写真  DAISY / Silver Green
 ・2004 Mobbs Recordings MCPS/PRS    FOES001CD

環境保護団体がリリース・・・

スコットランドの環境保護団体の「Friends of the Earth Scotland」発足25周年を記念して '04年の11月に発売された盤です。ヴォーカルは、BBCのホームドラマなどに出演しているDAISY・HAGGARDが担当しています。CDの個性的なアートワークは、スコットランド現代アートの画家PETER・HOWSONの作です。
アルバムのライナーには、PAUL・McCARTNEYが同団体の25周年への祝辞が掲載されています。アルバムのプロデュースと演奏の大半は、AL・MOBBS(GORILLAZ etc.)が行ない曲によりスコットランドで活躍するALAN・CUTHBERTSON:プログラミング、HUGH・WILKINSON:パーカッション、JOHN・REEVES:ピアノ、CHRIS・HARLEY:バック・ヴォーカル、ROBERT・HARDMAN:スポーケン、SIMON・CHANGER:プログラミング、TOM 'FURRY' HOWE:プロデュースのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"The March Of Industry"(1:15) 1分少々の打込みのベースとドラムによるインストゥルメンタルでざっくりと表現するとART OF NOISEのサウンドスタイルに近い曲です。
2曲目"Camera Girls"(4:03) アシッドなサウンドを醸し出すサンプルによるイントロとDAISYのジャジーで優しい歌声とグルーヴ感溢れるAL・MOBBSアップライト・ベースのサウンドによる新/旧の音楽スタイルの融合した曲です。この曲のサンプル曲を聴いてCDの購入を考えました。
3曲目"The Colour Of Tears"(3:03) 一転して美しいアコースティック・ギターのサウンドによる牧歌的な曲です。DAISYの美しく響く歌声とストリングス風のサウンドを配しています。尚,この曲の歌詞はDAISYの手によって書かれています。
4曲目"Fragile"(3:40) この曲もフォーク・カントリースタイルの曲ですが、ダイナミックな展開と素晴らしいコーラスとドラムのビートが効いた曲です。
5曲目"Where The Wind Blows"(3:27) この曲もサンプルで気に入った曲で、アシッド感漂うドラムのビートと対照的な美しく魅力的なDAISYの素晴らしい歌声によるプチ・オルタナ?的な曲です。
6曲目"Come Home James"(3:07) ロック色を増したサウンドの曲でコンピュターライズされたヴォーカルを取入れたオルタナティヴ・ロックです。
7曲目"Silver Green"(3:02) ゆったりした打込みによるリズムとバックで流れる少し悲しげな音色によるオルガンでの曲です。DAISYのスポーケンも取入れた部分も挿入したオルタナティヴで美しい曲です。
8曲目"Fly Angel"(2:53) ハイコードによるハンマリング・トーンの美しいアコースティック・ギターのサウンドとその音色合わせて歌うDAISY の美しく響く歌声が非常にシンプルな曲です。
9曲目"The Leaving Of Me"(3:51) ケルトミュージック風の美しい音色のチェロのサウンドとアコースティック・ギターによるゆったりしたリズムでの心和むメロディによる曲です。
10曲目"This Land Of Mine"(3:31) ドラム・プログラムとアコースティックが上手く調和した曲で爽やかカントリー風のサウンドとDAISYの優しさ溢れる歌声による曲です。
11曲目"Moving On"(3:10) 重厚なストリングス風のサウンドと打込みサンプルを融合させた曲です。映画のサウンドトラックのサウンドと短い歌詞を繰り返し流した曲です。
12曲目"Nowhere Streets"(1:50) 2分弱程度のニュースキャスターの地球環境危機のメッセージ色の強い事柄を綴ったサンプルと打込みによる曲です。
歌詞無し 写真ライナー U.K.製 (輸入盤) 収録時間:36分56秒 (かなり特殊な仕様のCDですが、ヴォーカルのDAISY・HAGGARDの魅力溢れるアルバムです。購入は、こちらで行いました)'10年5月21日再更新


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写真  DANDELION TEA / A Picnic In Limbo
 ・2016 Dandelion Tea    

気になるバンドの一つです・・・

このアルバムは、北アイルランドのベルファーストで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドDANDELION TEAのデビュー・アルバム(6曲盤)で '16年6月30日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、(ヴォーカル以外のクレジットには詳しい演奏楽器の記載が無い為不明)JORDIE・SUNSHINEMARY・ANNE・FARENDEN:ヴォーカル、NEIL・HUGHES、SCOTT・JOSEPH・ANDERSONのDANDELION TEAの4人の他、ZAK・WHITEFIELD:ヴォーカルが参加しています。
尚、プロデュースは、ベルファーストのスタジオ・スタッフNIALL・DORANが担当しています。

1曲目"The Crystal Dawn"(3:06) 電子サウンドの転がる音色と教会で奏でられるようなハモンドの音色がイントロから心地好く流れる曲です。アコースティック・ギターを奏でながれ歌うZAKの歌声に冷やかさを感じさせます。スタジオ収録風景をメイキング風にしたビデオもどうぞ。
2曲目"19"(4:42) 昔PAUL・HARDCASTLEのヒット曲に同名の曲がありましたが、単に同名タイトルの曲です。MARY・ANNE・FARENDENとZAK・WHITEFIELDのヴォーカルによるギター・ポップな曲です。
3曲目"Lobsters In A Bucket"(1:54) 2分に満たないチェロとアコースティック・ギターの調べによる凛とした調べの曲です。この曲もMARY・ANNE・FARENDENとZAK・WHITEFIELDのデュオによる軽めの歌声が美しい響いています。
4曲目"Nylon"(3:31) この曲の歌詞の途中にアルバム・タイトルの[A Picnic In Limbo]が登場します。転がるようなキーボードとヴィブラフォンの調べにエンディングにかけて間奏されるファンクなベースのサウンドが印象的です。
5曲目"Portrait Of A Woman In A Long Coat With An Umbrella On A Windy Day"(3:19) 非常に長いタイトルの曲ですね。歌詞の中ではもっと長く「it's a portrait of a woman in a long coat with an umbrella on a windy day」と歌われるダークな曲調べに重厚な弦弦楽器の調べが響いています。
6曲目"Milk"(3:00) イギリス風の屋内管弦楽器演奏のスタイルからメロディアスのサウンドに合わせてスキャットで歌うMARY・ANNE・FARENDENの歌声が優雅さを醸し出します。
歌詞無し ライナー無し CD-R付 2折簡易ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:19分34秒 (メンバーの各々がアルバムをリリースしているこのDANDELION TEA、こらからの活動は未定ですが、気になるバンドの一つです)'16年7月18日更新


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写真  DANDELION TEA / Thank The Rocks For Catching Me!
 ・2019 Rehegoo Music Group    

MARY・ANNEをメイン・ヴォーカルに据え・・・

このアルバムは、北アイルランドのベルファーストで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドDANDELION TEAの2枚目のアルバム(4曲盤)で '19年5月21日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARY・ANNE・FARENDEN:ヴォーカル、JORDIE・SUNSHINE:ギター/シンセサイザー/ドラム/プログラミング/バック・ヴォーカル、NEIL・HUGHES、SCOTT・JOSEPH・ANDERSON:ベース/バック・ヴォーカルのDANDELION TEAの4人のようです。
尚、プロデュースは、今回もベルファーストのスタジオ・スタッフNIALL・DORANが担当しています。

1曲目"Tin Man"(3:17) '18年9月に先行リリースされたMARY・ANNEのヴォーカル曲です。JORDIEの掻き鳴らすギターの調べとSCOTTのベースのリフが躍動感を伝えて来ます。
2曲目"Life As A Theme Park Mascot"(2:53) イントロから転がるシンセサイザーの音色から掴みに掛かる曲です。しっかりと響くSCOTTのベースのサウンドと今作からメイン・ヴォーカルを務めるMARY・ANNEの爽やかな歌声が好いですね。
3曲目"Upholstery"(4:06) チェンバロとチェロ風のサウンドがイントロから響くちょっと風変わりな曲です。MARY・ANNEの歌声も中東風のこぶしを効かせた舞踏曲のようなところも感じます。尚、曲名の"Upholstery"とは「室内装飾品」とのことです。
4曲目"No Room"(3:55) この曲のもイントロからシンセサイザーの煌びやかな音色が響きます。80年代のエレクトロニカ/ファンクなベースの太っといサウンドとダンサンブルに歌うMARY・ANNEです。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:14分11秒 (MARY・ANNEをメイン・ヴォーカルに据え前作よりパワーアップしてのアルバムです!)'23年11月27日更新


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写真  DARCY / Bon
 ・2003 A West Side Fabrication    7 391946 200696

オーガニックなアコースティック・サウンド・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍していたインディーズ・バンドDARCYの '03年3月に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
DARCYのメンバーは、SAGA・ESERSTAM:ヴォーカル、HANS・ERICSSON:ギター、STEFAN・GELLIN:ドラム、RIKARD・LARSSON:ベース、NILS・AGNARSSON:ギター/ベースの5人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MATTIAS・KÅGSTRÖM:ピアノ/トランペット、ANDERS・PETTERSSON:ピアノ/ペダル・スティール、NIKLAS・VIKLUND:ギター/プロデュース、BENJAMIN・ÅKERLUND:ギター/ハーモニカ、KJELL・NÅSTÉN(THE WANNADIES):プロデュースが参加しています。

1曲目"How About Me"(3:16) ハーモニカのシンプルなサウンドと爽やかなギターのサウンドに乗せて歌うSAGAの清楚な歌声が響くポップな曲です。バンドとしてのサウンドと言うよりもSAGAのヴォーカルをメインとした曲作りと収録が行われている感じです。
2曲目"False Alarm"(3:38) 少しサウンドをエモ・ギター・サウンドの曲に近づけた質感の曲です。エモーショナルなドラムのビートと小気味よいギターのサウンドが響く乗りの良さが良いですね。
3曲目"Casino"(3:17) リズム的には、2曲目と同じ位置にある曲です。メロディとサウンドは少しメランコリックさを感じさせ、SAGAの歌声からも寂しさが伝わって来ます。
4曲目"Deliver Me From Pain"(3:50) 清らかな質感のするスウェーディシュ・ポップス然とした曲です。質素な女性ヴォーカルにシンプルな循環コードによるギター・サウンドで分って頂けるでしょう。
5曲目"This Time"(3:49) アコースティック・サウンドとSAGAの歌声が美しく響く北欧の初夏の恋をテーマにしたような感じの曲です。気恥ずかしさを少し感じながら恋の歌を歌う女性ヴォーカルって良いですね。
6曲目"The Trick"(3:43) サウンドをオルタナティヴ・ロックっぽい方向に移して来た曲の登場です。凝ったギターのエフェクトによる残響音とギミックなコード進行となかなか聴かせ所を持っています。
7曲目"Stay"(4:03) 低い調べのチェロの弓による引き延ばされたサウンドとアコースティック・ギターの爪弾き音が溶け合った心地好い響きの曲です。オーガニックなアコースティック・サウンドに乗せて歌うSAGAの甘い歌声が届けられます。
8曲目"Got To Be"(3:49) 牧歌的なサウンドによるシンプルな響きの曲です。アコースティック・ギター1本とSAGAの歌声から展開されながらカントリー・フレイヴァーな広がりを感じさせます。
9曲目"Favourite Day"(3:12) 乗り好いドラムのビードとピアノの調べによるポップな曲です。イノセントなSAGAの歌声とバック・メンバーのサウンドにトランペットのソロが心地好く響きます。
10曲目"This Is 1"(4:01) 再びカントリー・フレイヴァーなサウンドの曲の登場です。12弦アコースティック・ギターの煌びやかな調べにSAGAの美しい歌声が良いですね。曲の後半からアウトロまでアコースティック・ギターで奏でられる旅情的なインストゥルメンタルで締め括られます。
歌詞無し 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:36分43秒 ('97年頃より活動していたこのDACY、このアルバムをリリースした後の彼らの活動が不明なのが残念です)'10年5月22日再更新


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写真  DAUGHTER / If You Leave
 ・2013 4AD Ltd.    CAD3301CDJ

ELENA,IGOR,REMIの作り出す世界・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているインディー・ロック/フォーク・バンドDAUGHTERの '13年3月27日に国内でリリースされたデビューアルバムです。
DAUGHTERのメンバーは、ELENA・TONRA:ヴォーカル/ギター/ベース/ピアノ、IGOR・HAEFELI:ギター/ピアノ/プログラミング/オムニコード/バック・ヴォーカル/プロデュース、REMI・AGUILELLA:ドラム/パーカッションの3人組です。
詳しいクレジットの記載がないのですが、3人の演奏楽器については過去のEP盤やYouTubeの映像をもとに記載しています。
尚、副プロデューサーとして1曲目と9曲目にRODAIDH・McDONALD(VAMPIRE WEEKEND,SAVAGES)、7曲目にJOLYON・THOMAS(WE WERE PROMISED JETPACKS.,TROUBLES)が担当しています。

1曲目"Winter"(4:43) 幻想的なサウンドがイントロから広がるスローな曲です。途中よりワイルドなサウンドや抒情的な雰囲気へ様変わりしながら展開されるエクスペリメンタルな部分を持っています。
2曲目"Smother"(4:01) ゆっくりと奏でられるエコーの効いたギターの調べ合わせて響くELENAの優しい歌声、次第のサウンドが荘厳な響きへと広がり再び終焉に近づくにつれ弾き語りように戻って行きます。
3曲目"Youth"(4: 13) '11年2月10日にリリースされたEP盤に収録されていた曲で実質このDAUGHTERの人気を決定付けた曲でもあります。イントロからギターを爪弾きながら訥々と歌うELENAのメランコリックな歌声、途中よりダイナミックなドラムとギターのドライヴ感とヴォーカル部分のぎごちなさとの計算され尽くした調和が非常に見事です。EP盤での収録より曲調にメリハリを付けて輪郭をよりはっきりしたアレンジでの再収録となっています。
4曲目"Still"(3:32) 非常にゆったりと奏でられるギターの調べと共に登場するELENAの切なくも美しい歌声が印象的な曲です。この曲のサビの部分のリフは本当に心に染みますね。尚、この曲は、このアルバムのリリース前の先行シングル曲となっています。
5曲目"Lifeforms"(5:35) ギターの爪弾きと共にELENAのメランコリックな歌声が流れるダークな雰囲気を醸し出す曲です。ギターの弦を弓で弾くようなIGORの荒らしたサウンドが横切り、一番奥に位置するREMIのマレットで打ち鳴らされるドラムのビートに胸を打たれます。ELENAのインタビュー記事によると特にこの曲は思い入れがあるそうです。
6曲目"Tomorrow"(4:40) 幻想的で不思議なサウンドの広がりを感じさせるヒーリング音楽的な要素を持った曲です。エコーを効かせたELENAの透き通った歌声を包むように奏でられるギターとドラムのビートが印象的です。
7曲目"Human"(3:31) ローファイなギターのサウンドと叩きつけるようなドラムのビートでストレートに迫って来る曲です。途中からの転調が美しくメロディアスでやはりIGORの繊細なギター・サウンドが決まっていますね。
8曲目"Touch"(4:25) 吐息混じりに思い詰めたように歌うELENAの歌声にリピートを掛けて重ねられる歌声の波が押し寄せる曲です。恋人への想い綴った自身への葛藤を歌詞にした内容を非常に抽象的に表現した歌詞が心に響きます。
9曲目"Amsterdam"(4:02) この曲もELENAのローファイなギターの爪弾きとマイクに唇を付けて歌うように訥々と言葉を吐くようなヴォーカルが印象的な曲です。やはりバックの2人が登場するころには、本当にエモーショナルな流れになって来ますね。
10曲目"Shallows"(6:53) ギリシャの竪琴に似たような優雅な響きを聴かせるギターの調べに包まれて歌うELENAの優しい歌声が流れる落ち着いた雰囲気の曲です。効果音に近いドラムのビートが次第に加速されて、IGORのアンビエントなギターの調べもその速さに競うように流れ去ります。この曲の歌詞の中にアルバム・タイトルである[If You Leave] が登場しています。
11曲目"Smoke(Bonus Track)"(4:37) 今度は、ELENAがベースを弾いてゆったりと歌う曲です。この曲も後半から次第にサウンドの厚みを増やし壮大な広がりを感じさせます。シングル盤"Youth" のBサイド曲として収録されています。
12曲目"Drift(Bonus Track)"(3:55) 揺らぎ感のあるサウンドにドラム・マシーンによるリズムの流れと馬が駆けるような蹄の音を重ねたインストゥルメンタルです。本国では4月23日に"Human" のBサイドとしてダウンロード版がリリースされています。
歌詞/訳詞無し 写真ライナー 2折紙ジャケット仕様 ボーナス・トラック付 (国内盤) 収録時間:54分13秒 (ELENA,IGOR,REMIの3人で作り出すこの独特な音楽の世界、レーベル4ADが惚れ込んだのも頷けますネ)'13年7月24日更新
2013年度ベスト5


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写真  DAUGHTER / Not To Disappear
 ・2016 Glassnote Entertainment Group LLC.    GLS-0191-02

早3年・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているインディー・ロック/フォーク・バンドDAUGHTERの2枚目('14年のライヴ盤は含まず)のアルバムで '16年1月15日に本国でリリースされたものです。
DAUGHTERのメンバーは、ELENA・TONRA:ヴォーカル/ギター/ベース/キーボード、IGOR・HAEFELI:ギター/ピアノ/プログラミング/オムニコード/バック・ヴォーカル/プロデュース、REMI・AGUILELLA:ドラム/パーカッション/プロデュースの3人組です。 今回のアルバムの収録に参加しているミュージシャンの詳しいクレジットとメンバーによる担当楽器の記載がないので3人の演奏楽器については、過去のEP盤やYouTubeの映像をもとに記載しています。今回は、DAUGHTERの3人によるN.Y.ブルックリンでの収録となっています。
尚、プロデュースは、IGOR・HAEFELI、REMI・AGUILELLAとフランス出身N.Y.在住のNICOLAS・VERNHESと曲により共同で行われています。

1曲目"New Ways "(5:25) エコーを効かせたドラム・プログラミングによるリズムがゆったり流れる落ち着いた雰囲気が漂う曲です。ナチュラルな調べを奏でるELENAのギターの後方から入り込むIGORの突き刺すような硬質なギターの調べがコアとなる曲名通りのDAUGHTERの「新しい路」の意味を感じます。
2曲目"Numbers"(4:16) バックワードの不思議なサウンドがアクセントとなったDAUGHTERらしいギターの爪弾きが美しい調べに浮遊感漂うELENAの歌声が優しい曲です。途中より登場するREMIのドラムのビートは、前作とより力強く躍動感が更に増しています。
3曲目"Doing The Right Thing"(5:14) '15年の10月頃よりビデオで公開されているこのアルバムからの一押しの曲のようです。メロディやサウンドや1作目同様のDAUGHTERらしい暗めのイメージを強く感じさせます。
4曲目"How"(4:27) 3曲目の暗さを払拭される煌びやかなサウンドを聴かせるイントロが印象的な曲です。どことなく90年代のブリットポップ然としたサウンドの流れを感じるところが興味深いです。ビデオもどうぞ。
5曲目"Mothers"(5:21) ゆったりと奏でられるキーボード/シンセサイザーの調べとリヴァーブを効かせたギターの調べが流れるスローな曲です。DAUGHTERの3人が意識しているかどうか知らないですが、同じ年にデビューしたメンバー構成も同じのLONDON GRAMMARの雰囲気がこの曲から感じさせます。
6曲目"Alone / With You"(4:33) 多分、ELENAのポンプ・オルガンの演奏を主体とした曲と思われます。前半と後半とでは、歌詞の主旨が矛盾する内容が面白いですね。
7曲目"No Care"(2:53) 今度は、非常にスピーディに奏で歌われる忙しない曲の登場です。この辺りが前作より雰囲気が変わったとファンからこのアルバムが敬遠された理由があるのでしょうか。
8曲目"To Belong"(4:17) エコーを効かせたサウンドが空間に広がり方が堪らない曲です。切なさを伴ったELENAの訥々と歌うスタイルからベース、ドラムとギターのサウンドがアグレッシヴな盛り上がりを聴かせます。
9曲目"Fossa"(6:46) この曲も途中よりドラムのビートが攻めに徹した流れを聴かせる曲です。後半からアウトロまでインストゥルメンタルで一気に聴かせるスピーディさとアグレッシヴさは、前作より一皮剥けたと感じたのは私だけでしょうか。
10曲目"Made Of Stone"(3:52) アルバムの最後(国内盤はこの後ボーナス・トラック付)は前作の雰囲気を引継いだギターの爪弾きによるELENAの弾き語り形式による穏やかな調べの曲です。この曲も新しい試みとしてペダル・スティール風のサウンドをアクセントに用い、アウトロでは歪を持ったギターの調べを流した趣向を感じます。
全10曲歌詞付 歌詞シート 2折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:47分09秒 (月日の流れが早く感じます。デビュー・アルバムから早3年の歳月が流れたのですね)'16年4月9日更新


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写真  DAUGHTER / Stereo Mind Game
 ・2023 4AD / BEAT RECORDS    4AD0512CDJP

アルバム制作へと精力的に活動!・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているオルタナティヴ・ロック/フォーク・バンドDAUGHTERの4枚目('17年の2枚組サントラ盤[Music From Before The Storm]を含む、'14年の[4AD Session]は含まない)のアルバムで '23年4月7日に国内でリリースされたものです。
DAUGHTERのメンバーは、ELENA・TONRA:ヴォーカル/ギター/ベース/キーボード/ストリングス・アレンジ/プロデュース、IGOR・HAEFELI:ギター/ピアノ/プログラミング/バック・ヴォーカル/ストリングス・ブラス・アレンジ/プロデュース、RÉMI・AGUILELLA:ドラム/パーカッションの3人組です。
今回のアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PETER・YARDE・MARTIN:フリューゲルホーン、LETTY・STOTT:フレンチ・ホーン、JANE・SALMON:トロンボーン/ユーフォニウム、FREDDIE・PARISH:トランペット、JOSEPHINE・STEPHENSON:オーケストラ・アレンジ、MAX・RUISI:チェロ、SERGIO・SERRA:チェロ、LUBA・TUNNICLIFFE:ヴィオラ、MATTHEW・MAGUIRE:ヴィオラ、ALESSANDRO・RUISI:ヴァイオリン、ELLIE・CONSTA:ヴァイオリン、ELOISA-FLEUR・THOM:ヴァイオリン、OLIVER・CAVE:ヴァイオリン、ROBERTO・RUISI:ヴァイオリン、VENETIA・JOLLANDS:ヴァイオリン、YUME・FUJISE:ヴァイオリンのELENAのソロ・ユニットEX:REのミュージシャン達も多く参加しています。

1曲目"Intro "(0:55) アルバムの幕開きに配されたインストゥルメンタルです。様々な電子サウンドとエコーを使った前作のサントラ盤からの影響を感じさせます。
2曲目"Be On Your Way"(4:04) 相変わらず訥々と歌うELENAの歌声に続き登場するRÉMIのドラムのビートの響きか爽快な曲です。ストリングス/プログラミングを駆使した空間への音楽の広がりと響き方が素晴らしい。ビデオの方もどうぞ。
3曲目"Party"(4:28) 一転してシンプルなリズムとサウンドの曲です。陰を持ったELENAの歌声とIGORのざらついたバグパイプ風ギターの調べが調和して流れて来ます。ビデオの方もどうぞ。
4曲目"Dandelion"(3:51) 微かに響くアコースティック・ギターの音色の合わせELENAが饒舌に歌うダーク/ポップな曲です。RÉMIのバタバと鳴るドラムのリズムとIGORのエフェクト的なギターの音色とELENAのダークな歌声の3色の混ざった感じがDAUGHTERの魅力のようですね。歌詞の登場したビデオの方もどうぞ。
5曲目"Neptune"(5:25) ゆったりと奏でられるストリングスの調べと高いキーで歌うELENAの清らかでか細い歌声が響く曲です。アコースティック・ギターのシンプルな音色から次第にコーラスやリズム隊のピートを加え力強く流れを変えて行きます。この曲も歌詞の登場したビデオの方もどうぞ。
6曲目"Swim Back"(4:34) イントロのサウンドから不思議な雰囲気を醸し出す曲です。乗りの好いREMIのドラムのビートとELENAのベースかな、突き進む感が非常に好いですね。
7曲目"Junkmail"(4:05) ダークな雰囲気を伝えるアシッドな曲です。めずらしELENAがスポーケンに近い歌いぶりとバックの冷めたアシッドな演奏と鋭さを直に感じる少し方向性を変えた流れを感じます。歌詞を登場させたビデオもあります。
尚、このアルバムの収録曲は、ボーナス・トラックを除き全ての曲にビデオが公開されています。
8曲目"Future Lover"(4:13) ノイズを乗せたギターのサウンドとチャカポコと鳴るパーカッションのリズムとELENAがため息混じり歌うところがとてもDAUGHTERらしいと感じる曲です。この曲も歌詞を登場させたビデオが公開されています。
9曲目"(Missed Calls)"(1:43) 「不在着信」と題された電話に残されたメッセージまたは、電話を掛けた時のイメージを膨らませた短い曲です。この短い曲にもビデオがあります。
10曲目"Isolation"(2:37) アコースティック・ギターの爪弾きに乗せELENAのソフトな歌声が響く穏やかな調べの曲です。途中よりキーを上げてその美しい歌声を祈りのように歌うELENAの姿勢を目に浮かべます。この曲も歌詞の付いたビデオがあります。
11曲目"To Rage"(4:45) この曲もRÉMIの変則的なドラムのビートとIGORの残響音漂うギターの調べが好いですね。訥々と歌うELENAの歌声とバックの2人との曲名とは裏腹な和やかな流れが響いています。この曲も歌詞を登場させたビデオが公開されています。
12曲目"Wish I Could Cross The Sea"(3:45) サイケデリック感のあるポンプ・オルガンの逆再生音がイントロから広がる不思議な雰囲気の曲です。キビキビとしたRÉMIのドラムのビートに合わせ溜めを持ったELENAの歌声が切なく響きます。この曲も歌詞を登場させたビデオが制作されています。
13曲目"Be On Your Way(Chihei Hatakeyama Remix)"(5:59) 2曲目の曲を日本のアンビエント/ランドスケープ音楽家畠山地平氏がリミックスした国内盤ボーナス・トラックです。原曲をさらにランドスケープさを増したほぼインストゥルメンタルとなっています。
10曲歌詞/11曲訳詞付 8ページ物歌詞ブックレット 2折紙ジャケット仕様 (国内盤) 収録時間:50分30秒 (ELLENAのソロ・アルバムやサウンド・トラック盤からこのアルバムと精力的に活動しています!)'23年12月9日更新


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写真  DEACON BLUE / Raintown
 ・1987 CBS RECORDS    EPIC/SONY 28・3P-864

素晴らしいバンドやミュージシャン達が登場・・・

このアルバムは、グラスゴー出身のロック・バンドDEACON BLUEの '87年5月に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
DEACON BLUEのメンバーは、RICKY・ROSS:ヴォーカル、LORRAINE・McINTOSH:ヴォーカル、JAMES・PRIME:キーボード/バック・ヴォーカル、DOUGIE・VIPOND:ドラム/パーカッション、EWAN・VERNAL:ベース/バック・ヴォーカル、故GRAEME・KELLING:ギター/バック・ヴォーカルの6人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CHRIS・REA:スライド・ギター、BJ・COLE:ペダル・スティール、GEORGE・CHANDLER(LONDONBEAT):バック・ヴォーカル、JIMMY・CHAMBERS(LONDONBEAT):バック・ヴォーカル、JIMMY・HELMS(LONDONBEAT):バック・ヴォーカルのイギリスのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、CHRIS・REAのアルバムを手掛けたJON・KELLYが担当しています。

1曲目"Born In A Storm"(1:33) ピアノの調べに乗せて歌う少し枯れ気味のRICKY・ROSSの歌声が切なく響く短い曲です。この曲のアウトロから次の"Raintown" のイントロの繋がり方は何時聴いても鳥肌ですね。
2曲目"Raintown"(3:49) グラスゴー出身のバンドやシンガーが良く題材にする雨の都市グラスゴーでの生活を題材とした曲です。枯れたRICKYの歌声のバックから登場するLORRAINE・McINTOSHの力強い歌声がまた最高に良いのです。
3曲目"Ragman"(3:08) 躍動的な響きを放つベースのサウンドが決められた乗り良い曲です。この曲でも上手く重なり合いながら流れるLORRAINEとRICKYの歌声のバランス感覚が見事です。
4曲目"He Looks Like Spencer Tracy Now"(3:48) 面白いタイトルの曲ですが、原爆開発に携わった人物を歌詞にした内容です。曲の方は、パーカッションのリズムが心地好いミドル・テンポの流れとなっています。
5曲目"Loaded"(4:30) 今度は、爽やかさを増して来た聴き易い曲の登場です。グラスゴーに住む若者の生活を描いたような歌詞を綴るRICKYと彼をバックで支えるLORRAINEの頼もしさのある歌声が響いて来ます。
6曲目"When Will You(Make My Telephone Ring)"(5:03) この曲は非常に黒人音楽そのものと言ったゴスペルの曲です。アメリカ南部の教会での日曜日の集いで歌われるような様を感じようです。そう言えはこのような感じは、同郷であり同年にデビューしたWET WET WETにも共通するところを感じます。
7曲目"Chocolate Girl"(3:18) この曲は、非常にアメリカ的と言うかナッシュヴィル風のサウンドの曲で、ペダル・スティールの長閑で心地好い響きが流れています。曲のタイトルの比喩も興味深いですね。
8曲目"Dignity"(3:58) GRAEME・KELLINGのギターの爪弾きが冴え渡る軽めのリズム曲です。曲の中間点で登場するRICKYとLORRAINEのスキャットなどまさにこのバンドDEACON BLUEのランドマーク的な意味合いを強く感じます。
9曲目"The Very Thing"(3:33) この曲は、イギリスのロック、特にポップ・バンドのサウンドがします。軽めのリズムとポップなメロディの流れをリフレインで表現した聴き易さや歌い易さを感じます。アウトロのアレンジやフェード・アウトの仕方などは、ニューキャッスル出身のあのバンドを思い起こします。
10曲目"Love's Great Fears"(3:42) 今度は、スローな曲の登場です。この落ち着いたリズムとメロディは、非常に心地好さをしっとり感じさせます。この曲などは、他のミュージシャンがカバーしたがるのではないでしょうか。
11曲目"Town To Be Blamed"(5:22) 再びグラスゴーを歌にした内容の曲です。いつもにも増してエモーショナルに更に声を荒げて歌うRICKYの魂の叫びにも似た歌声が広がって来ます。
全11曲歌詞/訳詞付 LP盤 (国内盤) 収録時間:41分42秒 (80年代のイギリスからは、このDEACON BLUEを含み素晴らしいバンドやミュージシャン達が登場しましたね)'11年12月26日更新
1987年度ベスト5


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写真  DEACON BLUE / When The World Knows Your Name
 ・1989 CBS UNITED KINGDOM LTD.    463321 2

2枚目のアルバムの難しさをもろともせず・・・

グラスゴー出身のバンドDEACON BLUEの2枚目のアルバムで、'89年4月に本国でのリリースです。STEELY DANの曲名をグループ名にしているのはあまりにも有名な話です。
メンバーは、RICKY・ROSS:ヴォーカル/キーボード、LORRAINE・McINTOSH:ヴォーカル、JAMES・PRIME:キーボード/ブラス・アレンジ、DOUGIE・VIPOND:ドラム/パーカッション、EWEN・VERNAL:ベース/キーボード、故GRAEME・KELLING:ギターの6人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DEACON BLUE:演奏/ヴォーカル/プロデュースの他、STUART・ELLIOT:バウロン、GAVIN・WRIGHT:フィドル、MARK・FELTHAM:ハーモニカ、 DAVE・BISHOP:バリトン・サックス、JAMIE・TALBOT:バリトン・サックス、CHRIS・WHITE:テナー・サックス、PHIL・TODD:テナー・サックス、NEIL・SIDWELL:トロンボーン、PETE・BEACHILL:トロンボーン、GUY・BARKER:トランペット、SIMON・GARDENER:トランペット、WARNE・LIVESEY:シーケンスのイギリスのミュージシャン達が参加しています。
プロデュースは、曲によりDEACON BLUEの他、 WARNE・LIVESEY(THE THE,PAUL・YOUNG)とDAVID・KAHNE(NEW ORDER,THE OUTFIELD)の有名プロデューサーが担当しています。
尚、このアルバムのミキシングは、サウンドの達人BOB・CLEARMOUNTAINが行っています。

1曲目"Queen Of The New Year"(3:36) アメリカのカントリー調のサウンドとメロディを意識した曲です。後半からのサウンドのアップテンポ度は圧巻です。
2曲目"Wages Day"(3:09) イントロから乗りのよりアップテンポの曲です。RICKYの元気一杯のパワフルなヴォーカルとスピード感のあるサウンドがご機嫌な曲です。
3曲目"Real Gone Kid"(4:03) このアルバムからのヒット曲で若さと元気一杯のサウンドとメロディのDEACON BLUEの魅力を一望できるビデオクリップが作られています。
4曲目"Love And Regret"(4:48) このアルバムで1番好きな曲です。RICKYの少し枯れた歌声とLORRAINEの伸びやかな歌声とのハーモニーが非常に良いですね。心地良いリズムとポップなメロディによる当時のヒット曲です。
5曲目"Circus Lights"(4:59) イギリスのバンドらしいギターの残響音を意識したサウンドとスケール感のある曲です。LORRAINEのバック・ヴォーカルがご機嫌な雰囲気を出しています。
6曲目"This Changing Light"(5:02) 一転してハードなサウンドの曲の登場です。故GRAEME('04年10月に死去)のトレモノ・アームを使った歪ませたサウンドギターのサウンドが素晴らしい曲です。
7曲目"Sad Loved Girl"(1:11) 1分少々のジャズテイストの美しいピアノのメロディによる曲です。
8曲目"Fergus Sings The Blues"(3:54) 前作のアルバムから大きくサウンドを変化させた曲で、ブラスのサウンドを加えリズミカル更にファンキーさを増しています。RICKYのヴォーカルもよりソウルフルによりファンキーになった曲です。
9曲目"The World Is Lit By Lightning"(4:57) ポップでダンサブルなサウンドとリズムによる曲です。やはりバックのLORRAINEのヴォーカルが見事です。彼女のヴォーカルは、やはりこのバンドの魅力の1つですね。
10曲目"Silhouette"(3:18) イントロのギターとスキャット・ヴォーカルから聴かせる曲です。ファンクーなベースのサウンドによるミドル・テンポに途中からのLORRAINEの美しくパワフルな歌声が非常に印象に残る曲です。
11曲目"One Hundred Things"(3:53) ドラムのビートの効いたアップテンポの曲です。この曲でもギターのサウンドがカッコ良いです。レゲエ風のリズムからストレートなロックのサウンドと展開も凝っています。
12曲目"Your Constant Heart"(4:10) イントロのサウンドはスコットランドらしい雰囲気を持っています。エコー効かせたヴォーカルからデッドな響きのRICKY歌声を巧みに組み合わせた曲です。
13曲目"Orphans"(3:33) 幻想的なサウンドによるゆったりとしたリズムによる曲です。美しく響くLORRAINEの歌声が素晴らしい曲です。尚、この曲のキーボードは、RICKY自身が演奏しています。
全13曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット U.K.製 (輸入盤) 収録時間:50分09秒 (当時の"ネオ・アコ"ブーム中期に突然デビューした若さと元気一杯のサウンドを発散させていたバンドでした。2枚目のアルバムの難しさをもろともせず全英チャート1位に輝いたアルバムです)'10年5月22日再更新


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写真  DEARY / Aurelia
 ・2024 DEARY / SONIC CATHEDRAL    SCR295

3曲もボーナス・トラック付・・・

このアルバムは、イギリスのロンドンで活躍しているシュゲイザー/ドリーム・ポップ・デュオDEARYの3枚目(4曲 EP盤を含む)のアルバムで '24年11月1日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DEARYのBEN・EASTON:ギター/マルチインストゥルメンツ/プロデュース、REBECCA'DOTTIE'COCKRAM:ヴォーカル/ギター/マルチインストゥルメンツ/プロデュースの2人の他、SAMMY・LYNNE::ドラム/パーカッション、SIMON・SCOTT(SLOWDIVE):ドラム/パーカッションが曲により参加しています。
尚、プロデュースは、DEARYの2人とIGGY・Bと曲により副プロデューサーとしてALEX・GREAVES(FOREVER CULT)とMATT・PEELが収録に参加しています。

1曲目"Aurelia"(5:22) Delayを使ったギターの神秘的なサウンドの1分を超える長いイントロを過ぎてから登場する可愛いらしいREBECCAの歌声が耳に残る曲です。バックの各サウンドも揺らぎを持ってドリーミーな雰囲気を広げて行きます。ヴォコーダーを強く効かせ男性の声域でCHANNYの歌声でアルバムの幕を開ける曲です。
2曲目"The Moth"(3:15) この曲ですね。このDEARYの持つ怪しげな魅力に惹かれました。6月にシングル盤としてリリースされたこのアルバムから一押の曲です。怪しげながら美しい映像によるビデオも先行して紹介されています。
3曲目"Selene"(4:16) 何かを伝えようとするインディアン・ドラム風の鼓動が突き進む曲です。この曲でもREBECCAの爽やかでソフトな歌声が舞い上がるように響きます。モノクロで撮影されたビデオもどうぞ。
4曲目"The Drift"(4:09) この曲もアルバムのリリース前の9月12日に先行リリースされている曲です。素早く奏でられるギターのサウンドとBENの特徴的なギターのリフがこの曲の要となっていますね。キャッチーなリズムとメロディのこの曲も ビデオとして紹介されています。
5曲目"Where You Are"(2:16) ここに来てちょっとスローな曲の登場です。高いキーで掠れ気味の歌声を聴かせるREBECCAの歌声とメランコリックな響きを流すBENのナイロン弦ギターの優しく彼女に寄り添います。
6曲目"Dream Of Me"(5:57) 前の曲から続きのように入るこの曲もドリーミーな雰囲気を醸し出す曲です。この曲でのREBECCAの歌声をパット聴きでは、フランス語で歌っているように聴こえるのですが、CDの小さな歌詞カードに目を凝らして見つめているのですが、英語なのです。
以下は、ボーナス・トラックです。
7曲目"Can’t Sleep Tonight(demo version)"(4:17) 1曲目の長いイントロ部分を1曲としたインストゥルメンタルです。後半から少しだけREBECCAのヴォーカルが登場しています。
8曲目"The Moth(acoustic)"(2:59) アコースティック・ギターとBENのエコーを効かせたギターの音色によるこちらの方がデモ・ヴァージョンの感じがするがすます。生に近いREBECCAの歌声が一生懸命ギターを弾きながら息使いも含めて流れて来ます。
9曲目"Selene(acoustic)"(3:55) アコースティック・ギター1本によるREBECCAの弾き語りです。途中よりコーラスの入るのですが、サンプル音源を同調して流しているのでしょうか。
6曲歌詞付 袋スリーブ歌詞掲載 紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:36分29秒 (CD製作/販売元のSONIC CATHEDRALからリリース日の11月1日に間に合うよう1週間前に発送され、ちょうど11月1日に手元に届きました。前回のWHITELANDSは、発送中に行方不明となって再送付してもらったけど、今回は、大丈夫でした!)'24年11月2日更新
2024年度ベスト5


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写真  DEEP:HER / Gijoe + Emmy Curl
 ・2012 Kimahera    KH 07

EMMY CURLのまた違った一面・・・

このアルバムは、ポルトガルでインディペンデントに活躍しているDJ GIJOEとS.S.W.EMMY・CURLのコラボによるエクスペリメンタル(実験音楽)/エレクトロニカ・ポップな要素が含んだDEEP:HERの '12年1月10日に本国でリリースされたアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、EMMY・CURL:ヴォーカル/プロデュース、GIJOE:プログラミング/スクラッチ/プロデュースの2人だけのようです

1曲目"Intro"(2:04) GIJOEがスタジオ内に到着して何か音楽をこれから始めようとしている様を表現したような曲名通りの短い曲です。ターンテーブルを擦りながら少しラップのリズムを流しています。
2曲目"Night Birds"(2:32) EMMYの歌声をサンプルにしたスクラッチとシュールな口笛の響が印象的な曲です。時のオペラ風またエレクトロニカ・ポップな色合いも交えて流れています。
3曲目"Don't Delete"(2:41)スタジオでのおふざけがイントロから流れる収録がとても楽しかったと想像させる曲です。重い響きを発するシンセ・ベースのリズムに合わせて歌うEMMYと機械類を駆使するGIJOEです。
4曲目"Shout Of Love"(2:22) ドラム・シークエンスを使いリフレインによる短い歌詞を付けた曲です。美しく響くバックの歌声に淡々として刻まれる機械的なサウンドとの妙なブレンドを楽しむことにしましょう。
5曲目"Strange"(3:44) この曲もエクスペリメンタルな部分を持った曲です。スクラッチにシーケンサーによる変幻するリズムの流れと忙しなさの合間に流れる落ち着いた歌声を聴かせるEMMYです。
6曲目"Heavenly"(3:36) リズムとサウンドだけ聴いているとブラジルのMPBのような質感を感じる曲です。このアルバムをリリースした後のライヴでも演奏されているこのアルバムでは、比較的軽めの乗りを楽しめます。
7曲目"Swallow"(2:06) この曲はEMMYのソロ・アルバムの曲に通じる美しいメロディとサウンドを感じる曲です。清楚ながらも少し憂いを感じさせるEMMYの歌声とスローなドラム"ン" ベースのサウンドが響いています。
8曲目"Game"(2:56) 最初にこの曲を聴いて登場するヴァイオリンのサウンドと曲名を見て一番感じたのがリンクの衣装を纏ったカリフォルニア出身の人気ヴァイオリニストLINDSEY・STIRLINGのことだったのですが、この曲とはあまり関係ないですね。激しく鳴り響くドラム"ン" ベースのサウンドと華麗なヴァイオリンの調べは共通しています。
9曲目"White Papers"(2:18) ダウンテンポな雰囲気漂うエレクロニカのサウンドと切ない歌声を聴かせるEMMYの歌声に聴き入る曲です。後半からサウンドを上げて鳴り響くGIJOEのシーケンスによるリズムとサウンドです。
10曲目"Saturdays"(2:40) 東洋音楽を感じさせるニ胡の切ない調べとドラム・マシーンを融合させたチルアウトな曲の登場です。この曲も含み2分程度の曲が多く収録されているのですが、アウトロに近づく時には、もう少し聴いていたいと思います。
11曲目"Photoms"(2:31) 今度は、先の曲と少し雰囲気を違わせたヨーロッパ調のジャズ・エレクトロニカの雰囲気を漂わす曲です。ピアノの綺麗な調べにヴァイオリン、ドラム"ン" ベースのリズムに乗せて届けられます。
12曲目"Shame"(3:58) この曲は、ちょっとおふざけや乗りで収録されたような軽めの乗りと聴き易さを持っています。スクラッチやサンプルを駆使したダンス・ビートの曲などEMMYのイメージとは正反対な位置をEMMY自身が楽しんでいるようですね。
13曲目"Eternal"(2:48) メランコリックな調べを聴かせる切ないピアノの調べに乗せて歌う浮遊感漂うEMMYの歌声とバックの躍動的なサウンドからダウンテンポな部分まで流れるように聴かせるGIJOEです。
14曲目"Silence"(3:35) スクラッチで刻みながら聴かせるジャズ風のダブル・ベースの演奏が印象的な曲です。昔風に表現するならモダン・ジャズでしょうかね。この曲も非常にスクラッチを多用したエクスペリメンタルな要素を感じます。
15曲目"Eu Não Sou De Ninguém"(3:10) イントロから響くアップライト・ピアノ風の切ない響きとめずらしくポルトガル語で歌うEMMYの歌声のから感じるファドの要素を現代風にアップ・デートし、自問自答の歌詞を綴っているようです。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:43分08秒 (いつもならナイロン弦ギターを爪弾きながら歌う清楚なイメージのEMMY・CURLのまた違った一面を強く表現した1枚です)'13年9月7日更新
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写真
(このアルバムもEMMYに頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  DIMBODIUS / While We Fall
 ・2004 EVENCO AB.    EVENCO 03

メランコリック/エレクトロニカ・・・

このアルバムは、スウェーデンのヨーテボリでインディペンデントに活躍しているエレクトロニカ・ロック・バンド(実態はMARCUS・DIMBODIUSのワンマン・バンド)DIMBODIUSの '04年10月13日に本国でリリースされた2枚目のアルバム(デビューの5曲入ミニ・アルバムを含む)です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MARCUS・DIMBODIUS:マルチ・インストゥルメンツ/プロデュース、MARTIN・HOLMSTRÖM:パーカッション、JOHAN・LEANDERSON:ピアノの少人数での収録です。

1曲目"Not For You"(6:38) 電子音と共に打ち鳴らされるドラムのビートが広がるスペース・ロック/エレクトロニカ・サウンドの曲で、2分を過ぎたところから登場するDIMBODIUSのメランコリックな陰を持った歌声が聴く者にしみじみと伝わって来ます。
2曲目"Compulsion"(4:36) 電子ピアノを単音で演奏するチープさのあるサウンドと70年代中頃のニュー・ウェーヴ宜しく定番的なバックのサウンドから懐かしさを感じさせる曲です。無機質なサウンドとリズムの流れに合わせて淡々と歌うDIMBODIUSから彼の音楽に影響を与えて来たバンドを想像するのも楽しみの1つですね。
3曲目"December"(7:17) 心地好いピアノの調べが流れる曲で、サウンド全体の広がりが素晴らしく感じます。DIMBODIUSのヴォーカル・パートの前後にアレンジされたインストゥルメンタル部の組み合わせによる7分を超える大作です。
4曲目"Hands Let Go"(6:34) 今度は歪ませたギターのサウンドをフュチャーした少しアップテンポの曲で、ブリット・ロックからの影響を感じさせる曲です。面白いことにこの曲を聴いていると何故か日本の北海道に住むS.S.W.の曲を思い起こします。
5曲目"Things I Say"(4:52) 一転して非常にダークなイメージを感じさせるスローな曲です。次第にサウンドを厚くしながら展開される最愛の人との別れをテーマとした歌詞をメランコリックに歌い上げるDIMBODIUSです。
6曲目"Half A Lovers"(4:34) この曲もイントロから素晴らしいサウンドを聴かせる曲です。ワイドに広がるエレクトロニカのサウンドと訥々と歌うDIMBODIUSの感傷的な歌声が対照的な展開を聴かせます。
7曲目"From A Stone"(5:58) ピアノによる小さなリフレインで組み合わされたメランコリックなイメージ与える曲です。サビの部分で聴かせる吐息混じりのDIMBODIUSの歌声とこのピアノのリフレインが耳の残りますね。
8曲目"Breaking You"(7:15) 複数のエレクトリック・ギターの爪弾きの調べがクールに響く曲で、シンセサイザーの神秘的なサウンドと泣きのギター・サウンドとの絡み合いが堪らない魅力を放っています。
9曲目"Homecoming"(5:12) ソプラノ・サックス風の調べに似せたキーボードの調べと怪しげなバックの調べから期待感が溢れる曲です。淡々と奏でられるギターの爪弾きとダウナーなこのテンポの流れに暫し浸ってみよう。
全9曲歌詞付 写真ライナー スウェーデン製 (輸入盤) 収録時間:53分04秒 (次のアルバムを制作中のDIMBODIUS、リリースされるのを心待ちとしましょうか)'11年5月28日更新


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写真  DJ COME OF AGE / Hidden Souls EP
 ・2004 Soul Production    

アンビエント系ネオ・ソウル・・・

このアルバムは、スウェーデンのネオ・ソウル系のSoul Productionのプロデュースにて制作されたDJ COME OF AGEのユニットによる第一弾6曲入EP盤で '04年11月1日のリリースです。このアルバムの中心的人物DAVID・TERRZANO(イタリア人?) は現在、ドイツで活躍していて、このアルバムの続編と新譜などもリリースされているようです。
尚、各曲目の前に表示されている名称はヴォーカルを担当している人物名でSlowmoについては詳細が不明です。

1曲目"Slowmo--Simple Thoughts"(3:43) ハンド・クラップスにのせて歌うアカペラのコーラスにキーボードなどのサウンドを少しだけの収録による美しいソウル・ナンバーです。
2曲目"Jahselle--Infatuation"(4:24) スウェーデンのソウル・トリオTHE STELLARのJAHSELLEがヴォーカルを担当した曲で、彼女が中々妖艶でメロウな歌声を聴かせてくれます。柔らかいキーボードのサウンドも含んでお気に入りの曲です。
3曲目"Slowmo--U Don't Know"(3:38) ドラム・マシーンのビートに軽めのスクラッチをあしらったHIP/HOPな曲調の前半からネオ・ソウル/アーバンな曲調となったアレンジです。バックで響くアコースティック・ギターの音色も良いですね。
4曲目"Jahselle--Lost In Me"(4:16) 再びJAHSELLEのヴォーカル曲の登場です。リズム・アンド・ブルースのリズムを打込みでアップ・デートした少しエッジの効いたビートによるメランコリックなナンバーです。
5曲目"Slowmo--From A Window"(3:52) スパニッシュ・ギターの爽やかで心地好いサウンドによる曲です。スローなリズムの流に登場するギター・ソロも前に出過ぎず非常に心地好く流されるのです。
6曲目"Slowmo--U Don't Know(jazz edit)"(2;41) 3曲目の曲のヴァージョン違いで収録されています。jazz editと言うよりエレクトロニカの機械的なリズムによるリミックスのような感じで仕上げられています。
歌詞なし ライナー無し CD-R (輸入盤) 収録時間:22分36秒 (このアルバムは、数年前にCD Babyで一定額以上の購入をした場合の特典によるサービス品です。尚、現在はこのサービスは残念ながら中止となっています)'10年5月22日再更新


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写真  DOUBLE / Blue
 ・1985 POLYDOR K.K. JAPAN    KA 8602

モダン・ヨーロッパ調のサウンド・・・

このアルバムは、スイスのチューリッヒで活躍していた男性デュオDOUBLEの '85年(国内盤のリリースは '86年1月25日)にリリースされたデビュー・アルバムです。(EP盤でのデビューは '83年)
DOUBLEのメンバーは、KURT・MALOO(ヴォーカル/ギター/プロデュース)とFELIX・HAUG(ドラム/キーボード/プロデュース)は、共にチューリッヒ生まれで70年代 別々に音楽活動をしていましたが、'81年にコンビを組んだようです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、BOB・MORGAN:トローンボーン、CHRISTIAN・OSTERMEIER:サックス/フルート、THOMAS・JORDI:ベース、LIZ・McCOMB:バック・ヴォーカルなどスイス/ドイツのジャズ・ミュージシャンが参加しています。

1曲目"Woman Of The World"(3:52) '84年にシングルとしてヨーロッパでリリースされた本国でのヒット曲です。イントロから流れる怪しげなパーカッションのビートにKURTのソフトに響くヨーロピアン調の歌声が絡むこのDOUBLEの一癖あるサウンドは、一度聴くと虜になりますね。
2曲目"I Know A Place"(3:40) 今度はリズムを上げたエレクトロニカ・ポップな曲で、サウンド的には当時の英国バンドの持ち味に近い感じがします。
尚、バック・ヴォーカルで参加しているLIZ・McCOMBは、オハイオ生まれのゴスペル・シンガーで主にヨーロッパで活躍しています。
3曲目"Captain Of Her Heart"(4:35) 孤高に響くFELIXのドラムのビートにKURTのナイロン弦ギターの優しい響きが相反して融合したお洒落な感覚の曲です。当時のビデオを通じてこのDOUBLEの曲が日本へ紹介された最初の曲だったと思います。
4曲目"Your Prayer Takes Me Off"(6:20) LINNドラムのタイトなビート音とシンセ・ベースによるエレクトロニカ・ダンス・ビートの曲です。ファショナブルなサウンドに再び登場したLIZ・McCOMBのバック・ヴォーカルもアクセントになっています。
5曲目"Rangoon Moon"(4:01) 当時のアルバムでは、B面の1曲目に収録されている"チャカ・ポコ" と鳴るモダン・ヨーロピアン・テクノ・サウンドって感じかな。尚、この曲のメイキング・ビデオもYouTubeにアップされています。
6曲目"Urban Nomad"(4:55) モダン・ヨーロッパ調のサウンドとレトロなハモンドのサウンドが調和したネオ・ポルカ的な感じのする曲ですね。この曲でのKURTの歌声は、80年代の最初のテクノポップからの影響を強く感じます。
7曲目"Love Is A Plane"(3:40) ブギーとビバップが混ざり合ったような乗りで聴かせる曲の登場です。他のエレクトロニカ・ポップのバンドと少しスタンスの違いを感じさせるジャズ寄りの渋めの曲も聴かせる洒落たDOUBLEです。
8曲目"Tomorrow"(4:35) メランコリックなキーボードの調べに乗せて歌うKURTの渋い歌声が響く曲です。間奏で流れるKURTナイロン弦ギターの響きとFELIXの哀愁のある手回しオルガン風のサウンドとのコラボも切なく伝わって来ます。
全8曲歌詞付 LP盤 (国内盤) 収録時間:35分36秒 (尚、このアルバムは、2000年にスイスでリマスターCD化されボーナス・トラック付き10曲入りとなっています)'10年5月1日再更新


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写真  DOUBLE / Double
 ・1987 A&M RECORDS, INC.    A&M SP 5155

残念ながらラスト・アルバムです・・・

このアルバムは、スイスのチューリッヒで活躍していた男性デュオDOUBLEの '87年にリリースされた2枚目のアルバムです。
DOUBLEは、FELIX・HAUG(ドラム/キーボード/プログラミング/プロデュース)とKURT・MALOO(ヴォーカル/ギター/プロデュース)の2人によって '81年に組まれモントルー・ジャズ・フェスティバルでも演奏していたようです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HERB・ALPERT:トランペット、MICHAEL(MICHAL)・URBANIAK:エレクトリック・ヴァイオリン、PETER・GLENISTER:ギター、MARC・PORTMANN:ギター、CHRISTIAN・OSTERMEIER:サックス/フルート、JÜRG・GRAU:トランペット、JOHN・SPENCER・SUGDEN:マンドリン、NIGEL・WOODHOUSE:マンドリン、BEVERLY・BROWN:バック・ヴォーカル、MAXINE・BROWN:バック・ヴォーカル、GLORIA・BROWN:バック・ヴォーカルのヨーロッパとアメリカのミュージシャン達が参加しています。
尚、DOUBLEは、このアルバムをリリースした後、FELIX・HAUGは映画音楽の方面へ、KURT・MALOOは、ソロ・アルバムの制作へと別々の道を歩んで行きました。

1曲目"Fire In Disguise"(5:26) 重く響くシンセ・ベースのサウンドとタイトなドラムのビートが響くヨーロッピアン・テイストのエレクトロニカ・バラードです。前作でも哀愁のある歌声を聴かせていたKURTの「Blue」な歌声も相変わらず良い感じですね。
2曲目"Gliding"(5:02) 2曲目は、雰囲気を変えて軽めのサウンドとリズムを持ったエレクトロニカ・ポップとフュージョン系のピアノとギターのサウンドの曲です。ダークな響きのキーボードの調べの間奏からFELIXの爽やかなピアノの調べも心地良い響きです。
3曲目"Lakes In The Desert"(4:41) FELIXのシンセ・ベースとドラム・プログラミングによる中東音楽のダンス・ビートを再現した「アラビアの砂漠のオアシス」を題材にした感じの曲です。バック・ワードやサンプル/ループによって組み上げられたDOUBLEの音楽センスを堪能しましょう。
4曲目"Circles"(5:13) 単一音で奏でられる高いキーでのピアノの調べが非常に印象的なダウンビートの曲です。細かく刻まれるギターのカッティングとパーカッションの心地好い響きにどこかで聴き覚えのあるアコーディオンによるスパイ映画のテーマ・ソング似と結構盛り沢山の要素が含まれているようです。
5曲目"Prove Your Love"(3:51) FELIXの美しいピアノの伴奏に合わせて訥々と 歌うKURTのノクターンです。複数の打楽器によるワイドな広がりを終盤に聴かせるアレンジなんかも洒落ていますね。
6曲目"(You Don't Let Me Get)Close Enough"(4:46) 当時のLP盤では、B面の最初に収録されている乗りの良い大好きな曲の登場です。この曲では、イギリスのギタリストPETER・GLENISTER(ALISON・MOYET,BRYAN・FERRY)が物凄いギターのソロを弾いています。また、バックの女性ヴォーカルの歌声のエモーショナルな響きです。
7曲目"Silent Mountain"(4:39) 今度は、少し肩の力を抜いて来たポップなサウンドの曲です。ビートルズ・ライクなピアノの調べと女性バック・ヴォーカル隊を従えてのKURTの歌声が届けられます。また、ソウルフルなMARC・PORTMANNのギター・ソロもご機嫌に響いています。
8曲目"Devils Ball"(4:30) この曲のハイライトは、やはりHERB・ALPERTのトランペットじゃないでしょうか。HERB '79年のヒット曲"Rise" でのトランペットのサウンドに魅了されたDOUBLEの二人がロス・アンゼルスまで収録に来たのは、HERBの音を入れたかったのでしょう(逆にHERBが吹くから彼自身のレーベルからリリースされたのかも ?)。この曲には、もう一人凄い演奏を聴かせいるポーランド出身のヴァイオリニストMICHAEL・URBANIAKの「悪魔」を表現した演奏が圧巻です。また、後半からは、FELIX がクラシック音楽からの影響を感じさせるダイナミックなピアノの演奏も流石ですね。
9曲目"Wrong Time"(1:55) 2分を少し切る小さなKURTのナイロン弦ギターによる弾き語りで、曲もKURTによって書かれています。メランコリックなボサ・ノヴァ調の調べに乗せてKURTの優しい歌声が響いて来ます。
10曲目"Megarhythmdance"(5:14) FELIXの書いた映画音楽のような叙情的なインストゥルメンタルです。ドラマッチックなピアノ・アレンジにアフリカン・ドラムのようなエモーショナルなビートが何度も押し寄せる流れがFELIXのこれからの音楽活動の新天地を見出しているように感じて仕方ないのですが。
9曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:45分17秒 (尚、このアルバムは、'07年にスイスでリマスターCD化されボーナス・トラック付12曲入として再発売されています)'10年5月2日再更新


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写真  THE DREAM ACADEMY / The Dream Academy
 ・1985 Warner Bros. Records Inc.     WPCR-1098
 ・1985 WEA International Inc.    UK:BYN6 240735-1

THE DREAM ACADEMYの記念すべきファースト・アルバムです・・・

このアルバムはロンドンで活躍していたTHE DREAM ACADEMYの記念すべきファースト・アルバムで '85年11月本国でのリリースです。 メイン・プロデュースは、DAVID・GILMOUR(PINK FLOYD)が担当しています。DAVIDのアルバムにNICKが詞を提供した事によるつながりです。
THE DREAM ACADEMYは、NICK・LAIRD-CLOWES:ヴォーカル/ギター/ハーモニカ/プロデュース、GILBERT・GABRIEL:キーボード/バック・ヴォーカル、KATE・ST.JOHN:木管/金管楽器/ピアノ/バック・ヴォーカルの3人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、THE DREAM ACADEMYの3人の他、DAVID・GILMOUR:ギター、PETER・BUCK(R.E.M.):ギター、GREG・DECHERT:キーボード、GUY・PRATT:ベース、PINO・PALLADINO:ベース、MICKEY・FÉAT:ベース、CHUCHO・MERCHAN:ダブル・ベース、GARY・BARNACLE:テナー・サックス、DAVID・DEFRIES:トランペット、LUIS・JARDIM:パーカッション、BENEDICT・HOFFNUNG:ティンパニー/ヴィブラフォン/パーカッション、BOSCO・DE・OLIVEIRA:パーカッション、DAVE・MATTACKS:ドラム、JAKE・LE・MESURIER:ドラム、TONY・BEARD:ドラム、JO・WALTON:チェロ、LUCIA・SKIDMORE:チェロ、ADAM・PETERS:チェロ、DEREK・ADAMS:バック・ヴォーカル、JUNE・LAWRENCE:バック・ヴォーカル、SANDRAE・LAWRENCE:バック・ヴォーカル、COLETTE・WALKER:バック・ヴォーカル、CARON・WHEELER:バック・ヴォーカル、SAM・BROWN:バック・ヴォーカルのイギリスとアメリカのミュージシャン達が多く参加しています。
尚、国内盤のCD化は '97年に行われ、そのライナーにはNICKのバンド結成に至る経緯とアメリカに出向きPAUL・SIMONから作曲の手解きを受けたなど興味深い解説付きです。

1曲目"Life In A Northern Town"(4:19) 美しいストリングとギターの爪弾きによるイントロとダイナミックな打楽器のインパクトの効いたビートによるTHE DREAM ACADEMYの代表作です。北国の生活を叙情的に描いた内容の曲で当時のビデオクリップの撮影は、NICKの曲のイメージを演出する為、ヨークシャーの凍てついた荒野での撮影でNICKは、寒さに参ったらしいです。日本のT.V.での演奏風景は、YouTubeでもどうぞ。
2曲目"The Edge Of Forever"(4:23) THE DREAM ACADEMY結成前にTHE ACTと名乗って活動していたNICKとGILBERTは、あるパーティーでオーボエを吹いていたKATE・ST.JOHNと知り合い早速、彼女をバンドに誘ったらしいです。この曲はサウンド・イメージを無限に広げてくれる彼女のクラッシック音楽での教育と素晴らしいクラリネットとサックスの演奏が見事に調和した曲です。
3曲目"(Johnny)New Light"(4:22) NICKのハーモニカとギターのカッティング・ビートの効いたアップテンポの曲です。3人の熱いコーラスと大きなスケール感がこの曲の最大の魅力です。
4曲目"In Places On The Run"(4:27) 幻想的なサウンドとスローなビートによる曲でKATEの清涼感溢れるオーボエの音色が堪りません。
5曲目"This World"(5:07) ロンドンの都会の喧騒のS.E.使ったイントロの曲でNICKの熱い歌声によるクラシック音楽とギター・ポップの融合したセンスの良い曲です。
6曲目"Bound To Be"(3:08) 一転して非常にファンクなアップテンポのビートの曲です。サウンド的にはLEVEL42のブリティッシュ・ファンク・ミュージックに通じる曲でDAVID・GILMOURのギターのカッティング・サウンドが素晴らしい曲です。
7曲目"Moving On"(5:14) アメリカ的なアーバンを感じさせるファンク・ソウルなミドル・テンポのバラードによる大好きな曲です。このメロディとサウンドは、このままBOZ・SCAGGSが歌ってもおかしく無いくらいメロウでスムースな感じ曲です。GUY・PRATTフレットレス・ベースの優しいサウンドでの間奏も見事です。
8曲目"The Love Parade"(3:47) THE DREAM ACADEMYらしいポップで非常に美しいメロディとロマンチックな歌詞の内容でハーモニーも申し分なしの曲です。ビデオもどうぞ!
9曲目"The Party"(5:07) この曲は、AZTEC CAMERAのRODDY・FRAMEのサウンド・スタイルに似たギターサウンドを主体とした曲です。このアルバムがリリースされる2年前にRODDYは、[High Land,Hard Rain]で一足先にデビューしています。
10曲目"One Dream"(2:32) NICKの弾き語りに近いシンプルな曲でアップライト・ベースとトランペット配したサウンド・アレンジでの曲です。
・全10曲歌詞/訳詞付 20ページ物ブックレット (国内盤)
・全10曲歌詞付 LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:42分31秒 (ジャケットの写真は、レコード盤の写真を掲載しています。CDではメンバーの部分をアップにした物が採用されています)'10年5月24日再更新
1985年度ベスト5


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写真  THE DREAM ACADEMY / Remembrance Days
 ・1987 Reprise Records    32XD-849
 ・1987 Reprise Records    9 25625-1

繊細的なサウンド、透明なメロディ・・・

このアルバムは、'87年12月国内にてリリースされたTHE DREAM ACADEMYの2枚目のアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NICK・LAIRD-CLOWES:ヴォーカル/ギター/ハーモニカ/プロデュース、GILBERT・GABRIEL:キーボード/バック・ヴォーカル、KATE・ST.JOHN:木管/金管楽器/ピアノ/バック・ヴォーカルの3人の他、LINDSEY・BUCKINGHAM:ギター/ベース/キーボード/バック・ヴォーカル/プロデュース、NICKY・HOLLAND:キーボード/ベース・シンセサイザー、LARRY・FAST:キーボード、PATRICK・LEONARD:ベース・ドラム・キーボード・プログラミング/プロデュース、HANS・ZIMMER:プログラミング、GUY・PRATT:ベース、ROBIN・SMITH:ベース・プログラミング、PAUL・CARRACK:ピアノ、JERRY・MAROTTA:ドラム、PAUL・BROOK:ドラム・プログラミング、DAVID・PALMER:ドラム、MUZZY・ISMAIL:パーカッション、BENEDICT・HOFFNUNG:パーカッション、ADAM・PETERS:チェロ、ANDREW・WILLIAMS:バック・ヴォーカル、DAVID・WILLIAMS:バック・ヴォーカル、J.D.SOUTHER:バック・ヴォーカル、MICHAEL・OSTIN:バック・ヴォーカル、DEREK・ADAMS:バック・ヴォーカル、JUNE・MONTANA:バック・ヴォーカル、DEREK・ADAMS:バック・ヴォーカルの錚々たるミュージシャン達です。
尚、プロデューサーは、巨匠HUGH・PADGHAM(THE POLICE,GENESIS)とNICK自身が行っています。

1曲目"Indian Summer"(4:57) 海の潮騒とかもめの泣き声のサウンドに混じって登場するNICK・LAIRD-CLOWESの優しい歌声によるミドル・テンポのナンバーです。サビの部分は、THE DREAM ACADEMYらしい躍動的で木管楽器の持つナイーブな音色が特徴的なシングルカット曲です。ベースとプロデュースにLINSEY・BUCKINGHAM(FLEETWOOD MAC)が参加しています。
2曲目"Lesson Of Love"(4:40) イントロが美しい曲ですね。デビュー・アルバムの繊細的なサウンドにコーラスとパーカッションで力強さを付け加えたようなサウンド・アレンジです。
3曲目"Humdrum"(4:18) NICKの高いキーでの歌声による曲でエコーの効かせ方と荘厳な美しいストリングスの響きによるブリティッシュらしい雰囲気が伝ってきます。間奏でのGILBERT・GABRIELのキーボードの美しいこと。
4曲目"Power To Believe"(5:15) 次のアルバムに収録されている"Lowlands" のサウンドに似た曲で、ケルト音楽の影響を感じる透明さと荘厳さを持ったスローな流れです。特筆すべきは、静寂さの中に広がるKATE・ST.JOHNのバック・ヴォーカルの歌声が美し過ぎますね。
5曲目"Hampstead Girl"(3:42) パーカッションの躍動的なリズムを全面に出したポップな曲です。バック・コーラスのKATE・ST.JOHNの歌声が見事ですね。
6曲目"Here"(4:24) この曲もアイリッシュ・ミュージックの影響を感じる曲でシンプルなアコースティック・ギターの調べとKATEのオーボエと屋内で奏でられる弦楽合奏での小規模編成協奏曲のようです。
7曲目"In The Hands Of Love"(4:50) 一転してロックらしいビートとサウンドの曲の登場です。ドラムは、ベテランJERRY・MAROTTA、ピアノPAUL・CARRACK、ベース・シンセサイザーNICKY・HOLLANDと物凄いミュージシャン達です。
8曲目"Ballad In 4/4"(3:59) アコースティック・ギターを掻き鳴らしながら歌うNICKの少し違った恋愛感を歌詞に綴った曲でハーモニカもNICK自身で演奏しています。
9曲目"Doubleminded"(3:53) ファンキーなベースのサウンドを打込みで収録し、THE DREAM ACADEMYのサウンドを少し違った方向に向かわせた曲です。
10曲目"Everybody's Gotta Learn Sometime(Korgi's cover)"(3:43) THE KORGIS '80年UKで第5位になったヒット曲のカバーです。哀愁のあるサビのメロディとKATEのクラリネットの音色が胸を打ちますね。
11曲目"In Exile(For Rodrigo Rojas)"(6:43) 多分、南米チリのデモ活動中に19歳の若さで亡くなったカメラマンRODRIGO・ROJAS・DENEGRIに捧げられた曲です。 パートによっては、NICKのめずらしくエモーショナルに歌う曲でロカビリー風のアレンジとデモ隊とパトロール隊の喧騒を組曲にした6分を超える鎮魂歌(レクイエム)です。
・全11曲歌詞/訳詞付 2折り写真ライナー (国内盤)
・全11曲歌詞付 LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:50分28秒 (素晴らしいミュージシャンが登場した80年代のブリティッシュ・ミュージック・シーン。THE DREAM ACADEMYも紛れもなくその中に入ります)'10年5月25日再更新
1987年度ベスト5


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写真  THE DREAM ACADEMY / A Different Kind Of Weather
 ・1990 Reprise Records    WPCP-4004

THE DREAM ACADEMYの卒業アルバムです・・・

このアルバムは、'91年の年明けにリリースされたTHE DREAM ACADEMYの3枚目のアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NICK・LAIRD-CLOWES:ヴォーカル/ギター/キーボード/バンジョー/プロデュース、GILBERT・GABRIEL:キーボード/バック・ヴォーカル/プロデュース、KATE・ST.JOHN:木管/金管楽器/ピアノ/バック・ヴォーカルの 他、DAVID・GILMOUR:ギター/ベース/シンセサイザー・べース/バック・ヴォーカル/プロデュース、STEVE・LAMBERT:ギター/ハープ/プロデュース、SIMON・TYRELL:プログラミング、JON・CARIN:キーボード/プログラミング、ANTHONY・MOORE:プログラミング、DAVID・COULTER:ウクレレ、GUY・PRATT:ベース、PINO・PALLADINO:ベース、BENEDICT・HOFFNUNG:パーカッション、GARY・WALLACE:ドラム、PETE・THOMAS:ドラム、MUZZY・ISMAIL:チベット寺院ベル、GUARANGI・DEVI・DASI:バック・ヴォーカルの多国籍なミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Love"(3:44) ご存知、JOHN・LENNON '71年の名曲です。THE DREAM ACADEMYらしいくもありインド音楽とのコラボ・アレンジで90年代に蘇らしています。この曲は、必聴です。
2曲目"Mercy Killing"(4:44) NICKが熱く歌います。バック・ヴォーカルが効果的にこの曲を盛り上げています。DAVID・GILMOURのベースも聴きものです。
3曲目"Lucy September"(3:06) ギター・サウンドが響く曲で、少しAZTEC CAMERAの曲調に似たところを感じます。
4曲目"Gaby Says"(5:04) 電話の呼出し音で幕が開く曲で段々壮大なスケールに変化します、アルバム前半のクライマックスです。
5曲目"Waterloo"(5:04) イントロでのシンセの音が物悲しく、NICKのヴォーカルにより一層悲しみを与えています。KATEのソプラノ・サックスソロで幕を下ろします。
6曲目"Twelve-Eight Angel"(4:19) きれいなハーモニーを聴かせてくれる楽しい感じのする楽曲です。
7曲目"St. Valentine's Day"(2:45) この曲も楽しい感じのする楽曲です。
8曲目"It'll Never Happen Again"(3:32) TIM・HARDENの '66年スロー・バラードのヒット曲です。GILBERTのキーボードとDAVID・GILMOURのエッジの効いたギターが悲しみを誘います。
9曲目"Forest Fire"(4:15) ゆったりとしたリズムにDAVID・GILMOURがプロデュース以外にここでも素晴らしいギター・ソロで参加しています。
10曲目"Lowlands"(3:47) シングル・カットされた曲なのでお馴染みですね。お酒のCMに使われたので記憶されている方も居られるのでは?
11曲目"Not for Second Prize"(2:54) NICKの弾語りでこのアルバムは幕を閉じます。
全11曲歌詞/訳詞付 12ページ物ブックレット (国内盤) 収録時間:43分18秒 (THE DREAM ACADEMYは、このアルバムをもって解散で文字通りTHE DREAM ACADEMYの卒業アルバムです。もっと活動を続けて欲しかったものです。しかし彼らは3枚(ベスト/コンピ/ファン・リリースは含んでいません)の素晴らしいアルバムを残してくれました)'10年5月25日再更新
1990年度ベスト5


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写真  THE DREAM ACADEMY / Somewhere In The Sun…
 Best Of The Dream Academy
 ・1999 Warner Music Japan Inc.    WPCR-10571

日本企画のベスト・アルバム・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍していたロック/ポップ・バンドDREAM ACADEMYの '99年11月10日、国内でリリースされた過去3枚のアルバムからとシングル曲からのピックアップによる日本企画のベスト・アルバムです。
THE DREAM ACADEMYのメンバーは、NICK・LAIRD-CLOWES:ヴォーカル/ギター/ハーモニカ/プロデュース、GILBERT・GABRIEL:キーボード/バック・ヴォーカル、KATE・ST.JOHN:木管/金管楽器/ピアノ/バック・ヴォーカルの3人組で、'85年にデビューし3枚のアルバムをリリースした後の '91年に一度ツアーに出た後GILBERTとKATEがソロになる為、バンドを離れ惜しくも解散してしまいました。
尚、各曲の詳しいレビューと収録に参加しているミュージシャンについては、オリジナル盤の項を参照願います。仕様の違う部分のみ加筆掲載を致します。

1曲目"Life In A Northern Town(Extended)"(5:19) オリジナル曲より1分間延長され後半2分間にはREMIXされています。'85年の12インチ・シングル盤にてリリースされています。
2曲目"Ballad In 4/4"(3:58) '87年の[Remembrance Days] に収録されている曲です。
3曲目"Power To Believe"(5:14) この曲も '87年の[Remembrance Days] に収録されている曲です。
4曲目"Lucy September"(3:07) '90年の[A Different Kind Of Weather] に収録されている曲です。
5曲目"Twelve-Eight Angel"(4:19) この曲も '90年の[A Different Kind Of Weather] に収録されている曲です。
6曲目"One Dream"(2:32) '85年のデビュー・アルバム[The Dream Academy] に収録されている曲です。
7曲目"Hampstead Girl"(3:40) '87年の[Remembrance Days] に収録されている曲です。
8曲目"This World"(5:07) '85年の[The Dream Academy] に収録されている曲です。
9曲目"The Love Parade"(3:46) '85年の[The Dream Academy] に収録されている曲です。
10曲目"It'll Never Happen Again"(3:31) '90年の[A Different Kind Of Weather] に収録されている曲です。
11曲目"Love(Hare Krishna Mix)"(7:01) オリジナル曲は、'90年の[A Different Kind Of Weather] に収録されている曲で、3分50秒あたりを過ぎた頃から打ち込みとREMIXが激しくなって行きます。
12曲目"Indian Summer"(4:55) '87年の[Remembrance Days] に収録されている曲です。
13曲目"In Places On The Run"(4:27) '85年の[The Dream Academy] に収録されている曲です。
14曲目"(Johnny) New Light"(4:23) '85年の[The Dream Academy] に収録されている曲です。
15曲目"Party(Acoustic Version)"(3:32) オリジナル曲は、'85年の[The Dream Academy] に収録されている曲で、このアルバムでの収録は、当時のデモ音源のようなギター1本でのNICKの弾き語りによる曲です。収録状態は余り良好でないモノラルに近い収録です。
16曲目"Please Please Please Let Me Get What I Want"(3:06) '86年にリリースされたシングル盤に収録されている曲です。オリジナル曲は、THE SMITH '84年の曲です。NICKのアコースティック・ギターにハモンドとオーボエの調べが穏やかなTHE DREAM ACADEMYらしい曲調に仕上がっています。
17曲目"Waterloo"(5:02) '90年の[A Different Kind Of Weather] に収録されている曲です。
18曲目"Lowlands"(3:46) '90年の[A Different Kind Of Weather] に収録されている曲です。
全18曲歌詞/訳詞付 写真ライナー (国内盤) 収録時間:76分45秒 (2014年7月28日にリリースされる[The Morning Lasted All Day]( Life In A Northern Townの歌詞の一節でPAUL・SIMONにタイトル替えを薦められたエピソードを持つ)の2枚組も楽しみですね)'14年7月16日更新


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写真  DUSZNO / Washed Ashore
 ・2023 6040588 Records DK    

東ヨーロッパのシュゲイザー・・・

このアルバムは、ポーランドの首都ワルシャワで活躍しているシュゲイザー/ドリーム・ポップ・バンドDUSZNOのデビュー・アルバム(4曲 EP盤は含まない)で '23年11月6日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、クレジット記載が無い為、不明です。

1曲目"Shore"(3:55) イントロのアコースティック・ギターの音色から惹かれた曲です。力強いストロークで奏でられるギターの音色にきりっとした女性ヴォーカルに荒らしたノイジーなギターの音色がアクセントとなって次第にシュゲイザーな世界と誘います。歌詞の方は、東ヨーロッパの国らしく「ちょっと鬱積した世界観」を表現しているようです。
2曲目"Surface"(5:03) この曲もイントロから美しいギターの音色が広がる曲です。メランコリックなメロディとサウンドが耳に残ります。ヨーロッパの誰かの音楽と共通するサウンドだと思うのですが、誰か思い出せない苛立ちを覚えます。歌詞の方は、「タロットカード」のお告げからインスパイアさたようです。この曲もバックのギタリスト達のサウンド群が非常に美しい流れを演出しています。
3曲目"Sinking"(4:10) リヴァーブを効かせた浮遊感漂うギターの調べとこれまたきりっと歌う女性ヴォーカルの歌声が広がるドリーム・ポップ/ロックな曲です。硬質の金属音のようなギターのサウンドとリズミカルなドラムのビートが体を揺さぶります。
4曲目"Sunlight"(6:06) 6分を超える長尺な曲です。穏やかな響きの1分を超えるイントロからこれまたきりっと歌う女性ヴォーカルと荒らしたギターの音色によるシュゲイザーなイメージの曲です。後半から更にノイジーな流れにメロディアスなギターを奏でられながら過ぎ去って行きます。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:19分14秒 (今まであまり東ヨーロッパのインデペンデント・ミュージシャン達の音楽に接していなかったのですが、Bandcampを通じて購入できるようになり、色々知れるようになりました!)'24年12月20日更新

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写真  DYNAMO 77 / And The Republic Of Angels
 ・2007 Unagi Produktion    UP02

理屈抜きのギター・ポップ・・・

スウェーデンStockholmの南西部の都市Linköpingで活躍しているDYNAMO 77の '07年の2枚目のアルバムです。このバンドのメンバーは、JOAKIM・PAULSSON:ヴォーカル、MAGNUS・SAMUELSON:ベース、OLLE・JONZON:ギター/ヴォーカル、DAVID・PÄRSSON:キーボード、LARS・SÖDERBERG:ドラムの5人組に曲により女性ヴォーカリストのPATRICIA・JOHANSSONが参加しています。

1曲目"A Pet Sound"(3:24) インディアン・ドラムのようなサウンドを発するドラムのビートと細かく弾かれるギターの調べによる曲名通りギター・ポップな曲です。ギターのサウンドの裏側で響くキーボードのサウンドは一時期のブリティッシュ・ニューウェーブの香りがしています。
2曲目"Let Summer Guide You Home"(3:16) この曲もLARS・SÖDERBERGのドラムのビートが特徴的な曲となっています。サウンドとメロディは非常にオーソドックスなブリット・ロックのバンドに通じるものを感じさせます。
3曲目"Stars Line Up"(4:49) 少しテンポを落として来たメロディアスな曲の登場です。スウェーデンのバンドが得意なメランコリックなメロディ路線に訥々と歌詞を繰り出す歌い方は常套手段と言うところでしょうか。
4曲目"Better Days"(2:59 理屈抜きに自分たち音楽を楽しんで欲しいと言いたげなギター・ポップな曲です。イントロから曲の終りまで明るく爽やかなペット・サウンドを繰り広げています。
5曲目"The Good Life"(3:10) ピアノのサウンドとアコースティック・ギターのサウンド主体とブリティシュ・ポップな曲です。JOAKIM爽やかな歌声とアコーディオンの調べからオーガニックなテイストを感じさせます。
6曲目"Svenska Visan"(1:33) 1分半程度の美しく響くエレクトリック・ギターの調べによるインストゥルメンタルです。単音で丁寧に弾かれるギターの調べでちょっと一服な感じでしょうか。
7曲目"The Ballad Of J And M"(2:57) イントロではピアノの伴奏に合わせて歌うJOAKIMのシンプルな歌声による曲ですが、途中より女性ヴォーカルと歪ませたギターのサウンドが加えられサウンドに厚みを持たせて展開させて行きます。
8曲目"Go!"(3:18) この曲のイントロから鳴るギターのサウンドでアルバム全体を聴いてみたくなった曲です。非常に聴くものにインパクトを与える、とにかくかっこ良いエッジのあるギター・サウンドのオンパレードな作りなのです。
9曲目"January 21"(3:20) ヒーリング効果を与えそうに厳かに弾かれるギターの調べが心地好い曲です。母国の冬景色を曲に表現したのでしょうか。長いイントロに続いてスキャットで歌うJOAKIMの歌声が登場します。
10曲目"Martin"(5:50) 2曲続けて浮遊感漂う心地良いメロディとビートによる曲になっています。前の曲と一対となったようなメロディ・ラインとサウンドの流れを感じます。後半はU2並みにダイナミックに展開したサウンドを聴かせてくれます。
歌詞無し ライナー無し 紙ジャケット仕様 スウェーデン製 (輸入盤) 収録時間:34分38秒 (本国でも無名に近いインディーズ・バンドのDYNAMO77ですが、精力的にアルバム作りを展開中です)'10年5月25日再更新


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写真  D'SOUND / Spice Of Life
 ・1996 POLYDOR K.K.    POCP-7228

何故か、かぼちゃを持ったSIMONEにちょっと驚き・・・

このアルバムノルウェーのオスロ周辺で活躍するジャズ/ロック・バンドD'SOUNDの '97年5月25日、国内でリリースされたデビュー・アルバムです。
本国では '96年"Real Name" (4曲ヴァージョン)でシングル・デビューに続き、同[Spice Of Life]をリリースしています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SIMONE・LARSEN:ヴォーカル、KIM・OFSTAD:ドラム、JONNY・SJO:ベースの他、BJØRN・CHARLES・DREYER:ギター、BØRGE・PETTERSEN・ØVERLEIR:ギター、ØYVIND・KRISTIANSEN:キーボード、STEIN・AUSTRUD:オルガン、NILS・PETTER・MOLVÆR:トランペット、KIRSTEN・TUNGELAND:バック・ヴォーカル、ESPEN・BERG:プログラミング/サンプル/プロデュース、JAN・BANG:プロデュースのノルウェーのベテラン達が参加しています。

1曲目"Good Man, Good Girl"(3:40) イントロから痺れるジャジーなサウンドです。フェンダー・ローズの渦巻くサウンドと半音ずつ下がる美しいハーモニーがSTEELY DAN風(誰かが言っていましたね)に"クール" で渋い感じで伝わって来ます。
2曲目"Smooth Escape"(4:36) SIMONEのしっとり歌うヴォーカルが心に心地好く響いて来ます。ライヴでよく演奏されるD'SOUNDの初期のヒット曲で、ファン御用達のナンバーです。尚、この曲には数種類のヴァージョンが存在していてこのアルバムでは、比較的スローなアレンジの物が収録されています。
3曲目"Love Is On My Way"(3:02) さり気無く入るスムーズなジャズ・ギターのソロがとてもお洒落な響きと適度な奥行きで奏でらえるところが大好きな曲のです。また、この曲を聴くといつも鳥肌が立ちますよ。
4曲目"All I Wanna Do"(3:54) この曲は非常にフランスのバンドの曲のような洒落た雰囲気を感じます。SIMONEやバックのスキャト・ヴォーカルがただものでは有りませんネ。
5曲目"Saturday Night Lies"(4:25) KIM・OFSTADのドラムの硬質のドラムのビートに合わせて歌うSIMONEの女心の真の意味はどうなのでしょうか?切ない響きがしっとりと流れるバラードです。
6曲目"Real Name"(3:50) 巧みなメロディ・ラインが流れるこの曲もフェンダー・ローズのサウンドが効果的にアレンジされています。バックでカッコ良く刻むギターのサウンドが堪りませんね。
7曲目"It Isn't All That Easy" 少し無機質にしたドラムのビートにスムーズなハーモニーをアレンジした洒落たナンバーです。明るいメロディとは裏腹に重い内容の歌詞となっています。
8曲目"Sunshine Philosophy"(3:46) KIM・OFSTADの作り出す一風変わったドラムのビードとSIMONEの卓越したヴォーカルが一体化してこのバンド独特のサウンドを作り上げています。
9曲目"Spice Of Life"(3:47) ややアバンギャルドのアレンジににしたアシッド・ジャズ・フレーヴァーの味付けが曲名通りスパイスとして効いています。
10曲目"Slow Dancing, French Kissin"(4:54) スローなリズムにSIMONEのヴォーカルが泣かせます。ライヴではリズムとヴォーカル・アレンジを変えて演奏されるこの曲もライヴの定番曲となっています。
11曲目"I Know It Will Be"(3:46) ギターのカッティング・サウンドが爽やかでハーモニーとトランペットの音色が美しい曲です。この曲では、高域で少し枯れた歌声を聴かせるセクシーなSIMONEの歌声も魅力的です。
12曲目"Missing You"(2:36) オリジナル収録曲のアルバムでは、このSIMONEのアコースティック・ギター1本での弾き語りが最後の曲となっています。
13曲目"Sigh:国内盤ボーナストラック"(2:19) SIMONEの弾き語りで、後にリリースされる4枚目のアルバム[Doublehearted]にも収録されています。
14曲目"You Will Rise(Live):国内盤ボーナストラック"(4:13) 本国で行われたご機嫌なライヴでの収録です。アドリヴを巧み使いながら演奏を盛り上げる彼らがライヴ・バンドである事がよく伝わって来ます。
12曲歌詞/訳詞付 カラージュエルボックス仕様 10ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:52分23秒 (このアルバムの洒落たサウンドで、すっかり彼らの虜になりました)'06年1月9日更新
1996年度ベスト5


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写真  D'SOUND / Beauty Is A Blessing
 ・1998 PolyGram A/S,Oslo-Nolway    POLYDOR 557 766-2
 ・1998 PolyGram A/S,Oslo-Nolway    POLYDOR POCP-7360

SIMONEのシースルーにちょっと驚き・・・

このアルバムは、ノルウェーで活躍するD'SOUNDのセカンド・アルバムで本国では '98年にリリースです。
尚、国内盤のリリ−スは、99年1月20日となっています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SIMONE・LARSEN:ヴォーカル、KIM・OFSTAD:ドラム、JONNY・SJO:ベース/バック・ヴォーカルのD'SOUNDのメンバーの他、BJØRN・CHARLES・DREYER:ギター、BØRGE・PETTERSEN・ØVERLEIR:ギター、MAT・JOHANSSON:ギター、ØYVIND・KRISTIANSEN:キーボード、STEIN・AUSTRUD:シンセサイザー/オルガン/ヴォコーダー、ESPEN・BERG:シンセサイザー/プロデュース、JOHAN・BORGSTRÖM:サックス、ARVE・HENRIKSEN:トランペット、JAN・ANDERS・BJERGER:トランペット、JOAKIM・STYRÉN:キーボード/プログラミング/プロデュース、KIRSTEN・TUNGLAND:バック・ヴォーカル、JAN・BANG:プロデュース/バック・ヴォーカル、ANN-CHRISTIN・RASCHDORF:ヴァイオリン、PER・LÖFDAHL:ヴァイオリン、HENRIK・EDSTRÖM:アルト・ヴァイオリン、ANN・FOSTER:チェロ、LITTLE・SIMON・D:DJ、NEGIN・JAFARI:バック・ヴォーカル、OLAV・FOSSHEIM:バック・ヴォーカル、EVA・SAROJINI:バック・ヴォーカルなどスウェーデンのベテラン達も参加しています。

1曲目"Enjoy"(3:55) 乗りの良いリズムの曲でSIMONEのすっきりしたヴォーカルも良い。さり気なく流れるジャジーで洒落たギターの演奏は、1枚目と同じくMAT・JOHANSSONとBØRG・PETERSEN・ØVERLEIRです。尚、この曲は、お隣の韓国にてD'SOUNDの人気を不動にした1曲でもあります。
2曲目"Ain't Giving Up"(3:32) 前作での曲調と同様のタイトなKIMのドラムのビートが渋く感じさせるグルーヴ感の心地好い曲です。じっと聴き入るとJONNY・SJOのうねりを持ったベース・ランニングやコーラスのアレンジなど非常に綿密なところも感じさせます。
3曲目"Boyfriend"(4:02) ここに来て落着いた調べとサウンドの曲の登場です。滑らかなフェンダー・ローズの音色に乗せSIMONEが切なく歌うバラードです。
4曲目"Down On The Street"(3:34) ご存知SHAKATAKのカバーでオリジナルに近いアレンジでの収録です。このアルバムからイギリスへ販売促進を試みたレーベルの意図を感じさせます。
5曲目"Every Raindrop"(4:51) 速いテンポの曲でKIMのドラムテックは、ドラム・マシーン並みの凝ったビートを生み出すほど相当なものです。メロディやサウンドも今作からエレクトロニカ色を加えて洒落たアレンジをこの曲から感じさせます。
6曲目"Beauty Is A Blessing"(3:24) スローなテンポのSIMONEがその喉を聴かせる曲です。ソウル・フィーリングやアーバン・ミュージックのメロウさからの影響も感じさせます。
7曲目"Sleepin' In"(0:32) 30秒程度のエレピによる美しいメロディが流れるインストゥルメンタルで、オルガンのSTEIN・AUSTRUDが書いた曲です。
8曲目"Put Me Down, Let It Loose"(3:14) JONNYのファンクなベースがかっこ良くブラスのサウンドも効いています。ファンキーなリズムで展開させるライヴでの乗りやSIMONEのアグレシヴな歌声をアピールするには打って付けの曲です。
9曲目"Tattooed On My Mind"(3:45) 本作で1番のお気に入りの曲で、SIMONEの切な過ぎるヴォーカルに鳥肌ものです。D'SOUNDのファンの中には、特にこの曲を好きな方が多い事でしょう。フィリピンのTVの挿入歌としてヒットした事によりD'SOUNDは、数回フィリピンにてプロモーションを兼ねたライヴを行っています。
10曲目"Drummer Drummer"(5:51) 打ち込みとループを多用したテンポの速いハウス風の曲です。ヴォーカルのSIMONEがドラムのKIM・OFSTADのプレイにインスパイアされて歌詞を書いた曲とのエピソードがあります。
11曲目"I Can Get Over You"(3:41) JONNYのチョッパー・ベースによる乗りに乗った曲で、サウンドとリズムなどアメリカのブラック・ミュージックからの影響を感じます。また、最近のライヴでも良く演奏されている定番曲でもあります。
12曲目"You Don't Wanna Know Me"(4:47) エモーショナルなJONNYのベースのサウンドと第4のメンバーSTEIN・AUSTRUDのフェンダー・ローズのサウンドが非常に効いた雰囲気までも渋い曲です。
13曲目"Pray To Fall Asleep"(4:06) SIMONEのヴォーカルのバックに流れるこの曲でもSTEINのフェンダー・ローズの演奏とサウンドは、必聴物です。
14曲目"You Will Rise"(3:37) 前作でのボーナス・トラックのライヴ曲のスタジオ録音曲です。SIMONEがスキャットで歌いこなす乗りの良さは相変わらずね。
15曲目"Baby"(2:59) メルヘンチックなメロディにSIMONEのセクシー・ヴォイスのJONNYとの綺麗なハーモニーでの曲です。
・歌詞無し 12ページ物写真ブックレット ドイツ製 (輸入盤)収録時間:55分55秒
・14曲歌詞/訳詞付 12ページ物写真ブックレット (国内盤)収録時間:55分55秒 (実力のあるバンドであり、カバー曲を収録しなくても十二分に聴き応えあるアルバムです)'06年1月9日更新
1998年度ベスト5


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写真  D'SOUND / Talkin' Talk
 ・2001 VIRGIN RECORDS NORWAY A/S    7243 81001820

アフロヘアーになったSIMONEにちょっと驚き・・・

ノルウェーのオスロで活躍しているD'SOUNDの3枚目のアルバムで、'01年1月のリリースです。多分、このアルバムから国内盤は、制作されていないと思います。前作よりもよりファンクに、よりファショナブルに、よりダンサブルになっています。D'SOUNDは、ヴォーカル/プロデュース:SIMONE・LARSEN、ベース/ギター/バック・ヴォーカル/プロデュース:JONNY・SJO、ドラム/パーカッション/プロデュース:KIM・OFSTADの3人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、D'SOUNDの3人の他、STEIN・AUSTRUD:キーボード/シンセザイザー/ヴォコーダー/ストリングス/サンプリング/プロデュース、KJETIL・STEENSNAES:ギター、BERNT・RUNE・STRAY:ギター、SERGIO・GONZALES:パーカッション、DJ SABER:ターンテーブル、JOHN・"FATBOY"・STEWART:トランペット、MATHIAS・EICK:フリューゲル・ホーン、LARS・HORNTVEDT:サックス、MARIE・PIHLSTRØM:バック・ヴォーカル、INGRID・MARIE・FOLKVORD:バック・ヴォーカルのノルウェー勢です。

1曲目"Sing My Name"(3:42) JONNYのベースのサウンドを大々的に取り入れたアシッド風のドラム"ン" ベースでの曲でSIMONEの囁くような短い歌詞によるフレーズでの曲です。
2曲目"Talkin' Talk"(3:59) 80年代のウエストコーストのアダルト・ロックのメロディにさり気無く入るスクラッチを取り入れたような曲で、バックのコーラスが雰囲気物ですね。
3曲目"Play Me The Song"(3:30) お洒落なブリティッシュ・アーバン・ソウルに例えられる爽やかで乗りの良いリズムとメロディの曲でSIMONESがさらっと歌いこなしに余裕すら感じさせます。
4曲目"In The Game"(3:45) このアルバムから特徴的に現われたのがJONNYのチョッパーベースのサウンドです。(前作でも数曲ありましたが)エフェクターをかけたSIMONEの歌声と生の歌声でのセルフハーモニーでの曲です。
5曲目"Who Says This Is Love"(4:07) 目を閉じてこの音楽だけをじっと聴いていればモータウンの女性シンガーか新進の女性アコースティック・ギター・プレイヤーのような曲です。
6曲目"Remember These Moments"(4:21) このアルバムで1番に気に入った曲です。心の離れてしまった恋人を想いだす事をためらう女性の心の内を歌っています。SIMONEはこのようなバラードが非常に上手いですね。
7曲目"Girls(Want Everything They See)"(4:10) 一転してダンサブルな乗り良い曲です。SHAKATAKのBILL・SHARPEに似たフェンダーローズの音色とファンクなリズムによる曲です。
8曲目"Sunshine"(5:49) スピード感のあるファンクなリズムとJONNYのチョッパーベースと彼のスキャットを全面に出した渋い曲で、6分近い長い白熱した演奏が収録されています。また、間奏のJONNYのベースソロも圧巻です。
9曲目"Be So Bad"(3:31) 変わったリズムのイントロとサンプルによるベースと以前にはあまり見られなかったアシッド・クラブ系の曲調です。
10曲目"Believe In What You Say"(4:01) エモーショナルなリズムとバックで流れる張りのあるSIMONEの歌声が非常に印象的な曲です。
11曲目"I Want U 2 B With Me"(4:04) うねりを持つリズムとタイトなビートを繰り出すめすらしくJONNYのギター・プレイが聴ける曲です。
12曲目"Sweet Music"(4:14) KIMのラテンのパーカッションとドラムのビートにJONNYのチョッパーベースにSIMONEのヴォーカルとスクラッチともう"てんこ盛り" のサウンドの曲です。来日しない事は分かっていますがライヴで観たいですね。
13曲目"Thunder & Rain"(4:28) シンプルでジャジーな落着いた曲です。間奏は、SIMONEのスキャットが入っています。
全13曲歌詞付 10ページ物写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:53分47秒 (洒落で撮ったブラック・ミュージックへのオマージュのジャケット写真で少し引きますが中身は最高です!)'06年1月14日更新


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写真  D'SOUND / Doublehearted
 ・2003 daWork Records AS     BON 3007

お寿司を食べているSIMONEにチョット驚き・・・

ノルウェーのD'SOUNDの4枚目(2001年のライヴ盤は含まない)のアルバムで本品は、韓国製特別盤の5曲のボーナストラック入りとなっており、'03年9月に韓国向けまたは、韓国よりリリースされた盤です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SIMONE・LARSEN:ヴォーカル、JONNY・SJO:ベース/パーカッション、KIM・OFSTAD:ドラム/パーカッションの3人の他、BERNT・RUNE・STRAY:ギター/スライド・ギター、KRISTIAN・PLASSGAARD:ギター、EIVIND・AARSETH:ギター、VIDAR・BERGETHON・HOLM:ギター、ØYSTEIN・GRENI:ギター、STEIN・AUSTRUD:キーボード、SIMEN・M.ERIKSRUD:キーボード、ØYVIND・KRISTIANSEN:キーボード、ESPEN・BERG:オルガン/ハープ/タンバリン/プログラミング/ミキシング、CHRIS・SAMSON:プログラミング/副プロデュース/ミキシング、LISE・SØRENSE:ストリングス、MAREN・ELE:ストリングス、HEIDI・SCHULERUD・BILSBAK:ストリングス、TORIL・SYRRIST・GELGOTA:ストリングス、OLE・HENRIK・GIØRTZ:ストリングス・アレンジのノルウェー勢のベテラン達が参加しています。
尚、プロデュースは、演奏にも参加しているESPEN・BERG(LENE・MARLIN,BEL CANTO)が担当しています。

1曲目"I Just Can't Wait"(3:45) '05年11月までHPのテーマ・ソングとなっていた乗りの良いライヴ受けしそうな曲です。尚、D'SOUNDは、韓国で非常に人気が高く過去4度ソウルでライヴを行っています。
2曲目"Breathe In,Breathe Out"(4:40) エレクトロニカのサウンドの導入部とフュージョン・サウンドのサビの部分を組み合わせた新しさを打ち出した曲です。
3曲目"Doublehearted"(4:23) JONNYのベースのサウンドを活かしたスローな曲です。SIMONEのしっとりした歌声が堪りません。意味ありげな歌詞の内容となっています。
4曲目"Do I Need A Reason"(3:54) HPでビデオになっていた曲でアコースティック・ギターを弾くSIMONEの姿が新鮮でした。シンプルで聴きやすいウエスト・コーストのぽいこのメロディは、多分、SIMONEの作曲だからでしょう。
5曲目"Dancing Into The Moonlight"(4:37) ファースト・アルバムのサウンドに近いアーバン・ソウルな質感の作品です。ミドル・テンポのリズムとメロディアスで美しいサウンドに乗せたロマンチックな歌詞で歌われていす。この美しいギターのサウンドは、同じくオスロで活躍するVIDAR・BERGETHON・HOLM(ORANGE CLUB)とEIVIND・AARSETH(ノルウェーの新進ジャズ・ギタリストでJONNYとKIMが彼のアルバムに参加しています)
6曲目"Give It All Back"(4:33) JONNYがアップライトベースを使ったしっとりとしたナンバーです。ファーストから参加しているSTEIN・AUSTRUDのピアノの切ない響きが更に切なさを誘います。
7曲目"Come Back My Friend"(4:24) 前作からの流れを汲むアップテンポでタイトなビートのナンバーの登場です。EIVINDのロックぽいギターのサウンドとSIMONEの清楚な歌声によるライヴ受けする曲です。
8曲目"Give Myself Away"(3:56) ØYSTEIN・GRENI(ノルウェーの人気ロックバンドBIGBANG)の渋いギター・ソロが入っています。今回のアルバムにはロックの要素がふんだんに盛り込まれています。
9曲目"Treasure"(3:31) トロピカルな雰囲気を持つエレクトロニカのサウンドとボサ・ノヴァの融合した優れた作品です。過ぎ去ろうとしている夏の思い出を歌に綴った内容です。
10曲目"Do You Like It"(4:45) ダンサブルなビートと打ち込みによるサウンドでの曲でメンバー3人だけの収録となっています。
11曲目"People Are People"(4:01) DEPECHE MODEの '84年の同名のヒット曲とはまったく別の曲です。SIMONEのしっとりした歌声と落ちついたメロディによる曲で本国のオリジナル盤はこの曲で幕を下ろします。髪の毛をアップしたSIMONEとアコースティック・ギターを弾くベースのJONNYが登場するビデオも作られています。
12曲目"Medley(Recorded Live At Rockefeller Music Hall 2001)"(7:51) 8分近くもあるライヴでのメドレーの収録です。"Saturday Night Lies/Boy Friend/Pray To Fall Asleep/U Don't Wanna Know Me/Real Name" この内容は、同タイトルのライヴDVDもリリースされています。この曲でのクレジットは、こちらを参考に願います。
13曲目"Breathe In, Breathe Out(GAUTE DREVDAL Remix Radio Edit)"(4:01) GAUTE・DREVDAL(MOONFLOWERS)のド派手なサウンドのリミックスになりラジオ用に40秒ほど削られています。
14曲目"Disco Ironic(Radio Version 1)"(3:54) 映画[S.O.S]のサウンドトラックでベスト盤[Smooth Escapes]もこちらの方が入っていたと思います。
15曲目"Disco Ironic(Radio Version 2)"(3:46) ボサ・ノヴァ風のナイロン弦ギターを挿入しソフィスティケートされた仕上げになっています。
16曲目"Sigh(From Single "All I Wanna Do!)"(2:17) SIMONEの弾き語りで1枚目の国内盤[Spice Of Life]にも収録されています。
11曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット ハードボックス外装2重梱包 韓国製 (輸入盤) 収録時間:68分26秒 (今回のアルバムは2000年に作られたノルウェーのインディーズレーベルdaWork Records ASからのリリースでD'SOUNDの作品は以後、ここからリリースされています)'06年1月14日更新


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写真  D'SOUND / Smooth Escapes The Very Best Of D'Sound
 ・2004 daWorks Records AS     50467212-2

あまりの曲の多さに驚き・・・

このアルバムの紹介の前に先ずは、D'SOUNDの簡単な紹介から '91年にボストンのバークリー音楽大学を卒業したドラムのKIM・OFSTADとベースのJONNY・SJOは、ノルウェーのオスロに戻りKIMは、スタジオ・ワークやセッション・ミュージシャンにJONNYは、ラジオ局の仕事に就いた。一方、SIMONE・LARSEN(父はトルコ人、母は、ドイツ人で '79年にノルウェーに移住、現在の父は、ノルウェー人)は、全寮制学校の音楽コースを卒業した後、DINGLEBERRIESと言うバンドのヴォーカル/ギターをしていた。また、DIAMOND・SIMONE名義で '93年にアルバムもリリースしていた。同じ頃 3人は、知り会いその後、DINGLEBERRIESが '95年に解散した為、SIMONE、KIM、JONNYの3人は、オスロ市内の湿度の高い地下室でSWEET 'N' SOURと名乗ってバンドとしての練習に励んでいました。

その後、バンド名をD'SOUNDと改名し '96年にPolyGram A/S,Oslo-Nolwayからシングル盤 "Real Name" (4曲ヴァージョン)でデビュー。翌 '97年の初め[Spice Of Life]をリリースし、日本での国内盤はポリドールより同年5月にリリースされ、プロモーションの為、初来日しています。また、当時のStereo Sound誌のCD紹介コーナーで先のアルバム[Spice Of Life]が絶賛された。本国では、次のアルバム迄のシングル盤がヒットしSpellemannprisen(ノルウェーのグラミー賞)を[Beauty Is A Blessing]で受賞する。

尚、このベスト・アルバムはD'SOUNDのデビュー・アルバムから4枚目の[Doublehearted]の曲とシングル盤をまとめた物に新曲2曲を加え、本国では '04年に海外リリースは、WARNER MUSICより '05年8月15日にリリースされています。
以下に各曲の紹介をしますが、詳しいクレジットや曲のレビューは、各オリジナル盤での紹介を参考にして下さい。

1曲目"Ain't Giving Up"(3:32) '98年の[Beauty Is A Blessing]での収録曲。
2曲目"Smooth Escape"(4:42) '97年の[Spice Of Life]での収録曲。
3曲目"If You Get Scared"(3:23) このアルバムがリリースされた時点では新曲となっている曲です。後にこのベスト・アルバムに収録されている"My Greatest Flaw" とカップリングにてシングルリリースされています。
4曲目"Talkin'Talk"(3:55) '01年の[Talkin'Talk]での収録曲。
5曲目"Tattooed On My Mind"(3:41) '98年の[Beauty Is A Blessing]での収録曲。
6曲目"Do I Need A Reason"(3:53) '03年[Doublehearted]での収録曲。
7曲目"Down On The Street"(3:31) '98年の[Beauty Is A Blessing]での収録曲です。尚、この曲のシングル盤としてヨーロッパ向けに全6曲(Max-Single)バージョン違いもリリースされています。
8曲目"Remember These Moments"(3:59) '01年の[Talkin'Talk]での収録曲。
9曲目"All I Wanna Do"(3:51) '97年の[Spice Of Life]での収録曲。
10曲目"Real Name"(3:46) '97年の[Spice Of Life]での収録曲でD'SOUNDの記念すべきデビュー曲です。
11曲目"Dancing Into The Moonlight"(4:18) '03年[Doublehearted]での収録曲。
12曲目"My Greatest Flaw"(3:41) この曲も3曲目と同一にこのアルバムがリリースされた時点では新曲です。
13曲目"People Are People"(3:58) '03年[Doublehearted]での収録曲。
14曲目"Give Myself Away"(3:34) '03年[Doublehearted]での収録曲でサントラにも使われたようです。
15曲目"Good Man,Good Girl"(3:38) '97年の[Spice Of Life]での収録曲。
16曲目"Love Is On My Way"(3:00) '97年の[Spice Of Life]での収録曲。
17曲目"Sing My Name"(3:41) '01年の[Talkin'Talk]での収録曲。
18曲目"Enjoy"(3:50) '98年の[Beauty Is A Blessing]での収録曲。
19曲目"Disco Ironic"(3:52) 映画のサウンドトラックに使われた曲で '99年に3曲ヴァージョン違いでカップリング・リリースされています。
20曲目"Smoother Escape"(3:26) '97年の[Spice Of Life]インターナショナルヴァージョンでの収録曲。2曲目の"Smooth Escape" のテンポを更に上げキーボードとヴォイス・エフェクトを追加したヴァージョンです。残念ながら当時の国内盤では収録されていません。
21曲目"Slow Dancing,French Kissing"(4:48) '97年の[Spice Of Life]での収録曲。
歌詞なし 写真付きライナー フィリピン製 (輸入盤) 収録時間:79分51秒 (全21曲1時間20分におよぶ聴き応え十分のベスト・アルバムです。但し、収録曲が多い為か、一部のパソコン・ソフトでは再生出来ない場合があります)'10年5月27日再更新


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写真  D'SOUND / My Today
 ・2005 daWork Records AS     PMCD 3014

バブリーなSIMONEにちょっと驚き・・・

ノルウェーのD'SOUNDの6枚目のアルバムです。本品は、韓国特別限定盤で通常盤にボーナス盤をセットした豪華2枚組です。'05年10月に韓国より又は、韓国向けに?リリースされた物です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SIMONE・LARSEN:ヴォーカル、JONNY・SJO:ベース/バック・ヴォーカル、KIM・OFSTAD:ドラム/パーカッションの3人の他、STEIN・AUSTRUD:キーボード、BØRGE・PETTERSEN-ØVERLEIR:ギター、ANTHONY・MOMRELLE:ヴォーカル、TILL・BRÖNNER:トランペットの意外と少人数での収録です。
尚、本国では、11月14日に(DISC 1のみ)リリースされました。ヨーロッパでは、'06年の春にジャケット替えでリリース予定です。

DISC:1 全12曲歌詞付 写真ブックレット 収録時間:50分07秒。
1曲目"Green Eyes"(4:42) 真っ赤なドレスを着たSIMONEの妖艶な姿と歌声によるこのアルバムからのファースト・ビデオクリップ(ビデオの結末は!)になった曲です。サウンドの方はD'SOUNDらしいグルーヴ感たっぷりで爽やかなBØRGE・PETTERSEN-ØVERLEIRのギター・サウンドも心地好く響く曲です。
2曲目"My Today"(3:37) D'SOUNDに欠かせない第4のメンバーSTEIN・AUSTRUDの弾くフェンダー・ローズのサウンドが非常にキーとなったミドル・テンポのスムース・コンテポラリー・ ロックって感じです。
3曲目"Birthday"(4:21) ANTHONY・MOMRELLE(INCOGNITO)とのデュエットが本当に素晴らしいです。ANTHONYのハスキーでソウルフルなヴォーカルによるご機嫌なナンバーです。多分、D'SOUNDの曲で初の男性デュエット曲です。
4曲目"Universally"(4:20) 掻き鳴らされるアコースティック・ギターのサウンドのイントロとスローですが、程よいグルーヴ感による曲で後半部分には、JONNYのベース・ソロが入っています。
5曲目"Sadness"(4:32) スローな曲でSIMONEの悩みを持った歌声と間奏でのエレクトリック・シタールの悲しさを誘う音色です。
6曲目"Feel Again"(3:44) SIMONEの弾き語りから作られたような感じの曲でJONNYとKIMによってサウンドの厚みを増したアレンジとした感じがします。
7曲目"1, 2, 3"(3:35) アコースティック・ギターのサウンドとKIMのドラムのビートがエモーショナルなうねりを作り出すダンサブル・ポップ"数え歌"です。
8曲目"Gaining Back My Faith"(4:16) 初期のアルバムの曲に多く見られたスムース・ジャズ・フレイヴァー溢れる曲です。D'SOUNDのサウンドも回顧的な段階に入り円熟期を迎えたのでしょうか。
9曲目"Murder Me"(4:33) ただ事では無い曲のタイトルです。 挑発的なメッセージを持った歌詞をファンクでエモーショナルなサウンドに乗せて奏でられています。
10曲目"Sigh"(4:24) お馴染みの曲です。ナイロン弦ギターによるボサ・ノヴァですが、イントロの部分のギターは、かなり不協和音を用いて変調され間奏ではジャジーなTILL・BRÖNNERのトランペットと渋いヴォーカルが挿入されています。今回のアルバムはTILLの活動拠点のドイツで行なわれています。余談ですがヴォーカルのSIMONEは、ドイツで生まれています。
11曲目"Rainy Days"(3:18) この曲は、BORGEのギターのサウンドが冴えています。ファショナブルなサウンドとKIMのタイトなドラムのビートによる部分と幻想的な間奏を持ち合わせています。
12曲目"As Long As I Sin"(4:39) SIMONEの歌声とシンクロするBORGEのワウ・ワウギターのサウンドとゆったり奏でられるSTEINのスムース・ジャズ・ピアノの囁きによるこの曲で1枚目の盤は幕を閉じます。

DISC:2 Bonus CD(Special Limited Edition) 全13曲歌詞付 写真ライナー 収録時間:57分32秒
1曲目,4曲目,13曲目は、'04年4月に韓国のソウルにて行なわれたライヴでの収録曲です。
9曲目,10曲目,11曲目,12曲目は、'04年9月にノルウェーのオスロで行なわれたライヴでの収録です。
2曲目,3曲目,5曲目,6曲目,7曲目,8曲目は、'04/05年の新曲でノルウェー以外の国でのボーナス・マテリアルか、シングル盤のカップリング曲として用意されたナンバーでしょう。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SIMONE・LARSEN:ヴォーカル、JONNY・SJO:ベース/バック・ヴォーカル、KIM・OFSTAD:ドラム/パーカッションの3人の他、STEIN・AUSTRUD:キーボード、KRISTIAN・KVALVAAG:ギター、BØRGE・PETTERSEN-ØVERLEIRのギター、VIDAR・BERGETHON・HOLM:ギター、KJETIL・STEENSNAES:ギターのお馴染みのミュージシャン達です。

1曲目"Do I Need A Reason[Live]"(4:10) '03年の[Doublehearted]での収録曲です。ライヴではKRISTIAN・KVALVAAGの非常に素晴らしいギターの演奏が見事です。SIMONE自身もアコーステック・ギターを弾いているようです。
2曲目"If You Get Scared"(3:23) '04年リリースの[Very Best Of Smooth Escapes]での収録曲で爽快感のあるポップ仕立てギターサウンドの曲です。
3曲目"Daylight"(4:48) SIMONEのしっとりした歌声とバック・コーラスによるスローなバラードで '05年の新曲です。
4曲目"Enjoy[Live]"(5:04) 一番驚いたのはこの曲です。KRISTIAN・KVALVAAGのアコースティック・ギターによるイントロの卓越したギター・ワークです。また間奏がライヴならではのSTEINのジャズ・スタイルのピアノでのオリジナル・テイクにないアレンジに感動ものです。
5曲目"Sing"(4:23) ゆったりしたリズムによるSIMONEのヴォーカルを主体とした大人しい曲でバック・ヴォーカルは、STEIN でしょうか優しい歌声に癒されます。間奏ではテルミンのサウンドのような電子音が挿入されています。
6曲目"My Greatest Flaw"(3:42) この曲も'04年リリースの[Very Best of Smooth Escapes]での収録曲でアコースティック・ギターのサウンドを主体とした爽やかなギター・ポップです。
7曲目"Strong Heart"(5:57) シンプルなスタイルとリズムの曲です。淡々と歌うSIMONEのヴォーカルに最小限のリズム隊とバックコーラスによるミドル・テンポのナンバーです。
8曲目"If You Get Scared[Remix]"(3:25) 2曲目のリミックスです。多分、シングル・カットされた盤のカップリング曲でしょう。打込みを使ってのリミックスです。
9曲目"Disco Ironic[Live]"(3:41) 70年代のディスコ・ブームにタイムスリップした感覚に陥る曲です。オリジナルより少しキーを下げたアレンジでオスロでのライヴ曲です。
10曲目"Love Is On My Way[Live]"(4:51) ファーストアルバムからの曲です。ライヴでの収録らしくあちこちにオリジナル・テイクにないアドリブ的サウンドとヴォーカル・パートが収録されて非常に興味深いです。
11曲目"Ain't Giving Up[Live]"(4:03) 2枚目のアルバム[Beauty Is A Blessing]に収録されている曲で、ここではJONNYのかっこいいベース・ソロによる間奏が収録されています。
12曲目"Smooth Escape[Live]"(5:05) イントロ部分はかなりアレンジされSIMONEのヴォーカルの部分でオリジナル曲が分かる感じです。アンプラグド的な仕様でオスロでのライヴでは2人(KJETIL・STEENSNAES,KRISTIAN・KVALVAAG)のギタリストが参加しています。
13曲目"Tattooed On My Mind[Live]"(4:55) ソウルでのライヴ曲でSTEIN美しい響きのピアノとKRISTIAN・KVALVAAGの悲しみを誘うアコースティック・ギターの調べとSIMONEの歌声も哀しすぎるバラードで後半のアドリブでの演奏も素晴らしいです。
13曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット 2枚組ジュエルケース入り (輸入盤) ('05年12月のソウルでのライヴに向け急遽リリースされた特別ボーナス盤は本当に内容たっぷりでライナーも本国用と韓国用両方用意された親切な計らいです。残念ながら '05/06年もD'SOUNDのライヴに行けなかった!
但し、2007年2月3日の韓国でのライヴはこちらです)'10年5月27日再更新
2005年度ベスト5


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写真  D'SOUND / Starts And Ends
 ・2009/10 Mountain Music SA     FGM 3018

ドラムのKIMが抜けてちょっと驚き・・・

このアルバムは、ノルウェーで活躍しているポップ・デュオD'SOUND(残念ながらドラムのKIM・OFSTADは、このアルバム収録後にバンドを離れています)の7枚目(ジャケ違いのアルバムは含まない)のアルバムです。本レビューは、韓国でのライヴに向けて '09年11月10日に先行販売されたボーナス・トラック2曲を追加した韓国特別盤を掲載しています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SIMONE・LARSEN:ヴォーカル/ギター/キーボード、JONNY・SJO:ベース/ギター/ヴォーカル、KIM・OFSTAD:ドラム/パーカッション、THOMAS・STENERSEN(EVA & THE HEARTMAKER):ギター、JONAS・LIE・THEIS:キーボード/プログラミング、JØRN・DAHL:キーボード/プログラミング、RICHARD・LOWE:プログラミング、DAVID・WALLUMRØD:ハモンド・オルガン、BJØRN・SÆTHER:ドラムのロック系ミュージシャンも参加しているのが興味深いですね
尚、このアルバムの本国でのリリースは、'10年1月18日となっています。

1曲目"Starts And Ends"(5:38) 躍動的ながらも少し不安感と相反する期待感を煽るギミックなサウンドの広がりを持つインストゥメンタルによる1分以上のイントロから惹きつけられます。ピアノの調べを交えながら登場するSIMONEの久しく聴く歌声に聴き入ってしまいますね。今まで余り聴かなかったJONNYのロックぽいベースのサウンドとTHOMAS・STENERSENの尖ったギターのサウンド渋いです。曲名なんかもSIMONE、JONNY、KIMの3人だったD'SOUNDの終焉から新生D'SOUNDの始まりを表しているようです。
2曲目"Live Forever"(3:15) この曲もTHOMAS・STENERSENのギターのサウンドがふんだんに流れるグルーヴィなリズムとサウンドを聴かせる曲です。ビシバシっと決まるKIMのドラムのビートとSIMONEの少し鼻に掛かった歌声が心地好く広がって来ますね。バックで流れるアコースティック・ギターのサウンドは、PREFAB SPROUTの"Bonny(New Acoustic Version)" からインスパイアを受けているように思いますね。
3曲目"Good Together"(3:30) このアルバム・リリース前からダウンロード販売のみのシングル曲です。ストリングスのサウンドをふんだんに取り入れたところが従来の曲と少し違った雰囲気を感じさせるポップ・チューンです。前作リリース後に音楽活動少し休止していたSIMONEですが、久しぶりのレコーディングの為か、この曲では歌声に若さを取り戻した感じがするのです。
4曲目"How Could I Forget"(3:00) このアルバムからのシングル第2弾の曲です。前々作の[Doublehearted]でのSIMONEのアコースティック・ギターのサウンドをフィーチャーしたヒット曲"Do I Need A Reason" のサウンドとメロディに似た軽快なリズムの中にもビター・スイートな歌詞が綴られています。
5曲目"If You Dream"(4:13) この曲でも新生D'SOUNDの少しロック寄りのサウンドを強く感じる曲ですね。イントロから流れるTHOMASのスライド・ギターのサウンドとKIMのタイトなドラムのビートと共に響きます。クレジットには書かれていないのですが、バック・ヴォーカルはベースのJONNYのようです。
6曲目"Almost Was Never(Interlude)"(1:23) ちょうどアルバムの真ん中に収録された1分半程度の長さのインターリュードです。電子サウンドによるヒーリング系サウンドの広がりとSIMONEの短い歌詞による歌声が重なり合います。
7曲目"All Of The Time"(4:42) イントロから掻き鳴らされるアコースティック・ギターのサウンドに続いて登場するJONNYのご機嫌なファンク・ベースのサウンドが乗せるダンサブルなポップ調の曲です。SIMONEの可憐な歌声にシンクロさせたTHOMASの小気味よいギターのサウンドが"キモ" のようですね。
8曲目"Audition"(4:07) 少しアシッド感を持たせたトリップ・ホップ的なサウンドの曲の登場です。ヨーロピアン・テイストを感じる洒落たシェイプのエレクトロニカのサウンドからは、ダンサブルなグルーヴィを伝えて来ます。サンプルとループで流されるJONNYのベースのサウンドは、過去の曲からサンプリングされています。
9曲目"Almost Was Never"(3:56) '09年12月にリリースされたこのアルバムからの第3弾シングル曲です。しっとりとピアノの弾くSIMONEの弾き語り形式で収録された過去のD'SOUNDの曲ではあまりなかった感じの曲です。
10曲目"Take Me In"(3:25) SIMONEのアコースティック・ギターのサウンドで展開させる彼女のソロ・アルバムでの曲調に通じるシンプルなメロディとサウンドを感じさせる曲です。後半からギターとドラムのサウンドも厚くなって素晴らしいサウンドの広がりを聴かせるのです。
11曲目"Loosing It"(3:26) D'SOUNDのアルバムでは、初めて登場するJONNYのヴォーカル曲で、彼のアコースティック・ギターよる弾き語りです。この辺りからも新生D'SOUNDの新スタイルが垣間見られるんじゃないのでしょうか。少し枯れたメランコリックな歌声を聴かせるJONNYです。
12曲目"Nothing Feels The Same(Bonus Track)"(4:26) イントロに配されたサビのパートからの伸びやかな歌声から聴かせるパワー・ポップな雰囲気を持った曲です。サウンドとメロディ的には前作[My Today]のサウンドを引継いだ感じがするのですが、この曲でのKIMのドラムのビートが非常に素晴らしいのがこれからD'SOUNDとして聴けなくなるのが、逆に残念ですね。
13曲目"Postcards(Bonus Track)"(3:46) この曲でも大きくJONNYのヴォーカルをが取り入れていますね。アコースティック・ギターのサウンドをメインにしたメロディアスで心地好いリズムの流れを感じる落ち着いた曲調の"美味しい" ボーナス・トラックです。
12曲歌詞付 16ページ物写真ブックレット 韓国製 (輸入盤) 収録時間:49分32秒 (先にも記したのですが、このアルバムをもってオリジナル・メンバーであるドラムのKIM・OFSTADは、D'SOUNDを離れたのですが、ボーナス・トラックを含み彼の卓越した演奏は、全てこのアルバムに収録されています)'10年1月23日更新
2010年度ベスト5


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写真  D'SOUND / Signs
 ・2014 Sony Music Entertainment Norway AS     88843048472

帰って来たKIMに驚き・・・

このアルバムは、ノルウェーで活躍しているファンク/グルーヴィー・ロック・バンドD'SOUNDの '14年3月17日に本国でリリースされた8枚目のアルバムです。
このアルバム収録時でのD’SOUNDのメンバーは、SIMONE・ERIKSRUD:ヴォーカル/プロデュース、KIM・OFSTAD:ドラム/プロデュース、JONNY・SJO:ベース/バック・ヴォーカル/プロデュースの3人組に戻っています(前作[Starts And Ends]制作後にドラムのKIMが脱退していましたがこの度復帰)。
詳しいクレジットの記載がないのですが、THANKSの項を参考にアルバムの収録に参加しているミュージシャンを記載するといつものSTEIN・AUSTRUD:キーボード/ヴォイス/プロデュース、BERNT・RUNE・STRAY:ギター、LIDOLIDO:ヴォーカル/ラップ、BØRN・ERIK・PEDERSEN:キーボード、MARTIN・KLEVELAND:楽器不明、KNUT・HARALD・PLEYM:楽器不明、SIMEN・M.ERIKSRUD:キーボードのノルウェーのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Signs"(2:54) イントロからバタバタと鳴るKIMのドラムに重い響き放つJONNYのベースによる乗りの良い曲です。サビの部分も軽く響くSIMONEの聴きなれた歌声に楽しい気分してくれますね。
2曲目"Love Like Rain"(3:49) 一転してミドルテンポのバラードの登場です。アルバム・リリース前の1月24日にシングル曲としてダウンロード販売もされています。
3曲目"Something Real"(3:53) 相変わらず乗りの良いリズムとサウンドを聴かせる曲の登場です。やはりD'SOUNDらしいこの乗り良いグルーヴさは、本当に堪りませんね。
4曲目"Close To Me"(4:51) サンプル音源を聴いていただけでは分からなかったのですが、イントロに重厚なストリングスな調べが付けらえた渋めのバラードです。SIMONEの歌声の周りになびくオルガンの調べとこのセンチメンタルなメロディが素晴らしい。
5曲目"The Girl"(4:03) D'SOUNDのアルバムに付き物のゴージャス感が少し薄らいで来たこと感じさせる曲です。いつもならこの手のファンクさを持つ曲では煌びやかさを目一杯感じさせる曲ですが、高品位に収録されたライヴ曲のような感じがするようです。
6曲目"Magnet"(3:56) JONNYのスラップベースの演奏がふんだんに響く曲です。前作からのSIMONEとJONNYとのライヴなどで聴かせたヴォーカルとスラップベースでの掛け合いがそのまま曲に展開されたのではないかと想像させるスタイルです。
7曲目"Lose Control"(5:17) このアルバムからの先行シングル曲として '13年11月11日ダウンロード販売されていた曲です。地元ラジオ局に出演したアコースティック・ライヴの模様もどうぞ。
8曲目"Dreamless Sleep"(5:20) 再び引き摺り感のあるチル・アウトな雰囲気を醸し出す曲です。STEINの円やかなキーボードの調べとSIMONEのセルフによるハーモニー・ワークが見事なしっとり感が心地好いのです。
9曲目"Jennifer(Feat. LidoLido)"(4:30) ノルウェーの新進気鋭HIP HOP/ポップ・シンガーLIDOLIDO(PEDER・LOSNEGÅRD)とのコラボによる新たな方向性を感じさせる曲です。SIMONEの巧みな歌声に掛け合うLIDOLIDOのラップがアクセントとなっています。
10曲目"Playing"(4:44) JONNYの妖艶に響くベースの調べとKIMのクールなドラムのビートに合わせて歌うSIMONEの美しい歌声に浸れる曲の登場です。JONNYのベースでのリフが '01年の曲"Play Me The Song" をスローにした感じの比較的シンプルなサウンド構成ですが、何故かいつも3人のサウンドに聴き入ってしまいますね。
歌詞無し 8ページ物写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:43分17秒 (今作から大手SONY NORWAYからリリースされたこのアルバム、以外と入手難しさや価格高が気になります)'14年6月3日更新
2014年度ベスト5


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写真  D'SOUND / Signs
 ・2014 MCA MUSIC Inc.     DR31146/470 057-8

今度はUNIVERSAL MUSIC系からに驚き・・・

このアルバムは、ノルウェーで活躍しているファンク/グルーヴィー・ロック・バンドD'SOUNDの '14年10月13日に韓国でリリースされた8枚目のアルバムです。
このアルバム収録時でのD'SOUNDのメンバーは、SIMONE・ERIKSRUD:ヴォーカル/プロデュース、KIM・OFSTAD:ドラム/プロデュース、JONNY・SJO:ベース/バック・ヴォーカル/プロデュースの3人組に戻っています(前作[Starts And Ends]制作後にドラムのKIMが脱退していましたがこの度復帰)。
詳しいクレジットの記載がないのですが、THANKSの項を参考にアルバムの収録に参加しているミュージシャンを記載するといつものSTEIN・AUSTRUD:キーボード/ヴォイス/プロデュース、BERNT・RUNE・STRAY:ギター、LIDOLIDO:ヴォーカル/ラップ、BØRN・ERIK・PEDERSEN:キーボード、MARTIN・KLEVELAND:楽器不明、KNUT・HARALD・PLEYM:楽器不明、SIMEN・M.ERIKSRUD:キーボードのノルウェーのミュージシャン達が参加しています。
尚、本レビューは、本国ノルウェーにて '14年3月17日のリリース盤のレビューに今回の韓国盤の仕様の違う箇所のみ加筆して掲載しています。

1曲目"Signs"(2:54) イントロからバタバタと鳴るKIMのドラムに重い響き放つJONNYのベースによる乗りの良い曲です。サビの部分も軽く響くSIMONEの聴きなれた歌声に楽しい気分してくれますね。
2曲目"Love Like Rain"(3:49) 一転してミドルテンポのバラードの登場です。アルバム・リリース前の1月24日にシングル曲としてダウンロード販売もされています。
3曲目"Something Real"(3:53) 相変わらず乗りの良いリズムとサウンドを聴かせる曲の登場です。やはりD'SOUNDらしいこの乗り良いグルーヴさは、本当に堪りませんね。
4曲目"Close To Me"(4:51) サンプル音源を聴いていただけでは分からなかったのですが、イントロに重厚なストリングスな調べが付けらえた渋めのバラードです。SIMONEの歌声の周りになびくオルガンの調べとこのセンチメンタルなメロディが素晴らしい。
5曲目"The Girl"(4:03) D'SOUNDのアルバムに付き物のゴージャス感が少し薄らいで来たこと感じさせる曲です。いつもならこの手のファンクさを持つ曲では煌びやかさを目一杯感じさせる曲ですが、高品位に収録されたライヴ曲のような感じがするようです。
6曲目"Magnet"(3:56) JONNYのスラップベースの演奏がふんだんに響く曲です。前作からのSIMONEとJONNYとのライヴなどで聴かせたヴォーカルとスラップベースでの掛け合いがそのまま曲に展開されたのではないかと想像させるスタイルです。
7曲目"Lose Control"(5:17) このアルバムからの先行シングル曲として13年11月11日ダウンロード販売されていた曲です。地元ラジオ局に出演したアコースティック・ライヴの模様もどうぞ。
8曲目"Dreamless Sleep"(5:20) 再び引き摺り感のあるチルアルトな雰囲気を醸し出す曲です。STEINの円やかなキーボードの調べとSIMONEのセルフによるハーモニー・ワークが見事なしっとり感が心地好いのです。
9曲目"Jennifer(Feat. LidoLido)"(4:30) ノルウェーの新進気鋭HIP HOP/ポップ・シンガーLIDOLIDO(PEDER・LOSNEG ÅRD)とのコラボによる新たな方向性を感じさせる曲です。SIMONEの巧みな歌声に掛け合うLIDOLIDOのラップがアクセントとなっています。
10曲目"Playing"(4:44) JONNYの妖艶に響くベースの調べとKIMのクールなドラムのビートに合わせて歌うSIMONEの美しい歌声に浸れる曲の登場です。比較的シンプルなサウンド構成ですが、何故かいつも3人のサウンドに聴き入ってしまいますね。
この後より韓国盤としての追加曲となっています。
11曲目"Win It[Coucheron Edit]"(3:26) D'SOUNDの絶大なファンを持つ韓国とフィリピンでリリースされた盤に追加収録されている曲です。D'SOUNDの3人と同じくノルウェーで活躍していているミュージシャンSEBASTIAN・COUCHERONが収録に参加してポップ調な勢いがあります。
12曲目"Win It[Lido Edit]"(3:12) この曲もこの盤にて追加収録された前曲のエディット違いとなった曲です。9曲目と同じくLIDOLIDO(PEDER LOSNEG ÅRD)が参加して切れ味のある仕上がり感を伝えて来ます。
歌詞無し 韓国語アルバム説明付 8ページ物写真ブックレット 韓国製 (輸入盤) 収録時間:49分55秒 (本国がSONY NORWAYからのリリース、海外でUNIVERSAL MUSIC/MCA MUSICこのようなリリースはめずらしいのでは)'15年3月14日更新


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写真  D'SOUND / Unicorn
 ・2019 daWorks Entertainment     DACD864

メイン・ヴォーカル交代に驚き・・・

このアルバムは、ノルウェーで活躍しているファンク/グルーヴィー・ロック・バンドD'SOUNDの '19年9月6日に本国でリリースされた9枚目('09年のベスト・アルバムを含む)のアルバムです。
'18年6月5日にメイン・ヴォーカルのSIMONE・ERIKSTUDからYOUTUBEにアップされたビデオ・メッセージにD'SOUNDを通じて25年以上音楽活動をして来たのでこれを機にD'SOUNDを脱退するとの声明があり、バンドは、休止状態に入るかと思われましたが、今回新メンバー導入にて本アルバムがリリースされました。
このアルバム収録時でのD'SOUNDのメンバーは、KIM・OFSTAD:ドラム/パーカッション/プログラミング/キーボード/プロデュース、JONNY・SJO:ベース/バック・ヴォーカル/プロデュース、MIRJAM・OMDAL('17年The Voiceウィナー):ヴォーカルの3人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、BERNT・RUNE・STRAY:ギター/キーボード/プロデュース、TORA・DALE・AAGÅRD:ギター、KRISTIAN・SÆLAND:キーボード/プロデュース、STEIN・AUSTRUD:キーボード、ARNETTA・JOHNSON:トランペット、MAGNUS "MAGNIFY" MARTINSEN:ギター/キーボード/トークボックス/プロデュース、MARTIN・KLEVELAND:キーボード、キーボード/プロデュース、ADRIAN・JOØRGENSEN:ヴォーカル/ギター、ARMI・MILLARE:ヴォーカルのノルウェー、アメリカ、フィリピンの従来のアルバムから多国性を感じるミュージシャン達が参加しています。
尚、ジャケット写真に登場している人物は、ベースJONNY・SJOのお兄さんだそうです。

1曲目"Bad Words"(3:22) ちょっと聴きはひと昔前のフュージョン・サウンドのイントロとファンク・ソウルが調和した感のる曲です。このアルバムからメイン・ヴォーカルとなったMIRJAM・OMDALの金属系の歌声は、前ヴォーカルのSIMONE・ERIKSTUDとは一味違った感じですね。収録中のビデオもアップされました。
2曲目"Aftershock"(3:28) 今度は、少し軽めのミドルテンポなナンバーです。少しヴォーコーダー付けたMIRJAM・OMDALの歌声のバックに広がるこのBERNT・RUNE・STRAYの煌びやかなギターの音色が以前から大好きなのです。また、アルバム収録時のビデオもアップされました。
3曲目"This Island Is Mine"(2:54) 風変りなメロディとリズムにより従来のD'SOUNDの曲風(サビの部分は共通かな)とは違った曲です。リズムの外し方とか歌声の遅らせ方(プロデューサースKRISTIAN・SÆLANDの手腕かな)など斬新な感じがします。
4曲目"Somewhere In Between (feat. ARMI・MILLARE)"(3:59) フィリピン出身のARMI・MILLAREのヴォーカル曲の登場です。イントロから流れるアコースティック・ギターの心地好い響きによるスローなリズムと穏やかな雰囲気を楽しむこととしましょう。作詞/作曲は、KIMとARMIとの共作となっています。
尚、この曲もARMI・MILLAREのヴォーカル・パート収録時のビデオがアップされています。
5曲目"Is He Real(feat. TORA)"(3:58) グルーヴ感たっぷりなリズムとサウンドを感じさせる曲です。間奏の溜めを取ったTORA・DALE・AAGÅRDのギターがまた好いんです。
ゲストのギタリストTORA・DALE・AAGÅRDの演奏風景が収録中されたビデオもアップされました。
6曲目"Powerful"(7:37) めずらしく組曲となった長尺の曲です。イントロではレトロなファンク調のサウンドからスローに歌うMIRJAM・OMDALのジャジーな歌声が広がります。後半からアシッド・ジャズなインストゥルメンツに続きアップビートな流れに包まれて行きます。
7曲目"Mr. Unicorn"(3:04) このアルバムからの先行シングル曲として '19年1月25日ダウンロード販売されていた曲です。ポップ調の分かり易いメロディとダンス・ポップなリズムによるやはり新生D'SOUNDのサウンドの掴みとした感じがあります。特徴的なヴォイスを聴かせるのはMAGNUS "MAGNIFY" MARTINSENのトークボックスです。
尚、この曲も収録風景を撮影したビデオがアルバムのリリースに合わせアップされました。
8曲目"Slow & Hard"(2:41) JONNY・SJOのベース・ソロをメインとしたインストゥルメンツです。収録はJONNYとKIMの2人による収録によるアシッド感とチルアルト感が満載な曲です。
9曲目"Lykkelig(feat.ARMI・MILLARE)"(3:28) ヴォーカルのARMI・MILLAREの母国語(タガログ語)による曲です。このアルバムのリリースの約1年前の '18年10月に紹介されフィリピンを何度もツアーしているD'SOUNDの現地交流の賜物を感じます。ベースのJONNY・SJO、ドラムのKIM・OFSTADとギターのBERNT・RUNE・STRAYとARMI・MILLAREの共作です。
尚、曲名の"Lykkelig"とはノルウェー語で「幸せ」を意味します。
10曲目"It's Just Me(feat. ARNETTA・JOHNSON)[Magnify Live Remix]"(3:41) '18年8月2日にYouTubeにて公開されているMIRJAM・OMDALがメイン・ヴォーカリストとして多分、最初に収録された曲です。MIRJAM・OMDALのパワフルな歌声に魅了された新生D'SOUNDの曲でもあります。後半のトランペット・ソロには、ニュージャージーで活躍する新進のトランペッターARNETTA・JOHNSON(D'SOUNDとの直接の繋がりが不明ですが、KIMとJONNYと同じ音楽学院の卒業生)です。
11曲目"No.1"(3:22) これまでのD'SOUNDのアルバムの収録曲とは違ったアコースティック調の曲でドラムのKIM・OFSTADの作詞/作曲です。ギターとヴォーカルは、ADRIAN・JOØRGENSENサウンドの美しさに聴き入ってしまいますね。
ここからCD盤によるLP盤に収録されていない曲です。
12曲目"Join Me In My Head(Live Drum'n' Bass Remix)" (3:18) この曲が最初に紹介されたのが '18年9月中頃ノルウェーの何処かの小さな島で撮影されたヴァージョン(15曲目とはヴァージョン違い)だったのですが、ほぼMIRJAM・OMDALのアカペラに近い感じから一転してJONNYとKIMの生のDrum'n' Bassでのアレンジ替えとなっています。
尚、この曲も収録風景のビデオが最近アップされています。
13曲目"It’s Just Me"(3:12) 10曲目のアレンジ替え(こちらの方がオリジナル収録でしょう)このグルーヴ感やリズミカルな感じは初期のアルバムから踏襲されているD'SOUNDの持ち味を強く感じます。
14曲目"Lykkelig(Acoustic)"(4:09) コンガ、ドとナイロン弦ギターの演奏によるアコースティック・ヴァージョンです。ARMI・MILLAREの清らかな歌声が非常に似合うソフトタッチな演奏が心地好く響きます。
15曲目"Join Me In My Head"(3:19) MIRJAM・OMDALのソリッド感のある歌声と得意の早口の歌声によって繰り広げられます。レコード盤では、収録されていないのは残念ですね。
11曲歌詞付 12ページ写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:55分40秒 (メイン・ヴォーカルも交代し再スタートしたD'SOUNDの5年ぶりの最新作、やはりデビュー・アルバムからのファンとしては応援状態継続ですね!)'19年11月16日更新


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写真  D'SOUND / 25
 ・2022 daWorks Entertainment     DACD889

あっと言う間に25年過ぎて驚き・・・

このアルバムは、ノルウェーで活躍しているネオ・ソウル/グルーヴィー・ロック・バンドD'SOUNDの '22年1月21日に本国でリリースされた10枚目('09年のベスト・アルバムを含む)のアルバムです。
デビュー25周年を記念に企画されたアルバムですが、4年ぶりにオリジナルメンバーのSIMONE・ERIKSTUDが1曲目にヴォーカルを担当し、各曲にコラボメイト達がヴォーカルを担当しています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KIM・OFSTAD:ドラム/パーカッション/プログラミング/キーボード/プロデュース、JONNY・SJO:ベース/バック・ヴォーカル/プロデュース、SIMONE・ERIKSTUD:ヴォーカル/ギター、PHER(CHRISTOPHER・TURNER)、CORY・HENRY:キーボード/バック・ヴォーカル、MACY・GRAY:ヴォーカル、AUTUMN・ROWE:ヴォーカル、STEIN・AUSTRUD:キーボード、ARMI・MILLARE:ヴォーカル、MIRJAM・OMDAL:ヴォーカル、SHONTELLE:ヴォーカル、 MARIE・NOREGER:ヴォーカルの1部お馴染みのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Flashback"(3:55) イントロからゾクゾクとさせるKIMのドラムとスモーキーなJONNYのベースの調べに絡む艶を持ったSIMONEの歌声は、これぞD'SOUNDらしいサウンドですね。何だか聴いているこちら気持ちもフラッシュバックして嬉しくなりました。
4年ぶりにSIMONEの登場したビデオもどうぞ。
2曲目"Good Nature(feat. Pher,Cory Henry"(3:23) N.Y.で活躍しているシンガー/ラッパーPHERとジャズピアノ/ヴォーカリストニスCORY・HENRYとのコラボ曲です。1曲目とガラッと雰囲気を変えて来たネオ・ソウルな歌声とフェンダー・ローズの浮遊感漂う調べが最高ですね。歌詞が記載されたビデオもどうぞ。
3曲目"Save Some(feat. Macy Gray"(3:17) オハイオ州出身のR&BシンガーMACY・GRAYとのコラボによる'21年7月に紹介されたグルーヴなナンバーです。曲紹介より彼女とのライヴとの模様を観て頂くのが早いでしょう。次曲に登場するヴォーカリストS.S.W.AUTUMN・ROWEとKIMとの共作
4曲目"Right Now(feat. Autumn Rowe)"(4:24) N.Y.で活躍しているS.S.W. AUTUMN・ROWEがヴォーカルを務める曲です。ラップ風ありダンサンブルありR&Bとカオスな雰囲気は、やっぱりネオ・ソウルと言ったところでしょうか。
5曲目"Run For Cover(feat. Armi Millare"(3:01) 前作でも収録に参加したフィリピンのシンガーARMI・MILLAREのヴォーカルによる曲です。どこと無く懐かしいシティ・ポップの香りのするミドルテンポなナンバーです。モノクロでシックな雰囲気を醸し出すビデオもどうぞ。
6曲目"Necessary Love(feat. Shontelle"(3:00) バルバトス出身で現在N.Y.で活躍しているR&BシンガーSHONTELLEとのコラボ曲です。KIMのドラムにスムーズなJONNYの調べにこれまたシルキーでちょっとSIMONE似のSHONTELLEの歌声が堪りませんね。デビュー・アルバムでの雰囲気をアップデートさせた感がこの曲にはあるようです。SHONTELLEの登場したビデオもどうぞ。
7曲目"Back To You(feat. Mirjam Omdal"(3:25) 前作でメイン・ヴォーカリストだったMIRJAM・OMDALのド安定なグルーヴ曲です。KIMの突っ走るドラムのリズムとJONNYのメロディアスでリズミカルなベースだったらMIRJAMも乗り乗りでしょう。
8曲目"My Own Country(feat. Marie Noreger)"(3:50) ノルウェーで活躍するMARIE・NOREGERのヴォーカルによる少しセンチメンタルさを感じるナンバーです。丁寧に美しく付けられてストリングスのサウンドとは対照的に投げやり風のMARIEの歌声が魅力的ですね。
歌詞無し (ダウンロード販売) 収録時間:28分15秒 (見出しにも書いたのですが、デビューから早25年、こちらも歳をとるのが早い訳だ !)'22年2月23日更新


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写真  ELIN RUTH SIGVARDSSON / Saturday Light Naive
 ・2003 BOLERO RECORDS     WEA 5050466-4616-2-9

ジャケットのイメージと違った・・・

スウェーデンで活躍しているS.S.W.ELIN・RUTH・SIGVARDSSONの22歳の時にリリースしたデビュー・アルバムです。
プロデュースは、スウェディッシュ・ミュージック界の大御所LARS・WINNERBÄCKが行い、彼自身ギター/バック・ヴォーカルと熱の入れようです。アルバム全体のサウンドは、ジャケットのイメージと違った非常にオーソドックなスタイルによる曲が収録されています。
バックのミュージシャンは、LARSのバンドHOVETからNORPAN・ERIKSSON:ドラム、JOHAN・PERSSON:ギター、JENS・BACK:キーボードに加えてPETER・FORSS(ODDJOB):ヴァイオリン/ベース、OLA・GUSTAV(F)SSON:ギター、MATS・RONANDER:ハーモニカなどのベテラン勢が参加しています。
尚、このアルバムは、ミドル・ネームを伏せてのELIN・SIGVARDSSON名義で '03年に本国でリリースされています。

1曲目"When It Comes To You"(4:04) カントリー調のリズムとメロディによるELINのアコースティック・ギターの調べが心地好い曲です。後半より登場するハーモニカなど曲全体的に非常にアメリカン・ミュージックの影響を感じさせます。
2曲目"Where To Start"(3:54) ラジオのトークなどをイントロ(ビデオではカットされています)に使った掴みによる心地好いリズムの曲です。LARS達との演奏の映像とストックホルムの景色が使われたビデオ・クリップをどうぞ!
3曲目"Cruise And Crash"(4:07) スローなリズムのアコースティックなサウンドたっぷり使った曲です。ELINの少し粘り気のある特徴的な歌声と歌い回しが耳に残ります。バックの不思議なリズムの刻みとアトモスフィアーな様々なサウンドも非常に 幻想的な響きを持っています。
4曲目"Dear I"(3:31) 女性S.S.W.らしい自分自身を見つめ直した事を歌詞に綴っています。バックのリズムとサウンドも非常にオーソドックスなスタイルなカントリー調でまとめています。
5曲目"Paper Cup Words"(4:10) 美しいピアノの調べとサウンドによるELINの弾き語りに近い曲です。バックで響くハモンドの音色も心地好い曲で、この曲のアレンジもストリングスも非常にオーソドックスなスタイルで聴かせるノスタルジック・ポップな曲です。途中より登場するバックの男性ヴォーカルは、LARSでしょうか?PETERの切ない響きのヴァイオリンがこの曲に似合っています。
6曲目"Treading Water"(4:31) 非常にシンプルなアコースティック調の曲です。楽器の構成も少なくさり気ない響きとして、ELINの歌声の魅力を引き出しています。ハーモニカとギターは彼女自身演奏と思われます。
7曲目"You Get What You Earn"(4:01) 少し攻撃的な歌いぶりを披露したロック寄りの曲の登場です。この曲からはやはり若さ溢れるELINの歌声が非常に感じられます。サウンド的にはLARSのバンドのベテランの持ち味をELINのヤング・パワーで割った感じでしょうか。
8曲目"Person Called She"(3:27) 多分自分自身を"She" と置き換えて表現した曲のようです。流れるように歌うELINの歌声とギターのリズムにメリハリを付けたバックのサウンドも見事です。
9曲目"If I"(4:12) 水滴の滴り落ちるようなピアノのサウンドによるアコースティックな曲でELINの弾き語りの形式で収録されています。次第にストリングからドラム/スティール・ギター/ベースとサウンドを膨らませたアレンジとなっています。
10曲目"Like A Charm"(3:32) アコースティック・ギターの爪弾きとアコーディオンの音色が融合した、少し北欧的な幻想的サウンドを感じさせる曲です。この曲では、ELINの繊細な女性の心を表現した内容となっています。
11曲目"When I Leave"(4:01) 1曲目のリプライズ的なイントロのメロディを思い起こす曲で、ここでもELINのアップライト・ピアノの調べが印象的です。また間奏でのOLAのアコースティック・ギター・ソロも心地好いサウンドを流しています。
全11曲歌詞付 写真ライナー ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:43分35秒 (現在、ELINの所属するBOLERO RECORDSANNA・NEDERDALと一緒にZZAJとして活動していたプロデューサー/ギタリストのBILLY・BOLEROの興したレーベルでELINは同レーベルの一押しとなっています。尚、配給はWarner Music Swedenが行っています)'10年5月29日再更新


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写真  ELIN RUTH SIGVARDSSON / Smithereens
 ・2005 BOLERO RECORDS     5050467-5415-2-8

スウェーデン・グラミーにノミネート・・・

スウェーデンで活躍しているS.S.W.ELIN・RUTH・SIGVARDSSONの2枚目のアルバムで '05年2月本国でのリリースです。今回は、ELIN自身のプロデュースでアルバム作りが行われ、バック・ミュージシャンはPER・NORDMARK:ドラム、OLA・GUSTAVSSON:ギター、PETER・FORSS:ベース/ヴァイオリン/ムーグ/バック・ヴォーカル、PETER・HERMANSSON:ピアノです。
尚、このアルバムは本国で初登場1位の座に輝き、先のデビュー・アルバムとコンピレーションの形でインターナショナル盤も '06年にリリースされています。アルバム・タイトルの[Smithereens]とは破片、こっぱみじんと言う意味らしいです。

1曲目"Song For Anna"(4:48) この歌の主人公ANNA・SIGVARDSSONのエコーの効いたスキャットが心地好く響くイントロから入る曲です。メランコリックなメロディとリズムによるELINがANNAに対しての想いを綴った私的な内容となっています。
2曲目"Contradictory Cut"(3:41) 一転してサウンドを明るくして来たミドル・テンポのナンバーです。枯れた音色のアップライト・ピアノによる軽いラグタイム音楽と言えそうな雰囲気での乗りを出しています。
3曲目"If Love Can Kill I'll Die For You"(5:43) 少しパワーさを持ったカントリー・ロックな曲でスウェーデンに限らずイアー・キャッチーなメロディ・ラインとインパクトのあるサウンドによるELINのイメージを少し変えさせた曲のようです。
4曲目"Yellow Me"(3:42) ELINがアメリカを訪れた時の映像がビデオ・クリップに使われています。この曲は、ELINらしいカントリー・フォーク調を基本としたサウンドになっています。ビデオで砂浜にELIN SIGVARDSSON SWEDENと描くところが印象的です。
5曲目"Boredom"(3:56) 美しいピアノの調べとサウンドによるELINの弾き語りに近い曲です。バックで響くハモンドの音色も心地好い曲で、この曲のアレンジもストリングスも非常にオーソドックスなスタイルで聴かせるノスタルジック・ポップな曲です。途中より登場するバックの男性ヴォーカルはLARSでしょうか?PETERの切ない響きのヴァイオリンがこの曲に似合っています。
6曲目"Stupid Sunday Song"(3:18) このアルバムからシングル・カットされたビデオが非常に面白い曲です。この曲でも特徴的なELINの粘っこい歌声が響きます。メロディの方はELINがギターでお気に入りコードを重ねてさっと作り上げたようです。ただ、ビデオに登場する男性陣の方に興味の対象が移ります。
7曲目"Gone, Gone, Gone"(4:12) リズム・アンド・ブルースに近いメロディとサウンドによる曲で、後半よりゴージャスなストリングスとホーンが加えられています。しかし、次ぎの曲も含みこの人の隠し玉(サウンド)のヴァリエーションの豊富さに関心させられます。
8曲目"Showcase"(3:48) エレクトロニカのサウンドによるポップな曲です。ワイルドなギター・サウンドも挟んで今日的なオルタナティヴな曲も収録し、また違った魅力も見せています。
9曲目"Windows & Doors"(4:09) 一転してバンジョーとアコーディオン/ハーモニカによる牧歌的なサウンドによるミドル・テンポの曲です。この曲ではELIN独特の特徴的な歌声がバックのサウンドに非常に似合って、心地好いひと時を過ごすのに最適な1曲となっています。
10曲目"Own"(3:41) ELINの歌声を1人のヴォーカリストとして聴かせる曲です。ゴージャスなサウンドとスリリングなピアノの調べによるバラードです。
11曲目"Claudia"(2:48) 映画音楽のように叙情的でセンシティヴな響きを持った曲の登場です。この曲からも前作からサウンドの幅を広げて来たことを認識させ、また賞こそ逃したもののスウェーデン・グラミー賞にノミネートされる実力派と再認識させられます。
12曲目"Porcelain"(9:48) 美しいメロディと少しトロピックな香りのするアコースティック調の曲です。バックで響くOLAのペダル・スティールの残響音のあるサウンドが非常に心地好いのです。
この曲の後30秒ほどのブランクに続いてヒドゥン・トラックが収録されています。ELINの歯切れ良いサウンドによるエレクトリック・ギターと打込みのリズムによるミドル・テンポのロックで、本編に収録されても遜色ない"渋い" 4分以上ある曲です。
全12曲歌詞付 写真ライナー E.U.製 (輸入盤) 収録時間:53分40秒 (このアルバムのレーベルBOLERO RECORDSにはELINの他、実力派で気になるミュージシャンが所属しています)'10年5月29日再更新


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写真  ELIN RUTH SIGVARDSSON / A Fiction(Limited Edition)
 ・2008 Monitor Entertainment Group AB     WEA 5051442-6110-2-1

女性S.S.W.らしい小粋なメロディ・・・

22歳でスウェーデンの音楽シーンにデビューしたS.S.W.のELIN・RUTH・SIGVARDSSONの3枚目のアルバムです。実際はELIN・RUTH名義のアルバムも含めて4枚目のアルバムがリリースされていますが、'05年のセルフ・タイトル盤は1枚目と2枚目を合わせたコンピレーションとなっています。
アルバムの収録に参加しいているミュージシャンは、ELIN・RUTH・SIGVARDSSON:ヴォーカル/ギター/ピアノ/シンセサイザー/パーカッション/プロデュースの他、CARL・EKERATAM:ギター/ベース/シンセサイザー/マンドリン/シタール/バック・ヴォーカル、JOHAN・EGKEBORN:ドラム/パーカッション/シンセザイザー/ギター、ROLF・KLINTH:ベース/プロデュース、SAMUEL・STARCK:ピアノ、ANNA・DAGER・LANDBERG:チェロ、JENNY(JENNIE)・ABRAHAMSON:バック・ヴォーカル、MAGNUS・CARLSON:ヴォーカルのスウェーデンのミュージシャン達です。
尚、このアルバムはELINのH.P.より販売されている限定3折紙ジャケットにサイン入り歌詞カードを別に付けた予約販売用となっていて、本国でのリリースは '07年12月27日です。

1曲目"The War"(3:49) 枯れた響きのエレクトリック・ギターの爪弾きによるイントロから入るレトロでノスタルジックなメロディとサウンドによるスローな曲です。
2曲目"Saviour(feat. MAGNUS・CARLSON)"(3:19) ドラム・ロールによる胸騒ぎを煽るイントロが印象的な曲です。ELINやや早口のヴォーカルとMAGNUS・CARLSON(WEEPING WILLOWS)の柔らかな響きの歌声が溶け合った心地好い乗りのオルタナ・カントリー・フォークと呼べる曲です。
3曲目"Rainy Heart"(4:28) 幻想的なサウンドによるイントロと硬質なERINの歌声によるアコースティック調のスローな曲です。バックで響き特徴的なコーラス(サンプル?)が耳に残ります。
4曲目"Antidote"(3:53) このH.P.のトップ・ページでも何度か紹介したビデオ・クリップになっている曲です。映画"コレクター" を連想させる怪奇的なビデオとキャッチーなELINの作り出したメロディとが相反した組み合わせが興味深いです。
5曲目"Heart Attack"(3:33) 特徴的なベースとギターのサウンドによるブリティッシュ・テイストを感じさせる曲です。起伏を持たせたキャッチーなサビでのメロディと大人しく歌うパートが絶妙にマッチした粋なアレンジに脱帽です。
6曲目"It's A Shame"(3:49) イントロのサウンドから聴かせる曲ですね。女性S.S.W.らしい小粋なメロディに日常の出来事を"さらっ" と歌詞に綴った曲を、これまた"さらっ" 小粋に歌い上げています。
7曲目"To The Good Times"(3:13) デビュー当時に色濃く表していたカントリー・シンガー的なサウンドとメロディによる弾き語りです。カントリー・シンガーらしいあの独特の粘っこい歌い回しでの曲です。
8曲目"How You Dug Your Own Grave"(4:23) "Antidote" に続いてこのアルバムから次に聴いてみたくなった曲です。基本的にデビュー当時から持っているELINのカントリー・フォーク的なサウンドの曲ですが、柔らかい浮遊感とフィンガー・ピッキングによるサウンドが心地好いのです。このアルバムからのファースト・シングルです。
9曲目"Long Cold Winter"(4:07) この曲もカントリー・タッチのサウンドを感じさせる曲です。伸びやかなELIMの歌声が響くアコーステッィク色の強い曲です。ニュートラルなELINの英語の発音も非常に綺麗に感じられます。
10曲目"Little Man"(8:48) さらにアコーステッィク色を前面にだして来たスローな曲です。冷たく澄んだ空気を感じさせる清涼感のある調べと芯をもって響くELINの歌声が美しく聴こえます。後半はストリングスによるインストゥルメンタルになっていて全体で8分48秒もある曲になっています。
11曲目"Carousel(Bonus Track)"(3:46) アコースティック・ギターの美しい響きによるメロディアスな曲です。浮遊感を漂わすキーボードのサウンドとリズムの刻みによる心地好い曲です。CDのみの収録によるボーナス・トラックで、歌詞も付いて何だか凄く得をした気分です。
全11曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット 初期限定3折紙ジャケット盤 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:47分14秒 (マイナー・レーベルからのリリースですが配給元がWarner Music Swedenの為、通常盤なら比較的入手し易いのではないでしょうか)'10年5月31日再更新
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写真
(限定サイン入り盤です)
尚、CD発売日の12月27日にはGöteborgの
Bengansにて3曲のアコースティック・ライヴが行われています。


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写真  ELLIE GOULDING / Light
 ・2010 Polydor Ltd (U.K)     2732799

2010年はこの人の年でしょうか・・・

CORINNE・BAILEY・RAEADELEなどU.K.のB.B.C.がその年度にブレイクする新人を選出したBBC Sound of 2010のベストに選ばれたロンドンで活躍している23歳('10年3月現在) の新人ELLIE・GOULDING(本名ELENA・JANE・GOULDING)の本国で '10年3月1日にリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ELLIE・GOULDING:ヴォーカル/ギター/ピアノの他、STARSMITH:キーボード/ドラム/ベース/サックス/プロデュース、SEYE・ADELEKAN:ギター/バック・ヴォーカル、CHARLIE・MORTON:ギター/バック・ヴォーカル、JOE・CLEGG:ドラム、STEVIE・BLACKE:ストリングス、FRANKMUSIK:キーボード/バック・ヴォーカル/プロデュース、FRASER・T.SMITH(KEANE,NELLY・FURTADO):プロデュース、MARK 'Spike' STENT:ミキシングなどU.K.の精鋭たちが 参加しています。

1曲目"Guns And Horses"(3:35) ELLIEのアコースティック・ギターによる軽快なサウンドのイントロから続いて登場する少し特徴的な甘く乾いた彼女の歌声が響く曲です。ロンドン訛りがある歌詞の裏側からSTARSMITHのドラム・プログラミングが次第に強く繰り広げられて来ます。
尚、この曲は、5月にシングル第3弾としてリリースされる予定となっています。
2曲目"Starry Eyed"(2:57) このアルバムからシングル第2弾としてリリースされたキラー・チューンです。'09年のプロモーション用のアコースティック・ヴァージョンからは、見違えるほどの非常に煌びやかな装飾が施されたMARK 'Spike' STENTによるミキシングとSTARSMITHのプロデュースによりエレクトロニカ・ポップな色合いが強く表現されています。
3曲目"This Love(Will Be Your Downfall)"(3:53) 静寂と荘厳さを持ったイントロからやられてしまった曲の登場です。ストリングスの調べとアコースティック・ギターのサウンドに乗せて 歌うELLIEの美しいスキャットが堪りませんね。
4曲目"Under The Sheets"(3:44) '09年11月に先行シングルとしてリリースされた曲です。イントロのサウンドは、ブラック・ミュージックの影響を感じさせる女性R&Bのシンガーの雰囲気を持っています。曲が流れるにつれて80年代のブリティシュ・エレクトロニカ・ミュージックの懐かしさを感じるパートもありますね。
5曲目"The Writer"(4:11) ピアノのサウンドをメインとしたまた違った色合いを感じさせる落ち着いた曲の登場です。女性S.S.W.らしいメロディと歌声を聴かせるリズムの流れとカントリー・タッチなサウンドの広がりを感じます。
6曲目"Everytime You Go"(3:25) ELLIEがその美しい歌声とコケティシュ(良い意味での)な面を持った歌いぶりを聴かせる曲です。うねりを持ったエレクトロニカ・サウンドとSEYE・ADELEKAN(JEREMY・WARMSLEY)の高揚感のあるギター・サウンドがご機嫌ですね。
7曲目"Wish I Stayed"(3:40) この曲もELLIEの甘い歌声の響きが心地好く響く曲ですね。ドラム "ン" ベースの響きの底に響くELLIE のアコースティック・ギターのサウンドがキラっと光ります。
尚、この曲は、U.K.シンセ・ポップのシンガーFRANKMUSIKのプロデュースの曲となっており収録もELLIEとFRANKMUSIK2人だけで行われ、このアルバム収録の為に再アレンジされています。
8曲目"Your Biggest Mistake"(3:25) アコースティック・ギターのメランコリックな調べが流れるイントロから次第にシンセ・ポップの強いサウンド聴かせる女性シンガーの歌らしいポップ・チューンです。この曲の共作者でもあるFRASER・T.SMITHのプロデュース曲です。
9曲目"I'll Hold My Breath"(3:45) ストリングスとキーボードの豊かな調べをイントロから聴かせるポップのサウンドの曲です。この曲の共作者/プロデューサーでもあるSTARSMITHが美しいキーボードのサウンドの広がりと展開を聴かせています。
10曲目"Salt Skin"(4:17) この曲もイントロからELLIEがその美しい歌声を聴かせる少しメランコリックなサウンドのナンバーです。ELLIEのエモーシナルな響きの歌声をバックから支える共作者/プロデューサーのSTARSMITHの計算され尽くしたサウンドの数々が登場して来るのです。
全10曲歌詞付 写真ライナー E.U.製 (輸入盤) 収録時間:36分57秒 (ぱっと聴きは、プロデューサーのサウンド志向が強く表現された感じがするのですが、とっても耳当たりの良く素晴らしいELLIEの歌声が収録されています。尚、日本での彼女のこのアルバムは、ユニバーサル・ミュージック・ジャパンより '10年夏にリリースされる予定です)'10年3月20日更新


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写真  EMMY CURL / Origins EP
 ・2012 ANTENA 3     EMMYCURL 01 CD

美しい歌声とギター・・・

このアルバムは、ポルトガル北西部出身のインデペンデントS.S.W.EMMY・CURLの '12年11月22日に本国でリリースされた3枚目(ダウンロード盤を含む)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、EMMY・CURL:ヴォーカル/ギター/プログラミング/副プロデュースの他、JOAÕ・ANDRÉ:ベース/プログラミング/プロデュース、EURICO・AMORIM:シンセサイザー、ANDRÉ・TENTUGAL(THERE MUST BE A PLACE):ギターのEMMYの音楽仲間達です。

1曲目"Turn Off The Light"(4:21) イントロから広がるシンセサイザーの神秘的なサウンドの中央から登場するEMMYの清楚な美しい歌声に思わず聴き入ってしまう曲です。ちょっと英語の発音に硬さがあるのがお愛嬌と言うか可愛さを感じるところですね。曲の途中より音圧を上げて来るベースのサウンドが小気味好いですね。
2曲目"Imaginary"(3:26) アコースティック調のイメージが強いEMMYの音楽ですが、この曲も結構エレクトロニカのサウンドが満載された歯切れの良さを持っています。曲の途中ではファルセットで神秘的な歌声によるスキャットを聴かせるところは、MILLA・JOVOVICHの出世作SF映画のワンシーンを思い出しましたね。
3曲目"Epiphany"(3:02) アコースティック・サウンドとエレクトロニカのサウンドが上手くブレンドされた軽めの軽快さを感じさせる曲です。15歳の時に父のスタジオで自作の曲をプロデュース/収録していたEMMY、彼女の才能の豊かさに驚かされます。
4曲目"Song Of Origin"(3:40) アコースティック・ギターの美しい弦の響きが心地好く広がる非常に美しいメロディとサウンドを聴かせる曲です。EMMYの持つ音楽イメージを非常にアピールしている曲と思うのは、私が勝手に思っているだけでしょうか。
尚、彼女を最初に観たのはこちらのアコースティック・ライヴのビデオです。
5曲目"Stream"(4:33) 同じくポルトガルで活躍しているバンドTHERE MUST BE A PLACEのANDRÉ・TENTUGALがアコースティック・ギターを爪弾いている心地好いリズムとサウンドの曲です。EMMYの可愛い歌声のバックに流れる何処となくトロピカルな雰囲気を持ったサウンドが伝わって来ます。
6曲目"Clarity"(3:12) この曲は、非常にヨーロッパの雰囲気と言うか戯曲の一部を感じさせるヴォーカル・アレンジと走馬灯を観続け過ぎたようにめくるめく鳴り響くナイロン弦ギターの響きに重なり合ったEMMYの歌声が非常に印象的です。
歌詞無し ライナー無し 250枚限定盤 デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:22分17秒 (EMMYの美しい歌声と彼女のナイロン弦ギターのサウンドが一杯広がる素晴らしいアルバムです)'13年8月25日更新
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写真
(EMMYに頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  EMMY CURL / Cherry Luna
 ・2013 Emmy Curl     8 8174 41101 9

トリップ・ホップ/チル・アウト・・・

このアルバムは、ポルトガルで活躍しているS.S.W.EMMY・CURLの '13年11月24日に本国でリリースされた4枚目(ダウンロード盤を含む)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、EMMY・CURL:ヴォーカル/マルチ・インストゥルメント、DARKO:ヴォーカルの少人数による収録です。

1曲目"Depature(feat.DARKO)"(3:16) 南米のジャングルに鳴り響く鳥達の鳴き声のS.E.を流したトリップ・ホップな曲です。EMMLYのヴォーカル・パートが終わってから登場するDARKO(彼の事は不明)の艶のあるソウルフルな歌声が電子ビートに乗せられて響き来ます。
2曲目"I'm Just Feeling So Hollow "(3:08) 引き摺り感のあるチル・アウト/ダウンテンポな曲の登場です。このアルバムの多くの曲は、キーボードにて作曲したとEMMYが書いているように、この曲も電子キーボードのサウンドが渦巻きのようにたっぷり響いています。
3曲目"Pisces"(3:16) この曲も引き摺り感のあるダウンテンポなサウンドとビートを感じる曲です。わざと起伏を抑えたサウンドの流れに妖艶さを増したEMMYの歌声の虜となりそうです。
4曲目"I Belong To This Purpose"(3:04) アルバムのリリースと同時にOfficial Videoがアップされているチル・アウトな曲です。シンセサイザーの重い響きとS.E.を付けたこの気だるさの雰囲気に浸ってみましょう。
5曲目"Giant"(3:40) ドラム・プログラミングの淡々としたビートの流れにキーボードで陰りを付けたこの曲も引き摺りかんを非常に感じさせる曲です。'12年にリリースされた彼女の別ユニットDEEP:HERでの曲と共通性があるようです。
6曲目"Skyscrapers"(4:18) 電子サウンドを駆使したインストゥルメンタルです。シタール・ギターのような不思議でレトロチックなサウンドを使ったパートから1分過ぎた辺りから別の重い響きを持ったパートと2部構成となっています。
7曲目"Night Sky"(3:22) ヨーロッパ調の少しメランコリックなサウンドを感じる曲です。美しい響くキーボードの調べと切なく歌うEMMYの歌声もポップな転調でも何故かブルーな域を感じます。
8曲目"Marlvoro"(2:50) 短い長さのこのアルバムの終焉に収録されたインストゥルメンタルです。サウンドから結構壮大なイメージを受け、従来の質素な収録曲をまとめたEMMYのアルバムから随分違った印象を与えてくれる曲となっています。
歌詞無し 300枚限定盤 (輸入盤) 収録時間:26分59秒 (ライナーの記事によるとN.Y.に出掛けた時の経験から従来のフォーク調の作品より、エレクトロニカ・ポップへの転換へしたとの事です)'13年12月30日更新
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写真
(EMMYに頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  EMMY CURL / Navia
 ・2015 Emmy Curl     8 89211 86716 5

EMMYの清楚な歌声再び・・・

このアルバムは、ポルトガルで活躍しているS.S.W .EMMY・CURLの '15年10月16日に本国でリリースされた5枚目(ダウンロード盤を含む)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、EMMY・CURL:ヴォーカル/ギター/副プロデュースの他、JOÃO・ ANDRÉ:ベース/バック・ヴォーカル/プロデュース、GONÇALO・LEMOS:ドラム、HUGO・DANIN :パーカッション、EURICO・AMORIM:シンセサイザー/パーカッション、PAULO・GRAVATO:サックス、VANESSA・OLIVEIRA:ピアノのポルトガル、スペイン、アメリカのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Dreams Made This Boat"(3:11) ゆったりと奏でられるギターの音色に連れられて登場するEMMYの清楚な歌声が響く曲です。ツイン・ドラムのようなHi-Fiで響くドラムのビートや多国籍のサウンドを融合した印象があります。
2曲目"March For Peace"(3:44) アシッド感のあるアコースティック・ギターの爪弾きと強めビートを伝えるチル・アウトな曲です。今回のアルバムは、パーカッションやドラムのビートが強めにアレンジされているもよう。
3曲目"Volto Na Primavera"(3:26) 聴きなれたEMMYのナイロン弦ギターの爪弾きによる曲です。ポルトガル語による歌詞もCDとしてアルバムに収録されているのもめずらしいです。
4曲目"Like The Rain"(3:54) 2007年と '09年にリリースされている古い曲ですが、今回のアルバムの収録に際してリズムとバック・ヴォーカルがアレンジし直されています。非常に美しい広がりを聴かせるEMMYの歌声とバックの演奏の素晴らしいこと。
5曲目"Night Sky"(3:29) 2013年の[Cherry Luna] での収録曲の再収録です。前作時よりサウンド的に柔らかさを増し、キーボード類の演奏が追加されています。
6曲目"Come Closer"(2:55) 2014年11月にシングル曲としてダウンロード販売されているこの曲も比較的古い曲です。特徴的なスライド音を発するベースのサウンドが印象的です。また、プロジェクション・マッピングで制作されたビデオもどうぞ。
7曲目"Sand Storm"(3:04) EMMYのアルバムを聴いていて時々思うのですがヨーロッパ調や特にポルトガルの音楽と言う前に中東トルコあたりの影響があると思うのです。この曲のリズム感もそうでは無いでしょうか。
8曲目"Morning"(3:06) EMMYのナイロン弦ギターの爪弾きの演奏をメインとしたアコースティック調の曲です。少し変わったギターコードを時独聴かせる部分が光りますね。
9曲目"Amory"(3:07) ワルツのリズムで軽快に奏でられるギターの調べとパーカッションのビートが小気味よく響く曲です。心に入って来た男性への想いを可愛い歌声で綴るEMMYです。
10曲目"Merlin The Cat Is Missing"(5:10) センチメンタルなメロディに乗せた身近な話題を歌詞にした曲です。メロディアスなキーボードの調べやシンセサイザー・ベースの低いうねりが底辺を流れて来ます。この曲も '07年のフリー・ダウンロード・アルバム[EP - Ether]にエレクトロニカ・サウンドを強めてたアレンジで収録されています。
11曲目"Euridice"(3:10) 再びポルトガル語の歌詞による曲です。ギリシャ神話をオペラ化したオルフェオとエウリディーチェを題材しているようです。
12曲目"The Arrival"(4:47) 厳かに奏でられるEMMYのナイロン弦ギターの調べとこの曲でもシンセザイザー・ベースの重い響きが折り重ねられた神秘的な雰囲気を持った曲です。曲の始まりから終焉まで厳かなリズムとサウンドが流れて来ます。
全12歌詞付 写真ブックレット デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:43分03秒 (EMMYの清楚な歌声が再び広がる好アルバムです)'15年12月13日更新
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写真
(EMMYに頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  EMMY CURL / ØPorto
 ・2019 Emmy Curl     03CD

ポルトでの4年間・・・

このアルバムは、ポルトガル(バンドキャンプではコペンハーゲンに在住)で活躍しているS.S.W .EMMY・CURLの '19年11月12日(CD盤)に本国でリリースされた6枚目(ダウンロード盤を含む)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、EMMY・CURL:ヴォーカル/ギター/プロデュースの他、GONÇALO・LEMOS:ギター、JULIUS・GABRIEL:フルート、FLAVIA・HUARACHI:フルート、DIOGO・MARTINS:シンセサイザー、VICENTE・PALMA:ヴォーカル、FABIOLA・AUGUSTA:ヴォーカル、FILIPE・RAPOSO:ピアノ、FILIPE・LOURO:ベース、GUILHERME・SALGUEIRO:ピアノ/ギター、EMILIANA・SILVA:ヴァイオリンのポルトガルのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Aliados"(1:14) 聴きなれたEMMYの優しい調べを奏でるナイロン弦ギターと囁き近いスキャットによるこのアルバムのオープニングを伝える曲です。
2曲目"Porto"(4:01) EMMYが故郷ポルトの街について歌うポルトガル語のよる曲です。ナイロン弦を爪弾き優しい歌声を聴かせるセレナード的な曲調に包まれます。
3曲目"Devesas"(4:47) このアルバムの特徴である異国情緒のあるパーカッションのビートがこの曲にも感じます。曲名の"Devesas" はポルトにある地区の名前のようです。
4曲目"Lembrar Cura"(4:18) アフリカ音楽の影響を強く感じるシンセサイザーを駆使したアシッド感のある曲です。旅情的なアコースティック・サウンドと対局にあるこのような曲も書くEMMYの才能に脱帽です。
5曲目"Rua De Cedofeita"(4:07) 雨音を感じさせるピアノの調べと無機質なシンセサイザーの打込み音によるこの曲もチルアウトな曲です。この曲もポルトの街や通りの名前がついたインストゥルメンツとなっています。
6曲目"De Que É Feito"(4:04) 穏やかに奏でられるギターの爪弾きとEMMYのそよ風のような歌声が流れる曲です。ポルトガル語と英語の歌詞のついたビデオもどうぞ。
7曲目"Dança Da Lua E Do Sol"(4:01) '18年の4月に先行リリースされているポルトガル語の歌詞による曲です。素早く奏でられるEMMYのギター爪弾きに合わせ後半より登場するVICENTE・PALMA(ポルトガルで活躍しているS.S.W.)の渋めの歌声も好いですね。
8曲目"Undressed//Gestos Das Palavras"(7:00) シンセ・ベースの重い響きと抽象的な調べを発するピアノの調べによる前半と後半に分かれた組曲です。スキャットで歌うEMMYの歌声は戯曲の1部のような広がりを聴かせます。
9曲目"City Of Choices"(4:14) ドラムのビートとクラヴィネットの音色が渋い英語の歌詞による曲です。軽めのファンク感や乗りの好さのビートが堪りませんね。
10曲目"Good Dancers"(4:04) どこと無く坂本龍一の曲のイメージのするピアノの調べが印象的な曲です。センチメンタルに歌うEMMYの歌声と脇に抱えたナイロン弦ギターの細やかな爪弾きがそっと伝わって来るのです。
11曲目"Kept Me In The Storm"(4:22) この曲もリズムとメロディに異国情緒を強く感じる曲です。中東/アフリカ/インド辺りのリズムをEMMYが楽しく表現した感があります。
12曲目"Passos Manuel"(4:01) この曲も不協和音を使った不思議な世界へ誘う曲です。エクスペリメンタルな精神世界を繰り広げるインストゥルメンツです。
13曲目"Somewhere, Somehow, Someway"(3:44) ここでちょっとギターの爪弾きによる落ち着いた曲の登場です。EMMYの特徴的なちょっと風変わりなコード進行がここでも心に残ります。
14曲目"Chibiusa"(3:53) 曲名の"Chibiusa" ご存知の方も多いかも知れませんが、アニメ「セーラームーンのキャラクター」です。過去のアルバムのジャケ写真にドラエモンのTシャツで登場したEMMY、結構日本のアニメファンのようです。
15曲目"The Walk"(4:55) エコーを効かせたギターの調べと神秘的な響きを持ったEMMYの歌声が美しい曲です。3分後からギターのソロによるインストルメンタルと謝辞が収録されています。
歌詞無し 写真ライナー デジパック仕様 300枚限定CD盤 (輸入盤) 収録時間:62分51秒 (過去のアルバムでは、ポルトガル語の曲が少なかったEMMY、このアルバムでは、ポルトでの生活の集大成を綴っています)'19年12月1日更新
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写真
(EMMYに頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  EMMY CURL / 15
 ・2022 Uguru/emmy curl     UGURU 040

ベスト・アルバム・・・

このアルバムは、ポルトガルで活躍しているS.S.W .EMMY・CURLの '22年4月8日(CD盤は8月4日リリース予定)に本国でリリースされた8枚目('20年1月のダウンロード盤を含む)のアルバムで、デビュー15周年を記念したベスト・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ベスト・アルバムの為、過去のアルバムの記載を参照願います。また、曲紹介についても過去のアルバム・レビューより転載しています。

1曲目"Kept Me In The Storm"(4:22) '19年のアルバム[ØPorto]に収録されている曲です。リズムとメロディに異国情緒を強く感じる曲です。中東/アフリカ/インド辺りのリズムをEMMYが楽しく表現した感があります。
2曲目"Lembrar Cura"(4:18) この曲も[ØPorto]の収録曲です。アフリカ音楽の影響を強く感じるシンセサイザーを駆使したアシッド感のある曲です。旅情的なアコースティック・サウンドと対局にあるこのような曲も書くEMMYの才能に脱帽です。
3曲目"Fireflies"(4:30) '20年1月のダウンロード盤[HomeWorks 15-19]での収録曲です。シンセサイザーによる幻想的なイントロとナイロン弦ギターによる優しげな調べとが融合する浮遊感漂う曲です。アコースティック・サウンドと電子音楽とのコラボに挑戦した感を伝えて来ます。
4曲目"Rua De Cedofeita"(4:07) この曲も[ØPorto]の収録曲です。雨音を感じさせるピアノの調べと無機質なシンセサイザーの打込み音によるこの曲もチルアウトな曲です。この曲もポルトの街や通りの名前がついたインストゥルメンツとなっています。
5曲目"Devesas"(4:47) この曲も[ØPorto]の収録曲です。特徴である異国情緒のあるパーカッションのビートがこの曲にも感じます。曲名の"Devesas" はポルトにある地区の名前のようです。
6曲目"Sand Storm"(3:04) この曲も[ØPorto]の収録曲です。EMMYのアルバムを聴いていて時々思うのですがヨーロッパ調や特にポルトガルの音楽と言う前に中東トルコあたりの影響があると思うのです。この曲のリズム感もそうでは無いでしょうか。
7曲目"Volto Na Primavera"(3:26) この曲も[ØPorto]での収録曲です。聴きなれたEMMYのナイロン弦ギターの爪弾きによる曲です。ポルトガル語による歌詞もCDとしてアルバムに収録されているのもめずらしいです。
8曲目"Meu Redor"(3:35) この曲も [HomeWorks 15-19]での収録曲です。重く響くシンセ・ベースとベース・ギターの弦の振動まで聴かせるベース感重視の曲です。ポルトガル語の歌詞による戯曲/ロック/ポップ/アフリカンなカオスを強く感じます。
9曲目"Aliados"(1:14) この曲も[ØPorto]での収録曲です。聴きなれたEMMYの優しい調べを奏でるナイロン弦ギターと囁き近いスキャットによるこのアルバムのオープニングを伝える曲です。
10曲目"Maio Maduro Maio"(3:07) '11年5月にリリースされたデビュー曲です。アコースティック・ギターによる弾き語りです。雰囲気は、'12年の[Origins EP]での曲調に通じています。ポルトガル語によるクラシック音楽近いかな。
11曲目"Clarity"(3:12) 先に記した'12年の[Origins EP]での収録曲です。非常にヨーロッパの雰囲気と言うか戯曲の一部を感じさせるヴォーカル・アレンジと走馬灯を観続け過ぎたようにめくるめく鳴り響くナイロン弦ギターの響きに重なり合ったEMMYの歌声が非常に印象的です。
10曲歌詞付 16ページ豪華ブックレット デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:39分42秒 ('12年の[Origins EP]ですっかりEMMYに魅了されてしまってからも、早10年が過ぎようとしています)'22年4月9日更新
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写真
(EMMYに頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  ERIC RUSSELL / Personal
 ・1993 MARILU MUSIC
 ・1993 Polystar Co.,Ltd.   PSCW-5032

アメリカのウエスト・コースト風となっています・・・

女性シンガーと思わせるジャケットのイラストですが、中身は、フランスのおじさんです。歌詞は、全て英語で収録されています。曲調もアメリカのウエスト・コースト風となっています。またこのCDは、日本のみのリリースで(本国ではOLIVIER・CONSTANTIN名義にてリリースされたもよう)'93年10月25日となっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、OLIVIER・CONSTANTIN:ヴォーカルの他、KAMIL・RUSTAM:ギター、FRANK・PILAN:ギター、JEAN-MARC・ALEXANDRE:ギター、DOMINIQUE・GRIMALDI:ベース、THIERRY・DURBET:キーボード/プログラミング/アレンジ、ARNAUD・AUBAILLE:ピアノ、MARIO・SANTANGELI:ハモンド・オルガン/バック・ヴォーカル、YVES・SANNA:ドラム、MIMI・FELIXINE:バック・ヴォーカル、LAURENCE・CARTIER:バック・ヴォーカル、VIRGINIE・CONSTANTIN:バック・ヴォーカル、NATACHA・GERARDIN:バック・ヴォーカルのフランス/ドイツのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、フランスで活躍しているLAURENT・BLANCONが担当しています。

1曲目"Song To Chloe"(2:27) ピアノの綺麗な旋律に合わせてERICの爽やかヴォーカルが聴きのものです。
2曲目"Never Be Mine"(3:47) ウエスト・コースト・ロックの聴きやすい曲で美しいハーモニーです。
3曲目"In The Middle Of The Day"(4:08) アーバン・ロック的な都会の夜を想像させるメロディです。
4曲目"Shining"(4:14) この曲でのERICのヴォーカルは、スウェーデンのロック・バンド、クロスフェードのヨラン・エドマンに似ています。
5曲目"Nobody Know"(4:31) スケール感のあるバラードです。
6曲目"Someday Somewhere"(3:21) 明るい曲でカリフォルニア・サウンドの曲です。
7曲目"Don't Waste Your Time"(5:41) この曲はフランスの雰囲気がして物悲しい感じが良いですネ。
8曲目"Don't Slow Down"(4:36) ギター・ポップのサウンドに乗せERICのヴォーカルが冴えます。
9曲目"Mona Lisa"(4:08) ラブ・バラードですネ、歌詞の内容は赤面します。
10曲目"Serenad"(5:00) バック・ヴォーカルがしっとりしたこの曲もバラードで、どこと無くKING OF HEARTSのサウンドに似ていますね。
全10曲 歌詞/訳詞付 ブックレット (国内盤) 収録時間:41分57秒(フランスではアメリカの西海岸の音楽に対するフリークが多く、このようなサウンドが作られるのでしょう)'10年5月31日再更新


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写真  ERIK BORELIUS / Fantasy
 ・1988 EMI Svenska AB   7903632

物凄いギターのサウンド・・・

スウェーデンで活躍するギタリストERIK・BORELIUSの2枚目のアルバムで '88年に本国でリリースされました。本国スウェーデンではT.V.の映像音楽などの作曲と演奏などの活躍で '93年のグラミー賞インストゥルメンタルアルバム部門で受賞しています。
'03年から新生Perfect Partnersとの活動を始めデビュー20周年を記念し自身のヴォーカル曲を収録した9枚目のアルバムも制作され、現在もスウェーデン音楽シーンの第一線で活躍しています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ERIK・BORELIUS:ギター/プロデュースの他、BO・KNUTSSON:ベース、JENS・JOHANSSON:キーボード、TOMMY・LYDELL:キーボード、STEFAN・NILSSON:ピアノ、ANDRÉ・FERRARI:ドラム、DAVID・WILCZEWSKI:サックス、Ulf・ADÅKER:トランペット、 LILLING・PALMEKLINT:ヴォーカルのスウェーデンのミュージシャン達です。
プロデューサーは、ERIK・BORELIUS自身が行っています。

1曲目"Nowhereland(Instrumental)"(4:00) ソリッドボディーのエレクトリック・ギターから繰り出される硬質のギターサウンドによるフュージョンの曲です。ERIKの様々なギターのサウンドと演奏スタイル多用した先ずは名刺代わりの1曲です。
2曲目"200 Times"(4:57) 女性ヴォーカリストLILLING・PALMEKLINT(VIKTORIA・TOLSTOY,PANDORA)を起用したヴォーカル曲です。ERIK自身ヴォーカリストとしての力量は相当なものですが、特にギター・テクニック重視のギタリストは"歌うこと"にシャイな人が多いようです。
3曲目"My Only Love(Instrumental)"(5:23) DAVID・WILCZEWSKIのサックスの演奏とユニゾンで弾かれるERIKのギターのエモーショナルなギターでの曲です。後半からはアコースティック・ギターも登場してライトウエイト・フュージョンのご機嫌なサウンドです。
4曲目"Still No Lies"(4:32) ドラムのアップビートによるロックのサウンドの曲で、再びLILLING・PALMEKLINTがヴォーカルを執る曲です。間奏で登場するチョッパーによるベースソロの早弾きの物凄さは感動ものです。サウンドのスタイルと傾向は同時期に活躍したANIMAL LOGICと似ていますね。
5曲目"West(Instrumental)"(4:33) アコースティック・ギターと余りエフェクターを掛けていないエレクトリック・ギターでのミドル・テンポのファンクなサウンドの曲です。キーボードとベースとERIKのギターの演奏を交互に弾き合いながら演奏されるスタイルの曲です。
6曲目"Easy On You(Instrumental)"(4:52) イントロからERIKが弾き捲りですね。キーボードにスウェーデンのハード・メタル・グループSILVER MOUTAINのJENS・JOHANSSONです。歯切れ良いギターのスケール演奏にスライダーを駆使したJENSの少し捻りを加えたキーボードでのサウンドです。
7曲目"Helvetia Paradise(Instrumental)"(4:09) ナイロン弦とスチール弦両方使ったアコースティック・ギターで曲です。ベースのサウンドもしっかりした響きとピアノの演奏も非常に美しく奏でられています。
8曲目"Happy Fly(Instrumental)"(4:31) もの凄いアコースティック・ギターでの早弾きです。ERIKは10代より活躍しておりスウェーデンのT.V.にグループまたはソロで数多く出演しているようです。
9曲目"Dreamer"(3:22) ゆったりしたナイロン弦ギターでの演奏曲です。曲のタイトル通り夢を見ているように心地好く流れるサウンドです。
10曲目"Blue Spring(Instrumental)"(4:32) フラメンコの曲調による叙情的なメロディとサウンドの曲です。作曲家として映像音楽の仕事の依頼が多く持ち込まれるERIKの音楽表現の手腕を目(耳)の当たりする曲です。
歌詞無し 写真ライナー 西ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:48分42秒 ('88年の古いアルバムですが、当時の本国ではLPとCDがリリースされたようです)'10年6月1日再更新


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写真  ERIK BORELIUS / Live The Life Of A Star
 ・2006 EBM 007   320470 069219

炸裂するギターのサウンドとERIK・・・

'03年から新生Perfect Partnersとの活動を始め、デビュー20周年を記念する為に、自身のヴォーカル曲を中心に収録したERIK・BORELIUSの9枚目のアルバムです。 '06年5月26日に本国でリリースされました。
新生Perfect Partnersは、ドラム:FREDRIK・BERGSTRÖM、ベース:NICLAS・LINDBLOM、キーボード:JAKOB・ELLERSTEDT、バック・ヴォーカル:MAJA・CALLIUSとVIVIEN・SEARCYです。 尚、ERIKは '93年より自身のレーベルよりアルバムをリリースし続けています。

1曲目"Skinthin Attraction"(5:04) 炸裂するERIKのギターと彼自身のヴォーカルによる乗りの好いロックのリズムの曲です。バック・ヴォーカルのMAJA・CALLIUSVIVIEN・SEARCYとの相性もいいですね。
2曲目"November Blues"(5:15) 戯曲的なナイロン弦ギターによる弾き語りの曲ですが、メロディ的には多国籍な雰囲気を持っています。様々なサウンドの展開のアレンジは見事です。
3曲目"No Man Rules Over Her"(5:24) 北欧的な荘厳で透明感のあるサウンドによるサウンドトラック的な曲です。スローな出だしからリズミカルなパートまでバラエティーに富んだ曲です。
4曲目"Dreamers Eye"(5:43) エレクトロニカのサウンド使ったドラマチックな曲です。ERIKが仕事の依頼を多く受けるT.V.のドラマの音楽との関連性のあるサウンドとメロディです。
5曲目"Live The Life Of A Star"(5:43) ワウ・ワウを多用し、ファンクなサウンドに仕上げたミドル・テンポのソウルフルな曲です。ERIKのギターから繰り出される様々なギターのサウンドとMAJAとVIVIENのヴォーカルが溶け合います。
6曲目"22 In 84"(5:00) キーボードのJAKOB・ELLERSTEDTの美しい演奏が好いですね。ERIKの様々なギターの演奏が収録された心に響くバラードです。
7曲目"Mars And Beyond"(5:37) ERIKによるスペース・オペラです。ワイドでダイナミックなサウンドとメロディによる曲で、ERIKが10代の頃より演奏していたプログレシッヴ・ロックを引き継いだ曲のようです。
8曲目"Spongy Feet"(4:17) 再びファンクなリズムの曲で、バックに流れるシンセのリズムの刻みとソウルフルなERIKのヴォーカルが"モロ" にブラック・ミュージックからの影響を感じさせます。
9曲目"If The Hero Dies"(4:57) ミドル/ テンポのリズム・アンド・ブルースを"クール" に聴かせる曲です。この曲でもバック・ヴォーカルMAJAとVIVIENの2人の歌声が素晴らしいです。間奏のERIKのギター・ソロの音色も嬉しそうに聴こえます。
10曲目"Memories Of You(Instrumental)"(5:48) ナイロン弦ギターによって演奏される壮大なフラメンコの曲調からエレクトリック・ギターに持ち替えたERIKの情熱的なインストゥルメンタルですが、MAJAとVIVIENの美しいスキャットがバックで流れています。ERIKが両親に捧げたナンバーです。
9曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:52分08秒 (ERIKのアルバムは国内で入手困難ですが、ライトなフュージョン・ギター・サウンドを好きな人には好アルバムです。但し、ジャケの写真はイマ..)'10年6月1日再更新


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写真  ERIK PENNY / The Linger Kiss
 ・2008 Headless Toad Music  

ERIKの優しい歌声再び・・・

このアルバムは、ロス・アンゼルスでインディペンデントとして活躍し、現在は、ドイツのベルリンで音楽活動をしているERIK・PENNYの '08年9月16日に本国でリリースされた5枚目(初期のPENNY BANDとEP盤を含む)のアルバムです。
収録は、ロス・アンゼルスで行われ、ERIK・PENNY:ヴォーカル/ギター/キーボード/ベース/パーカッション/プログラミング、ERIKの音楽仲間のDAVID・GREEN:ギター、GARRETT・RAY:ドラム、CARSON・COHEN:ベース、KELLY・BARNES:バック・ヴォーカル、GUS・BLACK:バック・ヴォーカル、CONSTANCE・BAKER:バック・ヴォーカル、SIMONE・STEVENS:バック・ヴォーカルのロス・アンゼルスのインディペンデントに活躍しているミュージシャン達が参加しています。

1曲目"The Linger Kiss"(3:36) ギターをチューニングする様から入るイントロ部と躍動的なドラムのビートが印象的なポップな曲です。最近、少し枯れ気味のハスキー・ヴォイスを聴かせるERIKの歌声と旧友DAVID・GREENのシンプルなスライド・ギターのサウンドが良いですね。
2曲目"Flowers And Fire"(4:24) 街中の喧噪のサンプル音源とERIKの低いキーでの歌声によるサンプル曲を聴いた時から気に入っていた曲です。DAVIDの雰囲気もののスライド・ギターによるバックのサウンドの広がりとERIKの得意とするコード進行の美しいを感じさせます。
3曲目"Rumors On Your Mind"(4:14) 打ち込みのサウンドとリズムを使ったERIKにしてはリズミカルで、アップテンポの曲です。ファルセットで歌うERIKと女性?バック・ヴォーカルとのハーモニーも美しいメロディアスな調べが流れています。
4曲目"One Cup Of Coffee"(3:15) 故BOB・MARLEY の初期 '62年のシングル曲のカバーです。ERIKのアコースティック・ギターの爪弾きによるイントロから入る落ち着いた調べの曲です。オリジナルでのレゲエのリズムからナッシュヴィル・サウンドにアレンジしたカントリー調に女性バック・ヴォーカルを付けて収録されています。
5曲目"Wish You Away"(4:14) 何かT.V.のコマーシャル・ソングの感じを与えそうな曲調の曲です。ゆったりと歌うERIKの優しい歌声に厳かに美しく奏でられえたバックのサウンドが重ねられた非常に印象的です。
6曲目"Belief System"(4:02) 美しいアコースティック・ギターのサウンドと円やかキーボードの調べが優しい曲です。ERIKが過ごしたロス・アンゼルスの想い出を歌詞に綴っているようです。
7曲目"Fingers Crossed"(3:43) バックワードにしたサンプル音源とERIKのギターの爪弾きによるサウンドが流れます。少し枯れ気味になった歌声と先日までERIKが住んでいたカルフォルニアのサウンドを感じます。
8曲目"Easier Life"(4:03) ERIKがドイツに引っ越す直前にロス・アンゼルスの音楽仲間とGUS・BLACKが撮影したビデオ・クリップが面白い曲です。聴き覚えのあるオルガンのサウンドと無機質にしたドラムとベースのサウンドにしたプチ・テクノ・ミュージックによるERIKの音楽の幅を更に広げた感じを与えるポップ・ナンバーです。
9曲目"Hole In The Sun"(5:10) 電子ピアノによるメランコリックなメロディの調べとドラム・マシーンのビートが流れるERIKの作りだした彼の音楽の世界です。このアルバムでは、バックに女性ヴォーカルが付けられています。この曲もその一つで、後半からその歌声がエモーショナルに展開されます。
10曲目"Things We Didn't Do"(4:13) アルバムの最後はERIKのアコースティック・ギターによる弾き語りです。ERIKの"渋さ" を増した歌声とノスタルジックなセピア色を感じさせるサウンドの流れから美しいハーモニーを付け、ロスの音楽仲間との別れを惜しむような曲調を感じさせます。
歌詞無し クレジットライナー付 紙ジャケット仕様 CD-R (輸入盤) 収録時間:40分59秒 (今回もジャケット・デザインと写真は、ERIKの奥さんである写真家MEIKE・BERGMANN・HIBBERTの作品です)'10年6月1日再更新


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写真  EVERYTHING BUT THE GIRL / Eden
 ・1984 CHERRY RED RECORDS LTD.
 ・1991 TOY’S FACTORY RECORDS, INC.    TFCK-88821

もう40年も経ちました・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているEVERYTHING BUT THE GIRL"(以下 E.B.T.G.)の '84年4月本国にてリリースされたデビュー・アルバム('84年のアメリカのみリリースされたセルフ・タイトル盤は含みません)です。2枚目のアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TRACY・THORN:ヴォーカル/ギター、BEN・WATT:ギター/キーボード/ホーン・アレンジ/ヴォーカルのE.B.T.Gの他、 SIMON・BOOTH:ギター、CHUCHO・MERCHAN:ダブル・ベース、CHARLES・HAYWARD:ドラム、JOAO・BOSCO・DE・OLIVEIRA:パーカッション、PETE・KING:アルト・サックス、NIGEL・NASH:サックス、DICK・PEARCE:トランペット/フリューゲルホンのイギリスのベテラン勢です。
プロデュースは、ROBIN・MILLAR(SADE,BLACK,STYLE COUNCIL)が担当しています。
尚、このレビューは '91年11月5日に再リリースされた国内CD盤をもとに書いています。

1曲目"Each And Every One"(2:48) 厳かに奏でられるホーンの調べがまるでこのアルバムの幕開きを告げる知らせのように流れます。ボサ・ノヴァのリズムに乗せ歌うTRACYと相槌を打つBENの歌声が仲良く響きます。
2曲目"Bittersweet"(2:50) アコースティック・ギターを優しく掻き鳴らす心地好い響きと少し斜に構えたTRACYの歌声が響く当時ネオ・アコと呼ばれたスタイルの曲です。
3曲目"Tender Blue"(3:05) BENのヴォーカル曲の登場です。憂いを持ったBENの歌声とメランコリックなギターの調べが響きます。途中よりTRACYとヴァーカルをシェアしながらスローなジャズ・バラードです。
4曲目"Another Bridge"(2:13) 再びアコースティック・ギターによるシンプルなサウンド曲ですが、BENのハモンドのサウンドが登場するといかにも英国ロックって感じがするのが流石ですね。
5曲目"The Spice Of Life"(3:30) ゆったりと奏でられるギターの調べとこれまたゆったりと落ち着いて歌うTRACYとBENの歌声が広がる曲です。コンガとオルガンも混ざって繰り広げられるシンプルなスタイルですね。
6曲目"The Dustbowl"(1:39) BENのギターとTRACYの歌声だけによるこの曲も非常にシンプルなスタイルの曲です。BENが12弦などの複数のギターを取り出し、重ね合わせた感じがとても強い印象があります。
7曲目"Crabwalk"(3:24) この曲を最初に聴いた時は、とても驚きました。この曲1曲だけ聴いただけですでは、到底ロンドンの新人男女ユニットの曲とは思わないでしょうね。本格的なジャズ・スタイルによるインストゥルメンタルです。ベテラン・ジャズ・プレイヤーの演奏の賜物ですね。作曲は、BENの手によります。
8曲目"Even So"(2:31) 良い意味での「アンニュイ」な歌声を聴かせるTRACYとスパニッシュ/ボサ・ノヴァな曲です。ナイロン弦を指で弾いた後のカスタネットなんて聴く方をにんまりとさせますね。
9曲目"Frost And Fire"(3:06) このハモンドのレスリースピーカーなんてとてもレトロな響きを醸し出しいまね。わざと調子外れなチョーキングを聴かせギターのサウンドなどサイケデリック・ロックへのオマージュなのではないでしょうか。
10曲目"Fascination"(3:20) 丁寧に奏でられるギターの爪弾きと今度は、丁寧に歌うTRACYの実直さが表れた感がする曲です。TRACYの歌声に引き寄せられたように登場するサックスの調べも孤高に響きます。
11曲目"I Must Confess"(3:12) CHUCHO・MERCHAのダブル・ベースの調べが妖艶に響くイントロからTRACYのあの特徴的なあの拗ねたような歌声によるボサ・ノヴァです。本当、本格的ラウンジ・ミュージックって感じですね。
12曲目"Soft Touch"(2:02) BENのヴォーカル曲です。この曲でもCHUCHO・MERCHAのダブル・ベースのサウンドが光っています。フレットレス・ベースのように奏でるベースの調べと厳かにに凛としたピアノの調べが曲の終わりまでそっと流れ去ります。
11曲歌詞/訳詞付 16ページ物(1ページブランク)ブックレット (国内盤) 収録時間:33分46秒 (リリース後40年を経過した E.B.T.G.のデビュー・アルバム、この機会にアップしてみました!)'24年3月10日更新


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写真  EVERYTHING BUT THE GIRL / Love Not Money
 ・1985 CHERRY RED RECORDS LTD.
 ・1990 Vap Inc.     VPCK-85058

当時の時代が生んだサウンドとメロディ・・・

EVERYTHING BUT THE GIRL(以下 E.B.T.G.)の '85年4月本国にてリリースされた2枚目('84年のアメリカのみリリースされたセルフ・タイトル盤は含みません)のアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TRACY・THORN:ヴォーカル、BEN・WATT:ギター/キーボード/ホーン・アレンジ/ヴォーカルのE.B.T.G.の他、NEIL・SCOTT:ギター、PHIL・MOXHAM:ベース、JUNE・MILES・KINGSTON:ドラム/バック・ヴォーカル、CHRIS・THOMPSON:バンジョー、B.J.COLE:ペダル・スティール、PETER・KING:アルト・サックス、NIGEL・NASH:テナー・サックス、DICK・PEARCE:フリューゲル・ホーン/トランペット、DAVE・GOLDING:ティン・ホイッスルのイギリスのミュージシャン達が参加しています。
尚、このレビューは '90年にデジタル・マスタリングされた国内盤CD('90年2月21日リリース)をもとに書かれています。印象的なモノクロームのジャケット写真は、故HUMPHREY・SPENDERによって北イングランドで '37〜'38年に撮影されたものです。
プロデューサーは、ベテランROBIN・MILLAR(BLACK,STYLE COUNCIL,SADE)で彼自身10曲目にピアノでも参加しています。

1曲目"When All's Well"(3:03) 乗りの良いリズムによる爽やかなサウンドにポップさ溢れる曲です。時折はいるサックスによるアンサンブルの音色と遠くで響くギターの若々しいサウンドが印象的です。歌詞の大半をTRACYが書いているE.B.T.G.ですが、この曲は、BENの作詞/作曲となっています。
2曲目"Ugly Little Dreams"(2:54) 少しサウンドをカントリー・タッチにしてきたスローな曲です。ペダル・スティールとバンジョーを使ってノスタルジックなサウンドを展開しています。近年のE.B.T.G.のサウンドしか知らないファンにとっては到底、同じユニットと思わないでしょうね。
3曲目"Shoot Me Down"(4:13) STEELY DAN風のサックスのアレンジと少し凝ったリズムによるアシッド・メランコリックなナンバーです。TRACYの少し拗ねたような歌声による歌いぶりにバックで響くBENの歌声が優しく絡むのです。
4曲目"Are You Trying To Be Funny?"(3:18) 再びサウンドをお気軽な方向へ展開してきた軽めのナンバーです。BENのギターの調べに乗せ歌うTRACYの悪女を演じた歌詞をシニカルに表現しています。
5曲目"Sean"(3:32) 北アイルランド問題を題材した曲です。重い曲の内容と対照的に爽やかなオカリナ/ケーナ?(アイルランドですからティン・ホイッスルですね)のサウンドが悲しく聴こえます。BENの作詞/作曲でヴォーカルも彼によります。
6曲目"Ballad Of The Times"(3:29) 美しい残響音を残すリッケンバッカーのギターのサウンドと心地好いリズムによる初期のE.B.T.G.らしい曲調です。ドラムのJUNE・MILES・KINGSTONのバック・ヴォーカルも素晴らしい歌声です。
7曲目"Anytown"(3:27) ロック"ン" ロールとロカビリーの中間のようなリズムによる曲です。ロカビリー調のギターのフレーズとこの曲でもTRACYのあの拗ねたような歌いぶりが印象に残ります。
8曲目"This Love(Not For Sale)"(3:07) 教会での讃美歌のようなオルガンの音色に厳かで寂しく鳴るホーンを入れたアレンジに乗せ歌われる強烈なメッセージを含んだ歌詞による曲です。
9曲目"Trouble And Strife"(3:08) 非常にロック・ロックとしたサウンドによる曲の登場です。ネオ・アコ的に響くギターのサウンドによるBENの作詞/作曲の曲ですが、メイン・ヴォーカルはTRACYです。
10曲目"Angel"(5:37) E.B.T.G.が持つ暗い部分を表現した曲です。どことなく現れる寂しさとやり切れなさを感じさせるTRACYとBENの音楽です。そう言うところに強烈に惹かれる初期のファンには堪らない曲ではないでしょうか。
11曲目"Kid"(3:46) メロディアスで美しいメロディによる曲の登場です。BENの12弦ギターの調べとTRACYの切なく響く歌声が絡み合います。このアルバムのジャケットの写真が非常に似合う曲です。尚、この曲は、THE PRETENDERS '80年の曲のカバーです。
12曲目"Heaven Help Me"(3:20) BENのピアノの調べによるオーケストラ調の曲です。この曲では、TRACYがめずらしく熱く歌っていてCCM的な内容を歌詞に綴っています。
全12曲歌詞/訳詞付 ブックレット (国内盤) 収録時間:43分01秒 (先にも記しましたが、今のE.B.T.G.と対照的なサウンド、当時の時代が生んだE.B.T.G.の音楽が表現されています)'10年6月2日再更新


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写真  EVERYTHING BUT THE GIRL / Baby, The Stars Shine
 Bright
 ・1986 CHERRY RED RECORDS LTD.
 ・1990 Vap Inc.     VPCK-85059

ジャケット通りカラフル?・・・

'84年以前には同じ学校を卒業して また、同じレコード会社に所属していながら、面識がなかったと言うこの2人。レコード会社のアイデアでEVERYTHING BUT THE GIRL(以下 E.B.T.G.)として活動しました。このアルバムはそのE.B.T.G.の3枚目('84年のアメリカのみリリースされたセルフ・タイトル盤は含みません)のアルバムで '86年8月本国でのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TRACY・THORN:ヴォーカル/プロデュース、BEN・WATT:ギター/ヴォーカル/アレンジ/プロデュースのE.B.T.G.の他、MICKEY・HARRIS:ベース、CARA・TIVEY:ピアノ/オルガン、ROBERT・PETERS;ドラム、FRANK・RICOTTI:パーカッション、JOAO・BOSCO・DE・OLIVEIRA:パーカッション、MARTIN・DITCHAM:パーカッション、STEVE・HENDERSON・パーカッション、NICK・INGHAM:指揮、JIM・HANDY:フレンチ・ホーン、JOHN・PIGNEGUY:フレンチ・ホーン、JEFF・DALY:サックス、NIGEL・NASH:サックス、PETER・KING:サックス、PHIL・TODD:サックス、RAY・SWINFIELD:サックス、ALAN・HUTT:トロンボーン、ANDY・FAWBERT:トロンボーン、CHRIS・PYNE:トロンボーン、PETER・THOMS:トロンボーン、ALAN・DOWNEY:トランペット、DEREK・WATKINS:トランペット、LUKE・TUNNEY:トランペット、MARTIN・DOVER:トランペット、STUART・BROOKS:トランペット、CATHY・STEVENS:ヴィオラ、DAVID・EMMANUEL:ヴィオラ、GEORGE・ROBERTSON:ヴィオラ、KEN・ESSEX:ヴィオラ、BILL・BENHAM:ヴァイオリン、DAVID・WOODCOCK:ヴァイオリン、GAVYN・WRIGHT:ヴァイオリン、JIM・ARCHER:ヴァイオリン、JOHN・WILSON:ヴァイオリン、LEVINE・ANDRADE:ヴァイオリン、PETER・OXER:ヴァイオリン、RICHARD・STUDT:ヴァイオリン、ROGER・GARLAND:ヴァイオリン、TIM・GOOD:ヴァイオリン、WILF・GIBSON:ヴァイオリン、BOB・SAKER:バック・ヴォーカル、CLARE・TORRY:バック・ヴォーカル、GARY・TAYLOR:バック・ヴォーカル、LANCE・ELLINGTON:バック・ヴォーカル、LINDA・ALLEN:バック・ヴォーカル、TESSA・NILES:バック・ヴォーカル、TONY・BURROWS:バック・ヴォーカル、VICKI・SILVA:バック・ヴォーカルのホーンとストリングスのミュージシャンが多く参加しています。
このアルバムでのプロデュースは、MIKE・HEDGES(U2,TRAVIS)とE.B.T.G.自身で行っています。
尚、このレビューは '90年にデジタル・マスタリングされた国内盤CDをもとに書かれています。

1曲目"Come On Home"(3:22)いきなり登場するストリングスの調べに当時のE.B.T.G.のファンは驚いたでしょうね。オーケストラをバックに歌うTRACYのエンターテイメント性を向上した歌いぶりによるポピュラー・ソングです。
2曲目"Don't Leave Me Behind"(3:15) 次のアルバムのサウンドに近い雰囲気を感じさせるゴージャスでリズミカルな明るいサウンドを追求した曲です。SWING OUT SISTERや初期のWORKSHYにも通じるアカデミック(正統的)なサウンドを持っています。
3曲目"Country Mile"(3:04) 少し低いキーで辛そうな歌声が目立つ曲です。スローで牧歌的なメロディの曲を大々的にストリングスで仕立て上げたようです。この曲はTRACYより歌詞を少し変えてBENが歌っても良かったかも...。
4曲目"Cross My Heart"(3:42) 少しE.B.T.G.らしさが現れてきたメランコリックなメロディの曲です。アレンジは凄くゴージャス過ぎるのだけれども、サビでのサウンドの流れはいい感じです。
5曲目"Don't Let The Teardrops Rust Your Shining Heart"(3:18) やっとアコースティック・ギターの調べによる曲の登場です。非常に長いタイトルの曲で、歌詞の方は家族の絆と他の男性に恋する女性の心の揺れを描いています。
6曲目"Careless"(3:25) イントロではメランコリックな雰囲気のする曲ですが、次第にオーケストラのサウンドを使ったダイナミックな展開をみせます。かすかですがBENのバック・ヴォーカルが入っているような?。
7曲目"Sugar Finney"(3:34) MARILYN・MONROEへ捧げられた曲です。彼女の半生を歌詞に綴った内容をアメリカンでゴージャスなサウンドに乗せて歌われています。間奏ではBENが少しだけジャジーなギターを聴かせています。
8曲目"Come Hell Or High Water"(3:22) 面白いタイトルの曲ですね。スローなゴスペルのメロディとサウンドに乗せて「やけっぱちになった女性」について歌うTRACYです。
9曲目"Fighting Talk"(3:20) この曲も面白いタイトルの付けられた曲ですね。訥々と歌い上げるTRACYの歌声に絡めてバックでS.E.的に響く女性の笑い声もしています。
10曲目"Little Hitler"(4:00) BRUCE・HORNSBYばりのピアノの旋律によるイントロによる曲でこの曲でも途中よるストリングスのアレンジが付けられています。
全10曲歌詞/訳詞付 ブックレット (国内盤) 収録時間:34分26秒 (当時、このアルバムは何回聴いてもアルバム全体からE.B.T.G.らしいサウンドを感じさせませんでした。まして、私のイメージするMIKE・HEDGESのサウンドも感じさせない何とも不思議な作品です)'10年6月2日再更新


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写真  EVERYTHING BUT THE GIRL / Idlewild
 ・1988 CHERRY RED RECORDS LTD.
 ・1990 Vap Inc.     VPCK-85060

2人のジャケット写真が良いですね・・・

このアルバムは、EVERYTHING BUT THE GIRL(以下 E.B.T.G.)の4枚目('84年のアメリカのみリリースされたセルフ・タイトル盤は含みません)のアルバムで '88年2月本国でのリリースです。前作まで外部にプロデューサーを求めて制作していましたが、このアルバムはBEN・WATT自身が務めています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TRACY・THORN:ヴォーカル、BEN・WATT:ギター/ヴォーカル/プロデュースのE.B.T.G.の他、DAMON・BUTCHER:ピアノ/シンセサイザー、STEVE・PEARCE(HAMISH STUART BAND):ベース、CHUCHO・MERCHAN:ベース、PETER・KING:アルト・サックス、IAN・FRASER:テナー・サックス、JAMES・McMILLAN:トランペットの今作は比較的少人数での収録です。
尚、このレビューは '90年にデジタル・マスタリングされた国内盤CDをもとに書かれています。

1曲目"Love Is Here Where I Live"(3:55) メランコリックな雰囲気を発するブルー・ノートによるピアノの調べから、かなり期待させるこのアルバムの出だしです。前作よりこぢんまりとしたサウンドによる本来のE.B.T.G.から更に一歩大人のサウンドに近づいた感じでしょうか。
2曲目"These Early Days"(3:50) BENのドラム・プログラミングによる明るいサウンドと心地好いリズムによるカントリー・ポップなサウンドの曲です。これまたTRACYの明るい歌声とハーモニーも良いですね。
3曲目"I Always Was Your Girl"(4:00) スローなリズムで淡々と歌い上げるTRACYの歌声の寄り添うようにボリューム・コントロールで情緒を付けたBENのギター・サウンドがいいですね。バックのサックス・ソロはPETER・KINGで、BENのE.B.T.G.結成以前からの付き合いです。
4曲目"Oxford Street"(3:21) 煌びやかなエレクトリック・ギターのサウンドとヴィブラートを効かせたTRACYの歌声が耳に心地好い曲です。この曲はTRACYの作詞/作曲となっていて主人公が少年で表現されているのが面白いですね。
5曲目"The Night I Heard Caruso Sing"(2:53) 最近では聴かなくなったBENの歌声での曲です。前々作での同じ5曲目に収録されていた"Sean" を思い起こさせる曲で、ピアノのサウンドに合わせて歌うBENのシンプルなスタイルでの曲です。後半からは、TRACYのハーモニーも...
6曲目"Goodbye Sunday"(4:00) このアルバムで最初に気に入った曲の登場です。昔から曜日を題材にした曲は多く歌われていましたが、月曜日を題材にしたものは憂うつさを歌ったものが多かったようです。ここでは単に曜日が繋がった表現でさらりと流しています。
7曲目"Shadow On A Harvest Moon"(3:38) 心地好いスネアのリム打ちのビートとBENのナイロン弦ギター爪弾きによるゆったり響く曲です。トランペットに付けたワウ・ワウの柔らかいサウンドも感じ好い。
8曲目"Blue Moon Rose"(3:36) 再び強めのドラム・プログラミングのビートでの曲の登場です。しかし、ドラムのサウンド以外はナイロン弦ギターの柔らかな音色とピアノのサウンドを使ってバランスを重視したアレンジとなっているのが興味深いです。
9曲目"Tears All Over Town"(4:35) TRACYとBENとがヴォーカルを少しだけシェアしたメロディアスで心地好いサウンドのゆったり流れる曲です。サックスのソロとBENのギターのサウンドも良いですね。つぎのアルバムのサウンド・カラーを予告しているようです。
10曲目"Lonesome For A Place I Know"(4:02) アコースティック・ギターとハモンドのサウンドの心地好い調べに乗せTRACYの歌声も同じく心地好く聴こえてくる曲です。途中より登場する12弦ギターとパーカッションのリズムとサウンドからもご機嫌になります。
11曲目"Apron Strings"(3:06) アルバムの最後は、BENのナイロン弦ギターの優しい響きでの爪弾きに合わせ歌うTRACYのヴォーカル曲で、非常にシンプルなアレンジと厳かな流れになっています。
全11曲歌詞/訳詞付 写真ブックレット (国内盤) 収録時間:41分00秒 (前作は、残念ながらE.B.T.G.らしさが少し感じられませんでした。でも、このアルバムは、ジャケットの2人からして感じが良いし、E.B.T.G.らしと思いませんか?)'10年6月2日再更新


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写真  EVERYTHING BUT THE GIRL / The Language Of Life
 ・1990 WEA Records Ltd.     ATLANTIC 7 82057-2

LIPUMAとSCHMITTの名コンビの音です・・・

EVERYTHING BUT THE GIRLの通算5枚目('84年のアメリカのみリリースされたセルフ・タイトル盤は含みません)でロス・アンゼルスにて録音された '90年2月20日に本国でのリリースのアルバムです。プロデュースは、都会的サウンドの達人TOMMY・LIPUMAとミキシングAL・SCHMITTの名コンビです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TRACY・THORN:ヴォーカル/アレンジ、BEN・WATT:ギター/ピアノ/ヴォーカル/アレンジのE.B.T.G.の他、MICHAEL・LANDAU:ギター、JOHN・PATITUCCI:ベース、RUSSELL・FERRANTE:ピアノ/アレンジ、JOE・SAMPLE:ピアノ、OMAR・HAKIM:ドラム、VINNIE・COLAIUTA:ドラム、LENNY・CASTRO:パーカッション、MICHAEL・BRECKER:テナー・サックス、STAN・GETZ:テナー・サックス、KIRK・WHALUM:テナー・サックス、LARRY・WILLIAMS:テナー・サックス/キーボード/シンセサイザー/プログラミング/アレンジ、JERRY・HEY:トランペット/フリューゲル・ホーン/ホーン・アレンジ/シンセサイザー・アレンジのロス・アンゼルスとニューヨークのミュージシャン達です。

1曲目"Driving"(4:00) イントロから鳥肌もののサウンドで最高です。MICHAEL・BRECKERのサックス・ソロを入れた都会的で洗練されたアレンジによるこのアルバムを代表する1曲です。
2曲目"Get Back Together"(3:57) 最近は、ヴォーカルをあまり取らないBENのバック・コーラスとMICHAEL・LANDAUのめずらしく大人しいめで爽やかなギター音色が良いです。
3曲目"Meet Me In The Morning"(3:50) ミドル・テンポの少しダークがかったLARRY・WILLIAMSのシンセとBEN自身によるアコースティック・ギターのソロが印象的です。
4曲目"Me And Bobby"(4:10) 今度は、KIRK・WHALUMのサックス・ソロが心地好くファンクで乗りの好いリズムとメロディの曲です。
5曲目"The Language Of Life"(4:02) バラードを歌うTRACEYも良いですネ。ピアノはJOE・SAMPLEです。
6曲目"Take Me"(4:08) やはりモータウン・サウンドを思い起こすソウルフルな曲である理由は、ソウル・デュオWOMACK & WOMACKのヒット曲のカバーで、CECIL・WOMACKとLINDA・WOMACKによって書かれています。様々な曲を完璧なまでに歌い表現する2人に脱帽ものです。
7曲目"Imagining America"(4:59) イントロのBENのスポーケン/ヴォーカルがとても新鮮でメロディもリズムもヴォーカルとも全て完璧です。
8曲目"Letting Love Go"(4:46) 2人のヴォーカルの背景にロス・アンゼルスのサウンドがふんだんに入った曲です。この曲でのMICHAELのギターは非常に効果的でこの曲より素晴らしいものにしています。
9曲目"My Baby Don't Love Me"(3:42) MICHAEL・McDONALDが書きそうな曲でファンクなポップな曲です。
10曲目"The Road"(3:46) BENのピアノの弾き語りによる静かな曲でサックス・ソロは何んと!STAN・GETZです。
全10曲歌詞付 写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:41分20分(最近のE.B.T.G.の音楽は常に進化し続けています。このアルバムも前作までのブリティシュ・トーンが薄らいだ感があり、初期からのファンに敬遠されているようですが、E.B.T.G.のファン層の幅を確実に広げた快心の1枚と思います)'10年6月3日再更新
1990年度ベスト5


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写真  EVERYTHING BUT THE GIRL / Worldwide
 ・1991 ATLANTIC RECORDING CORPORATION     7 82322-2

TRACYとBENの持ち味とのバランスが一番・・・

EVERYTHING BUT THE GIRLの6枚目('84年のセルフ・タイトルでのUS盤は含まず)のアルバムで、'91年10月1日に本国でのリリースです。前作は、LIPUMAとSCHMITTのコンビによるオーバー・プロデュース気味(管理人は大好きですが)は否めなかったのですが、このアルバムは前作から学び取ったLIPUMAとSCHMITTの洒落たエッセンスとTRACYとBENの持ち味とのバランスが一番良く溶け合ったセルフ・プロデュースにはアルバムではないでしょうか。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TRACY・THORN:ヴォーカル/プロデュース、BEN・WATT:ギター/ヴォーカル/シンセサイザー/キーボード/ドラム・プログラミング/パーカッション/アレンジ/プロデュースのE.B.T.G.の他、GREG・LESTER:ギター、GEOFF・GASCOYNE:ベース、STEVE・PEARCE:ベース、PETER・MURRAY:オルガン、DAMON・BUTCHER:ピアノ、RALPH・SALMINS:ドラム/シンバル、VINNIE・COLAIUTA:ドラム、MARTIN・DITCHAM:パーカッション/コンガ/タンバリン、DICK・OATTS:ソプラノ/アルト・サックス、PETE・WHYMAN:テナー・サックス、JAMES・McMILLANトランペット/フリューゲル・ホーンの[Idlewild]でのミュージシャンが多く参加しています。

1曲目"Old Friends"(3:46) BENのデジタル・ピアノの少し切ない調べに乗せ、淡々と歌うTRACYの歌声が、午後の雨上がりの情景に似合いそうに響きます。BENのアトモスフィアー的に流されるギターのサウンドも心地好い曲です。
2曲目"Understanding"(4:13) "チャカ・ポコ" と繰り返すプログラムによるビートにGEOFF・GASCOYNEのベースのサウンドが非常に似合うのです。TRACYの耳辺りの良い歌声と更に優しい響きのBENのヴォーカルがまた、良いのです。
3曲目"You Lift Me Up"(4:14) 教会のオルガンの響きに似たサウンドのイントロに続いて登場するBENとTRACYのハーモニーによる厳かな曲です。ゆったりしたサウンドは必要以上に触らず、自然さを重視したアレンジです。
4曲目"Talk To Me Like The Sea"(4:32) BENヴォーカル曲です。決して歌の上手い歌い手ではないですが、いつもBENの歌声が登場すると聴くものを"ほっと" させる優しさが彼にはあるのです。今回はスポーケンも披露しています。
5曲目"British Summertime"(3:49) BENのピアノとTRACYの少し切ない歌声によるスローで、シンプルな曲です。ソプラノ・サックスにベテランDICK・OATTESを迎えての収録です。
6曲目"Twin Cities"(4:38) 明るいサウンドの曲の登場です。オルガンのご機嫌なサウンドとパーカッションの躍動的なリズムによるE.B.T.G.らしい元気過ぎず(笑) 丁度良い爽やかな曲で、BENのバック・ヴォーカルが横切るところが良いですね。
7曲目"Frozen River"(3:50) TRACYの溜めを取った歌い方による憂いのあるスローな曲です。この曲もBENのギターの響きがいいですね。決して沢山ギターのサウンドを聴かせようとはせず、曲のアクセントとしています。
8曲目"One Place"(5:02) この曲ではギタリストにGREG・LESTER(CAMELLE HINDS BAND)を迎えて沢山ギターを弾いて貰っています。ワウ・ワウでのご機嫌なリズムからアウトロまで"キッチリ" 響くフェンダー系のサウンドです。曲に煌びやかさとか艶を与える所は前作でのLIPUMAとSCHMITTの手腕から学び取ったのではないでしょうか。
9曲目"Politics Aside"(3:26) TRACYとBENの2人での収録です。初期の2人での慎ましやかなサウンドに戻ったようです。ベース・トラックにBENがギター/ピアノ/コーラスなど日々付け足したり、削ったりして、出来たのでしょう。
10曲目"Boxing And Pop Music"(5:58) 6分近くあるスローなリズムの曲で、BENのデジタル・ピアノとTRACYの歌声とのによるシンプルな曲です。BENとTRACYが交互にヴォーカルを執るストーリー・テラーのような収録です。
11曲目"Feel Alright"(0:57) 1分に満たないヒドゥン・トラック的に収録された曲です。前曲のサビの部分の歌詞を繰り返し歌っています。サウンドはカリプソ・ソングのようです。
全11曲歌詞付 ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:44分25秒 (このアルバムから数枚以降にE.B.T.G.のサウンドがクラブ/トランス系へと変化して行きます)'10年6月3日再更新
1991年度ベスト5


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写真  EVERYTHING BUT THE GIRL / Walking Wounded
 ・1996 ATLANTIC RECORDING CORPORATION     82912-2

進化し続けるE.B.T.G.の・・・

このアルバムはイングランド出身のEVERYTHING BUT THE GIRL13枚目('84年のセルフ・タイトルでのUS盤とベスト盤を含む)のアルバムで、'96年5月21日に本国でのリリースです。レーベルをWARNER MUSIC系のVRIGIN RECORDS移籍してのアルバムでドラム"ン" ベースのサウンドを中心としたハウス系のアルバムとなっています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TRACY・THORN:ヴォーカル、BEN・WATT:ヴォーカル/シンセサイザー/プログラミング/電子・ドラム/サウンド・エフェクト/プロデュースのE.B.T.G.の他、SPRING HEEL JACK:プログラミング/プロデュース、JEREMY・SHAW:プログラミング、JOHNNY・ROCKSTAR:プログラミング、HOWIE・B:プログラミング/スクラッチ/副プロデュースのハウス系のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Before Today"(4:18) TRACYの少し切ない歌声が流れて来るセンチメンタルなミドル・テンポのナンバーです。ベースになるメロディとサウンドはE.B.T.G.の持ち味を持っているのですが、デジタル系の無機質なサウンドとリズムによるアレンジになっています。
2曲目"Wrong"(4:36) 再びTRACYのヴォーカルによる少しテンポを上げてきたトランス/ハウス系のサウンドによる曲ですサビの部分ではTRACYの歌声の裏からBENのヴォーカルも聴こえてきます。
3曲目"Single"(4:38) 再びセンチメンタルなサウンドが流れるTRACYの作詞の曲です。ドラム"ン" ベースによるアレンジを外した原曲は4枚目のアルバムに収録されている"Love Is Here Where I Live" のメロディの延長線に位置するような感じがするゆったりしたサウンドの流れです。
4曲目"The Heart Remains A Child"(3:50) 意外とアコースティック・ギターのサウンドが加えられた牧歌的なイメージをもさせる曲です。基本的にはドラム"ン" ベースのサウンドにアコースティックな調べを組み合わせた実験的な要素も感じられます。
5曲目"Walking Wounded"(6:05) この曲では、非常に機械的なサウンドとリズムを前面に出したアレンジが目立ちます。リフレンを多用したTRACYのヴォーカル・パートと感情の起伏を削ぎ落としたストイックなイメージさえ感じさせます。
6曲目"Flipside"(4:33) 少しサウンドを明るい方向へ移して来たエレクトロニカ/ボサ・ノヴァ/ポップ系のサウンドの曲です。ギターのサンプル音源は、良くブラジルのミュージシャンも良く使っているサウンドが興味深いです。
7曲目"Big Deal"(4:29) イントロでのリズムの刻みがブラック・ミュージック/アカペラ・ソングからの影響を感じさせる曲ですね。サビに向かってはドラム"ン" ベースのサウンドを目一杯使った流れとサンプル音源による突き放し感を感じさせる様です。
8曲目"Mirrorball"(3:27) 6枚目のアルバムに収録されている"Understanding" をドラム"ン" ベースで味付けしたようなアコースティック感とエレクトロニカのリズムを融合させた感じをイメージさせる曲です。
9曲目"Good Cop Bad Cop"(4:54) 面白いタイトルの曲ですね。この曲もドラム"ン" ベースで演奏されていますが、曲のメロディとサウンドの切なさはE.B.T.G.らしさを非常に感じます。だだ、この曲も含みアルバムの後半ではBENのヴォーカルが収録されていないのが少し寂しいですね。
10曲目"Wrong(TODD・TERRY Remix)"(4:45) 前作でヒットした"Missing(TODD・TERRY Club Mix)" のTODD・TERRYが再びRemixした2曲目のヴァージョン違いです。収録時間的にはあまりエクステンせずTODDらしいメリハリの効いたクラブ系のサウンドに仕上げています。
11曲目"Walking Wounded(Omni Trio mix)"(6:43) Omni Trio=ROB・HAIGHによるMIXです。アンビエント系のサウンドを加えた打込みビートとTRACYヴォーカル・パートは最小限にアレンジされています。
9曲歌詞付 写真ライナー ワーナーマーク付CDケース U.S.製 (輸入盤) 収録時間:52分23秒 (非常に好みが別れるサウンドのアルバムですが、常に進化し続けるE.B.T.G.のサウンド次のアルバムでは、更にクラブ/トランス系へと変化して行きます)'10年6月3日再更新


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写真  EVERYTHING BUT THE GIRL / Temperamental
 ・1999 Virgin Records Ltd.     CDV2892

無限に進化するE.B.T.G.'99年のアルバム・・・

EVERYTHING BUT THE GIRLの14枚目位?(リリースされた過去のすべてのアルバムを含む)のアルバムで '99年9月22日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TRACY・THORN:ヴォーカル、BEN・WATT:ベース/キーボード/ギター/ストリングス/スクラッチ/プロデュースのE.B.T.G.の他、DEEP DISH:プログラミング/プロデュースの少人数での収録です。

1曲目"Five Fathoms"(6:24) ドラム"ン"ベースの長いイントロとアシッドクラブ系のサウンドにTRACEYの感情を抑えたヴォーカルが無機質で今風です。
2曲目"Low Tide Of The Night"(4:45) スローな打込みによるリズムとメロディはアレンジこそ今風ですが、BENらしいセンシティブな楽曲です。
3曲目"Blame"(6:18) ループと打込みによる素早いリズムがロンドンの今を伝えるトランス・サウンドです。
4曲目"Hatfield 1980"(5:12) ドラムプログラムの裏打ちが強調されたリズムにコンピュター処理されたTRACEYのヴォーカルが印象的です。
5曲目"Temperamental"(5:20) TRACEYのヴォーカルを大きく取上げた曲ですが、底に流れるリズムはエモーショナルでアシッドな質感を感じます。
6曲目"Compression"(7:11) SIMON・CLIMIEのT.D.F.の楽曲にも通じるサウンドでTRACEYのヴォーカル・パートは、殆んど入れていません。
7曲目"Downhill Racer"(3:49) TRACEYの寂しそうなヴォーカルが堪らないスローな曲です。
8曲目"Lullaby Of Clubland"(5:30) 再びエモーショナルでアシッドな曲でやはりトランスのサウンドを基調としています。
9曲目"No Difference"(4:26) やっとピアノとギターの調べの聴ける曲です。TRACEY落着いたヴォーカルによる従来のE.B.T.G.らしい曲。
10曲目"The Future Of The Future(Stay Gold)"(7:52) 流れるシンセでのメロディとエコーの効いたTRACEYヴォーカルは、やはり聴き物です。
全10曲歌詞付 写真ライナー E.U.製 (輸入盤) 収録時間:56分51秒 (ジャケットのイラストはちょっと!サウンド的にも似た曲が多いかな?)'10年6月4日再更新


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写真  EXPRESS OFFICE PORTICO / Incommunicado
 ・2024 Express Office Portico    

正体不明バンド・・・

このアルバムは、イギリス、イングランド中央部の都市ノッティンガムで活躍しているインディ・シンセ・ポップ・バンドEXPRESS OFFICE PORTICO のデビュー・アルバム(5曲EP盤)で '24年3月29日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、EXPRESS OFFICE PORTICOの5人(彼等の指名など詳細不明)だと思われます。
尚、プロデュースは、ロンドンのJOSHUA・RUMBLE(ANTEROS)が担当しています。

1曲目"No One"(3:33) サンプル音源のイントロのフェンダー系のギターの音色を聴いた瞬間にぐっと掴まれた曲です。跳ねるベースの調べと適度にシャウトする女性ヴォーカルの歌声に聴きる曲です。
2曲目"In Swim"(3:43) 今度は、シンセの音色がイントロから心地好く響き曲です。スラップするベースのサウンドとクリーンなトーンのギターのサウンドにも乗せられてしまいますね。
3曲目"He Said She Said"(3:26) この曲もこの軽めのリズムとサウンドに乗せられた曲です。女性ヴォーカルの少し癖の歌いぶりとストレートなパワー・ポップの理屈抜きの出来栄えが好いのです。
4曲目"Guillotine"(2:30) 何だか恐ろしいタイトルの曲なのですが、紅一点の女性ヴォーカルのセクシーな歌声に惹かれる曲です。曲のサウンドやメロディは、至ってオーソドックな流れです。
5曲目"Are You Yourself ?"(3:34) ゆったりとしたイントロのサウンドから惹かれた曲です。女性ヴォーカルの貫禄すら感じさせる歌いぶりとバックのメンバーとのサポートが素晴らしく感じせる曲の流れです。結構長くバンドをやっている実力を強く感じます。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:16分46秒 (あちこち検索したのですが、このバンドの情報が見つからないのですが、結構、実力派のようです!)'24年4月1日更新
2024年度ベスト5


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写真  FABIANA PALLADINO / Fabiana Palladino
 ・2024 Paul Institute / XL Recordings     PAULINST 0023CD

この名前にピーンと来た人は、イギリス音楽通・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているシンセ・ポップS.S.W.FABIANA・PALLADINOのデビュー('11年のセルフ・リリースのEP盤は含まない)・アルバムで '24年4月5日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、FABIANA・PALLADINO:ヴォーカル/キーボード/シンセサイザー/ドラム/パーカッション/カウベル/ハンドクラップ/プロデュースの他、PINO・PALLADINO:ベース/ギター、ROCCO・PALLADINO:ベース/ドラム、JAI・PAUL:ヴォーカル/シンセサイザー/ギター/ドラム/プログラミング/副プロデュース、JOE・NEWMAN:ギター、GIANCARLA・PALLADINO:バック・ヴォーカル、A.HIRA:バック・ヴォーカル、JAMIE・WOON:バック・ヴォーカル、MAZ・PALLADINO:アナウンス、STEVE・FERRONE:ドラム、ROB・MOOSE:ヴァイオリン/ヴィオラ/ストリング・アレンジのロンドンで活躍しているミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Closer"(3:36) ストンプ音と重いベースのサウンドが響くアシッド感の強い曲です。硬く引き締まったドラムのビートと対照的に柔らか美しく響くFABIANAの歌声がすうーっと耳に入って来ます。
2曲目"Can You Look In The Mirror?"(3:19) ブリティッシュ・ファンクと言える唸るベースのサウンドとタイトなドラムのビートが作り出すグルーヴが堪らない曲です。ところどころファルセットで美しい歌声を聴かせるFABIANAです。'23年11月9日のシングル盤 "I Care" のBサイド曲とのことですが、ワンサイド・プレス(A面のみ)との情報も。
3曲目"I Can’t Dream Anymore"(3:12) このアルバムからシングル第3弾となっている曲です。このアルバム制作前の経験がもととなっている内容の曲です。重く響くシンセ・ベースとエッジの効いたエフェクト的なギター・サウンドが印象的です。'24年3月13日に公開されたばかりのビデオもどうぞ。「もう夢を見ることはできない」と題された曲のタイトルから彼女の失意が表現されています。
4曲目"Give Me A Sign"(3:18) ミドルテンポのリズムによるソフト・ロック感のある曲です。昔懐かしい80年代のイギリスのバンドによる曲の雰囲気が伝わってきます。この辺りなのかなFABIANAが聴き続けて来た音楽ルーツは?。
5曲目"I Care(Fabiana Palladino & Jai Paul)"(4:18) '23年11月9日にシングル曲としてリリースされた曲です。ロンドンのシンガー/プロデューサーとのコラボによるネオ・ソウルなバラードです。前半は、FABIANAのヴォーカル、後半は、JAIとなっています。2人の登場したビデオもどうぞ。"I Can’t Dream Anymore" の歌詞とは違ってに愛する人への想いを綴っています。
6曲目"Stay With Me Through The Night "(3:36) イントロから響く打撃音を重ねたピアノの調べがインパクトを与える曲です。昔懐かしい80年代のイギリスのピアノによるS.S.W.の曲調に通じるラブ・ソングなナンバーで、このアルバムからシングル第2弾となっています。ライヴ仕立てになったビデオもどうぞ。
7曲目"Shoulda"(4:29) 今度は、ロック色の強い曲の登場です。小気味よく打ち鳴らされるドラムのリズムと歪ませたギターの調べに合わせてFABIANAが歌います。この曲なんかは、ライヴで観客への乗りの良さが伝わり易いのではないでしょうか。
8曲目"Deeper"(3:44) 躍動的に打ち鳴らさせるドラムのビートと突き進むように奏でられるベース・シンセサイザーの調べに乗せられる曲です。中世を舞台に宝物を探しに行くって感じの映画のミュージックのイメージがわきます。
9曲目"In The Fire"(3:57) ジャワ島の音楽ガムランからの影響を感じさせる鐘(レヨン)かシンセ?のサウンドがおやっと思わせる曲です。うねるシンセ・ベースの調べとバックで歌うJAMIE・WOONのソウルフルな歌声が好いですね。
10曲目"Forever"(4:01) うな垂れるように響くピアノの調べと引き摺り感を持ったリズムの流れによるバラードです。高いキーで響くFABIANAの美しい歌声とバックのコーラスとこれまた美しい歌声との調和に聴き入ります。
全10曲歌詞付 12ページ物ブックレット(2ページブランク) 2折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:37分35秒 (LAURA・GROVESのライヴ演奏などで非常に気になっていたFABIANA、デビューから12年以上経ってからにフルトラック・アルバムのリリースとなりました!)'24年4月5日更新
2024年度ベスト5


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写真  FAR CASPIAN / Ways To Get Out (Deluxe)
 ・2022 Tiny Library Records    

追加スタジオ・ライヴ曲収録・・・

このアルバムは、イギリスのリーズで活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップS.S.W.FAR CASPIAN(JOEL・JOHNSTON(出身はアイルランド)によるソロ・ユニット)の3枚目('18年 '19年の5曲EP盤を含む)のアルバムで '22年8月22日(iTunesでは1月25日ジャケ違い)に本国でのダウンロード・リリースです。
尚、このアルバムは、通常盤に追加スタジオ・ライヴ(The Nave) 7曲を収録したデラックス盤となっています。
詳しいクレジット記載が無いのですが、このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOEL・JOHNSTON:マルチ・インスツルメント/プロデュース、BOYO:バック・ヴォーカル、SOMOH:バック・ヴォーカル、ライヴ曲:インディーズ・バンドEADESHARRY・JAY・ROBINSONの地元やロンドンのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"I'm Not Where I Need"(3:54) 不思議な雰囲気を醸し出すアコースティック・ギターの音色と揺らぎを持ったサウンドが耳に残る曲です。エコーを効かせたJOELの歌声とバックに広がる様々のサウンドの重なりが美しく響きます。
2曲目"Pretend(Feat. BOYO)"(4:04) バック・ヴォーカルのスキャットが非常に面白い曲です。アコースティック・ギターによるシンプルなメロディとサウンドから熱いコーラスへと広がりを聴かせます。この曲にはロス・アンゼルスで活躍しているBOYOが参加しています。
3曲目"Get Along"(3:31) 心地好いギターの爪弾きが軽やかに響いて来る曲です。左右、上下と様々なギターのリフが重なられたギター好きには堪らない1曲ですね。
4曲目"Following The Trend"(3:10) チャカポコとチープなリズムを刻むマシーンを使って軽く仕上げた感のある曲です。アコースティック・ギターを弾き歌うJOELの優しさが伝わって来ます。
5曲目"Attempt"(4:42) イントロからギターの単音をずっと奏でるところがエクスペリメンタル要素を持つ曲です。サウンドの構成やメロディ・ラインなど他のシンガーとちょっと違うところに感心しましたね。
6曲目"35mm"(1:14) 旧映画フィルムサイズを歌にしたLo-Fiなシネマ・サウンドの曲です。映写機のフィルム送りのサウンドに怠惰感のる歌声が響きます。
7曲目"Come Down And Waste With Me"(4:08) この私をFAR CASPIANの持つ魅力に惹きつけた曲です。Lo-Fiなヴォーカルにチープなピアニカの音色に歯切れ好いドラムのビートなどドリーム・ポップ感満載なのです。
8曲目"Our Past Lives(Feat. SOMOH)"(3:47) ロンドンで活躍しているシンガーSOMOHがヴォーカルに参加している曲です。穏やかなメロディとサウンドによる心地好い広がりを2人の歌声が包んでくれます。
9曲目"Brother"(2:53) ハイフレットで美しく奏でられるギターの音色とJOELの優しい歌声が流れる曲です。この曲でもギター・サウンドを重視したアレンジが堪りませんね。
10曲目"Moon Tower"(5:06) 今度はちょっとロック調に移行して来た骨太のベースのサウンドが特徴の曲です。JOELがセルフで付けたハーモニーやドラムを叩きながらせっせと収録した様がうかがえます。
11曲目"Reach You"(3:03) ギターを抱えJOELが弾き語りで軽く収録した感のある曲です。循環コードを弾きながら、ベース、ドラムとハーモニーへと展開される穏やかな流れを感じましょう。
12曲目"Questions"(3:41) イントロから軽快な電子ピアノが響くポップ調の曲です。これまた軽快なドラムのビートとLo-Fiな歌声がやはりなって感じですかね。
13曲目"Built By Design"(1:34) ナイロン弦ギターの少し籠った爪弾きとボサ・ノヴァ風の穏やかな雰囲気を醸し出す曲です。これまたJOELの囁くような歌声も好いんです。
14曲目"Plans"(3:57) どことなく80年代のブリティッシュ・ニューウエーブ感のある曲です。すこし淡々としたドラムのビートと高揚感を抑えたJOELの歌声とバックのコーラスの広がり方もそんな感じですね。
15曲目"House"(4:18) 不思議なギターのリフを中心に飾られる怠惰感のある歌声とリズムによる曲です。ゆったりとした流れにうねるベースのサウンドが心地好く響きます。
16曲目"Sun Room"(3:56) オリジナル盤としてはこの曲までです。アコースティック・ギターの爪弾きと高いキーで優しく歌うJOELと美しいギターの響きが渦巻いて響きます。
17曲目"Come Down And Waste With Me (Live at The Nave)"(6:14) オリジナル収録より非常にテンポを落としたイントロから次第にスピード感を持って演奏されるスタジオ・ライヴ曲です。
18曲目"Pretend(Live at The Nave)"(5:47) バンドと息が合わずイントロを何度かやり直して収録した感が面白いですね。やはり調子が上がってくるとライヴ感満載なところは流石です。
19曲目"Our Past Lives(Live at The Nave)"(4:33) ライヴ曲と言うよりゲストのSOMOHとのテイクを行った感じの好いバラード曲ですね。バージョン違いの収録とでも言えるかも知れませんね。
20曲目"Plans(Live at The Nave)"(4:11) 生テイク感たっぷりのシンプルな曲調です。ベース、ギター、ドラムとJOELのヴォーカルだけも好い感じですね。
21曲目"Brother(Live at The Nave)"(2:42) 生テイク感のあるドラム、ギターとベースによる簡素なアレンジでも好い曲ですね。
22曲目"35mm(Live at The Nave)"(5:23) オリジナル収録では1分少々の曲ですが後半は"Come Down and Waste With Me" のアレンジ替え的な曲へ展開されています。
23曲目"House(Live at The Nave)"(4:41) オリジナル収録曲とは違ったテイク感の曲ですね。バンド・スタイルで演奏したらこんな感じになるのかと思考しているのかな、意外とダイナミックな展開も聴かせているのは流石ですね。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:90分29秒 (リリース直後にダウンロード購入していたのでが、やはり全23曲は聴くだけでも大変と思い後回しにしたことをすまないと思います。2枚組LP盤は '22年の年末リリース予定とのこと)'22年10月9日更新


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写真  FAR CASPIAN / The Last Remaining Light
 ・2023 Tiny Library Records     TLR021RT

ヒドゥン・トラック2曲・・・

このアルバムは、イギリスのリーズで活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップS.S.W.FAR CASPIAN(JOEL・JOHNSTON)によるソロ・ユニット)の4枚目('18年 '19年の5曲EP盤を含む)のアルバムで '23年7月14日に本国でのリリースです。
今回も詳しいクレジット記載が無いので収録は、JOEL・JOHNSTON:マルチ・インスツルメント/プロデュースの1人での収録のようです。

1曲目"Commuter Repeating"(4:41) どことなく出身地のアイルランド音楽の影響をかんじさせる曲です。Lo-HiにしたJOELの歌声によるベッド収録音楽から次第にドラム/ベースと楽器を追加して行くアルバムのオープニングに置きたがったことを察します。
2曲目"The Last Remaining Light"(3:09) アルバムのリリース前にJOELが登場したビデオが公開されているアルバム・タイトル曲です。緩めの歌声に緩めのギター・サウンドが心地好く響きます。
3曲目"Arbitrary Task"(2:17) このアルバムの先行リリース曲として最初にビデオが公開されている曲です。荒らしたギター・サウンドに突っ走るドラムのリズムによる丁寧さを強調した前作とは、ちょっと違う方向性です。
4曲目"Choice"(3:38) 今度は、ちょっと気だるさを表現したJOELの歌声と空間を持たせたギター・サウンドによる曲です。前作までバンド・スタイルで大半の曲を収録していたJOELですが、この曲を含み1人でのんびりと曲作りと収録した様子がうかがえる。
5曲目"Answer"(3:27) 古びたサウンドを発するウクレレ?のサウンドを使ったこの曲もLo-Hiを意識した曲です。これまた気だるく歌うJOELにバックの演奏を重ねています。
6曲目"First Warning Shot"(4:49) この曲も映画音楽のサウンド要素をかんじさせる優しさを感じる曲です。優しく歌うJOELの歌声とこれまた優しい演奏に浸ります。
7曲目"Own"(4:59) この曲も先行してビデオが公開されている曲です。普段のJOELの生活の1部を切り取った映像が非常に似合う穏やかな雰囲気を醸し出しています。
8曲目"Pet Architect"(3:42) クレイ・アニメーションによるモノクロのビデオが面白い曲です。前作でのJOELのギター・サウンドの凝ったギター・リフを駆使したLo-Hiなサウンドが流れています。
9曲目"Cyril"(4:27) ヴァイオリンとチェロのチューニング音から入る穏やかなサウンドとリズムの曲です。曲名の「シリル」とはギリシャの宣教師でありキリル文字を創案した人物のようです。
10曲目"Pool"(4:19) 古びたアップライト・ピアノの切ないサウンドがイントロから響くセンチメンタルな曲です。訥々と歌うJOELの歌声と気だるさを表した彼の演奏がアルバムの終焉まで切なく響いています。
11曲目"Heirloom Pt. 1(feat. 22° Halo)"(7:57) ヒドゥン・トラックです。JOELがアルバムの収録の合間にと録り溜めた感のある曲群を今回の収録に合わせ仕上げた感のある曲です。間奏からエンディングまで流れるサックス/クラリネットの音色が興味深いですね。尚、サブ・タイトルの「ハロー22度」については、説明が難しいので割愛します。
12曲目"Heirloom Pt. 2"(4:00) 前の曲の繋がりにて収録されているJOELの歌声を更にLo-Hiにした曲です。途中よりドラムのビートが追加され、乗りの良さを加えたヴァージョンです。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:51分52秒 (今回は、レコード盤も同時リリースされていたのですが、海外からの送料やレコード鑑賞の億劫など考慮してダウンロード購入としました)'23年7月14日更新


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写真  FAR CASPIAN / Between Days / The Heights
 ・2024 Dance To The Radio    

2018年と2019年のEP盤カップリング・・・

このアルバムは、イギリスのリーズで活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップS.S.W.FAR CASPIAN(JOEL・JOHNSTONは、アイルランド出身)によるソロ・ユニット)の'18年の[Between Days EP]と '19年の[The Heights EP]を1枚に纏めたコンピレーション盤です。 限定カップリング盤(レコード盤)は、'24年6月3日に本国からリリース予定です。
今作も詳しいクレジット記載が未定なのですが、JOEL・JOHNSTON:ヴォーカル/ギター/キーボード/プロデュースの他、NATH・SAYERS:ギター、ALESSIO・SCOZZARO:ベース、JOF・CABEDO:ドラムのJOELの音楽仲間が参加しているようです。

A面 [Between Days EP] からの収録曲
1曲目"Between Days"(3:11) 綺麗なギターのリフと期待感を煽るドラムとベースのリズムに高揚する曲です。北欧のドリーム・ポップ・バンドの持つ清涼感と共通するところを強く感じるJOEL達のサウンドです。
2曲目"Blue"(3:26) この曲もギターのサウンドが美しい曲ですね。JOELとNATH(NATHAN)・SAYERSのギターから繰り出される美しいリフの流れに聴き入りますね。
3曲目"The Place"(4:18) イントロから響くエコーを効かせたギターのサウンドとJOF・CABEDOの硬く締まったドラムのビートがこの曲にインパクトを与えています。JOELの優しい歌声とバックのコーラスも綺麗な広がりを聴かせます。JOEL達が登場した初期のビデオもどうぞ!
4曲目"Let's Go Outside"(4:36) 当時、シングル曲としたリリースされたキャッチーなサウンドを聴かせる曲です。ALESSIO・SCOZZAROの滑らかなベースの響きとJOF・CABEDOの躍動的なドラムのビートがこの曲の要となって聴く者に迫ります。
5曲目"Finding My Way Home"(4:09) アコースティック・ギターの爪弾きとエコーを効かせたJOELの歌声が耳に優しく響く曲です。曲の収録状況やライヴ風景を撮影したビデオが当時、公開されています。

B面 [The Heights EP] からの収録曲
6曲目"Conversations"(3:20) この人のアルバムを聴くようになった理由は、JOELの奏でるギターのリフが非常に面白いと感じた事なのです。この曲もバックに響くギター・サウンドの音色と躍動感が好きなのです。JOELが登場したビデオもどうぞ!
7曲目"Astoria"(4:07) ゆっくり奏でられるギターの調べから次第にリズミカルにスピードを上げ楽し気に歌うJOELの歌声が響く曲です。憧れの土地「カリフォルニア」で最愛の人を見つける想いを歌詞に綴っています。
8曲目"A Dream Of You"(4:18) ドリーム・ポップの王道を行くと言っても過言では無い感じの曲です。曲のタイトルもそうですが、夢見心地な浮遊感漂うサウンドと今の不安感を歌っています。曲の終わりもきっちり綺麗に纏めて終わります。
9曲目"These Times"(3:11) 素早く叩かれるドラムのビートと躍動的なベースの調べが印象的な曲です。早口なJOELの歌声とNATHのマスロックなギターのリフが絡み合います。
10曲目"The Heights"(3:14) オルガンとアコースティック・ギターによるシンプルな演奏のイントロ明けからからALESSIO・SCOZZAROがベースで盛り上げて来る曲です。JOEL達のコーラスの合間に響くベースの調べに首を振りながら聴き入ります。好いアルバムだなと呟きます。
歌詞掲載未定 ダウンロードにて先行試聴 限定LP盤 (輸入盤) 収録時間:37分50秒 (今回は、限定と言う事なのでレコード盤を購入しました!残念ながら送付先住所の記載不足により国内より発送先に返送された為、返金されました)'24年3月8日更新


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写真  FICTION FACTORY / Throw The Warped Wheel Out
 ・1984 CBS Records Inc.     CBS 25964

80年代のイギリスのサウンド・・・

このアルバムは、イギリスのパース出身のニュー・ウェーヴ・ロック・バンドFICTION FACTORYの '84年に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバム収録時でのFICTION FACTORYのメンバーは、KEVIN・PATTERSON:ヴォーカル、CHIC・MEDLEY:ギター、GRAHAM・McGREGOR:ベース、EDDIE・JORDAN:キーボード、MIKE・OGLETREE:ドラム/パーカッションの5人組です。 アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GRAHAM・WEIR:ブラス、NEIL・WEIR:ブラスの80年代のニュー・ウェーヴ系の他バンドにも参加しているミュージシャン達です。
尚、プロデューサーは、THE JAMなどのアルバムを手掛けたPETER・WILSONが担当しています。

1曲目"(Feels Like)Heaven"(3:32) 穏やかに始まるキーボードの調べとドラムのビートが心地好いミドル・テンポのリズムの曲です。少し粘性を感じさせる特徴的なKEVIN・PATTERSONの歌声が「天国にいる気分」を表現した内容を歌にしていますが、アルバムのトップに位置している割には、落ちついたリズムの流れですね。
2曲目"Heart And Mind"(3:07) ホーンをバックに従えたブリテイシュ・ファンクなサウンドとリズムによる曲で、チョッパーなベース(今で言うスラップ・ベース)や躍動的なダンサブルな響きを感じます。余計なことと思いますが、乗りの良さではこの曲の方がアルバムのトップでも良かったのはないでしょうか。
3曲目"Panic"(4:22) この曲はこの時代のイギリスのバンドの持ち味を感じさせる曲です。例えば先輩格のCHINA CRISISかな?。懐かしの80年代イギリスのサウンドが伝わって来ます。
4曲目"The Hanging Gardens"(4:35) この曲も意外とスローなリズムで展開される曲です。KEVINの歌声の合間に流れるファズされたトランペットの調べなどどこか長閑さを感じさせますね。
5曲目"All Or Nothing"(3:48) テンポを上げてきたニュー・ロマンチック路線のサウンドとリズムを強く感じさせる曲です。この曲でも感じさせるGRAHAM・McGREGORのファンクなチョッパー・ベースと歯切れ良く奏でられるEDDIE・JORDANのキーボードの調べが伝わります。
尚、この曲のみプロデューサーは、ALAN・RANKINE(Ex.THE ASSOCIATES)が担当しています。
6曲目"Hit The Mark"(4:18) エキゾチックなサウンド群がイントロから響くテクノポップなサウンドを強く感じさせる曲です。間奏で登場するシンセサイザー・ベースの重いサウンドに絡ませたGRAHAMのベース・ソロが聴きものですね。
7曲目"Ghost Of Love"(3:36) 歯切れ良いCHIC・MEDLEYのカッティング・ギターのサウンドと重厚なMIKE・OGLETREEのリズムで攻めてくるダンサブルなナンバーです。この曲も当時のイギリスのバンドらしい曲調を非常にストレートに感じさせます。
8曲目"Tales Of Tears"(3:38) 今度は、少し捻りを加えた曲の登場です。1枚のアルバム紹介で色々なバンドのサウンドで例えて申し訳ないのですが、後にデビューするグラスゴー出身のHIPSWAYの質感に似ているところが興味深いです。
9曲目"The First Step"(4:56) トロピカル調のギターの調べに乗せて歌うKEVINの低いキーから高いキーまで変幻に歌い上げる曲です。息継ぎのところどころで疲れを感じさせるような吐息混じりまで収録されているようです。
10曲目"The Warped Wheel"(4:18) キーボードの電子サウンドとチョッパー・ベースがイントロから登場するファショナブル・サウンドの曲です。曲の終焉に向かって増大するファンキーなベースとキーボードのサウンドの演出が圧巻な1曲です。
全10曲歌詞付 LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:38分10秒 (近年のバンド復活ブームによりこのFICTION FACTORYも2011年に再結成されているようです)'12年3月24日更新


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写真  FICTION FACTORY / Another Story
 ・1985 FOUNDRY RECORDS LTD.     FONDL2

ラスト・アルバム・・・

このアルバムは、イギリスのパース出身のニュー・ウェーヴ・ロック・バンドFICTION FACTORYの '85年に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
詳細は不明ですが、このアルバム収録時でのFICTION FACTORYのメンバーは、KEVIN・PATTERSON:ヴォーカル/プロデュース、CHIC・MEDLEY:ギター/プロデュースの2人となっているようです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PIM・JONES(HIPSWAY):ギター、FIONA・CARLIN:ヴォーカル、MARWENNA・LAIDLAW(LLOYD COLE AND THE COMMOTIONS):バック・ヴォーカル、PAUL・WISHART(ENDGAMES):キーボード、JAMES・LOCKE(PAUL・HAIG):パーカッション、GRAHAM・WEIR:ブラスの80年代のニュー・ウェーヴ系の他バンドにも参加しているミュージシャン達です。

1曲目"Another Story"(2:46) アンビエント/ヒーリング系のサウンドによるピアノのサウンドやサンプル音源を薄く乗せた前半から次第にベース/ドラム/ホーンのサウンドを加えて展開されるインストゥルメンタルで、次の曲への導入部分を担っているようです。
2曲目"Standing On The Top Of The World"(4:01) 1曲目のインストゥルメンタルと一対になったように炸裂音と共に唐突と始まるパワフルさに驚きを感じる曲です。間奏で奏でられるジャズ・アレンジになったキーボード・ソロなどは前作から一皮剥けた前進さを感じさせます。
3曲目"Not The Only One"(4:03) もうイントロから流れる電子オルガンと電子ドラムのビートが当時のお決まりを強く感じさせる曲です。途中で登場する女性バック・ヴォーカルや小刻みに流れるキーボードの調べなどやはりファショナブル・サウンドと言えますね。
4曲目"All For You"(3:12) このアルバムの収録曲の中では少し異質のミドル・テンポの曲です。レゲエ/カリプソ風のリズムとサウンドが感じられる気軽さによるダンス・ビートの合間のちょっとした休憩的な曲かも。
5曲目"Lose Your Heart In Nature"(4:14) 当時に良く聴いた曲ですね。バックの雰囲気物のギターのサウンドや程良いアコースティック・サウンドとシンセ・サウンドのバランス良さがメランコリックに変換されKEVINの歌声を通じて"ジーン" と伝わって来ます。
6曲目"No Time"(3:35) オリエンタル・ムードのキーボードのサウンドと特徴的な低いキーから歌い出すKEVINの歌声が特徴となった楽しい乗りを感じさせる曲です。この曲の感じを他のバンドやミュージシャンに例えるとPAUL・HAIGが近いかな。
7曲目"The Powder Room"(3:34) ダンサブルなリズムとサウンドによる乗りの良さを素直に感じさせる曲です。この曲を聴きながらふと思ったのですが、前のアルバムは今もiTunesなどでダウンロード販売されているのですが、この2枚目のアルバムはダウンロード販売の予定なしのようです。
8曲目"Make Believe"(3:20) この曲は、前のアルバムのシンセ・ポップらしさを非常に受け継いだ感じがしています。打ち込みのリズムにシンセサイザーのサウンドを駆使した80年代サウンドの懐かしさを感じますね。
9曲目"Time Is Right"(4:05) このアルバム購入当時、非常に良く聴いたファショナブル・サウンドの"イカシタ" 曲の登場です。バックのシンセサイザーのサウンドやうねりを持ったベース・ランニングなど非常にセンスの良さや乗り易さを感じます。
10曲目"Victoria Victorious"(3:32) 一転して荘厳なメロディとサウンドによるスローな曲です。この曲のちょっと暗い雰囲気などはアイルランドで活躍しているTHE CLANNADのサウンドに似ているようです。
歌詞無し LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:36分22秒 (このアルバムをリリースした後 '87年にFICTION FACTORYは、解散してしまったのですが、近年の80年代バンド復活ブームにより2011年に再結成されているようです)'12年4月7日更新


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写真  FORMER / Secretly Flowing
 ・2007 formermedia     5 707471 007945

実態は不明なのですが・・・

このアルバムは、デンマークで活躍しているFORMERの '07年8月23日に本国にてリリースされたアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、FORMERの他、MADS・THIEMANN:ピアノ、ゲスト・ヴォーカルには、女優でもあるANNEVIG・SCHELDE・EBBEが招かれています。またANNEVIGは、このアルバムの収録曲の4曲の作詞と作曲の一部も担当しています。
尚、FORMERは、このアルバムのリリースと同時に別アルバムをもう1枚同時リリースしています。

1曲目"Fields"(3:48) 歯切れよいドラムのビートとエレクトロニカのサウンドによるミドル・テンポのダンス・ビートの曲です。ANNEVIGの少しエッジの立った歌声とFORMERのギター・サウンドがタイトに流れます。
2曲目"Secretly Flowing"(3:58) ドラム・マシーンのビートにアコースティック・ギターのサウンドを組合わせた導入部からドラム"ン" ベースのサウンド移行しながらANNEVIGとFORMERのユニゾン/ハーモニーを聴かせる曲です。
3曲目"I Used to Play There"(2:40) アンビエント系の音楽に映像作家の仕事もしているFORMERのまた違った1面を聴かせる曲です。ゆったりと流れるエレクトロニカのサウンドにキーボードの音色が厳かに...。
4曲目"Dusty Eyes"(3:53) エレクトリック・ギターの調べがメランコリックに流れるヨーロッパの哀愁を感じさせる曲です。高い目のキーで歌うANNEVIGのアンニュイ・ヴォイスとFORMERの洒落たダーク・サウンドが小気味好い調べです。
5曲目"Daemon Justice"(3:34) 少しサウンドをハードにラウドにして来たFORMERのヴォーカル曲です。DAVID・BOWIE似の歌声を聴かせるFORMERの歌声とハード・ロックな調べにて展開されます。
6曲目"History"(3:34) ピアノのサウンドによるイントロの切なさが伝わって来る曲です。マイナー・コードで弾かれる歪ませたギターのサウンドとFORMERのブルーな気持ちが流れます。尚、この曲は、FORMER自身が出演したビデオが制作された曲です。
7曲目"Figures"(1:45) 地中海地域の民族弦楽器のような調べの旋律に合わせた男の哀愁を感じさせる口笛の響きよる2分に満たないインタリュード的な曲です。
8曲目"Nothing To Show"(2:58) 再びANNEVIGのヴォーカル曲の登場です。バックのハーモニーも彼女が付けた美しい響きとメリハリの効いたアコースティック部とエレクトリック部のアレンジにて収録されています。
9曲目"The Great Unknown"(3:59) ドラム・マシーンのリズムの刻みに雰囲気もののギターのサウンドを幾つか効かせるミドル・テンポの心地好いリズムとサウンドの曲です。素直に伸びるANNEVIGの歌声と癖の無い英語の発音が印象的に残ります。
10曲目"Krakow"(2:14) ポーランドの地名を曲タイトルとしたアンビエント系のサウンドの曲です。同時にリリースされたアルバムのサウンドに近い曲のようです。スローな電子音の演奏による2分少々な流れになっています。
歌詞無し 900枚限定シリアルナンバー付3Dポップ・アップ・ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:32分27秒 (実態は不明なのですが、ギタリストとして過去デンマークのバンドに所属していたFORMER、自身のレーベルを興し、映像の仕事も行っているようです)'10年6月4日再更新


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写真  FOUNTAINHEADS / Album Of The Day
 ・2006 Zleepy Records
 ・2006 daWorks Records AS,Oslo     DACD 532

唸るLUCYのヴォーカルとツイン・ギター・・・

ノルウェーのオスロで活躍しているFOUNTAINHEADSの '06年8月14日に本国にリリースされたデビュー・アルバムです。
'99年に別ヴォーカル(CAROLINE・INGEBERG)にてシングル曲 "Drop Of Water" にてネオ・ソウル系のバンドとしてデビューしましたが、メイン・ヴォーカルにLUCY・SWANNを迎え '04年からにシングル盤を4枚リリースした後に、アルバム・デビューした6人組(LUCY・SWANN:ヴォーカル、MORTEN・NAESS:ギター、OLA-PER・EKBLOM:ギター、GERHARDT・MORK:ドラム、MAGNUS・WESTGAARD:ベース、PREBEN・GRIEG-HALVORSEN:キーボード)の豪華2枚組(CD・DVDセット)のアルバムです。
尚、このFOUNTAINHEADSは、ライヴでの実力も十分でFISH(MARILLION)のノルウェー・ライヴ・ツアーのサポートも務めています。

DISC:1 収録時間:49分43秒
1曲目"You'll Be Alright"(4:08) 打ち込みのイントロとエモーショナルなリズムとサウンドによるオルタナ系のロックの曲です。畳み掛けるように繰り出されるリズムの嵐と爽やかなキーボードのサウンドによる曲です。
2曲目"Circle"(4:01) 乗りの良いリズムと聴きやすいメロディによるご機嫌なエモ・ポップな曲です。サウンド的には、非常にアメリカナイズされた広がりとリズミカルなアレンジを感じさせます。
3曲目"So I Lied"(3:13) スローな出だしで歌うLUCYの若さ溢れる歌声に絡むギミックなキーボードのフレーズによるポップな曲です。
4曲目"The Camping Song"(4:10) このバンドのサウンドの要PREBENの小気味良いキーボードのサウンドがイントロに配されたエモ・ポップなミドル・テンポの聴き易いナンバーです。
5曲目"Sweet"(3:39) 軽快なアップテンポのリズムに乗せて歌うコケティシュ(良い意味での)なLUCYのヴォーカルによるエモ・ポップです。ロンドンの街中なんかでかかっているとイギリスの新しいオルタナ系バンドの曲と思ってしまうくらいです。
6曲目"All I Want"(5:37) 独特のキーボードの音色とドラムのビートによるメランコリックなメロディにミドル・テンポの良い曲です。この曲での憂いを持ったLUCYの歌声は、オーストラリアで活躍していたLEAH・HAYWOOD(DREAMLAB)に近いものを感じさせます。
7曲目"Got To Go"(3:44) ヴォーカルの歌声の質は非常に違うのですが、この曲ではCROWDED HOUSEの拘りを持ったギターのサウンドの質感と捻りを持ったサウンド展開に影響を受けたようなところを感じます。
8曲目"Loving The Attention"(3:56) この曲でも、このバンドの特有のイントロでのエレクトロニカ・ポップな打ち込みを使った冷ややかなサウンドを感じる曲です。ところがサウンドを展開してゆくと打ち込みは、バックに控えて、LUCYのエモーショナルな歌声とツイン・ギターのサウンドは前面に出てくるのです。多分、ライヴから鍛えられた彼らの魅力をアピールとしたサウンド展開ではないでしょうか。
9曲目"Perfect"(4:35) ノルウェー語による旅客機のフライト案内のアナウンスをイントロのS.E.として使った掴みから私をこのバンドの虜とした曲です。観る者を釘付けにするERIK・POPPEの興味心を煽る不思議なストーリーのビデオと低いキーでも非常に魅力的なLUCYの歌声による曲です。
10曲目"Smile On My Face"(3:07) 北欧のヘビー・メタルのサウンドを感じさせるイントロの重いサウンドの曲です。ハードなサウンドでのライヴ曲を演奏してきたことを伺わせるライヴ栄えする曲です。
11曲目"Wonderfully Stupid"(3:26) 左右に振り分けられたツイン・ギターのサウンドによるイントロに促されて歌い出すLUCYのヴォーカルとその歌声に添えられたキーボードのサウンドによるギター・ポップな曲です。
12曲目"Uncomplicated"(6:02) ノルウェー語のラジオ放送のS.E.をイントロに使ったアコースティック調の曲です。まろやかなキーボードのサウンドと心地好いギターのサウンドでゆったり歌うチャーミングなLUCYの歌声による6分を超える曲です。

DISC:2 PAL方式 DVD 収録時間:31分16秒
1曲目"Perfect"(4:54) '04年のノルウェー映画[Hawaii,Oslo]の挿入歌です。ビデオ・クリップも映画の内容(LUCYが吹き替え)に沿った収録とした監督ERIK・POPPEが再び撮ったビデオ・クリップです。
2曲目"One Desire"(4:18) 非常に早口なLUCYのヴォーカルによる 最新シングル・カット曲です。"Perfect" 収録時より少し大人びたLUCYの妖艶な姿と気さくな容姿を使い分けたパワフル・ロックなクリップで、定点カメラで映し出されるLUCYの様変わりを描写したビデオです。監督はショート・フィルムなどを手掛けているHÅKON・LARSSEN
3曲目"The Camping Song"(4:11) キャンピング・カーで、キャンプに出かけた恋人同士のとんだハプニングを面白可笑しく描いた笑えるショート・フィルムに使われたビデオ・クリップで、監督はDAG・MØRK。
4曲目"Smile On My Face(Live)"(3:10) オリジナル収録と同じくハードなサウンドを使ったエモ・ロックです。バンドのメンバーより遥かに小柄(ストゥールに腰掛けた)なLUCYの姿に似合わないエモーショナルな歌声に圧倒されます。
5曲目"Loving The Attention(Live)"(4:16) この曲もハードなサウンドとリズムによる曲です。時折ノルウェー語で観客にメッセージを送りながら歌うLUCYです。この '05年のライヴでの収録前に足首を痛めたようでマイク・スタンドを杖代わりに使ってのライヴです。
6曲目"Perfect(Live)"(5:52) 一旦ステージ裏に行き、上着を脱ぎ捨ててから、ライヴを観に来ている観客のリクエストに応じるようにスローにしたイントロを演奏してもらうLUCYです。オリジナル曲で収録されているノルウェー語のアナウンスに似たエフェクトに観客も大満足です。少しキーを下げたLUCYの歌声による '04年の本国でのシングル・ヒット曲です。
7曲目"Got To Go(Live)"(4:33) 美しいメロディと軽やかサウンドのギターによるアップテンポな曲で、歪ませたギター・サウンドに乗せ高らかにうたうLUCYです。ライヴの最後では、足首の痛みを堪えてメンバーに両脇を支えてもらいながらの観客への挨拶です(感心!)。
全12曲歌詞付 16ページ物豪華写真ブックレット (輸入盤) (ノルウェーのdaWorks recordsのオンライン・ショップ のみの販売ですが、地元では結構人気のあるバンドのようです)'10年6月4日再更新


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写真  FREYA McKEE / Lychee Juice
 ・2024 Freya McKee    

結構バラエティー・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているドリーム・ポップS.S.W.FREYA・McKEEのデビューEP盤(5曲EP盤)のアルバムで '24年7月26日に本国でのダウンロード・リリースです。
もともとカジュアルウェアのデザインと製作をしていたFREYAは、16歳頃から曲を書き インディ・ポップ/シュゲイザー・バンド ROSE DIVEでヴォーカルなどを担当し '21年6月にシングル曲 "Oob" でデビューしています。 このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、FREYA・McKEE:ヴォーカル/ギター/プロデュース、DANIEL・BATH(ROSE DIVE):ギター/ベース/キーボード/シェイカー/ドラム/プロデュース、JORDI・JAMES(SUGARTHIEF):ギター/ベース/キーボード/タンバリン/プロデュース、JACK・JAMES(SUGARTHIEF):ベース、PATRICK・JAMES・FITZROY:ピアノ/シロフオン/バック・ヴォーカル/プロデュースのイギリスのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Blue"(3:51) FREYAの囁くような歌声からぐっと捕まえられた曲です。どこか懐かしさを感じさせるノスタルジアや怠惰感のあるリズムの流れに沿って曲名にあるようにブルーな気持ちを歌詞に綴っています。
2曲目"Lychee"(3:04) 音楽の影響を受けたバンドにMAZZY STARやTHE SUNDAYSなどの紹介があるようにこの曲もそのようなイメージを感じます。怠惰感や気だるさを表したFREYAの歌声と引き摺り感のあるリズムの流れが耳に残ります。
3曲目"Grow In Pains"(2:30) このアルバム中では割とポップなサウンドを聴かせる曲です。弾むベースのサウンドと煌きを持ったギターのサウンドとは対照的に恋に悩む女性の心の内を歌っています。
4曲目"Forget Everything"(3:05) この曲のギターのサウンドに掴まれて購入ボタンを押しってしまった曲です。FREYAの甘い歌声も好いんですが、スネアドラムのリズミカルなスティック捌きも素晴らしいですね。
5曲目"Be Ok, Soon"(2:57) イントロは、Lo-Hiなアコースティック・ギターのシンプルなサウンドからシューゲイザーなギター・サウンドへと展開して行きます。アルバム通して聴いているとこの曲を含み結構バラエティーに富んだ内容となっています。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:15分27秒 (アルバム・リリース前だったのですが、bandcampでは先行購入可能でした!)'24年7月18日更新
2024年度ベスト5


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写真  FRIDA SNELL / Black Trillium
 ・2002 Stockholm Records     017 352-2

鋭い眼光とダーク・ヴォイス・・・

このアルバムは、スウェーデンのストックホルムで活躍しているFRIDA・SNELLのデビュー・アルバムです。スウェーデンの北部の出身のFRIDAは、地元の複数のバンドでベース、ギター、キーボ−ド、ドラムなどを演奏していたマルチ・プレイヤーで、19歳の時に彼女のデモ・テープを聴いたStockholm Recordに迎えられて '02年4月22日にアルバム・デビューしています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、FRIDA・SNELL:ヴォーカル/キーボードの他、MAGNUS・FRIDH(GREEN):ギター/キーボード/パーカッション/ドラム・プログラミング/バック・ヴォーカル/プロデュース、HEINZ・LILJEDAHL:ギター/ベース/キーボード/パーカッション/プログラミング/バック・ヴォーカル/プロデュース、JONAS・JONASSON:キーボード/エフェクト、ULF・IVARSSON:ベース、JOSEF・ZACKRISSON:ベース、BJÖRN・PALMBERG(GREEN):パーカッション/ギター/キーボード/ドラム・プログラミング/プロデュース、URBAN・ROBERTSON:パーカッション、ANNA・STADLING:バック・ヴォーカルのスウェーデン勢です。

1曲目"Mercy"(3:36) FRIDAのすこし高域で枯れた歌声によるイントロでアカペラから入る曲で、彼女の攻撃的な歌いぶりと時折入る対照的なファルセットの美しい歌声によるミドル・テンポのナンバーです。
2曲目"Lucky Day"(2:55) 哀愁のあるメロディとギターの音色による本国でのT.V.番組の挿入歌です。FRIDAのその鋭い眼光と一度聴いたら忘れられないダークな響きのディストーション・ヴォイスと間奏のハモンドの悲しい響きが印象に残ります。
3曲目"Johanna"(2:44) アコースティック・ギターによる小ぶりな曲で、女性バック・ヴォーカルと美しく付けられたハーモニーによる曲です。心地好いスローなリズムで、穏やかに流れながら時折入る切ないメロディによる、近年の女性スウェーデン・ミュージシャンらしい曲です。
4曲目"Stranger"(4:17) アコースティック・ギターの音色にエレクトロリック・ギターとエレクトロニカのサウンドを重ねたミドル・テンポのナンバーです。時折エモーショナルな歌声を聴かせるこの曲も、スウェーデン・ミュージシャンらしい雰囲気を醸しだしています。
5曲目"Bullet With Butterfly Wings"(4:07) シカゴで活躍していたSMASHING PUMPKINSの '95年のシングル曲のカバーです。スローなリズムによる彼女のまろやかな響きを発するキーボードでの弾き語りを中心に収録されています。FRIDAの年齢の割りに翳りを持ったディストーション・ヴォイスによる曲です。
6曲目"Stay"(3:53) この曲は非常に女性アメリカン・ミュージシャンのサウンドとメロディを感じるスローな曲です。厳かなメロディながらダイナミックな響きのサウンドとFRIDAの特徴的な歌声ながら歌唱力の高さを感じさせます。Stockholm Recordのスタッフが、彼女のデモ・テープを聴いて必死に彼女に連絡を取りたかったことを納得させます。(デモ・テープに添えられた電話番号が違っていたらしく…)
7曲目"Valentine's Day"(3:27) メロディの流れに東洋人の琴線に触れる響きを持つ曲です。アルペジオで奏でられるアコースティック・ギターのフォーキーな調べと切なさを誘うFRIDAの歌声が心に沁みます。
8曲目"Fallen Leaves"(2:36) 美しい音色を奏でるFRIDAのキーボードによるスローな曲です。この曲を聴くと同じくスウェーデンで活躍していたグループBRODER DANIELの "Shoreline" を思い起こさせます。
9曲目"Orphan Parade"(4:21) この曲もいい曲ですね。少しカントリーロック調べに往年のKIM・WILDの歌声に似たFRIDAの少し枯れた歌声による曲で、サウンドとメロディは先に同じレーベルからデビューしたLISA・MISKOVSKYに通じるものを感じさせます。
10曲目"I'll Be Thinking Of You"(3:09) FRIDAの魅力はその正面を見据えた眼差しと若さで突き進む行動力にあると思うのですが、この曲とラストの曲ではまた違った魅力を感じます。若さ故に傷つき易くまたその事を乗り越えて、少しずつ、少しずつ歩み始める彼女の姿を想像させます。そのような事を感じさせる彼女のセンシティヴな曲です。
11曲目"Weekday Song"(5:26) キーボードの厳かな響きとプロデューサーのMAGNUS・FRIDHのエレクトリック・ギターの孤高のサウンドによるスローな曲です。この曲ではセルフでFRIDAがハーモニーを付けています。また間奏のギターのサウンドも素晴らしいのです。
全11曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:40分35秒 (FRIDA・SNELLの視聴は7digitalでもどうぞ!)'10年6月7日再更新


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写真  FROZEN SOULS / Burned
 ・2000 Showtime record     7 320470024836

メロディアス・ロック・バンド・・・

このアルバムは、スウェーデンの中西部、ノルウェーとの国境に近い町Göthenburgで活躍しているロック・バンドFROZEN SOULSの2枚目のアルバムで2000年のリリースです。
'98年頃にキーボードのCARL・DAHLBERGにJOHAN・OHLSSON:ベース/ヴォーカルとで結成され、現在 3枚のアルバムをリリースしています。最初のアルバムは、'98年の[Frozen Souls](全曲スウェーデン語)に続き、'00年にこのアルバム[Burned]をリリース、'02年に[Magic Eden](全曲英語)をリリースしています。
尚、このアルバム収録時でのメンバーは、'99年に加入したMAGNUS・LILJENGREN:ヴォーカル/ギター/ドラムと先に紹介したJOHAN・OHLSSON:ベース/ヴォーカル/キーボード、CARL・DAHLBERG:キーボード/シンセサイザーの3人組みとなっています。収録に参加しているミュージシャンは、FROZEN SOULSの3人に加えMAGPIE:ドラム・プログラミングの少人数による収録です。

1曲目"Wear Black"(3:01) アコースティック・ギターの軽快なリズムとサウンドによるイントロとドラムのビートに続いて登場する新加入のMAGNUSの少しハスキーな歌声によるポップ/ロックな曲です。
2曲目"Hurt"(3:15) 壮大なロックのサウンドを目指したサビの部分をイントロに配したアレンジとバックで響く歪ませたギターのサウンドによるアメリカン・ロック的な曲です。
3曲目"Breathe"(4:24) キーボードのCARLのプログラミングとキーボードを全編に流した今度はヨーロッパ調のプログレシッヴ・ロック的な曲です。随所のCARLのS.E.的なサウンドを組み込ませています。
4曲目"Surrender"(4:36) 歪ませたギターのサウンドと硬い響きのドラムのビートにミドル・テンポのナンバーです。ヴォーカルはベースのJOHANのようです。キャッチーなメロディと覚え易い歌詞によるライヴなどでは観客も一緒に歌えそうではないでしょうか。アウトロでは美しいメロディアスなサウンドでのアレンジとなっています。
5曲目"Deep"(4:53) メロディアスなCARLのキーボードの調べによるイントロとMAGNUS の少し篭らせた歌声によるエレクトロニカ・ロックな曲です。間奏のギターも心地好いフレーズと切れの良いリズムとなかなか聴かせてくれます。
6曲目"You And I"(4:30) この曲はイントロから惹きつけてくれた曲ですね。サビから間奏までの盛り上がりも良いメロディアスなロックです。少し硬さの残るMAGNUSのヴォーカルはご愛嬌と言うことで...。
7曲目"It's Not Easy"(4:14) アコースティック・ギターの錆びれた音をイントロから響かせるフォーク・ロック・スタイルの曲です。アメリカの軽めのロックを奏でるバンド・スタイルような感じですね。
8曲目"Can't Tell"(4:28) ぐっと牧歌的なサウンドになったアコースティック・ナンバーです。ヴォーカルはJOHANでしょうか。この曲もアメリカンなサウンドによるミドル・テンポのナンバーで美しいハーモニーで飾られています。
9曲目"6:45"(3:19) 再びアコースティック・ナンバーの登場です。ヴォーカルはMAGNUSので、切ない彼の歌声を聴かせています。この曲でも美しいハーモニーが付けられていて、このハーモニーが厳かな響きを醸し出しています。
10曲目"Our Grief"(4:02) メロディアスなミドル・テンポのナンバーで爽やかなサウンドになっています。明るいメロディから若さとパワーを感じさせます。
11曲目"My World"(4:03) 明るいサウンドによる爽やかなロックのリズムの曲です。間奏の後半ではアコースティック・ギターのサウンドを挟んでメリハリを付けたアレンジで聴かせています。
12曲目"Life Is My Gift"(3:06) 凝ったアコースティック・ギターのカッティング・サウンドによる家族のことを描いた曲のようです。全体のサウンドはCARLのキーボードとプログラミングによるギミックなサウンド・パートを挟んだアレンジとMAGNUSのアコースティック・ギターのサウンド取り入れた折衷的と言いましょうか...。
全12曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:47分58秒 (廃盤の3枚目と違ってこちらのアルバムは、何故かスウェーデンのオンライン・ショップに在庫がありました)'10年6月7日再更新


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写真  FROZEN SOULS / Magic Eden
 ・2002 Showtime record     MLCD-202

残念ながら入手困難な1枚・・・

スウェーデンの中西部、ノルウェーとの国境に近い町Götenburgで '98年頃にキーボードのCARL・DAHLBERGにJOHAN・OHLSSON:ベース/ヴォーカルとで結成されたロック・バンドFROZEN SOULSの3枚目のアルバムです。
彼らの最初のアルバムは、'98年の[Frozen Souls](全曲スウェーデン語)に続き、'00年[Burned](全曲英語)、'02年にこのアルバムをリリースしています。
尚、このアルバム収録時でのメンバーは、MAGNUS・LILJENGREN:ヴォーカル/ギター、JOHAN・OHLSSON:ベース/ヴォーカル、CARL・DAHLBERG:キーボード、SVEN・DAHLBERG:ギター、MARKUS・ANDERSSON:ドラムの5人組みです。

1曲目"Sun"(3:58) エモーショナルに響くギターのサウンドに続いて登場するCARLのエレクトロニカなキーボードのサウンドが躍動感を与える曲です。少し切なさを与えるMAGNUSの歌声によるエモ・ギター・ロックです。
2曲目"Reality Bites"(3:54) 打ち込みのリズムによる少し硬いサウンドとリズムによる曲です。サウンドの決め手はやはりCARL のキーボードが重要な役割を果しているようです。TOTOでのDAVID・ PAICHの存在でしょうか。
3曲目"Cornflakes"(3:02) アコースティック色を少し強くして来たミドル・テンポのメロディアス・ロックです。SVENのスライド・ギターのサウンドと美しく付けられたハーモニーなどはアメリカのバンドのサウンドの影響を窺えます。
4曲目"Say It's OK"(4:26) エコーを効かせたギターによるイントロから"ぐっ" と捕まれた曲です。センチメンタルなメロディとリズムによるメランコリックなメロディアス・ロックです。この曲を聴きたいと言う一心で、このアルバムをネット中探し回しまわり、ほぼ1年越しに入手できました。この曲もサウンド的にはアメリカのバンドに近い雰囲気(このアルバム収録前にFROZEN SOULSはN.Y.でギグを行っています)を持っています。
5曲目"Friend"(4:08) キャッチーなメロディとサウンドによるイントロから入るライト感覚のソフト・ロックです。後半からMAGNUSのヴォーカルもエモーショナルに響きます。SVENのギターのサウンドもCARLのキーボードのサウンドもこの曲にインパクトを与えています。
6曲目"Magic Eden"(3:30) このバンドの存在を最初に私に知らせてくれた曲で、唯一ビデオが制作されています。聴き易いメロディとサウンドによるミドル・テンポのロックです。同郷の女性S.S.W.SANDRA・OLDENSTAMも同じ音楽トラックでカバーしています。
7曲目"Movie"(3:27) アコースティック・ギターを使った軽めの曲です。この曲も非常にアメリカのバンドのサウンドを感じさせます。同じくスウェーデンで活躍しているロック・バンドCROSSFADEなど共に通じるAIRPLAY、TOTO、CHICAGOなどからのサウンドの影響を感じる曲です。
8曲目"Go With You"(3:27) この曲は爽やかなサウンドとメロディによる心地好い乗りを与えてくれます。適度なグルーヴとクラシックなサウンド展開をみせるアレンジで勝負です。
9曲目"Mirror"(3:32) エモーショナルなワウ・ワウによるギターのサウンドとハードなリズムの刻みによるストレート・ロックです。高いキーのMAGNUSのヴォーカルとロック"ン" ロールのリズムによる定番でしょうか。
10曲目"Fallen Angels"(3:25) ダークな雰囲気を醸しだすサウンドとスポーケンによる歌声による北欧/ヨーロッパのサウンドを感じさせる曲です。サビの部分のメロディが良いですね。
11曲目"One Take No Christmas Song"(3:29) アコースティック・ギターによる切ないMAGNUSの歌声による弾き語りに近い曲です。シンプルな楽器構成と一発取り生テイクのように新鮮さに溢れています。
全11曲歌詞付 16ページ物豪華写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:41分15秒 (残念ながらスウェーデンのオンライン・ショップでも既に廃盤の為、入手困難な1枚となっています)'10年6月7日再更新


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写真  GEMMA HAYES / Night On My Side
 ・2002 mawlaw 388 ltd, t/a souce uk     VJCP-68422

アイルランド出身の期待される新人・・・

アイルランド出身のシンガー・ソング・ライターで、このアルバムは、GEMMA・HAYESの弾くギターとキーボードを中心に作られており、彼女の身近なバックメンバーの最大限の協力のもとに制作された感じがします。この国内盤は、3曲のボーナス・トラックと"Hanging Around" のビデオクリップも付いた大変お得な内容のアルバムとなっています。
尚、共同プロデュース/ギター/キーボードのDAVID・ODLUM(THE FRAMES)はGEMMAのボーイ・フレンドだそうです。 また、日本でのリリースは '02年7月7日に行われ国内盤の曲順は、GEMMAの監修にて行われています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GEMMA・HAYES:ヴォーカル/ギター/キーボードの他、DAVID・ODLUM:ギター/キーボード、RAY・HARMAN:スライド・ギター、KARL・ODLUM:ベース/キーボード/バック・ヴォーカル、PAUL・NOONAN:ドラム/バック・ヴォーカル、GUY・RIMBAUD:アコーディオン、PHIL・BROIKOS:バック・ヴォーカル、COLM・MAC・CONLOMAIRE:ストリングスなど先にも記しましたが、GEMMAの音楽仲間が多く参加しています。

1曲目"Day One"(1:46) 2分弱の小曲でこのアルバムの幕開きを象徴としたゆったりと流れるリズムと荒らしたギターサウンドとGEMMAの大人しい歌声の曲です。
2曲目"Hanging Around"(3:35) うねるベースのサウンドと弾けるドラムのビートに乗せGEMMAのヴォーカルは1曲目よりエモーショナルに変化します。(ビデオ・クリップ付き)
3曲目"Making Waves(Bonus Track)"(3:36) アイルランドの風景を容易に想像させるような美しいメロディの曲です。バック・ヴォーカルは、PAUL・NOONAN (BELL X1)でしょうか。
4曲目"Let A Good Thing Go"(3:50) ラウドな出だしの曲でベースのうねるサウンドと幾重に重なるギターの音色が非常に印象的です。KARL・ODLUM(THE MARY JANES)のベースのサウンドは、NEW ORDERのPETER・HOOK風です。
5曲目"Back Of My Hand"(3:47) ビデオ・クリップより少し早いテンポで収録されています。この曲もエモーショナルなベースのサウンドが非常に決め手になっています。この曲もKARL・ODLUM(THE MARY JANES)のベースのサウンドはNEW ORDERのPETER・HOOK風です。
6曲目"4.35a.m(Bonus Track)"(2:59) GEMMAの美声を聴かせる1曲となっています。静かに流れるギターの調べと最小限でのリズム隊で収められています。
7曲目"I Worked Myself Into A Calme(Bonus Track)"(3:57) ラウドなサウンドの曲です。GEMMAの書く曲は非常に叙情的なメロディのガラス細工のような曲とこのようなパンキシュな曲と非常にバラエティーに富んでいます。
8曲目"Ran For Miles"(4:31) フォーキーな雰囲気を持った曲で彼女のヴォーカルを際立たせる曲です。
9曲目"Tear In My Side"(4:03) ぶっきらぼうに鳴らされるギターのサウンドを掻き分けて聴こえて来る彼女のヴォーカルとアコーディオンの音色とで作り出された今風のサウンドの曲です。
10曲目"What A Day"(1:41) 2分弱の小曲で小休止的に収録された感じがあります。短い歌詞を怠惰に歌うGEMMAです。
11曲目"I Wanna Stay"(6:57) 7曲目で紹介したパンキッシュな曲とは非常に対照的なガラス細工のような質感を持った曲です。曲の後半部分は、GEMMAのヴォーカルとコーラスとアルペジオで弾かれるギターの音色が広がるアレンジが施されています。
12曲目"Lucky One(Bird Of Casadega)"(5:10) 殆どインストゥルメンタルの曲で歪んだギターのサウンドと打ち込みによるハードな響きを持った曲です。
13曲目"My God"(4:26) アルペジオによるギターの弾き語りでGEMMAの落着いた歌声による曲です。
14曲目"Night On My Side"(6:20) カントリー調の曲です。3分程でこの曲は終わりますが、30秒くらいブランクの後、アコースティック・ギターの弾き語りによるヒドゥン・トラックが入っています。
8曲歌詞/訳詞付 写真ブックレット (国内盤) 収録時間:56分44秒 (全曲彼女による作詞作曲のアルバムで、翌 '03年にはアメリカでもリリースされています)'10年6月8日再更新


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写真  GEMMA HAYES / The Roads Don't Love You
 ・2005 Mawlaw 388 Ltd T/A Souce UK.    CDSOUR117

今回は少し大人しくまとめて・・・

アイルランド出身のS.S.W.GEMMA・HAYESの2枚目のアルバムで、前作より3年ぶりの '05年10月28日に本国でのリリースです。
今回のアルバムでのプロデューサーは、GEMMAとドラマーのJOSEPH"JOEY" WARONKER(THE R.E.M.,LISA GERMANO)が抜擢されて、自身もドラムを演奏して収録に参加しています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GEMMA・HAYES:ヴォーカル/ギター/キーボード/プロデュース、JEFFREY・COIN:ギター、JOSH・KLINGHOFFER:ギター/ベース/バック・ヴォーカル、SMOKEY・HORMEL:ギター、CEDRIC・LEMOYNE:ベース、JUSTIN・MELDAL-JOHNSEN:ベース/バック・ヴォーカル、JOEY・WARONKER:キーボード/ドラム/パーカッション/プロデュース、ZAC・RAE:キーボード、ROGER・JOSEPH・MANNING・JR.:キーボード/バック・ヴォーカル、LISA・GERMANO:ヴァイオリン、JULIAN・CORYELL:バック・ヴォーカルの収録地ロス・アンゼルスの有名ミュージシャン達も参加しています。
尚、掲載のジャケットは、ヨーロッパ向のようで、HPでのジャケット写真と相違しています。

1曲目"Two Step"(4:04) キーボードによる電子サウンドの厳かな響きによるイントロによる曲で、前作での"Hanging Around" をスローにしたようなギター・サウンドの曲です。
2曲目"Another For The Darkness"(3:49) 牧歌的なカントリー・ロックなサウンドの曲です。前作より歌声に粘り強さを増したGEMMAの歌声は確実にヴォーカリストとして成長しています。
3曲目"Happy Sad"(4:20) 細かく弾かれるギターのピッキング・サウンドと心地好いリズムによりキャッチーとなった曲です。やはり、このアルバムからの先行発売シングル第一弾の曲になったことを理解できます。
4曲目"Easy On The Eye"(3:56) 前作のアルバムでも2極化した美しい響きによるアコースティック調のGEMMAの弾き語りの曲です。サビのメロディはやはり彼女らしいギミックを持った曲です。
5曲目"Keep Me Here"(4:13) ピッキングによるベースのサウンドが心地好く響きエモ・ポップな曲です。哀愁のあるギターのサウンドはブリティシュ・テイストに溢れています。
6曲目"Undercover"(4:10) このアルバムよりのシングル第2弾の曲です。GEMMAのアコースティック・ギターのサウンドと残響音を意識したエレクトリック・ギターの美しい響きが心地好いスローなナンバーです。
7曲目"Nothing Can"(4:53) この曲はイントロから"ぱっと" 聴いて好きになった曲です。統率のとれたGEMMAギターのサウンドと美しいメロディを奏でるキーボードとハーモニーと文句なしの曲です。
8曲目"Helen"(3:30) GEMMAのピアノでの弾き語りです。スローなリズムとシンプルなメロディに重ねられたLISA・GERMANOの美しいヴァイオリンです。
9曲目"Something In My Way"(4:06) この曲は前作のオリタナティヴなサウンドを引き継いだサウンドによる曲です。うねりを持ったベースのサウンドと響き渡るエモ・ギターのサウンドが好いのです。
10曲目"Horses"(4:09) ダイナミックに鳴らしたピアノのサウンドとドラムのビートによるミドル・テンポのナンバーです。幻想的なサウンドのエフェクトも取り入れたアレンジも面白いです。
11曲目"Tomorrow"(5:26) GEMMAのセルフ・ハーモニーによるシンプルな楽器構成による曲で、GEMMAのギターにマリンバとマルチな彼女です。
約30秒のブランクの後、幻想的なギターのサウンドによるスローなヒドゥン・トラックが収録されています。
全11曲歌詞付 写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:46分41秒 (尚、収録時間はヒドゥン・トラック込みの時間です。今回は全体の曲のベクトルを合わせて、少し大人しくまとめられたアルバムです)'10年6月8日再更新


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写真  GEMMA HAYES / The Hollow Of Morning
 ・2008 Gemma Hayes/ATC    GH001

GEMMAと音楽仲間達・・・

このアルバムは、アイルランド出身のS.S.W.GEMMA・HAYESの '08年5月2日に本国でリリースされた3枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GEMMA・HAYES:ヴォーカル/ギター/キーボード/シンセサイザー/プロデュースの他、DAVID・ODLUM:ギター/キーボード/ハーモニカ/ドラム/パーカッション/シンセサイザー/プロデュース、KEVIN・SHIELDS:ギター、KARL・ODLUM:ベース/ギター、PAUL・NOONAN:ドラム、JOE・LAVERTY:ドラム、BETH・BALMER:ストリングス、CATHERINE・HAYES:ストリングス、JOE・CHESTER:ギター/キーボード/バック・ヴォーカルのデビュー・アルバムからのミュージシャン達も多く参加しています。
尚、GEMMA・HAYESはMawlaw 388レーベルを離れ自身のレーベルから今作をリリースしています。

1曲目"This Is What You Do"(4:59) 美しい和音を奏でるアコースティック・ギターの調べが広がる落ち着いた曲です。ソフトに歌うGEMMAの吐息混じりの歌声をバックから支えるGEMMAの音楽仲間達の演奏も手慣れたものですね。
2曲目"Out Of Our Hands"(3:41) やはりこのサウンドですね。私の持つGEMMA・HAYESのイメージは、少し荒らしたギターのサウンドによる疾走感をストレートに感じさせる曲です。しかし、デビュー・アルバムから聴いている彼女の歌声もここに来て更にふくよかさが増したようにも感じます。
3曲目"January 14th"(1:31) 国内盤のボーナス・トラックとして収録されている"4.35a.m" と共通性を感じさせる弾き語りによる小さな曲です。アイルランドの憂いを感じさせるメロディとGEMMAの歌声が響いて来ます。
4曲目"Home"(3:10) 再びエレクトリック・ギターのサウンドを聴かせる曲です。次第に力強く響くPAUL・NOONANのドラムのビートに更に荒れたギター・サウンドを閃かします。
5曲目"In Over My Head"(3:41) イントロに教会の鐘の音色や鳥のさえずりを収録した曲です。この曲も次第にサウンドを厚くまた荒れた質感を感じさせます。バック・ヴォーカルに同じくアイルランドで活躍しているS.S.W.JOE・CHESTERが参加し、感じ好い歌声を聴かせます。また、GEMMAはこれとは逆に彼のアルバムにヴォーカルとして参加するなど良き音楽仲間のようです。
6曲目"Chasing Dragons"(3:55) GEMMAのアコースティック・ギターの爪弾きによる弾き語りです。シーンと静まりかえった空間にソフトに広がるGEMMAの歌声にそっと耳を澄ませて聴いてみましょうか
7曲目"Don't Forget"(3:47) 大人しい曲の後に登場するオルタナティヴなギター・サウンドの曲です。荒れたギター・サウンドのパートとアコースティック・ギターのサウンドを交互に嵌め込んだアレンジでの展開が感じ好いですね。
8曲目"Sad Ol Song"(3:17) 再びアコースティック・ギターの調べで聴かせる曲です。ハイフレットにした美しいギターの調べと不思議なコード進行による非常に浮遊感の漂うサウンドが広がっています。
9曲目"At Constant Speed"(6:10) この曲もイントロから不思議なサウンドを漂わす曲です。吐息混じりに聴かせるGEMMAの歌声による前半から次第にテンポを上げたメロディアスな流による展開とGEMMAのバックで聴かせるJOE・CHESTERも何度聴いても好い感じですね。
10曲目"Under A Canopy"(2:10) めずらしくインストゥルメンタルで収録されたヒーリング系ギター・サウンドの曲です。ここでの収録もデビュー・アルバムからのメンバーとの息の合った演奏を感じさせます。
9曲歌詞付 小型ポスター型ライナー デジパック仕様 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:36分25秒 (4年ぶりの新作[Let It Break]もリリースし、音楽活動を再開したGEMMAです)'12年6月10日更新


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写真  GEMMA HAYES / Let It Break
 ・2012 Fullfill LLC UK Ltd.    FCCD134

GEMMAのソフトでメロウな歌声・・・

このアルバムは、アイルランド出身のS.S.W.GEMMA・HAYESの '12年4月9日(本国では'11年5月27日)にイギリスでリリースされた4枚目のアルバムで、UK盤には13曲目"Noise" のボーナス・トラックが加えられています。
楽器区分を記載した詳しいクレジットがないのですが、このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GEMMA・HAYESのヴォーカル/プロデュースの他、ANN・SCOTT、KARL・ODLUMBINZERDAVID・ODLUM:プロデュース、LUGHÁM・ODLUM・DEANE:ドラム、PAUL・NOONAN:バック・ヴォーカルの新旧のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Don't Let Them Cut Your Hair"(2:10) 短い歌詞を付けた落ち着いた調べの曲です。囁くように歌うGEMMAの美しい歌声とアコースティック・ギターの爪弾きがこのアルバムの幕開きを告げます。
2曲目"There's Only Love"(5:50) 少し荒らしたエレクトリック・ギターのサウンドをバックに奏でながらゆったり流れる曲です。美しいアイルランドの山麓に広がるような清涼なGEMMAの歌声が非常に素晴らしくまた、途中よりビートを上げた爽快感も素晴らしいのです。
3曲目"Sorrow Be Gone"(2:33) アイルランド民謡のような曲調を感じさせるフォーク・スタイルの曲です。ひっそりと奏でるギターの調べに吟遊詩人のように言伝えを語るようなGEMMAの歌声と美しいハーモニーが広がります。
4曲目"Keep Running"(4:41) このアルバムから最初にお気に入りとなった曲で、各国の都市名が登場しているところに興味を惹きつけます。この曲の素晴らしいベース・ランニングは多分、デビュー・アルバムでも聴かれたKARL・ODLUMのベースでしょう。
尚、この曲はシングル曲"Tokyo" として '09年にライヴなどで演奏されていましたが、'11年にシングル曲としてリリースする直前に震災からの日本の復興を願う気持ちから"Keep Running" と改名されています。
5曲目"Ruin"(4:57) この曲は、キーボードのリズミカルな演奏とドラムのビートが本当に素晴らしく感じる曲です。このアルバムに到達して更に磨きのかかったドラマティックな作曲とギター・サウンドを全面に出した彼女の得意分野からさらに幅をぐっと広げたメロディアスなサウンド展開を感じます。
6曲目"Shock To My System"(4:21) GEMMAの歌声の魅力の一つにそのウィスパー・ヴォイスによる憂いを感じさせる歌声にあるのですが、その歌声から更に高域になるとはっとするような裏返る可憐な響きが最も魅力的なのです。この曲もそのようなところを感じさせますね。
尚、この曲はアルバム・リリース前にシングル曲となっていて、ヨーロッパ向けアルバムには収録されています。
7曲目"Brittle Winter"(3:31) イントロに流れる美しいスキャットによるハーモニーでの歌声が心地好い曲です。ギターの爪弾きに合わせて歌うGEMMAのソフトでメロウな歌声に聴いている者を融かせるような魅力を感じます。
8曲目"That Sky Again"(2:09) 非常に美しい旋律を聴かせるピアノの調べをメインとしたインストゥルメンタルです。彼女のアルバムの収録曲のどこかに収まっているヒーリング系のサウンドが響きます。
9曲目"All I Need"(4:17) 今度は、同じピアノの曲でもずいぶん感じ違った曲の登場です。コケティシュ(良い意味での)に響くピアノとGEMMAの歌声によるラヴ・ソングです。
10曲目"To Be Beside You"(4:23) ダブル・ベースとアコースティック・ギターなどで演奏される落ち着いた響きとリズムの曲です。自身のレーベルからリリースした前作の曲調を踏襲したアコースティック・サウンドと小さなライヴでの演奏曲として似合いそうな雰囲気を伝わって来ます。
11曲目"Waiting For You"(4:13) この曲も '09年のライヴで披露されている曲です。この曲の共作者であるアメリカのS.S.W.CHRIS・SEEFRIEDの歌詞の中にGEMMAがめずらしいくカバーしたCHRIS・ISAAKの"Wicked Game" の曲名が登場しているのが興味深いですね。
12曲目"Fire"(4:43) この曲もイントロから厳かに奏でられるハモンドの音色に聴き入らす曲です。ドラムで参加しているPAUL・NOONANのバック・ヴォーカルも途中より登場して2人の優しさ溢れる歌声のハーモニーを暫し楽しみましょう。 尚、PAUL・NOONAN(BELL X1)は、現在ソロ・アルバムを制作中でGEMMAもそのアルバムに参加しているとのこと。
13曲目"Noise(Bonus Track)"(4:22) GEMMAのピアノの弾き語りによる穏やか調べが響く曲です。2分半ほどでこの曲は一旦終了するのですが、完全なヒドゥン・トラックではないのですが、2分程度のインストゥルメンタルが収録されています。
10曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:52分16秒 (このアルバムには限定盤として2枚組のボックス盤が同時にリリースされているのですが、今回はぐっと我慢しました(笑) )'12年6月16日更新


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写真  GIANT STEPS / The Book Of Pride
 ・1988 A&M Records, Inc.    CD 5190 DX 002900

80年代は良い感じでした・・・

このアルバムは、イギリス(結成はアメリカ)で活躍していたシンセ・ポップ・デュオGIANT STEPSの '88年本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このGIANT STEPSは、COLIN・CAMPSIEとGEORGE・McFARLANEのユニットによる '88年からのバンド・ネームらしく、このアルバム・リリース前にはTHE QUICK名義にて '81年〜'86年までに4枚のアルバムがイギリスよりリリースされています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、COLIN・CAMPSIE:ヴォーカル、GEORGE・McFARLANE:キーボード/ギターの他、BRUCE・GAITSCH:ギター、GARDENER・COLE:キーボード、DAVID・BORUFF:サックス、EDIE・LEHMANN:バック・ヴォーカルのカリフォルニアのスタジオ・ミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、BRYAN・LOREN(BON JOVI,STING)、GARDENER・COLEが、曲により交代で担当しています。

1曲目"Steamy"(4:08) イントロから"チャカポコ" と鳴り響く電子サウンドのビートが懐かしい80年代のダンス・ミュージックそのものと言えるイメージの曲です。サウンド的にはイギリス寄りではなくアメリカのブラック・ミュージックやアーバン・ミュージック的です。
2曲目"(The World Don't Need)Another Lover"(4:14) 女性ヴォーカルがバックに登場したこの曲もダンス・ビート/ポップな曲です。このアルバムからシングル・カットされビルボード・ホット100にて13位にチャートインした当時のヒット曲にもなっています。
3曲目"Into You"(4:25) 更にサウンドとリズムを軽やかして来た心地好いリズムの流れによるエレクトロニカ・ポップのサウンドの曲です。アルバム・リリース当時のMTVなどで頻繁に流されていたこのGIANT STEPSの代表曲で、ビルボード・ホット100にて50位にチャートインもしています。
4曲目"Golden Hours(Bone)"(4:42) ファンキーなビートと電子ドラムのハードなドラムのビートによる曲です。サウンド的には同時期に活動していた非常にGO WESTやPOWER STATIONの持ち味に近い感じです。
5曲目"Do You Still Care"(5:12) この曲はリズムを落としてサウンドもしっとりとさせたメロウな質感を持たせた曲です。強いて例えるなら同じ年にデビューしたCLIMIE FISHERと似た感じかな。
6曲目"Same Planet Different World"(3:38) エキセントリックなサウンドを発するイントロとはハモンドの細切れの調べでメリハリを持たせたダンス・ミュージックと言える曲です。PRINCEやブラック・ミュージックのバンドからの影響を感じさせるファッショナブル・サウンドですね。
7曲目"The Book Of Pride"(4:20) この曲も非常に同年代のCLIMIE FISHERのサウンドと共通するイメージが強い曲です。少し枯れた歌声を聴かせるCOLIN・CAMPSIEとBRUCE・GAITSCHの爽やかで軽く流したようなギターのサウンドが印象的です。
8曲目"End Of The War"(5:12) 底辺に流れるシンセ・ベースの重いサウンドにオルガンで彩りを与えたミドル・テンポのリズムの曲です。長く響くオルガンの調べなどイギリスのバンド然のスタイルとエンディング近くに流れるサイケデリック調のギターが感じ良いです。
9曲目"Dance Away"(4:47) この曲もぱっと聴いて感じはヒットしそうな聴き易さやギミックなメロディを感じさせる曲です。エレクロニカ・ポップなサウンドに間奏で聴かせるサックスのソロなどは定番的な感じは分かり易くて良いのではないでしょうか。
10曲目"Dream Wonderful"(5:13) 電子サウンドを一杯使ったサウンドの数々が響き渡るポップな曲調の曲です。女性バック・ヴォーカルで裏打ちされCOLIN・CAMPSIEも熱く歌っていますね。
全10曲歌詞付 写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:44分35秒 (80年代のイギリスでは色々なミュージシャンやバンドが登場して素晴らしい音楽を聴かせては消えて行った時代だったです)'11年7月21日更新


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写真  GLORIA / Gloria
 ・1999 Warner Music Sweden     398429941-2 WEA

スウェーデンのスーパーアーティスト集団・・・

GLORIAは、スウェーデンのカントリー/ロック/ジャズ畑で活躍している5人による突如として登場したユニットです。メンバーは、スウェーデンのグラミー賞を受賞したREBECKA・TÖRNQVIST:ヴォーカル/ピアノ、ソロ・アルバムを2枚リリースしているSARA・ISAKSSON:ヴォーカル/ピアノ、元BO KASPERS ORKESTERのLARS・HALAPI:ギター、A-HAのアルバムにも参加していたSVEN・LINDVALL:ベース、SARAのアルバムに参加していたPETER・KORHONEN:ドラム、STAFFAN・ANDERSSON(ANNA TERNHEIM BAND):ギターの5人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GLORIAのメンバーの他、MATS・ASPLÉN(BO KASPERS ORKESTER):オルガンが"A Bit Personal" 参加し、5曲の共同作曲にPER'TEXAS'JOHANSSONの名前が記載されています。
尚、このアルバムは、'99年11月5日にWarner Music Swedenからリリースしましたが、非常に残念ながらスウェーデン国内のみのリリースとなっています。

1曲目"Party On My Own"(3:30) REBECKAとSARAのハーモニーからいきなり入るミディアム・テンポのギター・ポップな曲です。メイン・ヴォーカルはSARAが執っおり、STAFFANの歪ませたギターのサウンドに乗せ歌う彼女の美しい歌声による明るくまた、楽しさが伝わって来ます。
2曲目"Morning Song"(3:05) LARSのカントリーチックなアコースティック・ギターによるシンプルな曲でメイン・ヴォーカルはREBECKAです。
3曲目"Don't Ask"(3:57) PETERのタイトなドラムのビートによるポップなチューンでSARAのヴォーカルです。サウンド的にはかなりアメリカの西海岸に近い感じがします。
4曲目"You Are The Summer"(3:38) REBECKAの卓越したヴォーカルを披露してくれる曲でシンプルな立ち上がりからダイナミックでエモーショナルに展開する曲です。
5曲目"A Bit Personal"(5:33) 前曲のREBECKAのヴォーカル曲に対抗するように用意された曲の感じがします。SARAのしっとりした歌声にREBECKAの卓越したバック・ヴォーカルよるエモ・ポップな曲で、5分半に渡るLARSのアコースティック・ギターとSTAFFAN/LARSのラジカルでアグレッシヴなギターのサウンドに前半のクライマックスを迎える曲です。何度聴いても鳥肌物の曲なのです。
6曲目"Land On My Land"(3:50) 一転して気楽に楽しめるポップな曲です。REBECKAのヴォーカルにSARAのハ−モニーによる曲で、1曲目の"Party On My Own" とこの曲は、ホーム・パーティーでかけたくなります。
7曲目"The Boater"(3:03) 変則チューニングしたアコースティック・ギターの幻想的な音色によるフォーク調の落着いた曲でREBECKAのヴォーカルです。どことなく60年代後半のアメリカ西海岸のサイケデリック音楽からインスパイアされたような質感です。
8曲目"Did My Best"(3:14) パワフルなSARAのヴォーカルによるテンポの良いパワード・ギター・ポップスです。この曲もアメリカン西海岸のサーフ・ミュージックやイギリスのスパイ映画のテーマ・ソングに匹敵するくらいのSARAの熱いヴォーカルに脱帽です。
9曲目"Everytime"(3:20) アメリカの南東部(ジョージア州辺りかな)サザーン・ロックを意識した作風で特にfuzzの掛かったスライド・ギターのサウンドやベースのサウンドは、かなりアメリカのスワンプ・ロックに近い物を感じさせます。
10曲目"What Did You Expect"(3:51) イントロからSARAのピアノを主体とした彼女のヴォーカル曲で、次第にギターのサウンドをたっぷりと使ったアレンジとなっています。
11曲目"Want You Back"(3:26) 楽しくて自然に体が動き出す感じのご機嫌なポップです。REBECKAのハスキーでシャウトする歌いぶりは最高です。
12曲目"No Tomorrow"(4:04) チャイムの清々しい音のイントロによる曲でSARAの少し切ないヴォーカルによるゴスペルチックな曲です。
13曲目"Life As We Know It"(4:30) 作曲者は、GLORIA名義になっていますが、多分、REBECKAの書いた曲でしょう。美しいピアノの旋律によるゆったりとした落着いた曲で、REBECKAとSARAのハーモニーにうっとりです。
全13曲歌詞付 写真ブックレット ドイツ製 (輸入盤) 収録時間49分25秒 (メンバーの大半がソロアルバムを出しているスウェーデンのスーパー・ミュージシャンが一同に集った凄いアルバムです。アルバムリリース後にスウェーデン国内をツアーを行っています)'10年6月9日再更新
1999年度ベスト5


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写真  GLORIA / People Like You And Me
 ・2003 Warner Music Sweden     WEA 5050466 4806-2-0

残念ですが、今回も日本でリリースされていません・・・

スウェーデンで忙しく活躍しているスーパー・アーティストが一同に集った凄いバンドGLORIA(HPは '05年2月26日に閉鎖されました)の第2弾で '03年3月31日のリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LARS・HALAPI:ギター、STAFFAN・ANDERSSON:ギター、SVEN・LINDVALL:ベース、PETER・KORHONEN:ドラム、SARA・ISAKSSON:ヴォーカル/ピアノ、REBECKA・TÖRNQVIST:ヴォーカル/ピアノの他、REBECKAのアルバムで御馴染みのPÅL・SVENREがストリングス(STOCKHOLM SESSION STRINGS)のアレンジを担当しています。

1曲目"People Like You And Me"(4:18) 美しいピアノのイントロによるミドル・テンポのSARAのヴォーカルによるポップ・チューンです。サビの部分のREBECKAとのハーモニーの美しさは尋常ではなく、それを"さら" っとこなしてしまう2人は凄いです。また、間奏で登場するグレッチによる演奏は、紛れもなくLARSのギターの歯切れの良いサウンドですね。
2曲目"I Hold The Night"(3:41) 今度は、REBECKAのヴォーカル曲の登場です。心地好い歩みにも似たビートを刻むPETER・KORHONENのドラムと間奏で奏でられるSTAFFANの歪ませながらEBowによる伸びやかに響くギターのサウンドも素晴らしいです。また、バックに流れる天使のような歌声のSARAのヴォーカルにも圧巻です。
3曲目"What The Sun Sees"(4:38) STAFFANのスライド・ギターによるイントロによる落着いたナンバーで、SARAのヴィーカルによるしっとりとした落ち着いた歌声に魅了されます。バックには隠し味的にLARSのバンジョーのサウンドも流されています。
4曲目"Out Of Here"(3:24) 楽しいメロディとリズムによるポップ・チューンの登場です。SARAがメイン・ヴォーカルでスウェーデンの若手バンドを意識した感じのギター・ポップです。LARSの古いMARTIN D-18によるご機嫌な3連符リフが響いていますね。
5曲目"The Whitsun Return"(3:16) REBECKAのヴォーカルによる少し哀しい響きをもったメロディの曲です。不協和音を奏でる特殊なギター・コードの音色にSARAのバックの歌声もメランコリックに...。
6曲目"You'll Be The First To Know"(3:49) イントロから痺れっぱなしの曲です。LARSのアコースティック12弦ギターの美しいサウンドと絶妙なコード進行が素晴らし過ぎます。当然ながらREBECKAのハスキーなヴォイスに絡み付くSARAの非常に高いキーでのハーモニーは、このバンドならでは。
7曲目"All The Way"(3:39) 再びREBECKAのヴォーカルの登場です。この曲も乗りの良いポップ・チューンで多分、このアルバムをリリースした後のスウェーデン国内のツアーでは、観客の前で楽しく演奏されたと思います。サウンドの方は、STEVE・WINWOODがTRAFFIC時代に好んで演奏していたハモンドB3のサウンド・スタイルに似た感じのレトロ風味の曲です。
8曲目"One Of These Days"(3:47) メランコリックな歌声を聴かせるSARAのヴォーカルとピアノによる静寂の中に響く凛とした落着いた調べの曲で、基本的にANDERS・WIDMARKとのアルバムに通じる感じです。違うところと言えば、間奏で奏でられるLARSお得意の巧みにトレモノアームを駆使したギター・ワークが渋く響くところでしょうか。
9曲目"Gloria"(2:38) バンド名を曲に配したポップ・チューンです。STAFFANのインパクトのあるギターのサウンドとREBECKAのジャズ・フレイヴァー溢れるヴォーカル・スタイルがシンプルなサウンドのこの曲に華を添えています。
10曲目"This Must Be The Place(Native Melody)"(4:14) TALKING HEADS '83年のナンバーでよくカバーされている曲です。CROWDED HOUSEやCOUNTING CROWSもライヴで演奏した事があります。またSHAWN・COLVINのアルバムにも収録されています。オリジナル曲は、TALKING HEADSらしい凝ったエレクトロニカ・ポップですが、ここではSARAのヴォーカルを中心にアレンジされシンプルなスタイルで収録されいます。また、この曲のビデオ・クリップ(残念ながら日本から観れなくなりました)も制作されています。
11曲目"Kodak Moment"(3:49) REBECKAのヴォーカル曲です。曲の途中に彼女の得意とするスポーケンによるフレーズが収録さています。
12曲目"Oblivion Bay"(4:08) イントロから美しいピアノの旋律が響くテンポの流れが非常に感じ好い曲です。時計のようなPETERのスネアのリム打ちのビートとREBECKAの聴き応えの有るヴォーカルとSARAの美しいハーモニーは、何度聴いても絶品ですね。
13曲目"I Shouldn't Be Crying"(3:28) REBECKAのヴォーカルによる曲で、少し哀しみを含んだメロディが切なく響く曲です。LARSのストレートな響きを放つ泣きのギター・ソロが更に悲しみをアルバムの終焉まで誘います。
全13曲歌詞付 写真ライナー ドイツ製 (輸入盤) 収録時間48分54秒 (このアルバムをもってGLORIAは、一時休止状態に入ります。但し、'06年には新しいアルバムの制作に入るとの事でしたが、他のメンバーとの調整が上手く行かなかったのか、'06年10月にSARAとREBECKAのカバー・アルバムがリリースされました)'10年6月9日再更新
2003年度ベスト5


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写真  GOØD FALAFEL / You On The Other Hand
 ・2018 pistacho records     PCH003

2018年ベスト6・・・

このアルバムは、イタリアのシチリア島パレルモで活躍しているオルタナティヴ/シンセ・ポップ・バンドGOØD FALAFELの2枚目のアルバム('13年のダウンロード版[Ø ]を含む)で '18年12月4日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LAURA・MESSINA:ヴォーカル/サンプラー、VINCENZO・SCHILLACI(SØNN):ベース/シンセサイザー/サンプラー/バック・ヴォーカル、SERGIO・SCHIFANO:ギター/シンセサイザーのGOØD FALAFELの3人の他、SALVATORE・AIELLO:ギター、SIMONE・SFAMELI:ドラム/パーカッション、FRANCESCO・PAOLO・BONACCORSO:ドラム、GIOVANNI・DI・GIANDOMENICO:ピアノの地元のミュージシャン達が参加しています。
尚、バンド名のGOØD FALAFELの意味は、「旨いイスラエルコロッケ」と言う意味だそうです。

1曲目"Hide"(3:51) 私をこのGOØD FALAFELの持つ魅力に最初に惹きつけた曲です。電子サウンドの揺らめきと心地好いギター・サウンドが調和した流れが体を揺すります。アニメとヴォーカルのLAURAが登場したビデオもどうぞ。
2曲目"City Lights"(5:22) 少しダークな音色を放つシンセサイザーによるイントロと輪郭を際立たせたエフェクトによるストラトキャスターの音色が光るダーク・ポップな曲です。広域から美しく裏返る清楚なLAURAの歌声が孤高に響くところが堪らないのです。
3曲目"Wrong On You"(5:19) ここ数年聴き続づけているヨーロッパの女性ヴォーカル+シンセ・ポップなバンドMATILDE DAVOLIやKEEP SHELLY IN ATHENSに通じるダーク・アシッド感を加味したシンセ・ポップな曲です。カテドラルのような音響サウンドと畳み掛けるようなベースとドラムのビートが圧巻なのです。
4曲目"Let's Isolate"(5:50) 今度は少しリラックス感を増したレイドバックなギター・サウンドが流れる曲です。SERGIO・SCHIFANOの硬質感を持って刻まれるギターとトレモノを使った爪弾きが非常に心地好い。
5曲目"Moonlight"(5:45) アカペラで歌うLAURAの歌声と後を追うようにサンプル音源にてなぞる感が非常に丁寧さを感じさせる曲です。ところどころに感じる東洋感やオペラ+戯曲的な展開をディレイを多用しての演出が興味深いのです。
6曲目"Song of Two Dead Lover"(5:26) 再びダーク・エレクトロニカに攻めて来る曲です。トランス感を持ったシンゼサイザーと重い響きを蓄えたベースのサウンドが迫ります。
7曲目"Sunrise"(4:56) 空間に広がるギターのサウンドとLAURAの歌声をすこしLo-Hiにした感が特徴的な曲です。後半からロック色を強めたスピード感とリズムの展開が素晴らしく感じるのです。
8曲目"Salted Lake"(6:01) ここまで聴いて来てとても好く感じるこのアルバムの曲ですが、1曲1曲の長さが丁度良いのに気付かされます。この曲もダンス・シンセ・ポップな曲で6分近くあるのですがトランス感のあるベース・シンセザイザーの音色が聴く者を乗らせるのです。
全8曲歌詞付 写真ブックレット 3折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:42分33秒 ('18年ベスト5決定後にレビューしたこのアルバム、今年ベスト6に間違いないでしょう)'18年12月16日更新
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写真
(CD購入時に頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  GRAMOPHONE / Gramophone
 ・2000 Artisan Records/EMI Music     Gram001

ダーク/ビューティフル/ムーディー・・・

このアルバムは、イギリス中部の都市バーミンガムで活躍していたダーク/オルタナティヴ・ロック・バンドGRAMOPHONEの本国にて '01年7月8日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
GRAMOPHONEのメンバーは、PENNY・McCONNELL:ヴォーカル、DAVID・PACKING:ドラム/ベース/ギター/パーカッション/プログラミング、JON・COTTON:ピアノ/シンセサイザー/パーカッション/ギター/プログラミング/プロデュースの3人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ANNA・WYNNE:ハープ、KEITH・YORK:ドラム、SIMON・SMITH:ギター、JEREMY・CHAPMAN:フルート、MAIRÉAD・SHEERIN:チェロ、GARETH・WILLIAMS:ギター、GREG:ギター、RICHARD・SMITH:ヴァイオリン、LIZ・MACCARTHY:ヴァイオリン、CHRIS・GILL:ヴァイオリン、ALISON・BUTTON:ヴァイオリン、EMMA・CLIFFORD:ヴィオラ、JUSTIN・BURTON:ヴィオラ、RUSSELL・BARTHOLOMEW:チェロ、JO・STEEL:チェロ、GETH・GRIFFITH:ダブル・ベースです。
尚、このアルバムは、インディペンデント・レーベルながら配給は、大手EMI Music Publishingが行っています。

1曲目"*** "(0:17) 17秒ほどのタイトルさえ付けられていない短いインストゥルメンタルでチェロとハープのサウンドが流れて来ます。軽快なギターの調べとドラムのビートが流れるタイトなドラムのリズムに乗せハスキーなGEOFFの独特の歌声が登場する乗りの良いミドル・テンポの曲で爽やかなバックコーラスも心地良いです。
2曲目"Mr T"(4:18) ハイ・フレットで奏でられるベースとエスニックな雰囲気を醸し出すパーカッションのリズムのイントロから私をこのGRAMOPHONEの持つダークなサウンドに惹きつけた最初の曲です。吐息混じりで歌うPENNY・McCONNELLの哀愁のある歌声のバックに広がる美しいストリングスの調べ達です。
3曲目"Home"(4:17) スティール・ドラムのサウンドと淡々と流れるリズムのしっとりと流がれるダウンテンポの曲です。バックワードのサンプル音とスピリチュアルなキーボードのサウンドに怠惰感のあるリズムが非常に印象に残ります。
4曲目"Motel Lullaby"(5:12) メランコリックなメロディを奏でるストリングスとピアノの調べによる切なさがヒシヒシと伝わってくる曲です。映画音楽の関係にも従事しているJON・COTTONのサウンドの広がりとPENNYの思い詰めた歌いぶりも切ないですね。
5曲目"Lonely Machine"(4:15) この曲は、ドラムのビートとギターの爪弾きとの相性が非常に素晴らしく響いて来る曲です。少し冷めたサウンドの雰囲気と妖艶さも感じさせるPENNYの歌声の響きとの広がりも感じ良いでのです。
6曲目"Brighton Rocks"(4:39) エッジの立ったドラムのビートに合わせたギター・ポップのサウンドを持った雰囲気を違えさせた曲の登場です。ニューヨークで活躍しているSUZANNE・VEGAの '87年の大ヒット曲に少し似ている所は、御愛嬌と言うことで。
7曲目"Mercury"(4:08) 再びダークな雰囲気を感じさせるこのGRAMOPHONEの持ち味を一番表現したような曲です。メランコリックなPENNYの歌声に彼女の書いた歌詞をバックのDAVIDとJONがクールに展開させたサウンドで届けられて来ます。
8曲目"Fill"(4:23) この曲も非常にかっこ良さを感じさせる曲ですね。切れのあるドラムのビートにロック色を強めたエフェクト的なギターのサウンドと底辺に流れるアコースティック・ギターとオルタナティヴなベースのサウンドが堪りませんね。
9曲目"Dead Girls Don't Say No"(5:01) 今度は、ヒーリング/スピリチュアルな雰囲気を醸し出すスローなビートの曲です。曲の途中よりビートを盛り上げエモーショナルな展開もするところが見事です。尚、同名の曲が複数ありますがこの曲は、作詞:PENNY/作曲:GRAMOPHONEとなっています。
10曲目"Paper Boat"(4:00) 静けさの中に響くドラムのダウンテンポなリズムとウイスパーなPENNYの歌声が切ないスローでシンプルなサウンドの曲です。余分なサウンドを加えずPENNYの歌声をメインにしたJONの正統的アレンジとピアノの演奏を感じます。
11曲目"Denial"(4:28) 清楚な曲の後に用意された重厚な響きを持ったトリップ/エレクトロニカ・サウンドの曲の登場です。シンセザイザーの重いサウンドの響きが波のように押し寄せながら展開されています。
12曲目"Earthbound"(3:04) 映画音楽のような美しいイントロから入る曲ですが全体的なサウンドは、打込みを重視したこの曲もトリップ・ホップなエレクトロニカ・サウンドの曲です。バックには、次々と登場するサンプルとループによるサウンド達が矢継ぎ早に登場して来ます。
13曲目"You Care Too Much"(5:01) タイトな響きのドラムのビートと荒らしたギターのサウンドによる少しダウンテンポのリズムを感じる曲です。低く目のPENNYの歌声と彼女自身のハーモニーと非常にインパクトのあるギターのサウンドが好いですね。
14曲目"Hello Kitty"(5:00) 変則的なドラムのビートとオルタナティヴに歌うPENNYの歌声による不思議な雰囲気を持つ曲です。スパニシュなハンド・クラップスとずれたリズム隊のビートが落ち着かずに流れて来ます。
15曲目"Super Angel"(3:30) ハープによる清楚な調べのイントロと切れのあるドラムのビートが心地好く響く曲です。ダークな響きから次第にストリングスを交えた美しいサウンドの展開とエモーショナルに歌うPENNYの歌声が好いですね。
歌詞無し 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:61分31秒 (たっぷりと15曲、収録時間は、1時間以上あるこのGRAMOPHONEのダーク/ビューティフル/ムーディーなアルバムです。しかし、本国での最近の活動が不明なのが残念ですね)'10年6月9日再更新


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写真  GRUMPY OLD MEN / The Importance Of Being Human
 ・2002 transistor music     TMCD 60018

デンマークのエレクトロニカ・ユニット・・・

このアルバムは、デンマークで活躍しているエレクトロニカ・ミュージック・ユニットGRUMPY OLD MEN名義の '03年に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。'03年8月11日に本国でリリースされた初盤は、制作枚数が少なかった為か既に廃盤となり、このアルバムは、'06年にワールドワイドに再リリースされたものです。
このアルバムに参加しているミュージシャンは、POUL・MARTIN・BONDE:プロデュース/パーカッション/バック・ヴォーカル、JAN・DUE:マルチ・インストゥルメンツ/バック・ヴォーカル/プロデュース、ANNE・K(ANNELI・K・LINDEBORGH):ヴォーカル、ANNA・NORDELL:バック・ヴォーカル、THOMAS・SØRENSEN:ピアノ、JAN・CHANG・ØSTERGAARD:ドラムのデンマークのミュージシャンが参加しています。
尚、ヴォーカルのANNE・Kは、他のエレクトロニカ・ミュージック・ユニットPOWDERDUSTにも加入しています。

1曲目"In A Boys Naked Eyes"(3:18) エレクトロニカのサウンドで表現されたダウンテンポの少し怠惰さを感じるヨーロッパ調のダンス・ポップな曲です。カッティング・スタイルで演奏されるギターのサウンドとANNE・Kの妖艶な歌声が響きます。
2曲目"Rose Of Red"(3:34) ANNE・Kの吐息によるイントロから聴かせるミドル・テンポのエレクトロニク・ビートの曲です。艶やかなANNE・Kの歌声とJAN・DUEのスライド・ギターのサウンドが決まっていますね。
3曲目"Analyze This"(3:40) ドラム・ロールの躍動的のサウンドがイントロから流されるエレクトロニカ・ポップな曲です。後半ではドラム"ン" ベースのビートにファンクなシンセベースのサウンドを加えた重厚なサウンドにアレンジされています。
4曲目"Metro"(3:41) H.P.でも一押しとなっているエレクトロニカ・ダンス・ポップな聴き易い曲です。チープなサウンドを発するオルガンのサウンドをキャッチーなフレーズに乗せたアクセントが印象的です。
5曲目"Would I Lie"(4:42) 私をこのGRUMPY OLD MENのアルバムに最初に惹きつけ曲です。ANNE・Kの歌声とヨーロッパ調のメランコリックなメロディによるスローな調べです。ビデオに登場しているシンガーは髪型が違って見えていますが、ANNE・Kのようです。
6曲目"Busy Busy"(2:55) エレクトロニカのサウンドをメインとしたブルース・ロックの曲です。メロディ的にはアメリカン・オーソドックスなブルースですが、ドラム"ン" ベースを薄く加えたところが面白いですね。
7曲目"Like Stars "(3:45) マンドリンのサウンドをアクセントに使ったアコースティック・サウンドのエレクトロニカのサウンドを融合させたトロピカルな雰囲気を醸し出したダウンテンポの曲です。バックのペダル・スティールのサウンドもハワイアン・スタイルの雰囲気も好いですね。
8曲目"Don't Let The Bad Vibes..."(3:31) ブラック・ミュージックのダンス・ビートを踏襲したイメージに近い曲です。打込みのダンス・ビートとリフレインによる歌詞が流れて来ます。
9曲目"Saturday Girl"(4:24) この曲は少しサウンドを異ならせたロック調の曲です。JAN・DUEのギターのサウンドを中心に展開されるスローなロック"ン" ロールのリズムに吐息混じりのANNE・Kの歌声を収録されています。
10曲目"Africa(Mon Amour)"(3:47) 硬いビートを発するドラムのビートとアンビエントなエコーを効かせたギターのサウンドが心地好い曲です。エレクトロニカなキーボードにエモーショナルなANNE・Kの歌声は届きます。
11曲目"In A Boys Naked Eyes(X-Panded)"(5:01) サンプル音源を追加して5分に延長された1曲目の曲です。ANNE・Kのヴォーカル部分は同じテイクが使われているようです。
12曲目"Sunday Morning Coming Down"(3:36) ANNE・Kのアカペラに近い歌声がイントロから流れるフォーキーな雰囲気が伝わってくる曲です。後半部分からシンセサイザーと打込みのビートを使ってダイナミックなサウンドを展開しています。
6曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:45分59秒 (プロデュース/作詞/作曲のPOUL・MARTIN・BONDEは、このアルバムのレーベルTransistor Musicも運営しています)'10年6月10日再更新


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写真  HAIRCUT ONE HUNDRED / Pelican West
 ・1982 Arista Records Inc.     AL 6600
 ・1982 Arista Records Inc.     BVCM-35406

本当、ヒットしましたね・・・

このアルバムは、イギリスで活躍していたファンカ・ラティーナ・バンドHAIRCUT ONE HUNDRED(以下 HAIRCUT 100)の '82年2月本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムでのHAIRCUT 100のメンバーは、NICK・HEYWARD:ヴォーカル/ギター、MARK・FOX:パーカッション、BLAIR・CUNNINGHAM:ドラム、PHIL・SMITH:サックス、GRAHAM・JONES:ギター、LES・NEMES:ベースの6人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、VINCE・SULLIVAN:トロンボーン、DAVE・LORD:トランペット、HERSCHELL・HOLDER:トランペットのイギリスのミュージシャン達(クレジットに記載のある"THE CLIPETTES" については詳細不明)が参加しています。
尚、プロデュースは、BOB・SERGEANT(BREATHE,XTC)が担当しています。

1曲目"Favourite Shirts(Boy Meets Girl)"(3:05) GRAHAM・JONESの非常にスピーディーで特徴的なカッティング・ギターのサウンドと捲し立てるようなPHIL・SMITHのサックスの響きが圧巻なこのアルバムのリリース前の '81年10月にUKシングル・チャート4位を記録したヒット曲で、後半からのスポーケンも意外性があり斬新でしたね。('82年のU.S.盤ではこの曲は2曲目です)
2曲目"Love Plus One"(3:33) ミュートしながら奏でられるギターのサウンドとバックに広がるホーンのサウンドに合わせて歌うNICKの多少のおふざけを感じさせる歌声が良い感じのこのアルバムからのシングル・カット曲で、当時のUKシングル・チャート3位となっています。
3曲目"Lemon Firebrigade"(3:54) サウンドとメロディを少しロマンチックな路線に寄せてきた心地好い調べの曲です。ファンクなベースとサックスによるソロの演奏とこのバンドお得意のカッティング・ギターが満載なサウンドにNICKの短い歌詞が加えられたほぼインストゥルメンタル的な曲です。
4曲目"Marine Boy"(3:31) この曲もその特徴的なカッティング・ギターが流れて来る曲です。また、間奏で登場するジャズ・スタイルのピアノ・ソロは、脱退後のNICKのアルバム[North Of A Miracle]での収録曲"The Kick Of Love" のイントロに強く影響を与えたと推測されます。
5曲目"Milk Farm"(2:52) 今度はポップ調のサウンドに移して来たバブルガム・ロックな曲です。ロック"ン" ロールのリズムを基調としたボーイ・ミーツ・ガール的な歌詞をNICKが甘く歌っています。尚、レビューした米国盤の曲名は、"Milk Farm" と記載されていて英国盤での"Milk Film" と記載違いがあります。
6曲目"Kingsize(You're My Little Steam Whistle)"(4:23) 躍動的なベースのサウンドとパーカッションのリズムが曲全体に流れるスピード感のある曲です。NICKの掛け声やハンサムなLES・NEMESのチョッパーによるベース・ソロと聴き応え満載です。
7曲目"Fantastic Day"(3:13) アコースティック・ギターのサウンドも少し加えたギター・ポップ調の曲で、サウンド的にはNICKのソロ・アルバムに通じる聴き易さを感じます。ソプラノ・サックスかトランペットのサウンドなどは、リヴァプール出身の有名グループの影響を感じますね。この曲もアルバムからのシングル・カット曲で、当時のUKシングル・チャート9位となっています。
8曲目"Baked Bean"(4:02) 派手に鳴り響くホーンの厚めのサウンドと小刻みに奏でられるギターのサウンドが迫って来るファンカ・ラティーナの見本のような感じの曲です。少し低い目キーで枯れ気味の歌声を渋く聴かせるNICKも印象的ですね。
9曲目"Snow Girl"(2:56) 5曲目とサウンドを共通としたロック"ン" ロールのリズムの曲です。ファンカ・ラティーナから少し離れたホーンのサウンドの感じから今で言うパワード・ポップ的なイメージに近いでしょうか。
10曲目"Love's Got Me In Triangles"(3:36) この曲もLES・NEMESのファンクなベースのサウンドを聴かせる曲で、もしNICKのヴォーカル無しのバージョンが存在していて聴いているだけならLEVEL 42の曲と勘違いするでしょうね。
11曲目"Surprise Me Again"(3:17) 今度はサウンドをギター・ポップの方向に移して来た爽やかな感じが伝わって来る曲です。メロディやサウンドのスタイルは、非常にNICKの持ち味を強く感じさせます。
12曲目"Calling Captain Autumn"(4:04) イントロから鳴り響くホーンのサウンドとGRAHAM・JONESの掻き鳴らされるギターのサウンドが圧巻な曲で、非常に良い乗りを感じさせてくれます。スキャットや語呂合わせ的な歌詞を巧み使い分けて歌うNICKです。ただ、アルバムの終焉の曲にしては、乗りが良すぎますね。

次の曲より2008年8月20日にリリースされた紙ジャケットCD化によるボーナス・トラックです。
13曲目"Boat Party"(3:50) '81年のシングル曲"Favourite Shirts" のB面曲です。NICKのギターの爪弾きによるファンキーなリズムとサウンドの曲です。MARK・FOXのパーカッションも次第に激しく鳴り響きHAIRCUT 100が得意とするリズムへと誘います。
14曲目"Ski Club"(3:36) '82年のシングル曲"Fantastic Day" のB面曲です。この曲もイントロからNICKのギターのリズムを惜しみなく聴かせます。ラテン/アフリカンのリズムによるジャングル・ポップですね。
15曲目"Nobody's Fool(12" Version)"(4:57) '81年のシングル盤での曲です。この後にリリースされるNICKのソロ・アルバムへのサウンドを感じさせる曲です。どこかに感じるリバプール・サウンドなど本当にイギリスぽいギター・ポップスです。
16曲目"October Is Orange(Day 1 & 2)"(4:17) 先の '82年"Nobody's Fool" のB面曲です。ダークなピアノの調べとスモーキーなサックスの音色が漂うバラードです。LES・NEMESのブンブンと鳴る特徴的なベースから次第にサンバ/ファンカ・ラティーナのリズムへと展開されて行きます。
16曲目"Favourite Shirts(12" Version)"(7:10) '82年のシングル曲でのエキスパンション曲です。イントロからホーンセクションを強化した出だしを持っています。PHIL・SMITHのサックス・ソロも余すところ無く収録されています。
・歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:42分41秒
・15曲歌詞/訳詞付 20ページ物ブックレット 限定紙ジャケット仕様 ボーナス・トラック/"Favourite Shirts" のビデオ付 (国内盤) 収録時間:66分26秒 (このアルバムがリリースされた当時は、そのルックスから非常にアイドル扱いされていたイメージが強かったバンドでしたが、改めて聴き直すと凝ったアレンジと巧みな演奏を聴かせる実力派だったことを再認識させてくれます)'10年11月21日再更新


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写真  HAIRCUT ONE HUNDRED / Paint And Paint
 ・1984 POLYDOR LTD.     28MM0372

ファンカ・ラティーナの決定盤・・・

このアルバムは、イギリスで活躍していたファンカ・ラティーナ・バンドHAIRCUT ONE HUNDRED(以下 HAIRCUT 100)の '84年3月本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
このアルバムでのHAIRCUT 100のメンバーは、MARK・FOX:ヴォーカル/パーカッション/タンバリン、GRAHAM・JONES:ギター、LES・NEMES:ベース、PHIL・SMITH:サックス/グロッケンスピールの4人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RICHARD・COTTLE:キーボード、STEVE・FRENCH:キーボード、BLAIR・CUNNINGHAM:ドラム、GRAHAM・WARD:ドラム、GUY・BARKER:トランペッット/フリューゲルホーン、PETE・BEECHILL:トロンボーン、SPIKE・EDNEY:トロンボーン、VINCE・SULLIVAN:トロンボーン、STEVE・SIDWELL:トランペットと有名どころが参加しています。
尚、プロデュースは、BOB・SERGEANT(BREATHE)、JOHN・PUNTER(JAPAN)とHAIRCUT 100自身が曲により担当しています。

1曲目"Fish In A Bowl"(3:30) '83年の先行シングル盤[So Tired]のB面に収録されたファンカ・ラティーナのサウンドを目一杯感じさせる乗りの良い曲です。GRAHAMのカッティング・ギターによる刻み音とLESの非常に弾んだファンクなチョッパーによるベースのサウンドのバックから追い打ちを掛けるホーンの煌びやかなサウンドの数々です。また、間奏では、非常にメロディアスなPHILのサックスの調べも響きます。
2曲目"Immaterial"(4:09) サウンドをロック寄りに移して来たスピーディーなリズムの曲です。新生HAIRCUT 100のメイン・ヴォーカルMARKのジェントルな歌声を支えるバックのサウンドの乗りの良さは絶品ですね。
3曲目"So Tired"(4:14) '83年の先行シングル曲です。当時、ビデオも制作され、このアルバムからの一押しの曲でした。PHILのソプラノ・サックスの寂し気な調べとMARKの優しい歌声が心に沁みるのです。後半からのコーラスとメロディは、NICKの持ち味も感じるところが興味深いですね。
4曲目"The Hidden Years"(3:28) ご機嫌な乗りとサウンドを聴かせるサルサ/スカ/サンバのリズムに派手なホーン群にLESのベース・ランニングとギミックな演奏と本当に盛り沢山な内容を感じます。
5曲目"40-40 Home"(4:03) "サビ" のリズムとメロディが盛り上がりを見せる青春賛歌的な質感を受けるダンサブルなナンバーです。MARKの楽しそうに歌う歌声も明るく「40-40 Home」と響いて来ます。
6曲目"High Noon"(3:41) この曲はどちらかと言うとファンカ・ラティーナよりブリティシュ・ファンクな持ち味を強く感じさせる曲です。曲の途中よりレゲエのリズムに乗り換えてバンドでの演奏の上手さインストゥルメンタルで聴かせる懐の深さまで感じさせるのです。
7曲目"Too Up Two Down"(3:32) この曲も非常にNICKが在籍していた時のサウンドに非常近い青春感と心地好い乗りを感じさせる曲ですね。パワー・ポップ感とダイナミックな演奏がNICK的に感じるところが興味深いですね。
8曲目"Benefit Of The Doubt"(4:40) この曲は、少し前作[Pelican West]のサウンドに近いものを感じさせる曲ですね。ただ、アレンジ的には、非常にインパクトと弾け感を強烈に感じさせるパワー・ファンカ・ラティーナと呼べるサウンドです。
9曲目"Prime Time"(3:53) この曲も '83年の先行シングル曲です。A.W.B.やLEVEL 42のようなブリティシュィ・ファンクの洒落たリズムと「イカシタ」演奏を聴かせるスマートさを強く感じさせるのです。
10曲目"Where Do You Run To Now ?"(4:19) お待ちかねメロディアスなバラードの登場です。派手なサウンドを続いた後に絶妙なピンポイントで登場するスムーズな調べとMARKの伸びやかな歌声とPHILのサックス・ソロとのコラボも見事ですね。
11曲目"Infatuation"(5:15) "サビ" の部分をイントロに持って来たド派手なオープニンと非常に乗り良いリズム感を与えくれる、このアルバムから最初にお気に入りとなった曲です。4人の生き生きとした演奏を目(耳)のあたりする演奏をご堪能あれ。また、後半からエンディングまでの計算されたアレンジも非常に完成度の高さを感じさせます。
全11曲歌詞/訳詞付 LP盤 (国内盤) 収録時間:44分44秒 (HAIRCUT 100と言えばNICK・HEYWARDの在籍していた時のアルバム[Pelican West]の方が有名ですが、このアルバムの存在すら知られていないのは、非常に残念な事ですね。バンドの演奏の上手さとアルバムの完成度はこちらの方が上と思うのですが...)'10年6月10日再更新
1984年度ベスト5


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写真  HAIRCUT ONE HUNDRED / Paint And Paint
 (Deluxe Edition)
 ・2017 Cherry Red Records Ltd.     CRPOPD182

33年ぶりのCD化・・・

このアルバムは、イギリスで活躍していた('04年再結成)ファンカ・ラティーナ・バンドHAIRCUT ONE HUNDRED(以下 HAIRCUT 100)の '84年にリリースされた2枚目のアルバムです。
尚、今回の再レビューは、世界初CD化による '17年5月19日にヨーロッパでリリースされた特別2枚組盤です。
このアルバムでのHAIRCUT 100のメンバーは、MARK・FOX:ヴォーカル/パーカッション/タンバリン、GRAHAM・JONES:ギター、LES・NEMES:ベース、PHIL・SMITH:サックス/グロッケンスピールの4人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RICHARD・COTTLE:キーボード、STEVE・FRENCH:キーボード、BLAIR・CUNNINGHAM:ドラム、GRAHAM・WARD:ドラム、GUY・BARKER:トランペッット/フリューゲルホーン、PETE・BEECHILL:トロンボーン、SPIKE・EDNEY:トロンボーン、VINCE・SULLIVAN:トロンボーン、STEVE・SIDWELL:トランペットと有名どころが参加しています。
尚、プロデュースは、BOB・SERGEANT(BREATHE)、JOHN・PUNTER(JAPAN)とHAIRCUT 100自身が曲により担当しています。
尚、今回のアルバム・レビューは、'84年の国内レコード盤のレビューにCD化された追加曲及び仕様の違いを加筆して再投稿したものです。

DISC:1 収録時間:62分54秒
1曲目"Fish In A Bowl"(3:31) '83年の先行シングル盤[So Tired]のB面に収録されたファンカ・ラティーナのサウンドを目一杯感じさせる乗りの良い曲です。GRAHAMのカッティング・ギターによる刻み音とLESの非常に弾んだファンクなチョッパーによるベースのサウンドのバックから追い打ちを掛けるホーンの煌びやかなサウンドの数々です。また、間奏では、非常にメロディアスなPHILのサックスの調べも響きます。
2曲目"Immaterial"(4:09) サウンドをロック寄りに移して来たスピーディーなリズムの曲です。新生HAIRCUT 100のメイン・ヴォーカルMARKのジェントルな歌声を支えるバックのサウンドの乗りの良さは絶品ですね。
3曲目"So Tired"(4:14) '83年の先行シングル曲です。当時、ビデオも制作された、このアルバムからの一押しの曲です。PHILのソプラノ・サックスの寂し気な調べとMARKの優しい歌声が心に沁みるのです。後半からのコーラスとメロディは、NICKの持ち味も感じるところが興味深いですね。
4曲目"The Hidden Years"(3:28) ご機嫌な乗りとサウンドを聴かせるサルサ/スカ/サンバのリズムに派手なホーン群にLESのベース・ランニングとギミックな演奏と本当に盛り沢山な内容を感じます。
5曲目"40-40 Home"(4:03) "サビ" のリズムとメロディが盛り上がりを見せる青春賛歌的な質感を受けるダンサンブルなナンバーです。MARKの楽しそうに歌声も明るく「40-40 Home」と響いて来ます。
6曲目"High Noon"(3:42) この曲はどちらかと言うとファンカ・ラティーナよりブリティシュ・ファンクな持ち味を強く感じさせる曲です。曲の途中よりレゲエのリズムに乗り換えてバンドでの演奏の上手さインストゥルメンタルで聴かせる懐の深さまで感じさせるのです。
7曲目"Too Up Two Down"(3:52) この曲も非常にNICKが在籍していた時のサウンドに非常近い青春感と心地好い乗りを感じさせる曲ですね。パワー・ポップ感とダイナミックな演奏がNICK的に感じるところが興味深いですね。
8曲目"Benefit Of The Doubt"(4:40) この曲は、少し前作[Pelican West]のサウンドに近いものを感じさせる曲ですね。ただ、アレンジ的には、非常にインパクトと弾け感を強烈に感じさせるパワー・ファンカラティーナと呼べるサウンドです。
9曲目"Prime Time"(3:54) この曲も '83年の先行シングル曲です。A.H.B.やLEVEL 42のようなブリティシュィ・ファンクの洒落たリズムと「イカシタ」演奏を聴かせるスマートさを強く感じさせるのです。
10曲目"Where Do You Run To Now ?"(4:19) お待ちかねメロディアスなバラードの登場です。派手なサウンドを続いた後に絶妙なピンポイントで登場するスムーズな調べとMARKの伸びやかな歌声とPHILのサックス・ソロとのコラボも見事ですね。
11曲目"Infatuation"(5:16) "サビ" の部分をイントロに持って来たド派手なオープニンと非常に乗り良いリズム感を与えくれる、このアルバムから最初にお気に入りとなった曲です。4人の生き生きとした演奏を目(耳)のあたりする演奏をご堪能あれ。また、後半からエンディングまでの計算されたアレンジも非常に完成度高さを感じさせます。
オリジナル盤の収録曲は、この曲までとなっています。以下CD化によるボーナス・トラックです。
12曲目"Too Up Two Down(7" Remix)" (3:55) 曲全体の印象はオリジナル盤に収録されている感じとさほど変わらない感じの曲です。
13曲目"Evil Smokestacking Baby"(4:31) 非常にめずらしいインストゥルメンタルになっている曲です。LES・NEMESのイントロから響くベースのサウンドとキーボードとドラムの演奏を今改めて聴いていると当時のアイドル・バンドとは一味違った演奏の上手さを強く感じます。
14曲目"After It's All Been Said And Done"(2:49) 先に紹介した"Too Up Two Down" 12インチ・シングル盤でのカップリング曲です。曲の感じは、意外とNICKが在籍していたカジュアルなサウンドを感じます。バックのギターのサウンドも[Pelican West]のイメージですね。
15曲目"Prime Time(Late Night Shopping Version)"(6:26) 曲の中間部分の間奏をRapやサンプル音源にてリミックスした'83年に12インチ盤にてリリースされた収録曲です。

DISC:2 "1部アルバム未収録曲" 収録時間:59分40秒
1曲目"So Tired(long slumber version)"(6:04) 1分半程度もある長いイントロが非常に印象的な曲です。'83年の12インチ先行シングル盤に収録されている曲のロング・バージョンです。
2曲目"Fish In A Bowl(Deeper Version)"(4:52) イントロに海中での呼吸音やスクラッチを追加し、インストゥルメンタル部を加えた収録曲です。この曲も先の"So Tired" 12インチ先行シングル盤に収録されている曲のロング・バージョンです。
3曲目"Hidden Years Extra (Development Mix)"(3:20) 未発表曲とのコメントがありますが、オリジナル曲と音源的にはあまり変化はないようです。ポルトガル語によるサンバ風のPapが加えられています
4曲目"Fish In A Bowl(No Vocal - Development Mix)"(2:59) ノー・ヴォーカルですから、まんま「カラオケ・バージョン」ですね。オリジナル曲より30秒程度短いのは、イントロ部分の相違かも知れません。
5曲目"High Noon(No Vocal - Development Mix)"(3:36) この曲も「カラオケ・バージョン」となっています。インストゥルメンタルとして聴いてもなかなか聴き応えのある印象です。
6曲目"Infatuation(No Vocal - Development Mix)"(5:18) この曲も「カラオケ・バージョン」です。全編に響くLESLIE・NEMESのファンクなバースのサウンドとなっています。イントロ
7曲目"One Word(Development Mix)"(4:14) アルバム未収録です。サウンド、メロディ、テンポ的には" So Tired " に近い感じがします。
8曲目"Prime Time(No Vocal - Development Mix)"(4:24) この曲も「カラオケ・バージョン」です。イントロ部分は、未編集な感があります。やはりLESLIE・NEMESのスラップ・ベースの響きに重みがあります。
9曲目"Puppet Man(Development Mix)"(3:55) この曲もアルバム未収録曲です。サウンド的にはアルバムに収録されている"Benefit Of The Doubt" を少しダークなサウンドにした感じで、後半はインストゥルメンタルとなっています。
10曲目"Ted And Harry(Development Mix)"(2:30) アルバムでの1曲目"Fish In A Bowl" のパート部のような感じがします。PHIL・SMITHのサックス・ソロや演奏としても興味深いです。
11曲目"Too Up Two Down(Development Mix)"(4:04) この曲も「カラオケ・バージョン」です。TV出演や1,2曲の短いライヴでのバックの演奏に使い、ヴォーカルのみ生を被せる手法用に収録しているかも知れませんね。
12曲目"40-40 Home(BBC David Jensen Session)"(4:12) BBC Radio 1にてライヴ収録された曲です。観衆の拍手や収録曲以外のノイズなど一切入っていないアルバム収録曲に近い感じです。
13曲目"Immaterial(BBC David Jensen Session)"(3:45) メンバー4人での収録のような感じで曲のコンパクトさを感じます。当時、THE SMITHS,THE POGUEやTALK TALKSなどこのDavid Jensen Sessionに出演していたもよう。
14曲目"High Noon(BBC David Jensen Session)"(3:19) ホーン・セクション(サンプル?) を追加した分厚いサウンドとなっています。ここでもLESLIE・NEMESのベースが唸っています。
15曲目"Hidden Years(BBC David Jensen Session)"(3:01) この曲もホーン・セクションなど豪華なサウンドやサンプル音源など加えたゴージャス感を感じるライヴ曲です。
歌詞無し 各曲紹介16ページ写真ブックレット付 2枚組 E.U.製 (輸入盤) (実に33年ぶりにCD化(PolydorよりCDのリリースが予定されていたそうですが、詳細は不明)されたこのアルバム、HAIRCUT 100の再結成による人気の表れのようです)
'19年2月21日更新


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写真  HÅKAN JORMING / Mirror In The Mirror
 ・2008 Håkan Jorming    

メランコリック・ギター・メロディ・・・

このアルバムは、スウェーデンのストックホルムで活躍しているHÅKAN・JORMINGの8曲入り自主レーベル盤で '08年2月8日本国でのリリースです。
アルバムの収録には、HÅKAN:ヴォーカル/ギター/ピアノ/プロデュースに加え、ギター/バック・ヴォーカル:HENRIK・FRESTADIUS、ベース:HANNES・BEYERS、MARIO・HOLMSTRÜM(AMANDA・ENEROTH,AGREE WITH ME?)、チェロ: KILIAN・DRUML、ドラム:JOAKIM・LUNDGREN、ピアノ:ADRIAN・HOLMSTRÜMなどの新進気鋭のミュージシャンが参加しています。
尚、本アルバムはHÅKANの自主レーベルからのインディペンデント・リリースの為、CD-Rフォーマットによりi-Tunes以外(RealTimesでは可)での再生では曲目は残念ながら表示はされません。

1曲目"Things Will Happen"(4:36) 美しいアコースティック・ギターのフィンガー・ピッキングによるイントロから入る落ち着いたサウンドの曲です。80年代のイギリスでブレークしたネオ・アコースティック・ギター・サウンド(スローの部類)のフォロワー的な雰囲気も垣間見せる美しいメロディです。
2曲目"Neon Lights"(3:03) 少しサウンドをアメリカン・ノスタルジックなフォーク調へ移した曲です。ピアノ、ギター、ベースにドラム編成による演奏に乗せたHÅKANの切ない歌声が響きます。
3曲目"Let Me Into Your Heart"(4:34) この曲はブリット・ロックのサウンドを意識したグルーヴィな乗りを与えてくれる曲です。
4曲目"Phoney Star"(3:59) 張りのあるアコースティック・ギターの調べとメランコリックな響きによるHÅKANの歌声による曲です。色彩を抑えて撮られたビデオ・クリップに登場するHÅKANの思いつめた表情で訥々と歌う姿が印象的です。
5曲目"Shine On All Through"(4:04) 切なく心に響くチェロの調べとジェントルなHÅKANの歌声がメランコリックに響いてくる曲です。この曲はHÅKANと同じくスウェーデンで活躍しているTHE PERISHERのヴォーカルOLA・KLÜFTの少し元気のない雰囲気を持った切ない歌声に似たものを感じます。
6曲目"Under The Darkest Cloud"(2:15) この曲もネオ・アコのサウンドの持つ美しいギターの調べとシンプルなサウンドの隙間音を上手く使った残響音とパーカッションのリズムが心地好いです。
7曲目"In Shadows"(2:58) HÅKANの優しい歌声も魅力のひとつですが、フィンガー・ピッキングによるギターの流れるような演奏の上手さにも聴入ってしまうのです。次の曲もアコースティック・ギターの使い方が非常に素晴らしいのです。
8曲目"Sparkle And Collide"(3:09) 素早く奏でられるアコースティック・ギターの美しい調べとチェロの厳かな音色が横切るメロディアスな曲です。ソフトに優しく歌うHÅKANのメランコリックな歌声も素晴らしく響きます。
歌詞なし 写真ライナー CD-R仕様 (輸入盤) 収録時間:28分39秒 (スウェーデンのミュージシャンの層の厚さを再び感じさせる昨今、続々と登場して来る新人達を追いかけるのも大変です)'10年6月10日再更新


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写真  HALF FORMED THINGS / To Live In The Flicker
 ・2019 Bastion Records    

バランスの整った男女混合バンド・・・

このアルバムは、スコットランドのエディンバラで活躍しているシネマティック・ポップ・バンドHALF FORMED THINGSのデビュー・アルバムで '19年5月24日に本国でのリリースです。
HALF FORMED THINGSのメンバーは、MATTHEW・BAKEWELL:ヴォーカル/ギター、MORGAN・HOSKING:ヴォーカル/キーボード、NICI・HOSKING:ヴォーカル/パーカッション、 EDWIN・McLACHLAN:ドラムの4人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CIARA・WEBB:ヴァイオリン/ヴィオラ、ALEX・SHARPLES:トランペットのエディンバラとグラスゴーのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"The Flicker"(4:44) メイン・ヴォーカルは、ギターのMATTHEW・BAKEWELLでしょうか。憂いのある彼の歌声とこれまたセンチメンタルな調べを発するMORGAN・HOSKINGのピアノが伴奏を務めます。曲の途中よりダイナミックな展開も聴かせます。
2曲目"February"(5:00) 前の曲が終わってからこの曲のイントロの入り方から痺れてしまった曲です。この曲の収録前に新規参加したパーカッションのNICI・HOSKINGのエモーショナルなリズムがこの曲のクォリティーを更に高めたと紹介されています。このアルバムからの先行シングル曲としてビデオとして紹介もされています。
3曲目"To Walk Freely..."(1:16) 静寂の中に凛として響くピアノの調べによるほぼインストゥルメンタルで、次の曲への導入部分となっています。
4曲目"Among Men"(3:30) ヴォーカルは、ピアノのMORGAN・HOSKINGでしょうか。重く響くベースの調べと躍動的なドラムのビートによるこの曲も聴き応え十分な調べを感じます。 渋いビデオも公開されています。
5曲目"The Apostate"(3:09) アコースティック・ギターの調べに合わせ歌うMATTHEW・BAKEWELLのヴォーカル曲です。彼の憂いのある歌声と輪郭のはっきりとしたMORGAN・HOSKINGの歌声との相性もぴったりとした感が伝わって来ます。また、収録曲を使ってのライヴ仕立てのビデオもどうぞ。
6曲目"Pendulum"(5:57) この曲もセンチメンタルな響きを強く感じさせる曲です。メイン・ヴォーカルは、NICI・HOSKINGでしょうか。次々にヴォーカルを交代させて戯曲風に展開させるアレンジや厳かで重厚な雰囲気が伝わって来ます。
7曲目"April"(1:02) 重いイメージ曲の後に短い目の曲使った収録順に拘りを感じます。MATTHEW・BAKEWELLのギターの爪弾きによるエクスペリメンタルな雰囲気を感じます。
8曲目"Spirit And The Dust"(5:17) EDWIN・McLACHLANのエモーショナルなドラムのビートとクラシック音楽による声楽が調和した洒落た音楽を感じさせる曲です。どことなくロールプレイングゲームのテーマ曲的な力強さや躍動感がこの曲の"キモ" のようですね。
9曲目"The One You Hate"(4:49) スリリングなピアノの調べとキビキビと鳴るドラムのビートが非常に印象的なインストゥルメンタルです。ドラマチックな展開と無駄をそぎ落としたストイックな音楽がここにあります。
10曲目"The Calm"(3:59) MORGAN・HOSKINGのピアノによる弾き語り形式の曲ですノスタルジックな音色を感じさせるALEX・SHARPLESのトランペットの調べにどこと無くポルトガルのファドにも通じる曲調を感じます。
歌詞無し ライナー無し 限定CD-R盤 (輸入盤) 収録時間:438分47秒 (最初のシングル曲"February" をリリースした'18年1月から地元で人気上昇中のHALF FORMED THINGSとのことです)'19年7月20日更新
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写真
(このアルバム購入時に頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  HALF HAPPY / Conversation Killer
 ・2024 Half Happy    

イギリスの女性ヴォーカル・バンドが気になって・・・

このアルバムは、イギリスの南西部の街カーディフで活躍しているオルタナティヴ/シューゲイザー・ロック・バンドHALF HAPPYのデビュー・アルバム(5曲EP盤)で '24年9月20日に本国でのダウンロード・リリース(レコード盤も出ているようです)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HALF HAPPYのROSALIE・MILLER:ヴォーカル、PETE・SMITH:ギター、JON・WILSON:ベース、ZAC・NONELEY:ドラム/シンセサイザーの4人での収録です。

1曲目"Sorry"(2:59) シンセサイザーの神秘的なサウンドがイントロから広がるポップなナンバーです。ちょっと斜に構えたROSALIE・MILLERの歌声とPETE・SMITHのギターのリフが好いね。
2曲目"Well Done Honey"(4:17) 8月1日に先行リリースされている曲です。バンド紹介的になっている曲です。オルタナティヴ・ロックな直球勝負な感がありますね。曲の収録風景をモノクロで撮影されたビデオもどうぞ。
3曲目"Bloom"(4:40) この曲も9月10日に先行リリースされている曲です。ZAC・NONELEYのシンセサイザーをたっぷりと使ったサウンドの流れから巧に歌うROSALIE・MILLERとバックの演奏との一体感が聴く者へ向けて広がります。アルバム・リリース前に公開されたビデオもどうぞ。
4曲目"Up In Daisies"(3:41) 重く響くJON・WILSONのベースのサウンドとROSALIE・MILLERのスポーケンで歌うちょっと趣向を変えて来た曲です。途中よりシューゲイザー・ロックな流れからアグレッシブに展開されて行きます。
5曲目"Slow Down"(3:20) 6月20日に先行ダウンロードされている曲です。ここに来て落ち着いた曲の登場です。少しLo-HiにしたROSALIE・MILLERの歌声とPETE・SMITHの雰囲気物のギターのサウンドが素晴らしいですね。この曲もアルバムのリリースに先立ってビデオとして紹介されています。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:18分57秒 (このアルバムがきっかけになってバンドが「FULL HAPPY」になって欲しいですね!)'24年9月21日更新


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写真  HAMISH STUART / Sooner Or Later
 ・1999 Sulphuric Records Limited    YDCD-0032

HAMISHにとって意外にも、これが初ソロアルバム・・・

このアルバムは、元AVERAGE WHITE BANDのHAMISH・STUARTのファースト・アルバムで2000年7月25日、国内でのリリースです。A.W.B.の他の主要メンバ−は、早々にアルバムを発表していましたが、HAMISHにとって意外にもこれが初ソロアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HAMISH・STUART:ヴォーカル/ギター、ADAM・PHILLIPS:ギター/バック・ヴォーカル、STEVE・PEARCE:ベース、ANDY・WALLACE:キーボード/バック・ヴォーカル、JODY・LINSCOTT:ピアノ/パーカッション、IAN・THOMAS:ドラム、CHRIS "SNAKE" DAVIS:サックス/フルート/ホーン・アレンジ、RICHARD・NILES:ストリングス・アレンジのHAMISHの音楽仲間達です。

1曲目"Sooner"(1:29) 1分半程度のインストですが、流石に"渋い"出来でベテランの風格がこれだけで聴き取れます。
2曲目"Makin' It Up"(7:07) ご存知JOHN・LINDとの共作です。ファンキーで都会的なメロディです。LARSEN-FEITEN BANDのような曲です。
3曲目"It Is What It Is"(5:54) ベースのイントロに誘われて重くゆったりしたリズムの曲で、ホーンのアレンジがSTEELY DAN風です。共作者にRICHARD・DARBYSHIRE(元LIVING IN A BOX)の名もあります。
4曲目"Care For You"(4:25) この曲が最初に気に入りました。ホーンセクションの入れ方もさり気無くて好感が持てます。
5曲目"I Don't Wanna Be A Rock"(5:20)「僕はヒーローじゃないよ、ただの男さ」と言っている歌詞が良いですネ。
6曲目"La La Land"(6:23) ファンキーでADAM・PHILLIPSのギターソロが決まっています。
7曲目"Or"(1:04) 1分程度のインストゥルメンタル。
8曲目"Reach You"(6:20) イントロと随所のシンセORキーボードがMAX・MIDDLETONのそれと良く似ています。この曲でのHAMISHのヴォーカルは、ファルセットで歌っています。
9曲目"New Kind Of Fool"(5:46) HAMISHのヴォーカルを主体にした曲調と彼の私的な歌詞が興味深い。
10曲目"Same Old Moon"(5:17) アコースティック・ギターの調とストリングスを用いたメロディアスな曲です。アルバムの曲構成に心憎い配慮が感じられます。
11曲目"Once There Was Love"(5:15) 崩れかけた愛の絆を取り戻そうと歌詞の内容です。
12曲目"Midnight Rush"(5:44) A.W.B.時代の様な曲でファンキーな乗りの良いリズムにより自然と体が動きます。ライヴでは受けるでしょうね。INCOGNITO,PARADISE CODEのRICHARD・BULLが書いた曲なのでやはり乗りは最高ですね。
13曲目"Later"(2:48) 1曲目"Sooner" のアンサー・ソングでインストとなっています。
14曲目"She Is My Lady"(5:13) '71年のDONNY・HATHAWAYのアルバムに収録されているGEORGE・CLINTONの書いた曲です。スローなバラードでゴスペル・コーラスが効果的です。
15曲目"Watcha Gonna Do For Me (Live) ボーナストラック"(5:42) ご存知 NED・DOHENYとの共作です。彼のアルバムにも収録されています。曲のLINK先は、ACM Student Bandとの近年のライヴ映像を参考としてます。サックスのCHRIS "SNAKE" DAVISもHAMISHと一緒に出ています。
11曲歌詞/12曲訳詞付き 3折写真ライナー(国内盤) 収録時間:73分53秒 (現在も活躍し続ける彼に脱帽です)'10年6月11日再更新


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写真  THE HAUNTED YOUTH / Dawn Of The Freak
 ・2022 Mayway Records    MAYWAY038CD

煌くギター・サウンド・・・

このアルバムは、ベルギーの商業都市ハッセルトで活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップ・S.S.W.THE HAUNTED YOUTH(JOACHIM・LIEBENSのソロ・プロジェクト)のデビュー・アルバムで '22年11月4日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOACHIM・LIEBENS:ヴォーカル/シンセサイザー/ベース/ドラム/プロデュースの他、LESLEY・TROQUET:ベース、STEF・CASTRO:ベース、NICK・CAERS:ドラム、NIELS・MEUKENS:ドラム、TONY・VANDENBOGAERDE(Mayway Records):副プロデュースのベルギーのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Dawn Of The Freak"(2:30) メランコリックなキーボードの調べがイントロに響く曲です。寂しさを表現したヨーロッパ裏町の風情を感じるインストゥルメンタルです。
2曲目"Teen Rebel"(4:17) '21年1月8日にリリースされたデビュー・シングル曲です。80〜90年代のJOACHIM憧れロック・バンドのイメージで書いたとされるポップな曲です。エコーの効いたギター・サウンドとリズミカルな流れによるキャッチーなイギリスのあのバンドのイメージを強く感じます。このアルバムのリリースに合わせて再制作されたビデオもどうぞ。
3曲目"Stranger"(3:39) この曲も伸びのあるギター・サウンドの響きが美しい曲です。コーラスにしたJOACHIMのLo-Fiな歌声がと楽しくて軽やかなベースのサウンドが広がります。
4曲目"Gone"(7:01) ハモンドの柔らかいサウンドにベースにハイフレットでのリフがかっこ好い曲です。先行でリリースされたシングル・エディトに無いアウトロ部分のギター/キーボード・ソロが余すところなく収録されていてエンディングまでドリーム・ポップ好きには堪らないヴァージョンとなっています。フル・ヴァージョンのビデオも公開されています。
5曲目"Shadows"(3:49) '22年3月31日に先行リリースされたシングル曲です。先にリリースされた曲より少しリズムを抑えたサウンドに牧歌的な雰囲気を取り込んでいます。この曲でもJOACHIM好みのスコットランドやアイルランドの空間的の効いたギター・サウンドがたっぷりと響いています。
6曲目"Broken"(4:45) '22年6月3日のマキシ・シングル3曲盤としてリリースされている曲です。ここでの収録は、先行のエクステンデッド・ヴァージョンを4分台に縮めたものが収録されています。イントロのスリリングなサウンドとウイスパーで歌うJOACHIMの感じ好いところはそのままですね。
7曲目"I Feel Like Shit And I Wanna Die"(3:36) ギターの爪弾きとハモンド風のサウンドからのイントロが心地好い曲です。囁くように歌うJOACHIMの歌声の合間に流れるギターのリフが耳に残ります。このアルバムのリリースに合わせて公開されたビデオもどうぞ。
8曲目"House Arrest"(4:03) 今度は、サウンドをカテドラル風に移行した雰囲気物の曲です。パイプ・オルガン風やフレットレス・ベース風のあの流れるような調べが広がるこの曲は、相当好いですね。
9曲目"Coming Home"(4:25) この曲も '21年6月9日にシングル曲として先行リリースされている曲です。リリース年の夏に向けて楽しんで貰う為に書いたとのこと。この曲も煌くギター・サウンドがたっぷり流れていますね。先行リリースされた時にビデオも公開されています。
10曲目"Fist In My Pocket"(5:07) さてアルバムの最後は、JOACHIMのアコースティック・ギターによる弾き語りです。途中より声を張り上げ歌う様などどこかのライブ会場での収録のような感じです。
9曲歌詞付 8ページ物ブックレット デジパック仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:43分15秒 (このアルバム・リリース直前までヨーロッパ各地をツアーし人気を博してのアルバム・デビューとなりました!)'22年11月17日更新


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写真  HELENA ARLOCK / Old Dirty Hound
 ・2009 Red Olive Publishing    7 320470 111840

HELENAのソロ・デビュー・・・

このアルバム(6曲EP盤)は、スウェーデンでインディペンデントに活躍しているHELENA・ARLOCKの '09年4月1日に本国リリースされたデビュー・アルバムです。
17歳で音楽活動をスタートしたHELENAは、インディーズ・バンドNEPALのヴォーカル/チェロとして参加した後、同じくスウェーデンのインディーズ・バンド SHOOTING JOHNでもキーボード/チェロ/ヴォーカルとして活動していました。
また、SHOOTING JOHNと同じレーベルのカナダのS.S.W.RACHELLE・VAN・ZANTENのツアー・メンバーとしてもカナダ・ツアーにも同行しています。
このアルバムに参加しているミュージシャンは、PETTER・BENGTSSON:ドラム、GUSTAV・HAGGREN:ギター/ベース/バック・ヴォーカル、TOMAS・TIRTHA・RUNDQVIST:プログラミング、THOMAS・DENVER・JONSSON:ヴォーカル、PERHENRIK・ADOLFSSON:ハーモニカ、KRISTOFER・SÖDERSTRÖM:ダブル・ベース、CARL-JOHAN・ELGER:トランペットのHELENAの音楽仲間達が参加しています。

1曲目"Fragile Me, Fragile You"(3:23) アルバム・リリース前からH.P.でDEMOヴァージョンやライヴで演奏されていたエレクトロニカのサウンドを多用したオルタナティヴ系の曲で、ヴォーカル・パートとチェロの演奏が新しく収録されているようです。
2曲目"Misery"(4:22) このアルバム収録の為に新しく書き下ろされた曲ですね。転がるようなサウンドを発する彼女のキーボードの調べとPETTER・BENGTSSON(SHOOTING JOHN)のドラムのリズムがシュールさを感じさせます。
3曲目"Soothing Escapades"(2:09) ループを使って1人ライヴで演奏されていた曲のスタジオ収録ヴァージョンです。ヴォコーダーを通したHELENAの歌声によるアシッド・ポップな聴きやすい曲です。
4曲目"Bow Low"(3:41) スタジオ収録では、KRISTOFER・SÖDERSTRÖMの"クール" なダブル・ベースの調べとモダーン・ジャズなトランペットのサウンドが加えられ、可憐なHELENAの歌声と非常に対照的な印象を受けます。
5曲目"Pink Bubbles"(3:29) この曲もリリース前にライヴでよく演奏されていた曲です。ライヴのサウンドよりメリハリを効かせたアレンジにHELENAのメランコリックな歌声が映えるのです。
6曲目"You Could Much Rather Push Than Pull"(2:40) この曲も新しく書き下ろされた曲のようです。弾き語り近いイントロ部からGUSTAV・HAGGRENの色々なサンプルのサウンドで展開される3分ほどの曲ですが、HELENAのイメージが強く伝わって来ます。
歌詞無し ライナー無し 紙ジャケット仕様 スウェーデン製 (輸入盤) 収録時間:19分45秒 (アメリカ、ヨーロッパ・ツアーの合間をぬって収録されたこのHELENAミニ・アルバム、リリースされるのを気長に待ち続けていました)'10年6月11日再更新


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写真  HIPSWAY / Hipsway
 ・1986 Phonogram Ltd.(London)    MERH 85

小気味よいカッティング・ギターのサウンド・・・

このアルバムは、イギリスのグラスゴー出身のブルー・アイド・ソウル/ロック・バンドHIPSWAYの '86年にリリースされたデビュー・アルバムです。
HIPSWAYのメンバーは、GRAHAME・SKINNER:ヴィーカル、PIM・JONES:ギター、JOHN・McELHONE:ベース、HARRY・TRAVERS:ドラムの4人組みです。
詳しいクレジットが記載されていないのですが、バック・ヴォーカルやパーカッションなどにSHIRLEY・LEWIS、DEE・LEWIS、NAT・AUGUSTIN、GINA・FOSTER、WIX・WITTEN、CHRIS・WITTENの有名ミュージシャンが参加しています。

1曲目"The Honeythief"(3:09) ファンクなリズムとタイトなドラムのリズムに乗せ歌うGRAHAMMEの甘い目の歌声が響くソウル/ロック・テイストの曲です。このアルバム・リリース前のシングルとして先行リリースもされています。
2曲目"Ask The Lord"(4:03) この曲もアルバム・リリース前にシングル曲としてリリースされた曲です。タイトなリズムに小気味よいカッティング・ギターのサウンドにメイン・ヴォーカリストを配したバンド・スタイルなどは、当時のブリティシュ・ニュー・ウェーヴ・バンドの持ち味と共通するところを強く感じます。
3曲目"Bad Thing Longing"(4:09) この曲もベースのサウンドをファンクなリズムに流したブラック・ミュージックの影響を感じさせる曲ですね。バックの女性ヴォーカルに彩られた歌声と少し怪しさを醸し出すPIMのギターとJOHN のベースが淡々と響いて来ます。
4曲目"Upon A Thread"(4:05) 前の曲のリズムとサウンドを弾く次いだところが少し飽きさせるのが残念なのですが、洒落たサウンドの流れは、ブリティシュ・テイストを十分に感じさせますね。また、間奏で聴かせるPIMのギターとエンディングまで響く女性ヴォーカルの歌声が小気味良いですね。
5曲目"Long White Car"(4:34) このアルバムから1番最初に非常に気に入ったバラードです。スムーズなGRAHAMMEの歌声の後から登場するPIMのギターのサウンドとリフが鳥肌ものなのです。やはりこの曲は、アルバム・リリース後にシングル・カットされています。
6曲目"The Broken Years"(3:15) この曲もアルバム・リリース前にシングル曲としてリリースされている曲です。イントロから聴かせるPIM美しいカッティング・ギターのサウンドとソウル・バンドの特有のコーラスが非常に印象的ですね。
7曲目"Tinder"(5:12) JOHNの重いベースのサウンドに煌びやかなホーンのサウンドが流れるイントロがファンカ・ラティーナのイメージを伝えてくる曲ですが、リズムの感じとかは幾分オーソドックスなサウンドとアレンジで収録されていますね。
8曲目"Forbidden"(4:15) この曲は、イントロから少し雰囲気を違えて登場して来たスローのリズムによる渋めの曲ですね。ドラムとパーカッションの心地好く調和したリズムにヴォリュームを上手く使ったPIMのアンビエント・ギターにリリコーン?による間奏も非常に良いですね。
9曲目"Set This Day Apart"(5:05) 少しエレクトロニカのサウンドを加えて来たダンサブルなナンバーの登場です。バックで響く女性シンガーのソウルフルな歌声とホーンのサウンドを小刻み響かせたアレンジにハードに響くPIMのギターが他の曲と一線を画くにしています。
全9曲歌詞付 LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:37分47秒 (尚、このアルバムは、ボーナス・トラック付きでCD化もされています)'10年6月11日再更新


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写真  HONEYPIE / HoneyPie
 ・1995 Warner Music Sweden    063-011417-2

こんな良いアルバムとは・・・

このアルバムは、スウェーデンのポップ・デュオ(TERESA・INGEMARSDOTTER-WESTLUND:ヴォーカル/クラリネット、MICHAEL・STRINNVIK:ギター/バック・ヴォーカル)のHONEYPIE '95年のデビュー・アルバムで、全曲TERESAとMICHAELの作詞/作曲です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、先のHONEYPIE 2人の他、ERIK・HOLMBERG:キーボード/ベース/プログラミング/パーカッション/バック・ヴォーカル、KENT・GILLSTRÖM:キーボード/プログラミング/ギター/バック・ヴォーカル、JOHAN・NORBERG:ギター/マンド・ギター、NIKLAS・MEDIN:ピアノ/ワーリッツァー/クラヴィネット/オルガン、アコーディオン、ESBJÖRN・SVENSSON:ピアノ、JESPER・LINDBERG:ペダル・スティール、MICHAEL・BLAR:スライド・ギター/パーカッション、PER・LINDVALL:ドラム/パーカッション/タンバリン、SVEN・PER・LINDVALL:ベース、MAGNUS・LINDGREN:ソプラノ・サックス、STEN・FORSMAN:バック・ヴォーカルのゲスト・ミュージシャンからも、非常に豪華な顔ぶれになっているので、Warner Music Swedenの意気込みを強く感じます。

1曲目"Show Me"(3:59) 張りのあるアコースティック・ギターのサウンドとポップな打込みのリズムが心地好い乗りを醸し出す曲です。TERESA の芯の有る歌声がいいですね。この曲のパーカッションはお馴染みPER・LINDVALL(A-HA,ABBA)です。
2曲目"If You Should Walk Away"(4:13) 心地好いアコースティック・ギターの響きに続いて登場するTERESAの優しく響く歌声によるアメリカン・スタイルの女性S.S.W.の書く曲に似ています。バックで流れる素晴らしいペダル・スティールのサウンドは、バンジョーでも名手のJESPER・LINDBERG(ABBA,etc.)です。
3曲目"La La"(3:34) この曲は非常にスウェディッシュ・ポップのサウンドを感じさせる曲です。"チャカ・ポコ" と鳴らした打込みのリズムとナイロン弦ギターの爪弾きのサウンドに乗せて歌う若手女性シンガーのスキャットと歌詞とを交えた3分ソングでセオリー通りです。ソプラノ・サックスでスウェーデン・ジャズ界の新進気鋭MAGNUS・LINDGRENが参加しています。
4曲目"Sail Away"(3:40) サンプルの音源を用いた幻想的なサウンドをイントロにしたカリフォルニアのウエスト・コースト・サウンドを意識した明るいポップと美しいハーモニーによる曲です。理屈抜きの純粋にポップにされた曲です。
5曲目"I Don't Know Anymore"(3:42) この曲はブリティッシュ・オルタナティヴに通じるサウンドを持った曲です。クールで重厚な打込みのリズムにエモーショナルな歌声と幻想的なメロディを挟んだ曲です。
6曲目"Take Me Back"(4:10) 一転して非常にシンプルな曲です。TERESAのヴォーカルとMICHAELのギター/バック・ヴォーカルとERIK・HOLMBERG(STINA・NORDENSTAM,etc.)のベースによる曲でバック・ヴォーカルの取り方など初期のEVERYTHING BUT THE GIRLを彷彿とさせる曲です。
7曲目"How Can It Last"(3:47) 硬質の音色でのアコースティック・ギターを数本使ったリズミックなサウンドによる非常に上質なギター・ポップで、当時のスウェディッシュ・ポップに有りがちな稚拙なサウンドとは一線を画す非常に洗練された曲です。
8曲目"I Wouldn't Believe"(4:49) フル・アコースティック・ギターの憂いを含んだジャジーな響きによる本格派バーラウンジ・ミュージックです。スタンダード的なジャズから若さ溢れるギター・ポップの曲まで幅広くこなす非常に懐の深いデュオです。バックで流れるように美しく響くピアノは、日本でも人気の高かった故ESBJÖRN・SVENSSONです。
9曲目"Tell Her"(5:44) ミドル・テンポの打込みのリズムによるゆったりとした曲です。TERESA の美しくエモーショナルな歌声を前面に出した曲です。バックで流れるKENT・GILLSTROM(EAGLE-EYE・CHERRY,etc.)のメロディアスなキーボードの調べと打込みがサウンドの要になっているようです。
10曲目"I Am Sorry"(1:31) アコースティック・ギターとアコーディオンのサウンドが程よく交じり合ったカントリー・ポップな心和むサウンドでの1分半程度の短い曲です。バックは、PER・LINDVALLの末弟でお馴染みのSVEN・LINDVALLがベースで参加しています。
全10曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:39分08秒 (今まで何度となく輸入CD店の店頭で手に取って見ていたアルバムですが、何故か購入まで至らなかった。今回始めて聴いてこんな良いアルバムだったとは、もっと早くに購入していれば...ただし、購入価格は、¥200でした。京都のレコードショップHEIGHTSさんに感謝致します)'10年6月12日再更新
1995年度ベスト5


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写真  HONEYPIE / I Will Make You Fall
 ・1999 Sony Music Entertainment (Sweden)AB.    EPIC ESCA 7472

レーベルを移籍しての・・・

セルフタイトルを冠したデビュー・アルバムから4年の歳月を掛けて、またレーベルを移籍してリリースされたスウェーデンのHONEYPIEのセカンド・アルバムで、'99年4月29日に国内でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TERESA・INGEMARSDOTTER-WESTLUND:ヴォーカル、MICHAEL・STRINNVIK:ギター/バック・ヴォーカル/プロデュースのHONEYPIEの他、STAFFAN・ASTNER:ギター、ANDERS・HARRLIN:ベース、CHRISTER・JANSSON:ドラム、ARNTHOR:キーボード/プログラミング/ストリングス・プログラミング/バック・ヴォーカル、OVE・ANDERSSON:ベース、JOHAN・LINDSTRÖM:ペダル・スティール、ANDERS・ÖBERG:チェロ、ALAR・SUURNA:タンバリン、JENNIE・LÖFGREN:オルガン、ÅSA・STOVE-PAULSSON:ストリングス、MARIE・ALEMO-WORONGI:ストリングス、CHRISTINA・WIRDEGREN:ストリングス、ANDERS・WALL:ストリングス、PETER・LUNDSTRÖM:ストリングスのスウェーデンで活躍しているミュージシャン達です。

1曲目"Angel"(3:16) 歪ませたギターのサウンドに乗せて高らかに歌うTERESAの歌声によるアメリカン・ギター・サウンドに近い曲調のようなポップなナンバーです。
2曲目"2"(3:38) ファースト・アルバムより元気さを非常にアピールした感じを受ける曲です。TERESA のヴォーカルとMICHAEL のギターのサウンドとバック・ヴォーカルでの歌声での力強さを非常に感じます。
3曲目"I Wish"(4:01) 上質のスウェディッシュ・ポップのサウンドとアップテンポのリズムとBOY MEETS GIRL的な歌詞の内容とドライヴするギターサウンドをご堪能あれ。
4曲目"Could It Be"(4:16) 不思議なフレーズを持ったギターのメロディによる曲で幻想的なキーボードのサウンドとパーカッシブなドラムのビートによるミドル・テンポの幻想的なナンバーです。
5曲目"Just Like You"(3:56) アコースティック・ギターを用いたカントリー・ポップな曲です。恋する女性の心の内を素直に綴った歌詞の内容を甘酸っぱいメロディに乗せた曲です。
6曲目"What If All(Is Not Enough)"(3:33) この曲もテネシー風のカントリー・スタイルのメロディを持った曲で、最近もプロデューサーとミキサーとバックミュージシャンとして忙しくしているJOHAN・LINDSTRÖM(REBECKA・TÖRNQVIST)がペダル・スティール・ギターで参加しています。
7曲目"I Miss You"(4:02) オルタナティヴなギターのサウンドによる乗りの良いリズムとメロディによる曲でヴォーカリストとして一皮向けたTERESAの歌声です。
8曲目"Long Time Ago"(3:32) 再びカントリー・スタイルの曲の登場です。ギターのサウンドとスティール・ギターのサウンドでの曲で、本当にスウェーデンの人は、この手のサウンドがすきですね。
9曲目"When You Came Into My Life"(3:15) ダークなイメージを出したクールな曲で、ギターのサウンドをタップリ使ったワイルドな展開のサビを持たせたアレンジでの曲です。
10曲目"Loose My Mind"(3:41) アップテンポのロック"ン" ロールのリズムによる爽やかな曲です。ファースト・アルバムではジャジーな曲を収録していましたが、このアルバムでは良質のポップサウンドを追求しています。
11曲目"I Will Make You Fall"(3:56) ストリングスの調べとアコースティック・ギターのサウンドが融合した美しいメロディの曲です。好きな男性を恋に落とす予感を歌にした内容の曲でスローなテンポの中にもダイナミックな展開を見せる曲です。
12曲目"Goodbye"(2:16) MICHAELのアコースティック・ギターの爪弾きに合わせて歌うTERESAの優しい歌声とバックで流れるJOHANのペダル・スティールの心地好いサウンドに癒される2分少々の美しい曲です。
13曲目"Neighbour(Bonus Track)"(3:34) ファースト・アルバムのリリース後の '96年に作られた曲で、ご近所さんとの会話や出会いの風景を歌にした心和む曲です。
14曲目"Princess(Bonus Track)"(3:11) アコースティック・ギターの美しい響きを溢れんばかりに収録したギター好きには堪らない曲です。この曲も '96年にプロモとして作られた曲で、TERESAの若々しい歌声とギターの音色とが溶け合った素晴らしい曲です。
全14曲歌詞/訳詞付 16ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:50分13秒 (ギター担当のMICHAEL・STRINNVIKは、大のPREFAB・SPROUTのファンだそうです)'10年6月12日再更新


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写真  HOWARD JONES / Human's Lib
 ・1984 WEA Records Ltd.    ELEKTRA 9 60346-1

当時のシンセ・ポップ代表作・・・

このアルバムは、イングランド南部サザンプトン出身のキーボーディスト/シンガーHOWARD・JONESの '84年3月17日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
プロデューサーは、RUPERT・HINE(ANTHONY・PHILLIPS,THE FIXX)、"New Song" のみCOLIN・THURSTON(DURAN DURAN,DAVID・BOWIE) が担当しています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HOWARD・JONES:ヴォーカル/キーボードの他、DAVEY・PAYNE:サックス、STEPHEN・W・TAYLER:サックスが参加しています。

1曲目"Conditioning"(4:32) チャカポコと鳴り響く電子サウンドがイントロから流れるシンセサイザーのサウンドをふんだんに聴かせる曲です。HOWARDの甘いマスクから想像させる歌声とは一味違った意外と低めの歌声も響いています。
2曲目"What Is love?"(3:45) このアルバムのリリース前にシングル曲でリリースされた全英2位の大ヒット曲です。この曲でも感じさせるHOWARDの意外と低めの歌声がこの曲の切ない歌詞を際立させています。
3曲目"Pearl In The Shell"(4:03) 今度は、派手なホーンのサウンドがイントロから流れるファンキーなリズムの曲です。打ち込みのリズムと単音で奏でられる電子ピアノのサウンドなどは、当時のイギリスのバンド・スタイルを踏襲した感じですね。
4曲目"Hide And Seek"(5:34)「かくれんぼ」と邦題がつけられたシングル第3弾の曲です。ポップ調の曲が3曲続いた後に登場するスローなメランコリック・ナンバーです。クラシック音楽の勉強やプログレッシヴ・ロックを演奏してきたデビュー前のHOWARDの経験を垣間見せる要素を感じます。
5曲目"Hunt The Self"(3:42) 再びテンポを上げて来たエレクトロニカ・ダンス・ポップな曲調を強く感じる曲です。テンポ良く流れるリズムを壮大に聴かせるパーカッションのアグレシッヴな響きが伝わって来ます。
6曲目"New Song"(4:15) '83年10月にリリースされたシングル盤でのデビュー曲です。当時のTVや街中で頻繁に流されていたHOWARDの全英3位の大ヒットとなった代表曲でもあります。このポップなサウンドとリズムの流れは、シンセ・ポップそのものと言った感じで、今聴いても新鮮さを感じます。
7曲目"Don't Always Look At The Rain"(4:13) キーボードによる間奏でのソロなどはジャズのスタイルの影響を感じさせる非常にシックな質感を持った曲です。"Hide And Seek" やこの曲の感じは、単なるアイドルのアルバムとは、一味も二味も違う質の高さを感じさせる作品です。
8曲目"Equality"(4:26) 叩きつけられる LINNドラムを響きにこだまするキーボードの調べが響くパワーを持ったポップ調の曲です。このHOWARDの叫びにも似た歌声は、何度聴いても一種の寂しさを相変わらず感じます。
9曲目"Natural"(4:25) 同時期に活躍していたTHOMPSON TWINSやTHE HUMAN LEAGUEのサウンドと共通したシンセ・ポップ調の曲です。ギミックなキーボードの演奏とシンセ・ベースの重い響きなどの感じは、懐かしのブリティッシュ・ニュー・ウェーヴですね。
10曲目"Human's Lib"(4:03) スペイン音楽の影響を感じさせる少し影のあるサウンドとメロディを持ったメロディアスなナンバーです。幾重にも重ねて奏でられるピアノの調べなど非常に凝ったアレンジとコード進行を感じさせるのです。
全10曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:42分58秒 (全英1位に輝いた当時のシンセ・ポップの代表作です! 来日も決定したことであり今回アップしてみました)'11年12月23日更新
1984年度ベスト5


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写真  HOWARD JONES / Cross That Line
 ・1989 ELEKTRA/ASYLUM RECORDS    9 60794-2

クラシック音楽の要素から・・・

イギリス南部の町サザンプトン出身のキーボーディスト/シンガーHOWARD・JONESの6枚目('84年の[The 12"]と '86年の[Action Replay]のミニ・アルバムを含む)のアルバムです。'89年4月1日に本国でのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、HOWARD・JONES:ヴォーカル/キーボード/シンセサイザー/ギター/フルート/ドラム/ボディー・サンプルの他、ANDY・ROSS:ギター、MARTIN・JONES:ギター、PHIL・PALMER:ギター、STEG:Ebow(ギター)、IAN・STANLEY:キーボード/プロデュース、MIKE・ROARTY:シンセサイザー、CHRIS・HUGHES:ドラム/プロデュース、、TREVOR・MORAIS:ドラム、DANNY・D:ドラム・プログラミング、SIMON・CLARKE:アルト・サックス、RODDY・LORIMER:トランペット、STEVE・SIDWELL:トランペット、TIM・SANDERS:テナー・サックス、PETER・THOMS:トロンボーン、ALAN・HEWITT:チェーンソウ、SANDY・McLELLAND:バック・ヴォーカル、INGA・HUMPE:バック・ヴォーカル、CLAUDIA・FONTAINE:バック・ヴォーカル、OSHEEN・JONES:ヴォイス・エフェクトのロンドンで活躍しているミュージシャン達です。
プロデュースは、HOWARDの他、CHRIS・HUGHES、ROSS・CULLUM、IAN・STANLEYとT.F.F.でお馴染みのメンバーが務めています。

1曲目"The Prisoner"(4:38) クラシック音楽調のイントロから急展開するタイトなLINNドラムのビートとハードなギター・サウンドによるアップテンポの曲です。
2曲目"Everlasting Love"(4:20) 美しいメロディにキーボードのイントロから入るレゲエのリズムに乗せたエレクトロニカでの曲です。心地好く響きポップな曲でギターはHOWARDの弟MARTINが参加しています。全米シングル13位まで登りつめた曲です。
3曲目"Powerhouse"(3:29) ファンクなキーボードのサウンドによるダンブルなナンバーです。ギターはベテランのPHIL・PALMERが参加してブリティシュ・ファンクなこの曲に華を添えています。
4曲目"Last Supper"(5:24) HOWARDのセンチメンタルな歌声によるメランコリックな弾き語りによる曲です。このアルバム・リリース時には良くかかっていたナンバーです。この曲もアコースティック・ギターはPHILです。
5曲目"Cross That Line"(4:45) ブラスの濃いサウンドを取り入れたファンク/ソウルな曲です。間奏でのフルートの演奏もマルチ・インストゥルメントなHOWARD自身が演奏していることに驚きます。
6曲目"Out Of Thin Air"(3:07) HOWARDのピアノによるインストゥルメンタルです。映画音楽を聴いているようなメロディアスなサウンドの流れにクラシックとジャズの要素を織り交ぜた曲です。
7曲目"Guardians Of The Breath"(7:38) アンビエントな要素のシーケンスとサンプラーのサウンドによる荘厳かつダイナミックな7分を超える曲です。ギターはHOWARD、ベースはMARTINが行っています。
8曲目"Fresh Air Waltz"(4:03) クラシック音楽からインスパイアされたようなワルツの曲です。心地好いハモンドのサウンドとフェアライトによるストリングスのサウンドが美しいです。
9曲目"Wanders To You"(5:13) アメリカのAOR/アーバン系のサウンドの影響を色濃く残したアダルトな曲です。STEELY DANの影響(HOWARDは後にDONALD・FAGENの曲をカバーしています)を窺えるゴージャスなブラスのサウンドを配しています。
10曲目"Those Who Move Clouds"(5:45) オリエンタル/中近東的なサウンドを取入れた異国情緒漂う幻想的なサウンドによる曲で実験的な要素も含んだトランス・サウンドももっています。
9曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:48分26秒 (現在もインディペンデントとしてライヴ、アルバム/DVD制作と忙しく活動しているHOWARDです)'10年6月12日再更新


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写真  HUMMINGBIRD / Hummingbird
 ・1975 A&M Records,Inc.    SP-4536
 ・2010 UNIVERSAL MUSIC LLC    UICY-94676

JEFF BECK GROUP・・・

このアルバムは、第2期JEFF BECK GROUPとしてイギリスで活躍していたMAX・MIDDLETON、BOBBY・TENCH、CLIVE・CHAMANとを中心に結成されたHUMMINGBIRDの '75年に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
HUMMINGBIRDのメンバーは、CLIVE・CHAMAN:ベース、BERNIE・HOLLAND:ギター、MAX・MIDDLETON:キーボード、CONRAD・ISIDORE:ドラム/ヴォーカル、BOBBY・TENCH:ギター/ヴォーカルの5人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、個性派S.S.W.LINDA・LEWIS:バック・ヴォーカル、GODFRY・McLEAN:コンガ、SANDRA・ISIDORE:バック・ヴォーカルが参加しています。
尚、プロデュースは、故IAN・SAMWELL(SMALL FACES,AMERICA)とHUMMINGBIRD自身で担当しています。

1曲目"Music Flowing" (4:26)ファンクなリズムと軽快なギターのサウンドを聴かせるソウル・フィーリング溢れるBOBBY・TENCHのヴォーカル曲です。間奏から登場するジャジーに滑るよう流れるMAX・MIDDLETONのキーボードのサウンドが非常に素晴らしいですね。ジャジーなスケールを奏でるBERNIE・HOLLANDと対照的なBOBBYのロック色の強いギターのサウンドも興味深いです。
2曲目"You Can Keep The Money"(3:17) メンバー全員で書いたこの曲もファンクなリズムを聴かせる曲ですね。ダンサブルなブラック・ミュージックそのものと言った感じからか当時のシングル盤[For The Children's Sake]のB面にカップリングもされています。
3曲目"Such A Long Ways"(4:15) 非常に個性的な滑らかで太い歌声を聴かせるCONRAD・ISIDOREのヴォーカル曲の登場です。セルフで聴かせるハーモニーと軽めのリズムの流れのバックからLINDA・LEWISがそのユニークでキュートなボーカル・スタイルをも聴かせてくれます。
4曲目"Horrors"(3:38) 畳みかける様に打ち鳴らされるドラムのビートとユニゾンで奏でられるキーボードとギターの調べが圧巻なロック寄りのフュージョン・ミュージックですね。サウンド的には同時期に活躍していたSEA LEVELと感じが似ています。この曲は、ギターのBERNIE・HOLLANDが書いています。
5曲目"I Don't Know Why I Love You"(6:02) MAXがイントロからその素晴らしいキーボードのサウンドを聴かせる曲ですね。オリジナル曲は、STEVIE・WONDERが '68年にレコーディングし、後にTHE ROLLING STONESやTHE JACKSON 5もカバーしています。やはりカバー曲の為かこのアルバムの中では比較的アメリカの南部ロック/ソウル的なサウンドが強い作品となっています。
6曲目"Maybe"(5:26) メンバーによるジャム・セッションによる曲作りから生まれたようなエキサイティングなサウンドとリズムの流れを感じさせるエモーショナルな曲です。BOBBYのヴォーカルと彼のギター・サウンドが更にインパクトを与えています。
7曲目"For The Children's Sake"(3:53) 先にも記しましたが、このアルバムのリリース当時にシングル・カットされた曲です。ソウル・フィーリングのあるBOBBYの歌声とファンクなMAXのピアノの演奏によるこのアルバムではポップな要素を持ったサウンドですね。
8曲目"Ocean Blues"(5:39) レゲエのリズムを取り入れたトロピカルなイメージのある曲ですが、陽気さとは少し離れたマイナー調のメロディにシリアスな響きのナイロン弦ギターのソロも矢継ぎ早に奏でられているように感じます。
9曲目"Island Of Dreams"(7:35) ゆったりと繰り出されるドラムとパーカッションによるビートにMAXの神秘的な響きを持ったキーボードのサウンドから惹きつけられた曲です。非常にインパクトのあるヴァイオリン風の歌声は、先に紹介したLINDA・LEWISの卓越した歌声のようですね。実は、この曲を最初に知ったのは、このアルバムからでは無く、当時のサーフィン映画の挿入曲としてスローモーションによるテイクオフの瞬間を捉えた衝撃的な水中映像とこの曲の音楽性が非常にシンクロして流されていた為、映画の最後のエンディング・ロールを眼を皿のようにしてバンド名と曲名を解読して、後日、レコード店でアルバムを購入したエピソードがあります。
・歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:43分54秒
・8曲歌詞/訳詞付 2010年紙ジャケット限定 SHM-CD盤 (国内盤) 収録時間:44分14秒 ('91年に国内にて世界初CD化 '07年5月16日に紙ジャケットにて国内再リリースされた人気シリーズのアルバムです)'10年2月28日再更新


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写真  HUMMINGBIRD / We Can't Go On Meeting Like This
 ・1976 A&M RECORDS INC.
 ・2010 UNIVERSAL MUSIC LLC    UICY-94677

SHM-CD盤として再々リリース・・・

このアルバムは、第2期JEFF BECK GROUPとしてイギリスで活躍していたBOBBY・TENCH、MAX・MIDDLETONとCLIVE・CHAMANを中心として結成されたHUMMINGBIRDの '75年に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
このアルバムでのHUMMINGBIRDのメンバーは、BOBBY・TENCH:ギター/ヴォーカル、BERNIE・HOLLAND:ギター、CLIVE・CHAMAN:ベース/ハーモニカ、MAX・MIDDLETON:キーボード/ムーグ、BERNARD・PURDIE:ドラム/パーカッションの5人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、後にHUMMINGBIRDのメンバーとなるROBERT・AHWAI:ギター、LIZA・STRIKE:バック・ヴォーカル、MADELINE・BELL(MADELINE BELL & THE SWINGMATES):バック・ヴォーカル、JOANNE・WILLIAMS:バック・ヴォーカルのイギリスとアメリカのミュージシャンが参加しています。
尚、プロデュースは、50〜70年代のイギリスのアルバムを数多く手掛けた故IAN・SAMWELLにHUMMINGBIRD自身も担当しています。

1曲目"Fire And Brimstone"(5:21) CLIVE・CHAMANのファンクなチョッパー・ベースの弾けるサウンドとキビキビと繰り出されるBERNARD・PURDIEのドラムのビートが攻めて来るブリティシュ・ファンクの王道のそのど真ん中を行く乗りの良さを感じる曲です。
2曲目"Gypsy Skys"(5:29) ゆったりと奏でられるMAX・MIDDLETONのキーボードによる調べと哀愁のあるメロディ・ラインによるイントロから組曲風に展開されるインストゥルメンタルで、MAX・MIDDLETONの作曲です。
3曲目"Trouble Maker"(3:20) HUMMINGBIRDと言えばBOBBY・TENCHのソウルフルな歌声と非常にファンクなリズムによるグルーヴ感を感じさせる曲と言うイメージを直ぐに想像させるのですが、正にこの曲は、そのHUMMINGBIRDを代表している曲ですね。
4曲目"Scorpio"(4:20) 躍動感を感じるイントロからスタートするBERNIE・HOLLANDのツイン・ギターの演奏を中心としたインストゥルメンタルで、このアルバムが収録されたスタジオと同じ名前が付けられているところが興味深いですね。
5曲目"We Can't Go On Meeting Like This"(3:53) 日本語でのタイトルが「密会」と付けたられたこのアルバムのタイトルにもなっている曲です。ゴスペル風の女性バック・ヴォーカル隊を従えてBOBBY・TENCHもそのエモーショナルな歌声を響かせています。
6曲目"The City Mouse"(5:42) MAX・MIDDLETONのキーボードによる演奏が全面に出された小気味好いリズムが流れて来るインストゥルメンタルです。リズミカルなカッティング・ギターの演奏は、ROBERT・AHWAI(WHAM,ERIC・BURDON)です。アルバム・リリース当時や時折今もT.V.やラジオのワン・シーンに良く挿入曲として登場しています。
7曲目"A Friend Forever"(5:32) ベースのCLIVE・CHAMANの書いた曲で、彼の心地好い響きのハーモニカの演奏も収録されています。溜めを取ったBOBBY・TENCHの謡ぶりのバックに流れる硬い目のビートを繰り出すBERNARD・PURDIEの演奏も頼もしさを感じます。
8曲目"Heaven Knows"(4:25) 少しサウンドを変えて来たスローな曲の登場です。スライド・ギターやゴスペル・コーラスによるアレンジなどは、アメリカ南部からの影響を感じさせる印象は、やはりIAN・SAMWELLとBOBBY・TENCHと一緒に書かれているからでしょうか。
9曲目"Snake Shack"(4:31) 小気味好い乗りを感じるBERNARD・PURDIEのドラムに合わせて登場するROBERT・AHWAIのロック色に強いギター・ソロに低く唸るCLIVE・CHAMANのベースの響くアドリヴ的なテイクによるインストゥルメンタルです。
10曲目"Let It Burn"(4:56) 8曲目と同じメンバーと思われる美しく響く女性コーラスとBOBBY・TENCHのエモーショナルな歌声が届けられるソウル・ナンバーです。BOBBY、BERNIEとプロデューサーのIAN・SAMWELLの3人で書かれています。
6曲歌詞/訳詞付 2010年紙ジャケット限定 SHM-CD盤 (国内盤) 収録時間:47分35秒 (このアルバムも前作同様 '91年に国内にて世界初CD化、'07年5月16日に紙ジャケットにて限定国内再リリースされた人気シリーズのアルバムだった為、即完売していたのですが、'10年11月10日SHM-CD盤として再々リリースです!)'10年11月20日更新


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写真  HUMMINGBIRD / Diamond Night
 ・1977 A&M RECORDS INC.    A&M SP 4661
 ・2010 UNIVERSAL MUSIC LLC    UICY-94678

ラスト・アルバムですが・・・

このアルバムは、第2期JEFF BECK GROUPとしてイギリスで活躍していたBOBBY・TENCH、MAX・MIDDLETON、CLIVE・CHAMANとを中心として結成されたHUMMINGBIRDの '77年に本国でリリースされた3枚目のアルバムです。
このアルバムでのHUMMINGBIRDのメンバーは、CLIVE・CHAMAN:ベース/フルート、ROBERT・AHWAI:ギター、MAX・MIDDLETON:キーボード/ムーグ、BERNARD・PURDIE:ドラム/パーカッション、BOBBY・TENCH:ギター/ヴォーカルの5人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、QUITMAN・DENNIS:ホーン、CHUCK・FINDLEY:ホーン、JIM・HORN:ウッドウインド、PANCHO・MORALES:パーカッション、AIRTO・MOREIRA:パーカッション、LISA・FREEMAN・ROBERTS:バック・ヴォーカル、PAULETTE・McWILLIAMS:バック・ヴォーカル、VENETTA・FIELDS:バック・ヴォーカル、STEPHANIE・SPRUILL:バック・ヴォーカル、JULIA・TILLMAN:バック・ヴォーカル、MAXINE・WILLARD:バック・ヴォーカルのベテラン勢が参加してハリウッドで収録されています。
今回のアルバムもプロデュースは、故IAN・SAMWELL(SMALL FACES,AMERICA)とHUMMINGBIRD自身で担当しています。

1曲目"Got My "Led Boots" On"(3:44) キーボードのMAXとブルース・シンガーBRIAN・SHORT(BLACK CAT BONES)との共作の曲で、JEFF・BECK '76年のアルバム[Wired]での"Led Boots" のBOBBYによるヴォーカル・ヴァージョンです。更にファンクなリズムとMAXのクラヴィネットのサウンドと煌びやかなホーンを加えた軽快なナンバーです。
2曲目"Spirit"(3:38) 非常にメロウなサウンドとメロディを聴かせるソフトな曲の登場です。滑らかなBOBBYの歌声とバックの女性バック・ヴォーカルの溶けるような歌声が好いですね。ヴォーカルのBOBBYとイギリスのロック・シンガーROGER・CHAPMAN(FAMILY)との共作です。
3曲目"Cryin' For Love"(3:47) HOY・LINDSEYとTROY・SEALS(SEALS AND CROFTSのJIM・SEALSの兄弟)によるこのアルバムの為に書かれた曲のようです。MAXのクラヴィネットのファンキーなサウンドにこの曲でもCHUCK・FINDLEYらの豪華なホーンのサウンド・アレンジとLISA・FREEMAN・ROBERTSとPAULETTE・McWILLIAMSのバック・ヴォーカルによるゴージャスさで演出しています。
4曲目"She Is My Lady"(5:02) 再びBOBBYのヴォーカルによるメロウなバラードの登場です。オリジナル曲は、アメリカのジャズ・シンガー/アレンジャーMORGAN・AMESが '74年にPEGGY・LEEの為に書いた"I Am His Lady" のカバー曲です。余談ですが、ジャズ・ギタリストの故ERIC・GALE(STUFF)もソロ・アルバムで奇遇にも同じ年にこの曲を収録しています。
5曲目"You Can't Hide Love"(4:29) ルイジアナ出身の作詞/作曲家故CLARENCE 'SKIP' SCARBOROUGHが '76年にEARTH, WIND & FIREの為に書いた曲で、当時のビルボード/ブラック・ミュージック部門11位のヒットを放った曲のカバーです。ここでのアレンジは、テンポを上げたビートにファンクな刻みを奏でるROBERT・AHWAIとBOBBY・TENCHのギター・アンサンブルとハイハットの神様BERNARD・PURDIEのお得意のハイハットが「ピシ、ピシ」っと決まりますね。
6曲目"Anaconda"(5:51) 南米産の大蛇"アナコンダ" を曲名としたインストゥルメンタルです。ジャングルの中をイメージさせる環境的なサウンドから次第にフュージョン・サウンドに展開されるMAXのキーボードのサウンドを中心にした曲です。
7曲目"Madatcha"(3:50) この曲でもMAXのクラヴィネットのサウンドが流れるファンクなサウンドとメロディによる曲です。間奏で登場する新加入のROBERT・AHWAIのロック色の非常に強いギター・プレイが印象的です。この曲もヴォーカルのBOBBYとROGER・CHAPMANとの共作になっています。
尚、この曲は、B面に"Anna's Song" をカップリングさせたシングル盤が当時リリースもされています。
8曲目"Losing You(Ain' No Doubt About It)"(4:00) イントロからMAXが心地好い響きのキーボードのサウンド聴かせるメロウなバラードの曲です。BOBBYがその素晴らしい歌声が活かされるメロウ/ファンクなサウンド・アレンジも見事ですね。尚、作詞/作曲のJULES・FREEDMANの詳細は、残念ながら不明です。
9曲目"Spread Your Wings"(4:16) 今度は、プロデューサーのIAN・SAMWELLと前出のROGER・CHAPMANとの共作の曲です。BERNARD・PURDIEのご機嫌なドラムのビートに例のハイハットの決めにCLIVE・CHAMANのベース・ランニングも渋いし前半のインストゥルメンタルとBOBBYの歌声による後半との組曲風のアレンジも洒落ていますね。
10曲目"Anna's Song"(3:31) ゆったりと繰り出されるパーカッションのリズムとMAXの円やかキーボードの調べによるヒーリング系のサウンドによるインストゥルメンタルです。これまた感じの好いBOBBYのギター・ソロとトロピカルな雰囲気のサウンドの流れが印象に残りますね。
・歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:41分45秒
・8曲歌詞/訳詞付 2010年紙ジャケット限定 SHM-CD盤 (国内盤) 収録時間:42分11秒 (アルバムを出す度にオリジナル・メンバーが一人、二人欠けしているのが残念ですが、アルバムの完成度は増していますね。このアルバムは、前作より少し遅れて '07年初CD化、このレビューは '10年11月10日の限定紙ジャケット仕様です)'10年3月6日再更新


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写真  THE ICICLE WORKS / The Icicle Works
 ・1984 VICTOR MUSICAL INDUSTRIES LTD.    VIL-6116

鳴り響くドラムにパワフルなIANの歌声・・・

このアルバムは、リヴァプール出身の3ピース・バンドTHE ICICLE WORKSの '84年3月23日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムでのTHE ICICLE WORKSのメンバーは、IAN・McNABB:ヴォーカル/ギター/キーボード、CHRIS・LAYHE:ベース/バック・ヴォーカル、CHRIS・SHARROCK:ドラムの3人組です。
尚、プロデューサーは、HUGH・JONES(CHICK・COREA, SIMPLE MINDS)、"Love Is A Wonderful Colour" のみDAVID・LORD(THE KORGIS,ICEHOUSE) が担当しています。

1曲目"Chop The Tree"(4:43) イントロの幻想的なサウンドから急展開からドコドコと躍動的に鳴り響くドラムのリズムが非常に印象的な曲です。パワーのあるIAN・McNABBの野太い歌声とCHRIS・SHARROCKのドラムの持ち味は、やはりこのバンドならでは。
2曲目"Love Is A Wonderful Colour"(4:13) 初期のTHE CICLE WORKSの代表曲と言えば"Birds Fly(Whisper To A Scream)" とこの曲と言い切れるのではないでしょうかで。'83年にシングル第3弾としてリリースされ当時のUKシングル・チャート15位を記録したヒット曲でもあります。
3曲目"Reaping The Rich Harvest"(4:07) CHRIS・LAYHEのピッキングで奏でられるベースのサウンドにIANのギターの刻み音が非常にかっこ良い曲です。ギター・サウンドが一杯詰め込まれた弦の響きを耳で追いながら80年代のイギリスのサウンドを暫し楽しみましょう。
4曲目"As The Dragonfly Flies"(3:58) キーボードかシンセサイザーの響きが広がるパワー・ギター・ポップって感じです。このアルバム・リリース前のF.F.T.のデビュー・アルバムやSIMPLE MINDSなどのサウンドに通じるところを感じます。
5曲目"Lover's Day"(4:49) LP盤ではA面最後の曲で、一つの区切りを持たせた曲です。やはりこの曲も先に紹介したT.F.F.の「静と動」を感じさせる曲です。やっぱりこの曲のCHRIS・SHARROCKのドラム・テクは相当なものを感じますね。
6曲目"In The Cauldron Of Love"(3:50) サイケデリック感のあるイントロのギター・サウンドとベースの響きが渋い曲で、何故か曲のイメージが007の雰囲気が伝わってくるのです。ドラム、ベース、ギターの卓越したこの3ピース・バンドならではの演奏を暫し楽しみましょう。
7曲目"Out Of Season"(4:46) この曲では、非常にベースのCHRIS・LAYHEのサウンドがポイントと感じさせる曲です。キーボードによるマリンバに似せたサウンドも重要な質感をもっています。
8曲目"Factory In The Desert"(3:11) 今度は、IANのパワフルな歌声を全面に持って来たパワー・ロックな曲の登場です。隙間なく叩きつけられるCHRIS・SHARROCKのドラムのビートの響きも圧巻です。
9曲目"Birds Fly(Whisper To A Scream)"(3:49) 80年代のイギリス音楽好きの人なら誰でも知っている曲ではないでしょうか。当時のMTVやコマーシャルで使われていたTHE ICICLE WORKSの代表曲で、リフレインを多用したメロディとサウンドが聴き終えた後でも耳に残った人も多かったのではないでしょうか。
10曲目"Nirvana"(5:07) このアルバムのリリース前 '82年のデビュー・シングル曲ですが、このアルバムに収められて曲は、再収録曲とのことです。当時のUKインディーズ・チャート15位を記録したサイケデリック感のあるロック色に強い曲でもあります。
全10曲歌詞付 LP盤 (国内盤) 収録時間:42分33秒 (同じ年にリリースされたHOWARD・JONESの[Human's Lib]とベスト5アルバムに最後まで競わせたアルバムでもあります)'11年12月24日更新


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・1985 BEGGARS BANQUET BEG133T

写真

All The Daughters(Of Her Father's House)
1曲目"All the Daughters(Of Her Father's House)Long Version"
2曲目"A Pocket Full Of Nothing" 3曲目"Mr.Soul"
歌詞無し 12インチ盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間--分--秒


・1985 BEGGARS BANQUET BEG412T

写真

Seven Horses
1曲目"Seven Horses(American Version)"
2曲目"Slingshot" 3曲目"Beggars Legacy"
歌詞無し 12インチ盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間--分--秒


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写真  THE ICICLE WORKS / If You Want To Defeat Your Enemy
 Sing His Song
 ・1987 BEGGARS BANQUET    6447-I-H

アグレッシヴさを増したIAN・・・

このアルバムは、リヴァプール出身の3ピース・バンドTHE ICICLE WORKSの '87年3月に本国でリリースされた3枚目のアルバムです。
このアルバムでのTHE ICICLE WORKSのメンバーは、IAN・McNABB:ヴォーカル/ギター/キーボード/ハーモニカ、CHRIS・LAYHE:ベース/キーボード/バック・ヴォーカル、CHRIS・SHARROCK:ドラム/パーカッションの3人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、DAVE・GREEN:キーボード、IAN・BROUDIE:ギター/キーボード、MIKE・TIMMONEY(TIMONEY):キーボード、RITCHIE・CLOSE:キーボード、ALISON・LIMERICK:バック・ヴォーカル、AUDREY AND FRIENDS:ストリングスなど1部有名どころのミュージシャン達が参加しています。
尚、今回のアルバムのプロデューサーは、収録にも参加しているIAN・BROUDIE(ECHO & THE BUNNYMEN,THE TEARDROP EXPLODES)が担当しています。

1曲目"Evangeline"(4:01) 軽やかなリズムの中から登場する少し篭り気味の聴きなれたIAN・McNABBの野太い歌声が響きます。キーボードの電子サウンドをギミックに使い更に跳ねるようなCHRIS・SHARROCKのドラムによるストレートに迫って来る曲です。
2曲目"Hope Springs Eternal"(4:05) この曲はアメリカの70年代のバンド的なサウンドの影響を感じさせる曲です。IAN・McNABBのギターで奏でられる素直なコードを循環させた聴き易さや歌い易さを感じるのですが、このアルバムでも聴かせるバックに響くCHRISのダイナミックなドラムのビートは凄いですね。
3曲目"Understanding Jane"(3:20) 今度は。テンポを上げて来たロック"ン" ロールのリズムの曲です。歪ませたギター・サウンドで目一杯に繰り広げられる非常にストレートなリズムの流れ方は、仮にライヴでのテイクをそのまま収録してもこのスタジオ収録曲でも余り変らないとも思わせます。
4曲目"Sweet Thursday"(4:00) 今度はストリングスやリヴァーヴを効かせたギターとキーボードのサウンドによるミドル・テンポの曲です。80年代のイギリスのバンドのサウンドを真っ向から響かせます。
5曲目"Up Here In The North Of England"(4:58) このTHE ICICLE WORKSの良さは当然IAN・McNABBのパワフルな歌声も当然ながらあるのですが、エレクトリック・ギターの特徴を使い分けた上手さを感じます。この曲でもイントロで登場する彼の美しいギター・サウンドから歌声と同じくパワフルなギター・ワークにもあります。この曲も次第のそのギターのサウンドもアグレッシヴさを増しながら突き進んで行きます。
6曲目"Who Do You Want For Your Love?"(3:56) 何だか楽しくなりそうなヴァイオリンとドラムのビートがイントロから聴かせる曲です。この曲でも非常にメロディの流れ方は、自然さがありファースト・アルバムでのサイケデリック感は、少し後退しています。しかし、間奏でここぞと聴かせるIAN・McNABBのギターが登場しています。
7曲目"When You Were Mine"(4:36) この時代のイギリスのバンドの好きなところは、曲の奥行に広がる残響音の間とその広がり方が非常に好きなのです。この曲もその残響音の良さと奥行感を感じさせます。プロデューサーであるIAN・BROUDIEの技か彼のギターによる演奏からでしょうか。
8曲目"Travelling Chest"(4:40) そうそうこの曲から感じるのですが、IAN・McNABBの音楽ルーツの1つであるアメリカの音楽、特にテネシー辺りのカントリー系からの音楽の影響を感じます。でも、バンジョーの登場は、全編に出すのでは無くブックエンド的に最初と終わり近くに挿入させています。
9曲目"Truck Driver's Lament"(5:18) この曲はこれまで鳴りを潜めていたサイケデリック感を垣間見せる曲です。ダークさのある重いドラムのビートに12弦ギターのサウンドを全編に着飾っています。更に、間奏で登場するギター好きは堪らないIANの演奏も印象的です。
10曲目"Walking With A Mountain"(4:12) ブリティシュらしいキーボードのサウンドの妙技がイントロから聴かせるこのTHE ICICLE WORKSらしい曲です。IANの歌声をメインとした流れにバックのサウンドの数々と添えられて響きます。
全10曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入) 収録時間:43分16秒 (デビューから立て続けにアルバムをリリースしていたTHE ICICLE WORKS、'91年に解散するのですが、近年のバンド再結成ブームからか '06年に再結成されています)'11年1月28日更新


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写真  IMMANU EL / They'll Come, They Come
 ・2007 And The Sound Recordings    ATSR002

ギター・サウンドの広がりとCLAES・・・

このアルバムは、スウェーデンのJönköping出身のポスト・ロック・バンドIMMANU ELの '07年8月29日に本国でリリースされたデビュー・アルバム('05年のEP盤は含まず)です。
このアルバム収録時のIMMANU ELのメンバーは、CLAES・STRÅNGBERG:ヴォーカル/ギター、PER・STRÅNGBERG:ギター/バック・ヴォーカル、EMIL・KARLSSON:ベース、MICHAEL・PERSSON:ドラム、JOHAN・GUNNARSSON:キーボード、ERIK・ENGBLOM:ギターの6人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JONATAN・HAMMER:チェロ、JAKOB・JONSSON:トランペット、SOFI:ヴォーカルのIMMANU ELの音楽仲間と思います。
尚、このアルバムはボーナス・トラックを追加した国内盤もリリースされています。

1曲目"Under Your Wings I'll Hide"(10:44) 静寂の中から登場するキーボードの落ち着いた調べの後に続く残響音が非常に美しいギターのサウンドが広がる曲です。キビキビとしたドラムのビートにメランコリックさのあるCLAESの歌声は、'03年にデビューしたイギリスのLONG-VIEWに通じるところがありますね。
2曲目"Home"(4:51) この曲も落ち着いた調べが流れる曲です。CLAESと双子のPERのツイン・ギターの音色とピアノにチェロの調べがまた落ち着いた雰囲気を醸し出すのです。曲の後半は、殆どスキャットによる穏やかなインストゥルメンタルです。
3曲目"White Seraphs Wild"(6:43) このアルバムのベース・トラックは、2か所のスタジオにて数日で出来上がったようなのですが、ギターやその他の楽器との組み合わせによるミキシングに相当時間が費やされると紹介されています。この曲など正にその事を感じさせる手の込んだアレンジや楽器類のパートの登場が非常に見事な流れで表現されています。
4曲目"Astral Days"(6:25) 前の曲との曲間をハモンドのサウンドで埋めた流れよる曲で、サウンド的にも基本は、前の曲と同じですね。憂いのあるCLAESの歌声にメロディアスなピアノの演奏が響きます。
5曲目"Panda"(7:45) インディペンデントで '05年にリリースしたデビュー盤にも収録されている曲です。歌詞はCLAESとヴォーカルで参加しているSOFI(詳細は不明)と一緒に書かれています。
6曲目"Kosmonauto"(5:02)「宇宙飛行士」と名付けられた曲のタイトル通り地球との交信風のサンプルが登場する曲です。この曲まで比較的穏やかな曲が多かったのですが、この曲は起伏を持たせたアグレッシヴな響きが熱く伝わって来ます。
7曲目"I Know You So Well..."(3:33) 再びエコーを非常に効かせたギターのサウンドによる穏やかな響きの曲です。ふんだんに響くギターの調べによるヒーリング系サウンドのインストゥルメンタルです。
8曲目"...in Valleys"(5:27) 前の曲をイントロに据えたような流れを感じさせるこの曲も落ち着いた調べの曲です。チェロの響きの合間に登場する囁やかれるようなCLAESの歌声から後半は、エモーショナルな展開を聴かせます。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:50分32秒 (1曲1曲の収録時間が長いアルバムですが、アレンジが良いせいでしょうが、飽きさせませんね)'12年8月5日更新


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写真  IMMANU EL / Moen
 ・2009 And The Sound Recordings    ATSR005

CLAESのメランコリックな歌声再び・・・

このアルバムは、スウェーデンのJönköping出身のインディー・ロック・バンドIMMANU ELの '09年11月13日に本国でリリースされた2枚目 ('05年のEP盤は含まず) のアルバムです。
このアルバム収録時のIMMANU ELのメンバーは、CLAES・STRÅNGBERG:ヴォーカル/ギター、PER・STRÅNGBERG:ギター/バック・ヴォーカル、DAVID・LILLBERG:キーボード/サンプル/ギター、EMIL・KARLSSON:ベース、MICHAEL・PERSSON:ドラム、JONATHAN S.H ROSENMARK:楽器不明の6人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ELLEN・HJALMARSSON(JENS・LEKMAN):ヴァイオリンのスウェーデンのミュージシャンが参加しています。

1曲目"Agnes Day"(7:45) イントロからメランコリックな歌声を聴かせながら始まる曲で、暫くして登場するギターのサウンドの数々が前作と同様にバックに広がりながらリズムも次第に上げて来ます。今作も長い曲からアルバムがスタートします。
2曲目"Lionheart"(5:30) アコースティック・ギターのサウンドを導入部にしながら次第に楽器の数を増やしながら展開させるメランコリックなナンバーで、この曲も前作での曲調を引き継いだ曲です。但し、歌詞の中には曲名となったタイトルは登場していないようです。
3曲目"Aerial"(4:37) シンプルなドラムのビートに少し荒らしたギターのサウンドを乗せたブリット・ロック/ポップ的な要素を感じさせる曲です。高域で少し裏返るCLAESの特徴な歌声とPERのギターのサウンドとの相性の良さは、このバンドならではと思います。
4曲目"Hogamon One"(1:41) めずらしく短い曲が登場したと思ったら次の曲と組曲と思わせる前半部分のイントロをインストゥルメンタルとして収録されているスローな曲です。
5曲目"Hogamon Two"(3:48) 長いイントロ部分を過ぎてサビの部分に登場するCLAESの美しい歌声と短い歌詞をリフレインで聴かせながら、終焉には、4曲目と同じスタイルの再びインストゥルメンタルとなっています。
6曲目"May"(4:15) 幻想的なサウンドとメロディを聴かせるイントロが見事な曲です。私たち日本人では余り理解できない「5月」の太陽は、北欧の人々にとって本当に素晴らしい輝きなのでしょう。
7曲目"Archers"(4:09) この曲のドラムの変則ビートとメランコリックな響きを持たせたギターのサウンドは、非常に素晴らしく感じます。バンドを組んで5年が経過したこのIMMANU ELですが、国中をライヴで周りしっかりと成長のあとが感じますね。
8曲目"Tunnel"(6:56) スローなリズムで流されるこの曲もメランコリックなナンバーです。ゆったりと奏でられるギターの調べとシンバルの奏でる凛とした響きが空中に広がる様と共に落ちつた時間が過ぎ去って行きます。
9曲目"Storm"(4:14) アコースティック・ギターの爪弾きをメインとしたしっとりとした流れを感じさせる曲です。スライド・ギターの響きや躍動的なドラムのビートも登場する頃には曲名通り「嵐」を表現しています。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:43分00秒 (このアルバムからドイツでもリリースされるようになり、北欧以外のヨーロッパでも人気の上がったIMMANU ELのようです)'12年8月10日更新


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写真  IMMANU EL / In Passage
 ・2011 And The Sound Recordings    ATSR007

静寂の中に響く音楽・・・

このアルバムは、スウェーデンのJönköping出身のインディー・ロック・バンドIMMANU ELの '11年10月29日に本国でリリースされた3枚目 ('05年のEP盤は含まず) のアルバムです。
このアルバム収録時のIMMANU ELのメンバーは、CLAES・STRÅNGBERG:ヴォーカル/ギター、PER・STRÅNGBERG:ギター/バック・ヴォーカル、DAVID・LILLBERG:キーボード/サンプル/ギター、EMIL・KARLSSON:ベース、JONATAN・JOSEFSSON:ドラムの5人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ALBIN・GRAHN:ホーン/トランペット、ARVID・INGBERG:トロンボーン、JENNY・SJÖSTRÖM:ヴァイオリン、LISA・REUTER:チェロのスウェーデンのジャズ系ミュージシャンが参加しています。

1曲目"Skagerak"(7:46) 静寂の中から登場するドラムの響きが次第に近づきながら微かに聴こえるCLAESの歌声によるイントロです。メランコリックなCLAESの歌声も相変わらずと言え美しいメロディとサウンドも過去のアルバム通りですが、1曲目からかなりの大作ですね。
2曲目"Conquistador"(5:17) ゆったりと奏でられるギターのサウンドの響きと心地好いドラムのビートが流れる曲です。長く残響音を残すギターのサウンドに浮遊感を与えるCLAESの優しい響きを持った歌声です。
3曲目"The Threshold"(4:44) 今度はピアノの旋律を少し前に持ってきてストリングスで彩った感じの曲です。北欧的な清涼さや静かな森を想像させる繊細さのある流れが通り過ぎて行きます。
4曲目"Comforting Dawn"(5:32) 今度はサウンドを宇宙空間まで広げたように感じさせる曲です。後半から盛り上げ方やベースやドラムの演奏に囲まれる感じは、やはりこのバンドならではですね。
5曲目"Into Waters"(6:10) 特徴的なビートを打つJONATANのドラムとCLAESの少し掠れ気味の歌声が印象的な曲です。PER、CLAES組のギター・サウンドもこの曲でも心地好く響いています。
6曲目"To An Ocean"(6:00) このH.P.を良く観て頂いている人ならご存知と思うのですが、18世紀に交易で上海/スウェーデン間を就航していた帆船"Götheborg" を復元した船が '06年にスウェーデンから上海に航海し、その船員の中にギター/バック・ヴォーカルのPER・STRÅNGBERGが居てその航海を歌にしたと思われる曲のようです。
尚、余談ですがその航海をドキュメンタリーにした映像に使われたのがIMMANU ELの曲で、中国側のディレクターも彼らの曲が気に入り、中国のドラマの挿入歌になったようです。
7曲目"While I'm Reaching For You"(6:28) この曲もゆったりとしたリズムを持った曲です。丁寧に奏でられるギターとドラムのビートに合わせて歌うCLAESの歌声を聴いていると同じくスウェーデンで活躍しているTHE PERSHERSのことを思いだしましたね。
8曲目"On Wide Shoulders"(5:19) 今度は、ピアノのサウンドをメインで演奏される曲です。美しいハーモニーと穏やかな流れを感じさせながら次第にリズム上げてこのアルバムの終焉と直向きに向かって行きます。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:47分19秒 (先にも記したのですが、'12年2月よりIMMANU ELの人気が上がった中国/台湾とツアーに出たようです)'12年8月19日更新


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写真  JAI / Heaven
 ・1997 M&G Records    BVCN-702

ただならぬ彼のヴォーカルに圧倒でも近況は?・・・

このアルバムは、U.K.の大型新人JAI(ジェイ)の '97年9月3日に国内でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JAI(JASON・ROWE):ヴォーカル、JOEL・BOGEN:ギター/プログラミング/キーボード、PAUL・HIRSCH:ハモンド・オルガン、CHRISTOPHER・BEMAND:キーボード/プログラミング、PHIL・SPALDING:ベース、CHUCK・SABO:ドラム、JASON・SILVER:キーボード、ROB・WATSON:プログラミング、JOHN・MILLER:ドラム、SONIA・SLANY & THE ELECTRA STRINGS:ストリングス、ANDY・DUNCAN:パーカッション/ドラム・プログラミング、PRESTON・HEYMAN:パーカッション、CLAUDIA・FONTAINE:バック・ヴォーカル、TONY・FORD:バック・ヴォーカルの有名人たちが参加しています。
尚、プロデュースは、このアルバムに曲も提供しているギタリストのJOEL・BOGEN(TOYAH BAND)と7曲目のみ副プロデューサーとしてCHRIS・PORTER(PET SHOP BOYSTAKE THAT)の記載があります。

1曲目"I Believe"(4:52) 教会の鐘の音によるイントロにつられてJAIファルセットの美しいヴォーカルによる後半よりソウルフルに盛り上がりを聴かせる曲です。
2曲目"I Need Love"(4:09) ミドル・テンポのポップなサウンドを聴かせる曲で、JAIのヴォーカルも美しく響いています。また、この曲でのJOELのフェンダー系のシングル・コイルによるギター・ソロも渋いのです。
3曲目"Let Me In"(3:42) やや引き摺り感のあるダウンテンポのリズムの流れが落着いた雰囲気を醸し出す曲です。ソフトな響きのピアノの旋律い合わせ歌うJAIの美しい歌声が広がるバラードでもあります。
4曲目"Cry Me A River"(3:44) JULIE・LONDONの '56年の曲にレゲエのRapとジャジーなバラードを組合せた美しくて斬新な曲です。尚、この曲は、多くのU.K.のミュージャンがカバーしレコーディングやライヴで演奏されているスタンダード的な曲です。
5曲目"Wishing The Rain Away"(4:48) 乗りの良いリズムとJOELのギターがJAIのヴォーカルを一層盛り上げます。曲を聴き終わった後もこのJOELのギター・リフがなかなか耳から離れませんね。
6曲目"Don't Give Me Away"(4:44) 暗いアシッド風のリズムとサウンドをイントロから聴かせるダークな曲です。曲が進むと次第に美しく広がるシイセサイザーとストリングスのサウンドの織成す展開が素晴らしいのです。
7曲目"Heaven"(3:59) シングル・カットされたこのアルバムからのいち押しの曲です。サウンドとリズムの流れは、ブリティッシュ・テイストたっぷりの洒落っ気があちこちに散りばめられています。
8曲目"You Split Me"(2:57) JAIのヴォーカルに圧倒される曲で、イントロの歌声から絶対に白人男性と思えぬ歌声です。ゆったりと歌うJAIとバックのJOEL・BOGENのギターの揺らめきが堪りませんね。
9曲目"Magnolia"(3:47) オクラホマシティ出身のS.S.W.J・J・CALEの '72年の曲でオリジナルのJ・Jの枯れた歌声の曲も良いのですが、アップ・デートされたJAIのセンチメンタルで繊細な歌声で美しい曲です。でも本当にこの曲は、多くのミュージシャンにカバーされていますね。
10曲目"Something On Your Mind"(3:37) 丸みを帯びたキーボードの調べがイントロから流れる落ち着いた曲ですが、後半からJOELのアグレッシヴなギター・サウンドで展開される起伏のあるアレンジとなっています。
11曲目"Open"(4:40) 静かな曲と幻想的なJAIのヴォーカルです。本国にてリリースされているオリジナル盤は、この静かな曲で幕を閉じます。
12曲目"Over&Over(Bonus Track)"(4:11) 美しい調べのストリングスを使った曲で JAIの優しそうなヴォーカルです。"Heaven" 7"シングル盤のカップリング曲としてリリースされています。
13曲目"Don't Give Me Away [Remix] (Bonus Track)"(4:57) 打込みの重いサウンドをミックスしています。"Don't Give Me Away" 12"シングル盤でのカップリング曲です。
14曲目"I Believe [Remix] (Bonus Track)"(5:45) "I Believe" 12"シングル盤に収録されているハウス風のリックスです。約1分延長された聴き応え十分な収録となっています。
12曲歌詞/訳詞付 6折写真ライナー (国内盤) 収録時間:59分58秒 (黒人女性なみのヴォーカルに圧倒されたJAIですが、これが最初で最後のアルバム?)'10年6月14日再更新


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写真  JANINA / Janina
 ・2006 ladybird Productions AB    CAT NO 795 56804

また才能豊かな新人が登場しました・・・

スウェーデンで活躍するJANINA(JANINA・LINDGREN)のデビュー・アルバムで、'06年の3月に本国のみのリリースです。このアルバム収録時にはJANINAは22歳、全ての収録曲を自身で作詞/作曲を行う才女ぶりを発揮しています。
ストックホルムの郊外で生まれ育ったJANINAは、7歳でピアノを習い始め、音楽学校に入ってから、ギターを習ったらしいです。現在は、ストックホルム在住。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JANINA:ヴォーカル/ギター/プロデュースの他、PETER・KVINT:ギター/ハーモニカ/メロディカ/チャイム/ベース/バック・ヴォーカル/プロデュース、ALEXANDER・GERDT:ギター、SVEN・LINDVALL:ウッド・ベース、JESPER・NORDENSTRÖM:キーボード、MAGNUS・PERSSON:ドラム/パーカッション、SVANTE・HENRYSON:チェロ、KLAS・JERVFORS:ブラス、MARIE・GUT:バック・ヴォーカル、DANIEL・BELLQVIST(ESKOBAR):バック・ヴォーカルのスウェーデンの一流ミュージシャン達が参加しています。

1曲目"All Of Me"(2:58) チェロの爪弾きによる厳かな調べによる美しいイントロの曲です。イントロに続いて登場するアルバムの主人公JANINAの清楚な歌声に優しく包まれまた、ストリングスの調べも非常に美しい曲です。
2曲目"Room Without A Door"(3:21) JANIA自身が演奏するアコースティック・ギターの調べによる曲ですが、途中よりのバックのアコースティックな演奏の凄いこと。お馴染みのSVEN・LINDVALL(GLORIA,A-HA)のウッドベースが最高です。
3曲目"Remember,Remember Me"(4:52) JANINAのゆったりした歌声から入る癒し系のカントリー・ポップです。ESKOBARのメイン・ヴォーカリストのDANIEL・BELLQVISTがバック・ヴォーカルとして参加してその素晴らしい歌声を披露しています。
4曲目"Season Song"(3:21) この曲でもSVEN・LINDVALLのウッド・ベースの鳴りが心地好いジャジーな風味をつけています。基本的にはカントリー調の曲ですが、スタンダード・ジャズと丁度両方の中間点にある絶妙バランスを持った素晴らしい曲です。
5曲目"You"(4:05) ピアノの少し悲しいメロディによる恋人の間のわだかまりを歌にした女性らしいメランコリックな曲です。
6曲目"Help Me Feel"(4:33) このアルバムの共同プロデューサーのPETER・KVINTとALEXANDER・GERDTによる複数のアコースティック・ギター美しい響きに重ねられたチェロのサウンドが印象に残るカントリー調のポップな曲です。丹精に歌うJANINAの綺麗な歌声も心地好いです。
7曲目"Fearless"(4:30) スライド・ギターか、ペダル・スティールを取り入れた"クール" な響きの曲です。低音の効いたMAGNUS・PERSSON(EAGLE-EYE・CHERRY,ELVIS・COSELLO)ドラムの刻みに映えるJANINAの高いキーの歌声で歌われるミドル・テンポの曲です。
8曲目"Rely"(3:18) PETER・KVINTの悲しげなハーモニカのサウンドに乗せ、切に歌うJANINAの願いにも似た、センチメンタルな雰囲気を持つ、フォーキーな曲で、中ほどに登場するハンド・クラップスも新鮮な印象を残します。
9曲目"The Princess World"(3:53) フィンガー・ピッキングで丁寧に奏でられるアコースティック・ギターの響きとSVANTE・HENRYSONの演奏する優雅なチェロの音色が心地好い曲です。
10曲目"Until She Told Me"(2:58) アコースティックな響きの曲を多く収録したこのアルバムでは少し異色なアップテンポでハードな響きを持たせた曲です。タイトなドラムのビートにJESPER・NORDENSTRÖM(REBEKKA・BAKKEN)のエレクトロニカなキーボードによる曲ですが、クラシックでエレガントなアコースティック・サウンドも織り交ぜた洒落れたアレンジで聴き応えのある曲です。
11曲目"Little People"(5:18) 再びDANIEL・BELLQVISTが登場するスローなバラードです。この曲はバックで流れるKLAS・JERVFORSのブラスのサウンドが2人の歌声に華を添えています。
12曲目"Eli"(5:21) アルバムの最後を丁寧に歌い上げるJANINAの別れを惜しむように聴こえる、カントリー調のスローな曲です。ハーモニカとピアノの調べが似合う、JANINAの美しい歌声で、アルバムは幕を閉じます。
全12曲歌詞付 16ページ物写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:48分35秒 (またまたスウェーデンから才能豊かな新人が登場しました。ドバイでの野外ライヴの模様はJANINAのYouTubeでもどうぞ)'10年6月16日再更新


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写真  THE JAPANESE HOUSE / Good At Falling
 ・2019 Dirty Hit    DH00468

この風変りなネームは・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているインディー・ポップ/S.S.W.THE JAPANESE HOUSE(A.K.A. AMBER・BAIN)のデビュー・アルバム(過去4枚のEP盤は含まない)で '19年3月1日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、AMBER・BAIN:ヴォーカル/ギター/ベース/シンセサイザー/ドラム/プログラミングの他、GEORGE・DANIEL:シンセサイザー/プログラミング/ドラム、FREDDY・SHEED:ドラム、WILLIAM・BISHOP:プログラミング、MATTHEW・HEALY(THE 1975):ヴォーカル(Track 12)、BJ・BURTON:シンセサイザー、BEN・LESTER:ペダル・スティール、MIKE・LEWIS:サックス(Track 12)、C.J.CAMERIERI:トランペット(Track 7)、BOB・MOOSE:ストリングス(Track 7)、KAMRAN・KHAN(FAKE LAUGH):ヴォーカル・サンプル(Track 6)の1部BON IVERのアルバムに参加したミュージシャン達です。
プロデュースは、BJ・BURTON(LOW,THE ROSEBUDS)、GEORGE・DANIEL(THE 1975)、AMBERと曲により担当しています。
尚、この風変りなプロジェクト・ネームは、イギリスの南西部コーンウォールにある日本家屋に幼少期に滞在した茶室に感銘を受けた経験からとの事です。

1曲目"Went To Meet Her(intro)"(2:31) ヴォコーダーとシンセ・ドラムによるエレクトロニカ色の強い曲です。イントロから曲の途中までヴォコーダーを通して訥々と歌うAMBERがこのアルバム自身のイントロとして歌います。
2曲目"Maybe You're The Reason"(3:38) ストラトキャスターを逆さに持ったAMBERが弦を爪弾く姿が目に浮かぶ曲です。このアルバムから一押しとなったTHE JAPANESE HOUSEの持つサウンドを代表している感がします。また、ビデオとして紹介されています。
3曲目"We Talk All The Time"(3:15) 軽めのリズムとシンセ・ドラムのビートが心地好い曲です。ヴォコーダーを使って声域を変えたアレンジなど今風の感じですね。シングル盤[Maybe You're the Reason]のBサイドとなって先行リリースされています。
4曲目"Wild"(3:43) 12曲目"Faraway" のギターによるアウトロのサンプルをイントロに使ったようなアンビエントな雰囲気を感じます。何故かサウンド的にはトロピカルな南洋風を感じさせるリフを持っています。
5曲目"You Seemed So Happy"(2:42) ここで曲調を変えて来たアコースティック・ギターとベース、ドラムによるバンドかライヴ形式での演奏を想定した曲です。シンプルなメロディラインとリズムに乗せ広域で少し裏返るAMBERの歌声が妖艶さを感じさせるのです。
6曲目"Follow My Girl"(4:04) '18年11月に先行シングル盤[Lilo]のBサイドなっているシンセ・ポップ調の曲です。シンセ・ドラムとシンセ・ベースの穏やかな響きと心地好いリズムと共にAMBERの優しい歌声が響いて来ます。
7曲目"Somethingfartoogoodtofeel "(4:25) 多重録音にしたギターの爪弾きによる長いイントロを過ぎて切なく歌うAMBERの歌声が堪らない曲です。途中より登場するヘビーなベースとドラムのビートがこの曲を非常にドラマティックな物にしています。
8曲目"Lilo"(4:10) シンセ・ポップとチルアウトの要素が融合したスローなナンバーです。AMBERの少し鼻に掛かった歌声と揺らぎを持った彼女自身のコーラスが美しく響きます。
この曲もアルバムのリリース前からビデオが紹介されています。
9曲目"Everybody Hates Me"(3:09) 一転してピアノ/キーボードによるイントロを持つ曲です。途中よりエレクトロニカ色が強くなって来ますがメロディの美しいバラードとなっています。自身の心の悩みを歌詞に綴って切なくAMBERが歌います。
10曲目"Marika Is Sleeping"(3:03) 元ガールフレンドMARIKA・HACKMAN(Liloのビデオに出演共)の事を歌った曲です。ストリング風のサウンドとギターの爪弾きが美しい映画の挿入歌的なメロディとサウンドが印象に残ります。
11曲目"Worms"(3:18) 電子サウンドによるイントロと少しテンポをずらしたドラムのビートが印象的な曲です。後半から登場する男性ヴォーカル風の歌声はヴォコーダーによるものでしょうか。
12曲目"Faraway"(2:50) 少しレトロなムードを感じるスローな曲です。遠い世界想い馳せる」気持ちを歌っています。ギターのサウンドもやはりレトロな雰囲気を醸しだしています。バック・ヴォーカルで美しいハ-モニーを聴かせいるのは、レーベル・メイトTHE 1975のMATTHEW・HEALYです。
13曲目"I Saw You In A Dream"(3:20) アルバムの最後の曲は、アコースティック調の曲です。ギターを爪弾きながらAMBERが美しい歌声を聴かせます。
全13曲歌詞付 10ページ物写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:44分14秒 (歌声が女性と男性の丁度、中間域にあるAMBER、結構聴き心地の好い声域であります)'19年4月9日更新
2019年度ベスト5


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写真  THE JAZZ DEVILS / Out Of The Dark
 ・1988 VIRGIN JAPAN LTD.    VJD-32117

アグレッシヴなヴォーカルとブルース・ハープ・・・

このアルバムは、イギリス南部出身のTHE JAZZ DEVILSのデビュー・アルバムで、'89年3月21日、国内でのリリースです。ヴォーカル/ハーモニカ:ANDY・TAYLOR、ベース/キーボード:GRAHAM・INGRAM、ドラム/パーカッション:PETER・HEMSLEYの3人を中心としたバンドです。
'87年にVIRGINと契約したTHE JAZZ DEVILSは、レコーディングに憧れの地フィラデルフィアを選びました。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンの詳しいクレジットの記載は、無いのですが、ライヴ・クルーとしてCARLA・MACLAINE:バック・ヴォーカル、VICKI・ST・JAMES:バック・ヴォーカル、JOHN "BOYSE" BATTRUM:サックス/キーボード、RICHARD "ELCID" SIDWELL:トランペットのロンドンのミュージシャン達です。尚、プロデュースは、曲によりBRUCE・WEEDON、STEVE・HILLAGとTHE JAZZ DEVILS自身が担当しています。

1曲目"Back In Town"(5:33) スモーキーなサックスの切ないサウンドに絡めたANDYのブルース・ハーモニカの音色によるブリティシュ・ファンクな曲です。女性バック・ヴォーカル、ゴージャスなホーンなどを次第に加えて演奏されています。
2曲目"It's A Crime"(4:38) イントロのサウンドが印象的な曲ですね。リズムとメロディが非常に"クール" でANDYの渋めな歌声とサウンドがマッチしています。
3曲目"Take It If You Really Want"(3:32) STEVE・HILLAGEのプロデュース曲です。PETER・HEMSLEYのタイトなLINNドラムのビートとANDYのブルース・ハープがアグレッシヴに響きわたるソリッドなブルース・ロックです。
4曲目"Chase The Blues"(4:50) 一昔前のダンス・ホールでのダンス・ミュージックのようなサウンドとメロディをタイトなビートで奏でた曲で、ANDYのパワフルなヴォーカルも聴き物です。
5曲目"Out Of The Dark"(6:03) シンセサイザーの厳かなサウンドと重い音色シンセ・ベースによるスローな曲です。SIMPLY REDのMICK・HUCKNALLに似たソウルフルなANDYの歌声によるブルース/バラードです。オリジナルの英国盤はLP盤の為、A面のラストに相応しくこの場所に収録されています。このアルバムの中でハイライトな6分を超える曲です。
6曲目"Censored Feelings"(3:57) もの凄い響きで繰り出されるGRAHAM・INGRAM のピアノの演奏に圧倒される曲です。GRAHAMに負けじとアグレッシヴなサウンドをブルース・ハープで繰り出すANDYです。
7曲目"The Postman Song"(4:06) 再びSTEVE・HILLAGEのプロデュース曲です。リバプール出身の有名バンドの曲へのオマージュ/アンサー・ソングように聴こえます。
8曲目"That Girl"(4:04) ライヴ収録のようなアレンジと篭らせたANDYの歌声をイントロに配した曲です。ブルース/ソウルなサウンドにアシッドなエレクトロニカのリズムを加えての収録です。バックの女性ヴォーカルの歌声も非常にソウルフルです。この曲もSTEVE・HILLAGEがプロデュースを担当しています。
9曲目"The Raid"(5:00) ブルース/ロック"ン" ロールの演奏ライヴ仕立に収録しています。ライヴさながらの観客のざわめきと臨場感を上手くアレンジしています。
全9曲歌詞/訳詞付 20ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:41分46秒 (レビューとは関係無いのですが、この頃の国内盤CDの定価は、3200円〜3600円もしていました)'10年6月16日再更新


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写真  THE JAZZ DEVILS / Hard Roads
 ・1990 virgin records ltd.    VJCP-46

ヴォーカリストANDYのハーモニカが最大の魅力のアルバム・・・

イギリス南部出身のTHE JAZZ DEVILSの2枚目のアルバムで、'90年8月21日に国内でのリリースです。THE JAZZ DEVILSのメンバーは、ヴォーカル/ハーモニカ:ANDY・TAYLOR、ベース/キーボード/バック・ヴォーカル:GRAHAM・INGRAM、ドラム/パーカッション:PETER・HEMSLEYの3人を中心としたバンドです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、THE JAZZ DEVILSの3人の他、ROBBIE・BLUNT:ギター、BERNIE・DEVINE:ギター、RICHARD・SIDWELL:トランペット、STEVE・SIDWELL:トランペット、PAUL・SPONG:トランペット、SIMON・GARDNER:トランペット、MIKE・O・GORMAN:トランペット、NIGEL・HITCHCOCK:サックス、STEVE・GREGORY:サックス、DAVE・BISHOP:サックス、DOUGLAS・KEAN:バック・ヴォーカルのベテラン達が参加しています。
尚、プロデュースは、BOB・ROSE(詳細不明)、1部の曲はTHE JAZZ DEVILS自身で行っています。

1曲目"Small Affair"(3:36) ブルース・ハーモニカとホーンを取入れたANDY・TAYLORのヴォーカルが圧巻です。
2曲目"What In The World"(4:03) スローなリズムと少しトロピカルなギターのリズムが心地好い曲です。
3曲目"Young Boy Blues"(4:40) ハスキーなANDYのヴォーカルとブルージーなギター・ソロが圧巻な曲です。ANDYの歌声は、少しSIMPLY REDのMICK・HUCKNALLと似ています。
4曲目"Voices"(4:04) PETER のドラムとホーンが炸裂する曲でANDYのパワフルなヴォーカルも聴き物です。
5曲目"Hard Road"(4:39) ニューオリンズの香りのする静かなブルースでANDYのハーモニカは甘く囁く様に響きます。
6曲目"London"(4:37) GRAHAMのウッドベースとアコースティック・ギターの調べが圧巻的な曲です。
7曲目"T.V.Preacher Man"(3:10) イントロは、ハード・ロックのスタイルですが、色々なタイプの曲へと変化します。
8曲目"Georgia On My Mind"(3:23) 30年代のスタンダードナンバーのカバーです。ここではオーソドックスに纏めています。
9曲目"Nobody's Man"(4:48) パワーロック風のリズムに渋いギターソロが入った中々良い曲です。
10曲目"Walking With The night"(4:38) タイトなリズムのドラムとファズがかったギターとANDYのハーモニカが三味一体となった曲です。
11曲目"Clockwork Nation"(4:17) TOM・WAITSに捧げられた曲です。ウッド・ベースを取入れたジャズのナンバーに仕上げています。
オリジナル曲のみ10曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:46分01秒 (このアルバム以降彼らの情報が無いので多分、これがラストアルバムでしょう)'10年6月16日再更新


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写真  JESS RODEN / The Player Not The Game
 ・1977 The Island Def Jam Music Group    UICY-94705

JESSとミステリアスなバックの背景・・・

このアルバムは、イギリスで活躍していたシンガー/ギタリストJESS・RODENのソロ名義5枚目(THE JESS RODEN BANDの3枚のアルバムを含む)のアルバムで、'77年に本国でリリースされました。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JESS・RODEN:ヴォーカルの他、ROB・MOUNSEY:キーボード、LEON・PENDERVIS:キーボード/アレンジ/指揮、SHIRLEY・SCOTT:キーボード、JEFF・MIRONOV:ギター、JOHN・TROPEA:ギター、CHARLIE・BROWN:ギター、FRANKLIN・MICARE:ギター、LANCE・QUINN:ギター、CLIFF・MORRIS:ギター、BUDDY・WILLIAMS:ドラム、GARY・MURE:ドラム、ANTHONY・JACKSON:ベース、FRANCISCO・CENTENO:ベース、MILT・HINTON:ベース、ERROLL"CUSHER" BENNETT:パーカッション、RUBENS・BASSINI:パーカッション、HAROLD・VICK:サックス、SCOTT・HAMILTON:サックス、HOWARD・JOHNSON:サックス/ベース・クラリネット、LOU・MARINI:サックス、ALAN・RAPH:トロンボーン、DAVID・CAREY:ヴィブラフォン、ARNOLD・McCULLER:バック・ヴォーカル、BENNY・DIGGS:バック・ヴォーカル、DELORES・HALL:バック・ヴォーカル、MICHAEL・LEE・GRAY:バック・ヴォーカル、JOEL・DORN(ROBERTA・FLACK,DON・McLEAN):プロデュースなどN.Y.のスタジオで収録が行われた為、アメリカ東海岸のミュージシャン達が参加しています。
尚、本アルバムと '80年の[Stonechaser]は、'10年11月24日UNIVERSAL MUSIC JAPANよりSHM-CD仕様にて世界初CD化されています。

1曲目"Misty Roses"(4:01) アルバムの1曲目からJESSがその滑らかな歌声を聴かせるバラードの登場です。多くのシンガーにカバーされているこの曲の作者は、アメリカのフォーク・シンガー故TIM・HARDINで、彼の '66年のデビュー・アルバムに収録されています。
2曲目"Sensation"(4:42) この曲も穏やかな調べを聴かせる大人の曲と言う感じですね。N.Y.での一夜での出来事を歌詞に綴ったような流れをソフトなサウンドを包んだ感じかな。
3曲目"Lonely Avenue"(3:36) JESS本来の持ち味を発揮させるブルースの登場です。T.V.のライヴ出演などJESSは、同じレーベルに所属する故ROBERT・PALMERとこのようなブルースの曲で共演していたようです。
尚、オリジナル曲は、アメリカのブルース・シンガー故DOC・POMUSが書いて故RAY・CHARLESが '56年に歌いヒットさせています。
4曲目"The Quiet Sound Of You And I"(4:31) 非常にセンチメンタルな調べを感じさせるピアノの調べに乗せ歌うJESSです。映画音楽のようなメロディに大掛かりで重厚なストリングスのサウンドによるアレンジです。
尚、この曲は、EDGAR・BRONFMAN, Jr.(現WARNER MUSICのCEO)とS.S.W.BRUCE・ROBERTSと一緒に書かれたこのアルバムの為の曲と思われます。
5曲目"The Hardest Blow"(3:05) THE JESS RODEN BANDでのベースJOHN・CARTWRIGHTが書いた曲で、イントロから流れるJOHN、CLIFF、FRANKLINの3人によるアコースティック・ギターの調べが非常に美しいバラードです。JESSの優しい歌声のバックから登場するHAROLD・VICKのテナー・サックスの調べもJESSと同様に優しいですね。
6曲目"Drinking Again"(6:35) '62年に故DINAH・WASHINGTONが歌った作曲DORIS・TAUBER、作詞JOHNNY・MERCERによるジャズのスタンダード曲で、残念ながらDINAHは収録の翌年39歳で亡くなっています。その後、故FRANK・SINATRAなど多くのシンガーに歌われています。ここでの収録は、数多くのソロ・アルバムを制作している故SHIRLEY・SCOTTのジャジーなピアノの演奏に乗せJESSがその卓越した歌声を聴かせてくれるのです。
7曲目"Woman Across The Water"(4:12) JESSの書いた曲の登場です。THE JESS RODEN BANDからの彼の曲らしいブルースを基調としたサウンドとメロディから伝わって来る足元から湧きあがるエネルギッシュさや明日への希望を感じさせる何かがあるのです。
8曲目"In Me Tonight"(4:34) ご機嫌なホーンのサウンドとバック・ヴォーカルに包まれて気持ち良く歌うJESSを容易に想像させてくれる乗りの良い曲です。ブリテイシュ・ソウルらしい洒落たファンキーなリズムにゴージャスなホーンのサウンドに彩られた酔いどれ男の哀愁を歌っています。
全8曲歌詞付 2010年紙ジャケット限定 シリアルナンバー付 SHM-CD盤 (国内盤) 収録時間:35分19秒 (Island RecordsのLP盤に付属していた内袋の宣伝にカッコよくタバコをくわえたJESSとミステリアスなバックの背景からこの人に興味津々でしたね)'10年12月11日更新


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写真  JESS RODEN / Stonechaser
 ・1980 ISLAND RECORDS INC.    ILPS 9531
 ・2010 UNIVERSAL MUSIC LLC    UICY-94706

エモーショナルな歌声・・・

このアルバムは、イギリスで活躍していたシンガー/ギタリストJESS・RODENのソロ名義6枚目(THE JESS RODEN BANDの3枚を含む)のアルバムで、'80年に本国でリリースされました。
アルバムのタイトルとなっている[Stonechaser]は、THE JESS RODEN BAND '76年の[Play It Dirty Play It Class]での収録曲名でもあります。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JESS・RODEN:ヴォーカル/ギター/パーカッションの他、ROB・MOUNSEY:キーボード/アレンジ、LEON・PENDERVIS:キーボード/パーカッション/バック・ヴォーカル/プロデュース、PAT・REBILLOT:キーボード、GEORGE・T・CLINTON:キーボード、JEFF・MIRONOV:ギター、JEFF・LAYTON:ギター、CLIFF・MORRIS:ギター、DAVID・LANDAU:ギター、JOHN・CARTWRIGHT:ギター/ベース、CHRIS・PARKER:ドラム、RICHARD・CROOKS:ドラム、PETER・BUNETTA:ドラム、NEIL・JASON:ベース、ANTHONY・JACKSON:ベース、RICK・CHUDAKOFF:ベース、ERROLL"CUSHER" BENNETT:パーカッション、ARNO・LUCAS:パーカッション、JAKI・WHITREN:バック・ヴォーカル、JANICE・PENDERVIS:バック・ヴォーカル、LUTHER・VAN・DROSS:バック・ヴォーカル、JOSHIA・ARMSTEAD:バック・ヴォーカル、CHANDRA・ARMSTEAD:バック・ヴォーカル、ZACHARY・SANDERS:バック・ヴォーカル、BARBARA・MASSEY:バック・ヴォーカル、LEE・GOODALL:ベース・クラリネット、PAT"TACO" RYAN:アルト・サックス、JOEL・DORN:プロデュース:B面(ROBERTA・FLACK,DON・McLEAN)などアメリカ東海岸のミュージシャン達が参加しています。
尚、本アルバムと '77年の[The Player Not The Game]は、'10年11月24日UNIVERSAL MUSIC JAPANよりSHM-CD仕様にて世界初CD化されています。

1曲目"Prime Time Love"(3:39) 重い弦の響きによるベースと軽快なギターの調べとがイントロから流れるミドル・テンポのアーバンチックなサウンドの曲です。非常にパワフルなうえソウルフルな歌声を聴かせるJESSのヴォーカルです。
2曲目"Deeper In Love"(2:59) ストリングスとホーンを加えたポップ色の強い曲の登場です。この曲でもエモーショナルに歌いこなすJEFFとバックの女性ヴォーカル隊とのリズムの掛け合いが好いですね。
3曲目"Brand New Start"(4:45) 一転してソフトでメロウな歌声を聴かせるJEFFと浮遊感のある雰囲気もののバックの演奏が最高の曲です。このアルバムを聴き始めてから30年以上にもなるのですが、未だに聴く度に震えが止まらない本当に素晴らしいJESSの書いたバラードです。
4曲目"Believe In Me"(4:41) イギリスのピアニスト兼S.S.W. DANNY・IRONSTONEがこのアルバムの為に書いた曲と思われます。ご機嫌なファンクなリズムのこの曲を聴くといつもカナダのシンガーGINO・VANNELLIと共通するソウルフルさとエモーショナルな熱さを強く感じます。
5曲目"Bird Of Harlem"(5:34) フレットレス・ベースの渋いサウンドとアシッド感を持ったジャズ・テイストのサックスとギターの調べによる大人の為にある洒落た音楽と言った感じの曲ですね。このさっぱり感は、やはりN.Y.に出向いて収録したからでしょうね。
6曲目"If Ever You Should Change Your Mind"(3:29) この曲も心地好いリズムとサウンドによるファンクな乗りの良さを感じさせる曲ですね。全体的にカラっと乾いた質感のサウンドと間奏で奏でられるツイン・ギターの流れるような響きが最高です。
7曲目"Loving You"(3:35) PAUL・RODGERS(BAD COMPANY)とも曲を一緒に曲を書いていたイギリスのミュージシャンANDY・FRASERの曲です。トロピカルな雰囲気のカリプソ・ソングのサウンドから特徴的ながらシンプルなギターのフレーズを聴かせる軽めのレゲエのリズムも感じます。
尚、ANDY自身によるこの曲の収録については、残念ながら不明です。
8曲目"One World, One People"(5:38) レゲエのリズムを基調にしながらファンク/フュージョンなサウンドを混ぜ込んだJESSとバンド仲間であるギターのJOHN・CARTWRIGHTと一緒に書かれた曲です。シンセサイザーの空間的なサウンドの響きと心地好いリズムの刻みが伝わって来ます。
・歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤)
・歌詞無し 2010年紙ジャケット限定 シリアルナンバー付 SHM-CD盤 (国内盤) 収録時間:34分19秒 (現在、JESSは高齢の為か、残念ながら音楽活動を停止しているもようです。SHM-CD仕様にて世界初CD化されたのは嬉しい限りですが、[The Player Not The Game]は、歌詞付でこちらには歌詞カードが無いとは非常に残念です)'10年12月5日更新
1980年度ベスト5


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写真  JESS RODEN / Live At The BBC
 ・1996 BBC Worldwide Ltd.    BOJCD 015

ソウルフルな歌声とブルース・・・

このアルバムは、イギリスで活躍していたロック・シンガー/ギタリストJESS・RODENのソロ名義7枚目(THE JESS RODEN BANDを含む)のアルバムで、アルバムのタイトル通りBBCホールでの '75年と '77年ライヴを一枚のアルバムにまとめたもので '96年に本国でのリリースです。
ライヴに参加しているミュージシャンは、JESS・RODEN:ヴォーカル/ギターの他、BRUCE・ROBERTS:ギター/バック・ヴォーカル、STEVE・WEBB:ギター/バック・ヴォーカル、JOHN・CARTWRIGHT:ベース、BILLY・LIVESEY :キーボード、PETE・HUNT:ドラム、RONNIE・TAYLOR:サックス、CHRIS・GOWER :トロンボーンなどTHE JESS RODEN BANDでのミュージシャンが参加しています。

1曲目"Ballad Of Big Sally"(5:35) 観客の拍手とピアノの旋律に促されて登場するJESSのシャウトする歌声が響くロック"ン" ロールのリズムの曲です。スタジオ録音での曲は、THE JESS RODEN BAND '76年のアルバム[Play It Dirty... Play It Class]に収録されています。
2曲目"On A Winner With You"(5:47) 1曲目の終りの拍手に対して観客に「ライヴに来てくれたこと嬉しく思う」と挨拶し、この渋め目R&Bの曲へと流れて行きます。ハーモニカのサウンドを真似たJESSのフェイクにエモーショナルなリズムに黒いビートが心地好く響いて来ますね。THE JESS RODEN BAND[Keep Your Hat On]に収録されている曲です。
3曲目"In A Circle"(5:33) この曲も[Keep Your Hat On]に収録されている心地好いグルーヴを伝えてくれる曲です。サビの部分のメロディとリズムの流れの心地好さはとベースのファンクは、特筆すべきところを感じますね。
4曲目"Desperado"(6:48) ご存じTHE EAGLESのDON・HENLYとGLENN・FREYが '73年に書いた曲のカバーで、JESSが当時のライヴで良く演奏していたライヴでのスロー・バラードの定番曲です。ここでの収録は、先の曲のエンディングから自然な流れによるサックスとピアノによる3分近いイントロになったインストゥルメンタルのアレンジから後半にはJESSのそのソウルフルな歌声をたっぷりと響く濃い目サウンドの収録となっています。
5曲目"Stay In Bed"(4:11) ブルース・コードによるギターの調べに合わせて歌うJESSの弾き語りに近い収録による曲です。アメリカ南部の音楽からの影響を強く感じさせる感じです。この曲も先に紹介した[Play It Dirty... Play It Class]に収録されています。
6曲目"Crystal Eye"(6:27) タンバリンを叩きながら「同じアルバムからの収録曲のクリスタル・アイ…」と曲紹介した後に演奏されるロック色を少し強めたブルースの曲です。THE JESS RODEN BAND時代には"Me And Crystal Eye" として収録されていたナンバーです。
7曲目"You Can Leave Your Hat On"(4:21) 「次の曲はRANDY・NEWMANの曲です」と紹介しながら演奏されるメンフィス調のブルースのリズムとメロディによる曲です。TOM・JONESが歌ったカバー曲は、映画のサウンド・トラックにも使われています。
8曲目"Blowin'"(5:19) 観客の盛大な拍手の後の静寂さの中から始まるミドル・テンポによるダンサブル・ナンバーです。[Keep Your Hat On]に収録されているメロウな心地好さを伝えてくれる秀曲です。
9曲目"Can't Get Next To You"(8:47) THE TEMPTATIONS '69年のビルボード・シングル・ヒット1位になった曲のカバーです。ブルース・フィーリングをたっぷり持たせたライヴ曲ならではと言う感じが伝わって来ます。
10曲目"Jump Mama"(4:27) ハモンドのサウンドと共に小気味よく奏でられるギターのリフがイントロから目白押しの曲です。ブルース感のある長いギター・ソロとJESSのソウルフルでエモーショナルな歌声が圧巻です。この曲も[Keep Your Hat On] に収録されています。
11曲目"All Night Long"(3:48) ホーンの煌びやかなサウンドとロック"ン" ロールのリズムが押し寄せる曲です。アメリカのソウル・ミュージック・バンドのスタイルに非常に近いサウンドを感じる曲で、JESSによって書かれた彼のライヴでのエンディング曲の位置に置かれているナンバーのようです。この曲までの収録は、BBC Radio 1でのコンサートを収録しています。
12曲目"Lies"(3:53) この曲よりBBCのJOHN PEEL SHOWでの収録曲となって観客の拍手などは、収録されていなく録音状態も非常に良くなっています。リズミカルなギターサウンドに乗せて気持ち良く歌うJESSの歌声が伝わって来ますね。
13曲目"Honey Don't Worry"(5:56) この曲の雰囲気は、後のソロ名義での '80年の名盤[Stone Chaser]のご機嫌なサウンドとメロディを感じさせるソウル/ファンクなナンバーです。オリジナル曲は、ベースのJOHN・CARTWRIGHT作詞/作曲による未発表曲です。
14曲目"Under Suspicion"(3:21) '74年のソロ名義盤とTHE JESS RODEN BANDでのシングル盤に収録されているJESSの書いた曲です。リズミカルなドラムとベースのサウンドのうねりが心地好い響きを伝えるクールなナンバーです。
15曲目"What Took Me So Long"(3:43) 歯切れの良いファンクなリズム・ギターにホーンのサウンドがイントロから流れるブルー・アイド・ソウル然としたナンバーです。サウンド的には、同じ時代に活躍していた AVERAGE WHITE BANDと共通性を強く感じます。
歌詞無し 写真ライナー U.K.製 (輸入盤) 収録時間:77分59秒 (過去のアルバムの値が高騰している為か '09年6月にIsland Recordsに在籍していた頃の曲を中心にしたベスト盤がリリースされています)'10年4月24日再更新


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写真  JOAN THIELE / Joan Thiele
 ・2016 Universal Music Italia S.r.l.    0602547957542

注目を怠っている間にリリース・・・

このアルバムは、イタリアの北部ベローナ近郊の街デセンツァーノ・デル・ガルーダ出身のS.S.W.JOAN・THIELEのデビュー・アルバム(7曲EP盤)で '16年6月10日にヨーロッパでのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOAN・THIELE:ヴォーカル/ギター/キーボード、FABRIZIO・FERRAGUZZO:ベース/プロデュース、RICCARDO・"deepa" DI・PAOLA:シンセサイザー/ドラム・マシーン/ローズ、DONATO・ROMANO:プログラミング、JAMY・CARUSO:ベース/シンセサイザー/ピアノ、LUCA・CARUSO:ドラム/パーカッション/ドラム・マシーン、DANILO・FLORIO:ヴァイオリン/ヴィオラ、PARALLEL・RELEASE:サウンド・デザイン/テープ・マシーン、ANDRE・LINDAL:ギター/バック・ヴォーカル/プロデュース、ANTHONY・PRESTON:ギター/バック・ヴォーカル/プロデュース、GREGORY・MORGAN:ドラム/プロデュース、LAUREN・DYSON:バック・ヴォーカル、P.WEIHE:ピアノ、FARHOT:ピアノ、G.SCHAZAD:ヴァイオリン、P.THIMM:チェロ、H.KUHR:チェロの収録地によるミラノ、ロンドン、ロス・アンゼルスやドイツのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Save Me"(3:47) シングル曲としてもリリースされているこのアルバムからの一押しの曲です。ドラム・マシーンを使ったエレクロトニカのスローなリズムよる今風の曲調べとなっています。イントロ部分にJOANがアコースティック・ギター爪弾く別映像を加えたビデオも配信されています。
2曲目"Cup Of Coffee"(3:34) JOANの特徴的な少し訛りのある英語の発音が魅力的な曲です。日常の生活から自分を見つめる直した歌詞を綴った女性らしい曲のイメージが伝わって来ます。
3曲目"Heartbeat"(3:01) リズム アンド ブルースぽい曲調によるバラードです。フェンダー系のエレクトリック・ギターを爪弾きながら歌うJOANです。前の2曲に比べサウンド的には大人し目の地元で活動していた頃の感じですね。
4曲目"Lost One"(3:56) この曲を取り上げたところに大手Universal Musicの意図が感じられますね。今風にアレンジ換えをしたカバー曲を取上げするのもそのミュージシャンの手腕を感じさせるところです。また、この曲もビデオとなっています。
尚、オリジナル曲は、LAURYN・HILL '98年のソロ名義アルバムに収録されているHip-Hopな曲です。
5曲目"Rainbow"(4:08) このアルバム・リリース前にJOANがアコースティック・ギター1本で弾き語りにて歌っていた '13年頃の曲です。今回の収録では、エコーの効いたピアノの調べと少しスローにしたリズムによるゆったりとした流れが心地好いです。収録は、ロス・アンゼルスに出向き有名ミュージシャンの収録にも参加しているミュージシャン達と行われています。
6曲目"Taxi Driver"(3:04) この曲も今時の女性シンガー風のエレクトロニカなサウンドを感じさせる曲です。キャッチーなメロディとサウンドからこの曲もビデオが制作されています。
7曲目"You & I"(4:14) 淡々と流れるピアノの調べと混沌としたバックのストリングの調によるダークなイメージの曲です。明るく端正なJOANの歌声との対比が興味深いです。収録地にドイツのハンブルグを選んだ理由が読み取れますね。
全7曲歌詞付 16ページ写真ブックレット 2折紙ジャケット仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:25分59秒 (このアルバムの収録曲の他、多数のオリジナル曲を持っているJOANですが、何故7曲EP盤でしょうか、フルトラック・アルバムのリリース前の様子見でしょうか、'13年頃よりJOANに注目していたのですが知らない間にこのEP盤がリリースされていました)'17年5月27日更新


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写真  JO HAMILTON / Gown
 ・2009 Poseidon Records    PSDN001

個性派JO・HAMILTON・・・

このアルバムは、イギリス中部の都市バーミンガムで活躍しているS.S.W.JO・HAMILTONの '09年9月本国でリリースされたデビュー・アルバム(2000年の未発売アルバムは含まない)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JO・HAMILTON:ヴォーカル/ギター/ヴィオラ/ヴァオリンの他、CHARLES・WEST:ベース、RYAN・TREBILCOCK:ダブル・ベース、ANDY・GUNN:ギター、TOM・LIVEMORE:ギター/プログラミング、MIKE・BETHEL:ギター、JON・COTTON:ドラム、PHIL・CARTER:ドラム、ROB・PETERS:ドラム、DAVID・PICKING(GRAMOPHONE):ドラム、GEZ・McGUIRE:ドラム、LEIGHTON・HARGREAVES:ダルシマー/ヴァイオリン、SIMEON・MURRAY(VEYA SAXOPHONE QUARTET):サックス/クラリネット、MIKE・HURLEY:ピアノ、RICH・HUGHES:ピアノ、THE ENIGMA QUARTET(LIZI・TONEY:ヴァイオリン、CHARLOTTE・MILES:ヴァイオリン、ELLEN・BROOKES:ヴィオラ、LIZ・GARSIDE:チェロ)、RUTH・ANGELL:ヴァオリン、CHARLOTTE・HORTON:ヴァイオリン、KATE・SCRIVENS:ヴァオリン、PHILIPPA・GREEN:ヴァオリン、PALOMA・TRIGAS・PAYNE:ヴァオリン、JAMES・HAPPENIK:プログラミング、ANTTI・SAARIO:ヴォイス・エフェクト、TORGNY・ALBERTSEN:ヴォイス・エフェクトなど多くのミュージシャン達が参加しています。
プロデューサーは、レーベルの主宰でもあるJON・COTTON(GRAMOPHONE)が担当しています。

1曲目"Exist(Beyond My Wildest Dreams)"(5:46) サイケデリック/エクスペリメンタルなサウンドを感じるイントロのサウンドに続いて登場する叫びに似たJOの歌声とバックの掛け声的なコーラスが印象的な曲です。ため息混じりにも歌うJOの歌声とバックのサウンドが縦横無尽に広がって来ます。
2曲目"Pick Me Up"(3:24) 次第のテンポを上げて来るエモーショナルなリズムとソリッドな電子ビートを強く感じさせる曲です。1曲目とのサウンドとは対照的なエレクトロニカ/ロックによるJOの音楽の懐の深さを感じさせます。
3曲目"There It Is"(3:53) ゆったりと奏でられるナイロン弦ギターの優しい響きと低いキーから高いキーで透明感のある歌声まで聴かせるJOの歌声を堪能できる落ちついた曲調の曲です。このJO・HAMILTONの作り出す独特の音楽の世界に私を引き込んだ1曲でもあります。
4曲目"How Beautiful"(4:47) 重く響くシンセ・ベースのサウンドに淡々としたビートを放つドラムの演奏が印象的なアシッド・ロック的な曲です。JOの高域で非常に美しい歌声とアシッド感のあるバックの演奏とが対照的で興味深いです。
5曲目"Deeper(Glorious)"(5:40) レーベルであるPoseidon RecordsのHPのバック・グランド・サウンドに使われているソナー探査音がイントロから流れるダウンテンポで引きずり感のある曲です。淡々と歌詞を口ずさむJOの歌声も後半からエモーショナルに歌い上げるアレンジも見事で、約1分半程度のアウトロからエンディングにはアコースティック・ギターの爪弾きと東南アジア風の子供達の会話と雑踏のS.E.が使用されている模様です。
6曲目"Paradise"(6:15) 前半に北欧系の会話を話す人物の会話をS.E.に使った組曲風のアレンジから非常に美しい響きを聴かせるアコースティック・ギターの調べに乗せて歌うJOのメランコリックな歌声が切なく流れる、触れれば壊れそうな繊細な曲です。この曲にもアウトロにはヒドゥン・トラックのような小さなパートが挿入されています。
7曲目"All In Adoration"(4:33) 少しサウンドを明るくしてきた近年の主流である女性シンガーが歌う曲のような曲調とコケティシュ(良い意味での)な歌声で巧みに聴く者を惹きつけるJOの魅力を感じさせてくれます。また、バックのシンプルながら印象に残るSIMEON・MURRAYのサックスとクラリネットの絡みも感じ良いです。
8曲目"Liathach"(4:46) 今度は、ピアノの演奏と清楚な歌声を聴かせるJOの歌声から入るシンプルなイントロが配された曲です。途中よりダイナミックに更にワイドにサウンドを広げながらエモーショナルにJOが歌い上げます。
9曲目"Mekong Song"(4:50) 世界のあちこちを旅して来たJOがその美しさに魅了されたメコン河を題材にした曲の登場です。神秘的な響きを聴かせるアコースティック・ギターの調べに仏教国の夕焼けに似合いそうな鐘の音色が心地好く響いています。
10曲目"Winter Is Over"(2:49) アルバム・リリース前の '09年4月にダウンロード販売されたシングル用のこのアルバムの中では比較的時間の短い曲です。JOのアコースティック・ギターの弾き語りを中心に楽しさを感じさせるワルツのリズムを刻むストリングスのサウンド群に彩りされた春の訪れを歌っています。
11曲目"Think Of Me"(4:44) オルゴールの優しい響きとピアノの調べが美しいメロディアスな曲です。少し孤独感を感じる(そこが魅力的なのですが)JOの歌声と叙情さ溢れるサウンドに暫し浸りましょう。
歌詞無し 限定サイン入ポストカード付 3折デジパック仕様 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:51分34秒 (個性派JO・HAMILTONのアルバムの魅力を一言で表現しようとすれば、プロモーション用ビデオなどの映像関係も辣腕さを感じさせる「映像美」が各曲に表現されているところでしょうか)'10年11月28日更新


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写真  JO HAMILTON / Gown Special Edition
 ・2011 Poseidon Records    PSDN001SE

装いも新たにJO・HAMILTON・・・

このアルバムは、イギリス中部の都市バーミンガムで活躍しているS.S.W.JO・HAMILTONの '11年1月17日本国でリリースされた[Gown] 特別盤(通常盤に3曲のボーナス・トラックとPDFブックレットへのアクセスコード付き)です。
本レビューとしては、'09年9月にリリースされた通常盤を基にして記載し、特別盤としての項目を追加して掲載しています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JO・HAMILTON:ヴォーカル/ギター/ヴィオラ/ヴァオリンの他、CHARLES・WEST:ベース、RYAN・TREBILCOCK:ダブル・ベース、ANDY・GUNN:ギター、TOM・LIVEMORE:ギター/プログラミング、MIKE・BETHEL:ギター、JON・COTTON:ドラム、PHIL・CARTER:ドラム、ROB・PETERS:ドラム、DAVID・PICKING(GRAMOPHONE):ドラム、GEZ・McGUIRE:ドラム、LEIGHTON・HARGREAVES:ダルシマー/ヴァイオリン、SIMEON・MURRAY(VEYA SAXOPHONE QUARTET):サックス/クラリネット、MIKE・HURLEY:ピアノ、RICH・HUGHES:ピアノ、THE ENIGMA QUARTET(LIZI・TONEY:ヴァイオリン、CHARLOTTE・MILES:ヴァイオリン、ELLEN・BROOKES:ヴィオラ、LIZ・GARSIDE:チェロ)、RUTH・ANGELL:ヴァオリン、CHARLOTTE・HORTON:ヴァイオリン、KATE・SCRIVENS:ヴァオリン、PHILIPPA・GREEN:ヴァオリン、PALOMA・TRIGAS・PAYNE:ヴァオリン、JAMES・HAPPENIK:プログラミング、ANTTI・SAARIO:ヴォイス・エフェクト、TORGNY・ALBERTSEN:ヴォイス・エフェクトなど多くのミュージシャン達が参加しています。
プロデューサーは、レーベルの主宰でもあるJON・COTTON(GRAMOPHONE)が担当しています。
尚、先にも記載しましたが、Special Editionとしての内容は、3曲のボーナス・トラック"Release Us(live)" "Alive, Alive" "Think Of Me(Radio Mix)" とPDFによる特別ブックレットのダウンロードサービスが付属しています。

1曲目"Exist(Beyond My Wildest Dreams)"(5:46) サイケデリック/エクスペリメンタルなサウンドを感じるイントロのサウンドに続いて登場する叫びに似たJOの歌声とバックの掛け声的なコーラスが印象的な曲です。ため息混じりにも歌うJOの歌声とバックのサウンドが縦横無尽に広がって来ます。
2曲目"Pick Me Up"(3:24) 次第のテンポを上げて来るエモーショナルなリズムとソリッドな電子ビートを強く感じさせる曲です。1曲目とのサウンドとは対照的なエレクトロニカ/ロックによるJOの音楽の懐の深さを感じさせます。
3曲目"There It Is"(3:53) ゆったりと奏でられるナイロン弦ギターの優しい響きと低いキーから高いキーで透明感のある歌声まで聴かせるJOの歌声を堪能できる落ちついた曲調の曲です。このJO・HAMILTONの作り出す独特の音楽の世界に私を引き込んだ1曲でもあります。
4曲目"How Beautiful"(4:47) 重く響くシンセ・ベースのサウンドに淡々としたビートを放つドラムの演奏が印象的なアシッド・ロック的な曲です。JOの高域で非常に美しい歌声とアシッド感のあるバックの演奏とが対照的で興味深いです。
5曲目"Deeper(Glorious)"(5:40) レーベルであるPoseidon RecordsのHPのバック・グランド・サウンドに使われているソナー探査音がイントロから流れるダウンテンポで引きずり感のある曲です。淡々と歌詞を口ずさむJOの歌声も後半からエモーショナルに歌い上げるアレンジも見事で、約1分半程度のアウトロからエンディングにはアコースティック・ギターの爪弾きと東南アジア風の子供達の会話と雑踏のS.E.が使用されている模様です。
6曲目"Paradise"(6:15) 前半に北欧系の会話を話す人物の会話をS.E.に使った組曲風のアレンジから非常に美しい響きを聴かせるアコースティック・ギターの調べに乗せて歌うJOのメランコリックな歌声が切なく流れる、触れれば壊れそうな繊細な曲です。この曲にもアウトロにはヒドゥン・トラックのような小さなパートが挿入されています。
7曲目"All In Adoration"(4:33) 少しサウンドを明るくしてきた近年の主流である女性シンガーが歌う曲のような曲調とコケティシュ(良い意味での)な歌声で巧みに聴く者を惹きつけるJOの魅力を感じさせてくれます。また、バックのシンプルながら印象に残るSIMEON・MURRAYのサックスとクラリネットの絡みも感じ良いです。
8曲目"Liathach"(4:46) 今度は、ピアノの演奏と清楚な歌声を聴かせるJOの歌声から入るシンプルなイントロが配された曲です。途中よりダイナミックに更にワイドにサウンドを広げながらエモーショナルにJOが歌い上げます。
9曲目"Mekong Song"(4:50) 世界のあちこちを旅して来たJOがその美しさに魅了されたメコン河を題材にした曲の登場です。神秘的な響きを聴かせるアコースティック・ギターの調べに仏教国の夕焼けに似合いそうな鐘の音色が心地好く響いています。
10曲目"Winter Is Over"(2:49) アルバム・リリース前の '09年4月にダウンロード販売されたシングル用のこのアルバムの中では比較的時間の短い曲です。JOのアコースティック・ギターの弾き語りを中心に楽しさを感じさせるワルツのリズムを刻むストリングスのサウンド群に彩りされた春の訪れを歌っています。
11曲目"Think Of Me"(4:44) オルゴールの優しい響きとピアノの調べが美しいメロディアスな曲です。少し孤独感を感じる(そこが魅力的なのですが)JOの歌声と叙情さ溢れるサウンドに暫し浸りましょう。

以下はSpecial Editionとしてのダウンロードサービスによる曲です。
12曲目"Release Us(live)"(3:18) 躍動的なドラムのビートが力強くイントロから流れるアップテンポの曲です。暫くからして登場するJOの清楚ながら時折高域にまで広がる伸びやかな美しい歌声が響くやはりライヴ受けするような彼女の楽曲の中では、ロック色の強い曲です。
13曲目"Alive, Alive"(2:19) ドイツで開発されたAirPianoにて新たに作曲された新曲と思われます。AirPianoの不思議なサウンド聴かせる非常に幻想的な雰囲気が漂う曲です。
14曲目"Think Of Me(Radio Mix)"(3:51) 通常盤の最終曲のラジオ用ヴァージョンです。ベース・トラックが4分弱程度になるようリズムを上げリズム・トラックも新たにテンポ良く曲が進みますね。
歌詞無し 限定サイン入ポストカード付 スリップケース2重梱包 3折デジパック仕様 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:60分59秒 (装いも新たにワールドワイド向けに再リリースされたJO・HAMILTONのこのアルバム、本国イギリス以外のファンもきっと増えるでしょうね!)'11年1月16日更新
2011年度ベスト5


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写真  JOHAN CHRISTHER SCHÜLZ / Passion
 ・2004 Acousticolour Records   ALCR 0401

スウェディッシュ・ボサ・ノヴァのご機嫌なリズム・・・

スウェーデンで活躍するJOHAN・CHRISTHER・SCHÜLZ '04年9月21日に本国でリリースされたのデビュー・アルバムで、全曲ボサ・ノヴァとサンバのリズムの曲が目白押しのアルバムとなっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHAN・CHRISTHER・SCHÜLZ:ヴォーカル/ギター/ベース/ドラム/パーカッション/プロデュースの他、GLENN・FRANSSON:アコーステック・ベース、INGEMAR・HJERTÉN:アコーディオン/ヴァイオリン、NIKLAS・HAKEGÅRD:ピアノ、OLLE・BOHM:ヴィブラホン/ギロ、SOFIA・WESTLIN:フルート、THOMAS・FRISTEDT:ボンゴ/コンガ、ANNA・HANSEN:ヴァイオリン、SARA・TOFTGÅRD:ヴァイオリン、PELLE・HANSEN:チェロ、LINN・HJERTÉN:ヴァイオリンのスウェーデンのミュージシャン達です。

1曲目"Passion"(3:35) ご機嫌なボサ・ノヴァのリズムに爽やかなフルートの音色です。JOHANのボサ・ノヴァに対するこだわりと愛情を感じるアルバムのオープンに相応しい曲です。
2曲目"There's Only You"(2:58) 1曲目より少しテンポを落としたリズムです。フランスのカフェ辺りでの演奏が非常に似合いそうな曲です。間奏もたっぷり聴かせる間合いとボサ・ノヴァの良さを熟知したアレンジです。
3曲目"All Because Of You"(3:41) 長いストリングでのイントロに続いて登場する哀愁漂うナイロン弦の調べとフランス映画のワンシーンのようなサウンドの曲です。JOHANの切ない歌声とアコーディオンの音色が悲しみを誘います。
4曲目"Think Of Me"(3:22) ナイロン弦ギターの爪弾きに被せたセミ・アコ・ギターのこれまた切ない響きの曲です。JOHANの心の想いを歌詞に一杯詰め込んだインテリジェントな1曲です。
5曲目"So Happy"(2:33) ギター1本でのスローな弾き語りです。落ち着いたシンプルな曲でリズムに合わせて使い分けたギターの爪弾きをJOHANは聴かせます。
6曲目"Pinch My Arm"(4:15) ナイロン弦ギター美しい響きと深く響くパーカッションの鼓動が印象的な曲です。JOHANのメランコリックな歌声と切ないビブラホーンの音色が堪りません。
7曲目"Prague This Spring"(1:54) 非常に爽やかなフルートの音色と細かくまたリズミカルに弾かれるギターの調べの心踊る曲です。2分少々と短いのが残念でもっと聴きたいところで曲は終わります。
8曲目"Reach The Top"(4:51) ピアノとアコーディオンでのアンサンブルな1曲です。初夏の昼下がりのストックホルムの街中でJOHANが心地よくギター演奏している姿を想像させる曲です。
9曲目"I'm Here"(3:29) この曲もリズムの流れが優雅で心地好いです。JOHANのボサ・ノヴァへのこだわりと執着心を垣間見る彼の作曲です。
10曲目"This Is Forever"(1:51) この曲はスローなジャズスタイルの曲です。お洒落なピアノ・バーでの演奏やホテルのラウンジ・ミュージックでしょうか本当にスウェーデンの人の音楽の幅の広さに感心させられます。
11曲目"Don't Turn The Page"(3:57) マイナー・コードのよるシリアスなバラードの弾き語り曲です。ただし、トーキング・モジュレーターを使ったヴォーカル・スタイルにも遊び心の演出も忘れていません。
12曲目"Tousled Kitten Samba"(3:17) 早口で繰り出されるJOHANのヴォーカル曲です。サンバとボサ・ノヴァの中間と言ったようなサウンドとリズムでしょうか。間奏のウッド・ベースがご機嫌な演奏を聴かせます。
13曲目"Before You Go Away"(5:30) 哀愁のメロディと切ないリズムの曲です。恋人との別れを綴ったJOHANの歌詞が切なさを誘います。後半からのリズムとサウンドのアレンジはぐっと豪華さを増した粋なアレンジです。
歌詞なし 写真ライナー デジパック仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:45分42秒 (日本でもこのアルバム聴いている人は結構いるみたいですね!JOHANは次のアルバムを制作後の '07年11月に来日しています)'10年6月21日再更新


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写真  JOHN MAPPIN / The Ripples Of Peace
 ・2003 John Mappin    5 060051 440182

企画的なものを感じますが・・・

銀細工や宝石に詳しい方ならご存知と思うのですが、ロンドンのリージェント・ストリートに店を構える老舗宝飾店MAPPIN & WEBBの経営者を家族に持ち本人もコーンウォールの古城ホテルCAMELOT CASTLEを経営するJOHN・MAPPIN '03年のデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHN・MAPPIN:ヴォーカル/キーボード/プロデュース、JAMES・BARNES:ギター、MAYA・ELLIOT:ピアノ、GARY・BELFIELD(RONNY・JORDAN):フルート、CRESSIDA・JOHNSTONE:バック・ヴォーカルのイギリスのミュージシャン達です。

1曲目"Something"(4:10) イントロから心地好く流れるフルートの調べに促されて登場するJOHNのメランコリックな歌声が広がるバラードです。ムーディなギターのサウンドに重ねられたフルートの調べも美しく届いて来ます。
2曲目"Nimue"(4:37) この曲もメランコリックなサウンドとメロディによる曲で、JOHNが少し熱く歌います。バックの女性ヴォーカルCRESSIDA・JOHNSTONの歌声も美しく響きながら流れ去ります。
3曲目"Simple Things"(3:11) キーボード、ギターと女性ヴォーカルのサウンドなど大好きなPREFAB SPROUTのサウンドに通じる曲です。JOHN・MAPPINの音楽紹介にそのPREFAB SPROUTと似た感じと記事を目にした事も納得出来る曲ですね。
4曲目"Mythology"(4:42) ソフトなJOHNの歌声とアコースティック・ギターの調べが優しく響く曲です。スローに流れる心地好いビートとJAMES・BARNESの官能的なギターの調べは特筆すべきですね。
5曲目"Mr Blue"(3:26) この曲も大人の雰囲気を感じさせる曲で、ラウンジなどでそっと流されるのが似合いそうな感じですね。同名の曲が何曲かありそうですが、この曲はJOHNのオリジナルです。
6曲目"Irina"(3:54) JOHNの奥さんIRINAの事を歌った曲です。アコースティック・サウンドを基調とした穏やかな流れと美しいピアノの調べで彩りされています。
7曲目"Inner Truth"(3:29) シングル曲としても紹介されているこの曲も美しいメロディとサウンドを持った曲です。メランコリックなJOHNの歌声と彼のピアノの調べで繰り広げられる切なさ一杯の流れです。
8曲目"Strangers"(4:00) 映画音楽のイメージを感じさせるサウンドによる叙情的なメロディが流れるスローな曲です。この曲を含みJOHNのプライベート性の高い企画的なものを感じますが、先ずは彼の音楽を素直に楽しむ事にしましょう。
9曲目"Confession"(3:16) 少し感じの似た曲が続いていますね。スローなリズムに非常にエコーを効かせたJOHNのピアノによる弾き語りです。心に秘めた想いを綴った歌詞を口ずさむJOHNの切ない歌声を響きます。
10曲目"There's A Bridge"(4:16) 少しテンポを上げて来た牧歌的なサウンドとそのサウンドに似た牧歌的な風景を描写した歌詞による曲です。シンプルなコード進行による聴き易さや口ずさみ易さを感じますね。
11曲目"The Ripples Of Peace"(3:04) 今度はポップ調と言うか軽めレゲエのリズムの曲の登場です。バックに流れるように響くフルートの調べと女性バック・ヴォーカルの歌声が心地好く響きます。
12曲目"The Gift"(3:53) この曲はイントロから非常に美しいメロディとサウンドを聴かせる洒落た大人の曲を感じさせます。スムーズなピアノの調べ漂うように響くギターのサウンドが広がっています。
13曲目"Something(Piano Mix)"(3:32) 1曲目の曲をJOHNのピアノの弾き語り形式で再収録した曲です。軽くアコースティック・ギターで彩った感じのシンプルな形となっています。
歌詞無し ライナー無し 紙ジャケット仕様 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:49分39秒 (若い時には映画にも出演していたJOHN・MAPPINですが、最近は先の古城ホテルの宿泊客と誇大広告とのトラブルになっているようです:余談申し訳なく)'11年6月25日更新


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写真  JOHN MARTYN / One World
 ・1977 Island Records
 ・2004 Universal-Island Records Ltd.    981 922-2

やはりJOHNの代表作・・・

このアルバムは、イギリスで活躍していたS.S.W.JOHN・MARTYNの11枚目(コンピ/ライヴ盤を含む)のアルバムで、本国でのオリジナル盤のリリースは '77年11月です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHN・MARTYN:ギター/ヴォーカル/ハーモニカの他、STEVE・WINWOOD:キーボード/シンセサイザー、DAVE・PEGG:ベース、DANNY・THOMPSON:ベース、NEIL・MURRAY:ベース、HANSFORD・ROWE:ベース、JON・STEVENS:ドラム、ANDY・NEWMARK:ドラム、BRUCE・ROWLANDS:ドラム、MORRIS・PERT:パーカッション、KESH・SATHIE:タブラ、RICO:トロンボーン、GEORGE・LEE:サックス、JOHN・FIELD:フルート、HARRY・ROBINSON:ストリングスのJOHNの初期のアルバムからのお馴染みミュージシャン達です。今作のプロデュースは、アイランド・レーベルのCHRIS・BLACKWELLが担当しています。
尚、今回レビューした盤は '04年11月2日にヨーロッパにてデジタル・リマスターされた2枚組再発売盤です。

DISC:1 収録時間:38分44秒
1曲目"Dealer"(4:58) JOHNの得意とするMu-tronのエフェクターを使ったファンキーな曲です。STEVE・WINWOODのムーグが前面に広がり、今で言うエクスペリメンタル(実験的)な効果的に歌いまくるJOHNです。
2曲目"One World"(4:04) リズムを落として切なく歌うJOHNの歌声と手元でささやかに弾くギターの音色が素晴らしい曲です。ベース、キーボードにギター程度のシンプルな楽器構成による収録です。
3曲目"Smiling Stranger"(3:29) 荒れてワイルドの雰囲気を醸し出す曲です。タブラによるインド音楽の独特のサウンドとリズムから後半に登場するストリングスの穏やかなサウンドのコンビネーションも当時では斬新だったでしょう。
4曲目"Big Muff"(6:32) 「大失態」と題して良いのでしょうかこの曲のタイトルは。歌詞の内容は、CCM的でリズムからはレゲエ風の感じもします。例えるならCLAPTON[461 Ocean Boulevard]って感じかな。
5曲目"Couldn't Love You More"(4:18) JOHNの代表曲ですね。後に本題が付けられたコンピレーション・アルバムにアレンジ替え/アップデートされたバージョンやベストアルバムの収録として度々取上げられて曲です。
6曲目"Certain Surprise"(4:12) この曲もライヴやベストアルバムに度々取上られるJOHNの代表曲です。ボサ・ノヴァ調のリズムにJOHNの独特の流れるようなヴォーカルとDANNY・THOMPSONのウッド・ベースの音色が本当に素晴らしいのです。
7曲目"Dancing"(3:55) JOHNの細やかなギターの爪弾きによるめずらしくポップ調の曲です。コンピレーション盤としてアメリカでリリースされたものやベスト盤にも取上げられるポップさを持っているのでしょう。
8曲目"Small Hours"(8:43) エレクトリック・ギターのフット・ヴォリュームとループにてエコーを効かせた再生音によるインストゥルメンタルと言える前半からもの静かに歌うJOHNと彼の鼓動が聴こえそうな静寂さから届けられます。

DISC:2 1曲目〜5曲目LIVE AT REGENTS PARK,SUMMER 1978, 6曲目〜15曲目 STUDIO OUT TAKES 収録時間:79分54秒
1曲目"Certain Surprise(Live)"(3:06) DISC:6曲目(オリジナルLP盤とは曲順が違っています)のライヴ曲です。アコーステック・ギター1本による弾き語りです。観客がシーンとなってJOHNの歌声と演奏に聴き入っている感が良く伝わって来ます。
2曲目"Couldn't Love You More(Live)"(3:11) もう何十年も前だろうかな。JOHNの持つ独特の魔術にかかった最初の曲です。ここでもアコーステック・ギター1本による弾き語りで囁くように歌うJOHNです。
3曲目"One World(Live)"(5:20) ドラム・マシーンとエレクトリック風(エフェクターを使っているかも)・ギターを使って演奏です。フット・ヴォリュームを使って波打つエコー効かせ方は格別ですね。生演奏時でのノイズ類を上手く拾って幻想的な雰囲気を伝えています。
4曲目"Dealer(Live)"(6:11) 今度は、アコーステック・ギターに外付ピックアップ通してJOHNお得意の演奏スタイルです。立て板に水的な呪文を唱えるJOHNとこれまたシーンと聴き入る観客の姿が目に浮かびます。
5曲目"Small Hours(Live)"(7:23) イントロから感じる雰囲気は、後の"Hurt In Your Heart" に近い物があります。改めてこの年代JOHNの曲を聴き直すと斬新な音作りをしていたなと感心致します。
6曲目"Black Man At The Shoulder"(5:53) Mu-tronのエフェクターを使ったクールなJOHN節と言えるナンバーです。バックで響く野太いベースの調べとキビキビとしたドラムのビートがJOHN独特の歌声を支えています。
7曲目"Dealer(First Alternate Take)"(4:31) DISC:1での収録曲よりベースのサウンドが強くキーボードの癖強くした感のアレンジです。収録時間も少し短いのは、後半からアウトロのアレンジが変わっているからと思われます。
8曲目"One World(Alternate Version)"(4:06) 楽器構成を最小限としたバージョンのようです。曲全体の流れはDISC:1での収録と同じようですが、収録曲を決めるまで何パターンもこのようなバージョンが存在しているでしょうね。
9曲目"Smiling Stranger(Instrumental)"(4:42) DISC:1の3曲目のインストゥルメンタルです。スタジオ収録の合間に練習がてら演奏した感のあるジャム・セッション的な要素を感じます。
10曲目"Big Muff (Alternate Version)"(6:46) エクスペリメンタルなイントロと囁くように歌うJOHNの歌声による楽器構成をミニマムにしたバージョンです 。
11曲目"Certain Surprise(Alternate Version)"(4:47) ドラム・マシーンを使っての収録でしょうか。チャカポコ的なサウンドがご機嫌ですね。DANNY・THOMPSONのダブル・ベースと音色と合間もぴったりにご機嫌に歌うJOHNですね。
12曲目"Dancing(Alternate Version)"(3:44) アップ・テンポでリズミカルなギターの調べの数々、曲のタイトル通りダンスしようぜってJOHNが楽しく歌っています。
13曲目"Big Muff(Drum Machine Version))"(4:52) JOHNの練習曲的のようにドラム・マシーンを使ってお気楽に収録した感のある曲です。ヴォーカル部分に重点を持たせたのか間奏など省かれ収録時間も短くなっています。
14曲目"Dealer(Second Alternate Version)"(4:56) 今度のアレンジは、サスペンス風のスリリングさ強めJOHNの歌声も荒らしたLo-Hiな今で言うオルタナティブ・ロックになっています。
15曲目"Small Hours(Instrumental)"(10:19) やっぱりこの曲は、インストゥルメンタルで聴いても好い曲ですね。10分を超えるエクステンとなった穏やかにまた、センチメンタルな流れに身を任したいと思います。
全8曲歌詞付 26ページ豪華写真ブックレット 2枚組デジパック仕様 E.U.(ドイツ)製 (輸入盤) (DISC:2もじっくり聴いてこれも1つのアルバムとしての完成されている事を実感しました!)'16年11月13日更新


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写真  JOHN MARTYN / Grace And Danger
 ・1980 Island Records
 ・2012 Universal-Island Records Ltd.    0600753267905

ボーナス・トラック満載・・・

このアルバムは、イギリスで活躍していたS.S.W.JOHN・MARTYNの12枚目(コンピ/ライヴ盤を含む)のアルバムで、本国でのオリジナル盤のリリースは '80年10月です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHN・MARTYN:ギター/ヴォーカルの他、TOMMY・EYRE:キーボード/シンセサイザー、JOHN・GIBLIN(SIMPLE MIND):ベース、PHIL・COLLINS:ドラム/バック・ヴォーカル、DAVE・LAWSON:アデッショナル・シンセサイザーの少人数での収録です。
今作のプロデュースは、サウンド・デザイナー出身のMARTIN・LEVAN(COLOSSEUM II,GARY・MOORE)が担当しています。
尚、今回レビューした盤は '07年2月9日にヨーロッパにてデジタル・リマスターされた2枚組の'12年4月18日再発売盤です。

DISC:1 収録時間:63分14秒
1曲目"Some People Are Crazy"(4:20) 重く響くベースのサウンドがイントロから響く渋めの曲です。ハーモニクスで奏でられるベースのトーンと穏やかに歌うJOHNの枯れた歌声は、JOHNの当時の魅力の一つですね。
2曲目"Grace And Danger"(4:05) スピードとスリリングさを増したロック色の強い曲です。間奏で奏でられるJOHNのハイフレットでギブソンSGの飽和したトーンが独特です。
3曲目"Lookin' On"(5:16) アコースティック・ギターを持ち出し今で言うオルタナティヴ・ロックな1曲です。多分、ミニ・ムーグによるジャジーなサウンドとバックで幾重にも奏でられるJOHNのギター・サウンドが圧巻です。
4曲目"Johnny Too Bad"(3:59) 後にリリースされるアイランド・レーベルのコンピレーション盤のレビューにも記載したレゲエ・バンドTHE SLICKERSの '70年ヒット曲です。オリジナル曲にJOHNが歌詞を追加しています。
5曲目"Sweet Little Mystery"(5:27) JOHNの代表作の登場です。TOMMY・EYREの円やかなキーボードの調べが美しく響きます。また、この曲はPHILL・COLLINSとのハーモニーを強調したヴァージョンによって再集録もされています。<
6曲目"Hurt In Your Heart"(4:59) '09年に亡くなる直前、車椅子に座ったままでも行われたライヴでも演奏されたJOHNの代表作で数々のヴァージョンが後に収録されています。BEVERLEY・MARTYNとの破局の最中に書かれた非常に繊細な作品です。
7曲目"Baby Please Come Home"(3:56) フレットレス・ベースの独特の調べから入る穏やかなメロディとサウンドの曲です。間奏とエンディングでトーンを使い分けたJOHNのギターが印象的です。
8曲目"Save Some(For Me)"(3:32) 電子サウンド(シンセサイザー)を多用したちょっと従来のJOHNのサウンドから離れたところに位置するエレクトロニカ・ポップな曲です。バックに女性バック・ヴォーカルが起用されているように聴こえるのは、PHIL・COLLINSでしょう。
9曲目"Our Love"(4:03) 先に記したBEVERLEY・MARTYNとJOHNとの共作による曲です。この曲でもJOHN・GIBLINのベースのサウンドが強調され重く響きます。
オリジナル盤の収録曲は、ここまでです。以降ボーナス・トラックとなっています。
10曲目"Sweet Little Mystery(Live)"(4:58) このアルバムをリリースした翌年 '81年1月のBBCスタジオでの音楽番組(The Old Grey Whistle Test)でのライヴ曲です。詳しいクレジットの記載は無いのですが、バック・ヴォーカルは、PHIL・COLLINS(映像で確認)です。
11曲目"Lookin' On"(Live)(5:13) この曲もJOHNのライヴで良く演奏される曲です。イントロから唸るJOHN・GIBLINまたは、ALAN・THOMSONのフレットレス・ベースのサウンドに荒らしたJOHNのギターのサウンドによるアグレッシヴなイメージの曲です。アルバム収録曲とは違ったアドリブを効かせた演奏となっています。
12曲目"Some People Are Crazy(Live)"(4:43) '81年3月に行われたライヴ(Rock Goes To College)での収録曲です。若干リズムが早い感じがしますが、アレンジはこのアルバム曲と同じようです。
13曲目"Grace And Danger(Live)"(5:02) このアルバムでの収録曲と同じアレンジにパーカッションが加えられたライヴ収録曲です。但し、間奏のギター・ソロがアグレッシヴなTOMMY・EYREのミニ・ムーグの演奏が披露されています。この曲が終わった後にライヴでのメンバー紹介が行われ、キーボード:TOMMY・EYRE、ベース:ALAN・THOMSON、ドラム:JEFFREY・ALLEN、パーカッション:DANNY・CUMMINGSの次のアルバムのミュージシャン達との演奏です。
14曲目"Save Some(For Me)(Live)"(3:34) '81年BBC TV主催 Rock Goes To College での収録の2曲目"Some People Are Crazy"から4曲目"Save Some"と編集無しに収録なった臨場感たっぷりのライヴ収録曲となっています。

DISC:2 UNRELEASED OUTAKES 収録時間:60分51秒
1曲目"Small Hat "(4:22) JOHNの口から「これはテイク2と」イントロ中に録音されています。モノラルなのか録音状態がすこし悪いですが、ロック色豊かなライヴ受けするナンバーです。
2曲目"Johnny Too Bad(First Version)"(4:39) JOHNの音楽を聴き始めてから何ヴァージョン聴いたか不明な曲です。ここでの収録は紹介されているように質素な感じのする初回テイクです。
3曲目"Running Up The Harbour"(6:36) レゲエ/カリプソの影響を感じるトロピカルなナンバーです。何故、未発表/未収録曲になっていたか不思議な感じがしますね。
4曲目"Sweet Little Mystery(First Version)"(4:30) この曲も何ヴァージョン聴いたか不明な曲ですね。JOHNのギター、ベースとドラムによるシンプルな楽器構成による本格的にスタジオ収録に入る前のウォームアップ的に録音したのでしょか。
5曲目"Dead On Arrival"(4:49) 重めのベースの調べとJOHNのエフェクター通しら切れ味のあるギター・サウンドによるロック色の強い曲です。アメリカの大きなアリーナにて爆音で演奏したら観客受けしそうですね。
6曲目"Some People Are Crazy(First Version)"(3:57) オリジナル盤に収録されているものよりイントロと間奏が質素となり収録時間も短くなったヴァージョンです。これはこれで煌びやかさを控えて結構、渋く感じますね。
7曲目"Baby, Please Come Home(First Version)"(4:58) JOHNがギターを爪弾きながら歌い始めながらベースとドラムが後追の形で収録されている落ち着いたナンバーです。曲の途中では、スキャットでそのご機嫌な気持ちをここでも表現しています。
8曲目"Grace And Danger(First Version)"(4:12) この収録は、やはりオリジナル盤に収録されるまでストーリーの長さを感じさせますね。やはり1曲をアルバムに収録する為に幾度となくテイクを繰り返すのですね。
9曲目"Hurt In Your Heart(The Instrumental)"(4:58) 当時、TVライヴや簡易ライヴに使われたであろうインストゥルメンタルです。この曲は、やはりインストゥルメンタルで聴いても好い感じでね。
10曲目"After Tomorrow Night"(4:08) 荒らしたギター・サウンドがイントロから登場するロックンロールです。やはりこのような曲は、ライヴで聴けば乗りに乗るでしょうね。
11曲目"Our Love(First Version)"(4:30) オリジナル盤収録曲よりバック・ヴォーカル等なしのレア・トラック感があります。ドラム、ベース、ギターのみの収録となっています。
12曲目"Lilo Blondino"(5:10) 曲名を中央アフリカのチェワ語を使ったジャムセッション的な曲です。循環コードとベース/リズム・マシーン(多分)による曲作りへのインスピレーションを生む要素を感じます。
13曲目"Johnny Too Bad(Dub Mix)"(3:46) この曲も何ヴァージョンも存在していますね。ホーンやエコーを追加したダブミックスです。但し、JOHNのヴォーカル部分は、ほぼ使われていませんね。
歌詞無し 16ページ写真ブックレット 2枚組 E.U.(ドイツ)製 (輸入盤) (遺作となったアルバム[Heaven And Earth]の項でも書いたのですが、JOHNの自宅スタジオに残された未収録曲がアルバム再発売の機会に紹介されることを嬉しく思います)'18年3月25日更新


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写真  JOHN MARTYN / Glorious Fool
 ・1982 WEA International Inc.
 ・1997 WEA International Inc.    2292-53064-2

JOHN・MARTYNの代表作のひとつ・・・

このアルバムはイギリスで活躍していたJOHN・MARTYNの13枚目のアルバムで、英国でのオリジナル盤のリリースは '81年9月です。このアルバムは、'97年にデジタル・リマスターにてCD化され再発売されたものです。プロデューサーは、PHIL・COLLINS(元GENESIS)が担当し更に演奏では、ドラム/バック・ヴォーカル/ピアノ/ヴォコーダと大忙しです。その他のミュージシャンは、MAX・MIDDLETON:キーボード/シンセサイザー、ERIC・CLAPTON:ギター、ALAN・THOMSON:ベース、DANNY・CUMMINGS:パーカッション、DICK・CUTHELL:フリューーゲルホンと豪華メンバーです。
但し、ERIC・CLAPTONは、1曲目のみギターで参加しています。

1曲目"Couldn't Love You More"(3:59) ERIC・CLAPTONの弾く"ストラト" の乾いたサウンドを挨拶代わりにJOHNの泣きのヴォーカルが切なく登場します。オリジナル曲は '77年の[One World]に収録されていますが、このアルバムに再収録するに際しエレクトリック・ヴァージョンにアレンジし直し歌詞の一部も追加しています。
2曲目"Amsterdam"(5:27) 一転して荒々しいサウンドの曲です。響き渡るエモーショナルなPHILドラムのビートと掻き鳴らせられるギターのサウンドにJOHNのまた違った荒削りな魅力を見せる曲です。
3曲目"Hold On To My Heart"(4:42) 非常に心地よいサウンドとメロディの曲です。JOHNのヴォーカルにDICK・CUTHELLのフリューゲルホーンの音色が心地よく絡み合います。バック・ヴォーカルは、PHIL・COLLINSでJOHNの荒れた歌声とPHILの艶やかな声の質感とのバランスが絶妙です。
4曲目"Perfect Hustler"(7:33) カリプソのトロピカルなサウンドとリズムによる曲です。息をも付かせぬJOHNのヴォーカルです。間奏ではアドリブ的な演奏での収録しょうかJOHNの十八番のライヴでの演奏に非常に近い収録ではないでしょうか。
5曲目"Hearts And Keys"(4:58) 再びスローな曲の登場です。ALAN・THOMSON のフレットレス・ベースのゆったりとしたサウンドとヴォーカル・パートは最小限にしたインストゥルメンタルに近い7分半もある曲です。
6曲目"Glorious Fool"(4:58) 「立て板に水」的に繰り出されるJOHNの独特なヴォーカル・スタイルによる曲です。前の曲とまったく逆のサウンドでJOHNのヴォーカルの隙間を埋める為の最低限の演奏による非常にシンプルな曲です。
7曲目"Never Say Never"(4:56) 荒々しいサウンドの曲の登場です。ワウ・ワウを使ったJOHNのギターのサウンドとバタバタと鳴るPHILらしいドラムのビートの曲です。
8曲目"Pascanel(Get Back Home)"(3:48) エレクトリック・ギターの美しい響きの爪弾きによる切ないメロディによるミドル・テンポのナンバーです。この曲でもPHILのバック・ヴォーカルは効果的に発揮されています。
9曲目"Didn't Do That"(4:20) サウンドだけ聴いていると当時のフュージョン・ミュージックと呼ばれた曲のようです。グルーヴ感のあるリズムと巧みなベース・ランニングと躍動感のあるパーカッションとJOHNの巧みなヴォーカルも含み各ミュージシャンの技量の賜物ですね。これは今聴いても凄いです。
10曲目"Please Fall In Love With Me"(6:07) 幻想的なアンビエント・サウンドによる非常に大人しい曲です。後半からの躍動的に展開するPHILのドラムのビートが効果的に使われた曲です。英国版 "愛への賛歌" でしょうか。
11曲目"Don't You Go"(4:43) PHILのピアノの調べに乗せ歌うJOHNの歌声が切なく響く曲です。バックで響くMAXのシンセも非常にシンプルで一層切なく感じます。
歌詞なし 写真ライナー ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:55分17秒 (当時このアルバムを聴きながら英国にはまだまだ知られていないミュージシャンが多く存在するのだろうと実感させられた1枚です)'10年6月22日再更新


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写真  JOHN MARTYN / Well Kept Secret
 ・1982 WEA International Inc.    Duke 90021-1

JOHN・MARTYNから抜け出せません・・・

U.K.の大御所JOHN・MARTYNの14枚目アルバムで、オリジナル盤は '82年9月のリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHN・MARTYN:ヴォーカル/ギターの他、ALAN・THOMSON:ベース/ギター、JIM・PRIME:キーボード、GERAINT・WATKINS:アコーディオン、PETE・WINGFIELD:キーボード、JEFF・ALLEN:ドラム、ANDY・DUNCAN:ドラム、DANNY・CUMMINGS:パーカッション、MEL・COLLINS:サックス/フルート、RONNIE・SCOTT:サックス、MARTIN・DROVER:トランペット、LEE・KOSMIN:バック・ヴォーカル、STEVIE・LANGE:バック・ヴォーカルのイギリスのベテラン・ミュージシャン達です。
尚、プロデュースは、 IAN・MATTHEWSやSTEELEYE SPANのアルバムを手掛けたSANDY・ROBERTONが担当しています。レコーディング・エンジニア:PHIL・THORNALLEY、レコーディング:MIKE・NOCITOの共にJOHNNY HATES JAZZが担当しています。

1曲目"Could've Been Me"(3:41) 低くうねるベース音と交差するキーボードがJOHNの優しい声と共に響きます。
2曲目"You Might Need A Man"(3:06) エレクトリック・シタールを使ったリズム感のある曲でMEL・COLLINSのサックスソロが激しく入っています。
3曲目"Hung Up"(3:58) LEE・KOSMINとのハーモニーが美しいスローな曲でここでも低くうねるベース音が印象的です。
4曲目"Gun Money"(5:14) エレクトリック・サウンドを多用したタイトな曲でJOHNのヴォーカルは曲調により変幻します。
5曲目"Never Let Me Go"(2:45) 静かなバラードで、RONNIE・SCOTTのサックスが素晴らしい。
6曲目"Love Up"(3:17) ギター・サウンドが特徴的でちょっと変わったリズムです。JOHNの捲くし立てるようなヴォーカルも圧巻です。
7曲目"Changes Her Mind"(4:32) ハモンドの響きを最大限に使い、ベースのリズムと絡み合ったソウルフルな曲でメンフィス調です。
8曲目"Hiss On The Tape"(3:55) リン・ドラムを使ったエレクトリック・ポップ調の曲です。
9曲目"Back With A Vengeance"(3:06) スピード感のあるリズムとパーカッションの躍動感が印象に残る曲です。
10曲目"Livin' Alone"(3:28) ギター・ソロの音色に近いベースのメロディと巧みなJOHNのヴォーカルがこの曲の最大の魅力です。
歌詞なし LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:37分05秒 (JOHN・MARTYNの音楽を30年以上聴き続けています。彼のカリスマ的魅力から抜け出せません)'10年6月22日再更新


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写真  JOHN MARTYN / Electric
 ・1982 Island Records Ltd.    ILPS 9715

JOHN MARTYNの初期のコンピレーション・・・

U.K.大御所JOHN・MARTYNの '73〜'80年の作品を集めたコンピレーション・アルバムで通算15枚目となるアルバムです。オリジナル盤は '82年10月12日にロンドンのISLANDレーベルからリリースされています。

1曲目"You Can Discover"(3:40) アコースティック・ギター弾き語り風にしっとりと聴かせる曲です。
2曲目"Dancing(US MIX)"(3:52) 細かく刻むようなギターのピッキングがポップさを演出する曲です。
3曲目"Certain Surprise(US MIX)"(3:51) ボサ・ノヴァ調のリズムにJOHNの独特の流れるようなヴォーカルとウッドベースの音色がコラボする曲。
4曲目"Dealer(US MIX)"(4:58) ファンキーでアグレッシブなキーボードが特徴的な曲です。
5曲目"Call Me Crazy"(7:24) パーカッションとウッドベースが独特のうねりを持ったどこと無く中近東風の感じがします。
6曲目"Sweet Little Mystery(SINGLE VERSION)"(3:58) PHIL・COLLINS(多分)とのハーモニーが美しい'80年の代表作。
7曲目"Root Love"(4:32) ハードなギターのリフを入れた曲で殆んどインストゥルメンタルです。
8曲目"So Much In Love With You"(2:48) JAZZのカルテットに近い構成での曲JOHNのヴォーカルとギターが堪能出来ます。
9曲目"Johnny Too Bad(12" MIX)"(6:50) レゲエのTHE SLICKERSの代表作でJOHNが歌詞を追加しています。
10曲目"I'd Rather Be The Devil"(6:17) JOHNのパワフルでソウルフルなヴォーカルとエモーショナルなリズムに圧倒される曲です。
歌詞無し LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:48分29秒 (常に進化するJOHN・MARTYNの音楽に対する情熱に頭が下がります)'10年6月24日再更新


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写真  JOHN MARTYN / Sapphire
 ・1984 Island Records Ltd.
 ・2015 Universal-Island Records Ltd.    471 040-3

ROBERT・PALMERへ感謝・・・

このアルバムは、イギリスで活躍していたS.S.W.JOHN・MARTYNの17枚目(コンピ/ライヴ盤を含む)のアルバムで本国でのオリジナル盤のリリースは '84年11月です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHN・MARTYN:ギター/ヴォーカル/リンドラムの他、BARRY・REYNOLDS:ギター、ALAN・THOMSON:ベース/キーボード/リンドラム、JACK・WALDMAN:キーボード、JIM・PRIME(DEACON BLUE):キーボード、ROBIN・RANKIN:キーボード、JAMES・HOOKER:キーボード、STEVEN・STANLEY:リンドラム、ANDY・LYDEN:リンドラム、UZIAH "STICKY" THOMPSON:パーカッション、COLIN・TULLY:サックス、MORWENNE・LAIDLAW:バック・ヴォーカル、TERRY・NEASON:バック・ヴォーカル、LORNA・BROOKS:バック・ヴォーカル、ROYAL NATIONAL ORCHESTRA:オーケストラのお馴染みミュージシャン達です。今作のプロデュースは、JOHN自身が担当しています。
尚、今回レビューした盤は '15年2月3日にヨーロッパにてデジタル・リマスターされた2枚組再発売盤です。

DISC:1 収録時間:41分51秒
1曲目"Sapphire"(5:16) リンドラムの電子リズムと重いALAN・THOMSONのベースのサウンドが迫る正にJOHN節と言える曲です。いつものように枯れた歌声を聴かせるJOHNのバックを支えるベテラン・ミュージシャン達です。
2曲目"Over The Rainbow"(3:24) ご存じ映画『オズの魔法使い』のテーマソング、HAROLD・ARLEN作曲/YIP・HARBURG:作詞 '39年アカデミー歌曲賞を受賞しています。60年代にフォーク・ギター1本で聴衆を魅了していた時のJOHNからは、想像出来ない曲のカバーを収録していますね。
3曲目"You Know"(3:12) 当時のブリティッシュ・ロックのバンドに通じる軽めのリズムと電子サウンドを取入れた軽快なサウンドを持った曲です。ワイルドやエキセントリックさを廃した当時のJOHNの新しいアプローチを感じます。
4曲目"Watching Her Eyes"(3:53) この曲もキーボードや電子サウンドを聴かせる曲(JOHNの鳴きのギターが少ないのが寂しいですが)です。マイルドさを増し円熟期のJOHNの歌声を聴かせる試みのようです。
5曲目"Fisherman's Dream"(4:18) このアルバムからの代表曲として後のコンピレーションやベストアルバムの収録として度々取上げられて曲です。女性ヴォーカル隊をバックに従え心地好く歌うJOHNと彼のさらっと奏でるギターのソロがキモとなっています。
6曲目"Acid Rain"(4:12) 電子ピアノの起伏を持たせたサウンドに固めのギターの音色を重ねた少しポップな雰囲気を感じさせる曲です。電子ピアノを使っての野生動物の鳴き声を真似た実験的サウンドが印象的です。
7曲目"Mad Dog Days"(4:58) イントロから流れるサックスの調べにかっこ良さを感じさせる曲です。リズム的には、レゲエとスカを融合させた気だるさを持ってJOHNのその枯れた歌声を更に切なく聴かせるます。
8曲目"Climb The Walls"(4:14) 今度は、ドラムのリズムを高めて来たアグレッシヴさ感じる曲です。女性バック・ヴォーカルを率い(5曲目もそうだったのですが、この当たりにROBERT・PALMERからの影響があるのでは)JOHNが歌います。
9曲目"Coming In On Time"(3:33) イントロからエキセントリックな流れとサウンドを持った電子サウンドが流れる曲です。バックで忙しなく流れる電子サウンドの数々の中に鎮座して歌うJOHNの様を想像してしまいます。また、この曲の歌詞の中にもアルバム・タイトルの"Sapphire" が再び登場しています。
10曲目"Rope-Soul'd"(4:47) ゆったりと歌うJOHNの歌声のバックに広がるALAN・THOMSONのフレットレス・ベースの響きとCOLIN・TULLYの孤高な響きを持ったサックスの調べと言えば、この時期のJOHNの典型的な十八番言える曲です。曲の終焉まで声を荒げることなくゆったり歌うJOHNです。

DISC:2 収録時間:69分00秒
1曲目"Sapphire(ANDY LYDEN MIX)"(4:50) オリジナル曲よりサウンドを少し軽くしてリズムを速めた感じのミキシングとなっています。
2曲目"Over The Rainbow(ANDY LYDEN MIX)"(3:49) JOHNのヴォーカル部にヴォコーダーを通じさせ少し奥へ引っ込めるさせた感じのするミキシングがされています。
3曲目"You Know(ANDY LYDEN MIX)"(4:32) ドラムのビートにエコー効かせ他の楽器のサウンドを抑えたことによるサウンドの空間を持たせたミキシングです。
4曲目"Watching Her Eyes(ANDY LYDEN MIX)"(4:09) JOHNのヴォーカル部以外の演奏の録音レベルを全体的下げ、リズムも少しスローにしたミキシングでしょうか。
5曲目"Fisherman's Dream(ANDY LYDEN MIX)"(4:33) 新しくピアノの演奏が加えられたようなミキシングになっていて全体的にはオリジナル収録曲に近いのではないでしょうか。
6曲目"Acid Rain(ANDY LYDEN MIX)"(4:07) バックのドラムのビートが強化され淡々とした流れを強く感じるアレンジになっています。
7曲目"Mad Dog Days(ANDY LYDEN MIX)"(5:23) この曲についてはイントロから大胆に手を加えています。JOHNのヴォーカル部以外は全て削り落としバックを再収録したようなミキシングです。
8曲目"Climb The Walls(ANDY LYDEN MIX)"(5:19) 女性ヴォーカル部に華やかに付け加えの曲全体のアグレッシヴさを抑えたミキシングです。。
9曲目"Coming In On Time(ANDY LYDEN MIX)"(4:08) この曲でも新たにドラム・マシーンによるビートが追加されています。その他の部分は、オリジナル収録とさほど変わらないミキシングです。
10曲目"Rope-Soul'd(ANDY LYDEN MIX)"(4:52) この曲ではリズムをほんの少しだけスローにした感じにドラムのビートを軽く加えたミキシングです 。
11曲目"Love In Your Life(ANDY LYDEN MIX)"(4:52) アイランド・レーベル時代に収録されていたアルバム未収録曲です。'13年9月30日リリースされたボックスセットに収録されています。
12曲目"Fisherman's Dream(Straight Choir Version)"(4:36) 曲のサブタイトル通りコーラス部に違いがあります。当時のアウトテイクとなったいたのでしょう。
13曲目"Mad Dog Days(Live In Hamburg,Germany/1986)"(5:31) ライヴでのミュージシャンは、JOHN・MARTYN:ヴォーカル/ギター、ALAN・THOMSON:ベース、FOSTER・PATERSON:キーボード、ARRAN・AHNUM:ドラム/パーカッションによる多分、'86年の[Foundations]ツアーでの収録曲でしょう。
14曲目"Fisherman's Dream(Live In Hamburg,Germany/1986)"(5:10) この曲も'86年4月23日ドイツのハンブルグにて行われたライヴでの収録曲です。観客の拍手から察してさほど大きくない会場のようです。
15曲目"Over The Rainbow(Live In Hamburg,Germany/1986)"(4:26) 前の曲からの観客の拍手に続き収録されています。そう言えばイギリスの超有名ギタリストもJAZZ風にアレンジしたこの曲もライヴで披露していましたね。
全10曲歌詞付 15ページ写真ブックレット 2枚組 E.U.(ドイツ)製 (輸入盤) (ブックレット末尾のサンクスの欄に当時のレーベル・メイトROBERT・PALMER氏への感謝が述べられています。)'16年11月6日更新


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写真  JOHN MARTYN / Piece By Piece
 ・1986 Island Records Ltd.    ILPS 9807

意外に聴き易いアルバム・・・

このアルバムは、イングランド出身のS.S.W. JOHN・MARTYNの18枚目(コンピ/ライヴ盤を含む)のアルバムで、本国でのリリースは、'86年2月です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHN・MARTYN:ヴォーカル/ギター/ギター・シンセサイザー/プロデュースの他、FOSTER・PATTERSON:キーボード/バック・ヴォーカル、ALAN・THOMSON:フレットレス・ベース、DANNY・CUMMINGS:パーカッション、COLIN・TULLY:サックスのJOHNのアルバムにお馴染みのミュージシャン達が参加しています。
尚、収録は、スコットランドのグラスゴーにてBRIAN・YOUNGとROBIN・RANKIN(FAR CRY,DEACON BLUE)のコンビによってミキシングされています。

1曲目"Nightline"(5:04) 歯切れ良いギターの調べに打ち叩かれるドラムのビートに続いて登場するALAN・THOMSONのあの滑らかに響くフレットレス・ベースの重いサウンドが流れて来ます。ゴージャスな響きを醸し出すキーボードのサウンド群も波となって押し寄せます。
2曲目"Lonely Love"(3:22) この曲も非常に聴き易さを感じさせるソフトな調べの曲です。JOHNの過去のアルバムでは、無縁だったポップさをもこの曲からは感じさせます。ポップなキーボードの調べが爽やかに響きますね。
3曲目"Angeline"(4:45) 数多いJOHNの好きな曲の中でもトップの位置に君臨する非常にメロディアスな調べを聴かせる曲で、この曲でもFOSTER・PATTERSON(SPYRO GYRA,FISH)のオリエンタルなキーボードのサウンドが非常に印象に残ります。
4曲目"One Step Too Far"(3:18) イントロから響くシンセサイザーのサウンドと重く響くこれまたシンセサイザー・ベースの響きが底に広がる渋めのサウンドとメロディを感じさせる曲です。脂の乗ったJOHNの歌声が暗闇の中にジーンと広がるのです。
5曲目"Piece By Piece"(3:56) キーボードのFOSTER・PETERSONがこのアルバムの為に書いた曲です。FOSTERは、この後のJOHNのアルバムにも度々登場して素晴らしい演奏を聴かせています。スムーズに歌うJOHNのバックに広がるCOLIN・TULLYのサックスがまた心地好いのです。
6曲目"Serendipity"(4:08) アバンギャルドな質感を感じさせるエクスペリメンタルな要素を随所に聴かせる曲です。パーカッションのリズミカルな響きとスリリングスさを与えるキーボードの調べがJOHNの歌声と共に迫って来ます。
7曲目"Who Believes In Angels"(4:36) 溜まりませんねこのフレットレス・ベースのサウンドには本当に「参った」の一言です。スローでメロウな曲も素晴らしく聴かせるJOHNの歌声は先にリリースされた"Hurt In Your Heart" と双璧をなすこの曲も素晴らしい曲です。
8曲目"Love Of Mine"(4:47) 底辺に流れるアグレッシブなシンセザイザー・ベースのサウンドに乗せJOHNがその素晴らしい歌声を聴かせる流れの良い曲です。JOHNのこの曲を聴きながら思ったのですが、少人数での演奏ですが、JOHNを含み個々の持つポテンシャルの高さが非常に高い事を痛感させられます。
9曲目"John Wayne"(6:55) 中東風のメロディとサウンドで聴かせるお遊び的に収録された曲と思われます。JOHNの想い浮かべるJOHN・WAYNE像が綴られています。
全9曲歌詞付 LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:40分51秒 (このアルバムは、JOHNのアルバムの中でも非常に聴き易い1枚となっています。その辺は昔からの本国の熱烈なファンから嫌われている1枚でもありますが・・・)'12年8月3日更新
1986年度ベスト5


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写真  JOHN MARTYN / The Apprentice
 ・1990 CBS/SONY RECORDS    CSCS 5214

当時久しぶり出た国内盤・・・

このアルバムは、JOHN・MARTYNの20枚目(Island labelのコンピを含む) のアルバムで、'90年6月21日に国内でのリリースです。多分、'70/72年のBEVERLEY・MARTYNとの共同名義の[Road To Ruin]以来('82年の[Well Kept Secret]は国内CD化により '98年8月26日に国内リリースされました)の国内盤でのリリースでしょう。本国でもJOHNの事を彼のアルバム・タイトルを捩って「Best Kept Secret」"隠され続けた大物ミュージシャン" と表現されているようです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHN・MARTYN:ヴォーカル/ギターの他、TAJ・WYZGOWSKI:ギター、DAVE-TALIF-BALL:ベース、FOSTER・PATTERSON:キーボード/バック・ヴォーカル、 ARAN・AHMUN:ドラム、DANNY・CUMMINGS:パーカッション/バック・ヴォーカル、COLIN・TULLY:サックス、ANDY・SHEPPARD:サックス、DANUSIA・CUMMINGS:バック・ヴォーカルのお馴染みのミュージシャン達です。
尚、プロデュースは、JOHNのアルバム[Piece By Piece]やTHE QUESTIONSのアルバムを手掛けたBRIAN・YOUNGとJOHN・MARTYNとの共同で行われています。

1曲目"Live On Love"(4:06) ベースとパーカッションの静かに繰り出されるリズムに乗せ登場するJOHNの燻し銀的な響きを持ったヴォーカルによるミドル・テンポのナンバーです。JOHNのエモーショナルでソウルフルな歌声にはカリスマ的な魅了があります。
2曲目"The River"(4:26) クールに響くベースのサウンドに合わせて歌うJOHNのヴォーカルによるアダルトなサウンドのナンバーです。あくまでにクールな演奏と歌声とで攻めています。
3曲目"Look At The Girl"(4:34) この曲も非常にクールな曲です。ANDY・SHEPHERDのクラリネットの音色に近いサックスのサウンドが非常に決まっています。
4曲目"Income Town"(4:26) カナダのトロントでのライヴ収録です。前のアルバムが、ライヴ中心で好評だったので、今回も1曲収録されています。ライヴに定評あるJOHNですが、この後余りにも多くライヴ盤が出され収拾がつきません。
5曲目"Send Me One Line"(5:36) JOHNの非常にメロディアスで美しいナンバーです。荒々しくギターを弾きこなすJOHNと違った一面を見せる曲です。まるで壊れ物に触れるように歌われるスローなバラードで大好きな曲です。
6曲目"Deny This Love"(4:15) サンバとファンクとジャズが融合したようなナンバーです。GENESISの後期によく見られたサウンドのような曲です。ソウルフルなJOHNの歌声による重厚なサウンドの曲です。
7曲目"Hold Me"(4:51) この曲もサウンド的には前の曲を踏襲したような感じですが、重厚さを取り払い軽い感じのアレンジとし全編にJOHNのご機嫌なウォームトーンのギターのサウンドを披露しています。
8曲目"UPO"(3:50) サンバ/ボサ・ノヴァのリズムによる軽いタッチの曲です。JOHNの独特の呪文的なヴォーカルとバックに流れるギターの響きが最高の1曲です。
9曲目"The Apprentice"(4:29) JOHNの持つもう一つの局面である激しいリズムの曲の登場です。アップライト・ベースのようなサウンドはシンセでの演奏でしょうか。[The Apprentice]:初心者/見習いと名付けられた曲ですが、歌詞の中にはこの言葉は登場しません。社会に対するアンチ・テーゼの内容の曲で「私達が社会での初心者を意味するのでしょうか」。
10曲目"Moment"(3:45) 幻想的なキーボードのサウンドのイントロの素晴らしい曲です。左チャンネルの遠くから聴こえてくるJOHNのヴォーカルの前半からサビの部分で中央に移動するミキシングが非常に巧みです。アコースティック・ギターの美しい響きによる間奏も素晴らしいです。
11曲目"Patterns In The Rain"(3:45) ナイロン弦ギターによる静かな曲で、映画音楽のようなメロディアスな曲の流れと美しく響くFOSS・PATTERSON('97〜CAMEL)のキーボードのサウンドが幻想的に響きます。
全11歌詞/訳詞付 写真ブックレット (国内盤) 収録時間:48分08秒 (JOHNのアルバムの中では全体的に聴き易い曲が沢山収録されていて商業ベースに乗ると判断されての国内リリースでしょうか?)'10年6月22日再更新
1990年度ベスト5


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写真  JOHN MARTYN / Cooltide
 ・1991 Permanent Records Ltd.    PERM CD4

JOHNのヴォーカルは1度聴いたら忘れられない・・・

このアルバムは、U.K.の大物JOHN・MARTYNの21枚目(BEVERLEY・MARTYNとの名義盤とIsland labelのコンピを含む)のアルバムで、'91年9月9日に本国でのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHN・MARTYN:ヴォーカル/ギター/プロデュースの他、ALAN・THOMSON:ベース、DAVE・BALL:ベース、SPENCER・COZENS:シンセサイザー・ベース/キーボード/プロデュース、FOSTER・PATERSON:キーボード、ARRAN・AHMUN:ドラム、JOHN・HENDERSON:ドラム、MILES・BOULD:パーカッション、ANDY・SHEPPARD:ソプラノ・サックス、JOE・LOCKE:ヴィブラフォン、JESSICA・KING:バック・ヴォーカルのお馴染みのミュージシャン達が参加しています。
プロデュースは、前作でのBRIAN・YOUNGにキーボーディストSPENCER・COZENSとJOHN・MARTYNとの共同で行われています。

1曲目"Hole In The Rain"(4:40) 分厚いベースのリズムに乗せJOHNの特長的な枯れたヴォーカルが渋い。バックで忙しなく鳴り響くリズム隊のビートの流れるとエモーショナルな起伏が体を揺らします。
2曲目"Annie Says"(5:00) 珍しくカズーをイントロに使い全体的に都会の雰囲気を醸し出しサックスのメロディがジャズフレーバーな曲です。ここでもALAN・THOMSONの太く鳴るベースのサウンドに促されJOHNも心地好く歌います。
3曲目"Jack The Lad"(6:42) イントロから美しい響きを放つキーボード群のサウンドにJOHNの立て板に水的なヴォーカルをメインとした曲です。間奏で奏でられる綺麗な旋律のピアノ・ソロが新鮮に響くます。
4曲目"Number Nine"(4:00) ソプラノ・サックスとピアノを使ったシンプルでスローな曲です。戯曲的な雰囲気と実験的な要素を持った流れを感じます。
5曲目"The Cure"(3:43) JOHNの得意とするライヴ受けするエモーショナルで各パートのソロがしっかりと配された曲です。このスピード感をブラスのサウンドが更に引き上げてます。
6曲目"Same Difference"(4:13) アシッドのある荒廃なJOHNの枯れたパワフルなヴォーカルと対象的なJESSICA・KINGの清涼感のあるヴォーカルが見事にマッチするスローなこの曲も渋い曲です。
7曲目"Father Time"(4:24) ラテンフレーバーの入ったメロディとリズムです。随所に現われるVIBESの演奏が素晴らしい。
8曲目"Call Me"(5:40) JOHN・MARTYNの最大の魅力は、荒削りでパワフルな曲の合間に本当にメロディアスで今にも壊れてしまいそうなセンシティブな曲が存在すると言うところと思います。この曲もJOHNのヴォーカルがなければKENNY・Gの曲と言われも解らないほどセンシティブでメロディアスな曲です。
9曲目"Cooltide"(12:22) 12分22秒の大作でエモーショナルなリズムとうねりを持った底に流れるメロディが独特です。
全9曲歌詞付 8ページ物ブックレット U.K.盤 (輸入盤) 収録時間:52分23秒 (50分を超える大作ですが、欲を言えばもう1曲ほどメロディアスな曲を欲しかったかな)'10年6月23日再更新


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写真  JOHN MARTYN / No Little Boy
 ・1993 Mesa Records    R2 79057

不気味なジャケットから想像出来ない素晴らしい・・・

このアルバムは、U.K.の大御所JOHN・MARTYNの '70年代の作品を再録音とリミックスした特別盤で、JOHNの通算24枚目(コンピ/再発売/ライヴ盤を含む)のアルバムです。'93年7月6日(J.M.HPでは7月23日)アメリカからリリースされています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャン達は、JOHN・MARTYN:ヴォーカル/ギター、JIM・TULLIO:ギター/パーカッション/プロデュース、DAVID・GILMOUR:ギター、BILL・RUPPERT:ギター、ALAN・DARBY:ギター、TONY・BROWN:ベース、JOHN・GIBLIN:ベース、ALAN・THOMSON:ベース、SPENCER・COZENS:シンセサイザー・ベース/キーボード/プロデュース、PAT・LEONARD:ピアノ/シンセサイザー、BOB・RANS:キーボード、CHRIS・CAMERON:ハモンド/クラヴィネット、FRED・NELSON:ピアノ/シンセサイザー、GERRY・CONWAY:ドラム、PETE・ERSKINE:ドラム、MARK・WALKER:パーカッション、MILES・BOULD:パーカッション、JO・PUSATERI:パーカッション、ANDY・SHEPPARD:サックス、GERRY・UNDERWOOD:サックス、BOBBY・LEWIS:フリューゲル・ホーン、LEVON・HELM:ヴォーカル、PHIL・COLLINS:ヴォーカル、CHERYL・WILSON:ヴィオラ/バック・ヴォーカル、RENE・STEWART:バック・ヴォーカル、SHAUN・CHRISTOPHER:バック・ヴォーカルの1部アメリカのミュージシャンも参加しています。 不気味なジャケットから想像出来ない素晴らしい曲の数々が収録され('95年UK盤は、16曲収録)ゲスト陣も豪華メンバーが参加ています。
尚、プロデュースは、JIM・TULLIOとMATT・BUTLER(アルバム[Couldn't Love You More])と共同または、曲によりJIM・TULLIOが担当しています。

1曲目"Solid Air"(6:44) スムース・ジャズ風にアレンジされANDY・SHEPPARDのサックスがJOHNの歌声と共に寂しく響きます。オリジナル収録は、'73年の同名タイトル・アルバム[Solid Air] に収録され当時のレーベル・メイト故NICK・DRAKEに捧げられています。
2曲目"Ways To Cry"(5:03) PHIL・COLLINSとのデュエットによる静かな流れる感じるスローな曲です。この曲の歌詞の中にアルバム・タイトルの「No Little Boy」が登場しています。オリジナル収録は、'73年のアルバム[Inside Out] に収録されています。
3曲目"Could've Been Me"(4:21) 再びPHIL・COLLINSとのデュエットを入れパワフルな盛り上がりを感じさせる曲です。オリジナル収録は、'82年の[Well Kept Secret]に収録されています。
4曲目"I Don't Wanna Know"(4:29) PAT・LEONARDが参加し、その素晴らしいシンセサイザーでのソロ演奏がしっとりと聴かせるバラードに仕上がっています。20年の歳月が流れ更に枯れたJOHNの歌声が堪りませんね。オリジナル収録は、'73年のアルバム[Solid Air] に収録されています。
5曲目"Just Now"(4:06) ファンキーなリズムの曲でLEVON・HELM(THE BAND)がヴォーカルで参加しています。オリジナル収録は、'71年のアルバム[Bless The Weather] に収録されています。
6曲目"One Day Without You"(3:54) メロウで静かな曲にJOHNのヴォーカルが哀しく響きます。オリジナル収録は、'75年のアルバム[Sunday's Child] に収録されています。
7曲目"Sweet Little Mystery"(4:13) 昔から大好きな曲です。今回はPHIL・COLLINSとのデュエットと女性ヴォーカルを入れメロウな仕上げ。オリジナル収録は、'80年のアルバム[Grace And Danger] に収録されています。
8曲目"Sunday's Child"(6:12) JOHNの枯れたヴォーカルを活かしたジャズ・フレーバーな曲です。オリジナル収録は、'75年の同名タイトル・アルバム[Sunday's Child] に収録されています。
9曲目"Head And Heart"(4:08) JIM・TULLIOのアコースティック・ギターと女性ヴォーカルを加えよりソウルフルになっています。オリジナル収録は、'71年のアルバム[Bless The Weather] に収録されています。
10曲目"Fine Lines"(4:25) オリジナルよりややスローにしたバージョンでライヴでのテイクに近いです。オリジナル収録は、'73年のアルバム[Inside Out] に収録されています。
11曲目"Bless The Weather"(4:43) BILL・RUPPERTのギターを大きくフューチャーしています。オリジナル収録は、'71年の同名タイトル・アルバム[Bless The Weather] に収録されています。
12曲目"Man In The Station"(4:08) ギターサウンドのストレートなロックです。オリジナル収録は、'73年のアルバム[Solid Air] に収録されています。
13曲目"One World"(8:33) 幻想的で8分半もある大作でイントロ部分は、"Hurt In Your Heart"や "Small Hours" に似た物静かなメロディとサウンドを感じます。DAVE・GILMOURがギターで参加しています。オリジナル収録は、'77年の同名タイトル・アルバム[One World] に収録されていますが、長さ4分程度の曲です。
歌詞無し ライナー付 (輸入盤) 収録時間:65分04秒(枯れた歌声に呪文的なヴォーカルが独特のJOHNです。1度聴いたら忘れられないそれが魅力で、早30年以上聴き続けています)'10年6月23日再更新


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写真  JOHN MARTYN / Sweet Little Mysteries
 ・1994 ISLAND RECORDS LTD.    314 522 245-2

アイランドレーベルによる '94年のコンピレーション・・・

このアルバムは、イギリスで活躍していたJOHN・MARTYNのISLAND RECORDS在籍時の '71年から '87年までの9枚のアルバムの収録曲をコレクションした '94年6月6日に本国でリリースされた2枚組のアルバムで、通算25枚目(コンピ/再発売/ライヴ盤を含む)となります。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、コンピレーション・アルバムの為、曲目の項以外割愛させて頂きます。

DISC 1: 収録時間:78分53秒
1曲目"Bless The Air"(4:32) アコースティック・ギターの弾き語りとウッド・ベースの洒落たサウンドによる '71年の[Bless The Weather]での録音曲だからJOHNの歌声も若々しい感じがしますね。
2曲目"Head And Heart"(4:54) JOHNのアコースティック・ギターの爪弾きと心地好いビートを聴かせるパーカッションの響きが流れる。巧みにギターの弦を爪弾くJOHNとDANNY・THOMPSON(PENTANGLE)のダブル・ベースとの白熱した演奏が見事です。
3曲目"Glistening Glyndebourne"(6:34) めずらしくピアノの調べが流れる収録曲です。後半からはアグレッシヴなJOHNのアコースティック・ギターによるループ操作(Mu-tronのエフェクター併用)によるインストゥルメンタルとなっています。
4曲目"Solid Air"(5:45) '73年のJOHNの代表作でJOHNの独特の枯れた歌声による節回しと清々しいオルガンの音色が対照的に響きます。故NICK・DRAKEに捧げられた曲としても有名です。
5曲目"Over The Hill"(2:52) デビュー当時の60年代の牧歌的なサウンドを聴かせるトラディショナル・フォーク調の曲です。
6曲目"Don't Want To Know"(3:01) JOHNの初期の頃の代表曲の内の1つでライヴでも良く演奏されている曲です。ハモンドのサウンドに乗せJOHNのヴォーカルが優しく包んでくれます。
7曲目"I'd Rather Be The Devil"(6:21) ミシシッピー出身のブルース・シンガーSKIP・JAMESの '31年頃の曲のカバーです。クラヴィネットやループ演奏を駆使した当時では、新しい技法やサウンドでの収録されています。
8曲目"May You Never"(3:43) 一転してアコースティック・ギター1本での弾き語りです。弦をアタックさせながら巧みにリズムを刻むJOHNの演奏にしばし耳を傾けましょう
9曲目"Fine Line"(3:50) ピアノの旋律とJOHNのボリューム操作によるギター・ソロが絡み合います。 '73年のアルバム[Inside Out]からの収録曲です。
10曲目"Eibhli Ghail Chiuin Ni Chearbhaill"(3:08) バグパイプの音色をギターで表現したような不思議サウンドの曲でスコットランド民謡をJOHNが実験的に表現したようです。
11曲目"Make No Mistake"(5:58) ライヴでのテイクをそのまま録音したような感じで、後半からはアドリブの演奏となっています。
12曲目"One Day Without You"(2:58) ここに来てやっとエレクトリック・ギター音色らしい乗りの好い曲の登場です。'74年録音の[Sunday's Child]からです。
13曲目"Lay It All Down"(1:52) JOHNの収録曲の中では比較的に短い2分に満たない曲です。ベースのDANNY・THOMSONとJOHNのアコースティック・ギターによるシンプルなスタイルの曲です。
14曲目"Root Love"(4:36) 電子音楽によるリズム・トラックをベースとした実験的音楽にJOHNがサイケデリックなギターのサウンドを響きかせながら即興的に収録したような感じがする曲です。
15曲目"Sunday's Child"(3:17) アバンギャルドなメロディにベース、ドラム、ギター、ピアノ夫々のパートが独立した曲です。
16曲目"Spencer The Rover"(4:12) アコースティック・ギターの爪弾きに合わせて歌うJOHNの音楽ルーツであるトラディショナル・フォークの質感を強く感じる曲です。
17曲目"You Can Discover"(3:43) アンビエントに流れるJOHNの独特なムーグの音色とDANNY・THOMPSONの特徴的なベースのサウンドによる"渋い" メロディの曲です。
18曲目"Call Me Crazy"(7:30) JOHNがそのアコースティック・ギターの変則チューニングで聴かせる独特の孤高の世界を非常に感じさせる曲です。気迫に満ちたJOHNの歌声と演奏による前半部分からヒーリング系の静かなパートと組曲になっています。

DISC 2: 収録時間:75分28秒
1曲目"Couldn't Love You More"(3:07) アコースティック・バージョンで、'77年のアルバム[One World]からのオリジナル・テイクです。
2曲目"Certain Surprise"(3:50) ボサ・ノヴァ調のリズムにJOHNの独特の流れるようなヴォーカルとウッド・ベースの音色がコラボする曲です。
3曲目"Dancing"(3:55) JOHNの細やかなギターの爪弾きによるめずらしくポップ調の曲です。'77年のアルバム[One World]からの収録曲です。
4曲目"Small Hours"(8:44) エレクトリック・ギターのフット・ヴォリュームを駆使したインストゥルメンタル版"Hurt In Your Heart" のような感じを受ける前半からJOHNの囁く歌声によるヒーリング・サウンドの8分44秒もある曲です。
5曲目"Dealer"(4:56) ファンキーな曲でSTEVE・WINWOODのムーグが効果的に入っています。
6曲目"One World"(4:02) JOHNのギターにベースとドラム程度のシンプルな楽器構成による静かに流れる曲です。
7曲目"Some People Are Crazy"(4:18) JOHN・GIBLIN(PETER・GABRIEL,DAVID・SYLVIAN)の太く唸るベースのサウンドが響くスローな曲です。JOHNから見た人間模様を"クール" に表現した歌詞が興味を引きますね。
8曲目"Lookin' On"(5:13) この曲もベースのJOHN・GIBLINのソロが素晴らしい曲です。アコースティック・ギターを爪弾くJOHNをサポートするTOMMY・EYRE(GREG・LAKE,GARY・MOORE)のシリアスなハモンドのサウンドも凄いです。
9曲目"Johnny Too Bad"(3:56) この曲も複数のヴァージョンがJOHNがカバーしたレゲエ・バンドTHE SLICKERSの'70年ヒット曲です。JOHNのアレンジは、ロック"ン" ロールのリズムに少し荒らしたギターのサウンドにコンパクトな切れ味が効いたPHIL・COLLINSのドラムとなっています。
10曲目"Sweet Little Mystery"(5:27) PHIL・COLLINSとのハーモニーが美しいJOHN '80年の代表作でこの曲も度々ヴァージョン違いにて収録されている曲です。
11曲目"Hurt In Your Heart"(4:59) '09年に亡くなる直前、車椅子に座ったままでも行われたライヴでも演奏されたJOHNの代表作で数々のヴァージョンが過去に収録されています。BEVERLEY・MARTYNとの破局の最中に書かれた非常に繊細な作品です。
12曲目"Baby Please Come Home"(3:54) オリジナル曲の収録は、'80年の名盤[Grace & Danger]に収録されているソフトな調べで厳かに流れる曲です。
13曲目"Sapphire"(5:15) '84年同名タイトル・アルバム[Sapphire]に収録されている曲で、電子サウンドを多用したサウンドをダイナミックに聴かせるサウンドの方向を変えてきた曲です。
14曲目"Fisherman's Dream"(4:17) この曲も[Sapphire]に収録されている曲で、女性バック・ヴォーカルを引き連れての収録です。
15曲目"Angeline"(4:44) 数多いJOHNの好きな曲の中でもトップの位置に君臨する非常にメロディアスな調べを聴かせる曲で、FOSTER・PATTERSON(SPYRO GYRA,FISH)のオリエンタルなキーボードのサウンドが非常に印象に残ります。'86年の[Piece By Piece]での収録曲です。
16曲目"Send Me One Line(Live)"(4:44) アルバムの最後を飾るに相応しいメロディアスな曲で、ロンドンでのライヴ収録です。
歌詞なし 24ページ物豪華ブックレット 2枚組 ハード・ボックス仕様 U.S.製 (輸入盤) ('70〜'90年代のJOHN・MARTYNの集大成です)'10年7月23日再更新


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写真  JOHN MARTYN / And.
 ・1996 Go! Discs Ltd.    828 798-2

JOHNのヴォーカルはどのような形容詞を使っても表現できない・・・

JOHN・MARTYNの27枚目(コンピ/再発売/ライヴ盤を含む)のアルバムで、'96年7月29日に本国でのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHN・MARTYN:ヴォーカル/ギター/キーボード/プロデュースの他、PHIL・COLLINS:ドラム/バック・ヴォーカル、ALAN・THOMPSON:ベース、JOHN・GIBLIN:ベース、FOSTER・PATTERSON:キーボード、KIRK・LOTHIAN:キーボード、SPENCER・COZENS:キーボード/プログラミング/副プロデュース、STEFON・TAYLOR:プログラミング/プロデュース、JERRY・UNDERWOOD:サックス、CHERYL・WILSON:バック・ヴォーカルのお馴染みのミュージシャン達です。
尚、プロデュースは、JOHNとエンジニアとして過去のアルバムに参加していたSTEFON・TAYLORとキーボディストのSPENCER・COZENS(副プロデュース)の共同で行われています。

1曲目"Sunshine's Better"(5:17) 唸るようなベースのリズムと対照的な音色のソプラノサックスに合わせてJOHNの呪文的ヴォーカルの世界が広がります。
2曲目"Suzanne"(3:54) この曲でのJOHNのヴォーカルは優しく時折入るPHILのヴォーカルはやけに新鮮に聴こえます。
3曲目"The Downward Pull Of Human Nature"(5:08) ミディアム・テンポのリズムとピアノの旋律が美しい曲です。
4曲目"All In Your Favour"(4:28) ファンキーでソウルフルなメロディとアグレッシブな展開のある曲です。
5曲目"A Little Strange"(4:57) ウッド・ベースの響きを大きく取り入れ底に流れるリズムはどこかアシッド風です。
6曲目"Who Are They?"(2:32) JOHNにしては珍しく2分半程度の短い曲です。
7曲目"Step It Up"(4:31) 乗りの好いリズムの曲にワウワウを使ったJOHNのギターワークが聴き物です。
8曲目"Carmine"(5:31) 唸るようなベースのリズムとエモーショナルな響きをもったJOHNのヴォーカルは、ブルーアイド・ソウルなどと言う陳腐な形容詞の枠を遥かに超えています。
9曲目"She's A Lover/Sunshine's Better(REMIX)"(11:57) 12分近くもある曲です。前半は、CHERYL・WILSONのヴォーカルが入っています。40秒ほどのブランクの後、コンピュータで処理されたJOHNのヴォーカルによる1曲目のREMIXです。
全9曲歌詞付 14ページ物写真ブックレット ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:48分18秒 (もう30年以上JOHNの音楽を聴き続けています。此処まで来たら最後まで行きましょう!)'10年6月23日再更新


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写真  JOHN MARTYN / Glasgow Walker
 ・2000 Independiente Ltd.    ISOM 15CD 496 236 2000

サウンドの路線を少し変更したJOHN・・・

このアルバムは、スコットランドで活躍するU.K.の大御所JOHN・MARTYNのスタジオ録音盤で、30枚目(コンピ/再発売/ライヴ盤を含む)のアルバムです。'00年5月22日SONY U.K.系列のIndependiente(現在JOHNは、このレーベルより離れているようです)からのリリースです。前作[The Church With One Bell] がカバー曲集だったので、新曲でのアルバムは、4年ぶりです。
サウンド的には、従来のJOHNのアルバムから非常にソフト/メロウになりアグレッシヴ/アシッド・フォーク系から路線を変更して、作曲作業を旧友PHIL・COLLINSからギターでなくピアノで行ったらとの薦めに従ったとのエピソードからでしょうか。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHN・MARTYN:ヴォーカル/ギター/キーボード/プロデュースの他、REGGIE・HASTINGS:スライド・ギター/ミルク・ボトル、STEFON・TAYLOR:キーボード・ベース/プログラミング、ALAN・THOMPSON:ベース/スライド・ギター、STANLEY・GUFFOGG:ベース、SPENCER・COZENS:キーボード/プログラミング/プロデュース、ARRAN・AHMUN:ドラム/パーカッション、PHIL・CUNNINGHAM:アコーディオン、ROWAN・COZENS:ヴァイオリン、JIM・LAMPI:チャップマン・スティック、DAVE・HEATH:ベース・フルート、KATHRYN・WILLIAMS:バック・ヴォーカル、GLASGOW GANGSTER FUNK:プログラミング/プロデュース、ALEX・BOYESEN:プログラミング、THE GUY BARKER INTERNATIONAL QUINTET:トランぺット/ピアノ/アップライト・ベース/サックス/ドラムなどJOHNの新旧のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"So Sweet"(4:50) しばらくJOHNのH.P.のバック・ミュージックで流されていた曲です。シンプルなリズムの繰り返しに乗せ、優しい口調でのJOHNの歌声による曲です。但し、JOHNならではの拘りを持ったギターのサウンドによる間奏をみせます。
2曲目"Wildflower"(6:24) この曲のイントロもJOHNのファン・サイトのテーマ・ソングになっていました。スローなサウンドの持つ曲の雰囲気が非常に美しい感じがします。さり気なく収録されたシンセ/シタール・ギター/ベース・フルートのサウンドは、非常に巧みで十二分に練り上げられた職人技を垣間見せます。
3曲目"The Field Of Play"(5:48) 美しいSPENCER・COZENS(JULIA・FORDHAM)のピアノでイントロに続いて登場するALAN・THOMPSON(RICK・WAKEMAN,PENTANGLE)のフレットレス・ベースの柔らかい音色がまた好いんです。
4曲目"Cool In This Life"(4:23) この曲はアシッド/ファンク色を色濃く持った曲です。打込みの重いリズムとエッジの効いたサウンドでのこの曲は、初期のJOHNのフォーク系のサウンドから一番遠くに位置するのではないでしょうか。
5曲目"Feel So Good"(5:21) JOHNのスポーケンによるイントロとドラム・プログラムによるタイトなビートの刻みが印象的な曲です。曲のタイトルをリフレインでソウルに歌いながらご機嫌そうなJOHNです。前作でのカバー曲"Feel So Bad"のアンサー曲でしょうか。
6曲目"Cry Me A River"(5:45) ARTHUR・HAMILTON作詞/作曲、JULIE・LONDONが '56年に歌ってヒットしたジャズのスタンダード・ナンバーのカバーです。JOHNの場合は、非常にスローでサウンド・エフェクターなどを使ったオリジナル曲とは少し離れたところに位置したアレンジです。
7曲目"Mama T"(5:54) このアルバムで数曲ミキシング/プロデュースをしているGLASGOW GANGSTER FUNKのアシッド/ファンクなサウンドをふんだんに取り入れた曲です。
8曲目"Can't Live Without"(4:13) イントロのから響くGLASGOW GANGSTER FUNKの"イカシタ" 切れのあるリズムとサウンドが堪らないアシッド系ミドル・テンポの曲です。バック・ヴォーカルには同じくグラスゴーで活躍するS.S.W.KATHRYN・WILLIAMSの端正な美しい歌声とJOHNの枯れた歌声とのマッチングもまた素晴らしいのです。この曲は、聴き終えてもまた直ぐにリピート・ボタンを押してイントロから聴きたくなります。
9曲目"The Cat Won't Work Tonight"(4:58) この曲のイントロは、どこかのローカル・テレビの番組に使われていたような気がします。JOHNらしいブリティッシュ・ブルース/ファンクな雰囲気を持った曲です。ストーリーテラーの如く歌詞をソウルフルに繰り出すJOHNのヴォーカルはやはりライヴで映えるのでしょう。
10曲目"You Don't Know What Love Is"(5:19) DON・RAYE,GENE・DE・PAUL作詞作曲 '41年の映画でのサウンドトラックです。JOHNのアカペラから入り、その後ジャズ・カルテットのメロウな演奏が繰り広げられるスタンダード・ナンバーです。
全10曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:53分00秒(このアルバムの後、新作は1枚のみのリリースです。コンピ/ライヴ/DVD盤にレーベルの主力がJOHNの作品に動いているのが残念です)'10年6月24日再更新


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写真  JOHN MARTYN / On The Cobbles
 ・2004 Independiente Ltd.    ISOM 43CD・5160592006

PAUL・WELLERも参加した作品・・・

このアルバムは、U.K.の大御所JOHN・MARTYNのスタジオ録音盤で何と31枚目(コンピ/再発売/ライヴ盤を含む)のアルバムで、'04年6月15日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHN・MARTYN:ギター/ヴォーカル他、PAUL・WELLER:ギター/キーボード/バック・ヴォーカル、ALAN・THOMPSON:ベース、JOHN・GIBLIN:ベース、NICK・McCABE:ギター、JIM・TULLIO:ギター/ベース/キーボード/パーカッション/プロデュース、ANDY・SHEPPARD:サックス、JOHN・SCULLY:キーボード、FRED・NELSON:ピアノ、GREG・MARSH:ドラム/パーカッション、PAUL・BURN:ドラム、ARRAN・AHMUN:ドラム、MAVIS・STAPLES:ヴォーカル、PETER・ERSKINE:コンガ、ARI・BROWN:テナー・サックス、STEVE・EISEN:アルト・フルート、ANTHONY・PEERS:トランペット、JOHN・RICE:マンドリン、SCOTT・STEINER:ハモンド、SPENCER・COZENS:キーボード、PAUL・MERTENS:ベース・ハーモニカ、FRED・NELSON:ピアノ、CHRIS "HAMBONE" CAMERON:フェンダー・ローズ、GARRY・POLLITT:プロデュースのイギリスのベテラン勢か参加しています。

1曲目"Baby Come Home"(3:28) '03年のFRANKIE・MILLERのトリビュートアルバムの為に収録された曲です。 イントロでJOHNの枯れたカウントを発する声が意表をつきます。FRANKIE・MILLERらしいブルース/スワンプ・ミュージックによる曲です。
2曲目"Under My Wing"(4:10) ALAN・THOMPSON(RICK・WAKEMAN)フレットレス・ベースの柔らかい音色でのイントロとPAUL・WELLERの弾くキーボードのサウンドが堪らないソフトな曲です。PAULのバック・ヴォーカルが対極に位置する野太い荒れた歌声のJOHNの歌声と不思議と調和するのが非常に興味深いです。エンディング近くで流れるSTEVE・EISENのフルートの音色も爽やかで素晴らしい響きです。
3曲目"Ghosts"(4:03) JOHNらしいアコースティック・ギターのロウ・コードと叩きつけるような弦の響きによる斬新なフォーク・スタイルとバックで流れるMUTRON(エフェクター)での不思議なギター・サウンドによる曲です。
4曲目"Back To Marseilles"(4:20) パーカッシヴなアコースティック・ギターの爪弾きとエレクトリック・ギターの不思議なサウンドを多用した曲です。時のスローに時のアップテンポに変幻するJOHNのエモーショナルな歌声と演奏による曲です。
5曲目"Cobbles"(3:52) この曲もJOHNの大得意なライヴ映えするアコースティック・ギターでのリードを奏でる曲です。JOHNの非常に特徴的な呪文のようなヴォーカルも健在です。
6曲目"My Creator"(7:17) JOHNの最近の作品に見られるファンクなブラック・ミュージックからジャズ・スタイルのサウンドに移行した作品です。この曲もJOHNの特徴的なヴォーカルが無ければANDY・SHEPPARDの"渋い" サックスでのリーダー・アルバムのようです。
7曲目"One For The Road"(4:05) JOHNのアコースティック・ギターでの弾き語りに近いシンプルな曲です。事前に収録したエフェクターでのギターサウンドを使ってライヴの再現でしょうか?
8曲目"Go Down Easy"(4:57) イントロのパーカッションのリズムから聴き入ります。JIM・TULLIOの素晴らしい胸躍らすベースのサウンドとJOHNの長いサスティーンの掛かったギターでの曲で"渋い" の一言です。尚、JIMはこのアルバムのプロデュースとパーカッション、ベースと大忙しの活躍です。
9曲目"Walking Home"(4:49) ホームページで間奏の部分をエンドレスで流されている曲で耳からこの曲が離れません。曲全体を通しで聴くとブルース/ジャズ/ファンク/ロックとが見事に融合したJOHNワールドの曲です。
10曲目"Goodnight Irene"(4:14) 多くのアーティストにカバーされている '50年のゴスペル・ブルースの名曲です。ゴスペル界の女王MAVIS・STAPLES(THE STAPLE SWINGERS) を招いての収録で、JOHNのご機嫌さを肌で感じる曲です。
歌詞なし 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:45分20秒 (輸入盤CDショプの店頭でJOHNのアルバムを見なくなって久しいですが、まだまだ現役で活躍中です。残念ながら '09年1月29日の早朝JOHN・MARTYN氏は肺炎の為死去しました。享年60歳)'10年6月24日再更新


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写真  JOHN MARTYN / Heaven And Earth
 ・2011 Hole In The Rain Ltd.    LSM・4010

文字通り地上から天国へとつないだ作品・・・

このアルバムは、イギリスで活躍していたJOHN・MARTYNの多分40枚目位になるアルバム(コンピ/再発売/ライヴ盤を含む)で '11年5月3日に本国にてリリースされています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHN・MARTYN:ヴォーカル/ギターの他、ARRAN・AHMUN:ドラム/パーカッション、ALAN・THOMSON:ベース、SPENCER・COZENS:ピアノ/シンセサイザー/スティール・ドラム、MARTIN・WINNING:サックス/ベース・クラリネット、CHRIS "HAMBONE" CAMERON:キーボード/シンセサイザー、JOHN・GIBLIN:アコースティック・ベース、GARTH・HUDSON:アコーディオン、FRANKIE・USHER:ギター、JIMMY・WEIDER:ギター、JIM・TULLIO:ギター/シンセサイザー、STEFON "BIONIK" TAYLOR:ギター/オルガン、GARY・FOOTE:バリトン・サックス、NATHAN・BRAY:トランペット、GARY・POLLITT:ギター、SUZI:CHUNK:パーカッション、PHIL・COLLINS:バック・ヴォーカル、CHERYL・WILSON:バック・ヴォーカル、RENE "SQUEAKY" ROBINSON:バック・ヴォーカル、STEVIE・ROBINSON:バック・ヴォーカルのJOHNのアルバムでお馴染みのミュージシャン達 が参加しています。
尚、このアルバムは、JOHNの死後2年の歳月を掛けてプロデューサーのJIM・TULLIOとGARY・POLLITTの監修にてJOHNの自宅で収録('08年から'09年)されたアルバム未収録曲をもとにスタジオで再収録され完成させています。

1曲目"Heel Of The Hunt"(5:38) イントロから登場する孤高のギターのサウンドが痺れさせる渋いとしか表現出来ない曲です。バック・ヴォーカルは、PHIL・COLLINSでJOHNの非常に枯れて荒れた歌声とPHILの清らな歌声との調和は、過去の曲でも何度か登場していますね。
2曲目"Stand Amazed"(6:50) ヘビーなサウンドが底辺に流れるブルースです。ソウルフルな女性バック・ヴォーカル隊のコーラスやアコーディオンのソロなども登場するJOHN80年代のサウンドの神髄をこの曲から感じます。
3曲目"Heaven And Earth"(7:04) 美しいピアノの調べに合わせて優しく歌うJOHNの歌声がまた今となっては切なく感じさせる曲です。JOHNの曲を初めて聴いてから既に30年以上の歳月が流れているのですが、ただ荒れて乾いた歌声の持ち主ならば、これほど長い間JOHNのアルバムを聴き続けていたでしょうか。この曲からも感じさせるJOHNの優しさや人生の切なさまでもその歌声で聴く者に伝える技の素晴らしさがそこにあるからと思えるのです。尚、この曲のタイトルがアルバム・タイトルにもなっているのですが、JOHNの意思を引き継いだJIM・TULLIOとGARY・POLLITTの手によって文字通りJOHNが「地上より天国」へこのアルバムと共に送り出されたと感じているのは私だけでしょうか。
4曲目"Bad Company"(4:35) ファンキーなベースの調べとハモンドの音色が響く曲です。ソウルフルなJOHNの歌声とアグレッシヴに尖った音色を響かすギターが貫くサウンドの波が何度も襲って来るのです。
5曲目"Could've Told You Before I Met You"(5:08) イントロから鳴り響くドラムのリズムがいつになくポップなサウンドの方向を目指しているJOHNの曲にしては、めずらしいと感じさせる曲です。爽やかに響くギターのサウンドと軽くリズミカルに歌うJOHNの歌声が耳に優しく響いて来て自然にこのリズムに合わせて足踏みしている自分に気付くのです。
6曲目"Gambler"(5:17) イントロから120%くらいJOHNの曲の持ち味を伝わせる強烈なカリズマ性のある曲です。変則チューニングで奏でるJOHNアコースティック・ギターのサウンドが怪しく響いています。この曲を聴いていて思ったのですが、'77年の[One World]に収録されている"Dealer" のアンサー・ソングじゃないのかなって。
7曲目"Can't Turn Back The Years"(4:17) この曲はPHIL・COLLINSの作詞/作曲の曲でイントロからPHILの歌声が響いています。'80年のアルバム[Grace And Danger]からPHILとの付き合いが始まりドラムの演奏以外にもアルバムのプロデューサーとしてもJOHNのアルバムに携わっています。この曲は、まさしくそのPHILからJOHNへ最後の別れを告げる曲とも感じるのです。
尚、オリジナル曲は、PHIL・COLLINS '93年のアルバム[Both Sides]に収録されています。
8曲目"Colour"(5:30) 再びサウンドがJOHNの80年代初めの曲に戻った雰囲気を醸し出すアシッド・フォーク的な曲の登場です。アコースティック・ギターを複雑なコード進行で爪弾きながら収録したことを伺わせるデモ音源から見事に完成させた苦労が読み取れそうです。
9曲目"Willing To Work"(8:04) JOHNお得意のMUTRON(エフェクター)の不思議なサウンドや呪文的な歌いぶりで展開させるこの曲もJOHN節が炸裂する渋い曲です。自宅での日常生活の中でデモを収録したとライナーに書いてあるように愛犬の鳴き声などもバックに収録されているのも面白いと思います。尚、当時の収録ではこの曲のタイトル{Willing To Work] がアルバムに付けられる予定だったそうです。
歌詞無し 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:52分25秒 (曲の項でも書いたのですが、旧友JIMとGARYによってJOHNが「地上より天国」へ逝った事に捧げられたアルバムです)'12年2月26日更新


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写真  JOHNNY HATES JAZZ / Turn Back The Clock
 ・1988 VIRGIN RECORDS LTD.    V2475

爆発的大ヒット・アルバム・・・

このアルバムは、ロンドンを中心にして活躍していたJOHNNY HATES JAZZの '88年4月に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
JOHNNY HATES JAZZのメンバーは、CLARK・DATCHLER:ヴォーカル/キーボード/ギター、CALVIN・HAYES:キーボード/ドラム/プロデュース、MIKE・NOCITO:ベース/プロデュースの3人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、故J.J.BELL(BELLE):ギター、NEIL・HUBBARD:ギター、PHIL・THORNALLEY(THE CURE):ベース/ギター/キーボード/プロデュース、CHRIS・NEWMAN:シンセザイザー/キーボード、PETER・VITESSI(CLANNAD,PET SHOP BOYS):キーボード、FRANK・RICOTTI:パーカッション、MARTIN・DROVER:ホーン、MOLLY・DUNCAN:ホーン、NEIL・SIDEWELL(SIDWELL):ホーン、KIM・WILDE:バック・ヴォーカル、MIRIAM・STOCKLEY:バック・ヴォーカル、STEVIE・LANGE:バック・ヴォーカルのイギリス勢のミュージシャンが参加しています。

1曲目"Shattered Dreams"(3:26) 本国ではこのアルバム・リリース前の '87年4月にUKシングル・チャート5位のヒットを放った曲です。軽快なキーボードとギターのサウンド乗せ歌うCLARKのマイルドな歌声が広がるこのアルバムからの代表曲の1つです。
2曲目"Heart Of Gold"(3:20) 前の曲から少しエレクトロニカのサウンドとエモーショナルなリズムを強めたブリティシュ・ファンクなビートを感じる曲です。小刻みに奏でられるホーンのサウンドと女性バック・ヴォーカルからもゴージャスさ増した感じが伝わって来ます。
3曲目"Turn Back The Clock"(4:30) 何の説明も必要としないJOHNNY HATES JAZZと言えば、この曲だと言えますね。「もし時計の針を戻せるなら...、あの時に」とセンチメンタルな歌詞を綴ったCLARKの書いた曲です。
4曲目"Don't Say It's Love"(3:43) この曲は、イントロの小気味よいギターのサウンドから当時に乗せられた曲です。ベース・シンセサイザーの太い響きと非常に対照的な軽めJ.J.BELL?のギターのサウンドとの対比が興味深く感じます。
5曲目"What Other Reason"(3:20) 当時のLP盤ではA面のラストに配されたしっとりと聴かせるスローなバラードの曲です。80年代の初めからブルー・アイド・ソウル・シンガーとして活躍していたCLARKの歌の上手さをこの曲でも感じます。
尚、A面は全てCLARKの書いた曲で埋められ1曲目から質の高さと一貫性のある構成を強く感じさせますね。
6曲目"I Don't Want To Be A Hero"(3:37) 当時の国内盤にはこの曲に「反逆のヒーロー」と言うタイトルが付けられ翌年 日本のアイドル歌手がカバーした曲です。サビの部分の歌詞とメロディが非常に覚えやすいさがカバー曲として使われた感じですね。
7曲目"Listen"(3:44) 次のアルバムから正式にメンバーとなったPHIL・THORNALLEYの書いた曲です。ポップさを全面に出したダンス・ミュージック的なサウンドとリズムを当時のブリティシュ・ポップらしさを懐かしく感じます。
8曲目"Different Reasons"(3:31) 非常にメロディアスでメロウな雰囲気を持ったスローな曲です。このアルバムがアメリカでリリースされビルボードのアダルト・コンテンポラリー・チャートの上位にランクインさせた要素を強く感じさせるCLARKのソフトな歌声と共作のキーボード担当CALVINの素晴らしい演奏が広がって来ます。
9曲目"Don't Let It End This Way"(3:40) このアルバムのリリースと同時ぐらいの '87年10月にリリースされたSTINGの"Englishman In New York" と共通性を感じるレゲエのリズムとメロディを持った曲です。そう言う感じでこの曲を聴いているCLARKの歌いぶりも妙にSTINGに似ていると感じるから不思議ですね。
10曲目"Foolish Heart"(3:33) PHIL・THORNALLEY、IAN・McDONALD(KING CRIMSON)、CALVIN・HAYES、MIKE・NOCITOの4人によって書かれた曲です。ベースのサウンドが低く流れるサウンドの上に華麗な調べを聴かせるピアノの響きが美しいミドル・テンポのバラードです。
全10曲歌詞付 LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:36分21秒 (このアルバムは、現在も世界中で再リリース/リ・マスタリングを繰り返し何と66種類(LP/CD/生産国違いを含む)のヴァージョン違いがリリースされている爆発的大ヒット・アルバムです)'10年6月6日再更新


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写真  JOHNNY HATES JAZZ / Tall Stories
 ・1991 VIRGIN RECORDS LTD.    CDV 2615

前作での爆発的ヒットの影に隠れた・・・

JOHNNY HATES JAZZのメイン・パーソンCLARK・DATCHLERが抜けた後に、抜擢されたPHIL・THORNALLEY(元THE CUREのベーシスト)が加入(PHILは1作目で曲を彼らに提供しています)して制作された2枚目のアルバムで、'91年6月に本国でのリリースです。メンバーは、PHILの他、CALVIN・HAYES:キーボード、MIKE・NOCITO:ベースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、先の3人の他、CHRIS・NEWMAN:プログラミング/、TOMMY・FRARAGHER:バック・ヴォーカル/キーボード/ベース/プログラミング、LOTTI・GOLDEN:プログラミング/NEW WORLD SYMPHONIA:ストリングス、DEL"4 SUGARS" NEWMAN:指揮/アレンジ、DAVE・GREGORY(XTC):ギター、PHIL・PALMER:ギター、JIM・WILLIAMS:ギター、FRANK・RICITTI:パーカッション/ヴィブラフォン、KASIM・SULTON(UTOPIA):ヴォーカル、KIM・WILD:バック・ヴォーカル、OLE・PAULSEN:キーボード、GRAHAM・BRIERTON:ベース、TONY・BEARD:ドラム、MOLLY・DUNCAN:サックス、DAN・DUNCAN:ホーン、COLIN・CAMPSIE(GIANT STEPS):バック・ヴォーカル、TOM・BAILEY:イースタン・インターリュード、SIMON・CLARKE:ホーン、RODDY・LORIMER:ホーン、TIM・SANDERS:ホーン、PAUL・SPONG:ホーンのイギリスのミュージシャン達が参加しています。
尚、この奇妙なグループ名は、ベースのMIKEの親友JOHNNYの奥さんが、大のジャズ好きで朝から晩までジャズを聴いていた為、JOHNNYはジャズ嫌いになった事からの命名だそうです。

1曲目"Let Me Change Your Mind Tonight"(4:45) 全員でのコーラスより入るミドル・テンポのバラードです。サウンドの傾向とコーラスの付け方ウエスト・コーストのバンド似た作風でPHILの作詞/作曲で間奏の泣きのギター・ソロは、DAVE・GREGORY(XTC)です。
2曲目"Money Changes Hands"(3:35) 前作の曲風に似たサウンドとメロディでヴォーカルもCLARK・DATCHLERの歌声が入っている感じがします。
3曲目"Your Mistake"(3:19) PHILとMIKEの共作で2人ともベースを演奏するのでベースラインの強調されたスローでメロディアスな曲です。バック・ヴォーカルに前作同様KIM・WILDEの名前があります。
4曲目"The Last To Know"(3:37) ブラスのサウンドは当時のブリティッシュ・ソウル/ロック・グループのLIVING IN A BOXなど良く使っていた短いフレーズを多用し、曲にインパクトを与えたダンサブルな曲でPHILの作詞/作曲です。
5曲目"Closer"(3:50) アコースティック・ギターによるスローな曲です。
GRAHAM・BRIERTON(SUPERSTITION,HORSE)のフレットレス・ベースの優しい響きによる落ち着いた曲です。
6曲目"Between You And Me"(3:13) 前作の流れを汲むスタイリシュでグルーヴ感のある曲です。サウンドスタイルはシンプルですが、ファンキーでバックコーラスも"イカシタ"乗りの良い曲です。
7曲目"Shelter From The Storm"(2:10) PHILが参加する事によって生まれたようなメロディの曲です。[Turn Back The Clock]でのゴージャスで煌びやかなサウンドとは対照的アコースティック・ギターの弾き語りに近いサウンドと素朴だけれど親しみやすいメロディでブリティッシュな香りのするPHILの作詞/作曲のナンバーです。
8曲目"Fools Gold"(4:30) 遠くで響くヴォーカルスタイルによるTEARS FOR FEARS のROLAND・ORZABALヴォーカルに似た感じの曲でギターは、ベテランPHIL・PALMER(Ex.WISHBONE ASH)が参加しています。
9曲目"Keep Me In Mind"(3:39) CLARK・DATCHLERの雰囲気を残したアップ・ビートな曲でどこか哀愁のあるサウンドとメロディでPHILの作品です。
10曲目"Now She's Gone"(3:53) この曲は他のメンバーと書いた曲でジャジーな雰囲気の恋人との別れを歌ったバラードです。MOLLY・DUNCANのサックスが悲しみを誘います。この美しいメロディのバラードでアルバムは幕を閉じます。
全10曲歌詞付 ブックレット (輸入盤) 収録時間:36分36秒 (前作での爆発的ヒットの影に隠れた彼らの2枚目のアルバムですが、存在することすらあまり知られていません。収録時間がLP盤と同等に短い事以外は、音楽的には素晴らしい出来の作品です)'10年6月25日再更新


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写真  JOHNNY HATES JAZZ / Magnetized
 ・2013 Interaction Music Ltd.    IAMJHJ20CD

何だか嬉しくなって来た・・・

多分、このアルバムの説明として必ず、このようになるようになると思うのだけれど、前作が '91年の2枚目の[Tall Stories]だから22年ぶり、CLARK・DATCHLERが在籍していた頃の '88年だと25年ぶりの新作と紹介されるのでしょうね。
このアルバムは当時、ロンドンを中心に活躍していたロック・バンドJOHNNY HATES JAZZの '92年に解散してから '09年に再結成され '13年5月6日に本国でリリースされた3枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CLARK・DATCHLER:ヴォーカル/キーボード/ベース・シンセサイザー、MIKE・NOCITO:ギター/プログラミング/プロデュースの他、DAVE・MUNDAY:ギター、MARCUS・BONFANTI:ギター、NEIL・TAYLOR:ギター、DAVID・RHODES:ギター、JAMIE・MUHOBERAC:キーボード、PETE・WATSON:キーボード、ALEX・REEVES:ドラム、FRANK・RICOTTI:パーカッション、LILY・GONZALEZ:パーカッション、VINCE・DE・LA・CRUZ(Ex.KATRINA AND THE WAVES):ベース/タンバリン、ANNE・DUDLEY:キーボード/ストリングス・アレンジ、BERENICE・SCOTT:キーボード/バック・ヴォーカル、ALEX・COOPER:詠唱、PHIL・NICHOLS:詠唱、STEVE・STEWART:詠唱など80年代から活躍しているイギリスのミュージシャンやデビュー・アルバムの収録にも参加していた人もいます。

1曲目"Magnetized"(3:55) このアルバムから最初に紹介されビデオも制作された一押しの曲です。久しぶりに聴くCLARKの優しさのある歌声と当時から何も変わっていない洒落たサウンドに思わずにっこりとしている自分に気が付きます。
2曲目"Man With No Name"(4:00) この曲のイントロも80年代のブリティッシュ・エレクトロニカ・ポップのサウンドに通じる哀愁ある緻密な旋律を感じます。この曲をじっと聴き込んでいると何だか歌詞の方は、今のCLARKの心境を映し出しているように聴こえます。
3曲目"The Road Not Taken"(4:59) 大半の曲は、新曲としてこのアルバムに収録されているのですが、この曲は '07年のCLARKソロ名義の[Tomorrow]に収録されていた曲です。ゆったりと奏でられるピアノの調べに合わせて歌うCLARKの優しい歌声が響きます。'07年の収録曲とざっと比較してよりソフトなタッチにストリングスのアレンジが施されています。
4曲目"You Belong To You"(4:27) ソフトな曲の後は、タイトなドラムのビートとシンセ・ベースの重いサウンドが底辺に響く曲の登場です。この曲も聴いて思うのですが、'91年の2枚目のアルバムと差し替えて考えていてもサウンド的に何の違和感が無いようです。こう書くと古臭いサウンドと聞こえるようですが、CLARKを中心したJOHNNY HATES JAZZの普遍的なサウンドは、やはりCLARKでなければ出来なかった(以外とMIKE・NOCITOの辣腕も影響あるかも?)と再認識させられたと言うことです。でもPHIL・THORNALLEYの参加した2枚目も好きなアルバムの1枚ですよ。
5曲目"Release You"(5:40) この曲もイントロのサウンドから聴き入らす曲です。CLARKの歌声の間に登場するNEIL・TAYLOR(TEARS FOR FEARS)の流れるようなギター・サウンドからソロで聴かせる少し歪ませた音色も本当に堪りません。この曲のドラムのビートは、NEILが参加していて同じように再結成されたバンドの大ヒット曲に通じるところが非常に興味深いですね。
6曲目"Nevermore"(4:23) ストリング風のサウンドが巧みに登場し、高揚感を煽る美しいメロディとサウンドの曲です。CLARKの書く曲は、本当にリフが美しく素晴らしいですね。
7曲目"Ghost Of Love"(5:06) 今度は、アコースティック・ギターのサウンドを使ってのメランコリックなサウンドの曲です。乗りの良いエレクトロニカ・ポップな曲からこのようなスローでしっとりしたバラッドまで自身で書いて更に歌って聴かせる人って本当に素晴らしいですね。また、この曲のバックのスライド・ギターも素晴らしいのです。
8曲目"Lighthouse"(4:57) この辺りでちょっと曲の位置を現在に戻して来た感のある曲です。1曲目"Magnetized" アップビートにしてエレクトロニカのサウンドを目一杯追加した感のある曲です。ヴォイス・エフェクトを効かせたCLARKの歌声には昔からのファン達は、すこし驚くのではないでしょうか。曲により参加しているバックのギタリストが少しずつ違っているのですが、この曲では、DAVID・RHODES(VITAMIN Z,PETER・GABRIEL)がトランス気味に細かく刻まれた隠し味的な演奏を聴かせます。
9曲目"Goodbye Sweet Yesterday"(4:37) この曲のテンポは、非常に感じ良くこちらに響きますね。前の曲のサウンドとテンポとの組み合わせに非常に時間を要したと推測されます。この曲の持ち味は、CLARKの[Rain Dance]の延長線にあるようです。
10曲目"Eternal"(4:19) さてアルバムの最後の曲は、CLARKのピアノの弾き語り形式で収録された曲です。厳かな雰囲気を醸し出すストリングスの調べとアコースティック・ギターの切ない調べに重ねられたDAVID・MUNDAY(STEVIE・NICKS,BELINDA・CARLISLE)のギターに思わず鳥肌が出ました。
全10曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:46分27秒 (キーボード/ドラムのCALVIN・HAYESが参加していないのが非常に残念ですが、CLARK達は再び素晴らしいアルバムを届けてくれました)'13年6月1日更新


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写真  JOHNNY HATES JAZZ / Wide Awake
 ・2020 JHJ Music    DATMC2

PHIL・THORNALLEYも参加・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているブリティッシュ・ポップ・バンドJOHNNY HATES JAZZの '20年8月21日に本国でリリースされた5枚目('18年の[Turn Back The Clock Unplugged]を含む、ベスト盤は含まない)のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CLARK・DATCHLER:ヴォーカル/キーボード/ベース・シンセサイザー、MIKE・NOCITO:ギター/ベース/ドラム/バック・ヴォーカル/プロデュース、PHIL・THORNALLEY:キーボード/ギター/ベース/ストリング・アレンジ/バック・ヴォーカルの他、MARCUS・BONFANTI:ギター、DAVID・MUNDAY:ギター/ハーモニカ、STEVE・STEWART:ドラム/チャーンタ、ALEX・REEVES:ドラム、CHRISTINA・HIZON:バック・ヴォーカル、IAN・BURDGE:チェロ、EVERTON・NELSON:ヴァイオリン、DAVID・BAPTISTE:サックス、のJOHNNY HATES JAZZ 2次メンバーや再結成時に収録したミュージシャン達が再び参加しています。

1曲目"Spirit Of Love"(3:44) イントロのサウンドを聴いた瞬間に70〜80年代にタイムスリップするモータウン・サウンドへのリスペクトを感じさせる曲です。'19年1月の来日公演の際にこの曲のビデオの一部を制作しています。
2曲目"New Day Ahead"(3:40) 今度は、少しハードなロック感を伝えるブリット・ポップ・ロック然とした曲です。間奏のギター・ソロは、MARCUS・BONFANTIでしょうか。リフが非常にかっこ好いですね。
3曲目"Love The Light"(3:24) 一転してCLARKのキーボードの弾き語りから入るバラッドです。バックで美しい歌声を聴かせるCHRISTINA・HIZONやDAVID・MUNDAYのハーモニカの音色に包まれてCLARKが歌います。
4曲目"Greater Good"(3:15) エレクトロニカ・ファンクなシンセ・ベースが響くあの時のJOHNNY HATES JAZZの普遍的なサウンドの曲です。エレクトリック・シタールやムーグの電子音などやっぱり、にっこりの感ですね。
5曲目"Wide Awake"(3:33) どこかのアルバムのレビューにも書いたのですが、アルバム・タイトル曲を聴く時に何故この曲のタイトルを選んだのか考察するのですが、イントロから途中にギターやサックスの演奏する度に変幻して行く陰陽の様変わりが非常に興味をそそります。歌詞の方は、現代生活と環境保護との矛盾をテーマにしています。
6曲目"Free"(3:14) 今度は、ちょっとサウンドを風変り移行して来たアコーアコースティック・サウンドの曲です。CLARKとPHILとの共作となっています。前々作に続いてヴォコーダーを使った間奏など再び新しい試みがあります。
7曲目"No Mistakes"(3:59) 少しダークなイメージを持ったミドルテンポなナンバーです。DAVID・MUNDAYのギターも切なく響きます。前々作での"Goodbye Sweet Yesterday" のテンポを少上げた流れを感じます。
8曲目"Don't Stop The Music"(3:26) 重く響くシンセ・ベースの響きとファンクに鳴り響くワウ・ギターのリズムによるこの曲もモータウン・サウンドにルーツを持っていると感じます。ちょっと勝手な想像ですが、アルバム収録中のCOVID-19の影響でも「音楽は止まらない!」と歌っているように感じます。
9曲目"My Old Piano"(3:05) ポンプ・オルガンの調べに合わせCLARKがピアノの演奏を楽しく様を歌います。少人数での収録にコーラスを重ねたシンプルさを伝えて来ます。
歌詞無し 各曲のミニ歌詞掲載 3折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:31分25秒 (PHIL・THORNALLEYも参加し、CLARKと曲まで一緒に書いているのは、嬉しい限りですね!)'20年12月1日更新
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写真
(music glueより販売されているサイン入限定盤です)


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写真  JONNA LEE / 10 Pieces,10 Bruises
 ・2007 Razzia Records    RAZZIA 065

意外とオーソドックスにまとめて・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているS.S.W.JONNA・LEE(ヨンナ・リー)の '07年10月10日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JONNA・LEE:ヴォーカル/ギター/ハーモニカ/グロッケンシュピール/パーカッションの他、CLAES・BJÖRKLUND:ドラム/ベース/ギター/キーボード/メロディカ、ED・HARCOURT(Ex.SNUG):ヴォーカル/ベース/キーボード/オムニコード/ドラム、SVEN・LINDVALL(Ex.GLORIA):ベース、DANNY・GOFFEY(SUPERGRASS):ドラム/パーカッション/バック・ヴォーカル、FREDRIK・LJUNGQVIST(ATOMIC):クラリネット/サックス、IAIN・HILL:パーカッション、ELLIOTT・WILLIAMS:バック・ヴォーカルのロンドンで収録された為、スウェーデンとイギリスの混成チームとなっています。
尚、プロデュースは、JONNA・LEEとED・HARCOURTが参加した曲については、EDとJONNAとの共同で行われています。

1曲目"Ordinary, I"(3:29) シンプルなサウンドと循環コードによる大人しい調べを聴かせる曲で、iamamiwhoamiでのプロジェクトとは趣を違わせたオーソドックスなスタイルを印象づけます。
2曲目"Dried Out Eyes"(4:14) この曲も聴き易いメロディとサウンドを持った曲です。少し枯れた歌声を聴かせるJONNAとスウェーデン(収録はロンドンですが)らしい凛としたサウンド・スタイルが好いですね。
3曲目"And Your Love"(3:57) 古びたアコースティック・ギターのサウンドと弦を擦るJONNAの指先の動きさえも読み取れる感じの曲です。JONNAの吐息混じりの歌声の後ろより登場するED・HARCOURTのメランコリックな渋めの歌声がやはり印象的です。
4曲目"I Wrote This Song"(3:46) クラリネットやサックスで奏でられる少し明るさを差し込んできた曲の登場です。'08年7月の国内盤でのキャッチコピーは「FEIST、YAEL・NAIMのファン必聴」と宣伝されたJONNAのこのアルバム、そのような感じが伝わって来るのは確かです。
5曲目"Autumn Song"(3:43) 1曲目と2曲目のリズムを少し落して来たアコースティック・サウンドの曲です。この曲でのJONNAの歌声と曲のサウンドは、先のFEISTと言うよりオーストラリアのSARAH・BLASKOのダウンテンポさに非常に近いものを感じます。
6曲目"Lost Track"(3:10) グロッケンシュピールの切ない響きとJONNAのメランコリックな歌声が訥々と流れるピアノの調べを中心に演奏されている曲です。ノイズやサンプルをあちこちに散りばめながらもオーソドックスなスタイルでまとめています。
7曲目"Time"(3:28) やはり女性S.S.W.らしいこじんまりした中にも思い入れやサウンドの流れに拘りを強く感じますね。
8曲目"Here's The Low"(3:29) この曲をぱっと聴いて思わずプロデューサーは、BJÖRN・YTTLINGじゃないのかなと思うくらいの彼特有のサウンド・スタイルを感じます。ドンドンと鳴るドラムに弾ける感じのピアノの調べに乗せて歌う少し楽しげな歌声を聴かせるJONNAです。
9曲目"Biggest One"(3:58) このアルバムの収録曲で唯一共作となっている曲で、JONNAとCLAES・BJÖRKLUNDにイギリスのNICK・WHITECROSS(KISSING THE PINK)と一緒の書かれていてNICK自身もライヴ音源のような同曲をMySpaceで紹介しています。太く響く荒らしたギターのサウンドとアップライト・ピアノの調べで繰り広げられるバラードですね。
10曲目"Closer"(4:33) この曲は、CLAES・BJÖRKLUNDのギターのサウンドが非常に印象に残る曲ですね。このアルバムではJONNAの紹介に必ずと言っていいほどED・HARCOURTの参加やプロデュースが話題となっていましたが、CLAESのギター、ベース、ドラムの演奏による貢献の度合いが大きいことが実感します。
11曲目"Prints(Bonus Track)"(2:58) JONNAのアコースティック・ギターの弾き語りによるスローな曲です。曲の終盤に登場するポンプ・オルガンの調べも少し切なく響いて来ます。
10曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:40分50秒 (もともとオルタナティヴ・ミュージック畑のJONNAでしたが、自身のソロ・アルバムでは意外とオーソドックスにまとめて来ました)'11年1月28日更新


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写真  JONNA LEE / This Is Jonna Lee
 ・2009 Razzia Records    RAZZIA 112

ジャケット通り色彩豊かになり・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているS.S.W.JONNA・LEE(ヨンナ・リー)の '09年2月15日に本国でリリースされた2枚目アルバム('08年のEP盤は含まない)です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JONNA・LEE:ヴォーカル/ギター/ハーモニカ/シンセサイザー/パーカッション/ドラムの他、CLAES・BJÖRKLUND:ドラム/ベース/ギター/キーボード/グロッケンシュピール/シンセサイザー/バック・ヴォーカル、JONAS・MARTINSSON:ギター/バック・ヴォーカル、JOHAN・LUNDGREN:ベース/バック・ヴォーカル、ANDERS・ELIASSON:ドラム/バック・ヴォーカル、FREDRIK・OKAZAKI・BERGSTRÖM(I ARE DROID):ドラム/パーカッション、NEIL・PRIMROSE(TRAVIS):ドラム/パーカッション、 KRISTIAN・ISAKSSON:バック・ヴォーカル、STINA・ANDERSSON:バック・ヴォーカル、VERONIKA・ERIKSSON:バック・ヴォーカル、KARL-JONAS・WINQVIST:バック・ヴォーカル、ANDREAS・ALFREDSSON・GRUBE(Ex.WAVER):バック・ヴォーカル、TOMAS・KLINTA:バック・ヴォーカル、ANDREA・KELLERMAN:バック・ヴォーカル、ANNIKA・NORLIN:バック・ヴォーカルの今回は、スウェーデンのミュージシャンが多く参加しています。
尚、プロデュースは、JONNA・LEEとCLAES・BJÖRKLUND(RON・SEXSMITH,A-HA)の共同で行われ、収録風景を収めた6分41秒のEPKもこのアルバムに収録されています。

1曲目"Aberdeen On New Years Eve"(3:16) 少し篭らせたアコースティック・ギターの爪弾きに合わせて歌うこれまた古びたマイクを通して伝わってくるセピア色のようなJONNAの歌声による曲です。メロディの流れやサウンドの展開にはオルタナティヴな要素も感じさせます。
2曲目"Lake Chermain"(5:12) 幻想的な調べによる1分を超えるイントロから展開されるアコースティック・サウンドの乗りの良さ感じさせるリズムとコード進行の曲です。STINA・ANDERSSON、ANNIKA・NORLINとANDREA・KELLERMAN達のスキャットによるバック・ヴォーカルの歌声が非常に美しく響いて来ますね。
3曲目"This Is 2009"(2:48) シンセサイザーで奏でられるチープさを演出したリズムマシーン風のサウンドに訥々と奏でられるアコースティック・ギターのサウンドに次第に女性バック・ヴォーカルによる歌声を増やして展開させる落ち着いた調べの曲です。各曲の曲間かイントロ部分にはノイズを使ったアレンジ凝ったアレンジにもなっています。
4曲目"There Was Me"(4:02) 今度は荒削なサウンドで展開させる導入分部から非常に印象に残るアコースティック・ギターの演奏です。後半からはリズムとピアノの演奏に変えての組曲風な展開を仕掛けるオルタナティヴさを感じます。
5曲目"Something So Quiet"(3:30) 本当にイントロからアウトロまで「イカシテる曲」です。スペース・サウンドを効果的に使った演出とバックに響くJONNAの歌声が素晴らしいです。少し暗い内容で難解な歌詞ですがそこがJONNAらしいですね。
6曲目"My High"(3:31) 一転して明るくカラフルに展開させるギター・ポップなサウンドの曲で、アルバムからのシングル・カット第1弾となっています。JONNAのプロモーションビデオに時々登場するANDREAS・ALFREDSSON・GRUBEがバック・ヴォーカルで参加しています。
7曲目"The Weight And The Beating Of His Heart "(3:34) 古びたアップライト・ピノの切ない響きに合わせて歌うJONNAの清楚な歌声が響く曲です。共作のCLAES・BJÖRKLUNDとJONNAの2人だけの収録となっていて神秘的な内容の歌詞によるプライベートさも感じられます。
8曲目"Newfound Friend"(3:53) 女性S.S.W.らしい愛について歌った歌詞を叙情的に歌うJONNAです。特に目立ったサウンドで前に出て来ないのですがJONAS・MARTINSSONのギターの奥深さが非常に心地好いですね。
9曲目"The Light"(2:53) レーベル仲間I ARE DROIDのFREDRIK・OKAZAKI・BERGSTRÖMがそのタイトで力強いドラムのビートを聴かせる曲です。ベースやピアノのサウンドも一転して力強さを感じて聴こえて来るのはドラムが替っただけで不思議に感じます。
10曲目"Question:"(3:14) JONNAのアコースティック・ギターの弾き語りを中心に展開させるシンプルな調べとメロディの曲です。先に紹介した女性3人の美しいハーモニーに重ねらえた切ないJONNAのハーモニカの調べもしっとりと響いて来ます。
11曲目"Sinking Low"(2:53) ギターとベースのサウンドをたっぷりと響かせた3分間ギター・ポップな曲です。少し枯れたJONNAの歌声にハンドクラップスでリズムを刻むテンポの良さを暫し味わいましょう。
12曲目"In The Mood For You"(3:51) スウェーデンで活躍しているギター・ポップ・バンドDOUBLEPARKのヴォーカル/ギター/ベース担当のJOHAN・PROSELLとJONNAとの共作による曲で、JONNA自身も彼らのアルバムの収録に参加しています。ギターとピアノの調べで奏でられるポップな曲調べにJONNAの日常のちょっとした出来事を歌詞に綴っています。
13曲目"Loneliest One"(3:45) 各楽器の演奏とプロデューサーのCLAES・BJÖRKLUND繋がりと思うのですがTRAVISのドラマーNEIL・PRIMROSEが収録に参加している曲です。少し寂しげな歌詞を綴った曲ですが、ギミックなCLAESのギターにNEILの非常に安定したドラムのビートと聴き易いメロディが響きます。
全13曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット スーパー・ジュエル・ボックス仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:46分58秒 (前作は、モノクロームのジャケットだったけど今回は、色彩豊かにこのアルバムの内容を表現しています)'11年1月29日更新


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写真  JOSIE / Footsteps
 ・2001 DodgieDisc    DGD-0005

JOSIE17歳のデビュー・アルバム・・・

スウェーデン北部の都市Umeå出身のJOSIEことJOSEFINA・ANDERSSONの '00年のCD Max.[Learn To Trust]に続いてリリースされたデビュー・アルバムです。国内でのリリースは '01年1月25日になっています。
このアルバムをリリースした後、JOSIEは、ANDREAS・ALFREDSSONとのポップ/ロック・ユニットWAVERとしてアルバムもリリースしています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOSEFINA・ANDERSSON:ヴォーカルの他、ULF・EDLUND:ギター/ラップ・スティール、JAKOB・ENVALL-MUNCK:ベース/ギター/バック・ヴォーカル、INGMAR・ALMEROS:ギター、OSKAR・LING:キーボード/シンセサイザー、THOMAS・HELLGREN:ハーモニカ、JÖHAN・HORNQVIST:ドラム、ESKIL・LÖVSTÖM:プログラミング/キーボード/メロトロン、PELLE・HENRICSSON:ドラム/パーカッション/タンバリン/プログラミング、ERIK・DAHLGREN:ドラム、TORBJÖRN・NÄSBON:ヴァイオリン/ヴィオラ、KERSTIN・ISAKSSON:チェロ、SOFIA・HENRICSSON:バック・ヴォーカル、FANNY・HENRICSSON:バック・ヴォーカルのUmeåのミュージシャン達です。
尚、エグゼクティヴ・プロデューサとして月光恵亮の名前がライナーに記載されています。

1曲目"Your Funny Clothes"(3:48) やや憂いのあるポップな調べのイントロとメロディに乗せたJOSIEの端正な歌声によるバラードで、歌詞の内容はこのアルバム・デビュー前に亡くなったJOSIEの父のことを歌っているのではないでしょうか。
2曲目"Learn To Trust"(3:36) この曲は明るいギター・サウンドを基調としたスウェディッシュ・ポップな感じを直に送りつけて来る曲ですね。若さ溢れるJOSIEの歌声とバックのサポートのエモーショナルを感じます。
3曲目"No One Like You"(3:40) アコースティック・ギターのサウンドとチェロの調べによるメランコリックなナンバーです。父に宛てた想いを綴った歌詞を切なく歌うJOSIEの歌声も後半にはダイナミックな展開をみせます。
4曲目"Face To Face"(4:18) エレクトロニカ・ポップのサウンドを使ったピュアな感じのポップ・ナンバーです。スウェーデンの若い女性ミュージシャンの曲と言うのではなくポップ・シンガーの好むキャッチーなサウンドの曲と言った感じでしょうか。
5曲目"Paralyzed"(3:07) イントロから"渋い" スライド・ギターのサウンドを聴かせるスローなナンバーです。この曲を含み収録曲全て作詞/作曲を行っているJOSIEの才能の高さを感じさせます。彼女自身エレクトリック・ギターの生み出すサウンドが好きなようなことを感じさせる1曲です。
6曲目"Time To Walk Away"(2:51) 少しハードなギターのサウンドを感じさせる曲の登場です。サビの部分では少し掠れ気味のファルセット・ヴォイスを聴かせるJOSIEの歌声が印象に残ります。
7曲目"Our Moon"(3:17) 固い打音を発するドラムのビートに乗せて歌うJOSEIのイノセント・ヴォイスと乗りの良いULF・EDLUNDのドライヴン・ギターのサウンドが心地好い曲です。バックには美しいストリングスの調べのアレンジです。このあたりにはスウェディッシュ・テイストを感じさせます。
8曲目"Don't Ever Stop"(3:14) ハーモニカのサウンドを使った牧歌的なフォーク・ロックな曲です。透き通ったJOSIEの歌声とアコースティックの爽やかなサウンドが溶け合って流れて来ます。
9曲目"So Scared"(3:19) バンジョーのサウンドをアクセントとして使ったギター・ポップスです。この曲でも掠れ気味のファルセット・ヴォイスをビビットに聴かせるところが好いですね。
10曲目"Every Time"(3:11) アメリカの若い女性S.S.W.の歌う曲のイメージに近い作風を感じさせる曲です。タイトなドラムのビートとバックで流れるギターのサウンドによるベテラン勢の安心させるサウンドに見守られながら一生懸命に歌うJOSIEの姿を想像させます。
11曲目"Turn The Page"(3:43) 最初のデビューEP盤にも収録されていた曲です。この曲もアメリカン・ポップ・シンガーの曲に近いギター・ポップなナンバーです。全面に流れる歯切れ良いエレクトリック・ギターのサンドが心地好いです。
12曲目"Footsteps On The Floor"(4:59) この曲も先に紹介したEP盤に収録されている曲です。ドラムのビートが印象的に響くメロディアス・ギター・ポップスで、JOSIEの幼さの残る歌声が爽やかに流れます。
全12曲歌詞/訳詞付 20ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:43分11秒 (このアルバムリリース時には国内でストア・ライヴを行っていたJOSIEです。但し、現在のJOSIEのユニットWAVERのアルバムは、残念ながら国内での入手は困難なようです)'10年6月28日再更新


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写真  JULIA FORDHAM / East West
 ・1997 Circa Records LTD.    VJCP-25304

シンプルな曲によるJULIAのヴォーカルを生かした・・・

JULIA・FORDHAM 5枚目のアルバムで '97年6月6日、国内でのリリースです。どの曲も最低限の楽器構成と無駄を排したシンプルなアレンジの楽曲です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JULIA・FORDHAM:ヴォーカル/ギター/キーボード/プロデュースの他、DAVID・CLIFTON:ギター、KEVIN・McCORMICK:ベース、MICHAEL・BROOK:ギター/プログラミング/プロデュース、JEFF・YOUNG:キーボード、JUDITH・OWEN:ピアノ、PAUL・PJ・MOORE:キーボード、JAMES・FEARNLEY:アコーデオン、MAURICIO・LEWAK:ドラム、JASON・LEWIS:パーカッション、LENNY・CASTRO:パーカッション、MARTIN・TILLMAN:チェロの1部アメリカのミュージシャンも参加しています。

1曲目"Killing Me Slowly"(5:31) アコースティック・ギターの調べに乗せJULIAの何時もと変わらぬ独特の歌声と淡々と歌う様が伺えるシンプルな曲です。
2曲目"East West"(4:03) 鼓笛のようなドラムのリズムとシンプルなピアノによる楽曲です。
3曲目"Stay"(4:53) 囁くように歌うJULIAのヴォーカルが神秘的です。また、この曲もシンプルなアレンジで収録されています。
4曲目"I Want To Call You Baby"(3:51) 静かで神秘的な響きのするスローな曲でJULIAもゆったりと歌っています。
5曲目"My Last Goodbye"(3:19) 乗りの良いギターのリズムとドラムの刻みはウエストコースト風の曲です。
6曲目"More Than I Can Bear"(3:48) ピアノの伴奏に合わせて淡々と歌うJULIAのヴォーカルを生かした曲です。
7曲目"I Can Tell You Anything"(3:36) SIMON・CLIMIEとの共作でアメリカの南部の香りがする曲です。アコーディオンが効果的に使われています。
8曲目"Wishing You Well"(3:36) アコースティック・ギターによる弾き語りから入りサビでは重厚な曲へと変化します。
9曲目"Magic"(2:55) メジャー7のギターコードを多用した弾き語り風のシンプルな曲です。
10曲目"Fat Lady"(4:58) レイドバックしそうなギターの音色が心地好いスローな曲です。
11曲目"Goodbye I Love You"(3:13) ボーナス・トラックで彼女のアカペラによるヴォーカルの収録です。
全11曲歌詞/訳詞付 20ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:43分48秒 (時々ふっと聴きたくなる彼女の歌声と音楽です)'10年6月28日再更新


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写真  JULIA HÜLSMANN TRIO FEAT.REBEKKA BAKKEN /
 Scattering Poems
 ・2003 ATC Music + Vision GmbH    ATC 9405-2

JULIAの優しいピアノと・・・

このアルバムは、ドイツのボン出身のジャズ・ピアニストJULIA・HÜLSMANNの '03年1月27日に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
今回のアルバムでは、ノルウェーのジャズ・シンガーREBEKKA・BAKKENをゲスト・ヴォーカルに迎えて収録されています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JULIA・HÜLSMANN:キーボードの他、REBEKKA・BAKKEN:ヴォーカル、MARC・MUELLBAUER:ベース、HEINRICH・KÖBBERLING:ドラム、RAINER・WINCH:ドラムのドイツのジャズ界のベテラン達です。

1曲目"Anyone"(6:12) 穏やかな調べを聴かせるJULIAのピアノのサウンドの後から登場するREBEKKAのあの硬質な独特の歌声が広がる曲です。JULIAのトリオとしてその演奏をしっかりとバックで支えるMARCとHEINRICHの演奏 の頼もしさを感じます。
2曲目"The Moon Is Hiding"(5:46) この曲はもっとモダーン・ジャズのテイストを感じさせる曲です。先の曲では控え目の演奏していたMARCもアグレッシヴなベース・ソロを任されています。
3曲目"Same Girl"(3:51) ピアノの調べに合わせて歌うREBEKKAの落ち着いた歌声が響くスローで、シンプルな演奏スタイルの曲です。オリジナル曲は、RANDY・NEWMAN '83年の曲です。
4曲目"The City Sleeps"(6:04) 電子サウンドを少し加えた"クール" なアシッド・ジャズの曲です。アドリヴを交えて展開されるスリリングな演奏とその演奏にも負けていないREBEKKAの卓越した歌声によるアシッド感が迫ります。
5曲目"Love Is More Thicker Than Forget"(4:37) しっとりとゆったり歌うREBEKKAの歌声が優しく響く曲です。このピアノ、ベース、ドラムにヴォーカルによる演奏スタイルにはもう余分なものは必要ない感じですね。
6曲目"Tic Toc"(5:33) ここへ来て少し風変わりな曲の登場です。スポーケンかラップで歌うREBEKKAの歌声が非常にめずらしく感じます。ラップを通り過ぎて転調してからはご機嫌なメロディアスでスムーズな流れを感じるジャズの調べです。
7曲目"The Wind Is A Lady"(5:06) 訥々と溜めて奏でられるJULIAのピアノの調べによるダークなサウンドの曲です。まるで戯曲のようにその演劇シーンまで想像させてしまう演奏とREBEKKAの歌声です。
8曲目"In Justspring"(5:00) この曲もモダーン・ジャズのテイストを感じさせる曲で、ところどころ各楽器アドリヴにて収録されています。低域から高域までその美しい歌声を聴かせるREBEKKAですので、同年ソロ名義によるデビュー・アルバムをリリースしています。
9曲目"Maggie & Milly & Molly & May"(6:23) アシッド・ジャズのテイストを感じる曲です。間奏でのソロは、モダーン・ジャズ/フリー・ジャズの要素を感じさせる流れなどこの曲に様々なスタイルを封じ込めたようです。
10曲目"A Thousand Years"(4:34) エスニックな雰囲気を醸し出すパイプ・オルガン風のサウンドにしたMARCのベースに切なさを感じる演奏に合わせたJULIAのジャズ・ピアノの演奏によるインストゥルメンタルです。オリジナル曲は、STING '01年の曲で、共作者は、STINGのアルバムのプロデューサーKIPPER(MARK・ELDRIDGE)です。
歌詞無し 3折紙ジャケット仕様 ライナー無し 輸入元販売ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:53分13秒 (JULIAの優しいピアノに尖ったREBEKKAの歌声のバランスが妙に良い感じですね)'11年7月2日更新


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