写真  KATIE GOES TO TOKYO / Katie Goes To Tokyo
 ・2006 tap your feet    VVR 1037852

ガーリー・ギター・ポップス・・・

このアルバムは、スウェーデンのストックホルムで活躍しているKATIE GOES TO TOKYOことKATHRINE・BORGSTRÖMの '06年2月に本国リリースされたデビュー・アルバムです。
スウェーデンの北部の町Skellefteåで生まれ育ったKATHRINEは、地元の友人達とのバンドBACKFISHとして '97年にアルバム[It's Emily]をリリース、その後、このアルバムのプロデューサーMÅRTEN・TROMM(PENNEBAKER)と曲を一緒に書きバンドTHE WILSON HOSPITALとして '02年 にもアルバムをリリースしています。
そして、この度、ソロ・プロジェクトとしてKATIE GOES TO TOKYO名義としてのアルバムをリリースです。
尚、このアルバムでのミュージシャンは、KATHRINE・BORGSTRÖM:ヴォーカル/ギター/ピアノ/フルート、MÅRTEN・TROMM:ドラム/キーボード/ギター/プログラミング/バック・ヴォーカル、LEIF・REHNSTRÖM(THE DROWNERS):ギター、ERIK・JANSSON:キーボード、ANDERS・LENNARTSSON:アップライト・ベース、ANDERS・PERSSON(THE DROWNERS):ドラム、MOURICE・FORSLUND:ホーンが参加しています。

1曲目"Moving From This Town"(3:06) のんびりとしたリズムとサウンドの流れに乗せて登場するウォームなKATHRINEの歌声による曲です。新天地を求めての旅立ちを意味した歌詞を綴った内容です。
2曲目"Unbelievable"(3:40) 前の曲ののんびりとしたエンディングからいきなり入るインパクトのあるエモ・ギター・サウンドのイントロが印象的です。また、曲の途中に登場するKATHRINEの美しい歌声による輪唱が心地好く響いて来ますね。
3曲目"Close To You"(3:12) 幻想的なドラム・マシーンのリズムの刻みに乗せて歌うKATHRINEの甘い歌声が響いて来る曲です。愛する人に贈るこれまた、甘い歌詞を綴った内容になっています。
4曲目"Everywhere I Go"(3:47) 軽めのブリット・ロックとスウェディッシュ・ポップスのサウンドが融合した心地好いリズムの流れが良い曲ですね。明るく爽やかなガールズ・ポップな歌声を聴かせてくれるKATHRINEです。
5曲目"The Girl Who Ruined Your World"(3:38) アコースティック・ギターの張りのある弦の調べが、イントロから心地好く響く曲の登場です。乗りの良いサビのベースのサウンドとシンプルなドラムのビートは、これぞスウェディッシュ・ポップス然とした感じですね。
6曲目"If It's Alright"(3:02) ワーリッツァー・ピアノ風の調べによるKATHRINE の弾き語りを中心にした収録曲です。この曲を最初に聴いた時、日本のT.V.のテーマ・ソングを思い出しましたね。
7曲目"Until She Breaks"(3:15) 懐かしいサーフ・ロック/ウエスト・コーストっぽい美しいコーラスを聴かせる軽めのリズムとサウンドの曲です。失恋をテーマにした内容を歌詞にし、爽やかなギター・ポップのサウンドに不思議なビデオは、北欧的シュールな描写ですね。
8曲目"Somebody I Never Knew"(3:15) ギミックなLEIF・REHNSTRÖMのギター・サウンドとエレクトロニカのS.E.が印象的に流れるギター・ポップな曲です。女性S.S.W.が歌いそうなシンプルなサウンドとリズムの曲をMÅRTEN がアレンジした事を覗わせるキャッチーさを持っています。
9曲目"Down At The Coffee Shop"(3:42) アコースティック・ギターサウンドとゆったりと流れるリズムが心地好い曲です。この曲でのKATHRINEの歌声は柔らかく、ふっくらと響いて来るところが堪りませんね。
10曲目"Alone"(4:19) リヴァーブを効かせたギターの切ない響きと溜めを取ったKATHRINEの思いつめたような歌声が響くスローな曲です。また、掠れ気味のKATHRINEの歌声も切なくこちらに届きます。
11曲目"Contemplation's Over"(7:56) イントロのギター・サウンドから聴入る曲ですね。非常にサウンドをシンプルにしたTHE POLICEのサウンドって言う感じでしょうか。少し離れた所で孤高に響くドラムのビートとギターのサウンドが一面に流れて来ます。
この曲が終了した後にヒドゥン・トラックが収録されています。KATHRINEのアコースティック・ギターの爪弾きによる大人しい弾き語りにてこのアルバムは、幕を閉じます。
全11曲歌詞付 8ページ物ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:47分42秒 (自身のアルバム以外にもゲスト・ヴォーカルとして他のミュージシャンに招かれるKATHRINE、これからの活躍も楽しみですね)'10年6月28日再更新


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写真  KATJA MARIA WERKER / Contact Myself
 ・2000 BMG Ariora Hamburg GmbH.    74321 75126 2

しっかりと抱いたギターとその姿・・・

ドイツで活躍するKATJA・MARIA・WERKER(ドイツ語HP)の2枚目(デビューは '99年のインディーズ盤)のアルバムです。本国で '00年10月23日にメジャー・レーベルのSONY BMGからのリリースです。
KATJA・MARIA・WERKERは、ドイツでサウンドトラック、T.V.シリーズのテーマ・ソング、CMソングなど幅広く手掛けるS.S.W.で、マルチ・インストゥルメンツの奏者でもあります。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KATJA・MARIA・WERKER:ヴォーカル/ギター/ハープ/パーカッション/プロデュース、DAVE・KING:ベース/ストリングス・アレンジ、NIPPY・NOYA:パーカッション、JÖRN・CHRISTOPH・HEIBUT:ギター/スライド・ギター、FELIX・HUBER:キーボード、STEPHAN・FISCHER:キーボード/プロデュース、DOG:ドラム、ANKE・BRAUWEILER:チェロ、EIKE・BRAUWEILER:ヴィオラ、MARCO・BIRKNER:パーカッション、PETER・SCHMIDT:パーカッション、SEVEN・REGENER:トランペット、BJÖRN・WERRA:ベース、MICHAEL・DUEBE & HIS SCOTTISH FRIEND:バック・ヴォーカル、Bonus Track:TORSTEN・HARDER:チェロ、MATTHIAS "FELIX" LAUSCHUS:トランペット/パーカッション、VOLKER・SCHLOTT:ソプラノ・サックス、SIEGHART・SCHUBERT:ピアノ/アコーディオン/ストリングス・アレンジのヨーロッパで活躍しているミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Music Is The Only Language(I Know)"(4:00) 寂しげなギターの調べによる爪弾きとスモーキーな歌声のKATJAの歌声が印象的なスローな曲です。ダークなイメージなメロディに添えられたストリングスの美しいサウンドに1曲目から、この人は只者ではないと確信させる曲です。
2曲目"The Streets Of Africa"(4:15) この曲はシングル・カットされていた曲で、フックなリズムと玄人受けするメロディによって演奏されていますが、曲の内容は飢餓に苦しむアフリカの人々について書かれています。この曲でもKATJAの特徴的な枯れたヴォーカルが印象的な曲です。
3曲目"Yes"(2:40) エレクトロニカによるネオ・フレンチ・ポップ的な曲で、KATJAのリフレインによる歌詞が特徴的に響く曲です。
4曲目"What The Bird Said"(3:52) 殆ど吐息のようなKATJAのヴォーカル(KIM・WILDEの歌声をもっと線を細くしたような)によるフォーク・ロックで、ペダル・スティールのサウンドが素晴らしいのです。オリジナル曲は、KATJA '99年のインディーズ盤の同タイトル[What The Bird Said]のセルフカバーです。
5曲目"Contact Myself"(4:18) "クール" な響き発するハモンドのサウンドとスリリングなビートによるコンテンポラリーなリズム・アンド・ブルースを感じさせる曲で"超かっこ良い" のです。
6曲目"Step By Step"(3:15) KATJAのアコースティック・ギターの爪弾きによる弾き語りです。うっすらと付けたキーボードの美しいサウンドによるシンプルな曲です。KATJAのリフレインによる御呪いのように繰り出される歌詞による曲です。
7曲目"Love Like U Do"(3:26) カントリー・ロック調のスローなリズムによる曲です。ドラムのビートの繰り出しが見事ですね。バックで流れるギターでの厳かなサウンドも素晴らしいです。
8曲目"These Small Crumbs"(3:43) ダークなイメージのベースのランニングとKATJAの絞り出すような枯れた歌声によるダーク・エモ・ロックでしょうか。この曲でも特徴的なKATJAの歌詞のリフレインを使っています。
9曲目"Life Goes Up"(3:05) 少しサウンドを変えてきた曲の登場です。ペダル・スティール、ストリングス、トランペットがカオス状態のミドル・テンポのナンバーです。KATJAのヴォーカルを中心に表情を変えて行く曲です。
10曲目"Open The Door"(2:50) レゲエ調のリズムを少し取り入れたKATJAアコースティック・ギターで繰り広げられるリズム・アンド・ブルースです。パーカッションも彼女自身の演奏のようで、3分程度の曲ですが、彼女のエモーションを非常に感じる曲です。
11曲目"I Moved A Mountain"(3:48) クラシック・ギターの教本のような運指によるバックのギターの演奏が印象に残る曲で、枯れた歌声とシンプルな演奏によるトラディショナル・スタイルでしょうか。
12曲目"Carried The Cross"(4:01) 映画のサウンドトラックかT.V.シリーズのテーマ・ソングになっていた曲です。ピアノとヴァイオリンによる美しいメロディのスローな曲です。
13曲目"No More Prisoner"(4:41) KATJAアコースティック・ギターでの弾き語りで繰り広げられる厳かな調べの曲です。非常に美しいスローなゴスペル・コーラスとララバイを歌うようなKATJAの歌声です。
14曲目"The Streets Of Africa(Acoustic Version-Bonus Track)"(4:33) 2曲目の曲に官能的なソプラノ・サックスの調べを加えたアコースティック・ヴァージョンで、素晴らしい出来の良さを感じさせます。
15曲目"Naked(Trumpet At The Door Version-Bonus Track)"(3:00) ミュートしたご機嫌なトランペットの演奏とアコースティック・ギターに厳かなチェロの調べのよるミドル・テンポの"クール" なナンバーです。
16曲目"Step By Step(Conducted String Version-Bonus Track)"(3:15) 6曲目の曲をワルツのリズムで弦楽四重奏で演奏したヴァージョンです。
17曲目"Yes(In The Middle Of The Night Version-Bonus Track)"(2:52) 3曲目の曲をウッド・ベース、ソプラノ・サックス、ピアノ、ドラムのジャズ・スタイルでのアレンジで演奏しています。曲のイメージがやはり洒落たラウンジ曲になったようです。
14曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:62分22秒 (YAMAHAエレクトリック・アコースティック・ギターAPX700 BLをしっかりと抱いたKATJAのその姿に惚れての購入です)'10年6月29日再更新
2000年度ベスト5


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写真  KATJA WERKER / Leave That Thing Behind
 ・2005 Spv Records    SPV 80000942 CDE

特徴的なディストーション・ヴォイス・・・

ドイツで活躍するKATJA・(MARIA)・WERKER(ドイツ語のHP)の3枚目のアルバムで、前作より約5年ぶりの '06年1月27日に本国でのリリースです。今度のアルバムは、ハード・ロック系のバンドを擁しているSpv Recordsより発売されています。
尚、KATJAはミドル・ネームのMARIAを自由な音楽活動を展開する為に、今度のアルバムでは取り除いたとの事です。またSpv Recordsでの彼女のEPKは途中で止まりますので要注意です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KATJA・WERKER:ヴォーカル/ギター/キーボード/パーカッション/プログラミング/プロデュース、GERT・NEUMANN:ギター/バンジョー、FILIPPO・GAETANI:ベース/副プロデュース、MICHAEL・PFEIFFER:ハイハット/スティク・ベース、HELMUT・KRACHT:ダブル・ベース、WOLFGANG・ENGELBERTZ:ダブル・ベース、MATTHIEU・PALLAS:アコーディオン、TOM・LORENZ:ヴィブラホン、LAURENT・DUCLOUET:ドラム、MICHAEL・MÜLER:フリューゲル・ホーンのドイツとイタリアのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Pony Ride On"(4:37) 虫の鳴き声をS.E.に使ったイントロから入るスローなカントリー・タッチの曲で、ドラム、ベースを含む殆どの楽器の演奏を彼女自身が行っています。
2曲目"Very Hard Time"(4:12) エレクトロニカのリズムとサウンドによるアップテンポで、ポップなナンバーです。KATJAの特徴的なスモーキーでウイスパー・ヴォイスは相変わらず健在のようです。
3曲目"When I Speak"(5:11) ピアノの演奏によるフックなメロディが心地好いスロー・バラードです。バックで響く美しいヴォーカルとKATJAの特徴的なディストーション・ヴォイスが対照的に響きます。
4曲目"Freedom Is Inside"(4:17) 厳かに響くチェロの調べとウッド・ベースの低く響くサウンドによるメランコリックなナンバーです。シンプルな曲ながらも、バックワードにしたKATJAのヴォーカルをS.E.に使ったアレンジも面白いです。
5曲目"I'm Not Blind"(4:03) 彼女の内情的な歌詞を綴ったダーク・エモ・ロックなミドル・テンポのナンバーです。交信音のS.E.と奥で鳴り響くエッジなギターのサウンドが"かっこ" 好い曲です。
6曲目"Bullet In My Head"(3:28) 囁きにも似たスポーケンによるKATJAの歌声による強烈なタイトルの曲です。幻想的になるアトモスフィアなギターのサウンドの数々です。短い歌詞をリフレインさせたアシッド・ロックです。
7曲目"Mother Of Violence"(3:03) アコースティック・ギターの爪弾きによるシンプルな曲です。ダークな歌詞の内容を淡々と歌うKATJAの歌声が寂しく響くフォーク・スタイルの曲です。オリジナル曲は、PETER・GABRIEL '78年の曲です
8曲目"Say It With A Kiss"(5:10) ヨーロッパ調の独特の憂いのあるスローなバラードです。間奏のギター・ソロがしっとりと"泣き" を聴かせてくれます。
9曲目"First Wing Of The Dawn"(5:12) 心地好いリズムで流れるカントリー調のロックの曲です。クリアで張りのあるアコースティック・ギターのサウンドとアコーディオンの音色が調和します。
10曲目"Heart Of Gold"(4:03) 今回のアルバムの主体となるKATJAのフォーク・ロックの曲調での曲です。ハーモニュームの心地好い響きとエモーショナルに繰り出される彼女自身のドラム?のビートが素晴らしいです。カナダのNEIL・YOUNGも同名の曲がありましたね。
プロモーション盤の為、歌詞は未確認 シングル盤用ライナー ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:43分32秒 (KATJAの特徴的なヴォーカルが好みの別れるところですが、このアルバムは素晴らしいです。但し、日本からオーダーとなると現在は、高額になるのが難点!)'10年6月29日再更新


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写真  KATJA WERKER / Dakota
 ・2008 EMI Music Germany GmbH & Co.    50999 212330 2 9

特徴的なダーク・スモーキー・ヴォイス・・・

このアルバムはドイツで活躍するKATJA・WERKERの4枚目( '99年のインディーズ盤を含む)のアルバムで、前作より2年半ぶりの '08年5月28日本国でのリリースです。今度のアルバムは前作のSpv Recordより大手EMIグループの傘下であるOdeon Recordsにレーベルを変更してのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KATJA・WERKER:ヴォーカル/ギター/ベース/キーボード/パーカッション/プログラミング/プロデュース、MIKE・FRANK:ギター、STEFAN・STOPPOK:ブズーキ/12弦ギター、VOLKER・KAMP:ベース、LAURENT・DUCLOUET:ベース/ドラム/ボンゴ、HORST・SCHNEBEL:キーボード/プログラミング、TIM・NOWACK:プログラミング/キーボード/ベース、MARC・ESSIEN:パーカッション、RUTH-MARIA・KOSOW:ヴァイオリン/チェロ、WOLFGANG・ENGELBERTZ:チェロ/ダブル・ベース、ストリング・ループ、INGMAR・MESSNER:ヴァイオリンのドイツのミュージシャン達です。

1曲目"Beautiful Sky"(4:05) プログラムによるリズムをベースとしたサウンドに合わせて演奏されるKATJAのアコースティック・ギターの長閑な響きが印象的な曲です。彼女の非常に特徴的な枯れた歌声も健在です。
2曲目"The World Is Full Of Mirrors"(5:01) デビュー当時から持っているKATJAのダーク・ポップ的なサウンドに乗せたスモーキー・ヴォイスに英語の歌詞では少しドイツ語訛りの固い発音がユニークに聴こえます。
3曲目"You Take Me Away"(3:42) アルバムの発売より先駆けてリリースされたシングル盤による曲です。モノクロームによる実写ビデオにカラーのアニメーションを組み合わせたビデオ・クリップも同時に公開されています。覚えやすいメロディと落ち着いたリズムによるこのアルバムのメインとなる曲のようです。
4曲目"Strange Days"(3:48) エレクトロニカのリズムを基調としたミドル・テンポのナンバーです。モデラートで迫るリズム隊のビートに後半ではエモーショナルに歌い上げるKATJAの歌声とスポーケンを組み合わせたヴォーカル・アレンジが斬新です。
5曲目"Go On Go On Go On"(3:03) サビの部分のヴォーカルが特徴的なダーク・アシッド・ロックな曲です。癖のあるメロディとサウンドにあのKATJAのダークな歌声となれば強烈な印象を聴く者に与えます。
6曲目"Rollercoaster"(4:24) 一転してメランコリックな響きを持ったKATJAのピアノの演奏による切ない曲です。恋人に翻弄される女性の気持ちを"Rollercoaster" の動きに例えて歌詞に綴っています。バックにい響くストリングの調べと少年少女達によるバック・ヴォーカル(サンプル)が更に切なく流れます。
7曲目"Heartbreak Boulevard"(4:16) KATJAの弾くLAG GUITARの美しいアコースティックな調べが心地好く流れる曲です。いつもより高いキーで歌うKATJAの歌声にチェロとヴァイオリンの調べが絡み合います。
8曲目"Dark"(3:29) 複数のギターを使ったメタル風のヘビーなギターのサウンドによる曲です。過去のアルバムではあまり収録されていないヘビー・ロック調のサウンドに唸る歌声による"熱さ" を感じさせる曲です。ドラム以外は彼女1人のオーバ・ダブで収録されていることにも驚きです。
9曲目"Dakota"(4:55) ボンゴのリズムがあやしく響くフォーク・ロック・スタイルの曲です。KATJAがスタジオにこもって用意周到に作り上げたベース・トラックの気迫が正に感じられる気がします。
10曲目"No Ticket Back"(4:14) 枯れたKATJAの歌声を更にこもらせたヴォーカル処理が"クール" 聴こえる曲です。この曲でもドラムとベース以外は彼女自身の演奏によりマルチ・タレントぶりを発揮しています。
11曲目"Sing Along"(3:55) エレクトリック・ギターを演奏しながら歌うKATJAのウエスト・コースト・ロック風の曲です。多重で収録されたKATJAの美しいハーモニーと彼女のベースのサウンドも付けられた拘りを感じさせられます。
12曲目"Who"(4:16) 本国ではT.V.のテーマ・ソングやCMに起用されているKATJAの音楽、そのような彼女の作り出すキャッチーでイヤー・フレンドリーな印象を与える曲の登場です。メロディアスで優しいサウンドが漂いながら心地好く流れて行きます。
13曲目"Half On My Way"(5:28) ピアノとダブル・ベースにドラムによるシンプルな楽器構成による収録曲です。スローに演奏されるKATJAのピアノにスネアをブラシではたく優しいビート心に響きます。歌詞の方は日常生活に疲れた内容を表現しています。
14曲目"You Take Me Away(ME remix)"(4:12) 3曲目の曲を少しスローにしたアコースティック/エレクトリック・ヴァージョンが収録されています。KATJAのヴォーカルも改めて収録されている丁寧なヴァージョン違いです。
尚、リミックスはKATJA自身によるME remixです。
13曲歌詞付 16ページ物豪華写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:58分55秒 (ヒット・チューンの"You Take Me Away" も含んでたっぷり1時間近く収録されているKATJAの力作、日本でも彼女の音楽が受け入れられる日もあまり遠くではないような気がします)'10年6月29日再更新


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写真  KEEP SHELLY IN ATHENS / In Love With Dusk /
 Our Own Dream
 ・2012 Plancha    ARTPL-027

過去2枚のEP盤から・・・

このアルバムは、ギリシャのアテネで活躍しているチルウエイブ・ミュージック・デュオKEEP SHELLY IN ATHENSの '12年5月16日に国内でリリースされたデビュー・アルバム('10年のEP盤[In Love With Dusk] と '11年のEP盤[Our Own Dream] を編集したもの)です。
詳しいアルバムのクレジットの記載が無いのですが、収録に参加しているミュージシャンは、SARAH・P. :ヴォーカル、RΠЯ:マルチ・インストゥルメンツ/ヴォーカル/プロデュースの2人だけでの収録です。

1曲目"Running Out Of You"(4:36) 幻想的なサウンドを放つシンセサイザーのサウンドに合わせゆったりと歌うSARAHの歌声に魅了される曲です。途中よりダイナミックなサウンドの展開やスクラッチを用いたアレンジにもなっています。
2曲目"Fokinos Negri Street"(3:44) ヴォーカル部はサンプルとループで収録した長閑さを感じさせるエレクトロニカのサウンドの曲です。ちょうど散歩に出かけるによい良いリズムの流れと心地好く耳を撫ぜる歌声が響きます。曲のタイトルとなっている生まれた街Kypseliの通りこのような感じのようです。
3曲目"Cremona Memories"(3:14) シンセサイザーのサウンドをイントロから広げる乗りの良さを伝えて来る曲です。スクラッチと切れ込みのある打込みのリズムできびきびとした感じが印象に残り、ヴォーカル部はサンプルを多用しているのではないでしょうか。
4曲目"Rainy Night"(1:50) レコード盤のトレース・ノイズを乗せたレトロ調に仕上げにサックスのソロで「雨の夜」の情景を歌ったインストゥルメンタルです。
5曲目"Don’t Be Afraid"(3:32) ヨーロッパの哀愁を感じさせるメランコリックな曲です。エレクトロニカ・ミュージックによるダンス・ビートに乗せたSARAHの可愛い歌声が回っているのです。
6曲目"In Love With Dusk"(3:49) エフェクターを通したギターのサウンドと楽しげなパーカッションのリズムによるほぼインストゥルメンタル(短いSARAHのヴォーカルもあるのですが)です。また、「夕暮れ時の愛に包まれて」ってロマンチックな曲名が好いですね。尚、この曲までが2010年にリリースされた[In Love With Dusk] からの収録曲です。
7曲目"A Tear In My I"(3:35) 2011年にリリースされた8曲入カセットテープに収録されている曲です。穏やかに奏でられるキーボードの調べとヴォコーダーを通したエフェクト的なRΠЯの歌声とSARAHの可愛い歌声のコラボを楽しみましょう。
8曲目"Lazy Noon "(3:36) 淡々と刻まれるドラムのビートとうねるベースの演奏にリフレインが耳に残る曲です。この曲でもSARAHの優しい歌声が響いて来ます。尚、この曲から13曲目まで2011年のEP盤[Our Owen Dream] からの収録曲です。
9曲目"Our Owen Dream"(4:54) 近未来をテーマとしたSF映画の挿入歌のようなイメージを感じさせる曲です。次のアルバムの一部の曲に通じるようなエレクトロニカ+ゴシック的な重さを持たせています。
10曲目"ABADABAD: California Birds(KEEP SHELLY IN ATHENS REMIX)"(3:33) ボストンで活躍しているインディー・ロック・バンドABADABADの曲のRΠЯによるリミックス曲です。オリジナル曲のレトロ調と長閑さを払拭したアレンジを感じます。
11曲目"DIY"(3:44) ライヴで演奏されて観客から歓喜の拍手をもらっているエレクトロニカのサウンドにSARAHのクールな歌声が映える曲です。次のアルバム[At Home]でも収録されています。
12曲目"Fairy Tale"(3:07) 80年代のエレクトロニカ・ダンス・ビートの懐かしいサウンドを感じさせる曲です。80年代には女性ヴォーカルをフロントに置き、バックでキーボードやミュージック・シケンサーを積み上げ気忙しく演奏していたデュオやバンドが多くいましたね。
13曲目"A) The Rogue Superhero B) Ready To Pay The Price"(4:48) 強烈なサウンドをバックに繰り広げられるスクラッチにオーケストレーションに奢られたシンセサイザーとキーボードのサウンドが一通り終焉した後に第2部として中東音楽を打込みとシンセサイザーでハード・コア風に再現したようなサウンドが攻め立てて来ます。
14曲目"Hauntin' Me(Bonus Track)"(4:11) RΠЯのゆったりとしたギターのナチュラル・サウンドから入る曲です。サックスの調べも入りオーソドックスな雰囲気を醸し出しています。力強いドラムのビートに合わせ歌うSARAHの歌声が登場するとメロディ、サウンドとリズムの好さに本当に魅了される曲です。尚、この曲は、2011年2月21日に300枚限定のレコード盤でのシングル曲を今回のCD化にてボーナス・トラックとして収録されています。
6曲歌詞/訳詞付 解説ライナー付 2折紙ジャケット仕様 (国内盤) 収録時間:52分13秒 (日本のみのCD化だそうです。最新盤も機会があればアップ致します)'15年12月6日更新


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写真  KEEP SHELLY IN ATHENS / At Home
 ・2013 Plancha    ARTPL-043

At Homeですね・・・

このアルバムは、ギリシャのアテネで活躍しているチルウエイブ・ミュージック・デュオKEEP SHELLY IN ATHENSの '13年9月17日に国内でリリースされた2枚目(ミニLP2枚組のデビュー盤を含む)アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SARAH・P.:ヴォーカル、RΠЯ:マルチ・インストゥルメンツ/ヴォーカル/プロデュースの2人だけのアルバム・タイトル通り「At Home」での収録です。

1曲目"Time Exists Only To Betray Us"(2:48) サスペンス的なサウンドを発するシンセサイザーの渦巻き音にい合わせ「イエー!」と叫ぶSARAHの歌声がイントロから流れる曲です。短い歌詞によるリフレインをSARAHの歌声の合間にRΠЯの歌声が聴こえています。
2曲目"Oostende"(4:48) リズムをスローにして来たチルウエイブ・ミュージックらしい曲調の曲です。重い響きのシンセサイザー・ベースのサウンドとドラム・プログラミングによる淡々させた冷やかなチルさが穏やかさを伴って流れ去ります。
3曲目"Recollection"(4:16) シンセサイザー・ベースのサウンドに強弱を付けてパーカッション的なイメージ感じさせる乗りの良い曲です。引き摺り感のあるドラム・プログラミングにヴォコーダを通したSARAHの可愛い歌声も感じ好いのです。
4曲目"Flyway"(4:23) 転がるような電子ピアノのサウンドとウインド・シンセサイザーのクールな電子ウインドによる映像音楽のイメージを強く感じさせる曲です。ヴォーカル部も少しあるのですが、インストゥルメンタルに近いようです。
5曲目"Higher"(4:08) 懐かしい80年代のイギリスのニューウエイヴ・バンドの持つ重苦しいシンセザイザー・ベースのサウンドが迫る曲です。変幻するキーボードの調べが止み唐突に流れるサンプリングによるRΠЯのトリップホップの手法を使ったアレンジです。
6曲目"Madmen Love"(4:57) 揺らぎながら重く響くシンセザイザー・ベースのサウンドとヴォコーダを使ったSARAHの歌声による引き摺り感を持った曲です。後半からダイナミックな展開をギターのサウンドを聴かせます。
7曲目"Stay Away"(4:08) 湧き出るように流れる電子サウンドの泉をイメージさせるイントロが印象的な曲です。流れるようなキーボードのサウンドとは対照的に溜めを取って打ち鳴らさせるドラムのビートが更に力強く感じるのです。
8曲目"Room 14 (I'm fine)"(4:34) アコースティック・ギターの爪弾き(プログラミングの可能性も)が流れるここで少し方向を変えて来た曲の登場です。メランコリックなSARAHの歌声も何故かヨーロッパの哀愁さを増して伝えて来るようです。
9曲目"DIY"(3:44) この曲では疑義ホーンのサウンドを使ったエレクロニカ・ポップ調の曲です。この曲にもメロディやサウンドにヨーロッパの質感を持っているようです。
10曲目"Knife"(1:41) 宗教的なイメージのあるイントロのSARAHの歌声からエレクトロニカ+ゴシックのシンセサイザーの刻み音がエッジを効かせて刻みながらこちらに迫るのです。
11曲目"Sails"(3:42) 今度は、穏やかな浮遊感のあるスローな曲の登場です。ギターの爪弾きとシンセサイザーによる荘厳なオーケストレーションをバックにSARAHが歌います。
12曲目"Hover"(2:42) エレクトロニカのサウンドで展開されるライヴ収録の曲です。イントロから観客拍手が響きダイナミックなサウンドと共にSARAHの清らかな歌声が観客を魅了しています。
13曲目"Back To Kresnas Street"(1:41) 爽やかエコーを効かせたギター・サウンドが響く曲です。一つ奥に位置したSARAHの美しい歌声が響いています。
14曲目"Addictions(Bonus Track)"(4:23) 重く響くシンセサイザー・ベースのサウンドがメランコリックなSARAHの歌声と共に響く重苦しさを持った曲です。哀愁感のあるキーボードのサウンドや雷鳴のようなサウンド・エフェクトが施され、更にブラス的なホーンのサウンドもアレンジされています。
全14曲歌詞/訳詞付 解説ライナー 紙ジャケット仕様 (国内盤) 収録時間:51分55秒 (このアルバムをリリースした後、SARAH・P.は 女優としてKEEP SHELLY IN ATHENSを残念ながら離れたようです)'15年11月29日更新


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写真  KEEP SHELLY IN ATHENS / Now I'm Ready
 ・2015 FoF Music LLC    7 30003 81442 6

バラエティに富んだ1枚・・・

このアルバムは、ギリシャのアテネで活躍しているドリーム・ポップ・デュオKEEP SHELLY IN ATHENSの '15年10月16日に本国でリリースされた3枚目(ミニLP2枚組のデビュー盤を含む)アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MYRTHA(このアルバムでの新ヴォーカル):ヴォーカル/プロデュース、RΠЯ:マルチ・インストゥルメンツ/ヴォーカル/プロデュース、ALEX・ZAMPARAS:ギター、OCEAN HOPE:マルチ・インストゥルメンツの少人数での収録です。

1曲目"Fractals"(4:30) KEEP SHELLY IN ATHENSのサンプル音源で初めて接して聴き入ってしまった曲です。打ち鳴らされるドラムのビートにシンクロさせたベースのサウンドがMYRTHAの爽やかな歌声を相まって響きます。
2曲目"Silent Rain"(3:59) 少し軽めのリズムを伝えて来るエレクトロニカ・ポップな曲です。70年代のレトロなテクノ・ミュージックを感じさせるメロディ、サウンドとアレンジとなっています。
3曲目" Now I 'm Ready(Featuring OCEAN HOPE)"(4:24) 同じくギリシャで活躍しているドリーム・ポップ・デュオOCEAN HOPEの作曲による曲です。神秘的なシンセサイザーのサウンドやゆったりと響くベースのサウンドのヒーリング系の前半が次第にスピードを上げて行きます。
4曲目"Line 4 Orange"(4:33) チャンバー・ミュージックのような広く響くエコーを配した電子ピアノとシンセサイザー・ベースのサウンドが広がる曲です。時折入るオペラ風のイメージと広域でソリッドさのある新ヴォーカルMYRTHAの歌声が印象的です。
5曲目"Benighted"(4:28) センチメンタルなメロディとサウンドを聴かせるイントロがぐっと聴き入る曲です。「不幸な, 無知な, 暗愚な」とタイトルが付けられた曲をMYRTHAの美しい歌声と野獣的なRΠЯのヴォーカル(サンプル?)の表現が素晴らしいのです。
6曲目"Hollow Man"(5:02) うなるウッド・ベースの重い弦の揺らぎに急き立てるようなドラムのビートで攻めて来る曲です。サウンドの一つ奥に構えるMYRTHAの歌声が女帝の使命を伝えているようにも思えます。
7曲目"Nobody"(5:20) スペース空間を醸し出すサウンド群を連れて登場するMYRTHAの幻想的な歌声が響き曲です。後半からファンキーなサウンドを聴かせるギターの爪弾きに合わせて歌うMYRTHAの歌声にどこか懐かしさも感じます。
8曲目"Hunter "(6:07) 前の曲からブラック・コンテンポラリー雰囲気をぐっとスローにしたメロウな雰囲気一杯の曲です。後半からはサウンドとメロディをダークなイメージを聴かせるスクラッチや中東音楽の雰囲気を持った2部構成になっています。
全8曲歌詞付 ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:38分23秒 (1曲目から最後の曲まで通して聴くと様々な曲が収録されたバラエティに富んだ1枚と実感します)'15年12月19日更新
2015年度ベスト5


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写真  KEEP SHELLY IN ATHENS / Philokalia
 ・2017 PLANCHA    ARTPL-093

ちょっと聴き込みが必要かな・・・

このアルバムは、ギリシャのアテネで活躍しているドリーム・ポップ・デュオKEEP SHELLY IN ATHENSの '17年9月29日に国内でリリースされた4枚目(ミニLP2枚組のデビュー盤を含む)アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JESSICA・BELL(このアルバムでの新ヴォーカル:オーストラリア出身の詩人/小説家):ヴォーカル/プロデュース、RΠR(実際の表示はキリル文字ヤー):マルチ・インストゥルメンツ/ヴォーカル/プロデュース、ALEX・ZAMPARAS:ギターの少人数での収録です。

1曲目"Leave In Silence"(5:35) 荘厳なシンセサイザーの音色によるイントロに続いて登場する新ヴォーカリストのJESSICA・BELLの芯のはっきりと歌声が曲のゆったりとした浮遊感が同じようですが、前作とは違った雰囲気が感じられる曲です。また、アルバムの収録曲よりALEX・ZAMPARASのギターの音色が多く収録されたビデオもどうぞ。
2曲目"Marionette"(5:54) この曲は非常にKEEP SHELLY IN ATHENSの曲のイメージと違って来たダーク/アシッドなエレクトロニカの曲です。底辺でうごめくようなシンセ・ベースと叫ぶJESSICAの歌声が印象的です。
3曲目"Game Over(Daniel's Scene)"(4:39) バックで響く弦楽器がギリシャ的なサウンドを醸し出している曲です。ダークなトランス・ミュージック然としたリズムとメロディでこちらに迫って来るようです。
4曲目"Seattle"(4:22) ここでちょっとサウンドの方向を変えて来た少し明かりを射したイメージの曲です。リムを刻むドラムのビートとピアノの調べによる心地好さを感じます。
5曲目"Philokalia"(5:25) 再びダーク/アシッドなメロディとサウンドの曲です。曲のタイトル「フィロカリア」はギリシャ語で「美への愛」と言う意味のようです。後半からトランス・ミュージックのような打ち込みとリフレインを多用した展開となっています。
6曲目"We Want More"(5:15) うねるシンセ・ベースの重い響きとスローにしたスペイン音楽のような打楽器の響きを持つ曲です。どこと無く70年代のレトロさも感じさせるテクノ・サウンドの雰囲気を感じさせます。
7曲目"Dark Light"(3:26) 今度はアシッド・ジャズ系のサウンドとHip-Hopを混合した感のある曲です。JESSICAのスポーケン(詩人だからかな)とシンセサイザーの畳み掛けるサウンドが響きます。
8曲目"Believe"(6:03) ALEX・ZAMPARASのタッピング奏法によるギターのサウンドが非常に美しい曲です。やはりギターのサウンドが前面(全面)で出て来た方かが感じ好いですね。
9曲目"Harder (Japanese Bonus Track)"(5:04) 打ち込みか電子ドラムによるダブステップ感な曲です。時折登場するRΠRのヴォーカルによるサンプル音源が可愛らしく感じますね。
歌詞無し 8曲訳詞付 2折紙ジャケット仕様 (国内盤) 収録時間:45分46秒 (前作よりダーク/アシッド系のサウンドに移行して来た今作、ちょっと聴き込みが必要かも知れません)'18年12月22日更新


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写真  KEREN ANN / Not Going Anywhere
 ・2003 Blue Note Records    7243 5 71211 2 5

癒し系の特徴的な歌声・・・

幼少期をイスラエルとオランダで迎えたKEREN・ANNは、後にフランスのパリに移り住み '00年にアルバム[La Biographie de Luka Philipsen] で歌手デビューしました。このアルバムは、KERENの5枚目(フランス語盤、ミニ・アルバム、BARDI・JÓHANNSSONとのプロジェクト[Lady And Bird]を含む)にあたるアルバムで、'03年9月23日に本国でリリースされています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KEREN・ANN:ヴォーカル/ギター/キーボード/プログラミング/プロデュース、BARDI・JÓHANNSSON:ギター/プログラミング/バック・ヴォーカル、ERIC・SAUVIAT:ギター、BENJAMIN・BIOLAY:ギター/トランペット/キーボード/指揮/プロデュース、BERNARD・VIGUIE:ウクレレ、LAURENT・VERNEREY:ベース/ピアノ、YANNIC・FONDERIE:キーボード、DAVID・MAURIN:ドラム、DENIS・BENARROSH:ドラム、JEAN・LAMOOT:プログラミング、KAREN・BRUNON:ヴァイオリン/バック・ヴォーカル、NICOLAS・GIRAUD:トランペット、WAMBLIENTJES:コーラス、LAURENT・MANGANAS:指揮/アレンジ、ISABELLE・MATTHYSSENS:ハープ、CHRISTOPHE・MORIN:ストリング、CYRILLE・LACROUTS:ストリング、ERIC・LACROUTS:ストリング、ESTELLE・VILLOTTE:ストリング、FABIEN・BOUDOT:ストリング、FLORIANE・BONNANI:ストリング、ALEX・VAN・AEKEN:管楽器、AN・VERVLIET:管楽器、BART・JONKERS:管楽器、ELISABETH・SCHOLLAERT:管楽器、GEERT・BAECKELANDT:管楽器、JOHAN・MOEYERSONS:管楽器、JOHAN・VAN・NESTE:管楽器、MAJOLIJN・VAN・MECHELEN:管楽器、PETER・VERHOYEN:管楽器、WIM・VAN・VOLSEN:管楽器のフランスとアイスランドのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Not Going Anywhere"(3:41) アコースティック・ギターの爪弾きによる落ち着いたサウンドによるシンプルな響きによる曲です。サビの部分ではKERENのアルバムでお馴染みのKAREN・BRUNONのハーモニーとヴァイオリンの調べ切なく流れます。
2曲目"Polly"(3:17) この曲もKERENのアコースティック・ギターの爪弾きによる弾き語りに近い曲です。訥々と歌詞を綴るKERENの歌声に続いて登場するクラシック・スタイルのホーンの音色が流れます。
3曲目"Road Bin"(3:22) このサイトを良く見て頂いている方にはもう説明は要らないでしょうね!スウェーデンのREBECKA・TÖRNQVISTもカバーしてライヴで披露しているブルースです。KERENとREBECKA は同じEMIレーベルでの繋がりがあるのではないでしょうか…。
4曲目"End Of May"(3:31) ヨーロッパ調のメランコリックのメロディに合してゆったりとスローに歌うKERENの切ない歌声による曲です。走馬灯のように同じところを何度も回る情景を想像させるキーボードの調べとコーラスが特徴です。
5曲目"Sailor & Widow"(3:33) サウンドを少しロック・スタイルに移して来た曲の登場です。早口で呟くように歌うKERENの歌い方が印象的です。サビの部分のギターのサウンドはスローにしたロック"ン" ロール・スタイルで演奏されています。
6曲目"Sit In The Sun"(3:33) 女性S.S.W.が歌う曲らしいシンプルなアコースティック・サウンドに絡められたERIC・SAUVIAT(BABILONIA)のスライド・ギターのサウンドが心地好く流れて行くのです。
7曲目"Right Now & Right Here"(3:36) クラシカルなピアノの演奏とギターの爪弾きのよるトラディショナル・ソングの雰囲気を持った曲です。サビでの展開は戯曲のようなアレンジから少年少女コーラスによるアウトロが美しいのです。
8曲目"Seventeen"(2:24) 非常に曲名通りメルヘンチックなサウンド・スタイルによる曲です。ビタースイートな歌詞と管楽セレナードの調べが印象に残ります。
9曲目"Spanish Song Bird"(4:13) ウクレレのサウンドが心地好く流れる牧歌的なフォーク・スタイルの曲です。非常にオーソドックスなメロディと楽器構成による収録曲ですが、KERENの音楽のルーツを垣間見られるのではないでしょうか。
10曲目"By The Cathedral"(2:42) ブルージーなアップライト・ベースのサウンドと切ない音色のトランペットの調べによる曲です。サウンドの流れはフランス映画の1コマの情景を見せるメランコリックな調べに溢れています。
11曲目"Ending Song"(4:30) アンビエントなサウンドのループと短い歌詞によるリフレインで収録されている曲です。アコースティック・ギターの爪弾きによるサウンドとKERENのセルフ・ハーモニーの歌声がゆったりと流れています。BARDI・JÓHANNSSON(BANG GANG)とKERENとの共作で、BARDIのプロデュースと演奏となっています。
全11曲歌詞付 写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:38分18秒 (癒し系でありながらの特徴的な歌声を聴かせるKEREN、本国と日本でもファンを惹きつけています)'10年6月30日再更新


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写真  KEREN ANN / Keren Ann
 ・2007 The Blue Note Label Group    0946 3 85103 2 1

今回の作品は少し聴き込み・・・

現在は、フランスとニューヨークとで半々に活動しているKEREN・ANN・ZEIDELの '07年4月20日にヨーロッパでリリースされた7枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KEREN・ANN:ヴォーカル/ギター/ベース/キーボード/ハーモニカ/プログラミング/プロデュースの他、THOMAS・SEMENCE:ギター/ベース、LAURENT・VERNEREY:ベース、ALBIN・DE・LA・SIMONE:キーボード、DADI・BIRGISSON:ピアノ、BARDI・JÓHANNSSON:プログラミング、DAVID・MAURIN:ドラム/パーカッション、RÉGIS・CECCARELLI:ドラム、AVISHAI・COHEN:トランペット、MAGIC・MALIK:フルート、KAREN・BRUNON:ヴァイオリン、ROLAND・HARTWELL:ヴァイオリン、CHRISTOPHE・MORIN:チェロ、BJARKI・GUNNARSSON:チェロ、ARNBJORG・GUDRUDUR−HALLDORA・RAGNHEIDUR:バック・ヴォーカル、BRUNO・DEJARNAC:副プロデュースのフランスのミュージシャン達です。

1曲目"It's All A Lie"(5:41)) 1曲目から何か取りつき難い曲の登場ですね。非常にエコーを効かせたKERENの呟きに似た歌声と歪ませたギターのサウンドがゆったりと流れる5分以上もある曲です。
2曲目"Lay Your Head Down"(4:44) 少しサウンドを明るくして来た曲で、メロディとサウンドはどこかで聴き覚えのある感じがします。KERENのグレッチでのギターの爪弾きと彼女のハーモニカがアクセントになったアメリカ南部のサウンドが流れます。ヴァイオリンはお馴染みのKAREN・BRUNONの演奏です。
3曲目"In Your Back"(5:36) ソフトでメロウな歌声を聴かせるKERENの弾き語りを中心とした曲です。この曲も5分40秒の長さもある曲で、このアルバムの収録曲は全体に長めのゆったりした曲が多く収録されています。
4曲目"The Harder Ships Of The World"(4:09) 気だるそうなKERENの歌声とバックのミニマムな演奏による昼下がりサウンドの曲です。メランコリックなメロディとKERENのギターのサウンドが遣る瀬無く流れています。
5曲目"It Ain't No Crime"(4:17) このアルバムの中では何か強烈なインパクトを与える異質の曲です。KERENの荒らした歌声に癖の強い訛った英語の発音と書き殴るように弾かれるギターのサウンドによるミドル・テンポのオルタナテイヴなロック・スタイルの曲でしょうか。
6曲目"Where No Endings End"(3:37) 映画音楽のようなメランコリックなサウンドの曲の登場です。フルート、ピアノ、ナイロン弦ギターのサウンドが切なく響きます。
7曲目"Liberty"(6:01) KERENのオフィシャルH.P.で流されているアンビエント系のループ・サウンドを使ったスローな曲です。耳当たりの良いコーラスとストリングスによる6分もある長さのクラシカル・スタイルも持ち合せています。
8曲目"Between The Flatland And The Caspian Sea"(5:29) ハモンドB-3のサウンドに重い目のベースとドラムの刻みによるクラシカル・ロックの雰囲気を感じさせる曲です。後半からはアフリカン・ドラム・ビートとハーモニカのエモーショナルな演奏も披露されています。
9曲目"Caspia"(3:52) 太く唸るベースのサウンドとドラム・マシーンのリズムの刻み使ったアシッド/エレクトロニカによるインストゥルメンタルですが、KERENのスキャットによるヴォーカルも収録されています。前々作でもアルバムの最後はBARDI・JÓHANNSSON(BANG GANG)との共作でした。
8曲歌詞付 ブックレット U.S.製(輸入盤) 収録時間:43分28秒 (癒し系のサウンドを提供してくれているKERENですが、今回は少し聴き込みが必要な作品のようです)'10年6月30日再更新


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写真  KING OF CONVENIENCE / Quiet Is The New Loud
 ・2001 TOSHIBA-EMI LTD.    VJCP-68325

EIRIKとERLENDの奏でるピュアな音楽・・・

このアルバムは、ノルウェーの港町ベルゲンで活躍しているKING OF CONVENIENCEの '01年7月11日に国内でリリースされたメジャー・デビュー・アルバムです。本国では '99年に4曲入7"盤でデビュー後、アメリカ、ジョージア州のインディーズ・レーベルKindercore Recordsよりセルフ・タイトル盤を '00年に限定でリリースされています。メンバーは、ERLEND・ØYE(ギター/ピアノ/ドラム/パーカッション/ヴォーカル/バック・ヴォーカル)、EIRIK・GLAMBEK・BØE(ヴォーカル/ピアノ/ギター/ドラム)の2人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、先のERLENDとEIRIKの他、TARJEI・STRØM:ドラム、BEN・DUMVILLE:トランペット、MATT・McGEEVER:チェロ、IAN・BRACKEN:チェロのリバプールと一部ノルウェーのミューシャン達が参加しています。
尚、7曲目のボーナス・トラック以外は、プロデューサーにKEN・NELSON(COLDPLAY)が抜擢され、リバプールに出向いて収録されています。

1曲目"Winning A Battle, Losing The War"(3:54) ナイロン弦とスティール弦の美しい響きによるゆったりとした流れの曲です。EIRIKとERLENDの美しいハーモニーから次第にドラム、ベースのサウンドも加わっています。
2曲目"Toxic Girl"(3:09) 先に紹介したセルフ・タイトル盤にも収録されているアコースティック調のフォーキーな曲で、どこかノスタルジックを感じる60年代のアーシーな香りの作品です。
3曲目"Singing Softly To Me"(3:09) トランペットのサウンドをアクセントにしたアシッド/ボサ・ノヴァ的なシンプルなサウンドの曲です。50年代のフランス映画のヌーベル・バーグが似合いそうなトランペットの雰囲気です。
4曲目"I Don't Know What I Can Save You From"(4:37) シンプルなコード進行とEIRIKの囁くような歌声による北欧の若手ミュージシャン達が持つ清いイノセント感が伝わってくる曲です。途中より登場してくる優しい音色のチェロの調べも好いですね。
5曲目"Failure"(3:33) ピッキングによるベース(またはギターの6弦のみ)のサウンドを全編に流したERLENDのヴォーカル曲です。アメリカ、シカゴ周辺のミュージシャン達が持つポスト・ロック的なサウンドに通じるものを感じます。
6曲目"Weight Of My Words"(4:06) ソフトなトーンを発するEIRIKナイロン弦ギターと幻想的な美しい音色のERLENDのギターと絶妙な融合をみせる浮遊感漂うスローな曲です。
7曲目"Once Around The Block(Bonus Track)"(2:24) 非常にエコーが効くロビーに立たせたフロア・マイクロホーンで収録したような特徴的なサウンドの曲です。少し離れたところで響くナイロン弦ギターの調べと2人の時に引っ付き時に離れる絶妙なハーモニーにうっとりです。オリジナル曲は、イギリスのS.S.W.BADLY DRAWN BOY '99年の曲です。
8曲目"Manhattan Skyline(Bonus Track)"(4:15) この曲も前の曲と同じスタイルとアレンジで同時に収録されているようですね。ギミックやキャッチーなこととは無縁のところに位置するEIRIKとERLENDの奏でる非常にピュアな音楽です。
9曲目"Girl From Back Then"(2:29) 収録前のスタジオの雰囲気をイントロに配したアコースティック・ナンバーです。ギターとピアノのサウンドによる非常にシンプルな演奏で、自然と曲はフェード・アウトして行きます。
10曲目"Leaning Against The Wall"(3:18) ウォーム・トーンにしたセミ・アコースティック・ギターの旋律が心地好く流れるボサ・ノヴァのリズムの曲ですが、少しオルタナティヴ/アシッド感も持たせているようです。
11曲目"Little Kids"(3:46) EIRIKの歌うララバイのような感じのする曲ですね。ギターのサウンドとメロディもギターの運指の練習からヒントを得たような流れも感じさせます。
12曲目"Summer On The Westhill"(4:33) 非常に美しいメロディを奏でる曲の登場です。叙情的に流れるストリングスの調べと2人のアコースティック・ギターの絡みから生まれる心地好い響きに包まれます。
13曲目"Passenger"(3:13) この曲は少しこのアルバムでは異色の雰囲気を持っています。ゆったりしたリズムの刻みうねるような旋律を聴かせるERLENDのギターと不協和音の持つ不思議なサウンドが印象的ですね。
14曲目"Parrallel Lines"(5:12) 訥々と歌うEIRIKの歌声の合間に流れる心地好いERLENDのギターのサウンド、シンプルなピアノの演奏と彼らの音楽を如実に表した作品です。通常ならこの曲の後にボーナス・トラックが収録されるのですが、このアルバムでは作品の雰囲気を壊さない配慮か中程に収録されています。
12曲歌詞/訳詞付 写真ライナー (国内盤) 収録時間:51分45秒 (実はこのあたりのミュージシャンはあまり聴いたことは無くて、数年前あるイベントで曲紹介されて、即アルバムを購入しました)'10年6月30日再更新


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写真  KING OF CONVENIENCE / Riot On An Empty Street
 ・2004 TOSHIBA-EMI LTD.    VJCP-68629

曲のヴァリエーションが増しました・・・

このアルバムは、ノルウェー第2の都市ベルゲンで活躍しているKING OF CONVENIENCEの '04年6月30日に国内でリリースされた2枚目('01年のリミックス盤[Versus]と '02年の再発盤[Kings of Convenience]は含まない)アルバムです。前作をリリースしてから長期のツアーを敢行した彼らでしたが、2人での活動は暫し休憩し旅行などをしていました。それから本アルバム作り入った為に約3年ぶりの新作となっています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ERLEND・ØYE:ギター/ドラム/バンジョー/トランペット/バック・ヴォーカル、EIRIK・GLAMBEK・BØE:ヴォーカル/ギター/ピアノ/バンジョー/ドラムの他、DAVIDE・BERTOLINI:ベース/アップライト・ベース、GARY・PETERSON:トランペット、JOHN-ARILD・SUTHER:トロンボーン、PETER・KATES:シンバル/ハイハット、SIRI・HILMEN:チェロ、TOBIAS・HETT:ヴィオラ、LESLIE・FEIST:ヴォーカル/バック・ヴォーカルのノルウェー以外のミュージシャンも参加しています。 尚、今作でのプロデュースは、ERLEND・ØYEとEIRIK・GLAMBEK・BØEの2人に加えてベースのDAVIDE・BERTOLINI(OPHELIA HOPE)が担当しています。

1曲目"Homesick"(3:13) 非常に厳かに奏でられるギターの調べによるサウンドとゆったと歌う2人の美しいハーモニーによるスローな曲です。低い方のハーモニーを歌うERLENDの歌声も優しく響きます。
2曲目"Misread"(3:08) やはりこのアルバムのハイライトは、この曲でしょう。先ずリズムが非常に心地好いですね。ウッド・ベースによる弦のアタック音と高いキーでコンパクトに奏でられるアップライト・ピアノの旋律がアクセントになっています。
3曲目"Cayman Islands"(3:02) この曲もイントロから美しく厳かに奏でられるアコースティック・ギターの調べが心地好く響く落ち着いた曲です。夢心地で綴られる異国の地での出来事を情景にしています。このアルバムがリリースされた後、世界中の多くのフォーク・シンガーにカバーされている曲でもあります。
4曲目"Stay Out Of Trouble"(5:04) この曲のイメージは昔懐かしいカレッジ・スタイルのフォーク・ソングって言う感じでしょうか。ヴィオラの調べも心地好く響いて来ます。
5曲目"Know-How"(3:58) この曲もイントロからギターのピッキング音に痺れさせられますね。EIRIKの囁きに似た歌声が暫し途絶えた後半から曲の共作者でもあるカナダのS.S.W.LESLIE・FEISTがヴォーカルに加わり、"はっと" させられる感触と彼女の少し枯れた歌声がまた好いのです。
6曲目"Sorry Or Please"(3:47) ピアノの演奏を主体にした今までのK.O.C.と少し趣を異ならせた曲の登場です。ERLENDのヴォーカル曲で、ERLENDはドラム、バンジョー、トランペットと忙しく演奏もしています。
7曲目"Love Is No Big Truth"(3:48) めずらしくエレクトリック・ギターで少しエモーショナルなロックぽい曲を収録しています。今度はEIRIKがギター、ピアノ、ドラム、バンジョーを演奏しています。
8曲目"I'd Rather Dance With You"(3:29) 前作と違ってこのアルバムではポップでキャッチーなこのような分かり易い曲が収録されています。ヴィオラの旋律がギミックとなって流れて来ます。
9曲目"Live Long"(2:57) 少しダークな雰囲気を醸し出す切ないボサ・ノヴァのリズムの曲です。この曲は前のアルバムの収録曲に近いニュアンスを持っています。切ない音色のトロンボーンの演奏は地元のオーケストラに所属するJOHN-ARILD・SUTHERです。
10曲目"Surprise Ice"(4:23) ハイ・フレットで奏でられるアコースティック・ギターのしっとりとした響きに乗せゆったりと歌われるとEIRIKとERLENDの心地好いハーモニーと厳かな流れが伝わって来ます。
11曲目"Gold In The Air Of Summer"(3:33) この曲は変則チューニングされたアコースティック・ギターの調べが幻想的な雰囲気を醸し出しています。EIRIKのピアノの調べも切なく流れます。
12曲目"The Build Up"(4:04) 前半はERLENDのウイスパー・ヴォイスによる弾き語りです。後半は、LESLIE・FEISTのヴォーカルと交代します。この曲も彼女との共作になっています。彼女の非常に美しい歌声がERLENDの弾くアコースティック・ギターの調べに乗せて曲の終りまで響きます。
13曲目"Weight Of My Words(Four Tet Remix)(Bonus Track)"(4:58) リミックス盤[Versus]に収録されているヴァージョンです。オリジナル曲は '01年の[Quiet Is The New Loud]に収録されています。
14曲目"The Girl From Back Then(Riton's Uber Jazz Mix) (Bonus Track)"(3:06) この曲も[Versus]に収録されています。ジャジーな音色のトランペットとパーカッションなどが加えられています。
15曲目"Winning A Battle, Losing The War(Andy Votel Mix)(Bonus Track)"(4:26) 前のアルバムの1曲目に収録されていた2人のハーモニーが非常に美しかったことが印象的に残った曲です。ここでの収録はオリジナル曲の後半のドラム、ピアノの演奏をメインに使っているようです。この曲も[Versus]に収録されています。
12曲歌詞/訳詞付 写真ライナー CCCD仕様 (国内盤) 収録時間:57分02秒 (ベースのDAVIDE・BERTOLINIやゲスト・ヴォーカルFEISTの活躍もあるのですが、前作と比較したら、アルバム全体に曲のヴァリエーションと厚みが増しているようです)'10年7月1日再更新


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写真  KLINTBERG / Vägen Ut
 ・2008 Bolero Records    BOL50102

インターナショナル配給が決定・・・

スウェーデンで活躍しているKLINTBERGことGÖRAN・KLINTBERGの多分、アルバムとしてはデビュー・アルバム(Discogsに '99年の盤アップされ2枚目と判明)になると思います。
過去(80年代後半)には、フォーク系バンドTHIRTEEN MOONSとして英語による3枚のアルバムをリリースしていましたが、この作品は全曲スウェーデン語の歌詞で収録され、本国では '08年3月19日(allmusic.comでは、7月8日)にリリースされています。
プロデュースは、BORERO RECORDSの主宰BILLY・BOLERO自身となっています。
尚、このアルバムに参加しているミュージシャンは、GÖRAN・KLINTBERG(ヴォーカル/ギター)の他、スウェーデンのベテラン勢MICKE "NORD" ANDERSSON(ギター)、OLA・GUSTAFSSON(ギター)、ANDREAS・EDIN(ギター)、PETER・FORSS(ベース)、JERKER・ODELHOLM(ベース)、JESPER・NORDENSTRÖM(キーボード)、PONTUS・FRISK(キーボード)、NINO・KELLER(ドラム)、MAGNUS・PERSSON(ドラム)、ELIN・RUTH・SIGVARDSSON(バック・ヴォーカル)、IRMA・SCHULTZ・KELLER(バック・ヴォーカル)とベテラン達が収録に携わっています。

1曲目"Din Plats Pä Jorden"(3:55) フォーク・スタイルによるイントロから次第にサウンドを厚くして行くカントリー・ロック調のギター・サウンドによる曲です。バック・ヴォーカルのIRMA・SCHULTZ・KELLERの歌声が良いですね。
2曲目"Den Som Vandrar Om Natten"(3:41) キーボードの切ないサウンドとベースの調べが流れるメランコリックの曲です。GÖRANの少し枯れた歌声とBORERO RECORDSの一押し女性S.S.W. ELIN・RUTH・SIGVARDSSONがバック・ヴォーカルです。
3曲目"Tomheten"(4:30) GÖRAN のスベンスカによる枯れた歌声が流れるカントリー・ポップ調の曲です。MICKE・"NORD" ANDERSSONのリヴァーブの効いたギターのサウンドとELINの得意とするカントリー調の歌声が上手く融合しています。
4曲目"Himlens Röst"(4:37) GÖRANの音楽に最初に出会った曲で、このアルバムのリリース前にシングル盤でリリースされています。ドラムのリズムと打ち込みのビートを組み合わせたリズムに乗せたメランコリックな旋律を奏でるピアノのサウンド、ELINのバック・ヴォーカルとGÖRANの歌声が優しく流れて行きます。
5曲目"Vägen Ut"(4:49) 少し籠らせたピアノの調べに続いて登場するGÖRAN の優しい響きの歌声によるミドル・テンポのバラードです。OLA・GUSTAFSSONのソリッドなギター・サウンドが心地好く響いて来ます。
6曲目"Allt Det Bästa Kvar"(3:58) MICKEとGÖRANのアコースティック・ギターのサウンドによる非常にシンプルな弾き語りによる曲です。英語の歌詞も似合いそうなアメリカのスローなテネシアン・サウンドに通じるノスタルジーな雰囲気を感じます。
7曲目"Bortom Näden"(3:53) 再びスローな曲が続いて登場します。イントロのOLAの歪ませたギター・サウンドが鳥肌もので、美しいメロディとGÖRAN の優しい歌声が心地好く流れます。バック・ヴォーカルは再び同レーベルELIN・RUTH・SIGVARDSSON です。
8曲目"Ur En Verklighet"(3:50) 今度は、MICKE・"NORD" ANDERSSONのギター・サウンドが全編に流れるブルースぽい曲の登場です。ツイン・ギターの飽和したサウンドで刻まれるカッティングが心地好く流れるリズムに乗せて歌う流れるGÖRAN自身も居心地が良さそうです。
9曲目"Världens Ände "(2:10) アルバムの最後は2分少々のGÖRANのアコースティック・ギターのサウンドと彼の歌声による牧歌的なメロディによる弾き語りです。バック・ヴォーカルは、IRMA・SCHULTZ・KELLER、ギターは、ANDREAS・EDIN(詳細が不明)が参加しています。
全9曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット デジパック仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:35分18秒 (残念ながらこのアルバムは、本国のみのリリースですが、スウェーデン・ミュージックの重鎮BILLY・BOLEROが惚れ込んだKLINTBERGの存在は、このままでは終わらないでしょう。追:配給元のWarner Swedenよりインターナショナル配給が決定したようです)'10年7月1日再更新


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写真  KT TUNSTALL / Eye To The Telescope
 ・2006 TOSHIBA-EMI LTD.    TOCP 66562

ビデオクリップ付きとサービス満点・・・

このアルバムは、U.K.のB.B.C.が2006年度にブレイクする新人のベスト10に選ばれたスコットランド出身のKT・TUNSTALLのデビュー・アルバムです。本国イギリスでは、'04年12月にリリースされています。
尚、国内盤でのリリースは、一年以上遅れての '06年4月12日です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KT・TUNSTALL:ヴォーカル/ギター/キーボード/シンセ・ベース/シェルトーン/チャイムの他、STEVE・OSBORNE: シェルトーン/ベース/ギター/パーカッション、ARNULF・LINDNER:ベース、LUKE・BULLEN:ドラム/パーカッション/カホン、MARTIN・TEREFE:キーボード/プロデュース、IAIN・BURDGE:チェロのバンド・スタイルでの収録です。

1曲目"Other Side Of The World"(3:34) シングル・カットされた美しいメロディのアコースティック・サウンドのポップな曲で友人の遠距離恋愛をテーマにしています。この曲と数曲は、MARTIN・TEREFEとKTの共作です。
2曲目"Another Place To Fall"(4:11) アコースティック・ギターを掻き鳴らしながら歌うKTのワイルドな歌声を効かせる曲で女性による最新のブリット・ロックでしょうか。
3曲目"Under The Weather"(3:37) 一転して非常に優しい響きによるKTの歌声による曲です。バックで流れるギターのサウンドも非常に心地よい響きを持っています。
4曲目"Black Horse & The Cherry Tree (Radio Version)"(2:51) 即興でギターのボディー・アタック音とタンバリンでリズムをサンプリングし、次のバックコーラスを重ねそれらループとしてこの曲ビデオをとしたクリップが圧巻な曲です。シンプルなサウンド・スタイルの曲ですが、彼女のアイデアが効いた曲です。
5曲目"Miniature Disasters"(3:23) 彼女のギターへのボディーアタック音を使ったビートによるグルーヴ感のある曲です。エモーシナルな響きを持ったバックコーラスも"渋い"です。
6曲目"Silent Sea"(3:48) メランコリックな響きを持つメロディと歌詞の内容によるアコースティック・ギターのKTの弾き語りに近い曲で彼女の低音から高いキー迄の歌声にうっとりです。
7曲目"Universe And U"(4:01) 低く響くDoepfer Bassのサウンドとキーボードのサウンドによるゆったり流れるリズムの曲でKTのワイルドな歌声による曲です。
8曲目"False Alarm"(3:40) MARTIN・TEREFEとKTの共作で彼らしい美しい響きの様々なギターサウンドを取り入れたスローな哀愁感の漂う曲です。
9曲目"Suddenly I See"(3:22) ビデオクリップになっている曲で彼女の弾くギターのサウンドを全面に出したサウンドとワイルドな歌声と優しい響きを持ったバックコーラスを組み合わせたギターポップな曲です。
10曲目"Stoppin' The Love"(4:01) どことなくメンフィスのソウル・サウンドを感じさせる曲で一風変わったパーカッシブに響くビートのサンプルとエッジの効いたギターのサウンドによる曲です。ゴスペルチックなコーラスを従えエモーショナルな歌声も効かせるKTです。
11曲目"Heal Over"(4:16) 非常に美しいメロディと響き持ったアコースティック・ギターによる曲でKTの美しい歌声とハーモニーによる幻想的でシンプルなトラックに後半にバンドのサウンドを追加した素晴らしい曲です。
12曲目"Through The Dark"(3:48) 古びて枯れたサウンドを出す酒場のピアノのような音色の旋律に合わせて歌うKTの弾き語りでのしっとりしたブルースです。
13曲目"Boo Hoo(Acoustic Extravaganza Version)" 国内盤ボーナス・トラックでアコースティックでのスライド・ギターのサウンドを取り入れたブルースぽい曲です。
12曲歌詞/訳詞付 写真ブックレット KT自身の曲コメント付 ハード・ボックス入り2重梱包 (国内盤) 収録時間:50分56秒 ("Suddenly I See" のビデオ・クリップ付きとサービス満点で価格を抑えた姿勢に好感度アップ!)'10年7月1日再更新


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写真  KURT MALOO / Summer Of Better Times
 ・2009 Verve FORECAST    272 186-8

久しぶりにKURT・MALOOを聴いてみよう・・・

このアルバムは、スイスのチューリッヒで活躍しているS.S.W.KURT・MALOOの '09年10月30日に本国でリリースされたソロ名義での3枚のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KURT・MALOO:マルチ・インストゥルメンツ/プロデュース、DORIS・DECKER:サックス/メロディカ、THOMAS・BURHORN:トランペット、MARIA・FAUSTA・RIZZO:ヴァイオリン、PUTOKAZI:ヴォーカルのヨーロッパのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Maria And The City"(4:13) ジャジーなサウンドとメロディを奏でるピアノの調べが響く洒落た感じの曲です。ホーンのアレンジやピアノの旋律などは非常に"STEELY DANを意識させる色合いを伝えて来ます。
2曲目"Day Of The Man With A Heart Of Gold"(4:00) DOUBLE時代から感じさせてくれたヨーロッパ調の華麗なギターの調べとピアノのサウンドを綺麗にシンクロさせたギミックさを冒頭から聴かせる曲です。耳に残るKURTのアコースティック・ギターのリフに程よいエレクロニカのサウンドが漂って来ます。久しぶりにKURT・MALOOのCDを買ってじっくりと聴いてみようと思った曲でもあります。
3曲目"Afterglow"(3:52) ソロとなって活動するようななったKURTがジャズ音楽に傾倒したことを認識させる曲です。メロディとサウンドはポップ寄りの曲と感じさせるのですが、バックの演奏は正統派のジャズ・スタイルで収録されています。
4曲目"King Of The World"(3:37) リムを打つドラムの心地好いビートと爽やかなフルートの調べによるカフェ・ラウンジ・スタイルによる曲です。王道と言うべき軽いリフによるイージーリスニングに近い位置に居るのではないでしょうか。
5曲目"Girl In Mexico"(4:21) 今度はサウンドとビートを熱くして来たラテンの調べの曲です。サンプルで繰り返されるスペイン語のフレーズにマリアッチ・ホーンが響きます。
6曲目"Summer Of Better Times"(3:44) この曲はミュートされたトランペットの調べが"クール" に流れる曲です。この曲は、KURTのソフトな歌声が一番似合うビートと大人のメロディを持っているのでは無いでしょうか。
7曲目"Gold Mine"(4:49) 一昔前のファンク/フュージョン・ミュージック風の印象を感じさせる曲です。ブラック・ミュージックからの影響を感じさせるパートや洒落た転調などやはりシンプルな曲の中にもベテランの域を感じます。
8曲目"Here And There"(3:38) まったりとした昼下がりの午後のティータイム音楽みたいな曲の登場です。アコースティック・ギターを抱えてゆったりと歌うKURTのバックに響く長閑なサウンドを聴かせるメロディカは、ドイツのDORIS・DECKER(TÄTÄRÄ)の演奏です。
9曲目"Lady MO"(3:37) DOUBLE時代から聴かせていたやや軟弱で蒼い歌声が今も健在なKURTの歌声を感じる曲です。ダウナーなKURTの歌声に不協和音らしき調べを聴かせるヴァイオリンと怠惰なリズムの流れが過ぎ去って行きます。
10曲目"(Move On)Maria-Feat.Putokazi"(4:09) 戯曲のようなヴァイオリンの調べと室内音楽風のピアノの調べが聴かせるヨーロピアン・メランコリック・ワルツと言う感じの曲です。途中より登場するクロアチアの音楽集団PUTOKAZIの女性バック・ヴォーカル隊とのコラボが光りますね。
全10曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット デジパック仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:40分05秒 ('87年のDOUBLEの2枚目のアルバムから久しく買っていなかったKURT・MALLOOの音楽ですが、これを機会に他のアルバムも聴いてみようかな)'11年6月18日更新


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写真  LALEH / Laleh
 ・2005 WARNER MUSIC SWEDEN    5050467-776552-8

やはりこのサウンドは一味違った曲調・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているLALEHことLALEH・POURKARIMの '05年4月30日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
イランで生まれたLALEHは、1歳の頃にイランを離れ、アゼルバイジャン、ベラルーシと移り住み、現在のスウェーデンのGöthenburgへ移ったのが12歳の頃とのことです。
このアルバム・リリース前にLALEHは、スウェーデンの '00年のコメディ映画に出演し女優として先に業界入りしています。
尚、LALEHは、このアルバムでスウェーデンのグラミー賞の最優秀ミュージシャンなど3部門に受賞しています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LALEH:ヴォーカル/マルチ・インストゥルメンツ/プロデュース、MAGNUS・LARSSON:ベース(8曲目のみ)の殆どLALEH1人による収録です。
アルバム・カバー以外の写真撮影は、個性派ミュージシャンNINA・RAMSBYが行っています。

1曲目"Invisible(My Song)"(4:18) タイトなドラムのリズムとLALEHのスキャットによるヴォーカルがイントロから流れるダーク/ダンサブル・ミュージックと表現したら良いのかな...。ヴォーカル・アレンジなど、やはりアメリカやヨーロッパのサウンドとは一味違った曲調を感じます。
2曲目"Live Tomorrow"(3:36) 私をこのLALEHの魅力の虜のした哀愁のメロディの曲です。どこかで聴き覚えのあるヨーロッパ調のサビのフレーズが美しく流れるメロディアスな響きにオルタナィヴな持ち味のLALEHの叫びに似たヴォーカルのインパクトがこの曲を引き締めています。
3曲目"Forgive But Not Forget"(3:08) わざと引掛りを持たせたようなサビのリズムと荒れたローファイなギターのサウンドによるオルタナィヴ・ロック/ポップな曲です。曲全体の流れからは、青春T.V.ドラマのテーマ・ソングのイメージが思い浮かびました。
4曲目"Interlude"(1:07) 1分少々のタイトル通りのインターリュードです。ギターの爪弾きにエコーを効かせたLALEHの歌声が響きます。
5曲目"Hame Baham"(3:43) このアルバムリリース前にイギリスからデビューしたKT・TUNSTALLのサウンドにも通じる新進女性S.S.W.らしい作り込みの雰囲気を感じさせる曲です。ライヴ受けしそうなコーラス・ワークと圧迫感のあるサウンドの波とLALEHの意気込みを感じさせる歌声が届きます。
6曲目"Bostadsansökan"(2:48) スウェーデン語の歌詞による曲の登場です。LALEHのアコースティック・ギターの弾き語りにシンプルなピアノの調べを付けたラグタイム・ミュージック的な曲です。曲の終りと同時に観客の拍手が収録されていますが、ライヴの情報の記載はないですね。
7曲目"Kom Tilda"(4:07) 再びスウェーデン語の歌詞によるLALEHの弾き語りによる曲の登場です。アコースティック・ギター1本によるシンプルな響きと吟遊詩人宜しく叙情的に語るLALEHです。
8曲目"Storebror"(4:03) 本国ではシングル・カットされたスウェーデン語による曲です。小さな酒場での演奏をそのまま収録したようなドラム、ベースとギターとLALEHの歌声によるシンプルな曲ながら中東的なカオスを感じます。
9曲目"Tell Me"(3:41) 浮遊感漂うメロディとリズムによる心地好い調べによる曲です。滑らかなメロディのソフトなギターの調べによる、このアルバムの収録曲では、非常に聴き易い収録曲になっています。ソウルフルであり、また艶やかな歌声で聴く者の心を和ませます。
10曲目"Salvation"(4:12) 一転してレゲエのリズムによるエスニックなサウンドによる曲の登場です。歌声自身は、非常に違うのですが、THE POLICEからSTING名義へ変わった一時期のサウンドに近いものを不思議と感じさせるのです。
11曲目"How Wrong"(3:37) 美しいギターの調べとLALEHの歌声が心地好く広がるソフトなイメージの曲です。多重にて収録された重厚なコーラスとシンプルなアコースティック・サウンドが印象的です。
12曲目"Han Tuggar Kex"(3:43) 再びスウェーデン語による弾き語り形式の曲の登場です。特徴的な巻き舌による歌声も切なく流れて行きます。
13曲目"Der Yek Gooshe"(3:25) 今度は、アラビア語によるメランコリックで厳かな調べの曲の登場です。北欧的な荘厳のあるサウンドと中東の宗教的音楽が混在するイメージが伝わって来ます。
14曲目"Hide Away"(3:51) 温かみのあるギターのトーンがゆったり流れるこの曲もLALEHの弾き語りに近い収録曲です。LALEHが経験した旅立ちや友への別れを歌詞にしたような内容が綴られているようです。
全14曲歌詞付 写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:49分24秒 (続々と登場するスウェディッシュ・ミュージック・シーンのミュージシャン達、メジャー/インディーズ問わず奥の深さと層の厚みをしみじみ感じます)'10年7月2日再更新


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写真  LALEH / Prinsessor
 ・2006 Lost Army    5051011-8646-2-9

LALEHの無国籍的な雰囲気・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているLALEHことLALEH・POURKARIMの '06年12月6日に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
アルバムの収録には、LALEH:ヴォーカル/ギター/キーボード/チェロの他、前作でのMAGNUS・LARSSON:ベースにOSCAR・GEZELIUS:ドラム、HENRIK・EKBERG:ギターが新たに加っています。
尚、このアルバムの配給は、前作同様Warner Music Sweden ABより行われています。

1曲目"Det Är Vi Som Bestämmer(Vem Har Lurat Alla Barnen?)"(4:10) アコースティック・ギターの心地好い爪弾きによる調べが流れるスウェーデン語の歌詞による曲です。後半よりドラムのリズムも加わりLALEHのいつもの熱い歌声も登場します。
2曲目"Mamma"(3:51) この曲もスウェーデン語の歌詞の曲です。ジャジーなピアノの調べとセンシティヴなサウンドとリズムの運びが印象的な調べです。
3曲目"Closer"(2:51) 新進の女性S.S.W.然とした自身の歌詞を目一杯投げかける歌う仕草を強く感じる曲です。OSCAR・GEZELIUSのドラムの波も効いていますね。
4曲目"Call On Me"(3:27) 一転して軽めのレゲエのリズムを聴かせる心地好い流れの曲の登場です。コーラスなどはいつものLALEH節と言いましょうかヴォーカル・アレンジは非常に見事な業を感じさせます。
5曲目"Prinsessor"(4:17) アップライト・ピアノの調べによるLALEHの弾き語りです。前のアルバムにも同じような曲調の曲がギターのサウンドをメインにして収録されていたようです。
6曲目"November"(3:46) アコースティック・ギターのサウンドによるカントリー調の曲です。わざとスウェーデン語訛りの英語の発音によるハーモニーがインパクトを与える為に付けたようなアレンジと思われます。
7曲目"Your Town"(3:46) 不思議なリズムとメロディによる浮遊感漂うスローな曲です。中東的なチェロの響きと霞が掛ったサウンドの広がりが心地好いのです。
8曲目"Step On You"(3:42) 荒らしたギターの調べが響きエモ・ギター・サウンドのオルタナティヴ・ロックの感じがします。訛りのある英語の発音が何とも無国籍的な雰囲気を醸し出しているのです。
9曲目"I know This"(4:09) この曲もオルタナティヴ・ロックの感じがする聴き応え十分の曲ですね。スピード感のあるパートから一転してレゲエのリズムのパートを挟んだアレンジから前作でも感じたTHE POLICEの後期のサウンドの影響が強いのでは無いでしょうか...。
10曲目"Part Two"(2:17) 2分少々のピアノと弦楽器にインストゥルメンタルの登場です。室内協奏曲に声楽を薄ら付けた収録曲になっています。
11曲目"Far Har Lärt Mig"(4:37) スウェーデン語の歌詞を綴りながらハーモニウム?を奏でるLALEHの弾き語り風のシンプルな調べの曲です。
12曲目"12"(3:25) 前のアルバムとは一味違ったクラシック音楽の要素を10曲目も含み感じさせる曲です。LALEHのウーリッツァー・ピアノ風の演奏と彼女のクラシック音楽からの幅広い経験からの再現です。
10曲歌詞付 写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:44分22秒 (スウェーデンのミュージシャンの中には、英語を主体としたアルバム作りをする人と反対に母国語に拘ったアルバムをリリースし続ける人と2極化していると思っていましたが、LALEHのアルバムは、何れもアラビア語も含んで、歌いたい言語の混在を好んでいるような無国籍的な雰囲気が漂うのです)'10年7月2日再更新


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写真  LALEH / Me And Simon
 ・2009 Warner Music Sweden AB    5051865-2706-2-1

本当に才能が豊かな人・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているLALEHの '09年1月21日に本国でリリースされた3枚目のアルバムです。
今回のアルバムの収録には、LALEH:ヴォーカル/ギター/キーボード他、ANDREAS・UNGE:ベース、ANDERS・HEDLUND:ドラム、PER・NORDMARK:ドラム 、ADAM・HAGSTRAND:ギター、 STEFAN・SANDBERG:クラリネット/ピッコロ/フルート、GUSTAF・THÖRN:サックス/バック・ヴォーカル、ROBERT・ELOVSSON:キーボード、 MALIN-MY・NILSSON:ヴァイオリン、CECILIA・WOLFERS:ヴァイオリン、JOHANNA・DAHL:チェロ、JONNA・LNGE:ヴィオラなどが参加しています。

1曲目"Big City Love"(3:41) イントロから聴かせる中東のリズムとサウンドの曲です。少し訛りのあるLALEHの英語の発音となぜかムード歌謡っぽいところが妙に気になります。
2曲目"Simon Says"(3:54) アコースティック・ギターのサウンドをたっぷりと使った爽やかさを非常に感じさせる曲です。LALEHの楽しそうな歌声と共に美しい弦の響きが届きます。
3曲目"Mysteries"(3:26) 再びメランコリックな調べのムード歌謡っぽいイメージのする曲の登場です。今回のアルバムでは、管楽器の音色を新たに加えてサウンドが少し湿っぽい方向に傾いているようです。
4曲目"Go Go"(3:56) 巧みの流れるドラムとパーカッションのリズムとキーボードの調べによる民族舞踏音楽からのインスパイアを感じさせる曲です。分厚く付けられたいつものLALEHのヴォーカル・アレンジを聴き入るのみです。
5曲目"Roses"(4:55) カントリー・タッチなピアノとアコースティック・ギターのサウンドが流れる女性S.S.W.らしい曲の登場です。めずらしく間奏でGUSTAF・THÖRN(VENTURE ?)のサックス・ソロをアレンジし、サウンドの方向をジャジーな雰囲気に仕上げて、イントロからアウトロでは、曲のイメージも一変します。
6曲目"The End"(5:06) LALEHのキーボードによる弾き語りで収録された曲の登場です。なぜか非常にアメリカの女性シンガーの曲のイメージを感じさせるソフトな調べと優しく歌うLALEHのハーモニーです。
7曲目"Nation"(4:04) イントロのギターのサウンドとドラムのビートからやはりこのアルバムでも強く感じたTHE POLICEのサウンドを思い起させる曲の登場です。LALEHは、THE POLICEのアルバムから英語とその発音とリズムなどロックの要素も感じ取っていたのかも知れませんね。
8曲目"History"(1:01) 1分少々のインターリュード的に収録された曲です。短い英語の歌詞で歌われ、北欧トラディショナル音楽の持つ荘厳さを感じます。
9曲目"Farda"(4:15) 抒情的なナイロン弦ギターの調べが流れるアラビア語の歌詞による曲です。時には優しく時にエモーショナルに歌い上げるLALEHの歌声に絡められたアラブ音楽の旋律とヨーロッパとの融合でしょうか...。
10曲目"Snö" 殆んど映画音楽のイメージと言って過言ではない曲です。非常に美しいThe London Symphony Orchestraの調べとLALEHのスウェーデン語の響きはゆったりと流れます。
11曲目"Bjurö Klubb"(4:54) この曲もスウェーデン語の歌詞による軽めのミドル・テンポのロック/ポップの曲です。いつものリフレインを多用した歌詞が響きます。なぜかドイツで活躍していた女性ヴォーカルがメインとなったアイドル・バンドの「風船の歌」を思い出しましたね。
12曲目"Svalorna"(4:30) 前のアルバムから感じさせて来たクラシック音楽の要素を含んだ曲の登場です。弦楽器、管楽器の調べと共にLALEHのスウェーデン語の歌詞の響きが流れて来ます。
13曲目"Lär Mig Om"(2:53) アコースティック・ギターの爪弾きと美しいLALEHの歌声がイントロから響く、ゆったりとしたリズムの曲です。スキャットでも美しく響く彼女の歌声とハーモニーも非常に美しいのです。
全13曲歌詞付 写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:51分04秒 (LALEHのアルバムを聴くたびに本当に言語を含み音楽の才能が豊かな人だと感心させられます)'10年7月2日再更新


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写真  LAST LOVERS STANDING / The Time Is Near
 ・2006 Run Isle Music    RIMCDE01

切ないメロディと歌声・・・

スウェーデンのストックホルムでインディペンデントとして活躍しているLAST LOVERS STANDINGは、PER・IVANSSON(ベース、ギター、キーボード/タンバリン)とMAGNUS・RANDÉR(ヴォーカル/ギター)の2人をメインとしたユニットです。'04年にシングル盤[Morning Is Broken]をリリース、'06年5月にこの[The Time Is Near](5曲入EP盤)をリリースしています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LAST LOVERS STANDINGの2人の他、STAFFAN・ANDERSSON:ギター、HEINZ・LILJEDAHL:ギター、ULF・IVARSSON:ベース、MARTIN・HEDEROS:キーボード、P-A・WIKANDER:ドラム、ANDREAS・DAHLBÄCK:ドラムのストックホルムのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Time"(2:33) このLAST LOVERS STANDING EP盤に収録されている曲の中で最初に印象に残った曲です。このEP盤リリース当時はビデオ・クリップも制作されておらず、EP盤購入まで暫くサンプル音源を聴き続けていました。このEP盤でのメインとなる曲のようです。
2曲目"Weary Eyes"(3:15) エコーを効かせたエレクトリック・ギターの切ない響きが流れる哀愁のバラードです。ドラムのゆったりとしたビートに合わせて歌うMAGNUSの切ない歌声が流れます。
3曲目"Don't Fail Me Now"(3:53) この曲は、スローなリズムによるメランコリックなギター・サウンドの曲です。マイナー・コードによる循環で演奏されるサウンドとMAGNUS な呟くように歌うのが印象的です。
4曲目"Sirens"(4:36) この曲は良い曲ですね。哀愁感を持ったブリット・ロックのバンドと共通した少し甘酸っぱいサウンドとメロディを感じます。たどたどしさを持ったギター・ソロのメロディ・ラインが更に切なさを誘います。
5曲目"Time(South beach version)"(3:02) 1曲目のアコースティック・ギター1本による弾き語りで収録されています。懇願するように歌われるMAGNUSの非常に切ない歌声が最後まで流れます。
歌詞なし デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:17分21秒 (バックにギターとしてSTAFFAN・ANDERSSONの名前がクレジットされていますが、あのGLORIAのSTAFFANとライヴ映像から同一人物です)'10年7月3日再更新


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写真  LAURA GROVES / Thinking About Thinking
 ・2013 DEEK Recordings    DEEK 004

LAURAの美しい歌声・・・

このアルバムは、イングランド北部の街ブラッドフォード出身のS.S.W.LAURA・GROVESの自身名義(BLUE ROSES名義では '09年にXL Recordingsよりデビュー)による '13年9月30日に本国でリリースされた4曲入りEP盤です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LAURA・GROVES:ヴォーカル/ギター/キーボード/シンセサイザー/プロデュース、TIC・ZOGSON:ベース、DOMINIC・GROVES:サックス、JULIANO・FIORI:パーカッション、NATHAN・JENKINS:ドラム・プログラミング/プロデュース、JOSH・TAYLOR:ドラム・プログラミングのLAURAの別ユニットNAUTICやBLUE ROSESでのミュージシャン達も参加しています。

1曲目"Easy Way Out"(4:16) イントロから清楚で非常に美しいLAURAの歌声が広がる曲です。BLUE ROSES時代のフォーク・スタイルより数段エレクトロニクス・サウンドを加えた現代的な曲のイメージを感じさせます。
2曲目"Pale Shadows"(4:48) YouTubeで紹介されていたこの曲を非常に気に入ってアナログEP盤にも関わらず購入した曲です。YouTubeの映像よりも少しスローで繊細ながら多彩なエフェクト付けたアレンジとエンディングのフェードアウトのサウンドも非常に心地好い響きが流れています。間奏の「タンタ タンタ タンタ タタ」この最後のタタが好いんですよね!分かるかな?
3曲目"Inky Sea"(4:18) この曲もYouTubeで紹介されている曲です。ゆったりとしたサウンドが広がりながらこの曲も非常に美しいLAURAの歌声がアコースティック・サウンドと共に穏やかに流れて行きます。
4曲目"Thinking About Thinking"(4:09) アコースティック・ギターの爪弾きと共に登場するLAURAのスキャットによる落ち着いたハーモニーとヴォーカル・アレンジが見事な曲です。例えるなら70年代のCLANNADなどアイルランド音楽の影響を感じさせます。
歌詞無し 12″EP盤 (輸入盤) 収録時間:17分31秒 (まぁ、4曲入りEP盤ですからあっと言う間に終わってしまうのですが、本当1曲1曲の内容とインパクトが非常に強いものを感じます)'13年12月28日更新


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写真  LAURA GROVES / Committed Language
 ・2015 DEEK Recordings    DEEK 007

購入順序がバラバラですが・・・

このアルバムは、イングランド北部の街ブラッドフォード出身で現在、ロンドンで活躍しているS.S.W.LAURA・GROVESの自身名義による2枚目のアルバム(4曲EP盤)で '15年2月18日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LAURA・GROVES:ヴォーカル/ギター/キーボード/プロデュース、BEN・REED:ベース/ギター/パーカッション、JOE・NEWMAN:ギター、FABIANA・PALLADINO(PINO・PALLADINOの娘さん):ドラム/バック・ヴォーカル、BULLION:追加ドラム・プログラミング/プロデュースのLAURAの音楽仲間達が参加しています。

1曲目"Committed Language"(4:01) 電子ピアノのお道化たようなイントロのサウンドにFABIANAの電子ドラムのリズムが淡々と響く曲です。LAURAの高く響く歌声とうねるように響くBEN・REEDのベースとの絡みを聴いているとデビュー時のBLUE ROSES時代から随分遠くに来た感がしますね。
2曲目"Dream Story"(4:37) 流れるようなキーボードのサウンドに合わせ高らかに歌うLAURAとバックの演奏群が耳に迫る曲です。前作と違ってリズミカルな曲が増えた感がします。
3曲目"Friday"(3:24) ここに来て落ち着いた曲の登場です。LAURAのピアノによる弾き語り形式の曲です。この曲でもLAURAのその美しい歌声が響き渡ります。
4曲目"Mystique"(5:15) ダークな雰囲気を醸し出すチルなナンバーです。FABIANAのバック・ヴォーカルも雰囲気物に広がりを持って響きます。JOE・NEWMANのエフェクト的なギター・サウンドも耳に残ります。LAURAが登場したビデオもどうぞ。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:17分00秒 (アルバムの購入順序がバラバラになってしまったこのLAURA GROVES、次作[A Private Road]も聴いてみましょう!)'24年1月2日更新


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写真  LAURA GROVES / A Private Road
 ・2020 Bella Union    BELLA1114

Pre-Radio Red・・・

このアルバムは、イングランド北部の街ブラッドフォード出身で現在、ロンドンで活躍しているS.S.W.LAURA・GROVESの自身名義による3枚目のアルバム(6曲ミニアルバム)で '20年12月4日に本国でリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LAURA・GROVES:ヴォーカル/ギター/キーボード/プログラミング/プロデュース、BEN・REED:ベース/ギター/パーカッション、FABIANA・PALLADINO:バック・ヴォーカルのLAURAの音楽仲間達による少人数での収録です。
このアルバムから前作でのプロデューサーBULLIONのDeek RecordingsよりCOCTEAU TWINSのメンバーが興したBella Unionにレーベルを移しています。

1曲目"Infinite Wisdom"(3:27) 相変わらずうねりを持ったBEN・REEDのベースの音色としっかりと口を開けて歌う仕草が想像させるLAURAの歌声とFABIANAのエフェクト的なバック・ヴォーカルが雰囲気物です。LAURAが登場したビデオもどうぞ。
2曲目"Foolish Game"(4:11) 微風のようなLAURAの歌声が心地好く流れる曲です。レコーディング以外でもBENとFABIANAと演奏を共にしているLAURA、安心しきったように歌うLAURAの歌声が素晴らしい。
3曲目"Faking It"(3:55) まるでファンタジー・ムービーの挿入歌のような雰囲気を醸し出す曲です。短い歌詞をドリーミーな雰囲気で歌うLAURAです。
4曲目"Red"(4:52) 電子ピアノの演奏によるLAURAの弾き語りです。ライブでの演奏は、このような形のキーボード1つで歌う姿が映像化されています。ギターやシンセ・ベースなど次第に加えられていますが、クレジット記載が無いので多分、LAURA1人の演奏でしょうか。
5曲目"Sunset"(3:27) イントロからBENが渋めのベースを聴かせますね。アシッド感のあるクールな響き奥まった位置から聴かせるLAURAの歌声と忙しく流れるキーボードの音色と本当にこの曲は、かっこ好いです。LAURAが登場したビデオもどうぞ。
6曲目"Searching For The Stars"(4:12) 再びLAURAのキーボードによる弾き語り形式の曲です。ゆったりとしたリズムに乗せ複数の電子ピアノのサウンドに合わせLAURAが歌います。バックにはフィールド録音したサウンドが効果的に響きます。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:24分04秒 (LAURAの紹介記事をどこかで読んだのですが、このアルバムの制作が次作のフルアルバムに繋がったとの事!)'24年1月3日更新


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写真  LAURA GROVES / Radio Red
 ・2023 Bella Union    BELLA1408

残念CDは売り切れ・・・

このアルバムは、イングランド北部の街ブラッドフォード出身のS.S.W.LAURA・GROVESの4枚目(自身名義の4曲盤、6曲盤を含む)のアルバムで '23年8月11日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LAURA・GROVES:ヴォーカル/ギター/キーボード/プログラミング/プロデュース、BEN・REED:ギター/ベース/ドラム/パーカッション/シンセサイザー/プログラミング/プロデュース、JOE・NEWMAN:ギター、TJ・ALLEN:ギター、SAM・SHEPHERD:キーボード、SAMPHA:バック・ヴォーカルの少数のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Sky At Night"(4:31) 1曲目から聴き入るLAURAの非常に美しい歌声が広がる曲です。丁度、10年前に聴いた[Thinking About Thinking]での美しい歌声から全然衰えを感じさせない素晴らしさです。LAURAが登場したビデオもどうぞ。
2曲目"Good Intention"(3:43) 今度は、ゆったりとしたリズムとハモンドのサウンドが心地好い曲です。ノスタルジックなメロディから次第にダーク/ポップな部分を感じるLAURAのソングライティングにも興味津々です。
3曲目"Synchronicity"(4:33)イントロからギターを爪弾くLAURAとその美しい歌声を幻想的に包むバックの演奏も美し過ぎますね。全然、関係無いのですが、イギリスのバンドにも同じ曲名のついた曲がありましたね。
4曲目"D 4 N"(5:26) この曲は、丁度10年前の4曲EP盤での曲調からの流れを引継いだアコースティックなメロディアスさとエレクトロニカ・サウンドが調和して攻めて来ますね。バックのSAMPHAのヴォーカルがエフェクト的に響いています。歌詞が掲載されたビデオもどうぞ。
5曲目"I'm Not Crying"(4:30) ちょっと暗めのサウンドとメロディの曲です。揺らぎを持ったキーボードの調べに合わせLAURAが孤独の世界を切に歌います。またLAURAが登場したビデオもどうぞ。
6曲目"Any Day Now"(4:05) 期待感を煽るイントロのサウンドと緊張感を与えるリズムが堪らない曲です。シンセ・ベースに響きと凛としたLAURAの歌声に間奏でのアバンギャルドな電子サウンドも痺れますね。
7曲目"Time"(4:58) 何処か懐かしさを感じさせる電子キーボードのサウンドによるバラッドです。少し高域で掠れ気味のLAURAの歌声にも本当に聴入ります。この曲のBEN・REEDのベースの引き摺り感を持ったサウンドも好いのです。
8曲目"Sarah"(4:20) メランコリックなピアノの調べの真ん中に立って歌うLAURAの姿を想像させる曲です。ここでもバックの演奏は、最低限となっていますが、耳を澄ましてよぉーく聴くと色々と録音されているのです。
9曲目"Make A Start"(3:47) シンプルな電子キーボードによる演奏と最低限の楽器によるLAURAの歌声をメインに飾るように聴こえる曲です。この曲でもその高いキーでの美しい歌声を聴かせるLAURAです。
10曲目"Silver Lining"(4:33) アルバムの最後は、LAURAの弾き語りです。フェンダー系のシンプルなトーンに乗せてゆったり歌うLAURAの温かみのある歌声に煌くサウンドが降り注ぎます。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:44分26秒 (検索を感けていた為、残念ながらCDは、購入遅れで売切れでした!)'23年12月28日更新


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写真  LAUREL / Park
 ・2016 C&P Counter Records    LC-34609 COUNT105

一度聴いたら忘れられない・・・

このアルバムは、ロンドンでモデル兼オルタナティヴ/ポップS.S.W.として活躍しているLAURELの再デビュー・アルバム(4曲入り EP盤)で '16年11月18日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LAURELことLAUREL・ARNELL-CULLEN:ヴォーカル/マルチ・インスツルメント/プロデュースによる自宅での収録です。'14年頃にシングル盤2枚と4曲入りEP盤[Holy Water-EP]をダウンロード・リリースしている新人ですが、当時20歳にてアメリカとヨーロッパ各地にツアーを敢行しています。その際、主催者の何時から作詞作曲しているとの質問に「10歳ごろから始めている」と才女ぶりを発揮しています。
尚、今回のアルバムから自身の演奏によるオルタナティヴ/ポップ系へ音楽の方向性を変えより個性的な音楽を表現しています。

1曲目"Maybe Baby"(2:59) 歯切れ良いギターのサウンドをイントロから聴かせその特徴のある歌声を聴かせるLAURELです。いかにもバックの演奏も自身で行っている感がありますが、バック・ヴォーカルのハモリの付け方が心地好いのです。
2曲目"Hurricane"(2:59) この曲もその特徴的な歌声を聴かせる曲です。軽快なリズムに乗せ、その一度聴いたら忘れられない歌声が頭の中を巡ります。ジャケット写真に使われているモノクロで撮影されたビデオも紹介されています。
3曲目"Too Far"(2:56) 愛用のレスポールを奏でながら歌うLAURELの少し硬質の歌声がクールに響く曲です。 やはりこの曲もBBCなどの後押しがあった時のポップ調よりよりオルタナティヴ・ロックさを増した感じとなっています。自作の曲をギター片手にプロデュースするサウンドの方向に彼女の拘りを痛感します。
4曲目"Goodbye(demo)"(3:32) アコースティック・ギターに爪弾きによる弾き語りです。デモ曲の収録とされサウンドは、非常にシンプルですが、LAURELの歌声が美しいヴィブラートを伴って切なく響いてきます。
歌詞無し 限定12″クリアEP盤 ポスター型ジャケット MP3/WAVダウンロード特典付 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:12分05秒 ('18年8月24日にフルトラックのアルバムもリリース予定ですので、届き次第レビューを予定しています)'18年5月16日更新


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写真  LAUREL / Dogviolet
 ・2018 COUNTER RECORDS    COUNTCD116

2018年のサウンドはこの1枚で決まり・・・

このアルバムは、ロンドンでモデル兼オルタナティヴ/ポップS.S.W.として活躍しているLAURELの2枚目(再デビュー・アルバム4曲入り EP盤[Park]を含む)で '18年8月24日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LAURELことLAUREL・ARNELL-CULLEN:ヴォーカル/マルチ・インスツルメント/プロデュース、SAMUEL・ROUX:ドラムによるイースト・ロンドンのLAUREL自宅での収録です。
尚、前作の[Park]から自身の演奏によるオルタナティヴ/ポップ系の音楽に方向を変え、より個性的な音楽を表現しています。

1曲目"Life Worth Living"(4:05) このアルバム・リリース前 '16年3月にダウンロード・シングル盤としてリリースされている曲です。サビの部分から入るタイトなドラムのビートと「Take what you need, darling I'm just here for you Give me your love and physical affection」の歌詞の間の「ウゥ〜ウゥ〜ウゥ〜」スキャットのメロディと歌声が堪らないのです。
2曲目"Allstar"(3:24) 少し憂いを伴ったLAURELの歌声がクールに響く曲です。ギブソンのレスポールを爪弾きながら歌うLAURELの孤高な歌声に暫く浸りたいと思います。
3曲目"Same Mistakes"(4:25) ギター1本を爪弾きながら歌うLAURELの少し震えた歌声が渋い曲です。曲の出だしは、非常にシンプルな曲調ですが、荒らしたギター・サウンドに乗せ声を荒げて歌うダイナミックさが好いですね。
4曲目"South Coast"(3:57) 今度は少しトーンを和らげて来た穏やかな質感の曲です。心地好いギターの弦の響くとゆったりと歌うLAURELの歌声の美しいヴィブラートを楽しみましょう。
5曲目"Hold Tight"(3:44) この曲もLAURELのギターの弾き語りを基本に展開されている曲です。セルフによるハーモニー、キーボード、ドラム、ベースと作り上げ、特にギターの残響音には拘りがとても感じられます。
6曲目"Adored"(3:34) '17年のパリでのライヴでも演奏されたパンチに効いたLAURELの歌いぶりとリズムが印象的な曲です。イギリスの70年代のロックバンド然とした荒げたサウンドと押しで攻めて来る心地好さを持っています。
7曲目"Sun King"(4:10) ギター1本によるシンプルな弾き語りです。サビで美しく伸びやかな歌声を聴かせるLAURELの切ない歌声が弦の響きと共に曲の終わりまで慎ましやかに響きます。
8曲目"Crave"(4:27) ここまでアルバムを聴いて来て感じた感想は、4年ほど前のデビュー当時とは曲調も歌いぶりも全然違う本当にLAUREL本人かと思うくらいこの曲も芯のある硬質なサウンドです。LAURELの美しい歌声は変わらないものの多彩なオルタナティヴに尖ったところが随所に散りばめられています。
9曲目"Lovesick"(3:30) この曲を始めて聴いた時に驚いたところがありました。曲の始めから30秒と1分40秒位に誰かが怒って叫んでいるようなS.E.が挿入されて自宅近くで幼稚園児でも親に怒られているのかと窓の外を眺めた経験があります。
10曲目"Take It Back"(3:40) 少しファンキーなリズムを感じさせる曲です。跳ねる歌声と躍動的なドラムのビートとこの曲ではちょっと違ったオルタナティヴさを持っています。
11曲目"Empty Kisses"(4:23) 淡々と弾くドラムのビートに合わせ静寂さの中に響くLAURELの歌声と愛用のレスポールのウォーム・トーンが堪らない曲です。前作[Park]でも聴き入ったLAURELの美しい歌声でしたが、4曲ではやはり寂しかったのでこのフルトラック・アルバムは大満足です。
12曲目"Recover"(5:01) 先に書いた前作[Park]の最後の曲に通じるギターの弾き語りによる静けさを伴った曲です。前作では、アコースティック・ギターを爪弾いていましたが、ここでは愛用のレスポールに拘ったようです。
歌詞無し デジパック仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:48分27秒 (予約販売のボタンをクリックしてから本当に長い間待たされたこのアルバム、このHPで2018年のベスト5アルバム間違いなしです)'18年8月24日更新
2018年度ベスト5


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写真  LAZENBY / The Loft Years
 ・2008 206 Recordings    206CD001

遂に出たLAZENBY・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているLAZENBYのデビュー・アルバムで、本国でのリリースは '08年6月23日になっています。このLAZENBYは、2000年に元VITAMIN ZのNICK・LOCKWOOD:ギター/ベースとSARAH・LAZENBY(経歴は不明):ヴォーカルを中心としたユニットでスタートし、'06年にシングル盤[Let Me Live]をリリースし、現在は、TOM・FARMER(THE SHLEPPING MISHPACHA):ベース/ヴォーカル、ROB・GENTRY(JULIE・McKEE):キーボード/ヴォーカル、JEZ・WILES(THE ZAPPATISTAS):ドラムを加えた5人組みで、このアルバム・リリース後、精力的にライヴ活動をしています。
尚、LAZAMBYのマネージメントは、ARCTIC MONKEYと同じくGEOFF・BARRADALE(Ex.VITAMIN Z)が行っているようです。

1曲目"Listening To Joni"(3:24) このアルバムからシングル・カットされたイントロからキーボードによる乗りの良い曲です。SARAHの明るく通る歌声とバックからギターで"ハモル" NICKの頼もしさを感じさせます。
2曲目"Circle Of Angels"(5:22) 懐かしさを与えるハモンドのサウンドとスリリングさを感じさせるスライド・ギターの調べによるスローな曲です。やはり曲のイメージからブリティシュなテイストとエモーショナルなSARAHの歌声が響いて来ます。
3曲目"Let Me Live"(4:05) 前の曲のアウトロからギターのサウンドで曲間をつないだ粋なアレンジで登場するロック色の強い曲です。アルバムが進むに連れて更にエモーショナルな歌声を聴かせるSARAHの歌声です。
4曲目"Star"(3:34) この曲もイントロからロック色の強いギターのサウンドを聴かせる曲です。アルバムのジャケやLAZENBYの写真類から勝手にイメージを持っていたジャズ/ラウンジ/ボサ・ノヴァ系のサウンドとは少し違った意外性を与えます。
5曲目"Touch Me Hold Me"(4:17) LAZENBYが言う自分たちの音楽を言い表したファショナブル・ミュージックを端的に感じさせる曲です。印象的なギターのフレーズに妖艶なSARAHの歌声が更に聴く者にインパクトを与えます。
6曲目"Rose"(4:34) 教会でのハモンドかパイプ・オルガンのサウンドを想像させるイントロから次第にサウンドを熱くして行くミドル・テンポのナンバーで後半からはサイケデリックなサウンドにも展開して行きます。
7曲目"If"(4:24) 怪しい雰囲気を感じさせる曲の登場です。NICKの不思議なサウンドを放つ特徴的なギター、ヴァイオリンの調べとこうなると聴く物全てが怪しく感じさせるから不思議です。
8曲目"Thought I Had It All"(3:40) 少しレゲエのリズムを使ったミドル・テンポのダンサブルなナンバーです。SARAHのコケティシュ(良い意味での)な歌声を響かせながら曲が進むにつれ、ノスタルジジックなサウンドを発散させます。
尚、この曲はアルバム収録曲より違うアコースティック・ヴァージョンも作られているようです。
9曲目"Tried"(5:20) メロデイアスな旋律を聴かせるバラードで、時々サウンドとリズムが止まるところのアレンジが心に残ります。曲が進むに連れあのハードでラウドなブリティシュ・ロックへと引き戻してくれるのです。
10曲目"Life Goes By"(4:05) NICKのナイロン弦ギターの優しい調べと気持ち良く歌うSARAHの歌声が届く落ち着いた雰囲気の曲です。可憐な歌声を聴かせるSARAHの歌声ですが、どこか聴く者を虜にさせ、離さない怪しさをも感じます。
この曲が終了した後、約2分半のブランクがありヒドゥン・トラックが収録されています。NICKのギターのサウンドを中心としたSARAHのヴォーカル曲で、ゴスペル調の3分程度の曲がファイナル・ミキシングに近い形で収録されています。
歌詞無し 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:48分14秒 (このLAZENBYが音楽活動を始動したと聞いてから、アルバム・リリースまで何年も辛抱強く待っていました。その甲斐あって素晴らしいアルバムが届けられました)'10年7月3日再更新
2008年度ベスト5


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写真  LENE RIEBAU / Jazz Handle
 ・2007 Drycastle Records    DR・016

本格派ジャズ・ヴォーカリスト・・・

このアルバムは、デンマークで活躍しているジャズ・シンガーLENE・RIEBAUの '07年11月29日に本国でのリリースです。プロデューサーは、デンマークにスタジオを構えるTORBEN・LYSHOLMが担当し、彼自身各楽器の演奏とミキシング等も行っています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LENE・RIEBAU:ヴォーカル/副プロデュースの他、JAKOB・DINESEN:サックス、LARS・NIELSEN:ピアノ、CARSTEN NEUMANN:ベース、MAURIZIO・BOZZI:ベース、MARCUS・MILLER:ベース、FLEMMING・NILSSON:パーカッションに先に紹介したTORBEN・LYSHOLM:ギター/プログラミング/バック・ヴォーカル/プロデュースのデンマークのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Up UP UP He Goes"(3:24) グルーヴで滑らかなLENEの歌声と重く響くベースのサウンドがファンクさ醸し出す曲です。この曲のベースとサンプルにMARCUS・MILLERが参加して、あのチョッパーでのソロをいつも通りに聴かせてくれるのです。
2曲目"Put Out The Fire"(3:46) 楽しいそうなリズムと明るいサウンドによるダンサブルなナンバーです。LENEの何とも言えないスキャット・ヴォーカルが良いですね。サンバ/ボサ・ノヴァ/スパニシュが極上にブレンドされたラテン・フレイヴァーを堪能しましょう。
3曲目"Elementary"(3:46) なつかしいクラヴィネットの調べとアーバン・ソウルなスムーズなコーラスが流れるゴージャス・ナイトに相応しい曲のようですね。サックス・ソロは、デンマークのベテラン サキソフォニスト JAKOB・DINESEN(JAKOB DINESEN QUARTET)です。
4曲目"Suitcase Blues"(4:07) 少しサウンドのトーンを落として来たスローでメロウな流れによる曲の登場です。バックのTORBENのウォーム・トーンの歌声とLENEとの絡みも美しく響いて来ます。
5曲目"Eternity"(5:36) イントロのMAURIZIO・BOZZIのウッド・ベースのソロが切なく流れるR&Bの曲の登場です。メランコリックに歌うLENEとTORBENのナイロン弦ギターの調べも切なく流れるのです。
6曲目"I Will Walk Before I Crawl"(3:09) 小粋なベース・ランニングに心地好いキーボードの調べとジャジーなギターなサウンドによるゴージャスさを感じさせる曲です。この曲は、デンマークのベーシストCARSTEN・NEUMANNとLENEとの共作になっています。
7曲目"I Think I'm Going Down"(3:14) アシッド感がモダーン・ジャズのサウンドを送ってくる曲の登場です。心地好いスイングを与えるウッド・ベースの爪弾きとスキャットを交えたLENEの歌声です。
8曲目"Yesterday But Not Today"(4:37) 今度はジャズ・ノートによるラウンジ・ミュージックの登場です。エモーショナルに歌い上げるLENEの妖艶な歌声とLARS・NIELSENの流れるようなピアノの調べが届けられます。尚、この曲はLENEの作詞/作曲となっています。
9曲目"What's The Plan"(3:34) ブラック・コンテンポラリーの女性ヴォーカリストのサウンドに近いファンキーなリズムにエモーショナルな歌声を熱く聴かせる曲です。この曲のバック・ヴォーカルは本当に黒っぽいシルキーな歌声を聴かせています。
10曲目"The Right Time"(3:26) アシッド感を与えるプログラミング・サウンドを基にしたベースのサウンドに絡ませたモダーンなヴォーカル・トラックの数々です。この手の手法はやはりTORBENの辣腕ぶりを感じさせますね。
11曲目"Doing Nothing"(3:25) 再びブラック・コンテンポラリーなサウンドのスムーズな曲の登場です。バックでのヴォーカルを含め、殆どの演奏をしているTORBENのマルチぶりです。
12曲目"Sentimental Times"(4:15) ハモンドの切ない響きによる曲のタイトル通りセンチメンタルな調べの曲です。バック・ヴォーカルのコーラスなんか非常にノスタルジックを感じさせるアレンジになっています。この曲もLENEとTORBENとの共作です。もともとTORBENは、北欧でハード・ロック系の音楽に携わっていたと思うのですが、スタジオを開設して、この手の音楽もプロデュースしているのでしょうか...。
全12曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:46分24秒 (本格派ジャズ・シンガーのアルバムを購入して聴くのは、非常に久し振りですね)'10年7月3日再更新


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写真  LET'S BUY HAPPINESS / Six Wolves
 ・2010 Ghost Arc Records    GhostArc001

フルレングス・アルバムを出して欲しい・・・

このアルバム(EP盤)は、イングランドのニューカッスル出身のインディー・ロック・バンドLET'S BUY HAPPINESSの '10年10月18日に本国でリリースされたデビューEP盤(自主制作[No Hot Ashes]は除く)です。
LET'S BUY HAPPINESSのメンバーは、SARAH・HALL:ヴォーカル/イラストレーション、JAMES・HALL:ギター/キーボード/バック・ヴォーカル、GRAEME・MARTIN:ギター/バック・ヴォーカル、MARK・BROWN:ベース、JAMES・KING:ドラムの5人組です。

1曲目"Six Wolves"(3:44) 摩訶不思議なビデオも制作されているこのバンドの一押しの曲です。イントロのギターの爪弾きと同時に登場するSARAHの可憐な歌声で一発にノックアウトさせられた曲でもあります。
2曲目"Woodrings"(3:54) この曲もギターのサウンドが美しいメロディアスな流れを感じさせる曲です。後半から響き渡るJAMESとGRAEMEのギターのサウンドは、非常にイギリス的と言うかそれも取り分けスコットランド寄りの雰囲気がしているのです。
歌詞無し ライナー無し CD-R 紙スリーブ仕様 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:7分38秒
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写真

Fast Fast ・2011 Ghost Arc Records     GhostArc003

'11年2月28日に本国でリリースされたシングル盤です。
1曲目"Fast Fast "(3:15) この曲もビデオが制作されているシングル曲第2弾と位置付けされている非常に乗りの良い曲です。JAMES・KINGのタムタム/スネアのビートが非常にアクセントとなっている私をこのLET'S BUY HAPPINESSにグイっと惹きつけた曲でもあります。
2曲目"Devil Show(Acoustic)"(3:05) [No Hot Ashes]に収録されている曲のアコースティック版として再収録されている曲です。オリジナル版より少しリズムを落として優しい口調で歌うSARAHの歌声が心地好く響いています。
歌詞無し ライナー無し CD-R 紙スリーブ仕様 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:6分20秒
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写真

Dirty Lakes ・2011 Ghost Arc Records     GARS1

'11年9月26日に本国でリリースされたシングル盤です。
1曲目"Dirty Lakes "(3:15) この曲も打ち鳴らされるドラムのビートがたっぷり響く躍動感を非常に感じさせる曲です。この曲を聴きながらJAMESのギターの乗りとSARAHの歌声を楽しむ事にします。ビデオもどうぞ。
歌詞無し ライナー無し 紙スリーブ仕様 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:3分15秒
(フルレングスによるアルバムを暫く待っていたのですが、レーベル自身アルバムのリリースに意欲的でない為、シングル盤での掲載となりました)'12年8月11日更新


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写真  LET'S BUY HAPPINESS / Chants For Friends
 ・2014 Let's Buy Happiness    

残念ながら現在ダウンロード販売のみ・・・

このアルバム(ダウンロード版)は、イングランドのニューカッスル出身のインディー・ロック・バンドLET'S BUY HAPPINESSの '14年11月9日(ダウンロード販売)に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
LET'S BUY HAPPINESSのメンバーは、SARAH・HALL:ヴォーカル/イラストレーション、JAMES・HALL:ギター/キーボード/バック・ヴォーカル、GRAEME・MARTIN:ギター/バック・ヴォーカル、MARK・BROWN:ベース、JAMES・KING:ドラムの5人組です。
尚、プロデューサーは、IAN・GRIMBLE(TRAVIS,PEGGY SUE)とギターのJAMES・HALLとの共同で行われています。

1曲目"Figure Of Sleep"(5:27) 最初にこの曲のイントロを聴いた時、盤の回転数不足かダウンロードが上手く行われてなかったのかとちょっと心配になった曲です。回転不足の引き摺る感のあるダークな雨雲の隙間から次第に日が照る様が観えるような感じです。
2曲目"Luck & Love"(4:54) '12年5月頃よりアコースティック・ヴァージョンがYouTubeアップされていた曲です。曲の前半は、ちょうどそのアコーティック・ヴァージョンと似たサウンドのアレンジとなっていますが、後半からのダイナミックさを持ったサウンドの広がりが非常に美しいです。
3曲目"Fast Fast"(3:19) 私をこのLET'S BUY HAPPINESSの持つ魅力に強力に惹きつけた最初の曲です。'11年2月28日にリリースされたシングル盤での荒削りをすっきりさせ、SARAHとJAMESのヴォーカル・アレンジも非常に洗練された趣向となっています。
4曲目"Killing Time"(4:07) エコーの効いたギターの爪弾きに促されて登場するキュートなSARAHの歌声が響く軽めの乗りが心地好い曲で、ベースのMARK・BROWNのスライドさせたベースのサウンドも非常に素晴らしいのです。話は逸れるのですが、そう言えばアイスランドで活躍しているインディーズ・バンドRÖKKURRÓ '14年の最新アルバムも4曲目は同名タイトル曲"Killing Time"「時間潰し」でしたね。
5曲目"Sickly Sights"(5:28) シンセサイザーのサウンドによるイントロからギターの爪弾き音が重ねられた大人しめメロディとサウンドの曲です。このアルバム・リリース前のシングル曲"Works Better On Paper" に通じるサウンドを感じます。
6曲目"Run"(4:47) '13年10月14日にシングル曲としてリリースされていた曲です。逆回しにしたダークなイメージを持つビデオも制作されたこのアルバムのショウルーム的な曲です。
7曲目"Start It"(3:57) めずらしくLo-HiにしたSARAHの歌声が響く乗りの良さを伝えて来る曲です。この曲もビデオが制作され今のLET'S BUY HAPPINESSの気持ち(レーベル目に止まってCD化/バイナル化再リリース)を表せているようです。
8曲目"Fresh Hex"(5:06) この曲も少しサウンドの方向をダークな方向へ移して来たと思わせる曲です。バックで少し歪ませたE-Bowによるギターのサウンドは、JAMESによるものでしょう。打ち鳴らされるJAMES・KINGのドラムの上に掻きむしるようなGRAEME・MARTINのギターのサウンドも積み重ねられています。
9曲目"Me,My Atoms"(4:48) この曲もビデオで紹介されている美しいメロディとサウンドを聴かせる曲です。後半から非常に美しく伸びやかな歌声を聴かせるSARAHと兄JAMESのトレモノ・ギターの調べとシンクロ感が見事です。
10曲目"Crooks"(3:16) SARAHの歌声が妙に跳ね上げるように歌われメロディ的にオリエンタル風の影響が感じさせる曲です。インディーズ盤でのデビューからこのアルバムまで5年の歳月が流れたこのLET'S BUY HAPPINESS、曲作りの才能の素晴らしさを感じさせます。
11曲目"Old Bones"(3:32) この曲でもバックにJAMESのエコーを効かせたギター・サウンドが響いています。SARAHの歌声の合間に広がるサウンドの空気感が非常に美しい振幅を聴かせます。
12曲目"Home Fears"(6:00) この曲もぱっと聴きから聴き入らす曲です。サウンドとリズムの流れが非常にメイン・ヴォーカルのSARAHの歌声を際出させています。このアルバムの制作を行う傍ら国内の小さな会場にてライヴを常に行いながらアルバムへのフィードバック行っていたに違いありませんね。
13曲目"Outro"(1:35) ピアノの1台での演奏によるインストゥルメンタルです。やはりこのアルバムのテーマであるどこかダークさのあるサウンドを感じます。
歌詞無し (ダウンロード販売) 収録時間:56分09秒 (見出しにも書いているのですが、残念ながら現在ダウンロード販売のみ)'14年12月2日更新
2014年度ベスト5


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写真  LEVEL 42 / Staring At The Sun
 ・1988 PolyGram Records Inc.    837 247-2

結成30周年・・・

このアルバムは、イギリスで活躍していた('01年に再結成)ファンク・ミュージック・バンドLEVEL 42の '88年9月にリリースされた10枚目(2枚のライヴ・アルバムを含む)のアルバムです。
このアルバムでのLEVEL 42のメンバーは、MARK・KING:ベース/ヴォーカル、MIKE・LINDUP:キーボード/ヴォーカル、GARY・HUSBAND:ドラム、故ALAN・MURPHY:ギターの4人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、WALLY・BADAROU(TALKING HEADS,ROBERT・PALMER):キーボード/プロデュース、DOMINIC・MILLER(STING,PHIL・COLLINS):ギター、KRYS・MACH:サックス、STEVE・SIDWELL(THE MICHAEL NYMAN BAND):トランペットのLEVEL 42のツアーまで参加しているミュージシャン達です。
尚、プロデュースは、LEVEL 42自身とキーボードの演奏と一部作曲も行っているBarcleyやIslandレーベルのセッション・マンのアフリカ系フランス人WALLY・BADAROUです。

1曲目"Heaven In My Hands"(4:43) 何かスペインの闘牛場のオープニングで流れるようなトランペットの演奏がイントロから流れるところに意表を突かれるファンクなリズムの曲です。MARKのチョッパー・ベースと新加入ALAN・MURPHYの軽快なギターのサウンドが響き渡ります。
2曲目"I Don't Know Why"(4:25) 少しロック色を強めて来た弾けるリズムにエレクトロニカのサウンドを加えた80年代のブリティシュ・ロックを感じる曲です。MARKのメイン・ヴォーカルにサブ・パートは、キーボードのMIKEが担当しているところは、いつも通りですね。
3曲目"Take A Look"(4:42) 少しリズムを落として来たブルー・アイド・ソウル的なMARKのヴォーカル曲の登場です。MIKEのソフトな歌声とMARKの張りのある歌声との絡みがこの曲の最大の魅力です。
4曲目"Over There"(4:01) ベースの4弦全てを使ってコードを弾くMARKの特徴的なベース奏法を聴かせる曲です。バックで複雑なドラムのリズムを刻むのは、ALLAN・HOLDSWORTHやJOHN McLAUGHLINなどのアルバムに参加して来た新加入GARY・HUSBANDです。
5曲目"Silence"(4:58) キーボードのMIKE・LINDUPの書いた曲で、メイン・ヴォーカルも彼自身で収録されています。滑らかなMIKEの歌声にリズミカルなキーボードのサウンドは、彼のソロ・アルバムのサウンドにも通じる優しさを強く感じます。
6曲目"Tracie"(4:55) ポップなサウンドを聴かせるギターとタイトなドラムのビートを刻みが心地好いMARKとドラムのGARY・HUSBANDと一緒に書かれた曲です。コーラスなどは、モータウン系のブラック・ミュージックその物って感じは、先輩格のAVERAGE WHITE BANDと共通性を感じます。
7曲目"Staring At The Sun"(4:44) キーボードのシュールなサウンドと不思議なメロディ・ラインを聴かせるこのアルバムのタイトル・トラックです。前作までのオリジナル・メンバーだったギターのROWLAND・GOULDとMARKにWALLY・BADAROUの3人よって書かれています。
8曲目"Two Hearts Collide"(4:37) LEVEL 42の持つファンク/ポップさを感じるMARKのヴォーカル曲で、過去のフュージョン系のサウンドからポップ性を増した方向性を感じます。尚、このアルバムには、この曲を含みMARKとROWLAND・ GOULDとの共作が6曲収録されています。
9曲目"Man"(7:26) イントロ部分は非常にアカデミックなフュージョン・サウンドを聴かせる曲ですが、次第にパワフルな歌声を聴かせるMARKとバックのMIKEの歌声が非常に美しく響く曲です。間奏部分のDOMINIC・MILLER(多分?)の卓越したギター・ソロを超えたあたりからシュールなサウンドを聴かせるデビュー当時のサウンドに戻る1曲の中にも様々なサウンドを聴かせる7分半近くある長尺の曲です。
10曲目"Gresham Blues"(5:45) CDのみ収録されたボーナス・トラックです。MARK・KINGが書いたインストゥルメンタルによるブルースの曲で、LEVEL 42の持ち味であるグルーヴさとファンクなリズムとは一線を画す"渋め" のギターのサウンドとサックスのソロによるN.Y.勢のフュージョン・ミュージック・バンドのサウンドを強く感じます。
9曲歌詞付 写真ライナー U.S.製 (輸入盤) 収録時間:49分41秒 (尚、このLEVEL 42は、'01年に再結成されオリジナル・メンバーMIKE・LINDUPも '06年に加わり新アルバムが制作され '10年には結成30周年を記念したワールド・ツアーも行われています)'10年6月13日再更新


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写真  THE LILAC TIME / Paradise Circle
 ・1989 PHONOGRAM LIMITED(LONDON)    838 641-2

STEPHEN・DUFFY率いるTHE LILAC TIME・・・

STEPHEN・DUFFY率いるTHE LILAC TIME '89年のセカンド・アルバム(STEPHEN DUFFY AND THE LILAC TIME名義を含まず)です。
このアルバムでのTHE LILAC TIMEのメンバーは、NICK・DUFFY:バンジョー/ウクレレ/ペダル・スティール/アコーディオンと、STEPHEN・DUFFY:ヴォーカル、MICHAEL・GIRI:ギター/キーボード/ドラム/パーカッション/プログラミング/バック・ヴォーカル、MICKY・HARRIS:ベースの4人にゲストとしてにKATE・ST・JOHN:クラリネット/バック・ヴォーカルが参加しています。
尚、プロデュースは、前作(セルフタイトル・アルバム)同様TONY・PHILLIPSとSTEPHEN・DUFFYの共同で行われています。

1曲目"American Eyes"(2:32) 12弦ギターの爽やかな音色とハーモニーが美しい曲です。曲のタイトルに関係あるのでしょうかハーモニーやサウンドなど非常にアメリカのTHE BYRDSの雰囲気を感じさせます。
2曲目"The Lost Girl In The Midnight Sun"(3:59) STEPHENの少し頼りなさそうなヴォーカルとマンドリンのメロディが織り成すカントリー風な曲です。小気味よく繰りだされるドラムのリズムに体を揺さぶられます。
3曲目"The Beauty In Your Body"(3:49) フレットレス・ベース(シンセか?)の音色が印象に残る静かな曲ですが、エモーショナルなものを感じます。このアルバムから最初に気に入ったクールさ今も感じさせます。
4曲目"If The Stars Shine Tonight"(3:40) アコーディオンとペダル・スティール・ギターの音色が悲しみを誘うポップな秀作です。この曲も乗りの良いリズムをサウンドを聴かせます。
5曲目"The Days Of The Week"(3:30) この曲もハーモニーが美しい曲で基本的にはフォーキーなカントリー調です。
6曲目"She Still Loves You"(3:22) アコースティック・ギターの哀しい調べのセンチメンタルな曲です。
7曲目"Paradise Circus"(1:24) アコーディオンによる1分半程度の曲です。多分、曲毎の詳しいクレジットは無いのですが、クラリネットは元THE DREAM ACADEMYのKATE・ST・JOHNでしょう。
8曲目"The Girl Who Waves At Trains"(4:02) ファンカ・ラテーナのリズムのキャッチーな曲です。
9曲目"The Last To Know"(2:57) リッケンバッカーの12弦ギターのサウンドが爽やかで少し"センチ" なポップです。
10曲目"Father, Mother, Wife And Child"(6:28) 6分半もある曲でバンジョーと残響の使い方はTHE DREAM ACADEMY風に。
11曲目"The Rollercoaster Song"(3:04) リヴァーブの効いたグレッチのギター・サウンドで、少しロカビリー風に仕上げています。
12曲目"Work For The Weekend"(4:34) 牧歌的なポップです。
13曲目"Twilight Beer Hall"(1:38) 40秒弱のピアノの静かな曲です。
11曲歌詞付 15ページ物(1ページ空白)写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:44分04秒 (STEPHENの事を「元DURAN DURANの...」何て言うくだらない説明はいらないでしょうね、彼は彼で本当に素晴らしいアーティストですから)'10年7月5日再更新


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写真  LINNEA OLSSON / Ah!
 ・2011 Götterfunk Productions    GFP001

チェロの音色が存分・・・

このアルバムは、スウェーデンのハルムスタッドでインディペンデントに活躍しているS.S.W.LINNEA・OLSSONの '12年2月15日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
'11年2月にLINNEA・OLSSONが在籍しているPAINTBOXの2枚目のアルバム・リリースよるツアーを敢行し、自身の単独ライヴもドイツで行い、このアルバムをリリースした後もANE・BRUNのサポート・メンバーとして全英/全米ツアーとして忙しく活動し、その後、PETER・GABRIELのバック・ヴォーカルとしてツアーにも参加しています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LINNEA・OLSSON:ヴォーカル/チェロ/マルチ・インスツルメント/プロデュースの他、FREDRIK "GICKEN" JOHANSSON(PAINTBOX):ダルブカの少人数での収録です。
尚、LINNEAの表示は、アキュート付文字(LINNÉA)が正式と思われますが、今作の表示には、アキュート無しとして表示されている為、本レビューでは省略しています。

1曲目"The Ocean"(4:14) 荘厳さえ感じさせる静寂の中に響くチェロの調べと多重によりLINNEAが丁寧に重ねたチェロの旋律が敷き詰められたインストゥルメンタルです。
2曲目"Ah!"(3:26) 巧みにチェロを奏でながら歌うLINNEAの得意とする各パートを多重とレコーダーを操りながら展開される曲です。時より発する"Ah!" の吐息混じりの歌声が可愛く聴こえますね。
3曲目"Giddy Up!"(4:30) '11年10月15日ダウンロード販売によるシングル曲です。センチメンタルなメロディが非常に似合うLINNEAのチェロの調べと彼女の歌声が響いて来ます。この曲も"Ah!" と同じく非常に早口で最初は理解しにくかった"Giddy Up!" の部分が印象的です。
4曲目"Guilt"(3:00) 吐息混じりのその歌声をイントロからセンチメンタルな雰囲気を醸し出す曲です。訥々と歌うLINNEAが傷ついた心を表現したナンバーです。
5曲目"All 4 U"(2:58) サウンドをポップな方向に移してきたリズミカルな響きの曲です。可憐なLINNEAの歌声とチェロの調べによる軽めのリズムをまた、軽めにさらっと仕上げたラヴ・ソングですね。
6曲目"It's OK"(4:34) 不思議な残響音を奏でるチェロの爪弾きと弓による幻想的な調べが組合されたヒーリング系インストゥルメンタルです。
7曲目"Fortune"(3:23) ダークな雰囲気で展開される美しいメロディを聴かせる曲です。1人で付けたハーモニーやチェロの幾重にも重ねた演奏など1人で制作する拘りやストィックさを鋭く感じます。
8曲目"Summer"(4:46) 曲名をリフレインに使ったほぼインストゥルメンタルによるヒーリング・ソングです。北欧の人々が待ち焦がれる季節を描写したメロディとサウンドを様々な"Summer" が表現されています。
9曲目"Dinosaur"(3:25) '11年1月31日にシングルとしてリリースされたデビュー曲です。PAINTBOXで活動していた時よりも数段アイドル的なイメージを感じさせるビデオも制作されています。
10曲目"Never Again"(3:39) 室内交響曲風にアレンジされたゆったりとした流れを感じさせる曲です。前の曲"Dinosaur" とは対極に位置する曲のようです。しっとりと歌い上げるLINNEAの歌声がそっと響いて来るのです。
11曲目"Goodbye"(3:38) この曲も幾重に重ねられたチェロの調べが広がる曲です。低域から高域までのチェロの音色による落ち着いたハーモニーを存分に聴かせるインストゥルメンタルです。
7曲歌詞付 写真ライナー E.U.製 (輸入盤) 収録時間:41分37秒 (バンドPAINTBOXとはまた違った魅力を感じさせるLINNEA・OLSSONのデビュー・アルバムです)'12年5月26日更新


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写真  LISA EKDAHL / Lisa Ekdahl
 ・1994 EMI SVENSKA AB    EMI 4750992

LISAのイノセントヴォイスと・・・

スウェーデンのストックホルム生まれのLISA・EKDAHL '94年2月21日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LISA・EKDAHL:ヴォーカル/ギターの他、GUNNAR・NORDÉN:ギター/ベース/キーボード/アコーディオン/プロデュース、CHRISTER・JANSSON:ドラム/パーカッション、RAFAEL・SIDA:パーカッション、BILL・ÖHRSTRÖM:ハーモニカ/コンガ、HECTOR・BINGERT:フルート/ソプラノ・サックス、ULF・ADÅKER:トランペット、CHRISTINA・WIRDEGREN:チェロ、MARIANNE・FLYNNER:バック・ヴォーカルのスウェーデン勢です。
尚、LISAはこのアルバムで、'94年のスウェーデンのグラミー賞最優秀アルバム部門を受賞('95年受賞)しています。

1曲目"Öppna Upp Ditt Fönster"(3:46) 母国語で歌われるフォーク調の長閑なサウンドとメロディの曲です。彼女独特の舌を巻く歌い方の節回しが印象的で、どことなく"Quantanamerra" のメロディに似た雰囲気をもっています。
2曲目"Benen I Kors"(3:24) ブルース・ハーモニカの"渋い" イントロによる曲で初期のB.K.O.のサウンドと通じるもの感じます。溜息を交えたLISAのイノセントヴォイスと"クール" に徹したバックメンバーのサウンドとの調和が興味深いです。
3曲目"I Tveksamhetens Tid"(2:27) 北欧らしい清楚で静寂の中に響く弦楽器でのフォーク・スタイルでの曲です。LISAの優しい歌声とアコースティック・ギターの調べでの落ち着いた曲です。
4曲目"Jag Skrek"(2:42) ボサ・ノヴァ調の少しアップテンポの曲です。全編に渡って流れるフルートとアコーディオンのサウンドとラテンのリズムでは妖艶さを増す不思議なLISAの歌声です。
5曲目"Åh Gud"(3:01) フランスの音楽にインスパイアされたような少し悲しいメロディにメランコリックな曲です。コーラスも付けずにLISA1人歌声に的を絞ったアレンジです。
6曲目"Sanningen I Vitögat"(2:26) スウェーデンのジャズ界のベテランHECTOR・BINGERTのフルートとアコースティック・ギターでのトラディショナル・フォーク・ダンス・ミュージックのようなイメージの曲です。
7曲目"Det Är En Nåd"(1:53) ナイロン弦ギターでの弾き語りのシンプルな曲です。ギターの演奏でバックからサポートしているのは、名プロデューサーでもあるGUNNAR・NORDéNです。
8曲目"Vem Vet"(3:03) フランスのシャンソンのメロディに近いサウンドを待った曲です。ベテラン・トランペッターのULF・ADKÅERのトランペットの音色が良いですね。
9曲目"Jag Bara Vet"(2:41) 煌びやかなでエバーグリーン的な響きを持ったアコースティック・ギターのサウンドにCHRISTINA・WIRDEGREN(SILJE・NERGAARD)のチェロの調べが心地好い曲です。
10曲目"Flyg Vilda Fagel"(1:59) 北欧のトラッド・フォークの要素を持った曲のようです。吟遊詩人の奏でる演奏と歌の調べをシンプルな演奏スタイル仕立てでの収録です。
11曲目"Påjakt Efter Solen"(3:37) 母国語の持つ雰囲気と響きは同じくスウェーデンで活躍しデビュー時期も同じCAJSA・STINA・ÅKERSTRöMの歌に通じるものを感じます。ソプラノ・サックスとオルガンの心地好い響きのソフトな曲です。
12曲目"Kunde Jag Vrida Tiden Tillbaka"(2:47) 再びボサ・ノヴァかスパニシュ調のサウンドスタイルによるナイロン弦ギターの調べの曲です。フルートとアコーディオンのサウンドに時折捲くし立てるように歌われるLISAのヴォーカル・スタイルです。
13曲目"Du Sålde Aåra Hjärtan"(4:08) クラヴィネットの非常に美しいメロディでのイントロが印象に残る心地好い曲です。ゆったり歌うLISAの優しい歌声と透明感のある曲全体の響きは北欧ならではです。
14曲目"Ro Och Lisa"(:26) アルバム発売当時はシークレット・トラックとなっていた曲です。30秒足らずのLISAのアコースティック・ギターでの弾く語りでの生トラックです。
歌詞無し 写真ライナー オランダ製 (輸入盤) 収録時間:38分24秒 (この後サウンド路線をジャズと英語の歌詞に変更したLISAですが、再びこの頃のサウンドに戻って来ているようです)'10年7月5日再更新


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写真  LISA MISKOVSKY / Lisa Miskovsky
 ・2001 STOCKHOLM RECORDS    013502-2

彗星の如く現われた実力派の新人・・・

スウェーデンで活躍するLISA・MISKOVSKYは、スウェーデンの '04年度グラミー賞ベスト新女性ポップ・シンガーの座に輝いた実力派のギター/ヴォーカリストです。このアルバムは彼女の '01年4月25日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
'04年にはボーナストラック付き全19曲入りが本国で2枚目のアルバムのリリース後に再発売もされています。
またLISAは、BACKSTREET BOYSのメンバーと一緒に曲を書いたりROB・THOMAS(MATCHBOX 20)と親交があります。全体のサウンドは、KELLY・CLARKSONに似たPOP調の曲が多いですが、バック・ミュージシャンの協力によりアイルランドのGEMMA・HAYESの曲にも似たオルタナティヴ・サウンドも持ち合わせています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LISA・MISKOVSKY:ヴォーカル/ギターの他、FREDRIK・RINMAN:キーボード/ギター/プロデュース、MALCOLM・PARDON:ベース/ギター/ドラム/プロデュース、JANNE・ROBERTSON:ドラム、PETER・FORSS:ベース、MAGNUS・FRYKBERG:キーボード/プログラミング/プロデュース、JOHAN・LINDSTRÖM:ペダル・スティール、OLA・GUSTAVSSON:ギター、JOAKIM・MILDER:ストリングス・アレンジ、LARS-ERIK・PERSSON:チェロ、EVA・FAHLÉN:ヴィオラ、DANIEL・MÖLLER:ヴァイオリン、DAVID・BJÖRKMAN−SELHAG:ヴァイオリンのスウェーデンでは、お馴染みミュージシャン達が参加しています。尚、プロデュースは、収録が行われたスタジオ毎に担当が分かれています。

1曲目"Quietly"(4:10) エレクトリック・ギターのオルタナティヴなリフに合わせて歌われるLISAのエモーショナルで力強い歌声によるビートの効いた曲です。
2曲目"Driving One Of Your Cars"(3:47) シングルカットされたスウェーデンでのヒット曲です。MALCOLM・PARDON(JOEY・TEMPEST'S BAND)のピッキングによるベースのドライヴ感のあるキャッチーなサウンドが好いですね。
3曲目"Dallas Friends"(4:11) アコースティック・ギターの響きを大きくフュチャーしたギター・バラードです。FREDRIK・RINMAN(JOEY・TEMPEST'S BAND)のオルタナティヴなギターサウンドによる間奏で美しくしかもインパクトのある曲となっています。
4曲目"Don't Say Goodbye"(3:29) ギターサウンドの乗せて歌うLISAのチャーミングな歌声からダイナミックに力強く展開する曲で後半はハードな歌声とサウンドとなっています。
5曲目"What If"(3:40) 美しく煌びやかな響きのギターのサウンドと今のアメリカの女性ギター・シンガー風の曲です。身近な友人の事を歌った歌詞の内容と親しみ易いキャッチーなメロディでの曲です。
6曲目"Handbag"(4:26) イントロのアコースティックのピッキングが"渋い" ですね。歪ませたハードなギター・サウンドとオルタナティヴなパワーをご堪能あれ。
7曲目"Leftovers"(3:52) アップテンポなリズムによるグルーヴ感の堪らない曲です。LISAの弾くギターのサウンドとエレクトリックギターの心地好いサウンドが調和した乗り好い曲です。
8曲目"Sister"(3:22) アシッドなサウンドのイントロとスローなリズムに曲で、LISAの哀愁感漂う歌声によるコンテンポラリー・ブルースでしょうか。
9曲目"Sad Lullaby"(4:22) この曲はセッション・ジャズドラマーのJANNE・ROBERTSONのビートが効いた素晴らしい曲です。ブリティッシュテイスト溢れる歯切れの良いギターのサウンドとリズム共申し分ない曲です。
10曲目"How To Stop"(3:25) ギター1本での彼女の弾き語りです。彼女本来のサウンド・スタイルは、このような曲にあるのでしょうか。LISAのエモーショナルでありセンシティブルな切ない歌声による曲です。
11曲目"Paperback Boy"(4:33) ポップなメロディによるギター・サウンドの溢れる曲です。この曲でのLISAの歌声は、軽く明るくさり気なく歌っています。バックで幻想的に響くペダル・スティール・ギターは、サウンドの職人JOHAN・LINDSTRÖM(ABBA,REBECKA・TÖRNQVIST)です。
12曲目"Ready For The Fall"(3:47) ダイナミックな響きを持つ曲でぶっ太いギターとベースのサウンドによるエモ・ギター・サウンドの曲に乗せLISAの熱い歌声による曲です。
13曲目"Mary Bell"(3:02) LISAのアコースティック・ギターでの弾き語りです。キーボードのサウンドも非常に控えめで彼女の美しく伸びやかな歌声と力強いギター・サウンドを際立たせる演出です。
歌詞無し 12ページ物写真ブックレット ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:50分13秒 (6曲作詞/作曲,7曲共作で彼女の弾くギターにて作曲されています。サウンドの傾向は、プロデューサーに依存するところがありますので2枚目からガラット変わってくる可能性があるかも?)'10年7月6日再更新


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写真  LISA MISKOVSKY / Fallingwater
 ・2005 UNIVERSAL MUSIC AB.    9871660

UK発特別限定盤です・・・

スウェーデンで活躍するLISA・MISKOVSKYは、'01年にデビューした新進のS.S.W.でギターの他キーボード演奏するマルチ・プレイヤーです。このアルバムは通常盤にボーナス・トラック2曲を追加した特別限定盤でUKより '05年6月13日にリリースされました。
尚、ボーナストラックなしの通常盤は、スウェーデンから '03年10月31日にジャケ違いでリリースされています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LISA・MISKOVSKY:ヴォーカル/ギター/キーボードの他、JOAKIM・BERG:ギター/バック・ヴォーカル、LARS・HALAPI:ギター/ペダル・スティール、MARTIN・VON・SCHMALENSEE:ギター/ブズーキ/ピアノ、HEIKKI・KIVIAHO:ベース/バリトン・ギター/バック・ヴォーカル、SAMI・SIRVIÖ(KENT):ギター、SIMON・NORDBERG:ストリングス/メロディカ/シンセサイザー、GORAN・KAJFES:トランペット、MAGNUS・BROO:トランペット、DAVID・NYSTRÖM::キーボード/バック・ヴォーカル、MARTIN・LANDQUIST:シンセサイザー、JÖRGEN・WALL:ドラム/パーカッション/ピアノの前作に続きスウェーデンのお馴染みのミュージシャン達です。

1曲目"Lady Stardust"(4:42) HPでビデオ・クリップになっている曲でLISAの弾くアコースティック・ギターの音色によるカントリータッチのポップな曲です。憧れの女性シンガーがテレビや映画の中で歌を歌うシーンを描いた曲でこの曲を含み今回は、LISAとJOAKIM・BERG(KENT)と全曲共作です。
2曲目"A Brand New Day"(3:45) 1曲目を更にカントリー色を濃くした曲調の懐かしいアメリカン・サウンドの曲です。スウェーデンの人たちはこの手のサウンドが非常に好きなようですね。
3曲目"Sing To Me"(4:34) この曲もビデオクリップになっている曲でバックに流れるアグレッシヴなギターのオルタナティヴなサウンドが非常に印象に残る曲です。LISAの1枚目の"Driving One Of Your Cars" と通じるサウンドでヒットの予感のする曲です。
4曲目"You Dance Just Like Me"(3:14) カントリー・サウンドの乗せて歌うLISAのチャーミングな歌声での曲です。カントリーチックなペダルスティールでLARS・HALAPI(Ex.BO KASPERS ORKESTER)が参加しています。
5曲目"Sweet Dreams"(3:19) 少し土臭さを増した曲調のフォーク調の曲です。アコースティック・ギターのしっとりした響きとアコーディオンの古びたサウンドを掛け合わせた落ち着いた雰囲気にLISAのスキャット・ヴォーカルも入れて仕上げています。
6曲目"One Dark Night"(4:43) アコースティック・ギターのサウンドを主体としたスローなナンバーです。LISAのセルフハーモニーによるゆったり流れる落ち着いた曲です。
7曲目"Midnight Sun"(3:47) ギターのサウンドたっぷりなアップテンポなナンバーです。ベースとドラムとオルタナティヴなギターのサウンドのバランス感覚素晴らしい1曲です。
8曲目"Butterfly Man"(4:47) 静かに囁くように弾かれるピアノの調べのイントロに導かれて登場するLISAの美しい歌声による清涼感溢れる曲で後半の盛り上がりは素晴らしいです。
9曲目"Restless Heart"(5:22) スキャットヴォーカルを所々に使ったゆったりした曲です。何故か日本の歌謡ポップスに非常に近いメロディとリズムの落ち着いた雰囲気よりチョット笑いが込上げて"ニヤッと" させられる曲です。
10曲目"Joan Of Arc"(5:02) 前作での彼女の雰囲気を残した爽やかさを持った曲です。HEIKKI・KIVIAHO(SATOR)のベースとバリトン・ギターのサウンドが非常に決まっています。時折自然に裏返るLISAの歌声が好いですね。
11曲目"Take Me By The Hand"(3:55) 明るいサウンドによるポップな曲です。この曲でもバリトンギターの煌びやかな音色が華を添えています。歌詞の内容はCCMシンガーが歌うような内容と似た歌詞です。
12曲目"Back To Stoneberry Road"(3:03) JOAKIM・BERGとのデュエット曲でLISAの弾くウーリッツァーの音色に近いローズの少し哀しげな音色によるスウェーデン盤でのラストの曲です。JOAKIM の優しく響く歌声も心を打たれます。
13曲目"Shells(Bonus Track)"(4:54) シングル盤"Lady Stardust" のカップリング曲です。LISAのアコースティック・ギターでの弾き語りでシンプルなメロディによるゆったり流れる5分近くの曲です。アコースティック・ギターのバックアップは、再びLARS・HALAPIです。
14曲間目"Please Forgive Me(Bonus Track)"(5:38) アコースティック・ギターに絡みつく硬質で煌びやかなギターのサウンドによるミドル・テンポのしっとりした曲です。LISAの美しい歌声による5分半におよぶ曲です。このようなボーナストラックなら大歓迎です!
全14曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット E.U.製 (輸入盤)収録時間:60分56秒(1作目と違って曲はプロデューサー兼ギターリストのJOAKIM・BERGとのコラボによる作品で、オルタナティヴなサウンドを前面に出すと思いましたが、意外とポップ色を更に増した作品でまとめています。尚、LISAには2人の妹NINAとCAROLINAとがいて、LISAの8歳年下の CAROLINAが '05年に歌手デビューしています。現在、NINAは、ジャマイカ在住でダンスの関連の仕事をしているようです)'10年7月6日再更新


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写真  LIVING IN A BOX / Living In A Box
 ・1987 Chrysalis Records Limited     CDL 1547

RICHARDの"黒い艶" による歌声・・・

このアルバムは、イギリスで活躍していたエレクトロニカ・ダンス・ミュージック・バンドLIVING IN A BOXの '87年5月に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RICHARD・DARBYSHIRE:ギター/ヴォーカル、MARCUS・VERE:キーボード、ANTHONY(TICH)CRITCHLOW:ドラムのLIVING ON A BOXの3人組の他、PAUL・JACKSON JR.:ギター、"READY" FREDDY(FREDDIE)・WASHINGTON:ベース、PAUL・FOX:キーボード、RICHARD・GIBBS:キーボード、RICK・O'NEILL:キーボード、STEVE・PIGOTT:キーボード、JOHN・VAN・TONGEREN:キーボード、PAULINHO・DA・COSTA:パーカッション、PAULETTE・McWILLIAMS:バック・ヴォーカル、LISA・FISCHER:バック・ヴォーカル、MYRNE(MYRNA)・SMITH-SCHILLING:バック・ヴォーカル、TESSA・NILES:バック・ヴォーカル、SCARLET(SCARLETT)・VON・WOLLENMAM:バック・ヴォーカル、LINDA・TAYLOR:バック・ヴォーカルのイギリスとアメリカの有名ミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、スタジオ・ドラマーの出身であるRICHARD・JAMES・BURGESS(THE BUGGLES,WHEN IN ROME)が担当し、非常にドラム・プログラミングの効いたタイトなビート群のアルバムに仕上がっています。

1曲目"Living In A Box"(3:02) バンド名と同じ曲名を持ったLIVING ON A BOXのデビュー・シングル曲であり、全英シングル・チャート5位を記録した曲です。シンセザイザーによる強めのビートにRICHARDのその特徴である"黒い艶" の歌声がダンス・ビートに乗せて肉迫して来ます。
2曲目"Love Is The Art"(3:39) エモーショナルなドラムのビートがイントロから流れる"クール" なサウンドとメロディによるキーボードのMARCUSとドラムのANTHONYとキーボードのSTEVE・PIGOTT(10CC,BARCLAY JAMES HARVEST)の3人で書かれています。リフレインによる歌詞の流れをダンス・ビートに乗せたこの曲でもRICHARDの歌声が好いですね。
3曲目"So The Story Goes"(4:19) 当時、シングル・カットされたシンセサイザー・ベースのサウンドが非常に効いたミドル・テンポの曲で、MARCUSとRICHARDの共作です。この曲は、ロス・アンゼルスで収録されBOZ・SCAGGSのバックなど務めていたPAULETTE・McWILLIAMS、LISA・FISCHER、MYRNE・SMITH-SCHILLINGの女性ヴォーカルの歌声が素晴らしく響いています。
4曲目"From Beginning To End"(4:01) やっとスローな曲の登場ですね。目を閉じてしっくりとRICHARDの歌声を聴いていると本当に黒人ソウル・シンガーみたいな歌声が滑らかに響いて来ますね。また、間奏から登場して来るPAUL・JACKSON,JR.の非常に滑らかでソフトなギターのサウンドによるソロが非常に心地好く響いているのです。
5曲目"Generate The Wave"(4:48) 再びシンセサイザー・ベースのサウンドが強くイントロから響くダンス・ビートの曲です。サウンドとリズム的には1曲目の"Living In A Box" と共通性のあるテンポと乗りの良さを非常に感じます。
6曲目"Scales Of Justice"(4:20) このアルバムからのシングル・カット第2弾の派手なダンス・ビートによる全英シングル・チャート30位の曲です。この曲でもPAUL・JACKSON JR.の早弾きによるギター・ソロが圧巻ですね。
7曲目"Going For The Big One"(3:35) 非常にファンキーなチョッパー・ベースのサウンドを取り入れたこの曲もダンス・ビートの曲ですが、随所にドラマチックな展開とPAUL・JACKSON JR.の卓越したギターのサウンドと聴きどころも満載なのです。
8曲目"Human Story"(4:10) 今度は少しテンポを落として来たエレクトロニカ・ポップな曲の登場です。シンセザイザー(モーグ)のベース・サウンドが底辺で低く流れながれに合わせて時折シャウトする歌声を響かすRICHARDです。
9曲目"Can't Stop The Wheel"(5:17) この曲もモーグによるベースのサウンドの響きかが強烈に響いている曲です。間奏で登場するギターのサウンドは、JAY・GRAYDON張りのオーバー・ダブによるギター・ハーモニックスのサウンドが興味深いですね。
10曲目"Living In A Box(Reprise)"(3:10) 1曲目の"Living In A Box" の7インチ・シングル盤のB面に収録されているボストン出身のDJ/プロデューサーARTHUR・BAKER(NEW ORDER,BRUCE・SPRINGSTEEN)によるインストゥルメンタル(The Penthouse Mix)リミックスです。
歌詞無し LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:40分21秒 (このアルバムがリリースされた '87年のイギリスでは、JOHNNY HATES JAZZ(シングル盤デビュー)、BREATHECLIMIE FISHERBLACKなど音楽もルックスも本当にカッコ良いバンド/シンガーがデビューしていましたね !)'10年5月7日再更新


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写真  LIVING IN A BOX / Gatecrashing
 ・1989 Chrysalis Records Limited    CP32-58320

爆発的なヒットをしたデビュー・アルバムの後・・・

LIVING IN A BOXと言えば '87年のセルフタイトルのデビュー・アルバムが日本で有名ですが、このアルバムは、彼らの2枚目のアルバムで、'89年5月3日、国内でのリリースです。
LIVING IN A BOXメンバーは、RICHARD・DARBYSHIRE:ギター/ヴォーカル、MARCUS・VERE:シンセサイザー/キーボード、ANTHONY・CRITCHLOW:ドラムの3人組で、'85年にSheffield(England)で結成されました。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、前出の3人以外にPAUL'Wix'WICKENS:キーボード、NICK・PLYTAS:キーボード、WILL・MOWAT:キーボード、IAN・GREEN:ベース、TIM・CANSFIELD:ギター、BRIAN・MAY(QUEEN):ギター、HUGH・BURNS:ギター、DANNY・CUMMINGS:パーカッション、CHRIS'Snake'DAVIES:サックス、JOHN・CIRKELL:ホーン、PETE・BEACHILL:ホーン、LANCE・ELLINGTON:バック・ヴォーカル、MAE・McKENNA:バック・ヴォーカル、MAGGIE・RYDER:バック・ヴォーカル、MIRIAM・STOCKLEY:バック・ヴォーカル、STEVE・LANG:バック・ヴォーカル、TESSA・NILES:バック・ヴォーカルのイギリス勢です。

1曲目"Unique"(3:42) 女性陣のバック・ヴォーカルに促されて登場するRICHARDの太くシルキーな黒染めされた歌声によるダンサブルなビートによる1枚目に通じるLIVING IN A BOXサウンドの曲です。
2曲目"Blow The House Down"(4:19) ホーン・セクションを配した煌びやかなサウンドとゴージャスなバック・ヴォーカルはTESSA・NILES(TEARS FOR FEARS)で素晴らしい歌声を披露しています。
3曲目"Day After Tomorrow Night"(3:37) アルバムの収録では定番の曲のテンポを少し落とした3曲目のナンバーです。HUGH・BURNSの素晴らしいナイロン弦の響きを取り入れた心地好いグルーヴの曲です。
4曲目"Touch Sensitive"(3:43) ベース・シンセサイザーの低く唸るサウンドでのグルーヴ感のある曲で素晴らしいカッティング・サウンドのギターは、TIM・CANSFIELD(BEE GEES)でしょう。
5曲目"All The Difference In The World"(4:27) この曲は、RICHARDの大得意とするメロウでソウルフルなバラードです。シンセサイザーのMARCUSとRICHARDとの共作です。CHRIS・DAVIES(INCOGNITO)のたっぷり響くサックス・ソロを取り入れた曲です。
6曲目"Gatecrashing"(3:14) エレクトロニカのサウンドと畳み掛けるようなビートによる前作の"LIVING IN A BOX" に通じる曲です。
7曲目"Mistaken Identity"(3:53) ポップ・エレクトロニカのビートによるファンクなナンバーです。ハードなギターワークと打ち込みのリズムの交差する曲です。
8曲目"Live It Up"(3:51) ホーン・アレンジが爽やかなナンバーでRICHARD のヴォーカルと交互に交わされるバック・ヴォーカルの美しいハーモニーによる曲です。
9曲目"Different Air"(4:04) ミドル・テンポの美しいメロディによる曲でこの曲でもTIM・CANSFIELDは素晴らしいギターのサウンドを聴かせてくれます。
10曲目"Room In Your Heart"(4:31) 後に発売されるRICHARD・DARBYSHIREのソロ・アルバムの収録曲"Touched By The Hand Of God" と並ぶ非常に美しいメロディ持ったメロウでしっとりと流れるテンポのバラードです。
11曲目"Bed Of Roses"(3:42) (国内盤ボーナストラック) 再びダンス・ビートの曲へと展開します。この曲は、RICHARDとMARCUSとANTHONYの3人で書かれています。アウトロは大きく変調し別の曲調へと展開します。
12曲目"Dance The Mayonnaise"(3:38) 国内盤ボーナストラックです。ライヴ仕立てで収録されたダンサブルな曲で、サックス・ソロのアドリブとドラムでのブラックミュージックシーンのサウンドによる曲です。
全12曲歌詞/訳詞付 写真ライナー (国内盤) 収録時間:46分44秒 (爆発的なヒットを記録したデビュー・アルバムの後の彼らの2枚目のアルバムでしたが、これが最後のアルバムとなりました。3作目は、収録直前にレコード会社の方針変更により残念ながら制作されませんでした)'10年7月7日再更新


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写真  LONDON GRAMMAR / If You Wait
 ・2013 Metal & Dust Recordings Ltd.    MADART1

Yes,I'm waiting for them・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているエレクトロニカ/チル・アウト・ミュージック・バンドLONDON GRAMMARの '13年9月9日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
LONDON GRAMMARのメンバーは、HANNAH・REID:ヴォーカル、DAN・ROTHMAN:ギター/バック・ヴォーカル、DOT・MAJOR:キーボード/ドラム/ジャンベ/プログラミング/バック・ヴォーカルの3人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、大半の楽器の演奏しているLONDON GRAMMARの3人の他、TIM・BRAN:キーボード/プログラミング、ROY・KERR:プログラミング、WIL・MALONE:指揮/ストリングス・アレンジ、THE CITY OF PRAGUE PHILHARMONIC ORCHESTRAが参加しています。
尚、プロデュースは、TIM・BRAN(THE VERVE,RICHARD・ASHCROFT,LA ROUX)、ROY・KERRとLONDON GRAMMARの共同で行われています。

1曲目"Hey Now"(3:21) '12年12月にSoundcloudにアップされた曲です。穏やかなキーボードの調べがイントロから流れますが、HANNAHの孤高で聴く者を平伏させるような荘厳な歌声が圧巻でキーボードとのサウンドとが非常に対照的なイメージです。また、この曲に魅了され私をLONDON GRAMMARの魅力に強く惹きつけた曲でもあります。
2曲目"Stay Awake"(3:04) メランコリックな調べを奏でるギターとピアノの調べがイントロを過ぎた辺りから広がる先に登場した"Hey Now" とはまた違った雰囲気を漂わす曲です。コンパクトながらも心地好いギター・サウンドを聴かせるDANやDOTの意欲的なドラムのビートも好い感じですね。
3曲目"Shyer"(3:05) HANNAHがその魅力的な歌声を聴かせるバラードの登場です。低いキーから高く伸びあがる歌声を聴かせるHANNAHとその美しい歌声に寄り添うバック・ヴォーカルの歌声の流れも切なく響きます。
4曲目"Wasting My Young Years"(3:19) ヴォーカルのHANNAHの元カレのことを歌ったナンバーで、6月にシングル盤としてリリースされています。どうやって撮影されているのか非常に不思議なビデオもどうぞ。
5曲目"Sights"(4:13) 少し古びたアップライト・ピアノの調べがイントロから流れるこの曲もメランコリックな調べを聴かせる曲です。一言で表現するのは難しいでしょうが上品なチル・アウト・ミュージックに荘厳なストリングスを絡めた鳥肌ものの音楽です。
6曲目"Strong"(4:34) 7月後半にビデオがアップされたこのアルバム・リリースの前宣伝になっている曲です。非常にエコーを効かせて空間に広がるHANNAHの歌声に聴き入る曲でもあります。でも強い男を表現したこのビデオは、ちょっとやり過ぎかな。
7曲目"Nightcall"(4:28) 低いキーから歌い始めるHANNAHの落着いた歌声に続いて登場するメランコリックな調べを聴かせるDANのギターとDOTのピアノの調べです。次第にサウンドを厚くダイナミックな方向へと移します。
8曲目"Metal & Dust"(3:28) 自身のレーベル名にもなっているドラム"ン" ベースを使ったエレクトロニカ・ミュージックの曲です。アルバムのリリース前からのエレクトロニカ・ミュージックのイメージが強い為、LONDON GRAMMARの音楽=エレクトロニカ・ミュージックと表現されているようですが、このアルバムを通して聴く感じは、少しイメージが違うようですね。
9曲目"Interlude(Live)"(3:59) ゆったりと奏でられるDOTのピアノの調べに合わせてこれまたゆったりとした歌声を聴かせるHANNAHです。終焉近くではその卓越した歌唱力をDOTのアグレッシヴなドラムのビートを従えながら聴かせます。
10曲目"Flickers"(4:43) DOTの得意とするジャンベを打ち鳴らすアフリカン・ビートが響くアグレッシヴなパートとチル・アウトな部分を合わせもった素晴らしい展開を聴かせる曲です。
11曲目"If You Wait"(4:46) 前半は、殆どピアノとHANNAHの歌声で収録されているスローなシンプルな曲です。HANNAHの歌声の魅力を最大限に聴かせる演出とその演奏のバランスも計算されているようですね。
全11曲歌詞付 ポスター型ライナー 3折デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:43分05秒 (イギリスの某ネットCDショップの売り上げ第3位(本レビュー掲載時)を記録中のLONDON GRAMMARです)'13年9月21日更新
2013年度ベスト5


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写真  LONDON GRAMMAR / If You Wait (Deluxe Edition)
 ・2013 Metal & Dust Recordings Ltd.    MADART1LTD.

DISC:2も好いのです・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているエレクトロニカ/チル・アウト・ミュージック・バンドLONDON GRAMMARの '13年9月9日に本国でリリースされたデビュー・アルバムの限定Deluxe Edition 2枚組です。
LONDON GRAMMARのメンバーは、HANNAH・REID:ヴォーカル、DAN・ROTHMAN:ギター、DOT・MAJOR:キーボード/ドラム/ジャンベ/プログラミング/バック・ヴォーカルの3人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、大半の楽器の演奏しているLONDON GRAMMARの3人の他、TIM・BRAN:キーボード/プログラミング、ROY・KERR:プログラミング、WIL・MALONE:指揮/ストリングス・アレンジ、THE CITY OF PRAGUE PHILHARMONIC ORCHESTRAが参加しています。
尚、プロデュースは、TIM・BRAN(THE VERVE,RICHARD・ASHCROFT,LA ROUX)、ROY・KERRとLONDON GRAMMARの共同で行われています。
各曲の参考レビューは、通常盤でのレビューをそのまま掲載させて頂きます。その他の仕様の違う項目のみ追加記載しました。

DISC:1 収録時間:43分05秒
1曲目"Hey Now"(3:21) '12年12月にSoundcloudにアップされた曲です。穏やかなキーボードの調べがイントロから流れますが、HANNAHの孤高で聴く者を平伏させるような荘厳な歌声が圧巻でキーボードとのサウンドとが非常に対照的なイメージです。また、この曲に魅了され私をLONDON GRAMMARの魅力に強く惹きつけた曲でもあります。
2曲目"Stay Awake"(3:04) メランコリックな調べを奏でるギターとピアノの調べがイントロを過ぎた辺りから広がる先に登場した"Hey Now" とはまた違った雰囲気を漂わす曲です。コンパクトながらも心地好いギター・サウンドを聴かせるDANやDOTのドラムのビートも好い感じですね。
3曲目"Shyer"(3:05) HANNAHがその魅力的な歌声を聴かせるバラードの登場です。低いキーから高く伸びあがる歌声を聴かせるHANNAHとその美しい歌声に寄り添うバック・ヴォーカルの歌声の流れも切なく響きます。
4曲目"Wasting My Young Years"(3:19) ヴォーカルのHANNAHの元カレのことを歌ったナンバーで、6月にシングル盤としてリリースされています。どうやって撮影されているのか非常に不思議なビデオもどうぞ。
5曲目"Sights"(4:13) 少し古びたアップライト・ピアノの調べがイントロから流れるこの曲もメランコリックな調べを聴かせる曲です。一言で表現するのは難しいでしょうが上品なチル・アウト・ミュージックに荘厳なストリングスを絡めた鳥肌ものの音楽です。
6曲目"Strong"(4:34) 7月後半にビデオがアップされたこのアルバム・リリースの前宣伝になっている曲です。非常にエコーを効かせて空間に広がるHANNAHの歌声に聴き入る曲でもあります。でも強い男を表現したこのビデオは、ちょっとやり過ぎかな。
7曲目"Nightcall"(4:28) 低いキーから歌い始めるHANNAHの落着いた歌声に続いて登場するメランコリックな調べを聴かせるDANのギターとDOTのピアノの調べです。次第にサウンドを厚くダイナミックな方向へと移します。
8曲目"Metal & Dust"(3:28) 自身のレーベル名にもなっているドラム"ン" ベースを使ったエレクトロニカ・ミュージックの曲です。アルバムのリリース前からのエレクトロニカ・ミュージックのイメージが強い為、LONDON GRAMMARの音楽=エレクトロニカ・ミュージックと表現されているようですが、このアルバムを通して聴く感じは、少しイメージが違うようですね。
9曲目"Interlude(Live) "(3:59) ゆったりと奏でられるDOTのピアノの調べに合わせてこれまたゆったりとした歌声を聴かせるHANNAHです。終焉近くではその卓越した歌唱力をDOTのアグレッシヴなドラムのビートを従えながら聴かせます。
10曲目"Flickers"(4:43) DOTの得意とするジャンベを打ち鳴らすアフリカン・ビートが響くアグレッシヴなパートとチル・アウトな部分を合わせもった素晴らしい展開を聴かせる曲です。
11曲目"If You Wait"(4:46) 前半は、殆どピアノとHANNAHの歌声で収録されているスローなシンプルな曲です。HANNAHの歌声の魅力を最大限に聴かせる演出とその演奏のバランスも計算されているようですね。

DISC:2 収録時間:22分37秒
1曲目"Help"(3:54) 穏やかに奏で始められるピアノの調べに誘われてそっと歌うHANNAHの美しい歌声が広がるスローな曲です。朝もやの中に広がるような凛としたHANNAHの歌声を美しく際立させるDOTとDANのこれまた優しい演奏が流れて来ます。
2曲目"Darling Are You Gonna Leave Me"(3:02) '13年2月25日にEP盤[Metal & Dust]のカップリング曲として先にリリースされている曲です。この曲を聴いていて想い浮かぶのが、全然違う世代とミュージシャンの曲なのですが、BOB・DYLAN '68年の曲"All Along The Watchtower" を感じるのは私だけ?。
3曲目"Help Me Lose My Mind"(4:05) 同じくイギリスで活躍しているエレクトロニカ・ミュージック・ユニットDISCLOSUREの '13年6月3日に本国でリリースされたデビュー・アルバム[Settle]にゲスト・ヴォーカル/バンドとして収録されている曲です。LONDON GRAMMARの曲としては、打ち込みのビートの強烈さなど異質と思えますが、乗りの良さは完璧です。
4曲目"High Life"(4:03) DISC:1の10曲目のスピードを抑えた感じによるアフリカン・ビートとサウンドを感じさせる曲です。金属音のするDANのギターに重いベースのサウンドがHANNAHの美しい歌声のバックに広がります。
5曲目"Maybe"(4:23) Deluxe EditionのDISC:2の収録曲について過去の同じ販売スタイルのアルバムから収録曲の良さについて余り大きな期待を寄せてはいけないと思っていたのですが、このアルバムは、本当別ものですね。 この曲を含みどの曲もDISC:1に収録されていてもおかしくないくらいの品位とクリエイティヴを痛感します。
6曲目"When We Were Young"(3:07) 今度はちょっとサウンドの方向をソウル・フィーリング溢れる方向へと向かわせます。DANやDOTの男性バック・ヴォーカルも目立つようにアレンジされ短い歌詞によるリフレインによって収録されています。
DISC:1のみ11曲歌詞付 アウター・スリーブ式 サイン入り限定ポスター型ライナー 3折紙ジャケット仕様 (輸入盤) (見出しでも文中にも書いたのですが、このDISC:2も何度も聴き入ります)'13年9月30日更新
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写真
(ライナーの裏面へサインされた限定盤です)


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写真  LONDON GRAMMAR / Truth Is A Beautiful Thing
 (Deluxe)
 ・2017 MINISTRY OF SOUND RECORDINGS LIMITED    MADART2LTD

出ました待望の2枚目・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているエレクトロニカ/チル・アウト・ミュージック・バンドLONDON GRAMMARの2枚目のアルバムで '17年6月9日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HANNAH・REID:ヴォーカル/ピアノ、DANIEL・ROTHMAN:ギター、DOT・MAJOR:ドラム/ドラム・プログラミング/キーボードのLONDON GRAMMARの3人の他、PAUL・EPWORTH:ドラム/ドラム・プログラミング、TIM・BRAN:キーボード/プログラミング、ROY・KERR:プログラミング、GREG・KURSTIN:キーボード/メロトロン/チェンバレン/シンセサイザー、WIL・MALONE:指揮/ストリングス・アレンジ、LUCIE・SEVHLOVA:コンサート・ミストレス、THE CITY OF PRAGUE PHILHARMONIC ORCHESTRAの1部前作でのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、TIM・BRAN(THE VERVE,RICHARD・ASHCROFT,LA ROUX)、ROY・KERR(BIRDY)、JON・HOPKINS、SIMON・ASKEW、BEN・BAPTIE、TOM・ELMHIRST(ヴォーカル・パート)と・LONDON GRAMMARの共同で行われています。


DISC:1 収録時間:51分53秒
1曲目"Rooting For You"(4:29) 1曲目にしては非常に落ち着いたメロディとリズムによる曲です。低いキーから歌い出すHANNAHの歌声のバックに流れるDANIELの張りのあるギターの調べは、デビュー・アルバムからの流れを引き継ぎバックのストリングスもチェコのオーケストラが弾いています。
2曲目"Big Picture"(4:41) どこかで聴き覚えのある親しみやすいメロディがイントロから流れる曲です。ちょっと前のアイルランドかスコットランド出身のバンドの空気感と同じものを感じさせます。
3曲目"Wild Eyed"(4:28) このバンドの持ち味であるダークなイメージを感じさせるスローな曲です。E-Bowで奏でるDANIELのヴァイオリン風のギターの流れから次第リズムを速めダイナミックな展開をいつも通りに聴かせます。
4曲目"Oh Woman Oh Man"(4:37) 少しR&Bからの影響を感じさせるサビを持つ曲です。ヴォーカル・パートに幾重にも重ねたHANNAHの色々な歌声もありアウトロでは、非常にシンプルに聴かせる手法を用いています。
5曲目"Hell To The Liars"(6:04) 何だかすごいタイトルの曲の登場です。歌詞の方は、大それた激しいメッセージでは無く自分達も含む地獄と称しているこの世界について淡々と歌っているようです。イングランドTHE ROUND CHAPELで行われたこの曲のライヴもどうぞ。
6曲目"Everyone Else"(4:05) イントロから興味深い弦楽器の弓を使わない爪弾きを聴かせるリズミカルな曲です。澄み切ったエコーを纏ったHANNAHの歌声とこれまたリズミカルなDANIELとDOTの演奏との調和が見事です。
7曲目"Non Believer"(4:17) 重いベース・シンセサイザーの響きとドラム・マシーンの打ち付けるビートが響くクールな曲です。そう言えばDISCLOSUREのアルバムに彼らが参加した"Help Me Lose My Mind" の影響を強く感じます。
8曲目"Bones Of Ribbon"(4:34) この曲でも非常に澄み切った歌声を聴かせるHANNAH、後半からダイナミックに荘厳な域へと誘う今回のアルバムの特筆すべきところを感じます。
9曲目"Who Am I"(4:22) 今度は、シンプルな演奏スタイルで聴かせるデビュー・アルバムの曲に近い曲です。サビの部分はドラム・マシーンを使い厚みとビートを強く効かせた演出となっています。 。
10曲目"Leave The War With Me "(5:04) JAZZ系の演奏に近いピアノの調べ合わせて歌うHANNAHの歌声に魅了される曲です。後半からもこのクールなチルさが濃厚に感じさせるところがこのアルバムで大きくステップアップしたと思えます。
11曲目"Truth Is A Beautiful Thing"(5:07) 時折高いキーで歌うHAANAHの美しい歌声が印象に残る曲です。前作でもアルバムのタイトル曲は、最後の曲から取られており、今回もその通りとなっています。また、曲調も前作ラストの曲"If You Wait" に通じると思います。


DISC:2 収録時間:27分29秒
1曲目"What A Day"(4:54) 短い歌詞をリフレインとしたこのアルバムの収録曲の様々なエッセンスを感じる曲です。この曲の要素を研ぎ澄ませ各曲へ発展させたと勝手に感じています。
2曲目"Different Breads"(3:29) デビュー・アルバムでの"Hey Now" を彷彿とさせるメロディとサウンドの曲です。孤高に響くHANNAHの歌声に聴き入ることとしましょうか。
3曲目"Control"(3:05) メロトロンやチェンバレンの演奏がイントロから広がるレトロな雰囲気を感じさせる曲です。いつものLONDON GRAMMARの曲と少し違った新しい試みを感じます。
4曲目"Trials(Demo)"(3:42) デモ曲と注釈の付いたHANNAHのピアノの弾き語りです。DANIELとDOTの演奏をミックスする前の段階の曲のようです。。
5曲目"May The Best(Church Mix)"(4:09) HANNAHの歌声をメインにしたLONDON GRAMMAR調の曲よりゴスペル調にヴォーカル部を強化したアレンジ曲になっています。
6曲目"Rooting For You(Demo)"(4:13) 1曲目"Rooting For You" をDANIELのギターの爪弾きに乗せてHANNAHが歌う曲です。歌詞もすこし違っておりDISC 1での収録より生に近いライヴのような感じがします。
7曲目"Bitter Sweet Symphony(Live at BBC Maida Vale)"(3:53) ご存じTHE VERVE '97年のヒット曲で、THE VERVEのRICHARD・ASHCROFTと共作MICK・JAGGER、KEITH・RICHARDS(クレジットについては色々あったようです)尚、ここでの収録は、スローにしたアレンジによるBBCでのライヴとなっています。
16曲歌詞付 写真ブックレット サイン入りアウター・スリーブ式 3折紙ジャケット仕様 ヨーロッパ限定盤 E.U.製 (輸入盤) (前作より4年ぶりの2枚目のアルバム、最近のバンドとしては、スローな作品作りとなっているのは、内容重視の表れでしょう)'17年9月30日更新
2017年度ベスト5
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写真
(H.P.にて先行予約販売のスリーブにサインされた限定盤です)


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写真  LONDON GRAMMAR / Californian Soil
 ・2021 Ministry of Sound Recordings LTD    MADART3

発売時期2か月遅れ・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているエレクトロニカ/チル・アウト・ミュージック・バンドLONDON GRAMMARの3枚目のアルバムで '21年4月16日(当初の予定は2月12日)に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HANNAH・REID:ヴォーカル/キーボード/プログラミング、DANIEL・ROTHMAN:ギター/キーボード/プログラミング、DOMINIC・MAJOR:ドラム/キーボード/プログラミングのLONDON GRAMMARの3人の他、HAL・RITSON:ギター、KIRSTY・MANGAN:キーボード/ヴィオラ/ヴァイオリン、CHRIS・LAURENCE:ダブル・ベース、ANDY・MARSHALL:ダブル・ベース、STEVE・MAC:キーボード、GEORGE・FITZGERALD:電子ドラム/パッド/エフェクト、CHRIS・LAWS:ドラム、HOSKINS:プログラミング、SALLY・HERBERT:指揮、RACHAEL・LANDER:チェロ、CHRIS・WORSEY:チェロ、IAN・BURDGE:チェロ、TONY・WOLLARD:チェロ、BRUCE・WHITE:ヴィオラ、CLAIRE・ORSLER:ヴィオラ、RACHEL・ROBSON:ヴィオラ、ALISON・ DODS:ヴァイオリン、EVERTON・NELSON:ヴァイオリン、IAN・HUMPHRIES:ヴァイオリン、JULIA・ SINGLETON:ヴァイオリン、MARIANNE・HAYNES:ヴァイオリン、RICHARD・GEORGE:ヴァイオリン、 RICK・KOSTER:ヴァイオリン、WARREN・ZIELINSKI:ヴァイオリン、BRENDEN・REILLY:バック・ヴォーカル、MIKE・ HOUGH:バック・ヴォーカル、PHEBE・EDWARDS:バック・ヴォーカル、SHARLENE・HECTOR:バック・ヴォーカル、VULA・MALINGA:バック・ヴォーカルのストリングスのミュージシャン達が多く参加しています。
尚、プロデュースは、大半の曲をLONDON GRAMMAR自身と一部CHARLIE・ANDREW、GEORGE・FITZGERALD、STEVE・MACとの共同で行われています。

1曲目"Intro"(2:26) HANNAHのスキャットによる非常に美しい歌声によるオープニング・ナンバーです。スペクタルな冒険映画の幕開きを想像させるような重厚なストリングの調べが響いています。
2曲目"Californian Soil"(3:41) 前作でも感じたアイルランドかスコットランドの音楽の空気感を感じる曲です。重く響くドラムのビートと揺らぎを持ったギターの調べに歌うHANNAHの姿が浮かび上がります。
3曲目"Missing "(3:36) 訥々とまた、息を継がず歌うHANNAHの歌声が特徴的な曲です。バックに控えた総勢5人のヴォーカルの歌声が広がるこのバンドの持ち味であるダークな雰囲気を醸し出しています。
4曲目"Lose Your Head"(3:20) この曲も少し聴いただけでLONDON GRAMMARの曲だと分かる曲です。HANNAHの高いキーでの歌声とバックで支えるDANIELとDOMINICの演奏との調和を強く感じます。
5曲目"Lord It's A Feeling"(4:12) 細かく奏でられるシンセのサウンドと電子ドラムによるダーク・シンセ・ポップな曲です。曲のタイトルから感じるWorshipな感じは、歌詞からあまり強くないようです。
6曲目"How Does It Feel"(3:32) この曲から少しサウンドとリズムをエレクトロニカ・ポップへと流れを変えて来た曲です。曲を一緒に書いているSTEVE・MACからの影響が少なからずあるのではないでしょうか。
7曲目"Baby It's You"(4:03) このアルバムから最初(去年8月)に紹介されたこれぞLONDON GRAMMARらしい曲です。淡々と響くシンセと電子ビートの曲にHANNAHの美しい歌声が広がって来ます。ここでの収録曲は、紹介されたビデオより約1分長く後半からの流れが少し違っています。
8曲目"Call Your Friends"(3:12) この曲も壮大なスペクタル感を持った映画音楽的な曲です。後半から再び重厚なストリングの調べも広がります。
9曲目"All My Love"(4:32) 前作でもこの曲の位置は、シンプルな演奏スタイルで聴かせる近い曲です。演奏も自分達3人だけで行いゆったりとしたサウンドとリズムによる流れを感じます。
10曲目"Talking"(3:24) シンプルな調べのピアノの調べと中東風の弦楽器の調べを醸し出す民族音楽の影響を感じる曲です。起伏を抑えたリズムとHANNAHの歌声が凛とした響きがこちらに伝わります。
11曲目"I Need The Night"(4:20) 電子ドラムのビートを強めて来たエレクトロニカ・ポップな曲です。クールに歌うHAANAHの歌声に似合う無機質なリズムがこのバンドの強みの1つではないでしょうか。
12曲目"America"(4:05) 古びたエコーを効かせたギターの爪弾きによるシンプルな曲です。どことなく60年代の後半に活躍していたイギリスの5人組のバンドの雰囲気を感じます。 歌詞をリフレインとしたこのアルバムの収録曲の様々なエッセンスを感じる曲です。この曲の要素を研ぎ澄ませ各曲へ発展させたと勝手に感じています。
11曲歌詞付 写真ブックレット 限定サイン入り2折紙ジャケット仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:44分23秒 (H.P.の先行予約は、'20年10月始め、それから盤が手元に届くまで約7か月、何度もリリースの見送りに辛抱してた甲斐がありました)'21年4月21日更新
2021年度ベスト5
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写真
(H.P.にて先行予約販売のスリーブにサインされた限定盤です)


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写真  LONDON GRAMMAR / The Greatest Love
 ・2024 MINISTRY OF SOUND RECORDINGS LIMITED    MADART4

今回も予約したことすら忘れるくらい・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているエレクトロニカ/チル・アウト・ミュージック・バンドLONDON GRAMMARの4枚目のアルバムで '24年9月13日(当初の予定は1月12日)に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HANNAH・REID:ヴォーカル/プロデュース、DANIEL・ROTHMANギター/キーボード/プロデュース、DOMINIC(DOT)・MAJOR:ドラム/キーボード/プロデュースのLONDON GRAMMARの3人の他、SETH・TACKABERRY:ベース、PABLO・BOWMAN:ヴォーカル、TIM・BRAN:プログラミング/プロデュース、EVERTON・NELSON:ストリングス、SALLY・HERBERT:指揮/ストリング・アレンジ、THE RHYTHM STUDIO CHOIR, LONDON:コーラスの1部前作でのミュージシャン達が再び参加しています。
尚、プロデュースは、大半の曲をLONDON GRAMMAR自身と一部 JON・HOSKINSGEORGE・FITZGERALD、TIM・BRANとの共同で行われています。

1曲目"House"(3:11) このアルバムからのファースト・シングル曲です。LONDON GRAMMAR好きならきっと安心して聴ける彼等の1枚目からの持ち味を聴かせます。途中で高く清い歌声を聴かせるHANNAHです。ビデオの方もどうぞ。
2曲目"Fakest Bitch"(4:19) ピアノとアコースティック・ギターの音色によるシンプルなサウンドの曲です。凛としたHANNAの歌声とアコースティック・サウンドが一種のアンプラグド的なヴァージョンのように感じさせます。
3曲目"You And I"(5:00) LONDON GRAMMER 1枚目からの持ち味をそのまま伝えて来る曲です。HANNAHの歌声を中心にバック2人のリズムとサウンドで繰り広げられるロック戯曲然としたクライマックスを迎えます。アルバム・リリースと同時にビデオも公開されました。
4曲目"LA"(4:31) 前作の[Californian Soil] からの内容に引継いた内容の曲でしょうか。HANNAHの孤高に響く歌声とバックに蠢くシンセ・ベースとストリングの音色による圧倒される雰囲気を伝えてきます。歌詞が掲載されたビデオもどうぞ。
5曲目"Ordinary Life"(3:43) 少しヴォコーダーを使ってエフェクト気味にHANNAHが歌う曲です。この曲では、HANNAHの歌声がちょっと違って聴こえるのが面白いですね。硬めと言うかドラム・マシーンのような金属音のビートと各種サンプルによる淡々した流れが過ぎ行きます。歌詞を掲載したビデオです。
6曲目"Santa Fe"(3:19) ロンドンで活躍しているS.S.W.PABLO・BOWMANがヴォーカルで参加している曲です。どこと無くリズムの感じがアフリカ/中東音楽の影響を受けているように感じます。この曲もリズムの流れは、淡々としたマシーンがカホンのようなシンプルなビートで繰り広げられています。アルバムのリリースと同時に全ての曲に歌詞を掲載したビデオがアップされました。
7曲目"Kind Of Man"(4:15) このアルバムからのシングル第2弾の曲です。イントロのギター・サウンドを聴いた時、同じくロンドンで活躍しているDAUGHTERの曲のイメージがしましたね。忙しく鳴るドラムのビートに乗せ淡々と歌うHANNAHです。この曲もビデオが制作されています。
8曲目"Rescue"(3:55) イントロ部は、ピアノの弾き語り風のアレンジから次第に各サウンドを増やして行く曲です。ここまで通しで聴いて来て思うのですが、各曲に歌詞を詰め込に過ぎず、ヴォーカル・エフェクト的な隙間を持たせたように思われます。この曲もアルバムのリリースと同時に歌詞を掲載したビデオが制作されています。
9曲目"Into Gold"(5:42) この曲は、デビュー・アルバムでの曲調を引継いだイメージがあります。ゆったり響くカテドラル・サウンドから次第にリズムを上げ非常に美しいHANNAHの歌声を中心にDANIEL・ROTHMANとDOMINIC・MAJORが彩りを添えます。ジャケ写真を使ったビデオもどうぞ。
10曲目"The Greatest Love"(4:16) この曲もLONDON GRAMMARの曲に雰囲気を醸し出し来る曲ですね。ゆったりと伸びやかに歌うHANNAHの歌声とその歌声に合わせゆったリと演奏するDOMINIC・MAJORのピアノとDANIEL・ROTHMANのギターです。この曲も歌詞が掲載されたビデオがアップされました。
全10曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット 2折紙ジャケット仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:42分15秒 (アルバムの販売予約したことを忘れるぐらい今回も長い間待たされました〜)'24年9月24日更新
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(H.P.にて先行予約販売用サインされたインサート付限定盤です)


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写真  LONG ISLAND / The Freedom Of Being Young
 ・2024 LONG ISLAND    

YouTubeのお勧めに登場・・・

このアルバムは、イギリスのほぼ中心に位置する街ハダーズフィールドで活躍しているインディ・ロック・バンドLONG ISLANDの2枚目('23年の[Infatuation's A Nightmare]のデラックス盤は含まない)のアルバムで '24年9月26日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RHIANNON・STEPHENSON:ヴォーカル、CAMERON・CONNER:ギター/プログラミング/バック・ヴォーカル/プロデュース、PADDY・SPENCE-LEWIS:ベース、JAN・VAN・BEEM:ドラム/パーカッションのLONG ISLANDのメンバー4人の他、JACK・PETERS:ベース、DANIEL・PACKHAM:バック・ヴォーカル、KIMBERLEY・FEATHERSTONE:バック・ヴォーカル、JOSEPH・ZBOS:バック・ヴォーカルの大学での音楽仲間達が参加しています。

1曲目"It's Our Time"(3:39) '23年12月のシングル曲です。不思議なギターのサウンドの短いイントロから少しLo-HiにしたRHIANNON・STEPHENSONのモノラル・トーンの歌声が堪らない曲でもあります。この1曲でこのバンドのイメージがはっきり伝わってきますね。
2曲目"Just Another Day"(2:56) この曲も '24年5月にシングル曲リリースされている曲です。イントロからシャキシャキと響くCAMERON・CONNERのギターのサウンドが惹きつけられる曲です。後半から入って来るバック・ヴォーカル隊の歌声や起伏を持ったPADDY・SPENCE-LEWISのベースのサウンドなど曲を聴き終わってもリピートしてじっくりと聴きたくなるのです。
3曲目"Daydream"(3:43) イントロから楽し気に響くCAMERON・CONNERのギター・サウンドとメイン・ヴォーカルのRHIANNON・STEPHENSONの余り強くは無いが、マンチェスター訛りの英語が妙にお気に入りとなったYouTubeからのお勧め曲です。こちらの方がYouTubeのお勧めに登場したビデオです。観終わってから早速検索してCD購入をクリックしました。
4曲目"Homewrecker"(3:23) Bandcampでの曲紹介にリリース年が '98年との間違いがあるのですが、多分 '24年1月にシングル曲リリースと思われます。イントロの美しいメロディとサウンドの流れとは対照的に強烈に「世の中の不満」を歌うRHIANNON・STEPHENSONのカリズマ性を露わさせるのです。
5曲目"Want It More"(2:44) この曲でもRHIANNON・STEPHENSONの特徴のある歌いぶりが耳に残る曲です。非常にパワフルでど直球に攻めて来る曲です。捲し立てるように歌うRHIANNONと共に攻め立てるバックの陣営の息の合った演奏に体を揺さぶられます。
6曲目"Get Up And Go"(3:31) 今度は、癖のある捻りを持った曲の登場です。次第にパワフルな歌声を聴かせるRHIANNON・STEPHENSONと複雑で凝ったギターの演奏を聴かせるCAMERON・CONNERに合わせパワフルなドラムのビートを繰り出すJAN・VAN・BEEMです。例えが正しいかどうか不明ですが、一時期のPOLICEのようです。
7曲目"Young"(3:19) '24年7月のシングル曲です。JAKE・PETERがまるで打楽器のように奏でるベースのサウンドが圧巻な曲です。多分、ライヴなど演奏すれば、若い聴衆は熱狂するに間違いないようです。
歌詞無し 紙ジャケット仕様 サイン入りカード/バンド名のシール付 CD-R盤 (輸入盤) 収録時間:23分18秒 (7曲収録とちょっと変則的な盤ですが、CDがリリースされていましたので買ってみました!)'24年10月16日更新
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写真
(Bandcampで購入できるサインされたカード付盤です)


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写真  LONG-VIEW / Mercury
 ・2003 14TH Floor Records    5050466-6886-2-0

ブリット・ロック発祥の地マンチェスターから素晴らしい・・・

GEMMA・HAYES、GOLDRUSH等のツアーサポートを努めていたLONG-VIEWのファースト・アルバムで '03年7月に本国でのリリースです。
バンドのメンバーは、ROB・McVEY:ヴォーカル/ギター/ピアノ、DOUG・MORCH:ギター、AIDAN・BANKS:ベース、MATT・DABBS:ドラムの4人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LONG-VIEWの4人の他、 SIMON・JAMES:コンサート・マスター、PAUL・BUCKMASTER:指揮/ストリング・アレンジ、SAM・HOFSTEDT:ストリング、SARAH・SHAWCROSS:バック・ヴォーカルのロンドンとシアトルのミュージシャン達も参加しています。
プロデュースは、シアトル出身のRICK・PARASHAR(PEARL JAM,DEFAULT)と1曲目のオリジナルとしてCM界のヴィジュアル・クリエータとしても活躍しているBRIAN・ROSEが担当しています。
尚、バンド名はデビュー時のLONGVIEWからLONG−VIEWに '04年4月に改名されています。

1曲目"Further"(5:01) 本国で'02年6月にシングルリリースされた曲です。掻き鳴らされるギターのサウンドと少しずれて入るドラムのビートのイントロが最高です。ROBのあまり熱さを感じないヴォーカルスタイルですが、底から込上げてくると言うか曲が進むにつれてジワジワと彼のエモーションが伝わる感じがマンチェスター風(実はROBとAIDANはウィンチェスター出身)ですね。
2曲目"Can't Explain"(5:02) 1曲目とサウンドスタイルが似ていますがアコースティック・ギターとピアノのパートを増やしややアップテンポに明るくしています。時折入るピアノのサウンドがアクセントなって素晴らしいです。前半の2曲だけで10分以上あります。
3曲目"Electricity"(3:33) 今度はドラムから入りギターが後を追うイントロです。サビの部分を先に持ってきた曲のスタイルで歪ませたサウンドでゆったりと奏でられるギターが良いですね。
4曲目"When You Sleep"(3:42) ラウドな曲ですが、全体的にはメロディアスでヴォーカル部分はシンプルなリフレイによる作りでギグでの演奏に向いた乗りの良い曲です。
5曲目"If You Asked"(4:36) ゆったりとしたメランコリックなメロディに乗せた恋人に捧げるバラードです。バック・ヴォーカルで数曲参加しているS.S.W.SARAH・SHAWCROSSのヴォーカルが素晴らしいです。
6曲目"I Would"(5:27) ゆったり流れるリズムと遠くで響くギターのサウンドによる曲ですが、後半部分はワイドでダイナミックに展開する曲です。
7曲目"Nowhere"(3:49) エモ・ギター・ロックによるややラウドな曲ですが、ROBのひょうひょうとしたヴォーカルがいい味を出しています。 デビュー前に4人目のメンバーでギターのDOUGが加入する事によってギターのサウンドの厚さを増したと思われます。
8曲目"Falling For You"(4:07) スローなリズムによるバックで流れる幻想的で哀愁感漂うようなDOUGのギターと後半から入って来るSARAH・SHAWCROSS(SARAH・LUCIE・SHAW)の美しい歌声でのアウトロが堪りませんね。
9曲目"Falling Without You"(3:57) 前の曲のアンサーソングの為かタイトルがややこしいですね。アコースティック・ギターにストリングスを絡ませた交響曲的アプローチです。作曲のROBは、クラッシック音楽の勉強をマンチェスターに移る前に行っていました。この曲以外にもクラッシックの影響を受けた感じの曲が数曲あり次の曲もそうです。
10曲目"Still"(4:08) ストリングスを大きく取り入れダイナミックに展開する曲です。曲調はやや単調ですが、コーラスが非常に美しい曲です。
11曲目"Will You Wait Here"(6:08) 6分を超える曲でイントロのピッキング・ギターのサウンドが好いですね。ギター残響音がとてもマンチェスター風でサビでのDOUGのドライヴするギターのサウンドに自然と体が揺れます。ストリングスの配し方も素晴らしい。
12曲目"This Is"(3:27) ぽつりぽつりと歌われるROBのヴォーカルを主体とした静かなメロディによる幻想的な歌詞の曲です。
全12曲歌詞付 写真ライナー ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:53分00秒 (多くのバンドを輩出しているブリット・ロック発祥の地マンチェスターからまた素晴らしいバンドが出てきました。'04年はシングルがでましたが新作アルバムは?)'10年7月7日再更新
2003年度ベスト5


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写真  LORRAINE / Perfect Cure
 ・2004 Rec 90    ELCY-0001

NORWAYのBERGENからの新人さん・・・

ノルウェー第2の都市ベルゲンで活躍している3ピース・バンドLORRAINEのデビュー・アルバムで、'04年12月22日、国内でのリリースです。本国では '04年の6月にリリースされています。ジャケットの写真とライナーのイラストは、何か"オドロオドロ" していますが曲は、新人らしからぬ緻密なサウンドで最高です。LORRAINEのメンバーは、OLE・GUNNAR・GUNDERSEN:ヴォーカル、ANDERS・WINSENTS:ギター、PÅL・MYRAN・HÅLAND:キーボードの3人組で平均年齢は、24歳のNORWAYのBERGENから新人の登場です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、THOMAS・BRUEN・OLSEN:ベース、STÖV:ドラム・プログラミング、ERLEND・FAUSKE:ドラム・プログラミング、MARIUS・MATHISEN:ドラム、BJARTE・LUDVIGSEN:ドラム/パーカッション/プログラミング/バック・ヴォーカル、ELDFRID・NERLAND:ユーフォニアム、HILDEGUNN・HARAM・LIE:フリューゲル・ホーン、ÅSHILD・KALVØY:トロンボーン、JAN・ERIK・REKNES:トランペット、INGER−LISE・STØRKSEN:バック・ヴォーカル、CHRISTINE・SANDTORV:バック・ヴォーカル、ELISABETH・YNDESTAD:バック・ヴォーカル、CHRISTER・HJELMELAND:バック・ヴォーカル、BJØRN・IVAR・TYSSE:ヴォーカル、WILLIAM・HUT:バック・ヴォーカルのノルウェーのミュージシャン達です。
プロデューサーは、POOR RICH ONEのドラマーBJARTE・LUDVIGSENが担当し、彼自身ドラムの演奏で数曲の収録に参加もしています。
尚、11〜14曲目は、国内盤ボーナス・トラックです。

1曲目"Perfect Cure"(3:35) イントロのギターがいいですネ、OLEのクリアなヴォーカルがなかなか聴き応えありです。
2曲目"Highlights"(3:23) パワー・ポップと呼ぶのに相応しい曲です。PALの力強いキーボードが曲を支えています。
3曲目"Lipgloss"(4:42) 80年代のブリティッシュ・ニューウェーブを彷彿とさせるメロディです。ANDERSのギターとPALのキーボードが決め手になっています。
4曲目"The Water"(3:55) 幻想的なメロディと効果音が特徴的でOLEのヴォーカルが冴えます。
5曲目"Hold"(4:06) 北欧の冬を想像させる様な静かな出だしからクライマックスはヘビーなリズムへと変化します。
6曲目"Twenty Years Under Water"(4:25) 海外でのシングル・カットです。彼らがエレクトロポップを聴いて育ったのが良く解る曲で、乗りの良さが売りです。
7曲目"Virgin"(5:03) 打込みとループを使ったイントロから乗りの良いリズムへと変化します。OLEのクリアなヴォーカルがこの曲でも聴き応えがあります。
8曲目"Any Given Sunday"(3:51) U2の音楽に似た感じがする楽曲で、ギターもEDGE風で良いです。
9曲目"Sold Out"(4:01) タイトなリズムとノイジーなギターで中々の聴き応えの有る曲です。
10曲目"Ghost"(6:01) トランペットの音色が幻想的なメロディと非常にマッチした北欧の曲らしい静かに流れる曲です。
11曲目"Lovesong For An Ugly Girl"(4:26) エコーの掛かったギターのサウンドと澄み切った空気に反響するOLEのヴォーカルです。バック・ヴォーカルで元POOR RICH ONEのWILLIAM・HUTが参加しています。
12曲目"Echoes"(5:01) この曲も幻想的な雰囲気を持った曲で打ち込みとトランペットのアグレッシブな音色が印象的です。
13曲目"Ghost(Remix)" (5:38)パワーアップされた10曲目ヴァージョン違いです。女性ヴォーカルが入っているようですが、OLEのファルセット?
14曲目"Perfect Cure(Beat Mix)"(3:37) 1曲目とさほど変わらないRemixと思います。
12曲歌詞/訳詞付 写真ブックレット (国内盤) 収録時間62分03秒 (発売当時は、輸入CD店で大きく取上げられていたので購入した人も多いはず)'10年7月7日再更新


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写真  THE LOTUS EATERS / No Sense Of Sin
 ・1984 Arista Records Inc.    25RS-214
 ・2010 Cherry Red Records Ltd.    CDM RED 433

"蓮" を食べて夢を見よう・・・

このアルバムは、リヴァプール出身のニュー・ウェーヴ・ミュージック・バンドTHE LOTUS EATERSの '84年6月21日に国内でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムでのメンバーは、PETER・COYLE:ヴォーカル、JEREMY(JERRY)・KELLY:ギター、GERRARD・QUINN:キーボード、MICHAEL・DEMPSEY:ベース、STEPHEN・CREESE:ドラムの5人組です。
プロデュースは、NIGEL・GRAY(THE POLICE)、DALE・GRIFFIN(Ex.MOTT THE HOOPLE)、BOB・SARGEANT(HAIRCUT 100)にTHE LOTUS EATERS自身となっています。
尚、このアルバムは '98年、'01年、'08年にCD化(19曲:"When You Look At Boys""Start Of The Search" は、残念ながら未収録)されています。

1曲目"German Girl"(3:10) イントロから流れる美しい電子ピアノの調べと弾むように響くベースのサウンドが印象的なアップテンポの曲です。何故かPETERの歌声による「ジャーマン・ガール」と言う響きに心躍らされるのです。
2曲目"Love Still Flows"(3:57) ゆったりとしたメロディアスなサウンドが流れるイントロから次第にテンポを速めて行くところが堪らなく好きな曲です。乗り良いドラムのビートにちょっと不思議なコード進行によるJEREMYのギター・サウンドがTHE LOTUS EATERSらしいところなのです。
3曲目"Can You Keep A Secret"(3:10) イントロからご機嫌なギターのサウンドをJEREMYが聴かせますね。少し特徴的なリズム(ギター・サウンドによるテクノ化?) からファンカ・ラティーナの特徴的な流れを持って展開されるところが見事ですね。
4曲目"Out On Your Own"(3:55) 美しいキーボードの調べとパーカッションのリズムが心地好く響く大好きな曲の登場です。"よぉ〜く" 聴いていたら分るのですが、PETERの優しい響きの歌声のバックに響いている忙しなく奏でられているサウンドの数々が堪らない雰囲気を醸し出しているのです。
5曲目"Put Your Touch On Love"(3:55) この曲は当時のブリティッシュ・ニュー・ウェーヴらいしサウンドを聴かせる曲ですね。少し怠惰な雰囲気のリズムの流れと途中から音程を上げるギミックさも良いですね。
6曲目"You Don't Need Someone New"(3:11) イントロのキーボードによる"サビ" のリフレインに乗せて歌うPETERの歌声が優しく耳に伝わるキャッチーなメロディとサウンドによる曲です。THE LOTUS EATERSと言えばPETERとJEREMYの存在がメインなのですが、この曲でのMICHAEL・DEMPSEYのベース・ラインの流れは起伏に満ちて伝わって来ます。
7曲目"Set Me Apart"(3:56) このアルバムには、素晴らしい曲が数多く収録されているのですが、この曲もその1つですね。PETERの高いキーによる美しい歌声とJEREMYのアコースティック・ギターの美しい調べに特徴的なシタール・ギターのサウンドが流れるギター・ポップなサウンドが響いています。
8曲目"You Fill Me With Need"(3:39) 特徴的なJEREMYのギターのフレーズから始まる不思議なサウンドを聴かせるこの曲もブリティッシュ・ニュー・ウェーヴらしい質感を持った曲ですね。PETERの歌声の合間に広がるギターのサウンドとMICHAELの乗りの良いベースのサウンドが非常に良いですね。
9曲目"The First Picture Of You"(3:36) このアルバムの代表作と言うかTHE LOTUS EATERSと言えはこの曲ですね。PETERの伸びやかな歌声とJEREMYの非常にメロディアスで繊細なギター・サウンドは圧巻です。また、この曲はアルバム・リリース前のシングル盤によるU.K.チャート15位にもなったヒット曲です。
10曲目"Alone Of All Her Sex"(2:48) この曲もMICHAELの乗りの良いベースのサウンドとJEREMYのメロディアスなギター・サウンドが流れる少しセンチメンタルな曲ですね。この曲の主人公のイメージで展開されるエモーショナルなスパニシュ・サウンドのアレンジが印象的ですね。
11曲目"When You Look At Boys"(3:59) このアルバム・リリース当時、THE LOTUS EATERSの強烈なイメージを与えられた曲です。鮮烈なJEREMYのギター・サウンドと繊細でビター・スウィートなPETERの歌声に凝った華麗なアレンジに斬新さを覚えました。何故、再発売のCDにこの曲が収録されていないのか非常に残念と言うか、 言い過ぎですがCD化の価値無しです。('10年6月にイギリスのCherry Red RecordsからリリースされたCDには嬉しい事にこの曲が収録されています)
12曲目"Start Of The Search"(3:24) 相変わらずハイ・コードで奏でられる美しいJEREMYのカッティング・ギターのサウンドにPETER自身のコーラスで展開されるポップさを増した曲です。STEPHEN・CREESEのご機嫌なドラムのビートとPETERの美しい歌声が広がります。

以下より '10年6月にイギリスより再リリースされたボーナス・トラック付CD盤の収録曲です。
13曲目"You Don't Need Someone New"(3:17) '83年のシングル曲です。当時の国内盤LP盤には、この曲が収録されています。このCD盤には、同トラック位置の6曲目に"Too Young" が収録されています。
14曲目"Two Virgins Tender"(2:46) 先の"You Don't Need Someone New] シングル盤でのカップリング曲です。ダークなアコースティックギターの調べに訥々と歌うPETERにスパニッシュ・テイストのJEREMYのギターが響きます。
15曲目"My Happy Dream"(3:59) '84年のシングル盤 [Set Me Apart] でのカップリング曲です。弦楽合奏曲のような雰囲気を醸し出す曲です。ナイロン弦ギターで淑やか奏でるPETERの演奏にの周り広がる弦楽器群です。
16曲目"The Evidence"(3:06) '85年のシングル盤 [It Hurts] でのカップリング曲です。[No Sense Of Sin] リリースされた後に書かれたロック色を少し強めた曲で、サウンドのアレンジが実験的な要素があり違った方向を求めた感がします。
17曲目"Endless"(4:32) '84年のシングル盤 [Out On Your Own] でのカップリング曲です。JEREMYの囁きに似たギターの調べと後半からの戯曲的なサウンド展開とPETERの病身な気だるい歌声が響きます。
18曲目"The Lotus Eaters"(3:00) '83年のシングル盤 [The First Picture Of You] でのカップリング曲です。自身のバンド名が曲名にもなっています。"The First Picture Of You" をスローにして叙情的な雰囲気を醸しだした感じがします。
19曲目"Out On Your Own(12" version)"(5:25) 本編 4曲目の '84年のシングル盤でリリースされた曲です。後半からアウトロ部分が1分半程度延長されています。
20曲目"It Hurts(There Must Be A Taste Of Murder In It)"(5:58) '85年のシングル盤 [It Hurts] としてリリースされた曲です。THE LOTUS EATERSの持ち味のネオ・アコ感にニュー・ウェーブの尖ったイメージを加えたような感があります。
・全12曲歌詞付 LP盤 (国内盤) 収録時間:42分53秒
・歌詞無し 16ページ物写真ブックレット 2010年 CD盤 U.E.製 (輸入盤) 収録時間:75分23秒 (やはりこのアルバムは、何度聴いても名盤ですね。但し、THE LOTUS EATERSのファンは、次のアルバムまで"なが〜く" 待たされたのです!)'10年7月8日再更新
1984年度ベスト5


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写真  THE LOTUS EATERS / Silentspace
 ・2001 Vinyl Japan    ASK CD122

幻想的で独特の雰囲気を放つ・・・

U.K.が誇るネオ・アコ & ニュー・ウェーヴ・バンドTHE LOTUS EATERSの3枚目('98年のコンピ[First Picture Of You]を含む)となるアルバムです。
リリースは、'01年10月8日に本国から行われ、収録も '97〜'98年にリヴァプールで行なわれています。
プロデュースは、THE LOTUS EATERSとRONNIE・STONE(THE FREEZE FRAME)共同で行われています。 尚、リリース元のVINYL JAPANは、東京にオフィスを構える会社ですが、CD制作はイングランドとなっています。

1曲目"Bodywave"(4:55) JERRY(JEREMY)・KELLYのハイフレットでのギターの独特のサウンドと底に流れる打込みでのリズムとサンプルによるイントロに続いて登場するPETER・COYLEの囁くような歌声と幻想的なメロディの曲で瞬時に80年代にタイムスリップした感覚に陥ります。
2曲目"Feel It"(4:24) このアルバムで一番に気に入った曲です。SAREE・WILLIAMSの美しいバック・ヴォーカルがこの曲を更に美しいものにしています。JERRYのギターのサウンドも煌びやかさを増しています。
3曲目"Stay Free"(3:44) 少し明るさを増した作品でドラムのビートとアコースティック・ギターのサウンドの爽やかでバックで流れるギターも雰囲気ものです。
この曲は同じレーベルからシングルカットされています。
4曲目"Can Your Kisses Fly"(3:18) '84年のデビュー盤[No Sence Of Sin]でのサウンドを彷彿とさせるナンバーでこの浮遊感がこのTHE LOTUS EATERSの持ち味ではないでしょうか。
5曲目"Lost In Flow"(5:14) 幻想的な響きを放つシンセのサウンドと流れるリズムの曲でPETERの歌声もこの曲のイメージに非常に似合ったものとなっています。
6曲目"Sara"(4:28) アコースティック・ギターで奏でられるSaraに恋し翻弄される様を歌った内容でパーカシヴなリズムとイノセントなPETERのヴォーカルが「これぞネオ・アコ!」と呼ぶに相応しい素晴らしい曲です。アメリカの古いバンドも同名で同じ内容に近い曲がありました。
7曲目"Face Of The Century"(4:54) 一転してループとシーケンサーによるエレクトロニカのサウンドです。珍しくワイルドなサウンドの仕上げです。
8曲目"Minimal Emotion"(4:03) ダークなイメージを引きずったメロディによるU.K.のバンドらしい冷ややかさに溶け込んだメッセージ性の高い曲です。
9曲目"Stereovision"(3:30) アコースティック・ギターの幻想的な響きとリッケンバッカーかまたその音色に近いセミ・アコースティック・ギターの幾重に重なり合う12弦の響きによるギター・サウンドのよる曲で時折入るバックワードの幻想的サウンドです。
10曲目"Come Together"(5:18) イタリアン・ゴシックを創造させる重厚で荘厳なコーラスを配した曲でPETERの美しく響くヴォーカルは現代の吟遊詩人でしょうか。
11曲目"State Of Mind"(3:30) 素早く奏でられるギターのリズムとキーボードでのサウンドによる曲で惜しまれるところでフェードアウトします。
歌詞無し ライナー付き U.K.製 (輸入盤) 収録時間:47分03秒 ('84年のリリースの[No Sence Of Sin]に非常に心躍らしましたが、その後続編はリリースされず何か気分的に尻切れトンボに終わっていましたが、17年の歳月を迎えやっと.....VINYL JAPANさん良くぞリリースしてくれました!)'10年7月8日再更新


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写真  LOUISE HART / Velvet
 ・2008 COPENHAGEN RECORDS,DENMARK    CPHREC 0058

デンマークのアイドル女性ギタリスト・・・

このアルバムはデンマークで活躍しているS.S.W.LOUISE・HARTの '08年2月8日に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
サポート・メンバーはデビュー・アルバムから一緒に曲を書いているCHRISTER・TYBJERG:ギター/アコーディオン/バック・ヴォーカルにLEIF・BRUUN:ギター、NIS・TYRRESTRUP(MADS・LANGER):ベース、JULIAN・FALCK(FIRE):ドラムの4人にMIKKEL・DAMGARRD:キーボード、JACOB・ANDERSON:パーカッション、JOCOB・BINZER:ギター、NIELS・KRISTIAN・BÆRENTZEN:ギター、MAGNUS・VON・BÜLOW:バック・ヴォーカル、KENNETH・ANDERSEN:バック・ヴォーカル、BRINCK:キーボード/バック・ヴォーカル、HENRIK・MARSTAL:チェロ、BOAT MAN LOVE:ギター/ベース/キーボード/ドラム、RUNE・OLESEN:パーカッションのデンマークのミュージシャンが参加しています。
尚、プロデューサーは、1曲を除きNICK・FOSS(MICHAEL LEARNS TO ROCK)が担当しています。

1曲目"Take Me Out"(3:19) LOUISEの可愛い顔からは少しイメージの違った少し枯れ気味の歌声を聴かせるストレート・ロックな曲です。このアルバムからの最初のシングル・カット曲になっています。
2曲目"Butterfly"(4:19) 本国でシングル・カット第2弾の曲です。ダークな調べと淡々と流れるリズムからエモーショナルなサビのリフレンを聴かせます。言葉数の少ない歌詞による曲なのですが、一度聴くと耳に残るLOUISEの歌声とギターのサウンドです。
3曲目"Exactly Where You Are"(3:48) 流れるようなギターのサウンドとシックなサウンドによるカントリー・ロックです。バックのアトモスフェリック・ギターと"クール" なドラムのビートは日本でも受け入られそうです。
4曲目"Velvet"(3:37) ドラム・ソロに歪ませたギターのサウンドによるオルタナティヴ・ロックな曲の登場です。ブリット・ロックのバンドが好んで聴かせるドライビング・ギターのサウンドからエモーショナルなビートを感じさせます。
5曲目"Change"(4:28) アコースティック・ギターのサウンドから入るメランコリックな調べの曲です。しっとりと歌うLOUISEにバックのCHRISTERの歌声と哀愁溢れる彼のギターの調べも流れます。
6曲目"Kalifornia"(3:36) 母国語のスペルをわざと使った曲名によるカルフォルニア賛歌です。曲の途中に登場するカルフォルニア・スタイルの爽やかなコーラスがアレンジされています。この曲はノルウェーのS.S.W./プロデューサーBOOTS・OTTESTADと共作になっています。
7曲目"13 Black Roses"(3:00) サビの部分から聴かせるイントロを持たせたロック"ン" ロールのリズムの曲で、ギターのサウンドを溢れさせた彼女のライヴ曲の定番になっていそうな曲調です。この曲もノルウェーの BOOTS・OTTESTADと共作になっています。
8曲目"Come With Me"(4:25) 一転してスローなリズムによる浮遊感を感じさせるバラードです。優しく歌うLOUISEの歌声のバックのドラムのビートも切なく響きます。
9曲目"Between Now And The Past"(3:36) 明るいギターのサウンドと力強いドラムのビートによるギター・ポップな曲です。躍動的なベースのサウンドと隠し味的なキーボードの調べも良いですね。
10曲目"I Don't Wanna Love You(But I Can't Stop Now)"(3:35) アメリカの女性ギタリストが歌いそうなカントリー・ロック風なサウンドを感じさせる曲です。オーソドックなコード進行にコーラスを付けた王道的な曲も暫しどうぞ。
11曲目"Sexy"(3:04) 前作からのアイドル女性ギタリスト路線の延長線に位置する曲調の曲を更にハード、ラウドに聴かせるBOOTS・OTTESTADとの共作になっている曲です。
12曲目"Baby You're The One"(4:28) LOUISEがアカペラで歌い始めるスローなバラードです。少しカントリー・シンガー然とした鼻に掛った歌声がハーモニカの調べに乗せて心地好く流れてくる曲です。この曲はLOUISEがしっとりとしたその歌声を聴かせてくれるのです。
全12曲歌詞付 写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:45分19秒 ('02年にアイドル女性ギタリストとしてワールド・デビューしたLOUISE・HART、その後、デンマーク映画にパキスタン女性役としても出演しています。しかし、このアルバムは、未だヨーロッパ限定リリースのようです)'10年7月8日再更新


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写真  LSK / Lsk(Mozaik)
 ・2000 SONY MUSIC ENTERTAINMENT (UK) LTD.    496740 2

一言では言い表せないカオス的サウンド・・・

イギリスのケント州で生まれ育ったLEIGH・STEPHEN・KENNYのイニシャルをバンド・ネームとしたLSKの '00年9月4日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LEIGH・STEPHEN・KENNY:ヴォーカル/キーボード/ベース/プロデュースの他、RHIANNA・KENNY:ヴォーカル、CHRIS・DAWKINS:ギター/キーボード/ベース/プロデュース、PETE・SHAND:ベースの他、DAN・GOLDMAN:キーボード、INDER・GOLDFINGER:パーカッション、ARAN・BRANCH:プログラミング/キーボード/プロデュース、DAVID・WITELEY:ギター、JIMMY・TENOR:フルート、RICHARD・NILES:ストリング・アレンジ、SKIP・McDONALD: バック・ヴォーカルの1部アメリカのミュージシャン達も参加しています。

1曲目"Cubanna Anna"(4:02) トロピカルなサウンドとアシッド/レゲエのリズムによるスポーケン/ラップを多用した曲です。スティール・ドラムのサンプル音とパーカッシヴなリズムに埋め尽くされたトリップ・ホップを感じる心地好さです。LEIGHのお爺さん(キューバ人)のルーツからの影響も感じさせます。
2曲目"Roots(The Fruit Of Many)"(4:39) やはりこのアルバムのハイライトは、この曲でしょうね。メロディアスで美しく重厚に響くストリングスのサウンドに融合させたアシッド・ジャズ・ライクなキーボードの転がるサウンドが心地好いのです。バック・ヴォーカルは、LEIGHの妹RHIANNA・KENNYが参加し、このアルバムの国内盤リリースの来日公演にも同行しています。
3曲目"Hate Or Love"(3:00) 本国でのシングル・カット第一弾の曲です。RHIANNAのヴォーカルを大きく取り上げたソウル・フィーリング溢れる曲です。R&Bをベースにネオ・ソウルと"クール" なアシッド感をミックスさせた洒落たアレンジです。
4曲目"U"(6:39) 6分39秒におよぶ 粋なガレージ・ロックのテイストを感じさせる曲です。オリジナル曲はBILL・WITHERS '74年の作品"You" です。リズム・アレンジはオリジナルに近く、アコースティック・ギターのサウンドを加えたトラックにLEIGHのヴォーカルを重ねた収録のようです。CHRIS・DAWKINSのギターとベースが心地好く響きます。
5曲目"Jealousy"(3:25) イントロはレゲエ風で次第にブリティシュ・ロック然としたサウンドを感じさせる曲です。サウンドの広がりに懐かしいロンドン風ポップのサウンドも少し感じさせます。
6曲目"Rooms Without A Floor"(2:20) 2分少々の小さな作品ですが、非常にLSKのサウンドを凝縮した重い比重を感じさせる曲です。
7曲目"The Biggest Fool"(4:05) このアルバムではロック色の強いメロディアス・ロックの部類に入る曲です。ストリングスのアレンジと展開が非常に美しく輝いて聴こえる裏側には荒れたエレクトリック・ギターのサウンドの組み合せも見事です。
8曲目"Steel Bars An' Fence"(7:35) 幻想的なサウンドから非常にスコットランド/ケルト音楽の影響を受けたことを感じさせる曲です。機械的なイメージを想像させる淡々としたリズム・トラックにアコースティックなストリングスなどを上手くミックスしたアシッド感覚です。
9曲目"Mind Ya Bizzniss"(5:15) イントロから1分近くあるエフェクト的なトラックを終えて登場するLEIGH のラップによる曲です。サウンドとリズムを自在に替えたLEIGHの指ひとつの鋭い感覚に委ねたエフェクト類を多用したアレンジです。
10曲目"Out Of My Head"(4:23) オリジナル曲は60年台にTEDDY・RANDAZZO/BOBBY・WEINSTEINのコンビによって書かれ、多くのミュージシャンにカバーされている曲です。このアルバムでのアレンジはスローにしたリズムをプログラムにて再生し、アンビエントなギターのサウンドをエフェクト的に使ったヒーリング系となっています。この曲のプロデュースは、ADRIAN・SHERWOOD(DEPECHE MODE,MINISTRY)が抜擢されています。
11曲目"Don't Cry"(4:25) イントロから参ってしまった曲です。軽いトランス状態を誘うプログラミングのサウンドの間から登場するRHIANNAの清楚なイメージを持って美しく響く歌声が堪りません。この曲は、兄のLEIGHとRHIANNAとの共作になっています。
12曲目"The Reason"(3:46) 非常にアシッド感を与えるLEIGHの書いたネオ・ソウルの曲です。曲の雰囲気も同じくイギリスで活躍しているRAY・HAYDENも持つロンドン・クラブ・サウンドに共通するテイストを感じます。
13曲目"White Man's World"(2:39) メランコリックなメロディにのせて囁くように歌うLEIGHの歌声が特徴的な曲です。バックで響く切ないギターのサウンドが泣かせます。
全13曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:56分25秒 (多民族の家系に生まれたLSKのデビュー・アルバム、一言では言い表せないカオス的サウンドが詰まっています。尚、'03年の2枚目のアルバム[Outlaw]は非常にレゲエ・ミュージックの要素が強くなって、ロック・ファンにとっては、非常に癖の強い作品になっています)'10年7月9日再更新
2000年度ベスト5


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写真  LUCY ROSE / Like I Used To
 ・2012 SONY MUSIC ENTERTAINMENT UK LIMITED    88725463782

ニンマリとして・・・

このアルバムは、イングランドSurrey生まれ(後にWarwickshireに引越し)のS.S.W. LUCY・ROSEの '12年9月24日に本国でリリースされたデビュー・アルバム('11年10月EMIからリリース予定のアルバムは不明)です。
LUCYは、THE BOMBAY BICYCLE CLUBの2枚目のアルバム[Flaws]からバック・ヴォーカルとして収録/ライヴに参加し、彼らのファンからも注目されていました。
このアルバムのリリース前からインディペンデントとして"Middle Of The Bed" "Scar" "Red Face" "Line" の4枚シングル盤をリリースし、好調なセールスと人気を博し、この度Columbiaレーベルより本格的デビューとなりました。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LUCY・ROSE:ヴォーカル/ギター/ピアノ/ドラム/パーカッション/副プロデュースの他、BJÖRN・ÅGREN:ギター/グロッケンシュピール/バック・ヴォーカル、ALEX・EICHENBERGER(BROADCAST 2000):チェロ/ストリングス・アレンジ、JOE・STEER(BROADCAST 2000):ベース/バック・ヴォーカル、SAM・NADEL:ドラム/パーカッション/バック・ヴォーカル、SARAH・PALMER:バック・ヴォーカル/タンバリン、SIMON・GLANCY:ギター/バック・ヴォーカル、SEBASTIAN・GOODWIN-DAY:トロンボーン、REBECCA・CRAWSHAW:トランペット、EMILY・WOOD:バック・ヴォーカル、JACK・STEADMAN(THE BOMBAY BICYCLE CLUB):バック・ヴォーカル、MICHAEL・REED:ヴァオリン、HELEN・SANDERS-HEWWTT:ヴィオラ、CHARLIE・HUGALL:バック・ヴォーカルのLUCYの音楽仲間達が参加しています。
尚、プロデューサーはCHARLIE・HUGALL(ALEX・WINSTON,ED・SHEERAN)が担当し、LUCY自身も副プロデュースを行っています。

1曲目"Red Face"(3:33) 短いけれども荒げたドラムとサウンドがイントロから鳴る曲です。先に紹介したこのアルバム・リリース前のシングル曲で、ところどころにScarのメロディやサウンドに通じるところを感じさせ、後半からのイントロと同じアグレッシヴなリズムやサウンドの流れ方この盛り上がり方などインディペンデントでのシングル曲と思えない重厚さを感じさせます。
2曲目"Middle Of The Bed"(3:11) '11年の実質LUCYのデビュー・シングル曲です。この曲の途中でカチャカチャと鳴るところとその楽器が何であるのかといつも感じさせる何度聴いてもとても印象的な曲です。最初のシングル曲だった事もありLUCYの音楽をイメージさせる代表曲ではないでしょうか。
3曲目"Lines"(3:39) か細く響くLUCYの歌声とは対照的なエッジ感のあるギター・サウンドや変則的に展開される曲調やビートを変化させるこのオルタナティヴ系のサウンド群が圧巻です。LUCYが在学中、最初に始めた楽器がドラムだったことからかドラムのビートがとても印象的な曲でもあります。
4曲目"Shiver"(3:53) 今度はしっとりとスローで聴かせるアコースティック調の曲です。ピアノのサウンドやベースの響きも加わりながら更に奥行のある調べの広がりとLUCYのセンチメンタルな歌声もそっと流れて去ります。
5曲目"Night Bus"(3:25) LUCYアコースティック・ギターの調べに絡まるBJÖRNの非常に美しいギターの爪弾きに聴き入る曲です。そっと歌うバックの歌声など本当にか細く聴こえるLUCYシャイな歌声を労わるような効果を感じさせます。
6曲目"Watch Over"(3:31) この曲も非常にメロディアスで洒落た美しさを感じさせるかっこ良い曲です。アグレッシヴなパートやアシッド・ジャズの部分など1曲に何通りもの要素が詰め込まれています。
7曲目"Bikes"(3:35) このアルバムから先行シングル曲としてリリースされた最新シングル曲です。オチャラケなビデオはどうでも良いので、曲としてじっくり聴き込んでみようと思います。
8曲目"Place"(3:48) LUCYがその美しい歌声を聴かせるメランコリックなナンバーです。後半からサウンドも歌声も上げ切に歌うLUCYの歌声とバックの渋めでスリリングな演奏も非常にシャープさのある尖り方が圧巻です。
9曲目"Don't You Worry"(3:50) 今度はダウンテンポによる落ち着いたリズムの曲です。枯れたローファイなアコースティック・ギターの調べに乗せて歌うLUCYです。曲の途中より登場する美しいチェロの調べと清楚なLUCY歌声とのコラボを暫し楽しむことにしましょうか。
10曲目"First"(3:49) アコースティック・ギターを爪弾きながら歌うLUCYの弾き語りによる曲です。途中よりバックの面々も登場して優しく寄り添うような仲の良い演奏とその歌声に心和む時が通り過ぎて行きます。
11曲目"Be Alright"(3:57) アルバムの最後はシンプルなサウンドによるアコースティック調の曲です。抒情的なストリングスのサウンドの広がりと訥々と歌うLUCYの歌声によるこのゴスペル調の落ちつたこの曲でアルバムの幕は、そっと閉じられます。
全11曲歌詞付 写真ブックレット イギリス限定サイン入ジャケット盤 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:40分16秒 (ほぼ2か月前から予約していたこのアルバム、やっと届いてニンマリとして聴いています)'12年10月1日更新
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写真
(イギリスのみのサイン入盤です)


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写真  LUCY ROSE / Like I Used To (Deluxe Edition)
 ・2012 SONY MUSIC ENTERTAINMENT UK LIMITED    88725463782

4曲追加の15曲入り・・・

このアルバムは、イングランドSurrey生まれ(後にWarwickshireに引越し)のS.S.W. LUCY・ROSEの '12年9月24日に本国でリリースされたデビュー・アルバム('11年10月EMIからリリース予定のアルバムは不明)で、通常盤のリリースと同時に限定デジパック仕様に"All I’ve Got" "Little Brave" など4曲を追加したデラックス盤です。
LUCYは、THE BOMBAY BICYCLE CLUBの2枚目のアルバム[Flaws]からバック・ヴォーカルとして収録/ライヴに参加し、彼らのファンからも注目されていました。
このアルバムのリリース前からインディペンデントとして"Middle Of The Bed" "Scar" "Red Face" "Line" の4枚シングル盤をリリースし、好調なセールスと人気を博し、この度Columbiaレーベルより本格的デビューとなりました。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LUCY・ROSE:ヴォーカル/ギター/ピアノ/ドラム/パーカッション/副プロデュースの他、BJÖRN・ÅGREN:ギター/グロッケンシュピール/バック・ヴォーカル、ALEX・EICHENBERGER(BROADCAST 2000):チェロ/ストリングス・アレンジ、JOE・STEER(BROADCAST 2000):ベース/バック・ヴォーカル、SAM・NADEL:ドラム/パーカッション/バック・ヴォーカル、SARAH・PALMER:バック・ヴォーカル/タンバリン、SIMON・GLANCY:ギター/バック・ヴォーカル、SEBASTIAN・GOODWIN-DAY:トロンボーン、REBECCA・CRAWSHAW:トランペット、EMILY・WOOD:バック・ヴォーカル、JACK・STEADMAN(THE BOMBAY BICYCLE CLUB):バック・ヴォーカル、MICHAEL・REED:ヴァオリン、HELEN・SANDERS-HEWWTT:ヴィオラ、CHARLIE・HUGALL:バック・ヴォーカル、OLIVER・PRICE:ギター/バック・ヴォーカル、SIMBA・BHEBHE:ギター/バック・ヴォーカル、KATE・PARTON:バック・ヴォーカル、CHARLES・WATSON:バック・ヴォーカルのLUCYの音楽仲間達が参加しています。
尚、プロデューサーはCHARLIE・HUGALL(ALEX・WINSTON,ED・SHEERAN)が担当し、LUCY自身も副プロデュースを行っています。
レビューについて通常盤と同一の部分は、通常盤のレビューをそのまま掲載し、違った部分を追加で加筆しています。

1曲目"Red Face"(3:33) 短いけれども荒げたドラムとサウンドがイントロから鳴る曲です。先に紹介したこのアルバム・リリース前のシングル曲で、ところどころにScarのメロディやサウンドに通じるところを感じさせ、後半からのイントロと同じアグレッシヴなリズムやサウンドの流れ方この盛り上がり方などインディペンデントでのシングル曲と思えない重厚さを感じさせます。
2曲目"Middle Of The Bed"(3:11) '11年の実質LUCYのデビュー・シングル曲です。この曲の途中でカチャカチャと鳴るところとその楽器が何であるのかといつも感じさせる何度聴いてもとても印象的な曲です。最初のシングル曲だった事もありLUCYの音楽をイメージさせる代表曲ではないでしょうか。
3曲目"Lines"(3:39) か細く響くLUCYの歌声とは対照的なエッジ感のあるギター・サウンドや変則的に展開される曲調やビートを変化させるこのオルタナティヴ系のサウンド群が圧巻です。LUCYが在学中、最初に始めた楽器がドラムだったことからかドラムのビートがとても印象的な曲でもあります。
4曲目"Shiver"(3:53) 今度はしっとりとスローで聴かせるアコースティック調の曲です。ピアノのサウンドやベースの響きも加わりながら更に奥行のある調べの広がりとLUCYのセンチメンタルな歌声もそっと流れて去ります。
5曲目"Night Bus"(3:25) LUCYアコースティック・ギターの調べに絡まるBJÖRNの非常に美しいギターの爪弾きに聴き入る曲です。そっと歌うバックの歌声など本当にか細く聴こえるLUCYシャイな歌声を労わるような効果を感じさせます。
6曲目"Watch Over"(3:31) この曲も非常にメロディアスで洒落た美しさを感じさせるかっこ良い曲です。アグレッシヴなパートやアシッド・ジャズの部分など1曲に何通りもの要素が詰め込まれています。
7曲目"Bikes"(3:35) このアルバムから先行シングル曲としてリリースされた最新シングル曲です。オチャラケなビデオはどうでも良いので、曲としてじっくり聴き込んでみようと思います。
8曲目"Place"(3:48) LUCYがその美しい歌声を聴かせるメランコリックなナンバーです。後半からサウンドも歌声も上げ切に歌うLUCYの歌声とバックの渋めでスリリングな演奏も非常にシャープさのある尖り方が圧巻です。
9曲目"Don't You Worry"(3:50) 今度はダウンテンポによる落ち着いたリズムの曲です。枯れたローファイなアコースティック・ギターの調べに乗せて歌うLUCYです。曲の途中より登場する美しいチェロの調べと清楚なLUCY歌声とのコラボを暫し楽しむことにしましょうか。
10曲目"First"(3:49) アコースティック・ギターを爪弾きながら歌うLUCYの弾き語りによる曲です。途中よりバックの面々も登場して優しく寄り添うような仲の良い演奏とその歌声に心和む時が通り過ぎて行きます。
11曲目"Be Alright"(3:57) アルバムの最後はシンプルなサウンドによるアコースティック調の曲です。抒情的なストリングスのサウンドの広がりと訥々と歌うLUCYの歌声によるこのゴスペル調の落ちつたこの曲でアルバムの幕は、そっと閉じられます。
ここからDeluxe Editionでの追加曲です。
12曲目"All I've Got"(3:19) イントロではギターの爪弾きによる大人しいサウンドの曲なのですが、次第にリズムを上げドラムの打撃音も激しく鳴り響くワイルドさのある曲に変貌して行きます。
13曲目"Scar"(4:07) お待ちかねシングル曲だった"Scar" の登場です。歌詞的には決して明るい内容ではないのですが、アコースティック・ギターのサウンドに浮遊感漂うリズムの流れに乗せLUCYの内傷的な歌詞が綴られています。
14曲目"Little Brave"(3:11) 消えそうなか細い歌声を聴かせるLUCYとそのギターのサウンドの曲です。バックに流れるスライド・ギターの調べや鼓笛隊よろしく太鼓の響きが捲し立てて迫って来ます。まくし立てるアルバムの最後はシンプルなサウンドによるアコースティック調の曲です。
15曲目"Gamble"(4:14) LUCYのアコースティック・ギター1本による弾き語りです。思い詰めたように鳴り響くギターの調べに乗せ黙々と歌うLUCYの美しい歌声がジーンと伝わって来ます。後半からは、次第にその大人しい歌声とギターの調べが高らかに広がります。
全15曲歌詞付 写真ブックレット 限定デジパック仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:55分08秒 (大手SONY/ COLUMBIAからリリースされたLUCYのメジャー・デビュー・アルバムです。日本に居ながら容易に入手出来るのは有り難いですね)'12年10月4日更新
2012年度ベスト5


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写真  LUCY SWANN / La Petite Mort
 ・2010 Trust Me Records    TMR036

FOUNTAINHEADSを離れたLUCY・・・

このアルバムは、ノルウェーのオスロで活躍しているオルタナティヴ・ロック系S.S.W.LUCY・SWANNのソロ名義によるデビュー・アルバムで、'10年3月1日にCDとしては本国のみのリリースです。
ノルウェー系イギリス人としてニューキャッスルに生まれたLUCYは、9歳の時にノルウェーのオスロに移り住み '05年よりロック/ポップ・バンドFOUNTAINHEADSのメイン・ヴォーカリストとして活躍し、アルバムを1枚リリースした後にバンドを離れているようです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LUCY・SWANN:ヴォーカル/キーボード/パーカッションの他、PREBEN・GRIEG-HALVORSEN(FOUNTAINHEADS):キーボード、CHRISTIAN・HOEL・SKJØNHAUG:ベース、ODD・HARALD・JENSEN:ドラム/パーカッション、KYRRE・BJØRKÅS:ドラム/パーカッション、JULIAN・SOMMERFELT:ビートボックス、JIM・SWANN:バック・ヴォーカル、VIDAR・SANDTRØ:トロンボーン、MAGNUS・HALLÉN・ASKIM:トランペットのLUCYの音楽仲間達のようです。

1曲目"Fashionably Late"(4:45) LUCYのスキャットや叫びに似た歌声がイントロから摩訶不思議に響くエレクトロニカ/オルタナティヴ・サウンドの曲です。LUCYが登場し映画俳優を題材にした、これまた摩訶不思議なビデオも同時に配信され、このアルバムからのキラー・チューンとなっています。
2曲目"For Heaven's Sake"(3:52) 本国で10年初めに先行ダウンロード販売されているシングル曲です。アンビエントな響きを感じさせる電子オルガンの調べにクリスタルベル風のサウンドが心地好い曲で、ロック色の強かったFOUNTAINHEADSのサウンドとは少し違った路線を感じます。
3曲目"The Little Death"(3:45) 低いキーでの歌声をも聴かせるLUCYのエモーショナルな歌声を堪能できる曲で、近年のアメリカ/カナダ女性ヴォーカリストのサウンドの傾向と通じるところを感じます。
4曲目"Diamonds"(4:00) 今回のアルバムでの特色であるエクスペリメンタル・ロックの質感が全面に感じさせる曲です。先にも紹介しましたが、幼少期をニューキャッスルで過ごした影響をからかバグパイプとストリングスのサウンドで壮大な雰囲気を伝えて来ます。
5曲目"To Juggle"(2:42) この曲もFOUNTAINHEADSでは聴けなかった感じのエレクトロニカ・ポップなサウンドの曲です。少し荒らしたローファイなLUCYのヴォーカルのバックにエレクトロニカなリズムが流れます。
6曲目"Mistakes"(2:18) FOUNTAINHEADSでもその素晴らしいキーボードのサウンドを聴かせていた PREBENのキーボードでしょうか、穏やかで心地好い流れの彼のサウンドに乗せてLUCYもその歌声に溌剌さを増していますね。
7曲目"Anytime Soon"(3:18) 少しダークなアシッド感を感じさせるオルタナティヴ・ロックの登場です。バックに響き複雑なLUCY自身によるバック・ヴォーカルにソリッドなリズムを叩きつけながら響いて来ます。
8曲目"Born Again"(4:05) シンプルなサウンドによるイントロから展開されるエレクトロニカ/オルタナティヴな曲です。前の曲とこの曲のリズムなどア・カペラによるヒューマンビートボックスでの表現は、スウェーデンで活躍しているLALEHのサウンドに通じるところも感じますね。
9曲目"Turn It Off"(3:04) 一昔のサウンドに似たヨーロッパ調のオルガンの調べが全編に流れるオルタナティヴ・テイスト溢れる曲です。無機質なリズムの流れは対照にLUCYのその歌声のエモーショナルなこと。
10曲目"Undercover"(4:45) アルバムの最期は、LUCYがメランコリックな歌声を淡々と聴かせる曲です。「私を見つけて、私を探して…」と歌うサビがリフレインとなって心に響いて来ます。
歌詞無し 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:36分29秒 (FOUNTAINHEADSからその強烈でエネルギッシュなイメージを感じさせてくれたLUCY、バンドを離れたことは寂しいですが、新たな彼女の一歩に応援しましょう !)'10年9月4日更新


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写真  MAGNUS ELIASSEN / Second Grace
 ・2006 Monomegamy Music    MM003

スカンジナビアの憂鬱・・・

このアルバムは、ノルウェーでインディペンデントに活躍しているS.S.W.MAGNUS・ELIASSENのデビュー・アルバムです。
本国では '05年11月5日に初回盤デジパック仕様でリリースされていますが、本レビューは '06年11月7日リリースの通常盤にて掲載しています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MAGNUS・ELIASSEN:ヴォーカル/ギター/バンジョー/ベース/キーボード/ドラム/カホン/カリンバ/タンバリン/ベース・クラリネット/グロッケンシュピール/ハーモニウム/シタール/シンセサイザー/プロデュースの他、HÅVARD・CHRISTENSEN:キーボード/ベース/ドラム、BJØRNAR・KARLSEN:ギター、TROND-VIGGO・SORÅS:ベース、RUNE・NERGAARD:ベース、OLE・ERIK・ULVIN:ピアノ、ARILD・JOHNSEN-SKRAM:ドラム、SIDSEL・KVITVUK:フルート、SOPHIE・KVAM:チェロ、SUSANNE・SAKSENVIK:ヴァイオリン、TREJE・BERG:シタール、HENRIETTE・TRYGGESTAD:トランペット/バック・ヴォーカル、ELISABETH・LYSTAD:バック・ヴォーカル、CAROLINE・FURØYEN:バック・ヴォーカル、TRUDE・LILLEGAARD:バック・ヴォーカル、HANNA・ELIASSEN:バック・ヴォーカル、HANNA・DRAVROK:バック・ヴォーカル、KATARINA・EFSTATHIOU:バック・ヴォーカル、MARTHE・MØLSTRE:バック・ヴォーカルのノルウェーのミュージシャン達です。

1曲目"The Meaning Of Life"(6:09) MAGNUSのアコースティック・ギターによる枯れた響きから入る曲で、バンジョー、ドラム、ベースなどMAGNUS自身の演奏による楽器を追加して行きます。曲の終り近くには、同じくノルウェーで活躍しているHENRIETTE・TRYGGESTAD(CONFUSED)がヴォーカルで参加しています。
2曲目"Lois Is Happy"(2:56) MAGNUSのアコースティック・ギターのエモーショナルなリズムのビートによるキャッチーなサウンドの曲で、ビデオも制作されています。バックの女性ヴォーカルは、ELISABETH・LYSTADとCAROLINE・FURØYEN(CONFUSED)で、彼女達の歌声がご機嫌なんです。
3曲目"Butterfly"(3:57) アコースティック・ギターの調べが素晴らしい牧歌的なサウンドからポップなチューンに展開されるキャッチーな曲です。この曲でもバックのCAROLINE・FURØYENの歌声が素晴らしく響いているのです。
4曲目"Weakness"(3:23) ブラック・ミュージックからの影響も感じさせるメロウな響きを持ったスローなアーバン・ソウルチックな曲です。ノルウェーのベテランベーシストTROND-VIGGO・SORÅSのウッド・ベースの重い弦の響きと女性バック・ヴォーカルの歌声がRUBIES然としたところを感じます。
5曲目"Follow Me"(4:15) 特徴的なギターによるメロディが流れるアシッド感のある曲です。この曲でのMAGNUSのスキャット・ヴォーカルやギターの爪弾きは。ロス・アンゼルスのJASON・MRARZに通じるものを感じさせます。
6曲目"Railway Sleeper"(4:54) MAGNUSの美しいアコースティック・ギターのフィンガー・ピッキングによる調べが響き弾き語りです。ノルウェーを鉄道で旅をした時の出来事を歌詞に綴っています。
7曲目"Write Back"(5:04) 少しロック調のサウンドに移して来た曲の登場です。北欧の若手ロック・シンガーと共通するようなダーク・メランコリックなメロディにエモ・ギターなサウンドが重ねられています。イントロのヴァージョン違いを使ったこの曲もビデオが制作されています。
8曲目"Falling In Love"(7:33) ファルセットで切なく歌うMAGNUSの歌声とスパニッシュ・ギターのエモーショナルな調べが届けられます。この曲でもベースのTROND-VIGGO・SORÅSのソロ演奏が"渋い" のです。後半には女性ヴォーカルとストリングスによるパートとの組曲となっています。
9曲目"Grace"(3:44) 枯れたアコースティック・ギターの爪弾きによるMAGNUSの弾き語りです。訥々と歌う彼の囁きに似た歌声とシンプルなバックのサウンドがゆったりと流れます。
10曲目"Stay Where You Are"(5:32) イントロから流れるメランコリックなヴァイオリンの調べが印象的なアコースティック・サウンドが溢れる曲です。透明感のあるMAGNUSの歌声とゴージャス感のあるバックのヴォーカルも心地好いですね。
11曲目"Until We Meet Again"(10:48) ベビー・ベッドの傍に釣らされた赤ちゃんをあやすチャイムの音色がイントロから流れるMAGNUSの弾き語りです。後半からはエレクトリック・サウンドを増したアレンジと子供たちの音声のサンプルでの演出が美しくまとめられている10分以上ある曲です。
全11曲歌詞付 豪華写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:58分19秒 (見出しのタイトルは、MAGNUS自身のプロフィールに紹介記事から見つけたもので、このアルバムを上手く表しています)'10年7月9日再更新


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写真  MALIHINI / Lose Everything - EP
 ・2017 Memphis Industries

ハワイにやって来た旅行者・・・

このアルバムは、ローマ出身で現在、ロンドンで活躍しているオルタナティヴ/シンセ・ポップ・デュオMALIHINIのデビュー・アルバム(4曲入りEP盤)で '17年9月29日にイギリスでのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MALIHINIのGIAMPAOLO・SPEZIALE:ヴォーカル/ギター/キーボード/マルチ・インスツルメンツ、FEDERICA・CAIOZZO(AKA THONY):ヴォーカル/ギター/キーボード/マルチ・インスツルメンツの2人です。プロデュースは、THE JAZZ BUTCHERのメンバーRICHARD・FORMBYが担当しています。
尚、バンド名のMALIHINIはハワイ語での「ハワイにやって来た旅行者、新参者」と言う意味です。

1曲目"Lose Everything"(4:12) 不思議な電子音がイントロから響くドラムの変則ピートや低い弦を使ったギターのサウンドなどオルタナティヴさを感じる曲です。先にヴォーカルは、GIAMPAOLOが務め途中よりFEDERICAへと交代してロック色の強いサウンドへ展開して行きます。
2曲目"Michael"(3:38) この曲はテンポを落として来たFEDERICAがメイン・ヴォーカルの曲です。カナダの人気女性シンガー似の美しい歌声を聴かせるFEDERICAとバックに響くエレクトロニカのサウンドが印象に残ります。
3曲目"Drums Rock And Roll"(3:57) 少し投げやりに歌うGIAMPAOLOの歌声が渋いこの盤からのショウケース的な曲です。アルバム・リリース前に紹介されたビデオもどうぞ。
4曲目"Miss"(3:44) トイピアノ風のシンプルなイントロから巧に歌い出すGIAMPAOLOの歌声に掴まれるこの曲も渋さを感じる曲です。どこと無くトロピカルさを感じさせるメロディとサウンドは、やはりアメリカやイギリスの音楽と違ったところがあるからでしょうか。この曲もアルバムのリリース数か月前からビデオとして紹介されている曲です。
歌詞無し 紙ジャケット仕様 CD-R 限定版 (輸入盤) 収録時間:15分33秒 ('19年3月には新作フルトラック・アルバムをリリース予定のMALIHINI、とても楽しみにしています)'19年2月24日更新


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写真  MALIHINI / Hopefully, Again
 ・2019 Memphis Industries    MI 0519CD

MALIHINIに注目です・・・

このアルバムは、ローマ出身で現在、ロンドンで活躍しているオルタナティヴ/シンセ・ポップ・デュオMALIHINIの2枚目('17年の4曲入りEP盤を含む)のアルバムで '19年3月8日にイギリスからのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MALIHINIのFEDERICA・CAIOZZO(AKA THONY):ヴォーカル/ギター/ピアノ/カシオトーン405/ウーリッツァー/ハモンド/チェレスタ、GIAMPAOLO・SPEZIALE:ヴォーカル/ギター/ベース/ピアノ/ドラム/シェーカ/ウーリッツァー/ハモンド/WASP/コルグ/ローランド/ラップ・スティール/ダルシマーの2人の他、ALBERTO・PAONE:ドラム/パーカッション、RICHARD・FORMBY:モジュラー・シンセサイザー/コルグ・ラムダ/WASP/ギターが参加しています。 尚、プロデュースは、前作同様THE JAZZ BUTCHERのメンバーRICHARD・FORMBYが担当しています。

1曲目"A House On A Boat"(2:55) 前作同様不思議な電子音がイントロから響く曲です。ポップ調なキーボードの調べと重いシンセ・ベースのサウンドに合わせ、技と無機質に歌うGIAMPAOLOとFEDERICAです。
2曲目"Hopefully, Again"(3:40) ローズ・ピアノとフェンダー系のギターのサウンドが心地好く響くイントロに続いて登場するFEDERICAの憂いを持った歌声が堪らない曲です。GIAMPAOLOとFEDERICAが交互に「恋の駆引き」歌うスローなナンバーです。'18年の11月に公開されたこのアルバムからの一押しの曲となったビデオもどうぞ!。
3曲目"Delusional Boy"(4:04) 前作よりも角の取れたサウンドと優しさを増したGIAMPAOLOの歌声が耳に気持ち好い曲です。逆にFEDERICAがキーを下げた渋めの歌声を聴かせます。この曲もアルバムからのショーケース的に紹介されたビデオもどうぞ。
4曲目"Nefertiti"(2:54) 高いキーで歌うGIAMPAOLOの歌声とバックに響くFEDERICAの憂いを持った歌声が調和したエレクトロニカ・ポップ調の曲です。曲名の「ネフェルティティ」ツタンカーメンの義母の名前となっています。
5曲目"Giving Up On Me"(2:48) この曲もFEDERICAの憂いを持った歌声とGIAMPAOLOの優しい歌声が響くスローな曲です。2曲目"Hopefully, Again" をもっとスローにしてネオ・ソウル的な雰囲気を感じます。
6曲目"Can’t Stand That"(3:35) この曲もネオ・ソウルな雰囲気を感じる曲です。ハモンド・オルガンの音色に揺らぎを持たせ、熱く歌うFEDERICAとGIAMPAOLOの音楽のルーツはこの辺りかなと勝手に想像しています。
7曲目"If U Call"(3:16) 今度は、少しエレクトロニカ・ポップ調の曲を歌うFEDERICAがメイン・ヴォーカルを務める曲です。間奏でのGIAMPAOLOかRICHARD・FORMBYの不思議なサウンドのギターのリフとGIAMPAOLOの歌声を少しLo-Hiにした感じが印象的です。
8曲目"The Snow"(2:38) ここまで聴いて来て結構バラエティーに富んだアルバムと感じさせます。この曲もスローな「冬の情景」を歌った切ない哀愁と春の訪れを期待する様をFEDERICAが歌います。
9曲目"The Afterdays"(2:52) この曲は、GIAMPAOLOのギター1本による弾き語りから入るLo-Hiな生テイクな曲です。後半からサンプル音源や電子サウンドやドラムのビートを付けたオルタナティヴな曲へと展開して行きます。
10曲目"Song #1"(4:17) ギターの爪弾きとコンガのビートとが心地好く絡まって響く曲です。ゆったりとしたリズムとサウンドに合わせスキャットと終焉近くに短い歌詞が登場するほぼインストゥルメンタルとなっています。
8曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:33分02秒 (このアルバムのリリースに合わせ、ローマとロンドンをツアー中のMALIHINI、今年 私の注目株かな…)'19年3月9日更新
2019年度ベスト5


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写真  MARIA CHIARA ARGIRÒ / Closer
 ・2024 Innovative Leisure Inc.    IL2118

チルアウト+トリップ・ホップ+アンビエント的な・・・

このアルバムは、イタリア出身で現在、ロンドンで活躍しているオルタナティヴ/シンセ・ミュージック・キーボーディストMARIA・CHIARA・ARGIRÒの4枚目のアルバム(共同名義は含まない。デビュー時は、ジャズ畑の人)で '24年4月26日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARIA・CHIARA・ARGIRÒ:ヴォーカル/シンセサイザー/ベース・シンセサイザー/ドラム・マシーン/プロデュースの他、RICCARDO・CHIABERTA:ドラム、CHRISTOS・STYLIANIDES:トランペット/ベース、DANIEL・GADD:追加シンセサイザー、IN A SLEEPING MOOD:ドラム・プログラミング/プロデュースの少人数での収録です。

1曲目"Light"(2:51) チャカポコと鳴るドラム・マシーンのリズムとふわっとしたシンセのサウンドに合わせてMARIAが優しく歌う曲です。途中より登場するCHRISTOS・STYLIANIDESのモワモワとしたトランペットの音色がこの曲のキモとなっています。ビデオもどうぞ。
2曲目"Closer"(3:23) イントロから流れるまろやかなシンセのサウンドから掴まれた曲です。少し気恥ずかしさのあるMARIAの歌声と淡々と進むリズムが好いですね。レーベルよりリリースされている不思議なビデオもどうぞ。
3曲目"Glow"(2:45) アシッド感を漂わす打撃音によるリズムとトリップ・ホップ+エクスペリメンタルな流れによるインストゥルメンタルです。ヴォーカル部分は、サンプリングによるエフェクトにて短く流されています。
4曲目"September"(3:37) 男性ヴォーカルとのハーモニーがつけられているように思われますが多分、MARIA自身によるヴォコーダーによる加工のようです。この曲もチルアウト+トリップ・ホップ+アンビエント的な不思議なイメージを伝えて来ます。
5曲目"Time"(2:41) この曲もチャカポコとドラム・マシーンのリズムが淡々と流れる曲です。重く響くベース・シンセサイザーの音色とサウンド・エフェクトによるエクスペリメンタルな要素を強く感じます。ビデオもどうぞ。
6曲目"Koala"(2:40) この曲もかなり尖ったサウンドとメロディを持った不思議なイメージを発する曲です。この曲でもCHRISTOS・STYLIANIDESのトランペットの不思議なサウンドが耳に残ります。
7曲目"Sun"(2:12) この曲も前の曲と同一線上にあるエクスペリメンタル+トリップ・ホップな感のある曲です。ベース・シンセサイザーのサウンドからアグレッシブなシンセのサウンドによりクールなエモーショナルを伝えて来ます。
8曲目"Game"(3:04) 気だるく歌うMARIAの歌声と揺らぎを持ったバックのサウンドとLo-Hiなノイズを混ぜた怠惰感漂う曲です。ここまでアルバムを通して聴いて来て彼女の音楽は、非常にユニークだと感心している自分に気が付きました。
9曲目"Air"(2:51) 美しく響くシンセサイザーのメロディとサウンドがイントロから響く曲です。天に舞い上がるサウンドと短い単語を繰り返し歌うMARIAとトランペットの音色が絡み合いながら登って行きます。
10曲目"Floating"(3:35) ヴォコーダーを使ったMARIAの歌声によるトリップ・ホップな曲です。この曲も途中で登場するCHRISTOS・STYLIANIDESのトランペットの音色が爽やかに響きます。
ここからは、BandcampからCDを購入した際に継続的にダウンロードのサービスを受けられるので、2025年にアップされた2曲を参考に記します。
11曲目"Closer(Acoustic)"(4:23) ピアノでゆったりと奏でられるアコースティック版です。ゆっくり歌うMARIAの吐息混じりの歌声がそっと耳元に美しく響きます。収録時間も約1分程長いですね。
12曲目"Game(DJ Counselling Remix)"(4:53) 打込みをふんだんに使っての曲名通リのゲーム感覚で捲し立てる感のある曲です。クラシック音楽畑で育ったMARIAが挑戦するトリップ・ホップです。
歌詞無し レーベルのスティッカー2枚付 デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:29分43秒(追加曲2曲含まず) (CDを制作/販売しているのは、アメリカのレーベルなので発送は、アメリカ西海岸からオランダ経由となり日本まで21日も掛かりました!)'25年3月26日再更新


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写真  MARIE FRANK / Ancient Pleasures
 ・1999 RCA/BMG DENMARK A/B    7 43214 24752 5

MARIEの若さ溢れる・・・

このアルバムは、デンマークで活躍しているS.S.W.MARIE・FRANKの '99年8月25日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムに参加しているミュージシャンは、MARIE・FRANK:ヴォーカル/アコースティック・ギターの他、KENT・OLSEN:ドラム/パーカッション/プログラミング、JØRGEN・HOLMEGAARD:キーボード/バック・ヴォーカル、SØREN・KOCH:ギター/バック・ヴォーカル、HENRIK・MARSTAL:ベース/チェロ、JESSE・HARRIS:アコースティック・ギター/バック・ヴォーカル、SOUL・POETS:プログラミング、MARY・LEE・KORTES:バック・ヴォーカル、NIKOLAJ・GRANDJEAN:バック・ヴォーカル、APRIL・ANDERSON:バック・ヴォーカルにN.Y.のDANIEL・WISE(ANI・DIFRANCO,JAMES・TAYLOR):プロデュース/プログラミング/バック・ヴォーカルのデンマークとN.Y.のミュージシャン達です。
尚、MARIEは、このアルバムでデンマークのグラミー賞に新人賞など4部門に受賞(Frank'ee名義を含む)もしています。

1曲目"Symptom Of My Time"(3:21) アコースティック・ギターの枯れた調べとタイトなドラムのリズムに乗せ歌う少しハスキーなMARIE独特の歌声が登場するポップなサウンドによる曲です。
2曲目"Save A Little Love"(3:15) 先の曲より少しテンポを上げて来たギター・ポップな曲ですね。MARIEの若さ溢れるサウンドと元気いっぱいの歌声が響きます。尚、この曲は、MARIEの作詞に同レーベルに所属するデンマークのヒットメーカーJACOB・ERIKSENの作曲になっています。
3曲目"Heart Of Saturday Night"(4:14) この曲は、メロディ、リズム、サウンド共に洒落たギター・アレンジも本当に素晴らしいすね。MAREIの歌声の裏から聴こえるNIKOLAJ・GRANDJEANの優しい歌声も"渋い" し、この曲の歌詞にアルバム・タイトルの[Ancient Pleasures] が登場しています。尚、この曲と10曲目は、ドラムのKENT・OLSENのプロデュースとなっています。
4曲目"Right Beside You"(3:58) 本アルバムがN.Y.でレコーディングされた為、JESSE・HARRISがアコースティック・ギター/バック・ヴォーカルで参加している曲で、作曲もJESSEの手によります。JESSEらしいオーガニックなサウンドと美しいハーモニーがアレンジされた落ち着いたアコースティック調の曲です。
5曲目"Separated Soul"(3:45) ギミックなギターの爪弾きとイントロから飛ばすMARIEの歌声によるサウンドを少しハードの方向に移して来たギター・ポップな曲です。
6曲目"Drowning(Under The Water)"(4:09) 美しいギターの残響音とキーボードの心地好い響きが漂うスローな曲です。訥々と歌うMARIEの少し掠れた歌声とアンビエント系のサウンドの流れです。
7曲目"Seven Days"(3:23) アメリカ南部のルーツ・ロック然としたギターのフレーズとスライド・ギターの響きが絡む少し埃ぽいサウンドの曲です。
8曲目"Rockette 88"(3:43) パーカッションのリズムとギターの爪弾きによるサウンドが心地好く届けられる曲です。トロピカルなレイド・バック・サウンドによる後のアルバムでのMARIE作曲のパートナーとなるNEILL・C. FURIOの書いた曲です。
9曲目"She Likes Pine"(3:40) 先に記したデンマークのS.S.W.NIKOLAJ・GRANDJEANの書いた曲です。乗りの良いリズムとアコースティック・ギターのサウンドがバックいっぱいに広がりながらKENT・OLSENのドラムのビートも決まっていますね。
10曲目"No Return"(4:32) ダウンテンポのリズムによるスローなChill-out musicをベースとした曲ですが、アウトロ近くではラウドなサウンドに展開しています。この曲でもMARIEの枯れた歌声が耳に残ります。
11曲目"You Say"(3:44) ナイロン弦ギターの心地好い爪弾きと落ち着いたリズムによるボサ・ノヴァの曲です。パーカッションのビートに乗せて気持ち良く歌うMARIEにこちらの頬も緩みます。
12曲目"Under The Water"(5:44) [Brother Brown Featuring Frank'ee]名義でシングル・カットにてリリースされた本国でのヒット曲です。6曲目のビートをもっとアップテンポにしたChill-out/Trance仕様になっています。
11曲歌詞付 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:47分47秒 (現在、MARIEはインディペンデントとしてEP盤とアルバムを1枚リリースしています)'10年7月9日再更新


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写真  MARIE FRANK / Vermilion
 ・2001 RCA/BMG Denmark A/B    7 43217 76392 3

再びKENT・OLSONと・・・

このアルバムは、デンマークで活躍しているS.S.W.MARIE・FRANKの '01年9月27日に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
このアルバムに参加しているミュージシャンは、MARIE・FRANK:ヴォーカルの他、KENT・OLSEN:ドラム/パーカッション/プログラミング、JØRGEN・HOLMEGAARD:キーボード/バック・ヴォーカル、SØREN・KOCH:ギター/ペダル・スティール/バック・ヴォーカル、HENRIK・MARSTAL:ベース/ギター/チェロにTONY・LINDBY:アコースティック・ギター/コ-プロデュース、ANNI・RINGGÅRD (ANNIONE):アコースティック・ギター/バック・ヴォーカル、NIKOLAJ・GRANDJEAN:バック・ヴォーカル、HENRIK・HOU・JØRGENSEN:トランペット、MINTMAN:プログラミング、HENRIK・MUNCH:ドラム・プログラミング、TINNE・ALBRECTSEN:ヴィオラ、IDA・SPEYER・GRØN:ヴィオラ、NINA・REINTOFT:チェロのデンマークのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、前作同様デンマークのドラマーでもあるKENT・OLSEN(POWDERDUST etc.)、JØRGEN・HOLMEGAARDとMARIEとなっています。

1曲目"Worth It"(4:07) ファンキーなサウンドを聴かせるキーボードの調べと硬い目のドラムのビートが流れるミドル・テンポによるアルバムの最初は軽めの曲の登場です。相変わらず少し枯れた歌声を聴かすMARIEと作者の1人であるANNI・RINGGÅRDの歌声が響いて来ます。
2曲目"Starcatching Girl"(4:25) イントロから響くギターの爪弾きとダークなサウンドが緊張感を与えるダウンテンポの曲です。ボリューム・コントロールで奏でられるギターのサウンドとこの曲では甘い歌声を聴かせるMARIEの歌声が良いですね。
3曲目"Hit You Where It Hurts"(3:42) 今度はアコースティック・ギターを掻き鳴らすサウンドが響くポップなサウンドの曲です。歌詞の方は女の子らしい恋について書かれていてストレートなギター・ポップなサウンドに乗せられています。
4曲目"Bedevilled"(3:45) 再びサウンドをメランコリックな方向に移して来た曲の登場です。打込みのリズムにエコーを効かせたギターの調べが"クール" に響いて来ます。尚、この曲の歌詞にアルバム・タイトルの[Vermilion](朱色)が記述されています。
5曲目"Here We Are"(4:37) イントロから響くギミックなギターのサウンドと力強く刻まれるドラムのビートによるトリップ・ホップ感のある曲です。HENRIK・HOU・JØRGENSENの彷徨えるようなトランペットの調べとKENT・OLSENの作りだしたサウンドの世界が広がります。
6曲目"For Better Or For Worse"(5:47) イントロから流れるハモンドの心地好い響きとくっきりと刻まれるジャジーなギターのサウンドが響くゆったりしたリズムの曲です。サウンドを次第にメローな方向へと更に前作でも素晴らしい歌声を聴かせてくれたNIKOLAJ・GRANDJEANも登場します。
7曲目"Big Love"(3:04) デンマークのヒップ・ホップ系ミュージック・プロデューサーMINTMANがプログラミングしたリズムの流れを効かしたエモ・ポップなサウンドの曲です。アメリカのギター・ポップのバンドのサウンドに非常に近い感じでしょうか。
8曲目"Summer Chill"(5:27) リバーヴを効かせたギターの残響音とMARIEのスモーキーな歌声が響くブリット・ロックなサウンドの曲です。エモーショナルなギターとこれまたエモーショナルな歌声を熱く聴かせる展開もみせるのです。
9曲目"Turn To Me"(5:20) 一転してエレクトロニカのサウンドによるハウス・ミュージックの曲の登場です。HENRIK・MUNCHのプログラミングとリミックスをたっぷりと効かせたサウンドのようです。
10曲目"Maggie's Song"(5:09) MARIEのアコースティック・ギターの弾き語りによるカントリー/フォーク調の曲です。この曲でも少し枯れ気味MARIEの歌声が曲の最後まで切なく響きます。
全10曲歌詞付 豪華写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:45分35秒 (このアルバムをリリースした後MARIEは、再びKENT・OLSONと組んでインディペンデントとして活躍しています)'10年7月10日再更新


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写真  MARIE FRANK / Where The Wind Turns The Skin
 To Leather
 ・2005 FRANKLY SPINNING MUSIC    FSM CD3

MARIEの清楚な歌声とギター・・・

このアルバムは、デンマークで活躍しているS.S.W.MARIE・FRANKの4枚目('03年の6曲ミニ・アルバムを含む)のアルバムで本国でのリリースは、'05年9月11日になっています。
プロデューサーは、ドラマーでもあるKENT・OLSEN(POWDERDUST)が担当しています。
このアルバムに参加しているミュージシャンは、MARIE・FRANK:ヴォーカル、JACOB・LUND:ギター、NEILL・FURIO:ギター/ベース/バック・ヴォーカル/プロデュース、SØREN・KOCH:ギター/バック・ヴォーカル、KEVIN・SALEM:ギター/プロデュース、HOWE・GELB(GIANT SAND):ギター/バック・ヴォーカル、ROLF・HANSEN:ギター、NICOLAI・LAND:ピアノ/ベース、ANDERS・PEDERSEN(GIANT SAND):ギター、HENRIK・MARSTAL:チェロ、OLIVER・KRAUS:チェロ、ANNI・RINGGÅRD:バック・ヴォーカル、JØRGEN・HOLMEGAARD:フルート/フレンチ・ホーン/ヴィブラフォン、THE SCISSORSHARPS:ハンド/フィンガー・クラップス、KENT・OLSEN:ドラム/プロデュースのデンマークとアメリカ勢のミュージシャンが参加しています。

1曲目"I Like It When You Sleep"(3:13) イントロから奏でられるSØREN・KOCHのうねるギターのサウンドが非常に印象的なギター・ポップな曲です。
2曲目"Kiss The Messenger"(4:21) アコースティック・ギターのサウンドに乗せて歌うMARIEの清楚な歌声が響く女性S.S.W.らしいアコースティック調のサウンドにキャッチーなリフレインを加えて収録された曲です。
3曲目"Drive"(3:45) 幻想的なサウンドのイントロから続けて響くアコースティック・ギターのシンプルなサウンドが印象的な曲です。この曲でも清楚でイノセントなMARIEな歌声が響いています。この曲は私をMARIEの音楽の虜にした最初の曲で、ギターのメロディ・ラインはN.Y.のIVYのサウンドに共通するところを感じます。
4曲目"It Can't Get Any Worse"(3:56) 牧歌的なアメリカン・サウンドの曲の登場です。ギターの循環コードで奏でられるシンプルなサウンドにダウン・ビートのグレッチらしい荒らしたギター・サウンドが添えられたナッシュヴィル・テイストを感じます。
5曲目"Leather"(4:52) この曲は、アルバム全体のサウンドから少し離れたところに位置する曲ですね。作詞/作曲は、 アリゾナのロック・シンガーHOWE・GELBで、彼自身ギター/バック・ヴォーカルとして収録に参加しています。オリジナル曲は、HOWE '05年のソロ・プロジェクト・アルバム[Arizona Amp And Alternator]に収録されています。
尚、この曲のオリジナル名"Where The Wind Turns The Skin To Leather" がMARIEのこのアルバムのタイトルにもなっています。
6曲目"Scrabble-Ina"(4:27) イントロのドラムのビートと少し寂しそうなキーボードの調べがメランコリックに流れる曲です。この曲は、先に紹介した '03年のミニ・アルバムにも収録されています。
7曲目"I See What You Say"(3:42) アコースティック・ギターのカッティング・サウンドをベースにしたリズムの流れから次第にサウンドを膨らませるギター・サウンドを一杯使ったポップ・ギター・サウンドの曲です。この曲での少し枯れたMARIEの歌声は先日、紹介した同じくデンマークで活躍しているS.S.W.LOUISE・HARTの歌声にも近いものを感じさせます。
8曲目"Whoops Wrong Daisy"(4:57) このアルバムから一押しとなっている曲の登場です。作詞/作曲はギター/ベースバック・ヴォーカルでも参加しているNEILL・FURIOで、彼の歌声も非常に心地好さを感じさせます。
9曲目"It Passed You By"(2:19) 何か非常にアメリカの中西部のサウンドを感じさせるオリタナ・カントリー・ウエスタンのサウンドの曲ですね。確かにデンマークに限らずスウェーデンでもノルウェーでも、この手のミュージック・リスナーは根強く居ますからね。
10曲目"All Fall Down"(4:41) アコースティック・ギター1本のスローなサウンドに乗せて歌うMARIEの訥々とした歌声が響くシンプルな曲です。RCA時代のアルバムにも作曲とヴォーカルとして参加していたさデンマークの先輩S.S.W.ANNI・RINGGÅRDが後半よりバック・ヴォーカルとして登場します。
11曲目"Spot on The Moon"(5:10) この曲はゆったり流れる心地好いリズムとサウンドの広がりを感じる曲ですね。映画のタイトル・エンド合わせて流れて来る曲調と物語の終焉を感じさせます。
全11曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:46分22秒 ('99年に大手RCA/BMGからアイドル系のS.S.W.としてデビューしたMARIE・FRANK、現在は、このアルバムのジャケットのように少しうつむき加減に飾らずインディペンデントとして作詞/作曲とアルバムのリリースと頑張っています)'10年7月10日再更新


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写真  MARK GILLESPIE / Give It Time
 ・1996 LC 4961 bernd giezek RECORDS    1310996012

残念ながら廃盤状態ですが・・・

イングランドのStockportで生まれたMARK・GILLESPIEは、ヨーロッパ中をストリート・ミュージシャンとして旅行中に、たまたまドイツでセッション・ベーシストと活躍しているPETER・HERRMANNと知り合って、彼のスタジオに招待され一緒に曲作りからアルバム制作とライヴ活動も行うようになり、そのままMARKは、ドイツに住むようになったようです。
このアルバムは、そのMARKのデビュー・アルバムで '96年12月12日ドイツのみのリリースです。
収録は、PETER・HERRMANNと彼の音楽仲間MARKUS・LEUKEL:ドラム、"JO JO"・EICHENAUER:キーボード、BURKHARD・MAYER:ギター、HANS・KREUZINGER:サックス、RICHARD・H・JONES:バック・ヴォーカル、FRANK・H・KIMMEL:バック・ヴォーカルなど地元のミュージシャンが参加しています。

1曲目"I Lost My Trust For You"(4:50) MARKのオリジナル曲です。PETERのベース・ソロとHANS・KREUZINGERの柔らかいサックスの音色によるミドル・テンポのネオ・ソウルな曲です。
2曲目"Give It Time"(3:02) 恋人を逃れた天使に例えた失恋をテーマしたミドル・テンポのバラードです。サビの部分では哀愁を漂わせ、しかもファンクな展開をみせる曲です。
3曲目"Don't Mess Around"(4:24) バック・ヴォーカルで参加しているRICHARD・H・JONESの書いたレゲエ調の曲です。ブラック・ミュージックからの影響が窺えるファンクでソウルにアレンジされテンポを上げて収録されています。尚、MARKは '07年の[Unplugged]でもこの曲のヴァージョン違いを再収録しています。
4曲目"Aint No Sunshine"(2:18) ソウル・シンガーBILL・WITHERS '71年のヒット曲です。MARKがストリートで演奏していた曲だと思います。ソウルフルなMARKの歌声が非常に似合う曲ですね。間奏では、ジャジーで粋なブルーノート・スケールでBURKHARD・MAYERがギターソロを聴かせます。
5曲目"Cordula"(3:33) MARKのライヴでよく演奏される曲で、イントロからMARKがスキャット・ヴォーカルで飛ばす曲です。爽やかなでポップなメロディと躍動感のあるMARKUS・LEUKELのドラムのビートによる乗りの良いナンバーです。
6曲目"Boat On The River"(3:06) 70年代に活躍したシカゴ出身のロック・バンドSTYXの '79年のアルバム[Cornerstone]に収録されている曲です。ファンクなブラスとオルガンのサウンドによるメロディアスなミドル・テンポのナンバーです。
7曲目"Waiting In Vain"(4:15) BOB MARLEY & THE WAILERS '77年のヒット曲のカバーです。この曲もMARKがストリートでよく演奏していた曲で、MARKの最新アルバムにも再び収録されています。サックスのサウンドと流れるようなギターの音色を取り入れたアレンジでサウンドを豪華にした曲です。
8曲目"The Light At The End"(3:27) MARKのオリジナル曲です。ケルト的な荘厳な静けさに響く残響音が印象に残るアコースティックな曲です。
9曲目"Dangerous Eyes"(2:40) 西海岸の明るさを持ったサウンドに近い爽やかな曲です。豊かに響くキーボードのサウンドとギターの調べによるアダルト・ロックです。
10曲目"Interlude"(1:41) 2分を少し切る短いアコースティック・ギターによるインストゥルメンタルです。MARKの叔父さんはマンチェスターで活動しているトラディショナル・ミュージック/フォーク・ミュージックのシンガー/ギタリストで、彼からギターの演奏と作曲などを幼い頃より手解きを受けたようです。
11曲目"I Don't Want To Set The World On Fire"(3:05) 作者不明のジャズのスタンダード曲です。MARKのスモーキーな歌声に沿って演奏されるギターのジャジーな調べによるラウンジ・スタイルの曲です。
12曲目"Don't Mess Around II"(4:50) 再び登場したRICHARD・H.JONESの曲で、ライナーでの紹介では、オリジナル・ヴァージョンと記載されています。レゲエのリズムによるスローなオリジナル・アレンジ曲での収録です。MARKのエモーショナルでソウルフルな歌声が響く曲です。
13曲目"Funky And His Foxy Lady"(4:28) BAD DOG BURGHARDTのカバー曲です。ファンキーなリズムを繰り返す流れにMARKがラップを重ねた曲です。打込みの重い響きとジャズ・ギターのソロを"クール" に配したフュージョン・テイストも持合せています。
12曲歌詞付 ライナー付 (輸入盤) 収録時間:45分53秒 (現在、このアルバムは廃盤になっているようで、MARK自身のH.P.でも取り扱いが無いようです)'10年7月10日再更新


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写真  MARK GILLESPIE BAND / Live At The Traumstern '97
 ・1997 LC 4961 bernd giezek RECORDS    A708643-01

ストリートでのライヴで鍛え・・・

'97年10月にドイツのLICHにあるTHE KINO TRAUMSTERNで行なわれた、地元のミュージシャンMARK・GILLESPIEのライヴを収録したアルバムで、MARKの2枚目のアルバムになり '97年ドイツのみのリリースです。ライヴでのメンバーは、MARK・GILLESPIE BANDとして御馴染みのPETER・HERRMANN:ベース、MARKUS・LEUKEL:ドラム、CLAUDIA・ZINSERLING:キーボード、BURKHARD・MAYER:ギター、HANS・KREUZINGER:サックスにMARK:ヴォーカル/アコースティック・ギターです。

1曲目"The Chocolate Factory" 後にMARKのインディペンデント・レーベル名になったタイトル曲です。心躍らすドラムのビートとPETERの張り詰めたベースの響きによる曲です。MARKの音楽に一部通じるSTINGのサウンドにも似た楽曲です。
2曲目"Give It Time" MARKのデビュー・アルバムのタイトル曲です。HANS・KREUZINGERの雰囲気物のサックスが流れるネオ・ソウル仕立てでライヴ用にアレンジされたようです。
3曲目"It Used To Be Easy" MARKがライヴでこの曲を新曲と紹介して演奏に入っています。後のライヴDVD盤にも収録されているハードなギターのサウンドによるエモ・ギター・ロックです。テンポの速いロックのリズムにも容易で巧みなベース・ランニングを聴かせるPETERはMARKにとって心強い相棒です。
4曲目"Seven Days" STING '93年の[Ten Summoner's Tales]に収録されている曲のカバーです。ストリングスを爪弾く音に似せたキーボードのサウンドが印象的なミドル・テンポのナンバー。
5曲目"Ain't No Sunshine" MARKのライヴでよく演奏される曲で、BILL・WITHERSのカバー曲です。この曲のソウルさはMARKの歌声が非常に似合う曲で、ライヴでの演奏はアドリヴでラップの歌詞を綴ったり予想外の収録になっています。この曲はきっとMARKの定番になっているのでしょう。
6曲目"The Dark Side" 悲しげなサックスの音色でのイントロに配したメロディアス・ロックです。バックで流れるギターの調べは70年代のブリティッシュ・ロックを想い出させるフレーズにファズを効かせた懐かしいサウンドのようです。
7曲目"I Don't Know What To Do" 一転して打込みのリズムを流しまがらMARKがギターを掻き鳴らすワイルドな曲です。この曲も後にライヴDVDに収録されているハードなメタル系ギターをふんだんに使ったドイツの観客好みのアレンジで演奏されています。
8曲目"Little Wing" ご存知JIMI・HENDRIXが生前の '67年に残したセカンド・アルバム[Axis: Bold As Love]に収録されている名曲です。これまで数々のギタリスト/シンガー達からカバーされ続けています。MARKのライヴでは前半のギターはMARK自身のようで後半はBURKHARD・MAYERの"ジミ・ヘン" 張りの凄いギターです。
9曲目"I Don't Want To Set The World On Fire" デビュー・アルバムにも収録されているジャズのスタンダード曲です。この曲でのMARKのソウルフルな歌声だけ聴いていると本当にイギリス生まれの人?と思います。ニューオリンズの往年のミュージシャンの収録と言われても解からないでしょうね。間奏の後には"サッチモ" を真似た声色で歌うMARKの遊び心を収録したライヴならではの曲です。
10曲目"Jessie" ファンクなリズムとメロディによるダンサブルな曲です。メロウな歌声も聴かせるMARKの歌声とバックの演奏も見事に融合した曲です。ライヴに参加している各ミュージシャンのソロを繋いだ間奏も見事です。この曲のアウトロから次の曲まで自然と繋がる粋なアレンジです。
11曲目"Mad Markus" 曲のタイトルから分かるようにドラムのMARKUS・LEUKELのソロによる演奏を6分以上に渡って収録しています。イントロからアウトロまでMARKUSのアフリカン・ミュージックまで網羅したドラム・テックの数々は圧巻です。
12曲目"Five Seven" 観客の盛大な拍手と共にこの曲紹介をするMARKのエモーショナルをメインしたレゲエ調の曲です。ハードなサウンドでのギターの間奏とサックスの調べを取入れた非常に盛りだくさんの演奏です。
歌詞無し ライナー付 (輸入盤) 収録時間:59分45秒 (ストリートでのライヴで鍛え上げてきたMARKのパフォーマンスが見事に収録された貴重なアルバムです)'10年7月12日再更新


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写真  MARK GILLESPIE / Mindless People
 ・1999 CHOCOLATE FACTORY    99CF001

自身のレーベルによるビター・スイートな歌声・・・

現在、ドイツのGießen(ギーセン)で活躍しているMARK・GILLESPIE(同名のミュージシャンが数人いますので注意!)の4枚目のアルバムで、'99年に本国でのリリースです。1970年イングランドのStockportで生まれたMARKはドイツでストリート・ミュージシャンとして音楽活動を開始し、後にセッション・ベーシストのPETER・HERRMANNと出会ったようです。現在、自身のレーベルからインディペンデントとしてアルバムをリリースしています。収録は、MARK GILLESPIE:ヴォーカル/ギター/プログラミングの他、PETER・HERRMANN:ベース/オーケストラ・アレンジ、MARKUS・LEUKEL:ドラム、THOMAS・DILL:ギター/キーボード(このアルバムからMARK GILLESPIE BANDとして参加)、BURKHARD・MAYER:ギター、GERD・STEIN:ギター、KLAUS・TROPP:ドラム、HANS・KREUZINGER:サックス/フルート、MARTIN・HERING-POWNALL:ベース、TESS・WILEY(Ex.SIXPENCE NONE THE RICHER):バック・ヴォーカル、MARTHA・DE-LA-VEGA:バック・ヴォーカル、EVA・BRIEGEL:バック・ヴォーカル、JOHN・MORRELL:バック・ヴォーカルのドイツのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"God Is In The Internet"(5:47) アコースティック調のサウンドによるカントリー・ロックの曲で、タイトルも面白いですね。現在の生活の中での一面をシニカルな歌詞に綴った内容の曲です。
2曲目"Mindless People"(4:17) "クール" な内容の歌詞をこれまた"クール" なメロディとサウンドに乗せて歌われています。MARKのビター・スイートな歌声が堪りません!間奏でのサックスなどはSTINGに通じる雰囲気を持っています。
3曲目"Balcony Door"(5:19) 少しサウンドを牧歌的にして来たアコースティック・ギターでの曲です。MARKのエモーショナルな歌声もアレンジした凝った変調も面白いです。バック・ヴォーカルはTESSかMARTHA・DE・LA・VEGAのようです。
4曲目"For Your Love"(4:17) ソウルフルな曲の登場で、MARKのスモーキーな歌声はこのようなブルースの曲では一層映えますね。間奏のTHOMAS・DILLのギターがまた"渋い" のです。
5曲目"Easy"(3:22) 乗りの良いドラムのビートとうねるベースのサウンドにアッポ・テンポなナンバーです。バックのギターのカッティングのスリリングとドラムの躍動感に魅了されます。
6曲目"I Don't Know What To Do"(3:41) ミドル・テンポのストレートなロックのサウンドの曲です。MARKの燻し銀的な歌声から繰り出される歌詞の熱いメッセージに聴き入ります。
7曲目"You"(4:56) MARK自身も"べた褒め" のギタリストTHOMAS・DILLのブルージなサウンドを全面に出したR&Bです。彼のギターとMARKのソウルフルな歌声が見事に調和されています。
8曲目"Spooky"(3:42) ブラック・ミュージックからの影響を感じさせるファンクなR&Bです。アコースティック・ギターの爪弾きに混じって登場するTESSのスキャト・ヴォーカルが最高に鳥肌ものです。
9曲目"April Sun"(5:30) MARKライヴでよく演奏される定番の曲です。私的にはナイトクローラーを想像させる底に流れる"クール" なリズムとビートによるブリティッシュ・ファンクの影響を感じさせるご機嫌な曲です。
10曲目"Mr.Wilkinson Neighborhood"(3:40) 一転して爽やかなストリングス風のサウンドを配した曲です。スローなリズムと叙情的なサウンドによる曲ですが、後半はアグレッシヴな展開も圧巻です。
11曲目"Nothing"(6:04) この曲は何故かアメリカのロック・ミュージシャンの曲に通じるサウンドを感じます。誰かに似ている誰かな?BOBBY・WHITLOCKかBOB・WEIRかな?このアルバムには、色々なサウンド・スタイルの曲が多く収録されて思わず嬉しくなります。
12曲目"Sha-La-La"(3:45) レコード盤のトレース・ノイズを使ったサンプルとフルートの音色による少しアブストラクトな雰囲気を持った曲です。コーラスのパートからはサイケデリックな一面も覗かせた意欲作です。
13曲目"You Two"(2:40) 4曲目の曲のリミックス的な収録で、打込みを追加した上にジャズ・ギタリストGERD・STEINのテレキャスター?によるギター・ソロによる"クールな"インストゥルメンタル。
12曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:57分08秒 (MARK自身のレーベルTHE CHOCOLATE FACTORYからの販売ですが、このB.W.M.C.で紹介出来る事を嬉しく思うアルバムの1枚です。
尚、MARKはS.S.W.としても素晴らしい才能の持ち主ですが、このアルバムの購入に際して、彼の人間性の素晴らしさに触れ合う事が出来て嬉しく思います)'10年7月12日再更新
1999年度ベスト5


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写真  MARK GILLESPIE / I Believe...
 ・2000 CHOCOLATE FACTORY    00CF004

ロック色を増したMARK・・・

ドイツのヘッセン州でインディペンデントとして活躍しているMARK・GILLESPIEの5枚目のアルバムで、'00年のリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARK・GILLESPIE:ヴォーカルの他、THOMAS・DILL:ギター/キーボード、PETER・HERRMANN:ベース/オーケストラ・アレンジ、MARKUS・LEUKEL:ドラム、STEFAN・SEITZ:キーボード/バック・ヴォーカル、GERD・STEIN:ギター、JOSÉ・J.CORTIJO:パーカッション、SONIA・WIEGANT:バック・ヴォーカル、MARTHA・DE-LA-VEGA:バック・ヴォーカルの前作とほぼ同じメンバーですが、残念ながら今回はスケジュールが合わなかった為かTESS・WILEYは、参加していません。

1曲目"Feel Let Down"(6:08) ドラムロールのイントロから唸るTHOMAS・DILLのギターでのサウンドです。ベースのPETER・HERRMANNのうねったサウンドが印象的です。
2曲目"Set Me Down"(4:30) アメリカの南部の人が好みそうなロック"ン" ロールのリズムです。ソリッド・ボディーから放たれるドライヴ感のある歪ませた弦の響きに乗せ歌うロック色を増したMARKの歌声です。
3曲目"Tell Her From Me"(5:02) ギブソン系のアコースティック・ギターの張りのある金属感の美しい響きによるスローな曲の登場です。ロマンチックなMARKの歌詞の内容で、美しいバック・ヴォーカルが付けられています。曲はギターのTHOMASが書いたそうです。
4曲目"So Damn Young"(3:34) MARKUS・LEUKELの硬い質感でのドラムのビートが特徴的な曲で、ドラム・ループも併せて収録されています。テンポの良いリズムとMARKのソウルフルな歌声が好いですね。
5曲目"Send You Roses"(4:00) 美しいギターの響きによるイントロと切ない歌声によるMARKのヴォーカルが胸を打ちます。メランコリックな内容の歌詞を切なく歌うMARKのラブ・バラードです。
6曲目"Whatever That Means"(6:34) パーカッションの響きと変則チューニングされたアコースティック・ギターの胸騒ぎを与える独特の響きが調和した不思議な雰囲気なスローな曲で、間奏のPETERのフレットレス・ベースのソロも素晴らしいのです。ギター・パートの作曲は、ギターのTHOMAS・DILLとなっています。
7曲目"Five"(4:07) 荘厳なキーボードのサウンドによるイントロから急展開する心地好いボサ・ノヴァのリズムの曲です。1分半もあるイントロに続いて登場するハスキーヴォイスのMARKの歌声とナイロン弦の柔らかな響きがマッチしています。
8曲目"I Believe"(3:36) 1音ずつ下がって行くコードが好いですね。エモーショナルな歌声のMARKをサポートするようにギターを弾くTHOMASの演奏も心地良いです。
9曲目"Nachtcafé"(4:33) この曲は明るいサウンドとメロディはご機嫌ですね。夜の街中に繰り出して、楽しく過ごすひと時の情景を歌にしたファンキーなナンバーです。
10曲目"Hold Me Still"(4:36) 悲しみに暮れる様を歌にしたメランコリックな内容と切ないメロディです。いつも低いキーで歌うMARKが、所々ファルセットで歌っています。
11曲目"Save As Houses"(2:20) ギターのサウンド好きにとっては堪らない曲です。曲のタイトルのみをMARKがバックで歌い、THOMASのギター・ソロによる殆どインストゥルメンタルです。そう言えば前のアルバムも最後の曲はインストゥルメンタルでしたね。
10曲歌詞付 MARK自身の曲紹介ブックレット (輸入盤) 収録時間:49分06秒 (MARK自身の録音/CDレーベルからリリースされている盤ですが、歌詞付のライナーとCDの品質/音質はメジャー・レーベルのグレードと遜色はありません)'10年7月12日再更新


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写真  MARK GILLESPIE / Barefoot And Naked
 ・2002 CHOCOLATE FACTORY    02CF002

サウンドの幅を広げたMARK・・・

ドイツでインディペンデントとして活躍しているS.S.W.のMARK・GILLESPIEの6枚目のアルバムで、'02年のリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARK・GILLESPIE:ヴォーカル/プログラミングの他、THOMAS・DILL:ギター、BURKHARD・MAYER:ギター、ROBERT・MULCH:ピアノ、SUZANNE・GRESCHUS:チェロ、ESTER・POPP:ヴァイオリン、KLAUS・TROPP:パーカッション、MARTHA・DE-LA-VEGA:バック・ヴォーカル、TESS・WILEY:バック・ヴォーカル、JOHN・MORRELL:バック・ヴォーカルのMARKの音楽仲間達が参加してます。

1曲目"Supersonic Sunday"(4:12) MARKのファンに人気のあるナンバーで、ライヴでよく演奏されている曲です。哀愁のメロディによるミドル・テンポのバラード。
2曲目"My Dreams"(4:11) アコースティック・ギターの小刻みなリズムが心地好い曲です。スポーケンとアドリブ的なヴォーカル・スタイルによる曲で、ライヴ中にこの曲の構想を思いついたと記述されています。
3曲目"Hold Me Down"(4:05) 乗りの良いリズムとネオ・アメリカン的なポップなメロディによる曲です。通常の歌声とヴォコーダーを通したMARKの歌声を使い分けて収録されています。
4曲目"Metro Man"(3:07) この曲はMARKのサウンド的には新境地です。ドイツで非常に人気の高いアンダーグランドなアシッド・ロックです。
5曲目"The Road"(4:34) ソプラノ・サックス風の打込みのサウンドを使ったアダルトなロックの曲です。この曲もライヴでTHOMAS・DILLのギターの伸びやかなサウンドによってよく演奏されている曲です。
6曲目"Daydreamer's Son"(3:59) イントロのエフェクターを効かせたギターの響きが美しい曲です。カントリー調のメロディとリズムによる曲です。バック・ヴォーカルはTESS・WEILEYでしょうか。
7曲目"Day After Day"(3:48) ヘビーなベースのサウンドとギミックなTHOMASのギターによるアシッドなロックのリズムと排他的な歌詞の内容での曲です。
8曲目"Once In A While"(3:30) 短い歌詞によるMARKの弾き語りを中心にした収録です。後半からオルタナティヴでラウドなサウンドに展開される曲で、過去のアルバムより一歩サウンドの幅を広げたようです。
9曲目"I'm So Tired"(5:25) 少し荒らしたサウンドによるワイルドな曲です。ハードな歌声とブルージーなギターの調べによる曲です。
10曲目"Giving It Up"(4:12) ヨーロッパのサウンドを感じさせるメランコリックなメロディと華麗な変調を持った曲です。間奏のギター・ソロは、MARK自身の演奏ようです。
11曲目"New Dimension"(3:25) クラシックな戯曲のようなイントロから急展開するアシッドなヘビーなサウンドの曲です。サンプルによる多重収録を駆使した曲です。
12曲目"I Need Your Love"(4:80) 嘆きながら歌うMARKのメランコリックなナンバーです。スローなエレクトロニカの無機質なサウンドをベースにしています。
13曲目"The Way Things Go"(8:19) グルーヴなギターのサウンドを使ったネオ・ソウル/ファンクな曲です。スキャット・ヴォーカルとジャジーなキーボードによるお洒落な8分を越える長尺な曲です。
14曲目"Little Song"(1:00) MARKの力強いフィンガー・ピッキングによるアコースティック・ギターのサウンドをメインした1分程度の弾き語りです。
7曲歌詞付 数曲MARK自身の曲紹介付ライナー (輸入盤) 収録時間:58分42秒 (MARK自身による初プロデュース・アルバムです。サウンド的には実験的な要素も含んでの収録のようです)'10年7月13日再更新


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写真  MARK GILLESPIE / Supersonic Wednesday
 ・2004 CHOCOLATE FACTORY    04CF002

白熱した演奏とMARKの仲間達・・・

'04年6月ドイツのLICHにあるTHE KINO TRAUMSTERNで行なわれた地元のミュージシャンMARK・GILLESPIEの3時間におよぶライヴを約1時間に集約して制作されたアルバムです。
このアルバムは、MARKにとって7枚目にあたるアルバムでライヴが行なわれた同じ年 '04年にHPよりリリースされています。ライヴでのメンバーは, MARK GILLESPIE BANDとして御馴染みのPETER・HERRMANN:ベース、MARKUS・LEUKEL:ドラム、THOMAS・DILL:ギターに加えRALF・ERKEL:キーボード、JOSÉ・J.CORTIJO:パーカッションにバック・ヴォーカルはTESS・WILEYMIRIAM・PFAFFとスタジオでの収録にも参加しているMARKの仲間達です。

1曲目"April Sun"(6:03) '99年のアルバム[Mindless People]に収録されている曲。ドイツ語での紹介に続いて登場するMARKのソウルフルでファンキーなナンバーです。
2曲目"Supersonic Sunday"(4:50) '02年の[Barefoot And Naked]に収録されている曲。ライヴでもTHOMASの "クール " なギターのサウンドが効いた哀愁のバラードです。
3曲目"The Road"(5:52) 同じく '02年の[Barefoot And Naked]に収録されている曲。スローなイントロからダイナミックに展開するロック調の曲で、縦横無尽に響くTHOMASのギターが大きくフィーチャーされた曲です。アウトロでも凝ったアレンジが見事です。
4曲目"The River"(4:33) アルバム未収録曲です。フィンガーピッキングの美しい響きのギターのサウンドによるポップなナンバーです。後半でのJOSÉ・J.CORTIJOのパーカッションの躍動的なこと。
5曲目"Easy"(6:40) '99年のアルバム[Mindless People]に収録されている曲。MARKのアコースティック・ギターの爪弾きに合わせて手拍子を送る観客の乗りが伝わって来そうな白熱した演奏です。キーボードのRALF・ERKELのソロも素晴らしいです。
6曲目"Daydreamer's Son"(3:46) '02年の[Barefoot And Naked]に収録されている曲。アコーディオンに持ち替えたRALFとMARKの演奏を中心に繰り広げられる曲です。バック・ヴォーカルのTESSとMIRIAMのハーモニーも印象的です。
7曲目"God Is On The Internet"(6:17) '99年のアルバム[Mindless People]に収録されている曲。MARKの歌声と彼のアコースティック・ギターの弾き語りから入る曲で、カントリー調のメロディとリズムによるMARKの代表曲です。
8曲目"Roses"(4:06) '00年のアルバム収録時には"Send You Roses" とタイトルになっていた曲です。MARKの紹介通り、素晴らしいTESSのヴォーカルが収録されています。ビターでスモークなMARKの歌声の後から登場する、TESSの独特の憂いを持った歌声に思わず、鳥肌が立つ自分に気がつきます。
9曲目"Mindless People"(6:05) '99年の同名タイトルに収録されている曲です。厳かで"クール" なイントロから聴かせる曲です。PETER・HERRMANNの見事なベース・ランニングと哀愁のあるメロディによるMARKの代表曲です。
10曲目"Waterfront"(6:50) アルバム未収録曲です。THOMASのスライド・ギターとMARKUSのドラムのビートが調和したミドル・テンポのアダルトなロックです。
11曲目"I Miss My Mommy"(5:52) '98年のMARK・GILLESPIE & PETER・HERMANN名義の[Exite]に収録されている曲で、心地良いジャイヴを感じるパブでのライヴに似合いそうな軽く楽しめる曲です。PETERのベース・ソロとMARKのソウルフルな上に饒舌な歌声が特徴的な曲です。
4分ほどのブランクの後にヒドゥン・トラックとして '00年の[I Believe...]の "Whatever That Means"(6:03) がMARKのアコースティック・ギターでの弾き語りで収録されています。
歌詞なし 写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:69分53秒 (尚、このアルバムは同時に収録されたDVD(PAL方式)でもリリースされています)'10年7月13日再更新


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写真  MARK GILLESPIE / Unplugged
 ・2007 CHOCOLATE FACTORY    07CF001

MARKのストリート・ミュージックの集大成・・・

ドイツのGießenでインディペンデントに活躍しているMARK・GILLESPIEの8枚目(PETER・HERMANNとの共同名義も含む)のアルバムです。MARKが本格的にデビューする前のストリートでのパフォーマンス曲をアンプラグドで収録したカバー曲を中心に新曲とベーシストのPETER・HERRMANNの曲をカップリングして '07年5月に本国でリリースされたアルバムです。
尚、このアルバムでのメンバーはTHOMAS・DROST:フルート、PETER・HERRMANN:ベース、ジャズ・ピアニストのOLIVER・JÄGERと1曲ですが、MARKの子供達:LARA、EMMAのヴォーカルが収録されています。

1曲目"Don't Mess Around"(3:52) MARKと同じくドイツで活躍しているシンガーRICHARD・H.JONES(現在は千葉在住) '91年[Nightfall]に収録されている曲のカバーです。MARKのネオ・ソウルな歌声によるアコースティック・ギターでの弾き語りです。サビの部分ではセルフ・ハーモニーによるオーバーダヴでメリハリを付けた収録です。
2曲目"Aint No Sunshine"(2:21) STINGもカバーしているソウル・シンガーBILL・WITHERS '71年のヒット曲です。MARKの非常にエモーショナルなリズムの刻みとTHOMAS・DROSTのフルートが"クール" に溶け合っています。
3曲目"Probably Me"(4:24) 今度は '93年STINGの[Ten Summoner's Tales]に収録されている曲のカバーです。STINGのオリジナルより少しアップテンポにして、ボサ・ノヴァの要素も加えた、ご機嫌なナンバーです。
4曲目"Take To The Skies"(2:50) MARKの新曲でしょうか?アコースティック調によるアップテンポのコードの刻みと躍動的なリズムによるエモ・ギター・ソングです。後半ではMARKの子供達の可愛らしい歌声が入っています。
5曲目"Waiting In Vain"(3:33) BOB MARLEY & THE WAILERS '77年のヒット曲のカバーです。MARKのギター1本での弾き語りにパーカッションのリズムを加えた収録で、シンプルに仕上げています。
6曲目"Angels In The Rain"(3:41) この曲もMARKの新曲でしょうか。OLIVER・JÄGERの優しいピアノの旋律に乗せて歌うMARKのビターな歌声によるミドル・テンポのバラードで、ストリートで慣らしたMARKの歌声の素晴らしいこと。
7曲目"So Beautiful"(3:48) カントリー調のメロディによる哀愁のバラードです。エモーショナルに歌うソウルフルなMARKの歌声による彼の新曲でしょうか。
8曲目"Chasing Cars"(4:47) スコットランド出身のオルタナティヴ・バンドSNOW PATROL '06年のヒット曲のカバーです。MARKが新しいこの曲をカバーするのは興味深いですね。ここでの収録はオリジナルに近いアレンジで行われています。
9曲目"Crazy"(3:57) ブリティッシュ・ファンク/ソウル・シンガーSEAL '91年のUKチャート1位ヒット曲です。MARKの収録は彼の弾き語りとギター・ソロを中心とした、このアルバムのタイトル通り[Unplugged]で仕上げています。
10曲目"Chasing The Moon"(3:26) MARKの新曲です。アコースティック・ギターの憂いのあるイントロのメロディとMARKのファルセットによるスキャット・ヴォーカルが素晴らしい曲です。幻想的な響きを持ったギターのコード進行とMARKの歌声/ハーモニーが見事に調和しています。
11曲目"Winter Wonderland"(2:02) 何の説明もいらないでしょうね。クリスマスには必ず登場するRICHARD B.SMITH作詞BERNARD・FELIX作曲の'34年頃のヒット曲で、映画のサウンドトラックは、非常に有名です。MARKはアコースティック・ギターにスライド・ギターのサウンドを被せてスローに優しく歌っています。
12曲目"3angels"(2:20) ベースのPETER・HERRMANNの曲です。MARKのアコースティック・ギターの調べに乗せたPETERのメロディアスなベース・ソロによるインストゥルメンタルです。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:41分06秒 (尚、MARKはこのアルバムの説明に[Unplugged]ですが、エレクトリック・ベースとエレクトリック・ギターのソロが2曲入っているとの断りが...丁寧な人です)'10年7月13日再更新


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写真  MARK KING / One Man
 ・1999 PYRAMID RECORDS CORPORATION    R2 75728

少し寂しい雰囲気のするアルバムですが・・・

チョッパー奏法でベースを弾きながら歌う姿が非常にカッコ良かった元LEVEL42のフロントマンMARK・KINGのソロアルバムです。前作 '84年の"Influences" から実に15年ぶりの2枚目のソロアルバムで '99年5月18日アメリカでのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARK・KING:ヴォーカル/ベース/ギター/シンセサイザーの他、MILTONN・MACDONALD:ギター、MARK・JAIMES:ギター、CHESTER・ KAMEN:ギター、LYNDONN・CONNAH(LEVEL42):キーボード、GEOFF・DUGMORE:ドラム/パーカッション、MILES・BOULD:パーカッション、PAUL・TAYLOR:キーボード/シンセサイザー/プログラミング/プロデューサ、GARY・BARNACLE:アルト/ソプラノ・サックス、NICKY・BROWN:バック・ヴォーカル、ANDY・CAINE:バック・ヴォーカルのイギリスのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデューサーは、キーボードの演奏でも参加しているPAUL・TAYLORが担当しています。

1曲目"Bitter Moon"(4:09) 本国イギリスでシングルカットされた曲でMARKにしては大人しい感じの曲ですが、彼のエモーシナルなヴォーカルは健在です。
2曲目"Swimming With Sky"(4:46) 中近東風のメロディを奏でるシンセサイザーによるイントロに続いてMARKの伸びやかなヴォーカルによるミドル・テンポのエモ・ロックです。
3曲目"One Man"(5:26) やっとMARKらしいファンキーでソウルフル・ダンサブルなナンバーの登場です。重いベースのサウンドが底辺でうごめいているドライヴ感が最高です。
4曲目"Half Written Songs"(4:18) 美しいアカペラによるイントロから入る曲ですが、エモーシナルなシンセと重厚なベースのサウンドによるLEVEL42の雰囲気のする曲です。
5曲目"Pamela"(2:23) シンセと打ち込みによるエレクトロニカのイントロによるパワードギターサウンドです。
6曲目"Take My Hand"(4:34) シンセのサウンドをベースとしたダンス・エレクトロニカのサウンドにGARY・BARNACLE(PHIL・COLLINS,KIM・WILD,JAMIROQUAI)のアルトとテナーサックスのソロを入れた曲です。悩める人々に手を差し伸べる内容の歌詞です。
7曲目"Love Wars"(4:14) MARKのエモーシナルなヴォーカルを聴かせてくれる曲でシンセのサウンドをふんだんに使っています。
8曲目"Resupply"(3:54) 静かにゆったり流れるリズムでの曲です。ANDY・CAINE(T.F.F.,TANITA・TIKARAM)とのハーモニーも美しい。
9曲目"If I Had Something…"(3:53) ゴスペル調のR&BでMARKがその素晴らしい喉を聴かせてくれます。
10曲目"Changing The Guard"(4:41) LYNARD SKYNARD風のドライヴ感のあるツインギターでのサウンドでの曲です。CHESTER・KAMEN (BRYAN FERRY BAND)のソリッド感のあるギターソロが渋い。
歌詞無し 写真ライナー U.S.製 (輸入盤) 収録時間:42分23秒 (やっぱりMIKE・LINDUPの歌声が無いのは寂しい限りですが、LEVEL42の初期からのファンなので、MARK・KINGが音楽活動を続けてくれるだけで十分です)'10年7月15日再更新


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写真  MARTI PELLOW / Smile
 ・2001 Mercury Records Ltd.(LONDON)    586 089 2

元WET WET WETフロントマンのソロ・・・

80年代からU.K.で活躍する元WET WET WETのフロントマンのMARTI・PELLOWのソロ・デビュー・アルバムで、'01年6月4日に本国でのリリースです。また、翌年 '02年にジャケットの写真違い(ボーナストラック付)も発売されています。タイトル通りあちこちにMARTIの笑顔が散りばめられています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARTI・PELLOW:ヴォーカル/ストリング・アレンジ/プロデュースの他、PAUL・INDER:ギター/プログラミング、ALAN・DARBY:ギター、ANDY・WRIGHT:ギター、JAMES・HALLAWELL:ギター/キーボード/プログラミング、THOMAS・BINGHAM:ギター、JOHN・McKENZIE:ベース、LEROY・HODGES:ベース、STEVE・WALTERS:ベース、LESTER・SNELL:オルガン/ホーン・アレンジ、WILLIE・MITCHELL:ピアノ/プロデュース、ANDY・NEWMARK:ドラム、STEVE・POTTS:ドラム、MARTIN・DITCHUM:パーカッション、TRILOK・GURTU:パーカッション、ANDREW・LOVE:テナー・サックス、JIM・SPAKE:テナー・サックス、LANNIE・McMILLIAN:テナー・サックス/ホーン・アレンジ、JACK・HALE:トロンボーン、ALASTAIR・GAVIN:指揮、JACKIE・JOHNSON:バック・ヴォーカル、SAM・LEIGH・BROWN:バック・ヴォーカル、VANESSA・THOMAS:バック・ヴォーカルのイギリスのミュージシャン達です。
尚、プロデュースは、MARTI・PELLOWとANDY・WRIGHT、PETER・COLLINS、WILLIE・MITCHELLの共同で行われています。

1曲目"Hard To Cry"(3:38) メンフィスの香りたっぷりで、PAUL・INDERのリバーブの効いたギターが、耳に残ります。
2曲目"Close To You"(4:16) ピアノの伴奏にMARTIが彼女への想いを切なく歌い上げ、後半部分ではダイナミックなオーケストラのスタイルとへ展開して行きます。
3曲目"Did You Ever Wake Up?"(4:42) 女性バックコーラスを従えてMARTIが情熱的に歌いに歌っています。WET WET WET 時代を彷彿するMARTIの熱いヴォーカルの曲です。
4曲目"All I Ever Wanted"(4:05) CHRIS・DIFFORDとの共作でバック・ボーカルはSAM・BROWN(美人です)です。
5曲目"I've Been Around The World"(4:34) この曲もメンフィス調のゴスペルコーラスを設けた熱いサウンドの曲です。
6曲目"The Moment Is OK"(4:17) ピアノとストリングスを使った曲でアメリカの中西部を意識するようにスライドギターを使っています。
7曲目"New York Vibe"(5:17) ラップ風のアレンジとハモンドのサウンドが印象的です。MARTIの伸びやかに通るヴォーカルとバックボーカルで参加しているSAM・BROWNとの生き生きとしたコーラスが非常に素晴らしい曲です。
8曲目"London Life"(5:58) 打ち込みによるリズムの曲でのラスト部分SAM・BROWNとヴォーカルが圧巻です。
9曲目"Moment Of Truth"(5:07) MARTIのシリアスに歌い上げるシンプルで美しいメロディの曲でPAUL・INDERが素晴らしいギターソロを聴かせています。
10曲目"The Missing Sound"(5:04) この曲は素晴らしい(ストリングがやや大袈裟ですが)バラードです。
11曲目"Memphis Moonlight"(7:47) このアルバムの最後に収録された8分弱の大作です。映画音楽を思わせるピアノの調べとストリングスでの曲です。
全11曲歌詞付 16ページ物写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:54分50秒 (本当に歌の上手い人なのでどんどん新作をリリースして欲しいと思います。追:WET WET WETは '04年にMARTIを含み再結成され新アルバムもリリースされました)'10年7月15日再更新


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写真  MARY MAC / River Song
 ・1997 TOKUMA JAPAN COMMUNICATINS    VSCD-057

スコットランドで活躍していた・・・

このアルバムは、スコットランドの地元女性グループのギター/ヴォーカルとして活躍していたMARY・MACのデビュー・アルバムで、'97年10月15日に国内でのリリース盤です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARY・MAC:ヴォーカルの他、クマ・原田:ベース/ギター/ドラム/キーボード/プログラミング/プロデュース、ROBERT・AHWAI:ギター、IAN・BAIRSON:ギター、SNOWY・WHITE:ギター、MAX・MIDDLETON:キーボード、TETSURO・SUGIHARA:キーボード、JAMES・LASCELLES:キーボード、RICHARD・BAILEY-TARK:ドラム、NEIL・JANNETTE・WALEN:イングリシュ・ホーン、NIGEL・HITCHCOCK:サックス、RICK・TAYLOR:トロンボーン、PAUL・SPRONG:トランペット、LINDA・TAYLOR:バック・ヴォーカルのロンドンで活躍しているミュージシャン達も参加しています。 プロデュースは、海外で活躍するベーシストのクマ・原田が担当しています。

1曲目"River Song"(6:05) イントロでの幻想的なサウンドのMAX・MIDDLETON
(Ex.HUMMINGBIRD/JEFF BECK GROUP)のキーボードとイングリィシュ・ホーンの音色に続いて登場するMARYの弾くアコースティック・ギターの爪弾きと少し低いキーによる彼女の優しい歌声によるスローなナンバーです。途中からかなり高いキーに変化し、彼女の生まれ故郷スコットランドの風景を想像させる叙情的な曲です。
2曲目"Do You Know Where The Love Goes"(5:26) アップテンポなドラム・プログラムを使ったアメリカのアーバン・ソウル風のサウンドの曲で、1曲目と趣向が違っています。
3曲目"Do You Remember"(4:58) ホーンのセクションを配したポップな曲でこの曲もアメリカのサウンドに近いですね。ROBERT・AHWAI(Ex.HUMMINGBIRDS)とIAN・BAIRSON(Ex.PILOIT)の通好みのギタリスト両名が参加したブリティッシュ・ロック・ファンには堪えられない曲です。
4曲目"Good Company"(5:12) 全編に流れるシタール・ギターのサウンドとMARYの優しい歌声によるミドル・テンポのナンバーで前の曲と同じメンバーでの収録でしょうか?ギターのサウンドが溢れています。
5曲目"Keep On Fighting"(4:38) MARYのエモーショナルな歌声とメロディアスなピアノの旋律が少し哀しみを誘う曲で非常に美しいメロディが胸を打ちます。
6曲目"This Thing Called Love"(5:19) 少しレゲエのリズムを取り入れた曲でギターは、ベテランSNOWY・WHITE (Ex.THIN LIZZY)のピックを使わない独特のギター・スタイルによるレスポールの官能的ギター・ソロが鳥肌ものです。
7曲目"We All Hold The Key"(6:09) 乗りの良いリズムとメロディによる曲でホーンを使ったゴージャスでTOMMY・LIPUMAとAL・SCHMITTのコンビでのサウンドに近い曲です。間奏のギター・ソロもイカします。
8曲目"Fly Into The Night"(5:30) クマ・原田のフレットレス・ベースのサウンドと浮遊感漂うリズムによる曲名らしい夜空に飛び立つ感じのするソフィスティケートされたサウンドのスローなナンバーです。
9曲目"Heart And Soul"(3:58) アコースティック・ギターの優しい響きによるミドル・テンポのバラードでMARYの美しく透き通る歌声とボサ・ノヴァのリズムと後半に登場する泣きの入ったギターソロが堪りません。
全9曲歌詞付 16ページ写真ブックレット (国内盤) 収録時間:47分17秒 (発売当時、自宅近くのCD屋さんの試聴コーナに置いてあり、少し聴いただけでその日は購入まで至らなかった。後日、MARYの歌声が非常に気になり1週間後に同店へ足を運んだ。しかし、例のコーナにCDが無い!店員さんに「先週迄ここにあったメアリー何とかさん、赤いジャケットの...」「多分倉庫の方に」と言ってこのCDを1枚下げて戻って来てくれました。残念ながら、そのCD屋さんも今はもう有りません。嬉しい事にMARY・MACのFacebookが出来て新作も発表のようです!)'10年7月15日再更新


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写真  MATILDE DAVOLI / I'm Calling You From My Dreams
 ・2015 Loyal To Your Dream    LTYD001CD

MATILDEデビュー・・・

このアルバムは、イタリアのプッリャ州で活躍していたロック・バンドSTUDIODAVOLIGIRL WITH THE GUNのギター/ヴォーカル担当MATILDE・DAVOLI(MATILDE・DE・RUBERTIS)の '15年6月1日に本国でリリースされたソロ名義でのデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MATILDE・DAVOLI:ヴォーカル/マルチ・インストルメント、ANDREA・RIZZO:ドラム、MASSIMILIANO・GIANNUZZI:ベース(6曲目のみ)のほぼMATILDE 1人での収録です。

1曲目"#1"(3:04) キーボードとシンセサイザーの演奏による短い歌詞によるほぼインストゥルメンタルの曲です。アルバムのオープニングの位置とした煌きが一杯感じます。
2曲目"Realize"(2:40) イントロのスピード感からぐっと捕まれた曲です。MATILDEのEPKで紹介されているアルバム完成前にロンドンの街中へ出て視聴してアンケートした時の曲だと思われます。視聴者にハスキーな声と言われてますね。
3曲目"Tell Me What You See"(4:05) アコースティック・ギターの音色による落ち着いた調べの曲です。GIRL WITH THE GUNでのフォーキーな曲調の影響を感じさせながら心地好い電子サウンドの音色とビートが響いています。
4曲目"Dust"(3:18) このアルバムから一押しとなっている曲で フックなリズムとサウンドが目白押しとなっています。 '16年4月になってからビデオも制作されアップされています。
5曲目"I'm Calling You From My Dreams"(4:17) シンセサイザー・ベースの重い響きのサウンドからドラムのビートが加えられるちょい聴きでは、ミネアポリスのPOLIÇA風の曲です。サイケデリックなサウンドやチェンバー・ミュージック的の空間サウンドがミックスされたアレンジは好いですね。
6曲目"Going Down"(2:55) ここに来てちょっとサウンドの方向をフォーキーな穏やかな方向へ持って来た曲です。アコースティック・ギターの響きとMATILDEの美しい歌声が広がります。
7曲目"Summer Ending"(3:12) この曲も '16年4月ビデオが制作されているこのアルバムからのショーケース的な曲です。電子サウンド波とMATILDEのギター・ソロの穏やかささに耳を傾けます。
8曲目"Still Rolling"(3:50) どことなくドラムのビートにトロピカルなリズムを感じさせるレイドバックな曲です。この曲にもMATILDEの弾くギターのサウンドとキーボードの音色がたっぷりと染み込ませています。
9曲目"Salvation"(4:17) 電子サウンドを駆使したシンセ・ポップな曲な曲です。レトロな80年代の英国音楽へのオマージュなのでしょうか。
10曲目"Morning"(1:43) キーボードの演奏による短い歌詞をリフレインとした曲です。アルバムの終焉曲には、このあっさりとしたこの短い目の曲を持って来たようですね。
歌詞無し ライナー無し 2折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:33分25秒 (ロンドンとイタリアを行き来しているMATILDA、6月にイタリア国内ツアー中を敢行したもよう)'16年7月24日更新
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写真
(このアルバム購入時に頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  MATILDE DAVOLI / Home
 ・2021 Loyal To Your Dream    

6年ぶりの新作・・・

このアルバムは、イタリアのレッチェで活躍しているオルタナティヴ/シンセ・ポップS.S.W. MATILDE・DAVOLI(MATILDE・DE・RUBERTIS)の '21年11月9日(11月5日との情報があるが少し遅れたようです)でリリースされたソロ名義での2枚目のアルバム(16年のREMIXED EPは含まない)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MATILDE・DAVOLI:ヴォーカル/マルチ・インストルメント、ANDREA・RIZZO(SOUL ISLAND):ドラム、EMANUELE・COLUCCIA:サックス、GIGI・CHORD(SOUL ISLAND):シンセサイザー、SOUL ISLAND:1部歌詞提供のレーベル・メイト達も参加しています。

1曲目"Intro"(1:27) 重く響くシンセ・ベースの調べとストリングス風の音色が心地好く流れるインストゥルメンタルです。このアルバムの導入部に配された幕開きを知らせる美しいサウンドに聴き入ります。
2曲目"Sine"(2:55) ほぼ5年ぶりに聴くMATILDEの少し掠れ気味の歌声が登場して来ました。前のアルバムでもあったドラムのビートを若干ディレイした独特のリズムが特徴的です。オリエンタル風な弦楽器な調べや電子楽器を組合わせたMATILDEお得意なサウンドが繰り広げられています。
3曲目"Home"(4:24) いつもアルバムのタイトル曲を聴く時に楽しみとしている曲のメッセージ性とサウンド/リズムにミュージシャンが何処に重点を置いているかを想像して曲を聴いています。今回MATILDEは、コロナの影響を伝えたかったような感じするようですがどうだろう。この曲のヴォーカルは、多分男性の声域まで落とされたMATILDEの音声トラックが使われているようです(男性ヴォーカルのフィーチャリング記載が無い為)。この曲もビデオが紹介されています。
4曲目"Glitch At Dark"(3:16) 電子リズムとサウンドを更に加えた前のアルバムの曲調の線上を感じる曲です。大胆に取り入れたEMANUELE・COLUCCIAのJAZZサックスの調べが非常に印象的です。
5曲目"Il Coraggio Di Provare"(4:40)「挑戦する勇気」と題されたイタリア語による曲です。エレクトロニカによるスローな曲調に乗せ何か新しいことに挑戦する人々の姿を歌詞に綴っています。尚、この曲はアルバムのリリース前にビデオが紹介されています。
6曲目"Devotion"(4:33) 何か凄いMATILDEの意気込みを感じさせる曲です。サウンド的には、他の曲に比べ楽器構成を少なくしている感ですが、間奏から後半に掛けてのEMANUELE・COLUCCIAのサックス・ソロとMATILDEのキーボードとの絡みが聴き物となっています。
7曲目"Midinight"(4:55) この曲もEMANUELE・COLUCCIAのサックスがバックで非常に切なく響く曲です。このアルバムでは、エレクトロニカ・サウンドとジャズとの融合を試みたMATILDEの成果を感じます。
8曲目"Intimate Chat With London"(4:57) MATIDEの活動範囲であるロンドンとの繋がりを曲名としたコロナ化での不自由さを歌にしています。サウンドの方は、ちょっと昔のソウルぽいアーバン・サウンドの懐かしさを感じます。でも間奏では何か楽器を通してMATILDEの心の声をぶつけているのではないでしょうか。
9曲目"No More Place For Me"(3:24) ダークな引き摺り感のあるリズムとサウンドによるスローな曲です。これまたダークに枯れた歌声を聴かせるMATILDEの歌声と咽び泣くキーボードの調べ切なく響いてきます。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:34分31秒 (LP盤とCDとのリリースもありましたが、日本への送料高とコロナ化の物流停滞を懸念して今回は、ダウンロード盤を選択しました)'21年11月11日更新


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写真  MAX SCHULTZ / Max Schultz
 ・1993 Caprice Records    CAP 21439

JAZZ!JAZZ!JAZZ!・・・

現在、スウェーデンで活躍しているジャズ・ギタリストMAX・SCHULTZが、'93年にリリースしたデビュー・アルバムです。全曲インストゥルメンタルで、7曲目を除き、曲は全てMAXの手によって書かれています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MAX・SCHULTZ:ギター/プロデュースの他、CHRISTIAN・SPERING:ダブル・ベース、ANDERS・KJELLBERG:ドラム、MAGNUS・GRAN:ドラム、ANDRES・PERSSON:ピアノ、JOAKIM・MILDER:サックス、GUSTAVO・BERGALLI:フリューゲル・ホーン、HÅKAN・NYQVIST:フレンチ・ホーン、BERTIL・STRANDBERG:ユーフォニアムのREBECKA・TÖRNQVISTの初期のアルバム収録にも参加しているミュージシャン達です。

1曲目"The Promise"(6:52) ナイロン弦ギターとサックスの響きによるゆったりと流れる曲です。サックスは、同じくスウェーデンで活躍しているJOAKIM・MILDERです。
2曲目"Mr. C."(7:31) Mr.C.ことJOHN・COLTRANEを表しているのでしょう。MAXのギターとJOAKIMのサックスがハーモニーを執りながら次第にMAXのスムースなギター・ソロへ展開して行く燻し銀的なJAZZのナンバーです。
3曲目"Memories"(6:12) 再びナイロン弦ギターによる叙情的な曲です。CHRISTIAN・SPERINGのダブル・ベースの優しくも鋭さを持ち合わせた響きと悲しいくらいのMAXのギターの調べです。
4曲目"3 2 1"(7:25) MAXの古いギブソンES-335での演奏でしょうか。時にはナチュラルな響きのサウンドからハムバッキンのパワフルなピックアップのサウンドを駆使したブルーノート・スケールを流れるようにまた、溜めをとっての演奏です。バックで忙しなくビートを繰り出すANDERS・KJELLBERGのドラムの頼りがいのあること。
5曲目"Funny Walk"(6:31) MAXのウォーム・トーンでの早弾きを随所に配したスタンダード・ジャズ的な曲です。演奏は、MAX,JOAKIM,CHRISTIAN,ANDERSのカルテットです。
6曲目"Green Theme"(5:21) 長閑なビートでの心地好いメロディの曲です。ハーモニクスで優しく弦を弾くMAXの演奏とバック陣の演奏も優しさを感じます。
7曲目"Another Day"(6:07) 幻想的なイントロと伸びやかに響くMAXのギターのサウンドでの曲です。前半の2分よりアグレッシヴに展開しるモダン・ジャズ的な要素も含んでいます。
8曲目"Mentes Baum"(7:04) "クール" な出だしのサックスとMAXのギターとのコラボによる曲で、ギターのフレットを所狭しと運指するMAXの左手の流れを想像させずには居られない曲です。
9曲目"Driftin'"(7:27) 哀愁のあるメロディでのスローな曲です。この曲までピアノが入っていませんでしたが、ANDRES・PERSSON(ANDRES PERSSON TRIO)の幻想的な響きのピアノの調べが収録されています。MAXとANDRES・PERSSONは、このアルバム収録以前に、他のミュージシャンの収録で、よく顔を合わせているようです。
10曲目"Dirty Old Men"(7:10) MAXの得意とするファンク/ソウルなカッティング・ギターのサウンドの曲です。全編に流れるJOAKIMのアドリブのサックス・ソロから4人合同によるジャム・セッションの気迫を非常に感じます。
11曲目"Song For Miles"(4:05) MILES・DAVISに捧げた曲です。スローで奏でられるJOAKIMのトランペットの域に近い音色でのサックスの演奏です。4分程度の曲ですが、他の曲の殆ど7分近くあるので妙に短く感じます。
曲毎のクレジット付写真ライナー オーストリア製 (輸入盤) 収録時間:71分50秒 (正にJAZZ!JAZZ!JAZZ!としたアルバムです。ZZAJ(ANNA・NEDERDAL)とMAXとのコラボしたアルバムも是非聴いてみたいものです)'10年7月16日再更新


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写真  MAX SCHULTZ / Blues Up
 ・1996 EMI Svenska AB    TOCJ-6082

MAXのアルバムは残念ながら国内ではこれのみ・・・

このアルバムは、スウェーデンのジャズ・ギタリストMAX・SCHULTZ '97年1月22日の国内でリリースされた日本デビュー・アルバムです。5曲目以外インストゥルメンタルとなっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MAX・SCHULTZ:ギターの他、PÅL・SVENRE:ウーリッツァー/プロデュース、GEORG'JOJJE'WADENIUS:ギター、MARKUS・WIKSTÖM:ベース、PIERRE・SWÄRD:オルガン、ANDRES・PERSSON:キーボード、MARTIN・JONSSON:ドラム、MAGNUS・GRAN:ドラム、BENGT・STARK:ドラム、RENÉ・MARTINEZ:パーカッション、MAGNUS・LINDGREN:テナー・サックス、JOAKIM・MILDER:ソプラノ・サックス、 PETER・ASPLUND:トランペット、MATS・RONANDER:ヴォーカル、VIKTORIA・TOLSTOY:ヴォーカルのスウェーデンの有名ミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Mr.Day"(4:32) COLTRANEの曲でMAXのビンテージ・テレキャスターより繰り出されるギター・スケールの数々が圧巻です。
2曲目"New Orleans"(3:57) ブルースを基調としたメロディと太い音色のベース・サウンドとドラムのビートで、MAXの爪弾きによるオクターブ奏法を堪能できます。
3曲目"Blues Up"(5:11) MAXの流れる様なギターソロとPIERRE・SWÄRDのハモンドB-3の音色が聴き物のスムースジャズです。
4曲目"Walkin' & Talkin'"(5:38) 明るいリズムとMAGNUS・LINDGRENのテナー・サックスとシンクロするMAXのギター・ソロが圧巻です。
5曲目"Baby(You've Got What It Takes)"(3:43) MATS・RONANDERとVIKTORIA・TOLSTOYのデュエット曲です。
6曲目"Mr.Syms"(3:32) 1曲目と対になるCOLTRANEの曲でここでもMAXの流れる様なギター・ソロが堪能できます。
7曲目"Pierre"(4:30) ハモンドで参加のPIERRE・SWÄRDに捧げたMAXの曲です。GEORG'JOJJE'WADENIUS(Ex.BLOOD,SWEAT AND TEARS)のギターとハミング・デュオが聴き物です。
8曲目"Excuse Me Mr.Sifredi"(8:07) ややアシッド・ジャズに仕上げられた曲でANDERS・PERSSONのフェンダー・ローズによるソロが幻想的です。
9曲目"A Strange Hat"(4:32) メンフィス・サウンドの聴き易い曲です。
10曲目"The Howler"(6:10) 美しくセンチメンタルなメロディのギター・ソロの秀作でMAXの作曲です。
11曲目"Cottonfield"(4:22) 変則Dチューニングでのアコ−スティック・ギターによるスカンジナビアを容易に想像させる幻想的な調べです。
5曲目のみ歌詞あり 写真ライナー (国内盤) 収録時間:54分19秒 (コンスタントにアルバムを出しているMAXですが、日本での紹介が殆ど無いのが残念!)'10年7月16日再更新


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写真  MAYFIELD / Mayfield
 ・1998 Zerodisc Records sound 0001    SPV 085 124212

TEARS FOR FEARSのCURT・SMITHの美しいヴォーカルが魅力・・・

TEARS FOR FEARSのベース/ヴォーカルのCURT・SMITHのソロ・アルバム第2弾は、CURT名義ではなくN.Y.で結成されたMAYFIELDと言うのバンド名で '98年2月17日に本国でのリリースです。
MAYFIELDのメンバーは、CURT・SMITH:ヴォーカル/ベース、CHARLTON・PETTUS:ギター/バック.ヴォーカル、DOUG・PETTY:キーボード、RUSS・IRWIN:キーボード/バック・ヴォーカル、SHAWN・PELTON(TESS・WILEY):ドラムのツワモノ5人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GEORG・BRANDL:アコーディオン、RICHARD・PAGANO:ドラム、JIM・COPLEY:ドラム、STEVE・FERRONE:ドラム、BRIAN・GELTNER:ドラム、BOB・MULLER:パーカッション、CAROL・STEELE:パーカッション、CHRIS・RAEL:バック・ヴォーカル、REBECCA・MARTIN:バック・ヴォーカルのN.Y.勢が参加しています。
尚、結成、収録共にN.Y.で行われていますが、TEARS FOR FEARSの括りとしてレビューの掲載は、ヨーロッパ区域としています。バンド名のMAYFIELDですが、往年のソウル・シンガーCURTIS・MAYFIELD(CURT IS MAYFIELD)とのCURTの洒落で命名しています。(これにより盤の検索間違いや演奏者違いが多発して購入時にとても苦労させられました:笑)

1曲目"What Are We Fighting For?"(4:43) CURTの透き通るヴォーカルから入る曲で、凝ったアレンジにブリティッシュの香りが一杯します。この曲を含み大半の曲は、ギターのCHARLTON・PETTUSとCURTの共作です。
2曲目"Sorry Town"(5:07) 幻想的なイントロにタイトなドラムと唸るリズムに乗せCURTのヴォーカルとバンドならではの演奏が楽しめる曲です。
3曲目"Jasmine's Taste"(5:34) スローなリズムにCURTのセンシティヴなヴォーカルが良い曲です。
4曲目"Reach Out"(4:38) アコースティック・ギターから入る曲ですが、途中からアグレッシヴに変化しこのアルバムのメインになるシングル・カット曲です。
5曲目"Trees"(3:47) パーカッションとアコースティック・ギターの音色によるシンプルな前半からベース、キーボードと構成を増やしCURTのヴォーカルが堪能できる曲です。CHARLTONの少しシタールがかったギターの音色合わせCURTが歌いながら幻想的な雰囲気が広がります。
6曲目"Mother England"(5:47) この曲はCURTらしさを一番表した曲で、随所に彼の蓄積されたメロディが出てきます。
7曲目"Snow Hill"(4:15) スローなリズムにリズムに乗せ歌われる幼い頃の想い出の歌詞は、彼独自のメロディアスな表現となっています。バックに流れるCURTと同じ高さのキーの素敵なヴォーカルは、REBECCA・MARTIN(Ex.ONCE BLUE)で意外な組み合わせですが、本作の収録がN.Y.で行われたのでたまたまスタジオにREBECCAが訪れたのだろうか?
尚、曲名の"Snow Hill" は、CURTの生まれ育ったバースのスノーヒル公営住宅団地を意味しています。
8曲目"I Don't Want To Be Around"(5:13) 懲りすぎるくらいに凝った非常に美しいメロディとアレンジでアカデミックに展開し随所にブリティッシュ的繊細さを感じます。
9曲目"Sun King"(4:23) 相棒ROLANDの事を歌った歌で激しいサウンドになっています。
10曲目"Gone Again"(3:52) CURTの静かな落着いた曲の弾き語りでアルバムは幕を閉じます。
歌詞なし 写真ライナー (イングランド盤) 収録時間:47分28秒 (最初は、取っ付きにくい感じがしますが、聴き込むほどに良さが出てくるアルバムで前作とは対称的な作品です。
尚、CURT自身のレーベルから発売の為、慢性的な品薄状態で国内での入手は困難です。あまりに良いので、2枚買ってしまいました。 '11年11月ボーナス・トラックを加え再発売されたもよう)'12年12月15日再更新
1998年度ベスト5


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写真  MAZEY HAZE / Back To The Start
 ・2023 Mazey Haze    

レトロ感満載・・・

このアルバムは、オランダのアムステルダムで活躍しているオルタナティヴ/インディ・ポップ・S.S.W.MAZEY HAZE(NADINE・APPELDOORN)の2枚目(5曲EP盤)のアルバムで '23年4月6日に本国でのダウンロード・リリース(BANDCAMPでは3月30日購入可能)です。後日、4月6日まで非公開となったもよう。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NADINE・APPELDOORN:ヴォーカル/ギター/メロトロン/ハープシコード/ヴィブラホン/シンセサイザー/ヴァイオリン/コンガ/シェイカー/プロデュース、DENZEL・SPRENKELING:ギター、SIMON・CHRISTIAANSE:ベース、JUEN・SCHÜTT:ドラムの少人数です。尚、プロデュースは、NADINE・APPELDOORNとオランダのドラマー/エンジニアPIETER・VONKが担当しています。

1曲目"Back To The Start Please"(3:55) 懐かしのサーフ・ロック然なイントロのコーラスから微笑みが浮かぶ曲です。エコーを効かせたNADINEの歌声が誰かに似ていると思い出したのが、スウェーデンのKATIE GOES TO TOKYOかな?
2曲目"I Feel Like A Child "(3:25) '23年2月2日に先行ダウンロード・リリースされている曲です。メロトロンによるファッファと発せられる懐かしのサウンドが心地好い曲です。レトロの中にもアグレッシブなベースの調べが特徴的に響きます。
3曲目"Kill Me I Got You"(3:27) 先にYOUTUBEで紹介されている曲です。私好みのモノクロ画面による彼女が海岸に佇む後姿に惹きつけられ、思わずクリックし、そのイントロの12弦ギター・サウンドから更に惹きつけられたのです。
4曲目"A Turn In Berlin"(3:34) この曲もベースのサウンドが強調された感のある曲です。ふわっとしたNADINEのすこし弱げな歌声をバックで盛り上げるベースのサウンドでしょうか?
5曲目"The Weight Of The Weekend"(3:21) この曲も'23年2月2日に"Kill Me I Got You" シングル盤とカップリングにて先行ダウンロード・リリースされている曲です。また、NADINEが登場したビデオが配信されています。そこに登場するAirlineのビザール・ギターが堪りませんね。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:17分42秒 (このアルバムをリリースした後にヨーロッパ・ツアーが組まれたようです!)'23年3月30日更新


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写真  MAZEY HAZE / Sea Stare
 ・2025 Mazey Haze    

2年ぶりのMAZEY HAZE・・・

このアルバムは、オランダのアムステルダムで活躍しているオルタナティヴ/インディ・ポップ・S.S.W.MAZEY HAZE(NADINE・APPELDOORN)の3枚目(6曲EP盤)のアルバムで '25年4月12日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NADINE・APPELDOORN:ヴォーカル、DENZEL・SPRENKELING:ギター、JOOST・VAN・ECK:ベース、ALLARD・DE・BRUIJNE:キーボード、JUEN・SCHÜTT:ドラム、CHRIS・BRUINING:パーカッション、STEVEN・SLUITER:ソプラノ・サックスの少人数での収録です。
尚、プロデュースは、オランダにスタジオを構えるJASPER・GELUKとNADINEと共同で行っています。

1曲目"Free As A Loner"(3:55) 懐かしの映画のサウンド・トラックを聴いているような幕開きが印象的な曲です。少しLo-HiにしたNADINEの歌声が「孤独者の想い」を歌っています。
2曲目"My Lilies"(4:07) このアルバムのリリースの半年前にリリースされている先行曲です。相変わらずノスタルジック感のあるメロディとサウンドによる「儚く散った愛」について綴っています。時折登場するティンパニーの打撃音が妙に染みますね。
3曲目"Places I Just Can't Remember"(3:59) この曲も1世代も2世代前のサウンドのイメージが伝わる曲です。金管楽器とオルガンなどのオーソドックスなサウンドと前作からの40〜50年代のモノクロ・フィルム・ノワール感を強く感じます。
4曲目"Evening Star"(3:48) アコースティック・ギターの寂しげな音色がイントロから響く曲です。アップライト・ピアノもまた寂しげに流れます。この曲も次第にレトロな雰囲気に包まれノスタルジック感が満載に広がります。
5曲目"Every Wave"(4:38) リヴァーブを目一杯効かせたギターのサウンドとサイケデリック/ブリティッシュ・ポップな感がある曲です。やはりNADINEとプロデューサーのJASPERは、このあたり音楽からの影響を強く感じているようです。
6曲目"Sometimes I Feel Great, Sometimes I Feel Useless"(3:47) 最後の曲まで1本の芯を貫いてノスタルジック感を持った曲です。奇をてらった手法など一切使わず王道と言えば王道なサウンドなのですが、イントロからアウトロの1音まで再現性が半端無いのです。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:24分14秒 (ちょうど2年ぶり聴いたMAZEY HAZE、今回もEP盤なのですが、アムステルダムで着々と活動中のようです!)'25年4月19日更新


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写真  MELODY MARSHALS / Songs from A Tin Laboratory
 ・2007 ArtBeat Records/MMR    7 090019 350015

ダーク・メロディアス・ロックの調べ・・・

このアルバムは、ノルウェーで活躍しているインディーズ・バンドMELODY MARSHALSの '07年11月19日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
'06年と '07年のこのアルバムをリリース前にEP盤2枚もリリースしています。MELODY MARSHALSのメンバーは、MARTIN・TUNGLAND・RINDE:ヴォーカル/ギター、SVEINUNG・GILJEBREKKE:ギター/バック・ヴォーカル、JOHANNES・SOLHAUG:ベース/バック・ヴォーカル、DANIEL・VATNAMOT・ROLFSNES:キーボード/バック・ヴォーカル、OLAV・HALVORSEN:ドラム/パーカッション/バック・ヴォーカルの5人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MELODY MARSHALSの5人の他、ØYVIND・BEREKVAM:ペダル・スティール、NORA・ASHEIM:ヴァイオリン、BENEDICTE・ALSTVEIT・ÅRSLAND:チェロ、HANNE・VASSHUS:バック・ヴォーカル、KRISTIN・TUNGLAND:バック・ヴォーカルのノルウェーのミュージシャン達です。
尚、プロデュースは、スタジオのオーナーBJØRN・ERIK・SØRENSENとMELODY MARSHALSの共同となっています。

1曲目"Jack Lite"(3:14) イントロから乗りの良いギター・サウンドが流れるエモ・ロックな曲です。何処と無くこの曲のサウンド・イメージは、CROWDED HOUSE後期のサウンドに近いものも感じさせます。
2曲目"Space Cobain"(4:01) 重いJOHANNESのベースのサウンドとアグレッシヴなSVEINUNGのギター・サウンドとの絡みが鮮やかなミドル・テンポの曲です。
3曲目"Perfect Memory"(3:42) エモーショナルなリズムとビートによるライヴ受けしそうな曲です。このアルバム・リリースの前後にはノルウェー中をライヴ活動していたMELODY MATHALS、乗りの良さをアピールする"ツボ" を知っていますね。
4曲目"This Is How It Goes"(4:47) 一転してイントロ部にアンビエントなダーク・サウンドを持たせ曲の登場です。途中よりインパクトのあるエモ・ロックに転調させエッジ感のあるグランジ・ロックぽいイメージも感じます。
5曲目"The Seasons That Will Change Your Ways"(3:34) メロディアスなギターの調べに乗せた哀愁のあるキーボードによる北欧的ロック・バラードです。咽び泣くMARTINの歌声とエモーショナルなバックのサウンドが届けられます。
6曲目"On Your Fire"(5:24) 透明感と浮遊している模様を感じさせる心地好い調べの曲です。この曲も冷たく凍てついたノルデックの情景から生まれた事を想像させるキーン(keen)な質感を与えます。
7曲目"Betwixt And Between"(2:40) 一転して乗りを前面に出したパンキッシュなサウンドの曲の登場です。MARTINのヴォーカルを中心にバックの面々がギミックなソロを聴かせるこの曲もライヴの定番的になっていると思われます。
8曲目"Pushin' Up The Daisies"(4:38) ヨーロッピアン・メランコリック・ロックと呼べば良いのでしょうか。MARTINの切ない歌声によるスローなパートとダイナミックに展開させるサビのパートを組み合わせたロック・オペラ的な壮大さも感じさせます。インディーズ・バンドの域を大きく踏み出したイメージも与えます。
9曲目"Black Cat"(5:05) 聴き易いリズムとメロディによるポップ/ロックな曲です。間奏では変則的なドラムのビートを打つOLAVのドラムとエモーショナルなギターの波が押し寄せるのです。
10曲目"Stereo"(4:43) 溜めを取ったMARTINの歌ぶりから入る曲で、次第にサウンドを濃く、また厚く展開させながらダイナミックなサウンドをも聴かせます。サーチュレートしたSVEINUNGのギターのサウンドと同じ町Stavanger出身ØYVIND・BEREKVAMの美しいペダル・スティールの調べが印象的に流れて来ます。
全10曲歌詞付 20ページ物豪華写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:41分52秒 (現在は、ギターのSVEINUNG・GILJEBREKKEが、このバンドから抜けてしまったのは非常に残念なのですが、次の作品も期待します)'10年7月17日再更新


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写真  MENOWTHERETHEN / No Fun
 ・2024 Wayside & Woodland Recordings    W&W069

ホーンテット/ダーク・ポップ・・・

このアルバムは、イギリスのイングランドで活躍しているダーク・ポップ・ミュージック・デュオMENOWTHERETHEN(Me Now There Then)の2枚目('19年のセルフ・タイトル5曲EP盤)のアルバムで '24年2月1日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KRISTIAN・JONES:ヴォーカル/マルチ・インスツルメンツ、MIKE・ROWLEY:マルチ・インスツルメンツの2人だけのようです。

1曲目"H3art Ach3"(3:08) 忙しくなく鳴る電子リズムのサウンドとエコーを効かせたKRISTIAN・JONESの歌声が荘厳に響く曲です。短い歌詞によるアンビエント的な要素を強く感じさせます。
2曲目"Ghost"(4:35) このアルバムの紹介ビデオとしてYOUTUBEに公開されている曲です。チープなオルガンの音色とMIKE・ROWLEYの細やかに繰り出されるドラムのリズムが耳に残ります。
3曲目"No Fun"(2:13) この曲は、イントロから恐ろし気な雰囲気を醸し出す曲です。KRISTIAN・JONESのホーンテッド・ヴォイスとバックのボルターガイスト的なラップ音など「No Fun」な空間音楽を聴かせます。
4曲目"Kroz3"(4:30) 悲し気なKRISTIAN・JONESの歌声が広がるサウンド・トラックのような曲です。この曲もバックの特徴的なタイプライター音のサンプル音源やカテドラル音響をモチーフとしたコーラス・サウンドが要となっています。
5曲目"3nding"(2:48) 遠くで響くアップライト・ピアノの調べによるランドスケープな曲です。2台のピアノの調べの音のずれや不協和音を綿密にアレンジしている事を伺わせます。
ここからは、ダウンロード/カセットテープのみリリースされていた '19年のセルフ・タイトルEP盤での収録曲です。
6曲目"H/dden"(4:12) イントロから孤高に響くKRISTIAN・JONESの透き通った歌声が印象的な曲です。後半よりアグレッシヴに展開するMIKE・ROWLEYのドラムのリズムが、意図的に前半を抑えた感ににやっとさせられます。
7曲目"Lo/t"(3:23) この曲は、イギリスの北部かアイルランドのトラディショナル曲のような雰囲気を醸し出す曲です。メランコリックなピアノの調べとLo-HiにしたKRISTIAN・JONESの歌声と荒らしたサウンド・エフェクトが印象的です。
8曲目"Cyc/e"(3:42) 音の出る子供のおもちゃのようなサウンドが懐かしく響く曲です。後半から戯曲的な展開を聴かせる流れによるミュージック・コンクレートでしょうか。
9曲目"Hai//ing"(3:38) ヒーリング・ミュージックに近い雰囲気を醸し出す曲です。揺らぎを持ったトーンと引き摺り感のあるリズムの流れに遠くに響くKRISTIAN・JONESのヴォーカルがエフェクトとして流れ去って行きます。
10曲目"Chao/"(3:50) 今度は、チルアウトなダーク感を感じさせる曲です。ドラムンベースとシンセ・ペースの絡みとスペース・サウンド/ホーンテッド・ヴォイスによるダーク空間を作り出しています。
歌詞無し2折紙ジャケット仕様 シリアルナンバー付 35枚限定CD-R盤 (輸入盤) 収録時間:36分05秒 (BANDCAMP内で物色中、いつもとちょっと違った音楽に惹かれて購入してみました!)'24年4月25日更新


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写真  MICHAEL HEAD & THE STRANDS / Magical World Of
 The Strands
 ・1997 MEGAPHONE MUSIC LTD    CD MEGA 01

初回限定紙ジャケット盤・・・

実際のアルバムの名義は、[MICHAEL HEAD INTODUCING THE STRANDS]となっています。リバプール出身のMICHAEL・HEADがTHE PALE FOUNTAINSを解散した後にSHACKとして音楽活動を再開した後、MICHAELが '97年にフランスのレーベルよりリリース(実際のリリース日は '98年2月28日)したアルバムでメンバーは、MICHAEL・HEAD:ヴォーカル/ギター/プロデュース、JOHN・HEAD:ギター/ベース/ヴォーカル、MICHELLE・BROWN:ベース、IAIN・TEMPLETON:ドラム/パーカッション、LESLIE・ROBERTS:フルートの5人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、先の5人の他、LUCY・WILKINS:ヴァイオリン、BECCA・WARE:ヴァイオリン、OLIVER・KRAUS:ヴィオラ、ROBERT・SPRIGG:チェロのイギリスのミュージシャンが参加しています。
尚、プロデュースは、MICHAEL・HEAD、JOHN・HEADとMARK・COYLE(OASIS,SMALLER)となり曲による担当が異なっています。

1曲目"Queen Matilda"(3:58) 幻想的なサウンドを醸し出すアコースティック・ギターのサウンドとMICHAELのあのセミ・アコースティック・ギターの音色が心地好い曲です。この曲の雰囲気はTHE DOORSの"あの曲" と通じるものを感じます。
2曲目"Something Like You"(3:46) メランコリックに歌うMICHAELの歌声に沿わせたように流れるストリングスのサウンドによるスローで美しいメロディによる曲です。
3曲目"And Luna"(5:01) ノスタルジックな響きを醸しだすギターの調べによるややダークな色合いの曲です。THE PALE FOUNTAINS時代に非常に魅力的だったMICHAELの"あの" 12弦ギターのサウンドが懐かしいです。後半からアウトロではサイケデリックな展開もみせます。
4曲目"X Hits The Spot"(3:54) 非常に特徴的なMICHAELの早口なヴォーカルとネオ・アコ的な響きでのギターのサウンドでの曲です。やる気のないあの歌声と重厚なギターのサウンドも健在です。
5曲目"Prize"(4:41) シンプルなドラムのビートによるエモ・ギター・サウンドの曲です。THE PALE FOUNTAINS時代から受け継いでいる浮遊感のあるサウンドにストリングスとフルートで華を与えています。
6曲目"Undecided(Reprise)"(4:10) 美しいアコースティック・ギターのサウンドとMICHAELのスキャットで収録されています。この曲のオリジナル収録はSHACKの[Waterpistol]に収められています。
7曲目"Glynys And Jacqui"(4:48) エコーを効かせたギターの爪弾きによるサウンドにJOHNとのハーモニーを美しく付けた曲です。曲の途中よりアグレッシヴに変調するアレンジから再び最初へと戻ってきます。
8曲目"Harvest Time"(4:19) ビートルズ・ライクなギターのサウンドによる曲です。再びエコーを効かせたMICHAELの遠くで響く歌声が印象に残ります。同じ街の出身のあのグループの影響は非常に大きいのでしょう。
9曲目"Loaded Man"(7:32) 7分を超えるゆったりと流れるアコースティック・ギターによる弾き語りに近い曲です。バックに流れるキーボード/シンセのサウンドが非常に美しく幻想的に響きます。
10曲目"Hocken's Hay"(3:23) 一転してお気楽に聴けるバンジョーを使った牧歌的なシンプルなサウンドでの曲です。MICHAELが自宅の居間でバンジョーを片手に歌っているように聴こえます。
11曲目"Fontilan"(5:35) 再び非常にエコーの効いたMICHAELのヴォーカルでの曲です。まるで風呂場で収録しているような感じです。この曲のアウトロの最後に"Undecided(Reprise)" が数秒だけ入っています。MICHAELはかなりこの曲をお気に入りのようです。
歌詞なし 初回限定紙ジャケット仕様にシリアル・ナンバー入りの特別盤 HDCD仕様 (輸入盤) 収録時間:51分15秒 (何故SHACK名義でリリースされなかったのでしょうか不思議に思います。また、このアルバムはその後、数回ジャケ替えにて再発売されています)'10年7月17日再更新


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写真  MICHAEL PATTO / Time To Be Right
 ・1991 IMAGINE RECORDS    BVCP-127

本国と日本のみのリリース・・・

現在は、イギリスでプロデューサー業をしているMICHAEL・PATTOが '91年に残したデビュー・アルバムです。60〜70年代のイギリスのロック・グループTIMEBOX/PATTOで、ヴォーカリストとして活躍していた故MIKE・PATTOを父に持つMICHAELは、幼少の頃からピアノとヴォーカルを始めていたとのことです。
尚、このアルバムは、本国(シングル盤)にてIMAGINE RECORDS(ドイツ・レーベル)からリリースされ国内からは、BMG ビクター(株)より'91年6月21日に発売されています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MICHAEL・PATTO:ヴォーカル/キーボードの他、SIMON・BAISLEY:ギター、WAYNE・BROWN:キーボード/ベース/ドラム/ストリング・ブラス・アレンジ/プロデュース、WESLEY・MAGOOGAN:サックス、PAT・CRUMLY:サックス、MARY・CASSIDY:バック・ヴォーカル、SYLVIA-MASON・JAMES:バック・ヴォーカル、KATIE・HUMBLE:バック・ヴォーカル、CAROLE・COOK:バック・ヴォーカル、STEVE・MENZIES:バック・ヴォーカルのロンドンのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"So Much For The Lovin'"(4:08) このアルバムを始めて聴いた時に、このキャッチーなイントロにやられましたね。RICK・ASTLYとNICK・HUCKNOLL(SIMPLY RED)の歌声を足して2で割ったようなMICHAELのヴォーカルも好いですね。
2曲目"Calling"(4:24) 軽快なリズムと躍動感溢れるメロディのよるウエスト・コーストのサウンドを感じさせる曲です。このあたりのサウンドは当時の日本では受ける思い、国内リリースされたのでしょう。
3曲目"Few Good Moments"(4:21) この曲も非常にアメリカのブラック/ファンク/ジャズなサウンドの影響を感じさせます。ニューヨークの洒落たナイト・クラブでの演奏が似合いそうな曲です。尚、MICHAELは、幼少期の一時期ニューヨークで生活しています。
4曲目"Hold On"(5:00) スローな曲の登場です。ファルセットで歌うMICHAELの歌声に重ねられたゴスペルなコーラスとMICHAELのエレピの美しい間奏による曲です。
5曲目"Time To Be Right"(3:54) このアルバム発売当時のブリティッシュ・ロックのグループ(THE STYLE COUNCIL,HUMAN LEAGUE)のもつモダン・ソウル/ファンクと共通性を感じさせる曲です。
6曲目"Paradise Has Gone"(4:57) 曲のタイトルが示すようにトロピカルなサンバのリズムの曲です。美しい女性バック・ヴォーカルとプロデューサーで、このアルバムの曲の大半をMICHAELと共作しているWAYNE・BROWNのご機嫌なキーボードのサウンドです。
7曲目"(I've Got)Love Enough For Two"(4:29) 唯一ビデオ・クリップが制作された曲のようです。サウンドとメロディは、非常にRICK・ASTLYのサウンド・スタイルに近いものを感じさせるご機嫌なグルーヴです。
8曲目"The Very Thought Of You"(3:46) ウッド・ベースとピアノの弾き語りによる落ち着いたジャジーな曲で、故RAY・NOBLEが '34年頃に書いた曲のカバーです。この曲でのMICHAELの歌声はメロウ/ジェントルで、非常にKENNY・RANKINの柔らかさのある歌声に近いものを感じさせます。
9曲目"Moondance"(3:41) VAN・MORRISONの '70年同名タイトル・アルバムに収録されている曲のカバーです。ブルース・ロックによるリズムの流れにブラスのサウンドを合わせ上にタイトなドラムのビートによる曲です。
10曲目"What Can I Do"(5:21) この曲は、非常にビートとギターのサウンドが"カッコ" 良い曲です。ブリティッシュ・ネオ・ファンクを王道で行くサウンド・スタイルと展開を見せる曲です。
11曲目"Don't Say A Word"(6:19) MICHAELのオリジナル曲で、コンテポラリーなジャズ・ピアノによるソフトな曲です。変調などはSTEELY DANのサウンドの影響を感じさせる華麗な展開を見せます。
全11歌詞/訳詞付 12ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:50分24秒 (国内盤裏面の曲表示は、一部曲順の間違いがあります。尚、MICHAEL・PATTOは、現在プロデューサー/キーボーディストとして活躍していてソウル系の若手ミュージシャンのアルバム・リリースを担っていて先日、日本のT.V.でライヴの様子が放送されていました)'10年7月17日再更新


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写真  MIDGE URE / Move Me
 ・2001 MI-5 Records     KOC-CD-8281

活動を再開したMIDGE URE・・・

元ULTRAVOXのヴォーカリストMIDGE・UREのソロアルバムで前作より5年ぶりの新作で '01年5月7日に本国でのリリースです。数年前BS放送の深夜番組でロンドンのスタジオライヴでのショーに久振りに活動を再開したMIDGE・UREの姿があり新曲"You Move Me" "The Refugee Song" を披露していました。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MIDGE・URE:ヴォーカル/ギター/キーボードの他、DAVE・WILLIAMSON:ベース、JOSH・PHILLIPS:ピアノ/オルガン、MARTIN・BADDER:キーボード、 BRUNO・ELLINGHAM:ベース・シンセサイザー、RUSSELL・FIELD:パーカッション、LEE・GEORGE・MOULD:トライアングル、ANGIE・BROWN・LEE:バック・ヴォーカル、BILLIE・GODFREY:バック・ヴォーカル、M.SINCLAIR:バック・ヴォーカル、MARY・PEARCE:バック・ヴォーカルのイギリスのミュージシャン達です。

1曲目"You Move Me"(5:37) キーボードとベースのサウンドを活かしたミドル・テンポのエレクトロニカ風のサウンドです。
2曲目"Beneath A Spielberg Sky"(4:53) 切なく哀愁のあるメロディでコードの進行がNEIL・FINNの作風と似たところがあります。エフェクターの掛かったMIDGEの歌声とゴスペル・コーラスでの曲です。
3曲目"Words"(3:44) エモーシナルなドラムのリズムとギターのサウンドによるラフな感じの曲で随所に打ち込みによるS.E.が散りばめられています。
4曲目"Strong"(4:45) MIDGEが熱く歌うミドル・テンポの美しいメロディでのバラードです。哀愁を帯びたギターのサウンドが切なさを誘います。
5曲目"Let Me Go"(4:54) 哀愁感漂う美しいピアノの旋律での静かな曲で呟くように歌われるMIDGEの歌声とドラマチックに展開する曲です。
6曲目"Alone"(5:11) MIDGEの力強いヴォーカルのサビから入る曲でMIDGEの美しく切なく響く歌声が良いですね。バックで流れるエモーショナルなドラムのリズムと熱いギターのサウンドに感動します。
7曲目"Monster"(3:03) 頭を縦振りしそうなハードなメタル・ロックでのイントゥルメンタルです。MIDGEの意外な一面を披露しています。
8曲目"Absolution Sometime!"(4:59) MIDGEの得意そうなナンバーです。打ち込みとシーケンサーを使ったULTRAVOXぽいサウンドと処理されたヴォーカルでのエレクトロニカ・ロックです。
9曲目"The Refugee Song"(5:19) この曲でCDの購入を決めました。幻想的な雰囲気を持ったゆったりしたリズムの曲で間奏はクラシックの要素が入っています。MIDGEの高く伸びる切ないヴォーカルでの曲です。
10曲目"Four"(4:47) ギターのサウンドを主体とした少し陰りのあるメロディでの曲でエモ・ポップと言えます。
11曲目"Somebody"(5:50) ラストの曲に相応しい曲です。リフレイがややくどい(6分近くある曲なので仕方無いです)がウォーム・トーンのギター・ソロとベースのサウンドが堪りません。
12曲目"You Move Me (radio session)" 付属のライナーには3曲のボーナス・トラックの表示が有りますが何故かこのCDには収録されていません。
13曲目"Alone (radio session)" 同上
14曲目"Let Me Go (radio session)" 同上
10曲歌詞付 写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間53分56秒 (活動を再開したMIDGE・UREのアルバムでこの後、数回ジャケ替えで再発売されています)'10年7月19日再更新


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写真  MIKE AND THE MECHANICS / Word Of Mouth
 ・1991 Atlantic Recording Corporation    7 82233-2

多彩なゲストとMIKE・・・

GENESISの解散からギター担当MIKE・RUTHERFORDが中心人物となって、イギリスのベテラン・ミュージシャン 達が集まって '85年頃に結成されたMIKE & THE MECHANICSの3枚目のアルバムです。本国でのリリース '91年4月2日です。曲によりアメリカのプロデューサーRUSS・TITELMAN(STEVE・WINWOOD,BILL・LA・BOUNTY etc.)が起用されているのが興味深いです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MIKE・RUTHERFORD:ギター/ベース、PAUL・YOUNG:ヴォーカル、PAUL・CARRACK:ヴォーカル/キーボード、ADRIAN・LEE:キーボード、PETER・VAN・HOOKE:ドラムのTHE MECHANICSのメンバーとその他、TIM・RENWICK(SUTHERLAND BROTHERS AND QUIVER):ギター、STEVE・PIGGOT:キーボード、PHIL・TODD:サックス、MARTIN・DITCHAM:パーカッション、PINO・PALLADINO:ベース、IAN・WHERRY:キーボードと多彩なミュージシャンが参加しています。

1曲目"Get Up"(4:22) エコーの効いたMIKEのギターのサウンドとリズミカルに奏でられるSTEVE・PIGGOT(10CC,LIVING IN A BOX)のキーボードの調べに続いて登場するPAUL・CARRACKのいつも通りのスムーズな歌声によるメロディアス・ロックな曲です。間奏ではアグレッシヴなMIKEのギター・ワークが収められています。
2曲目"Word Of Mouth"(3:56) 輸入盤にはこの曲のクレジットが詳しく書かれていないのですが、ライヴの音源または、ライヴ仕立てで収録されています。故PAUL・YOUNG("Everytime You Go Away" を歌っていたPAULではない方)がヴォーカルです。この曲のプロデューサーNEIL・CHRISTOPHERとMIKEとの共作による曲です。
3曲目"A Time And Place"(4:50) 非常にメロウな雰囲気のある曲で、当時良く流されていたPAUL・CARRACK のヴォーカル曲です。曲調によりヴォーカルを使い分けたアルバム収録の完璧さは見事で、何度聴いても美しいメロディによる素晴らしいバラード曲です。
4曲目"Yesterday, Today, Tomorrow"(4:37) 一転してロック色の強いPAUL・YOUNGのヴォーカル曲の登場です。ハードなギター・サウンドと畳み掛けるPETER・VAN・HOOKEの硬めのドラムのビートが効いた曲です。
5曲目"The Way You Look At Me"(5:08) メロディとリズムが非常にMIKE & THE MECHANICSらしい心地好い響きの曲ですね。小さなピックで弾くMIKEのSTEINBERG GUITARの心地好いサウンドの間のメロウな歌声を聴かせる PAUL・CARRACK申し分なし!
6曲目"Everybody Gets A Second Chance"(3:57) 少しサウンドをラフにしてきたポップな曲の登場です。PAUL・CARRACKのアルバムに収録されている"I Live On A Battlefield" の姉妹曲のようなメロディとリズムを感じます。
7曲目"Stop Baby"(3:53) 荘厳なイントロのサウンドが心地好いPAUL・YOUNGのヴォーカル曲です。初期のGENESIS時代からプログレシッヴ・ロックの雰囲気をスローに再現したようなサウンド展開です。
8曲目"My Crime Of Passion"(4:55) ポップなリズムにカントリー・ロックを混ぜたようなPAUL・CARRACKのヴォーカル曲です。この曲はMIKEとPAULとADRIAN・LEE (Ex.TOYAH)の3人で書かれています。
9曲目"Let's Pretend It Didn't Happen"(5:34) この曲もギターのサウンドとキーボードのサウンドからMIKE & THE MECHANICSらしさを感じさせる曲です。PAUL・YOUNGの伸びやかな歌声とメロディアス・ロックなサウンドの広がりを堪能させられます。
10曲目"Before(The Next Heartache Falls)"(6:37) アルバムの最後はPAUL・CARRACK のヴォーカル曲です。MIKEとPAULによって書かれた6分30秒にもおよび壮大なサウンドによる曲です。エレクトロニカのサウンドをアクセントとして使ったロックのサウンドにゴスペル・コーラスも参加しています。
全10曲歌詞付 写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:47分53秒 ('04年の[Rewired]から後の新作がないのは少し寂しいのですが...)'10年7月19日再更新


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写真  MIKE AND THE MECHANICS / Beggar On A Beach Of Gold
 ・1995 Atlantic Recording Corporation    82738-2

CARRACKとYOUNGの歌声・・・

GENESISの解散からギターのMIKE・RUTHERFORDが中心となって '85年頃から活動しているイギリスのMIKE AND THE MECHANICSの4枚目のアルバムで '95年3月6日に本国でのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MIKE・RUTHERFORD:ギター/ベース/キーボード、PAUL・CARRACK:ヴォーカル/キーボード、PAUL・YOUNG:ヴォーカル、PETER・VAN・HOOKE:ドラムの他、前作までTHE MECHANICSのメンバーだったADRIAN・LEE:キーボード、CLEM・CLEMPSON:ギター、B.A.ROBERTSON:キーボード、PAUL "WIX" WICKENS:キーボード、ANDY・NEWMARK:ドラム、GARY・WALLIS:ドラム、DALE・NEWMAN:プログラミング、DAVID・FRANGIONI:ドラム・プログラミング、RICH・MENDELSON:ドラム・プログラミング、KATIE・KISSOON:バック・ヴォーカル、TESSA・NILES:バック・ヴォーカルのイギリスのミュージシャン達が参加しています。
プロデュースは、'85年のMIKE AND THE MECHANICSのヒット曲"Silent Running" でのCHRISTOPHER・NEILとMIKEの共同で行っています。

1曲目"A Beggar On A Beach Of Gold"(4:35) 故PAUL・YOUNG("Everytime You Go Away"を歌っていたPAULではないです)のヴォーカル曲です。タイトなドラムのビートとキーボードのサウンドによるライト・ロックな曲です。
2曲目"Another Cup Of Coffee"(4:42) ギター・サウンドによるPAUL・CARRACK(ACE,SQUEEZE)のヴォーカル曲です。CARRACKのソロ・アルバムに収録されている"I Live On A Battlefield" と同一線上にあるサウンド展開とメロディが興味深いです。
3曲目"You've Really Got A Hold On Me"(3:29) CARRACKお得意のリズム・アンド・ブルースによる彼のヴォーカル曲です。MIKEと一緒に曲を書いているプロデューサーのCHRISTOPHER・NILEもこの手のサウンドが好きなのでしょうか。
4曲目"Mea Culpa"(6:20) GENESISのサウンドを踏襲した6分を超えるプログレッシヴな曲です。ヴォーカルは、ハイ・トーン・ヴォイスのYOUNGです。ラテン語での曲のタイトルも興味深いです。
5曲目"Over My Shoulder"(3:37) このアルバムで一番先に気に入ったPAUL・CARRACKのヴォーカル曲です。CARRACKとRUTHERFORDとの共作で美しいアコースティック・ギターのサウンドを中心に収録されています。バック・ヴォーカルではお馴染みのTESSA・NILES(T.F.F.,ERIC CLAPTON BAND)とKATIE・CASSOON(ROGER WATERS BAND)が参加しています。
6曲目"Someone Always Hates Someone"(3:42) 無機質なキーボードの繰り返し音符がトランス状態に誘うスピリチュアルな曲です。半ばでは壮大なサウンド展開をみせます。
7曲目"The Ghost Of Sex And You"(6:24) PHIL・COLLINSの歌声に少し似た甘口のCARRACKのヴォーカル曲で、GENESISのサウンドをモチーフとした荘厳な響きを奏でています。ヴォーカル・パートのアレンジは見事です。
8曲目"Web Of Lies"(5:38) 前の曲から自然に繋がるアレンジによる再びCARRACKのヴォーカル曲です。曲のほうはRUTHERFORDとCARRACKとの共作で、少しハードなロック路線を目指していて間奏のRUTHERFORDのギター・ソロも熱いです。
9曲目"Plain And Simple"(3:59) SF映画のサウンドトラックを思わせるイントロによる曲です。再び登場したYOUNGのヴォーカルによるメロディアス・ハード・ロックな曲です。このサウンドは最新盤の[Rewired]に繋がって行きそうです。
10曲目"Something To Believe In"(4:18) ピアノとキーボードのサウンドを中心としたライトなロックによるミドル・テンポのナンバーです。ピアノの演奏はRUTHERFORDとCARRACKが行っているようです。
11曲目"A House Of Many Rooms"(5:39) MIKE AND THE MECHANICSらしい長く弾かれるキーボード のサウンドに絡められた細かく爪弾くRUTHERFORDのスタインバーガーによるギター・サウンドによる曲です。ここでもCARRACKのヴォーカルは、PHIL・COLLINSに近いヴォーカルを聴かせています。
12曲目"I Believe(When I Fall In Love It Will Be Forever)"(3:11) STEVIE・WONDERの[Talking Book]に収録されている曲のカバーです。メロディアス・ロックな曲調に乗せた伸びやかなCARRACKのヴォーカル曲です。アメリカン・ロック的なサウンドとコーラスによる曲で、ドラムにANDY・NEWMARK(Ex.SLY AND THE FAMILY STONE)が参加しています。
13曲目"Going, Going...Home"(4:30) ゴスペル調のサウンドとメロディによる厳かな曲です。非常に美しいヴォーカルを効かせるのはYOUNGです。
全13曲歌詞付 写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:60分08秒 (GENESISでの活動を再開したMIKEの為、'04年のアルバム以降 MIKE AND THE MECHANICSの活動がすこし停滞しています)'10年7月19日再更新


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写真  MIKE AND THE MECHANICS / Rewired + DVD
 ・2004 Virgin Records Ltd.    7243 5 71184 0 8

打込みを多用したタイトなリズム・・・

この作品からPAUL・CARRACKがメインヴォーカルとしてフューチャーされていますので正式には、MIKE + THE MECHANICS + PAUL CARRACKと表示されています。彼らの8枚目(ベスト盤を含みます)のアルバムです。実に5年ぶりのスタジオ収録による新作で '04年6月7日に本国でのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MIKE・RUTHERFORD:ギター/ベース/プログラミング/プロデュース、PAUL・CARRACK:ヴォーカル/キーボード/ギターの他、WILL・BATES:プログラミング、RUPERT・COBB:プログラミング/バック・ヴォーカル、ASHLEY・CLARKE:プログラミング、ROBBIE・McINTOSH:ギター、IAN・THOMAS:ドラム、NEIL・WILKINSON:ドラム、PETER・VAN・HOOKE:ドラム/プロデュース、SHARON・WOOLF:バック・ヴォーカル、LISA・LAW:バック・ヴォーカル、PAUL・McGEE:バック・ヴォーカル、OWEN・PAUL・McGEE:バック・ヴォーカル、RICKY・HANLEY:バック・ヴォーカル、ANDREA・HUNNISETT:バック・ヴォーカルのイギリスのミュージシャン達です。
尚、プロデュースは、MIKE・RUTHERFORDと前作までTHE MECHANICSのメンバーだったドラムのPETER・VAN・HOOKEとの共同となっています。また、DVDのビデオのリサーチは、PETER・VAN・HOOKEが担当しています。

DISC:1 収録時間:44分24秒
1曲目"One Left Standing"(5:10) MIKE & THE MECHANICSらしい打込みを多用化したタイトなリズムにPAUL・CARRACKのヴォーカルを乗せ、コンピュータ処理した彼の歌声の部分を挿入していてシンプルなリズムを飽きさせず聴かせています。
2曲目"If I Were You"(4:21) スロービートの切ないメロディの曲でこのアルバムの中でも1,2位を争う素晴らしい曲です。間奏のMIKE・RUTHERFORDのギターが切なさを増し、途中で音階が上がるアレンジが堪りません。
3曲目"Perfect Child"(5:11) 以前の作品の"Living Year" のメロディにちょっと似たアコースティック・ギターによるイントロです。
4曲目"Rewired"(5:31) 打ち込みとサンプルでのインストゥルメンタルです。短いフレーズの歌詞がありますがサンプルで収録しているようです。
5曲目"I Don't Want It All"(5:05) アコースティック・ギターの美しい響きのイントロに続きPAULのハートウォームな歌声が響く素晴らしい曲で後半はシンセサイザーの壮大なサウンドにダイナミックに展開します。
6曲目"How Can I ?"(4:44) PAULとMIKEの共作です。スローなビートのピアノを主体としたゴスペルスタイルの曲です。
7曲目"Falling"(5:16) アシッド風の打ち込み使ったタイトなリズムとPAULの伸びやかヴォーカルでの曲で間奏の揺らめき感が非常に素晴らしい曲です。
8曲目"Somewhere Along The Line"(3:51) PAULがその素晴らしい歌声を聴かせるスローなバラードです。間奏でのMIKEの弾くアコースティック・ギターが切なく響きます。
9曲目"Underscore"(5:10) 幻想的なイントロから鋭いサウンドの打ち込みによるトランスサウンドの曲です。

DISC:2 収録時間:39分37秒
このCDの曲に合わせた実写、CG、アニメなど面白い既製クリップをDVDにしたものです。リージョン・フリー/NTSC方式ですので一般のDVDプレイヤー/テレビで再生できます。
但し、音楽に合わせて描写されていますが、音楽の時間の方が長い為、曲が途中で終わるのが残念!
1曲目"One Left Standing(Long Version)"(3:48)
2曲目"If I Were You"(4:19)
3曲目"Perfect Child"(5:11)
4曲目"Rewired"(5:35)
5曲目"I Don't Want It All"(5:07)
6曲目"How Can I ?"(5:00)
7曲目"Falling"(4:55)
8曲目"Somewhere Along The Line"(3:49)
9曲目"Underscore"(5:05)
10曲目"One Left Standing(Short Version)"(3:46)
7曲歌詞付 写真ブックレット CCCD仕様 E.U.製 (輸入盤) (亡きPAUL・YOUNGへの悲しみを乗り越えて再出発したMIKE・RUTHERFORDに拍手!)'10年7月21日再更新


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写真  MIKE LINDUP / Changes
 ・1990 POLYDOR K.K.    POCP-1032

LEVEL42のもう一人のサウンドの要・・・

このアルバムは、副プロデュースとエンジニアにCALUM・MALCOLM(THE BLUE NILE,CLANNAD)とミキシングにHUGH・PADGHAM(SPLIT ENZ,GENESIS)を迎えて制作された元LEVEL42のMIKE・LINDUPの初ソロ・アルバムで、'90年8月1日、国内でのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MIKE・LINDUP:ヴォーカル/キーボード/パーカッション/プロデュースの他、DOMINIC・MILLER:ギター、PINO・PALLADINO:ベース、MANU・KATCHÉ:ドラム、MILES・BOULD:パーカッション、DANNY・THOMPSON:アップライト・ベース、ANN・MORFEE:ヴァイオリン、DAVE・HEATH:フルート、PATO・FUENTES:パーカッション、CARLOS・FUENTES:パーカッション、GERMÀN・SANTANA:パーカッションのイギリス勢以外のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Changes"(6:20) 美しいアカペラによるイントロに続くMIKEのキーボードによるファンクで乗りの良いサウンドと彼の伸びやかで爽やかなヴォーカルでアルバムの幕開きに相応しい曲です。
2曲目"Lovely Day"(4:26) レゲエのリズムによる曲ですが、MIKEのキーボードとDOMINIC・MILLER(STING)のギターのサウンドがシンクロする洒落たアレンジによる曲です。MIKEの伸びやかなヴォーカルとANN・MORFEEのバイオリンの演奏も聴き物です。
3曲目"Fallen Angel"(6:14) DOMINICの美しいギターの調べとMIKEのキーボードでの旋律が重なり合う素晴らしいイントロの曲で、次第に重厚なサウンドと展開します。
4曲目"The Spirit Is Free"(4:48) シンセベースによるファンキーでダンサブルな曲です。MIKEのキーボードとファルセットによるバック・ヴォーカルは、MARK・KING抜きのLEVEL42その物の感じがします。珍しくDOMINICが熱いギターソロを聴かせてくれます。
5曲目"Desire"(4:38) MICHAEL・McDONALDかDAVID・PACKが書きそうな作風の曲です。ファンキーでエモーショナルなサウンドの曲でDOMINICのギター・サウンドが非常に面白い曲です。
6曲目"West Coast Man"(4:37) CLANNAD風のイントロと対照的なギターを掻き鳴らしたMIKEのイメージするカリフォルニアサウンドのサビとコーラスが西海岸の爽やか風を感じさせる曲です。
7曲目"Judgement Day"(5:44) サンプルかスキャットによるイントロから入る曲で、太く重いリズムのシンセベースを用いた曲です。
8曲目"Life Will Never Be The Same"(4:41) MIKEの美しいピアノによる弾き語りでDANNY・THOMPSON(元PENTANGLE)が素晴らしいアップライト・ベースの演奏を披露しています。
9曲目"Paixao(Passion)"(5:40) サンバのリズムによる楽しい楽曲にMIKEのファルセットによるバック・ヴォーカルと彼のジャジーなキーボード・ソロがお洒落です。
10曲目"Jung"(6:55) DOMINICのギターソロを大きく取り入れたフュージョン・サウンドのインストゥルメンタルです。
9曲歌詞/訳詞付 8ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:54分07秒 (MIKEのソロ・アルバムは、本作の他全曲インストゥルメンタルのアルバムが1枚あるのみです。もっと作品を多く作って欲しいのですが...追:'03年に新作がNaim Audio Ltd.からリリースされました)'10年7月21日再更新


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写真  MIKE LINDUP / Changes 2
 ・2023 Knapdale Records    KRCD 23001

ちょうど今、初夏が似合うアルバム・・・

このアルバムは、イギリスのロンドンで活躍しているキーボーディスト/ヴォーカリストオルタMIKE・LINDUPの4枚目('11年の6曲ミニアルバムを含む)のアルバムで '23年7月28日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MIKE・LINDUP:ヴァーカル/キーボード/シンセサイザー/ドラム/ハイハット/ダルシマー/パーカッション/トング・ドラム/ハンドクラップの他、ALLAN・SALMON:ギター、ALEX・HUTCHINGS:ギター/ギター・シンセサイザー、DOMINIC・MILLER:アコースティック・ギター、YOLANDA・CHARLES:ベース、MARK・KING(LEVEL 42):ベース、NEVILLE・MALCOLM:ベース、ERNIE・McKONE:ベース、NICOLAS・FISZMAN:アコースティック・ベース/アコースティック・ギター、ROBIN・MULLARKEY:フレットレス・ベース、MIKE・PATTO:キーボード/シンセサイザー/ドラム・プログラミング/キーボード・プログラミング/ハンドクラップ/バック・ヴォーカル/プロデュース、ALEX・WILSON:ピアノ、SANTIAGO・ARIAS:バンドネオン、TONI・ECONOMIDES:ドラム・プログラミング/シンセサイザー/サウンド・エフェクト/ハンドクラップ/プロデュース、MANU・KATCHÉ:ドラム、MILES・BOULD:ドラム/コンガ/パーカッション、SATIN・SINGH:パーカッション、EDWIN・SANZ:シンバル/コンガ/パーカッション、CHRIS・FRANCK:パーカッション、JON・CULSHAW:ヴォイス/ハンドクラップ、NICHOL・THOMSON:トロンボーン、TOM・WALSH:トランペット、TONY・MOMRELLE(INCOGNITO):ヴォーカル、URSULA・RUCKER:スポークン・ワード/ヴォーカル、OMAR・LYE-FOOK:ヴォーカル、LUCITA・JULES:バック・ヴォーカル、VANESSA・FREEMAN:バック・ヴォーカル、VANESSA・FREEMAN:バック・ヴォーカル、SUMUDU・JAYATILAKA:バック・ヴォーカルの多彩なミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Atlantia"(5:55) シンセサイザーの神秘的なサウンドと期待感膨らますベースとドラムのリズムが体を揺らす曲です。どことなくEARTH, WIND & FIREの持つゴージャスなコーラスに通じるところを感じます。
2曲目"Time To Let Go"(5:15) このアルバムの制作段階から先行して紹介されている曲です。細かく奏でられるMIKEのシンセサイザーの響くと間奏のALEX・HUTCHINGSの流れるように奏でられるギターが非常に渋いのです。先行して制作されたビデオもどうぞ!。
3曲目"You Just Can't Live As An Island"(5:20) この曲は、キーボードで参加しているMIKE・PATTOの音楽に近いポップ/ファンク/ソウルな軽めの乗りを伝える曲です。曲を書いたのはMIKE・LINDUPなのですが、ヴォーカル・アレンジは、MIKE・PATTOが担当しているとの事です。
4曲目"Could It Really Be?"(4:34) ゲストにTONY・MOMRELLEを迎えた曲です。TONYの艶のある歌声とMIKEとハーモニーとの滑らかさが堪りませんね。ファンキーな流れがサンバへとアレンジ替えされALEX・WILSONのピアノの演奏が要となっています。
5曲目"All For Love"(5:44) やっとDOMINIC・MILLERのギターの登場です。イントロからメランコリックな調べを発するDOMINICのギターと「恋人へ捧げるラブソング」を凛とした歌声を聴かせるMIKEです。
6曲目"World Is Ready"(4:47) アメリカの詩人/シンガー/パフォーマーURSULA・RUCKERを迎えての曲です。スポーケンで聴く者の心を掴むURSULAの呪縛な声とその声を賛美するよう歌うMIKEとSUMUDU・JAYATILAKAの歌声に引き込まれます。
7曲目"Teflon Don"(4:37) イギリスのコメディアン/キャスターのJON・CULSHAWを迎えた曲です。ソウルフルな歌声を聴かせるMIKEの相槌に多彩なエフェクト的な声を聴かせるJON・CULSHAWとのコラボも真骨頂ですね。
8曲目"David(Goodbye To You)"(5:57) 空間に広がるMIKEのシンセサイザーの不思議な音色と柔らかなベースの音色が心地好い曲です。MIKEの歌声と共に流れるSUMUDU・JAYATILAKA(LONDON VOICES)のこれまた優しい歌声だぁ〜こと。
9曲目"All As One"(9:44) 収録時間の長さを二度見した9分を超える長尺な曲です。キーボード、ギターとパーカッションによる5人体制によるスムーズ・ジャズ/フュージョンな曲です。
10曲目"Fragile Heart"(5:14) ここに来て口直し的なアコースティック・ギターの爪弾きが響く曲です。NEVILLE・MALCOLMのアコースティック・ベースにDOMINIC・MILLERのギターによるさっぱり感の漂うお洒落な流れとなっています。また、アルゼンチン出身のSANTIAGO・ARIASのバンドネオンの寂しげな音色に鳥肌が立ちます。
11曲目"I Saw You In My Dreams"(6:46) メイン・ヴォーカルにOMAR・LYE-FOOKを迎えた曲です。アシッド・ジャズなクールな流れにこれまた艶やか滑らか歌声を聴かせるOMARです。
12曲目"Courage To Change"(4:50) '90年のアルバム[Changes] 続編の[Changes 2]の締め括りを33年の長き「変化」を歌います。ベースを担当しているYOLANDA・CHARLESがMIKEの傍にいる事も何だか嬉しくなってきます。
全12曲歌詞付 16ページ物写真ブックレット 2折紙ジャケット仕様 オランダ製 (輸入盤) 収録時間:68分51秒 (別件でMICHAEL・PATTOの事を検索していてこのアルバムの存在を知って即、イギリスへ購入クリックしました(笑))'24年6月6日更新


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写真  MINE / Mine
 ・1997 Massproduktion    Mass CD-68

MARTIN・LANDQUISTのプロジェクト・・・

スウェーデンのインディペンデント・レーベルMassproduktionからリリースされているMINEは、スウェーデン・エレクトロニカ音楽界の名プロデューサーMARTIN・LANDQUIST(NAID,JAY-JAY・JOHANSON)と女性S.S.W.のEMMA・HOLMÉRとが中心となったユニットです。本国でのアルバムのリリースは、'97年3月10となっています。
MINEとしての音楽活動は、'95年からこのアルバムをリリースした '97年頃までMARTINとのライヴを中心に行われたようですが、現在、MARTINはプロデューサー業とNAID名義での活動が中心、EMMA・HOLMÉRは、作詞/作曲家とゲスト・ヴォーカルなどの活動が中心になっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、EMMA・HOLMÉR:ヴォーカル、MARTIN・LANDQUIST:シンセサイザー/スペース・エコー/キーボード/ビート/エフェクト/ギター/プロデュースの他、JOHAN・VÄVARE(EGGSTONE,B.K.O.):シンセサイザー/キーボード/サウンド・エフェクト、LARS・JONASSON:ベース/キーボード、RICKARD・NETTERMALM:ドラム/パーカッション、LARS・POLLACK:ローズ/グランド・ピアノ、BENJAMIN・QUIGLEY:ベース/ダブル・ベース、KARL・ASP:ソプラノ・サックス/ハモンド・オルガン、GORAN・KAJFEES:トランペット、SEBASTIAN・ÖGBERG:チェロ、 ÖRJAN・HÖGBERG:ヴィオラのスウェーデンのミュージシャン達です。

1曲目"Mine"(6:06) スペース的な電子音をイントロに配したエレクトロニカ・アシッド・ジャズのサウンドとEMMAの可憐な歌声から惹きつけられた曲です。電子ピアノの転がるような音色とサウンドの盛り上がりを極力抑えたようなアレンジが非常に"クール" に聴こえる秀曲です。
2曲目"This Love Is Killing Me"(4:13) リズム・マシーンの刻むソウル・ビートが静かに響くブラック・ミュージックの影響を窺える曲です。ジャジーなトランペット・ソロが心地好く響きます。この曲のイメージは日本の女性ミュージシャンの歌うジャンルにも通じるものを感じさせます。
3曲目"Nowhere To Go"(3:44) アカペラに近いEMMAの歌声から入る曲で、女性ジャズ・シンガーかソウル・シンガーの歌う曲に近い印象です。
4曲目"This Moment"(4:20) アコースティック・ギターのサウンドを使ったスローな弾き語りに近い曲です。シンプルな演奏を中心とした前半からピアノの演奏に切り替えても厳かに流れています。
5曲目"Little Pieces"(4:41) スローにしたドラム"ン" ベースのサウンドと浮遊感の漂うキーボードのサウンドが心地好い曲です。尚、アルバム収録曲と違うテンポを変えてギターのサウンドを加えたバージョン違いのビデオ・クリップも制作されています。
6曲目"Leaving"(5:36) この曲もMARTINの作り出した電子音のサウンドが溢れたエキセントリックな曲になっています。サビの部分はメロディアスな流れのパートを挟んでのアレンジになっています。
7曲目"Ready To Love"(3:26) アメリカのアコースティック・ギターを弾く女性S.S.W.の曲に近いものを感じさせる曲です。ヴォーカルEMMAのバイオは不明ですが、ニュートラルな英語の発音からスウェーデン出身ではないかも…。
8曲目"Inside"(4:04) フランス映画のサウンドトラックを想い起こすメランコリックなキーボードの調べとトーンを抑えたEMMAの切ない歌声と心の内の感情を表わした歌詞も切なく聴こえます。
9曲目"Canticle"(3:05) 北欧のトラディショナル音楽のサウンドを感じさせる厳かに奏でられる曲です。ソプラノ・サックスの調べとゆったり歌うEMMAの美しい歌声が印象的に響きます。
10曲目"Won't Let It Get Me Down"(6:16) 6分を超えるミドル・テンポのヨーロッピアン・テイスト溢れるクラブ/アシッドな曲です。ヴォーカル・パートはSADEのサウンドの持つゴージャスさに似た部分も持ち合わせたところも感じさせます。
全10曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:45分35秒 (アルバムのリリースは、古いのですが、現在もレーベルから販売されていてインディペンデント盤としては、次のアルバムより比較的入手は容易です)'10年7月21日再更新


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写真  MINE / Freedom Gone Mad
 ・2000 Stockholm Records    159 109-2

入手困難なのが残念です・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍していたMINEことEMMA・HOLMÉRとLARS・POLLACK(BALTIMOORE,RUBBER DUCK)のユニットによる2枚目のアルバムで、本国でのリリースは、'00年11月になっています。
収録に参加しているミュージシャンは、EMMA・HOLMÉR:ヴォーカル/ピアノ、LARS・POLLACK:キーボード/ヴァイオリン/プログラミングの他、ROLAND・HÖGDAHL:ドラム、OWE・DAHLQVIST:ベース、CHRISTER・JANSSON:パーカッション/ハンド・ドラム、RIKARD・NETTERMALM:ドラム/パーカッション、LARS・HALAPI:ギター、STEFAN・CARLSSON:ループ、THE PUFF:プログラミング/DJ、SIMON・HARTLEY:ループ/ドラム・プログラミング、JOHAN・VÄVARE:シンセサイザー/エフェクト/ドラム・プログラミング、OVE・ANDERSSON:ベース、OLA・GUSTAFSSON(LARS・WINNERBÄK):ギター、PRAIRIE・PRINCE(THE TUBES):ドラム、MARTIN・LANDQUIST:ミキシング、ストックホルム・セッション・ストリングス:ストリングスなど豪華メンバーが参加しています。
尚、EMMAは、このアルバムをリリースした後、自身のアルバム制作は休止し、作曲家として他のミュージシャンに曲を提供した活動を行っているようです。新しいところでは、オーストラリアのKYLIE・MINOGUE '07年のアルバム[X]でKYLIEと共作しています。

1曲目"Wouldn't Mind The Waiting"(3:20) このアルバム・リリース前の先行シングル曲になっている曲で、ストックホルムのガムラスタンを歩くEMMAを撮影したビデオも制作されています。
2曲目"Anytime"(3:48) 意表を突くベース・クラリネットのイントロから次第にリズムを整えて流されるエモーショナルなリズムとビートの流れからなる曲です。EMMAの甘い目の歌声の響きも非常に良いですね
3曲目"Little Pieces"(3:24) '97年のアルバムにも収録されたシングル・カットの曲です。このアルバムでの収録は、ギター・サウンドを付け加え"メリハリ" を持たせた上にアウトロ部分のアレンジも少し違っているようです。
4曲目"In And Out Of Love"(3:38) ヨーロッパ調のサウンドのメロディによるミドル・テンポの曲です。EMMAの思い詰めたような歌声のバックに広がるシンセサイザーの重厚な調べとストリングスのサウンド繋がって来ます。尚、この曲のプロデューサーは、あのPÄL・SVENREが担当しています。
5曲目"Hope"(4:57) アシッド系のダウンテンポのビートの曲です。アクセント的に響くエレクトロニカのサウンドと"サビ" の部分のサウンドは心地好いですね。
6曲目"Heavenly Love"(5:10) 変則的なドラムのビートと中東音楽からのインスパイアを感じさせる"サビ" でのメロディによるダンス・ビートの曲です。少し低い目のキーで歌い始めるEMMAの妖艶な歌声と後半から登場するLARS・HALAPIのご機嫌なギター・ソロが堪りませんね。
7曲目"Freedom Gone Mad"(4:46) ジャングルの中の動物の鳴き声をサンプル電子音源で表現したイントロから入るエレクトロ・ポップなサウンド曲です。電子サウンドの溢れる流れとスカのリズムによるヨーロピアン・ミュージックって感じです。
8曲目"Water"(3:50) ピアノのサウンドを中心にしたシンプルな曲の登場です。落ち着いたアンビエント系のサウンドに乗せてEMMAがそっと歌います。
9曲目"Nothing's Changed"(3:36) ダークでメランコリックなサウンドによる物静かな曲です。切ないEMMAの歌声と"クール" なバックの調べが響きます。
10曲目"Something's Changed"(2:54) サンプル音源とループによるエレクトロニカ・トリップ・ホップによるインストゥルメンタルです。
11曲目"Still Alone"(5:14) エレクトロニカ・サウンドによるトリップ・ホップの5分を超える曲です。トランス状態へ誘う一定的なビートの繰り返しの合間に歌うEMMAです。
12曲目"Where I have To Go"(6:58) キーボードの心地好い調べが流れるヨーロピアン・メランコリックなメロディによる7分近くもある曲です。ゆったりと歌うEMMAの歌声とLARS・POLLACK のサウンド・アレンジの拘りを感じます。
13曲目"Inside(Live)"(5:29) 前の曲が終わって約1分のブランクの後に収録されているヒドゥン・トラックです。ストックホルムで行われたフェスティバルでのスローな曲のライヴを収録しています。
11曲歌詞付 写真ライナー 初盤のみカードボード・スリーブ2重梱包 (輸入盤) 収録時間:57分09秒 (大手Stockholm Recordsからリリースされ、何度か再リリースされているアルバムですが、現在は、廃盤になっていてスウェーデン国内でも入手困難なのが残念です)'10年7月22日再更新


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写真  MODERN ENGLISH / Ricochet Days
 ・1984 4AD/SIRE RECORDS COMPANY    1-25066

ニュー・ウェイヴ・ロック・・・

このアルバムは、エセックス出身で主にイングランドを中心に活躍していたニュー・ウェイヴ・ロック・バンドMODERN ENGLISHの '84年2月に本国でリリースされた3枚目のアルバムです。
MODERN ENGLISHのメンバーは、ROBBIE・GREY:ヴォーカル、GARY・McDOWELL:ギター、STEPHEN・WALKER:キーボード、MICHAEL・CONROY:ベース、RICHARD・BROWN:ドラムの5人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KATE・ST. JOHN(THE DREAM ACADEMY):オーボエ、NICKY・HOLLAND:オーボエ、JEFF・SEOPARDIE:コンガ、PANDIT・DINESH:タブラー(インドの打楽器)、CAROLINE・LAVELLE:チェロ、SALLY・BEAMISH:ヴィオラ、NICK・BARNARD:ヴァイオリン、NICOLA・LEWIS:ヴァイオリン、LORITA・GRAHAME:バック・ヴォーカルのイギリス勢が参加しています。
プロデュースは、THE ICICLE WORKSやSIMPLE MINDSのアルバムを手掛けたHUGH・JONESとMODERN ENGLISHのメンバーと共同で行われています。
尚、このアルバムをリリースした後、同年10月ヴォーカルのROBBIE・GREYは、COCTEAU TWINSのメンバーと一緒にTHIS MORTALCOILの4AD企画アルバムに参加しています。

1曲目"Rainbow's End"(3:05) 弾けるベースのサウンドに重ねたエッジ感のあるギターの音色が響くいかにもニュー・ウェイヴ・ロックと感じさせる曲です。また、少し陰りのあるROBBIE・GREYの歌声もイギリス的な響きを感じるのです。
2曲目"Machines"(5:38) 今度はパーカッションのビートにエレクトロニカのサウンドを使ったニュー・ロマンティックスの感じの曲の登場です。スペース・サウンドやリン・ドラムのビートも今となっては、どこか懐かしさを感じますね。
3曲目"Spinning Me Round"(4:50) この残響音のするギターのサウンドは、当時のイギリスのバンドに多く聴かされたサウンドです。この曲のサウンドの感じは、当時のイギリスのバンドのスタイルが幾つも存在しているように感じます。
4曲目"Ricochet Days"(5:12) ここで少しスローなテンポの曲の登場です。イントロの単音で奏でられるオーボエの調べからどこか病的な独特の雰囲気を醸し出す曲です。先にも紹介したROBBIE・GREYの陰りのある歌声のバックに広がるゴシック・ロック調のサウンドが犇めきます。
5曲目"Hands Across The Sea"(4:02) このアルバムから1番のお気に入りの曲の登場です。リズムの合間に入るハンド・クラップス風の決めがキモになっていますね。当時にビデオを制作されたこのアルバムからの一押しの曲でもあります。
6曲目"Blue Waves"(3:55) この曲もエレクトロニカのサウンドを効かせたいかにもニュー・ウェイヴ・ロックと言える曲です。例えるならイギリスのバンドではないのですが、同時期に活躍したオーストラリアのINXSと通じるサウンドでしょうか。
7曲目"Heart"(6:58)この曲は、オーボエのサウンドとチェロなどの弦楽器を使った厚みのあるサウンド・アレンジによる少し流れ変えて来た曲です。次第にロック色を強めて行きながらクラシック音楽とロックとの調和を目指した展開が施されています。
8曲目"Chapter 12"(3:56) 遠くで響くチェロとヴァイオリン の響きが微かに流れるサウンドを曲間に挿入したアレンジから始まるエレクトロニカ・ロックの曲です。テンポの良いベースのサウンドに細切れに奏でられるギターのサウンドが渦巻く曲で当時のアルバムとしては、この曲が最終曲となります。
歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:37分36秒 (このMODERN ENGLISHも他のイギリスのバンドと同様に数枚のアルバムをリリースした後に解散するのですが、2010年にはオリジナルメンバーの4人を含む5人組で再結成されているもようです)'12年1月7日更新


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写真  MOLD / Hello Foreign Country
 ・2003 MTG    MTG CD 73555

一面冬景色・・・

このアルバムは、ノルウェーで活躍しているインディーズ・バンドのMOLDの '03年に本国でリリースされた3枚目('02年のEP盤を含む)のアルバムです。
このMOLDのメンバーは、ARVE・PAULSEN:ヴォーカル/ギター、HÄKON・NAKKEN:ベース、OLIVER・HANKEN:ドラム、REMI・CHRISTIANSEN:ギター/ペダル・スティール、SONDRE・BJØRNDAL:ギター/オルガン/ザイロフォンの5人組に加えて、ノルウェーのジャズ・ミュージシャンSTIG・RENNESTRAUMが曲によりヴィブラフォンで参加しています。
尚、このアルバムは、本国ノルウェーにて '03年のベスト・アルバムに選ばれています。

1曲目"Mektago"(3:50) ドラムのビートと複数のギターの弦の響きによる絡みあいを心地好く感じる曲です。80年代の「ネオ・アコ」スタイルを継承したサウンドに言葉短めの歌詞に美しいハーモニーを付けた感じが良いですね。
2曲目"Ocean Bowl"(5:13) 囁きに似たARVEの歌声と裏打ちによるドラム・ビートによるミドル・テンポの曲です。転調によるサウンドの流れとメロディを奏でるギターのサウンドのエモーショナルなこと。
3曲目"Vadja"(3:48) エモーショナルなドラムのリズムに乗せた"クール" なギターの爪弾きによるサウンドが響くブリット・ロックです。少し切ない歌声はマンチェスターのバンドLONG-VIEWのROB・McVEYに歌声とギター・サウンドも似たものを感じます。
4曲目"Nihil"(3:13) 面白いタイトルの曲ですね。イントロはEBowによるギターのサンプル音とザイロフォンの響きによるアブストラクトな雰囲気から次第に曲へと展開されて行きます。
5曲目"Krumblove"(3:49) ここ迄アルバムを聴いて来たところ、このバンドは、ドラムのOLIVERが、曲の出来の良さに大きく貢献しています。この曲も彼のドラムが良いですね。
6曲目"Mats"(5:06) ダークな調べを響かすギターのサウンドとメランコリックなザイロフォンとメロディカのサウンドによるインストゥルメンタルな前半と後半に登場するARVEのヴォーカル部分と組曲になった5分以上の長さの曲です。
7曲目"Trandat"(3:15) この曲は、めずらしくナイロン弦ギターによるメランコリックなボサ・ノヴァ調の曲です。少し怠惰な歌声を聴かせるARVEと彼の美しいハーモニーは同じくノルウェーで活躍しているKING OF CONVENIENCEの曲調に通じるものを感じさせます。
8曲目"Ilyushin"(3:35) ストーリー・テラー風に聴かせるARVEの歌いぶりとバックで流れるギターのサウンドが切ないダウンテンポの曲です。ARVEとギターのREMI・CHRISTIANSENの何か屈折した表現を感じます。
9曲目"Irbit"(3:18) 少しサウンドを荒く、ラウドにしたエモ・ギター・サウンドの曲です。叙情的に奏でられるギターのサウンドと哀愁のあるARVEの歌声です。
10曲目"51"(3:32) 12弦エレクトリック・ギターのサウンドを全面に響かせたライトな感覚のブリット・ロックでしょうか。この曲のイメージは非常にイギリスのバンドのサウンドに近いものを感じさせます。
11曲目"Spor 11"(2:07) トラック番号が曲名となったシークレット・トラック的な2分程度のインストゥルメンタルです。
歌詞無し 16ページ物写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:40分51秒 (付属のライナーの全てのページにノルウェーの冬景色が印刷されていて、このバンドの土地柄への拘りを感じさせます)'10年7月22日再更新


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写真  MONICA STARCK / Stories Untold
 ・1999 TOSHIBA-EMI/Bolero Records    VJCP68185

遅れて来たスウェーデン・ポップですが・・・

スウェーデンでS.S.W.として活躍しているMONICA・STARCKの '99年12月8日、国内でリリースされたデビュー・アルバムです。ストックホルムの西の湖近くGÖTENEで生まれ育ったMONICAは音楽活動と学習の為、ストックホルムに20歳の時に移り住み、現在所属しているBOLERO RECORDSのBILLY・BOLERO(LARS・HANSSON)の目に留まり、プロデューサーにDAN・SUNDQUIST(TACKEY & TSUBASA etc.)を迎えて制作されています。尚、上のジャケット写真は、国内盤用の写真です。本国でのアルバム・ジャケットは、ライナーの裏表紙のGジャンを着た正面写真が使われています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MONICA・STARCK:ヴォーカルの他、ALI・THOMSON:ギター/バック・ヴォーカル、STAFFAN・ASTNER:ギター、JENS・FRITHIOF:ギター、DAN・SUNDQUIST;ギター/キーボード/プロデュース、BILLY・MANN:ギター/ヴォーカル、JOHAN・LINDSTRÖM:ペダル・スティール、PAUL・BÖRJESSON:ベース/バック・ヴォーカル、MOHAMMAD・DENEBI:ベース・ステーション、MATTIAS・TORELL:ギター、HENRIK・NORDENBACK:ドラム、JENS・SKOOG:ドラム・プログラミング、DAVID・ÅHLEN:ヴァイオリン、MIJA・FOLKESSON:バック・ヴォーカル、ANDERS・VON・HOFSTEN:バック・ヴォーカル、EVA・AXELSSON:バック・ヴォーカル、BRITTA・BERGSTRÖM:バック・ヴォーカル、JOHAN・BECKE:バック・ヴォーカル、JOHANNA・NYSTRÖM(THE REAL GROUP):バック・ヴォーカルによる大半は、スウェーデンで活躍しているミュージシャン達です。

1曲目"The Trouble With Ben"(4:20) アコースティック・ギターを掻きながしながらのイントロのサウンドに続いて登場するMONICAの清楚な歌声によるポップな曲です。高域で裏返る時に少し掠れる特徴のある彼女の明るい響きの歌声が良いですね。
2曲目"In From The Cold"(3:42) プロデューサー/ヒット曲作家として忙しく活躍しているANDREAS・CARLSSONとグラスゴー出身のS.S.W.ALI・THOMSONとの共作の曲です。尚、ALIはこのアルバムで2曲MONICAと共作し、ギターとバック・ヴォーカルとして参加しています。サウンドは、ANDREASらしい非常に明るさのあるギター・ポップな曲です。
3曲目"Into The Unknown"(4:52) 少しダークさを表現したエレクトロニカのサウンドの曲です。透明感のあるMONICAの歌声と"クール" なバックのサウンドが醸し出すミドル・テンポのナンバーで、ギターのフレーズが非常に心地好いのです。
4曲目"Happy"(5:34) 前の曲とこの曲はMONICAの作詞/作曲となっています。ミドル・テンポのバラードで、心地好いリズムと柔らかいMONICAの歌声です。この曲ではMONICAの高域での歌声の響きはアイルランド出身GEMMA・HAYESに近いものを感じさせます。
5曲目"Even Summer"(4:01) この曲はリズムが非常に心地好いですね。バックの男性ヴォーカルはこの曲の作者でもあるベースのPAUL・BÖRJESSON(GRAND CENTRAL WINTER)で素晴らしいハーモニーを聴かせています。尚、PAULはこのアルバム収録前からのMONICAの音楽仲間で、ツアーも一緒に行っているようです。
6曲目"This Side Of Blue"(3:09) ギター・ポップなサウンドの曲ですね。ペダル・スティールはスウェーデンでお馴染みのJOHAN・LINDSTRÖMです。JOHANはペダル以外にもエレクトリック・ギター、アコースティック・ギター、ベースも担当して殆どの楽器でこの曲に参加しています。
7曲目"Stories Untold"(4:08) カントリー調のメロディによるアコースティックなサウンドによるシンプルな曲です。このアルバムでのギター担当JENS・FRITHIOTのドブロ・ギターの心地好い響きとPAULの上手いバック・ヴォーカルなどバック・メンバーに恵まれたMONICAのアルバムです。
8曲目"Powerful Thing"(4:01) 少しロック寄りにサウンドを展開して来た曲です。硬いドラムのビートとファズの効いたギターのサウンドに乗せて歌うMONICAの明るくて清楚な歌声な歌声が印象的です。
9曲目"I'd Rather Sleep Alone"(4:36) N.Y.で活躍しているS.S.W.BILLY・MANNをギターとヴォーカルに招いて収録された曲です。BILLYのアコースティック・ギターの調べに乗せ歌うMONICAの美しい歌声に被せられたBILLY自らのハーモニーも美しいこと。尚、この曲はBILLYの作詞/作曲となっており他のスウェーデンのミュージシャンにも曲を提供しています。
10曲目"I'm Just Like You"(4:07) ミドル・テンポの美しいメロディによるポップ/ロックな曲です。残響音を残すギターのサウンドと少しワイルドさを表現したMONICAのヴォーカルです。
11曲目"The Farewell Of Julia"(4:33) この曲でも広域で少し裏返るMONICAの歌声が特徴的です。スリリングなサウンド、流れるようなメロディとビート共にこの曲も"クール" な曲です。このアルバム中で一番先に気に留めたイア・キャッチーなPAULの作詞/作曲です。
12曲目"Written On My Heart"(2:38) 一転してアコースティック・ギターによるシンプルな弾き語りに近い収録による曲です。高くの伸びるMONICAの歌声とPAULのハーモニーも非常に息が合っています。
13曲目"Give Me Back To Me"(3:36) シングル盤"In From The Cold" のカップリング曲で、国内盤ボーナス・トラックとして収録されています。美しいメロディとアコースティック・ギターの調べによるシンプルで清楚な曲で、後半から登場するフレットレス・ベースの柔らかい調べが素晴らしのです。この曲でもあの少し裏返るMONICA歌声が響いています。尚、この曲はイギリスのS.S.W.BOO・HEWERDINEとMONICAとの共作となっています。
14曲目"Stories Untold(live)"(4:25) 国内盤ボーナス・トラック。ライヴでの音源ですが、観客の拍手が入って始めてライヴだと気がつくほどの収録状態が非常良いです。
15曲目"Even Summer(live)"(4:58) 国内盤ボーナス・トラック。ライヴ収録で聴いてもいい感じがします。ライヴ会場はストックホルムにある「Gröna Lunds Teatern」での収録です。
16曲目"Written On My Heart(live)"(2:46) 国内盤ボーナス・トラック。この曲でもベースのPAUL・BÖRJESSON のバック・ヴォーカルとMONICAとのコンビがいいですね。
12曲歌詞/訳詞付 写真ブックレット (国内盤) 収録時間:65分34秒 (スウェディッシュ・ミュージックの嵐が過ぎ去ってからの日本へやって来たMONICAのアルバム、彼女としてはしっかりと音楽の勉強をしてからのデビューだったのですが、当時のスウェーデンの他のミュージシャンと同じ年頃にデビューしていれば、どうだったでしょうか...、次のアルバム[Desert Flower]は、また機会があれば掲載します)'10年7月22日再更新
1999年度ベスト5


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写真  MONICA STARCK / Desert Flower
 ・2004 BOLERO RECORDS AB.    BOL50052

今回は日本に入って来なかった・・・

スウェーデンのBOLERO RECORDSに所属しているMONICA・STARCKの2枚目のアルバムです。前作が '99年のリリースだったので実に5年ぶり '04年2月25日に本国でのリリースです。
このアルバムでのプロデュースは、PATRIK・FRISK(NINETONE RECORDS)がメインで数曲S.S.W.DAVID・SHUTRICKとMONICAが行っています。
残念ながら前作での作曲とMONICAとの美しいハーモニーとベースの演奏を聴かせてくれたPAUL・BÖRJESSON(GRAND CENTRAL WINTER)は、このアルバムに参加していません。

1曲目"Stay The Distance"(3:38) ストリングスの切ない調べによるイントロから続くリフレイによるアコースティック・ギターのサウンドと5年ぶりに聴く少し懐かしささえも感じさせるMONICAの清楚な歌声が耳 に届けられます。
2曲目"Desert Flower"(4:29) このアルバムにタイトルとなったメイン曲で、本当に素晴らしい曲なのです。切ないMONICAの歌声の飾られたバック・ミュージッシャンの奏でるのギター、ベース、ドラムのどれをとっても素晴らしく思わず鳥肌が立ってしまい、曲の最後まで収まらないのです。
3曲目"Take A Good Look"(3:52) ビデオ・クリップになっている曲で、この曲でもあのMONICAの美しく裏返る魅力的な歌声を聴かせてくれます。美しいメロディと少しメランコリックさ持ったサウンドとMONICAの歌声にペーソスのあるビデオで心が洗われそうです。
4曲目"A Day In September"(5:16) めずらしくロック色の強い曲の登場です。歪ませたギターのサウンドと"クール" でタイトなドラムのリズムによるオルタナティヴ・ロックでもMONICAはその美しい歌声を聴かせます。ギターは、OLA・GUSTAVSSON(ELIN・SIGVARDSSON,PETER・LINDBERG)がほぼ全曲に参加していて素晴らしい演奏を聴かせています。
5曲目"Joni Mitchell Record"(3:06) 面白いタイトルの曲ですね。「この気持ちよい朝にはJONI・MITCHELLのレコードを聴こう!」って歌われています。MONICAの作詞と思いましたが、彼女は作曲の一部のみで、歌詞はプロデューサー/プログラミングのDAVID・SHUTRICKが一部書いています。
6曲目"I'll Do Anything For You"(3:45) 軽快なリズムによるギター・ポップの曲で、"甘い甘い" 歌詞が綴られています。MONICAの美しい歌声で「I'll Do Anything For You」って歌われた日には・・・。バックのサウンドの方は歌詞と違って金属音のするメリハリの効いたギターが良いのです。
7曲目"Time To Go Home"(4:10) マイナー・コードを使った少しメランコリックな雰囲気を持ったスローな曲です。不思議な響きと幻想的な浮遊感を持った素晴らしい曲です。この曲は5曲目と同じくDAVIDとKAJSA・RIBBING(スウェーデンのS.S.W.EBBA・FORSBERGの妹)とMONICAの3人と書かれています。
8曲目"Like It Or Not"(3:47) プログラミングによる打込みのサウンドを基調としたエッジの効いたアシッド・エレクトロニカのサウンドを持った曲です。この曲ではギター/バック・ヴォーカルにPETER・KVINT(Ex.FARBROR BLA,Ex.MELONY)が参加してかっこ良いサウンドを披露しています。
9曲目"Natural Beauty"(4:04) 硬いギターのサウンドによるインパクトを持たせたイントロによるロック色の強い曲です。特にピッキングによるベース・ランニングが非常に心地好いのです。前作でも感じたのですが、MONICAのアルバムは本当のバックの素晴らしさに恵まれて2枚共素晴らしい仕上がりをみせています。
10曲目"Castle Of Sand"(3:21) 今度はスローなリズムとブルーな響きの曲で聴かせてきましたね。メランコリックな歌声をも魅力的に聴かせる、このスウェーデンから届いたMONICAの歌声をしばしの間、聴き入りましょう。
11曲目"Selfsufficient"(4:12) イントロから摩訶不思議な不協和音を放つMONICAによるギターのサウンドから惹きつけますね。MONICAのエレクトリック・ギターのサウンドによる弾き語りにバック・ミューシャンが様々な工夫を凝らしたサウンド展開が面白い曲になっています。
全11歌詞付 写真ライナー HDCD仕様 (輸入盤) 収録時間:43分44秒 (2004年度ベスト5アルバム間違いなしの名盤でしたが、この年は強豪ぞろいでした。残念ながら今回のこのアルバムは日本でリリースされなかった。しかし、MONICAは現在もスウェーデンで音楽活動を積極的に展開していて、新作もリリースされるでしょう!)'10年7月23日再更新


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写真  MONTAG MANIA / Piraya
 ・2006 LOVE BOMB MUSIC    7 320470 061350

オルタナティヴ・スウェディッシュ・ラテン・・・

このアルバムは、スウェーデンのストックホルムで活躍しているインディーズ・バンドMONTAG MANIAの '06年1月にリリースされたデビュー・アルバムです。
バンドのメンバーは、ISABEL・DE・LESCANO:ヴォーカル/ギター、FREDRIK・BLANK:ヴォーカル/ギター/ベース、JUAN・ROMERO:パーカッション、CAMILLA・NEIDEMAN:ドラムの4人組みです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ULF "ROCKIS" IVARSSON:ベース、DANIEL・BINGERT:ベース、FREDO・ÖSTERLUND:ドラム、PABLO・VICENTE:キーボードのストックホルムのミュージシャン達です。

1曲目"Felipa"(0:41) 次の曲のイントロをS.E.として使った40秒ほどの曲です。ポルトガル語かスペイン語のナレーションが流されています。
2曲目"Piraya"(4:19) このMONTAG MANIAの音楽に最初に出会った曲です。YouTubeでのチープな映像に惹きつけられたISABELのスヴェンスカの歌詞とパーカッシヴなリズムが流れるスウェディッシュ・ラテンの曲です。但し、サビの部分では録音レベルが飽和気味で気になります。
3曲目"Is"(4:06) パーカッションの躍動的なリズムとアコースティック・ギターの調べによるFREDRIK のヴォーカル曲です。パンクぽいオルタナティヴなサウンドとリズムが交差する荒ら仕上げが魅力でしょう。
4曲目"Iväg Iväg Iväg"(5:04) 少しテンポを落として来たエモ・ギター・サウンドによるエッジの立った曲です。ガレージ・サウンドとバックのISABELのヴォーカルがアラビックに響きます。
5曲目"Cajones"(0:30) 30秒ほどの短いラテン・パーカッションが壮絶に鳴らされた曲です。
6曲目"Gåtan"(4:27) 美しいアコースティック・ギターのサウンドとISABELの稚拙さが魅力の歌声が響く曲です。スウェーデンのバンドらしいストレートなサウンドと美しいギターの残響音が非常に印象的です。
7曲目"Montag"(0:39) この曲も40秒ほどの短い曲で、FREDRIKのベースのサウンドが素晴らしいですね。
8曲目"Sånger Från Min Själ"(3:22) ISABELのイノセント・ヴォイスを前面に出したエモ・ギター・サウンドの曲です。パーカッションを付けたアレンジは別としてブリット・ロックの持つスプリッツと共通のものを感じさせます。
9曲目"Innan Stängt"(4:28) この曲でのISABELの歌声が誰かの歌声に似ているように聴こえるのですが…低いキーでは渋めの歌声をしています。また、間奏のギブソン系のギターのサウンドがかっこ良く響くのです。
10曲目"El Cowboy Terrorista"(0:50) 通常の曲と短いインターリュード的な曲をサンドイッチ状態にした収録で流されるこの曲も1分に満たない民族的なサウンドの曲です。
11曲目"Kultur & Civilisation"(3:50) ギリシャ音楽のような弦楽風に弾いたアコースティック・ギターのサウンドが印象的な落ち着いたリズムによるFREDRIKのヴォーカル曲です。後半からはISABELがリード・ヴォーカルとなっています。
12曲目"Donza"(0:37) 再び40秒程度の短いループ/スクラッチとプログラミングによるサンプリングを使った曲です。
13曲目"Krossa Mina Illusioner"(4:07) ボサ・ノヴァ/ロック的なサウンドの曲でじょうか。ネオ・アコースティックとファンカ・ラティーナと全て消化したMONTAG MANIAの実力を垣間見せる曲です。FREDRIKのギミックなギター・サウンドがまた良いんです。
14曲目"Pah-Li-Tix"(1:12)) 1分少々のパーカッションのサウンドをメインとしたサンプルによる曲です。
15曲目"Tyst Minut"(4:07) ISABELがエモーショナルな歌声を聴かせるエモ・ロックです。低く唸るベースのサウンドが効いたブリット・ロックな曲です。ラテンのリズムの曲からこのようなコアなロックを聴かせるMONTAG MANIAです。
16曲目"Drömmen Om Europa"(6:10) 一転してアコースティック・ギターのサウンドをたっぷりと使ったFREDRIKのヴォーカルによる弾き語をメインとした曲です。高いキーで歌う彼の歌声の合間のISABELの歌声も美しく響く6分を超えるナンバーで、後半はアグレッシヴに展開されます。
12曲歌詞付 豪華写真ブックレット スウェーデン製 (輸入盤) 収録時間:48分37秒 (このアルバムをリリースした後にドラムのCAMILLA・NEIDEMANがバンドを離れたようですが、'09年にセカンド・アルバムをリリース予定です)'10年7月23日再更新


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写真  MORDEM / Fragments To Dominate The Silence
 ・2017 The Winter Hunters    TWH001CD

ダークなイメージ・・・

このアルバムは、スペインのマドリッドで活躍しているオルタナティヴ/ダーク・ポップS.S.W.MORDEMのデビュー・アルバムで '17年9月29日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MORDEMことELBA・FERNÁNDEZ:ヴォーカル/ギターの他、DAVID・UNISON:ドラム/パーカッション/プログラミング/ プロデュース、XAVI・FONT:ピアノ、MANUEL・CABEZALÍ: ギターの少人数での収録です。

1曲目"Rituals"(3:58) 静寂の中から響き始める金属音を効かせた電子ピアノの調べと清楚なMORDEMの歌声が掴みとなっている曲です。MORDEMの歌声をちょっと強引に例えるなら以前良く聴いていたスウェーデンのJANIAの低音側の歌声に似ているかな?
2曲目"All Of Me Is You"(5:05) MORDEMの事を最初に知った曲です。ゆったりとしたリズムに合わせこれまたゆったりと歌うMORDEMの呟くような歌声に聴き入ります。色彩を抑えスローで撮影された印象的なビデオもどうぞ。また、歌詞も表示もありがたいですね。
3曲目"Underwater/Breathtaking"(4:03) 前半は長い目のイントロ(インストゥルメンタル)となった曲です。シンセザイザー・ベースの重い響きが底からうごめく様な盛り上がりを聴かせます。マドリッドで映画音楽の活動もしているピアノXAVI・FONTのアレンジによるものでしょうか。
4曲目"The Blindness"(4:08) 少しポップさを増した曲の登場です。ダイナミックに広がるサビのパートに聴き応えがあります。"All Of Me Is You" に続くシングル第二弾があるとしたらこの曲でしょうか。
5曲目"Magma"(5:13) 暗闇に響くシンセザイザー・ベースの調べと華凛に歌うMORDEMの歌声との対比が素晴らしい曲です。マドリッドやスペインの音楽に拘らないグローバルなスタンス持ったこのMORDEMの音楽を代表する1曲と受け止めました。
6曲目"The Darkest Times"(4:12) 曲名通りダークなイメージを伝えて来る曲です。MORDEMの歌声の奥に広がるサウンドは、非常にミニマルで空間を埋める事こと控えた感がります。
7曲目"The Beast"(5:31) 憂いのあるピアノの調べに合わせ訥々と歌うMORDEMの哀愁漂う歌声に聴き入る曲です。この曲も前半は非常にサウンドを抑え後半からの盛り上がりをダイナミックにかつ叙情的な展開を聴かせます。
8曲目"Funeral"(6:27) プロデューサーであるDAVID・UNISONのドラムのスローなビートがイントロから流れる静けさを持った曲です。途中よりエモーショナルな盛り上がりを持ってヨーロッパの哀愁を所々に感じさせます。
9曲目"The Drought"(5:32) ハモンド・オルガンのゆったりとした調べとこれまたゆったりと歌うMORDEMの歌声が美しい曲です。時折エフェクトに使った割れた接触音やスペース・サウンドなど曲の奥にどれ位入っているのか耳を澄ましましょう。
10曲目"A Violent Place"(4:27) この曲ではさっきエフェクト音を前面の出して来たプロデューサーDAVID・UNISONお得意のスピーディーな打ち込みのリズムによる曲です。シャープな切口を感じさせるビートやシンセサイザー・ベースによる最終曲はちょっと方向を変えた演出です。
歌詞無し 3折紙ジャケット仕様 限定350枚 シリアル番号付 (輸入盤) 収録時間:48分41秒 (インディーズとして音楽デビューしたMORDEM、しっかりとしたスタジオ収録やスペインで活躍しているミュージシャン達との協力によりアルバムを制作し、近年としてはめずらしくCD盤としてもリリースしています)'17年11月19日更新


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写真  MUNRO / Darkness
 ・2024 2655135 Records DK    

バンドとして好い・・・

このアルバムは、イギリス中央部の都市ダーリントンで活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップ・バンドMUNROの2枚目('22年のセルフ・タイトル盤を含む)のアルバムで '24年8月9日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、UNITY・SHRIMPTON:ヴォーカル、ROBERT・JOHN・GRAHAM:ギター/バック・ヴォーカル、KIERAN・ELL(L)IOT:ベース、JACK・HAYWOOD:ドラムのMUNROの4人にCONNOR・ROBERTS:プロデュース/楽器類追加が参加しています。

1曲目"For Tomorrow"(3:33) アコースティック・ギターの爪弾きによる美しい音色と少し吐息混じりのUNITYの歌声が織りなすフォーク・ロック調の曲です。ダークな調べの中から登場するクールなベースの調べが本当に素晴らしく感じます。
2曲目"In Your Car"(3:18) '24年の6月4日にシングル盤ダウンロードされたこのアルバムからの第1弾の曲です。当然、UNITYの歌声にも惹かれたのですが、バックで響くKIERAN・ELL(L)IOTのベースの調べに聴き入らされたのです。
3曲目"Darkness"(3:44) この曲も6月4日に先行リリースされているアルバム・タイトル曲です。イントロから響く美しいギターの調べが響きUNITYのこれまた美しい歌声に魅了されます。新生メンバードラムのJACK・HAYWOODのスネアを少し遅れて叩かれる絶妙なズレが素晴らしい。
4曲目"Tripwire"(3:49) ここに来て牧歌調の明るいメロディの曲です。自身のバンド紹介の項に影響されたバンドとしてFLEETWOOD MACとあるのですが、この曲はそのような感じがしますね。
5曲目"Rooftop"(4:15) 高域で少し裏返るUNITYの歌声とバックで響くROBERT・JOHN・GRAHAMのリッケンバッカー風の煌びやかな空気感を感じるエコー・サウンドが堪りませんね。
6曲目"Hold On"(5:27) バンドとしての形態が確立された感のある曲です。UNITYの歌声の歌声をメインに、ROBERTのギター、KIERANのベース、JACKのドラムと息がぴったりの演奏がここにありますね。
7曲目"Still"(1:11) タッピングとナチュラル・ハーモニクスで奏でられる美しいギターの調べが流れる短い曲です。訥々と歌うUNITYの歌声が切なく響いて来ます。
8曲目"Inner Voice"(4:05) アコースティック・ギターとUNITYの歌声によるシンプルなスタイルの曲です。セルフで付けたハーモニーも美しい歌声は、このBandcampでも人気のロンドンのBRYDE に通じるところがありますね。
9曲目"Stephen King"(3:02) エクスペリメンタルな要素を感じる不思議な雰囲気を醸し出している曲です。このアルバムの中では異色なサウンドの流れと不安感を煽るメロディとサウンドを発しています。
10曲目"All That Remains"(3:48) ゆったり奏でられるドラムのリズムにこれまたゆったり優しく弾くギターの音色が心地好い曲です。太く鳴るベースの調べがアクセントとなりUNITYの歌声の周り寄り添います。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:36分12秒 ('22年の1枚目のアルバムは、未聴なので機会があれば買ってみよう!)'24年8月13日更新


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写真  MY FIRST TOOTH / Territories
 ・2010 Alcopop    5 060109 097375

元気さ溢れる好感度アルバム・・・

このアルバムは、イギリスのノーザンプトン出身インディー・ロック・バンドMY FIRST TOOTHの '10年11月1日(CD盤として)に本国でリリースされた2枚目(デビューは '09年4月の6曲EP盤)のアルバムです。
このアルバムを収録した時のMY FIRST TOOTHのメンバーは、ROSS・K・WITT(Ex.ONE TOY SOLDIER):ヴォーカル/ギター/ハーモニカ、SOPHIE・GALPIN:ギター/ベース/ヴァイオリン/ブズーキ/バック・ヴォーカル、JO・COLLIS:ベース、GARETH・AMWET・JONES:ドラム、JOEL・HARRIES:ギター/ベース/トランペット/バック・ヴォーカルの5人組ですが、現在JOEL・HARRIESは、バンドを離れているようです。
尚、プロデューサーは、DUKE・SPECIALなどのアルバムを手掛けたPAUL・PILOTが担当し、彼自身ギター/バンジョー/グロッケンシュピール/ドラム・プログラミング/バック・ヴォーカルとして収録にも参加しています。

1曲目"Theme From Margaret Yet"(0:37) このアルバムの幕開きを知らせるグロッケンシュピールによるチャイム音の穏やかな調べによる短いインストゥルメンタルです。
2曲目"Silent Spring"(3:01) 躍動的なヴァイオリンの調べとドラムのリズムから若草色を感じさせる若さ一杯溢れる曲のイメージが伝わって来る曲です。バンジョーやヴァイオリンのトラディショナル楽器の演奏も余り古臭さを感じさせないのは何故でしょうね。
3曲目"Orchards"(2:37) アルバム・リリースと同時にビデオが公開されているこの曲も元気さ溢れる曲です。バイタリティーなGARETH・AMWET・JONESのドラムのビートも一役買っているのも確かですね。
4曲目"The North Sea Part I"(2:02) 明るさ溢れるメロディとサウンドによる軽めに奏でられる曲です。ギターの爪弾きにトランペットやヴァイオリンなどアコーステッィクなサウンドが心地好く伝わって来ます。
5曲目"The North Sea Part II"(1:35) 前の曲を少しスローにしたアレンジに吐息混じりに歌うROSSのゆったりとした歌声によるパート2です。
6曲目"Dubrovnik"(3:25)イントロから響く女性のテルミン似のハミングが 非常に印象的な曲です。次第に力強く鳴り響くドラムのビートと少しメランコリックさを感じるROSSの歌声とか対照的なコラボを築くギターのサウンドが溢れる曲です。
尚、曲名の"ドゥブロヴニク" は、クロアチア南部にある世界遺産になっている有名な都市の名称です。
7曲目"Dubrovnik Reprise"(0:48) 前の曲のイントロ部分を再び聴かせるリプライズです。やはり彼らもこの曲のイントロが気に入っていたのでしょうか。前の曲の終わりにはやはりもう1度聴いてみたくなる感じは同じですね。
8曲目"The Cutty Sark"(2:30) 美しいアコースティック・ギターの爪弾きと優しく響くROSSの歌声が広がるソフトな質感を感じさせる曲です。テルミン風のサウンドもバックに流れながら次第にサウンドを煌びやかな方向へと展開させて行きます。
尚、曲名の"カティー・サーク" は19世紀のイギリスの快速帆船(紅茶運搬船)の船名です。
9曲目"Sleet And Snow"(3:18) この曲が最初にMY FIRST TOOTHの奏でる音楽に惹きつけた曲で、ビデオも制作されています。隙間だらけの牧歌的なサウンドに落ちつきやレイドバック感を見出してくれるお気軽さが非常に心地好い曲でもあります。余談ですが、ROSSはこのバンドを始める前までオルタナティヴな尖ったサウンドのバンドのフロント・マンだったのです。
10曲目"Lexy Lay"(2:44) 70年代のイギリスのバンドかトラディショナル音楽の印象を強く感じさせるノスタルジック/レトロ調の曲です。なんだかみんな輪になって楽しく踊ろうよって感じです。
11曲目"Twilight Theatre"(3:04) この曲は少しリズムを落として来たしっとり感を感じさせる曲です。抒情的なSOPHIEのヴァイオリンと彼女の歌声がこの曲を更に美しいところへと聴く者を誘って行きます。
12曲目"The Factory"(3:00) バンジョーとギターによる爪弾きで繰り広げられるローファイなサウンドを聴かせる曲です。何処かの家庭の居間で演奏しているようなくつろぎ感が伝わって来てこのバンド仲間の息の合った演奏を目の前で繰り広げられていそうな錯覚に陥ります。
13曲目"Territories"(3:08) この曲は少しサウンドのイメージを変えてきたブリット・ロックさを感じさせる曲です。クラシック調の女性バック・ヴォーカルや北部のトラディショナル音楽の影響も感じさせるところは、やはりイギリス的ですね。
歌詞無し レーベルステッカー/手書きメッセージカード付 デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:31分49秒 (何だか聴いていて元気さが注入されそうな好感度アルバムです)'12年6月9日更新


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写真  MY FIRST TOOTH / Love Makes Monsters
 ・2013 Alcopop Records    ALCOPOP082

相変わらず元気さ溢れるアルバム・・・

このアルバムは、イギリスのノーザンプトン出身インディー・ロック・バンドMY FIRST TOOTHの '13年3月11日(CD盤として)に本国でリリースされた3枚目(デビューは '09年4月の6曲EP盤)のアルバムです。
MY FIRST TOOTHのメンバーは、ROSS・K・WITT:ヴォーカル/ギター/ハーモニカ、SOPHIE・GALPIN:ギター/ベース/ヴァイオリン/ブズーキ/バック・ヴォーカル、JO・COLLIS:ベース/バック・ヴォーカル、GARETH・AMWET・JONES:ドラムの4人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、前メンバーのJOEL・HARRIES:ギター/トランペット/バック・ヴォーカル、DAN・WHITE:サックス、GILLIAN・WOOD:チェロ、MATT・EMERY:ヴォーカルのイギリスのミュージシャン達です。
尚、プロデューサーは、LIU BEI、CHAPEL CLUBなどポスト・ロック系のアルバムを手掛けたJAMES・KENOSHAが担当しています。

1曲目"Claw To Club"(3:15) ドラムロールのようなオープニングがイントロから始まる相変わらず元気さ溢れる曲です。ROSSのヴォーカルを中心にしたSOPHIEとJOのコーラスも明るく感じます。
2曲目"Past Broadcasts"(3:39) このアルバム・リリース前からビデオとなっている曲です。ベースのJO・COLLISがお休みとなったペーソス溢れるビデオがご愛嬌です。曲の終わりにはサックスの演奏まで登場し、纏まりの良いこのMY FIRST TOOTHの演奏を盛り上げます。
3曲目"Hawk In Harness"(3:17) テンポ良いリズムを伝えて来る曲です。GARETH・AMWET・JONESの叩きつけるようなドラムのビートに合わせて元気一杯に歌うROSS、JOとSOPHIEの3人です。
4曲目"No Two Storms"(3:41) 今度は、SOPHIEのヴァイオリンが活躍する曲です。シンプルなメロディとサウンドの合間にほっこりとするヴァイオリンの調べが流れ去ります。
5曲目"Heartbeat Retreat"(3:16) この曲もアルバム・リリースの少し前にビデオが制作されているキャッチーなメロディの曲です。今度は、ベースのJO・COLLISも元気に登場しています。
6曲目"Six"(1:01) 短いインストゥルメンタルの曲ですが、何だか凄くかっこよいサウンドです。この曲にもSOPHIEのヴァイオリンの調べがアクセントとなっています。尚、曲目の"Six" は6曲目と言う事です。
7曲目" Into the Wild [Pt. 1]"(3:25) 牧歌的な質素なサウンドの広がりを感じさせる曲です。特に前のアルバム[Territories]の持ち味を感じるこれぞMY FIRST TOOTH4人の演奏と言えるのです。
8曲目"Into the Wild [Pt. 2]"(4:26) 前の曲の[Pt. 2]と題されている曲ですが、サウンド的、内容的には関係無いように思えます。多分、SOPHIEのギターによる爪弾きから曲が始まりROSSが抒情たっぷりに歌う様が好いですね。
9曲目"Nine"(0:47) 5曲目"Heartbeat Retreat" のカットされたと思うアウトロ部分からフェードアウトして行くインストゥルメンタルをこの曲のタイトルである9曲目に挿入しています。
10曲目"The Palace"(4:21) 今度は、ゆったりとしたリズムのスローな曲です。バラードと言えるほどしみじみさじゃ無く、温かみのあるノスタルジックさを感じさせます。
11曲目"Small Crimes"(3:11) イントロは、大人しい感じなのですが、ROSSがエレクトリック・ギターを爪弾く頃には初期のPREFAB SPROUTの持ち味を強く感じさせます。そう言えばこのアルバムからROSSの使っているギターも当時のPADDYと同じメーカですね。
12曲目"Monsters"(5:02) 再び前のアルバムの路線上にある牧歌的な雰囲気のある曲の登場です。サビにはハーモニカやヴァイオリンの調べで盛り上がっています。
13曲目"Some Gurls"(12:21) 古びたギターの爪弾きによるROSSの弾き語りです。隙間のある緩い歌が流れてアルバムの終焉に向かうのですが、次のヒドゥン・トラックまで繋がる歌詞のリフレインは、ちょっとくどいような気がします。10秒程のブランクの後、アップライト・ピアノの演奏によるROSS、SOPHIEとJOの歌声が流れる生収録的なヒドゥン・トラックが収録されています。
10曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット 紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:51分42秒 (前のアルバムを紹介して、少し気を抜いていた間にまた、このアルバムがリリースされていました)'15年1月29日更新


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写真  NAKED EYES / Burning Bridges
 ・1983 TOSHIBA-EMI LTD.     EMS-81599

シンセポップの代表・・・

このアルバムは、80年代当時イギリスのシンセポップ/ロック・バンドの代表格の中の1つPETE・BYRNEとROB・FISHERのデュオによるNAKED EYESの '83年に国内でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PETE・BYRNE:ヴォーカル、ROB・FISHER:キーボード/シンセサイザーの他、TONY・MANSFIELD(Ex.NEW MUSIK):ベース/ドラム/プログラミング/プロデュース、PHIL・TOWNER(Ex.NEW MUSIK):ドラム、C.C.SMITH:ホーン、MARTIN・DOBSON:サックス/フルートのイギリスのミュージシャン達が参加しています。
尚、この国内盤は、当時のUS盤に収録されていない"A Very Hard Act To Follow"と"The Time Is Now" が収録されています。また、'84年に活動を停止したこのNAKED EYESですが、'05年よりPETE・BYRNEのソロ・プロジェクトにて活動が再開されています。

1曲目"Voices In My Head"(3:42) シモンズのドラムのビートに続いて登場するシンセサイザーのサウンドがクールな曲です。PETEの端正な歌声の響きが非常にこのシンセポップの淡々としたリズムの流れとサウンドに似合います。
2曲目"I Could Show You How"(3:22) この曲も第2期ブリティッシュ・インヴェイションの流れであるニュー・ウェイヴ系テクノ・ポップさを感じる曲ですが、リズムは抑え気味にしてメロディアスさを強調したアレンジを感じます。
3曲目"A Very Hard Act To Follow"(4:02) シモンズやリン・ドラムのエフェクト系のサウンドやビート音を多用した弾けたサウンドとリズムによる曲です。バックに流れる様々のサンプル音やROBのテクニカルなキーボードの演奏が次々と登場しては、流れて消えてゆくリフレインが耳に残ります。
4曲目"Always Something There To Remind Me"(3:39) イントロから大仕掛けで大層な幕開けのサウンドを配した曲で、PETEの歌声が登場するころは、耳に優しい心地好いサウンドが流れて来ます。
尚、この曲は、US盤ではアルバムのトップに収録され、シングル曲としてもアメリカで先行リリースされNAKED EYESのアメリカ進出を成功させた1曲(US HOT100にて8位)でもあります。オリジナル曲は、BURT・BACHARACHとHAL・DAVIDのコンビが '64年に書いた曲で、多くのミュージシャンにカバーされ、NAKED EYESのカバーも含み日本のお茶の間にも浸透していました。
5曲目"Fortune And Fame"(3:16) イントロのシンセサイザーのサウンドが非常に神秘的な響きを聴かせるセンチメンタルながらも非常にメロディアスを聴かせる美しい曲です。シングル・カットされてリリースされても余裕でチャートインしそうな出来栄えを強く感じます。
6曲目"Could Be"(2:48) この曲は、もっとセンチメンタルな方向に駒を進めた質感を感じる曲です。切ない歌声を聴かせるPETEのバックに流れる泣きのサックスもまた、切ないですね。
7曲目"Burning Bridges"(3:35) この曲も非常に電子サウンドをイントロから聴かせてくる曲です。リズムの刻みやベース・ランニングなどこのアルバムと同じくTONY・MANSFIELDがプロデューサーとしても手掛けたノルウェーを代表するシンセポップ・バンドA-HAの持つサウンド・スタイルと共通する部分を感じます。
8曲目"Emotion In Motion"(4:40) この曲は、少し今で言うダウンテンポの引きずり感を持たせた曲で、電子サウンドを幾重にも重ねた合間にアコースティックな楽器でメリハリを付けた凝ったアレンジを感じます。
9曲目"Low Life"(3:53) 今度は、エレクロニカ・ポップに近い感じの聴き易さ感じる軽めのリズムによる曲です。途中で登場するフルートやトランペットのサウンドなどは、あえて生音による演奏の使ったアレンジの拘りを感じます。
10曲目"The Time Is Now"(5:13) この曲もイントロから電子サウンド満載のミドル・テンポの曲ですが、PETEの歌声が流れて来る頃には、どことなく中東の音楽の影響を感じさせるエキゾチックさを感じさせます。
11曲目"When The Lights Go Out"(3:00) このアルバムからシングル第3弾となった曲の登場です。次の曲に続いて当時の街中でもよく流れていた曲です。間奏で聴かせるメロディアスなROBのキーボードの演奏やPETEの優しい歌声も今聴いても好きな感じですね。
12曲目"Promises,Promises"(4:26) この曲の長いイントロから登場するギターのカッテイング・サウンドが非常に好きになり、当時にアルバムを買ったNAKED EYESのキャッチーさのある彼らの代表曲です。適度なリフレインと分かり易いメロディとリズムの曲で、当時のUS HOT100にて11位を記録しています。
尚、このギターの奏者(TONY?)について残念ながら詳しいクレジットが記載されていないのですが、RAY・PARKER,JR.と並ぶカッティング・ギターの神様CHICのNILE・RODGERを彷彿とするサウンドです。
全12曲歌詞/訳詞付 LP盤 (国内盤) 収録時間:43分38秒 (余談ですがPETEとROBも参加していたバンドNEONで一緒の活躍していたTEARS FOR FEARSのROLAND、CURTとMANNY達も偶然この年にアルバム[The Hurting ]をリリースしています)'12年1月21日更新


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写真  NAKED EYES / Fuel For The Fire
 ・1984 EMI AMERICA RECORDS     ST-17116

更にポップに・・・

このアルバムは、80年代当時イギリスのシンセポップ/ロック・バンドの代表格の中の1つPETE・BYRNEとROB・FISHERのデュオによるNAKED EYES '84年9月本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PETE・BYRNE:ヴォーカル、ROB・FISHER:キーボード/シンセサイザー/ドラム・プログラミングの他、前作でのTONY・MANSFIELD:ギター/プロデュース、IRA・SIEGEL:ギター、JOHN・READ:ベース、GRAHAM・BROAD:ドラム、FRANK・VALARDI:ドラム、AUDREY・WHEELER:バック・ヴォーカル、CINDY・MIZELLE:バック・ヴォーカル、TINA・B:バック・ヴォーカル、WENDELL・MORRISON:バック・ヴォーカルなどN.Y.のミュージシャン達が参加しています。
尚、1曲目及び3曲目のみアメリカのヒップ・ホップ系プロデューサーARTHUR・BAKERが担当しています。

1曲目"(What) In The Name Of Love"(4:34) イントロから鳴るリン・ドラムのビートが今から聴くと懐かしさ感じさせるダンス・ビートの曲です。このアルバムからシングルとしてリリースされUSホット100にて39位を記録しています。
2曲目"New Hearts"(3:36) ファンクなリズムを繰り返すエレクトロニカ・ポップさを感じる曲です。至るところで流れるTONYのギター・サウンドにドラム・マシーンの忙しないビートが迫って来ます。
3曲目"Sacrifice"(4:07) この曲も乗りの良いドラムのビートを聴かせる曲です。非常に興味深いのが、前作に収録されている"Promises,Promises" のギター・サウンドとこの曲のギター・ワークが非常に似ているのです。
尚、この曲でのギターは、ベテラン・セッション・ギタリストIRA・SIEGELが弾いています。
4曲目"Eyes Of A Child"(3:34) この曲は、イントロのサウンドが非常に綺麗なメロディとシンセ・ベースの押し寄せる波が迫る曲で、ついつい体を揺さぶりたくなりますね。ギミックなメロディをリフレインとし、ポップさを増したNAKED EYESのサウンドを強く感じます。
5曲目"Once Is Enough"(4:04) 今度は、テンポを少し落として来た重いシンセ・ベースの響きが底辺に流れている曲です。ナイロン弦ギターや"普通" のドラムのビートを交えたTONYのさじ加減の洒落たアレンジを感じます。
6曲目"No Flowers Please"(3:59) この曲もイントロから綺麗な手回しオルガンのようなサウンドを聴かせる曲です。PETEの「Flowers please don't send me no,No,No」と流れるセンチメンタルな歌声が印象的ですね。
7曲目"Answering Service"(3:42) ファンクなサウンドを聴かせるチョッパー・ベースのサウンドと小刻み響くホーンの調べに似せたシンセのサウンドによる軽めのダンス・ビートが伝わって来ます。
8曲目"Me I See In You"(3:39) うねりを持たせたシンセ・ベースかフレットレス・ベースのサウンドが非常に心地好く流れている曲です。NAKED EYESのダンス・ビートの曲も良いのですが、丁度これくらいのリズムの曲も落ち着いて聴いていられる感じ好さですね。
9曲目"Flying Solo"(4:30) この曲もアコースティック・ギターのサウンドが"キモ" となっている曲です。このTONYギターのサウンドは、あくまでリズムの刻み音として出来るだけ後退した位置に置かれて主役のPETEとROBの登場した後のエンディングなって前方へとシフトさせたアレンジが堪りません。
10曲目"Flag Of Convenience"(3:53) この曲は、前のアルバムの曲やこのアルバムの他の曲と違ってシンセポップさを基本的に感じるのですが、アシッド感とロック色を強めた違った印象を感じる曲です。エッジ感たっぷりのTONYのギターの響きROBのシンセを駆使した緻密なサウンドで展開されています。
歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:39分38秒 (残念ながらこのNAKED EYESは、このアルバムをリリースした後 '85年に解散するのです)'12年1月29日更新


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写真  NANA JACOBI / This Is It
 ・2006 Auspicious Recordings     ARCD001

NANAの魅力がいっぱい・・・

このアルバムは、デンマークで活躍しているS.S.W.NANA・JACOBIの '06年11月27日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムに参加しているミュージシャンは、NANA・JACOBI:ヴォーカル/グロッケンシュピール/プロディースの他、HENRIETTE・GROTH:キ−ボード/ヴィオラ、JEPPE・KJELLBERG:ギター、PUTTE・FRICK-MEIJER:アップライト・ベース/バック・ヴォーカル、KNUT・FINSRUD:ドラム/パーカッション/バック・ヴォーカル、JACOB・FUNCH:ギター、JESPER・TULLIN:ギター/ペダル・スティール、JESPER・ANDERSEN:ポンプ・オルガン/メロディカ、KAROLINE・SKRIVER:バック・ヴォーカル、KÅRE・BJERKØ:アコーディオン、GUNNAR・HALLE:トランペット、ANDERS・BANKE:クラリネット、ANDERS・LARSSON:トロンボーン、ANNE・ELTARD:ヴァイオリン、MARK・SOLBORG:バック・ヴォーカル、HANNE・RAFFNSØE:バック・ヴォーカルの地元と一部スウェーデン/ノルウェーのミュージシャンも参加しています。

1曲目"Faker"(4:25) メランコリックな調べを発するキーボードの調べと少し気だるさ感じさせるドラムのビートから後半にはエモーショナルに歌い上げるNANAの清楚な歌声が響いて来ます。
2曲目"Habib"(4:08) 中東音楽からの影響を強く感じさせるダーク・トーンの調べを感じさせる曲です。尚、曲のタイトルは、アラビア語の固有名詞から付けられているようです。
3曲目"Monday Morning"(4:13) 一転してアコースティック・ギターのサウンドが心地好く流れる爽やかな曲です。高域で裏返るNANAの歌声は、スウェーデン活躍しているMONICA・STARCKの歌声に少し似たものを感じます、尚、この曲は、本国ではシングル・カットもされています。
4曲目"Tear You Apart"(3:48) 力強いドラムのビートとギターのカッティング・サウンドが響くヨーロッパ調のアダルト・ロックな質感の曲です。メランコリックなアコーディオンの調べと曇ったトランペットのサウンドが洒落ていますね。
5曲目"Cities Of Air"(5:19) 一転してアメリカン・女性シンガーのサウンドを感じさせるワイド感と悦に入ったペダル・スティールの心地好い響きのスローな曲です。
6曲目"Puddle Of Water"(5:25) シュゲイザー/アンビエント系のサウンドの影響を感じさせる北欧的な澄んだ空間の響きを表現しているような曲です。バックのストリングスとパーカッションのビートは厳かの響きNANAの想いを馳せる歌声を包み込むのです。
7曲目"Help Me, Heal Me"(3:16) イントロからインパクトのあるギターの調べと特徴的なアップライト・ベースの調べ怪しく響くダーク・トーンの曲です。オルタナティヴなサウンドにエキセントリックなNANAの歌声によるこのアルバムでは、少し異色のサウンドです。
8曲目"This Is It"(4:50) バック・バンド(THE MOVEABOUTS)のサウンドとNANAの歌声が非常にまとまりの良さを感じさせるバンド・スタイルの曲です。ダークなトーンにサワーな味を感じさせるNANAの歌声がくっきりと響きます。
9曲目"Terrified"(3:45) グロッケンスピールのシンプルな響きとコケティシュ(良い意味での)なNANAの歌声によるポップ調べの曲ですが、後半からは曲のタイトル通り少し不協和音を使った"Terrified" な部分をも感じさせるのです。
10曲目"If You Could Choose"(3:56) NANAのライヴ・スタイルで良く演奏されるメロディカのサウンドをイントロから流したS.S.W.らしい演奏と自身の歌声に拘りを強く感じさせる曲です。ヴォーカリストとしても魅力的な一面を感じさせるNANAです。
11曲目"Route Zero"(4:29) 心地好いサウンドとゆったりとしたリズムが流れる曲で、北米特にカナダの女性S.S.W.の持ち味に似た清涼感とバックの演奏を感じます。
12曲目"Walking In Circles"(6:24) アルバムの最後のこの曲の前半は殆どNANAのアカペラによる収録になっていて後半より次第に楽器の数を増やして行くアレンジになった6分を超える大作になっています。
全12曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:54分04秒 (残念ながら本国以外では入手出来ないこのアルバムですが、NANA・JACOBIの魅力がいっぱい詰まった素晴らしいアルバムです)'10年7月23日再更新


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写真  THE NEW INVESTORS / Eschatology
 ・2020 Gleisenberg Records    

ジャケ買いしたのですが・・・

このアルバムは、デンマークの首都コペンハーゲンでインデペンデントとして活躍しているサイケ・ポップ・バンドTHE NEW INVESTORSの3枚目のアルバムで '21年11月19日にbandcampでのダウンロード・リリースです。
詳しいクレジットは、分からないのだがアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、THE NEW INVESTORSのGLENN・MüLLER:ギター/ヴォーカル/プロデュースとSøREN・TIEMROTH:ギター/バック・ヴォーカル/プロデュースの2人のようです。

1曲目"New Beginning"(3:35) このTHE NEW INVESTORSの音楽が持つ魅力に最初に惹きつけられた曲です。この馬鹿馬鹿しいビデオを大真面目にやっている映像にも心惹かれました。
2曲目"Interspace(Save The Human Race)"(3:48) どこと無くSF映画の挿入歌的なサウンドのイメージが伝わって来る曲です。THE INVESTORSのsoundcloud曲の紹介欄にPREFAB SPROUTのPADDY・McALOONに捧げられた曲があったので、PREFAB SPROUTサウンドへのオマージュがこの曲にありますね。
3曲目"Midnight Horses"(3:31) リッケンバッカー系の軽めのギターサウンドが広がるカリフォルニアン・サーフ・ロック感の漂う曲です。60年代のロック好きと紹介されているのが納得ですね。
4曲目"Don't Be Yourself"(3:06) この曲も少しノスタルジック感のあるシンプルなコード進行の曲です。セルフで付けたGLENNの低め歌声がセンチメンタルな響きを放ちます。
5曲目"Precious Possessions"(4:28) この曲のサウンドの片隅にキラキラを輝くところに彼らが敬愛するPADDY McALOONの影響が感じとれます。溜めを持って歌うGLENNの切ない歌声やこのメロディの流れは、やはりPADDY流ですね。
6曲目"Reach"(4:30) 1曲目に続いてYOUTUBEで紹介されているキャッチーなナンバーです。穏やかに奏でられるギターの調べとドリーミーなキーボードの調べが繰り広げられる桃源郷への誘いです。
7曲目"Force Majeure"(4:19) シンセ・ベースの重い響きがダークなイメージを醸し出すニューウェーブ感のある曲です。ダーク・メロディアスなサウンドが渦巻くカテドラルに身を置いているようです。
8曲目"New Dark Age"(3:31) この曲の雰囲気をモロPREFAB SPROUTですね(笑)。アルバム[Andromeda Heigh]くらいかな? あの穏やかでソフトなリズムの流れをドリーミーなサウンドに包まれる感を言ったら理解してもらえるでしょう。
9曲目"Back To The Gypsy"(3:10) イントロから響くベース・ソロとホーンのサウンドが後から追いかけくる洒落た曲です。アルバムの後半に進むとPREFAB SPROUT感が全開ですね。
歌詞無し (ダウンロード販売) 収録時間:35分34秒 (内容を何も知らなくてジャケ買いしたのですが、詳しく調べると10年以上活動しているバンドでアジアでもライヴ活動していて、影響されたバンドはPREFAB SPROUTとは、買って正解でしたね!)'22年2月21日更新


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写真  NEW ORDER / Waiting For The Sirens' Call
 ・2005 Warner Bros.    (Warner Music Japan WPCR-12017)

Kraftyの聴きやすさでついつい買ってしまい・・・

NEW ORDERのスタジオ録音のアルバムでは、通算8枚目で前作より4年ぶり '05年3月28日、国内でのリリースです。
このアルバムでのNEW ORDERのメンバーは、BERNARD・SUMNER:ヴォーカル/ギター/シンセサイザー/プログラミング、STEPHEN・MORRISドラム/シンセサイザー/プログラミング、、PETER・HOOK:ベース、PHIL・CUNNINGHAM:シンセサイザー/プログラミング/ギターの4人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MAC・QUAYLE:キーボード/プログラミング、DAWN・ZEE(JERSEY STREET):バック・ヴォーカル、ANA・MATRONIC:バック・ヴォーカル、BEATRICE・HATHERLEY(ZOOT WOMAN):バック・ヴォーカルのイギリス以外のミュージシャンも参加しています。
尚、プロデュースは、NEW ORDERの4人とJAMES・SPENCER(THE CHARLATANS)、STEPHEN・STREET(MORRISSEY)、JOHN・LECKIE(XTC)、STUART・PRICE(PET SHOP BOYS)が曲により担当しています。

1曲目"Who's Joe?"(5:41) イントロではややもたついた出だしですが、PETER・HOOKのピッキングベースが登場するとどんどん加速され、PHIL・CUNNINGHAM(多分)のギターの音色がこだまする。「一体JOEに何が起こったのだろう?」
2曲目"Hey Now What You Doing"(5:16) ここでもギター・サウンドが効いた曲です。間奏に歪ませたギターソロが活かされています。
3曲目"Waiting For The Sirens"(5:42) タイトル曲です。ドラムのビートとベースのリズムが一体化した曲で、後半にANA・MATRONIC(SCISSOR SISTERS)のバック・ヴォーカルが登場です。
曲の終わりにアコースティック・ギターがフューチャーされています。
4曲目"Krafty"(4:33) 打込みを多用したリズムに曲の中ほどにストリングスも加わっています。
5曲目"I Told You So"(6:00) このアルバムでも少し異質のサウンドで、6分近くの大作です。最近のブラック・ミュージックの影響が現われています。
6曲目"Morning Night And Day"(5:12) 80年代のブリティシュ・エレクトロニカ・ポップばりの曲調で乗りの良さを表現しています。
7曲目"Dracula's Castele"(5:40) 何か怖そうな曲のタイトルですが、別れた恋人を偲ぶ失恋の歌を違う世界に生きるバンパイアに例えた内容です。
8曲目"Jetstream"(5:23) サンプル音楽、打込み、ループで作られています。スキャットによるヴォーカルが印象的です。
9曲目"Guilt Is A Useless Emotion"(5:39) 心臓の鼓動をサンプルとし、効果的に演出されています。内容は恋人への想いを切に歌った歌です。
10曲目"Turn"(4:35) ネオアコ風のギターポップサウンドに乗せ、BERNARD のヴォーカルが生き生きとしています
11曲目"Working Overtime"(3:26) ロカビリー風のギター・サウンドの曲です。尖ったギター・サウンドにワイルドな雰囲気がぷんぷんとしています。
12曲目"Krafty(Japanese Version)" 12曲目〜14曲目は日本盤のみボーナス・トラックで、4曲目の"Krafty" 各ヴァージョンを収録しています。「ある朝 君が目が覚めて・・」と日本語で歌っています。BERNARDのアイデアで収録しました。「BERNARDさんに申し訳ないですが、私の語学力では英語と日本語の区別が付かないのです...」。
13曲目"Krafty"(6:55) 12inch Extended
14曲目"Krafty"(7:07) Phone Reality Remixとなっています。
14曲歌詞/訳詞付 12ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:75分32秒 (NEW ORDERのアルバムを購入するのは、非常に久しぶりです。このアルバムは、ちょっと同じ感じの曲が多いかな?)'10年7月24日再更新


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写真  NICK HEYWARD / North Of A Miracle
 ・1983 Arista Records Inc.    25RS-206
 ・1983 ARISTA RECORDS INC.    BVCA-7360
 ・1983 ARISTA RECORDS INC.    BVCM-35407

やはり '83年の名盤です・・・

このアルバムはイギリスのケント出身NICK・HEYWARDのソロ・デビュー・アルバムで、'83年のリリースです。
このアルバムのリリース前に大人気バンドHAIRCUT 100を脱退してのソロ・デビューです。
このアルバムに参加しているミュージシャンは、NICK・HEYWARD:ヴォーカル/ギター/ブラス・アレンジ/プロデュースの他、PINO・PALLADINO:ベース、TIM・ RENWICK:ギター/マンドリン、MORRIS・PERT:マリンバ/パーカッション、DANNY・SCHOGGER:キーボード/アコーディオン、BRIAN・GASCOIGNE:ピアノ、STEVE・NIEVE:ピアノ、BILL・LESAGE:ピアノ、DAVE・MATTACKS:ドラム、ANDY・BROWN:ベース、IAN・LAWS:ギター、CHRIS・WHITE:サキソフォン、PETE・BEACHILL:トロンボーン、STUART・BROOKS:トランペット、TONY・MARONIE:パーカッション、LENNY:バック・ヴォーカル、RUBY:バック・ヴォーカル、SYLVIE:バック・ヴォーカルのベテラン・ミュージシャンが参加しています。プロデューサーは、ELVIS・COSTELLO、AMERICAなどのアルバムを手掛けたGEOFFE・MERICKとNICK自身が担当しています。
尚、CDにてレビューした盤は '95年3月に国内で、再発売(ボーナス・トラック無し)されたものと '08年紙ジャケ(ボーナス・トラック7曲追加)を掲載しています。

1曲目"When It Started To Begin"(3:50) アルバム発売当時にLP盤に針を落として流れて来るドラム、ホーンとピアノの楽しそうで、躍動感のあるサウンドに胸を躍らせた曲です。歌詞では新しい恋に置き換えられていますが、曲のタイトル通りNICKの新たなスタートを記念しています。
2曲目"Blue Hat For A Blue Day"(4:05) 少しリズムを落として来たミドル・テンポの曲で、バックにはアコーディオン、マンドリンなどのサウンドを使って牧歌的なイメージを付けています。切なさの中にも甘い歌声を聴かせるNICKです。
3曲目"Two Make It True"(4:17) ビートルズ・ライクなホーンのサウンドがアクセントになったギター・ポップの曲です。NICKのビター・スウィートな歌声のバックのコーラスも良いですね。
4曲目"On A Sunday"(4:06) 曲間を上手くつないだこの曲のイントロは、当時から鳥肌ものだった事を良く覚えています。乗りの好いリズムに乗せた少し籠り気味のNICKの歌声と張りのあるギター・サウンドが最高です。後半からアウトロにかけてのシャウトするNICKの歌声にも聴き入ります。
5曲目"Club Boy At Sea"(3:51) ブリティシュ・テイスト溢れるストリングスのサウンドで飾られたメロディアスな曲です。旅情的なダイナミックな調べと甘酢っぱいエヴァーグリーンなサウンドの組み合わせです。
6曲目"Whistle Down The Wind"(3:40) 当時シングル・カットされた曲で、NICKの歌声の合間に登場するPINO・PALLADINOのフレットレス・ベースのサウンドがこの曲を更に素晴らしいものとしています。
7曲目"Take That Situation"(3:19) ファンキーでゴージャスなホーンの調べとTIMとNICKの特徴的なカッティング・ギターのサウンドが印象的なファンカ・ラティーナの曲です。
8曲目"The Kick Of Love"(4:35) この曲を最初に聴いた時、イントロの本格的ジャズの演奏は、収録曲の間違いだと思いましたね。本格的なジャズの演奏から乗りの良いファンクなサウンドに移行するアレンジに参ってしまった大好きな曲です。再びアウトロでは、ジャジーな"渋め" の演奏を聴かせるのです。当時、NICKの音楽の新たなる引き出しを聴かせてもらったことに感動していました。イントロとアウトロのギター・ソロは、ジャズ・ギタリストのIAN・LAWSの演奏です。
9曲目"The Day It Rained Forever"(4:33) 一転して映画音楽のようなサウンドの広がりを聴かせる曲の登場です。メランコリックな歌声を聴かせるNICKと重厚なストリングスの調べが美しく流れて行きます。
10曲目"Atlantic Monday"(5:11) HAIRCUT 100のサウンドをそのまま弾き続いたようなファンカ・ラティーナのサウンドの曲です。NICKの上手さと言えば、この歯切れの良いカッティング・ギターのサウンドでしょうね。

次の曲より2008年8月20日にリリースされた紙ジャケットCD化によるボーナス・トラック(海外では2001年)です。
11曲目"Whistle Down The Wind(Instrumental Reprise)"(6:20) 6曲目のインストゥルメンタルで、'83年の同名シングル曲に収録されている曲です。先に記した '01年のボーナス・トラックでは、4分52秒の12" バージョンでしたが、ここでの収録は、ピアノの演奏が一旦終了した後にストリングスの音色がふんだんに加えられています。
12曲目"Take That Situation(Rhythm Mix)"(3:53) '83年の同名シングル盤でリリースされた曲です。リズミカルなトイ・ピアノ風のサウンドが強く加えられています。
13曲目"Cafe Canada"(2:46) 前の曲のシングル盤のB面曲です。ピアノの調べによるイージーリスニング的なイメージのインストゥルメンタル曲です。
14曲目"Love At The Door"(1:55) '83年の"Blue Hat For A Blue Day" シングル曲のB面に収録されている曲です。この曲もピアノの調べと穏やかなアコースティック・ギターの調べによるインストゥルメンタルです。
15曲目"Don't Get Me Wrong"(3:41) この曲も先の '83年のシングル曲のB面に収録されている曲です。イントロから行き成り流れてくるブルース・ハープの音色に驚きです。ジャズからこのようなブルースの曲までNICKの影響を受けて来た音楽ルーツに興味津々です。
16曲目"Stolen Tears"(3:04) '83年の"On A Sunday" のB面曲です。この曲では、アイドル系の面影を残した「甘酸っぱい」歌詞が綴られています。
17曲目"Laura"(3:29) '85年のシングル曲です。次のアルバムまでの過渡期に位置する明るくポップなサウンドをアピールしたビデオが制作されています。間奏のギター・ソロが80年のAIRPLAYのJAY・GRAYDONのサウンドに似ているのが興味深いです。
・全10曲歌詞付 LP盤 (国内盤) 収録時間:41分21秒
・歌詞/訳詞付 24ページ物ブックレット(1ページブランク) CD盤 (国内盤) 収録時間:41分32秒
・10曲歌詞/訳詞付 20ページ物ブックレット 2008年限定 2折紙ジャケット仕様 CD盤 ボーナス・トラック/"Whistle Down The Wind" のビデオ付 (国内盤) 収録時間:66分44秒 (このアルバム購入当時、NICKの横顔の向こうの壁に掛けられたHofner Club 60に痺れましたね !)'10年7月24日再更新
1983年度ベスト5


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写真  NICK HEYWARD / Postcards From Home
 ・1986 ARISTA RECORDS Ltd.    207 205
 ・2008 BMG JAPAN INC.    BVCM-35408

意外にも国内初CD化・・・

このアルバムは、イギリスのケント出身S.S.W. NICK・HEYWARDの '86年に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
このアルバムの収録(ボーナス・トラックを除く)に参加しているミュージシャンは、NICK・HEYWARD:ヴォーカル/プロデュースの他、CHARLIE・MORGAN:ギター、RICHARD・COTTLE(SADE):ギター、MIKE・PARKER:ギター、FLESSENBLENDER・TASKINAL:キーボード、KEITH・MORE:キーボード、LIB・DENCKTOADLEY:キーボード/バック・ヴォーカル、PETER・BECKETT:キーボード/サックス、GRAHAM・EDWARDS:ベース、ISSAC・GUILLORY:ベース、PAUL・WESTWARD:ベース、STEVE・EVERETT:ドラム、LES・NEMES:パーカッション/ドラム・プログラミング、PHILIP・SMITH:ハープシコード/ホーン、STEVE・SIDWELL:サックス、PAUL・SPONG:トロンボーン、NEIL・SIDWELL:トランペット、ALI・THOMSON:バック・ヴォーカル、CHRIS・CAMERON:バック・ヴォーカル、MIRIAM・STOCKLEY:バック・ヴォーカル、STEVIE・LANGE:バック・ヴォーカルなど当時イギリスで活躍していたミュージシャン達が参加しています。 尚、プロデュースは、NICKとベルギー出身のGRAHAM・SACHER(BACCARA)の共同で行われています。

1曲目"Move It Up"(3:56) イントロから響く躍動感のある電子サウンドがこのアルバムへの期待が膨らむ考えられた導入部です。NICKの元気良さや相変わらずキャッチーなメロディを感じます。
2曲目"Over The Weekend"(3:59) 当時のTHE STYLE COUNCILやWHAMの持ち味に似たリズミカルに展開されるポップ・スタイルな曲です。ドラム・プログラミングや電子サウンドを多用したサウンドの流れに懐かしさを感じます。
3曲目"Goodbye Yesterday"(3:55) このアルバムからシングル・カット第2弾となった曲です。ファンク調のベースやたっぷりと響くホーンのサウンド群で彩られていますが、やはり聴き易いメロディとサウンドを感じます。
4曲目"Again In My Heart"(2:53) 今度はピアノのサウンドをメインに展開されるしっとりした調べによる曲です。アイドル系のシンガーから一歩前に出たNICKの歌声と彼の作ったバラードを暫し楽しむことにしましょう。
5曲目"We've All Been Kissed"(4:06) この曲もイントロからNICKらしいギターのサウンドを聴かせる曲です。途中より転調するコード進行がNICKの曲とずばり分かるし、グレッチかリッケンを抱えて楽しそうに歌うNICKの姿をこのサウンドの向こうに想像させますね。
6曲目"Pray For A Miracle"(4:50) たっぷりと響くGRAHAM・EDWARDSのベースのサウンドと女性バック・ヴォーカル隊によるアップテンポの直球的な曲です。やはり先に記したTHE STYLE COUNCILやWHAMなどのサウンドに通じるところを感じます。
7曲目"Now You've Gone"(3:55) 前の派手なサウンドからカット・インするこの曲の導入部が当時から大好きな曲です。太く鳴り響くベース・ランニングと洒落たメロディ・ラインとが融合したサウンドにセンチメンタルな歌詞が響きます。
8曲目"Come On Baby Run"(3:54) レゲエ/カリプソ・ソング調のHAIRCUT 100からの曲調の延長線にある曲の登場です。時折低音で歌うELVIS・PRESLEY風のNICKの歌声など彼は相当にアメリカの音楽からインスパイアされているのではないでしょうか。
9曲目"Teach Till You Reach"(3:52) ギターのサウンドをメインにしたミドル・テンポの曲です。NICKの歌声に重ねられた美しいバック・ヴォーカルの歌声によるカルフォルニア・サウンドの爽やかさを感じます。
10曲目"Cry Just A Bit"(3:56) この曲もトロピカルなサウンドを聴かせるレイドバックさせる曲です。レゲエのリズムを刻むギターのサウンドとコーラス隊の美しい歌声がアルバムの終焉までそっと響いています。

次の曲より2008年8月20日にリリースされた紙ジャケットCD化によるボーナス・トラックです。
11曲目"Love All Day(And Night)"(5:30) '84年にリリースされたシングル盤での収録曲です。如何にも80年代のイギリスのアイドル系ミュージシャンのサウンドと感じさせる当時にNICKが登場したビデオも配信されています。
12曲目"Warning Sign(12" Version)"(5:48) この曲のロック色の強いサウンドには非常に驚きましたね。TOTOやAIRPLAYなどのアメリカン・ロックの雰囲気がぷんぷんしています。セッション・ギタリスト故ALAN・MURPHY(LEVEL42,GO WEST)の物凄いギターやアメリカの有名ミュージシャンの曲のパロディが印象的です。
13曲目"Over The Weekend(And Into The Cornfield Part Two)"(5:48) イントロから長閑なサウンドを聴かせるメンフィス/ブルースからの影響を感じさせる曲です。
14曲目"Goodbye Yesterday(12" Version)"(6:29) このアルバムの3曲目に収録されている曲のシングル盤12インチロング・ヴァージョンです。後半部分に電子サウンドを多用したインストゥルメンタルで延長させた収録になっています。
15曲目"Fantastic Day(Live)"(6:08) ロンドン北西部にあるウェンブリー・スタジアムで行われたNICK '86年6月28日のライヴでの演奏を収録しています。オリジナル曲は、NICKが在籍していた '82年のHAIRCUT 100T[Pelican West] に収録されています。
16曲目"Take That Situation(Live)"(3:37) 盛大な観客の拍手に混ざってNICKの曲紹介から入るファンカ・ラティーナのリズムの曲です。オリジナル曲は、'83年のソロ・アルバム[North Of A Miracle]に収録されているシングル曲です。このライヴ曲も '86年のライヴでの7インチ盤2枚組[Goodbye Yesterday]にて先にリリースされています。
・全10曲歌詞無し LP盤 ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:39分10秒
・10曲歌詞/訳詞付 限定紙ジャケット仕様 CD盤 ボーナス・トラック/"Love All Day" のビデオ付 (国内盤) 収録時間:72分24秒 (HAIRCUT 100在籍時から国内で非常に人気のあったNICKですが、意外にもこのアルバムは、国内初CD化は、'08年になってからですね)'11年6月11日更新


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写真  NICK HEYWARD / I Love You Avenue
 ・1988 Reprise Records    (WARNER-PIONEER CORPORATION 25P2-2300)

バラエティーに富んだ最高の1枚・・・

HAIRCUT ONE HUNDREDのフロントマンNICK・HEYWARDの3枚目のソロアルバムで、'88年11月18日国内からのリリースです。共同プロデュースは、RICHARD・BULL(INCOGNITO,PARADISE CODE)とGRAHAM・SACHER(EDYTA,TONY・CHRISTIE)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、 NICK・HEYWARD:ヴォーカル/ギター/キーボード/プロデュースの他、RICHARD・BULL:ギター/プログラミング/プロデュース、LESLIE・NEMES(HAIRCUT 100):ベース/ドラム.プログラミング、ANDY・WITMORE:キーボード、GARY・SANCTUARY(AZTEC CAMERA):キーボード、NICK・COLER:キーボード、PETER・BECKETT(PLAYERのPETER・BECKETTでは無いようです):キーボード、JACKIE・RAWE:バック・ヴォーカル、PHILIP・SMITH:サックス、PETE・THOMS:トロンボーン、PAUL・SPONG:トランペットのベテラン達です。

1曲目"You're My World"(4:21) タイトなビートのドラムによるパワーポップNICKの可愛い顔に似合わず太い歌声とJACKIE・RAWのバック・ヴォーカルが好いです。
2曲目"If That's The Way You Feel"(3:02) ブラスによるイントロとファンクなキーボードによるベースラインとNICKのギターによる乗りの良いカッティングサウンドと途中で音階が上がるギミックに痺れます。
3曲目"Traffic In Fleet Street"(3:48) アコースティック・ギターによる弾き語りによる静かで落着いた曲です。
4曲目"Lie With You"(3:34) ギターのサウンドたっぷりのイントロと西海岸的な爽やかなコーラスと乾いたサウンドのポップスです。
5曲目"My Kind Of Wonderful"(4:32) ファンクなキーボードによるベースのサウンドとブラックミュージック(PRINCE)のようなファルセットヴォイスとメンフィスホーンばりに鳴るブラスによるダンサブルな曲です。
6曲目"I Love You Avenue"(5:05) キーボードの美しいメロディとブラスによる曲の幕開きが印象的なこのアルバムで一番好きな曲です。NICKの恋人への想いを素直に歌ったロマンチックな歌詞の内容です。
7曲目"Hold On(Money Don't Buy Love)"(3:44) JAMES・BROWNも真っ青なファンキーでソウルフルなナンバーです。NICKの踊りながら歌う姿を想像します。
8曲目"Tell Me Why"(3:48) イントロのサウンドだけで完全に痺れた曲です。NEIL・YOUNGの同名の曲とは全然違う曲です。JACKIE・RAWとのコーラスが非常に美しい曲で恋人の気持ちが理解出来ない事を歌にしています。
9曲目"Pizza Tears"(4:07) ブラスのサウンドたっぷりのR & Rです。変わったタイトルの曲をあっさり料理する彼の才能に脱帽です。
10曲目"This Is Love"(4:19) 打ち込みによるサウンドでNICKには珍しいアシッドなサウンドでHOWARD・JONES風のようなサウンドとヴォーカル・スタイルです。
11曲目"Change Of Heart"(4:24) ダンス映画のサウンドトラック風のスピード感とスリルのあるサウンドです。太いサウンドのキーボードは、PETER・BECKETTでしょうか。
12曲目"August In The Morning"(4:20) アルト・サックスが切なく響く失恋をテーマしたバラードです。NICKのエモーショナルなヴォーカルにストリングスが効果的な演出をします。
全12曲歌詞/訳詞付 12ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:49分09秒 (HAIRCUT 100を脱退せざるを得ない状況(HAIRCUT 100のLESLIE・NEMESが収録に参加しているのは円満脱退だったのかな)に追い込まれたNICKのソロ3枚目のアルバムです。制作までたっぷり時間をかけ自分のサウンドと方向性見つめ直す余裕が出てきた感じから彼は、バラエティーに富んだ最高の1枚を彼は届けてくれました)'10年7月24日再更新
1988年度ベスト5


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写真  NICK HEYWARD / Tangled
 ・1995 Sony Music Entertainment (UK) Ltd.    Epic 481173 2

HAIRCUT 100も再結成したようですね・・・

イギリスで活躍するNICK・HEYWARDの5枚目のアルバムで、'95年10月9日に本国でのリリースです。
尚、ジャケットの写真は連続写真で撮影されたもう一枚の白黒写真が採用された盤もあるようです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、 NICK・HEYWARD:ヴォーカル/ギター/ハーモニカ/キーボード/プロデュースの他、BEN・BLAKEMAN:ギター、DONALD・ROSS・SKINNER:ギター、ANDY・BELL:ベース、ANTHONY・CLARK:キーボード/バック・ヴォーカル、JIM・KIMBERLEY:ドラム、GRAHAM・WARD:ドラム、KEITH・FAIRBURN:パーカッション/タンバリン、DAVID・BUCKNALL:チェロ、GEOFFREY・RICHARDSON:クラリネット/ウクレレ/ヴィオラ/ヴァイオリン、AMELIA・FLETCHER:ヴォーカル、TONY・RIVERS:バック・ヴォーカルのイギリスのミュージシャン達です。

1曲目"Kill Another Day"(3:06) ブリット・ロックのように響き渡るエモ・ギターのサウンドによる曲です。ハーモニカとサイケデリックなサウンド・アレンジを施した攻めの型での曲です。
2曲目"Blinded"(3:00) THE SMITHSのMORRISSEYを意識したような気だるい歌声による曲でベースのサウンドは、NEW ORDERのPETER・HOOKよろしく重厚なピッキング・ベースによるアッポ・テンポなエモ・ロックです。
3曲目"Backdated"(3:43) アコースティック・ギターのサウンドに重ねられたNICKの迸る様々なギターのサウンドによる曲です。DONALD・ROSS・SKINNERのディストーション・ギターのサウンドもエモーショナルに決めています。
4曲目"She Says She Knows"(2:32) NICKのグレッチによるリバプール・サウンドの曲です。この曲もギターのサウンドがたっぷり響く曲です。何度聴いてもリバプール勢の影響を感じます。
5曲目"World"(3:43) ネオ・アコのサウンドの延長線にあるメロディとサウンドの曲です。NICK・HEYWARD meets T.F.F.って感じでしょうか。
6曲目"Carry On Loving"(3:41) 曲の前半はギターのサウンドを響き渡らせたブリティシュ・ギター・ポップな曲ですが、後半は一転して美しい調べによるストリングスのサウンドになっています。
7曲目"I Love The Things You Know I Don't Know"(3:55) 美しいメロディとNICKの優しい歌声によるアコースティック調の曲の登場です。心地好いリズムとストリングスの調べによる憂いのあるブリティシュ・サウンドです。
8曲目"Can't Explain"(2:47) 再び激しく鳴るリッケンバッカーの12弦ギターでのギター・ポップです。ウエスト・コーストのバンドに似た綺麗なハーモニーを付けた曲です。
9曲目"Believe In Me"(3:46) 少し佇まいを小さくして来た曲です。ブリティシュ・トーンを感じさせるAMELIA・FLETCHER(Ex.TALULAH GOSH,Ex.HEAVENLY)がヴォーカルで参加しています。
10曲目"Rollerblade"(2:50) この曲も非常に古き良きウエスト・コーストのバンドの影響を感じさせる曲です。コーラスはTHE BEACH BOYS風で明るく、楽しくとしているようです。
11曲目"The Breadwinner"(3:16) ハードなギターのサウンドによるアメリカ南部のサウンドに似た粘り気を感じる曲です。間奏ではバイオリンのみ静かな音色をサンドイッチにした斬新なアレンジです。
12曲目"London"(2:53) NICKらしい曲の登場です。NICKの愛するロンドンの情景を素直に歌にした内容です。メランコリックな響きのストリングスとポップなリズムの刻みが心地好い曲です。
13曲目"She's Another Girl"(3:11) ロカビリー調のギターのサウンドとリズムによるエモ・ギターな曲です。ギターのカッティングの刻みを非常に重視したサウンドとドラムのビートが生き生きした曲です。
14曲目"1961"(1:19) NICKのピアノでの伴奏にチェロとクラリネットにストリングスを重ねた1分少々のコンチェルトです。
歌詞無し 写真ライナー U.K.製 (輸入盤) 収録時間:43分50秒 (HAIRCUT 100はオリジナル・メンバーで再結成したようですね!何故HAIRCUT 100の2枚目はCD化されていないの?)'10年7月25日再更新


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写真  NICKY HOLLAND / Nicky Holland
 ・1992 Sony Music Entertainment Inc.    EPIC ZK 47413

T.F.F.のアルバムで気になって・・・

TEARS FOR FEARSのアルバムの曲の提供者とツアー・メンバーで気になっていたNICKY・HOLLANDのデビュー・アルバムで、'92年5月5日アメリカでのリリースです。NICKYは、イギリスの有名ミュージシャンを輩出しているハートフォードシャーの生まれですが、このアルバムの収録は、ロス・アゼルスにて有名セッション・マンと一緒に行われています。
そのミュージシャンを詳しく記載しますとNICKY・HOLLAND:ヴォーカル/キーボード/シンセサイザー/ブラス・ストリング・アレンジ/プロデュースの他、TIM・PIERCE:ギター、VINNIE・ZUMMO:ギター、KEVIN・DUKES:ギター、DAVID・BATTEAU:ギター/バック・ヴォーカル、JOHN・PIERCE:ベース、ERIC・PRESSLY:ベース、BRAD・CUMMINGS:ベース、FERNANDO・SAUNDERS:ベース、DEREK・NAKAMOTO:シンセサイザー/ブラス・ストリング・アレンジ/プロデュース、JOHN・HOLBROOK:プログラミング、DENNY・FONGHEISER:ドラム/パーカッション/リズム・プログラミング、CHRIS・TRUJILLO:コンガ、TERRAL "TERRY" SANTIEL:パーカッション、PAUL・ACUTTI:トランペット、GERALD・ALBRIGHT:ソプラノ・サックス、LEW・SOLOFF:トランペット、RALPH・RICKERT:ブラス、STEVE・MADAIO:ブラス、ANDY・MARTIN:ブラス、JON・CLARKE:オーボエ、BERJ・GARABEDIAN:ヴァイオリン、MICHELE・RICHARDS:ヴァイオリン、BRUCE・DUKOV:ヴァイオリン、HENRY・FERBER:ヴァイオリン、JOEL・DEROUIN:ヴァイオリン、EVAN・WILSON:ヴィオラ、HERSHEL・WISE:ヴィオラ、LINDA・LIPSETT:ヴィオラ、SUZIE・KATAYAMA:チェロ、LLOYD・COLE:ヴォーカル、ELLEN・SHIPLEY:バック・ヴォーカルの収録地アメリカのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、NICKYと数々のアルバムのプロデュースを行ってきたDEREK・NAKAMOTOとROBERT "KOOL" BELL(KOOL & THE GANG)とNICKYの共同で行われています。

1曲目"Prelude"(1:50) NICKYの美しいピアノの旋律による2分に満たないプレリュードです。
2曲目"Ladykiller"(4:28) 1曲目のプレリュードから自然につながるSTEELY DAN風のブラスのサウンドによるイントロとこの曲の共作者のLLOYD・COLEの歌声の素晴らしいクールで都会的なサウンドによる曲です。
3曲目"Tongue-Tied And Twisted"(4:49) 爽やかなサウンドと心地好いリズムによるポップな曲です。美しいTIM・PIERCEのギターのサウンドとDENNY・FONGHEISERのドラムによる最強のコンビによるバックの演奏を獲たNICKYのヴォーカルも好いですね。
4曲目"Colouring Blue"(4:12) この曲も素晴らしいメロディとリズムによる曲で、ストリングスを加えた起伏のあるNICKY自身による曲のアレンジと少し翳りのある彼女の歌声によるポップスです。
5曲目"Independence Days"(4:14) NICKYと同じくS.S.W.として活躍するDAVID・BATTEAU(NICKYのご主人)との共作です。DAVIDの方は、アメリカのウエスト・コーストから70年代にデビューしていますが、NICKYとはどのような経緯でつながったのでしょうか、気になるところですね。ピアノとパーカッションとの織り成すシックな曲です。
6曲目"This Town"(5:04) 再びDAVID・BATTEAUとの共作です。NICKYの弾くピアノの旋律を主体としたシンプルで日常の出来事を綴ったポップ調の曲です。
7曲目"Box Of Rain"(4:37) サンフランシスコで活躍していたTHE GRATEFUL DEADの '70年の曲のカバーです。懐かしい サウンドのポップスの登場です。ストリングとアップ・テンポのリズムに乗せたピアノのサウンドによる曲です。
8曲目"Face Of The Moon"(3:35) この曲を聴くとなぜかSTINGの曲のイメージと"ダブリ" ます。スモーキーなサックスの音色とピアノと時折奏でられるギターのサウンドによる"渋め" のNICKYの作詞作曲による曲です。
9曲目"Running Around Again"(5:02) この曲はイントロからぞっこんでしたね。プロデュースとシンセで参加しているROBERT・BELLとNICKYとの共作です。ゆったり流れる都会的なクールなサウンドによる曲です。小ぶりながらVINNIE・ZUMMOのアコースティック・ギターのサウンドが素晴らしいです。
10曲目"The Night We Never Met"(5:25) ジャジーなクラリネットの演奏とNICKYのヴォーカルがなぜかSADEの曲の持つ雰囲気を感じさせます。5分を超える大人のサウンドと感覚による曲です。
11曲目"On The Stairs"(3:08) アルバムの終焉を告げるストリングとアコースティック・ギターによるクラシック・ミュージックのメロディによるNICKYの切ない歌声による曲です。
全11曲歌詞付 12ページ物写真ライナー (輸入盤) 収録時間:46分28秒 (素晴らしい曲を提供してくれたNICKYのアルバムは2枚しか制作されていないのが、非常に残念です)'10年7月24日再更新
1992年度ベスト5


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写真  NICKY HOLLAND / Sense And Sensuality
 ・1997 Sony Music Entertainment    EK 57622

曲の共作者に豪華ゲストを持つ彼女の2枚目・・・

T.F.F.の曲を共作とツアーを一緒にしていたNICKY・HOLLANDの2枚目のアルバムで '97年6月24日アメリカでのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NICKY・HOLLAND:ヴォーカル/キーボード/ストリング・アレンジの他、MICHAEL・BEINHORN:キーボード/プログラミング/プロデュース、ALAN・FRIEDMAN:プログラミング、GRAHAM・MABY:ベース、MELANIE・FELD:オーボエ、SUZIE・KATAYAMA:指揮、JOHN・PETERSON:ストリングス・サンプル、GREG・LEPORTA:ストリングス・サンプル、JEFF・BOVA:キーボード/プログラミング、JIMMY・BRALOWER:ドラム・プログラミングの有名及びストリングス系のミュージシャンが参加しています。

1曲目"Paper Chase"(3:29) ストリングスをあしらった繊細な旋律とNICKYの優しさのあるヴォーカルが魅了的です。そう言えば"Paper Chase" ってアメリカの有名大学の入試を題材とした映画がありましたね。この曲も映画音楽か舞台音楽みたいな感じがします。
2曲目"Nobody's Girl"(4:30) 前作でも共に曲を書いていたLLOYD・COLEとの共作です。この曲のイントロは、何故か10CCの名曲"I'm Not In Love" を連想させますネ。
3曲目"Dear Ingrid"(5:27) NICKYのピアノによる弾き語りでプライベート色の強い作品です。
4曲目"In A Broken Dream"(4:21) ドラム・マシーンを使った重厚なメロディとリズムからストリングを絡ませた曲へと変化します。
5曲目"Nothing"(4:17) 映画音楽のような旋律のピアノとストリングによる曲です。指揮は、SUZIE・KATAYAMAです。
6曲目"Falling Water"(4:53) スローなテンポにシンセベースを使ったとてもメロディアスな曲で、NICKYのヴォーカルも好い。
7曲目"New York Inside My Head"(4:14) この曲もNICKYのピアノによる弾き語りでシンセサイザーによる効果音が付けられています。
8曲目"Cry To Me"(3:55) あのBILLY・STEINBERGとの共作です。メロディアスなシンセザイザーの音色を使い、時にダイナミックな展開は流石です。
9曲目"Hat Full Of Stars"(4:50) CYNDI・LAUPERとの共作です。透き通るようなNICKYのヴォーカルとピアノだけのシンプルな曲です。
10曲目"Lay Down"(3:26) シンセザイザーでのベースが不思議な雰囲気を醸し出すスローな曲です。
11曲目"John's First Wedding"(4:41) この曲もピアノによる弾き語りでプライベート色の強いような作品です。
全11曲歌詞付 12ページ物ブックレット (輸入盤) 収録時間:48分08秒 (前作と比較して少しポップさが不足していますが、全体の曲の繊細さはこちらの方が...)'10年7月25日再更新


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写真  NIGHT SWIMMING / No Place To Land
 ・2024 Night Swimming    NS000

イギリスに注文・・・

このアルバムは、イギリスのブリストルで活躍しているドリーム・ポップ・バンドNIGHT SWIMMINGのデビュー・アルバム(5曲EP盤)で '24年9月27日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NIGHT SWIMMINGのMEG・JONES:ヴォーカル/シンセサイザー/プログラミング、JESSE・ROACHE:ギター、SAMUEL・ALLEN:ギター/シンセサイザー/プログラミング、JOSH・NOTTLE:ベース、TORIN・MOORE:ドラム/パーカッションの5人です。
尚、プロデュースは、イギリス南部のデヴォンにスタジオを構えるPETER・MILESが担当しています。

1曲目"Evergreen"(4:22) 4月10日に先行シングル曲としてリリースされている曲です。50秒ほどある長いイントロ明けから登場するMEG・JONESの可愛らしい歌声から掴まれます。突き進むTORIN・MOOREのドラムのビートとエフェクト気味のJESSE・ROACHEとSAMUEL・ALLENのギターの響きも堪りませんね。ビデオもどうぞ。
2曲目"Let That Be Enough"(3:48) この曲が私をNIGHT SWIMMINGの虜にさせた曲です。イントロから響くギターの爪弾きから聴き入らされ、サビで歌うMEG・JONESの「Let That Be Enough,Let That Be Enough」の切ない歌声が耳から離れなくすっかりやられてしまいました。ビデオもどうぞ。
3曲目"Mirror"(3:58) SAMUELのギターの爪弾きとJESSEストリングス風に奏でられるギターが美しく絡み合うスローな曲です。美しく伸びやかなMEGの歌声にキビキビとしたTORINのドラムのビートが突き進みます。次の曲"Warmer" と合わせてリリースと同時にビデオも公開されました。
4曲目"Warmer"(4:00) スローなリズムによるメランコリックなナンバーです。少しサイケデリック感のあるエフェクトと共にMEGの切ない歌声が響きながら空中に舞い上がります。リリース日に合わせてビデオも公開されました。
5曲目"Five-Year Plan"(4:27) 8月6日のシングル・リリースされている曲です。柔らかい響きを発するギターの爪弾きに乗せて歌うMEG・JONESの歌声がこれまた優しく響く曲です。ビデオもどうぞ。
歌詞無し 12'EP盤 45rpm 180g盤 (輸入盤) 収録時間:20分35秒 (今作は、CDのリリースが無くレコード盤とダウンロード・リリースのみでしたので、イギリスへレコード盤を注文してみました!)'24年9月28日更新
2024年度ベスト5


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写真  THE NUDE HOURS (TNH) / We Were Young And We
 Didn't Know
 ・2024 paperheartmusic    

全然知らないけれど(笑)・・・

このアルバムは、ベルギーの中央部の都市ニヴェルで活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップ/ロック・ミュージシャンTHE NUDE HOURS (TNH)の17枚目(EP盤、ライヴ盤を含む)のアルバムで '24年11月26日(bandcamp)に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンの詳しいクレジットは、不明ですが、THE NUDE HOURS(TNH)(FRANCOIS・MILETのソロ・プロジェクト):マルチインストゥルメンツの他、CHLOE・MILET:バック・ヴォーカル、FRANCOIS・CARION:バック・ヴォーカルの少人数の収録です。

1曲目"Faded Out"(2:21) 軽やかに奏でられるギターの音色がイントロから響く乗りの好い曲です。どこと無く80年代のイギリスのネオ・アコ・バンドのスタイルに通じるところがあります。
2曲目"My Little Butterheart(featuring Chloe Milet)"(2:24) FRANCOISのお子さんかな、女子の可愛らしい歌声と共にアコースティック・ギターの音色が響くラフな雰囲気を醸し出す曲です。
3曲目"50 Years"(3:25) FRANCOISのご両親の結婚50周年記念の為に書かれた曲と紹介のある曲です。歌詞の中にFRANCOISからご両親に対しての謝辞が綴られています。
4曲目"I Wanna"(2:36) イントロからパンク・ミュージック/サイケデリック然とした尖ったサウンドが刺さる曲です。往年のSPLIT ENZ全盛期のあのおどろおどろしい感に通じるところもありますね。
5曲目"Pretty But Bleak"(1:58) 今度は、雰囲気を変えてカリフォルニアのサーフ・ロック的な曲です。楽し気に演奏して歌うFRANCOISの気持ちが伝わってきます。
6曲目"Feel(featuring Francois Carion)"(3:00) ノイズ・ロックらしい荒らしたサウンドと荒ぶるビートで攻めて来る曲です。ここまで聴き進めて来て色々なジャンルの音楽が詰め込まれているなと感じましたね。
7曲目"I Wish I Knew"(2:39) この曲もオルタナティヴ・ロックとヘビー・メタルな重いサウンドとビートを伝えて来る曲です。ヘッドバンキングが似合うようなサウンドです。
8曲目"For Everything That I Do"(1:58) 短い曲なのですが、この曲と他数曲のサンプル音源をちょっと聴いただけでダウンロード購入して聴いてみよう思いました。重めのギターのリフどことなく寂しげなFRANCOISの歌声が気になりました。
9曲目"The Right Side"(2:23) この曲は、ちょっと雰囲気を変えて来たポップな響きの曲です。キーボートの躍るような跳ねるサウンドとクレジット記載は、無いのですが、女性バック・ヴォーカルが参加しているようです。
10曲目"We Are"(3:07) 素早く奏でられるドラムのビートとうねるシンセ・ベースの響きが耳に残る曲です。途中に登場するテクノ・ポップな電子ピアノのサウンドと何だか一通り満載の感があります。
11曲目"Wallow(featuring Eric in the kitchen)"(5:10) この曲もサンプル音源をちょっと聴いただけとっても気に入った曲です。太く鳴るベースのサウンドとナチュラルなトーンを放つギターの音色が掴みます。長いイントロを経て登場するFRANCOISの鬱積した歌声に聴き入ります。FRANCOISの別プロジェクトのERIC IN THE KITCHEN名義でも '22年8月24日にリリースもされています。
12曲目"The Night"(2:59) イントロから神妙に聴かせる曲ですね。単音で聴かせるFRANCOISのシンプルなギターと抑揚を抑えたこれまた神妙なベースのサウンドが聴き入らせます。いい感じのインストゥルメンタルですね。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:34分00秒 (見出しにも書いたのですが、全然知らないミュージシャン、お国もベルギーであり過去にクレプスキュール・レーベルのCDを2〜3枚買って聴いていましたが、このTHE NUDE HOURS(TNH)もその流れを少し感じます)'24年11月30日更新


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写真  OCCASIONAL DREAMS / To The City
 ・2024 Occasional Dreams    

エレクトロニカ・ポップ+メロディアス・ロック・・・

このアルバムは、ノルウェーの首都オスロで活躍しているインディ・ロック/ポップ・バンドOCCASIONAL DREAMSの2枚目のアルバムで '24年10月4日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、OSKAR・CHRISTENSEN:ヴォーカル/ギター/シンセサイザー/キーボード/ループ/ドラム・マシーン/シンセ・ベース/ハーモニカ/イーボウ/プロデュース、SHAWN・TAN:ギター/プロデュース、ULRIK・MARCUSSEN:ベース、JAKOB・ESMANN:キーボード、MARIA・OLSEN:バック・ヴォーカル/タンバリンのOCCASIONAL DREAMSのコアメンバー5人の他、曲によりRYAN・CHAN:スライド・ギター、MICHAEL・KOH:ドラム、REMY・FORRESTER:ドラム、HANNAH・CHRISTENSEN:バック・ヴォーカルのノルウェーのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Moving On"(4:15) メランコリックなメロディを奏でるギターの調べとシンセサイザーの神秘的な音色が響く曲です。凛としたOSKAR・CHRISTENSENの歌声と清らかな空気感がやはり北欧から届けられた音楽と妙に納得させられた感があります。
2曲目"Fever Dream"(6:09) この曲もイントロのシンセサイザーの音色から神秘的な響きを感じるスローな曲です。ノルウェーのバンドと言えば古くは、A-HAやRÖYKSOPPなどどこか冷やかさを感じるところにこのバンドにも共通してあるのでは。
3曲目"Shimmer In Your Eye"(4:54) この曲が私をOCCASIONAL DREAMSの持つ魅力に最初に惹きつけた曲です。'24年7月にシングル曲としてダウンロード購入していたのですが、この度アルバムとしてリリースされた為、再購入しました。このキラキラしたサウンドとメロディに掴まれてしまいました。メンバーが登場したビデオもどうぞ!
4曲目"City Lights"(3:35) 弾けるギターの音色に合わせてOSKARが心地好く歌う曲です。アメリカのウエスト・コーストのS.S.W.の書く曲からの影響を受けたと推測されるメロディとサウンドを感じます。
5曲目"To The City"(6:54) イントロから駆け出すウーリッツァーのサウンドとキビキビと叩き出されるMICHAEL・KOHのドラムに体を揺さぶられる曲です。途中よりランドスケープなインストゥルメンツ部分も登場しご機嫌なドライヴ感を体験させてくれます。
6曲目"Taken Away"(9:43) この曲も前の曲に続いて長尺な曲です。北欧のおとぎ話のテーマ曲風の幻想的なイントロから次第にエレクトロニカ・ポップ+メロディアス・ロック流れへと展開されて行きます。メイン・パーソンのOSKARの目指す音楽は、多分、多分ですがDAVID・GILMOURの持つ壮大なイメージなのでは。
7曲目"Going Home"(7:18) 3曲続けて長尺な曲の登場です。ここではOSKARが12弦ギターの非常に美しい響きを聴かせます。この曲は、アメリカのバンドからの影響を感じさせるハーモニカの音色やロードムービーの挿入歌風の旅物語をテーマにしているようです。
8曲目"Walls"(4:20) この曲では、男性ヴォーカル/ギターをメインにしたバンド・スタイルの演奏を目に浮かべるのが容易に感じる曲です。ライヴなど乗りに乗った後に演奏される落ち着きを持たせるところがあります。どことなくピアノの演奏の爽やかさにBRUCE・HORNSBYの音楽に共通するところを感じますね。
9曲目"All Around Me"(4:18) この曲もエコーを効かせたサウンド群が心地好く響く曲です。循環コードによるシンプルな曲ながらバックのMARIA・OLSENの歌声やローズの音色など美しいサウンドが一杯です。
10曲目"The Aegean Sea"(6:58) シンセサイザーの幻想的で北欧的なサウンドが広がるスローな曲です。曲を聴き進めて行くにつれてカナダ出身の大物ロッカーのあの曲の雰囲気がするところが面白いですね。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:58分24秒 (先行シングル曲を1曲だけ購入していたのですが、アルバム全体を通して聴きたくなりました!)'24年10月13日更新


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写真  OH LAURA / Song Inside My Head, A Demon In My Bed
 ・2007 Cosmos Records    CR07102
 ・2007/8 Cosmos Records    BNM0008

また素晴らしいバンドの出現です・・・

このアルバムは、スウェーデンのストックホルムで活躍しているOH LAURAの '07年5月23日(スウェーデン盤 11曲収録:CR07102)にリリースされたデビュー・アルバムです。英国盤(10曲収録:CR08101)は '08年3月10日のリリース、オーストラリア盤(11曲収録:BNM0008)は '08年7月日リリースされ、ややこしくなっています。
OH LAURAのメンバーは、FRIDA・ÖHRN:ヴォーカル/ハーモニカ、JOAKIM・OLOVSSON:ギター/キーボード/メロディカ/プログラミング、JÖERGEN・KJELLGREN:ギター、RIKARD・LIDHAMN:ベース、MAGNUS・OLSSON:ドラム/パーカッションの5人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、OH LAURAの5人組の他、RIKARD・BRANDÉN:ペダル・スティール、DANIEL・SUNDSTRÖM:ピアノ、DAVID・LINDGREN:ピアノ、JOHAN・CARLSSON:キーボード、MAGNUS・JONSSON:トランペット/トロンボーン、PÄR・WESTERLUND:テナー・サックス、ERIK・ARVINDER:ヴィオラ、ANDREAS・FORSMAN:ヴァイオリン、ANNA・DAGER:チェロ、CRISTOPHER・ÖHMAN:ヴィオラのストックホルムのミュージシャン達です。
プロデュースは、HENRIK・EDENHED、OLLIE・OLSONとOH LAURAのJOAKIM・OLOVSSONが共同で行っています。"Release Me" のみNISSE・WESTFELTと作者のERIK・ALTHOFFも副プロデュースとなっています。

1曲目"Call To Arms"(3:12) 不思議なギターのフレーズがイントロから使われたインパクトのある曲です。FRIDAの特徴的なスモーキー・ヴォイスとシンクロしたギターのサウンドから間奏には、オーバー・ドライブ気味のギター・サウンドも余り聴かない感じですね。この曲の歌詞の中にアルバムタイトルの「Song Inside My Head, A Demon In My Bed」と出ています。
2曲目"It Ain't Enough"(3:34) この曲もギターのサウンドをたっぷりに響かせた曲になっています。高域で擦れ気味のFRIDAの歌声と彼女のハーモニカを同時に聴ける嬉しいナンバーです。
3曲目"Release Me"(3:06) OH LAURAのシングル・ヒット曲です。オリジナル曲は、T.V.のコマーシャル・ソングを手掛けている作詞/作曲家ERIK・ALTHOFFの '07年SAABのコマーシャル・ソングとして書かれた曲にOH LAURAが抜擢されました。曲の後半の30秒ほど残すところから非常にエモーショナルに歌い上げるFRIDAの歌声は、本当に見事ですね。
4曲目"Black N' Blue"(4:11) 特徴的なドラムのビートと"クール" なギターのトーンが決まったギター・バラード的な曲です。JÖERGENとJOCKEのギター・バンドにFRIDAが加わって出来上がったこれぞOH LAURAのサウンドです。ヒット曲
"Release Me" に耳を傾けがちですが、なかなか"渋め" のナンバーも持っています。
5曲目"Fine Line"(3:45) スウェディッシュ・ギター・ポップなストレート・サウンドの曲です。FRIDAの歌声をメインに据えたアレンジにバック陣の出過ぎないサウンドと心地好いリズムのビートによる聴き易いところも良いですね。
6曲目"Raining In New York"(4:18) FRIDAの少し枯れた歌声が優しく響きながら、美しくキーを上げて行くスローなカントリー調の曲です。この落ち着いたリズムとメロディは普遍的な位置にあるスウェーデンの人々の音楽嗜好ではないでしょうか。
7曲目"Out Of Bounds"(3:02) アルバムの後半は、アコースティックな調べのカントリー風味な曲が収録されて、この曲もその1曲です。ファルセット気味のFRIDAの歌声に付けられた美しいハーモニーも聴き応え十分。
8曲目"Thunderbird Motel"(2:49) エコーを効かせたJÖERGENのグレッチの独特サウンドが響く曲です。この曲を聴きながら、ふと思ったのですが、歌声は違うもののLARS・HALAPIとSOPHIE・ZELMANIとの関係を思い起こされましたね。
9曲目"The Mess You Left Behind"(3:14) 非常にポップ・ロック調のリズムとサウンドによる曲です。乾いたエレクトリック・ギターのポップ・サウンドとFRIDAの落ち着いた歌声が相反して興味深く聴いてしまいます。
10曲目"Killer On The Road(3:54)" スライド・ギターのサウンドがイントロからロード・ムービー的なイメージを与えるアメリカン・サウンドの曲です。間奏ではトランペットの調べも流れるマカロニ・ウエスタン調にも展開されるのです。
11曲目"Friend Like Me"(3:37) 高域で少し擦れて裏返るFRIDAの叫びに似た歌声が印象的なスローなカントリー調の曲です。アコースティック・ギターの切ない響きとメランコリックな調べがアルバムの最後まで流れます。
・全11曲歌詞付 16ページ物写真ブックレット スウェーデン盤 (輸入盤) 収録時間:38分47秒
・全11曲歌詞付 16ページ物写真ブックレット オーストラリア盤 (輸入盤) 収録時間:39分15秒 (いつも素晴らしいサウンドとメロディを届けてくれるスウェディッシュ・ミュージック・シーン、このOH LAURAも将来が楽しみです)'10年7月29日再更新
2008年度ベスト5


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・2008 COSMOS RECORDS   CR08101

写真
UK盤のジャケットです。
1曲目"Call To Arms" 2曲目"It Ain't Enough" 3曲目"Release Me" 4曲目"Black N' Blue"
5曲目"Fine Line" 6曲目"Raining In New York" 7曲目"Out Of Bounds" 8曲目"Killer On The Road"
9曲目"Mess You Left Behind" 10曲目"Thunderbird Motel"
全10曲歌詞付 写真ブックレット UK盤 (輸入盤) 収録時間:35分18秒


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写真  ONE MORNING IN AUGUST / Another Morning
 ・2023 FIFA RECORDS     Cat No.FILP016

ダブリン勢とは一味違った・・・

このアルバムは、アイルランドの南部の街カーロウで活躍しているアイリッシュ・ロック/ドリーム.ボップ・デュオONE MORNING IN AUGUSTの2枚目のアルバムで '23年11月10日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHN・PHELAN:ヴォーカル/ギター/ベース/他楽器/プロデュース、STEPHEN・BYRNE:ドラム/プロデュースのONE MORNING IN AUGUSTの2人他、 DAVID・AYERS:ベース/他楽器/副プロデュース、CLAIRE・CUMMINGS:バック・ヴォーカル、ANNA・PHELAN:バック・ヴォーカル、AMÉLIE・PHELAN:バック・ヴォーカル、OLIVER・COLE:ギター/ベース/他楽器/バック・ヴォーカルの地元のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Moment"(3:56) ガラスを叩くようなソリッド感のあるギター・サウンドがイントロから響く躍動感溢れる曲です。STEPHENの突き進むドラムのビートとJOHNのギターの駆け引きが印象的な流れです。
2曲目"Something Beautiful"(3:14) この曲もイントロからドラムのビートが躍動感を伝える曲です。アコーアコースティック・ギターの滑らかな弦の調べとギターを奏でながら楽しく歌うJOHNとドラムでリズムを投げ掛けるSTEPHENとの息の合った感が伝わります。
3曲目"Lovers By Surprise"(3:39) イントロをちょっと聴いた時にかっこ良さに掴まれた曲です。バック・ヴォーカルのCLAIRE・CUMMINGSの歌声が好いのです。尚、この曲は、'21年6月にシングル曲としてもリリースされています。
4曲目"Local Minor Superstar"(4:02) この曲もSTEPHENの重めのドラムのビートが響く曲です。80年代のイギリス・ロック・バンドの曲の雰囲気が伝わって来ます。尚、この曲には、JOHNの家族もバック・ヴォーカルで参加しています。
5曲目"Over The Sea"(4:20) アコースティック・ギターによるエクスペリメンタルな和みを感じさせる曲です。ゆったりとしたリズムに複数のギターの音色を重ね合わせた趣から次第にドラマチックな展開を聴かるインストゥルメンタルです。
6曲目"Those Days"(3:28) アコースティック・ギターの穏やかな爪弾きによる音色と優しいJOHNの優しい歌声が響く曲です。途中より曲を一緒に書いたOLIVER・COLEの歌声も登場して「夏の楽しかった想い」に別れを告げています。アルバムのリリースに先立って紹介されています。
7曲目"A Wasted Love"(3:42) ブリット・ロック然としたこの曲では、JOHNが少し無骨な歌声を聴かせる曲です。80年代のT.F.F.やDEACON BLUEのサウンドの雰囲気を感じます。
8曲目"Get It Right"(4:14) 再びイントロからアコースティック・ギターを奏でるアイリッシュ・ロックのダークな雰囲気を巻き散らす曲です。次第にメタル/ハード・ロックなトーンへと展望させるアレンジが見事です。
9曲目"Backwards & Cruel"(2:30) 引き摺り感を持ったSTEPHENのドラムのビートと投げやり風に歌うJOHNの歌声が似合うブルース/ロックな曲です。バックで奏でられるJOHNのファジーなギター・サウンドが流れ放しです。
10曲目"A Long Journey West"(4:08) アルバムの最後に際し何か意気込みをイントロから感じさせる曲です。重めのシンセサイザー・ベースのサウンドと滴り落ちるように響く電子サウンドによる荘厳なインストゥルメンタルです。
歌詞無し 50枚限定盤 デジパック仕様 CD-R (輸入盤) 収録時間:37分17秒 ('19年頃よりアイルランドで活躍しているこのONE MORNING IN AUGUST、実態はまだまだ不明ですが、ダブリン勢とは一味違った好い意味でのローカル色に魅力を感じます)'23年11月14日更新
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写真
(CD購入時に頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  ONE NATION / Strong Enough
 ・1989 IRS    VDP-1480

現在は、プロデューサーとして活躍していますが・・・

ロンドンで音楽活動していたKIPPER(鱒:彼のニック・ネーム本名:MARK・ELDRIDGE)がIRSレーベルより '89年9月21日に国内でリリースされた唯一('91年の2枚目のアルバム[Big Life, Big Tears]の詳細とリリースは、検索しても不明)のアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KIPPER:ヴォーカル/ギター/パーカッション/プロデュースの他、BRAD・LANG:ベース、TREVOR・THORNTON(MARTIN・PAGE):ドラム、STEVE・SIDELNYK:パーカッション、JAMIE・TALBOT:サックス、NEIL・SIDWELL:トロンボーン、STEVE・SIDWELL:トランペット、GRANT・MITCHELL:キーボード、ANGIE・GILES:ヴォーカル/バック・ヴォーカル、ZEITIA(ZEETEAH)・MASSIAH:バック・ヴォーカル、ANNIE・McKAIG:バック・ヴォーカルのイギリスのミュージシャン達です。尚、プロデュースは、KIPPER自身で行っています。

1曲目"Love Is Just An Emotion"(4:17) 女性バック・ヴォーカルに誘われるように登場するKIPPERの力強いヴォーカルとタイトル通りエモ−ショナルな曲です。(BILL・CHAMPLINのサウンドとスタンスに似たところが有ります)
2曲目"What You See . . Is What You've Got"(3:55) エレクトロニカぽいサウンドにファンク・ベースを組み合わせたやたらと黒っぽい雰囲気のする曲でKIPPERの歌声もかなりソウルフルです。JAMES・BROWNに迫る位の彼のヴォーカルです。
3曲目"This Is Different"(4:41) 大好きな曲です。これぞメロディアス・バラード、ヴォーカル、コーラス、彼のギターソロとも完璧に聴く者を魅了します。(ヘビ・ロテで良く聴きました)
4曲目"Strong Enough"(4:23) メロディアスロックと言える曲でタイトなドラムのリズムと次々と繰り出されるギターのリフが圧巻KIPPERのソウルフルなヴォーカルも聴き物です。
5曲目"Equality"(3:55) ゴスペルコーラスに包まれながら入る心地良いイントロの曲です。KIPPERとANGIE・GILES(彼女もソロアルバムを数枚出しています)とのデュエットが素晴らしです。また、この曲は、KIPPERとANGIEとの共作です。
6曲目"My Commitment"(3:37) 重くドライヴするシンセのベースのサウンドとポップなメロディに乗せ間奏でのツイン・リード・ギターが最高です。
7曲目"Inspiration"(4:10) '80年代の多く見られたエレクトロニカのリズムですが、KIPPER自身の重厚でチョーキングを多用したギター・サウンドが特徴的です。
8曲目"Passion"(3:49) ファンキーなリズムとKIPPERのキーボードが取り入れられたファンク・ダンスミュージックです。
9曲目"Blinded"(5:55) アルバムの最後を飾るのに相応しい曲で、イントロのキーボードから涙物です。絶望的な気持ちを歌にし救いの光を探すさまを歌った心打たれる歌詞とメロディです。
全9歌詞/訳詞付 写真ライナー (国内盤) 収録時間:38分46秒 (現在、KIPPERは、プロデューサーとして活躍していてSTINGのアルバムなども手掛けています)'10年7月29日再更新
1989年度ベスト5


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写真  OPHELIA HOPE / Ophelia Hope
 ・2009 Sonet Recordings    7 044176 620061

ひょっとして今年一番の注目かも・・・

このアルバムは、ノルウェーの第2の都市ベルゲンで活躍しているOPHELIA HOPEの '09年4月20日に本国(海外向は6月23日)でリリースされたデビュー・アルバムです。
OPHELIA HOPEのメンバーは、INGRID・OPHELIA:ヴォーカル/グロッケンシュピール、PAUL・HOLDEN:ギター/キーボード/バック・ヴォーカル、DAVIDE・BERTOLINI(KING OF CONVENIENCE):ギター/ベース/ヴォーカル、HANS-OLAV・MOLDE:ドラム/トランペット/バック・ヴォーカルの4人組(現在、CRAIG・FARRがHANS-OLAV・MOLDEとドラムを交代しています)です。
尚、このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CRAIG・FARR:ドラム/グロッケンシュピール/ヴィブラホーン、ARNE・TORVIK:キーボード、YNGVAR・FLATØY:ギター/バック・ヴォーカル、ØYSTEIN・FOSSHAGEN:ヴィオラ、BERGMUND・WAAL・SKASLIEN:ヴィオラ、LINDA・BØNES:ヴィオラ、SIRI・HILMEN:チェロ/バック・ヴォーカル、TOM・ARE・SKINSTAD:フリューゲルホーン、HADIS・BÅRDSEN:トロンボーン、EDVIN・ØSTVIK:トロンボーン、RENETTE・MARSHALL:バック・ヴォーカル、LESLIE・AHERN:バック・ヴォーカル、STIG・SANDBAKK:バック・ヴォーカルなどベルゲンのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Albatross"(4:37) イントロの口笛の調べから聴き入る曲ですね。アコースティック・ギターの甘い調べによる爪弾き合わせて歌うINGRIDの少し枯れたメランコリックな歌声が響くしっとりとしたアコースティック・ナンバーです。
2曲目"Next To You"(3:30) この曲も美しくメロディアスなアコースティック・ギターの調べが流れる落ち着いた曲です。先に紹介したK.O.C.のEIRIK・GLAMBEK・BØEとPAUL・HOLDENとの共作になっています。EIRIKらしい品のある落ち着いた作品ですね。
3曲目"Whatever... (love is)"(4:11) この曲では、少し枯れ気味のINGRIDの歌声が心地好く響く感じが良いですね。ストロークによる歯切れ良いコード進行と言い、間奏でも奏でられるヴァイオリンの調べが非常に印象的なのです。
4曲目"Satellite Boy"(3:06) エレクトロニカの味付けをさらっと使ったアコースティック・サウンドによる洒落た曲です。やはりこの流の良いメロディやリズムは、PAUL・HOLDENとジャズ・ヴォーカル・ユニットDE・ANDRE・SØSTRENEのRENETTE・MARSHALLとのジャズ畑の人脈との共作だからでしょうか。
5曲目"Diamond Wounds"(0:49) 1分に満たないハモンドと弦楽器の演奏によるインストゥルメンタルです。丁度アルバムの折り返し地点に収録されています。
6曲目"New Years Eve"(3:40) この曲も落ち着いた雰囲気とジャジーなピアノとヴィオラの見事なソロを聴かせるアコースティック調の曲です。美しいハーモニーに霞のかかったトランペットの調べも非常に良いですね。
7曲目"Beautiful Tears"(3:49) PAULの円やかなアコースティック・ギターの調べをイントロから聴かせるバラードの登場です。語尾で掠れ気味の歌声を聴かせるINGRIDの切ない歌声とメロディアスなピアノの調べをしっとりと聴きましょう。
8曲目"One Life Stand"(4:35) PAULの12フレットジョイントボディーのノスタルジックな調べによるアコースティック・ギターの爪弾きとINGRIDの歌声とが織りなす一度聴いただけで心に残った曲です。非常にK.O.C.のサウンドに通じるところを感じるのは、共通のプロデューサーDAVIDE・BERTOLINIだからでしょうか。
9曲目"Constitution Day"(3:55) PAULがメイン・ヴォーカルを務めた曲の登場です。アコースティック・ギターのサウンドに輪郭とメリハリを付けるために加えたエレクトリック・ギター・サウンドなどは、懐かしい60年代のフォーク・ロックを思い起こさせます。
10曲目"Wallflower"(3:05) この曲もイントロからINGRIDの美しい歌声が心地好く響く曲ですね。女性リスナーからも好かれそうなメロディとソフトなサウンドが響いて来るのです。
11曲目"When You Rain"(4:00) このアルバムの中では、1番ポップなサウンドを聴かせている曲です。ホーン、ドラムとベースの響きにスキャットによるヴォーカルが何だか懐かしさを感じさせるのです。
12曲目"Dead End"(3:22) アルバムの最後は、ピアノのサウンドに乗せて歌うINGRIDの歌声とコーラス隊との歌声が広がる曲です。「例え行き止まりの道であっても、1人で歩いて行こう...」と歌われる歌詞が切なさの中に希望の光が見える様が印象的に響きます。
11曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:42分45秒 (アルバムを通して聴いた第一印象は、ひょっとして私の中で今年一番の注目かも...)'09年7月11日更新
2009年度ベスト5


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写真  ORCHESTRAL MANOEUVRES IN THE DARK /
 Junk Culture
 ・1984 Virgin Records Ltd.    A&M SP-6-5027

やはり当時のニューウェーヴサウンド・・・

このアルバムは、イングランド北西部の街ウィラル出身のニュー・ウェーヴ・ミュージック・バンドORCHESTRAL MANOEUVRES IN THE DARK(以下OMD)の '84年4月30日に本国でリリースされた5枚目のアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PAUL・HUMPHREYS:ヴォーカル/キーボード、ANDY・McCLUSKEY:ヴォーカル/ベース/ギター/キーボード/パーカッション、MARTIN・COOPER: シンセサイザー/サックス/キーボード/マリンバ、MALCOLM・HOLMES:ドラム/パーカッション/ドラム・プログラミングの他、GORDAN・TROELLER:キーボード、MAUREEN・HUMPHREYS:ヴォーカル、JAN・FAAS:トランペット/バック・ヴォーカル、JAN・VENNIK:テナー・サックス/バック・ヴォーカル、BART・VAN・LIER:トロンボーン/バック・ヴォーカル、BRIAN・TENCH:バック・ヴォーカル/プロデュース、TONY・VISCONTI:ブラス・アレンジの有名人も参加しています。
尚、プロデュースは、THE THOMSON TWINSやHEAVEN 17などのアルバムを手掛けたBRIAN・TENCHとOMDとの共同で行われています。

1曲目"Tesla Girls"(3:50) イントロから鳴り響く煌びやかな電子サウンドの数々に続いて登場するANDY・McCLUSKEY とMAUREEN・HUMPHREYSのハーモーニーによる曲です。この男女コーラスや掛け声などは、丁度同時期に活動していたTHE THOMSON TWINSのサウンドに通じるところを感じます。
2曲目"Locomotion"(3:53) ベース・シンセサイザーのサウンドが響くエレクトロニカ・ポップなサウンドの曲です。ブラスの音色に飾られたイギリスのニュー・ウェーヴらしい質感ですね。
3曲目"Junk Culture"(4:05) 孤高に鳴り響くトランペットの調べをメインとしたインストゥルメンタルです。バックの電子サウンドをリフレインで流し、キーボードのソロで展開を聴かせています。
4曲目"Apollo"(3:37) アフリカン・ミュージックとヨーロッパのサウンドに更にヒップ・ホップともう何でもかんでもミックスした質感の曲です。段々曲が進むにつれて意外とTALKING HEADSみたいな感じになって行きますね。
5曲目"Never Turn Away"(3:56) やっと落ち着いたリズムとサウンドの曲の登場です。煌びやかにまたメロディアスな響きを聴かせるキーボードのサウンド群にゆったりとしたPAUL達の歌声が響きます。
6曲目"Love And Violence"(4:40) 金属音やホーンのサウンドをサンプルに使った電子サウンドによるエレクトロニカのサウンド満載の曲です。この曲も80年代のイギリスのサウンドと言える曲ではないでしょうか。
7曲目"Hard Day"(5:38) 電子ピアノとドラムのリズムだけから入る長いイントロを明けて登場するPAULの気だるそうな歌声が響く今で言うダウナーな曲です。変則的なリズムを聴かせるドラムのビートやこの引き摺り感は、印象に残ります。
8曲目"All Wrapped Up"(4:22) 今度は、アップ・テンポによるファンカ・ラティーナな曲の登場です。ここでははっきりと書かないですが、同じく同時期に大活躍していたあの数字の付くバンドのサウンドに非常に似ていますね。
9曲目"White Trash"(4:34) 当時良く流行ったあの鞭で叩くサウンドを全編に流したエレクトロニカ・サウンドの曲です。短い歌詞をリフレインにしたダークな電子サウンドが流れて来ます。
10曲目"Talking Loud And Clear"(4:17) 長いイントロ抜けて登場するPAULの歌声は爽やかな曲でシングル曲として当時のイギリスのチャートに11位となった曲です。やはりこのアルバムの曲のでは一際キャッチーなサウンドを聴かせています。
9曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:42分52秒 (やはり今から聴いてもニュー・ウェーヴ・ミュージックと言える質感がたっぷりと響いています)'13年1月5日更新


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写真  OUTSIDER / Some Kind Of Beautiful
 ・2009 outsider/lazzamusic    REF: KWCD219

フラメンコの国スペインからの調べ・・・

このアルバムは、スペインのバルセロナで活躍している4人組('09年現在)OUTSIDERの '09年4月25日、本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
OUTSIDERのメンバーは、DANIEL・DODDS:ヴォーカル/ギター/キーボード、JOSEF 'LARRY' MAGRINYÀ:ギター/ベース/キーボード/プログラミング、MANU・IBARRECHEVEA:ドラム、NAOMI・WEDMAN:ヴァイオリンです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、STUART・McLEAN:ドラム、CARLES・MAGRINYÀ:ベース、KIRSTEN・TINKLER:ヴァイオリン、REBECCA・MACAULEY:ヴィオラ、EDUARDO・BLANCO:トランペット/フリューゲルホーンの地元のミュージシャン(CARLES・MAGRINYÀは、現在スウェーデンで活躍中)が参加しています。

1曲目"All That I Want"(3:58) イントロの爽やかなギターの調べに乗せて気持ち良く歌うDANIELの歌声が響くギター・ポップな曲です。30秒のサンプル音源では、非常に良い所で切れてしまうのが残念ですが、この先からストリングスも加えられて心地好いサウンドが広がるのです。
2曲目"One In A Million"(5:30) 一転してマイナーコードでメランコリックさを表現したミドル・テンポのナンバーです。ビター・スウィートな歌詞に"クール" なEDUARDO・BLANCOのトランペット・ソロが堪りませんね。
3曲目"Some Kind Of Beautiful"(3:46) ストリングスの調べと少し枯れたDANIELの歌声が流れる回顧録的な歌詞(リスボンでの買い物など)が登場するこの曲もメランコリックさを感じます。
4曲目"Lover"(5:09) アメリカのS.S.W.の曲やファンクなリズムとホーンの調べなど古きモータウン・サウンドの影響を感じさせます。ロマンチックな歌詞を綴った内容で展開されています。
5曲目"Follow The Light"(3:24) 再びスローなサウンドで展開させるR&Bがゴスペル調の曲です。ヴァイオリンの切ない響きのソロとコーラスの歌声がゆったりと流れる落ち着いた調べです。
6曲目"Here Comes The Sunrise"(4:11) この曲もイントロから流れる心地好いギター(多分JOSEFのセミ・アコ)のサウンドを聴かせる曲です。美しいカッティング・ギターの弦の響きによる残響音とホーンのサウンドなどは80年代の「ネオ・アコ」の影響を強く感じるのです。
7曲目"301 To Rome"(2:54) 複数の12弦アコースティック・ギターのサウンドが登場するアンプラグド的なアコースティック・ナンバーの登場です。新天地を求めての「旅立ち」の歌をメロディアスなサウンドによって美しく響いて来ます。
8曲目"Over The Rooftops"(3:45) トロピカルなサウンドにレイドバックさせるギターの心地好い調べによるリラックス・ナンバーです。円やかホーン・アッセンブルに優しく頬を撫ぜるようなギターの調べ達です。
9曲目"No Finish Line"(4:23) ヴァイオリンよりフィドルを使ったと言った方がぴったり来るようなカントリー・ポップなサウンドの曲です。乗りの良いドラムのビートにEBowで奏でられるエレクトリック・ギターのサウンドが響きわたる所が堪らない後半も"渋い" のです。
10曲目"Weightless"(4:11) 煌びやかなアコースティック・ギターの調べメロディアスなサウンドが空間に広がる心地好い調べが良いのと少しPREFAB SPROUTのPADDYの歌声に似た歌声を聴かせるDANIELの曲です。そう言えばPREFAB SPROUTの曲に同名の"Weightless" って曲がありましたね。
全10曲歌詞付 ブックレット デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:41分17秒 (フラメンコの国スペイン、このようなギター・ポップ/カントリー・ポップなサウンドを聴かせるバンドは、この国では余り認識していないのですが、また興味深いバンドとの出会いがありましたね)'10年7月30日再更新


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