のボーナス・トラック付でアルファレコードから国内盤CDがリリースされていますが、$150〜$250のプレミアムが付いているもようです。MICHAEL・SEMBELLO自身も新品未開封CD盤を探していると聞いたことがります。こんな事を書くと更に値上がりですね!安いロシア産 偽CDに注意!)'11年1月7日更新


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写真  MICHAEL SEMBELLO / Caravan Of Dreams
 ・1992 POLYDOR K.K.    POCP-1252

再始動したMICHAEL・・・

'83年に大ヒット曲"Maniac" (映画「フラッシュ・ダンス」のサウンドトラック) を出したMICHAEL・SEMBELLOの3枚目のアルバムで '92年に国内のみのリリースです。
MICHAEL・SEMBELLOは、10代の頃よりSTEVIE・WONDERのギタリストとして早くから活躍し、前出での"Maniac" でソロとなった後、2枚目の[Without Walls] '85年よりこの3枚目のソロ・アルバムをリリースするまで、一時期音楽シーンより離れていたようです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・SEMBELLO:ヴォーカル/ギター/キーボード/プロデュースの他、DANNY・SEMBELLO:バック・ヴォーカル/プロデュース、JENNIFER・BATTEN:ギター、CHRIS・PAPASTEPHANOU:キーボード、JOE・MILNER:キーボード/バック・ヴォーカル、TIM・DRURY:キーボード、BRIAN・O'DOHERTY:キーボード、RICHARD・ELLIOT:サックス、WILKINS:バック・ヴォーカル、CRUZ・SEMBELLO:バック・ヴォーカル、KALI:バック・ヴォーカルの比較的少人数での収録です。
現在、MICHAELは、プロデューサー/作曲家/ギタリスト/ヴォーカリストとして自身のプロダクションで忙しく活躍していて、東洋の音楽とかジャワのガムラン様式の音楽に傾倒しています。

1曲目"Heavy Weather"(6:35) 1曲目から聴かせますね、スムースでシルキーなMICHAELの歌声とアダルトなロックを醸しだすサウンドの雰囲気はこの人ならではです。長い間のブランクを感じさせない前作からの流れに沿った6分35秒の大作です。
2曲目"Where We Gonna Dance"(5:06) 正しくブラック・ミュージックのセオリーを踏んだダンス・ポップな曲です。複数の美しく統率のとれたハーモニーとタイトなビートによる曲です。曲の共作は前作[Without Walls] でのプロデューサーRICHARD・RUDOLPHですので、前作制作時の曲かも知れません。
3曲目"Thing Called Love"(5:26) ファンクなリズムと黒いMICHAELのヴォーカルによるエレクトロニカ・ダンスな曲でMICHAELの弟DANNY・SEMBELLOと一緒に書いています。
4曲目"Movers And Shakers"(4:59) DANNY・SEMBELLOとS.S.W.のDAVID・BATTEAUとで書いた曲でメランコリックなメロディとサウンドによるRICHARD・ELLIOT(Tower Of Power)のサックスが全編流れるミドル・テンポの美しいAORナンバーです。
5曲目"Passion"(4:51) タイトル通り非常に情熱を感じさせるMICHAELのナイロン弦ギターによるインストゥルメンタルです。曲名を短く繰り返して歌われる歌声がトランス状態に誘います。
6曲目"Black Rain(MIles To Go)"(5:54) シンセ・ベースの低く唸るサウンドによるMICHAELが多く関係して来たサウンドトラックの収録曲に近い雰囲気を持った曲です。間奏でのMICHAELのギターの官能的な響きと彼のエモーショナルな歌声は圧巻です。
7曲目"Winter Of Our Love"(5:24) このアルバムに多く収録されているエスニックな打楽器をアクセントに使った哀愁のバラードです。本当にMICHAELはこんな感じの曲を歌うと彼独自の歌い廻しとハーモニーの付け方は絶品ですね。
8曲目"Shangri-La"(6:50) 再びエスニックな打楽器のビートによるゆったり広がるサウンドの展開によるレイド・バックさせる曲で本当に"Shangri-La" に訪れた事を意識させられる曲です。
9曲目"State Of My Heart"(5:07) アーバン・ソウルにスムースに流れるメロディとサウンドによる夜の街中が非常に似合う曲です。滑らかなサックスは、再びRICHARD・ELLIOTの登場です。
10曲目"The Cure For Love"(7:01) イントロのサウンドとメロディから聴き入ってしまった曲です。このメロトロンのようなとろけるサウンドは何んでしょうか。後半からのサウンドの盛り上がりのアレンジも感動的です。
11曲目"The Harder Love Falls"(5:03) 孤高に歌うMICHAELの卓越した歌声にエモーショナルを非常に感じまた、壮大なサウンドを展開する意欲作です。
12曲目"Where Are We Now"(4:22) 人類の未来に問題を提議した内容を歌詞に綴ったこの曲も意欲作です。DANNYの弾くピアノの伴奏に合わせてMICHAELが熱く歌います。
11曲歌詞/訳詞付 28ページ物ブックレット (国内盤) 収録時間:66分42秒 (現在、このアルバムは、ダウンロード販売のみののようです。次のアルバムも含みMICHAELのアルバムは1時間以上の長尺な聴き応えのあるものになっています)'10年2月23日再更新
1992年度ベスト5


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写真  MICHAEL SEMBELLO / Backwards In Time
 ・1997 NIPPON COLUMBIA CO.,LTD.    COCY-80474

ファンクでエモーショナルなMICHAEL・・・

'83年に大ヒット曲"Maniac" (映画「フラッシュ・ダンス」のサウンドトラック) を出したMICHAEL・SEMBELLOの4枚目のアルバム('95年の [Brother Time]は詳細不明の為含まず)で、'97年2月に日本のみ(このアルバムをリリース時)のリリースです。
MICHAEL・SEMBELLOは10代の頃より、STEVIE・WONDERのギタリストとして、早くから活躍し、前出での"Maniac" でソロとなった後、2枚のアルバムをリリースしましたが、'85年より3枚目のソロ・アルバムをリリースするまで、一時期音楽シーンより離れていたようです。
現在は、プロデューサー/作曲家/ギタリスト/ヴォーカリストとして自身のプロダクションで忙しく活躍していて、東洋の音楽やジャワのガムラン様式の音楽に傾倒しているようです。
'09年になってからギタリストのBRUCE・GAITSCHとS.S.W.JANEY・CLEWER夫婦とMICHAELのコラボによる"Maniac" のカバー曲を含むボサ・ノヴァ集のアルバムもリリースされました。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・SEMBELLO:ヴォーカル/ギター/キーボード/ベース/ドラム/プロデュースの他、GREG・PHILLINGANES:キーボード、NATHAN "NATE" WATTS:ベース、ALFRED・RUBALCAVA:ベース、VINNIE・COLAIUTA:ドラム、GREGG・BISSONETTE:ドラム、RAYMOND・POUNDS:ドラム、HUMBERTO "NENGE"・HERNANDEZ:パーカッション、"REV" DAVE・BORUFF:サックス、GARY・GRANT:トランペット、GINA・HALEY:バック・ヴォーカル、NIKI・HARRIS:バック・ヴォーカル、TOSHINOBU・KUBOTA:バック・ヴォーカル、RICHARD・RUDOLPH:共同プロデュースの有名ミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Too Much Bizarre"(5:25) 一定間隔を置いて繰り返される躍動的なリズムとバックで響くバグ・パイプのようなサウンドが印象的な曲です。歌詞の方は現在の人間の生活や風刺を描いた内容となっています。
2曲目"Never Go Home"(5:56) 哀愁感漂うナイロン弦ギターの調べとハートに届くMICHAELの伸びやかな歌声とバック・ヴォーカルで、この曲の共作者の1人であるNIKI・HARRISの歌声がいいですね。後半ではアフリカン・リズムでのパーカッシヴなサウンドへと展開します。
3曲目"Backwards In Time"(4:08) ダークでアダルトな雰囲気を持ったギター・バラードです。MICHAELの艶ややかに哀愁のある歌声と"泣き" のエレクトリックとナイロン弦ギターのサウンドを使い分けたソロも圧巻です。
4曲目"The Life Of My Broken Heart"(5:51) ブルージーなギターのサウンドに乗せ失意の気持ちを歌うMACHAELの歌声よるR&Bです。
5曲目"Exotic Erotic"(4:00) MICHAELがプロとしてデビュー時に従事していたSTEVIE・WONDERのクラヴィネットの音色に似たファンクなサウンドによる曲です。MICHAELのその卓越したヴォーカル・スタイルもよりファンクに、よりソウルフルに...
6曲目"Dangerous Questions"(5:26) アコースティック・ギター美しい響きとDAVE・BORUFFE(DAVID・FOSTER,
CHICAGO)の切ない響きのサックスによる哀愁のバラードです。MICHAELは、後半でスキャットによるヴォーカルでDAVEのサックスと"ハモリ" も披露しています。
7曲目"The Road To Lonely"(5:00) ライヴなどで演奏されたならイントロから捲くし立てるように歌われるMICHAELのヴォーカルに圧倒させられそうなブルースな曲です。サウンドと旋律は余り熱くせず、あくまで"クール" に徹した演奏です。
8曲目"Rocking Chair"(5:28) ゆったり流れるタイトル通りの肩を張らず流される曲です。GREG・PHILLINGANESのハモンドとNATHAN"NATE" WATTSのベースにVINNIE・COLAIUTAのドラムで"渋く" 決めています。
9曲目"I Believe In You"(4:15) MICHAELと絶妙なデュエットを展開するGINA・HALEYのソウルフルなヴォーカルに唖然として聴き入る曲です。後半からはバック・ヴォーカルにTOSHINOBU・KUBOTAの歌声もします。
10曲目"Who Is"(2:37) MICHAELのアコースティック・ギターのサウンドによる調べとDAVE・BORUFFEの孤高に響くサックスによるミドル・テンポのロック調の曲です。後半からの流れはアグレッシヴなベースの響きから次ぎの曲のMICHAELのギターの早弾きへと自然に繋がります。
11曲目"Ride The Snake(To Be Continued)"(1:51) MICHAELのナイロン弦ギターによる早弾きとバック・メンバーとのセッションを収録した2分程度のインストゥルメンタルです。
12曲目"Rub The Stone"(5:24) ファンクでエモーショナルなリズムによる曲です。間奏から中近東風のサウンドも取り入れた展開に聴くものをトランス状態へ誘う曲です。
13曲目"One Of Me Is Crazy"(5:59) この曲出だしは非常に気楽さを前面にだしたラグ・タイム的なサウンドとMICHAELの声色を使った曲ですが、後半が凄いのです。まったく異質のフリー・スタイルの白熱したジャズの演奏へと展開します。ブルー・ノート・スケールを早弾きするMICHAELへ対抗するように繰り出されるGREG・PHILLINGANESのキーボードで幕を閉じます。
12曲歌詞/訳詞付 16ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:61分26秒 (このアルバムの後、本国でコンピレーション的なアルバムをリリースしていますが、再び自身のソロ・アルバムは、残念ながら休止中のようです)'10年2月23日再更新


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写真  MIDNIGHT RIVER CHOIR / Welcome To Delirium
 ・2011 Sabremouth Music.    SED7155-2

これぞアメリカン・ロック・・・

このアルバムは、テキサス出身のロック・バンドMIDNIGHT RIVER CHOIRの '11年8月2日本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
MIDNIGHT RIVER CHOIRのメンバーは、ERIC・MIDDLETON:ギター/ヴォーカル、JUSTIN・NELSON:ギター/バック・ヴォーカル、JEROMY・YAGER:ベース/ギター/パーカッション/バック・ヴォーカル、MITCHELL・PYEATT:ドラム/バック・ヴォーカルの4人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、STEVE・LITTLETON:キーボード、RODNEY・PYEATT:スライド・ギター、MEAGAN・ODOR:バック・ヴォーカルなどメンバーの友人や家族も参加しています。
尚、このアルバムのプロデュースは、バック・ヴォーカルのMEAGAN・ODORのご主人でレコーディング・エンジニアでもあるADAM・ODORとS.S.W.CODY・CANADAとMIDNIGHT RIVER CHOIRの共同で行われています。

1曲目"Mile Marker"(3:05) イントロから乗りの良いファンクなリズムとサウンドを聴かせる曲です。この切れのあるリズムやサウンドなどは、ニュージャージー出身のロック・バンドSEVEN AND THE SUNに通じるところを感じますね。
2曲目"Arms Of A Stranger "(4:01) 今度は、サウンドを出身地のテキサスを感じさせるカントリー・ロック調の曲の登場です。昔からあまり変わらないアメリカン・ロック的な曲なのですが、後半から登場するMEAGAN・ODORのバック・ヴォーカルは、必聴ものです。
3曲目"Run Away From Me"(2:55) もっとテキサス風なサウンドとメロディを聴かせるネオ・カントリー調の曲です。ただ、間奏で聴かせるワイルドでハードなJUSTIN・NELSONのギター・ソロは、ちょっと新しさを感じます。
4曲目"Take You With Me"(4:27) この曲は何気ないロック色を強めて来た曲なのですが、バンドのまとまりと言うが、息の合った演奏が素晴らしいですね。多分、地元のライヴ・ハウスなどで演奏し尽くされた熟れた感が伝わって来ます。
尚、オリジナル曲は、アラバマ出身のS.S.W.ADAM・HOOD '02年の曲です。
5曲目"My Friend"(3:06) 私をこのMIDNIGHT RIVER CHOIRの持つサウンドに惹きつけた最初の曲です。YOUTUBEなどの映像では、アコースティック・バージョンが登場していましたが、このアルバムでの収録は、ERIC・MIDDLETONのエレクトリック・ギターのサウンドをメインとした歯切れ良い流れと彼の力強さのある歌声の裏に秘めた哀愁感が伝わって来ます。
6曲目"Three Shades Of Blue"(2:31) お気軽に収録されたようなロック"ン" ロールのリズムの曲です。オリジナル曲は、同じテキサスで活躍しているロカビリー・バンドJOHN EVANS BAND '08年の曲です。
7曲目"Soul Food"(3:32) ネットのサンプル音源を聴きながら、初めて出会うバンドやミュージシャンのアルバムをクリックして買い物カゴに入れるかまた、躊躇しながら思い留まる場面が度々あるのですが、このアルバムが今私の手元にあり、また、この曲の事こと書かせるように至らした曲でもあります。
8曲目"Seven Sundays"(3:44) ドラムのMITCHELL・PYEATTの父RODNEY・PYEATTの書いた曲で、ROONEY自身がスライド・ギターで参加して重厚なサウンドを聴かせています。
尚、オリジナル曲は、ROONEY '07年のアルバム[Run Away Train]に収録されています。
9曲目"Light Of The Moon"(2:53) これぞアメリカン・ロックそのものと言える曲の登場ですね。丁度ドライブなどしながら聴いていても感じ良く伝わって来るリズム。イントロだけ聴くとBOB・DYLAN '67年の曲の出だしのような感じですが、カントリー・ロック調の度合いがやっぱり違いますね。
10曲目"High Ground"(3: 25) サイケデリックな感じを持たせたこれもアメリカン・ロック然とした曲です。ライヴなどでは、JIMI・HENDRIXの曲のカバー曲も演奏しているこのMIDNIGHT RIVER CHOIRですが、この曲は、NEIL・YOUNG調ですかね。
11曲目"Church Of The Midnight Moon"(5:26)長閑に広がるスライド・ギターの調べと落ち着いたリズムが流れる曲です。次第に濃厚なサウンドで展開される南部ロックのコアな部分を感じます。
全11曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:39分11秒 (このアルバムをリリース後にアメリカ南部を精力的にライヴ活動しているMIDNIGHT RIVER CHOIRです) '11年11月11日更新


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写真  MOCKY / Key Change
 ・2015 Heavy Sheet Production    8 8091822236 3

ヌーヴェル・ヴァーグへのオマージュ・・・

このアルバムは、カナダ出身で現在ロス・アンゼルス在住のマルチ・インストゥルメンタリスト/プロデューサーMOCKY(DOMINIC・SALOLE)の5枚目のアルバムで本国でのリリースは、'15年7月24日となっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、 MOCKY:ドラム/キーボード/ベース/ギター/ヴォーカル/パーカッション/フルート/プロデュースの他、MOSES・SUMNEY:ギター/ヴォーカル、CHILLY・GONZALES:ローズ/ピアノ、JOEY・DOSIK:ピアノ/ヴォーカル、P. MORRIS:シンセサイザー、LESLIE・FEIST:ドラム、LUCKY・PAUL:ドラム/パーカッション、FRASER・ROBINSON:パーカッション、JUSTIN・STANLEY:パーカッション/副プロデュース 、MARYCLARE・BRZYTWA:フルート、JORDAN・KATZ:トロンボーン、MIGUEL・ATWOOD-FERGUSON:ストリングス、MOLLY・ROGERS:ストリングス、CHOR DER KULTUREN DER WELT:コーラス、MARLA・HANSEN:ヴォーカル、MILOSH:ヴォーカル、COCO・O:バック・ヴォーカル、KELELA:バック・ヴォーカル、NIA・ANDREWS:バック・ヴォーカル、PEGASUS・WARNING:バック・ヴォーカルの各国のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Upbeat Thing"(2:24) クラシック音楽の試弾き風のイントロが過ぎた辺りから流れるフルートに調べが心地好く流れるインストゥルメンタルです。フルートとシンクロする口笛のチープさが心を擽ります。
2曲目"When Paulie Gets Mad"(3:16) バラードの調べによる落ち着いた流れを感じるストリングスによる曲です。「Paulieが怒る時」にはこのような映画音楽風インストゥルメンタルが流れるのでしょうか。
3曲目"Soulful Beat"(3:56) 60年代の映画音楽特に軽めのサンバ(ラテン・ジャズ)のリズムとサウンドを感じる曲です。ここまで聴いて来てMOCKYの今作のテーマは、ヌーヴェル・ヴァーグへのオマージュではないのかなと勝手に感じています。
4曲目"Weather Any Storm"(3:14) メリーランド出身のR&B/アフリカン・ミュージック・シンガーKELELAとのコラボによるヴォーカル曲です。スローなリズムにとソフトな調べに乗せ2人が優しく歌います。7月16日にアップされたばかりのビデオもどうぞ。
5曲目"Whistlin"(2:16) このアルバムからのショーケースとなっているインストゥルメンタルの曲です。全体に流れるストリングスの調べにハモンドやフルートの穏やかな響きが心地好いのです。また、Pitchforkからアップされている ビデオもどうぞ。
6曲目"Living In The Snow"(2:36) MOCKYの2枚目のアルバムからコラボしている同郷カナダ出身のFEISTがドラムで参加したファンクなリズムとサウンドによる曲です。MOCKYが登場した歌詞付のビデオもどうぞ。
7曲目"Late Night Interlude"(1:49) 映画「男と女」の雰囲気を強く感じさせるインターリュードとなった短い曲です。曲の後半からアブストラクトな不協和音を混ぜた響きが非常に印象に残ります。
8曲目"Time Inflation(Message To R2)"(3:40) どことなく楽しげなスキャットによる曲です。リフレインを多用した覚え易さにケチャ風の合唱まで飛び出して来て思わずにっこりとさせられます。
9曲目"Tomorrow Maker"(3:05) 今度は、ダウンテンポによるチルアウトなMOCKYのヴォーカル曲です。途中より登場するMOCKYのスラップ・ベースエレクロニカ・ポップによるこの曲もどこと無く80年代のイギリスのバンドの雰囲気を感じます。アウトロに掛けてはサイケデリックな曲調べにも変化させて来ます。
10曲目"Soulful Beat(Reprise)"(0:38) 3曲目の曲の短めのリプライズです。MOCKYのベースによるソロ部分を抜き出して収録されているようです。
11曲目"Head In The Clouds"(3:31) ナイロン弦ギターの調べに合わせて歌うMOCKYの気弱なヴォーカル曲の登場です。この曲も落ち着いた調べを感じさせ途中より登場するロス・アンゼルスのシンガーNIA・ANDREWSのバック・ヴォーカルとの彩が好いですね。
12曲目"Hymne(For Murka)"(2:30) ちょっとオペラで使われそうなスキャットによる曲です。バックに重厚なコーラスを付け厳かな響きが流れて来ます。
4曲歌詞付 ライナー無し 2折紙ジャケット仕様 ドイツ販売元ダウンロード特典付き (輸入盤) 収録時間:32分55秒 (ドイツの販売元に注文した後に気付いたのですが、国内盤は2枚組として先行リリースされていました)'15年7月20日更新
2015年度ベスト5


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写真  MOONCHILD / Be Free
 ・2012 MOONCHILD MUSIC PUBLISHING    8 84501 71935 3

ギターのサウンドはないけど・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスでインデペンデントに活躍しているアシッド・ジャズ/トリップ・ホップ・バンドMOONCHILDの '12年4月27日に本国にてCDとしてリリースされたデビュー・アルバムです。
このMOONCHILDのメンバーは、AMBER・NAVRAN:ヴォーカル/テナー・サックス/クラリネット、ANDRIS・MATTSON:マルチ・インストゥルメンツ、MAX・BRYK:マルチ・インストゥルメンツの3人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、BEN・WENDEL:サックス、RUSSELL・FERRANTE(THE YELLOWJACKETS):ピアノ、JOHN・DAVERSA:トランペット、HARRY・MACK:ラップ、BEN・ROSE:ドラム、LORENZO・LOERA:クラヴィネット/ベースのベテランから新進気鋭のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Misinterpretations"(0:44) ジャジーなサウンドを聴かせるキーボード群による短いこのインストゥルメンタルで、アルバムの幕開きを知らせています。
2曲目"Be Free"(2:49) YouTubeに収録風景がアップされているこのアルバムからのシングル曲(ダウンロード)として4月にリリースされた曲です。ネオ-ソウル/ラウンジ・ミュージックの雰囲気が伝わるソフトな流れとAMBER・NAVRANのイノセンスな歌声に魅了された最初の曲でもあります。
3曲目"Back To Me"(3:43) このアルバムからのシングル第2弾となっているサウンド的には前の曲と同じ線上にありながらよりリズミカルな展開を聴かせます。このアルバムのリリース前には3人でホーン・セクションとして1年程活動していたらしくさり気ないホーンの使い方が粋に感じます。
4曲目"Gone"(4:32) 地元のラッパーHARRY・MACKのラップを取り入れたヒップ・ホップ、ジャズ、ネオ-ソウルとの融合ですね。日本で言うと '10年に出たOVALLのサウンドに近い雰囲気を持っています。
5曲目"Throwback"(4:47) アシッド系のジャズのサウンドのサンプルや短い歌詞によるAMBERの歌声を流し、ラストにはジャシーなトランペット・ソロが登場するヒーリング・ミュージックの要素も感じます。
6曲目"Ocean Deep"(5:17) この曲も前の曲の流れを汲むサウンドとリズムの曲で、ソフトな響きのAMBERの歌声の雰囲気と途中からの転調もお洒落な感じですね。
7曲目"Out Of My Mind"(4:00) 数々のキーボードによる音源を重ね合わせて作られたサウンドにそれぞれサックスやトランペットの演奏を加えて更にはラスト前に登場するサックスのアグレッシヴなソロがラスト部分へと追い打ちかけ加速して行きます。
8曲目"The Things You Do"(4:43) イントロからフェンダー・ローズの揺らぐサウンドが非常に心地好く響く曲で、途中より登場するRUSSELL・FERRANTEのピアノ・ソロが非常に豪華そうな雰囲気を醸し出しています。ヴォーカル部分の歌詞には、ARETHA・FRANKLIN '72年のヒット曲"Daydreaming" の一節が使われています。
尚、RUSSELL・FERRANTEとこのMOONCHILDの関係は、USCの音楽教育プログラムの講師と生徒とのことです。
9曲目"Turn It Up!"(4:09) 今度は、曲風をガラッと変えて全編ヒップ・ホップの曲の登場です。ラップは、先に登場したHARRY・MACKでパワフルな波を送って来ます。
10曲目"Mmm(The Heaven)"(4:39) 再びアルバムの前半部分の雰囲気を持ったAMBERの歌声がソフトに響く曲です。自分達の音楽の紹介の項に書かれているERYKAH・BADUの例も確かに感じるところがありますね。
11曲目"What Shall We Do"(3:07) ノスタルジックなトランペットかコルネットの音色が響くラウンジ・ミュージック的な曲です。アルバムの最後はオーソドックスなスタイルで閉めていますが、歌詞の「What Shall We Do」が何かを物語っているように聴こえます。
歌詞無し ライナー無し CD-R (輸入盤) 収録時間:42分33秒 (ギターの演奏は収録されていないけれど、YouTubeの音楽映像つながりで登場したAMBERの歌声に魅了されました)'12年8月4日更新
2012年度ベスト5


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写真  MOONRAKER / Nada Brahma
 ・2001 Moonraker Music    MOON2001

アシッド・ジャズ + オルタナティヴ・ロック・・・

このアルバムは、イリノイ州シカゴとN.Y.を中心にインディペンデントとして活躍しているMOONRAKERのデビュー・アルバムで、'02年のリリースです。 MOONRAKERのメンバーは、KELLI・SCARR:ヴォーカル、DANIEL・CHEN(STUHR):キーボード、DAVID・MOLTZ:ギター、KODY・AKHAVI:ベース、DAN・MINTZER:ドラムの5人にプロデューサーのNATE・GREENBERG(NATALIE・WALKER,COLOR OF CLOUDS):プロデュース/ミキシングが加えられてアルバムにクレジットされています。
尚、'03年のセルフ・タイトル盤と収録曲が3曲ほど"ダブル" のですが、その各曲の長さが違っていますのでヴァージョン違いと思われます。
ヴォーカルのKELLI・SCARRは、NATE・GREENBERGとの別ユニットCOLOR OF CLOUDSとしても活躍しています。

1曲目"Shalom"(5:11) 少しぶっきらぼうな歌い方のKELLIの特徴的な歌声が印象的なギター・サウンドをメインにしたダウンテンポの曲です。"サビ" の部分から後半にかけてサンプル音源にスキャットでエモーショナルに歌うKELLIです。
2曲目"Night With You"(3:26) スムーズなメロディの流れとメロウなサウンドを聴かせる曲で、イギリスのSADEの持つサウンドに似たもの感じます。
3曲目"Organic Love"(4:06) 落ち着いたジャジーなギターの調べにバックで忙しなく刻まれるドラム"ン" ベースのサウンドが流れています。DAVID・MOLTZのギター・ソロに心地好く歌うKELLIの歌声が堪りませんね。
4曲目"The Rescue"(6:46) ワウワウ・ミュートを付けたトランペットの調べに不思議な女性の笑い声が横切るアシッド・ソウルなサウンドの曲です。この曲の曲調は、ノルウェーのD'SOUNDの3枚目のアルバムのサウンドに通じるところを感じます。アウトロでは、1分程度のスクラッチを多用したインターリュードが配されています。
5曲目"Madeline"(4:25) メランコリックなギターのサウンドにスクラッチのサウンドを多用したスローなサウンドによるアシッド・ジャズのテイストを感じる曲です。重いベースのサウンドをバックに孤高な歌声を聴かせるKELLIです。
6曲目"Dying Sun"(3:13) エキセントリックなドラムのビートとベースのサウンドが響くスピード感のある曲です。硬めのサウンドに妖艶に歌うKELLIとエモーショナルに唸るKELLIの歌声が両立しています。
7曲目"These Walls"(6:22) ベースとギターのソロによる掛け合いから入るメロウで浮遊感のあるサウンドの曲です。スローながら心地好いグルーヴ感と後半にはアグレッシヴなエモーションを与えるKELLIの歌声とバックの演奏が"渋い" ですね。
8曲目"Wood And Stone"(5:28) ドラム"ン" ベースのサウンドに合わせてスムーズな歌声を聴かせるKELLIと各楽器のパートをソロによってジャムさせたアドリヴ感をストレートに感じさせるジャズ・テイストのある曲です。
9曲目"Modern Way"(5:48) サンプリング音をループにして流されるギターのサウンドと縦横無尽に流れる幻想的なサウンドの曲です。陶酔感に浸るKELLIの歌声とバックのハーモニーの押し寄せる波動が圧巻です。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:44分48秒 (アルバムによっては、かなりサウンドの志向が違っているMOONRAKERですが、このアルバムの曲は、良い感じですね。また、ジャケットに登場しているマイクロ精機 DQX1000ターンテーブルに痺れますね)'10年2月23日再更新


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写真  MOONRAKER / Peeg Vater
 ・2004 Moonraker    634479045486

サウンドはよりラウドな方向に・・・

このアルバムは、N.Y.で活躍しているMOONRAKERの4枚目(EP盤とライヴ盤は含まない)のアルバムで、'04年6月本国でのリリースです。
このアルバムでのMOONRAKERのメンバーは、KELLI・SCARR:ヴォーカル、DANIEL・CHEN(STUHR):キーボード、DAVID・MOLTZ(NATALIE・WALKER):ギター、KODY・AKHAVI:ベース、DAN・MINTZER:ドラム/ドラム・プログラミングの5人組です。

1曲目"Peaceful Alone"(7:54) 8分近くある長尺の曲です。爽やかなキーボードの調べとエレクトロニカのサウンドにコケティシュ(良い意味での)なKELLIの歌声による前半からアグレッシヴにエモーショナルにラウドに展開するオルタナティヴ・ロックです。
2曲目"Glace"(3:57) E-Bowとヴォリューム・コントロールされたギターの調べに心地好いドラムのビートによるエレクトロニカ・ダンス・ポップな曲です。次第にサウンドをハードなリズムとタイトなビートへと流れて行くのです。
3曲目"IBM"(6:40) 幻想的なキーボードのサウンドがイントロから広がるアンビエントな雰囲気に乗せたKELLIの柔らかい歌声からこの曲も次第にアグレッッシヴに攻めて来ます。DAVID・MOLTZのギターのフレーズが非常に印象的な響きを持っています。
4曲目"Shape People"(5:46) オルタナティヴなパワー・ギター・サウンドの曲にサイケデリックな雰囲気を与えるKELLIのヴォーカルに様々な音楽の要素を詰め込んだエッジの立ったサウンドが脳裏を刻みながら流れて行きます。
5曲目"Lullysome"(6:05) 細かく流れるように奏でられるエレクトロニカのサウンドにギターの爪弾きによるサウンドを絡めた曲です。イギリスのトラディショナル音楽を現代風なエレクトロニカ・ミュージックにアレンジし直したようなニュアンスも感じられます。
6曲目"Undertow"(6:24) 残響音のあるギターの美しい響きとキャッチーなキーボードの調べによるブリット・ロックとハード・ロックな部分を融合したイメージの曲で、ウィスパーな歌声からアグレッシヴな歌声までも聴かせるKELLIの歌声です。
7曲目"Peaseful Inside"(4:29) ファンクなチョッパー・ベースのサウンドを奏でるKODYのベースにスペース・ロックなエレクトロニカなサウンドが流れるオルタナティヴ・ロックです。力強いDAN・MINTZER(NATALIE・WALKER)のドラムのビートに合わせて歌うKELLIのヴォーカルも圧巻なのです。
8曲目"Nostalgia"(6:00) 高いトーンを発するギターの調べにディレイを掛けたドラム・プログラミングの独特のビートが流れるアグレシッヴでラウドなサウンドの曲です。鳴り響くドラムのビートに掻き鳴らされせたギターのサウンドが縦横無尽に響くパートからメロウなエンディングへと流れます。
9曲目"Ram People"(6:15) 静けさの中に響くドラムのビートとキーボードのサウンドが印象的な曲です。ヨーロピアンなダンス・ミュージックにアグレッシヴなKELLIの歌声を付けたイギリスの有名3人組みパンドのサウンドの影響を感じも感じられます。
10曲目"Nothing Left To Speak Of"(4:45) 心地好く美しいギターの調べがイントロに響くノスタルジックさを感じさせる曲です。幻想的な響きに乗せて訥々と歌っていたKELLIの歌声も次第に力強さを増して行き、DAVIDのギターも圧巻な響きをも増します。
歌詞無し ライナー無し 3折りデジパツク仕様 (輸入盤) 収録時間:58分25秒 (このアルバムでのMOONRAKERサウンドは、よりラウドに、よりアグレッシヴな方向に徹して収録されています)'10年2月23日再更新


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写真  MOUNT RAINIER / World Behind Your Head
 ・2021 Mount Rainier    634479045486

通常曲+デモ曲によるサービス盤・・・

このアルバムは、カリフォルニア州ロング・ビーチでインデペンデントに活躍しているドリーム・ポップ・S.S.W.MOUNT RAINIER(RAIN・ GREGORIO)の2枚目('17年のデモ・テープ盤も含む)のアルバムで '21年5月14日にダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RAIN・ GREGORIO:ヴォーカル/ギター/ベース/シンセサイザーの他、TOM・KENDALL:ドラム/パーカッション/シンセサイザー/バック・ヴォーカル/プロデユース、COLE・BROSSUS(APOLLO SOUL):ギター/キーボードのロス・アンゼルスのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Alone"(3:03) このアルバムのリリース前からサンプル音源として紹介されていた曲です。このふんわりとしたメロディとサウンドに虜となりました。アルバム全曲のリリースまで幾度聴いたか数えられないほどのお気に入りとなりました。
2曲目"Baby + Do It If It Feels Right"(2:26) 1曲目と似たメロディを感じる曲でアルバム紹介の2曲目となっていました。この曲は、ビデオとしても紹介されています。
3曲目"Yellow Yuzu"(3:01) 柑橘系の柚子が曲のタイトルとなった珍しい曲ですね。日本の柚子を食したRAINの衝撃的な印象を何か他の楽しい経験を比喩した内容を歌っています。
4曲目"Overfelt"(2:07) この曲はLo-HiにしたRAINのヴォーカルとTOMの小刻みなドラムのビートと融合が見事なポップさに溢れている曲です。どこと無くフランスで活躍している4人組ギター・ポップ・バンドと感じが似ているところは、ご愛敬として曲の後半から自然と繋がるインターリュードも美しいです。
5曲目"Incommunicado(Interlude)"(1:14) 前の曲との繋がりからポップなサウンドからストリング風の残響音を使って次の曲へと自然に繋がって行きます。
6曲目"Kino Cave River"(2:26) アコースティック・ギターの弦の響きが非常に美しい落ち着いた雰囲気を醸し出す曲です。曲のタイトルであるKino Cave Riverをググってみたのですが、具体的な場所は、不明のようです。以下からの曲は、Bandcampのみのリリースです。
7曲目"Baby Blue(demo)"(2:34) 2曲目のリズムをスローにしたスタジオ収録前のデモ曲のようです。ドラム、ベースとドラムによるシンプルなサウンド構成に一部スポーケンも織り交ぜて収録されています。
8曲目"I Need To Learn How To Be Alone(demo)"(2:07) 1曲目の歌詞の出だしをタイトルとしたデモ曲です。前半は、意外にもスポーケンにて収録されサビの部分は、歌詞違いにて収録されています。
9曲目"Yuzu(demo)"(3:04) 収録曲のスタイルに到達するまでに何度も試行錯誤されている様を垣間見る感じる曲です。楽器構成、アレンジやコーラスなど全て違った感じですね。
10曲目"Alive 2018(demo)"(2:09) 4曲目のサウンドにこの曲も収録曲へ到達するまでの過程を感じさせる曲です。Lo-Hiにしたサウンドとポップさはこの辺りからも感じさせます。
11曲目"Cave River(demo)"(2:11) この曲は、他のデモ曲と違って収録曲と余り違わない感じがします。RAINのアコースティック・ギターの弾き語りに多重によるギターとコーラスを付けただけのシンプルさがあります。
歌詞無し PDF版アルバム紹介 ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:26分22秒 (予約してから全曲リリースされるまで心待ちにしていたこのアルバム、リリース当日のダウンロードにてデモ曲も追加されているなんて嬉しい限りですね!)'21年5月17日更新


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写真  MR LITTLE JEANS / Pocketknife
 ・2014 Harvest Records    2537741724

日本では有名じゃないけど・・・

このアルバムは、ノルウェー出身で、その後イギリスに移り現在、ロス・アンゼルスで活躍しているMONICA・LINN・BIRKENESのエレクトロニカ・ロック/ポップ・ユニット名MR LITTLE JEANSの '14年3月25日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MONICA・LINN・BIRKENES:ヴォーカル/プロデュースの他、TIM・ANDERSON:マルチ・インストゥルメント/プロデュース、LESTER・MENDEZ:マルチ・インストゥルメント/プロデュース、JANNE・KASK:マルチ・インストゥルメント/プログラミング、PETER・ÅGREN:マルチ・インストゥルメント/プログラミング、FILIP・NIKOLIC:シンセサイザー/プロデュース、JOHN・HILL:マルチ・インストゥルメント/プロデュース、ALEXANDER・BURKE:ヴィブラフォン/キーボード、PHILLIP・A.PETERSON:チェロ、JOEY・WARONKER:ドラム、ANTHONY・BURULCICH:ドラム、ZACH・SHIELDS(DEAD MAN'S BONES?):ドラム、THE SILVERLAKE CONSERVATORY OF MUSIC YOUTH CHORALE:バック・ヴォーカル、MAIZE・LARUE:指揮などロス・アンゼルスと一部スウェ−デンのミュージシャンも参加しています。

1曲目"Rescue Song"(4:08) 細かく打ち鳴らされるリズムの流れがイントロから響く乗りの良さ伝えるこのアルバムのオープニング曲に相応しい曲です。少し気弱さを感じさせるMONICAのヴォーカルとセルフによるハーモニーとのバランス感覚が好いですね。
2曲目"Mercy"(5:11) 今度は、少しテンポを落として来た引き摺り感のある曲です。バックに響く雰囲気物のギターと電子サウンドの流れも心地好く感じます。
3曲目"Runaway"(4:20) 前の曲に続いてこの曲も80年代にヒットしたニューウエーブ系のシンセ・ポップな曲調の曲です。女性ヴォーカリストをメインとした当時のバンドが多くいた事をこの曲を聴いて懐かしく想います。
4曲目"Oh Sailor"(4:07) トイ・ピアノのシンプルな調べの後に登場するシンセ・ベースの重い響きとその対照的な純真で無垢なTHE SILVERLAKE CONSERVATORY OF MUSIC YOUTH CHORALEの子供達の軽やかな歌声が非常に好いです。また、このアルバムからシングル・ダウンロードされたキャッチーなチューンでもあります。
5曲目"Don't Run"(5:15) 溜息混じりに吐かれるMONICAのセクシーな歌声と叩き付ける電子ビートによるチャンバー・ミュージックです。ゆったりとした流れに様々な音源処理されたMONICAの歌声が持ち込まれています。
6曲目"Good Mistake"(4:16) 歯切れ良い電子サウンドによるリズム、ちょっと調子抜けを表現した遊び心のサンプル音源などこの曲もエレクトロニカのサウンドが満載の曲です。ちょっとテンポが速いかもしれないけどチルウェイブな感じも持っています。
7曲目"Haunted"(3:36) この曲もエコーを効かせたチャンバー・ミュージック的な要素を感じますが、非常にポップなアレンジで仕上げられ、女性ヴォーカリストの曲のような等身大のFANに向けて歌われているようです。
8曲目"Lady Luck"(3:35) オルタナティヴな方向を変えて来た尖がった曲調の登場です。Lo-FiなMONICAの歌声とモールス信号風な無機質なサウンドとビートによって展開されています。
9曲目"The Suburbs"(5:07) この曲のイントロのシンセのサウンドはどこかで聴いた覚えがありますね。2000年のLSKのアルバム"Don't Cry" のイントロに同じく2000年のIVY "While We're In Love" と持ち味に共通するサウンドとテンポですね。
尚、オリジナル曲は、'10年のARCADE FIREの同名タイトル曲のカバーです。
10曲目"Heaven Sent"(4:53) 教会内で流れているハモンド・オルガンのような穏やかな響が流れる落ち着いた曲です。低い目のキーを使って歌うMONICAの歌声もとても落ち着いていますね。
11曲目"Far From Home"(3:48) この曲もゆったりとしたリズムとチャンバー内の残響音を効かせた曲です。この曲も落ち着いた響きを持ったMONICAの歌声が流れて行きます。
12曲目"Valentine"(4:55) ドコドコと鳴るドラムのリズムとシンセ・ポップらしい電子サウンドが絡み合う淡々したリズムで繰り広げられる曲です。歌い放つようなヴォーカル・パートと艶な歌声との組合せで流れて来ます。
この曲が終了した後、約1分後にチェロの演奏をメインとしたヒドゥン・トラック2曲目"Mercy" が4分程度収録されています。
全12曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:53分23秒 (見出しにも書いたのですが、日本ではまだ馴染ないこのMR LITTLE JEANSですが、次第に人気が上がる要素を感じます)'14年6月29日更新
2014年度ベスト5


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写真  MR LITTLE JEANS / Better Days
 ・2022 Nettwerk Music Group Inc.    0 6700 31297 2 5

ジャケ写真が怖いでしょ?(笑)・・・

このアルバムは、ノルウェー出身で、その後イギリスに移り現在、ロス・アンゼルスで活躍しているMONICA・LINN・BIRKENESのエレクトロニカ・ロック/ポップ・ユニット名MR LITTLE JEANSの '22年6月3日に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。 アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MONICA・LINN・BIRKENES:ヴォーカル/エグゼクティブ・プロデューサーの他、ARON・FORBES:シンセサイザー/プロデューサー、BESTGIRLFRIEND:プログラミング/ドラム・プログラミング/シンセサイザー/プロデューサー、CHRISTIAN "LEGGY" LANGDON:プログラミング/シンセサイザー/プロデューサー、LEON・JEAN-MARIE:マルチ・インストゥルメンツ/プログラミング/シンセサイザー/ドラム/バック・ヴォーカル/プロデューサー、TIM・ANDERSON:プログラミング/シンセサイザー、SAPPHIRE・ADIZES:プログラミング/シンセサイザー、MADELENE・ELIASSON:プログラミング/シンセサイザー、TAMMY・LUCAS:バック・ヴォーカルの前作でのミュージシャンも参加し、曲によりプロデューサーも交代しながら収録されています。

1曲目"In Spite Of Me"(3:56) 重く響くシンセサイザーの音色とヴォコーダーでハモらせたMONICAの久しぶりに聴く歌声が響きます。低音を目一杯下げたシンセ・ベースの割れた音が印象的です。
2曲目"Blitz"(3:28) この曲もシンセサイザーの電子サウンドが満載の曲です。この曲は、前のアルバムからの流れを感じさせる少し冷めたMONICAのさらっと歌う歌声が前のアルバムでのTIM・ANDERSONのシンセ・サウンドが相まって広がります。
3曲目"Forgetter"(4:14) この曲では、逆に前のアルバムから非常に進んだ位置にあるアシッド感のある曲です。吐息混じりで訥々と歌うMONICAの歌声を淡々とリズムを刻む電子ビートが対照的な流れを生みます。
4曲目"Lazy Love"(3:02) アルバムのリリース前からビデオが紹介されている曲です。前のアルバムのサウンドがよりエレクトロニカ/ダンス・ポップになった感のある曲です。このアルバムよりカナダのレーベルに移ったMONICAですが、サウンドの方向は。よりアメリカ市場を狙った印象があります。
5曲目"Better With You"(3:04) 少し音程のずれたポンプ・オルガン風のサウンドがゆったリ流れるスローな曲です。エコーを効かせたMONICAの歌声が「恋人と過ごす楽しさ」を歌っています。
6曲目"Paper Vows"(3:42) この曲は、サウンドと起伏を持ったリズムがとても気に入った曲です。どこと無くエキゾチックなカリプソ/サルサ感じます。ここでは、いつもより低いキーで歌い出すMONICAが「日常のちょっとした憂さ晴らし」をテーマに歌っています。
7曲目"After Midnight"(3:52) 昔のハリウッド刑事物映画のテーマ・ソングにちょっと似たシンセのサウンドが興味をそそる曲です。掠れ気味が歌声を聴かせるMONICAとクールなサウンドの流れは、フランス英語の挿入歌にも聴こえて来ます。
8曲目"Better Days"(4:13) このアルバムを購入するまで3年ほど遅れて購入したのですが、アルバムリリースするまで数曲のシングル曲をリリースしていた時に前作のアバンギャルドさが薄れてありきたりなポップ・ミュージック・シーンへ移行したと思っていたのですが、この曲も聴きり入るにつれ本当に絶妙なバランスを持ってポップス/ソウル/ダンス/エレクトロニカの坩堝に陥っている感が素晴らしいのです。
9曲目"Intentions"(3:28) ダークなイメージを醸し出すエレクロニカのリズムとスモーキーなMONICAの歌声が響く怪しげな雰囲気を醸し出す曲です。MONICAは登場していませんが、ロス・アンゼルスでの撮影と思えるビデオもどうぞ。と
10曲目"Jump To Fall"(3:44) アルバムの最後は、おもちゃ箱をひっくり返したように楽し気なリズムとサウンドの曲です。男性ヴォーカルの歌声が収録されているように思えるのですが、クレジット記載はありません。でも歌詞の方は「悟りを開くまでの胸の内」をテーマにしているようです。
全10曲歌詞付 8ページ物ブックレット オンデマンドCD-R U.S.製 (輸入盤) 収録時間:36分47秒 (前作をリリースした後、暫く音沙汰の無かったMR LITTLE JEANS、レーベルも新たに活動を再開したようです!)'25年3月15日更新


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写真  MR.MISTER / I Wear The Face
 ・1984 RCA Records    RPL-8247

PAGESからMR.MISTERへ方向転換・・・

'83年の中頃にロス・アンゼルスで結成されたMR.MISTERは、それまでのPAGESを解散してRICHARD・PAGE(ベース/ヴォーカル)とSTEVE・GEORGE(シンセサイザー/サックス/ヴォーカル)を中心にSTEVE・ FARRIS(ギター)、PAT・MASTELOTTO(ドラム)を加えた4人組でスタートし、このアルバムの収録曲全て自身で演奏し外部のミュージシャン達は参加していないようです。
プロデューサーは、'80年のヒット曲"Solitaire" やMEN AT WORKのアルバムで知られるPETER・McIANが担当しています。
尚、このアルバムは、彼らのデビュー・アルバムで '84年6月21日にリリースされた国内盤による当時のオリジナル・ジャケットを掲載してレビューも行っています。

1曲目"Hunters Of The Night"(5:07) 躍動的なドラムのビートにエレクトロニカのサウンドを発するキーボードのサウンドによる曲です。丁度、このアルバムのリリース前のMICHAEL・SEMBELLOの"Maniac" にも通じるエモーショナルさを感じます。尚、この曲はMR.MISTERとしての最初の全米57位のヒット曲です。
2曲目"Code Of Love"(4:29) RICHARDのスキャットによるイントロから入るSTEVE・GEORGEのヴォーカル曲です。この曲も非常にタイトな響きによるPATのドラム・プログラミングのサウンドよるミドル・テンポのロックです。間奏ではもう一人のSTEVEことSTEVE・FARRISのアグレッシヴなギター・ワークを聴かせてくれます。
3曲目"Partners In Crime"(4:19) やはり '80年代のドラム・ビートの打込みのサウンドがする曲です。RICHARDの今でも健在な優しい響きのヴォーカルと躍動的にリズムによるミドル・テンポのロック色の強い曲です。
4曲目"32"(4:49) レゲエのリズムによるエモ・ロック的な感じを受ける曲です。U.K.のPOLICEにも通じるサウンドとギターのリフの数々です。RICHARDのベースのサウンドが非常に重く響いています。
5曲目"Runaway"(4:14) 現在のRICHAEDの楽曲に通じるメロディアスな曲です。バックで響くSTEVEのキーボードとサックスのサウンドが更に美しく染め上げています。STEVEのギターとPATの重いドラムのビートも響きます。
6曲目"Talk The Talk"(4:22) 少しサウンドを軽くしてきたRICHARD のヴォーカル曲です。この曲でもSTEVEのギターがアグレッシヴに更に縦横無尽に響きわたっています。
7曲目"I'll Let You Drive"(4:05) イントロの煌びやかシンセサイザーのサウンドからスリリングスさを煽ります。歪ませたギターのサウンドからは陶酔感与える曲です。
8曲目"I Get Lost Sometimes"(3:50) 再びレゲエのリズムを使った曲の登場です。躍動的なパートとメロディアスなパートを繰り返し演奏されています。PAGES時代より定評のあったRICHARDとSTEVEの幾重にも重ねられた美しいハーモニーも見事です。
9曲目"I Wear The Face"(5:22) 面白い歌詞ですね。仮面の下の本当の顔を時と場合によって付け替えることを詞に綴っています。PAGESからMR.MISTERへ方向転換したRICHARDの心境が表現されているのでしょうか。サウンドとメロディ的には洗練されたPAGESでの持ち味よりもMR.MISTERではよりアグレッシヴによりダイレクトに表現し、またバンドとしてのまとまったサウンドを重視したRICHARDの想いを感じます。
10曲目"Life Goes On"(5:15) エキゾチックなサウンドとエモーショナルなビートによる曲です。サウンドの決め手はやはりPATのドラム・プログラミングとドラムでのビートの繰り出しでしょうか。細やかな三連リフで味付けをするSTEVEのギターも印象的です。
全10曲歌詞付 LP盤 (国内盤) 収録時間:45分28秒 (このアルバム発売当時「MR.MISTER 最高!」と言って、友人達から「それ誰?」とか「知らない!」と言われ、私1人で騒いでいたことを懐かしく想います)'10年2月24日再更新


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写真  MR.MISTER / Welcome To The Real World
 ・1985 RCA Records    NFL1-8045

やはり彼らの代表作・・・

このアルバムは、主にロス・アンゼルスで活躍していたロック・バンドMR.MISTERの '85年11月に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
MR.MISTERのメンバーは、RICHARD・PAGE:ベース/ヴォーカル、STEVE・GEORGE:キーボード/ヴォーカル、STEVE・ FARRIS:ギター、PAT・MASTELOTTO:ドラムの4人組です。
前作同様、アルバムの収録に際して外部のミュージシャンは、参加していなくバンドとしてのスタイルを確立した収録となっています。
プロデュースは、この後YESのアルバムなども手掛けたPAUL・DE・VILLIERSとMR.MISTERのメンバーが担当しています。
尚、このアルバムは、リリース当時('86年)MTVなどのビデオ・クリップの放送の影響もあってかビルボード・トップ200のアルバム・チャート第1位を獲得しています。

1曲目"Black/White"(4:18) STEVE・FARRISのエモーショナルなギター・ソロとタイトな響きのPAT・MASTELOTTOのドラムのビートが流れるロック色強めの曲です。前作[I Wear The Face] でのサウンドに通じるSTEVE・GEORGE のギミックなシンセザイザーのサウンドで色付けも感じさせますね。
2曲目"Uniform Of Youth"(4:25) イントロからSTEVE・GEORGEが乗りの良いキーボードの調べを聴かせるプログレシヴ・ロック的なアプローチを強く感じさせる曲ですね。70年代のアメリカン・ロックでは、プログレシヴ・ロック的なサウンドは、あまり人気がなかったと思うのですが、80年代初めのイギリスのニュー・ウェーヴを意識したようなエレクロトニカ・サウンドのアレンジを感じます。
3曲目"Don't Slow Down"(4:29) この曲もリズムの流れやサウンドの展開からニュー・ウェーヴのサウンドを強く感じさせる曲ですね。バックのハーモニーなどは、ウエストコースト・ロックの美しい調和のあるバック・ヴォーカルが流れるところは、RICHARDが加入を誘われたCHICAGOの持ち味を感じます。
4曲目"Run To her"(3:36) RICHARD・PAGEがその素晴らしい歌声を聴かせるお得意の泣きのバラードです。間奏STEVE・GEORGEのシンセサイザーの調べも切なく響きますね。今から聴き直して初めて感じたのですが、RICHARDがソロになってもまた、その前のPAGESでもこのバラードは、一貫していますね。
5曲目"Into My Own Hands"(5:12) 再びテンポをアップにして来たナンバーの登場です。バンドとして充実した感のある演奏と小気味よいキーボードとギターの調べに乗せ歌うRICHARDの美しい伸びやかな歌声をご堪能あれ。
6曲目"Is It Love"(3:32) このアルバムからのシングル・カット第3弾の曲で、全米シングル・チャートの8位のヒットを記録しています。ポップなリズムとサウンドによるエレクトロニカ・ポップ調の軽めの曲です。
7曲目"Kyrie"(4:24) 先の大ヒット曲"Broken Wings" に続くシングル第2弾の曲で、見事 '86年に全米シングル・チャート1位に輝いています。この曲も当時にRICHARDの登場したビデオが制作され、日本でも連日のように放送されていましたね。アルバム曲の収録の終盤に制作側から「もう1曲ぐらい欲しいね!」と依頼され窮地に立たされたRICHARD、作詞担当のJOHN・LANGに相談した結果、「kyrie eleison」と三回唱えたところからこの曲に繋がったそうです。(ちょっと出来過ぎ感があるようですが...)
8曲目"Broken Wings"(5:45) 「MR.MISTERと言えばこの曲でしょう」って感じの彼らの代表作であり、当時の大ヒット曲です。このアルバムからのシングル第一弾をどの曲にするかメンバー全員で話していた中、RICHARDが「この曲で行く」と言ったが他のメンバーからスローな曲は、絶対ヒットしないと反対されたのですが、見事全米1位に輝いています。
9曲目"Tangent Tears"(3:19) この曲もギター・ロックとエレクトロニカのサウンドが融合した尖った調べが響く曲ですね。STEVE・GEORGEのファンクなシンセサイザーのサウンドにギターのSTEVE・ FARRISが強めの色合いを付けた"ストラト" でバックを盛り上げています。
10曲目"Welcome To The Real World"(4:18) RICHARD・PAGEの美しく伸びる歌声とSTEVE・FARRISの軽快なギター・サウンドにPAT・MASTELOTTOの重いドラムのビートが響くこの曲もエレクトロニカ/ロック色の強めの80年代のサウンドを強く感じさせる曲ですね。
全10曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:43分18秒 (当時のMR.MISTERの人気を不動にしたこのアルバムのおかげでPAGESからのファンは、日本に居ながらにして"動く" RICHARDの姿を観ることが出来たのです)'10年2月24日再更新


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写真  MR.MISTER / Go On...
 ・1987 RCA Corporation    Victor 6276-1-R
 ・1987 RCA Corporation    Victor 6276-2-R

大ヒット・アルバムの次の作品だったが・・・

'85年の大ヒット・アルバム[Welcome To The Real World]に続くMR.MISTERの '87年にリリースされた3枚目のアルバムです。
このアルバムでのレコード会社のセールス的失敗によりMR.MISTERは、残念ながらこのアルバムをもって解散致しました。然しながら、MR.MISTERのアルバムは解散後に約7種類のベスト/コンピ盤が '94年〜'03年の間にリリースされ、未だに根強い人気をもっているようです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RICHARD・PAGE:ベース/ヴォーカル、STEVE・GEORGE:キーボード/ソプラノ・サックス/ヴォーカル、STEVE・ FARRIS:ギター、PAT・MASTELOTTO:ドラムの他、BILL・CHAMPLIN:バック・ヴォーカル、TAMARA・CHAMPLIN:バック・ヴォーカル、CARMEN・TWILLIE:バック・ヴォーカル、PHILIP・PERRY:バック・ヴォーカル、THE STAN LEE REVUE:コーラス、ALEX・NECIOSUP-ACUÑA:パーカッション、LENNY・CASTRO:パーカッション、ALAN・ESTES:パーカッションのベテラン達が参加しています。このアルバムのプロデュースは、MR.MISTERとELVIS・COSTELLO、PETER・GABRIELのアルバムなどを手掛けたKEVIN・KILLENとの共同で行われています。
尚、'90年の4枚目のアルバム[Pull]は、全曲収録されリリース直前に残念ながらレコード会社の意向によりお蔵入りとなっています。

1曲目"Stand And Deliver"(5:33) PAT・MASTELOTTOのタイトなドラムのビートとSTEVE・FARRISのアグレッシヴなギター・ワークによるTOTOの持つハードなサウンドに通じる曲です。当時のアメリカ映画のサウンドトラックとなった曲です。
2曲目"Healing Waters"(5:04) 細かく弾かれるギターのサウンドとエモーショナルな歌声を聴かせるRICHARD・PAGEの歌声による重いビートの曲です。途中より登場するバック・ヴォーカルの重厚な歌声はゴスペル・コーラスTHE STAN LEE REVUEによります。
3曲目"Dust"(6:35) エキゾチックなキーボードのサンプリングでの音色をイントロに配したスローな曲です。STEVE・GEORGEのソプラノ・サックスが雰囲気ものなのです。
4曲目"Something Real(Inside Me/Inside You)"(4:21) 重いビートとエレクトロニカのサウンドによる曲です。トレモノ・アームを使ったSTEVEのギターのサウンドが縦横に響くラウドなサウンドが印象的な曲です。
5曲目"The Tube"(5:22) この曲もエレクトロニカ色が強い曲ですね。音色を効かせた機械的な歌声にしたRICHARDの歌声と淡々と聴かせることを意識させたアレンジが加えられたようです。
6曲目"Bare My Soul"(4:33) CDのみのボーナス・トラックです。軽快なドラムのリズムと金属音のするギターのサウンドによるミドル・テンポのエレクトロニカ・ロックです。時折エモーショナルな歌声を聴かせるRICHARDのヴォーカルとリズムカルなバックのサウンドが溶け合って響いています。
7曲目"Control"(4:19) PATの物凄いドラム・テックが聴けるヘビーなサウンドの曲です。負け時とSTEVEも特徴的でアグレッシヴなギターを聴かせる曲です。やはり前バンドのPAGESとはこの辺りハードなサウンドが決定的に違うことを再認識させられます。
8曲目"Watching The World"(4:25) 非常に美しいメロディによるイントロから力強いギターのサウンドが横切るインパクトのある曲です。ギミックなSTEVEのキーボードのサウンドとダイナミックなロック・オペラのような展開を挟んだアレンジになっています。
9曲目"The Power Over Me"(5:05) サウンドをダークな方向に変えてきたスローな曲の登場です。STEVEが美しいソプラノ・サックスを聴かせながらヴォーカルのRICHARDへ繋ぎます。恋人の虜となった男のことを歌ったような内容になっています。
10曲目"Man Of A Thousand Dances"(4:53) バック・ヴォーカルにBILL・CHAMPLIN、TAMARA・CHAMPLIN、CARMEN・TWILLIE、PHIL・PERRYと非常に贅沢なメンバーが参加した曲です。この曲を聴いていて何故かRICHARDのソロ・アルバムに収録されている"Heaven Is 10 Zillion Light Years Away" に繋がる何かを感じさせます。
11曲目"The Border"(5:41) ピアノのサウンドによるRICHARDの美しい歌声を聴かせるバラードです。後に作曲/作詞活動に入って曲を提供しているRICHARDらしいメロディアスで美しいナンバーに通じる曲です。
・全10曲歌詞付 LP盤 U.S.製 収録時間(LP):50分23秒 (輸入盤)
・全11曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット CD盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間(CD):55分56秒 (残念ながらMR.MISTERは、このアルバムをもって解散しましたが、メンバーはそれぞれの音楽活動を展開中です。'89年の4枚目のアルバム[Pull]は '10年秋RICHARD・PAGEのレーベルLittle Dume Recordingsより発売が決定しました)'10年2月24日再更新


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写真  MR.MISTER / Go On...
 ・1987 Sony Music Entertainment
 ・2015 Rock Candy Records Ltd.    CANDY271

2015年リマスター盤・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスで活躍していたロック・バンドMR.MISTERの '87年にリリースされた3枚目のアルバムをイギリスのメロディアス・ロックを中心にリリース/再リリースしているRock Candy Recordsがオリジナル盤にシングル盤、Bサイド曲を追加/リマスターし、'15年6月22日に本国でリリースされたアルバムです。
尚、今回掲載したレビューは、'87年の盤と同じ部分はそのまま掲載させて頂きます。その他の仕様の違う項目のみ追加記載しました。

1曲目"Stand And Deliver"(5:33) PAT・MASTELOTTOのタイトなドラムのビートとSTEVE・FARRISのアグレッシヴなギター・ワークによるTOTOの持つハードなサウンドに通じる曲です。当時のアメリカ映画のサウンド・トラックとなった曲です。
2曲目"Healing Waters"(5:04) 細かく弾かれるギターのサウンドとエモーショナルな歌声を聴かせるRICHARD・PAGEの歌声による重いビートの曲です。途中より登場するバック・ヴォーカルの重厚な歌声はゴスペル・コーラスTHE STAN LEE REVUEによります。
3曲目"Dust"(6:34) エキゾチックなキーボードのサンプリングでの音色をイントロに配したスローな曲です。STEVE・GEORGEのソプラノ・サックスが雰囲気ものなのです。
4曲目"Something Real(Inside Me/Inside You)"(4:21) 重いビートとエレクトロニカのサウンドによる曲です。トレモノ・アームを使ったSTEVEのギターのサウンドが縦横に響くラウドなサウンドが印象的な曲です。
5曲目"The Tube"(5:23) この曲もエレクトロニカ色が強い曲ですね。音色を効かせた機械的な歌声にしたRICHARDの歌声と淡々と聴かせることを意識させたアレンジが加えられたようです。
6曲目"Control"(4:19) PATの物凄いドラム・テックが聴けるヘビーなサウンドの曲です。負け時とSTEVEも特徴的でアグレッシヴなギターを聴かせる曲です。やはり前バンドのPAGESとはこの辺りハードなサウンドが決定的に違うことを再認識させられます。
7曲目"Watching The World"(4:24) 非常に美しいメロディによるイントロから力強いギターのサウンドが横切るインパクトのある曲です。ギミックなSTEVEのキーボードのサウンドとダイナミックなロック・オペラのような展開を挟んだアレンジになっています。
8曲目"The Power Over Me"(5:03) サウンドをダークな方向に変えてきたスローな曲の登場です。STEVEが美しいソプラノ・サックスを聴かせながらヴォーカルのRICHARDへ繋ぎます。恋人の虜となった男のことを歌ったような内容になっています。
9曲目"Man Of A Thousand Dances"(4:50) バック・ヴォーカルにBILL・CHAMPLIN、TAMARA・CHAMPLIN、CARMEN・TWILLIE、PHIL・PERRYと非常に贅沢なメンバーが参加した曲です。この曲を聴いていて何故かRICHARDのソロ・アルバムに収録されている"Heaven Is 10 Zillion Light Years Away" に繋がる何かを感じさせます。
10曲目"The Border"(5:46) ピアノのサウンドによるRICHARDの美しい歌声を聴かせるバラードです。後に作曲/作詞活動に入って曲を提供しているRICHARDらしいメロディアスで美しいナンバーに通じる曲です。
オリジナル盤の曲目は、此処までです。以下は、追加された曲です。
11曲目"Healing Waters(Remix)"(4:57) '87年のシングル盤でリリースされた曲です。アルバムでの収録より40秒ほど長くなっています。
12曲目"Bare My Soul"(4:33) '87年のCD盤のみのボーナス・トラックです。軽快なドラムのリズムと金属音のするギターのサウンドによるミドル・テンポのエレクトロニカ・ロックです。時折エモーショナルな歌声を聴かせるRICHARDのヴォーカルとリズムカルなバックのサウンドが溶け合って響いています。 当時の"Something Real" シングル盤のBサイド曲です。
13曲目"Something Real(Inside Me / Inside You)(Rock Dance Mix)"(6:09) この曲も'87年のシングル盤でリリースされている曲です。電子サウンドが強化され、どことなく当時のハリウッド映画の刑事物のテーマ曲風(実際 '86年にサウンド・トラックとなっています)の感じがします。
14曲目"Stand And Deliver(4'28" Remix)"(4:38) この曲も'87年のシングル盤です。ビデオ映像/TV放送との関係かアルバムの収録曲より1分ほど短くなっています。
歌詞無し 16ページ物写真ブックレット U.K.製 (輸入盤) 収録時間(CD):71分40秒 ('87年の輸入CD盤を中古にて格安購入したのですが、ブックレットの状態が酷くカットアウト盤だったので、'15年盤を再購入しました!)'24年5月31日再更新


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写真  MR.MISTER / Pull
 ・2010 Little Dume Recordings    8 0907022442 8

お蔵入りアルバム復活・・・

このアルバムは、主にロス・アンゼルスで活躍していたロック・バンドMR.MISTERの本国にて '10年11月23日に本国でリリースされた4枚目のアルバムです。'87年にリリースされた3枚目のアルバム[Go On]のセールス失敗(カナダではゴールドディスク獲得ですが)の為、'89年から '90年に収録されたにも拘らずお蔵入りとなっていました。
この度、MR.MISTERのメイン・パーソンであるRICHARD・PAGEのインディペンデント・レーベルからリリースされる運びとなりました。
このアルバムでのMR.MISTERのメンバーは、RICHARD・PAGE:ヴォーカル/ベース、STEVE・GEORGE:キーボード/ソプラノ・サックス/バック・ヴォーカル、PAT・MASTELOTTO:ドラム/パーカッションの3人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TREVOR・RABIN:ギター/ベース、BUZZ・FEITEN:ギター、DOUG・MACASKILL:ギター、PETER・McREA:ギター、LUIS・CONTE:パーカッションのベテラン達が参加しています。
尚、プロデュースは、大ヒットアルバムの2枚目と同じくPAUL・DE・VILLIERSとMR.MISTERのメンバーが担当しています。

1曲目"Learning To Crawl"(5:47) どこか中近東風のニュアンスを感じさせるイントロのサウンドとリズムの流れの中から登場するRICHARDのやや硬質の歌声が感じ好いメロディアス・ロックの曲です。PATの特長的な硬いドラムのビートと3RD MATINEEへ繋がって行きそうな捻くれたキーボードのメロディ群が印象的ですね。
2曲目"Waiting In My Dreams"(4:54) 今度は、サウンドとメロディを明るくして来た分かり易い曲の登場です。サビ部分は、マイナー調のRICHARDの近年のバラートに似た曲調を感じますが、レゲエ風にも変化し、さらっと聴き流しそうなこの曲もサウンド/リズムの展開も凝ったイメージを与えます。
3曲目"Crazy Boy"(3:28) PATのドラムによるシンプルなイントロ部分から入るパワーのあるロック色による過去の3作とは少し違ったイメージを感じる少し落ち着きのあるポップ調の曲です。この曲のイメージは、PAGESの方が近いかもしれませんね。
4曲目"Close Your Eyes"(4:43) スリリングさを感じさせるドラム・ロールにゴージャスに広がるキーボードの調べが印象的なメロディアス・ロック然とした曲の登場です。ストレートなリズムの流れに分かり易いサウンドの展開かなと感じさせつつも間奏などは、TOTO風の"お遊び" も洒落で収録しているのかな。
5曲目"Lifetime"(4:35) 花火の炸裂音に似たドラムのビードと掻き鳴らされるギターのサウンドがご機嫌なミドル・テンポのナンバーです。PAGES時代から聴かせる均整の取れたRICHARDとSTEVEのハーモニーの見事さにただ感心するのみです。
6曲目"I Don't Know Why"(4:51) 高く伸びやかに聴かせるRICHARDの美しい歌声がメインとなったややハードなサウンドによるメロディアス・ロックです。この曲の作曲にも参加しているPATの力強いドラムのビートにBUZZとTREVORの切れ味のあるギターのサウンドがこの曲の要ですね。尚、サンプル曲のLINK先は、別名同一としています。
7曲目"We Belong To No One"(4:54) 一転してダークなサウンドを聴かせるバラードの登場です。陰影のあるRICHARDの歌声のバックに広がる非常に美しいハーモニーなどは、ロック・バンドにも拘らず過去の曲でグラミー賞のゴスペル・ソング部門にノミネートされた経緯も納得させられます。
8曲目"Burning Bridge"(4:02) この曲もPAGES時代の曲と共通性を感じさせる洒落たアダルトなサウンドを聴かせる曲です。心地好いLUIS・CONTEのパーカッションのリズムに綺麗なハーモニーが流れる落ち着いた雰囲気を伝えて来ます。
9曲目"No Words To Say"(5:22) このアルバムの中で唯一RICHARDとSTEVEの2人だけの作詞/作曲による曲です。MR.MISTERの持ち味であるダイナミックなサウンドとハーモニーの広がりにSTEVEのソプラノ・サックスによるソロの演奏が対照的な位置関係が面白いです。
10曲目"Surrender"(4:26)メランコリックなメロディを聴かせるSTEVEのキーボードの調べが切ない何処となくスコットランド民謡からの影響を感じさせる曲です。清く流れる岩清水ようなピアノの調べと切実さ感じさせるRICHARDの歌声が耳に残ります。
11曲目"Awaya"(4:19) シンセサイザーによる風切り音のような響きと起伏のあるパーカッションによるアフリカン・リズムが交互に流れる短い歌詞によるほぼインストゥルメンタル的な曲で、サウンドやリズムは、一時期のTHE POLICEに通じるところを感じます。
10曲歌詞付 各曲とデジタル・コンテンツダウンロード特典付 12ページ物写真ブックレット 2折紙スリーブ仕様 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:51分27秒 (尚、過去に流出したアルバム[Pull]での曲数、曲順 及び ミキシングと相違している場合があります)'10年12月4日更新
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(RICHARDのH.P.から販売されている3人のサイン入限定盤です)


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写真  MUNGBEAN / Waking Up / Am Your Eyes
 ・2016 mungbean & co.

シングル盤ダウンロード集・・・

このアルバムは、オハイオ州コロンバスで活躍しているオルタナティヴ/シンセ・ポップ・デュオMUNGBEANのデビュー・シングル盤で '16年7月10日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MUNGBEANのEMMA・SWYSGOOD:ヴォーカル/キーボード/プロデュース、SEAN・GLEESON:キーボード/シンセサイザー/ギター/ベース/ヴォーカル/プロデュースの2人のようです。
尚、バンド名のMUNGBEANは「もやし」の原料になる緑豆のことです。

1曲目"Waking Up"(4:10) バックワードにしたサンプル音源から入るエレクトロニカ・ポップな曲です。アコーディオン風のサウンドを放つシンセサイザーの音色と共にEMMAとSEANの上手いヴォーカルによる弾みを持った楽しさ伝わってきます。
2曲目"Am Your Eyes"(4:29) 前の曲から自然と繋ぎを持って編集された曲です。揺らぎ持ったリズムとサウンドが堪らない曲です。どこかちょっと前のスマートフォンの宣伝曲のイメージあるような感じかな。同時に制作されたツアー・メンバーと行動を共にしたこれも楽しさの伝わって来るビデオもどうぞ!。
歌詞無し (ダウンロード販売) 収録時間:8分39秒 (ダウンロードのシングル盤をインデペンデントにリリースしているMUNGBEAN、サウンドのバリエーションも豊富で歌も上手く作詞/作曲能力の高さやアレンジのスキルの高さを感じます)'18年7月15日更新
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Night Drive / Strings ・2017 mungbean & co.

'17年3月8日に本国でダウンロード・リリースされたシングル盤です。MUNGBEANのEMMA・SWYSGOODとSEAN・GLEESONに加え音楽プロデューサーJOEL・BLAESERが加わっています。

1曲目"Night Drive "(3:28) シンセ・ベースの重い響きが全編に流れるエレクトロニカ・サウンドの曲です。JOELが加わった影響かエレクトロニカ・ダンス・ビートが色濃く協調された感じです。
2曲目"Strings"(3:21) ドラム"ン" ベースとサンプルによるサイケデリック感のある曲です。エモーショナルに歌うEMMAの歌声が非常に印象に残ります。
歌詞無し (ダウンロード販売) 収録時間:6分48秒
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Wednesday / Aimed At You ・2018 mungbean & co.

再び EMMA・SWYSGOODとSEAN・GLEESONのデュオとなった本国で '18年3月12日にダウンロード・リリースされたシングル盤です。

1曲目"Wednesday"(3:52) この私をMUNGBEANの音楽の魅力に最初に惹きつけた曲です。90年頃のEVERYTHING BUT THE GIRLの洒落たサウンドの雰囲気を感じます。また、地元のレストランにてワンテイクで撮影されたビデオもどうぞ。!
2曲目"Aimed At You"(3:55) 歯切れ良いギターのサウンドが流れる乗り好い曲です。ヴォーカルをSEANとEMMAとがシェアしたの歌声の組合せとシンセ・ベースの響きが心地好く届きます。
歌詞無し (ダウンロード販売) 収録時間:7分47秒
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House / Changes ・2018 mungbean & co.

オハイオ州コロンバスで活躍しているオルタナティヴ/シンセ・ポップ・デュオMUNGBEANの '18年6月28日にダウンロード・リリースされたシングル盤です。

1曲目"House"(5:02) 前のシングル盤のエレクロトニカ・ダンス・ビートの曲から少しギター・サウンドへの方向とリズムを落として来た曲です。この曲でもEMMAの美しく伸びるエモーショナルな歌声が魅力的に響きます。
2曲目"Change"(3:56) この曲でもギターの調べが美しいメロディを奏でます。ボサ・ノヴァ+エレクトロニカ的なサウンドとこれまたEMMAの歌声が堪らないのです。
歌詞無し (ダウンロード販売) 収録時間:8分58秒


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写真  MUNGBEAN / I Love You Say It Back
 ・2020 Mungbean    8 4356313272 2

いよいよアルバム・デビュー・・・

このアルバムは、オハイオ州コロンバスで活躍しているオルタナティヴ/シンセ・ポップ・デュオMUNGBEANのデビュー・アルバムで '20年11月20日(ダウンロード盤)本国のみLP盤(12月15日)によるリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MUNGBEANのEMMA・SWYSGOOD:ヴォーカル/キーボード/プロデュース、SEAN・GLEESON:ギター/ヴォーカル/プロデュースの2人のようです。COLIN・GIACALONE:ベース、IAN・GOLDTHWAITE:キーボード、MAX・JOSEPH:ドラムの5人とDALLIN・STEVENSON:シンセサイザー、MERCEDES・AVILES:ヴァイオリンの地元のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"I Love You Say It Back"(5:32) 心地好いシンセサイザーの響きに続いて登場するSEANのギターの爪弾きが重ねられたシンセ・ポップな曲です。いつも通りに高いキーで歌うEMMAの歌声だけに留まらずMUNGBEAN仕立てのパワフルさを醸し出しています。
2曲目"Slow Motion"(4:50) 特徴的なドラムのビートと揺らめきを感じさせるSEANのギターが印象に残る曲です。エッジの効いたギター・ソロと起伏を持った曲の流れ方が見事な1曲です。
3曲目""Cool" "(2:42) このアルバムから最初に紹介されたこの曲もシンセ・ポップなサウンドを聴かせます。アルバムのリリース前の8月にメンバーが登場したビデオが配信され間奏でのSEANのギターが好いですね。
4曲目"Mezcal"(3:09) 叩きつけるようなドラムのビートに乗せキュートなEMMAの歌声が響くポップ調な曲です。くっきりとした輪郭のあるベースのサウンドがバンドとして一歩前に出た感があります。曲名のメスカルとは、メキシコの蒸留酒(含むテキーラ)のことです。
5曲目"S.A.D.s"(5:30) 映写機をスタートさせるようなサンプル音源から心地好い響きを持ったシンセサイザーの調べと移行するソフトなサウンドの曲です。SEANのギターの刻み音とEMMAのこれまたソフトな歌声が堪りませんね。
6曲目"Sky Blue Sky"(4:58) ゆったりと歌うEMMAの歌声が美しいスローな曲です。浮遊感漂うメロディとサウンドの流れから次第にファンクなサウンドへと展開されるアレンジも好いですね。
7曲目"Images"(3:03) SEANのギターの爪弾きに合わせるように奏でられるキーボード、ベースとドラムのビートによるソリッド感のある曲です。時折パワフルな歌声を聴かせるEMMAの歌声が印象的です。
8曲目""Party""(2:00) サイケデリック感のあるバンド演奏の練習中にジャム・セッション感覚でつくられたようなラフさを感じる短い曲です。この曲も発表と同時にビデオ配信されています。
9曲目"What You Find"(4:31) アルバムのリリース前に小出しされるアルバムのサウンド・イメージを感じさせるバラードです。今作からEMMAとSEANに他メンバー3人が加わりバンド形態となった演奏をしっかり聴かせる内容となっています。また、この曲も発表と同時にビデオも配信されています。
10曲目"Angels"(3:33) 過去のシングル盤集でもそのエモーショナルな歌声を聴かせていたEMMAの歌声がこの曲でも聴かせています。曲の後半に進むつれワイルドかつエモーショナルに歌うEMMAです。尚、この曲は、ライヴでよく演奏していた2年ほど前の未発表曲です。
歌詞無し 初回限定100枚 ブルー・バイナル盤 (輸入盤) 収録時間:40分16秒 (2年ほど前から注目していたこのMUNGBEAN、ようやくアルバムをリリースしてくれました)'20年11月20日更新
2020年度ベスト5
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写真
(購入時に頼んでサイン入りとしてもらった盤です。ステッカー4枚付)


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写真  MUNGBEAN / Falling In Love And Not Dying
 ・2022 Mungbean    

5曲入りEP盤・・・

このアルバムは、オハイオ州コロンバスで活躍しているオルタナティヴ/シンセ・ポップ・デュオMUNGBEANの2枚目(5曲EP盤)のアルバムで '22年12月9日(ダウンロード盤)のリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンの詳しいクレジットは不明ですが、MUNGBEANのEMMA・SWYSGOOD:ヴォーカル/キーボード/プロデュース、SEAN・GLEESON:ギター/ベース/ヴォーカル/プロデュースの2人にIAN・GOLDTHWAITE:シンセサイザー/キーボード、MERCEDES・AVILES:ヴァイオリン、MAX・SLATER:ドラムの地元のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Highlight Reel"(2:40) フェンダー系のシャキシャキとしたギターのサウンドと跳ねるようなドラムのリズムによるポップな曲です。EMMAの嬉しそうな歌声と凝ったSEANのギター・リフに思わずにっこりですね。
2曲目"Long Time Big Road "(3:46) 今度は、サウンドをしっとりとしたメロウな曲の登場です。ここでは、MERCEDES・AVILESの非常に旅情的なヴァイオリンの調べとピアノ調べが好い雰囲気を醸し出します。
3曲目"The Lighthouse"(5:13) 何か神秘的なサウンドを発するアコースティック・ギターの音色がイントロから響く曲です。前作のバンド形式パワー・ポップさからサウンドを移行して来た円熟さを強くこの曲から感じさせます。
4曲目"Second Chances"(2:48) 質素感を醸し出すアコースティック・ギターのサウンドとEMMAの美しい歌声による前曲と対照の位置にあるシンプルな曲です。シンプルさ故にEMMAとSEANのコンビの息がぴったり合わなければ出来ない曲ですね。
5曲目"28"(5:17) '22年10月28日に先行ダウンロード・リリースされた曲です。ちょうど前作と今作の曲調との中間域を感じさせるライヴなどでも聴いてみたいダイナミックな広がりを感じさせます。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:19分44秒 (ダウンロード・リリースされた時に購入していたのですが、ファイルに閉じたまますっかり忘れていました!) '23年4月27日更新


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写真  MUSEUM LEGS / Much Like The Nest.
 ・2020 Museum Legs    

この緩い感じが最高・・・

このアルバムは、ロードアイランド州プロヴィデンスでインデペンデントに活躍しているオルタナティヴ/フォーク・ロック・デュオMUSEUM LEGSの3枚目(バンドLAST GOOD TOOTH名義のアルバムは含まない)のアルバムで '20年7月19日に本国でのリリース(ダウンロード販売)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PENN・SULTANヴォーカル/マルチ・インスルメンツとMORGAN・EVE・SWAIN:ヴォーカル/ヴィオラの2人での収録です。

1曲目"It Never Ends."(6:04) 最初にサンプル音源を聴いた時からこのアコースティック・サウンドの緩さ感と心地好さに掴まれた曲です。女性ヴォーカルのMORGAN・EVE・SWAINの高く清らな歌声とPENN・SULTANの太く低い歌声とのハーモニーが絶妙さを醸し出しいるところがこの曲の最大の魅力です。
2曲目"Dance, Chest, Stance."(4:06) アコースティック・ギターの張りのある弦の響きによるイントロから聴き入る曲です。今度は、キーを下げたMORGAN・EVE・SWAINの歌声とハーモニーも心地好く響きがこちらに伝わって来ます。
3曲目"Big Picture."(3:48) 不思議なギターによるリフのメロディとインディアン・ドラム風の太鼓のリズムが摩訶不思議さを作り出す曲です。ここ曲でもMORGAN・EVE・SWAINとPENN・SULTANの渦巻くハーモニーが聴く者を惹きつけます。
4曲目"Quite A Pile."(5:20) PENN・SULTANのギターの弾き語りから入るシンプルなメロディとサウンドの曲です。幼少期にPENNの家族から影響を受けたアパラチア音楽やケルト音楽のルーツをこの曲からも強く感じます。
5曲目"Brood With The Brood."(4:59) この曲は、エレクトリック・ギターのリフを強く加えたアレンジとなっています。余り華美になりすぎないよう重ねた楽器の演奏とヴォーカルの流れが節度を持って流れています。
6曲目"Front And Back."(5:39) 穏やかなイントロと優しく歌うPENNとEVAの歌声が広がるレイド・バック感のある曲です。エコーを効かせたPENNの奏でるフェンダー系のギター・サウンドも心地好く響きます。
7曲目"Nesting Time."(5:00) まるで風呂場で収録したようなエコーが広がるイントロが印象的な曲です。芯を持って太く響くPENNの歌声は、好き嫌いが分かれるもののこれぞ真のアメリカン・フォーク・シンガー然としたスタイルですね。
8曲目"Mirror Laughter."(5:55) この曲もイントロからアパラチア音楽の要素を強く感じ曲です。巧みギターを奏でるPENNとそのギターのメロディに合わせ歌うEVEと相性も抜群ではないでしょうか。
歌詞無し (ダウンロード販売) 収録時間:41分51秒 (アルバム全体から感じる怠惰感と緩い心地好さが最高ですね)'20年7月22日更新
2020年度ベスト5


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写真  MVC / Finest Form Of Flattery
 ・1999 MVC MUSIC    70452

マルチタレントMICHAEL・CHAVESの魅力タップリの1枚・・・

JOHN・MAYERのアルバム参加とツアーサポート(ギター・バック・ヴォーカル)をしていたMVCことMICHAEL・CHAVESの '99年の自主制作盤リーダ・アルバムです。また彼は、SARAH・McLACHLAN、GLEN・PHILLIPSのアルバムにも参加しています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・CHAVES:ギター/ヴォーカル/ドラム/パーカッション/ベース/オルガン/ストリングス/サウンド・エフェクト/プロデュースの他、MILO・DECRUZ:ベース、TONY・ROBINSON:ベース、MARK・STIDHAM:アップライト・ベース/バック・ヴォーカル、BUZ・ALTIMARE:ドラム、MATTHEW・BIRMINGHAM:ドラム、ADAM・BOYD:ドラム/パーカッション、DANNY・FRANKEL:パーカッション、ABBY・SCHNEIDER:ストリングス、NINA・WILLIAMS:バック・ヴォーカルのMICHAELの音楽仲間が参加しているようです。

1曲目"Biloxi Blues"(4:35) サイケデリック調のエレクトリック・ギターのサウンドによる長いイントロの後にMICHAELのヴォーカルと共にダイナミックに展開する聴き応えのする曲です。尚、「Biloxi blues」は、ミシシッピー州南部のメキシコ湾に面した街であり、1988年のアメリカ映画のタイトルから取ったものでしょうか。
2曲目"As It Turns To Wine"(3:35) アコースティック・ギターによるバラードで彼のヴォーカリストとしての能力の高さを示した曲です。なかなか渋い声をしています。
3曲目"Love Is All"(4:32) このアルバムで一番キャッチーな曲でギター・サウンドと彼のヴォーカルが非常にマッチした素晴らしい曲です。
4曲目"El Capitan"(5:44) 少し寂しげなメロディに乗せ切なく歌うMICHAELのヴォーカルが最高です。このアルバムで1・2を争う秀作です。(私はこう言うメロディに非常に弱い)間奏のギターソロも泣いています。
5曲目"Changes And Tears"(2:41) 小さなジャズクラブで弾き語っているようなジャズフレイヴァーなバラードです。
6曲目"The Finest Form Of Flattery"(4:02) ドライヴするリズムと少し絞られた歌声での曲です。曲の方は、NEIL・YOUNGの"Down By The River" 風の少し枯れたギター・サウンドをご機嫌に聴かせる曲です。
7曲目"A La Nois"(1:17) 2分弱のエコーを効かせたギターだけの演奏によるインストゥルメンタルの美しい曲です。
8曲目"Almost Out Of Love"(4:48) ファルセットで艶のある伸びやかな彼の歌声で曲の方はダイナミックに展開しグイグイ引き込まれる曲です。
歌詞無し 写真ライナー U.S.製 (輸入盤) 収録時間:31分56秒(もう少し曲が多ければもっと最高なのですが...)'10年2月24日再更新
1999年度ベスト5


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