写真  SALLY OLDFIELD / Instincts
 ・1988 EPIC/SONY RECORDS    ESCA 5121

MIKEのお姉さんです・・・

20歳の頃から弟のMIKE・OLDFIELDとフォーク ・デュオとして活動していたSALLYは、MIKEのアルバム[Tubular Bells] のコーラスとしても参加していました。ソロ・アルバムとしては '78年に[Waterbearer] をリリースしています。このアルバムは、ドイツと日本のみリリースされたSALLY・OLDFIELDの8枚目のアルバムで、'88年のリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SALLY・OLDFIELD:ヴォーカルの他、PETER・WEIHE:ギター、PIT・LOEW:キーボード、HARRY・BAIERL:キーボード、TOOTS・THIELEMANS:ハーモニカ、GUNTHER・MENDE:ドラム/プロデュース、、LINDA・ROCCO:バック・ヴォーカル、ELKE・SINGER:バック・ヴォーカル、ALEXANDER・C.DEROUGE:バックヴォーカル/プロデュース、JUSTIN HAYWARD(THE MOODY BLUES):ヴォーカルのほぼバンド・スタイルでの収録です。
尚、プロデュースは、FALCOなどのアルバムを手掛けたドイツ人コンビGUNTHER・MENDEとALEXANDER・C.DEROUGEが担当しています。

1曲目"I Say Something"(3:58) タイトなLINNドラムとパーカッションのリズムが響くセミ・エレクトロニカのサウンドの曲です。どことなくエスニックな香りに清楚なSALLYの歌声が届けられます。
2曲目"A Love Like This"(3:59) 東洋と西洋の音楽が融合したようなエスニックさを感じさせる戯曲的なサウンドの曲です。
3曲目"House Of Silence"(4:00) メランコリックな調べによるキーボードのサウンドが全編に流れるドラマ仕立てのような曲です。フレットレス・ベースのサウンドに似せたキーボードのサウンドも切なく流れます。
4曲目"Ice On Fire"(3:48) ジャジー・スタイルによるボサ・ノヴァ風味の曲です。心地好いPETER・WEIHE(SARAH・BRIGHTMAN)の弾くギターの調べとパーカッションのリズムが心地好いのです。ハーモニカで参加は、ご存じTOOTS・THIELEMANです。サンプル音源は、85年のヴァージョンです。
5曲目"Oleanders"(4:23) 胸騒ぎを与えるイントロのサウンドに続いて登場する清楚なSALLYの歌声によるドラマチックなテイストに溢れた曲です。前作に続いてこのアルバムもドイツに出向いて収録された"カッチリ" としたアレンジを凄く感じます。
6曲目"Let It Begin(Duet With JUSTIN HAYWARD)"(4:04) THE MOODY BLUESのヴォーカル/ギターのJUSTIN・HAYWARDとのデュエット曲です。シンセサイザー・ベースのサウンドにドラム・ループを使ってのエレクトロニカのサウンドによるミドル・テンポのナンバーを2人して楽しく歌っているようです。
7曲目"In The Heat Of The Nigh"(3:59) 牧歌的なリズムとメロディによるフォーリン・ラブ・ソングです。煌びやかなギターのサウンドから森林に駆け抜ける心地好い風を感じさせるようです。
8曲目"Ravenna"(3:47) 旅情的なメロディとサウンドによる曲で、曲名の示すようなカンツォーネの感じもします。尚、Ravennaとはイタリアの都市名です。
9曲目"The Earth Is Calling"(3:24) キャッチーなリズムとメロディによる曲です。このアルバムのテーマであるエコロジーを歌った歌詞の内容が印象的です。
10曲目"Instincts"(4:18) 潮騒のようなサンプル音と彼女の生まれ故郷アイルランド、ダブリンのトラディショナルな音楽からインスパイアされたような雰囲気がします。幻想的なサウンドに乗せSALLYが雄大に歌います。
全10歌詞/訳詞付 写真ブックレット (国内盤) 収録時間:39分44秒 (SALLYの音楽活動も既に40年を超えようとしています。尚、デビュー当時MIKEとのフォーク・デュオTHE SALLYANGIEも再発売されているようです)'10年9月4日再更新


INDEX   TOP

写真  SARA INDRIO / Dark Clouds,Silver Linings
 ・2004 TRALALA PRODUCTIONS    TPCD-401

デンマークでシンガーと女優として・・・

イタリア系デンマーク人のSARAは、パーカショニストとして活躍しながら、2000年のデンマーク映画「幸せになるためのイタリア語講座」に出演しています。またREBECKA・TÖRNQVISTの複数のアルバムにバック・ヴォーカル/パーカションとしても参加しています。
SARAとこのアルバムの共同プロデュースは、ドラマーのPER・EKDAHLです。尚、このSARA・INDRIOのデビュー・アルバムは、デンマークのみ販売で '04年11月のリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SARA・INDRIO:ヴォーカル/ピアノ/パーカッション/ヴィブラホン/プロデュースの他、MARGRETHE・BJØRKLUND:ギター/ペダル・スティール、JAK(C)OB・GUREVITSCH:ギター/ラップ・スティール、FREDRIK・DAMSGAARD:ベース、PER・EKDAHL:ドラム/ピアノ/キーボード/プログラミング/プロデュース、LASSE・HALAPI(LARS・HALAPI):ブズーキ、RUNE・KJELDSEN:マンドリン、NICLAS・KNUDSENモーハン・ヴィナMARIA・KØHNKE:バック・ヴォーカル、SARA・ISAKSSON:バック・ヴォーカル、MORTEN・NØRBY・JENSEN:バック・ヴォーカル、JAK(C)OB・RATHJE:バック・ヴォーカルのデンマークとスウェーデンのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"This Could Be The End"(3:51) アコースティック・ギターの柔らかいく心地好い響きに促されて登場するSARAの高いキーでの歌声によるゆったり流れる曲です。
2曲目"The Moment"(2:59) ゴスペル調のシックなコーラスをアコースティック・ギターの調べに包まれて響くSARAの芯のあるはっきりした歌声による落ち着いた曲です。
3曲目"Shout It Out"(4:07) もう一人のSARA(ISAKSSON)もスウェーデンから駆けつけてバック・ヴォーカルとして参加した曲です。テンポの良いリズムとギターの歯切れ良いサウンドによるポップ調の曲です。
4曲目"Dumdadum"(4:06) ピアノのサウンドを主体とした切ない響きを持ったバラードです。ストリングスとペダル・スティールのサウンドが切な過ぎます。
5曲目"Come Home"(3:23) アコースティック・ギターの響きとマンドリンによるカントリー・ポップでアメリカンな感じの曲です。
6曲目"Any Way"(4:53) 長いストリングでのイントロに続いて登場するフィンガー・ピッキングでのアコースティック・ギターの心地好い響きによるS.S.W.らしい曲調の曲です。
7曲目"Too Old For Tears"(3:47) ウッド・ベースとアコースティック・ギターのコラボによる生のサウンドを重視したスローなリズムでの内情的な歌詞を綴った曲です。
8曲目"The Sadness Of Eyes"(4:43) リズム&ブルースに近いサウンドの曲でSARAの落ち着いた歌声とバック・ヴォーカルのハーモニーによる70年代のブリッティシュサウンドのようです。
9曲目"Mommy Says"(4:11) シタール・ギター風のサウンドを取り入れた静かなサイケ調/インド音楽を意識した曲です。SARAが過去に聴いてきた音楽の原点がここにあるのでしょうか。
10曲目"Let It Go"(4:23) REBECKA・TÖRNQVISTとSARA・INDRIOとの共作です。REBECKAの[Travel Like In Songs]のサウンドに非常に近い、ゆったりとした落ち着いた曲です。
11曲目"You're Right"(4:17) SARAのピアノでの弾き語りです。呟くように歌うSARAの歌声とジャジーな響きを持ったピアノの調べによるしっとりとした曲です。
全11曲歌詞付 11ページ物写真ブックレットジャケット止め デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:44分45秒 (この人の名前を聞いてピーンと来た人は、立派なREBECKA通です!)'10年9月4日再更新


INDEX   TOP

写真  SARA INDRIO / While We Dream
 ・2006 Tralala Productions    TP02

前作の流れを踏襲したとても落ち着いた響きの・・・

SARA・INDRIOの2枚目のアルバムは、再びデンマークのみ販売です。ファースト・アルバムと同じくインディーズ・レーベルTralala Productionsより '06年5月29日に本国でのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SARA・INDRIO:ヴォーカル/ギター/ピアノ/パーカッション/ヴィブラホン/カリンバ/グロッケンシュピール/プロデュースの他、JOHAN・LEI・GELLETT:ギター/ドラム/プロデュース、MARGRETHE・BJØRKLUND:ギター/ラップ・スティール/ペダル・スティール/プロデュース、JON・BRULAND:ベース、KÅRE・JOENSEN:ベース、PETER・LINDBERG:ベース、JONAS・BERG:キーボード、 SØREN・SIEGUMFELDT・ERIKSEN:サックス/ホーン・アレンジ、PETER・FUGLSANG:クラリネット、PETER・MORRISON:チェロ、TRINE・OPSAHL:ハープ、KRISTINE・BLOND:バック・ヴォーカルの一部スウェーデンのミュージシャンも参加しています。
尚、プロデュースは、デンマークの女性ペダル・スティール/ギタリストのMARGRETHE・BJØRKLUND、ドラマーのJOHAN・LEI・GELLETTとSARA・INDRIOの共同で行われています。

1曲目"Raining Again"(2:54) 呟くような歌声のハーモニーを付けた歌声に絶妙なバランスを保った曲です。"ぱっと"聴きは非常に地味な印象を持たせますが、繰り返し聴き込むほどにジワジワとSARAの暖かさが伝わってくる曲です。
2曲目"While We Dream"(2:39) アコースティック・ギターとチェロの切ない響きによるシンプルな曲です。ギターはSARA自身の弾き語りにて収録されています。
3曲目"A Greater Plan"(4:57) ゆったりとしたリズムによる非常に落ち着いた曲調です。レイド・バックさせるには絶好の曲でSARAの可愛らしい また、美しい歌声とゆったり響くクラリネットの調べが忙し過ぎる都会人の忘れかけていた時間の過ごし方を思い起こさせます。
4曲目"Overture To Sailors Song"(1:32) 1分半程度のペダル・スティール・ギターによるインストゥルメンタルで次の曲のイントロとなっています。
5曲目"Sailors Song"(3:01) ペダル・スティール・ギターを使ったスローなカントリー調の曲です。SARAのイメージする船乗り達への賛歌をギターの調べに乗せて歌っています。
6曲目"The End Of Me"(3:11) ロック調のソリッドなエレクトリック・ギターのサウンドによる曲です。前作で参加していたもう一人のSARA(ISAKSSON)のサウンドスタイルに似た女性ヴォーカル・ロックって感じの曲です。
7曲目"Big City Night"(2:52) コケティシュ(良い意味での)な歌声も聴かせるSARAのヴォーカルによる曲です。バックのMARGRETHE・BJØRKLUND(MARK・PICKEREL)ギターの刻みが非常に印象的です。
8曲目"These Are The Days"(3:16) スローなリズムとアコースティック・ギターのシンプルなメロディに合わされる木管楽器の優しい調べによる落ち着いた曲です。
9曲目"The Steps You Take"(4:18) SARAの優しい歌声によるカントリーチックなサウンドの曲です。ペダル・スティールと生のドラムのビートが心地よく響く曲です。
10曲目"When She Gets Blue"(3:24) 前作でREBEKA・TÖRNQVISTと共作したサウンドを引き継いだ曲のようです。不思議とREBECKA自身の新曲にも通じるサウンド・スタイルも持ち合わせているようです。
11曲目"My True Loves Eyes"(2:12) 中国歌劇のサウンドでオリエンタルな香りのする彼女のピアノのメロディです。前作でもインド音楽を取り入れたりSARAのサウンドの成り立ちは非常に興味深いです。
12曲目"To Daddy"(3:08) DOLLY・PARTON '78年カントリー賞受賞の曲です。 SARAのギターの弾き語りで美しい歌声と共に収録されています。
10曲歌詞付 16ページ写真ライナー (輸入盤) 収録時間:37分29秒 (日本に紹介される事のないSARAのアルバムですが、前作の流れを踏襲したとても落ち着いた響きの曲を収録した作品です)'10年9月4日再更新


INDEX   TOP

写真  SARA ISAKSSON / Red Eden
 ・1995 N.E.W Music Stockholm    MCD 11343

殆ど日本に紹介される事が無い作品ですが・・・

スウェーデン出身のSARA・ISAKSSONの '95年10月16日に本国リリースのデビュー・アルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SARA・ISAKSSON:ヴォーカル/シンセサイザーの他、MARTIN・TEREFE:ギター/シンセサイザー/プロデュース、STAFFAN・ASTNER:ギター/ドブロ、SVEN・LINDVALL:ベース/レスリー・ホーン/プロデュース、KLAS・BJÖRKLUND:キーボード、TOMMY・LYDELL:ハモンド/シンセサイザー、P&ÅL・SVENRE:キーボード/シンセサイザー、KRISTOFFER・WALLMAN:シンセサイザー、NICCI・WALLIN:ドラム、CHRISTER・JANSSON:ドラム、PER・LINDVALL:ドラム、PER・HEDTJÄRM:パーカッション、KICKI・JANSSON:バック・ヴォーカル、ANDRÉ・DE・LANGE:バック・ヴォーカル、NOEL・McCALLA:バック・ヴォーカルのスウェーデンのベテラン勢です。
尚、プロデューサーは、ロンドンに移る前のMARTIN・TEREFE(RON・SEXSMITH,CLARKESVILLE)とSVEN・LINDVALL(GLORIA,BRONK)が行い、演奏にも彼らが参加しています。MARTIN・TEREFEは、このSARAのアルバムがプロデューサーとしての初仕事です。

1曲目"Occasionally"(3:30) SVEN・LINDVALLの低く唸るベースのサウンドから入る曲でカントリー・タッチなギターにSARAの美しいヴォーカルが良く似合います。
2曲目"May(Feel Nothing At All)"(3:51) MARTIN・TEREFEの歪ませた不思議なギター・フレーズとサウンドによる曲です。
3曲目"The Man"(3:15) SARAの美しく響くヴォーカルとエモーショナルなリズムでの曲です。バック・ヴォーカルはANDRE・DE・LANGEが参加しています。
4曲目"To Ashes"(3:19) カントリー風の曲で爽やかのドブロとアコースティック・ギターでの曲カントリーでも違和感無く歌い上げるSARAの美しいヴォーカルの曲です。
5曲目"Red Eden"(3:17) ギター・ポップの爽やかなサウンドの曲でSARAの素晴らしいヴォーカルがこの曲を更に楽しいものとしています。STAFFAN・ASTNER(Stockholmのギター講師兼セッションマン)のギター・ソロが圧巻です。
6曲目"How Could This Happen"(4:16) 牧歌的なサウンドと幻想的なサウンド部分を合わせ持った曲で素晴らしいシンセサイザーの演奏は、P&ÅL・SVENRE、MARTIN・TEREFE、SARAの3人です。ドラムは、SVENの実兄のPER・LINDVALL(ABBA,MICHAEL RUFF BAND)が参加しています。
7曲目"You're The Sun"(4:04) アコースティック・ギターの美しいサウンドから次第にワイルドなサウンドと変わります。
8曲目"Cold Blue Heaven"(3:45) Uppsala生まれのANDERS・WIDMARKによるピアノの旋律に乗せ歌うSARAの美しいヴォーカルの曲です。SARAは彼とコラボしたアルバムもリリースしています。
9曲目"I'll Arrive"(3:59) ポップで明るい曲でSARAが元気一杯に歌う姿が容易に想像出来そうなくらいに楽しそうな曲です。
10曲目"Walls Came Down"(4:39) MARTIN・TEREFEのスパニシュギターとP&ÅL・SVENREのシンセサイザーによる幻想的な雰囲気の曲です。北欧的な静寂さに纏われたSARAの歌声が美しく聴こえます。
11曲目"The Jackal"(3:19) 高く伸びるSARAの歌声によるタイトなリズムのギター・ポップです。
12曲目"Let It Rain"(4:09) ドラムのPER・LINDVALLの繰り出す正確なリズムのビートに合わせた全員の演奏を楽しめる1曲です。
全12曲歌詞付 写真ライナー E.U.製 (輸入盤) 収録時間:45分29秒
(殆ど日本に紹介される事が無いSARA作品ですが、彼女の歌声は本当に素晴らしく隠れた名盤と言えます。尚、本国ではジャケット違いのMCAレーベルからリリースされた盤もあります)'10年9月6日再更新


INDEX   TOP

写真  SARA ISAKSSON / Walking Through And By
 ・1996 MCA Music Entertainment AB    MCD-87052

殆どSARAの作曲とギターによる隠れた名盤・・・

スウェーデン出身のS.S.W.SARA・ISAKSSONの '96年リリースのセカンド・アルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SARA・ISAKSSON:ヴォーカル/ギター/タンバリン/キーボード/副プロデュースの他、ESBJÖRN・ÖHRWALL:ギター、SVEN・LINDVALL:ベース/シンセサイザー、KLAS・BJÖRKLUND:キーボード/シンセサイザー、NICCI・NOTINI・WALLIN:ドラム/パーカッション/マリンバ/キーボード/副プロデュース、KICKI・JANSSON:ヴォーカル/バック・ヴォーカルの前作にも参加していたミュージシャン達です。
プロデューサーは、前作でミキサー(今回もミキサー兼務)として参加していたROGER・KRIEGです。

1曲目"Another Smile"(4:23) SARAが加入していたバンドGLORIAの曲風のサウンドでダイナミック展開です。このアルバムでの殆ど収録曲のベースは、同バンドSVEN・LINDVALLが行っています。
2曲目"Mighty Coloured Scene"(4:35) SVENのフレットレス・ベースのサウンドが怪しく響く曲で、SARAの美しいヴォーカルが対照的に光るところが興味深いです。間奏のJUNO 60の電子サウンドも怪しく響きます。
3曲目"Shifting Dream"(4:17) 歪ませたギターのオルタナティヴなサウンドが印象的な曲です。
4曲目"Walking Through And By"(3:05) SARAのアコースティック・ギター1本での弾き語りです。
5曲目"Slidin'"(5:11) イントロのギターが幻想的でSARAのソフトで包み込むようなヴォーカルから極限の高さまで披露してくれます。
6曲目"Greener Green"(4:29) うねるベースのリズムと畳み掛けるドラムによってSARAのヴォーカルも負けずとエキサイトしています。
7曲目"Upon/Onto"(6:10) SARAの変則チューニングされたアコースティック・ギターとオルガンでの弾き語り風です。
8曲目"Voices1"(1:55) 2分足らずの打ち込みとループによるテンポの良い曲でSARAはバックヴォ−カルに廻っています。
9曲目"Let The Fool Guid You"(4:58) SARAのアコースティック・ギター主体とした曲にアバンギャルドな曲の展開のアレンジです。
10曲目"Surely Heaven And..."(4:02) SARAのピアノでの弾き語りで静かな響きの曲です。
11曲目"All Over And On"(4:05) SARAのエレクトリック・ギターでの弾き語りで一発取りテイク風です。
12曲目"Voices2"(1:41) アカペラによる8曲目のサウンドを抜いたものです。
11曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:48分55秒
(歌が非常に上手く高いキーの歌声の彼女ですが、金切音に近い歌声の7曲目かな?聴いていて少し辛いのですが...)'10年9月6日再更新


INDEX   TOP

写真  SARA ISAKSSON & ANDERS WIDMARK /
 Pool Of Happiness
 ・2008 Universal Music AB    0602517476233

今回は全曲SARAのヴォーカル曲・・・

スウェーデンで活躍しているジャズ・ピアニストのANDERS・WIDMARKとヴォーカリストのSARA・ISAKSSONのコラボレーションによる '08年1月23日に本国でリリースされたアルバムです。
前回2人での '02年盤のアルバム・ジャケットに良く似た今回の作品もやはり写真通りの大変落ち着いた内容の収録曲となっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SARA・ISAKSSON:ヴォーカル/、ANDERS・WIDMARKS:キーボード/プロデュースの他、BACKA・HANS・ERIKSSON:ベース、MARCUS・LEWIN:ドラム、JIM・WAHRENSTEDT:プログラミング/エフェクト/プロデュース、DANIEL・GRÖNBERG:プログラミング/エフェクト/プロデュース、PETER・ASPLUND:ホーン、SVEN・BERGGREN:ホーン、KRISTIAN・PRESSON:ホーン、TORBJÖRN・BERNHARDSSON:ストリングス、TONY・BAUER:ストリングス、PER・SPORRONG:ストリングス、ULRIKA・EDSTRÖM:ストリングスのSTOCKHOLM SESSION STRINGSのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Laughter Comes After Rain"(3:20) ゆったりと弾かれるANDERSのピアノの調べによる曲で、厳かに歌う美しい響きのSARAの歌声が重ねられた前作の続編と感じられます。
2曲目"This Space Is Vacant"(3:54) この曲は、すこし作風を変えてきた曲ですね。エレクトロニカによるキーボードのサウンドを使ったポップ調のアレンジによる曲です。
3曲目"Pool Of Happiness"(3:05) この曲もイントロからエレクトロニカ調のサウンドを導入しています。しかし、サウンドとメロディは非常にモダン・ジャズの旋律と凝ったアレンジになっています。ANDERSのジャズ・ピアノのソロとSARAの歌声によるコラボレーションを暫し楽しみましょう。
4曲目"Just One Breath"(3:58) この曲は、前作と似た旋律とサウンドによるクラシック・スタイルのピアノの演奏による曲です。時折入るSARAのスキャット・ヴォーカルからも収録が楽しかった事を窺えます。
5曲目"Procession"(1:40) PETER・ASPLUNDらのホーンによる厳かな曲です。控えめなANDERSのピアノとSARAの歌声による2分足らずの曲です。
6曲目"What Difference Does It Make"(3:45) STOCKHOLM SESSION STRINGSの豪快な音色をあちこちに散りばめたゴージャス感のある曲です。間奏の溜めを摂ったANDERSのジャズ・ピアノが非常に美しく、また凛々しく響いています。
7曲目"Josephine Sans Soucis"(2:54) SARAのフランス語による歌声を少し聴かせる曲で、英語も交えて収録されています。少しシャンソンのメロディと雰囲気を感じさせるところが面白いですね。
8曲目"Change Of Heart"(3:32) 高音域で奏でられるピアノのリズミカルな調べが印象的な曲で、SARAの清らかな歌声を聴かせながら、ANDERSがギミックなピアノ・ソロを時に優しく時にアグレッシヴに捲くし立てるのです。
9曲目"How Can I Win"(4:38) 再び美しい調べを聴かせるSTOCKHOLM SESSION STRINGSのサウンドによる曲です。和やかな雰囲気に澄んだ空気を感じさせる北欧の調べが堪りません。
10曲目"I Want You To Know"(3:27) 水滴の落ちるようなイメージを想い起こすANDERSのピアノのサウンドとSARAの恋人を偲ぶ内容を切に歌う彼女の歌声が心に沁みる少し切ない曲です。
11曲目"I Wish I Were A Wizard"(3:10) 少しメランコリックな歌声を聴かせるSARAのヴォーカルによるラストの曲です。ANDERSの作詞/作曲による10曲目の続編的な内容になっています。クラシックな切ないメロディによるANDERSのピアノ・ソロでこのアルバムは、幕を閉じます。
全11曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット スーパー・ジュエル・ボックス仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:37分28秒 (今回は、全曲SARAのヴォーカル曲となってヴォーカル・アルバムとしても楽しませてくれます)'10年9月6日再更新


INDEX   TOP

写真  SARA ISAKSSON & REBECKA TÖRNQVIST /
 Fire In The Hole
 ・2006 Moule RECORDINGS    MOULE001

何の前触れもなく登場した2人のカバー曲・・・

SARA・ISAKSSONREBECKA・TÖRNQVISTのコンビが意外なミュージシャン(STEELY DAN)の曲をカバーしたアルバムが、何の前触れもなく登場しました。2人のヴォーカルを中心とした全曲カバー曲集で、'06年10月16日にスウェーデンのみのリリースです。
アルバム・リリースに際してのネット・ラジオのインタビューによると、GLORIAとして活動中REBECKAの自宅(多分オスターレン)で、ギターのLARS・HALAPIとSARA・ISAKSSONと歌の練習と作曲をしている合間にピアノで弾いたSTEELY DANの曲のアイデアをそのままカバー・アルバムの制作に至ったようです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SARA・ISAKSSON:ヴォーカル/キーボード、REBECKA・TÖRNQVIST:ヴォーカル/キーボード、LARS・HALAPI:ギター/オート・ハープ/ベース/バスドラム/ヴィブラホン、PER'TEXAS'JOHANSSON:オーボエ/サックスによるSARAとREBECKAの音楽仲間達です。
2012年1月31日よりサン・フランシスコのインデペンデント・レーベルZip Recordsよりアメリカ向に再発売されたのは、嬉しい限りですね!

1曲目"Rose Darling"(2:41) '75年[Katy Lied]に収録されている曲です。REBECKAのヴォーカル曲で彼女のPIANOでの弾き語りにSARAがバック・ヴォーカルを受け持ちシンプルでゆったりとしたリズムになっています。
2曲目"Barrytown"(3:04) '74年[Pretzel Logic]に収録されている曲です。先ほどとは逆にSARAのヴォーカル曲でSARA自身のリズミカルなピアノの調べとREBECKAのシンプルなバック・ヴォーカルとなっています。
3曲目"Gaucho"(4:20) '80年の同タイトルのアルバムに収録された曲です。ピアノの伴奏1つで歌われるREBECKAのヴォーカル曲です。途中より登場するSARAの歌声とREBECKAの温度差のある歌声の美しい曲です。
4曲目"Green Earrings"(2:39) '76年[The Royal Scam]に収録されている曲です。再びREBECKAのヴォーカル曲でフェンダーローズの少し悲しげな響きを持った曲です。間奏でのスキャット・ヴォーカルがREBECKAの最新作での収録曲"I Wanted This To Be Your Song" とトーンが似ているところが興味深いです。
5曲目"Your Gold TeethU"(2:18) '73年[Countdown To Ecstasy]に収録されている曲です。SARAのヴォーカル曲で彼女のピアノの伴奏に合わせて収録されています。バックには、LARS・HALAPIの微かに響くギターかマンドリンのサウンドのみとなっています。
6曲目"Brooklyn(Owes The Charmer Under Me)"(3:28) '72年[Can't Buy A Thrill]に収録されている曲です。シンプルながらダイナミックなピアノの演奏とREBECKAのエモーショナルな歌声とLARSのバスドラムの鼓動とSARAとのハーモニーの美しい曲です。
7曲目"Don't Take Me Alive"(2:59) '76年[The Royal Scam]に収録されている曲です。イントロのフェンダー・ローズのクールな響きが良い曲です。これまたクールなSARAの歌声とハイキーなREBECKAのハーモニーの"イカシタ" 曲です。
8曲目"Josie"(2:53) '77年の[Aja]の収録曲です。オリジナル曲よりも、よりダークに、よりシュールなイメージを持ったREBECKAのヴォーカル曲です。不協和音を奏でるLARSのアコースティック・ギターとピアノの旋律の絡みが絶妙です。
9曲目"Do It Again"(3:12) '72年[Can't Buy A Thrill]に収録されている曲です。初期のSTEELY DANの代表曲で再びREBECKAがヴォーカルをとります。LARSのアコースティック・ギターも何故か新鮮な響きを発しています。
10曲目"Fire In The Hole"(2:53) 同じく[Can't Buy A Thrill]に収録されている曲です。フェンダー・ローズの美しい響きとSARAの澄んだ歌声による曲です。間奏のアブストラクトな響きのサックスプレイは、PER'TEXAS'JOHANSSONです。
11曲目"Pearl Of The Quarter"(3:14) '73年[Countdown To Ecstasy]に収録されている曲です。2人でヴォーカル・パートをシェアしたシンプルながらハーモニーが非常に美しい曲です。曲の終わりには多分、REBECKAの『やった!』と言わんばかりの歓喜の声が収録されています。
12曲目"Midnite Cruiser"(3:02) '72年[Can't Buy A Thrill]に収録されている曲です。SARAのヴォーカル曲で彼女の熱く響く歌声と少し悲しげな歌声の織り成す曲です。バックにはLARSによる特殊なサウンドを醸し出すギター?のような効果音が心憎い配慮です。
歌詞無し デジパック仕様 HDCD盤 (輸入盤) 収録時間:36分50秒 (約5分間の英語での2人のインタビューは、Radio Dupreeでどうぞ!欲を言えばジャズ・マンの歌だけど"Deacon Blues" を2人のヴォーカルで聴いてみたかったかな)'12年3月10日再更新


INDEX   TOP

写真  SHINE / The Common Station
 ・2007 Bonsaï Music    BON 07 10 01

フランスのエスプリ・・・

このアルバムは、フランスのパリで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドSHINEの '08年1月7日に本国でリリースされたデビュー・アルバム(EP盤でのデビューは '04年)です。
このアルバムでのSHINEのメンバーは、HANANE・LARAKI:ヴォーカル、GUILLAUME・SIMON:ギター/キーボード/サックス/タンバリン/ヴォーカル、LAURENT・HOUDARD:ギター/バック・ヴォーカル、ANTOINE・DELECROIX:ギターの4人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ROBIN・CANAC:ギター、HUGO・CECHOSZ:ベース、LAURENT・DAVID:ベース、XAVIER・POLYCARPE:ベース、JULIE・GOMEL:チェロ/バック・ヴォーカル、FABRICE・DE・BATTISTA:キーボード、VINCENT・POLYCARPE:ドラム、JEAN-CHRISTOPHE・CALVET:ドラム、FANNY・KOBUS:ヴィオラ、VINCENT・MINAZZOLI:ヴァイオリンのSHINEの音楽仲間達が参加しています。

1曲目"Soulful Music"(4:15) キビキビとしたドラムのビートとは対照的に少し気だるさを感じさせるHANANE・LARAKIの歌声が響くソウルぽいサウンドの曲です。サビの部分で聴かせるギターのサウンドの素晴らしさから唯、単にオルタナティヴなサウンド聴かせるバンドでは無い実力に裏付けされた風格も感じさせます。
2曲目"Ashbury"(4:49) ダウンテンポのリズムが流れるアシッド感のある曲です。この曲で聴かせるHANANEの歌声は、ノルウェーのフォーク/ロック・バンドOPHELIA HOPEのメイン・ヴォーカルのINGRID・OPHELIA似の歌声を感じさせます。
尚、この曲は、'04年のEP盤[One Day]からの収録曲です。
3曲目"In the Midlife Zone"(4:14) 今度は少しテンポを上げて来た曲の登場です。エレクトロニカのサウンドに飾られながら歌うHANANEのコケティシュ(良い意味での)な歌声は、先の曲と違って今度はN.Y.で活躍しているIVYのDOMINIQUEとイメージが"かぶり" ます。そう言えばDOMINIQUEもフランス出身ですね。
4曲目"Rest Your Head On Me"(4:13) この曲は、ギターのGUILLAUME・SIMONのヴォーカルが少し前に出て来た曲です。ヴォーカルをHANANEとシェアしながらゆったりと歌うGUILLAUMEもなかなかの美声の持ち主です。
5曲目"Hawai"(6:53) サスティーンを効かせたギターのサウンドがイントロから浮遊感を漂わせ登場するクールな曲です。ジャズ畑出身ドラムのJEAN-CHRISTOPHE・CALVETや HUGO・CECHOS(EMIKO MINAKUCHI BAND)のベース・ランニングの素晴らしさと言いバックにも非常に恵まれた収録曲です。
6曲目"Insomnie"(1:23) フランス語の歌詞の曲の登場です。メランコリックなギターとキーボードの調べによる短い曲で、'04年のEP盤からの収録曲となっています。
7曲目"One Day"(3:52) ドライにしたHANANEの歌声のバックに流れる無気質で何事にも動じなさそうな"クール" なリズムとサウンドが広がるダウンテンポの曲です。この曲も '04年のEP盤での収録曲です。
8曲目"Daylight"(3:44) スペース・サウンドがイントロからおふざけで流れる曲ですが、その後からの展開とメロディが素晴らしい曲です。スリリングさを醸し出すROBIN・CANAC(DADDY LONGLEGS)のアコースティック・ギターは、必聴です。この曲も '04年のEP盤での収録曲です。
9曲目"Comme Si l'Amour"(4:46) 再びフランス語での曲の登場です。心地好いギターの爪弾きと複雑なリズムを刻むドラムのビートとがコラボしたこのフォークトロニカをご堪能あれ。
10曲目"Life"(3:42) ゆったりと爪弾かれるギターの調べに合わせてHANANEがそのメランコリックな歌声を聴かせるパートとアップテンポで明るい歌声を聴かせるパートによる組曲風に展開させる曲です。次第にサウンドを大きくしトリップ・ホップ的な要素も感じさせます。
11曲目"Ramed"(4:33) アラビア語の歌詞と思われます。ライナーにはフランス語に翻訳された歌詞が掲載されています。後から登場するチェロをメインとしたストリングの調べの官能的なこと。
12曲目"Whatsoever"(3:37) この曲は、非常に心地好いリズムの流れが良いです。ANTOINE・DELECROIXのメランコリックなスライド・ギターの素晴らしい調べと思い詰めたように歌うHANANEの歌声との絡みが堪りませぬ。
13曲目"Ceux Qui Partent"(3:57) イントロから響くシンセ・ベースの重い響きによるダーク・ダウンテンポの曲です。同じくパリで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドSUPERFLUのメンバーNICOLAS・FALEZの書いたフランス語の歌詞にギターのGUILLAUME・SIMONが作曲を行っています。
全13曲歌詞付 写真ライナー E.U.製 (輸入盤) 収録時間:54分03秒 (フランスと言えばギター・ポップのバンドとしてPHOENIXやTAHITI 80が特に有名ですが、このSHINEもフランスの洒落たエスプリを感じさせる良質の音楽を聴かせています)'11年1月14日更新


INDEX   TOP

写真  SHOOTING JOHN / Mood Swings
 ・2005 Marilyn Records    MARILYN05

知名度は低いですが・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているロック・バンドSHOOTING JOHNのデビューのアルバムで、本国でのリリースは '06年10月17日となっています。
このアルバム収録時でのメンバーは、PEDER・GRAVLUND:ヴォーカル、TOBBY・YDESTRANDH:ギター、MARTIN・BJÖRK:ギター/バンジョー/バック・ヴォーカル、GUSTAV・HAGGREN(GUSTAV & THE SEASICK SAILORS):ベース/バック・ヴォーカル、HELENA・ARLOCK:ピアノ/チェロ/ヴォーカル/ヴァイオリン・アレンジ、KRITIAN・RIMSHULT:ピアノ/ハモンド、PATRIC・ANDERSEN:ドラムの7人組になって収録されています。
アルバムの収録に参加しているSHOOTING JOHNメンバー以外のミュージシャンは、CLAY・KETTER(現在は絵画/写真家として活躍中):ドラム/パーカッション、DAVID・PETERSON:チェロ、ÅSA・HÅKANSSON:ヴァイオリン/アレンジ、HENRIK・LARSSON:アコーディオンのMalmö在住のミュージシャン達です。
尚、プロデュースは、インデペンデントのCARL・GRANBERGが担当しています。

1曲目"Nostalgia"(3:43) 左から聴こえるTOBIAS"TOBBY"・YDESTRANDH?のオルタナティヴに歪ませたギターのサウンドとベースのGUSTAV・HAGGRENのハーモニカの演奏が心地好く響く"メリハリ" の効いたフォーク・ロックな曲です。
2曲目"Rain Song"(3:19) 現在もMySpaceで流されているキャッチーで耳当たりの良いサウンドとメロディの曲です。囁くように歌うPEDER・GRAVLUNDの歌声のバックにしっかり寄り添うように歌うHELENA・ARLOCKの心地好い歌声が堪りませんね。
3曲目"Bright Day"(3:25) 私をこのSHOOTING JOHNに惹きつけた最初の曲です。この曲もHELENAの歌声が清涼飲料水のように心に沁みますね。少し切なくまた、淡々と歌うPEDERの歌声とHELENAの相性も非常良いものを感じさせてくれます。合成されたビデオ・クリップのマテリアルは、B.K.O.と共通性を感じさせます。
4曲目"For A Few Days"(3:46) 牧歌的なサウンドとメロディによるミドル・テンポのカントリー・ロックです。少し枯れたメランコリックなPEDERとの歌声を中心に演奏されています。バックのギター、ベース、ドラム共に控えめな収録となっています。
5曲目"These Familiar Roads"(6:48) アコースティック・ギターとシンプルなドラムのリズムによる少し"ダーク" でメランコリックなサウンドの曲です。7分弱の長尺な曲で、同じくスウェーデンで活躍しているTHE PERISHERSの少し暗いサウンド・スタイルに通じるものを感じます。
6曲目"Under Her Skin"(3:17) この曲では少しエモーショナルな歌声を聴かせるPEDERです。サビで登場するHELENAの歌声が非常に素晴らしく響くのです。このバンドに与える彼女の存在は大きいのではないでしょうか。
7曲目"With Reservation(In Case You Change Your Mind)"(2:08) 2分少々の短い曲で、アップライト・ピアノの演奏により繰り広げられるバーでの生演奏に近い収録曲のようです。
8曲目"Tried to Save Me"(5:16) アコースティックなサウンドを中心に演奏されるフォーク・ソング・スタイルの曲です。バックで響くHELENAのチェロの響きに続いて登場する歪ませたエレクトリック・ギターのサウンドをアクセントに使ったアレンジになっています。
9曲目"Beggars"(3:32) オルタナティヴ・カントリー・ロック的な曲のようです。素早く繰り出されるエレクトリック・ギターとバンジョーのフィンガー・ピッキングによる豪快なサウンドが印象に残ります。PEDERの歌声をバックで支えるメンバーの技量の高さのしっかりと感じさせます。
10曲目"Joke Of The Year"(4:30) アコースティック・ギターを掻き鳴らすイントロに加えられた歪んだギターのサウンドが心地好い曲です。淡々と自身の書いた歌詞を歌うPEDERの歌声とフェンダー系のエレクトリック・ギターのサウンドが響きます。
11曲目"Ballad Of The End"(4:49) この曲では北欧のトラディショナル・ソングの雰囲気を非常に感じます。厳かに響くHELENAのチェロとささやかなアコースティック・ギターの切なく響きます。後半からはドラムとベースも参加してアップ・テンポに展開されるアレンジになっています。
10曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:44分39秒 (日本ではまだまだ知名度の低いこのSHOOTING JOHNですが、何かきっかけさえ有ればブレイクしそうですね)'10年9月7日再更新


INDEX   TOP

写真  SHOOTING JOHN / Happiness +/-
 ・2007 Marilyn Records    MARILYN15

HELENA名義も気になりますが・・・

このアルバムはスウェーデン南部の都市Malmöで活躍しているオルタナィヴ系フォーク・ロック・バンドSHOOTING JOHNの '07年9月7日に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
リリース元のMarilyn Recordsは、先に紹介したMalmöに社を構えるインディペンデント・レーベルでSHOOTING JOHNのメンバー自身も運営に関わっているようなファミリー的なレーベルのようです。
このアルバムでのメンバーは、PEDER・GRAVLUND:ヴォーカル/キーボード/ギター、TOBIAS・YDESTRANDH:ギター、MARTIN・BJÖRK:ギター、JESPER・BJELLERUP:ベース/バック・ヴォーカル、HELENA・ARLOCK:ピアノ/チェロ/バック・ヴォーカル、PETTER・BENGTSSON:ドラムの6人組になって収録されています。
SHOOTING JOHNのメンバー以外に収録に参加しているミュージシャンは、CLAY・KETTER:ドラム、CARL・GRANBERG:パーカッション/プロデュース、JOHAN・BANDLING-MELIN:ペダル・スティール、ANDREAS・BAUR:ヴィオラ、PATRIK・ANDERSSON:ドラム、SOFIE・LEHN:バック・ヴォーカルの再びMalmö在住のミュージシャン達です。
尚、プロデュースは、前作でのCARL・GRANBERGとSHOOTING JOHNの共同となっています。

1曲目"Love And Will"(3:40) 牧歌的なサウンドのするアコースティック・ギターの爪弾きが心地好いイントロの曲です。メイン・ヴォーカルPEDERの少しスモーキーで哀愁のある歌声とのHELENAのすっきりした歌声のバランスが良いですね。
2曲目"War(I Hardly Know You)"(3:11) レーベルから一押しされたSHOOTING JOHNの先行シングル盤でのキラー・チューンの登場です。この曲でも哀愁のあるPEDERの歌声が心地好く響きます。覚え易いメロディと言うかどこかで聴き覚えのあるメロディ・ラインによる反戦をテーマした内容ですが、好かれる曲ではないでしょうか。
3曲目"Afterwards"(4:34) ギミックなスライド・ギターのサウンドが響かせながら落ち着いたリズムで流される曲です。この曲は、誰かの曲の雰囲気と似ています。強いて言えば、初期のTHE BLUE NILEかな?。
4曲目"Words"(3:06) こもらせたPEDERの歌声の間に登場する曲の作者であるギターのMARTINの演奏が冷ややかに響くところが非常に素晴らしいのです。
5曲目"Artists Dilemma"(3:07) このアルバムの収録曲の大半をギターのMARTINとTOBIASとで作曲しています。この曲はTOBIASの作曲に自分達の音楽活動を表現したPEDERの歌詞を綴っているようです。オルタナティヴなギター・サウンドを聴かせる"クール" なチューンです。
6曲目"Mistaken"(3:39) エレクトロのサウンドによるオデッセイを感じるイントロでその後、ギター・ポップな曲に展開します。乗りの良い曲でもPEDERの歌声はマイペースなところも面白いです。
7曲目"Emptiness Of Days"(3:21) 美しいハーモニーを聴かせるHELENAの歌声が響きカントリー・ロックの調べによる曲です。HELENA 自身もソロ活動しているようなので、非常に興味のあるミュージシャンの一人になっています。
8曲目"I Thought No More Was Needed"(4:41) ナイロン弦ギターのメランコリックな調べとPEDERの枯れた切ない歌声を聴かせるスローなナンバーです。この曲でもバックで響くHELENAのスキャットでの歌声が素晴らしく響きます。
9曲目"Savior"(3:59) イントロからメランコリックに攻めてくるギター・サウンドの曲で、ハイ・フレットで奏でられるベースの柔らかい音色に続いて登場する張り詰めた雰囲気の中で響くテクニカルなギターのギミックなサウンドが心地好い曲です。PEDERの歌声の裏に添わされたHELENAの美しい歌声も素晴らしく響きます。
10曲目"Fragile"(3:50) 質素に奏でられるアコースティック・ギターの調べと疲れた男の歌声を上手く聴かせるPEDERと美しいHELENAの歌声が絶妙の溶け合うメランコリックなナンバーです。
11曲目"Mornings Past"(5:33) 北欧的トラディショナル音楽をベースとして組み立てられたことを窺わせる曲のようです。アコーディオン、ペダル・スティールなどのサウンドを加えて落ち着いた雰囲気で流されるギターのMARTINが書いた曲です。
全11曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:42分47秒 (現在はHELENA・ARLOCK、PEDER・GRAVLUND とドラムのPETTER・BENGTSSONと組んでHELENA名義での小ユニットの音楽活動も展開しているようです)'10年9月7日再更新


INDEX   TOP

写真  SILJE NERGAARD / Port Of Call
 ・2000 Universal Music AS, Norway    157 687-2

SILJEからSILJE・NERGAARD・・・

このアルバムは、ノルウェーで活躍しているジャズ・シンガーSILJE・NERGAARDの6枚目のアルバムで、本国でのリリースは、2000年3月20日となっていす。
前作までSILJE名義でノルウェー国内を中心に活躍していましたが、このアルバムよりUniversal Musicグループから世界に向けてリリース(SILJE名義のアルバムは、当時北欧音楽ブームだったので国内盤もリリースされていますが…)されています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SILJE・NERGAARD:ヴォーカルの他、TORD・GUSTAVSEN:キーボード、HARALD・JOHNSEN:ベース、JARLE・VESPESTAD:ドラムのTHE SILJE NERGAARD BANDにMAGNUS・LINDGREN:サックス/ストリングス・アレンジ、JOJJE・WADENIUS:ギター/プロデュース、PUTTE・WICKMANN:クラリネット、JOSEF・CABRALES-ALIN:ヴァイオリン、MARTIN・SVENSSON:ヴァイオリン、ROGER・JONSSON:ヴァイオリン、ANDERS・NYMAN:ヴァイオリン、ANETTE・MANNHEIMER:ヴァイオリン、SHATAR・ROSENTAL:ヴァイオリン、ÅSA・KARLSSON:ヴィオラ、JACOB・RUTHBERG:ヴィオラ、ANNA・WALLGREN:チェロ、CHRISTIAN・SAHLIN:チェロ、HEINE・TOTLAND(SILJEのご主人):ヴォーカルのノルウェーとスウェーデンのベテラン・ミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Me Oh My"(3:06) 乗りの良いスウィングを感じさせるリズムによる文字通りスウィング・ジャズと言える曲です。即興的に演奏されるライヴでの収録に近いアレンジをアップライト・ベースのスイングするリズムやピアノの調べにに乗せSILJEのスキャットとMAGNUS・LINDGRENのサックスとの掛け合いから感じます。また、この曲はシングル曲として本国でもリリースされています。
2曲目"Bewitched, Bothered And Bewildered"(5:25) '41年にRICHARD・RODGERSとLORENZ・HARTのコンビによって書かれたスタンダード曲で、多くのミュージシャンが取り上げています。落ち着いたピアノとストリングスのサウンドがゆったりと響く流れに乗せてSILJEの美しい歌声も心地好く響きます。
3曲目"Do Nothing Till You Hear From Me"(3:13) この曲もカバー曲で、'40年にDUKE・ELLINGTONとBOB・RUSSELLによって書かれた曲です。この曲も多くのミュージシャンに歌われまた、ギタリストにもインストゥルメンタルにて演奏もされているブルースの曲です。
4曲目"If You Love Somebody"(4:05) ご存じSTING '85年のヒット曲でその前のTHE POLICEでの大ヒット曲"Every Breath You Take" のアンサー・ソングとしてリリースされています。ここでの収録は、非常にゆっくりとしたリズムによるジャズ・スタイルのアレンジで原曲からかなり遠い位置にありますね。
5曲目"What's New"(2:25) '39年にBOB・HAGGARTとJOHNNY・BURKEのコンビによって書かれた曲で、この曲も多くの人にカバーされています。ノスタルジックな雰囲気を醸し出すピアノの演奏で展開されるこの曲も落ち着いた流れが通り過ぎて行きます。
6曲目"The Waltz"(4:10) イントロのヴァイオリンの調べなどイギリスの田舎風景を想像させそうな旅情的な雰囲気を感じます。1曲目とこの曲と9曲目は、SILJEとMIKE・McGURKとのコンビによって書かれています。
7曲目"You're Kind"(3:40) PAUL・SIMONが '75年に書いたSIMON & GARFUNKELのB-サイド曲です。ブルースのメロディとサウンドによる渋めの流れによるアレンジに大御所JOJJE・WADENIUSがアコースティック・ギターで登場致します。
8曲目"For All We Know"(3:05) この曲も古いスタンダード曲で、'34年にJ.FRED・COOTSとSAM・M.LEWISによって書かれ、NAT・KING・COLEや最近ではALICIA・KEYSもカバーしています。抒情的に演奏されるTORDのピアノに乗せ、思い耽るように歌いSILJEです。
9曲目"Shame On You"(4:44) このアルバムからのシングル曲となった聴き易いサウンドとメロディによるボサ・ノヴァ調の曲です。アコースティック・ギターの軽やかなサウンドと心地好いドラムのビートによる恋人との会話をもとにした内容を綴っています。尚、この曲の歌詞の中にアルバム・タイトル[Port Of Call]が出て来ます。
10曲目"Every Time We Say Goodbye"(5:20) COLE・PORTER '44年の作品です。50年代からジャズのスタンダード曲として演奏されるようになり、近年ではDIANA・KRALLもカバーしています。
11曲目"Dream A Little Dream Of Me"(3:14) この曲も古い曲ですね。'31年にFABIAN・ANDREとWILBUR・SCHWANDTにて作曲にGUS・KAHNが作詞した曲です。SILJEと同じくノルウェーの歌手SISSEL・KYRKJEBØも '91年に収録しています。この曲も多くのミュージシャンにカバーされている曲なので、誰かのバージョンは、きっと聴いているでしょうね。ここでの収録は、男性シンガーHEINE・TOTLANDを迎えてデュエットで収録されています。
12曲目"Don't Explain"(4:32) BILLIE・HOLIDAY '46年にリリースしたスタンダード曲です。THE SILJE NERGAARD BANDによるジャズ・スタイルの落ち着いた演奏とゆったりと歌うSILJEです。
"The Waltz" のみ歌詞付 写真ライナー ヨーロッパ限定3折デジパック仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:47分06秒 (SILJEからSILJE・NERGAARDとして再スタートをしたこのアルバム、新しくSILJEのファンを獲得した1枚だと思います)'12年7月21日更新


INDEX   TOP

写真  SILJE NERGAARD / At First Light
 ・2001 Universal Music AS, Norway    014 7748-2

彼女の人気を不動のものとした・・・

このアルバムは、ノルウェーで活躍しているジャズ・シンガーSILJE・NERGAARDの7枚目のアルバムで、本国でのリリースは、'01年10月1日となっていす。
前作がジャズのスタンダード曲や他のミュージシャンのカバー曲を多く取り上げていたアルバムだったのですが、今作は、作曲がSILJEまたは、ピアノのTORD・GUSTAVSENとの共作に作詞がMIKE・McGURKとなったオリジナル曲の収録となっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SILJE・NERGAARD:ヴォーカル/キーボード/プロデュースの他、TORD・GUSTAVSEN:ピアノ、HARALD・JOHNSEN:ベース、JARLE・VESPESTAD:ドラムのTHE SILJE NERGAARD BANDにMAGNUS・LINDGREN:サックス/ホーン・アレンジ/ストリングス・アレンジ、JOJJE・WADENIUS:ギター/パーカッション/プロデュース、TILL・BRÖNNER:トランペット、JAN・ALLAN:トランペット、ARVE・HENRIKSEN:トランペット、PETER・ASPLUND:トランペット、THOMAS・STRØNEN:ドラム、NILS・EINAR・VINJOR:ギター、ERLE・TOTLAND・NERGAARD:バック・ヴォーカル/チャイム、STOCKHOLM SESSION STRINGS(TONY・BAUER:ヴァイオリン、CHRISTIAN・BERGQVIST:ヴァイオリン、TORBJÖRN・BERNHARDSSON:ヴァイオリン、ULF・FORSBERG:ヴァイオリン、PER・HAMMARSTRÖM:ヴァイオリン、ANNETTE・MANNHEIMER:ヴァイオリン、SVEIN・H.MARTINSEN:ヴァイオリン、MONIKA・STENIKOUSKA:ヴァイオリン、ELISABETH・ARNBERG:ヴィオラ、MIKAEL・SJÖGREN:ヴィオラ、BO・SÖDERSTRÖM:ヴィオラ、ÅSA・FORSBERG-LINDGREN:チェロ、KATI・RAITINEN:チェロ、STAFFAN・BECKER:コントラ・バス)のノルウェーとスウェーデンのベテラン・ミュージシャン達が参加しています。

1曲目"There's Always A First Time"(4:03) アルバムの幕開けに位置した非常にオーソドックスなスタイルで聴かせるイージーリスニングに近きラウンジ・ミュージックです。滑らかに響くMAGNUS・LINDGRENのサックスとソフトに歌うSILJEです。
2曲目"Be Still My Heart"(5:01) このアルバムからのシングル曲でビデオも制作された一押しの曲です。バックのジャズ・メンによる落ち着いたメロディとリズムに合わせて歌うSILJEのムードのある歌声と少しあどけなさの残ったバック・ヴォーカルが見事に調和した切ない響きが伝わります。
3曲目"Let There Be Love"(3:19) 再びラウンジ・ミュージックによるスタンダード曲風の曲の登場です。50年代のアメリカ音楽に触発されたと言えそうなゴージャスで華麗なサウンドで展開されています。
4曲目"So Sorry For Your Love"(4:12) サウンド的には2曲目の延長線にある穏やかな流れとサウンドを聴かせる落ち着いた雰囲気を醸し出す曲です。美しいSILJEの歌声とピアノの調べがそっと響いて通り過ぎて行きます。
5曲目"Now And Then"(4:14) アコースティック・ギターの調べによる爽やかなサウンドのボサ・ノヴァの曲です。リムを打つご機嫌なドラムのビートに合わせギターを弾きながらスキャットで歌うのはJOJJE でしょうか。
6曲目"Two Sleepy People"(3:44) 落着いた調べとサウンドによるゆったりと流れる曲です。ミュートされたトランペットの調べがアクセントになった大人の曲と言う感じですね。
7曲目"Keep On Backing Losers"(3:46) クールなサウンドとリズムを感じさせるキーボード、ベースとドラムの演奏を感じさせる曲です。ご機嫌でゴージャスなブラスのサウンドを取り入れたアーバン・ジャジーな流れにTORD得意なスリリングな演奏が光ります。
8曲目"Blame It On The Sun"(3:17) ギターのサウンドをメインにした曲の登場です。曲調を巧みに変えて流れる洒落たアレンジにバック・ヴォーカルのアレンジも素晴らしものを感じさせる見事な曲です。
9曲目"At First Light"(3:56) 少しダークな雰囲気をもったアシッド・ジャズ風の曲です。バックのホーンのサウンドも渋めの響きと抑えた威圧感が感じ好いですね。
10曲目"There's Trouble Brewing"(3:32) 今度は、持前のコケティシュ(良い意味での)な歌声を聴かせる曲です。風変りなスケールを奏でるTORDのピアノに演奏もアバンギャルドの一面を聴かせます。
11曲目"Japanese Blue"(4:22) 何んだか暗いイメージの曲のタイトルですが、"日本の藍?" に導かれた彼女の想いを綴った曲です。日本の尺八風のトランペットサウンドをモチーフとしゆったりとしたリズムの流れが伝わって来ます。SILJEのお気に入りの曲だそうです。
12曲目"Lullabye To Erle"(3:37) 愛娘ERLEの為に書かれ曲で、北欧のヒヨルドの静けさと荘厳さをイメージさせる曲調です。クラッシック・ギターとアコースティック・ギターの慎ましやかなサウンドによる非常に美しい響きを共に流れて行きます。
全12曲歌詞付 16ページ物写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:47分08秒 (全曲英語でしかもオリジナル曲でリリースされたこのアルバムにて彼女の人気をヨーロッパで不動のものとしました)'12年7月24日更新


INDEX   TOP

写真  SILJE NERGAARD / Nightwatch
 ・2003 UNIVERSAL MUSIC AS, NORWAY    986 589-9

'05年に再来日を果たしたSILJEのシックな歌声・・・

ノルウェー出身のジャズ・シンガーSILJE・NERGAARD(セリアまたはシリエ・ネルゴール)の通算8枚目(初期のSILJE名義のアルバムも含む)のアルバムで、'03年10月13日に本国でリリースされ作曲は、全てSILJEの手によって書かれています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SILJE・NERGAARD:ヴォーカル/プロデュースの他、GEORG・WADENIUS:ギター/ヴォイス/プロデュース、HALLGRIM・BRATBERG:ギター、NILS・EINAR・VINJOR:ギター、TOM・LUND:ギター/ヴォイス、HARALD・JOHNSEN:ベース、BACKA・HANS・ERIKSSON:ベース、TORD・GUSTAVSEN:キーボード、JARLE・VESPESTAD:ドラム、KENNETH・EKORNES:パーカッション、ROB・WARING:ヴィブラフォン、PETER・ASPLUND:フリューゲル・ホーン/トランペット、ARVE・HENRIKSEN:トランペット、BENDIK・HOFSETH:サックス、MAGNUS・LINDGREN:サックス/フルート、ANNA・WALLGREN:チェロ、CHRISTINA・WIRDEGREN-ALIN:チェロ、JAKOB・RUTHBERG:ヴィオラ、MIKAEL・RYDH:ヴィオラ、CHRISTIAN・BERGQVIST:ヴァイオリン、DAVID・BJÖRKMAN:ヴァイオリン、ELISABETH・LAGERGREN:ヴァイオリン、JOSEF・CABRALES-ALIN:ヴァイオリン、PER・HAMMARSTRÖM:ヴァイオリン、ROLAND・KRESS:ヴァイオリン、HEINE・TOTLAND:バック・ヴォーカルのノルウェーとスウェーデンのベテラン・ミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデューサーは、GEORG・WADENIUS(元BLOOD, SWEAT AND TEARS)とSILJE自身です。

1曲目"How Am I Supposed To See The Stars"(5:38) ジャズ・スタイルで演奏されるバー・ラウンジ・ミュージックでの曲で、ブラシによるスネアのビートと溜めとスムースを使い分けたピアノのサウンドに曲です。
2曲目"Once I Held A Moon"(3:19) ボサ・ノヴァのリズムによる軽いタッチの曲です。少し舌足らずの特徴的なSILJEの歌声とナイロン弦ギターの調べによる曲です。
3曲目"Dance Me Love"(4:55) スローなリズムによるジャジーな曲ストリングスの調べとSILJEのゆったりと丁寧に歌われるシックな歌声による曲です。バックで流れるスウェーデンのPETER・ASPLUND奏でるトランペットのサウンドも素晴らしいのです。
4曲目"You Send Me Flowers"(4:19) ポップさを増したミドル・テンポのナンバーでアメリカ的なサウンドを持たせ曲でやはりギターにGEORG・WADENIUSが参加しているからでしょうか。
5曲目"I Don't Want To See You Cry"(4:41) SILJEの「あなたを悲しませたくないの…」歌われるビデオ・クリップになっている曲です。バックで流れる美しくも悲しく響くサックスの音色とSILJEの甘い歌声による非常に美しいメロディを持った曲です。
6曲目"In A Sentence"(4:32) 再び1曲目のような感じのジャズ・スタイルの曲です。ヴォーカル、ピアノ、ベース、ドラムの固定メンバーによる息のピッタリあった演奏が心地好く響く曲です。
7曲目"Take A Long, Long Walk"(3:49) メンフィススタイルの煌びやかホーンセクションによるファンキーなサウンドとSTEELY DAN風の小刻みに弾かれるキーボードのサウンドと乗りの良いリズムとメロディでの曲です。
8曲目"This Is Not America"(4:39) オリジナル曲は、故JOHN・SCHLESINGER監督の '85年の映画「The Falcon And The Snowman」のサウンドトラックに収録されている曲で、PAT・METHENY、DAVID・BOWIE、LYLE・MAYSの作曲/作詞で、DAVID・BOWIEがヴォーカルに起用されていました。ここでの収録は、スローにジャズ・スタイルにアレンジされています。
9曲目"Be Gone"(3:57) ブラスのサウンドをイントロから配しアシッド・ジャズスタイルに響くキーボードのサウンドによる軽くスイングするリズムとSILJEのポップ調を残した歌声によるご機嫌な曲です。この曲もSTEELY DAN風のアレンジとサウンド・スタイルによる曲です。
10曲目"Borrowing Moons"(3:55) このアルバムの収録曲の中では少し違った印象を感じさせる曲です。穏やかな曲調を感じるアコースティック・ギターの調べによる北欧ノルデイックの透明感溢れるサウンドが流れるシンプルな曲です。
11曲目"Unbreakable Heart"(3:31) この曲も固定メンバーによるシックなジャズ・バラードシンプルながらSILJEの優しさに溢れた歌声による落ち着いた曲です。
12曲目"On And On"(5:24) '93年の[Cow On The Highway]に収録されている曲のセルフ・カバーで彼女の作詞/作曲によります。オリジナル曲は、若さ溢れる今と違った少し硬さのある歌声とロック調のアレンジでした。このアルバムではよりメロウによりスムースでスローなリズムにアレンジした非常に美しいバラードです。SILJEの時折聴かせる少女ぽい歌声を優しく包むように演奏されるノルウェーを代表するサックス・プレイヤーTORE・BRUNBORGの切なく響くテナー・サックスが更にこの曲を素晴らしくしています。 尚、この曲は本国ノルウェー盤には収録されていません。
全12曲歌詞付 16ページ物写真ブックレット ヨーロッパ限定デジパック仕様 ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:52分43秒 ('05年に久しぶりの再来日を果たしたSILJEが、日本のファンを再び掴み直した作品でしょう。只、私的には女性の魅力を出し過ぎた写真類は、彼女の素晴らしい歌声には必要無いと思います)'10年9月8日再更新


INDEX   TOP

写真  SILJE NERGAARD / Be Still My Heart・The Essential
 ・2006 UNIVERSAL MUSIC AS, NORWAY    0602498742471

過去3枚のアルバムを中心としたベスト盤・・・

ノルウェーで活躍するSILJE・NERGAARDの10枚目('05年のコンピレーション・アルバム1990-1993年の曲を収録した[The Lifetime Years]を含む)のアルバムで、本国でのリリースは、'05年10月7日です。ワールド・ワイド・リリースは、翌 '06年5月15日です。内容は、UNIVERSAL MUSICよりリリースされた過去の3枚のアルバムを中心とした作品と新曲を含むベスト盤です。プロデューサーは、前作と同様GEORG・WADENIUS(元BLOOD,SWEAT & TEARS)です。
尚、各曲の収録に参加しているミュージシャンについては、オリジナル盤での記載を参照してください。

1曲目"Be Still My Heart"(5:03) '01年の[At First Light]よりの曲でシングル・カットされています。曲の内容は、オリジナル盤のレビューを参考にして下さい。
2曲目"We Should Be Happier By Now(With Al Jarreau)"(4:39) このアルバムリリース時点では最新曲で、アメリカの往年のジャズ/ブラック・コンテンポラリー歌手のAL・JARREAUとのデュエット曲です。このアルバム・リリース前にビデオが制作されています。
3曲目"Shame On You"(4:46) 2000年の[Port Of Call]よりの曲です。曲の内容は、オリジナル盤のレビューを参考にして下さい。
4曲目"Dance Me Love"(4:58) '03年の[Nightwatch]の曲です。曲の内容は、オリジナル盤のレビューを参考にして下さい。
5曲目"I Don't Want To See You Cry"(4:40) 同じく[Nightwatch]よりの曲でこの曲もHPでビデオになっています。曲の内容は、オリジナル盤のレビューを参考にして下さい。
6曲目"If You Leave Me Now"(4:21) アメリカのメロディアス・ロック・グループCHICAGOの10枚目のアルバム[CHICAGO X]に収録されている曲です。 ベース/ヴォーカルのPETER・CETERA作詞/作曲による '76年のビルボード1位になった曲です。この曲はこのベスト・アルバムの為に収録されました。
7曲目"On And On"(5:24) '03年の[Nightwatch]で収録されている曲で '93年の作品[Cow On The Highway]に収録されている曲をアレンジ変えにてセルフ・カバーしています。曲の内容は、オリジナル盤のレビューを参考にして下さい。
8曲目"Me Oh My"(3:06) 2000年の[Port Of Call]よりの曲です。。曲の内容は、オリジナル盤のレビューを参考にして下さい。
9曲目"The Waltz"(4:12) 2000年の[Port Of Call]よりの曲です。曲の内容は、オリジナル盤のレビューを参考にして下さい。
10曲目"Tell Me Where You're Going"(4:00) オリジナル曲は '90年の同名のデビュー・アルバムに収録されている曲です。その他コンピレーション・アルバムにもアレンジ変えにて再収録されています。
11曲目"How Am I Supposed To See The Stars"(5:35) '03年の[Nightwatch]のトップを飾った曲です。曲の内容は、オリジナル盤のレビューを参考にして下さい。
12曲目"Keep On Backing Losers"(3:46) '01年の[At First Light]よりの曲です。曲の内容は、オリジナル盤のレビューを参考にして下さい。
13曲目"Japanese Blue"(4:24) 同じく[At First Light]よりの曲。SILJEのお気に入りの曲だそうです。曲の内容は、オリジナル盤のレビューを参考にして下さい。
14曲目"Lullabye To Erle"(3:39) 同じく[At First Light]よりの曲です。曲の内容は、オリジナル盤のレビューを参考にして下さい。
15曲目"Gå En Annen Vei"(4:33) 母国語による曲で '95年のSILJE 名義での[BREVET]に収録された曲です。美しいピアノのメロディとしっとりしたリズムによるSILJEの哀愁に満ちた美しく高く響く歌声による曲です。(サンプル音源は '95年の収録曲としています)
全15曲歌詞付 16ページ物写真ブックレット 香港製 (輸入盤) 収録時間:68分12秒 (SILJE・NERGAARDを詳しく知りたい方はオフィシャルより詳しいオランダのファン・サイトsilje.nlでアルバムその他を含み非常に詳しく紹介されています。'07年に新作[Darkness Out Of Blue]リリース予定です)'10年9月8日再更新


INDEX   TOP

写真  SILJE NERGAARD / Darkness Out Of Blue
 ・2007 UNIVERSAL MUSIC AS, NORWAY    602517262966

新生THE SILJE NERGAARD BANDとして・・・

ノルウェー出身のジャズ・シンガーSILJE・NERGAARDの通算11枚目('04年と'05年のコンピレーション盤を含む)のアルバムで '07年4月30日(本国では5月7日)にリリースされた写真付ブックレットのヨーロッパ限定盤です。スタジオ録音の新作としては '03年のアルバム以来4年ぶりのアルバムです。
アルバムの収録は、新生THE SILJE NERGAARD BANDとしてSILJE・NERGAARD:ヴォーカル/プロデュースの他、HELGE・LIEN:キーボード/バック・ヴォーカル、JARLE・VESPESTAD:ドラム/バック・ヴォーカル、FINN・GUTTORMSEN:ベース/ドブロ/バック・ヴォーカル、BJØRN・CHARLES・DREYER:ギター/ギター・ループ/ペダル・スティール/バック・ヴォーカル、HALLGRIM・BRATBERG:アコースティック・ギター、TORSTEIN・LOFTHUS:ドラムが参加しています。
先に紹介したミュージシャンの他、PÅL・SVENRE:キーボード/バック・ヴォーカル/ウッドウインド・アレンジ/プロデュース、DAVID・WALLUMROD:オルガン、HALLGRIM・BRATBERG:ギター、INGALILL・HILLERUD:ベース、ANDRÉ・FERRARI:パーカッション/シェーカー/タンバリン、MAGNUS・LINDGREN:クラリネット/フルート/サックス/ストリング・アレンジ/ウッドウインド・アレンジ、MONICA・JÖNSSON:チェロ、ASTRID・LINDELL:チェロ、HANS・ÅKESON:ヴィオラ、DAG・ALIN:ヴァイオリン、CHRISTIAN・BERGQVIST:ヴァイオリン、TORBJÖRN・BERNHARDSSON:ヴァイオリン、JANNIKA・GUSTAFSSON:ヴァイオリン、PER・HAMMARSTRÖM:ヴァイオリン、JAN・ISAKSSON:ヴァイオリン、BO・SÖDERSTRÖM:ヴァイオリン、MONIKA・STANIKOWSKA:ヴァイオリン、MARTIN・STENSSON:ヴァイオリン、SIDSEL・WALSTAD:ハープ、VINCE・MENDOZA:ストリング・アレンジ、MÁRCIO・FARACO:ヴォーカル、HEINE・TOTLAND:バック・ヴォーカル、ANDRÉ・DE・LANG:バック・ヴォーカル、NANA・HEDIN:バック・ヴォーカル、JAN・INGVAR・TOFT:バック・ヴォーカル、のノルウェーとスウェーデンのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデューサーは、SILJEの過去のアルバムでのGEORG・WADENIUSからスウェーデンのPÅL・SVENREに替わり、SILJE自身も共同で行われています。

1曲目"Paper Boats"(4:01) SILJEの初期のサウンド・スタイルとメロディに近いアコースティック調のスローな曲で、STOCKHOLM SESSION STRINGSの美しい調べとハープの音色による透明感が好いですね。
2曲目"Darkness Out Of Blue"(5:23) アコースティック・ギターの"クール" な音色に重ねたジャジーなリズムによる曲です。途中よりペダル・スティールを使ってカントリー調と成りますが、サウンドは非常にスリリングで、前作での大作"Tell Me Where You're Going"に近いエモーションを感じます。
3曲目"The Diner"(4:46) 非常にSILJEの書いた曲のメロディを端的に表した曲です。耳に残るギミックなサビと流れるようなリズミカルなメロディと彼女の歌声が調和した曲です。アクセントにペダル・スティールの音色を使った粋なアレンジです。
4曲目"Wastelands"(5:26) 少しダークなイメージを持つメロウでスローな曲で、ソウルフルなバック・ヴォーカルはベテランANDRÉ・DE・LANGが参加しています。
5曲目"When Judy Falls"(6:00) ギターサウンドにストリングスを絡ませたポップな曲です。伸びやかに歌響くSILJEのスキャット・ヴォーカルと美しく流れる弦楽器が心地好いです。ストリングスのアレンジは、PÅL・SVENREの手によります。
6曲目"The Beachcomber"(6:35) 本格的なジャジーの雰囲気を持ったメランコリックなピアノ・ラウンジ・ミュージックです。切なく歌うSELJEを包むように演奏されるHELGE・LIENのピアノも見事です。
7曲目"What Might Have Been"(4:26) 静かにそして厳かに奏でられるHELGEのピアノ1台での伴奏による収録です。このようなシンプルな曲から煌びやかでエモーショナルな歌声まで披露する、現代のノルウェーを代表する女性シンガーとなった彼女の風格を感じさせます。
8曲目"Aren't You Cured Yet"(4:41) 少し趣を変えてきた低いキーでのヴォーカルを発するアシッド雰囲気と間奏などはアブストラクトなイメージを持たせるミドル・テンポのロック調の曲です。
9曲目"Who Goes There"(4:07) 以前のアルバムに母国語で収録さていた楽曲に似たセレナーデです。ポルトガル語の詞とデュエットは、ブラジル出身で現在フランスで活躍しているボサ・ノヴァ歌手のMÁRCIO・FARACOです。
10曲目"Before You Called Me Yours"(4:29) 最近ドブロに凝っているベースのFINN・GUTTORMSENの演奏を中心繰り広げられる落ち着いたシンプルなメロディでの牧歌的なイメージのアコースティックな曲です。
11曲目"How Are You Gonna Deal With It"(5:34) オルガンを使ったメンフィス・ソウル風の曲です。SILJEの曲のイメージからは、少し意外なルーツ・サウンドの展開に感心させられます。
12曲目"Let Me Be Troubled"(6:56) 長いピアノの旋律によるイントロに続いて登場するSILJEのお得意のバラードです。男性バック・ヴォーカルのハーモニーを交えてメランコリックに攻める曲です。尚、この曲のイントロは、当時のHPのテーマソングになっています。
全12曲歌詞付 48ページ・ブックレット写真付 ヨーロッパ限定盤デジブック仕様 ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:62分31秒
(スウェーデンとノルウェーとの混成チームでの収録で、少しサウンドの傾向も肩を張らずリラックスした様子です)'10年9月8日再更新


INDEX   TOP

写真  SILJE NERGAARD / A Thousand True Stories
 ・2009 SONY MUSIC ENTERTAINMENT NORWAY AS.    8 86974 28592 2

落ち着いた楽曲たち・・・・・・

このアルバムは、ノルウェーで活躍しているジャズ・シンガーSILJE・NERGAARDの通算12枚目('04年と'05年のコンピレーション盤を含む)のアルバムです。
HPでのアルバム紹介は、'09年2月9日に本国にて先行リリースされヨーロッパでのリリースは、9月25日になってからダウンロードとアルバム・リリースとなっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SILJE:ヴォーカル/作曲/プロデュースの他、HELGE・LIEN:ピアノ、FINN・GUTTORMSEN:ベース、JARLE・VESPESTAD:ドラム、HÄVAR・BENDIKSEN:ギター/バック・ヴォーカルの新生THE SILJE NERGAARD BANDに、MATHIAS・ERIK:トランペット、FREDRIK・OTTERSTAD:バック・ヴォーカル、HEINE・TOTLAND:バック・ヴォーカル、METROPOLE ORCHESTRA:ストリングス、VINCE・MENDOZA:オーケストラ・アレンジ/指揮などの一部SILJEの友人達が参加しています。
尚、プロデュースは、前作同様SILJE自身とスウェーデンのピアニストPÅL・SVENREが担当しています。

1曲目"Based On A Thousand True Stories"(4:22) 現在のHPでのテーマ・ソング('09年度)になっているストリングスの調べが非常に美しくまた、ゆったりと流れる映画音楽的な要素を感じさせる叙情的な曲です。男性側からの想い出話しとそれを受け取った女性の思いを綴った歌詞の内容が切なく響いて来ますね。
2曲目"Dreamers At Heart"(4:24) アコースティック・ギターの爪弾きと清楚なSILJEの歌声がイントロから心地好く届けられるカントリー・ポップ調の曲です。間奏では、洒落たジャジーなアレンジを施したHELGE・LIENのピアノ・ソロなど聴き所をしっかりと押さえていますね。ビデオもどうぞ!
3曲目"Come In From The Garden"(4:28) 再びしっとりしたリズムとメロディによるストリングスのサウンドを展開させる曲の登場です。弦楽器の幾重にも重ねらえた美しい調べに乗せ、心地好く歌うSILJEの姿が容易に想像できそうな心地好い調べがと届けられます。
4曲目"Frozen"(5:08) 一転してダークで凛とした調べを聴かせる北欧音楽然とした厳しさをも感じさせる曲です。HÄVAR・BENDIKSENのアコースティック・ギターの調べが非常に印象的と言うか心に突き刺さるような調べが悲し過ぎますね。
5曲目"Wayside Song"(6:57) 不協和音を発する民族弦楽器のようなサウンドの流れと美しいSILJEが響く前半からポップ調べの"サビ" とが組曲風に感じさせるエキゾチック感を感じさせる曲です。後半からはピアノの調べとストリングスの重厚な調べによるインストゥルメンタルなアレンジとなっています。
6曲目"Nightroad"(6:07) この曲も映画のサウンドトラックのような感じを受ける美しい調べの曲ですね。ゆったり奏でられるピアノの調べとSILJE歌声だけのシンプルなサウンドから次第に繰り広げられるストリングスの調べと思い詰めた内容の歌詞が切なく響きます。
7曲目"Old Madrid"(3:54) スペインの下町に紛れ込んだようなアコーディオンとその調べに合わせて歌い地元の人達の歌声が楽しく響くイントロから入る曲です。スローなボサ・ノヴァ調のリズムと心地好い響きのナイロン弦ギターのサウンドと優しい響きのSILJEの歌声が一層甘く男性ヴォーカリストとの歌声と共に響きます。
8曲目"While You Were Gone"(5:57) サウンドとメロディをアメリカナイズされた感じと言うか、SILJEの昔のヒット曲""Tell Me Where You're Going" のアンサー・ソングと思える内容とサウンドの流れを強く感じるのが興味深いですね。イントロと間奏のピアノ・ソロのサウンドは、元バンド・メンバーだったTORD・GUSTAVSENを彷彿とさせます。
9曲目"Laura"(6:00) MATHIAS・ERIK(MANU・KATCHE)の心地好い響きのトランペット・ソロとSILJEの歌声をストリングスの調べが優しくまた、ダイナミックにも包んで流れて来るのです。6分もある曲なのですが、この心地好い調べに浸るとついつい曲の終りには、リピートしたくなるのです。
全9曲歌詞付 16ページ物豪華写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:47分24秒 (昨年 '08年4月にMETROPOLE ORCHESTRAと合同で行われたアムステルダムでのライヴが、きっかけになったと思われる落ち着いた楽曲たちによるアルバム作りを感じます。何だか懐かしいオレンジ色コロンビアレーベルのジャズLP盤風ジャケット写真です)'10年9月9日再更新


INDEX   TOP

写真  SILJE NERGAARD / Unclouded
 ・2012 SONY MUSIC ENTERTAINMENT    LC 00162

落着いたアコースティック調・・・

このアルバムは、ノルウェーで活躍しているジャズ・シンガーSILJE・NERGAARDの通算14枚目(コンピ盤、共同ライヴ盤、クリスマス企画盤を含む)のアルバムで、本国でのリリースは、'12年3月9日となっていす。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SILJE・NERGAARD:ヴォーカル/作曲/プロデュースの他、HALLGRIM・BRATBERG:ギター/ベース/ラップ・スティール/ハープ/ボディー・パーカッション、HÄVAR・BENDIKSEN:ギター/バリトン・ギター/ベース/ラップ・スティール、JOHN・SCOFIELD:ギター、JOJJE・WADENIUS:ギター、KNUT・REIERSRUD:スライド・ギター/ラップ・スティール、NILS・EINAR・VINJOR:ギター、JOHN・PÅL・INDERBERG:サックス/ヴォーカル、NILS・PETTER・MOLVÆR:トランペット、MARTIN・WINDSTAD:パーカッション、KIM・ANDRÉ・RYSSTAD:ヴォーカル、FRIDA・ÅNNEVIK:ヴォーカル、PÅL・SVENRE:バック・ヴォーカル/プロデュース、PETER・HALLSTRÖM:バック・ヴォーカルのベテラン・ミュージシャン達が参加しています。

1曲目"All I Had"(5:07) 落着いたアコースティック・ギターとトランペットの調べが流れるスローな曲です。ソフトに響くSILJEの歌声のバックに優しく寄り添った歌声は、同じくノルウェーのシンガーFRIDA・ÅNNEVIKで、彼女の歌声も非常に心地好いですね。
2曲目"Norwegian Boatsong"(6:21) イントロから響くシタール風(インディアン・スライド・ギター)の独特の響きが異国情緒を醸し出す曲です。イントロを過ぎた辺りから登場する北欧トラディショナル音楽のようなアコースティック・ギターの不協和音の響きとこの曲でも異種音楽であるフォーク・シンガーKIM・ANDRÉ・RYSSTADとのコラボが見事な出来栄えの良さを感じます。
3曲目"God’s Mistakes"(4:13) 今度は、サウンドの方向をぐっと十八番であるジャズに引き寄せた曲の登場です。今回のアルバムのテーマとなったギターのサウンドをメインとしているのですが、この曲ではJOHN・SCOFIELDのギターがたっぷりと響きます。
4曲目"The Moon's A Harsh Mistress"(5:10) この曲は、多くのミュージシャンにカバーされているアメリカのフォーク・シンガーJIMMY・WEBBが '74年に書いた曲です。1分以上もある美しいアコースティック・ギターの爪弾きによるイントロの後に登場するSILJEの澄んだ歌声がそっと響く落ち着いた流れを感じさせるスローにしたアレンジで展開させています。
5曲目"Ordinary Sadness"(5:00) ハイフレットで美しく奏でられるアコースティック・ギターのサウンドが響くこの曲も落ち着いた流れを与えてくれる曲です。サウンド的には、ウエスト・コーストのソフト・ロック路線を非常に感じます。
6曲目"When The Morning Comes(Song For Karla)"(3:51) SILJEが幼少期に聴いて育った父のギターの音色を想い起したように奏でられる曲です。その想い出を再び自身の愛娘に聴かせる子守歌です。アコースティック・ギターの優しい弦の響きと運指によるギター独特の擦れ音も心地好く響きます。
7曲目"Det Var For Sent"(4:34) 母国語で「遅すぎた...」とタイトルの付いた非常にメロディアスでサウンドの美しい曲です。ナイロン弦のゆったりとした響きに合わせて歌うSILJEの母国語による歌声の響きが漂います。バック・ヴォーカルは、スウエーデンのピアニストである近年のSILJEのアルバムのプロデューサーPÅL・SVENREです。
8曲目"When Our Tune Is Played"(3:28) メランコリックなサウンドが漂うスローな曲です。前々作の収録曲のようなスタンダード曲をゆったりと演奏しているような落ち着きや安堵感を与えてくれます。
9曲目"He Must Have Been Telling A Lie"(3:10) 今度は少しサウンドをノスタルジックなサウンドを聴かせる30年代のスウィング・ジャズでしょうか。ギターには過去のアルバムのプロデュースと演奏を共にして来たJOJJE・WADENIUSに大御所JOHN・PÅL・INDERBERGがサックスとヴォーカルで渋い歌声を聴かせています。
10曲目"I Will Write You Every Day"(3:43) 厳かに奏でられるギターの調べに包まれてSILJEが歌う落ち着いたメロディとサウンドの曲です。クラシック・ギターによるアンサンブル的な演奏の流れの中にSILJEの優しい歌声が中央に浮かび上がります
11曲目"Human"(4:48) オリジナル曲は、ラスヴェガス出身のロック・バンドTHE KILLERS '08年のヒット曲です。ここでの収録は、オリジナル曲のようなテクノ・ポップ色では無い方の彼らのアコースティック・バージョンを更にスローにしたアレンジとなっていますが、途中より登場する官能的なギターの調べは、本当に感動を与えます。 モノクロームでのライヴ仕立てのビデオもどうぞ!
9曲歌詞付 豪華写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:49分29秒 (SILJEにギタリスト2人を加えた新生SILJE NERGAARD TRIOとして再スタートし、ヨーロッパ・ツアーを行う準備中のようです)'12年6月24日更新


INDEX   TOP

写真  SILJE NERGAARD / For You A Thousand Times
 ・2017 Sony Music Entertainment Germany GmbH.    889854354527

足、長いっすね(笑)・・・

このアルバムは、ノルウェーで活躍しているジャズ/ポップ・シンガーSILJE・NERGAARDの通算16枚目(2枚のコンピレーション盤を含む)のアルバムで、本国でのリリースは、'17年10月13日となっていす。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SILJE・NERGAARD:ヴォーカル/ループ/フィールド録音/副プロデュースの他、HALLGRIM・BRATBERG:ギター、AUDUN・ERLIEN:ベース/バリトン・ギター/リズム/ストリングス・プログラミング/プロデユース、ANDREAS・ULVO:フェンダー・ローズ/ハモンド、STÅLE・STORLØKKEN:シンセサイザー、WETLE・HOLTE:ドラム/パーカッション、SIDIKI・CAMARA:パーカッション/ンゴニ、MATHIAS・EICK:トランペット、HÅKON・KORNSTAD:サックス、HÅKON・AASE:ヴァイオリン、NYOTA・NDOGO:ヴォーカル、JONAH・YEABSERA:ヴォイス、KARLA・NERGAARD・TOTLAND:バック・ヴォーカルのSILJEの家族も参加しています。

1曲目"It's Gonna Rain"(4:24) アルバムの出だしからいつものSILJEのアルバムからちょっと違ったアフリカン・サウンドの曲です。アフリカの干ばつを描いた"ビデオも制作されています。
2曲目"For You A Thousand Times"(5:12) '09年のアルバム[A Thousand True Stories]とアルバム・タイトルと共通するところ感じる曲です。非常にSILJEらしいエモーショナルに歌い上げるバラードです。
3曲目"Breathe"(4:50) SILJEのアルバムの音楽の中では、めずらしくダーク・アシッド感を持つ曲です。起伏を抑えたメロディとサウンドの流れから後半に登場するエクスペリメンタルなノイズ・サウンドが非常に斬新さを味合わせます。
4曲目"Cocco Bello"(5:52) ボサ・ノヴァのリズムを醸し出すギターのサウンドとコンガのリズムによると・この曲は、尚、曲名の"Cocco Bello" とは、リゾート地の海水浴客にココナッツを売る歩く商人のことです。南イタリアのカステッラバーテで撮影された"ビデオも綺麗です。
5曲目"Amy"(3:25) ハモンドの音色とSILJEの歌声だけで入るシンプルなスタイルの曲です。ブラスやシンセザイザーの音色も加えて演奏されますが、ソリッド感を表すように無駄を削ぎ落した感があります。
6曲目"Sleepwalking"(4:19) メロウな調べを放つ電子ピアノの調べとエフェクターを通したバリトン・ギターの音色が非常に心地好い曲です。バックのハーモニーなど60年代のモータウン・サウンドへのオマージュが感じます。
7曲目"Run Run Run"(4:32) イントロからゾックとさせるベースの調べとどことなくジャワのガムランのようなベルのサウンドとアフリカン・ビートを混合させたトランス感のある曲です。MATHIAS・EICKのとてもトランペットと思えぬエフェクトの効いた音色が非常に印象的です。
8曲目"Hush Little Bird"(5:26) エチオピア出身の当時7歳の子供との会話がイントロから流れるSILJEの私的な内容の曲です。シンプルな弦楽器と静かに打ち鳴らされるドラムのリズムが厳かに響きます。クレジット記載が無いのですが、男性ヴォーカルと複数のコーラスが付けられています。
9曲目"Jaded Childhood Dreams"(3:40) この曲も厳かな調べが流れるシンプルなスタイルの曲です。遠くで響くトランペットの調べに見守りながらSILJEがその美しい歌声を聴かせます。
10曲目"Winter Moon"(4:53) うな垂れたように叩かれるフロア・タムのビートと凛としたヴァイオリンの調べによる厳かな雰囲気を醸し出す曲です。日本に訪れた時の印象を歌にした"Japanese Blue" の曲の雰囲気の共通性を感じます。
全10曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:46分38秒 (コンスタントにアルバムをリリースしているSILJE、各アルバムをリリースする度に音楽の指向性を変えてのリリースです!)'24年2月19日更新


INDEX   TOP

写真  SIMIAN GHOST / Infinite Traffic Everywhere
 ・2010 FLAKE RECORDS    FLAKES-031

SEBASTIANのサイド・プロジェクト・・・

このアルバムは、スウェーデンのSandvikenで活躍しているインディー・ロック・バンドSIMIAN GHOSTの '10年11月17日に国内でリリースされたデビュー・アルバムです。
SIMIAN GHOSTのメンバーは、SEBASTIAN・ARNSTRÖM(AERIAL):ヴォーカル/ギター/ベース/シンセサイザー/ドラム/プログラミング/プロデュース、MATHIAS・ZACHRISSON(LIGHT VIBES):ギター/ベース/バック・ヴォーカル、ERIK・KLINGA(LIGHT VIBES):ドラム/バック・ヴォーカルの3人組です。(各曲の詳しいクレジット記載が無い為、メンバーの演奏楽器は、参考記載としています)
尚、このSIMIAN GHOSTは '05年より活動しているオルタナティヴ/シンセ・ポップ・バンドAERIALのSEBASTIAN・ARNSTRÖMのサイド・プロジェクトとしてスタートしています。

1曲目"Gay Is The Color Of God"(0:32) Lo-Fiなサウンドによる古いラジオ放送によるこのアルバムの幕開きを知らせる短いサンプル音源を使った曲です。
2曲目"Sequenced Dreams Of Independence"(5:52) アコースティック・ギターの6弦を使って奏でられるベースのサウンドが心地好く感じられる曲です。少し頼りなげに聴こえるSEBASTIANの歌声に続いて後半より登場するMATHIASの力強いドラム・ビートも手伝ってスピード感を上げて流れ去って行きます。
3曲目"Star Receiver"(4:11) 浮遊感漂うギターの調べと電子サウンドによるキーボードの旋律が非常に綺麗なイントロを持った曲です。1分半を過ぎたあたりから登場するこれまた繊細な歌声を聴かせるSEBASTIANの切ない歌声に鳥肌を感じさせます。前の曲とこの曲など日本のお茶の間で流れてもおかしくない日本人好みのサウンドを感じます。
4曲目"All I Know Is But A Fog"(3:58) 今度は、サウンドにLo-Fiなノイズを加えた演出を使った曲ですが、根底にあるメロディアスなピアノの調べとSEBASTIANの美しい歌声には、素晴らしいものを感じさせます。
5曲目"Killer"(3:54) アコースティックなサウンドを主体としたギターの演奏による曲です。バックに雰囲気もので響くMATHIASのドラムやスキャットで付けたSEBASTIAN達の美しいハーモニーについつい聴き入ってしまいます。
6曲目"Transparent Is Ok"(4:44) 前の曲も含みアコースティック・ギターのサウンドを主体としたギター・サウンドの曲が続きます。バックのERIKの美しいギターの爪弾きに合わせて気持ち良く歌うSEBASTIANがそこの居るように思わせます。
7曲目"Kneel To Kim"(4:54) 低いキーによる低音のサウンドを使ったシンプルな流れによる曲ですが、サンプル音源やLo-Fiな荒らしたサウンドを装飾に纏った新しさも感じさせます。
8曲目"Me+"(2:33) SEBASTIANのギターによる弾き語りを中心としたゆったりと流れる曲です。ゆっくりと奏でられるギターの爪弾きにエコーを効かせたSEBASTIANの歌声は優しく響きます。
9曲目"Perfectly Aligned"(4:16) エスニックな雰囲気を醸し出すMATHIASのドラムやパーカッションのリズムが特徴的な陶酔感を持って流れて来る曲です。この淡々とりしたリズムやサウンドの流れが、やはりChillwaveと言うところでしょうか。
10曲目"The Solemn Light Of Observation"(3:46) 前の曲とは対照的にメロディとサウンドに起伏を持たせたアコースティック・サウンドの曲です。切なさの中にもダイナミックさを感じさせるSEBASTIANの歌声とERIK、MATHIAS達の演奏もダイナミックさ増して繰り広げられます。
歌詞無し 写真ライナー (国内盤) 収録時間:38分43秒 (一応、国内盤としてリリースされているので、歌詞カードぐらい付けて欲しかったですね)'13年2月2日更新


INDEX   TOP

写真  SIMIAN GHOST / Lovelorn
 ・2011 Heist Or Hit Records.    HEISTO35CD

SEBASTIAN、ERIK、MATHIASの融合・・・

このアルバムは、スウェーデンのSandvikenで活躍しているシンセ・ポップ・バンドSIMIAN GHOSTの '11年4月25日に本国でリリースされた2枚目(7曲EP盤)のアルバムです。
SIMIAN GHOSTのメンバーは、SEBASTIAN・ARNSTRÖM(AERIAL):ヴォーカル/ギター/ベース/シンセサイザー/ドラム/プログラミング/プロデュース、MATHIAS・ZACHRISSON(LIGHT VIBES):ギター/ベース/バック・ヴォーカル、ERIK・KLINGA(LIGHT VIBES):ドラム/バック・ヴォーカルの3人組です。(今回も各曲の詳しいクレジット記載が無い為、メンバーの演奏楽器は、参考記載としています)

1曲目"Free Agent"(3:19) 古いテープレコーダーの再生音に似せたテープの伸びやアジマスずれを起こしたようなローファイでセンターずれを起こしたような音色加工で展開するポップ調の曲です。
尚、この曲はアルバムのリリース後にシングルとしてもリリースされています。
2曲目"Note To Self"(2:37) スローなテンポによるSEBASTIANの歌声をサンプルとして流される曲です。スピードや音色/音質を違えて様々にアレンジされたSEBASTIANの歌声が詰め込まれています。
3曲目"As You See Fit"(3:37) シンセ・ポップとアンビエント系のサウンドが調和したような落ち着いたメロディとサウンドを聴かせる曲です。バックで流れるスキャットによる歌声やエスニックなドラムのビートを楽しめる内容です。
4曲目"Bicycle Theme"(3:06) シングル曲としてもリリースされているこのアルバムからのビデオも制作された一押しのチューンです。少しローファイにされたSEBASTIANの歌声とバックでうねりながらも浮遊感漂う電子サウンドが非常に心地好く響いています。
5曲目"Poolside Glow"(5:29) 少しギターのサウンドが取り上げあれている曲です。繊細なサウンドや抑制を効かせたMATHIASのドラミングなど聴かせるところを幾つも感じます。電子サウンド一辺倒で流すのでは無く、根底には美しいアコースティック・サウンドが盛り込まれています。
6曲目"Gently Submissive"(3:47) この曲も非常にメロディアスな響きで奏でられるアコースティック・ギターの調べを感じます。メランコリックさを目一杯感じさせるSEBASTIANの清楚な歌声が切な過ぎますね。
7曲目"Take My Hand And Lead Me Home"(3:34) ここで更にアコースティック・ギターによる曲の登場です。何か楽しげな雰囲気を醸し出している手拍子と綺麗なにアコースティック・ギターの弦の響きが心地好く響いています。
歌詞無し ライナー無し 紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:25分32秒 (前作[Infinite Traffic Everywhere]は、国内でもリリースされたのですが、このEP盤は国内リリースが難しそうですね)'13年1月30日更新


INDEX   TOP

写真  SIMIAN GHOST / Youth
 ・2012 Heist Or Hit Records.    HEISTO44CD

心地好いサウンドの響き・・・

このアルバムは、スウェーデンのSandvikenで活躍しているインディー・ロック・バンドSIMIAN GHOSTの '12年2月29日に本国でリリースされた3枚目('11年のEP[Lovelorn]を含む)のアルバムです。
SIMIAN GHOSTのメンバーは、SEBASTIAN・ARNSTRÖM(AERIAL):ヴォーカル/ギター/ベース/シンセサイザー/ドラム/プログラミング/プロデュース、MATHIAS・ZACHRISSON(LIGHT VIBES):ギター/ベース/バック・ヴォーカル、ERIK・KLINGA (LIGHT VIBES):ドラム/バック・ヴォーカルの3人組です。(今回も各曲の詳しいクレジット記載が無い為、メンバーの演奏楽器は、参考記載としています)

1曲目"Curtain Call"(2:42) このアルバムのリリースと同時にシングル曲としてリリースされた曲です。ギターの刻み音を全面に出したサウンドや覚えやすいメロディなどやはりこのアルバムからイギリス・デビューへとモーションを掛けている感じが伝わって来ます。
2曲目"Youth"(5:57) この曲もギターのサウンドやベースの起伏あるサウンドの流れが非常に心地好い曲です。SEBASTIANの高く響く美しい歌声もこのバンドの魅力の1つと言えますね。'14年になってアメリカでのLP盤リリースに際して制作されたビデオもどうぞ!
3曲目"The Capitol"(4:27) 今度は、スピード感を上げて来た80年代の「ネオ・アコーステック・バンド」の持つ雰囲気を感じさせる曲です。美しいハーモニーのバックに広がるハイコードで爪弾かれるギターのサウンドで乗りと躍動感を与えて来ます。
4曲目"Wolf Girl"(3:46) この曲は、アルバムのリリース前からシングル曲としてリリースされているキャッチーなサウンドを持った曲です。ソフトに歌うSEBASTIANとバックの演奏群が非常に心地好い流れとサウンドを作っています。ところでWolf Girlってどのような娘なのでしょうかね。
5曲目"Sparrow"(3:28) 非常に繊細なサウンドを聴かせるアコースティック・サウンドの曲です。春の訪れを待ち焦がれるスウェーデンの人々やその情景を想像させます。但し、この曲のイメージを例えるならノルウェーのKING OF CONVENIENCEの持つイメージに近いかな。
6曲目"Fenix"(3:40) この曲も非常にメロディアスな響きを与えてくれる曲です。さり気なく聴かせるMATHIASのドラム・テクや雰囲気物のERIKのギターのサウンドなど非常に魅力を感じます。
7曲目"Automation"(3:15) この曲もキャッチーなサウンドとメロディを聴かせる曲です。爽やかなSEBASTIANの歌声を中心としたシンプルなサウンドの流れなどやはり80年代の「ネオ・アコースティック」と共通する感じがします。
8曲目"Siren"(2:45) 非常にゆったりしたリズムで奏でられる曲の登場です。この曲の浮遊感と繊細さは、やはり北欧的としか表現できないもどかしささえ感じます。
9曲目"Crystalline Lovers Mind"(3:30) さて再びアップ・テンポによるギター・サウンドの曲です。心地好いギターのリフに乗せて歌うSEBASTIANの透き通った歌声が響きます。
10曲目"No Dreams"(4:25) ミドル・テンポによる心地好いリズムの流れを感じさせる曲です。ドラムのビート、ベースとギターの爪弾き、SEBASTIANの歌声とセルフによるハーモニーが唯々流れて行くだけなのですが、この曲が終わった後に思うのが「もっと聴きたいな!」なのです。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:37分59秒 (SEBASTIAN、MATHIASとERIKの作り出す音楽は最高なのですが、欲を言えばこのアルバムは、収録曲が少ないかな)'14年9月27日再更新


INDEX   TOP

写真  SIMIAN GHOST / The Veil
 ・2014 Fastcut Records    FCRD 053

今度は何と18曲入り・・・

このアルバムは、スウェーデンのSandvikenで活躍しているインディー・ロック・バンドSIMIAN GHOSTの '14年2月19日に国内でリリースされた4枚目('11年のEP[Lovelorn]を含む)のアルバムです。
SIMIAN GHOSTのメンバーは、SEBASTIAN・ARNSTRÖM(AERIAL):ヴォーカル/ギター/ベース/シンセサイザー/ドラム/プログラミング/プロデュース、MATHIAS・ZACHRISSON(LIGHT VIBES):ギター/ベース/バック・ヴォーカル、ERIK・KLINGA(LIGHT VIBES):ドラム/バック・ヴォーカルの3人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MAJA・AGNEVIK(VIOLET VAIN & FRIENDS):ヴォーカルの比較的少人数での収録です。

1曲目"Float"(2:11) 聴きなれたSEBASTIAN、ERICとMATHIASの非常に美しく響くハーモニーがイントロから穏やかに広がる曲です。先ずは、オープニングにはゆったりと余り飛ばさずに聴かせるメロディとリズムに浸れる趣向ではないでしょうか。
2曲目"Cut-Off Point"(3:43) 今度は、1曲目の曲調をテンポ良く仕上げたこれぞSIMIAN GHOST風と言える爽やかさとイノセントさを感じさせるサウンドとリズムです。
3曲目"A Million Shining Colours"(3:23) 曲のタイトルから受けるイメージとは裏腹に「人生を無駄にした」と何度も繰り返すサビをイントロから聴かせる曲です。非常にエコーを効かせたサウンドの響きにこのコーラスの付け方などサーフミュージックからの影響を感じます。
4曲目"Echoes Of Songs(For Trish Keenan)"(4:24) MAJA・AGNEVIKのヴォーカルが堪りませんね。このアルバムからの一押しの曲となっているようにMAJA・AGNEVIKも登場しているビデオが配信されています。尚、この曲は、イギリスのポストロックバンドBROADCASTのシンガー故TRISH・KEENANに捧げられています。
5曲目"August Sun"(2:52) ゆったりと爪弾かれるアコースティック・ギター1本によるSEBASTIANの弾き語りから入る曲です。途中より非常に美しく広がるハーモニーは「8月の太陽」を表現しているように思います。
6曲目"The Ocean Is A Whisper"(3:05) この曲も非常に優しい響きを感じさせる曲です。バックに女性ヴォーカリストが居るような高いキーのハーモニーが付いているのですが、クレジットの記載が無いので多分、SEBASTIANのファルセットなのでしょう。
7曲目"I Will Speak Until I'm Done"(2:17) 今度はスピードを上げて来たロック色の強い曲です。Lo-FiにしたSEBASTIANの歌声も時折登場して粗さも表現した美しさの中にもオルタナテイヴさを持ち合わせています。
8曲目"Secret Meadow"(3:02) 最初のアルバムに多く収録されていた感じのインストゥルメンタルの登場ですが、よりソフトなイメージを持たせる為、MATHIASのドラムワークも少し控えめにしているように感じます。
9曲目"Fight Even"(1:59) SEBASTIANがその透き通った非常に美しい歌声を聴かせるアコースティックでの弾き語りです。2分に満たないこの小さな曲のその侘しさが歌詞の内容と共に切なく響いて来ます。
10曲目"Hidden In Your Leaves"(4:42) この曲も非常に美しいメロディとサウンドを持った曲です。本当に切なさを感じさせるメロディです。英語の歌詞が直ぐに分かる人ならきっとこの曲を聴いたとたんに涙するのではないでしょうか。
11曲目"Be A Good Kid"(3:23) このSIMIAN GHOSTの魅力はどこにあると聴かれたら即、SEBASTIANの歌声を囲むバックの美しいハーモニーだと答えると思われる。この曲も非常に美しいハーモニーを聴かせています。
12曲目"Scattered And Careless"(3:43) このアルバムの中でピカイチと感じさせた曲の登場です。イントロから痺れさせる軽く飛ばせて来る3人の演奏とリズムの流れが堪らないです。
13曲目"Never Really Knew"(3:40) この曲も洒落たリズムとメロディの流れをギターのリフとカッティングにより巧みに表現した上手さを感じさせる曲です。また、再びヴォーカルで登場しているMAJA・AGNEVIKとSEBASTIANとの歌声によるコラボが堪りませんね。
14曲目"Strange Light"(2:02) この曲も短い曲ですね。前の曲のMAJAとSEBASTIANとのスタジオでの収録風景を小型レコーダにて手持ちしながら歩きまわって足音を被せた効果音的なイメージです。
15曲目"The River Ouse"(7:53) このアルバムの曲の中では8分近い大作の登場です。イントロから短い歌詞と同じフレーズで聴かせる組曲としたアレンジです。透き通ったSEBASTIANの歌声が終わったあとから乗りの良いギター、ベースとドラムによるサウンドが迫って来る感じが好いのですが、あくまでそこはSIMIAN GHOST風に軽くあっさりとしたリズムとサウンドなのです。尚、曲のタイトルとなっているThe River Ouseとは、イングランド北ヨークシャーの河川です。
16曲目"Endless Chord"(3:28) 讃美歌のような質感を持った電子ピアノとSEBASTIANの美しい歌声が穏やかに流れる曲です。どちらかと言うとスウェーデンと言うよりケルト系かも知れませんね。
17曲目"Summer Triptych"(3:43) 再び夏をテーマとした曲の登場です。少し荒らしたノイジーなギターのサウンドをバックに響かせ軽めなドラムのビートに合わせてSEBASTIANが同じく軽く歌います。
18曲目"The Veil"(2:26) アコースティック・ギターの爪弾きとゆったりとしたドラムの響きが流れる穏やかな短いインストゥルメンタルです。
15曲歌詞/訳詞付 写真ライナー (国内盤) 収録時間:62分03秒 (前作が10曲と寂しいとここに記載したので、それだからと言う訳は一切ないでしょうが、今回は何と18曲と聴き応えがあります)'14年4月13日更新
2014年度ベスト5


INDEX   TOP

写真  SIMIAN GHOST / Simian Ghost
 ・2017 Heist Or Hit    

CDとしてリリースされていない・・・

このアルバムは、スウェーデンのSandvikenで活躍しているインディー・ロック・バンドSIMIAN GHOSTの5枚目('11年のEP[Lovelorn]を含む)のアルバムで '17年9月29日にヨーロッパからのリリースです。
SIMIAN GHOSTのメンバーは、SEBASTIAN・ARNSTRÖM(AERIAL):ヴォーカル/ギター/ベース/シンセサイザー/ドラム/プログラミング/プロデュース、MATHIAS・ZACHRISSON(LIGHT VIBES):ギター/ベース/バック・ヴォーカル、ERIK・KLINGA(LIGHT VIBES):ドラム/パーカッション/バック・ヴォーカル、WILHELM・MAGNUSSON:ベース/ギターの4人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ライナー/クレジットが付属されていない為、残念ながら不明です。

1曲目"Fun"(3:12) イントロのサウンドの1音からぐっと掴まれた曲です。ほぼ4年ぶりに聴くSEBASTIANの高いキーの歌声とその周りに広がるキラキラとしたギター・サウンドの数々、これはもう曲名通り楽しむしかありませんね。尚、この曲は、アルバムのリリース約1年前からビデオ(このアルバム制作前にSEBASTIANの病気療養中のエピソードを題材にしたとの事)の配信とシングル曲としてダウンロード販売されています。
2曲目"'When You're Ready"(3:01) この曲もテンポが好く感じられる曲です。間奏のギター・サウンドの圧巻さや曲の組立のアレンジなど単に軽さだけを持った曲と一線を画す出来栄えを強く感じます。
3曲目"Eat The Rich"(3:31) この曲もスピーディな軽快さを感じさせる曲です。前作[The Veil]でのアコースティックなサウンドを廃してソリッドさやエレクトロニクス・サウンドにSEBASTIANのヴォーカルに軽めのヴォコーダーを通すなど初期から2枚目のアルバムの曲に近い感じです。
4曲目"Passenger"(1:48) インターリュード的にこの位置に配された2分にも満たない短い曲です。オルゴールを聴いているような心地好いサウンドの流れに時折入るMATHIASのアグレッシヴなドラムのビートが渋めに付けられています。
5曲目"Last Night"(3:23) エレクトロ・ポップなダンス・ビートな曲です。クールなSIMIAN GHOST風テンポ良く仕上げたビートは、このビデオに良く似合います。
6曲目"Money"(3:27) レトロな雰囲気を感じさせる70年代のソフト・メロディアス・ロック然とした曲です。R&Bやブリティシュ・ロックの影響を強く感じさせながら爽やかに歌うSEBASTIANです。
7曲目"Shadow"(4:03) ここまで通して聴いて来て本当に軽快な曲ばかり登場しています。この曲もイントロのギター・リフから軽快に飛ばして行きます。昔を懐かしむ歌詞が流れ去って行きます。
8曲目"Éphémère"(1:42) 曲名は、フランス語での「カゲロウ」を意味しています。スキャットでフランス語「l'amour」と短く歌われています。
9曲目"Stop Moving"(3:12) ソリッドなERIKのギター・リフが非常にかっこ良い曲です。イントロから体を震わされるリズムの流れとMATHIASの畳み掛けるドラムのビートの攻めが堪りません。尚、この曲はアルバムのリリース前の3月にシングル先行リリースされています。
10曲目"Sheet Music"(2:14) このアルバムの収録されている短めの曲の3曲目で、スペース・サウンド的なインストゥルメンタルとなっています。
11曲目"Lose It"(3:28) やっとアコースティック・ギターを使ったスローな曲の登場です。美しいハーモニーによる歌声とメランコリックなメロディが切なく響きます。
12曲目"Climb The Walls"(8:13) '12年のアルバム未収録曲"Autumn Slowmo" 後半のインストゥルメンタルに近い美しいメロディとサウンドが感じられる曲です。SEBASTIANとERIKのギターのピッキングの絡み合いが非常に美しく曲の終焉まで響きます。
歌詞無し 紙ジャケット仕様 プロモーションCD盤 (輸入盤) 収録時間:41分19秒 (今作からCD盤としてのリリースは無く、ダウンロードとアナログ盤のみ販売は非常に残念です)'18年1月27日更新


INDEX   TOP

写真  SIMIAN GHOST / Simian Ghost
 ・2018 Tugboat Records    TUGR-052

CDとして国内リリース・・・

このアルバムは、スウェーデンのSandvikenで活躍しているインディー・ロック・バンドSIMIAN GHOSTの5枚目('11年のEP[Lovelorn]を含む)のアルバムで '18年5月2日に国内からCD盤としてリリースされました。
前回 '17年9月29日ヨーロッパ盤(プロモーション用CD盤)の記載から仕様の違った項目を加筆して掲載します。
SIMIAN GHOSTのメンバーは、SEBASTIAN・ARNSTRÖM(AERIAL):ヴォーカル/ギター/シンセサイザー、ERIK・KLINGA(LIGHT VIBES):ドラム、MATHIAS・ZACHRISSON(LIGHT VIBES):ギター/シンセサイザー/バック・ヴォーカル、WILHELM・MAGNUSSON:ベースの4人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、THOMAS・HEDLUND(Ex.THE PERISHERS):ドラム/パーカッションが参加しています。
尚、国内CD盤のブックレットにTHOMAS・HEDLUNDがプロデューサーと記載されていますが、ジャケットと英文歌詞のライナーにはプロデューサー名の記載はありません。

1曲目"Fun"(3:12) イントロのサウンドの1音からぐっと掴まれた曲です。ほぼ4年ぶりに聴くSEBASTIANの高いキーの歌声とその周りに広がるキラキラとしたギター・サウンドの数々、これはもう曲名通り楽しむしかありませんね。尚、この曲は、アルバムのリリース約1年前からビデオ(このアルバム制作前にSEBASTIANの病気療養中のエピソードを題材にしたとの事)の配信とシングル曲としてダウンロード販売されています。
2曲目"'When You're Ready"(3:01) この曲もテンポが好く感じられる曲です。間奏のギター・サウンドの圧巻さや曲の組立のアレンジなど単に軽さだけを持った曲と一線を画す出来栄えを強く感じます。
3曲目"Eat The Rich"(3:31) この曲もスピーディな軽快さを感じさせる曲です。前作[The Veil]でのアコースティックなサウンドを廃してソリッドさやエレクトロニクス・サウンドにSEBASTIANのヴォーカルに軽めのヴォコーダーを通すなど初期から2枚目のアルバムの曲に近い感じです。
4曲目"Passenger"(1:48) インターリュード的にこの位置に配された2分にも満たない短い曲です。オルゴールを聴いているような心地好いサウンドの流れに時折入るMATHIASのアグレッシヴなドラムのビートが渋めに付けられています。
5曲目"Last Night"(3:23) エレクトロ・ポップなダンス・ビートな曲です。クールなSIMIAN GHOST風テンポ良く仕上げたビートは、このビデオに良く似合います。
6曲目"Money"(3:27) レトロな雰囲気を感じさせる70年代のソフト・メロディアス・ロック然とした曲です。R&Bやブリティシュ・ロックの影響を強く感じさせながら爽やかに歌うSEBASTIANです。
7曲目"Shadow"(4:03) ここまで通して聴いて来て本当に軽快な曲ばかり登場しています。この曲もイントロのギター・リフから軽快に飛ばして行きます。昔を懐かしむ歌詞が流れ去って行きます。
8曲目"Éphémère"(1:42) 曲名は、フランス語での「カゲロウ」を意味しています。スキャットでフランス語「l'amour」と短く歌われています。
9曲目"Stop Moving"(3:12) ソリッドなERIKのギター・リフが非常にかっこ良い曲です。イントロから体を震わされるリズムの流れとMATHIASの畳み掛けるドラムのビートの攻めが堪りません。尚、この曲はアルバムのリリース前の '17年3月にシングル先行リリースされています。
10曲目"Sheet Music"(2:14) このアルバムの収録されている短めの曲の3曲目で、スペース・サウンド的なインストゥルメンタルとなっています。
11曲目"Lose It"(3:28) やっとアコースティック・ギターを使ったスローな曲の登場です。美しいハーモニーによる歌声とメランコリックなメロディが切なく響きます。
12曲目"Climb The Walls"(8:13) '12年のアルバム未収録曲"Autumn Slowmo" 後半のインストゥルメンタルと美しいメロディとサウンドが感じられる曲です。SEBASTIANとERIKのギターのピッキングの絡み合いが非常に美しく曲の終焉まで響きます。
全12曲歌詞/訳詞付 ブックレット (国内盤) 収録時間:41分19秒 (前回のレビューにCD盤としてのリリースが無いと記載しましたが、嬉しい事に国内CD盤として出ました)'18年5月3日更新
2018年度ベスト5


INDEX   TOP

写真  SIMON CLIMIE / Soul Inspiration
 ・1992 Epic/Sony Records    ESCA 5688

ソロ名義で出した唯一のアルバム・・・

ロンドン出身でソングライターとして活躍していたSIMON・CLIMIE名義の唯一のアルバムで、国内でのリリースは '93年1月21日です。
SIMONは、故ROB・FISHERと '86年にコンビを組んでCLIMIE FISHER名義でアルバムを2枚リリースしています。そのCLIMIE FISHER解散後は再びソングライターとして活躍し、このアルバムをリリース後、ERIC・CLAPTONとのユニットとの活動と自身のスタジオワークとプロデューサーと忙しく活動しています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SIMON・CLIMIE:ヴォーカル/プロデュースの他、J.J.BELLE:ギター、NEIL・TAYLOR:ギター、JERRY・McPHERSON:ギター、GREG・PHILLINGAINES:キーボード/ベース・プログラミング、PAUL・WALLER:ドラム/ベース・プログラミング、KEITH・THOMAS:キーボード/バック・ヴォーカル/副プロデュース、GUY・PRATT:ベース、NATHAN・EAST:ベース、IAN・GREEN:ベース、BRIAN・TANKERSLEY:ドラム・プログラミング、CHARLES・PIERRE:ドラム・プログラミング、MARC・HAMMOND:ドラム・プログラミング、KEITH・LeBLANC:ドラム、STEVE・FERONE:ドラム、LUIS・JARDIM:パーカッション、MARTYN・PHILLIPS:シンセサイザー/ベース・プログラミング、MARTIN・VIRGO:シンセサイザー/MIDIストリングス、MIKE・HAYNES:トランペット、DAVY・SPILLANE:ホイッスル(低音)、DEE:バック・ヴォーカル、CHYNA:バック・ヴォーカル、PAUL・LEWIS:バック・ヴォーカル、CHRIS・RODRIGUEZ:バック・ヴォーカル、VALERIE・ETIENNE:バック・ヴォーカル、THE FRANKLIN GOSPEL CHOIRのベテラン達です。

1曲目"Soul Inspiration"(4:22) 総勢13名のフランクリン・ゴスペル・コーラスとSIMONのスモーキー・ヴォイスによるミドル・テンポのエレクトロニカとポップスが上手く融合した秀曲です。
2曲目"Does Your Heart Still Break"(3:51) アップテンポなドラムのビートと明るいサウンドによる良質なポップソング。当時、アメリカで顔を知られていないSIMONは、全米のミュージシャンに曲を提供する為に誰が聴いても納得出来る良質なポップソングの必要性があったそうな。
3曲目"Love In The Right Hands"(4:48) 一転してクールなビートと打込みのサウンドの曲です。後半はエモーショナルなゴスペルコーラスとアフリカン・サウンドに近いパーカッシヴな躍動感です。
4曲目"Dream With Me"(4:50) この曲はギターのサウンドが最高ですね。CLIMIE FISHERのアルバムでも参加していた故J.J.BELLE(PETSHOP BOYS)かNEIL・TAYLORのギターでしょう。BILLY・STEINBERG(i-TEN)と共作の彼らしいヒット性の高いポップでキャッチーな曲です。
5曲目"Oh How The Years Go By"(4:56) WILL・JENNINGSとの共作のカントリー・フレイヴァー溢れる曲です。ピアノの響きが美しいメロディにSIMONの打込みのビートを上手く融合させ後半からはストリングスを使ってダイナミックな展開も。
6曲目"Don't Give Up So Easy"(4:10) 心地好いドラムのビートと時折入るSIMONのギミックなサンプルによる曲でストリングス、ゴスペル・コーラスとふんだんに配した乗りの良いミドル・テンポの曲です。
7曲目"Spell"(4:33) トランス・ミュージックに近いエレクトロニカのサウンドの曲で、最近のMIKE AND THE MECHANICSのサウンドスタイルに近い雰囲気です。でもやはりSIMONですからポップさは忘れていません。
8曲目"Don't Waste Time(Make Your Move)"(4:30) イントロからゴージャスな響きによるポップな曲です。何か"キラキラ" したものを感じられずにはいられない曲です。この曲はROB・FISHERも作曲に参加しています。
9曲目"Losing You"(3:50) めずらしくギターのサウンドを前面に出したサウンドの曲です。カントリー調のロックのリズムにトレモノを効かせたグレッチのギターのサウンドをアクセントに響かせています。間奏の後にSIMONもスポーケンも印象に残ります。
10曲目"Life Goes On"(4:57) クールなドラムのビートと幻想的な響きのキーボードにエレクトロニカ・ポップです。DEEとCHYNA(INCOGNITO)のバック・ヴォーカルも心地好いです。
全10歌詞/訳詞付 豪華写真ブックレット (国内盤) 収録時間:44分51秒 (次作は、SIMONとERIC・CLAPTONとの覆面ユニットで登場します!)'10年9月9日再更新
1992年度ベスト5


INDEX   TOP

写真  SIMONE / The Last Days And Nights
 ・2005 Passasjen Records    PMCD 3011

待ちに待った作品です・・・

このアルバムは、ノルウェーで活躍するD'SOUNDのメイン・ヴォーカリストSIMONEのソロ・アルバムで、本国では '05年の4月にダウンロードのみの販売です。 しかし、この度、'05年の5月11日に韓国向盤CDがリリースされた為、盤として購入出来ました。D'SOUNDのゴージャスなサウンドとは、一味違った全曲SIMONEの手によるポップとカントリー・タッチな曲の収録となっています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SIMONE・LARSEN:ヴォーカル/ギター/ベースの他、VIDAR・BERGETHON・HOLM:ギター、KJETIL・STEENSNAES:ギター/スライド・ギター/マンドリン、UNNI・WILHELMSEN:ギター、SIMON・MALM:ベース、HARALD・SKULLERUD:ドラム、ERIK・HOLM:パーカッション/タンバリン、ODD・NORDSTOGA:アコーディオン、SIMEN・M.ERIKSRUD:キーボード/プログラミングのやはりノルウェー勢です。
尚、このアルバムのプロデュースは、SIMONEのご主人でもあるSIMEN・M.ERIKSRUD(PADINGTON)とサブとしてSIMONE自身が行っています。

1曲目"The Last Days And Nights Of Rock & Roll"(3:55) SIMONEの登場する幻想的で少し恐ろしいビデオ・クリップになった曲。このCDでの収録では、ビデオに収録されていないSIMONEの弾き語りによるイントロを持っています。非常に美しいメロディによるバラードで、去ってしまった恋人への想いを綴った曲です。
2曲目"New Time"(3:27) ペダル・スティール・ギターと70年代の西海岸のフォーク・ロックのようなドラムのビートによるSIMONEのアメリカン・サウンドへのオマージュのようです。
3曲目"Christmas Alone"(4:13) アコースティック・ギターによる美しい響きをもったミドル・テンポの曲です。SIMONEの切ない歌声とクリスマスに誰かが登場する事を期待した歌詞の内容です。
4曲目"In My Hands"(3:21) 少し歪ませたギターのサウンドをたっぷりと使ったギターポップで恋する女性の心の内を歌にしています。
5曲目"Velvet Deep"(3:48) アコースティック・ギターの幻想的な響きを持ったスローなナンバーでペダル・スティールとマンドリンによるシンプルな楽器構成でD'SOUNDのジャジーでゴージャスなダンサブルなサウンドと対照的な感じです。
6曲目"Little Cowboygirl"(3:19) イントロからご機嫌に響くピッキング・ベースのエモーショナルなサウンドによるギターポップな曲です。IVYのADAM・SCHLESINGER似のかっこいいベース・ラインが、本当に感じ好いのサウンドです。
7曲目"Didn't See The Good Times(The Birthday Song)"(2:44) スローなカントリー調の曲でしっとりとしたSIMONEの歌声とセルフ・ハーモニーによる落着いた感じです。
8曲目"Hello, Hello, Hello"(3:22) この曲もカントリー調の曲静かな曲で以前に収録された。D'SOUNDの"SIGH" のメロディと似たしっとりとした曲です。
9曲目"Love Is Here"(4:06) 7曲目に似たカントリー・タッチの曲です。彼女の弾き語りで始まり途中でペダル・スティールギターとギターのサウンドが追加されて行きます。SIMONEソロのサウンドは、かなりの部分がこのアメリカのノスタルジックなところにルーツが有りそうです。
10曲目"No Losers"(2:51) 太く荒れたベースのビートが響くガレージ・ロック的なラウドなサウンドの曲ですが、流石サビの部分では、彼女らしい美しいメロディ・ラインを感じます。D'SOUNDを結成する前のSIMONEが居たDINGLEBERRIES時代は、このような曲を演奏していたのでしょうか。D'SOUNDでは考えられないこの曲調は、意外でしたね。
全10曲歌詞/韓国語訳詞付 写真ブックレット HDCD仕様 (輸入盤) 収録時間:35分11秒 (多分、収録時間が短い為に本国ではダウンロードのみ('05年5月21日Da Works-DACD 517としてCD盤リリース)の販売にしたのでしょう)'10年9月9日再更新


INDEX   TOP

写真  SODA BLONDE / Terrible Hands
 ・2019 Overbite Records    

LITTLE GREEN CARSの解散・・・

このアルバムは、'08年頃からインデペンデントとしてダブリンで活躍していたオルタナティヴ・ロック・バンドLITTLE GREEN CARSの '19年にメイン・ヴォーカル/ギターのSTEVIE・APPLEBYが抜け、残りのメンバー4名で結成されたSODA BLONDEのデビュー・アルバム(ダウンロードEP盤)で '19年11月8日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、先に紹介した4人ことFAYE・O'ROURKE:ヴォーカル/ギター、ADAM・O'REGAN:ギター/キーボード/バック・ヴォーカル、DONAGH・SEAVER・O'LEARY:ベース/バック・ヴォーカル、DYLAN・LYNCH:ドラム/パーカッション/バック・ヴォーカルです。

1曲目"Terrible Hands"(4:11) このアルバムからの先行シングル曲となった曲です。イントロのADAMのギターのキャッチーなサウンドとLITTLE GREEN CARS時代より少し妖艶さを増したFAYEの歌声が堪りませんね。EP盤リリースと同時にビデオも配信されています。
2曲目"Don't Mind Them"(3:41) この曲なんかLITTLE GREEN CARS時代から随分違った曲調を感じさせるエレクトロニカ感を持っています。フォーキーさを一掃し、FAYEの歌声を前面に出しコ-ラスでバックのメンバーがサポートする新バンドのスタイルを感じます。
3曲目"Perfume"(4:11) この曲では、先の曲とは逆にFAYEのアコースティック・ギターの弾き語りを中心としたしっとりと調べと歌声による曲です。凛とした響きを持つADAMのピアノの調べが胸を打ちます。
4曲目"The New Lovers Dance"(3:46) この曲もFAYEがそのパワフルな歌声を聴かせる曲となっています。DYLANの力強く打ち鳴らされドラムのビートとADAMのリズムカルなギターの調べが心地好く響きます。
歌詞無し (ダウンロード販売) 収録時間:15分49秒 (LITTLE GREEN CARSを解散してSODA BLONDEとして再スタート、やっぱり実力派としての素晴らしさを強く感じます)'20年8月30日更新


INDEX   TOP

写真  SODA BLONDE / Isolation ・ Content
 ・2020 Overbite Records    

FAYEの歌声が好いです・・・

このアルバムは、アイルランドの首都ダブリンで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドSODA BLONDEの2枚目(ダウンロード EP盤)のアルバムで '20年5月29日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SODA BLONDEのFAYE・O'ROURKE:ヴォーカル/ギター、ADAM・O'REGAN:ギター/キーボード/バック・ヴォーカル、DONAGH・SEAVER・O'LEARY:ベース/バック・ヴォーカル、DYLAN・LYNCH:ドラム/パーカッション/バック・ヴォーカルの4人です。

1曲目"I Hear Birdz"(3:52) TVかラジオのナレーションをサンプルとして導入部を持つイカシタ曲です。このSODA BLONDEの最大の魅力の一つであるFAYEのパワフルなアシッド感のある歌声に魅了されますね。
2曲目"Motion"(2:56) 今度は、少しエレクトロニカ感を強めたポップ調の曲です。この曲をじっと聴いていると前のバンドのLITTLE GREEN CARSのアイリッシュ感を一掃したかったじゃないのかなと思います。
3曲目"June"(3:48) バックで叩かれるDYLAN・LYNCHのドラムのビートが心地好く響くミドルテンポの曲です。ギター/キーボードのADAM・O'REGANとのハーモニーやジャズぽいピアノの調べもこのバンドの懐の深さを強く感じます。
4曲目"A Day At A Time"(4:18) この曲もエレクトロニカ・ポップ感を持った曲です。FAYEの歌声を中心にバックの男性陣ハモリが心地好く広がりますね。
歌詞無し (ダウンロード販売) 収録時間:14分54秒 (コロナウイルスの影響の中、ロックダウン状態で曲作りと収録したとのこと。FAYE達は、このアルバムを聴く人にこの状態に共感を持てるよう願いを込めたようです)'20年8月30日更新


INDEX   TOP

写真  SODA BLONDE / Small Talk
 ・2021 VELVETEEN RECORDS    VR002CD

やっと出ました・・・

このアルバムは、アイルランドの首都ダブリンで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドSODA BLONDEの3枚目(過去のダウンロード盤、EP盤を含む)のアルバムで '21年7月9日に本国でのリリース(CD盤/レコード盤は、9月13日リリース)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SODA BLONDEのFAYE・O'ROURKE:ヴォーカル/ギター、ADAM・O'REGAN:ギター/ベース/ピアノ/シンセサイザー/バック・ヴォーカル、DONAGH・SEAVER・O'LEARY:ベース/バック・ヴォーカル、DYLAN・LYNCH:ドラム/パーカッション/バック・ヴォーカルの4人の他、LUCIA・MAC・PARTLIN:ヴァイオリン、ANDREW・SHEERAN:ヴァイオリン、PHILIP・KEEGAN:ヴィオラ、GABRIELÉ・DIK&Ctilde;IŨÉ :チェロ、EDWARD・TAPCEANU:ダブル・ベース のダブリンのミュージシャン達が参加しています。
プロデュースは、SODA BLONDEと1部の曲は、J・SMITHと共同となっています。
尚、過去のアルバムからの曲についてのレビューは、転記しています。

1曲目"Tiny Darkness"(3:30) この曲は、意外と古い('19年6月頃)曲ですね。ADAMが少し奥で奏でるキーボードの非常に美しい音色がアクセントとなり、またFAYEの少し掠れ声もこのSODA BLODEのアルバムの幕開けに相応しさを感じます。今回のアルバム収録にてストリングスを大々的に取り入れアルバム制作への意気込みも強く感じます。
2曲目"The Dark Trapeze"(4:15) 細かく叩くようなピアノの調べがイントロから響くエレクトロニカ・ポップ調の曲です。間奏でのキーボードやストリングス(風?)の清々しい響きが印象的です。
3曲目"In The Heat Of The Night"(3:46) 揺らぎ持ったキーボードの調べと重く響くベースのサウンドが心地好い曲です。間奏の少し怪しい雰囲気を醸し出すキーボード調べに非常似合うFAYEのこれまた怪しい歌声が響きます。このアルバム・リリース直前にビデオも制作されています。また、このビデオの前編となった"Small Take"のビデオもどうぞ。
4曲目"Swimming Through The Night"(3:48) '19年6月シングル曲としてダウンロード・リリースされたSODA BLONDEとしてのデビュー曲です。非常にポップ感を増したリズムとサウンドの流れが印象的です。シングル盤リリースと同時に風変りなビデオも制作されています。
5曲目"Terrible Hands"(4:11) '19年11月にリリースされた4曲入EP盤からの曲です。イントロのADAMのギターのキャッチーなサウンドとLITTLE GREEN CARS時代より少し妖艶さを増したFAYEの歌声が堪りませんね。EP盤リリース前の9月にビデオも配信されています。
6曲目"Try"(4:17) イントロのサウンドの雰囲気から何処か戯曲的なイメージのする曲です。穏やかなメロディとビートとは相反するFAYEとADANの力強さを感じるヴォーカルが耳に残ります。
7曲目"Holy Roses"(3:42) センチメンタルな調べを放つADAMのギターの爪弾きがイントロから響く曲です。この曲ではADAMのバック・ヴォーカルの歌声も何時もより強めに入り、この曲のサビまでの起伏に一役買っています。特にこの曲を聴き終わっても暫くサビのリフレインが耳に残ります。
8曲目"I Still Have Feelings For You"(4:25) 孤高に響くADAMのギターに響きに合わせFAYEが訥々と歌う曲です。サビで流れるアップライト・ピアノの切ない響きとこれまた、切ないFAYEの歌声が堪りません。尚、このテイクは、イントロ前の小声によるカウントまで収録されています(ライヴストリームからの生テイクでしょうか)。
9曲目"Small Talk"(4:38) シンセ・ベースの重い響きがイントロから響くダークさのある曲です。前身LITTLE GREEN CARでのアイリッシュ・トラッド感から脱却したシンセ・ポップ感に溢れています。尚、この曲も'19年6月SODA BLONDEライヴで演奏されている意外と古い曲ですね。
10曲目"Champion Of My Time"(3:41) この曲も '19年頃の古い曲ですね。パック・ヴォーカルをADAMとベースのDONAGHがシェアしたスローなナンバーです。このアルバムでは、この曲を含みスローなナンバーが結構多く収録されています。
11曲目"Love Me World"(3:23) このアルバムより '20年9月に先行リリースされている曲です。いつもならパワフルな歌声を聴かせるFAYEですが、ここでは「愛の世界」についてしっとりと歌い上げています。ライヴストリームから編集カットされたビデオもどうぞ。
12曲目"Choices"(3:39) どこと無く80年代のブリティシュ・ポップ感のある曲です。DYLANのタイトなドラムのビートにDONAGHの太く響くベースの調べに重ねられた美しいストリングスの響きは非常に印象に残ります。
歌詞無し 紙ジャケット仕様 限定450枚CD盤 (輸入盤) 収録時間:47分20秒 (昨年より気を長くして待っていたSODA BLONDEのフルトラック・アルバム、CD購入時にサインをお願いしていたのですが、発送がマネージ元(イギリス)だったのでサインは残念ながら貰えませんでした! ジャケット写真の撮影風景(Jul 10, 2022)が公開されました)'21年7月9日更新
2021年度ベスト5


INDEX   TOP

写真  SODA BLONDE / Dream Big
 ・2023 Overbite Records    OR002

バラエティ溢れるアルバム・・・

このアルバムは、アイルランドの首都ダブリンで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドSODA BLONDEの4枚目(過去のダウンロード盤、EP盤を含む)のアルバムで '23年9月10日(予定より少し遅れ)に本国でのダウンロード・リリース(LP盤とCDはリリース日不明)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SODA BLONDEのFAYE・O'ROURKE:ヴォーカル/ギター、ADAM・O'REGAN:ギター/ベース/ピアノ/シンセサイザー/バック・ヴォーカル/ストリング・ブラス アレンジ、DONAGH・SEAVER・O'LEARY:ベース/バック・ヴォーカル、DYLAN・LYNCH:ドラム/パーカッション/バック・ヴォーカルの4人の他、THE GLAS QUARTET(AILBHE・CLANCY:ヴァイオリン、FRANCESCA・DE・NARDI:ヴァイオリン、ANNEMARIE・MCGAHON:ヴィオラ、DAVIDE・FORTI:チェロ)、LOMAN・SHERLOCK:トランペット、BRIAN・MURPHY:ベース・トロンボーンのアイルランドのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Midnight Show"(3:27) 巧に入るストリングスの音色から重く響くDONAGHのベースとADAMのシンセ・ベース調べが印象的な曲です。この曲では、少し丸く聴こえるFAYE の歌声にどこか聴き覚えのある感じがして思い出したのが、アメリカのS.S.W. LISSIEのイメージがあります。
2曲目"Bad Machine"(3:28) この曲は、過去のアルバムの曲からちょっと違い尖ったイメージのある曲です。少しLo-HiにしたFAYEの投げつけるような歌声とADAMの尖ったギターの音色が耳に残ります。このアルバム・リリース直前にビデオも制作されています
3曲目"Boys"(3:43) ドラムのビートのみに合わせて歌うFAYEと途中より登場する憂いを持ったADAMのスライド・ギターの音色が切ない曲です。人との理不尽な触れ合いについて歌っています。
4曲目"Dream Big"(4:57) ハープの音色風のイントロから厳かに歌うFAYEの丁寧な歌声に耳を傾ける曲です。ここまで聴いて来て今作は、本当にバラエティ溢れるアルバムですね。この曲も途中よりダイナミックな流れと枯れた音色になったブラスのサウンドが圧巻です。
5曲目"Space Baby"(4:21) 今度は、アコースティック・ギターの爪弾きによるシンプルなサウンドの曲です。FAYEの歌声の周りに集ったメンバーの演奏を重ねた楽しい宴のような感じが伝わって来ます。
6曲目"WWDWD"(3:38) この曲ではまたちょっと違った歌声を聴かせるFAYEです。ちょっと懐かしいテクノ・ポップのエレクトロニカ・エフェクトとファンカ・ラティーナ風のリズムも懐かしいです。
7曲目"An Accident"(4:59) アイルランドのトラディショナル曲のような雰囲気を感じる曲です。エコーを控えたFAYEの歌声も丁度センターに置いたモノラル収録のようなスタイルとADAMのハーモニーもモノラル風の歌声が響きます。
8曲目"My First Name"(4:10) このアルバムではADAMがスライド・ギターの演奏を聴かせる曲が多いのですが、この曲も印象的な音色を聴かせます。ストリングスの美しい音色とパワフルなDYLANのドラムのビートが好いですね。
9曲目"Why Die For Danzig"(4:38) 浮遊感漂うドラムのビートとギターの調べが感じ好い曲です。ステージの中央にでんと構えて声高らかに歌うFAYEの姿を想像させる雄大な流れが響き渡ります。
10曲目"Less Than Nothing"(4:30) この曲は、古いサウンド・スタイルによるアップライト・ピアノの調べをメインとしたシンプルな曲ですね。メランコリックな調べに合わせてFAYEも切ない歌声を聴かせます。
11曲目"Going Out"(7:19) ファンタジー映画音楽のような心地好い浮遊感を伝える曲です。4曲目と同じ枯れたブラスの音色がエフェクトのように流れ壮大なヴァーカル部も7分を超える長尺な曲なのに最初から最後まで聴き入ってしまいます。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:49分10秒 (去年もベスト5アルバムの選定を迷ったのに、今年もこのアルバムを含み、好アルバムが多いので迷いそうです!)'23年9月10日更新
2023年度ベスト5


INDEX   TOP

写真  SOMETHING SALLY / Familiar Strangers
 ・2008 DAWORKS RECORDS AS    DACD 539

daWorks Recordsからの意気込み・・・

SOMETHING SALLYは、リバプールで活動していたノルウェー出身のSALLYことANE・HAGNESS・KIRAN:ヴォーカルに同じくリバプールで活躍していたオルタナ・バンドISHKOBARのKRISTIAN・SVEHOLM:ベースとTHOMAS・MEYER・KONGSHAVN:ギターの3人で '05年に結成されました。メンバー全員ノルウェー出身の為かオスロのdaWorks Recordsと契約して、数枚のEP盤リリース後に、このアルバムが制作されました。アルバムの収録に際しては、曲調のイメージを考慮してかロンドンとオスロで録音が行われています。
尚、このアルバムはそのSOMETHING SALLYのデビュー・アルバムで本国にて '08年2月4日にリリースされました。アルバム・リリース前にはVirgin Records一押しのJOSS・STONEと共にオーストリア、イタリアとツアーをしています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ANE・HAGNESS・KIRAN:ヴォーカル/タンバリン、KRISTIAN・SVEHOLM:ベース/シンセサイザー/プログラミング、THOMAS・MEYER・KONGSHAVN:ギター/シンセサイザー/プログラミング/バック・ヴォーカルのSOMETHING SALLY 3人他、ERIK・KIIL・SAGA:キーボード、ØYVIND・MJELVE・STRANDEM:オルガン、JUAN・ZELDA:キーボード、HÅVAR・GJESTVANG:ドラム、ØYVIND・JENSSEN:ドラム、AHMIR・?UESTLOVE(QUESTLOVE)・THOMPSON:ドラム、SCRATCH:ビート・ボックス/ヴォーカル/ターンテーブル、STEVE・McKIE:ドラム、BØRRE・FLYEN:ドラム、STEIN・BERGE・SVENDSEN:シンセサイザー/プログラミング/ハーモニウム/プロデュース、JULIA・SERAFIN:ヴァイオリン、CAMILLA・KJØLL:ヴァイオリン/ヴィオラ、LINA・MARIE・ÅRNES:ヴァイオリン/ヴィオラ、KJERSTI・RYDSAA:チェロ、JOSS・STONE:ヴォーカル、ANTONIA・WOODS:バック・ヴォーカル、PAUL・SPRIGGS:ヴォイス、THOM・HELL:ヴォーカルのノルウェーとイギリスのミュージシャン達が参加しています。
プロデュースは、SOMETHING SALLY 3人とSTEIN・BERGE・SVENDSEN、KENYATTA "KELO" SAUNDERS(11曲目のみ)共同で行われています。

1曲目"Garden Of Eden"(4:26) 70年代のロンドン・ポップスのテイストを持ったポップなメロディとリズムの曲です。少し吐息混じりの出だしのSALLYの歌声からサビに向かって明るく元気な彼女の歌声が響きます。
2曲目"Visualize"(4:22) エレクトロニカ・ポップのこの曲も明るいサウンドを持っています。ギターのTHOMASの作詞/作曲となっていて、彼のギターの見せ場も設けられています。
3曲目"The Taste"(4:47) このデビュー・アルバムがリリースされる前にシングル盤で先行リリースされた曲です。レトロな雰囲気を持ったビデオと洒落を効かせたカット・シーンに思わず"にや" っとさせられます。ロンドンで流行っていたアダルトなブルー・アイド的サウンドで非常に解り易く理屈抜きにこの曲を楽しみましょう。尚、アルバムでは、ビデオの曲とは少し長いヴァージョンで収録されています。
4曲目"Tip Of My Tongue(FEAT. JOSS・STONE)"(4:16) ゴスペルチックな調べによるスローな曲です。冒頭にも記したのですが、Virgin RecordsのJOSS・STONEを迎えての収録です。JOSSの歌声が登場する頃には、バックのサウンドとSALLYの歌声もアグレッシヴに変化しソウルフルな2人の共演となっています。
5曲目"Circles"(4:01) 多分、このアルバム発売前のシングル第2弾となった曲です。アメリカの女性ヴォーカルをメインにしたバンドのビデオに似せた制作が行われています。"The Taste" も含みこの曲も非常に解りやすいストレートなサウンドとメロディとなっています。
6曲目"Last Dance"(3:35) エレクトロニカによるイントロのサウンドに続いて登場するSALLYの美しくパワフルな歌声を聴かせる曲です。THOMASのギターとKRISTIANのベースとの息の合ったストレートなロックのサウンドでライヴではよく演奏されていそうです。
7曲目"555-Phone-A-Friend"(3:56) イントロに電話での通話をS.E.的に配した演出がされています。この曲も非常にポップ性と明るいサウンドを持って収録されています。間奏での倍音で響くギターとピッキングで弾かれるベースの特徴的なサウンドも心地好いのです。
8曲目"Freak Of Nature"(4:02) 一転してピアノの調べとストリングスによるしっとりしたナンバーです。この曲ではギターのTHOMASとのSALLYのハーモニーも非常に美しくスローな曲でも上手さを感じさせる実力派と認識させられます。
9曲目"League Of Broken Hearts(FEAT.THOM・HELL)"(4:19) ノルウェーのS.S.W.THOM・HELLを招いての収録曲です。後半より登場するTHOMの優しい響きの歌声とクリアなSALLYの歌声でのコラボです。
10曲目"Sally Can't Wait"(3:25) ちっとお遊び的に収録された感のある曲のようでメンバーの3人で書かれています。ソフトでメロウな歌声からソウルフルな歌声を変幻自在にみせるSALLYのヴォーカルです。
11曲目"Turn On The Radio(Sweet In Stereo) (FEAT. AHMIR '?UESTLOVE' THOMPSON & SCRATCH)"(4:03) ヒップ・ホップ/クラブ・ミュージック・シーンで活躍しているドラマーのAHMIR・?UESTLOVE(QUESTLOVE)・THOMPSON(THE ROOTS,ERYKAH・BADU)を迎えての収録です。後半からS.E.としてAHMIRが在籍していたヒップ・ホップ・バンドTHE ROOTSでの曲がスクラッチに使われています。
12曲目"Not A Stranger"(4:31) 爽やかなメロディによるパワード・ギター・ポップスな曲の登場です。このロックな曲でもサウンドはストレートにメロディとアレンジもシンプルな表現としSALLYの美しく伸びる歌声を中心に流れています。
全12曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:49分45秒 (ノルウェー内外部のミュージシャンを招いてのSOMETHING SALLYのデビュー・アルバム、所属するdaWorks Recordsからの意気込みを感じさせるアルバムの登場です)'08年2月9日更新
2008年度ベスト5


INDEX   TOP

写真  SOMETHING SALLY / Pointerdog
 ・2010 daWorks Records AS    DACD555

理屈抜きに・・・

このアルバムは、ノルウェーのオスロで活躍しているポップ/ロック・バンドSOMETHING SALLYの '10年3月1日本国のみリリースされた2枚目のアルバムです。
SOMETHING SALLYのメンバーは、ANE・HAGNESS・KIRAN:ヴォーカル、KRISTIAN・SVEHOLM:ベース、THOMAS・KONGSHAVN:ギターの3人組で、このアルバムの収録にはEIRIK・KIIL・SAGA:キーボード、FRODE・EGGUM・HAVE:ドラム、JONAS・RAABE:シンセサイザー/プログラミングのSOMETHING SALLYのノルウェーとイギリスの音楽仲間達が参加しています。
プロデュースは、イギリスにスタジオを構えるJONAS・RAABEとSOMETHING SALLYのメンバーが行って収録もそのスタジオ行われています。

1曲目"Preliminary Song"(1:49) めずらしくアルバムの1曲目にインストゥルメンタルを配しています。電子音とサンプル音源による出だしから次第にテンポを上げながら前作通りの乗りの良さを感じさせるところから丁度上手く次の曲へと繋げています。
2曲目"Feel It !"(3:16) アルバム発売前よりMySpaceなどで予告的に流されていたキャッチーなリズムとサウンドの曲です。電子音の使い方などは80年代のブリティシュ・ポップ・バンドの持ち味を感じます。
3曲目"The Way I Like It"(3:37) 前の曲を更にポップ色を強くしたバブルガム・ポップように明快なサウンドとメロディを感じさせる曲です。前作での印象だった「理屈抜きに分かり易いところ」が再び登場ですね。
4曲目"The Thrill"(3:11) KRISTIAN・SVEHOLMのファンキーなベースのサウンドとユーロビートを意識した乗りの良さで押して来る曲です。ライヴにも同行しているEIRIK・KIIL・SAGAのキーボードのサウンドが縦横無尽に響いて来ます。
5曲目"Back Seat Driver"(4:00) この辺りで少しスローなリズムとアダルトな雰囲気でSALLYの美しい歌声を聴かせる曲の登場です。THOMAS・KONGSHAVNのギターの爪弾きとこの曲でもすばらしいサウンドを聴かせるEIRIK・KIIL・SAGAのキーボードの電子音との絡みが非常に感じ好い曲です。
6曲目"Higher"(3:47) 1曲目の後半部分とメロディとサウンドを共通とするエレクトロニカ・ダンス・ビートの乗りの良さ感じさせる曲です。ヨーロッパ各地をライヴ活動する上で必要な単純な乗りで掴みから展開させるライヴの定番的となるのでしょうか。
7曲目"The Look"(3:50) エッジの効いたギターのカッティンク音がイントロから鋭く響くギター・ポップな曲です。一昔前の北欧のバンドのサウンドをアップデートしたようなサウンドとアレンジを感じますね。
8曲目"Things You Say"(4:13) 水音の滴るような電子音とアコースティック・ギターのサウンドが心地好く響く曲です。前作からの流れ汲むメロディアスなサウンドに包まれたSALLYの伸びやかな歌声が優しく響いて来ます。
9曲目"Pointerdog"(3:33) この曲も強めの電子サウンドが広がる曲で、エレクトロニカ・ポップを全身に纏ったヨーロピアン・テイストの感覚などは、前作でのソウル・フィーリングさを微塵にも感じさせないですね。
10曲目"Just For You"(4:19) ヒーリング系のサウンドで展開される落ち着いたリズムとサウンドの曲です。吐息混じりに歌うSALLYの柔らかな歌声とギターの調べが心地好い浮遊感を与えてながら広がって行きます。
歌詞無し 2折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:35分38秒 (音楽そのものは何の不満もないのですが、前作でのライナーや歌詞が非常に充実した内容だったのが、今回は簡易なパッケージや曲数などが寂しいですね)'10年9月12日再更新


INDEX   TOP

写真  SOPHIE HUNGER / Monday's Ghost
 ・2008 Two Gentleman    531 495 2

メランコリックな調べとSOPHIE・・・

このアルバムは、スイスのベルン生まれのS.S.W.SOPHIE・HUNGERの '08年10月10日に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SOPHIE・HUNGER:ヴォーカル/ギター/キーボードの他、MARCELLO・GIULIANI:ギター/ベース/プロデュース、ALBERTO・MALO:ドラム/パーカッション、PATRIK・SCHMID:ドラム、MICHAEL・FLURY:トロンボーン、CHRISTIAN・PRADER:フルート/ギター/キーボード/ハーモニカ、BENOÎT・CORBOZ:キーボード、JOHN・DICKINSON:ヴィブラフォン、FRANK・HEER:チェロ、EVELINN・TROUBLE:バック・ヴォーカル、STEPHAN・EICHER:バック・ヴォーカルのドイツ、フランス、スイスのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、フランスで活躍しているMARCELLO・GIULIANI

1曲目"Shape"(3:32) メランコリックなアコースティック・ギターの調べとメロディで奏でられるイントロからそっと歌うSOPHIEの優しい歌声が響く曲です。ホーンのサウンドと共にバックの広がるE-Bowの切ない響きが堪りませんね。
2曲目"The Boat Is Full"(3:01) 一転してアップテンポのリズムにギターのサウンドが溢れる曲の登場です。フェンダー系ギターの軽快なサウンドとバック・バンドとの息もぴったりのライヴ仕込みの定番となっている感じです。
3曲目"Beauty Above All"(2:42) この曲もメランコリックな調べを感じさせるSOPHIEの弾き語り形式で収録されている曲です。バレンタインをテーマとした切ない歌詞を綴った歌声が響いて来ます。
4曲目"Walzer För Niemand"(2:28) この曲はSOPHIEのピアノの演奏を中心とした収録で、MICHAEL・FLURYの切なさが響くトロンボーンとSOPHIEのドイツ語による歌声とワルツのリズムに絡み合って流れています。
5曲目"Birth-Day"(3:20) この曲はアコースティック・ギターやハーモニカのサウンドによる牧歌的な雰囲気を醸し出す曲です。ギターの弾き語りにシンプルな楽器構成とそれらの質素なサウンドによる演奏スタイルとなっています。
6曲目"Sophie Hunger Blues"(5:19) SOPHIEのアコースティック・ギター1本による弾き語りです。ほとばしる歌詞の流れを巧みに歌いこなすS.S.W.SOPHIEの実力を垣間見せる曲です。この曲からは非常にBOB・DYLANの影響をあった事感と推測されます。
7曲目"Round And Round"(3:32) 低音側に重さを置いたアコースティック・ギターのサウンドが流れるミドルテンポの乗りを伝えて来る曲です。簡単な3〜4コードで演奏しているシンプルさを感じるのですが、SOPHIEの歌いぶりなどは、一種の貫禄をも感じるのです。
8曲目"The Tourist"(4:15) 打ち鳴らされるドラムのビートと叫びに似たSOPHIEの歌声が駆け抜けるエモーショナルな響きを持った曲です。メランコリックな弾き語りからストレートなロック色の強いこのような曲を演奏するSOPHIEの音楽の幅の広さを実感させます。
9曲目"Teenage Spirit"(3:47) 今度はパーカッションのリズムとアコースティック・ギターのサウンドによるダウンテンポな曲の登場です。呪文を唱えるように歌うSOPHIEの歌声から気迫さえも感じさせます。
10曲目"A Protest Song"(3:24) 再びメランコリックな調べが響くアコースティック・ギターでの弾き語りです。この曲でもバックで響くMICHAEL・FLURYのトロンボーンの演奏が印象的に残ります。
11曲目"Monday's Ghost"(4:56) ピアノ、フルートとトロンボーンによる変則的な楽器構成による演奏です。舞台音楽のような演出と時折大胆に大声を張り上げるSOPHIEの歌声が流れて来る不思議な雰囲気を持った曲です。
12曲目"Rise And Fall"(5:43) クラシック音楽からの影響を強く感じさせるピアノの演奏を中心とした曲です。途中より登場するクリスタルの響きに似たヴィブラフォンの調べに続く呪文めいたSOPHIEのヴォーカルが圧巻です。
13曲目"Drainpipes"(3:39) アコースティック・ギターを奏でながら歌うSOPHIEのジャズ/オペラ・スタイルによる曲です。この辺りのスタイルはヨーロッパ風と言うかアメリカの女性S.S.W.とは一線を画す工芸的な趣向を強く感じます。
14曲目"House Of Gods"(4:15) 淡々と響くパーカッションのビートに合わせて訥々と歌うSOPHIEのクールな歌声によるダウナーな曲です。後半よりドラムのビートも追加されたインストゥルメンタルによる組曲風アレンジとなっています。
全14曲歌詞付 写真ブックレット ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:53分59秒 (ぱっと聴きは非常に暗い印象を感じるアルバムですが、聴きこむほどにSOPHIEのまた違った魅力やバック陣の演奏の充実ぶりが伺えます)'11年5月21日更新


INDEX   TOP

写真  SOPHIE HUNGER / 1983
 ・2010 Sambinha import    INSI-23007/twogtl 009-2

いよいよアメリカ進出です・・・

このアルバムは、スイスのベルン生まれ(CDを販売している輸入元の紹介でのチューリッヒ生まれは誤り)のS.S.W.SOPHIE・HUNGERの '10年5月16日、国内でリリースされた3枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SOPHIE・HUNGER:ヴォーカル/ギター/キーボード/ハーモニカ/プロデュースの他、MICHAEL・FLURY:トロンボーン/バック・ヴォーカル、CHRISTIAN・PRADER:ギター/フルート/バック・ヴォーカル、MANUEL・TROLLER:ギター、SIMON・GERBER:ベース、JULIAN・SARTORIUS:ドラムの前作からのミュージシャンが、SOPHIE HUNGER BANDの形にLINDA・VOGEL:ハープが加わり最低限のゲスト・ミュージシャンによって収録されています。

1曲目"Leave Me With Monkeys"(2:58) アカペラによる美しいハーモニーを聴かせるイントロから入る静かな曲です。次第にバックの演奏が加えられて行くアレンジになっていますが、SOPHIEの孤高に響く歌声を中心に展開されるゴスペル音楽からの影響を強く感じさせる印象です。
2曲目"Lovesong To Everyone"(3:12) 今度は、エモーショナルなリズムとギミックなギターのリフが響くテンポの良い曲です。スポーケンやサイケデリック調なサウンドを絡めたアレンジなど凝った演出も感じます。
3曲目"1983"(3:05) ドイツ語の歌詞による曲の登場です。チューリッヒで過ごした想い出などを歌詞に綴られていると思われます。サウンドの方はトムトムのビートを中心にスモーキーなトロンボーンの演奏を全編に流したジャズ・スタイルを感じます。
尚、タイトルの1983はSOPHIEの生まれた年号を表しています。
4曲目"Headlights"(3:10) この曲も非常に落ち着いた雰囲気を感じさせるサウンドとメロディの曲です。フィンガー・ピッキングで丁寧に奏でられるギターの調べに落ち着いたドラムとピアノの調べ乗せてSOPHIEがそのしっとりした歌声を聴かせます。
5曲目"Citylights Forever"(3:28) イントロの静寂を破って登場するドラムのビートから参ってしまったかっこ良過ぎる曲です。このミニマルな演奏で聴く者に熱いエモーショナルを強く感じさせる気迫を感じます。また、私をこのSOPHIE・HUNGERの音楽の魅力に最初に惹きつけた最初の曲でもあります。
6曲目"Your Personal Religion"(4:40) この曲からは非常にオルタナティブ・ロックの持ち味やブリット・ロックに通じるところを感じます。メッセージ性の強い歌詞の内容をアピールしています。
7曲目"Le Vent Nous Portera"(3:49) イントロから非常に美しくもメランコリックな響きを与えるベースのハイフレットを爪弾く調べを聴かせる曲です。SOPHIEのフランス語による切なくも流れるように響く歌声に続いて登場するMICHAEL・FLURYのトロンボーンの調べも悲し過ぎますね。オリジナル曲は、フランスのロック・バンドNOIRD É SIR '01年のシングル曲です。
尚、この曲はカバー曲の為、残念ながらライナーより歌詞は割愛されています。
8曲目"Travelogue"(2:43) SOPHIEのエレクトリック・ギターによる弾き語り形式で収録された大人しい曲です。しっとりと聴かせるSOPHIEの歌声をじっと聴き入っていると語学力や音楽の才能豊かな人だと感心してしまいますね。
9曲目"Breaking The Waves"(2:42) 明るく響くピアノの調べに乗せて楽しく歌うSOPHIEの少し枯れた歌声が響く曲です。この曲の感じは、きっとカナダでのライヴのオーディエンスに受ける気がします。
10曲目"D'Red"(3:15) 英語で"The Speech" と名付けらえたスイスアレマン語による歌詞と思われる曲です。ゆったりと奏でられるSOPHIEのピアノの調べとCHRISTIAN・PRADERのハーモニーも切なく響きます。
11曲目"Approximately Gone"(1:35) エクスペリメンタル的に収録された短めの曲です。叫びにも似た歌声やエモーショナルなベースのサウンドも渋いのですが、欲を言えば長い目の曲で聴いてみたかったかな。
12曲目"Invisible"(2:34) 何やら有名人や自分の名前も登場する尖った雰囲気がぷんぷんする曲の登場です。JULIAN・SARORIUSのきびきびとしたドラムのピートに牽引されてメンバーのダンディな演奏が展開されます。
13曲目"Broken English"(2:38) 美しい風景を観た時にあまりの感動的で言葉を失ったことを「英語の表現では言えないこと…」と例えた歌詞を綴ったスローなリズムによるSOPHIEのピアノによる曲です。間奏で聴かせる情熱的な彼女のハーモニカ演奏など短い曲ながら聴きどころが随所に感じられます。
14曲目"Train People"(2:35) SOPHIEのピアノによる弾き語りでしっとりと奏でられる曲です。このアルバムの終焉として最後に収録されていることが非常に似合う感じであり、ライヴでのラスト曲の位置付にもなっているようです。
13曲歌詞付 4折紙ジャケット仕様 スイス製 (輸入元販売:輸入盤) 収録時間:42分30秒 (前作とこのアルバムで人気の出たSOPHIEは、アメリカ/カナダ・ツアーを予定し2011年5月3日にはアメリカで正式リリースとなっています)'11年4月16日更新


INDEX   TOP

写真  SOPHIE HUNGER / The Danger Of Light
 ・2012 Two Gentlemen    TWOGTL 033-2/O34-2

各国での収録・・・

このアルバムは、スイスのベルン生まれのS.S.W. SOPHIE・HUNGERの '12年9月28日に本国でリリースされた4枚目のアルバムで、通常盤にDISC:2の6曲を追加したデラックス盤です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SOPHIE・HUNGER:ヴォーカル/ギター/サックス/ハーモニカ/の他、CHRISTIAN・PRADER:ギター/フルート/バック・ヴォーカル、JOSH・KLINGHOFFER:ギター/モジュラー・シンセサイザー、BRAD・BARR:ギター/キーボード/ベース/ハーモニカ/パーカッション/バック・ヴォーカル、MARK・BERUBE:キーボード、BENOÎT・CORBOZ:キーボード、NATHANIEL・WALCOTT:キーボード/トランペット、NICOLAS・CALORIA:ベース、AMÉLIE・MANDEVILLE:ベース、JONATHAN・HISCHKE:ベース、SIMON・GERBER:ベース/バック・ヴォーカル、ALBERTO・MALO:ドラム/バック・ヴォーカル、DAVID・PAYANT:ドラム/パーカッション、STEVEN・NISTOR:ドラム、KRISTINA・KOROPECKI:チェロ、SARA・OSWALD:チェロ、MICHAEL・FLURY:トロンボーン/グロッケンシュピール/キーボード/バック・ヴォーカル、SARAH・PAGE(THE BARR BROTHERS):ハープのカナダ、アメリカ、スイス、フランスの収録地でのミュージシャン達が参加しています。
尚、収録曲の大半は、DANIEL・LANOISのアルバムを多く手掛けたADAM・SAMUELSとカナダのHOWARD・BILERMAN(THE VEILS,THE BARR BROTHERS)によってミキシングされています。

DISC:1 収録時間:39分08秒
1曲目"Rererevolution"(3:25) 力強く奏でられるピアノの調べとフラメンコ風のハンドクラップによるエモーショナルなイントロから強烈な印象を与える曲です。SOPHIEの歌声の方もサウンドに負け時と相変わらずエモーショナルに歌い上げます。
2曲目"Souldier"(4:09) ビデオも制作されている非常に重いサウンドとテーマによる異色作です。間奏で登場するMICHAEL・FLURYの篭ったトロンボーンの調べも切なく響きます。
3曲目"Like Like Like"(2:56) 今度は、一転して明るいメロディとサウンドによるレトロ・スタイルのラヴ・ソングです。不思議なことにこの曲では、MICHAEL・FLURYのトロンボーンの音色は、妙にノスタルジックなファンキーさに溢れています。CGかどうかは不明ですがこのビデオもどうぞ。
4曲目"Das Neue"(3:29) ドイツ語の歌詞による曲で、過去のアルバムにも時々収録されている英語以外の曲(フランス語、スイスアレマン語)は、曲のイメージによって書き分けているとSOPHIEの紹介記事を読んだことがあるので、やっぱりこの曲のサウンドはドイツ語が似合うのかな。
5曲目"Can You See Me?"(3:47) メランコリックな調べとメロディによる軽めのR&Bのスタイルを感じさせる曲です。凛とした雰囲気の中に漂うSOPHIEの切ない歌声のバックに広がるJOSH・KLINGHOFFER(RED HOT CHILI PEPPERS)のギターの音色もまた、切ないのです。
6曲目"Heharun"(4:55) この曲もダウナーなテンポで攻めて来るメランコリックなナンバーですが、途中よりの展開がエモーショナルにダイナミックな鳴り方は、やはりSOPHIEらしいですね。
7曲目"Z'lied Vor Freiheitsstatue"(3:01) SOPHIEのピアノの弾き語り形式で展開させるしっとした調べの曲です。ドイツ語に近いスイスアレマン語による歌詞を優しく歌うSOPHIEにバックのJOSH・KLINGHOFFERとSIMON・GERBERも渋めの演奏を優しく投げかけています。
8曲目"Holy Hells"(2:46) 複雑なリズムを刻むALBERTO・MALOのドラムのビートにホーンのサウンドが押し寄せるSOPHIEの勢いを感じさせる曲です。バックの仲間のシャウトやSOPHIEの叫びに似た歌声も曲の終焉まで響いています。
9曲目"The Fallen"(4:16) パーカッションとギターの調べによる物静かなイントロから聴き入らす曲です。次第に音圧を上げて行く展開からSOPHIEの熱い歌声もこの曲に響いています。
10曲目"Perpretator"(4:16) ジャジーな雰囲気を持った渋めのサウンドで聴かせる曲です。この曲でもその燻し銀のような素晴らしいトロンボーンの演奏を聴かせるMICHAEL・FLURYの存在が大きいですね。
11曲目"Take A Turn"(2:52) さて通常盤の最後の曲は、SOPHIEのギターとハーモニカによる弾き語りによるフォーク・スタイルの曲です。もの静かにギターを爪弾くSOPHIEの姿が目の前に浮かぶような落ち着いた響きが伝わって来ます。

DISC:2 収録時間:21分47秒
1曲目"First We Leave Manhatten"(3:05) 非常にユニークなイントロを持った細かく刻まれるピアノの調べとシャウトするSOPHIEの歌声が響くオルタナティヴな要素を持った曲です。アブストラクトなチョロの調べやアドリヴ的のピアノの演奏などライヴ映えするのではないでしょうか。
2曲目"What It Is"(2:23) チル・アウトなイントロからエモーショナルなサビへと展開する短いながらもキラッと光る曲です。日本でも人気の高いBRAD・BARR(THE SLIP, THE BARR BROTHERS)がギター、ピアノとベースで参加した何とも印象的な曲です。SOPHIEがカナダまで出向いて収録した事に非常に興味を感じさせます。
3曲目"My Oh My II"(5:27) この曲もBRAD・BARR のギターがエモーショナルにまた、アグレッシヴのも登場する曲です。サウンド的には、前作での"Citylights Forever" のBRAD版と言えるかもしれませんね。
4曲目"The Musician"(4:04) 今度は、ニューオーリンズの小さなクラブで演奏しているようなブルージーな曲の登場です。うねるように響くMICHAEL・FLURYのトロンボーンや忍び足のように奏でるSOPHIEのピアノの演奏が愉快ですね。
5曲目"One Too Many Mornings"(2:41) SOPHIEの敬愛する BOB・DYLAN '64年の曲のカカバーです。ギターとハーモニカに前出のBRAD・BARRが参加し、SOPHIEとの演奏を楽しむような形で収録されている感じですね。
6曲目"Ne Me Quitte Pas"(4:06) ブリュッセル出身フランスで活躍していたシャンソン歌手JACQUES・BREL '72年の曲です。フランス語で巧みにまた、切なく歌うSOPHIEの歌声にバックの演奏が融け込み合います。
15曲歌詞付 4折デジパック仕様 歌詞ブックレット2冊付 (輸入盤) (フランス、アメリカ、カナダと地元スイスにて収録されたこのアルバム、収録先のミュージシャンをゲストに迎える余裕が出来たように思えます)'13年4月6日更新


INDEX   TOP

写真  SORCHA RICHARDSON / Smiling Like An Idiot
 ・2022 Faction Records    FACTCD114

憂いある歌声とギター・・・

このアルバムは、アイルランドの首都ダブリンで活躍しているS.S.W.SORCHA・RICHARDSONの3枚目('20年の4曲EP盤を含む)のアルバムで '22年9月23日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SORCHA・RICHARDSON:ヴォーカル/ギター/オムニコード/シンセサイザー/ピアノ/フェンダー・ローズ/プロデュース、JAKE・CURRAN:ギター、JOE・FURLONG:ベース、PATRICK・KELLY:ベース、CIAN・HANLEY:ドラム、DARREN・WEISS:ドラム、SAM・KS:ドラム、JORGE・BALBI:ドラム、ALEX・CASNOFF:ピアノ/シンセサイザー/ウーリッツァー/フェンダー・ローズ/ギター/バック・ヴォーカル/プロデュース、DAVID・ANTHONY・CURLEY:シンセサイザー/ベース/プロデュース、JAMES・VINCENT・McMORROW:ラップ・スティール/ピアノ/シンセサイザー/バック・ヴォーカル/プロデュースの地元とロス・アンゼルスのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Archie"(4:09) イントロから爪弾かれるSORCHAのギターの爪弾きから引き込まれた曲です。そのギターの音色と相まって怠惰感のあるSORCHAの歌声とバックのこれまたちょっと悲壮感漂うJAKEのスライド・ギターが好いんです。作詞/作曲の共同者に同郷SODA BLONDのFAYE・O'ROURKEの名前があります。
尚、この曲のライヴの"ビデオもどうぞ。
2曲目"Shark Eyes"(4:30) このアルバムからビデオ第2弾となる少しキャッチーなリズムとサウンドの曲です。イントロの柔らかいALEX・CASNOFFのシンセサイザーの演奏の音色が非常に印象に残ります。
3曲目"Spotlight Television"(4:08) SORCHAの弾き語りが導入部に配されたシンプルなメロディとリズムの曲です。セルフで付けた高域のハーモニーやリズミカルなギター・リフな次第に分厚く展開されて行きます。
4曲目"Stalemate"(3:44) この曲はちょっとポップ調に移行して来た感のある曲です。コーラスなど誰かの曲と共通しているところを感じるのですが、誰だったか思い出せませんけどね。
5曲目"Purgatory"(3:51) 柔らかいキーボードの音色に合わせて浮遊感漂うSORCHAの歌声が浮かぶ曲です。途中より登場する凛としたピアノの調べが美しいところとJAKEのガジャガジャと鳴らしたギターが最高です。
6曲目"525"(2:59) SORCHAのアコースティック・ギター1本により弾き語りです。ギターを抱えて優しく爪弾くSORCHAの姿が目の前に浮かびます。
7曲目"Good Intentions"(3:43) イントロのハンドクラップから期待の膨らむ曲です。美しい響くJOEとのハーモニーとCIANの突き進むようなドラムのビートが非常に印象に残ります。
8曲目"Hard To Fake It "(3:11) ちょっと斜に構えた歌声とクールな伴奏が流れる曲です。この曲では電子サウンドを加えたポップ調なところは、以前良く聴いていたMR LITTLE JEANSの感じに似ているかな。
9曲目"Holiday"(4:04) 憂いのあるSORCHAの歌声とアップライト・ピアノの調べが切なく響く曲です。次第にテンポを上げて歌い上げるSORCHAと心強いバックの演奏が見事ですね。
10曲目"Jackpot"(4:34) 弦の響きが美しくアコースティック・ギターと優しく歌うSORCHAの歌声が耳に残る曲です。教会での讃美歌に似たバックのコーラスと地元のミュージシャンJAMES・VINCENT・McMORROWの奏でるラップ・スティールが堪りませんね。
11曲目"Smiling Like An Idiot"(4:19) アルバムの最後はタイトル曲でもある「ばかみたい笑って」と名付けられた曲です。曲の終焉まで「また、あんなばかみたいに笑いたい」って繰り返し歌い続けています。また、歌い終わってからのSORCHAのため息とスタジオ・スタッフとの小声でのやりとりも面白く収録されています。
歌詞無し (歌詞ブックレット別売) 2折デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:43分17秒 (暗い話題の多い昨今、このアルバムのタイトルの持つ深い意味を考えさせられています)'22年10月5日更新
2022年度ベスト5


INDEX   TOP

写真  SPEC ECO / Life Left EP
 ・2022 SPC ECO - BOFC Music    

イギリスのベテラン・ミュージシャン・・・

このアルバムは、イギリスのロンドンで活躍しているオルタナティヴ/シンセ・ポップ・デュオSPEC ECOの23枚目 (各EP盤/リミックス盤は含む) くらいのアルバムで '22年6月18日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ROSE・BERLIN:ヴォーカル、DEAN・GARCIA:ベース/ドラム/ギターキーボード/プログラミング/プロデュースの2人にMARK・WALLBRIDGE:キーボード/スペース・サウンド・エフェクトによる少数での収録です。 尚、ヴォーカルのROSE・BERLINは、DEAN・GARCIAの実の娘さんだそうです。

1曲目"Hide And Seek"(4:50) 静寂さの中に広がるシンセサイザーのサウンドと少し甘口で拗ねた歌声を聴かせるROSEが気になる曲です。穏やかリズムとサウンドのこのCHILLOUTの雰囲気を楽しみましょう。
2曲目"Life Left"(5:56) 今度は、クラシックなオペラの雰囲気を醸し出して来る曲です。バックの宮廷音楽風エフェクトに囲まれたこれまた甘口なROSEの歌声が好いですね。
3曲目"All Of You"(4:56) この曲も穏やかなリズムとサウンドの曲です。途中よりサウンドをノイジーなエフェクトを使ったトランス感覚へと誘います。
4曲目"Over n Over"(5:07) イントロからスペース・サウンドが広がるチル・ポップな曲です。訥々と歌うROSEのバックに広がるシンセサイザーやドラム・マシーンのサウンドの数々が淡々と流れ去って行きます。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:20分49秒 (このアルバムを購入するまでDEAN・GARCIAのことをあまり知らなかったのですが、EURYTHMICSのツアー・バンドに在籍していたようです!)'22年12月6日更新


INDEX   TOP

写真  SPRING / Tokyo Drifter
 ・1996 TOKUMA JAPAN COMMUNICATIONS CO.,LTD    TKCB-70882

アンニュイ・ヴォイスとギター・サウンド・・・

このアルバムはフランスで活躍していたハウス・ポップス・バンドSPRINGの '96年5月22日に国内でデリリースされたデビュー・アルバムです。
バンドのメンバーは、ALEX:ヴォーカル、CHRISTOPHER:ギター、FRANÇOISE:ベース、JEAN-BAPTISTE:ギター、MICHELLE:ピアノの5人組みです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、先の5人の他、KEVIN・J.McLILLOP:ヴォーカル、BRIAN:カバサ/パーカッション/プロデュースとの収録です。
プロデュースは、イギリスBARK STUDIOのBRIAN・O'SHAUGHNESSYが担当しています。

1曲目"Shakin'Will"(3:26) 金属音のするギターの調べとバックで響くアコースティック・ギターの煌びやかのサウンドによるネオ・アコ・サウンドの曲です。非常に特徴のあるALEXのアンニュイなウイスパー・ヴォイスが流れます。
2曲目"Corrupted Street"(2:50) リヴァーブの効いたギターのサウンドが心地好く、12弦アコースティック・ギターの調べが少し緊張感を与えるように流れます。この曲でもALEXの歌声がマイペースで淡々と雰囲気で通り過ぎて行くのです。
3曲目"Viens"(2:25) フランスのシンガーFRANÇOISE・HARDY '71年の曲のカバーです。情熱的なスパニシュの調べとメランコリックなフランスのサウンドが溶け合ったバラードです。ALEXが生まれたスペインと育ったフランスでの経験が曲に非常にマッチしたように感じられます。
4曲目"Matinées"(3:58) サウンド的には前の曲と繋がりを同じくとした質感を感じさせる曲です。アコースティック・ギターのサウンドを中心に印象的なギターのフレーズを響かせたフランス語による歌詞です。ゲスト・ヴォーカル/スポーケンとしてKEVIN・J・McKILLOP(MOOSE)が参加しています。
5曲目"Tokyo Drifter(Michael's Theme)"(3:26) 60年代の日本映画にインスパイアされたと記させている曲で、このアルバムのタイトルになっています。この曲でもアンニュイなALEXの歌声がギターのサウンドに乗せて歌われています。
6曲目"Black & Blue"(2:19) この曲は非常にイギリスで活躍していたネオ・アコ・バンドのサウンドからの影響を感じさせる曲です。一言で言えばN.Y.で活躍しているIVYにPALE FOUNTAINを足して2で割ったようなサウンドの曲と言え分かって頂けるでしょうか。
7曲目"L'Indifference"(3:23) 再びフランス語の歌詞の曲の登場です。フランス語の妖艶な響きとALEXのあどけない歌声によるギター・ポップな曲です。
8曲目"L. O. V. E."(4:25) イントロから流れるギターの心地好い響きの爪弾きと浮遊感漂うサウンドの流れれによるビター・スイートなギター・サウンドの曲です。
9曲目"Como Un Aviador" 国内盤ボーナス・トラックです。12弦アコースティック・ギターの煌びやかなで歯切れ良いサウンドが幾重にも繰り出されるギター・ポップな曲です。ALEXのフランス語によるウイスパー・ヴォイスが心地好く流れるネオ・アコ・サウンドの雰囲気を持っています。SPRINGと同レーベルElefant RecordsのスペインのバンドFAMILY '93年の曲のカバーです。
10曲目"Good Luck Charm" リッケンバッカーの特徴的なギター・サウンドと12弦アコースティック・ギターの金属弦の調べが複雑に絡みあったサウンドの曲です。アシッドな調べのサックス・ソロがギター・サウンドに合わせて厳かに流れます。この曲も国内盤ボーナス・トラックです。
11曲目"El Dorado" 少しサウンドをギター・ポップな方向に移してきた曲の登場です。淡々と歌うALEXの歌声とバックのギター・サウンドが心地好く響きます。この曲を含み国内盤ボーナス・トラックはEP盤[Matinées]に収録されています。
全11歌詞/訳詞付 写真ライナー (国内盤) 収録時間:35分16秒 (残念ながらこのSPRINGは2枚のアルバムと数枚のEP盤を残して現在、SPRINGのメンバーは他のプロジェクトで活躍しているようです)'08年12月23日再更新


INDEX   TOP

写真  STEFAN LEOSON / Pennies And Heartaches
 ・2006 STEPS & STAGE    IR37907

作曲能力の高さを感じさせる・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているS.S.W.STEFAN・LEOSONのデビュー・アルバムで、本国のリリースは、'06年7月2日となっています。
アルバムに付属しているライナーでは、各楽器の演奏は、STEFAN自身となっています。
スウェーデンでギタリスト(GRAND ILLUSION)などのスタジオ・ワークやバンドの活動をしていたSTEFAN、満を持した自身の素晴らしいソロ・アルバムを届けてくれました。

1曲目"I Don't Know Where To Start"(3:09) ドラマチックでリッチなイメージを受ける"サビ" をイントロに配したこのアルバムからの一押しの曲です。メランコリックな歌声を響かすSTEFANと殆どの楽器を彼自身の演奏で作り上げたフックさも小気味好い調べです。
2曲目"The Beggar And The Queen"(4:42) エモーショナルな歌声の合間に聴かせる低いキーでの特徴的なスポーケンと心地好いリズムの流れを感じさせるブリティシュ・テイストにも通じる曲調です。
3曲目"No One Like You"(3:45) 非常に美しいアコースティック・ギターの爪弾きによるサウンドが心地好く広がる曲です。ソフトなSTEFANの歌声とバックの調べがゆったりと流れ過ぎるのです。この曲の歌詞の中にアルバムのタイトルが綴られています。
4曲目"My,Oh My"(3:52) この曲もキャッチーなサウンドと一度聴くと耳から離れないメロディとSTEFANの歌声です。心地好いリフレインによるサビのパートと親しみ易いメロディ・ラインが優しい響きになっています。同名の曲が数曲存在しますが、この曲は、STEFANのオリジナル曲です。
5曲目"Running Won't Make Your Problems Go Away"(4:28) EBowで奏でられる美しく響くギター・サウンドが心地好く流れる曲です。バンジョーの爪弾きと切ないSTEFANの歌声によるシンプルな前半からエモーショナルなサウンドへと展開します。
6曲目"Shine!"(4:44) この曲もEBowによるギター・サウンドがたっぷり響いるブリット・ロック然としたイメージのある曲です。ギミックなメロディとサウンドに合わせた躍動的なギターのリズムも心地好いのです。
7曲目"This Spell"(3:46) イントロ部分だけを聴いているとアンビエント系のミュージシャンの曲のような質感ですが、STEFANのヴォーカルが登場するとやはりS.S.W.らしい歌いくちと美しいバラードの調べが優雅に流れて来ます。
8曲目"Killing Time"(3:47) メランコリックな調べのギターのサウンドホーンを入れたファンキーでダンサブルな曲で心変わりする彼女に悩まされる気持ちを歌っています。
9曲目"How Long?"(5:02) イントロから"掴み" のギター・サウンドで、心揺らぐ曲です。ゆったりと流れるSTEFANの少し枯れた歌声とメランコリック・ギター・サウンドが繰り返し押し寄せその響きにしっとりと聴き入ります。
10曲目"You Are There"(3:06) ポップな調べによる少し懐かしさを感じさせる曲の登場です。エヴァーグリーン的な明るいメロディと少し力強さを出して来たSTEFANの歌声です。
11曲目"What I've done"(3:45) アコースティック・ギターと切ない響きのピアノのサウンドが絡み合ったメランコリックなアルバムのラストの曲です。しっとりとした歌声による彼の思いを綴った歌詞が流れ去ります。
歌詞無し 写真ブックレット (歌詞の1部は掲載) E.U.製 (輸入盤) 収録時間:44分11秒 (このアルバム・リリース以後のSTEFANの音楽活動や新作アルバムもはっきりしていないのですが、作曲能力の高さを感じさせるSTEFAN、次の作品もスタジオで、1人制作中ではないでしょうか...)'10年9月10日再更新


INDEX   TOP

写真  STEPHEN DUFFY / The Ups And Downs
 ・1985 10 RECORDS LTD.    DIX 5

マルチ-インストゥルメント奏者・・・

このアルバムは、イギリスで活躍しているシンガー/マルチ-インストゥルメントSTEPHEN・DUFFYの '85年に本国でリリースされたソロ名義での最初のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、STEPHEN・DUFFY:ヴォーカル/マルチ-インストゥルメント/プロデュースの他、ANDY・RICHARDS:キーボード、DANNY・SCHOGGER:キーボード、GUY・PRATT:ベース、TINKER・BARFIELD:ベース、DAVID・LEVY:ベース、JORD:ピアノ/バック・ヴォーカル、BOOKER・T. JONES:キーボード/プロデュース、CHARLEY・CHARLES:ドラム、CHRIS・DEAN:ホーン、STEVE・SIDWELL:ホーン、LEROY・WILLIAMS:パーカッション、ROGER・FREEMAN:トロンボーン、NICKY・HOLLAND:ストリングス/ストリングス・アレンジ、TONI・CHILDS:ヴォーカル、JANE・EUGENE:バック・ヴォーカル、JULIET・ROBERTS:バック・ヴォーカル、GARY・OSBORNE:バック・ヴォーカルなどイギリスとアメリカのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、1曲目J.J. JECZALIK(ART OF MOISE)とNICHOLAS・FROOME(PET SHOP BOYS, Spandau Ballet) 5曲目、8〜10曲目は、アメリカのソウル・ミュージック重鎮BOOKER・T. JONESとSTEPHENと共同、その他はSTEPHEN単身で行っています。

1曲目"Kiss Me"(3:54) '83年の"TIN TIN" 名義でリリースされたアメリカでのシングル曲です。エレクトロニカのサウンドに溢れるダンスビートに少しか細いSTEPHENの歌声が響きます。尚、バック・ヴォーカルに当時、新進気鋭の女性ミュージシャンTONI・CHILDSが参加しています。
2曲目"She Makes Me Quiver"(3:44) この曲もビート的には全曲に通じるエレクトロニカ・ダンス・ファンクな曲です。バックで響くファンクなGUY・PRATT(PINK FLOYD,ROXY MUSIC)の跳ねるようなベースのサウンドが特徴的ですね。
3曲目"A Masterpiece"(5:36) 今度は、CHIC風のギターとベースのサウンドによるブラック・コンテンポラリー/ダンス・ミュージックな曲です。スラップ満載に演奏するTINKER・BARFIELD(THE WINNER)のベースに合わせて楽しく歌うSTEPHENの歌声が伝わって来ます。
4曲目"But Is It Art ?"(3:48) 今度は、少しだけテンポを落として来たレゲエのリズムの曲です。遊び心をふんだんに交えた楽しそうなサウンド群などは、非常に10CC風な感じを伝えます。
5曲目"Wednesday Jones"(2:12) BOOKER・T. JONESの奏でるアップライト風ピアノ1台による演奏に合わせて歌うSTEPHENの多重を駆使した前半から美しい響きを持つアコースティック・ギターの調べを加えたメランコリックな曲です。この後半からの感じは、後のTHE LILAC TIMEでの曲に共通性を感じます。
6曲目"Icing On The Cake"(5:12) 当時のUKシングル・ヒットチャート14位になった曲です。イントロから響くファンクなベースのサウンドにうねるベース・シンセサイザー重い響きが迫るポップな曲です。女性バック・ヴォーカルを従えて"イケイケ" ムードの80年代のイギリス・バンドのスタイルがやはり伝わって来ますね。
7曲目"The Darkest Blues"(3:21) 今度は、サウンド・スタイルをフォーク調に移して来たアコースティックな曲です。バックのクレジットの詳細な記載がないので、演奏は全てSTEPHENが行っているのではないでしょうか。
8曲目"Be There"(3:30) どことなくギターの刻み音などBOOKER・T. JONESのバンド・メンバーのSTEVE・CROPPERの雰囲気のする曲です。曲が進むにつれ登場するホーンのサウンドもメンフィス調だからこれまた本当に不思議ですね。
9曲目"Believe In Me"(4:26) 卓越したピアノ・ソロのインストゥルメンタルがイントロに配され違う質感から登場するアップテンポの曲です。LINNドラムや電子ピアノのサウンドで盛り上げられるこの曲もやはり80年代のイギリスのバンドの雰囲気を感じますね。
10曲目"The World At Large Alone"(3:45) 私の大好きなNICKY・HOLLANDのストリングスの調べが切ないメランコリック調の曲です。"イケイケ" ムードの前の曲からアルバムの終焉の方が、やはりこのようなスタイルが落ち着いてアルバムの幕が閉じやすいですね。
歌詞無し LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:39分28秒 (実は、このレビューを書くまでBOOKER・T. JONESがこのアルバムに関わっていたことをまったく知らなかったのです)'13年5月11日更新


INDEX   TOP

写真  STEVE HILLAGE / Green
 ・1978 VIRGIN RECORDS LTD.    CAROL 1670-2

プログレ/スペース・ロック・・・

ロンドン生まれのギタリストSTEVE・HILLAGEが16歳頃に学校の同級生のDAVE・STEWART(Ex.EURYTHMICS)とバンド(URIEL)を組んで活動していました。その後、KHAN、GONGのギタリストとして渡って来たSTEVEのソロ・アルバム4枚目のアルバムです。
尚、このアルバムは '90年にSTEVE自身によってデジタル・リマスターCD化されたものです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、STEVE・HILLAGE:ギター/ギター・シンセサイザー/シンセサイザー/ヴォーカル/プロデュースの他、MIQUETTE・GIRAUDY:シンセサイザー/ヴォコーダー/ヴォーカル、CURTIS・ROBERTSON JR:ベース、JO・BLOCKER:ドラム、NICK・MASON:ドラム/プロデュースのGONGやPINK FLOYDの元メンバーも参加しています。 プロデュースは、STEVE・HILLAGEとNICK・MASONと共同で行われてます。

1曲目"Sea Nature"(6:41) 長いSTEVEのギター・ソロから入るヴォーカル曲です。70年代のブリティシュ・プログレッシヴ・ロックのサウンドを色濃く残した7分近くある曲です。
2曲目"Ether Ships"(5:06) 前の曲のアウトロから自然に繋がる2曲目の電子音でのスペース・ロックなサウンドによる曲です。この曲はインストゥルメンタルで演奏されています。
3曲目"Musik Of The Trees"(4:52) アコースティック・ギターの美しい調べとシンセサイザーによるアンビエントな曲です。短い歌詞によるSTEVEのヴォーカルとウォーム・トーンでのギター・ソロが心地好いです。
4曲目"Palm Trees(Love Guitar)"(5:20) ほとんどこの曲をフルに聴きたくて、このアルバムを購入したと言って良いほどメロディアスなギター・バラードです。イントロのアコースティック・ギターの調べからSTEVEのギター・ソロによるアウトロまで5分20秒を一気に聴かせます。美しいメロディに乗せた少し切ない響きでのSTEVEとMIQUETTE・GIRAUDYのヴォーカル曲です。
5曲目"Unidentified(Flying Being)"(4:29) ファンキーなギターのサウンドとシンセのサウンドによるブラック・ソウル・ミュージックにインスパイアされた事を窺わせる曲です。後半からは、STEVEが乗ってギター弾きまくりです。
6曲目"U.F.O. Over Paris"(3:09) この曲も前の曲のアウトロから繋がる曲です。曲のタイトル通り私たちがイメージするU.F.O.のサウンドをシンセサイザーで目一杯表現した曲のようです。
7曲目"Leylines To Glassdom"(4:07) 前の曲からこの曲へのイントロの音色は非常に心地好いですね。ヒーリング・サウンドによる陶酔を感じさせられるインストゥルメンタルです。
8曲目"Crystal City"(3:35) 躍動的なリズムとサウンドによるスペース・ロックな曲です。スポーケンに近いSTEVEの短いヴォーカルを挟んで壮大なサウンドを展開しています。
9曲目"Activation Meditation"(1:03) 1分程度のインターリュード的に配されたシンセサイザーによる曲で、次の曲へのプレリュードにもなっています。
10曲目"Glorious Om Riff"(7:47) 中近東風のサウンドを発する電子音からアグレッシヴなディストーション・ギターのサウンドに移行する無国籍サウンドのスペース・ロックでしょうか。
歌詞なし ライナー付き U.S.製 (輸入盤) 収録時間:46分13秒 ('07年になってボーナス・トラックを追加して再発売されて、国内/外でも根強い人気のあるギタリストである事を再認識させられます)'07年11月23日再更新


INDEX   TOP

写真  STUDIO TAN / Studio Tan
 ・2011 PROPHONE RECORDS    PCD 119

軽快なサウンド・フロー・・・

このアルバムは、北欧の都市ストックホルムやコペンハーゲンで活躍しているジャズ・ミュージシャンによるフュージョン・ミュージックのユニットSTUDIO TAN名義によるデビュー・アルバムで '12年2月20日に本国でリリースされています。
このSTUDIO TANのメンバーは、PER・LINDVALL:ドラム/パーカッション、LARS・DANIELSSON:ベース/ドラム/キーボード/プロデュース、HENRIK・JANSON:ギター/ストリングス・アレンジ、DANIEL・FRIDELL(多分SECRET OYSTERのメンバー):キーボード/プロデュースの4人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NILS・LANDGREN:トロンボーン、ANTON・EGER:ドラム、MARIUS・NESET:サックス、MAGNUS・LINDGREN:サックス/フルート、PETER・KIBSGAARD:パーカッション、MATS・MADESTAM:キーボード、PÅL・SVENRE:キーボード/ミキシング、VICKY・SINGH:ヴォーカル、RIGMOR・GUSTAFSSON:ヴォーカルの実力派達が参加しています。

1曲目"Pets"(5:19) 煌めくサウンドのカーテンが開くと同時に登場するLARS・DANIELSSONのスラップ・ベースのエモーショナルなサウンドで自然と四肢が操られる機嫌なビートの曲です。'02年にMAGNUS・LINDGRENとコラボによるアルバムをリリースした経験のあるストックホルムの女性シンガーRIGMOR・GUSTAFSSONのスキャットによる歌声も美しく響く80年代のフュージョン・サウンドが色濃く伝わって来ます。
2曲目"Where Ever U Go"(5:38) 今度はHENRIK・JANSONがナイロン弦ギターに持ち替えてメロウに聴かせるスローなナンバーです。アシッドな雰囲気を醸し出すイントロを過ぎた辺りから展開されるメランコックなメロディとソフィスティケートなサウンドを暫し堪能致しましょう。
3曲目"Hot Summer"(4:11) この曲ではギターのHENRIK・JANSONが強く影響されたと思えるメンフィス系のソウル・ミュージックの質感が全面に登場しています。スライド・ギターの音色など70年後半のアメリカのフュージョン・バンドの持ち味に通じるものがありますね。
4曲目"Blues For Sofie"(4:10) 決めのリフを次々と繰り出すHENRIKのフェンダー・トーンによって展開させる軽めのリズムのナンバーです。何だか弾き慣れていると言う感じがするとことなど一発テイクで収録OKとなった雰囲気が伝わって来そうです。
5曲目"Loungeloop"(4:48) 今度はアシッド系のジャズ・テイストを感じさせるベースのLARS・DANIELSSONの曲です。ANTON・EGERのドラムにその音楽仲間であるMARIUS・NESETのサックスと新進気鋭のミュージシャン達の尖ったサウンドで展開されて行きます。
6曲目"Ocean Drive"(4:13) この曲もイントロから懐かしさを感じさせる王道的なフュージョン・サウンドを聴かせるLARS・DANIELSSONとHENRIK・JANSONとの共作による曲です。LARRY・CARLTON風やPAT・METHENY風ありギターの心地好いサウンド群が通り過ぎて行きます。
7曲目"Long Island"(4:27) この曲は非常に曲名の印象もあるのですが、アメリカ東海岸のバンドのサウンドを感じさせる曲です。ソウル・ミュージックや教会でのゴスペル音楽の影響を織り交ぜたサウンドをMAGNUS・LINDGRENのサックスとフルートとで表現しています。
8曲目"Gino"(4:06) スリリングさを感じさせるイントロのサウンドから惹きつけるギターのHENRIK・JANSONの書いた曲です。程良い弦の響きを感じさせるHENRIKの演奏と調和の良さを非常に感じさせるバックの演奏の見事さに惚れ込みますね。
9曲目"Time 2 Go Home"(3:39) 今度はベースのLARS・DANIELSSONの曲の登場です。ロウファイにしたイントロのサウンドなど70年代初めのジャズの演奏を再現したようなエフェクトとリズミカルなハモンドの演奏が響いています。
10曲目"You And Me"(4:52) アーバン・ソウルなスムース・ジャズな雰囲気の曲です。デンマークで活躍しているギタリスト/シンガーのVICKY・SINGHの非常にソウルフルな歌声が印象的です。敢して例えるならスウェーデンのBLACKNUSS ALLSTARSの雰囲気でしょうかね。
11曲目"Lullabye"(2:39) このアルバムの収録曲の中では比較的短い曲です。ハモンドの心地好いサウンドをバックに奏でられるHENRIK・JANSONのギターの調べが優しく響きます。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:48分07秒 (ロックもジャズもカントリーも含み音楽大好き国民スウェーデン、本当に音楽ファンやミュージシャンの層の広さと深さを認識させますね)'12年5月19日更新


INDEX   TOP

写真  THE STYLE COUNCIL / The Singular Adventures Of
 The Style Council
 ・1989 Polydor Ltd.(U.K.)    837 896-2

シングル盤集コンピレーション・・・

このアルバムは、イギリスで活躍していたTHE STYLE COUNCILの '84年から '89年までのシングル盤を1枚にまとめたコンピレーション・アルバムで、通算8枚目位('84/85年 Geffenからのリリース盤を含む)だと思われます。リリースは、皮肉にもTHE STYLE COUNCIL解散と同じ年の '89年6月1日になっています。
THE STYLE COUNCILのメンバーは、PAUL・WELLER:ヴォーカル/ギター/ベース/シンセサイザー/プロデュース、MICK・TALBOT:キーボード/シンセサイザー/バック・ヴォーカル、STEVE・WHITE:ドラム/パーカッション、DEE・C・LEE:ヴォーカルの4人組です。
尚、各曲の収録に参加しているミュージシャンの詳しいクレジットの記載が無い為、割愛させて頂きます。

1曲目"You're The Best Thing"(4:35) '84年の大ヒット・アルバム[Café Bleu]に収録されている曲です。心地好いギターのサウンドにPAULのファルセットによる歌声を交えたラヴ・ソングです。
2曲目"Have You Ever Had It Blue?(12 Version)"(4:48) '86年にリリースされたナンバーで、ビッグ・バンドによるゴージャスなサウンドとサンバのリズムを加えたアレンジでエモーショナルな響きを伝えています。
3曲目"Money Go Round(Part 1 & 2)"(7:48) オリジナル曲は '83年のファースト・アルバム[Introducing The Style Council]に収録された曲です。このアルバムでの収録は7分48秒もあるファンク/ダンス・ビートによる"モロ" ブラック・ミュージックのサウンドです。
4曲目"My Ever Changing Moods(12 Version)"(5:44) 今更説明など必要としない2枚目のアルバムからの大ヒット曲です。ここでの収録はファンカ・ラティーナ風のホーン・アレンジとパーカッションによるリズムを加えて6分近くの収録になっています。
5曲目"Long Hot Summer(12 Version)"(5:32) オリジナル曲は、先に紹介した '83年のアルバムに収録されている曲です。シンセサイザー・ベースのサウンドとバック・ヴォーカルの歌声がエモーショナルに響く本国でのヒット曲です。
6曲目"The Lodgers"(3:42) '85年の3枚目のアルバム[Our Favourite Shop]に収録されている曲です。ファンクなリズムと小刻みに弾かれるギターのカッティング・サウンドが印象的なダンサブルなナンバーです。DEE・C・LEE(WHAM)の美しい歌声も登場してご機嫌な乗りを聴かせます。
7曲目"Walls Come Tumbing Down"(3:25) この曲も '85年のアルバムに収録されています。当時のブリテイシュ・ポップのサウンドを王道的に聴かせるアップ・ビートの曲で、DEE・C・LEEのヴォーカルが大きく取り上げられています。
8曲目"Shout To The Top!"(3:26) ストリングスによる長いイントロが特徴的なアップ・ビートの洒落た曲です。当時のT.V.やその他の音楽関連のシーンに良く使われていたTHE STYLE COUNCIL '84年ヒット曲です。
9曲目"Wanted"(3:26) '87年のアルバム[The Cost Of Loving]からの曲です。THE STYLE COUNCILらしいアップ・ビートのリズムを繰り出すリズミカルなSTEVE・WHITEのドラム、テクニカルなMICK・TALBOTのキーボードと言えば分かって頂けるでしょう。
10曲目"It Didn't Matter"(4:51) この曲も'87年のアルバムに収録されている曲です。イントロのリズムとサンドから当時痺れさせてくれた曲です。無機質的を意識したMICKのキーボードとDEEのエモーショナルなヴォーカルに続いて登場するPAULのギター・ソロと盛沢山です。
そう言えば、この曲当時の日本のT.V.コマーシャルで流れていましたね。
11曲目"Speak Like A Child"(3:19) THE STYLE COUNCILとして最初のシングル曲ではないでしょうか。非常にポップなメロディとサウンドによるTHE STYLE COUNCILのサウンド・スタイルから少し離れたところに位置することを感じさせる曲です。 '83年のファースト・アルバム[Introducing The Style Council]に収録されています。
12曲目"A Solid Bond In Your Heart"(3:19) '83年にシングル盤のみリリースされた曲です。アップ・テンポのビートによる若さ溢れるサウンドとメロディによるシンプルなブリティシュ・ポップな曲で、当時のイギリスのバンドのサウンドと共通したものを感じます。
13曲目"Life At A Top People's Health Farm"(4:26) '88年の[Confessions Of A Pop Group]に収録されている曲で、ファンクなリズムにホーンのサウンドをアレンジしています。PAULの歌声も少し荒らした処理がされています。
14曲目"Promised Land"(2:50) 多分、新譜としては最後のシングル曲となった曲です。素早く繰り出されるNICK・BROWN?のドラムのビートとギミックなMICKのキーボードのサウンドにPAULとDEEとのユニゾンで歌うところが印象的です。
15曲目"How She Threw It All Away"(4:16) 明るいサンドにポップなリズムによるTHE STYLE COUNCILにしては少しお気軽さ感じさせるナンバーで、'88年の[Confessions Of A Pop Group]に収録されています。このアルバムではボーナス・トラックとなっています。
16曲目"Waiting"(4:25) アコースティック・ギターの幻想的な響きがイントロから流れる少し雰囲気をダークな方向に変えて来たナンバーです。この曲も '87年の大ヒット・アルバム[The Cost Of Loving]に収録されている曲で、このアルバムではボーナス・トラックとして収録されています。
歌詞無し 8ページ物他アルバム紹介ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:69分59秒 (この辺の有名ミュージシャン/バンドは、LP/CD共整理の為に友人にあげたり処分してしまったのですが、なぜかこのアルバムだけ残っていましたので、取敢えずレビューを...)'08年10月19日再更新


INDEX   TOP

写真  STYROFOAM / Nothing's Lost
 ・2004 MORR MUSIC    LC10387

多彩なゲストを迎えてバラエティーに・・・

ベルギーで活躍するARNE・VAN・PETEGEMのSTYROFOAM名義での4枚目のアルバムで '04年11月のリリースです。多彩なゲストを迎えてバラエティーに富んだ曲調のアルバムに仕上がっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ARNE・VAN・PETEGEM:キーボード/ギター/ヴォーカル/プロデュースの他、MARKUS・ACHER:ギター、BEN・GIBBARD:ギター/ピアノ/ヴォーカル、VALERIE・TREBELJAHR:ヴォーカル、ALIAS:ラップ/プログラミング、ANDREW・KENNY:ヴォーカル、MIKI・YOSHIMURA:ヴォーカル、BENT・VAN・LOOY:ヴォーカルの多国籍ミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Misguided"(4:14) 柔らかなにサウンドを重視したエクトロニカによるイントロとVALERIE・TREBELJAHR(LALI PUNA)と浮遊感漂うヴォーカルと曲の途中より突如登場する息をもつかせぬALIASのラップの嵐の繰り出され方は圧巻です。
2曲目"Ticket Out Of Town"(3:46) ノイズとサンプルにて打ち込まれたエレクトロニカのサウンドによる曲ですが、伸びやかな音色で奏でられるギターのサウンドで、ロック色を全面にも出した曲です。
3曲目"Couches In Alleys"(4:46) BEN・GIBBARD(DEATH CAB FOR CUTIE)との共作です。BEN自身ピアノで収録に参加しています。エフェクターを通したARNEの歌声とプログラミングされたサウンドによるポップな曲です。
4曲目"Beequeen"(4:38) アップテンポのエレクトロニクス・サウンドを駆使したアシッド感のあるサウンドと加工されたARNEの歌声による曲です。
5曲目"Your Eyes Only"(3:17) 再び曲BEN・GIBBARDとの共作でDEATH CAB FOR CUTIEのBENのゆったりしたピアノのサウンドに通じるほっとさせる雰囲気を持っています。ヴォーカルは、BENでしょう?
6曲目"Front To Back"(4:45) ANDREW・KENNY(THE AMERICAN ANALOG SET)をヴォーカルに迎え収録されたANDREWの優しさに溢れた歌声による曲で彼のバック・ヴォーカルも見事です。尚、THE AMERICAN ANALOG SETのヨーロッパでのリリースは、この盤のリリース元のMORR MUSICが行なっています。
7曲目"Safe + Broken"(3:37) 様々なサンプルサウンドとギターの音色を使って混在させ幾重にも伸びた曲調から次第に一点にベクトルを絞ったサウンドへと導かれるSTYROFOAMの技法を使った曲です。
8曲目"Anything"(4:01) ベルギーで活躍するBENT・VAN・LOOY(DAS POP)とドイツで活躍するMIKI・YOSHIMURAをヴォーカルに迎えたギター・サウンドと打ち込みによるダンサブルなポップなナンバーです。
9曲目"Make It Mine"(9:15) エレクトロニカによるポップとヒーリング・ミュージュクが混在した心和む曲です。ピアノのサウンドを基調としたメロディにコンピュータライズされたARNEのヴォーカルによる曲です。後半部分は、BENのピアノによる美しいメロディのインストゥルメンタルとなった9分を超える曲です。
歌詞なし ライナー無し デジパック仕様 ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:42分23秒 (大手輸入盤販売店の試聴機コーナに並んでいたので、ご存知の方も多いのでは。ジャケットの雰囲気から想像して最初は、スウェーデンのアーティストを有しているLABRADORかQUINCE RECORDSの"チャカ・ポコ" まったりとしたサウンドかと思いました)'10年9月13日再更新


INDEX   TOP

写真  SUPER FURRY ANIMALS / Rings Around The World
 ・2001 Sony Music Entertainment UK Ltd.    Epic 5024139003

オルタナティブ・ポップ・バンドの5枚目・・・

U.K.オルタナティブ・ポップ・バンドSUPER FURRY ANIMALSの5枚目で、'01年7月23日に本国でのリリースです。
SUPER FURRY ANIMALSのメンバーは、GRUFF・RHYS:ヴォーカル/ギター/ハーモニカ、HUW・BUNFORD:ギター/ペダル・スティール/バック・ヴォーカル、GUTO・PRYCE:ベース、CIAN・CIARAN:キーボード/バック・ヴォーカル、DAFYDD・IEUAN:ドラム/バック・ヴォーカルの5人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HOWARD・GOT:ヴァイオリン、HARRIET・HARRIS:ヴァイオリン、SALLY・HERBERT:ヴァイオリン、STEVEN・HUSSEY:ヴァイオリン、JACKIE・NORRIE:ヴァイオリン、SONIA・SLANY:ヴァイオリン、LUCY・THEO:ヴァイオリン、BRIAN・WRIGHT:ヴァイオリン、NICK・BARR:ヴィオラ、SOPHIA・SIROTA:ヴィオラ、CLARE・SMITH ヴィオラ、NICK・COOPER:チェロ、SOPHIE・HARRIS:チェロ、BETI・RHYS:ハープ、MATT・SIBLEY:サックス、GARY・ALESBROOK:トランペット、TONY・ROBINSON:トランペット/フリューゲル・ホーン/トロンボーン、JOHN・TELFER:フルート、JOHN・CALE:ピアノ、OSIAN・GWYNEDD:ピアノ、KRIS・JENKINS:パーカッション、ANNA・SMITH:バック・ヴォーカル、PAUL・McCARTNEY:演奏楽器不明の有名ミュージシャンも参加しています。

1曲目"Alternate Route To Vulcan St"(4:31) 長いイントロの後にゆったりとしたリズムの曲です。
2曲目"Sidewalk Serfer Girl"(4:01) アコースティックとラウドな曲調と交互に配された曲です。
3曲目"(Drawing) Rings Around The World"(3:29) 70年代のブリティッシュ風サウンドに世界中の電話のサンプルを入れています。
4曲目"It's Not The End Of The World?"(3:25) GRUFF・RHYSのファルセット・ヴォイスによるポップさを残したバラードです。
5曲目"Receptacle For The Respectable"(4:32) 10CC風の凝った曲の展開と後半は全然違う曲としています。
6曲目"(A) Touch Sensitive"(3:07) 打込みによるインストで例えるならART OF NOISE風です。
7曲目"Shoot Doris Day"(3:38) GRUFF・RHYSのセンチメンタルなヴォーカルとストリングスを入れたスローな曲です。
8曲目"Miniature"(0:40) 40秒程度のインストゥルメンタルです。
9曲目"No Symphony"(:) 変則チューニングしたギターによる幻想的な曲で後半は打込みとループです。
10曲目"Juxtaposed With U"(6:57) キャッチーで爽やかな曲で処理されたGRUFF・RHYSのヴォーカルと生と交互に入れています。このCDの発売時期に日本のBSの放送で"口パク" ですが、この曲がライヴで放送された事があります。
11曲目"Presidential Sweet"(3:08) バックで流れるトランペットがBURT・BACHARACH風の美しい曲です。
12曲目"Run! Christian, Run!"(5:24) スローなカントリー調の曲です。
13曲目"Fragile Happiness"(7:20) 静かに流れるアコースティックの曲です。
全13曲歌詞付 イラストライナー U.K.盤 (輸入盤) 収録時間:52分54秒 (私にはチョットアクが強過ぎたかな?)'10年9月14日再更新


INDEX   TOP

写真  SUTHERLAND BROTHERS & QUIVER /
 Reach For The Sky
 ・1975 CBS Records    PC 33982

IAINとGAVINのSUTHERLAND兄弟の素晴らしいハーモニーを・・・

このアルバムは、スコットランド出身のIAINとGAVINのSUTHERLAND兄弟を中心とし、リードギター:TIM・RENWICK、ドラム:WILLIE・WILLSONの4人組のです。SUTHERLAND BROTHERS & QUIVERとしては3枚目のアルバムで、オリジナル盤のリリースは '75年です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、IAIN・SUTHERLAND:ヴォーカル/ギター、GAVIN・SUTHERLAND:ヴォーカル/ベース、TIM・RENWICK:ギター/バック・ヴォーカル、WILLIE・WILLSON:ドラム/パーカッション/バック・ヴォーカルの他、DAVID・GILMOUR:ペダル・スティール、HOWARD・ALBERT:オルガン/プロデュース、MIKE・LEWIS:指揮/ストリングス・アレンジが参加しています。
尚、プロデュースは、マイアミのHOWARD・ALBERTとRON・ALBERTが担当しています。

1曲目"When The Train Comes"(3:56) 軽やかなギターのリズムにIAIN のヴォーカルとGAVINのハーモニーが爽やかです。TIMの若々しいギターソロが良いですネ。
2曲目"Dirty City"(3:32) 少し黒っぽいイメージのする曲にハーモニーが美しく重ねられています。
3曲目"Arms Of Mary"(2:36) アコースティック・ギターでの爽やかな曲でここでもハーモニーが美しいです。
4曲目"Something Special"(4:08) TIMのギターソロが最高に発揮された曲です。
5曲目"Love On The Moon"(4:18) GAVINのヴォーカルです。ストレートなロックですが、曲の後半はガラリと雰囲気を変えてアコースティック・バージョンになっています。
6曲目"Ain't Too Proud"(3:20) この曲はアメリカ南部の香りがする曲となっています。DAVID・GILMOURのペダルスティールがより一層サザーンロック風の演出をします。
7曲目"Dr.Dancer"(4:48) 楽しいギターのリズムに乗せ全員のハーモニーが最高に美しい曲です。
8曲目"Reach For The Sky"(3:16) 一転してスワンプミュージックスタイルですが、彼ら独自の爽やかな感じがします。
9曲目"Moonlight Lady"(3:06) 鳥肌の立つバラードでIAIN のセンチメンタルなヴォーカルとハーモニーが本当に美しい曲です。
10曲目"Mad Trail"(4:06) エモーショナルなリズムにTIMの様々なギタースタイルが盛り込まれています。
歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 録時間:37分06秒 (十数年程前の '03年テレビ東京の音楽番組で名曲"Sailing" の作者としてIAINとGAVINの2人が元気そうに映って、その素晴らしい歌唱力とハーモニーを披露してくれました。多分、日本のテレビに彼らが放送されたのは始めてでしょう。いつまでも元気に音楽活動を続けて下さい!)'10年9月14日再更新


INDEX   TOP

写真  SUTHERLAND BROTHERS & QUIVER / Slipstream
 ・1976 CBS Records    PC 34376

ホーンとキーボードを取り上げて前作よりファンキー・・・

SUTHERLAND BROTHERS & QUIVERの4枚目のアルバムで '76年のリリースです。ホーンとキーボードを大々的に取り上げて前作よりファンキーでスケールアップしています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、IAIN・SUTHERLAND:ヴォーカル/ギター、GAVIN・SUTHERLAND:ヴォーカル/ベース、TIM・RENWICK:ギター/バック・ヴォーカル、JOHN "WILLIE" NELSON:ドラム/パーカッション/バック・ヴォーカルの他、ALBHY・GALUTEN:キーボード、"FLACO" PEDRON:パーカッション、MIKE・LEWIS:指揮/ストリングス・アレンジ/ホーン・アレンジが参加しています。
尚、プロデュースは、前作同様マイアミのHOWARD・ALBERTとRON・ALBERTが担当しています。

1曲目"Slipstream"(2:31) ファンキーなリズムにブラスを加えた前作に無い曲のタッチとなっています。
2曲目"Wild Love"(3:44) アコースティック・ギターの調べにIAINの甘いヴォーカルがマッチしています。
3曲目"Saturday Night"(2:28) GAVINのヴォーカル曲で、ロック"ン" ロールのリズムにホーンのサウンドを重ねた「土曜の夜の楽しさ」を歌にしています。
4曲目"If I Could Have Your Lovin'"(3:28) アコースティック・ギターを主体とした曲調で恋の歌で、ソフトなIAINのヴォーカルが優しく響いて来ます。
5曲目"Love On The Side"(4:15) キーボードの音色が哀愁を持って奏でられTIMのギターも泣かせます。
6曲目"Secrets"(3:08) これぞブリテッシュ・ポップと言えそうな曲です。
7曲目"Dark Powers"(4:50) エモーショナルなリズムに乗せてIAIN のヴォーカルが冴える。TIMのギターがいつになく鋭いサウンドです。
8曲目"Something's Burning"(3:56) GAVINの曲でカリプソ風のリズムでレイドバックします。
9曲目"Sweet Cousin"(3:00) 躍動的なアコースティック・ギターのリズムとTIMのエレットリックギターが織り成す秀作です。
10曲目"Midnight Rendezvous"(2:45) ロマンチックな歌詞とIAIN のヴォーカルがマッチしています。
11曲目"The Prisoner"(4:08) ストレートなロックとなっています。ステージ栄えしそうな曲です。
12曲目"High Nights"(2:34) めずらしくギターのTIMの作曲です。インストゥルメンタルで哀愁をおびたTIMのギターソロです。
11曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 録時間:40分49秒 (このアルバムの後、彼らはアメリカの西海岸にてアルバムを収録しますが、QUIVERのメンバーは、渡米に反対し実質SUTHERLAND兄弟と西海岸のセッションマンとの収録になりました)'10年9月14日再更新


INDEX   TOP

写真  SWIM SCHOOL / Duality
 ・2023 LAB Records,Ltd    

4人組から3人に減りましたが・・・

このアルバムは、スコットランドのエジンバラで活躍しているオルタナティヴ/インディー・ポップ・バンドSWIM SCHOOLの3枚目(4曲EP盤)のアルバムで '23年6月2日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SWIM SCHOOLのALICE・JOHNSON:ヴォーカル/ギター、LEWIS・BUNTING:ギター、BILLY・McMAHON:ドラムの3人のようです。
'22年8月の5曲EP盤では、4人組だったのですが、ベースのMATT・MITCHELLが抜けたようです。

1曲目"Kill You"(3:08) '22年11月にシングル曲としてリリースされた曲です。イントロから響くエコーを効かせたギターの音色からイギリスのバンドらしい空気感を与えてくれますね。
2曲目"Duality"(2:52) 今度は、ハードなサウンドによる畳みかける勢いを感じさせる曲です。曲名が示すように「二重性、二元性」にこのバンドのもう一つ局面の荒々しさを聴かせます。
3曲目"Don't Leave Me Behind"(3:08) 軽めのリズムとポップなサウンドによるALICEのヴォーカルをメインとした曲です。ALICEが吐息混じに歌う裏から登場するLEWISのオルタナティヴなギター・サウンドが堪りませんね。
4曲目"Over Now"(3:07) この曲もドラムのビートから勢いを感じる曲ですね。LEWISの飽和したギター・サウンドの中のALICEの凛とした歌声などオハイオ州で活躍しているNIIGHTSに通じるところを感じます。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:12分15秒 (前作まで自主リリースしていたこのSWIM SCHOOL、今作よりインディーズ・レーベルLAB Recordsからリリースされました)'23年6月5日更新


INDEX   TOP

写真  TAHITI 80 / Puzzle
 ・2000 VICTOR ENTERTAINMENT INC.    VICP-61032

元気の良さがストレートに・・・

このアルバムはフランスで活躍している4人組ギター・ポップ・バンドTAHITI 80の2000年4月21日に国内でリリースされたデビュー・アルバムです。バンドのメンバーは、XAVIER・BOYER:ヴォーカル/ギター/ベース/キーボード、MÉDMÉRIC・GONTIER:ギター/キーボード/バック・ヴォーカル、SYLVAIN・MARCHAND:ドラム/パーカッション/キーボード、PEDRO・RESENDE:ベース/プログラミング/パーカッション/バック・ヴォーカルの4人です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TAHITI 80の4人の他、ANDY・CHASE:キーボード/プロデュース、ADAM・SCHLESINGER:オルガン/ピアノ、ERIC・MATTHEWS:トランペット/フリューゲルホーンの少人数での収録です。
尚、このアルバムのプロデューサーは、N.Y.で活躍するギター・ポップ・バンドIVYのANDY・CHASEが担当し収録もANDYのスタジオのあるN.Y.に出向いて行われています。副プロデューサーは、フランスSelect Records PASCAL・DAUZIERが担当しています。

1曲目"Yellow Butterfly"(4:34) ヴォーカルのXAVIER(グザヴィエ)の弾き語りから入るギター・ポップな曲です。XAVIERのガール・フレンドの瞳のことを歌にした歌詞の内容を、スローな部分と軽めのロック"ン" ロールのリズムで歌い上げています。
2曲目"I.S.A.A.C."(3:24) 曲間を埋めるように収録されたミドル・テンポによる60年代のサイケデリックなサウンドをシタール・ギターのアレンジで表現したギター・ポップな曲です。
3曲目"Heartbeat"(3:26) この曲は、非常にポップ・ミュージックの要素を端的に表現したサウンドの曲です。ANDYが好みそうなリズミカルなリズムの刻みと籠ったXAVIERの歌声が妙なバランスを保っています。
4曲目"Made First Never Forget"(3:11) この曲も非常にTAHITI 80の持つ健康的な元気の良さがストレートに伝わって来るポップな曲ですね。ギミックなイントロのサウンドと各楽器の素直なサウンドを聴かせるところが印象的ですね。
5曲目"Mr. Davis"(2:45) アコースティック・ギターのサウンドをメインにした少し牧歌的なリズムの曲です。イギリスのロック・バンドTHE KINKSのヴォーカリスト RAY・DAVIESのことを歌った内容です。
6曲目"Swimming Suit"(2:31) 美しいアコースティック・ギターの調べが流れるこの曲はXAVIERの歌声をヴォコーダーに通したサウンド・アレンジが素晴らしい曲ですね。ERIC・MATTHEWS(Ex.CARDINAL)のトランペットも心地好く響きます。
7曲目"Hey Joe"(3:12) この曲も少しノスタルジックなサウンドを感じさせるエヴァーグリーン的なメロディが流れる卒業パーティーで演奏されそうな軽めのダンス・ミュージックって感じです。
8曲目"Puzzle"(4:49) ラウドなサウンドをサビに持たせたオルタナティヴ・ロック風のアレンジとサイケデリックなサウンドをサンドイッチにしたネオ・ギター・ポップな曲でしょうか。
9曲目"Easy Way Out"(3:41) この曲はピアノのサウンドをメインにした理屈抜きのポップ・ミュージックのサウンドの曲ですね。このアルバムの収録に参加したANDY、ERICやADAM・SCHLESINGERとTAHITI 80との楽しさが伝わって来そうです。
10曲目"Things Are Made To Last Forever"(3:15) この曲は、イントロからIVYの曲が持つ独特の浮遊感を感じさせます。トロピカルなサウンドを奏でるギターは多分ANDY自身の演奏でしょう。間奏では、BURT・BACHARACHのようなホーン・アレンジも印象的です。
11曲目"Revolution 80"(4:04) このアルバムの収録曲の中では、少し異色のサウンドを放つアシッド/トランス・ミュージックの雰囲気を持つ曲です。擦れたXAVIERの歌声もトランス・サウンドが意外と似合います。
12曲目"When The Sun"(2:56) 通常盤では、このXAVIERの弾き語りに近いこの曲でアルバムを閉じます。途中より登場する抒情的な調べのストリングとメロディアスな流れが非常に美しいです。
13曲目"John Steed"(1:39) 国内盤ボーナス・トラックです。'01年のミニ・アルバムにも収録されているシンプルなギター・ソングでバンド全員でのバック・コーラスが楽しく付けられています。
14曲目"So You Want To Be A Rock'n Roll Star"(2:08) ハードなギターのサウンドを収録したヴォーカルのXAVIER 憧れのTHE BYRDS '67年の曲のカバーです。この曲も '01年のミニ・アルバムに収録されています。
12曲歌詞/訳詞付 イラストライナー (国内盤) 収録時間:45分40秒 (日本で非常に人気の高いこのTAHITI 80、日本へのツアーも定例的に行なわれているようです)'10年9月15日再更新


INDEX   TOP

写真  TAHITI 80 / Wallpaper For The Soul
 ・2002 Atmospheriques.    A2423-9

今回もANDY・CHASEの協力で・・・

このアルバムはフランスで活躍している4人組ギター・ポップ・バンドTAHITI 80の '02年8月に本国でリリースされた2枚目('01年のミニ・アルバムは除く)アルバムです。バンドのメンバーは、XAVIER・BOYERXAVIER・BOYER:ヴォーカル/ギター/ベース/ベル/キーボード/シンセサイザー/ヴィブラフォン、MÉDMÉRIC・GONTIER:ギター/バック・ヴォーカル、SYLVAIN・MARCHAND:ドラム/パーカッション/ギター/シンセサイザー/ベース・シンセサイザー/タンバリン、RESENDE:ベース/S.E./ドラム・ループ/パーカッション/プログラミング//ベース・シンセサイザー/タンバリンの4人です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ANDY・CHASE:ビート・ボックス/バック・ヴォーカル/プロデュース、BOB・HOFFNAR:ペダル・スティール、RICHARD・HEWSON:指揮/アレンジ、URBAN SOUL ORCHESTRA:フルート/フレンチ・ホーン/ホーン/ストリングス、STEPHEN・HUSSEY:オーケストラ・リーダーの比較的少人数での収録です。
プロデュースは、今回もN.Y.のANDY・CHASEと一部TAHITI 80自身が行いエグゼクティヴ・プロデューサーは、前作同様フランスSelect Records PASCAL・DAUZIERが担当しています。
。 尚、このアルバムのジャケット写真は、発売当時、数種類用意され購入者が選べる形となっていました。

1曲目"Wallpaper For The soul"(3:50) 前作のアルバムでのギター・ポップのサウンドから少し趣を変えて来たオルタナ系ダーク・エレクトロニカ・サウンドの曲です。リフレンを多用したメロディの流れにバックに様々のサンプル音源が嵌め込まれています。
2曲目"1,000 Times"(3:49) 一転して明るいサウンドによるギター・ポップの曲の登場です。小刻みに入れられるホーンのサウンドと美しいストリングスのサウンドが一味効いています。この曲はシングル・カットされヴァージョン違いもリリースされています。
3曲目"The Other Side"(4:41) 再びダーク・アシッド系のサウンドによる曲の登場です。"メリハリ" の効いたストリングスのサウンドをあしらい洒落た文字通りフレンチ・エスプリを感じさせるアレンジです。
4曲目"Separate Ways"(3:46) この曲は、非常に前のアルバムの持つサウンドを感じさせます。途中より登場するホーンのサウンドからも前のアルバムでのBURT・BACHARACH風のサウンド・アレンジの曲を思い出します。やはりこの辺りは今回もANDY・CHASEの影響でしょうか。トランペットは前作でお馴染ERIC・MATTHEWSです。
5曲目"Get Yourself Together"(3:31) きらきらしたアコースティック・ギターのサウンドがたっぷり流れるギター・ポップな曲です。途中より登場するコーラスなどイギリスの古いバンドの雰囲気にも似たところが面白いです。
6曲目"Happy End"(4:28) メランコリックなメロディに乗せ歌うXAVIERの切ない歌声が響くスローな曲で、MÉDMÉRICのギターとN.Y.で活躍しているBOB・HOFFNERのペダル・スティールも美しく流れます。
7曲目"Fun Fair"(4:27) エレクトロニカのサウンドを加えたメロディアス・ポップな曲です。間奏のシンセサイザーのサウンドが非常に美しく響いてきます。少し枯れたXAVIERの歌声もいつも通りですね。
8曲目"Soul Deep"(3:23) フェード・インするイントロが何か懐かしさを感じさせますね。この曲もどことなくBURT・BACHARACH風のサウンドを感じさせるギター・ポップな明るいナンバーです。
9曲目"Open Book"(3:49) 少しメランコリックなサウンドを感じさせるミドル・テンポのナンバーです。複数のギターの爪弾きで奏でられるメランコリック・サウンドと時折ファルセットで歌うXAVIERの歌声は美しく響きます。
10曲目"The Train"(3:02) 歪ませたギターのサウンドをメインに奏でながらポップなメロディを流すギター・ポップの曲です。サビの部分のギターサウンドは同じ時期にデビューしたフランスのもう一組のバンドPHOENIXのサウンドにも共通点がありそうです。
11曲目"Don't Look Below"(3:33) この辺りのサウンドが一番前のアルバムの収録曲とは違うところでしょうか。ドラム・ループを使った淡々とリズムの流れから徐々にエモーショナルなサウンドへ展開されるギターのアレンジは圧巻です。
12曲目"Memories Of The Past"(4:33) XAVIERのセミ・アコースティック・ギターによる弾き語りに近い収録曲です。旅情的なサウンドのオーケストラのサウンドをも加えられて、アルバムの最後まで美しく展開されます。15秒ほどのブランクの後"Wallpaper For The soul" がリプライズで登場します。
全12曲歌詞付 イラストライナー フランス製 (輸入盤) 収録時間:46分57秒 (このアルバムは、日本/アメリカ/イギリス/本国とリリースされアルバムのジャケットも本国通り数種類あるようです)'10年9月15日再更新


INDEX   TOP

写真  T.D.F. / Retail Therapy
 ・1997 Reprise Records for the U.S.    9362-46489-2

突如として現れた覆面ユニット・・・

突如として現れた覆面ユニットのT.D.F.(SIMON・CLIMIE)の才能の豊かさに触れる好アルバムです。もともとはファッションショー(ジョルジオ・アルマーニ)の演出用に作られた音楽制作からスタートしたSIMON・CLIMIEのサイドプロジェクトで '97年4月11日に本国でのリリースです。ジャケットには、Co-produced by Simon Climie and x-sampleとしか記載されていません。また、ライナーには黒のフルフェイスを被った3人の写真のみで当時話題になりました。因みにT.D.F.の意味は、Totally Disfunctional Family「ぶっ飛び家族」と言う意味らしいです。
ライナーに記載されているミュージシャンは、SIMON・CLIMIE:プロデュース/作曲、X-SAMPLE:プロデュース/作曲、PAUL・WALLER(PAUL・ROBERT・WALLER):ドラムです。
後に国内盤がリリースされた頃は、売り上げを伸ばす為、ERIC・CLAPTONがギターで参加している事をしきりに宣伝していたのが逆に興醒めでした。

1曲目"Blue Rock"(5:26) イントロでの何か胸騒ぎを与えるナレーションとドラム"ン" ベースの強烈なトランスのサウンドに突き上げられる高揚感。縦横無尽に鳴り響く津軽三味線のようなERIC・CLAPTONのギターと後半からの爽やかなアコースティック・ギターが心地好いです。
2曲目"Angelica"(4:48) スローなリズムによる美しいメロディの曲でナイロン弦ギターの響きとバックで流れる風きり音のようなS.E.がヒーリングに効果的です。
3曲目"Pnom-Sen"(4:08) 歯切れよいドラムマシーンのビートとエッジを効かせたアコースティック・ギターのピッキングに聴き入ります。 時にスムーズに時に溜めを取ったハートから弾かれるギターのフレーズの数々です。この曲で案外アコースティック・ギターの良さを見直したのは弾いている本人ではなかったでしょうか。
4曲目"Sno-God"(5:54) 一転してエキゾチックでエモーショナルなドラムのリズムの曲です。サンバとアフリカン・ミュージックの融合した躍動的なリズムと"ストラト" の伸びやかなチョーキングを繰り返す響きが聴く者をトランス状態へ導きます。
5曲目"Sienna"(4:05) 水滴の滴るサウンドのようなサンプルとフロントピックアップから拾われたウォームトーンのフェンダーの心地好い響きによる曲です。後半からナイロン弦ギターの少し悲し気な響きに変化するところが堪りませんね。
6曲目"Seven"(5:23) 短い歌詞を付けた曲の登場です。ドラムマシーンより繰り出される様々なリズムに乗せ色々なアプローチから攻めの形で弾きまくるギターのサウンドが圧巻です。尚、この曲のサンプリングは、B.B. KINGの"How Blue Can You Get" から引用されているそうです。
7曲目"Agelica's Dream"(1:23) インターリュードとして配された感じの2分に満たない曲です。ナイロン弦ギターの調べの間から登場するフレットレス・ベースの心地好い響きが堪りません。
8曲目"What She Wants"(6:03) ソウルフルなブラック・ミュージックを基調とした曲で短い歌詞か繰り返し使われています。メロウでご機嫌なリズムです。この曲の女性ヴォーカルは、SHERYL・CROWらしく上手いメロウな男性ヴォーカルは、不明で誰でしょうか? こちらの勝手な想像ですが、ERIC・BENETではないかと1人思っています。
9曲目"Donna"(4:12) 哀愁を帯びたナイロン弦ギターの響きから入る曲で、次第にユニゾンでの弦の響きとヨーロッパの秋の情景を想像させる美しいメロディへ変化します。ギターもハーモニーからソロと複雑に絡み合い素晴らしいアレンジでSIMONの辣腕ぶりを感じます。
10曲目"Rip Stop"(6:38) 幻想的なキーボードのサウンドに絡むカウベルの警鐘音です。ドラムの非常に凝った複雑なビートと女性ヴォーカルの流れるサンプル・サウンドが印象的です。この曲でも様々なスタイルで挑戦するギターの孤高の響きが"クール"。
11曲目"What Else"(5:30) ストリングスの荘厳な悲しみを誘うナイロン弦ギターの流れるような調べです。透明感溢れるシンフォニーで、アルバム全体を閉める最後の曲は、非常にクラシカルなスタイルです。
全11曲インストゥルメンタル 写真ライナー ワーナーマーク付ジュエルボックス ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:53分40秒 (様々なギターサウンドが収録されたT.D.F.のこの1枚は、本B.W.M.C.で紹介する事を嬉しく思うアルバムの1枚です)'10年9月15日再更新
1997年度ベスト5


INDEX   TOP

写真  TAHINI TUESDAY / Golden Hour Reflections
 ・2023 Falafel Records    

ベルギーからの渋い調べ・・・

このアルバムは、ベルギーのブリュッセルで活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップ・デュオTAHINI TUESDAYのデビュー・アルバムで '23年8月4日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ANA・ABRAHAMSON(ANALENA・VATER):ヴォーカル/ベース/ギター/シンセサイザー、FERNANDO・JORGE:マルチ-インストゥルメンツのTAHINI TUESDAYの2人とARNE・FISCHER-BÜHNER:ピアノ(9曲目)の少人数での収録です。
尚、バンド名のTAHINIとは「ごまだれ」のことです。

1曲目"Silver To Gold"(3:53) 潮騒とギターの爪弾きがイントロから心地好く流れる曲です。ベースを弾きながらこれまた心地好い歌声を聴かせるANAと洒落たメロディとサウンドに聴き入ります。
2曲目"On The Rocks"(3:42) 今度は、キーボードの凛とした音色が響くこれまた洒落たサウンドの曲です。アシッド感のあるタイトなドラムのビートとブルース然としたギター・ソロも堪りませんね。
3曲目"Paralyzed"(1:08) ANAのベース・ソロをメインとしたインストゥルメンタルです。ハイフレットで奏でるベースの渋い調べが重くのしかかります。
4曲目"Mama"(3:51) イントロから面白いギター・リフを聴かせる曲です。ノスタルジックな歌声を聴かせるANAと煌びやかギターの爪弾きの音色が非常に似合っていますね。
5曲目"Breathe Out(Intro)"(0:35) 非常にLo-Hiにしたサウンドによるスタジオ・テイクの一部分を切り取った感のある曲です。
6曲目"Breathe Out"(4:08) '22年の4月にリリースされているシングル・デビュー曲です。ファンクなベースを聴かせるANAとギターを抱えたFERNANDOが挑戦するようなJAMスタイルを聴かせるスリリングさ好いですね。
7曲目"Golden Hour"(4:20) 今度は、ジャジーなスタイルの曲です。ギターの爪弾きをベースのソロを掛け合いによるインストゥルメンタルです。ベースとギターによるシンプルなサウンドによるミニマルな美しさと渋さだけで聴かせるカッコ良さを持っています。
8曲目"Siege"(3:34) 引き摺り感を醸し出すR&Bです。「人生大変だけど、さぁ頑張って行こうや」的な感じを歌にしています。
9曲目"Slow Motion"(3:39) ハーモニクスを多用したベースのサウンドが特徴的な曲です。引?き気味のギターのサウンドがエフェクト感を醸し出すヨーロッパ感のメランコリックな調べ感じます。
10曲目"No Clue"(3:33) ゆったりと奏でられるギターの調べからリズミカルな流れに合わせてANAの歌声が心地好く響く曲です。ファンクなベースとリズムが何処か懐かしさを感じさせる乗りの好さです。
11曲目"One Minute"(3:20) アルバムの最後は、ポップさ強調したお別れ的な曲です。分かり易いメロディとサウンドに合わせ歌うANAとFERNANDOのリズムが寄り添います。聴き終わったらまた、1曲目へと戻りたくなる感じかな。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:35分43秒 (レコード盤もリリースされているようですが発送は、'24年1月とのこと)'23年8月6日更新
2023年度ベスト5


INDEX   TOP

写真  TEARS FOR FEARS / The Hurting
 ・1983 Phonogram Ltd.(London)    mers 17 MERCURY

恐怖の代わりに涙を・・・

このアルバムは、NEON、GRADUATE、TEARS FOR FEARSとバンドを遍歴して来たROLAND・ORZABAL:ギター/キーボード/ヴォーカルとCURT・SMITH:ベース/ヴォーカルによる本国で '83年3月7日にリリースされたT.F.F.の記念すべきデビュー・アルバムです。先に紹介した以外のメンバーは、IAN・STANLEY:キーボード、MANNY・ELIAS:ドラムにプロデューサーは、CHRIS・HUGHESとROSS・CULLUM(MOYA・BRENNAN)が担当しています。
尚、このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MEL・COLLIN:サックス、ベテラン・ギタリストPHIL・PALMER(PAUL・BRADY)、CAROLINE・ORZABALです。

1曲目"The Hurting"(4:17)) ゆったりと叩かれるドラムのビート音からリズミカルなギターのサウンドとエレクトロニカのサウンドに移行する曲です。ROLANDの低音の歌声とバックのCURTの高い歌声が絡みあってエモーショナルに届けられます。
2曲目"Mad World"(3:46) この曲はデビュー・アルバム発売前に先行リリースされ、UKシングル・チャート3位になっています。陰影を持たせたサウンドが非常に印象的なイメージを与えます。このアルバム購入当時、CURTの歌声に聴き入らされた曲です。
3曲目"Pale Shelter"(4:24) このアルバムからスマッシュ・ヒット('82年は152位、'83年に5位)したCURTのヴォーカル曲です。CURTの優しい響きの歌声とは対照的にタイトなドラムのビートとROLANDのアコースティック・ギターによる書き殴り風のサウンドとCURTのベース・ランニングが非常にインパクトを与えます。
4曲目"Ideas As Opiates"(3:46) T.F.F.のアルバムに良く登場する不協和音を使った不思議なサウンドを発する実験的な曲の登場です。ドラム・ループに乗せて歌うROLANDのヴォーカル曲。
5曲目"Memories Fade"(5:05) サウンドトラック的なキーボードの叙情な調べから入るROLANDの熱いヴォーカルが聴けるエモ・ギター・ポップな曲です。MEL・COLLINのスリリングなサックスの調べと変則的なMANNY・ELIASのドラムのビートに痺れます。
6曲目"Suffer The Children"(3:52) エレクトロニカのサウンドとエコーを効かせたROLANDの歌声がイントロから響くミドル・テンポのナンバーです。バックのコーラスの子供のような歌声はCAROLINE・ORZABAL(ROLANDの奥方)です。当時のDEPECHE MODEやPAUL・HAIGのサウンドにも通じるものを感じます。
7曲目"Watch Me Bleed"(4:19) 緊張感のあるイントロのサウンドから参ってしまった曲で、非常にテンポの良さ感じさせてくれます。ROLANDの歌声に彼のギター・サウンドとメロディ・ラインが開花した秀作です。
8曲目"Change"(4:14) アルバムの後半も良い曲の連続ですね。今度はCURTのヴォーカル曲で、リズミカルなベースとドラムのビートが堪りません。また、IAN・STANLEYの木琴風のキーボードでのサウンドが非常にインパクトを与えるのです。
9曲目"The Prisoner"(2:55) この曲もT.F.F.のアルバムに良く登場する不協和音と打撃音とか金属音を使った実験的なトラックになっています。CURTのヴォーカルによる短い歌詞に恐怖心を煽るS.E.と凝ったアレンジとなっています。
10曲目"Start Of The Breakdown"(5:01) ROLANDらしい抒情的なメロディからエモーショナルにダイナミックに展開して行く曲です。寂しげなキーボードのサウンドとタイトでありながら重いドラムのビートに絡みつくベースの調べが最高です。
全10曲歌詞付 LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:41分39秒 (当時の輸入盤は、アルバム・タイトルに金文字を使って印刷され、右下で印象的に泣いている子供もエンボス加工でトリミングされた凝った仕様になっています)'08年10月4日再更新
1983年度ベスト5


**************************************************************************

・1983 Phonogram Ltd.(London) IDA 612

写真

The Way You Are
1曲目"The Way You Are(Extended Version)"
2曲目"The Marauders" 3曲目"Start Of The Breakdown"
歌詞無し 12インチ盤 (輸入盤) 収録時間--分--秒


・1983 Nippon Phonogram Co.,Ltd. 15PP-42

写真

The Way You Are
1曲目"The Way You Are" 2曲目"Pale Shelter(New Extended Version)"
3曲目"The Marauders" 4曲目"We Are Broken" 5曲目"Start Of The Breakdown"
2曲歌詞付 12インチ盤 (国内盤) 収録時間--分--秒


INDEX   TOP

写真  TEARS FOR FEARS / Songs From The Big Chair
 ・1985 Phonogram Ltd.(London)    MERH 58 MERCURY
 ・1999 Mercury Records Ltd.(London)    UICY-90061

世界で彼らの人気を決定づけた1枚・・・

このアルバムは、TEARS FOR FEARS(以下T.F.F.)の2枚目のアルバムで、オリジナル盤は、'85年2月17日に本国でリリースされています。CD化(ボーナス・トラック付き)再発売は '99年/'05年に行われています。クレジットに記載されているT.F.F.のメンバーは、CURT・SMITH:ベース/ヴォーカル、ROLAND・ORZABAL:ギター/キーボード/ヴォーカル、IAN・STANLEY:キーボード、MANNY・ELIAS:ドラム/ドラム・アレンジの4人組みです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NEIL・TAYLOR(Ex.NEON):ギター、ANDY・DAVIS:ピアノ、JERRY・MAROTTA:ドラムサックス・アレンジ、CHRIS・HUGHES:ドラム/プロデュース、WILLIAM・GREGORY:サックス、MEL・COLLINS:サックス、SANDY・McLELLAND:バック・ヴォーカル、MARILYN・DAVIS:バック・ヴォーカル、ANNIE・McCAIG:バック・ヴォーカルのイギリスのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Shout"(6:33) 海岸で熱唱するROLANDのビデオ・クリップが印象的だった全米NO.1に輝いた曲です。底から込上げて来るうねったエモーショナルなリズムとROLANDのストレートなサウンドによるギターソロが良いです。このアルバム・ヴァージョンでも6分半を超える大作です。
2曲目"The Working Hour"(6:31) ジャジーなサックスソロの静かなイントロから次第にT.F.F.調と言うか少し静寂感と冷ややかさ感じる残響音豊かなサウンドとパーカッションの躍動的なサウンドが見事なまでに調和した6分半を超える曲です。ドラム界の重鎮JERRY・MAROTTAがドラムとサックスアレンジで参加しています。
3曲目"Everybody Wants To Rule The World"(4:11) シンセでのベースのサウンドでしょうか、この鼓動に似たリズムが非常に心地好い曲です。CURTの美しいヴォーカルと親しみやすく明るいメロディとは逆にROLANDのシリアスな歌詞による全米NO.1になった曲です。当時のCURTの出ているビデオ・クリップが思い出されます。
4曲目"Mothers Talk"(5:06) サスペンス映画のサウンドトラックのようなイントロとバタバタと鳴るドラムのビートの効いたエレクトロニカによるサウンド。このアルバムでは比較的激しいサウンドの曲です。この曲も全米トップ27位になっています。
5曲目"I Believe"(4:54) ROLANDのピアノでの幻想的なサウンドによる静かな弾き語りです。ファルセットで歌う所はCURTの歌声に非常に似ているのが興味深いです。2曲目でも登場したWILLIAM・GREGORYの流れるようなサックス・ソロが渋い。
6曲目"Broken"(2:38) 前の曲のアウトロから次の曲のイントロに続く組曲です。ROLANDらしいスピード感と躍動感のある激しいサウンドによる曲で。硬くアグレッシヴなサウンドの素晴らしいギター・ソロは、旧友NEIL・TAYLERです。
7曲目"Head Over Heels/Broken(5:02) [Live]" 全米3位になった曲でCURTとROLANDの共作でANDY・DAVISのピアノを主体とした前半と後半では再び"Broken"のメロディによる組曲です。
8曲目"Listen"(6:54) オリジナル盤の収録はこの曲までです。IANとROLANDの共作によるシンセのサウンドたっぷりの静かな曲で、シーケンサー/サンプラーを使ったエフェクトとMARILYN・DAVISの高く響くバック・ヴォーカルが素晴らしい7分近くもある曲です。
'99年国内盤CD化による追加曲:
9曲目"The Big Chair"(3:21) ROLANDが以前、語っていたこのアルバムのタイトルは「大きな椅子」に踏ん反り返って送られてくる音楽への驕りを象徴したものとの事。 そのような音楽に対してのアンチテーゼを込めて出来たらしいです。
10曲目"Empire Building"(2:52) THE ART OF NOISE風も打込みとサンプラーによる実験的な要素も含んだ曲です。
11曲目"The Marauders"(4:16) '83年の4曲入りミニアルバム"The Way You Are" のB面でのインストゥルメンタルです。
12曲目"Broken Revisited"(5:16) イントロ部分"Broken"のアウトロ部分の奇妙なサウンド逆回しを使っています。モノラルに近い篭ったサウンドに収録された曲です。
13曲目"The Conflict"(4:05) '83年の3曲入りシングル盤"Chang" のB面に収録されているパーカッションのサウンドを多用したCURTのヴォーカル曲です。
14曲目"Mothers Talk(U.S. Remix)"(4:13) 同名のシングル盤のB面での曲4分13秒にこぢんまりとしたBOB・CLEARMOUTAINによるリミックスでクラヴィネットが追加されているようです。
15曲目"Shout(U.S. Remix)"(8:02) 1分近くに延ばされたイントロがかなり変更されています。間奏もかなり違います。STEVE・THOMPSONとMICHAEL・BARBIEROのリミックスです。
・歌詞無し LP盤 '85年 U.K.製 (輸入盤) 収録時間41分49秒
・9曲歌詞/訳詞付 8ページ物写真ブックレット '99年/'05年再発売CD盤 (国内盤) 収録時間74分02秒 (世界でT.F.F.の人気を決定づけた1枚です。時代に流されない素晴らしい曲が収められています。また、'85年は他のアーティスト達も素晴らしいアルバムをリリースしています)'10年9月16日再更新
1985年度ベスト5


**************************************************************************

・1985 Phonogram Ltd.(London) IDA 912

写真

Everybody Wants To Rule The World
1曲目"Everybody Wants To Rule The World(Extended Version)"
2曲目"Everybody Wants To Rule The World(7" Version)" 3曲目"Pharaohs"
歌詞無し 12インチ盤 (輸入盤) 収録時間--分--秒


INDEX   TOP

写真  TEARS FOR FEARS / The Seeds Of Love
 ・1989 Phonogram Ltd. (LONDON)    FONTANA PPD-1060

素晴らしいアルバムの登場でしたが後・・・

前作より4年ぶりにリリースされたT.F.F.の3枚目のアルバムで、国内盤は '89年9月25日のリリースです。'99年にリマスター及びボーナス・トラック付きで再発売もされています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ROLAND・ORZABAL:ギター/キーボード/プログラミング/ヴォーカル、CURT・SMITH:ベース/ヴォーカルの他、OLETA・ADAMS:ヴォーカル/ピアノ、NEIL・TAYLOR:ギター、ROBBIE・McINTOSH:ギター/スライド・ギター、SIMON・CLARK:オルガン/シンセサイザー、IAN・STANLEY:キーボード、PETER・HOPE-EVANS:ハーモニカ、KATE・ST・JOHN:オーボエ/サックス、JON・HASSELL:トランペット、PINO・PALLADINO:ベース、NICKY・HOLLAND:ピアノ/カーツウェル・シンセサイザー/バック・ヴォーカル、PHIL・COLLINS:ドラム、MANU・KATCHÉ:ドラム、CHRIS・HUGHES:ドラム、RICHARD・NILES:ストリングス・アレンジ、CAROLE・STEELE:パーカッション、TESSA・NILES:バック・ヴォーカル、MAGGIE・RYDER:バック・ヴォーカル、CAROL・KENYON:バック・ヴォーカル、ANDY・CAINE:バック・ヴォーカル、DOLETTE・McDONALD(STING,STEVE・WINWOOD):バック・ヴォーカルのベテラン達から新進気鋭のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Woman In Chains"(6:30) ベースの重く響くサウンドと鋭いドラムのビートによるイントロからゆっくり歌いだすROLAND・ORZABALの歌声に続いてカンザスシティー出身のOLETA・ADAMS(彼女のステージを始めて見たROLANDは、あまりの感動で涙したとの事)の非常にクリアで伸びやかな歌声の登場です。ドラムは、前作のCHRIS・HUGHESでは無くPHIL・COLLINSです。
2曲目"Badman's Song"(8:32) ジャズ・スタイルのピアノソロのイントロからソウルフルなROLANDのヴォーカルの曲です。この曲もOLETA・ADAMS がヴォーカルで参加しています。ROLANDがツアークルー達の雑談で偶然自分の悪口を言っているのを聞いてしまった事による発想で書かれた曲です。ROLANDとNICKY・HOLLANDとの共作です。
3曲目"Sowing The Seeds Of Love"(6:19) ROLANDとCURTとの共作で非常にT.F.F.らしいブリティッシュ・テイスト溢れる曲で後半部分はどこかで聴いた事のあるメロディのオンパレードです。アレンジとサウンドは計算され尽くした6分強の大作です。
4曲目"Advice For The Young At Heart"(4:54) 1度聴いただけで非常にメロディとサウンドが気に入った曲で、CURTがヴォーカルを務めます。ROLANDとNICKY・HOLLANDとの共作です。尚、NICKYは、この曲にピアノ/バック・ヴォーカルとしても参加しています。
5曲目"Standing On The Corner Of The Third World"(5:33) ROLANDの曲で静かでゆったり流れるOLETA・ADAMSはピアノで参加しています。バック・ヴォーカルは、TESSA・NILESで素晴らしい歌声を次の曲も含め披露しています。
6曲目"Swords And Knives"(6:14) 6分を越える曲でこの曲もROLANDとNICKYとの共作です。サックスとオーボエでKATE・ST・JOHN(DREAM ACADEMY)が参加しています。
7曲目"Year Of The Knife"(7:06) ライヴ仕立てになっている7分を超えるエモーショナルなビートのドラム(SIMON・PHILLIPS?)とスピード感のある曲です。ROBBIE・McINTOSHが素晴らしいギター・ソロを様々なスタイルで聴かせてくれるのです。非常に心地好い刻み音を奏でるリズム・ギターは、T.F.F.の旧友NEIL・TAYLORです。
8曲目"Famous Last Words"(4:25) NICKY・HOLLANDらしい美しいピアノの旋律の曲で後半は、ROLANDの熱いヴォーカルが登場します。
9曲目"Tears Roll Down(Bonus Track)"(3:16) EP盤のB面に使われた曲で、ROLANDはよく以前からこの手(即興的)の曲を多く書いています。
8曲歌詞/訳詞付 8ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間52分55秒 (本当に素晴らしいアルバムでしたが、このアルバム制作とその後のツアーが原因で人気絶頂の彼らが解散する事になるとは誰も想像出来なかったでしょう)'10年9月16日再更新
1989年度ベスト5


INDEX   TOP

写真  TEARS FOR FEARS / Elemental
 ・1993 Phonogram Ltd. (LONDON)    314 514 875-2

ジャケットが少し寂しい・・・

'90年にベース/ヴォーカルのCURT・SMITHが抜けたTEARS FOR FEARSのROLAND・ORZABALが同バンド名義で '93年6月7日に本国でリリースした5枚目([Greatest Hits 82-92]を含む)のアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ROLAND・ORZABAL:ヴォーカル/マルチ・インスツメンツの他、ALAN・GRIFFITHS:マルチ・インスツメンツ、TIM・PALMER:マルチ・インスツメンツ、GUY・PRATT:ベース、MARK・O'DONOUGHUE:キーボード、JOHN・BAKER:バック・ヴォーカル、JULIAN・ORZABAL:バック・ヴォーカルの比較的少数での収録になっています。
プロデューサーにはROLAND自身と演奏にも参加しているALAN・GRIFFITHS(Ex.THE ESCAPE)、TIM・PALMER(PEARL JAM,TIN MACHINE)があたっています。

1曲目"Elemental"(5:30) スネアとタムタムの躍動的なドラムのビートによるイントロからROLANDのいつものエモーショナルな歌声が響いて来ます。曲全体のサウンドは、2枚のアルバムの実験的なROLANDのサウンドを更に抽出した感じでしょうか。
2曲目"Cold"(5:06) スライド・ギターとギターのサウンドを一杯使ったミドル・テンポのナンバーです。いつもと少し違った上品な歌い方をするROLANDの歌声が印象的です。この曲はCURTの居た3枚目のアルバムのビールズ・ライク的なサウンドを継いでいます。バック・ヴォーカルにはROLANDの兄弟であるJULIAN・ORZABALも参加しています。
3曲目"Break It Down Again"(4:32) イントロのファンファーレが少し"ベタ" さを感じさせますが、ROLANDの持ち味であるメロディとサウンドを非常に感じさせます。このアルバムからシングル・カットもされています。
4曲目"Mr. Pessimist"(6:17) T.F.F.の"静" の部分を表現した曲の登場です。デビュー・アルバムでの少し病的なイメージを感じさせるサウンドと凝ったアレンジで、後半から盛り上がりを見せます。
5曲目"Dog's A Best Friend's Dog"(3:38) イントロだけ聴いているとメタルはハード・ロックのバンドの曲のようです。前作までのT.F.F.のアルバムでは収録を控えられそうなハードさを持っています。ギター・サウンドのフリークであるROLANDが新境地を開いた曲です。
6曲目"Fish Out Of Water "(5:07) 前の曲に続いてハード/ラウドのサウンドを感じさせる曲です。この曲も美しいギターのサウンドが挿入されています。歌詞の方は相棒のCURT・SMITHのことを歌っているようです。
7曲目"Gas Giants"(2:40) 再び1枚目のアルバムのサウンドかROLANDの実験的な打ち込みとサンプル音源によるインストゥルメンタルに近い曲でアウトロ近くに短い歌詞が収録されています。
8曲目"Power"(5:50) 美しくメロディアスな1分近くあるイントロが収録されている曲です。この曲も途中よりハードなギター・サウンドが鳴らされています。
9曲目"Brian Wilson Said"(4:22) ROLANDのピアノによる弾き語りから入る曲で、非常にブリティシュなサウンドとアレンジを感じさせます。間奏ではめずらしくジャズ・ギターのスケールが演奏されています。
10曲目"Goodnight Song"(3:53) イントロからギターのサウンドが"バッチリ" なこのアルバムで1番最初の気に入った曲です。ROLANDが比較的シンプルな循環コードで書いた曲ですが、いい曲はこの分かりやすさとか聴きやすさがミソでしょうか。バッキング・ギターのサウンドのつけ方が効果的なところが最高なんです。後に国内盤がリリースされる頃には、T.V.の車のC.M.に使われたことを懐かしく思います。
全10曲歌詞付 写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:46分55秒 (実は、このアルバム購入当時ジャケットの写真が少し寂しいそうなので、あまり聴いていなかったで、今回レビューをアップするにあたり、良い機会になりました)'10年9月19日再更新


INDEX   TOP

写真  TEARS FOR FEARS / Raoul And The Kings Of Spain
 ・1995 Sony Music Entertainment Inc.    Epic 480982 2

ROLANDのルーツ・・・

このアルバムは、ROLAND・ORZABALによるTEARS FOR FEARS名義での最後のアルバムです。通算6枚目([Greatest Hits 82-92]を含む)のアルバムで、本国でのリリースは '95年10月6日となっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ROLAND・ORZABAL:ヴォーカル/ギター/キーボード/プロデュースの他、ALAN・GRIFFITHS:ギター/キーボード/プロデュース、JEBIN・BRUNI:ハモンド、GAIL・ANN・DORSEY:ベース、BRIAN・MACLEOD:ドラム/パーカッション、JEFFREY・TROTT:ギター、OLETA・ADAMS:ヴォーカル、MARK・O'DONOUGHUE:バック・ヴォーカルの前作と共通のミュージシャンが多く参加しています。
プロデューサーには前作と同様ROLAND自身とALAN・GRIFFITHS(Ex.THE ESCAPE)、TIM・PALMER(PEARL JAM,TIN MACHINE)です。
尚、収録曲は全てプロデューサー/ギターのALAN・GRIFFITHSとROLANDとの共作となっています。

1曲目"Raoul And The Kings Of Spain"(5:15) 金属音のするギターのサウンドに重ねられたハモンドの音色が響く少しハードさを持たせた曲です。ROLANDのいつもの歌声が聴こえてくる頃に感じるのはやはりT.F.F.のアルバムと言うよりROLANDのアルバムと言うニュアンスに近いです。曲名のRaoulもROLANDの両親が最初につけたROLANDの名前で彼の息子にも引き継がれています。このアルバムからのシングル・カット曲にもなっています。
2曲目"Falling Down"(4:55) どこかで聴き覚えのあるイントロのピッキング・ギターの調べが印象的な曲ですね。懐かしさを感じさせるインディアン・ドラムのビートからアグレッシヴの弾かれるスライド・ギターのサウンドが響き渡ります。3分12秒あたりにROLANDがBメロ?歌い始めを間違えているように思うのは私だけ?この曲もこのアルバムからシングル・カットされています。
3曲目"Secrets"(4:41) 一転してギターとピアノによるサウンドによるバラードの登場です。メロディとサウンドの流れはオーソドックスなスタイルなブリティシュ・ロック・バラードのイメージに近いのは共作ALANからの影響でしょうか。この曲も当時にシングル・カットされています。
4曲目"God's Mistake"(3:47) 何となくアメリカのウエスト・コーストのサウンドを感じるギター・ポップな曲です。リッケンバッカー風の特徴的なギターのサウンドとコーラスとサウンドの気軽さから来ているのでしょうか。アルバムの前半からこの曲も含み4曲続いてシングル・カットされています。
5曲目"Sketches Of Pain"(4:20) このアルバムの前半で唯一しんみりと聴かせるアコースティック・ナンバーです。フィンガー・ピッキングによる流れるような美しいギターのサウンドに続いて登場する2枚目のアルバム当たり聴かせたエコーを効かせたエレクトリック・ギターのエフェクト的な使い方にスパニシュ・ギターの旋律と盛りだくさん収録されています。ROLAND自身のルーツと彼のサウンドのルーツを共に感じさせます。また、エンジニア/バック・ヴォーカルのMARK・O'DONOUGHUE(EMILIANA・TORRINI)の歌声も好いですね。
6曲目"Los Reyes Católicos"(1:44) 2分にも満たないギターによるインターリュード的な曲です。次のハードなサウンドの曲に挟んでいるようです。
7曲目"Sorry"(4:48) ROLANDの持つハード/ラウドのサウンドを感じさせる曲ですね。途中よりT.F.F.らしいメロディアスなパートを挟んだアレンジも持たせていますが、全体のサウンドはハードなサウンドで収録されています。
8曲目"Humdrum And Humble"(4:10) この曲もROLANDの実験的なサンプル音源によるイントロを持たせています。ヴォーカル・パートの感じは後のリリースされる彼の[Tomcats Screaming Outside]とT.F.F.の中間的なサンドにファンクなリズムを加えたようです。
9曲目"I Choose You"(3:25) 非常に1枚目のアルバムの感じを伝えてくるピアノによるメランコリックなナンバーです。ROLAND1人のヴォーカルによる歌声が更に切なさを感じさせます。歌詞からは宗教的な内容を感じさせます。
10曲目"Don't Drink The Water"(4:50) イントロの車の発車音に驚かされる曲ですね。メロディとサウンドから2枚目の"Mothers Talk""Broken" のサウンドの延長線に位置していることを強く感じさせます。
11曲目"Me And My Big Ideas"(4:32) カンサス・シティのOLETA・ADAMSがゲスト・ヴォーカルとして収録された曲です。やはり彼女がヴォーカリストと招かれた '89年の名曲"Woman In Chains" とのイメージがダブル非常に美しいメロディによるバラードです。宗教的なイメージを感じるサウンドの曲ですが、歌詞からはそのような雰囲気はうわべからは読み取れませんね。
12曲目"Los Reyes Católicos(Reprise)"(3:43) 6曲目の曲をループのように繰り返し流しながら、更にアコースティック調に仕上げています。アウトロ近くでは、サンプル音源によるリミックスに近いアレンジになっています。バックには女性ヴォーカリストが入っているようですが、ベースのGAIL・ANN・DORSEY(DAVID・BOWIE,THE THE)でしょうか。
11曲歌詞付 写真ブックレット オーストリア製 (輸入盤) 収録時間:50分16秒 (実は、このアルバム購入当時海外で勤務していました。休日の度にCDショプでCDを購入していた事をこのジャケットに貼ったままにしていた外貨表示の値札を見て懐かしく思い出しました)'10年9月19日再更新


INDEX   TOP

写真  TEARS FOR FEARS / Saturnine & Martial Lunatic
 ・1996 MERCURY RECORDS LTD (LONDON).    528 114-2

コンビ解散後のコンピレーション・・・

このアルバムは、イギリスで活躍しているTEARS FOR FEARSの '96年8月13日に本国でリリースされた7枚目(ベストアルバムを含む)のアルバムで、'83年〜 '93年までの過去のシングル盤のB-サイドでの収録曲を1枚にまとめたコンピレーション・アルバムです。

1曲目"Johnny Panic And The Bible Of Dreams"(6:22) '89年にリリースされた[Advice For The Young At Heart] のB-サイド曲です。クラブなどでのダンス・シーンに使われる事を想定したようなトリップ・ホップなサウンドとトランス状態へ誘う6分22秒の曲です。
2曲目"Big Chair"(3:20) この曲のタイトルは、ROLANDが以前、T.V.でのインタビューで語っていた「大きな椅子に踏ん反り返って送られてくる音楽」への驕りを象徴したものです。また、そのような音楽に対してのアンチテーゼを込めています。 '85年の大ヒット曲"Shout" のB-サイド曲で、'99年に[Songs From The Big Chair] がCD化された時にボーナス・トラックとして収められています。
3曲目"Schrodinger's Cat"(5:03) ROLAND 1人になってからリリースされた '93年の[Break It Down Again] のB-サイド曲です。サイケデリックなサウンドとエッジの効いたギターのサウンドによる60年代のロックの香りもするROLANDのヴォーカル曲です。
4曲目"My Life In The Suicide Ranks"(4:32) '89年にリリースされた4曲入[Woman In Chains] B-サイド曲、アンビエント/エレクトロニカのサウンドによるリフレインで歌わられる短い歌詞による曲です。サウンド的には、少し実験的な部分と荒削りの部分が残されているようです。
5曲目"When In Love With A Blind Man"(2:24) '85年の[Head Over Hill] のB-サイド曲で、オリジナル盤の"Head Over Hill" に続く"Broken" と共通性があるところ感じるCURTのヴォーカル曲です。
6曲目"Pharaohs"(3:41) '85年に全米1位となった[Everybody Wants To Rule The World] のB-サイド曲で、メロディの大半は、A面と共通な部分を強く感じます。歌詞の部分はナレーターのようなアナウンスを収録しています。
7曲目"Deja Vu & The Sins Of Science"(6:24) この曲もROLAND 1人になってからリリースされた '93年の3曲入[Cold] にB-サイドに収録されている曲です。ROLANDが良く収録しているループとサンプル(歌舞伎の音源もあり)を基にした実験音楽の作り込みを強く感じます。
8曲目"The Marauders"(4:08) この曲は。T.F.F.発足あたりに位置する古い '83年の5曲入りミニ・アルバム[The Way You Are] のB-サイドに収録されているインストゥルメンタルです。この曲も '99年に[Songs From The Big Chair] がCD化された時にボーナス・トラックとして収められています。
9曲目"Tears Roll Down"(3:16) '92年のシングル盤[Laid So Low(Tears Roll Down)] としてリリースされた曲ですが、'89年の国内盤[The Seeds Of Love] のボーナス・トラックとして日本の方が、一足早く紹介されています。
10曲目"New Star"(4:26) 非常にノスタルジックなバンドが奏でるロックのサウンドを感じ曲ですね。'93年の3曲入[Cold] にB-サイドに収録されている曲です。
11曲目"Body Wah"(5:19) '92年のシングル盤[Laid So Low(Tears Roll Down)] のB-サイド曲です。シンセザイザーのサウンドによる宇宙的と言うか神秘的なサウンドによるインストゥルメンタルです。
12曲目"Lord Of Karma"(4:41) この曲も '92年の3曲入シングル盤[Laid So Low(Tears Roll Down)] のB-サイド曲です。先の曲とは非常に違ったロック・スタイルのROLANDのヴォーカル曲で、曲紹介には、マンチェスターのバンドHAPPY MONDAYSとJIMI・HENDRIXの"Crosstown Traffic" に触発されたとの事です。
13曲目"Bloodletting Go"(4:11) '93年3曲入[Break It Down Again] のB-サイド曲です。打込みのリズムがパーカッシヴに響くビートの流れとROLANDが歌いながらギターを爪弾くサウンドが心地好く響きます。
14曲目"Always In The Past"(4:38) '89年リリースのシングル盤[Woman In Chains] B-サイド曲です。エモーショナルなリズムに合わせて歌うROLANDが女性バック・ヴォーカルを従えて熱く歌いギターも弾きまくる渾身の1曲です。
15曲目"Sea Song"(3:51) '86年にリリースされたシングル盤[Mothers Talk] のB-サイド曲です。めずらしくピアノ・バラードか映画音楽のサウンドに合わせてROLANDが歌います。ブリストルの音楽家ROBERT・WYATTに触発されたとの事です。
16曲目"Ashes To Ashes"(4:31) ご存じDAVID・BOWIE '80年の曲のカバーで、当時のU.K.シングル・チャート1位になった大ヒット曲です。サウンドとアレンジ的にはあまり手を加えていない感じですがROLANDが気持ち良くギターを演奏しています。事前にリリースされた情報が無い為、このコンピレーション・アルバム用に新しく収録されたようです。
17曲目"Empire Building"(2:49) '84年のシングル盤[Mothers Talk] のB-サイド曲です。THE ART OF NOISE風も打込みとサンプラーによる実験的な要素も含んだ曲で、'99年に[Songs From The Big Chair]がCD化された時にボーナス・トラックとして収められています。
18曲目"The Way You Are"(4:56) '83年のシングル盤[The Way You Are] のB-サイドではなくメイン曲です。当時としては、めずらしく国内盤もリリースされています。パーカッションとドラムのリズムが一杯広がる曲で、ROLANDとCURTが交互にヴォーカルを務めています。
歌詞無し 各曲のクレジット付ライナー ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:78分40秒 (かなり特殊な曲を収録した内容ですので、T.T.F.のコレクター・アイテムとしての1枚です)'09年9月13日再更新


INDEX   TOP

写真  TEARS FOR FEARS / Everybody Loves A Happy Ending
 ・2004 TTF UK, LLC.    B0003042-02

ファンが待ちに待った2人の復活です・・・

何度もT.F.F.が復活すると言う噂を耳にして早15年(アルバムのリリース年度での換算で実際には '90年にCURTが抜け、このアルバムの曲作りに '01年に再会しています)もの歳月が流れてしまった。本当に長かったが、彼らはその間のブランクを埋めるべく最高の1枚を '04年9月14日に私達へ届けてくれました。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ROLAND・ORZABAL:ヴォーカル/ギター/プロデュース、CURT・SMITH:ヴォーカル/ベース/プロデュースの他、CHARLTON・PETTUS:ギター/ドラム/プロデュース、KENNY・SIEGAL:ギター/バック・ヴォーカル、BRIAN・GELTNER:ドラム、TOM・SCHICK:ギター/ドラム/バック・ヴォーカル、FRED・ELTRINGHAM:ドラム、RICK・BAPTIST:トランペット、JOEL・PESKIN:バリトン・サックス/テナー・サックス、DAVID・WASHBURN:トランペット/フリューゲルホーン、GARY・GRANT:トランペット/フリューゲルホーン、STEVE・KUJALA:フルート、BARRY・GOLD:チェロ、DAN・SMITH:チェロ、MAURICE・GRANTS:チェロ、MIGUEL・MARTINEZ:チェロ、RUDY・STEIN:チェロ、STEFANIE・FIFE:チェロ、SUZIE・KATAYAMA:指揮/チェロ、VAHE・HAYRIKYAN:チェロ、CAROLE・MUKOGAWA:ヴィオラ、DENYSE・BUFFUM:ヴィオラ、EVAN・WILSON:ヴィオラ、KARIE・PRESCOTT:ヴィオラ、BOB・BECKER:ヴィオラ、ROLAND・KATO:ヴィオラ、ARMEN・GARABEDIAN:ヴァイオリン、BERJ・GARABEDIAN:ヴァイオリン、BOB・PETERSON:ヴァイオリン、CHARLIE・BISHARAT:ヴァイオリン、EVE・BUTLER:ヴァイオリン、JOEL・DEROUIN:ヴァイオリン、JOHN・WITTENBERG:ヴァイオリン、JOSEFINA・VERGARA:ヴァイオリン、JULIAN・HALLMARK:ヴァイオリン、LESA・TERRY:ヴァイオリン、MARIO・DELEON:ヴァイオリン、MICHAEL・MARKMAN:ヴァイオリン、NORM・HUGHeS:ヴァイオリン、PETER・KENT:ヴァイオリン、ROBERT・MATSUDA:ヴァイオリン、SARA・PARK:ヴァイオリン、SARA・PARKINS:ヴァイオリン、SID・PAGE:ヴァイオリン、GAYLE・LEVANT:ハープ、PAUL・BUCKMASTER:指揮/オーケストラ・アレンジ、JULIAN・ORZABAL:ヴォーカル、LAURA・GRAY:ヴォーカル、ALEXANDER・GIGLIO:バック・ヴォーカル、GWEN・SNYDER:バック・ヴォーカルの多くのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Everybody Loves A Happy Ending"(4:21) イントロと曲は別物(組曲)とした非常に凝った作りになった曲です。ビートルズ風/10CC風の曲調を強く感じます。
2曲目"Closest Thing To Heaven"(3:36) このCDで最初に気に入った曲です。ROLANDのヴォーカルの合間に聴こえるCURTの歌声は素晴らしい。やはり2人の歌声が一緒になった事による相乗効果でしょうか。ROLANDのギターもソロ・アルバムよりマイルドさが増したような。また、新規加入のCHARLTON・PETTUSの素晴らしいギターが好いんです。
3曲目"Call Me Mellow"(3:39) 煌びやかなギターのサウンドとストリングス とブリティッシュ・テイストの最高の一曲(但し殆どの曲は、ハリウッドで収録されています)
4曲目"Size Of Sorrow"(4:43) CURTがメインを取る曲ですが、作詞作曲はROLANDです。メンフィス・コーラスをバックに従えて彼の素晴らしい歌声を更に際立てます。
5曲目"Who Killed Tangerine?"(5:33) ダークなイメージのイントロから次第ダイナミックに展開されて行く曲で、アレンジがとても考え尽くされた感じがします。この辺りがROLANDとCURTが組む事による表れでしょう。
6曲目"Quiet Ones"(4:22) ROLANDの作です。彼の得意とする乗り好いリズムとアグレッシブなメロディですが、CURTが入る事により適度にマイルドさ増します。
7曲目"Who You Are"(3:41) 作詞/作曲は、CHARLTON・PETTUS(MAYFIELDでのギタリスト)CURT・SMITHとなっておりCURTらしい清々しいメロディと美しい彼の歌声です。
8曲目"Devil"(3:30) ピアノを主体とした静かなイントロですが、サビはROLANDらしくワイルドな展開をします。
9曲目"Secret World"(5:21) このCDの中でT.T.F.らしさサウンドを1曲で説明するならまずこの曲が最適でしょう。練り尽くされたアレンジとダイナミック(総勢38名のオーケストラ)でエモーショナルなメロディ、1曲の中にいくつもの洗練された旋律で5分強の曲も「あっ」と言う間に終わってしまします。曲の最後にスタッフの拍手が入っていて聴いているこちらも同じ気持ちにさせます。
10曲目"Killing With Kindness"(5:25) イントロからダークな雰囲気を醸し出す切ないメロディによるROLANDのヴォーカルの曲です。この曲もクライマックスでは大きく変化してダイナミックな展開となる非常にイギリス的なサウンドを感じさせます。
11曲目"Ladybird"(4:50) アコースティック・ギターのサウンドとメランコリックなメロディで華麗に展開されるサビのリズムとメロディと一旦終わったと思わせ、再び曲へと入る絶妙なアレンジです。本当に15年間待った甲斐があります。
12曲目"Last Days On Earth"(5:41) チャイムの清々しい音のイントロとクールなドラムのビートとハウリングがかったギターのサウンドとROLANDの抑えたヴォーカルが堪りません。また最初から聴きたくなる曲です。
歌詞無し 写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:54分38秒 (2004年で私のロック史の最大の出来事はTHE FINN BROTHERSの2枚目のアルバムとこのT.F.F.の復活でしょう!)'10年9月20日再更新
2004年度ベスト5


INDEX   TOP

写真  TEARS FOR FEARS / Secret World
 ・2006 TTF UK, LLC / XIII BIS RECORDS    700226406064

突如フランスよりリリースされたライヴ盤とDVD盤の・・・

'05年6月18日に行なわれたパリLe Parc des PrincesスタジアムでのT.F.F.のライヴを収録したライヴ盤に同時収録のDVDをカップリングとした豪華2枚組です。'06年2月27日にフランスのみのリリースですが、3月後半より各国で購入可能です。ツアー・メンバーは、T.F.F.の他 ギターのCHARLTON・PETTUS(MAYFIELD):ギター/バック・ヴォーカル、NICK・D'VIRGILIO(SHERYL・CROW,KYLE・VINCENT):ドラム/バック・ヴォーカル、DOUG・PETTY(MAYFIELD):キーボード/バック・ヴォーカルの5人です。

DISC:1 歌詞無し ハード・パッケージ2重梱包 (輸入盤) 収録時間:57分09秒
1曲目"Secret World"(4:54) '04年の「Everybody Loves A Happy Ending」の収録曲で観客の拍手に混ざって登場する。ROLANDの優しい歌声のヴォーカルです。'04年のCDでの収録と同じギターは、CHARLTONでライヴでのソロは"テレキャス" を使っています。
2曲目"Call Me Mellow"(3:45) 同じく最新アルバムの曲です。ポップなギターサウンドとストリングスの打ち込みによるメロディアスな曲です。
3曲目"Sowing The Seeds Of Love"(6:51) 3枚目のアルバムのタイトル曲でROLANDとCURTとの共作です。ワイルドでビターな歌声のROLANDと優しく甘い歌声のコラボが良いですね。DVDの方はフランスの観客も2人の復活を祝福しているようです。
4曲目"Pale Shelter"(4:43) この曲の紹介はROLANDが流暢なフランス語で行なっています。聴き慣れたあのドーンドーンと鳴る打ち込みのリズム曲で作曲はROLANDですが、CURTがヴォーカルを執っています。美しいメロディとビートの効いた初期のヒット曲です。
5曲目"Closest Thing To Heaven"(4:08) 歪ませたギターのサウンドによる長いイントロより入る曲でピアノの旋律の合図にて進行されています。シングルカットとビデオ・クリップになった曲です。特殊な装置を使ってのギター・サウンドです。
6曲目"Mad World"(5:14) '83年の全英トップ3になったファーストアルバムからのスローな曲でCURTがヴォーカルを取ります。
7曲目"Everybody Wants To Rule The World"(4:27) 2枚目アルバムからの大ヒット曲です。イントロのさわりだけで観客の拍手が巻き上がっています。心地好いギターのサウンドCURTらしい清々しい美しい彼の歌声とROLANDの聴きなれたあのギター・ソロです。
8曲目"Head Over Heels"(4:12) 同じく2枚のアルバムからの曲でROLANDらしくワイルドな展開をする曲で静と動をもった曲です。
9曲目"Shout"(6:32) イントロのギターの部分はオリジナルよりアレンジされています。CHARLTONが参加した事によるギター・サウンドの部分がリフレシュされ、ますます素晴らしい曲へと変化しています。6分におよぶライヴでの最終曲です。最後はROLANDのフランス語の別れの挨拶で終演です。
10曲目"Secret World(Radio Edit)"(3:37) ボーナス・トラックです。1曲目のスタジオ収録曲でアルバムヴァージョンをイントロの部分をばっさり落として4分以内にまとめています。
11曲目"Floating Down The River"(3:56) アルバム未収録曲です。フランスでの滞在にインスパイアされて作った感じの曲でフランス語の歌詞が織り込まれています。
12曲目"What Are We Fighting For?"(4:46) CURTのバンドMAYFIELDでの収録曲です。何故この曲が収録されているか謎ですが、新たにアコーディオンの部分がミックスされているようです。

DISC:2 PAL方式 STEREO/5.1CH 収録時間:47分14秒
スタジアムのフィールド内の特設ステージでの演奏風景が収録されています。収録曲と演奏順位はCDと同一となっていますが、カット割りが多くまた観客の映像も多く含まれCURTとROLAND以外のメンバーの位置にカメラが少なく演奏風景があまり充実していないのが非常に残念です。
ライヴの模様はwireimage.comで静止画(残念ながらCURTの写真が少ないです!)が配信されています。
1曲目"Secret World (DVD)" CURTは、ちょっとめずらしいHofnerの500/2 Club Bassで登場しています。ROLANDはGIBSONのエンジ色のセミ・アコースティックのES135風のハーフ・カッタウェイのボディーにES345のステレオ・ユニットを組み合わせたようなこちらもめずらしいしいギターで登場しています。
2曲目"Call Me Mellow (DVD)" 煌びやかギターのサウンドにて繰り出されるT.F.F.ワールド一色です。彼ら自身ツアーに出られる至福の喜びを感じているように見受けられます。
3曲目"Sowing The Seeds Of Love (DVD)" ROLANDのヴォーカル曲です。名曲"St.Peppers Lonely Hearts Club Band"を彷彿とさせる曲調です。
4曲目"Pale Shelter (DVD)" ベースを弾きながら器用にリードヴォーカル取るCURTです。またドラムの素晴らしいビートの効いた曲ですが、セッションドラマーのNICK・D'VIRGILIOがあまり写っていないのが残念です。ROLANDは、ギブソンから(多分シェクターのADシリーズでしょう) に持ち替えています。
5曲目"Closest Thing To Heaven (DVD)" レスポールに持ち替えたCHARLTONが手持ちギズモトロンのようなものはっきり確認は出来ていないですが、旧の機械式ではなく磁力で演奏するタイプ(E-Bowですね)のようでバックワード・ギターのサウンドも出せるアタッチメントを使っているようです。
6曲目"Mad World (DVD)" CURTが「フランス語が出来ないから英語で曲紹介します。僕達のファーストアルバムから...」こんな感じのやりとりの後、水を摂りながらマイク・スタンドに向かいます。マイクを抱え込むように歌われています。この曲のみ白黒にて収録されています。
7曲目"Everybody Wants To Rule The World (DVD)" この曲では観客の乗りは最高です。ベースを置いたCURTがヴォーカルを取ります。フランスの観客もご機嫌ですが、炎天下だったのでしょうかかなり暑そうです。
8曲目"Head Over Heels (DVD)" スタジアムのフィールド部分にぎっしり入った観客が写しだされています。アルバムでの収録より"Broken" の間奏の部分を短くした演奏です。
9曲目"Shout (DVD)" いよいよラストの曲で '85年に全米NO.1輝いた曲で、ビート、ギター・サウンド、歌詞とメロディ"4拍子" 揃った名曲です。
(DVD盤はヨーロッパで一般的なPAL方式ですのでパソコンまたはPAL/NTSC方式互換性のあるDVDプレーヤーで再生可能です)'06年3月15日更新


INDEX   TOP

写真  TEARS FOR FEARS / The Tipping Point
 ・2022 CONCORD RECORDS    UICB-10006

やっぱり見出しはこれかな、17年ぶり・・・

このアルバムは、イギリスのロンドンで活躍しているTEARS FOR FEARS(以下T.F.F.)の7枚目(スタジオ収録盤)のアルバムで、前作[Everybody Loves A Happy Ending]より17年5カ月ぶり '22年2月25日(国内盤)のリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、T.F.F.のROLAND・ORZABAL:ヴォーカル/ギター/キーボード/プログラミング/プロデュース、CURT・SMITH:ヴォーカル/ベース/キーボード/プログラミング/プロデュースの他、CHARLTON・PETTUS(MAYFIELD):ギター/キーボード/プログラミング/プロデュース、MAX・VON・AMELN:ギター、FLORIAN・REUTTER:プログラミング/プロデュース、DOUG・PETTY(MAYFIELD):アコーディオン/ハモンド・オルガン/ピアノ/ストリング・アレンジ、キーボード、AARON・STERLING:ドラム、JAMIE・WOLLAM:ドラム、SACHA・SKARBEK:ピアノ/プロデュース、CARINA・ROUND:バック・ヴォーカル、JASON・JOSEPH:ヴォーカル・アレンジ/コーラス、CHARLES・JONES:コーラス、 JESSI・COLLINS:コーラス、LAUREN・EVANS:コーラスの1部お馴染みのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"No Small Thing"(4:42) イントロから驚いたのですが、まさかT.F.F.のアルバムからC&Wの曲が登場するとも思っていませんでした。曲が進むにつれて次第にダークさをましたロックな調べと重い歌詞の内容へと変化して行きます。そう言えばPREFAB SPROUTも9枚目のアルバムでサウンドをC&Wと変化していましたね。モノクロで制作されたビデオもどうぞ。
2曲目"The Tipping Point"(4:13) このアルバムより先行('21年10月6日)リリースされたアルバム・タイトル曲です。どこと無く騒めきを与えるイントロからのサウンドから登場するROLANDの黒光りする歌声が堪りませんね。 ツイン・ドラムのビートと攻めて来る曲ですが、このテンポが非常に乗りを良くしています。やはりアルバムのリリースの数か月前からすっかり白髪になったROLANDが登場するビデオもどうぞ。
3曲目"Long, Long, Long Time"(4:31) 曲名がこのアルバムのリリースを物語っていそうですね。CURTの美しい響きの歌声と途中で登場するCARINA・ROUNDの歌声との心地好さが堪りませんね。
4曲目"Break The Man"(3:55) CURTのヴォーカル曲ですね。やはりCURTの爽やかで軽やかな歌声が非常に心地好いですね。このアルバムからの第3弾のビデオもどうぞ。
5曲目"My Demons"(3:08) どこと無く懐かしいイギリスのニューウェーブな雰囲気のするROLANDのヴォーカル曲です。巧に奏でられるKORG系のシンセサイザーなんかやっぱりそう想わせますね。
6曲目"Rivers Of Mercy"(6:08) ROLANのピアノの弾き語りから入る穏やかなリズムの曲ですが、やはりROLANDらしい後半に行くにつれてエモーションな流れからコーラスと調和による大作です。
7曲目"Please Be Happy"(3:05) 5年ほど前に書かれたROLAND作の曲です。多分この曲は、'17年に他界したROLANDの奥さんに捧げられた曲(と言うか不幸に見舞われた自身を鼓舞する内容)だと思われます。今作での収録は、ROLANDに代わりCURTがメイン・ヴォーカルを執ります。
8曲目"Master Plan"(4:37) 中世のヨーロッパ音楽のようなストリングに似た調べから入るROLANDのヴォーカル曲です。戯曲とロックとを交互に仕込んだ凝ったアレンジと歌詞の中にTHE BEATLEとTHE STONESが登場するところなど、非常に興味深いです。
9曲目"End Of Night"(3:23) リズム的には"Everybody Wants To Rule The World" のような行進曲かな? ROLANDの太めの歌声とCURTの細い歌声とのハーモニーはやっぱり、このT.F.F.の魅力の一つですね。
10曲目"Stay"(4:36) ちょっと不思議なギターの調べがイントロに配したCURTのヴォーカル曲です。穏やかなリズムの流れと清く高いCURTの歌声がこだまのように響く浮遊感が素晴らしいですね。
11曲目"Let It All Evolve(Bonus Track)"(4:26) ラテン系のギターの調べをイントロから聴いた時にROLANDのヴォーカル曲と思ったら、やはりそうでしたね。鼓笛隊のリズムのようなAARON・STERLINGのドラムのビートが特徴的ですね。
12曲目"Shame(Cry Heaven)(Bonus Track)"(5:31) 厳かに奏でられるピアノの調べから入るCURTのヴォーカル曲です。シンセ・ベースの響きが鼓動のように流れて行きCURTのセンチメンタルな歌声が広がってきます。
全12曲歌詞/訳詞付 12ページブックレット SHM-CD仕様 日本製 (国内盤) 収録時間:52分20秒 (今回は、音の違いが分からないけど、奮発してSHM-CDを購入しました!)'22年3月11日更新
2022年度ベスト5+5


INDEX   TOP

写真  10CC / MirrorMirror
 ・1995 CUTTING EDGE,INC.    CTCR-13033

再結成から2枚目のアルバム・・・

イギリスのマンチェスター出身10CCの多分18枚目('75年の100cc,グレーテスト・ヒット,ライヴ盤を含む)になるアルバムで '95年3月15日、国内でのリリースです。10CC名義のアルバムですが、実質ERIC・STEWARTGRAHAM・GOULDMANとのコンビにて収録が行われました。残念ながら他のオリジナル・メンバーKEVIN・GODLEYLOL・CREMEは、参加していない模様です。但し、ギターのRICK・FENNとキーボードのSTEVE・PIGOTTが2曲目に参加しています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ERIC・STEWART:ヴォーカル/ギター/キーボード/パーカッション/プロデュース、GRAHAM・GOULDMAN:ヴォーカル/ギター/ベース/パーカッション/マンドリン/プロデュース、ADRIAN・LEE:ベース/プログラミング/キーボード/ブラス・セクション/パーカッション/アコーディオン/ヴィブラフォン/ギター/アレンジ/バック・ヴォーカル/プロデュース、RICK・FENN:ギター、GARY・WALLIS:ドラム/パーカッションの他、PAUL・McCARTNEY:ギター/ストリングス/ピアノ/フロッグス/クリケッツ/パーカッション、ANDREW・GOLD:ヴォーカル、STEVE・PIGOTT:キーボード/ドラム・プログラミング、IAN・THOMAS:ドラム、GARY・BARNACLE:サックス、PETER・THOMS:トロンボーン、LISE・AFERIAT:ヴァイオリン、NICOLA・BURTON:ヴァイオリン、CHRIS・GOLDSCHEIDER:ヴィオラ、ANDREW・HINES:チェロ、PATRICK・JONES:チェロのイギリスのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、収録曲の作曲者であるERIC、GRAHAMとADRIAN・LEEの共同で行われ、1曲目は、10CC名義と15曲目は、10CCとROD・GAMMONSが担当しています。

1曲目"I'm Not In Love[Rework of Art Mix]"(5:53) オリジナル曲は '75年に全英1位に輝いたヒット曲です。日本でもT.V.やカフェでよくかかっていた曲です。ヴォーカル・パートは、オリジナル・トラックを使用し、間奏でのギター・ソロに手を加えています。余談ですがオランダ盤、北欧盤とUK盤にはこの曲は、収録されておらず14曲盤となっています。
2曲目"Peace In Our Time"(4:04) イントロが素晴らしいGRAHAMのヴォーカル曲です。10CCの後期メンバーSTEVE・PIGOTTとGRAHAMとの共作で、RICK・FENNの伸びやかなギター・ソロも良いですね。
3曲目"Code Of Silence"(5:39) ERICの書いた曲でヴォーカルも彼自身です。ERICらしいトロピカルな雰囲気を醸し出すリズムとメロディよるスローな曲です。パーカッションにPAUL・McCARTNEYが参加しています。
4曲目"Take This Woman"(3:52) 10CCのサウンドらしい切れの良いレゲエのリズムによる曲です。ERICとGRAHAMとの共作でヴォーカルはGRAHAMです。途中のサウンド展開はブリティシュ・テイスト溢れる捻りを効かせたアレンジでメリハリを付けています。
5曲目"Evonne's The One"(4:26) PAUL・McCARTNEYとERIC・STEWARTとの共作です。PAULがギターでも参加しています。トロピックなレゲエ/スカのリズムにセルフで加えたERICの心地よいハーモニーによる曲です。
6曲目"Monkey And The Onion"(3:18) 以前は、GRAHAM自身ベース奏者としての認識が私に強かったのですが、この曲でアコースティック・ギター奏者と美しいメロディを書く作曲家として再認識させてくれた曲です。ストリングスの響きと優しいGRAHAMの歌声による落ち着いた曲です。
7曲目"Margo Wants The Mustard"(3:54) この曲もERICらしいサウンドと乗りの良さを持った曲です。コマーシャル受けするメロディとサウンドの流れに心地好いリズムによる曲です。
8曲目"Ready To Go Home"(4:38) GRAHAMの別ユニットWAXでの相棒ANDREW・GOLDとの共作です。ANDREW自身ギターとヴォーカルで参加しています。厳かに奏でられるキーボードの調べとアコースティック・ギターのサウンドによる宗教的のイメージがする曲です。
9曲目"Everything Is Not Enough"(4:28) エレクトロニカのベース・サウンドに乗せ、巧み弾くERICのストラトのサウンドと彼のヴォーカルを中心に繰り広げられる曲です。
10曲目"Blue Bird"(4:04) 再びGRAHAMのソング・ライティングの美しさを認識させる曲の登場です。イントロからアウトロまで一気に聴かせる非常にメロディアスな流れを持った曲で、ギターのサウンド好きにとっては堪らないコード進行なのです。
11曲目"Age Of Consent"(5:43) ダークなイメージを持たせたERICの曲です。ブルース/ロックな響きに重ねられたエモーショナルなリズムとビートの曲です。このアルバムでのERICは、ブルース・ギタリストとしての腕前を披露しています。
12曲目"Grow Old With Me"(3:23) GRAHAMのアコースティック・ギターによる牧歌的なリズムとストリングスを使った落ち着いた曲です。恋人に捧げた歌詞に添えられた12弦ギターのサウンドがアクセントになったところも良いですね。
13曲目"Why Did I Break Your Heart? "(5:19) ERICとGRAHAMとの共作でサウンド的にはプログレッシヴ・ロックのスローな曲です。ヴォーカルはERICが行い、殆んど楽器の演奏も彼が行っています。ERICの切ない歌声による戯曲かサウンドトラックのようなバラード仕立てになっています。
14曲目"Now You're Gone"(3:02) GRAHAMのアコースティック・ギターによる弾き語りです。シンプルなメロディと循環コードによる肩の凝らないオアシス的な曲に思えます。GRAHAMのセルフ・ハーモニーのとり方も興味深いです。
15曲目"I'm Not In Love(Acoustic Session '95)"(3:31) オリジナル曲のゴージャスなサウンドを少し削っての収録で、ライヴでの演奏のヴァージョンに近いでしょうか。ERICのキーボードとGRAHAMのギターを中心に演奏されています。
全15曲歌詞/訳詞付き 18ページ物写真ブックレット 12mm厚特殊ジュエルケース (国内盤) 収録時間:65分21秒 ('92年の再結成アルバム[Meanwhile]に続いての第2弾のアルバムでしたが、ERICは、フランスGRAHAMは、ロンドンの別々のスタジオで録音しているようです)'10年9月20日再更新


INDEX   TOP

写真  TEN SHARP / Under The Water-Line
 ・1991 Sony Music Entertainment (Holland) BV    EK 52906

ヨーロッパの秋の景色が非常に似合う1枚・・・

グループ名をTEN SHARPと名付けたオランダ出身の2人組、ヴォーカル担当MARCEL・KAPTEIJNと楽器担当NIELS・HERMESを中心としたアダルトなロックを聴かせくれます。彼らのワールドワイド・デビューの1枚を名刺代わりとしてヨーロ・メランコリックなこのアルバムを '91年3月本国にてリリースしています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARCEL・KAPTEIJN:ヴォーカル、NIELS・HERMES:マルチ・インストルメント/プログラミング/プロデュースの他、TOM・BARLAGE:サックス、WIL・BOUWES:ドラム(9曲目)、MARTIN・BOERS:ギター(9曲目)、TON・GROEN:ベース(9曲目)のこのアルバム・リリース前までのTEN SHARPに加入していたミュージシャン達です。
尚、プロデュースは、このアルバムのエンジニアも担当しているMICHIEL・HOOGENBOEZEMとNIELS・HERMESと共同で行われています。

1曲目"You"(4:33) この曲は、ヨーロッパでヒットしましたね。曲のイメージは、映画音楽風のミドル・テンポのバラードでMARCELのヴォーカルが中々良く流れるように奏でられるキーボードを弾いているNIELSも巧みなテクニックを披露しています。
2曲目"When The Spirit Slips Away"(4:36) ストリングスと打ち込みを使った美しい旋律のバラードでU.K.のSPANDAU BALLETのようなお洒落でかっこ良いサウンドです。
3曲目"Rich Man"(4:11) サックス・ソロが印象的なソウルフルなロックでしょうか、MARCELのヴォーカルは、やはりSPANDAU BALLETのTONY・HADLEYに良く似ています。
4曲目"Ain't My Beating Heart"(4:12) アコースティック・ギターの優しい調べとファンタジーなサウンドの曲で恋人への想いを歌っています。MARCELが熱く歌っています。
5曲目"Lonely Heart"(4:55) NIELS・HERMESの切ない響きのピアノでの曲です。NIELSのマルチタレントぶりを発揮しています。MARCELの大人の侘しさを歌ったヴォーカルです。
6曲目"Who Needs Woman"(4:38) イントロの特徴的なキーボードによるオリエンタル風のメロディが耳に残ります。タイトなリズムのドラムのビートとサックスソロが効果的に使われています。
7曲目"Some Sails"(4:15) ナイロン弦・ギターの心温まるサウンドでのゆったり流れる曲で素晴らしいMARCELのヴォーカルを聴かせてくれます。
8曲目"Ray"(4:00) NIELSの素晴らしいキーボードによるイントロとレゲエ風のリズムによるポップな曲です。エモーショナルなMARCELのヴォーカルも素晴らしい。
9曲目"When The Snow Fall"(5:11) このアルバムで1番重厚な作りの曲で都会の夜に降る冷たい雪をイメージする曲です。このアルバム・リリース前の '84年シングル曲の為、ドラム:WIL・BOUWES、ギター:MARTIN・BOERS、ベース:TON・GROENのクレジットがあります。
10曲"Closing Hour"(3:55) ジャジーな曲です。アップライト・ベースとパーカッションの絶妙なブレンドによる大人のサウンドです。
全10曲歌詞付 イラストブックレット (輸入盤) 収録時間:44分30秒 (ヨーロッパの秋の景色が非常に似合うクラシックとロックが融合されたサウンドでの1枚です。このアルバムの他、数枚リリースされています)'10年9月20日再更新


INDEX   TOP

写真  TERRY,BLAIR AND ANOUCHKA /
 Ultra Modern Nursery Rhymes
 ・1990 Chysalis Records    TOCP-6148

TERRY唯一の女性とのアルバム・・・

現在では、ソロとして活躍しているイギリス生まれのTERRY・HALLが、'89年に始めて女性と組んだ唯一のグループで '90年にリリースされた唯一のアルバムでもあります。THE SPECIALS,THE FUN BOY THREE,THE COLOUR FIELDのヴォーカリストとして渡り歩いてきたTERRYは、THE COLOURFIELD解散後に次にグループを組む時は、是非女性ミュージシャンと一緒に行いたいと思っていたようです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TERRY・HALL:ヴォーカル、ANOUCHKA・GROSE:ギター/バック・ヴォーカル、BLAIR・BOOTH:キーボード/ヴォーカルの3人です。
尚、プロデュースは、BOB・SERGEANT(HAIRCUT ONE HUNDRED)とJEREMY・GREEN(THE COLOUR FIELD)が曲別により担当しています。

1曲目"Ultra Modern Nursery Rhyme"(4:06) のっけから明るいメロディと軽いリズムによるポップな曲です。サウンドとメロディ的には、THE BEATLESフォロワーを感じさせる曲ですが、ヴォーカル/ピアノのBLAIR・BOOTH(OUI 3)の歌声とTERRYとのコンビは新鮮ですね。
2曲目"Missing"(4:41) クラシカルなピアノの旋律のイントロからポップなサウンドに展開するこのT.B.A.のポップ・ワールド全開です。シングルリリースされ、当時ビデオ・クリップも制作されました。
3曲目"Fishbones And Scaredy Cats"(4:26) THE STYLE COUNCILのサウンド・スタイルに通じるソウル/ポップ/ロック的な曲です。バック・ヴォーカルのBLAIRとヴォーカル/ギターのANOUCHKA・GROCEの2人との息もぴったりです。
4曲目"Lucky In Luv'"(3:40) イントロのヴォーカルは非常に印象的ですね。うねり持ったサウンドに特徴的なコーラスを付けたアレンジとお気楽的なミドル・テンポの軽いロックン・ロールのリズムの曲です。
5曲目"Day Like Today"(3:18) 明るいポップ調な曲から少し路線をTHE COLOURFIELDに近いサウンドに戻したような曲の登場です。クレジットは無いのですが、特徴的なベースの演奏は、BLAIRのキーボードによるものでしょうか
6曲目"Sweet September Sacrifice"(4:41) TERRYとBLAIRとANOUCHKAとでヴォーカル・パートをシェアしたポップな曲で、年代に関係無く楽しめそうなアコースティックな曲です。美しく明るいバック・ヴォーカルのハーモニーが良いです。
7曲目"Beautiful People"(4:19) 懐かしいロンドン・ポップスを思い出させるビートとメロディの曲です。ひたすらに明るく楽しく気楽さを求めたようです。
8曲目"Three Cool Catz"(2:29) "Stand By Me" の共作者JERRY・LEIBERとMIKE・STOLLERのコンビによる曲で、THE BEATLESもカバーしていたようです。ボサ・ノヴァ/サンバ調のミドル・テンポのナンバーです。
9曲目"Happy Families"(3:22) これまた明るいサウンドとメロディによるエヴァーグリーン的な曲です。間奏でのフルートとのリードも定番中の定番なのですが、THE COLOURFIELDの2枚目で表現出来なかったTERRYのサウンドはこの当りにあるのでしょうか…
10曲目"Just Go"(4:20) BLAIRのアコーディオンの演奏を楽しめる曲で、この曲も非常に気楽に表現しているようです。手軽に演奏できる酒場でのラグタイム・ミュージックのような雰囲気を出しています。
全10歌詞/訳詞付 (国内盤) 収録時間:39分20秒 (尚、このアルバムは '04年に海外で再CD化されボーナストラック付きとして発売されています)'10年9月21日再更新


INDEX   TOP

写真  TERRY REID / Bang,Bang You're Terry Reid
 ・1968 EMI Records Ltd.
 ・1992 BGO Records    BGOCD164

TERRY18歳の時のアルバム・・・

このアルバムは、イングランド出身のロック・シンガー/ギタリストTERRY・REIDの '68年に本国でリリースされたソロ名義での最初のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TERRY・REID:ギター/ヴォーカルの他、BILL・BONHAM:キーボード/ベース/サックス/フルート、KEITH・WEBB(PALADIN):ドラム、JOHN・PAUL・JONES(LED ZEPPELIN):ダブル・ベースによる少人数での収録です。
プロデューサーは、DONOVAN、SUZI・QUATRO、THE JEFF BECK GROUPなどを手掛けたMICKIE・MOSTです。
尚、このアルバムは、TERRY '91年の音楽界へのカムバック後の '92年イギリスのリ・イッシューレーベルBGO Records(Beat Goes On)より再リリースされた盤です。

1曲目"Bang, Bang(My Baby Shot Me Down)"(4:17) メランコリックなメロディに懐かしのポピュラー・ソングです、オリジナル曲は、'66年にCHÉRと同じく'66年にNANCY・SINATRAが歌った当時のヒット曲で、CHÉRの元夫のSONNY・BONO(SONNY & CHER)の作曲/作詞で、日本でも誰か忘れましたが、カバーしていたと思います。
2曲目"Tinker Taylor"(2:55) 少し変わったコード進行によるサイケデリックなサウンドの曲です。長く奏でられるハモンドのサウンドにTERRYのギターのリフが耳に残ります。この曲も '05年のアルバム[Superlungs]にも追加収録曲されています。
3曲目"Erica"(3:51) 非常にメランコリックな調べを奏でるキーボードの調べに続いて登場するアコースティック・ギターの調べとこれまた切ないTEERYの歌声が響く曲で、どことなくイギリスの雨降りの街並みに佇む男女の情景を想像させるサウンドです。ベースの演奏にJOHN・PAUL・JONESが参加しています。
4曲目"Without Expression"(4:48) セミ・アコースティック・ギターを楽しそうに弾くTERRYがそこに居るような錯覚を感じてしましそうな彼の演奏とエモーショナルに響く歌声です。BILL・BONHAMの弾くハモンドのサウンドもたっぷりと響いて来ますね。
5曲目"Sweater"(2:06) 今度は、コンガのリズムにフルートの爽やかな調べを聴かせる軽めにタッチのトロピカル・フィーリング溢れる曲です。早口で歌うTERRYの歌声と彼の弾くアコースティック・ギターの刻み音が心地好いです。
6曲目"Something's Gotten Hold Of My Heart"(5:02) この曲もメランコリックな調べを聴かせるブリティシュ・ロックの色合い濃く表した曲です。オリジナル曲は、デュオ・グループDAVID AND JONATHANの '67年のUKシングルチャート5位となったヒット曲のカバーで、BILL・BONHAMの教会で奏でられるようなバロック調のハモンドのサウンドが広がるメランコリックなバラードです。
7曲目"Season Of The Witch"(10:10) このアルバムがリリースされた頃のイギリスのロック・バンドを参考に調べていたのですが、ちょうどTHE YARDBIRDSからLED ZEPPELINが誕生した年代と重なりこの曲をじっと聴いているともう1人の卓越したヴォーカリストとTERRYとの双璧を如実に感じますね。
8曲目"Writing On The Wall / Summertime Blues"(10:13) 重いドラムのビートとこれ以上荒らしようのないギターの歪み音によるブルース・フィーリング溢れるロックの調べで、後半からは、御存じ多くのロック・ミュージシャンにカバーされている21歳でこの世を去ったアメリカのロッカーEDDIE・COCHRAN '58年のヒット曲です。
9曲目"When I Get Home"(3:40) エモーショナルなドラムのビートにファンキーなホーンのサウンドで飾られた少しポップ寄りの曲です。ハモンドの落ち着いた調べとTERRYがギターを掻き鳴らすさまが対照的に響く曲です。ベースのアレンジは、JOHN・PAUL・JONES '09年12月にリリースされたこのアルバムからの第3弾シングル曲です。
10曲目"Loving Time"(3:42) R&Bのリズムで聴かせる渋めのサウンドとリズムによる曲で、イギリスで活躍していたギタリストERIC・LEESE(DONOVAN)とTERRYの共作です。BILL・BONHAMのソウルフルなハモンドB-3の切ないサウンドに乗せてTERRYの優しい歌声から得意のエモーショナルな叫びにも似た歌声を聴かせます。
歌詞無し '92年リマスター盤 TERRYのバイオ付ライナー U.K.製 (輸入盤) 収録時間:50分44秒 (尚、このアルバムには、'03年ドイツより2曲のボーナス・トラックを追加したCD盤もリリースされています)'11年2月22日更新


INDEX   TOP

写真  TERRY REID / Superlungs
 ・1969 EMI Records Ltd.
 ・2005 Music For Pleasure    ASW 63938/7243 5 63968 2 1

3人組による白熱した演奏・・・

このアルバムは、イングランド出身のロック・シンガー/ギタリストTERRY・REIDの2枚目(PETER JAY & THE JAYWALKERSとのアルバムは含まず)のアルバムです。
オリジナル盤のリリースは、'69年[The Most Of TERRY REID](米国ではTerry Reid名)のアルバムタイトルにて EMI Recordsの傘下Music For Pleasureよりリリースされています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TERRY・REID:ヴォーカル/ギター、PETE・SOLLEY(PROCOL HARUM):キーボード、BILL・BONHAM:キーボード/ベース/サックス/フルート、KEITH・WEBB(PALADIN):ドラムによる少人数での収録です。
尚、今回レビューしたアルバムは、'05年にボーナストラック8曲(6曲は、'68年のアルバム[bang,bang you're TERRY REID]から2曲は未収録曲)を追加してのコンピレーションによるCD化リミックス盤ですので曲順の1部は、LP盤と違っています。また、前作での収録曲については、レビューを転載させて掲載しています。

1曲目"Superlungs My Supergirl"(2:43) TERRYと同じくイギリスで活躍しているS.S.W.DONOVAN'69年の曲のカバーです。オリジナル曲は、当時のサイケデリック風のサウンドによるクラシック・ロック(今から聴くと...)と言う感じですが、TERRYのこの収録では、R&B寄りとしたサウンドに楽器構成も非常にシンプルなスタイルで、バックの手腕を適度に披露した流れになっています。
2曲目"Loving Time(Bonus Track)"(3:42) '68年のアルバム[bang,bang you're TERRY REID]からの収録曲で、BILL・BONHAMのソウルフルなハモンドB-3の切ないサウンドに乗せてTERRYの優しい歌声から得意のエモーショナルな叫びにも似た歌声を聴かせます。
3曲目"July"(3:33) アコースティック・ギターの調べで聴かせるボサ・ノヴァ調の曲で、当時のライヴでも良く演奏されていた曲です。イントロのギターの感じなどは、TERRYが加入する替りにJ.P.を紹介したUKの超有名ロック・バンドの名曲に似ていますね。
4曲目"I've Got News For You(Bonus Track)"(5:34) 前作に収録されなかったアルバム未収録曲です。本格的なブルースを演奏するTERRY、BILL・BONHAM、KEITH・WEBBの白熱した演奏を暫し堪能いたしましょう。オリジナル曲は。RAY・CHARLES '61年の曲で、RAYへのトリビュート盤にも収録されています。
5曲目"Speak Now Or Forever Hold Your Peace"(4:26) 一転してポップ色を強めたバブルガム・ロック風のサウンドの曲です。ギター、ハモンドとドラムによるシンプル構成による懐かしさを非常に感じる曲です。
6曲目"Stay With Me Baby"(4:12) TERRYがその素晴らしい歌声を聴かせるR&Bの曲の登場です。オリジナル曲は、アメリカのソウル・シンガーLORRAINE・ELLISON '66年の曲で、女性の歌を同じくらいのキーの高さで歌い上げているのです。
7曲目"Without Expression(Bonus Track)"(4:47) セミ・アコースティック・ギターを楽しそうに弾くTERRYがそこに居るような錯覚を感じてしましそうな彼の演奏とエモーショナルに響く歌声です。キーボードにBILL・BONHAMが新しく加わった '68年のアルバム[bang,bang you're TERRY REID]からの収録曲です。
8曲目" "(2:54) 荒れたサウンドを響かせるギターとハモンドにドラムと言った当時のロック・スタイルを王道で聴かせるブリティシュ・ロックの登場です。短い目の歌詞をリフレインで聴かせるTERRYの当時のライヴの定番です。
9曲目"Highway 61 Revisited"(4:27) オリジナル曲は、BOB・DYLAN '65年の同名タイトル・アルバムに収録されているブルースの曲です。ここでの収録は、ハモンドのサウンドを中心にTERRYがスライド・ギターで聴かせる渋めのスタイルになっています。そう言えはライヴ盤では、BOBの"To Be Alone With You" もカバーしていましたね。(家12月にリリースされたこのアルバムからの第3弾シングル曲です。
10曲目"Penny(Bonus Track)"(6:04) '69年のアルバム[The Most Of TERRY REID]での未収録曲です。6分を超えるピアノの調べを中心に展開されるメランコリックなナンバーです。次第にエモーショナルに歌い上げ更に、スキャットを交えてもその喉をこれでもかと聴かせるTERRYです。
11曲目"Bang, Bang (My Baby Shot Me Down)(Bonus Track)"(4:16) '68年のアルバム[bang,bang you're TERRY REID]からの収録曲で、オリジナル曲は、'66年にCHÉRと同じく'66年にNANCY・SINATRAが歌った当時のヒット曲で、CHÉRの元夫のSONNY・BONO(SONNY & CHER)の作曲/作詞です。
12曲目"May Fly"(3:42) アコースティック・ギターの優しい調べと凛としたピアノの調べが調和した落ち着いた曲です。普段は、非常にエ―ショナルな歌声を聴かせるTERRYですが、ボサ・ノヴァや落ち着いたバラードでもその歌声が非常に曲に映える彼の歌声です。
13曲目"Tinker Taylor(Bonus Track)"(2:55) 少し変わったコード進行によるサイケデリックなサウンドの曲です。長く奏でられるハモンドのサウンドにTERRYのギターのリフが耳に残ります。この曲も '68年のアルバム[bang,bang you're TERRY REID]からの収録曲です。
14曲目"Sweater(Bonus Track)"(2:06) 今度は、コンガのリズムにフルートの爽やかな調べを聴かせる軽めにタッチのトロピカル・フィーリング溢れる曲です。この曲も '68年のアルバム[bang,bang you're TERRY REID]からの収録曲されている短めの長さの曲です。
15曲目"Something's Gotten Hold Of My Heart(Bonus Track)"(5:02) この曲も '68年のアルバム[bang,bang you're TERRY REID]からの収録曲です。オリジナル曲は、デュオ・グループDAVID AND JONATHANの '67年のUKシングルチャート5位となったヒット曲のカバーで、BILL・BONHAMの教会で奏でられるようなバロック調のハモンドのサウンドが広がるメランコリックなバラードです。
16曲目"Marking Time"(3:47) 再び荒れたサウンドを聴かせるロック色の強い曲の登場です。KEITH・WEBBの白熱したドラムのビートに歯切れ良いPETEのハモンドのサウンドがご機嫌ですね。
17曲目"Rich Kid Blues"(4:13) オリジナル盤でも最後に収録されている少しサイケデリック調のハモンドのサウンドが流れるダイナミックな曲調を感じるTERRYのペンによる曲です。
歌詞無し TERRYのバイオ付ライナー U.S.製 (輸入盤) 収録時間:68分28秒 (ヨーロッパでは、'04年にも2枚組全37曲と言う途方もないコンピ盤もリリースされているTERRYです。その盤についてはまたの機会に...)'11年2月19日更新


INDEX   TOP

写真  TERRY REID / River
 ・1973 Atlantic Recording Corp.
 ・2002 Runt LLC    water107

エモーショナルなTERRYの歌声・・・

このアルバムは、イングランド出身のロック・シンガー/ギタリストTERRY・REIDの '73年に米国('69年より米国にて活動)でリリースされた3枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TERRY・REID:ギター/ヴォーカルの他、DAVID・LINDLEY:ギター/スライド・ギター/ペダル・スティール、LEE・MILES:ベース、CONRAD・ISIDORE(Ex.HUMMINGBIRD):ドラム/ヴォーカル、 ALAN・WHITE (Atlantic Recordsのライナーでの記載):ドラム、WILLIE・BOBO:パーカッションの英/米混合参加しています。
尚、プロデュースは、Atlantic RecordsのTOM・DOWD(ERIC・CLAPTON,KENNY・LOGGINS)とEDDY・OFFORD(EMERSON, LAKE & PALMER,YES)が担当しています。

1曲目"Dean"(4:45) TERRYのセミ・アコースティック・ギターの柔らかいサウンドの響きに重ねたDAVIDのソリッド感のあるスライド・ギターのサウンドが対照的と感じるブルース・ロックの曲です。TERRYの伸びやかな歌声と淡々としたリズムの刻みの非常に対照的ですね。
2曲目"Avenue"(5:08) オープニングから聴かせるワイドなサウンドの広がりによるこの曲もブルースに根付いたリズムとサウンドの曲です。ブリティッシュ・ブルース・ロックの神髄をこれでもかと感じさせるTERRYの歌声に粘っこいDAVIDのスライド・ギターのサウンドか響いてきます。尚、DAVID・LINDLEYは、彼のバンドKALEIDOSCOPE解散後にイングランドのTERRYの自宅にて音楽活動を行っていました。
3曲目"Things To Try"(4:25) 今度は、アコースティック・ギターのサウンドを聴かせるフォーク・ロック調の曲の登場です。CONRAD・ISIDOREの軽快なドラムのビートにTERRYの歌声を真似するようなDAVIDのスライド・ギターの掛け合いなどとても楽しめる曲です。
4曲目"Live Life"(5:11) 再びアコースティック・ギターの煌びやかサウンドが流れる曲の登場です。弾むパーカッションのビートとキビキビとしたベースのサウンドに合わせて息を吐かぬTERRYのヴォーカルも圧巻さは、男性版JANIS・JOPLINのようです。
5曲目"River"(5:45) 一転してボサ・ノヴァ調の曲の登場です。心地好くナイロン弦ギターを爪弾きながら歌うTERRYと対照的に響く怪しげな雰囲気を醸し出すパーカッションのリズムとそのサウンドが興味深いです。
6曲目"Dream"(5:20) TERRYが良く好んで居間のソファなどに腰掛けて爪弾くボサ・ノヴァ調の弾き語りです。アコースティック・ギターの弦の振幅を右手でミュートさせながらビートを刻みそのリズム合わせて落ち着いた歌声や時折エモーショナルに歌い上げるTERRYです。
7曲目"Milestones"(5:52) この曲もTERRYのアコースティック・ギターの弾き語り形式にて収録されています。ギターのサウンドやスキャットによる歌声の響きやその残響音などは、この後N.Y.に創設されるWindham Hill RecordsのNew Age Musicのイメージと共通性を感じます。
歌詞無し TERRYのバイオグラフィー記載24ページブックレット付 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:36分28秒 (1991年より音楽活動を再開したTERRY、2009年にはフランスのエレクトロニカ・ポップ・バンドSHINEとコラボにより3曲の新譜もリリースされています)'10年12月29日更新


INDEX   TOP

写真  TERRY REID / Seed Of Memory
 ・1976 ABC Records
 ・2004 BGO Records    BGOCD619

TERRYの代表作・・・

このアルバムは、イングランド出身のロック・シンガー/ギタリストTERRY・REIDの '76年に米国('69年より米国にて活動)でリリースされた4枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TERRY・REID:ギター/ヴォーカルの他、GRAHAM・NASH:バック・ヴォーカル/プロデュース、DAVID・LINDLEY:ギター/スライド・ギター/ヴァイオリン、JOEL・BERNSTEIN:ギター、LEE・MILES:ベース、SOKO・RICHARDSON:ドラム、JAMES・GADSON:ドラム、BEN・KEITH:ペダル・スティール、AL・PERKINS:ペダル・スティール、AL・VIOLA:バラライカ、JESSE・ERLICH:チェロ、PLAS・JOHNSON:サックス、TIM・WEISBERG:フルート、BLUE・MITCHELL:ホーン、CLIFFORD・SOLOMON:ホーン、FRED・WESLEY:ホーンのNEIL・YOUNG関係のミュージシャン達(オルガンとハーモニカの奏者はクレジット記載なしの為不明)が多く参加しています。
尚、このアルバムは、TERRY '91年の音楽界へのカムバック後の '95年にイギリスのEdsel Recordsより世界初のCD化されましたが、その後長い間廃盤状態でした。 '04年にイギリスのリ-イッシュ・レーベルBGO Recordsより '79年のアルバム[Rogue Wave]と一緒に再リリースされています

1曲目"Faith To Arise"(4:39) アコースティック・ギターの軽快なサウンドとそのバックに広がる爽やかなペダル・スティール・ギターの調べにカントリー調の曲ですが、1分と2分30秒あたりに登場するメロディとアレンジがその前後のパートと違って非常にスマートで洒落ているのです。
2曲目"Seed Of Memory"(5:26) TERRYには申し訳ないのですが、この曲でのTIM・WEISBERGの雰囲気物のフルートの音色を聴きたくてこのCDを買ったと言っても過言ではありませんね。サンプル音源では理解出来ないでしょうが、怠惰なリズムの流れから行き成り転調するパートなどは前の曲を含み絶品ですね。
3曲目"Brave Awakening"(6:32) TERRYのアコースティック・ギターの弾き語りを中心に収録された曲で、GRAHAM・NASHが美しいハーモニーを聴かせてくれるカントリー/フォーク調の曲です。尚、TERRYは、GRAHAMがTHE HOLLIESとして活動していた時からの知り合いだったとの事です。
4曲目"To Be Treated Rite"(5:57) イントロをぱっと聴いた瞬間に翌年に収録されたKANSAS '78年の名曲"Dust In The Wind" をリズムは違うものの想像させられる曲です。TERRYの枯れたメランコリックな歌声がアコースティック・ギターの調べに乗せて届けられます。
5曲目"Ooh Baby(Make Me Feel So Young)"(3:57) レゲエ風のリズムにファンキーなサウンドを加えたソウル・フィーリング溢れる曲です。TERRYのシャウトしながら歌う歌声とホーンのサウンド群が更に乗りの良さを伝えて来ます。
6曲目"The Way You Walk"(4:43) この曲は、イギリスで活躍していた頃のハード・ロックのサウンドを聴かせる曲です。ブルースのリズムを基調とした演奏に歪ませたギターのサウンドに高いキーで、その歌声をエモーショナルに聴かせるTERRYです。
7曲目"The Frame"(4:37) R&Bによるダークなから非常に渋めサウンドの曲です。同い年の故ROBERT・PALMERと非常に似たソウルフルな渋い男の音楽を強く感じます。
8曲目"Fooling You"(7:20) 一転して繊細なサウンドとメロディによるバラードです。枯れたTERRYの歌声に絡むサックスの切ない響きが非常に良く馴染みますね。
歌詞無し 新ライナー付 外装カードボード/ジュエルケース2重梱包 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:43分15秒 (LP盤がリリースされた当時、友人が所持していたこのアルバム、その友人宅に遊びに行く度、このTERRYのアルバムを聴かせてとリクエストして閉口されていたのを懐かしく想います!尚、ペダル・スティール奏者BEN・KEITH氏は、2010年7月26日73歳にて死去致しました。ご冥福をお祈り致します)'10年12月28日更新


INDEX   TOP

写真  TERRY REID / Rogue Wave
 ・1978 Capitol Records
 ・1992 BGO Records    BGOCD140

ジャケットのイメージとサウンドは違いますよ・・・

このアルバムは、イングランド出身のロック・シンガー/ギタリストTERRY・REIDの '78年に米国('69年より米国にて活動)でリリースされた5枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TERRY・REID:ギター/ヴォーカルの他、DOUG・RODRIGUES(GIANTS,SANTANA):ギター、LEE・MILES:ベース、JON・SIMONS(PETER・FRAMPTON):ドラム/パーカッション、JAMES・E.JOHNSON:キーボード、STERLING・SMITH:キーボード、DENISE・WILLIAMS:バック・ヴォーカル、DYANNE・CHANDLER:バック・ヴォーカル、MAXINNE・WILLARD:バック・ヴォーカルと今回は少数での収録です。
プロデューサーは、CHRIS・KIMSEY(PETER・FRAMPTON,MARILLION)とTERRY自身が担当しています。
尚、このアルバムは、TERRY '91年の音楽界へのカムバック後の '92年イギリスのリ・イッシューレーベルBGO Records(Beat Goes On)より再リリースされた盤です。

1曲目"Ain't No Shadow"(3:42) イントロのサウンドを聴いた時は相変わらずのギターのサウンドを聴かせていたのですが、TERRYのヴォーカルが登場して少しショックを受けましたね。TERRY本来の荒削りの歌声とサウンドらしからぬ洗練されたソウルフルなダンスビートのリズムに女性バック・ヴォーカルの歌声が絡んでいるのです。
尚、この曲は、当時のレーベルCapitol Recordsから"Bowangi" とカップリングにてシングル盤がリリースされています。
2曲目"Baby I Love You"(3:52) 歪ませたギターのサウンドをイントロから目一杯聴かせる曲で、TERRYのブルース調の少し粘っこい特長的な歌声が響いてくるこの曲は、いつものTERRY調ですね。オリジナル曲は、N.Y.の女性ヴォーカル・グループTHE RONETTES '63年のUSシングル・チャート11位のヒット曲です。
3曲目"Stop And Think It Over"(3:40) 歯切れ良いギターのサウンドに重く響くドラムのビートで聴かせるイントロに続いて登場するTERRYのエッジの有るソウルフルな歌声がご機嫌な曲です。この曲でも女性ヴォーカルを従えて気持ち良く歌うTERRYの歌声とめずらしく12弦ギターを使ったサウンドが印象的です。
4曲目"Rogue Wave"(5:42) ゆったりと奏でられるギターの調べと小ぶりながらドラマチックなドラムのビートを聴かせる曲です。途中より登場する天井に届きそうなTERRYの非常にエモーショナルな歌声が凄いですね。
5曲目"Walk Away Renee"(4:18) 軽めのロック"ン" ロールのリズムを聴かせ曲で、TERRYの息をも吐かせぬ凄い歌声が収録されています。この曲は、N.Y.のバロック・ロック・バンドTHE LEFT BANKE '66年のキャッシュ・ボックス2位となったヒット曲です。
6曲目"Believe In The Magic"(6:32) イントロから登場する音色の違えた複数のギターのサウンドから痺れさせてくれる曲です。途中よりブルース色を強めながらファンクなサウンドを聴かせるところなど前のアルバムでも感じていたTERRYと同年のROBERT・PALMERの事を想い出しますね。
7曲目"Then I Kissed Her"(4:43) イントロから鳴り響くドラムロールと12弦ギターの音域の広いサウンドを使った上にブリティシュ・テイストを強めたアレンジによる曲です。この曲のオリジナルは、2曲目と同じくPHIL・SPECTOR、ELLIE・GREENWICHとJEFF・BARRYの3人よって書かれたN.Y.の女性ヴォーカル・グループTHE CRYSTALS '63年のヒット曲でUKチャート2位のヒット曲で、当時のタイトルは"Then He Kissed Me" となっていた曲です。'65年にはTHE BEACH BOYもカバーしアルバムに収録しています。
8曲目"Bowangi"(4:15) 歪ませたギターのサウンドをイントロから目一杯聴かせる少しスロー気味のロック"ン" ロールのリズムの曲です。この曲は、非常に60年代後半のブリティシュ・ロックそのままと言った感じでしょうか。ところでBowangiってどう言う意味なのでしょうか。
9曲目"All I Have To Do Is Dream"(5:23) 一転してTERRYのアコースティック・ギターによる弾き語りでしっとりと聴かせる曲の登場です。オリジナル曲は、アメリカのカントリー・ミュージックの作曲家BOUDLEAUX・BRYANTが書いたポピュラー・ソングで、THE EVERLY BROTHERSが '58年にTOP 100チャートにて1位を記録しています。そう言えば、R.E.M.もI.R.S.Records時代にこの曲をカバーしていましたね。
歌詞無し '92年リマスター盤 新写真ライナー付 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:42分12秒 (注、このアルバムのジャケットのイメージと中身のサウンドは違いますよ!)'11年1月3日更新


INDEX   TOP

写真  TERRY REID / The Driver
 ・1991 Warner Music UK Ltd.    9 26912-2

何度聴いても素晴らしい作品です・・・

このアルバムは、イギリスのギタリスト/シンガーのTERRY・REIDの6枚目のアルバムで、'91年のリリースです。よく本作は、TREVOR・HORNのプロデュースと言われていますが、彼の手によるプロデュース曲は、4曲のみ収録されています。
尚、アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、残念ながらクレジットの記載が無い為不明です。

1曲目"Fifth Of July"(5:11) あのLOUISE・GOFFIN '88年の作です。イントロがジーンと来る綺麗なメロディとサウンドの曲で、ギターの音色とベースのサウンドが織り成す重厚なサウンドと心地好いリズムの流れによりTERRYのヴォーカルを余すところ無く表現しています。
2曲目"There's Nothing Wrong"(5:06) 打ち込みによる曲でTERRYの過去の作品にあまり見られなかった曲風で彼のパワフルなヴォーカルも健在です。(彼が過去にイギリスの超有名ハード・ロック・グループに加入予定だったと言う野暮な説明はやめにしょう!)
3曲目"Right To The End"(4:12) この曲のプロデューサーであるGERARD・McMAHONの書いた曲です。アコースティック・ギターの非常に美しい残響音と心地好いパーカションに鳥肌ものです。最近この曲の終わり部分に"God Only,Knows" のフレーズが何処かで聴いたような...。
4曲目"The Whole Of The Moon"(4:12) THE WATER BOYSの曲のカバーです。このアルバムに収録される前からTERRY自身がTHE WATER BOYSのライヴにゲスト出演し、一緒にこの曲を演奏して関係での収録でしょう。スコットランドの空気のようなサウンドと躍動感のあるバック・ヴォーカルが素晴らしい。この曲もよくその素晴らしさから他のアーティストにカバーされています。
5曲目"Hand Of Dimes"(3:04) TERRYのアコースティック・ギターによる弾き語りで、彼の優しい歌声が心を癒してくれます。ドラムとウッド・ベースとギター1本で自慢の喉を聴かせてくれます。(最近の彼のライヴでのスタイルに近い曲です)
6曲目"The Driver(pt I)"(0:44) 最近すっかり映画畑に入ったきりのHANS・ZIMMERの曲で、非常に美しいコード進行されます。このpt Iは、40秒ほどのインターリュードとなっています。
7曲目"If You Let Her"(4:29) 往年のイギリスのロック・グループが好んで演奏していたパワー・ロックの感じの曲です。ヴォーカル・スタイルも何故か同年代の故ROBERT・PALMERに通じる所を感じます。
8曲目"Turn Around"(3:48) タイトなリズムとエモーショナルなベースのリズムに乗せTERRY独特の絞り出すようなヴォーカルとオーバ・ダブによる彼のハーモニーも聴き物です。
9曲目"Gimme Some Lovin'"(4:20) ご存知、SPENCER DAVIS GROUP '67年のヒット曲で、この曲もよく他のミュージシャンにカバーされています。
10曲目"Laugh At Life"(4:49) オリエンタル風のバック・コーラスが非常に印象的で、何度も繰り返して聴いています。TERRY自身東洋的な音楽に非常に興味を持っています。10ccの"I'm Not In Love" とこの曲は自分の"墓" まで持って行くつもりです。
11曲目"The Driver(pt II)"(4:36) やはり映画音楽家が作っただけあり曲のスケール感が違います。クレジットに記載は無いのですが、ギターにMICK・TAYLORが参加しているらしく。
"The Driver" のみ歌詞付 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:45分18秒 (TERRYは、この後ライヴ盤を1枚リリースしてますが、スタジオ収録の新譜が無いのが寂しい限りです)'10年9月21日再更新
1991年度ベスト5


INDEX   TOP

写真  TERRY REID / Alive
 ・2004 SANCTUARY RECORDS GROUP LTD.    CMQCD 914

彼が元気で音楽活動を続けてくれる・・・

このアルバムは、前作[The Driver]より13年ぶりのイングランドのギタリスト/シンガーTERRY・REIDの新作で、'94年カリフォルニアでのステージを収録したライヴ盤です。
本国でのリリースは、'04年のリリ−スです。残念ながら歌詞などのライナーは付属していていませんが、10ページ物のTERRYの軌跡と各写真が掲載されています。
このライヴでのミュージシャンは、TERRY・REID:ヴォーカル/ギターの他、ELLIOT・EASTON:ギター、PHIL・JONES:ドラム、故BRUCE・MALAMENT:キーボード、RICK・ROSAS:ベースのやはり一部は、アメリカのミュージシャン達です。

1曲目"Secrets"(5:14) ドラムのPHIL・JONES(Ex.TOM PETTY AND THE HEARTBREAKERS)との共作でストレートなロックで、前作[The Driver]での楽曲と似た乗りの良さ感じさせてくれます。
2曲目"Take The Time"(5:10) ブルース的なロックのリズムにELLIOT・EASTON(Ex.CARS)の歪ませた重い目サウンドによるリード・ギターが、CARS時代にはあまり聴けなかったのが興味深いです。
3曲目"I Can't Stand In The Rain"(5:03) TERRYが元気にその独特のヴォーカルを披露しています。やはりこの曲もブルース的なロックの曲です。オリジナル曲は、セント・ルイスのソウル・シンガーANN・PEEBLES '73年のヒット曲です。
4曲目"Road We Chose"(7:10) 7分を越える曲で、TERRYとELLIOTのツイン・ギターのサウンドを全面に出したロック色の強い曲です。やはりライヴなどで演奏された時にステージ受けする感じがします。また、この曲でTERRYのソウルかつエモーショナルなヴォーカルが冴えますね。
5曲目"One Night With You"(3:32) スタンダードのブルースにシャウトするTERRYのヴォーカルが聴き物です。オリジナル曲は、ELVIS・PRESLEY '58年の曲です。
6曲目"Hong Kong"(4:53) ホンコンのホテルにて行われた中国歌劇に触発されてTERRYが作った曲で、ミドル・テンポのバラードとなっています。過去のアルバムにも収録されていない東洋的なサウンドなサウンドが随所に表れています。
7曲目"I Need Your Lovin'"(6:34) 聴衆とのヴォーカルのやり取りまでを収録した元気の出そうな曲で、往年のTERRYの炸裂的ヴォーカルが好きな人にお奨めです。
歌詞なし 写真付きブックレット(輸入盤)収録時間:37分38秒 (一つだけ残念な事は、TERRYのアコースティック・ギターによる楽曲を収録して欲しかった。ただ、彼が元気でいつまでも音楽活動を続けてくれる事に感謝します)'10年9月22日再更新


INDEX   TOP

写真  TERRY REID / Silver White Light
 ・2004 Runt LLC    water108

'70年のワイト島のロックフェスティバル・・・

このアルバムは、イングランド出身のロック・シンガー/ギタリストTERRY・REIDの8枚目のアルバムで、米国より '04年4月にリリースされています。
実は、このアルバムのサブタイトルには[Silver White Light-Live At The Isle Of Wight 1970]と名付けられていて '69年のウッドストックを上回る約60万人が集まった過去最大のロック音楽フェスティバルである '70年のワイト島のロックフェスティバルに出演したTERRYのライヴ盤になっています。
ライヴでのミュージシャンは、TERRY・REID:ギター/ヴォーカルの他、DAVID・LINDLEY:ギター/スライド・ギター/バンジョー/ヴァイオリン、LEE・MILES(IKE & TINA TURNER):ベース、MICHAEL・GILES(KING CRIMSON):ドラムの豪傑達です。

1曲目"Speak Now Or Forever Hold Your Peace"(6:43) TERRYを紹介するアナウンスメントの後、入念にギターのチューニングを合わすところから収録されている曲で、エレクトリック・ギターを爪弾くTERRYとDAVIDのスライド・ギターによる共演になっています。スタジオ収録としては、'69年の[Terry Reid]に収録されています。
2曲目"Things To Try"(5:33) TERRYの曲紹介の後、ギターを奏でながらTERRYそのエモーショナルな歌声を聴かせるフォーク・ロック調のリズムとサウンドの曲で、'73年の[River]に収録されています。
3曲目"C'mon Mary"(3:03) DAVIDのヴァイオリンとMICHAEL・GILESのインディアン・ドラム調のビートによるトラディショナル音楽のような雰囲気が伝わってきます。 尚、この曲はDAVID・LINDLEYの作で彼のアルバム未収録曲で、TERRYのアルバムの方にも未収録となっています。
4曲目"Silver White Light"(5:02) ギターを掻き鳴らすTERRYとバックの演奏と絡みが熱く伝わってくるロックの調べが全面に出ています。'69年の[Terry Reid]からの収録曲です。
5曲目"July"(4:23) ここでアコースティック・ギターによるボサ・ノヴァ調の曲の登場です。CDの中表紙にギターを抱えて観客の前で演奏する多分、この曲の演奏シーンと思える写真が掲載されています。この曲も '69年の[Terry Reid]からの収録曲です。
6曲目"Without Expression"(6:09) ゆったりとした牧歌的なリズムを聴かせるMICHAEL・GILESのドラムのビートに合わせギターのリズムをみながら時にエモーショナルに歌うTERRYが登場しています。'68年のデビュー・アルバム[Bang, Bang you're TERRY REID]に収録曲されている曲です。
7曲目"Dean"(5:56) 後のアルバム '73年の[River]でアコースティック調にアレンジされて収録されている曲で、ここではロック調のサウンドを強調させDAVIDのスライド・ギターと高らかに歌うTERRYのヴォーカルがたっぷりと収録されています。
8曲目"No Good Situation"(5:17) エレクトリック・ギターを小刻み弾きながらDAVIDのスライド・ギターのソロの出番を待つようなTERRYの仕草が読み取れるような臨場感ですね。尚、この曲もTERRYのアルバム未収録曲のようです。
9曲目"Rich Kid Blues/To Be Alone With You"(7:06) シタール・ギターのようなサウンドを発する変則チューニングされたギターの調べが印象的な '69年のアルバム[Terry Reid]からの収録曲です。曲の後半からは、同じ '69年のBOB・DYLANのアルバム[Nashville Skyline]に収録されているBOBのカバー曲です。演奏の終焉にはTERRYの観客への挨拶まで収録されています。
歌詞無し 写真ライナー付 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:49分17秒 (40年以上も前の収録によるライヴ音源ですので、録音状態は余り期待を持たない方が懸命でしょうね。でもTERRYのH.P.によるともっと粗悪な海賊盤が以前に出回っていたらしいです)'11年2月18日更新


INDEX   TOP

写真  TESS WILEY / Rainy Day Assembly
 ・2001 EFFANEL MUSIC    804663 100226

ミュージシャンの父と作家で詩人の母と・・・

このアルバムは、ミュージシャンの父と作家で詩人の母との間の恵まれた環境で育ったTESS・WILEYは、テキサスでSIX PENCE NONE THE RICERのインディース時代にヴォーカル/ギターとして参加していました。結婚後は、ドイツで生活していますが、このアルバムは、'99年6月から '01年1月までニューヨークで収録されました。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TESS・WILEY:ヴォーカル/ギター/ピアノ/オーケストラ・ベルの他、GERRY・LEONARD:ギター/バンジョー/エフェクト(スプーキー・ゴースト)、DUKE・LEVINE:ギター/マンドーラ/ラップ・スティール、KEVIN・BARRY:ベース/キーボード/ヴィブラフォン/バック・ヴォーカル、BEN・STREET:アップライト・ベース、CONSUELO・BARRY:ピアノ、JAY・BELLEROSE:ドラム/パーカッション、SHAWN・PELTON(MAYFIELD):ドラム、MATT・JOHNSON:ドラム、ROGER・ROSENBERG:ベース・クラリネット、TIMOTHY・M. REIS:フルート、MICHELLE・K. KINNEY:チェロ、FLETCH・WILEY:フリューゲルホーン/ストリングス・アレンジ、SANDRA・PARK:ヴァイオリン、FIONA・SIMON:ヴァイオリン、ROBERT・RINEHART:ヴィオラ、SARAH・J. SEIVER:チェロのニューヨークのミュージシャン達が参加しています。
尚、TESSのオフィシャル・リリースとしては、このアルバムが第1作目のアルバムで '02年9月のリリースです。

1曲目"Small Things Define"(4:21) 1分近くあるストリングスの調べとギターのサウンドによるイントロに続いて登場するTESSのファルセットを使った歌声によるスローな曲です。伸びやかに発するTESSの歌声の美しいこと。
2曲目"Rainy Day Assembly"(3:06) ギターのサウンドたっぷりなポップなナンバーです。TESSの力強いヴォーカルと響き渡るギターとエモーショナルなリズムの噛合った曲です。
尚、この曲は '96年のアルバム[FLUFFY VS. PHANTASMIC]にてライヴ曲が先に収録されています。
3曲目"Nice And Warm"(3:45) スリリングな響きによるギターのコードと胸騒ぎを与えるドラムのビートによるオルタナティヴなサウンドの曲でバック・ヴォーカルでもTESSの美しい歌声が、収録されています。
4曲目"Breathe"(5:49) TESSのエレクトリック・ギターの弾き語りから入る非常にゆったりした6分近くある曲です。エコーを効かせたギターと幾重にも重ねられたヴォーカルアレンジが見事です。
5曲目"Something Sweet And Real"(4:06) イントロの柔らかいベースのサウンドから気に入った曲です。やはりこのアルバムのハイライトはこの曲でしょうね!フルーゲルホーンでTESSの父親FLETCH・WILEYが参加しています。モノクロームのビデオ・クリップの撮影は、ご主人のCHRISTIAN・ROTHによりドイツ国内でCHRISTIANのお爺さん愛用の古い8mmムービーで行われています。
6曲目"The Energy You Keep"(4:27) トロピカルな雰囲気を持ったイントロが、ご機嫌な曲です。乗りの良いビートとTESSのクリアな歌声とスライド・ギターのサウンドの爽やかなこと!
7曲目"Skinny Little Line"(3:40) バックで響く古いアコースティック・ギターのサウンドの心地好い刻みがご機嫌です。ギターのサウンドを一杯使ったポップさに溢れた曲です。
尚、この曲も '96年のアルバム[FLUFFY VS. PHANTASMIC]にてバージョン違いが先に収録されています。
8曲目"Favorite One"(5:50) 少しダークなイメージを出して来た曲です。この曲も6分近くあるスローなリズムによる曲で、間奏のセミ・アコでのギター・ソロが心に染みます。
9曲目"Untitled"(5:56) この曲も6分近くある曲でモダンジャズ風のピアノの調べとアコースティック・ギターを弾きながら歌うTESSの陶酔しそうな歌声に曲で時折ハードなギターのサウンドを被せた意欲作です。
10曲目"Out Of My Head"(4:19) エレクトロニカの要素を取り入れた曲で重く響くベースのサウンドとタイトなドラムのビートによる曲で、TESSの歌声も少し処理されているようです。
尚、この曲も '96年のアルバム[FLUFFY VS. PHANTASMIC]にてロック色を強めたバージョン違いが先に収録されています。
歌詞なし ライナー無し デジパック仕様 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:45分23秒 (TESSの新作も非常に気になるところです。一体どのようなサウンドでしょうか)'10年9月22日再更新


INDEX   TOP

写真  TESS WILEY / Not Quite Me
 ・2004 tapete records    TR024/CD32632

TESSの家族揃って慎ましやかに・・・

テキサス出身のTESS・WILEYは、SIX PENCE NONE THE RICERのインディース時代の '94〜'95年にヴォーカル/ギタリストとして参加した後、オルタナ系バンドFLUFFYの '96年のアルバム[FLUFFY VS. PHANTASMIC]にもギター/ヴォーカルとしても参加しています。
現在、彼女はドイツで音楽活動をしていて、このアルバムはソロ名義での2枚目(EPなど数種類のインディース盤は含まず)のアルバムで、'04年3月にドイツでリリースされました。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TESS・WILEY:ヴォーカル/ギター/オルガン/ラップ・スティール/プロデュースの他、TIM・POTZAS:ギター/ペダル・スティール/バック・ヴォーカル、CHRISTIAN・WEISS:ベース、CHRISTIAN・PFAFF:ドラム、MIRIAM・PFAFF:バック・ヴォーカル/ハンド・クラップ、ARNE・MEIDOW:キーボード、BETTY・STUBENRAUCH:バック・ヴォーカル、FLETCH・WILEY:ストリングス・アレンジ、ARIANE・KÜSTER:ヴァイオリン、JOHANNA-SOPHIE・HERGOTT:ヴァイオリン、CHISTOPHER・BLÜTHGEN:チェロ、DRIK・MENGER:チェロ、DEBBY・MENGER:ヴァイオリンの今回は、ドイツのミュージシャン達が参加しています。
尚、ジャケットの写真撮影はご主人のCHRISTIAN・ROTH(ドイツのHESSENMOB SKATEBOARDSのCEO) が行い、前作同様 TESSの父親でジャズ・トランペッターのFLETCH・WILEYもこのアルバムに参加しています。
前作はニューヨークで収録されましたが、今回はドイツ国内でツアー・メンバーをメインに収録されています。

1曲目"Not Quite Me"(3:52) 軽快なギターのリズムTESSの時折美しく裏返る歌声のよるポップな曲調に乗せ文字通り前作の大人しいビデオと違う自分を「Not Quite Me」と言わんばかり繰り出される歌声の数々と明るさです。ギルドのアコースティック・ギターで登場するこの曲のビデオもどうぞ!(TESSと同じくドイツで活躍するMARK・GILLESPIEもビデオに出演しています)
2曲目"How Does Silence Feel"(3:28) さり気なく弾かれるTIM・POTZAS(BABY・PALACE,EVES)ペダル・スティールの優しい響きとこれまた非常に優しいTESSの歌声による叙情的なカントリータッチのメロディの曲です。
3曲目"Let It Come"(4:00) イントロが非常に美しいですね。哀愁のあるキーボードの調べを囲むようにベースとドラムとが寄り添うように流れます。クールで美しいエモーショナルさを感じるオルタナ・サウンドです。
4曲目"Nature Of The World"(4:23) アコースティック・ギターによるゆったりしたTESSの弾き語りです。この曲の歌詞はTESSの母親で詩人のKATHRYN・WILEYの手によって書かれています。また父のFLETCH・WILEYも加わった慎ましやかに流れる曲です。
5曲目"Revelry"(4:37) この曲はダークなイメージの強い曲で不思議な不協和音を奏でるギターのサウンドとクリスタルグラス細工の奥深くから伝わる冷たさに似たオルタナ・メロディの曲です。
6曲目"Delicate Skin"(4:04) 硬質のギターの響きとアコースティック・ギター美しい響きによるミドル・テンポのナンバーでTESSの憂いのある歌声に絡めたストリングの調べ美しい事。
7曲目"My Fortress And My Shield"(4:37) 明るいテンポとサウンドのギターポップの登場です。本当にスライド・ギターなどのサウンドをタップリ使った乗りの良いアップテンポの曲でTESSの芯のあるスキャットの歌声も魅力的です。
8曲目"Falling In And Out"(4:25) この曲はS.P.N.T.R.時代の雰囲気を感じる曲です。哀愁感漂うピアノの調べとTESSのクールな恋心を歌詞に綴った曲です。また目立たないのですが、ベースのCHRISTIAN・WEISSのサポートが素晴らしいのです。
9曲目"Happy Now"(5:00) アコースティック・ギターとペダル・スティールのよるカントリー調の曲です。シンプルな出だしから途中よりの打込み風のドラムにより曲のタイトでアグレッシヴに模様が変化しTESSのヴォーカリストとしての素晴らしいを感じます。また、どことなくスウェーデンのLISA・MISKOVSKYにも通じるものも感じます。
10曲目"This Shadow"(3:22) 明るくラストを飾る非常にポップな曲です。小刻みに掻き鳴らされギターの調べと楽しく歌うTESSのヴォーカルが好いですね。
全10曲歌詞付 豪華写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:41分52秒 (TESS・WILEYの新作はMySpaceで試聴可能です。また '07年4月にドイツでリリース予定)'10年9月22日再更新


INDEX   TOP

写真  TESS WILEY / Superfast Rock'N'Roll Played Slow
 ・2007 tapete records    TR097/CD857202

やっと届いたTESSの最新作・・・

現在、ドイツで活躍するTESS・WILEYの3枚目のアルバムで、本国でのリリースは '07年4月のです。全体の曲調は、アルバム・タイトル通り「スローに演奏した、アップテンポのロック"ン" ロール」と言う意味が理解出来ます。
アルバムの収録に参加に参加しているミュージシャンは、TESS・WILEY:ヴォーカル/ギター/キーボード/メロトロン/アコーディオン/メロディカ/ドラム/ビート/プロデュースの他、TIM・POTZAS:ギター/ペダル・スティール、BUDDY・MILLER:ギター、CHRISTIAN・WEISS:ベース、ARNE・DIEDRICHSON:ドラム/ビート、GHODI・GIAHI:サントゥール、AXEL・HAMBERGER:ホイッスル、OLIVIER・MANCHON:ミュージック・ソウ、KATRIN・HESS:バック・ヴォーカル、MIRIAM・PFAFF:ヴォーカル/バック・ヴォーカル、ELO・VON・KNORRE:バック・ヴォーカルのドイツのミュージシャン達が参加しています。
尚、個性的なジャケットのアートは、グラスヒュッテのイラストレーターBWANA・SPOONSのペイントです。

1曲目"Halfway Through"(4:01) TESSのカウント読みから始まる心地好いリズムのフォーク・ロックな曲です。楽器構成も非常にシンプルなサウンドで、3年ぶりに聴く新作でのTESSの時々裏返る憂いのある歌声に"ゾク" っと来ます。
2曲目"Raise Your Hand"(3:09) このアルバムからビデオ第一弾となった曲です。「T.V.のスイッチを切って、ラジオをつけよう」と言うTESSの歌声にビデオではT.V.と別れを偲ぶ人々の姿...。この曲もフォーク・ロックのメロディとリズムによるカントリー・タッチな曲で、TESSの姿が往年のフォーク歌手JOAN・BAEZと"かぶり" ます。
3曲目"Crying For You"(4:52) この曲もカントリー調のリズムの曲で、美しいハーモニーと共に演奏されています。メランコリックな響きのギター・ソロと訥々と歌われるTESSの歌声が溶け合った落ち着いた曲です(サンプル音源はライヴ映像です)。
4曲目"Idle"(4:13) TESSのハイ・コードでのアコースティック・ギターの演奏に重ねられた、ヴィヴィッドなエレクトリック・ギターのサウンドによるミドル・テンポのナンバーです。淡々と丁寧に歌詞を綴るTESSの歌声と前作の収録にも参加したTIM・POTZAS(BABY・PALACE,EVES)のギター・ソロが"渋い" のです。
5曲目"Messed Up Everywhere Blues"(5:05) アコースティック・ギターの爪弾きの響きと吐息混じりのTESSの歌声による弾き語りに近い曲です。TESSの後を追うように演奏されるピアノとペダル・スティールの音色にスローでシンプルな曲です。
6曲目"All For You"(4:34) 古いアコースティック・ギターの枯れた響きとTESSのファルセットを交えた綺麗な歌声によるシンプルでスローな曲です。ハーモニカと美しいハーモニーが心地好く響くフォーキーな曲です。
7曲目"Tenderness And Love"(4:21) アコースティック・ギターを爪弾くTESSの弾き語りに重ねられたバックに流れるMIRIAM・PFAFFとの美しいハーモニーが非常に美しい曲です。
8曲目"Slow"(5:04) 曲のタイトル通りゆったりとしたメロディとリズムによる浮遊感漂うインストゥルメンタルです。リゾネイター・ギター、アコーディオンやイランの打弦楽器(サントゥール)による落着いた調べによるトラディショナル・フォーク的な曲です。
9曲目"Same Old Way Out"(4:44) ハンド・クラップスに似せたサウンドのビートに乗せ歌うTESSの優しい響くカントリー調の曲です。ペダル・スティールのサウンドとアコースティック・ギターの美しい音色によるスローな曲です。
10曲目"What It Comes Down To"(3:18) ギターで奏でられるドイツ民謡のような感じのする曲です。トラディショナルな民族楽器のノスタルジックを感じる音色とTESSの美しい歌声を生でスイスの山並みを背にして聴いてみたいものです。
11曲目"Anette"(3:34) TESS初のドイツ語による曲で、牧歌的なカントリー・ロック調の曲です。スライド・ギターのさっぱりとした音色とTESSの難しいドイツ語の独特の発音が妙に似合った曲です(サンプル音源はライヴ映像です)。
10曲歌詞付 写真ブックレット デジパック仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:47分09秒 (本国での発売前から購入を決めていたアルバムですが、適価で購入するとなると時間と手間が掛かかります)'10年9月23日再更新
2007年度ベスト5


INDEX   TOP

写真  TESS WILEY / Little Secrets
 ・2013 nordpolrecords    EB 146

残念、知らない間に新作が出ていました・・・

このアルバムは、ドイツのフランクフルト北部の街ギーセンで活躍しているS.S.W.TESS・WILEYの '13年11月15日に本国でリリースされた5枚目('10年のライヴ・アルバムを含む)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TESS・WILEY:ヴォーカル/ギター/キーボード/ストリングスの他、HENNING・SOMMER:プログラミング/マルチ・インストゥルメント/プロデュース、KARSTEN・BÖTTCHER:ギター/ベース、TIM・POTZAS:ギター/ドブロ・ギター、CHRISTAN・WEISS:ベース、LARS・PLOGSCHTIES:ドラム/カホン/パーカッション、FLETCH・WILEY:トランペット/フリューゲルホーン/ストリングス、BÖNI・HAHN:トロンボーン/シェーカー、MIRIAM・ADAMEIT(PFAFF):バック・ヴォーカルのTESSの友人達やハンブルグのミュージシャンが参加しています。
尚、プロデューサは、演奏にも参加しているハンブルグ出身のHENNING・SOMMER(WILHELM TELL ME)が担当しています。

1曲目"Little Secrets"(3:07) 乗りの良いリズム感と小刻みに鳴らされるサウンドが迫るこのアルバムのタイトル曲です。前作(スタジオ・アルバム)の牧歌的なイメージを払拭させるTESSの意気込みを直に感じさせます。モノクロで撮影されたビデオもどうぞ。
2曲目"It Rained"(4:36) サウンドをダークなイメージに移行した雨の情景や出来事の様を歌った曲です。淡々としたドラムのビートやアコースティック系のサウンドがメランコリックさ増してTESSの歌声と共に流れて行きます。
3曲目"Tornados"(3:22) この曲も先のアルバムの曲の路線からパーカッションの打撃音にメリハリを付けてアップ・デートした感のある曲です。「私の頭の竜巻」って面白い歌詞ですね。
4曲目"Hestia"(3:18) このアルバムのリリース前から紹介されている主婦のブルースとサブ・タイトルが付けられた曲です。収録にはツアー仲間であるMIRIAM・ADAMEITがバック・ヴォーカルで参加し、父FLETCH・WILEYのホーンのサウンドがバックに華やかに広がります。
5曲目"Sticks And Stones"(4:37) この曲もTESSのFLETCH・WILEYがトランペットとフリューゲルホーンの演奏で参加した曲です。広域で美しく裏返るTESSの歌声にMIRIAMの優しさ溢れる歌声が心地よく響いて来ます。
6曲目"My Heart"(4:13) 古びたアップライト・ピアノの切ない響きに鳥肌が立つスローな曲です。TESSの少し掠れた部分を聴かせる歌声が更に切なさを増すのです。
7曲目"Rescue Me"(3:16) ロック色を増したソリッドなイメージを感じさせるサウンドの曲です。硬質なギター・ソロやリズムの流れにFLETCH・WILEYのストリングがスリリングなイメージを広げます。
8曲目"How Much I Love You"(4:47) 普段より大声でエモーショナルに歌い上げるイントロが印象的な曲です。ドラマチックな起伏を持ったサウンドとリズムによるバラードです。
9曲目"Sad Crown"(4:00) '10年5月に発表された4曲目"Hestia" と同じ時に書かれた曲です。美しく響くアコースティック・ギターの弦の振動とTESSの暖色を持った歌声が堪りませんね。
10曲目"Good What We’ve God"(3:53) この曲も古びたアップライト・ピアノの調べがイントロから掴みを聴かせる曲です。気心の知れたMIRIAMとのハーモニーも息もぴったりだしピアノの演奏を主にした曲もこのアルバムから増えています。
11曲目"Light Of My Life"(5:27) 今度は、牧歌的なサウンドを聴かせるTESSがアコースティック・ギターを爪弾く曲です。TIM・POTZASの溜めを取ってゆったりと奏でられるギターのトーンも渋く演出されています。
全11曲歌詞付 写真ブックレット デジパック仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:44分36秒 (前作をリリースした後、ちょっとTESSの追っかけをしていなかった間に新作アルバムがリリースされていました)'15年11月21日更新


INDEX   TOP

写真  THIS TOWN NEEDS GUNS / Animals
 ・2009 Sargent House    SH012

唸るドラムと弾むギター・・・

このアルバムは、イギリスのオックスフォード出身のマス・ロック・バンドTHIS TOWN NEEDS GUNS(以下TTNG)の '09年3月24日に米国(2曲のボーナス・トラック付)でリリースされたデビュー・アルバム(デモ盤,EP盤は含まない)です。
このアルバム収録時でのTTNGのメンバーは、TIM・COLLIS:ギター、STUART・SMITH:ヴォーカル、 DAN・ADAMS:ベース/トランペット、CHRIS・COLLIS:ドラム、JAMIE・COOPER('08年9月より):ベースの5人組(厳密にはベースのDANとJAMIEはラップしていないので4人組です)です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TTNGの5人の他、英国プログレッシブロックの重鎮ROBERT・JOHN・GODFREYが5曲目のストリングスとそのアレンジに参加しています。

1曲目"Pig"(3:48) TIMのタッピング奏法によるギターの音色と同時に歌われるSTUARTの早口な歌声が響く曲です。1曲目からTIMのギター、CHRISのドラム、DANのベースにSTUARTのヴォーカルに唯々感心するだけですね。
尚、各曲のタイトルと歌詞については何の関連性もないようです。
2曲目"Baboon"(3:26) この曲もイントロからタッピング奏法をこれでもかと聴かせる曲です。マス・ロックの多くのバンドは、インストゥルメンタル曲の演奏をメインにしていますが、このTTNGはヴォーカルのSTUARTが書いた歌詞による曲を売りとしているようです。
3曲目"Panda"(3:27) 打ち鳴らされるCHRISのドラムのビートに流れるように爪弾かれるTIMのギターが非常に印象的な曲です。この曲では時折アクセント的に登場するタッピング奏法が丁度好いですね。
4曲目"Gibbon"(4:26) ドラマチックなビートな感じさせるCHRISのドラムとエモーショナルに歌い上げるSTUART がシンクロする曲です。アルバムをスタートしてこの4曲目まで怒涛の勢いを感じさせるTTNGですが、各曲の違いは少し聴き込みが必要かも知れないです。
5曲目"Rabbit"(4:45)この曲もイントロから怒涛の勢いを聴かせる曲です。後半からストリングスの音色も登場して来て音楽の路線を少し違った雰囲気を誘います。
6曲目"Badger"(4:53) 重く響くベースの調べに華麗なTIMのタッピングが飾れたメランコリックなナンバーです。複数の鼓笛隊のビートを1人で熟すCHRISの卓越したドラムの演奏とTIMの繰り出すギター奏法を暫し楽しみましょう。
7曲目"Elk"(3:51) 美しいギターのピッキングのバックに広がるDANの質素なトランペットの音色が響く落ち着いた曲です。後半からドラムとベースも加わりリズミカルな展開を聴かせるインストゥルメンタルです。
8曲目"Crocodile"(2:31) 高いキーで歌うSTUARTにバックで支えるTIMの美しいギターの調べが心地好く広がる曲です。この曲では、STUARTの多重によるハーモニーが付けられヴォーカル・パートにも重きが置かれています。
9曲目"Quetzel"(0:37) TIMのリバース再生したギターの演奏によるインターリュードなインストゥルメンタルです。
10曲目"Chinchilla"(4:27) この曲でもTIMのギターが忙しなく鳴り響いています。アウトロの1分前からはCHRISのドラム、STUARTのスキャットにTIMの軽めのギターのサウンドでの流れがまた好いのです。
11曲目"Dog"(2:55) ビシバシと決まるCHRISのドラムに淡々とギターを弾きこなし聴かせるTIMのギターとが非常に対照的に感じる曲です。この曲を聴きながら思うのですが、普通タッピング奏法など間奏の中の一部分の決めポーズ的なところで披露されることが多いのですが、ヴォーカルやイントロから怒涛のように弾き熟されていて歌物としては歌い易いのかな。
12曲目"Lemur"(3:11) この曲でもCHRISの怒涛の勢いで叩かれるドラムのビートが響きわたる曲です。ユニークなギターのリフや少しLo-HiにしたSTUARTの歌声など各曲と比較して少し工夫を加えて来ているようです。
13曲目"Zebra"(2:08) 英国盤ではラストに収録されているメランコリックなメロディを聴かせるこのアルバムの中では比較的短めの曲です。グロッケンシュピール風のシンプルな音色と思い詰めたように歌うSTUARTの歌声が印象的です。
14曲目"If I Sit Still,Maybe I'll Get Out Of Here(Bonus Track)"(6:04) この曲は、'08年3月にダウンロード・リリースされている曲です。アメリカ盤をリリースする際にボーナス・トラックとして追加されています。イントロから響くTIMのタッピング奏法のギター・サウンドは、他の曲の右側から左側に移動してちょっと慣れが必要かな。この曲ではピアノの演奏も入っているのでクレジットの記載はないのですが、多分JODY・PREWITTの演奏と思われます。
15曲目"26 Is Dancier Than 4(Bonus Track)"(4:46) この曲も'08年3月にダウンロード・リリースされている曲です。このアルバムの収録曲とは少し違ったイントロにノイジーなサウンドを持たせた曲です。先の曲と収録時期が同じようで短い間だけ在籍していたJODY・PREWITTのキーボードの演奏が収録されています。
歌詞無し ライナー無し ボーナス・トラック付 デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:55分15秒 (日本でも人気のあるこのTTNG、'14年5月には日本ライヴも行われています)'14年11月23日更新


INDEX   TOP

写真  THIS TOWN NEEDS GUNS / 13.0.0.0.0
 ・2013 Sargent House    SH079

今作はバラエティーに富んだ内容・・・

このアルバムは、イギリスのオックスフォード出身のマス・ロック・バンドTHIS TOWN NEEDS GUNS(以下TTNG)の '13年1月22日に本国でリリースされた2枚目のアルバム(デモ盤,EP盤は含まない)です。
このアルバム収録時でのTTNGのメンバーは、TIM・COLLIS:ギター、HENRY・TREMAIN:ベース/ヴォーカル/ギター、CHRIS・COLLIS:ドラムの3人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンについて詳しいクレジット記載がないのですが、前作でのベースJAMIE・COOPERは、新ベースHENRY・TREMAINが '12年の年末に新加入しているので本作の収録には参加していないと思われます。

1曲目"Cat Fantastic"(4:53) 新生TTNGになってライヴなどで良く演奏されている曲です。HENRYのスクワイヤー改造6弦ジャガーベースとTIMのギターとのコラボとの絶妙な持ち味を感じさせます。
2曲目"Havoc In The Forum"(3:35) 少しエモ・ロックの域に移行して来た激しさを底辺に感じさせる曲です。しかし、HENRYのヴォーカルは、更に美しく高く伸びやかに歌われています。タッピング奏法や華麗なフィンガー・ピッキング・ギターを聴かせるTIMです。
3曲目"Left Aligned"(3:24) イントロから目一杯パワフルにぶつけて来る曲です。バタバタと鳴るCHRISのドラムが落着いた頃から流れるメロディアスなパートと再びアグレッシヴなパートとのサンドイッチを楽しみましょう。
4曲目"In The Branches Of Yggdrasil"(2:00) 「ユグドラシルの枝にて」と題されたインストゥルメンタルです。北欧神話に登場する世界を擁する巨木ユグドラシルと中々面白いテーマですね。
5曲目"I'll Take The Minute Snake"(5:54)リズムとメロディは、ほぼ前の曲「ユグドラシルの枝にて」と同じ路線を感じる曲です。この曲も後半からハーモニクスでギターを奏でるインストゥルメンタル部分になっています。
6曲目"2 Birds, 1 Stone And An Empty Stomach"(4:10) 今度は、がらりと趣向を変えてアコースティック・ギターによるスローな曲です。元々ギタリストだったHENRYの弾き語りに添えられた煌びやかなTIMのタッピングや軽めCHRISのドラムのビートで飾られています。
7曲目"Nice Riff, Clichard"(2:05) 潮騒のサンプルに重ねられた美しいギターのリフの音色と更にめずらしくドラム"ン" ベースによるリズムが付けられたインストゥルメンタルです。
8曲目"Triptych"(3:07) イントロから忙しなく奏でられるTIMのギターに重いビートを繰り出すCHRISのドラムに高いキーで歌うHENRYの響く曲です。曲名の「トリプティク」とは3枚の続きの絵と言う意味があるのですが、TIM、CHRISとHENRYの3人を表現しているのでしょうか。
9曲目"Pygmy Polygamy"(1:42) 中世の音楽のようなハープと竪琴の共演を現在に蘇らせたハイ・ストリングス・ギターを使ってのインストゥルメンタル曲です。
10曲目"A Different Kind Of Tall(Small)"(4:15) タッピングで巧みにギターを弾き熟す華麗なTIMのギターから次第にドラム、ベース共にエモーショナルな展開を聴かせる曲です。また、後半から穏やかなサウンドとメロディとなり落着いた調べが流れています。
11曲目"+3 Awesomeness Repels Water"(4:25) この曲は切れのあるリズムの流れが非常に好いですね。CHRISのキビキビとしたドラムのビートにTIMの華麗なギターと絡みを何度も聴きたくなります。
12曲目"13.0.0.0.1"(1:06) アルバムの最後は、オルゴール+テルミン風の穏やかなサウンドが流れる短いインストゥルメンタルです。今回のアルバムは、インストゥルメンタルが多いようです。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:40分36秒 (前作[Animals]は曲調が似たような曲が多かったのですが、今作は、アコースティック調やインストゥルメンタルとバラエティーに富んだ内容となっています)'14年11月25日更新


INDEX   TOP

写真  TOM ROBINSON / Love Over Rage
 ・1994 Cooking Viny/Rhythm Safari    P2 53913

社会派TOMの音楽での世界・・・

'75年にアコースティック・ギター・バンドのCAFE SOCIETYでバック・ヴォーカル/ギタリストをしていたTOM・ROBINSONはSEX PISTOLSの初期のライヴを観て衝撃を受け、早速 '78年に自身の名を冠したTOM ROBINSON BANDでパンク・バンドとして再デビューし、'82年以降はTOM ROBINSON名義で現在まで活動しています。
このアルバムは、TOMのデビューから15枚目位のアルバムで '94年のリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TOM・ROBINSON:ヴォーカル/ギター/キーボード/プログラミングの他、ROBIN・MILLAR:ギター、CHRIS・REA:スライド・ギター、EVAN・BERRYMAN:ギター、AL・SCOTT:ギター/プロデュース、MIKE・HARVEY・KATIN:ギター、WINSTON・BLISSETT:ベース、MARK・AMBLER:キーボード、LYNDON・CONNAH:キーボード、MARTIN・DITCHAM:ドラム、MARK・RAMSDEN:サックス、T.V.SMITH:バック・ヴォーカル、ANDY・MITCHELL:バック・ヴォーカル、KATE・MOODY:アサフォン・メッセージ、TONY・HEYWOOD:アサフォン・メッセージ、JAKKO・JAKSZYK:ギター・アレンジのイギリスのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、ミキサーも兼務のAL・SCOTTが参加しています。

1曲目"Roaring"(5:49) タイトなドラムのリズムと重いベースのサウンドに乗せ、TOMのいつもの枯れたハスキーな歌声が登場します。少しブラック・ミュージックから影響を受けたファンクなリズムとTOMのアルバムではお馴染みのMARK・RAMSDENのサックスが印象に残ります。
2曲目"Hard"(4:44) イントロから参ってしまったナンバーです。エモーショナルな音色を発するオルガンとうねりをもったベースのサウンドに乗せ、男についての思いをはせるTOMの複雑な心境を描いた曲です。
3曲目"Loved"(3:27) 一転してサウンドを軽くして来たレゲエのリズムによる曲です。このアルバムに参加しているCHRIS・REAの歌声とサウンド・スタイルに通じるところがあるTOMの曲調が興味深く感じます。
4曲目"Days"(4:15) メランコリックなオルガンのサウンドによるTOMのトラディショナル音楽風な弾き語りです。
5曲目"Driving"(4:26) ラジオのサウンドをバックでS.E.に使ったラップによる曲です。歌詞の中にUB40とかBMWなど出てくるのが面白いですね。後半よる登場する伸びやかなサウンドによるCHRIS・REAのスライド・ギターがご機嫌なのです。
6曲目"Green"(3:49) ロック"ン" ロールのリズムによる軽めの曲です。この曲の歌詞でもBMWなど登場しています。TOMにとってBMWは何かの象徴であるのでしょうか?
7曲目"DDR"(4:10) 再びロック"ン" ロールのリズムによる曲です。旧東ドイツ(Deutsche Demokratische Republik)の日常生活を描いた歌詞の内容になっています。
8曲目"Fifty"(3:37) 再びTOMのオルガンでの弾き語りです。現在の吟遊詩人のごとく、社会に対する風刺を綴っています。
9曲目"Silence"(3:04) 重いリズムとサウンドによるR&Bです。スライド・ギターとアコースティック・ギターはプロデューサーのAL・SCOTTでしょうか。尚、全曲に[Hope And Glory]でのプロデューサーのROBIN・MILLARもリズム・ギターで参加しています。
10曲目"Chance"(4:52) この曲はサウンドとメロディともかっこ良い曲ですね。燻し銀的なTOMのヴォーカルにMARK・RAMSDENのエモーショナルなサックス、更にアウトロ近くでCHRIS・REAの金属音のするスライド・ギターが鳴り響くのです。歌詞の方はTOMの私的な回顧録となっているようです。
尚、この曲はCHRIS・REA のコンピレーション・アルバムの[Chris Rea And Friends]でも取り上げられています。
全10曲歌詞付 ブックレット (輸入盤) 収録時間:42分07秒 (この人のアルバムは、余り持っていないのですが、'84年の[Hope And Glory]に収録されている"War Baby" の強烈なビデオ・クリップ(YouTubeにアップされていないヴァージョン、多分、GEFFEN RECORDSがアメリカ向けに作ったもの)を見てから、一発でTOM・ROBINSONのファンになりました)'10年9月23日再更新


INDEX   TOP

写真  TONY HADLEY / The State Of Play
 ・1992 EMI RECORDS LTD.    TOCP-7118

SPANDAU BALLETのフロント・マン・・・

80年代にロンドンで活躍していたSPANDAU BALLETのヴォーカリストTONY・HADLEYが '92年にリリースしたソロ・アルバムです。バック・メンバーは、JERRY・STEVENSON(PROCOL HARUM):ギター、JOHN・KEEBLE(SPANDAU BALLET):ドラム、TOBY・CHAPMAN(SPANDAU BALLET):キーボード/バック・ヴォーカル、KEVIN・MILLER:ベース、TOMMY・FUNDERBURK(AIRPLAY):バック・ヴォーカル、JOE・PIZZULO(SÉRGIO MENDES):バック・ヴォーカル)、MARK・SPIRO:バック・ヴォーカル、STEVE・LUKATHER(TOTO):アディショナル・ギターと豪華メンバーです。

1曲目"Lost In Your Love"(4:31) PETER・SINFIELD(KING CRIMSON,ROXY MUSIC)とANDY・HILLのコンビによるこのアルバムの為に書き下ろされた曲です。サウンド的にはTONYが在籍していたSPANDAU BALLETに近いロマンチック系ロックでしょうか。
2曲目"Just The Thought Of You"(3:45) 硬い目の響きによるエレクトリック・ギターの爪弾きとシンセのサウンドに乗せ、伸びやかに歌うTONYの歌声によるロック/ソウルな曲です。DIANE・WARRENがTONYの為に書き下ろした曲です。
3曲目"You Keep Coming Back For More"(4:18) '89年のCLIMIE FISHERのアルバムに収録されている曲のカバーです。CLIMIE FISHERの収録より少しアメリカン・ロック寄りのギター・サウンドを加えたアレンジです。
4曲目"For Your Blue Eyes Only"(4:02) アコースティック・ギターによるメロディアスな響きによるスローな曲です。バック・ヴォーカルにTOMMYとMARKの歌声もしているようです。
5曲目"Fever"(4:16) TONYの作詞/作曲による曲です。ミドル・テンポの乗りの良さを全面に出した曲です。途中よりギターのサウンド中心にアレンジされていて、STEVE・LUKATHERの登場なのでしょうか。
6曲目"Riverside"(4:27) ドラムのJOHN・KEEBLEの書いたスローなバラードです。フレットレス・ベースのサウンドと残響を意識したドラムのビートによるメロディアスな曲です。
7曲目"Never Give Up On Love"(4:22) 再びPETER・SINFIELDがこのアルバムの為に書き下ろした曲です。ミドル・テンポのブリティシュ・ロック然とした曲です。但し、作曲は、アメリカのJON・LIND(Ex.THE FIFTH AVENUE BAND)のようです。
8曲目"This Time"(4:32) TONYの書いた曲の登場です。ポップ/ロックなドラムのビートとドライヴするギターのサウンドによるミドル・テンポのナンバーでバックはTOMMYが歌っているようです。
9曲目"The Game Of Love"(4:12) シングル・カットされたスローなバラードです。JIMMY・SCOTTがこのアルバムの為に書いた曲で、美しいピアノの調べと後半から登場するSTEVE?のギターも効いています。
10曲目"Freewheel"(4:05) サウンドを中西部のアメリカン・ロックに移して来たようなイメージの曲です。歯切れの良いフィンガー・ピッキングで爪弾く巧みな演奏を聴かせるギターのサウンドとTONYもその伸びやかな歌声を聴かせています。
11曲目"One Love(Bonus Track)"(4:35) 国内盤のみのボーナス・トラックです。ロック"ン" ロールのリズムによるエモ・ポップな曲です。TONYの艶やかな歌声を追いけるように歌われるバック・ヴォーカルによる明るいサウンドで覚えやすいメロディの曲です。
12曲目"One Good Reason"(4:21) クラヴィネットの少し哀愁のある音色を取り入れたメロディアス・バラードです。ダイナミックなドラムのビートによる曲展開とハートに沁みるギターの響きによる曲です。
13曲目"Somebody Up There"(4:48) フレットレス・ベースの柔らかい調べとシンクロするギターの調べによる曲です。間奏での流れるような綺麗なチョーキングを聴かせるギター・ソロが圧巻です。この曲を含みアルバムの後半4曲続けてTONYの書いた曲です。
全13歌詞/訳詞付 (国内盤) 収録時間:56分24秒 (全13曲1時間近くあるアルバムです。但し、スローな曲もアップテンポな曲も同じような曲調を感じます)'10年9月23日再更新


INDEX   TOP

写真  TONY STONE / For A Lifetime
 ・1988 Ensign Records Ltd.    CHRYSALIS VK41614 DIDX2526

このデビュー・アルバム以降の彼は?・・・

UKのヴォーカリストTONY・STONEのデビュー・アルバムで '88年のリリースです。14曲中5曲は、ビバリーヒルズに住むNED・DOHENYにプロデュース依頼をTONYが熱望した為、NEDが参加しています。バック・ミュージシャンは、前出のNED・DOHENY:ギター/キーボード/バック・ヴォーカル/プロデュース、JIMMY・HASLIP:ベース、JAMES・HARRAH:ギター、ROSEMARY・BUTLER:バック・ヴォーカル、MARVA・KING:バック・ヴォーカル、ALAN・PASQUA:キーボード、RUSSELL・FERRANTE:キーボード、LEON・WARE:キーボード、GUY・CHAMBERS:キーボード/ベース/ドラム・プログラミング/プロデュース、ANDREW・CANE:ギター、SEGGS:ギター、DAVE・RUFFEY:パーカッション、等 豪華メンバーが参加しています。

1曲目"This Is Serious"(3:49) いきなり多重のコーラスよるイントロとビートの効いたリズムによるファンクで乗りの良いシングルカットされた曲です。
2曲目"Love Don't Come No Stronger(Than Yours And Mine)"(3:43) ポップなサウンドでの曲で女性陣バックコーラスを従えたTONYのソウルフルな歌声による心地よいナンバーです。
3曲目"Can't Say Bye"(3:56) この曲もソウルフルなTONYの歌声によるスローなテンポの曲でモータウンサウンドの雰囲気を持ったナンバーです。
4曲目"Instant Love"(4:09) ミドル・テンポのビートのソウルフルなナンバーで、メロウなサウンドとアーバンさ溢れるTONYの美しく優しい響きを持った歌声による曲です。
5曲目"Heartbreak In The Making"(3:35) この曲のプロデュースは、NED・DOHENYです。NEDとギタリストのROBBEN・FORDの共作です。NEDも同じ年にリリースした[Life After Romance]に収録されています。NEDらしいソウルフルなビートの効いた少し甘酸っぱいメロディの曲です。
6曲目"Why Does Living(Become A Crime)"(3:45) この曲はアルバムを聴いた時に最初に気に入りました。タイトなビートのリズムとMILTON・McDONALD(YES)のシングル・ピックアップのトーンのギター・ソロが非常に素晴らしい曲です。
7曲目"For A Lifetime"(3:44) スローなリズムによるしっとしたメロウなナンバーです。バックで流れるリンドラムの響きとクラビネットの幻想的なサウンドによる曲です。アコースティック・ギターは、NED本人です。NEDと一緒にライヴを行なっていたJAMES・HARRAHとのギター・プレイも息がぴったりです。
8曲目"My Good Friend James"(3:29) ポップなドラムのビートとファンクなプログラムベースのサウンドにとサックスソロ風キーボードを配したナンバーです。
9曲目"Perish The Thought"(3:35) この曲のプロデュースも、作者のNED・DOHENY自身が行なっています。NEDの '91年のアルバム[Love Like Ours]での収録曲です。この曲もアコースティック・ギターの演奏は、NED本人です。
10曲目"Life After Romance"(4:50) NED・DOHENY '88年の作品です。ソフトな響きを醸し出すALAN・PASQUAの心地好いキーボードの音色で綴られる大人のサウンドの名曲です。
11曲目"Something About Your Son"(3:16) ミドル・テンポのロック"ン" ロールのリズムによる曲でハモンドB-3の音色に合わせてシャウトするTONYです。
12曲目"Night Of Lonely Tears"(4:06) トロピカルな響きを持つ曲でモータウン・サウンドを彷彿とさせるスムースな響きとバックコーラスです。
13曲目"Leaving On A Night Train"(4:05) TONYの作詞/作曲の曲でダンス・エレクトロ・ポップな曲です。テクノチックなキーボードのサウンドとシンセで刻まれるビートによる曲です。
14曲目"Fooling' Round & Having Fun"(2:55) アルバムの最後の曲はどっぷりとブルース色に浸れる曲です。ピアノとトランペットによるスタンダード的な響きによる曲です。
歌詞無し ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:52分56秒 (TONY・STONEの歌声は、ブルーアイドソウルの定番中の定番のソウルフルな歌声でどことなくSIMPLY REDのMICK・HUCKNALLに似ています。このアルバム以降、彼はどうしているのでしょうか?)'10年9月24日再更新


INDEX   TOP

写真  TORUN ERIKSEN / Passage
 ・2010 Yamaha Music and Visuals,Inc.    YMCJ-10003

ノルウェーからの優しい歌声・・・

このアルバムは、ノルウェーのオスロで活躍しているジャズ・シンガーTORUN・ERIKSONの '10年11月17日に国内でリリースされた3枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TORUN・ERIKSEN:ヴォーカル/ピアノの他、DAVID・WALLUMRØD:キーボード/バック・ヴォーカル、KJETIL・DALLAND:ベース/ギター、KJETIL・STEENSNAES(D'SOUND,SIMONE):ペダル・スティール/バック・ヴォーカル、ANDERS・ENGEN:ドラム/パーカッション/プロデュース、BRUNE・HONE:バック・ヴォーカル、KRUKKEFAR:バック・ヴォーカル、TORSTEIN・LOFTHUS:ドラム/パーカッション、HÅKON・KORNSTAD:トランペット、FRØYDIS・GRORUD:サックス/フルートのノルウェーのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"BeLike Him"(4:40) 素手で刻まれているような柔らかいビートを聴かせるドラムに合わせて歌うTORUNの歌声が登場します。近年の女性ジャズ・ボーカリストに多く感じさせるジャズの域から少し外したフォーク/カントリー/ロック系のサウンドを感じる曲です。この手のサウンドでは、やはりKJETIL・STEENSNAESは外せませんね。
2曲目"Passage From The Past"(5:55) メランコリックな調べを奏でるナイロン弦ギターの響きがヨーロッパ調の感覚、特にフランス辺りの音楽に通じる冷たい雨が降るさまを窓越しに見ながら聴くのが似合いそうな曲です。
3曲目"Umbrella Song"(4:26) 更にメランコリックさを増して来たスローな曲です。バックにはロウ-ファイなサウンドを聴かせるギター1本での調べが流れ、それに合わせてTORUN が訥々と歌う非常にシンプルなスタイルの曲です。
4曲目"Baby And Her Babe"(4:06) 穏やかに流れるギターの調べとパーカッションのリズムと共に登場する優しい歌声を聴かせるTORUNです。この曲もソフィスティケートされたメロディとリズムを聴かせる大人の音楽を聴かせるのです。
5曲目"Edgar's Blues"(5:34) 北欧のジャズに詳しい方なら既にご存じと思うのですが、TORUNと同じノルウェー出身のジャズ・シンガーREBEKKA・BAKKENを引合いに出して申し訳ないのですが、彼女もノルウェー国内で活躍していた頃は、ブルースの曲を良く歌っていて、それもかなりロック色を強めたハードな歌いぶりを聴かせていました。本当にスウェーデンなど北欧の人は、本当にこの手のブルースを含み音楽好きな人々だなと実感します。
6曲目"Bees And Butterflies"(3:06) レズリーを通した独特なハモンドの調べがイントロから響くこの曲も落ち着いた流れを感じさせる曲です。目を閉じてと口元に両手を合わしながらこのTORUNの優しい歌声やバックの演奏を聴きながらこの曲についてどのように書こうかなと思っているのですが、特に新しいことやリスナーに媚びたことなど一切感じさせないし、やはり1言で云うと「優しい音楽」だなと感じます。
7曲目"Draw Me A Heart"(4:42) 今度は、アコースティック・ギターのサウンドをメインとした牧歌的なサウンドを聴かせる曲です。ウイスパー・ヴォイスで聴かせるTORUNのこの曲を聴いていて思い出したのが、ロス・アンゼルスで活躍している女性S.S.W.RENEE・STAHLとTORUNのメランコリックな歌声が似ていますね。
8曲目"Deuce Parade"(5:09) この曲は、非常にメロディの難しい曲で、リズムの流れ方も演奏が難しいそうに感じ、当然ながら歌うこともそう容易じゃないと察しがつきますね。広域で少し枯れた味わいを感じさせるTORUNの歌声と難しい歌もさらっと歌いこなす彼女のこの曲をもっと楽しむことにします。
9曲目"White Lies"(3:16) 今度は、オーソドックスなスタイルで聴かせるTORUNのピアノによる弾き語り形式で収録されている曲です。美しいピアノの調べと落ち着いたTORUNの優しい歌声がすう〜と耳に入って来ます。
全9曲歌詞/訳詞付 写真ブックレット (国内盤) 収録時間:40分58秒 (前作2枚のアルバムは、ジャケットを見てパスしていたのですが、今作は、ジャケットも音楽も「どんぴしゃ」と来ました)'12年2月3日更新


INDEX   TOP

写真  TWAINE / Love For Sale And A Soul For Rent
 ・2006 Soulmine Production    SPCD-01

CLOUDBERRY JAMでの活動からを一線を画す・・・

スウェーデンでシンガー/キーボーディストとして活躍しているTWAINEことHENRIK・SUNDQVISTのインディペンデント・レーベルから '06年に本国でリリースされたEP盤に続くフル・トラックによるデビュー・アルバムです。バンド名は、最初ROOSTERとしていたようですが、あのMARK・TWAINからTWAINEと命名したとのこと。HENRIK・SUNDQVIST名義で活動をしないのは、CLOUDBERRY JAMでの彼の活動から一線を画す意味を持たせたいのでしょうか...。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HENRIK・SUNDQVIST:ヴォーカル/キーボード/ギター/プロデュースの他、JONATHAN・SVENSSON:ドラム/パーカッション、GLENN・FRANSSON:アップライト・ベース、ROBIN・HANSSON:サックス、JONNA・BENTLÖV:トランペット/フリューゲルホーン、VICTORIA・ANDERSSON:バック・ヴォーカル、JÖRGEN・WÄRNSTRÖM:プロデュースのCLOUDBERRY JAMの関係者も参加しています。
尚、このアルバムはジャケット変えとヴァージョン違いにて '05年(7曲収録)と '06年(12曲収録)に国内盤もリリースされています。

1曲目"Boys Ain't Supposed To Cry"(4:08) シンプルなドラムのビートとサックスの音色に重ねたハモンドのサウンドが心地好い曲です。70年代のアメリカのブラック・ミュージックを白人達が取り入れてブルー・アイド・ソウルとして発信された音楽を再びHENRIKが取り入れて表現したサウンドではないでしょうか...。
2曲目"No Matter Why Circus Ring"(4:14) イントロのキーボードのサウンドとメロディから"痺れた" 曲です。この手のグルーヴ感のある音楽は非常に好きなので、手持ちの盤のTOM・ROBINSON '94年の曲"Hard" とテンポと歌詞は、違うものの素敵なサウンドからは共通性を感じます。
3曲目"Deaf Dumb & Blind"(3:26) 懐かしいソウル・シーンで良く聴いたクラビネットのサウンドに近い音色を発する電子ピアノによるミドル・テンポの"ネオ・ソウル" R&B風の曲です。女性バック・ヴォーカルのVICTORIA・ANDERSSONのことは不明ですが、心地好い歌声を聴かせいます。
4曲目"Inner Seismic Activity"(2:26) この曲もHENRIKの電子ピアノのサウンドが心地好い響く曲です。前の曲より少しキーを下げた歌声で世の中の不条理な出来事を歌詞に綴って歌っています。サックスの音色とキーボードのサウンドはあのバンドの雰囲気も...。
5曲目"One Day At A Time"(4:05) セミ・アコースティック・ギターの柔らかく弾むサウンドが登場した本家CLOUDBERRY JAMのサウンドに近いギター・ポップな曲です。この曲ではギターもHENRIKが弾いていて甘酸っぱい歌詞とメロディを奏でたメロディアスなナンバーになっています。
6曲目"Love For Sale And A Soul For Rent"(5:12) 曲名通りメランコリックなナンバーです。切ない響きによるキーボードのサウンドとハイキーによるGLENN・FRANSSON(JOHAN・CHRISTHER・SCHÜTZ)のベース・ソロも切なく響きます。
7曲目"Good Thing Goin'"(3:02) JONATHAN・SVENSSONのドラムとパーカッションがイントロから飛ばすご機嫌なソウル・ナンバーです。"渋い" 歌声を聴かせるHENRIKと甘い歌声のVICTORIAとのブレンドが絶妙さを表現しています。
8曲目"State Of Emergency"(3:00) ホーンのゴージャスなサウンドを入れたファンキーでダンサブルなミドル・テンポの曲です。ブリティッシュ・ファンク・ソウルからの影響も伺える曲調でしょうか。
9曲目"Into The Mood"(3:48) アカデミックなサウンドを展開するフル・バンド・スタイルによるノスタルジックさやセピア色を感じさせるHENRIKの歌声です。
10曲目"Take Nothing For Granted"(4:16) HENRIKの早口な歌い方が特徴な曲です。口一杯に頬張った彼の歌詞を巧みに吐出しながら演奏している様が想像されます。サウンド・スタイルは、少し違いますが、アメリカの中西部で活動しているピアノを演奏するS.S.W.の雰囲気を与えます。
11曲目"Sweet Little Thing"(3:17) キーボードのサウンドをメインにしたロック "ン" ロールのリズムの曲です。ライヴでの演奏では、ご機嫌な乗りを約束してくれる定番的なナンバーなのでしょう。各楽器のソロも披露してくれるサービスも持ち合わせています。
12曲目"Grandpa"(4:40) ジャズが演奏される酒場にいるような雰囲気にさせるブルースの演奏です。HENRIKの歌の合間に入るトランペットの調べとワウ・ワウを挟んだキーボードに演奏で攻めて来ます。
全12曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:45分41秒 (尚、このアルバムは、インディペンデント・リリースらしくCD-Rの場合は、半額で販売されています)'10年9月24日再更新


INDEX   TOP

写真  VIKTORIA / Switch
 ・2004 euche music    EMI 5601782

残念ながら廃盤になっています・・・

デンマークで活躍しているS.S.W.VIKTORIA ことVIKTORIA・HANSENの '05年3月に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。プロデューサーは、マルチ・インストゥルメンツのプレーヤーでもあるKÅRE・KABEL・MAI(FREYA):キーボード/ドラム/パーカッション/ベース/ギターにバックは、JANUS・RAU:ベース、ANDREAS・KÄEHNE:ギター/ペダル・スティール/バンジョー、RUNE・WESTBERG:ギター、PETER・KJØBSTED:アップライト・ベース、CHRISTIAN・WARBURG:ギター、MORTEN・BUCHHOLTZ:ピアノ/キーボード、VIBEKE・H・LARSEN:ヴァイオリン、BRIAN・QUIST・JØRGENSEN::ヴァイオリン、TRINE・MIKKELSEN:ヴィオラ、CHRISTIAN・SUNDEWALL:チェロ、JON・ANDERSKOU:チェロのデンマークのミュージシャン達です。

1曲目"In Your Arms" タイトなドラムのリズムに乗せ歌うVIKTORIAの張りのある歌声が響く、同じくデンマークで活躍している同年代のS.S.W. LOUISE・HARTのサウンドとも共通性を感じます。
2曲目"Switch" 切ないヴァイオリンの調べがイントロから流れるメランコリック・ダーク・ナンバーです。少し鼻に掛かった歌声が特徴的なVIKTORIAの歌声とストリングスの調べです。尚、この曲は、ビデオも制作され本国でシングル・カットされています。
3曲目"Flying" アメリカの女性シンガーが良く歌いそうなリズムとメロディによる少しパワー・ポップ/ロックとした曲です。この曲も非常にLOUISE・HART の持ち味との"カブリ" ますね。
4曲目"Hope Life Is Good" この曲でもVIKTORIAの鼻に掛かった特徴的な歌声が響くミドル・テンポの曲です。後半よりハードなギター・サウンドによるパワフルな曲調へと展開されます。
5曲目"Lost My Balance" シンプルなピアノの伴奏に合わせて歌われるバラードです。ヨーロッパ・スタイルの重厚な調べのストリングスも登場し叙情的な調べが伝わって来ます。
6曲目"Heaven Sent" マイナー・コードによる切ないギターの響きと硬い目のドラムのビートで奏でられるミドル・テンポのナンバーです。エモーショナルに歌い上げるVIKTORIAの歌声も切なく響きます。
7曲目"Blame The Creator" スパニッシュの雰囲気を感じるイントロからアグレッシヴに打ち鳴らされるドラムのビートが響くダンサブルなナンバーです。
8曲目"Alone" 一転してアコースティック・ギターの調べによるフォーク調の曲です。ペダル・スティールの長閑なサウンドとハモンドのサウンドによる女性アメリカンS.S.W.のサウンドに近い雰囲気を感じます。
9曲目"Do You Mind" 心地好いギターのサウンドが広がるポップなメロディの曲です。カット・インするストリングスのアレンジと気持ち良く歌うVIKTORIAの歌声が届けられます。
10曲目"I’m AllRight Now" セミ・アコースティック・ギターの爪弾きに合わせて歌うVIKTORIAのクリーンな歌声と歯切れ良いドラムのビートが心地好い曲です。少しアイドルぽい曲を感じるようですが作詞と曲の一部はVIKTORIAのペンによります。
11曲目"It Isn’t Beautiful" 1曲目とこの曲は外部のライターに委ねた曲です。アコースティック・ギターのサウンドと切ないチェロの調べが流れるメランコリックなナンバーです。高域で少し枯れ気味なVIKOTORIAの歌声が更に悲しみを誘います。
全11曲歌詞付 16ページ物写真ブックレット デンマーク製 (輸入盤) 収録時間:43分04秒 (ちょっとアイドルぽいところもあるサウンドですが、大半の曲は、VIKTORIA自身によって書かれています。尚、このアルバムは、本国デンマークでも既に廃盤となってしまっていますので現在は、ダウンロードのみのようです)'10年9月24日再更新


INDEX   TOP

写真  VIKTORIA TOLSTOY / Viktoria Tolstoy
 ・1996 TOSHIBA-EMI LIMITED.    TOCP-8928

国内向け特別盤・・・

15歳よりジャズの音楽を聴いて将来ヴォーカリストとして活躍しようと志していたVIKTORIAは、父の薦めでジャズ・クラブに出演するようになりました。そこでレコード会社の眼に止まりジャズのスタンダード曲をカバーしたアルバム[Smile, Love And Spices]を '94年に制作するようになりました。それから2年後の '96年に全曲スウェーデン語の[För Älskad]を本国でリリース。
このアルバムは、その[För Älskad]を英語ヴァージョンとし、1曲目にシングル盤の曲を加えた国内向け特別盤で、 '96年7月10日にリリースされたVIKTORIAのH.P.でも取り上げられていない2枚目と3枚目の中間的なアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、クレジットの記載がない為、オリジナル盤[För Älskad]からの参考にて曲紹介の項に記載しています。

1曲目"Tell Me"(4:10) フルートの爽やかな音色の出だしとバックで響くフュージョン系のギターのサウンドによる乗りの良いファンク/フュージョンな曲です。この曲収録当時、21歳のVIKTORIAの年齢に似合わないエモーショナルでソウルフルな歌声による曲で、'95年のシングル盤での曲です。
2曲目"Somehow"(3:03) この曲は、アルバム購入時にヘビ・ロテでよく聴いた曲です。心地好いリズムによるスムーズなボサ・ノヴァ調べに軽やかに響くハモンドかクラヴィネットでの間奏がまた良いのです。
3曲目"Kissed By The Moon"(4:12) ジャジーなサウンドを醸しだすサウンドによるライトなR&Bの曲です。MAX・SHULTZの燻し銀的な指をスライドさせたギター奏法と音色にVIKTORIAの甘味な歌声が上手くブレンドした秀曲です。
4曲目"All Right"(5:07) アメリカン的なブラ・コンのアーバン・ソウルを感じさせる曲です。心地好い軽めのギターのサウンドとマイク片手にスキャットを入れてスムーズにまた、軽やかに歌うVIKTORIAを想像させる曲です。
5曲目"And If I Dreamed"(3:59) スローなバラードの登場です。エコーを効かせたクラヴィネットの悲しい響きとメロディに乗せメランコリックに歌うVIKTORIAの切ない歌声が沁みます。
6曲目"Another You"(4:59) スウェーデンにファンク/ソウル・ブーム巻き起こしたBLACKNUSS ALLSTARSのサウンドをそのまま持ち込んだファンクな曲です。MARTIN・JOHNSSONでファンキーなドラムのビートと彼らのアルバムでお馴染みのTITIYO・JAH、ANDRE・DE・LANGEなども参加しています。
7曲目"Mama Had To Tell Me"(4:13) 少し曲調を変えてラテン/サルサな曲です。メランコリックなイントロからサウンドを上げて行く展開による乗りの良い曲です。この曲もプロデューサーでもあるMARTIN・JOHNSSONでファンキーなドラムのビートを聴かせています。バック・ヴォーカルは、MIJAとGRETA FOLKESSONのようです。
8曲目"You're The Best"(4:47) 妖艶なパーカッションのリズムと官能的なトランペットの調べが怪しく鳴り響くナイト・クローラー的な曲です。PETER・ASPLUNDの職人芸的なトランペッットのサウンドにVIKTORIAの艶やか歌声に痺れます。
9曲目"September Again"(3:57) 秋の旅情の優雅に表現したスローな曲です。多分、この曲でもPETER・ASPLUNDがトランペットで参加している模様です。ナイト・クラブのカウンタに備えられたスツゥールに腰掛けてゆったり生演奏を聴いてみたくなる曲です。
10曲目"The Wind In Your Hands"(3:34) スウェーデンで活躍するベテランS.S.W.のPETER・LEMARCが、オリジナル盤の為に書き下ろした曲です。このアルバムのサウンドを大きく決めているMARTIN・JOHNSSONのドライヴするドラムのビートとALLSTARS全員集合のバック・ヴォーカルによるゴージャスなサウンドとエモーショナルなVIKTORIAの歌声による曲です。
11曲目"Where Has The Love Gone?"(4:11) オリジナル盤ではタイトル曲となっています。心地好いグルーヴ感を与えるリズムとメロディによるアーバンチックな曲で、お隣のノルウェーのSILJEの曲と通じるアダルトなサウンドの曲と言えます。
12曲目"The Finest"(4:23) 北欧ノルデック音楽の調べのようなナイロン弦ギターのサウンドとSNYKOによるもの静けさを表現したストリングスによる叙情的な曲です。VIKTORIAの憂いを持った歌声とギターの調べでこのアルバムは幕を閉じます。
全12歌詞/訳詞付 20ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:50分40秒 (このアルバム以降、ジャズに傾倒したアルバムをリリースしているVIKTORIAですが、このアルバムは、結構ポップな音楽が詰まっています!)'07年10月25日再更新
1996年度ベスト5


INDEX   TOP

写真  VIKTORIA TOLSTOY / White Russian
 ・1997 BLUE NOTE    7243 8 21220 2 9

VIKTORIAの本格派ジャズ・アルバム・・・

スウェーデンで活躍しているVIKTORIA・TOLSTOYの3枚目のアルバムで '97年9月1日に本国でのリリースです。プロデューサーは、活躍めざましかったESBJÖRN・SVENSSONが行い、彼自身キーボード/ヴィブラフォン/グロッケンシュピールの演奏も行っています。
アルバムの収録に参加しているその他のミュージシャンは、DAN・BERGLUND:ベース、MAGNUS・ÖSTRÖM:ドラム/パーカッション、PER "RUSKTRÄSK" JOHANSSON:サックス、NILS・LANDGREN:トロンボーン、MATS・ÖBERG:ハーモニカのスウェーデン・ジャズ界のベテラン達です。

1曲目"Solitary"(4:10) 作曲は、ESBJÖRNとVIKTORIAとの共作です。イントロからESBJÖRNがピアノで聴かせますね、VIKTORIAのスキャットと心地好いキーボードのサウンドによる曲です。
2曲目"Venus & Mars"(3:39) ドラムかパーカッションの躍動的なリズムのビートが特徴的な曲です。VIKTORIAの甘い歌声とブリティシュ・ファンクなサウンドが"クール" に融合した曲です。
3曲目"My Garden"(4:12) このアルバムでは、比較的ポップでキャッチーなサビのメロディを持った曲です。VIKTORIAの歌声もソウルフルにブラック・ミュージック・ソウル・シンガーの如く熱く響きます。
4曲目"I Do Care"(3:36) この曲は、本格的なジャズのブルー・ノート・スケールを聴かせる曲です。ご機嫌なサックス・ソロはPER 'RUSKTRÄSK' JOHANSSONです。
5曲目"Holy Water"(4:44) 1曲目"Solitary" のリズムを非常にスローにしたような曲です。ESBJÖRN のピアノ・ソロがご機嫌ですね。CCM的な詩の内容を雨の情景に例えた曲です。
6曲目"Wonderful Life"(3:44) スウェーデンのジャズ・ギタリストの第一人者、GEORG 'JOJJE' WADENIUS(Ex.BLOOD,SWEAT AND TEARS)がギターで参加したブルースです。GEORGお得意のスキャットを絡ませたギター・ソロが圧巻な曲です。この曲はESBJÖRN によって書かれています。
7曲目"Invisble Changes"(2:55) ESBJÖRN SVENSSON TRIOのジャジーなサウンドに近い曲でアドリブによるキーボードの演奏と捲くし立てるようなVIKTORIAのヴォーカルに圧倒される曲です。
8曲目"High Heels"(4:45) ミドル・テンポのジャズのスタンダード的な曲です。この曲もゲスト・ミュージシャンが素晴らしいですね。トランペット・ソロは、PETER・ASPLUNDです。
9曲目"For Your Love"(3:47) 細かくそして短く弾かれるピアノの旋律とサウンドが特徴的な曲です。この曲を含み大半の曲の作曲は、VIKTORIAとESBJÖRNと共作です。
10曲目"Casablanca"(5:36) アシッド/モダーン・ジャズ的なサウンドの流れによる曲でファンクなサウンド要素も取り入れた曲です。バック・ヴォーカルは、このアルバムの大半の曲の作詞を行っているMICKE・LITTWOLD が行っています。
11曲目"Spring"(4:59) ESBJÖRNのピアノの演奏に乗せた弾き語りです。切ないVIKTORIAの歌声とESBJÖRNのアダルトなメロディによるバラードです。
12曲目"My Funny Valentine"(5:38) ボーナス・トラックです。多くのジャズ・ミュージシャンにカバーされているLORENZ・HARTとRICHARD・RODGERSのコンビが書いたジャズのスタンダード曲です。'39年にMICKEY・ROONEYが出演する映画のサウンドトラック使われました。ここでの収録は、アカペラに近いアレンジと東洋的なサウンドをミックスした非常に大胆なサウンドの展開です。
13曲目"Solitary"(3:05) ヒドゥン・トラックです。1曲目の"Solitary" をポップ調にアレンジし直し収録した多分、シングル・カット盤用のヴァージョンでしょう。デビュー当時、19歳のVIKTORIAは、ポップ路線な曲も多く収録していました。
11曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット オランダ製 (輸入盤) 収録時間:54分57秒 (デビュー以来、日本での多くのファンを持つVIKTORIA、国内盤もコンスタントにリリースされているようです)'10年9月25日再更新


INDEX   TOP

写真  VIKTORIA TOLSTOY / Blame It On My Youth
 ・2001 KAZA/EMI Svenska AB.    7243 5 32620 2 0

EMI在籍最後のアルバム・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているジャズ・シンガーVIKTORIA・TOLSTOYの4枚目のアルバムで、'01年9月6日に本国にてリリースされています。
このアルバムでのバックのミュージシャンは、RASMUS・KIHLBERG(BONNIE PINK):ドラム、JACOB・KARLZON:キーボード/ヴィブラホーン/マリンバ、MATTIAS・SVENSSON(THE CARDIGANS):ベースのスタジオ・ミュージシャンにDAVID・BJÖRKMAN・CELHAG:ヴァイオリン、HENRIK・FRENDIN:ヴィオラ、CHRISTOPHER・ÖHMAN:ヴィオラのクラシック音楽の演奏家たちが参加しています。

1曲目"We'll Be Together Again"(4:50) FRANKIE・LAINEとCARL・FISHERが '62年に書いた曲で、FRANK・SINATRAもカバーしていた曲です。このアルバムでの収録は、非常にサウンドをシンプルにしたジャズ・スタイルによるVIKTORIAのヴォーカルを含む4人の演奏です。
2曲目"Midnight Sun"(4:38) LIONEL・HAMPTONとSONNY・BURKEが '47年に書いた曲にJOHNNY・MERCERが '54年に歌詞を加え、JULIE・LONDONやSARAH・VAUGHAN達が歌った曲です。ここでの収録は、スローなサウンドにアシッド・ジャズ系の響きの怠惰なサウンドによるアレンジになっています。
3曲目"Laura"(6:06) ELLA・FITZGERALDが '64年に歌った DAVID・RAKSINとJOHNNY・MERCERが書いた曲で、オリジナル曲は、同名映画の挿入曲です。ラウンジ・ミュージックのイメージが強いVIKTORIAの歌声と3人の演奏とアドリブが随所に収録された聴き応えのあるアレンジです。
4曲目"Baby Plays Around"(3:43) スタンダード・ジャズのアルバムではめずらしくELVIS・COSTELLOの曲をカバーしています。オリジナル曲は、ELVIS・COSTELLO '89年のアルバム[Spike]に収録されています。
5曲目"Saga Of Harrison Crabfeathers"(5:02) オリジナル曲は、ブルックリンのジャズ・ピアニストSTEVE・KUHN '72年の曲です。ここでの収録はテンポを上げてマリンバの調べとベースの巧みな演奏で、スリリングな持ち味を醸し出しています。
6曲目"Blame It On My Youth"(4:08) R&BのシンガーNAT・KING・COLEが '56年に歌ったEDWARD・HEYMANと OSCAR・LEVANTの書いた曲です。そう言えばVIKTORIAと同じくスウェーデンのLISA・EKDAHLも '97年に収録しています。
7曲目"Destiny"(4:16) RICHARD・HOLLANDとROBIN・BATTEAUが 書いた曲ですが、オリジナルの収録曲は不明ですのでこのアルバムの為、新しく書かれた曲かも知れません。多分、ROBIN・BATTEAUは、日本でも人気のあったウエスト・コーストのS.S.W.DAVID・BATTEAUの兄弟でもあります。
8曲目"Peace"(6:00) 長くBlue Noteに在籍していたジャズ・ピアニストHORACE・SILVER '59年の曲です。ダブル・ベースの低く響く弦の揺れとスローなドラムのブラッシングによるサウンドが暗闇に響きます。
9曲目"Summer Night"(4:49) オリジナル曲は、'36年のミュージカルの為にHARRY・WARRENとSAMMY・CAHNによって書かかれた曲です。ここでの収録は、非常にテンポを上げたモダーン・ジャズのテイストを感じさせる洗練されたアレンジです。
10曲目"Angel Eyes"(4:58) 多くのジャズ・シンガーにカバーされているSINATRAの名曲で、'53年のMATT・DENNISとEARL・BRENTによって同年のアメリカ映画の挿入曲の為に書かれています。このアルバムでの収録は、イントロから殆んどアカペラに近いVIKTORIAの歌声に微かな演奏が収録されたアレンジになっています。
歌詞無し 写真ライナー E.U.製 (輸入盤) 収録時間:48分36秒 (デビューからこのアルバムまで、EMI Svenskaに在籍していたVIKTORIAですが、次のアルバムからドイツのATC Musicに籍を移しています)'10年9月25日再更新


INDEX   TOP

写真  VIKTORIA TOLSTOY / Shining On You
 ・2004 ATC Music + Vision GmbH    ATC 9701-2

新たなる一歩・・・

このアルバムは、スウェーデンでジャズ・ヴォーカリストとして活躍しているVIKTORIA・TOLSTOYの5枚目('96年セルフ・タイトルの国内盤は含まない)のアルバムで、本国でのリリースは '04年1月のリリースです。
レーベルをBlue Note/EMIからドイツのATC Musicに移籍してからの初アルバムで、それに伴いH.P.も一新されています。
このアルバムに参加しているミュージシャンは、BROR・FALK:ピアノ、DANIEL・KARLSSON:ピアノ、LARS DK DANIELSSON :ベース/チェロ、CHRISTIAN・SPERING:ベース、DAN・BERGLUND:ベース、WOLFGANG・HAFFNER:ドラム、JONAS・HOLGERSSON:ドラム、MAGNUS ÖSTRÖM:ドラム、NILS・LANDGREN :トロンボーン/バック・ヴォーカル/プロデュース、THE STOCKHOLM SESSION STRINGS:ストリングス、ゲストとしてTOOTS・THIELEMANSも参加しています。

尚、このアルバムは、インディペンデント・レーベルながら国内盤も制作され、本国より4カ月遅れで国内リリースもされています。
1曲目"Upside Out"(3:57) アルバム・リリース時にビデオも制作されたこのアルバムからの一押しの曲です。作曲は、故ESBJÖRN・SVENSSON、作詞は、VIKTORIAのご主人でありスケートボードの元ワールドチャンピオンで、現在はデザイナーのPER・HOLKNEKT です。
2曲目"Shining On You"(4:05) アメリカの女性シンガーが歌いそうなメロディとサウンドによる曲で、プロデューサーのNILS・LANDGRENのトロンボーンが曲の終りまで切なく響くのです。
3曲目"Summer Calling"(5:29) 流れるようなピアノの調べに乗せ歌うVIKTORIAの嬉しさが伝わって来そうな曲です。この曲の根底にある冷やかなリズムの流れは押し殺したラテンの血潮にも似たエモーショナルを感じさせます。
4曲目"Love Is Real"(5:10) 一転してスローなリズムによる曲で、VIKTORIAがしっとりと歌い上げます。曲の流れは焦らず、急がず優雅に流れDANIEL・KARLSSONの華麗なピアノ・ソロで飾られるのです。尚、この曲はESBJÖRNのE.S.T.名義 "Believe Beleft Below" としても収録されている名曲です。
5曲目"Equilibrium"(5:53) 面白いタイトルの曲ですね。作詞はストックホルム生まれのジャズ・シンガーLINA・NYBERGが書いています。週末にはジャズの生演奏がひっそりと行われている隠れ家的なクラブでの演奏が似合いそうな曲でしょうか。同名のアクション映画とは繋がりは無いと思います。
6曲目"Wake Up Song"(3:11) 水滴が水面に落ちる時の情景に似た調べを発するBROR・FALKの美しいピアノと温もりのあるCHRISTIAN・SPERINGのベースの調べが良いですね。
7曲目"No Regrets"(4:29) スペシャル・ゲストとしてハーモニカにTOOTS・THIELEMANSが参加した曲で、作詞は再びLINA・NYBERGです。霧の立ち込めるサン・フランシスコ近郊の小さなヨット・ハーバーで聴いたら似合いそうなTOOTSのハーモニカの調べです。
8曲目"Waltz For The Lonely Ones"(4:07) この曲もアメリカの女性シンガーが歌いそうなスタンダード曲的な雰囲気を持った落ち着いた曲です。VIKTORIAの歌声に続いて登場するNILS・LANDGRENのトロンボーンの長いソロの演奏が収録されています。
尚、この曲はLINA・NYBERGの '01年アルバム[Close]にも収録されています。
9曲目"Some Day"(2:29) ジャズのアルバムにしてはめずらしく2分半程度の短い曲の登場です。軽めの即興で演奏するジャズのカルテット然とした心地好いスイングにさらっと歌うVIKTORIAの歌声による箸休めへの配慮かも知れません。
10曲目"Wonder Why"(4:13) どこかで聴き覚えのあるメロディの曲ですが、作詞/作曲は故ESBJÖRN・SVENSSON('08年6月14日ダイビング事故により死亡)になっています。あくまでジャズ調で収録されていますが、ポップ調のメロディとサウンドを持っています。アレンジによっては"ガラ" っと雰囲気の違う曲になるのではないでしょうか。
11曲目"Things That Happen"(3:54) 再びESBJÖRN/NYBERGのコンビによって書かれた曲で、ESBJÖRNの華麗なピアノのメロディで展開されます。洒落た歌声を聴かせるVIKTORIAと本格的なジャズの演奏を聴かせるバック陣です。
12曲目"Foreverly"(4:44) オーバダブで収録されたVIKTORIAの歌声が幾重にも重ねられた重厚な曲です。アルバムの終焉に近づいても別れを惜しむようにVIKTORIAの歌声が流れて行きます。
4曲のみ歌詞付 ライナー無し 4折デジパック仕様 ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:51分47秒 (このアルバム以降VIKTORIAのアルバムは、ドイツのATC Musicより最新盤を含みリリースされています)'10年9月27日再更新


INDEX   TOP

写真  VIKTORIA TOLSTOY / My Swedish Heart
 ・2005 ATC Music + Vision GmbH    ATC 9705-2

スウェーデンにこだわったVIKTORIA・・・

このアルバムは、スウェーデンでジャズ・ヴォーカリストとして活躍しているVIKTORIA・TOLSTOYの6枚目('96年セルフ・タイトルの国内盤は含まない)のアルバムで、本国でのリリースは '05年3月1日リリースです。
このアルバムに参加しているミュージシャンは、VIKTORIA:ヴォーカルの他、JACOB・KARLZON:ピアノ、LARS・DANIELSSON :ベース/チェロ、PETER・DANEMO:ドラム/パーカッション、ULF・WAKENIUS:アコースティック・ギター、NILS・LANDGREN :トロンボーン/ヴォーカル/プロデュース、ALE・MÖLLER:マンドラ/フルート、CHRISTIAN・SPERING:アコースティック・ベースWOLFGANG・HAFFNER:ベース、THE BOHUSLÄN BIGBANDも参加しています。
尚、このアルバムもインディペンデント・レーベルながら国内盤も制作され、本国より1カ月遅れで国内リリースもされています。

1曲目"Grandmas Song"(4:10) 民族楽器マンドラの不思議なサウンドとフルートの調べが流れるトラディショナル曲です。アレンジは、マンドラ/フルートの演奏を行っているALE・MÖLLERにLARS・DANIELSSON、PER・HOLKNEKTとなっています。尚、この曲は、スウェーデンのジャズ・ピアニスト故JAN・JOHANSSONに捧げられています。
2曲目"Mind If I"(4:27) スウェーデンのテナー・サックス・プレイヤー故BÖRJE・FREDRIKSSONの曲で、歌詞はPER・HOLKNEKTによって書かれています。スムーズな流れのジャズの演奏に乗せて丁寧に歌うVIKTORIAの歌声が響きます。この曲は、作者の故BÖRJE・FREDRIKSSONに捧げられています。
3曲目"From Above"(4:32) ナイロン弦ギターの切ない響きと雨音のように流れるピアノの調べが悲しい曲です。ヨーロッパの旅情を想い起されるサウンドとメロディの流れが良いんですね。
4曲目"Dialogue"(3:13) プロデューサー/トロンボーンのNILS・LANDGRENとのデュエットでの歌声が心地好く響きます。尚、この曲は、故ESBJÖRN・SVENSSONとVIKTORIAのご主人PER・HOLKNEKTとの共作です。
5曲目"You Gave Me The Flow"(4:24) ベースのLARS・DANIELSSONとPER・HOLKNEKTとの共作です。やはりベースの粋な演奏とサウンドが随所に現れていますね。
6曲目"Den Första Gång"(4:39) 再びトラディショナル音楽をTHE BOHUSLÄN BIGBANDの演奏で収録しています。この曲はアレンジを行ったスウェーデンのトランペッターBENGT-ARNE・WALLINに捧げられています。
7曲目"Dannys Dreaming"(4:23) スウェーデンのサックス・プレーヤー故LARS・GULLINの曲に作詞家LINA・NYBERGか詞をつけた曲です。厳かなピアノの調べとVIKTORIAの優しい歌声が流れます。この曲は作者故LARS・GULLINに捧げられています。
8曲目"The Morning Of You"(3:26) 再び故ESBJÖRN・SVENSSONとPER・HOLKNEKTとの共作の曲です。ESBJÖRNらしいスリリングなメロディと華麗な展開を聴かせます。
9曲目"Mayday"(3:47) 一転して落ち着いたラウンジ・スタイルのジャズです。ナイロン弦ギターの心地好い響きに合わせVIKTORIAがゆったりと歌います。
10曲目"I Hope It's Spring For You"(4:43) 再び故LARS・GULLINの曲の登場です。この曲の作詞CHAN・PARKERの娘であるジャズ・シンガーKIM・PARKER (CHARLES・PARKERの娘でもあります) '82年のアルバムに収録されている曲です。曲のタイトル通り爽やかな調べがジャズ/フージョン系の演奏に乗せられています。
11曲目"Jag Vet En Dejlig Rosa"(4:56) 再びトラディショナル音楽の収録曲です。アレンジは、ギターのULF・WAKENIUSが行い、故MONICA・ZETTERLUNDに捧られています。
歌詞無し ライナー無し 4折デジパック仕様 ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:46分44秒 (アルバム・タイトル通りジャズ畑の目から見たからスウェーデンの音楽とそのミュージシャン達にスポットを当てた内容のアルバムです)'10年9月27日再更新


INDEX   TOP

写真  VIKTORIA TOLSTOY / Pictures Of Me
 ・2006 ATC Music + Vision GmbH    ATC 9712-2

3年連続リリース・・・

レーベルをBlue Note/EMIからドイツのATC Music移籍したスウェーデンのジャズ・シンガーVIKTORIA・TOLSTOYの7枚目のアルバムです。ATC Musicから3年連続してリリースしているVIKTORIAのこのアルバムは、本国で '06年9月22日のリリースになっています。
このアルバムに参加しているミュージシャンは、JACOB・KARLZON:ピアノ/キーボード、HANS・ANDERSSON:ベース、PETER・DANEMO:ドラム、XAVIER・DESANDRE・NAVARRE:パーカッション、TORE・BRUNBORG:サックス、LARS・DANIELSSON:チェロ/プロデュース、 NICOLA・BORUVKA:ヴァイオリン、BERTIL・LINDH:ヴァイオリン、HELENA・FRANKMAR:ヴァイオリン、PERNILLA・CARLZON:ヴァイオリン、ÅSA・RUDNER:ヴァイオリン、CATHERINE・CLAESSON:ヴァイオリン、CECILIA・HULTKRANTZ:ヴァイオリン、KARIN・CLAESSON:ヴィオラ、JOHANNA・FRIDOLFSSON:ヴィオラ、PER・HÖGBERG:ヴィオラ、PAULA・GUSTAFSSON:チェロ、JOHAN・STERN:チェロのスウェーデン/ノルウェー/フランスの混成チームです。

1曲目"Women Of Santiago"(3:37) メランコリッツなメロディとサウンドによるこのアルバムのプロデューサーのLARS・DANIELSSONとデンマークのジャズ・シンガーCAECILIE・NORBYとの共作です。
2曲目"Have a Good Time"(3:43) ダークなサウンドをしたダブル・ベースの爪弾きに合わせて歌うVIKTORIAの歌声が妖艶に響くジャズ・テイスト溢れる曲です。 オリジナル曲は、PAUL・SIMON '75年のアルバム[Still Crazy After All These Years]に収録されています。
3曲目"South"(4:18) 躍動感のあるピアノの調べと美しいメロディによるスケール感のある曲で、VIKTORIAの歌声も叙情的な艶を放って響きます。ピアノのJACOB・KARLZONとVIKTORIAのご主人PER・HOLKNEKTとの共作です。
4曲目"Te Amo Corazón"(3:52) 一転してメランコリックな調べによるボサ・ノヴァのリズムとフルートとサックスのデュオが流れる曲です。オリジナル曲は、PRINCE '06年のアルバム[3121]に収録されています。
5曲目"Two Sails"(3:25) 再び1曲目と同じLARSとCAECILIEのコンビによって書かれた曲です。スローなピアノの調べと溜めを取ったベースのサウンドに乗せてスモーキーなサックスが演奏される落ち着いた曲です。
6曲目"Kiss That Frog"(3:32) オリジナル曲は、PETER・GABRIEL '92年のアルバム[U]に収録されている曲で、このアルバムでの収録は、アタック音の強いピアノの旋律とエモーショナルなリズムのドラムのビートによるジャズ・アレンジで収録されています。
7曲目"Absentee"(4:12) 再び2曲目と同じメンバーによって書かれた収録曲です。ヨーロッパ映画のサウンドトラックを連想させる美しいストリングのサウンドによる抒情的な流れを感じさせるナンバーです。
8曲目"Strollin"(3:38) ダイナミックなピアノの旋律をメインとしたサウンドの流れの合わせ歌うVIKTORIAの芯のある甘い歌声が響くアドリブ/一発テイク的な収録を感じさせるナンバーです。オリジナル曲は、PRINCE '91年のアルバム[Diamonds And Pearl]に収録されています。
9曲目"Don't Make Me Wait"(4:33) R&Bの調べを非常に強く感じさせるナンバーで、ピアノのサウンドとVIKTORIAの歌声だけのシンプルな収録から後半は、ダイナミックな展開のアレンジとなっています。オリジナル曲は、ブリティシュ・ソウル・シンガーSEAL '03年のアルバム[Seal IV]に収録されています。
10曲目"Can't Help It"(4:25) 間奏でJACOBのジャジーなピアノ・ソロが流れるナンバーです。オリジナル曲は、STEVIE・WONDERと当時、STEVIEのバック・ヴォーカリストであったSUSAYE・GREENE・BROWNが '79年に書いた作品で、MICHAEL・JACKSONに提供された"I Can't Help It" 名義の曲です。
11曲目"Green Little Butterfly"(3:33) 三度LARSとCAECILIEのコンビの曲の登場です。ピアノとダブル・ベースによるシンプルな演奏によるスローなバラードです。丁寧に曲を労わるように歌うVIKTORIAの歌声が爽やかに届けられます。
12曲目"The Way Young Lovers Do"(3:14) スピード・アップしたVIKTORIAのジャズ・ヴォーカル然とした歌声と卓越したジャズメンの熱い演奏で繰り広げられナンバーです。オリジナル曲は、アイルランドのブルース・シンガーVAN・MORRISON '68年のアルバム[Astral Weeks]に収録されている曲です。
13曲目"Old And Wise"(3:34) 美しいメロディとサウンドのバラード仕立てとなったアレンジで収録された曲で、メランコリックなVIKTORIAの歌声が切な過ぎるのです。オリジナル曲は、THE ALAN PARSONS PROJECT '82年のアルバム[Eye In The Sky]に収録されています。
歌詞無し ライナー無し 3折デジパック仕様 ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:49分50秒 (アルバムのジャケット写真は、NET上で見ると写りが思わしくないのですが、CDでは彼女のイメージが少し和らいで見えます)'10年9月27日再更新


INDEX   TOP

写真  VIKTORIA TOLSTOY / My Russian Soul
 ・2008 ATC Music + Vision GmbH    ATC 9721-2

VIKTORIA自身のルーツ・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているジャズ・シンガーVIKTORIA・TOLSTOYの8枚目のアルバムです。配給は、お馴染みのドイツのATC Musicから '08年9月26日のリリースとなっています。
このアルバムに参加しているミュージシャンは、VIKTORIA・TOLSTOY:ヴォーカルの他、JACOB・KARLZON:キーボード、JOHAN・GRANSTRÖM:ベース、RASMUS・KIHLBERG:ドラム/パーカッション、JOAKIM・MILDER:サックス、NILS・LANDGREN:トロンボーン/バック・ヴォーカル/プロデュース、LELO・NIKA:アコーディオン、BO・EKLUND:ダブル・ベース、ANDERS・ROBERTSSON:チェロ、CLAES・GUNNARSSON:チェロ、LARS・MÅRTENSSON:ヴィオラ、MARIA・BORUD:ヴィオラ、PER・HÖGBERG:ヴィオラ、CATHERINE・CLAESSO:ヴァイオリン、CECILIA・HUNLKRANTZ:ヴァイオリンの前作にも増してストリングスがふんだんに加えられています。

1曲目"Home"(3:32) 切ない調べによるピアノのサウンドが流れる長いイントロに続いて登場するこれまた切ない響きのNILS・LANDGRENのトロンボーンとVIKTORIAの歌声が静かに流れるチャイコフスキーの曲です。
2曲目"Word By Word"(5:30) 一転してジャジーなサウンドにアレンジされ、英語の歌詞の加えられたチャイコフスキーの曲をVIKTORIAがそのクールな歌声を聴かせるヴォーカル曲です。
3曲目"The Curtain Falls"(2:34) 3曲続けてチャイコフスキーの曲です。この曲ではストリングスの叙情的なサウンドを展開させる戯曲的な雰囲気を伝えて来てきます。JOAKIM・MILDERのサックスとVIKTORIAの歌声との絡みも素晴らしいです。
4曲目"Little Pretty"(3:29) この曲は、誰もが知っているロシアのトラディショナル曲ですね。ピアノの伴奏とベースのソロが非常に上手く現代的にアレンジされていてぐっと聴き入りますね。
5曲目"Our Stories"(4:44) この曲は、モスクワで活躍していたS.S.W.故VLADIMIR・VYSOTSKY(ヴラジーミル・ヴィソツキー)のシャンソンです。全編に流れるデンマークで活躍中のLELO・NIKAのアコーディオンのメランコリックな調べに合わせてVIKTORIAも思い詰めたように歌います。
6曲目"Stranger In Paradise"(4:35) オリジナル曲は、ロシアの作曲家ALEXANDER・P・BORODINが1800年代に書いた曲を '53年のミュージカル[Kismet]で歌詞を加えられてら挿入歌です。この曲は多くのジャズ・シンガーにもカバーされている心地好いメロディのスタンダード曲ですね。
7曲目"You Can't Go Home Again"(3:10) オリジナル曲は、ロシア系アメリカ人の作詞/作曲家コンビDON・SEBESKYとSERGEI・VASILYEVICH・RACHMANINOFFが '77年に書いた曲で当時、トランペッター/シンガーのCHAT・BAKERがDON自身のプロデュースとピアノの演奏で収録しています。 CHAT・BAKERの曲らしくここでの収録もNILS・LANDGRENがその素晴らしいトロンボーンでの演奏を聴かせます。
8曲目"Silent Rhapsody"(6:05) ワシントン州のヒーリング系ミュージックのシンガーSUSAN・OSBORNE '02年のアルバムに収録されている曲のカバーで、オリジナル曲は、チャイコフスキーの作です。幻想的な雰囲気なサウンドによるイントロとエモーショナルなパーカッションのリズムで展開されるモダーンなアレンジで収録されています。
9曲目"Although You're Gone"(3:33) 再びロシアのトラディショナル曲に英語の歌詞を加え収録された曲です。5曲目のミュージシャン達と続きで収録されたような落ち着いた雰囲気のサウンドに再びLELO・NIKAの物凄いアコーディオンの演奏が流れて来ます。
10曲目"Our Man"(5:09) VIKTORIAの歌声のバックから響いて来る聴き慣れたNILS・LANDGRENの特徴的な気弱な歌声が響くジャジー・テイストの曲です。オリジナル曲は、'77年のソ連の映画「黒い耳の白い犬」の挿入歌に英語の歌詞をつけた曲のようです。
11曲目"No News"(4:42) この曲もトラディショナル曲の収録になっています。VIKTORIAの歌声をメインとしたバックのシンプルな演奏によるラウンジ・ミュージック的な厳かな調べを持った曲です。
12曲目"Aftermath"(4:35) アルバムの最後は、チャイコフスキーの白鳥の湖より"情景" のカバーです。ここでの収録は、大胆にロック色とベースのサウンドを強めたJACOB・KARLZONのアレンジとアグレッシヴなホーンのサウンド群から叙情的なストリングスの調べを織り交ぜながら展開されて行きます。
歌詞無し ライナー無し 限定3折デジパック仕様 ドイツ製 (輸入元販売輸入盤) 収録時間:51分43秒 (VIKTORIA自身のルーツを真っ向に捉えた今回のアルバム、日本でも相変わらず人気の為か、輸入盤の配給も東京のビデオアーツ・ミュージックが行っています) '10年4月10日再更新


INDEX   TOP

写真  VITAMIN Z / Rites Of Passage
 ・1985 GEFFEN RECORDS    GHS 24057
 ・2009 Renaissance Records    RMED-188

第2のT.F.F.としてデビューしたのですが・・・

VITAMIN Zは、Sheffield(England)で '82年にPAUL・YOUNGのライヴを見て触発されたヴォーカルのGEOFF・BARRADALEとベース/ギターのNICK・LOCKWOODが中心になって結成され、プロデューサーにROSS・CULLUM(TEARS FOR FEARS)を迎えてデビューしました。これは彼らのファースト・アルバムで '85年のリリースです。
T.F.F.のスタッフが参加して第2のT.F.F.を目指してアルバム制作を行いましたが、'89年の2枚目のアルバムをリリース後に残念ながら解散しています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GEOFF・BARRADALE:ヴォーカル、NICK・LOCKWOOD:ベース/キーボード、DAVID・RHODES:ギターのVITAMIN Zのメンバーの他、ROSS・CULLUM:キーボード/プロデュース、CHRIS・MERRICK・HUGHES:ドラム/パーカッション、JERRY・MAROTTA:ドラム/ドラム・プログラミング、PHILIP・JESSON:キーボード、RICHARD・ANDERSON:キーボード/バック・ヴォーカル、NEIL・TAYLOR:ギター、NEIL・HUBBARD:ギター、SIMON・HOUSE:ヴァイオリン、SANDY・McLELLAND:バック・ヴォーカル、ANNIE・McCAIG:バック・ヴォーカルが参加しています。

1曲目"Burning Flame"(3:49) このアルバムからの最初のシングル曲で当時のヒット曲です。幻想的な響きを持ったキーボードのサウンドからタイトなドラムのリズムに乗せGEOFFの独特のハスキーな歌声でのミドル・テンポの曲です。
2曲目"Circus Ring"(5:50) 重く響くエモーショナルなリズムとビートの曲によるエレクトロニカ・ロックです。DJ御用達のダンサブルなナンバーとして6分近くもある曲です。ギターには、DAVID・RHODES(PETER・GABRIEL,TORI・AMOS)、NEIL・TAYLOR(NEON,ROBBIE・WILLIAMS) が参加しています。
3曲目"Hi Hi Friend"(4:38) 前曲よりサウンドを明るくしてきたポップなナンバーです。メロディと歌詞の方はあまり拘らずリフレイを多用したアレンジによりスマッシュさを求めているようです。ドラムは重鎮JERRY・MAROTTAが参加しています。
4曲目"Every Time That I See You"(3:36) L.P.盤ではA面の最後に位置するスローなナンバーです。この曲でもGEOFF独特の歌声が響きます。恋人との別れを歌詞に綴った内容を切なく歌うGEOFFの歌声が曲の終わりまで続きます。
5曲目"Casablanca"(5:23) このアルバムのジャケットのイメージとなった曲とタイトルです。中近東をイメージさせるメロディとリズムによるカオス的な曲です。バイオリンにキーボード、パーカッションと入り乱れてのサウンドを展開します。
6曲目"Angela"(4:39) イントロでのNICKのベースのサウンドから"ぐっ" と捕まれた美しいメロディとサウンドによるエレクトロニカ・バラードです。NICK・LOCKWOOD、RICHARD・ANDERSON、ROSS・CULLUM(T.F.F.)の3人のキーボードの演奏の美しいこと!
7曲目"Anybody Out There?"(5:18) 再びアップテンポのロック"ン" ロールのリズムの曲です。当時の彼らのライヴでは良く演奏されたと思わせる乗りの良いサウンドとビートです。
8曲目"Something We Can Do"(5:05) イントロのキーボードでのメロディとパーカッションのサウンドから美しい曲です。少しレゲエのリズムを取り入れたサウンドとNEIL・HUBBARD(ROXY MUSIC,BRIAN・FERRY)が雰囲気もののギターを聴かせてくれるのです。
・歌詞無し L.P.盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:39分23秒 (このアルバム発売当時、国内盤CDとドイツ盤CDと後にボーナス・トラック付14曲入りCDがリリースされましたが、CD盤は、極端な品薄につき現在も海外のオークションで$150〜$250の高額で取引されています。追:'09年8月アメリカにてCD化+ボーナス・トラック付14曲入りで再リリースされました。そのレビューは、下記に追加しています)

**************************************************************************
9曲目"Burning Flame[Extended Dance Remix]"(7:01) アルバムのリリースと同時に出された12" シングル盤A面に収録されている7分01秒に延長されたヴァージョンです。
10曲目"Dancers Of Eve"(3:27) 当時のアルバムには、収録されていない未発表曲です。エレクトロニカのサウンドを中心にしたGEOFFのヴォーカル曲です。サウンド的には当時のブリティシュ・ニューウェーヴ・バンドと共通する感じですね。
11曲目"Circus Ring[Remix]"(5:50) このアルバムからシングル第2弾としてリリースされた12" single盤B面に集録されているようですが、このアルバムでは、実際2曲目と同じ5分50秒のヴァージョンです。LINK先のサンプル音源は、7:00の(Remix)にしています。
12曲目"Don't Stop(And Listen To His Music)"(3:54) この曲もアルバムに収録されていない未発表曲です。ポップなキーボードのサウンドと打ち込みのリズムによるミドル・テンポのナンバーで、GEOFFの少し枯れた歌声が響くエレクトロニカ・ポップです。
13曲目"Winds Of Change"(3:05) この曲は、少しVITAMIN Zのイメージから少し離れたところに位置するピアノ・バラードです。曲の感じはイギリスの有名バンドのHIVにて他界したヴォーカリストの歌声とサウンドの流れを感じる未発表曲です。
14曲目"Burning Flame[Dub Version]"(6:02) シングル盤"Burning Flame" のB面に収録されているGEOFFのヴォーカル部分を抜いた6分02秒のカラオケ・ヴァージョンです。
・歌詞なし 写真ライナー CD盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:67分43秒 (先にも書いていますが、オークションで$150〜$250の高額だったCDですが、今回の再発売で送料込$13.99とは嬉しい限りですね)'09年10月10日更新

**************************************************************************

・1985 GEFFEN RECORDS    0-20325

写真

Burning Flame
1曲目"Burning Flame(Extended Dance Mix)" 2曲目"Burning Flame(Dub Version)"
・歌詞無し 12" single U.S.製 (輸入盤) 収録時間14分21秒


INDEX   TOP

写真  VITAMIN Z / Sharp Stone Rain
 ・1989 Phonogram Ltd.(London)    GEFFEN 9 24186-2

T.F.F.のスタッフがサポートした素晴らしいバンドでしたが・・・

VITAMIN Zは、Sheffield(England)で、'82年にPAUL・YOUNGのライヴを見て触発されたヴォーカルGEOFF・BARRADALEとベース/ギターのNICK・LOCKWOODが中心になって結成され '85年にはプロデューサーにROSS・CULLUM(T.F.F.)を迎えて"Rites Of Passage" でアルバム・デビューしました。
このアルバムは、その4年後の2枚目のアルバムで、'89年10月10日に本国にてリリースされています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GEOFF・BARRADALE:ヴォーカル、NICK・LOCKWOOD:ベース/ギター/パーカッション、DAVID・RHODES:ギターの他、PAUL・BAVERSTOCK:ギター/パーカッション、IAN・MAIDMAN:ベース/ギター/パーカッション、VICTOR・MARTIN:キーボード、ROSS・CULLUM:キーボード、JOHN・JESSON:キーボード、JULIAN・COLBECK:キーボード、GEOFF・DUNN:ドラム、GEOFF・DUGMORE:ドラム、STEVE・FERRARA:ドラム/パーカッション、CHRIS・HUGHES:ドラム、ROLAND・KERRIDGE:ドラム、MOLLY・DUNCAN:ブラス、MARTIN・DROVER:ブラス、PETE・SMITH:ブラス、LIZZY・WELCH:バック・ヴォーカル、SANDY・McLELLAND:バック・ヴォーカルのイギリスのミュージシャン達です。

1曲目"Can't Live Without You"(4:22) タイトなドラムのリズムに乗せハスキーなGEOFFの独特の歌声が登場する乗りの良いミドル・テンポの曲で爽やかなバックコーラスも心地良いです。
2曲目"Don't Wait For Me"(4:17) エモーショナルなリズムとビートの曲で前作からの引き継いだサウンドです。この曲のベースは、IAN・MAIDMANではなくNICK・LOCKWOODが弾いています。
3曲目"Burning Flame"(4:12) '85年のアルバムにも収録されたシングルカットの曲、ビデオも制作されスマシュヒットした曲です。 幻想的なエレクトリック・ギターとキーボードの音色から入るメロディアスでダンサブルなビートですが、シンセサイザーでのブラス風のサウンド・アレンジが少し邪魔ですが、何度聴いても素晴らしい曲です。
4曲目"Wipe Your Tears"(4:38) 前作と似た中近東のメロディのイントロが特徴的でエモーショナルなGEOFFの歌声が響く曲で,後半はやはりT.F.F.に近いサウンドです。
5曲目"How Far To Queensland ?"(3:17) スパニッシュ・ギターとハンドクラップのサウンドを取り入れた異種音楽に挑戦した意欲的な曲でシンプルなスタイルです。
6曲目"Save Me"(5:02) 美しいギターの残響音とキーボードでの素晴らしい曲でビートの効いたドラムは、STEVE・FERRARA(THE SUZANNE VEGA BAND)です。
7曲目"Burn For You"(4:06) 特徴的なギターのフレーズから始まる良いリズムの曲とメロディにホーンの入り方も最高です。
8曲目"Everchanging Heart"(3:48) ホーンを入れたファンキーでダンサブルな曲で心変わりする彼女に悩まされる気持ちを歌っています。
9曲目"Can't Stop The Rivers"(4:34) アコースティック・ギターサウンドとゆったりと繰り出されるドラムのビードでのトロピカルな雰囲気のする曲です。
10曲目"Heal The Pain"(5:05) VITAMIN Zの音楽を良く表した曲です。ダイナミック、ワイルド、エキゾチック、エモーショナルを全て合わせ持つ曲。風景で例えるなら砂漠に吹き荒れる砂嵐のイメージでしょうか。ジャケットから想像して下さい。
11曲目"Run For You"(4:17) 爽やかなメロディアス・パワー・ギター・ポップスでバックコーラスのLIZZY・WELCH、SANDY・McLELLANDの歌声に支えられてGEOFFが歌います。
全11曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:47分42秒 (このアルバムをもってVITAMIN Zは解散するのですが、NICK・LOCKWOODは、現在も新グループLAZENBYで活躍中でMySpaceで紹介されています)'10年9月28日再更新


INDEX   TOP

写真  WAVER / Waver
 ・2006 Grube Media Group AB.    GMG 002

JOSIEが帰って来ました・・・

スウェーデンのストックホルムで活躍している男女デュオ・ユニットWAVERの '06年11月にリリースされた2枚目のアルバムです。前作のアルバム詳細は、不明ですが '04年にWAVER名義にて、EP盤と共に本国のみリリースされているようです。
WAVERは、JOSEFINA・ANDERSSON(ヴォーカル/ギター)、ANDREAS・ALFREDSSON・GRUBE(ギター/ヴォーカル)の2人が中心となったユニットで、このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、OLLE・DAHLSTEDT:ドラム、FREDRIK・BERGENSTRÅHLE:ベース、PER・WASBERG:ベース、ELLEKARI・LARSSON:ポンプ・オルガン/バック・ヴォーカル、JONAS・WALL:ホーン、JONAS・LINDEBORG:ホーン、PONTUS・FRISK(ESKOBAR,FRIDA・SNELL):各種楽器/プロデュースのスウェーデンのミュージシャン達が参加しています。
印象的なジャケット写真は、ロシアのアンダー・グランド写真家でスウェーデン在住のNATHALIA・EDENMONTのポートレート「Lucifer」です
尚、JOSEFINA・ANDERSSONは、'01年にJOSIE名で本国より先に日本でデビューしています。

1曲目"Zero"(4:55) 長いANDREASのギターとドラムのビートによるイントロに続いて登場するJOSEFINAの少し哀愁を感じる歌声が流れるオルタナティヴ・ギター・サウンドの曲です。
2曲目"Is This Love"(3:58) 本国でシングル・カットされたこのアルバムからのキラー・チューンです。デビュー当時は、あどけなさの残る17歳だったJOSEFINAもこのビデオ・クリップでは、GIBSONのES-335を下げて妖艶な容姿と歌声で登場しています。
3曲目"Sleep Town"(3:25) WAVERと同じくスウェーデンで活躍しているMONICA・STARCKのサウンド・スタイルに似たミドル・テンポのナンバーです。時折美しいファルセット・ヴォイスを聴かせるJOSEFINAの歌声によるギター・ポップです。
4曲目"Times Like This"(4:16) エモーショナルなドラムのビートとギターのサウンドによるエモ・ギターを聴かせる曲です。また、サビの部分で聴かせるJOSEFINAの美しいハーモニーも聴き応えあり。
5曲目"Amoeba(Slow down)"(4:56) この辺りでスローな曲が登場してきました。最初に聴いた時からイントロのホーンのサウンドとメロディから参ってしまった曲です。切ないJOSEFINAの歌声とメランコリックなメロディは、一度聴いたら忘れられないほど心に響きます。
6曲目"Too Late"(3:28) この曲も本国でシングル・カットされている曲です。アメリカの女性シンガーの歌うサウンド・スタイルに似た親しみやすいメロディとサウンドを感じさせる曲です。サビの部分などは聴き終えた後も、つい口ずさんでしまうほどのイヤー・フレンドリーと言いましょうか...。
7曲目"Explode With Me"(3:55) このH.P.で度々取り上げたビデオ・クリップが"クール" なキラー・チューンです。イントロのサウンドから興味深く聴き入ってしまうフックさを持っています。JOSEFINAとANDREASがお揃いのギターを下げて登場するビデオ・クリップをお楽しみに! 面白いことにWAVERのビデオには2人同時に同じシーンに登場ない流儀でもあるのでしょうか。
8曲目"Always Alone"(3:22) この曲のサウンドとメロディは少しCROWDED HOUSEの持つ雰囲気に通じるところを感じます。バックでスライド・ギターによるスリリングなサウンドを聴かせるANDREASのサポートが良いですね。
9曲目"Let It All Come Out"(4:19) オルタナティヴに発するギターの刻み音とエモーショナルなドラムのビートによるミドル・テンポのエモ・ギター・サウンドの曲です。このアルバムでは少し控え目だったANDERSのヴォーカルも途中よりしっかりと登場していますね。
10曲目"Bombs"(3:26) '01年のJOSIEのサウンドに戻ったような感じを受けるシンプルな曲です。殆どアカペラに近いJOSEFINAの歌声と少しだけのバック・ミュージックで収録されています。ANDERSのゆったりと響くハーモニーと北欧系の透明感のあるサウンドが流れて行きます。
全10曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:40分02秒 (残念ながらこのWAVERのアルバムは、国内で入手出来ないのですが、女性ヴォーカルによるギターのサウンド好きとっては貴重な1枚になるでしょう)'10年9月30日再更新


INDEX   TOP

写真  WAX / Magnetic Heaven
 ・1986 RCA/Ariola Limited    PL70937

故ANDREW・GOLD氏に捧げる・・・

このアルバムは、カリフォルニア出身のS.S.W. ANDREW・GOLDとマンチェスター出身のGRAHAM・GOULDMAN(10CC)が、ANDREWに一緒に曲を書かないかとイギリスのGRAHAMの自宅に誘った事から始まったユニットWAXの '86年にリリースされた1枚目('84年の[Common Knowledge.com]は含まない)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ANDREW・GOLD:ヴォーカル/ギター/キーボード/ドラム/プログラミング、GRAHAM・GOULDMAN:ヴォーカル/ギター/ベースのWAX 2人による収録です。
尚、プロデュースは、ANDREWとGRAHAMの2人に加え曲によりPHIL・THORNALLEY(元THE CUREのベーシスト)が担当しています。

1曲目"Right Between The Eyes"(4:08) のっけから明るいサウンドと歯切れの良いギターのリズムによるポップ色溢れる曲です。当時のビデオには面白いことにANDREWがベースでGRAHAMがギターを提げて登場していますね。
2曲目"Hear No Evil"(4:17) 打ち込みと電子サウンドを全面に出して来たエレクトロニカ・ポップな曲です。ヴォーカルをGRAHAMとANDREWと交互に執りながら展開されるサウンド的には、GO WESTの持つイメージに近いかな。
3曲目"Shadows Of Love"(4:31) この曲もリズムの流れとメロディの美しい曲です。メイン・ヴォーカルは、ANDREWでしょうか西海岸風の乾いた彼の歌声に非常にGRAHAMらしいメロディアスな美しいサウンドの見事な融合です。
4曲目"Marie Claire"(4:39) 今度は、GRAHAMのヴォーカル曲の登場です。ベースの調べに乗せ淡々歌うGRAHAMとバックで情熱的な歌声を聴かせるANDREWとの対照的な2人のイメージが印象的です。
5曲目"Ball And Chain"(4:35) 重いシンセサイザーのサウンドが広がるイントロから展開される中東的エスニックの雰囲気を感じさせるプログレシッヴ・ロック色の強い曲です。途中より登場するラップによるヴォーカル・パートとなど意表をつくアレンジなど凝った作りを感じます。
6曲目"Systematic"(4:18) 弦を目一杯弾くように鳴るベースの調べとエレクトロニカのサウンドを全面に出したテクノポップな曲です。多分、このアルバムをリリースする前までのGRAHAMとANDREWのイメージからは、想像できないサウンドですね。
7曲目"Breakout"(4:19) LP盤のB面曲は、全てPHIL・THORNALLEYのプロデュースとなっているのですが、この曲もエレクトロニカ・ダンス・ミュージックと言えるサウンドを目一杯聴かせる曲でPHIL好みの曲ですね。
8曲目"Only A Visitor"(5:00) このアルバムで1番好きな曲の登場です。泣きのキーボードの調べとセンチメンタルさを引き摺るベースの調べが堪りませんね。このサウンドの美しさは、10CCのあの名曲に引けを取らないのではないでしょうか。
9曲目"Rise Up"(5:29) この曲もエレクロニカ・ポップ色の強い曲でメイン・ヴォーカルは、非常にエコーを効かせたANDREWの歌声が流れています。5分を超える長尺の中に様々な楽器の演奏を交えたアレンジが圧巻です。
10曲目"Magnetic Heaven"(3:30) 電子サウンドとドラムのビートによるインストゥルメンタルです。ハモンドの音色やサンプル音楽も登場して流されて行くART OF NOISEを意識させる曲です。
歌詞無し LP盤 ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:44分49秒 (このレビューを2011年6月3日に急死した故ANDREW・GOLD氏に捧げます)'12年12月15日更新
1986年度ベスト5


INDEX   TOP

写真  WAX / American English
 ・1987 RCA(UK) Limited    pl 71430

相乗効果を感じさせる・・・

このアルバムは、カリフォルニア出身のS.S.W.ANDREW・GOLDとマンチェスター出身のGRAHAM・GOULDMAN(10CC)がANDREWに一緒に曲を書かないかとイギリスのGRAHAMの自宅に誘った事から始まったユニットWAXの '87年にリリースされた2枚目('84年Common Knowledge.com]は含まない)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ANDREW・GOLD:ヴォーカル/ギター/キーボード/ドラム/プログラミング、GRAHAM・GOULDMAN:ヴォーカル/ギター/ベースの他、PHIL・PALMER:ギター、ADRIAN・LEE:キーボード、WIX:キーボード、CHRISTOPHER・NEIL:バック・ヴォーカル/プロデュース、PETER・VAN・HOOKE:ドラム/ドラム・プログラミング、PAUL・CARRACK:バック・ヴォーカル、TESSA・NILES:バック・ヴォーカル、JACKIE・RAWE:バック・ヴォーカル、LORNA・WRIGHT:ヴォイス、RAISSA・DANILOU:ヴォイス、KYOKO・ONO:ヴォイス、RUTH・CUENCA:ヴォイスの今回は、外部のミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、ANDREWとGRAHAMの2人に加え、SHEENA・EASTONやCELINE・DIONのアルバムを手掛けたイギリスの音楽プロデューサーCHRISTOPHER・NEILが担当しています。

1曲目"American English"(4:25) 相変わらずのっけから明るいサウンドと歯切れの良いリズムを聴かせますね。ドラム・プログラミングによる打撃音と電子音を奏でるキーボードのサウンドを目一杯に広げたポップ色の非常に強い曲です。
2曲目"In Some Other World"(4:45) GRAHAMとANDREWとの音楽が相乗効果を感じさせる10CCの曲やウエスト・コースト・ミュージックの持ち味とは一味も二味も違うエレクトロニカ・ポップな曲調を感じます。
3曲目"Ready Or Not"(3:31) 前の曲のエンディングが唐突に入る非常にメロディアスな流れとサウンドを聴かせるGRAHAMらしい彼のヴォーカル曲です。この曲では、10CCでの凝ったサウンド・アレンジや残響音の奥行への広がり感が素晴らしい共通性を持っています。
4曲目"Call It Destiny"(4:03) 今度は、打撃音と歯切れ良いリズムを多用したANDREWのヴォーカル曲の登場です。シングル曲としてこのアルバムからリリースされていないのですが、キャッチーさや耳当りの良いサウンドの流れを持っています。
5曲目"Bridge To Your Heart"(4:14) 80年代のイギリスのシンセ・ポップの多くのバンドのサウンドと共通性を強く感じさせる曲です。細かくリズムを刻むキーボードの電子サウンドにシンセサイザー・ベースのサウンドが底辺の広がるこの曲もポップさに溢れています。
6曲目"Share The Glory"(3:56) このアルバムの収録曲中では、ロック色の強い曲の登場です。重い調べを奏でるシンセサイザーのサウンドとタイトなドラムのリズムによるダイナミックなサウンドを聴かせます。
尚、この曲は、ギターで参加しているセッション・ギタリストPHIL・PALMERと多くのアルバムの収録に参加しているキーボーディストPAUL・BLISSとの共作による曲で、S.S.W.GRAHAMとANDREWのコンビにしては、他の人の曲を収録するのは、めずらしいですね。
7曲目"Alright Tonight"(4:14) トロピカル・ムードが広がる心地好いリズムの流れに乗せて「俺たち、今夜 気分良いのさ!」って感じに本当に気持ち良く歌うANDREWのヴォーカル曲です。シンプルなコード進行や分かり易い歌詞など音楽を聴きながら一緒に歌っても楽しいじゃないかな。
8曲目"The Promise"(3:14) この曲は、10CCやGRAHAMの持ち味が非常に直に感じさせる彼らしい曲です。捻りを持たせたメロディの流れや中東音楽や中世バロック音楽のイメージをこの1曲にぎゅっと詰め込んだ手際の良さを非常に感じます。
9曲目"Heaven In Her Bed"(4:36) 女性ヴォーカルをバックに従えたスタイリッシュなサウンドを聴かせる粋な曲です。例えるならROBERT・PALMERやBRYAN・FERRYの曲のような感じかな。
10曲目"Bug In The Machine"(4:21) スピード感を持ったダンス・ビートやエレクトロニカ・ポップ色を感じさせるGRAHAMのヴォーカル曲です。LINNドラムや打ち込みのサウンドを多用したこの曲も2人の過去の作品から非常に違った所まで到達したような感じがしますね。
全10曲歌詞付 LP盤 ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:41分19秒 (好みが非常にはっきりと二分されるこのWAXですが、このアルバムも含みANDREW・GOLDとGRAHAM・GOULDMANの作りたかった音楽が目一杯詰め込まれています)'13年1月26日更新


INDEX   TOP

写真  WAX / A Hundred Thousand In Fresh Notes
 ・1989 BMG RECORDS    R32P-1213

何故か再リリースされていない・・・

前作[American English]から2年後にリリースされたWAXの3枚(リリース順[Common Knowledge.com]は含まない)のアルバムで '89年11月21日に国内でのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ANDREW・GOLD:ヴォーカル/キーボード/ギター/ドラム・プログラミングパーカッション、GRAHAM・GOULDMAN:ヴォーカル/ギター/ベース/パーカッションの他、STEVE・FERRARA:ドラム、GARY・MAUGHN:フェアライト、SCOTT・HANDY:サックス、DAVE・STUART:キーボード、JUDD・LANDER:バグパイプ、CHRIS・THOMPSON:バック・ヴォーカル、MIRIAM・STOCKLEY:バック・ヴォーカル、MR.MAGIC:ラップ、JOHN・CAMERON:指揮/ストリングス・アレンジのイギリスで活躍しているミュージシャン達が参加しています。
プロデュースは、PETER・COLLINS(GARY・MOORE,RUSH)と曲によりGRAHAM・GOULDMANANDREW・GOLD自身でも行っています。

1曲目"Anchors Aweigh"(6:13) 1分を越えるシンセサイザーでのイントロからタイトなドラムにビートによるGRAHAMのヴォーカル曲です。GRAHAMらしいポップ調のロックのリズムにキャッチーな口笛に似せたキーボードのサウンドが爽やかに響きます。また、ハードなロックの一面も持った6分を超える曲です。
2曲目"Wherever You Are"(3:26) GRAHAMのヴォーカル曲でトロピカル調のカリンバのビートと2人の美しいハーモニーによる曲です。この曲は、ASIA/AURAが '01年にカバーしていて彼ら好みのダイナミックな展開も持ち合わせています。余談ですが、NEIL・FINNの同名タイトルとは別曲です。
3曲目"Railroad To Heaven"(3:42) 一転してファンクなエレクトロニカ/ダンス・ビートの曲です。まるでE.W.&F.かKOOL & THE GANGのようです。
4曲目"He Said She Said"(3:58) 2人の作曲の素晴らしさを思い知らされる曲です。ポップでありながらメロディの流れが緻密で1曲の中に数々のサウンドが凝縮されています。
5曲目"Spell On You"(4:09) タイトなドラムのビートによるポップ調の曲で、レゲエのリズムをさらっとブレンドした10CCのサウンドに通じるものを感じます。GRAHAMより少しキーの高いANDREWのヴォーカルです。
6曲目"Don't Play That Song"(4:25) 女性バック・ヴォーカルの入ったANDREWのヴォーカル曲で、アメリカのサウンドのする曲です。ANDREWのギターから繰り出される美しい響きが心地好いです。
7曲目"Pictures Of Paris"(3:23) やはり曲のタイトルの持ち味を出す為にアコーディオンの音色をたっぷり響かせたメロディのパリの情景を歌詞に綴ったANDREWのヴォーカル曲です。
8曲目"Maybe"(4:24) ANDREWのヴォーカル曲が続いたので今度は、GRAHAMのヴォーカル曲です。ミドル・テンポのロックのリズムにANDREWの芯のある歌声によるハーモニーと間奏でのシンセのサウンドも素晴らしいです。
9曲目"Madeleine"(5:11) 打込みによるリズムとヴォイス・ボックスを使ったエレクトロニカのサウンドの曲です。10CCで聴かせた定番のGRAHAMの低音の歌声も披露しています。
10曲目"Credit Where Credits Due"(5:17) 前の曲から自然と繋がってくるラップの曲です。自分達の紹介を織り交ぜながら繰り出される言葉の数々と、このアルバムの曲のサンプルを挟みながら収録されています。ラップはMR.MAGICが行っています。
RAP以外9曲歌詞/訳詞付 24ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:44分11秒 (このアルバム迄の2枚は、CDで再リリースされていますが、このアルバムは、どうも忘れられているようです!)'10年9月30日再更新


INDEX   TOP

写真  WAX / Common Knowledge.com
 ・1998 For Your Love Records    FYL CD11

'84年のリリースされなかった幻のデビュー盤です・・・

このアルバムは、WAXの前身COMMON KNOWLEDGEと名乗っていた頃の '83/84年に制作されたにも関わらずリリースされなかった幻のデビュー盤で、ANDREW・GOLDのH.P.でプライペートカセットテープとして '97年に紹介されたものにボーナストラック(*はオリジナル盤に収録されていない新曲/未収録曲)を追加して翌 '98年にリリースされたアルバムです。
WAXは、カリフォルニア出身のANDREW・GOLD(ハリウッドの映画音楽家の故ERNEST・GOLDとNATALIE・WOODの歌の吹き替えをしていた歌手MARNI・NIXONとの間に生まれました) とマンチェスター出身のGRAHAM・GOULDMAN(元10CC)が、ANDREWに一緒に曲を書かないかとイギリスのGRAHAM の自宅に誘った事から始まったユニットです。このアルバムは、'83年の7ヶ月に渡ってGRAHAMの自宅で制作されました。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ANDREWとGRAHAMの2人の他、詳しいクレジットの記載がない為、不明です。

1曲目"Shanghai Moon*"(5:34) STEPHEN・BISHOPとANDREWとGRAHAMとの共作です。GRAHAMのヴォーカル曲で恐怖心を誘うようなキーボードのサウンドとドラムプログラムによるビートでのエレクトロニカです。
2曲目"Sometimes*"(3:51) 美しいギターのサウンドでの曲でGRAHAMのヴォーカル曲です。この人の書く曲は本当に素晴らしいものがあります。
10CC時代はベースを弾いて低音の担当のヴォーカルばかりと誤解していましたが中々の美声の持ち主とWAXのその他のアルバムで認識しました。
3曲目"First Time In Love*"(3:41) アメリカンサウンドたっぷりに鳴る12弦アコースティック・ギターによるポップな曲でANDREWのヴォーカル曲です。回顧的に歌われる恋をテーマにした曲です。
4曲目"Victoria"(4:12) エレクトロニカのサウンドを主体としたANDREWのヴォーカル曲です。非常に美しいハーモニーがエコーするミドル・テンポのビートニクに受けそうな曲です。
5曲目"Don't Break My Heart"(3:12) ギターのカッティングサウンドを強調した60年代のエレクトロニックギターサウンドのような曲でハーモニーの付け方も何か懐かしい感じです。
6曲目"Let's Have Some Lunch Sometime"(3:38) ニューウェーブでしょうか、テクノ的な機械的サウンドとメロディでの曲です。随所にANDREWのギターソロを入れています。
7曲目"King Of Showbiz"(4:22) ピアノのサウンドを主体とした曲でショービジネスに対しての強烈な皮肉を歌った曲です。
8曲目"Holiday"(4:45) 10CCのサウンドを受け継いだポップな曲で途中からファンカ・ラティーナのリズムと変化します。様々な曲の要素を取り入れたANDREWとGRAHAMのおもちゃ箱をひっくり返したような感じです。
9曲目"Big Brother"(2:57) ギターのサウンドとビートの効いたリズムによる乗りの良い曲です。実現しないでしょうが、ライヴで受けるナンバーです。モジュレーターを通したヴォーカルを取り入れています。誰かがカバーで歌っていたと思いますが確認出来ません。
10曲目"Separate Limos"(4:54) 一転してシリアスなイメージの曲です。ドラムプログラミングによるサウンドと多重による2人のコーラスによる手作り感のある曲です。Limosとはリムジンの事です。
11曲目"All Over You"(4:25) 70年代のBILLY・JOELが好んで演っていたドゥワップのリズムの曲でピアノのサウンドとハーモニーにも通じるものが有ります。
12曲目"J.B.In Arabia"(4:24) 英国のスパイ映画テーマソングのようなイントロがご愛嬌です。J.B.のイニシャルで直ぐに分かりますね。洒落っけたっぷりにGRAHAMは10CC時代の低音の魅力のヴォーカルスタイルに戻っています。
13曲目"One More Heartache"(5:02) MARVIN・GAYE '66年の曲で打ち込みのビートとエレクトロニカのサウンドヘと模様替えされANDREWがヴォーカルをとります。
14曲目"Big Fat Baby"(3:17) ファンクなリズムにソウルな歌声による曲です。重厚なギターのサウンドとポルカ風な曲調の部分を持った何でもあり的な曲です。
15曲目"Heartbeat To Heartbeat*"(3:59) '84年の未収録曲です。アップテンポのビートによるポップな曲でANDREWのヴォーカル曲です。何処となくKENNY・LOGGINSのサウンドスタイルに似た曲でロックロックした曲です。
歌詞無し 写真ライナー U.K.製 (輸入盤) 収録時間:62分35秒 (このアルバムのほか未発表曲を収録した[Bikini] 何んと31曲入りもリリースされています)'10年9月30日再更新


INDEX   TOP

写真  WET WET WET / Popped In Souled Out
 ・1987 Phonogram Ltd.(London)    JWWWL 1(832 726-1)

バンド復活のブームを受けて・・・

このアルバムは、スコットランド最大の都市グラスゴー出身のブルー・アイド・ソウル/ロック・バンドWET WET WETの '87年9月28日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
WET WET WETのメンバーは、GRAEME・CLARK:ベース/ヴォーカル、TOMMY・CUNNINGHAM:ドラム/ヴォーカル、NEIL・MITCHELL:キーボード/ヴォーカル、GRAEME・DUFFIN(非公式):ギター、MARTI・PELLOW:ヴォーカルの5人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DAVID・BITELLI:サックス、NEIL・SIDWELL:トロンボーン、PAUL・SPONG:トランペット、STEVE・SIDWELL:トランペット、BILL・INNES:テナー・サックス、BOB・SYDOR:サックスのブラス・セクションの演奏者達です
尚、プロデュースは、BLOW MONKEYSのアルバムなどを手掛けたAXEL・KRÖLL、KYLIE・MINOGUEのアルバム収録に参加しているMICHAEL・BAKERや同じくKYLIE・MINOGUEの曲を作曲したWILF・SMARTIESとWET WET WETのメンバーとの共同で行われています。

1曲目"Wishing I Was Lucky"(3:50) アカペラによる美しいコーラスから入るご機嫌なポップ・チューンです。ソウルフルなMARTI・PELLOWの歌声をメインとしたコーラスの豪華さやご機嫌なベースの旋律に途中で音程を上げるアレンジなど1曲目から聴き応えのある曲です。
尚、この曲は当時のUKシングル・チャート6位を記録しています。
2曲目"East Of The River"(3:24) ホーンのサウンドを加えたテンポの良い流れを感じさせる曲です。チョッパー・ベースのファンクな響きにストリングスの調べも加えてスピード上げて流れ去って行きます。
3曲目"I Remember"(4:44) イントロから色々な打楽器が打ち鳴らされるトロピカルなムードを感じる曲です。カリプソ音楽からの影響を感じさせる心地好いリズムとサウンドを感じながらこのアルバムを楽しむことにしましょう。
4曲目"Angel Eyes(Home And Away)"(5:13) さてWET WET WETの十八番であるバラッドの登場です。バックで響く重厚なストリングスの調べに合わせて甘い甘い歌声をスムーズに聴かせるMARTIです。
尚、この曲もイギリスでヒットし、当時のUKシングル・チャート5位を記録しています。
5曲目"Sweet Little Mystery"(3:43) LP盤ではB面の1曲になるこの曲もポップなサウンドとリズムをダイレクトに伝える曲です。このバンドの特徴であるアメリカ南部のソウルさを織り交ぜた曲な流れを強く感じますね。
6曲目"I Don't Believe(Sonny's Letter)"(4:39) この曲も美しいアカペラを最初から聴かせる曲です。もうここまで来るとイギリスのバンド、特に北部スコットランド出身と思えないバンド名とは正反対の「乾き」ぶりです。
7曲目"Temptation"(4:59) ダイナミックな調べを聴かせるピアノの調べをオープニングに持って来たゴスペル調の曲です。お決まりのハモンドB-3の響きと重厚なコーラスなどこのバンドは、メンフィス辺りの音楽をお手本にしていますね。
8曲目"I Can Give You Everything"(4:05) この曲からテンポを上げて来てエレクトロニカ・ダンス・ミュージックの域に入るご機嫌な乗りを与えてくれます。ソウルにまた、時におどけて聴かせるMARTIの卓越した歌ぶりにバックのご機嫌な演奏で繰り広げられるご機嫌な流れです。
9曲目"The Moment You Left Me"(5:02) さてアルバムの最後はゴスペル調のサウンドとリズムの曲の登場です。この曲からも本格的なゴスペル/メンフィス音楽を聴かせるWET WET WETは、翌年テネシー州メンフィスに出向き、このアルバムの数曲を再収録しています。
全9曲歌詞付 LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:39分39秒 (このアルバムでデビューしたWET WET WETは、活動10年にてバンドを解散したのですが、バンド復活のブームを受けて '07年に再結アルバム[Timeless ]をリリースしています)'13年1月12日更新


**************************************************************************

・1987 Nippon Phonogram Co.,Ltd. 15PP-68

写真

Wishing I Was Lucky
1曲目"Wishing I Was Lucky" 2曲目"Words Of Wisdom"
3曲目"Wishing I Was Lucky(Long Version)" 4曲目"I Still Can't Remember Your Name"
1曲目のみ歌詞付 12インチ盤 (国内盤) 収録時間--分--秒


・1987 PHONOGRAM LTD.(LONDON) JEWELL 412

写真

Sweet Little Mystery
1曲目"Sweet Little Mystery(12" Version)"
2曲目"Don't Let Me Be Lonely Tonight" 3曲目"World in Another"
歌詞無し 12インチ盤 (輸入盤) 収録時間--分--秒


INDEX   TOP

写真  WET WET WET / Holding Back The River
 ・1989 PHONOGRAM LTD.(London)    842 011-1

しっとりと聴かせる余裕・・・

このアルバムは、スコットランド最大の都市グラスゴー出身のブルー・アイド・ソウル/ロック・バンドWET WET WETの '89年10月30日に本国でリリースされた3枚目のアルバムです。
WET WET WETのメンバーは、GRAEME・CLARK:ベース/ヴォーカル、TOMMY・CUNNINGHAM:ドラム/ヴォーカル、NEIL・MITCHELL:キーボード/ヴォーカル、GRAEME・DUFFIN(非公式):ギター、MARTI・PELLOW:ヴォーカルの5人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LUIS・JARDIN:パーカッション、RICK・TAYLOR:トロンボーン、NEIL・SIDWELL:トロンボーン、PAUL・SPONG:トランペット、STEVE・GREGORY:バリトン/テナー・サックス/フルート、RICHARD・NILES:ストリングス・アレンジ、ANN・DUDLEY:ストリングス・アレンジ、THE REGGAE PHILHARMONIC ORCHESTRA:ストリングス、STEVE・SIDWELL:トランペット、のブラス・セクションとストリングスの演奏者達です
尚、今回のプロデュースは、WET WET WET自身で行っています。

1曲目"Sweet Surrender"(6:01) 心地好いリズムを奏でるトロピカルなパーカッションの響きと重いベースの調べが融け合うミディアム・テンポの曲です。めずらしく1曲目から飛ばし気味で攻めるのでは無く、しっとりと聴かせる余裕や懐の深さを感じさせるナンバーになっています。
2曲目"Stay With Me Heartache(Can't Stand the Night)"(4:10) 今度は、軽めのレゲエのリズムを取り入れた乗りの良さを感じさせる曲です。ヴォーカルのMARTIもその得意のソウルフルの歌声で聴かせるのでは無く、さらっとした歌声と仲間とのコーラスを重視した流れで後半にはポップ/ロックとしたサウンドを聴かせます。
3曲目"Blue For You"(4:52) 何かイントロからサスペンス映画の音楽のような重々しさを感じさせる曲です。オーケストラの調べに乗せてメランコリックな色合いを綴るMARTIの歌声と肩を落とさせるリズムの流れを聴かせます。
4曲目"Broke Away"(4:46) 前の曲から自然に繋がるオーケストラの調べを使ったこの曲もWET WET WETの十八番であるバラッドです。しかし全体のサウンドは、メルヘンチックな方向へ変え故郷スコットランドの童話が持つイメージを感じます。
5曲目"You've Had It"(5:12) この曲では、電子サウンドと打ち込み風のリズムのサウンドを聴かせる尖ったイメージを感じさせる曲です。当時のイギリスのモダーンなニュー・ウェーヴを直に感じさせるサウンドやリズムによる展開や広がりを持っています。
6曲目"I Wish"(5:04) ハモンドのサウンドにアコースティック・ギターで聴かせるまた少し方向を変えて来たナンバーです。後半からは、メロディアスな流れとお得意のゴスペル調のサウンドも登場してホーンもたっぷりと響かせたダイナミックな広がりに包まれます。
7曲目"Keys To Your Heart"(4:23) この曲も基本はゴスペル/ブルース調の曲です。熱いサックス・ソロにMARTIがソウルフルに歌い上げるこのバンドの定番曲的なナンバーと言えるナンバーであり、このバンドの曲の強いイメージを与える曲でもあると思います。
8曲目"Maggie May"(6:03) マンドリンやアコースティック・ギターのサウンドを取り入れたフォーク/ロック調の曲です。間奏で登場する官能的なGRAEME・DUFFINのアコースティック・ギターでのソロが非常に感じさせますね。
尚、オリジナル曲は、'71年ROD・STEWARTの全英/全米1位になった大ヒット曲です。
9曲目"Holding Back The River"(4:46) この曲も非常にゴスペル/メンフィス調のサウンドとリズムを聴かせるブルースです。ピアノ、ウッド・ベース、ドラムにホーンで演奏される本格的なブルースは、やはり前作がメンフィス収録での成果があったからでしょうか。
全9曲歌詞付 LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:45分17秒 (今、懐かしく80年代後半のこのアルバムを聴いていたのですが、このWET WET WETも本国では、今も根強いファンが多いようですね)'13年1月19日更新


INDEX   TOP

写真  WET WET WET / High On The Happy Side
 ・1991 PHONOGRAM LTD.(London)    PHCR-15

ボーナス・トラック満載の・・・

このアルバム発売当時、イギリスで絶大な人気を誇ったグラスゴー出身のWET WET WETの5枚目('90年のライヴ盤を含む)のアルバムで、本国でのリリースは、'92年1月となっています。今回取り上げたアルバムは、NIPPON PHONOGRAM CO.,LTD.より国内向けにリリースされたボーナス・トラック3曲を含む国内盤をレビューしています。
WET WET WETのメンバーは、GRAEME・CLARK:ベース/ヴォーカル、TOMMY・CUNNINGHAM:ドラム/ヴォーカル、NEIL・MITCHELL:キーボード/ヴォーカル、GRAEME・DUFFIN(非公式):ギター、MARTI・PELLOW:ヴォーカルの5人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、WET WET WETのメンバーの他、DONAL・LUNNY:ブズーキ、LENNY・CASTRO:パーカッション、DAN・HIGGINS:サックス、BILL・REICHENBACH:トロンボーン、GARY・GRANT:トランペット、JERRY・HEY:トランペット、FIACHRA・TRENCH:ストリングス・アレンジ、PAUL・BUCKMASTER:ストリングス・アレンジの有名ミュージシャンも参加しています。
尚、プロデュースは、WET WET WETとAXEL・KRÖLL(DR. ROBERT,TINA B)とALBHY・GALUTEN(DIANA・ROSS,KENNY・ROGERS)と共同で行われています。

1曲目"More Than Love"(4:24) メロディアスなアコースティック・ギターとピアノの旋律によるイントロが印象的なゴスペル・ソングをベースにした曲です。サビの部分との谷間のパートではいつものMARTI・PELLOWの少し切なさ感じさせる歌声も響いています。
2曲目"Lip Service"(4:58) デビュー・アルバムから聴かせるメンフィス調のサウンドとブラスの音色による曲です。ここでの収録は少しブラッシュ・アップしてリズムの展開などはHIP・HOPの要素も感じさせます。作曲家/プロデューサーでもあるAXEL・KRÖLLの書いた曲です。
3曲目"Put The Light On"(3:59) 少しトラディショナル・テイストを感じさせるサウンドの曲です。アコースティック・ギターを数本使っての収録に美しいハーモニーを展開させています。
4曲目"High On The Happy Side"(4:39) この曲は、何度聴いてもイントロから聴き入ってしますスロー・ビートの名曲です。MARTIの温もりのある優しい歌声とGRAEME・DUFFINのギターが最後まで響く再びAXEL・KRÖLLの書いた曲です。
5曲目"Maybe Tomorrow"(4:20) レゲエとソウル・ミュージックの持つエモーショナルさ上手く融合させたメロディとサウンドの曲ですね。MARTIのヴォーカルを前面にバックには、美しいコーラスを配したアカペラにしたアレンジでも十分の聴き応えを感じさせます。この曲もAXEL・KRÖLLの書いた曲です。
6曲目"Goodnight Girl"(3:41) デビュー・アルバムの収録曲"Angel Eyes" とこのアルバム以降から顕著に登場してきたストリングスの重厚なサウンドで展開させるサウンドトラック的な曲です。収録ではメンバー全員とギターのGRAEME・DUFFINを交えたヴォーカル曲に徹した感があります。
7曲目"Celebration"(2:51) 素早く弾かれるアコースティック・ギターのサウンドに乗せて歌うMARTIが心地好く流れるアコースティック・サウンドの曲です。この曲でもやはり美しく聴かせるハーモニーが彼らのうりですね。
8曲目"Make It Tonight"(4:06) イントロに軽く打ち込みのリズムをアレンジに加えて流れて来るゴスペル/ソウルな曲です。低く響くベースのサウンドと力強さを感じさせるドラムのビートによる"応援歌" って感じかな…。
9曲目"How Long"(4:16) 彼らのアルバム収録されているMARTIのヴォーカルをメインとしたミドル・テンポのバラードです。心地好いリズムの流れとジェントルなMARTIの歌声のバックで響くGRAEMEの伸びやかなギターのサウンドが最高なのです。
10曲目"Brand New Sunrise"(3:01) ラウンジ・スタイルで流されるスタンダード・ジャズ的なの曲です。ソウル・ミュージックからこのようなジャズの曲まで作り出すWET WET WETの底力を垣間見せます。
11曲目"2 Days After Midnite"(5:05) 一転してロック"ン" ロールのスタイルで気楽に流れてくる乗りの良さを追求した曲の登場です。イントロからサビにかけて聴こえるMARTIの少し違った歌声を聴かせるパワード・ロックです。
12曲目"Just Like Any Other Day(Bonus Track)"(3:34) 12弦エレクトリック・ギターの美しく響く煌びやかサウンド使ったメンフィス・スタイルを少し感じさせる曲です。シングル盤"Put The Light On" のカップリングで収録されています。
13曲目"Ordinary Love(Bonus Track)"(2:55) 非常にオールディーズのテイストを感じさせる一発テイク的な曲です。ジャズ・スタイルのギターのサウンドとオルガンのシンプルな響きによるシングル盤"Make it Tonight" のカップリング曲です。
14曲目"Ambrose Wykes(Bonus Track)"(3:20) ヨーロッパ・スタイルのメランコリックなメロディが印象的なバラードです。GRAEME・DUFFINの弾く切ないナイロン弦ギターの調べが心に響きます。シングル盤"Goodnight Girl" のカップリング曲です。
11曲歌詞/訳詞付 20ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:55分15秒 (本国ではこのアルバムからシングル5曲のヒットを放ち、アルバムとしてもUKチャートのトップに輝いていました。尚、10年ぶりにWET WET WETの新作も発表されたようです)'10年10月1日再更新


INDEX   TOP

写真  WET WET WET / Picture This
 ・1995 LONDON RECORDINGS    314-526-851-2

WET WET WETの絶頂期・・・

このアルバムは、グラスゴー出身のWET WET WETの '95年3月31日に本国でリリースされた9枚目のアルバムです。故郷グラスゴー(Clydebank)が雨ばっかり降ることをバンド名に捩ったWET WET WETは、このアルバムで[High On The Happy Side] 、[End of Part One: Their Greatest Hits]に次ぐ全英1位となっています。
このアルバムでのWETWETWETのメンバーは、GRAEME・CLARK:ベース/ヴォーカル、TOMMY・CUNNINGHAM:ドラム/ヴォーカル、NEIL・MITCHELL:キーボード/ヴォーカル、GRAEME・DUFFIN(非公式):ギター、MARTI・PELLOW:ヴォーカルの5人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、WET WET WETの他、PAUL・SPONG:トランペット、NEIL・SIDWELL:トロンボーン、CHRIS・WHITE:サックス、B.J.COLE:ペダル・スティール、IAN・MORROW:プログラミング、FIACHRA・TRENCH:オーケストラのお馴染みのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、GRAEME・CLARKGRAEME・DUFFINとWET WET WET名義にて行われ、ミキシングは、BOB・CLEARMOUNTAINの手によって行われています。

1曲目"Julia Says"(4:09) めずらしく1曲目にバラードを配したアルバムの出だし曲です。メロディアスなサウンドの曲で、デビュー当時のアメリカ南部のソウル・ミュージックからサウンドを移行して来た彼らの違った一面を感じさせる美しい響きです。
2曲目"After The Love Goes"(3:50) 歪ませたスライド・ギターのサウンドとバンジョーの音色を使った得意とするメンフィス・サウンドのファンク・ソウルな曲です。伸びやかでソウルフルなMARTIの歌声にホーンのサウンドが似合います。
3曲目"Somewhere Somehow"(3:51) R&Bのサウンドにゴスペル・コーラスが付けられたスローなリズムの曲です。ストリングスのサウンドとスライド・ギターの心地好い響きが届けられるのです。
4曲目"Gypsy Girl"(2:11) GRAEME・DUFFINの弾くアコースティック・ギター1本のシンプルなサウンドに乗せて歌うメンバー全員の非常に美しいハーモニーが流れて来ます。この曲の歌詞の中にアルバムのタイトルが登場しています。
5曲目"Don't Want To Forgive Me Now"(2:50) 70年代のウエスト・コーストのバンドのような乾いたサウンドにリッケンバッカーの特徴的な響きが爽やかに感じさせる曲です。
6曲目"She Might Never Know"(4:44) 再び南部のルーツ・ロックかメンフィス・サウンドの曲の登場です。ホーンのサウンドにハモンドのサウンドが定番的な感じですが、ソウル・ミュージックの影響を非常に感じます。
7曲目"Someone Like You"(3:48) もろゴスペル・サウンドの曲の登場です。教会での収録曲と感じさせるような重厚なコーラスとオルガンのサウンドがたっぷりと響いて来るのです。
8曲目"Love Is My Shepherd"(3:23) メランコリックなメロディなイントロから流れる哀愁感のある曲です。感情的に歌うMARTIの歌声と切ないメロディが広がります。
9曲目"She's All On My Mind"(3:55) ソフトな調べに乗せた美しいハーモニーが響く曲の登場です。アダルトな雰囲気のスローなリズムとMARTIの歌声を中心としたバックの歌声達に聴き入るのみです。
10曲目"Morning"(4:08) GRAEMEのナイロン弦ギターとギターのサウンドのイントロから掴まれる曲です。覚えやすいコード進行の"サビ" のリフレインが心地好く響きます。
11曲目"Home Tonight"(4:07) クラシック音楽から影響を感じるストリングスのアレンジから次第にカントリー調のペダル・スティールまでが入って演奏されるミドル・テンポの南部調の曲です。
12曲目"Love Is All Around"(4:04) オリジナル曲は、イギリスのロック・バンドTHE TROGGSのメンバーREG・PRESLEYが '67年に書いた曲で、THE TROGGSの全英5位のシングル・ヒット曲です。尚、このWET WET WETのカバー・ヴァージョンは、映画「フォー・ウェディング」の主題歌にもなっています。
全12曲歌詞付 20ページ物イラスト・ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:45分10秒 (このアルバムが発売された当時、何とも気持ちの悪いジャケット写真と思いましたが、あっと言う間に全英1位を獲得した彼らの絶頂期でしたね。この後、ヴォーカルのMARTIは、薬物依存症と戦うことになるのです)'10年10月1日再更新


INDEX   TOP

写真  WET WET WET / 10
 ・1997 Mercury Records Ltd.(London)    534 585-2

アメリカの中南部ソウル・ミュージックを・・・

故郷グラスゴーが雨ばかりで、このようなグループ名にしたと言うエピソードを持ったWET WET WETの '97年9月1日に本国でリリースされたアルバム・タイトル通りデビュー10周年/10枚目('90・'93年のライヴ盤と '92年の特別盤[Cloak & Dagger]を含む)を記念してのアルバムです。
グラスゴー出身の他のバンドのサウンドとは少し異質で、デビュー当時から、本格的にアメリカの中南部ソウル・ミュージックに根ざしたサウンドでの彼らです。
このアルバムでのWET WET WETのメンバーは、GRAEME・CLARK:ベース/シンセサイザー/バック・ヴォーカル/プロデュース、TOMMY・CUNNINGHAM:ドラム/タンバリン/シェカー、NEIL・MITCHELL:キーボード、GRAEME・DUFFIN:ギター/バック・ヴォーカル/プロデュース、MARTI・PELLOW:ヴォーカルの5人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、WET WET WETの他、NEIL・SIDWELL:トロンボーン/ホーン・アレンジ/キーボード、JAMIE・TALBOT:バリトン・サックス/フルート、ANDY・FAWBERT:トロンボーン、IAN・MORROW:プログラミング、FIACHRA・TRENCH:オーケストラ/指揮、MAX・BEASLEY:パーカッション/ヴィブラフォン、LUIS・JARDIM:パーカッション、FRANK・RICOTTI:ヴィブラフォン、 ANDY・MACINTOSH:サックス、JAY・CRAIG:サックス、MICHAEL・SMITH:サックス、STAN・SULZMANN:サックス、STEVE・GREGORY:サックス、ANDY・CROMPTON:トロンボーン、ANDY・FAWBERT:トロンボーン、FAYYAZ・VIRGI:トロンボーン、GORDON・CAMPBELL:トロンボーン、MARK・NIGHTINGALE:トロンボーン、MARK・WHITE:トランペット、PAUL・SPONG:トランペット、SIMON・GARDNER:トランペット、STEVE・SIDWELL:トランペットの今回は、ホーンがたくさん入っています。
尚、プロデュースは、GRAEME・CLARKとGRAEME・DUFFINが担当しています。このアルバムも前作に続きミキシングは、辣腕BOB・CLEARMOUNTAINの手によって行われています。

1曲目"If I Never See You Again"(3:50) MARTI・PELLOWの切なさを表した歌声によるバラードですが、映画のサウンドトラックのような少しオーバー気味の演出はご愛嬌です。
2曲目"Back On My Feat"(3:30) メンフィス調のサウンドとブラスの音色によるロック"ン"ロールです。スライド・ギターのサウンドにデビュー・アルバムをリリースした後、本格的にアメリカを訪れてのアルバム制作が、このサウンドに結びついているようです。
3曲目"Fool For Your Love"(3:32) イントロの部分は、ラジオの放送に似せたS.E.によるアレンジです。MARTIの嬉しそうな歌声で歌われるラヴ・ソングです。
4曲目"The Only Sounds"(5:12) 何度聴いてもサビの部分に聴き覚えのあるメロディです。MARTIの優しい歌声に重ねられたTOMMY、GRAEME、NEILにもう1人のGRAEME(GRAEME・DUFFIN:ギター)全員でのコーラスです。
5曲目"If Only I Could Be With You"(4:22) アコースティック調のスローな曲で、途中より重厚なストリングスが添えられています。変調を多用しメンフィス調のサウンドへも展開して行きます。
6曲目"I Want You"(4:17) ちょっと恥かしくなりそうな曲のタイトルです。ストレートに表現した、ラヴ・ソングを艶かしいメロディに乗せ、MARTIがエモーショナルに歌います。クラシックなハモンドの響きとチョーキングを繰り返すギターの調べです。
7曲目"Maybe I'm In Love"(3:14) ビッグ・バンドでの豪勢なサウンドを従えてMARTIが歌います。スイングとゴージャスさを地で行くような曲です。
8曲目"Beyond The Sea"(3:56) サウンド的には、前の曲の延長線にあるスタンダード・ジャズ的なの曲です。誰もがアレンジ違いのこの曲のカバーを1度は聴いた事があると思います。オリジナル曲は、BOBBY・DARIN '59年のヒット曲です。
9曲目"Lonely Girl"(5:31) ソウル・ミュージックへのオマージュを非常に感じさせる曲で、ファンクなリズムとブラスのサウンドによるE.W.&F.張りの曲です。
10曲目"Strange"(4:01) この曲もファンクなリズムによるR&Bでしょうか。サビの部分のギミックなサウンドトは、そのままコマーシャルへ使われそうです。
11曲目"Theme From Ten"(2:20) 2分少々の美しいメロディによるインストゥルメンタルで、このアルバムにオアシス的に収録されているようです。
12曲目"It Hurts"(4:50) BURT・BACHARACHとTHE BEATLESの書きそうな曲を足して2で割ったような雰囲気のする曲です。あちこちに散りばめられた、懐かしいサウンドとメロディを拾い集めては、耳にかざして聴いていて聴いているようです。
11曲歌詞付 20ページ物写真ブックレット U.K.製 (輸入盤) 収録時間:48分22秒 (このアルバムをリリースした後、一時期休止状態だったWET WET WETですが、活動が再開されたようです)'10年10月1日再更新


INDEX   TOP

写真  WILLIAM HUT / Versus The End Of Fashion Park
 ・2004 ROAD STAR MUSIC    Toys Factory TFCK-87339

不思議なヴェールに包まれたような1枚・・・

このアルバム、POOR RICH ONESのメインヴォーカリストWILLIAM・HUTの2枚目のソロ・アルバムで、'03年11月19日の国内でのリリースです。ノルウェ−のベルゲンで活動するWILLIAMは、全体的に不思議なヴェールに包まれたようなアルバムを届けてくれました。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、WILLIAM・HUT:ヴォーカル/ギター/ベース/オルガン/ハーモニカ/バンジョー/アコーディオン/パーカッション/プロデュース、の他、BJØRN・BUNES(POOR RICH ONES):キーボード/ギター/プログラミング/プロデュース、BJØRN・I.TYSSE:ベース、TOR・SØRENSEN(POOR RICH ONES):ベース、STIG・PLUTO:ドラム/パーカッション、DAVID・C.VOGT:ヴァイオリン/チェロ/バック・ヴォーカル、ERLING・H.JUVIK:ギター/バンジョー/ピアノ、STEFAN・SPORSÉN:トランペット、SISSY・WISH:ヴォーカル、FASHION PARK STATION:ノイズ/サックス、HÅKON・NILSEN:クラリネットのノルウェ−のミュージシャン達が参加しています。

1曲目It's breeze"(3:37) 残響音を上手く使ったギターのイントロで幕が開き次第にWILLIAM・HUTの世界に引込まれます。遠近感を持たせたヴォーカルアレンジでシンプルな曲を飽きさせないようにしています。
2曲目"Twin Town"(5:17) 鼓笛隊のようなドラムのビートとたっぷり響くキーボードでの曲でWILLIAMの澄んだ歌声の響きがいつまでも残る曲です。
3曲目"In Your Division"(2:56) 2曲目のエンディングとイントロがつながる曲でゆったりとしたギターのサウンドをメインとしバックで流れるトランペットの伸びやかな音色の落着いた曲です。
4曲目"Blame"(4:34) バイオリンとチェロの優しい響きから入る曲でWILLIAMの美しいヴォーカルとバックコーラスのSISSY・WISHの歌声が絡み合う素晴らしい曲です。
5曲目"Black"(2:38) WILLIAMのギターでの弾き語りにシンプルなピアノの演奏を付けた静かな曲です。
6曲目"There's Another Girl"(3:36) ドラムのビートとベースのサウンドが畳み掛けるように流れるパワーポップな曲です。
7曲目"For The First Time"(4:50) 氷の世界の中で演奏されているような幻想的なキーボードのサウンドとビートの曲でWILLIAMの冷ややかで美しいヴォーカルが非常に似合う曲です。
8曲目"Path"(4:33) この曲もベースとドラムの響きが非常に素晴らしい曲で再びSISSY・WISHとのデュエットです。彼女もソロアルバムを出しています。
9曲目"King Of"(2:35) 2分半程度の短い曲で切ない響きのキーボードとバイオリンでの曲です。
10曲目"I Remember, Late December"(4:17) 昔の楽しかったクリスマスを懐かしく思う様を歌にした曲でバイオリン,クラリネット,トランペット,サックスと生の音源たっぷりの曲です。
11曲目"End(Fashion Park Station)"(5:06) 海の潮騒と混ざって奏でられるギターの音色とフォーキーな曲に多重録音されたヴォーカルです。
12曲目"Kill Me(Bonus Track)"(2:07) アコースティック・ギターと美しいストリングスでの2分程度の曲です。
13曲目"Wood Floors:Live(Bonus Track)"(3:59) 活躍めざましいアメリカのS.S.W.LISA・GERMANOの曲です。ギターとピアノだけのシンプルなスタイルです。ロンドンの12 Bar Clubでのライヴ。
14曲目"Twin Town(Radio Edit)(Bonus Track)"(4:09) 4分程度に縮められた2曲目の曲です。
13曲歌詞付11曲訳詞付 16ページ物写真ブックレット ステッカー付 (国内盤) 収録時間:54分18秒 (アメリカやイギリスのロックとは少し違ったノルウェ−からの澄んだ歌声です。 国内盤のみのジャッケットのネクタイを締めた亀も印象的です)'10年10月2日再更新


INDEX   TOP

写真  WORKING WEEK / Compañeros
 ・1986 VIRGIN RECORDS LIMITED    V2397

ベテラン・ミュージシャン達に囲まれての収録・・・

このアルバムは、イギリスで活躍していたジャズ/ダンス・ミュージック・バンドWORKING WEEK(前身は、WEEKEND)の '86年に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
WORKING WEEKのメンバーは、JULIET・ROBERTS:ヴォーカル、SIMON・BOOTH:ギター、LARRY・STABBINS:サックスの3人組みです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、WORKING WEEKの3人の他、KIM・BURTON:ピアノ、IAN・PRINCE:キーボード、JESS・BAILEY:キーボード、NICK・GRAHAM:キーボード、PAUL "TUBBS" WILLIAMS:ベース、JEFF・CLYNE:ダブル・ベース、FRANK・RICCOTTI:パーカッション、JOãO・BOSCO・DE・OLIVEIRA:パーカッション/バック・ヴォーカル、NIC・FRANCE:ドラム、PRESTON・HEYMAN:ドラム、TOM・MORLEY:ドラム・プログラミング、RICHARD・EDWARDS:トロンボーン、PAUL・SPONG:トランペット、ANGELA・BARFON:バック・ヴォーカル、CANDY・MACKENZIE:バック・ヴォーカル、MICHAEL・PAUL:バック・ヴォーカル、WAYNE・HERNANDEZ:バック・ヴォーカルなどイギリスのベテラン・ミュージシャン達が多く参加しています。
尚、プロデュースは、SADE、EVERYTHING BUT THE GIRLなどのアルバムを手掛けたBEN・ROGANが担当しています。

1曲目"Too Much Time"(4:01) オリジナル曲は、アメリカのブルース/ソウル・バンドCAPTAIN BEEFHEART '72年の曲です。ここでの収録は、少しメリハリを付けたファンクなリズムと弾けるようなギターのサウンドによるブリティシュ・ファンク風味な感じになっています。
2曲目"Dancing In Motion"(4:09) ラテンのサウンドとリズムによるこの曲もファンクな流れを感じさせる曲です。JULIET・ROBERTSの黒く艶のある歌声のバックに響くホーンのサウンド、クラヴィネットの電子サウンドにPAUL "TUBBS" WILLIAMSの弾けるベース・ソロと盛りだくさんなダンス・ビートのオンパレードですね。
3曲目"Friend(Touche Pas À Mon Pote)"(4:43) この曲は当時に良く聴いた鳥肌物のバラードです。この曲でもPAUL "TUBBS" WILLIAMSのベースのサウンドが堪りません。アルバム・リリース当時"Don't Touch My Friend" の曲名でシングルも出ていたのですね。
4曲目"South Africa"(4:50) 80年代の南アフリカの情勢を歌詞にしたバラードです。低いキーから歌い始めるJULIETのシルキーな歌声からアフリカの叫びを表現したような高い歌声が印象に残ります。
5曲目"Shot In The Dark"(5:17) 今度は、テンポを上げて来てのダンス・ビートの曲の登場です。アカペラによるオープニングからゴージャス感のあるホーンのサウンド群と男性/女性陣のハーモニーも乗りの良さを伝えて来ます。
6曲目"Soul Train"(4:44) ホーンのサウンドを中心にしたアシッド感のあるラテンサウンドのインストゥルメンタルです。ニューウエーヴ系WEEKENDのサウンドからずいぶんと遠くに来た感のある曲ですが、SIMON・BOOTHとLARRY・STABBINSの目指した物が実感させられます。
7曲目"King Of The Night"(5:19) ジャズの香りたっぷりなサウンドの曲です。溜めを取った洒落たピアノの調べと直向きに奏でられるJEFF・CLYNEのダブル・ベースの響きがロンドンの夜の情景に非常に似合いますね。久しぶりにこの曲を聴いて思ったのが同じくロンドンで活躍し若くして亡くなったソウル・シンガーを思い出しました。
8曲目"Touching Heaven"(4:08) 今度は、スローなリズムの曲の登場です。しなやかなJULIETの歌声と優しく奏でられるSIMONのオクターブ奏法で奏でられるギターの調べが心地好く広がります。
9曲目"Southern Cross"(7:54) 鼓笛隊のようなドラムのビートと中東音楽の影響を感じさせる戯曲の雰囲気を強く感じさせる曲です。妖艶な調べを奏でるLARRY・STABBINSのサックスの調べと対照的にNIC・FRANCEの白熱したドラムのビートが迫って来ます。
8曲歌詞付 LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:45分05秒 (ベテラン・ミュージシャン達に囲まれての収録されたこのアルバム、今聴いても結構聴き応えのある内容を感じます)'13年8月17日更新


INDEX   TOP

写真  WORKSHY / The Golden Mile
 ・1989 MAGNET RECORDS LTD.    2292-46224

発売当時このサウンドに胸躍る・・・

'86年にロンドンで結成されたWORKSHYは、CHRYSTA・JONES(Ex.ANIMAL NIGHTLIFE):ヴォーカル、MICHAEL・McDERMOTT(Ex.ANIMAL NIGHTLIFE):ヴォーカル/ベース、KEVIN・KEHOE:ギターの3人組です。このアルバムは、彼らのデビュー・アルバムで '89年にイギリス/ヨーロッパでCDとしてリリースされた初回盤です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、先の3人の他 JIM・MULLEN:ギター、JESS・BAILEY:キーボード、RICHARD・NILES:キーボード/ドラム・プログラミング/プロデュース、ALASTAIR・GAVIN:ピアノ、PETE・MURRAY:ピアノ、VIC・MARTIN:キーボード、JACK・EMBLOW:アコーディオン/ピアノ、PETE・WINGFIELD:キーボード/バック・ヴォーカル/プロデュース、MARK・FISHER:キーボード/プロデュース、STEVE・CARTER:ベース、PHIL・SCROGG:ベース、RITCHIE・STEVENS:ドラム、ROGER・HILTON:ドラム、MARC・FOX(HAIRCUT 100):パーカッション、LUIS・JARDIM:パーカッション、GLEN(N)・SKINNER:プログラミング/プロデュース、PHIL・SMITH:ソプラノ・サックス、RONNIE・ROSS:バリトン・サックス、SCOTT・GARLAND:サックス、PHIL・TODD:サックス、MARK・NIGHTINGALE:トロンボーン、PETE・BEECHILL:トロンボーン、DEREK・WATKINS:トランペット、STUART・BROOKS:トランペット、GUY・BARKER:トランペット、NEIL・METCALFE:フルート、JAMES・McMILLAN:フリューゲルホーン、IAN・HORNE:ベル、TESSA・NILES:バック・ヴォーカルのベテラン達が参加しています。
プロデュースは、MARK・FISHER(ROLLING STONES)とGLEN・SKINNER(BLUE PEOPLE)とキーボーディストのPETE・WINGFIELD(PAUL・McCARTNEY)が曲毎に担当しています。 尚、2曲は、WORKSHYのセルフ・プロデュースです。余談ですがヨーロッパでは、このアルバムが出た '89年頃より一般的にCDが販売されLP盤の販売枚数を上回りました。

1曲目"You're The Summer"(3:52) ラテンのサルサのリズムとヨーロッパのアーバン・コンテンポラリー・サウンドの融合し洗練された見事なラウンジ・ミュージックです。本国より日本で非常に人気の高い彼らのサウンドの原点がこの曲に集約されています。
2曲目"I Saw The Light"(3:03) TODD・RUNDGREN '72年のアルバム[Something/Anything?]のトップを飾った曲です。オリジナル曲のロック色を廃して、よりポップ色だけを抽出したアレンジです。
3曲目"Limbo Years"(3:30) 最近のアルバムではあまりヴォーカルを執らなくなったMICHAELのヴォーカル曲です。フルートの音色とスキャットによるコーラスとが醸し出す雰囲気ものの曲です。
4曲目"Love Is The Place To Be"(4:03) 打込みによるピアノのサウンドとアップテンポなビートと時折入るラテンのリズムに変化するサウンド・アレンジが見事です。MARK・FISHERのプロデュースです。
5曲目"In This Neighborhood"(4:57) 私がWORKSHYのサウンドにノックアウトさせられた非常に美しいバラードです。厳かに流れるリズムとリズムに乗せCHRYSTA の優しい歌声とMICHAELのややかすれた歌声によるアーバンチックなスローな曲です。GLEN・SKINNERのプロデュースです。
6曲目"Bewitched"(3:57) パーカッションの刻むリズムとアコーディオンの響きによる日曜の昼下がり的なサウンドです。トイピアノによるチャカポコチャカポコって調べも好いですね。枯葉舞うパリのカフェテリアでカフェ・オレを飲みながら聴いて下さい...(笑)
7曲目"Giving Up The Ghost"(4:07) 乗りの良いポップなリズムとメロディでのMICHAELのヴォーカル曲です。時折入るCHRYSTAの美しいバック・ヴォーカルによる爽やかラテンチックな曲です。
8曲目"Lately"(4:13) KEVINのさり気ないギターのサウンドが聴ける曲です。かなりジャズ・スタイルのオクターブにて演奏されています。でも私的にはもっとKEVINの存在を全面に出して欲しかったです。
9曲目"Yours For The Taking"(3:28) ミドル・テンポのアーバンな曲調の曲です。プロデュースのPETE・WINGFIELDもキーボードで参加しオルガンで間奏を披露しています。
10曲目"Somewhere"(4:06) CHRYSTAとMICHAELのヴォーカルとが交互に登場するテンポの良いデュエット曲です。ポップさ溢れるエレクトロ・ダンス的な曲です。
11曲目"Haven't The Heart"(1:36) 1分半程度のMICHAELのヴォーカル曲です。ピアノの美しい旋律によるアカペラ風のコーラスによる曲です。最近の作品では、あまり見られないシンプルな音楽スタイルです。
12曲目"You're Not Alone"(2:26) ラウンジでの演奏が非常に似合うジャジーでソフトな1曲です。ピアノとソプラノ・サックスとパーカッションにCHRYSTAの美しい歌声との調和です。
13曲目"Sleepwalking"(6:08) 6分を超えるラストの曲、ビートの打込みスムーズなジャジー・サウンドとゴージャスなアレンジでの曲です。バック・ヴォーカルは、TESSA・NILES(ERIC・CLAPTON,TEARS FOR FEARS)が参加しています。
歌詞無し 写真ライナー ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:49分51秒 (発売当時、この新鮮なサウンドに胸躍らされました。掲載されているジャケットの写真がファン・サイトでの説明ではめずらしい物らしく、しかし、私の場合は、このジャケットのCDしか知らないのです)'10年10月2日再更新
1989年度ベスト5


INDEX   TOP

写真  WORKSHY / Ocean
 ・1992 PONNY CANYON INC.    PCCY-00326

ギターのKEVINとの最後の収録・・・

ロンドンで活躍しているWORKSHYの2枚目のアルバムです。国内でのリリースは '92年3月4日となっています。
'89年のデビュー・アルバム[The Golden Mile]がWEA系列Magnet Recordsよりリリースされてから新作が久しくなっていたのですが、日本のPONNY CANYONレーベルと新契約結んでの国内のみリリースです。このアルバムでのメンバーは、CHRYSTA・JONES:ヴォーカル/プログラミング/プロデュース、MICHAEL・McDERMOTT:ヴォーカル/ベース/プログラミング/プロデュース、KEVIN・KEHOE:ギター/プログラミング/プロデュースの3人組ですが、KEVINは、このアルバムリリース後にWORKSHYを残念ながら離れています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、WORKSHYの3人の他、PETE・WINGFIELD:キーボード/ストリングス/プロデュース、MARK・FISHER:キーボード/メロディカ/プログラミング/プロデュース、GLEN(N)・SKINNER:プログラミング/プロデュース、DAVE・CLAYTON:キーボード、GRAHAM・WARD:ドラム、MARC・FOX:パーカッション、DALU・HILTON:パーカッション、EDWARD(O)・HILTON:パーカッション、RODGER・HILTON:パーカッション、MARTIN・DITCHAM:パーカッション、ZEMANEHL:ベース、OCTAVIO・PIMERTO:ピアノ、TERRY・DISLEY:キーボード、PHIL・TODD:アルト・サックス、COLIN・SMITH:キーボード/テナー・サックス/バック・ヴォーカル、SIMON・ELMS:トランペット/フリューゲルホルン、SAN・MIGUEL:トランペット、MATT・LIPSEY:フルート、CELSO・CAVALLHO:チェロ、SUE・DANIELS:バック・ヴォーカル、VALÉRIE:ヴォイス、PÔLA:ヴォイスのイギリスとポルトガルのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、前作同様 MARK・FISHER、GLEN(N)・SKINNER、PETE・WINGFIELD、JONATHAN・MILLER、PLASTIC JAMとWORKSHYが曲毎に担当しています。

1曲目"Facination"(4:04) 爽やかなメロディとサウンドを感じるブリティシュ・アーバン・ソウルな曲で、WORKSHYの初期からの洒落たサウンド感じさせる曲ですが、少しブラック・ミュージックの影響を窺わせます。
2曲目"Trouble Mind"(5:00) ジャジーなギターのサウンド煌びやかなホーンのサウンドによる曲で、同じくU.K.で活躍しているジャズ・ファンクなサウンドをベースにしたINCOGNITOやSWING OUT SISTERのサウンドに通じるものを感じさせます。
3曲目"Show Me The Night"(4:19) エレクトロニカのサウンドを取り入れての明るいイメージのする曲です。CHRYSTAの歌声の合間から聴こえるMICHAELの歌声とのバランスが非常に良いですね。間奏のナイロン弦ギターによる調べも心地好く響いてきます。アルバム購入当時はよく"ヘビ・ロテ" でよく聴いたWORKSHYらしい聴きやすい曲です。
4曲目"Welcome To The World"(4:23) ラテン系のアップライト・ピアノの調べとボサ・ノヴァの軽やかなリズムによるMICHAELのヴォーカル曲です。この曲でのMICHAELの少し枯れた歌声は、同じMICHAEL名のMICHAEL・FRANKSと似たところ感じます。
5曲目"Dream Street"(5:38) スパニッシュ・ギターとピアノの旋律によるイントロから気持ち朝の目覚めを思い起こす曲です。テレビのコマーシャル・ソングに使えそうなキャッチーなサウンドとギミックを持ったライト感覚による乗れるサウンドです。
6曲目"Where Are You Now?"(3:13) CHRYSTAがその美しい歌声をメランコリックに聴かせる曲の登場です。デビュー・アルバムの名曲"In This Neighborhood" と同じ延長線にあるバラードです。
7曲目"Master Plan"(3:41) 前の曲のアウトロとの繋がりが絶妙なテンポの良い曲です。心地好いパーカッションのビートとラテンの香りのするエモーショナルなサウンドの流れです。
8曲目"Strange Hold"(3:34) スローにしたチャチャのリズムを感じるMICHAELのヴォーカル曲です。WORKSHYが影響を受けたカリブ/キューバのサウンドを感じさせます。
9曲目"Never The Same"(4:26) CHRYSTAのヴォーカルによるヒット曲で、後に海外でリリースされたベスト・アルバムにも収録されている曲です。ビデオ・クリップなどは殆ど作っていないWORKSHYですが、来日した時の映像も使っているビデオも楽しんで下さい。
10曲目"Wishing A Life Away"(4:16) シタール・ギター(CHRYSTAがこのサウンドが好きらしい)のサウンドが全編に流れるどこか懐かしさを感じるMICHAELのヴォーカル曲です。コーラス・グループ然とした美しいハーモニーとリフレインを多用したアレンジで整然と流されています。同じような感じの曲があの男性デュオとその曲をカバーしたU.K.のアイドル系の歌手の曲もありましたね。
11曲目"Half A Mind"(3:58) イントロの躍動感を与えるキーボードとベースのサウンドに身震いする曲です。めずらしくMICHAELがバック・ヴォーカルでエモーショナルな歌声を聴かせるブリティシュ・アーバン・ソウルなサウンドが響いてくるのです。
全11曲歌詞/訳詞付 24ページ物豪華写真ブックレット (国内盤) 収録時間:46分37秒 (国内盤発売当時の定価は高かったのですが、現在の中古CD価格は安すぎて価格は無いも同然です。トホホ...)'10年10月2日再更新
1992年度ベスト5


INDEX   TOP

写真  WORKSHY / Heaven
 ・1993 Pony Canyon Inc.    PCCY-00435

相変わらずのサウンド・・・

WORKSHYの3枚目のアルバムの紹介です。前作[Ocean]より早くも翌年の '93年7月21日、国内でのリリースです。残念ながらこのアルバムからギターのKEVIN・DAMIEN・KEHOEがグループを離れ収録は、CHRYSTA・JONES:ヴォーカル/プログラミングとMICHAEL・McDERMOTT: ヴォーカル/ギター/プログラミングの2人にスタジオ・ミュージシャンとで行われています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、WORKSHYの2人の他、GREG・LESTER:ギター、TONY・WHITE:ギター/ベース、GLENN・SKINNER:プログラミング/プロデュース、GEOFF・GASCOYNE:ベース、YOLANDA・CHARLES:ベース、PHIL・SCRAGG:ベース、LAURENCE・COTTLE:ベース/トロンボーン、PETE・MURRAY:キーボード、COLIN・SMITH:キーボード/ブラス・アレンジ、JANETTE・MASON:キーボード/ストリングス・アレンジ、ED・SHERMAN:キーボード/ストリングス・アレンジ、OCTAVIO・PIMENTO:ピアノ、ANDY・GANGADEEN:ドラム、FRANK・TONTOH:ドラム、LOUIS・JARDIM:パーカッション、GARY・HAMMOND:パーカッション、CHRIS・BEMAND:プログラミング、JAMES・McMILLAN:フリューゲルホルン/トランペット/プログラミング/ブラス・アレンジ、SIMON・ELMS:ブラス・アレンジ、PETE・WHYMAN:サックス/フルート、ASHLEY・SLATER:トロンボーン、ADRIAN・LANE:トロンボーン、DENNIS・ROLLINS:トロンボーン、NOEL・LANGLEY:トランペット、BLACK・STEEL:ベース/ピアノ/プログラミング/バック・ヴォーカル、ERROL・VEE:バック・ヴォーカル、HECTOR・CROSS:バック・ヴォーカル、FLEA・KEEBLE:バック・ヴォーカル、MATT・LIPSEY:バック・ヴォーカル、JOHN・WINFIELD:バック・ヴォーカルの1枚目からのミュージシャンも多く参加しています。
プロデュースは、WORKSHYのアルバムでお馴染みのGLENN・SKINNERです。
尚、このアルバムは、Pony Canyonの独自制作による国内限定のアルバム(カセットを除く)になっています。

1曲目"But Alive"(4:16) ホーンの心地好いサウンドと滑らかなドラムのビートによる洒落たブリティッシュ・ファンクの曲です。イントロから曲の最後までWORKSHYらしいビートを聴かせる安心させてくれる相変わらずのご機嫌なサウンドです。
2曲目"Heaven And Then"(4:06) アフリカン・ドラムのビートのイントロからレゲエのリズムに自然と流れるトロカルなナンバーです。WORKSHYらしい軽めのリズムとメロディにDENNIS・ROLLINS(JAMIROQUAI,STING)のトロンボーンも心地好く流れるミッド・サマー・チューンです。
3曲目"Finding The Feeling"(3:54) ベスト・アルバムにも収録されているMICHAELのヴォーカル曲で、彼の優しい歌声とドラムのビートと躍動的なベースのサウンドによるリズムカルな曲で、WORKSHYのサウンドを端的に表現したグルーヴなビートを持った曲です。
4曲目"Make Or Break"(4:10) イントロからアカデミックにゴージャスなサウンドを聴かせるスムーズ・ジャズな曲の登場です。最新作での歌声より少し若さとかたさを感じさせるCHRYSTAの歌声を聴き比べるのも面白そうですね。
5曲目"You Go Your Own Sweet Way"(4:52) 再びMICHAELのヴォーカル曲です。最近のWORKSHYの作品ではあまりヴォーカルを披露してくれていないMICHAELですが、この曲でも彼の優しいジェントルな歌声がCHRYSTAの歌声と共に流れています。
6曲目"Heaven Sent"(4:13) このアルバムのメイン・テーマ・ソングの登場です。メランコリックなメロディによる失恋を歌った内容の曲で、幾重にも重ねられたヴォーカル・パートの小波に似た響きが非常に美しく届けられるのです。
7曲目"Love Love Love"(4:02) WORKSHYのアルバムに共通的に収録されている定番的な曲のイメージを持っている曲です。軽めに歌うCHRYSTAに続いて登場するMICHAELの少し枯れた歌声が響いています。オリジナル曲は、DONNY・HATHAWAYが '73年に歌ったヒット曲です。
8曲目"I'll Never Know"(4:19) めずらしくギターのサウンドを少し前面にだしてきたナンバーです。ギターを弾いているTONY・WHITEの詳細は不明ですがSTEELY DANチックなギター・サウンドには興味が湧いてきます。
9曲目"Do I Cross Your Mind"(4:40) 再びラテンのリズムによるトロピカルなサウンドの曲の登場です。メイン・ヴォーカルはMICHAELでスモーキーな彼の歌声と煌びやかなホーンの音色が対照的な感じが印象に残ります。
10曲目"Sweet Smell Of Success"(4:20) 非常にエモーシナルなリズムによるドラムのビートの曲です。フルートの音色とファンクなベース・プログラミングのサウンドが融合した圧倒的なサウンドの見事なこと。
全10曲歌詞/訳詞付 24ページ物豪華写真ブックレット (国内盤) 収録時間:42分57秒 (現在、このアルバムは、中古CDショップにて非常に安価で購入出来るようですね!)'10年10月4日更新


INDEX   TOP

写真  WORKSHY / Soul Love
 ・1994 Pony Canyon Inc.    PCCY-00600
 ・1994 Pony Canyon Inc.    ACCY-00600

日本企画によるカバー曲集・・・

ロンドンで活躍し、日本でも非常に人気の高いWORKSHYの4枚目のアルバムです。オリジナル盤は、日本企画による全7曲カバー曲としてPony Canyonから '94年8月19日にリリースされています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CHRYSTA・JONES:ヴォーカル/プロデュース、MICHAEL・McDERMOTT: ヴォーカル/プロデュースのWORKSHY2人の他、JOHN・PARRICELLI:ギター、MARK・VANDERGUCHT:ギター、NIGEL・PRICE:ギター、CAMELLE・HINES:ベース、WINSTON・BLISSETT:ベース、MICK・TALBOT:キーボード/プロデュース、OLLIE・MARLAND:キーボード、CRISPIN・TAYLOR:ドラム、GARY・HAMMOND:パーカッション、PAUL・GUNTER:パーカッション、GERRARD・PRESCENCER:フリューゲルホルン/トランペット、COLIN・SMITH:サックス/ブラス・アレンジ、ADRIAN・LANE:トロンボーンのWORKSHYのアルバムでお馴染みミュージシャン達です。
プロデュースは、CHRIS・BANGS、MICK・TALBOT、GLENN・SKINNERJAMES・McMILLANとWORKSHYと曲により担当しています。
尚、今回レビューしたアルバムは、国内盤(7曲収録)とそのアルバムにボーナス・トラック3曲を追加した海外向け(輸入/輸出盤)に同じく '94年8月19日にリリースされたアルバムです。

1曲目"I Say A Little Prayer"(3:42) オリジナル曲は、'67年にDIONNE・WARWICKが歌ってミリオン・セールを記録したヒット曲です。BURT・BACHARACHとHAL・DAVIDのコンビによる軽めのポピュラー・ソングで、このアルバムでの収録でもオリジナル曲の持つBURT・BACHARACHのメロディアスなソング・ライティングの持ち味を壊さず、WORKSHYのソフトに洒落たサウンドを加えたアレンジになっています。アルバム発売当時にT.V.の番組のエンディング・テーマとなっていた曲です。
2曲目"If I Ever Lose This Heaven"(5:19) オリジナル曲は、QUINCY・JONES '74年のアルバム[Body Heat]に収録されています。後にイギリスのファンク/ソウル・バンドTHE AVERAGE WHITE BANDのカバーでもヒットした曲です。このアルバムでの収録は、そのA.W.B.のエモーショナルなリズムとビートを引き継いだサウンドに近い収録です。
3曲目"It's Too Late"(3:57) 何の説明も要らないでしょうね!CAROL・KING '72年のアルバム[Tapestry]に収録されている曲です。オリジナル曲は、CAROLのピアノでの弾き語り風の収録ですが、このアルバムでは、MICK・TALBOT(THE STYLE COUNCIL)の電子オルガンにパーカッションのリズムを重ねたサウンドによるアレンジです。尚、この曲は、MICKのプロデュース曲で、ベースには、MICKのサポート・メンバーのCAMELLE・HINDSも起用されています。
4曲目"Why Can't We Be Lovers"(4:48) モータウンのLAMONT・DOZIERがTHE HOLLAND/DOZIER/HOLLAND名義でリリース '72年 のヒット曲のカバーです。 モータウン・サウンドの心地好いグルーヴ感を伝えるMICHAELのヴォーカルにて収録されています。
5曲目"All In Love Is Fair"(3:24) オリジナル曲は、STEVIE・WONDER '73年のバラードです。STEVIEの収録より少しテンポを速めたアレンジに、イントロには、印象的な電子ピアノの演奏(MICK・TALBOT?)が流れています。
6曲目"Child Of The Streets"(5:50) アラバマ出身のソウル・シンガーSAM・DEES '75年の曲のカバーです。シンセサイザーの長い響きによるイントロのサウンドに続いて登場するMICHAEL・McDERMOTTのスモーキーなヴォーカルとうねるようなバックのリズムによるソウル・ナンバーです。
7曲目"Work To Do"(5:43) ISLEY BROTHERS '72年の[Brother,Brother,Brother]に収録されている曲です。この曲もA.W.B.がカバーしてイギリスでヒットしています。このアルバムでの収録は、CHRYSTAとMICHAELがヴォーカル・パートを交互に交えて収録されています。いつものWORKSHYのアルバムでは、絶対に聴けない非常にアグレッシヴなギター・ワークを聴かせるのは、MARK・VANDERGUCHT(GALLIANO,VANDERGUCHT & PITTS)です。ここでの収録は、多分 A.W.B.ヴァージョンかな?
国内盤 (PCCY-00600)は、この曲まで。以下は、輸入盤/輸出盤 (ACCY-00600) カバー曲では無いヴァージョン違いの収録曲です。
8曲目"Never The Same Again(Bonus Track)"(6:05) (BOB JONES 12" VOCAL MIX)CHRYSTAのヴォーカルによるヒット曲で、後に海外でリリースされたベスト・アルバムにも収録されている曲です。ビデオ・クリップなどは殆ど作っていないWORKSHYですが、来日した時の映像も使っているビデオも作られています。5曲入シングル盤でリリースされている曲です。
9曲目"Heaven Sent(Bonus Track)"(7:01) (GLEN SKINNER REMIX) '93年の[Heaven]リリースと同時に発売されたシングル盤に収録されている曲です。オリジナル収録に打込みとサンプル音源を加え7分の長さになって収録されています。
10曲目"But Alive(Bonus Track)"(4:16) 先に紹介した5曲入同名シングル盤に収録されているカップリング曲で、インストゥルメンタル・ヴァージョンが収録されています。インストだとGEOFF・GASCOYNEのベースのサウンドもよりくっきりでで素晴らしい演奏が収録されている事を再認識させてくれますね。
・7曲歌詞/訳詞付 12ページ物写真ライナー (国内盤) 収録時間:32分46秒
・7曲歌詞付 12ページ物写真ライナー (輸入盤) 収録時間:50分13秒 (WORKSHYのアルバムは、このアルバムも含めて3枚程度海外でもリリースされているのですが、なぜか本国では認知度が思うほど上がっていないのです!)'10年10月4日再更新


INDEX   TOP

写真  WORKSHY / Under The Influence
 ・1995 Pony Canyon Inc.    PCCY-0719

発売当時に買いそびれていた1枚です・・・

UKのロンドンで活躍しているWORKSHYの通算6枚目(ベスト/コンピ含む)のアルバムで '95年3月に国内のみのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CHRYSTA・JONES:ヴォーカル/プログラミング、MICHAEL・McDERMOTT:ヴォーカル/ベース/プログラミングの他、CHRIS・BANGS:プログラミング/プロデュース、NIGEL・PRICE:ギター、JOHN・PARRICELLI:ギター、CHRIS・DAWKINS:ギター、JANETTE・MASON:キーボード、JOEL・CAMPBELL:キーボード、HAMLET・LUTON:ベース、CAMELLE・HINDS:ベース/バック・ヴォーカル、ISAAC・HEYWOOD:ドラム、MIKE・BRADLEY:ドラム、RAY・HYDEN:プログラミング/プロデュース、GARY・HAMMOND:パーカッション、PAUL・GUNTER:パーカッション、COLIN・SMITH:サックス、ADRIAN・LANE:トロンボーン、SIMON・ELMS:トランぺット、DINAH・LIVINGSTONE:チェロ、NICOLA・FARNON:ダブル・ベース、JOS・POOK:ヴィオラ、SALLY・HERBERT:ヴァイオリン、SONIA・SLANEY:ヴァイオリン、RICK・JONES:バック・ヴォーカルのジャズ系のミュージシャン達も多く参加しています。
このアルバムでの収録メンバーが参加したWORKSHY JAPAN TOUR '95の映像(1部音割れもありますが)もどうぞ。

1曲目"Under The Influence"(6:20) 何時ものように爽やかで軽やかなカフェ・ミュージックのサウンドスタイルによるスムースな響きの曲でWORK SHYの定番中の定番って言える感じの曲です。
2曲目"Something Sweeter"(4:03) イントロから趣を異ならせたアシッド的なサウンドを配した曲でプロデューサーにRAY・HYDENを迎えています。90年代のロンドンの新しい息吹を吹き込んだサウンドによる曲ですが、後半部分はストリングス風のサウンドを入れたりとオーソドックスなところも。RAYのアルバムにも参加しているキーボードのJOEL・CAMPBELL(RONNY JORDAN'S BAND)の名前もあります。
3曲目"On The Inside"(5:58) MICHAELのヴォーカル曲の登場です。相変わらず優しそうな歌声とCHRYSTAの美しいバックコーラスによるミドル・テンポのご機嫌な曲です。NIGEL・PRICEのジャジーでリズミックなギターのサウンドも最高です。
4曲目"Breakdown"(3:53) スローな曲の登場です。生のストリングスのサウンドに絡ませたしっとりとした時に優しく時にソウルフルに響くCHRYSTAの歌声による曲です。
5曲目"I Get High"(5:26) ナイト・クルージングのお伴に持って行きたくなるグルーヴな曲でフェンダーローズの心地好いサウンドでの曲です。いつも素晴らしいギターを聴かせてくれるジャズ・ギタリストのJOHN・PARRICELLI(BLUE PEOPLE,etc)が参加しています。
6曲目"Ghost Train(Interlude)"(1:06) 1分少々のインターリュードでベースとピアノのサウンドによるインストゥルメンタルとなっています。LINK先のYouTubeの曲名は、違っております。
7曲目"True To Life"(5:22) フェンダーローズのグルーヴ感のあるサウンドとドライヴするドラムのビートに乗せ歌うCHRYSTAのクールな歌声が最高の曲です。 CHRIS・DAWKINS(JIMI・TENOR?,NIGHTMARES ON WAX?)のギターのカッティングも小気味良く演出されています。
8曲目"One Way Or Another"(4:20) 再びMICHAELのヴォーカル曲の登場です。アシッドな打ち込みのビートとMICHAELのかすれ気味のハスキーな歌声による"渋め"サウンドの曲です。LINK先のYouTubeの曲名は、違っております。
9曲目"Too Late"(4:13) RAY・HYDEN特有のロンドン・グルーヴの装飾を施した"イカシタ"曲です。ヴォコーダーを通したCHRYSTAのバック・ヴォーカルとRAYの凝ったアレンジが随所に現われています。
10曲目"All In The Mind"(5:19) ベテランベーシストのCAMELLE・HINDSの重く響くまた軽やかに転がるようなベースのサウンドが最高の曲です。サンプルと打ち込みを用いたアシッド感を持たせた5分を超えるミドル・テンポのビートの曲です。
9曲歌詞/訳詞付 写真ライナー+12ページ物ブックレット和文解説 箱型紙ジャケット仕様 (国内盤) 収録時間:46分06秒 (スタジオ・アルバムとしては5枚目の作品で、当時の超売れっ子プロデューサーRAY・HYDENが数曲プロデュースしています。WORKSHYのアルバムは殆ど買っていますが、何故かこのアルバムは発売当時に買いそびれていました)'10年10月4日再更新


INDEX   TOP

写真  WORKSHY / Coast
 ・1996 PONY CANYON INC.    5 018766 953862

海外向けベスト盤・・・

日本で非常に人気の高いWORKSHYの8枚目(ベスト/コンピ盤を含み)のアルバムです。日本のポニーキャニオンから海外向けに '95年12月7日にリリースされたベスト・アルバムとなっています。
各曲の収録に参加しているミュージシャンは、WORKSHYのCHRYSTA・JONES:ヴォーカル/プログラミング/ヴォコーダー、MICHAEL・McDERMOTT:ヴォーカル/ベース/プログラミングの他、RAY・HYDEN:プログラミング/プロデュース、JOEL・CAMPBELL:キーボード/ヴォコーダー、JEANETTE・MASON:ピアノ、JOHN・PARRICELLI:ギター、NIGEL・PRICE:ギター、CHRIS・DAWKINS:ギター、STEVE・SIMPSON:ギター/ヴァイオリン/マンドリン、CAMELLE・HINDS:ベース/バック・ヴォーカル、YOLANDA・CHARLES:ベース、HAMLET・LUTON:ベース、NICOLA・FARNON:ダブル・ベース、MICK・TALBOT:キーボード/プロデュース、ISAAC・HEYWOOD:ドラム、CRISPIN・TAYLOR:ドラム、MIKE・BRADLEY:ドラム、PAUL・GUNTER:パーカッション、GARY・HAMMOND:パーカッション、BANGSY:プログラミング、COLIN・SMITH:キーボード/サックス/ストリングス・ホーン・アレンジ、ADRIAN・LANE:トロンボーン、SIMON・ELMS:トランぺット/ストリングス・ホーン・アレンジ、DUNCAN・MACKAY:トランペット、JOS・POOK:ヴィオラ、SALLY・HERBERT:ヴァイオリン、SONIA・SLANEY:ヴァイオリン、DINAH・LIVINGSTONE:チェロ、RICK・JONES:バック・ヴォーカル、FLEA・KEEBLE:バック・ヴォーカル、MATT・LIPSEY:バック・ヴォーカルの過去2枚のアルバムからのミュージシャン達です。

1曲目"Intro"(0:10) 10秒程度のラジオのチューニング音によるS.E.を使って次の曲へつなげています。
2曲目"Something Sweeter"(4:01) '95年リリースの[Under The Influence]での収録曲です。曲についてのレビューは、オリジナル盤を参考にして下さい。
3曲目"Never The Same Again"(3:59) '92年の[Ocean]からスマシュ・ヒット曲です。 ダンサブルなドラム"ン" ベースによる心地好いビートの曲です。当時にビデオ・クリップが作られていたことは知らなかったです。
4曲目"Ghostrain(Interlude)"(1:06) '95年リリースの[Under The Influence]での収録曲です。1分少々のベースとピアノでのインストゥルメンタルです。
5曲目"All In The Mind"(5:20) この曲も前年 '95年リリースの[Under The Influence]での収録曲です。曲についてのレビューは、オリジナル盤を参考にして下さい。
6曲目"Finding The Feeling"(4:05) '93年リリースの[Heaven]での収録曲です。MICHAEL・McDERMOTTのヴォーカル曲の登場です。彼の優しい歌声とドラムのビートと躍動的なベースのサウンドによるリズムカルな曲で、WORKSHYのサウンドを端的に表現しています。
7曲目"Heaven Sent(Interlude)"(0:42) '93年リリースの[Heaven]での収録曲"Heaven Sent" の一部を使ったリミックスです。40秒程度の荒れた"Heaven Sent" の間奏と電話での通話をリミックスとした洒落たアレンジで仕上げています。
8曲目"All Is Fair In Love"(3:55) '93/94年に本国イギリスのみリリースされた[Finding The Feeling]MAX.CDと国内盤[Soul Love]に収録されている曲で、メランコリックなCHRYSTA・JONESの歌声が心にしみるラブ・バラードです。間奏で響くNIGEL・PRICE(THE FILTHY SIX)のギター・ワークが非常に素晴らしいのです。キーボードにはMICK・TALBOT(Ex.THE STYLE COUNCIL)が参加しています。オリジナル曲は、STEVIE・WONDER '73年の曲です。
9曲目"On The Inside"(7:30) オリジナル曲の6分を超えて長尺となったMICHAEL・McDERMOTTのヴォーカル曲の登場です。この曲も前年 '95年リリースの[Under The Influence]での収録曲です。
10曲目"True To Life(Interlude)"(1:06) [Under The Influence]での収録曲"True To Life" の間奏部分をリミックスした1分程度のご機嫌なギター・サウンドの曲です。
11曲目"Breakdown"(3:54) この曲も前年 '95年リリースの[Under The Influence]での収録曲です。曲についてのレビューは、オリジナル盤を参考にして下さい。
12曲目"Blue Murder(Instrumental)"(3:51) [Under The Influence]のMAX.CDに収録されている。サスペンス映画のサウンド・トラックに使われそうなインストゥルメンタルです。プロデュースは、WORKSHY自身で行っています。
13曲目"I Get High"(5:24) '95年リリースの[Under The Influence]での収録曲です。曲についてのレビューは、オリジナル盤を参考にして下さい。
14曲目"One Way Or Another"(4:21) この曲も前年'95年リリースの[Under The Influence]でのMICHAELのヴォーカル曲です。曲についてのレビューは、オリジナル盤を参考にして下さい。
15曲目"Never The Same(Interlude)"(1:08) 1分少々の "Never The Same" のサビの部分をリミックスとしたインターリュードで、CHRYSTAのヴォーカル部分が大きくクローズ・アップされています。
16曲目"Too Late"(4:37) '95年リリースの[Under The Influence]での収録曲で、当時の売れっ子プロデューサーRAY・HYDENのロンドン・テイストをたっぷり含ませています。曲についてのレビューは、オリジナル盤を参考にして下さい。
17曲目"Heaven Sent"(4:48) '93年リリースの[Heaven]での収録曲です。トランペットの心地好いサウンドにドラム"ン" ベースを使ったリズムによるアーバン的なメロウな調べに乗せCHRYSTAがその爽やかな歌声を心地好く聴かせます。
歌詞無し ライナー付 (輸入盤) 収録時間:60分03秒 ('02年のアルバム・リリースから暫く活動を停止していたWORKSHYですが、'07年の11月に最新作[Smile Again]をリリースしたようです。その盤のレビューはまたの機会に!)'10年10月6日再更新


INDEX   TOP

写真  WORKSHY / Allure
 ・1998 Pony Canyon Inc., Japan    PCCY-01178

なぜか本国でのリリースが少ないアーティスト・・・

ロンドンで '86年に結成されたWORKSHYの通算9枚目(ベスト/コンピ含む)のアルバムで '98年1月21日、国内でのリリースです。CHRYSTA・JONES:ヴォーカル/サンプリング/プロデュース、MICHAEL・McDERMOTT: ヴォーカル/ドラム・ベース・プログラム/プロデュース、WORKSHY数曲の共同プロデューサーは、お馴染みのGLENN・SKINNER(ALISON・MOYET/BLUE PEOPLE)です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、WORKSHYの2人の他、GLENN・SKINNER:プログラミング/プロデュース、GREG・LESTER:ギター、JOHN・PARRICELLI:ギター、CAMELLE・HINES:ベース/バック・ヴォーカル、ERNIE・McKONE:ベース、TOBY・BAKER:キーボード/シンセサイザー/ヴィブラフォン/プログラミング、CRISPIN・TAYLOR:ドラム、MARCELLUS・FERNANDEZ:ドラム・プログラミング、GARY・HAMMOND:パーカッション、CRISPIN・TAYLOR:ハーモニカ、JIM・HUNT:サックス/ホーン・アレンジ、DUNCAN・MACKAY:トランペット/ホーン・アレンジ、COLIN・SMITH:サックス/ストリングス・ホーン・アレンジ、ADRIAN・LANE:トロンボーン、ANDY・BUSH:トランペット、SIMON・ELMS:トランペット/ホーン・アレンジ、SCOTT・GARLAND:サックス、THE ELECTRA STRINGS:ストリングスのミュージシャン達もお馴染みです。

1曲目"Got It All Together"(4:17) '89年の1枚目から脈々と続くWORKSHY らしい洗練されたジャジーでお洒落なポップな曲です。イントロのCHRYSTAの美しいヴォーカルが良いですね。当時街中のカフェとか機内音楽で良く流されていた曲です。
2曲目"Dive Into Love"(5:00) 美しいキーボードのイントロとドラム"ン" ベースでの鼓動に似たビートによる都会的の夜でのひと時を恋する女性の心の内を歌った曲です。
3曲目"Dream On"(5:20) ミドル・テンポのジャジーでさり気ないギター・ワークは、JOHN・PARRICELLI(The Lord Of The Rings/BLUE PEOPLE)です。
4曲目"Coast To Coast"(5:09) ブラスのサウンドをたっぷりと取り入れたゴージャスなナンバーです。CHRYSTAのヴォーカルが一番似合いそうな明るくアップテンポなメロディですが、歌詞はシリアスな内容です。
5曲目"Let The Feeling Flow"(5:12) バス・ドラムのビート音とベースのリズムを主体としたスローでファンクなナンバーです。CHRYSTAのハイキーでの美しくエモーショナルなヴォーカルが見事です。
6曲目"Don't Bring Me Down"(5:41) アップテンポの乗りの良い曲です。CHRYSTAの歌声に絡ませたMICHAELの珍しく熱いバック・ヴォーカルを聴かせています。
7曲目"Somebody"(5:17) 乗りの良いリズムとタイトなべ−スのリズムよるMICHAELのヴォーカル曲です。彼のハスキーヴォイスと渋いメロディラインによるアシッド・ジャズ・ロックです。
8曲目"Maybe Today"(4:32) ゆったりしたリズムにストリングスが奏でる美しいメロディの曲です。これから旅立とうする女性の心の内を歌っています。
9曲目"Make Up Your Mind"(4:43) 再びMICHAELがヴォーカルで登場します。シンセとローズはTOBY・BAKER(MICHAEL・McDONALD'S BAND)が今風のアシッド系ジャズ・フレイヴァーなサウンドを披露しています。
10曲目"All Or Nothing"(4:49) 小さなジャズ・クラブで演奏されていそうなゆったりしたリズムでのCHRYSTAのヴォーカルの魅力十二分味わえる曲です。
全10曲歌詞/訳詞付 16ページ物写真ブックレット+WORKSHYによる曲紹介付ブックレット (国内盤) 収録時間:50分04秒 (日本で非常に人気の高いWORKSHYです。'91年にPony Canyonと契約してからアルバムのほとんどは日本企画による現地制作で本国イギリスでの発売が少ない不思議なアーティストです)'10年10月5日更新

**************************************************************************

 ・1997 Pony Canyon Inc., Japan   DSP-1336

写真

当時のプロモーション用CDです。
全10曲 歌詞/訳詞無し プロモーション用BIO/WORKSHYによる曲紹介付き 3折紙ジャケット仕様
(CDのプリント面は市販盤と相違しますが、曲順と内容は同じです)


INDEX   TOP

写真  WORKSHY / Clear
 ・2000 NIPPON COLUMBIA CO.,LTD.    COCB-53007

レーベルが変わっても同じです・・・

'86年の結成以来キャリアも、もう20年を越えましたね。このアルバムはWORKSHYの12枚目(ミニ・アルバム/べスト盤を含む)になる国内のみ '00年1月21日にリリースされたアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、WORKSHYの2人の他、RICHARD・BULL:ギター/ベース/ドラム・プログラミング/プロデュース、MARK・VANDERGUCHT:ギター、CAMELLE・HINES:ベース、JOBY・BAKER:キーボード、JANETTE・MASON:キーボード、FAYYAZ・VIRJI:トロンボーンの今回は、比較的少人数での収録です。
尚、プロデュースは、RICHARD・BULL(PARADISE CODE)とWORKSHYによって曲毎に行われています。

1曲目"Got It Clear"(4:46) 太めに鳴るベテラン・ベーシストCAMELLE・HINDSのベースのサウンドと明るく爽やかなCHRYSTA・JONESの歌声による曲で、デビュー当時のWORKSHYから受けるサウンド・イメージに近い心地好い響きをもっています。
2曲目"Get It On"(4:33) CHRYSTAが少しメランコリックな歌声を聴かせるメロウなラウンジ・ソングです。バックでさり気なく歌うMICHAEL・McDERMOTTの少し渇いた歌声も心地好く聴こえます。
3曲目"Let It All Go"(4:59) 定番的に3曲目に収録されているソフトでメロウな曲ですが、複数のCHRYSTAのヴォーカル・パートでの歌声は非常に美しくアレンジされています。RICHARD・BULLのプロデューサーとしての辣腕ぶりが発揮されています。
4曲目"With Or Without You"(4:26) ミドル・テンポのリズムによるダンサブルなナンバーの登場です。心地好いビートの流れるとささやかながらファンクなギターを聴かせるMARK・VANDERGUCHT(PUSH,VANDERGUCHT & PITTS)も良いですね。
5曲目"Anything You Want"(4:27) このアルバム購入当時によく"ヘビ・ロテ" で聴いた曲ですね。少し高い目のキーでサビの部分を歌うCHRYSTAの美しい歌声にファンならずともうっとりするでしょう。
6曲目"If You're In Love"(4:17) シタール・ギターのサウンドが印象的なミドル・テンポによりポップなナンバーで、イントロと曲の後半に少しMICHAELがラップ風のヴォーカルが収録されています。
7曲目"You Want It You Got It"(4:17) JANETTE・MASON(JANETTE MASON BAND)のキーボードのサウンドが全編に流れる少しアシッド感を持たせたナンバーです。機械的なビートの上に響くFAYYAZ・VIRJI(INCOGNITO,BASIA)のトロンボーンの調べが優しいのです。
8曲目"End Up Here"(2:36) 前のアルバムでも後半のこの辺りに収録されているMICHAEL のヴォーカル曲の登場です。優しくウォームな響きのMICHAELの歌声とスネア・ドラムのリム打ちのビートが孤高に響く"クール" な曲です。
9曲目"Way Back When"(4:45) 遮を効かせたCHRYSTAの歌声を使ったライト感覚のクラブ・シーンでの演奏曲に仕立てたミドル・テンポの曲です。曲にわざと"メリハリ"を付けずドラム・マシーンのビートを使っているようです。
10曲目"Reason"(4:05) この曲もドラム・マシーンのビートを存分に効かせたサウンドのアレンジになっています。この曲も '95年の[Under The Influence]でのクラブ・シーンのサウンドからの影響があるのでしょうか。平坦なビートにリフレインを多用したミドル・テンポのナンバーです。
11曲目"Love Squall"(3:18) ご存知アニメ"ルパンV" のエンディング・テーマ曲のカバーです。英語訳をCHRYSTAとMICHAELが追加し、軽めのドラム"ン" ベース使ってのアレンジで収録されています。尚、オリジナル曲は、作詞:槙小奈帆/作曲:大野雄二/歌:SANDRA・HOHN
全11歌詞/訳詞付 12ページ物ブックレット (国内盤) 収録時間:46分35秒 (レーベルがPony CanyonからNIPPON COLUMBIAに変わっても、この人達の音楽は相変わらず、いつ聴いても安心して聴いていられます)'10年10月5日再更新


INDEX   TOP

写真  WORKSHY / Mood
 ・2002 NIPPON COLUMBIA CO.,LTD.    COCB-53007

殆ど日本のみリリース化していますが・・・

'86年の結成以来キャリアも、もう20年を越えましたね。このアルバムは、WORKSHYの13枚目(ミニ・アルバム/べスト盤を含む)になる国内のみリリースされた '02年のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CHRYSTA・JONES:ヴォーカル/ストリングス、MICHAEL・McDERMOTT:ヴォーカル/ベース・プログラミング/ストリングスの他、RICHARD・BULL:ギター/キーボード/ベース・プログラミング/ドラム・プログラミング/ストリングス、JANETTE・MASON:キーボード、JOHN・PARRICELLI:ギター、MARK・VANDERGUCHT:ギター、CRIPIN・TAYLOR:ドラム・プログラミング、CAMELLE・HINES:ベース、TOBY・BAKER:各種楽器/ドラム・プログラミング/プロデュース、FAYYAZ・VIRJI:トラぺット、KEVIN・ROBINSON:トランペットのイギリスのミュージシャン達が参加しています。
前作に引き続き今回もプロデュースは、RICHARD・BULL(PARADISE CODE)とWORKSHYとTOBY・BAKER(LOUISE,JAKI・GRAHAM)によって曲毎に行われています。

1曲目"Forever"(4:05) 幻想的な響きによるシンセ/キーボードの長いサウンドのイントロに続いて登場するCHRYSTA・JONESのあの聴く者を安心させる歌声が心地好く登場します。少しラテンのリズムとエレガントなヨーロッパのサウンドが調和したアルバムのトップを飾る曲です。
2曲目"How It Is"(4:45) デビュー・アルバムに収録されていた"In This Neighborhood" の持つ雰囲気に近いこのアルバム・タイトル通りにムードのある曲です。バックに飾られたCHRYSTA自身のヴォーカルも非常に美しく流れるのです。
3曲目"Believe It"(4:05) ピアノの旋律によるジャズ・ラウンジ的な曲です。ソフトでメロウなスローな響きの大人の為のナンバーで、きっと疲れた貴方の心を癒してくれることでしょう。
4曲目"Have It Your Way"(4:10) アカデミックなサウンドによるイントロから急にシックな方向に展開する少しハスキーな歌声を聴かせるCHRYSTAのヴォーカル曲です。バックでさり気なく鳴るMARK・VANDERGUCHT(PUSH,VANDERGUCHT & PITTS)の心地好いギターのサウンドが非常に素晴らしいのです。
5曲目"The Girl In Question"(3:20) MICHAEL・McDERMOTTのヴォーカル曲の登場です。いつ聴いても彼の優しい歌声が響くソフトな調べによるノスタルジックな雰囲気も持ったボサ・ノヴァです。
6曲目"Summer's Gone"(4:44) 少しテンポを上げてきたソフトなグルーヴを感じさせる曲です。MARKの美しいジャズ・ギターの刻みとハンド・クラップスに似せたビートが心地好く伝わってきます。驚いたことにサビではMICHAELが熱いヴォーカルを聴かせてくれるのです。
7曲目"Caught Up"(3:41) この曲はキーボードJANETTE・MASON(JANETTE MASON BAND)のサウンドが特徴的に響いています。明るくてポップなサウンドが、前作では薄らいでいたのですが、この曲にはキャッチーでポップな要素をミキシングとプログラミミングのRICHARDが付加えているようです。
8曲目"Don't Rely On It"(4:53) MICHAELの歌声に薄くボックスを効かせたブラック・ミュージックからの影響を感じさせるファンキーでダンサブルな曲です。暫くメイン・ヴォーカルをCHRYSTAに任せていたWORKSHYでしたが、このアルバムでは、以前通りMICHAELのヴォーカル曲も取り上げられています。
9曲目"For A Minute"(4:23) アコースティック・ギターサウンドに乗せたCHRYSTAの吐息まじりの歌声を聴かせるスローな曲です。マイクを手で包み込むようにゆったりとソフトに歌うようなしぐさを想像させるような彼女の曲です。
10曲目"The Penny Drops"(5:38) 再びMICHAELのヴォーカル曲の登場です。ミドル・テンポのWORKSHYらしい落ち着いたサウンドと心地好いヴァイブレーションを伝えてくれます。この曲も含み全曲CHRYSTAとMICHAELによって書かれています。
全10歌詞/訳詞付 20ページ物写真ブックレット 3折デジパック仕様 (国内盤) 収録時間:43分48秒 (このアルバムをリリースしてから暫く活動を休止していたWORKSHYですが、'07年11月に最新アルバムをリリースしています。殆ど日本のみリリース化しているWORKSHYですが、いつ聴いても安心して聴いていられるユニットのひとつです)'10年10月5日再更新


INDEX   TOP

写真  WORKSHY / Smile Again
 ・2007 Imperial Records    TECI-24448

レーベルも新たに・・・

WORKSHYの14枚目にもなるアルバムの登場です。前作[Mood]から暫く間が空いての '07年11月21日、国内のみリリースで、レーベルもコロンビアからテイチクによる洋楽専門レーベルImperial Recordsに移ってのアルバム・リリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CHRYSTA・JONES:ヴォーカル、MICHAEL・McDERMOTT:ヴォーカル/ギター/ベース/キーボード/シンセサイザー/ホーン・パッド/ストリングス/プログラミング/ホーン・アレンジ/プロデュース、JOHN・PARRICELLI:ギター、ERNIE・McKONE:ベース、TOBY・BAKER:キーボード/シンセザイザー、CRIPIN・TAYLOR:ドラム/ドラム・プログラミング/シェーカー、CRIPIN"SPRY" ROBINSON・:パーカッション、JIM・HUNT:サックス/ホーン・アレンジ、SIMON・ELMS:トランペット/ホーン・アレンジ、GRAEME・FLOWERS:トランペットのお馴染みのミュージシャン達です。
尚、今作でのプロデュースは、MICHAEL・McDERMOTT単独にて担当しています。

1曲目"Hello,It's Me"(3:25) 1曲目からいきなりTODD・RUNDGREN '73年の名曲のカバーからスタートです。TODDのオリジナル曲よりすこしテンポを上げてスタイリッシュで軽い仕上げで流されています。5年ぶりに聴くCHRYSTA・JONESの歌声は少し枯れた渋みが出てきたようですね。でもバックで響く自身によるコーラスは妖艶さを増してエモーショナルに響いています。WORKSHYのデビュー・アルバムでもTODDの"I Saw The Light" をカバーしていましたね。TODDとWORKSHYのサウンドに共通点が無いのところに益々興味津津です。
2曲目"Smile"(4:21) CHRYSTAとMICHAEL・McDERMOTTとのコンビによる作詞/作曲による本当にWORKSHYらしい軽快なリズムと高揚感のあるメロディです。ちょっとリフレインがくどいようですが、レーベルを変わってもこの曲を聴くとWORKSHYはデビュー以来、何も変わっていないと言うことに安心感を与えてくれます。
3曲目"Public Eye"(3:33) ハモンドの心地好いサウンドによるイントロとミドル・テンポのソフトなリズムが癒してくれるヒーリングな要素も持った誰にも好かれそうな優しい曲です。この曲ではいつものJOHN・PARRICELLIのギターではなく、MICHAELが心地好いギターを聴かせてくれます。
4曲目"I Wonder"(3:15) MICHAELのヴォーカル曲の登場です。この人の歌声も全然変わりませんね。少しこもり気味でスモーキーな響き歌声がジャズ・スタイルの曲には非常に似合います。
5曲目"Out Of The Cold"(4:22) 再びCHRYSTAのヴォーカル曲で、アルバムの前半が終わろうとしています。ここまではこの曲も含み、少し淡々とした曲の流れが過ぎようとしています。MICHAELの曲もそうだったのですが、この曲もバック・ヴォーカルの歌声のエモーショナルさが凄いのです。
6曲目"Call On Me"(4:01) ブラック・コンテンポラリー/アーバン・サウンドのテイストを持たせたスムーズな流れの曲です。インストゥルメンタルなら昔のフュージョン・サウンドと呼べる曲ですね。メインでのCHRYSTAのヴォーカルは非常に"クール" にそしてバックでは熱く響かす手法は、この曲でも行われています。
7曲目"Breakthrough"(3:43) メランコリックな響きのキーボードはお馴染みのTOBY・BAKERで、美しいメロディを奏でています。彼のキーボードのサウンドとCHRYSTAの切ない歌声が絡み合って川面をゆったりと流れるように曲が美しく過ぎ去って行きます。
8曲目"Every Day Is A Holiday"(5:06) 少しサウンドを明るくしてきたナンバーです。掴みを持たせたサビでのイントロに少し枯れた歌声を披露するCHRYSTAのヴォーカル曲です。前作より出産、育児に5年の休養をとって、このアルバム作り望んだ彼女の意気込みを感じさせる曲です。間奏では[Under The Influence][Allure ]でお馴染みのJOHN・PARRICELLI(BLUE PEOPLE)が、心地好いギターを聴かせてくれるのです。
9曲目"The One You Love"(3:48) MICHAELのヴォーカルが再び登場です。バックの演奏全てTOBY・BAKERが担当したヨーロピアン・ノスタルジックなスローの曲です。TOBYのセンシティヴなキーボードでのビロード・サウンドのマジックが繰り広げられています。
10曲目"It's All Over"(3:14) CHRYSTAの優しい歌声が印象に残るメロウでソフトな響きの曲です。この曲でも低いキーでは少し歌声が変化した彼女の魅力的な歌声に出会えたような嬉しさを感じさせてくれます。
全10歌詞/訳詞付 ブックレット デジパック仕様 (国内盤) 収録時間:38分54秒 (WORKSHYのアルバムは、いつも心地好いグルーヴと安心感を与えてくれます。ただ、このアルバムは、5年も待ったファンには10曲/39分弱=LP盤の長さでは少し寂しいと感じるのですが...)'10年10月6日再更新


INDEX   TOP

写真  WORKSHY / Bitter Sweet
 ・2011 Imperial Records    TECI-25638

知らない間にまた出ていました・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているポップ/スムース・ジャズ系のWORKSHYの15枚目になるアルバムで、'11年2月23日、国内のみリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CHRYSTA・JONES:ヴォーカル/ストリングス/ブリーズ・バックドロップ、MICHAEL・McDERMOTT:ヴォーカル/ベース/ヴィブラホン/ドラム"ン" ベース・プログラミング/ベース・ピアノ/ドラム/ストリングス/ホーン・アレンジ/プロデュースの他、TOBY・BAKER(PUSH):キーボード/シンセサイザー/ベース・シンセサイザー/ホーン・アレンジ、MARK・VANDERGUCHT(PUSH):ギター、ERNIE・McKONE(PUSH):ベース、CRISPIN・TAYLOR(PUSH):ドラム/ドラム・プログラミング、DOMINIC・GLOVER:トランペットの固定された比較的少人数での収録です。
尚、今回のアルバムのプロデュースも前作同様MICHAEL・McDERMOTT自身で行われています

1曲目"Bitter Days"(4:05) サビの部分をイントロに冠した約4年ぶりに聴くCHRYSTAの歌声とその歌声を讃えるように鳴り響くトランペットの調べから申し分ないWORKSHYのサウンドが"じわ〜っと" 広がる曲です。後半からは、更にサウンドを上げて行きCHRYSTAの歌声も伸びやかに響きます。
2曲目"Silly Games"(4:21) ベース・シンセザイザーの重い響きを底辺に流しながら展開させる少しアシッド感や陰りを持った全ての演奏をMICHAELが行っている曲です。例えるならRAY・HAYDENをプロデューサーに迎えた[Under The Influence] での楽曲のアレンジに近い雰囲気を感じます。
尚、オリジナル曲は、ジャマイカ系イギリス人ソウル・シンガーJANET・KAY '79年のヒット曲です。
3曲目"West End Lane"(4:00) この曲も非常にWORKSHYの持ち味を直に感じさせるソフトで軽やか雰囲気を持った曲です。CHRYSTAの歌声をメインにそのバック薄らと忍ばせたMICHAELのヴォーカルとの比重が心地好いのです。
4曲目"Misunderstood"(3:33) 今度はスピードを少し落として来た落着いた調べによる曲です。掠れた歌声を少し増したCHRYSTAの歌声によるある出来事に対して後悔していることを歌っています。
5曲目"Bitter Or Sweet"(4:17) この曲も前の曲と同じ程度のテンポを持った曲です。ソフトに響くCHRYSTAの歌声のバックに広がる決して多くないバック陣の演奏の心地好い流れなど是非お洒落なラウンジで生演奏を聴いてみたいですね。
6曲目"We'll Keep Striving"(4:10) MICHAELのヴォーカル曲の登場です。デュエット形式で歌われるスムーズな流れと後半からは、CHRYSTAがメイン・ヴォーカルとして交代で歌われます。
尚、オリジナル曲は、N.Y.のブラック・コンテンポラリーミュージック界の女性シンガーLA LA '87年の曲です。
7曲目"Venus As A Boy"(4:41) 一転して引き摺り感のあるトリップ・ホップ感のある曲の登場です。ドラム"ン" ベースの調べを基調にした流れにMICHAELの電子ピアノによるLo-Hiにしたノイズに近いサウンドをあしらっています。
尚、オリジナル曲は、BJÖRK '93年の曲です。
8曲目"Slip Away"(3:44) 再び枯れた渋めの歌声を聴かせるMICHAELのヴォーカル曲の登場です。テンポの良いリズムに心地好く響くMICHAELのこれまた久しぶり聴く歌声が響きます。
9曲目"Looking Forward To"(2:44) この曲も非常にWORKSHYらしいメロウとスムーズな雰囲気を伝えている曲です。アコースティック・ギターのサウンドをバックに響かせながら流れるこの曲も固定バック・ミュージシャンによる曲で、多分このメンバーに近いサウンドを来日して演奏したと思えます。
10曲目"Throw Away The Key"(4:09) ドラム"ン" ベースを使ったサウンドの流れによる聴き易さを持った曲です。時折響く打楽器のイメージに近いピアノの調べをアクセントにしたアレンジが妙に印象に残ります。
11曲目"How It's Gonna Be"(3:34) この曲もWORKSHYらしいサウンドの曲で、ちょうどRICHARD・BULLがプロデューサーを務めたアルバム[Clear"]や[Mood"] の時に近いかな。細かく刻まれるギターのカッティングがソウル・フィーリングを与えてくれます。
12曲目"Only Maybe"(4:08) 今回は、曲数も前回より多い為カバー曲やMICHAELのヴォーカル曲も多く収録されているので、この曲もMICHAELのヴォーカルで登場します。TOBY・BAKERのベース・シンセサイザーの重くうねるような響きと対照的なMICHAELの奏でる電子ピアノの軽やか響きが融合した時の流れを感じます。
全12曲歌詞/訳詞付 2折紙ジャケット仕様 写真ブックレット (国内盤) 収録時間:47分31秒 (知らない間にまた出ていたWORKSHYのアルバム、リリースと同時に日本でライヴも行われたようですね)'13年3月9日更新


INDEX   TOP

写真  WORKSHY / Wayward
 ・2017 P-VINE RECORDS    PCD-25229

安定のWORKSHY・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているポップ/スムース・ジャズ系のWORKSHYの17枚目(ミニ・アルバム/べスト盤を含む)になるアルバムで、 '17年7月26日、国内(本国では2月16日)でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CHRYSTA・JONES:ヴォーカル/エフェクト/プロデュース、MICHAEL・McDERMOTT:ヴォーカル/ギター/キーボード/シンセサイザー/ベース・シンセサイザー/ドラム・プログラミング/ストリングス・プログラミング/プロデュースの他、TOBY・BAKER:ベース/ギター/キーボード/シンセサイザー/ベース・シンセサイザー、ERNIE・McKONE:ベース、CRISPIN・TAYLOR:ドラム/パーカッションの前作でのミュージシャン達が参加して再び少人数での収録となっています。

1曲目"Love Comes Here To Stay"(3:37) 本当に久しぶりに2人が登場したプロモーション・ビデオが制作された曲です。曲については、何も言う事はないですね。WORKSHY安定のサウンドとメロディです。
2曲目"Love Arrived"(4:07) CHRYSTAの少しハスキーさ増した歌声が響く「恋の訪れ」を楽しく歌う曲です。MICHAELのクラヴィネットのおどけたような音色と重い響きのベース・シンセザイザーが曲調を盛り上げます。(LINK先のYouTubeの音源では、フォーマットの関係か音が割れていますが、CDでは、音割れが軽減されています)
3曲目"It Comes A No Surprise"(4:13) 今度は、スローな曲の登場です。過去にWORKSHYの音楽を聴いた人なら誰でも一発でWORKSHYだと分かる安定の1曲です。TOBY・BAKERの落ち着いたベースの調べと電子ピアノのサウンドが美しく響くのです。
4曲目"Quiet Storm"(5:03) 多重とエフェクトを加えたCHRYSTAの美しいハーモニーがバックに広がる心地好い響きを持った曲です。オリジナル曲は、'75年のSMOKEY・ROBINSONの同名曲に収録されたROSE・ELLA・JONESとSMOKEY・ROBINSON姉弟によって書かれた曲です。WORKSHYが影響された70年代の音楽たちが、はっきりここに表れていますね。
5曲目"Overdue"(3:26) ここに来てMICHAELのヴォーカル曲の登場です。1人4役のTOBY・BAKERのリズム隊とシンセザイザーの音色がMICHAELのバックを務めます。
6曲目"Where Or Why"(4:09) 今度は、CHRYSTAが思い詰めたように歌うバラードです。これまた切ない響きを放つオルガンの調べが響きます。この曲のみ前作でのベース元GALLIANOのERNIE・McKONEが参加しています。
7曲目"Into View"(3:54) ネオ・ソウル/ファンクな曲調によるスムーズな流れと心地好いリズムを伝える曲です。エフェクトを加えたようなMICHAELのヴォーカルとバックに静かに流れるTOBY・BAKERのギターがさり気なくかっこ好いのです。
8曲目"Love’s For Real"(4:11) 今度は、曲調をアシッド・ジャズ系に変えて来たスローな曲です。イントロで奏でられるMICHAELのナイロン弦ギターとTOBY・BAKERのベーススラップとこの曲では、弦の響き大事にした感が伝わって来ます。
9曲目"Dreaming Someday"(3:54) イントロから重く響くシンセ・ベースのサウンドに乗せて歌うMICHAELのヴォーカル曲です。この曲でもMICHAELのクラヴィネットの音色がレトロな70年代ファンク/ソウルな香りが伝わって来ますフンクーヴォーカル曲も非常にWORKSHYらしいメロウとスムーズな雰囲気を伝えている曲です。アコースティック・ギターのサウンドをバックに響かせながら流れるこの曲も固定バック・ミュージシャンによる曲で、多分このメンバーに近いサウンドを来日して演奏したと思えます。
10曲目"Wait For The Day"(3:14) この曲の演奏は、全ての楽器をMICHAEL1人で行っています。CHRYSTAのヴォーカルの魅力を知り尽くしたMICHAELが曲の終焉まで優しく彼女を包み込むような優しさを演奏まで感じます。
オリジナル盤の収録は、この曲迄です。以下は、国内盤ボーナス・トラックです。
11曲目"Heaven Sent(Revisited)"(4:12) '93年のアルバム[Heaven]での収録曲の改定版です。オリジナル盤での軽快な乗りからスローにしっとりとしたリズムとサウンドにCHRYSTAの素敵な年齢を重ねたアレンジになっています。'93年当時、この曲のMax.single盤でも6ヴァージョンも制作された人気の曲でもあります。
10曲歌詞/訳詞付 3折紙ジャケット仕様 8ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:44分05秒 (今回からは、WORKSHYのH.P.からCDやグッズ販売があり、日本を含めた東南アジアの音楽フェスなどへ公演もしているようです!)'24年2月10日更新


INDEX   TOP

写真  WORKSHY / Love Soul
 ・2020 P-VINE RECORDS    PCD-25294

カバー曲集第2弾・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているポップ/スムース・ジャズ系のWORKSHYの18枚目(ミニ・アルバム/べスト盤を含む)になるアルバム(カバー曲集)で、 '20年10月21日に国内(本国では12月13日)でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CHRYSTA・JONES:ヴォーカル、MICHAEL・McDERMOTT:ヴォーカル/ギター/ベース/キーボード/ヴィブラホン/シンセサイザー/ベース・シンセサイザー/ドラム・プログラミング/パーカッション・プログラミング/ストリングス・プログラミング/ベル/プロデュースの他、TOBY・BAKER:ベース/ギター/キーボード/シンセサイザー/ベース・シンセサイザー/ヴィブラホン、CRISPIN・TAYLOR:ドラム/ボンゴ/シェーカー/タンバリン/ギロ/パーカッション、 AVA・ HINDS-JONES:バック・ヴォーカル、MARNIE・HINDS-JONES:バック・ヴォーカルのCHRYSTAの家族も参加しています。

1曲目"Inside Out"(4:01) スコットランド出身のソウル/ファンク・シンガーJESS・RAE '87年のセルフ・タイトル・アルバムに収録されている曲のカバーです。MICHAEL(談)によると '82年のODYSSEYのヴァージョンも好きだけど作曲者のJESS・RAEも好きのこと。ここでの収録は、リズム的にJESSとODYSSEYとの中間の感じかな?
2曲目"Ooh Child"(3:36) アメリカのシカゴ出身のソウル・グループTHE FIVE STAIRSTEPS '70年のアルバム[Stairsteps]に収録されている曲のカバーです。ここでの収録は、ほぼ原曲に近いアレンジで収録されています。
3曲目"Don't Ask My Neighbors"(4:18) 作曲家SKIP・SCARBOROUGHがE.W.&F.の MAURIC・EWHITEプロデュースによるTHE EMOTIONS '77年のアルバム[Rejoice]に収録されている曲のカバーです。ここでの収録は、ボサ・ノヴァ調の軽いリズムにアレンジされています。
4曲目"Didn't I (Blow Your Mind This Time)"(3:37) アメリカのR&B/ソウル・シンガー・グループTHE DELFONICSのセルフ・タイトル・アルバムに収録されて曲のカバーで '70年のゴールド・ディスクを受賞しています。ここでの収録は、原曲に近いアレンジにMICHAELがシタール風ギターの演奏を加えています。
5曲目"Eighteen With A Bullet"(4:01) イギリスのシンガー兼プロデューサーPETE・WINGFIELD '75年のアルバム[Breakfast Special] に収録されている曲のカバーです。ここでの収録は、PETEのファルセット部をCHRYSTAが歌いその後MICHAELのヴォーカルに引き継いで歌われます。
6曲目"You'll Never Get To Heaven"(4:03) BURT・BACHARACH、HAL・DAVIDコンビの曲、DIONNE・WARWICKが '64年に歌いヒットさせた曲のカバーで、MICHAELのヴォーカル曲です。前のカバー曲集では、DIONNE・WARWICKの"I Say A Little Prayer" も非常に好かったですね。
7曲目"Damn U"(4:09) PRINCE AND THE NEW POWER GENERATION '92年のアルバム[Love Symbol]に収録されている曲のカバーです。ここでの収録は、CHRYSTAがその切ない想いを聴かせます。TOBY・BAKERのピアノの調べも悲し過ぎます。
8曲目"Human"(3:57) もう何の説明も要らないイングランド出身のエレクトロニカ・ポップ・バンドTHE HUMAN LEAGUE '86年のアルバム[Crash]に収録に収録されている大ヒット曲のカバーです。ボンゴで繰り出されるリズムの流れに合わせ長めのイントロあけにゆったり歌うCHRYSTAの歌声が優しく響きます。
9曲目"You Don't Know Me"(3:14) RAY・CHARLES '62年のアルバム[Modern Sounds In Country And Western Music]に収録されているカントリーのカバー(中々懐が深いですね)です。カントリー調からジャズ風にアレンジ替えしたソフトで洒落た調べでMICHAELが歌います。
10曲目"You're The Summer(Reprise)"(4:14) '89年のデビュー・アルバム[The Golden Mile]のトップを飾った曲のセルフ・カバーです。ここでの収録は、スローでメロウな雰囲気を醸し出したアレンジにCHRYSTAの2人の娘さんもバック・ヴォーカルに参加しています。何だかWORKSHY以前カバーしたアニメのテーマ・ソングに雰囲気が似ていると感じるのは、私だけ?
尚、国内盤の解説によると10曲目がボーナス・トラックとなっていますが、本国盤も全10曲です。
全10曲歌詞付 WORKSHYによる各曲解説付 3折紙ジャケット仕様 8ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:39分14秒 ('94年のカバー集のアルバムのタイトルが [Soul Love]と似ていて少しややこしくなっています!)'24年2月12日更新


INDEX   TOP

写真  ZZAJ / Epilog 1987-1993
 ・1995 SONY MUSIC (SWEDEN) AB.     EPIC 480665-2

日本人では発音出来ないZZAJ・・・

スウェーデンで活躍しているユニットZZAJ=ANNA・NEDERDALの世界中でスウェディッシュ・ミュージック・ブームの最中の '95年にリリースされたベスト・アルバムで、過去の作品3枚よりのベスト盤用にコンピレーションされています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ANNA・NEDERDAL:ヴォーカルの他、BILLY・BOLERO:ギター/キーボード/プロデュース、CHRISTIAN・CALLERT:ドラム、MATS・LINDBERG:ベース、LARS・DANIELSSON:ベース、PATRIK・SVENTELIUS:ベース、PATRIK・FRISK:キーボード、STAFFAN・ÖFWERMAN:キーボード、KRISTOFFER・WALLMAN:キーボード、NILS・TANAKA:パーカッション、MAGNUS・PERSSON:ドラム/パーカッション、KRISTER・LINDER:ヴォーカル、MAGNUM・COLTRANE・PRICE:ギター/バック・ヴォーカル、STEPHAN・FORKELID:オルガン、ANDERS・LÖWSTEDT:トランペット/フリューゲルホーン、HÅKAN・ERIKSSON:フリューゲルホーン、ANDERS・CARLSSON:トロンボーン、MATS・GUNNARSSON:サックスのスウェーデンのミュージシャン達です。

1曲目"För Min Skull?"(3:48) 太く低い声の男性のアナウンスに続いて登場するファンクなリズムの曲です。ANNAのスヴェンスカによる伸びやかでソウルフルな歌声とブラック・ミュージックに影響を受けた曲調です。
2曲目"Lev Nu"(5:02) U2のBONOの歌声に非常に似た男性バック・ヴォーカルKRISTER・LINDERが素晴らしい歌声を聴かせる曲です。エレクトロニカのサウンドとポップさが上手く調和した曲で、英語の歌詞を付ければヨーロッパ各地でヒットしそうです。
3曲目"Vackra Ord"(4:35) パーカッションの心地好い響きによるスローなナンバーで何故かオリエンタルな雰囲気を放つ歌謡曲のように聴こえます。溜めを取った情熱的なANNAの歌声による曲です。
4曲目"En Skål För Alla"(4:18) ニューヨーク辺りのJAZZミュージシャンが演奏していそうなミッドナイト・サウンドのような曲調です。ANNAの優しい歌声とサックスのソロとハモンドの癒し系のサウンドです。
5曲目"Tänker På Dig"(5:39) ドラムのビートを効かせたミドル・テンポのファンクなナンバーです。フレットレス・ベース風のシンセのサウンドがご機嫌です。'87年の本国でのシングル・カット曲です。
6曲目"Vi Hade Något"(3:30) グルーヴ感のあるリズムと少しブラック・コンテンポラリーの要素を持った曲です。スウェーデンのBLACKNUSS ALLSTARに通じるサウンドとチョッパー・ベースで決めています。
7曲目"Först Föll Regnet"(4:00) スローで心地好いリズムの曲で、柔らかいサウンドを使ったフェンダー・ローズとあまり前に出過ぎないさり気ないギターサウンドが非常に良いです。
8曲目"(Du Som Var)Min Bäste Vän"(4:04) 70年代に流行ったSTEELY DAN風のキーボードによる当時シティー・ミュージックと呼ばれたサウンドです。ウ〜〜ン懐かしいサウンドです。この曲もギターのサウンドが心地好いです。ギターと言えばスウェーデンで活躍するMAX・SCHULTZとANNAは一緒に歌を出しているようです。
9曲目"En Minut"(4:13) フュージョン・サウンドらしい心地良いリズムとメロディによる曲です。ANNAのしっとりした歌声とシンプルなトーンのギターによるスムースに流される曲です。
10曲目"Först Händer Inget"(4:04) エレクトロニカでのボサ・ノヴァのリズムによるアーバンな曲です。バックに流れる無機質なリズムとエモーショナルなブラスのサウンドを上手く使ったアレンジです。
11曲目"Om Du Kommer"(4:59) オリエンタル調のキーボードの音色のイントロによるスローな曲です。ソウルフルなANNAのヴォーカルとファンクなベースのサウンドによるコンテンポラリーR&Bです。
12曲目"Tillbaka Till Gå"(3:32) ジャジーでエモーショナルなサックスのサウンドによるmood musicです。ラウンジでの演奏に丁度良い雰囲気とテンポの曲です。
13曲目"Tänker På Dig(95)"(4:35) '88年の同曲をよりソフトにメロウにアレンジした曲です。シングル・リリースをコンピに再収録しています。ご機嫌なアーバン・ソウルな都会的なサウンドとなっています。
12曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット オーストリア製 (輸入盤) 収録時間:56分24秒 (JAZZを反対にしたユニット名は、日本人では発音出来ないです。その後、ユニットをJAZZAJと名前を変えてスウェーデン語によるアルバムをWARNERからリリースしているようです。尚、ANNAと一緒に活動していたプロデューサー/ギタリストのBILLY・BOLEROは現在、ELIN・RUTH・SIGVARDSSONなどを擁するBORERO RECORDSを運営しています。 '10年3月ZZAJのYouTubeが嬉しいことに開設されました)'10年10月6日再更新


INDEX   TOP