写真  PAINTBOX / Bright Gold And Red
 ・2008/10 Wild Chance Music    WCM001

一筋縄ではいかないバンドの味・・・

このアルバムは、スウェーデンのハルムスタッド(デンマークとの国境付近の街)で活躍している3ピース・バンドPAINTBOXのデビュー・アルバムです。
バンドのメンバーは、エクスペリメンタル音楽のバンドSOUNDS OF ETERNITYISILDURS BANEのメンバーであるFREDRIK "GICKEN" JOHANSSONとLINNÉA・OLSSONにドラマーのMAGNUS・HELGESSONを加えた3人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、FREDRIK "GICKEN" JOHANSSON:ギター/ベース/キーボード/ハーモニカ/パーカッション、LINNÉA・OLSSON:ヴォーカル/チェロ/ベース、MAGNUS・HELGESSON:ドラム/パーカッション/キーボード/グロッケンシュピール/ヴォーカルの他、MARIETTE・HANSSON(アイドル2009ファイナル第4位):ギター/ヴォーカル、LAIMA・OLSSON:ヴァイオリン、CHRISTOF・JEPPSON:ヴォーカル/ギターのISILDURS BANEの関係者も参加しています。
尚、このアルバムの本国でのリリースは、'08年12月ですが、iTunesCDBabyによるダウンロード販売を通じてのワールドワイド・リリースは、'10年1月24日となっています。

1曲目"Lighthouse"(3:09) ベランダに据えたロックキング・チェアーに揺られながらギターの爪弾きに合わせて歌うLINNÉA・OLSSONの清楚な歌声からそのような姿を想像させるイントロの調べから聴き入る曲です。アルバム・タイトルの[Bright Gold And Red]が歌詞に登場するカラフルに描いた情景を歌っています。また、私をこのPAINTBOXの持つ魅力に惹きつけた最初の曲でもあります。
2曲目"Stop Running"(3:10) FREDRIKのシンプルなギターの調べに乗せて歌うLINNÉAの淡々とした歌声が少し怠惰さを感じさせる曲です。チェロ、ドラムとLINNÉAのハーモニーも加えながら次第のサウンドを心地好く響かせます。また、チェロのエクスペリメンタルな凝った演奏も聴かせる一筋縄ではいかないバンドの味を強く感じます。
3曲目"Wild Chance"(3:54) 一転して非常にポップなサウンドを聴かせる電子ピアノのチープなサウンドにリバーヴを効かせたFREDRIKのギターのサウンドが心地好い響きの曲です。この曲のサウンドとLINNÉAの歌声の感じはFEISTの曲を歌うKEREN・ANNって感じかな。
4曲目"Heaven"(4:15) この曲は、イントロからアルバムの流れとは違ったオルタナティヴなエクスペリメンタル・サウンドを聴かせる曲です。短い歌詞を呪文のように繰り返し歌うLINNÉAの歌声とチェロのバックに怪しく響くFREDRIKの太いベースのサウンドとMAGNUSの宗教音楽のようなパーカッションのリズムです。
5曲目"Walls Coming Down"(4:31) ゆったりと爪弾かれるアコースティック・ギターの調べに合わせて歌うLINNÉAの歌声が耳に優しいスローな曲です。チェロの調べも優しく広がりながら聴く者をしっとりと包んでくれそうな雰囲気です。
6曲目"45 On"(3:48) この曲も楽しいそうなリズムとサウンドを聴かせるポップな曲です。ベースとヴォーカルは、LINNÉAにバック・ヴォーカルはドラムのMAGNUSが担当し、彼のMySpaceにてこの曲のフル・トラックが試聴出来ます。また、曲の終りに小さなライヴ仕立てのような観客の拍手が収録されているのも面白いですね。
7曲目"Chameleon"(3:28) シューゲイザー的に響く特徴的なサウンドと短い歌詞によるリフレインが耳に残る北欧的な神秘さを感じさせる曲です。非常に高いキーでのLINNÉAのヴォーカルもストリングスの厳かな響きと共に美しく響いて来ます。
8曲目"Winter"(3:33) 本国スウェーデンで先行シングルとして7曲目の"Chameleon" とカップリングにてリリースされている曲です。イントロのサスペンス映画を想像させるような怪奇的なサウンドから入るアコースティック・サウンドによる冬の情景を描いた静かに流れに乗せてLINNÉAのピュアな歌声が深々と降る雪のように感じます。
尚、この曲のビデオの監督/編集はドラムのMAGNUSが担当しているそうです。
9曲目"Love"(3:33) 訥々と歌うLINNÉAの吐息混じりの歌声がイントロから流れる優しい響きの曲です。慎ましやかなFREDRIKのギターの爪弾きと厳かに奏でられるLINNÉAのチェロの調べとの織り成す「静かなる」エモーションを感じます。
10曲目"Air"(4:26) 60年代のサイケデリック・ロックを彷彿とさせるサウンドとメロディを感じさせる曲です。コンガのエモーショナルなリズムに合わせてMARIETTE・HANSSONとCHRISTOF・JEPPSONも雄叫びを上げながら歌っています。
11曲目"Choosing Love"(4:00) 枯れたアコースティック・ギターの調べの合間に微かに流れるシタールのサンプル音源が粋なスローな曲です。サビで切なく響くLINNÉAの歌声に続いて登場するFREDRIK のスライド・ギターのサウンドの心地好いこと。
全11曲歌詞付 写真ブックレット デジパック仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:41分52秒 (PAINTBOXと言うバンド名は複数存在しますが、このスウェーデンのPAINTBOXは、ドイツ・ツアー終了後の現在、最新アルバム作制作中とのことです )'10年7月29日更新
2010年度ベスト5


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写真  PAINTBOX / The Night
 ・2011 Wild Chance Music    WCM003

よりアグレッシヴに・・・

このアルバムは、スウェーデンのハルムスタッド(デンマークとの国境付近の街)で活躍しているインディーズ・バンドPAINTBOXの '11年2月16日に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
PAINTBOXのメンバーは、FREDRIK "GICKEN" JOHANSSON:ギター/ベース/キーボード/パーカッション/バック・ヴォーカル、LINNÉA・OLSSON:ヴォーカル/チェロ/ベース/ウクレレ、MAGNUS・HELGESSON:ドラム/パーカッション/グロッケンシュピール/バック・ヴォーカルの3人組です。
尚、今回のアルバムにはメンバー以外のミュージシャンが収録に参加していなくプロデュースもPAINTBOX自身で行っています。

1曲目"The Night"(3:17) このアルバム・リリース前からMySpaceで配信されていたLINNÉAの作詞/作曲による曲です。イントロから響くLINNÉAのチェロの調べと彼女の可憐な歌声によるポップさのあるパートとPAINTBOXの持ち味であるダーク・ダウンテンポの組合せで展開されています。
2曲目"Two beats"(3:05) どこか張詰めたような空気感漂う空間に鋭く響くLINNÉAの歌声によるエクスペリメンタルな質感を持った曲です。響き渡るMAGNUSのドラムとFREDRIKのギターのサウンドが上り詰めます。
3曲目"Dream On"(5:21) ヒーリング系のキーボードのサウンドが少し冷やかさと静寂な空気を感じる北欧的な曲です。LINNÉAの歌声のバックに添えられたFREDRIKの切ない歌声に聴き惚れていると一挙に彼の奏でる最高のギター・パフォーマンスにまた惹き込まれます。
4曲目"Mindreader"(3:20) チェロを弾きながら女性ヴォーカリストが歌うバンドとしては、アイスランドのRÖKKURRÓを思い浮かべるのですがこの曲は、特にそのRÖKKURRÓとサウンドの共通性を感じさせます。
5曲目"Clowns"(4:35) ゆったりと歌う心地好い耳触りを感じるLINNÉAの歌声とバックで流れるオリエンタル風味のチェロの調べが歌詞の「サーカスが去った後の寂しさ」を表現しているようです。
6曲目"Ambient One"(4:11) 曲のタイトル通りアンビエントな雰囲気を伝えるインストゥルメンタルです。スペース・サウンドのように響くチェロとシンセによるハーモニーにゆったりと浸りましょう。
7曲目"Traces"(4:05) 呪文を唱えるようなLINNÉAの歌声とFREDRIKのこれまたかっこ良いギターのリフを聴かせるトリップ・ホップな曲です。前作よりこの辺りサウンドの幅を広げたクールな趣味の良さを感じます。
8曲目"Underground"(3:10) 鋭く響くFREDRIKのベースとLINNÉAのピュアながらエモーショナルに歌いあげるテンポの良くリズミカルに進行して行く曲です。路線的には前の曲と同じ位置にあるのですが、こちらの方がよりポップさを増した感じでライヴなどでは観客の反応が良さそうですね。ライヴで思い出したのですがこのPAINTBOXは、あのROXETTEのライヴを '10年に同行しています。
9曲目"Broken Arrow"(3:12) LINNÉAのセンチメンタルな歌声と彼女の胸元で響くウクレレのシンプルなサウンドから入る曲です。次第にサウンドをワイドに広げるMAGNUSのインディアン・ドラム似のエモーショナルな鼓動が印象的です。
10曲目"Tiny Stars"(3:01) エクスペリメンタルな要素を織り交ぜたダークさのある曲です。スリリングなギターの調べなど映画のワン・シーンを観ているような錯覚を感じさせる描写性の素晴らしさがあります。
11曲目"Dream"(3:56) アルバムの最後の曲は、アコースティック・ギターの調べとチェロの調べによる落ち着いたサウンドの曲です。LINNÉAのピュアな歌声とFREDRIKの泣きのギター・サウンドが堪りませんね。
10曲歌詞付 写真ライナー デジパック仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:41分17秒 (前作を聴いて以来このPAINTBOXのその後の活動の注目を怠けていたら知らない間にアルバムがリリースされていました)'12年2月11日更新


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写真  THE PALE FOUNTAINS / ... From Across The Kitchen
 Table
 ・1985 Virgin Records Limited    V2333

弾けるギターのサウンド・・・

このアルバムは、イギリスで活躍していた"ネオ・アコ・バンド"THE PALE FOUNTAINSの '85年2月に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
このアルバムでのTHE PALE FOUNTAINSのメンバーは、MICHAEL・HEAD:ヴォーカル/ギター、CHRIS・McCAFFERY:ベース、JOHN・HEAD:ギター、JOCK・WHELAN:ドラム、ANDY・DIAGRAM:ホーンの5人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GERALDO:パーカッション、AUDREY & ANNE:ストリングス、MARGE:バック・ヴォーカルと各人のファミリー・ネームは不明です。
プロデュースは、IAN・BROUDIE(ECHO & THE BUNNYMEN,THE COLOURFIELD)が担当しています。
尚、THE PALE FOUNTAINSは、'08年に再結成され、ツアーも行われたようです。

1曲目"Shelter"(3:15) タイトなドラムのリズムに乗せ心地好く歌うMICHAELの歌声がイントロから響くギター・ポップなサウンドの曲です。途中で登場するギミックなJOHNのギターと非常に躍動的に盛り上げるJOCKのドラムも良いですね。
2曲目"Stole The Love"(3:55) 一風変わった民族弦楽器のようなサウンドと怪しげなパーカッションのリズムをイントロに配したエキゾチックな雰囲気を醸し出している曲です。カリスマ性のあるMICHAELの歌声とJOHNのギター・ソロと絡みが「キモ」ですね。少しTHE DOORSを意識させるサウンドでしょうか。
3曲目"Jean's Not Happening"(4:08) イギリスのバンドらしい凛としたギターのサウンドと字あまり的に歌うMICHAELの歌声に美しいストリングスのサウンドにJOHNのギター・ソロと盛り沢山の聴きどころを持った曲ですね。
4曲目"Bicycle Thieves"(4:12) がらっと雰囲気を変えてきたブルース/ロックな"渋め" のサウンドの曲の登場です。リユニオンでも演奏されたファン好み/ライヴ受けしそうな曲ですね。話は違うのですが、この手のサウンドが上手かったグラスゴー出身のHIPSWAYの曲を想い出しましたね。
5曲目"Limit"(3:52) 今度はテンポを上げてきたロック"ン" ロールのリズムの曲の登場ですね。JOHNのギター・ソロのパートなんかはライヴで観てみたいようなギター・ワークを強く感じさせます。バンド全体の演奏が一体となった乗りの良さもこの曲を通じて感じさせます。
6曲目"27 Ways To Get Back Home"(2:50) また、少しサウンドを変えてきたニュー・ウェーヴ系/エレクトロニカ・バンドのサウンドを感じさせる曲です。変則的なリズムの流れに間奏では、ハーモニカを聴かせるアレンジで攻めて来ますね。
7曲目"Bruised Arcade"(4:19) イントロの美しい12弦ギターの残響音と叩き付けるようなドラムのビートによる今で言うブリット・ロック的なサウンドの曲ですね。MARGEとだけ記された女性ヴォーカリストの存在が効いていますね。
8曲目"These Are The Things"(3:47) バックで響くギターの鈴なりとメランコリックなMICHAELの歌声が対照に響くビター・スイートなイメージを感じさせる曲ですね。私的には非常にこのTHE PALE FOUNTAINSの持ち味を感じさせる曲です。また、この頃のイギリスのバンドは、ギターの残響音の使い方がこのバンドを含めて非常に上手かったですね。
9曲目"It's Only Hard"(3:08) ワイドに広がるMICHAELの歌声とバックのハモンドとストリングスの重厚なサウンドが印象的なメロディアスな曲です。映画音楽の一部にも通じる一面も感じさせます。
10曲目"... From Across The Kitchen Table"(3:33) イントロから痺れさせてくれたこのアルバムのタイトル曲の登場ですね。MICHAELの蒼く透き通った歌声とストリングの調べが非常に印象的です。次第にエモーショナルに鋭く歌うMICHAELとJOHNのあのギター・サウンドがこのバンドの鮮烈なイメージを与えていました。
11曲目"Hey"(3:50) この曲もイントロから非常に印象的(ウエスタンみたい)な曲ですね。12弦ギターの副音で弾かれる切ないサウンドからタイトなドラムのビートとコードによるギターの音色が融合した所に響くMICHAELのメランコリックな歌声に何度も聴き入ります。やはりこの曲は、名曲ですね!
12曲目"September Sting"(3:34) アルバムの最後は少し雰囲気を変えた明るいサウンドのカントリー・ポップな曲です。「肩肘を張らず楽しく聴いてね」ってMICHAELのメッセージがアルバムの向こうから聴こえて来そうです。
全12曲歌詞付 LP盤 UK製 (輸入盤) 収録時間:44分23秒 (実は、'84年の[Pacific Street]もボーナス・トラック付CDでもっていたのですが、このアルバムほど愛着が湧かず残念ながら今は手元にありません)'10年7月30日再更新


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写真  PALPITATION / Palpitation
 ・2010 LUXURY    LUX023

実はガールズ・バンド苦手なんです・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍している女性インディー・ロック・バンドPALPITATIONの '10年4月28日に本国でリリースされたデビュー・アルバム(EP盤でのデビューは '07年11月)です。
PALPITATIONのメンバーは、MARIA・VEJDE:ギター/ヴォーカル、EBBA・CARLÉN:ギター/ヴォーカルが中心となり活動によっては、EBBAの姉妹JOSEFIN・CARLÉN:トランペットが加わったりしているようです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、先の3人の外、PETER・GRINSFELDT(TEENAGE SPACE MONSTERS):ヴォーカル、SOFIA・JEPPSSON:ヴァオリンが参加しています。
尚、バンド名のPALPITATIONとは、一般的に「動悸、鼓動」を意味しますが、「ときめき」との意味もあり、女性らしいバンド・ネームですね。

1曲目"I Lost And Died"(3:29) 神秘的の広がるイントロのサウンドから聴き入らす曲で、暫くしてから登場するMARIA・VEJDEの絞り出すように歌う癖のある歌声がこのPALPITATIONの最大の特徴です。一度聴いたら忘れられないスモーキー・ヴォイスに絡みつく軽快なギターのサウンドが通り過ぎて行きます。
2曲目"Love Again"(3:26) この曲も1曲目とテンポの良いインディーズ・ギター・ポップらしい曲です。軽快なリズムと軽めのギターのリフで展開されるスウェーディッシュ・ポップを暫し楽しむことしましょうか。
3曲目"You Kill Me"(3:30) この曲もイントロから美しいメロディとサウンドを聴かせる曲です。センチメンタルに歌うMARIAの歌声とバックに美しく聴かせるEBBAのハーモニーから2人の絆の深さをも感じます。
4曲目"What If"(2:55) この曲は、YouTubeなどで紹介されている先行シングルとなった曲で、爽やかなサウンド・スタイルのギターとトランペットの調べが心地好く流れるMARIAの歌声を含めPALPITATIONを代表する曲ですね。
5曲目"You And I"(3:51) 今度はスローな曲のスタイルで聴かせるセンチメンタルな色合いを聴かせる曲で、男性ヴォーカルPETER・GRINSFELDTとMARIAのデュエット形式で収録されています。ダウンテンポなリズムに引き摺り感のある流れが感じ良いです。
6曲目"Light Can Fix Me"(3:34) 遠くで響く厳かなピアノに調べに続いて登場する孤高な感じのするドラムのビートが堪らない曲です。ブリット・ロック然としたギターの空間的響きとエコーの効いたMARIAの歌声が切ないです。
7曲目"Red White Golden Stripes"(3:44) 鼓動に似たドラムのビートにリズミカルなギターのサウンドが心地好い曲です。次第にエモーショナルに感じさせるビートに高揚感のあるギターのサウンドの波が攻めて来ます。
8曲目"Wait/Fall/Leave "(2:45) こんど少しエレクトロニカのサウンドを加えたテンポ良く流れる曲です。JOSEFINの直球的トランペットにMARIAの篭った歌声に美しいEBBAのバック・ヴォーカルとこのバンドの素晴しい融合が感じられますね。
9曲目"One Step Beyond"(2:38) 不思議なリズムの流れに逆らうように奏でられるシンプルなギターのサウンドが印象的な曲です。どことなくカリフォルニアの往年のバンドの影響を感じる曲です。
10曲目"Stand-By"(3:26) この曲もギターのサウンドが印象的な曲です。書き殴るように奏でられるギターの調べあり、ソフトに転がるようなサウンドありとアレンジも工夫されています。
11曲目"In Five Years"(3:49) MARIAのギターの弾き語りから入るシンプルな曲です。ギミックなバックのEBBAの歌声と次第に膨らむサウンドの厚さも心地好く伝わって来ます。
歌詞無し 2折紙ジャケット仕様 ポートレイト付き スウェーデン製 (輸入盤) 収録時間:37分12秒 (実はガールズ・バンド苦手なんですが、このPALPITATION 3人の素晴らしい持ち味の融合がサウンドに良く表現されていますね)'11年8月20日更新


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写真  PAPER AEROPLANES / Little Letters
 ・2013 NAVIGATOR RECORDS    NAVIGATOR081

SARAHの清らかな歌声とRICHARDの寄り添うサウンド・・・

このアルバムは、イギリスの西ウェールズ出身の男女フォーク/ポップ・デュオPAPER AEROPLANESの '13年5月13日に本国でリリースされた3枚目('07年のHALFLIGHT名義と'11〜'12年のEP盤は含まない)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SARAH・HOWELLS:ヴォーカル/ギター/キーボード/プロデュース、RICHARD・LLEWELLYN:ギター/バック・ヴォーカル/プロデュースのPAPER AEROPLANESの他、SION・LLWYD(ELIN・FFLUR):ベース、JOHN・PARKER:ダブル・ベース、ANDY・SCHRAV:ピアノ/プロデュース、KEVIN・POLLARD:キーボード、RYAN・ASTON:ドラム、MARTIN・DITCHAM:パーカッション、EMMA・BRYDEN:チェロ、ALASTAIR・CAPLIN:フィドル、KATY・ROWE:ヴァイオリンのイギリスのミュージシャン達です。 尚、プロデュースは、PAPER AEROPLANESの2人とPHILL・BROWNTOM・LOFFMANと演奏に参加しているANDY・SCHRAVと曲により共同で行われています。

1曲目"When The Windows Shook"(4:02) 心地好いアコースティック・ギターの刻み音をイントロから発する軽快なナンバーです。リヴァーブの効いたRICHARDのギターのサウンドに合わせて軽く裏返るSARAHの歌声が小気味よいです。やっぱりアルバムの1曲目は、軽快なナンバーが好いですよね。
2曲目"Red Rover"(3:50) 今度は、アコースティック・ギターによる美しい爪弾きによる曲です。吐息混じりに歌うSARAHの歌声のバック広がる哀愁のサウンドが切ないですね。
3曲目"Singing To Elvis"(4:25) この曲もアコースティック・ギター(多分、SARAHの演奏)の爪弾きが綺麗な曲です。SARAHの歌声をじっと聴き入って誰かの歌声に似ていると思っていたら、そうそうアイルランドで活躍しているGEMMA・HAYESにちょっと似ているかな?。
4曲目"Fable"(3:51) この曲もメランコリックなメロディとサウンドが響く曲です。ちょっと例えが無理ぽいかも知れませんが、女性版CHRIS・ISAAKの"Wicked Game" と言えそうです 。
5曲目"Little Letters"(3:08) ビデオが制作されているこのアルバムのタイトル曲です。SARAHのピアノの弾き語りから入り次第に盛り上がりを聴かせるこのアルバム・リリース前に公開された非常にキャッチーなナンバーとなっています。
6曲目"Multiple Love"(3:27) このアルバムのリリース前にシングル曲としてリリースされSARAHが登場したビデオが制作されているピアノによる弾き語りです。ミニマルな演奏とSARAH歌声による彼女の信じる愛について歌っています。
7曲目"At The Altar"(3:52) 今度は、古びたアコースティック・ギターを爪弾きに乗せてその美しい歌声を聴かせるSARAHのカントリー調の曲です。チェロやヴァイオリンの弦楽器も登場し心地好い音の流れに浸れます。
8曲目"Palm Of Your Hand"(3:08) この曲は前の曲をすこしパワーアップしてドラムのビートを強化したイメージの曲です。ヴァイオニストからフィドラーに代えて乗りを良くしたギター・ポップ調な収録となっています。
9曲目"Silence The Bells"(3:56) 今度は、晩秋の雰囲気を感じさせる、ゆったりとしたリズムに雄大さを持った曲です。ハモンドの聴きなれたサウンドに包まれて心地好く歌うSARAHです。
10曲目"Sleeper Train"(3:11) 穏やかなアコースティック・ギターの爪弾き乗せてその美しく清らかな歌声を聴かせるSARAHの弾き語り形式の曲です。バックの演奏も慎ましやかなダブル・ベースとピアノの演奏によるエレクトロニカとは無縁の音の流れです。
11曲目"Circus"(4:36) 何故かこのアルバムがリリースされた約1年後に他の曲とカップリングに限定EP盤として再リリースされている曲です。前半は、大人しいサウンドで展開されるのですが、エモーショナルでダイナミックな盛り上がりを聴かせます。また、RICHARDのEBowによるギターが非常に効果的に響き躍動感を与えてくれます。
全11曲歌詞付 写真ブックレット デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:41分26秒 (次のアルバム[Joy ]も2015年4月にリリースされるこのPAPER AEROPLANES、アメリカ・ツアーも予定された人気デュオとなっています)'15年1月24日更新
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写真
(購入時に頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  PAPER AEROPLANES / Joy
 ・2015 My First Records    mfrcd016

人気上昇中・・・

このアルバムは、イギリスの西ウェールズ出身の男女フォーク/ポップ・デュオPAPER AEROPLANESの '15年4月8日に本国でリリースされた4枚目('07年のHALFLIGHT名義と'11〜'12年のEP盤は含まない)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンの詳しいクレジットの記載は無いのですが、SARAH・HOWELLS:ヴォーカル/ギター/キーボード、RICHARD・LLEWELLYN:ギター/バック・ヴォーカルのPAPER AEROPLANESの他、MASON・NEELY:ドラム/キーボード/プロデュースのイギリスのミュージシャン達です。
尚、プロデュースは、アメリカ出身で現在、イギリスで活躍しているドラマーのMASON・NEELYが担当しています。

1曲目"Good Love Lives On"(3:38) イントロから響くドラムのビートが期待感を抱かせる曲です。途中より登場するシンセサイザー・ベースの重い響きもインパクト十分です。アルバムのリリース前に制作されたモノクロビデオもどうぞ。
2曲目"Guessing Game"(3:51) このアルバム・リリース前からビデオ第1弾となっている曲です。SARAH・BLASKOの近年の作などに聴かれる和太鼓風ドラムのビートを効かせインパクトを持たせた感じです。やはりプロデューサーのMASON・NEELYの持ち味から来るところなのでしょうか。
3曲目"Books"(3:14) 先の2曲より軽目の乗り良さ伝えて来る曲です。途中で登場する合いの手やこの曲もアコースティック・ギター(多分、SARAHの演奏)の爪弾きが綺麗な曲です。やはり前のアルバムでもSARAHの歌声を聴いて思ったのですが、アイルランドのGEMMA・HAYESにやっぱりこの曲では似ています。ビデオも制作されアップされています。
4曲目"Race You Home"(2:44) RICHARD、それともSARAHのアコースティック・ギター調べが美しく流れるアコースティック調の曲です。3分足らずの小さな曲ですが、SARAHの歌声の美しさやメロディの素晴らしさがぎゅっと凝縮されています。
5曲目"Emily"(3:44) 今度は趣向を変えてスピード感を少し増した乗りの良さを伝えて来る曲です。間奏で流れるRICHARDのギターの爪弾きの纏まりの良さや聴きる毎に好きになってしまいます。
6曲目"Caravan"(3:58) この曲もスウェーデンに出向いて収録したSARAH・BLASKOのアルバムの雰囲気に通じるところを感じます。SARAH凛として響くピアノの調べとRICHARDのギターのサウンドが一歩一歩とこちらに近づいて来るようです。
7曲目"Sail"(3:28) 手回しオルガンのような古びた調べがイントロから響く大人し目の曲です。アコースティック・ギターの流れるような爪弾きによる調べと美しく歌うSARAHの歌声に再び聴き入ります。
8曲目"Joy"(2:56) この曲もふんだんに流れる打撃音が印象的な曲です。弦楽器のサウンドは、ウクレレなどの緩やか響きにさせ打撃音をメインしたアレンジも面白いです。
9曲目"Call Off The Dawn"(3:56) 旅情的な雰囲気をたっぷりに聴かせるSARAHの歌声が心地好い曲です。RICHARDの優しい歌声のバックやストリングスの調べも優しく流れて行きます。
10曲目"Placebos"(3:02) ハモンドのレトロな響きに併せて歌うSARAHの歌声が神秘的な響きを感じさせる曲です。RICHARDの柔らかい歌声と芯のあるSARAHの歌声との相性が非常に好いと感じさせます。また、曲のアウトロの癖のある終わり方が憎いのです。
11曲目"Goldrush(Lodge Mix)"(3:22) メランコリックな調べを発するピアノの調べが切な過ぎる曲です。訥々と歌うSARAHの歌声とうな垂れるバック・ヴォーカルとの歌声が重なりあって通り過ぎて行きます。
全11曲歌詞付 写真ブックレット デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:37分53秒 (このアルバムをリリースした後にヨーロッパ・ツアーも予定されているこのPAPER AEROPLANES、前作から更に人気デュオとなっているようです)'15年4月22日更新
2015年度ベスト5
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写真
(HPから予約販売のみサイン入りとなった盤です)


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写真  PAPER AEROPLANES (HALFLIGHT) / Subside EP
 ・2024 Halflight / Paper Aeroplanes   

新曲追加での再リリース・・・

このアルバムは、イギリスの西ウェールズ出身の男女フォーク/ポップ・デュオPAPER AEROPLANES(旧名義HALFLIGHT '07年4曲EP盤に新曲1曲追加)の '24年2月25日に本国でダウンロード・リリースされた3枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンの詳しいクレジットの記載は無いのですが、SARAH・HOWELLS:ヴォーカル/ギター/キーボード/プロデュース、RICHARD・LLEWELLYN:ギター/ベース/バック・ヴォーカル/プロデュースのPAPER AEROPLANESの他、HALFLIGHTのOWEN・HOPKIN:ドラム、EMMA・BRYDEN:チェロの少人数での収録です。

1曲目"Treading Water"(3:22) この曲が追加されて再リリースされました。美しいギターの爪弾きに合わせて歌うSARAHの凛とした歌声が耳に残る曲です。切ないチェロの調べと手で触れると壊れそうな非常に繊細なバックの調べが印象に残ります。
2曲目"Linen"(3:42) SARAH・HOWELLSのBRYDE名義に近い少し寂しさが漂う曲です。SARAHのアコースティック・ギターの弾き語り形式にほぼモノラルに近い憂いを持ったSARAHの歌声が響きます。
3曲目"Six Four"(3:24) この曲もBRYDE名義に近い曲の印象があります。チェロの調べとRICHARD・LLEWELLYNのエフェクト的なギターの調べが曲の雰囲気を作り出しています。
4曲目"Photos"(2:46) 厳かにハイコードで奏でられるアコースティック・ギターの音色とゆったりと歌うSARAHの歌声が優しい曲です。想い出の写真に登場する人々への想いを綴っています。
5曲目"Where The Pins Drop"(3:28) この曲では、PAPER AEROPLANESらしい楽しい音とメロディが沢山流れるポップな曲です。可愛らしさを伝えるSARAHの歌声で「夢見る女性の心情」を歌っています。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:16分42秒 (前作のリリースからばたっと活動が止まってしまったこのPAPER AEROPLANES、不定期ながら活動を再開したのかな?)'24年5月4日更新


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写真  PARADISE CODE / One Summer Sky
 ・2000 ZAIN RECORDINGS INC.    ZACM-1001

日本限定企画盤・・・

元INCOGNITOのギタリスト/プログラマーのRICHARD・BULLと元WILDELIFEのベーシストSTEVE・BARNACLEとがユニットを組んで制作された唯一のアルバムです。尚、このアルバムは、2000年8月25日に日本企画による国内のみのリリースとなっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RICHARD・BULL:ギター/プログラミング/プロデュース、STEVE・BARNACLE:ベース/キーボード/バック・ヴォーカル/プロデュースのPARADISE CODEの他、CHRYSTA・JONES:ヴォーカル、MICHAEL・McDERMOTT:ヴォーカル、TARA・McDONALD:ヴォーカル、BERNITA・BULL:ヴォーカル、VOLKER・JANSSEN:ピアノ、TOM・CAWLEY:ピアノ、ADRIAN・REVELL:テナー・サックス、FAYYAZ・VIRJI:トロンボーン、NOEL・LANGLEY:トランペットのイギリスのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Easy To Love"(4:36) 爽やかで軽やかなリズムの流れによるフュージョン系ギター・サウンドを全面に出した曲です。メイン・ヴォーカルは、WORK SHYのCHRYSTA・JONESがタイトなドラムのリズムに乗せハスキーなGEOFFの独特の歌声が登場する乗りの好いミドル・テンポの曲で爽やかなバックコーラスも心地好く響いて来ます。
2曲目"World At Your Feet"(5:47) サウンドの流を少しスローにして来た殆どインスゥルメンタルに近い曲です。ハーモニクス奏法で奏でられるソフトなRICHARDのギターとリズムとBERNITA・BULL(RICHARDの奥さん?)のサビの部分での心地好い歌声が伝わって来ます。
3曲目"Down In Brazil"(4:34) ご存知 MICHAEL・FRANKS '77年の作品です。ヴォーカルは、WORK SHYのMICHAEL・McDERMOTTが担当し、ここでの収録はオリジナル曲と近い楽器構成とアレンジで行われています。MICHAELの少し枯れた歌声とTOM・CAWLEY(CURIOS)流れるようなピアノの調べが心地好いです。
4曲目"One Summer Sky"(5:28) 躍動的なラテンのリズムと爽やかなフュージョン系のギター・ソロによるインスゥルメンタルです。トロンボーンにはRICHARDのINCOGNITO時代のセッション仲間のFAYYAZ・VIRJIが参加しています。
5曲目"Summer Of Love"(4:18) TARA・McDONALDをメイン・ヴォーカリストに迎えてのスムーズ・ボッサ的なサウンドとリズムによる曲です。このアルバム収録時では新人だったTARAですが、中々エモーショナルな歌声も聴かせています。
6曲目"Starting Over"(4:36) ジャズのスタンダード的な響きとメロディを持った曲です。ラウンジでの演奏が好く似合いそうな落ち着いたサウンドとBERNITA・BULLの短い歌詞による歌声が響きます。
7曲目"Puzzle Of Life"(4:17) 再びTARA・McDONALDがメイン・ヴォーカルを執る曲で、ライト感覚のフュージョン・サウンドによる曲です。日本で非常に人気の高かったSHAKATAKのサウンドに通じる曲と言えば分かって頂けるでしょう。
8曲目"Journey's End"(3:47) アコースティック・ギターとキーボードによるインスゥルメンタルです。サウンドもシンプルなアレンジとし、収録もRICHARD、STEVE、FAYYAZ・VIRJIの3人のみで行われています。
6曲歌詞/訳詞付 写真ブックレット (国内盤) 収録時間:37分26秒 (非常に日本人好みのサウンドに仕立てられたアルバムです)'10年8月2日再更新


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写真  PAUL BRADY / Hard Station
 ・2001 Warner Music UK Ltd.    7 4307 2

PAULがROCKに踏み出した記念すべき1枚・・・

アイルランド出身のPAUL・BRADYのソロ名義2枚目(ANDY・IRVINEとの作は含まない)のアルバムでオリジナル盤は、'81年のリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PAUL・BRADY:ヴォーカル/ギター/キーボード/シンセサイザー/スティール・ドラム/パーカッション/プロデュースの他、ARTY・McGLYNN:ギター、JIMMY・FAULKNER:ギター、BETSY・COOK:キーボード/フルート/アコーディオン、JOHN・DRUMMOND:ベース、TOMMY・MOORE:ベース、PAUL・McATEER:ドラム、FRAN・BREEN:ドラム、HUGH・MURPHY:プロデュース(THE PROCLAIMERS,BONNIE・TYLER)のアイルランドのミュージシャンも多く参加しています。
尚、このアルバムは '99年にリマスターCD化され '01年に再発売されたものです。

1曲目"Crazy Dreams"(4:56) アコースティック・ギターの爽やかなサウンドのイントロに続いてエレクトリック・ギターサウンドが重なり合うミドル・テンポの乗りの良い曲です。
2曲目"The Road To The Promised Land"(5:39) PAULが弾くウーリッツァーピアノとスティールドラムの音色が素晴らしい曲です。PAULの歌声も伸びやかに響きます。ARTY・McGLYNNのレイドバックのサウンド・ギターが雰囲気物です。現在でもライヴで演奏させるPAULの初期の代表作です。
3曲目"Busted Loose"(4:54) テンポの良いロック"ン" ロールのリズムで曲70年代のブリティッシュ・ロックの感じの曲です。
4曲目"Cold,Cold Night"(6:07) アコースティック・ギターとスライドギターの牧歌的サウンドでのゆったりとしたリズムの曲です。BETSY・COOKの素晴らしいオルガンの音色とPAUL の伸びやかな歌声での6分を超える曲です。
5曲目"Hard Station"(5:33) JIMMY・FAULKNERのギター・ソロによる印象的なイントロとエモーショナルなPAULの歌声は聴く者を魅了して止みません。
6曲目"Dancer In The Fire"(5:36) 「あなたを最後に見たのは '75年の春、その時、私はあなたの瞳に目を合わせられなかった・・・」(管理人訳)とイントロから歌われる素晴らしいメロディの曲です。この曲でもJIMMY・FAULKNERがアウトロで素晴らしいギター・ソロを披露してくれています。
7曲目"Night Hunting Time"(5:57) PAULの弾く重いシンセベースのリズムによるアーシなメロディのアイリッシュトラッド出身とは思えないほど斬新なサウンドとクールぶりです。
8曲目"Nothing But The Same Old Story"(6:03) 流れるように演奏される非常に美しいピアノの旋律によるイントロに続いて登場するPAULのアグレッシブでエモーショナルなヴォーカルでの曲です。この曲も初期の代表曲として良くライヴで演奏されています。ダイナミックな展開もこの曲の魅力です。ベスト盤["Songs & Crazy Dreams]の収録とエンディングが少し違うバージョンです。
全8曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット U.K.盤 (輸入盤) 収録時間:44分48秒 (渋い音楽を聴かせてくれるPAULのアルバムは、この後次々にリリースされ現在も精力的に活動しています)'10年8月2日再更新


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写真  PAUL BRADY / True For You
 ・1983 21 Records Inc., NEW YORK    MERCURY 810 893-2

PAULの初期での最高の1枚・・・

アイルランド出身のPAUL・BRADYのソロ3枚目のアルバムで、オリジナル盤は '83年のリリースです。
全曲PAULのオリジナル作詞・作曲で、各曲に渡ってギターのPHIL・PALMER(WISHBONE ASH,PET SHOP BOYS)の演奏が光っています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PAUL・BRADY:ヴォーカル/ギター/シンセサイザー/プロデュースの他、BETSY・COOK:キーボード/シンセサイザー、PETER・VEITCH:シンセサイザー、PHIL・PALMER:ギター、DAVE・QUINN:ベース、 JOHNMACKENZIE:ベース、MICKEY・FEAT:ベース、 JAMIE・LANE:ドラム/パーカッション、JULIAN・DIGGLE:パーカッション、NEIL・DORFSMAN:パーカッション/プロデュース、 MEL・COLLINS:サックス、JOHN EARLE:バリトン・サックス、RAY・BEAVIS:テナー・サックス、CHRIS・GOWER:トロンボーン、 DICK・HANSON:トランペット、RICHARD・PIPER:バック・ヴォーカル、SHARON・CAMPBELL:バック・ヴォーカルのイギリスのミュージシャン達です。

1曲目"The Great Pretender"(4:58) PAULの弾くシンセの音色とPHIL・PALMERギターがマッチしたイントロから痺れる曲です。
2曲目"Let It Happen"(4:31) トロピカルな雰囲気が最高の曲でBETSY・COOKのエレピがポイントです。この曲でのPHIL・PALMERギター・ソロも最高です。
3曲目"Helpless Heart"(4:27) 他のアーティストも取り上げるPAULの名曲で非常に美しいバラードです。
4曲目"Dance The Romance"(5:05) スピード感とスリルのあるリズムに畳み掛けるようなベースとギターのサウンドです。
5曲目"Steel Claw"(4:02) ストレートなロックのリズムに乗せPAULの早口でパワフルなヴォーカルが炸裂します。
6曲目"Take Me Away"(5:44) 幻想的なイントロとは対照的な伸びやかで張りのあるPAULのヴォーカルを堪能出来ます。
7曲目"Not The Only One"(6:06) この曲も誰かが取り上げて歌っていたように思います。キャッチーでメロディアスな曲です。
8曲目"Interlude"(2:28) 2分半程度インストゥルメンタルでPAULの弾くピアノがリードを取ります。
9曲目"Trouble Round The Bend"(5:51) アコースティック・ギターやスライドギターを用いたアメリカ南部を意識した曲ですが、PAULの絶妙なアレンジによる洗練された曲です。
8曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:42分34秒 (PAULのアルバムはどれも素晴らしい物ばかりです。特にこの年代は積極的にロック色を出していて、聴いていて乗りの良い楽曲ばかりです!)'10年8月2日再更新
1983年度ベスト5


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写真  PAUL BRADY / Back To The Centre
 ・1986 PolyGram International Music B.V.    MERCURY 826 809-2

BRADYのアルバムではかなりROCK色・・・

アイルランド出身のPAUL・BRADYの4枚目(ANDY・IRVINEとの作も含む)のアルバムで、オリジナル盤のリリースは '86年です。タイトルで書いた通りPAULのアルバムの中では、9曲目を除き、かなりROCK色の強い作品です。
PAUL・BRADY:ヴォーカル/ギター/キーボード/ブズーキ/ティン・ホイッスル/パーカッションの他、BETSY・COOK:キーボード、KENNY・CRADDOCK:キーボード、PHIL・PALMER:ギター/バック・ヴォーカル、ERIC・CLAPTON:ギター、MITT・GAMON:ハーモニカ、IAN・MAIDMAN:ベース/パーカッション/バック・ヴォーカル/プロデュース、LARRY・MULLEN Jr.(U2):ドラム、LIAM・GENOCKEY:ドラム、OLE・ROMO:ドラム、LOUDON・WAINWRIGHT III:バック・ヴォーカル、PAUL・RABIGER:バック・ヴォーカル、PHIL・SAATCHI:バック・ヴォーカルの有名ミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Walk The White Line"(5:04) タイトなドラムのリズム、切れの良いギターの音色、PAULのパワフルなヴォーカルとマッチします。
2曲目"Wheel Of Heartbreak"(5:09) 重いシンセ・ベースの響きと少し遮の掛かったPAULのヴォーカルが渋い感じの曲です。
3曲目"Deep In Your Heart"(6:01) イントロに続いて泣きのギターでERIC・CLAPTONが"渋く" 決めています。PAULのアルバムでは毎回、誰がゲストで参加しているのかも楽しみの一つで、聴き飽きない曲です。
4曲目"To Be The One"(4:50) スタジオで一発テイクした感じの曲でめずらしくポップな曲を披露しています。
5曲目"Follow On"(4:16) スローなリズムとしっとり歌うPAULの円熟したヴォーカルが訴えかけて来ます。
6曲目"Soulbeat"(4:51) IAN・MAIDMAN(VITAMIN Z)のファンキーなベースが印象的な乗りの良い曲です。
7曲目"Airwaves"(4:46) スピード感と爽快感のある曲でPHIL・PALMARのギター・ソロも決まっています。
8曲目"The Island"(5:27) ピアノの旋律に合わせて歌うシンプルなPAULのヴォーカルが聴けます。曲の後半に彼の美しいギターソロがあります。
9曲目"The Homes Of Donegal"(7:29) アイルランドのトラディショナル音楽をPAULがアレンジしています。彼の十八番的な曲でライヴでよく演奏される曲です。
全9曲歌詞 12ページ物ブックレット ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:47分16秒 (1曲目、3曲目、5曲目が特に良いです。大人の為のROCKって感じ!)'10年8月3日再更新
1986年度ベスト5


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写真  PAUL BRADY / Primitive Dance
 ・1987 Abirgreen Ltd.    MERCURY 832 133-2

隠れた人の隠れた名作・・・

アイルランド出身のS.S.W.PAUL・BRADYの6枚目('86年のライヴ盤を含む)のアルバムです。プロデュースは、今でも活動を共にしているIAN・MAIDMANでベース、ギターも担当しています。オリジナル盤のリリース年度は '87年で、この時期のPAULのアルバムではバックに固定メンバーを据えて録音されており、息の合った演奏が聴けます。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PAUL・BRADY:ヴォーカル/ギター/マンドリン/キーボード/ティン・ホイッスル/パーカッションの他、IAN・MAIDMAN:ベース/ギター/キーボード/ドラム/パーカッション/バック・ヴォーカル/プロデュース、STEVE・FLETCHER:キーボード/バック・ヴォーカル、MICK・BOLTON:ハモンド、MARK・KNOPFLER:ギター、TIM・GOLDSMITH:ドラム、GEOFFREY・RICHARDSON:カリンバ/ウクレレ/ヴィオラ/ストリング・アンサンブル、MATT・GAMON:ハーモニカ、DAVEY・SPILLANE:イリアン・パイプ、CARL・GERAGHTY:バリトン/テナー・サックス、PAUL・DUFFY:サックス、JACK・BAYLE:トロンボーン、RONAN・DOONEY:トランペット、STEVE・McDONNELL:トランペット、 MÁIRE・NÍ・BHRAONÁIN(CLANNAD):ヴォーカル、MANDY・MURPHY:バック・ヴォーカル、PHIL・SAATCHI:バック・ヴォーカル、SALLY・ANN・TRIPLET:バック・ヴォーカル、SAM・BROWN:バック・ヴォーカルのアイルランドとイギリスのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Steal Your Heart Away"(5:43) キーボードの綺麗なメロディのイントロに誘われる様にPAULのソウルフルなヴォーカルが変幻します。
2曲目"The Soul Commotion"(3:39) ブルース・ハープを入れたロックン・ロールです。
3曲目"Paradise Is Here"(5:08) PAULの弾くアコースティック・ギター音色が美しい曲です。後半での彼のヴォーカルは圧巻です。
4曲目"It's Gonna Work Out Fine"(3:58) ギターを多用したリズム・ブルースです。
5曲目"The Awakening"(5:56) アイリッシュ・トラッド風の静かなロックです。バック・コーラスのMÁIRE・NÍ・BHRAONÁINの幻想的な歌声が魅了的です。
6曲目"Eat The Peach"(5:30) ブラスとチョッパー・ベースを用いたファンキーな曲です。
7曲目"Don't Start Knocking"(5:05) レゲエ風のリズムの刻みとミドル・テンポのロックです。バック・ヴォーカルにシングル盤デビュー前のSAM・BROWNが入っています。
8曲目"Just In Case Of Accidents"(5:12) ピアノとPAULのヴォーカルだけのシンプルな曲です。
9曲目"The Game of Love"(4:07) 青空の下で聴きたくなるようなレイド・バックする曲です。MARK・KNOPFLERのアコースティック・ギター・ソロが素晴らしい。
全9曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:44分21秒(彼のこの前後のアルバムは全て素晴らしい曲ばかりです)'10年8月3日再更新


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写真  PAUL BRADY / Trick Or Treat
 ・1991 Phonogram Ltd. (LONDON)    848 454-2

このアルバム迄のPAUL・BRADYはROCK・・・

このアルバムは、アイルランド出身のS.S.W.PAUL・BRADYの7枚目のアルバムで、新たにMercury Recordsと契約を交わしたPAULは、レーベルの勧めで外部のプロデューサーの起用を申し出された。今作は、アメリカ市場をターゲットにした作風にする為、収録もアメリカにてGARY・KATZ(STEELY DAN)のプロデュース(3曲目以外)にて行われています。'91年4月16日アメリカでのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PAUL・BRADY:ヴォーカル/ギター/マンドリン/キーボード/ティン・ホイッスル/パーカッション/ドラム・プログラミングの他、ELLIOTT・RANDALL:ギター/スライド・ギター、MICHAEL・LANDAU:ギター、FREDDIE・WASHINGTON:ベース、JIMMY・JOHNSON:ベース、BETSY・COOK:キーボード、DAVID・PAICH:キーボード、PAUL・GRIFFIN:キーボード、故JEFF・PORCARO:ドラム/パーカッション、BILLY・SCHLOSSER:パーカッション、HUGH・McCRACKEN:ハーモニカ、CURTIS・KING:バック・ヴォーカル、FONSIE・THORNTON:バック・ヴォーカル、FRANK・FLOYD:バック・ヴォーカル、BONNIE・RAITT:ヴォーカルと超豪華メンバーです。

1曲目"Soul Child"(5:41) 乗りの良いリズムとパワフルなPAULのヴォーカルが聴き物ですが、MICHAEL・LANDAUのギターがちょっとうるさいのが難点です。プロデューサーのGARY・KATZ好みでしょうか。
2曲目"Blue World"(5:36) DAVID・PAITCHの弾くキーボードの幻想的な響きと芯のあるPAULの歌声が心に届く"渋い"の一言に尽きる。このウエブのタイトルにもなった曲です。
3曲目"Nobody Knows"(4:43) アメリカ中西部の映像を使ったビデオ・クリップも作られたほどの出来の曲で、何度聴いてもいい曲です。この曲のみロンドンで収録(制作側とのトラブルの為かPAULが帰国してから自身で収録しています)されましたが、ビデオは、アメリカで結構放送されたようです。この曲のプロデューサーは、JAMIE・LANEとPAUL自身です。
4曲目"Can't Stop Waiting You"(4:58) イントロはアコースティック風ですが、ストレートなロックに変化します。
5曲目"You And I"(4:35) タイトなリズムにPAULのヴォーカルが冴える。 ここでのMICHAELのギターの刻みとソロは効果的で抜群です。
6曲目"Trick Or Treat"(5:03) イントロからSTEELY DAN色がかなり強くでています。BONNIE・RAITTとのヴォーカルの絡みが素晴らしく、ELLIOT・LANDALLのスライド・ギターも一役買っていてこのアルバムの中ではインパクトのある曲です。
7曲目"Don't Keep Pretending"(4:59) PAULらしいアイリッシュ風の曲にダイナミックなアレンジが施されています。また、CURTIS・KING、FONSIE・THORNTON、FRANK・FLOYDのバック・ヴォーカルがいい感じです。
8曲目"Solid Love"(4:34) PAULがダイナミックな歌声を聴かせる曲名通りソリッド感のある曲です。HUGH・McCRACKENのハーモニカが曲に好い雰囲気を出しています。
9曲目"Love Goes On"(5:05) ピアノとPAULのヴォーカルだけのシンプルな曲です。美しいメロディと少し悲しげな歌詞によるバラード。
10曲目"Dreams Will Come"(6:08) このCDの幕を閉じるのに相応しい曲で、イントロから中盤は静かな感じですが、段々に楽器とダイナミックなアレンジが加えられ曲の終盤を向かえます。
全10曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:51分27秒 (このアルバム迄のPAULは、ROCKをメインにした曲作りをしていましたが、これ以降アイリッシュ・トラッド色の強いフォーキーな作風に再び戻っています)'10年8月3日再更新
1991年度ベスト5


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写真  PAUL BRADY / Songs & Crazy Dreams
 ・1992 PHONOGRAM LTD. (LONDON)    314 512 397-2

収録時間1時間以上のベスト盤・・・

PAUL・BRADYの在籍しているFONTANAレーベルの4枚のアルバムから選び抜かれた秀作12曲を1枚の盤に収めたベスト盤です。
尚、各曲についてのレビュー及び収録に参加しているミュージシャンは、オリジナル盤での記載を参考願います。

'81年の[Hard Station] からは、1曲目"Crazy Dreams"(4:33) 3曲目"Dancer In The Fire"(5:03) 4曲目"Nothing But The Same Old Story"(6:01) 8曲目"The Road To The Promised Land"(5:32) の4曲を収録。
'83年[True For You] からは、12曲目"Helpless Heart"(4:28) のみの1曲を収録。
'86年の[Back To The Centre] から5曲目"Deep In Your Heart"(5:57) 6曲目"The Homes Of Donegal"(7:38) 7曲目"Walk The White Line"(4:55) 9曲目"The Island"(5:27) 11曲目"Follow On"(5:52) の5曲を収録。
'87年の[Primitive Dance] からは、2曲目"Paradise Is Here"(5:03) 10曲目"Steal Your Heart Away"(5:52) の2曲を収録。
'91年の[Trick Or Treat] のヒットに気を良くしたレコード会社から過去の4作品の中から選びだした曲です。
選曲はちょっと偏っていますが、良い曲が沢山収録されています。@〜DFGI〜Kが素晴らしいです。
特に"Helpless Heart" は、PAULの歌声が曲の切なさを非常にアピールする名曲です。
全12曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:65分45秒 (アイリッシュ・トラッド・シンガー出身のPAULが80年代に残したロック色の強い素晴らしい作品群です)'10年8月4日再更新


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写真  PAUL BRADY / Spirits Colliding
 ・1995 MERCURY RECORDS LTD.(LONDON)    314 526 829-2

アコースティック・ギター1本下げて・・・

PAUL・BRADY '95年リリースの9枚目(ライヴ・ベスト盤を含む)のアルバムで、レーベルもfontana/MERCURYに移り、プロデュースもPAUL自身が行っています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PAUL・BRADY:ヴォーカル/ギター/ブズーキ/マンドリン/キーボード/ティン・ホイッスル/ドラム/パーカッション/プロデュースの他、MARK・E・NEVIN:ギター、ARTY・McGLYNN:ギター、ANTHONY・DRENNAN:ギター、SHAY・FITZGERALD:ハーモニカ/トム-トム/バック・ヴォーカル、BÉLA・FLECK:5弦バンジョー、VICTOR・WOOTEN:ベース、ROY・WOOTEN:ドラム、JIMMY・HIGGINS:バウロン、GER・McDONNELL:シンバル、SHARON・SHANNON:アコーディオン、BRUCE・RYDER:バック・ヴォーカル、ADAM・ORPEN-LYNCH:バック・ヴォーカル、LENNY・ABRAHAMSON:バック・ヴォーカル、ANDREA・CORRS(THE CORRS):バック・ヴォーカル、CAROLINE・CORRS(THE CORRS):バック・ヴォーカル、SHARON・CORR(THE CORRS):バック・ヴォーカル、SARAH・BRADY:バック・ヴォーカルのアイルランドとN.Y.のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"I Want You To Want Me"(5:58) 圧倒されるPAULのLOWDEN GUITARのアコースティックサウンドと彼のエモーショナルな歌声です。後半よりキーボードとベースが加えられてサウンドも重厚にしています。
2曲目"Trust In You"(5:26) イントロの何かうごめく響きに似たVICTOR・WOOTENのベースのサウンドが印象的な曲です。前作よりサウンド的にシンプルな曲調となっています。尚、VICTORの兄弟のROYもドラムでこのアルバムに参加しています。
3曲目"World Is What You Make It"(4:22) 軽快なリズムのラグタイム・ミュージックでしょうか。PAULのギターとマンドリンによる南部のサウンドです。
4曲目"Marriage Made In Hollywood"(5:10) 軽快なリズムに乗せアコースティック・ギターを掻き鳴らすPAULの珍しいポップな曲です。前作で経験したハリウッドでの生活を歌にしたのでしょうか。曲の共作は、MICHAEL・O 'KEEFE(BONNIE・RAITTの元夫)です。
5曲目"Help Me To Believe"(4:57) 非常に美しいメロディの曲で、PAULの"Helpless Heart" を彷彿とさせるメロディラインと恋の終わりを告げるバラードです。
6曲目"You're The One"(5:34) アコースティック・ギターによる長いイントロから歌い始めるPAULの弾き語りに近い曲です。シンプルなコーラスとハンドクラップでのリズムです。
7曲目"I Will Be There"(4:14) JOHN・O'KANE(元MILLIONS LIKE US: '87年にセルフタイトルでVirginよりデビュー)と一緒に書いた非常に美しいメロディの曲です
8曲目"After The Party's Over"(6:17) ハモンドの優しい響きとゆったりしたリズムによるシンプルな弾き語りです。PAULの優しい歌声の心地好く響きます。
9曲目"Just In Time"(5:10) ロック"ン" ロールの乗りの良いリズムとPAULのエモーショナルヴォーカルとエモ・ギターのソロです。バック・コーラスとアウトロはTHE CORRSが参加し"モロ" 彼女達の雰囲気がしています。
10曲目"Love Made A Promise"(5:04) MARK・E・NEVIN(元FAIRGROUND ATTRACTION)との共作です。ストリングスのダイナミックなアレンジとドラマチックなビートによるスケールの大きい曲です。
11曲目"Beautiful World"(4:54) フェンダーローズの心地好いサウンドによるララバイのような曲です。この曲はナッシュヴィルで活躍するグラミー受賞者のJOHN・PRINEと一緒に書かれています。
全11曲歌詞付 16ページ物写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:57分11秒 (アコースティック・ギター1本下げてPAULが、再びアイリッシュ・トラッド色のフォーキーな作風とアメリカ的なROCKのサウンドで帰ってきました)'10年8月4日再更新



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写真  PAUL BRADY / Oh What A World
 ・2000 Abirgreen Limited    RCD 10490

他のアーティストとの共作による最高のコラボレーション集・・・

PAUL・BLADYのソロ名義での10枚目(コンピ・ベスト・ライヴ含む)のアルバムで2000年5月15日に本国でのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PAUL・BRADY:ヴォーカル/ギター/マンドリン/キーボード/パーカッション/プログラミング/プロデュースの他、ANTHONY・DRENNAN:ギター、MARCO・MOIR:ギター、MICK・TAYLOR:スライド・ギター、MARK・HUDSON:ベース/ギター/バック・ヴォーカル/プロデュース、IAN・MAIDMAN:ベース、ROD・McVEIGH:アコーディオン/ハモンド、LIAM・GENOCKEY:ドラム/パーカッション、GREG・WELLS:ドラム、LYNLEY・HAMILTON:トランペット/フリューゲルフォン、THE IRISH FILM ORCHESTRA:オーケストラ、ESI・ACQUAAH-HARRISON:バック・ヴォーカル、STEVE・DENTON:バック・ヴォーカル、LORRAINE・EDWARDS:バック・ヴォーカル、ANGELO・PALLADINO:バック・ヴォーカルのアイルランドとイギリスのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、PAUL・BRADYとALASTAIR・McMILLAN(VAN・MORRISON,RONAN・KEATING)と共同で行われています。

1曲目"Sea Of Love"(5:27) 他のアーティストに同名の曲がありましたが、本作はPAULのオリジナル曲で、彼の'90年前半の感じのする"渋い" サウンドです。
2曲目"I Believe In Magic"(4:23) アコースティック・ギターによるアイリシュ・フォーク色のイントロですが、後半はコーラスも交えて厚みを増したサウンドに展開します。
3曲目"Love Hurts"(5:30) スローなリズムの美しく切ないメロディの曲、パワフルなヴォーカルのPAULがいつに無くセンチに歌っています。
4曲目"Oh What A World"(4:17) ライヴのテイクに近いサウンドです。後に出るライヴ盤「Song Book」のオープニングを飾ったWILL・JENNINGSとの共作の曲。
5曲目"The Long Goodbye"(4:22) RONAN・KEATINGとの共作でストリングスを使ったメロディアスな曲で、PAULの素晴らしいヴォーカルと切ないピアノの旋律が心を打つ。
6曲目"The Law Of Love"(4:08) ポップで弾む打ち込みによるリズムが印象的です。PAULのサウンドでは珍しくポップな曲です。
7曲目"Believe In Me"(4:27) CAROLE・KINGとの共作による曲です。涙物のバラードですが、ややポップさのある所が余計に切なさを増すのです。
8曲目"Good Love"(4:06) ミドル・テンポのギターサウンドの乗りの良い曲です。
9曲目"Travelin' Light"(3:26) CONNER・REEVESとの共作でスライド・ギターにMICK・TAYLORが参加しています。
10曲目"Minutes Away, Miles Apart"(4:40) PAULのハート・ウォームなヴォーカルのアイリシュ・フォークでキーボードの心地好いサウンドも良い響き。
11曲目"Try Me One More"(4:09) ライヴ受けしそうなリズム・アンド・ブルースです。PAULの熱いヴォーカルも圧巻です。
尚、参考CDは、E.U.製 初期の為か外装ハード紙、カラープラスチックケースによる2重梱包。
全11曲歌詞付 豪華ブックレット (輸入盤) 収録時間:49分01秒(PAULの活動もすでに40年を超えました。益々円熟した彼の歌声を聴きたいものです!)'10年8月4日再更新


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写真  PAUL BRADY / Songbook
 ・2002 Abirgreen Ltd.    PBMCD004 (THE MUSIC PLANT RUCD106)

DVDでも見たくなる作品・・・

このアルバムは、PAUL・BRADYのアイルランド国営放送のスタジオ・ライヴを '02年に収録したものです。尚、参考CDは '03年5月6日に本国での初回発売の為か12曲入りです。(ボーナス・トラック無し) '04年2月9日の再リリース盤は、13曲目にボーナス・トラック付きです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PAUL・BRADY:ヴォーカル/ギター/ブズーキ/ピアノ/ティン・ホイッスル/プロデュースの他、IAN・MAIDMAN:ベース/ギター/パーカッション/バック・ヴォーカル、STEVE・FLETCHER:キーボード/バック・ヴォーカル、LIAM・GENOCKEY:ドラム、MARY・BLACK:ヴォーカル、RICHIE・BUCKLEYテナー・サックス、LESLIE・DOWDALL:バック・ヴォーカル、ANTHONY・DRENNAN:ギター、SHEA・FITZGERALD:マンドリン、LYNLEY・HAMILTON:トランペット、CIARAN・TOURISH:フィドル、CURTIS・STIGERS:ヴォーカル/ギター/テナー・サックス、ANNIE・WHITEHEAD:トロンボーンのPAULの友人達が参加しています。

1曲目"Oh What A World"(4:22) WILL・JENNINGSとの共作の '00年のリリース曲でアコースティックで纏めています。
2曲目"The Long Goodbye"(4:11) '00年にRONAN・KEATINGと作ったメロディアスな曲でPAULの素晴らしいヴォーカルと切ないピアノの旋律が心を打ちます。
3曲目"I Will Be There"(4:24) '95年の曲でアコースティック・ギターの調べにMARY・BLACKとのデュエットが素晴らしい。
4曲目"Nobody Knows"(4:35) '91年にリリースした曲でビデオ・クリップも作られた良い曲です。
5曲目"I Believe In Magic"(4:23) '00年のリリース曲、アコースティック・ギターとハモンドの調和した曲です。
6曲目"Blue World"(4:33) '91年の作でサックスのCURTIS・STIGERSとのデュエット曲です。
7曲目"Crazy Dreams"(5:25) '81年のリリース曲でアコースティック・ギターの爽やかなサウンドです。
8曲目"Nothing But The Same Old Story"(5:44) 前曲と同様 '81年の[HARD STAION]での曲です。
9曲目"Helpless Heart"(4:33) PAUL作のバラードの代表作で、'83年の曲でいつ聴いても素晴らしい曲です。PHIL・COLLINS、DAVID・CROSBYら有名人もカバーしている名曲です。
10曲目"Follow On"(4:48) '85年の作でしっとりとしたメロディを聴かせる曲です。
11曲目"World Is What You Make It"(4:23) PAULのギター・ソロから入る曲です。'95年の作で途中よりホーンとバックコーラスと盛大に入れています。
12曲目"Homes Of Donegal"(7:55) '81年の作でアイルランドのトラディショナル音楽をPAULがアレンジしています。
歌詞無し 写真ブックレット (輸入元販売:輸入盤) 収録時間:59分21秒 (同時発売でDVD盤も出ています!レビューの盤は、初期盤の為に13曲目"The Hawana Way" ボーナス・トラックは未収録です)'10年8月5日再更新


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写真  PAUL CARRACK / Groove Approved
 ・1989 Chrysalis Records Ltd.    F2 21709 DIDX4490

数多くバンドを渡り歩いてきた・・・

Sheffield(England)出身のPAUL・CARRACKは、ACE、FRANKIE・MILLER、ROXY MUSIC、SQUEEZEと数多くバンドを渡り歩いてきました。このアルバムはPAULの3枚目のソロアルバムで '89年リリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PAUL・CARRACK:ヴォーカル/キーボード/ハンドクラップ/ホーン/ヴィブラフォン/ドラム/プログラミング/ストリングス/プロデュースの他、TOM "T-BONE" WOLK:ベース/ギター/マンドリン/アコーディオン/ハーモニウム/キーボード/ハンドクラップ/プロデュース、ROBBIE・McINTOSH:ギター、VINNIE・ZOUMA:ギター、MIKE・CAMPBELL:ギター、ED・ROYNESDAL:キーボード・プログラミング、JIMMY・BRALOWER:ドラム/タンバリン/プログラミング、SAMMY・FIGUEROA:パーカッション、TOM・LORD:パーカッション、DICK・MORRISSEY:サックス、BOB・LOVEDAY:ヴァイオリン、DARYL・HALL:バック・ヴォーカル、JOE・LYNN・TURNER:バック・ヴォーカル、PAUL・YOUNG:バック・ヴォーカル、CURTIS・KING:バック・ヴォーカル、BERNARD・FOWLER:バック・ヴォーカルの1部有名ミュージシャンが参加しています。
尚、プロデューサーは、HALL & OATESでベースを弾いていたTOM "T-BONE" WOLKとPAUL自身です。

1曲目"Only My Heart Can Tell"(5:24) TOM"T-BONE" WOLKとPAULの共作で"T-BONE" らしいベースのサウンドを重視したファンクでソウルフルなナンバーです。
2曲目"I Live by The Groove"(4:12) カナダで出身のロックシンガーEDDIE・SCHWARTZとの共作です。ポップさ溢れるキーボードのサウンドとタイトなドラムのビートによるロック"ン" ロールなナンバーです。
3曲目"I Live On A Battlefield"(3:49) UKの伊達男NICK・LOWEとの共作です。ドラムのビートがHALL & OATESの"Maneater" に似ていて非常に興味深いです。
4曲目"Love Can Break Your Heart"(5:51) MICHAEL・McDONALDとの共作です。'90年のMICHAELのヴァージョンも素晴らしい曲でしたが,こちらはROBBIE・McINTOSH(JOHN MAYER BAND)の泣きのギターが最高に決まっています。またDARYL・HALLがバック・ヴォーカルで参加してるのも興味深いです。余談ですが、MICHAEL・McDONALDの方はギターにMICHAEL・LANDAUを起用しています。
5曲目"I'm On Your Tail"(6:15) 観客の声援などを入れたアムステルダムでのライヴ収録です。事実ライヴなどは非常に観客受けしそうなエモーショナルなリズムに乗せ熱く歌うPAULの十八番的なソウルフルでファンキーな曲です。この曲もNICK・LOWEとの共作です。
6曲目"After The Love Is Gone"(6:25) PAULがSQUEEZE時代のバンド仲間CHRIS・DIFFORD(SQUEEZE)との共作です。エレクトロニカのサウンドとポップなリズムによるソウルフルな歌声のPAULもご機嫌です。またもや余談ですが、AIRPLAYの同名の曲とは無関係です。
7曲目"Loveless"(4:23) 再び"T-BONE" との共作です。キーボードのフワフワとしたサウンドと心地よいメロディと乗りの良いリズムの曲です。
8曲目"Tip Of My Tongue"(6:08) "T-BONE" がベースからギターに持ち替えた曲でMIKE・RUTHERFORDに似た雰囲気のギターサウンドを披露しています。故PAUL・YOUNG(MIKE AND THE MECHANICS)がバック・ヴォーカルで参加しています。この曲も"T-BONE" との共作で6分を超える曲です。
9曲目"Dedicated"(5:25) やっとPAULのバラードの登場です。この手の歌のPAULは非常に上手いですね,伸びやかな歌声とROBBIE・McINTOSH泣きのギターが堪りません!
10曲目"Bad News(At The Best Of Times)"(5:13) カントリー・アンド・ウエスタン調のマンドリン/バンジョー/ギターによる西部開拓時代の無法者JOHN・WESLEY・HARDINを題材にした曲です
全10曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:53分10秒 (MIKE AND THE MECHANICSのヴォーカルと自身のソロ・アルバムと忙しく活動しているPAULです)'10年8月5日再更新


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写真  PAUL CARRACK / Blue Views
 ・1995 IRS Records    EIRSCD 1075/7243 8 36679 2 5

久々に出たPAULのソロ・アルバム・・・

イギリスで活躍しているPAUL・CARRACKの8枚目('88年[The Carrack Collection],'91年[Carrackter Reference],'94年[21 Good Reasons]を含む)のアルバムで、'95/'96年のリリースです。前作より6年ぶりの新作で、新曲(書き溜めた曲)とセルフ・カバーによる新収録曲でのアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PAUL・CARRACK:ヴォーカル/キーボードの他、ROBBIE・McINTOSH:ギター、TIM・RENWICK:ギター、PINO・PALLADINO:ベース、ROD・ARGENT:キーボード、ANDY・NEWMARK:ドラム、TESSA・NILES:バック・ヴォーカル、KATIE・KISSOON:バック・ヴォーカルの有名ミュージシャン達が参加しています。
プロデューサーは、MIKE AND THE MECHANICSのドラムPETER・VAN・HOOKとTOBY・CHAPMAN(SPANDAU BALLET)とGARY・WALLIS(STEVE・WHITE)が曲により担当しています。

1曲目"Eyes Of Blue"(4:01) 穏やかなメロディとリズムでのピアノ曲です。ゴスペル調のキーボードのサウンドの広がりにMIKE AND THE MECHANICSでの活動の影響を感じさせます。PAULの得意とするリズム・アンド・ブルースによる秀作です。
2曲目"For Once In Our Lives"(5:53) CHRIS・DIFFORD(SQUEEZE)との共作で、少しテンポを上げてきたミドル・テンポのナンバーです。サウンドは、やはりPAULが影響を受けたブラック・ミュージックを感じさせます。バック・ヴォーカルのTESSA・NILES(TEARS FOR FEARS,ERIC CLAPTON BAND)もいい感じです。
3曲目"No Easy Way Out"(5:15) ベテラン・ギタリストのTIM・RENWICKとお馴染みのROBBIE・McINTOSHがバックを勤めるビートの効いたロックらしい曲調の曲です。ドラムもお馴染みのANDY・NEWMARKです。
4曲目"Oh Oh Oh My My My"(4:12) ファンキーなキーボードとリズムによるブラック・コンテンポラリー的な曲です。テキサス出身のグラミー受賞者のライターWILL・JENNINGSとの共作です。
5曲目"Only A Breath Away"(4:21) BRENDA・RUSSEL、MARK・CAWLEYとPAULの共作です。この曲も非常にファンキーさを全面に出した曲ですが、PAULのヴォーカルに感度の悪い古いマイクを使ったような演出をしています。いつものPAULのエモーショナルなヴォーカルとは一味違った"クール" な魅力を感じる曲です。
6曲目"Nothing More Than A Memory"(5:00) この曲も非常にMIKE AND THE MECHANICSのサウンドに近いワイドな広がりを感じさせる曲です。間奏のギターも心地好い響きを放っています。
7曲目"Somewhere In Your Heart"(3:43) ロック"ン" ロールのリズムによるギター・サウンドの曲です。キーボード(ハモンド)は、PAULとギターは、ROBBIE・McINTOSHかな?
8曲目"Love Will Keep Us Alive"(4:36) JIM・CAPALDI,PETE・VALEとPAULとの共作でTHE EAGLESに提供された曲です。エコーの効いたPAULの歌声に絡ませたスライド・ギターとハモンドのサウンドが心地好く落ち着いた南部系の曲です。
9曲目"Always Has Always Will"(4:41) イントロから聴かせるドラムのANDY・NEWMARK(Ex.SLY AND THE FAMILY STONE)が最高の一曲です。伸びやかなPAULのヴォーカルとTESSAの歌声の響きも素晴らしい曲で再びBRENDA・RUSSEL、MARK・CAWLEYとPAULとで書いています。
10曲目"Don't Walk Over Me"(4:39) レゲエ調のギターのリズムとブルースを組み合わせた懐かしい響きのPAULの得意技の曲です。再び旧友CHRIS・DIFFORDと一緒に書いています。
11曲目"How Long"(3:53) PAULがACE在籍時期 '75年のヒット曲のセルフ・カバーです。厳かに奏でられるキーボードのサウンドからサビにかけてのメロディとコード進行が非常に美しくまたPAULのヴォーカルがカッコ良いのです。ギター好きには、堪らないこのアルバムのハイライトと言える曲です。
全11曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット オランダ盤 (輸入盤) 収録時間:50分03秒 (尚、レビュー掲載のアルバムは、オリジナル・リリース盤の為、ボーナス・トラック無しの11曲入り盤です)'10年8月5日再更新
1995年度ベスト5


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写真  PAUL CARRACK / Beautiful World
 ・1997 ARK 21 Records    153 910-2

"シブイ"の一言に尽きる・・・

このアルバムは、PAUL・CARRACKのソロアルバム9枚目(ベスト盤・再編集盤を含む)の作品で '97年のリリースです。尚、参考CDは、E.U.製ボーナストラック(11〜12曲目)入りの有り難い仕様です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PAUL・CARRACK:ヴォーカル/キーボード/オルガンの他、TIM・RENWICK:ギター、DAVE・BRONZE:ベース/バック・ヴォーカル、TOBY・CHAPMAN:キーボード/バック・ヴォーカル/プロデュース、GARY・WALLIS:ドラム/プロデュース、MARK・FELTHAM:ハーモニカ、TESSA・NILES:バック・ヴォーカル、TOMMY・BLAIZE:バック・ヴォーカル、CLAUDIA・FONTAINE:バック・ヴォーカル、BEVERLEY・SKEETE:バック・ヴォーカル、PAUL "TUBBS" WILLIAMSの有名ミュージシャン達が参加しています。
プロデュースは、収録にも参加しているTOBY・CHAPMAN(SPANDAU BALLET)とGARY・WALLIS(STEVE ・WHITE)が担当しています。

1曲目"The Way I'm Feeling Tonight"(4:40) 美しいピアノの旋律による乗りの良い曲です。このサウンドは、ヴァージニアのピニストBRUCE・HORNSBYの書く曲に通じる物を感じます。この曲の共作者はあの10CCのGRAHAM・GOULDMANです。
2曲目"Time To Let Go"(5:15) PAULがヴォーカルを務めるMIKE & THE MECHANICSのサウンド・スタイルに近い曲風で、ギターのサウンドもRUTHERFORDのそれと似ているところが興味深いです。
3曲目"Beautiful World"(5:31) PAULの得意とメンフィス・ソウル調の曲です。バックのコーラスも重厚で荘厳なそれ風になっています。
4曲目"Perfect Love"(4:08) DAVID・FOSTERのような美しいメロディによるピアノ・バラードです。
5曲目"You Give Me Something"(4:04) 70年代のブラ・コンのようなファンキーでソウルフルなご機嫌な曲です。
6曲目"Satisfied"(4:19) 躍動感のあるリズムとビートの最高の1曲で間奏のハーモニカも"渋い"です。
7曲目"Close To Me"(5:05) 底に流れる太く重いベースのサウンドが印象的で浮遊感のある曲です。
8曲目"It Goes Without Saying"(4:59) イントロから鳥肌物の曲です。驚いたことに、この曲の共作者の一人はMAIA・SHARPです。PAULはこの時期、MAIAと同じレーベルARK 21(MILES・COPELAND)に所属していました。
9曲目"If You'd Ever Needed Someone"(4:46) TIM・RENWICKの爽やかなギターソロが良いです。
10曲目"Some Kinda Love"(3:44) オルガンによるリズム&ブルースです。STEVE・WINWOOD風の作品です。
11曲目"Into The Mystic(Bonus track)"(3:36) VAN・MORRISONの曲のカバー。[Still Groovin]での収録曲と同じものです。
12曲目"Warm And Tender Love(Bonus track)"(3:17) メンフィス・ソウルの曲でPAULの音楽スタイルの原点がここにあります。この曲も[Still Groovin]での収録曲と同じものです。
10曲歌詞付 写真ブックレット E.U.製 (輸入盤)収録時間:53分30秒 (何も言う事が有りません。この人の新譜が出たら買うだけ、ただそれのみ!)'10年8月6日再更新


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写真  PAUL CARRACK / Satisfy My Soul
 ・2000 Carrack-UK    PCARCD2

自身のレーベルよりの・・・

このアルバムは、PAUL・CARRACKが自身のレーベルCarrack-UKよりの第一弾としてリリースされたもので限定盤?ボーナス盤付きの2枚組みです。オリジナル盤のリリースは、2000年9月12日となっています。PAULソロ名義の多分10枚目(ベスト盤・再編集盤を含む)のアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PAUL・CARRACK:ヴォーカル/ギター/ベース/キーボード/ドラム/プロデュースの他、STEVE・BEIGHTON:サックス、ANDY・NEWMARK:ドラム、IAN・THOMAS:ドラム、LEE・RUSSELL:ドラム・ループ、DAVID・CRICHTON:ストリングス、LINDSAY・DRACASS:バック・ヴォーカルのイギリスのミュージシャン達です。尚、プロデュースは、PAUL自身とエグゼクティヴ・プロデューサとしてMIKE AND THE MECHANICSのドラマーPETER・VAN・HOOKが担当しています。

DISC:1 収録時間:46分56秒
1曲目"Satisfy My Soul"(3:29) PAULがSQUEEZE時代のバンド仲間CHRIS・DIFFORD(SQUEEZE)との共作です。メンフィス・ソウル調のスローなオーソドックスなナンバーです。後にリリースされる[Still Groovin]に収録された名曲と共にPAULの音楽ルーツを垣間見みる曲です。
2曲目"Together"(4:09) PAULのジェントルな歌声によるミドル・テンポの落ち着いた曲です。バック・ヴォーカルの新進の歌手LINDSAY・DRACASSとのコーラスが美しいご機嫌なナンバーです。LINDSAY とPAULは同郷(Sheffield)のようです。
3曲目"Where Would I Be"(4:31) ドラムのループを使ったMIKE AND THE MECHANICSでのサウンド・スタイルに似た曲です。伸びやかPAULの歌声と荘厳さを持ったキーボードのサウンドによる曲です。
4曲目"My Kind"(4:26) 本国でビデオ・クリップが制作されている曲です。メンフィス・ソウル調の落ち着いたサウンドの曲でオルガンのサウンドなどはBOOKER T & THE MG'Sに通じる曲調でしょう。
5曲目"Inspire Me"(3:57) 少しリズムのスピードを上げて来ました。エモーショナルなメロディとソウルフルなPAULのヴォーカルによる曲です。
6曲目"The Only One"(5:02) 再びCHRIS・DIFFORDとの共作です。PAULのもう1つの魅力であるバラードでのしっとりした歌声による曲です。美しいピアノの調べとアコースティック・ギターによる人生のパートナーに捧げる曲です。やっぱりこの人のバラードは何時聴いてもいいです。
7曲目"How Wonderful"(3:49) 再びメンフィス調の曲の登場です。この曲も作詞はCHRIS・DIFFORDと作曲はPAULです。ハモンドのサウンドとスキャットによるバック・コーラスと落ち着いたリズムによる曲です。
8曲目"Running Out Of Time"(4:26) このアルバムで最初にインパクトを受けたた曲です。先ずギターのサウンドが非常に"カッコ良い" のです。曲を共に書いているのがMIKE・RUTHERFORDなので納得させられました。但し、MIKEは収録に参加していないのが残念です。
9曲目"Better Than Nothing"(4:07) イントロから"ゾクゾク" させられるサウンドですね。PAULの歌声に合わせて歌われるバック・ヴォーカルの"クール" なこと。ドラムで参加は、ベテランANDY・NEWMARKです。また、この曲もビデオが作られています。
10曲目"Time Passes"(4:35) アコースティック・ギターによるイントロからダイナミックに展開するソウルフルな曲です。PAULの大人の魅力を感じる"渋い"歌声によるアメリカ南部のサウンドをルーツとする曲調です。
11曲目"Make Your Mind Up"(4:19) PAULのアルバムには常連で参加しているSTEVE・BEIGHTONのサックスが非常に効いたファンクな曲です。

DISC:2 ("Satisfy My Soul" のインタビュー映像付き) 収録時間:18分22秒
ライヴ盤の収録に参加しているミュージシャンは、PAUL・CARRACK:ヴォーカル/ギターの他、 PAUL・COPLEY:キーボード/バック・ヴォーカル、ROB・CLARKE:ベース、DEAN・DUKES:ドラム、JOHN・RBINSON:ギター、STEVE・BEIGHTON:サックス、LINDSAY・DRACASS:バック・ヴォーカルのPAULのバンド・メンバー達です。
1曲目"Silent Running(Live)"(7:13) MIKE AND THE MECHANICS の'85年のヒット曲で当時PAULがリード・ヴォーカルを担当しドラマ仕立てのようなビデオクリップが連日のように放送されていました。
2曲目"Eyes Of Blue(Live)"(4:22) '95年の[BLUE VIEWS]に収録されている曲のライヴ収録です。美しいピアノの調べによるPAULのお得意のバラードです。
3曲目"Bring It On Home To Me"(3:11) アメリカのソウル・シンガーSAM・COOKE '62年の大ヒット曲です。当時のR&B部門で第2位になっています。メンフィス・ソウルの誰でも知っている名曲です。
4曲目"My Kind(Radio Edit)"(3:36) このアルバムの4曲目に収録されている曲を3分36秒のラジオようにまとめられたヴァージョンです。
全11曲歌詞付 豪華写真ブックレット 2枚組特別盤 (輸入盤) (この後のPAULのアルバムは、全て自身のレーベルからリリースされていますが、供給元は大手UNIVERSALが行なっていますので、流通はスムーズに行なわれています)'10年8月6日再更新


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写真  PAUL CARRACK/ Still Groovin
 ・2002 Carrack-UK   PCARCD4

PAULの大好きな珠玉の名曲でのカバー集・・・

PAUL・CARRACKの12枚目(ベストと '01年のGroovinを含む)アルバムで名曲のカバー集による '02年6月3日に本国でのリリースです。ボーナス・トラック5曲及びDVD付(ライヴ+ビデオ・クリップ)の豪華2枚組です。
尚、プロデュースは、PAUL・CARRACKとPETER・VAN・HOOKが担当しています。

DISC:1 収録時間:54分24秒
1曲目"Harvest For The World"(3:10) THE ISLEY BROTHERSの '76年の名曲です。乗り良いリズムとメロディはPAULの歌声にぴったり嵌ります。
2曲目"Sunny"(3:17) どれだけの人がカバーをしたか判らない位の名曲BOBBY・HEBBの '66年全米第2位の大ヒット曲。少し悲しい響きのハモンドの音色とPAULの爪弾くギターが心を打ちます。
3曲目"Too Bust Thinkin Bout My Baby"(3:17) MARVIN・GAYEの '69年の全米第5位の大ヒット曲。PAULが愛聴してきた楽曲に興味津々です。
4曲目"Crazy Love"(2:42) VAN・MORRISONの '70年のヒット曲でしっとりと聴かせるバラード曲です。
5曲目"Baby I Need Your Lovin'"(2:51) THE FOUR TOPSの '64年のヒット曲。古き良きアメリカのミュジックシーンを懐かしめるサウンドとハーモニーです。
6曲目"Walk On By"(2:48) ISAAC・HAYESによる '69年の全米第30位のヒット曲で作曲はBURT・BACHARACHです。BURTの華麗で美しいメロディとPAULの渋いヴォーカルもう最高です。
7曲目"What Does It Take"(2:51) JR.WALKER & THE ALL STARSの '69年のヒット曲。STEVE・BEIGHTONのサックスがPAULのヴォーカルに華を添えます。
8曲目"Anyday Now"(3:39) ELVIS・PRESLEYの '69年のヒット曲で作曲はBURT・BACHARACH。美しい調べの曲でストリングスでのアレンジが更に素晴らしい物にしています。
9曲目"Cover Me"(2:35) HINTON/GREENEの曲で、'69年にPERCY・SLEDGEのカバーでヒットしました。モータウンサウンドのゆったりとした曲です。
10曲目"With You In Mind"(3:29) ALLEN・TOUSSAINTの '78年の曲。ゴスペルコーラスをバックに淡々と歌い上げるPAULのヴォーカルが胸を打ちます。
11曲目"Aint No Sunshine"(2:28) BILL・WITHERSの '71年の曲でMICHAEL・BOLTONもカバーしていました。シャウトするエモーシナルな歌声も渋い。
12曲目"Groovin" THE YOUNG RASCALSの '67年のヒット曲で曲名通り爽やかで気持ちの良い曲です。
13曲目"You've Got A Friend"(3:19) ご存知CAROLE・KING '71年のヒット曲です。いつ聴いても良い歌詞の内容とメロディ曲です。
14曲目"Into The Mystic(bonus track)"(3:38) 4曲目と同じくVAN・MORRISONのアルバム[Moondance] に入っている曲で、アコースティック・ギターの響きを生かした曲です。
15曲目"People Get Ready(bonus track)"(2:34) CURTIS・MAYFIELD の '65年のヒット曲で、'85年にROD・STEWARTのカバー(ギター:JEFF・BECK)とビデオクリップが共に有名です。
16曲目"Warm And Tender Love(bonus track)"(3:16) PERCY・SLEDGEの '66年のヒット曲でゴスペル・ソングです。
17曲目"It's Growing(bonus track)"(2:48) SMOKEY・ROBINSONの曲で、彼のプロデュースによりTHE TEMPTATIONが、'65年にヒットさせました。モータウンサウンドの曲でPAULのファルセットで聴けます。
18曲目"I Wish It Would Rain(bonus track)"(2:50) THE TEMPTATIONの '68年のヒット曲で当時のアメリカン・ヒット・チャート4位になっています。

DISC:2 収録時間:28分55秒
DVD内容:ロンドン・シェパード・ブッシュ・エンパイアでのライヴ映像とビデオクリップです。
DISC1及びDISC2の収録メンバーは、PAUL・CARRACK:keyboard,Guitar,Vocalの他、STEVE・BEIGHTON:Saxphone、PAUL・COPLEY:keyboard,Vocal、DEAN・DUKES:Drums、JEREMY・MEEK:Bass、JOHN・ROBINSON:Guitar、LINDSAY・DRACASS:Backing Vocal
1曲目"Better Than Nothing"(4:35)ライヴ、2曲目"Eyes Of Blue"(5:05)ライヴ、3曲目"The Living Years"(5:50) ライヴ、
4曲目"Tempted"(4:30) ライヴ、5曲目"My Kind"(4:43) ビデオ・クリップ、6曲目"Satisfy My Soul"(3:57) ビデオ・クリップ
全18曲歌詞無し 写真ブックレット 2枚組特別盤 (輸入盤)(DVDはヨーロッパ規格のPAL式の為、日本一般のNTSC方式のTVでは再生出来ません)
'10年8月6日再更新


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写真  PAUL CARRACK/ It Ain't Over
 ・2003 Carrack-UK   PCARD5

PAULのヴォーカルは、何度聴いても"クール"・・・

このアルバムは、イギリスで活躍しているソウル・シンガーPAUL・CARRACKの13枚目(ベスト盤・再編集盤を含む)のアルバムで、'03年7月1日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PAUL・CARRACK:ヴォーカル/マルチ・インスルメンツ/プロデュースの他、STEVE・BEIGHTON:サックス、EDMUND・COLLINS:トランペット/フリューゲル・ホーンの非常に少人数で制作されています。

1曲目"She Lived Down The Street"(3:01) ギターのサウンドが爽やかに響く曲です。ポップなリズムに乗せてPAULが伸び伸びと楽しく歌っている様が伝わって来ますね。
2曲目"Nothin' To Lose"(4:07) ホーンの音から入るメンフィス・ファンク・ソウルな曲で、非常にPAULの持ち味がストレートに伝わっています。ライヴなどで演奏して良し、聴いても良しの感じです。また、このハモンドのレトロ調の音色が最高です。
3曲目"It Ain't Over"(4:22) ミドル・テンポのリズムにPAUL節による珠玉のバラードです。PAULのソウルフルな歌声のバックに響くフェンダー・ローズの音色が非常にシブく響くのです。
4曲目"Happy To See You Again"(4:30) 一転して明るいポップなリズムとサウンド曲です。この曲の感じなどはソロ活動を始めた頃のPHIL・COLLINSの感じにも似ていますね。また、サビのコーラスも自身のセルフ・ハーモニー決めています。
5曲目"Where Did I Go Wrong"(3:24) イントロのサウンドは、どこかで聴き覚えのある感じがするのですが、レゲエのリズムの心地好い乗りを与えてくれる曲です。この手の音楽でもソウルフル/ジェントルに歌い上げるPAULのヴォーカルは、何度聴いても"クール" ですね。
6曲目"Empty Space"(4:22) PAULのアルバムに定番的に入っているスローなカントリー・フレーバーな曲の登場です。軽めのリズムに乗せて美しく歌うPAULの歌声とセンチメンタルなメロディとサウンドを楽しむことにしましょう。
7曲目"One Small Step"(3:46) 元THIN LIZZYのギタリストBRIAN・ROBERTSONと一緒に書いたストリングスを取り入れたバラードです。PAULのピアノによる弾き語り形式による落ち着いた流れと優しい歌声に包まれますね。
8曲目"Forvever"(3:16) この曲がまた感じ好い曲だと思います。PAULのヴォーカルと彼の弾くギターとが一体となった独特の浮遊感のある美しい時が過ぎるのです。この曲を聴きながら思ったのですがPAULの曲は、コード進行とその組合せが絶妙なのです。
9曲目"Never Too Late"(4:44) ファンキーなリズムに乗せPAULがそのシブイ喉を聴かせます。本当にこの曲などは目を閉じて聴いているとブラック・ミュージック・シーンの重鎮の曲ではないかと錯覚するようです。
10曲目"Just A Little Lie"(4:21) 同じくイギリスで活躍している女性S.S.W.CHARLIE・DOREとの共作でSTEELY DAN風のホーン・アレンジの曲です。滑らかなに流れるPAULの歌声と洒落たサウンドを聴かせるホーン群の波が押し寄せて来ます。
11曲目"Ain't No Love"(5:31) ギターのサウンドを大きくフューチャーした乗りの良い曲です。このロック色を強めた歯切れ良いリズムとエモーショナルなドラムのビートには乗れない訳などは、何も存在しません。
全11曲歌詞付 写真ライナー U.K.製 (輸入盤) 収録時間:45分30秒 (彼のアルバムはどれを聴いても"素晴らしいの" 一言!)'10年8月7日再更新


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写真  PAUL TIERNAN / Belle
 ・2004 right stuff records   RSRCD004

メランコリック・フォーク・・・

このアルバムは、アイルランド生まれで現在、フランスの南西部のアキテーヌ地方にてインディペンデントに活躍しているフォーク・シンガーPAUL・TIERNANの '05年にリリースされた4枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PAUL・TIERNAN :ヴォーカル/ギター/ベース/マンドラ/キーボード/パーカッションの他、DAVE・CLARK:ドラム/パーカッション、JESSIE・KENNEDY:バック・ヴォーカル、TONY・DAVIS:パーカッション/バック・ヴォーカル、GARETH・HUGHES:アップライト・ベース/ベース、JOE・RYAN:ペダル・スティール、KEVIN・MURPHY:チェロ、COLM・McCAUGHEY:フィドルなどのアイルランド時代からのミュージシャンが参加しています。
尚、このアルバムは、アメリカのリイッシュ・レーベルより '06年5月に再リリースされたものです。

1曲目"Belle"(4:45) PAULの音楽に最初に出会った曲です。アコースティック・ギターの爪弾きに少し枯れ気味のPAULの哀愁のある歌声が心地好く流れて来ます。ハンマリングを上手く使った爪弾きが彼の優しさを表しているようです。
2曲目"Stones"(4:28) ペダル・スティールの調べが心地好く広がるスローな曲です。サウンドの流れはあくまでもゆったりと厳かにPAULの歌声と共に流れ去るのです。
3曲目"Thin Blood"(4:41) アコースティック・ギターの調べとハーモニカによる典型的なS.S.W.らしいフォーク調の曲です。PAULの家族とその家系について書かれているようです。
4曲目"Pretend"(4:58) メランコリックなメロディと訥々と歌うPAULの歌声が切ないメロディアスなサウンドの曲です。この曲のS.S.W.然とした手作り感のあるサウンドとアレンジに粋なところを感じます。
5曲目"Mr Smile"(4:10) 高い目のフレットで奏でられるアコースティック・ギターの弦の響きと思い入れのあるPAULの歌い口によるフォーク調の弾き語りです。途中より登場するストリングスとフィドルのソロによるトラディショナル・ダンス・ミュージック風なアレンジになっています。
6曲目"Lemon"(2:03) アコースティック・ギターのフィンガー・ピッキングによる美しい調べに乗せて歌うPAULの優しい歌声が届く落ち着いた曲です。
7曲目"Coming Up For Air"(4:17) ゆったりと奏でられるアコースティックな調べに乗せ訥々と歌い始めるPAULの歌声です。曲の途中よりPAULの歌声に重ねられたJESSIE・KENNEDYとのハーモニーも切ないくらい美しいのです。
8曲目"Little Heads"(4:15) オルガンの円やかな調べとマンドラのゆったりとした調べが響く曲です。後半からは、イギリスの古いバンド風のサウンドとコーラスに展開されて行きます。
9曲目"And Dreams"(5:06) アコースティック・ギターの幻想的な響きと美しいハーモニーを聴かせます。例えば、ノルウェーのKING OF CONVENIENCEのサウンドに近い雰囲気を感じさせる曲です。
10曲目"A Big Mistake"(2:56) カントリー調のフィンガー・ピッキングに乗せて心地好く歌うPAULの歌声が優しいアコースティック・ナンバーです。アメリカの中西部の男性S.S.W.のような質感を持っています。
11曲目"Leaving Boleagh"(1:40) アイルランドで活躍していた時期に演奏スタイルによるドブロ・ギターとアコースティック・ギターによる2分程度のインストゥルメンタルです。
12曲目"How To Say Goodbye"(3:27) メランコリックなオルガンのサウンドと切ないPAULの歌声による弾き語りです。恋人との別れを歌詞に綴ったこの曲でアルバムは、ひっそりと幕を下ろします。
歌詞無し 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:46分51秒 (メランコリック・フォーク調の大人しいサウンドのこのPAULのアルバムですが、MySpaceなどの情報では多くのファンに支持されているようです)'10年8月7日再更新


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写真  PEDALO / Migration
 ・2024 pedalo records   

メランコリック・フォーク・・・

このアルバムは、イギリス北部の都市グラスゴーで活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップ・バンドPEDALOのデビュー・アルバム(5曲EP盤)で '24年11月23日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PEDALOのCHARLOTTE・JADE・STUART:ヴォーカル/フルート、CALLUM・GEDDES:ヴォーカル/キーボード、CALUM・JAMES・STEEL:ギター、NICK・EADIE:ベース、BETH・MACKENZIE:ドラムの5人です。
尚、プロデューサーは、同じくグラスゴーで活躍しているJAMIE・HOLMES(THE LAPELLES,INTROSPECT)と3曲目のみメンバーのCALUM・JAMES・STEELが担当しています。

1曲目"Something Real"(3:48) 殆どイントロの無い出だしから響くエコーの効いたCHARLOTTEとCALLUMの歌声から惹かれた曲です。次第にダイナミックに展開されるサウンドとCHARLOTTEの滑らかな歌声に再び魅了されます。
2曲目"Lighter"(3:36) '24年4月11日にシングル曲としてダウンロード・リリースされているバラードです。この曲でもCHARLOTTEがそのシルキーな歌声を聴かせます。BEACH HOUSEの音楽にインスパイアされたとバンドのコメントがあるのですが、更にメロディアスでメランコリックな感じを感じます。
3曲目"Interlude"(3:20) このアルバムのジャケ写真を観て真っ先に思い出したのが、ハワイのフュージョン・ミュージック・バンドSEAWINDのデビュー・アルバムなのですが、彼等からの音楽影響があるのか分かりませんが、CHARLOTTEのフルートとスキャットによる歌声と華麗なピアノの演奏を聴くと結構、多才な実力派バンドと思います。
4曲目"Mystery"(3:38) '24年1月5日にシングル曲としてダウンロード・リリースされたシュゲイザーなイメージを伝える曲です。CALUMの軽快でギミックなギター・サウンドとBETHのリズミカルなドラムのビートに合わせCHARLOTTEもスポーケンで歌います。
5曲目"Never You"(4:03) ヴォーカルをCHARLOTTEとCALLUMとシェアした「恋人との別れ」をテーマとした曲です。CHARLOTTの煌びやかさと対照的なCALLUMの少し籠らしたラジオ・トーンな実直さを伺わせる歌声が非常に興味深いです。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:14分22秒 (PEDALO=足踏みボートと言うバンド名を持つこのPEDALO、どこまで大海を漕ぎ出せるか、将来楽しみなバンドでもあります)'24年12月4日更新


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写真  PENNEBAKER / A New Skyline
 ・2003 Philter Records, Inc.   PRPH-2065

本国以外では日本のみリリース・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているPENNEBAKERの '03年12月17日に国内でリリースされたデビュー・アルバムです。
このPENNEBAKERのメンバーは、BJÖRN・ÖQVIST:ヴォーカル/キーボード/プロデュース、DANIEL・BENGTSSON:ベース/ギターのPENNEBAKERの2人の他、MÅRTEN・TROMM(KATIE GOES TO TOKYO):ドラム/パーカッション、KATHRINE・BORGSTRÖM(KATIE GOES TO TOKYO):ヴォーカル、ANDREAS・MATTSSON:ギター、PER・STYREGÅRD:トランペット、STAFFAN・HOLMIN:サックスのスウェーデンのミュージシャンが参加しています。
プロデュースは、BJÖRN・ÖQVISTとPENNEBAKER名義となっています。
尚、このアルバムの本国スウェーデンでのリリースは、'01年3月になっています。

1曲目"Intro"(0:38) 穏やかなキーボードの調べとフルート風の調べが流れる30秒少々のイントロで、次の躍動的な曲のオープニング組曲的なアレンジです。
2曲目"Bending The Rules"(3:04) ファンクなベースのサウンドによるイントロの掴みとエモーショナルなリズムの流れによるポップな曲です。あまり歌が上手いとは言えないBJÖRNのヴォーカルですが、ベースとギターのサポートがこの曲をキャッチーなものとしています。ビデオの方は、ドラムにNIKLAS・GABRIELSSONが登場しています。
3曲目"No Place Better"(3:44) BURT・BACHARACH風のホーンのサウンドとサーフ・ミュージック・バンド風の美しいコーラスが懐かしさを感じさせるポップなナンバーです。曲を書いているBJÖRNの音楽のルーツは、60年代の古き良きアメリカン・ミュージックにあるようです。
4曲目"Everything You're About"(2:58) メランコリックなピアノのサウンドとDANIELのベースの調べが切なく流れるミドル・テンポのバラードです。この曲の最大の魅力は、デュエットのKATHRINE・BERGSTRÖMの非常に美しく響くその歌声と間奏のギターの泣きが良いんです。
5曲目"Hold On"(3:14) この曲にも美しい歌声をバックで聴かせるKATHRINEが参加しています。BJÖRNのピアノのサウンドによる弾き語りにバックのサウンドをさり気なくKATHRINEの歌声を質素ながらゴージャスに演出したBJÖRNの憧れのPADDYとWENDYの再現のように感じます。
6曲目"Keep On(Bringing Me Your Love)"(3:54) 70年代のロンドン・ポップスのサウンドを感じさせるブリティシュ・ソウル感のある曲です。歯切れ良いリズムの流れと細かく鳴らされるブラスのサウンドから懐かしさを感じさせます。
7曲目"Interlude"(0:48) 1分に満たないインターリュードです。幻想的に響くハープの調べとゆったりとしたキーボードのサウンドが流れて行きます。
8曲目"The Day You Were Painting The World"(3:38) 曲の途中ではオルタナティヴなサウンドの流れを持たせたメロディアスなサウンドの曲です。少しメランコリックな歌声を聴かせるBJÖRNの歌声と泣きのギターがインパクトを与えます。
9曲目"Things We Do(Between Me & You)"(3:20) アルバムの後半に挿入されたキャッチーなキラー・チューンです。ダークな調べを淡々と流し続けるピアノ・バラードを演出するベースとドラムとKATHRINEの歌声です。
10曲目"Vision"(3:10) この曲のコーラスなんかは非常にウエスト・コースト・ロックのバンドからのインスピレーションを感じさせますね。メロディアスなピアノの調べに美しいバック・ヴォーカルのサウンドです。
11曲目"Love For You"(3:20) この曲もBURT・BACHARACH風のピアノの調べとホーンのサウンドを感じさせる曲です。楽しそうに流れるピアノのサウンドと凝った転調から再びもとのメロディを聴かせるアレンジです。
12曲目"In Any Crowed Room"(3:25) 重いベースのサウンドと流れるようなキーボードの調べによるポップ・ソングとブルー・アイド・ソウルが上手くミックスされたサウンドの曲です。80年代後半にデビューしたJOHNNY HATES JAZZのサウンドに通じるものを感じます。
10曲歌詞/訳詞付 12ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:35分18秒 (本国以外では日本のみリリースのPENNEBAKERのアルバムです。本当に日本は、この手のサウンドを見つけて来るのが上手いですね!尚、次のアルバムでは、私の大好きなドラム/ヴォーカルがこのバンドに合流するのです)'10年8月7日再更新


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写真  PENNEBAKER / Pennebaker
 ・2005 Philter Records, Inc.   PRPH-2078

今度は日本のみの特別盤仕様・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているPENNEBAKERの2枚目のアルバムで '05年6月29日に国内のみリリースされた特別編集盤です。
このアルバムでのPENNEBAKERのメンバーは、BJÖRN・ÖQVIST:ヴォーカル/キーボード/プロデュース、DANIEL・BENGTSSON:ベース/ギター/プロデュースにNIKLAS・GABRIELSSON:ドラム/パーカッション/バック・ヴォーカルが新たに加わっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PENNEBAKERの3人他、FREDRIK・MATTSSON:バック・ヴォーカルが参加しています。

1曲目"Runaway Heart"(3:50) 歯切れ良いギターのサウンドと打ち付けるようなピアノの調べイントロから流れる粋なポップス・ソングです。明るく爽やかなBJÖRNの歌声と軽やかリズムの流れが心地好く響きます。
2曲目"Say You Remember When"(4:03) バックで慎ましやかに響くフルートの調べは懐かしいT.V.スパイ・アクション番組のテーマを連想させるのです。バンド形式での演奏が上手くまとまって来たことを感じさせるサウンドです。
3曲目"I'm Into Making Up(Not Breaking Up)"(3:11) 少し捻りを入れたメロディとブラック・ミュージックからの影響を感じさせるR&Bの曲の登場です。この手の曲はドラムのNIKLASが最も得意としている音楽なのですが...。
4曲目"Living Without Me Now(The Game Isn't Over)"(3:34) アコースティック・ギターの調べとメランコリックなBJÖRNの歌声が届けられるミドル・テンポのメロウなバラードです。サビの部分のヨーロピン調のメロディアスなコーラスとサウンドの流れが粋ですね。
5曲目"In My Dreams(Love Lives)"(3:46) 3曲続けてサブ・タイトル付きの曲の登場です。この曲も美しいメロディを持つセレナーデ的な曲のようです。オーソドックスな曲の展開ですが、あまりアレンジに拘らず曲の持ち味を大切にしたようです。
6曲目"Second Fall"(0:45) BJÖRNのワーリッツァー・ピアノ1台によるインストゥルメンタルで、1分に満たないインターリュードになっています。
7曲目"Now That I Found You(I Found Myself)"(3:25) この曲は午後の雨降りの情景を思い起こすようなメランコリックな調べを聴かせる曲ですね。後半からのピアノの調べとキャッチーなサビのリフレインが美しく流れて行きます。
8曲目"I've Seen Beauty"(3:49) 幾重にも重なられたメロディアスなギターの調べに乗せた恋人に捧げるラヴ・バラードです。作曲はベース/ギターのDANIEL、作詞はBJÖRNとなっています。
9曲目"Must Have Been Blind"(3:44) シンプルなメロディ・ラインによるポップ/ロックな曲で、GALLAGHER AND LYLEの曲のような爽やかさと優しさを感じさせます。
10曲目"Seeds Of Love & Change"(4:14) この曲も優しいメロディの響きが届けられて来る曲ですね。サビへの盛り上がりや美しいリフレインは、聴いていて気持ちが良いですね。何か歌詞は、DANIELの昔の出来事を歌っているのでしょうか。
11曲目"I Feel I Could Do"(3:40) アルバムの後半は少し大人しい曲が続いて登場していますね。この曲もBJÖRNのピアノの弾き語りで収録されています。ストリングスの調べに飾られた美しいピアノの旋律と共にBJÖRNの演奏がこのアルバムの終焉へと向かって流れて行きます。
10歌詞/訳詞付 8ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:38分09秒 (何故かこのセカンド・アルバムは、日本のみ限定の特別編集盤リリースとなっています。尚、デビュー盤とこのアルバムの配給はSony Music Japanが行っています)'10年8月9日再更新


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写真  PENNEBAKER / Things Are Looking Up
 ・2008 Village Again Association. Japan   POCE-30006

今度も日本のみの特別盤仕様・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているPENNEBAKERの3枚目のアルバムで '08年10月15日に国内のみリリースされた特別編集盤です。
アルバムの収録曲の約半数は、本国での2枚目のアルバム[Ghost Of Love]にも収録されていますが、その他の曲は、本国でも未発表曲となっています。
前作は、メンバー3人による演奏による収録曲がメインだったのですが、このアルバムでのミュージシャンは、PENNEBAKERのBJÖRN・ÖQVIST:ヴォーカル/キーボード/プロデュース、DANIEL・BENGTSSON:ベース/ギター/ヴォーカル/プロデュース、、NIKLAS・GABRIELSSON:ドラム/パーカッション/バック・ヴォーカル、LEO・DAHLIN:ギター、OLOV・ÖQVIST:パーカッション、NINA・STENBERGE:ヴァイオリン/ヴォーカル、DENNIS・MORGAN:ギター、PER 'RUSKTRÄSK' JOHANSSON(ODDJOB):フルート、RONALD・BOOD:ハンド・クラップス、ANDERS・ÖQVIST:ハンド・クラップスなどスウェーデンのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、BJÖRN・ÖQVISTとDANIEL・BENGTSSONの共同名義となっています。

1曲目"Things Are Looking Up"(3:16) 躍動的で乗りの好いNIKLASのドラムのビートに促されて登場するBJÖRNの歌声が爽やかなポップ・チューンです。イギリスの有名ドラマー/ヴォーカリストが歌ったモータウン・ソウルのカバー曲を思い浮かべましたね。
2曲目"Yours To Keep"(3:30) ギターの刻み音が心地好い純粋なポップ・チューンです。リズムカルなBJÖRNのキーボードにキャッチーなDANIELのギター・サウンドが良く練られていますね。
3曲目"We Belong"(4:02) アコースティック・ギターのサウンドを取り入れて少し雰囲気を変えて来た曲です。NIKLASのスムーズなドラムのビートにDANIELの"渋め" ベース・ランニングにまた、PER 'RUSKTRÄSK' JOHANSSONのフルートの音色が爽やかに響きます。
4曲目"Everything I do(I Do It For You)"(3:29) 再びポップなサウンドの曲の登場です。デビュー・アルバムでの本国のヒット曲"Bending The Rules" とサウンドを共通とするファンクさを持っていますが、こちらの方は生テイクに近い質感を持ってラフなアレンジにて収録されています。
5曲目"Shadow Of A Doubt"(3:48) ウ〜ン!良い曲ですね。"キラキラ" としたメロディとサウンドにバックのギターの響きが非常にかっこ良く演奏されているのです。前の曲をラフに仕上げてこの曲で"ばっちり" と決めるプロデューサー上がりのBJÖRNの粋な配慮でしょうか。
6曲目"Guess I had It Coming"(3:44) めずらしくベースのDANIELのヴォーカル曲ですね。BJÖRNの歌声より少しマイルドでキーの低い歌声でソウルフルな感じを漂わせます。この曲もキャッチーなサビのパートからアグレッシヴな間奏のサウンドまでの流れが堪りませんね。
7曲目"I know Your Love Is Gone"(3:38) メランコリックなピアノの調べに乗せてBJÖRNが歌う彼の弾き語りです。肩を落としたような切ない歌声とピアノの調べによるラヴ・バラードです。
8曲目"Ghost Of Love"(3:54) 本国にて先行シングル・リリースされている曲で、女性ヴォーカルにNINA・STENBERGEが参加しています。面白いビデオも作られて観る者を楽しませてくれるのですが、歌詞自体は前の曲同様に切ないものになっています。
9曲目"New York City"(2:54) ロック色のサウンドを少し強めて来た曲の登場です。N.Y.の情景を楽しそうに歌うBJÖRNの歌声とバック・ヴォーカルのハーモニーとのコラボが美しいですね。
10曲目"If I could Do It Again"(3:57) 組曲風にアレンジされたように感じるBJÖRN節があちこちに散りばめられたポップ・チューンですね。本当にこの人の書く曲は、純粋に70年代のポップ・ミュージックのサウンドを感じる曲が多いですね。
11曲目"Bennybeat"(3:13) 過去の2作品でのインストゥルメンタルの曲は、短いインターリュード的な曲でしたが、この曲は2分以上あるインストゥルメンタルです。サウンド的には歌詞を付けていないポップ・ソングのイメージに近いサウンドです。
10歌詞/訳詞付 16ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:38分30秒 (収録曲の半数は、本国でも収録されていない国内企画によるレアなアルバムですが、せっかくソウルフルな歌声を聴かせるNIKLASが加入したのに彼を使わないのはもったいないですね)'10年8月9日再更新


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写真  PETER KINGSBERY / Once In A Million
 ・1995 Barclay   527 471_2

結構探しました・・・

COCK ROBINの解散後にフランスに渡ったPETER・KINGSBERYの2枚目のソロ・アルバムで、'95年にフランスのインディペンデント・レーベルよりリリースです。
尚、このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PETER・KINGSBERY:ヴォーカル/キーボード/ヴォーカルの他、CLIVE・WRIGHT:ギター、ELLIOTT・RANDALL:ギター、ROBBIE・McINTOSH:ギター、KEVIN・ARMSTRONG(LOCAL HEROES/THE PASSION):ギター、JON(JOHN?)・MCLAUGHLIN:ギター、KAVIAR・GERONIMI:ギター、KEVIN・SCOTT・MCMICHAEL:ギター、JOHN・PIERCE:ベース、STEVE・PIGGOT:ベース、HENRI・DORINA:ベース、BRUCE・KEEN:プログラミング、MATT・KEMP:プログラミング、PAT・MASTELOTTO(Ex.MR.MISTER):ドラム、NEIL・CONTI(Ex.PREFAB・SPROUT):ドラム、GARY・WALLIS:ドラム、HERVE・COSTER:ドラム、LUIS・JARDIM:パーカッション、STÉPHANE・BELMONDO:トランペット、MITT・GAMON:ハーモニカ、PHIL・SCHNELL:ストリング、LITTON・NAITH:ストリングス、TESSA・NILES:バック・ヴォーカル、MIRIAM・STOCKLEY:バック・ヴォーカルなどアメリカ/イギリス/フランス勢の多くのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Better You Know"(3:51) PETERの弾くアシッド感のあるクラヴィネットのエレクトロニカのサウンドとPAT・MASTELOTTO(Ex.MR.MISTER)の打ち込みと生のドラムのビートによるクールなナンバーです。ヴォーカルもPETER1人でシンプルに徹したサウンドです。
2曲目"After All's Said And Done"(4:34) この曲もエレクトロニカのサウンドを多用した曲調です。PETERの低く響くキーボードと美しいギターのサウンドによる曲で賛美歌風のハモンドの音色も素晴らしい。
3曲目"Sorry For Myself"(4:42) クールに走るドラムのビートとさり気なく響くピアノの旋律とPETERの切なさを誘う歌声による大人の魅力を感じさせる非常に素晴らしい曲です。故郷アメリカを離れフランスで1人活動している一ミュージシャンの魂の叫びが聴こえてきます。
4曲目"There's No Magic To It"(4:19) フランスの映画音楽にも曲を提供しているPETERのサウンドの手法らしい荘厳なイントロによる曲です。非常に美しいメロディ・ラインを持ったビートニク・バラードです。前作ではPETERの苦悩さを感じたアルバムでしたが、この曲ではPETERのサウンドをさらに昇華させたようです。
5曲目"Bells Of Freedom"(3:52) MITT・GAMONのハーモニカとハモンドのサウンドと唸るベースのリズムによるブルース・ライクなナンバーです。バックで響くギターのサウンドも非常に素晴らしいです。
6曲目"Once In A Million"(4:36) タイトなドラムのビートとメロディアスに響くベースのサウンドによるスリリングを感じさせる曲です。女性バック・ヴォーカルとのハーモニーとフランス語の囁きがセクシーな曲です。
7曲目"Brand New Year"(4:08) 1曲目のサウンドをクリエイトしたようなピアノ・バラードです。家族愛をテーマとした歌詞をPETERは切ないピアノのメロディに乗せ歌い上げます。
8曲目"Madness"(4:04) ポップなエレクトロニカのリズムによる曲です。80年代のブリティッシュ・ポップスを彷彿させるサウンドと"渋い" ギターのサウンドとPETERの切なくエモーショナルなヴォーカルの曲です。
9曲目"Nothing But A Stranger"(3:46) ジャジーなSTÉPHANE・BELMONDOのトランペットの音色とメロディを付けず叩き付けるように歌を発するPETERの少し曲調を変えた曲です。サウンドトラックのようなアレンジによる曲です。
10曲目"Blinded"(4:15) イントロのサウンドからご機嫌な曲です。PETERにはめずらしく低いキーでのヴォーカルです。バック・ヴォーカルはTESSA・NILESでしょうか?ANNA・LACAZIOの歌声に似たヴォーカルアレンジが非常に興味深いです。
11曲目"Wedding Day"(3:36) 低く唸るベースとギターのサウンドによるミドル・テンポのナンバーです。結婚式を翌日に控えた新婦へ捧げた曲です。
12曲目"Stirred In Water"(4:26) 遠くで微かに響くマリアッチのサウンドと荘厳なキーボードのサウンドによるCOCK ROBINでのサウンドに近い曲です。少しですが女性ヴォーカルの歌声がバックに響いています。
全12曲歌詞付 写真ライナー フランス/ドイツ製 (輸入盤) 収録時間50分14秒 (このアルバムは結構品薄で、中々手に入らずまた中古市場で、100ユーロ以上('05年時点)の値段が付けられたりもしていました。フランスへ旅行に行く知人に探してもらったりしましたが、CDショップに在庫が無く、半分諦めていました。フランスの個人売買のネットで良心的価格にて売りに出されようやく手に入れる事が出来ました)'10年8月9日再更新


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写真  PETER KINGSBERY / Pretty Ballerina
 ・1997 Barclay/PolyGram Company   537 406-2

印象的なアルバム・ジャケット・・・

COCK ROBINの解散後にフランスに渡ったPETER・KINGSBERYの3枚目のソロ・アルバムです。
このアルバムは、PETERがフランスで '97年にプロデューサーにDIMITRI・TIKOVOIを迎えてリリースされました。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PETER・KINGSBERY:ヴォーカル/キーボード/ギター/ベースの他、DIMITRI・TIKOVOI:ドラム/パーカッション/ギター/ベース、ALICE・BOTTE:ギター、HERVE・KOSTER:ドラム、LAURENT・MAUR:ハーモニカ、CORKY・JAMES:ギター、MATHIEU・CHEDID:ギター/エフェクト、NICKY・HAIMO:ギター、ANNA・LACAZIO:ヴォーカルが参加しています。

1曲目"White Folk"(3:49) イントロから何か物々しさを感じさせる曲です。アルバムのジャケットも非常に印象的ですし、PETERの音楽の新境地を開いた感のある曲です。
2曲目" Brand New Year"(3:35) '95年のアルバムにも収録されていた曲です。アシッド感のギターのサウンドとストリングスを追加したアレンジでのセルフ・カバーです。
3曲目"Pretty Ballerina"(3:51) ギターの中近東風のサウンドが印象的な曲です。ファルセットを使い分けたCHRIS・ISSAKの歌声に似たPETERの歌声と不思議なバック・ヴォーカルによる曲です。
4曲目"Better You Know"(3:42) この曲も '95年のアルバムにも収録されていた曲です。アレンジは前回とほぼ同じようです。アシッド感のあるサウンドとリズムは非常にクールさを醸し出しています。
5曲目"My Miracle"(4:03) このアルバムの特徴的なDIMITRIとのPETERとの共作です。オルタナティヴなサウンドとサンプルを多用した不思議なサウンドの洪水です。
6曲目"Damage Done"(4:18) 温かみを持ったアコースティック・ギターのサウンドと打ち込みの淡々としたビートが何かしら絶妙なコンビネーションを聴かせる曲でハートフルなPETERの歌声も良いですね。
7曲目"Hurting Inside"(3:41) アップテンポなオルタナティヴなギターサウンドによる曲です。ハーモニカとPETERのピッキング・ベースをドライヴさせた曲です。
8曲目"Sandrine"(3:51) 日本の琴を思い起こさせるハープのサウンドのサンプルを使ったエレクトロニカ・ポップな曲です。アグレッシブでドラマチックなアレンジによる新しいサウンド・スタイルによる曲です。
9曲目"Sleeping With The Enemy"(4:12) フランス映画のワンシーンに登場しそうな雰囲気の曲です。エモーショナルに響くパーカションのビートとPETERの力強い歌声による曲です。
10曲目"Bishop Gaillot"(5:01) スペインのフラメンコをオルタナティヴ化した感じの曲です。巧みなアコーディオンのメロディとワイルドで重厚なバックのサウンドとのコラボによるPETERの意欲作です。
11曲目"More Than Willing"(4:26) '85年のCOCK ROBINのデビュー・アルバムに収録された曲ANNA・LACAZIOとの共作です。オリジナル曲のロウ(raw)・マテリアルを使った収録ではないでしょうか、CLIVE・WRIGHTのギターをニューヨークのギタリストNICKY・HAIMOに差し替えて再収録のようで、ANNA・LACAZIOが再収録に参加したか不明です。
12曲目"Galaxy"(5:15) 前作の流れをそのまま感じさせる曲ですが、随所にDIMITRIの味付けを効かせたアシッドなサウンドと荒削りで書き殴られたようなギターのサウンドによる曲です。
13曲目"Bricks(Hidden Truck)"(3:32) 30秒程度のブランクの後に収録されているヒドゥン・トラックです。PETERの美しいピアノの旋律による弾き語りです。そっと優しく歌いかけるPETERの歌声でこのアルバムはまさしくそっと幕を閉じます。
12曲歌詞付 写真ライナー フランス/ドイツ製 (輸入盤) 収録時間53分23秒 (このアルバムは一時期は品薄で、目玉の飛び出る価格でしたが、前作と併せて個人売買のネットに、新品同様の状態でまた、良心的価格にて売りに出されようやく手に入れる事が出来ました。PETERの次のアルバムはフランス語によるアルバムをリリースしています)'10年8月10日再更新


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写真  PETER KINGSBERY / Mon Inconnue
 ・2002 Warner Music France   092747424-2

PETERがフランスに残したアルバム・・・

フランスで活躍していたPETER・KINGSBERY4枚目のソロ・アルバムで、前作より5年ぶりの '02年11月フランスのみリリースです。
尚、このアルバムの収録曲の作曲は全てPETERが行いフランス語の歌詞は、ミュージカルやフランス/スイスのミュージシャンへの曲を提供している作詞家PATRICE・GUIRAOによります。

1曲目"Si C'était Vrai"(4:05) アコーディオンの音色に近いPETERのオルガンでの音色によるPETERらしいセンチなメロディにエレクトロニカとストリングスを絡み合わせたミドル・テンポのナンバーです。
2曲目"Mirages"(4:21) バックに流れる美しく響くエレクトロニカによるリズムとメロディによる曲です。PETERの作る音楽が違和感なくフランス語の歌詞に溶け合います。この曲からCOCK ROBIN時代から遠くにまた、時間もかなり経たことを実感します。
3曲目"Derrière Ma Cicatrice"(3:57) いつもながらPETERのエモーショナルな歌声に出会うことの出来る曲です。今回はフランスのギタリストによる洒落たギター・サウンドがこの曲に収録されています。
4曲目"Mon Inconnue"(3:50) 色々なキーボードのサウンドによるエレクロニカ・ポップで、バックワードのS.E.などを使ってアクセントとしています。フランスの洒落たサウンドとアレンジとなっています。
5曲目"Hélianthème"(4:45) ドラム・プログラミングによるビートとアコースティックなナイロン弦ギターの調べを重ねた哀愁のバラードです。切なく歌うPETERの歌声がメランコリックに響きます。
6曲目"Un Ton Plus Haut"(5:02) 電子音を大胆に使った現代的なシュールなサウンドに次第にストリングスなどのアコースティックな響きを加えて展開される曲です。
7曲目"Parler D'une île"(4:40) 女性バック・ヴォーカルが入っているように聴こえますが、PETERのファルセットでしょうか。この曲は非常に美しいメロディとリズムをもっています。バックのクラヴィネットのサウンドも非常に美しく効果的に響きます。
8曲目"La Faille"(3:56) 忙しなく鳴り響く打ち込みのリズムとエモーショナルに歌うPETERの歌声による曲です。サウンドトラックか現在的な戯曲のような一面も持ち合わせたようにも聴こえます。
9曲目"Il Fait Jour"(4:29) アンビエントなドラムのビートに乗せたBRUNO・BONGARÇONのスムース・ジャズのギター・ソロが非常に"かっこいい" 曲です。めずらしくPETERがスポーケンかヒップ・ホップ系の"しゃべり" を挿入しています。
10曲目"Vicaire"(5:04) この曲のサンプル音源には驚きました。私の大好きなPADDYの"Goodbye Lucille #1" のイントロのギターのサウンドが何度もバックで美しく流れるのです。幻想的なサウンドとPETERの優しい歌声によるソフトな曲です。
11曲目"Vegas"(4:00) この曲はサウンド的にアメリカン・テイストを感じるピアノ・ポップの曲です。オーソドックスではありますが、フルートとパーカッションの爽やかなサウンドが好いんです。
12曲目"The Long Last Second"(8:36) 唯一英語による歌詞の曲で、PETERの作詞/作曲です。憂いのあるPETERの歌声と浮遊感のあるエレクトロニカのサウンドによるミドル・テンポのナンバーです。フランス映画のサウンドトラックなども手掛けたPETERらしい壮大な一面も持った曲です。
尚、この曲が終了した後、約3分のブランクに続いて1分程度のPETERによるキーボード演奏がヒドゥン・トラックとして収録されています。
全12曲歌詞付 写真付ブックレット ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:56分50秒 (約3分のブランク・トラックも含む) (前作までPETERの古くからのミュージシャンとの収録だったようですが、この作品では地元フランスで活躍しているミュージシャンと固定したバンド形式で収録されています。COCK ROBINが17年ぶりに復活して新作が発売されました!ただ現時点('06年7月)ではフランスのみの販売です)'10年8月10日再更新


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写真  PETER LINDBERG / Hiding Out For A Better Day
 ・2005 VESPER RECORDS   VESCD05018

いいアルバムに出会えました・・・

スウェーデンで活躍するPETER・LINDBERGのデビュー・アルバムで、'05年4月6日にスウェーデンのみのリリースです。REBECKA・TÖRNQVISTの"Song Formerly Known As Alice" で素晴らしい歌声を披露していたあの人物です。
このアルバムに参加しているミュージシャンもいいですね。PETER・LINDBERG:ヴォーカル/ギター/キーボード/プロデュースの他、OLA・GUSTAFSSON:ギター/ペダル・スティール・ギター、OSCAR・DANIELSON:ギター、HUXFLUX・NETTERMALM:ドラム、PIERRE・LINDSJÖÖ:ベース/プロデュース、PER 'TEXAS' JOHANSSON:クラリネット/テナー・サックス/ベース・クラリネット、JUHANI・EKSTRAND:タンバリン/シェーカー/ハンドクラップ、ANDERS・NYGÅRDS:ヴィオラ/ヴァイオリン、JOHAN・THORGREN:バック・ヴォーカル、SARA・ISAKSSON:バック・ヴォーカルなどREBECKAのアルバムで御馴染みのミュージシャンが参加しています。
尚、プロデュースは、PETER・LINDBERG本人とベースのPIERRE・LINDSJÖÖの共同で行われています。

1曲目"A Way Back Home"(3:40) この曲は、イントロからのアコースティック・ギターの響きと憶えやすいメロディとでいい曲ですね。PETERの哀愁に満ちた歌声とSARA・ISAKSSONのバック・ヴォーカルとの絡みが申し分ありません。
2曲目"An Hour"(3:09) ハモンドのサウンドと暖かく感じられるドラムのビートとギターの響きによる曲です。全面的にヴォーカルをバック・アップするSARAの透明感のある歌声も見事です。
3曲目"Hiding Out For A Better Day"(3:22) この曲でのPETERのイメージは、テネシーで活躍するDAVID・MEADと通じる感性と才能を感じます。落ち着いた響きのサックスは、ご存知PER'TEXAS 'JOHANSSONです。
4曲目"What's New"(3:42) 少し気だるさを表に出したサウンドとスローなリズムと効果音的なギターの響きと空間的な間合いを持った曲です。
5曲目"Something Precious"(4:11) このアルバムで最初に非常に気に入った曲です。少し悲しいメロディとハート・ウォームなPETERの歌声とSARAの澄んだ歌声にヴォーカルが見事に調和したところが、心に"ジーン" と来る哀愁のナンバーです。
6曲目"For Your Heart"(3:17) 張りのあるアコースティック・ギター美しい響きとシンプルなメロディと落ちつたリズムによる叙情的に恋人に捧げるフォーキーな曲です。
7曲目"Passed It On"(4:16) イントロのSARAのヴォーカルから聴かせる曲ですね。ミドル・テンポのリズムと懐かしいブリッテッシュ・テイストを感じる曲です。
8曲目"And This Day"(2:42) カントリータッチの3分に満たない曲ですが、SARAのバック・ヴォーカルがいいですね。REBECKAともこのようなカントリー・タッチの曲のバックで美しい"ハモリ" を聴かせてくれた彼女です。
9曲目"Last Chance"(3:01) PETERと同じレーベル仲間のOSCAR・DANIELSONのフィンガー・ピッキングによるアコースティック・ギターの美しい響きとビター・スイートなメロディが切ないフォーキーな曲です。ところどころに半音を下げたギターの音色が不協和音となって独特の雰囲気を醸し出しているのも特徴的です。
10曲目"Don't Need Help"(4:01) 心地好いリズムと浮遊感の漂ったご機嫌な曲です。さらりと流すように弾かれるギターのリフと落ち着いて聴いていられるリズムによる曲です。
11曲目"Honest Look"(2:59) PETERのアコースティック・ギターの弾き語りによるシンプルな曲です。後半よりアコーディオンなどが加えられていますが非常にシンプルなスタイルの曲です。
12曲目"Time For You"(4:07) 再びPER'TEXAS'JOHANSSONの登場です。SARAとの美しいハーモニーとPERのサックスとが調和した癒される響きとメロディによる曲です。
13曲目"You Won't Fall Down"(5:04) SARAと全面的にユニゾンとしたデュエットからハーモニーとシフトされる落ち着いたリズムとメロディの曲です。透明感のあるキーボードのサウンドと後半は、幻想的な響きを放つS.E.的な電子音でのアウトロです。ハーモニーのヴォーカル部を終えたところにSARAの感動からか嗚咽ような声も収録されています。
歌詞無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:47分36秒 (落ち着いた響きの楽曲と哀愁感のあるメロディと人間味溢れた良いアルバムに出会えました!)'10年8月10日再更新


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写真  PETER LINDBERG / A Good Night Became A Good Day
 ・2022 SIF RECORDINGS   SIFCD2202

ひっそりとリリース・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているS.S.W.PETER・LINDBERGの2枚目('04年のバンドITAL SKURK名義は含まない)のアルバムで '22年3月9日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PETER・LINDBERG:ヴォーカル/ピアノ/パーカッション/タンバリン、JOHAN・LINDSTRÖM:ギター/ベース/ペダル・スティール・ギター/キーボード/パーカッション/ストンプ・ボックス/バック・ヴォーカル/プロデュース、OLA・GUSTAFSSON:ギター/ペダル・スティール・ギター、SVEN・LINDVALL:ベース、JESPER・NORDENSTRÖM:キーボード/ギター、LARS・SKOGLUND:ドラム/パーカッション、NILS・TÖRNQVIST:ドラム、PER 'TEXAS' JOHANSSON:サックス、SARA・ISAKSSON:バック・ヴォーカルのスウェーデンのベテラン達が参加しています。
尚、アルバム・ジャケットは、REBECKA・TÖRNQVISTのアルバムでもお馴染みのBOSKEデザインのKARL-MAGNUS・BOSKEがデザインを担当しています。

1曲目"When The Night Is Here"(5:05) JOHAN・LINDSTRÖMをプロデューサーに迎えた事によるイントロから次第にスピード感を上げて行く不思議な雰囲気を感じさせます。ところがPETERの安定感のある歌声が聴けた時ににっこりさせるアルバムの幕開きに相応しい感の曲です。前作では、プロモーション・ビデオが制作されていませんでしたが、今回は、アルバムのリリース前にPETERの登場した3分半のビデオが制作されています。
2曲目"Something"(4:55) 重く響くベースの調べがイントロから流れるリズムとメロディ共に地好さ感じさせる曲です。PETERのソフトな歌声とゆったりとしたドラムのビートが聴く者の気持ちを落ち着かせてくれます。また、この曲でのJOHANのベースのサウンドも圧巻ですね。
3曲目"After The Fall"(5:19) 17年前のアルバム[Hiding Out For A Better Day]でのしっとりとしたスローなナンバーを引き継いだ曲です。シンプルなピアノの演奏とPETERの歌声の裏に響くSARA・ISAKSSONの美しい歌声が好いですね。この曲もビデオが制作されています。
4曲目"Go Anywhere"(1:17) PETERのピアノによる弾き語りです。この曲でもその優しい歌声を聴かせるPETERと時を刻むようなJOHANのストンプ・ボックスかな?物静かに流れて行きます。
5曲目"Big Sky"(3:24) 今度は、アップテンポによる楽しさを直に伝わって来る曲です。ここでも間奏でJOHANがそのギターの巧みな演奏を聴かせますね。JOHANのヴィンテージ・テレキャスターの枯れた音が堪りませんね。
6曲目"Than This"(4:54) イントロの美しくメロディアスなピアノの調べにぐっと掴まれ曲です。JOHANの澄んだ空間の穏やか響くペダル・スティール・ギターの響きが非常に効果的にアレンジされています。
7曲目"Traveling(A Good Night Became A Good Day)"(8:16) イントロは、ほぼPETERのスポーケンによる歌声から厳かに展開させるJOHANの得意とするエクスペリメンタルな要素をふんだんに取り入れたアレンジによる8分を超える長尺な曲です。後半3分ぐらいいからインストゥルメンタルとなっています。の
8曲目"The Rooftops"(3:53) 再びバック・ヴォーカルにSARA・ISAKSSONが登場している曲です。ゆったりと歌うPETERの歌声、エフェクト的なSARAの歌声とOLA・GUSTAFSSONの奏でるペダル・スティール・ギターの響きの絡みが素晴らしいのです。ペダル・スティールと言えばカントリー・ミュージックでのイメージが非常に強いのですが、JOHANやOLAのスウェーデンのミュージシャン達は、ジャズやエクスペリメンタル・ロックに用いサウンドの多様性を試みています。
9曲目"Over And Over"(4:15) あっと言う間に最後の曲です。ぱっと聴きは、オーソドックなR&Bでしょうか。でも、SARAがここでもその美しい歌声を聴かせます。そして間奏で登場するPER 'TEXAS' JOHANSSONのサックス・ソロに只々放心状態ですね。本当に凄いワ!
歌詞無し 紙ジャケット仕様 限定35枚CD-R盤 (輸入盤) 収録時間:41分21秒 (前作が '05年のリリースだったPETER・LINDBERGのアルバム、17年ぶりにひっそりとリリースされていました!)'23年5月9日更新
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写真
(CD購入時に頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  PHIL MANZANERA / Southern Cross
 ・1990 Expression Records Ltd.   EXPAL1

PHILの音楽ルーツ・・・

このアルバムは、イギリスのニュー・ロマンティック派のバンドROXY MUSIC('01年に再結成)のギタリストとして活躍している PHIL・MANZANERAの '90年本国でリリースされた7枚目(PHIL・MANZANERA/801名義を含む)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PHIL・MANZANERA:ギター/ベース/ティプレ/キーボード/ギター・シンセサイザー/ドラム・プログラミング/エフェクト/バック・ヴォーカル/プロデュースの他、GARY・DYSON:ヴォーカル、TIM・FINN:ヴォーカル/ピアノ、ANA・MARIA・VELEZ:ギター/ヴォーカル、SANDY・LOEWENTHAL:キーボード、CHUCO・MERCHAN:ベース、LISANDRO・ZAPATA:ベース、LIVINGSTON・BROWN:ベース、BOSCO・DE・OLIVIERA:レイン・メーカー/パーカッション、MICKEY・STURGES:ドラム、KEITH・BESSEY:ドラム・プロフラミング、MAURICIO・ABELLO:コンガ/カウベル、CHRIS・DAVIES:サックス、PHIL・TODDサックス、GUY・BARKER:トランペット、MEL・COLLINS:ソプラノ・サックス、DAVE・DEFRIES:トランペット、BILLY・NICHOLLS:バック・ヴォーカル、SUZIE・WEBB(WESTERN FRONT,ASIA):バック・ヴォーカル、ZOE・NICHOLAS:バック・ヴォーカル、REBECCA・DE・RUVO:バック・ヴォーカル、VAL・McKENNA:バック・ヴォーカル、SALLY・ANN・TRIPLETT:バック・ヴォーカル、JOHN・WETTON:バック・ヴォーカルの多くのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"A Million Reasons Why"(4:13) 風切り音に似たアンデスの縦笛の調べがイントロから響くフュージョン・ロック色のサウンドを聴かせる曲です。小刻み奏でられるPHILのギターのサウンドからアグレッシヴなソロまで聴かせるPHILです。尚、この曲の作曲者は、TIM・FINN、PHIL・MANZANERAとヴォーカルのGARY・DYSONとの共作となっています。
2曲目"Tambor"(6:08) 非常にテンポの良さを感じさせるラテンのリズムと躍動感をストレートに感じさせる曲で、この曲もメイン・ヴォーカルは、GARY・DYSONです。バックに隙間なく広がるホーンの数々など幼少期をキューバで過ごしたPHILの音楽の原点を感じるサウンドです。
3曲目"The Great Leveller"(5:15) この曲は、ファンクなリズムとサウンドを聴かせるソウル・フィーリング溢れる曲です。TIMとPHILとの共作となっている曲でヴォーカルは、GARY・DYSONで彼の渋い歌声と共に女性バック・ヴォーカル陣とのハーモニーも心地好く伝わってきます。更にバック・ヴォーカルとしてPHILの相棒JOHN・WETTONが参加しています。
4曲目"Astrud"(3:40) お待ちかねのソフト路線に位置する曲の登場です。ブラジル出身のボサ・ノヴァ歌手ASTRUD・GILBERTOのことを歌った歌詞を素晴らしいメロディとサウンドに乗せて聴かせます。ヴォーカリストとしてこのアルバムに参加しているTIM・FINNによってこの曲は、書かれていますが、メイン・ヴォーカルは、ANA・MARIA・VELEZが担当し、彼女の少し鼻の掛かった歌声が非常に艶っぽく響いてきます。
5曲目"Soutern Cross"(4:37) PHILのギターのサウンドにアンビエント系の雰囲気音を絡めたインストゥルメンタルです。収録は、PHILのマルチ・インストルメントとパーカッションのBOSCO・DE・OLIVIERAの2人だけで行われています。
6曲目"Guantanamera"(4:03) このアルバムからのヒット曲で、多くのミュージシャンにカバーされているキューバ民謡です。これまで何度もまた、各国の言葉に訳された曲も聴いてきたなのですが、このアルバムで聴くこの曲は、ついつい踊りだしてしまいそうになりますね。ヴォーカルは、再びANA・MARIA・VELEZです。
7曲目"Rich And Poor"(5:36) 虫の鳴き声や時計の音などのエフェクト音から急に登場するナイロン弦ギターと重いベースのサウンドがクールなアレンジを感じる曲です。セレナーデ的なTIMの甘い歌声を聴かせる前半から次第にTIM節を聴かせる躍動的なパートへと展開します。また、この曲もTIMとPHILとの共作となっています。
尚、TIMとPHILの関係は、古くSPLIT ENZ '76年の2枚目のアルバム[Second Thoughts]をプロデュースし、収録もイギリスで行われています。
8曲目"Verde"(6:51) この曲もPHILとTIMとの共作による曲で、長いイントロ部分を過ぎてからTIMの歌声が登場します。この曲を聴いて非常に不思議な感じを受けるのですが、この曲のサウンドやTIMの歌声からGENESIS、特にPHIL・COLLINSの雰囲気を感じさせるところが興味深いのです。
9曲目"Dr Fidel"(5:46) ドラム・プログラミングのトランス・サウンドが陶酔感を誘うプログレッシブ・トランスと言える曲です。途中よりアグレッシヴにギターを弾きまわるPHILと呪文を唱える女性バック・ヴォーカル隊の歌声が印象的です。
10曲目"Venceremos"(3:24) 正統派メロディアス・ロックを真正面から貫いた感じで聴かせる全うさを感じる曲です。ヴォーカルは、TIMに代わって再びGARY・DYSONとなってオペラ歌手的な彼の歌声を披露しています。
9曲歌詞付 LP盤 イングランド製 (輸入盤) 収録時間:49分33秒 (大好きなTIM・FINNが参加したアルバムなので当時、良く聴いていたアルバムです)'12年1月26日更新


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写真  PHOENIX / United
 ・2000 Source Records   8488532

様々なサウンドを変幻に操る・・・

このアルバムは、フランスのパリで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドPHOENIXの2000年6月8日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このPHOENIXのメンバーは、THOMAS・MARS:ヴォーカル、DECK・D'ARCY:ベース、CHRISTIAN・MAZZALAI:ギター、LAURENT・BRANCOWITZ:ギターの4人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、バンドの4人の他、ROBIN・COUDERT:キーボード、JEAN-PHILIPPE・DARY:キーボード、CAMILLE・BAZBAZ:キーボード、FABRICE・COLOMBANI:パーカッション、SANDRINE・LONGUET:ハープ、HUGO・FERRAN:サックス、ANDREW・CROCKER:トランペット、PATRICK・SHERLOCK:トロンボーン、JUNIOR・CARRERA:ギター、NOE・EFIRA:ギター、EDDIE・EFIRA:ペダル・スティール、GÉRAUD・BOIS:ドラム、THOMAS・BANGALTER(DAFT PUNK):シンセサイザー、PEDRO・WINTER:シンセサイザー、BRYCE・DE・LA・MENARDIÈRE:ハープシコード、MORGAN・NICHOLLS:キーボード、JULIA・SARR:バック・ヴォーカル、OLIZA・ZAMATI:バック・ヴォーカル、THE ARCYSIAN VOCAL ENSEMBLE:バック・ヴォーカル、THE HECTOR BERLIOZ CHOIR:バック・ヴォーカル、THE LOVE CHOIRAL SOCIETY:バック・ヴォーカル、PHILIPPE・NADAL:ストリングス/指揮、JEAN-ClAUDE・SOUBEYRAND:コーラス/指揮のフランス勢が参加しています。
尚、ヨーロッパでのアルバムの制作は、Virgin Recordsの傘下であるSource Records、配給は、Virgin Recordsより行われています。また、ここでレビューするアルバムは、初期ヨーロッパ盤の為ボーナス・トラックは、収録されていません。

1曲目"School's Rules"(1:32) 1分半程度のハードなギター・サウンドを聴かせるインストゥルメンタルです。このアルバム・デビュー前にTHOMASの自宅のガレージでVAN HAELENやPRICEの曲をカバーして練習していたと報じられていた事もこのサウンドから納得出来ますね。
2曲目"Too Young"(3:19) イントロのエモーショナルなギター・サウンドから虜にさせられた曲で、このアルバムからのヒット曲です。ギター・サウンド好きには堪らないギター・カッティングのサウンドとリズムとTHOMASの甘いマスクで歌われるビター・スイートな歌声が流れるのです。
3曲目"Honeymoon"(5:00) 教会のオルガンのサウンドに似た調べをイントロに配したミドル・テンポのナンバーです。アメリカ西海岸のバンドの持つメランコリックで、メロディアスなサウンドに少し牧歌的な要素を加えた感じでしょうか。
4曲目"If I Ever Feel Better"(4:26) 少しサウンドを変えて来たギター・ポップな曲で、THOMASの早口のヴォーカルは、この後にデビューするJASON・MRAZのサウンド・スタイルに通じるところを感じさせます。
5曲目"Party Time"(2:14) この曲は非常にグランジ/パンク・ロックのサウンドを感じさせる曲でシンプルなギター・コードをラウドに鳴らし、荒れたヴォーカル・サウンドを収録したようです。
6曲目"On Fire"(2:49) 今度は70年代のアメリカン・クラシック・ロックのサウンドの曲です。ゴージャスなホーンに女性バック・ヴォーカルにクラヴィネットの美しいサウンドと言えば、もう言う事なし。
7曲目"Embuscade"(3:57) 前の曲から自然に繋がって収録されているイージー・リスニングな響きによるフュージョンの曲です。BOB・JAMESの曲からも影響されているこのPHOENIX、本当に様々なサウンドを変幻に操る器用なバンドです。
8曲目"Summer Days"(3:15) 今度はTHOMASが甘い歌声を聴かせるギター・ポップな曲の登場です。間奏での重い目のドラムのビートとエッジの効いたギター・サウンドが印象的に響くのです。
9曲目"Funky SquaredancePts.1-3"(9:39) 3曲の組曲となった長さ9分半以上もある曲です。カントリー・ロック調の聴き易いサウンドとリズムによる出だしの曲からライヴ仕立てになったアフリカン・ドラムのリズムとファンクなチョッパー・ベースによるソウル・フィーリング溢れるダンス・ミュージックに展開されます。最後はハード・メタルな早弾きのギター・リフをふんだんに使った曲を組み合わせたアレンジには圧巻です。
10曲目"Definitive Breaks"(1:44) 2曲目の"Too Young" のギター・リフをスローに演奏したスムーズ・ジャズ風味にしたご機嫌な曲調のインストゥルメンタルです。1分40秒の短さが非常に残念なのですが、HUGO・FERRAN(THE VIRGIN SUICIDES)のサックス・ソロとJUNIOR・CARRERAのギターがご機嫌なのです。
歌詞無し 写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:37分54秒 ('09年には4枚目の最新アルバムをリリース予定のPHOENIX、そちらの方も気になるところです)'10年8月14日再更新


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写真  PHOENIX / Alphabetical
 ・2004 SOURCE/VIRGIN MUSIC   ASW 98635

前作から4年の歳月・・・

このアルバムは、パリ近郊のヴェルサイユ出身の4ピース・バンドPHOENIXの '04年3月22日に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
PHOENIXのメンバーは、THOMAS・MARS:ヴォーカル、DECK・D'ARCY:ベース/キーボード/バック・ヴォーカル、CHRISTIAN・MAZZALAI:ギター/バック・ヴォーカル、LAURENT・BRANCOWITZ(CHRISTIANの兄):ギター/キーボード/バック・ヴォーカルの4人組で、プロデュースは、PHOENIX自身と1部TONY・HOFFER(BECK,GOLDFRAPP)も加わっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、IVAN・BECK:ギター、PINO・PALLADINO:ベース、JM・MERY:キーボード、ALEX・LOCASCIO:ドラム/パーカッションのフランスと1部アメリカのミュージシャンが参加しています。
尚、アメリカでのアルバムの制作/配給は、ASTRALWEAKSが行っています。

1曲目"Everything Is Everything"(3:01) 軽快なギターの調べとそのコード進行が小気味よく伝わって来る曲です。THOMASの少し訛りのある歌声を別にしてこのPHOENIX最大魅力は、小刻みに奏でられるギターのカッティング音だと思います。
2曲目"Run Run Run"(3:50) 今度は少し枯れたサウンドを放つアコースティック・ギターのサウンドを取り入れながらリズムのベース・トラックは、打込みとスクラッチで表現した軽めのヒップ・ホップを感じるフォークトロニカと呼べる曲です。
3曲目"I'm An Actor"(2:33) デビュー・アルバムの時も感じたのですが、サウンドを変幻させる自由度を持ったバンドのイメージがこの曲にも良く表現されています。ハードなロックのサンドのようなブラック・ミュージックのようなまた、グランジ・ロックのような全てごちゃ混ぜにしたような聴く度に何か新しい発見をするような曲に思えます。
4曲目"Love For Granted"(4:24) アコースティック調の落ち着いたリズムとサウンドの曲の登場です。美しく響くバックのコーラスと少し怠惰感のあるリズムの流れが心地好く伝わって来ます。乗りの好い曲ばかりでは無くこのような感じの曲もアルバムとしては必要で、嬉しい限りですね。
5曲目"Victim Of The Crime"(4:02) この曲には、サウンドの流れにフランス産エスプリの洒落たところを感じます。イントロ部分の繊細さサウンドから次第にトリップ・ホップへと変換させるアレンジが見事です。
6曲目"(You Can't Blame It On)Anybody"(3:33) イントロから聴かせるヴォイス・ボックスによるハーモニーと美しく響くヴィブラホン風のキーボードの調べが幾重にも重ねられた曲です。リフレインを多用した曲の流れですが、時折登場するギターの調べが感じ良いですね。
7曲目"Congratulations"(1:12) 前の曲のサンプル音源をアレンジしたインストゥルメンタルで、自然と次の曲へと繋がって行きます。
8曲目"If It's Not With You"(3:57) この曲は、古いスタイルのハーモニーの付け方やハモンド風のキーボードのサウンドからレトロ調のソウル・ミュージックのバンドの雰囲気を感じます。このPHOENIXも米国のR&Bやブルースを相当に聴き込んでいる感じが伝わってきますね。
9曲目"Holdin' On Together"(3:27) 先にも書いたのですが、ギターのカッティング音が素晴らしいことに加え、もう1つの魅力である前に出過ぎないキーボードのさり気ないサウンドにあります。そのキーボードのサウンドと例のカッティング音のバランスの絶妙さを感じところで、正にこの曲は、その典型です。
10曲目"Alphabetical"(3:27) アコースティック・ギターのサウンドをメインとした少し牧歌的な雰囲気とTHOMASのメランコリックな歌声が響く曲です。次第にメロウでソフトな調べへと展開したところの短めで曲が終焉します。
11曲目"Congratulations Revisited"(1:07) 約3分のブランクを経て登場する7曲目バージョン違いのヒドゥン・トラックです。
9曲歌詞付 写真ブックレット デモ音源によるスタジオ収録風景のビデオ付 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:37分37秒 (2000年にデビューしたフランスのPHOENIX、早いもので活動ももう10年が過ぎましたね)'11年2月26日更新


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写真  PHOENIX / It's Never Been Like That
 ・2007 TOSHIBA-EMI LTD.   TOCP-66648

日本限定来日記念盤・・・

このアルバムは、パリ近郊のヴェルサイユ出身の4ピース・バンドPHOENIXの '07年1月31日、国内でリリースされた4枚目('05年の[Live! Thirty Days Ago]ライヴ盤を含む)のアルバムです。
PHOENIXのメンバーは、THOMAS・MARS:ヴォーカル、DECK・D'ARCY:ベース、CHRISTIAN・MAZZALAI:ギター、LAURENT・BRANCOWITZ(CHRISTIANの兄):ギターの4人組でプロデュースもPHOENIX自身となっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、THOMAS・HEDLUND(THE PERISHERS):ドラム、SEBASTIAN・SCHMIDT:ドラム、PRINCE・AMETHYSTE:パーカッションのスウェーデン/フランス/ドイツのミュージシャンが参加しています。

1曲目"Napoleon Says"(3:15) 甲高く鳴り響くギターとドラムのビートが重なり合うギター・ポップな曲です。ヴォーカルTHOMASの吐き捨てるような歌いぶりでエネルギッシュさアピールするところが特徴的です。
2曲目"Consolation Prizes"(3:18) この曲もイントロから元気の良さを強く感じさせるロック"ン" ロール+ロカビリー調の曲です。このバンドの持ち味である細かく刻まれるCHRISTIANとLAURENTのコンビによるギター・サウンドが目一杯に響きます。
3曲目"Rally"(3:19)今度は少し元気さを抑えて来たメロディアス・ポップな曲の登場です。THOMASのフランス訛りの英語の発音と途中で転調するアレンジなどからお洒落さを感じますね。
4曲目"Long Distance Call"(3:06) キャッチーなメロディとサウンドによるこのアルバムからのシングル・カット第一弾の曲です。イントロのパワフルなギターのサウンドから一転してTHOMASの優しい歌声と柔らかなキーボードの調べとの重なり合いが感じ好いです。尚、この曲のビデオにはヴォーカルTHOMASのパートナーSOFIA・COPPOLA の兄ROMAN・COPPOLAが監督しています。
5曲目"One Time Too Many"(3:42) 今度も聴き易いサウンドとリズムの流れの曲です。アコースティック・ギターのサウンドを加えたポップな曲調に合わせて心地好く歌うTHOMASです。
6曲目"Lost And Found"(2:58) THOMAS・HEDLUNDの凝ったドラムのリズムが印象的なギターにサウンドが溢れる曲です。一寸だけ聴いているとアメリカの若手バンドの曲のような感じなのですが、リズムやギターのアレンジなどやはり洒落気を感じます。
7曲目"Courtesy Laughs"(3:16) 打撃音を意識させるビートで攻めて来るロック色の強い曲です。打ち鳴らされるドラムのビートに掻き鳴らされるギターのサウンドが終焉近くまで響くのです。
8曲目"North"(5:03) ギターの爪弾きをメインにしたインストゥルメンタルです。穏やかなリズムの流れにウォーム・トーンにした心地好いギターのサウンドが届けられます。
9曲目"Sometimes In The Fall"(5:51) テンポ良く繰り出されるドラムのビートとリフレインで歌うTHOMASの歌声が非常に特徴的な曲です。この曲でもCHRISTIANとLAURENTのコンビによるギター・サウンドが曲全体に溢れています。
10曲目"Second To None"(3:24) 少しサイケデリックさやグランジ・ロックの影響を感じさせる荒れたサウンドの曲です。特徴的なTHOMASの訛りや歌いぶりが耳に残るエネルギッシュさを感じます。
11曲目"Napoleon Says(Live-Bonus Track)"(3:23) 本国でこのアルバムがリリースされた後に行われたヨーロツパ・ツアー('06年4月ノルウェーのオスロで行われたライヴ)での収録曲です。録音状態が良いので一瞬スタジオ録音のように聴こえますが、観客の拍手がアウトロに収録されていますのでやっぱりライヴ収録ですね。
12曲目"Rally(Live-Bonus Track)"(3:17) スタジオ収録より少しテンポを速めた感じのアレンジで演奏されるライヴ受けしそうなギター・サウンドを聴かせる曲で、観客も途中より手拍子を一緒に叩いています。
13曲目"Sometimes In The Fall(Live-Bonus Track)"(6:07) 重厚なギターのサウンドとベースのサウンドを聴かせるパワフルな曲です。6分を超えるライヴでの演奏をテンポ良く聴かせるこのPHOENIX、ライヴでのパフォーマンスな高さを感じます。
14曲目"Second To None(Live-Bonus Track)"(7:44) この曲も前の曲と同じようなテンポで聴かせるパワフルさを持った曲です。間奏でのギター・ソロでは観客の奇声も収録された熱演が収録されています。
15曲目"Où Boivent Les Loups(Bonus Track)"(1:59) '06年の映画「マリー・アントワネット」に使われた挿入歌です。ナイロン弦ギターの爪弾きによる切なさの伝わってきるクラシカルなサウンドのインストゥルメンタルです。
9曲歌詞/訳詞付 写真ブックレット ボーナス・トラック/ビデオ収録国内限定盤 (国内盤) 収録時間:59分50秒 (ボーナス・トラックも5曲付いて更に、ビデオも2曲収録されたお得なPHOENIXのアルバムです)'11年6月4日更新


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写真  PHOENIX / Wolfgang Amadeus Phoenix
 ・2009 V2 Records International Ltd.   VVR702468J

日本限定紙ジャケット仕様・・・

このアルバムは、パリ近郊のヴェルサイユ出身の4ピース・バンドPHOENIXの '09年5月27日、国内でリリースされた5枚目('05年の[Live! Thirty Days Ago]ライヴ盤を含む)のアルバムです。
PHOENIXのメンバーは、THOMAS・MARS:ヴォーカル、DECK・D'ARCY:ベース、CHRISTIAN・MAZZALAI:ギター、LAURENT・BRANCOWITZ:ギターの4人組でプロデュースは、PHOENIXとPHILIPPE・ZDAR(CASSIUS)です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、THOMAS・HEDLUND(THE PERISHERS):ドラム/サンプル、CEDRIC・PLANCY:フルート、PHILIPPE・ZDAR:ドラム、ROB:マリンバのスウェーデンとフランスのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Lisztomania"(4:01) 軽快なピアノとギターのサウンドに続いて登場するあの訛り気味なTHOMASの歌声を聴いてPHOENIXの曲だなと妙に納得する曲です。相変わらずリフレインを多用した歌詞と元気の良さを感じさせます。
2曲目"1901"(3:13) 前の曲のアウトロと曲間をつないだ収録となったこの曲もイントロから元気の良さを強く感じさせる曲です。1901年のパリ万国博覧会をテーマとした歌詞を展開させたこのアルバムからのシングル・カット第1弾となっています。
3曲目"Fences"(3:45) イントロから響くアンビエント系のサウンドが心地好いスローなテンポで展開させる曲です。過去のアルバムでの収録曲と少し違えた(強いて言えば '04年の"Run Run Run" が近いかな?) ソフトさを感じる曲です。アコースティック・ギターのサウンドにソウル調のリズムを巧く絡めた響きが伝わって来ます。
4曲目"Love Like A Sunset Part 1"(5:38) エレクロニカのサウンドを多用したインストゥルメンタルです。映画音楽的なサウンドの広がりから楽器構成を変幻させたアレンジとスペース・ロック/プログレッシヴ・ロックと多彩な要素を感じさせます。
5曲目"Love Like A Sunset Part 2"(1:56) 短い歌詞とアコースティック・ギターのサウンドでスローにアレンジした前曲バージョン違いか組曲とした内容です。
6曲目"Lasso"(2:47) この曲ではめずらしくDECK・D'ARCYのベースが前面に飛び出して来ています。ベースの重いリフにドライヴ感のあるギターのサウンドから非常に乗りの良さを感じます。
7曲目"Rome"(4:38) THOMASの少し青臭い歌声に絡み付くギターのピッツィカート・サウンドが切なく響くセンチメンタルな曲です。ヨーロピアンな美しいメロディ・ラインと少し荒らしたギターのサウンドが対照的に響いて来ます。
8曲目"Countdown"(3:57) ダイナミックに展開されるギターのサウンド群と叩きつけるドラムのビートによるドラマチックな要素を感じさせる曲です。4分程度の曲の中に何度も起伏を持たせたアレンジがサウンドの波となって迫って来ます。
9曲目"Girlfriend"(3:24) この曲もイントロのからエモーショナルなギターのサウンドを聴かせる曲です。キビキビとしたドラムのビートとお決まりの浮遊感のあるキーボードの短い演奏をあしらったPHOENIXサウンドが響いています。
10曲目"Armistice"(3:14) "休戦" と名付けられた恋人たちのちょっとしたいざこざをテーマにしたアップテンポのビートが流れる曲です。間奏で登場するウーリッツアーの独特のサウンドが「Wolfgang Amadeus」なのかなと勝手に想像しています。
11曲目"Lisztomania(Home Demo)(Bonus Track)"(1:54) 反響するギターのサウンドとこれまたエコーの効いたTHOMASの歌声が響く(居間で寛ぎなから?) 短いデモ音源が収録されています。
12曲目"1901(Home Demo)(Bonus Track)"(3:05) 打込みのビートに合わせて演奏されるギターのサウンドと生音に近いTHOMASの歌声が響くデモ音源で、ラジオの放送局から生演奏されている感じと言えば曲の雰囲気が伝わるのではないでしょうか。
13曲目"Fences(Home Demo)(Bonus Track)"(2:34) 荒れたサウンドを感じる生トラックです。この音源を基にして何度もミキシングを繰り返して途方もない作業の末にやっとアルバムの収録曲となるのでしょうね。
14曲目"Girlfriend(Home Demo)(Bonus Track)"(3:28) 乗りの良さはアルバムの収録曲通りですね。このような手持ち音源でアルバムが何枚も出来ると思うのですが、商業ベースに乗るかどうかは、別問題ですね。
9曲歌詞/訳詞付 写真ブックレット 日本限定2折紙ジャケット仕様 ボーナス・トラック付 (国内盤) 収録時間:47分40秒 (世界同時発売となったPHOENIXのこのアルバムは、セール的にも大きく羽ばたいたようです !)'11年6月5日更新


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写真  -PHY / Love Songs From Mars
 ・2003 defect perfection   7 070740000007

上手い女性3人組・・・

このアルバムは、ノルウェーで活躍している-PHYの '03年2月本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
-PHYのメンバーは、INGRID・TOLSTAD:ヴォーカル/ギター/シンセサイザー、ELLEN・ERSFJORD:ベース/バック・ヴォーカル、VIGDIS・SJELMO:ドラムの女性3人組です。
'95年頃、ノルウェーの北西部の都市Trondheimで、先のメンバーにKRISTIN・EVENSEN('99年脱退):ヴォーカル/キーボードを加えた4人組でスタートした-PHY、シングル盤3枚をリリース後に、この盤でアルバム・デビューしましたが、現在、ヴォーカルのINGRID・TOLSTADがバンドを抜けてからか、バンド名をPHYと改名し、'05年にヴォーカルとギターが新たに加わったようですが、アルバム・リリースまでに至っていないようです。
尚、ドラムのVIGDIS・SJELMOは、'04年にTrondheimのバンドDOG & SKYのドラマーとしても活躍しています。

1曲目"Beat Queen"(3:04) 軽快なドラムのビートとベースのサウンドによる乗りの好いキャッチーな聴き心地を感じさせる曲です。ヴォーカルのINGRID がギターを弾きながらライヴで演奏された事を想像させるサウンドです。
2曲目"Pathetic Frenetic"(4:23) 少しテンポを落としてきたメロディアスなミドル・テンポの曲です。ドラムのVIGDISのタイトなビートによるリズムの運びとキーボードのサウンドの広がりが見事な曲調を感じます。
3曲目"Dynamite"(3:04) スウェーデンのS.S.W.STINA・NORDENSTAMの '96年の曲のカバーです。オリジナル曲よりテンポを速めたロック"ン" ロールのリズムに荒らしたギターのサウンドをメインにINGRIDの少し妖艶さを感じる歌声に重ねれたバックのヴォーカルの響きが心地好いですね。
4曲目"2nd 4ever"(3:42) この曲は、中近東のメロディのイントロが印象的ですね。少し歌声が先ほどと違って清楚な感じを受けるINGRIDの歌声がダークなサウンドに響きます。
5曲目"Triggerhappy"(4:29) 再びテンポを上げて来たストレートなロックの調べです。ELLENのベース・ランニングにVIGDISのタイトなドラムのビートにINGRIDの歌声とギターのサウンドは、アルバム・デビューまで8年の歳月が物語っている上手さが伝わって来ます。あまり、女性3人以上のバンドのサウンドを聴いた経験が少ないのですが、曲名も面白いし、演奏も聴き応え十分です。
6曲目"Ultimate Experience"(4:31) この曲もこのバンドの演奏の上手さを非常に感じさせる曲ですね。短い歌詞によるリフレインでアレンジされた、ほぼサイケデリック・ロック調のインストゥルメンタルです。
7曲目"Bon Voyage"(4:17) この曲は、非常にオーストラリアのKATIE・NOONANの歌声とサウンドに共通性を感じさせる曲です。ダーク・アシッドなサウンドにジャジーなINGRIDの美しい歌声が繰り広げられます。
8曲目"Julia"(3:29) うねるリズムとキーボードのサウンドによるダウンテンポなロックな曲の登場です。ダーク・エレクトロニカのサウンドとINGRIDのスキャットを交えた歌声が響きます。
9曲目"Moonstruck"(3:13) INGRIDゆったりと弾かれるギターの調べに絡められたCHRISTIAN・HOLTHEの心地好いギターの調べが流れるこの曲もダウンテンポのビートの曲です。この曲にはオスロのスタジオ・ミュージシャンも数人参加しています。
10曲目"Face It"(8:16) 不協和音を奏でるギターのサウンドによるスローなサイケデリック・ロックです。気だるいドラムのリズムとこの曲が終了して、2分半程度のエレクトロニカによるシュゲイザーな雰囲気のインストゥルメンタルが収録されています。
1曲のみ歌詞付 8ページ物写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:43分22秒 (新生PHYのサウンドも非常に気になるところで、現在レコーディング中との情報があり、是非アルバムをリリースして欲しいものですね)'10年8月15日再更新


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写真  PLASTIC ESTATE / Code d’Amour
 ・2024 AVANT! Records   

久しぶりにニュー・ウェーブ/シンセ・ポップな・・・

このアルバムは、イギリス南西部の街カーディフで活躍しているニュー・ウェーブ/シンセ・ポップ・デュオPLASTIC ESTATEの2枚目のアルバムで '24年10月11日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PLASTIC ESTATEのNICHOLAS・JAMES:ヴォーカル/マルチ・インストゥルメンツ/プロデュースとSTANLEY・FOURACRES:ヴォーカル/マルチ・インストゥルメンツ/プロデュースの2人だけの収録と思われます。

1曲目"Kind Of Love"(3:21) ヴァオリン風のシンセの音色で幕が開く曲です。ブリティッシュ・シンセ・ポップらしい冷めた男性ヴォーカルの歌声の周りに彩る女性バック・ヴォーカルの歌声が絡みつきます。
2曲目"Open Eyes"(4:33) このキャッチーなメロディのリフが私をこのPLASTIC ESTATEの持つ魅力に最初に惹きつけた曲です。イギリスの大先輩ROXY MUSICやHUMAN LEAGUEから続くシンセ・ポップの王道ですね。
3曲目"Feeling Like Ours"(4:28) シンセ・ポップを絵に描いたようなシンセ・ベースと跳ねるように奏でられるポップなサウンド群が煌く曲です。この2人が音楽への影響を受けて来たブリティシュ・ミュージシャンやバンドの存在を面白く想像しながらこの曲を聴き入る自分が居ます。
4曲目"Stay"(4:51) 教会の中に凛と響くハモンド風の清らかな音色が響くスローな曲です。この曲は、NICHOLAS・JAMESがメイン・ヴォーカルでしょうか?ゆったり歌う彼の伸びやかな歌声とシンセ・ベースの重い響きも優しく流れ去ります。
5曲目"Meet You There"(3:59) イントロから響く弾けるシンセのサウンドから思い詰めるように歌うSTANLEY・FOURACRESを歌声が切なく聴こえる曲です。バックに響く何重にも重ねられたシンセのサウンドや女性バック・ヴォーカル風の音色も美しく響きます。
6曲目"Anymore"(4:26) 穏やかなイントロのサウンドから次第に重いシンセサイザーの響きがうね回る曲です。シモンズのドラムとコルグで創り出すこのシンセ・ポップの世界を楽しむとしましょう。
7曲目"Speak To Me"(3:38) この曲は、NICHOLAS・JAMESがメイン・ヴォーカルでしょうか? 面白いことにYouTubeでのこの曲の歌声とサウンドがCOCK ROBINのPETER・KINGSBERYに似てるってドイツ語のコメントがありましたね。思わず「イイネ!」を押しときました。
8曲目"2000 Ways"(4:26) ここに来てスローな曲の登場です。長いイントロ明けから溜めを取ってNICHOLASのヴォーカル曲のようです。どこか長編冒険映画の挿入歌のようなサウンドとの共通するところを感じます。
9曲目"Tonight"(4:25) 蠢くように響くシンセ・ベースのサウンドがイントロから響き渋めのメロディとクールなサウンドを聴かせる曲です。先行シングル盤として8月にビデオが公開されています。
10曲目"Helping Hand"(4:28) ランドスケープ感を感じる広大なシンセのサウンド群と後半から入るサックスの音色が美しく響きます。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:42分35秒 (最近、オルタナティブなドリーム・ポップ系の音楽をずっと聴いていたので、久しぶりにニュー・ウェーブ/シンセ・ポップな音楽を聴きたくなりこのアルバムを買ってみました!)'24年10月15日更新


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写真  PLENTY / It Could Be Home
 ・2018 Karisma Records   KAR141CD

80年代の手持ち曲をアップ・デート・・・

このアルバムは、イングランドのリヴァプールで活躍しているシンセ・ポップ・バンドPLENTYのデビュー・アルバムで '18年4月27日にノルウェーからリリースされたアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TIM・BOWNESS:ヴォーカル/プロデュース、BRIAN・HULSE:キーボード/シンセサイザー/ギター/ドラム・プログラミング/バック・ヴォーカル/プロデュース、DAVID・K・JONES:ベース/プロデュースのPLENTYの3人の他、MICHAEL・BEARPARK(DARKROOM):ギター、STEVE・BINGHAM:ヴァイオリン、PETER・CHILVERS:キーボード、JACOB・HOLM−LUPO:ドラム・プログラミング/キーボード/バック・ヴォーカルのイングランドとノルウェーの混成チームでの収録となっています。
尚、PLENTYのフロント・マンTIM・BOWNESSは、音楽プロジェクトNO-MANのメンバーとして30年以上音楽活動を続けているベテランです。

1曲目"As Tears Go By"(3:28) 古い音楽に興味を持っている方ならご存知のTHE ROLLING STONESの '65年のヒット曲のカバーです。オリジナル曲は、12弦ギターを使ったアコースティック調の曲ですが、ここでの収録は、キーボードを使った電子サウンドに落ちつたTIMの歌声によるスローなナンバーとなっています。
2曲目"Hide"(5:08) 楽し気なリズムとサウンドの流れを感じる曲です。少しサウンド的に古く感じるのは、TIMとBRIANが '87年に書いた作品だからでしょうか。
3曲目"Never Needing"(4:07) キーボードの調べが優しく響く落ち着いた曲です。TIMと一緒に曲を書いているBRIANのナチュラルなギター・サウンドも心地好く流れを生んでいます。
4曲目"Broken Nights"(6:14) シンセ・ベースの重い響きと風切り音に似たキーボードの調べが広がるこの曲も心地好さを感じさせる曲です。日常の悩みや疲れを癒そうと奮起する様を歌詞に綴ったTIMの歌声が優しく響きます。
5曲目"Foolish Walking"(3:47) ギターで参加しているMICHAEL・BEARPARKとTIM、BRIANと3人で書かれた曲となりMICHAEL・BEARPARKの雰囲気物のギターの音色が前に出て来ている曲です。ギタリストと化学者としての職を持つ非常にユニークなMICHAEL・BEARPARK、TIMとは20年来の付合いがあるようです。
6曲目"Strange Gods"(4:43) この曲は、MICHAELとは一味違ったクールなギターが控えめに響く曲です。ダークなサウンドと淡々と流れるドラムのビートが、これまたクールな流れを生み出します。
尚、TIM自らこの曲のビデオをアップしていますのでご覧ください。
7曲目"Every Stranger's Voice"(4:10) このPLANTYの音楽に最初に出会った曲です。一度聴いたら耳から離れないTIMの哀愁漂う歌声とイントロから響くこれまた切ないピアノの調べが胸を打つのです。この曲もMICHAELとTIMとの共作となり、また違ったMICHAEL・BEARPARKの泣きのギターが後半から登場します。レーベルから配信されているビデオもどうぞ。
8曲目"Climb"(3:49) サウンドとリズムを上げて来たスピード感のある曲です。弾むように奏でられるベースの弦の響きと打ち鳴らされるドラムのビートに攻めたてられます。
9曲目"The Good Man"(4:59)厳かに奏でられるピアノとギターの調べからイントロから響くこのアルバムの中では比較的新しく書かれた曲です。曲が進むにつれサウンドの厚みを増し和やかな雰囲気に包まれます。
10曲目"It Could Be Home"(5:12) 転がるような電子ピアノの調べと細かく刻むようなフット・ベースのサウンドが特徴的なミドル・テンポのリズムの曲です。訥々と歌うTIMの歌声と途中より登場する爽やかなハーモニーが美しく広がります。
9曲歌詞付 写真ブックレット 2折デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:45分42秒 (見出しにも書いたように80年代から活躍しているTIM、手持ちの曲をアップ・デートしたこのアルバム、何故ノルウェーからのリリースと不思議に思います)'18年4月28日更新


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写真  POPIUM / Camp
 ・2004 KONG TIKI RECORDS   TIKICD 02

リッケンバッカーの爽やかなサウンド・・・

このアルバムは、ノルウェーの第2の都市ベルゲンで活躍しているインディーズ・バンドPOPIUMの '04年6月に本国でリリースされた3枚目のアルバムです。
POPIUMのメンバーは、FRANK・HAMMERSLAND:ヴォーカル/ギター、YNGVE・LEIDULV・SÆTRE:キーボード、FRODE・UNNELAND:ドラム、CHRISTER・OTTESEN:ベース、MARTIN・HOLMES:ギターの5人組みです。
尚、このアルバムの収録にはLARS・LIEN:キーボード、MARTHE・CHRISTINE・VALLE:バック・ヴォーカルのPOPIUMの音楽仲間達が参加しています。

1曲目"Matters Of The Heart"(3:13) 先に紹介したMARTHE・CHRISTINE・VALLEの明るい歌声による歌声がイントロから流れるギター・ポップなサウンドの曲です。FRANKの絞り気味に響く歌声とバックのギターのサウンドも心地好く流れて来ます。
2曲目"(I Wanna Go To)California"(2:46) この曲は"モロ" カリフォルニア・サウンド、特にサーフ・ロックのサウンドの曲です。ベルゲンに暮らしながら海の向こうの太陽の日が降り注ぐカリフォルニアを思い浮かべながら書かれているのでしょう。
3曲目"Camp"(5:31) 美しく響くギターの爪弾きとゆったりしたリズムに乗せて歌うFRANKのブリット・ロック然とした歌いぶりによるブリティシュ・テイストを感じさせる曲です。優しさを感じるメロディ・ラインと時折聴かせるエモーショナルなFRANKの歌声が良いですね。
4曲目"Mining For Gold"(4:27) イントロから分厚く響くリッケンバッカーのサウンドとMICK・JAGGERばりの歌声を聴かせるFRANKが印象的です。この曲のブリッジ・パートのメロディアスなサウンドは、このアルバムから最初に気に入った部分です。
5曲目"Out In The Sun"(4:05) スローでメランコリックな調べによるミドル・テンポの曲です。FRANKの歌声とユニゾンで奏でられるMARTINのギター・サウンドの本当に素晴らしいこと。
6曲目"Suits My Soul"(4:40) この曲も美しいギターの残響音が響き渡る曲です。アメリカの西海岸のバンドからの影響を非常に感じさせるリッケンバッカーの爽やかなサウンドがお決まりですね。
7曲目"Super Sunny Day Parade"(3:56) 一転してブルースを基調としたサウンドの曲です。FRODEの重い目の響きによるドラムのステック捌きとノスタルジックなローズの響きが心地好いのです。
8曲目"Sooner Or Later"(4:42) この曲もアメリカのR&Bの影響を非常に受けている曲です。面白いことにアメリカのブルースと言う感じよりイメージ的にはグラスゴーのWET WET WETのサウンドに近いものを感じさせます。
9曲目"Smudge"(3:55) リヴァーブを効かせたギターのサウンドと少し籠り気味のFRANKのヴォーカルによる古き良き時代のブリティシュ・ロックのイメージを感じさせる曲です。低めに響くベースのサウンドとサイケデリックさ感じさせるギターのリフによる間奏です。
10曲目"These Days"(5:25) ゆったりと転がるように響かすキーボードの調べが印象的な曲です。優しく歌うFRANKの歌声による今の幸せ歌詞に綴った流れが心地好くアルバムの最後まで流れて行きます。
全10曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:42分46秒 (このアルバムをリリースした後、ヴォーカルのFRANK・HAMMERSLANDもソロ・アルバムをリリースしています)'10年8月15日再更新


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写真  POWDERDUST / Minding The Gap
 ・2006 Earmuff Records   Kickcd 267

デニシュ・エレクトロニカ・・・

このアルバムは、デンマークで活躍しているエレクトロニカ・ミュージック・バンドPOWDERDUSTの '06年3月20日に本国でリリースされたPOWDERDUST最初のアルバムです。
POWDERDUSTのメンバーは、ANNE・K(ANNELI・K・LINDEBORGH):ヴォーカル、LARS・MEILING:キーボード/プログラミング、PER・CHRISTENSEN:ベース/プログラミング、JAKOB・POLL(現在は脱退しているようです):マルチ・インストゥルメンツ/プログラミング、NIELS・CHRISTEN・GRØNRLYKKE:マルチ・インストゥルメンツの4人組です。
尚、ヴォーカルのANNELI・K・LINDEBORGHは、ソロでもまた、他のユニットGRUMPY OLD MENにもヴォーカリストとして参加している人で本国では、結構人気があるようです。

1曲目"Language"(4:24) エンターテナー然とした歌い口調でプチ・エレクトロニカ・ミュージックの曲です。ANNE・Kの少し擦れた歌声にバックの打ち込みのサウンドが淡々とした流れを感じます。
2曲目"Declare You Love"(4:30) ヨーロッパ調のメロディとシックなサウンドを感じさせるファションド・エレクトロニカ・ミュージックと言えそうな曲調の曲です。シンプルなリズムの流れの中にメランコリックな歌声も聴かせるANNE・Kです。
3曲目"I Am"(3:44) 電子サウンドの不思議な響きと機械的なビートの刻みに合わせて歌うANNE・Kの伸びやかでエモーショナルな歌声です。バックのサウンドも知らない間に生のギター/ドラム/キーボードの演奏になっています。
4曲目"Wait For You"(4:18) ゆったりと歌い出すANNAの優しい歌声が心地好い曲です。サウンドは、エレクトロニカのサウンドで奏でられるバラードですね。スライド・ギターの和ませるオーソドックスな調べとエッジの効いたドラム"ン" ベースの今風のサウンドとの融合でしょうか...。
5曲目"Daze"(4:28) ダウンテンポのビートの流れのエッジの効いたドラム"ン" ベースの鋭い刻み音が響くヨーロピアン・アバンギャルド・ミュージックって感じの曲と表現したら良いでしょうか...。
6曲目"Shut My Eyes"(4:10) 底辺に響くサンプル音源の数々に美しいバック・ヴォーカルをも聴かせるANNE・Kの歌声による曲です。引掛りのあるリズムの流れと機械的金属音との螺旋階段を上るような質感です。
7曲目"Bet You"(4:00) 今度は少しブラック/アシッドな雰囲気を出して来た曲の登場です。心地好く響きキーボード調べに底からのアタックを感じさせるエレクトロニカ・サウンドとメロウなANNA・Kの歌声が良いですね。
8曲目"Toast"(3:49) アコースティック・ギターの心地好い響きの爪弾に合わせて歌うANNE・Kの気持ち良さそうな歌声が流れる曲です。この曲はアメリカの女性S.S.W.が歌っていそうな曲調を感じさせます。
9曲目"Istap"(1:22) コンピュータ・ゲームのような効果音を使った1分半程度のインストゥルメンタルで、インターリュードになっているようです。
10曲目"Just Another Thing"(4:23) 心地好いキーボードのサウンドと浮遊感のあるリズムの流れによる曲です。ヨーロッパ調のアーバン・サウンドにシックでメロウな歌声を聴かせるANNE・Kです。
11曲目"Leaving A Space"(4:41) このPOWDERDUSTの曲を最初に聴いた時の曲です。メランコリックなANNE・Kの歌声と怠惰なリズムの流れから後半は壮大なサウンドへと展開されて行くのです。
12曲目"Bet You 2(remix byJEPPE FEDERSPIEL)"(3:25) 7曲目の曲のヴァージョン違いです。エレクトロニカのサウンドを更に強めたリミックですが、ラジオ用に編集した為か、リミックにはめずらしく30秒ほど短くなっています。
13曲目"Declare Your Dub(remix by DJ 360)"(6:34) 2曲目の曲のダブ・ヴォージョンです。ハウス用仕様の為でしょうか、トータル6分34秒のエクステンデッドになっています。
歌詞無し 3折デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:53分53秒 (この後、'07年にシングル・リミックス盤をリリースしているPOWDERDUSTです。出産の為、音楽活動を暫く休んでいたANNE・Kですが、新曲も増えて来ましたので2枚目のアルバムも近々にリリースされそうです )'10年8月15日再更新


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写真  THE POWER STATION / The Power Station 33 1/3
 ・1985 EMI Records Ltd.   EJ2402971

一世を風靡・・・

このアルバムは、アメリカのN.Y.でDURAN DURANのメンバーとロック・シンガーROBERT・PALMERを中心に成されたロック・バンドTHE POWER STATIONの '85年3月25日に本国でリリースされたアルバムです。
THE POWER STAIONのメンバーは、ROBERT・PALMER:ヴォーカル、ANDY・TAYLOR:ギター、JOHN・TAYLOR:ベース、TONY・THOMPSON:ドラムの4人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、WALLY・BADAROU:キーボード、DAVID・LEBOLT:キーボード、ROBERT・SABINO:キーボード、RUPERT・HINE:キーボード、LENNY・PICKETT:ブラス、MARK・PENDER:ブラス、STAN・HARRISON:ブラス、HOLLYWOOD・PAUL・LITTERAL:ブラス、MARS・WILLIAMS:ブラス、ROGER・TAYLOR:パーカッション・エフェクト、JIMMY・BRALOWER:パーカッション・エフェクト、CURTIS・KING JR. :バック・ヴォーカル、FONZI・THORNTON:バック・ヴォーカル、B.J. NELSON:バック・ヴォーカル、CHARMAINE・BURCH:バック・ヴォーカルのアメリカ/イギリス/フランスのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデューサーは、BERNARD・EDWARDSで、CHICの音楽好きだったANDYとJOHNのオファーだったようですが、アルバムの収録に際しては、2人にスパルタ式の猛特訓があったそうです。

1曲目"Some Like It Hot"(5:05) 恐ろしいくらいに硬く締まったドラムの響き、ROBERT・PALMERのバンドネーム通りのパワフルな歌声流れるアルバムのトップに位置するこのバンドのインパクトを与える強烈さのある曲です。
2曲目"Murderess"(4:17) 荒らしたギターのサウンドに歯切れ良さを加えたエフェクトによるハード・ロック/エレクトロニカ・ミュージックのような色々な要素を感じさせる曲です。ROBRT、ANDYとJOHNの共作による3人の音楽のエッセンスが見事に調和しています。
3曲目"Lonely Tonight"(3:58) ファンキーなサウンドとリズムを加えたブラック・ミュージックからの影響を感じさせるROBRTとBERNARDとの共作による曲です。ソリッド感のある伸びやか音色を聴かせるANDYのギターと重く響くJOHNのベースのサウンドです。
4曲目"Communication"(3:37) イギリス/ヨーロッパのダンス・ミュージック・シーンで活躍していたバンドHEATWAVEのDEREK・BRAMBLEとROBERT、ANDY、JOHN達と一緒に書かれたやはりダンス・ミュージック感のある曲です。乗りの良さを感じさせるリフレインと短めの歌詞による分かり易さが特徴です。
5曲目"Get It On(Bang A Gong)"(5:29) 今さらここで紹介する必要もないくらいの曲ですが、オリジナル曲は、T.REXのMARC・BOLANが '71年にイギリス・シングル・チャートにて1位を記録させた大ヒット曲です。このアルバムからもシングル曲とリリースされビルボードのシングル・チャート9位となり、日本のTVコマーシャルの挿入歌として当時良く流れていました。
6曲目"Go To Zero"(4:58) ROBERTと良く一緒の曲を書いているベーシストGUY・PRATTとROBERTとの共作による曲です。前半ではリフレイン多用したリズムの流れに沿ってANDYのエッジ感のある巧みなギター・サウンドやホーンの音色を加えた厚みのある音圧を響かせます。
7曲目"Harvest For The World"(3:37) ご存じアメリカのヴォーカル・グループTHE ISLEY BROTHERS '76年のヒット曲のカバーです。この曲ではANDYがリード・ヴォーカルを執り、ROBERTがサポートを務めます。ROBERTばかりのヴォーカル曲が続いているところにちょうどこの曲が登場してちょっと雰囲気を変えています。
尚、このアルバムの制作にROBERTを誘ったANDYとJOHNなのですが、彼の前で歌うのは、本当に冷や汗をかいたのではないでしょうか。
8曲目"Still In Your Heart"(3:20) アルバムの最後は、少しサウンドをダークな方向に移してきたミドル・テンポのリズムの曲です。しっとりと流れるサックスの調べに合わせて燻し銀のようなROBERTの歌声が流れ去ります。
全8曲歌詞付 LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:34分21秒 (アルバム制作当時は、この1枚だけの限定ユニットとして活動していましたが、'96年に2枚目のアルバムも制作されています。尚、レビューの地域分けについてはメンバー3人がイギリス出身の為、ヨーロッパとしました)'12年11月10日更新


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写真  PRAERS / Recovery
 ・2022 Praers (Extreme Music)   

ジャケのような絵画風・・・

このアルバムは、イギリスのウェールズで活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップ・ミュージシャンPRAERSのデビュー・アルバム(4曲EP盤)で '22年8月12日に本国でのダウンロード・リリースです。
もともと '12年ごろからイングランドでJOE・BANFI名または、3ピースバンドBANFI名で活躍していましたが、'21年に名義をPRAERSと変えて活躍中のようです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンの詳しいクレジット記載はないのですが、PRAERSのJOE・BANFI:ヴォーカル/ギター/マルチインストゥルメンツの1人のようです。

1曲目"Cave Water"(3:47) イントロのサウンドとJOEの高く澄んだ歌声からぐっと掴まれた曲です。少しヴォコーダーを効かせた歌声によるハーモニーとエフェクト強めの広がり感のある電子サウンドが心地好く響きます。
2曲目"Recovery"(4:09) 今度は、少しキーを下げたイントロから次第にキーを高めたJOEの歌声がゆったりと響く曲です。チルアウト/ヒーリング系の雰囲気は、先にデビューしたRHYEに通じるものを感じます。
3曲目"Sparrow Song"(3:54)この曲もゆったりとしたリズムとサウンドが流れる曲です。バンド"BANFI時代では、JOEの奏でるギター・サウンドをメインとしたドリーム・ポップ然とした感じの曲が多かったのですが、PRAERSではサウンドの方向を変えたのですね。
4曲目"Strangers"(3:58) 厳かに奏でられるアップライト・ピアノの調べに合わせJOEが訥々と歌う、しっとりとした流れの曲です。尚、この曲は、YOUTUBE内ではピアノをシンセサイザーのサウンドにアレンジした"Strangers(Synth Version)" もあるようです。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:15分48秒 (見出しのも書いたように4曲EP盤ですが、アルバム全体のサウンドは、ジャケット通り絵画のようなサウンドです)'23年5月5日更新


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写真  PRAERS / Braille Moon County EP
 ・2023 Praers (Extreme Music)   

今度は、6曲EP盤・・・

このアルバムは、イギリスのウェールズで活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップ・ミュージシャンPRAERSの2枚目のアルバム(6曲EP盤)で '23年10月20日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンの詳しいクレジット記載はないのですが、PRAERSのJOE・BANFI:ヴォーカル/ギター/マルチインストゥルメンツとTHOMAS・JAMES・WHITE:マルチインストゥルメンツの2人のようです。

1曲目"Promontory"(2:43) 映像音楽関係の仕事しているTHOMASが参加したことによる今まで以上にサウンド・トラック感が増した曲です。JOEの囁き感満載の泣きの歌声とバックに広がる広大なサウンド・シャワーです。
2曲目"Rain On The Surface"(3:28) 相変わらずソフトに歌うJOEの温かい歌声とこれまたソフトなキーボードの響きが優しい曲です。これぞドリーム・ポップ感満載な心地好い響きが流れて行きます。
3曲目"Part Of Your Life"(3:44) めずらしくJOEがヴォコーダーを強めに使って収録されている曲です。ゆったりとしたリズムと厳かなサウンドが広がります。サビからアウトロの部分では、これぞPRAERSサウンドと言える美しさを持っています。
4曲目"Sorry Now"(4:32) この曲も前作(EP盤)での収録曲から続くメランコリックなサウンドとJOEの歌声が響く曲です。JOEのギターの音色にTHOMASのシンセサイザーの壮大なサウンドが加えられ厳かに広がります。
5曲目"Cyan"(3:51) このアルバムのリリースから先行1か月前にシングルで登場している曲です。非常に高いキーで歌うJOEの歌声とシンプルなTHOMASのピアノの演奏が耳に残ります。
6曲目"Braille Moon County"(3:27) この曲でもJOEのその切ない歌声が非常に印象に残る曲です。流れるように響くピアノとヴァイオリン風の調べが更に切なさを誘います。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:21分45秒 (前作からどっぷりとその魅力に引き込まれたこのPRAERS、このアルバムもリリース後、即買いでしたね!)'23年10月22日更新


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写真  PREFAB SPROUT / Swoon
 ・1984 KITCHENWARE RECORDS   KWLP1
 ・1984 Sony Music Japan International Inc.   EICP 1276

原点・原点・原点・・・

'80年頃にイギリスのニューキャッスルでPADDYとMARTIN・McALOON兄弟のバンド(当時のドラムは、MICHAEL・SALMON)に新たに加わったWENDY・SMITH(ヴォーカル/キーボード)の4人でスタートしたPREFAB SPROUTは、数枚のシングル盤を自費でレコーディングしリリースしていました。その頃、同じ街に住むKITCHENWARE RECORDSの創設者の1人 KEITH・ARMSTRONGの目(耳)に、この[Swoon]の音源テープが彼の元に届き、早速 同レーベルと契約し、このアルバムでデビューしました。本国でのアルバム・リリースは、'84年3月となっています。
尚、このアルバムでのドラムは、THE KANE GANGのGRAHAM・LANT、プロデューサーは、同じくTHE KANE GANGのDAVID・BREWISとPREFAB SPROUT自身です。

1曲目"Don't Sing"(3:53) ハーモニカをアクセントに使ったサウンドにPADDYの少し荒れたコンパクトな歌声が印象に残る曲です。このアルバムからの最初のヒット曲で全英62位となっています。
2曲目"Cue Fanfare"(4:06) GRAHAMのドラムのビートとMARTIN(DAVID?)のうねりを持ったベース・ランニングの調べに時折アカデミックに響くキーボードのサウンドが添えられています。正に、このサウンドはこの後からリリースされる様々なPREFAB SPROUTの優れた曲達の原点を感じさせます。
3曲目"Green Isaac"(3:31) 実はこの曲、アルバム購入時にあまり注目していなかった曲なのです。かなり後にPREFAB SPROUTの初期のライヴ音源を耳にする機会があり、そこで演奏されているこの曲が素晴らしく聴こえ、再び繰り返して聴いています。
4曲目"Here On The Erie"(4:00) 非常に低いキーまで下げて歌うPADDYの歌声が特徴的な曲です。WENDYの美しい歌声も良いのですが、もしかしてPADDYのヴォーカルとWENDYのヴォーカルとの組み合わせが相乗効果を生んでいるのかもしれません。尚、この曲の終焉には、PADDYのアグレッシヴなギター・ソロも披露しています。
5曲目"Cruel"(4:24) この曲もシングル・カットされた曲です。PADDY1人で弾き語りで収録されたり、初期の彼のお気に入りでしょうか。このアルバムでの録音設備の関係でしょうかPADDYのヴォーカルの響きが非常にこもって収録されていますが、バックで寄り添う歌うWENDYの美しい歌声による神に捧げるセレナードです。
6曲目"Couldn't Bear To Be Special"(3:53) 非常に穏やかなリズムとメロディによる曲でイントロのヴォーカルが印象的です。S.E.の使い方とコードの進行なども後の作品に通じるものを感じます。
7曲目"I Never Play Basketball Now"(3:40) 特徴的なギターのフレーズから始まる面白いタイトル曲です。1曲目の"Don't Sing" とメロディとサウンドを同じくとする"PREFAB節" を非常に感じる曲です。
8曲目"Ghost Town Blues"(3:21) 初期のライヴでよく演奏された躍動的なレゲエのリズムを取り入れた曲です。太くなるベースのサウンドと裏打ちを聴かせるドラムのビートと聴けば聴くほど新発見があります。
9曲目"Elegance"(3:46) オベーションの特徴的なギターのサウンドによるアコースティックな曲です。メロディ・ラインとサウンドは"Cruel" をアカデミックにタイトル通りエレガントにした感じでしょうか。
10曲目"Technique"(4:39) イントロのPADDYのカウントを数える歌声が非常に印象的な曲です。GRAHAMの文字通りドラマチックな響きのドラムのビートと饒舌に繰り出されるPADDYの言葉のマジックと華麗なる曲展開から「テクニック」を感じます。
11曲目"Green Isaac 2"(1:29) PADDYのアルバムにいつも最後に収録されている穏やかでスローな曲です。サウンドとメロディ的には"Green Isaac" とは繋がらない1分半程度のWENDYとのコーラス曲です。
・全11曲歌詞付 LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:40分28秒
・全11曲歌詞/訳詞付 20ページ物ブックレット 2009年限定2折紙ジャケットCD盤 (国内盤) 収録時間:40分45秒 (イギリスで非常に人気の上がったPADDYは[From Langley Park To Memphis]リリース後の '88年にこのデビュー・アルバムは制作に時間がなかった「最悪の盤」と言って、レコード店を回って自費で回収した(したい!)と報じられています!)'10年8月16日再更新


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写真  PREFAB SPROUT / Steve McQueen
 ・1985 CBS Records   EPIC/SONY 28・3P-623
 ・1985 CBS Records   EPIC EK 40100
 ・1985 Sony Music Japan International Inc.   EICP 1244

私が聴く音楽の方向性を見出してくれた作品・・・

ロック音楽のファンなら誰もが一度は、見た事のあるこのジャケット!本作品は、'85年6月21日に国内でリリースされたU.K.のニューキャッスル出身のPREFAB SPROUTの2枚目のアルバムです。
原題のSTEVE・McQUEEN名を商標の関係かアメリカでは使えないので平凡な[TWO WHEELS GOOD]と題されてアメリカ向けのアルバムはリリースされました。
PREFAB SPROUTのメンバーは、PADDY・McALOON:ヴォーカル/ギターとMARTIN・McALOON:ベースの兄弟にWENDY・SMITH:バック・ヴォーカル、NEIL・CONTI:ドラムの4人組みです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、THOMAS・DOLBY:マルチ・インストゥメンツ/プロデュース、KEVIN・ARMSTRONG:ギター、MARK・LOCKHART:サックスのイギリス勢が参加しています。

1曲目"Faron Young"(3:43) イントロのギターのサウンドに続いてPADDYの「アンティークス」とシャウトされる歌声に合わせて叩かれるNEILのドラムのビートとバックで流れる絵画的なWENDYのヴォーカルとハーモニカのサウンドによるカントリー・フレイヴァー溢れる乗りの好いリズムによるアルバムの幕開けに相応しい素晴らしい曲です。
2曲目"Bonny"(3:46) 美しいギターの響きによる少し切ないメロディとPADDYの凝ったコード進行曲と後半からのエモーショナルな部分は、非常に魅力的です。私をPREFAB SPROUTの虜にした曲の内のひとつです。PADDYの影に隠れがちの弟MARTINですが、ライヴでの彼のパフォーマンスの高さに注目して下さい。また音楽講師としても現在イギリスの学校で活躍し学生達に人気が高いらしいです。
3曲目"Appetite"(3:59) WENDYが男性陣を魅了して行くビデオ・クリップが印象的だった曲で乗りの好いビートとシンセのサウンドが素晴らしくまたPADDYのシュールな歌詞による曲です。
4曲目"When Love Breaks Down"(4:06) THOMAS・DOLBYのミキシングによりすっかりメロウになってしまった当時のU.K.盤アルバム・ヴァージョンが、この国内盤にも残念ながら収録されています。シングル盤のPHIL・THORNALLY(元THE CURE,JOHNNY HATES JAZZ)のプロデュースで幻想的なビデオ・クリップに使われたほうがずっとこの曲の繊細さと相反する荒々しさ双方を持った素晴らしいヴァージョンだと思います。U.S.盤CDでは、シングル盤のヴァージョン(3:46)に差替えられています(サンプル音源は、U.K.盤アルバムと国内盤ヴァージョンです)
5曲目"Goodbye Lucille #1(Johnny Johnny)"(4:29) 非常に美しいギターのメロディによる40秒近くもあるイントロに続いて登場するPADDYの切なくこだまする失恋をテーマにした曲です。
6曲目"Hallelujah"(4:18) WENDYの美しいヴォーカルのイントロによる静かに流される曲ですが、奥に流れるエモーショナルなギターのカッティングは、KEVIN・ARMSTRONG(LOCAL HEROES/THE PASSION)によるものです。
7曲目"Moving The River"(3:56) 4枚目(リリース順では3枚目)の作品に通じるストリングをあしらいゴージャスに展開するNEIL乗りの好いドラムのリズムとホーン・セクションとメロウなサウンドによる曲です。
8曲目"Horsin' Around"(4:39) ソフティスケートされた前半のボサ・ノヴァのリズムから大胆に変調するニューオリンズ・ジャズ風のサウンドへの展開も見事曲です。しかもアウトロは、MARTINのベース・ソロによる非常に凝ったアレンジで締めを迎えます。
9曲目"Desire As"(5:19) 賛美歌風のハモンドのサウンドによる静かな曲です。1作目での[Cruel] に通じるPADDYのヴォーカルを主体としたシンプルな曲です。
10曲目"Blueberry Pies"(2:25) 2分半程度のPADDYの弾き語りに夫々のパートを挿入した感じの曲ですが、凝ったアレンジでの曲でWENDYの幻想的なバック・ヴォーカルが素晴らしい。
11曲目"When The Angels"(4:26) この曲も教会のオルガンの音色を使ったイントロです。PADDYは神学校に通っていた事と関係が有るのでしょうか。ヴォーカル部分から非常にファンキーでドラムのビートの効いたロック"ン" ロールです。オリジナル盤の収録は、この曲迄です。以下は、'98年再リリースU.S.盤[Two Wheels Good] からの収録曲です。
12曲目"The Yearning Loins"(3:38) シングル盤 "When Love Breaks Down" でのカップリング曲で、ファンキーなキーボードのサウンドとリズムによる曲です。
13曲目"He'll Have To Go"(3:05) 5曲入りシングル盤のB面での曲です。60年代にJIM・REEVESが歌ってヒットしたカントリーの曲で、PADDYにはめずらしくカバーです。彼の少し低い目のキーによるハートウォームな歌声による曲です。
14曲目"Faron Young [Truckin'Mix]"(4:45) オリジナルよりイントロ部分を1分程度延ばしたシングル盤用テイクです。
・全11曲歌詞/訳詞付 LP盤 (国内盤) 収録時間:45分03秒
・歌詞無し/小型ポスター型ライナー (U.S.盤) 収録時間:56分25秒 (14曲入りCD盤)
・全11曲歌詞/訳詞付 2009年限定紙ジャケットCD盤 (国内盤) 収録時間:45分11秒 (30年以上前の作品ですが、今も他のアーティストの作品を探すのにもこのPREFAB SPROUTのサウンドスタイルとバンド構成を参考にして今もアルバムを選んでいます)'10年8月16日再更新
1985年度ベスト5


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・1985 KITCHENWARE RECORDS SK 2112

写真

When Love Breaks Down
1曲目"When Love Breaks Down" 2曲目"The Yearning Loins" 3曲目"Spinning Belinda"
4曲目"He'll Have To Go" 5曲目"Donna Summer"
歌詞無し (輸入盤) 収録時間--分--秒
(この盤の"When Love Breaks Down" がビデオで使用されているPHIL・THORNALLYヴァージョンです)


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写真  PREFAB SPROUT / From Langley Park To Memphis
 ・1988 KITCHENWARE RECORDS   KWLP 9
 ・1988 Sony Music Japan International Inc.   EICP 1245

アメリカナイズされたサウンド・・・

このアルバムは、リリース順で言うとPREFAB SPROUTの3枚目のアルバムになるのですが、制作順では4枚目のアルバムです。 '88年の3月本国リリースで、PREFAB SPROUTの所属元KITCHENWARE RECORDSから大手CBS Recordsが配給元となっています。アルバム全体のサウンドの傾向は、よりゴージャスにアメリカナイズされたサウンドとなっています。また曲によりTHOMAS・DOLBY,JOHN・KELLYとPADDY自身が曲毎にプロデュースしています。

1曲目"King Of Rock 'n' Roll"(4:23) 曲のタイトルからして分かるようにELVIS・PRESLEYを題材にした曲です。風刺の効いた滑稽でチープな感覚のビデオ・クリップが当時制作されました。
2曲目"Cars And Girls"(4:26) イントロのWENDYのヴォーカルから聴かせる乗りの好い曲です。このアルバムからのシングルカット第1弾の曲で、BRUCE・SPRINGSTEENの事を歌っているのは、あまりにも有名な話です。'85年のBBC in Concertでも演奏されている以外と古い持ち歌だったのですね。
3曲目"I Remember That"(4:14) 低音の魅力をだしたPADDYの歌声とスイングさせたジャズ・ヴォーカルを意識させる曲です。PREFAB SPROUTサウンドを少しずつ変化させたゴスペル調ともとれるコーラスによる曲です。サビの部分に登場するブラス風のサウンドには、STEELY DAN風の味付けがされていると思います。
4曲目"Enchanted"(3:47) 非常にポップなリズムとメロディによるタイトル通りのEnchanted:「魅惑,悩殺」される曲です。NEIL・CONTIの歯切れの良いドラムのビートとMARTIN・McALOONのベース・ランニングの絶妙なサウンドによる大好きな曲です。
5曲目"Nightingale"(5:53) PADDYが多大な音楽的影響を受けたSTEVIE・WONDERがハーモニカで参加している曲です。美しいメロディとWENDYの素晴らしいバック・ヴォーカルによるハーモニーが非常に印象に残る曲です。たまたまPADDYの録音スタジオの隣を予約していたSTEVIEにPADDYがハーモニカで少し参加して欲しいと頼んだエピソードを持つ曲。STEVIEがPREFAB SPROUTのアルバムに参加してくれた事を一番に喜んでいるのは、多分PADDYでしょう。
6曲目"Hey Manhattan!"(4:47) PETE・TOWNSHEND(THE WHO)がアコースティック・ギターで参加した美しい響きと綺麗なメロディの曲です。PADDYが始めてN.Y.を訪れた時の印象をストリングスなどを使ってゴージャスに大胆な展開で表現しています。
7曲目"Knock On Wood"(4:17) レゲエのリズムを基調とした少し不思議なサウンドとメロディの曲です。キーボートの電子サウンドと小刻みに奏でられるギターのサウンドが印象に残ります。この曲の感じなんか新しい方向を目指した感がありますね。
8曲目"Golden Calf"(5:06) ロック"ン" ロールのリズムとふんだんに取り入れられたギターのサウンドによる曲です。PADDYのヴォーカルも少しキーを低い目にしてワイルドさを全面に出したヴォーカル・スタイルによるライヴ受けする曲のようです。
9曲目"Nancy(Let Your Hair Down For Me)"(4:04) NANCYへ捧げるラヴ・ソングを日常の風景に織り交ぜて歌ったPADDYの癒される美しい歌声による落着いた曲です。
10曲目"Venus Of The Soup Kitchen"(4:29) THOMAS・DOLBYのプロデュースにより幻想的なハープによるイントロからパーカッシヴなサウンドへ自然に移行する展開が見事な曲です。PADDYの優しさ溢れる歌声とバック・ヴォーカルの調和も非常に計算された形跡が...
・全10曲歌詞付 LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:43分39秒
・全10曲歌詞/訳詞付 16ページ物ブックレット 2009年限定紙ジャケットCD盤 (国内盤) 収録時間:45分30秒 (当時の友人からこのアルバムのサウンドがあまりにもアメリカナイズされた為「PREFAB SPROUTもメジャー路線に変更か?」と言われました。この後からリリースされるアルバムからもPADDY自身は、目先のトレンドからかなり離れた所に位置し、また時代に逆行したソング・ライティングをしています)'10年8月16日再更新
1988年度ベスト5


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・1988 KITCHENWARE RECORDS SKX 35

写真

Cars And Girls
1曲目"Cars And Girls" 2曲目"Vendetta" 3曲目"Nero The Zero"
"Cars And GIRLS" のみ歌詞付 (輸入盤) 収録時間11分49秒


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写真  PREFAB SPROUT / Protest Songs
 ・1989 CBS UNITED KINGDOM LTD.   EPIC/SONY 25・8P-5248
 ・1989 CBS United Kingdom Limited   KWCD 4(465118 2)
 ・1989 Sony Music Japan International Inc.   EICP 1277

お蔵入りしていた作品ですが、PREFAB SPROUTらしい・・・いや・・・

リリース順では、4枚目のアルバムにあたるPREFAB SPROUTの3枚目のアルバムです。'85年の [Steve McQueen] のリリース後の9月にレコーディングされましたが、レコード会社の意向で同時期に2枚のアルバムが、市場に流れる事を嫌いお蔵入りしていた作品です。その後、プロモーション用の盤が保管倉庫より流出し多量のブートレグが出回った為、急遽 PREFAB SPROUTは、一切この作品についてプロモーションとインタビューは、行なわないとレコード会社と合意の上、'89年に正式リリースされました。国内盤は、'89年6月28日にリリースされました。
尚、プロデュースは、PREFAB SPROUT自身により行われています。

1曲目"The World Awake"(4:26) キーボードの煌びやかさと爽やかハーモニカのサウンドを配した[From Langley Park To Memphis] につながるゴージャスさが見えてきたナンバーです。4歳違いの弟MARTIN・McALOONの低音 (PADDYの可能性も)のスキャットとWENDYの可愛いヴォーカルによるポップさ溢れる曲です。
2曲目"Life Of Surprises"(4:07) エモーショナルで非常に素晴らしいサウンドとメロディの曲で時に優しくまた時に激しく歌われるPADDYのヴォーカルも見事で幾重にも重ねられたPADDYのヴォーカルオーバーダブのミルフィーユ状態です。PADDY(PATRICK・JOSEPH・McALOON)の卓越したソングライティングとレコーディングに対する完璧過ぎるくらい執着性を垣間見る作品です。間奏のグレッチのストレートトーンの響きと書き殴られたように響くキーボードのサウンドが圧巻です。
冒頭にも書きましたが、本アルバムのプロモーションは、一切行なわないとと思っていましたが、この曲のビデオ・クリップが存在していたとは驚きです。(ビデオに登場しているのも、やはりグレッチでした)'85年のテストプレス盤は、全9曲でこの曲は、当時収録されておらず正式リリースの際に追加されています。その際ビデオ・クリップを撮影したとの事。
ただ、3分39秒あたりにマスターテープから起因するノイズが有るのが非常に残念です。輸入盤ならノイズが無いと思いましたが、やはり同じ部分にありました('09年限定紙ジャケットCD盤では、かなりノイズが軽減されています)。
3曲目"Horsechimes"(4:24) 一転して肩のこらないさらっとした作品です。アコースティック・ギターで綴られるPADDYの日常の会話の1コマを場面に捕らえて歌にした感じの曲です。
4曲目"Wicked Things"(3:12) NEIL・CONTIの叩きつけるようなドラムビートとエッジの効いたギターのサウンドをふんだんに使ったエモ・ギターロックで歌詞の方は、曲のメロディと違い難解です。尚、'85年の全9曲オリジナル盤では、この曲は、倍ほどの長さがあったようです。
5曲目"Dublin"(3:41) PADDYのアコースティック・ギターでの弾き語りです。2枚目のアルバムでの"Desire As"に似たサウンドスタイルの非常にシンプルな曲ギターを弾くPADDYの左手の運指の音まで瑞々しい曲です。
6曲目"Tiffanys"(3:50) 一転してアップテンポのロカビリーとチャールストンのリズムが混ざったロック"ン" ロールです。間奏のギターソロも今までと違ったロカビリースタイルです。このライヴビデオですが、'85年ツアーで新曲として披露されていたのですね。
7曲目"Diana"(4:11) いきなりPADDYのヴォーカルから入る曲です。メロディアスなギターサウンドでのミドル・テンポの曲ですが、非常に凝った変調とコード進行によるメルヘンチックな内容の曲です。
8曲目"Talkin' Scarlet"(4:34) WENDYの可愛いヴォーカルから入る曲でハーモニーの部分は、3人のヴォーカルのキーが絶妙なバランスを保っています。サウンドとコード進行とPREFAB SPROUTらしい、いやPREFAB SPROUTでなければ出せないサウンドスタイルです。
9曲目"Till The Cows Come Home"(4:12) 大好きな曲の登場です。機関車風のS.E.と自然に繋がるハーモニカの音から入るこの曲のイントロが本当に絶妙です。どうすれば、このようなアイデアが良く思いつくのかと非常に感心させられます。
10曲目"Pearly Gates"(5:29) 賛美歌のような内容とサウンドの曲です。ピアノを使った美しく荘厳なメロディとイントロ/アウトロのスネアドラムによる鼓笛隊のサウンドが非常に印象的です。Pearly Gates=天国の12の門で歌詞の内容は、私には少し難しいかな!
・全10曲歌詞/訳詞付 24ページ物ブックレット (国内盤)
・全10曲歌詞付 8ページ物ブックレット オーストリア製 (輸入盤)
・全10曲歌詞/訳詞付 16ページ物ブックレット 2009年限定紙ジャケットCD盤 (国内盤) 収録時間:42分10秒 (PREFAB SPROUTの事を書くとついつい文字数が増えます。まだまだ書き足らないですが、続きは次回に...)'10年8月17日再更新


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写真  PREFAB SPROUT / Jordan: The Comeback
 ・1990 CBS United Kingdom Ltd.   KITCHENWARE RECORDS KWLP14
 ・1990 CBS United Kingdom Ltd.   EPIC/SONY ESCA 5162
 ・1990 Sony Music Japan International Inc.   EICP 1278

全19曲1時間4分15秒の超大作・・・

U.K.のニューキャッスル出身のPREFAB SPROUT5枚目のアルバムで、'90年8月のリリースです。
当時、日本へのU.K.輸入盤はLP盤のみ(CD盤は制作されていましたが輸入量は、非常に少なかったでしょう)
リリースで、CD盤としては、SONYより国内盤が1ヶ月遅れでリリースされています。
プロデューサーは、お馴染のTHOMAS・DOLBYが担当しキーボード、シンセサイザー、プログラミングなど随所にTHOMASらしいゴージャスなサウンドアレンジになっています。

1曲目"Looking For Atlantis"(4:02) イントロのNEIL・CONTI のドラムのビートと繰り返し打ち寄せるベースとギターの波のようなサウンドWENDY・SMITH の美しく横切る歌声とJUDD・LANDERのエモーショナルなハーモニカのサウンドによるPREFAB SPROUTの世界が広がる瞬間です。
2曲目"Wild Horses"(3:44) 非常に美しいメロディとキーボードのサウンドとスローなリズムの曲PADDY・McALOON の高いキーの歌声と低いキーでのセルフハーモニーによるオーバダブを駆使した曲です。恋した女性を"野生の馬"に例えたPADDYらしい歌詞に艶かしい女性(WENDY・SMITH?)のスポーケンを取り入れた曲です。
3曲目"Machine Gun Ibiza"(3:43) この曲もPADDYらしい「機関銃を持ったIBIZA」など風変わりな歌詞とPADDYが見たアメリカのギャング映画の一場面的な内容をビートに乗せて歌っています。
4曲目"We Let The Stars Go"(3:39) センチメンタルな歌詞と砂糖菓子細工のようなメルヘンチックなメロディとPADDYの優しい歌声とWENDYの天使の囁きのような歌声による曲です。
5曲目"Carnival 2000"(3:23) この曲もイントロのナイロン弦ギターの少し篭った音色から痺れっぱなしです。次第にエモーショナルに展開するサンパのリズムとカーニヴァルらしいホーン類のサウンドです。この曲を聴きながら実際に西暦2000年を迎える時は世界中でカーニヴァルが行なわれるかなと当時思っていました。実際は非常につまらなく2000年のコンピュータ問題ばかりクローズアップされていました。(話が脱線してしまいました)
6曲目"Jordan: The Comeback"(4:13) PADDYの低い声によるスポーケンとアコーステックギターの響くサビの部分を組曲とした凝ったアレンジの曲です。NEILのドラムのビートとバックで響く煌びやかギターのサウンドの印象的な曲です。何度聴いてもコーラス、サンプル等、何気ないところに凝ったPADDYの隠し味を聴く度に再発見します。
7曲目"Jesse James Symphony"(2:15) PADDYのこのアルバムのメインテーマと思い入れを強く感じさせる曲です。ゴスペル調のコーラスと殆ど演奏の無いスタイルによる次の曲のプレリュードです。
8曲目"Jesse James Bolero"(4:10) サウンドアレンジを変えた重厚なボレロとした内容になっています。WENDYの歌声は更に美しく優しく響きます。カントリーからポップ/ロックの果てにクラシックまでも手掛けるPADDYの卓越したソングライティングとサウンドクリエイトには脱帽です。
9曲目"Moon Dog"(4:07) 変わったタイトルを持ちまた難解な歌詞による曲ですが、雲の上を飛んでいるような心地好いサウンドは非常にメロディアスでポップな曲調でウーリッツァー・ピアノのサウンドも最高!
10曲目"All The World Loves Lovers"(3:50) お気に入りの曲の登場です。サウンド的には前作[From Langley Park To Memphis]に通じる非常にメロディアスな曲ですが、歌詞はPADDYの持つ一種独特の"毒"(絵空事では冷静に現実を見据えた風刺)を持った内容です。
11曲目"All Boys Believe Anything"(1:14) この曲もアルバムの途中にオアシス的に配された1分少々の曲で存在感が無い曲と思わないで下さい。アルバム全体を通じて聴いた場合に計算され尽くした位置にあり次の曲への誘導役とリスナーへの次の曲への心の準備と配慮を持った重要な曲です。
12曲目"The Ice Maiden"(3:19)この曲も大好きな曲です。シンセのサウンドと"渋い" ギターのカッティング・サウンドに心地好いドラムのビートが響く曲です。途中で音階が上がる所と変調がかっこいいです。次の曲に自然とつながるとこも流石です。
13曲目"Paris Smith"(2:55) 曲間を繋げた配慮の曲です。一度終わりかけたと思うと再び盛り上がる非常に美しいメロディをもったキーボードのサウンドをメインとした曲です。
14曲目"The Wedding March"(2:50) 少し気を抜いた肩の凝らないリラックスした曲調の曲でデキシーランドのジャズを模範とする曲調にPREFABの隠し味付けをさらっとかけた曲です。
15曲目"One Of The Broken"(3:55) PADDYの低いスポーケンによる"神の声" らしいフレーズを持った曲でゴスペル調サウンド曲ですが、神様うんぬんと言うより「昔は良かったね...」って感じでしょうか。
16曲目"Michael"(3:02) 3枚目のアルバム[Protest Songs]の"Till The Cows Come Home" イントロの機関車風のS.E.を抽出しアシッドな曲調とバックで流れるNEILのドラムの響き方と絶妙なバランスとサウンドのエコーの効かせ方を時空的に変化させています。
17曲目"Mercy"(1:23) PADDYの囁きに似た優しい歌声のギターでの弾き語りで「神への慈悲」または「恋人への許しを請う」を歌っているのでしょうか。
18曲目"Scarlet Nights"(4:17) 久しぶり聴けるギターのサウンドが溢れた曲です。余りにもギターが多すぎるのでイントロの部分は、メタルのバンド風?(笑)詳しいクレジットが無いので解かりませんが有名なギタリストが参加しているのでしょうか。この曲もWENDYの歌声がいいですね。
19曲目"Doo Wop In Harlem"(3:44) PREFAB SPROUTのどのアルバムにも定番的にこの辺に収録されているオルガンのサウンドを使ったゴスペル調の曲の登場です。非常に美しいアカペラ調のPADDYとWENDYとMARTINの素晴らしいハーモニーです。
・全19曲歌詞付 LP盤 U.K.盤 (輸入盤)
・全19曲歌詞/訳詞付 32ページ物豪華ブックレット CD盤 (国内盤) 収録時間:64分15秒
・全19曲歌詞/訳詞付 24ページ物ブックレット 2009年限定紙ジャケットCD盤 (国内盤) 収録時間:64分10秒 (全19曲1時間4分以上の超大作ですが、最初の1曲から最後の19曲まであっと言う間の過ぎ去る素晴らしさです。PREFAB SPROUTを掲載したサイトでよく目にする事ですが、お勧めアルバムに次の '92年リリースの[A Life of Surprises - The Best Of Prefab Sprout]と '99年の[38 Carat Collection]と書いているのですが、私は、PREFAB SPROUTのアルバムでは、オリジナル盤の曲同士の繋がりと曲調の順位と起伏まで計算され尽くしているのでベスト盤をお勧めしません。コレクションを対象としている人は別ですが)'10年8月17日再更新
1990年度ベスト5


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・1993 KITCHENWARE RECORDS SKCD 64

写真

I Remember That
1曲目"I Remember That" 2曲目"Dublin" 3曲目"The World Awake"(5:52)
歌詞無し オーストリア製 (輸入盤) 収録時間13分49秒
'89年の[Protest Songs] を全10曲にする為、オリジナル盤
"The World Awake" の削られたアウトロを収録。


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写真  PREFAB SPROUT / Andromeda Heights
 ・1997 Sony Music Entertainment (UK) Ltd.   KWCD 30 01-487297-10
 ・1997 Sony Music Japan International Inc.   EICP 1279

実に7年ぶりの新作の登場です・・・

前作から7年の歳月が流れた '97年の5月にリリースされた7枚目(ベストを含む)のアルバムです。尚、アルバムのタイトルのAndromeda Heightsとは、PADDYが新しく作ったレコーディング・スタジオの名称も兼ねています。美しいジャケットのイラストは、U.K.の画家ANNE・MAGILLの作品です。残念ながら[Swoon]以後からのメンバーでドラムのNEIL・CONTIが '92年脱退してセッション・ミュージシャンとして活躍しています。このアルバムは、パーカショニストのPAUL・SMITHがリズムを担当しています。

1曲目"Electric Guitars"(3:41) PADDYのギターの弾き語りから入る曲で歌詞の内容は、ビートルズの人気が絶頂期での空港に詰め掛けるファン殺到ぶりやヒステリックに叫ばれる悲鳴と感激のあまりに流れ落ちるマスカラなど細かく描写した歌詞の内容とタイトルの「Electric Guitar」と歌われる時のDAVID・BREWIS([Swoon]のプロデューサー元THE KANE GANG)スライドギターの絶妙なサウンドでのポップ色に溢れるアルバムのオープニングに相応しい曲です。尚、この曲のビデオ・クリップに登場する有名ギタリストのそっくりさん(良く見るとそうでもないのですが...)達が面白いのです。
2曲目"Prisoner Of The Past"(5:02) ティンパニーの打撃音とブラスの音色による非常にゴージャスなイントロによるギターポップな曲で時折入るストリングのサウンドが上質な映画音楽を聴いているような錯覚に陥る曲で間奏のメロディアスなピアノの旋律も見事です。
3曲目"Mystery Of Love"(4:38) フルートと弦楽の爪弾きによる美しい響きを用いた幻想的でロマンチックな歌詞の内容による曲で間奏のサックスは、U.K.でジャズ・サックス・プレーヤとして活躍しているTOMMY・SMITHです。
4曲目"Life's A Miracle"(3:45) この曲でもTOMMY・SMITHのソプラノサックスが非常に美しく奏でられています。PADDYは過去にLifeとかMiracleとか良く出てくる歌詞を多く書いています。
5曲目"Anne Marie"(4:35) 氷の結晶が固まる時に発する軋み音のようなSEによる印象的なイントロによる非常に繊細なギター・ポップとストリングスによる曲です。間奏のMARTIN・TAYLORの弾くアコースティック・ギターのシンプルな響きが良いですね。
6曲目"Whoever You Are"(2:48) PADDYの書く曲に良く登場するセレナーデで3分に満たない小さな曲ですが、非常に叙情的な内容で優しさ溢れる曲です。
7曲目"Steal Your Thunder"(3:42) 特別にパーカッション担当のPAUL・SMITHへTHANKSが述べられている曲でやはりリズムが独特です。ビートの刻みがどの様な楽器を使っているか不明ですが、非常に印象的です。たっぷり響くTOMMYサックスとFRAZER・SPIERSのハーモニカが都会的な夜を象徴した良い音色です。
8曲目"Avenue Of Stars"(3:59) フルートとサックスによる2分近くあるイントロによる組曲的なアレンジです。この曲もスローなリズムとPADDYの歌声を主体としたパートに弦楽器とピアノを被せたポピュラーソングです。
9曲目"Swans"(2:36) この曲も6曲目と同じくセレナーデ的な曲で3分に満たない小さな曲です。非常に優しく壊れ物に触れるようにセンシティヴに歌われ演奏される曲です。
10曲目"Fifth Horseman"(4:43) FRAZER・SPIERS(スコットランドのブルースハープ奏者)のハーモニカと打楽器のビート音によるアップテンポ(ここまでの流れよりは)なビートによる曲です。オルガンにCALUM・MALCOLM(THE BLUE NILE, CLANNAD)が参加しています。彼は録音エンジニアとミキシンも担当しています。
11曲目"Weightless"(3:37) PADDYの書く曲がとうとう宇宙空間まで表現するところまできました。WENDYの甘い囁きに似た「Weightless」=「無重力の」と歌われるところが堪りません。
12曲目"Andromeda Heights"(4:07) ピアノとフルート/サックスによるやや寂しい音色による1分におよぶイントロの後ウーリッツァーピアノの音色に乗せスローに歌われるPADDYの歌声とWENDY優しい歌声によるところどころ宮廷音楽の感じがする曲です。
13曲目"Just Because I Can"(3:53) (国内盤ボーナス・トラック)シングル盤(4曲入り)"Prisoner Of The Past" のカップリング曲として本国でリリースされている曲です。美しい旋律を奏でるピアノのサウンドにエレクトロニカ・ポップ調のリズムをあしらった軽めの曲ですが、ストリングスのサウンドの重ね方などPREFABスタイルを強く感じさせます。
・全12曲歌詞付 16ページ物写真ブックレット U.K.盤 (輸入盤) 収録時間:47分08秒
・全13曲歌詞/訳詞付 16ページ物写真ブックレット 2009年限定紙ジャケットCD盤 (国内盤) 収録時間:51分04秒 (輸入CDショップに行く度にアルファベットのPの棚にPREFAB SPROUTの新譜CDが無いかなと探し続け諦め掛けた頃、いきなり棚に入っていた当時のU.K.輸入盤を引ったくるように掴みレジに走った記憶が有ります)'10年8月17日再更新
1997年度ベスト5


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写真  PREFAB SPROUT / The Gunman And Other Stories
 ・2001 EMI/ Liberty Records   7243 5 32613 2 0

プロデューサーにTONY・VISCONTIを迎えて・・・

このアルバムは、イギリスで活躍しているPREFAB SPROUTの9枚目(2枚のベストアルバムを含む)のアルバムで、本国でのリリースは '01年の6月、日本での国内盤("Cowboy Dreams"のビデオクリップ付)のリリースは、ビクターエンタテインメントより10月24日となっています。
残念ながらPREFAB SPROUTのコーラスの要で、'82年から参加していた紅一点のWENDY・SMITHが抜けてしまってPREFAB SPROUTとしては、PADDYとMARTIN・McALOON兄弟だけとなっています。
このアルバムの収録曲には、PADDYがJIMMY・NAILとCHERに提供した作品が一部含まれています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PADDY・McALOON:ギター/キーボード/プログラミング/ヴォーカル、MARTIN・McALOON:ベースの他、ERIC・WEISSBERG:バンジョー、JEFF・PEVAR:ギター/ラップ・スティール/マンドリン、CARLOS・ALOMAR:ギター/スライド・ギター、TONY・VISCONTI:ダブル・ベース/ギター/パーカッション/プログラミング/バック・ヴォーカル、JORDAN・RUDES:キーボード/シンセサイザー、D.J.SALINGER:プログラミング、RICHIE・MORALES:ドラム、JIM・CAMPAGNOLA:サックス、DOROTHY・LAWSON:チェロ、MARTHA・MOOKE:ヴィオラ、SARAH・ADAMS:ヴィオラ、GREGOR・KITZIS:ヴァイオリン、LAURA・SEATON:ヴァオリン、JOE・HURLEY:バック・ヴォーカルのイギリスとアメリカのミュージシャン達が参加しています。
プロデューサーに名人TONY・VISCONTIを迎えて制作されています。
尚、新人として異例のCBS Recordsとの5枚のアルバム制作の契約が切れたPREFAB SPROUTは、このアルバムよりレーベルをEMIに移してのリリースです。

1曲目"Cowboy Dreams"(5:18) 往年の名手ERIC・WEISSBERGの弾くバンジョーのサウンドをイントロに配したカントリーアンドウェスタンの曲で、最初聴いた時「本当にPREFAB SPROUTのアルバム?中身が間違っているのかも?」と思ってアルバムを聴いていると聴き慣れたPADDYの歌声に安心しました。美しいメロディの連続はどのような感じの曲を書いても流石です。尚、この曲はイギリスのS.S.W.JIMMY・NAILの為に '95年に書かれた曲のセルフ・カバーとなっています。
2曲目"Wild Card In The Pack"(3:40) WENDYのバックコーラスが有れば更に美しい感じになる曲ですが、PREFAB SPROUTのアルバムならバック・ヴォーカルで参加したい女性ヴォーカリストは沢山居るでしょうが、PADDYは敢えてWENDYの代わるヴォーカリストは居ないと思ったのでしょうか。
3曲目"I'm A Troubled Man"(3:18) PADDYの優しく響く歌声によるスローなバラードです。JORDAN・RUDES(RUDESS)(DREAM THEATER)の美しいピアノの調べが非常に印象残る曲です。トラブル続きの男の哀愁を歌にした内容となっています。
4曲目"The Streets Of Laredo/Not Long For This World"(4:36) この曲ではギターのJEFF・PEVARに代わってCARLOS・ALOMARがリードを執ります。トラディショナル音楽を基調にしてPREFAB SPROUTらしい美しいギターのサウンドをあしらったゴージャスなアレンジでの曲です。
5曲目"Love Will Find Someone For You"(3:22) 美しいタイトルを持った曲でメロディもPREFAB SPROUTらしい非常に美しい曲です。バックでWENDYが歌っているように聴こえるのですが、PADDYのファルセットでしょうか。CARLOS・ALMORのドブロ?のギターの音色が本当に素晴らしいです。
6曲目"Cornfield Ablaze"(4:48) 焚き木が燃える音をS.E.として使った"Life Of Surprises" のサウンドに少し似た曲でグルーヴ感が堪りませんね。1分25秒あたりの「パッパッパッ」となるブラスのサウンドなどとてもPREFAB SPROUTらしいですね。消防車の音と火事の音でのアウトロは、PADDYの意図とするところは?
7曲目"When You Get To Know Me Better"(3:05) JEFF・PEVARの心地好い音色のスティール・ギターのサウンドをたっぷり入れたPADDYの曲らしい美しいメロディによるゆったり流れるような曲で、次の曲の為にこの位置に配されています。
8曲目"The Gunman"(8:39) 前半は、美しく響くアコースティック・ギターによるドラマチックなメロディによるサウンドトラック・スタイルのインストゥルメンタルです。PADDYのイメージする西部の男が非常に美しいメロディで演奏された8分40秒近くも大作です。
9曲目"Blue Roses"(3:10) この曲もPADDYらしい曲です。単純な巡回コードと変調する複雑なシンコペーションを組み合わせた曲です。
10曲目"Farmyard Cat"(3:12) この曲の是非は賛否両論に別れた意見を多く目にしてきましたが、ボーナス・トラックと思えばお遊び的で肩の凝らない作品です。アイリッシュ・トラッドのサウンド・スタイルによるダンスミュージックです。
全10曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:43分23秒 (PADDYは、このアルバムの制作前に両目とも網膜はく離を起こし作曲活動に支障をきたしました。現在では、かなり視力が回復したとの事です。このアルバムのイメージは、どこかNZのFINN BROTHERSのアルバムとイメージが"かぶり" ますね)'10年8月18日再更新


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写真  PREFAB SPROUT / Steve McQueen Legacy Edition
 ・2007 KITCHENWARE RECORDS   KWCD3-25

KITCHENWARE RECORDS 25周年・・・

KITCHENWARE RECORDS創立25周年を記念して再リリースした同社の代表作。'06年11月に当時のこのアルバムのプロデューサーTHOMAS・DOLBY自らがロス・アンゼルスでオリジナル盤側をリマスターし、LEGACY VERSIONとしてPADDYのアコースティック・ヴァージョンの8曲を再収録したものをカップリングとして '07年4月2日にヨーロッパでリリースされました。このアルバムの再リリースにあたっては、英国音楽誌のライターPAUL・LESTERの5ページに渡る詳しい解説が写真類と一緒に書き添えられています。
尚、各曲の参考レビューは、オリジナル盤でのレビューを一部加筆または、そのまま掲載していますが、その他の仕様の違う項目も記述しています。

DISC:1 収録時間:45分11秒
1曲目"Faron Young"(3:47) イントロのギターのサウンドに続いてPADDYの「アンティークス」とシャウトされる歌声に合わせて叩かれるNEILのドラムのビートとバックで流れる絵画的なWENDYのヴォーカルとハーモニカのサウンドによるカントリー・フレイヴァー溢れる乗りの好いリズムによるアルバムの幕開けに相応しい素晴らしい曲です。
2曲目"Bonny"(3:43) 美しいギターの響きによる少し切ないメロディとPADDYの凝ったコード進行曲と後半からのエモーショナルな部分は、非常に魅力的です。私をPREFAB SPROUTの虜にした曲の内のひとつです。PADDYの影に隠れがちの弟MARTINですが、ライヴでの彼のパフォーマンスの高さに注目して下さい。また音楽講師としても現在、イギリスの学校で活躍し学生達に人気が高いらしいです。
3曲目"Appetite"(3:54) WENDYが男性陣を魅了して行くビデオクリップが印象的だった曲で、乗りの好いビートとシンセのサウンドが素晴らしくまたPADDYのシュールな歌詞による曲です。
4曲目"When Love Breaks Down"(4:06) TOMAS・DOLBYのミキシングによりすっかりメロウになってしまった当時の国内盤アルバム・ヴァージョンより、シングル盤のPHIL・THORNALLY(Ex.THE CURE,JOHNNY HATES JAZZ) のプロデュースで幻想的なビデオ・クリップに使われたほうがずっとこの曲の繊細さと相反する荒々しさ双方を持った素晴らしいヴァージョンです。このLEGACY VERSIONでは、再びTOMAS・DOLBYのミキシング仕様(英国アルバム・ヴァージョン)に戻っています。
5曲目"Goodbye Lucille #1"(4:26) 非常に美しいギターのメロディによる40秒近くもあるイントロに続いて登場するPADDYの切なくこだまする失恋をテーマにした曲です。
6曲目"Hallelujah"(4:18)) WENDYの美しいヴォーカルのイントロによる静かに流される曲ですが、奥に流れるエモーショナルなギターのカッティングは、KEVIN・ARMSTRONG(LOCAL HEROES/THE PASSION)によるものです。
7曲目"Moving The River"(3:58) 4枚目(リリース順では3枚目)の作品に通じるストリングをあしらいゴージャスに展開するNEIL乗りの好いドラムのリズムとホーンセクションとメロウなサウンドによる曲です。
8曲目"Horsin' Around"(4:35) ソフティスケートされた前半のボサ・ノヴァのリズムから大胆に変調するニューオリンズジャズ風のサウンドでアウトロは、MARTINのベース・ソロによる非常に凝ったアレンジでの曲です。
9曲目"Desire As"(3:20) 賛美歌風のハモンドのサウンドによる静かな曲です。1作目での[Cruel] に通じるPADDYのヴォーカルを主体としたシンプルな曲です。
10曲目"Blueberry Pies"(2:23) 2分半程度のPADDYの弾き語りに夫々のパートを挿入した感じの曲ですが、凝ったアレンジでの曲でWENDYの幻想的なバック・ヴォーカルが素晴らしい。
11曲目"When The Angels"(4:28) この曲も教会のオルガンの音色を使ったイントロです。PADDYが神学校に通っていた事と関係が有るのでしょうか。ヴォーカル部分から非常にファンキーでドラムのビートの効いたロック"ン" ロールです。

DISC:2 収録時間:34分58秒
PADDYが'06年の夏にアコースティック・ヴァージョンとしてアレンジし直した、オリジナル盤の代表曲8曲をセルフ・カバーで収録しています。ミキシングは、[Andromeda Heights]でのベテランのCALUM・MALCOLM(THE BLUE NILE,CLANNAD)が行っています。(New acoustic versionと言われるよう各パートを書き下ろしに近い作業とコーラスも付け加えています)
1曲目"Appetite(New acoustic version)"(3:56) 複数のアコースティック・ギターを使ってパート分けしたアレンジとリズムは、少しスローにしての収録です。6年ぶりに聴くPADDYの最新の歌声は、より優しく、より深みを増したように思われます。
2曲目"Bonny(New Acoustic Version)"(3:58) PADDYのハーモニカとアコースティック・ギターで新しく命を与えられたこの曲...陳腐な形容しか出来ないですが、良い曲はどのようなアレンジでも本当に素晴らしいです。
3曲目"Desire As(New Acoustic Version)"(7:09) 前半の2分間は、PADDYのアコースティック・ギターの音色に唖然としていました。原曲に無い書き下ろしたメロディで美しく奏でられています。ハイフレットにセットされた12弦ギターの煌びやかな音色とふんだんに重ねられたギターのふくよかに押し寄せるサウンドの波々が非常に美しいのです。PADDYの手により7分を超える大作に大変身しています。やはりPADDYは偉大だ!
4曲目"When Love Breaks Down(New Acoustic Version)"(4:24) この曲ではイントロからやはり鳥肌が立ちました。ソフトに囁きながらこの曲を愛おしく歌うPADDYの歌声とケルト的なギターの響きに仕上げられたサウンドも似合います。この手のサウンドはCALUM・MALCOLMならでは。
5曲目"Goodbye Lucille #1(New Acoustic Version)"(3:54) またしても名曲の登場です。PADDYのギター1本での弾き語りの形で進行しています。巧みにギターの演奏ストロークを違えて叙情的にまた、自身でのバック・ヴォーカルを重ねてこの歌を表現しています。
6曲目"Moving The River(New Acoustic Version)"(3:39) オリジナル曲はロック色の強いサウンドに乗せエモーショナルに歌うPADDYの代表曲だったのですが、ここでの収録では時に早口に、時に聴く者を諭すようにまた、問いかけるように更に優しさを増した彼の歌です。
7曲目"Faron Young(New Acoustic Version)"(3:47) ヴォーカルのパート順をオリジナルより変えての収録です。バックで流れる12弦ギターの響きの美しいこと。スパニシュ・ギターのテイストを加えたアレンジが見事で、PADDYの左手の巧みな運指から発する弦をなぞる音まで聴き入ってしまうのです。
8曲目"When The Angels(New Acoustic Version)"(4:06) ハーモニカと12弦ギターを使っての美しい演奏です。時にエモーショナルに時にジェントルにまた、流れるように歌うPADDYの歌声は「素晴らしい !」の一言。
歌詞無し 12ページ物写真ブックレット 2枚組 3折りデジパック仕様 ドイツ製 (輸入盤) (実は、このアルバムのアコースティック・ヴァージョン...実際に聴く前まで期待と不安が混ざった複雑な心境でいました。でも完全に私の間違いでした。余りに素晴らしくて聴き入ってパソコンのキーボードを前にして曲のことを書けないのです。やはりPADDYは凄い。本当に当時から彼の音楽に出会って良かったし、20年以上聴き続けて来て良かった...)'07年5月9日更新
2007年度ベスト5


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写真  PREFAB SPROUT / Let's Change The World With Music
 ・2009 KITCHENWARE RECORDS LIMITED   8 86975 64562 6
 ・2009 KITCHENWARE RECORDS LIMITED   KWCD41

楽しかった時に捧げる・・・

このアルバムは、PREFAB SPROUTの12枚目(3枚のベストアルバムと '07年のLegacy Editionを含む)にあたるアルバムで本国でのリリースは、'09年9月7日となっています。
このアルバムの収録曲の大半は、'90年のアルバム[Jordan:The Comeback]のリリース後の '91年〜'92年のデモ音源をもとに最新の録音技術にてアップデートしたとのPADDYとBBCとの間で行われたインタビューでの談です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンの詳しいクレジットの記載が無いのですが、ライナーの末尾に「このアルバムをMARTIN・McALOON、WENDY・SMITH、NEIL・CONTI、THOMAS・DOLBY、MICHAEL・SALMONとの楽しかった時に捧げる」と記載されています。プロデュースは、PADDY自身で行っています。
尚、驚いた事にこのアルバムは、某ネットショップの予約だけで音楽部門ベストセラー10入りをしています。

1曲目"Let There Be Music"(3:47) 予想より非常に反したブラック・ミュージックからの影響を強く感じるヒップ・ホップとファンクなリズムをふんだんに取り入れた曲です。このアルバムからのシングル第1弾に用意されたリズムの嵐の中にも流石PREFAB SPROUTと言わせる華麗な転調と美しいメロディアスな響きは、ファンにとっては、満足と安堵感を与えてくれるところではないでしょうか...。まぁ、"サビ" の部分のメロディが '92年の"The Sound Of Crying" に似ているところは、御愛嬌と言う事で...。
2曲目"Ride"(4:18) 神学校に通っていたPADDYが良く歌詞の中に登場させる「神様」を引用した曲です。アルバムのトラック名が公開された時には"Ride Home To Jesus" となっていたと思いますが、アルバム・リリース時には、オリジナル・タイトル通りに戻されています。ドラム・マシーンでのリズムに複数のキーボードなどで美しいサウンドの広がりをみせるのです。
尚、この曲のオリジナル・リリースは、オーストラリアの女性シンガーWENDY・MATTHEWSが '94年に収録しています。
3曲目"I Love Music"(4:51) PADDYが今回のアルバム・テーマに選んだ「音楽」を素直に表現した事を感じさせる曲です。キーボードによる細やかなサウンド使いで絵画にペインティングして行くようなPADDYの特徴的な"あの音使い" が広がっています。サウンド的には、シンプルなアルバム [Protest Songs]の曲に通じるところを感じます。
4曲目"God Watch Over You"(4:36) エキゾチックなパーカッションのリズムにクラシカルなストリング風の調べが添えられた非常にメロディアスな旋律とサウンドの流れる曲です。PADDYの歌声も優しくもまた、力強く響いて来るのです。この曲もオーストラリアのWENDY・MATTHEWSが '94年にBOOKER・T・JONESのプロデュースで収録しています。
5曲目"Music Is A Princess"(3:34) この曲も「音楽」がメイン・テーマに選ばれています。ロマンチックな歌詞に流れるようなリズミカルな調べは、紛れもなくPREFAB SPROUTのエッセンスその物です。多分、 この煌めくサウンドは、この後にリリースされた[Andromeda Heights] へと繋がったと思われます。
6曲目"Earth,The Story So Far"(5:17) イントロ部分だけでも1分近く流れるクラヴィネット?のサウンドのスムーズなメロディに聴き入ってしまいますネ。この曲のリズムの流れとサウンドのゴージャスさは、先の曲と違ってアルバム[From Langley Park To Memphis]の音楽と共通性を感じさせます。アメリカのアーバン・ミュージックの洒落たスムーズなリズムとサウンドを感じるからでしょうか...。
7曲目"Last Of The Great Romantics"(4:42) 最近のPADDYにしてはめずらしく熱唱しなら歌う様子が伺える曲の登場です。サウンドの全体はピアノ・バラードと言った感じでしょうか。クラシカルなストリングス風のサウンドにアレンジされたイメージは、これからの秋のシーズンを強く感じる素敵なサウンドの響きです。
8曲目"Falling In Love"(3:13) 2曲続けてメロディアスな旋律を持つバラードの登場です。この曲の方が先の曲よりもっとしっとりとソフトに仕上げたアレンジがしますね。丁度[Andromeda Heights]の"Whoever You Are" のリズムを少し上げた感じではないでしょうか。PADDYのセルフで付けたハーモニーも優しく響きます。
9曲目"Sweet Gospel Music"(4:26) 明るいメロディとサウンドで展開されるゴスペル・サウンドの持つもう一方のイメージで表現されている曲です。タイトなドラムのビートに細かく奏でられるピアノの調べに乗せてPADDYが優しく語っているようです。
10曲目"Meet The New Mozart"(4:16) この曲は、様々なサンプル音源と電子サウンドによる打込みを使って収録された今回の「アップデート」を1番強く感じます。僅かに効かせたヴォコーダーによるPADDYの歌声がめずらしく収録されています。ところで「新しいモーツァルト」って一体誰の事でしょう。
11曲目"Angel Of Love"(4:24) PREFAB SPROUTのアルバムの最後に、いつも収録されているスローでしっとりとしたメロディの曲です。曲の途中で登場するPADDYのスポーケンの響きが、E.B.T.G.のBEN・WATTの優しさのある声と共通するところを感じます。しかし、アルバムの制作段階では、最終曲は"Sweet Gospel Music"となっていたのですが、最終的に入れ替えが行われているのが、実に興味深いですね。
・全11曲歌詞付 PADDY自身のエッセイ付12ページ物写真ライナー 香港製 (輸入盤)
・全11曲歌詞付 PADDY自身のエッセイ付12ページ物写真ライナー E.U.製 (輸入盤) 収録時間:46分36秒 (嬉しい事にこのアルバムのライナーには、このサイトのMAPと同じ写真素材が使用されています)'09年9月6日更新
2009年度ベスト5


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写真  PREFAB SPROUT / Crimson / Red
 ・2013 Kitchenware Records Ltd.   IBRCD13001

やはりPREFAB SPROT・・・

このアルバムは、PREFAB SPROUTの13枚目(3枚のベストアルバムと '07年のLegacy Editionを含む)にあたるアルバムで本国でのリリースは、'13年10月7日となっています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PADDY・McALOON:ヴォーカル/マルチ・インストゥルメント/プロデュースの他、CALUM・MALCOLM(THE BLUE NILE,SIMPLE MIND):プロデュース/ミキシングの少人数です。
尚、このアルバムの収録曲は、未発表アルバム[Devil Came A-Calling]として過去に収録されていたのですが、ネット上に流出した為、PADDYが1年半かけて自身のスタジオAndromeda Heights Studioにて再収録されたものです。

1曲目"The Best Jewel Thief In The World"(3:50) このアルバムからのシングル曲第1弾となっているキャッチーなサウンドとリズムの曲で、ドイツのライセンシーであるEmbassy Of Musicからオフィシャル・ビデオも配信されました。「宝石泥棒」をテーマとした曲なのでパトカーのサイレン音もバックに響いています。
2曲目"The List Of Impossible Things"(3:42) この曲も非常にPREFAB SPROUTらしいメロディアスな流れを感じさせる曲で、途中に登場するギター・ソロが美しく響きます。過去の曲に例えるなら[Andromeda Heights] "Mystery Of Love" に曲調が似ているかな。
3曲目"Adolescence"(4:27) この歌詞の中にアルバム・タイトルの「Crimson Red」が登場しています。「思春期」と題されたこの曲にサイケデリックなバイクとかロミオとジュリエットに見立てた多分、自身の過去の恋物語りを重ね合わせているように思えます。
4曲目"Grief Built The Taj Mahal"(3:28) エキゾチックなギターの調べがイントロから響くバラードです。美しく響くメロディとサウンドを奏でるPADDYのギターとそのタジマハールの存在を切なく歌うPADDYの歌声に聴き入ります。
5曲目"Devil Came A Calling"(3:41) スペインの音楽からの影響を感じさせる重厚なギター・サウンドが鳴り響くサウンドの波が押し寄せる曲です。サウンド的には '01年の[The Gunman And Other Stories] から引き継いだような感じを受けます。
6曲目"Billy"(4:37) 今度は、もう少しお気軽モードによる楽しげなメロディとサウンドの曲です。メロディとサウンドの隅々までやはりバンドとしてのPREFAB SPROTではないかもしれないけれど紛れもなくPADDYの作とかれの歌声と演奏によるPREFAB SPROUTの継続と実感させますね。
7曲目"The Dreamer"(6:00) 2曲分の曲の長さで歌われるサビの部分が非常に重厚で荘厳な雰囲気を醸し出す曲です。全編に流れるシタール効果をエフェクトしたPADDYのギター・サウンドとPADDYの回顧録的な歌詞が非常に印象的な曲です。
8曲目"The Songs Of Danny Galway"(3:48) この曲は多分オクラホマ出身のS.S.W.JIMMY・WEBBの事を歌ったと思わせます。そう言えばアメリカのライヴなどでJIMMYの曲を演奏して観客と一緒に歌い、'91年にはそのJIMMY・WEBBとT.V.に共演してJIMMYの"The Highwayman" を一緒に演奏して歌っていましたね。
9曲目"The Old Magician"(2:51) 循環コードによる軽い乗りを伝える曲です。「年老いたマジシャン」のステージでの催しも時代の流れとハイテクの普及とともに時代遅れになって行く様を表現したちょっと考えさせられる着目点が意味深です。
10曲目"Mysterious"(4:22) イントロのサウンドなどPREFAB SPROUTの曲としては少し異質なキーボード(ハモンド・オルガン)のサウンドが流れる曲ですが、PADDYのヴォーカルが登場する頃にはすっかり '85年頃PREFAB SPROUTの"Tiffanys" に通じるサウンドとメロディになってすっかり安心して聴いていられる流れになって行きます。
歌詞無し 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:40分49秒 (先にも記したのですが、このアルバムは、PADDY作によるPREFAB SPROUTの継続と言えるのですが、PREFAB SPROUTファンにとっては、前作同様、待望の新作には間違いないでしょう)'13年11月10日更新


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写真  THE QUESTIONNAIRES / Arctic Circles
 ・2002 Salient recordings   SRCD 002

もっと年季の入ったE.B.T.G.?・・・

このアルバムはイギリスのニューキャッスルで活躍しているTHE QUESTIONNAIRESのインディーズ・レーベルより '03年9月に再リリースされたデビュー・アルバムです。
このTHE QUESTIONNAIRESは '88年頃にバンドが結成され音楽活動を開始したのですが、アルバムをリリースすることなく解散したようです。しかし、'02年にオリジナル・メンバーのJANE・WADE:ヴォーカル/アコースティック・ギター、STEVE・HALL:ギター/キーボード/プログラミングの2人により再結成され、現在はアコースティック・デュオとして最新アルバムの制作も行われています。
尚、このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GARY・LYNSLEY(THE EASTSIDE TORPEDOES):サックス、LES・WATTS(LES WATTS BAND):ハモンド/ローズ、LLOYD・HOWELL(THE EASTSIDE TORPEDOES):ドラムとSTEVEの地元音楽仲間が参加しています。

1曲目"Ghosts In Your Eyes"(3:38) スムーズなリズムの流れに洒落たサウンドによる曲で、ソウルフルなJANEの歌声がやはり1番の魅力になっていますね。
2曲目"Madmen Do The Business"(5:52) 少しノスタルジックな雰囲気を感じるイントロのSTEVEのギターの調べとピアノの調べの曲です。心地好いリズムと艶のあるJANEの歌声(彼女は長くミュージカルとヴォイス・トレーニングの仕事をしていたとのこと)に聴き入るこのアルバムからの一押しのナンバーです。
3曲目"Forty Years Of Peace"(5:59) イギリスの女性歌手のサウンド・スタイルと同じスタンスに立っていることを実感させる曲です。スムーズなリズムとキャッチーなサウンドは、少し古さを感じさせるのですが、STEVEのご機嫌なギター・ソロが出てくる頃にはもう鳥肌が立っているのです。
4曲目"I'm Not Strong Enough"(6:08) 重めのビートとメランコリックなメロディによるバラードです。歌詞の一部にアルバム・タイトル「All the rain in the Arctic circles...」 と登場しています。
5曲目"East End West End"(4:52) ファンクなリズムとゴージャスなホーンのサウンドが響くソウル・ナンバーです。この曲でのJANEの歌声をじっと聴いていると黒人女性ヴォーカリストと聴き間違えるほどの歌声です。STEVEのギターのフレーズと言い、間奏のサックスのソロときっとこのTHE QUESTIONNAIRESもSTEELY DANのファンに間違いありませんね。
6曲目"Building The Pyramids"(4:11) ヴィブラフォン風にしたキーボードのサウンドから入る面白いタイトル曲の登場です。ミドル・テンポのリズムを奏でるSTEVEのギターとJANEの歌声からJEFFERSON STARSHIPの"We Built This City" を思い出しました。
7曲目"Walking Wounded"(4:34) 怪しく響くザイロフォンの調べが特徴的に流れるボサ・ノヴァのリズムの曲です。スムーズなサックスの調べとジャズ・フレイヴァーされたJANEの歌声によるラウンジ・ミュージックでしょう。
8曲目"Feel The Shock Of Something New"(5:30) JANEの歌声の合間に入る唐突的なストリング風のサウンドが印象的な曲です。チェロの調べと美しいハーモニーも心地好いのです。
9曲目"Hanging On To Anything That Moves"(5:32) この曲も心地好いリズムを与えてくれる曲ですね。アフリカ・ラテン系の押し寄せるトランスのリズムに乗せ歌い上げるエモーショナルなJANEの歌声が耳に残ります。
10曲目"It Always Rains On Saturday"(4:34) アルバムの最後は美しいストリングスとアルト・サックスの調べが流れるノスタルジックでセピア色をイメージさせるナンバーの登場です。いつもとは少し違って優しく歌いかけるJANEの歌声とサックスの調べが曲の最後まで流れて行きます。
歌詞無し 写真ライナー U.K.製 (輸入盤) 収録時間:50分32秒 (「鵺が泣く夜は…」の声優さんのインパクトに似たJANEの歌声がこのTHE QUESTIONNAIRESの特徴ですね。次のアルバムも待遠しく感じます)'10年8月19日再更新


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写真  THE QUESTIONS / Belief
 ・1984 RESPOND RECORDS LTD.   A&M AMP-28115
 ・1996 POLYSTAR CO., LTD.   PSCR-5493

LEVEL42の若い子版のような感じです・・・

日本でのオリジナル盤のリリースは、'85年でした。当時のPAUL・WELLERのレスポンド・レーベルから彼らを含む新人達がデビューしています。ベース/ヴォーカルのPAULとバック・ヴォーカルのMAUREENのBARRY兄妹を中心としたTHE QUESTIONSは、LEVEL42の若い子版のような感じだったです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PAUL・BARRY:ベース/ヴォーカル/キーボード、MAUREEN・BARRY:ヴォーカル/ボディー・ポッピング、JOHN・ROBINSON:ギター/ヴォーカル/キーボード、FRANK・MOONEY:ドラム/シモンズ/パーカッションのTHE QUESTIONSの4人の他、HENRY・DEFOE:ギター、STEVE・WHITE:ドラム、JOSEPH・JONE:キーボード、TOBY・CHAPMAN:キーボード/ベース・シンセサイザー、RAY・CARLESS:サックス、BARBARA・SNOW:ブラス、KENNY・WELLINGTON:ブラス、SID・GOULD:ブラス、NAT・AUGUSTIN:トロンボーン、DEREK・HUNTER:プログラミングのイギリスのミュージシャン達です。
尚、プロデュースは、レスポンドのミュージシャン達を担当しているBRIAN・ROBSON、ソウル系のROY・CARTERにTHE QUESTIONSの共同で行われています。

1曲目"Belief"(4:14) ファンキーなリズムとPAULのファルセット・ヴォイスを混じえたいかした曲です。
2曲目"All The Time In The World"(5:04) メンバーのJOHN・ROBINSONのギターが若々しいです。
3曲目"The Bottom Line"(3:13) このアルバムで2番目に好きな曲です。PAULのエモーショナルなヴォーカルが最高です。
4曲目"Month Of Sundays"(3:43) アコースティック・ギターを使った明るくて爽やかな曲です。
5曲目"Someone's Got To Lose"(4:52) ソウルフルな曲となっています。PAULのファンクなベースも巧みです。
6曲目"Body And Soul"(3:15) 若々しさが滲み出た曲になっています。
7曲目"Tuesday Sunshine"(4:01) ベースの旋律が良いです。MAUREENのバック・ヴォーカルがPAULを支えます。
8曲目"December"(4:20) PAULのソウルフルなヴォーカルとエレピがイカス曲です。
9曲目"The Learning Tree"(4:25) 1番好きな曲です。若いのにこのような曲が書けるのですネ。
10曲目"Drop That Burden"(4:34) 当時流行ったファンカ・ラティーナになっています。
11曲目"Everything I See"(5:29) エレクトリック・ポップのリズムにファンクなベースが良いですネ。オリジナル盤は、この曲で幕を閉じます。
12〜19曲目は、CD化による追加トラック (非常に貴重なレア・トラックとライヴ・トラック) です。国内でのリリースは、トラトッリア・レーベルより '96年7月25日です。
12曲目"It's In Me (Demo)"(3:14) 何故かPAUL・WELLER(彼等のボス)のサウンドスタイルと非常に似た曲です。
13曲目"Boys Back Home (Demo)"(2:43) PAULのベースとMAUREENのバック・ヴォーカルを活かした若くてポップな曲です。
14曲目"What Did I Hear You Say (Demo)"(3:29) PAULのファルセット・ヴォイスによる曲でサウンド的には、"Body And Soul" と共通する曲です。
15曲目"Tuesday Sunshine (Demo)"(3:52) アルバム収録曲とさほど変わらない仕上がりです。
16曲目"Drop The Burden (Demo)"(3:20) アルバム収録曲とPAULのキーが違います。
17曲目"Month Of Sundays (Rough)"(3:10) 収録初期は、やはりこんな感じで荒削りでしょうね、これを元に何十回と録音を重ねるのでしょう。
18曲目"Tear Soup (Live)"(4:23) 当時、シングル・カットされた曲のライヴ盤で小さなホールで一発テイクの感じです。
19曲目"Body And Soul (Live)"(3:47) 前の曲と同じようなテイクです。
・全11曲歌詞/訳詞付 LP盤 (国内盤) 収録時間:45分41秒
・11曲迄歌詞/訳詞付 16ページ物ブックレット CD盤 (国内盤) 収録時間:73分49秒 (ファンクでライヴ受けする実力派の彼らも残念ながらこのアルバムのみとなってしまいました)'10年8月19日再更新


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写真  QUIET CORNERS / Closer
 ・2008 vienna2day   CSM Y0812-A06

ダークな色合いのアコースティック・サウンド・・・

このアルバムは、オーストリアのブルゲンランド州でインディペンデント活躍しているQUIET CORNERSの '08年5月30日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。バンドのメンバーは、MANUEL・ZEITLER:ヴォーカル/キーボード/プログラミング、TAMARA・OLORGA(PAPER SOUP):ヴォーカル/ギター、JOHANNES・PAULESCHITZ:ギター/ヴォーカルの3人組です。
彼らは、'96年頃にMANUEL・ZEITLERを中心としたQUIET CORNERSの前身バンドFALLからSENへとメンバーとサウンドを変えながら今日に至っています。
尚、MANUEL・ZEITLERは、'02年にSEN名義でもEP盤をリリースしています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、QUIET CORNERSの3人の他、8曲目のみKERSTIN・STEINER(SKYSIDE):バック・ヴォーカルが参加しています。

1曲目"Perfect Day"(5:13) ゆったりと奏でられるピアノの調べとリヴァーブ掛かったギターの調べが心地好く響く曲です。MANUELの歌声の途中から登場するTAMARAの美しい歌声で、聴く者を一気に惹き付けるのではないでしょうか...。
2曲目"Stupid Men Won't Learn"(6:22) イントロの繊細なメロディとサウンドから聴き入ってしまった曲です。アコースティック・ギターの心地好い調べと低いキーで歌うMANUELの優しい歌声が響く6分を超える収録です。
3曲目"Everyone"(4:50) メランコリックなギターの調べとMANUELの歌声が響くスローな曲です。曲の最後は、TAMARAのアカペラで締め括られます。
4曲目"Waiting For The Saint"(4:24) ちょうどこの曲を聴いていてスウェーデンで活躍しているSHOOTING JOHNのPEDER・GRAVLUNDとHELENA・ARLOCKとの音楽上の関係と共通したところを感じましたね。哀愁のあるMANUELの朴訥とした歌い口とTAMARAのクリアな歌声との絡みです。
5曲目"Look Over Hills"(6:02) メランコリックな調べを奏でるキーボードと打ち込みによるビートが慎ましやかに流れるスローな曲です。ヴォーカルをシェアしながら登場するTAMARAの強気の歌声とMANUELとの歌声の相性が興味深いですね。間奏で流れるJOHANNESのギター・サウンドも痺れますね。
6曲目"Eyes Empty"(5:41) ゆったりと奏でられるギターとキーボードの調べに合わせて歌うMANUELの訥々とした歌声と低いストリングスの調べが響いて来ます。
7曲目"Closer"(5:13) 私をこのQUIET CORNERSの音楽に惹き付けた曲です。イントロで流れるスラーを使った特徴的なギターのフレーズが耳に残ります。ダークな色合いのアコースティック・サウンドに3人の持ち味が非常に上手くブレンドされていて、間奏のJOHANNESのE-Bowがまた切なく響いているのです。
8曲目"Time I Used To Give My Watch"(6:46) ダークなサウンドにシンプルなビートの刻みによるMANUELのほぼアカペラに近い前半から女性ヴォーカルによるスポーケンがバックに流れるシュゲイザー調の曲です。この曲のみバック・ヴォーカル/スポーケンに先に紹介したSENのKERSTIN・STEINERが参加しています。
9曲目"Lose Your Face"(5:01) 少しテンポを上げて来たアコースティック・ギターのサウンドが広がるフォーク・ロック・スタイルの曲ですね。空間を持ったピアノの調べとTAMARAとMANUELとの美しいハーモニーが堪りません。
10曲目"Whenever"(4:39) JOHANNESがE-Bowによるギター・サウンドを駆使したオルタナティヴ・フォークな曲です。バックの楽器構成もシンプルにし、MANUELのメランコリックな歌声を伝えて来ています。
11曲目"Alone Trees Child"(6:54) イントロから太く響くギターの調べとゆっくりと歌い出すMANUELの悩める歌声が響くダークな色合いのアコースティック・サウンドの曲です。循環コードによるシンプルなメロディとリフレインによる比較的分かりやすい前半から不協和音によるブルーな色合いに展開させています。
12曲目"Flown Away"(5:18) 今度は、牧歌的なサウンドのフォーク・スタイルの曲です。部分的にアカペラに近いヴォーカル・パートにTAMARAのハーモニーとJOHANNESのバックワード・ギターが心地好く広がります。
13曲目"Keeping The Silence"(5:29) アンビエント系のサウンドによるキーボードの調べによるリフレインによる曲名が示す通りのインストゥルメンタルです。
歌詞無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:71分58秒 (ぱっと聴きは非常に地味なアルバムのような気がしましたが、大半の曲が5分を超える全13曲1時間12分のアコースティック・サウンドを聴けば聴くほど味わいが伝わってきます)'10年8月19日再更新


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写真  QUIET HOUSES / Carried Away
 ・2025 LAB Records, Ltd   

結構、好きです(笑)・・・

このアルバムは、イギリスのエジンバラで活躍しているオルタナティヴ/フォーク・ポップ・デュオQUIET HOUSESの3枚目(5曲以上のEP盤にてカウント)のアルバムで '25年1月3日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、詳しいクレジット記載が無いのですが、QUIET HOUSESのHANNAH・ELLIOTT:ヴォーカル/ギター/マルチインストゥルメンツ、JAMIE・STEWART:バック・ヴォーカル/ギター/マルチインストゥルメンツの2人と思われます。

1曲目"What My Heart Is For"(3:41) '24年10月11日に3曲EP盤としてリリースされていた曲です。21年のデビュー当時より、フォーク調のシンプルなサウンドから、よりオルタナティヴでダイナミックになった感のする曲です。どこと無くスコットランドのミュージシャンらしい地元の伝統音楽からの流れを汲んでいるようです。ビデオの方もどうぞ。
2曲目"New Obsession"(3:56) この曲も '24年10月11日に3曲EP盤としてリリースされていた曲です。このリズミカルな流れが好いですね。この曲もフォーク調から抜け出した感のあるポップ調のサウンドが、非常にHANNAH・ELLIOTTのキャラを表現しているようです。ポップなビデオもどうぞ。
3曲目"Carried Away"(3:16) 新曲を追加してからのアルバム・タイトル曲です。美しいアコースティック・ギターの柔らかい音色と穏やかな旋律が繊細に響いています。JAMIE・STEWARTの奏でるタッピングによるギターの調べが耳に優しく響きます。
4曲目"Facts And Figures"(3:36) 訥々と歌うHANNAHの歌声のバックに響く厳かなハモンドの調べが美しい曲です。この曲では、JAMIEもバックで優しい歌声を聴かせます。3曲EP盤だった時より随分印象が変わってきましたね。
5曲目"Call You Later"(3:45) この曲も '24年10月11日に3曲EP盤としてリリースされていた曲です。この曲のイントロから響くキラキラしたサウンドに惹かれて前回ダウンロード購入したのです。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:18分14秒 (この盤の3曲は、去年の10月にダウンロード購入していたのですが、3曲だった為、H.P.でアップしていませんでした。これを機会にじっくりと聴いてみて好い感じでしたね!)'25年1月4日更新


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写真  THE RAILWAY CHILDREN / Reunion Wilderness
 ・1987 Factory Records   FAC185
 ・2001 Ether Records   ETH2CD

遅れて来たネオ・アコ・バンド・・・

マンチェスター出身のTHE RAILWAY CHILDREN '87年11月に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。メンバーは、GUY・KEEGAN:ドラム、GARY・NEWBY:リード・ギター/ヴォーカル、BRIAN・BATEMAN:リズム・ギター、STEPHEN・HULL:ベースの4人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、THE RAILWAY CHILDRENの4人の他、CHRIS・MANIS:パーカッションが参加しています。
尚、このアルバムは、GARYが主宰のインディーズ・レーベルEther Recordsより '01年に再発売された盤です。

1曲目"Another Town"(2:56) ギターのサウンドたっぷりな出だしと心地好いパーカッションのビートによるブリティシュ・テイスト溢れるネオ・アコと呼べる曲です。GARYの少し青臭い歌声と"リッケンバッカー?" のサウンドが耳に残る曲です。
2曲目"First Notebook"(3:57) 低いキーではCrepusculeレーベルのPAUL・HAIGを彷彿とさせるようなGARYの歌声と高音ではTHE PALE FOUNTAINSのMICHAEL・HEADの歌声にも似たGARYの歌声によるミドル・テンポのナンバーです。
3曲目"Railroad Side"(3:18) 明るいサウンドとメロディによる若さと初々しさの溢れるGARYの歌声によるポップな曲です。太く鳴るSTEPHENのベースのサウンドとGUYの力強いドラムのビートが心地好いです。
4曲目"Careful"(3:51) ギミックなサビのメロディとシンプルな演奏によるデビューしたてのバンドらしい楽器構成とサウンドによる初々しいナンバーです。
5曲目"Brighter"(4:53) このアルバムからのシングル第2弾の曲で当時のヒットとなっています。スリリングな響きのイントロから聴かせるキラー・チューンです。やはりこのビートとサウンドはTHE PALE FOUNTAINSの流れを汲んでいます。この曲でもSTEPHENのベース・ランニングは必聴です。
6曲目"Big Hands Of Freedom"(3:58) 一転して切ない響きによるメランコリックでスローなナンバーです。ゆったりと弾くSTEPHENのベースのサウンドと煌びやかキーボード(ハイ・ストリングス・ギター?) のサウンドが堪りません。
7曲目"Listen On"(2:57) エモーショナルなギターの調べとドラムのビートによるギターのサウンドをたっぷり含んだ曲です。GARYのヴォーカルを中心に4人の演奏がまとまったエモ・ギター・ロックでしょうか。
8曲目"Gentle Sound"(3:15) デビュー・シングルになった曲です。やはりキャッチーなイントロと乗りの好いビートは聴かせどころを持っています。間奏のギターのサウンドとエコーを効かせたGARYの歌声が印象的な曲です。
9曲目"History Burns"(3:21) アコースティック・ギターのサウンドと鋭く響くエレクトロリック・ギターのハイコードによるカッティング・サウンドは100 HAIRCUTS にも通じるサウンドです。
10曲目"Content"(3:48) CD化によるボーナス・トラックです。メジャー7thの美しいコードを多用したメランコリックなナンバーです。他のメンバーの演奏が収録されていないようなので多分、GARYがこのアルバムを再発させる為に収録した曲です。
11曲目"Darkness & Colour"(2:42) この曲もCD化によるボーナス・トラックでGARYの手持ちトラックまたは再収録トラックと思います。エコーを抑えた60年代のシンプルに響くアコースティック・ギターのサウンドによるGARYの弾き語りです。アクセント的に入れられた12弦ギターのサウンドからもあの60年代のバンドを想像させます。
全11歌詞付 写真ライナー付き U.K.盤 (輸入盤) 収録時間:39分01秒 ('87年と言えばAZTEC CAMERAは3枚目のアルバム[Love]、THE PALE FOUNTAINSは解散し、既にSHACKとして活動再開していました。GARY・NEWBYも、もう少し早くデビューしていればどうなっていたでしょう?しかし、このアルバムからの数曲は当時のU.K.インディーズ・チャートで上位に位置していました)'10年8月20日再更新


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写真  THE RAILWAY CHILDREN / Recurrence
 ・1988 Virgin Records America Inc.   7 90930-2

現在は東京で活躍しています・・・

このアルバムは、マンチェスター(ウィガン)出身のGARY・NEWBY率いる4ピース・バンドのTHE RAILWAY CHILDRENのセカンド・アルバムで '88年のリリースです。THE RAILWAY CHILDRENのメンバーは、GARY・NEWBY:ヴォーカル/リード・ギター、BRIAN・BATEMAN:ギター、STEPHEN・HULL:ベース、GUY・KEEGAN:ドラムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、THE RAILWAY CHILDRENの4人の他、JAMES・COMPTON:キーボード、BRUCE・LAMPCOV:ハーモニカ/プロデュース、JAMIE・LANE:キーボード/チャイム/プロデュースが参加しています。
プロデュースは、先に記したBRUCE・LAMPCOV(SIMPLE MINDS,DUFFY)、JAMIE・LANE(MICRODISNEY,HOT HOUSE)が担当しています。

1曲目"Somewhere South"(3:34) ギターのサウンドたっぷりの出だしから爽やかなサウンドのアップテンポのナンバーです。STEPHENのベースのサウンドも非常に頼もしい感じがします。
2曲目"A Pleasure"(4:19) この曲のイントロのギターのサウンドは、硬質な歯切れの良さが非常に大好きです。このアルバムが発売された頃は、よくTHE SMITHと比較されたこのバンドですが、やはりギターの残響感はJOHNNY・MARRに近いようです。
3曲目"Swallowed"(3:39) エモーショナルなギターサウンドのパワード・ポップです。力強いドラムのビートとGARY の歌声と曲は初期のT.F.F.のROLAND・ORZABALのヴォーカルとサウンドに近い曲調のようです。
4曲目"Merciless"(3:04) この曲もTHE SMITHのサウンド・スタイルに近い曲です。さり気なく鳴らされるハーモニカのサウンドと躍動感のあるドラムのビートによるギター・ポップスです。
5曲目"My World"(3:22) スリリングな響きのギターとベースのサウンドによるアップテンポな曲です。煌びやかに響くギターのサウンドとドライヴ感のあるベースのサウンドによる曲です。
6曲目"In The Meantime"(3:48) この曲も煌びやかに響くギターのサウンドによるミドル・テンポのナンバーです。セルフ・ハーモニをつけたコーラスとエコーの非常に効いたギターのサウンドが印象的です。
7曲目"Over And Over"(4:04) 爽やかなサウンドの曲です。エヴァーグリーン的なギターのサウンドの曲でしょうか。幾十にも響くギターのサウンドとしっかりと響くベースのサウンドによるギター・ポップスです。
8曲目"Monica's Light"(3:46) 今でもこの曲が大好きです!この曲もギターのサウンドが心地良いのです。"リッケン" 特有の金属音の響きとハンマリングの効いたベースのサウンドによるブリティシュらしいサウンドの曲です。'02年にGARYは、この曲のアコースティック・バージョンも再収録しています。
9曲目"Chrysalis"(4:28) GARYの少し気だるさを感じさせる歌声による曲で、SIMPLE MINDSとかDEPECHE MODEのような英国のバンドの持つ独特の"気だるさ" を感じさせる曲です。
10曲目"No Great Objections"(4:31) エコーを効かせた金属音のするギターのサウンドによるミドル・テンポのナンバーです。この曲もSTEPHENのベースのサウンドが非常に効いた曲となっています。
歌詞無し 写真ブックレット U.S.盤 (輸入盤) 収録時間:38分40秒 (GARY・NEWBYは、現在 日本人の奥さん(HIROMIさん)と娘さんと共に東京に住んでいて、日本のアイドル歌手の為に曲を提供したりアニメの音楽の作曲などの活動をしています)'10年8月20日再更新


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写真  THE RAILWAY CHILDREN / Native Place
 ・1990 Virgin Records America Inc.   91358-2

リッケンバッカーの美しい響き・・・

LLOYD・COLEと全英ツアーなど一緒に行っていたマンチェスター出身のロック・バンドTHE RAILWAY CHILDRENの3枚目のアルバムで '90年のリリースです。今回もジャケットで登場しているリッケンバッカーが良く響いたアルバムとなっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GARY・NEWBY:ヴォーカル/リード・ギター/キーボード/プロデュース、BRIAN・BATEMAN:ギター、STEPHEN・HULL:ベース、GUY・KEEGAN:ドラム/パーカッションの4人の他、MATT・IRVING:アコーディオン/キーボード、MATTHEW・TAYLOR:サックスが参加しています。
尚、プロデュースは、STEVE・LOVELL(BLUR,JULIAN COPE)、STEVE・POWERとGARYが曲に担当しています。

1曲目"Every Beat Of The Heart"(4:08) 明るいサウンドとポップなリズムによる若さ溢れるギターのサウンドによる曲で、全英ポップ部門20位をマークした曲です。
2曲目"Music Stop"(4:00) 煌びやかエレクトロニカのサウンドと躍動的に弾むリズムによる曲です。当時の流行ったU.K.のサウンドを非常に表しています。
3曲目"You're Young"(4:31) 掻き鳴らされギターサウンドとバックで鳴る"クール" なベースのサウンドです。ハイコードでのギターの響きと繰り返されるメロディによるエモ・ギター・ポップです。
4曲目"Because"(4:44) 躍動感のあるリズムとエコーの効いた"リッケン"のご機嫌なサウンドによる曲です。ギターのサウンドにユニゾンで吹かれているのはピッコロでしょうか、アウトロで奏でられるドライヴ感のあるギターもご機嫌です。
5曲目"Cotton Counting"(1:58) 今度はアコースティック・ギターで奏でられるブリテイシュテイスト溢れる2分程度の曲です。GARYのやや熱いヴォーカルが印象に残ります。
6曲目"It's Heaven"(3:33) エモ・ポップなギターのサウンドと叩き付けるドラムのビートによるブリット・ロックです。煌びやかサウンドのキーボードを巧みに取入れています。
7曲目"Something So Good"(4:14) 乗りの好いドラムのビートと若さ溢れるGARYの歌声でのこの曲は、太陽の下で聴きたくなります。折入る鍵盤ハーモニカのサウンドが心地良い響きです。
8曲目"Collide"(4:16) ハイフレットで奏でられる"リッケン" の響きとアコーディオンかオルガンのサウンドが非常にブリティシュらしさを感じます。
9曲目"Native Place"(3:53) 牧歌的な響きを持ったメロディとギターのサウンドがする曲。メロディアスなピアノの調べとこだまする"リッケン"はやはりご機嫌です。
10曲目"Fall On"(1:27) アコースティック・ギターの美しい響きとエコーを効かせたGARYの歌声による1分半程度の小さな曲です。
11曲目"Harbour Force"(3:58) アップテンポなギター・ポップです。12弦と6弦の"リッケン"の協奏曲を乗りの好いリズムとタイトなビートで奏でています。
12曲目"Blue Sky"(4:05) 前のアルバムにも書いたのですが、GARYのヴォーカルを聴いていてやはりこの曲でもT.F.F.のROLAND・ORZABALのことを思い出しました。明るいサウンドとビートの効いたギター・ポップです。
全12曲歌詞付 写真ブックレット U.S.盤 (輸入盤) 収録時間:44分52秒 (GARY・NEWBYは、今もインディーズで活躍しTHE RAILWAY CHILDREN時代の曲をアップデートしたアルバムをリリースしています)'10年8月20日再更新


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写真  RANDI LAUBEK / Ducks And Drakes
 ・1997 EMI-Medley. Denmark   TOCP-50267

残念ながら彼女のアルバムは日本でこれのみ・・・

デンマークの歌姫RANDI・LAUBEKの '97年8月8日に国内でリリースされたデビュー・アルバムです。プロデューサー(OLE・HANSEN,ASKE・JACOBY,ANDERS・P.JENSEN)の違いによる緻密なサウンドなポップとお洒落でフォーキーな曲を楽しめる1枚になっています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RANDI・LAUBEK:ヴォーカルの他、OLE・HANSEN:キーボード/サンプル/プログラミング/ストリングス・アレンジ/指揮/プロデュース、ASKE・JACOBY:ギター/プロデュース、STAFFAN・ASTNER:ギター、JENS・RUNGE:ギター、ANDERS・P.JENSEN:キーボード/ベース/プロデュース、JESPER・NORDENSTRÖM:キーボード、KENNETH・KNUDSEN:キーボード、NIELS・DAVIDSEN:アップライト・ベース、SVEN・LINDVALL:ベース、ANDREAS・UNGE:ベース、ASSI・ROAR:ベース、PER・LINDVALL:ドラム、JONAS・JOHANSEN:ドラム、KLAUS・MENZER:ドラム、JACOB・ANDERSEN(SNEAKERS):パーカッション、FLEMMING・AGERSSKOV:トランペット/フリューゲルフォン/ホーン・アレンジ、HANS・ULRIK:ソプラノ・サックス、GABRIELLA・BERGMAN:バスーン、SARA・WALLEVIK:ヴァオリン、ANNA・GWOZDZ:ヴァオリン、LOTTE・WALLEVIK:ヴィオラ、HENRIK・BRENDSTRUP:チェロ、BOBO・MORENO:バック・ヴォーカルのデンマークとスウェーデンのミュージシャン達が参加しています。
尚、このアルバムに収録されている曲のほとんどは、彼女の手によって書かれています。

1曲目"Madness Sadness"(3:36) 幻想的なビデオ・クリップになった北欧らしい清涼感のある曲です。薄らとドラム"ン" ベースを使った手法にストリングスの使い方にOLE・HANSENの辣腕ぶりが窺えます。尚、この曲がRANDIの歌声に初めて出会った曲でもあります。
2曲目"Tapestry Of Fire"(4:03) アコースティック・ギターのリズムにRANDIの独特なヴォーカルに痺れます。彼女本来のオリジナル(作曲時)ではこのような曲風ではないのでしょうか。この曲のプロデューサーASKE・JACOBYが彼女らしさを最大限に表現したように思えます。
3曲目"Cunningly Concealed"(4:22) 再びOLE・HANSENのプロデュース曲の登場です。この曲でも非常にスピーディーなドラム"ン" ベースのサウンドがバックに流れているのですが、それとは非常に対照的な非常に美しく穏やかないストリングスの調べとの調和が見事な組合せを感じさせるアレンジに脱帽です。
4曲目"Fairytales"(4:08) フォーキーな曲ですが、流石にデンマーク(リズム隊はスウェーデン)ならではのお洒落な曲になっています。次第に都会的なジャジーな流れとサウンドへと自然に突き進んで行くのです。
5曲目"The Promise"(4:25) キーボードの調べが悲しみを誘うようにRANDIのヴォーカルも切ないです。プロデューサーANDERS・P.JENSENの揺らぎを持ったキーボードの調べに会わせてゆったりと歌うRANDIのその歌声に聴き入りますね。
6曲目"You Changed Direction"(3:50) バック・ヴォーカルBOBO・MORENOの優しい歌声と美しいRANDIの歌声とのハーモニーが見事な落着いた曲です。また間奏で登場するバスーンの音色もどことなく中世ヨーロッパの雰囲気を醸し出しています。
7曲目"Don't You Ever Wonder"(4:47) プロデュースのASKE・JACOBYがギタリスト出身なのでこの曲も彼自身の奏でるアコースティック・ギターのサウンドが非常に効果的に使われています。後半からエレクトリック・ギターもスピーディに奏でられRANDIの歌声も自然とと熱くなって行きます。
8曲目"New Beginning"(3:30) このドラマチックな響きを持つベース(SVEN・LINDVALL)のサウンドが堪らない曲です。ここ曲でも後半からアグレッシヴに歌うRANDIと歌声とバックの演奏の白熱した演奏は本当に圧巻です。
9曲目"Peace Of Mind"(5:11) 前の曲が終わってから急にこの曲に入るところも見事なアレンジを感じます。演奏にOLE・HANSENが参加したASKE・JACOBYのプロデュース曲が何とも頬笑ましい感じですが、この曲のバック陣のシンプルな楽器構成ながら随所に渋い!と思わせる演奏も見事です。
10曲目"Wishful Thinking"(6:57) イントロのアコースティック・ギターの音色からエレクトリック・ギターのエッジの効いたサウンドの移行するところからノックダウンさせられた曲です。芸術的な曲の展開とサンタナばりに泣きギターを聴かせるSTAFFAN・ASTNER(BRONK)ギター・ソロが圧巻です。
11曲目"Get Here(ボーナス・トラック)"(4:30) キーボードとギターとRANDIのヴォーカルだけのシンプルな曲です。揺らぎを持たせたキーボードのゆったりとした流れがRANDIの歌声と共に広がっています。
全11曲歌詞/訳詞付 24ページ物豪華ブックレット (国内盤) 収録時間:49分29秒 (残念ながら彼女のアルバムは、日本でこの1枚のみのリリース、次からの作品は、本国のみのリリースです)'10年8月23日再更新
1997年度ベスト5


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写真  RANDI LAUBEK / Almost Graceful
 ・2000 EMI-Medley. Denmark   EMI 5282622

本国デンマークでしかリリースされていない・・・

'97年にデビューしたデンマークのRANDI・LAUBEKの2枚目のアルバムで2000年のリリースです。前作は、国内盤も制作され日本に紹介されたのですが、このアルバムを含めて日本に紹介どころか購入先もデンマークと北欧の一部のみの販売です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RANDI・LAUBEK:ヴォーカル/副プロデュースの他、ANDERS・P.JENSEN:キーボード/ベース/プログラミング/プロデュース、JONAS・KREG:ギター/バンジョー、GUSTAF・LJUNGGREN:ペダル・スティール/マンドリン/マンドーラ/フルート/ヴァイオリン/シタール、THORBJØRN・APPEHL:ベース、OLLE・LINDER:ドラム/ギター、EMIL・DE・WAAL:ドラム、JAKOB・ANDRSEN:パーカッション、LOUISE・WORN:フルート、MIKKEL・NORDSØ:ギター/シタール、OLE・THEILL:タブラ、HELEN・DAVIES:ハープ、LASSE・BENDSEN:フレンチホーン、OLA・NILLSON:フレンチホーン、JONAS・LINDSTRÖM:フレンチホーン、THOMAS・JENSEN:トランペット/フリューゲルフォン、MICHAEL・FRANK:トランペット/フリューゲルフォン、BRIAN・BINDNER:トロンボーン、KASPAR・THAARUP:トロンボーン、LEE・MORGAN:クラリネット、JOAKIN・DAM・THOMSEN:オーボエ、JENS・BJØRN・LARSEN:チューバ、TOBIAS・DURHOLM:ヴァイオリン、PER・LUND・MADSEN:ヴァイオリン、ANNE・EGENDAL:ヴァイオリン、INGE・HUSTED・ANDERSEN:ヴァイオリン、FLEMMING・ANDERSEN:ヴァイオリン、ANNA・GWOZDZ:ヴァイオリン、LOTTE・WALLEVIK:ヴィオラ、SUNE・RANMO:ヴィオラ、HENRIK・DAM・THOMSEN:チェロ、EUGENE・HYE−KNUDSEN:チェロ、NINA・REINTOFT:チェロ、KALINA・GOUDEVA:ベース、PER・EKDAHL:指揮、SHARIN・FOO:バック・ヴォーカルなどROYAL STRING QUARTET COPENHAGENのメンバーも参加しています。

1曲目"Midsummer Flu"(4:36) 煌びやかなイントロのリズムとストリングスの豪華なサウンドによる曲で前の作品[Ducks And Drakes] の楽曲に近い曲です。余談ですが、デンマークのオーディオメーカーB & O(Bang & Olufsen)の非売品CD "Active Listening II" のトップを飾っている曲です。
2曲目"To Want You"(4:58) スローなリズムによる幻想的なメロディによる曲です。RANDIの透明感の歌声をドラマ仕立てのようなアレンジで聴かせています。
3曲目"Evolution"(4:17) テンポの良い明るいサウンドのポップな曲です。自身の夢を綴った歌詞の内容となっています。アルバムのタイトルの[Almost Graceful]も詞の一部として登場しています。
4曲目"Kereelia Lake"(5:53) バンジョーとペダル・スティール・ギターによるウエスタン・サウンドを意識した曲ですが、何故が土臭く無くお洒落なサウンドです。ライヴでの演奏に向いた曲作りと思います。
5曲目"Rely"(6:00) トロピカルなサウンドを醸し出すギターのサウンドとゆったりしたリズムによる曲ですが、途中からの美しいストリングスによるRANDIの伸びやかに美しく響く歌声をバックアップした演出です。
6曲目"Airworthy"(4:42) RANDIのアコースティック・ギターによる弾き語りをイントロに配した曲です。シンプルなサウンドでの叙情的なフォーキーな曲です。
7曲目"Pendulum"(5:19) ボサ・ノヴァのリズムに透明感のあるストリングスを被せた曲です。多重によるセルフ・コーラスを付けた心地好い曲です乗り。
8曲目"Didn't You Love Me?"(3:45) 非常に美しいハープの音色とクラリネットの調べによる荘厳な曲です。RANDIの歌声とシンフォニーによる戯曲のような感じでしょうか。
9曲目"The Question"(5:13) この曲もストリングスを使ったスリリングなメロディと物々しさを醸しだした映画音楽的なアレンジによるメリハリを付けたサウンドの曲です。
10曲目"Night Bride"(4:42) 前の曲から自然に続くようになった導入部のような感じの曲です。溜めを取った歌い方と悲しい響きを持ったアコーディオンのサウンドは非常にヨーロッパの香りのする曲です。
全10曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:49分31秒 (アルバムの曲の殆どを作詞/作曲するRANDI、各アルバムをリリース後も精力的にステージ活動を行いデンマークでは人気のあるアーティストの1人です)'10年8月23日再更新


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写真  RANDI LAUBEK / The Wedding Of All Things
 ・2003 Medley Records Denmark   EMI 5813112

ゴージャスなサウンドによるグルーヴ感・・・

このアルバムは、デンマークで活躍するRANDI・LAUBEKの3枚目のアルバムで、前作の[Almost Gracefully]では彼女の持つフォーク・スタイルを出した小振りな作品でのアルバムだったのですが、今回の作品はゴージャスなサウンドによるグルーヴ感を感じるアルバムです。ただ、残念ながら '03年1月3日にデンマークとフランスの一部のみでの発売です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RANDI・LAUBEK:ヴォーカル/ドラム・プログラミング/プロデュースの他、ANDERS・P.JENSEN:キーボード/ベース/プログラミング、GUSTAF・LJUNGGREN:ペダル・スティール/サックス/トランぺット/フルート、JONAS・KRAG:ギター/キーボード/ベース/ラップ・スティール/マンドギター/シタール/プログラミング/サンプル/プロデュース、JAMEY・JAZ:ギター/フェンダー・ローズ/プロデュース、THORBJØRN・APPEHL:ベース、EMIL・DE・WAAL:ドラム、WALLY・GAGLE:サンプル、PER・EKDAHL:指揮、ANTON・LASINE:ヴァイオリン、HELLE・HANSKOV・PALM:ヴァイオリン、DMITRI・GOLOVANAV:ヴィオラ、HENRIK・BRENDSTUP:チェロ、LASSE・MAURITZEN:フレンチホーン、JASPER・NORDIN:フレンチフォン、ANDERS・VON・HOFSTEN:バック・ヴォーカル、PHONA・BENNETT:バック・ヴォーカルの前作の収録にも参加していたミュージシャンが参加しています。

1曲目"In Port Prelude"(1:05) 静寂の中から登場するシンセサイザーの荘厳でまた、幻想なサウンドによるインストゥルメンタルで、次の曲のイントロ的に配されています。
2曲目"In Port"(4:45) Drum'n'Bassのサウンドをタップリと取り入れたゴージャスで乗りの好いビートによる曲で意外な転調と凝ったアレンジの連続です。1枚目の[Ducks And Drakes]でのサウンドから続く彼女らしい"RANDI節" が流れて来ます。
3曲目"Leave It All Behind"(4:26) ミドル・テンポのビートの曲で、生楽器の構成と打ち込みのサウンドとを上手く組み合わせた心地好いグルーヴ感がノルウェーのD'SOUNDのサウンド・スタイルに似た曲です。
4曲目"Cherries Suit Fairies"(3:54) この曲はポップなサウンドでアメリカのポップ/フォークを意識した曲でアコースティック・ギターのサウンドにスライド・ギターによる曲で土臭さを極力押さえたお洒落なノルディク調のアレンジは流石です。
5曲目"Sound Of Clouds"(4:40) この曲も前出のD'SOUNDのサウンドスタイルに似た曲でRANDIの過去の作品ではあまり見られなかった非常にデフォルメされたDrum'n'Bassのサウンドを取り入れた曲です。エレクトロニカとペダル・スティールの意外なサウンドの組み合わせが興味深いです。
6曲目"Easy It Ain't"(3:38) クラヴィネットのサウンドを主体とした北欧ならではの透明感と清涼感溢れるシンプルな曲です。彼女自身のバックコーラスも非常に美しい響きを持っています。
7曲目"Kiss Of Destiny"(3:41) アメリカの女性シンガーが好んで歌う最近のサウンドでの曲です。RANDIもエモーショナルでポップな響きの嬉しそうな歌声がします。
8曲目"Thin Ice"(3:07) WESTLIFEに曲を提供しているANDERS・VON・HOFSTENをヴォーカルに迎えた曲で、アコースティック・ギターのサウンドによる爽やかなポップ調の曲です。
9曲目"Lodestarlodestone"(4:36) ストリングスの美しい響きによるイントロとRANDIの清らかな響きによる歌声による曲でダイナミックな展開とバツクで流れるペダル・スティールのサウンドが印象に残ります。
10曲目"Quasarpulsar"(4:11) タップリと響くシンセ・ベースのサウンドによる曲で、低く響くサウンドと対照的なRANDIの甘く美しい響きの歌声にヨーロッパ・サウンドの醍醐味を味わえる曲です。
11曲目"The Wedding Of All Things"(4:10) アメリカの牧歌的なサウンドと巧みなスクラッチを取り入れたオルタナティヴ・サウンドと新しい流れを取り入れた意欲作です。RANDIのアルバム全体に言えるのですが、フォーク調の土臭さを控えたサウンドは絶妙です。
12曲目"You Are"(5:05) ポップな組曲的な曲で過去の作品に無かった手法の曲です。スタンダード的なジャジーな部分とキュートなポップ・サウンドのコラボーレーションです。
13曲目"Free"(4:56) 煌びやかに響きによるアコースティック・ギターのサウンドによる少し悲しさを誘うメロディとRANDIの歌声によるシンプルな曲でアルバムは幕を閉じます。
12曲歌詞付 16ページ物(1ページブランク)写真ブックレット CCCD仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:52分19秒 (ほとんどの曲を彼女自身の手で書かれた素晴らしい作品をデンマークから彼女は届けています!)'10年8月23日再更新


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写真  RANDI LAUBEK / Figures Of Eight
 ・2005 EMI Music Denmark   EMI 3427292

RANDI・LAUBEKの最新盤がデンマークから届きました・・・

デンマークの歌姫(勝手に私が呼んでいるだけですが)RANDI・LAUBEKの4枚目のアルバムで(彼女のアルバムは2年に1枚の割合でコンスタントにリリースされています)'05年の10/17に本国デンマークで発売されました。1曲のみ共作でその他曲は彼女の手によって書かれています。相変わらず素晴らしいアルバムを作っている彼女ですが、今作は収録時間が少し短いような。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RANDI・LAUBEK:ヴォーカル/ギター/パーカッションの他、BOI・HOLM:ギター/ベース/ドラム/パーカッション/シンセサイザー/ラップ・スティール/プロデュース、GUSTAF・LJUNGGREN:ギター/マンドリン/ベース/ペダル・スティール/ラップ・スティール、TYRONE・L:ギター、THORBJØRN・APPEHL:アップライト・ベース/フレットレス・ベース、ANDERS・P・JENSEN:キーボード/ギター/シンセサイザー/ホーン・アレンジ、EMIL・DE・WAAL:ドラム/パーカッション/ホイッスル、FRIDOLIN・NORDSØ:ドラム/パーカッション、LASSE・MAURITZEN:フレンチホーン、THOMAS・DYBDAHL:ハンドクラップ、KÄRE・MUNKHOLM:ハンドクラップのデンマークとスウェーデンのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデューサーは、RANDIとデンマークのロック歌手JANES・REJOICEのアルバムを手掛けたBOI・HOLMが担当しています。

1曲目"What You Feel Like"(3:11) ウーリッツァー・ピアノかハモンド?のジャジーなメロディによるイントロに続いて登場するRANDIの少し吐息混じりの歌声と"溜め" を持たせたサウンドの流れに合わせた彼女のソウルフルなヴォーカルによる曲です。
2曲目"Moon Soul"(4:33) 彼女の弾くアコースティック・ギターをサポートする形で演奏されるミドル・テンポのギター・ポップな曲です。
3曲目"Still Have A Crush"(3:40) 前半は彼女の弾き語りでシンプルにイントロで次第にエモーショナルに彼女のヴォーカルが変化して行きます。
4曲目"Just A Phase"(3:48) JAMEY・JAZ(ブラック・ミュージック関係のプロデューサー)との共作でリズム&ブルースとアーバン・ソウルの融合したサウンドの曲で、牧歌的なスティール・ギターのサウンドにCORNEL・DUPREE風のギター・ソロが重なりあったお洒落な曲です。
5曲目"Does It Even Matter"(4:32) 1枚目でのサウンドから続く彼女らしい少しフォーキーなアコースティック・ギターのリズムによる"Madness Sadness" に似た感じ思わせる曲です。
6曲目"My King Has Come"(2:43) フレンチホルンの美しい響きによるイントロとフェンダーローズの少し物悲しい音色による北欧ならではの清涼感溢れるシンプルな曲です。
7曲目"Only Rain"(4:13) アコースティック・ギターとファンクなムーグでのゆったりとしたリズムによる少しブラック・コンテンポラリー・ソウル風の曲です。彼女自身のセルフ・ハーモニーの付け方もソウルっぽいです。
8曲目"It's Not The Same"(4:34) ジャズ・ヴォーカルのスタイルをかなり意識した作品でトレンドの女性ヴォーカリストによるジャズ・フレイヴァーな曲のアレンジでしょうか。
9曲目"River Black"(3:51) アップテンポな曲ですが、エモーショナルにはしらず抑えた感じの曲であくまでカントリー・タッチにさらっと仕上げています。
10曲目"Steps Of The Stairs"(3:55) ソウルフルでメロウなRANDIのヴォーカルを前面に出したスローな曲で、この曲もブラック・コンテンポラリーの影響を受けたと思われる彼女の作詞/作曲です。
全10曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット CCCD仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:39分15秒 (2005年のCD通算購入枚数100枚目のアルバムはデンマークから届いたこのアルバムです)'10年8月24日再更新


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写真  RANDI LAUBEK / Sun Quakes
 ・2009 Sony Music Entertainment Denmark A/S   8 86975 77062 5

レーベルが変わりましたね・・・

このアルバムは、デンマークで活躍しているS.S.W.RANDI・LAUBEKの '09年9月に本国でリリースされた5枚目のアルバムです。
今回のアルバムは、長年所属していたEMI Music Denmarkを離れ、Columbia/Sony Music Entertainment Denmarkからリリースされています。
このアルバムの集録に参加しているミュージシャンは、RANDI・LAUBEK:ヴォーカル/ギターの他、JANO・RIX:ドラム、PER・EKDAHL:ドラム/パーカッション、EMIL・DE・WAAL:ドラム/パーカッション、GUSTAF・LJUNGGREN:ギター/マンドリン/ペダル・スティール/バンジョー/クラリネット/フルート、THORBJØRN・APPEHL:アップライト・ベース、WINSTON・HARRISON:ベース、ANDERS・P・JENSEN:キーボード/グロッケンシュピール/ギター、LIS・WESSBERG:トロンボーン、ANTON・LASINE:ヴァイオリン、ANNE・LINDESKOV:ヴィオラ、HANNA・HAJSLUND・HANSEN:ヴァイオリン、JULIANE・V・HAHN:チェロのデンマーク、ドイツ、ニューヨークのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Introduction"(3:58) いきなりRANDIのアカペラによる歌声から入るシンプルな楽器構成による洒落たジャジーなギターの爪弾きを聴かせる前半から次第にRANDI節と言えるソウルフルなエモーショナルな歌声とストリングスの調べを加えたメロディアスなサウンドにも展開されて行きます。
2曲目"Corn Circles And Halo Rings"(3:09) RANDIのナイロン弦ギターの弾き語りを中心に収録されている曲です。穏やかな調べの曲が進むにつれストリングスのサウンドもしっとりと流れて来るのです。
3曲目"Prison"(2:56) 中世の吟遊詩人のようなサウンドとメロディによる弦楽器の調べとRANDIのストーリーテラーのような歌声が流れる古めかしさを感じます。
4曲目"Windmills On The Hills"(3:22) サウンドを一転させたカントリー/ポップなアメリカン・サウンドの曲の登場です。バンジョー/フィドル/マンドリン/ギター/ペダル・スティールと大忙しのGUSTAF・LJUNGGRENが大活躍で収録されています。RANDIの2枚目あたりのアコースティック・サウンドの曲と通じるところを感じますね。
5曲目"If I Must"(3:11) このアルバムから一押しとなっている聴き易いメロディと心地好いリズムの曲ですね。THORBJÖRN・APPEHLの渋めのアップライト・ベースの調べに心地好くサウンドが転がるANDERS・P・JENSENのハモンドが良いですね。
6曲目"Tin Peregrine"(4:23) 不思議なサウンドとメロディを強く感じさせるシュールなイメージを持った曲ですね。RANDIの書いたアブストラクトな歌詞の方からも不思議さを感じさせますね。
7曲目"Best For Last"(2:20) この曲は、最近の女性ソウル・シンガーの持つ特徴と共通さを感じさせますね。前半のエモーショナルさを抑えた歌いぶりから次第にキーを広げたRANDIの歌声が届けられます。
8曲目"Snowball Suite"(4:27) アコースティック・ギターを心地好く爪弾くRANDIと多重でアレンジされた非常に美しいバック・ヴァーカルの歌声が広がるボサ・ノヴァの前半と映画音楽のようなストリングスの重厚で美しいサウンドをアレンジした後半とを組曲とした構成となっています。
9曲目"Coincidences"(4:07) ピアノの調べとペダル・スティールとバンジョーのサウンドからアメリカの女性S.S.W.の曲に通じるところを感じさせる軽めのリズムと調べの曲です。心地好いサウンドが進むにつれアウトロではリズムを非常に上げた演奏とRANDIの上手いスキャットがやはりギミックさを感じさせますね。
10曲目"Run From Love"(6:22) ゴスペル調べのアカペラによるRANDIの歌声とアコースティック・ギターのサウンドとハワイアン調のペダル・スティールのサウンドは心地好く広がる曲です。さらに曲の後半からアウトロまで長いインストゥルメンタルを収録したアレンジより6分を超える長さにもなっています。
全10曲歌詞付 12ページ物イラストブックレット (輸入盤) 収録時間:38分18秒 (レーベルを変えてリリースされたRANDIの新作、めずらしく4年もピッチが空きましたね)'10年8月24日再更新


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写真  RANDI LAUBEK / Bridge From Nowhere
 ・2023 Target Records   TARGET2310LP

RANDI 10作目・・・

このアルバムは、デンマークで活躍しているS.S.W.RANDI・LAUBEKの '23年10月20日に本国でリリースされた10枚目(サントラ盤/D'damer og Allan Olsen Live盤を除く、7曲ミニアルバムを含む)のアルバムです。
このアルバムの集録に参加しているミュージシャンは、RANDI・LAUBEK:ヴォーカル/ギターの他、ANDERS・P・JENSEN:キーボード/シンセサイザー、OLE・THEILL:ギター/タブラ、MICHAEL・FRIIS:ベース、GUSTAF・LJUNGGREN:ラップ・スティール/ドブロ・ギター、RUNE・HARDER・OLESEN:ドラム/パーカッション、ZHANG・YU:古筝/フルート、THOMMY・ANDERSSON:アップライト・ベース、ANDERS・STIG・MØLLER:ベースのデンマークのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"True Love Is Gentle"(3:37) メロディアスなピアノの調べと何処となくエキゾチックな調べの発するタブラのリズムが心地好く響く曲です。RANDIの優しい歌声とバックの演奏との見事な流れが耳に残ります。
2曲目"Never Ever"(2:50) イントロからちょっと聴いただけでRANDI節をぶつけて来る曲です。低いキーから高いキーまで一気に登り詰める歌いぶりは健在ですね。
3曲目"Fear Whip"(4:29) 古筝の音色と呪文的な歌声が流れるオリエンタル風な曲です。前作から音楽の方向性とアコースティックなサウンドに拘ったと紹介された記事を読んだ事がここで表現されていますね。EMI時代から随分遠くに来たって感じがします。
4曲目"Cloud Nine"(3:01) OLE・THEILLのギターの爪弾きでしょうかRANDIの歌声のバックで非常に忙しなく響き渡る曲です。ベテラン勢の少人数で一発録音的なスリリングさを感じさせます。この曲でも東洋的な古筝の音色が好いアクセントとなっています。
5曲目"Whisper Through The Noise"(3:37) この曲も少し異国情緒を感じさせる曲です。タブラの独特のリズムとアコーディオンとカリンバのシンプルな音色に彩られ、心地好く歌うRANDIです。
6曲目"Softening"(1:02) アルバムの中央に配されたインターリュードなインストゥルメンタルです。ドブロ・ギターとシンセサイザーのコラボによる音の共演で、一休みです。
7曲目"Good Girl"(2:57) この曲でもドブロ/ラップ・スティール・ギターの音色が効果的に使われている曲です。揺らぎを持ったバックの演奏の数々乗せRANDIの歌声が舞い上げります。
8曲目"Robin With The Red Breast"(5:06) 今度は、ダークでアシッド感のある方向へ変えて来た曲です。窓の外にピンと張り詰めた北欧の冬景色を感じさせるソリッドさが重く圧し掛かります。
9曲目"Twin"(4:53) 前の曲の終わりと繋がりを持ったイントロから駆け出して来るリズミカルな曲です。このリズムのビートは独特ですね。1作目からの付き合いのANDERS・P・JENSENのプログラミングに合わせRANDIとベテラン勢の演奏が凄いわ!
10曲目"Jetty Out To Sea"(2:14) '21年の7曲ミニアルバムのタイトルを曲名としています。北欧のおとぎ話的なイメージを感じる曲です。「海辺の桟橋」でと歌うRANDIです。
11曲目"Trees"(5:15) 多分THOMMY・ANDERSSONとANDERS・STIG・MØLLERの2人のベースの演奏が入った重い響きが目一杯広がるメルヘンな曲です。ベースの重い響きに凛としたRANDIの歌声が際立ちますね。アルバムの最後の一音まで渋いベースの演奏が響きます。
10曲歌詞付 限定LP盤 (輸入盤) 収録時間:39分01秒 (RANDIの5作目以降、日本ではアルバムの入手が非常に困難(ダウンロード以外で)になっていました。Band camp巡りで偶然このアルバムを見つけました) '23年12月21日更新


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写真  RAY HAYDEN / Back From The Raggedy Edge
 ・1994 Victor Entertainment, Inc.   VICP-5447

全15曲1時間10分におよぶ大作・・・

90年代のロンドン及び世界中から引っ張りだこのミキサー、アレンジャー、プロデューサーであるRAY・HAYDEN自身のロンドンのスタジオ名を配したプロジェクトの第1弾です。アルバムの正式名称は、OPAZ FEATURING RAY HAYDENとなっていて '94年9月28日、国内でのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RAY・HAYDEN:ヴォーカル/ドラム・プログラミング/キーボード/プロデュースの他、TIM・CANSFIELD:ギター、STEVE・LEWINSON:ダブル・ベース、WAYNE・LAWES:ベース、JOEL・CAMPBELL:キーボード、DANNY・G:キーボード、GARY・BELFIELD:フルート/サックス、FAYYAZ・VIRJI:トロンボーン、KEVIN・ROBINSON:トランペット、MICA・PARIS:ヴォーカル、GWEN・DICKEY:ヴォーカル、MARTINE・GIRAULT:バック・ヴォーカル、SUSPENDED SENTENZ:ラップのロンドンで活躍しているミュージシャン達です。

1曲目"Back From The Raggedy Edge"(5:56) 雷鳴のイントロから入るクラブ系ファンク・ソウルRAYのソウルフルなヴォーカルとサウンドでの幕開きです。
2曲目"When We're Makin Love"(8:56) 約9分に及ぶ打ち込みとサンプルによる曲でソウルフルなバラードRAYのファルセットでのヴォーカルを堪能出来ます。
3曲目"Jasmin In The Air"(5:03) キーボードのJOEL・CAMPBELL(RONNY JORDAN'S BAND)との共作でミドル・テンポのバラードRAYの卓越したヴォーカルの力量を示す曲です。
4曲目"I Don't Want It(Part 1)"(3:57) フルートとキーボードによるアシッド系のサウンドです。
5曲目"I Don't Want It(Part 2)"(4:38) 前の曲から自然とつながった形で入る曲でアシッド系フュージョンと言えるGARY・BELFIELD(RONNY JORDAN'S BAND)がフルートとサックスで参加しています。
6曲目"I Love You"(2:37) 日本語を含む4カ国語の言葉で「愛しています・・・」と朗読した3分弱の曲です。
7曲目"October In London, I Found"(4:01) 再びキーボードのJOEL・CAMPBELLとの共作で彼のピアノの旋律の乗せ熱く歌うRAYの10月のロンドンのイメージです。
8曲目"You And I"(5:15) RAYのセンチメンタルなヴォーカルとサウンドのスローなバラードです。バック・ヴォーカルで引っ張りだこのGWEN・DICKEYとのデュエットが堪りません。
9曲目"I Always Intro"(1:18) 幻想的キーボードのサウンドでのイントロで次の曲へと続くます。
10曲目"I Always"(5:31) 電話での会話をSEとして使ったメロウで少し切ないメロディのバラ−ドです。
11曲目"One On One"(5:33) MICA・PARISをゲストに迎えたミドル・テンポのバラードで彼女とのデュエットが聴き物です。
12曲目"Oh My Goodniss Anutha Dope Jam Intro"(2:03) 6曲目"I Love You" のメロディに似た曲です。
13曲目"Oh My Goodniss Anutha Dope Jam"(4:12) クラブ系アシッド Hip・Hop風の曲です。ギターでTIM・CANSFIELD(SWING OUT SISTERS)が参加しています。LapはSUSPENDED SENTENZが担当しています。
14曲目"Let's Unwind"(6:20) STEVIE・WONDERとそっくりな歌声をしたRAYのヴォーカルの曲でバックに淡々と流れるRAYの作り出すアシッドのサウンドが渋い。
15曲目"Don't Say Nuthin"(4:31) ジャジーな雰囲気のゴスペル・コーラスから入る曲で次第の乗りの好いソウルフルな曲に変化します。 最後にアルバムの綴じ込みの一説に「このアルバムをQUINCY・JONESに捧げる」と書かれています。
11曲歌詞/訳詞付 23ページブックレット デジパック仕様 (国内盤) 収録時間:69分58秒(RAY・HAYDENが表現するロンドンの匂いがタップリ染み込んだ全15曲1時間10分におよぶ大作です)'10年8月24日再更新
1994年度ベスト5


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写真  RAY HAYDEN / Sky So Blue / Sky So Blue + 1
 ・1996 Victor Entertainment, Inc.   VICP-5738
 ・1996 Victor Entertainment, Inc.   VICP-5802

増々磨きのかかったRAYのヴォーカルを堪能して・・・

U.K.の名プロデューサーRAY・HAYDENの2枚目(Sky So Blue / Sky So Blue+1を1枚として考える)のアルバムで、'96年7月3日(Sky So Blue) '96年11月26日(Sky So Blue+1)に国内でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RAY・HAYDEN:ヴォーカル/キーボード/ドラム・プログラミング/プロデュースの他、TIM・CANSFIELD:ギター、JONATHAN・BUTLER:ギター、NEVILLE・MALCOLM:ベース、DANNY・G:キーボード、JOEL・CAMPBELL:キーボード/シンセサイザー、RICCARDO・REID:キーボード、GARY・BELFIELD:フルート/サックス、GEORGE・HOWARD:サックス、NIKKI・RICHARDS:バック・ヴォーカル、MARTINE・GIRAULT:ヴォーカルのロンドン/N.Y.で活躍しているミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Baby Baby"(4:00) RAYの敬愛するSTEVIE・WONDERのヴォーカルとサウンド風の曲です。70年代のソウル・ミュージック然とした濃いさ粘っこさを強く感じますね。
2曲目"Fall In Love Again"(4:48) この曲も70年代のファンク・ソウルをベースとした曲です。ソウルフルに増々磨きのかかったRAYのヴォーカルを堪能して下さい。
3曲目"Is It You"(3:31) AL・McKAY風のギター・サウンドとRAYのヴォーカルが織り成す爽やかな曲です。
4曲目"Come Around"(4:21) 前作でのサウンドを踏襲した少しアシッドで翳りのある曲です。
5曲目"Never Get Over You"(4:32) ブラック・コンテンポラリーを完全に消化しきったRAYの鮮やかなサウンドに脱帽です。
6曲目"Hold Me"(3:51) オーバダブによるRAYのヴォーカルを随所に入れたミドル・テンポの曲です。
7曲目"Round And Round"(4:09) TIM・CANSFIELD(SWING OUT SISTERS)のギターをフューチャーしたHip・Hop風の曲です。
8曲目"New York Skyline"(5:27) GEORGE・HOWARDのサックス・ソロ大々的に取り入れた爽やかなフュージョン。
9曲目"Where Are You"(5:12) RAYのセンチメンタルなヴォーカルとサウンドのスローなバラードです。
10曲目"Happy"(5:56) 打込みによるRAYのドラムとオーバダブされたバック・ヴォーカルによるタイトなリズムの曲です。
11曲目"Say That You'll Stay"(4:01) JONATHAN・BUTLERのギターが爽やかなアーバン・ソウルな曲です。
12曲目"Sky So Blue"(5:46) 再びGEORGE・HOWARDのサックスを入れRAYとのヴォーカルが絡み合う曲です。(Sky So Blue)の方は、30秒程度のブランクの後、3分程のインストゥルメンタル・ヒドゥン・トラックが収録されています。
以下は、(Sky So Blue+1)での追加曲です。
13曲目"Celebrate"(4:08) この曲が+1されました。MARTINE・GIRAULT (RAYの秘蔵っ子)とのデュエットが聴き物です。
・全12曲歌詞/訳詞付 (Sky So Blue) 写真ライナー (国内盤) 収録時間:58分51秒 (本当に音楽センスと歌が上手い彼、ブルーアイド・ソウルとかそんな次元では有りません!)
・全13曲歌詞/訳詞付 (Sky So Blue+1) 写真ライナー (国内盤) 収録時間:59分49秒 (何故このような形で1年に2枚の同程度のアルバムが流通したのか不思議です!)'10年8月25日再更新


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写真  RAY HAYDEN / Things Will Get Better
 ・1998 Victor Entertainment, Inc.   VICP-60554

たっぷりと15曲1時間以上・・・

RAY・HAYDENの3枚目のアルバムで、'98年12月19日に日本の企画にてリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RAY・HAYDEN:ヴォーカル/キーボード/ドラム・プログラミング/プロデュースの他、BRIAN・HENRY:キーボード/バック・ヴォーカル、JOEL・CAMPBELL:キーボード、ANDY・CONNEL:キーボード、VOUNG・LORD:キーボード、STANLEY・ANDREWS:ギター、JONATHAN・BUTLER:ギター/バック・ヴォーカル、PRRETTI・UGLEE:ラップ、DUO:ラップ、FUEGO:ラップ、MARTINE・GIRAULT:バック・ヴォーカル、NATASHA・CAMPBELL:バック・ヴォーカル、ANNA・DEVICIENTI:バック・ヴォーカルのロンドンのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"My Life"(5:49) スパイ映画のテーマソングのようなサスペンス感のあるイントロと三味線風の音色が混ざったサウンドから入るHip-HopのリズムとRAYのソウルフルなヴォーカルを活かした乗りの好い曲です。
2曲目"Things Will Get Better"(4:25) 女性ヴォーカル(RAYの秘蔵子NATASHA・CAMPBELL)が入っているのですが、RAY自身のファルセットも女性の声域ですね。
3曲目"So Fly"(4:24) RAYの憧れのSTEVIE・WONDERのサウンドが見え隠れする曲です。
4曲目"Hold Me Close"(5:12) RAYの得意とするネオ・ソウルなメローな曲調を感じる溶けそうな雰囲気を感じる曲です。JONATHAN・BUTLERがギタ−とバック・ヴォーカルで参加しています。
5曲目"Have You Seen Her"(5:05) 70年代のブラコンTHE CHI-LITESのバラードを90年代に甦えらせました。RAYも乗っています。
6曲目"Promises"(1:35) ミドル・テンポの1分少々のインストゥルメンタルです。ちょっと箸休め的な曲のようです。
7曲目"Get Serious"(5:40) パーカションのリズムとHip-Hopが上手く絡み合った70年代の雰囲気を醸しだす曲です。
8曲目"Don't Say Goodbye"(3:44) RAYのソウルフルで伸びやかなヴォーカルを聴かせる曲です。
9曲目"Bring It Home"(5:27) 打込みによるリズムに乗せRAYの切ないヴォーカルが胸打つ曲です。
10曲目"Summer Love(It's So Right)"(4:21) RapとRAYのヴォーカルを組み合わせた曲です。
11曲目"Love Thang"(4:17) モータウンサウンドを彷彿とさせる曲です。
12曲目"Real Love"(4:19) LPのノイズを入れ中間部分はRapとなった凝った曲です。
13曲目"Passion Fruit"(2:50) 3分足らずのフュージョンぽいインストゥルメンタル。
14曲目"All I Wanna Do Is Love You"(3:59) ハモンドの音色が懐かしい 70年代のソウルです。
15曲目"One Night With You"(5:00) イントロからRAYのファルセットを聴かせるバラードです。
13曲歌詞/訳詞付 23ページブックレット RAYの曲についてのコメント付 デジパック仕様(国内盤)収録時間:66分14秒 
(たっぷりと15曲1時間以上の流れを感じる英・日共同にて制作された1枚、でもこのアルバムがRAY自身最後のアルバム?)'10年8月25日再更新


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写真  REBECKA TÖRNQVIST / A Night Like This
 ・1993 EMI Svenska AB    (EMI 7243 8 27786 2 2)

このアルバムが出会いの始まりでした・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているREBECKA・TÖRNQVISTのデビュー・アルバムで、'93年の10月6日に本国でのリリースです。
アルバム・リリース後に本国のチャート4位を獲得しこのデビュー・アルバムでゴールドとプラチナ・ディスクを早くも獲得しています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、REBECKA・TÖRNQVIST:ヴォーカル/プロデュースの他、PÅL・SVENRE:キーボード/プロデュース、ESBJÖRN・SVENSSON:ピアノ、ANDERES・WIDMARK:ピアノ、NIKLAS・MEDIN:オルガン、MAX・SCHULTZ:ギター/バック・ヴォーカル、RUNE・GUSTAFSSON:ギター、CLAES・JANSSON:ヴォーカル、JAN・ADEFELT:ベース、HANS・BACKENROTH:ベース、JANE・ROBERTSON:ドラム、EGIL・JOHANSEN:ドラム、RENÉ・MARTÍNEZ:コンガ/パーカッション、ANDRÉ・FERRARI:パーカッション、PETER・ASPLUND:トランペット、JOAKIM・AGNAS:フリューゲル・ホーン/トランペット、BOSSE・BROBERG:トランペット、PER'TEXAS'JOHANSSON:サックス、JOHAN・HÖRLÉN:サックス、JONAS・LARSSON:トロンボーン、KATARINA・AGNAS:バスーン、JOHAN・ALENIUS:フルート、HANS・DYVIK:フリューゲル・ホーン、HÅKAN・NYQVIST:フレンチ・ホーン、MATS・GUSTAFSSON:フルート、ANDERS・WIBORG:トロンボーン、BJÖRN・KARLSSON:ハーモニカ、FREDRIK・BURSTEDT:ヴァイオリン、CHARLOTTE・HAGGSTROM:ヴァイオリン、PER・HAMMARSTROM:ヴァオリン、RONNIE・SJÖKVIST:ヴァイオリン、JAKOB・RUTHBERG:ヴィオラ、TONSTUDIO・BAUER:ヴィオラ、GERTRUD・STENUNG:バック・ヴォーカル、BERTIL・STRANDBERG:トロンボーン、TITIYO・JAH:バック・ヴォーカル、ANDRÉ・DE・LANGE:バック・ヴォーカル、JEAN-PAUL・WALL:バック・ヴォーカル、ALAR・SUURNA(ROXETTE,STING):プロデュースのベテラン達が参加しています。
尚、アルバム全体的なサウンドは、JAZZ CLUBでのREBECKAの演奏曲をスタジオに持ち込んで収録したように歌い慣れしたようにリラックスしながら収録されています。

1曲目"Mary Mary"(4:50) フェンダー・ローズの静かなイントロに続いてゆったりと歌うREBECKAのヴォーカル、何も言う事無し。MAX・SCHULTZのビンテージ物の"テレ・キャス" から繰り出されるギターの調べも"渋く" また滑らかな響きです。幼少時代アフリカのケニヤで育ったREBECKAは、そこで習ったイギリス童話(マザー・グース)を歌に引用したそうです。
2曲目"Madrid"(4:11) 活躍めざましいESBJÖRN・SVENSSON('08年6月14日ダイビング事故により死亡)のピアノで演奏されるREBECKAの作詞/作曲のジャジーな曲です。ただ歌詞の中にはMadridとは歌われていませんが、REBECKAのライナーによると敢えて歌詞にMadridと書かなかったので、リスナーにこの部分は委ねるとのことです。
3曲目"Easy Come,Easy Go"(4:30) ポップなサウンドにホーンを入れたボサ・ノヴァ風のお洒落な曲です。REBECKAとプロデューサーのPÅL・SVENREとの共作です。尚、この曲にはサウンドを更にタイトでポップにしたREMIX VER.が別リリースされています。また、この曲の歌詞にアルバム・タイトルである[A Night Like This] が登場しています。めずらしいライヴの模様も配信されました。
4曲目"Everywhere"(4:10) PÅL・SVENREの美しいウーリッツァー・ピアノとREBECKAのシルキーなヴォーカルとが織り成す最高の1曲です。
5曲目"Nothing Ever"(4:50) 一足先にデビューしたTITIYO・JAHとのハーモニーの美しいアーバン・ソウルな曲です。間奏で孤高に鳴り響くPER'TEXAS'JOHANSSONのテナー・サックスの調べも渋いですね。
6曲目"Here's That Rainy Day"(5:51) 多くの人にカバーされている曲で、静かなリズムが一層REBECKAのヴォーカルを際立てています。ここでの収録はFRANK・SINATRAが '59年に歌ったヴァージョンに近いアレンジになっています。
7曲目"Molly Says"(3:44) ストリングスを使ってダイナミックに展開する曲で打楽器に使い方が非常に見事です。
8曲目"Wander Where You Wander"(4:36) 曲名通りワンダーランドに迷い込んだような曲です。歌詞の内容は、今まで色々なところにさまよっていた自分は本当に必要な人(恋人)にめぐり合えた喜びを歌にしています。
9曲目"Angel Eyes"(5:56) 彼女が子供の頃から歌っていたSINATRAの50年代の名曲です。やはり、かなり歌い慣れた様子で収録されていて、収録前のライヴでの演奏も好評の曲だったでしょう。また、PER'TEXAS'JOHANSSONのサックス・ソロも渋い。
10曲目"Do You Mind"(4:27) スウェーデンを代表するジャズ/ブルース・シンガー/ギタリストのCLAES・JANSSONとの掛け合いデュエットとギターのMAXが得意とするメンフィス調のリズムでの素晴らしい彼のソロが収録されています。
11曲目"One Hour Drive"(2:33) REBECKAと同郷ウプサラ出身のANDERES・WIDMARK('91年にANDERESとREBECKAはノルウェーのジャズ・ドラマーのEGIL・JOHANSENのストックホルムでのライヴ収録盤[OBSsession]に参加しています)が、ピアノで参加したデキシー・ジャズ風の曲です。
12曲目"I'll Wait"(6:26) アメリカの作曲家故ALEC・WILDERの作でハーモニカとギターの調べの美しいスタンダード曲で、ブラシによるスネアの響きが大人の曲を表しています。
全12曲歌詞付 16ページ物豪華ブックレット オランダ製 (輸入盤) 収録時間:56分10秒 (夜景が見渡せる部屋で過ごす秋の夜長に相応しい1枚です)'10年8月25日再更新
1993年度ベスト5


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写真  REBECKA TÖRNQVIST / Good Thing
 ・1995 EMI Svenska AB    (7243 8 35417 2 0 EMI)

前作に引き続き素晴らしい曲達・・・

スウェーデンのREBECKA・TÖRNQVISTの2枚目のアルバムで、'95年の9月25日(本国での)リリースです。本国ではリリース後にヒット・チャート1位を記録しています。プロデュースは、前作同様PÅL・SVENREが行っておます。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、REBECKA・TÖRNQVIST:ヴォーカル/プロデュースの他、PÅL・SVENRE:キーボード/シンセサイザー/バック・ヴォーカル/プロデュース、ESBJÖRN・SVENSSON:キーボード/シンセサイザー、ANDERES・WIDMARK:ピアノ、MAT・ASPLÉN(BO KASPERS ORKESTER):ハモンド・オルガン、HENRIK・JANSON:ギター、LARS・HALAPI:ギター、MAX・SCHULTZ:ギター、HANS・BACKENROTH:ベース、DAN・BERGLUND:ベース、MARKUS・WIKSTÖM:ベース、JAN・ROBERTSON:ドラム、CHRISTER・SJÖSTRÖM:ドラム、RENÉ・MARTÍNEZ:パーカッション、PER'RUSKTRÄSK'JOHANSSON:アルト・サックス/フルート、PER'TEXAS'JOHANSSON:テナー/バリトン・サックス、PETER・ASPLUND:トランペット、LEIF・LINDVALL:トランペット、FREDRIK・LJUNGQVIST:サックス、HÅKAN・NYQVIST:フレンチ・ホーン、GÖRAN・GUNNARSSON:フレンチ・ホーン、ANDERS・WIBORG:トロンボーン、BERTIL・STRANDBERG:トロンボーン、MIKAEL・RÅBERG:トロンボーン、JOAKIM・MILDER:ホーン・アレンジ、BO・ERISSON:イングリシュ・ホーン、SNYKO:ストリングス、GRETA・FOLKESSON:バック・ヴォーカル、ANDRÉ・DE・LANGE:バック・ヴォーカル、JEAN-PAUL・WALL:バック・ヴォーカル、MAGNUS・RONGEDAL:バック・ヴォーカル、ALAR・SUURNA(ROXETTE,STING):プロデュースのお馴染みのミュージシャン達が参加しています。
尚、PÅL・SVENREは、このアルバムでスウェーデンのグラミー賞でのベスト・プロデューサー賞を受賞し、REBECKAはポップ/ロック/女性ヴォーカル部門で受賞しています。

1曲目"Good Thing"(3:45) LARS・HALAPI(Ex.BO KASPERS ORKESTER)の美しい12弦ギターとMAX・SCHULTZのスライド・ギターがアメリカン・サウンドを意識した乗りの好い曲です。
2曲目"Just As Long"(4:27) プロデューサーのPÅL・SVENREのシンセを使った落着いたメロディとREBECKAのハスキーなヴォーカルとが調和する曲です。
3曲目"Sleep Tight"(3:27) ジャズ・トリオの演奏に乗せ淡々と唄うREBECKAのヴォーカルに聴き入ってしまいます。
4曲目"Julio's Rainbow"(4:37) ESBJÖRN・SVENSSONとの共作で彼の美しいピアノの旋律とREBECKAの切ないヴォーカルに鳥肌です。
5曲目"You And Your Great Love"(4:10) ダブル・ドラムによるキューバン・サウンドを彷彿させる曲です。REBECKAのソウルフル/パワフルなヴォーカルを十二分に堪能できます。
6曲目"Forever More"(4:38) キーボードによる静かにゆったりと流れる曲です。
7曲目"I Do"(4:34) イントロのREBECKAのスポーケン・ヴォーカルが圧巻なヒット曲で作詞/作曲は、彼女自身です。この曲が他の女性シンガーに与えた影響は大きいと思います。現に誰か若い女性シンガーが後にこの曲をカバーをしていました。
8曲目"Monster Walk"(5:13) エモーショナルなREBECKAのヴォーカルと絡み合うMAXのギターとPER'TEXAS'JOHANSSONのサックスが燻し銀的な曲です。尚、この曲には7分19秒におよぶアウトロ部分を延長したロング・ヴァージョンも別収録されています。
9曲目"Love Song"(3:07) 切ないボサ・ノヴァ調のリズムとホルンの悲しい響きの曲です。恋の別れについて書かれた切ない歌詞とREBECKAの歌声が心にしみます。
10曲目"Larger Than Life"(5:35) ギターのサウンドとホーンを多用したジャジーな曲で、MAXのギターのカッティング・ワークとバック・ヴォーカルは、GRETA・FOLKESSON(BUDDABOYS)がいい仕事をしています。
11曲目"I Don't Know Why"(5:28) サウス・ダコタのS.S.W.SHAWN・COLVIN '92年の作品のカバー曲です。非常にしっとりとしたピアノとストリングスの調べによる演奏で、REBECKAのヴォーカルの上手さを際立させるアレンジで収録されています。
全11曲歌詞付 16ページ物豪華ブックレット オランダ盤 (輸入盤) 収録時間:49分06秒 (前作は、彼女がジャズ・クラブでのライヴ活動をそのままスタジオに持ち込んでの収録した内容でした。今回は、もっと自由にポップス、ロックらしい形にしたかったようです。尚、'96年リリースのU.K.盤とは曲目が一部相違します)'10年8月26日再更新
1995年度ベスト5


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写真  REBECKA TÖRNQVIST / Tremble My Heart
 ・1998 EMI SVENSKA AB    TOCP-50464

前作までの曲調から少し変化した・・・

REBECKA・TÖRNQVISTの単独名義では3枚目 '98年3月25日に国内でのリリースです。前作迄のジャズ・タッチの曲から数曲はフォーキー(彼女の作曲した曲の比率が大きくなった為)な曲調へと変化し、歌詞の内容もよりREBECKAの内情を表現した作品になっています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、REBECKA・TÖRNQVIST:ヴォーカル/ピアノ/ストリングス・アレンジの他、PÅL・SVENRE:キーボード/シンセサイザー/ストリングス・アレンジ/バック・ヴォーカル/プロデュース、JOHAN・LINDSTRÖM:ギター/ペダル・スティール/ベース/ストリングス・アレンジ/バック・ヴォーカル、MARKUS・WIKSTRÖM:ベース、PER "TEXAS" JOHANSSON:サックス/クラリネット/ギター/バック・ヴォーカル、PETER・BERGKVIST:ドラム/パーカッション、LEIF・LINDVALL:トランペット、FREDRIK・LJUNGKVIST:アルト・サックス、SARA・INDRIO・JENSEN:パーカッション/バック・ヴォーカル、ULRIKA・FRANKMAR:ヴァイオリン、ULF・FORSBERG:ヴァイオリン、ÅSA・STOVE-PAULSSON:ヴィオラ、MATS・LIDSTRÖM:ヴァイオロンチェロ、SARA・ISAKSSON:デュエット/バック・ヴォーカル、ANDRÉ・DE・LANGE:バック・ヴォーカルのREBECKAのアルバムでは、お馴染みのミュージシャン達です。

1曲目"What I Thought Was Mine"(2:56) ピアノの静かな旋律とREBECKAの澄んだヴォーカルと歌詞が少し哀しげです。間奏から叙情的に響くヴァイオリンとクラリネットの非常に美しい調べが心に響きます。また、次の曲のイントロへの流れも計算され尽くした展開も見事です。(この曲と次の曲との間にピアノの小さな調べと微かに響く12弦アコースティック・ギターの爪弾きが収録されているのですが、意図的の残しているならば非常に気になる部分ですね)
2曲目"I Let Mine Go"(4:13) ご機嫌なリズムにREBECKAのヴォーカルと高いキーのSARA・ISAKSSONともう一人のSARAはデンマークのSARA・INDRIO・JENSENのハーモニーが溶け合った最高の1曲です。間奏もPER "TEXAS" JOHANSSONのベース・サックスとJOHAN・LINDSTRÖMのペダル・スティールのコラボが見事に開花した曲です。
尚、この曲は、REBECKAの作詞/作曲となっています。
3曲目"Make Believe(Is Always For Tonight)"(4:50) ダークなイメージのエレクトロニカのポップなリズムに乗せREBECKAが歌います。過去の作品ではあまり聴かれなかったタッチのオルタナティヴなこのサウンドは、次のアルバム[Vad Jag Vill]と[Melting Into Orange]へと受け継がれて行きます。
尚、この曲の作曲は、プロデューサーPÅL・SVENREのペンによります。
4曲目"I Couldn't Love You Any More"(2:23) JOHAN・LINDSTRÖMのフィンガー・ピッキングによるアコースティック・ギターの調べに 乗せREBECKAが「恋の終わり」を淡々と歌ったシンプルな曲です。REBECKAのライヴでこの曲を聴いた時に、今までCDの音源のみでしか聴いたことのない、この2分半程度の小ぶりな曲のイメージがREBECKAの一身に歌い上げる姿に感動し一遍しました。
5曲目"Tongue Tie"(3:38) スラック・キーを用いたアコースティック・ギターが印象的な曲です。今までとは、少し違った方向を目指したPERとJOHANとREBECKAとの共作です。バックに流れるサックスの特殊なサウンドやSARA・ISAKSSON、SARA・INDRIOとの完璧なハーモニーも素晴らしいの一言です。
6曲目"I Have No Worries"(1:16) 彼女のアカペラによる曲で、2分に満たない小曲です。足踏みでリズムを取るようにして歌うREBECKAを想像させます。この曲の終わりから次の曲への繋がりが非常に美しいのです。
7曲目"Tremble My Heart"(3:20) PÅL・SVENREの美しいワルツのリズムでのピアノとREBECKAのヴォーカルが一体となった曲です。曲のタイトル通り心が揺れ動く女性の心理を歌詞に綴っています。
8曲目"Princess Days"(5:17) JOHAN・LINDSTRÖMのペダル・スティール・ギターの音色が心を和ませる雰囲気の曲です。このアルバムの中から特に最高の1曲で後半からのPÅLのピアノ・ソロが非常に美しく流れています。
9曲目"As I Am"(2:20) 現在('99年現在)、同じグループで活躍するSARA・ISAKSSONとのハーモニーが美しいカントリー風の曲です。泥臭いサウンドとアレンジではなく、ポップでしかもお洒落です。(SARA・ISAKSSONとREBECKAがこの後、スウェーデンのスーパー・グループGLORIAに参加します)尚、この曲は '01年 20th Century Foxのコメディー映画「Shallow Hal」の挿入歌にもなっています。
10曲目"Mayday"(4:09) 再びデンマークで活躍するパーカッショニストSARA・INDRIO・JENSEN(最近は女優で有名)とのハーモニーが美しいカントリー・ポップな曲です。
11曲目"Mutiny"(2:58) 過ぎ去った恋人との想い出に浸る情景を歌にしたスローな曲です。サックスの切ない音色とペダル・スティールの響きが絡み合った、このアルバムの幕を閉じるのに相応しい静かな曲です。
全11曲歌詞/訳詞付 写真ライナー (国内盤) 収録時間:37分25秒 (笑顔の素敵な彼女ですが、アルバムの写真は、いつも何故か渋面です。尚、この[Tremble My Heart]に未収録曲 "Divine Justice" (ド派手なギター・ポップの為か)は、削られています。もし機会が有れば"Divine Justice" も聴いてみて下さい。REBECKAのまた違った魅力に出会うでしょう!)'10年8月26日再更新


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写真  REBECKA TÖRNQVIST / Vad Jag Vill
 ・2001 Warner Music Sweden    Metronome 0927-41118-2

GLORIAでの活動を一時休憩してのアルバムです・・・

このアルバムは、スウェーデンのジャズ・シンガーが一度は通るスウェーデン国歌「おお、我スウェーデンに生き、スウェーデンに死すことを欲す!」と歌われる引用をアルバム・タイトルとしたREBECKA・TÖRNQVISTの4枚目のアルバム[Vad Jag Vill]です。
全てスウェーデン語によるREBECKAのワールドワイド・マーケットを度外視したスウェーデン国内に問う意欲作です。レーベルもこれ迄のEMIからWarner系のインディペンデント・レーベルのMetronomeから '01年10月22日にリリースされました。全曲REBECKAの作詞/作曲(2曲目,10曲目のみ作曲はPER'TEXAS'JOHANSSON)の曲で収録されています。
このアルバムに参加しているミュージシャンは、REBECKA・TÖRNQVIST:ヴォーカル/ピアノの他、PÅL・SVENRE:キーボード、PETER・FORS(FORSS):ベース、ULF・FORSBERG:ヴァイオリン、LARS・HALAPI:ギター/バンジョー/ピアノ/グロッケンシュピール/ヴィブラフォン/シンセザイザー/ドラム・プログラム、SARA・INDRIO-JENSEN:バック・ヴォーカル、SARA・ISAKSSON:バック・ヴォーカル、MARGARETA・JALKEUS:バック・ヴォーカル、PER'TEXAS'JOHANSSON:サックス/クラリネット、HEINZ・LILJEDAHL:バック・ヴォーカル、JOHAN・LINDSTRÖM:ギター/キーボード/マリンバ/ストリングス・アレンジ、PER・LINDVALL(ABBA,A-HA):ドラム、NIKLAS・MEDIN:ピアノ、MAX・SCHULTZ:ギター、STOCKHOLM SESSION STRING:ストリングスが参加しプロデュースには、LARS・HALAPIとREBECKAの共同で行なわれています。

1曲目"Mitt Nya Liv"(3:56) ドラム・プログラミングのサウンドが意表をつく出だしにジャケットの写真から想像出来ないポップな曲です。風変わりなギターのカッティング・サウンドと懐かしいテクノ・サウンドを思い起こす意外な1曲です。特徴的な響きの男性ヴォーカルの歌声は、HEINZ・LILJEDAHL(SOPHIE・ZELMANI)です。尚、この曲は、スウェーデン国内で"Helium" とカップリングでシングル・リリースされています。
2曲目"Viktoriasjön"(3:35) REBECKAの美しい響きを持つスヴェンスカの歌声が少し物悲しくも幻想的な雰囲気を醸し出す曲です。特徴的なシタール風サウンドのギターは、LARS・HALAPI、ストリングスの素晴らしいアレンジは、HANS・EKが担当しています。
3曲目"Mario"(3:42) 非常に高いキーでのREBECKAの歌声に驚きです。たっぷりと響くピアノのサウンドは、お馴染みPÅL・SVENREとSARA・ISAKSSONです。因みにREBECKAのミドルネームは、Mariaです。
4曲目"Minst En Miljon"(4:25) PÅL・SVENREのサスペンスぽいピアノの音色をイントロに配したサウンド・トラックような感じの曲です。 LARSとMAX・SCHULTZのギミックなSTEELY DANライクなギター・サウンドによる共演です。美しく響くバック・ヴォーカルは、遥々デンマークから登場のSARA・INDRIO-JENSENです。
5曲目"Till Och Med En Kung"(3:44) 落ち着いたメロディにアコースティック・ギターの響きと美しいJOHAN・LINDSTRÖMのストリングス・アレンジによる曲です。この曲も"Minst En Miljon" とカップリングされシングル・リリースされています。
6曲目"Frägor Och Svar"(3:30) 一転して賑やかサウンドでの60年代風のアメリカン/サイケ/ポップスです。高らかに響くバック・ヴォーカルは、再度SARA・INDRIO・JENSENです。
7曲目"Plötsligt Sä Flyger Min Själ"(3:59) 全編に渡って流れるLARSのマーティン・ギターの甘いサウンドの流れる曲です。落ち着いたメロディとリズムに合わせたREBECKAの優しい歌声にうっとりです。余談ですが、同じくスウェーデンで活躍するCLUB 8もこの曲がお気に入り(JOHANのLABRADORからコンピ盤としてリリース済み)らしいです。
8曲目"Inget Att Dö För"(4:16) この曲のLARSのグレッチ・ギターのサウンド非常に"渋い" のです。大昔のグループ・サウンズの感じもしない訳でもないのですが...GLORIAでは、リード・ギターをSTAFFAN・ANDERSSON(ANNA・TERNHEIM)と住み分けしていましたが、BO KASPERS ORKESTER時代を思い起こすサウンドです。バック・ヴォーカルは、再びSARA・INDRIO-JENSENです。
9曲目"Helium"(4:24) スウェーデンのプロデューサー兼ギタリストJOHAN・LINDSTRÖMの非常に美しく囁くようなギターのサウンドに酔いしれる幻想的な浮遊感(Helium)のある曲です。
10曲目"Sista Sängen"(4:18) ややカントリー風なギターサウンドの曲でピアノにSARA・ISAKSSONが参加しています。煌びやかでしっかりしたタッチのピアノの旋律を聴かせてくれます。バック・ヴォーカルで非常に高いキーの歌声は日本でも人気のあるアカペラ/ソプラノ歌手MARGARETA・JALKEUS (Ex.THE REAL GROUP)です。
全10曲歌詞付 写真ライナー ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:39分53秒 (スウェーデンの歌詞で意味が解からぬとも素晴らしいメロディとポップなサウンドと美しいREBECKAの歌声による1枚です。このサウンドは、次の作品の[Travel Like In Songs]ではなく '06年最新作[Melting Into Orange]へと繋がって行きます)'10年8月26日再更新


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写真  REBECKA TÖRNQVIST / Travel Like In Songs
 ・2004 EMI Music Sweden AB    7243 8745622 8

REBECKAを等身大で表現した・・・

このアルバムはスウェーデンで活躍しているREBECKA・TÖRNQVIST単独名義では5枚目('01年の全曲スウェーデン語の[Vad Jag Vill]を含む)にあたるアルバムで '04年9月22日に本国でのリリースです。サウンド的には前々作(3枚目)とほぼ同じ路線となってジャズとロック色が少し薄らいでカントリー・フレイヴァーなサウンドの彼女の自作の曲を中心とした収録とサウンドもシンプルに徹し、歌詞もREBECKAの叙情的な内容の詩となっていて、彼女のアルバムの中では、1番等身大で表現した作品です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、REBECKA・TÖRNQVIST:ヴォーカル/ピアノ/プロデュースの他、PÅL・SVENRE:キーボード/アコーディオン/パーカッション、JESPER・NORDENSTRÖM:キーボード、JOHAN・LILJEDAHL:ギター、SVEN・LINDVALL:ベース、OLLE・DAHLSTEDT:ドラム/パーカッション、LARS・HALAPI:ギター/ベース/タンバリン、JOHAN・LINDSTRÖM:ギター、PER 'TEXAS' JOHANSSON:ベース・クラリネット/リコーダー、TORE・EKETORP:ヴィオラ・ダ・ガンバ、SÖREN・TÖRNKVIST:ヴィオラ・ダ・ガンバ、JOHAN・ALTHIN:フレンチ・ホーン、ULF・FORSBERG:ヴァイオリン、ANNETTE・MANNHEIMER:ヴァイオリン、TONY・BAUNER:ヴィオラ、KATI・RAITINEN:チェロのやはりスウェーデン勢が参加しています。

1曲目"Travel Like In Songs"(4:38) 美しく響くアコースティック・ギターのストロークで曲の幕が開き、落ち着いたホルンの調べが心地好く響きます。久しぶりに聴くREBECKAの澄んだヴォーカルは、何時も通りで聴く者の心を暖かく癒してくれます。
2曲目"Your Call"(3:35) カントリー・フレイヴァーなご機嫌なリズムにREBECKAのハスキー・ヴォイスの曲です。スライド・ギターのサウンドがこの曲のアクセントになっています。
3曲目"Thaw"(3:51) 切ないピアノの旋律での曲とREBECKAのヴォーカルが一層デリケートなこの曲を労わるように歌います。また、このゆったりと奏でられるスライド・ギターのバーと金属弦の擦れ音が堪らない魅力を発散していますね。
4曲目"Pick Me Up Song(You Put Me Down)"(3:38) シングル・カットされた曲で、やはり一番親しみやすいメロディと心地よいリズムとなっています。時折入るバイオリンの爪弾く音色と美しいストリングスがこの曲に華を添えます。
5曲目"The Art Of Letting Go"(3:03) 3枚目のアルバムまでのプロデューサーPÅL・SVENREの美しいピアノとREBECKAの美しいヴォーカルとが織り成す静かに流れる曲です。
6曲目"If I Loved You"(3:19) 息をも付かせぬ彼女のヴォーカルです。静かで美しいこの曲もJAZZシンガー出身の彼女のヴォーカルに掛かると少し熱いものを感じます。歌詞カード片手にこの歌を歌おうとしても、とてもとても息継ぎや歌詞の流れが非常に難しい曲でもあります。
7曲目"Seasons Greetings"(3:14) この曲のみPER 'TEXAS' JOHANSSONとの共作でブラスの音色を取り入れています。1曲目に続きこのフレンチ・ホーンの非常に心地好い響きがこの曲を更に美しい曲へと仕上げています。この曲を含み今作は、全曲バック・ヴォーカルも彼女自身が行っています。
尚、この曲には"Seasons Version" と呼ばれる間奏部分に風の音が加えらえたヴァージョンもリリースされています。
8曲目"The Great Migration(Small Version)"(3:53) JOHAN・LINDSTRÖMのアコースティック・ギター1本(微かにハモンドとチャイムの音も収録)とREBECKAの美しくハイキーでのヴォーカルのみのシンプルな曲ですが、JOHANとのギターとREBECKAのヴァーカルとの気迫に満ちた演奏を堪能できます。アカペラの曲は、過去ににあったのですが、このシンプルさは、過去にあまり無かった作風ですね。
9曲目"I Never Asked"(3:16) この曲もピアノを主体とした静かな曲で傷心した人の心の内を彼女が淡々と歌い上げます。
10曲目"Swimmer At Daybreak"(3:48) この曲もぱっと聴いて好きになりましたね。ホルンの優しい音色とJOHAN・LILJEDAHLのアコースティック・ギターの音色が非常に心に残ります。
11曲目"Short And Sweet"(3:16) 優しく弾かれるピアノの旋律と音色での伴奏に促されるように歌うREBECKAです。歌の内容は"Travel Like In Songs" のアンサー・ソングのようです。
全11曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット HDCD仕様 CCCD仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:39分37秒 (前々作までオランダ盤、U.K.盤または国内盤で比較的入手し易かった彼女のアルバムですが、今回はスウェーデン語のみのネットショップ、適価で販売しているショップまたは、日本まで発送している所が少なく結構苦労して入手しました。尚、CCCD仕様で再生するCDプレーヤーを選ぶ傾向に有ります)'06年4月01日更新
2004年度ベスト5


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写真  REBECKA TÖRNQVIST / Melting Into Orange
 ・2006 EMI Music Sweden AB    0946 358585 25

一味違ったREBECKAの魅力を感じるアルバムです・・・

前作[Travel Like In Songs]と趣を異なったサウンドのREBECKA・TÖRNQVISTの6枚目のアルバムで '06年3月29日に本国でのリリースです。
シンセサイザーとプログラムによるJOHAN・LINDSTRÖMとREBECKAの作り出した今までと一味違ったREBECKAの魅力を感じるアルバムです。歌詞の言語は違うものの、サウンド的には '01年の[Vad Jag Vill]に近いようです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、REBECKA・TÖRNQVIST:ヴォーカル/ピアノ/ウーリッツァー/パーカッションの他、JOHAN・LINDSTRÖM:ギター/ベース/ペダル・スティール/キーボード/シンセサイザー/パーカッション/バック・ヴォーカル/プロデュース、JOHAN・LILJEDAHL:ギター/ウーリッツァー/シンセサイザー、PETER・FORSS:ヴァイオリン、SVEN・LINDVALL:ダブル・ベース/ベース、FREDRIK・DAHL(B.K.O.):ドラム、ANDREAS・DAHLBÄCK:ドラム、FREDRIK・SCHULTZ:パーカッション、ANDRÉ・FERRARI:パーカッション、KLAS・JERVFORS:トロンボーン/トランペット/フレンチ・ホーン、PER'TEXAS'JOHANSSON:クラリネット/サックス/オーボエ/スオナ、PETER・LINDBERG:バック・ヴォーカル、JANNIKA・GUSTAFSSON(SNYKO):ヴァイオリン、MARTIN・STENSSON(SNYKO):ヴァイオリン、ELISABETH・ARNBERG・RANMO:ヴィオラ、HELENA・NILSSON:チェロのストックホルム近郊のミュージシャン達です。

1曲目"Wasted Sunset(Miss My Kid)"(2:51) プロデューサーのJOHAN・LINDSTRÖMの弾く12弦アコースティック・ギターの響きの乗せて歌う高い目のキーによる、今までのREBECKAのハスキーさを表に出した発声法と違った魅力を全面に出した曲です。GLORIAで一緒に活躍していたSARA・ISAKSSONの声域に近い感じで彼女の影響があるのでしょうか。この曲は、アルバム発売前にシングルカットされています。この曲の歌詞の中にアルバムタイトルの"Melting Into Orange"の一節があります。
2曲目"I Wanted This To Be Your Song"(3:34) 想像にもしなかったREBECKAの新しいテクノ・ポップ風のサウンドで細かく刻まれるように弾かれるキーボードのサウンドでの曲で新しい作風です。中国の弦楽器(ニ胡)のようなサウンドを配したところも斬新です。
3曲目"The Poachers"(4:14) サビの部分以外は、ほぼワン・コードでのメロディでしょうか、シンプルなサウンドをバックで支える雰囲気ものオーボエは旧友PER'TEXAS'JOHANSSONです。アウトロ近くになってから登場するアコースティック・ギターの美しい調べも特に印象的です。
4曲目"My Pretty Fingers"(4:00) イントロのこのサウンドを是非聴いて頂きたいと言いたいのですが...いつもより高いキーでの歌声による曲です。やはりこの曲からもファンが何時も抱いているREBECKA・TÖRNQVISTといえば「あのハスキー・ヴォイス...」と言う固定概念を打ち破りたいのでしょうか。2分半近くなって登場する"クール" な電子サウンドの渦巻きに絡むREBECKAの美しい歌声は本当に素晴らしいです。
5曲目"Song Formerly Known As Alice"(3:36) メルヘンチックなオルガンのサウンドとREBECKAのゆったり歌う歌声が心地好く流れ暫し時の流れをも忘れさせてくれる曲です。バック・ヴォーカルのPETER・LINDBERGの歌声が非常に素晴らしい曲となっています。彼のソロ・アルバムもリリースされたので聴いてみたいです。尚、これまた心地好いヴァオリンの調べは、ストックホルムのジャズ・バンドODDJOBに在籍するPETER・FORSSです。
6曲目"Steady House"(3:25) この曲は、前作の流れを汲むサウンドでの曲で美しいアコースティック・ギターの響きとREBECKAの優しい歌声を全面に出した曲です。PER'TEXAS'JOHANSSONと共作です。(ちょっとジングル・ベルに似たところも 笑)
7曲目"Tell On You"(4:30) 2曲目とサウンドの似たテクノ・ポップ風のサウンドでの曲です。意外なサウンドの作品ですが、REBECKA自身はデビュー・アルバムで早々に彼女は、ジャズ・シンガーとしてレッテルを貼られた事に非常に反発していると何かに書いていました。そんな彼女がいつも新たな事に挑戦し続ける証をこの曲が表しているのでしょうか。
8曲目"Wit Waltz"(3:18) 最近、誰かのアルバムで耳にしたテルミン風の電子サウンドを使った非常に美しい曲です。[Travel Like In Songs] でも参加していたJOHAN・LILJEDAHLのナイロン弦ギターの非常に美しい響きによるゆったりした落ち着いた流れです。
9曲目"Apology"(3:24) REBECKAのアカペラに近い曲でバックの演奏は最低限 のサウンドを発しているようです。後半よりのベースはSVEN・LINDVALL(GLORIA,A-HA,CROSSFADE)が担っています。
10曲目"Cuckoo"(3:56) どことなく70年代のモータウン・サウンドの影響をうかがえる少しファンクでキャッチーな曲です。単調なリズムの曲ですが、随所にJOHANのソリッド感のあるギターのサウンドを配した凝ったアレンジによる仕上げです。PER'TEXAS'JOHANSSONのサックスも全編に流されています。シングルカット第2弾はこの曲です。
11曲目"Bad Advice"(2:45) トロピカルムード漂うJOHANのペダル・スティールの音色とアコースティック・ギターでの落ち着いた曲で、前のアルバムのサウンドに非常に近いナンバーです。
12曲目"Clean Slate Day"(2:45) REBECKAのピアノでの弾き語りに近い曲です。サウンドも非常にシンプルな2分半ほどの曲です。この曲もPER'TEXAS'JOHANSSONと共作です。
全12曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット CCCD仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:42分24秒 (新しいサウンドに挑戦し続けるREBECKAの最新アルバムです。初期のアルバムのファンにとっては異種サウンドですが、アルバム6枚を通じて聴き込めばなるほどと頷けます!今回もCCCD仕様で再生するCDプレーヤーを選ぶ傾向に有ります)'06年4月1日更新
2006年度ベスト5


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写真  REBECKA TÖRNQVIST / The Cherry Blossom And
 The Skyline Rising From The Street
 ・2008 Moule RECORDINGS    MOULE 02 /50999 234881 2 0

小じんまりとした落ち着いた楽曲・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているREBECKA・TÖRNQVISTの7枚目('96年の[Stockholm Kaza Session]は含まず)のアルバムです。プロデューサーには、前作と同じくJOHAN・LINDSTRÖMを迎え、バックのメンバーも上海ライヴでお馴染のPETER・FORSS(ODDJOB):ベース/ニ胡とNIKLAS・GABRIELSSON(PENNEBAKER):ドラム/パーカッションに加えNINA・RAMSBY:ヴォーカル、SARA・ISAKSSON:バック・ヴォーカル、PER 'TEXAS' JOHANSSON:ベース・クラリネット/クラリネット/サックス/ギター/ドラムと言ったいつものメンバーが参加しています。
尚、このアルバムのリリースは、本国で '08年7月8日となっています。

1曲目"Worth The Pain"(2:34) イントロからREBECKAとNIKLASのハミングが慎ましやかに流れるスローで落ち着いた曲です。アコースティックなサウンドを中心としたコンパクトな収録曲になっています。
2曲目"While You Hesitate"(3:46) このアルバムの発売に先駆けて先行シングル盤となった曲で、ビデオも制作され9月16日に配信されました。ドラム・ループによる落ち着いたリズムの刻みに乗せ、これまた落ち着いた歌声を聴かせるREBECKAです。この曲は、PER 'TEXAS' JOHANSSONとREBECKAとの共作で、インドに旅をした時に買った大きなサングラスを帰国後に着用して鳥たちを見ていた時に詩を思いついたそうです。ただ、私的にはビデオを観ながらこの曲を聴くより、この曲の音楽のみを聴きながらREBECKAに歌声に浸りたいのです。
3曲目"Giving Up My World"(2:56) 前作のアルバム辺りからで良く歌われた出した高いキーによる収録曲です。JOHANのアコースティック・ギターによるフィンガー・ピッキングとPETERのヴァイオリンのサウンドが小波のように心地好く押し寄せて来ます。サンプル曲では分らなかったのですが、総勢12名(SARA・ISAKSSONPETER・LINDBERG、MARGARETA・BENGTS(S)ON、ANN-CATHRINE・HÖGBERG・WINGREN、MARIN・WIDERSTRÖM、CHRISTINA・WELANDER・WIKSSTRÖM、CATHARINA・HEDRENIUS、NIKLAS・GABRIELSSON、ANDERS・KARLSSON、ANDREAS・PEJLER、JOHAN・PEJLER、GORM・SUNDBERG)によるコーラスの歌声がバックで重厚に響いています。
4曲目"One Or Maybe Two"(3:22) この曲は、リズムの流れとサウンドの起伏が非常に良いですね。REBECKAの作詞/作曲で、この曲の歌詞にアルバム・タイトル[The Cherry Blossom And The Skyline Rising From The Street]の一節が登場します。
5曲目"No Bait(With Nina Ramsby)"(4:13) 同じくスウェーデンで活躍している個性派女性コルネット奏者/ヴォーカリストNINA・RAMSBYとコラボによる曲です。厳かに流れる宗教的なニュアンスをも感じさせるハミングが前半の1分以上続きます。NINAの切なさのある歌声が流れた後に後を追うようにREBECKAの歌声が登場します。バックで影絵的な輪郭を聴かせるベース・クラリネットは、PER 'TEXAS' JOHANSSONです。
6曲目"Sweet Alouette"(3:59) 驚いたことにこの曲は、ハワイアン・ミュージックの要素を持っています。非常にスローなリズムと心地好いハーモニーが流れるREBECKAとJOHANとの共作による曲でメロディは、JOHANの演奏するペダル・スティールのサウンド・スタイルに近いものを感じさせます。
7曲目"Bam Bam"(2:57) この曲は、ポップ・ミュージックに近いサウンドとリズムの曲で、サンプル曲で少し聴いた時は、てっきり昔の曲のカバーと思っていました。めずらしくポップでリズミカルに歌詞を流れるように綴るREBECKAです。
8曲目"If"(3:25) この曲も肩を張らず少し気楽な気持ちを歌ったREBECKAの姿勢を感じます。曲の中間でスキャットで歌うイントロらしきパートを差し替えた粋なアレンジと打楽器をメインとした曲の流れも興味深いですね。
9曲目"Romantic Realism"(3:40) 彼女のMySpaceを通じて最初に紹介された曲で、REBECKAがめずらしくウイスパー・ヴォイスに近い歌声を聴かせます。サウンドの随所にJOHANのアトモスフェリカルな隠し味を使ったアレンジになっています。私にはこの曲のテンポが面白い事に往年のウエスタン映画のテーマ・ソングを思い起こさせるのです。
10曲目"All This"(2:15) JOHANのウクレレの調べとアコースティック・ギターによる非常にシンプルな曲の登場です。遠くで響くピアノのサウンドが清々しいイメージを発しています。この曲はREBECKAの作詞/作曲となっています。
11曲目"Blank Spaces"(2:07) PER 'TEXAS' JOHANSSONのジャジーなスケール演奏によるクラリネットの音色に合わせたREBECKAのスキャットによるインストゥルメンタルに近い2分程度の曲です。イントロは、JOHANの凝ったサンプル音源となっています。
10曲歌詞付 12ページ物イラストブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:35分19秒 (小じんまりとした落ち着いた楽曲が収録されたアルバムですが、欲を言えば収録時間をもう少し長くして欲しかったかな...。一部のダウンロード販売では、12曲目"The Ballad Of Good Hope" があるのに残念!)'08年9月30日更新


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写真  REBECKA TÖRNQVIST / Scorpions
 ・2011 Warner Music Sweden AB    Metronome 5052498-4501-2-1

再び新しい音楽性と方向性・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているS.S.W.REBECKA・TÖRNQVISTの '11年2月23日に本国でリリースされた8枚目('96年のPER 'TEXAS' JOHANSSONとのアルバムは含まない)のアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、REBECKA・TÖRNQVIST:ヴォーカル/パーカッション/シンセサイザーの他、DESMOND・FOSTER:ベース/バック・ヴォーカル、MARKUS・JÄGERSTEDT(MONSTER & MASKINER):キーボード、JARI・HAAPALAINEN:ドラム/パーカッション/シンセサイザー/グーチェン/ギター/プロデュース、DAVID・TALLROTH(DELTAHEAD):ギター、CALLE・OLSSON(THE BEAR QUARTET):シンセサイザー、MARGARETA・BENGTS(S)ON:ハープ、SARA・ISAKSSON:バック・ヴォーカル、BRITTA・PERSSON:バック・ヴォーカル、PER'TEXAS'JOHANSSON:バリトン・サックス/ミュージカル・ソウPETER・LINDBERG:バック・ヴォーカルによる一部はいつものミュージシャン達です。
尚、REBECKAと今作でのプロデューサーJARI・HAAPALAINENとの関係は、'05年12月にリリースされたスウェーデンのシンガー/ギタリスト故OLLE・ADOLPHSON追悼アルバムにELDKVARN(JARIは彼らのアルバムのプロデューサー)と共に参加した事による始まりです。

1曲目"I Forget"(3:21) このアルバムのリリース前よりH.P.での無料ダウンロードやYouTubeにて配信されていたシングル・カット曲です。ピアノによる特長的な打撃音による旋律などは、"おもちゃのチャチャチャ" とカブルところを感じてしまうのは私だけでしょうか。
2曲目"Jeremy,Jeremiah"(3:10) この曲でもJARI・HAAPALAINENのドラムのビートが印象付けられますね。シンプルなメロディとビートによる曲ですが、凛としたREBRCKAとSARAとの歌声が一点の曇りもなく響いています。
3曲目"Scorpions"(3:13) チープなサウンドを奏でるキーボードの調べによるエレクトロニカ・ミュージックですが、サビの部分がロック"ン" ロールのリズムになりREBECKAが高いキーながらもその素晴らしい歌声と卓越した歌い回しを聴かせます。
4曲目"Impulse To Action"(2:10) この曲は非常に北欧的と言うか孤高としたREBECKAの歌声が広がる曲で、次第にオーケストレーション風のサウンドの流れになる落ち着いた作品です。
5曲目"Some Kind Of Happy"(3:34) 低い音程の鍵盤で奏でられるピアノの調べから入るオルタナティヴな要素を感じさせる曲で、ドラムやパーカッションによる打撃音も重視したJARIのプロデュース曲らしいリズムの流れやアレンジによるダウンテンポな響きが伝わって来ます。
6曲目"Trust"(3:30) 今度は、少し不思議さと言うかレトロな雰囲気を感じさせるエレクトロニカ・ポップな曲の登場です。一昔前のイギリスの女性ヴォーカリストをメインにしたバンドのサウンドに共通するところを強く感じます。
7曲目"The Jewel Boxes"(3:34) 一転して非常に繊細なサウンドによる精巧に作られたガラス細工の置物を見ているような質感の曲です。ゴージャスさ溢れるハープ([Vad Jag Vill]の収録に参加していた当時のMARGARETA・JALKEUSの演奏)の調べとREBECKAの美しい歌声に表現された"宝石箱" を暫し楽しみましょう。
8曲目"Something Other"(3:29) またしてもサウンドとリズムを一変させて来たポップさ溢れる曲の登場です。バンドGLORIAでの収録曲やSARAとのデュエット曲"As I Am" を更にポップ色を強めたアレンジ感のある曲で、全体にダークな感じの収録曲の多いこのアルバムの中では、トップに位置する明るいサウンドが響いて来ます。
9曲目"Collision"(1:19) ピアノの調べとドラムの細かく刻まれるビートによる短い曲です。短い曲ながらヒーリング系のエクスペリメンタルな要素を感じさせる内容です。
10曲目"Keeper Of Locks And Keys"(3:07) 非常に重厚なサウンドを響かすシンセサイザーによるサウンド群がうごめく曲で、PER'TEXAS'JOHANSSONの演奏による不気味に響くミュージカル・ソウのサウンドが印象的です。このアルバムに到達して再び新しい音楽性と方向性見出したように気迫に満ちたサウンドが縦横無尽に響くのです。
11曲目"This Isn't Me"(4:10) ピアノによるREBRCKAが高いキーで歌う弾き語り形式で収録された曲です。センチメタルなか細い歌声を聴かせるREBECKAのバックに流れるレトロな雰囲気を醸し出すギターの調べも切なく感じます。曲が一旦終わりかけたところからの後半の約1分の変調する様とアレンジが非常に美しいサウンドを聴かせます。
12曲目"To Begin With"(6:32) PETER・LINDBERGとREBECKAの共作による曲で、バンブーダンス風の打撃音が響くポリネシアン音楽の影響も感じられます。曲の後半から登場するE-Bow/スライド・ギターによるエコーの広がりとPETERとSARAの歌声による非常に美しいバックでのハーモニーが非常に印象に残ります。ここ数枚の彼女のアルバムの中での収録曲では、比較的長い時間の曲でもあり非常に聴き応え十分な作品です。
歌詞無し ライナー無し 予約限定サイン入2折紙ジャケット仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:41分15秒 (レーベルも新たにリリースされたREBECKAの最新作、プロモートや新ビデオ/ライヴ盤の制作など強力なバックアップ体制が築かれることを望みますね!)'11年3月5日更新


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写真  REBECKA TÖRNQVIST
 WITH JOHAN LINDSTRÖM / Home Secretary
 ・2017 Moule Recordings    MOULE004CD

EMI時代から一線を画す・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているS.S.W.REBECKA・TÖRNQVISTの9枚目(但し、本作品はJOHAN・LINDSTRÖMとの共同名義)のアルバムです。本国でのリリースは、'17年9月22日です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、REBECKA・TÖRNQVIST:ヴォーカル/ピアノ/アコーディオン/パーカッション/プロデュース、JOHAN・LINDSTRÖM:ギター/ピアノ/シンセサイザー/バック・ヴォーカル/プログラミング/パーカッション/その他楽器の他、PER 'TEXAS' JOHANSSON:コントラバス・クラリネット/バスーン/テナー・サックス、MARGARETA・BENGTSON:ハープ/バック・ヴォーカル、KONRAD・AGNAS:ドラム/パーカッション、NIKLAS・GABRIELSSON:ドラム/パーカッション、CLAUDIO・CIOC:シンバロン、WILHELM・BROMANDER:ベース、MARIAM・WALLENTIN:バック・ヴォーカル、JULIA・SPADA:バック・ヴォーカルのスウェーデンのミュージシャンが参加しています。
尚、個性的なジャケット写真は、[The Cherry Blossom And The Skyline Rising From The Street]、
[Scorpions]と続きBOSKEデザインのKARL-MAGNUS・BOSKEがデザインを担当しています)

1曲目"Rosemary & Mathematics"(3:51) いきなりイントロから小さな笑い声が聴こえる不思議な雰囲気を伝える曲です。ダークなイメージなサウンドと怪しく流れるリズムには、本当に不可思議としか言いようがない感じです。
2曲目"The Winds"(4:02) このアルバムのリリース前からダウンロード販売された曲です。そのダウンロード・ページから試聴される部分では、非常に変わった音楽(エクスペリメンタルな部分を)と感じていたのですが、1曲通しで聴くと後半2分過ぎからのインストゥルメンタルが非常に美しいサウンドの流れを感じさせるのです。バック・ヴォーカルのMARIAM・WALLENTINは、スウェーデンで活躍しているS.S.W.で彼女もアルバムをリリースしたもよう。
3曲目"For Show"(2:20) 男性バック・ヴォーカル(多分JOHANでしょう)が入った小さな曲です。戯曲的なイメージと古びたアップライト・ピアノで軽く作られています。スウェーデンでのライヴの導入曲と歌われてようです。
4曲目"Home Secretary"(2:16) PER 'TEXAS' JOHANSSONのコントラバス・クラリネットの音色でしょうか、この曲も不思議な雰囲気を醸し出す曲です。聴き込みが十分に必要な感じがしますね。
5曲目"Paradise"(1:40) イントロからアカペラに近い歌声とドラムと最小限の楽器類で収録されたこの曲も本当に不思議なサウンドを伝えて来ます。
6曲目"Heart Is All Around You"(5:13) やっと乗りの好い曲の登場です。バックで細かく刻まれるJOHANのギターの爪弾きは、'08年の曲"The Ballad Of Good Hope" に似た雰囲気を持っています。REBECKAとヴォーカルをシェアしているJULIA・SPADAは、REBECKAと同郷ウプサラ出身のR&B/Hip-Hop系のシンガーです。
7曲目"Heights"(2:21) REBECKAのスポーケンによる本当、サウンドが非常に少なく流れる曲です。この曲は、サウンドが非常に面白い曲です。Moule Recordingsからリリースされる彼女の最近の楽曲は、本当にメジャー・レーベルからは敬遠される曲ではないでしょう。
8曲目"It's A Sunny Day"(4:14) 殆どワンコードとリフレインによるフラットなサウンドの曲です。過去の曲"If" を引き延ばしたようなイメージを感じます。
9曲目"Hopefully Dealing With (Claude)"(1:44) 再び短い曲による戯曲的なイメージを持たせます。アルバムをリリース度に固定観念を打破する意欲的な彼女のイメージを感じます。
10曲目"Sidewalk Signs In Chalk"(3:50) イントロは、PER 'TEXAS' JOHANSSONの金管楽器によるソロから組曲的になった曲です。また、このアルバム・リリース前からライヴで演奏されているダーク・アシッドなメロディとサウンドを伝えます。ジャケの裏に曲名"Sidewalk Signs In Chalk"とありますが、media playerで開くと"Sidewalk Signs"と省略されて表示されます。
11曲目"Rivers Are Wider"(2:29) この曲もダークさがたっぷり響く曲です。竹を用いて叩き付けるたようなリズムも独特でありミニマルなサウンドによる曲です。
歌詞無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:34分05秒 (EMI Sweden時代から一線を画すエクスペリメンタル(実験的)な要素をふんだんに取り入れた本作、昔からのファンからは評価が分かれるのでは無いでしょうか。私的には、REBECKAがEMI時代の呪縛から抜け出たと意味しているのでは?)'17年9月29日更新


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写真  REBECKA TÖRNQVIST
 WITH JOHAN LINDSTRÖM / Memo
 ・2022 Moule Recordings    MOULE005CD
 ・2022 Moule Recordings    MOULE005

今作もJOHAN LINDSTRÖMと共同・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているS.S.W.REBECKA・TÖRNQVISTの10枚目(前作に続き本作品もJOHAN・LINDSTRÖMとの共同名義)のアルバムです。本国でのリリースは、'22年10月14日(ダウンロード盤とCD盤、LP盤は、少し遅れて '23年2月24日)です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、REBECKA・TÖRNQVIST:ヴォーカル/プロデュース、JOHAN・LINDSTRÖM:ギター/ピアノ/シンセサイザー/プログラミング/パーカッション/バック・ヴォーカル/プロデュース/その他楽器、KONRAD・AGNAS:ドラム/パーカッション、MARGARETA・BENGTSON:ハープ/バック・ヴォーカル、PER 'TEXAS' JOHANSSON:クラリネット/フルート/サックス、JOSEFIN・RUNSTEEN:ヴァイオリン/ヴィオラ/パ―カッション/バック・ヴォーカル、M.WARD:ヴォーカル/ギター、ANNA・AHNLUND:バック・ヴォーカル、SARA・ISAKSSON:バック・ヴォーカル、CLARA・LINDSJÖ:バック・ヴォーカル、EDDA・MAGNASON:バック・ヴォーカル、CHRISTIAN・RUTEMARK:バック・ヴォーカル、JOAKIM・SKOG:バック・ヴォーカル、JULIA・SPADA:バック・ヴォーカル、GORM・SUNDBERG:バック・ヴォーカル、EMIL・SVANÄNGEN:バック・ヴォーカル、PER・WESTIN:バック・ヴォーカル、EL・SISTEMA・SÖDERTÄLJE:オーケストラ、KINA・SELLERGREN:アレンジ、NIKLAS・LINDSTRÖM:アレンジ、LOVISA・SAMUELSSON:チェロ/バック・ヴォーカル、NIKLAS・GABRIELSSON・LIND:ドラム、LENA・SWANBERG:ヴォーカル、FELISIA・WESTBERG:ヴォーカルのソロで活動しているミュージシャン達とSWEDISH RADIO ORCHESTRA、SWEDISH RADIO CHOIR(オーケストラ部のプロデュースは、SR・BERWALDHALLEN)の大勢が参加しています。
尚、今作もアルバム・ジャケットは、バンドGLORIA、[The Cherry Blossom And The Skyline Rising From The Street]、[Scorpions]、[Home Secretary]と続きBOSKEデザインのKARL-MAGNUS・BOSKEがデザインを担当しています)

1曲目"Orchid (Intro)"(1:53) オーケストラのAチューニング風の出だしストリングスのサウンドから入る戯曲のイメージです。次の曲へのイントロとして配置されているのでしょう。
2曲目"Whim"(3:44) ウッド・ベースの優しい響きの旋律と心地好いREBECKAの歌声が重ねられて繰り広げるスタンダード・ジャズ風の曲です。流石PERのサックス・ソロもご機嫌な流れですね。 この曲は、REBECKAとPERとJOHANの3人で書かれています。
3曲目"Mass"(1:32) アルバム・リリース前よりYouTubeにて紹介されているREBECKとJOHANとの共作の曲です。短い歌詞にダークで不思議なピアノの旋律を付けた個性的な曲です。
4曲目"Lie"(3:34) この曲も変わったサウンドとメロディを持った曲です。クラヴィネットかシンセサイザー・ベースのうねるようなサウンドにNIKLASのクールなドラムのリズムが印象的ですね。PERやJOHANのエフェクト的なサウンドの数々が物語を作っているようです。
5曲目"My Neighbour(Featuring M.Ward)"(2:50) アメリカで活躍しているS.S.W. M.WARDがヴォーカル/ギターで参加している曲です。低く抑えた少しダーク・トーンで繰り広げられるREBECKAとM.WARDの渋めの歌声が交互に流れるアレンジも渋いですね。
6曲目"From here(Featuring M.Ward)"(2:28) この曲はREBECKA1人で書かれています。ウクレレ的なサウンドを放つM.WARDのギターの調べに合わせて2人が優しく歌います。
7曲目"Helios"(4:24) アルバム・リリース前よりYouTubeより紹介されているREBECKA、PERとJOHANとの共作となっている曲です。前作からのJOHANとの共作となった非常に変わった旋律とサウンドの曲です。ちょっと中東風のPERのフルートと淡々した電子サウンドが底辺に流れる1歩も2歩も先を行くモダン・テイストの曲のように感じます。
8曲目"Memo"(2:33) 事前のアルバム情報からアルバム・タイトル[One Time Being King]から変更されたタイトル曲の[Memo]です。ギリギリまで高いキーで祈るように歌うREBECKAの歌声とは対照的にバックのサウンドは、平静さを保ってゆったりと流れて行きます。
9曲目"One Time Being King"(3:56) 旧タイトル曲ですね。「昔々あるところの王が…」的な感じでしょうか。途中よりヴォコーダーを通したREBECKAのLo-Fiな歌声に驚かされます。
10曲目"Is This Peace"(2:07) REBECKAがアカペラで歌う讃美歌的な曲です。途中よりコーラス隊も歌い平和への祈りへの様が収録されています。
11曲目"You All Lovely People(Interlude)"(1:13) 1番驚いたのはこの曲なのです。サビのソウルフルなコーラス部分をラジオのチューニングが合った瞬間の楽しさを収録した様を演出しているのです。REBECKAが幼少期に聴いていたアメリカ音楽番組の記憶の再現ですね。でも収録時間が非常に短いので、この曲のフルヴァージョンが存在するなら別売でも良いので是非聴きたいものです。
12曲目"Bueno"(4:10) 電子ピアノの揺らぎを持った調べと発声練習にも似た歌声のキーを上げた感が面白い曲です。全体の感じはモダン・ジャズ+エクスペリメンタル的な領域に踏み込んだイメージですかね ?。
13曲目(B-7)"Last Wasp"(3:17) レコード盤のみに収録されている曲です。何故レコード盤のみ収録されたかは不明ですが、発売時期が4ヶ月近くずれていますので、プレスに掛ける頃に急遽追加収録されたかもしれません。REBECKAの歌声とJOHANのギターの爪弾きから次第にオーケストラの演奏が加えながら繰り広げられる戯曲公演の終盤を迎えるような様です。
・歌詞無し 2折紙ジャケット仕様 CD盤 (輸入盤) 収録時間:34分29秒
・歌詞無し 見開きジャケット仕様 LP盤 (輸入盤) 収録時間:37分36秒 (ヒットとか売れることを前提としたアルバムでは無いですね。EMI Sweden時代のサウンドから[The Cherry Blossom…]になった頃の一瞬あれっ?と思ったのですが、今では[The Cherry Blossom…]でも聴き易い部類ですね!)'23年5月15日再更新


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写真  REBECKA TÖRNQVIST &
 PER'TEXAS'JOHANSSON / The Stockholm Kaza Session
 ・1996 EMI Svenska AB    TOCJ-6081

練習の合間のセッションに苛立ったREBECKAのアイデアで生まれた・・・

スウェーデン屈指のサックス・プレーヤーPER'TEXAS'JOHANSSONとREBECKA・TÖRNQVISTのコラボレーションによるJAZZのスタンダード・ナンバー集で '97年1月22日、国内(本国では '96年9月23日)でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、REBECKA・TÖRNQVIST:ヴォーカル/パーカッション、PER'TEXAS'JOHANSSON:テナー・サックス/ベース・クラリネットの他、MAX・SCHULTZ:ギター、BOBO・STENSON:ピアノ、MARKUS・WIKSTRÖM:ベース、MAGNUS・ÖSTRÖM:ドラム、MAGNUS・BROO:トランペット、FREDRIK・LJUNGKVIST:テナー・サックス、PÅL・SVENRE:プロデュースのベテラン達です。

1曲目"My Shining Hour"(2:12) ドラム・ソロといきなりREBECKAのヴォーカルから入る曲で全員のソロパートを随所に入れた粋な曲です。オリジナル曲は、'43年にHAROLD・ARLENとJONNY・MERCERよって書かれた映画「青空に踊る」の挿入歌です。
2曲目"Out Of This World"(6:29) 再び ARLEN/MARCERコンビの曲で '44年の作です。同名映画の挿入歌です。ここでもREBECKAの巧みなヴォーカルを堪能出来ます。
3曲目"The Peacocks"(6:37) PERの長いサックス・ソロによる曲です。
4曲目"After You've Gone"(5:01) 静かに流れるBOBO・STENSONのピアノのメロディとゆったりと歌うREBECKAのヴォーカルが良いです。また、MAGNUS・BROOのワウワウミュートを使ったトランペットのシルキー調べが耳に優しく響きます。
5曲目"Fly Me To The Moon"(4:33) PERのサックス・ソロによるインストゥルメンタル。
6曲目"I've Grown Accustomed To Her Face"(3:17) アコースティック・ギターのサウンドによるのんびりした曲で、ここに来てちょっと雰囲気を変えての収録です。
7曲目"Honeysuckle Rose"(5:54) スネアドラムに合わせて歌うREBECKAのヴォーカルの後の各楽器のソロを入れたシンプルな曲です。
8曲目"Danny's Dream"(4:27) スウェーデンのLARS・GULLINの曲。流れるようなBOBOのピアノの旋律とMAXのアコースティック・ギターのソロが雰囲気物です。
9曲目"Fly Me To The Moon"(3:50) REBECKAのヴォーカルが入ったヴァージョンで5曲目よりややゆったりしたアレンジです。この曲は他のシンガーもよくカバーしています。
10曲目"Atlantis"(2:23) アグレッシブなPERのソロとBOBOのピアノによるセッションでREBECKAは、スキャト・ヴォーカルで参加しています。
11曲目"Everytime We Say Goodbye"(3:24) COLE・PORTERの曲で静かなメロディの落着いた曲です。
7曲歌詞付 写真ライナー (国内盤) 収録時間:48分14秒 (スウェーデン北部にツアー中のリハーサルと練習の合間で、他アーティスト同士のジャムセッションに苛立ったREBECKAが、JAZZのスタンダードを歌って対抗したアイデアで生まれたアルバムです)'10年8月28日再更新


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写真  REBEKKA BAKKEN / The Art Of How To Fall
 ・2003 Universal Music GmbH, Austria    LC0069.0602498087503

REBEKKA歌声に完全に魅了された・・・

ノルウェー出身のジャズ・シンガーREBEKKA・BAKKENの単独名義のデビュー・アルバムで、'03年9月23日に本国のリリースです。REBEKKAは、単独デビューする前にジャズ・ギタリストのWOLFGANG・MUTHSPIELが主宰のMaterial Records制作の3枚(リミックス盤も含む)のアルバムに参加しています。
バックのメンバーは、ベテラン勢のJOJO・MAYER:ドラム、ROBERTO・CIPELLI:ピアノ、DIETER・ILG:ベース、EIVIND・AARSET(AARSETH):ギター、TAKUYA・NAKAMURA:トランペット/キーボードです。尚、アルバム収録曲は全てREBEKKAの作詞作曲でプロデュースも彼女自身が行なっています。

1曲目"If Only"(3:42) JOJOのドラムのビートに誘われて歌いだすREBEKKAの少し硬質の鼻にかかった特徴的な歌声によるジャズとカントリーが上手く混ざった曲調による曲です。
2曲目"Say Goodbye To What Is Gone"(5:35) ピアノのサウンドを基調としたスローな曲で自分のもとを去った恋人への思いを素直に綴ったメランコリックな内容の曲です。
3曲目"Cover Me With Snow"(3:45) 低いキーによる溜めを取った歌い方によるREBEKKAのまた違った歌声による曲でサビの部分では高く美しい伸びる歌声と色々と変幻する歌声を披露しています。
4曲目"I've Tried And I've Waited"(4:08) この曲でのREBEKKA の歌声は非常に素晴らしいROBERTO の美しいピアノの響きに合わせて歌い上げる彼女の歌声は一種の楽器の如く奏でられます。往年のAL・JARREAUの女性版?でしょうか。
5曲目"Virgin's Lullaby"(3:24) スローなリズムの曲でアコーディオンの音色が印象的です。REBEKKAの卓越した歌い振りに只々感心するばかりです。
6曲目"Art Of How To Fall"(3:45) 本格派のジャズスタイルによるサウンドを持った曲でモダンジャズのピアノの調べとアシッド感を持ったベースのリズムとREBEKKAの変化に富んだ歌声に曲です。イントロとアウトロの効果音はREBEKKAのHPでのクリック音です。
7曲目"Worriless"(3:59) 北欧の透明感を漂わせたスローで清涼感のある曲でバックで流れるトランペットのサウンドが曲に浮遊感を持たせています。宗教を題材とした内容の歌詞のようです。
8曲目"Giant Body"(3:57) ギターのEIVIND が得意とするロックのリズムの曲です。スポーケンに近いREBEKKA歌声とバックに流れるワウ-ワウを使ったギターサウンドと孤独感を漂わすピアノの響きによる曲です。
9曲目"Do You Know My Love"(3:30) REBEKKAの歌声を最初に聴いた曲です。美しいメロディによるピアノの調べに乗せ歌うREBEKKAの透明感のある歌声の完全に魅了された曲です。
10曲目"Powerless"(4:09) ミュートさせたトランペットの音色による本格的なジャズな曲です。小さなクラブで演奏が非常に似合いそうなブルージーで虚脱感を漂わせた曲です。
11曲目"Daylight Is Short In Fall"(3:53) カントリー調の響きを持ったスローな曲で秋の季節感をしっとりした曲調に乗せて歌うREBEKKAの透明感のある歌声でアルバムは幕を閉じます。
全11曲歌詞付 16ページ物豪華写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:43分52秒 (REBEKKAは現在、活動拠点をオーストリアに移しているようです)'10年8月28日再更新


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写真  REBEKKA BAKKEN / Is That You?
 ・2005 Universal Music GmbH, Austria    0602498701522

前作よりポップ路線を歩んで・・・

ノルウェー出身のジャズ・シンガーREBEKKA・BAKKENの2枚目のアルバムで、'05年2月28日に本国でのリリースです。今回も収録曲は、全てREBEKKAの作詞/作曲でプロデュースも彼女自身が行なっています。
バックメンバーは、EIVIND・AARSET:ギター、LARS・DANIELSSON:ベース、PER・LINDVALL(GLORIAのSVEN・LINDVALLの兄):ドラム、PETER・SCHERER:ピアノ、NILS・PETTER・MOLVAR:トランペット、BENDIK・HOFSETH:サックス、KNUT・KOPPANG:バック・ヴォーカルです。今回の作品は、前作よりグッとポップ路線を歩んでいます。

1曲目"As Tears Clear Our Eyes"(4:17) このアルバムのリリース時までオフィシャルHPのテーマ・ソングになっていたこのアルバムからの一押しの曲です。イントロから響く電子音とREBEKKAの少し癖のある歌声は、一度聴いたら忘れる事の出来ない掴みとなって聴く者を惹き付ける恋人への想いを綴った歌です。
2曲目"As I Lay Myself Bare"(3:00) ギターのサウンドとピアノのサウンドを基調としたポップな曲でサウンド全体が非常に明るくなりました。REBEKKAの伸びやかな歌声にも益々磨きが掛かったようです。
3曲目"Didn't I"(4:17) 前作でも3曲目は低いキーによる溜めを取った歌い方の曲です。途中より1オクターブ高いキーでの歌声に変えて歌われるスローな曲です。
4曲目"Going Home(Is a Lonely Travel)"(4:03) カントリー/ポップ調なサウンドによるご機嫌で聴き易い曲です。前作でも参加しているEIVINDの柔らかい音色の心地好いギターの爪弾きがご機嫌です。
5曲目"Is That You?"(3:33) アコースティック・ギターのサウンドによるゆったり流れるように奏でられる曲で後半からのダイナミックな展開とREBEKKAの歌声は最高です。
6曲目"Even If You Buy Me Thousand Cars"(2:55) この曲もアコースティックのサウンドを基調とした曲で短い歌詞を連続的に綴った特徴的なリフレインによる曲です。
7曲目"Why Do All The Good Guys Get The Dragons?"(4:05) 一転してロック色の強い曲です。やはりEIVINDのギターが生き生きと鳴りそうな曲です。スタンダードジャズからこのようにシャウトするロックの歌声まで歌いこなし又作曲するREBEKKAの才能に頭が下がります。
8曲目"So Ro"(4:42) ノルウェー語によるプログレッシブ・ロックの要素を持った曲で北欧と中近東のサウンドをコラボした無国籍的サウンドです。
9曲目"Just A Little Moon"(3:35) 美しいピアノのメロディのよるスローな曲です。バックで流れるギターのサウンドとフレットレス・ベースのサウンドとREBEKKAの透明感のある歌声が織り成す清々しい曲です。
10曲目"Innocence"(6:18) 幻想的なサウンドを漂わす曲で囁くように歌うREBECKAの歌声と逆回しにしたサンプルのサウンドが印象的で後半ではスキャットによるヴォーカルによる6分を超える曲です。
11曲目"As Long As There Is A Voyage Away"(5:35) バックで流れる打楽器のリズムが心地好い響きを持った曲で、やはりロック・ポップ畑出身のPERが参加した事によるサウンドの違いでしょうか。非常に美しくまたリラックスした浮遊感を漂わせているのであす。
全11曲歌詞付 16ページ物豪華写真ブックレット HDCD仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:46分26秒 (REBEKKAのプロデュースによりアルバムを出す毎に音楽路線を変化させた好アルバムに仕上がっています)'10年8月28日再更新


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写真  REBEKKA BAKKEN / Keep My Cool
 ・2006 Universal Music GmbH, Austria    0602498592564

3枚目のアルバムが早くも・・・

REBEKKA・BAKKENのソロ名義3枚目のアルバムが、早くもリリースされました。前作より1年7ヶ月のインターバルを置いての '06年9月1日にオーストリア/ドイツでのリリースです。
バックメンバーは、殆ど前作と同じメンバーでREBEKKA・BAKKEN:ヴォーカル/プロデュースの他、EIVIND・AARSETS:ギター、HERBERT・MAYR:ダブル・ベース、PER・LINDVALL:ドラム、ROBERT・NAGY:チェロ、KJETIL・BJERKESTRAND:キーボード/指揮、GERHARD・MARSCHNER:ヴィオラ、ANDREAS・GROSSBRAUER:ヴァイオリン、MARTIN・KUBIK:ヴァイオリンのノルウェー/スウェーデン/デンマーク/ドイツとの混合メンバーです。

1曲目"We Hit It Again"(2:56) CDプレーヤのスタートボタンを押すと暫くして柔らかいベースのサウンドが....続いて聴きなれたあの硬質な質感のREBEKKAの歌声が耳に届きます。スローなリズムによるジャジーな曲。
2曲目"Welcome Home"(4:36) ゆったりしたリズムによる清々しい曲で、このアルバムの収録された時より2年ほど前にREBEKKAによって書かれた曲です。EIVIND・AARSETS(D'SOUND)がロックぽい良い感じのギターを再び聴かせています。
3曲目"Just Having My Fun"(2:52) REBEKKAの特徴的でコケテッシュなヴォーカルによるめずらしいポップ調の曲で、少しソウルフルでブラック/ファンクな雰囲気のする曲です。この曲は6,7年前に書かれたそうです。
4曲目"Any Pretty Girl"(3:32) アコースティック・ギターとピアノによるソフトな響きのメロディとゆったり流される曲で、チェロの優しい響きが胸を打ちます。
5曲目"Love May Seem Hard"(4:02) このアルバムで最初に印象に残った曲です。ヨーロッパ特有の雨降りの後に響く足取りの音に似た少し悲しいメロディによるピアノの響きとストリングスの調べとLARS"LARRY" DANIELSSONのアップライト・ベースが素晴らしい。
6曲目"Hard To Be A Loser"(2:41) REBEKKAの出身地のノルウェー語で歌われたブルースを彼女が英語に直して収録した曲です。ハード・ロックからスムースなジャズまで弾きこなすEIVINDのアグレッシヴなスライド・ギターとREBEKKAの非常にエモーショナルな歌声による異色の曲です。
7曲目"What Love Is Not"(3:44) この曲はとてもREBEKKAの歌声の持ち味をストレートに表現しています。必要最小限の演奏がREBKKAの透き通る歌声をより美しく際立たせています。
8曲目"You're Crying"(3:36) 日本のクラシック音楽ファンにも人気のあるROBERT・NAGY(WIENER PHIL.)の弾く優しい響きのチェロによるスロウなバラードです。間奏のEIVINDのギターがまた好いんです。
9曲目"Nobody's Fool"(4:01) アメリカ南部のリズム アンド ブルースに近いリズムとメロディの曲で、非常にアグレッシヴなREBEKKAのヴォーカルです。この辺りの曲は彼女の新境地ではないでしょうか。
10曲目"Everything Can Change"(3:43) この曲はアメリカの牧歌的なサウンドに非常に近い曲です。ゴスペル調のコーラスとペダル・スティールの心地好い響きと映画音楽に使われそうな曲です。このアルバム発売前のシングルとしてリリースされました。
11曲目"You Bring New Stars"(4:00) 透明感のあるREBEKKAの美しい歌声が静寂に響く曲で、北欧的と言うかケルトの音楽が持つ独特の癒しとガラス細工の手触りに似た緊張感とを併せ持ったものを感じます。
歌詞なし 写真ライナー E.U.製 (輸入盤) 収録時間:39分54秒 (前作まで歌詞付/写真ブックレットが付いていましたが、今回は印刷物が寂しいです。前のアルバムも聴込み十分では無いのに新たにアルバムが...)'10年8月30日再更新


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写真  REBEKKA BAKKEN / Morning Hours
 ・2009 Universal Music GmbH.    271 280-3

サウンドの方向が変わって・・・

このアルバムは、ノルウェー出身(現在はドイツ在住)のジャズ・シンガーREBEKKA・BAKKENの '09年10月23日にヨーロッパでリリースされた彼女の4枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、REBEKKA・BAKKEN:ヴォーカル/ピアノ、CHRISTOPHER・BRUCE(CHRIS・CONNELLY):ギター、EARL・HARVIN(JOE・HENRY):ドラム、GLENN・PATSCHA(OLLABELLE):キーボード/バック・ヴォーカル、MARC・RIBOT(Ex.LOUNGE LIZARDS):ギター 、DAVID・PILTCH(JOE・HENRY):ベース、PATRICK・WARREN(JOE・HENRY):キーボード、MARC・ANTHONY・THOMPSON(SION):ハーモニカ/バック・ヴォーカル、SVEN・LINDVALL(A-HA,GLORIA):バック・ヴォーカルのドイツ、スウェーデンとアメリカのベテラン・ミュージシャンが参加しています。混成 尚、このアルバムのプロデューサーは、NORAH・JONESのアルバムを手掛けて '02年のグラミー賞を受賞したカリフォルニア出身のCRAIG・STREETが担当し、N.Y.とロス・アンゼルスで収録されています。

1曲目"Not A Woman"(3:13) これまでのアルバムの曲と違ったカントリー・サウンドの軽快なギターの調べに合わせて歌うREBEKKAのあの硬質な歌声が響く曲です。バックの歌の上手い男性ヴォーカルは、これまでこのH.P.に数多く登場して来たスウェーデンの辣腕ベーシストSVEN・LINDVALLです。
2曲目"Sometimes"(3:28) 少しギターのサウンドを荒らしてきたミドル・テンポのロック寄りの曲です。バックで心地好く響く素手で叩いているようなドラムのビードは、スウェーデンのSOPHIE・ZELMANIのツアー・メンバーPETER・KORHONENのビートに似ているのが興味深いですね。
3曲目"Ghost In This House"(4:23) テキサス生まれのカントリー・シンガーHUGH・PRESTWOODが '90年にバンドSHENANDOAHの為に書いた曲のカバーです。曲のアレンジは、非常にオリジナル曲に近い感じとなってゆったりとした調べで響いて来ます。
4曲目"Powder Room Collapse"(5:04) メランコリックなメロディがイントロから流れた途端に肩を落としそうになるようなサウンドの曲です。低いキーから高いキーまで伸びやかに聴かせるREBEKKAとR&Bの調べが訥々と響いて来ます。
5曲目"No Easy Way"(4:47) イージーリスニングかポピュラー・ソングの域に入るソフトなサウンドのスタンダード的な曲です。バックのヴォーカルには、再びSVEN・LINDVALLが登場し、彼のその優しい響きの歌声を聴かせてくれるのです。
6曲目"To Be Your Lover"(3:42) 打込みのビートがバックで黙々と刻まれるヨーロッパ・テイストを少し感じるこの曲もメランコリックなイメージを持った曲です。REBEKKAのその特徴的な鼻に掛かった歌声も哀愁に染まって広がっていますね。
7曲目"If You Don't Ask For More"(2:48) アコースティック・ギターの慎ましやかな爪弾きが響くシンプルなサウンドの曲です。REBEKKAの歌声をメインにしたバックのこれまたささやかな演奏達が印象に残ります。
8曲目"I Can Always Forget"(3:06) この曲のイメージは、CRAZY HORSE '71年の名曲"I Don't Want To Talk About It" の持ち味に近い落ち着いたサウンドのイメージを感じます。
9曲目"Starlight Of Your Heart"(3:02) シンプルなアコースティック・ギターのサウンドをイントロから聴かせるしっとりとしたメロディとREBRKKAの美しい歌声が広がる曲です。ウッド・ベースの優しい響きにハモンドの転がるようなサウンドが見事に調和した流れが心地好く響いています。
10曲目"Contents Of My Heart"(3:02) 再びアメリカンなサウンドを聴かせるギターのハイ・フレットでのゴージャスな調べが印象的な曲です。淡々とリズムを刻むドラムに頼もしさをも感じさせるベースの太めサウンドに合わせてREBEKKAの気持ち良さそうな歌声が届けられます。
11曲目"October Nights"(3:05) 曲のタイトル通り晩秋の旅情的なサウンドとイメージを感じさえる曲です。REBEKKAの歌う「Cold, cold October rain」の歌声がリフレインとなっていつまでも響いて来ますね。
12曲目"Like Cologne"(3:53) さり気なく奏でられる心地好いギターのサウンドとウーリッツァーの厳かな響きが融合したヨーロピアン・テイストを感じさせるREBEKKAが第二の故郷Kölnへの想いを綴って歌っています。
13曲目"In The Early Morning Hours(Bonus Track)"(3:22) しっとりと奏でられるアコースティック・ギターの爪弾きとドラムのビートが流れる落ち着いた雰囲気が広がる曲です。何故、このアルバムのタイトル曲がボーナス・トラックとなっているのが不明ですが、アルバムの終焉までその美しい歌声を聴かせるREBEKKAです。
12曲歌詞付 16ページ物豪華写真ブックレット E.U.(ドイツ製) (輸入盤) 収録時間:47分09秒 (アメリカに出向いて収録されたこのアルバム。サウンドの方向は変わって来たようですが、カバー曲を除く全ての曲は、REBEKKAの作詞/作曲となっています)'10年3月12日更新


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写真  REBEKKA BAKKEN / September
 ・2011 Universal Music GmbH.    0625 2777702

再びアメリカでの収録・・・

このアルバムは、ノルウェー出身(現在はドイツ在住)のジャズ・シンガーREBEKKA・BAKKENの '11年9月16日にヨーロッパでリリースされた彼女の5枚目(WOLFGANG・MUTHSPIEL共同名義盤を除く)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、REBEKKA・BAKKEN:ヴォーカル/ピアノ、BILL・DILLON:ギター/ギタルガン、GAIL・ANN・DORSEY(DAVID BOWIE BAND):ベース/バック・ヴォーカル、BILL・DOBROW(JESSE・HARRIS):ドラム/パーカッションの少人数での収録です。
収録先の詳しい情報は、記載されていないのですが、N.Y.近郊のキングストンのようです。

1曲目"September"(4:40) 落ち着いたピアノの調べでこのアルバムの幕が開くスローなテンポの曲です。聴きなれた鼻に掛かった硬質なREBEKKAの遠くまで響きそうな歌声のする前作でのイメージを色濃く引き継いだ自作の曲です。
2曲目"Strange Evening"(2:55) この曲も前作のカントリー調のサウンドを引き継いだ曲で、アコースティック・ギターとピアノのサウンドをメインとして収録されています。前の曲も含みちょうどこの時期に聴くと秋の雰囲気を感じさせる抒情感が伝わって来ます。
3曲目"Love Is Everything"(5:28) 面白いことに前作でも3曲目はカバー作品でしたね。この曲は、カナダのS.S.W.JANE・SIBERRY '93年のアルバム[When I Was A Boy]に収録されている曲で、同じくカナダのS.S.W.K.D.LANGも '04年にカバーしています。ここでの収録も曲のオリジナル曲に近いアレンジによるゆったりとした調べで響いて来ます。
4曲目"Forever Young"(5:42) シーンと張詰めた静けさが流れるイントロから堪らない曲です。切れ味のあるREBEKKAの特徴的な歌声とBILL・DILLON(SARAH・McLACHLAN,JONI・MITCHELL)ギタルガンの丸みのあるサウンドとの調和を暫し楽しみましょう。
5曲目"Same Kind"(4:02) この曲は、ちょうどヨーロッパでのアルバムと前作との間に位置する両方の持ち味が上手くブレンドされた曲調を感じます。聴き易いメロディと心地好いリズムの流れなど一緒に歌っても良い感じです(あれ! 歌詞カードが付いてないぞ)
6曲目"Never Been To Paris"(3:43) 面白いタイトルの曲の登場ですね。長閑なリズムとメロディの流れに乗って「パリには行きたくない...」ってどうしたのでしょうね。
7曲目"Driving"(4:46) ノルウェーで活躍していた時から時折聴かせいたREBEKKAのブルース調の曲に通じるサウンドの曲の登場です。ヨーロッパ調の非常にメロウな曲からこのような玄人受けするブルースまで熱く歌うREBEKKAです。
8曲目"The Wrestler"(3:33) オリジナル曲は、曲名と同名の映画に挿入されているBRUCE・SPRINGSTEENが '08年に歌った曲です。ここでの収録は、アメリカの女性S.S.W.風のしっととしたサウンドとリズムによるアレンジで、ソロ・デビュー当時の曲調から大きく進路変更を感じさせた REBEKKA '06年のシングル曲"Everything Can Change" に通じる曲調で、やはりアメリカで収録したと思わせる底にある力強さのあるサウンドの広がりを感じさせます。
9曲目"Mina's Dream"(5:20) アコースティック・ギターの爪弾きに合わせてそっと歌うREBBEKAの北欧トラディショナル的な清らかな透明感のある曲です。美しく響く彼女の歌声のバックに広がる緊張感いっぱいの張詰めたサウンド群とREBBEKAの卓越した謡ぶりには、しっかりとした鳥肌がこちらにも立ちますね。
10曲目"After All"(4:57) 重い曲が終わった後には少し軽めのリズムのフォーク調の曲の登場です。吟遊詩人のように聴衆に向かって曲のストーリーを聴かせるREBEKKAの姿を想像させる曲調が伝わって来ます。
11曲目"Girl Next Door"(3:17) 前作の収録に参加していたベースのSVEN・LINDVALLらに「Thanks」と記された曲です。REBEKKAの家で彼らと過ごした時の出来事や収録での想い出がこの曲に込められているのでしょう。非常に楽しげに歌うREBEKKAと感じ良いリズムを感じます。
12曲目"Innocent Thief"(4:13) GAIL・ANN・DORSEYの奏でる滑らかなベースの調べがイントロから響くピアノ・バラードです。オペラ歌手のように力強さを感じさせる芯のはっきりとしたREBEKKAの歌声を中心に繰り広げられる曲で、バックのGAILのハーモニーも美しく流れて来ます。
13曲目"I Will Get By(Bonus Track)" (3:19) '10年のライヴなどでも演奏されているしっとりとした流を感じさせる曲で、前作での収録から漏れたアウトテイクでしょうか。とは言って曲のグレードも高く有り難いボーナス・トラックなのですが、本編に2曲もカバー曲が収録されていてREBEKKAの作詞/作曲のこの曲が収録されていないことが不思議に思います。
歌詞の一部のみ掲載 20ページ物豪華写真ブックレット3折デジパック仕様 E.U.(ドイツ製) (輸入盤) 収録時間:56分01秒 (前作同様アメリカに出向いて収録されたこのアルバムは、少数のミュージシャン達との固定バンドのように収録された息の合ったところを感じます)'11年10月22日更新


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写真  REENA DARLIN / I'm Here
 ・2011 production dessinee    PDCD-9385

久しぶりにジャケ買いしました・・・

このアルバムは、フィンランドの首都ヘルシンキで活躍している女性S.S.W.REENA・DARLINの '11年4月13日に国内でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、REENA・DARLIN:ヴォーカル/キーボード、MARKKU・KANERVA:ギター、RIKU・KARVONEN:ギター、JOHAN・ÖSTERBERG:ギター、JUKKA・HEIKKINEN:キーボード/プログラミング、JARKKIS・TOIVANEN:ベース、JANNE・RAJALA:ベース、 JANNE・ANTIKAINEN:ベース、HEIKKI・LAINE:ベース、TONI・PORTHEN:ドラム、MIKKO・PÖYHÖNEN:ドラム、MIKKO・KAAKKURINIEMI:ドラム、AARNE・RIIKONEN:パーカッション、HANNU・RISKU:パーカッション、TIMO・LASSY:サックス、JAY・KORTEHISTO:トロンボーン、JUKKA・ESKOLA:トランペット、JOHANNA・FÖRSTI:バック・ヴォーカル、TUOMO・PRÄTTÄLÄ:バック・ヴォーカル、MARIA・HELENIUS:指揮(コーラス)、ADRIAN・DUNN:コーラス、KAROLIINA・KALLIO:コーラス、RIITTA・KERÄNEN:コーラス、MIRKKA・PAAJANEN:コーラス、MARJAANA・PAKKANEN:コーラス、SAMI・PITKÄMÖ:コーラス、 SAMI・SAARI:コーラス、CHARLES・SALTER:コーラス、JOHANNA・SANDELL-HEININEN:コーラス、ALEKSI・SARIOLA:コーラスのフィンランドのジャズ/ボサ・ノヴァ/ソウル系ミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデューサーは、収録/ミキシング/共同作曲も担当しているJUKKA・HEIKKINENです。

1曲目"Weak"(4:04) この曲の出しとREENAの落着いた歌声を聴いて真っ先に思った事が南カリフォルニア出身のシンガーMARILYN・SCOTTに通じるソフトな歌声による心地好さを感じます。
2曲目"All Wanna Know"(4:21) このアルバムからの一押しとなっているポップな曲調の曲です。近年の音楽から聴き比べる非常にレトロなムードを持つサウンドとメロディですが、この手の音楽好きには王道的な1曲に聴こえるでしょう。
3曲目"Empty Hands"(3:58) オーソドックスに3曲目にはしっとりとしたバラードを持って来た収録曲の登場です。アコースティック・ギターの美しい調べと軽く付けたドラム・マシーンの刻みによる心地好い響きが流れ去って行きます。
4曲目"I Wish You Knew"(3:55) 再びREENAの歌声のトーンを上げて来たソウル・フィーリングの曲です。パーカッションとクラヴィネットの音色が絡みながらファンクなサウンドが展開されています。
5曲目"Reality?"(4:09) エレクトリック・ギターの押し殺したようなクールな爪弾きとこれまたクールなドラムのビートで流されるロック色を強めた曲です。ロック好き人口の多い北欧、聴くのも演奏するのもこのような感じの流れですね。
6曲目"Broken Glass"(2:58) 今度は、アコースティック・サウンドで迫って来た落着いた調べとリズムの曲です。アコースティック・ギターの丁寧な爪弾きとピアノの調べに合わせてこれまた丁寧に歌うREENAです。
7曲目"Closest Stranger"(4:20) 何だか怖そうなタイトルの曲ですが、自身の内に潜んだ知らない一面を歌にしています。でも、この曲のギターのリフは、印象的な鳴りを持っていて80年代のアメリカン・フュージョン・ミュージックに通じるところがあります。
8曲目"Didn't Anybody Tell You"(5:15) イントロから流れるアカペラによるゴスペル・ソングがREENAの音楽ルーツを感じさせる曲です。曲のアウトロ部分にこのゴスペル・パートが再び登場し、曲の終焉まで熱い広がりのある総勢12名のコーラスを聴かせます。
9曲目"Falling(On My Face)"(4:29) 凝ったメロディ・ラインとジャジーな雰囲気を持ったスムーズさと捻くれたところをミックスさせた曲です。バック・ヴォーカルの美しさと歪ませたギターのサウンドのコラボを暫し楽しみましょう。
10曲目"Spring"(5:50) 北欧の人々を題材にする「春」のイメージが伝わる曲の登場です。本当、北欧のミュージシャンならでは、表現に困らないほど題材と思い入れがあるのでしょうね。
11曲目"I'm Here"(6:12) アルバムの最後は、ハモンドのサウンドが流れるブルース調の曲の登場です。恋人に向けて歌う「私はここにいるわよ!」と優しく歌うREENAと彼女のデビュー・アルバムの最後に収録され、リスナーにも向けて「私はここ」と訴えているようにも感じます。
全11曲歌詞付 紙ジャケット仕様 (国内盤) 収録時間:49分38秒 (このアルバムは、神戸にオフィスのあるプロダクション・デシネ、配給VIVID SOUND CORPORATIONからリリースされています)'14年1月18日更新


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写真  REMINDER / Broken Tones
 ・2001 Exergy music    EX 6

このメランコリックさが堪らない・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているギター・ポップ・バンドREMINDERの本国で '01年6月5日にリリースされたデビュー・アルバム('99年EP盤[Reminder]実デビュー)です。
REMINDERのメンバーは、NICKLAS・SANDSTRÖM:ヴォーカル/ギター、TOBIAS・LJUNGKVIST:ベース/バック・ヴォーカル、MATTIAS・OLSSON:ドラム/パーカッション/キーボード、ANDERS・ALSTRIN:ギターの4人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、THOMAS・JOHNSON:キーボード/メロトロン400、ÅSA・EKLUND(PINEFOREST CRUNCH/AKABA):バック・ヴォーカル、ANNA・LANDBERG:チェロ/ヴァイオリン/バック・ヴォーカル、MARIA・EKVALL:ヴァイオリン、PÄR・STRÖMBERG:ヴァイオリンのストックホルムのミュージシャンが参加しています。

1曲目"Scared"(3:55) 響きを極力抑えたドラムのリズムと淡々と奏でられるギターの調べに乗せて歌うNICKLASの少し高域で震える特徴的なヴィブラートが響く曲です。バックで響くメロトロンのサウンドとベースの低い響きがダウンテンポに押し寄せます。ビデオの方もどうぞ。
2曲目"So Gently"(3:57) イントロから響く悲しげなドラムのビートとピアノの調べが切な過ぎるくらいの曲です。ストリングスの美しい旋律に乗せた混沌とした思いを綴った歌詞がNICKLASの歌声で届けられます。
3曲目"Can't Do Anything About It"(3:02) 再び特徴的なヴィブラートを聴かせるNICKLASの歌声によるマイナー調のギター・サウンドの曲です。サウンドに少しブリティシュ・テイスト感じさせるメランコリックな孤高感を感じます。
4曲目"Limelight"(4:15) 打込みの淡々としたリズムに合わせて奏でられるTOBIASのベースのサウンドが素晴らしく聴こえる曲です。曲の途中からは、エモーショナルに歌い上げるNICKLASですが、その歌声には、彼特有の憂いが残っています。
5曲目"Talk It Out"(3:12) 煌びやかに響くANDERSのギター・サウンドをバックで支えるMATTIASのドラムのビートの広がりが素晴らしい曲です。NICKLASの歌声もこのREMINDERの魅力を十分に感じさせる所なのですが、バンドとしてもサウンドも非常に素晴らしさを感じさせます。
6曲目"Lost Sincerity"(3:40) アコースティック・ギターのサウンドによる少し牧歌的な調べを感じさせる曲の登場です。スウェーデンのバンドが得意とする清楚感や褪めた孤高感を感じさせる斜に構えた姿勢が堪らないのです。
7曲目"Never Song"(3:59) ヴァオリン/チェロで参加しているANNA・LANDBERG(THE STOCKHOLM STRINGS N’ HORNS)の非常に可憐な歌声とNICKLASの蒼い歌声によるデュエット曲です。シンプルなサウンドの前半から重厚なストリングスによる調べに移って行きます。
8曲目"Sad Attempt"(5:10) サウンドをトリップ・ホップの方向に移して来た曲の登場です。スラーを多用したベース・ランニングにダウンテンポのドラムのビートの流れに素晴らしさを感じます。
9曲目"All Contrast Gone"(3:10) ナイロン弦ギターのゆったりとしたサウンドに合わせてNICKLASの朴訥とした歌声が優しく響きます。荘厳さをも感じるサウンド同士の隙間から登場するメロトロンの切ない響きが流れて行きます。
10曲目"Too Late"(4:13) 一転してポップなサウンドの明るいイメージの曲の登場です。乗りの好いリズムの刻みとギター・ポップなANDERSのサウンドについつい乗せられてしまうのです。
11曲目"Creativity"(5:26) イントロの繊細なサウンドから聴き入ってしまう美しい調べを持った曲ですね。遠くで響くギターのサウンドと円やかなベースの調べが交差する心地好さ素晴らしいですね。浮遊感のあるNICKLASの歌声をずっと聴いていたい気持ちになるのです。
12曲目"Broken Tone"(4:31) 先に紹介した '99年のEP盤[Reminder]にも収録されているアコーディオンとアコースティック・ギターによるアンプラグド的な曲です。NICKLASの切ない歌声とシンプルなバックの演奏とTOBIASのハーモニーがゆったりと流れながらアルバムは、幕をひっそりと閉じて行きます。
全12曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:48分37秒 (ブックレットに登場するメンバーの輪郭がカットされ、ページを捲る毎にメンバーが消えて行く凝った手法になっています。しかし、リリースから時がたっていますのでCDショップに在庫切れが多いようです)'09年9月1日再更新


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写真  RHIANNA / Get On
 ・2002 Sony Music Entertainment (UK) Ltd.    EICP 151

LSKのバック・ヴォーカル・・・

このアルバムはRHIANNAソロ・デビュー盤で '02年10月23日、国内でのリリースです。
このアルバムのリリース前まで兄(LEIGH・STEPHEN・KENNY)のバンドLSKのバック・ヴォーカルとして参加し、若干19歳でLSKの2000年に来日公演にも同行しています。
各楽器演奏の詳しいクレジット記載がないのですが、アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RHIANNA:ヴォーカル/プロデュース、TONY・VALOR:サンプル、KAIDI・TATHAM:キーボード、PETE・MURREY:キーボード、JOE・CANG:ギター、GIL・CANG:マルチ・インストルメント/プロデュース、AFRONAUGHT:プロデュース、JOHNNY・DOUGLAS(LOUISE, GEORGE・MICHAEL):ギター/キーボード/プロデュース、DAVE・CLEWS:キーボード、RYAN・HEINZ:プロデュース、JONY・ROCKSTAR:プロデュースの多くのプロデューサーが起用されています。

1曲目"Oh Baby"(3:37) ラジオのチューナーを合わせたり少し外れたりしたような演出を取り入れたファンクなナンバーです。作詞/作曲はRHIANNA自身が行なっています。
2曲目"Word Love"(3:54) RHIANNAがソウルフルなヴォーカルを聴かせてくれるアップテンポな曲です。曲の共作者は兄LEIGH・STEPHEN・KENNY です。
3曲目"Moon Is Blue"(3:51) COLOUR BOXのSTEVE・YOUNGとMARTIN・YOUNGの書いた曲です。少しレトロな70年代のモータウン・サウンドのミドル・テンポのご機嫌なナンバーでRHIANNA の可愛らしいヴォーカルに絡み付くドラムのビート音が渋い曲です。
4曲目"Runaway"(4:08) 一転してアシッド・ドレッド・ロックらしいうねるビートとエモーショナルなサウンドによる曲で兄との共作でメロディとサウンドは、非常にLSKの雰囲気を感じます。
5曲目"I Love Every Little Thing About You"(4:52) 小鳥のさえずりをを配したSTEVIE・WONDER'72年のヒット曲でミドル・テンポのソウルフルな曲です。ラップの掛け声とリズミカルなベースでアップデートしています。
6曲目"Damm"(4:03) 兄LEIGHの作詞/作曲です。LSKのエモーショナルなビートとソウルフルでファンクなナンバーです。ロンドンの最新の風を感じさせる曲で、左チャンネルから流れるテルミン風電子音も粋なのです。
7曲目"Justify"(4:09) アシッドなサウンドと独特のビートによるクールなナンバーで兄との共作です。ダークなイメージが強い歌詞ですが、サウンドはフルートとストリングス風を取り入れた非常に渋い曲です。
8曲目"Girlfriend"(2:47) 少しお遊び的に収録した感じの曲でポップな楽しさの伝わってくる曲です。この曲も兄との共作です。
9曲目"TLND"(4:03) 兄の作った曲でご機嫌なメロディとレトロなレゲエ風のサウンドです。やっぱり何だかんだ言ってもこの辺のサウンドがやっぱり落着きます。
10曲目"Romeo And Juliet"(3:33) ロマンチックな歌詞の内容曲で美しいメロディによる曲です。分厚いベースのビートとドラム・プログラムによるサウンドが機械臭くなく自然な感じです。
11曲目"Word Love (4 Hero Soul Mix)"(4:11) 国内盤ボーナス・トラック 2曲目のサウンドにオーケストラの演奏を加えよりゴージャスにより煌びやかさをましたミックスです。
12曲目"Oh Baby (4 Hero Extended Remix)"(4:52) 国内盤ボーナス・トラック 1曲目のビートを更にアップしてスクラッチと打ち込みを加えたヴァージョンです。こちらの方がビートが効いてカッコ良く感じるお薦めの曲です。
10曲歌詞/訳詞付 24ページ物豪華写真ブックレット (国内盤) 収録時間:48分04秒 (このアルバム以降のRHIANNAの情報があまり有りません?追:06年現在RHIANNAは新グループLOVE BLACKOUTで活動中のようです)'10年8月31日再更新
2002年度ベスト5


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写真  RICHARD DARBYSHIRE / Wherever Love Is Found
 ・1993 Dome Records Ltd.
 ・1993 TOSHIBA-EMI LTD.   TOCP-7748

ブルー・アイド・ソウルの王道・・・

シェフィールドからロンドンに移って活躍していたLIVING IN A BOX(残念ながら '91年に解散)のフロントマンRICHARD・DARBYSHIREのバンド解散後の '93年12月15日、国内でリリースされたソロ・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RICHARD・DARBYSHIRE:ヴォーカル/ギター/マンドリン/イーボウ/プロデュース、GRAHAM・EDWARDS:ベース、PINO・PALLADINO:ベース、DEON・ESTUS:ベース、ANDY・REYNOLDS:キーボード、ANDY・MORRIS:キーボード/トランペット/プロデュース、IAN・DEVANEY:キーボード/プロデュース、GRANT・MITCHELL:キーボード/プロデュース、PETE・VALE:キーボード/バック・ヴォーカル/プロデュース、JESS・BAILEY:キーボード、PETER・GLEADALL:キーボード、ANDY・GANGADEEN:ドラム、NEAL・WILKINSON:ドラム、CHARLIE・MORGAN:ドラム、DANNY・CUMMINGS:パーカッション、CHRIS 'SNAKE' DAVIS:サックス、PETE・McPHAIL:アルト・サックス、STEPHEN・GIBSON:トランペット、ANDREW・SCRIVENER:ヴァイオリン、CLARE・DIXON:ヴァイオリン、DRUSILLA・HARRIS:ヴァイオリン、KATE・SKINNER:ヴァイオリン、LAURENCE・KEMPTON:ヴァイオリン、MIN・YANG:ヴァイオリン、RICHARD・THIRWALL:ヴァイオリン、SIAN・VANCE:ヴァイオリン、JANE・NOSSEK:ヴァイオリン、SIMON・WALL:ヴァイオリン、ANDREW・LONG:ヴィオラ、MATTHEW・COMPTON:ヴィオラ、C CAROLYN・WEGASKIS:ヴィオラ、HRISTOPHER・HOYLE:チェロ、PETER・DIXON:チェロ、LISA・STANSFIELD:バック・ヴォーカル、JULIET・ROBERTS:バック・ヴォーカル、AILEEN・McLAUGHLIN:バック・ヴォーカル、ANNA・ROSS:バック・ヴォーカル、ANGIE・GILES:バック・ヴォーカル、DANNI'ELLE・GAHA:バック・ヴォーカル、LANCE・ELLINGTON:バック・ヴォーカル、JIMM(M)Y・CHAMBERS:バック・ヴォーカル、JIMMY・HELMS:バック・ヴォーカル、JAKI・GRAHAM:バック・ヴォーカル、PAUL・A.LEE:バック・ヴォーカル、LANCE・ELLINGTON:バック・ヴォーカル、PHIL・CHAPMAN:プロデュース、CHRIS・PORTER:プロデュース、PHIL・BODGER:副プロデュースの沢山のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"This I Swear"(4:20) ご機嫌なリズムとメロウな雰囲気を伝えるミドル・テンポのナンバーです。アーバンなメロディの流れとRICHARD のソウルフルなヴォーカルによる当時のシングル・カット曲です。
2曲目"Understanding"(4:41) 切れの良いパーカッションのリズムによるイントロにから入るアダルト・コンテンポラリー・ロックな曲です。この曲についての詳しいクレジットが記載されていないのですが、途中より登場するギター(RICHARD?) のサウンドが申し分ないのです。
3曲目"Wherever Love Is Found"(3:54) バック・ヴォーカルにLISA・STANSFIELDを迎えたナンバーです。ブラスのサウンドとダンサブルなリズムによるご機嫌に流される曲です。尚、RICHARと LISAはこのアルバムの数曲を一緒に書いています。
4曲目"Love Crying In The Wilderness"(5:07) この曲ではバック・ヴォーカルの女性陣とRICHARDの歌声とのヴォーカルの掛け合いが非常に見事で、間奏とエンディングのギター・ソロに聴き入ります。
5曲目"When Only Love Will Do"(4:24) アーバン・コンテポラリーなラブ・バラードの登場です。切ない想いを歌い上げるRICHARDのメロディアスでメロウな曲です。
6曲目"Nothing Can Keep Me Away"(4:00) ピアノとサックスの音色が融合したメロディアスなミドル・テンポのナンバーです。滑らかな響きを発するRICHARDの「これぞブルー・アイド・ソウル」と言える曲です。
7曲目"Love Will Provide"(4:54) LIVING IN A BOX時代の流を汲むエレクトロニック・ファンクな曲です。打ち込みのリズムとダンサブルな乗りと洒落たサウンド展開のアレンジを施されたナンバーです。
8曲目"How Many Angels"(4:42) テンポを落として来たメロディアスなリズム&ブルースの登場です。ヴォーカリストとしても卓越したその歌声を十二分に聴かせる曲です。
9曲目"True Survivor"(4:25) ゴスペル調のバック・ヴォーカルと共にゆったり流れるハモンドと特徴的なシタール・ギターを使ったミドル・テンポのナンバーです。中盤からのスリリングなサウンド・アレンジも見事に展開されます。
10曲目"Tell Him No"(3:50) 少しサウンドの流を変えて来たソリッドな響きをファンクに展開して来たLISAとの共作です。当然彼女のソウルフルな歌声もバックで響いています。
11曲目"Touched By The Hand Of God"(3:42) RICHARDのそのソウルフルでメロウな歌声を堪能できる曲です。ナイロン弦ギターを弾くRICHARDの心地好い調べとその甘い甘い歌声をご堪能あれ。
12曲目"Stand In My Shoes"(4:59) ゴスペル・ソング的なリズム&ブルースの登場です。アメリカの南部的なサウンドとメロディによるRICHARDの書いた曲です。
全11歌詞/訳詞付 24ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:53分03秒 (このアルバムは、海外で '99年にジャケ変え17曲入ヴァージョンとして再発売されています)'10年8月31日再更新
1993年度ベスト5


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写真  RIGHTEOUS BOY / I Sing Because Of You
 ・2002 Stockholm Records    UNIVERSAL 016 594-2

THE CARDIGANSのベーシストによる新ユニット・・・

クレジットにRIGHTEOUS BOYの説明が無いのですが、RIGHTEOUS BOYとはMAGNUS・SVENINGSSON本人の事でしょう。'02年5月21日に本国でのリリースされたソロ・アルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MAGNUS・SVENINGSSON:ヴォーカル/キーボード/ベース/ヴィブラフォン/メロディカ/シンセサイザー/ドラム/プロデュース、HENRIK・ANDERSSON:ベース/ギター/キーボード/ヴァイオリン/バック・ヴォーカル/プロデュース、BATTI:ギター/マンドリン/シンセサイザー/プロデュース、PER・SUNDING:ベース/バック・ヴォーカル、PATRIK・BARTOSCH:キーボード/シンセサイザー、JENS・JANSSON:ドラム/パーカッション/ホーン、NATHAN・LARSON:プログラミング/バック・ヴォーカル、STEFAN・KVARNSTRÖM:プログラミング、PETTER・LINDGÅRD:トランペット/ホーン、FILIP・RUNESON:チェロ/ヴァイオリン、HELENA・JOSEFSSON:バック・ヴォーカル、LINA・JOHANSSON:バック・ヴォーカル、JUANJO・PASSO:ヴォイスのストックホルムのミュージシャン達です。

1曲目"Loved Among Friends"(3:45) HENRIK・ANDERSSON (RAY WONDER) のキーボードが印象的な曲です。
2曲目"View From A Satellite"(4:25) フレンチホルンが効果的に使われた少し幻想的な曲です。
3曲目"No More Love"(3:57) シンセサイザーにPATRIK・BARTOSCH (EGGSTONE) が参加しています。
4曲目"Righteous Boy/Righteous Girl"(4:04) THE CARDIGANSの楽曲に似ていますがヴォーカルのイメージが違いますネ。
5曲目"I Made It Hard For You To Love Me"(3:34) MAGNUSの気だるそうなウィスパーヴォイスを活かした静かな曲です。
6曲目"All My Evils"(4:11) HENRIKのコーラスが美しい曲です。
7曲目"I'm Not Shielded"(1:10) 1分少々の曲で演奏はHENRIK一人で行っています。
8曲目"Elephant Man"(4:35) このアルバムの中ではラウドな曲です。短い歌詞による繰り返しでのインストゥルメンタルに近い曲。
9曲目"I Feel Apart"(4:00) 打ち込みによる淡々としたメロディにNATHAN・LARSON (SHUDDER TO THINK) のバック・ヴォーカルの爽やかさが光る。
10曲目"Lone Among Friends"(4:13) 5曲目と似た曲です。MAGNUSの囁きに似たヴォーカルに長く弾かれるキーボードの音色が流れてきます。
11曲目"Straight Song"(4:06) MAGNUSのダークなヴォーカルと対照的な明るいキーボードのソロが絡み合う楽曲です。バック・ヴォーカルのHELENA・JOSEFSSONの歌声が心地よいです。
12曲目"You Better Do Good"(4:49) バックの女性ヴォーカルの歌声が美しく響くゴスペル調のスローな曲です。
全12曲歌詞付 写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:46分54秒 (THE CARDIGANの煌びやかさに比べチョット全体的に地味な感じかな?)'10年8月31日再更新


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写真  RIVERS & ROBOTS / The Eternal Son
 ・2016 Set Sail Records    C51122

穏やかなJONATHANの歌声・・・

このアルバムは、イングランドのマンチェスターで活躍しているクリスチャン・ロック・バンドRIVERS & ROBOTSの5枚目('15年のライヴ盤を含む)のアルバムで '16年5月20日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JONATHAN・OGDEN:ヴォーカル/ギター/キーボード/シンセサイザー/プロデュース、DAVID・HAILES:ギター/バック・ヴォーカル、NATHAN・STIRLING:ベース/バック・ヴォーカル/プロデュース、KELANI・KOYEJO:ドラムのRIVERS & ROBOTS4人組(このアルバム制作時)の他、JONNY・BIRD:ギター、CAT・DAVIS:チェロ、DAN・WHITE:サックス、ELIZABETH・BHATIA:バック・ヴォーカル、コーラス: VICTORIA・ALADIRAN、MARIANNA・ENGALL、CHRISTOPHER・EVANS、EDNA・EVANS、GABRIELLA・EVANS、LUCIANA・EVANS、PAUL・HAILES、SUE・HAILES、CATH・JOSEPH、JULIA・NEWLOVE、GWY・OGDEN、JOHN・OGDEN、HANNAH・OLDHAM、LAURA・PAPATHOMAS、NATALIE・PASTOR、HELEN・PLATT、CATH・STIRLING、GEORGINA・STIRLING、ANNA・TOWER、DAN・STIRLING、PAUL・KIRBYの地元の聖歌隊とメンバーの家族も多く参加しています。

1曲目"Wait For You"(3:59) 爽やかなギターの調べに合わせて歌うこれまた爽やかなJONATHANの歌声が響く曲です。歌詞の方は、神を称えた内容を綴っています。
2曲目"Fullness Of God"(3:49) 今度は、スローにしたリズムから入るしっとりとした曲です。次第にKELANIのドラムのビートを上げこれまた爽やかなサウンドとメロディが流れて来ます。
3曲目"One Day With You"(3:40) 軽めのリズムとサウンドによるJONATHANの優しい歌声に包まれる曲です。この曲は、JONATHANの歌声のバックに広がる聖歌隊のコーラスが非常に美しいのです。
4曲目"To The Highest Place"(4:01) JONATHANのピアノの弾き語りを主とした曲です。ゲストとして参加している地元ELIZABETH・BHATIAのヴォーカルとCAT・DAVISのチェロが切なく響きます。
5曲目"Who Is Like Our God"(4:59) 前の曲と通して収録されたようにゲストが同じ曲です。後半から登場するJONATHANとNATHANコーラスの掛け合いが非常に印象的です。
6曲目"A Love That Carries Me"(5:06) セッション・ドラマーとしても活躍しているKELANIのドラムのビートが光る曲です。美しいコーラスがバックに広がります。
7曲目"High Priest"(5:29) この曲は、イントロのサウンドから引き込まれた曲です。空間に広がるサウンドの間とエコーの効かせ方が非常に美しく感じます。
8曲目"Home"(4:24) 少しアコースティック色を強めた落ち着いた曲の登場です。次第にキーボードやシンセザイザーを加えながらサウンドの厚み増し、ドラムのビートも力強く響きます。
9曲目"Lift Up My Eyes"(4:53) ポップ色一杯な楽し気な雰囲気を伝える曲です。弾けるドラムのビートと飛び交うギターの音色とJONATHANの歌声が楽し気ですね。
10曲目"The Eternal Son"(5:54) サックスの音色が登場してぐっとJAZZのテイストを醸し出す曲です。この曲のギターのリフを聴いていて想い出したのですが、国も曲の内容も全然違うのですが、ノルウェー ベルゲン出身のLORRAINEの曲です。後半からの約1分間は、インストゥルメンタルとなっています。
11曲目"You Know My Name"(4:29) 前の曲のアウトロから自然に繋がるアレンジが絶妙さを感じる曲です。この曲では、シンセサイザーの音色が時折ながれてまた、違った一面を聴かせるます。
12曲目"Jesus, Your Blood"(7:39) イントロでは、穏やかなアコースティック・ギターの調べが流れる曲ですが、後半から壮大なサウンドを聴かせる長尺の曲です。また、アウトロでは最初のイントロ部のアコースティック・サウンドにて終焉を迎えます。
全12曲歌詞付 写真ブックレット 2折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:58分27秒 (マンチェスターと言えば、先日TVで放送していた「雨が多い為に出来上がった芸術の街」このバンドもその街から生まれた事を感じます)'16年7月17日更新
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写真
(このアルバム購入時に頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  ROBERT PALMER / Some People Can Do What They Like
 ・1976 Island Records Inc.    ILPS 9420

このレビューを故ROBERTに捧げる・・

このアルバムは、ヨークシャー出身のシンガー故ROBERT・PALMER('04年パリ滞在中心臓発作にて死亡)のソロ名義3枚目のアルバムで、'76年10月本国でのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ROBERT・PALMER:ヴォーカルの他、BILL・PAYNE:キーボード/バック・ヴォーカル、WILLIAM "SMITTY" SMITH:キーボード、CHUCK・RAINEY:ベース、FREDDIE・HARRIS:ギター、PAUL・BARRÉRE:ギター/バック・ヴォーカル、FREDDIE・WALL:ギター、JEFF・PORCARO:ドラム、MICHAEL "SPIDER" WEBB:ドラム、RICHARD・HAYWARD:ドラム、CHILLI・CHARLES:シンバル、PIERRE・BROCK:ベース、GREG・CARROLL:ハーモニカ、SAM・CLAYTON:パーカッション/バック・ヴォーカル、ROBERT・GREENIDGE:スティール・ドラム/パン、CAROL・KAYE:ギター、JODY・LINSCOTT:パーカッション/指揮、JAMES・ALLEN・SMITH:キーボード、ARTHUR・SMITH:オカリナ/ペニー・ホイッスルのベテラン勢が参加しています。
尚、プロデュースは、ROBERTのアルバムを数多く手掛けたSTEVE・SMITH(BOB MARLEY AND THE WAILERS)が担当しています。

1曲目"One Last Look"(4:11) イントロから収録地のロス・アンゼルス、特にTOTOのサウンドに近い雰囲気が感じられる曲です。また、間奏で奏でられるBILL・PAYNEのキーボード・ソロは、BILLの参加したTOM・JANSのアルバムにも収録時期が同じ頃の為かサウンドの傾向が似ているのが興味深いです。
尚、この曲は、LITTLE FEATのメンバーであるBILLとBILLの共作者FRAN・TATEによってこのアルバムの為に書き下ろされています。
2曲目"Keep In Touch"(3:04) 一転してダークな雰囲気を持ったSTEELY DANライクなアシッド感をもった軽めのファンクのリズムの曲です。この年代の男性シンガーがブルース主体の音楽からフュージョン/ファンキー路線へ変更したものと同じ方向性を感じさせる少し洒落たサウンドですね。
3曲目"Man Smart(Woman Smarter)"(2:35) このアルバム・リリース時に シングル・カットされたハワイアン・ミュージックの作者DAVID・KLEIBERの書いた曲です。スティール・ドラムのサウンドを効かせたカリプソ・ソングって感じですね。
4曲目"Spanish Moon"(5:55) オリジナル曲は、LITTLE FEAT '74年のアルバム[Feats Don't Fail Me Now]に収録されている故LOWELL・GEORGEの書いた曲です。CHUCKのファンクな重い目のベースのサウンドとBILLのクラヴィネットのサウンドによる南部系のソウル/ロック感を感じます。
5曲目"Have Mercy"(3:49) サウス・カロライナのR&BシンガーDON・COVAYが '66年に書いたT.V.番組での挿入曲です。この曲も南部のルーツ・ロック感を強く感じさせる曲で、BILL達のアレンジによって収録されているようです。
6曲目"Gotta Get A Grip On You(Pt.II)"(3:57) マンチェスターのドラマーALAN・POWELLとROBERTの共作による曲で、やはりドラムのアレンジが強く感じされる収録になっています。多分、この曲のドラムは、故JEFF・PORCAROと思われます。
7曲目"What Can You Bring Me"(3:40) ファンクな調べとリズムによるギターとベースの響きが流れるファンク/レゲエのROBERTのソウルフルの歌声が映える曲です。短い歌詞をリフレインで繋いだセッション・ドラマーJAMES・GADSON(B.B.KING, RANDY・CRAWFORD)の書いた曲です。
8曲目"Hard Head"(4:29) オーストラリアのドラマーJOHN・WATSONが書いたブルースの曲です。ハーモニカのGREG・CARROLLの熱演とROBERTの駆引きとベテラン・ミュージシャンと共演の凄さを感じるのです。
9曲目"Off The Bone"(2:15) プロデューサーのSTEVE、エンジニアのPHIL・BROWN(U2)とROBERTとの共作です。アイリッシュ・フォーク/トラディショナル音楽に通じるインストゥルメンタルです。
10曲目"Some People Can Do What They Like"(4:09) 今度は、ROBERTの書いたブリティシュ・ファンク・ソウルの熱い乗りを聴かせる曲です。クラヴィネットの捲し立てるサウンドのバックに位置するブルース・ハープのサウンドが圧巻です。
歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:38分04秒 (当時、このアルバムを聴いていた頃は、後にROBERTが日本のT.V.に連日登場するとは想像出来なかったですね。尚、このアルバムのレビューを故ROBERT・PALMER氏に捧げます。多分、天国でもジャケのように綺麗な女性と戯れているでしょうね)'09年9月23日更新


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写真  ROBERT PALMER / Secrets
 ・1979 Island Records Inc.    ILPS 9544

ROBERTのソウルフルな歌声・・・

このアルバムは、このアルバムは、イングランド北部のヨークシャー州出身のロック・シンガーROBERT・PALMERの '79年6月に本国でリリースされたソロ名義5枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ROBERT・PALMER:ヴォーカル/プロデュースの他、KENNY・MAZUR:ギター、STEVE・ROBBINS:キーボード、JACK・WALDMAN:キーボード、PIERRE・BROCK:ベース、DONY・WYNN:ドラム、ROBERTのアルバムでお馴染みミュージシャン達が参加しています。
尚、収録とミキシングは、バハマのナッソーにあったIsland RecordsのスタジオCOMPASS POINT STUDIOで行われています。

1曲目"Bad Case Of Loving You(Doctor,Doctor)"(3:10) やはりアルバムの最初の曲は、乗りの好いロック"ン" ロールのリズムの曲です。イントロから聴かせる硬質なギターのサウンドに続いて登場する唸りを上げるROBERTの歌声が印象的です。当時のビルボード全米シングルチャートの14位のヒットとなっています。 尚、オリジナル曲は、オクラホマ出身のS.S.W.MOON・MARTIN '78年のアルバム[Shots From A Cold Nightmare]に収録されています。
2曲目"Too Good To Be True"(2:54) 今度はリズムを少し抑えてきたレゲエのリズムの曲です。ベース・ランニングは、非常にファンクなサウンドを聴かせブリティシュ・ファンク/ソウルの風合いを濃く感じさせます。
3曲目"Can We Still Be Friends?"(3:37) この曲は、もう説明が不要なくらいの曲ですね。ペンシルバニア出身のミュージシャンTODD・RUNGREN '78年の曲で、当時のビルボードホット100のランキング52位を記録しています。ここでの収録は、TODDのオリジナル曲とあまり変わらないアレンジとなっていますが、TODDとROBERTとでは歌声の質が随分違うにも関わらずどちらも感じが良いのは、オリジナル曲が良い為ですね。
また、この曲は多くのミュージシャンにもカバーされていて、特にカナダのS.S.W. MARC・JORDANは '90年のアルバムに収録してしんみりとこの曲を聴かせます。
4曲目"In Walks Love Again"(2:45) 今度もファンクなリズムを聴かせる曲です。レトロ調のハモンドのサウンドに合わせてソウルフルな歌声を聴かせるROBERTです。
5曲目"Mean Old World"(3:33) イントロのベースのソロが非常に掴みを感じさせる軽いレゲエ調の曲です。心地好いレイド・バック感を感じさせるリズムと共にROBERTの歌声を暫し楽しむことにします。
尚、オリジナル曲は、FREEのベーシストANDY・FRASERの書いた曲で、ROBERTの前作にもANDYより1曲提供されています。
6曲目"Love Stop"(2:57) 今度はロック色を強めて来たロック"ン" ロールの登場です。ROBERTがライヴなどでこの手の曲を聴かせると非常に上手く観客を乗せることを実感させる曲でもあります。
尚、オリジナル曲は、イギリスのプログレッシヴ/ポップ・ロック・バンドAIRWAVESのJOHN・DAVIDが '77年に歌った曲です。
7曲目"Jealous"(3:15) 長いギターのカッティング・サウンドがイントロから響くテクノロック風を感じるROBERTの曲としては、少し異質さ感じる特徴なリズムの曲で、比較的短い歌詞をリフレインとした展開をみせます。作者のJO・ALLENのことは不明ですが、ROBERTとの共作を含めこのアルバムで2曲書いています。
8曲目"Under Suspicion"(3:25) この曲は、70年代のロック/ブルースを強く感じさせる曲です。泥臭さと粘っこさを持った演奏をバックに持ちながら魂の歌声を聴かせるROBERTです。 尚、この曲のオリジナル曲は、テキサスのシンガーDELBERT・McCLINTON '77年のアルバムに提供された同郷のバンドJUBALに在籍していたDENNIS・LINDEとALAN・RUSHが書いた曲で、ROY・ORBISONもカバーしています。
9曲目"Woman You're Wonderful"(3:57) 後に加入することになるANDY・TAYLORらとのバンドPOWER STATIONのハードなサウンドの持ち味と共通性を感じさせるパワフルな曲です。縦横無尽に自由さを持って響くギターとキーボードのサウンドが広がります。また、歌詞の方はもうROBERTそのものと言って良いと思うのですが...(イメージですよ! 誤解のないようにお願いします)。
10曲目"What's It Take?"(3:26) 気軽さを感じるトロピカル・サウンドの曲です。このアルバムの収録地ナッソーなどの美しい海岸を前にして聴くことが出来たら更に素晴らしさを感じるのではないでしょうか。
11曲目"Remember To Remember"(3:30) この曲は、リズムの流れやサウンドなどニュー・ウェイヴ系のロック・バンドの持ち味を感じます。この曲でもROBERTの歌声も勿論上手いのですが、バックのPIERRE・BROCKのベースは、特筆ものです。
全11曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:36分29秒 (本当に知る人ぞ知って感じの当時のROBERT・PALMERですが、このアルバムくらいから次第に日本で人気を高めて来たと記憶しています)'12年1月14日更新


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写真  ROBERT PALMER / Riptide
 ・1985 ISLAND RECORDS INC.    90471-1

PALMER最大のヒット・・・

このアルバムは、このアルバムは、イングランド北部のヨークシャー州出身のロック・シンガーROBERT・PALMERの '85年10月に本国でリリースされたソロ名義8枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ROBERT・PALMER:ヴォーカルの他、EDDIE・MARTINEZ:ギター、ANDY・TAYLOR:ギター、WALLY・BADAROU:キーボード、JEFF・BOVA:キーボード、JACK・WALDMAN:キーボード、BERNARD・EDWARDS:ベース、GUY・PRATT:ベース、TONY・THOMPSON:ドラム、DONNY・WYNN:ドラム、LENNY・PICKETT:ホーン 、BENNY・DIGGS:バック・ヴォーカル、FONZI・THORNTON:バック・ヴォーカル、CHAKA・KHAN:ヴォーカル・アレンジ(3曲目のみ)のSOUL/R&B系のミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデューサーは、CHICのベーシストBERNARD・EDWARDSが担当しています。

1曲目"Riptide"(2:24) 長閑なサウンドを聴かせる前半は、インストゥルメンタルで後半から短い歌詞によるROBERTの歌声が収録されたどちらかと言うと次の曲のオープニング的な形となっているようです。
尚、オリジナル曲は、N.Y.の作曲家WALTER・DONALDSONと作詞家GUS・KAHN '34年の曲でアメリカ映画「台風(Riptide)」の挿入歌です。
2曲目"Hyperactive"(5:08) TONY・THOMPSONの力強いドラムのビートがイントロから流れる非常にロック色の強い曲です。曲のタイトル通りに活発に社会で活躍しているキャリア・ウーマンの日常を描いた歌詞の内容となっています。
3曲目"Addicted To Love"(6:01) この曲もイントロから重いドラムのビートが響く曲です。THE POWER STATIONでのスタイルを引き継いだ全編に荒らしたギターのサウンドが響くROBERTの書いた曲です。
アルバムのリリースと同時に世界に配信されたビデオについては、何の説明も必要としないでしょうね。
尚、この曲での金属音のするギターの演奏は、先に記したTHE POWER STATIONでのANDY・TAYLORです。
4曲目"Trick Bag"(3:01) ニュー・オリンズ出身のブルースシンガー/ギタリストEARL・KING '62年の曲のカバーです。ここでの収録は、電子サウンドを全面に出しファンクなベースやキーボードの演奏で繰り広げられるライヴでの演奏でも似合いそうなスタイルとなっています。
5曲目"Get It Through Your Heart"(2:49) ノスタルジックな雰囲気を醸し出すメロディとサウンドによるバラードです。ROBERTのメロウな歌声とハモンドの美しい音色の広がりが心地好く響きます。
6曲目"I Didn't Mean To Turn You On"(3:43) 一転してテンポの良い曲の登場です。ギターのリフやこのリズム感は、本当THE POWER STATIONのサウンドの延長線に位置する流れです。
目を閉じて聴いているとサヴィル・ロウのスーツに身を固め左手を広げて曲のリズムに呼吸を合わせて歌うROBERTの姿が目に浮かびます。
尚、この曲は、ブラック・ミュージック畑の作詞/作曲家のコンビJAMES・HARRIS IIIとTERRY・LEWISによりこのアルバムの為に書かれた曲のようです。
7曲目"Flesh Wound"(3:43) この曲も最初聴いて非常に驚いたのはハード/メタル・ロックの曲をROBERTが歌っているって感じです。鋭角的にアグレッシヴに響きハードなギター・サウンドやどんどん突き進むドラムのビートなど数多くのアルバムを手掛けてきたBERNARD・EDWARDSの辣腕ぶりが窺えますね。
8曲目"Discipline Of Love"(6:08) 多くのミュージシャン達に曲を提供しているDONALD・FREEMANとDAVID・BATTEAUのコンビによって書かれた曲でこのアルバム為に書かれた曲のようです。サウンド的にはやはりTHE POWER STATIONのサウンドを意識したタイトなリズムとスラッピングさせたベースのサウンドが鳴り響きます。
9曲目"Riptide (Reprise)"(2:00) 再び1曲目のリプライズです。このレビューを書きながら思ったのですが、この曲がテーマ曲として流れる映画のオープニングとエンディングをROBERTかプロデューサーのBERNARDのアイデアなのでしょうかこのアルバムと映画を重ね合わせているようです。
8曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:34分57秒 (同年3月にリリースされたTHE POWER STATIONの乗りで制作されたような本アルバムは、ビデオの影響もあってかROBERT・PALMER最大のヒット作となっています)'13年4月27日更新


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写真  RODDY FRAME / The North Star
 ・1998 Independiente Ltd.    EPIC RECORDS ESCA 7346

レーベルも変わり心機一転での再出発・・・

このアルバムは、AZTEC CAMERAの名を捨てRODDY・FRAME名義で '98年9月30日に国内でリリースした第1弾です。レコード会社も移籍し彼の心機一転での再出発です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RODDY・FRAME:ヴォーカル/ギター/ベース/マンドリン/プロデュースの他、MARK・EDWARDS:キーボード、CLARE・KENNY:ベース、YOLANDA・CHARLES:ベース、JEREMY・STACEY:ドラム、LUIS・JARDIM:パーカッション、BARRIE・BARLOW:パーカッション、ANDY・CAINE:バック・ヴォーカルのAZTEC CAMERA[Frestonia]でのミュージシャンが多く参加しています。
尚、プロデュースは、RODDYとアルバム[Stray]のエンジニアだったSIMON・DAWSONが共同で行っています。

1曲目"Back To On"(4:01) 彼のギターサウンドが炸裂する曲で何か吹っ切れた感が有ります。所々にロカビリー的なメロディを使い、彼の弾くグレッチが生き生きとして聴こえて来ます。
2曲目"The North Star"(4:04) カントリー・フレイヴァーなメロディとサウンドです。恋人への思いをそれぞれの星に例えたロマンチックな内容の歌です。
3曲目"Here Comes the Ocean"(3:23) イントロのサスティーンの効いたギターのサウンドが"渋い" 曲で曲調が少しCHRISTOPHER・CROSSの"Sailing" にちょっと似た所がありますね。
4曲目"River Of Brightness"(4:23) マンドリン、バリトンギター、ギターとたっぷり使ったイントロの後に続くRODDYの優しそうな歌声と落着いたメロディとオルガンの音色が心地良い曲です。
5曲目"Strings"(4:10) RODDYのギターでの弾き語りの静かに流れる曲でオルガンが効果的に使われています。サウンドと歌詩の内容はRODDYによるCCMに近いものがあります。
6曲目"Bigger,Brighter,Better"(3:27) 初期のAZTEC CAMERAの雰囲気を残したアコースティック・サウンドと彼の歌声が非常に調和する曲で誰に気兼ねする事無くギターを弾き歌うことの喜びを再び見出した彼の様がうかがえます。
7曲目"Autumn Flower"(4:17) ピアノによる美しい旋律を持った曲で坂本龍一とのコラボの影響がうかがえる曲です。アレンジも非常に凝ったものとなっています。
8曲目"Reason For Living"(3:16) イントロからギター好きには堪らない曲これぞギター・パワー・ポップと呼ぶに相応しい曲です。
9曲目"Sister Shadow"(3:38) この曲もRODDYらしいギターを中心としたパワーポップで次々と繰り出される彼のメロディとヴォーカルが見事に開花します。
10曲目"Hymn To Grace"(2:57) RODDYのギターによる弾き語りです。最近の彼のライヴスタイルに似たこの曲でオリジナル盤は幕を下ろします。
11曲目"Biba Nova(Bonus Track)"(3:22) ミドル・テンポの乗りの好い曲でRODDYの歌声の合間に入る女性?ヴォーカルがとても良い。またボーナス・トラックにも歌詞と訳詞が付いて親切です。
全11曲歌詞/訳詞付き 12ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:41分01秒 (アルバムの内容とは関係無いのですが、ジャケの写真でRODDYのシャツの裾が出ているのが非常に気になります)'10年9月1日再更新


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写真  RODDY FRAME / Surf
 ・2002 Redemption Records UK Ltd.    RRUK2

活動を再開したRODDY・・・

前作より4年ぶりに制作されたRODDY・FRAMEのソロ名義での2枚目のアルバムです。前作はSONY系列のIndependienteレーベルからのリリースでしたが、このアルバムからイギリスの新興インディペンデント・レーベルのRedemption Recordsから '02年にリリースされています。
尚、本作での収録曲全てRODDYのアコースティック・ギターによる弾き語り形式による単独での収録されています。

1曲目"Over You"(3:04) RODDYのアコースティック・ギター1本による弾き語りです。厳かにまた、丁寧に弾かれるギターの調べとRODDYの優しい歌声による落ち着いた曲です。一味違ったRODDYのこのアルバムの幕開きを象徴するように、一人で孤高に演奏し歌うRODDYです。
2曲目"Surf"(4:14) アコースティック・ギターの高音弦を爪弾きながら、厳かな雰囲気と共に導入されるスローな曲です。美しく響くRODDYの歌声とアルペジオで弾かれるギターのサウンドのみの非常にシンプルなサウンドとRODDYの回顧録的な歌詞になっています。
3曲目"Small World"(3:51) イギリスBBCのコメディに挿入されている曲です。このアルバムがリリースされた後のRODDYのライヴでよく演奏される曲になっています。カポタストでハイ・フレットとしたギターをストロークで弾くサウンドとRODDYの歌声だけが静か響きます。
4曲目"I Can't Start Now"(3:41) 溜めを取った歌いぶりと静かに爪弾くギターの金属弦の振動が伝わって来そうなほどの静寂さを背負っての曲です。確実に過去での作品と一線を画す収録曲です。
5曲目"Abloom"(2:17) この曲のフィンガー・ピッキング奏法には驚かされましたね。非常にスムーズでリズミカルかつスピーディに繰り出されるアコースティック・サウンドにもう圧巻です。2分少々の小粒な作品ですが、なぜか重い比重を感じさせる曲です。
6曲目"Tough"(2:17) 今度は12弦アコースティック・ギターを持ち出しての収録です。RODDYの優しくジェントルな歌声のバックで複雑に響く12弦の美しいサウンドになっています。
7曲目"Big Ben"(3:37) カントリー/フォーク・スタイルによるギターの調べによる曲です。テムズ河の辺での情景を歌に描いた叙情的な歌詞のようです。尚、Big Benとはウェストミンスター宮殿に併設されている大時計塔の愛称(幼少の頃は時計塔の内部にある重さ13.7トンの鐘の愛称がビッグベンと聞いたことも...)です。
8曲目"High Class Music"(3:09) 面白い歌詞の曲ですね。フィンガー・ピッキングで綴られる牧歌的なサウンドとBOB・DYLAN然とした字余り気味な歌いぶりに興味津々です。
9曲目"Turning The World Around"(3:16) メロディアスに響くアコースティック・ギターのサウンドとメランコリックな雰囲気を醸し出すRODDYの歌声による曲です。後半ではクラシック・ギターの奏法も感じられます。
10曲目"Mixed Up Love"(3:13) 硬いサウンドを発するベース・ランニングを混ぜたアコースティック・ギターのサウンドと時折入る複雑なコード進行による曲です。この曲を聴くと何故かHARRY・NILSSONの"Mr. Bojangles" を思い起こされます。
11曲目"For What It Was"(3:01) アルバムの終焉になっても非常にマイペースでゆったりとしたリズムによる曲になっています。暖かい日の昼下がりのポーチに吊り下げられたカウチで聴くのが似合う曲といったら解って頂けるでしょうか。
全11曲歌詞付 写真ブックレット U.K.製 (輸入盤) 収録時間:35分44秒 (確かに古くからのAZTEC CAMERAファンにとって賛否両論のアルバムですが、インデペンデンとして活動を再開したRODDYにとって重要な転機となったアルバムには、間違いありません)'10年9月1日再更新


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写真  RODDY FRAME / Live At Ronnie Scott's
 ・2005 roddy frame

観客との一体感が見事に・・・

'05年5月29日にロンドンのRonnie Scott's Clubで行われたライヴを収録したアルバムで '05年の11月にRODDY・FRAMEのオフィシャルHPのみの販売(日本公演でも販売していたらしいのですが、残念ながら東京公演で完売!)です。

1曲目"Abloom"(2:37) '02年の[Surf]に収録されている曲です。オリジナル曲よりほんの少しだけスローに演奏されています。心地好いフィンガー・ピッキングによるフォーキーな曲で独特の節回しにBOB・DYLAN の影響があるようです。
2曲目"Small World"(3:52) この曲も[Surf]からの曲です。ストロークによるアコースティック・ギターの演奏とRODDYのジェントルで伸びやかな歌声による曲です。
3曲目"Dry Land"(2:03) '06年の[Western Sky]に収録されている曲です。素早く弾かれるフィンガー・ピッキングと早口なヴォーカルによる曲です。
4曲目"Your Smile Has Stopped The Hands Of Time"(2:38) スローでしっとりしたメロディによる '02年の国内盤[Surf]でのボーナス・トラックとして収録されていた曲です。美しく響くアコースティック・ギターの音色とボサ・ノヴァ調の曲です。
5曲目"Stray"(4:20) '90年の同タイトルのアルバムに収録されている曲です。ゆったりと流されるスローな曲でRODDYのヴォーカル必要最小限のアコースティック・ギターの音色による収録です。
6曲目"Black Lucia"(3:47) '93年の[Dreamland]に収録されている曲です。オリジナル曲は乗りの好いアップテンポのポップスですが、ここでの収録はややスローなギターのストロークによる演奏としっとりと丁寧に歌い上げるRODDYです。
7曲目"Bigger,Brighter,Better"(3:39) '98年の[The North Star]での曲です。煌びやかに響くアコースティック・ギターのサウンドとAZTEC CAMERA時代を彷彿とさせる美しいコード進行による曲です。
8曲目"Over You"(3:29) 再び[Surf]から曲です。6弦と1弦をDに下げた変則チューニングによるアコースティック・ギターの音色とRODDYの切ない歌声による曲です。
9曲目"Tough"(2:18) 煌びやかに響く12弦ギターに持ち替えての演奏です。この曲も[Surf]に収録されている伸びやかに響くRODDYの歌声による2分少々の曲です。
10曲目"Rock God"(3:41) 12弦ギター1本でしっとりと弾かれるこの曲は何度聴いても良い歌ですね。「Thank you for the moon,Thank you for the stars,Thank you for turning them on」RODDYにとってRock Godは、MARK・BOLAN,DAVID・BOWIE,BRIAN・FERRYでしたっけ?[Western Sky]に収録されています。
11曲目"Hymn To Grace"(2:40) イントロのギターソロが美しい[The North Star]での収録曲です。シンプルなメロディによるRODDYの叙情的な曲です。
12曲目"Surf"(4:13) 同タイトルのアルバムに収録されている曲でゆったりとしたギター1本でのRODDYの哀愁のある歌声による弾き語りです。
13曲目"The Bugle Sounds Again"(3:25) 3曲続けて懐かしい '83年の[High Land,Hard Rain]からの曲の登場です。このアルバムでは12弦ギターを使って収録されています。
14曲目"The Boy Wonders"(3:19) RODDYの早口のヴォーカルも健在です。サビの部分での観客の合いの手と最後には観客の「High Land,Hard Rain」の掛け声(日本でもやったらしいですね!)にRODDYも乗っています。
15曲目"Down The Dip"(2:43) 曲の最後の部分はメドレー風になっていてBOB・DYLAN のIt's Alright,Ma,(I'm Only Bleeding)に自然と変わって行きます。最後のアグレッシヴなギターストロークは観客も圧巻です。
16曲目"Birth Of The True"(3:07) '84年の[Knife]での収録曲です。RODDYのギターのストロークに合わせて観客の手拍子が収録されています。明るい循環コードによるAZTEC CAMERA初期の曲です。曲の終わりにRODDYの観客に対してのお礼でアルバムは終焉です。
歌詞無し 写真ライナー U.K.製 (輸入盤) 収録時間:51分58秒 (Ronnie Scott's Clubの常連のRODDYのライヴで観客との一体感が見事に収録されています)'10年9月2日再更新


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写真  RODDY FRAME / Western Skies
 ・2006 REDEMPTION    RRUK6

当たり前の話ですが、やりたい事をやっているだけ・・・

このアルバムは、S.S.W.RODDY・FRAMEの3枚目のアルバムです。前作から早4年('05年のライヴ盤は含まず)の歳月が流れた '06年5月1日に本国でのリリースです。AZTEC CAMERAからRODDY・FRAME名義になってからのRODDYは、ミュージシャンとして当たり前の話ですが自分のやりたい音楽を素直にアルバムに収録した事のように窺えます。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RODDY・FRAME:ヴォーカル/ギター/ホース型ホーン/プロデュースの他、MARK・SMITH:ベース、MARK・NEARY:アップライト・ベース、JEREMY・STACEY:ドラム/キーボード/マーキソフォン/メロディカ/パーカッション/プロデュースのAZTEC CAMERAからのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデューサーは、RODDYとドラムのJEREMY・STACEYと共同で行ってます。

1曲目"Western Skies"(3:23) イントロから何か"ジーン" と来ました。切ないメロディに悲しげなドラムのビート。マーキソフォンの調べとメロディカのサウンドが心を打ちます。
2曲目"The Coast"(4:24) RODDYの気迫に満ち流れるように演奏されるギターのサウンドです。JEREMY・STACEYのドラムとRODDYだけのシンプルな収録ですが、サウンドの流れが非常に美しくてエモーショナルなものを感じます。
3曲目"Marble Arch"(4:35) CDのジャケットを隠されてこの曲は誰の曲?と聞かれてRODDY・FRAMEと答えられる人は多分少ないでしょう。哀愁のあるナイロン弦の響きによるボサ・ノヴァのリズムの曲です。
4曲目"She Wolf"(2:48) ドブロ・ギターによるスワンプ/ブルースです。RODDYの意外な音楽ルーツを感じさせる曲です。RODDYはブルース,ロック,ジャズと音楽のスタイルに関係なく本当にギターを弾く事が好きなのでしょう。但し、泥臭くまた汗臭いところは全然なくイングリシュ・ジェントル・マンのサウンドです。
5曲目"Tell The Truth"(4:28) アコースティック・ギターによる弾き語りにアップライト・ベースとJEREMYのドラムによる非常にシンプルな楽器構成での収録です。のどかな田園で奏でられるたような曲調です。
6曲目"Rock God"(4:43) 12弦ギターの煌びやかなサウンドの曲の登場です。この歌はRODDYの見てきたロックスターの姿を優しい歌声にのせて奏でられています。後半のギター・ソロはアグレッシヴに奏でられます。
7曲目"Day Of Reckoning"(3:51) アップテンポの曲でAZTEC CAMERAからのアコースティック・サウンドを踏襲したポップな曲です。80年代のサウンドでしょうかオルガンを使った響きも懐かしく感じます。
8曲目"Shore Song"(2:37) RODDYのギター1本による弾き語りです。ギターのピッキング・ポジションを巧みに使い分けたサウンドによる2分半程度の曲です。
9曲目"Dry Land"(2:07) 素早く弾かれるフィンガー・ピッキングによる美しい曲でこの曲もギター1本によるRODDYの弾き語りです。
10曲目"Worlds In Worlds"(4:08) RODDY自身がベースを弾いた曲です。巧みなベース・ランニングの腕前を披露しています。メランコリックなメロディとブリティシュ・フォーク・ロック的なサウンドを発散させた曲です。
11曲目"Portastudio"(3:00) 前々作のアルバムに収録されていた"Biba Nova(Bonus Track)" のサウンドに良く似た70年代のポップ・ソング調の曲です。
全11曲歌詞付 写真ブックレット U.K.製 (輸入盤) 収録時間:40分17秒 (サウンド・スタイルも非常にシンプルでライヴ向けの曲へサウンドを移行し、ギター1本でライヴ活動をしているRODDYです)'10年9月2日再更新


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写真  RODDY FRAME / Live In Osaka
 ・2007 roddy frame    RFL2

アルバム未収録曲を披露・・・

'06年9月21日に大阪ブルーノートで行われたRODDY・FRAMEのアコースティック・ライヴを収録したアルバムで '07年の2月にRODDY・FRAMEのオフィシャルHPと国内のレア盤専門店のみの販売です。
残念ながらライヴで行われた約24曲中(アンコール曲を含む)の内、前回のライヴ盤[Live At Ronnie Scott's]での収録曲や[Western Skies]の国内盤でボーナス・トラックで重複した"Small World" "Rock God" "Stray" 定番の"The Boy Wonders" などは割愛されています。但し、アルバム未収録曲"The Sea Is Wide" やAZTEC CAMERA初期の"Mattress Of Wire" などめずらしい曲が、収録されてるのが嬉しいです。

1曲目"The Sea Is Wide"(3:04) '98年のシングル盤 "Reason For Living" のB-サイド曲です。フィンガー・ピッキングで弾かれるアコースティック・ギターのリズミカルな調べとRODDYの優しい歌声に思わず聴き入ってしまいます。
2曲目"Crossing Newbury Street"(4:26) '02年の国内盤[Surf]でのボーナス・トラックとして収録された曲です。オリジナル曲もアコースティック調だったので、ライヴでもあまり変りませんね。曲の終わりにはRODDYの「ドウモ!アリガト!Thank You!」との観客に対してのお礼の一言が。
3曲目"Song For A Friend"(2:06) '90年[Stray]での収録曲。RODDYの伸びやかに響く歌声とアコースティック・ギターのブリッジ近くの音色とアップ・ストロークを巧み組合せた演奏も見事。
4曲目"We Could Send Letters"(4:10) '83年[High Land,Hard Rain]での収録曲です。12弦ギターに持ち替えて演奏される初期のAZTEC CAMERAでの曲ですが、非常にゆったりとリズムを刻みながら今もなお、丁寧に歌い上げるRODDYです。
5曲目"Western Skies"(3:45) '06年のアルバム・タイトル曲で、哀愁のあるメロディ・ラインとギターの調べのブルース・ハープの音色が悲しすぎます。歌の合間に演奏されるギターの調べはクラシック・ギターの奏法に近いものを感じます。
6曲目"Worlds In Worlds"(3:51) この曲も '06年の[Western Skies]に収録された曲です。アコースティック・ギター美しい響きに乗せ伸びやかにまた、心地好く歌うRODDYの歌声にこちらの方もついうっとりと...。
7曲目"How Men Are"(4:04) '87年[Love]での収録曲で、こちらでの演奏もゆったりと奏でられています。観客の手拍子も僅かながら(RODDYのマイクが観客側の音を拾い難いのでしょうね)入っています。遊び心でCURTIS・MAYFIELDの "People Get Ready" の一節を交えての演奏です。
8曲目"Sun"(4:21) '95年[Frestonia]での収録曲です。アコースティック・ギターを巧みに弾きこなし華麗に歌っています。RODDYがAZTEC CAMERAとして最後に来日した時での曲です。
9曲目"On The Avenue"(2:39) 同じく '95年[Frestonia]での収録曲です。非常に東洋的と言うか日本の童謡のようなメロディに近いもの聴く度に感じる曲です。アコースティック・ギターの優しい音色が非常に似合う曲です。
10曲目"Portastudio"(3:40) '06年の[Western Skies]に収録された曲です。アルバム収録時ではリズミカルに演奏された曲だったのですが、この日は非常にスローにかつ、デリケートに歌われています。丁寧なギターの演奏と叙情的に歌い上げるRODDYです。
11曲目"Reason For Living"(3:45) '98年[The North Star]での収録曲です。エレクトリック・ギターを使ってポップにエモーショナルに収録されたオリジナルとは、一味違ったアンプラグド的なアレンジでの演奏と荒々しくギターを弾きながらクライマックスを迎える曲です。
12曲目"Killermont Street"(2:24) '87年[Love]での収録曲で懐かしい曲です。叙情的に歌い上げるRODDYに対して、歌の合間に観客から拍手が送られるのは、やはりこの曲が懐かしいと思っているのは私1人では無い証拠ですね。
13曲目"Mattress Of Wire"(3:19) この曲は非常にライヴで演奏されるのがめずらしいですね。'81年のPostcard Records時代の第2シングルです。当日、このEP盤を持参でライヴに望んだコアなファンの方も居たようです。尚、この曲は当日の第2部の方で演奏されています。
14曲目"Somewhere In My Heart"(4:10) アンコールの中の最後の曲は懐かしい曲ですね。'87年[Love]での収録曲で観客に手拍子がずっと鳴り響いています。歌っているRODDY自身も非常に幸せで楽しそうにしている事が曲を通じて感じられます。曲が終わってから「Thank You!Very much! Osaka!」とRODDYの別れ挨拶でアルバムは幕を閉じます。
歌詞無し 写真ライナー U.K.製 (輸入盤) 収録時間:49分50秒 ([Live At Ronnie Scott's]のライヴと同じく、RODDYのサイトから直接購入しました)'10年9月2日再更新
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写真
(RODDYに頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  RODDY FRAME / Seven Dials
 ・2014 AED Records    AEROD07CD

8年ぶりの新作・・・

このアルバムは、スコットランド出身のS.S.W.RODDY・FRAMEの '14年5月5日に本国でのリリースされたスタジオ・アルバムとしては、4枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RODDY・FRAME:ヴォーカル/ギター/ベース/ハーモニカ/プロデュースの他、MARK・EDWARDS:キーボード/アコーディオン/グロッケンシュピール、ADRIAN・MEEHAN :ドラム/パーカッション、SEBASTIAN・LEWSLEY:ウーリッツァー/プロデュース、 CARWYN・ELLIS(COLORAMA):ベース/マンドリンの少人数での収録です。 尚、プロデュースは、RODDYとSEBASTIAN・LEWSLEY(MILES・KANE,EDWYN・COLLINS)の共同にてロンドンのEDWYN・COLLINSのスタジオWEST HEATH YARDにてアナログ志向の収録となっています。マスタリングは、ABBEY ROAD STUDIOSで行われています。

1曲目"White Pony"(3:47) アコースティック・ギターの弾き語りから入る曲ですが、次第にサウンドを膨らましピアノとギターのトーンがRODDYの歌声と共に増して行きます。先ずはこのアルバムのオープニングを知らせます。
2曲目"Postcard"(3:43) 心地好いリヴァーブ・サウンドを響かせるRODDYのギターにハモンドのサウンド重ねたカリフォルニアの爽快感を直に感じさせる曲です。途中で登場するトレモノ・ギターのサウンドは、AZTEC CAMERA時代に戻ったようですね。
3曲目"Into The Sun"(3:51) モノラルに近いようなイントロのRODDYの歌声とギターの爪弾きによる収録から次第にドラム、キーボードと加えられて行く曲です。間奏ではこれまたRODDYらしいピッキングを多用したカラフルなギター・ソロにエンディングでは暗転の再びモノラル指向となっています。
4曲目"Rear View Mirror"(3:24) RODDYのギターの爪弾きによるボサ・ノヴァの落着いた調べの曲です。間奏ではRODDYがめずらしくベースで素晴らしいソロを聴かせます。
5曲目"In Orbit"(3:15) この曲も厳かな雰囲気を伝える曲です。ハイストリングス・ギターを幾重にも重ねた非常に美しい調べとハモンドの息の長いサウンドの流れが印象的です。
6曲目"Forty Days Of Rain"(3:49) 曲名を見た時に感じた暗いイメージと全然違ってイントロからハーモニカを楽しげに吹くRODDYの明るい歌声の曲です。「40日も雨続きだった」後の楽しみへの情感を綴っています。
7曲目"English Garden"(4:16) ゆったりとしたリズムでギターを爪弾き歌うRODDYの弾き語り形式の曲です。古びたアップライト・ピアノの調べも登場して落着いた調べを聴かせるのですが、途中よりダイナミックに歌うRODDYのエモーショナルな部分も持っています。
8曲目"On The Waves"(3:25) イントロからベースとギターのサウンドに痺れさせてくれる曲です。ファンクさのあるベースのトーンとギターのカッテングなどからRODDYはこの曲の収録が非常に楽しかったのではないでしょうか。
9曲目"The Other Side"(3:52) アコースティック・ギターの調べと共にRODDYの端整な歌声が流れる曲です。曲の感じからはアルバムの終焉を感じさせるメランコリックさがあるのですが、間奏のギターがまた好いのです。
10曲目"From A Train"(3:44) またアコースティック・ギターの爪弾きを心地好く聴かせる曲です。RODDYの曲の全てに共通するのですがコードの流れ方と使い方がちょっと捻って違うところにはっとさせられます。この曲は、殆どライヴ感覚で収録と感じさせる一発テイクな弾き語りとなっています。
全10曲歌詞付 写真ブックレット 2折紙ジャケット仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:37分06秒 (自身のレーベルより2枚のライヴ・アルバムをリリースや来日もしていたRODDYですが、'06年の[Western Skies]から実に8年ぶりの新作となっています)'14年10月18日更新


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写真  ROGER FRANCOMB / Easystrom
 ・2005 Roger Francomb    

ROGERのジェントルな音楽と彼の歌声・・・

このアルバムは、ロンドンでインディペンデントに活躍しているS.S.W.ROGER・FRANCOMBの '06年に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ROGER・FRANCOMB:ヴォーカル/ギター/サキソフォン、SÖNKE・PRIGGE:キーボード/ギター/ベース/プログラミング、PAUL・MASON:ドラム、REGGIE・EDWARDS:ダブル・ベース、JAKE・PAINTER:トランペット、IAN・PATTINSON:パーカッション、ALEX・CRABB:ギター/パーカッション、APRIL・ANDERSON:フルート、PAUL・DOWNING:フレットレス・ベース、SUE・BALLINGHALL:ヴォーカルなどROGERの友人達が参加しています。

1曲目"Easystorm"(4:39) MySpaceでも紹介されているこのアルバムからの一押しの曲のようです。イントロから聴かせるソウルフルなROGERの歌声と彼のアコースティック・ギターの調べを基調としたブリティシュ・ミュージック・シーンに根強く存在するミュージシャンとその音楽のアップデート的なニュアンスを感じさせます。
2曲目"Salvador"(5:29) 1曲目とは少し違ったイージー・リスニング的なアプローチを感じさせる曲です。フルートとMajor 7thなどを多用したコード進行とROGERのアドリブ的なサックス・ソロによる演奏と感情を控えたスパニッシュ・テイストを感じさせるジェントル・マン・アレンジでしょうか?
3曲目"Blind As A Soldier In Chaos"(6:02) イントロから幻想的な響きを発散するアコースティック・ギターの調べとPAULのフレットレス・ベースのサウンドから参ってしまった曲ですね。スモーキーなROGERのサックスの調べとSUE・BALLINGHALLのバックでの歌声も非常に素晴らしいのです。
4曲目"Freedom Everyday"(3:38) ROGERの少し高い目のキーによるジェントルな歌声とポップなサウンドを聴かせる曲です。間奏ではファンキーなリズムとホーンのサウンドを展開させ、前曲でのヴォーカルSUEとROGERとの歌声も優しく響いて来ます。
5曲目"As A Friend Or As A Lover"(4:26) ROGERのヴォーカルとSÖNKE・PRIGGEのピアノの演奏によるシンプルなスタイルの曲の登場です。厳かに歌い始めるROGERの歌声とピアノの調べが孤高に響きながら切なさを残し遠ざかって行きます。
6曲目"Crazy Feelings"(3:44) 一転してポップなサウンドを前面に出したギター・ポップな曲の登場です。日常の出来事を歌詞に綴った内容をホーンのサウンドで着飾った煌びやかさを印象付けます。
7曲目"Midnight Child"(4:55) 初期のKENNY・RANKINやIAN・MATTHEWSの持つサウンドに少しソウルフルさやアーバンなテイストを加えたアシッド系ブルー・アイド・ソウルな曲です。SUEとROGERのヴォーカルの絡みと間奏でのROGERギター・サウンドは非常に素晴らしいもの感じます。
8曲目"I'm Not Hiding"(4:03) イントロから"クール" に痺れさせてくれる曲の登場です。アコースティック・ギターによるファンキーなリズムの刻みに乗せてエモーショナルでありながら美しい歌声を聴かせるROGERの弾き語りをメインにした収録になっています。無駄を廃したストイック なドラムのビートとROGER自身のバック・ヴォーカルの歌声も最高なのです。
9曲目"Catching Angels"(3:43) イントロからピアノの調べとアンビエントなサックスのサウンドが心地好く流れる曲です。この曲でもROGERのエモーショナルな歌声と彼のサックスのサウンドが聴き応え十分なのです。
全9曲歌詞付 CD-R (輸入盤) 収録時間:40分42秒 (CD-Rフォーマットによるインディーズ盤ですが、ピクチャーCD仕様の非常に美しい印刷が施されています)'10年9月3日再更新


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写真  RÖKKURRÓ / Það Kólnar Í Kvöld
 ・2007 Carroway/Rallye Co.,Ltd.    CRWCD 003

遥かアイスランドからの響き・・・

このアルバムは、アイスランドで活躍しているインディー・ロック・バンドRÖKKURRÓの '08年10月18日。(本国では ジャケ違いにて '07年10月17日)に国内でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムでのRÖKKURRÓのメンバーは、HILDUR・KRISTÍN・STEFÁNSDÓTTIR:ヴォーカル/チェロ、INGIBJÖRG・ELSA・TURCHI:ベース/キーボード/アコーディオン/グロッケンシュピール/バック・ヴォーカル、ARNÓR・GUNNARSSON:ギター/バック・ヴォーカル、BJÖRN・PÁLMI・PÁLMASON:ドラム/ピアノ/ギター、ÁRNI・ÞóR・ÁRNASON:ギター/ベース/バック・ヴォーカルの5人組です。
アイスランドの首都レイキャヴィークで '06年頃に学生同士が集まって結成されたこのRÖKKURRÓ、このアルバム制作時は、20歳前後の若さ溢れるメンバーで、このアルバム制作前に自主制作EP盤リリースし、アイスランドのロック・フェスティバルでの演奏を認められて12 Tónerレーベルにて同アルバムが制作されています。

1曲目"Húm"(5:00) 穏やかに響くギターとアコーディオンの優しい音色が流れ曲です。HILDURの美しい歌声の流れが遥かアイスランドから届いて来ています。
2曲目"I Sjávarháska"(4:09) 今度はテンポを上げて来た乗りの良さを感じさせる曲です。このアルバムをリリースした時のツアーでも良く演奏されたRÖKKURRÓの名刺代わりと言える曲です。チェロとアコーディオンのサウンドをメイトしたアコースティック色の風合いを感じる曲です。
3曲目"Ringulreið"(4:55) ダウンテンポなメランコリック色が強く感じる曲です。バックにさり気なく響くギターの爪弾きや哀愁感やレトロチックなアコーディオンの音色に合わせて歌う高いキーのHILDURの清楚な歌声が非常に印象的です。
4曲目"Ferðalangurinn"(3:41) この曲もライヴで良く演奏されている定番曲で、このアルバムからの一押しの曲となっています。何と言っても特徴的なのは、HILDURの非常に高域で裏返る歌声によるサビの一部分での可愛らしさですね。多分、この歌声は一度聴いたら忘れられないでしょうね。
5曲目"Hetjan Á Fjallinu"(6:28) この曲も非常にメランコリックな質感を感じさせる曲ですね。滴り落ちる雪解けの水が屋根から落ちてくるさまを観ているような情景が曲を聴いていて感じます。次第のサウンドを荒げてエクスペリメンタルな方向へと誘います。
6曲目"Heiðskýr Heimsendir"(2:01) アコースティック・ギターの優しい響きによる爪弾きと質素なアコーディオンの調べが響く落ち着いたメロディとリズムの曲です。歌詞は別として一昔前のフランスの曲のような感じが伝わって来ます。
7曲目"Allt Gullið"(3:04) この曲もイントロから非常にメランコリックさを強く感じさせる曲です。ベースのリズムとドラムのビートが絶妙にバランスを崩して流れる洒落た上手さを感じせるジャズの要素を底辺に持たせたアレンジを感じます。
8曲目"Í Bliðiu Striði"(4:31) HILDURの切ない響きのチェロの旋律と可憐な彼女の歌声が流れる抒情的な曲です。アイスランドの風景をドキュメンタリータッチで撮影した映像の裏で流れそうな歌声と切ないグロッケンシュピールの音色もまた切ないですね。
9曲目"Dagur Þrjú"(4:07) 落ちついたリズムとメロディによるミドルテンポの流れが心地好く過ぎ去る今日です。エキゾックなドラムのビートに早口で歌うHILDURのイノセント・ヴォイスにアコーディオンの音色が絡みつきます。
10曲目"Ljósglæta"(6:35) ダークな雰囲気の中に一筋に光るHILDURの歌声と神々しく感じる曲です。彼女の歌声をなぞるように奏でられるギターのサウンドとエモーショナルなドラムの響きです。
11曲目"Stef(Bonus Track)"(4:30) '09年の限定ツアーEPに収録されている曲です。グロッケンシュピールとチェロの音色で奏でられるスローなリズムとを含む唯一男性ヴォーカルによる曲です。アシッドなリズムを刻むクールなドラムのビートとギターの爪弾きが通り過ぎて行きます。
12曲目"Sí ðasta Stundin(Bonus Track)"(3:34) この曲も '09年の限定ツアーEPに収録されている曲です。この曲のメロディは、ほぼ前の曲と同一のように感じます。リズムなどのアレンジを変え歌詞も違えての収録曲ではないでしょうか?
10曲歌詞/訳詞付 日本語解説付 デジパック仕様 (国内盤) 収録時間:51分35秒 (驚いた事にヴォーカル/チェロのHILDURは、'11年の12月から来日し、日本文化と語学の勉強に1年ほど滞在を予定していて、過日のキリンチャレンジカップ2012でのアイスランド国歌をフィールドで斉唱しています)'12年6月19日更新


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写真  RÖKKURRÓ / Í Annan Heim
 ・2010 Carroway/Rallye Co.,Ltd.    CRWCD 006

アイスランドの優しい響き・・・

このアルバムは、アイスランドで活躍しているインディー・ロック・バンドRÖKKURRÓの '11年2月16日(本国では '10年8月12日)国内でリリースされた3枚目のアルバム('09年の限定ツアーEPを含む)です。
このアルバムでのRÖKKURRÓのメンバーは、HILDUR・KRISTÍN・STEFÁNSDÓTTIR:ヴォーカル/チェロ/グロッケンシュピール、INGIBJÖRG・ELSA・TURCHI:ベース/キーボード/アコーディオン/バック・ヴォーカル、AXEL・INGI・JÖNSSON:ギター/バック・ヴォーカル、BJÖRN・PÁLMI・PÁLMASON:ドラム/ピアノ/ギター/バック・ヴォーカル、ÁRNI・ÞÓR・ÁRNASON:ギター/ベース/バック・ヴォーカルの5人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARGRÉT・SOFFIA・EINARSDÓTTIR:ヴァイオリン、EDDA・HREINSDÓTTIR:ヴァイオリン、ARNDIS・HULDA・AUÞUNSDÓTTIR:ヴィオラ、SIGRÚN・JÓNSDÓTTIR:トロンボーン、BERGUN・SNÆBJÓRNSDÓTTIR:フレンチ・ホーン、HÉÞINN・FINNSSON:サンプリングのRÖKKURRÓの音楽仲間達です。 尚、プロデュースは、ALEX・SOMERS(JÓNSI & ALEX)とRÖKKURRÓの共同で行われています。

1曲目"Í Annan Heim"(5:30) 静寂の中から穏やかに広がるイントロの神秘的な響きとHILDURの優しいチェロの演奏と耳元で囁くような彼女の歌声が融合した正に氷の大地のサウンドと表現したくなるような曲です。
2曲目"Sólin Mun Skína"(4:09) イントロからじっと聴き入らすギターの調べの合間から登場するこの曲もチェロの優しいサウンドが魅力的な曲です。一度聴いたらその魅力の虜にさせるHILDURの歌声が「ふわっ」と広がって来ます。また、この私をRÖKKURRÓの持つ不思議な魅力に惹きつけた最初の曲でもあります。
3曲目"Skuggamyndir"(4:55) アンビエント系のサウンドを強く感じさせるゆったりと流れる曲です。サビの部分ではメリハリを効かせたサウンドと強めに歌うHILDURの歌声が響き渡ります。
4曲目"Við Fjarlaegjumst"(1:01) バックワード風のサウンドと小声で囁くような歌声をサンプルのように流した短いエクスペリメンタルな曲で、次の曲の導入部となっている感じです。
5曲目"Augun Opnast"(4:32) どこと無く東洋的と言うか琉球的と感じる歌い回しとメロディを感じさせる独特のリズムを持った曲です。バックのギターのサウンドも独特の感じで響くのもこのバンドの魅力ですね。
6曲目"Sjónarspil"(3:59) ダウンテンポでメランコリックなサウンドを醸し出す切ない響きとか弱い歌声を聴かせる曲と思わせながら突如サビでエモーショナルに歌うHILDURの歌声で驚かせる曲です。このようなところに計算されたアレンジを感じてしまいます。
7曲目"Fjall"(5:10) この曲もメランコリックさを強く感じさせる曲で、バックに流れるホーンとストリングの調べが美しく添えられています。孤高に響くギターの調べに張りつめたようなHILDURの歌声がアイスランド的と思えます。
8曲目"Hugurinn Flögrar"(5:22) 訥々と響くギターの爪弾きに合わせて歌うHILDURの歌声が切なく響く曲です。ドラムのBJÖRN・PÁLMI・PÁLMASONのメリハリを効かせた演奏に神秘さ一杯のサウンドとの融合を楽しみましょう。
9曲目"Svanur"(7:02) 頼り無く響くピアノの調べとHILDURのイノセントな囁き似た歌声が流れる大人しいイメージを感じる曲です。曲の途中より美しいメロディとサウンドのシャワーが広がり更に後半からは、ほぼインストゥメンタルとなっています。
10曲目"Undir Sama Himni(Bonus Track)"(5:13) 唯一男性ヴォーカル(多分、ÁRNI)による曲です。ギターの弾き語りに近い演奏にバックのサウンドを加えて行った感じの曲で、終焉近くにはHILDURとヴォーカルを交代させて終わりを迎えます。この曲を聴いてやはりこのRÖKKURRÓの最大の魅力は、HILDURの歌声にあると再確認したのですが、英語で歌う彼女のカバー曲でも無く、アイスランド語で歌う彼女の優しい歌声の響きが大事なのです。
9曲歌詞付 日本語解説付 デジパック仕様 輸入元販売 (輸入盤) 収録時間:46分13秒 (ちょっと聴きでは非常に暗さを感じるアルバムの印象ですが、1曲1曲じっと聴き込んでいるとじわじわと込み上げる温かさやアイスランドに住む人の芯の強さを感じます)'11年6月16日更新
2011年度ベスト5


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写真  RÖKKURRÓ / Innra
 ・2014 RÖKKURRÓ Music.    ROM001

美しい響きにエモーショナルをミックス・・・

このアルバムは、アイスランドで活躍しているインディー・ロック・バンドRÖKKURRÓの '14年10月27日に本国でリリースされた4枚目のアルバム('09年の限定ツアーEPを含む)です。
このアルバムでのRÖKKURRÓのメンバーは、HILDUR・KRISTÍN・STEFÁNSDÓTTIR:ヴォーカル/キーボード/チェロ、SKÚLI・AGNARR:ベース、AXEL・INGI・JÖNSSON:ギター/電子ドラム/バック・ヴォーカル、BJÖRN・PÁLMI・PÁLMASON:ドラム/ピアノ/ギター、ÁRNI・ÞÓR・ÁRNASON:ギター/ベース/バック・ヴォーカル、HELGA・RAGNARSDÓTTIR:キーボード/バック・ヴォーカルの6人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ÞORVALDUR "DODDI" ÞORVALDSSON:ドラム/パーカッション、HELGI・HRAFN・JÖNSSON:ブラス/シンセサイザー/ギター/バック・ヴォーカル/プロデュース、TINA・DICO:ヴォーカルのデンマークのミュージシャンも参加しています。
尚、今回のRÖKKURRÓ初の英語による歌詞(8曲目を除く)によるアルバムは、ヴォーカル/作詞担当のHILDURがLILY AND FOXが語学留学と音楽活動の為、'11年の12月からに日本に滞在しアイスランド語を使っていなかった事との理由だそうです。

1曲目"Borders"(4:21) シンセサイザーの美しいサウンドの広がりの中から登場する久しく聴くHILDURの穏やかな歌声が印象的な曲です。バックには薄く付けたドラム"ン" ベースのリズムなどやはり過去のアルバムとは違った感じを受けます。
2曲目"Weightless"(3:45) ドラムとパーカッションのビートのみのサビの部分をイントロにした曲です。どことなくメランコリックさの漂うHILDURの高い歌声が切なく響きます。
3曲目"Sigling"(4:47) アンビエントなギター・サウンドを漂わす不思議な雰囲気持った曲です。強く感じさせるゆったりと流れる曲です。穏やかに奏でられる各楽器と新しく加入したバック・ヴォーカルのHELGAの歌声が非常に印象的です。
4曲目"Killing Time"(3:00) このアルバム・リリース前の '13年10月にシングル曲として紹介されていた曲です。多分この曲のスタートからほぼ全曲英語の歌詞のこのアルバムの制作に至ったと思います。
5曲目"The Backbone"(4:28) めずらしくHILDURが力強く歌うところが登場する曲です。キャッチーなメロディと雄大さを感じさせるサウンドからこの曲もアルバム・リリース前の8月にシングルとしてダウンロード販売されています。
6曲目"White Mountain"(4:38) アイスランドの情景を素直に書き綴った歌詞を美しいピアノの調べに乗せて歌うこれまたHILDURの歌声も美しい曲です。YouTubeでの曲紹介でHILDURは過去のアルバムでも2曲ほど山について書いているけど理由は特にないそうです。
7曲目"The In Between"(2:19) この曲は、過去のアルバムの曲と180°方向を違えて来た感じを受けます。エクスペリメンタルなサウンドをイントロから奏でアシッド/ダークな雰囲気の広がりを伝えます。
8曲目"Flugdrekar "(5:18) 「凧」と題された唯一このアルバムの中アイスランド語で歌われる曲です。各曲の詳しいクレジットの記載が無いので不明ですがHILDURの奏でるチェロがやっと登場しているように思えます。
9曲目"Blue Skies"(4:07) この曲も英語の歌詞から来るのかいつものRÖKKURRÓのイメージから少し離れた大陸性の太目のサウンドを感じます。バックのHELGAの歌声とHILDURの歌声とのハーモニーも意気投合した感があります。ひよっとして2人の共通語は日本語だったりして…そんな訳ないか。
10曲目"Hunger"(4:19) 和太鼓風な電子ドラムのビートとフェイクな男性ヴォイス・エフェクトがユニークな曲です。この曲も随分RÖKKURRÓのイメージから離れたエレクトロニカ・ミュージックの淡々さを持ってこちらに伝えて来ます。
11曲目"Red Sun"(4:30) 心地好いギターの刻み音とファンクなリズムを伝える過去のアルバムのサウンドとちょっと違った趣を持った曲です。エモーショナルなパーカッションのリズムが新生RÖKKURRÓの意気込みを強く感じさせます。
全11曲歌詞付 ライナー無し 3折デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:45分41秒 (前作をリリース後、メイン・パーソンのHILDURが来日してRÖKKURRÓとしての音楽活動が中断したのを非常に残念と思っていたのですが、それは単なる杞憂でしたね(笑))'14年11月8日更新


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写真  ROLAND ORZABAL / Tomcats Screaming Outside
 ・2001 FLAVOUR OF SOUND LTD.    FVCK-80139

ROLAND名義での唯一のアルバム・・・

このアルバムは、T.F.F.を解散した後に始めてROLAND・ORZABAL名義でリリースされたソロ・アルバムです。リリースは、'01年6月13日、国内盤での先行リリースになっています。'90年にCURT・SMITHが、T.F.F.を離れて暫くROLAND一人としてT.F.F.の活動をしていましたが、このアルバムを以って自身の名義とした唯一の作品です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ROLAND・ORZABAL:ヴォーカル/ギター/キーボード/プログラミング/プロデュースの他、ALAN・GRIFFITHS:ギター/キーボード/サウンド・エフェクト/プログラミング/プロデュース、DAVID ・SUTTON:ベース、NICK・D'VIRGILIO:ドラムの少人数での収録です。
プロデュースは、ROLANDとT.F.F.のアルバムを手掛けたALAN・GRIFFITHSの共同で行われています。
尚、このアルバムには、ボーナス・トラックとして13曲目"Low Life(Supersub Mix)" 14曲目"Low Life(President Who? Mix)" の2曲が収録されています。

1曲目"Ticket To The World"(5:48) 低いキーから歌い始めるROLANDの歌声とタイトでアグレッシヴなドラムのリズムが耳を引き寄せるサウンドです。次第にエモーショナルな歌声を聴かせるROLAMD渾身のハードな曲のようです。
2曲目"Low Life"(4:36) ROLAND自身の打込みのリズムとエレクトロニカのリズムによるエモ・ロックの登場です。キーを使い分けたROLANDの歌声と無機質なリズムの流れの組み合せたアグレッシヴなギター・ワークが印象的です。
3曲目"Hypnoculture"(3:13) '95年のアルバム[Raoul And The Kings Of Spain]辺りのワールド・ミュージックの影響を感じさせる曲です。今度はアフリカン・サウンドから繰り出されるトランス状態を誘い出すリズムとサウンドの曲です。サビの部分は、T.F.F.らしいメロディアスな流れのアレンジになっています。
4曲目"Bullets For Brains"(4:08) 80年代のブリティシュ・ニューウェーブ・ミュージックを感じさせるドラムのビートとエレクトロニカのサウンドです。クレジットの記載が無いのですが、バック・ヴォーカルの女性(ROLAND?)の歌声も当時の雰囲気を感じさせます。
5曲目"For The Love Of Cain"(4:06) アメリカナイズされたハーモニカのサウンドとどこかで聴き覚えのあるメロディの感じがします。荒らしたギターのサウンドに組み合わせたスライド・ギターのエモーショナルな音色が響きます。
6曲目"Under Ether"(5:51) アシッドでダークな雰囲気を発するサウンドによる曲です。一時期の[Saturnine Martial & Lunatic] の収録曲に近いROLAND持つメロディアスな曲の対極に位置するサイケデリックなサウンドを感じさせます。
7曲目"Day by Day by Day by Day by Day"(4:35) この曲は、T.F.F.のデビュー当時に持っていた屈折した"ペイル" な雰囲気を感じさせるサウンドです。バックで妖艶に響くシンセサイザーの音色と少し"青臭い" 想いを感じさせます。
8曲目"Dandelion"(3:03) 一転してハードなサウンドによるロック色の強いROLANDのイメージから少し離れたところに位置する曲の登場です。ROLANDのヴォーカルが無ければメタル系のバンドの曲と言えるかもしれません。
9曲目"Hey Andy!"(4:25) ドラム"ン" ベースのサウンドを全面に使った曲の登場です。E.B.T.G.もこのアルバムの収録の '01年少し前からクラヴ系のビートに徹底して使ったサウンドとビートです。
10曲目"Kill Love"(5:40) この曲もドラム"ン" ベースのサウンドを使ったアシッド系のサウンド・スタイルによる曲です。リフレインを多用した歌詞とエレクトロニカのサウンドが繰り返し流されています。
11曲目"Snowdrop"(4:23) ギターのサウンドを重視したT.F.F.時代から密かにプログラミングによる楽曲を作ってアルバムに収録したかった事を窺がわせる曲群です。名曲"Mother Talk" でのあのエレクトロニカのサウンドを更に展開させた感じでしょうか...。
12曲目"Maybe Our Days Are Numbered"(4:52) 今度は軽めのドラム"ン" ベースのサウンドによるミドル・テンポの曲です。このアルバムの収録曲の数曲をROLANDと一緒に書いているギターのALAN・GRIFFITHS(THE ESCAPE,VITAMIN Z)との共作です。
13曲目"Low Life(Supersub Mix)"(4:58) HIP/HOPとの融合を試みた実験的なサウンドを感じさせるリミックスです。
14曲目"Low Life(President Who? Mix)"(4:49) 前の曲とのリミックスの違いがはっきりしないのは、ご愛嬌です。まあ、ボーナス・トラックと言う事で...。
全12曲歌詞/訳詞付 国内盤用32ページブックレット 12mm厚特殊ジュエルケース (国内盤) 収録時間:64分35秒(ボーナス・トラックを含む) (このアルバムをリリースした後にROLANDとCURTは、再開しT.F.F.として活動を再び始めました。このアルバムは、そんな機会の一つになったのでしょうか...)'10年9月3日再更新


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写真  RONAN KEATING / Turn It On
 ・2003 Polydor Ltd.(UK)    UICP-1044

全14曲聴き応えのある素晴らしいアルバム・・・

アイルランドのダブリン出身RONAN・KEATINGの3枚目のアルバムで、'03年12月17日、国内でのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RONAN・KEATING:ヴォーカルの他、 ADAM・PHILLIPS:ギター、TERENCE・ELIOT:ギター、TIM・PIERCE:ギター、DOMINIC・MILLER:ギター、STEVE・ROBSON:ギター/キーボード/プロデュース、PAUL・BARRY:ギター/バック・ヴォーカル、BRANDON・CHRISTY:ギター/プログラミング、JOHN・ROBERT・WOOD:ギター/プログラミング、CALUM・MACCOLL:ギター/バック・ヴォーカル、STEVE・JONES:ギター、DEE・RAL:ギター、ANDRES・BERMUDEZ:ギター、MARK・SMITH:ベース、PAUL・BUSHNELL:ベース、PAUL・TURNER:ベース、STEVE・LIPSON:ベース/プログラミング/プロデュース、DAVID・FRANK:ドラム/キーボード/キーボード/プロデュース、ROHAN・THOMAS:キーボード、JAMES・HALLAWELL:キーボード/プログラミング、PETER-JOHN・VETTESE:ハーモニカ/キーボード、KIERAN・KIELY:アコーディオン、JAMES・McNALLY:アコーディオン/ホイッスル、BRIAN・RAWLING:ドラム、SHAWN・LEE:ドラム/パーカッション、LIAM・BRADLEY:ドラム/バック・ヴォーカル、PETE・LOCKETT:パーカッション/プログラミング、ANDY・DUNCAN:ドラム、PAUL・MEEHAN:プログラミング、REN・SWAN:プログラミング、REECE・GILMORE:プログラミング、CLIFF・MASTERSON:指揮/ストリングス・アレンジ/ピアノ、WILL・MALONE:指揮/ストリングス・アレンジ、RICHARD・NILES:指揮/ストリングス・アレンジ、GAVYN・WRIGHT:ストリングス・リーダー、LONDON SESSION STRINGS:ストリングス、LEANN・RIMES:ヴォーカル、MARK・READ:バック・ヴォーカル、WAYNE・HECTOR:バック・ヴォーカル、JANET・RAMUS:バック・ヴォーカル、MIRIAM・STOCKLEY:バック・ヴォーカル、TESSA・NILES:バック・ヴォーカル、YVONNE・JOHN-LEWIS:バック・ヴォーカル、PAULINA・RUBIO:ヴォーカルの多くのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、MARK・TAYLOR、ASH・HOWES、DAVID・FRANK、STEVE・ROBSON、THE MATRIX、ALAN・BRANCH、CALUM・MACCOLL、JULIO・REYESなど曲作りと演奏にも参加しているミュージシャン達が担当しています。

1曲目"Turn It On Again"(3:18) 掻き鳴らされたギターのサウンドと重く響くベースのリズムの曲で乗りの好いメロディとRONANの若々しいヴォーカルが魅力的です。
2曲目"Lost For Words"(3:48) ブリティシュ・テイスト溢れる曲で大好きなTIM・PIERCEがギターで参加しています。
3曲目"She Gets Me Inside"(3:19) アコースティック・ギターによるミドル・テンポの渋いバラードです。
4曲目"First Time"(4:13) カントリー調の切ないメロディとストリングスが豪華な曲です。
5曲目"Last Thing On My Mind"(3:57) あのLEANN・RIMESとのデュエットの素晴らしい曲で、RONANのヴォーカルも彼女の声の美しさと力強さも負けていませんね。
6曲目"Let Her Down Easy"(4:33) TERENCE・TRENT・D'ABYの作でしっとりと聴かせる曲です。
7曲目"Back In The Day"(3:17) タイトなリズムに乗せ歌う逞しいRONANのヴォーカルが聴きどころです。
8曲目"She Believes In Me"(4:08) ナイロン弦ギターによる優しさに包み込まれるような曲です。
9曲目"On My Way"(4:15) サビの部分が力強いリズムの曲で今のRONANの心境を歌にしているようです。
10曲目"The Best Of Me"(3:53) ミドル・テンポの心地良い曲でストリングスを入れた綺麗な曲です。
11曲目"Hold You Now"(4:00) RONANのほとばしる感情を抑えたように歌う曲でリスナーに聴かせようとした良い曲です。
12曲目"This Is Your Song"(4:02) この曲もストリングスとピアノの旋律の美しい曲です。
13曲目"I Wouldn't Change A Thing(Bonus Track)"(3:44) 明るく爽やかなメロディの曲です。
14曲目"Give You What You Want(Bonus Track)"(3:29) 多くのバンドに引っ張りだこのYVONNE・JOHN-LEWISがバック・ヴォーカルに入ったキャッチーでリズミカルな曲。(こんなボーナストラックなら大歓迎)
全14曲歌詞/対訳詞付 写真ライナー (国内盤) 収録時間:54分02秒 (アイドル路線から完全に脱皮した彼のヴォーカリストとしての魅力たっぷりのアルバムです)'10年9月3日再更新


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