写真  ADELE / 19
 ・2008 XL Recordings Limited    WPCB-10049

2008年はこの人の年でしょうか・・・

CORINNE・BAILEY・RAEKT・TUNSTALLなどU.K.のB.B.C.が、その年度にブレイクする新人を選出したSound Of The Yearsの2008年度ベスト1位に選ばれた南ロンドン出身の19歳の新人ADELEことADELE・ADKINSのデビュー・アルバムです。本国では '08年1月28日リリースで、国内盤は3月5日に3曲のボーナス・トラックを追加してワーナー・ミュージック・ジャパンより配給されています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ADELE:ヴォーカル/ギター/ベース/キーボードの他、BEN・THOMAS:ギター、MATT・ALLCHIN:ギター、MICHAEL・TIGHE:ギター、STUART・ZENDER:ベース、SAM・KOPPELMAN:グロッケンシュピール、JIM・ABBISS:グロッケンシュピール、JASON・SILVER:キーボード、NEIL・COWLEY:キーボード、PETE・BIGGINS:ドラム、SEB・ROACHFORD:ドラム、LIAM・HOWE:プログラミング、TOM・DRIESSLER:ベース/タンバリン、LONDON STUDIO ORCHESTRA:ストリングス、PERRY・MONTAGUE-MASON:ストリングス、WIRED STRINGS:ストリングス、CHRIS・ELLIOTT:指揮、WILL・MALONE:指揮、ROSIE・DANVERS:ストリングス・アレンジ、JACK・PEÑATE:バック・ヴォーカル、THE GOSPEL CHOIR:バック・ヴォーカルのイギリスのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、JIM・ABBISS(THE ARCTIC MONKEYS)と曲作りにも参加しているEG・WHITE(KYLIE・MINOGUE)にMARK・RONSON(CHRISTINA・AGUILERA)が曲毎に担当しています。

1曲目"Daydreamer"(3:40) ADELEのアコースティック・ギターの弾き語りによる曲です。高域で響く彼女の特徴的なヴィブラートが非常に巧みで、その歌声に魅力を感じます。アルバムの1曲目は、ADELEの先ずは名刺代わりといったところに位置する曲でしょうか。
2曲目"Best For Last"(4:18) アコースティック・ベース・ギターを巧み弾きこなすADELEです。ソウルフルにまた、エモーショナルに自在に歌いこなすADELEの独断場的なアコースティック・サウンドとピアノの調べによる曲です。
3曲目"Chasing Pavements"(3:30) 先行シングル・カットの曲でADELEがそのエモーショナルな歌声を聴かせる曲です。ビデオも制作され本国でヒット中の曲であり、1曲目と2曲目とはサウンドの濃さを色濃くまた厚くし、ADELEの歌声も更にエモーショナルに歌いあげる彼女の卓越したとても19歳の新人と思えない歌声による曲です。
4曲目"Cold Shoulder"(3:11) この曲は、PETE・BIGGINS(MARK RONSON BAND)のドラムのビートが非常に素晴らしく感じます。ただ、2分を過ぎた辺にあるビートルズ・ライクなアレンジが、曲の乗りを阻害して少し残念なような気がします。でも、やはりこの曲のドラムのビートは最高ですね。
5曲目"Crazy For You"(3:28) スワンプ・ロック/ブルース的な曲の登場です。ADELEがギターを弾きながらこの辺りの曲を弾き語りで相当練習して来たこと覗わせます。
6曲目"Melt My Heart To Stone"(3:25) ADELEがそのダイナミックな歌声を聴かせるラヴ・バラードです。非常に美しいメロディとメランコリックな調べに絡ませたストリングスの切ない響きによる3曲目と同じスタッフによる収録です。
7曲目"First Love"(3:10) クリスマス・ソングのように円やかに響くキーボード(Celesta)の調べと特徴的な歌声とワルツのリズムによるシンプルな曲となっています。
8曲目"Right As Rain"(3:17) STEELY DANから影響を受けたと推測させるライト・ファンクなメロディ・ラインとキーボードのサウンド・スタイルによる曲で、最初クレジットを見ずにこの曲を聴いていたところ女性バック・ヴォーカルが数人参加しているとてっきり思いました。しかし、All Vocals:ADELEと記載されていてびっくりです。
9曲目"Make You Feel My Love"(3:32) ピアノのサウンドを主体としたアコースティック・サウンドのバラードです。映画音楽のようなサウンドとメロディによる少しメランコリックな雰囲気を持った曲です。オリジナル曲は、BOB・DYLAN '97年の作。
10曲目"My Same"(3:17) この曲はメロディ、サウンド、ヴォーカル・パート共に非常に面白い曲ですね。ノスタルジックなサウンドを醸し出すジャイヴな曲です。
11曲目"Tired"(4:18) レゲエ/ブラック・ミュージックからの影響を感じさせる曲でEG・WHITE との共作になっています。転がすように喉を響かすADELEの歌声と流れるメロディとリズムによる曲で、途中より荘厳なストリングスのアレンジが加えられています。
12曲目"Hometown Glory(4:29)" 何かイントロから"ジーン" と来ましたね。NEIL・COWLEY(NEIL COWLEY TRIO)の美しいメロディを奏でるピアノのサウンド乗せて歌う弾き語りに近い曲でADELEの特徴的なかすれ気味の歌声が印象に残ります。この曲にはこれ以上余計なサウンドは不必要ですね。本当に素晴らしい曲です。この曲でもブリティッシュらしい荘厳で繊細なストリングスの調べもバックに流れています。
13曲目"Painting Pictures(Bonus Track)"(3:34) オルタナティヴなロック"ン" ロールのリズムとサウンドの曲です。ヴォーカルの歌声は、別にしてKT・TUNSTALLの音楽が好みの人に受けそうなギター・サウンドの曲です。
14曲目"Now And Then(Bonus Track)"(3:24) ナチュラル・トーンにしたADELEのエレ・アコーステック・ギターによる弾き語りです。ギターの爪弾きに合わせて歌うADELEの優しさを持ったソウルフルな歌声も心地好く響きます。
15曲目"That's It, I Quite, I'm Moving On(Bonus Track)"(2:12) ADELEがライヴでよく演奏しているSAM・COOKE、MARSHALL・CRENSHAWらが歌った60年代のブルースのカバー曲です。シングル盤"Chasing Pavements" のカップリングとなった曲です。(LINK先は、ラジオ出演のライヴ映像です)
全15曲歌詞/訳詞付 20ページ物写真ブックレット ボーナス・トラック付 (国内盤) 収録時間:52分50秒 (国内盤のリリースに合わせて来日の予定だったADELEですが、残念ながら本人の体調不良によりキャンセルとなってしまいました。尚、国内盤は、初回限定リーズナブル・プライスとなっています)'08年3月7日更新


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写真  THE ADVENTURES / Theodore And Friends
 ・1985 Chrysalis Records Ltd.    WWS-81732 (CHR-1488)

ギターの残響音と美しいハーモニーが調和した1枚・・・

このアルバムは、アイルランド出身でロンドンをベースに活躍していたTHE ADVENTURESの '85年リリースのデビュー盤(同年セルフ・タイトルの曲順違いもリリース)です。
バンドのメンバーは、TERRY・SHARP:ヴォーカル、EILEEN・GRIBBEN:ヴォーカル、GERARD "SPUD" MURPHY:ギター/ヴォーカル、PAT・GRIBBEN:ギター/ピアノ/ヴォーカル、TONY・AYRE:ベースの5人組で、TEARS FOR FEARSの全英ツアーのサポートを務めた事もある実力派のバンドです。

1曲目"Always"(3:58) スピード感のあるギターのリズムと叩きつけるドラムのビートが押し寄せる曲で、それに乗せた哀愁のあるTERRYのヴォーカルが魅力的に響きます。
2曲目"Feel The Raindrops"(3:47) 金属音のするギターの音色とTERRYのヴォーカルとEILEENのハーモニーとが曲と一体化しています。
3曲目"Send My Heart"(3:46) スピード感のあるポップなリズムとTERRYのヴォーカルとバック・コーラスが素晴らしい。この曲で演奏するPATのギターのサウンドは、A FLOCK OF SEAGULLSのそれと似ています。
4曲目"Two Rivers"(4:28) 爽やかで透明感のある曲で、紅一点EILEENとのハーモニーが美しい。
5曲目"Don't Tell Me"(4:33) 繊細なメロディとTERRYとEILEENのヴォーカルの響きと透明感が本当に素晴らしい曲です。
6曲目"Another Silent Day"(5:05) アカペラによるイントロにPATのギターTONYのベースと次第に入ってきます。
7曲目"When The World Turns Upside Down"(4:50) エレクトリックシタールを使った爽やか曲です。
8曲目"Love In Chains"(3:40) パワフルなポップチューンです。この曲はどちらかと言うとアメリカン・ロック的なサウンドです。
9曲目"Lost In Hollywood"(5:09) 緩やかに奏でられるベースのサウンドが効いたメロディに、PATのアコースティック・ギターが素晴らしく響く曲です。
10曲目"These Children"(3:20) シンセのベースに"SPUD" のリード・ヴォーカルです。様々な効果音を随所に取入れアバンギャルドな仕上げです。
全10曲歌詞付 LP盤 (国内盤) 収録時間:41分17秒 (ギターのサウンドと紅一点EILEENの爽やかな歌声はイングランドの湖水地方を想像させます)'10年4月22日再更新


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写真  THE ADVENTURES / The Sea Of Love
 ・1988 Elektra/Asylum Records.    9 60772-2

TERRYのヴォーカルの空間処理が素晴らしい・・・

U.K.出身THE ADVENTURESのセカンド・アルバムで、'88年のリリースです。ファーストも良いアルバムでしたが、このアルバムはメンバー全員のまとまりも更に良く、聴き応えが増しています。U.K.バンドらしく同じ時期に活躍したDEACON BLUEに代表されるような、少し影と冷ややかさを持つ素晴らしいグループです。
このアルバムでのTHE ADVENTURESのメンバーは、TERRY・SHARPE:ヴォーカル、EILEEN・GRIBBEN:ヴォーカル、"SPUD" MURPHY:ヴォーカル、PAT・GRIBBEN:ギター/バック・ヴォーカル、TONY・AYRE:ベース、PAUL・CROWDER:ドラムの6人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JONATHAN・WHITEHEAD:キーボード、NICK・GLENNIE-SMITH:キーボード、PETE・VITESSE:キーボード、PAUL・FISHMAN:キーボード・プログラミング/オーケストラ、ANDY・PASK:ポゴ・ベース、MORRIS・PERT:パーカッション、ROLAND・KERRIDGE:電子パーカッション、BOB・WHITE:ウィリアン・パイプ、ANDY・FINDON:ティン・ホイッスル、BRIAN・KENNEDY:バック・ヴォーカル、BILLY・VANDERPUYE:バック・ヴォーカル、ETHNA・McCARTHY:バック・ヴォーカル、CLAIRE・McCARTHY:バック・ヴォーカル、CATHERINE・McCARTHY:バック・ヴォーカル、THE GLISSANDO TWINS:バック・ヴォーカル、PETE・SMITH:バック・ヴォーカル/プロデュース、PAUL・CROWDER:バック・ヴォーカル、DAVID・FIELD:バック・ヴォーカル、KATIE・KISSOON:バック・ヴォーカル、MIRIAM・STOCKLEY:バック・ヴォーカル、STEVIE・LANGE:バック・ヴォーカルの多くのミュージシャン達が収録に参加しています。

1曲目"Drowning In The Sea Of Love"(4:35) リード・ヴォーカルTERRY・SHARPの歌声と元気一杯のバック・コーラスとの独特の音響感がこのバンドの最大の魅力です。この曲もその特徴を持つ一曲です。
2曲目"Broken Land"(5:04) バックで流れるバッグ・パイプ風の音色がブリティッシュですネ。湖水地方のような瑞々しさを曲から感じます。
3曲目"You Don't Have To Cry Anymore"(4:12) TERRYのヴォーカルの空間処理が素晴らしい曲で、溜めを取ったドラムのビートが心地好いのです。
4曲目"Trip to Bountiful(When THhe Rain Comes Down)"(5:08) TERRYのヴォーカルが独特の響きとバック・コーラスとのコンビネーションが素晴らしいギター・サウンドの曲となっています。
5曲目"Heaven Knows Which Way"(4:37) 紅一点EILEEN・GRIBBENとのハーモニーが美しいポップ調の曲です。
6曲目"Hold Me Now"(4:02) タイトなドラムのリズムと全員でのコーラスが元気一杯な曲です。ブリティシュ・テイストのサウンドを十二分に感じることが出来ます。
7曲目"The Sound Of Summer"(4:49) うねりのある独特の響きを発するシンセ・ベースとギター・ソロが印象的な曲です。小刻みに挿入されるピアノの調べがインパクトを与えているようです。
8曲目"When Your Heart Was Young"(3:50) 青春ものの映画音楽にそのまま使われそうなダイナミックでワイドな広がりを持つ曲です。
9曲目"One Step From Heaven"(4:37) ストレートなロックですが、どこと無くオペラ仕立てのアレンジで展開されています。
全9曲歌詞付 10ページ物写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:40分57秒 (ブリティッシュの香りたっぷりのサウンドと素晴らしいハーモニーのバンドでした)'10年4月22日再更新


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写真  THE AMAZING / The Amazing
 ・2009 Subliminal Sounds    SUBCD30

サイケデリック感が心地好い・・・

このアルバムは、スウェーデンのストックホルムで活躍しているインディー・ロック・バンドTHE AMAZINGの '09年4月27日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
THE AMAZINGのメンバーは、CHRISTOFFER・GUNRUP(ANNA・JÄRVINEN,GRANADA):ギター/ヴォーカル、REINE・FISKE(DUNGEN):ギター/ベース、FREDRIK・SWAHN:ベース/バック・ヴォーカル、JOHAN・HOLMGARD(DUNGEN):ドラム、FREDRIK・BJÖRLING:ドラム、MAGNUS・VIKSTRJÖM:オルガンのこのアルバムの収録時では6人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ERIC・MALMBERG:オルガン、CHRISTOFFER・SCHLEE:オルガン、MAGNUS・JOSEFSSON:バック・ヴォーカル、HENRIK・BLOMQVIST:バック・ヴォーカル、HÅKAN・ÅKESSON:バック・ヴォーカルなどDUNGENのアルバム制作に関わったミュージシャンも参加しています。
尚、今回レビューするアルバムは、スウェーデンのFASHION POLICE RECORDSの海外向けライセンサーSubliminal Soundsからリリースされた盤を基に行っています。

1曲目"The Kirwan Song"(6:38) 曲のタイトルは、数奇な人生を送っているイギリスのギタリストDANNY・KIRWAN(FLEETWOOD MAC '68〜'72年)に捧げられている曲です。サウンドのイメージは、やはり70年代の初めブリティシュ・ロックらしい感じがします。ただ、4分30秒辺りで一旦曲が終わるのですが、暫くして音が復活して来る変わった収録方法となっています。
2曲目"Dragon"(3:13) 本国でシングル・カットされているアコースティック・サウンドが心地好く響く曲です。サウンド的には、非常にアメリカのバンドのスタイルを感じさせるアコースティック・サウンドにシンプルなエレクトリック・ギターのリフで味付けをした素朴さも感じます。
3曲目"Beach House"(5:49) CHRISTOFFER・GUNRUPの得意とする変則チューニングされたアコースティック・ギターと彼の浮遊感漂う歌声が素晴らしい曲です。この曲も素朴ながら不思議なコード進行やちょっとしたギターの運指など絶妙なところを発見します。
4曲目"Code II"(7:05) 今度は重いサウンドでサイケデリックに表現した曲です。例えるなら60年代後半に活躍したTHE DOORSのハモンドとギター・サウンドの曲に通じます。サイケデリックな前半を過ぎると後半からは美しいメロディとサウンドによるインストゥルメンタルとの2部構成となっています。
5曲目"Deportation Day"(5:30) この曲もアメリカのバンド、例えるならTHE BYRDSのようなリッケンバッカー・サウンドが一杯溢れるギター・サウンドの曲です。THE AMAZING主要メンバーCHRISTOFFERとREINEの造り出すギターの相乗効果がサウンドに現れています。
6曲目"Is It Likely"(5:10) この曲も変則チューニングされた不思議なギター・サウンドを感じさせる曲で、そのサウンドにCHRISTOFFERの少し頼りない歌声が絶妙に混じり合います。淡々とリムを打つドラムのビートとうねりを持たせたベースのサウンドが非常に感じ良いのです。
7曲目"Romanian"(7:04) ゆったりと奏でられるアコースティック・ギターの調べに合わせて歌うCHRISTOFFERの切ない歌声に聴き入らす曲です。メランコリックに響くハモンドのサウンドにダウナーなテンポの流れが切な過ぎますね。
8曲目"Dead"(4:53) 荒らしたギターのサウンドがイントロから響くブリット・ロック然とした曲の登場です。エコーを効かせたCHRISTOFFERの歌声にバックでワイドに広がるツイン・ギターの調べによるうねりが迫って来ます。
9曲目"Had To Keep Walking"(11:00) この曲は誰かの曲とかサウンドが似ているとか書かないでおこうと思います。広域で鼻に掛かるCHRISTOFFERの歌声にセミ・アコ・ギターの複数による爪弾きをたっぷりと重ね合わせたアレンジからノスタルジックなサウンドの後半へと流れて行きます。
10曲目"The Strangest Thing"(3:05) アルバムの最後の曲は、CHRISTOFFERのアコースティック・ギターによる弾き語りとなっています。フィンガー・ピッキングで巧みにギターを爪弾きながらそっと囁くように歌うCHRISTOFFERの優しい歌声が耳に心地好く響きます。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:59分33秒 (次のアルバム6曲入[Wait For A Light To Come]も '10年4月に早くもリリースされているこのTHE AMAZING、日本の目(耳)敏いインディーズ・ロック・ファン達は、早くも注目中です)'11年6月22日更新


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写真  THE AMAZING / Wait For A Light To Come
 ・2010 Subliminal Sounds    SUB-070-CD

僅か1年でのリリース・・・

このアルバムは、スウェーデンのストックホルムで活躍しているインディー・ロック・バンドTHE AMAZINGの '10年4月14日に本国でリリースされた2枚目のアルバム(6曲入り)です。
このアルバムでのTHE AMAZINGのメンバーは、CHRISTOFFER・GUNRUP(ANNA・JÄRVINEN,GRANADA):ギター/ヴォーカル/プロデュース、FREDRIK・SWAHN(DREAMBOY):ギター/ヴォーカル/パーカッション、JOHAN・HOLMGARD(DUNGEN):ドラム、REINE・FISKE(DUNGEN):ギター/ベースの4人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、MOUSSA・FADERA:ドラム/パーカッション、ERIK・LUNDIN:フルート、GUSTAV・EJSTES(DUNGEN):ピアノ、OLLE・LINDERHOLM:ギター、PER・LARSSON:キーボード、FELIX・TANI:ピアノ、STAFFAN & LENA:ヴァイオリン、LINNEA・ISAKSSON:ヴォーカルのスウェーデンのミュージシャンが参加しています。
尚、今回もレビューするアルバムは、スウェーデンのFASHION POLICE RECORDSの海外向けライセンサーSubliminal Soundsからリリースされた盤を基に行っています。

1曲目"Evil"(3:23) 軽快に響くドラムのビートとギターのサウンドが心地好い乗りを感じさせる曲です。70年代のアメリカのロック・バンドのサウンドを現代に再現させた要素を感じます。 '09年のN.Y.遠征時にEast Village Radioに出演した時には、曲のタイトルがまだ決まっていなかった曲でもあります。
2曲目"And It Looks Like Today"(3:10) トラディシュナル・フォーク調のメロディとサウンドが流れる曲です。CHRISTOFFERと非常に美しくシンクロさせながら歌う LINNEA・ISAKSSONの美しい歌声は、やはり北欧の清楚なイメージを持っています。
3曲目"Islands"(6:10) コンガのリズミカルなビートとハモンドの調べが心地好く流れて来る曲です。囁くように歌うCHRISTOFFERの歌声と空間の響く凛としたピアノの調べの前半からエモーショナルなインストゥルメンタルと2部構成となっています。
4曲目"Head Beaches"(4:33) 金属音に近いギターのサウンドとメジャー7のコード進行が心地好く流れてくるスローな曲です。切ないと言うか気弱な感じを受けるCHRISTOFFERの歌声もやはりこのTHE AMAZINGの魅力の1つと言えます。
5曲目"Defect"(6:36) この曲は、サウンドの方向をロック色へ特にこのTHE AMAZINGの持ち味でもあるサイケデリック・ロックを感じる曲です。アコースティック調の曲では、アメリカのバンドのような感じを受けるのですが、サイケデリック・ロックを演奏している時は、60年代のイギリスのバンドのロックに近い曲調を感じます。
6曲目"Wait For A Light To Come"(2:38) 張りのあるアコースティック・ギターの弦の響きが広がる浮遊感のある曲です。短い歌詞をリフレインで歌うCHRISTOFFERの優しい歌声と彼の爪弾きがそっと流れ去って行きます。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:26分33秒 (セルフ・タイトルの前作[The Amazing]より僅か1年でリリースされた6曲入りミニ・アルバム、もう少し待っていても良いので、やはり12曲ぐらい収録されたアルバムにして欲しかったかな)'11年8月28日更新


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写真  THE AMAZING / Gentle Stream
 ・2011 Subliminal Sounds    SUB-085-CD

またまた出ました・・・

このアルバムは、スウェーデンのストックホルムで活躍しているインディー・ロック・バンドTHE AMAZINGの '11年10月5日に本国でリリースされた3枚目のアルバムです。
このアルバムでのTHE AMAZINGのメンバーは、CHRISTOFFER・GUNRUP:ギター/ヴォーカル、JOHAN・HOLMGARD:ドラム/パーカッション/バック・ヴォーカル、FREDRIK・SWAHN:ベース/バック・ヴォーカル、ALEXIS・BENSON:ベース、REINE・FISKE:ギター/ベース、MOUSSA・FADERA:ドラム/パーカッションの6人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JONAS・ODHNER:ギター、PER・LARSSON:キーボード、JONAS・KULLHAMMAR:サックス、MAGNUS・JOSEFSSON:ギター/バック・ヴォーカル、LINNEA・ISAKSSON:バック・ヴォーカル、LISA・ISAKSSON:フルート/ヴォーカル、JENNIE・STÅBIS:ヴォーカルのスウェーデンのミュージシャン達が参加しています。
尚、ジャケットの絵画は、ベルギー象徴主義の画家レオン・フレデリック"Le Ruisseau" (流れ) の"休息" 側の印象的な1枚が使用されています。

1曲目"Gentle Stream"(6:59) サイケデリック感がたっぷり響くイントロが堪らないアルバムのタイトル曲が1曲目から登場です。相変わらず曲のタイトル通りジェントルなCHRISTOFFER・GUNRUPの歌声に浮遊感漂うサウンドの流れを感じる長尺な曲です。曲の最後の方には彼らが影響されたNEIL・YOUNGの"Down By The River" 風のフレーズも登場して微笑ましく感じます。
2曲目"Flashlight"(4:56) CHRISTOFFERの凝ったアコースティック・ギターの調べから入る曲で、前作通り小気味よい切れのある乗りを感じるJOHAN・HOLMGARDのドラムのビートにLISA・ISAKSSON(THE ENTHEOGENS)のフルートの調べも爽やかに伝わって来ます。
3曲目"International Hair"(6:07) 今度は、アコースティック調のサウンドの曲の登場ですデビュー・アルバムから聴かせている70年代のアメリカのバンドに近い雰囲気が漂うレトロなサウンドと女性バック・ヴォーカルの歌声が響いています。
4曲目"The Fog"(4:29) 枯れたアコースティック・ギターの爪弾き乗せ歌うCHRISTOFFERの特徴的な小刻み震えるビブラートによる歌声とバックで響くREINE・FISKEのフェンダー・トーンが素晴らしい曲です。後半からのサイケデリックさを表現したサウンドの流れも素晴らしい響きなのです。
5曲目"Gone"(6:12) このアルバムのリリースと同時にビデオも配信されている弾けるキャッチーなサウンドを聴かせるこのアルバムからの一押しの曲です。ビデオの方は4分以内にまとめられていますが、この曲も後半からのインストゥルメンタルのパートが聴き応え十分です。
6曲目"Dogs"(6:37) 少し荒らしたギター・サウンドによるダウナーなテンポの流れによるアシッド・ロック的な曲です。このTHE AMAZING のメインとなるCHRISTOFFERの頼り気ない歌声がメランコリックなハモンドのサウンドに絡み合いながら流れて来ます。
7曲目"Assumptions"(2:08) このアルバムの中では、2分少々の短め目の曲で、更にイントロ部分の20秒程度は、ブランクと感じさせるインターリュード的な曲で、女性ヴォーカルとCHRISTOFFER の歌声が通り過ぎる質素な感じのテイクです。
8曲目"When The Colours Change"(6:02) この曲もダウナーなテンポの流れによるメランコリックな雰囲気がたっぷり漂う曲です。スライド・ギターやハイ・コードで爪弾くギターのサウンドが抒情感に溢れています。この凛とした凍てついた空間のサウンドの広がり方は、やはりスウェーデンのバンドならでと強く感じさせます。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 イングランド製 (輸入盤) 収録時間:43分34秒 (今回のTHE AMAZINGのアルバムは、何と制作/配給元として大手Sony/ATV Publishing Scandinaviaとなっています!)'11年11月26日更新
2011年度ベスト5


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写真  THE AMAZING / Picture You
 ・2015 PARTISAN RECORDS LLC    PTKF2111-2

今度は3年半ぶり・・・

このアルバムは、スウェーデンのストックホルムで活躍しているインディー・ロック・バンドTHE AMAZINGの '15年2月16日にイギリスでリリースされた4枚目のアルバムです。
このアルバムでのTHE AMAZINGのメンバーは、CHRISTOFFER・GUNRUP:ギター/キーボード/ヴォーカル、FREDRIK・SWAHN:ギター/キーボード/バック・ヴォーカル、ALEXIS・BENSON:ベース、REINE・FISKE:ギター/ベース/バック・ヴォーカル、MOUSSA・FADERA:ドラム/パーカッションの5人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、残念ながら詳しいクレジットの記載がないので不明ですが、前作と同等のミュージシャン達が参加していると思われます。
尚、プロデュースはTHE AMAZING自身、またメンバーの演奏楽器はHPから引用にて記載しています。

1曲目"Broken"(6:59) イントロから鳥肌が立つサウンドが聴こえてきます! CHRISTOFFERとREINEの奏でるギターのサウンドに特徴的に忙しなく打たれる MOUSSAのドラムのビート心地好く響き渡ります。
2曲目"Picture You"(9:27) レーベルからCDを予約購入した場合にサービス・ダウンロードされているこのアルバムのショーウインドー的な曲です。9分以上の長尺な曲ですが、前半はCHRISTOFFERのヴォーカル・パート、後半からはギター・インストゥルメンタルとなっています。この曲もイントロの雰囲気を非常に素晴らしく感じさせてくれます。
3曲目"Circles"(6:22) 穏やかに流れるビートに合わせゆったりと歌うCHRISTOFFERの歌声が優しい曲です。バック・ヴォーカルに女性の歌声が聴こえるのですが、クレジットの記載が無いのが非常に残念です。そう言えはこの曲の雰囲気は、同じくスウェーデンで活躍しているSIMIAN GHOSTに通じるかな。
4曲目"Safe Island"(8:35) シングル曲としてジャケ写真も撮影されているキャッチーなリズムとサウンドを聴かせる曲です。遠くで歌っているようなエコーを効かせたCHRISTOFFERの歌声とギターのサウンドも渦を巻いて聴く者の方に流れて来るようです。エンディング近くには棘々しく奏でられるギターとキーボードのサイケデリック・サウンドに展開されて行きます。
5曲目"To Keep It Going"(5:42) 今度は、余りエフェクトを効かせていないギター・サウンドを奏でる落ち着いた流れの曲です。短い歌詞をリフレインとして歌うCHRISTOFFERの歌声が途中より日本語で歌っているように聴こえる箇所があるのですが、歌詞カードがないので確認できないし、また気のせいかも知れませんね。
6曲目"Fryshusfunk"(7:29) 氷貯蔵庫のファンクと名付けられた興味深い曲です。前半は、ギターポップ調な乗りの良さを感じさせるのですが、後半から別の物(と言ってもTHE AMAZINGの持つサイケデリック感)のように展開させて行きます。今回はこの手の手法が目立ちます。
7曲目"Tell Them You Can't Leave"(4:08) クールなMOUSSAのドラムのビートがイントロから堪らない曲です。そうこの曲の残響音を持った雰囲気が正にTHE AMAZINGのサウンド・イメージです。この曲でもバック・ヴォーカルを美しく飾っているのは多分、フルート兼バック・ヴォーカルのLISA・ISAKSSONと思われるのですが。
8曲目"The Headless Boy"(4:02) アコースティック・サウンドの曲の登場です。デビュー・アルバムに収録されている"Dragon" に似た雰囲気を伝えてバックにはペダル・スティールのサウンドも流れ穏やかな時間が過ぎて行きます。
9曲目"Captured Light"(8:12) この曲も過去のアルバムのサウンドを引き継いだ70年代のサイケデリック感を現代風にマイルドに仕上げた感のある曲です。時折打ち鳴らされるMOUSSAのドラムの忙しないビートの起伏がエキセントリックな質感を高めています。この曲では後半にアコースティック調の慎ましやかな流れに展開されています。
10曲目"Winter Dress"(5:27) どこか凍てついた感のあるエコーの効かせ方にスウェーデン感を勝手に感じながらじっくりと聴いている曲ですが、REINEのビンテージ・ギターのサウンドやスライドで奏でるギターのサウンドなど真冬をスウェーデンで過ごした人々しか書けない曲、また演奏出来ない曲のように思えて来ます。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:64分27秒 ('09年のアルバム[The Amazing]から '11年まで毎年、矢継ぎ早にアルバムをリリースして来たこのTHE AMAZING、このアルバムからレーベルも変わりじっくりと曲作りと収録を重ねた感がします!)'15年2月18日更新
2015年度ベスト5


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写真  THE AMAZING / Ambulance
 ・2016 PARTISAN RECORDS LLC    PTFK2139-2

早くも最新作・・・

このアルバムは、スウェーデンのストックホルムで活躍しているインディー・ロック・バンドTHE AMAZINGの '16年7月22日に本国でリリースされた5枚目のアルバムです。
THE AMAZINGのメンバーは、CHRISTOFFER・GUNRUP:ギター/ヴォーカル、FREDRIK・SWAHN:ギター/キーボード、ALEXIS・BENSON:ベース、REINE・FISKE:ギター、MOUSSA・FADERA:ドラムの5人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、クレジットの記載が無い為、残念ながら不明です。
尚、今作もプロデュースは、THE AMAZING自身にて担当しています。

1曲目"Ambulance"(4:24) このアルバムのリリースと同時にROSS・MARQUANDを起用したビデオも配信されている浮遊感漂う曲です。イントロから聴かせるMOUSSA・FADERAの特徴的なドラムのビートと古びたアップライト・ピアノの哀愁な響きが印象的です。
2曲目"Divide"(5:24) REINE・FISKEの奥まったところで温かく歪ませた響くギターのトーンに痺れまくりの曲です。そのギターのトーンとCHRISTOFFERの柔らかさの乗る歌声との相性がTHE AMAZINGの魅力を強く感じるのです。
3曲目"Blair Drager"(5:33) 今度は、アシッド感のあるサウンドの曲の登場です。MOUSSAのドラムのビートを基に奏でられるサイケデリックなギター・サウンドが横切ります。
4曲目"Tracks"(6:40) ゆったりと流れるリズムと浮遊感を持たせたギターギター・サウンドによるほぼインストゥルメンタルとなっています。後半から歪ませたトーンで奏でるREINE・FISKEのフェンダーが煌きます。
5曲目"Floating"(4:37) めずらしくスライド・ギターのサウンドを取り入れた爽やかな雰囲気を醸し出す曲です。この曲でもそのCHRISTOFFERの柔らかな歌声が心地好く流れています。
6曲目"Through City Lights"(7:43) この曲もゆったりとしたダウンテンポな流れによるゆったりとした心地好さを感じる曲です。じっくりと聴くとCHRISTOFFERの歌声の裏に幾重にも重ねられた丁寧なハーモニーの広がりに聴き入るのです。
7曲目"Moments Like These"(4:21) アコースティック・ギターに持ち替えてのテンポの良さを聴かせる丁度ファースト・アルバムの曲に通じる曲です。THE AMAZINGのサウンドに大きく影響を与えた60〜70年のアメリカ西海岸のウエストコースト・ロック調の雰囲気を感じます。
8曲目"Perfect Day For Shrimp"(6:24) 面白いタイトルの曲ですね。CHRISTOFFERのアコースティック・ギターの爪弾きによるシンプルなサウンドから次第の楽器を付け加えて収録され、美しいハーモニーを持って流れて来ます。前半の4分辺りで曲は、一旦終わるのですが、アコースティック・ギター2本程度で終焉を迎えます。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:45分09秒 ('15年2月に前作[Picture You]をリリース、その興奮冷めやらない内に新作アルバムのリリースです!)'16年10月22日更新
2016年度ベスト5


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写真  THE AMAZING / In Transit
 ・2018 PARTISAN RECORDS LLC    PTKF2152-2

スウェーデンSubliminal Soundsレーベル時代のサウンド・・・

このアルバムは、スウェーデンのストックホルムで活躍しているインディー・ロック・バンドTHE AMAZINGの '18年4月6日に本国でリリースされた6枚目のアルバムです。
THE AMAZINGのメンバーは、CHRISTOFFER・GUNRUP:ギター/ヴォーカル、FREDRIK・SWAHN:ギター/キーボード、ALEXIS・BENSON:ベース、REINE・FISKE:ギター、MOUSSA・FADERA:ドラムの5人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LISA・ISAKSSON:ヴォーカル/フルート、LODEWIJK・BROEKHUIZEN:ストリングス、AMELINDA・BURICH :ストリングスの1部アメリカのミュージシャンも参加しています。
今作もプロデュースは、THE AMAZING自身にて担当しています。
尚、アルバムのジャケット写真は、関西を中心に活躍している日本人カメラマンYamasaki Ko-Jiです。

1曲目"Pull"(7:39) 穏やかなギターの調べと漂うようなサウンドの波が届く曲です。ゆったりと歌うCHRISTOFFER・GUNRUPの歌声に響くREINE・FISKEのウォーム・トーンのギターが本当にこのバンドならではの魅力です。
2曲目"Voices Sound"(6:14) 今度は、サウンドを少し荒げて来た最近の2枚のアルバムのサウンドの流れの曲です。キビキビと叩かれるMOUSSA・FADERAのドラムと飽和したビンテージ・ストラトのREINE・FISKEのギターのサウンドが堪りませんね。
3曲目"A Million Days"(5:47) 軽めのMOUSSA・FADERAのドラムのビートと少し楽し気に歌うCHRISTOFFER・GUNRUPの歌声が印象的な曲です。アメリカ、ウィスコンシン州のミルウォーキーで活動しているLODEWIJK・BROEKHUIZENとAMELINDA・BURICHの美しいストリングスの音色が流れて来ます。この2人が収録に参加した経緯も興味深いです。
4曲目"First Touch Of Light"(5:38) メランコリックなサウンドがイントロから流れるスローな曲です。次の曲も含みリズムとサウンドがLISA・ISAKSSONのバック・ヴォーカルも手伝ってかスウェーデンのSubliminal Soundsレーベル時代の戻った様な感じがします。
5曲目"Rewind"(4:56) REINE・FISKEの柔らかいトーンのギターの音色と上手く調和したCHRISTOFFER・GUNRUPのこれまた優しく響く歌声が漂う曲です。サウンドの心地好さやビートの流れは初期のアルバムに戻ったような感じがします。アルバムのリリース前にビデオも公開されています。
6曲目"Never Be"(5:10) 非常にエコーを効かせたCHRISTOFFER・GUNRUPの歌声とドラムやギターのビートとサウンドはアドリヴで付けたような各パートの駆け引きや相乗効果を聴かせる曲です。Lo-Fiなエフェクターを上手く駆使したギターの音色と突っ走るドラムのビートも圧巻です。
7曲目"Benson Se Son Convirtio Complamente Furiosa"(9:56) 10分近くある長尺の曲です。前半の3分過ぎからインストゥルメンタルとなり、このTHE AMAZINGらしい孤高に響くREINE・FISKEのギターとMOUSSA・FADERAのパワフルなドラムのビートとがドラマチックに展開される流れが広がります。後半の約3分はサイケデリック感満載の別曲となった感もあります。曲名は多分スペイン語で「ベンソンは完全に激怒した」との意味のようです。
8曲目"For No One"(3:25) 今度は、がらっと雰囲気を変えて来たアコースティック調の曲です。初期のアルバムでは、多くのアコースティック・ギターを爪弾きながらCHRISTOFFER・GUNRUPが歌う曲が収録されていましたが、この曲など以前のアルバムでのアウトテイクだった可能性もあるのでしょうか。
9曲目"Leave Is A Light"(7:24) この曲もリズムの流れとサウンドが心地好く響いて来る曲です。憂いと揺らぎを持ったREINE・FISKEのギターのサウンドは、きっとTHE AMAZINGのファンは完全に虜にさせるに違いありません。この曲もラスト1分過ぎは別曲のようなインストゥルメンタルとなっています。
10曲目"Asleep"(4:38) この曲でもMOUSSA・FADERAのキビキビとしたドラムのビートがイントロから響きます。鋭さを持った REINE・FISKEの切れ味のあるギターと非常に対照的なCHRISTOFFER・GUNRUPの穏やかな歌声との調和が堪りませんね。
11曲目"Je Travaille Dan la Banque"(9:10) ハモンド・オルガンの音色がレトロな雰囲気を醸し出した60年代のサンフランシスコ周辺に花咲いたフラワームーブメントを彷彿とさせるサウンドを感じます。ギターのREINE・FISKEが在籍している別バンドDUNGENのサイケデリック感があります。この曲もやはり後半からはインストゥルメンタルとなっています。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:70分01秒 (見出しにも書いたのですが、スウェーデンのSubliminal Soundsレーベル時代のサウンドにまた戻って来たような感じです)'19年3月7日更新


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写真  THE AMAZING / Piggies
 ・2023 Fashionpolice Records    

CD/レコード盤のリリースは、未定・・・

このアルバムは、スウェーデンのストックホルムで活躍しているインディー・ロック・バンドTHE AMAZINGの '24年2月1日に本国でダウンロード・リリースされた7枚目のアルバムです。
THE AMAZINGのメンバーは、CHRISTOFFER・GUNRUP:ヴォーカル/ギター、FREDRIK・SWAHN:ギター/ヴォーカル、ALEXIS・BENSON:ベース、REINE・FISKE:ギター/ヴォーカル、MOUSSA・FADERA:ドラムの5人組です。
ダウンロード盤の為、このアルバムについての詳しいクレジットが無いのですが、Facebookによると1曲目、4曲目と5曲目に前作でのLISA・ISSAKSONが参加しているとのこと。

1曲目"Streetfighter"(4:43) 感度を抑えたLo-Hiな収録による曲です。ほぼCHRISTOFFER・GUNRUPの歌声とバックの演奏による60年代のレトロな雰囲気を醸し出す作風になっています。アルバムのリリース前にビデオが公開されています。
2曲目"Antichrist"(4:29) MOUSSA・FADERAのキビキビとしたドラムのビートとドリーミーなREINE・FISKEのギターの調べが堪らく心地好い曲です。優しくそして少し悲し気なCHRISTOFFER・GUNRUPのその歌声とバックのハーモニーがこのバンドの最大の魅力ですね。
3曲目"Piggies"(3:51) アコースティック・ギターを使った懐かしい1枚目のアルバムの"Dragon" に通じるような空気感を漂わす曲です。CHRISTOFFER・GUNRUPの歌声とギターが美しく響きます。この曲もアルバムのリリース前にビデオも公開されています。
4曲目"Last Stand"(5:33) この曲もLo-Hiにした粗目のサウンドが響く曲です。全体のサウンドは、初期のアルバムに懐古したような雰囲気を強く感じます。4分40秒に縮めたビデオも公開されています。
5曲目"Cinnamon"(4:58) イントロからREINE・FISKEがその素晴らしいギターの調べを聴かせる曲です。柔らかく飽和したそのギターのトーンとCHRISTOFFER・GUNRUPの歌声が調和します。そのLISA・ISSAKSONの美しい歌声も広がっています。
6曲目"I Think I Found A Way"(4:06) イントロのS.E.は前のアルバムからの流れを感じますね。エコーを効かせたCHRISTOFFER・GUNRUPの歌声とエフェクト的にバックに流れる雰囲気物のREINE・FISKEのギターの響きなどやはりバンド名通りのTHE AMAZING。
7曲目"Figurehead"(4:25) この辺りにスローな曲の登場です。吐息混じり歌うCHRISTOFFER・GUNRUPとこの曲でもキラット光るREINE・FISKEのギターの爪弾きが本当、堪りませんね。もう10年以上前からこのTHE AMAZINGを聴き続けているのですが、アルバムが出る度に早く聴きたいと思う魅力満載なのですとMOUSSA・FADERAのパワフルなドラムのビートとがドラマチックに展開される流れが広がります。
8曲目"Through The Cracks"(6:05) めずらしく何時ものキーより高く歌うCHRISTOFFER・GUNRUPです。映画音楽が戯曲の舞台音楽的な曲の幕開きから次第にサウンド展開を厚くし、後半部分は、インストゥルメンタルとなっています。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:38分10秒 (見出しにも書いたのですが、現時点CDもレコード盤のリリース予定が残念ながら無いとのこと…)'24年3月18日更新


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写真  AMOUR FOU / Dear Fear
 ・2020 Amour Fou    

LISAの魅力的な甘い囁き・・・

このアルバムは、ドイツの首都ベルリンで活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップS.S.W.AMOUR FOUのデビュー・アルバム(7曲ダウンロード盤)のアルバムで '20年2月27日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LISA・LENOIS:ヴォーカル/ギター/メロトロン/サンプラー/プロデュースの他、LUCY・KRUGER:ドラム/バック・ヴォーカル、LOUIS・GEE:ベース/ギター/メロディカ/ローズ/オルガン/グロッケンシュピール/シンセサイザー/パーカッション/バック・ヴォーカル/プロデュース、ANDRÉ・LEO(MEDICINE BOY):ギター/ドローン、MATTEO・TAMBUSSI:ギター、LORENZO・COLOCCI:フルート、ANGY・LORD:シンバルの南アフリカやイタリアのミュージシャン達が参加しています。
尚、活動名のAMOUR FOUとは、フランス語で「Crazy Love」を意味します。

1曲目"Materialise"(4:39) 幻想的な雰囲気を醸し出すアコースティック・ギターの音色が響くイントロから甘い囁きの如く歌い始めるLISAの魅力に包まれる曲です。曲名の"Materialise" とは「現れる、表れる」との意味だそうです。
2曲目"Seasons"(3:13) この曲もイントロからアコースティック・ギターの神秘的な響きが広がります。メロトロンとシンセサイザーの響きが更に神秘的な響きからダイナミックな展開へと誘います。
3曲目"Thirst"(4:13) ドラムのフロアタムを叩くリズムとベースの調べがクールなアシッド感を伝える曲です。妖艶なLISAの歌声のバックに広がるこれまたクールなギターの響きが怪しく流れて去ります。
4曲目"Dear Fear"(2:18) メランコリックなLISAの歌声とファジーなギターの音色が対照的響くノイズポップ×シューゲイザーな曲です。このアルバムから最初のシングル曲としてビデオが紹介されています。
5曲目"The Fall"(4:06) ノイズ/シュゲイザー・バンドTHIS LOVE IS DEADLY時代のサウンドを踏襲した感のあるノイズを乗せたアコースティック・サウンドのスピード感のある曲です。ここでもLUCY・KRUGERのフロアタムのビートが曲の要となっています。
6曲目"Intuition"(5:01) メロトロンとアコースティック・ギターの爪弾きによる穏やかなサウンドがイントロから広がるダークなナンバーです。間奏で登場するLOUIS・GEEのメロディカによる調べが切なく響きます。
7曲目"Love Rules All"(7:42) アコースティック・ギターの切ない響きとシーンとした雰囲気を醸し出すバックのシンセサイザーによる空間エフェクトが張り詰める曲です。後半からギターストロークでリズムを上げLISAがその美しい歌声で曲のタイトルを歌い上げます。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:31分12秒 (全然知らなかったこのAMOUR FOU、とっても好かったので最新盤も同時購入しました!)'23年11月21日更新


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写真  AMOUR FOU / Slow Burn
 ・2023 Amour Fou    

この屈折感が好い・・・

このアルバムは、ドイツの首都ベルリンで活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップS.S.W.AMOUR FOUの2枚目のアルバムで '23年11月18日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LISA・LENOIS:ヴォーカル/ギター/ベース/ピアノ/シンセサイザー/電子エフェクト/プロデュースの他、FRANCIS・BROEK:ドラム、LOUIS・GEE:ギター/ベース/ピアノ/副プロデュース、ANDRÉ・LEO:ギター/ドローン/ループ、NICO・LEIVO:ギター/ベース、HEZRON・CHETTY:ヴァイオリンの地元のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"All I Find Is Now"(5:10) インディアンドラムのビート似たリズムに乗せLISAが切なく歌うオルタナティヴ/ダークな曲です。引き摺り感を醸すLISAの歌声と荒らしたギターの音色(多分E-Bow)も切なく響きます。
2曲目"Blue"(5:31) この曲も非常に引き摺り感のあるサウンドとリズムの曲です。前作よりバックのギター・サウンドが強められた感のるダーク・サウンド/ノイズ・ロックな流れです。
3曲目"Mirror"(7:28) 今度は、アコーアコースティック・ギターによるメランコリックなナンバーです。呪文に似た歌声を訥々と吐き出すLISAとその歌声を包むようにバックの演奏が繰広げられます。
4曲目"In Some Way"(4:50) この曲をちょっと聴いた時に非常に耳に残ったAMOUR FOUの曲です。うねりを持ったベースの調べとエコーを効かせたギターのリズムがメランコリックな広がりを伝えます。
5曲目"Creature"(3:23) LISAのアコースティック・ギターの爪弾きによる曲です。セルフによるハーモニーとゆったりと響くギターの調べが「Creature」のように忍び寄ります。
6曲目"Home"(7:20) 丁寧に奏でられるギターの爪弾きと不安感を煽るエフェクトなサウンドで攻める曲です。オルタナティヴなサウンドの流れに合わせLISAが孤高の世界をダイナミックに広げます。
7曲目"Lose"(4:01) 荒廃した街並の中で演奏されるようなアシッド感が広がる曲です。唸るベースにハーモニックスで奏でられるギターの調べが妖艶な要素となって流れさります。
8曲目"Fireflies"(5:15) 叙情的に奏でられるアコースティック・ギターの調べと切ない響きを放つギター・エフェクトが心に響く曲です。中世の吟遊詩人が現在に蘇り、物語を人に伝えといるように聴こえます。
9曲目"From My Lung"(6:04) この曲も心地好い引き摺り感を伝える曲です。この曲でも訥々と曲名のように「肺から」歌を吐き出すような息使いを感じさせます。後半からノイズ/シュゲイザーなサウンド展開を広げます。
10曲目"Sunday Freeze"(3:19) ダークさの中でゆったりとアコースティック・ギターを奏でるLISAの切ない歌声が広がる曲です。前作よりバックのサウンドをかなりシンプルに絞った感じが伝わって来ます。
11曲目"Submarine"(5:10) 長いイントロを過ぎて登場するシンプルなギターの調べ切ない響きが躍動感を抑えたアレンジとサウンドがカテドラル音楽の要素を感じる曲です。ダークな空間を漂うように歌うLISAの世界でアルバムを閉じます。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:57分31秒 (この屈折感やダークさの塊みたいなところがやはりドイツのオルタナティヴ系シンガーと言う気がしましたね!)'23年11月23日更新


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写真  ANDERS ROFSTAD / The Novel Within
 ・2007 Anders Rofstad    AAR-001

心地好いギター・サウンド・・・

このアルバムは、ノルウェーでインディペンデントに活躍しているANDERS・ROFSTADの '08年3月15日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
アルバムの収録メンバーは、ANDERS・ROFSTAD:ヴォーカル/ギター/ベース/スネア・ドラム/ザイロフォンの他、AUDUN・KVITLAND・RØSTAD:ギター/マンドリン/プログラミング、GEIR・RUNE・ENGAN :ギター、OLA・BUAN・ØIEN: ギター/ベース/スライド・ギター/マンドリン、MORTEN・BACH:ギター/バック・ヴォーカル、SIGRID・ROFSTAD:ヴァイオリン/ バック・ヴォーカル、ORGAN・MORGAN:ポンプ・オルガン、JOMAR・KVITLAND:チューバのノルウェーのミュージシャンが参加しています。

1曲目"She Trusts The Moon"(5:31) ベースの低い調べと怪しいサウンドを発するギターが登場するイントロからタイトなドラムのビートとキーボードが後から追いかけてきます。ライヴで馴らし来たことを察するANDERSの歌いぶりです。
2曲目"Angel At Our Door"(6:04) 前半の約2分は殆んどインストゥルメンタルになったギター・サウンドの曲で、1曲目のアウトロと繋がって収録されています。女性ヴォーカルのSIGRID・ROFSTADの歌声が心地好く響いています。
3曲目"To Leave Unnoticed"(4:14) アコースティック・ギターの調べが優しく響くメランコリックなサウンドによるフォーキーな曲です。ANDERSの優しく歌うハーモニーは、同じくノルウェーで活躍しているKING OF CONVENIENCEの質感に通じるようです。
4曲目"Look Who's Dancing"(3:50) エレクトリック・ギターの爪弾きによるサウンドと憂いを持ったANDERSの歌声が切なく響く曲です。ANDERSのサンプル音源を最初に聴いたリフレインを多用した流れが印象的な曲です。
5曲目"The Novel Within"(4:40) 心地好いギターのサウンドが全編に流れるスローな曲です。呟くようなギターのフレーズに訥々と歌うANDERSの歌声とドラムのビートです。
6曲目"Pulkovo Airport Serenade"(4:34) フィンランドに近いロシアの国際空港の名前が付けられた曲です。美しいアコースティック・ギターの爪弾きに乗せられたANDERSとSIGRID・ROFSTADの歌声です。
7曲目"What I Would Do With Words"(7:05) イントロから特徴的なギターのサウンドが流れるダウンテンポのゆったりした雰囲気を醸し出している曲です。スポーケンでアレンジされた前半からアンビエントなサウンドを多用したヒーリング系となっています。
8曲目"Vast"(3:46) この曲もKING OF CONVENIENCEの持つ繊細さや純粋さに似たところを感じる曲です。バックで流れるマンドリン・ギターの非常に美しい調べとハーモニーも美しく流れます。
9曲目"Sudden Summer"(5:56) マイナー・コードの切ない響きに哀愁のあるANDERSの歌声が流れる北欧の遣る瀬無さが伝わって来る曲です。これでもか言うぐらい気を落とした泣きのギター・サウンドがたっぷり響いています。
10曲目"The Waltz That You Breathe"(3:45) 中世の広場で演奏されるポンプ・オルガンの調べとチューバの低音が響くANDERS吟遊詩人然とした曲です。この曲が終了した後にリプライズとしてインストゥルメンタルとしてエンディングまでオルガンの調べが流れて行きます。
全10曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:49分30秒 (35歳より曲を書き始めたANDERS、このアルバム・リリース後はどのような活動を展開するのか期待しましょう)'10年4月23日再更新


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写真  ANDERS WIDMARK / Sylvesters Sista Resa
 ・1990 ELIN MUSIC    ELINCD 04

ANDERSと音楽仲間達・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているピアニストANDERS・WIDMARKのデビュー・アルバムで、本国にて '91年にリリースされています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ANDERS・WIDMARK:ピアノ、PÅL・SVENRE:シンセサイザー/ドラム・プログラミング/ディジュリドゥ、STAFFAN・SJÖHOLM:ベース、JAN・ADEFELT:ベース、EGIL・JOHANSEN:ドラム、DAN・STÖMKVIST:ドラム/シンバル、MARTIN・LÖFGREN:ドラム、BJÖRN・KARLSSON:ハーモニカ、REBECKA・TÖRNK(Q)VIST:ヴォーカル、ANDRÉ・DE・LANGE:ヴォーカルのANDERSの音楽仲間達が参加しています。
尚、11曲目は、CDのみに収録されたタイトル曲のインストゥルメンタルによるボーナス・トラックとなっています。

1曲目"La Folia"(3:21) スカンジナビアのミュージシャンが良く演奏しているトラディショナル音楽で、ここでの収録は、ジャズ/イージー・リスニング風ピアノの演奏でアレンジしています。バックの演奏も非常に控えめにし、ANDERSのピアノの小気味よい流れをメインとしています。
2曲目"Till Havs"(3:56) 厳かに奏でられるANDERSのピアノの響きから登場するREBECKAの母国語によるオペラのひと幕の雰囲気を感じさせる曲です。教会などで歌っていた時のREBECKAの厳かな歌声が凛として響いています。
3曲目"Vi Ska Ställa Till En Roliger Dans"(3:17) 再びトラディショナル音楽をアレンジした曲の登場です。ドラムにはノルウェーの故EGIL・JOHANSENが参加しています。 JAN・ADEFELTのベースにANDERSのピアノだけによるさらっと仕上げていますが、ジャジーなエッセンスを隠し味的な要素も持っています。
尚、この3人は、後にANDERS WIDMARK TRIOとしてアルバムを '97年にリリースしています。
4曲目"Hemma Hos Eroll"(4:31) アメリカのジャズ・ピアニスト故ERROLL・GARNER '68年の曲です。ラウンジでの演奏スタイルに映えるようジャジーなアレンジによる前の曲と同じメンバーでの収録です。
5曲目"Jon Andreas Visa"(4:58) 再びREBECKAのヴォーカル曲の登場です。オリジナル曲は、ミシシッピ出身のフォーク・シンガーBOBBIE・GENTRY '67年全米1位のヒット曲で、翌 '68年にスウェーデンのS.S.W.故OLLE・ADOLPHSONがスウェーデン語に翻訳して歌手/女優SIW・MALMKVISTが収録しています。そう言えばこの曲、OLLEの追悼アルバムでREBECKAの相棒SARA・ISAKSSONも収録していましたね。
6曲目"Trettondagsmarschen"(3:54) オリジナル曲は、スウェーデンのヴァイオリニストHJORT・ANDERS・OLSSONが1900年頃に書いた曲で、スウェーデンではポピュラーな曲になっています。ピアノの練習曲的な雰囲気のある前半部分から次第にアブストラクトな演奏へと展開したANDERSのピアノ1台での演奏です。
7曲目"Sylvesters Sista Resa"(5:36) オリジナル曲は、元A.W.B.のALAN・GORRIEが '70年に在籍していたプログレ・バンドFOREVER MOREのデビュー・アルバムに収録されている"Sylvester's Last Voyage" のスウェーデン語タイトル曲です。このアルバムでの収録は、ベテラン・シンガーANDRÉ・DE・LANGEのスキャットによる滑らかな歌声とANDERSのピアノ・ソロによるパートに分かれたアレンジになっています。尚、サンプル音源は、ライヴでの映像です。
8曲目"Blues For Carmen"(5:45) 先に紹介したノルウェーのジャズ・ドラマーEGIL・JOHANSEN '91年のANDERSとのライヴ・アルバムにも収録されている曲です。他のジャズ・メンも良くカバーしているフランスの作曲家GEORGES・BIZETが1875年にオペラ「カルメン」用に書いた曲です。ここでの収録は、ドラム、ベースにピアノのトリオの演奏によるモダン・ジャズのアレンジとなっています。参考にEGIL・JOHANSENとのライヴ演奏をサンプル音源にLINKしています。
9曲目"11.30"(1:14) 1分少々のANDERSのピアノとPÄLのシンセサイザーによるインストゥルメンタルです。曲もANDERSとPÅLによって書かれています。
10曲目"En Månskensnatt På Slottsbacken"(3:43) BJÖRN・KARLSSON(REBECKA・TÖRNQVIST)のハーモニカとANDERSのピアノだけのシンプルなスタイルの収録曲です。オリジナル曲は、スウェーデンの作曲家/詩人GUNNAR・WENNERBERGが1851年頃に書いています。
11曲目"Sylvesters Sista Resa(CD-Version)"(6:21) ドラム、ベースとピアノのトリオによるジャズ・スタイルによる7曲目のヴァージョン違いの曲です。多分、ANDERSがストックホルムのライヴ・ハウスで当時、定番的に演奏している曲とその演奏スタイルをスタジオにて収録したクールな質感を感じます。
歌詞無し 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:46分41秒 (ANDERSとその音楽仲間達にて収録されたこのデビュー・アルバム、インディーズ盤の上、既に廃盤の為か本国でも残念ながら入手は非常に困難なようです)'10年5月29日更新


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写真  ANDERS WIDMARK / Featuring Sara Isaksson
 ・2002 Universal Music AB    066 770-2

ヴォーカルにSARA・ISAKSSONを招いて・・・

スウェーデンのジャズ・ピアニストANDERS・WIDMARKの多分、8枚目のアルバムで '03年のリリースです。今回の作品はヴォーカルにS.S.W.のSARA・ISAKSSONを招いて6曲のヴォーカル曲を収録しています。バンドのメンバーは2人の他、MATTIAS・WELIN:ベース、JONAS・HOLGERSSON:ドラム、MIKAEL・NILSON:パーカッションに曲によりJOHAN・NORBERG:ギター、PEDER・AF・UGGLAS:ギター/プロデュース、FREDRIK・JONSSON:ベース、PETER・ASPLUND:ホーン、JOAKIM・MILDER:ホーン/ホーン・アレンジ、HÅKAN・NYQVIST:ホーン、SVEN・BERGGREN:ホーン、ANNA・WALLGREN:ストリングス、DAVID・BJÖRKMAN:ストリングス、JAKOB・RUTHBERG:ストリングス、JOSEF・CABRALES-ALIN:ストリングス、PETER・OLOFSSON:ストリングス、ROLAND・KRESS:ストリングス、TORBJÖRN・HELANDER:ストリングス、ANDRÉ・DE・LANGE:バック・ヴォーカル、JOSEFIN・NYGREN:バック・ヴォーカルのゲスト・ミュージシャンが参加しています。
尚、プロデュースは、ANDERS・WIDMARK、PEDER・AF・UGGLASとドラマーのINGEMAR・BERGMANの共同で行われています。

1曲目"To Open Up My Heart"(4:09) ANDERSの美しいピアノの響きによるシックなメロディによる落ち着いた雰囲気の曲です。バックでさり気なく奏でられるギターは、PEDER・AF・UGGLASです。
2曲目"Holly Hannah"(3:36) ANDERSの '94年の作品のセルフ・カバー曲です。カントリーチックなメロディとリズムによる曲で、スウェーデンの人はこの手の音楽とハード・メタル・ロックが本当に大好きです。
3曲目"Oblivion"(3:38) ストリングスとピアノによる静かな曲で、SARAの美しい歌声を際立たせるヴォーカル曲でシンプルなメロディの曲です。
4曲目"Twelve Years(Instrumental)"(2:25) 前曲のインストゥルメンタルです。ANDERSが優しく奏でるピアノの音色です。
5曲目"I Was Dreaming"(4:12) イントロでは、静かな曲調の曲ですが、中程よりSARAらしい美しくも力強い歌声を聴かせてくれる曲です。アップライト・ベースと控えめのギターのサウンドによる素晴らしい曲です。
6曲目"Sixteen Weeks"(3:07) リズミカルなメロディと慎ましやかに鳴るドラムのビートによる曲です。間奏ではANDERSのピアノ・ソロによるポップさ溢れる曲です。
7曲目"Say Hello To Maria(2:43)(Instrumental)" ANDERSの作曲です。トリオによるBGM的なサウンドですが、流れるようなスムーズ演奏から時に溜めを持ったスタイルによる演奏です。
8曲目"You Don't Have To Say"(4:39) 美しいピアノの音色による映画音楽のようなメロディと不安を抱える心の内を歌にした内容の曲です。
9曲目"December's Sea(Instrumental)"(3:03) 前曲のインストゥルメンタルです。エレクトリック・ギターとストリングスを加えたアレンジによりふくよかなサウンドになっています。
10曲目"Kamala's Longing(Instrumental)"(4:02) SARAのスキャット・ヴォーカルによる曲でピアノの伴奏のみのシンプルな曲です。ハーモニーは、ANDRE・DE・LANGE (BLACKNUSS ALLSTARS)でしょう。
11曲目"Holly Hannah(Instrumental)"(4:28) ボーナス・トラックです。2曲目の心地好い曲のインストゥルメンタルでボトル・ネック・ギターのサウンドとパーカッションを追加した"渋い" アレンジとなっています。
スウェーデンのSalaにある総合宿泊スパ施設Satra Brunnでの演奏会風景が公開されています。
6曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット ドイツ製 CCCD仕様 (輸入盤) 収録時間:40分07秒 (パソコンでの再生は再生プログラムにより再生不可能な事があります。全体的に聴きやすい感じのアルバムですが、もう少しSARAのヴォーカル曲があればなと思います)'10年4月23日再更新


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写真  ANNA NEDERDAL AND MAX SCHULTZ /
 Anna Nederdal And Max Schultz
 ・1995 NYLON MUSIC    CDA 003

ANNAのヴォーカルにMAXのギター・・・

スウェーデンでユニットZZAJとして活躍していたANNA・NEDERDALとジャズ・ギタリストのMAX・SCHULTZとのコンビで収録された唯一のアルバムです。本国で '95年にマイナー・レーベルよりリリースされていますが、配給はSONY MUSICが行っています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ANNA・NEDERDAL:ヴォーカル、MAX・SCHULTZ:ギター/ベース/サロード/バンジョー/パーカッション/キーボード/バック・ヴォーカルの他、LARS・HALAPI:ギター/ペダル・スティール、JAN・ROBERTSSON:ドラム、RAFAEL・SIDA:パーカッション、PONT:パーカッション、CHRISTOFER・STANNOW:パーカッション/プロデュース、JOAKIM・MINDER:ソプラノ・サックス/ストリングス・アレンジ、CHRISTIAN・SPERING:コントラバス、HENRIK・FRENDIN:ヴァイオリン、JONAS・LINDGÅRD:ヴァイオリン、TONY・BAUER:ヴィオラ、RAYMOND・KING:チェロ、MAGNUM・COLTRANE・PRICE:バック・ヴォーカル、KRISTER・LINDER:バック・ヴォーカル、BOB・MANNING::バック・ヴォーカル、JONATAN・STENSON:バック・ヴォーカルのスウェーデンのベテラン達が参加しています。

1曲目"Walking In Silence"(3:22) MAXのアコースティック・ギターによる爪弾きから入る曲です。優しい響きのANNAの歌声と仲良く響くMAXのギターのサウンドもいつもより心なしか優しい響きです。
2曲目"Little Thing Called Love"(3:39) アコースティック・ギターの演奏による軽いカントリー調のリズムとサウンドの曲です。恋の歌詞を綴るANNAの歌声に合わせてバックで歌うMUGNUS・COLTRANE・PRINCEのヴォーカルもいいですね。ペダル・スティールはお馴染みのLARS・HALAPIが担当しています。
3曲目"No More Goodbyes"(3:44) ナイロン弦ギターのメランコリックな調べとスローなリズムによるANNAの憂いを醸しだした曲です。大人の女性のフォーキーなサウンドとジャズ・スタイルとの狭間に位置した心地好い曲です。
4曲目"Slow City Night"(6:03) 街中の喧騒をイントロに配したマイナー調のスローな曲です。MAXのナイロン弦ギターの滑らかな調べと憂いを持ったANNAの歌声によるバラードです。バックで流れる美しいストリングと途中のANNAの短いスポーケンにもうっとりです。当時のMAXとANNAのライヴの模様もどうぞ。
5曲目"Love Is Gone"(3:27) 軽いタッチのアメリカン・スタイルのカントリー/ソウルな曲です。再びアコースティック・ギターでLARSが参加した曲です。この曲も含み作曲は、全てMAXの手によって書かれています。
6曲目"Falling"(5:08) MAXの優しい響きのアコースティック・ギターの調べに乗せ歌うANNAの優しい歌声による癒される曲です。過去のANNAの曲はダンサブルな曲調が多かったのですが、このアルバムでは少し事情が違うようです。よりアコースティックに、よリ繊細なMAXのサウンドに寄り添うようにアレンジされています。
7曲目"Highway Of Tears"(4:31) この曲ではエレクトリック・ギターに持ち替えたMAXのギターが登場します。ソロ・アルバムのような早弾きもなし、ジャジーなブルー・ノート・スケールもなしに、唯々優雅に心地好く弾かれています。
8曲目"Holding On"(4:28) 少しテンポを上げてきたアコースティック・ポップな曲です。ナイロン弦ギターの心地好いMAXのギター・ソロを間奏に持ってきたアレンジで惹きつけます。尚、MAXはこの後、ベスト・スウェディッシュ・ギタリストの何か賞を受賞しています。
9曲目"Visions Of Jack"(4:28) 叙情的なMAXのアコースティック・ギターの調べに乗せ歌うANNAの美しい歌声によるスローな曲です。バックにも美しいストリングスのサウンドが付けられています。
10曲目"All Painted Blue"(1:01) マンドリンとアコースティック・ギターによる北欧のトラディショナル曲のような1分少々の曲です。
11曲目"The Soul Of Our Prayers"(5:48) 幻想的な響きを発するMAXのギターの調べと吐息まじりに歌うANNAの歌声が特徴的なスローな浮遊感が漂う曲です。MAXのシタール風のギター・ソロも特徴的です。
全11曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:45分44秒 (スウェディッシュ・ミュージック・ブームの最中 '95年のアルバムですが、当時のポップ・ミュージック重視の日本には、このようなアルバムまでは入荷されなかったし、本国スウェーデンでも発売当時から今日まで入手が非常に困難な1枚になっています)'10年4月23日再更新


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写真  ANNA TERNHEIM / Somebody Outside
 ・2004 stockholm records    986 701-6

ANNAの快進撃はしばらく続きそうです・・・

ストックホルムで生まれ育ったANNA・TERNHEIMは、17歳でアメリカに1年ほど滞在し、SOVAと言うバンドを結成してライヴを行っていました。スウェーデンへ戻った後も建築の学業を休学して、オープニング・アクトなどでライヴの実績と経験を積んでから大手stockholm recordsと契約を交わしました。
このアルバムは、本国で '04年11月に通常盤より1ヶ月遅れにリリースされた2枚組み限定盤です。アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ANNA・TERNHEIM:ヴォーカル/ギター/プロデュースの他、DANIEL・JANSSON:ギター、ÅSA・JACOBSSON:ピアノ、MATTIAS・ARESKOG:ベース、PELLE・JACOBSSON:ドラム、ANDREAS・DAHLBÄCK(ESKOBAR,MELPO MENE):プロデュースのベテラン達が参加しています。
尚、ANNAは、このアルバムで '05年のスウェーデンのグラミー賞の新人賞を受賞しています。新作もリリースされ '06/7年現在スウェーデンで一番ホットなシンガーではないでしょうか?

DISC:1 収録時間:39分09秒
1曲目"To Be Gone"(2:46) 特徴的な歌詞のリフレインとギミックなベース、ドラムとピアノの調べによる本国でのヒット曲で、北欧特有の鉛色の空の下を自転車で駆け抜けるANNAのビデオが印象に残ります。また、ANNAの呪文を唱えるようなこの節回しが心に残りますね。
2曲目"Better Be"(4:14) ストックホルム郊外の古びた倉庫か工場立屋での残響音に拘ったサウンドで収録したことを窺わせる曲です。ANNAのヴォーカルを中心に添えられるアコースティックなサウンドの美しいこと!
3曲目"I'll Follow You Tonight"(3:02) アコースティック・ギターの爪弾きによる落ち着いた曲です。ANNAの吐息混じり歌声と音声のこもり方が非常に特徴的な曲です。途中より登場するバック・ヴォーカルの非常に美しい響きがシンプルなこの曲をより素晴らしいものとしています。
4曲目"Bring Down Like I"(3:54) ANNAの数ある魅力の一番は、その耳あたりの好い歌声ではないでしょうか。この曲もそのことを認識させます。孤高でありながら何か聴く者をほっとさせてくれるANNAの歌声に触れる曲です。
5曲目"I Say No"(4:06) アコースティック・ギターの華麗で美しい響きによるシンプルで叙情的なフォーキーさのある曲です。ANNAの囁く福音が聴こえてきそうです。
6曲目"A French Love"(3:53) アコースティック・ギターを掻き鳴らしながら登場するANNAのめずらしいアップテンポな曲です。フランス語の歌詞にロック"ン" ロールのリズムとドライビングするギターのサウンドでの意欲作です。
7曲目"A Voice To Calm You Down"(2:48) 厳かに奏でられるギターの調べにJOHAN・LINDSTRÖMの聴き覚えのあるハワイアン調のペダル・スティールギターの音色を取り入れた不思議な雰囲気を持った曲です。
8曲目"Somebody's Outside"(4:12) ANNAが丁度、アメリカに居た17歳頃に書いた曲らしいです。どことなくイントロの部分のスライド・ギターでのサウンドは、古い名曲の調べに似ています。クールなドラムとベースのサウンドに乗せ訥々と語るよう歌うANNAのヴォーカル曲です。
9曲目"My Secret"(5:01) ゆったり流れる少しカントリー調のロックのリズムの曲です。透明感と清涼感のあるサウンドが非常に似合うANNAの歌声での曲です。後半からダイナミックに展開する北欧のギターサウンドらしいアレンジも見事です。
10曲目"Shoreline"(5:08) スウェーデンで活躍していたオルタナティヴ・ロック・バンドBRODER DANIELの5枚目のアルバムに収録されていた曲のカバーです。凛々しくなるピアノの調べに少し寂しげに響くANNAの歌声による曲です。

DISC:2 "Naked Versions" 収録時間:30分04秒
1曲目"To be Gone"(2:13) MICKE・AUGUSTSSONのアコーディオン1台での演奏に合わせて歌うANNAの切ない歌声による非常にシンプルな収録曲です。何故かアコーディオンの音色が入るとフランスのパリの下町の雰囲気を感じます。
2曲目"Better Be"(3:30) ANNAのアコースティック・ギター1本での弾き語りです。巧みにアルペジオでギターを演奏しながら一生懸命に歌を歌うANNAの姿を想像させる曲です。
3曲目"No Way Out"(2:20) "To Be Gone" のシングル盤に収録されているアルバム未収録曲です。古びたアコースティック・ギターのストロークによる掠れたサウンドが特徴的な曲です。
4曲目"Troubled Mind"(3:37) この曲も"To Be Gone" のシングル盤に収録されているアルバム未収録曲です。アコースティック・ギターの美しいサウンドとANNAの優しさに包まれる美しいメロディのシンプルな曲です。
5曲目"Bring Down Like I"(3:26) ロウ・コードで弾かれるアコースティック・ギターの古びたサウンドとイノセントさ持ったANNAの歌声がたっぷりに響く曲です。
6曲目"I Say No"(3:41) アコースティック・ギターのアルペジオのサウンドを美しく響かせた曲で、アルバム収録曲の生トラックでしょうか。
7曲目"A French Love"(3:42) スローなリズムにアレンジされた曲で、LARS・SÄFSUND(WORK OF ART?)のピアノ1台での収録となっています。途中よりダイナミックな展開とまた繊細に響くピアノの調べも持たせたアレンジも見事です。
8曲目"My Secret"(4:26) ANNAのギター1本での弾き語りで収録されています。ANNAのヴォーカルに男性バック・ヴォーカルが入っていますが詳細は、不明です。
9曲目"I'll Follow You Tonight"(3:04) この曲は、オリジナルのアルバム収録曲もシンプルなアレンジでの収録だったので、前半までは余り変らないサウンドですね。
DISC:1の10曲のみ歌詞付 16ページ物写真ブックレット 北欧限定5000枚 2枚組仕様 E.U.製 (輸入盤) (新曲も次々リリースされてヨーロッパでのライヴ・ツアーも行われANNAの快進撃はしばらく続きそうです)'10年4月24日再更新


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写真  ANNA TERNHEIM / Separation Road
 ・2006 stockholm records    170 346-5

再び出た2枚組み限定盤・・・

このアルバムは、ストックホルムで活動しているANNA・TERNHEIMの '04年のデビュー・アルバムに続く2枚目のアルバムで '06年9月27日に通常盤と同時期にリリースされた2枚組み限定盤です。ANNAは、このアルバムで '06年のスウェーデンのグラミー賞のベスト・ポップ女性部門で受賞しています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ANNA・TERNHEIM:ヴォーカル/ギター/副プロデュースの他、ANDREAS・DAHLBÄCK:ドラム/シンセサイザー・ベース/バック・ヴォーカル/ストリング・アレンジ、STAFFAN・ANDERSSON:ギター、JOHAN・LINDSTRÖM:ギター/ストリング・アレンジ、DANIEL・JANSSON:ギター、LINUS・LARSSON:ギター、SVEN・LINDVALL:ベース/シンセサイザー・ベース/ダブル・ベース、JESPER・NORDENSTRÖM:キーボード、KRISTOFFER・WALLMAN:シンセサイザー、PELLE・JACOBSSON:ドラム/ベル/ボンゴ/クロテイル/ヴィブラホン/シロフォン、ULRIKA・EDSTRÖM:チェロ、KLAS・JERVFORS:ユーフォニアム/フレンチ・ホーン/トロンボーン/トランペット、LEO・SVENSSON:ミュージック・ソウ、LINUS・LARSSON:トライアングル、MIKAEL・SJÖGREN:ヴィオラ、PER・ÖHMAN:ヴァイオリン、TORBJÖRN・BERNHARDSSON:ヴァイオリン、VIKTOR・HVIDFELD:ヴァイオリン、STOCKHOLM SESSION STRINGS:ストリングスのストックホルムで活躍しているミュージシャン達です。
尚、ギターにSTAFFAN・ANDERSSON(GLORIA,HOVET)が加わりANNAのツアーと共にビデオにも登場しています。
アルバムの写真撮影は、スウェーデンのジャケット・カメラマンの第一人者JONAS・LINELLの撮影です。

DISC:1 収録時間:35分52秒
1曲目"Intro"(0:55) 1分弱ほどのストリングスのサウンドによるアルバムの導入部です。次の曲のイントロように組合わされています。
2曲目"Girl Laying Down"(2:57) 特徴的な低いキーでのピアノの叩きつけるようなサウンドに乗せANNAの低いキーから歌い上げるリフレンが耳に残る本国のヒット曲。アウトロも曲をぶった切るように終わる意外性も斬新!
3曲目"Today Is A Good Day"(3:32) HPでビデオになっている曲で、ランニング・シャツを着た少年がトレード・マークになっています。アコースティック・ギターの音色に乗せて歌うANNAの特徴的な北欧なまりの英語も優しく聴こえる曲です。ウッド・ベースにはベテランSVEN・LINDVALL(A-HA,GLORIA)が参加しています。
4曲目"Such A Lonely Soul"(3:42) 静寂の中に響く美しくも悲しみを持ったピアノの調べによるスローな曲です。震わすように弾かれる特徴的なギターは、STAFFAN・ANDERSSONの演奏によります。
5曲目"Calling Love"(4:11) イントロからギターのサウンドたっぷり使ったアシッドな雰囲気を持ったアップテンポの曲です。後半から前作の収録にも参加していたJOHAN・LINDSTRÖMのギターも登場します。
6曲目"No Subtle Men"(3:08) 非常にスローで優しく奏でられる曲です。この曲では、JESPER・NORDENSTRÖM(REBEKKA・BAKKEN,MOUSSA・DIALLO)のピアノとANNAのみの収録のようです。
7曲目"Lovers Dream"(3:59) 本国でEP盤としてリリースされたシングル・チャート4位になった曲のオリジナル曲です。先のEP盤では、UKで活躍するFYFE・DANGERFIELD(GUILLEMOTS)とANNAのゴシック調のスローなロックです。このアルバムではヴォーカルは、ANNAのみです。
8曲目"Feels Like Sand"(3:41) 甲高いSTAFFANのギター・サウンドとSVENのシンセ・ベースによる幻想的な雰囲気を持った曲です。新しく入ったSTAFFANとANNAの信頼関係の良さを感じさせる曲です。
9曲目"Tribute To Linn"(3:09) 前作でのサウンドの流れを踏襲したANNAのアップライト・ピアノでのゆったりしたリズムでの曲で、穏やかなブラスの音色があしらわれています。
10曲目"One To Blame"(3:43) この曲は不思議な不協和音を醸し出すアシッドの曲です。強い訛のあるANNAの歌声もサイケ調のサウンドに溶け込んでいます。
11曲目"Halfway To Fivepoints"(2:50) フィンガー・ピッキングで弾かれるANNAのギターの調べに寄り添うように弾かれるヴァオリンの調べによるシンプルな曲で、ストリングス・アレンジは、辣腕JOHAN・LINDSTRÖMです。

DISC:2 "Naked Versions" 収録時間:33分16秒
1曲目"Intro"(0:18) 非常に特徴的なビブラートの効いたフルートは、PER 'TEXAS' JOHANSSONの演奏です。尚、PERは、この曲を含み"Naked Versions" の数曲に参加しています。
2曲目"Lovekeeper"(2:56) ANNAの歌声に被されたPERのフルートによる非常にシンプルな曲です。注!サンプル音源は、ライヴでの映像を参考にしています。
3曲目"Girl Laying Down"(3:05) ANNAのアップライトピアノ1台での弾き語りをシンプルに収録した曲で、作曲と作詞が出来上がった状態に近いのではないでしょうか。
4曲目"You Mean Nothing To Me Anymore"(2:47) ANNAの優しい歌声に触れるスローなアコースティック調の曲です。ララバイ的なANNA歌声の響きとシンプルな彼女のギターの演奏です。
5曲目"The Loneliness Is Gone"(2:48) フィンガー・ピッキングで弾かれるアコースティック・ギターのサウンドとANNAの歌声による前のアルバムの"My Secret" に通じる雰囲気です。
6曲目"Black Widow"(2:36) アコースティック・ギター:ANNA、ベース:JOHAN・LINDSTRÖM、フルート:PER 'TEXAS' JOHANSSON、ドラム:ANDREAS・DAHLBÄCK(ESKOBAR)です。今回のアルバムでは凄腕のバックアップを得ての収録です。
7曲目"Lovers Dream"(4:18) アコースティック・ギターとこの曲のプロデューサーのJOHAN・LINDSTRÖMのストリングス・アレンジに仕立てられたクラシック調での曲です。
8曲目"Highlands"(3:45) ANNAのフィンガー・ピッキングで弾かれるアコースティック・ギター1本での収録です。後半で登場するトランペットの調べが清々しい。
9曲目"Nights In Goodville"(3:37) 枯れたギターのサウンドに清涼感のあるANNAの歌声が妙に似合う曲です。また隣で弾かれるヴァイオリンの音色が好いんです。
10曲目"Worlds Of Love"(3:16) この曲もANNAのギターでの弾き語りです。訥々と呟くように歌うANNAの歌声とセルフハーモニーを美しく付けたシンプルで透明感のあるメロディでの曲です。
11曲目"Such A Lonely Soul"(3:46) 幻想的なヴィブラホーンの調べに乗せ歌うANNAの切ない歌声によるメランコリックな曲です。
17曲歌詞付 20ページ物写真ブックレット 限定2枚組デジパック仕様 E.U.製 (輸入盤) (CDのジャケットに向かって左側にANNAが居るのが限定2枚組、右側が通常の '06年度盤です。只、通常盤DISC:1を購入した人にとって35分程度の収録では、物足りないのでは…)'10年4月24日再更新


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写真  ANNA TERNHEIM / Leaving On A Mayday
 ・2008 Universal Music AB    060251787190

限定ボックスセット盤・・・

このアルバムは、スウェーデンのストックホルムで活動しているANNA・TERNHEIMの3枚目(アメリカ向[Halfway To Fivepoints]と本国での限定盤は含まない)のアルバムです。 '04年のデビュー・アルバムからキッチリと2年ピッチのインターバルによる '08年11月12日に本国よりリリースされたアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ANNA・TERNHEIM:ヴォーカル/ギターの他、ANDERS・STENBERG:ギター、MATT・SWEENEY:ギター、BJÖRN・YTTLING:ギター/ベース/キーボード/パーカッション/バック・ヴォーカル/ストリング・アレンジ/プロデュース、PETER・FORSS:ベース、FREDRIK・RUNDQVIST:ドラム、STEVE・SHELLEY:ドラム、PELLE・JACOBSSON:パーカッション/ヴィブラフォン、EMMA・LINDHAMRE:チェロ、THOMAS・RINGQVIST:ヴィオラ、ANDREAS・FORSMAN:ヴァイオリン、JOHAN・MORÉN:ヴァイオリン、GRETA・BONDESSON:バック・ヴォーカル、SUNNIVA・BONDESSON:バック・ヴォーカルSTELLA・BONDESSONのスウェーデンのミュージシャン達(MATT・SWEENEYを除く)が参加しています。
プロデュースは、ジャズ・ピアニスト/プロデューサーBJÖRN・YTTLING(PETER BJORN AND JOHN)と限定盤の"Sing Sinatra" は[Somebody Outside]でのANDREAS・DAHLBÄCKが担当しています。
尚、今回レビューするアルバムは、本国のみ限定ボックス入2枚組盤で、20ページ物の写真ブックレットと写真レター5枚とがセットになっています。

DISC:1 "Leaving On A Mayday" 収録時間:40分52秒
1曲目"What Have I Done"(3:24) このアルバムと同時にリリースされたシングル曲です。ベースとパーカッションの躍動的なサウンドに続いて登場する美しいストリングスの調べが過去の作品と少し違ったイメージを与えます。
2曲目"Damaged Ones"(3:09) 特徴的なANNAの訛りのある英語での歌声がいつもにように響いています。意図的に屈折させたようなリズムの流れとこの曲でもストリングスのアレンジが施されています。
3曲目"Terrified"(4:44) 空間で響くドラムのリズムと少し東洋的なニュアンスを感じさせるヴァイオリンの調べが印象的なスローな曲です。サウンド的にはオルタナティヴな要素を持っていますが、クラシカルな部分と極上のブレンドを感じます。
4曲目"Let It Rain"(4:55) 単一音で叩かれるピアノの調べ、躍動的なドラムとパーカッションのリズムによるANNAの意気込みや気迫さえも感じさせるアグレッシヴさをストレートに感じます。
5曲目"My Heart Still Beats For You"(4:30) この曲は、ANNAの過去のアルバムの楽曲に通じる彼女の優しさを感じる曲になっています。特徴的なドラムの演奏はスウェーデンのジャズ・ドラマーFREDRIK・RUNDQVISTとベースには同じくジャズ畑で活躍しているPETER・FORSSが参加しています。
6曲目"No I Don't Remember"(3:55) ストリングスのサウンドを全編に流したアコースティック調の乗りの良いビートの曲です。エコーの効いたANNAの美しい歌声とFREDRIKのドラムのビートが"渋い" のです。
7曲目"Summer Rain"(3:58) スウェーデンの女性オルタナ系カントリー・ミュージック・バンドBASKERYのGRETA、SUNNIVA、STELLAのBONDESSON姉妹がコーラスに参加した曲です。彼女たち美しいハーモニーとANNAに歌声が厚く響くスローなアコースティック・ギターによる弾き語りです。
8曲目"Losing You"(3:38) この曲はSONIC YOUTHのSTEVE・SHELLYのドラムのビートが非常に素晴らしく決まった曲ですね。BONDESSON姉妹の歌声もアクセントになっています。今回のANNAのアルバムは意外なミュージシャン達とのコラボレーションが魅力の1つになっています。
9曲目"Off The Road"(3:57) 少し不協和音を使って滲み出す不安感とサイケデリックさを感じさせるダーク・アコースティック調の曲です。THE DOORSやTHE BYRDSのサウンドから影響を感じさせる曲調に思えます。
10曲目"Black Sunday Afternoon"(4:38) 過去のアルバムに収録されていた曲に通じるANNAの持つ独特の陰や孤高さを感じさせる曲です。ギミックさを持たせたギターとキーボードの調べとANNAの美くしも沈みがちな歌声が心に響いてきます。

DISC:2 "Sing Sinatra" 収録時間:21分18秒
1曲目"New York New York"(3:01) ANNAのウーリッツアーかアップライト・ピアノのスローな弾き語りにて収録され後半には弦楽器の演奏が加えられています 。オリジナル曲は '77年の同名の映画のテーマ・ソングで、FRANK・SINATRAが '80年にレコーディングしています。
2曲目"Come Fly With Me"(3:40) 今度は、アコースティック・ギターの素早いフィンガー・ピッキングでスピーディーにまたドラム・マシーン/打ち込み?演奏したアレンジになっています。オリジナル曲は、SINATRA '58年同名アルバムに収録されています。
3曲目"Fly Me To The Moon"(3:51) 今更説明を必要としない曲ですね。多くのジャズ・シンガーにカバーされ、T.V.のC.M.にも使われている '54年のスタンダード曲です。ANNAはアコースティック・ギターの弾き語り形式でスローにしてマイナーに転調して、落ち着いた雰囲気のサウンドで収録されています。FRANK・SINATRAは '64年のアルバム[It Might as Well Be Swing]に収録しています。
4曲目"That's Life"(3:52) ANNAのアコースティック・ギターの弾き語りによるシンプルな形式で収録されたナンバーとなっています。後半から登場するオルガンの調べが切なく響きます。オリジナル曲は、SINATRA '66年の同名アルバムに収録されています。
5曲目"Strangers In The Night"(6:53) リズム・ボックスとANNAの弾くアコースティック・ギターの調べボサ・ノヴァ調のアレンジで綴られる往年の名曲です。オリジナル曲は '66年の同名アルバムに収録され当時のビルボードのアルバム・チャート1位になっています。尚、この曲の後にサンプル音源を使ったANNAのアンビエント・ミュージックが2分程度収録されています。
DISC:1の10曲のみ歌詞付 20ページ物写真ブックレット 限定2枚組ボックス仕様 E.U.製 (輸入盤) (三度リリースされたANNAの限定盤...やはり、ついついこちらの方を買ってしまいますね。但し、紙ジャケットのCDは、どうしても取り出しに苦労します)'10年4月26日再更新
2008年度ベスト5


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・2008 Universal Music AB. TMPROMOI

写真
"Escape Into My Arms"(4:08)
歌詞無し 紙ジャケット仕様 収録時間4分06秒
(Bengans.seでの予約販売用サービス盤です)


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写真  ANNA TERNHEIM / The Night Visitor
 ・2011 Universal Music AB    060252783848

最初は非常に地味に感じますが・・・

このアルバムは、スウェーデンのストックホルムで活動しているS.S.W.ANNA・TERNHEIMの4枚目(アメリカ向[Halfway To Fivepoints]と本国での限定盤は含まない)のアルバムです。 '11年10月28日に本国でリリースされた通常盤にスタジオを兼ねたDAVE・FERGUSONの自宅のポーチで収録されたアコ-スティック・バージョン5曲のEP盤にその演奏風景を撮影したDVD(リージョンフリー)の3枚をボックスに収めた特別限定盤です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ANNA・TERNHEIM:ヴォーカル/ギターの他、MATT・SWEENEY:ギター/ベース/マンドリン/バック・ヴォーカル/プロデュース、DAVE・FERGUSON:ヴォーカル/ギター/ベース/タンバリン/ホイッスル、PAT・McLAUGHLIN:ベース、KENNY・MALONE:ハンド・ドラム、PETER・TOWNSEND:ドラム/パーカッション、PAT・McINERNEY:パーカッション、JOEY・MISKULIN:アコーディオン、TIM・O'BRIEN:ヴァイオリン、RONNIE・McCOURY:マンドリン、JOHN・CATCHINGS:チェロ、COWBOY・JACK・CLEMENT:リゾネーター・ギター、DAN・DOUGMORE(DUGMORE?):ペダル・スティール、DAVID(DAVE?)・FERGUSON:ベース、WILL・OLDHAM:バック・ヴォーカル、JOHN・MOCK:ペニー・ホイッスルなど前作とは違ったMATT(ANNAの前作にギターとして参加)の音楽仲間であるアメリカのミュージシャン達が参加しています。

DISC:1 "The Night Visitor" 収録時間:45分54秒
1曲目"Solitary Move"(3:53) ペダル・スティールの不思議な調べがANNAの歌声のバックに広がるアコースティック調の曲で、後半より静けさを持ちながらサウンドを荒げて来るアレンジにクールさを感じます。3年ぶりに聴くANNAの少し訛りのある歌声が久しいですね。
2曲目"The Longer The Waiting(The Sweeter The Kiss)"(3:51) ベースで収録に参加しているPAT・McLAUGHLINとROGER・COOKとで書かれた曲です。オリジナル曲は、ナッシュヴィルのカントリー・シンガーJOSH・TURNER '07年のアルバムに収録されています。レコーディング/ミキシングも担当しているDAVE・FERGUSONの枯れた歌声とデュエットと聴かせるANNAの清楚な歌声のバランスを楽しみましょう。
3曲目"Lorelie Marie"(4:25) イントロから響く12弦ギターの煌びやかなご機嫌の調べです。60年代後半のTHE BYRDSを彷彿さえるようなギター・サウンドや美しいハーモニーに包まれます。
4曲目"Ghost Of The Man"(3:44) 何処かで聴き覚えのあるイントロのリズムとメロディが流れた時にカバー曲かなって思っていたらANNAのヴォーカルによる歌詞の部分が登場したら違うことに気付かれた曲です。この曲もイントロから非常に美しいフィンガー・ピッキングによる演奏が収録されています。
5曲目"What Remains"(3:33) 今度は、テンポを落として来たフォーク調の曲の登場です。アコーディオンやチェロの調べがANNAの歌声にそっと寄り添いながら流れて来る感じが心地好いですね。
6曲目"Bow Your Heads"(5:23) 不思議なサウンドと複雑なピッキングを刻むギターのサウンドが絡み合う曲です。この曲も後半からの盛り上がり方に古いアメリカのバンドのサウンドからの影響を感じます。
7曲目"Walking Aimlessly"(3:52) ANNAのHPでこのアルバムのプロモーションの為、先行して流れていたシングル曲です。この曲も美しく響くアコースティック・ギターのフィンガー・ピッキングの調べによる清楚なカントリー・フォーク調の曲で、ANNAとバック・ヴォーカルのWILL・OLDHAMとの非常に美しいハーモニーが印象的です。
尚、ANNA自身もサンクスの項にWILL・OLDHAMの歌声に謝辞を述べています。
8曲目"God Don't Know"(2:24) トラディショナル・フォーク・ソング調の曲です。アコースティック・ギターにペニー・ホイッスルや美しいハーモニーの流れなどは、初期のTHE CORRSのサウンドに通じるところを感じさせます。
9曲目"Black Light Shines"(4:12) 落ち着いたワルツのリズムが流れるANNAのアコースティック・ギターの弾き語りから入る曲です。切ない響きを醸し出すMATTのナイロン弦ギターの調べやテネシアン・ギターによる独特の揺らぎサウンドに聴き入ります。
10曲目"All Shadows"(3:43) この曲は、前のアルバムのドラムのビートを強調したアレンジを引き継いだところを感じる曲です。インディアン・ドラムのビートに乗せて孤高に響くANNAの歌声がジーンと感じます。
11曲目"Come To Bed"(3:22) ぱっと聴いた時は、地味な印象を感じさせるアコースティック調の曲と感じていましたが、曲が進むに連れて展開される多数の弦楽器の調べが複雑に登場しながらまた消え去って行く様が見事な曲でもあります。
12曲目"Dearest Dear"(3:28) アルバムの最後の曲は、トラディショナル音楽のカバーとなっています。ギターのMATT・SWEENEYのアレンジと彼の枯れたアコースティック・ギターの演奏とANNAの歌声のみで収録されています。

DISC:2 "Live On The Porch" 収録時間:22分13秒
1曲目"Black Light Shines"(4:21) 清楚なANNAの歌声がそっと広がる落ちついたリズムとサウンドの曲です。ここでの収録は、本編のベース・トラックと思われるオーバー・ダブされる前の感じです。
2曲目"Walking Aimlessly"(3:45) この曲も余り本編での収録曲と感じは変わりませんね。本編でのペダル・スティールに替えてヴァイオリンでアレンジされたカントリー調での収録で、楽しそうなバック・ヴォーカルの歌声が収録されています。
3曲目"Lorelie Marie"(4:21) ギターの循環コードで演奏されるやはり懐かしさを感じさせるギター・サウンドの曲です。ここでの収録は、12弦ギターの登場も無くオーソドックなスタイルでの生テイクとなっています。
4曲目"Bow Your Heads"(5:45) この曲の演奏をじっと聴いていると生で演奏することが難しそうな曲に聴こえるのですが、後に紹介するDVDにも収録されています。本編による少しだけテンポを落としたアレンジにDAVEの飼っている犬の鳴き声や虫の音がバックに雰囲気物として収録されているのが印象的です。
5曲目"The Longer The Waiting(The Sweeter The Kiss)"(3:59) この曲は、本編での収録と感じは同じようですね。枯れたDAVEの歌声は、本当に聴いてい落着きます。

DISC:3 DVD"The Fingerpicking Party" 収録時間:28分46秒
レコーディング/ミキシングにヴォーカルとギターで収録に参加しているDAVE・FERGUSONの自宅での演奏風景を収録したDISC:2 "Live On The Porch" のDVD盤です。収録日時と場所は、'11年7月8日テネシー州ナッシュヴィルの北東部の町ゴッドレッツヴィルとなっています。
1曲目"Black Light Shines" ポーチと言ってもリビングくらいの広さの中にANNAを含む6人のミュージシャンが集まって演奏している姿が収められています。
2曲目"Walking Aimlessly" 先の曲と同じミュージシャン達(ANNA:ギター、MATT・SWEENEY:ギター、DAVE・FERGUSON:ベース、TIM・O'BRIEN:ヴァイオリン、JOHN・MOCK:コンサティーナ 、KENNY・MALONE:ハンド・ドラム)が写し出されています。ANNAの歌声に続いてMATTやDAVEがバック・ヴォーカルを務める姿も微笑ましく感じます。
3曲目"Lorelie Marie" 演奏風景の合間にカットインされたANNAが多分、ナッシュビヴィルの楽器店で膨大なギターの中から収録に使うギターを選ぶ様子やN.Y.を訪れている映像も収められています。演奏が終わったと同時にDAVEから「どうだい?感じは?」と聞かれているANNAです。
4曲目"Bow Your Heads" スタジオの2階のテラスにギターを持ちだしてこの曲の印象的なイントロの演奏を練習するMAT・SWEENYの姿が非常に印象的に映し出されています。夜になってから演奏している様子が映像に収められている為、先の曲と違って外の暗闇を背景にしたANNAの眩い姿による映像美が素晴らしいです。
5曲目"The Longer The Waiting(The Sweeter The Kiss)" DAVE・FERGUSONの弾くアコースティック・ギターの調べに合わせて自分の膝を抱きなら体でリズムを取りながら歌うANNAが登場しています。
DISC:1の11曲のみ歌詞付 写真ライナー 限定2枚組+DVDボックス仕様 ドイツ/E.U.製 (輸入盤) (前作は、本国スウェーデンの新進気鋭のミュージシャンをプロデューサーに迎えてスウェーデンの最先端の音楽で表現したANNAのアルバムですが、今回の作品は彼女の音楽のルーツでもあるかのようにアメリカ中南部の音楽と地元の熟練ミュージシャンとのコラボレーションによる装飾を徹底的に廃したアルバムです)'11年11月19日更新


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写真  A.S.O. / a.s.o.
 ・2023 Low Lying Records    

a.s.o.デビュー・・・

このアルバムは、ドイツのベルリンで活躍しているトリップ・ホップ/ドリーム・ポップ・ユニットA.S.O.のデビュー・アルバムで '23年6月2日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、A.S.O.のALIA・SEROR-O'NEILL:ヴォーカル、LEWIE・DAY(TORNADO・WALLACE):マルチインストゥルメンツ/バック・ヴォーカル/プロデュースの2人のようです。

1曲目"Go On"(2:55) シングル盤として '22年10月にダウンロード・リリースされている曲です。このユニットの紹介的なビデオもどうぞ。
2曲目"My Baby's Got It Out For Me"(3:48) 引き摺り感を持ったドラムのビートとエフェクト・サウンドを多用したトリップ・ホップな曲です。シンセサイザー・ベースのうごめくようなサウンドと浮遊感漂うALIAの歌声が好いですね。
3曲目"Rain Down"(5:11) この曲も '23年1月に先行シングル盤ダウンロード・リリースされているダウンテンポ/トリップ・ホップな曲です。ALIAの妖艶な歌声とLEWIEの中東風のサウンド展開など興味深い要素があります。
4曲目"LITD pt.1"(1:53) 電子サウンドを遊び心に使ったインストゥルメンツです。スキャット/ヴォイス・エフェクトによるインターリュードとなっています。
5曲目"Love In The Darkness"(4:11) この曲は、トリップ・ホップな位置から少し違ったところにあるS.S.W. ALIA・SEROR-O'NEILLとしての拘りを感じさせるダークな一面を歌った曲です。ALIAのソフトな歌声を最大に演出しようとLEWIEの演奏も優しく感じます。
6曲目"Cold Feeling"(3:30) リヴァーブを効かせたギターのサウンドと奥まった位置で淡々と歌うALIAの歌声が心地好く響く曲です。淡々と流れるドラム・マシーンと揺らぎを持たせたLEWIEのサウンドの波が対照的に押し寄せます。
7曲目"True"(3:49) カテドラルで演奏している雰囲気を伝える曲です。中東音楽やオペラからの影響を感じさせる多様なサウンドの流れと聴かせます。
8曲目"Falling Under"(4:31) 期待感を膨らますイントロからのサウンドと躍動感を抑えたALIAのLo-Hiにした歌声がシブイ曲です。チルアウトなドラムのビートと電子エフェクトの重なりに耳を澄まします。
9曲目"Thinking"(4:01) 今度は、スローなテンポの曲の登場です。怠惰感を伝えるALIAの歌声とLEWIEのエフェクト的なギターのサウンドとキーボードで彩りを付けたところなど聴き応えたっぷりです。
10曲目"Understand"(4:06) メランコリックな調べがイントロから響くバラッドです。妖艶な歌声を聴かせるALIAの歌声のバックに広がる引き摺り感を持ったサウンドを映画音楽のように繰り広げるLEWIEです。
11曲目"Somebody"(3:10) アルバムのラストを飾るこの曲もメランコリックな調べを聴かせる曲です。短い歌詞によるALIAの吐息混じりの歌声を飾るLEWIEの演奏に鳥肌を立つのを感じます。このアルバム好いわ!。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:41分23秒 (予約販売ボタンをクリックしてからリリース時期を忘れるくらいだったこのA.S.O.、今後どう人気になるのか楽しみです)'23年6月2日更新
2023年度ベスト5


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写真  A SUDDEN BURST OF COLOUR / Waves Will Rise On
 Silent Water [EP]
 ・2015 Good Grief Records

響くギター・サウンド群・・・

このアルバムは、スコットランドのグラスゴー近郊の街マザーウェルで活躍しているインストゥルメンタル・ロック・バンドA SUDDEN BURST OF COLOURの3枚目('14年のコンピレーション盤 [Let Go Or Be Dragged-EP]を含む)のアルバム(EP盤)で '15年2月19日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LUKE・DUNCAN:ギター、CALLUM・BRAND:ギター、CALUM・FARQUHARSON:ベース、LIAM・SHAW:ドラムのA SUDDEN BURST OF COLOURの4人です。

1曲目"Riptide"(5:49) 幻想的なサウンドによる1分程度のイントロを過ぎて登場する歯切れ良いギターのサウンド群が非常心地好い曲です。ビデオの方は、こちらでどうぞ。
2曲目"Yume"(8:00) シングル盤としてリリースされている非常に長尺の曲です。多分、曲のタイトルは日本語の「夢」から付けられたと思います。穏やかな調べとリズムによる心地好さを醸し出すアンビエントな流れです。シングル盤リリース時のビデオは、こちらです。
3曲目"Life Spend Drifting"(5:11) 特徴的なサウンドを発するギターのリフが溢れる曲です。LUKEとCALLUMのギターの演奏の絡みが非常に巧みな展開で、転がるようなリズムとサウンドが非常に素晴らしいのです。
4曲目"Ocean floor"(6:28) ループを使ってのギターのサウンドが本当に溢れる幻想的な雰囲気が漂う曲です。ネス湖湖畔での半アコースティックなライヴの模様もどうぞ。
全曲インストゥルメンタル 紙ジャケット仕様 ピクチャーCD盤 (輸入盤) 収録時間:25分29秒 (実は、このアルバムは購入したものでは無く、'16年の[Ambivalence-EP]を購入した際に一緒に送られてプレゼントされたものです。感謝!)'16年7月30日更新


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写真  A SUDDEN BURST OF COLOUR / Ambivalence [EP]
 ・2016 Good Grief Records    GG018

インストゥルメンタル・ロック・アルバム・・・

このアルバムは、スコットランド グラスゴー近郊の街マザーウェルで活躍しているインストゥルメンタル・ロック・バンドA SUDDEN BURST OF COLOURの4枚目('14年のコンピレーション盤 [Let Go Or Be Dragged-EP]を含む)のアルバム(EP盤)で '16年7月1日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LUKE・DUNCAN:ギター、CALLUM・BRAND:ギター、CALUM・FARQUHARSON:ベース、LIAM・SHAW:ドラムのA SUDDEN BURST OF COLOURの4人です。
尚、プロデュースは、グラスゴーとエジンバラにレーベルとスタジオを構えるMARK・MORROWBRUCE・RINTOULが共同で行っています。

1曲目"The Fall"(7:27) 固く引き締まったドラムのビートと腹に響くベースの重いサウンド熱くさせる曲です。アンビエントなギターのサウンドと耳の奥に深く残るギターのリフが交互に迫りながら後半へのアグレッシヴな領域へ誘います。ツアー中のライヴの模様をコンパクトに編集したビデオの方は、こちらでどうぞ。
2曲目"Blind Obedience"(6:15) この曲も1曲目よりスローながら渋めもサウンドを放つ曲です。イントロから次第にスピードを上げギターのサウンドも硬質さや歪ませたサウンドを混じえたアレンジも完成度の高さを感じます。
3曲目"The One You Feed"(7:08) 今度は落ち着いたリズムとサウンドによるアンビエントさを増した曲です。やはり、後半からのエッジと重さを効かせサウンドは、このバンドならではの聴き応えを強く感じるところです。
4曲目"What Would You Do If You Weren't Afraid? "(6:58) この曲は、非常にドラムのLIAM・SHAWの巧みな演奏に重点を置いた曲です。1曲の内にスローなビートから激しさを持ったビートを何度も繰り返しながら流れる彼のビートに本当聴き入るます。
歌詞無し ライナー無し 2折デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:27分50秒 (久しぶりに購入した全曲インストゥルメンタルによるアルバム。4曲のEP盤ですが、1曲1曲が長いので聴き応えは十分です)'16年7月10日更新
2016年度ベスト5
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写真
(このアルバム購入時に頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  A SUDDEN BURST OF COLOUR / Forever
 /Captivator [AA]
 ・2020 A Sudden Burst Of Colour

再びインストゥルメンタル・ロック・アルバム・・・

このアルバムは、スコットランドのグラスゴー近郊の街マザーウェルで活躍しているインストゥルメンタル・ロック・バンドA SUDDEN BURST OF COLOURの5枚目('14年のコンピレーション盤 [Let Go Or Be Dragged-EP]を含む)のアルバム(EP盤)で '20年7月20日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LUKE・DUNCAN:ギター、CALLUM・BRAND:ギター、CALUM・FARQUHARSON:ベース/プロデュース、LIAM・SHAW:ドラムのA SUDDEN BURST OF COLOURの4人です。尚、リミックス曲については、曲目の項を参考に願います。

1曲目"Forever"(5:32) ゆっくりとタムタムを叩くリズムとクリアなトーンを放つギターのサウンドが堪らないこのA SUDDEN BURST OF COLOURの持ち味を強く感じる曲です。久しぶりにプロモーション用ビデオも制作された一押しの曲となっています。
2曲目"Captivator"(5:26) LUKEとCALLUMのトーンとスタイルを違えたギターの演奏から繰り出すこの曲もサウンドの広がりが素晴らしいものがあります。後半からのトランス状態に一気に引き込むサウンドとリズムの流れが心地好く感じます。この曲もビデオが制作されています。
3曲目" Forever(Joey Fehrenbach Remix)"(6:07) アメリカのダンス/エレクトロニカ・ミュージックプロデューサーJOEY・FEHRENBACHがリミックスを担当した1曲目のアレンジ替えです。電子サウンドをふんだんに加えたギターのサウンドは少し控えられています。
4曲目"Captivator(Nightblind Remix)"(5:29) キーボード/プログラミング/リミックスをブライトン在住のALEX・ROSEが担当した2曲目のリミックス版です。細かくサウンドを遮断する技法によりインパクトを強め電子ドラムのビートも加えうねり感を持った曲の流れを強めています。
歌詞無し 2折紙ジャケット仕様 限定版CD-R (輸入盤) 収録時間:22分35秒 (前作に続いて全曲インストゥルメンタルによるアルバム。4曲のリミック編集盤ですが、このアルバムも1曲1曲が長いので聴き応えは十分です)'20年8月1日更新
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写真
(CD購入時に頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  A SUDDEN BURST OF COLOUR / Transgressor/
 Decoder [AA]
 ・2020 A Sudden Burst Of Colour

とにかく上手なんです・・・

このアルバムは、スコットランドのグラスゴー近郊の街マザーウェルで活躍しているインストゥルメンタル・ロック・バンドA SUDDEN BURST OF COLOURの6枚目('14年のコンピレーション盤 [Let Go Or Be Dragged-EP]を含む)のアルバム(EP盤)で '20年12月18日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、LUKE・DUNCAN:ギター、CALLUM・BRAND:ギター/キーボード、CALUM・FARQUHARSON:ベース/シンセサイザー/プロデュース、LIAM・SHAW:ドラムのA SUDDEN BURST OF COLOURの4人です。尚、ギターのLUKE・DUNCANは、'20年11月6日、このアルバムの収録後に自身の新しい音楽追求する為、バンドを離れています。

1曲目"Transgressor"(6:23) 期待感を高める心拍数の早い鼓動のようなイントロからアグレッシヴに繰り広げられるギター乱舞な曲です。CALUM・FARQUHARSONのベースの弦の振幅とLIAM・SHAWの叩き付けるドラムのビートは、やはりこのバンドならではですね。
2曲目"Decoder"(5:14) 今度は、少しダークなトーンへ移行したスローなナンバーです。滑らかに響くCALUM・FARQUHARSONのベースのサウンドと荒らしたギター・トーンが妙にマッチした雰囲気を醸し出しています。途中よりシンセサイザーとキーボードのサウンドも加わりダイナミックな展開を聴かせます。
3曲目"Transgressor(Bruno Caro Remix)"(8:06) アルゼンチンで活躍しているエレクトロニカ・ミュージック・プロデューサーBRUNO・CAROがリミックスを担当した1曲目アレンジ替えです。前作でも電子サウンドをふんだんに加えたリミックスの曲があったのですが、ここでの収録は、曲を1分半程度延長しオリジナル・テイクをエフェクト的な要素に使っています。
4曲目"Decoder(Livid Remix)"(5:29) LIVID(詳細不明)が担当した2曲目のリミックス版です。引き摺り感を増したダブ・チル・アウトなアレンジとなっています。ファンクな音色の電子キーボードの演奏も加えられギター・バンドらしかったサウンドから一歩離れたところに位置するサウンドとなっています。
歌詞無し 2折紙ジャケット仕様 限定CD-R盤 (輸入盤) 収録時間:24分27秒 (前作に続いて全曲インストゥルメンタルによるアルバム。4曲のリミック編集盤ですが、このアルバムも1曲1曲が長いので聴き応えは十分です!)'24年3月29日更新
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写真
(CD購入時に頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  A SUDDEN BURST OF COLOUR / Galvanize [LP]
 ・2024 A Sudden Burst Of Colour

今度はLP盤です・・・

このアルバムは、スコットランドのグラスゴー近郊の街マザーウェルで活躍しているインストゥルメンタル・ロック・バンドA SUDDEN BURST OF COLOURの7枚目(EP盤を含む)のアルバム(初LP盤)で '24年1月26日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CALLUM・BRAND:ギター/キーボード、CALUM・FARQUHARSON:ベース/シンセサイザー/サンプル、LIAM・SHAW:ドラム/パーカッション/追加ギターのA SUDDEN BURST OF COLOURの3人(残念ながらギターのLUKE・DUNCANが '20年11月6日にバンドを離れています)です。

1曲目"Vertigo Season"(4:56) アルバムのリリース前からビデオが公開されていたこのアルバムの掴みを持った曲です。相変わらずクールなギターのサウンドを聴かせるCALLUMの演奏です。
2曲目"Electric Century"(4:23) 静寂の中から流れるシンセサイザーの神秘的なサウンドを押し広げるように登場するドラム、ベースとギターの音色が聴く者への刺激を与える曲です。
3曲目"Beneath The Green Cascade"(7:05) スローな出だしから次第にダイナミックな演奏へと繰り広げられる7分を超える曲です。前々作からリミックス盤を収録した手法などで電子サウンドやサウンドの起伏などの作り込みを展開した流れをこの曲からも考えられます。長尺な曲にも関わらずあっと言う間に過ぎ去って行く心地好い響きです。
4曲目"Threads Of Time"(4:26) センチメンタルな響きを放つCALLUMのギターのスローな演奏よるインターリュード的な要素を感じさせる曲です。曲の終わり近くには、サンプリング音など詰め込んで起伏を持たせています。
5曲目"Pulsator"(4:13) ドラム・マシーンを用いてのアップテンポに攻めて来る曲です。トランス状態へ引き摺り込むベースのサウンドとドラムのビートが聴く者の体を揺らします。そこへ登場するCALLUMのギター・リフの巧な響きは、曲のタイトル通り「鼓動装置」ですね。
6曲目"The North Orchard"(4:29) 季節の移り変わりを感じさせるメロディとサウンドを聴かせる曲です。この曲もビデオが先行公開されています。頼もしく口髭を蓄えたドラムのLIAM・SHAWの姿があります。また、ビデオ編集もLIAMが担当しているとのこと。
7曲目"Chromium Rush"(5:37) 今度は、メランコリックなナンバーの登場です。以前のアルバムでは、抜けたLUKEとCALLUMのギター・リフを交互に出し合い曲の展開へと行っていたのですが、ここでの収録は、CALLUMの別録りを重ねているようです。以前の持ち味を損なわずLUKEとCALLUMの良いニュアンスのずれたギター・サウンドを再現しているように感じます。
8曲目"Silencer"(5:37) ダークな調べを発するCALLUMのギターと引き摺り感を持ったバックの演奏によるイギリス映画の中世冒険映画の挿入歌的な雰囲気を感じる曲です。やはり途中よりダイナミックな盛り上がりを聴かせます。
歌詞無し PDFライナークレジット(bandcampダウンロード) CD-R デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:40分49秒 (今から何年前だろうか偶然YouTubeで見つけたネス湖の湖畔で演奏に痺れたこのA SUDDEN BURST OF COLOUR、それからずっと聴き続けています!)'24年1月27日更
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写真
(CD購入時に頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  AZTEC CAMERA / High Land, Hard Rain
 ・1983 ROUGH TRADE RECORDING LIMITED.
 ・1990 VICTOR MUSICAL INDUSTRIES, INC.    VICP-2019

若さ溢れる歌声とサウンド・・・

弱冠19歳でデビューしたRODDY・FRAME率いるAZTEC CAMERAのデビュー・アルバム(シングル盤でのデビューは '81年にPOSTCARDレーベルよりデビュー)で、オリジナル盤は、当時のイギリスで有望な新人ミュージシャンを擁していたROUGH TRADEから '83年4月本国でのリリースです。
今回レビューしたアルバムは、国内にて '87年と '90年9月21日にCD化されたオリジナル盤と同じく10曲入り盤を基にしています。 後にボーナス・トラック入りの13曲入り盤も発売されています。
AZTEC CAMERAのメンバーは、CAMPBELL・OWENS:ベース/バック・ヴォーカル、DAVID・RUFFY:ドラム/バック・ヴォーカル、BERNIE・CLARK:キーボード/バック・ヴォーカルにRODDY:ギター/ヴォーカル/ハーモニカを加えた4人組です。
尚、プロデュースは、キーボードのBERNIE・CLARKとJOHN・BRAND(THE GO-BETWEENS,THE WATERBOYS)と共同となっています。

1曲目"Oblivious"(3:12) 全英シングル・ヒット・チャート18位となった曲です。明るいギターのサウンドと美しいハーモニーを付けた若さ溢れる歌声と恋をテーマにした曲です。この曲でのギターの間奏は、非常に素晴らしく当時 RODDYのギター・テックは話題となりました。
2曲目"Boy Wonders"(3:15) アコースティック・ギターを掻き鳴らすサウンドによる当時"ネオ・アコ" と呼ばれたサウンド・スタイルらしい曲です。やはりこの曲からもRODDYの若さとエネルギッシュを感じます。
3曲目"Walk Out To Winter"(3:25) セミ・アコのフロント側のピックアップを使った少し古臭い音が懐かしい曲です。カッティングによるギター奏法を多用した曲で、当時のイギリスの若手バンドもこのようなサウンドの曲を演奏していました。ただRODDYの場合はギターの扱いの巧みさとサウンドの使い方が非常に上手いです。
4曲目"The Bugle Sounds Again"(2:58) 今でもRODDYのコンサートでよくギター1本で演奏される曲です。アコースティック・ギターを巧みに弾きこなすRODDYとエコーを効かせた歌声が心地好い曲です。
5曲目"We Could Send Letters"(5:45) この曲もRODDYのライヴでもよく演奏される曲です。ハイ・フレットで弾かれるアコースティック・ギターのサウンドとCAMPBELLの素晴らしいベースの残響音にバックの美しいコーラスが非常に印象的な曲です。RODDYの曲は、間奏の彼のギター・ソロが非常にメロディアスで美しい響きを持っているところに魅了されます。
6曲目"Pillar To Post"(4:01) 英国のインディーズ・チャートで1位となった曲でサウンド的には非常にポップな曲です。女性バック・ヴォーカルと明るいサウンドの爽やかな曲です。
7曲目"Release"(3:43) ジャジーな響きをもったギターのフレーズによる曲でこの辺りからも当時の他のバンドとの違いを意識させます。次第にロックの曲調へと巧みなアレンジで曲を展開しています。
8曲目"Lost Outside The Tunnel"(3:41) 当時流行したファン・カラティーナのリズムにも似た曲です。たっぷり響かすギターのサウンドとしっかりとリズムを刻むドラムのビートとベースのサウンドによる曲で、後半はスパニシュと展開します。
9曲目"Back On Board"(4:54) AZTEC CAMERAのアルバムには必ずといって言いほど収録されているゆったりしたリズムによる落ち着いた曲です。サウンド的にも余り凝らずシンプルで自然な流れとRODDYのヴォーカルを聴かせるスタイルの曲です。
10曲目"Down The Dip"(2:21) 2分半程度の短い曲です。アルバムの最後はこのような曲をいつも配しています。アコースティック・ギターによる弾き語りです。
全10曲歌詞/訳詞付 20ページ物ブックレット (国内盤) 収録時間:37分23秒 (このアルバムの発売当時の友人同士の会話は「AZTEC CAMERA買った?聴いた?良かった!」ってこんな感じでした)'10年4月26日再更新


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写真  AZTEC CAMERA / Knife
 ・1984 WEA Records Ltd.    P-13066
 ・1984 WEA International Inc.    WPCR75290

プロデューサーにMARK・KNOPFLERを迎えて・・・

グラスゴー出身のAZTEC CAMERAの '84年にリリースされた2枚目のアルバムです。
このアルバムでのメンバーは、CAMPBELL・OWENS:ベース/ヴォーカル、DAVID・RUFFY:ドラム/ヴォーカル、
MALCOLM・ROSS (Ex.ORANGE JUICE, Ex.JOSEF K):ギター/ヴォーカルにRODDYを加えた4人組です。プロデューサーにベテラン・ギタリストMARK・KNOPFLER(DIRE STRAITS)が起用されて、更にギターのサウンドが上手く表現された1枚になっています
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、GUY・FLETCHER:キーボード/バック・ヴォーカル、FRANK・RICOTTI:パーカッション、CHRIS・WHITE:サックス、MARTIN・DROVER:トランペットのイギリスのミュージシャン達が参加しています。
尚、このアルバムのレビューは '84年のオリジナル盤を '07年4月25日に再々CD化発売された国内盤をもとに書いています。

1曲目"Still On Fire"(4:01) RODDYのハイ・コードによるギターのカッティングがかっこ良くまた乗りの良い曲です。途中より登場するエレクトロニカのサウンドに当時の流行りを感じさせます。
2曲目"Just Like The USA"(4:03) ベスト盤/コンピにも良く取上げられるAZTEC CAMERAの定番の曲です。恋人への想いをシニカルな歌詞で表現した英国人らしいRODDYの捻りも面白いです。
3曲目"Head Is Happy(Heart's Insane)"(4:14) キーボードとサックスの音色を取り入れたアメリカン・スタイルのサウンドの曲です。低いキーからハイ・キーまでの伸びやかにまた嬉しそうに歌うRODDYの歌声が印象的な曲です。
4曲目"Back Door To Heaven"(5:22) 転調するサウンドとアレンジが特徴的な曲です。重い目のドラムのビートと煌びやかなギターのサウンドが合体したブリティシュ・テイストの効いたネオ・アコからロック色を強めた曲です。
5曲目"All I Need Is Everything"(5:50) このアルバムの最大のハイライトはこの曲でしょう!当時のLP盤ではB面の最初に収録されて、40秒あるメロディアスなイントロからこのアルバムの終焉まで一気に聴かせる起動力となっています。またRODDYとMALCOLMのギターのサウンドと歌声から若さを感じさせる6分近くある曲で、後半からのギターのサウンドとRODDYのソロが非常に美しいのです。
6曲目"Backwards And Forwards"(4:12) イントロから奏でられる溜めを取ったギターのサウンドにMARK・KNOPFLERのスタイルを非常に感じさせる曲です。レイド・バックさせるサウンドとメロディによるRODDYとMARKによる珠玉のギター・サウンドを聴かせます。
7曲目"Birth Of The True"(2:41) 現在もRODDYのライヴでよく演奏されるシンプルな循環コードでの聴き易い曲です。アコースティック・ギターとホルダーに挟んだハーモニカで演奏されるRODDYの弾き語りに近い形で収録されていると思われます。
8曲目"Knife"(9:05) 非常にゆったりとしたリズムによるアルバムの終焉を迎えるのに相応しいタイトル曲です。繊細なRODDYの歌声とメランコリックなメロディとサウンドによる9分におよぶ大作です。
・全8曲歌詞/訳詞付 LP盤 (国内盤)
・全8曲歌詞/訳詞付 8ページ物ブックレット '07年版CD (国内盤) 収録時間:39分32秒 (前作でのアイドル路線よりギタリスト/ヴォーカリストとして一歩踏み出したRODDYの意欲を感じさせる名盤です!)'10年4月26日再更新
1984年度ベスト5


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写真  AZTEC CAMERA / Love
 ・1987 WEA Records Ltd.    WX128 242202-1
 ・1987 WEA Records Ltd.    WMC5-112

このアルバムから実質・・・

このアルバムから実質AZTEC CAMERAからRODDY・FRAMEのアルバム内容になったと思われます。アメリカのウエスト・コースト・ロック、アーバン・ミュージック、R&B、ソウルに音楽に傾倒して行くRODDYの様子が表された内容です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RODDY・FRAME:ヴォーカル/ギターの他、ROB・MOUNSEY:キーボード/プログラミング、DAVID・FRANK:キーボード、PETER・BECKETT(PLAYER):キーボード、JEFF・BOVA:ベース/キーボード・プログラミング、MARCUS・MILLER:ベース、ROBBY・KILGORE:シンセサイザー・ベース、WILL・LEE:ベース、KENT・WAGNER:ベース、STEVE・JORDAN:ドラム、STEVE・GADD:ドラム、DAVE・WECKL:ドラム、JIMMY・BRALOWER:ドラム・プログラミング、MICHAEL・JONZUN:キーボード・プログラミング/ドラム・プログラミング/バック・ヴォーカル、CAROLE・STEELE:パーカッション、 CARROLL・THOMPSON:ヴォーカル、SONNY・JONZUN:サックス、LANI・GROVES:バック・ヴォーカル、DAN・HARTMAN:バック・ヴォーカル、JILL・DELLABATES:バック・ヴォーカル、TAWATHA・AGEE:バック・ヴォーカル、GORDON・GRODY:バック・ヴォーカル、ROBIN・CLARK:バック・ヴォーカル、SCOTT・PARKER:バック・ヴォーカル、GLORIA・JONZUN:バック・ヴォーカルの有名なミュージシャン達が参加しています。
プロデューサーは、DAVID・FRANK/TOMMY・LiPUMA(tracks:2,8)、MICHAEL・JONZUN(tracks:5)、ROB・MOUNSEY(tracks:6,7,9)、RUSS・TITELMAN (tracks: 1,3)、RODDY・FRAME(tracks:4,6,7,9)です。
尚、このAZTEC CAMERA3枚目のアルバム[Love] のレビューは '87年11月リリースのオリジナル盤が '90年7月25日に来日記念盤としてCD化再発売された国内盤をもとに書いています。

1曲目"Deep And Wide And Tall"(4:02) RUSS・TITELMAN(JAMES・TAYLOR,CHAKA・KHAN)のプロデュース曲です。ポップなベースとパーカッションのサウンドにアーバン・ミュージック系のLANI・GROVESと故DAN・HARTMANのご機嫌なバック・ヴォーカルが付けられたポップな曲です。
2曲目"How Men Are"(3:38) TOMMY・LiPUMAとキーボードのDAVID・FRANKのコンビによるプロデュース曲です。 今もRODDYのライヴにてギター1本で弾き語られる曲。男と女のあり方についてRODDYが描いた歌詞が美しいメロディにのせられています。
3曲目"Everybody Is A Number One"(3:25) 再びRUSS・TITELMANのプロデュース曲です。ファンクなサウンドとホーンの音色を加えたアメリカン・スタイルの煌びやかさを持った曲です。ブリティシュ・ロック風に仕上げたなら後の"Good Morning Britain" に近いかも知れない。
4曲目"More Than A Law"(4:39) RODDY自身のプロデュース曲で、彼のサウンドを素直に表現したギター・サウンドとギミックなギター・フレーズをさり気なくあしらったミドル・テンポのナンバーです。
5曲目"Somewhere In My Heart"(4:00) ドラムとキーボードで参加しているソウル/ファンク系のMICHAEL・JONZUNのプロデュース曲で、非常に明るいロック"ン" ロールの曲になっています。バックもJONZUN一家がサポートしています。
6曲目"Working In A Goldmine"(5:36) 24TH STREET BANDのWILL・LEEとSTEVE・JORDANがベースとドラムでサポートしたROB・MOUNSEY(DIANA・KRALL,DONALD・FAGEN)とRODDYの共同プロデュース曲です。バック・ヴォーカルもN.Y.スタイルにしたRODDYの哀愁のギター・サウンドによるバラードです。
7曲目"One And One"(4:10) 最初にこの曲を聴いたときは驚きましたね。きっとレコードの収録曲の間違いだと思いました。何度も歌詞を見ながら流れる歌声と歌詞を照らし合わせながら聴いていたものです。AZTEC CAMERAの殻を破ったCULTURE CLUB的な曲です。
8曲目"Paradise"(4:29) TOMMY・LiPUMAのサウンド・マジックによる非常に心地好い雰囲気を漂わす曲です。キーボードはDAVID・FRANK、ドラムSTEVE・GADD、ベースMARCUS・MILLERに支えられてRODDYのギターも冴えます。
9曲目"Killermont Street"(3:16) RODDYのアルバムの最後にはお決まりのように登場するゆったりしたカントリー調の曲です。この曲もライヴの定番曲となっています。
・全9曲歌詞付 LP盤 ドイツ製 (輸入盤)
・全9曲歌詞/訳詞付 8ページ物ブックレット (国内盤) 収録時間:37分57秒 (外部のプロデューサーを起用し、アメリカで収録した内容にAZTEC CAMERAのコアなファンから不評だったアルバムですが、20年経過しても少しも色褪せませんね!)'10年4月27日再更新


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写真  AZTEC CAMERA / Stray
 ・1990 Sire Records Company    9 26211-2

とうとうRODDYがジャケに・・・

AZTEC CAMERAの4枚目のアルバム('85年の[Backwards And Forwards] '88年の[New, Live & Rare]を含まず)のアルバムで、'90年の6月に本国でのリリースです。とうとうRODDY自身がジャケットに登場したアルバムです。
このアルバムでの収録メンバーは、前作の[Love]でのアメリカ勢のセッション・マンから一新してイギリス勢のGARY・SANCTUARY(CHRIS・DE・BURGH):ピアノ、PAUL・POWELL(BETH・NIELSEN・CHAPMAN):ベース、FRANK・TONTOH(GEORGE・MICHAEL):ドラム/バック・ヴォーカルの固定メンバーにPAUL・CARRACK:キーボード、EDWYN・COLLINS(Ex.ORANGE JUICE):ギター/ヴォーカル、MICK・JONES(Ex.THE CLASH):ギター/ヴォーカル、MICKEY・GALLAGHER(DAVE・STEWART):キーボード、STEVE・SIDELNYK:パーカッションなどイギリスのミュージシャンが曲により参加しています。
尚、プロデュースは、ERIC・CALVI(BEN・NEILL,AFRIKA BAMBAATAA)とRODDY自身が行っています。

1曲目"Stray"(5:33) 非常にゆったりと歌い出されるRODDYの歌声と彼のギターの爪弾きによる曲です。浮遊感のあるメロディとサウンドが心地好く、途中より登場するGARY・SANCTUARYのジャジーなピアノ・ソロとPAUL・POWELLの粋なベースのサウンドが素晴らしいですね。本来ならアルバムのトップを飾る曲調の曲では無いのですが、RODDY自身がこの曲を1曲目に持って来たのならば、非常に興味深いですし、曲名もRODDYの何かを表しているのではないでしょうか。
2曲目"The Crying Scene"(3:34) 一転して明るいサウンドとメロディによるロック"ン" ロールのリズムの曲です。インパクトのあるディストーション・ギターのサウンドと嬉しそうに歌うRODDYの歌声と間奏での彼のギター・ソロのサウンドからも非常に充実感を感じる曲です。
3曲目"Get Outta London"(3:41) 再び曲調を変えてきた少しベースのサウンドにアシッド感のある曲です。半音ずつ下げて行くベースのサウンドとロンドンについての思いのたけを熱く歌うRODDYにしてはめずらしく熱い歌声です。
4曲目"Over My Head"(5:53) 更に曲調を変えてきた曲です。JOE・PASS風の優しい音色でのフル・アコースティック・ギターによるサウンドからRODDYのソフトな歌声によるラウンジ・ミュージックです。
5曲目"Good Morning Britain"(4:02) このアルバムからのシングル・カット第2弾の曲です。ヴォーカルをMICK・JONESとシェアしたヘビーなサウンドでのロックのリズムの曲です。特徴的に響くギターのサウンドとタイトなドラムのビートによるインパクトを与える曲です。
6曲目"How It Is"(4:00) この曲は黙って聴いていたら何かAZTEC CAMERAと言うよりTHE ROLLING STONESの曲のように感じます。現にRODDYはこのアルバムをリリースしたときのインタビューで、よくTHE ROLLING STONESのアルバムを聴いていると答えていました。
7曲目"The Gentle Kind"(5:32) このアルバムで一番AZTEC CAMERAらしいと思うミドル・テンポのギター・ポップスな曲です。この曲を今から聴くとRODDYの歌声も青年から大人の男へ変化したのだと実感させられます。
8曲目"Notting Hill Blues"(6:41) このアルバムでRODDYの住むイギリスについて歌われる3曲目の曲です。映画の舞台ともなったロンドン西部の町Notting Hillです。6分を超えるスローなブルースで間奏のRODDYの泣きでのギターが凄いのです。
9曲目"Song For A Friend"(2:28) 今だにRODDYのアコースティック・ライヴで定番的に演奏される、ゆったり流れるリズムの曲です。アコースティック・ギターを爪弾くRODDYの弾き語りによる友人宛てたアドバイスを歌にした内容です。
全9曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:41分27秒 (少しバラエティに富みすぎたアルバム構成ですが、RODDYが収録したかった曲が多かったのでしょう)'10年4月27日再更新


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写真  AZTEC CAMERA / Spanish Horses
 ・1992 WEA MUSIC    WMC5-536

最近のRODDYの活動スタイル・・・

AZTEC CAMERAのイギリスで '92年7月に発売された3枚のライヴ収録のシングル盤を国内盤リリースの為、1枚のCDに再編集されたもので国内でのリリースは '92年9月25日です。次のアルバム[Dreamland]の先行販売のような形で '92年の後半にリリースされました。

1曲目"Spanish Horses"(4:23) [Dreamland]での収録曲でスパニシュのハンド・クラップとスパニシュ・ギターのサウンドを取り入れた意欲作です。この曲のプロデュースは、坂本龍一氏です。
2曲目"The Birth Of The True(Live)"(4:04) アルバム[Knife]での収録曲でアコースティック・ギター1本によるロンドンRonnie Scott's Clubでの '91年のライヴ曲です。
3曲目"Song For A Friend(Live)"(3:14) アルバム[Stray]での収録曲でこの曲もRODDYの弾き語りで収録されています。
4曲目"Killermont Street(Live)"(4:11) アルバム[Love]に収録されている曲で、RODDYのアコースティック・ギターのスローな出だし弾き語りの後を追うようにピアノの伴奏を付けた収録です。
5曲目"Spanish Horses(Live)"(5:20) この曲のライヴ・ヴァージョンは、日本盤のみ収録です。エモーショナルなサックス・ソロとリズミカルなRODDYのアコースティック・ギターでのシンプルなヴァージョンです。
6曲目"Stray(Live)"(6:41) RODDYによる曲紹介とピアノのGARY・SANCTUARY (CHRIS DE BURGH TOUR BAND)の紹介が終わると観客の拍手に混ざって始まるギターのサウンドと美しいピアノの旋律によるスローな曲で6分40秒にもおよぶ収録です。
7曲目"The Bugle Sounds Again(Live)"(3:44) [High Land,Hard Rain]での収録曲でピアノとアコースティック・ギターで奏でられるメロディアスな初期のナンバーです。
8曲目"Dolphins(Live)"(4:43) 故FRED・NEILの'67年の作品です。FRED・NEILの作品は他のアーティストによくカバーされる良い作品が多いです。
9曲目"Just Like The U.S.A.(Live)"(2:42) アルバム[Knife]での収録曲で、この曲のみスペインのバルセロナでのライヴ収録です。ギター1本での非常にシンプルなスタイルで臨んでいます。
全9曲歌詞/訳詞付 12ページ物ブックレット (国内盤) 収録時間:39分04秒 (最近のRODDYの活動スタイルと同じですね。少人数でアコースティック・ライヴの収録です)'10年4月27日再更新


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写真  AZTEC CAMERA / Dreamland
 ・1993 Sire Records Company    9 45076-2

サウンドの幅と奥深さを増した・・・

AZTEC CAMERAの5枚目('85年の[Backwards And Forwards] '88年の[New, Live & Rare]を含まず)のアルバムで、'93年の5月のリリースです。プロデュースは、RODDYと坂本龍一氏の共同プロデュースによりアルバム全体のサウンドの幅と奥深さを増したアレンジと演奏になっています。以前からライヴなどで"戦場のメリークリスマス" の一節を演奏したり、坂本龍一氏のロンドン公演に足を運んでいたRODDYは、彼の音楽ファンであり、このアルバムのプロデュースをRODDYの方からオファーしたようです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RODDY・FRAME:ヴォーカル/ギター/キーボード/ハーモニカの他、RYUICHI・SAKAMOTO:キーボード、ROSIE・ANIA:バック・ヴォーカル、VICTOR・BAILEY:ベース、STEVE・BERNSTEIN:トランペット、BARRY・FINCLAIR:ヴァイオリン、ROMERO・LUBAMBO:ギター、SILVIA・MASON・JAMES:バック・ヴォーカル、DAVID・PALMER:ドラム、PAUL・POWELL:ベース、GARY・SANCTUARY:キーボード、VIVIAN・SAUNDERS:バック・ヴォーカル、STEVE・SIDELNYK:ドラム、GARY・TIBBS:ベース、NANÁ・VASCONCELOS:パーカッションのお馴染みのミュージシャン達も参加しています。

1曲目"Bird"(4:56) イントロの浮遊感漂うキーボードのサウンドから心地好い曲です。RODDYの低いキーまで下げた歌声に響きも"渋い" し、前に出過ぎない"キラキラ" したギターのサウンドも非常に素晴らしい。これは名曲かもしれない...。
2曲目"Safe In Sorrow"(4:56) メンフィス・サウンド調の曲でハモンドの演奏とバック・ヴォーカル隊にそれらしい影響が窺えます。RODDYのギター・ソロもブルースのギタリストSTEVE・CROPPERのサウンドに近いものを感じたのが興味深いです。
3曲目"Black Lucia"(4:00) ギターのサウンドたっぷりなご機嫌な曲です。ギター好きにはイントロだけでRODDYのかっこ良さに脱帽でしょうね。次のアルバムの国内盤にこの曲のライヴがボーナス・トラックとして収録されています。
4曲目"Let Your Love Decide"(5:03) 長いキーボードの演奏でのイントロに続いて登場するRODDYの優しい歌声と非常にジャジーなテイスト溢れるサウンド・スタイルの曲です。過去のアルバムにあまりみられなかった演奏ではないでしょうか。
5曲目"Spanish Horses"(4:34) '92年に7月にU.K.で先行シングルとして発売された曲です。この曲も新しいサウンドへの方向性を示しています。各曲についての詳しいクレジットは無いのですが、多分VICTOR・BAILEY?のベースの演奏は、本当に圧巻です。ハンド・クラップのサンプリング音にも意外なエピソードがあります。
6曲目"Dream Sweet Dreams"(3:26) '93年の4月に先行シングルでリリースされた曲です。懐かしいロンドン・ポップスのサウンド・スタイルでの曲です。元気一杯のギター・ポップスって感じです。
7曲目"Pianos And Clocks"(4:53) 時計のチクタク音とアップライト・ピアノの調べによるシンプルなイントロから入るカントリー調の曲です。RODDYの美しく響くアコースティック・ギターのサウンドによる曲ですが、シンセサイザーでのサウンドの膨らませ方がシンプル曲ながら絶妙です。
8曲目"Sister Ann"(5:13) うなるベースのサウンドとRODDYの張りのある伸びやかな歌声によるミドル・テンポのナンバーです。美しい歌声の女性のバック・ヴォーカルもいいですね。
9曲目"Vertigo"(4:54) 初期の[knife]の楽曲のサウンド・スタイルに近いこの曲は良い曲ですね。たっぷりと響くキーボードのサウンドとパーカッシヴなドラムのビートの曲でアウトロのRODDYのハードなギター・ソロをもっと聴きたい気がしますが…
10曲目"Valium Summer"(5:54) 面白いタイトルの曲です。「Valium」とは精神安定剤の事らしいです。幻想的なサウンド・イメージとベースのサウンドと美しいバック・コーラスが見事でアダルトでジャジーなピアノ・ソロも素晴らしいです。
11曲目"Belle Of The Ball"(3:24) RODDYのアルバムでは定番的にアルバムのラストに収録されているアコースティック・ギターを使ったナンバーです。アメリカン・フォーク・ロック的なサウンドの曲です。この曲でもハモンドのサウンドが非常に素晴らしいです。
全11曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:51分17秒 (実はこのアルバム購入当時に坂本龍一氏の活動に食傷気味(失礼!)で、あまり聴き込んでいませんでした。今回このレビューの為、改めて聴いて素晴らしさを再発見しました)'10年4月28日再更新
1993年度ベスト5


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写真  AZTEC CAMERA / Covers & Rare
 ・1993 WARNER MUSIC JAPAN INC.    WMC6-671

日本企画によるコンピレーション・・・

グラスゴー出身のRODDY・FRAME率いるAZTEC CAMERAの5枚目のアルバム[Dreamland]がリリースされた後に日本企画で、AZTEC CAMERAのシングル盤/ライヴ収録/トリビュート曲の中から、既存の日本盤アルバムに収録されていない曲を収集したコレクター・アイテム的なコンピレーションです。国内でのリリースは '94年1月25日となっています。

1曲目"Back On Board(Live)"(4:17) '83年のシングル盤[Oblivious]のB面に収録されている曲で、RODDYのセミ・アコースティック・ギターの演奏にバックのサウンドを重ねたR&Bらしいミドル・テンポのナンバーです。ライヴでの条件が良くないせいでしょうか、少しサウンドがクリアでないのが残念です。
2曲目"All I Need Is Everything(Latin Mix)"(6:00) オリジナル曲は '84年の[Knife]に収録されている曲です。このヴァージョンは同じく '84年の同名曲のシングル盤でのリリースで、12インチ・ヴァージョンでの収録です。尚、B面は、次の曲"Jump(Loaded Version)"とカップリングされています。
3曲目"Jump(Loaded Version)"(5:29) オリジナル曲の"行け!行け!" ムードを一掃したRODDYのナイロン弦ギターにて奏でられるメロディアスな前半から、後半はエレクトリック・ギターに持ち替えて普段では聴けないアグレッシヴなEDDIE・VAN・HALEN張りのハードなギターを弾いています。尚、オリジナル曲はVAN HALEN '83/84年の大ヒット曲で、RODDYは '84年にカバーしています。
4曲目"Set The Killing Free"(3:46) ディストーションの効いたRODDYのギターのサウンドとDAVID・RUFFYの"バタバタ" と繰り出す特徴的なドラムのビートにオルタナティヴな曲です。'83年のシングル盤[Walk Out To Winter]のB面での収録曲です。
5曲目"Consolation Prize"(3:05) EDWYN・COLLINS(Ex.ORANGE JUICE)とRODDYが '90年8月にグラスゴーで行われたアコースティック・ライヴを収録したEDWYNの曲です。'90年のシングル盤[Good Morning Britain]のB面での収録曲です。
6曲目"True Colors"(4:30) オリジナル曲はCINDY・LOUPER '86年の大ヒット曲です。打ち込みによるリズムの刻みとささやかにレゲエ調で弾かれるRODDYのソリッド感のあるギターの調べによる曲です。'90年のシングル盤[The Crying Scene]のB面での収録曲です。尚、この曲の作詞/作曲はEx.i-TENのTOM・KELLYとBILLY・STEINBERGのコンビによります。
7曲目"(If Paradise Is) Half Is Nice"(5:22) ANDY・FAIRWEATHER-LOWがAMEN CORNER時代に出した '69年のヒット曲を '92年RODDYとANDYが共演して収録したもの。U.K.のトップ・チャートを飾った曲を各ミュージシャンがカバーした[RubyTrax]に収録されている曲です。後半はANDY自身のヴォーカルで収録されています。
8曲目"We Could Send Letters(live)"(6:29) '83年のシングル盤[Oblivious]のB面に収録されている曲でライヴ収録です。オリジナル曲は[High Land, Hard Rain]に収録されています。
9曲目"Salvation"(5:10) '90年のシングル盤[The Crying Scene]のB面での収録曲です。ゆったりしたギターの調べによる牧歌的で少し切ないメロディによる曲です。女性ヴォーカリストが参加しているようですが誰でしょうか?
10曲目"Deep & Wide & Tall(Breakdown Mix)"(7:15) オリジナル曲は '87年の[Love]に収録されている同アルバムを代表するポップ・チューンです。このアルバムでの収録は '88年に12インチ・シングル盤からの7分超える曲です。
11曲目"Bad Education"(2:46) 前曲と同じく'88年の[Deep & Wide & Tall]のB面に収録されている曲です。イントロのメロディは"Deep & Wide & Tall" と似たポップな曲ですが、オリジナル曲はBLUE ORCHIDS '81年のアルバムに収録されている曲のカバーです。
12曲目"Good Morning Britain"(3:23) オリジナル曲は '90年の[Stray]に収録されている曲で、このアルバムではMICK・JONES(Ex.THE CLASH)と '90年8月にグラスゴー収録したヴァージョンが収められています。
13曲目"Walk Out To Winter(Extended Version)"(9:12) 前半5分過ぎまではインストゥルメンタルで奏でられるヴァージョンです。'83年の同名12インチ・シングル盤での収録で、9分を超える大作となっていて後半のアコースティック・ギターでのソロは圧巻です。
14曲目"The Red Flag"(2:50) '88年のシングル盤[How Men Are]のB面に収録されているトラディショナル曲です。ピアノの演奏に乗せ歌うRODDYの歌声による共産主義賛歌です。
15曲目"Do I Love You? "(4:42)) 故COLE・PORTER '39年のミュージカルでの作品で、'90年のCOLE・PORTERへのトリビュート・アルバム[Red Hot + Blue]に収録されている曲です。前半はシンセサイザーとRODDYの歌声だけによるシンプルな収録ですが、途中よりダイナミックに展開する美しい曲です。
全15歌詞/訳詞付 12ページ物ブックレット (国内盤) 収録時間:74分22秒 (このアルバムを含み、AZTEC CAMERAの国内企画盤は数種類リリースされています)'10年4月28日再更新


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写真  AZTEC CAMERA / Frestonia
 ・1995 WEA INTERNATIONAL INC.    WPCR-530

AZTEC CAMERA名では最後のアルバム・・・

AZTEC CAMARA名義では6枚目(ライヴ/コンピ/ベストは除いています)のアルバムで国内では '95年12月1日にリリースされました。残念ながらデビュー当時から親しんできたバンド名AZTEC CAMARAでの最後の新譜リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RODDY・FRAME:ヴォーカル/ギターの他、YOLANDA・CHARLES:ベース/バック・ヴォーカル、MARK・EDWARDS:キーボード、JEREMY・STACEY:ドラム、CLAUDIA・FONTAINE:バック・ヴォーカル、LUIS・JARDIN:パーカッション、AUDREY・RILEY:ストリングス、CHRIS・TOMBLING:ストリングス、LEO・PAYNE:ストリングス、SUE・DENCH:ストリングス、BILLY・McGEE:ストリングス・アレンジの比較的少人数での収録です。
尚、プロデュースは、MADNESS、WORKING WEEKなどアルバムを手掛けたCLIVE・LANGERとALAN・WINSTANLEYのチームが担当しています。

1曲目"Rainy Season"(5:14) 前作[Dreamland]の坂本龍一氏の影響を受けた東洋的な響きのピアノの調のイントロと後半の1分近くあるファズのかかったアグレッシヴなギター・ソロとの対比が非常に興味深い曲です。RODDYは、この曲イメージを東京滞在中に考えたらしいです。
2曲目"Sun"(4:28) アコースティック・ギターのサウンドをベースとした曲のタイトルらしい明るい曲です。初期のAZTEC CAMERAらしいギターのストロークによるサウンドと爽やかなポップな曲です。
3曲目"Crazy"(5:19) ブルージィーな響きとスローなリズムの曲で"Killermont Street" の曲調を少しダイナミックな展開を施したような感じです。この曲でも間奏とアウトロでのRODDYのギター・ソロが心に響きます。
4曲目"On The Avenue"(3:42) アコースティック・ギターとピアノの調べによるシンプルな曲で、古くからあるトラディショナル・ソングの雰囲気を持った曲です。RODDYの優しい響きの歌声と東洋な響きも持ち合わせたピアノの調とが調和した落ち着いた曲です。
5曲目"Imperfectly"(4:30) イントロだけ聴いているとフュージョンのピアニストの曲のようです。YOLANDA・CHARLESの太く響くベースのリズムと彼女のバック・ヴォーカルもこの曲に大きく貢献しています。
6曲目"Debutante"(7:10) この曲を聴いてTHE STYLE COUNCILのPAUL・WELLERとD.C.LEEを思いだしました。やはりPAUL・WELLERのアルバムにも参加した事のあるYOLANDAが居るからでしょうか。YOLANDAのバック・ヴォーカルとRODDYの哀愁のある歌声との調和のとれたスローな曲です。
7曲目"Beautiful Girl"(4:50) イントロから響く非常に歪ませながらサステインされたギターのサウンドが鳥肌物の曲です。トロピカルな雰囲気と心地好いリズムのビートなど懐かしいモータウン・サウンドの雰囲気を感じます。この曲は、誰かもカバーしていたような気がしますが...。尚、5〜7曲目は、YOLANDAが参加したことによるブラック・ミュージックからのサウンドの変化が現れたようです。
8曲目"Phenomenal World"(4:09) 流行りのトレモノで弾かれるギターのサウンドを使ったロック"ン" ロールです。伸びやかなサウンドのギターをたっぷり収録したラテンとサウンドとライヴでの演奏スタイルに近い収録です。
9曲目"Method of Love"(4:23) ゆったりしたリズムによるカントリー調の曲です。シンプルな曲調の中にもRODDYらしく様々なギターのサウンドをあしらった曲となっています。
10曲目"Sunset"(4:49) 2曲目の"Sun" のアコースティック・ヴァージョンで、RODDYのアコースティック・ギターによる弾き語りにハモンドとストリングスのなどサウンドを付け加えたスタイルの曲で最近のRODDYの曲に近いイメージです。この曲が終わり30秒ほどのブランクの後次ぎの曲へ繋がります。
以下は、国内盤ボーナス・トラックでこのアルバムに合わせて本国で発売されたシングル盤"Sun" でのカップリング曲です。
11曲目"Black Lucia(Live)"(4:06) 前出の '93年[Dreamland]に収録された曲です。フルバンド・スタイルで演奏されるイントロの躍動的なドラムのビートと優しいRODDYの歌声がいいですね。バックのギタリスト(不明)のサウンドも素晴らしいです。
12曲目"We Could Send Letters(Live)"(6:57) '83年[High Land, Hard Rain]での収録曲のライヴです。観客の拍手とRODDYの挨拶から察して3曲続けて収録されたようです。
13曲目"Rainy Season(Live)"(6:05) RODDYの簡単な新曲の曲紹介の後、ピアノの調に乗せ歌う優しさ溢れたRODDYの歌声です。少しギター・ソロで音が割れるところがありますが、3曲とも録音状態は非常に良いです。
10曲歌詞/訳詞付 16ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:66分16秒 (RODDYは、このアルバムの発売に合わせて '96年1月から2月にかけて来日公演を行なっています)'10年4月28日再更新


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写真  BANFI / Colour Waits In The Dark
 ・2020 Kin Records Ltd.    

隠れた秀作・・・

このアルバムは、イギリスの南西部の街スウォンジーで活躍しているオルタナティヴ/シンセ・ポップ・バンドBANFIの4枚目('18年、'19年の4曲EP盤を含む、JOE・BANFI名義は含まない)のアルバムで '20年5月22日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、詳しいクレジットが無いのですが、JOE・BANFI:ヴォーカル/ギター/マルチインストゥルメンツ、CHRIS・McCUAIG:ベース、AARON・GRAHAM:ドラムの3人のようです。

1曲目"Watch It Fall"(3:00) シンセサイザーの神秘的な響きが広がるイントロから次第にリズミカルに展開させるほぼインストゥルメンタルな曲です。囁きに似たJOEのヴォコーダーを使ったエフェクト的な歌声が刺さります。
2曲目"Always Goodbye"(3:53) 先行ダウンロードされたナンバーです。JOEの音楽に惹かれた最大の魅力であるフェンダー系のハイコードによるリズミカルなギター・リフなのですが、この曲もイントロがそのギター・サウンドに掴まれました。
3曲目"In Your Arms"(3:23) ざわめきを表したドラムのビートとこれまた囁くようなJOEの歌声が魅力的な曲です。この曲のドラムのリズムなどどことなくN.Z.のマオリ族の影響を感じるのです。
4曲目"So Bright"(3:39) この曲もアルバムのリリース数か月前から先行ダウンロードされた曲です。今度は、明るいアンデスの笛のような電子サウンドが流れるhip-hop系の音楽を意識したJOEの軽ラップの歌声が響きます。
5曲目"Easy Now"(3:21) この曲もhip-hop系/ネオ・ソウルの曲の影響を感じさせる曲です。ここまで聴いて来てリズムのビートが本当、ワールドワイドな感覚がしますね。
6曲目"Redstart"(3:03) 電子ドラムとシンセサイザーによるこの曲もワールド・ミュージック/チルアウトなサウンドを軽快に聴かせるインストゥルメンタルです。
7曲目"Horror Vacui"(3:30) 「空間恐怖」と題された曲です。ほぼスポーケンで歌われる映画音楽風のダークな質感の曲です。女性ヴォーカルが入っているようですが、詳細は不明です。
8曲目"Somewhere Back There"(4:02) 躍動的なドラムのリズムとビートによるランドスケープを感じる曲です。Lo-HiにしたJOEの歌声とチャカポコとした電子ドラムが心地好く響き渡ります。
9曲目"These Things We Gather"(3:18) この曲では、再び高いキーでゆったり歌うJOEの歌声が素晴らしい曲です。荘厳に広がるシンセサイザーの音色と非常に美しいJOEの歌声に聴き入ります。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:31分09秒 (BANDCAMP巡りをしていて偶然見つけたこのBANFI、隠れた秀作ですね!)'23年5月7日更新


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写真  BANKSTATEMENT / Bankstatement
 ・1989 Atlantic Recording Corporation    7 82007-2

元GENESISのTONY・BANKS のソロ・・・

元GENESISのTONY・BANKSの5枚目のソロ・アルバムで、全曲彼の作詞作曲で曲の質の高さが半端では有りません。オリジナル盤のリリースは '89年です。ヴォーカルには、ALISTAIR・GORDONとJAYNEY・KLIMEKを起用しています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、TONY・BANKS:シンセサイザー/キーボード/ベース・シンセサイザー/ヴォーカル/プロデュースの他、STEVE・HILLAGE:ギター/プロデュース、DICK・NOLAN:ギター/ベース、PINO・PALLADINO:ベース、MARTIN・DITCHAM:コンガ/パーカッション、GEOFF・DUGMORE:ドラム、ALISTAIR・GORDON:ヴォーカル、JAYNEY・KLIMEK:ヴォーカル、JOHN・THIRKELL:トランペット、DEREK・WATKINS:トランペット、GARY・BARNACLE:サックス、PETE・THOMS:トロンボーンの各国のミュージシャン達が参加しています。
プロデュースは、STEVE・HILLAGEとTONY・BANKSです。

1曲目"Throwback"(4:39) ヴォーカル、サウンド共に悪くは無いのですが、"ダサイ" ホーン・セクションがチョットいただけません。やはり曲全体の雰囲気は、GENESISに良く似ています。
2曲目"I'll Be Waiting"(5:56) この曲は"渋い" の一言です。TONYの弾くシンセサイザーが曲を情緒たっぷりに演出しています。スローで静かに流れるALISTAIRの歌声が心に染みるバラードです。
3曲目"Queen Of Darkness"(4:27) 一転してミドル・テンポのロックリズムに中近東風の味付けされた曲でヴォーカルはJAYNEYです。尚、JAYNEYはフォーキーなスタイルで現在もソロ・アルバムを出し続けています。
4曲目"That Night"(4:41) 静かな曲にALISTAIRとJAYNEYのヴォーカルが交互に出てきます。落ち着いた良い曲です。
5曲目"Raincloud"(4:41) ペダル・スティール風のシンセのサウンドを使ったミドル・テンポの牧歌的な曲でお気に入りです。
6曲目"The Border"(5:52) イントロのシンセが素晴らしくドラマチックに曲が展開して行きます。
7曲目"Big Man"(4:17) ヴォーカルはTONYです。STEVEの弾くギターがリズミカルで特徴的です。70年代のブリティッシュ・インベイジョンのサウンドのような。
8曲目"A House Needs A Roof"(4:07) JAYNEYのヴォーカルがコケティッシュ(褒め言葉で使っています)に響く曲でリズムにかなり特徴が有ります。
9曲目"The More I Hide It"(4:31) このアルバムで一番素晴らしい曲です。ALISTAIRの少しハスキー・ヴォイスがこの曲を一層印象深くしています。
10曲目"Diamond Aren't So Hard(bonus Track)"(5:13) 面白いタイトルの曲です。アップテンポのリズムに乗せALISTAIRが「ダイヤモンドはそう固くない」と言う歌詞が耳に残ります。
11曲目"Thursday The Twelfth"(4:48) この曲も中近東風の感じがしますが、ここではインストゥルメンタルにしています。
10曲歌詞付 8ページ物ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:53分12秒 (現在も精力的な活動を続けているTONYです。映画音楽とクラッシックとフュージョンと盛りだくさんです!)'10年4月29日再更新


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写真  BASIA / London Warsaw New York
 ・1989 CBS Records Inc.    EK 45472

ブラジル・スペイン・ロンドンの音楽を全て調和・・・

このアルバムは、イギリスで活躍していたBASIAのソロ名義による2枚目のアルバムです。オリジナル盤は '89年10月23日に本国でのリリースですが、U.K.盤は、LP盤発売後にCD化されて翌年 '90年発売です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、BASIA:ヴォーカル/プロデュースの他、DANNY・WHITE:キーボード/プログラミング/プロデュース、PETER・WHITE:ギター、ANDY・ROSS:ギター、MARC・ANTOINE・D'ALEUR:ギター、JULIAN・CRAMPTON:ベース、ANDRES・LAFONE:ベース、ANDY・GANGADEEN:ドラム、SNOW BOY:パーカッション、ROBIN・JONES:パーカッション、KEVIN・ROBINSON:トランペット、STEVE・GREGORY:サックス、RONNIE・ROSS:サックス、BUD・BEADLE:サックス、GAVYN・WRIGHT:ストリングスのベテラン達です。

1曲目"Cruising For Bruising"(4:10) この曲のイントロは誰もが鳥肌ものだと思います。オーバー・ダブされたBASIA自身のハーモニーも非常に心地好い曲です。
2曲目"Best Friends"(4:05) エレクトロ・ポップとファンキーなギターカッティングとベースソロが印象的な曲です。
3曲目"Brave New Hope"(4:07) 一転して静かな曲で、ここでもBASIAがその歌声をかせます。スローなリズムによるピアノ・バラードです。このアルバムにこの曲が有るのと無いのは大違いです。
4曲目"Baby You're Mine"(3:35) コケティッシュ(褒め言葉で使っています)なBASIAのヴォーカルとボサ・ノヴァのリズムが心地好い爽やかな曲です。
5曲目"Ordinary People"(4:59) スパニシュの翳りあるリズムとメロディにアコーディオンが更に悲しみを誘います。
6曲目"Reward"(5:10) DANNY・WHITEのキーボードとドラムプログラムのリズムの乗せBASIAのヴォーカルが冴えるシンプルな曲です。
7曲目"Until You Come Back To Me"(3:54) BASIAがシャウトするソウルフルでエレクトロ・ポップな曲です。オリジナル曲は、MORRIS・BROADNAX,CLARENCE・PAULとSTEVIE・WONDERの共作による '67年の曲で、'73年にARETHA・FRANKLINが歌ってビルボードHOT100に10位以内にランクされています。
8曲目"Copernicus"(3:52) サンバのリズムを取入れたスピード感のある曲で歌詞にタイトルの「LONDON,WARSAW,NEW YORK」と表現されています。
9曲目"Not An Angel"(4:24) ベース・サキソフォンの低い音色をイントロに配した渋い曲。
10曲目"Take Him Back Rachel"(4:19) 全曲ギターで参加しているPETER・WHITEのアコ−スティック・ギターが心地好い曲で、マリアッチホーンを配したラテン・フレイヴァーのする曲です。
全10曲歌詞付 8ページ物ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:42分38秒 ('90年のオリジナルCDは、表面に何も印刷されていない為、盤の裏表が判り辛いです。当時、ご機嫌なリズムを感じさせてくれたこのアルバムで、BASIAのファンは、急増致しました!)'10年4月29日再更新


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写真  BASIA / The Sweetest Illusion
 ・1994 Sony Music Entertainment (UK) Ltd.    EPIC EK 64255

再結成されMATT BIANCOも復活・・・

ポーランド出身で現在、イギリスで活躍するBASIA・TRZETRZELEWSKA:ヴォーカル/プロデュースのソロ名義アルバムです。このアルバムは前作より5年ぶりのアルバムで、'94年5月3日に本国でのリリースです。収録にはBASIAの相棒で、ベテラン兄弟ミュージシャンのDANNY・WHITE:キーボード/プロデュースとPETER・WHITE:ギターが参加しています。
アルバムの収録には先の3人の他、ANDY・ROSS:ギター、ANDRES・LAFONE:ベース、JULIAN・CRAMPTON:ベース、RANDY・HOPE-TAYLOR:ベース、ANDY・GANGADEEN:ドラム、BOSCO・DE・OLIVEIRA:パーカッション、KARL・VANDEN・BOSSCHE:パーカッション、KEVIN・ROBINSON:フリューゲル・ホーン、FAYYAZ・VIRJI:トロンボーン、KEVIN・ROBINSON:トランペット、NICK・INGMAN:ストリング・アレンジ、GAVYN・WRIGHT:ストリングス・リーダー、MARK・ANTHONI:バック・ヴォーカル、TREY・LORENZ:バック・ヴォーカルの国際色豊かなミュージシャン達が参加しています。
尚、BASIAとDANNYは一度脱退したMATT BIANCOに再加入したようです。

1曲目"Drunk On Love"(4:46) ジャジーなDANNYのエレピでのイントロに続いて登場するBASIAのクリアな歌声によるダンサブルなナンバーです。間奏のPETERとギターもコンパクトながらツボを押さえたフレーズの繰り出しとBASIAのスキャットがご機嫌なこと!
2曲目"Third Time Lucky"(5:01) PETERのナイロン弦ギターによるアップテンポな心地好いボサ・ノヴァです。BASIAの持つパワフルなヴォーカルを少し控えた"クール" に流れるナンバーです。
3曲目"Yearning"(5:22) サウンド趣向を少しダークな方向に向かわせた曲です。途中よりDANNYのピアノでのダイナミックな展開と美しいストリングで彩られるゴスペル的サウンドも持ち合わせています。
4曲目"She Deserves It/Rachel's Wedding"(4:53) アダルトな雰囲気を持ったソフトでメロウな曲です。TREY・LORENZをバック・ヴォーカルに迎え、叙情的でソウルフルな流れにもなっています。この曲の後、DANNYのアコーディオンによるポルカ (チェコの民俗舞曲)の小曲が収録されています。
5曲目"An Olive Tree"(5:01) 力強く弾かれるDANNYのエレピのサウンドによるグルーヴな曲の登場です。ラテン的で躍動的なパーカッションのビートとジャイヴするBASIAのヴィヴィットなヴォーカルは見事です。
6曲目"The Sweetest Illusion"(4:58) クラッシックな弦楽協奏曲のイントロによる曲で、DANNYのファンクなキーボードのサウンドに急展開する意表をつくアレンジです。非常にポップでファンクさも持ったエレクトロニカを融合させています。
7曲目"Perfect Mother"(3:51) ミディアム・テンポのボサ・ノヴァのリズムとDANNYのアコーティオンの調べとPETERのギターの心地好い音色によるフレンチ・スタイルの哀愁感を漂わせるナンバーです。
8曲目"More Fire Than Flame"(4:14) 煌びやかなブラスのサウンドとパワフルでエモーショナルなBASIAの歌声によるファッショナル・ダンス・ミュージックです。
9曲目"Simple Pleasures"(4:54) スローなクラヴィネットの音色による聴く者をレイド・バックさせる要素を持った曲です。ボサ・ノヴァのリズムとBASIAの心地好い歌声でのナンバーです。
10曲目"My Cruel Ways"(4:55) めずらしくスライド・ギター(ANDY・ROSS?) のサウンドが少し収録されたナンバーです。低いキーから伸びやかな高音まで美しく歌い上げるBASIAの歌声を満喫できる曲です。
11曲目"Prayer Of A Happy Housewife"(4:57) 美しい流れるピアノでのメロディと哀愁を感じさせるBASIAの歌声によるナンバーです。DANNYとPETERとの息の合った演奏とBASIAとの歌声が見事に開花したセンシティヴなパートとダイナミックなコーラスでのアレンジです。
全11曲歌詞付 16ページ物イラスト/写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:52分50秒 (発売当時、国内外でヒットしたおかげで、現在は、中古CDの価格が非常に安価で入手し易くなっています)'10年4月29日再更新


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写真  BEAN SUMMERS / Ban Summers
 ・2022 BAN SUMMERS    

ちょっと独特感があります・・・

このアルバムは、イギリス南部の街のポーツマスで活躍しているオルタナティヴ/Lo-FiポップBEAN・SUMMERS(BAN SUMMERS)の2 枚目のアルバムで '22年11月5日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、詳しいクレジット紹介が無いのですが、BEAN・SUMMERS 1人での収録でしょう。

1曲目"Part A"(3:53) 低く歌うBEANの歌声が呪文を唱える風に聴こえる独特な感性を伝える曲です。怠惰なドラムのリズムとセルフで付けたトランス感覚のコーラスなど病みつきにさせる要素を感じます。
2曲目"Day In/Day Out"(3:21) このアルバムから先行シングル曲として紹介されていた曲です。暖色系にしたフェンダー・ギターの心地好い響きが流れ、BEANの少し硬めしたLo-Fiな歌声がこのサウンドに似合っています。
3曲目"Running"(3:28) この曲もどこか屈折した感を伝える曲です。Lo-FiなサウンドとBEANの唱えるような歌声など80年代のあの混沌としたブリティッシュ・ニューウエーブ/エレクトロニカからの産物なのかも知れませんね。
4曲目"Quite Right"(4:08) 怠惰なリズムの流れから次第に不協和音を交えて展開される不思議な曲です。ゴシック系のダークな部分を含んだこの曲も独特の雰囲気を伝えて来ます。
5曲目"Confusing, Still"(3:04) シンセと打ち込みのリズムによるオルタナティヴ感の強い曲です。ここまで聴いて来てこの声に似ているのは、同じくイギリスで活躍していたCHOPPER HARRISのことを思い出しました。
6曲目"3 Rings"(2:21) トロピカルな雰囲気を醸し出す曲です。穏やかなリズムとLo-Fiな歌声を聴かせるBEANです。
7曲目"Grow"(3:29) イントロからギターを掻き鳴らすロック色の強い曲です。低く抑えたBEANの歌声とコーラスとが少し鬱積した叫びを聴かせます。
8曲目"Broom"(2:27) この曲もギターのサウンドが大きく響く曲です。怠惰感を漂わすBEANの歌声とバックに響くリバーヴ・サウンドのギターが好いですね。
9曲目"Painting"(3:00) 今度は、ギターからベースをメインに持ち替えた80年代のイギリスのロックな雰囲気を醸し出す曲です。パンチの効いたスネアの響きとうねりを持ったリズムの流れが特徴的です。
10曲目"Falling Down"(3:34) この曲は、エレクトロニカのサウンドを強めて来た曲です。ドラム・マシーンと怠惰感を出したベースのリフによる引き摺り感が好いですね。
11曲目"There's Something(To Be Said For That)"(3:19) イントロから流れる不思議なギターのリフと無機質なドラムのビートが似合うこれまた気だるいBEANの歌声が響きます。また、宇宙的なサンプル音源もアクセントになっています。
12曲目"Modem Line Is Rubbish"(2:35) この曲も80年代のちょっと病的な魅力を持ったイギリスのバンドの雰囲気を感じる曲です。不健康そうなメイン・ヴォーカルの病んだ歌声を中心にしたあのサウンドと言えばお分かりでしょうか。
13曲目"Things"(3:26) この曲でもBEANの影を持ったLo-Fiな歌声が響く曲です。淡々としたシンプルなリズムの流れと闇の底から歌声を吐き出すように響きます。
14曲目"Worse Hands"(2:54) BEANのお気に入りギターのリフをイントロから奏でるように収録した感のある曲です。シンプルなギター・サウンドで奏でられるサウンドの波が押し寄せます。
15曲目"Another One"(3:33) 畳み掛けるようなリズムの流れと音響エフェクト的に奏でられるギターのサウンドが効果的に使われた曲です。アルバムの最後まで怠惰でLo-FiなBEANの歌声が響きます。
17ページ物PDF版全曲歌詞付 ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:48分32秒 (怠惰でLo-FiなBEANの歌声、見出しにも書いたのですが、ちょっと独特感があります)'22年11月7日更新


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写真  BEAUTY SLEEP / Be Kind
 ・2019 Quiet Arch    QA0010CD

クォリティー高いデビュー・アルバム・・・

このアルバムは、北アイルランドのベルファーストで活躍しているオルタナティヴ/ポップ・バンドBEAUTY SLEEPのデビュー('16〜'17年のシングル・ダウンロード盤は含まない)のアルバムで オリジナルLP盤は '19年5月17日(bandcamp.comでのリリースは '20年3月27日)に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、BEAUTY SLEEPのCHEYLENE・MURPHY:ヴォーカル/キーボード/ギター、RYAN・McGROARTY:ヴォーカル/ギター/ドラム、AIMEE・WILLIAMSON:ベース/バック・ヴォーカルの他、RICHARD・VAN・DEN・BOSS:ドラム、ROSS・BICKERSTAFF:ドラムのベルファーストのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"The Dark"(2:56) イントロのギターのリフから痺れぱなしの乗りの好い曲です。どこと無くフランスの人気バンド(このBEAUTY SLEEPも影響を受けたとのこと)のデビュー曲と似た雰囲気を感じるのですが、やはりこのギター・リフは耳に残りますね。ビデオもどうぞ
2曲目"On Repeat"(3:10) この曲も美しいメロディーと電子サウンドを持ったナンバーです。メロウな歌声を聴かせるRYANとインパクトのあるCHEYLENEの歌声のハーモニーを楽しむことにしましょう。
3曲目"Rainbow Ballroom"(4:06) CHEYLENEのヴォーカル曲です。軽めのリズムとこれぞシンセ・ポップって感じの気楽さを直に感じます。この曲もビデオが制作されています。
4曲目"The Feeling Back"(3:19) 少し歪ませたギターのリフが心地好く響くシンセとロック・サウンドが調和した曲です。少し力強く歌うCHEYLENEとRYANの歌声も好いですね。
5曲目"Lies"(2:59) CHEYLENEがキーボードを弾きながらスポーケンに近い歌声を聴かせるライヴ映えする曲です。シンセ・ベースなど80年代のレトロな雰囲気を感じるのは、彼女らの音楽ルーツがそこにあるのでしょうか。
6曲目"Synthetic Debris"(2:52) 今度は、RYANのスローな歌声による穏やかな曲です。ロマンチックなサウンドに乗せた川の流れの「浮遊物」からのインスパイアを歌っているとのこと。
7曲目"Woman"(3:09) この曲も穏やかなサウンドとメロディーを感じる曲です。CHEYLENEの家族や先祖の女性達の力強さを綴ったことのようです。
8曲目"All We See"(3:22) イントロから流れるメロディーやパーカッションのサウンドからオリエンタルな雰囲気を感じるのですが、ヴォーカル・パートになるとポップ調の美しいハーモニーとエッジの効いたギター・ソロなど聴き応たっぷりな曲です。
9曲目"Nature Will Eat Me"(2:41) この曲も楽し気な雰囲気を感じる曲です。煌くシンセサイザ−のサウンドと楽しく歌うRYANの歌声とCHEYLENEのハーモニーが非常に印象的です。
10曲目"Be Kind"(4:10) CHEYLENEの美しい歌声と彼女のシンセサイザ−の音色が織りなすこのアルバムのタイトル曲です。少しダークさを感じるメロディーと シンセのサウンドなどやはり80年代のイギリスのバンドからの影響を感じます。
3曲歌詞付 デジパック仕様 レッドCD盤 (輸入盤) 収録時間:32分49秒 ('15年頃よりライヴ・バンドと活躍しているBEAUTY SLEEP、やはりクォリティー高いデビュー・アルバムをリリースしてくれました)'20年4月14日更新
2020年度ベスト5
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写真
(CD購入時に頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  BEAUTY SLEEP / Digital Debris (Rarities & B-Sides)
 ・2020 Beauty Sleep    

B-サイド曲、シングル曲、デモ盤集・・・

このアルバムは、北アイルランドのベルファーストで活躍しているオルタナティヴ/ポップ・バンドBEAUTY SLEEPの2枚目(B-サイド曲、シングル曲、デモ盤企画ダウンロード曲集です)のアルバムで '20年5月1日に本国でのリリースです。
詳しいクレジット紹介は無いのですが、このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、BEAUTY SLEEPのCHEYLENE・MURPHY:ヴォーカル/キーボード/ギター/ヴァイオリン、RYAN・McGROARTY:ヴォーカル/ギター/ドラムの2人に、AIMEE・WILLIAMSON:ベース、RICHARD・VAN・DEN・BOS:ドラム、LAURA・McFADDEN:チェロ、ROSS・BICKERSTAFF:ドラムのベルファーストのミュージシャンが参加しています。

1曲目"Living Right"(3:11) エコーを効かせたギターの音色とこれまたエコーの効いた2人の歌声が心地好く響くギター・ポップな曲です。この空間に響く歌声と浮遊感漂う流れを楽しくことにしましょう。
2曲目"My Heart(Demo)"(3:17) デモ曲となっていますが、この曲も美しいメロディーとサウンドを感じます。CHEYLENEの高い歌声とRYANのギター・リフが特徴的な流れが実験的なところがあるようなのでデモ曲となっているのでしょうか。
3曲目"All In"(3:31) シングル曲第4弾となった曲のようです。途中よりアグレッシヴな流れやサイケデリック感を醸し出すところが、初期のBEAUTY SLEEPの特徴だったのでしょうか。
4曲目"Until We See The Sun"(3:07) RYANのヴォーカル曲です。シングル曲第3弾としてリリースされたとの情報があります。小刻みに奏でられるRYANのギターと優しく響く彼の歌声が流れて来ます。
5曲目"Big Talk(Demo)"(4:17) '17年の夏に収録された曲のようです。金属音のするギターのカッティングとロック然としたギター・ソロの演奏などちょっと今のシンセ・ポップな感じの曲から尖っていたところを感じます。
6曲目"The Feeling Back(Acoustic)"(3:40) '19年11月15日にダウンロード・リリースされたシングル曲"The Feeling Back" のアコースティック版です。ゆったりと歌うRYANの歌声とCHEYLENEの美しいハーモニーにうっとりとします。
7曲目"The Dark(Acoustic)"(2:55)アコースティック・ギターの爪弾きと口笛からのイントロにアレンジされたアコースティック・ヴァージョンです。穏やかなメロディーとサウンドによるアルバム・リリース前の '19年3月15日に先行リリースされた曲です。
8曲目"Horizon(Demo)"(2:46) 先のアルバムの収録曲として用意されたいた曲のようですが、歌詞が書かれた理由からかアウト・テイクとなってしまっています。シンセサイザーの音色を多用したエレクトロニカ・ポップ感を強く感じます。
9曲目"Race For The Prize(The Flaming Lips Cover - Live from Home)"(3:41) アメリカ オクラホマシティー出身のカレッジ系ロックグループTHE FLAMING LIPSの '99年UKシングル・チャート39位の曲のカバーです。自宅で収録されたYouTubeの映像からも2人の演奏する楽しさが伝わって来ます。
歌詞無し (ダウンロード販売) 収録時間:30分25秒 (B-サイド曲、シングル曲、デモ盤集ですが、やはりクォリティー高いアルバムです)'20年5月3日更新


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写真  BETH ORTON / Daybreaker
 ・2002 EMI Records Ltd.    HVNLP37CD

聴きこみが必要な1枚でしょうか・・・

このアルバムは、イングランド東部ノーフォーク出身BETH・ORTONの4枚目(国内のみリリースされた[Super Pinky Mandy]を含む)のアルバムで、本国では '02年7月16日のリリースです。この人のアルバムは '93年に東芝EMIから先に紹介した5000枚限定の国内盤[Super Pinky Mandy]から現在までちょうど3年ピッチで新作(コンピレーションは含まない)がリリースされているのが面白いですね。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、BETH・ORTON:ヴォーカル/ギター/プロデュースの他、TED・BARNES:ギター、SMOKEY・HORMEL:ギター、ALI・FRIEND:ベース、SEBASTIAN・STEINBERG:ベース、SEAN・READ:キーボード、WILL・BLANCHARD:ドラム、JIM・KELTNER:ドラム、MATT・JOHNSON:ドラム、LASCELLES・GORDON:パーカッション、SCOTT・MINOR:プログラミング、KEITH・TENNISWOOD:プログラミング/プロデュース、VICTOR・VAN・VUGT:プログラミング/プロデュース、JON・BIRDSONG:トランペット、VINCENT・CHANCEY:フレンチ・ホーン、WALTER・HAWKINGS:トロンボーン、JON・BIRDSONG:トランペット/ホーン・アレンジ、ANDY・NICE:チェロ、OLIVER・KRAUS:チェロ/ストリング・アレンジ、SARAH・WILLSON:チェロ、ANDY・WATERWORTH:ダブル・ベース、LUCY・SHAW:ダブル・ベース、BECCA・WARE:ヴィオラ、ROB・SPRIGGS:ヴィオラ、SOPHIE・SIROTA:ヴィオラ、VINCE・GREENE:ヴィオラ、BEKI・DOE:ヴァイオリン、BRIAN・WRIGHT:ヴァイオリン、CALINA・DE・LA・MARE:ヴァイオリン、CATHERINE・BROWNING:ヴァイオリン、DAVE・WILLIAMS:ヴァイオリン、HOWARD・GOTT:ヴァイオリン、RICHARD・GEORGE:ヴァイオリン、RUTH・GOTTLIEB:ヴァイオリン、TIM・MYALL:ヴァイオリン、WENDY・DE・ST.PAER:ヴァイオリン、JACKIE・NORRIE:ヴァイオリン、Richard ADAM・PETERS:キーボード/チェロ/ストリング・アレンジ、RYAN・ADAMS:ギター/スライド・ギター/ベース/ピアノ/パーカッション/バック・ヴォーカル、EMMYLOU・HARRIS:バック・ヴォーカルの多くのミュージシャンが参加しています。
プロデュースは、BETHの前作[Trailer Park]もプロデュースしたオーストラリア出身のVICTOR・VAN・VUGTが担当し、曲によりEBTGのBEN・WATT、THE CHEMICAL BROTHERS、KEITH・TENNISWOODやWILLIAM・ORBITなどがBETHと共同プロデュースしています。

1曲目"Paris Train"(5:46) イントロの電子音とスローなドラムのビートに続いて登場するBETHの斜に構えたような歌声が印象的な曲です。途中よりダイナミックなサウンド展開とBETHの叫びに似た歌声をエモーショナルに響かせています。
2曲目"Concrete Sky"(4:34) ギター・ポップのサウンドの曲の登場です。BETHと上手いハーモニーを聴かせているのは自身も3枚目のアルバムをリリースしたRYAN・ADAMSです。この曲は、BETHとJOHNNY・MARR(Ex.THE SMITH)との共作になっています。
3曲目"Mount Washington"(6:28) 6分を超えるダウンテンポな曲で、日本の女性歌手が歌っても可笑しくないようなメロディ・ラインを感じます。曲も途中に感じるスローなサイケデリックな調べと"クール" に繰り出されるWILL・BLANCHARD(Aka WILD CAT)のドラムのビートが心地好いのです。
4曲目"Anywhere"(4:35) このアルバムで最初に気に入った曲の登場です。ライト感覚のレゲエのリズムにとあっさりしたブラスの音色がご機嫌なサウンドを醸し出しています。バックで控え間に奏でられるバッキング・ギターの調べも心地好く響きます。
5曲目"Daybreaker"(3:55) エレクトロニカのサウンドを全面に出したアギャンバルドな感覚をアシッドに押し進める曲です。トランス的なクラブ・シーンでの演奏が似合いそう感じです。
6曲目"Carmella"(3:37) 一転して複数のアコースティック・ギターによる美しいサウンドの曲です。ドラムは、何と大御所JIM・KELTNERにギター/ベース/スライド・ギターと大忙しのRYAN・ADAMSです。
7曲目"God Song"(5:16) カントリー・ロック界の美声の持ち主EMMYLOU・HARRISがバック・ヴォーカルを務める何とも贅沢な曲です。非常に美しいギター・ソロを聴かせているのはイギリスのオルタナ・フォーク・ミュージシャンのTED・BARNESでしょうか...。
8曲目"This One's Gonna Bruise"(4:44) RYAN・ADAMSとの共作の曲の登場です。RYANの弾く美しい調べのアコースティック・ギターのサウンドが切なく響きます。ギターとささやかなストリングスにBETHの歌声によるシンプルな収録になっています。
9曲目"Ted's Waltz"(5:42) 再びRYAN・ADAMSとの共作です。今度はTED・BARNESが歪ませたエレクトリック・ギターでしっとりと聴かせます。BETHの自在に変幻する歌声が孤高に響くダウンテンポ・オルタナィヴ・サウンドと言って良いのでしょうか...
10曲目"Thinking About Tomorrow"(6:14) サンプル音源を自由に鳴らしたイントロからリズミカルな転調を経て、次第に曲の輪郭をはっきり行く過程が心地好い曲です。この曲をBETHと一緒に書いているSEBASTIAN・STEINBERG(SOUL COUGHING)がベースに参加しています。
全10曲歌詞付 写真ライナー E.U.製 (輸入盤) 収録時間:51分17秒 (付属のライナーには、クレジットと歌詞とが小さな字でびっしりと隙間なしにプリントされていて非常に観にくいのですが、エコ活動の為、紙面を最小限にしたようです)'10年5月1日再更新


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写真  BLACK / Wonderful Life
 ・1987 A&M Records,Inc.    SP-5165

衝撃的なデビューでした・・・

リバプール出身のBLACKことCOLIN・VEARNCOMBEの '87年にリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、BLACK(COLIN・VEARNCOMBE):ヴォーカル/ギターの他、ROY・CORKILL:フレットレス・ベース、JIMMY・SAMSTER:ベース、JIMMY・HUGHES:ドラム、MARTIN・GREEN:サックス、DAVE・DIX:キーボード、プログラミング/プロデュース、THE CREAMY WHIRLS(TINA・LABRINSKI,SARA・LAMARRA):バック・ヴォーカル、DOREEN・EDWARDS:バック・ヴォーカル、THE SIDWELL BROTHERS:ホーンのイギリスのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、大半の曲をDAVE・DIXが担当し、一部の曲をROBIN・MILLARが担当しています。

1曲目"Wonderful Life"(4:46) 当時の日本に最初に紹介されたBLACKの曲です。イントロから流れ続ける複数の弦楽器とスティール・ドラムのメランコリックな調べは、一度聴くと耳から離れません!COLINのソフトな響きの歌声とモノクロームのビデオ・クリップ映像とが溶け合い、音楽を超えた美学がそこにある事を実感させます。 尚、この曲は、本国にて '85年にシングル盤としてリリースされています。
2曲目"Everything's Coming Up Roses"(4:48) ダイナミックに鳴り響くシンセサイザーに響きによるアップ・テンポの曲です。当時のエレクトロニカ・ポップのサウンドと比較してCOLINの方は、よりエレガントさとエキゾチック感を感じさせられました。
3曲目"Somethings For The Asking"(4:04) ワイルドに攻めて来るリズムの波とクールに刻むドラムのビートによるエレクトロニカ・サウンドの曲です。時折裏返るCOLINの歌声にハッとさせられるエモーショナルな曲です。
4曲目"Finder"(4:09) 非常に凝ったリズムに運びを聴かせるエレクトロニカ・ファンクの曲です。中盤よるダイナミックによりワイドな展開を聴かせます。
5曲"Paradise"(4:12) スローに攻めて来た非常にメロディアスに流される曲です。少し高めのキーで歌うCOLINですが、幻想的な調べに合い含まれてゆったり奏でられています。
6曲目"I'm Not Afraid"(4:51) まるで打ち込みで作ったようなロック"ン" ロールをファンク化したようなリズムの曲です。実験的なサウンドとエフェクトの要素も含んだサウンドです。
7曲目"I Just Grew Tired"(5:00) COLINのファルセットを使ったエキゾチックな響きのナンバーでお気に入りの曲です。バックの女性ヴォーカルの歌声も非常に美しいのです。
8曲目"Blue"(3:38) 少しサウンドをポップ路線に乗せてきたエレクトロニカのサウンドによる曲です。リズミカルなキーボードとプログラミングは、プロデューサーのDAVE・DIXの手によります。
9曲目"Just Making Memories"(4:26) 躍動的に鳴らされるタイトな響きのドラムのビートとの逆に味付け風に鳴らされるチープなキーボードのサウンドが印象的なアップ・テンポの曲です。スリリングなビートになぜか落ち着いたように響くCOLINの歌声のする曲です。
10曲目"Sweetest Smile"(5:19) メランコリックに流れるメロディとシンセサイザー・ベースの重く低い振り子のように鳴る特徴的なサウンドによるダークな曲です。哀愁を帯びたソプラノ・サックスの音色とメロディが特徴的です。 非常に感情を抑えたコーラスとCOLINの歌声が逆にいつまでも耳に残ります。
オリジナル盤は、この曲までです。'91年に本国でCD化されたものは、この後にボーナス・トラックが5曲追加されています。
全10曲歌詞付 LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:44分48秒 (やっぱりこのアルバムでは最初の曲"Wonderful Life" がサウンドと映像共に衝撃的でしたね!)'10年5月1日再更新
1987年度ベスト5


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写真  BLACK / Comedy
 ・1988 A&M Records    AMA 5222

優しく響くギターのサウンドと素晴らしいヴォーカルとが合体された1枚・・・

'88年にリリースされた2枚目のアルバムです。全曲作詞/作曲はBLACKことCOLIN・VEARNCOMBEの手によります。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、BLACK:ヴォーカル/ギターの他、ROBIN・MILLAR:ギター/プロデュース、GORDON・MORGAN:ギター、STEVE・PEARCE:ベース、GUY・RICHMAN:ドラム、GAVIN・HARRISON:ドラム、MARTIN・DITCHAM:パーカッション、PETE・ADAMS:キーボード、DAVE・DIX:プログラミング/キーボード/プロデュース、SIMEON・JONES:ハーモニカ、STEVE・SIDWELL:トランペット、MARTIN・GREEN:サックス、SARA・LAMARRA:バック・ヴォーカル、TINA・LABRINSKI:バック・ヴォーカル、DEREK・GREEN:バック・ヴォーカルのイギリスのミュージシャン達です。
尚、プロデュースは、前作同様SADEなどのアルバムを手掛けたROBIN・MILLARと前作でのDAVE・DIXが担当しています。

1曲目"Big One"(3:53) イントロのCOLINのギターが心地好く響く曲です。また、間奏での落着いたサックス・ソロが、非常に印象的です。
2曲目"I Can Laugh About It Now"(5:00) ポルトガルのファドのリズムに似た少し物悲しい感じの曲でギター・ソロは、涙物です。モロ向こうの歌謡曲ですネ。
3曲目"Whatever People Say You Are"(3:58) このアルバムで一番のお気に入りです。ROBIN・MILLARのギター・ソロがこの曲を一層"かっこ" 良くしています。
4曲目"You're A Big Girl Now"(4:19) この曲も大好きな曲です。重く低く響くシンセサイザーのベースのサウンドとCOLINの熱く切ないヴォーカルが胸をうちます。バックコーラスの「ラパパッパラパパッパ」と「泣かないでもうお嬢ちゃんじゃ無いのだから」と言う歌詞が耳に残ります。
5曲目"Let Me Watch You Make Love"(3:10) ナイロン弦ギターによるCOLINの弾き語りで、奥のほうで流れるハーモニカの音色が妙に切ない感じなのです。
6曲目"Hey,I Was Right You Were Wrong"(3:39) スピード感とスリルを一度に味わえる曲となっています。畳み掛けるように鳴り響くブラスのサウンドとシンセ・ドラムと女性コーラスと盛りだくさんです。(最近の彼の音楽スタイルとずいぶん違います)
7曲目"All We Need Is The Money"(4:30) フランス映画のワンシーンを想像させる曲です。間奏のエレクトリック・ピアノが悲しく響きます。この曲は故郷リバプールの人々に捧げられています。
8曲目"You Don't Always Do What's Best For You"(4:43) 一転して楽しいメロディの曲です。この曲もたっぷり鳴るサックスと豪華な女性陣によるバック・コーラスが素晴らしいです。
9曲目"Now You're Gone"(3:44) オペラの戯曲仕立てのような曲で、ストリングスが取り入れられています。彼の作曲能力の高さを見せ付けられました。
10曲目"No-One, None, Nothing"(5:08) シンセサイザーのベースの重く低いメロディが特徴的です。 中近東の音楽を取り入れたような静かに流れるとても印象に残る曲。次のアルバムで無国籍音楽風のサウンドになっている事を予感させる曲です。
オリジナル盤は、この曲で幕を下ろします。CDでは追加2曲のボーナス・トラック付です。
全10曲歌詞付 LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:40分22秒 (最近のBLACKの音楽が日本であまり紹介されていないのが残念!)'10年5月1日再更新
1988年度ベスト5


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写真  BLACK / Are We Having Fun Yet?
 ・1993 Nero Schwarz Limited    crcd9301

"素晴らしい"の一言・・・

このアルバムは、リバプール出身のS.S.W.BLACKことCOLIN・VEARNCOMBE '93年発表の4枚目のアルバムです。前作[Black]より2年ぶりの作品で、外装にCOLINの写真が無い(蝿が3匹のみ)ので、聴くまで少し不安(この盤は、海外のCDショップの店先で購入した為、内容の確認出来なかった)でしたが、帰国後聴いて安心、見てビックリです。何んとCOLINが長髪で口髭を生やしていました。国内盤/U.K.盤は、顔写真入りジャケットにてリリースしています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、BLACK:ヴォーカル/各種楽器/プロデュースの他、GREG・HAREWOOD:ベース、PETE・DAVIS:キーボード/プログラミング、MARTIN・DITCHAM:パーカッション、MARTIN・GREEN:サックス/フルート、MARTIN・McCARRICK:チェロ/ストリングス・アレンジ、MRS.BLACK:バック・ヴォーカルの比較的少人数での収録です。
今回は、共同プロデューサーとしてMIKE・HEDGES(U2,TRAVIS)を迎え様々なギター・サウンドを中心にしたアルバムとなっています。

1曲目"Don't Take The Silence"(4:19) 「全ての物はアメリカから来る」と歌われてギターのサウンドもアメリカ的な仕上げですが、COLINの痛烈な皮肉が....
2曲目"Swing Time"(5:34) COLINの優しい歌声に包まれプロデューサーの影響かギター・ソロがふんだんに入っています。
3曲目"Wishing You Here"(4:42) エキゾチックなナイロン弦ギターの調べに走るドラム・ビートがスパニシュ的なエモーショナルな曲です。(本当に色々の曲をこなせる人です)
4曲目"Leaving Song"(3:45) ドライヴするドラムのリズムの刻みと熱いギターのサウンドです。
5曲目"That's Just Like Love"(3:50) 前々作の[Wonderful Life] に少しにています。このような感じ曲がすると本当にCOLINの音楽を聴き続けて良かったと思う瞬間です。
6曲目"Ave Lolita"(5:26) このままのアレンジでオペラに使われてもおかしく無い楽曲です。このアルバムでは異色の曲ですが、COLINの作曲能力は計り知れませんね。
7曲目"Wish The World Awake"(3:56) COLINの伸びやかなヴォーカルとエッジの効いたギターのサウンドが繰り広げられる曲です。
8曲目"Paper Crown"(5:14) イントロは中近東風のアレンジですが、ケーナが入るとアンデスの大地とCOLINの音楽に国籍と国境など関係無しです。
9曲目"Change Your Mind"(3:58) この曲も変わった感じの曲で、アルゼンチン風のアコーディオンとポルトガル風であり、無国籍音楽と呼んで良いでしょう。本当にCOLINの音楽は"素晴らしい" の一言。
10曲目"To Take A Place"(4:17) 重く暗いイメージのシンセの曲で静かに流れるこの曲でアルバムは幕を閉じます。
全10曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間45分 (このアルバム以降、COLINのアルバムは、購入していないのですが、機会があれば是非聴いてみたいです!)'10年5月3日再更新


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写真  BLÅ KONGO / Something's Torn
 ・2000 Underground Liberation Force Records    ULCN-12003

スウェディッシュ・ライト・ジャズ・・・

このアルバムはスウェーデンのストックホルムで活躍しているBLÅ KONGOの国内盤(独自編集盤)で '00年9月27日に国内でリリースされたデビュー・アルバムです。
BLÅ KONGO(ブロー・コンゴ:芋の種類の名前)は、MARIA・CARLMAN:ヴォーカル/フルート、MARIA・KVIST:ピアノ/ローズ/シンセサイザー/バック・ヴォーカル、DEIRDRE(DEE)・BYRNE:サックス/バック・ヴォーカル、JOHAN・HALLBERG:ドラム/パーカッション、PER・BJÖRLING:ベース/ギター/パーカッションの5人組ですが、バイオグラフィーによると通常にユニットを組んでいるメンバーではないらしく、サックスのDEEは、現在イギリスでジャズ・サックス奏者として活躍しています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、先の5人の他、PATRIC・SKOG:ホーン、KARIN・HAMMAR:ホーン、FRDRIK・NORDSTRÖM:ホーン、SVEA・KVARTETTEN:ストリングス、PÄR・STRÖMBERG:ストリングス、MARIA・EKVALL:ストリングス、ANNA・LANDBERG:ストリングス、THOMAS・RINGQVIST:ストリングス、ULF・TURESSON:バック・ヴォーカル/プロデュースのスウェーデンのミュージシャン達です。
尚、このアルバムのプロデューサーは、THE CARDIGANSなどのアルバムを手掛けたULF・TURESSONが担っています。サンプル音源へのLINKは、1部スウェーデン語歌詞となっています。

1曲目"Something's Torn"(3:41) 少し北欧なまりのあるMARIA・CARLMANの英語の歌詞によるタイトル曲です。メロディアスなイントロの調べとDEE・BYRNE(彼女はイギリス人)のサックスの調べが"カッコイイ" 曲です。この曲を最初に聴いた時は、ボーナス・トラックで収録されているスウェーデン語の方だったのですが、英語の詞もMARIA・CARLMAN が書いているようです。
2曲目"No Oh No"(4:29) この曲は、イントロのアシッド・ジャズ系のハモンドのサウンドから参ってしまった曲です。もうひとりのMARIA、MARIA・KVISTがキーボードで"渋く" 決めのサウンドを聴かせるのです。
3曲目"Be The Best"(4:39) メランコリックなサウンドによるラウンジ・ボッサの曲です。どこかノスタルジックさを感じる60〜70年代のサウンドとDEEのサックス・ソロがご機嫌な響きで伝わって来ます。
4曲目"Nothing"(3:21) 少しサウンドとメロディをポップ・ミュージックの方向に歩み寄った曲でしょうか。PERのファンクなベースの音色とギターもPERが弾いたサウンドが踊っています。
5曲目"All The Time"(4:06) 更にファンクなサウンドを聴かせるアシッドな曲の登場です。篭らせたMARIA・CARLMANの歌声とブラック・ミュージックからの影響を窺わせるファンクさを持っているようです。
6曲目"She Said"(4:45) 電子サウンドとシタール・ギターの音色を使ったモダン・ジャズの要素を感じさせる曲で、サウンドのバランス感覚を麻痺させる流れと音の積み上げ方に前衛的なアレンジになっています。
7曲目"Sometimes"(5:45) この曲も最初に聴いたのはスウェーデン語の方が先でしたね。心地好いリズムとMARIA・CARLMANの柔らかく響く歌声は英語でもあまり変わりませんね。バック・ヴォーカルにはULF・TURESSONも参加しています。曲の後半ではアドリブに近いジャズの演奏が登場します。注!サンプル音源はスウェーデン語バージョンです。
8曲目"Just For A While"(3:59) イントロの電子音とJOHAN・HALLBERGの裏打ちするドラムのビートが"渋い" 曲です。間奏のDEEのサックス・ソロも非常にアグレッシヴな演奏を聴かせています。本当に半端なメンバーの集まりではありませんね。
9曲目"Viljan"(5:08) ピアノの演奏を主体としたメランコリックなサウンドによるMARIA・CARLMANの歌うジャジーなバラードです。バックで響くJOHAN・HALLBERGのドラムのビートが切なく響きます。
10曲目"Orimlig Omtanke"(4:35) この曲は、スウェーデン語で歌われています。ジャジーなDEEのサックスとMARIA・KVISTの心地好いハモンドのサウンドがご機嫌な小さなジャズ・クラブでの演奏が似合いそうな曲ですね。尚、この曲は、本国のアルバムでは未収録となっています。
11曲目"Efter Festen"(4:30) 本格的なジャズの演奏を聴かせる曲で、スウェーデン語で歌われるところに初期のBO KASPERS ORKESTERの女性版と言えるかも知れませんね。この曲は、本国でのアルバムにも収録されています。
12曲目"Solo Solidad"(4:54) 本国でのアルバムにも収録されていないポルトガル語によるボサ・ノヴァ/サルサです。イントロではボサ・ノヴァの爽やかなサウンドですが、次第にリズミカルに更に強く演奏されて行きます。
13曲目"Nåt Som Är Trasigt(Bonus Track)"(3:38) BLÄ KONGOの音楽に始めて触れた時の曲です。一度聴くとそのメロディと爽やかなMARIA・CARLMANの歌声が中々耳から離れない曲です。ビデオをアップしていますのでどうぞ。
14曲目"Nej Å Nej(Bonus Track)"(4:29) BLÅ KONGOの持つジャズ・スタイルとポップ音楽の要素を非常に上手くブレンドしたことを感じさせる曲です。捻りのあるアレンジからはSTEELY DANの要素も...。
15曲目"Vara Bäst(Bonus Track)"(3:32) 3曲続けて最初の曲との同じ流れによるスウェーデン語によるオリジナル・バージョンを聴いているのですが、メロディとサウンドからスウェーデン語での違和感が全然ありませんね。全曲を作詞作曲しているヴォーカルのMARIA・CARLMANのそのあたりの上手さを感じさせます。
13曲歌詞付、8曲訳詞付 16ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:65分31秒 (尚、このアルバムは、日本以外の国でスウェーデン語バージョン9曲入でも'90、'92、'08年と再発売されています)'10年5月3日再更新
2000年度ベスト5


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写真  BLEACH LAB / Lost In A Rush Of Emptiness
 ・2023 Nettwerk Music Group Inc.    0 67003 14082 9

5月初めに予約・・・

このアルバムは、イギリスのロンドンで活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップ・バンドBLEACH LABの4枚目(過去の5曲EP盤を含む)のアルバムで '23年9月22日に本国でのダウンロード・リリース(CD盤、LP盤は 9月29日リリース)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、BLEACH LABのJENNA・KYLE:ヴォーカル、FRANK・WATES:ギター/バック・ヴォーカル、JOSH・LONGMAN:ベース、SHAWN・COURTNEY:ドラム/バック・ヴォーカルの4人の他、ZARA・HUDSON-KOZDÓJ:チェロが参加しています。
尚、プロデュースは、多くのオルタナティヴ・ロックのアルバムを手掛けているCATHERINE・MARKSが担当しています。

1曲目"All Night"(3:14) サンプル音源で初めてこのBLEACH LABのJENNAの歌声を聴いた時、ちょっとフィラデルフィアで活躍しているNATALIE・WALKERに似ているなと思った。この曲でのちょっと切なさを伝えるJENNAの歌声がそんな感じをこちらに与えます。
2曲目"Indigo"(4:05) 前の曲より少しテンポを上げて来たロック/ポップな感じの曲です。この曲でのFRANK・WATESのギターの音色がとても軽快なサウンドを聴かせています。間奏で聴かせるZARA・HUDSON-KOZDÓJのチェロの音色もさり気無い響きも好いですね。
3曲目"Counting Empties"(3:48) メランコリックな調べによるアコースティック・ギターの音色を穏やかなリズム乗せ流れるような感のする曲です。「恋する女性」の心の内を訥々と歌うJENNAです。この曲は、アルバム予約が始まった頃からビデオとして紹介されています。
4曲目"Saving All Your Kindness"(4:09) エコーを効かせたFRANKのギターの音色に合わせて優しく歌うJENNAの歌声が耳に残る曲です。ソフトなサウンドとメロディに心地好い浮遊感が伝わって来ます。
5曲目"Everything At Once"(4:42) この曲では、ベースのJOSHが前面に出て来た重いベースのサウンドが強調された曲です。JENNAのヴォーカルも一部スポーケン(JENNAは、元々Hip-Hop系の出身)で歌われ、オルタナティヴ・ロック然とした印象です。
6曲目"Nothing Left To Lose"(3:18) この曲は、乗りの好さを聴かせるこのアルバムから一押となっている曲です。この曲もアルバムのリリース前にビデオが制作されています。
7曲目"Never Coming Back"(3:55) 打ち付けるように響くSHAWNのクールなドラムのリズムとJOSHのこれもまたクールなギターのリフが流れる曲です。時折、高域で裏返るJENNAの歌声も非常に魅力的な一面も感じます。
8曲目"Smile For Me"(4:36) バンド紹介の記事にアメリカのMAZZY STARやTHE SMITHに感化されたと記された事に納得するどことなく屈折したサウンドをこの曲からも感じさせます。ダークさを感じさせるJENNAの歌声が耳に広がります。
9曲目"Leave The Light On"(3:35) この曲でもJENNAの高域で裏返る歌声が魅力的に聴こえる曲です。FRANKのフェンダー系のギターのシンプルなトーンがJENNAの歌声と相まって堪らなく響きます。
10曲目"Life Gets Better"(6:57) このアルバムの制作過程がとても楽しくて新しいものに挑戦する事の様を表現したJENNAの説明がある曲です。JOSHが書いていた曲を皆で収録のため「もっと良い方向へ」がタイトルとなったようです。過去の曲より随分長尺となっています
11曲目"(coda)"(1:13) 弦楽4重奏にアコースティック・ギターの音色を加えたインストゥルメンタルです。ZARA・HUDSON-KOZDÓJのチェロの調べが美しく漂います。また、このバンドの持つまた違った一面をこの曲から感じます。
10曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット デジパック仕様 オーストリア製 (輸入盤) 収録時間:43分37秒 (5月初めに予約してリリースされるのを4か月半の間辛抱強く待った甲斐のあるアルバムでした!)'23年9月22日更新


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写真  THE BLUE NILE / A Walk Across The Rooftops
 ・1983 Linn Records    A&M SP 6-5087

PAULのペイル・ブルーな歌声と・・・

このアルバムは、スコットランドのグラスゴー出身のニュー・ウェーブ・ミュージック・バンドTHE BLUE NILEの '84年4月30日に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このTHE BLUE NILEのメンバーは、PAUL・BUCHANAN:ヴォーカル/ギター/シンセサイザー、ROBERT・BELL:ベース/シンセサイザー、PAUL・JOSEPH・MOORE:キーボードの3人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CALUM・MALCOLM(PREFAB SPROUT):キーボード、NIGEL・THOMAS(RICK・ASTLEY):ドラムのベテラン達が参加しています。

1曲目"A Walk Across The Rooftops"(4:54) シンセザイサーによるイントロとPAUL・BUCHANANのダウンテンポで病的な歌声が非常に印象的に響くスローな曲です。アンビエント系のサウンドの流れにファンクなROBERT・BELLのベースの調べが凄みを効かせていますね。
2曲目"Tinseltown In The Rain"(5:53) 前の曲から一転してリズミカルな曲の登場です。私をこのTHE BLUE NILEのサウンドの魅力に強く惹きつけた最初の曲です。非常に美しいストリングス風のシンセザイザーのサウンドと冷めたエモーショナルを感じさせるPAUL・BUCHANANの歌声が"クール" ですね。
3曲目"From Rags To Riches"(5:59) この曲は非常に実験的と言うかダークなアシッド感のサウンドで繰り広げられるニュー・ウェーブ/オルタナテイヴ色の強い曲ですね。テクノ・ミュージックの要素や80年代のサウンド強く感じさせます。
4曲目"Stay"(4:55) 当時、本国でシングル・カットされた非常にエレクトロニカのサウンドとリズムを感じさせる曲です。ループで繰り返される単一なリズムと"サビ" の盛り上がり方が対照であり、PAULのギターやROBERTのベースのサウンドを上手くアレンジしたところが良いですね。
5曲目"Easter Parade"(4:29) このアルバムのサウンドからは、少し離れたところに位置するメランコリックなサウンドとスローなリズムによるピアノ・バラードです。エフェクトの使い方やキーボードの調べなどT.F.F.の初期のサウンドに近いもの感じさせます。
6曲目"Heatwave"(6:26) 電子サウンドによる幻想的なイントロとエスニック風の調べが流れるミドル・テンポの曲で、本国でのシングル・カットでリリースされています。このアルバムからのTHE BLUE NILEの強烈な個性を感じさせるサウンドとPAUL・BUCHANANのペイル・ブルーな歌声が鋭く響いて来るのです。
7曲目"Automobile Noise"(5:08) 悲しみが滲み出たPAUL・BUCHANANのメランコリックな歌声にダウンテンポのリズムが流れるシンセ/アンビエントな曲です。PAULの特徴的な歌声とエフェクト的なサウンドの広がりと金属的なリズムの刻みが印象的ですね。
歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:37分44秒 (このアルバムのレビューを書いていて知ったのですが、本国イギリスでのレーベルは、あの英国高級オーディオ・メーカーのリン・プロダクツの傘下のLinn Recordsからのリリースされていたのですね)'10年5月3日再更新
1984年度ベスト5


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写真  THE BLUE NILE / Hats
 ・1989 Linn Records    A&M SP-5284

今風に表現するとチル-アウト音楽・・・

このアルバムは、スコットランドのグラスゴー出身のニュー・ウェーブ・ミュージック・バンドTHE BLUE NILEの '89年10月16日に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
THE BLUE NILEのメンバーは、PAUL・BUCHANAN:ヴォーカル/ギター/シンセサイザー/プロデュース、ROBERT・BELL:ベース/シンセサイザー/プロデュース、PAUL・JOSEPH・MOORE:キーボード/シンセサイザー/プロデュースの3人組です。前作にキーボード奏者として参加していたCALUM・MALCOLM(SIMPLE MINDS,HUE AND CRY)は、レコーディング・エンジニアとして今作に参加しています。

1曲目"Over The Hillside"(5:02) ゆったりと響くドラム・マシーンのリズムにエスニックな鐘楼の音色に似せた響きが心地好く広がる曲です。前作より6年の歳月が流れても相変わらずゆっくりとしたPAULの歌声と途中より登場するストリングス風の美しい調べを楽しくことにしましょう。
2曲目"The Downtown Lights"(6:28) この曲の曲調は、非常にデビュー・アルバムでのゆったりとした流れを色濃く引き継いだ曲です。急がずゆっくりとPAULの優しい歌声と共に過ごす深夜の大都会でのドライヴなどが似合いそうですね。
3曲目"Let's Go Out Tonight"(5:15) PAULのギターの爪弾きによるこの曲もゆったりとした今風に表現するとチル-アウト音楽(chill-out music)と言える落ち着いた曲です。この曲などに生演奏のトランペットが収録されたなら後にリリースされるCHRIS・BOTTI風になるのでしょうね。
4曲目"Headlights On The Parade"(6:14) ベース・シンセサイザーの重いサウンドが底辺にしっかりと流れを持ちながら「パレード」が歩んで来る曲です。このリズムの流れとは対照的なPAULの少し弱気の歌声との調和が絶妙と言えますね。この曲などは、今作から新しい路線を見出した感がある元気のある方のサウンドです。
5曲目"From A Late Night Train"(3:59) 再びスローなリズムの曲の登場です。トランペットの音色に似せたクラヴィネット/シンセサイザー? の演奏でしょうか切ない歌声を聴かせるPAULのバックに更に切なく響いています。また、普通の曲の長さで収録されているのもめずらしいですね。
6曲目"Seven A.M."(5:08) この曲では躊躇なくシンセサイザーの音色をより全面に出して来た感のある曲です。多重で聴かせるPAULのハーモニーやバックに広がる電子サウンドの数々など前作での平面的な表現からより立体的な方向へ進んでいるようです。
7曲目"Saturday Night"(6:28) この曲もリズムの流れとサウンドの響きが心地好いですね。エッジを効かせた刻み音を多用した弦楽器の独特の響きに表現された曲です。インストゥルメンタルの部分だけ聴いているとサウンド・トラックの一部のような感じですし、PAULの歌声と共に流れたなら絶対映画のエンディングロールに使って欲しい曲でもあります。
歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:38分34秒 (多くのニュー・ウェーブ・ミュージック・バンドがデビューした80年代、このTHE BLUE NILEもその内のバンドの1つですが、リリースされたアルバム数は、非常に少ないものの現在も活動中です)'12年4月22日更新


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写真  BLUE PEOPLE / Blue
 ・1995 Victor Entertainment, Inc.    VICP-5662

あまり知られていない作品ですが・・・

BLUE PEOPLEは、WORKSHYのプロデューサーで知られるGLENN・SKINNERがセッション・ヴォーカリスト/作曲家のPAMELA・SHEYNEとスタジオで出会い2人で作曲活動に入った事によって生まれたユニットです。2人の作った素晴らしい3曲のデモテープを聴いたJVC Musical Industries Europe Ltd.が一発契約したエピソードを持っています。
国内でのアルバムのリリースは、'95年11月25日となっています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PAMELA・SHEYNE:ヴォーカル、GLENN・SKINNER:ベース/ギター/キーボード/プログラミング/プロデュースの他、JOHN・PARRICELLI:ギター、HUSSAIN・BOOTH:ギター、CAMELLE・HINDS:ベース、JANETTE・MOXTON:キーボード、JONATHAN・SHORTEN:キーボード、TERRY・DISLEY:キーボード、JAMES・BENHAM:ドラム、GEOFF・SCANTLEBURY:パーカッション、ROWLAND・SUTHERLAND:フルート、JON・SCOTT:トランペット、SIMON・ELMS:トランペット、ADRIAN・LANE:トロンボーン、COLIN・SMITH:サックス/ブラス/ストリング・アレンジ、JACKIE・SHERIDAN:バック・ヴォーカル、NIGEL・RUSH:バック・ヴォーカル、MICHAEL・McDERMOTT:バック・ヴォーカルのイギリスのミュージシャン達です。

1曲目"Live & Learn"(4:19) PAMELAのソウルフルでパワフルなヴォーカルが聴き物とビシパシ鳴るドラムのビートによるアップテンポなアーバン・ソウルなナンバーです。
2曲目"Mercy Mercy Me"(4:05) 故MARVIN・GAYE '71年全米4位(R&B部門1位)ヒット曲です。オリジナル曲よりややアップテンポによりタイトなビートにアップデートされたご機嫌なリズムによるモータウンサウンドです。
3曲目"Say What You Mean"(4:29) WORKSHYのサウンドをスムースによりアップテンポしたような曲です。PAMELAのエモーショナルでソウルフルなヴォーカルが活きています。円やかなサウンドのファンクベースは共作者のCAMELLE・HINDS(元THE STYLE COUNCIL)です。
4曲目"Say A Prayer"(4:33) GLENN・SKINNER の作詞/作曲で彼の美しいピアノの旋律による曲で何処となくBRUCE・HORNSBYのサウンドスタイルに似たダイナミックなアメリカンサウンドの曲です。
5曲目"Another Heart Breakdown"(4:27) 一転してスローなバラードの登場です。故郷のN.Z.を離れイギリスでELTON・JOHNなどのセッション・ヴォーカリストとして活躍してきたPAMELAのヴォーカリストとしての才能を十二分に発揮させた美しいバラードです
6曲目"Listen Sister"(3:55) ブラックミュージックシーンでも十分通用するダンサブルでソウルフルなナンバー。
7曲目"Couldn't Live Another Day"(4:33) 太いベースのサウンドとジャジーなトランペットによるクールにドライヴするサウンドとは裏腹に恋に落ちた女性の想い綴った歌詞の内容の曲です。
8曲目"Not The House The Home"(4:44) ゆったりしたハモンドのサウンドでのイントロから入る曲ですが、次第にソウルフルなミドル・テンポのバラードへと変貌します。素晴らしいギター・ソロJOHN・PARRICELLIでしょうか。
9曲目"Time & Place"(5:05) ジャジー・フレイヴァー溢れるメロディに妖艶に歌うPAMELAのシルキー・ヴォイスによる曲でギターとピアノ・ソロは大人の魅力です。本国でのアルバム未収録曲です。
10曲目"Running Out Of Time"(4:13) WORKSHYのMICHAEL・McDERMOTTとの共作です。MICHAELもバック・ヴォーカルとして参加しています。ファンキーなキーボードのサウンドとブラスを使ったビックバンド的なサウンドを取り入れたナンバーです。
11曲目"Another Heart Breakdown(Total Breakdown Mix)"(5:46) イントロ以外はまるで別物のようにリミックスされています。低くうなるベースのサウンドとハウス風に打ち込みされたリズムになっています。
10曲歌詞/訳詞付 28ページ物ブックレット (国内盤) 収録時間:50分08秒 (あまり知られていない作品ですが、良い曲がたっぷり入っています。WORKSHYの音楽が好きな人にもお勧めです)'10年5月5日再更新


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写真  BÔA / Twilight
 ・2001 Pioneer Entertainment (USA)   
 ・2010 Boa Recording Limited / Nettwerk Music Group Inc.

ボーナス・トラック追加にて再リリース・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドBÔAの2枚目('98年の日本先行盤 [The Race Of A Thousand Camels] を含む)のアルバムで '01年3月21日アメリカよりリリースされたCD盤にボーナス・トラックを追加し、'10年4月10日にダウンロード・リリースされたアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、 JASMINE・RODGERS:ヴォーカル/ギター/パーカッション、STEVE・RODGERS:ヴォーカル/ギター/パーカッション、ALEX・CAIRD:ベース、PAUL・TURRELL:キーボード/ギター/パーカッション/ストリング・アレンジ、LEE・SULLIVAN:ドラム/パーカッション、BEN・HENDERSON:ギター/サックス/パーカッションのBÔA 6人にHANNAH・BIRCH:チェロ、KATE・WILLS:ヴィオラ、JUDE・GONNELLA:ヴァイオリン、SUE・BAKER:ヴァイオリンのロンドンのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、DARREN・ALLISON(DAVE・STEWART、BELLE & SEBASTIAN)、NEIL・WALSH(THE SPACE MONKEYS)、エグゼクティブ・プロデューサーTODD・CULBERHOUSE(BILL・CANTOS)です。

1曲目"Duvet"(3:24) 前作にも収録されていたアルバムからの一押しとなっている曲です。メロディアス・ロックな美しい流れとJASMINEの時折裏返る歌声が堪りませんね。また、この曲は当時、来日した時に日本のアニメのサウンド・トラックに取り上げられる話しがトントン拍子に進み採用されたそうです。当時のビデオの方もどうぞ。
2曲目"Twilight"(3:49) 海外でリリースされた盤でのアルバム・タイトル曲です。ギターのコード進行と懐疑的なストリングの調べがコラボするちょっと不思議さを持った流れが伝わってきます。
3曲目"Fool"(5:07) ここに来て激しさを増した曲の登場です。ダークな怪しさ持ったJASMINEの歌声とホーンテッドなサウンド繰り出す怪しさ満載です。
4曲目"Rain"(3:56) 重く響くベースのサウンドにキビキビとリズムを進めるドラムのビートが特徴的な曲です。荒削りなサウンドを得意とするオルタナティヴ・ロックのバンドでもやはりお国柄が、美しいストリングスの音色がバックに響いています。
5曲目"Elephant"(3:54) 憂いを持ったギターの爪弾きから入る軽快なリズムの曲です。LEE・SULLIVANの煌びやかなピアノの旋律とエキセントリックなSTEVEのギターのサウンドが要となって響きます。
6曲目"Scoring"(3:50) 荒らしたギターのサウンドに合わせ歌うJASMINEがその歌声を聴かせるこれぞオルタナティヴ・ロックと言える曲です。
7曲目"Deeply"(4:35) イントロから荒らしたギター・サウンドが登場します。唸るJASMINEの力強いヴォーカル、ライヴなどで演奏すれば聴衆は魅了されること間違いなしのパワフルさを感じます。
8曲目"One Day"(2:41) STEVEのヴォーカル曲です。ギターのサウンドを前面に出しこの曲もスピード感とパワフルを感じます。薄っすらと付けたストリングスのサウンドのアレンジも見事ですね。
9曲目"Welcome"(5:06) ダーク/アシッド感のあるちょっと趣を変えて来た曲です。うねりを持ったALEX・CAIRDの怪しげなベースのサウンドに乗せ妖艶な歌声を聴かせるJASMINEです。
10曲目"For Jasmine"(5:18) このアルバムの収録曲の中では異質の曲ですね。導入部はジャズ・テイストの流れからオルタナティヴ/パンク・ロックの荒れた曲調とストリングスによる華麗な流れが1曲に纏められていますJASMINE・HENDERSONに捧げるとの記載があります。
11曲目"Anna Maria"(4:05) スパニッシュ・テイスト溢れる曲の登場です。ロックで奏でるフラメンコって感じでしょうか?打楽器のように奏でられるPAUL・TURRELLのピアノとの絡みのSTEVEのギターも素晴らしい。
12曲目"Duvet(Acoustic)(bonus track)"(5:14) '99年のMaxシングル盤 "Duvet" に収録されている曲です。 1曲目よりスローにしたアレンジとなっています。複数のアコースティック・ギターにて奏でられるメロディアスな流れにSTEVEのトリッキーなギター演奏が際立っています。
13曲目"Little Miss(bonus track)"(3:54) JASMINEとSTEVEが奏でるフェンダー・ギターのシンプルなサウンドがイントロから響く曲です。軽快なドラムのリズムに乗せ途中より登場するサイケデリックなギター・サウンドへと展開されて行きます。
14曲目"Drinking(bonus track)"(4:13) JASMINEのアコースティック・ギターの弾き語りから入るシンプルな曲です。アコースティック・ギターの音色に乗せ楽しく歌うJASMINEの歌声がアルバムの終焉を告げます。オリジナル盤での収録曲は、ここまでです。
15曲目"Duvet(ScummV Remix)(bonus track)"(6:26) リズム自体は、非常にスローにしたアレンジですが、ドラム"ン"ベースが強化されています。シンセザイザーや電子エフェクトによるゲーム用のサウンド・トラックに '15年4月29日にリリースされたもの。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:65分32秒 (ダウンロードで購入したレシートにNettwerk Music Groupからのお礼が有ったので、同グループに所属した事が判明しました!)'24年7月30日更新


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写真  BÔA / Get There
 ・2004 Boa Recording Limited / Nettwerk Music Group Inc.

Nettwerk Music Groupからのリリース・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドBÔAの3枚目('98年の日本先行盤 [The Race Of A Thousand Camels]を含む)のアルバムで '05年4月22日にダウンロード・リリースされたアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、 JASMINE・RODGERS:ヴォーカル/ギター/パーカッション、STEVE・RODGERS:ヴォーカル/ギター/パーカッション、ALEX・CAIRD:ベース、LEE・SULLIVAN:ドラム/パーカッションのBÔA 4人(キーボードのPAUL・TURRELLとギターのBEN・HENDERSONが抜けたようです)による収録のようです。

1曲目"Angry"(3:42) 変則チューニングされたアコースティック・ギターによるイントロから激しさを持ったSTEVEのギターのサウンドが被せられたオルタナティヴ・ロックな曲です。アコースティック・ギターのサウンドによるソロ・アルバムをリリースしているJASMINEとSTEVEの荒らしたサウンドによるBÔA名義ならではの曲のようですね。
2曲目"Get There"(4:34) 前作も2曲目がアルバム・タイトル曲となっていましたが、今作でも同じです。海外でリリースされた盤でのアルバム・タイトル曲です。曲調は、前作でのヒット曲"Duvet" に通じる所を感じます。
3曲目"Wasted"(3:53) アコースティック・ギターのサウンドが増して来た曲です。しかし途中よりこれまたSTEVEの荒らしたギター・サウンドが挟み込まれます。また、途中より美しいアルペジオのサウンドなど1曲の中に様々な聴きどころを持った流れとなっています。
4曲目"Believe Me"(2:52) タッピングによるアコースティック・ギターの音色が美しい曲です。歌うように響くALEX・CAIRDのベースと硬く引き締まったLEE・SULLIVANのドラムのリズムなど本当、バンドしての姿の表現が素晴らしいですね。
5曲目"Courage"(5:08) この曲も変則チューニングされたアコースティック・ギターの音色から入る曲ですが、重く荒らしたギター・サウンドが響くヘビー・メタル/ハード・ロックな一面も聴かせます。
6曲目"A Girl"(4:40) 前のアルバムでも聴けたスペイン音楽からの一面を聴かせる曲です。STEVEの荒らしたギターのエキセントリックなサウンドとJASMINEのアコースティック・ギターのサウンドとが織りなす流れに耳を奪われます。
7曲目"Daylight"(5:23) この曲もヨーロッパの憂い/ダークさを感じさせる曲です。淡々と響くLEE・SULLIVANのドラムのビートと妖艶な響きを持った呪文を唱えるように歌うJASMINEです。
8曲目"America"(4:08) JASMINEのギターの弾き語りから入る「アメリカへの憧れを抱いた男」のストーリーを歌にしています。サウンド的にはモロ、アメリカン・ロック的なイメージですね。但し、アウトロでの展開は、やはりBÔA色があります。
9曲目"Older"(3:18) ここに来て落ち着いた調べの曲の登場です。スネアをコンガように叩くLEE・SULLIVAN、弦を優しく爪弾くJASMINEと彼女の歌声もまた優しく響きます。
10曲目"Passport"(5:06) 美しく響くアコースティック・ギターの音色とエモーションを掻き立てるリズムが流れる曲です。前作でも感じたスパニッシュ音楽からの影響を後半からの盛り上がり方が情熱的にまた素晴らしく表現しています。
11曲目"Stand By"(5:18) Lo-HiにしたドラムのリズムとJASMINEの歌声が翳りを持って流れる曲です。この曲は、デモ曲の感じを作り上げた感がします。モノラル感/Lo-Hiな雰囲気ですね。
12曲目"On the Wall"(3:09) アルバムの最後には、ちょっとおふざけ感のあるポップな曲です。ひと昔前の感度の悪いマイク音やAMラジオでのチャールストンを聴いている感をアレンジしたように思えます。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:51分11秒 ('24年に活動を再開したBÔA、10月18日には待望の新アルバムをリリース予定です!)'24年8月1日更新


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写真  BÔA / Whiplash
 ・2024 Boa Recording Limited / Nettwerk Music Group Inc.

兄STEVEも抜けたけど・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているオルタナティヴ・ロック・バンドBÔAの4枚目('98年の日本先行盤 [The Race Of A Thousand Camels]を含む)のアルバムで '24年10月18日にダウンロード・リリースされたアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、 JASMINE・RODGERS:ヴォーカル/ギター、ALEX・CAIRD:ベース、LEE・SULLIVAN:ドラム/パーカッションのBÔA 3人(ギターの兄STEVE・RODGERSは、残念ながら抜けたようです)の他、詳しいクレジット記載が無いので不明です。

1曲目"Let Me Go"(4:13) イントロから心地好いギターの音色が響くギター・ポップな曲です。滑らかにリズムを刻むLEE・SULLIVANのドラムのビートと相変わらすぶ太っとく鳴るALEX・CAIRDのベースのサウンドも健在です。また、間奏のギターの音色も美しい響きを持っているところは、このバンドならではですね。
2曲目"Crawling"(3:41) 循環コードにようシンプルなサウンドとメロディの曲です。途中より登場する美しいストリングスの調べに乗せ「愛する者同士」の心の内を歌っています。
3曲目"Walk With Me"(3:43) ダイナミックに鳴るLEE・SULLIVANのドラムのビートと唸るALEX・CAIRDのベースの調べが腹に響く曲です。普段は、フォーク調に歌を歌っているJASMINEですが、このバンドでは、もっと激しく荒々しくにやってと2人に要求しているのではないでしょうか。 5月にビデオも公開されたこのアルバムからの先行シングル曲です。
4曲目"Beautiful & Broken"(3:29) アコースティック・ギターの音色とストリングの音色が美しい曲です。優しく歌うJASMINEと彼女が間奏での柔らかい調べのソロがとても印象的です。この曲も5月にビデオも公開されたこのアルバムからの押しとなっています。
5曲目"Prelude"(0:20) 短い前奏曲となったJASMINEのアコースティック・ギターによるインストゥルメンタルです。
6曲目"Frozen"(4:15) 唸るベースとキビキビ刻むドラムのビートがイントロから流れる美しいメロディの曲です。重い演奏の間にJASMINEの軽いギターのサウンドが何かこのバンドの中心に位置するシンボリックなイメージを感じます。歌詞の方は、「恋人の凍った心」うたっているようです。
7曲目"Vienna"(4:54) アコースティック・ギターの爽やかな調べに合わせJASMINEの優しい歌声が響く曲です。シンプルなメロディとサウンドの流れからストリングスを加えた美しい流れへと聴く者を誘います。
8曲目"Worry"(4:49) この曲は、6月に先行ダウンロードとしてリリースされている曲です。イントロからアカペラでのJASMINEが「Sing for me, let me feel released」と歌うところにノスタルジックなところを感じました。この曲でもバックの2人の演奏は、タイトで重い響きを突き進むのです。
9曲目"Whiplash"(2:31) 太っとく鳴るALEX・CAIRDのベースのサウンドが終始耳に残るパワー・ロックな曲です。演奏風景を撮影に取入れたビデオも公開されました。
10曲目"Strange Few"(4:29) どこか中東音楽からの影響を受けるメロディとサウンドが流れる曲です。ダークで鬱積した内容の歌詞を綴っています。
11曲目"Seafarer"(4:01) 甲高いギターの音色に不思議な音色を発するピアノの調べによるオルタナティブな曲です。暗雲を感じさせる流れから異国へ到来した感のある「Seafarer=船乗り」の生活を歌にしています。
12曲目"I Don't Know"(4:02) この曲もALEXの蠢くように響く重いベースのサウンドが印象に残る曲です。途中よりストリングスの音色など加えられているのですが、ストレートに突き進むパワー・ロック然として迫って来ます。
13曲目"Shadow"(3:08) この曲は、ポップなサウンドを増した曲です。最初のアルバムのポップ調の曲の流れをこの曲も感じます。JASMINEのヴォーカリストとしての魅力を引き立てるバックのALEXとLEEの力強いサポートをアルバムに最後の曲までしっかりと感じさせます。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:47分35秒 (前作[Get There] から早 19年、活動を再開したBÔA、9月のアメリカ・ツアーは、全会場ソールドアウトだったようです!)'24年10月19日更新


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写真  BOAT CLUB / Caught The Breeze
 ・2007 Luxury    LUX005

ネオ・アコからの影響?・・・

このアルバムは、スウェーデンGöteborgで活躍している(いた?)インディー・ロック・デュオBOAT CLUBの '07年9月3日に本国でリリースされたデビュー(2枚目との情報がありますが確認がとれていません)・アルバム(ミニ・アルバム)です。
BOAT CLUBのメンバー(デュオ)ANDREAS・CHRISTAKIS:演奏楽器不明、 MAGNUS・WAHLSTRÖM:演奏楽器不明、アルバムの収録に参加しているミュージシャンも詳しいクレジットが記載されていない為、不明です。

1曲目"All The Time"(5:03) オーケストレーション的なキーボードの調べをイントロから聴かせ軽めの乗りを伝える曲です。パーカッションの躍動感やメロディを爪弾くエコーの効いたギターのサウンド響きます。技と頼り気の無いあっさりとしたヴォーカルを付けたほぼインストゥルメンタルの曲です。
2曲目"Warmer Climes"(3:48) ピックで奏でられるベースのサウンドが80年代のブリティッシュ・バンドのネオ・アコ風を強く感じさせる曲です。蒼いヴォーカル感とギターとベースのサウンドなどからとても若さやピュアさを感じさます。
3曲目"Always Away"(5:09) この曲もギターのサウンドがデビュー当時のTHE PALE FOUNTAINSTHE LOTUS EATERSの持つ雰囲気が似ているように思います。電子音に近いキーボードの調べの使い方などよりエレクトロ・ポップ色は強いみたいですが。
4曲目"Nowhere"(4:49) 今度はよりリズミカルにパーカッショナブルにビートを強めて来た曲です。電子ドラムやドラマチックなギターや電子ピアノのサウンドとは非常に対照的なアンニュイなヴォーカル感がこのデュオの持つ魅力なのかも知れません。
5曲目"Memories"(5:22) シングル曲やリミックスとしてもリリースされているリズミカルな乗りの良い曲です。このアルバムの紹介文に引き合いに出されている同じくスウェーデンで活躍しているCLUB 8の雰囲気も確かに感じます(CLUB 8のボーイ版?)。
6曲目"Spanish Castles"(6:09) この曲も1分近くの長いイントロを持った曲です。チャカポコと鳴るパーカッションでのリズムが心地好いですね。リフレインによる短い歌詞にて構成されていてこの曲もインストゥルメンタルの要素を強く感じます。
"Always Away" のみ歌詞付 ライナー付き (輸入盤) 収録時間:30分20秒 (他のミュージシャンを検索中に偶然見つけたこのBOAT CLUB、レーベル・メイトにガールズ・デュオPALPITATIONも在籍しています)'15年12月5日更新


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写真  THE BOBO / For Me, The Sun
 ・2023 The Bobo    

オルタナティヴ/ダーク・ポップ・・・

このアルバムは、イギリスのオックスフォードで活躍しているオルタナティヴ/ダーク・ポップ・ミュージシャンTHE BOBO(MARIA・RÓŻALSKA)の4枚目('19年と'20年のEP盤、'22年の企画アルバムを含む)のアルバムで '23年5月9日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンの詳しいクレジットは不明ですが、MARIA・RÓŻALSKA単独(コラボ曲を除く)なのかも知れません。

1曲目"Wish I Knew"(4:04) ダウンロード販売のクリック・ボタンを押させたエレクトロニカ・ダーク・ポップな曲です。ジャケットに登場するMARIAと同じ流れで撮影されたと思われるモノクロームのビデオも配信されています。
2曲目"Jeremy(ft. Kid Kin)"(3:13) 重く響くドラムのビートと奥まったところで響くギターの調べが心地好い曲です。電子ピアノのシンプルな音色に合わせMARIAの吐息混じりの歌声も好いのです。
3曲目"Could Have"(4:04) 電子サウンドの転がるようなサウンドがイントロから響くメランコリックな調べの曲です。途中よりサウンド・エフェクトを強めに効かせたアレンジとダークなチェロ?の調べが印象的です。
4曲目"Easy To Find"(3:25) 今度は、サウンドを少し明るい方向に移行したS.S.W.らしいアコースティック・ギターでの弾き語りをメインとした曲です。ビート・ボックスやシンセサイザーも次第に登場させ曲を重厚な雰囲気を醸し出しています。
5曲目"Dancing(ft. Kid Kin)"(3:17) MARIAと同じくオックスフォードで活躍するミュージシャンKID KINとのコラボ曲です。オルゴールのような電子ピアノのサウンドと細かく奏でられるギターのサウンドによるおとぎ話の国に迷い込んだような雰囲気を醸し出しています。
6曲目"Number 8"(4:49) この曲では、アコースティック・ギターの音色とシンゼサイザーのサウンドを組み合わせたスローなチルアウトな曲です。バックに男性ヴォーカルに歌声が薄っらと響かせ引き摺り感のある美しいMARIAの歌声が堪りませんね。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:22分52秒 (BBCラジオでも紹介されたTHE BOBO、結構向こうでは人気なのでしょうね!)'23年5月11日更新


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写真  BONOBO / Black Sands
 ・2010 Ninja Tune    LC-12885

ミュージシャン/プロデューサー/DJとして活躍・・・

このアルバムは、イギリスのブライトン出身のミュージシャン/プロデューサー/DJとして活躍しているSIMON・GREENのステージ名であるBONOBOの '10年3月29日に本国でリリースされた6枚目のアルバム(B-サイド,コンピレーションを含む)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SIMON・GREEN:ベース/ギター/マンドリン/キーボード/ヴィブラフォン/ハーモニウム/ハープ/オルゴール/プログラミング/エフェクト/プロデュースの他、ANDREYA・TRIANA:ヴォーカル、MIKE・LESIRGE:サックス/フルート/クラリネット、ALAN・HARDIMAN:トロンボーン、RYAN・JACOB:トランペット、JACK・WILLEY:サックス、TOM・CHANT:サックス/ベース・クラリネット、MIKE・SIMMONDS:ヴァイオリン/ヴィオラ、GRAHAM・FOX:ドラム、JACK・BAKER:ドラムのイギリスのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Prelude"(1:18) 東洋の音楽をイメージしたこのアルバムへのオープニング・テーマのような感じの短いインストゥルメンタルとなっています。
2曲目"Kiara"(3:50) メロディ的には前の曲と同一ですが、エレクトロニカのサウンドや打ち込みの感じを更に強めたソリッド風なアレンジを施した曲調を感じさせます。
3曲目"Kong"(3:57) バックに響くホーンのサウンドや冷めた感のあるギターの爪弾きなどが淡々としたクールさを伝える曲です。SIMONのベースの重い響きと更にSIMONが奏でる軽めのギター・サウンドが対照的な感じが興味深いですね。
4曲目"Eyesdown"(5:26) SIMON・GREENのプロデュースにてこのアルバムのリリース後の8月に正式デビューしたロンドンのソウルシンガーANDREYA・TRIANAがヴォーカルに参加した曲で、作詞/作曲はSIMONとANDREYAと共同になっています。
5曲目"El Toro"(3:44) スペイン語の牡牛を意味する"El Toro" と曲名についた荒々しい躍動感をクールに伝える曲です。凄腕ドラムのビートが鳴り響いているのですが、クレジットの記載がないのは、マシーンでの演奏でしょうか。
6曲目"We Could Forever"(4:19) この曲は本当ギターの刻み音が心地好い曲です。80年代のファンカ・ラティーナを現代風にアップデートしたと言えば判りやすいでしょうか。
7曲目"1009"(4:30) SIMON・GREEN1人での収録曲です・プログラミングによるサウンドを基に数々の音源と演奏を手際良く繰り出すDJならではの曲そのものと言えます。
8曲目"All In Forms"(4:51) 曲全体がうねるような響きか感じ好く伝わる曲です。サンプルで流れる女性ヴォーカルの歌声の粗さや質感もこの曲にマッチして感じ好いのですが、欲を言えば歌詞をもっと付けて歌物にアレンジ替えしても良かったかな。
9曲目"The Keeper"(4:48) どこか気だるさの残ったダウンテンポの曲で、一度聴くとこの曲のリフが耳から離れなくなります。ANDREYA・TRIANAの艶ぽい歌声にこの冷めた怠惰感のロンドン・ジャズ風味が堪りませんね。
10曲目"Stay The Same"(4:44) この曲もSIMONとANDREYAとが一緒に書いた曲です。最近のライヴなどでは、新作に登場しているSZJERDENE・MULCAREが歌っていますが、このオリジナルのTRIANAの歌声も魅力的ですね。前の曲からちょっと無邪気な雰囲気が増した所も好い感じです。
11曲目"Animals"(6:45) 日本のミュージシャンのアルバムにも参加経験のあるイギリスのサクスフォニストTOM・CHANTの演奏するサックスとベース・クラリネットが大きくフィーチャーされた7分近い大作です。GRAHAM・FOXのクールな打撃音の発する凄腕ドラムなど聴きどころ満載です。
12曲目"Black Sands"(6:48) 一転してナイロン弦ギターによるメランコリックなメロディとサウンドによるスローな曲です。切なさ・遣る瀬無さを伝えるワルツのリズムのビートに次々に各楽器を登場させては、流れて消えて行きます。
歌詞無し 折畳ライナー 紙ジャケット仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:55分06秒 (尚、このアルバムは、ボーナス・トラック1曲付にて国内盤も先行リリースされています)'13年11月16日更新


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写真  BONOBO / The North Borders
 ・2013 Ninja Tune/Beat Records    BRC-368

チルアウト/サウンドスケープ・・・

このアルバムは、イギリスのブライトン出身のミュージシャン/プロデューサー/DJとして活躍しているSIMON・GREENのステージ名であるBONOBOの '13年3月23日に国内でリリースされた8枚目のアルバム(Remix,B-サイド,コンピレーションを含む)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SIMON・GREEN:ベース/ギター/キーボード/ヴィブラフォン/カリンバ/シロフォン/プログラミング/エフェクト/プロデュースの他、GREY・REVEREND:ヴォーカル、ERYKAH・BADU:ヴォーカル、SZJERDENE・MULCARE:ヴォーカル、CORNELIA・DAHLGREN:ヴォーカル、MIKE・LESIRGE:サックス/フルート/クラリネット/ベース・クラリネット/ストリングス・アレンジ、JASON・DISU:トロンボーン、KELLY・PRATT:トランペット/フリューゲル・ホーン、LUCY・RAILTON:チェロ、VINCE・SIPPRELL:ヴィオラ、MIKE・SIMMONDS:ヴァイオリン、PRABJOTE・OSAHN:ヴァイオリン、KIRSTEN・AGRESTA・COPELY:ハープの各国のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"First Fires"(4:39) ライナーのクレジットでは、LARRY・D.BROWN名義で記載されているフィラデルフィア出身のS.S.W.GREY・REVERENDのヴォーカルをフューチャーしたメランコリックなナンバーです。フォーク/ソウル調のアコースティック・サウンドを持ち味にしているGREY・REVERENDのまた違った一面を聴かせるSIMON・GREENのヴォーカリストのチョイスに興味津々です。
2曲目"Emkay"(5:25) 短い歌詞を使ったサンプル音源をループしたほぼインストゥルメンタルによるチルアウトとダンサブルなリズムとの丁度中間的に位置する曲です。エレクトロニクスをベースにチェロ/ヴィオラ/ヴァイオリンのストリングスの調べとサックスの囁き的な調べを薄らと付けたアレンジも感じ好いですね。
3曲目"Cirrus"(5:49) トロピカルな雰囲気を醸し出すHang Drumの音色とビートで展開されるエスニックなナンバーです。曲名となっている"Cirrus (巻雲)"の流れる様や形の変化を表現しているのでしょうか。
4曲目"Heaven For The Sinner"(4:09) 今度は、ERYKAH・BADUのヴォーカルをフューチャーしたネオ・ソウルな曲です。バックに流れる美しいハープの調べは、ERYKAHとの仕事を良くしているN.Y.ハーピストKIRSTEN・AGRESTA・COPELYです。
5曲目"Sapphire"(4:47) クールに響くマシーンのビートと日本の琴のような物腰が柔らかい弦の響きが上手く調和したリズム感が心地好い曲です。女性ヴォーカルのサンプルや電子エフェクトを加えて展開されて行きます。
6曲目"Jets"(4:34) この曲も短い女性の歌声をサンプルに使ったドラム"ン" ベース仕立ての曲です。クレジットにはSIMON・GREENとホーンの3人しか記されていないのですが、なんだかもっと人手を掛けた質感を強く感じます。
7曲目"Towers"(3:36) そうそうSZJERDENE・MULCAREのヴォーカルをフューチャーしたこの曲が決め手となってこのアルバムを買った曲の登場です。SIMONと同レーベルメイトのSZJERDENEの歌声が堪らなく響きながらメロディアスに織り上げているのです。
8曲目"Don't Wait"(5:17) 再びHang Drumの音色(多分サンプル音源)を使ったインドネシアの伝統音楽からインスパイアされたようなダンス・ビートの曲です。ゆったりとしたイントロから次第にビートとサウンドを上げて行く様が上手いですね。
9曲目"Know You"(4:05) イントロからノスタルジックな雰囲気を醸し出すドラム"ン" ベースによるダンス・ビートの曲です。ボコーダーを通したSIMON自身の歌声でしょうかサンプルとして忙しなく流れて行きます。
10曲目"Antenna"(3:32) この曲もドラム"ン" ベースのサウンドとビートが強く響くハウス・ミュージックな曲です。MIKE・LESIRGEのフルートとSIMONの打ち込みによってひっそりと作り込みが行われたようなニュアンスが感じられます。
11曲目"Ten Tigers"(4:03) 昔のタイプライターの打撃音をサンプルとしたような音源にモーグ系の重いベースのサウンドの蠢きをリズムカルな流れを伝わせています。
12曲目"Transits"(4:20) ビシバシと決まる正確なドラムの裏打ちのビートとそれに反してくねくねと陽炎のように掴み所のない輪郭を持って響くSZJERDENEならでは歌声と謡ぶりとが本当に堪らない曲です。でも、せっかくのCDのトラックにレコード盤のトレースノイズは、あまり入れて欲しくないですね。
13曲目"Pieces"(4:32) スウェーデンで活躍しているCORNELIA・DAHLGRENのヴォーカルをフューチャーしたダウンテンポなナンバーです。CORNELIAならではのイノセント・ヴォイスがまた違った気だるさを感じさせながら広がって来ます。
14曲目"Heaven(Bonus Track)"(4:07) 4曲目"Heaven For The Sinner" Remix版にしたインストゥルメンタルです。ハープとクラリネットの音色を強めた再ミキシングになっています。
歌詞無し 写真ブックレット (国内盤) 収録時間:63分02秒 (まあ、一部の曲について私的には、シアトルのラジオ局KEXPのライヴのようなエフェクトが控え目なのが好みですね)'13年11月3日更新
2013年度ベスト5


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写真  BOOTS OTTESTAD / Ottestad
 ・2004 Checkpoint Charlie Audio Productions   CCCAP 030

現在はN.Y.でプロデューサーとして・・・

このアルバムは、ノルウェー南西部の都市スタバンガーで生まれ育ったBOOTS・OTTESTAD(PER・KRISTIAN・OTTESTAD)の '04年に本国にてリリースされた唯一のソロ・アルバムです。
'96年頃から本国で作曲家として活動していたOTTESTADは、他のミュージシャンに曲を提供し、地元のバンドTHE GETAWAY PEOPLEとして '98年にアルバムをリリースしています。
現在、OTTESTADは、N.Y.に在住していて '08年には、ニュージャージーの女性S.S.W.TOBY・LIGHTMANのアルバムのプロデュースとデンマークの女性S.S.W.LOUISE・HARTのアルバム収録曲へ共作者としても活躍しています。
尚、このアルバムは、N.Y.ブルックリンのスタジオにてOTTESTAD:ヴォーカル/ギター、THOMAS・DYBDAHL:ギター/ベース/バック・ヴォーカル、ESPEN・NOREGER(THE GETAWAY PEOPLE):ドラム、DAVE・SHERMAN:ピアノ、ARNE・HOVDA(THE GETAWAY PEOPLE):ピアノ、STEVE・JOHNSON:ギター、GREGG・MANGIAFICO:ピアノ、CHRIS・BARRON:バック・ヴォーカル、EDIE・KUHNLE:バック・ヴォーカル、GARO・YELLIN:チェロ、AMY・KIMBALL:ヴァイオリン、KRYSTOF・WITEK:ヴァイオリン、DAVE・BLINN:ヴィオラのノルウェーとアメリカの混成チームにて収録されています。

1曲目"Don't"(4:04) メランコリックなOTTESTADの歌声がイントロから響くダーク・フォーキーな曲です。間奏から登場するエコーの効いたTHOMAS・DYBDAHLのスライド・ギターの調べとストリングスのサウンドが心地好く響いて来ます。
2曲目"Saving Up For Grace"(4:27) サウンドを少しポップ/ロックの方に移して来た曲の登場です。サウンドの奥にある透明感とOTTESTADのイノセントな歌声を感じる心地好いギター・ポップです。
3曲目"Headlights"(4:10) 北欧的/ヨーロッパ調のサウンドを感じるARNE・HOVDAのピアノの調べとOTTESTAD の弾くアコースティック・ギターの調べが切なく響くアコースティックな曲調が 幻想的に響いて来ます。
4曲目"Numb"(4:11) OTTESTADのアコースティック・ギターの爪弾きを中心とした収録曲です。この曲でもセンチメンタルな歌声を聴かせるOTTESTADのS.S.W.らしいサウンドの曲です。
5曲目"Lilies"(3:47) この曲もOTTESTADのギターの弾き語りのサウンドをメインした収録曲に美しいストリングスの調べを添えています。この辺りのアレンジからも女性S.S.W.のアルバムをプロデュースしている事を認識させます。
6曲目"Floating"(4:23) 少し枯れた歌声もこの曲で聴かせるOTTESTADです。美しいメロディとサウンドを聴かせるノルウェーからの音楽仲間との息の合った演奏です。
7曲目"Release Me"(4:07) シンプルで乾いたアコースティック・ギターの調べがイントロから流れる牧歌的なメロディとサウンドの曲です。心地好いハモンドB-3のサウンドが曲の奥からこちらに広がって来ます。
8曲目"Flames Of Gold"(4:29) 溜めを取ってゆったり歌うOTTESTADの歌声にエッジの効いたスライド・ギターの伸びやかなサウンドが響いて来る曲です。この曲の持つイメージはアメリカンS.S.W.に近いものを感じます。
9曲目"She's Gone"(4:13) 失恋をテーマとしたこの曲では殆んど楽器を演奏しているOTTESTADです。バックのヴォーカリストは、N.Y.のS.S.W.CHRIS・BARRONと同じくN.Y.のジャズ・シンガーEDIE・KUHNLEが参加しています。
10曲目"A Song I've Never Heard"(5:10) ダウンテンポのリズムの流れによるメランコリックなサウンドの曲です。 侘びを感じるOTTESTADの歌声も後半には、アグレッシヴな歌声での叫びと化します。
全10曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:43分04秒 (プロデューサー/S.S.W.としてアメリカに渡ったOTTESTAD、N.Y.のミュージック・リスナーの一部は、早くも彼に注目しています)'10年5月5日再更新


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写真  BÖSS / An Iron Fist In A Velvet Glove
 ・2006 scandinavian recordings    SR01

ダーク・エレクトロニカ・オルタナティヴ・・・

このアルバムはドイツ系フィンランド人のLUDWIG・BÖSSをキー・パーソン とするBÖSS名義の多分 '07年1月25日に本国でリリースされたデビュー・アルバムと思われます。現在、LUDWIGはスウェーデンのMalmöで活躍しています。このアルバムに参加しているバック・メンバーは、TOFT・STADE:ベース、OSKAR・LING:キーボード、DENNIS・JOHANSSON:ギター、JENS・JANSSON:ドラム、CAROLINE・BERGMAN・LE・BONGOAT:バック・ヴォーカル、SOLVEIG・SANDNESS:バック・ヴォーカルなどのMalmöとベルリンで活躍しているのミュージシャンが参加しています。

1曲目"If You Can I Can"(4:07) ベース・シンセサイザーの重く響くサウンドによるイントロがTHE DOORSの持つサイケデリック・サウンドと故JIM・MORRISONの歌声に似たLUDWIGの何処かカリズマ性を感じさせる曲です。60年代のあの混沌としたやり場のない感情を音楽にぶつけたあの時代のロック・ミュージックを感じさせます。
2曲目"Everest"(4:23) 一転して少し爽やかな歌声を聴かせるエレクトロニカ・ポップな曲の登場です。メロディとビートは非常にシンプルに徹したアレンジになっています。
3曲目"The Runners"(3:13) 打ち込みのリズムに乗せたピアノの調べ美しいメロディアス・ポップな曲です。ファルセットで歌うとLUDWIGの歌声が少し切なく響くヨーロピアン・ロック的なエレガントさも感じさせます。
4曲目"My Name Is Fire"(3:43) サンプル曲から非常に気になっていた曲です。ダーク・エレクトロニカ・オルタナティヴ・ロックと呼ぶのでしょうか。切ない情景を表現したヨーロッパ映画のワン・シーンを想像させる調べと書かせてもらいます。
5曲目"Pristine"(3:35) アンビエントなギターのサウンドを流しながら歌うLUDWIGのミドル・テンポのギター・ポップな曲です。曲により少し歌声が変化するLUDWIGの歌声ですが、切なさを感じさせるところは共通しています。
6曲目"Taste Of Iron"(3:54) この曲は非常にTHE DOORSのサウンドからの影響を受けていることを如実に感じさせる曲です。お決まりのオルガンのサウンドと溜めを取った歌い方などは興味深いです。
7曲目"Like The Sun"(3:54) マンドリンかハイ・フレット・ギターの調べが美しいロック・オペラの一場面を表現したダイナミックな展開とワイドな広がりをみせる曲です。
8曲目"Manboy"(1:47) この曲も非常に60年代の"あの曲" のサウンドを感じさせる曲です。荒れたギターのサウンドとこれも荒らしたLUDWIGの歌声によるパンクなサウンドの2分程度の曲です。
9曲目"Would You Save Me"(3:16) この曲はブリット・ロックの雰囲気を感じさせるサウンドを持っています。RUDWIGのヴォーカルをメインとしたバンド形式のそれぞれの楽器のパートに少しずつスポット・ライトを当てたアレンジになっています。
10曲目"So, So, So"(4:09) この曲もイギリスのバンドの持つサウンドを感じさせる曲です。少し癖のあるRUDWIGの歌い回しとギターのサウンドが響くミドル・テンポのブリット・ロックでしょうか。
11曲目"Without A Doubt"(3:25) 歪ませたギターのサウンドが特徴的な曲です。ゴシック/メタル・ロック的なサウンドの曲です。サウンドの重さとは別にRUDWIGの爽やかな歌声のアンバランアスが楽しめます。
全11曲歌詞付 イラストブックレット スーパー・ジュエル・ボックス仕様 (輸入盤) 収録時間:39分32秒 (このBÖSSのH.P.も作られているのですが、Internet Explorerとの相性が悪いのか直にフリーズしてしまい、詳細なデータの確認は出来ません)'10年5月5日再更新


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写真  BO KASPERS ORKESTER / Söndag I Sängen
 ・1993 sony music entertainment (Sweden) ab   472917 2

スウェーデンの5人組による・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているBO KASPERS ORKESTERのデビュー・アルバムです。 このアルバムの本国でのリリースは、ちょうど日本中でスウェディッシュ・ポップの大ブレーク少し前の '93年1月25日です。
BO KASPERS ORKESTERのメンバーは、BO・SUNDSTRÖM:ヴォーカル、LARS・HALAPI:ギター、FREDRIK・DAHL:ドラム、MICHAEL・MALMGREN:ベース、MATS・ASPLÉN:キーボードの5人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PETER・ASPLUND:トランペット、
PER'TEXAS'JOHANSSON:サックス、ANDERS・G・KARLSSON:トロンボーン、ANDERS・ÅSTRAND:ヴィブラフォン、NIKLAS・MEDIN:フェンダー・ローズ、MALANDO・GASSAMA:コンガ、GURRA・G:スクラッチ、FABIAN・TORSSON:ドラム・プログラミングのスウェーデンのミュージシャン達です。

1曲目"Det Går En Man Omkring I Mina Skor"(2:39) ビッグ・バンドで演奏されるスタンダード・ジャズのイメージに近い曲で、アウトロにはレコード盤のトレース・ノイズを配した演出です。
2曲目"Söndag I Sängen"(3:15) この曲もジャズのスタンダート・ナンバー的な響きを持った曲でBOの優しい響きの歌声による心地好い流れの曲です。サックスは、BO KASPERS ORKESTERのアルバムに常連参加のPER'TEXAS'JOHANSSONです。ビデオもどうぞ!
3曲目"Köpenhamn"(4:15) 3枚目のアルバムの国内盤ボーナス・トラックのオリジナル・ヴァージョンです。ボーナス・トラックでのスクラッチと打込みを排したシンプルな収録ですが、アシッド系ジャズのスタイルのコペンハーゲンを題材にした"渋い" 曲です。
4曲目"Kyss Mej"(4:05) 一昔前の映画のサウンドトラックのような大げさホーンセクションを設けた煌びやかなサウンドでの曲です。コンパクトにまとめ上げたLARSのギター・ソロでの曲です。
5曲目"I botten På Glaset"(3:52) 本格派ジャズ・カルテットによる非常にスムーズな調べを聴かせるボサ・ノヴァのリズムの曲です。スヴェンスカで歌われても全然違和感の無い大人の為のミッドナイトサウンドです。LARS・HALAPI(SOPHIE・ZELMANI,GLORIA) の流れるように繰り出されるウォーム・トーンのギター・ソロが非常に心地好いのです。
6曲目"Hål"(3:10) 60年代のハモンドのサウンドによるモッズ/サイケ系のブリティッシュサウンドの曲ですが、あくまでもスムースでジャジーな曲です。
7曲目"Under Balkongen"(3:45) エド・サリバン・ショーの曲紹介風のナレーションを配した。フランス系ボサ・ノヴァでのカフェ音楽です。本当にパリの下町のカフェが似合いそうな曲です。
8曲目"Simtur"(3:16) トランペットとサックスとクラリネットによるスムースな流れによるジャジーな曲で、スヴェンスカで歌われるBOの歌声とメロディの融合が見事です。
9曲目"Hennes Syster Sa"(4:32) この曲も一昔前の英国のスパイ映画のサウンドトラックのような感じ の曲でBOはあらゆる音楽媒体から自分のサウンドへの吸収を図っているようです。
10曲目"Jorden Snurrar"(3:46) ピアノとウッド・ベースによる静かなジャジーな曲です。MATSの少し哀愁感のあるピアノの調べとBOによる作詞/作曲です。
歌詞無し 写真ライナー オーストリア製 (輸入盤) 収録時間:40分51秒 (日本にも多くのファンを持つB.K.O.のデビュー・アルバムで、全体のサウンドの基本は本格派のジャズ・スタイルです)'10年5月5日再更新


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写真  BO KASPERS ORKESTER / På Hotell
 ・1994 SONY MUSIC ENTERTAINMENT (SWEDEN) AB.   Col 477367-2

すっかり日本へのアルバムの紹介が・・・

このアルバムは、スウェーデン・ミュージック・ブームの最中に紹介されたBO KASPERS ORKESTERの2枚目のアルバムで本国にて '94年9月26日にリリースされています。
BO KASPERS ORKESTERのメンバーは、BO・SUNDSTRÖM:ヴォーカル、FREDRIK・DAHL:ドラム、MATS・ASPLÉN:キーボード、MICHAEL・MALMGREN:ベース、LARS・HALAPI:ギターの5人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PETER・ASPLUND:トランペット、
PER'TEXAS'JOHANSSON:サックス、FABIAN・TORSSON:ドラム・プログラミング/プロデュース、HEINZ・LILJEDAHL:バック・ヴォーカル、ELISABETH・BJÖRKSTEN:バック・ヴォーカル、ALF・ CARLSTRÖM:ストリングス、ANDERS・WALL:ストリングス、GEORGE・KENTROS:ストリングス、JAKOB・RUTHBERG:ストリングス、KRISTINA・LINDHOLM:ストリングス、MARIE・STENÄNG:ストリングス、MONIKA・STANIKOWSKA:ストリングス、PER・HELDERS:ストリングス、RONNIE・SJÖKVIST:ストリングス、ULF・KARLSSON:ストリングス、ULF・NILSSON:ストリングス、URBAN・GRADÉN:ストリングス、YLVA・NILSSON:ストリングス、JOAKIM・MILDER:ストリングス・アレンジ、LASSE・BAGGE:ストリングス・アレンジのスウェーデンのミュージシャン達です。
余談ですが最近の彼らのアルバムが、すっかり日本への紹介が無くなってしまったのは、非常に残念です。

1曲目"Ingenting Alls"(5:06) アシッド感のあるリズムとメロディのジャジーな曲です。うねるようなリズムが非常に心地好いスイングを生みます。スヴェンスカによるBOのヴォーカルもこれまた心地好い響きです。
2曲目"Bara Din Bild"(4:53) 恐怖心を煽るようなストリングのサウンドのイントロとジャズ・スタイルの曲へと自然に変化行くお洒落なアレンジの曲です。LARSの不思議なスケールによるギター・ソロへも興味津々です。
3曲目"Hem I Säng"(2:48) アメリカの音楽好きのこのバンドらしいサウンドでの本格的な3コードによるブルースです。少し古っぽいギターのモノラルのようなサウンドにするあたりは流石です。
4曲目"Puss"(4:26) 一転してファンキーな曲です。ブラスのサウンドとワウ・ワウを使ったギターの音色が懐かしさを誘います。LARSのギターも"渋い"。
5曲目"Hon Är Sä Söt"(3:53) 少し悲しさを誘うピアノの調によるバラードです。ブラシによるドラムのビートとBOの歌声がコラボするスロー・ビートの素晴らしい曲です。
6曲目"Satsa Nägra Kronor Pä Mig"(3:07) この曲は、即興的な要素をふんだんに取り入れた感じの曲です。各楽器のパートが非常に生き生きとしています。BOもめずらしく後半では熱い歌声になっています。
7曲目"Mindre Smakar Mer"(3:59) 口笛と歌声を使った粋な曲です。この曲ではヨーロッパの香りが非常にします。一時期のフランス映画のサウンドトラックを思い出します。
8曲目"Häll Dig Till Den du Har"(4:09) アップライト・ベースの小刻みな演奏とBOの卓越したヴォーカルによる曲です。途中より出てくるMATS・ASPLÉNのピアノの凄いこと!
9曲目"Snäll Och Dum"(4:08) 古きよき時代のアメリカの50年代のサウンドの香りのする曲です。少しオーバーな演出が"臭い" ですが、BOのアメリカン・サウンドへのノスタルジックへの洒落が表されているでしょう。
10曲目"VI Tar In På Hotell"(3:07) オクターブ奏法のギターの調べとサックの官能的な響きによる本格的なジャズ・カルテットの演奏です。哀愁のあるBOの歌声が最高です。
全10曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット オーストリア製 (輸入盤) 収録時間:39分40秒 (合成丸出しの新宿辺りの写真とメンバーを重ねたジャケットがご愛嬌です)'10年5月5日再更新


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写真  BO KASPERS ORKESTER / Amerika
 ・1996 Epic/Sony Records   ESCA 6794

スウェーデンの知的人集団によるアメリカン・サウンドの再現・・・

このアルバムは、BO・KASPER率いるスウェーデンのチャート荒し組の3枚目のアルバムで、'97年7月21日、国内でのリリースです。彼らの殆どのアルバムは、母国語で歌われています。(2000年の[You And Me]の一部は除く)11〜13曲目は、国内盤のみのボーナストラックです。
BO KASPERS ORKESTERのメンバーは、BO・SUNDSTRÖM:ヴォーカル、LARS・HALAPI:ギター/ペダル・スティール、FREDRIK・DAHL:ドラム/ドラム・プログラミング、MICHAEL・MALMGREN:ベース、MATS・ASPLÉN:キーボード/ヴィブラフォンの5人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PER'TEXAS'JOHANSSON:テナー/アルト・サックス、MAGNUS・BROO:トランペット、MAGNUS・LINDGREN:アルト・サックス、PER・KRISTENSSON:トロンボーン、MAGNUS・PERSSON:パーカッション、S.N.Y.K.O.:ストリングス、MIA・FOLKESSON:バック・ヴォーカル、HEINZ・LILJEDAHL:バック・ヴォーカルのスウェーデンではお馴染みのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Vi Kommer Aldrig Att Dö"(4:25) いきなり夜空に向かって吹かれるようなトランペットの響きのイントロから完全にノックアウトされた曲です。LARS・HALAPIのギター・ソロが非常にかっこいいサウンドで何度聴いても全然飽きませんね。
2曲目"En Ny Skön Värld"(4:20) スネアをブラシで掃く柔らかいリズムとLARSの落着いたギターの音色とBOのヴォーカルに絡まるようなPER'TEXAS'JOHANSSONのサックス・ソロが堪りません。
3曲目"Ett & Noll"(4:07) ナイロン弦ギターの爪弾きに乗せBOの巧みなヴォーカルとジャズとボサ・ノヴァが上手く混ざったスローな好い曲です。
4曲目"Amerika"(4:27) 打込みのリズムと生のドラムのビートを上手く溶け合わせたリズムにさり気無く入るトランペットの音色と控えめなギター・サウンドが"渋い"。間奏の一部分では、あのS&Gの"Old Friends" のメロディが少し。そう言えばプロモーション・ビデオの中でLARSがギブソンのSGを弾いているのは、考えすぎかな? 暫く日本接続では観れないかったそのビデオも復活しています。
5曲目"Lika Rädd Som Du"(5:39) 気だるそうな日曜の少し暑い午後の雰囲気のする曲です。FREDRIK・DAHLのブラシで払うような気だるいスネアでのビートに釣られてBOの歌声も更に気だるそうです。
6曲目"Kvarter"(3:25) 何とスヴェンスカ・カントリー・ウェスタンです。ペダル・スティールにツボを押さえたギターのサウンドです。ここまでのサウンドを操るとは、恐るべしBO KASPERS ORKESTERです。
7曲目"Är Det Där Vi Är Nu"(4:22) スローなメンフィス調のブルースの曲です。ワウ・ワウを使った少し哀しげなギター・サウンドとスヴェンスカによる歌声が妙にマッチしています。
8曲目"En Världsomsegling Under Havet"(4:51) 一度聴いたら忘れられないイントロと何処かNEIL・YOUNG風のギターのカッティングと聴き覚えの有るピアノでの旋律とウッドベースのリズム、手を変え品を変え繰り出される彼らの凝ったメロディとアレンジでの曲。
9曲目"Du Kan"(4:39) 品の良いダンサブルなリズムの曲で、お洒落なLARSのギターとPERのサックスの掛け合いは、申し分なしです。"Du Kan" 「君なら出来る」ってうぅぅ〜と歌うBOが好いですね。
10曲目"Gott Nytt År"(5:19) お待ちかね"まったり感" の漂う昼下がり音楽の登場です。ジャズ・カルテットによるお洒落なメロディとサウンドを聴かせる落着いた調べがゆったりと流れて来ます。また、BOの歌声のバックに響くMIA・FOLKESSONの歌声が堪りませんね。
以下は、国内盤によるボーナストラックです。
11曲目"Vi Kommer Aldrig Att Dö(Remix)"(3:53) 打込みを強化したタイトな響きを持たせたアレンジです。何故か大好きなLARSのギター・ソロが削られているのが非常に残念です。
尚、LARSは、このアルバムを最後にグループを脱退しています。
12曲目"Köpenhamn(Radiomix) "(4:05) オリジナル曲は、彼らの1枚目[Söndag I Sängen]に収録されています。スクラッチと打込みを付加えた非常にタイトな仕上がりとなっています。
13曲目"Svårt Att Säga Nej"(2:38) このアルバムが発売された時点では未発表の曲です。'99年のベストに収録されていますが、このアルバムでの収録は、'99年のシングル曲でのLISA・EKDAHLとのデュエットではなく多分GRETA・FOLKESSONが参加していると思います。
10曲歌詞(ボーナス・トラックは記載なし)/10ページ物訳詞付 8ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:56分16秒 (コンスタントにアルバムをリリースしている彼らですが、最近の盤は国内での入手は年々難しくなっています)'10年5月5日再更新
1996年度ベスト5


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・1996 SONY MUSIC ENTERTAINMENT (SWEDEN) AB. COL 485119-2

写真

Amerika
1曲目"Vi Kommer Aldrig Att Dö" 2曲目"En Ny Skön Värld" 3曲目"Ett & Noll"
4曲目"Amerika" 5曲目"Lika Rädd Som Du" 6曲目"Kvarter" 7曲目"Är Det Där Vi Är Nu"
8曲目"En Världsomsegling Under Havet" 9曲目"Du Kan" 10曲目"Gott Nytt År"
全10曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット オーストリア製 (輸入盤) 収録時間45分37秒
(スウェーデンのオークションに出品されたサイン入り盤です)


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写真  BO KASPERS ORKESTER / I Centrum
 ・1998 Sony Music Entertainment (Sweden) AB.   COL 489734 2

残念ながらこのアルバムからLARSが・・・

このアルバムは、BO KASPERS ORKESTERの4枚目のアルバムで '98年9月28日本国でのリリースです。
BO・SUNDSTRÖM:ヴォーカル、FREDRIK・DAHL:ドラム/ドラム・プログラミング、MICHAEL・MALMGREN:ベース、MATS・ASPLÉN:キーボード/ギターの4人組です。
前作[Amerika]までグループに在籍していたギターのLARS・HALAPIが、他のミュージシャンのプロデューサーとして活躍する為、残念ながらこのアルバムからグループを脱退しています。
そのLARSの代わりギタリストとしてJOHAN・LINDSTRÖM、MATTIAS・TORELL、ROBERT・ÖSTLUNDらが曲毎に参加しています。
その他、アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、RENÉ・MARTINEZ:パーカッション、FREDRIK・GILLE:パーカッション、CHARLIE・MALMBERG:オーケストラ・アレンジ、JOAKIM・MILDER:ホーン・アレンジ、JOHAN・AUGUSTSSON:フルート、PETER・FRIDHOLM:フルート、 PETER・ASPLUND:トランペット、PER'TEXAS'JOHANSSON:サックス、NIKLAS・FRANSSON:トロンボーン、 ANDERS・LAGERQVIST:ストリングス、ANNETTE・MANNHEIMER:ストリングス、CHRISTIAN・BERGQVIST:ストリングス、ELISABETH・ARNBERG・RANMO:ストリングス、ELISABETH・BODÉN:ストリングス、HANNA・GÖRAN:ストリングス、HANS・ÅKESSON:ストリングス、HELENA・NILSSON:ストリングス、JENNY・EKLUND:ストリングス、KLAS・GAGGE:ストリングス、LENA・RÖJDER:ストリングス、MIKAEL・SJÖGREN:ストリングス、PER・HAMMARSTRÖM:ストリングス、SARA・NISONEN・ÖMAN:ストリングス、SVEN・H. MARTINSEN:ストリングス、TONY・BAUER:ストリングス、TORBJÖRN・BERNHARDSSON:ストリングス、ULF・FORSBERG:ストリングス、ULRIKA・EDSTRÖM:ストリングス、ULRIKA・FRANKMAR:ストリングス、ÅSA・STOVE・PAULSSON:ストリングス、HENRIK・JANSON:ストリングス・アレンジ、ULF・JANSON:ストリングス・アレンジのスウェーデンのミュージシャン達です。

1曲目"Allt Ljus På Mig"(4:15) 英語盤で"The Spotlight Is On Me" と言うタイトルを付けられたアシッド・ジャズなナンバーです。バックで流れるファンクなキーボードとストリングスらしいサウンドによる"イカシタ"曲です。
2曲目"En Jävel Vid Mitt Öra"(3:19) ラウンジ・スタイルのジャジーのサウンドとスイングするビートによる曲でBOの早口なスヴェンスカでの歌声も見事です。
3曲目"Undantag" (4:18) 英語盤で"You And Me" と歌われるボサ・ノヴァのリズムによる曲です。ラテンの香りのするマリアッチのご機嫌なサウンドも聴き応えがあります。ハバナの海岸をご機嫌に散歩するBOのビデオもどうぞ!
4曲目"Cigarett"(2:50) ノスタルジアを感じるアップライト・ピアノの音色とブラシによるドラムのビートが心地好い3分に満たない小さな曲です。
5曲目"Vissa Har Det"(4:02) エレクトロニカの要素を含んだアーバン・コンテンポラリーな曲です。クラビネットのクールなサウンドと心地好いバック・ヴォーカルが最高の曲です。
6曲目"Semester"(3:40) 大好きな曲の登場です。英語盤で"Vacation" とタイトルの付いたBOの曲らしい何処か気だるさを感じる曲調で、後半の盛り上がり方はやはり最高です。
7曲目"Fyrarättersmål"(2:39) 日本の歌謡曲の雰囲気と同じものを感じる曲です。哀愁漂うナイロン弦ギターのサウンドとBOのやる気なさそうなヴォーカルとが非常にマッチした曲です。
8曲目"Innan Jag Sa Hej"(2:47) 特徴的な高いキーでのピアノの調べとスリル感を煽る不思議なメロディと底を流れるベースのサウンドで来るアルバム[Kaos] へと繋がる曲調です。
9曲目"Bröllopsresan"(2:17) この曲も懐かしさを感じるノスタルジックな曲です。パリの下町を散歩している時に鼻歌交じりに自然と出てくるようなメロディのような2分少々の曲です。
10曲目"Finnas Bättre Till"(3:28) ジャジーなピアノのサウンドと"フル・アコ" のふくよかなギター・サウンドによる曲です。デビュー・アルバムでよく演奏された洒落たスタイルの曲でもあります。
11曲目"Önska Dig En Stilla Natt"(3:02) アコースティック・ギターの弾き語り風の曲です。JOHAN・LINDSTRÖM;のスライド・ギターの調べと土の香りする曲です。皮肉にもグループを抜けたLARSの大好きな曲調でこのアルバムは、幕を閉じます。
全11曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット オーストリア製 (輸入盤) 収録時間:36分40秒 (本国で非常に人気の高いB.K.O.です。4枚目のアルバムとなるとサウンドから余裕すら感じさせられます。またメイン・ヴォーカルのBO "KASPER" SUNDSTRÖM もソロ・アルバムをリリースしています)'10年5月8日再更新
1998年度ベスト5


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・1998 Epic Records   ESCA 7410

写真

I Centrum
1曲目"Allt Ljus På Mig" 2曲目"En Jävel Vid Mitt Öra" 3曲目"Undantag"
4曲目"Cigarett" 5曲目"Vissa Har Det" 6曲目"Semester" 7曲目"Fyrarättersmål"
8曲目"Innan Jag Sa Hej" 9曲目"Bröllopsresan" 10曲目"Finnas Bättre Till"
11曲目"Önska Dig En Stilla Natt" 12曲目"Undantag(Weekend Remix)"(3:43)
13曲目"Ser Du Stjarnan I Det Bla(Instrumental Version)"(5:27)
「星に願いを」インストゥルメンタル
11曲歌詞/訳詞付 8ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間45分53秒
(国内盤は、輸入盤の裏ジャケット写真仕様 2曲ボーナス・トラック付 '98年12月2日にリリース)


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写真  BO KASPERS ORKESTER / You And Me
 ・2000 SONY MUSIC ENTERTAINMENT (SWEDEN) AB.   COL 499754 2

HPでも紹介されていない英語ヴァージョン集・・・

スウェーデンのBO KASPERS ORKESTERの5枚目('99年のベスト盤[Hittills] は含まない)にあたるアルバムですが、何故かHPでも紹介されていない7曲の英語ヴァージョン含むアルバムです。裏ジャケットは '98年の[I Centrum] と同じ写真を使っています。フランス辺りだけで販売されている盤でリリースは '00年です。
[I Centrum] と過去のアルバムでの曲が同じ場合は、同一レビューを記載しています。
このアルバムでのBO KASPERS ORKESTERのメンバーは、BO・SUNDSTRÖM:ヴォーカル、FREDRIK・DAHL:ドラム/ドラム・プログラミング、MICHAEL・MALMGREN:ベース、MATS・ASPLÉN:キーボード/ギターの4人組です。
アルバムの収録に参加している他のミュージシャンについては、記載が無いので割愛させて頂きます。

1曲目"You And Me"(4:19) 11曲目"Undantag"の英語ヴァージョンです。切ない響きを持つピアノのイントロとボサ・ノヴァのリズムに乗せBO・KASPERの解り易い英語による歌詞での曲です。
2曲目"Dinner On The Floor"(2:39) 前出の[I Centrum] の収録曲"Fyrarättersmål" の英語版です。MATS・ASPLÉNの弾くスパニシュ・ギターの爪弾きによるスローでラテン・フレイヴァーな曲です。
3曲目"Vacation"(4:07) この曲も[I Centrum] の"Semester" の英語版です。ジャズ・スタイルのピアノ伴奏とボサ・ノヴァ・スタイルのBOのヴォーカルによるスローな曲で、どこか懐かしさを感じる曲です。後半のキーボードによる盛り上がり方は、圧巻です。
4曲目"The Spotlight Is On Me"(4:14) [I Centrum] の"Allt Ljus Pa Mig" の英語版です。ややダークなイメージのするキーボードのサウンドとワウ・ワウを使ったギターのカッティング・サウンドによるファンキーな曲で70年代のソウル・ミュージックをアップデートしたようです。
5曲目"Nothing At All"(4:04) 2枚目のアルバム[På Hotell]の"Ingenting Alls" の英語版です。オリジナル曲より明るくアップテンポなギターと女性バック・ヴォーカルを追加しゴージャスな雰囲気を出しています。
6曲目"Devil On My Shoulder"(3:20) [I Centrum] の"En Jävel Vid Mitt Öra" の英語版です。アシッド・ジャズ・スタイルのピアノとBOの"クール" なヴォーカルによる。クレジットの記載は、無いのですが、間奏のサックス・ソロは、多分 PER'TEXAS'JOHANSSONでしょう。
7曲目"We Will Never Die(remix)"(3:53) 3枚目のアルバムの"Vi Kommer Aldrig Att Dö(remix)" の英語版です。サウンドは、remix版と同じでBO・SUNDSTRÖMのヴォーカルの部分を英語ヴァージョンにて再収録しています。歌詞はスヴェンスカをそのまま英語にしたようで詞の内容が解り易くなりました。
8曲目"Svårt Att Säga Nej"(3:25) '99年のシングル曲で一度聴いたら忘れられない少女っぽいヴォーカルは、LISA・EKDAHLです。BOとのデュエット曲で昼下がりの気だるい午後を感じさせる曲でシングル・カットされた曲です。3枚目のアルバム[Amerika] の国内盤ボーナス・トラックとして収録されていますが、LISAのヴォーカルは、入っていません。
9曲目"Det Gar En Man Omkring I Mina Skor"(2:37) ファースト・アルバム[Söndag I Sängen] に収録されている曲です。ビックバンドで演奏されるスタンダード・ジャズのイメージに近い曲で、アウトロにはレコード盤のトレース・ノイズを配した演出です。
10曲目"I Botten På Glaset"(3:51) この曲もファースト・アルバム[Söndag I Sängen] に収録されている曲で、本格派ジャズ・カルテットによる非常にスムーズな調べを聴かせるボサ・ノヴァのリズムの曲です。スヴェンスカで歌われても全然違和感の無い大人の為のミッドナイトサウンドです。LARS・HALAPI(SOPHIE・ZELMANI,GLORIA) の流れるように繰り出されるウォーム・トーンのギター・ソロが非常に心地好いのです。
11曲目"Undantag"(4:17) '98年の[I Centrum]での収録曲と同じです。ラテンの香りのするメロディとメキシコのマリアッチ・ホーンによるサルサでしょうか。カントリーからジャズまで巧みに披露するB.K.O.音楽の幅の広さと懐の深さを垣間見る作品です。
全11曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット オーストリア製 (輸入盤) 収録時間:40分51秒 (色々調べてみましたがやはりこのアルバムの事は不明な点が多いです)'10年5月8日再更新


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写真  BO KASPERS ORKESTER / Kaos
 ・2001 SONY MUSIC ENTERTAINMENT (SWEDEN) AB.   COL 50233 2

無国籍のサウンドとB.K.O.・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍するBO KASPERS ORKESTERの7枚目('00年の英語盤[You And Me]とベスト盤[Hittills]を含む)のアルバムで '01年9月5日本国のみのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、BO・SUNDSTRÖM:ヴォーカル、FREDRIK・DAHL:ドラム、MICHAEL・MALMGREN:ベース、MATS・ASPLÉN:キーボードの他、ROBERT・ÖSTLUND:ギター、JOHAN・LINDSTRÖM:ギター/ペダル・スティール/ストリングス・アレンジ、JOAKIM・MILDER:ストリングス・アレンジ、HENRIK・JANSON:ストリングス・アレンジ、ULF・JANSON:ストリングス・アレンジ、PER'RUSKTRÄSK'JOHANSSON:サックス、PER'TEXAS'JOHANSSON:サックス、STOCKHOLM SESSION STRINGS:ストリングス、GORAN・KAJFEŠ:トランペット、PETER・ASPLUND:トランペット、 HANS・ÅKESSON:ヴィオラ、TONY・BAUER:ヴィオラ、ÅSA・KARLSSON:ヴィオラ、ANNETTE・MANNHEIMER:ヴァイオリン、CHRISTIAN・BERGQVIST:ヴァイオリン、DAG・ALIN:ヴァイオリン、HANNA・GÖRAN:ヴァイオリン、JANNIKA・GUSTAFSSON:ヴァオリン、SVEIN・H.MARTINSEN:ヴァイオリン、TORBJÖRN・BERNHARDSSON:ヴァイオリン、ULF・FORSBERG:ヴァイオリンの前作同様にスウェーデンの有名ミュージシャンが参加しています。
尚、このアルバムには、"Ett Fullkomligt Kaos" のビデオ・クリップ(T-6 テキサン練習機のレンタル費用ってどれぐらいかな)付きです。

1曲目"Människor Som Ingen Vill Se"(5:14) ワウ・ワウを使ったギターの調べとドラムのビートによるスローでファンクなリズムによる曲です。BOの相変わらず肩を張らずリラックスした歌いぶりも健在です。
2曲目"Ett Fullkomligt Kaos"(3:03) シングル・カットされたカントリー調の心地好いメロディとリズムの曲です。BOのスヴェンスカの歌詞による歌声が何故か嬉しそうに響き、不思議と違和感なくアメリカン・スタイルのサウンドが融合しています。どこかで聴覚えのある曲みたいですね。N.Y.のカーボーイ映画...
3曲目"Ett Ögonblick I Sänder"(3:52) 心地好いドラムとパーカッションのビートによるミドル・テンポのポップな曲です。多分、ギターにJOHAN・LINDSTRÖMが参加していると思います。
4曲目"Det Smartaste Jag Gjort"(4:07) ゴスペル調のメロディとサウンドによるミドル・テンポのナンバーです。オルガンの音色と固めギターのサウンドでのギター・ソロが心地好い曲です。
5曲目"Kasta Något Tungt"(4:27) ラウンジ・スタイルで奏でられるピアノ調べとBOのリラックスしたヴォーカルによるイージー・リスニング的に流れるナンバーです。
6曲目"En Tur På Landet"(2:57) 1枚目か2枚目のアルバムのジャジーなサウンドに近い曲です。華麗な変調とスリリングなストリングスとジャジーなハモンドのサウンドによる粋な曲です。
7曲目"Det Vi Tycker Om"(4:51) 美しいSTOCKHOLM SESSION STRINGの弦楽器の調べをイントロに用いた展開からファンクなビートに乗せたPER'TEXAS'JOHANSSONとPER'RUSKTRÄSK'JOHANSSONのサックスの音色によるミドル・テンポのブラック・ミュージックの影響を窺える曲です。
8曲目"Vackert Land"(3:00) 躍動的なドラムとパーカッションによる中近東風のサウンドによる一風変わったリズムの曲です。無国籍サウンドを意識したB.K.O.の新しいサウンドへの展開です。彼らのアルバムでいつも思うのですが、本当に掴みどころ無く本性を滅多に表さないサウンドに感心させられます。
9曲目"Det Är Inte Mig Det Är Fel På"(3:20) 3枚目のアルバムのサウンドに近いカントリー調の曲です。ペダル・スティールは、ご存知JOHAN・LINDSTRÖMでしょう。
10曲目"Innan Klockan Slagit Tolv"(2:49) スローで厳かに演奏されるストリングスと美しいピアノの調べによる曲です。BOの歌声もスローに丁寧に歌われ終始厳かにこのアルバムは、幕を閉じます。
全10曲歌詞付 16ページ物豪華写真ブックレット/映像特典付き (輸入盤) 収録時間:37分44秒 (B.K.O.のアルバムは、全て素晴らしい曲が収録されていますが、日本への紹介が年々少なくなっているのが残念です)'10年5月8日再更新


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写真  BO KASPERS ORKESTER / Vilka Tror Vi Att Vi Är
 ・2003 Sony Music Entertainment (Sweden) AB   col 5126982

皮肉にも抜けたLARSの好み・・・

このアルバムは、BO・KASPER率いるスウェーデンのBO KASPERS ORKESTERの8枚目(2000年の[You And Me]と[Hittills]を含む)にあたるアルバムで本国でのリリースは '03年9月24日です。
BO KASPERS ORKESTER(以下B.K.O.)のメンバーは、BO・SUNDSTRÖM(KASPER):ヴォーカル/ギター、MICHAEL・MALMGREN:ベース、FREDRIK・DAHL:ドラム、MATS・SCHUBERT(ASPLÉN):ギター/キーボードの4人組みです。
アルバムの収録には、B.K.O.のメンバー以外にJOHAN・LINDSTRÖM:アコースティック・ギター/ストリングス・アレンジ、OLA・GUSTAFSSON:バンジョー/ギター、PER'TEXAS'JOHANSSON:サックス、PER'RUSKTRÄSK'JOHANSSON:サックス、GORAN・KAJFEŠ:トランペット、PABLO・CEPEDA:コンガ、STOCKHOLM SESSION STRINGS(ULF・FORSBERG、KATI・RAITINEN、TONY・BAUER、ANNETTE・MANNHEIMER)のベテラン勢が参加しています。

1曲目"När Du Klär Av Dig"(4:11) BOのスキャット・ヴォーカルからスタートする癒し系のリズムと心地好いハモンドのサウンドでの曲です。アメリカの中南部の少し土臭いサウンドを意識した曲調となっています。
2曲目"Vilka Tror Vi Att Vi Är"(4:10) BO KASPERS ORKESTERのファンにとっては堪らないサウンドの曲で、多分鳥肌が立つでしょうね。シンプルなサウンドの曲ですが、リズムとメロディの流れが非常にB.K.O.らしいのです。ついついCDプレーヤのリピートボタンを押してしまいます。
3曲目"Långsamt"(4:07) バンジョーを使ったカントリータッチのメロディとサウンドの曲です。OLA・GUSTAFSSON(LARS・WINNERBÄCK,etc.)がバンジョー/ギターを担当しています。面白い事にREBECKA・TÖRNQVISTの[Vad Jag Vill]での収録曲の"Inget Att Dö För" のLARSのギターのサウンドに似ているところが興味深いです。
4曲目"Sockerdricka Och Sprit"(3:30) この曲のサウンドは、非常に80年代のソウルシーンの心地好い乗りとギターのカッティング・サウンドとブラスの音色にSTEELY DANの影響が感じられます。
5曲目"Dansa På Min Grav"(3:38) アコースティック・ギターの美しい調べにBOの憂いのある歌声が似合うスローな曲です。バックで流れる心地好いスライド・ギター/ペダル・スティールはJOHAN・LINDSTRÖMの演奏です。尚、曲名を翻訳ツールに張付けたら「私の墓の上で踊ろう」と面白いタイトルとなっています。
6曲目"Lycka Till"(4:35) シンプルなギターコードによる叙情的なフォーキーな曲です。後半よりのBOのスキャットを使った歌声と"カントリー・フレイヴァー" なサウンドの展開が印象に残る曲です。
7曲目"Väljer Dig"(3:45) B.K.O.にしてはめずらしいポップ調の曲の登場です。弾ませたように鳴るキーボードのサウンドとPERコンビのサックスがご機嫌なサウンドの曲です。
8曲目"Bara För Din Skull"(4:12) スローなフォーク調の曲で、BOの呟くように歌う歌声にささやかなピアノとサックスの演奏が付けられた落ち着いた曲です。
9曲目"Ont"(3:47) カントリー調のロックのリズムの曲です。バックでOLA・GUSTAFSSONがギターで"渋く" 決めています。
10曲目"Allt Är Som Förut"(3:52) この曲は、初期のB.K.O.のサウンドの持ち味に近い曲です。古いシュアーのマイクで拾ったような篭らせたヴォーカルの歌声と寂れた街の片隅のジャズ・バーでの演奏されていそうな雰囲気です。
尚、CDの特典として"Långsamt"(4:21) のスタジオ・ライヴのビデオクリップが付いています。いつもの帽子にマーティンのアコースティック・ギターを下げて楽しく歌うBOの姿が収録されています。
全10曲歌詞付 16ページ物豪華写真ブックレット/映像特典付き (輸入盤) 収録時間:40分10秒 (アルバム全体のサウンドは、皮肉にも '96年に抜けたLARS・HALAPIの好みカントリー・ロックな曲が多く収録されています)'10年5月10日再更新


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写真  BO KASPERS ORKESTER / Hund
 ・2006 SONY MUSIC ENTERTAINMENT (SWEDEN) AB   82876 88125 2

バラエティーに富んだB.K.O.・・・

スウェーデンで活躍するベテラン・グループBO KASPERS ORKESTERの9枚目(2000年の[You And Me]と[Hittills]を含む)にあたるアルバムで、本国でのリリースは '06年9月10日です。
今回もアルバムの収録には、B.K.O.のメンバー以外に御馴染みのJOHAN・LINDSTRÖM(REBECKA・TÖRNQVIST):ギター、OLA・GUSTAFSSON(MONICA・STARCK):ギター、PER'RUSKTRÄSK'JOHANSSON:サックス、GORAN・KAJFEŠ:トランペット、VANDERS・NORÉN:ヴィオラ、DIANA・CRAFOORD:ヴィオラ、ANDERS・FORSMAN:ヴァイオリン、ANNA・RODELL:ヴァイオリン、DANIEL・MIGDAL:ヴァイオリン、ERIK・ARVINDER:ヴァイオリンのスウェーデンのミュージシャン達が参加しています。
尚、アルバム・タイトルの[Hund]は、英語のHoundの事で、ジャケットに猟犬が登場しています。

1曲目"Hund"(4:27) 70年代初頭のグラム・ロックを現代に再現したメロディとサウンドです。単調さを意識したリズムの繰り返しに、懐かしく響く細やかなギターのリフを重ね合わせた曲です。
2曲目"En Man Du Tyckte Om"(4:07) 妙にポップさを増した曲の登場です。サウンドの傾向は同じくスウェーデンで活躍するLISA・MISKOVSKYのサウンドにも通じるアコースティック・ギターの音色によるカントリー・ポップな曲です。ギミックなギターのフレーズは、JOHAN・LINDSTRÖMの演奏でしょうか。
3曲目"I Samma Bil"(3:51) イントロのギターと打込みのベースのサウンドが印象的な曲です。ベース・ランニングを強調した心地好いリズムの流れにストリングスを加えたアレンジでの収録です。どうもコードを用いてベースを弾いているのは、BO自身のようですね。
4曲目"När Du Rör Dig"(4:04) ドラム・マシーンの音色に近いビートによるミドル・テンポの曲です。この曲もテクノ・ポップの流れを汲んだキーボードの音色と無機質さを表現したリズムの刻みです。バック・ヴォーカルは、ELISABETH・LYNCH(詳細は不明)です。
5曲目"Leende Med Kniv"(3:54) この曲は、イントロから痺れましたね。バックワード・ギターの不思議な音色にツイン・タムタムのビート打ちが心地好い曲です。バックで流れる細やかなギター・サウンド(多分、JOHAN・LINDSTRÖM)とワイドに広がるギターを組み合わせた粋なアレンジです。
6曲目"En Dag Att Bli Kär På"(4:37) スローで哀愁を漂わせたシンプルな曲です。切なさを表したBOの歌声をスローなブリット・ロックの調べとストリングスを加えた美しいサウンドに乗せています。
7曲目"Som Du Som Jag"(4:14) 一発でJOHAN・LINDSTRÖMと分かる特徴的なギターのサウンドの曲です。ロカビリー調にヴィブラートを付けたギターのサウンドを中心に繰り広げられる乗りの好いロックのリズムとスライド・ギターを被せています。
8曲目"Sen Du Försvann"(4:10) B.K.O.の新しい音楽の方向性を示唆するクラブ・アシッド系のロックの曲です。JOHANとOLAの2人からの新しいサウンドの流れとB.K.O.の持ち味を融合したようです。うねりを持ったリズムの流れに次々と登場するギミックサウンドをショールーム的に紹介しているようです。
9曲目"En Helt Annan Värld"(3:47) この曲は非常にB.K.O.らしい曲で、前々作のカントリー・ポップ調の流れを汲んでいます。心地好いアコースティック・ギターのサウンドにJOHANのスライド・ギターでサウンドに厚みを増した収録です。
10曲目"Feber"(4:40) 中近東風のメロディとサウンドによる意欲作です。リヴァーブを効かせたギターの特徴的なサウンドとハンド・クラップに乗せ歌うBOの歌声も何時になく熱く響きます。
11曲目"Den Enda Som Ser"(4:17) 哀愁のメロディによるBOの悲しげな歌声が心に響くアコースティック・ナンバーです。悲しみに耐えるように演奏されるピアノの調べとソプラノ・サックスの音色が空虚さを表しています。
全11曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:46分13秒 (バラエティーに富んだB.K.O.のアルバム、今回も1曲目からラストの曲まで一挙に聴かせます。本国では非常に人気が高いバンドであることを再認識させられます)'10年5月10日再更新


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写真  BO KASPERS ORKESTER / 8
 ・2008 SONY BMG MUSIC ENTERTAINMENT (SWEDEN) AB   88697 38499 2

相変わらず根強い人気を誇っています・・・

このアルバムはスウェーデンで活躍しているBO KASPERS ORKESTERのアルバム・タイトル通り8枚目('99年のベスト盤[Hittills]と '00年のコンピ盤[You And Me]は含まない)アルバムになります。本国でのリリースは '08年9月24日となっています。
尚、このアルバムに参加しているミュージシャンはB.K.O.のBO・SUNDSTRÖM:ヴォーカル、FREDRIK・DAHL:ドラム、MICHAEL・MALMGREN:ベース、MATS・SCHUBERT:キーボードの4人にPETER・ASPLUND:トランペット、GORAN・KAJFEŠ:トランペット、MATTIAS・BLOMDAHL:ギター、PER'RUSKTRÄSK'JOHANSSON:サックスのお馴染のメンバーとANN-CHRISTIN・WARD:ヴィオラ、HANS・ÅKESSON:ヴィオラ、ÅSA・KARLSSON:ヴィオラ、ANETTE・MANNHEIMER:ヴァイオリン、BO・SÖDERSTRÖM:ヴァイオリン、CHRISTIAN・BERGQVIST:ヴァイオリン、HANNA・GÖRAN:ヴァイオリン、JAN・ISAKSSON:ヴァイオリン、JANNIKA・GUSTAFSSON:ヴァイオリン、PER・SPORRONG:ヴァイオリン、TORBJÖRN・BERNHARDSSON:ヴァイオリンのSTOCKHOLM SESSION STRINGSのお馴染のメンバーと新生バック・ヴォーカルにNIKLAS・GABRIELSSON、FRIDA・ÖHRM(OH LAURA)、DAVID・NYSTÖMの若手が参加しています。

1曲目"Stunder Som Den Här"(4:58) 適度にエレクトロニカのサウンドを使ったアコースティック調の曲です。聴き慣れたBOのスヴェンスカによる歌声とバックのパーカッシヴなリズムの流れに後半では、PETER・ASPLUNDのトランペットの調べも心地好く流れます。
2曲目"Innan Allt Försvinner"(4:28) エレクトロニカ・レゲエ/スカのモーショナルなリズムとビートによるミドル・テンポの曲です。ユニゾンで収録されたBOの少し冷めた歌声にエレクトロニカのリズムが似合います。
3曲目"Dom Tar Dig Ifrån Mig"(3:23) イントロからBOの切ない歌声が響くスローなトロピカル・ナンバーです。ファルセットで歌うBOの歌声とオルガンの調べも切なく聴こえます。後半からは、どこかで聴き覚えのあるメロディも流れるのです。
4曲目"Brev"(4:21) サウンドを少しロック寄りのスウェディッシュ・ポップで展開される清涼感のあるストレート・ナンバーです。バックの女性ヴォーカルは、多分FRIDA・ÖHRM(BOとFRIDAは '07年にコラボ・アルバムをリリース)と思われます。
5曲目"Så Enkelt"(3:39) 一転してメランコリックな調べによるB.K.O.の得意とするサウンドの曲です。相変わらず気だるさのあるリズムの運びと憂いを感じさせるBOの歌声との調和は見事です。
6曲目"November"(4:23) アメリカンなサウンドとメロディを聴かせるミドル・テンポのナンバーです。この曲もリズムとメロディに聴き覚えのある響きですが、心地好いスライド・ギターのアコースティックな響きが良いのです。
7曲目"Det Blir Bättre Sen"(4:28) エレクトロニカのサウンドとリズムを全編に流したB.K.O.の持ち味からは、少し離れたところに位置する曲です。控え気味のドラム"ン" ベースのサウンドにBOの歌声をトレースするバック・ヴォーカル陣の歌声が心地好く響きます。
8曲目"Människor Är Djur"(4:08) この曲も今までのB.K.O.の曲とは少し違ったサウンドを奏でた煌びやかでゴージャス感を感じさせる曲です。インパクト的に奏でられるキーボードのサウンドは、PREFAB SPROUTの影響かな?
9曲目"Jag Fann En Bok"(2:55) 一転して土臭いサウンドを放つバンジョーとアコースティック・ギターのサウンドによるシンプルなメロディとゆったりとしたリズムの曲です。収録曲の練習の合間のさらっと流される清涼飲料水的な曲になっているのでしょう。
10曲目"Tack För Konserten(Din Jävel)"(5:07) 何故か懐かしいサウンドとメロディを感じさせる曲です。BOの「サヨナラの挨拶」に聴こえるアルバムの最後に収録された古き良きブリティシュ・テイストを感じさせるのです。
全10曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:41分53秒 (本国で根強い人気を持つB.K.O.このアルバムもリリース直後、初チャート・イン2位となっています)'10年5月10日再更新


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写真  BREATHE / All That Jazz
 ・1987 SIREN RECORDS/A&M RECORDS,INC.    A&M SP 5163

想い出深い青春に捧げます・・・

このアルバムは、イギリスのロンドンで活躍していたブルーアイド・ソウル系ロック・バンドBREATHEの '87年にリリースされたデビュー・アルバムです。
BREATHEのメンバーは、DAVID・GLASPER:ヴォーカル、MARCUS・LILLINGTON:ギター/キーボード、IAN・SPICE:ドラム、MICHAEL・DELAHUNTY:ベースの4人組です。 プロデューサーは、CHRIS・PORTER(TAKE THAT)とBOB・SE(A)RGEANT(HAIRCUT ONE HUNDRED)が担当しています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、ANDY・SCOTT:ギター/バック・ヴォーカルで、収録曲の大半の演奏は、BREATHE自身にて行われています。
尚、アルバムのクレジットには、収録期間 '85年6月〜 '87年7月とじっくり作り込みされた事が記述されています。
また、本アルバムのCD2枚組化は、'90年に2枚目のアルバム[Peace Of Mind]と組合わされ再リリースされています。

1曲目"Jonah"(3:37) 重く響くベースのサウンドとバス・ドラムのビートがイントロから流れるブリティシュ・ファンク然とした曲です。DAVIDのソウルフルで滑らかな歌声に軽やかなMARCUSのギターの刻みとのコラボを楽しみましょう...。
2曲目"All That Jazz"(4:12) この曲のイントロは、何度も痺れさせてくれましたね。煌びやかでゴージャスなサウンドにファンクなリズムは、当時のブリティシュ・バンドの持ち味なのですが、BREATHEの場合、メロディ・ラインが非常に心地好さとスタイリッシュな乗りを与えてくれるのです。
3曲目"Monday Morning Blues"(3:58) 前の曲に続いて軽めのファンクなリズムの曲の登場です。丁度、STEELY DAN Meets SIMPLY REDって感じですね。そう言えばSIMPLYのMICK・HUCKNALLとDAVIDの歌声は似ていますね。
4曲目"Hands To Heaven"(4:19) 大好きな曲の登場です。この曲もイントロの響きから鳥肌の立つ自分に気付かされるのです。本当に当時のイギリスのミュージシャンのかっこ良さを目(耳)の当たりにしましたね。ごちゃごちゃ書きませぬ是非、聴いて下され。
5曲目"All This I Should Have Known"(3:49) 厳かなドラムの響きとキーボードの調べに乗せていつもより高い目のキーで歌い出されるスローな曲です。バックで響く非常に美しいハーモニーが次第に広がり、重厚なサウンドへと盛り上がりも素晴らしく響きます。
6曲目"Any Trick"(4:01) この曲も非常にファンクなリズムと乗りの良さを感じさせるミドル・テンポの曲ですね。DAVIDのブルーアイド系のソウルフルな歌声とホーンによるサウンドのメリハリが印象的です。
7曲目"Liberties Of Love"(3:32) 今度は、シンセ・ベースで重い目のサウンドとエレクトロニカ風味の響きを感じさせるファショナブル・ポップなサウンドを聴かせる曲です。間奏のMARCUSのギター・ソロもご機嫌な流れを聴かせます。
8曲目"Won't You Come Back?"(6:00) B面で最高の乗りを聴かせる曲の登場です。1分45秒以上あるイントロが非常にかっこ良いのです。DAVIDの懇願した歌声とエモーショナルなバックのサウンドが響いてきます。
9曲目"Don't Tell Me Lies"(3:42) 一転して非常にエレクトロニカ・ダンス・ポップなリズムとサウンドを聴かせる曲です。当時のイギリスのバンド達が持っていた明かるいサウンドをリフレインで聴かせたピュア・ポップ感を感じます。
10曲目"How Can I Fall?"(4:44) アルバムの最後は、この素敵なバラードで締め括ります。DAVIDの優しくも切ない歌声と愛する人への想いを綴った歌詞がまた切ないですね。まぁ、インダストリアル・ロック的な感じがするところは、20年以上も前の曲としてお許し頂きたく。
歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:42分49秒 (2枚のアルバムとベスト盤1枚のみを残しての短い活動となったこのBREATHEですが、当時の儚い青春そのもの感が伝わってきます。尚、収録時間は、当時のLP盤に記載されている時間表示として記録しました)'10年5月10日再更新
1987年度ベスト5


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写真  BREATHE / Peace Of Mind
 ・1990 SIREN RECORDS/A&M RECORDS,INC.    A&M 75021 5320 1

セールス的には・・・

このアルバムは、80年代後半のロンドンで活躍したBREATHEの '90年にリリースされた2枚目のアルバムです。
このアルバムでのBREATHEのメンバーは、DAVID・GLASPER:ヴォーカル、MARCUS・LILLINGTON:ギター/キーボード、IAN・SPICE:ドラムの3人組で残念ながらオリジナル・メンバーのMICHAEL・DELAHUNTY:ベースは、前作[All That Jazz] 収録後の '86年に脱退しています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JIM・WILLIAMS:ギター、JAZ・LOCHRIE:ベース、CHARLIE・MORGAN:ドラム、DANNY・SCHOGGER:キーボード、RICHARD・COTTLE:キーボード、GEORGE・FAME:オルガン、BOB・SERGEANT:オルガン、PHIL・SMITH:サックス、STEVE・SIDWELL:トランペット、NEIL・SIDWELL・トロンボーン、MARC・FOX:パーカッション、RAY・JACKSON:ハーモニカ、JOHN・GALLEN:タンバリン、ANDY・CANE:バック・ヴォーカル、JULIET・ROBERTS:バック・ヴォーカル、CAROL・KENYON:バック・ヴォーカル、BEVERLY・CRAVEN:バック・ヴォーカルのイギリスのベテラン勢が参加しています。
尚、プロデュースは、前作でのBOB・SE(A)RGEANT(THE LOTUS EATERS)とBREATHE自身が担当しています。

1曲目"I Hear You're Doing Fine"(4:23) やはりファンクなリズムとソフトな響きのナレーションが流れるブルーアイド・ソウル系のダンサブルな曲の登場ですね。今回は、DAVIDのバックにANDY・CANE、JULIET・ROBERTS、CAROL・KENYONのベテラン・ヴォーカル隊が参加しています。
2曲目"Say A Prayer"(3:51) 全米のアダルト・ミュージックのシングル・チャート3位を記録したポップ色の強いリズミカルな曲です。前作のアルバムも本国イギリスより何故かアメリカでヒットを飛ばしているBREATHEです。
3曲目"Does She Love That Man ?"(4:47) やはり3曲目はテンポを落として来たしっとりとした調べの曲で攻めて来ましたね。DAVIDがゴスペル調のピアノのサウンドに乗せて「他の男に恋をする女性への想い」を歌詞に綴った泣きの歌を聴かせます。
4曲目"Mississippi Water"(3:51) 少し趣を変えてきたアメリカ南部のブルース/R&Bの曲ですね。前作のファッショナブルとはこの辺りが違って来ましたね。グラスゴーのWET WET WETに通じる感じでしょうか。
5曲目"Will The Circle Be Unbroken?"(4:15) 洒落たサウンドとメロディ・ラインを持つアダルトな質感の曲ですね。"サビ" の盛り上がりと間奏のハーモニカが"渋さ" が堪らないですね。
6曲目"Woman"(4:34) 派手なサウンドの収録曲が多いこのアルバムのA面の締めに登場して来た涙物のバラードです。イントロのMARCUS?JIM?の"泣きのギター" が堪りませんね。しっとりとしたリズムの運びとメランコリックなメロディが本当に素晴らしい曲で何故、シングル・カットされなかった不思議です。
7曲目"Got To Get By"(3:34) エッジの効いたギターのサウンドと重く響くベースのサウンドが決まった乗りの良さを感じさせる曲です。聴き込むほどに本当に洒落たサウンドのアレンジに誰もが知っている「あの曲」のフレーズを絡ませています。
8曲目"Say Hello"(4:32) 一転して軽めのレイドバック感を与える心地好い響きの曲です。JULIET・ROBERTSの滑らかな歌声に合わせてファルセットで美しい歌声を聴かせるDAVIDの歌声を暫し楽しみましょう。
9曲目"Where Angels Fear"(4:49) 再び鳥肌物のバラードの登場です。この年にデビューしたバック・ヴォーカルのBEVERLY・CRAVENの歌声も非常に素晴らしく流れて来ます。イントロから響くJAZ・LOCHRIE(BAD COMPANY) のフレットレス・ベースの滑らかな響きも何度聴いても素晴らしいのです。やはり"Woman" とこの曲は名曲ですね。
10曲目"Without Your Love"(3:55) ギターの刻み音とベースの躍動的なリズムの運びが素晴らしいエモーショナルなサウンドの曲です。JIM?のE-BowのサウンドもDAVIDの伸びやかな歌声に合わせて響いて来るのです。
11曲目"A Perfect Love"(4:02) アルバムの最後は、ダークな調べによるエレクトロニカの調べによる重厚な質感を感じさせる曲です。ハープを含んだストリングスの美しい調べが空間に踊りながら舞い降りてきます。
歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:46分33秒 (セールス的には前作を超える事のなかったこのアルバムですが、素晴らしい収録曲が多く入っている事は、紛れもない事実です)'10年5月10日再更新


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写真  BRIGHT FALLS / Dusk
 ・2022 ARCHER RECORDS    

寂しさと力強さ・・・

このアルバムは、アイルランドの中南部の街サーレスで活躍しているオルタナティヴ/フォーク・ロック・S.S.W.BRIGHT FALLS( EDDIE・McCORMACKのソロ・プロジェクト)の2枚目('19年の6曲盤[Logging ]を含む)のアルバムで '22年10月28日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、EDDIE・McCORMACK: ヴォーカル/ギター/シンセサイザー/メロトロン/ドラム・マシーン/プロデュース、JOHN・CALLANAN:ギター、MARK・O'DWYER:ギター、TOM・SHORLEY:ベース、KEVIN・CALLANAN:ドラム/パーカッション、MARTIN・QUINN:シンセサイザー/オルガン/ピアノ/ドラム・マシーン/ストリングス/プロデュースのアイルランドのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Dusk"(4:14) '22年7月8日に先行ダウンロード・リリースされた曲です。シンセサイザーの重い響きとギターの爪弾きで繰り広げられるEDDIEの男らしい歌声にアイリッシュ・ロック然と感じありますね。
2曲目"Come Of Age"(4:05) ダーク・ポップなギターのイントロと鳴りを潜めるように歌うEDDIEの歌声が印象に残る曲です。途中のギター・ソロが非常にカッコ良く響いています。
3曲目"Tiger Driver 98"(4:18) 12弦ギターの軽めの響きとバックのタイトなドラムのビートが心地好い曲です。EDDIEの少し枯れた歌声を中心としてバックの複数のサウンドが圧巻ですね。
4曲目"Perfect Fabrications"(4:26) 今度はしっとりとしたEDDIEのギターによる弾き語りから入る曲です。途中より登場する凛としたピアノの調べとメロディアスなストリングスのサウンドの流れに聴き入ります。
5曲目"The Nightingale"(4:42) リムを打つスネアのビートとリズミカルな奏でられるギターの響きが耳に残る曲です。途中よるアグレッシブなサウンド展開を聴かせるロックなところを前面に聴かせます。
6曲目"I'm Afraid"(3:39) 荒野を1人でドライブしている時が似合いそうな曲です。タイトなドラムのビートに12弦ギターの爽やかな響きとパワフルなギター・サウンドが心地好さを誘います。
7曲目"Settling"(4:39) 前の曲のイメージからかこの曲ではイントロに車のエンジンを始動させるエフェクトが収録されています。低く鳴るベースのサウンドと少し拗ねるように歌うEDDIEの歌声がダークなサウンドの流れとが似合います。
8曲目"The Widows' Homes"(4:08) 忙しなくなるドラム・マシーンのリズムに合わせこれまた忙しなく奏でられるギターのリフが特徴的な曲です。エコーを効かせたギターの調べとスピード感のあるドラムのビートが過ぎ去って行きます。
9曲目"Typewriters"(5:26) 奥まった位置で叩かれるドラムのビートの登場から次第に奏でられるギターのサウンドがカッコ良い曲です。少しLo-FiにしたEDDIEの歌声から国は違うのですが、サン・フランシスコのCHUCK・PROPHETのことを思い出した。
10曲目"Reprieve"(4:16) イントロからドラマチックなギター・サウンドを聴かせる曲です。EDDIEの歌声のメロディを繰り返しなぞるギターのリフが、非常に特徴的ですね。アウトロではEDDIEのアコースティック・ギターの爪弾きによる演奏と凝ったアレンジになっています。
歌詞無し 5ページPDFクレジット/アルバム写真付 ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:43分53秒 (今年、何人か出会ったアイルランドのミュージシャン、どことなく寂しくてまた、力強さも同時に感じてしまう。このBRIGHT FALLSもその中の1人です)'22年11月27日更新


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写真  BRYDE / Like An Island
 ・2018 Bryde (Part Of Seahorse Music)    5 024545 820522

PAPER AEROPLANESは活動休止なのでしょうか・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているオルタナティヴ・ポップ/ロックS.S.W.BRYDE(SARAH・HOWELLS, PAPER AEROPLANES)の4枚目('15年のセッション盤, '16年のEP-1とEP-2を含む)のアルバムで '18年4月13日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、BRYDEことSARAH・HOWELLS:ヴォーカル/マルチ・インストゥルメント/プロデュースの他、:ベース/プロデュース、CHRIS・SOREM:ベース/プロデュース、BILL・RYDER-JONES:ギター/キーボード/プロデュース、TOMMY・SHEEN:ギター、KYLE・CRANE:ドラム、TIM・RAMSEY:ドラム、JOE・GREEN:ドラム、FREDDIE・DICKSON:バック・ヴォーカルのロンドンと収録地ロス・アンゼルスのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは先に記した他、一部の曲はSIMON・BYRTとSARAHと共同で行われています。

1曲目"To Be Brave"(4:13) SARAHの爪弾くメランコリックなギターの音色とこれまたSARAHの切ない歌声が響く曲です。途中より登場するシンセ・ベースの重く響くうねりから孤高なドラムのビートが登り詰める様に鳥肌が立つほど素晴らしいのです。ビデオも配信されていますのでどうぞ。
2曲目"Less"(3:06) 少し荒らしたギター・トーンによるオルタナティヴ・ロック色の強い曲です。ドリーム/ポップ時代のPAPER AEROPLANESからちょっと想像がつかないエネルギッシュ/ハードなサウンドとSARAHの歌声です。この曲もビデオが配信されています。
3曲目"Flesh, Blood And Love"(2:46) SARAHの奏でるストラト風(バーンズ・ギター)軽め弦の響き心地好い曲です。後半に進むにつれ歌声も激しさ増したロック"ン" ロールへと展開して行きます。
4曲目"Peace"(3:21) イントロの歌声は、これぞSARAHと言える高域で裏返る少しスモーキーな歌声が響く曲です。この曲も後半から激しさを増しアグレッシヴな流れとなっています。このアルバムリリース前にSARAHがソロとして音楽活動をしたとの情報を見た時、勝手にアコースティック・ギターを爪弾きソフトな歌声で歌い上げるメランコリック曲調と思い込んでいたら本当、いい意味で裏切られましたね。
5曲目"Fast Awake"(3:54) この曲はKYLE・CRANEのスピーディなドラムのビートが決まっている曲です。FREDDIE・DICKSONの黒く艶のある歌声と清楚なSARAHの歌声がマッチしていますね。
6曲目"Euphoria"(3:14) この曲はPAPER AEROPLANES時代の曲に通じるメロディとサウンドを感じる曲です。シンプルな演奏とメランコリックなSARAHの歌声が切に響いてきます。
7曲目"Handstands"(3:46) 前半はSARAHのギターによる弾き語りで、張りのある弦の響きが不穏なイメージを伝えて来る曲です。相変わらず息継ぎに特徴のあるSARAHの歌声とアメリカの女性S.S.W.の曲とちょっと違った陰のある雰囲気を感じます。
8曲目"To Be Loved"(2:13) この曲もSARAHのギターのリフが特徴的に響く曲です。バックの演奏もシンプルに徹したところからSARAHの気迫に押さえ込まれそうになります。
9曲目"Desire"(3:10) 少しテンポを上げて来たこの曲もロック"ン" ロール調の曲です。ロンドンで活躍しているTOMMY・SHEENのギターを加えたソリッド感のある調べが更に骨のある曲へと仕上げています。
10曲目"Transparent"(3:29) SARAHの歌声を聴く度にSARAHには申し訳ないのですが、アイルランドのGEMMA・HAYESを思い出すのです。この曲も部分的に感じますが、激しさの中に凛としたところが共通のように思えます。
11曲目"Steady Heart"(4:35) ギター1本による弾き語りです。ゆったりとした穏やかな流れとセルフによるSARAHの美しい歌声による一日の終わりを告げるように眠りに入るようにこのアルバムも幕を閉じます。
歌詞無し 3折紙ジャケット仕様 (輸入盤) 収録時間:39分21秒 (そう言えば、PAPER AEROPLANESは活動休止なのでしょうか。SARAHのツアーが終了した頃にメールして聞いてみようかな?)'18年5月20日更新
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写真
(CD注文時に頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  BRYDE / Still
 ・2022 Easy Life Records    

再び路線を戻して・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているオルタナティヴ・ポップ/ロックS.S.W.BRYDE(SARAH・HOWELLS)の6枚目('15年のセッション盤, '16年のEP-1とEP-2を含む)のアルバムで '22年7月15日に本国でのダウンロード・リリース(CD,レコード盤も出たようです)です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、BRYDEことSARAH・HOWELLS:ヴォーカル/マルチ・インストゥルメント/プロデュースの他は、詳しいクレジット記載が無い為、割愛させて頂きます。

1曲目"Algorithms(cyber)"(3:58) 重く響くベースのサウンドと凛としたSARAHの特徴的に高域で裏返る歌声が対照的な曲です。前作ではアコースティック・サウンドが多用されていたのですが、再び路線を戻して来た感ですね。
2曲目"Silver Suns(divine)"(3:05) アップライト・ピアノの少し籠ったメロディアスの調べが美しい曲です。今度は、その音色合わせ少し枯れた歌声を聴かせるSARAHです。
3曲目"Hill I'm Dying On(unrequited)"(2:58) SARAHの奏でるギターのサウンドが心地好く響く曲です。イントロから響くスコットランドのバグパイプ風のシンセ・ベースの重い響きがなどやはりイギリスのミュージシャンだと気付かされますね。
4曲目"State We're In(self)"(3:23) 今度は、ギターの爪弾きを駆使して歌いきるSARAHです。高域でエモーショナルな歌声を聴かせながらバックの男性ヴォーカルと共にこの曲を歌い上げています。
5曲目"Backless Dress(chemical)"(3:32) 哀愁感漂うドラムのビートとため息混じに歌うSARAHの歌声が耳に残る曲です。引き摺り感を持った曲調とサウンドが堪りませんね。
6曲目"Dancing In The Middle(romantic)"(3:16) ウッド・ベースの太い弦の波長まで聴きとれる感のあるアコースティック調から次第にサウンドを盛り上げて行く曲です。バックの女性ヴォーカル(HANNAH・NICHOLSON?)とのハーモニーも素晴らしいのです。
7曲目"Conversations(conditional)"(3:50) この曲でもSARAHの高域での非常に美しい歌声を聴かせています。E-Bowを使った特徴的なギター・サウンドや軽快なドラムのビートなどバンド・スタイルが纏まった感が伝わって来ます。
8曲目"Headlong(cosmic)"(3:14) この曲も非常にSARAHらしい裏声と吐息混じりの歌声が聴ける曲です。バックの男性ヴォーカルは不明なのですがこれまたSARAHの歌声との相性がバツグンのソフトな質感を伝えるのです。
9曲目"Still(shadow)"(3:58) 映画のサウンド・トラックのようにダイナミック感を醸し出す曲です。多重で仕上げたハーモニーのトラックやバックの壮大のサウンド・アレンジなど時間を十分に掛けて作り込みした感があります。
10曲目"Epilogue"(3:41) 曲のタイトル通りこのアルバムの終章となる曲です。ギターを奏でながらSARAHが胸の内を歌います。まあ、私がつべこべ言って仕方無いので、このビデオをご覧ください。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:34分55秒 ('20年の前作[The Volume Of Things] でのフォーク調よりポップ路線のサウンドとなっています)'22年7月16日更新


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写真  CAJSA STINA ÅKERSTRÖM / Klädd För Att Gå
 ・1996 Warner Music Sweden   0630-13522-2

頑なに母国語にこだわるCAJSA・STINA・・・

このアルバムは、スウェーデンのストックホルムで生まれ育ったCAJSA・STINA・ÅKERSTRÖMの '94年のデビュー・アルバムに続く2枚目のアルバムで '96年のリリースです。バックのメンバーは、お馴染みのLARS "LASSE" HALAPI:ギター、SVEN・LINDVALL:ベース、MAGNUS・FRYKBERG:ドラム、KRISTOFFER・WALLMAN:キーボードにバック・ヴォーカルは、お馴染みのFOLKESSON姉妹が参加しています。
尚、CAJSA・STINAのアルバムは、8枚(ベスト盤を含む)全て頑なに母国語で歌われています。

1曲目"Kom"(5:04) SVENの弾くベースの重い響きでのイントロに続いて登場するCAJSA・STINAのスヴェンスカの少し硬い響きと不思議な雰囲気とが合わさって伝わる歌声と打込み風のビートによる曲で、美しいストリングの調べが付けられています。
2曲目"Klädd För Att Gå"(4:21) カントリータッチを得意とするLARSの心地好い響きのギターのサウンドとバック・ヴォーカルのMIJAとGRETAのFOLKESSON姉妹がゴスペル調の歌声が美しい曲です。
3曲目"Socker,Knäckebröd & Choklad"(4:08) ポップなリズムとサウンドの曲で、SVENのベースとMAGNUSのドラムのビートが更にポップに心地好く響いているので、CAJSA・STINAも凄く歌い易いのではないでしょうか。
4曲目"Långt Härifrån"(3:49) このアルバムで最初に印象に残った曲で、曲が終了した後もCAJSA・STINAのスヴェンスカの歌詞が繰り返し頭の中で走馬灯のように繰り返し流れ続けるミドル・テンポのナンバーです。
5曲目"Klädd För Att Gå"(3:49) ギターのLARSが聴かせる曲です。クールにバックで流れるリズムに乗せさり気なく弾きまた押さえどころ決めたフレーズの数々です。CAJSA・STINAの早口に繰り出されるヴォーカルも巧みなこと。
6曲目"Kanske En Ängel"(3:47) アシッド的な響きのベースのサウンドとセミ・アコースティック・ギターの心地好いカッティング・サウンドによる曲で、息次をどこでしているのか分からないCAJSA・STINAのヴォーカルも見事です。
7曲目"Tänk Om"(5:09) CAJSA・STINAの曲全体に言えることなのですが、彼女の歌詞の量が多いのです。流れるように彼女の口から止めどもなく歌詞が出てきます。LARSのギターもCAJSA・STINAの歌声に寄り添うようで"渋い" ですね。本当にLARSの職人気質を感じます。
8曲目"Tid För Att Tänka"(3:53) 非常にポップで明るいサウンドの曲で、一昔のスウェーデンの音楽シーンに戻った感覚のする曲です。この曲でもCAJSA・STINAの歌声の多くまた長いことに感心します。
9曲目"Lyckan Kommer Lyckan Går"(3:38) この曲は懐かしいブリティッシュのポップとサイケさ感じる曲です。SVENのクリアなベース・ランニングと不思議な響きを持ったLARSのギターのサウンドでの曲です。
10曲目"Mitt Hjärtas Begär"(5:32) アコースティック・ギターの優しい響きによる北欧独特の空間の清々しさを感じるゆったりした流れの曲です。間奏のキーボードの演奏とトレモノを効かせたギターのサウンドものどかに響きます。
全10曲歌詞付 写真ライナー ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:42分59秒 (地元の輸入CDショップの北欧/スウェーデン・コーナーにずらり並んだCDの中にCAJSA・STINAがこちらを向いて微笑みかけていました)'10年5月11日再更新


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写真  CARMODY / Skin
 ・2016 Impavid Records  

CARMODYデビュー・・・

このアルバムは、イギリスのロンドンでS.S.W.として活躍しているCARMODY(JESSICA・CARMODY・ NATHAN)のデビュー(3曲EP盤)・アルバムで '16年4月29日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、クレジットが無い為、不明です。

1曲目"Skin"(4:01) フォーク・ソング・シンガーとして活躍した時から音楽スタイルがシンセ・ポップ寄りとなった曲です。イントロ無しから凛とした歌声を聴かせるCARMODYです。ビデオもどうぞ。(でも撮影の後じゃ大変だっただろうね)
2曲目"For Desire"(3:09) ネオ・ソウル風のスムーズを持った曲です。リズム系は打ち込みのようですが、ギターとキーボードの細やかなサウンドが心地好く響いて来ます。
3曲目"Two Spoons"(4:31) ピアノの演奏を主体としたバラードです。高域でも美しい歌声を聴かせるCARMODY、他のミュージシャン達も彼女の歌声を自身の曲とコラボしたいと思うのは当然ですね。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:11分41秒 (幼馴染で '14年にコラボ・アルバムを出した同じくロンドンで活躍しているギタリストTOM・MISCHとCARMODYが日本で注目されています)'19年9月8日更新


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写真  CARMODY / Five Kinds Of Loveless EP
 ・2018 Impavid Records   CARM01

TOM・MISCHとのコラボが目立っているけれど・・・

このアルバムは、イギリスのロンドンでS.S.W.として活躍しているCARMODY(JESSICA・CARMODY・ NATHAN)の2枚目('16年のダウンロード盤[Skin]を含む)のアルバムで '18年4月9日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CARMODY:ヴォーカル/マルチインストゥルメント、JASPER・TYGNER:ギター/プロデュース、TOBIE・TRIPP:ストリングス、MARIE・DAHLSTRØM:キーボード、LAURA・MISCH(TOM・MISCHの妹さん):サックスのCARMODYの音楽仲間達が参加しています。

1曲目"Like That"(3:52) 厳かに奏でられるピアノの調べに合わせ歌い上げるCARMODYの歌声が美しく過ぎる曲です。このシンプルなバックの演奏がCARMODYの歌声を更にエモーショナルに突き進みます。
2曲目"The Light Of Me"(3:49) 先の曲よりポップさを増した乗りの好さを伝える曲です。後半からハーモニーに厚みを持たせたアレンジが心地好く広がって行きます。
3曲目"Missing"(3:33) この曲も聴き応えのある曲です。サウンドとメロディとアレンジが非常にお洒落です。特にLAURA・MISCHの小刻みなサックスのサウンドが出すぎず引っ込み過ぎずの感じが素晴らしいのです。
4曲目"Before You Knew Me"(4:45) この曲は、TOM・MISCHとのコラボ曲との延長線上にある感じがします。ギターの旋律とリズムの流れと言いヴォーカル・アレンジに洒落た感があります。
5曲目"The Ways Of Your Love"(3:52) この曲は、初めて聴いた時から非常に心に染みわたるものを感じました。曲の旋律はスペインやポルトガルのファドに似たセンチメンタルなバラード、「恋の行方」を切なくCARMODYがナイロン弦ギターの旋律に合わせ切なく歌います。
歌詞無し CD-R盤 紙ジャケット仕様 (ダウンロード・コード付) (輸入盤) 収録時間:19分54秒 (今作は5曲入りのEP盤ですが、早くフルトラックの新作('19年盤も5曲EPを)聴きたミュージシャンの1人です)'19年9月7日更
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写真
(このアルバム購入時に頼んでサイン入りとしてもらった盤です)


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写真  CARMODY / Catching Blue EP
 ・2019 Young Poet Records  

最近この人の音楽に嵌っています・・・

このアルバムは、イギリスのロンドンでS.S.W.として活躍しているCARMODY(JESSICA・CARMODY・NATHAN)の2枚目('16年のダウンロード盤[Skin]を含む)のアルバムで '19年9月6日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CARMODY:ヴォーカル/マルチインストゥルメントの他は、クレジットが無い為、記載を割愛させて頂きます。 尚、プロデューサーは、前作でのJASPER・TYGNERと新たにNATHAN・WILLIAMSが担当しています。

1曲目"Dreamweaver"(3:24) イントロ無しにいきなりキーボードの調べに合わせ歌いだすCARMODYの凛とした歌声が耳に優しい曲です。ボサ・ノヴァとR&Bが程よく混ざりあったリズムも心地好く流れ去って行きます。
2曲目"Being Without You"(3:32) こちらの方はグッとR&Bよりになったバラードです。フェンダー系の弦の響きを効かせたセンチメンタルなギターの音色をバックにCARMODYが心を込めて歌い上げます。
3曲目"The Lost And Leaving"(3:53) CARMODYが訥々と歌い出すこの曲もセンチメンタルな調べを感じさせる曲です。フィンガー・スタイルによる繊細なギターの調べを纏って歌うCARMODYの切ない歌声が耳に残ります。
4曲目"Catching Blue"(3:41) 過去の2枚の曲と少しポップさをそぎ落としたこのアルバムのタイトル曲です。後半から登場するコーラスには複数の男性と女性のヴォーカルが収録されていますが、プロデューサーのJASPER・TYGNERとNATHAN・WILLIAMSらでしょうか。
5曲目"Static"(3:36) 最後の曲は、ギターの爪弾きによるCARMODYの弾き語りです。シンプルなメロディに去った恋人との想いを切に歌うCARMODYです。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:18分06秒 (前作に続いて最近この人の音楽に嵌っています)'19年9月21日更新


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写真  CARMODY / My Jupiter
 ・2020 Young Poet Records  

とても私的な内容となって・・・

このアルバムは、イギリスのロンドンでS.S.W.として活躍しているCARMODY(JESSICA・CARMODY・NATHAN)の4枚目のアルバムで '20年12月4日にBandcampでのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CARMODY:ヴォーカル/マルチインストゥルメントの他、以下の3人が曲作りと収録に参加しています。
プロデューサーは、前作のJASPER・TYGNERBRENDAN・ DAVIESCONOR・ALBERTが加わっています。

1曲目"Stronger Than My Love"(3:56) 優しい響きを醸し出すピアノの調べに誘われてこれまた優しい歌声を聴かせるCARMODYです。途中より弦楽器も加わり穏やかなメロディとサウンドが広がります。
2曲目"The Good Object"(1:52) '19年にガンで亡くなった父との会話を収録したとても私的な内容の曲です。海外旅行中だったCARMODYが急遽、イギリスに戻ってからの父との会話と思います。
3曲目"My Jupiter"(3:25) 一聴した時から非常に神秘的な要素を感じさせる曲です。五感を鋭利に研ぎ澄ましたCARMODYが浮かび上がります。
4曲目"Lives Apart"(3:52) ナイロン弦ギターの優しい響きとシンプルな太鼓(カホン)のビートによる清楚感のある曲です。幾重にも重ねたコーラスが次第に渦巻いて行きます。
5曲目"More Than I Miss You"(4:13) この曲の歌詞の中にも父と想い出や旅先から父のもとへ急いで戻る様が描かれています。このアルバムの収録曲の中では、比較的早くに発表('20年3月)されたプロデューサーのBRENDAN・ DAVIESとの共作です。
6曲目"Rise"(3:57) ナイロン弦ギターによる爪弾きによる弾き語りをメインした曲です。やはりこの曲の中にも父との別れがとても強く感じられます。
尚、先行リリースされたiTunesのダウンロード盤は、この曲まで。
7曲目"Stronger Than My Love(Instrumental)" (3:56) ピアノ(多分CONOR・ALBERTの演奏)調べが非常に美しく響くインストゥルメンタルです。ヴァイオリンの切ない響きとピアノとのサウンドがマッチします。
8曲目"My Jupiter(Instrumental)"(3:25) 今度はギターの調べ(広域ではハープのような響き)による心地好さ満開の曲です。歌詞付と同じ収録曲なのですが、少しイメージが違って聴こえます。
9曲目"Lives Apart(Instrumental)"(3:52) シンプルなサウンドから次第に楽器の数を増やしながら展開される様などやはりこの曲でもイメージが違って来るところが新しく感じられました。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:32分28秒 (実はこの盤、リリース直後にダウンロード購入していたのですが、何度かメールした間柄のため喪中と考え、この度アップさせてもらいました)'21年2月23日更新


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写真  CARMODY / Constellation A / B / C
 ・2021-2022 Young Poet Records  

この人やっぱり渋いわ〜・・・

このアルバムは、イギリスのロンドンでS.S.W.として活躍しているCARMODY(JESSICA・CARMODY・NATHAN)の5〜7枚目(3曲EPダウンロード盤3部作)のアルバムで Constellation A '21年11月24、Constellation B '22年2月23日、Constellation C '22年4月27日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CARMODY:ヴォーカル/マルチインストゥルメントの他は、詳しいクレジットが不明の為、各曲の項に分かった範囲で記載しています。

Constellation A 収録時間:10分16秒
1曲目"Replace"(3:24) '21年11月20日先行ダウンロード・リリースされた曲です。イントロ無しにいきなりキーボードの調べに合わせ歌いだすCARMODY、途中より登場するリズムの数々などプロデューサーPATRICK・JAMES・PEARSONの影響があるようですね。
2曲目"Still"(3:29) ほぼアカペラに近い歌い始めから厳かに流れるリズムとサウンドによるR&Bです。シンプルな楽器構成と抑えた演奏スタイルによる大人の雰囲気のバラードですね。この人やっぱり渋いわ。
3曲目"Memory(Feat. ALFA・MIST, LAURA・MISCH)"(3:23) ジャズ・スタイルによるゆったりとした流れにのせCARMODYが囁くように歌うセンチメンタルな曲です。共作者は、ALFA・MIST(キーボード), LAURA・MISCH (サックス)です。

Constellation B 収録時間:11分20秒
1曲目"Morning"(3:43) '22年1月26日先行ダウンロード・リリースされたイントロのサウンドから曲名通リ心地好い朝の目覚めを想像させる曲です。バックのコーラスとカホンによる柔らかなリズムの流れが気分を爽快にさせてくれます。多分、ギター/バック・ヴォーカルは、プロデューサーのTOM・MISCHでしょう。
2曲目"Yosef"(3:57) ロンドンで活躍しているAVI・BARATHCALUM・DUNCANのプロデュースによる曲です。美しく伸びやかなCARMODYの歌声にうったりし、この曲に聴きる自分にはっと気が付きます。
3曲目"Strange"(3:40) CARMODYのギターの爪弾きによる曲です。途中より登場する共作/プロデユースのPATRICK・JAMES・PEARSONの演奏するピアノでしょうか。非常にシンプルな調べなのですが、非常に印象に残るのです。

Constellation C 収録時間:13分14秒
1曲目"Hurricane"(4:10) '22年3月30日に先行ダウンロード・リリースされたCARMODYの美しいギターの爪弾きから入る曲です。リズム群が登場するところから非常にご機嫌なサウンドへと展開されます。ハーモニーや秘めに抑えたエモーショナルを感じさせるのが素晴らしい。
2曲目"Moon"(4:49) 太陽暦を基にした自身の宗教観を曲に綴ったと紹介されています。ハンドクラップでのリズムのビートとベース・ギターによる爪弾きによるシンプルなサウンドの流れがこの曲の要となっています。
3曲目"Brother"(4:15) 古びたアップライト・ピアノの調べに合わせ凛とした歌声を聴かせるCARMODYです。後半から難民としてCARMODY家族と同居した(兄)のペルシャ語の合唱がアレンジされています。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) (Constellation:星座 Dが追加リリースされるか不明ですが取り敢えずアップしました)'22年4月28日更新


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写真  CARMODY / Imperfect Constellations
 ・2022 Young Poet Records  

コンピレーション15曲盤として再リリース・・・

このアルバムは、イギリスのロンドンでS.S.W.として活躍しているCARMODY(JESSICA・CARMODY・NATHAN)の8枚目(3曲EPダウンロード盤3部作を含む)のアルバムで、'22年7月6日に本国でのダウンロード・リリースです。
全15曲中9曲は、3部作のConstellation A/B/Cでの収録曲となっており、今回のレビューは前作での記載と同一とし、仕様の異なる部分を追加しました。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CARMODY:ヴォーカル/マルチインストゥルメントの他は、詳しいクレジットが不明の為、各曲の項に分かった範囲で記載しています。

1曲目"Hurricane"(4:10) '22年3月30日に先行ダウンロード・リリースされたCARMODYの美しいギターの爪弾きから入る曲です。リズム群が登場するところから非常にご機嫌なサウンドへと展開されます。ハーモニーや秘めに抑えたエモーショナルを感じさせるのが素晴らしい。
2曲目"Moon"(4:49) 太陽暦を基にした自身の宗教観を曲に綴ったと紹介されています。ハンドクラップでのリズムのビートとベース・ギターによる爪弾きによるシンプルなサウンドの流れがこの曲の要となっています。
3曲目"Yosef"(3:57) ロンドンで活躍しているAVI・BARATHCALUM・DUNCANのプロデュースによる曲です。美しく伸びやかなCARMODYの歌声にうったりし、この曲に聴きる自分にはっと気が付きます。
4曲目"Blood"(3:58) Lo-Hiにした電子ピアノの調べとは対照的に非常にピュアな歌声を聴かせるCARMODYです。この曲でもバックのリズム隊のビートが非常にスムーズですね。鳥肌ものの演奏と歌を聴かせてくれます。
5曲目"Forgiveness"(2:03) 今度はスローなバラードの登場です。シンプルな演奏と歌による讃美歌的な要素を強く感じます。
6曲目"Replace"(3:24) '21年11月20日先行ダウンロード・リリースされた曲です。イントロ無しにいきなりキーボードの調べに合わせ歌いだすCARMODY、途中より登場するリズムの数々などプロデューサーPATRICK・JAMES・PEARSONの影響があるようですね。
7曲目"Morning"(3:43) '22年1月26日先行ダウンロード・リリースされたイントロのサウンドから曲名通リ心地好い朝の目覚めを想像させる曲です。バックのコーラスとカホンによる柔らかなリズムの流れが気分を爽快にさせてくれます。多分、ギター/バック・ヴォーカルは、プロデューサーのTOM・MISCHでしょう。
8曲目"Trespasser"(3:12) '22年6月になって発表されたConstellation A/B/Cに入っていない新しい曲です。ギターを爪弾くCARMODYの演奏と彼女の歌声を主体とした曲です。細やかなドラム、ベースとキーボードの演奏となっています。尚、曲名のTrespasserとは「侵入者」を意味します。
9曲目"Strange"(3:40) CARMODYのギターの爪弾きによる曲です。途中より登場する共作/プロデユースのPATRICK・ JAMES・PEARSONの演奏するピアノでしょうか。非常にシンプルな調べなのですが、非常に印象に残るのです。
10曲目"Brother"(4:15) 古びたアップライト・ピアノの調べに合わせ凛とした歌声を聴かせるCARMODYです。後半から難民としてCARMODY家族と同居した(兄)のペルシャ語の合唱がアレンジされています。
11曲目"Sorry"(2:08) この曲もこのアルバムに追加された曲です。切なく響くストリングス風の調べに合わせて切なく歌うCARMODYの姿が想像させます。エコーの効かせたカテドラルの中央に凛として立って歌う姿と思想います。
12曲目"Still"(3:29) ほぼアカペラに近い歌い始めから厳かに流れるリズムとサウンドによるR&Bです。シンプルな楽器構成と抑えた演奏スタイルによる大人の雰囲気のバラードですね。この人やっぱり渋いわ。
13曲目"Memory(Feat. ALFA・MIST, LAURA・MISCH)"(3:23) ジャズ・スタイルによるゆったりとした流れにのせCARMODYが囁くように歌うセンチメンタルな曲です。共作者は、ALFA・MIST(キーボード), LAURA・MISCH (サックス)です。
14曲目"Well(Feat. TOM・ MISCH)"(2:31) CARMODYのギターによる弾き語りです。途中より登場するTOM・MISCHの優しい歌声が好いですね。ストリングス風の切ない響きが叙情を誘います。
15曲目"Mother"(3:44) 訥々と歌うCARMODYのセンチメンタルな歌声が堪らない曲です。厳かでありながら何か内に秘めたエモーショナルをヒシヒシと感じる演奏と歌です。尚、曲のタイトルは単に「母」だけでは無く、「マザー・アース」を含んでいるとのことです。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:52分26秒 (曲中にも記したのですが、鳥肌ものの演奏と歌を聴かせてくれたCARMODYです!)'22年7月6日更新
2022年度ベスト5


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写真  CARO & EL CLUB VIGIL / Further On The Way
 ・2008 BOLERO RECORDS   5051442734225

やっとリリースされたCARO・・・

スウェーデンで活躍しているCARO & EL CLUB VIGILが、デビュー・アルバムの制作に入っているとBOLERO Recordsのニュースで知ってから早 1年が過ぎ去ったでしょうか。時々、H.P.やレーベルの情報をチェックしていましたが、中々リリースまで至っていませんでしたが、この度やっと本国で '08年9月24日にリリースされました。
バンドのメンバーは、CARO(CAROLINE・SCHRÖDER):ヴォーカル/プロデュース、JULIÁN・VIGIL:ギター/プロデュース、HOMERO・ALVAREZ:ギター、MIKAEL・AUGUSTSSON:バンドネオン、VALTER・KINBOM:パーカッション、FREDRIK・GILLE:パーカッション、SEBASTIAN・BERGHULT:ダブル・ベースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、先の7人の他、JUAN・ROMERO:ヘピーキ、DANIEL・BINGERT:ピアノ、VALTER・KINBOM:カホン、LEO・SVENSSON:チェロのスウェーデンのミュージシャン達です。

1曲目"Further On The Way"(3:29) このアルバム・リリース前からダウンロード販売されていた哀愁のキラー・チューンです。曲を抉るように流れるMIKAELのバンドネオンの響きが非常に印象的です。また、アルゼンチンまで出掛けて収録されたビデオもご堪能あれ !。
2曲目"When You're Not Here"(3:39) メランコリックなサウンドとメロディによる去った恋人を偲ぶ曲です。エンディングで流れるエコーの効いたCAROの切ない歌声が心に沁みます。
3曲目"My Love For You"(3:20) CAROの歌声のバックで流れるJULIÁNのナイロン弦ギターの情熱的な旋律とMIKAELのバンドネオンの再び突き刺すようなサウンドが流れるスパニシュ・テイスト溢れる曲です。
4曲目"Hemos Perdido Algo"(3:33) スペイン語の歌詞を歌うCAROの歌声も饒舌に流れて来ます。スペインの下町の路地の情景の似合いそうな人の優しさや日常の生活感が感じられそうな雰囲気がします。
5曲目"Now That You're Gone"(2:32) 恋に落ちた女性の熱い想いを歌詞に綴った情熱的な曲です。バックで繰り出されるスパニッシュ・ギターとダブル・ベースのサウンドが"クール" に徹したところが対照的で良いですね。
6曲目"Thoughts To Run Away"(4:24) イントロのJULIÁNとHOMEROの美しいナイロン弦ギターの切ない調べから引き込まれる珠玉のバラードです。間奏のMIKAELのバンドネオンの旋律も苦悩を表現した様も非常に素晴らしいのです。
7曲目"En Tus Ojos"(3:03) 再びスペイン語の歌詞による曲です。セピア色の映画なったノスタルジックな映画音楽のような響きに情熱的なラテンの血潮を真直に感じさせる躍動的なリズムが響いてきます。
8曲目"If You Still Love Me Tomorrow"(2:50) この曲は、少しアメリカン・テイストを感じさせる曲です。間奏ではチェロの音色も登場して映画音楽のようなサウンドの要素も感じられます。
9曲目"Todo Cambia"(3:48) JULIÁNのヴォーカルが登場する短いスペイン語の歌詞による曲です。アコースティックなサウンドの流れにCAROの美しいハーモニーを付けたアレンジにエスニックさも感じます。
10曲目"A Night In Montevideo"(3:47) サンプル音源とCAROのスキャット・ヴォーカルによるインストゥルメンタルにて収録されています。フラメンコ・ギターとアコーディオンによる情熱的なサウンドと冷めたS.E.とが融合した斬新さを感じさせます。
9曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット デジパック仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:34分30秒 (現在 このアルバムは、本国のみのリリースですが、配給元がWarner Music Groupですので、ワールド・ワイドのネットショップを通じて後日販売されるでしょう)'10年5月11日再更新


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写真  CAROLINA MISKOVSKY / Silence
 ・2005 Baltic Records   BRCD0503

あの人の妹登場です・・・

現在、スウェーデンの北部の町でUmeåで 活躍しているCAROLINA・MISKOVSKYのデビュー・アルバムで、'05年11月4日に本国でのリリースです。10歳の頃より姉のLISAとアコースティック・デュオを組んだり、女性バンドのX-PLAINで活躍していました。彼女のプロフィールによると音楽以外でも、姉のLISAに負けず劣らずのウインター・スポーツから水泳までこなすスポーツ万能だったようです。但し、CALOLINEは姉のLISAよりもソング・ライターとしての活動を重視しツアーをして国内を回るようなライヴ活動はしていないようです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CAROLINA・MISKOVSKY:ヴォーカル/ギターの他、FREDRIK・BLANK(MONTAG MANIA):ギター、ULF・IVARSSON:ベース、RIKARD・FROHM:キーボード、ANDREAS・AHLENIUS:シンセサイザー/メロディカ、MIKAEL・EMSING:パーカッション、PER・MIKAELSSON:ドラム、KRISTOFFER・JOHANSSON:ドラム、VIKTOR・BUCK:ギター、ANDREAS・UNGE:ベースのスウェーデンのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"So Wrong For So Long"(4:06) エモ・ギター・サウンドによるポップな曲で、'93年頃にCAROLINAが在籍していたX-PLAINでカバーしていたミュージシャン達のサウンドに近い曲です。アルバムを3枚出した姉のLISAよりやはり若さを感じるCAROLINAの歌声と躍動的なサウンドによるアルバムのオープニングを飾る自作の曲です。
2曲目"Like Wine"(3:45) 心地好く響く歯切れの良いギターのサウンドとCAROLINAの優しく響く歌声によるカントリー・ポップな曲です。ハモンドのサウンドと交互に弾かれるギターの音色が絡みあった展開と心地好いリズムが響いて来ます。
3曲目"Silence"(4:03) 曲のタイトル名とは裏腹にギターのサウンドが鳴り響く曲です。"ストラト" を下げてギターを掻き鳴らしながら、地元のライヴを重ねて来たCAROLINAの経験が読み取れる曲で、このアルバムの中の曲ではハードなサウンドによるエモ・ギター・ロックの曲です。
4曲目"Remember Me"(5:16) CAROLINAの音楽に始めて触れた時の曲です。覚えやすいメロディと心地好いリズムによるフォーク・ロック調の曲で、姉のLISAのサウンド・スタイルに似た曲調の曲ですが、CAROLINAの歌声の方が、少しまろやかさがあるようです。
5曲目"Left Me By"(4:45) ピアノの弾き語りによるスローな曲です。アメリカのフォーク系女性S.S.W.が書きそうなシンプルなサウンドとメロディを綴った曲ですが、エンディング近くにはアブストラクトなエレクトロニカ・サウンドのアレンジが見事です。
6曲目"Can't Stop The Rain"(4:17) ギターとベースのサウンドが素晴らしい曲です。特にうねりを持ちながらメロディを奏でるピッキング・ベースとギターの躍動的なサウンドとシンプルながら"ツボ" を押さえたドラムのビートによる曲です。スウェーデンのインディーズ系のバンド・メンバーとの収録ですが、非常に良いサウンドの曲です。
7曲目"C'mon"(3:59) サウンドに少しワイルドさを加えたミドル・テンポのエモ・ギターの曲で、姉のLISAのサウンドにも通じる曲です。後半からは更にソウルフルな歌声を聴かせるロックなナンバーです。
8曲目"Won't Be The One"(4:27) この曲は、美しい音色を奏でるアコースティック・ギターとドラムの軽快なビートが印象に残る曲です。CAROLINAと同郷のドラムのPER・MIKAELSSONは、スウェーデンでハード・ロック・バンドの一員として活躍しています。また、ピアノも同郷のRICKARD・FROHMが間奏で素晴らしいピアノ・ソロを聴かせます。
9曲目"Alone Again"(4:05) この曲もいい曲ですね。うなるベースのサウンドと乗りの良いギターのサウンドにご機嫌なドラムのリズムによる曲です。更に軽いオルタナ系のサウンドをミックスしたポップスです。
10曲目"Facing Ground"(4:40) 特徴的なカッテイング・サウンドのギターのリズムの刻みとペダル・スティールによるカントリー・ロック調の曲です。後半からは非常にメロディアスに流れるピアノの調べに乗せ歌うCAROLINAの優しさを感じます。
11曲目"Gravitation"(3:14) アコースティック・ギターとメロディカによるシンプルなサウンドの曲です。"サビ" のフレーズをイントロに配した通好みのアレンジとCAROLINAがさらっと書き上げて一発収録した感のある曲のようです。
全11曲歌詞付 16ページ物豪華写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:46分34秒 (このアルバム発売後の彼女最近の動きが不透明なのが気になります!)'10年5月11日再更新


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写真  CAT STEVENS / Tea For The Tillerman
 ・1970 Island Records Ltd.   ILPM 9135

思い入れのアルバム・・・

このアルバムはロンドン出身のS.S.W.CAT・STEVENS(現YUSUF・ISLAM)の4枚目('67年のNew Mastersを含む)のアルバムで、本国でのリリースは '70年となっています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CAT・STEVENS:ヴォーカル/ギター/キーボードの他、ALUN・DAVIES:ギター、JOHN・RYAN:ベース、HARVEY・BURNS:ドラム、JACK・ROSTEIN:ヴァイオリン、DEL・NEWMAN:ストリングス・アレンジのスタジオ・ミュージシャン達が参加しています。
プロデューサーは、PAUL・SAMWELL-SMITH(THE YARDBIRDS,BOX OF FROGS)です。
尚、アルバムのアート・ワークは、CAT自身の筆によるイラストレーションです。

1曲目"Where Do The Children Play?"(3:50) CATの循環コードによるアコースティック・ギターの調べと彼の少し枯れた歌声が落ち着いて響く環境問題をテーマとした曲です。
2曲目"Hard Headed Woman"(3:46) マイナー・コードが切なく響くCAT高いキーでの歌声によるアコースティック・ナンバーです。JACK・ROSTEINのヴァイオリンも切なく流れます。
3曲目"Wild World"(3:18) 非常にシンプルなのですが、歌詞の"Wild World" の後、ドシラソファミレドと下がるギミックなフレーズに当時は参りましたね。レコードに合わせてギターを一緒に弾いていたのを懐かしく思います。
4曲目"Sad Lisa"(3:40) ピアノとオルガンを使ったメランコリックで、メロデイアスなナンバーです。失恋をテーマとした歌詞もヨーロッパの叙情的なサウンドの乗せて切なく流れて来るのです。
5曲目"Miles From Nowhere"(3:32) アコースティックな出だしから次第にエモーショナルに展開するナンバーでゴスペル・コーラスも加えられて収録されています。
6曲目"But I Might Die Tonight"(1:50) 2分に満たない小さな曲ですが、非常にイギリスのS.S.W.らしい影を感じさせる歌詞とサウンドです。後半のCATのセルフ・ハーモニーとギターの強めのサウンドが印象的です。
7曲目"Longer Boats"(3:10) 少し軽めで明るいサウンドとメロディの曲の登場です。トラディショナル音楽の要素も感じさせる古き良き時代の皆で歌えるフォーク・ソングって感じかな。
8曲目"Into White"(3:24) 少しダークなサウンドを演出した戯曲的なクラシック音楽の要素も感じさせる曲です。優しく労わるように歌うCATの歌声が響いて来ます。
9曲目"On The Road To Find Out"(5:07) アイリッシュ・ダンス・ミュージックやトラディショナル音楽に根付いた曲のようです。現在のTHE CORRS、MARY・ BLACK、PAUL・BRADYなどにもこの手のサウンドが根付いているのでしょう。
10曲目"Father And Son"(3:37) CATが高いキー(息子)と低いキー(父)での歌声を使い分けたアレンジによる曲で、このアルバムのメイン的な存在になっています。最初、この曲を聴いた時は息子のパートの詩の内容が非常に伝わって来たのですが、今では父親のパートが重く響いて来るのです。
11曲目"Tea For The Tillerman"(1:01) 1分半程度の短いアルバム・タイトル曲で、ピアノの演奏をメインにしたCATの弾き語りにアウトロではゴスペル・コーラスを使った収録になっています。
全11曲歌詞付 LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:36分40秒 (実は、このアルバムの国内盤発売前にA&Mレコード(当時のキング・レコード)のモニターの1人として選ばれ、ヤマハ音楽教室にてこのアルバムを試聴し、シングル曲の選定とか色々ヒアリングされたのを懐かしく思います。余談ですが、同時にCBSレコードは、アメリカの"プロ・グレ" バンドMADURAの国内リリース可否決定をモニター調査していました)'10年5月12日再更新
1970年度ベスト5


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写真  CAT STEVENS / Teaser And The Firecat
 ・1971 KING RECORDS CO.,LTD.   AML 105

CATの人気を更に決定づけた1枚・・・

このアルバムはロンドン出身のS.S.W.CAT・STEVENS(現YUSUF・ISLAM)の5枚目('67年のNew Mastersを含む)のアルバムで、本国でのリリースは '71年となっています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CAT・STEVENS:ヴォーカル/ギター/キーボード、ALUN・DAVIES:ギター、LARRY・STEELE:ベース/コンガ、GERRY・CONWAY:ドラム、HARVEY・BURNS:ドラム、ANDREAS・TOUMAZIS:ブズーキ、ANGELOS・HATZIPAVLI:ブズーキ、DEL・NEWMAN:ストリングス・アレンジのスタジオ・ミュージシャン達が参加しています。
プロデューサーは、前作同様PAUL・SAMWELL-SMITH(THE YARDBIRDS,BOX OF FROGS)です。
尚、今回のアルバムのアート・ワークもCAT自身の筆によるイラストレーションです。

1曲目"The Wind"(1:40) 優しく奏でられるアコースティック・ギターの調べとこれまた優しく歌い始めるCATの歌声が心地好く響く曲です。ギターとベースによる弦の美しい響きが美しく絡み合ってこのアルバムの幕開きを知らせます。
2曲目"Rubylove"(2:35) CATの父親であるギリシャ人の血を熱く感じさせるブズーキによる民族音楽との融合を感じさせる曲です。多重弦のブズーキを複数使って奏でられるリズミカルな流れと途中よりギリシャ語で歌われるところなど異国情緒に溢れています。
3曲目"If I Laugh"(3:20) アコースティック・ギター1本とCATの歌声から入る曲で、次第にバックの演奏を加えて行くアコースティックなサウンドによる曲です。ピックが金属弦を弾くさままで聴き取れそうな繊細なサウンドとメロディアスな曲調です。
4曲目"Changes IV"(3:27) 今度は、ロック色を強めたエモーショナルな流れを感じさせる曲です。前作のタイトル曲であったアルバムの最後に短く収録されていた"Tea For The Tillerman" を更に練り上げて完成させたような感じでしょうか。
5曲目"How Can I Tell You"(4:25) 前作での"Sad Lisa" や"Hard Headed Woman" に通じる美しいメロディを持ったメランコリックな曲です。非常に落ち着いた調べの流れにエコーの効いたCATの歌声が切なく響きますね。
6曲目"Tuesday's Dead"(3:34) 左右に振り分けられた CATとALUN・DAVIESのアコースティック・ギターのサウンドが非常に楽しく奏でられるポップ色溢れる曲です。トロピカル調のサウンドとメロディがご機嫌な流れとなって響いて来ます。
7曲目"Morning Has Broken"(3:15) CATがギターからピアノにスタイルを変えて来た曲です。このアルバムからの当時のヒット曲であり、トラディショナル音楽とクラシック音楽の融合を試みたCATのアレンジによる作品です。クレジットに記載はされていないのですが、この華麗なピアノ演奏は、RICK・WAKEMAN(YES)らしいですね。
8曲目"Bitterblue"(3:07) この曲は、CATがエモーショナルな歌声を聴かせるフォーク・ロック調の曲です。力強く奏でられるアコースティック・ギターのサウンドにコンガやドラムのビートも熱く唸っています。
9曲目"Moonshadow"(2:37) フォーク・スタイルによるアコースティック・サウンドの流れる曲です。循環コードによる聴き易さや美しいハーモニーによるこのアルバムからのシングル曲として当時リリースされています。
10曲目"Peace Train"(4:10) カントリー・スタイルを感じさせるとてもCATらしい歌詞とサウンドを感じさせる当時のヒット曲です。詳しいクレジットの記載がないのですが、大勢のバック・ヴォーカルが登場しています。また、途中より転調するところなど当時のブラック・ミュージックのバンドの持ち味を意識しているのではないでしょうか。
全10曲歌詞/訳詞付 CAT・STEVENSへのインタビュー記事掲載 LP盤 (国内盤) 収録時間:32分10秒 (当時、この人の人気は、我が国でも絶大なものがあり、TVのコマーシャルでも本当に良く使われ、音楽番組でもCATが登場していましたね)'12年7月22日更新
1971年度ベスト5


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写真  CHANDEEN / The Last Glimpse Of Your Life
 ・2025 Kalinkaland Records  

スウェーデンにて収録・・・

このアルバムは、ドイツのフラクフルトで、90年代より活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップ・バンドCHANDEEN(シャンディーン)の多分15枚目(初期のデモ音源集も含む)くらいのアルバムで '25年1月24日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CHANDEENのCHRIS・RICHTER:ヴォーカル/作詞、HARALD・LÖWY:マルチインストゥルメンツ/バック・ヴォーカル/プロデュースの2人の他、準メンバーのFLORIAN・WALTHERの:ギター/ベース/ドラムが参加しているようです。
アルバムの購入前に目に着いたのがスウェーデンのマルメのSTUDIO SICKANにてミキシングをJOAKIM・LINDBERGが担当しています。

1曲目"Exhale"(2:51) このアルバムからシングル・リリースされているアルバム紹介的な曲です。長閑そうなメロディとサウンドの流れから次第にサウンドを厚くして行く様に聴き入ります。CHRISの登場したビデオもどうぞ。
2曲目"The Bubbles Blown"(3:21) この曲もアルバム・リリース前から紹介されている曲です。バタバタと鳴るドラムのビートと危機感を煽るストリングス風の音色が攻め来る「現代生活の不安」をテーマした曲です。ちょっとした乗りから撮影したビデオも面白いです。
3曲目"Broken Soldiers"(3:47) ゆったり奏でられるアップライト・ピアノの調べとそっと優しく歌うCHRISの歌声が広がる曲です。この曲もアルバムのリリースに合わせビデオが制作されました。
4曲目"I See Things Clear Enough"(3:15) イントロから力強さを発揮させる曲です。掻き鳴らすアコースティック・ギターの音色と鼓舞させるように鳴るドラムのビートが聴く者へと訴えて来ます。 ここまで聴いて来てバラエティに富んだアルバムだと気着きましたね。
5曲目"Coming Of Age"(4:21) 今度もちょっと印象を変えて来た曲の登場です。リズミカルなドラムのビートと躍動感を持って進む流れが体を揺さぶります。饒舌に流れる歌うCHRISの歌声も見事ですね。
6曲目"The River"(3:54) このうな垂れるようなリズムと癖のあるメロディの流れが堪らない曲です。少しLo-HiにしたCHRISの歌声にFLORIANのブルージーなギター・トーンが堪りませね。 この曲もアルバムのリリースに合わせビデオが制作されました。
7曲目"Somebody Else(Monsters & Dolls)"(4:28) 厳かに奏でられるアップライト・ピアノの凛とした調べに合わせ歌うCHRISの静寂の中に響く歌声が痛いほどの響く曲です。後半からの重さが半端ないのです。
8曲目"Red-Eye/24"(3:40) イントロから響く鼓動に似たドラムのビートとオルガンの調べが耳に優しい曲です。少しスモーキーなCHRISの歌声のバックに響くHARALDの繰り出すサウンドの数々に聴き入りますね。収録地スウェーデンのマルメの哀愁を演出させている感があります。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:29分37秒 (ボーナス・トラック1曲を追加したレコード盤のリリースは、2月7日にされるようです!)'25年1月30日更新


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写真  CHAPMAN / The Amplification Of Mr Ballad
 ・2009 Creating Reality   CRRX02

日本ではまったくの無名ですが・・・

このアルバムは、イギリスでインディペンデントに活躍しているS.S.W.CHAPMANの '09年3月7日に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンの詳しいクレジットの記載が無い為、ヴォーカル/ギター/キーボードを含むほとんど楽器の演奏は、CHAPMAN自身と思われます。
尚、この後CHAPMANは、'10年に2枚のアルバムをリリースしていますが、このアルバムのリミックス盤とアコースティック・バージョン盤となっています。

1曲目"Hum Along"(4:06) 小気味よいドラムのビートがイントロから流れるカントリー・ロック調の曲です。曲のタイトル通り途中より登場するCHAPMANのハミングや歌手やS.S.W.としての想いが綴られた歌詞が興味深く感じます。
2曲目"Things Are Changing"(3:24) 小刻み奏でられるピアノの調べに合わせて歌うCHAPMANの少し藍色を感じさせる歌声が心地好い曲です。バックに広がるホーン群の響きに似せたキーボードのサウンドや鼓笛隊風のドラムのビートなどゴージャスながらレトロな雰囲気も感じさせます。
3曲目"The Edge Of The Island"(5:30) パイプ・オルガンの切ない響きと共に登場するこれまたセンチメンタルな歌声を聴かせるCHAPMANです。この曲の雰囲気も80年代のイギリスのサウンドを感じるところから、彼のHP紹介での記事に残念ながら実現はしなかったもののTERRY・REID '07年の国内ツアーにキーボード奏者としてオファーがあったことを納得します。
4曲目"That Thing"(3:42) シーンとした静けさの中から響くハモンドのサウンドとエコー聴かせたギターの刻み音がクールなR&Bです。この曲を含み数曲バックに女性ボーカリストが収録に参加しているように感じますが、ひょっとしてCHAPMANのファルセットかも知れませんね。
5曲目"It Could Get Darker"(4:05) この曲もブラック・ミュージックの影響それもモータウン・サウンドそのもって感じです。60〜70年当時のデトロイトから発信された音楽をこのCHAPMANを通して少し懐かしんでみようと思います。
6曲目"The Salesman"(3:37)この曲もソウル・フィーリング 溢れるメロディとリズムによる曲です。少し怪しさと恐怖感を煽るドラムとパーカッションのリズムの揺さぶりがCHAPMANの歌声と共に流れて行きます。
7曲目"Give Me The Morning"(3:34) この曲もブルー・アイドのソウル・フィーリングを感じるスローな曲です。この曲でのCHAPMANの歌声を聴くたびに同じくイギリスで活躍していたSIMPLY REDのMICK・HUCKNALLを思い起こしてしまうのです。
8曲目"Beautiful Time"(3:34) 心地好く響きアコースティック・ギターの爪弾きとこれまた上機嫌に歌うCHAPMANの歌声が楽しく伝わって来る曲です。循環コードで演奏されるシンプルなスタイルによる聴き易さやリスナーも一緒にギターの演奏や歌ってみるのも楽しい1曲ではないでしょうか。
9曲目"Grow"(4:39) この曲は、非常にギターのサウンドが前に出てきた曲です。長い音色を響かすハモンドと躍動的なドラムのビートの合間から登場するスリリングさあるギター・サウンドに魅了されます。作詞/作曲は勿論の事、ベース、ギター、キーボードにドラムと次々と弾きこなすCHAPMANの才能を間近に感じます。
10曲目"Yourself"(4:04) 今度は、セレナーデ的なリズムとサウンドによるスローなピアノによる弾き語りが登場します。曲の途中より登場するバックのサウンドもしっとりとした響きを厳かさに伝えて来ます。
11曲目"Raffi's Song(The Answer Is Love)"(9:27) アルバムの最後の曲は9分半近くある長い曲です。サイケデリックさのあるギターの調べが渦巻きながらコンガのリズムが聴く者をトランス状態へと誘います。後半から曲のサブタイトルの"The Answer Is Love" の歌詞を多用したリミックス部分を加えたアレンジとなっています。
全11曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:49分47秒 (日本ではまったくの無名と思われるこのCHAPMANですが、YouTubeのプロモーション・ビデオの書き込みなどでは評判が良さそうですね)'12年2月25日更新


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写真  CHARLOTTE & DEA / Alabaster Night
 ・1998 PURE RECORDS   PURECD006
 ・1998 ROCK RECORDS (JAPAN) LTD.   RCCY-1082

スウェーデンからの美しいハーモニー・・・

このアルバムは、スウェーデンのストックホルムで活躍しているCHARLOTTE・BERGDEA・NORBERGのコンビによるデビュー・アルバムです。'98年表示の輸入CDですが、実際のリリースは、本国でも '99年になってからと思われます。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CHARLOTTE・BERG:ヴォーカル、DEA・NORBERG:ヴォーカル、MATTIAS・BLOMDAHL:ギター、ROGER・GUSTAVSSON:ラップ・スティール/ペダル・スティール、 ANDREAS・LINDBERG:ベース、MATS・TÄRNFORS:シンセサイザー、PETER・LJUNG:キーボード、RICKARD・NILSSON:オルガン、ANDERS・WIDMARK:ピアノ、ANDREAS・JOHANSSON:ドラム、FREDRIK・GILLE:パーカッション、STAPPE:パーカッション、MAGNUS・LINDGREN:サックス/フルート、MARCUS・OLSSON:サックス、ANDERS・NYMAN:ヴァイオリン、MICHELE・WILCOX:ヴァイオリン、JAKOB・RUTHBERG:ヴィオラ、ANNA・WALLGREN:チェロ、FREDRIK・SÖHNGEN:オーボエ、BRIAN・HOBBS:アレンジ/プロデュースのスウェーデンのミュージシャン達です。
尚、現在DEAとCHARLOTTEは、コンビを解散していて夫々音楽活動を展開中です。

1曲目"Alabaster Nights"(4:23) アコースティック・ギターの美しい調べによるイントロのサウンドに続いて登場する柔らかい音色のキーボードのサウンドが心地好い曲です。メイン・ヴォーカルは、DEAでしょうか。ギターのMATTIAS・BLOMDAHL(LISA EKDAHL,MISS DOTTIE)とキーボーディストのBRIAN・HOBBS(ノース・カロライナ出身、スウェーデンで音楽活動)との共作です。
2曲目"I Might Be The One"(4:07) アコースティック・ギターの弾き語りによるCHARLOTTEのヴォーカル曲です。彼女の高いキーによる美しい歌声によるカントリー・ロック調のサウンドの流れになっていて後半では彼女のエモーショナルな歌声を高らか響かせています。同じくスウェーデンで活躍しているLISA・MISKOVSKYの音楽スタイルにも通じるところを感じます
3曲目"You belong"(4:44) スライド・ギターのサウンドから入るアコースティック・サウンドのミドル・テンポの曲です。メイン・ヴォーカルは、DEAでバックに美しくCHARLOTTEのハーモニーが加えられています。非常にアメリカナイズされたサウンドとメロディを持っています。1曲目のコンビによる作曲です。
4曲目"That's The Chance We Take"(4:00) 北欧音楽のコンピレーション盤[Nordic Sound 2]にも収録されていた曲です。非常にエンターテナー性の高いサウンドとリズムによる欧米のショウビス界に狙いを決めたアーバンなサウンドを感じさせるアレンジになっています。
5曲目"Fine Line"(4:19) メロウでスムーズなアダルト・ロックのサウンドを感じさせる曲の登場です。ヴォーカル・パートをCHARLOTTEとDEAとでシェアした粋なアレンジとこの心地好いリズムの流れは、日本人受けすこと間違いない曲でしょう。
6曲目"Sea Song"(3:33) アコースティック・ギターの爪弾きとフルートの音色のコンビネーションが美しく響く曲です。ヴォーカル・パートも先の二つの楽器に例えるならのギターがCHARLOTTEでフルートがDEAの歌声に似たところを興味深く感じます。2人の間を繋ぐ12弦アコースティック・ギターの美しい残響音とお馴染みのMAGNUS・LINDGRENのフルートです。
7曲目"Eidolon"(4:45) ピアノにANDERS・WIDMARKが参加したナンバーです。ANDERSのピアノの伴奏に合わせて歌う2人の歌声が美しく厳かに響くピアノ1台によるシンプルに徹した曲になっています。
8曲目"I'm Home"(3:28) 前の曲から自然と繋がるようにアレンジされたように感じる曲でピアノは再びANDERSでメイン・ヴォーカルはCHARLOTTEに替わっています。サウンドとメロディは、少しCHARLOTTE好みのフォーク・ロック調となっています。
9曲目"The Story Of My Life"(3:27) このアルバムではめずらしくロック"ン" ロールのリズムによる曲の登場です。スウェーデンのT.V.などに単独で登場するショーでは、このような乗りのある曲も歌っているようです。
10曲目"Haunting Me"(3:28) 美しい歌声を聴かせるCHARLOTTEのヴォーカル曲です。スローなロックのリズムに歪ませたギターのサウンドとハモンドの独特の音色をアクセントとした収録となっています。ゴージャスなサックス・ソロは、再びMAGNUS・LINDGREN(HERBIE・HANCOCK,JOJJE・WADENIUS)の登場です。
11曲目"Why?"(3:54) 最後の曲は、英国映画の田園の風景を想像させるようなストリングスをあしらえた厳かなクラシック調の曲でアルバムの幕は、閉じられます。ピアノは、再びANDERSが弾いています。このような曲調では、彼の繊細なタッチの演奏が非常に映えるような気がします。
・全11曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:44分06秒 ('99年11月20日に3曲のボーナス・トラックを追加した国内盤も日本コロムビアミュージックよりリリースされています。国内盤については以下に)

12曲目"The Best Of Time(国内盤ボーナス・トラック)"(3:18) アコースティック・ギターの美しい響きによるDEAのヴォーカル曲です。後半からは、CHARLOTTEもヴォーカルをとりながら歌うポップ調のハーモニーの非常に美しい曲です。
13曲目"Eye Of A Hurricane(国内盤ボーナス・トラック)"(3:25) CHARLOTTEの高いキーによる透けた歌声が流れるアコースティック調の曲です。アコースティック・ギター1本による演奏に美しいDEAのハーモニーを付けたシンプル・スタイルによる収録です。
14曲目"Afraid Of Love(国内盤ボーナス・トラック)"(3:24)この曲もヴォーカルは、CHARLOTTEですね。厳かに演奏されるアコースティック・ギターのサウンドと少し切なさを感じさせるCHARLOTTEの歌声がアルバムの最後まで流れて行きます。
・全14曲歌詞/訳詞付 12ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:54分25秒 (スウェーデンの音楽学校で知り合ったDEAとCHARLOTTE、このアルバムが2人にとって唯一のアルバムのようですが、2人のリーダー・アルバムも日本でリリースされることを望みますね)'10年5月12日再更新


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写真  CHINA CRISIS / Working With Fire And Steel
 ・1983 VICTOR MUSICAL INDUSTRIES,INC.   VIL-6090

再結成しています・・・

このアルバムは、リヴァプール近郊の街カービーにて '79年頃に結成されたニュー・ウェーヴ・ロック・バンドCHINA CRISISの '83年にリリースされた2枚目のアルバムです。
CHINA CRISISのメンバーは、GARRY・DALY:ヴォーカル/キーボード、EDDIE・LUNDON:ギター/シンセザイザー/ヴォーカル、GAZZA・JOHNSON:ベース/ベース・ハーモニカ、KEVIN・WILKINSON:ドラム/パーカッションの4人組です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、STEVE・LEVY(後にバンドに加入):オーボエ/サックス、ROBERT・POLLARD:シンセサイザー、ANTHONY・THISTLETHWAITE(Ex.THE WATERBOYS):テナー・サックス、RODDY・LORIMER:トランペット、LUKE・TUNNEY:フリューゲル・ホーン、GARY・BARNACLE:フルート、JANE・LANCASTER:バック・ヴォーカル、GRAEM・LEVY:エフェクト、MARK・LEVY:ヴァイオリン、BARBARA・PARHAM:ヴァイオリン、DAVID・KENNEDY:ヴィオラ、DAVID・ELLERY:チェロのセッション・ミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデューサーは、シドニー出身でGONGのベーシストであったMIKE・HOWLETT(THE POLICE,BLANCMANGE)が担当しています。

1曲目"Working With Fire And Steel"(3:41) 打ち鳴らされるドラムのビートとキーボードのGARRYの高域で裏返る特長的な歌声が放つエレクトロ/ファンカ・ラティーナ的な曲で、このアルバムからのシングル・カット第2弾となった乗りの良い曲です。
2曲目"When The Piper Calls"(4:04) LINNドラムのソリッドなビートと特徴的なギターの調べが響くギター・ポップ色の強い曲です。ギターのEDDIEが書いたビター・スウィートな歌詞が印象的です。
3曲目"Hanna Hanna"(3:29) この曲もシングル・カットされたこのアルバムから第4弾の曲です。エレクトロ・ダンス・ポップなサウンドにリフレインを多用した聴き易さを感じます。
4曲目"Animals In Jungles"(3:40) 細かく刻みながら奏でられるキーボードのサウンドとエレクトロニカによる当時のニュー・ウェーヴ・ロックを強く感じさせる曲です。ジャングル音のサンプリングやシンセサイザーを演奏してギターのEDDIEのヴォーカル曲です。
5曲目"Here Come A Raincloud"(4:16) 今度は、テンポを落として来たスローでしっとりした曲の登場です。STEVEの冷えた空間に広がるオーボエの調べと鼓動に似たシンセ・ベースのサウンドから粋なブリティシュ・テイストを味あわせてくれますね。
6曲目"Wiwishful Thinking"(4:42) このアルバムからのシングル・カット第3弾の曲で、当時のUKシングル・チャート9位にランクインしています。どことなく聴き覚えのあるメロディがご愛嬌による落ち着いたサウンドとリズムによる爽やかなハーモニーを聴かせています。
7曲目"Tragedy And Mystery"(4:03) GARRYとEDDIEが交互にヴォーカルを執る曲で、GAZZAの重いベースのサウンドとシンセサイザーの鋭いサウンドが特徴的に響く感じ良いこの曲もブリティシュらしさが伝わって来ます。
8曲目"Papua"(3:36) この曲もGARRYとEDDIEの歌声のコラボが心地好いエレクトロニカのサウンドによる曲で、軽めのレゲエのリズムも感じます。パプアニューギニアの人をGARRYが綴った歌詞で彼自身が歌っています。
9曲目"The Gates Of Door To Door"(4:16) イントロから聴かせるアステカなパーカッションとフルートのリズミカルな調べが印象的なエキゾチック感を伝えてくれる曲です。同時期に活動していたTHE LOTUS EATERSと共通したサウンドを感じます。
10曲目"The Soul Awakening"(4:36) 神秘的なシンセサイザーのサウンドを聴かせる浮遊感のある曲です。優しく歌うGARRYの歌声と彼の瑞々しいピアノの調べも心地好く響いて来ます。
全10曲歌詞/訳詞付 LP盤 (国内盤) 収録時間:40分23秒 (80年代のイギリスから続々と登場したニュー・ウェーヴ系のバンドのサウンドに心驚かせて聴いたことを懐かしく想います!)'10年11月3日再更新


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写真  CHINA CRISIS / Flaunt The Imperfection
 ・1985 VIRGIN RECORDS LTD.   V2342

驚いたことにWALTER・BECKERが加入・・・

このアルバムは、リヴァプール近郊の街カービー出身のニュー・ウェーヴ・ロック・バンドCHINA CRISISの '85年にリリースされた3枚目のアルバムです。
このアルバムでのCHINA CRISISのメンバーは、GARY・DALY:ヴォーカル/シンセサイザー、EDDIE・LUNDON:ギター/ヴォーカル、GARY "GAZZA" JOHNSON:ベース、KEVIN・WILKINSON:ドラム、WALTER・BECKER(STEELY DAN):シンセサイザー/パーカッション/プロデュースの5人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、NICK・MAGNUS:キーボード/シンセサイザー、TIM・RENWICK:ギター、SIMON・CLARKE:サックス、TIM・SANDERS:サックス、STEVE・GREGORY:サックス、PETE・THOMS:トロンボーン、RODDY・LORRIMER:トランペット/フリュゲール・ホーン、COLIN・CAMPSIE:バック・ヴォーカル、GINNY・CLEE:バック・ヴォーカルのイギリス勢のミュージシャンが参加しています。
尚、各曲の収録時間は、LP盤に記載されている時間を表示している為、CD/ダウンロード曲の表示と一部相違します。

1曲目"The Highest High"(4:16) 口笛の音色に似たキーボードのサウンドは終始響くエレクトロニカ・ポップな曲です。間奏で聴かせるKEVINのドラムのビードとWALTER・BECKERの影響からでしょうかオリエンタルな雰囲気も感じるこのアルバムからのシングル・カットの曲です。
2曲目"Strength Of Character"(2:50) 少しサウンドを渋めの変えてきたアシッド感のある軽めのレゲエのリズムを刻む曲です。改めて聴いて間奏でのジャジーなサックス・ソロや空間的に広がるサウンドは、やはりWALTER・BECKERの手腕ぶりを強く感じます。
3曲目"You Did Cut Me"(4:18) イントロから流れるサックスの調べやベースの落ち着いたサウンドなどは、アメリカのフュージョン・ミュージック界のバンドじゃないのかなって勘違いしてしまいそうなスムーズさを持った曲です。この曲もこのアルバムからのシングル・カット曲です。
4曲目"Black Man Ray"(3:39) 少し低い目のキーから歌い始めるGARYのヴォーカル曲です。シンプルな循環コードで演奏される聴き易い感じの前半からエレクトロニカ・ポップス感やギターのサウンドを加えた流れになっています。当時、ビデオ・クリップも制作されたこのアルバムからのシングル・カットの曲です。
5曲目"Wall Of God"(5:32) この曲は前作からの流れを感じさせるエレクトロニカ・サウンドの曲です。キーボードの演奏やバック・ヴォーカルの感じなどは、当時のブリティシュ・ニュー・ウェーヴ然とした質感を強く感じます。
6曲目"Gift Of Freedom"(4:38) 小刻みに刻まれるギターとキーボードの特長的なサウンドが印象的なアダルトなロックを感じさせる曲です。間奏で流れるホーンのアレンジは、STEELY DANチックを超えてそのまんまSTEELY DANですね。
7曲目"King In A Catholic Style"(4:32) 再びサウンドとテンポを変えて来たニュー・ウェーヴ・ロックと言える曲の登場です。早いテンポで歌われるGARYの歌声と打ち鳴らされるKEVINのドラムのビートが忙しないこのアルバムからのシングル・カット第3弾の曲です。
8曲目"Bigger The Punch I'm Feeling"(4:21) 柔らかなキーボードのサウンドとギターのカッテング音が心地好いレイドバック感を与えてくれる曲です。ビター・スウィートなGARYの歌声にアダルトな雰囲気を感じるホーンのサウンドが良いですね。
9曲目"The World Spins, I'm Part Of It"(4:12) 前作からも少し感じていたのですがGARYの歌ぶりは、歌声は違えどもTALKING HEADSのDAVID・BYRNEに通じるところをこの曲を聴いていて更に感じるようになりました。そう言えはサウンドやリズムなんかもこの曲は、TALKING HEADSの持ち味に似ていますね。
10曲目"Blue Sea"(4:46) 短い歌詞によるほぼインストゥルメンタル的な曲です。ベテラン・ギタリストTIM・RENWICK(SUTHERLAND BROTHERS AND QUIVER)の心地好く響くギターのサウンドとダイナミックなKEVINのドラムのビートが渋いですね。
全10曲歌詞付 LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:43分04秒 (このアルバム購入当時からSTEELY DANのWALTER・BECKERがクレジットに正式メンバーとして記載されていた事すら知らなかったです)'10年11月6日再更新


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写真  CHINA CRISIS / What Price Paradisen
 ・1986 Virgin Records Ltd.   A&M SP-5148

現在もライヴ活動を続けています・・・

このアルバムは、イギリスで活躍している('07年に結成25周年として再結成されています) ニュー・ウェーヴ・ロック・バンドCHINA CRISISの本国にて '86年にリリースされた4枚目のアルバムです。
このアルバムでのCHINA CRISISのメンバーは、GARY・DALY:ヴォーカル、EDDIE・LUNDON:ギター/バック・ヴォーカル、GARY "GAZZA" JOHNSON:ベース/シーケンス、BRIAN・McNEIL:キーボード/バック・ヴォーカル、KEVIN・WILKINSON:ドラム/パーカッションの5人組です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、STUART・NISBET:ギター、MARTIN・DITCHAM:パーカッション、GARY・BARNACLE:サックス/フルート、PETE・THOMS:トロンボーン、LUKE・TUNNEY:トランペット、フリューゲルホーン、DAVID・BEDFORD:ストリングス、DAVIE・DOVER:バック・ヴォーカル、JOHN・LEWIS:バック・ヴォーカルなど2枚目のアルバムでのミュージシャン達も再び参加しています。
尚、プロデューサーは、THE TEARDROP EXPLODESやHOTHOUSEFLOWERSなどの多くのアルバムに携わっているCLIVE・LANGERと ALAN・WINSTANLEYのコンビです。

1曲目"It's Everything"(5:08) ソウル・スタイルのハーモニーやゴージャス感のあるサックス・ソロなどもの凄くアメリカナイズされたサウンドを感じさせる曲なのですが、打ち鳴らされるKEVINのドラムによるニュー・ウェーヴ系のサウンドも登場するなど洒落たアレンジがご機嫌ですね。
2曲目"Arizona Sky"(5:25) エレクトロニカによる切れ味のあるイントロのサウンドと心地好いスキャットを聴かせるバック・ヴォーカル達の歌声が見事なコラボするミドル・テンポのナンバーです。このアルバムから最初に気に入った曲の一つで、シングル・カットもされています。
3曲目"Safe As Houses"(4:26) この曲は非常に、ブリティシュ・ニュー・ウェーヴ感とポップなサウンドを上手く融合させた感じが伝わって来る曲です。巧みで滑らかなギター・ソロを聴かせるSTUART・NISBET(THE SINCEROS)の演奏が素晴らしいです。
4曲目"Worlds Apart"(3:34) 細かく刻まれるリズムなどスウィング・ジャズからの強い影響を感じさせるジャイヴ感にたっぷりと響くホーン・アレンジが印象的なソウル・フィーリング溢れる曲です。
5曲目"Hampton Beach"(4:46) レコード盤では、A面の最後に収録されているスローな曲です。しっとりとしたストリングスが奏でられ旅情的な雰囲気を伝えています。
尚、曲名であるHampton Beachは、アメリカ東海岸に位置するニューハンプシャー州の避暑地として有名なリゾート地です。
6曲目"The Understudy"(5:45) この曲は、前のアルバムからのサウンド、特に彼らが崇拝していたSTEELY DANのサウンドを色濃く表わし、洒落を効かせたうえ、更にダイナミックな展開を感じさせるアレンジになっています。
7曲目"Best Kept Secret"(4:07) この曲は、非常に印象的なKEVINのドラムによるリズムとサビの部分のホーンのサウンドのゴージャス感が心地好い響きを伝えてくれる曲です。
8曲目"We Do The Same"(4:21) 非常に高いキーまで歌うGARYの歌声が特徴的なこの曲もソウル・ミュージックからの影響を感じさせるコーラスなどを感じさせ初期の頃のCHINA CRISISのニュー・ウェーヴ感のあるサウンドとはまた違った感じです。
9曲目"June Bride"(3:48) 曲の幕明きを知らせるKEVINのスネアを叩くビートと跳ねるように奏でられるキーボードの調べが印象的なハッピー・ソングですね。歌詞の部分に花嫁の名前を入れれば結婚式で歌えそうな感じかな。
10曲目"A Day's Work For the Dayo's Done"(4:16) この曲もアルバム購入当時から直ぐに気に入ってよくヘビ・ロテで聴いていた曲で、ストーリーテラー風のGARYの歌声とストリングス風のサウンドがこちらに伝わって来ます。
歌詞無し LP盤 U.S.製 (輸入盤) 収録時間:45分36秒 (今回レビューしたアルバムは、'86年にアメリカA&M Records からリリースされた盤で、CDでのボーナス曲"Trading In Gold" は収録されていません)'10年11月13日再更新


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写真  CHOPPER HARRIS / Chopper Harris EP
 ・2006 Bad Vibes Music   BVM 01

EDWARDの音楽の才能を "ヒシヒシ" と感じる・・・

ロンドンでインディペンデントに活躍するCHOPPER HARRISことEDWARD・TREACYの5曲入りミニアルバムで '06年のリリースです。H.P.とMySpaceでの購入(現在は不可)しか出来ないアルバムですが、様々な音楽の要素がふんだんに取り入れられたEDWARDの音楽の才能を "ヒシヒシ" と感じるアルバムです。
尚、EDWARDはTIM・FINN,COLDPLAYも所属する大手老舗レーベルParlophoneと '07年契約したようです。このEP盤の収録には、EDWARD・TREACY:ヴォーカル/ギター/キーボード/ベース/サックス/プログラミングの他、MARK・SEPPLE(SQUABBLER,LE PIG,ZALINSKI):ドラム、SAM・BUNTING(ZALINSKI):ベースとNASHER:ギター/バック・ヴォーカル?(Ex.FRANKIE GOES TO HOLLYWOOD)が参加しています。

1曲目"Jonah And The Whale"(3:50) フェンダーの鋭いギターのサウンド、重いベースの響き、タイトなドラムのビートによるスリリングな曲です。ギターの弦が切れても切れても弾き捲くるEDWARDのビデオ(残念ながらYouTubeでのビデオは現在削除されています)をご覧あれ!
2曲目"Foxes Of New Cross"(3:42 胸騒ぎを起こさせるイントロと硬く響くギターのサウンドとEDWARDの風変わりなヴォーカルの歌声によるブリティッシュ・テイスト溢れる曲で後半のEDWARDのギターソロが鋭く響くのです。
3曲目"Somebody Died"(4:03) アコースティック・ギターでのイントロからエモーショナルに展開する様々なギターのサウンドと有名人の登場する歌詞など興味深くてフックなメロディも良いですね。
4曲目"Radio Romance"(3:39) EDWARDのカッティング・ギターのサウンドを全面に出したポップなロック"ン" ロールです。EDWARDの元気一杯のヴォーカルと美しいピアノの間奏とアレンジも凝っています。
5曲目"Edward's Ill Again"(3:01) 一転してスローな曲です。イントロのメロディは、新曲の"Thru The Night"と共通または、組曲としたようです。後半ではジャジーなピアノの演奏に展開する曲です。
全5曲歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:18分16秒 (EDWARD・TREACYと直接メールのやり取りにて日本発送を快諾してもらったCD)'10年5月12日再更新


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写真  CITIZEN JANE / Laureen
 ・1993 A TEAM FOR ACTION
 ・1994 Victor Entertainment, Inc.   VICP-5397

JANのオランダ語訛?の英語ですが・・・

このアルバムは、ベルギーで活躍する男性2人 女性1人のヴォーカル・グループのデビュー作で '94年6月22日、国内でのリリースです。
CITIZEN JANEのメンバーは、JAN・VAN・LAET:ヴォーカル/タンバリン、ANNE・VAN・DER・PLASSCH:バック・ヴォーカル、PASCAL"MAX" EGLEM:ギターの3人組です。アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、JOHAN・LANGHENDRUES:ドラム、PHILLIPPE"KOZZE" DEKOSTER:ベース、MICHEL・BISCEGLIA:キーボード、JEAN-MICHEL・GIELEN:ギター、ERIC・MELAERTS:ギター、GWENAËL・MICAULT:アコーディオン、ANNE・WOLF:キーボード、CHRISTIAN・MARTIN:パーカッション/キーボード・アレンジ/オーケストラ・アレンジ、EVANNA・COSGROVE:バック・ヴォーカル、PASCALE・VERVLOET:バック・ヴォーカル、MARC・VAN・EYCK:バック・ヴォーカル、PAULA・MARQUES:ブラジリアン・ヴォイス、JEROEN・VAN・HERZEELE:サックス、PATRICK・MORTIER:トランペット、JEAN-PAUL・LOSSIGNOL:トランペット、CARLO・MERTENS:トロンボーン、FRANK・DERUYTER:サックス、DANNY・CUYPERS:サックス、MARTIN・VANEYCK:ブラス、MARC・VANEYCK:ブラスの多くミュージシャンが参加し、ジャズ・スタイル/ボサ・ノヴァ/ロックと幅広い音楽にノスタルジックなアメリカンサウンドがブレンドされた1枚です。
ベルギーと言えば多くの優れたアーティストを輩出したCrepuscule labelが有名ですが、'88年に設立されたこのレーベルTEAM FOR ACTIONもユニークなアーティストとマルチメディアを駆使した新戦略を展開しています。
尚、グループ名のCITIZEN JANEは映画「市民ケーン」を捩ったと言われています。

1曲目"Believe In Time"(3:31) ボサ・ノヴァのリズムによる軽いサウンドの曲でJANの英語の歌詞による優しい響きによる歌声ですが、どことなく発音に訛があるのはご愛嬌です。曲の後半部分はゴスペルチックなスタイルになっています。
2曲目"So Sad And Alone"(4:02) JANの口笛によるイントロの曲で昔のウイスキーのコマーシャルを思い出させるメロディとスイングするリズムでの曲です。
3曲目"The Chosen One"(3:33) 12弦アコースティック・ギターのサウンドによる少し切ないメロディによる曲でバック・ヴォーカルのANNEの美しい響きの歌声が良いですね。
4曲目"Blues Of Changes"(3:08) HARRY・NILSSONの書きそうなメロディに似たサーカスをモチーフのした曲で手回しオルガンの音色とスネアでのドラムロールがサーカスの綱渡りの緊張感を想像させます。
5曲目"Laureen"(3:06) 前の曲の終わりから引き続いて演奏されるビックバンドの演奏によるスタンダードジャズ/ビーバップのようなナンバーでサウンドはかなりアメリカ的です。
6曲目"You Don't Know"(2:49) ナイロン弦ギターによるアップテンポでエモーショナルなサウンドによるスイングする曲です。
7曲目"Angel Dust"(4:10) アコースティック・ギターの爽やかな響きによるギターポップで乗りの良いリズムとメロディの曲ですが、歌詞の内容は母を亡くした少女への想いを語っています。
8曲目"The Stranger And The Fool"(3:33) 本格的なスムース・ジャズ・テイスト溢れるスローナンバーです間奏に非常にスムーズなギターソロも定番中の定番です。
9曲目"Diana"(2:05) ビックバンドの演奏によるダンスホール・サウンドによる2分程度の曲です。"サッチモ" 風のトランペットとヴォーカルを使った凝った配慮です。
10曲目"Loving You"(3:11) ラテン・フレイヴァーの効いたサルサのリズムとトランペットのソロとツボを押さえたアレンジで本当にベルギーから発信されているとは信じられないサウンドです。
11曲目"Tell Me What To Do"(3:52) BASIA風のスキャットヴォーカルによるイントロとボサ・ノヴァのリズムによる曲です。この曲は非常にヨーロッパの洒落たテイストを感じます。間奏のサック・ソロと時折入るリズムの波が印象的です。
12曲目"Portocobella"(3:20) ポルトガル語のイントロに続いて登場するボサ・ノヴァの心地よいリズムとギターのサウンドピアノの弾き語りです。
13曲目"People Are Strange"(2:42) THE DOORSの'67年の作品でオリジナルでも独特のヴォーカルのグルーヴ感が魅了的な曲でした。間奏ではアグレッシブなトランペットのサウンドによるアレンジです。
14曲目"Sweet Cute And Pretty"(4:53) JANのファルセットによる歌声によるバラードです。バックに流れるPASCALの切ない響きのアコースティック・ギターとANNEの美しいバック・ヴォーカルが曲のイメージを膨らませています。
15曲目"Black Girl(Bonus track)"(3:18) サックスとベースとドラムによるセッション的なフュージョン・サウンドのイントロとヴォーカル部分はグルーヴ感のあるロック仕立てです。
全15曲歌詞/訳詞付 16ページ物ブックレット (国内盤) 収録時間:51分11秒 (多分、国内盤はこのファースト・アルバムのみです。本国では、この後3枚程度のアルバムとベスト盤がリリースされています)'11年7月23日再更新


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写真  CITIZEN JANE / First Lady & The Secondman
 ・1996 Team 4 Action   G41-00068-200

前作よりロック色豊かに若々しく・・・

このアルバムは、ベルギー出身の男性2人 女性2人のロック・バンドCITIZEN JANEの2枚目のアルバムで、'96年のリリースです。メンバーは、JAN・VANLAET:ヴォーカル/タンバリン、ANNE・VAN・DER・PLASSCH:ヴォーカル、PASCAL'MAX’EGLEM:ギター、PASCALE・VERVLOET(現在はLUNABEEのヴォーカリストとして活躍中):ヴォーカルが加わってこの作品では4人組となりました。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CITIZEN JANEの4人の他、PAOLO・LOVERI:ギター、SERGE・DACOSSE:ベース、YVES・BAIBAY:ドラム、CHRISTIAN・MARTIN:キーボード/シンセサイザー/パーカッション/ループ/オーケストラ・アレンジ/プロデュース、MICHEL・BISCEGLIA:キーボード、RHONNY・VENTAT:サックス、MANU・HURMIAT:サックス/フルート、LAURENT・BLONDEAU:トランペット、MARC・GODFROID:トロンボーン、CLAUDE・MARTIN:バック・ヴォーカル、MICHEL・VANHERWEGEN:バック・ヴォーカルのベルギーのミュージシャン達です。

1曲目"Hey Days"(3:14) ドラムのビートとブラスの激しいサウンドによるロックのリズムの曲で前作よりロック色とギターのサウンドが若返りブリティッシュ・ロックに近いものを感じます。
2曲目"Never Look Down"(3:21) アコースティック・ギターでのリズムの刻みエレクトロニカのサウンドを取り入れています。ANNEとPASCALEの女性陣のヴォーカルの厚みが増しました。
3曲目"Second Man"(4:15) トロピカルなリズムとメロディによる心地好い曲で、この曲でも女性陣のバック・ヴォーカルが非常に爽やかさと心地好さを感じさせます。
4曲目"Got To Believe"(2:50) 美しいメロディと切なく響くピアノの音色による渋い曲でアコースティック・ギターのPAOLO・LOVERIが素晴らしいギターソロを聴かせてくれます。
5曲目"Come On"(4:38) 煌びやかキーボードのサウンドとドラムのビートによるミドル・テンポのエモ・ポップの曲でこれまた素晴らしいギターソロが配されています。
6曲目"Hello Mister Goodbye"(3:57) カリフォルニアの乾いた風のサウンドと降り注ぐ太陽の光を想像させる曲です。JANの低目の歌声と女性ヴォーカルとのハーモニーの絡みが心地好い曲です。
7曲目"Good Old Years"(3:27) この曲は前作の流れを汲むスムースジャズテイスト溢れるナンバーです。ジャジーなサックス・ソロはRHONNY・VENTATです。
8曲目"Fat Knees"(3:18) ロック"ン" ロールのリズムにファンクさとアグレッシヴさを加えた前作に無かったサウンドの曲です。JANのソウルフルな歌声はステージ受けするでしょうね。
9曲目"Where Do You Belong"(3:07) アッポテンポによるビートの効いたナンバーです。前作までのジャジーな雰囲気を一掃するパワフルさを感じます。
10曲目"First Lady"(3:38) 女性ヴォーカルのスキャットヴォーカルに誘われて登場するJANの歌声が爽やかなボサ・ノヴァ調の曲です。乾らっとしたホーンセクションもコンパクトで好感が持てます。
11曲目"Happy Together"(2:57) ご存知THE TURTLESの '67年全米1位になった曲のカバーです。アメリカのポップ/ロックグループが光り輝いていた時代です。楽しいメロディとリズムによる曲です。
12曲目"It's Wonderful"(4:29) アルバムのラストを飾るに相応しい美しいメロディと響きを持った曲です。JANの優しさ溢れる歌声と後半からダイナミックに展開する曲です。SERGE・DACOSSEの美しいフレットレス・ベースの音色が堪りません。
全12曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット オーストリア盤 (輸入盤) 収録時間:43分12秒 (最近はあまり情報が入ってこないグループですが、どうしているのでしょうか?)'11年7月23日再更新


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写真  CLARK DATCHLER / Raindance
 ・1990 Virgin Records Ltd.   VJCP-29

ベテラン勢に囲まれての収録・・・

このアルバムは、'88年にJOHNNY HATES JAZZを脱退したCLARK・DATCHLERが '90年7月21日に国内でリリースしたソロ・アルバムです。本国のイギリス以外にもオランダ、イタリア及びアメリカにも出向いて収録が行われています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CLARK・DATCHLER:ヴォーカル/キーボード/プロデュースの他、JAMES・HARRAH:ギター、PAUL・JACKSON・JR.:ギター、MICHAEL・LANDAU:ギター、J.J.BELL:ギター、DAVE・GREGORY:ギター、PHIL・PALMER:ギター、THE GIANT(DANN・HUFF):ギター、JAY-TEE・TETERISSA:スラップ・ベース、NEIL・STUBENHAUS:ベース、NATHAN・EAST:スラップ・ベース、ANDY・RICHARDS:キーボード/プログラミング、RICHARDS・COTTIE:キーボード、STEVE・PIGOTT:キーボード、BRIAN・RAWING:ドラム/パーカッション、JOHN・ROBINSON:ドラム、GEOFF・DOUGMOORE(DUGMORE):ドラム、PAULINHO・DA・COSTA:パーカッション、RAFAEL・PADILLA:パーカッション、SIMON・FRANGLEN:プログラミング、ALBERT・BOEKHOLT:プログラミング、LARRY・WILLIAMS:クラリネット、CANDY・DULFER:サックス、JERRY・HEY:ホーン・アレンジ、JAMES・NEWTON・HOWARD:ストリング・アレンジ、JEREMY・LUBBLOCK:ストリング・アレンジ、SIMONE・WALRAVEN:バック・ヴォーカル、RENEÉ・GEYER:バック・ヴォーカル、ASHLEY・DATCHLER:バック・ヴォーカルの多くのミュージシャン達が参加しています。
このアルバム・リリース時、CLARKは、アイルランドで生活していてNIGHTFOXXと改名し、環境保全や省エネ、地球温暖化防止をテーマにした活動を展開中で、インディペンデントとしてアルバムをリリースしています。

1曲目"The State Of Play"(3:33) ファンクなリズムと心地好いメロディによる切れのある曲です。プロデューサーのHUMBERTO・GATICAの得意とするダンサブルなナンバーです。サックス・ソロは、このアルバムのリリース年度と同じく '90年にデビューしたCANDY・DULFERです。
2曲目"Drowning My Sorrows"(3:42) ベテラン・サックス・プレーヤーのLARRY・WILLIAMS(SEAWIND)が、クラリネットで参加したポップな曲です。LARRYの柔らかい音色のクラリネットが心地好いです。多分、LARRYがこのアルバムへ参加したのは、ホーン・アレンジのJERRY・HEYからの薦めがあったのでしょう。
3曲目"Crown Of Thorns"(4:48) 当時シングル・カットされたCLARK自身のキーボードによるピアノ・バラードです。この曲のサウンドは、非常にアメリカの西海岸のサウンドに近いものを感じさせます。ロンドンで活躍していた頃の自身を見つめ直した内容の歌詞も興味深いです。この曲で気になるところがギターのクレジットに"The Giant" とだけ記されているギタリスト?(STEVE・LUKATHERのような?)
4曲目"Close To The Edge"(3:41) エレクトロニカのファンクなサウンドによるダンサブルなナンバーです。バック・ヴォーカルは、ASHLEY・DATCHLER('93年にJOHNNY HATES JAZZのCALVIN・HAYESのプロデュースにてシングル・デビュー)CLARKの妹・姉?が参加しています。
5曲目"It's Better This Way"(4:43) 哀愁のミドル・テンポのバラードで、美しいメロディによるいい歌です。間奏でJAMES・HARRAHがまた心地好い響きのギター・サウンドを聴かせてくれるのです。パーカッションは、御馴染みのPAULINHO・DA・COSTAです。
6曲目"The Last Emotion"(3:49) タイトル通りエモーショナルなアップテンポのナンバーです。バックに響くギミックなキーボードのサウンドと再びTHE GIANT(DANN・HUFF)の凄いギターが響き渡ります。
7曲目"Raindance"(3:43) レゲエのリズムによるポップな曲です。再びCANDY・DULFERがサックスで登場です。ベース:NATHAN・EAST、ギター:PAUL・JACKSON・JR.、J.J.BELL(故J.J.BELLE?)が参加しています。
8曲目"Heart Of Hearts"(3:09) めずらしくアコースティック調の曲の登場です。爽やかな歌声とメロディによる牧歌的なナンバーです。PHIL・PALMER:ギター、NEIL・STUBENHAUS:ベースとベテラン勢が参加しています。
9曲目"True Confessions"(3:42) ファンクなチョッパー・ベースのサウンド(プログラミング)を使ったアップテンポなナンバーです。ギターは、黄金コンビのPAUL・JACKSON・JR.とMICHAEL・LANDAUで、MICHAELも弾き回っています。
10曲目"Autumn Years"(4:01) ストリングスのアレンジに大御所JAMES・NEWTON・HOWARDを迎えたメロディアスなスローな曲です。アコースティック・ギターは、再びMICHAEL・LANDAUです。
11曲目"Widow(Bonus Track)"(3:43) プログラミングによる重いベースのサウンドの刻みを主体としたダークな曲です。エコーを効かせたCLARKの歌声がこだまするシンプルな曲です。
10曲歌詞/訳詞付 20ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:42分35秒 (CLARKの要請でしょうか、このアルバムの裏面にグリーンピースの自然保護のメッセージが記載されています)'10年5月13日再更新


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写真  CLAUTHEWITCH / Begonia
 ・2024 Clauthewitch / Maternidade  

Bandcamp巡りにて・・・

このアルバムは、ポルトガルの首都リスボンで活躍しているオルタナティヴ/ドリーム・ポップ・バンドCLAUTHEWITCH(クラウザウイッチと読むのかな)のデビュー・アルバム(5曲 EP盤)で '24年10月25日に本国でのダウンロード・リリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CLAUTHEWITCHAのCLÁUDIA・NOITE:ヴォーカル、DIOGO・LOURENÇO:ギター、NICØ・JABBLES:シンセサイザー/各種電子楽器/プロデュースの多分、3人です。

1曲目"Begonia's Theme"(3:54) アコーステックィ・ギターのひ弱な音色による爪弾きから歌い始めるのCLÁUDIAの幼げの歌声が刺さる曲です。どこか陰をもったメロディとサウンドの流れにこの曲に惹きつけられる自分がいます。歌詞の方は、「イソップ物語 」からインスパイアされた内容のようです。
2曲目"NANA"(3:20) シンプルなギターの爪弾きから次第にアグレッシヴな展開を聴かせる曲です。この曲でのDIOGOのハウンテッド・ギターのサウンドが文字通りとりつかれますね。
3曲目"How To Behave"(4:27) 今度は、サウンドをメランコリックな調べに寄せたナンバーです。この曲でもDIOGOのエコーの効いたギターのサウンドが好いですね。CLÁUDIAの無垢な歌声に惹きつけながらこのからCLAUTHEWITCHAの持つ世界に陶酔させます。
4曲目"Mona"(3:03) 丁寧に奏でられるアコースティック・ギターの音色に浮遊するCLÁUDIAの亡霊から囁かる歌声が切なく響く曲です。NICØの重く響くシンセ・ベースの音色がCLÁUDIAの囁く歌声と対照的ですね。
5曲目"Child's Eyes"(6:14) このバンドのサンプル音源をちょっと聴いただけでアルバム購入したので、この曲までしっかり理解していなかったのですが、結構へ変調を繰り返す長尺の曲です。オルタナティヴな曲の流れ持つシンプル・パートからエレクトロニカなパートそしてジャズ・フレイヴァーなところまで混ぜて展開されます。まるでPREFAB SPROUT / Swoonを始めて聴いた時の衝撃の再来を感じました。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:20分58秒 (ポルトガルと言えば何だかロック音楽に無縁と思えそうなのですが、70年代のブリティシュ・ロックから影響を受けたWE TRUSTやBEST YOUTHなどベテラン達がいますね!)'24年10月28日更新


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写真  CLIMIE FISHER / Everything
 ・1987 EMI RECORDINGS LIMITED   EMC 3538

根強い人気アルバム・・・

このアルバムは、イギリスで活躍していたエレクトロニカ・ポップ・デュオCLIMIE FISHER '87年の大ヒット・シングル曲"Love Changes" を収録したアルバムで、本国でのリリースは '88年です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SIMON・CLIMIE:ヴォーカル/プロデュース、故ROB・FISHER:キーボード/プロデュースの他、NEIL・TAYLOR(NEON,T.F.F.):ギター、PINO・PALADINO:ベース、JON・READ:ベース、DAVID・PALMER:ドラム、MEL・GAYNOR:ドラム、STEVE・FERONE:ドラム、FRANK・RICOTTI:パーカッション、LOUIS・JARDIM:パーカッション、BRUCE・SMITH:パーカッション、CORAL・GORDON:バック・ヴォーカル、SOULTANA'S:バック・ヴォーカル、故KIRSTY・McCALL:バック・ヴォーカル、VIEW FROM THE HILL:バック・ヴォーカル、STEPHEN・HAGUE(NEW ORDER,ERASURE):プロデュース、STEVE・LILLYWHITE(U2,JASON・MRAZ):プロデュースの英米混成チームになっています 。

1曲目"Love Changes(Everything)"(4:32) この曲は当時、ビデオも含めてT.V.などで良く流れていた曲です。イントロのドラムのビートやモノクロームのビデオの雰囲気は、THE POLICEの"Every Breath You Take" に感じが良く似ています。今でもこの曲は、T.V.の旅番組などで時々使われていますね。
尚、この曲のミキシングは、ベテラン・ミキサーBOB・CLEARMOUNTAINが担当しています。
2曲目”Rise To The Occasion"(4:22) '87年に全英10位、オランダで1位を獲得したスマッシュ・ヒット曲です。SIMONの特徴的なハスキー・ヴォイスに美しく鳴り響くナイロン弦ギターの調べによる心地好いメロディとサウンドが響きます。
3曲目"I Won't Bleed For You"(4:26) イントロから響くNEILの美しいアコースティック・ギターの響きから次第にエレクトロニカのサウンドを加えてCLIMIE FISHER節に展開される曲です。T.F.F.のアルバムでも素晴らしい演奏だったNEILの空間的に響くエレクトリック・ギターのサウンドに聴き応えがあります。
4曲目"Room To Move"(4:29) ROBの跳ねるように奏でられるキーボードの調べとSIMONの掠れ気味の歌声が渋く響くエレクトロニカ・ダンス・ポップな曲です。バック・ヴォーカルのSOULTANA'Sは、詳細不明ですが、ブラック・ミュージックからの影響がこの曲から伺えます。
5曲目"Precious Moments"(3:40) 一転してスローでムードのある曲の登場です。曲は、ROBとSIMONとの共作となっていて収録も2人で行われています。日常の幸せの中にふと訪れる不安感を歌詞に綴っています。
6曲目"Rise To The Occasion(Hip Hop Mix)"(4:16) '87年に4曲入12インチ・シングル盤として先行リリースされた2曲目の曲のヒップ・ホップ・ヴァージョンです。リミックスは、PHIL・HARDING(THE BLOW MONKEYS,BELOUIS SOME)が担当しています。
尚、当時のアルバムの発売国によっては、未収録か11曲目の場合もあります。
7曲目"This Is Me"(3:56) ご機嫌な響きを発するROBのキーボードのサウンドとNEILの切れのあるギター・サウンドに促されて登場するSIMONのハスキー・ヴォイスが堪らない当時のLP盤のB面の1曲目に位置する煌びやかなダンス・ポップな曲です。途中よりキーを上げるアレンジと随所に流れるギターの調べにも乗せられますね。
尚、バック・ヴォーカルには、ベテラン・シンガーの故KIRSTY・McCALL(プロデューサーSTEVE・LILLYWHITEの奥さん)が参加して、SIMONをバックアップしています。
8曲目"Never Let A Chance Go By"(4:25) 更にNEILのギターのサウンドを全面に出して来たキャッチーなチューンです。エレクトロニカ・ポップな風味になっていますが、根底にあるメロディとサウンドは、メロディアス・ハード・ロックの質感も感じます。
9曲目"Bite The Hand That Feeds"(4:15) 少し低い目のキーで歌うSIMONの歌声とエッジの効いたNEILのギター・サウンドにより前の曲よりも更にメロディアス・ロックの領域に近づいた曲です。SIMONとROBの恋する事の苦しみを描いた内容を歌詞に綴っています。
10曲目"Break The Silence"(4:21) 前の曲の終りから自然につながるこの曲のイントロ部分の流れ方が最高な曲です。リズムの流れも少し落してきてしっとりと聴かせるスタンスによる内容的も前の曲の続編となっているようです。
11曲目"Keeping The Mystery Alive"(4:17) この曲は、アルバムの最後の位置に収録されているにしては、少し派手なサウンドの曲ではないでしょうか。80年代のイギリスのバンドらしいダンサブルなリズムとリフレインにより歌詞の流れによるエレクトロニカ・ポップです。
10曲歌詞付 LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:46分59秒 (サンプル曲のLINK先を検索して驚いたのですが、このアルバムの全曲が既にYouTubeでアップされて現在も世界中で人気が高い事を認識しましたね)'10年5月13日再更新


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写真  CLIMIE FISHER / Coming In For The Kill
 ・1989 EMI RECORDS LTD.(Capitol Records,Inc.)   CDP7 93005 2

残念ながら2枚のアルバムを残して・・・

T.F.F.の前身バンドNEONで活動していた故ROB・FISHERがPETE・BYRNEと組んでNAKED EYESとしてイギリスで活躍し '83年頃にヒット曲を放つも解散(PETE・BYRNE 1人として活動中です)した。そのROB・FISHERがスタジオ・ミュージシャンのSIMON・CLIMIEと '86年にコンビを組んでCLIMIE FISHERとして制作した最後のアルバムで '89年のリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SIMON・CLIMIE:ヴォーカル/プロデュース、ROB・FISHER:ベース/キーボード/ドラム・プログラミング/プロデュースの他、STEVE・KHAN:ギター、J.J.BELLE:ギター、NEIL・TAYLOR:ギター、CHESTER・KAMEN:ギター、NATHAN・EAST:ベース、STEVE・FERRONE:ドラム、RICHIE・RAY・STEVENS:ドラム、JIMMY・BRALOWER:ドラム・プログラミング、LENNY・CASTRO:パーカッション、CAROL・STEELE:パーカッション、MAE・McKENNA:バック・ヴォーカル、VANEESE・THOMAS:バック・ヴォーカル、TAWATHA・AGEE:バック・ヴォーカル、BRENDA・WHITE-KING:バック・ヴォーカル、CURTIS・KING:バック・ヴォーカル、DEE・LEWIS:バック・ヴォーカル、FRANK・SIMMS:バック・ヴォーカル、FONZI・THORNTON:バック・ヴォーカルのベテラン・ミュージシャン達が参加しています。
尚、このアルバムは、アメリカとイギリスで曲毎に収録されプロデュースは、CLIMIE FISHERが担当(1部 NEIL・DORFSMAN,STUART(STEWART)・LEVINE,BOB・CLEARMOUNTAIN)しています。

1曲目"Facts Of Love"(3:44) SIMON の特徴的な掠れた歌声によるテンポの良いパワー・ポップな曲です。N.Y.で収録されたようでギターにSTEVE・KHANが起用されています。
2曲目"Fire On The Ocean"(4:18) 非常にタイトな響きを持ったドラムのビートのよるポップ色の強い曲です。硬くて伸びやかなサウンドのCHESTER・KARMEN(ROGER・WATERS BAND)ギターとROB・FISHERのピアノの旋律がはじける曲です。
3曲目"It's Not Supposed To Be That Way"(3:49) アメリカのサウンドを意識したポップな曲です。アダルトなコンテンポラリーの少しメロウな曲調です。
4曲目"Hold On Through The Night"(3:54) NEONからの付合いのギタリストNEIL・TAYLORが参加したご機嫌なリズムの曲です。ダンサブルなリズムと若さを感じる明るいサウンドによる曲です。
5曲目"Buried Treasure"(4:33) エレキトロニカのサウンドによるバラードです。シンセ・ベースの低く響くスローなリズムに乗せ歌うSIMONのハスキーヴォイスによる素晴らしい曲です。
6曲目"Power Of The Dream World"(5:14) NATHAN・EASTのご機嫌なベースのサウンドとSTEVE・KHANのギターの響きにアップテンポな曲です。エモーショナルなリズムを作り上げたSIMON・CLIMIEとROB・FISHERの辣腕さを見せた曲です。
7曲目"The Best Part Of Living"(3:51) エレクトロニカ・ポップに少しブラック・コンテンポラリーの雰囲気を持った"渋い" 曲です。このアルバムで1番先に気に入った曲です。STEVE・KHANのシタール・ギターも聴き物です。
8曲目"Coming In For The Kill"(4:13) ロックぽいサウンドとリズムによる乗りの良い曲です。ハードなギターのサウンドとコーラス隊のハーモニーが効いたアメリカン・ロックな曲です。
9曲目"Don't Mess Around"(3:35) この曲も少しハードさを持った曲です。プログラムによる重厚なリズムの進行にブラスのサウンドと故J.J.BELLE(PETSHOP BOYS)のアグレッシヴなギターワークを加えた曲です。
10曲目"You Keep Me Coming Back For More"(4:08) ミドル・テンポのダンサブルなナンバーです。打ち込みとループを使ったサウンドに幻想的なサウンドのキーボードを被せた曲です。この曲はメンバーから見てイギリスで収録されているようです。
11曲目"Memories(If I Could Relive Your Love)"(5:57) ボーナス・トラックでシングル盤"Facts Of Love (7" version)"に収録されています。イントロから非常に美しいキーボードのサウンドとドラムのビートに続き登場するエモーショナルなベースランニングがご機嫌な曲です。NEIL・TAYLORの控え目ながら心地よく響くコンパクトなギターワークによる6分近くあるミドル・テンポのナンバーです。
全11曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット U.S.製 (輸入盤) 収録時間:47分16秒 (このCLIMIE FISHERも残念ながら2枚のアルバムを残しての解散です。後にSIMON・CLIMIEは、ソロ・アルバムをリリース後、ERIC・CLAPTONとのユニットで活躍しています)'10年5月13日再更新


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写真  CLIVE GRIFFIN / Inside Out
 ・1991 Phonogram Ltd.   848 453-2

ブルーアイドソウルの良いアルバム・・・

このアルバムは、何気なしに買ったCDで余り聴かずに仕舞い込んでいました。埃を払い久しぶりに聴いてみました。似ているアーティストは、若いて言えばRICK・ASTLEYとJAMES・INGRAMかな?CLIVEはCELINE・DIONとのデュエットの曲 (映画[めぐり逢えたら]) がありますし、ツアーも一緒に廻った経験があります。
このアルバムは、彼の2枚目のアルバムで 本国にて '91年にリリースされています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CLIVE・GRIFFIN:ヴォーカル/プロデュース、J.J.BELLE:ギター、JEREMY・MEEK:ベース、JOE・DWORNIAK:ベース/プロデュース、DAVE・CLAYTON:キーボード/プロデュース、BLAIR・CUNNINGHAM:ドラム、GRAHAM・BROAD:ドラム、SIMON・TOMKINS:ドラム、STEVE・FERRONE:ドラム、DANNY・CUMMINGS:パーカッション、JOHN・THIRKELL:ブラス、PHIL・SMITH:ブラス、VINCE・SULLIVAN:ブラス、CHRIS "SNAKE" DAVIS:フルート/サックス、MIKE・PARLETT:サックス、PAUL・SPONG:トランペット、DAVID・MORALES:ハープ、ERIC・KUPPER:ハープ、KELTON・COOPER:ハープ、PETER・SKI・SCHWARTS:ハープ、SKAILA・KANGA:ハープ、RICHARD・NILES:指揮、ANDY・PARKER:ストリングス、ANTHONY・PLEETH:ストリングス、BARRY・WILD:ストリングス、BELINDA・BUNT:ストリングス、BEN・CRUFT:ストリングス、BEN・KENARD:ストリングス、BILL・BENHAM:ストリングス、BRIAN・HAWKINS:ストリングス、DAVE・BUCKNELL:ストリングス、PAI・EMMANUELLE:ストリングス、EDDIE・ROBERTS:ストリングス、LIZ・EDWARDS:ストリングス、GAVIN・WRIGHT:ストリングス、GEORGE・ROBERTSON:ストリングス、GILLIAN・THODAY:ストリングス、JIM・ARCHER:ストリングス、JIM・McLEOD:ストリングス、JOHN・GLICKMAN:ストリングス、MARK・BERROW:ストリングス、MARTIN・ROBINSON:ストリングス、NORIS・BOSWORTH:ストリングス、PAUL・KEGG:ストリングス、PETE・OXER:ストリングス、ROGER・GARLAND:ストリングス、ROGER・SMITH:ストリングス、ROLF・WILSON:ストリングス、TIM・GOOD:ストリングス、WILF・GIBSON:ストリングス、FAY・SIMPSON:バック・ヴォーカル、HILDA・CAMPBELL:バック・ヴォーカル、JAMES・INGRAM:バック・ヴォーカル、JOHN・CAMPBELL:バック・ヴォーカル、LAWRENCE・JOHNSON:バック・ヴォーカル、NICKY・BROWN:バック・ヴォーカル、PHIL・PERRY:バック・ヴォーカル、SARAH・BROWN:ヴォーカル/バック・ヴォーカル、VESTA・WILLIAMS:バック・ヴォーカルの多くのミュージシャン達が参加しています。
尚、プロデュースは、収録にも参加しているJOE・DWORNIAK、DAVE・CLAYTONとCLIVE・GRIFFINの曲により担当分けが成されています。

1曲目"I'll Be Waiting"(4:55) 似てる似てる誰かさんと非常に似ています。SARAH・BROWNとの掛け合いがかっこいいです。CLIVEの歌声は、RICK・ASTLEYの歌声にそっくりです。
2曲目"Take A Little Time"(4:09) アーバンソウルその物と言った曲でCLIVEのヴォーカルは良いですネ、バック・ヴォーカルにVESTA・WILLIAMSとJAMES・INGRAMが参加しています。
3曲目"Reach For The Top"(4:16) ブラックコンテンポラリーを髣髴とさせるメロディです。ロンドンではこの手の曲を鮮やかにこなすブルーアイドさんが多くいます。
4曲目"Heaven Can Wait"(6:21) パーカッションとフルートが渋いミドル・テンポのバラードです。
5曲目"I Wanna Feel Love"(4:23) サックス・ソロとバック・ヴォーカルが曲を盛り上げています。
6曲目"Make Me Believe"(4:34) 低く抑え気味のCLIVEのヴォーカルです。バック・ヴォーカルとの掛け合いが聴き物です。
7曲目"Love Is A River"(7:12) 貯めに貯めたイントロとKENNY・Gばりのソプラノサックスが流れる素晴らしいバラードです。
8曲目"It's Your Life"(4:25) 乗りの良いリズムとグルーヴするバックコーラスが最高です。
9曲目"Don't Make Me Cry"(4:52) CLIVE 1人でヴォーカルをとっています。曲の最後部分は、アフリカンサウンドに変化します。
10曲目"I Am"(4:27) ドラムのビートに誘われるようにCLIVEのヴォーカルが熱く響きます。
11曲"I'll Be Waiting(Orchestral Mix)"(4:04) インストゥルメンタルでギター・ソロがカッコ良く入っています。
全11曲歌詞付 写真ブックレット U.K.製 (輸入盤) 収録時間:53分37秒 (もっと早く沢山聴いていればと悔やまれます!)'10年5月14日再更新


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写真  CLUB 8 / Nouvelle
 ・1996 Siesta Records
 ・2002 Siesta Records    Siesta 42+ 8430217 030422

記念すべきデビュー・アルバム・・・

スウェーデンで活躍しているCLUB 8のデビュー・アルバム('95年に3曲入7"EP盤でデビュー)です。オリジナル盤は、スペインのSiestaレーベルから '96年に(10曲入)リリースされています。プロデュースは、MARTIN・SVENTORP(LESLIES)とCLUB 8自身でも行っています。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KAROLINA・KOMSTEDT:ヴォーカル、JOHAN・ANGERGÅRD:マルチ・インストゥルメント/ヴォーカルのCLUB 8の2人だけのようです。
尚、このアルバムは、長い間廃盤状態だった '96年のアルバムに先に紹介した '95年のEP盤をカップリングし、'02年4月22日にSiestaレーベルから再発売されたものです。

1曲目"Blue Skies"(2:34) キャッチーなJOHAN・ANGERGÅRDのアコースティック・ギターのサウンドに促されて登場するKAROLINA・KOMSTEDTのイノセントさたっぷりの歌声による80年代ネオ・アコから受け継いだアコースティック+エレクトリックなサウンドの曲です。
2曲目"Don't Be Gone"(2:26) JOHANのヴォーカルの登場です。ギターをかき鳴らすサウンドにJOHANに続いて登場するKAROLINAの初々しい歌声と瑞々しさたっぷりのCLUB 8のサウンドです。
3曲目"Breakdown"(2:52) メランコリックなメロディとサウンドによるスローな曲です。この曲でもKAROLINAのどこか弱々しさを残した歌声と歌いぶりによるギター・ポップな曲です。
4曲目"She Never Calls Me"(2:20) シンプルなキーボードのサウンドがアクセントになったJOHANのヴォーカル曲です。爽やかな曲の裏側に並べられたキーボード、ベース、ドラム・プログラミングとギターと忙しく作業をこなしたJOHANの苦労が読み取れる曲ですね。
5曲目"Loveaffair"(2:35) JOHANとKAROLINAがヴォーカルをシェアしたボサ・ノヴァです。この曲では、ナイロン弦ギターを使わずナチュラル・トーンに近いセミ・アコを使って全体のサウンドでアップ・デートしたことを窺がわせる曲です。
6曲目"Sunday Afternoon"(2:33) 教会での賛美歌のようなKAROLINAの歌声によるイントロによる曲で、イントロから後半は、レゲエのリズムを基調としたキーボード/ギターによるインストゥルメンタルとなっています。
7曲目"Those Charming Men"(2:47) この曲もエコーを効かせたKAROLINAの遠くで響く歌声が心地好い曲ですね。'07年の最新作にも再び登場した初期のCLUB 8らしい曲と言えるでしょう。
8曲目"All Dressed Up And Shy"(2:18) 4枚目のアルバム[Spring Came, Rain Fell] での収録曲に近いサウンドと雰囲気を持った曲です。少し荒らしたJOHANギターのサウンドに清涼感のあるKAROLINAの歌声による安心して聴いて居られる定番らしい曲でしょうか。
9曲目"I Guess I Was Wrong"(2:00) 荒らしたギターのサウンド曲です。現在のCLUB 8でのサウンド・スタイルからでは珍しいワイルドさ/パンクさを持った曲ですね。しかし、KAROLINAの歌声はあくまでも"クール" に落ち着いた歌声が対照的で、妙にお気に入りになるのです。
10曲目"Look Out !"(2:41) "まったり"としたギターのサウンドにJOHANとKAROLINAが交互に歌う長閑なギター・ポップな曲です。長い冬が終わり春が訪れたストックホルムの郊外を散歩しているようなサウンドと言えばお解り?
11曲目"Me Too(Bonus Track)"(2:31) '95年のEP盤[Me Too]に収録されているタイトル曲です。以下3曲続けて同盤に収録されている曲がボーナス・トラックとして追加されています。
アコースティック・ギターのサウンドを主体としたネオ・アコの曲で、JOHANの弾く12弦ギターのサウンドがMICHAEL・HEADに通じる雰囲気を持っているところが興味深いですね。
12曲目"Girlfriend(Bonus Track)"(2:53) シンプルな打ち込みと深みのあるアコースティック・ギターのサウンドが印象的なメランコリックなメロディの曲です。ファルセットで歌う2人の歌声が少し切なさを感じさせますが、この曲のアコースティック・サウンドは、何か甘酢っぱいものを感じさせます。
13曲目"Before I Came(Bonus Track)"(3:27) 非常に心地好いメロディとアコースティック・サウンドによるスウェディッシュ・ボサ・ノヴァ然とした素晴らしい曲です。イノセントながら爽さを感じさせるKAROLINAの歌声の裏側と下地で色々なギターとビートとサウンドを試行しがら、手を加えたJOHANの苦労が読み取れます。
歌詞無し ライナー無し デジパック仕様 (輸入盤) 収録時間:34分03秒 ('07年後半から活動を再開したCLUB 8、スウェーデンのみならず、アジアでも再ブレーク中のようです)'10年5月14日再更新


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写真  CLUB 8 / The Friend I Once Had
 ・2003 Labrador Records    CHL-P005

ボーナス・トラックが少し異質ですが・・・

このアルバムは、スウェーデンの癒し系サウンドのKAROLINA・KOMSTEDT(ヴォーカル)とJOHAN・ANGERGÅRD(マルチ・インストゥルメント)のデュオCLUB 8の2枚目のアルバムです。
オリジナル盤(12曲入り)のリリースは '98年に本国でリリースされていますが、ここでレビューするアルバムは、'03年8月26日に韓国でボーナス・トラック7曲を追加した再発売の韓国リリース盤です。

1曲目"Everlasting Love"(2:38) スウェディッシュ・ギター・ポップのサウンドを絵に描いたような曲です。イノセントさを持った女性ヴォーカルに、バックで忙しくサウンドを繰り出すギター青年って感じの組み合わせです。
2曲目"All I Can Do"(2:39) 複数のJOHANギターのサウンドを多重収録したボサ・ノヴァのリズムの曲です。KAROLINAの淡々としたヴォーカルも、現在より更に初々しく感じられます。
3曲目"Someday"(2:50) 正にネオ・アコって感じのアップテンポの曲です。JOHANのブリティシュ・サウンドのギターの演奏に乗せ歌う涼しげなKAROLINAの歌声と若さ溢れるリズムと爽やか感が程良い曲です。
4曲目"I Wish You'd Stay"(3:20) 冷めたJOHANの打ち込みのリズムとキーボードのサウンドに乗せ歌う清々しいKAROLINAヴォーカルです。このサウンドは、現在のCLUB 8って感じですね。
5曲目"Holiday"(2:39) JOHANが良く取り入れるリヴァーブを効かせたギターのサウンドでの曲です。イノセントなKAROLINAの歌声と"クール" なバックのサウンドとメロディでの曲です。アウトロはいつも通り"スパ" っと切った切り口で終わります。
6曲目"The End Of The Affair"(2:47) 爽やかなギターのサウンドとリズムによる曲で、ストリングス風の音色をアレンジしています。JOHANが作ったベース・トラックに見事に嵌るKAROLINAの歌声による3分ポップです。
7曲目"Summer Rain"(2:51) ドラム・マシーンに打ち込みのサウンドを駆使した曲に英語が少し苦手(失礼!)と感じるKAROLINAのヴォーカルによる手作り感のある曲です。
8曲目"Calcutta"(0:29) 30秒ほどのトロピカルなサウンドのインストゥルメンタルです。
9曲目"Tomorrow Never Comes"(2:22) アコースティックとエレクトリック・ギターのサウンドたっぷり使ったミドル・テンポの曲です。JOHANのギター・ソロがご機嫌なサウンドですね。
10曲目"Better Days"(2:04) アコースティック・ギター1本の演奏によるシンプルな曲で、後半からKAROLINAのスキャットとストリングス風のアレンジを重ねた北欧らしい清々しさを感じる曲です。
11曲目"Karen"(3:43) 打ち込みのリズムとドラム"ン" ベースの重い響きによる荘厳な静けさの中に響くスローな曲です。セルフ・ハーモニーで収録されたKAROLINAの歌声が妖精の囁きのように聴こえます。
12曲目"Missing You"(2:37) このアルバムの中では少し異質なアカデミックなユーロ・ビートによる曲です。ドラム"ン" ベースと軽いトランス・サウンドによる曲で、JOHANが名刺がわり「こんな曲も出来るよ!」と言っているようです。
13曲目"Missing You[Euro Disco Mix](Bonus Track)"(3:18) 同名のシングル盤3曲入りのカップリング曲です。サウンド的には余り前の曲と変わりありませんね、30秒程エクステンされているようです。
14曲目"My Heart Won't Break(Bonus Track)"(2:46) '99年にリリースされた[Missing You:The Remixes]に収録されているカップリング曲です。KAROLINAの囁くようなヴォーカルとアコースティック調のギターの調べによる曲で、やはり次の曲と同時期に書かれ、収録された感じがします。
15曲目"The Best Of Seasons(Bonus Track)"(2:18) この曲も '99年にリリースされた[Missing You:The Remixes]に収録されているカップリング曲です。ボサ・ノヴァ調のギター・サウンドによる2分少々の短い曲ですが、バック・ヴォーカルでJOHANが囁くような歌声が収録されています。
16曲目"Missing You [Making Love To A Machine Mix](Bonus Track)"(9:46) 前出の[Missing You:The Remixes]でのカップリング曲です。KAROLINAの短い歌詞をサンプリングとして前半のヴォーカル・パートをインストゥルメントとして差し替えた心地良いグルーヴ感のあるリミックスです。オリジナルの3曲分を超える9分46秒にもなっています。
17曲目"My Heart Won't Break[Minty Cut Mix](Bonus Track)"(3:38) この曲も[Missing You:The Remixes]でのカップリング曲です。KAROLINAのヴォーカル部分のヴォリュームを下げてエフェクト風に大胆に使ったアレンジでのDJ曲です。
18曲目"The Friend I Once Had(Bonus Track)"(2:47) オリジナル盤では収録されていなかったタイトル曲です。シングル盤[Missing You]でのカップリング曲で、ナイロン弦ギターの爽やかな響きと心地好いドラムの軽めのビートによるギター・ポップです。
19曲目"You & Me(Bonus Track)"(1:55) '02年のシングル盤[Summer Song]でのカップリング曲です。JOHANとKAROLINAがデュエットで収録した2分足らずの短い曲です。JOHANの口笛とギターのサウンドとご機嫌そうなKAROLINAの歌声に爽やかポップです。
歌詞なし 写真ライナー 韓国製 (輸入盤) 収録時間:57分37秒 (このアルバムは、オリジナル盤リリース後に何度かリイッシュされていて収録曲の違うヴァージョンが複数あります)'10年5月14日再更新


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写真  CLUB 8 / Club 8+5
 ・2001 FLAVOUR OF SOUND LIMITED    PUCY-1011

KAROLINAの可愛い寝顔が内容を表しています・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているCLUB 8 '01年10月31日にボーナス・トラック5曲を追加した国内でリリースされた3枚目のアルバムです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KAROLINA・KOMSTEDT:ヴォーカル、JOHAN・ANGERGÅRD:ギター/ベース/プログラミング/キーボード/パーカッション/バック・ヴォーカルの他、LASSE・LINDH:ヴォーカル/ハーモニカの少人数での収録です。

1曲目"Love In December"(3:39) リヴァーブの効いたギターの少し哀しいメロディの曲です。
2曲目"Boyfriends Stay"(3:02) ハーモニカとアコースティック・ギターの調べに乗せて歌うKAROLINAのウイスパー・ヴォイスが堪りませんね。
3曲目"She Lives By The Water"(5:15) シンセの長いイントロの後に続きゆったりと歌うKAROLINAの北欧的浮遊感のあるヴォーカルです。
4曲目"The Sand And The Sea"(0:36) 30秒少々のハーモニュウム?でのインストゥルメンタル。
5曲目"Falling From Grace"(4:33) 打ち込みとループによるリズムの曲で、LASSE・LINDHの歌声と今度はKAROLINAの少ししっかりしたヴォーカルで登場しています。
6曲目"Hope For Winter"(2:27) 清々しいギターのサウンドでのCLUB 8らしいこじんまりとした爽やかな曲。
7曲目"London"(0:51) 1分弱のLASSE・LINDHとKAROLINAのハーモニーでのアコースティックなサウンドの流れる落ち着いた調べの曲です。
8曲目"Say A Prayer"(3:40) 効果音をたっぷりと入れた凝ったリズムの曲で、このKAROLINAの遮の掛かったウイスパー・ヴォイスが堪らない魅力に感じるのです。
9曲目"A Place In My Heart"(3:40) ローランドのマッタリとした音色に乗せこれまたマッタリとしたKAROLINAのヴォーカルがゆったりと響いて来る心地好さです。
10曲目"I don't Need Anyone"(0:45)) 1分足らずのボサ・ノヴァのリズミによるギター1本とKAROLINAの歌声による小さな曲です。
11曲目"Keeping Track Of Time"(3:16) LASSE・LINDHのヴォーカル曲でしょうか、打ち込みによる楽しいサウンドのポップな曲です。バックに流れるKAROLINAの歌声も可愛らしいです。

尚、この曲以降ボーナス・トラックです。
12曲目"Love In December(Vs Les Espions)(Bonus Track)"(2:49) 1曲目の"Love In December" の目一杯電子サウンドで飾ったリミックスですが、オリジナル曲より1分程度短くなっためずらしいヴァージョンです。
13曲目"Things We Share(Bonus Track)"(2:55) '02年の5曲EP盤での収録曲です。アコースティック・ギターの爽やかなメロディの曲 KAROLINA自身のハーモニーも良い。
14曲目"Don't Stop The Night(Bonus Track)"(2:19) 瑞々しいボサ・ノヴァのギターの調べに乗せ今にも消えてしまいそうなKAROLINAのヴォイスです。
15曲目"You And Me(Bonus Track)"(1:57) JOHANの口笛でしょうか?KAROLINAのヴォーカルの合間に気持ち良く入ります。
16曲目"A Place In My Heart(remix Vs Les Espions)(Bonus Track)"(2:50) "A Place In My Heart" の重厚なリミックスです。
15曲歌詞/訳詞付 折畳ライナー デジパック仕様 (国内盤) 収録時間:44分41秒 (スウェーデンの人々の音楽は、何か雪融けの地面から芽を出す草花の息吹と同じものを感じられるところが魅力だと思います!)'10年5月15日再更新


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写真  CLUB 8 / Spring Came, Rain Fell
 ・2002 Dodgie Disc- ULF Records   DGD-0017

相変わらずの"まったり" したサウンド・・・

このアルバムは、スウェーデンの癒し系サウンドのKAROLINA・KOMSTEDT(ヴォーカル)とJOHAN・ANGERGÅRD(マルチインストゥルメント)のデュオによるCLUB 8の4枚目のアルバムで、'02年2月14日、国内でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KAROLINA・KOMSTEDT:ヴォーカル、JOHAN・ANGERGÅRD:ギター/ベース/キーボード/シンセサイザー/パーカッション/ヴォーカルの他、ANDIL・DAHL:ボンゴ/ハーモニカの今回も少人数での収録です。

1曲目"We're Simple minds"(3:40) これまた最高のリヴァーブを効かせたギターのサウンドと硬質のギター・サウンドを使い分けたJOHAN好みのサウンドによるゆったりとしたリズムにKAROLINAの柔らかな歌声による曲です。
2曲目"Spring Came, Rain Fell"(2:36) アルバムのタイトル曲で打ち込みによるビートとストリングス風のサウンドを使ったミドル・テンポの曲でやはり相変わらずの"まったり" したサウンド重視の曲です。
3曲目"Spring Song"(0:20) 20秒ほどのインストゥルメンタルで、次の曲のイントロとした感じに収録されています。
4曲目"Close To Me"(2:27) JOHANのヴォーカル曲で重厚な打ち込みのベースのサウンドのうねりを持たせたアレンジが印象的です。
5曲目"Baby,I'm Not Sure If This Is Love"(4:26) KAROLINAのウイスパーヴォイスによるスローなリズムでの曲です。恋人達のお互いの秘密をシニカル(cynical:皮肉な)に歌い上げた曲です。
6曲目"The Chance I Deserve"(2:51) この曲は、明るくポップサウンドによるアメリカのIVYの曲と共通したサウンドスタイルです。単なる偶然でしょうかACID HOUSE KINGSとCLUB 8の関係とFOUNTAINS OF WAYNEとIVYの関係に似たバンドの作り出すサウンドです。トーキング・モジュレーターを通したKAROLINAの歌声とサウンドを盛り上げるJOHANの職人気質が作り上げた曲です。
7曲目"I Give Up Too"(0:46) 1分に満たないこのアルバムのサンプルと打ち込みをループとさせた曲です。
8曲目"Friends And Lovers"(3:00) この曲でもトーキング・モジュレーターを用いたKAROLINAの歌声と幻想的なサウンドを奏でるANDIL・DAHLのハーモニカとコンガでの曲です。
9曲目"Teenage Life"(3:20) スクラッチでリズムを刻みながら調子を取りながら進行する曲でアコースティック・ギターの心地好いサウンドによるJOHANのヴォーカル曲で彼の思うティーンエイジのイメージを綴った曲です。
10曲目"Karen Song"(1:27) 1分少々の小さな曲でJOHANのナイロン弦ギターの音色の合わせて歌うKAROLINAの優しい歌声によるボサ・ノヴァ的な曲です。
11曲目"The Girl With The Northern Soul Collection"(3:21) このアルバムで最初に気に入った曲です。イントロから聴かせるこの切ないメロディを奏でるピアノの響きと美しいギターのサウンドが堪らない曲です。この曲で歌詞に出てくる「The Northern Soul Collection」は、一体誰の曲なのでしょうか。
12曲目"We Set Ourselves Free"(3:57) ナイロン弦ギターの調べに合わせてイントロから響くムーグ?のサウンドにKAROLINAの短い歌詞をサンプリングさせた物がベースになる曲です。KAROLINAの歌声や様々なサンプリングを使ってJOHANが自宅でさっと作り上げたのかな。
11曲歌詞/訳詞付 写真ライナー (国内盤) 収録時間:32分16秒 (この後アルバムを1枚リリースからのJOHANは、ACID HOUSE KINGSの活動で忙しいようです)'10年5月15日再更新


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写真  CLUB 8 / Strangely Beautiful
 ・2003 Quince Records   QRCP-11

本当に相変わらずのサウンド・・・

このアルバムは、スウェーデンのストックホルムで活躍する癒し系ポップ・ユニットCLUB 8の5枚目のアルバムで '03年5月17日に国内でのリリースです。サウンド的には前作の流れと同様の本当に"まったり" とした相変わらずのサウンドの曲が収録されています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KAROLINA・KOMSTEDT:ヴォーカル、JOHAN・ANGERGÅRD:マルチ・インストゥルメント、ANDIL・DAHL:ボンゴ、TOBIAS・EINESTAD:トランぺット、CHRISTOPHER・SANDER:ヴォーカル/ギターのやはりスウェーデンのミュージシャン達です。

1曲目"When Lights Go Out"(2:52) シンセサイザーの奥深い響きのサウンド、短いパートを奏でるアコースティック・ギターの瑞々しいメロディーとKAROLINAのウイスパーヴォイス優しさに包み込まれる曲です。
2曲目"What Shall We Do Next?"(2:36) 少しテンポをアップしたスクラッチ風のサンプル等を使ったテンポの良い曲です。チープさを出した打ち込みのビートと気だるいKAROLINAのヴォーカルがシュールですね。
3曲目"I Wasn't Much Of A Fight"(2:50) ポップさ全快のこれぞネオ・アコって言える曲です。何処かで聴き覚えのアコースティック・ギターのフレーズは、ご愛嬌と言うことに。この曲では、表に出てこないJOHANですが、彼のサウンドのオンパレードって感じです。
4曲目"Stay by My Side"(4:20) ダークなイメージのサウンドの曲です。"クール" で何か朝もやに包まれた情景を想い浮かべるメロディと心地好いKAROLINAの歌声によるゆったりと流される曲です。
5曲目"Cold Hearts"(2:54) イントロのギターのサウンドから何か期待をさせる曲です。ストリングスとキーボードの心地よい響きとKAROLINAのウイスパーヴォイスによる底に流れるクールなエモーションを感じる曲です。
6曲目"Between Waking and Sleeping"(2:16) 2分少々のJOHANのギターによるインストゥルメンタルです。ヒーリング・サウンドの定番的なリズムとメロディによるゆったりとした曲です。
7曲目"This Is The Morning"(1:15) JOHANのヴォーカル曲でピアノとアコースティック・ギターのでのシンプルな調べの1分少々の曲です。
8曲目"The Next Step You'll Take"(2:54) 明るいボサ・ノヴァのリズムのご機嫌な曲です。アノラック・ミュージックを少し洗練させ北欧のサウンド風味を加えたと言ったら良いでしょうか?
9曲目"The Beauty Of The Way We're Living"(3:10) この曲もサウンドのイメージが良いですね。KAROLINAの優しく響く歌声とバックで流れるJOHANのヴォーカルとストリングスが奏でる美しいメロディの曲です。
10曲目"Saturday Night Engine"(4:07) トーキング・モジュレーターを通したJOHANの歌声による明るいポップなサウンドによる乗りの良いナンバーです。この曲は、アニメを使ったビデオも作られています。土曜の夜の楽しさをサウンドで目一杯表現した曲です。
11曲目"We Move In Silence"(2:54) CLUB 8らしい長く鳴らされるハモンドの響きとゆったりとしたリズムに少し枯れた歌声にモジュレートされたKAROLINAのヴォーカルとJOHANのリヴァーブを効かせたギターのサウンドによる定番中の曲です。
10曲歌詞付 折畳ライナー ポストカード付 デジパック仕様 (国内盤) 収録時間:32分13秒 (掲載したこのアルバムのジャケットは、国内盤のみの仕様です。そろそろ新譜を出して欲しい頃ですね)'10年5月15日再更新


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写真  CLUB 8 / The Boy Who Couldn't Stop Dreaming
 ・2007 LABRADOR RECORDS.   LAB 108

待ち焦がれた心の隙間に・・・

スウェーデンで活躍しているCLUB 8の6枚目のアルバムで、4年5ヶ月ぶりの '07年9月26日に本国でのリリース盤です。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KAROLINA・KOMSTEDT:ヴォーカル、JOHAN・ANGERGÅRD:マルチ・インストゥルメント/プロデュース、LINA・WALTIN:チェロ、MARCO・REGAZZONI:トロンボーン、HÅKAN・SELG:チューバの相変わらず少人数での収録です。
前作までコンスタントにアルバムをリリースしてきたCLUB 8ですが、JOHAN・ANGERGÅRDがTHE LEGENDS、ACID HOUSE KINGSとのバンド活動およびLABRADOR RECORDSの主宰として忙しくしていた為、CLUB 8としての活動が暫し休止状態だったのでしょう。

1曲目"Jesus, Walk With Me"(3:09) 初期のEVERYTHING BUT THE GIRLのサウンドによく似たメランコリックな情景を醸し出すサウンドとゆったりしたリズムによる曲です。非常にエコーを効かせたKAROLINAが厳かな歌声でCCM的な内容に近い歌詞を歌っています。
2曲目"Whatever You Want"(3:44) 機嫌の良さそうなKAROLINAの明るいスキャット・ヴォーカルから入る曲です。いつもながら篭らした歌声と甘酸っぱいメロディの曲で、バックで盛んにリズムをとるJOHANと彼のベースのサウンドが良いですね。いつものCLUB 8のアルバム中に必ず収録されている、落ち着いて聴いていられる定番的な曲です。
3曲目"Football Kids"(2:43) イントロでのドラムのチープさを表現した刻みとハモンドのサウンドが心地好いピュア・ポップです。いつもより饒舌に歌詞を繰り出すKAROLINAの歌声です。
4曲目"Hopes And Dreams"(3:01) JOHANのアンビエント・ギターのサウンドとKAROLINAの浮遊感漂うソフトな歌声によるスローな曲です。北欧の霧の中の湖水にひっそりと浮かべた小舟に乗って漂うようなサウンドと表現したら良いでしょうか。
5曲目"Everything Goes"(2:50) 厳かなハモンドのサウンドに乗せて歌うKAROLINAの透通った歌声によるスローな曲です。途中よりバック・ワードとエレクトロニカのサウンドでアクセントを設けています。
6曲目"Heaven"(3:00) このアルバムからリズムのサウンドのヴァリエーションを増やしてきたことを窺わせる曲です。イントロでのアフリカン・ドラムのようなパーカッションの響きとJOHANのピッキングによるベースのサウンドが非常に心地好い曲です。
7曲目"When I Come Around"(2:33) 爽やかなギター・コードによるスウェディッシュ・サウンドとイノセントなKAROLINAの歌声を聴かせるミドル・テンポのナンバーです。バックのJOHANのギター・サウンドが煌びやかに光っています。
8曲目"Leave The North"(2:35) 過去のアルバムにはあまり見られなかったピアノのサウンドを主体にした曲です。強いて言えば"The Girl With The Northern Soul Collection" を少しダークなイメージにさせて、ピアノでメリハリを付けたような曲です。バックで歌うJOHANのスキャットによる歌声も雰囲気ものです。
9曲目"In The Morning "(2:39) この曲は、初期のCLUB 8のアコースティック・ギターのシンプルなサウンドの曲達とルーツを同じくとした曲ですね。
10曲目"Sometimes"(2:56) 3枚目のアルバムから取り入れてきた打ち込みのサウンドとビートによる曲ですが、今回は、よりドラマチックに、より華麗な展開をみせるアレンジで聴かせます。
11曲目"Where Birds Don't Fly"(2:59) JOHANのギターの爪弾きによる非常にシンプルに演奏される曲です。KAROLINAのヴォーカルと共に収録後にJOHANがスタジオの片隅でエフェクトを追加したような感じに取れます。
12曲目"Boy Who Couldn't Stop Dreaming"(2:45) CLUB 8と言えばKAROLINAのウイスパー・ヴォイスに目(耳)が行きますが、バックで響くこのハモンド(オルガン)の長く響く厳かな音色も特徴ではないでしょうか。ユニットとして10年以上の活動してきたKAROLINAとJOHANの作り出すCLUB 8のサウンドそのものと言える曲です。
全12曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:34分58秒 (待ち焦がれた心の隙間に"ポコ" っと入るそんな優しいアルバムです)'10年5月15日再更新
2007年度ベスト5


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写真  CLUB 8 / The People's Record
 ・2010 LABRADOR   LAB 130

ブラジルでのライヴの影響 ?・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているCLUB 8の7枚目のアルバムで、'10年5月18日アメリカでのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KAROLINA・KOMSTEDT:ヴォーカル、JOHAN・ANGERGÅRD:ギター/シンセサイザーの他、JARI・HAAPALAINEN(THE BEAR QUARTET):ギター/プロデュース、THOBIAS・GABRIELSSON:ベース、JOUNI・HAAPALA:ドラム/パーカッション、TOMAS・HALLONSTEN(TAPE):ファルフィッサ/シンセザイザー、MARCUS・OLSSON:ファルフィッサ/ピアノ/サックス、ANN-SOFIE・LUNDIN(IDIOT KID):バック・ヴォーカル、CHUCK・ANTHONY:バック・ヴォーカル、RE・RUNNINGHORSE:バック・ヴォーカル、ANNA・ÅHMAN:バック・ヴォーカルなどスウェーデンのミュージシャンが参加しています

1曲目"Western Hospitality"(3:49) レトロな風合いながら軽快なギターの調べによるイントロが流れるこのアルバム・リリース前よりフリー・ダウンロードされていた曲です。アフリカン・リズムかサンバのリズムの影響を強く受けたと感じさせるエモーショナルなリズムやバックのコーラスが伝わって来ます。
2曲目"Isn't That great?"(4:21) この曲もリズムカルなナンバーで、CLUB 8らしい"まったり" 感は、抑えられています。でも、KAROLINAのウイスパー・ヴォイスの耳当たりの好さは健在ですね。
3曲目"Shape Up!"(3:16) 強い響きを発するギターの爪弾きとサンバのリズムが流れる曲で、時折スローなテンポも登場するアレンジになっています。ギターのサウンドだけ聴いていると80年代のイギリスのニュー・ウェーブ系ダンス・ミュージックのファンカ・ラティーナの雰囲気も感じます。
4曲目"Dancing With The Mentally Ill"(3:56) この曲もギターのサウンドとその響きが印象的な曲ですね。オルガン(ファルフィッサ)のレトロな響きに無機質なパーカッションのダークなリズムが刻まれるシュールさも感じます。
5曲目"My Pessimistic Heart"(3:05) 根底に流れているリズムのビートとサウンドは、前の曲と相通じる感じですね。エコーの効いたいつものKAROLINAの透き通るような歌声とバックのギター陣のサウンドを暫し楽しみましょう。
6曲目"Back To A"(3:31) この曲は1作目から引き継がれているCLUB 8のポップで分かりやすいサウンドの曲ですね。細かく弾かれる特徴的なギターのカッティングとどこか懐かしいメロディとサウンドが流れて来ます。
7曲目"Like Me"(3:10) パーカッションの躍動的なリズムと官能的なサックス・ソロが印象的なサンバのリズムの曲です。重厚なバック・ヴォーカルに包まれてKAROLINAのあの冷めた歌声が対照的で好いですね。
8曲目"Be Mad, Get Ill, Be Still"(3:11) JOHAN好みのハイ・フレットによる煌びやかギターのサウンドをアップ・ビートに乗せた曲の登場です。次々と繰り出されるパーカッションのリズムからベース・ソロ、ギターのサウンドと本当に落ち着かせるところを全く感じさせないJOHANの業です。多分、この曲はライヴで演奏するとなるとちょっとKAROLINAは、疲れるでしょうね。
9曲目"We're All Going To Die"(3:36) この曲もバックにブラジリアン・パーカッションのリズムがエモーショナルに流れている曲です。でも、何か物騒なタイトルの曲ですね。「どうせ皆いつかは死ぬのだから。そう悲観的にならず…」そのような歌詞みたいです。
10曲目"The People Speak"(5:06) 今度は、ドラム"ン" ベースのサウンドをループのように流し続けている曲です。目一杯エコーの効いたKAROLINAの美しい歌声の広がりの裏にはスキャットによる男性バック・ヴォーカルの重ね方が洒落ていますね。
全10曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:37分06秒 (前作[The Boy Who Couldn't Stop Dreaming]をリリースした後、ブラジルまでライヴ活動を行った結果が今作に表現されているようです)'10年5月19日再更新


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写真  CLUB 8 / Above The City
 ・2013 LABRADOR   LAB148

楽しげなアルバム・・・

このアルバムは、スウェーデンのストックホルムで活躍しているインディー・ロック・バンドCLUB 8の '13年5月21日に本国でリリースされた8枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、KAROLINA・KOMSTEDT:ヴォーカル、JOHAN・ANGERGÅRD:マルチ・インストゥルメント/バック・ヴォーカル/プロデュースの他、JONATAN・DAHL- KOMSTEDT:バック・ヴォーカル、MIRANDA・DAHL- KOMSTEDT:ヴォイス/バック・ヴォーカル、PHILIP・EKSTRÖM:マルチ・インストゥルメント/プロデュース、VLADIMIR・KRYUTCHEV:フィールド収録、ELLEN・MOBERG・MODIN: バック・ヴォーカル、MARTIN・NORDVALL:バック・ヴォーカル、ALEXANDER・TERENKOV:ヴォイスなどスウェーデンのミュージシャンが参加しています。

1曲目"Kill Kill Kill"(3:25) やっぱりこの心地好い浮遊感はCLUB 8ならではの物ですね。長く響くオルガンの調べにKAROLINAのソフトな歌声があれば何も言う事なしです。(重い内容の歌詞は別としてね)
2曲目"Stop Taking My Time"(2:50) 一転してエレクトロニカのサウンド一杯に広がるダンス・ビートの迫る曲です。いつも囁くように歌うKAROLINAとは一味違い訴えるように歌う力強さを感じさせます。
3曲目"You Could Be Anybody"(4:08) 前作では、パーカッションによる打撃音を強化したラテン風の曲のイメージが強かった印象ですが、この曲では、パーカッションのビートをちょっと後退させソリッド感のあるビートとサウンドでまとめているようです。
4曲目"Run"(3:38) 沢山のオーディエンスの前で行われているライヴ・シーンをシュミレーションしたようなアレンジが施されたワイドでダイナミックさを持った曲です。
5曲目"Interlude"(0:56) 1分弱のハモンドのサウンドを主体としたインストゥルメンタルです。僅かに流されるフランス語による男性のセリフがエフェクトに使われています。
6曲目"Hot Sun"(3:25) ここまでアルバムを通して感じたことは、初期のアルバムに多く収録されていたアコースティック・ギターを"ボロン" と鳴らしまったりとした曲が少ないと感じたのですが、ちょっとそのような雰囲気を感じさせるところがこの曲にはあります。
7曲目"A Small Piece Of Heaven"(2:48) この曲も心地好いリズムとサウンドを持った曲です。JOHAN・ANGERGÅRDの在籍しているレーベル・メイトACID HOUSE KINGのような感じかな。
8曲目"I'm Not Gonna Grow Old"(3:32) "Kill Kill Kill" に続いてシングル・カットされそうなキャッチーなサウンドを持ったディスコ・ポップと呼べそうな70年代の雰囲気を伝える曲です。この曲のような楽しげな音楽を満載したアルバムですね。
9曲目"Interlude #2"(0:21) 再びインターリュード#2と名付けられた短い曲です。アルバムを通して聴いていると何か口笛の音が収録されていると感じたと同時に次の曲へとさっと入る短さです。
10曲目"Into Air"(4:10) 重く響くシンセサイザー・ベースのサウンドに淡々とリズムを刻むマシーンのビートとサウンドの積み重ね方など、スウェーデンのプロデューサーDAN・LISSVIKの持ち味に通じるところを感じます。
11曲目"Instrumental"(1:15) サウンドトラックかサウンド・エフェクトのようなスペース・シーンに使われそうな曲名通りのインストゥメンタルです。
12曲目"Travel"(2:09) メランコリックな響きを奏でるキーボードの調べに合わせて歌うKAROLINAの優しい歌声が響くシンプルな曲です。途中よりバックに入るMIRANDA・DAHL- KOMSTEDT(詳細不明)がまた感じ好いのです。
13曲目"Less Than Love"(3:17) ドラムのビートがビシバシと打ち鳴らされ るロック色の強い曲です。但し、スピード感は控えめでKAROLINAの息継ぎを重視したCLUB 8仕様ですね。
14曲目"Straight As An Arrow"(3:18) どこかで聴いたことのあるこのリズムと乗りを感じさせる曲です。アルバムの終焉近くで2曲続けて同じような感じの曲が登場したのが不思議な感じがします。
11曲歌詞付 写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:39分20秒 (各曲のレビューの中でも書いたのですが、前々作あたりからサウンドの路線を変えてClub 8特有のまったり感が少なくなったアルバムの印象です)'13年11月23日更新


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写真  CLUB 8 / Pleasure
 ・2015 LABRADOR   LAB152

KAROLINAの漂う歌声・・・

このアルバムは、スウェーデンのストックホルムで活躍しているインディー・ロック・バンドCLUB 8の '15年11月20日に本国でリリースされた9枚目のアルバムです。
収録に際しての詳しいクレジットの記載は無いのですが、CLUB 8のKAROLINA・KOMSTEDT:ヴォーカル、JOHAN・ANGERGÅRD:マルチ・インストゥルメント/バック・ヴォーカル/プロデュースの2人だけの収録と思われます。

1曲目"Love Dies"(2:43) 重く響くシンセサイザーの調べとは対照的清く美しいKAROLINAの歌声が漂うように流れて来る曲です。複数のキーボードのサウンドを重ね合わせたJOHANのアレンジは、よりエレクトロニカさを増したようです。
2曲目"Skin"(2:48) ひと昔のようなユーロビートやトランス・ミュージック風の曲です。ドラムは、打込みでは無くJOHANがビートに合わせて叩いているようです。また、吐息混じり歌うKAROLINAが好いですね。
3曲目"Late Nights"(2:56) この曲もユーロビートで攻めて来る曲です。エコーとヴォコーダーを目一杯効かせたKAROLINAの歌声をトランスのビートに乗せているのですが、この手の曲の長さは長いのが普通ですが、3分を満たない状態でフェードアウトします。
4曲目"Kinky Love"(2:55) ここでゆったりとしたリズムの曲がやっと登場します。曲のタイトルも興味津々になってのKAROLINAの美しい歌声に聴き入るのです。
5曲目"Jealousy Remains"(2:47) ダーク・アシッドなエレクトロニカ・サウンドの曲です。ヴォコーダーでハーモニーさせたKAROLINAの歌声をメインした感じなどアメリカのPOLIÇAに通じるところを感じます。
6曲目"Hush"(2:39) CLUB 8本来の持ち味であるポップなサウンドに少し移して来た曲です。この曲でももう少し聴きたいところですぽんと終わってしまうCLUB 8のスタイルです。
7曲目"Movement"(2:46) シンセサイザーで奏でられるモデラートのリズム(現代風行進曲?)合わせKAROLINAが切に歌います。躊躇気味の恋に「動き」を求めた歌詞が綴られています。
8曲目"Promises We Never Meant To Keep"(4:05) ソナーの探査音を潮騒に被せた静寂さが広がるイントロが素晴らしい曲です。今回のアルバムでは、あまり登場していないJOHANのギターのサウンドも非常に効果的に使われ印象的に残ります。
全8曲歌詞付 ブックレット (輸入盤) 収録時間:23分39秒 (やはりClub 8の最大の魅力は、このKAROLINAの漂うような歌声ですね)'15年12月12日更新


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写真  CLUB 8 / Golden Island
 ・2018 LABRADOR   LAB163

ワールド・ミュージックへの・・・

このアルバムは、スウェーデンのストックホルムで活躍しているシンセ・ポップ・バンドCLUB 8の '18年1月26日に本国でリリースされた10枚目のアルバムです。
収録に際しての詳しいクレジットの記載は無いのですが、CLUB 8のKAROLINA・KOMSTEDT:ヴォーカル、JOHAN・ANGERGÅRD:マルチ・インストゥルメント/バック・ヴォーカル/プロデュースの2人だけの収録と思われます。

1曲目"Swimming With The Tide"(2:56) 重く響く打撃音のようなシンセサイザー・ベースのサウンドに合わせ登場するKAROLINAの漂うような歌声が心地好い曲です。どこと無く有名ギタリストがカバーした50年代の曲の雰囲気が伝わって来ます。
2曲目"Breathe"(3:37) ゆったりと流れるドラムンベースとエスニックなビートが漂うヒーリング・ミュージック風の曲です。短い歌詞をLo-Fiに吐息混じり歌うKAROLINAです。
3曲目"Lost"(2:35) バックに広がるダークでアシッド感のあるサウンドと金属音を淡々と繰り替える無機質なビードとサウンドの曲です。初期のチャカポコ/まったりから音楽の方向性を変えて来たCLUB 8です。
4曲目"Pacific"(3:20) インドネシアにライヴに出向いた影響が大きいと感じさせる曲です。潮騒や鳥のさえずりなどサンプルを仕入れて来た感があるのでは。
5曲目"Got To Live"(3:28) この曲を聴いて非常に驚いた事は、モンゴルの遊牧民のホーミー風のSEを挿入したアレンジです。ヴォコーダーを使って再現できるのでしょうか。KAROLINAの歌声は、何の処理もしていない優しさある感が伝わって来ます。
6曲目"Fire"(3:24) 暗く混みあったダンスフロアに流れて来そうなダンス・ビートな曲です。暗いシンセサイザー・ベースの響きとこれまた吐息混じりのKAROLINAの歌声です。
7曲目"You've Got Heart"(1:31) この曲もダークなイメージを持った曲です。バックに流れる弦楽器に似せたシンセサイザーの調べとベースのサウンドがシンプル流れる起伏を抑えた流れを感じます。
8曲目"Touch You"(3:16) 中東の民族弦楽器からギリシャのブズーキのような独特な弦の響きを感じさせる曲です。訥々と歌うKAROLINAと再び登場したホーミー風のSEが印象に残ります。
9曲目"Strange Reflection"(3:22) この曲もダーク・シンセ・ポップな雰囲気を感じさせるインストゥルメンタルです。スタイルと音色の違う電子サウンドを重ね合わせた淡々さを伝えています。
10曲目"Silence"(3:21) この曲はCLUB 8本来の持ち味である漂い感のあるサウンドとリズムの流れを感じます。KAROLINAの吐息混じりの歌声もいつも通リとさっと曲を終らせる感もいつも通リですね。
歌詞無し イラストライナー (輸入盤) 収録時間:30分54秒 (前々作のアルバムのリリース後、東南アジア、極東、スペインとツアーを敢行したClub 8、このアルバムもその影響大と感じます)'18年4月22日更新


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写真  CLUB 8 / A Year With Club 8
 ・2024 Club 8  

月1曲リリース企画・・・

このアルバムは、スウェーデンのストックホルムで活躍しているシンセ・ポップ・バンドCLUB 8の '24年12月13日に本国でダウンロード・リリース(レコード盤は、'25年1月31日リリース予定)された11枚目のアルバムです。
今作も収録に際しての詳しいクレジットの記載は無いのですが、CLUB 8のKAROLINA・KOMSTEDT:ヴォーカル、JOHAN・ANGERGÅRD:マルチ・インストゥルメント/ヴォーカル/プロデュースの2人だけの収録と思われます。

1曲目"Something's Wrong In My Head"(2:26) 荒ぶるJOHANのベースのサウンドに続いて登場する久しぶりに聴くKAROLINの柔らかい歌声が響く曲です。'03年の2枚目のアルバムに追加されたボーナス・トラックのような乗りの好さを感じます。
2曲目"Left Behind"(2:11) 続けて乗りの好い曲の登場です。曲のイメージとテンポからスウェーデンの人々が春の訪れに期待している感があるように聴こえます。
3曲目"Just Like Heaven Free Falling"(3:03) CLUB 8と言えばやはりこの声ですね。少し籠ったKAROLINAの耳に優しい囁き声とバックに響くJOHANのキラキラとしたギターの響きとの組み合わせですね。輪唱の歌声もKAROLINAが行っているところも2倍嬉しいです。
4曲目"Free Falling"(2:21) この曲は、過去のアルバムの収録曲よりよりアップテンポでスピード感を増した曲となっています。CLUB 8の特徴となっている各曲に短さにより何だかあっという間に過ぎ去って行きます。5曲目"All I Know"(2:36) この曲もKALOLINAの耳に優しい歌声が響く曲です。やはりCLUB 8と言えば、あのバックで響く清らかなハモンドの調べですね。ここでもしっかりとバックに響いています。
6曲目"Nervous At Heart"(2:15) 曲の収録に入る前に2人で雑談やおふざけ感のある効果音が少しだけ録音されているラフ感のある曲が数曲あるのですが、この曲もそうですね。レトロな雰囲気と何故かイギリスのTHE SMITHのMORRISSEYとJOHNNY・MARRとの関係に類似しているところを感じます。
7曲目"Daylight"(2:07) 再びJOHANの荒ぶったベースの登場です。多分、この曲が書かれた時がスウェーデンの夏だったのかなと思わせる「突き抜ける明るさ」を感じます。
8曲目"Sucker"(2:27) この曲スピード感が前の曲と似た感じの曲です。JOHANのクリアなギター・トーンと少しヴォコーダーを使ってのKALOLINAの歌声も涼し気な歌声と絡み合って過ぎ去って行きます。
9曲目"Closer To You"(2:33) '02年のアルバム[Spring Came, Rain Fell] の収録曲 "Close To Me" を歌ったJOHANのヴォーカル曲へのアンサー・ソングに思えます。ここでは、KALOLINAが囁く歌声を聴かせます。
10曲目"Sunny"(1:45) このアルバムに多く収録されているスピード感のある曲です、この曲での収録では、2人がヴォーカルをシェアしながら楽しく収録している様がこの曲から伺えます。
11曲目"Getting By"(3:23) ここでも過去のアルバムのスローにまったりとした時間が流れるイメージのアルバムが多かったCLUB 8ですが、アルバムの最後までスピード感に拘ったようです。非常にクリアなJOHANのギターのサウンドと対照的なKALOLINAの引き籠りがちな歌声との調和が好いんです。
歌詞無し ダウンロード盤 (輸入盤) 収録時間:26分09秒 ('24年4月頃から1曲/月リリースして12月にアルバムとしてリリースされたものです!)'25年1月20日更新


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写真  COCK ROBIN / Gold Collection
 ・1997,1990 Sony Music Entertainment France    (VER 4768569)

ヴァージョン違いと未収録曲を収録したコレクターアイテム・・・

このアルバムは、'97年2月5日にフランスからリリースされたCOCK ROBINのコンピレーション・アルバムで、収録曲の大半は、ファーストとセカンド・アルバムの楽曲のヴァージョン違いを収録したCOCK ROBINファン用のアルバムとなっています。
ここで改めてCOCK ROBINの簡単な紹介をします。アリゾナ生まれでテキサス育ちのPETER・KINGSBERYがナッシュヴィルでALLMAN BROTHERS BANDに曲を提供し、バック・ヴォーカルとして、そのバンドに参加するなどの音楽活動をしていました。しかし、PETERは、新たに音楽活動の場を求めロス・アンゼルスに移ってライヴ活動をしていました。
そのロスで15歳からシンガーとして活躍していたANNA・LACAZIOと知り合います。彼女は、イタリア人の父と中国人の母との間に生まれ、軍人だった父の関係から世界中を転々とし最終的にロス・アンゼルス(カーソン)に落ち着いたらしいです。
母の音楽好きから子供の時より歌を良く歌っていたANNAは、将来歌手になることを夢見ていました。 '82年にCOCK ROBINは、PETER・KINGSBERY:ベース/キーボード、ANNA・LACAZIO:ヴォーカル/キーボード/パーカッションにオーディションで採用したフィラデルフィア身出のLOUIS・MOLINO V:ドラムとイギリス出身のCLIVE・WRIGHT:ギター/シンセサイザーの4人組みで結成(サン・フランシスコにてとの情報あり)し、THE KINKSやBILLY・IDOLのU.S.ツアーのオープニング・アクトとツアー・バンドを努めていました。またその頃、テクノ・ポップ・バンドとして風変りなビデオも制作されています。そして念願のセルフ・タイトル・アルバム[Cock Robin]で大手レーベルCBSより '85年にデビューし、その後バンド・メンバーを替えながら3枚のアルバムをリリースしましたが、バンドとしての活動は、残念ながら '90年頃に停止しました。
PETERは、新たに音楽活動の場を多くのファンが待つヨーロッパ特にフランスに求めました。一方ANNAは、COREY・HARTやインディペンデントのPURPLE MOUNTAIN MATINEEのアルバムにバック・ヴォーカルで参加し、自身のソロ・アルバム[Eat Life]を '96年に制作するも正式リリースされませんでした。COCK ROBINの解散から16年の間に様々なコンピ/ベスト/再発アルバム(オリジナル盤以外で20種類以上!)がリリースされました。解散後にリリースされたアルバムの数の方が圧倒的に多いのです。このようなバンドも非常にめずらしいですね。
現在、PETERは、パリよりロス・アンゼルス(ハモサ・ビーチ)に戻って来ていて、一方、ANNAは、来年('07年)に出産の予定で、再結成のCOCK ROBINライヴを一時休止するそうです。嬉しいことにオリジナル・メンバーのCLIVE・WRIGHTもCOCK ROBIN名義で、4作目のアルバムの収録に参加しています。
尚、掲載のアルバムは、ジャケット違いによる多分、第3版目のヴァージョンと思われます。

1曲目"The Promise You Made [Extended Version]"(6:41) '86年ヨーロッパでリリースされた12インチ45回転 3曲盤に収録されている6分41秒まで延長された '85年のヒット曲です。こちらの方も長いイントロにパーカッションのビートが追加されています。
2曲目"Thought You Were on My Side [Extended Remix]"(5:25) '85年にリリースされた12インチ45回転 3曲盤に収録されているヴァージョンです。リン・ドラムのビートや電子サウンドが追加されよりテクノ・ポップ寄りになっています。
3曲目"Have You Any Sympathy?"(4:13) アルバム未収録曲で、'85年の[The Promise You Made]のB面曲です。エレクトリック・ポップ風の曲。デビュー前の '82年頃のテクノ・ポップ・バンド時代に書かれた曲かもしれませんね。
4曲目"Peace On Earth"(2:51) この曲もアルバム未収録曲で、'85年の[Thought You Were On My Side]7インチ45回転盤のB面曲です。 ANNAのヴォーカルによるミドル・テンポのバラードです。'86年のベスト盤[Open Book]とその他のベスト盤にも収録されています。
5曲目"Because It Keeps On Working"(4:34) '85年のファースト・アルバム[Cock Robin]と同じヴァージョンで収録されています。
6曲目"Blood Of A Saint"(3:47) この曲もアルバム未収録曲で、'87年の[The Biggest Fool Of All]7インチ45回転盤のB面曲です。ANNAとギターのCLIVEとの共作となっています。ANNAのパワフルなヴォーカルが好いですね。
7曲目"When Your Heart Is Weak [Dance Mix]"(4:29) [Dance Mix]となっていますが、残念ながらオリジナル収録曲と同じヴァージョンが収録されています。'85年のファースト・アルバム[Cock Robin]からの曲です。
8曲目"Biggest Fool Of All [Dance Mix]"(6:11) '87年の[The Biggest Fool Of All]12インチ45回転盤のA面曲です。アコースティック・ギターの間奏が追加されたロング・ヴァージョンです。
9曲目"El Norte [Reinforced Dance Mix]"(6:10) '87年の[El Norte]12インチ45回転盤のA面曲です。大好きな曲のヴァージョン違いを聴くのは、非常に興味深いですネ。打込みとサンプル音源を随所に組み入れています。
10曲目"We've Changed"(4:23) '89年のシングル曲[Straighter Line]のB面の曲でアルバム未収録曲です。ANNAのヴォーカル曲によるDANIEL・A. POWERSMARK・BINDERとANNAとの共作曲です。
11曲目"Open Book"(3:52) COCK ROBINのデビュー前の '83年の録音です。演奏に硬さが残っているのは、ご愛嬌ですネ。しかし、曲のダイナミックさや楽器構成とアレンジなどCOCK ROBINらしが既に確立されています。
12曲目"Don't Think Twice,It's All Right [Live]"(3:23) ご存じBOB・DYLANの曲のカバーをライヴで収録したもので、PETERのエレピの弾き語りにANNAとのヴォーカルをシェアしています。'86年のヨーロッパ・ツアーでのブートレグとのこと。
13曲目"For Dear Life"(5:02) アルバム未収録曲で、PETERらしい躍動感のある作曲のセンスとダイナミックな展開の曲です。'87年のシングル盤[El Norte]7インチ45回転盤のB面に収録されています。87年の曲 "Just Around The Corner"に似たメロディがあるのは、ご愛敬と言うことで。
14曲目"Just Around The Corner"(4:13) '87年のセカンド・アルバム[After Here Through Midland]のトップを飾ったオリジナル収録曲と同じヴァージョンで収録されています。
歌詞/解説なし 写真ライナー (フランス盤) 収録時間:65分46秒 (現在、フランスで活躍するPETER・KINGSBERYの関係かフランスよりこのアルバムは、ジャケ違で何度か再発売しています。各曲の内容はオリジナル盤の項目も参照して下さい。COCK ROBINが復活するようです!)'10年5月17日再更新


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写真  COCK ROBIN / I Don't Want To Save The World
 ・2006 31 Production Edition    2630022719369

17年ぶり本当に長かった・・・

前作が '89年の[First Love Last Rites]だったから17年ぶりのアルバムですか...。'03年の春からCOCK ROBINが復活し、新たにレコーディング中という噂を聞いていましたが、本当にアルバムがリリースされるまで信じられませんでした。このアルバムは、そのCOCK ROBINの4枚目(ベスト盤及びコンピレーション盤を含まない)のアルバムで収録は、カリフォルニアとナッシュヴィルで行なわれましたが、フランスのインディペンデント・レーベルより '06年5月15日のリリースです。
嬉しいことにオリジナル・メンバーのCLIVE・WRIGHTもCOCK ROBIN名義でこのアルバムの収録に参加しています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PETER・KINGSBERY:ヴォーカル/キーボード/パーカッション/ギター、ANNA・LACAZIO:ヴォーカル、CLIVE・WRIGHT:ギターの他、JOHN・PIERCE:ベース、PAT・MASTELOTTO:ドラム、VICTOR・INDRIZZO:ドラム、JAMES・McCORKEL:ギター、JON・GOSEN(PURPLE MOUNTAIN MATINEE):特殊音声、若手ギタリスト/シンガー兼プロダクション・オーナーのMIKAL・BLUEが参加しているのが非常に興味深いです。
プロデュースは、ミキサー/ギタリスト/ベーシストとしてツアーにも参加しているTHERON・CARROLLが担当しています。

1曲目"Superhuman"(4:32) イントロのPETERの弾き語りで早速鳥肌ものです。その後、ANNAのヴォーカルが登場するとCOCK ROBINの世界が一気に広がります。PETERがフランスでの音楽に影響を受けた感のする叙情的な響きのメロディです。17年ぶりの2人の歌声による新曲をただただ聴き入るだけです。
2曲目"I Don't Want To Save The World"(4:01) 最初はPETERのヴォーカルでサビの部分は、ANNAのヴォーカル曲です。力強い2人の歌声によるメロディアス・ロックです。
3曲目"Fair Enough"(4:11) PETERのヴォーカルから入る曲でミドル・テンポのリズムのメランコリックなメロディによる曲です。ANNAのヴォーカルも当時とあまり変わっていませんね。少しコケティッシュ(褒め言葉で使っています)でエモーショナルな歌声による素晴らしい曲です。間奏のギターサウンドも素晴らしい。尚、曲名の"Fair Enough"とは「それなら仕方ないね」との意味。
4曲目"Across The Freeway"(4:28) イントロは、PETERの哀愁のある歌声によるアカペラに近い曲です。途中よりANNAのヴォーカルと異国情緒のあるサウンドが追加されます。中近東のようなリズムとヨーロッパ調のサウンドが上手く混ざった素晴らしい曲です。
5曲目"Touched"(3:27) 前の曲のアウトロから急に繋がる曲です。2人の息のピッタリ合ったハーモニーの美しい曲です。サスティーン/E-Bowを効かせた伸びやかなギターのサウンドによるミドル・テンポの曲です。
6曲目"Body Over Mind"(3:48) 打込みのリズムと美しいキーボードによるメロディアスで非常にポップな曲です。PETERとANNAが交互にメイン・ヴォーカルをシェアするあたりも過去のアルバムと同じサウンド・スタイルは、今も健在です。
7曲目"Bo"(3:55) COCK ROBIN解散後にフランスに渡ったPETERがエレクトロニカのサウンドに傾倒していた時のサウンドに近い曲の調べです。この曲では、ANNAがメイン・ヴォーカルを執ります。ミドル・テンポのシンプルな曲で終わり近くには犬(Bo?)の鳴き声:JON・GOSENによるサンプルが遊び心で挿入されています。
8曲目"Through The Years"(5:04) フランスに渡ってからPETERの書く曲によく登場するヨーロッパ哀愁感のあるメロディアスなバラードです。このメロディとPETERのバリトン・ヴォイスが非常に調和します。このアルバムは、本当に良い曲のオンパレードですね。
9曲目"Italian Soul"(4:26) PETERとANNAとギターのCLIVEとの共作です。幻想的なサウンドは、やはりCLIVEの手によるところでしょうか。特にこの曲でのANNAの歌声は、非常に印象に残る美しい響きを持っています。ハーモニーも交互に交差させながら巧みに歌いこなす2人の歌声には感無量です。
10曲目"The Valley Below"(4:34) この曲のギターのサウンドはご機嫌です。西海岸らしい爽やかで心地好いリズムとメロディによる曲です。世界中のCOCK ROBINのファン達が待ち望んでいたサウンドです!ドラムに旧友PAT・MASTELOTTO(元MR. MISTER)が参加した曲です。
11曲目"Dominoes"(3:52) ANNAがメイン・ヴォーカルを執る曲で相変わらずエモーショナルで少し妖艶さを増した歌声の響きです。バックのPETERもいつになく熱い歌声を披露して頑張っています。
12曲目"Me And My Shaman"(4:22) 2人のヴォーカルによる曲です。後半のクライマックスを迎えるのに相応しい曲です。メロディとヴォーカル・アレンジが非常に凝った曲となって後半のサウンドは圧巻です。再びドラムにPATが参加した曲です。
13曲目"Under The Star Which I Was Born"(3:33) PETERのアコースティック・ギターのサウンドによるシンプルな曲です。ANNAとのハーモニーが非常に美しくバックのサウンドもギターのみです。尚、この曲は MICHEL・POLNAREFF '66年の "Sous quelle ètoile suis-je nè ?"の英語訳カバーとなっています。
歌詞無し 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:54分01秒 (CDプレーヤーの年式の関係でしょうか、何故かこのCDを再生出来ないプレーヤーがあります)'06年8月2日更新
2006年度ベスト5


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写真  COCK ROBIN / Songs From A Bell Tower
 ・2010 31 Production Edition    2630035104497

早くも次のアルバムです・・・

このアルバムは、現在 フランスで活躍しているCOCK ROBINの5枚目('09年のライヴ盤はダウンロードのみの為含まず)のアルバムでCD盤としては、'10年10月11日フランスからのリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PETER・KINGSBERY:ヴォーカル/ベース/キーボード/ギター/ストリングス、ANNA・LACAZIO:ヴォーカル/パーカッション、PAT・MASTELOTTO:ドラム/パーカッション/ドラム・プログラミング、JASON・ALTMAN:ドラム、YANNICK・CHOUILLET:ギター、CLIVE・WRIGHT:ギター、PIERRE・BERTRAND:サックス/ホーン・アレンジメント、GUILLAUME・DUTRIEUX:トランペット/ビューグル、PHILLIPE・GEORGE:トロンボーンのフランスとアメリカのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Now And Then"(3:57) キーボードを奏でるPETERのヴォーカル曲で、'90年頃にCOCK ROBINを解散したPETERが単身フランスで音楽活動して時期のサウンド・スタイルを感じる曲です。'06年の再結成アルバムでのアウトテイクまたは、PETERのソロ・アルバム用に収録されていたのかANNA自身は、収録に参加していないもようです。
2曲目"Part Of Your Tribe"(4:09) COCK ROBINの曲としては少しハードなサウンドを垣間見せる曲です。思い詰めたように歌うPETERの歌声や捲し立てるように奏でられるギターのサウンドなどは新生COCK ROBINならでは新しいサウンドではないでしょうか。フランスで活躍しているギタリストYANNICK・CHOUILLETのギターのサウンドが斬新に感じます。
3曲目"A Natural Affair"(4:52) ゆったりと奏でられるピアノの調べに合わせて歌うANNAのヴォーカル曲です。次第にサウンドを厚くして行くのですが、そのメロディ・ラインは、複雑でモダン・ジャズの要素やフュージョン・ミュージックの曲調を感じます。
4曲目"Grand"(4:16) この曲は、前作でのサウンドと似た雰囲気を感じさせるメルヘン・タッチの心地好いサウンドと浮遊感の漂うリズムの流れが伝わって来ます。但し、ANNAのバック・ヴォーカルは、少し後退した位置にあるのが少し気になりますね。
5曲目"Extraordinary Thing"(4:08) イントロから気になるアコースティック・ギターの調べを発する渋めの曲の登場です。楽器類を少なくした構成にアコースティック調のサウンドに仕立てらえたPETERとANNAの絶妙なハーモニーを楽しみましょう。
6曲目"Checkered Past"(4:12) PETERお得意のキーボードを奏でながらエモーショナルに歌う少し凝ったメロディ・ラインを持つ曲です。本来なら洒落たサウンドで奏でられるカフェ/ラウンジ的な曲のようですが、オルタナティヴな要素を加えたアレンジにモダン・ジャズのピアノ・ソロも被せた一筋縄で行かない感じです。
7曲目"Inside Our Cage"(4:08) 再びANNAのヴォーカル曲の登場です。遠くで響いているようなPETERのキーボードの調べと心地好いドラムのビートが感じ良い乗りを伝えて来ます。サウンドの隅々にまで刻まれた洒落た曲調は、本当に流石ですね。
8曲目"Janice"(4:55) PETERがフランスで映画音楽を手掛けた事による経験が非常に活かされていると思わされる曲です。サウンドの展開にスリリングさを感じさせるなどアシッドでモノクロームの質感に50年代のフレンチ・フィルム・ノワールをも感じさせるのです。
9曲目"Caught In Your Stream"(4:03) 忙しなく鳴り響くピアノ、ハモンドとギターの調べによる一風変わった曲調を感じさせるANNAのヴォーカル曲です。オリジナル・メンバーであるギタリストCLIVE・WRIGHTのソロでの活動スタイルであるスピリチュアル/アンビエント系のギター・サウンドが見事に広がって来ます。
10曲目"Songs From A Bell Tower"(4:59) 滴るような響きを聴かせるキーボードの調べに摩訶不思議な揺らぎと陰を持ったアコースティック・ギターの調べが絡み合う渋めの曲の登場です。PETERの"チョイ" 聴きでは、フランス語と錯覚するようなサビの歌詞も非常に印象的です。
11曲目"Ligne De Chance"(3:51) 悲しみを誘うようなクラヴィネットの調べと蒼い吐息混じりのPETERの歌声が切なく響く曲です。フランス語の歌詞も交えながら奏でられるメランコリックなナンバーで、PETERとフランスで活躍しているS.S.W.SOPHIE・CHOLLET・LEFEBVREと一緒に書かれています。
歌詞無し 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:47分30秒 (17年も活動を停止していたこのCOCK ROBINなのですが、'06年に再結成スタジオ・アルバム、'09年にライヴ盤、そしてこの新譜のアルバムと2011年にはヨーロッパ・ツアー再開と本当に活動が活発になりました)'11年2月9日更新


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写真  COCK ROBIN / Songs From A Bell Tower + Live
 ・2011 Blackbirds Records    BR 2011-07

ダウンロードのみのライヴ盤を追加・・・

このアルバムは、現在 フランスで活躍しているCOCK ROBINの6枚目('10年10月の同名通常盤を含む)のアルバムで、通常盤にボーナス・トラックとして"Grand(Radio Edit)" を加えダウンロード販売のみだった '08年フランスツアーのライヴ盤を組み合わせた特別2枚組としてドイツより '11年4月29日にリリースされたものです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PETER・KINGSBERY:ヴォーカル/ベース/キーボード/ギター/ストリングス、ANNA・LACAZIO:ヴォーカル/パーカッション、PAT・MASTELOTTO:ドラム/パーカッション/ドラム・プログラミング、JASON・ALTMAN:ドラム、YANNICK・CHOUILLET:ギター、CLIVE・WRIGHT:ギター、PIERRE・BERTRAND:サックス/ホーン・アレンジメント、GUILLAUME・DUTRIEUX:トランペット/ビューグル、PHILLIPE・GEORGE:トロンボーンのフランスとアメリカのミュージシャン達が参加しています。
尚、各曲の参考レビューは、通常盤でのレビューをそのまま掲載させて頂きます。その他の仕様の違う項目のみ追加記載しました。

DISC:1 収録時間:51分13秒
1曲目"Now And Then"(3:57) キーボードを奏でるPETERのヴォーカル曲で、'90年頃にCOCK ROBINを解散したPETERが単身フランスで音楽活動して時期のサウンド・スタイルを感じる曲です。'06年の再結成アルバムでのアウトテイクまたは、PETERのソロ・アルバム用に収録されていたのかANNA自身は、収録に参加していないもようです。
2曲目"Part Of Your Tribe"(4:09) COCK ROBINの曲としては少しハードなサウンドを垣間見せる曲です。思い詰めたように歌うPETERの歌声や捲し立てるように奏でられるギターのサウンドなどは新生COCK ROBINならでは新しいサウンドではないでしょうか。フランスで活躍しているギタリストYANNICK・CHOUILLETのギターのサウンドが斬新に感じます。
3曲目"A Natural Affair"(4:52) ゆったりと奏でられるピアノの調べに合わせて歌うANNAのヴォーカル曲です。次第にサウンドを厚くして行くのですが、そのメロディ・ラインは、複雑でモダン・ジャズの要素やフュージョン・ミュージックの曲調を感じます。
4曲目"Grand"(4:16) この曲は、前作でのサウンドと似た雰囲気を感じさせるメルヘン・タッチの心地好いサウンドと浮遊感の漂うリズムの流れが伝わって来ます。但し、ANNAのバック・ヴォーカルは、少し後退した位置にあるのが少し気になりますね。
5曲目"Extraordinary Thing"(4:08) イントロから気になるアコースティック・ギターの調べを発する渋めの曲の登場です。楽器類を少なくした構成にアコースティック調のサウンドに仕立てらえたPETERとANNAの絶妙なハーモニーを楽しみましょう。
6曲目"Checkered Past"(4:12) PETERお得意のキーボードを奏でながらエモーショナルに歌う少し凝ったメロディ・ラインを持つ曲です。本来なら洒落たサウンドで奏でられるカフェ/ラウンジ的な曲のようですが、オルタナティヴな要素を加えたアレンジにモダン・ジャズのピアノ・ソロも被せた一筋縄で行かない感じです。
7曲目"Inside Our Cage"(4:08) 再びANNAのヴォーカル曲の登場です。遠くで響いているようなPETERのキーボードの調べと心地好いドラムのビートが感じ良い乗りを伝えて来ます。サウンドの隅々にまで刻まれた洒落た曲調は、本当に流石ですね。
8曲目"Janice"(4:55) PETERがフランスで映画音楽を手掛けた事による経験が非常に活かされていると思わされる曲です。サウンドの展開にスリリングさを感じさせるなどアシッドでモノクロームの質感に50年代のフレンチ・フィルム・ノワールをも感じさせるのです。
9曲目"Caught In Your Stream"(4:03) 忙しなく鳴り響くピアノ、ハモンドとギターの調べによる一風変わった曲調を感じさせるANNAのヴォーカル曲です。オリジナル・メンバーであるギタリストCLIVE・WRIGHTのソロでの活動スタイルであるスピリチュアル/アンビエント系のギター・サウンドが見事に広がって来ます。
10曲目"Songs From A Bell Tower"(4:59) 滴るような響きを聴かせるキーボードの調べに摩訶不思議な揺らぎと陰を持ったアコースティック・ギターの調べが絡み合う渋めの曲の登場です。PETERの"チョイ" 聴きでは、フランス語と錯覚するようなサビの歌詞も非常に印象的です。
11曲目"Ligne De Chance"(3:51) 悲しみを誘うようなクラヴィネットの調べと蒼い吐息混じりのPETERの歌声が切なく響く曲です。フランス語の歌詞も交えながら奏でられるメランコリックなナンバーで、PETERとフランスで活躍しているS.S.W.SOPHIE・CHOLLET・LEFEBVREと一緒に書かれています。
12曲目"Grand(Radio Edit)"ボーナス・トラック(3:03) オンエア用を考慮して3分少々の短さ編集したラジオ編集曲です。オリジナル曲のアウトロ部分を削っているようです。

DISC:2 "ライヴ収録盤" 収録時間:69分49秒
ライヴ盤に参加しているミュージシャンは、PETER・KINGSBERY:ヴォーカル/キーボード/ベース、ANNA・LACAZIO:ヴォーカル/パーカッション、CLIVE・WRIGHT:ギター/ギター・シンセサイザー/EBow、PAT・MASTELOTTO:ドラム/ドラム・プログラミング、DAMIAN・LESTER:ベース、THERON・CARROLL:ベース/ギターのレコーディング・メンバーもツアーに同行しています。

1曲目"I'll Send Them Your Way"(5:21) '87年の[After Here Through Midland] に収録されている曲で、イントロの部分はサンプル音源と電子サウンドで現代的にアレンジされています。
2曲目"After All's Said And Done"(5:22) '95年のPETER名義[Once In A Million]に収録されているダイナミックなメロディとサウンドを聴かせる曲で、フランスよりリリースされた事によるファンサービスの為にライヴ演奏されたと思われます。
3曲目"When Your Heart Is Weak"(5:46) COCK ROBINのファンにはもう説明不要と言える曲ですね。'85年デビュー・アルバムに収録されている当時37位のスマッシュヒットとなった曲です。ここでのライヴでは、CLIVE・WRIGHTのスライド・ギターのサウンドを大胆に取り入れてライヴ仕立てとなっています。
4曲目"Because It Keeps On Working"(5:22) この曲も '85年の[Cock Robin]に収録されている曲です。オリジナル曲より少しテンポを下げ、歪ませたギターのサウンドを加えてロック色を強めたアレンジになっています。
5曲目"For Experience Sake"(4:19) '89年の[First Love Last Rites]に収録されているANNAのヴォーカル曲です。CLIVEのギターのサウンドとPETERの電子ピアノのサウンドの共演をライヴの模様を想像しながら楽しく事にしましょう。
6曲目"Superhuman"(4:50) '06年の再結成によってリリースされた[I Don't Want To Save The World]に収録されている曲です。出だしはPETERのヴォーカル、それに続いて登場するANNAの歌声にうっとりや"にやっ" とする自分にふと気がつきます。
7曲目"Hunting Down A Killer"(5:24) 3枚目のアルバム '89年の[First Love Last Rites]に収録されているダイナミックであるサビとクールなPETERのヴォーカルを存分に聴かせる曲です。デビュー当時からライヴでの巧さに定評がったCOCK ROBINですが、このアルバムが初めてのライヴ盤(ビデオはリリース済み)とは少し不思議に思います。
8曲目"Worlds Apart"(5:31) この曲も[First Love Last Rites]からのキラー・チューンです。オリジナル盤での収録は、マリアッチ・ホーンなどでサウンドのアレンジが非常の豪華で重厚さのある曲の為、ライヴでの演奏が至難と思われていましたが、ここでの収録は、非常に見事に仕上がっています。
9曲目"I Don't Want To Save The World"(5:05) 再結成され17年ぶりにリリースされたアルバムのタイトル・トラックです。フランスのファンも当然聴きたかった曲と思われる為か1部フランス語で歌われアグレッシヴなギター・ソロも演奏されファンを魅了するアレンジが施されています。
10曲目"Thought You Were On My Side"(4:45) '85年のデビュー・アルバムのトップに収録されているANNAもPETERも熱い歌声を聴かせるストレートなロック色の強い曲です。当時のオリジナル・メンバーでもあるギターのCLIVE・WRIGHTが手慣れた感じで渋めのギターの演奏を聴かせては、ライヴの観客を乗せています。
11曲目"The Promise You Made"(5:41) 前の曲の続きに収録されているこの曲もファンには説明の必要ないデビュー・アルバムからの曲です。ANNAのフランス語の挨拶から展開させるフランス/ドイツ/イタリアでもヒットした曲です。後半からは、PETERのフランス語によるファンへのメッセージが伝えられてファンを沸かせるところも収録されています。'85年の盤では、2人のユニゾンによる力強い歌声で収録されていましたが、このライヴでは、ハモリを効かせ叙情的に歌われています。
12曲目"For Dear Life"(7:23) オリジナル・アルバムでは未収録の曲で、コンピレーション盤には収録されているPETERらしい躍動感のある作曲のセンスとダイナミックな展開の曲です。ここでの収録ではジャズの要素や組曲風にアレンジされて7分半もある熱い演奏を聴かせます。
13曲目"Open Book"(4:55) COCK ROBINのデビュー前の '83年のアルバム未収録曲です。フランスのライヴで非常にめずらしい曲が演奏された事に感心します。この曲のテンポとアレンジは、当時より非常に洗練されたところを感じます。尚、'87年"Just Around The Corner" シングル盤のB面にスピード感のあるANNAのヴォーカル曲として再収録されています。
DISC:1全12曲歌詞付 16ページ物豪華写真ブックレット 3折デジパック仕様 ドイツ製 (輸入盤) (ドイツ・ツアーに向けてリリースされたこの盤は、フランス盤には、付属してなかった歌詞や写真ブックレットも付いてサービスの方も非常に充実しています:笑)'11年5月17日更新
2011年度ベスト5


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写真  COCK ROBIN / Chinese Driver
 ・2016 VERYCORDS    6022046120

実質PETERのソロ・・・

このアルバムは、フランスで活躍しているニューウェーブ・ポップ・バンドCOCK ROBINの7枚目(2枚組ドイツ盤 Songs From A Bell Tower + Live を含む)のアルバムで '16年3月10日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、PETER・KINGSBERY:ヴォーカル/キーボード/ギター/ホイッスル/プログラミング/ストリングス/プロデュース、D.(DAVID)・BERLAND:ブラス・クワイヤー/プロデュース、M.(MATHIEU)・RABATE:ドラム/プログラミング/プロデュース、AGATHE・CAGIN:ヴォーカル、S.(SHANNON)・KINGSBERY:ヴォーカル/スポーケン、JULIE・WINGINS:ヴォーカル、PAULINE:ヴォーカルのフランスのミュージシャン達が参加しています。
残念ながら '12年夏のヨーロッパ・ツアーを最後にオリジナル・メンバーだったANNA・LACAZIO:ヴォーカル/キーボード/パーカッションは、COCK ROBINを抜けています。
尚、プロデュースは、曲によりPETER・KINGSBERY、DAVID・BERLAND、MATHIEU・RABETEの単独または、共同で行われています。

1曲目"Portrait"(3:22) 幻想的なキーボードの調べが心地好く広がるイントロと共に登場するPETERの5年ぶりの歌声に聴き入る曲です。「私は決して変わらないと。。。」と歌う歌声とその意味を噛みしめてみます。
2曲目"Chinese Driver"(3:29) 電子ピアノを弾きながら歌うPETERのヴォーカルの合間に歌う女子の歌声が流れる曲です。クレジットには、S. KINGSBERY(PETERの娘さん):Vocalと記された個人的な要素が込められています。
3曲目"Connected"(3:40) ドラム・プログラミングで奏でられるビートの流れと軽めのギターのサウンドによるポップな曲です。AGATHE・CAGINとPETERのラップ風な歌声のパートや電子サウンドの遊び心が彩られています。
4曲目"Kind Of A Drag"(2:32) PETERのピアノによる弾き語りです。シンプルなメロディとサウンドの展開から重厚なストリングスのサウンドへ移行する戯曲的な感じもあります。
5曲目"Joyce And Kate"(4:00) この曲もドラム・プログラミングのMATHIEU・RABATEがプロデュースしたドラムのビートとリズムが素晴らしい曲です。枯れたギターのサウンドを使ながらPETERとヴォーカルをシェアするAGATHE・CAGINの歌声との絡みも素晴らしいのです。
6曲目"Childhood Crush"(3:33) この曲は、丁度PETERがCOCK ROBINを再活動させる前にソロ名義でフランスで活動中のエレクトロニカ・サウンドに傾倒していた時の曲に近い感じです。ところで女性ヴォーカルのAGATHE・CAGINが本アルバムの収録に至った経緯が非常に気になりますね。
7曲目"All In Good Time"(3:53) アコーステック・ギターによるPETERの弾き語りによるシンプルなサウンドの曲です。途中よりチェロやヴァイオリンによるストリングスのサウンドが重ねられた旅情的な雰囲気を醸し出しているところは、PETERの十八番です。
8曲目"Make Your Own Kind Of Music"(3:28) この曲もPETERひとりによる収録曲です。前の曲のアコーステック・ギターからアップライト・ピアノに変えて情熱的に奏でて歌います。この曲も重厚なストリングスのサウンドが折り重ねられています。
9曲目"The Mermaid"(4:10) この曲は、遊び心を持たせたアレンジで収録されています。PETERが幼少だった頃の想いスポーケンで綴られています。クレジットの記載が無いのですが、スポーケンに女性ヴォーカルのJULIE・WINGINSが務めているようです。
10曲目"Knocked Out"(4:11) ダークなサウンドとメロディによる曲です。起伏を抑えたPETERとJULIE・WINGINSの歌声が不気味に響きます。
11曲目"Quicksand"(3:37) この曲は、非常に復活前のアメリカ時代のCOCK ROBINの曲のイメージ近いものがあります。しかし、アレンジは非常にシンプルにさせピアノ1台にPETERとAGATHEとの歌声だけによる収録です。
12曲目"Orbit"(3:54) Orbit「軌道」と名付けられた電子サウンドが宙に舞う曲です。サビの部分から非常にファンクなリズムとサウンドによるダンス・ビートに展開して行きます。この曲では第4の女性ヴォーカルPAULINE(彼女の事は不明)が登場しています。
13曲目"Baby the Rain Must Fall"(4:01) PETERのアップライト・ピアノによる弾き語りです。パブテスト伝道者のお説教が捲し立てて収録されクレジットには不明とされているのですが、多分PETERの自作自演のような気がします。
歌詞無し ライナー付 デジパック仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:47分55秒 (COCK ROBIN名義のこのアルバムですが、実質PETER名義のソロ・アルバムです。'14〜'15年にリリース予定だったのですが、やはりANNAが抜けた事がリリース遅れの原因だったのでしょうか)'16年7月30日更新


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写真  COCK ROBIN / Homo Alien
 ・2021 VERYCORDS   6022046357

残念ながらフランスのみリリース・・・

このアルバムは、フランスで活躍しているニューウェーブ・ポップ・バンドCOCK ROBINの8枚目('09年にCD化されたライヴ盤を含む)のアルバムで '21年9月17日に本国でのリリースです。
このアルバムのCOCK ROBINのメンバーは、PETER・KINGSBERY:ヴォーカル/ギター/ベース/キーボード/パーカッション、CORALIE・VUILLEMIN:ヴォーカル/キーボード/エフェクト/ストリング・ブラス・アレンジ、DIDIER・STRUB:ドラム/バック・ヴォーカルの3人です。アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、STEPHANE・BONACCI:ギター、PIERRE・BERTRAND(13曲目):指揮/アレンジのフランスのミュージシャンが参加しています。尚、ギターのSTEPHANEは、その後のツアーにも同行しています。
前作[Chinese Driver]にも記したのですが、相棒ANNA・LACAZIOは、曲作り、アルバム収録を生活拠点のアメリカに求めた為、フランスに活動拠点を求めたPETERと意見が別れ '12年のヨーロッパ・ツアーを最後にCOCK ROBINを離れています。(記録上は'14年を最後にと)

1曲目"Bodies On A Bed Sheet"(3:24) イントロからサビの部分をいきなり歌い出すところが少し驚いた曲です。CORALIE・VUILLEMINがユニゾン歌うところやSTEPHANE・BONACCIのギターの間奏などライヴ受けするのではないでしょうか。
2曲目"Great Divide"(3:22) オルタナティヴ・ロック感の強い尖ったところ出したこの曲もちょっと驚いた曲です。CORALIEのヴォーカルにエフェクト的なSTEPHANEの強めのコードストロークと中々聴き応えある感がします。
3曲目"Lasso"(4:11) 電子ピアノを弾きながら歌うPETERのヴォーカル曲です。2作目前あたりから少し感じていたのですが、PETERの英語の発音がフランス訛りに聴こえるのは、私だけでしょうか。でもPETERのこの曲に対する熱量が十分に伝わって来ます。
4曲目"Landing In Madère"(1:33) スペース・サウンドを模したインストゥルメンタルです。これまでCOCK ROBIN名義の曲は、あまりインストゥルメンタルを収録していなかったのですが、フランスに移住した頃から映画/舞台音楽に関わったからの影響のようです。尚、Madèreとはモロッコの西の海にあるポルトガル自治区マデイラ諸島とのこと。
5曲目"Merry As We Go"(3:45) CORALIEが加わったことによる電子キーボードのサウンドが前面に出てきたことを感じる曲です。PETERとCORALIEとがヴォーカルをシェアするところにPETERが新たな相棒を得て喜々としていると感じます。
6曲目"Romance Without Pain"(3:17) CORALIEのキーボードによる弾き語りを主体とした曲です。次第にPETERの歌声やドラム、ギター、電子サウンドが加わりダイナミックな展開を聴かせます。
7曲目"Hotel Light"(4:09) 今度は、PETERのヴォーカル曲です。サウンドの所々にヨーロッパ調べの洒落た響きやベース・ギターの太めの音色をなぞるアレンジなど趣向を凝らしたPETERのロマンチック・ワールドを強く感じます。この曲は、比較的古い曲で '19年頃のライヴなどで演奏されているようです。
8曲目"Homo Alien"(3:25) 少し斜に構えた感のするCORALIEのヴォーカル曲です。アルバム・タイトル曲を歌うCORALIE、新生COCK ROBINの要となったようです。このアルバムの収録曲の大半は、彼女のアレンジだそうです。またこの曲を含み3曲を作詞/作曲しています。
9曲目"Fork In The Road"(3:59) リズミカルに鳴るドラムのビートに合わせ心地好く歌うPETERのヴォーカル曲です。揺らぎを持った電子ピアノのサウンドをバックにCORALIEの歌声も登場します。少しLo-Fiにした2人の歌声も洒落た感じが好いですね。
10曲目"Let Us Know Where You Are"(3:47) この曲は、旧COCK ROBIN時代の"Worlds Apart" のドラム・ビートの躍動感を強く感じる曲です。一段奥まったところで響くCORALIEの凛とした歌声とダイナミックな鼓動が印象的です。
11曲目"Captain Courageous"(4:16) 今度は、ちょっと遊び心を持たせた周りの電子サウンドが騒がしい曲です。途中より急に戯曲的な仕上げを感じさせ起伏を持たせた曲へのアレンジの拘りを強く感じさせます。
12曲目"Watering The Roots "(4:05) 少ししわがれて来た渋めの歌声を聴かせるPETERのヴォーカル曲です。バックでCORALIEがPETERに続き歌声を掛け合います。前作では曲により何人かの女性ヴォーカルを起用していたのですが、今回は相棒CORALIEのみのようです。
13曲目"Cookie Cutter Cadence"(2:36) めずらしくホルンのサウンドを使った宮廷音楽のような曲です。PETERの優しく響く歌声にこれまたホルンの丸みを帯びた歌声が絡み合って届けられます。
14曲目"Trending"(4:02) 何だかイントロから背筋を「ぞっくと」させる曲の登場です。PETERの少し憂いを持った歌声と不安感を煽るバックのサウンドと溜めを取ったドラムのビートも本当に渋く感じます。
13曲歌詞付 16ページ物イラストブックレット デジパック仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:49分57秒 (ここでネガティブな事は、あまり書きたくないのですが、CDの値段より高いフランスからの送料約21€は、ちょっと痛かったかな。でもこの盤も直ぐに変なプレミアが付いて買えなくなるのでしょう!)'23年1月19日更新


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写真  THE COLOUR FIELD / Virgins And Philistines
 ・1985 Chrysalis Records Ltd.   CHR 1480

国内再発売予定となりました・・・

このアルバムは、イングランド(Coventry)出身のTERRY・HALLがFUN BOY THREE解散後に同じくコベントリーで活躍していたTHE SWINGING CATSの元キーボ−ディストTOBY・LYONSとSOLID ACTIONの元ベーシストKARL・SHALEと結成したTHE COLOUR FIELDの '85年4月に本国でリリースされたデビュー・アルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、先のTERRY・HALL:ヴォーカル/全楽器、TOBY・LYONS:ヴォーカル/全楽器、KARL・SHALE:ヴォーカル/全楽器にPAUL・BURGESS(Ex.CAMEL):ドラム、故PETE・DE・FREITAS(Ex.ECHO & THE BUNNYMEN):ドラム、PRESTON・HEYMAN:パーカッション、IAN・NELSON:クラリネット、KATRINA・PHILLIPS:バック・ヴォーカルが参加しています。
尚、プロデュースは、ニュー・ウェーヴ系のベテラン・プロデューサーHUGH・JONES(SIMPLE MINDS,THE ICICLE WORKS)が担当しています。

1曲目"Thinking Of You"(3:32) 1曲目から軽快なリズムを聴かせるこのアルバムからのU.K.シングル・チャート12位のヒット・チューンです。覚えやすいメロディ・ラインとTERRYの歌声に上手く"ハモル" KATRINA・PHILLIPSの歌声も心地好いですね。
2曲目"Faint Hearts"(4:20) イントロから響くTERRYのメランコリックな歌声から次第に響くダイナミックなケルト音楽的なドラム/パーカッションのリズムが非常に印象的な曲です。レトロなハモンドの音色にギターのサウンドをふんだんに加えたネオ・トラディショナル・ミュージックなアレンジを感じます。
3曲目"Castles In The Air"(3:43) この曲もTERRYがそのメランコリックな歌声を聴かせる曲です。どこか演歌みたいな質感を感じさせるメロディとTERRYの思い詰めた歌声が切なく響いて来ます。
4曲目"Take"(4:09) この曲もイントロから印象的な響きを感じさせえるアルバム購入当時から非常にお気に入りなっていた曲です。乗りの良いリズムと少し黒い感じのバックのヴォーカル隊の歌声とTERRYの歌声との融合が素晴らしいですね。
5曲目"Cruel Circus"(4:02) 今度は少し肩の凝らない感じの曲の登場です。聴衆に奇怪な物語を伝える吟遊詩人的なストーリーテラーに扮したTERRYの姿を容易に想像させます。
6曲目"Hammond Song"(4:29) イントロから非常に美しく響くアコースティック・ギターの弾んだ調べと澄んだ空気をも感じさせる3人のヴォーカルと心地好いハーモニーです。間奏でゆったり流れるチェロの重厚な響きも素晴らしくまた、優しく広がって来ます。尚、この曲は、ニュー・ジャージー出身のフォーク・バンド3姉妹THE ROCHES '79年の曲のカバーです。
7曲目"Virgins And Philistines"(3:56) ベースの調べに合わせて訥々と歌うTERRYの歌声が流れる組曲的な雰囲気を持った曲です。コケテイシュに流れる故IAN・NELSON(Ex.FIAT LUX)のクラリネットの軽快なソロも感じが良いですね。
8曲目"Armchair Theatre"(3:41) アコースティック・ギターの調べがイントロから響くメランコリックなボサ・ノヴァ調のスピードを落とした"ネオ・アコ" と呼べる曲です。ビタースイートなTERRYの歌声にメランコリックなバックにアコースティックなサウンドが広がります。
9曲目"Yours Sincerely"(5:02) 今度は少しテンポを上げて来たスパニシュ・テイスト/ファンカ・ラティーナも感じる曲です。ドラマチックなホーンのサウンドと重厚なドラムのビートとベースのサウンドで繰り広げられるTHE COLOUR FIELDのサウンドの拘りをこの曲で強く感じさせるのです。
10曲目"Sorry"(3:19) ナイロン弦ギターによるシンコペーションの切ないリズムと調べによる曲です。TERRYの吐息混じりの歌声に弦の響きが絡み合いアルバムの終焉まで切なく響いて来ます。
歌詞無し LP盤 U.K.製 (輸入盤) 収録時間:40分13秒 ('89年と '98年にCD化されましたが、長い間このアルバムは、廃盤状態でした。しかし、'10年5月15日ボーナス・トラック付全20曲で国内再発売予定となりました)'10年5月4日再更新


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写真  THE CONFUSIONS / Trampoline
 ・2002 Massproduktion   MASS CD-94

乗りの良いギター・サウンドと歌声・・・

このアルバムは、スウェーデンで活躍しているインディーズ・バンドTHE CONFUSIONSの '02年9月23日に本国でリリースされた4枚目('98年Stockholm Records盤を含む)のアルバムです。
このアルバムでのTHE CONFUSIONSのメンバーは、MIKAEL・ANDERSSON-KNUT:ヴォーカル/ギター、ZARAH・EDSTRÖM:キーボード/ヴォーカル、HENRIK・SVENSSON:ギター、MAGNUS・THORSELL:ベース、MATTIAS・LÖFSTRÖM:ドラムの5人組です。
プロデュースは、PONTUS・FRISK(ESKOBAR,ANDREAS・JOHNSON)が担当し、1部の曲のドラム・プログラミングも行っています。
尚、このアルバムには、"The Pilot" "Don't Shed No Tears" のビデオ・クリップも収録されています。

1曲目"The Pilot"(3:57) キーボードのサウンドの広がりと歯切れの良いギター・サウンドが流れるキャッチーなイントロから聴かせるキラー・チューンです。"サビ" の部分で聴かせるZARAHやメンバーの歌声が非常に印象に残ります。
2曲目"Days Go By"(2:58) この曲もギターのリフが効いている曲で、何かMIKAELの捻くれたソング・ライティングに恋人に愛想をつかせた内容の歌詞を綴っているようです。
3曲目"Tonight"(3:48) 少し軽めのリズムとメランコリックなメロディの曲の登場です。MIKAEL の歌声のバックに響くZARAHの非常に美しいハーモニーが良いですね。また、エヴァーグリーン的なサウンドに少し湿っぽいブレンドを感じさせます。
4曲目"Trampoline"(2:42) アコースティック・ギターに持ち替えての収録曲ですが、メロディとリズムの流れにオルタナティヴな質感を感じます。1曲目の"サビ" のフレーズを引き継いだMIKAEL節とリフレインによるモダーン・ロックでしょうか...。
5曲目"Painted People"(3:13) サウンドを少しハードな方向に移して来た曲の登場です。唸るMAGNUSのベースとMATTIASのドラムのビートの刻みが鋭く響くエモ・ギター・ロックのサウンドが響きます。
6曲目"Don't Shed No Tears"(2:52) アコースティック・ギターの弦の協和する響きとファルセットで歌うMIKAELの歌声が響く70年代のブリテイシュ・ロックの雰囲気を感じさせる曲です。
7曲目"Changing"(4:31) MATTIASの硬い目のドラムのビートがイントロから流れるエモ・ロックな曲の登場です。アンビエントなZARAHのキーボードの調べとHENRIKのハウリング・サウンドのギターが対照的に響いています。
8曲目"Commercial Break"(4:17) 少し懐かしいグラム・ロックの持つ雰囲気とスローにしたロカビリーのサウンドが混ざったような曲です。やはりこの曲も"サビ" の部分では、MIKAEL節と言えるリフレインが流れるのです。
9曲目"Everybody"(4:55) NORDIAENSEMBLENの荘厳なストリングスが加えられたメランコリックなナンバーの登場です。メンバーによる半音ずつ下がる哀愁のハーモニーとHENRIKの歪ませたギターの調べが横切って行くのが堪らないのです。
10曲目"I'm In Love With Myself"(2:47) エレクトロニカのサウンドをエフェクト的に流したミドル・テンポのロック"ン" ロールの曲です。2本のギターによる掛け合いと投げつけるようなMIKAELの歌声が響きます。
11曲目"Stay(Paris Is Waiting For Someone)"(3:52) この曲のサウンドは、非常に北欧的なバンドの持ち味を感じさせます。ZARAHの清楚なキーボードの調べとドライヴ感のあるリズムとギター・サウンドが心地好く響いて来ます。
12曲目"Like A Star"(3:59) MIKAELのアコースティック・ギターの弾き語りから入るスローなナンバーです。エフェクト的な電子音と哀愁のあるメロディアスな調べ展開されるフランス映画の1コマに添えても似合いそうな質感を感じさせます。
全12曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット HDCD仕様 (輸入盤) 収録時間:43分56秒 (乗りの良いギター・サウンドとMIKAELの歌声が響くこのアルバム、国内での知名度は低いのですが、スウェーデンのインディーズ・シーンでは結構人気のあるバンドです)'10年5月18日再更新


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写真  THE CONFUSIONS / 5 AM
 ・2006 Massproduktion   MASS CD-104

やはりSPLIT ENZの影響を感じるのですが・・・

このアルバムは、スウェーデンでインディペンデントに活躍しているオルタナティヴ・ロック・ バンドTHE CONFUSIONSの5枚目('98年Stockholm Records盤を含む)のアルバムで本国でのリリースは、'06年2月15日となっています。
このアルバムでのTHE CONFUSIONSのメンバーは、MIKAEL・ANDERSSON-KNUT:ヴォーカル/ギター、ZARAH・EDSTRÖM:キーボード/ヴォーカル、HENRIK・SVENSSON:ギター、MAGNUS・THORSELL:ベース、MATTIAS・LÖFSTRÖM:ドラムの5人組です。
プロデュースは、PATRIK・FRISK(MARIE・LINDBERG,LILLASYSTER) 前作でのPONTUS・FRISKが曲により1部担当しています。
尚、このアルバムには、"Blue Kind Of Grey" "Don't Let The World Catch You Crying" "Imagination" "Window" 4曲のビデオ・クリップとプレス・ビルダーも付属されています。

1曲目"It's A Miracle"(3:30) イントロから騒がしいサウンドによるパンク系ロックの曲です。荒らしたMIKAELの歌声とギターの掻き鳴らされる70年代の響きが伝って来ます。
2曲目"Imagination"(3:09) この曲もイントロからラウドなサウンドを聴かせる曲ですね。オルタナティヴなパンク系ロックのサウンドとMATTIASの打ち付けるドラムのビートが響きます。余談ですが、この曲を聴いていてBELOUIS・SOMEの同名の曲を思い出しましたね。
3曲目"Silver"(3:33) サイケデリックなサウンドと特徴的な変調による不協和音によるコード進行による曲です。前のレビューでも書いたのですが、やはりこのバンドは、SPLIT ENZのサウンドの影響を受けていると感じます。
4曲目"Window"(3:20) このアルバムから一押しの明るいサウンドによるパワー・ポップな曲です。ストレートなギター・サウンドに合わせファルセットも交えて歌うMIKAELとカズー風の音色で色付けされたバック・ヴォーカルも面白いですね。
5曲目"Artificial"(3:13) 歪ませたギター・サウンドが流れるブリット・ロックなイメージのする曲です。少しメランコリックなメロディを奏でるZARAHのキーボードの調べも素晴らしく感じます。
6曲目"Don't Let The World Catch You Crying"(3:05) アコースティック・ギターの美しいサウンドと強めに奏でられるピアノの調べ響く曲です。ギターの残響音と広がり方などは、アメリカのバンドSEVEN AND THE SUNのサウンドに近いものを感じます。
7曲目"5 AM"(5:25) ZARAHの歌声が少し全面に出て来たアコースティック調のダーク・トーンによるミドル・テンポのナンバーです。ZARAHとMIKAELの歌声のバックで流れるMAGNUSとHENRIKの心地好いベースとギターのサウンドが非常に良いですね。曲が終わった思いさせてまた、始まるとこのギミックさも流石です。
8曲目"How Do You Sleep?"(3:27) ギターのサウンドを目一杯使ったイントロから流れる元気な曲です。軽めロック"ン" ロールのリズムにHENRIKのオーバードライヴなギターのサウンドが響きます。
9曲目"Satellites For Sale"(3:06) エレクトロニカのサウンドを少し加えて展開させるテクノ風のサウンドによる曲です。時折流れるアコースティック・ギターのサウンドが淡々としたリズムの流れに広がります。
10曲目"Don't You Know"(8:41) MIKAEL がそのメランコリックな歌声を聴かせるスローなナンバーです。ハイフレットで奏でられるベースの丸みを帯びた調べと切なく響くZARAHのピアノの調べが美し過ぎるのです。また、後半からはアグレッシヴなギター・サウンドも登場して来るのです。
尚、この曲が終わった後に30秒ほどのブランクの続きヒドゥン・トラック"Blue kind Of Grey(Live)" が収録されて、次のアルバムのアンプラグド的な発想につながっているようです。
10曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:40分34秒 (THE CONFUSIONSのアルバムは、以前にまとめ買いをしていました。しかし、このアルバムの第一印象は、うるさいイメージがありレビューが遅れていました。この度、パソコンでレビューを書こうとしたら4曲のビデオとヒドゥン・トラックまでも収録されていることが分かり嬉しくなりました。本当に私って現金な性格ですね!)'10年5月18日再更新


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写真  THE CONFUSIONS / It Sure Looks Like The Confusions
 But It Sounds More Acoustic
 ・2007 Massproduktion   Mass CD-108

アコースティック・ヴァージョン・・・

このアルバムは、スウェーデンのインディーズ・バンドTHE CONFUSIONSの '07年5月15日に本国でリリースされた6枚目('98年Stockholm Records盤を含む)のアルバムです。
このアルバムでのTHE CONFUSIONSのメンバーは、MIKAEL・ANDERSSON-KNUT:ヴォーカル/ギター、ZARAH・EDSTRÖM:キーボード/ヴォーカル、HENRIK・SVENSSON:ギター、MAGNUS・THORSELL:ベース、MATTIAS・LÖFSTRÖM:ドラムの5人組です。
今作のプロデュースは、THE CONFUSIONS自身にて行われています。
尚、このアルバムは、収録前に行われたMIKAELとZARAHのユニットによるアコースティック・ツアーのアイデアをもとによりEP盤とB-SIDE曲を中心に再収録された1000枚限定盤となっています。

1曲目"Blue Kind Of Grey"(3:17) '05年のEP盤にてリリースされた曲の再収録です。オリジナル曲より、リズムを非常にスローにしたMIKAELのアコースティック・ギターによる弾き語り形式にメンバーの厳かなサウンドの数々が収録されています。
2曲目"All Dressed Up"(3:44) オリジナル曲は、'94年にシングル盤にてリリースされています。ドラムのパートは、オリジナル曲に近くMIKAELのヴォーカルとアコースティック・ギターのサウンドをメインにしていますが、リズムとサウンドのエモーショナルな部分は引き継いでいます。
3曲目"Lost In Time"(4:19) このアルバムの為に書き下ろされた新曲のようです。往年のブリティシュ・ロック然としたメロディとサウンドによるギター・ポップスのバンドらしい曲です。
4曲目"It's A Miracle"(4:00) '04年のシングル盤としてリリースされたロック"ン" ロールのリズムの曲です。多分アコースティック・ライヴでも良く演奏されているスタイルとアレンジと思われる乗りの良い収録です。
5曲目"Window"(4:34) この曲も '04年のシングル盤にカップリングされてリリースされた曲です。ファルセットで歌うMIKAELの切ない歌声と非常に美しいZARAHのピアノの調べがゆったりと流れる調べです。
6曲目"Days Go By"(3:24) '02年のアルバムに収録されている曲です。オリジナル曲は、メンバーの乗りの良いサウンドとハーモニーを付けた厚めを感じましたが、ここでの収録は、やはりMIKAELのヴォーカルとアコースティック・ギターのサウンドを中心したライヴ仕立てのようです。
7曲目"Put Your Pressure On Me"(4:01) この曲は、過去に収録されたことが無い曲のようです。少しレゲエのリズムを取入れた心地好い流れにアコースティック風味で仕上げられたシンプルな響きに少しのローファイなエレクトロニカのエッセンスをギミックに…。
8曲目"Painted People"(3:29) この曲も '02年のアルバムに収録されている曲です。オリジナル曲は少しパンク・ロックのイメージに近い風合いでしたが、このアルバムでは、アコースティック・ギターに持ち替えてサウンドの隙間にチープなサウンドを聴かせるZARAHのオルガンが流れます。
9曲目"Underground"(5:58) '98年Stockholm Recordからリリースされたアルバムに収録されている曲です。牧歌的なメロディとサウンドが流れる落ち着いた曲です。オリジナル曲よりリズムを落としてアコースティック・ギターのサウンドをたっぷりと響かせた収録です。
10曲目"The Pilot"(4:27) '02年のシングル盤によるTHE CONFUSIONの曲と言えばこの曲と言えるくらいTHE CONFUSIONSの強いイメージを感じる曲です。このアルバム収録前のMIKAELのアコースティック・ギターとZARAHのアコーディオンでのユニットの演奏に非常に近い収録ではないでしょうか。
11曲目"Artificial"(3:34) MIKAELの美しく響く歌声に触れることができる曲で、この曲でもZARAHのエキセントリックな響きを発するキーボードの調べが素晴らしいのです。オリジナル曲は、06年のアルバムに収録されているブリット・ロック然としたストレートなロックです。
歌詞無し 写真ライナー 1000枚限定盤 (輸入盤) 収録時間:44分50秒 (このアコースティック・ヴァージョンの収録曲のアイデアは、次作の"The Logo" "Perfect Plan" タイトル曲の"The Story Behind The Story" に影響を与えていると思われます)'10年5月18日再更新


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写真  THE CONFUSIONS / The Story Behind The Story
 ・2008 Massproduktion   Mass CD-109

SPLIT ENZ+ABC+ DEACON BLUE ?・・・

このアルバムは、スウェーデンのインディーズ・バンドTHE CONFUSIONSの '08年3月18日に本国でリリースされた7枚目('98年Stockholm Records盤を含む)のアルバムです。
THE CONFUSIONSのメンバーは、MIKAEL・ANDERSSON-KNUT:ヴォーカル/ギター/サウンド/プログラミング、ZARAH・EDSTRÖM:キーボード/ヴォーカル、HENRIK・SVENSSON:ギター、MAGNUS・THORSELL:ベース、MATTIAS・LÖFSTRÖM:ドラム/パーカッションの5人組にライナーには新メンバーとしてFREDRIK・HAST:ギターが記載されています。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、14曲目にEMMA・HOLMÉRがヴォーカルとして参加しています。今作もプロデュースは、THE CONFUSIONS自身で行っています。

1曲目"There Ain't No Easy Way Out Of Here"(7:36) 乾いたアコースティック・ギターのゆったりした調べとシンプルなピアノのサウンドに乗せて歌うMIKAELの淡々とした歌声からサビの部分では張り裂けそうな歌声が非常に印象的ナンバーです。私のハートを"ぐいっと" 掴んだセンチメンタルなキャッチー・サウンドな曲です。
2曲目"Dead Afternoon"(1:50) 2分弱の長さのサイケデリックなサウンドによるエモ・ロックで、オーストラリアのSPLIT ENZのサウンド・イメージを感じます。
3曲目"Strangers"(4:22) ドラムのMATTIAS・LÖFSTRÖM がご自慢のLudwigのビートを聴かせるシングル・カット曲です。ドール・ハウスに納められたメンバー扮する人形達の映像をご堪能下さい。
4曲目"Thin"(3:32) スウェーデン・ギター・ポップらしい明るいサウンドとキーボードのサウンドがホップする曲です。MAGNUS・THORSELLのベース・ランニングとMATTIASのドラムのビートが心地好いですね。
5曲目"The Logo"(3:36) エレクトロニカのサウンドにアコースティック・ギターの調べをゆったりと重ねたスローな曲です。MIKAELの囁きに似た歌声と面白い歌詞が綴られています。
6曲目"The Carpenter"(1:27) エレクトロニカのサウンドとリズムによる1分半程度のインストゥルメンタルです。前半1/3の区切り的に収録されているようです。
7曲目"The Story Behind The Story"(7:30) 長いイントロが終わって登場するキーボードのZARAHがヴォーカルを執る曲です。ウイスパー・ヴォイスによる短い歌詞をリフレインにて繰り返して収録された7分30秒のエモ・ギター・サウンドによる後半は、インストゥルメンタルに近い内容です。
8曲目"Whatever Money Can Buy"(4:14) ギターのサウンドをたっぷり響かせたエモ・ギター・ロックな曲です。ギターを弾きながら"渋い" 歌声を聴かせるMIKAELとダイナミックなMATTIASのドラムのビートです。
9曲目"I Heard A Rumour"(5:32) エレクトロニカ・ダンス・ポップかテクノ風のサウンドによる無機質なスンドを重視した懐かしいサウンドとメロディが奏でられています。
10曲目"City Of Doubts"(3:32) この曲もSPLIT ENZのサウンド・イメージに近いものを感じます。特にMIKAELのヴォーカル・スタイルとSPLIT ENZ在籍時のTIM・FINNのアグレッシヴな歌いぶりが非常に近いのです。
11曲目"Infobahn 2"(1:22) アルバムの後半1/3の位置に収録されたエレクトロニカのサウンドによる1分少々のインストゥルメンタルです。
12曲目"Perfect Plan"(4:29) ゆったりと奏でられるメランコリックなサウンドのナンバーです。MIKAELの日常の情景を歌詞に綴った内容と彼の優しい歌声にZARAHの美しいバック・ヴォーカル、何も言う事無し!
13曲目"Let's Get Naked"(3:55) ロック色の濃いラウドなサウンドの曲の登場です。アグレッシヴなギターのサウンドを前面に押し出して収録されたライヴ感覚の収録です。
14曲目"Let's Getting Better"(5:06) インディアン・ドラムのビートが印象的なミドル・テンポの曲の登場です。同じくMassproduktionに籍を置く女性S.S.W.のEMMA・HOLMÉR(MINE)とMIKAELとのデュエットとなっています。
15曲目"Kill The Dj, Be The Dj"(1:27) THE ART OF NOISEの曲の持つイメージが強いサンプル、ループ、打込みによる1分半程度のインストゥルメンタルです。
16曲目"Remain"(5:41) この曲もMIKAELのセンチメンタルな歌声が響く聴き入る曲ですね。シンプルに繰り返されるドラムのビートと雰囲気もののZARAHの美しい響きのキーボードのサウンドが堪りません。
17曲目"What If I Would Fail"(3:58) MIKAELがファルセットで、その歌声を聴かせるダーク・ポップな1曲です。間奏で鳴り響くHENRIKとFREDRIKとのアトモスフェリックなギター・ワークが心地好いのです。
14曲歌詞付 8ページ物写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:69分16秒 ('94年のミニ・アルバム[Forever]でのデビュー時は、学生の雰囲気がしていたのですが、15年目を迎えるTHE CONFUSIONS「この手のバンド」としては、活動が長くなりましたね)'10年5月19日再更新


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写真  CONNER REEVES / Earthbound
 ・1997 WINDSTAR RECORDS LTD   VICP-60336

最近は活動しているのだろうか?・・・

このアルバムは、'98年ロンドンより鳴り物入りでデビューした大型新人CONNER・REEVESのファースト・アルバムで国内でのリリースは、'98年4月22日となっています。CONNERは、デビュー前より作曲能力を認められ他のアーティストに曲を提供していた十力派です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CONNER・REEVES:ヴォーカルの他、 ADAM・DRAKE:ギター、DOMINIC・MILLER:ギター、GRAHAM・LYLE:ギター、PINO・PALLADINO:ベース、GRANT・MITCHELL:キーボード/プログラミング、MANU・KATCHÉ:ドラム、REN・SWAN:パーカッション、HENRY・JACKSON:ドラム・プログラミング、LONDON SESSION ORCHESTRA:オーケストラ、JAMES・SHEARMAN:指揮のロンドンのミュージシャン達です。
尚、プロデュースは、GRANT・MITCHELL(JULIA・FORDHAM,GARY・BARLOW)が担当し、演奏にも参加しています。

1曲目"They Say"(4:35) ソウルフルな彼のヴォーカルを全面に押し出した渋い曲で彼の作詞・作曲です。
2曲目"My Father's Son"(4:07) 切ないメロディと胸を打つサウンドに父と息子の関係を歌った内容です。
3曲目"Earthbound"(5:52) 一転して静かな曲で静寂さの中に彼の熱く歌い上げる曲です。DOMINIC・MILLER(映画[LEON]のテーマソング"Shape Of My Heart"は、STINGとDOMINICの共作)のギター
ソロも最高。
4曲目"Read My Mind"(3:50) ファンキーでソウルフルなご機嫌な曲でCONNERの黒いシルキーなヴォーカルが光る。
5曲目"We Are The Wave"(4:51) 軽いリズム&ブルースでメンフィスコーラスが彼の背中から支えます。
6曲目"Nobody But You"(5:02) イントロから美しいメロディです歌詞の「Nobody But You」が頭から離れません。
7曲目"Come Inside My Silence(Bonus Track)"(4:33) ピアノでの弾き語り風の曲に美しいハーモニーが重なり合います。
8曲目"We Were Only Dancing"(4:55) ファンキーな打込みリズムに合わせてソウルフルな彼のヴォーカル堪能出来ます。
9曲目"Let It Breathe"(4:04) CONNERの歌の上手さを実感させる1曲です。本当にソウルフルなヴォーカルです。
10曲目"Mile High Club(Bonus Track)"(3:48) 打込みとループのリズムの曲でハウス風に。
11曲目"Working Man"(4:19) エレクトリック・ギターに持ち替えたDOMINICのギターでのリズム&ブルースです。
12曲目"Live For Today(Bonus Track)"(3:38) ギターのリズムが爽やかな外で聴きたくなるような曲です。
13曲目"Ordinary People"(4:54) ピアノでの弾き語りで美しく切なくメロディで流れて行く曲で彼の作詞・作曲。
国内盤制作会社の意向?この曲でアルバムの幕を閉じたかったのかBonus Trackは、アルバム全体の曲調を見ながら挿入された粋な計らいです。
11曲歌詞/訳詞付(ボーナス・トラックは記載無し) 12ページ物写真ブックレット (国内盤) 収録時間:58分34秒 (非常に素晴らしいアーティストですので新作をどんどんだして欲しいのですが!近況報告:CONNERはインディペンデントのソウル・シンガーとしてとして活躍しているようです。彼の '05年のシングル曲です)'10年5月19日再更新


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写真  CORINNE BAILEY RAE / Corinne Bailey Rae
 ・2006 EMI Records   009463 56545 2 3

彼女の甘い歌声に癒されます・・・

このアルバムは、小さい頃からヴァイオリンと教会の聖歌隊と音楽の英才養育を受けてきたCORINNE・BAILEY・RAEのデビュー盤です。U.K.のB.B.C.が2006年度にブレイクする新人のベストに選ばれたCORINNEは、26歳('06年現在)のS.S.W.で、'05/06年にシングル盤2枚をリリースした後 '06年2月24日に本国でのリリースです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CORINNE・BAILEY・RAE:ヴォーカル/パーカッション/ギター/ベース/キーボード/シンセサイザーの他、KENJI・JAMMER:ギター、ROD・BOWKETT:ギター/ベース/副プロデュース、JESS・BAILEY:キーボード、JOHN・BECK:キーボード、ANDREW・HALE:キーボード/プログラミング/プロデュース、STEVE・BROWN:キーボード/シンセサイザー/バック・ヴォーカル/プロデュース、JUSTIN・BROAD:ドラム/プログラミング/プロデュース、LIVINGSTON・BROWN:ベース、AUBREY・NUNN:ベース、SAM・DIXON:ベース、STEVE・BUSH:ベース/ギター/プログラミング/プロデュース、PAUL・HERMAN:ドラム・プログラミング/ギター/プロデュース、STEVE・CHRISANTHOU:キーボード/ギター/パーカッション/プログラミング/ホーン・サンプリング/プロデュース、JIM・CORRY:テナー・サックス、JASON・RAE:フルート/アルト・サックス/バリトン・サックス、MALCOLM・STRACHAN:トランペット、TOMMY・D:ドラム・プログラミング/キーボード/プロデュース、PETER・LEWINSON:ドラム、JOHN・ELLIS:グロッケンシュピール/バック・ヴォーカル、YVONNE・ELLIS:プログラミング、CARA・ROBINSON:バック・ヴォーカル、GAVYN・WRIGHT:指揮、THE LONDON SESSION ORCHESTRA:オーケストラのイギリスのミュージシャン達です。
尚、プロデュースは、JAMES・BLUNTなどのアルバムを手掛けたJIMMY・HOGARTHに各曲の共同作曲者が担当しています。

1曲目"Like A Star"(4:03) 何んという歌声でしょうか、試聴機から流れて来るアコースティック・ギターを弾きながら歌うCORINNEの甘く響く優しさに包まれる歌声に決して寒くない、むしろ週末の混雑したレコード・ショップ店内のムッとした熱気の中に居ても、この曲を聴きながら鳥肌が立っている自分に気付きました。
2曲目"Enchantment"(3:58) 子供の声に似た甘えたおねだりする姿が見え隠れするCORINNEの歌声と冷静にリズムを刻む打ち込みと対照的な調和をみせる曲で後半よりソウルフルに変化するCORINNE の歌声に参ります。
3曲目"Put Your Records On"(3:55) レトロなサウンドのソウル・ミュージックを意識させる女性バック・ヴォーカル隊を従えた女性シンガーを彷彿とさせる曲です。
4曲目"Till It Happens To You"(4:36) ジャジーな雰囲気を持つメローでスローな曲です。優しく響くJESS・BAILEYのハモンドの音色と美しいコーラスによるリズム&ブルースの世界は広がります。この曲の共作者は今や大物作曲家となったPAMELA・SHEYNE(Ex.BLUE PEOPLE)とCORINNEと一緒に書かれています。
5曲目"Trouble Sleeping"(3:27) この曲も良い曲ですね。決して新しいサウンドとか"On the edge of"(〜の最先端)な何々と言われる曲ではなく、古くからあるソウルミュージックのサウンドのオーソドックスなスタイルを踏襲した曲ですが、CORINNE自身の歌声が一番似合うサウンド/曲の方が彼女の元へ来るのでしょう。
6曲目"Call Me When You Get This"(5:02) ストリングスのアレンジによる明るくスローでメローなサウンドのモータウンサウンドを彷彿とさせる曲です。バックで流れるギターカッティングも爽やかに響きます。
7曲目"Choux Pastry Heart"(3:55) この曲は少し雰囲気を変えたピアノの旋律によるムーディーなスタイルによる曲です。最近の人気のジャズスタイルの女性ピアニストに匹敵する美しい響きを持つ曲です。
8曲目"Breathless"(4:13) ハイコードでのアコースティック・ギターのサウンドに重ねられたドラムのビートとゴージャスなブラスのサウンドを纏ったグルーヴな曲です。
9曲目"I'd Like To"(4:05) ドラムのビートに合わせてご機嫌にグルーヴするCORINNEのソウルフル歌声によるファンクな曲です。エモーショナルでスムースな歌声も披露するCORINNEです。
10曲目"Butterfly"(3:52) フェンダーローズの神秘的な響きとゆったりしたリズムによるソウルフルな曲で彼女の甘く優しい歌声に癒されます。
11曲目"Seasons Change"(4:55) サビの部分をイントロに持って来たブルージーな雰囲気を持った曲でキーボードとドラムの刻みがサウンドの決め手になっています。グルーヴ感と哀愁感を併せ持ったCORINNEの歌声も"渋い"。
全11曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット CCCD仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:45分58秒 (1曲目の最初のCORINNEの優しい歌声を聴いて即買でした(笑) )'10年5月19日再更新


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写真  THE CORRS / Unplugged
 ・1999 Atlantic Records   7563-80986-2

今更、紹介が必要ではないでしょうが・・・

このアルバムはアイルランド出身のTHE CORRSの4枚目になるアルバムで、MTV企画にてアンプラグドのライヴ形式による収録です。リリースは '99年11月15日に本国からとなっています。プロデュースは、お馴染みのMITCHELL・FROOMとTHE CORRS自身です。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、SHARON・CORR:ヴァイオリン/ヴォーカル、ANDREA・CORR:ヴォーカル/ティン・ホイッスル、CAROLINE・CORR:ドラム/ピアノ/ボーラン/ヴォーカル、JIM・CORR:ギター/ピアノ/ヴォーカル、ANTHONY・DRENNAN:ギター、KEITH・DUFFY:ベース、THE IRISH FILM ORCHESTRA:ストリングスのアイルランドのミュージシャン達です。
尚、このアルバムは初盤リリースの為、ボーナス・トラックは収録されていません。

1曲目"Only When I Sleep"(4:38) THE IRISH FILM ORCHESTRAの美しいストリングのサウンドに続いて登場するANDREA・CORRの張りのある歌声が響きます。2枚のアルバムのトップを飾った曲です。オリジナル盤での収録では、JIMのエレクトリック・ギターのサウンドを前面に出したポップ/ロック色が強かったですが、ここでの収録ではアイリッシュ・サウンドをベースにしっとりとしたアレンジになっています。
2曲目"What Can I Do"(4:36) この曲も2枚目からの曲です。ポップなサウンドが流れるキャッチーな曲で、T.V.やその他の音楽情報物で収録曲として使われています。ピアノはJIM・CORRにドラムを楽しく叩くCAROLINE・CORRの笑顔が印象的ですね。アコースティック・ギターは、ダブリンのギタリストANTHONY・DRENNAN(CLANNAD,PAUL・BRADY)です。
3曲目"Radio"(4:51) SHARON・CORRの書いたシングル盤でリリースされた曲です。この曲もよくT.V.で流れていました。ここでの収録もオリジナル・ヴァージョンにストリングス加えたぐらいで、あまり変わらない感じではないでしょうかい。
4曲目"Toss The Feathers"(3:14) THE CORRSの十八番のアイリッシュ音楽の登場です。トラディショナル音楽にTHE CORRSがアレンジを加えています。デビュー・アルバムに収録されています。
5曲目"Runaway"(4:37) シングル盤でのデビュー曲です。美しいハーモニーを聴かせるTHE CORRSの代表曲で当時、ANDREA・CORRの美しい歌声を最初に聴いた曲です。
6曲目"Forgiven, Not Forgotten"(5:22) この曲は非常にアイリッシュ・テイストを感じさせる曲ですね。イントロからSHARON・CORRがあの独特のアイリッシュ・メロディのヴァイオリンを聴かせます。デビュー・アルバムのタイトル曲です。
7曲目"At Your Side"(4:33) このアルバム収録時では新曲になっている曲で、次のアルバムにも収録されています。ヴァイオリンの調べとアコースティック・ギターのサウンドたっぷり響くポップなメロディの曲です。
8曲目"Little Wing"(4:41) 故JIMI・HENDRIX '67年の曲のカバーです。STINGもカバーしてライヴでもよく演奏されている有名な曲ですね。アコースティック・ギターのサウンドをメインにした穏やかなアレンジでの収録です。間奏で登場するANTHONY・DRENNANの弾くドブロのサウンドが良い味をだしていますね。
9曲目"No Frontiers"(4:28) JIM・CORRの弾くピアノの調べ乗せ歌うヴァイオリンのSHARON・CORRとドラムのCAROLINE・CORRとのデュエット曲です。ANDREAとは少し違った歌声のSHARONとCAROLINEですが2人のハーモニーも非常に美しいのです。オリジナル曲は、JIMMY・McCARTHYが70年代に書いた曲で、MARY・BLACKも '89年に収録しています。
10曲目"Queen Of Hollywood"(4:44) 2枚目のアルバムのプロデューサーGLENN・BALLARDとTHE CORRSとの共作による曲です。GLENNらしいキャッチーなメロディによるポップなサウンドの曲です。
11曲目"Old Town"(3:09) THIN LIZZY '82年のヒット曲です。トランペットのサウンドが非常にビートルズ・ライクな音色を放って流れているのが印象的ですね。
12曲目"Lough Erin Shore"(4:25) デビュー・アルバムにも収録されているトラディショナル音楽によるインストゥルメンタルです。ドラマチックなドラム・ワークとANDREA・CORR のティン・ホイッスルの音色が美しいのです。
13曲目"So Young"(4:53) 心地好いアコースティック・ギターのサウンドと爽やかなハーモニーによる2枚目のアルバムからのシングル・カット曲で、この曲もよくかかっていましたね。
14曲目"Everybody Hurts"(5:43) JIMのアコースティック・ギターの優しい響きによる爪弾きとANDREAの透明感のある歌声による落ち着いたメロディとリズムによる曲です。オリジナル曲は、R.E.M.の '92年の曲です。
歌詞無し 写真ブックレット ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:63分59秒 (今更、紹介を必要としないTHE CORRSですが、アンプラグドのアルバムとしてはめずらしくチャート1位を記録しています)'10年5月20日再更新
1999年度ベスト5


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写真  CRISTIN CLAAS / Favour
 ・2005 ACOUSTIC MUSIC RECORDS   Best.Nr.319.1346.2

実力派の3人・・・

このアルバムは、ベルリン出身のポップ/ジャズ・ヴォーカリストCRISTIN・CLAASの '05年5月2日に本国でリリースされた2枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CRISTIN・CLAAS:ヴォーカルの他、CHRISTOPH・REUTER:ピアノ/ローズ、STEPHAN・BORMANN:ギター、MOHI・BUSCHENDORF:ダブル・ベースの少人数での収録です。
プロデュースは、CRISTIN CLAAS ACOUSTIC BAND名義となっています。
尚、今回レビューしたアルバムは、配給元がROUGH TRADEによるイギリス向けに供給された盤と思われます。

1曲目"Wake Up To beauty"(4:10) クールに響くSTEPHAN・BORMANNのアコースティック・ギターの調べに促されて登場するCRISTINの洒落た歌声とリズミカルなCHRISTOPH・REUTERのピアノの流れが心地好い本当に洒落た雰囲気を醸し出す曲です。CDとして聴いても心地好い響きは十分に伝わってきるのですが、やはりこのトリオの良さはライヴで味わってみたいですね。
2曲目"Favour"(4:16) 今度はアコースティック色を増して来た美しいサウンドとメロディによる曲です。抒情的な歌詞をメロウなサウンドに乗せて展開されるイージーリスニング的な雰囲気が広がります。
3曲目"Cargo"(3:44) 流れるように響くSTEPHAN・BORMANNのアコースティック・ギターの調べとCRISTINのソフトな歌声で繰り広げられるアコースティック・サウンドの曲です。変則チューニングされた雰囲気物のギター・サウンドからサイケデリック感も味わえます。
4曲目"Not Another Day"(3:59) 今度は、ソウル・フィーリング溢れる曲の登場です。厚く響くCRISTINのコーラスにメロウな響きのローズのサウンドが堪らないですね。後半では、スキャットで美しい歌声も聴かせるCRISTINです。
5曲目"Sevilla"(0:42) ギターのSTEPHAN・BORMANNが書いた短い曲です。クラシック・ギターの調べによるインストゥルメンタルです。
6曲目"Companion"(4:39) '08年のアルバム[Paperskin]でも再収録されている曲です。厳かに奏でられるSTEPHAN・BORMANNとCHRISTOPH・REUTERの演奏が流れる落ち着いたヨーロッパ調のメロディアスな調べに包まれます。
7曲目"Blind Angel"(3:35) ピアノの調べを中心に繰り広げられる旅情的な雰囲気を漂わす曲です。幾重のも重ねられたCRISTINのセルフによるコーラスなど非常に丁寧な収録のスタイルを感じさせます。
8曲目"At Our Door"(3:15) 民族音楽スタイルによるフォーク調の曲です。打楽器抜きのあっさりとしたシンプルなサウンドの流れですが、この3人組で慣れたスタイルでの演奏の為か、聴きどころをしっかりと持たせているのを感じます。
9曲目"Do You Remember"(4:21) この曲も落ち着いたメロディとサウンドを聴かせる曲でギターのSTEPHAN・BORMANNの演奏が少し全面に出てきたギター・サウンドを聴かせる曲です。
10曲目"Caifiis"(3:33) 弓で奏でられるダブル・ベースの切ない響きがイントロから登場するトラディショナル音楽のような雰囲気を持った曲です。スペイン語による宗教的な歌詞が綴られています。
11曲目"Better Than The Real Meal"(3:14) 細かく弾くギターの調べをリズミカルに奏でるSTEPHAN・BORMANNに隠し味的に響く抑えたCHRISTOPH・REUTERのローズの響きが絶妙さを感じさせる曲です。次第にサウンドを上げて来るローズの調べは、間奏でのソロでは一気に炸裂するのです。
12曲目"Question"(5:44) アカペラで歌い始めるCRISTINの凛とした美しい歌声が広がる曲です。エレクトリック・ギターに持ち替えたSTEPHAN・BORMANNの泣きのギターが本当に渋い泣きを持っています。このアルバムの収録曲の大半は、CRISTINとギターのSTEPHAN・BORMANNとキーボードのCHRISTOPH・REUTERの3人での作曲となっていますが、この曲はCRISTINの単独による作曲となっています。
7曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット (輸入盤) 収録時間:45分17秒 (CRISTINのアルバムを聴く度に思うのですが、日本でジャズの演奏を聴かせるライヴ・ハウスなど満席にさせる実力は充分あるでしょう)'12年12月8日更新


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写真  CRISTIN CLAAS / In The Shadow Of Your Words
 ・2007 SONY BMG MUSIC ENTERTAINMENT   88697092182

日本ではあまり知られていないでしょうが・・・

このアルバムは、ベルリン出身のポップ/ジャズ・ヴォーカリストCRISTIN・CLAASの '07年6月15日に本国でリリースされた3枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CRISTIN・CLAAS:ヴォーカルの他、CHRISTOPH・REUTER:キーボード、STEPHAN・BORMANN:ギター、GERALD・MANSKE:チェロ、MOHI・BUSCHENDORF:チェロ、JÖRG・NAUMANN:サックス/フルート、THOMAS・RÜDIGER:パーカッションのドイツのジャズ・バンドL'ARC SIXのメンバー達です。

1曲目"I'm Waiting"(2:41) 煌びやかなアコーティック・ギターの調べと軽やかなピアノの旋律に乗せ登場するCRISTINの楽しげな歌声が流れる印象的な曲です。聴き易いポピュラー・ソングの雰囲気も多分に感じさせるのですが、即興的なスキャットや溜めの取り方など落ちついた貫禄をも感じさせます。
2曲目"In The Shadow Of Your Words"(4:24) 今度は少しスローでダークな雰囲気を醸し出す曲の登場です。シーンとした静寂さの中に淡々と進むさまは、ドイツのミュージシャンと言うより非常にこの曲からは北欧的なものを感じます。
3曲目"Röslein"(2:54) この曲は、ドイツ語で歌われています。ハモンド系の電子ピアノとアコースティック・ギターのシンプルな演奏で繰り広げられるCRISTINのドイツ国内ツアーの定番曲ではないでしょうか。
4曲目"Unschuld"(4:51)この曲もドイツ語で歌われるスムース・ジャズ的に流れるようなメロディ・ラインとゴージャスさを感じさせる曲です。フュージョン系のギターのサウンドと卓越したピアノの旋律で展開させるダイナミック質感が伝わってきます。
5曲目"Daydreams"(2:45) 小刻みに奏でられるアコースティック・ギターの響きとハモンドの流れが心地好く感じる曲です。この曲では、ジャズの雰囲気よりか女性S.S.W.曲に近いこぢんまりとした佇まいやあどけなさの残ったCRISTINの歌声も好いですね。
6曲目"On A Roof "(3:45) この曲もS.S.W.の歌う曲に近い雰囲気を感じますが、ヨーロッパ調の落ちつたメロディ・ラインからゴージャスなサビへの展開を聴かせる曲です。秋のヨーロッパの叙情を感じさせるサウンドとCRISTINの凛とした歌声が伝わって来ます。
7曲目"Nordwind"(1:47) アコースティック・ギターを非常に巧みに弾きこなすSTEPHAN・BORMANNと対照的に優雅でゆったりとしたメロディを奏でるピアノCHRISTOPH・REUTERとの協奏によるインストゥルメンタルでアルバムのインタールード として収められているようです。
8曲目"Underwater Woman"(3:03) ギターのSTEPHAN・BORMANNが民族弦楽器クンバスを弾いていると思うこのアルバムでは少し異質な位置にある曲です。地中海音楽から影響を感じさせるイメージと曲のタイトル通り海中に住む女性の囁き風の収録になっています。
9曲目"Wednesday"(4:29) イントロから痺れさせてくるダウンテンポなリズムとゆったりとした気持ちさせる曲です。間奏で登場する燻銀のようなJÖRG・NAUMANNのサックスの調べとCRISTINの浮遊感ある歌声とのコラボを暫し楽しみましょう。しかし、歌詞の内容は、男女の別れ話を切り出せない複雑の心境を歌っています。
10曲目"Ze Duch Mae"(2:49) この曲はフランス語で歌われるアコースティック・サウンド溢れる曲です。ナイロン弦ギターに持ち替えたSTEPHAN・BORMANNのスパニシュ・テイストを感じさせるエモーショナルなギター・サウンドが縦横無尽に響いて来ます。
11曲目"Mother Tongue"(2:38) この曲は実験的な音楽やアフリカの民族音楽からの影響を感じさせる曲です。殆どパーカッションの躍動的なリズムを中心に収録されたシンプルな感がある曲ですが、非常に音楽の質の高さを感じさせます。
12曲目"Indian Summer"(1:37) この曲もSTEPHAN・BORMANNのアコースティック・ギターの魅力を感じさせるインストゥルメンタルで、作曲もSTEPHANが行っています。メランコリックながら心地好いギターの調べが響いて来ます。
13曲目"Venedig"(3:51) アルバムの最後はドイツ語の曲が収められています。ゆったりと奏でられるギターの調べと清々しいフルートの調べとドイツ語の発音と対比が面白いですね。
5曲歌詞付 12ページ物写真ライナー デジパック仕様 E.U.製 (輸入盤) 収録時間:41分39秒 (日本ではあまり知れていないCRISTINですが、本国ドイツでは5枚もアルバムをリリースしている実力派です。何故かこのアルバムには付属のライナーが2冊も入っていました:笑)'11年5月14日更新


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写真  CRISTIN CLAAS / Paperskin
 ・2008 SONY BMG MUSIC ENTERTAINMENT   88697278502

国内盤がリリースされていない?・・・

このアルバムは、ベルリン出身のポップ/ジャズ・ヴォーカリストCRISTIN・CLAASの '08年5月16日に本国でリリースされた4枚目のアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CRISTIN・CLAAS:ヴォーカルの他、STEPHAN・BORMANN:ギター/クンバス、CHRISTOPH・REUTER:キーボード/メロディカ/パーカッション/バック・ヴォーカル、THOMAS・RÜDIGER:ドラム、GERALD・MANSKE:チェロ、MOHI・BUSCHENDORF:チェロ、JÖRG・NAUMANN:フルートのドイツのミュージシャン達です。

1曲目"Longing For Poetry"(3:44) イントロから流れるSTEPHAN・BORMANNのギターの調べから虜にさせられた曲です。CRISTINの訛りの少ないナチュラルな英語の心地好い発音や時に聴かせる高域の美しい歌声も気心の知れたバック陣の演奏との息が合っての物と言えます。
2曲目"Spring"(2:54) メランコリックな調べを聴かせるギターとピアノの響きが流れるヨーロピアン・バラードと言える曲です。サビの部分ではCRISTINがブラック・ミュージシャンのシャウト感の影響を感じさせるところや華麗で艶やかメロディを奏でるCHRISTOPH・REUTERのピアノ・ソロとの対比が非常に印象的です。
3曲目"Awake"(4:13) 今度はもっとスローにCRISTINが正統派な歌いぶりを聴かせる曲です。次第に曲が進むに連れて登場するSTEPHANのアグレッシヴなギターや凝ったコード進行で捻りを感じさせるアレンジの卓越さ感心します。
4曲目"Paperskin"(3:00) この曲もヨーロピアン・テイストを感じさせる曲です。流れるようなピアノの調べに続いて登場するJOHN・SCOFIELDを彷彿とさえるSTEPHANのギター・ソロは圧巻です。
5曲目"Rain Pours Down"(5:50) この曲は美しい風景を映し出した映画音楽そのものと言えるオーケストレーションが非常に美しい曲です。落ち着いたナイロン弦ギターの調べに合わせて歌うCRISTINの切ない歌声が深々と降り注ぎます。
6曲目"Le Du Song"(3:06) ラテン系の情熱を感じさせるフラメンコの登場です。スペイン語の短い歌詞をリレインで歌うCRISTINの歌声のバックに広がるSTEPHANのフラメンコ・ギターの色合が素晴らしいです。
7曲目"Smart Fish"(3:34) 今度はアコースティック・ギター、メロディカとCRISTINの歌声による非常にシンプルな楽器構成による曲です。ドイツ中をこのように3人でアコースティック・ライヴしているCRISTIN達の実力に裏打ちされた飾らない音楽です。
8曲目"Companion(2008 Version)"(4:07) オリジナル曲は、'05年の[Favour]に収録されている曲です。ここでのアレンジは少しアップテンポにまた非常に凝ったヴォーカル・アレンジが施されています。
9曲目"Hüzün"(1:37) 民族楽器とパーカッションによる中東音楽のようなサウンドを聴かせるエクスペリメンタルな要素を感じさせる短い曲です。
10曲目"Laughing Moon"(2:07) この曲はオーソドックスなスタイルで演奏される女性ヴォーカリストらしい曲です。ジャズ・スタイルにしたピアノの短い目の演奏と曲自体も少し短い感じでカットするように終わります。
11曲目"Lass Mich Sinken"(5:31) ドイツ語の歌詞による曲で、爽やかな調べを聴かせるフルートのサウンドと心地好いパーカッションのビートが流れからバイエルン州の美しい森林を想い起こされます。
12曲目"Wo Gehst Du Hin"(3:34) この曲もドイツ語で歌われています。キーボードのCHRISTOPH・REUTERとデュエットで訥々と歌うCRISTINの可愛らしさの残る歌声がアルバムの終焉まで続きます。
10曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット E.U.製 (輸入盤) 収録時間:43分23秒 (女性ジャズ・シンガー全般に人気が集中する傾向にある我国ですが、このCRISTIN・CLAASの国内盤がリリースされていないことが非常に不思議です)'11年4月21日更新


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写真  CURT SMITH / Soul On Board
 ・1993 Phonogram Ltd. (LONDON)   Mecury 518 019-2

TEARS FOR FEARSの残念な解散より・・・

TEARS FOR FEARS(以下 T.F.F.)のCURT・SMITHのソロ・アルバムです。T.F.F.の残念な '90年の解散より3年後の '93年8月23日に本国でのリリースです。バックのメンバーは、T.F.F.以前からの付合いのNEIL・TAYLER:ギター/バック・ヴォーカル、COLIN・WOORE:ギター、ALAN・KAMAII:ベース、JIMMY・COPLEY:ドラム、STEVE・FERRON(A.W.B.,DURAN DURAN):ドラム、PAULINHO・DA・COSTA:パーカッション、KIM・BULLARD(POCO):キーボード、JEFF・BOVA:キーボード、KEVIN・DEANE:キーボード、P.J.MOORE:キーボード、PETER・COX(GO WEST):バック・ヴォーカル、DIOSA:バック・ヴォーカル、MARTIN・PAGE:ベース/キーボード/バック・ヴォーカル、BILLY・LIVSEY:キーボード/バック・ヴォーカル、FRANNE・GOLDE:バック・ヴォーカル、TOI・MARCELL:バック・ヴォーカル、LYNN・DAVIS:バック・ヴォーカル、TOI・MARCELL:バック・ヴォーカル、SIEDAH・GARRETT:バック・ヴォーカル、JEAN・McCLAINL:バック・ヴォーカルのイギリス/アメリカのミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Soul On Board"(5:13) MARTIN・PAGEとの共作です。MARTINの作曲らしいワイドなベースのサウンドの効いたミドル・テンポのナンバーでタイトなドラムのビートとCURTの美しい歌声による曲です。バックで流れるエモーショナルな女性バック・ヴォーカルはSIEDAH・GARRETでしょうか。
2曲目"Calling Out"(6:06) CURTがめずらしくエモーショナルに歌うリズミカルなパーカッシブな曲です。女性陣バック・ヴォーカルSIEDAH・GARRET、JEAN・McCLAIN、LYNN・DAVISの歌声がいいですね。
3曲目"Beautiful To Me"(6:20) ドラムのドライヴ感が非常に印象的な曲でギターのカッティングも素晴らしい響き持ちCURTらしいセンシティブな面も持ち合わせた曲です。80年代から活躍するSCOTT・WILK(SCOTT WILK+THE WALLS)との共作です。
4曲目"Wonder Child "(4:08) アメリカのS.S.W./プロデューサーBILLY・LIVSEYとの共作です。パワー・ポップらしい躍動感とオルタナティヴなヴォーカル・パートを持った曲でハードなエモ・ギターと盛りだくさんのナンバーです。
5曲目"Words"(4:22) T.F.F.時代からの付合いのNICKY・HOLLANDとの共作です。ワウ・ワウを使ったギターのサウンドとリズミカルなビートがご機嫌な曲です。CURTの歌声も非常に楽しそうです。
6曲目"I Will Be There"(4:45) イントロのベースのサウンドを聴いて一発で分かるベースの響きを重視したアレンジのMARTINとの共作です。メロディアスな旋律とMARTIN自身のベースの響きが堪らない非常に美しい曲です。
7曲目"No One Knows Your Name"(5:47) COLIN・WOOREとの共作で彼の弾くギターのサウンドが非常に心地好い響きを持った曲で落ち着いた雰囲気を醸し出すアルバムの中のオアシス的な曲となっています。
8曲目"Rain"(4:07) 再びキーボードのBILLY・LIVSEY(MICHAEL・McDONALD,GALLAGHER & LYLE)との共作でシンプルなメロディによるサウンドの曲ですが、ベースのサウンドとギターとドラムのビートとのバランスがとれています。曲の後半の部分は組曲となった素晴らしいアレンジが施されています。
9曲目"Come The Revolution"(4:13) イントロのラップを聴いた時、収録曲を間違っているのかな?と一瞬思わせるCURTの意外な一面を聴かせる曲です。ファンクなブラックミュージックを彷彿とさせるラップとハードなギターサウンドによるMARTINとの共作です。CURTかめずらしく熱いヴォーカルを聴かせてくれます。バック・ヴォーカルにはMARTINの特徴的な歌声もはっきり聴き取れます。
10曲目"Still In Love With You"(6:45) CURTのサウンドのルーツを見せ付けられた(聴かせられた)曲です。ブリティッシュ・ハード・ロック・グループTHIN LIZZY '74年の[Night Life]に収録されている当時のヒット曲です。故PHILIP・LYNOTTによって書かれた非常に美しいメロディ持ちつつもハードな部分も持ち合わせた6分45秒におよぶ鳥肌物のバラードです。全編に流れるスライド/ギターCOLIN?NEIL?は圧巻です。尚、CURTは、この曲を相当お気に入りのようで、アコースティック・ヴァージョンも翌 '94年に収録しています。
全10曲歌詞付 8ページ物写真ライナー ドイツ製 (輸入盤) 収録時間:51分50秒 (フルレングス/フルトラックの試聴も可能です。CURT自身このアルバムを最悪のアルバムと評していましたが、私は '93年のアルバム中で最高の1枚と断言します。またMAYFIELDと比べて数段入手しやすいのも良いです)'10年5月20日再更新
1993年度ベスト5


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写真  CURT SMITH / Aeroplane
 ・2000 ZERODISC 002   0070-44042-2

TEARS FOR FEARSのファンにとっては喉から手が出る・・・

このアルバムは、T.F.F.CURT・SMITHの2枚目のアルバムで、2000年5月3日に本国でリリースされたEP盤です。アルバムの名義は、バンド名のMAYFIELDではなく、何故かCURT名義になっています。メンバーは、CURT・SMITH:ヴォーカル/ベース、CHARLTON・PETTUS:ギター/バック・ヴォーカル、DOUG・PETTY:キーボード、RUSS・IRWIN:キーボード/バック・ヴォーカル、SHAWN・PELTON:ドラムの5人組での収録です。
尚、このアルバムには先に紹介した '98年MAYFIELD名義での収録に本EP盤を追加したCANADA盤14+1曲入り盤が '99年にリリースされていますが、入手は非常に困難となっています。

1曲目"Aeroplane"(5:29) アコースティック・ギターとキーボードの不協和音によるイントロから入るメロディアス・ロックで、MAYFIELD のサウンドを引き継いだ少しアグレッシヴで、ラウドな部分と相反する美しくセンシティヴな部分も持ち合わせた凝ったアレンジのCHARLTON・PETTUSとCURTとの共作です。
2曲目"Pale Shelter"(4:45) T.F.F. '83年のアルバム[The Hurting] の収録曲で、当時U.K.5位のスマッシュヒットを放ったROLAND・ORZABALの作品です。
3曲目"Where Do I Go"(4:29) CHARLTONの弾く歪ませたギターサウンドによるスローなバラードでCURTのヴォーカルを全面に出したシンプルなスタイルです。
4曲目"Snow Hill(Remix)"(4:33) '98年MAYFIELD名義でリリースされたアルバムでの収録曲で女性バック・ヴォーカルとパーカッションが追加されボサ・ノヴァに大変身して驚きです。
5曲目"Reach Out(Remix)"(3:56) 前曲と同じくMAYFIELDでの収録曲アコースティック・ギターと打ち込みの追加とブルース・ハープの追加でしょうか。
6曲目"Everybody Wants To Rule The World(Acoustic Live)"(3:57) ご存知T.F.F. '85年のU.S.1位の大ヒット曲で、CURTによるセルフ・カバーによるアコースティック・ヴァージョンです。アコースティック・ギターとアコーディオンの音色に乗せ熱く歌うCURTの美しいヴォーカルが響いています。発表から20年以上経っても良い曲は色褪せませんね!
新曲2曲のみ歌詞付 写真ライナー (輸入盤) 収録時間:27分22秒 (CURT自身のレーベルから発売されているようなので製作枚数の関係か慢性的な品薄状態の為、国内で入手は困難です。T.F.F.のファン「私も当然入っています」にとっては、喉から手が出る1枚でしょう)'10年5月21日再更新


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写真  CURT SMITH / Halfway,Pleased
 ・2007 XIII BIS RECORDS   70022640643

TEARS FOR FEARSの"静と動" の静・・・

T.F.F.のCURT・SMITHの3枚目のソロ・アルバム(MAYFIELD名義は含まず)で、'07年の3月27日にフランスよりリリースです。曲のマテリアルは、'00年〜'02年頃に出来上がっていたようですが、'04年にT.F.F.が復活して、このアルバムの制作が一時中断していました。フランスの個性派女優/歌手のSOPHIE・SAILLETとの追加トラックを収録しての嬉しいリリースです。
アルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CHARLTON・PETTUS:ギター、DOUG・PETTY:キーボード、ROLAND・ORZABAL:キーボード、FRED・ELTRINGHAM(THE WALLFLOWERS):ドラム、AMY・KEYS:バック・ヴォーカルです。ドラムのFRED・ELTRINGHAM以外はT.F.F.のツアーで御馴染みのメンバーが参加しています。

1曲目"Perfect Day"(4:21) CURTの優しい歌声によるスローな出だしの曲で、サビの部分のハーモニーなどは、ブリティッシュ・テイスト溢れるカラフルな響きの手法と音の紡ぎ方などは非常に緻密さを感じます。
2曲目"Seven Of Sundays"(4:01) SOPHIE・SAILLETと収録されているモノクロームのビデオ・クリップは、非常に印象的なスローなナンバーです。こちらの方は、CURTの英語での歌詞を収録しています。ロンドンで活躍するS.S.W.CHESNEY・HAWKESとギターのCHARLTONとの共作です。
3曲目"Halfway Pleased"(4:08) 非常に高いキーでのCURTの歌声とスローなピアノの調べによる曲です。ソフトに優しく歌うCURTと穏やか流れるメロディによるシンプルなサウンドです。
4曲目"Greatest Divide"(4:32) イントロのCHARLTONによる歪ませたギターのサウンドと美しいキーボードの音色で聴かせる曲です。CURTの優しく歌う歌声とエモーショナルなビートの刻みによる"クール" なナンバーです。
5曲目"Coming Out"(4:35) 打込みを使ったアシッド的なサウンドに乗せてファルセットで歌うCURTの美しい歌声による曲です。バックにペダル・スティールなどを使ったりシンセのサウンドを絡ませ神秘的な響きで収録されています。
6曲目"Aeroplane"(5:37) 前作 '00年にリリースされたEP盤での収録曲のヴァージョン違いです。基本的には前出の盤での収録に近いサウンドですが、バックのヴォーカルなどは少し控えめしてシンプルなタッチとしています。
7曲目"Two"(3:55) この曲もスローなリズムによる曲です。丁寧に優しく歌うCURTの歌声とキーボードのサウンドを重視したアレンジに後半からリズムを厚くして仕上げています。
8曲目"Addict"(7:49) 8分近くある幻想的な曲で、陶酔感を誘うメロディによるリフレインを多用したスローな曲です。短い歌詞をループのように使い静かなトランス/ヒーリング状態へと誘います。ビデオは、ハード・コア系のCHAD・CALEKが撮影しているのが非常に興味深いですね。
9曲目"Cover Us"(2:24) アコースティック・ギターでの曲の登場です。CURTとCHARLTONのギターを左右に振り分けて美しく響きながら流れる弾き語りです。
10曲目"Who You Are"(4:51) '04年のT.F.F.での[Everybody Loves A Happy Ending]に収録されている曲で、作詞/作曲はこのアルバムの大半を一緒に書いているギターのCHARLTONとの共作です。こちらでの収録は非常にラフにまた少し荒らしたサウンドの仕上げに打込みのビートを加えています。
11曲目"Where Do I Go"(4:56) '00年[Aeroplane]に収録されている曲の再収録です。今度はピアノの音色を主体にした収録にホルンなどのサンプルを使った収録です。
12曲目"Snow Hill (Live)"(4:43) 前出の '04年のT.F.F.復活ツアーでのライヴ収録のようです。DOUG・PETTYの美しくメロディアスなピアノの調べ印象的な曲です。バック・ヴォーカルでツアーでのメンバーAMY・KEYS(PHIL・COLLINS)が素晴らしい歌声を聴かせています。尚、この曲は[Mayfield]と[Aeroplane]での収録を含めて3度レコーディングされています。
13曲目"Seven Of Sundays(Duet With So)"(3:52) 3曲目の曲にSOPHIE・SAILLETのフランス語での歌詞を収録し彼女とのデュエットとしたヴァージョンです。CURTとSO(SOPHIE)と交互に歌われ、英語とフランス語とが見事に融合した美しい曲に鳥肌が立っている自分に気がつきます。
14曲目"On Ira Tous Au Paradis"(5:06) 同レーベルからリリースされているフランスのポップ・シンガーMICHEL・POLNAREFFのトリビュート・アルバムに用意された曲です。フランス語で歌うCURTの歌声とバック・ヴォーカルのSOPHIE・SAILLETとCHARLTON・PETTUSらとのコーラスも聴き応え十分です。'05年のT.F.F.でのフランス・ツアーでCURTは、フランス語が苦手と言っていましたが、猛勉強したのでしょうね。
12曲歌詞付 12ページ物写真ブックレット フランス製 (輸入盤) 収録時間:65分34秒 (1時間を越えるCURTの満を持したアルバムで、T.F.F.の静と動の静を表現し続けた彼の"地味な" 最高傑作です)'10年5月21日再更新
2007年度ベスト5


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写真  CURT SMITH / Deceptively Heavy
 ・2013 KOOK Media,LLC.   887158498343

CURT・SMITH 6年ぶりの新作・・・

このアルバムは、ロンドンで活躍しているTEARS FOR FEARST(以下T.F.F.)のCURT・SMITHの4枚目のソロ・アルバム(MAYFIELD名義は含まず)で、'13年7月16日に本国でリリースされたアルバムです。
このアルバムの収録に参加しているミュージシャンは、CURT・SMITH:ヴォーカル/各種楽器の他、CHARLTON・PETTUS:ドラム/各種楽器/バック・ヴォーカル、DOUG・PETTY:キーボード、AARON・STERLING:ドラム、ZOE・KEATING:チェロ/チェロ・アレンジ、CARINA・ROUND:ヴォーカル/バック・ヴォーカル、HOLLY・PALMER:ヴォーカル、CLAIRE・ACEY(NIGHTMARE AND THE CAT):バック・ヴォーカル、GEORGICA・PETTUS:バック・ヴォーカル、HARRY・PETTUS:バック・ヴォーカル、MICHAEL・WAINWRIGHT:バック・ヴォーカルなど個性派のミュージシャン達が参加しています。

1曲目"Beautiful Failure"(3:24) 厳かに鳴るベースとキーボードの調べが心地好く漂う出だしサウンドが感じ好い曲です。CURTの久しく聴く優しい歌声も相変わらずで聴くこちらの頬も緩みますね。
2曲目"Suffer The Silence"(3:58) 今度は、テンポを上げ乗りの良さを伝えて来る曲です。煌びやかなサウンドを発するDOUGのキーボードとサイケデリック感のあるギターのサウンドやスペースサウンドのエフェクトがアクセントとなっています。
3曲目"Hold It Together"(4:23) 今度は、サウンドをワイルドな方向に向けメイン・ヴォーカルをCARINA・ROUNDとシェアした曲です。CURTと同じくイングランド出身CARINA、前作でのフランスの個性派女優/歌手のSOPHIE・SAILLET とのデュエットなどCURTがコラボする女性ミュージシャン達に興味津々です。
4曲目"My Point Being"(4:48) 再び1曲目の雰囲気を醸し出すサウンドの柔らかいスローな曲です。曲の雰囲気は、MAYFIELDでの "Snow Hill" にサウンド・エフェクトを加えた感じかな。
5曲目"All Is Love"(4:05) チェロの調べとスローなドラム"ン" ベースのリズムとで奏でられる優雅さのある曲です。時折元気なサウンドを交えながら展開されるT.F.F.の復活アルバム[Everybody Loves A Happy Ending] の流れを汲む感じです。
6曲目"Porn Star"(4:22) ロス・アンゼルスを中心に活躍しているシンガーHOLLY・PALMERを迎えて収録されたリズミカルな曲です。めずらしくLo-HiにしたCURTの歌声に続いて登場するセクシーなHOLLYの歌声が堪りませんね。
7曲目"Well Enough"(4:31) ギター1本の弾き語りから始まるシンプルな曲の登場です。重く響くCURTのベースと海中に湧き上がる泡のようなサウンドのDOUGのキーボードからバグパイプ風の音色までする多面性を持ったおとぎ話のような質感です。
8曲目"Heaven's Sake"(4:53) 一転して無機質な電子サウンドとドラム・プログラミングによる曲が始まります。次第にサウンドに厚みを持たせアグレッシヴな流れと掻き鳴らされるギターのサウンドからダイナミックな展開を聴かせます。
9曲目"Wild"(4:49) ハング・ドラムかスティール・ドラムのトロピカルな打撃音がドラムのビートに絡みながら登場するパーカッシヴな曲です。重く響くベースのサウンドに切り裂くように響くギターのサウンドにドリーミーな展開を聴かせるやはりCURTのイギリス風格が粋です。
10曲目"Mannequin"(4:13) ウーリッツァー・ピアノの憂鬱感を漂わすサウンドが鳴り響くイントロから一転してファンキーなパートが飛び出して来る一筋縄でいかない曲です。T.F.F.時代やソロとなってからの曲と一線を画すダンス・ビートな流れです。
11曲目"Some Secrets"(4:18) 美しい響きを放つCHARLTON・PETTUSのアコースティック・ギターの調べに乗せて歌うCURTの繊細な歌声響く曲です。この穏やかなサウンドとCURTの歌声の流れでアルバムは、静かに幕を降ろします。
全11曲歌詞付 12ページ物ブックレット オンデマンドCD-R U.S.製 (輸入盤) 収録時間:47分44秒 ('08年頃にリリースされる予定だったこのアルバム、T.T.F.の復活やそのツアーやネットTVのパーソナリティーと忙しく活動していたCURT、また彼は忙しい中でも素晴らしいアルバムを作ってくれました)'14年12月21日更新


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